渋谷凛「GANTZ?」 その3

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:32:32.84 ID:XqdRLcCj0
特定キャラにキャラ崩壊が含まれています。
オリ設定が多数あります。
そこらへんにご注意ください。

前スレ
凛「GANTZ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473171911/

渋谷凛「GANTZ?」 その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479649614/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500661952
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:33:33.84 ID:XqdRLcCj0
人一人が入るだろうカプセルが大量に並べられた部屋。

その部屋で一つのカプセルがプシュウという空気音を吐き出し開放され、液体に満たされた中から一人の少年が這い出してきた。

「がはッ!! ごほッ!!」

少年は口に満たされた液体を吐き出して息を大きく吸って辺りを見渡していた。

その顔は最初は困惑した感情が浮かんでいたが、すぐに落ち着きを取り戻してカプセルから出て部屋の中心にある機械を操作し始める。

「まッたく……信じられんな。この私を殺そうとするなど……」

機械を操作しながら少年は先ほどまでの記憶を思い出していた。

そう、少年はハインツのクローン体であり、ハインツが凛に殺された時点での記憶を保存されてこのクローン体に記憶の転写をされていたのだった。

ハインツ「システム停止の際、私に対する自動防衛プログラムも停止するが…………フッ、予想外もいいところだ。いや、今日はこれほどまでに私の予想を覆すことが起きてくれた。これは非常に喜ばしいことだな」

ハインツ「しかし……この私に明確な敵意を見せ、あろうことか私の命を一つ奪ッていッた……これは万死に値する行為だが、彼女は私にここ数年は味わッていなかッた高揚感というものを与えてくれた……」

ハインツ「……フッ、許そうではないか。処罰など如何様にもできる、彼女は今の所、私の課した試練を乗り越え、さらには私の精神を高ぶらせてくれるといッた功績を成している。素晴らしいことではないか」

あくまで余裕の表情でひとりごちていたハインツだったが、機械を操作していた指が止まり怪訝な表情を浮かべた。

それは機械のモニターに表示された文字。

『ハインツ・ベルンシュタイン……本ユーザーは全ての権限を停止されています』

ハインツ「…………?」

ハインツはモニターを見ながら眉をひそめながらそれを見ていた。

すると部屋の機械のモニターが切り替わり、非常に愉快に笑う西が立体映像で表示された。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:34:12.01 ID:XqdRLcCj0
西「よォ」

ハインツ「……西、丈一郎君かね?」

西「おォ、本当にテメー若返ッてンだな。誰かわかんねーだろ? ジジィの姿で生き返れよな」

ハインツ「……どういうことだ? 君に渡したマスターキーではこの部屋にアクセスする権限は無いはずだが……」

西「あァ? まだ気が付いてねーのか?」

ハインツ「どういうことかね?」

西「ハッハッハッ! テメー本当にカスだな! いいぜ、教えてやンよ!」

画像の西はハインツを心底馬鹿にした顔で、

西「システムの管理権限を俺が全部掌握したんだよ! ちなみにテメーにはもう何もできねー様にしてやッたからな、アクセスをしようとしても無駄だぜ?」

ハインツ「……何を馬鹿なことを」

西「バカはテメーだ。いつまで余裕ぶッこいてンだ? それとも現実が見えてねーのか?」

ハインツ「…………ユーザー認証、ハインツ・ベルンシュタイン。システムアクセス」

ハインツが音声入力によりシステムにアクセスをしようとするが、機械から音声が返ってくる。

『アクセスを許可できません』

ハインツ「!?」

その音声を聞いて少しずつ顔色が変わるハインツ。

西「無駄無駄。メインシステムの管理権限を書き換えたンだよ。もうどーすることもできねーぞ?」

ハインツ「馬鹿な……」

西「おォ? よーやく状況飲み込めて来たのか?」

ハインツは今起きていることを俄かに信じられないでいた。

自分以外の人間が、自分の作り出したシステムの管理権限を奪い取ったなどという事が。

ハインツ「できるわけがない……ましてや君のような子供があのプログラムを書き換えることなど……」

西「あァ? ナメてンのか? 俺はこの1ヶ月、誰よりもガンツのプログラムを解析してたンだ。特にこの1週間はアイツのおかげで寝る間も惜しんで解析しつづけた。ガンツのプログラムに関しては隅の隅まで熟知してンだよ」

ハインツ「ありえん……そんな事は……」

西「つーか、テメーとことん間抜けだよな? ガンツのプログラムもこのメインシステムのプログラムも殆ど同じじゃねーか。あんな場所に俺達を連れてきて、何? 乗ッ取ッてもらいたかッたのかよ?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:35:20.11 ID:XqdRLcCj0
西はそう言うが、実際にはこうやって乗っ取れる可能性は限りなく0だった。

システムが起動している間はハインツに対する敵対行動などは全てシステムが自動的に排除し、メインシステムに近づくことすらも出来ない。

今回のようにイレギュラーが起こり、ハインツが管理権限を開放して、さらにはシステムが一時的に停止したからこそできたのであった。

それらの偶然の産物と、ハインツ自身の油断と慢心が、ハインツが全ての力を失ってしまう事態に繋がってしまった。

しかし、このような状況に陥ってもハインツは愉快そうに笑い始めた。

ハインツ「は、ハハハ! 素晴らしい! まさか私の力が奪われてしまうとは!」

西「……あン? テメー、何笑ッてンだ?」

ハインツ「笑うとも! ここまで想定外の事態などこの十数年起きなかッた! 実に久しぶりに感じているのだよ! 本当に楽しいというそういう感覚を!」

西「…………あー、そうかよ。テメー、マジで変なヤツなんだな」

ハインツ「実に楽しい! やはり人生というものは予想が付かない事態というものがある程度は必要だな!」

興奮気味のハインツに、ややげんなりした西が言った。

西「まァ、テメーの変人具合はどーでもいーけど……もーそろそろテメー死ぬぞ?」

ハインツ「む? 何を言ッているのかな? 私が死ぬ?」

西「おう」

ハインツ「ハハハハハ! これは面白い! 私は不老不死だと説明しただろう?」

西「あァ、聞いた。でも、俺、テメーのデーターを消去しちまったんだよな」

ハインツ「……データー?」

西「おう。生物情報の記録。テメーが不老不死の技術とか言ッてた記録データーを消しちまッたンだよ」

ハインツ「…………何?」

西「ついでに言うと、テメーが色んな場所に隠してたクローンは今全部生命維持装置を停止して全部ぶッ殺してやッたぞ」

ハインツがいる部屋のカプセルからけたたましいアラート音が発生して、全てのカプセルが開放されて中の液体が固まっていった。

それぞれのカプセルに取り付けられていたモニターに表示されていた心電図のようなものは全て停止していった。

それを見てハインツは茫然自失となり、すぐに我に帰り焦った声で、

ハインツ「な、何をしているのだ!?」

西「これでテメーのライフは残り1。テメーは次死んだらゲームオーバーだ」

ハインツ「き、君は何をしているのか分かッているのか!?」

西「おう。しッかりはッきり自分のしてる事を理解してンぜ?」

ハインツ「ならば早く元に戻すのだ!! クローン自体はすぐに作ることが出来る!! 君が私のデーターを消したというのならば早く再登録を……」

西「え? やだし」

ハインツ「!?」

西「つーか時間切れ。こえー女がやッて来たぞ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:36:15.40 ID:XqdRLcCj0
キィン! キィン!!

部屋全体に金属音が2回鳴り響いた。

その音源は部屋に存在する一つの扉から発せられた。

ハインツは音のした扉を見ると、扉に違和感があった。

扉に線が十時に入っている。

すぐにその違和感が何であったのかがハインツは理解した。

扉がゆっくりと4分割になり崩れ、扉の向こうにガンツソードを持った凛がいたからだ。

凛「……」

ハインツ「し、渋谷、凛君……」

西「おう、渋谷ー。こいつがあのカスジジィだぞ。他のクローンは俺が全部処分しといたからこいつをぶッ殺せばOKだ」

凛「……」

凛がガンツソードを伸ばして一歩踏み出した。

それを見てハインツは一歩後ずさる。

すでにハインツの顔からは余裕は消えうせ、近づいてくる凛から発せられる異様な雰囲気に呑まれていた。

凛が発するのは純粋な殺気。

その殺気に中てられてハインツはある一つの感情を感じていた。

不老不死の技術を作り出し、自分の思い通りにならないことなど無くなった時点で消えうせた感情。

ハインツは目の前の凛に恐怖していた。

同時、ハインツは凛に背を向け逃走を開始した。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:36:46.69 ID:XqdRLcCj0
凛「……」

ハインツが向かう先は凛が入ってきた入り口とは別の扉。

わき目も振らず全力でその扉まで走り、勢い余って扉に到達する寸前で転びその勢いで扉に背中をうちつけ、ハインツは今まで自身の頭が存在していた場所に一本の黒い物体が存在していることに気が付いた。

それは凛の手に握られたガンツソードの刀身。

伸ばされたガンツソードはハインツを傷つけることなく扉に突き刺さっていた。

刀身が突き刺さっていたのもつかの間、凛は伸ばしていたガンツソードを縮め、柄を両手で持ち、ハインツに狙いを定めて再度伸ばそうと構えを取った。

それを目の当たりにしたハインツは、

ハインツ「ヒッ、ヒァァァァアアアアアア!?」

叫びをあげ開いた扉の先を駆け抜けていった。

それを見た凛は眉間に皺を寄せて舌打ちをしてハインツが逃げた先に足を進め始めた。

凛「………………ちっ」

西「おいおい、逃げられてんじゃねーか。何やッてんだよ?」

凛「…………すぐに始末するから黙ってて」

西「おー、こえー。あのジジィも気の毒になー」

凛「……」

凛は西の軽口を無視して足を速めてハインツを追う。

それに伴って西も立体映像の姿のまま凛の後に続いて歩き出した。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:37:46.50 ID:XqdRLcCj0
ハインツは走っていた。

ハインツ「ハァッ! ハァッ!!」

ハインツの今の肉体は若い少年の肉体、その走る速度もかなり速いものでハインツは白い通路を駆け抜けてとある部屋の扉の前にたどり着いていた。

その扉を開くと、その先には数ブロックに分かれた研究区画が存在し、大勢の人間が様々な研究を行なっていた。

そのどれもが人体実験。

ある場所では白衣の研究者が生きている人間を意識のある状態で解剖している。

またある場所では、人間と見たことの無い怪物、何らかの星人を外科手術により物理的に融合させられており、その融合体のデーターがとられていた。

またある場所では透明な部屋の中で少女が化け物によって犯されていた、研究員たちはその様子を見てデーターを取りつつ、データーが確認でき次第、化け物も少女も研究員が押した何かのスイッチによって爆散していた。

他のあらゆる場所でも非常に非人道的な研究が繰り広げられており、常人が見たらその場で嘔吐し続けるようなグロテスクな光景が広がっていたが、そこにいる研究員たちはそれが日常とでも言わんばかりの何食わない顔で実験を続けていた。

そんな研究員たちの中、ハインツに気が付いた研究員たちがいた。

「ハインツ様ではないですか。そのお姿は……クローン体への移動はまだ先ではなかッたのでしょうか?」

ハインツ「ハァッ!! ハァッ!!」

「ハインツ様? 一体どうなされましたか?」

息も絶え絶えで言葉も出てこないハインツに疑問を抱く研究員たち。

この場にいる研究員たちは皆ハインツのこのクローン体のことを知っていた。

それほどまで情報を知る権利を与えられた優秀な人間たち。

彼らはハインツの浮かべる恐怖の表情と、ハインツが自分達の知らないところでクローン体に転生しているという事から、何か異常事態が発生していることに瞬時に気が付く。

「……緊急事態ということでしょうか?」

ハインツ「そッ、そうだッ!!」

「畏まりました……おい! お前達! そのようなゴミは捨て置け! 緊急事態が発生した、各部署に伝え警備班を呼べ!」

「了解しました。おいッ、そのゴミを捨てて急ぐぞッ!」

「はッ!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:39:15.76 ID:XqdRLcCj0
ハインツに一番最初に声をかけた研究員はこの中でも一番地位が高い研究員だったのか他の研究員たちに指示をし行動を取り始めた。

研究員たちは指示に従い、ゴミと呼ばれた何かを投げ捨てる。

その何かは人の死体であった。

頭部を開放されてその内部にあった脳を抜き取られて死亡した死体。

その死体が二つ。

生前の可愛らしい顔が見る影も無く無残で苦しみぬいた表情をした……卯月と未央の死体。

先ほど脳の摘出が終わった卯月と未央の死体を処理する為に運んでいた研究員たちは、その二つの死体をあろうことかゴミと言い、死体を投げ捨て、さらに研究員は死体を踏みつけて行動を開始しようとした。

そこで気が付いた。

ハインツが入ってきた扉に白いワンピースを着た黒髪の美しい少女が立っていることを。

卯月と未央の死体を足蹴にしたまま研究員たちはその少女、凛を見続ける。

一体あの少女は何者? 実験体が逃げ出した? それともまさかこの緊急事態は……。

その思考にたどり着く前に、卯月と未央の死体を踏みつけていた研究員は、額をガンツソードの切っ先に貫かれて思考を分断され死んだ。

瞬時に貫かれた研究員二名はその場で崩れ落ちて卯月と未央の死体に覆いかぶさった。

その研究員の死体を頭を下げたまま近づいた凛は全力で蹴り飛ばし卯月と未央の死体を優しく抱き起こす。

凛「…………うづ…………みお…………やだ…………なん…………こんな…………」

凛は二人の死体を抱きしめながら嗚咽を上げ始める。

凛「…………ひどい…………ひどすぎるよ…………こんなこと…………」

身体を振るわせながら、その頬に涙が伝い続ける。

凛「…………怖かったよね…………苦しかったよね…………」

凛が卯月と未央の身体を見て、二人が想像を絶するほどの苦しみを与えられたという事を知ってしまった。

二人の身体は傷のないところを探すほうが難しいほどの状態だったからだ。

凛「…………あんまりだよ…………こんなことってないよ…………二人が何をしたっていうの…………」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:40:50.63 ID:XqdRLcCj0
凛が二人の死体を抱きしめながら涙を流し全身を震わせていると、乾いた発砲音が凛の耳に届いた。

その音を生み出したのは、先ほど他の研究員に指示をしていた研究員。

彼は懐から拳銃を取り出し凛に発砲した。

研究員はすでに凛がこの異常事態を引き起こした人間だという事に気付いていた。

それゆえに、凛を殺そうと発砲した。

しかし、研究員が発砲した弾丸は、凛が抱きしめていた未央の半分残っていた顔面に吸い込まれて凛に届くことは無かった。

それを凛は見ていた。

未央の顔に弾丸が吸い込まれて、苦しみぬいた表情の未央が、弾丸を打ち込まれたことによりさらに正視に耐えないほどの悲惨な表情へと変化したことにより、凛の中で何かがはじけ飛んだ。

「外したか……次は外さな…………」

銃を構えた研究員が再度構えた時、研究員は金縛りにあったかのような感覚に襲われ動けなくなってしまった。

目の前の凛に見られている。

限界まで目を見開いて自分を凝視する凛。

その凛の瞳の奥から溢れ出す殺意と怨嗟の重圧に研究員は飲み込まれ硬直する。

凛は幾度の殺し合いを経てすでにその身体能力や精神面は常人のそれを逸脱していた。

そして、凛が放つ殺気というものも通常のそれとは違い、圧倒的な圧力を帯びており、常人であればその場で意識を失ってしまうほどの殺気であった。

その殺気に当てられいまだかつて無いほどの危険が自身に迫っていると感じた研究員は、凛を正面に見据えたまま直立不動の状態となり動かなくなる。

動かずに硬直することが自分の寿命が1秒でも長らえると判断してしまったから。

そうして研究員は金縛りにあったまま凛を見続けた。

近づいてくる凛に発砲することも出来ずに見続けた。

そして、自分の腹部に小さく伸ばされたガンツソードが刺し込まれても動けなかった。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:41:58.43 ID:XqdRLcCj0
凛「何、やってんの?」

凛は無防備な研究員の腹部を刺して問いかけた。

研究員は何も答えない。

凛「アンタは今何をやったのって聞いてるの」

再び凛は研究員の腹部を刺して問いかける。

それでも研究員は恐怖の表情を浮かべたまま何も答えない。

凛「アンタ、今未央を撃ったよね」

凛は研究員を指し続け、その返り血を浴びて全身が赤く染まっていった。

それでも研究員は何も答えずに動かない。

凛「ふざけてんの? ふざけてるよね? ふざけないでよね」

研究員は直立不動のまま凛にされるがままになっていた。

こんな状況になっているにも関わらず、少しでも生きながらえる道がただ立ち続ける行為だと自身の肉体が、脳が判断して立ち尽くしていた。

凛「聞いてるの? 黙ってないで答えてよ。アンタは今何をやったのか。何をやってしまったのか答えてよ。答えてくれたら殺してあげるからさ。ねえ、答えてよ、早く、答えて、答えて、答えて、答えて、答えて、答えて、答えて、答えて、答えて、答えて」

凛が答えてと問いかけながら研究員を滅多刺しにして、数十回凛が問いかけたところで研究員は直立不動のまま死亡した。

凛は研究員が死んだことに気が付くと、何も答えずに死んだ研究員を忌々しげに見て、研究員の手から拳銃をもぎ取ると研究員の顔に弾丸を撃ち込んで、崩れ落ちる研究員に見向きもせずに拳銃を投げ捨てた。

凛は再び卯月と未央の死体がある場所に戻り、

凛「未央……卯月……ゴメン、ちょっとだけ待ってて……」

二人の苦痛に歪んだ顔をそっと手で触れてその表情を整える。

凛「二人をこんな目に会わせたヤツ等を、全員殺してくるから」

凛によって整えられた二人の表情は少しだけ悲しそうな表情になっていた。

凛「それから二人共再生してあげるからね……ちょっとだけ待っててね……」

二人の死体をそっと床に横たわらせて凛は研究区画を見渡して立ち上がる。

凛「西、二人を見てて。二人にもう誰も近寄らせないで」

西「お、おう。い、いや俺も行く」

凛「……」

西「こ、こいつらは俺の本体がいる場所に転送しておく。だ、だから俺も一緒に行かせてくれ」

凛「……いいよ」

西が卯月と未央の死体を転送するまで見届けた凛は、一緒に来ると言う西と共に行動を開始する。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:43:04.87 ID:XqdRLcCj0
ハインツ「ハァッ、ヒィッ、ハァァッ」

ハインツは芋虫のように這い蹲って逃げていた。

ハインツ「ヒィッ、ヒィィッ……」

その顔には余裕というものは一切無く、ただただこの場から離れるという事だけが頭をしめていた。

そのハインツの足に激痛が走った。

ハインツ「ッグアァァァァァ!?」

反射的に足を見ると、足にはガンツソードが深々と刺さっていた。

そして、そのガンツソードと共に目に入ったのは、

白いワンピースを返り血で真っ赤に染め上げた無表情の凛の姿。

ハインツ「ヒッ、ヒァァァァァァァアアアア!?」

凛「何逃げようとしてるの?」

ハインツ「H.H.H…Hör auf…Hilf mir!!」

凛「何言ってんの? はっきり日本語で喋って」

ハインツ「た、た、たたすけ、こ、ころころさないないないないで……」

凛「はっきり喋れって言ったよね」

凛はハインツのもう片方の足にもガンツソードを突き刺しハインツの両足は床に固定されてしまった・

ハインツ「ギャアアアアアアアアァァァァァァ!!」

凛「うるさい」

凛はハインツに近づくと、髪を鷲づかみにしてハインツの顔を覗き込み、

凛「ねぇ、未央と卯月をあんな目にあわせた奴等はどこ? まだいるんでしょ?」

ハインツ「ァァァァァァアアアアアアアッ!」

凛「それ以上耳障りな叫びをあげたら殺す」

ハインツ「ヒゥッ」

凛「さっきの質問に答えて。答えなかったら殺すから」

ハインツは心底脅えた声色で凛の質問に答えていった。

ハインツが言うには卯月と未央の実験に携わったのは残り3名。

全てこの区画にいる研究員だという。

それを確認した凛は、ガンツソードを1本転送しハインツの前に立ちガンツソードを構えた。

ハインツ「や、やめやめやめれれれれ」

凛「死ね」

ハインツは凛によって身体を一刀両断されて死んだ。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:44:22.05 ID:XqdRLcCj0
その様子を黙ってみていた西は、

西「も、もう少し生かしておいてもよかッたんじゃねーのか?」

凛「何故?」

西「い、いや、お前そいつに滅茶苦茶ムカついてるみてーだし、もッと苦しませて殺す方法とか考えてよ……」

西がそう言うと、凛は振り向いて西を見ると、

凛「…………あぁ、ああ、そうだよね、そうじゃない」

まさに天啓を受けたような表情でブツブツと呟きだした。

凛「何でさぁ……私はさぁ……このクズに未央と卯月が与えられた苦しみの数十分の数百分の数千分の1でも味あわせてから殺さなかったの?」

凛はハインツの死体に近づいてその死体を蹴り始める。

凛「二人共、あんなにっ、酷い目にあってっっ、殺されたっていうのにっっっ!!」

何度も何度も死体を蹴り飛ばし、それだけでは足りないのかガンツソードで死体を刺しはじめ、

凛「何勝手に死んでんの!? もっと苦しんで死なないとおかしいでしょ!? 私の許可無く死ぬなんて何なの!? ねぇ、聞いてんの!?」

理不尽な罵声をハインツの死体に浴びせ続け、その死体がグチャグチャになって原型がなくなったところでようやく凛は止まった。

凛「……あぁ、もう、頭がおかしくなりそう……」

西「は、ははッ、い、いいじゃン、お前、やッぱ本性隠さねーほうがいいッて!」

凛「……」

凛は西に言葉を返さずに頭を押えながらふらふらと歩き始めた。

西「お、おいッ、どこ行くんだよ!?」

凛「……まだ殺さないといけないクズがいる」

西「! いいねェ!! らしくなッて来たじゃねーか! ドンドンいこーぜ!」

凛「……さっきあのクズが言った名前のクズがどこにいるか分かる?」

西「おう、すぐ調べる……見つけた、あの先の実験区画に全員いるみてーだぜ!」

凛「……ありがと」

西「おぉッ!」

凛は暗い視線を西が指差す実験区画の扉に向けて歩みを進める。

共に歩く西は、凛を見続けて年相応の少年のように輝く視線を凛に向け続けていた。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:45:38.21 ID:XqdRLcCj0
「次の実験を開始する。準備を始めてくれ」

一つの区画でとある実験が始まろうとしていた。

この区画の研究は、人間の未知なる力を研究する区画。

超人的な身体能力や様々な特殊能力、そういった力を非人道的なやり方で研究が行なわれていたのだった。

そして、今回行なわれようとしている実験の被験者は、

すでに頭部を開放されて虚ろな表情をしている坂田と、

肉体というものが無く、首だけになっているが、その首がホルマリン漬けのように液体に浸されている桜井の姿。

二人共生きているとは思えないような姿だったが、二人に取り付けられた脳波を測定する機械が二人がまだ生きていることを示していた。

そうして、何らかの実験が始まる寸前、実験区画の扉が開き血に濡れた少女と非常に愉快に笑う少年が現れた。

実験区画にいる十数人の研究員たちは一斉に同じ方向に顔を向けた。

同時に全員が疑問を浮かべる。

「何だ?」

「誰だあれは?」

「いや、まて……見たことがあるぞ」

「あれは確か……あびゃッ!?」

「え?」

血濡れの少女、凛が実験区画を見て、その被験者になっている二人を悲痛な面持ちで見た後、一番近くにいた研究員の頭部を輪切りにして殺害した。

それを呆然と見る他の研究員たち。

「え? え? な、何が起きたんだ?」

「お、おい、おま……がぽッ!?」

「う、あ、嘘だろ…………げはッ!!」

凛はガンツソードを巧みに操り、区画内にいる研究員たちを次々と殺し始めた。

当初、全員何が起きているかも理解できていなかった研究員たちだったが、やがて現状を理解したのかパニックになって逃げ惑い始めた。

「うッ、うわぁぁぁぁぁぁ、に、逃げッ、ごぽッ!?」

「た、助けてく…………うげッ」

凛は逃げようと背を向けた研究員たちの後頭部をガンツソードで突き、ものの数分で実験区画にいた研究員を全て殺しつくしてしまった。

西「おー、あッという間に全員ぶッ殺したなァ……でもいいの? またお前サクッと一瞬で殺しちゃッたけどさ?」

凛「……」

凛は西の問いかけに答えずに、血の海と化した実験区画を進み、実験の対象となっていた坂田と桜井の元にたどり着き、その悲惨な姿を見て唇を噛み締める
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:46:14.67 ID:XqdRLcCj0
凛「……何?……何なの?……こんなこと……狂ってるよ……どうしてこんなことをできるの……」

西「……あぁ、こりゃひでーな。コイツら全員レベルの高けー変態共だわ。ッて、この二人はガンツの部屋にいた二人じゃン」

凛と西が坂田と桜井を見ていると、坂田の口がかすかに動いた。

凛「っ!?」

西「お?」

桜井の目も薄っすらと開いて、坂田と同じように口をかすかに動かす。

口の動かし方で、凛と西は二人共同じ言葉を発したことに気がつく。

その言葉は、

『殺してくれ』

だった。

凛「………………」

西「ま、こんな状態になッちまッたらそりゃそーだわな……」

凛は目を閉じてしばらく考え込み、

凛「……西、苦しまないように死なせてあげる事はできない?」

西「これ以上苦しむことなんてねーんじゃねーの? 殺すならさッさと殺してやッたほうがいいんじゃね?」

凛「……」

凛は頭をたれて坂田と桜井の顔を見ないようにガンツソードを伸ばし始め、

二人同時にその額にガンツソードを突き入れて殺した。

同時に、凛は持っていたガンツソードを手放してその場に崩れ落ち、頭を抱えて蹲った。

凛「……うぅぅ……」

西「お、おい?」

凛「……何なの? これは一体何なの?」

西「どーしたんだ、おい?」

明らかに様子のおかしい凛に西は問いかけるが、凛は蹲ったまま顔を上げずその表情を読み取ることが出来ない。

凛「……信じられない……こんなことを平気で……何を考えてこんな事を……」

西「どーしたんだよ、おいッ!」

西が凛にひと際強く問いかけると、凛はその顔を上げて西に向ける。

凛「……西。教えて……このクズ共はどうしてこんな事を平気でできるの……何を考えてこんな酷いことをやっているの……」

西「い、いや、それを俺に聞くなよ」

凛「……そっか」

西「……あぁ、そンなら聞いて見るか?」

凛「……え?」

西「ほら、あッちにも同じよーな実験区画あるみてーだし、あッちにも同じことやッてるヤツいるだろ、たぶん」

凛「……こんな事がまだ行なわれてるっていうの?」

西「多分そうじゃねーか?」

凛「……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:47:19.20 ID:XqdRLcCj0
それから凛は西の指し示す扉に進み、実験区画を歩き始め、その研究内容を目にしていった。

およそ人間が出来る非道の限りを尽くしたかのような研究内容。

そこには凛が今までに見てきた人間の綺麗な部分は何も存在しなかった。

ただただ残虐な方法で殺される人間にそれを研究する研究員たち。

何故こんな事をしているのかと聞く前に凛の頭は真っ白に染まり、再び全ての研究員を皆殺しにしてしまい、また別の区画に移動していった。

卯月と未央に実験を行なっていた研究員は全て殺した凛だったが、凛はすでに止まらなかった。

一つの区画で悪魔的な研究を目の当たりにするたびに凛の瞳は濁り、凛の身体は返り血で赤く染まって行く。

研究員たちは異常事態を理解し、近づいてくる凛を殺そうと応戦したが無駄だった。

研究区画であり強力な武装を使う事は緊急事態のみと限定されているこの区画、そしてその強力な武器は西の手によって使用不能状態にされ、重火器で凛と戦うことを余儀なくされた研究員たち。

凛は発砲される銃弾を悉くガンツソードの腹で弾き、最小限の身のこなしで避けていった。

全てはぬらりひょんとの戦いによってもたらされた死に際の超感覚のおかげであり、今の凛にとって銃弾は止まって見えるものでしかなかった。

そうやって銃撃を受けることも無く一人ずつ殺害していく凛はやがて研究員から悪魔のように見え、最終的には誰一人抵抗することもせずただ逃げまどうのみの状態になっていた。

そうして、逃げた先は西によって閉ざされ開くことの無い扉。

研究員たちは凛に命乞いをするが、凛は耳も貸さずに殺し続け、

実験区画に存在した100人近い研究員は全員凛の手によって殺しつくされ、実験区画は血の海と化し、

その返り血を浴び続けた凛の姿は血をすいすぎてどす黒くなったワンピースを身に纏い、血に濡れてベタベタに固まってボサボサになった髪が顔を覆いつくし、その姿は化け物といわれてもおかしくないほど恐ろしいものになっていた。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:48:02.77 ID:XqdRLcCj0
凛「西」

西「お、おう。どうした?」

流石の西も今の凛の姿に若干引いていた。

凛はそんな事も知る由も無く、西に近づいて、

凛「まだ他にこんな事をしている場所はあるの?」

西「え? あ、ああ、ちょッと待てよ」

凛「うん」

西が光のキーボードを展開して操作し調べ始めると、

西「……あぁー、何個かあるな。実験じゃねーけど、人間を使ッて変なことしてッ所は何個かあるぞ」

凛「どこ?」

西「ここが……人間牧場? 何か女を調教して性処理の道具にして出荷してるみてーだな。ンでこッちが……人間市場?……生きてる人間の臓器を取り出して商品にしてるみてーだ。……ッておい!?」

凛は西が見せた画像を見てすぐに動き始めた。

西の映し出したモニターには、年端もいかないような少女が何人もの醜悪な中年の男達に犯されていたり、生きたまま内臓を取り出されている子供たちの姿が映し出されていた。

凛はその全てを破壊していった。

人間の醜悪を全て体現したかのような光景を次々に破壊し、それに関わる全ての人間を殺しつくし、

凛「西、次は?」

西「さッきのとこが最後だ、もうねーよ」

凛「そう」

西「つーかお前あんだけ殺してもまだ足りねーの? 本性ぶちまけた後はトコトンだよなお前」

凛「殺さないといけないクズがいる、だから殺したし殺してる。それだけ」

西「ははッ、つーかお前今日一日でドンだけ人殺したんだよ? もしかすると個人で人を殺した数1位とかじゃねーの?」

凛「………………なかった」

西「ん?」

凛「私が殺したのは人じゃなかった。あれは人の姿をした悪魔たち」

西「く……くッくッくッ……おもしれー事いうなお前」

凛「……」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:50:50.05 ID:XqdRLcCj0
西がくつくつと笑いながら、何かを思い出したかのように凛に言った。

西「おお、そーだ。お前が言う悪魔ッてよー、こいつらも該当するんじゃねーの?」

凛「……」

西が凛に見せるのは名簿。

ずらりと並んだ名簿には名前と顔写真、そしてその人間が今まで行なってきた悪事が事細かく記されていた。

凛「……これは?」

西「世界各国の権力者たちがやらかしてきた悪事ッてやつだ。どいつもこいつも愉快な悪事をやッてのし上がッて来た奴等だぜ」

凛「……」

凛がそのリストを見始め、しばらくリストを見続けていた。

数十分見続けて、凛は最後の一人まで見終わると、

凛「……この世界はこんなクズ共によって作られていたの?」

西「そうだ、このクソみてーな世界は一部の権力者たちが自分達の都合のいいように作ッてンだよ」

凛「……」

西「どーよ? こいつ等もぶッ殺してこんなクソみてーな世界を一緒に壊しちまおうぜ? 俺とお前ならぜッてーできる!」

西は凛に手をさし伸ばしながら語り続ける。

西「そンで俺達で支配するんだ! 旧世界をぶッ壊して新世界を作り出して俺達が支配するンだよ!!」

凛「……新しい世界……か」

西「そーだ! こんな世界お前も嫌気がさしてンだろ!?」

凛「……そう、だね。みんなが死んじゃうようなこんな腐った世界はいらない……」

凛の言葉に西ははじけるような笑顔になり、凛の肩に手を回す。

西「そーだろ! お前もそー思うだろ!!」

凛「……うん」

西「よし! よしよしよしよし!!」

西は凛の肩を叩きながらよほど嬉しいのか笑顔を絶やさずに笑い続ける。

西「ンなら、こいつ等の処理は俺にやらせてくれよ! お前ばッかにやらせてちゃーよ、世界を支配する人間として面子がたたねーからな!」

凛「……いいよ」

西「おう! あぁ、そーだ、お前のツレの再生だけどよ、すぐに……「今はいい」 あン?」

凛「……みんなの再生は後。こんな腐った世界にみんなを呼び戻したくない」

西「いーのか?」

凛「……新しい世界を作るんでしょ? みんなが笑って生きていけるような新しい世界を」

西「はッ! ハハハッ! そーだな! 俺達が笑ッて生きていけるよーな最高の世界を作りあげようじゃねーか!! ハーハッハッハッハ!!」

西は高笑いをし続ける。

自分と凛が作り上げる最高の未来を思い描きながら。

そして凛は、闇よりも深い色に染まった眼をゆっくりと閉じた。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:52:02.19 ID:XqdRLcCj0
かなりの広さを誇るホール。

壇上の舞台に黒い球が鎮座していた。

それを見る視線は一つや二つではない。

数百の視線が壇上の黒い球に注がれ、その視線の持ち主たちは皆困惑しきっていた。

「これは……ああ、あのゲームか。本日開催されるとは聞いていなかッたぞ」

「賭け金が用意できていないのだが、主催者は何を考えているのだ!?」

「飲み物を寄こして! どうしたの? 早くなさい!」

少しずつ場に混乱の渦が巻き起こり始める。

この場にいる100名近くの人間たち。

その内の大半が、壇上に存在する黒い球のことを知っていた。

マイエルバッハという会社が主催する本物の殺し合い。

その殺し合いにおける賭けを行なっている主催者側の人間や、賭けを行なう会員達だったからだ。

しかし、彼らは少しの疑問が頭にあった。

何故自分達は、いつの間にこの場所に来ていたのか、と。

通常ならばゲームの日時は事前に連絡があり、その日までに様々な準備や掛け金を用意する。

それが通常なのに、今回はいきなり呼出されていた。

それが彼らの混乱を巻き起こす要因だった。

その混乱が大きくなり始めた頃、ホール内に響き渡る美しい歌声が全員の耳に届いた。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:52:58.64 ID:XqdRLcCj0
「あ〜た〜らし〜い〜あさがきた〜」

「き〜ぼ〜おのあ〜さ〜が〜」

言語は日本語。

会場にいる日本人はラジオ体操? と疑問を浮かべてその歌声が聞える場所に視線を向ける。

そこには、いつの間にか壇上の黒い球の傍に黒いスーツを着た少女と少年が立っていた。

その黒いスーツの少女は傍らの少年に持っていたマイクを渡すと、

「……これでいいの?」

「おー、バッチリだ。お前結構歌うまいのな」

マイクを受け取った少年は上機嫌な表情で少女を茶化していた。

それもつかの間、すぐに少年はマイクを口に近づけて言葉を発した。

「よォ、テメー等の命は俺達が預かった」

「テメー等には今から楽しいゲームをやッてもらうから喜べよ」

「宇宙人との殺し合いッつー、それは楽しいゲームをなァ!」

少年、西の言葉にホール内で西の言葉を理解できるものはざわめき始め、その様子を少女、凛は冷たく暗い視線で会場内の人間を見渡した。


こうしてガンツにおける最後のミッションが西の手によって行なわれることとなった。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 03:53:43.09 ID:XqdRLcCj0
今日はこのへんで。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 04:09:11.25 ID:SeyUqBSZo
建ったか良かった
最後を嵐で埋められるとエタること多いから
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 04:20:41.88 ID:AFuOK27Z0
おつおつ 待ってたよ もう少しで完走かな?頑張ってほしい
23 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/07/22(土) 04:56:14.95 ID:1i17oUrF0
マータ武内赤羽のケツ狙ってるのかよ
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