アンチョビ「助けてくれ西住! まほが口をきいてくれないんだ!」

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39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 01:02:09.16 ID:moDsQwa5o

アンチョビ「助けてくれ西住! 何か全然効果がないしむしろなんか気まずくなったんだが!!」 バーン

みほ「まあ、お姉ちゃん、ウルトラソウルも多分よく知らないでしょうから、そうなるかなって……」

アンチョビ「気付いてたなら教えてくれよお!」 ガビーン

優花里「うーむ、しかしチョココロネでも駄目、ウルトラソウルでも駄目となると……」

優花里「もしや万策尽きたのでは!?」

アンチョビ「え、尽きるの早くない?」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 01:04:24.14 ID:moDsQwa5o

華「お待たせしました」 ガラッ

アンチョビ「おお……」

アンチョビ「お邪魔してます」

みほ「ごめんね、部屋借りちゃって」

華「いえ」

華「頻繁に展示会で使うから所有してる建物ですけど、今はオフシーズンですし……」

華「お泊まり会や、こういう楽しいことに使って頂けるのであれば」 ウフフ

アンチョビ「いや、私にとっては楽しいことってわけじゃ……」

華「ええ」

華「ですので――」

華「打開策を、準備してたんです」 フフ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 01:18:12.32 ID:moDsQwa5o

まほ「……」

まほ(何のつもりか知らないが、危なかった……)

まほ(何度も再生する内に、あれがラストでノリよくハァイ!と叫ばせるためのものだと分かってはいたが……)

まほ(最後にもう一度ダメ押しでマイクを向けられていたらやばかっただろうな……)

まほ(だが私は勝ったッ)

まほ(マイク差し出すジェスチャーが空振りして安斎は逃走ッ)

まほ(しのいだぞ、この局面ッ)

ガチャッ

まほ「!」

まほ(帰ってきたか……)

まほ(だが、チョココロネの宣戦布告からのラジカセで決めるつもりだったはず)

まほ(他に何かあるとしても、大したことは――――)

アンチョビ「……」 ブラーンブラーン

まほ「ッ!」

まほ(ど、ドリルに朝顔巻きついてるーーーーーーー!?)
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 01:50:28.81 ID:moDsQwa5o

華「ウルトラソウルは、いわば剛の力」

華「北風と太陽でいう、北風――」

華「コートを脱がせるのは、剛柔併せ持つもの……」

優花里「なるほど、それでお花なんですね!」

みほ「華さんも、剛と柔を併せ持ってますしね」

優花里「しかし……よかれだけ綺麗に朝顔の蔦を巻けましたねえ」

優花里「さすが、お花の扱いに慣れてるだけります」

みほ「植木鉢ごとプラプラしてたし、ここから家までの移動すごい恥ずかしいだろうけどね」

みほ「何にせよ――」

みほ「この朝顔作戦で、勝負を決めてもらいましょう」

みほ「午後ゆっくりボココラボカフェに行くために!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 02:07:39.93 ID:moDsQwa5o

まほ(朝顔だよな!?)

まほ(どこからどう見ても朝顔だよなあ!?)

まほ(なんで片方1つずつぶら下げてるんだ!?)

アンチョビ「……」 ジョロロロロ

まほ(水をあげてるーーーーっ!?) ガビーン

まほ(なんだアレ!? なんなんだアレは!?)

まほ(き、聞きたいっ……)

まほ(でもあれだけ口をきかないとかいって揉めておいて、宣戦布告を受けておいて)

まほ(わぁ、それ朝顔?なにそれオシャレ?)

まほ(なんて聞けるわけないじゃないかっ!)

まほ(そんなアホみたいな言葉で和解の最初の一歩を踏み出せるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 02:20:06.00 ID:moDsQwa5o

アンチョビ「……」

まほ「……」

アンチョビ「……」

まほ「……」

カッチッ

カッチッ

アンチョビ「……」

まほ「……」

まほ(時計の音と、時折ぶら下がる植木鉢がぶつかる音だけが聞こえる……)

アンチョビ「……」

まほ「……」

アンチョビ「……」 ガタン

まほ「!」

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

まほ「……ッ!」

まほ(いかん、揺れ動く植木鉢のせいで、思わず笑い出しそうに……!)

まほ(クソッ、一応喧嘩中なのに、こちらからそんなふうに吹き出すわけには……!)

アンチョビ「……」 ジィー

まほ「〜〜〜〜〜っ」

アンチョビ「……」 ガチャッ

バタン

まほ「っし耐えたぁ……!」 グッ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 02:34:03.31 ID:moDsQwa5o

アンチョビ「助けてくれ西住! あの空間にちょっと耐えられそうにない!!」  バーン

華「やはり……なかなか手ごわいようですね……」

優花里「駄目だったなら朝顔外してきたらよかったんじゃあ……」

アンチョビ「ガッツリ蔦が絡まっていて取れないんだよお!」 カチャンカチャンカチャン

華「……本当にウィッグじゃなくて地毛なんですねえ」

みほ「待って下さい!」

アンチョビ「ふえ?」

みほ「さっきアンチョビさんが戻った時に、アンチョビさんの携帯電話を通話状態で置いてきてもらいました」

優花里「簡易盗聴ですね」

華「通話料金は大丈夫なんでしょうか……」

みほ「まあ、それはアンチョビさん持ちだからおいておくとして――」

みほ「とにかく携帯で向こうの音声を聞いていたんですが、どうやら効いてはいるようです」

アンチョビ「何!?」

みほ「頑張ってこらえてはいるみたいですけど、思わず触れてしまいそうになっていたようですね」

みほ「つまりこの方向で伸ばしていきましょう」

アンチョビ「え?」

みほ「つまり――こういうことです!」
46 :寝落ちしかけてた、寝落ちしたら申し訳ない [saga]:2017/06/03(土) 04:01:22.83 ID:moDsQwa5o

ガチャッ

まほ(……また性懲りもなく何かしているのか……?)

まほ(だ、だが、何かしてくるとわかっていれば怖くなど――)

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

まほ(朝顔は変わらずぶら下がっている……)

まほ(一見するとそんなに変わってないが……)

アンチョビ「……」 クルッ

まほ「ンフッ」

アンチョビ「……」 チラッ

まほ(い、いかん、思わず声が……) サッ

まほ(な、なんだあれっ……)

まほ(あ、安斎のドリルに、目が……可愛らしい目がっ……!)
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 04:34:22.08 ID:moDsQwa5o

みほ「お姉ちゃんは人とのコミュニケーションが積極的ではありません」

みほ「でも――チームをまとめ上げるものとして、最低限のことはしていました」

みほ「何か不穏なことがあれば探りを入れるし、引っかかるものがあればそこを調べずにはいられない」

みほ「だからコロネを使ったんですが――」

みほ「華さんのおかげでわかりました」

みほ「お姉ちゃんは、動きのあるものに弱い」

優花里「え……?」

みほ「どうやら朝顔の植木鉢がぶら下がって揺れる所が何故かツボに入っているようでした」

みほ「だから――」

みほ「さっきまでとは違って、アンチョビさんにも積極的に動いてもらえばいいんです」

みほ「ちょっとシュールな絵面で、思わず声を出させる――」

みほ「ばねくず作戦、開始です!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 04:38:08.61 ID:moDsQwa5o

アンチョビ「……」 イジイジ

まほ(自分のドリルで遊んでる……)

アンチョビ「……」 スッ

まほ(何か取り出したッ!)

まほ(あ、あれはボコ人形……!?)

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

まほ(髪の毛で人形と戯れ始めた……!?)

まほ(あの目、髪の毛を生物に見立てているのか……?)

アンチョビ「〜♪」

まほ「……」

まほ(か、可愛いっ……)

まほ(どうしよう、喧嘩中じゃなきゃ後ろから抱きしめたくなる可愛さじゃないか……!) ドキドキ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 04:43:20.53 ID:moDsQwa5o

まほ「……」

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

まほ(なんだ……?)

まほ(本を積み重ねて、階段を作っている……)

アンチョビ「……」 カチャン

まほ(そしてドリルを最上段において……)

アンチョビ「……」 ビヨーンビヨーンビヨーン

まほ(か、階段を頭のドリルが軽快に降りたぁ〜〜〜〜〜〜っ!)

まほ(あ、あれは見たことがある!!)

まほ(小学校のとき、同じクラスだった金ちゃんが持ってたバネの玩具の動きだ……!)

まほ(色はレインボーじゃないけど、でも確かにあの動きは……!)

まほ(い、いかん、ちょっと謎のツボに入って笑いそうに……!)
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 04:47:11.08 ID:moDsQwa5o

アンチョビ「……」 ビヨーンビヨーンビヨーン

ガッシィーーーン!

まほ(げ、ゲエーーーーーーーッ!)

まほ(本の階段の一番下によりかかっていたボコ人形が最下段まで降りてきたドリルに拘束されたァ!?)

まほ(普通に凄くて声を出しちゃいそうだし、目を切らなくちゃいけないはずなのに……)

まほ(ば、馬鹿なッ! 目が離せんッ!)

アンチョビ「……」 ギシギシギシ

グワッシャアアアア

まほ(ゲエーーーーーーーッ! ボコ人形がバラバラに!?)

まほ(どうなってんだそれ!?)

まほ(どういうことなんだそれ!?!?!?)
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 05:08:34.95 ID:moDsQwa5o

まほ(ぐ、ぐおお、だめだ……我慢しろ私……) プルプル

まほ(あれだけ不機嫌な顔して口をきかなかったんだぞ……)

まほ(今更バネの玩具っぽい髪型に目を輝かせて声かけるて大学生としてあまりにもアレだろっ……!)

アンチョビ「……」 スッ

まほ「!?」

まほ(な、なんだ!?)

まほ(今度は背中を丸めて手を差し出して……)

まほ(おんぶする、とでも言っているのか!?)

まほ(それとも別の何かか!?)

まほ(クソッ、まるでわからない!) グルグル

まほ(私はどうすれば――)

アンチョビ「……」

アンチョビ「……!」 ダッ

まほ(走った!?)

ガチャッ

バタン!

まほ(で、出ていった……?)

まほ「って、なんだったんだ一体!?」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 05:13:44.49 ID:moDsQwa5o

アンチョビ「……なあ、これ本当にきいてるのか?」 ガチャッ

優花里「おかえりなさい」

みほ「大丈夫、バッチリきいてますよ」

みほ「お姉ちゃんはボコに詳しいわけじゃないから、五体バラせるボコフィギュアがあることは知らないし……」

みほ「このバネクズ作戦は概ね成功でした」

優花里「いやー、それにしてもそのドリルヘアーデビルトムボーイは惚れ惚れするキレですなあ」

アンチョビ「まあ、アンツィオの宴じゃ鉄板の宴会芸だったからな……」

アンツィオ「しかし本当にこれ効果あったのか……?」

みほ「はい」

みほ「残念ながらお姉ちゃんはキン肉マンを読んでないのでロングホーントレインの誘いには乗ってきませんでしたけど……」

みほ「さっきから、溜まった鬱憤を晴らすように、一人叫び散らしてます」

優花里「音を上げるのもそう遠くなさそうですねっ!」

アンチョビ「……」

アンチョビ(なんだろう、なぜだか目的からどんどん遠ざかっているような気がする……)
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 05:19:57.70 ID:moDsQwa5o
順調に眠気がマシてきたので、予定を変更して一端中断します
もう終わりは見えてるので今日の投下で今度こそ終わらせたいと思います
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 07:32:14.01 ID:g8BUkjySO
声をあげてはいけない
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 13:00:31.00 ID:M97QkBS3o
ちょっとさおりん早くきてーーー!
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 17:40:34.91 ID:VinRvACto
まほの守りは堅い
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 19:59:32.05 ID:B40hE/DBO
ペパロニにでも相談した方がマシだったのでは
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 00:57:56.73 ID:bXFHOtibO
私怨
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:53:06.78 ID:GcVFjw/cO
助けてくれ西住! 作者が続きを投下してくれないんだ!
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 02:18:48.13 ID:/xFaeSNCo
完全にダウンしてました、申し訳ない
投下します
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 02:21:40.81 ID:/xFaeSNCo

ガチャ

まほ「ッ!」

まほ(また帰ってきた……)

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

まほ(変わらず朝顔の植木鉢にドリルに目……)

まほ(おかしい、他に変わったところがどこにも――)

とぉるるるるるるん

とぉるるるるるるん

まほ「!?」

まほ(電話だと!?)

アンチョビ「……」 チラッ

まほ(電話が鳴っている……)

まほ(……私の前で声を出せるのか?)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 02:29:44.28 ID:/xFaeSNCo

アンチョビ「……」

とぉるるるるるるん

とぉるるるるるるん

アンチョビ「……」 チラッ

まほ「……」

まほ(あの安斎がくだらない意地の張り合いで、大事かもしれない電話を取らないなんてことは――)

アンチョビ「……」 クルッ

まほ(背を向けた――)

まほ(なるほどあくまで私に声をかけているのでなく、電話の相手と話しているだけという体を取るつもりか)

ピッ

アンチョビ「はいもしもし」

まほ(んなッ――――!?)
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 02:33:45.95 ID:/xFaeSNCo

優花里「どうです西住殿!」

みほ「バッチリです!」

華「さすがに息ぴったりですね」

優花里「それにしても、まさか部屋に隠して盗聴器代わりにしているアンチョビ殿のケータイの代わりに私のケータイを使うとは」

みほ「あくまでコール音がすれば何でもよかったから……」

みほ「あとはアンチョビさんが電話に出たような素振りを取った時点で電話を切った準備は完了」

みほ「アンチョビさんが適当に相槌を打ったあとで部屋を出れば――」

アンチョビ「ただいまー」 ガチャ

みほ「ああ、おかえりなさい」

受話器の向こうから聞こえるまほの声『電話じゃなくて蛙じゃないか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』 ダンッ

優花里「こっちも丁度、耐えきれず一人の部屋でツッコミを入れてるところみたいですよ」

みほ「題して、ドッピオ作戦です!」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 02:51:12.09 ID:/xFaeSNCo

優花里「このままジャンジャン振れさせてやりますよー!」

優花里「任せてください!」

みほ「どうやらお姉ちゃんには効いているようです」

みほ「弱った今が好機」

みほ「絶対に仕留めましょう!」

優花里「はい!」

華「はい!」

アンチョビ「お、おう……」

アンチョビ(なんだろうこのノリ……)

アンチョビ(アンツィオで培ったノリと勢いが通用しない独特の空気だ……)
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 03:19:58.11 ID:/xFaeSNCo

ガチャ

まほ「ッ!」

まほ(まだ畳み掛けてくるのかっ)

まほ(そろそろ体がしんどいというのに、このしつこさ――)

まほ(効いていないと思わせているのに、見透かされているというのか!?)

アンチョビ「……」 スッ

まほ「……」

まほ(またしても格好は更新されていない……)

まほ(しかし何かがあるッ)

まほ(何もないわけがないッ)

とぉるるるるるるん

とぉるるるるるるん

まほ(!?)

まほ(また電話だと――!?)
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 03:25:54.44 ID:/xFaeSNCo

アンチョビ「はいもしもし」

アンチョビ「おお、ペパロニか、どうした?」

まほ(今度はちゃんとケータイを取り出した……)

まほ(……いや、よく見るといつものケータイと機種は違うようだが……)

まほ(そんな細かいところに触れると思っているのか?)

まほ(喧嘩中だというのに?)

アンチョビ「おお。ああ、うん、覚えてるよ。和泉だろ?」

アンチョビ「なんだかんだで、あのあとも結構会ってるからな」

まほ(だとしたら、とんだ思い違いだ)

まほ(あまりにも楽観視が過ぎるというものだということを、教えてやろう!)

アンチョビ「そうだな。私からも言っておく」

アンチョビ「和泉なら快く引き受けてくれるだろうし、きっとお前達も和泉から学べることがたくさんあるはずだ」

アンチョビ「何せ相手は、現役黒森峰隊長様なんだからなっ!」

まほ「――――――――ッ!」

まほ(そ、そうきたかッ! 知らない友人の話かと思ったら、これ、これ――!)
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 03:49:20.26 ID:/xFaeSNCo

受話器の向こうから聞こえるまほの声『“和泉”じゃなくて“逸見”だよソイツは!!!!!!!!』 ダンッ

みほ「思いっきりきいてるみたいですね」

優花里「やりましたねえ、西住殿!」

みほ「アンチョビさん、ここで勝負を決めます」

アンチョビ「勝負?」

みほ「一応、何か有益なアドバイスが貰えないものかと、ペパロニさんとカルパッチョさんにも意見を募っていたのですが……」

アンチョビ「いつの間に……」

アンチョビ「っていうか、連絡先知ってたのか」

優花里「チラシに番号乗ってたので」

みほ「それ単体だと、これまで通り、一人で叫ばれて終わりでしょうから――」

みほ「ここで、トドメをさすために、あることをしてもらいます」

アンチョビ「あること?」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 04:00:20.93 ID:/xFaeSNCo

みほ「お姉ちゃんは、何かどうしても抑えきれないものがあると、トイレに篭もるんです」

華「おトイレ……ですか……?」

みほ「はい」

みほ「さっきから最後に叫んでる声が少し遠く聞こえていたのも、トイレで叫んでいたからでしょう」

みほ「便器をロバみみホールにしている、と思ってもらえれば結構です」

アンチョビ「しかし何でそんな変な癖を……」

みほ「……西住流後継者として、弱音を吐くことは許されませんでしたから……」

みほ「弱音や聴かれちゃ不味いことは、全部おトイレに篭ってするようになって……」

みほ「それと1年生のとき当時の3年生に贔屓隊長などと言われてたせいで、1年間もトイレでご飯を食べてたらしいですし、きっとトイレに思い入れがあるんだと思います」

アンチョビ「少し泣く」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 04:01:32.50 ID:/xFaeSNCo
終わらせたかったんですがあまりに眠いので寝ます、申し訳ない
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 06:32:58.96 ID:O3cdcphFo
待ってるぞ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 07:02:52.37 ID:Yet5he7Zo
佐久間アンチョビ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 16:27:18.36 ID:z+h3I/pBO
>>71
略してマンチョ総帥になるわけか……なんか卑猥だな……
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 18:07:58.90 ID:FCDvMWQzo
特撮AV
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 05:09:20.31 ID:LvnM+8Aoo
気付いたらスレ立てから1週間立ってたので、少しでも進めてから寝ます
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 05:13:16.17 ID:LvnM+8Aoo

みほ「そんなわけで、お姉ちゃん、さっきからトイレで便器に向かってツッコミをシャウトして気持ちを落ち着かせてるみたいですので……」

みほ「その習性を利用します」

みほ「お姉ちゃんはその習性がアンチョビさんにバレているとは思ってないはずですから」

優花里「そして畳み掛けるように、アンツィオの方々に聞いたアドバイスを取り入れることで」

優花里「あの西住まほ殿に白旗をあげさせるんですねっ!」

みほ「はい」

みほ「どんどん漏れて聞こえてくる声は大きくなってますし、そろそろ心も限界だと思います」

みほ「勝利はすぐそこです」

みほ「ここからの移動など、辛いことも多いでしょうけど――ここが正念場です」

みほ「絶対に勝ちましょう」

アンチョビ「お、おう……!」

アンチョビ「……」

アンチョビ(どんどん何やってんだろう私ってなってきたけど……付き合わせちゃってるもんな……)
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 05:30:59.82 ID:LvnM+8Aoo

まほ(くそ……)

まほ(もういっそ家を出てしばらく図書館にでも行くか……?)

まほ(いやだがそれだとまるで負けたみたいだもんな……)

まほ(西住流に無様な逃走などあってはならない……)

ガチャ

まほ「!」

まほ(来たかッ)

まほ「……」

まほ「……」

まほ「……」

シーン

まほ「……?」

まほ(なんだ……?)
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 05:35:48.63 ID:LvnM+8Aoo

ニュウッ

アンチョビ「……」

まほ「――――――ッ!?!?」

まほ(び、びっくりした……)

まほ(い、いきなり顔を出してきたうえに、ピザで顔を隠してるとは……)

まほ(相変わらずピザからはみ出した髪の毛には朝顔が巻き付いてるし、ちょっとどころじゃなく怖かったぞっ)

まほ(……今回は本当に危なかった)

まほ(危うく悲鳴という形で口をきいてしまうところだったが――なんとかこらえたッ)

まほ(イメージを崩さぬよう鉄面皮の練習をしてきた甲斐があったぞッ)

まほ(……まあ、ちょっと漏らしちゃったけど……)

まほ(だがこれで勝ちだッ)

まほ(さすがにこれ以上の切り札はあるまいッ)
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 05:51:17.38 ID:LvnM+8Aoo

みほ「反則気味ですが――」

みほ「驚かせることによって、声を出させる方法を取ろうと思います」

みほ「時間差で突然顔を出すんです」

華「なるほど……」

華「そこにペパロニさんのアドバイスであるピザを……」

優花里「仲直りにはピザっすよー美味いピザがあれば万事解決じゃないっすかー、って言ってましたもんね!」

みほ「なので顔面にピザをセットし突然あらわれることで、驚きの声を上げさせ、動揺のままに喋らせる――」

みほ「名付けて、ドッキリ作戦です」

優花里「これなら間違いないですね!」

みほ「はい」

みほ「ですが……お姉ちゃんも頑固さやポーカーフェイスという点ではそれなりに高いレベルを誇っています」

みほ「失敗した時のための二の矢が必要です」

みほ「そしてそれは、すでに伝えておきました」

みほ「もしお姉ちゃんが驚かされても声を上げず、それで勝利を確信していたとしたら――」

みほ「この勝負は、こちらの勝ちです」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 05:57:10.85 ID:LvnM+8Aoo

アンチョビ「……」 スッ

まほ「――――ー!?」

まほ(な、なななななァ!?)

まほ(顔だけ出していた体勢から、全体が見えるよう部屋に入ってきたが……)

まほ(な、なんてことだ……!)

まほ(ツッコミどころがあるおかしな格好をしている可能性は想定していたのに……)

アンチョビ「……」 ポヨン

まほ(み、水着だなんてぇぇぇぇぇ……っ!)

まほ(ま、まずい、つ、つい見てしまうぞこれは……)

まほ(しかもなんだその結構きわどい感じのビキニは!)

まほ(お姉ちゃん許しませんよ!!!)

まほ(……)

まほ(そ、それにしても……)

まほ(お、思ったよりもでかいな……) チラッチラッ

アンチョビ「……」 カチャンカチャン

アンチョビ(うう……視線をすごい感じる……恥ずかしい……)

アンチョビ(でも西住達に加えて、ペパロニ達もアドバイスしてくれた結果だもんな……)

アンチョビ(最後まで、やり遂げるッ)

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 06:07:34.15 ID:LvnM+8Aoo

アンチョビ「……」 クルッ

まほ(む、後ろを向いたから胸が見えなくなってしまった……)

まほ(いや、だが、引き締まったヒップが――)

まほ「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!?!?」

まほ(び、ビキニが食い込んでティーバックみたいになっているッ……)

まほ(がッ! しかしッ!)

まほ(そこじゃあないッ! ヤバイのはッ!)

まほ(ビキニの布地だけでなく、何故かパンまでヒップに挟まっているッ!)

まほ(少し安斎が呼吸するだけで、尻尾みたいに動いてるじゃあないかッ!)

まほ「……ッ!」

まほ(なんということだ……)

まほ(これがギャグとエロの融合だと言うのかッ……)

まほ(ついつい触れたくなってしまうじゃあないか、畜生ッ)
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 06:11:29.46 ID:LvnM+8Aoo

アンチョビ「……」 ズポッ

まほ「!?」

まほ(右手の指を鼻の穴に挿した……!?)

アンチョビ「……」 シュッシュ

まほ(そして左手でボクシングを……!?)

アンチョビ「……」 カチャンカチャンカチャン

まほ(その動きで朝顔の鉢植えがカチャカチャうるさいし、安斎の胸もバインバインとうるさいッ)

まほ(まずいぞ、これは触れたくなるッ! 二重の意味でッ!)
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 06:17:43.27 ID:LvnM+8Aoo

みほ「喧嘩した時は色仕掛――」

みほ「カルパッチョさんのアドバイスをメインとした二の矢がはじまったようです」

優花里「音を聞く限り、もうボクシングは始めてるのに、まだ相手は喋らないみたいですねえ」

みほ「エッチな水着で集中力を乱すことでポロッと失策してほしかったんですけど……仕方ありません」

みほ「他のアンツィオの方から来た『困ったら一緒に運動しときゃいいんすよ』というアドバイスも取り入れたこのハイブリッド型の作戦」

みほ「声を出せないので命を大事に出来ませんが……どうせ言葉に出してもお姉ちゃんには伝わらなかったでしょうから……」

優花里「あ、でもこのグルグル作戦でも、なんとかギリギリ持ちこたえてそうです!」

優花里「ど、どうしましょう!?」

みほ「……」

みほ「撤退を指示しましょう」

華「えっ……?」

みほ「ただ逃げるのではありません」

みほ「逃げたと見せかけて罠にハメます」

みほ「これでトドメをさします!」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 06:18:22.36 ID:LvnM+8Aoo
眠いので中断します
おそらくあと1回か2回の更新で終わりますのでもう少しだけおつきあい頂けたらと思います
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 07:53:15.00 ID:5rZP5ZvSO
なんだこの七変化
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 08:13:18.80 ID:Tria4Y1mO
いつの間にか大掛かりになってて笑う
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 18:51:58.64 ID:9R7NBkxuO
相談相手を完全に間違えたな……
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 22:10:03.11 ID:++nMfaoN0
コミュ障姉妹とぼっち山殿に隠れて目立たないけど、これ華さんもだいぶポンコツだよなぁ……
雰囲気のせいで友達少なかったみたいな描写あった気がするしそのせいなのか
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 00:53:32.96 ID:guk6a/byO
あんこうチーム、もしやさおりんがいなかったらコミュニケーション能力ワーストなんじゃ……
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 01:22:22.72 ID:kc1AW00uo
めっちゃ眠たいうえに明日早いので、多分今日完結まで行きませんが、少しでも進めておきます
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 01:25:43.79 ID:kc1AW00uo

アンチョビ「……」 スゥーーー

まほ「……ッ」

まほ(クソッ、何でムーンウォークなんだ!)

まほ(しかも結構クオリティ高いし……!)

まほ(宴会か!? 宴会芸なのか!?)

まほ(アンツィオで無駄に鍛えたのかあ!?)

アンチョビ「……」 ガチャ

バタン

まほ「……ぶはっ」

まほ(くそっ、無駄に努力の結晶を見せてくるなんて……)

まほ(ピザの顔面は怖いし、胸は揺れてるし、朝顔の植木鉢もぶらぶらしてるしで、くそっ! くそっ!)

まほ(溜め込んだものを全部便器に吐き出そう……また帰ってくる前に、心ゆくまで吐き出してしまおう……)
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 02:01:39.43 ID:kc1AW00uo

みほ「――狙い通りですね」

みほ「お姉ちゃんはやはりトイレに向かった……」

みほ「根は真面目ですし、追い込まれたら基本に立ち返る癖もあります」

みほ「ここまでは想定通り」

みほ「でも――」

みほ「お姉ちゃんにとっては、ここからは想定外」

受話器越しに聞こえる声『な――――!?』

受話器越しに聞こえる音『ガチャガチャ』

みほ「トイレは封鎖しました」

みほ「これでもう発散することは出来ません」

優花里「行き場を失い溜め込まれたエネルギーを、あとは突付いて暴発させるだけですねっ」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 02:06:04.21 ID:kc1AW00uo

まほ(ぐっ……)

まほ(なんだ……中に安斎がいるのか……!?)

まほ(いやそれはない)

まほ(トイレで鉢合わせたりしないよう、安斎が出ていくのでなくトイレに立っただけという可能性は常に想定していたッ……)

まほ(そして今回、ちゃんと玄関の扉の開閉音を聞いているッ)

まほ(限界が近くて早々に廊下に顔を出してトイレに向かったが、安斎の姿はなかった)

まほ(さすがにあの短い時間でトイレまで移動するのは不可能ッ)

まほ(そうなると――)

まほ「…………ッ!」 ハッ

まほ(そうか、さっき帰ってきたときッ……!)

まほ(顔を出すのに時間がかかっていると思ったが、アレはタメとかフリじゃあなかったんだ!)

まほ(1円玉かなにかを使って、外から鍵をかけたんだッ)

まほ(クソッ、道具さえあれば簡単に開閉できる扉であることがマイナスに作用したッ)

まほ「……」

まほ(いや……だが待て……)

まほ(本当に、そうか……?)

まほ(安斎にしては、先程から策が姑息だ)

まほ(……まさか……)

まほ(ブレインとして、誰かが指揮を取っている……?)
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 02:25:04.50 ID:kc1AW00uo

まほ(アンツィオの連中が噛んでいるのか?)

まほ「……」

まほ(いや……)

まほ(あのフザケたノリはそれっぽいが……)

まほ(アンツィオの生徒には出せない“いやらしさ”を全体から感じる……)

まほ(安斎が頼りそうで、なおかつ狡猾に罠をはり、馬鹿な見た目でそれを隠す知能があるとすれば――)

まほ(みほか、ダージリン……)

まほ(……だとすると、クソッ、だめだ、ドアを無理やり開けることは出来ないッ)

まほ(あの2人なら、安斎をトイレに隠れさせたあと、自分達が玄関のドアを開閉して居場所をごまかすくらいしてくるッ)

まほ(今の限界状態でトイレで安斎と鉢合わせするのは不味いッ)

まほ(黙ってスルーする自信がないぞッ)

まほ(くそっ……)

まほ(どうする……!?)
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 02:40:19.97 ID:kc1AW00uo

ガチャ

みほ「おかえりなさい」

アンチョビ「あ、ああ……」

優花里「どうやら、向こうは深読みして足踏みをしているようですよ!」

優花里「畳み掛けるなら今ですよ!」

アンチョビ「あ、ああ……そうだな……」

アンチョビ(協力してくれてるんだし、あんまり無碍には出来ないけど……)

アンチョビ(なんだろう、我に返ってきた……)

みほ「それでは、お姉ちゃんにとどめの一撃をどう入れるかの最終会議を――――」

ガチャッ

アンチョビ「?」

???「やだもー、もしかして結構もう話盛り上がってる?」

???「ごめんね遅くなって」

アンチョビ「お、お前は……」

???「麻子が全然起きなくって……」

アンチョビ「武部沙織!」

沙織「お久しぶりでーす」 ヒラヒラ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 02:40:48.06 ID:kc1AW00uo
眠気が限界なので寝ます、申し訳ない
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 02:54:07.53 ID:VlZKXqbI0
きた!ゼクシィきた!これでかつる!
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 10:20:27.98 ID:PiQxSRYD0
まともなゼクシィが来てくれたぞ!
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 20:05:51.39 ID:SKm0bb1yO
でもゼクシィはまともだしコミュ力もあるのに恋人いなさそうだからなあ……
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 21:29:53.68 ID:EoSe1wfC0
ここから急にまともなことやり出してもそれそれで何か疑われそうである、既に手遅れ
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/14(水) 02:52:22.84 ID:BROU4oS3o
眠いですが放置状態に入りかねないのでちょっとだけ投下してサクッと終わりに向かいたいと思います
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/14(水) 02:58:50.21 ID:BROU4oS3o

沙織「聞きましたよー」

沙織「みぽりんのお姉さんとお付き合いしているんだとか……」

アンチョビ「ん゙な゙っ!?」

アンチョビ「べっ、別にそーいうわけじゃなくてだな///!」

アンチョビ「た、たしかに一緒に住んではいるけど、断じてそういう、こう、アレなソレでは……っ///」 アタフタ

華(あれは付き合ってますよね……)

優花里(完ッ全に付き合ってる??ですね)

みほ(少なくともお姉ちゃんは絶対性的に見てる)

沙織(かわいいなーもー)

アンチョビ「と、とにかくっ///!」 コホン

アンチョビ「同棲しているまほとちょっとした喧嘩をだな……」

麻子「……“同居”じゃなくて“同棲”なんだな」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/14(水) 09:59:16.15 ID:BROU4oS3o

アンチョビ「あーもう、いいだろそこはどっちでも///!」

沙織「私としては結構そこ大事だけどなー」

沙織「付き合ったあとなのかどうかで戦法も変わってくるし」

麻子「まあお前は誰とも付き合ったことがないからな」

華「付き合っていたら戦力外ということでしょうか……」

沙織「もー!」

沙織「今はたまたま相手に恵まれないだけ!」

沙織「女子校だから出会いがないだけで、私だって大学生になれば彼氏の一人や二人くらい……」

麻子「無理するのはやめておけ、どうせ無理だし傷つくだけだ」

華「それに出会いなら女子校でもありますよ」

沙織「とにかく! ここはこの恋愛マスターの私がびしっと解決するから!」

麻子「無理だな」

華「ペーパードライバーのゴールド免許みたいな“マスター”ですね……」

沙織「無事に解決したら、その、大学生を紹介するか、合コンを開いてもらえたらなーって」

麻子「戯言だ、無視していいぞ」

華「報酬を要求するのはよくありませんよ、ええよくないです」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/14(水) 09:59:41.67 ID:BROU4oS3o
まさかの即寝落ち申し訳ありませんでした
仕事なんで一端中断
夜またやります・・・
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 10:20:53.60 ID:BLIdx5aoo
一旦おつ
無理はしないで
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 10:42:21.79 ID:v0IJbAWsO
華さんのド直球に草
はなさおで付き合えば解決なんだよなぁ
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 12:14:28.94 ID:MS/LprdSO
打ち頃の球を見逃す
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 12:53:21.13 ID:2yWcGJ4vO
どうしてあんこうチームは何の実績もないのに
根拠ない自信だけあるんだ…
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 14:05:34.64 ID:SR955At/O
そうやって無茶を可能にしてきたのがあんこうチームだから……(震え声)
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 21:22:03.51 ID:LvtC27vMO
まほチョビを想像して見に来たのに中身盛大なギャグって言う

いや頑張れアンチョビ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 21:40:08.95 ID:yUC49D96o
「ア」ンチョビ、ま「ほ」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 23:06:40.02 ID:hcSbQMY70
まこさおか、はなさおか
これが問題だ
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 23:24:41.18 ID:QB2Z0esBO
落ち着け、これはまほチョビSSだ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 23:45:44.97 ID:9QrlWulkO
さおりんハーレムでもいいぞ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 00:20:13.75 ID:uPtpvG1b0
>>110
天才だなお前
>>111
まこさお&はなゆかで
みぽりん?会長がいるじゃない
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 05:05:00.54 ID:5AMviB3xo
ばたばたしてて投下出来ずに申し訳ない
終わりは見えてるので気長にお付き合いいただければと覆います・・・
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 20:00:18.15 ID:uPtpvG1b0
おk
気長に待ってる
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 00:48:05.26 ID:ho82WW9Bo
今日も早寝予定ですが少しだけ進めます
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 01:02:51.99 ID:ho82WW9Bo

華「それに、女心が理解出来ているとはとても……」

沙織「もー、そりゃ私はオトコノコの方が好きだけど……」

沙織「でもでも、誰より恋愛については興味津々で調べてるんだからねっ」

麻子「少女漫画を読み漁るのは調べているとは言わんぞ」

華「ドSツンデレ王子様系モテ男子に惚れられるタイプの恋愛映画を毎週レンタルするのも勉強とは……」

沙織「ううっ」

優花里「フィクションと現実は違いますからねえ」

優花里「私も戦車道の試合を見ているだけだった頃と、実戦経験を積んだあととじゃ、全然見える世界が違いましたし」

沙織「うぐうっ!」

アンチョビ「……」

アンチョビ(そうなんだよなあ、私の知識も所詮は小説仕込みなんだよなあ……)

アンチョビ(だから速攻頼ったんだけど……)

アンチョビ(……)

アンチョビ(色々不安になってきてるし、違う角度の意見を出してほしい……)
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 01:12:33.45 ID:ho82WW9Bo

みほ「まあまあ……」

みほ「とりあえず、意見だけでも聞いてみていいんじゃないでしょうか」

みほ「何だかんだで、社交性の高い沙織さんの意見は貴重ですし……」

麻子「……まあ、西住さんがそう言うなら」

沙織「えーっとね、こういうのは奇を衒うより基本に忠実な方がいいんだよ!」 フフン

アンチョビ(いきなり真逆の行動方針だ……)

沙織「基本戦法その1!」

沙織「男は胃で掴む!」

麻子「男じゃないし、本当に口に出すのも躊躇われるレベルの有名所出してきたな……」

沙織「いいじゃん!」

沙織「有名ってことは、それなりに効果があるってことなんだよ!」

沙織「美味しい料理は心を掴むだけじゃなく、食事の場は空気が和らぐし、笑顔も生まれる」

沙織「ましてやアンチョビさんの料理なんだから、団欒出来ないわけがないもん」

沙織「一緒に食卓を囲んで、最初はぎこちなくても、ちゃんと面と向かって話していれば、食べ終わる頃には仲直りできてるよ!」

アンチョビ「な、なるほど……」

優花里「でも、もうそれやりましたよね」

沙織「え?」

アンチョビ「え?」

優花里「さっきアンツィオの人に食事戦法を聞いて、作戦に盛り込んだんです」

沙織「そっか、そうだったんだ……」

アンチョビ「え、ええ?」

アンチョビ(ピザのマスクで顔面隠してただけで、胃袋は掴んでなくないか……?) ← 助けてもらってる手前、気を使って口に出せない

みほ「でもおかげで、私達の作戦が間違ってないことの後押しにもなりました」

みほ「やはり上手く作戦は効いていて、お姉ちゃんを追い詰めることが出来ているはずですっ」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 01:22:50.55 ID:ho82WW9Bo

沙織「じゃあ、えーっと、えーっと」

沙織「お色気作戦とか……?」

沙織(恥ずかしいけど、あんこうの皆はこういうの提案できないだろうし……)

沙織「あんまり良くないことかもしれないけど、やっぱり、こう、そういうのでちょっと許しちゃおうかなーってなることもあるんだって」

沙織「勿論それだけで解決するのはどうかと思うけど……」

沙織「グッと距離が近くなるし、壁を壊してからなら素直な気持ちが言いやすいはずっ」

アンチョビ「なるほど確かに……」

沙織「そ、それに、ほら、ベッドの中で枕を並べるのが一番素直な気持ちを言える、的な///?」 キャッ

アンチョビ「ばっ、おま、そーいうのはちょっと早っ……///」 アワアワ

優花里「それももうやりましたよね」

沙織「え?」

アンチョビ「え?」

優花里「もうとっくにセクシー水着であれこれしたあとなんですよ」

沙織「そうだったんだ……」

アンチョビ「ま、まあ、確かにきわどい水着を着たりはしたが……」

アンチョビ(移動が恥ずかしすぎるからさすがにさっき家出た瞬間服着てピザも外したけど)

みほ「でもこれで、やはり方針は間違ってなかったことが証明されました」

みほ「あとはもう一押をするだけです」

アンチョビ「……」

アンチョビ(西住達のやり方がおかしいとまでは言わないけど、少なくとも今言われてる意見のやり方とは全然違う使い方をしていたような……)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 01:41:30.94 ID:ho82WW9Bo

麻子「全然役に立ってないな」

沙織「も、もう! しょうがないじゃん!」

沙織「途中からだったし、何したか知らないんだもん!」

沙織「じゃあ、これは?」

沙織「仲直りの定番・プレゼント攻撃!」

優花里「当然それはもうやってますね」

アンチョビ「コロネだけどな……」

沙織「あ、おしゃれなお菓子とかあげたのかな」

アンチョビ「……」

沙織「でもプレゼントの定番はそれだけじゃないよ!」

沙織「アクセとかはちょっと即物的すぎるし、みぽりんのお姉さんっぽくないから――」

沙織「ここはロマンティックに花束をプレゼントなんてどうかな!」

沙織「いくらお花ってキャラじゃなくても、お花を突然見せられたら、ちょっとドキッとしちゃうはずだよ!」

優花里「生憎、それも……」

沙織「え?」

アンチョビ「え?」

みほ「最初に大きな成果をあげるのに貢献しましたよね」

優花里「まあ、さすがは恋愛テクニック集愛読書」

優花里「我々がチームを組んで時間をかけて編み出した作に一人で即座に辿りつくなんて驚きですよ!」

沙織「そ、そう?」 テレテレ

アンチョビ「な、なあ、もうちょっと深く聞いてみて一個くらい試した方がいいんじゃあ……」

アンチョビ(どう考えても花のプレゼントと朝顔髪の毛にくくりつけるのとじゃ違うよな……?)
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 01:52:18.08 ID:1z1oRp0BO
【朗報】ゼクシィ、良心
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 02:11:28.50 ID:ho82WW9Bo

沙織「うーん、コレもダメかあ……」

沙織「私と華の共同作戦!って感じでいけるかと思ったんだけどなあ」

華「!」

華「安斎さんの言葉もありますし、一つくらい天丼してもいいのではないでしょうか」

麻子「お前……」

華「それで、具体的にはどんな共同作業なんでしょうか」

沙織「ほら、華って、花言葉にも詳しいじゃん」

沙織「告白に最適なお花をチョイスして、それを渡すのがいいかなーって」

華「……」

沙織「……って、何よーその顔はー」

華「いえ……」

華「ただその作戦、相手が花言葉を熟知していることが最低条件だと思って」

沙織「それなら大丈夫だよ!」

沙織「お花貰ったら、普通は気になって花言葉くらい調べるって!」

華「……」

華「ちなみに……私が以前差し上げた花束の花言葉を調べたりは……」

沙織「勿論したよ!」

沙織「ベゴニアの花言葉は、『幸福な日々』とか『親切』なんだよね」

華「……」

沙織「なんか照れくさいけど、嬉しかったなあ」 エヘヘ

華「他にも、『片想い』とか、『愛の告白』という意味もあるんですよ」

沙織「あ、そうなんだ」

沙織「……じゃあダメかなあ、みぽりんのお姉さん、花言葉詳しいようには見えないし」

沙織「複数の意味がある花言葉から伝えたい気持ちのものをちゃんと選んでくれるかどうか分からないもんね」

華「……そうですね」

沙織「私だったらちゃんと選ぶ自信があるのになあ〜」

沙織「どうして世の男子は私に花束を贈ってこないんだろう」 ハア

みほ「いつかはいい人が現れますよ」

華「……」

麻子「…・・あいつは多分真っ赤な薔薇でも見誤るな」 ポン
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 04:34:55.31 ID:ho82WW9Bo

アンチョビ「じゃあやっぱり難しいか……」

沙織「一応、昔華には本当に好きなオトコノコが出来た時には黒い薔薇がいいよーとは言われたけど……」

沙織「調べてみたら『永遠の愛』って言葉の他に『貴女はあくまで私のもの』みたいな捉え方によってはアレな意味もあったし……」 ウーン

麻子「……」

麻子(『彼に永遠の死を』、だろうな……)

みほ「まあ、あともうひと押しですし……」

みほ「薔薇ならばピラニアンローズとかどうでしょうか」

優花里「いっそ紫の薔薇にして、メッセージカードでやりとりとかどうです!?」

みほ「なるほど……それなら確かに直接口を聞かずに色々いえますね」

麻子「紫の薔薇の人じゃなく、紫の馬鹿の人って感じだな」

沙織「もう、そこまで言うなら麻子も何か意見出しなよー」

麻子「……」

麻子「やれやれ」

麻子「私なんかより、お前が意見を言えばいいだろう」

沙織「私は結構挙げたじゃん」

麻子「……あれはお前が本で読んで得た知識を披露しただけだろ」

麻子「今必要とされているのは、お前自身の考え方であり、お前だけが言えるようなアドバイスじゃないのか」

沙織「麻子……」

アンチョビ「まあ、確かに、薔薇のプレゼントとか、小説で見てある程度知ってたはずの戦略ではあるもんな……」

麻子「……みんなを信頼しているから、既に作戦実行済みって所を深くツッコまないんだろ」

麻子「西住さんがおかしな作戦を立てるわけがないって信頼をしているから」

※麻子は気付いていないようだが、西住みほは対人コミュニケーションにおいては無能軍師である

麻子「秋山さんがその持ち前の明るさとフットワークで色々試行錯誤してると信じているから」

※麻子は気付いていないようだが、秋山優花里も対人コミュニケーションにおいては無能兵士である

麻子「それと……」

華「……」 ドキドキ

麻子「……」

麻子「まあ、色々信用してるから、無駄に自分の意見をゴリ押ししようとしなかったんだ」

華(私への言及は……?)

麻子「……同じように、皆、お前のコミュニケーション能力を信じているんじゃないのか」

麻子「別に雑誌に載ってるような一般論が聞きたいわけじゃないだろ」

麻子「まとまりのない私達を纏めてくれた沙織自身の言葉を聞きたいんだ」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 04:35:20.42 ID:ho82WW9Bo
寝かけてました申し訳ない。中断します。今夜は透過できるか怪しいです。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/17(土) 00:10:43.13 ID:65DSLC750
おつ
頑張ってるけど頑張りすぎない感じでガンバやで

……麻子の反応、さては華さん過去に対人関係で何かやらかしたか
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/17(土) 19:29:24.96 ID:Ng2GtHrL0
同じ人を好きになるって百合なんだよな……

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/17(土) 21:53:03.33 ID:CK2JI+5VO
さおりんはモテる(ただし女限定なうえに本人はノンケ)
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/18(日) 13:10:04.51 ID:5pYzqjeIO
この西住殿や秋山以下の信頼度なのか……
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 02:07:47.39 ID:zADhV+22o
眠いですが少しだけでもやります
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 02:14:41.19 ID:zADhV+22o

沙織「私の言葉、かぁ……」

アンチョビ「……」 ゴクリ

沙織「……」

沙織「うん」

沙織「正直に言うと――まだオトコノコとそういう関係になったことがないから、こうするのが一番!みたいなのは分からないんですよね」

沙織「格好つけてるけど、そんなにコミュニケーション能力が頭抜けてるわけでもないし、本来偉そうに言える立場じゃないというか」

沙織「……だから、どうすればいいのかなんて、私には分かりません」

沙織「っていうか、多分、みぽりん達にも分かりません」

沙織「どうすれば一番いいのかなんて、誰にも分からないんだと思います」

沙織「だから――」

沙織「だから、せめて、分かってるはずの『どうしたいのか』って気持ちに正直になるのが、いいんじゃないかなって思います……!」

沙織「考えなしとか、感情だけで動くおバカとか、言われれちゃうかもしれないけど。でも!」

沙織「放っとけなくて麻子の面倒を見て。話してみたいなって思って華と友達になって」

沙織「みぽりんが気になったから声をかけて。ゆかりんとも仲良くなりたいなって思ったから一緒に遊んで」

沙織「少なくとも私は、そうやって、自分が伝えたい気持ちに正直にやってきました」

沙織「……その結果、良くない方向に転んじゃったときもあります」

沙織「だけど」

沙織「後悔しないためにも――誰かに言われた“最善手”より、自分が思う“最もやりたい事”に従ったって、いいんじゃないかって」

アンチョビ「……」

アンチョビ「私がどうしたいのか、か……」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 02:35:45.79 ID:zADhV+22o

アンチョビ「私は……」

アンチョビ「……」

アンチョビ(私は、どうしたかったんだ……?)

アンチョビ(今回の件、確かに私にも非はある。わかってる)

アンチョビ(でも、夕ご飯を食べてくれなかったことに関しては、怒ってるぞ)

アンチョビ(悲しいし、納得だって出来てない)

アンチョビ(だから、そう、なんとかそこについては謝らせなくちゃいけないんだ)

アンチョビ(そのためには、私から喋ると負になるから、こうして一見アホなことだって……)

アンチョビ「……」

アンチョビ(いや――違うか)

アンチョビ(そーいうごちゃごちゃしたことを置いて、単純な答えを出すなら……)

アンチョビ「……また、仲良く2人でパスタが食べたい……」

アンチョビ「このまま、喧嘩しっぱなしなんて嫌だ……」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 02:43:16.47 ID:zADhV+22o

沙織「……じゃあ、それを何より最優先に考えましょう!」

沙織「例え他の99の望みが叶ったって、その一番大事な1が叶わなかったら意味ないんだし」

みほ「なるほど……?」

優花里「難しすぎて何言ってるんだか正直イマイチ……」

沙織「ううっ、私説明下手なのかな……」

沙織「ほら、みぽりん達って真面目だし凄い頭いいから、きっと100の希望があれば100全部を満たすような作戦を考えるじゃん」

優花里「ええ」

みほ「はい。そのために、今まで作戦行動を取ってきたわけですし……」

沙織「それはとても凄いことだと思うんだけど、こう、さすがに全部取ろうとすると厳しいってことってあるじゃん?」

沙織「そういう時は、何を優先するのかが大事なんだよ!」

アンチョビ「そう、だな……」

アンチョビ「私は、また、アイツと話がしたいんだ」

アンチョビ「……例え、私から話しかけることになるとしても、このままなんて嫌なんだ」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 02:48:05.41 ID:zADhV+22o

麻子「じゃあまずはそれをなんとかするんだな」

アンチョビ「……そう、だな」

アンチョビ「すまん西住」

アンチョビ「折角考えてくれた作戦だけど――」

アンチョビ「やっぱり、私から頭を下げようと思う」

みほ「そんな!」

優花里「完全勝利は目の前なんですよ!?」

アンチョビ「ああ。本当にすまなかった。こんな馬鹿が振り回しちゃう形になってさ」

アンチョビ「でも――」

アンチョビ「例え勝利なんてものを手に入れても、また2人で仲良く食卓を囲めなきゃ、そんなものに意味なんてないんだ」

アンチョビ「今回は謝ってでも仲直りして、それから素直に嫌だったことも伝えてみるとするさ」

アンチョビ「そうしたら、想いが伝わって今後は改善してくれるかもしれないしな」

アンチョビ「……アンツィオの皆に貰ったノリと勢いでなんとかするパワーを、OGとして見せてやるさ」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 03:06:42.49 ID:zADhV+22o

沙織「ほら、麻子も何か言って言って!」

麻子「……私はお前以上に言えることなんてないぞ」

麻子「…・・・・」

麻子「ああ、でも……」

麻子「体験談のようなものならある」

沙織「え!?」

アンチョビ「ほえー」

アンチョビ(意外だ……)

麻子「……私から言えることなんて、一つだけだ」

麻子「伝えたい想いがあるなら、素直に言ってしまう方がいい」

麻子「恥ずかしくても柄じゃなくても、他にどんな障害があったとしても、言える内に言っておいた方がいい」

麻子「……ある日突然、その相手がいなくなることだってある」

沙織「麻子……」

麻子「……」

麻子「それに、時が経てば経つほど、“今更”の二文字を前に、平気で屈するようになる」

麻子「……手遅れになって後悔するようなことにだけ、ならないといいな」

アンチョビ「……ああ」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 03:13:42.85 ID:nvFlf/RXo
沙織の説明は分かりやすいよ
みほたちは理解出来ないではなく、したくないんじゃ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 08:28:45.78 ID:f4J3UfzHO
やっぱさおりん天使ですわ
これ聞いた華さんがどうでるか・・・
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 14:04:17.73 ID:GhJoCJDS0
>>136
みぽりんたちは根っこがアレやから理解できなくてもしゃーない
沙織さんはやっぱ常識人かつ陽キャですわ
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