【メイジの転生録】 - F A I T / G R A N D O R D E R - 【FGO】

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61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/18(金) 01:39:03.36 ID:HellUtbP0
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--【宿命ヶ原タワー リヒト達が到着する数刻前】

「...う、ん...此処は...」

ぼんやりと視界を揺らしながら、立香は力の入らない両手で起き上がろうとした。

「よォ、ン。目ェ、覚めたか。運命救済者さん、よ」

耳に届いた声の人物を確かめる様に、立香は顔を上げる。

「...」

其処にはヤンキー座りをしながら立香を見下ろし、ニヤついた笑みを浮かべるヱドロが居た。

「そう睨むなよ、な。俺ぁ、オマエを助けてやろォーっての、はは、へ?」

身体にダメージは無くとも、目の前でサーヴァントを惨殺されたせいか立ち上がる気力の無い立香をヱドロは肩を貸し抱える様に起こした。

「...助ける?」

「ま、どっちにしろ現世の運命は潰えるけどな。来世はちゃァんとした人生歩ませてやっから、な??」

ヱドロは、立香を引き摺りながら歩き続けた。

やがて、歪曲した空間を抜け、立香は目にした。

「.......な、...何、これ...」

魔神柱。悍ましい肉の柱。然し、立香が見たものは、立香の知る魔神柱とは又、違っていた。

「...俺...?」

魔神柱の身体には、幾数人もの " 藤丸立香 " が埋まっていた。

中には性別、髪色、刻まれた令呪の形、と違う部分もあったが、立香は運命的に確信した。

【此処にいる彼ら】は【自分】である、と。

言葉を失った立香にと、ヱドロは心優しく声を掛けた。

「そ。ぜェーんぶオマエ。別の世界に居る、同じ運命を持つオマエだ」

そして、言葉を続ける。

「こいつらもな、オマエとおんなじで、な。世界救う運命、背負わされてんの、へへ...二重運命(ダブルフェイト)なんてモンじゃね、な」

「...嘘だ。こんなの」

訳も分からず、立香は首を振った。弱々しく。

「嘘じゃ、ねェ。まるで、カルデアっつー所の御人形だな。いい様に扱われてよ」

ヱドロは、彼を苦しめる事に躊躇いは無く、更に囁く。
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