卯月「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝完結編】

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376 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/04(水) 22:00:00.24 ID:4Qn4Dpkl0

――――――――――――――――――――



(――私がちょうど、346プロについた時)

(――CCGの捜査官達が、二人の女の子を取り囲んでいるのが見えました)

(――一人はよく知ってる子。神崎蘭子ちゃん)

(――もう1人も、知ってる子。アナスタシアちゃん)


(――蘭子ちゃんは、涙ぐみながら)

(――嬉しそうに、捜査官達に語り掛けていました)


(――でも次の瞬間)

(――いきなり、アーニャちゃんの表情が青ざめて)

(――蘭子ちゃんに覆いかぶさって)


(――そして、二人を取り囲んだ捜査官達が銃を構えて)



(――蘭子ちゃんとアーニャちゃんの体は、羽赫でバラバラになってしまいました)



――――――――――――――――――――
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 22:00:22.61 ID:+NZ1Gb760
法寺さん...
378 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/04(水) 22:00:52.72 ID:4Qn4Dpkl0

〜TOKYO MIX 楽屋〜



杏「ぐっ……ああっ、クソッ……!!」

きらり「杏ちゃん? 大丈夫? ねえ、杏ちゃん!?」

杏「やめろきらり……大声出すな……!!」

きらり「うゆっ……ご、ごめんなさい」

杏「……くっそ……」


杏(――なんなんだよ、さっきのバカでかいサイレンは!!)

杏(――耳が痛い、冷や汗が止まらない、頭が痛くてまともに立ってられない……!!)

杏(――どう考えても普通のサイレンじゃない)

杏(――誰だか分かんないけど、仕込んでやがったな……!?)


杏(――蘭子ちゃん達の様子がもう聞こえない)

杏(――蘭子ちゃんがプロデューサーに勝った、それ以降のことがもう何も分からない!!)

杏(――杏の勘が言ってる。このまま何もしなかったら間違いなくやばいことになる! 絶対!!)



ガチャ



翔太「失礼しまーす。…さっきのベルすごくうるさかったけどさ。みんな大丈夫?」


杏「あ……?」

杏(――何だこの子)

杏(――さっきまで近くの部屋にいた子か)


翔太「おねーさん達が心配で来ちゃったんだけど……あれ」


翔太「そのテーブルの上にあるのって……何かのお菓子?」



かな子「! そ、そうなの! 蘭子ちゃんが帰って来た時のために、プリン作ってきたんだけど……」

かな子「あなたも友達を待ってるのかな? 良かったら、あなたも食べる……?」


翔太「えっ、いいの!?」


かな子「うん、いいよ! 作りすぎちゃったから、おすそ分け!」

翔太「ありがとう! おねーさん優しいね!」



翔太「…でも、いらないや。ボク甘い物苦手だし」



翔太「それに」





翔太「"喰種"の作ったものとかさ。食べる訳ないじゃん」
379 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/04(水) 22:02:18.73 ID:4Qn4Dpkl0

かな子「……えっ?」





ズパッ





智絵里「……えっ」

杏「……え」


杏(――耳が痛くて、まともに音が聴けなかった分、こっちが働いたのかな)

杏(――その光景は、すごくゆっくりと杏の目に焼き付けられた)


杏(――まだ中学生くらいの子供が、かな子ちゃんのプリンを叩き落として)

杏(――そのまま、かな子ちゃんの髪をひっつかんで)


杏(――もう片方の手には、いつの間にかナイフを握ってて)

杏(――引き寄せたかな子ちゃんの首に、ナイフを当てて……)





杏(――そして、かな子ちゃんの首が落ちた)


――――――――――――――――――――
380 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/04(水) 22:03:03.47 ID:4Qn4Dpkl0

――――――――――――――――――――



黒井「もしもし。私だ丸手特等」

黒井「そっちに送った化け物はどうだ? ちゃんと仕事をしてくれたか?」

黒井「…はははははっ!! そうかそうか、うまく行ったか!!」

黒井「化け物と言えど所詮小娘だな! あんな演技に騙されてくれるとは!」


黒井「……ところで丸手」

黒井「人間アイドルが全員生きて救助されたんだ。さっきの賭けは私の勝ちだろう?」

黒井「ならこっちの奴等は……よし許可を出したな。言質は取ったぞ」

黒井「アデュー」ブツッ



黒井「……」


黒井「……さて」





黒井「楽しいクリスマスパーティーをしようじゃないか」





黒井「―――殲滅戦だ」



――――――――――――――――――――
381 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/04(水) 22:06:22.65 ID:4Qn4Dpkl0

今日はここまで。


黒井も武内Pも蘭子対策や李衣菜対策や杏対策に頭悩ませて作戦練ってました。

僕も頭悩ませてプロット練ってました。

そとなみさんヒナミの超感覚無かったことにしすぎやねん
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/04(水) 23:47:08.24 ID:vxCcG6tf0
乙です!
旧多とS3班がどうやってあの場に先回りしたのか謎過ぎる

>>376の独白は楓かな?
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/05(木) 01:25:50.04 ID:zt79TDG6O
楓さんは勝手に鱗赫のイメージだったけど羽赫だったのか
リトルバードこと小鳥さんも羽赫だろうし、今のところSSSレートクラスは羽赫が多いですね

喰種アイドルの赫子一覧表ってありません?
384 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 15:07:42.67 ID:9ZY2Twcv0
>>383
表は作ってないので直書きになりますが


今のところCPの赫子設定

羽赫:凛、蘭子、智絵里、杏
甲赫:未央、李衣菜、美波、きらり
鱗赫:かな子、みりあ、杏(2種持ち)
尾赫:卯月、みく、莉嘉、アーニャ

加えてCP外のアイドルで確定してる赫子設定

羽赫:楓、瑞樹、奏、里奈、菜々(出せない)
甲赫:武内P、輝子、今西、フレデリカ、藍子、美玲
鱗赫:美優、小梅、文香
尾赫:美嘉、ちひろ、周子、夕美、忍

一応決まってるけど変わるかも:紗枝(羽赫)、まゆ(尾赫)、肇(甲赫)、鈴帆(羽赫)


って感じになってますね

385 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 15:11:18.57 ID:9ZY2Twcv0
>>384
あと今回抑制剤やらなんやらで出番がないのでですが、李衣菜は万丈と同じく回復赫子使える設定にしてます。
386 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:50:45.49 ID:9ZY2Twcv0

――――――――――――――――――――


凛(――お父さんと、お母さんとのお別れは)

凛(――突然やって来た)



三条馬「黒井上等。渋谷凛と本田未央を捕捉しました」

三条馬「渋谷家の父親、母親は共に先制攻撃で死亡」

三条馬「これで北海道の双葉家と大阪の前川家を除き」

三条馬「島村家、三村家、新田家、多田家、赤城家」

三条馬「シンデレラプロジェクトの血縁者はすべて駆逐しました」



凛(――卯月達のライブが終わって、346プロの様子が映って)

凛(――それから、車で走り続けていたとき)


凛(――いきなり、フロントガラスに槍が二本、飛んできて)

凛(――運転席と助手席にいたお父さんとお母さんごと、車を貫いた)


凛(――車は道路の端に衝突して、動かなくなった)



三条馬「これより、渋谷凛と本田未央の駆逐に移ります」



凛(――破壊された車と私達は)

凛(――白鳩たちに囲まれていた)


未央「……あ……」

未央「……そういう、ことなんだ」

未央「ずっと追いかけられてたんだ……」


凛(――逃げ道はない)

凛(――逃げる場所も)


凛(――逃げる意味も)

凛(――逃げて、生きる理由も)


凛(――もういいや)


凛(――殺すなら、さっさと殺して)


凛(――うん。それでいいよ。銃を構えて)


凛(――私達に銃口を向けて)


凛(――引き金を引いて)


凛(――やっと、死ねる)


未央「……」


未央「……やっぱり、できないなあ」
387 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:51:14.54 ID:9ZY2Twcv0

凛(――え?)


凛(――なんで)


凛(――なんで、死んでないの)


凛(――銃声は聞こえたのに)


凛(――なんで未央が、私に覆いかぶさってるの)


凛(――なんで未央だけ、血まみれなの)



未央「……あー……」

未央「やっぱり、ダメかあ」

未央「しぶりんに、トラウマ、あたえちゃうから」

未央「ここで死に、たくは、なかったんだけどなあ」


未央「私の赫子じゃ、両方守るのは、無理かあ」



凛「……み、お?」


未央「ごめんね、しぶ、りん」

未央「しぶりんの、しに、たい、気持ち、わかるから」

未央「ほんと、は、このまま……らくにさせてあげたかったん、だけど」


未央「でも、しまむーの、笑顔、みてさ」

未央「しぶりん、を、このまま、終わらせたく、なかったから」

未央「死なせ、たく、なかったから」


未央「……お願い。しぶりん。生きて、ほしいや」

未央「できれば、あんな風に、わらって、しんでほしいんだ」


未央「ごめんね、しぶりん」


未央「いきて」
388 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:51:43.59 ID:9ZY2Twcv0

凛「……そんな」


凛(――『勝手な事しないで』って、言いたかった)

凛(――でも、未央は自分の言いたい事ばっかり言って、私の話を聞いてくれなくて)

凛(――最後の力を振り絞るように、跳ねて)


凛(――目の前にいた女の人を、その甲赫で刺したんだ)

凛(――人間にとっては、間違いなく致命傷。ためらいもしなかった)


凛(――人を殺したことなんか、なかったはずなのに)



捜査官「三条馬一等!!」

捜査官「虫の息だ! 殺せ!!」



未央「しぶりんっ……走れええ!!」


凛「っ……!!」


凛(――血まみれで叫ぶその姿に)

凛(――私は、まともに考えることも出来なくて)

凛(――気が付けば、必死で走っていた)


凛(――未央が開けてくれた道を)

凛(――振り返ることもできずに、走っていた)



凛(――背後で、大量の血の匂いがした)

凛(――未央のものだと、すぐに分かった)


凛(――もう助からない時の匂いだと、私は知っていた)


――――――――――――――――――――
389 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:52:10.53 ID:9ZY2Twcv0

――――――――――――――――――――


杏(――周りみんなの叫び声)

杏(――今は頭が痛くて仕方なくなる音のはずなのに、何も痛みを感じない)

杏(――まるで、幻覚を見てるみたいだ)


翔太「……んー。クロちゃんは確か、耳の良い喰種ならダメージが半端ないって言ってたけど……」

翔太「この中じゃ、そこのおチビちゃんになるのかなあ?」


杏(――かな子ちゃんを殺した子供が、杏の方を見る)


翔太「ごめんねー、万が一逃がしたら不味いかもしれないし」

翔太「チビちゃんが―――次ねっ!!」


杏(――子供が、杏の方に飛んでくる)

杏(――杏は、まともに逃げられなかった)

杏(――ナイフが、杏の首に向かってくのを、ただ見てるだけで―――――)


智絵里「杏ちゃんっ!!」


杏(――それなのに、杏がまだ生きていられたのは)


杏(――智絵里ちゃんが、一番に動いて杏を庇ったから)



翔太「……あれー、ハズレかあ」



杏(――あれ)


杏(――なんで智絵里ちゃんが倒れてるんだ?)
390 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:53:00.71 ID:9ZY2Twcv0

翔太「まあいいや、次」


智絵里「……あっ……」


智絵里「……させ、ないっ!!」


翔太「えっ」



杏(――倒れたはずの、智絵里ちゃんが)

杏(――子供に、しがみついた)

杏(――子供に必死に、抱き着いて、離さない)


杏(――子供は、智絵里ちゃんに)

杏(――智絵里ちゃんから離れようとして、何度も何度も、ナイフを刺す)

杏(――智絵里ちゃんは、涙をぼろぼろと流しながら)

杏(――絞り出すような声で、必死に叫ぶんだ)



智絵里「にっ……にげ、てえ」

智絵里「はや、く」

智絵里「はや、げ……ぶ、あ……!!」


美波「……はっ!」

美波「美嘉ちゃん! きらりちゃん! みくちゃん!」

美波「皆を連れて逃げて!!」


杏(――美波ちゃんが、一番最初に我に返って)

杏(――美波ちゃんの指示で、みんな部屋から慌てて逃げてく)


みく「……杏チャン! ぼーっとしてないで逃げーや!!」


杏(――杏は、その場から立てなくて)

杏(――みくちゃんに引きずられながら、楽屋を出ていく)
391 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:53:30.03 ID:9ZY2Twcv0

杏(――最後まで残ってたのは、美波ちゃんと、きらり)

杏(――美波ちゃんは、智絵里ちゃんを助けようとしたけど)

杏(――きらりちゃんに止められて、無理矢理外に追い出された)


杏(――肉を断つ音と、智絵里ちゃんの首が転がる音が聞こえた)

杏(――智絵里ちゃんの時間稼ぎで、みんな外に出られた)


杏(――いや、違う)

杏(――きらりだけ、ドアのすぐ近くに)


杏(――まるで中から誰も出さないように、突っ立ってた)


杏(――かな子ちゃんが死んでから、ずっとぼーっとしてた杏の頭は)


杏(――やっと冷えていった)





杏「―――――何やってんだよきらりっ!!!」




392 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:55:18.31 ID:9ZY2Twcv0

杏(――内側から、肉にナイフを突き立てる音が聞こえる)

杏(――きらりは甲赫を出して、扉を塞いでいる)

杏(――杏は)


杏(――みくちゃんの手を振りほどいて、楽屋に戻ろうとする)


みく「! 何やってんの杏チャン!? 戻ったら杏チャンまで死ぬよ!?」

杏「はなせっ……はなしてくれ!」

杏「きらり! きらりぃ!! 何やってんだよ早く出てよ!!」

杏「なんできらりが残ってんだよ! 杏が代わるからっ……はやく出てきてよ!!」


きらり「……杏ちゃん」


杏(――ドアに張り巡らされた赫子の内側から、きらりのか細い声が聞こえてくる)


きらり「ごめんねえ、杏ちゃん。きらり、ぜんぜん動けなくて」

きらり「かな子ちゃんも、智絵里ちゃんも、きらりのせいで死んじゃった」

きらり「杏ちゃんの、大切な人なのに」


杏「はあっ!? ……きらりのせいじゃない!! 全部杏のせいだ!!」

杏「杏、黙ってたんだ! キャッスルの事も財産の事も、知ってて全部黙ってたんだよ!!」

杏「それで皆をわざと部屋の中から出さなくて……そいつのことも危険だって気付けなくて……だから今こうなったんだ!! きらりの何が悪いって言うんだよ!!」

杏「杏が代わるよ!! 杏はすごく悪い事してたんだからさあ!! 杏が死ぬべきなんだよ!! きらりは杏よりずっと生きて、やりたいことあるだろうがあ!!」

杏「はなせっ、みくちゃ……はなせ、よおおおおお!!!」


きらり「……」

きらり「……杏ちゃんが、なんのこと、言ってるか、わかんないけど」

きらり「きらり、わかるにぃ。杏ちゃんは、皆に心配かけたくなくて、秘密を守ってたんだよね?」

きらり「話しちゃったら、きっとみんな、傷ついちゃうから……」

きらり「とーっても優しい杏ちゃんだから、仕方なく隠してたって、きらりは分かるゆ」


杏「っあ……そんな、こと……」


きらり「それにね。きらり、おっきいから」

きらり「いっかい、みんなに喰種だってバレちゃったら……もう隠れられなくて、おしまいなの」



きらり「もう生きていけないんだあ」



杏「あっ……」


杏(――一瞬、力が抜けた)

杏(――その隙に、みくちゃんは杏を引っ張って)

杏(――杏はきらりが、きらりの姿が、きらりの声が、ずっと小さくなっていくのを見ていた)


杏(――やっと痛みが引いてきた耳には)

杏(――大きい体が倒れる音が聞こえて、それからは何も響かなくなった)
393 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:56:23.26 ID:9ZY2Twcv0

杏(――かな子ちゃん)


杏(――何も知らないでヒトを食べていた自分が嫌で)

杏(――その分、周りの人間を幸せにしようとして、お菓子作りが上手くなった女の子)

杏(――CANDY ISLANDでのお仕事で、色んなところに行って)

杏(――色んな人が、かな子ちゃんのお菓子を美味しいと言ってて)

杏(――杏はお菓子の味なんか分からないけど)

杏(――ただ、お仕事を重ねて、周りの人にたくさん『ありがとう』を言われてるうちに)

杏(――だんだん自分に自信を持っていくかな子ちゃんを見ているのは)

杏(――救われていくかな子ちゃんを見るのは、嫌いじゃなかった)


杏(――智絵里ちゃん)

杏(――アイドルになる前は、親も家も無くて、まともな女の子の暮らしも出来なかったって聞いてる)

杏(――そんな暮らしをしてても、アイドルを諦めきれなくて)

杏(――女の子の幸せを諦められなくて、346プロに来たって言ってた)

杏(――待ってたのは、バラエティの仕事ばっかりだったけど)

杏(――そんな中で、一度だけブライダルの仕事があったんだっけ)

杏(――智絵里ちゃんのために用意されたウェディングドレス)

杏(――あれを初めて見た智絵里ちゃんは……本当に嬉しそうだった)

杏(――ここに来てやっと、智絵里ちゃんは)

杏(――女の子の夢を叶えられたんだよ)


杏(――きらり)

杏(――あの変な口癖は、派手にしてれば逆に怪しまれないからって聞いた)

杏(――ずっと、怖がられるのを怖がってた)

杏(――そんな大したもんじゃないことなんて、すぐに分かるのにさ)


杏(――だってほら)

杏(――346プロのちびっ子たちには、すごく懐かれててさ)

杏(――風船できらりの像を作るなんてさ。怖がられてたら、そんなのされないじゃん)

杏(――まして)

杏(――あんなの見せられて、ちびっ子たちの前ではすごく喜んで)

杏(――その後、杏と2人っきりになったら)

杏(――『とっても嬉しい』って、泣いてるんだ)


杏(――あんなの……ただの優しい女の子じゃなくて、なんなんだよ)
394 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:57:48.68 ID:9ZY2Twcv0

杏(――だからさ)

杏(――プロデューサーの気持ちも、ちょっとは分かるんだ)


杏(――この346プロは、全部嘘でできた事務所だけど)

杏(――でも、いつか覚める夢でもさ)

杏(――こんないい笑顔見てたら、壊す気になれないじゃん?)


杏(――プロデューサーも、ちひろさんも、他の人達もさ)

杏(――みんな、あんな顔が見たくて人殺ししてたんでしょ?)



杏(――みんな)





杏(――こんな終わり方したくなくて、必死だったんでしょ)





杏(――ほら)



杏(――必死こいて生きようとして、局から脱出したら)



杏(――目の前には、たくさんのサイレン)



杏(――見慣れた白い服の集まり、みんなしてアタッシュケース持ち)



杏(――杏たちの幸せは、眠りと幸せな夢だけ)



杏(――夢から覚めたら、少し泣いて、ハイ死んでください)



杏(――現実にこんなのしか待ってないんだったらさ)





杏(――黙ってる以外に、どうすりゃよかったんだよ)


――――――――――――――――――――
395 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:58:20.08 ID:9ZY2Twcv0

――――――――――――――――――――










――――――――――――――――――――
396 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 19:59:02.49 ID:9ZY2Twcv0

――――――――――――――――――――



「――ふんふふふん、ふーんふふふふふん」

「ふふふふん、ふふふん、ふふーふん」



(――鼻唄?)

(――この曲、は)


(――『おねがいシンデレラ』……?)

(――途切れ途切れで)


(――今にも、消えてしまいそうな……)


(――ここは、どこ)


(――私は……)



「……気が、付きましたか」


「おはよう、ございます、蘭子ちゃん」



ちひろ「夢は醒め、ましたか」


397 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 20:00:49.86 ID:9ZY2Twcv0

蘭子「……ちひろ、さん?」

蘭子「なんで……」


ちひろ「なんで? 何の話、です?」

ちひろ「なんで、あんなにボロ、ボロだったのに、ここに、いるかっ……ですか?」

ちひろ「……貴女もアイ、ドルだからっ、に、決まってる、じゃないですか……」


蘭子「……?」

ちひろ「本っ当に、呑気な、子、ですね……」

ちひろ「覚えて、ないんで、すか?」


蘭子「覚えて……」

蘭子「……!!」

蘭子「私、撃たれて……!!」


ちひろ「ええ……アーニャ、ちゃん、ごと、一斉、掃射で」

ちひろ「あなたも、バラバラに、なりました」

ちひろ「……それなのに、服以外、完治、と、いうのは」

ちひろ「さすが、というしか、ありませんね」


蘭子「アーニャちゃん、ごと……っ!!」


蘭子「―――アーニャちゃんは!?」

蘭子「アーニャちゃんは、私を庇って……!!」


ちひろ「……はあ」

ちひろ「すぐ横、ですよ。横」


蘭子「横……」


蘭子「……うそだ」


ちひろ「…現実、ですよ。それが、現実」



ちひろ「その、バラバラ、死体が、アーニャ、ちゃんです」



ちひろ「まだ、首から、上がキレイで、きれいなまま、で、良かった、ですね」

ちひろ「……集めるの、苦労したんですからね」

ちひろ「なんだって、こんな、死体なんか、あつめたんで、しょうか」

ちひろ「ばかばか、しい」
398 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 20:04:39.47 ID:9ZY2Twcv0

蘭子「ああ……そんな……やだ……!!」



ちひろ「……ヒュー……コヒュー……」



ちひろ(――もう声が出ない)

ちひろ(――指一本動かせない)

ちひろ(――ああもうくだらない)

ちひろ(――結局こんな終わり方なんて)


ちひろ(――目の前の小娘に罵詈雑言を並べ立ててぶちまけてやりたい)

ちひろ(――こんなもののために全部壊したのかって)

ちひろ(――私達の、ささやかな夢だったのに)



ちひろ(――人間を大量に使い捨てたのも)

ちひろ(――秘密を知った喰種を消したのも)


ちひろ(――秘密を探った凛ちゃんに真実を突きつけたのも)

ちひろ(――未央ちゃんに消えないトラウマを植え付けたのも)

ちひろ(――シンデレラプロジェクトの皆を殿にして、先にほかのアイドルを逃がしたのも)

ちひろ(――その、凛ちゃん以外の家族を、騙して、家に残ってもらったのも)


ちひろ(――全部、くだらない私利私欲のためだとでも思っていたのですか)


ちひろ(――いいじゃないですか、ささやかな夢くらい見たって)

ちひろ(――いいじゃないですか、喰種が輝く舞台に立ったって)

ちひろ(――いいじゃないですか、また舞台に立ってもらうために全部失ってでも生き残ってもらったって)

ちひろ(――いいじゃないですか、そのために)


ちひろ(――冷徹になってでも、残酷になってでも、打てる手をすべて打っても)


ちひろ(――きらびやかで、幸せな夢の、世界を、つくることの)

ちひろ(――何が悪いと言うのですか)
399 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 20:06:16.41 ID:9ZY2Twcv0

蘭子「っ……そうだ……まだ、手はある……!」

蘭子「楓さんが、教えてくれた、方法が……!!」



ちひろ(――ああもう。やめろと言ってあげたい)

ちひろ(――まだ、現実を見たくなくてもがいているのですか)

ちひろ(――そんなことをしても、アーニャちゃんは戻ってこないですよ)



蘭子「やった……成功した……」

蘭子「これで、アーニャちゃんが生き返って……!!」


蘭子「……あ、あれ」



ちひろ(――ああほら)

ちひろ(――それはもう、アーニャちゃんじゃないですよ)

ちひろ(――楓さんの物真似ですか)


ちひろ(――死体に、蘭子ちゃんの赫子を埋め込んでも)

ちひろ(――それは)



ちひろ(――ただの動く死体ですよ)



ちひろ(――あーあ。思った通り、泣きじゃくってる。泣いて、後悔してる)

ちひろ(――ああ……こんなに無様にもがいてる姿を見せられるなら)

ちひろ(――助けない方が、良かったかなあ)

ちひろ(――こんなに、傷ついた体に鞭打って)

ちひろ(――致命傷を負いながら、蘭子ちゃんと、アーニャちゃんだったものをかき集めて)


ちひろ(――もうすぐ死にゆく私が、見せられるのが、こんなものだなんて)


ちひろ(――なにが、『私が引き付けますから』、ですか)

ちひろ(――私が、死ぬのは、変わらないんじゃないですか)



ちひろ(――楓さん)
400 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 20:09:38.87 ID:9ZY2Twcv0

たぶん今日はここまで。

杏の回想とちひろの独白とノローニャ、とりあえず書きたかったものは書けました

次の更新で346編は終了、その次の更新でエピローグやって終わりになります


リアルの事情と書く気力に限界が近付いてるのもあって、かなり巻いてます。
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 20:09:49.64 ID:ArqLlc7LO
生まれたばかりの赤ん坊、みりあの妹もやられたか
402 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 20:11:42.34 ID:9ZY2Twcv0

:reアニメ化だと
403 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/05(木) 22:39:23.95 ID:9ZY2Twcv0
>>384
ついでに765プロでは

羽赫:千早、小鳥
甲赫:真
鱗赫:響、あずさ、美希、P
尾赫:伊織

になります
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 22:40:07.32 ID:qgOAQp9H0
あー遂にCPから被害者が…Pのトラウマスイッチがまた増えるなこりゃ
果たして何人生き残れるやら
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/05(木) 23:47:06.74 ID:upOFJWSm0
乙です!
まさかここまで一気に死者が増えるとは
冬馬のクインケ「シマムラ」の元が卯月なのか卯月の家族なのかは次回かエピローグまで見れば分かるのかな?

毎回更新を楽しみにしているので焦らずにじっくりお願いします
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/06(金) 02:18:25.59 ID:AGBr71CC0
>>384 >>403
ありがとうございます!
結構自分のイメージに合ってるのが多くて嬉しい
杏の2種は自分の中での格好良い赫子2つです
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 03:01:05.79 ID:vpu5CsPA0
乙!
アーニャには生きて欲しかった…
408 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:09:53.29 ID:hJ19nLRW0

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409 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:11:08.22 ID:hJ19nLRW0



「アーニャちゃん」

「美波さん」


「今日は、一緒に走ってくれて……その」

「ありがとう、ございました」


「今日は、その……二人に」

「お話したい事が、あって……」



「みんなは、私の赫子を見て」

「『強そう』って、『強い赫子を持ってていいな』って」

「魔王様みたいで、私にぴったりだねって言ってくれるんですけど」

「私は、この体……あんまり好きじゃないんです」


「…えっと! お父さんとお母さんからもらった身体が嫌いってことじゃないんです!」

「お母さんは、会えないけど……」

「ずっとひとりで育ててくれて、愛してくれて、今でも、大好きで」

「お父さんは、顔も分からないけど……やっぱり好きで」


「……そうじゃなくて」

「私はこの力が、ちょっと怖くて」

「私が憧れた力って言うのは、上手く言えないんだけど、何でもできて」

「一生懸命働いて、私のせいで、誰にも頼れなくて、ひとりで寂しそうにしてるお母さんも」

「物語に出てくるような魔法が使えたら、助けてあげられるから……」

「そんな魔法みたいな力に、憧れたんです」


「……私の力は、そんな理想の力じゃなくて」

「ただ、人を……傷つけるものだから」

「だから、怖くて……」


「私は、ただ」



「お母さんや、プロデューサーや、美波さんみたいに、だれかを助けられたら」



「そんな存在になれたらいいな、って……」



「だから、言葉だけでも真似したかったのかも……」



――――――――――――――――――――
410 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:11:42.67 ID:hJ19nLRW0

――――――――――――――――――――


凛(――鼻の中を切り裂くような冷たい空気)

凛(――その中を漂ってくる懐かしい匂いを、必死にたどって)

凛(――親友と、大好きだった両親の匂いを、振り切って走った)


凛(――ほかに行くところなんてなかったから)


凛(――卯月)

凛(――プロデューサー)


凛(――ううん、他の誰でもいい)


凛(――好きな人の側にいたくて、ひとりぼっちでいたくなくて)

凛(――傷んでいく喉を我慢して、走り続けた)



凛(――やっと、仲間の匂いが濃くなったと思ったら)

凛(――鬱陶しくて仕方ない、あの白いコートも見えた)

凛(――回り込んで、でも道路からは回り込めなくて)


凛(――仕方がないから、建物を登ったら)


凛(――仲間の匂いは、車の中から漂っていたんだと気付いた)



凛(――それは白鳩の護送車だった)
411 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:12:12.16 ID:hJ19nLRW0

凛(――卯月と、プロデューサーの匂いはしない)

凛(――あとは、何人か欠けてる)


凛(――美波。みく。杏。みりあ。莉嘉。美嘉)


凛(――匂いは、たぶんこれだけ)


凛(――あとはどこに行ったんだろう)


凛(――考えたくなかった)


凛(――考えたくなかったのに)


凛(――目の前に突きつけられた)


凛(――なんで、ここで皆を見つけてしまったんだろう)


凛(――なんで、今見つけてしまったんだろう)


凛(――目の前の有機パネルには)



凛(――卯月が映っていた)



凛(――手足を縛られて)


凛(――くせのついた髪は、乱暴に引っ張られていて)


凛(――その表情は、今にも泣きそうで)



凛(――知らない男が、その首に刃を当てていた)
412 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:13:39.95 ID:hJ19nLRW0



黒井『ウィ、マダム。エ、ムッシュ』

黒井『そして各方面にまんまと逃げのび、安堵しているだろう346プロダクション喰種アイドルの諸君』

黒井『私はCCG上等捜査官の黒井だ』


黒井『これでも放送機器の扱いには心得があってね。TOKYO MIXスタジオをお借りして、こうして緊急放送をさせてもらっている』

黒井『ああ、心配はいらないよ。優しい上司がすべて責任を取ってくれると言ってくれたからね』



黒井『……さて、346プロの喰種ども』

黒井『同僚を生贄にして、まんまと自分は逃げおおせたと思っていたか?』

黒井『ざあ〜んねんっだったなあ! 計画は完全に失敗だ!』

黒井『頼りの職員共は全滅し、人間アイドルはすべて救出した』

黒井『こちらの捜査官は大して死んでいない。…ああ、失礼。ゼロではない。訂正しておこう』

黒井『ともかく、君達を守っていたものは全て消え失せた』


黒井『……さて』



黒井『次はお前たちだ』



黒井『先ほど述べた通り、捕らわれのアイドルはすべて救出済みだ』

黒井『あとは、346プロの名簿から彼女たちの名前を引くだけ―――』

黒井『残ったお前たちを、これから「喰種被疑者」として容赦なく捜査する』


黒井『勿論、猶予は差し上げよう。お前たちが本当に"喰種"だと証明されるまで』

黒井『その後どうするか? それはこの娘にやる通りだ』


卯月『……や、あ……!』


黒井『……許されるとでも思ったのか?』

黒井『みんな346プロがやりました、だから私達は人を殺していません』

黒井『だって私達はアイドルになりたかっただけだから! ただ知らなかっただけなんですう!!』


黒井『ふざけるな』


黒井『一匹残らず、探し出してやる』

黒井『346プロのクズ共も、その他のアイドル紛いのクズ共も』

黒井『すべて探し出して、我々は罰を与える』

黒井『殺しつくしてやる』


黒井『何も悪い事をしていない? なにを勘違いしている』



黒井『お前たち喰種が、生きたいと思うこと』



黒井『―――それこそが罪なのだ』
413 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:14:45.91 ID:hJ19nLRW0





卯月『……ご』



卯月『ごめ、なさい、ごめん、なさい』



卯月『やだ、やだ。ころさ、ないで』



卯月『たすけ、ママ、あ、プロ、でゅ、さ』



卯月『みお、ちゃん』



卯月『りん





     ちゃ』



――――――――――――――――――――



凛(――最初に見た筈の笑顔は、もう無かった)


凛(――その笑顔だけは、ずっと変わらないでいてくれると思っていたのに)


凛(――罪悪感と、恐怖が入り混じった泣き顔だった)


凛(――どうにもならない身体を、ぎしぎしと必死でゆすって)


凛(――何も悪くないのに、ごめんなさいと繰り返して)





凛(――その姿は、まるで『処刑』だった)

凛(――卯月は、何も悪くない筈なのに)

凛(――あの男は、まるで自分が正義だとでも言うように)



凛(――断頭して、命を奪い取った)

凛(――あの子の笑顔も、夢も、全部)
414 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:16:08.87 ID:hJ19nLRW0





「ごめんなさい」





「間に合わなかった」





「私のせいで、凛ちゃんの大切な人まで」





「奪ってしまいました」




415 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:16:49.81 ID:hJ19nLRW0

凛「……え」



凛(――いつの間にか、隣に蘭子がいた)

凛(――いや)

凛(――本当に、蘭子なの?)


蘭子「……どうしたの、凛ちゃん」

蘭子「ああ。もしかして、この服?」

蘭子「これはね、盗んじゃった」

蘭子「流石に、ボロボロの衣装じゃ……恥ずかしくて」


凛(――ちがうよ、蘭子)

凛(――服の事じゃない)

凛(――どうしてそんな顔をしてるの、ってことだよ)


凛(――どうして蘭子は、そんな悲しい顔で笑ってるの)


蘭子「……救えなかった」

蘭子「卯月ちゃんも」

蘭子「アーニャちゃんも」

蘭子「かな子ちゃんも、智絵里ちゃんも、きらりちゃんも」

蘭子「……プロデューサーも」

蘭子「未央ちゃんと李衣菜ちゃんは、逃げ切れたのかな」

蘭子「無事だといいな」


蘭子「……私」



蘭子「私、決めたよ。凛ちゃん」

416 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:17:36.04 ID:hJ19nLRW0

凛「……蘭子?」


凛(――私が何か言葉をかける前に)

凛(――蘭子は屋上から飛び降りてしまった)


凛(――落ちていきながら、蘭子は壁を駆けて)

凛(――叫ぶように、翼がその体を押し出していく)


凛(――突き進む先は、美波達が乗せられている護送車)



凛(――そして爆発音が鳴り響いた)



凛(――焼け死んでいく人間たちと、羽に貫かれて絶命する人間たちと)


凛(――車から這い出て、息を飲む仲間たちに囲まれて)


凛(――周囲を揺らめく赤い炎に、その身体は照らされていた)


凛(――燃え盛る火と一緒に揺れる、蘭子の翼は)


凛(――どうしてなんだろう)



凛(――すごく綺麗だった)



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417 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:20:59.20 ID:hJ19nLRW0

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凛(――プロデューサーには、結局会うことが出来なかった)


凛(――その後のニュースで、捕まってしまったことを知った)





凛(――私達は、とにかく捕まらないように逃げた)


凛(――必死で逃げ回っているうちに、時間は過ぎたみたいで)


凛(――ふと時計を見ると、ちょうど12時を指していた)


凛(――なんで、こんなに嫌な偶然ばかり続くんだろう)





凛(――とっくに魔法は解けているのに)



凛(――なんで今更、見せつけてきたんだろう)



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418 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:21:32.53 ID:hJ19nLRW0

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419 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:22:38.40 ID:hJ19nLRW0





「美波さん」





「ごめんなさい」


「私、アーニャちゃんを守れませんでした」


「私のせいで、アーニャちゃんをひどい目に遭わせてしまいました」


「私のせいで、みんな死んだんです」


「346プロは、みんなを守ってたのに」


「どんなにひどいことをしても、喰種にとってはたった一つの拠り所だったのに」





「だから、もうこれ以上は奪わせません」


「私が、346プロの代わりになって戦います」


「今度は誰も死なせない」



「今度は私が、皆のために戦うから」
420 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:25:25.94 ID:hJ19nLRW0










「私がみんなを守るから」










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421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/06(金) 20:40:27.36 ID:AGBr71CC0
卯月の死亡シーンが今までで1番辛いな
まさか文字通りの公開処刑とは...
黒井は真戸ポジションだから無惨な最期を迎えるのは確定だろうけどそれでもこれはくるね
422 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:49:57.07 ID:hJ19nLRW0

とりあえずこれで本編は終わりです。

曲がりなりにも蘭子の結末とCPメンバーの死んでしまう所は描写したので、

あとはエピローグとして楓さんやCCG保護組がどうなったかを書いて行こうと思います。

かなりサラっと書いてしまうので、楓さんの活躍や捜査官達の重苦しい最期を期待してくださった方はごめんなさい。

リメイク時にエピソードとしてちゃんと書くと決めているので今はこれで許してください。


>>405
時間をかけてでもちゃんと全部描写しきるのが一番いいとは僕も思うのですが、
元々技術不足なこともあり前編の時点で不満が多々残ってるところとか、原作がどんどんアレになってモチベが下がってることとか、
段々765編と時系列に矛盾が出てきてるから整理したいとか、
あとは申し訳ないことに、ダラダラ書いてるうちに大3になって就職のことをちゃんと考えなくちゃいけなくなり
のびのびとやっていく余裕がなくなってしまったこととか問題が色々できしちゃいまして……

なので、ひとまず「少なくともちゃんと展開が分かるように」「ちゃんと終わらせる」ことを第一に優先して、
細かいエピソードの数々や表現力を犠牲にしてでも一度ちゃんと区切りをつけて、

それでもやっぱり偶像喰種完結まで書きたいし楽しみと言ってくれた人のためにも満足できる話を書きたいのは確かなので、
将来の見通しがちゃんと立ってからまた前期のエピソードとかアイマスらしい要素とか、
書きたかったものをちゃんと追加して書き直そうと思います。

ちゃんと戻って来るので、申し訳ありませんが今はこれで。
423 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/06(金) 20:51:21.66 ID:hJ19nLRW0

明日の更新でこのスレは完結となります。

もう少しだけお付き合いいただければ幸いです。
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 21:30:43.76 ID:43a6sQDro
奏、周子達は蘭子辺りと合流したのかな
CoのCG皆生き残ってるのか
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 00:23:40.78 ID:YCek0wYq0
個人的には未央の死が一番印象深かった
藍子や家族との別れがあんなだったしアレだけフラグ立ってると逆に生存あるのかなって思ってたし
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/07(土) 00:28:09.30 ID:BiEYmoyW0
乙です!
卯月は今までで1番ショックだった
この分だと本編の方でフレデリカ達の言っていた「王様」は楓ではなく蘭子かな?

原作に対して言いたいことはよく分かります
もう随分前から原作よりもこちらの更新の方を楽しみにしているくらいで
何はともあれラストのエピローグまで頑張ってください!

ついでに質問なのですが、蘭子や楓や小鳥や武内P以外にも喰種達の強さについては決まっていますか?
各喰種がどのレート相当の強さなのかとか、765・346各事務所内での強さの序列とか
もし想定されていれば教えて欲しいです
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 09:08:34.61 ID:wjaN4L4MO
おつおつ
どんな形であれちゃんと完結させてくれるだけで嬉しいぞ
428 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:23:18.20 ID:OtjLsYf80

>>427
レートについては、前スレで詰まった時に作った表があります
http://imgur.com/zpYwG3a
序列については明確に決めているわけではありませんが、

とりあえず
346 その他の喰種<<楓<武内P<蘭子
765 伊織≦千早≦美希≦あずさ<<真<P<小鳥
ぐらいは決めてますね。
楓は元々それなりにあった素質と天才的な戦闘センスとそれなりの戦闘経験の積み重ね、
武内Pは赫者としての底上げと鯱のような地道な鍛錬による技術、
蘭子は経験こそないものの楓を軽く追い越す圧倒的な素質によるゴリ押しと自前の想像力をそれぞれ使い戦います。
なので蘭子はまだまだ伸び代があるのです。


皆さんコメント本当にありがとうございます。

段々リアルも厳しくなってきて、劣等感にも苦しみながら、それでも偶像喰種を書き続けていられたのは、

皆さんがコメントで楽しんでくれて、こんなssでも応援してくださったからです。

本当に励まされました。本当に本当にありがとうございます。


最後まで書けたので、これから投下します

よろしくお願いします<(_ _)>
429 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:23:45.21 ID:OtjLsYf80

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430 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:24:13.56 ID:OtjLsYf80

〜1月1日 某公園〜


美城「……」ペラ


美城(――346再編に当たって、問題は山積みだな)

美城(――資金も施設もスタッフも、一から集め直さなければならない)

美城(――あれは外道の巣だったが)

美城(――たしかに安定した企業だった)


美城「……」フー



「あけましておめでとう、常務」

「隣いいかしら?」



美城「!」

美城「……ああ。構わん」

美城「それと、あけましておめでとう」



美城「速水」



奏「…また仕事で悩んでるのね」
431 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:24:53.29 ID:OtjLsYf80

奏「差し入れよ。缶コーヒーだけど、この辺りじゃ一番美味しいの」


美城「そうか」カシュ

美城「……確かに美味だな」


奏「お互い、やっと一息つけたみたいね」

奏「年末はそっちも慌ただしかったみたいだし……」

美城「……」


美城「…速水」

美城「私を殺しに来たのか」


奏「あら、どうして?」

奏「何か後ろめたい事でもあるの?」クスクス


美城「思い出話をしに来たわけではないだろう」

美城「聡明な君が気付いていないとは思わん」

美城「私はCCGの信用を得るため、君達4人の情報を売った」

美城「そのために、鷺沢文香は命を落とした」


美城「いつかは、その代償を払う日が来ると思っていた」
432 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:26:14.38 ID:OtjLsYf80

奏「そう?」

奏「私も周子もフレデリカも、あなたの事を恨んでる訳じゃないわよ?」

奏「むしろ、財産のことを知った時は、常務らしいなって思った」

奏「それに何より……短い間だったけど、クローネでの活動は楽しかったもの」

奏「常務がいじわるされてて、下積みばっかりで終わっちゃったけどね」


美城「……そうか」

奏「今は人間だけの346プロを再編してるってところかしら?」

奏「あのまま346が無くなっちゃったらどうしようって、思ったけど」

奏「と言うか、私が言うのもなんだけど……評判とか、大丈夫なの?」

奏「世間の目はすごく厳しいと思うのだけど」


美城「その点だが、心配はいらない」

美城「確かに、346崩壊の直後は激しいバッシングを受けたが」

美城「今後の経営について、私はある勝算を持って密告に向かった」

美城「そして読みは当たっていた」


美城「喰種が経営しているアイドル事務所は、346だけではなかった」

美城「小早川紗枝が提供した情報の中には、目線逸らしのために密告する多事務所のリストもあってな」

美城「346がCCGに目をつけられかけた時は、他の喰種事務所を密告して事なきを得ていたようだ」

美城「よって346を皮切りに、喰種の経営しているアイドル事務所は次々と摘発された」


美城「今の民衆にとって、摘発されていない事務所は『喰種がいるかもしれない事務所』」

美城「そして346は一番最初に……言ってしまえば『浄化』された事務所だ」

美城「父を含む私以外の美城一族は逮捕された。裁判はまだだが、積極的に喰種に協力していたことから死刑判決が下るだろうと聞いている」

美城「今の代表取締役は私が務めている。悪逆非道の346プロを密告し、喰種の敵、人間の味方となった私が」


美城「よって、346プロは現時点で『一番信用できる』事務所になった」

美城「高価だが、新しい事務所にはRcゲートを設置し『人間だけの』アイドル事務所として再スタートを切るつもりだ」


美城「……これは想定外だったのだが、黒井上等の緊急放送を含め」

美城「シンデレラプロジェクトのメンバー数名が駆逐された事は広く知れ渡った」

美城「"喰種"だとしても彼女たちはアイドルだった。当然、人間のファンもいた」

美城「CCGが受けた批判、攻撃に比べれば、私個人の風当たりなど無いに等しかった」


奏「すごく荒れた……と言うか、今でも荒れているものね。346プロのアイドルを擁護した人が喰種扱いされていたのは……失礼だけど、ちょっと笑っちゃった」
433 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:27:39.97 ID:OtjLsYf80

奏「それにしても……浄化って、随分とひどいことを言われたものね」

奏「でも、そっか。それならありすちゃんと唯はアイドルを続けられるのね」

奏「良かったら『応援してる』って伝えておいてくれないかしら?」


美城「……」

美城「……その話だが」


美城「『最終隠匿プロトコル』にて保護したアイドルと、その後検査のために招集し人間だと証明されたアイドルに意志を確認したが」

美城「左手首から先を欠損した木村夏樹、意識不明の椎名法子、両手の全指を欠損した水本ゆかり、重傷で保護された神谷奈緒、北条加蓮を除いて」

美城「生還した90名の人間うち10名が346プロから退社した」

美城「輿水幸子、五十嵐響子、中野有香、脇山珠美、森久保乃々、桐生つかさ、片桐早苗、浜口あやめ、向井拓海」

美城「そして橘ありすだ」


奏「……!」

奏「……あら。CCGもまだ、346プロのアイドルを全員判別できたわけじゃないのね」

奏「裕子が攫われる直前なら、346プロに所属していた人間アイドルは100名よ」

奏「裕子と、殺された茜、あとケガした人を含めても3人足りないわ」

奏「…まあ、一人はグレーだからカウントしていいのか分からないけど」

奏「誰が人間アイドルって分かってるの?」


美城「辞退者やけが人を除き、346プロでの活動続行の意志を表明した80名は」

美城「小日向美穂、櫻井桃華、道明寺歌鈴、乙倉悠貴、関裕美、白菊ほたる、福山舞、今井加奈、奥山沙織、横山千佳」

美城「太田優、棟方愛海、大原みちる、遊佐こずえ、大沼くるみ、相原雪乃、西園寺琴歌、楊菲菲、柳清良、榊原里美」

美城「安斎都、大西由里子、古賀小春、丹波仁美、池袋晶葉、原田美世、二宮飛鳥、上条春菜、佐々木千枝、松永涼」

美城「大和亜季、荒木比奈、松本紗理奈、松尾千鶴、岡崎泰葉、高橋礼子、服部瞳子、木場真奈美、水野翠、八神マキノ」

美城「浅利七海、高峯のあ、篠原礼、氏家むつみ、藤井朋、結城晴、桐生つかさ、鷹富士茄子、十時愛梨、市原仁奈」

美城「大槻唯、姫川友紀、及川雫、龍崎薫、難波笑美、依田芳乃、佐藤心、並木芽衣子、沢田麻理菜、矢口美羽」

美城「愛野渚、真鍋いつき、小関麗奈、メアリー、的場梨沙、財前時子、若林智香、ナターリア、相馬夏美、槇原志保」

美城「杉坂海、北川真尋、小松伊吹、三好紗南、キャシー、村上巴、首藤葵、冴島清美、南条光、イヴ・サンタクロース」

美城「付け足すと、木村夏樹は怪我こそしているものの復帰の意志をはっきり示している」


奏「志希と穂乃香と柚が欠けてるわね。あと80人の名前を何も見ずに言えるのは……ええ、流石ね」

美城「さらっと欠けた3人を指摘できる君が言えた立場ではない」


美城「……ところで、グレーと言うのは?」

奏「志希よ。あの子『半人間』だもの、流石に検査を受けるのは危ないと思ったのかしらね」
434 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:29:12.77 ID:OtjLsYf80

美城「そうか。まだ捜査対象には人間が混じっていたのか」

美城「上条春菜、佐々木千枝、荒木比奈、松本紗理奈は保護後の呼びかけで戻って来た」

美城「あれで全てだと思っていたのだがな。『準一級制度』は、この時のための保険でもあったか」

美城「……そして、奴らの殺戮は意味があったと言うことか」


奏「…ああ、少なくともその場で駆逐はされないように、ってことね」

奏「人間嫌いのちひろさんが、やけにあっさり譲ったなと思ったら」


奏「……それで」


奏「良かったのかしら? 私に、そんなに情報をペラペラと喋っちゃって」

美城「私の目的は346プロダクションの完塞だった。それは既に達成している」

美城「君こそ、まだ判明していなかったアイドルの情報を喋ってよかったのか?」

美城「私がまた密告するとは思わなかったのか」

奏「貴女がそうするなら、大人しく受け入れるわ。これでも常務の事は結構好きだもの」


奏「……さっき、『思い出話をしに来たわけではないだろう』って言ったでしょ」

奏「いいえ、思い出話をしに来たの。多分これが、常務に会える最後のチャンスだと思ったから」

奏「これから増々、余裕がなくなって来ると思ったから」





奏「教えてくれないかしら。346プロの最終隠匿プロトコルが失敗に終わった後」


奏「CCGに何があったのか、ありすちゃんに何があったのか」





常務「いいだろう。だが、そちらの情報も寄越してもらう」


常務「シンデレラプロジェクトに何があったのか、高垣楓が何をしたのか」


常務「君も知ってる全てを話してもらうぞ」





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435 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:29:53.77 ID:OtjLsYf80







「皆さん」


「私は"喰種"です。正確に言えば、2年前皆さんにご迷惑をおかけした『隻眼の喰種』です」


「最後に一回、皆さんに遊んでほしくて……今日カミングアウトを決意しました」


「CCGの皆さん。これから346プロの喰種の皆を探し、なぐーる、そうですね」


「かつてのお城で待ちます。私の強さは知ってる筈ですから、ちゃんと準備をして来てくださいね」



「私を殺しに来てください」





「私もそうします」




436 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:30:28.98 ID:OtjLsYf80





「ああもう」


「何でこんな、痛い目に遭うことが分かってたのに」


「わざわざこんなところに首を突っ込んだのかしら」


「346は最悪な組織だったし、楓ちゃんは相変わらず自分勝手だし」


「私は、こんなマヌケな死に方しそうだし……」


「……ああ、でも」



「正しいとか、間違ってるとか」


「そもそもそんなモノないのかもしれない」


「自分が今まで選んできたことは、自分の罪に出会えたことは」


「あの手のかかる子と346プロに入った事は」


「バカな小娘4人と、子供みたいにはしゃいだ事は」


「……今日、誰かのために死ねることは」


「『良かった』と思うわ」





「……うん」

「……今日なら死ねる」

437 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:31:08.20 ID:OtjLsYf80

奏「白鳩が蘭子を蜂の巣にした時、どうしてちひろさんはあの子を助けられたのか」

奏「それは、ある喰種が乱入して代わりに戦ってたからなの」

奏「誰なのかは言わなくても分かるわよね」


奏「その後、その場では一人も殺さないで」

奏「撮影していたヘリに向かって宣言をした」

奏「『346プロで待つから、殺しに来なさい』って」


奏「白鳩は346プロ相手の時よりもしっかりとした編成で、楓さんを殺しに来た」

奏「でも、楓さんも一人で立ち向かったわけじゃない」


奏「川島瑞樹さんに、三船美優さん」

奏「この2人も一緒に戦っていたの」


奏「…それと、白鳩は正体に気付かなかったみたいだけど」

奏「カメラで宣言をしたことで、楓さんのファンだった喰種が大勢集まって来た」

奏「結果、白鳩は予想以上に大人数を相手に戦うことになって」

奏「結局、楓さんは倒されちゃったけど……代わりに白鳩は多くの捜査官を失った」


奏「噂では、特等の何人かが『タケウチ』って言う鎧を使っていたみたいね」
438 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:31:36.24 ID:OtjLsYf80

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439 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:32:30.96 ID:OtjLsYf80





「……美樹サン? 早苗サンか?」


「あんた、誰だ」


「何でなんにも言ってくれねえんだ……?」


「みんなどこにいるんだ」


「仁奈は……」





「いやだっ」


「仁奈に会いてえ」


「頼むから、仁奈に会わせてくれ」


「一緒にいたいって、言ってくれたんだ」


「もう寂しい思いはっ、させねえって、決めたんだよ」


「どこだ、仁奈っ」





「に……な……」




440 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:33:33.06 ID:OtjLsYf80

美城「確かに、高垣楓は重大な被害をCCGに与えた」

美城「だが、以前の業務が不可能になるほどではなかった」

美城「それだけCCGは何事もなく復活し、346の枷を失くした今、君達をすぐ追い詰めていただろう」


美城「だが、そうはならなかった。何故か?」

美城「それは高垣楓討伐作戦と同時に起こった」

美城「ある"喰種"たちによって、CCG本局が襲撃されたからだ」


美城「機材も局員も問わず、奴らは捜査局の基盤に壊滅的な被害を与えた」

美城「本局防衛に回っていた捜査官達も、その強大な力に容易く命を摘み取られた」


美城「その犠牲の中には、橘美樹準特等と市原ギン一等も含まれていた」


美城「万が一のことを考え、娘を一人にしないために」


美城「彼女たちは、比較的安全なはずの本局警備についていた」
441 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:34:03.69 ID:OtjLsYf80

――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――
442 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:34:35.02 ID:OtjLsYf80





「……あ」


「あー」


「へえええい、かもーん」


「べいべー、さんきゅううう」


「べりいストロング、サイキックパわー、いえーす」




「うしみたい」



「おさかなくわえた」



「さなえさああああん」




443 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:35:48.98 ID:OtjLsYf80

美城「高垣楓討伐作戦を含め、すべてが終わった後」

美城「残った局員をかき集め『キャッスル』に誘拐されたアイドルの捜索が行われた」

美城「……『死亡が確認されなかった』アイドルはたった3名だった」


美城「ビッグリリィに提供された神谷奈緒、北条加蓮」

美城「救助され、『生還』はした」

美城「だが、ビッグリリィの嗜好により、まるで手を繋いだ2人を反時計回りに削るかのように」

美城「神谷奈緒は右足を、北条加蓮は左腕以外の手足を切断されていた」

美城「現在、神谷と北条は入院中だ。リハビリこそ受けているが……」


美城「神谷はともかく、北条のアイドル復帰は絶望的だと言われている」



美城「そして、生存を確認されていないものの死体も発見されなかったアイドルがもう1人」

美城「通称『マッド』と呼ばれる喰種に提供された堀裕子だ」

美城「『マッド』の居住地に置かれていた資料によると、奴は『レシピ』なる技術を346プロに提供していて」

美城「自身も堀裕子にいくつかの実験、施術、拷問を行っていた」

美城「本人の日誌曰く、『4つ全て埋め込めた』らしい」


美城「そして、捜査官達が突入した時には……『マッド』は頭部を破壊され、絶命していた」

美城「そして窓は鉄格子ごと砕かれていた。まるで何かが脱走したかのようだったと聞いた」


美城「……『マッド』が346に提供した『レシピ』の詳細も、同場所に保存されていた」

美城「どうやらこれは、人間に施すことでその肉質を喰種にとってさらに美味にする効果があるようだ」


美城「堀裕子は現在、行方不明として扱われている」
444 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:36:15.70 ID:OtjLsYf80

――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――
445 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:37:11.55 ID:OtjLsYf80





「……早苗さん」


「あんたも見ただろ。CCGを襲撃した奴らの顔をよ」


「アタシも、言っちまえば弾かれ者だからよ。あいつらの気持ちも分かる気がするんだ」


「……里奈はどんな気持ちなんだとか、考えねえわけじゃねえんだ」


「でもよ……だからっつって、あいつらのやった事を許すことは出来ねえ」


「橘も、仁奈も、家族を奪われたんだ」


「もしあいつらが、これからも同じことをするって言うんなら……」


「アタシは、それを黙って見逃すわけにはいかねえ」

446 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:37:59.56 ID:OtjLsYf80





「……捜査官の皆さんが、教えてくれました」


「ゆかりちゃんと法子ちゃんがあんな目に遭ったのは、CCGへの牽制だったけど」


「2人が犠牲になった理由は、一人で逃げたあたしへの当てつけだったって」


「それ以外は、特に意味なんか無かったんだって」


「……それだけの理由で、ゆかりちゃんは一生フルートを吹けなくなって、自分で出来たはずのことが、たくさん奪われて」


「法子ちゃんは、大好きなドーナツも食べられない、お話することも出来ない」


「何もできない身体にされてしまいました」



「あたしは、絶対にあいつらを許せません」


「何の罪もない人を平気で犠牲にした346プロも」


「その犠牲の上に平気で胡坐をかいて、へらへらとアイドルを続けていた奴らも」


「……二人が傷つけられていた時、何もできなかった、傍にすらいなかったあたし自身も」



「……それと。あたしに、ちょっとしたお話がありました」


「もしかしたら、ゆかりちゃんと法子ちゃんを治せるかも知れないってお話が」


「ただ、その技術はすごく危なくて……下手に手術をしたら、その人を不幸にしてしまうかもしれないから」


「だから被験者が欲しいと言っていました」


「あたしは『適性アリ』でした」
447 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:38:37.64 ID:OtjLsYf80





「……父も母も、私の誇りでした」


「私を守るために、皆を守るためにいつも喰種と戦って」


「両親は最期まで、その務めを果たしました」


「だから、悲しくなんてありません」


「泣くこともしません」


「それは、お父さんとお母さんへの侮辱です」





「……桃華さん」


「誘ってくれて、ありがとうございます」


「仁奈ちゃんのこと、よろしくお願いします」


「……でも」





「私は大丈夫です」



「一人で歩けます」
448 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:40:06.65 ID:OtjLsYf80

美城「高垣楓討伐作戦では、橘実特等捜査官が殉職し」

美城「CCG本局防衛では、橘美樹準特等捜査官と市原ギン準特等捜査官が命を落とした」


美城「『奴等』によって、二人の少女が天涯孤独となった」


美城「櫻井家の申し出によって、市原仁奈は櫻井家の養子として迎えられたが」

美城「橘ありすはそれを断った」


美城「橘はCCGジュニアアカデミーへの編入を決めた」

美城「同時に、向井拓海と中野有香はCCGへの入局を決めた」


美城「…さきほど述べた通りCCGは一部の346アイドルのファンにバッシングを受けている」

美城「よって、同じく346のアイドルで喰種の被害を受けた橘や中野に」

美城「CCGの一員として宣言を行ってもらうことで、CCGの支持を回復しようとする動きがある」


美城「また、これはただの噂に過ぎないが」

美城「現在、346プロの残骸として発見された『レシピ』を応用し」

美城「喰種捜査官に喰種の能力を付与する計画が進行しているらしい」


美城「……どちらにしろ」


美城「君達と橘は、次に会うときは敵同士だと思いなさい」


奏「……」
449 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:40:32.96 ID:OtjLsYf80

――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――
450 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:41:26.56 ID:OtjLsYf80





「だりー、喰え」


「そうだ、アタシの左手だ」


「あんたのプロデューサーに斬られそうになった時、咄嗟に突き出しちまってな」


「おかげで即死しないで済んだけど……アタシには分かる。もうこの手は動かねえ」


「だからよ、だりー。こいつを喰って、お前は逃げろ」


「ちゃんと生き延びて……あとアタシの手はこんなのだから、ギターもちゃんと練習しろ」


「ついでに言えば、どうしてもって時以外は人を殺すなよ?」


「そして、何年かけてでもいい」


「生きて戻って……絶対アタシと、またセッションしようぜ」
451 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:42:29.19 ID:OtjLsYf80

奏「……ちゃんと仲良くなれた人間と喰種だっていたのに」

奏「私達は、そうはならなかったのね」


奏「知ってる? シンデレラプロジェクトの大半が死ぬか、捕まるかしたのに」

奏「どうして多田李衣菜だけは逃げられたのか」


奏「表じゃ、木村夏樹を食べて逃げたって言われてるけど」

奏「本当は、『食べさせてくれて』、『逃がしてくれた』って言ってたわ」

奏「私達は、李衣菜みたいにはなれないけど……」


奏「悪い喰種になりたくなくて頑張ってる『良い喰種』がいることも、忘れないであげてね」


美城「……君は『悪い喰種』になると?」


奏「ええ。もう、戻れないもの」

奏「私も参加したの。そのCCG本局襲撃にね」

奏「文香が死んだかどうかだけ、確かめたかった」

奏「……ある捜査官の持ってたクインケから、文香の匂いがしたわ」


奏「私らしくもなく、その時だけは冷静じゃなくなってた」


奏「殺した後で、その捜査官がありすちゃんに似てることに気付いたの」


奏「……これでいい人でいようだなんて。ありすちゃんが可哀想だと思わない?」
452 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:43:00.83 ID:OtjLsYf80

美城「……」

奏「さてと。色々教えてくれてありがとう、美城常務」

奏「これから私達は、『悪い喰種』としてCCGと戦う予定なの」

奏「私達の王様の意向でね。……だから、もうこれっきりにして会わない方がいい」

美城「……どういうことだ。なぜ戦う」


奏「王様が言ったのよ。『キャッスルがいたから、CCGはそっちとばかり戦ってたから、346プロの皆は安心できた』」

奏「『だから、私も同じことをする。残った皆が安心して暮らせるように、私がキャッスルの代わりになって戦う』って」


奏「組織の名前も決まってるみたい」

奏「ドイツ語で『蝕むもの』を表す言葉」



奏「エクリプス」



奏「……王様にとっては、色んな思いが詰まった名前らしいわね」
453 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:44:00.20 ID:OtjLsYf80

美城「私に口出しをする権利がないのは分かっているが、それでも言わせなさい」

美城「……その先に幸せなどないぞ」


奏「……そうね。きっと、惨たらしい最期が待ってる」

奏「それでも、今この辛さから逃れるために……せめて、仲間の無事に縋り続ける」


奏「そんな王様を見てられないから、私達も一緒に行ってあげるの」

奏「一人になるのは、誰だって怖いもの」



奏「さようなら、美城常務。どうか無事でいてちょうだい」

奏「346プロの子達はなるべく巻き込まないようにするから……そっちも、危ない所には行かせないでね」


美城「……ああ。さようなら。……もう、どうにでもなればいい」


美城「君も塩見も、宮本も。その手を止めるつもりがないのなら」



美城「―――神崎蘭子とともに、堕ちてしまえばいい」



――――――――――――――――――――
454 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:44:33.58 ID:OtjLsYf80

――――――――――――――――――――










――――――――――――――――――――
455 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:45:02.33 ID:OtjLsYf80










この世界は、間違っている









456 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:45:32.89 ID:OtjLsYf80


この世界は、間違っている


タベル
奪うしかない


タベル
守るしかない


タベル
失うしかない


タベル
間違うしかない





……私の救いは



眠りと、幸せな夢だけ





……私の救いは…………



――――――――――――――――――――
457 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:46:36.09 ID:OtjLsYf80

〜高垣楓討伐作戦 当日〜



「……お願い」


「行かないで」


「私、ちゃんと言ったのに」


「アーニャちゃんも、蘭子ちゃんも」


「何も変わらないって」


「『隻眼の喰種』だからって」


「蘭子ちゃんが戦う必要なんて、どこにもないのに」


「だから」





「……後生よ……」


「行かないで……」


「私達のためなんかで、人殺しにならないで……!!」
458 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:47:21.43 ID:OtjLsYf80

「……」


「ほんとに、強いんだね」

「美波ちゃん……杏たちのなかじゃ、結構強かったと思うんだけど」

「まるで手も足も出ないなんて」



「……美波ちゃんも、ああ言ってんだしさ」


「ねえ、蘭子ちゃん」

「蘭子ちゃんが『それ』、やる必要ないんじゃないの」



「生き延びればいいじゃん、ふつーにさ」

「待ってる人達も、ちゃんといるんだよ」

「死んじゃった人たちだって」



「みんな、蘭子ちゃんに生きて欲しいって思ってるよ」

「……杏だって、力づくで止めることは出来ないけど」

「蘭子ちゃんにこんなこと望んでるの、蘭子ちゃん以外にいないと思うよ」
459 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:47:55.21 ID:OtjLsYf80

「……うん」


「でも、私が全部壊しちゃったから」


「だから、責任はちゃんと取ろうって思うんです」


「もう死んじゃった人たちは、取り返せないけど」


「これから誰かを助けられる力があるなら、それを使いたいから」


「もう誰も、失いたくないから」





「美波さん」

「杏ちゃん」



「止めに来てくれて、ありがとう」



「……でも…………」




460 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 11:48:28.25 ID:OtjLsYf80















蘭子「なにも出来ないのは、もう嫌なの」















偶像喰種外伝 Cinderella Ghouls



〜終〜
461 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 12:07:45.19 ID:OtjLsYf80

色々と伏線をまき散らしつつ、とりあえず偶像喰種外伝はこれで完結となります。

2年前のデレアニ放送終了直後から書き始めた外伝ですが、めちゃくちゃダラダラ書いてしまった挙句

色々と描写をカットしてなんとかそれっぽい形で完結まで持ち込めました。

このスレやツイッターなどで時々応援して下さる方々のおかげで、

なんとかここまでやってこれました。

読んでくださった皆さん、応援してくださった皆さん、そして構想のお喋りに付き合ってくださった某さんにも、

もう感謝の言葉をどう言っても足りないくらい感謝してます。

本当に本当に本当にありがとうございます。


予告した通り、偶像喰種の外伝はほぼ完全な悲劇で終わりました。

アイドルが結構死にました。幸せな最期ですらなかった子もたくさんいます。

生きていても、地獄を背負うことになってしまった子もいます。

僕の実力不足で扱いが雑になってしまった子も結構いると思います。

それぞれ担当Pの方には怒られても仕方のない話を書いてきましたが、

それでも続きを楽しみに読んでくださる方々はいました。

中には原作より楽しんでると言って下さる方もいて、正直複雑ですが、やっぱり楽しんでくれたことは嬉しかったです。



さて、この先の予定ですが

リアルに余裕がなくなったこともあり、まずは完結させることを第一に考え

完結はしたものの、前期エピソードとかそれぞれのアイドルの心情描写とか、アイドルとしての活動とか一部アイドルの喰種としての悩みとか

足せなかったものが色々あります。喰種らしい話は書けても、アイマスらしい話かと言われれば自分でも首を捻る出来なので……

また、第二章がまだ残っており終わらせても第三章、それから先の構想もあるのですが、

どうも話を書きながら矛盾のないように練り続けた構想と765編の内容で時系列の食い違う所が所々出てきてしまったこともあるので、

何度もしつこく言うようですが第二章が終わり次第、pixivなりノベマスなりで第一章、第二章、外伝のリメイクをやりたいと考えています。


ただ、今は就職活動を真面目に考えなくちゃいけない問題もあるため

そっちの解決にめどが立つまでは、しばらく続きの執筆を休もうと考えています(でも関係ない話で短いやつは気晴らしに書くと思います)。


すでに1年以上放置している第二章ですが、将来のことに不安が無くなったら、

その時改めて続きにかかろうと思います。

また読んでくださる皆さんをお待たせしてしまうと思いますが、必ず戻ってきます。

その時はまた読んでくださると嬉しいです。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

書くときはちゃんと手を抜かず書いていくので、どうかこれからもよろしくお願いしますm(__)m
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 13:02:53.64 ID:OtVdFnWZ0

まさかのシコラエユッコ
本局襲撃はピエロその他?
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 16:14:13.93 ID:OtVdFnWZ0
フリスクが今も四人一緒でいるであろうと推測できる描写がすごく嬉しい

ありすがクインケ「サギサワ」を使いこなす未来も妄想すると尊い


>>230
を元に勝手に作った(言い出しっぺの法則)
本編終了後に4コマでシリアス成分を中和するのが東京喰種原作リスペクト

https://i.imgur.com/yJFRUUJ.jpg
https://i.imgur.com/WtOrDSS.jpg

就活がんば
>>1
464 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 16:46:44.49 ID:aqMuBVt5O
>>463
ありがとう

超ありがとう

就活がんばる
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 17:41:19.39 ID:YCek0wYq0
乙、このタイミングのアニメ化発表は謎過ぎて正直悪意すら感じ取れるんだよなあ…
今回常務と奏の再開もいいがまゆとの絡みも見てみたかった
終わるに当たっていくつか聞いておきたい
今回CPメンバーの生死っていつ頃に、どうやって選んだの?
それと昔ちひろがP止めたって時点はまだ赫者なる前の段階なんだよな?その時ですら止めるの大変だったって当時からだとこの話までにどれくらいPは強くなったんだ?
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/07(土) 17:53:31.72 ID:uwKypxd9O
乙!
ありすはさすがに自分の母親が文香に酷い拷問をした挙句に自分を取り引き材料にした上で騙して殺したことまでは知らないだろうからそれを思うと辛いな
仮にサギサワを受け継ぐことになればその際に赫子の主が文香であることくらいは知ることになるだろうけど

長い間お疲れさま!
765プロ本編の方も楽しみにしているのでまずは就活頑張って!
467 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 18:28:44.18 ID:OtjLsYf80

皆さんコメントありがとうございます!

>>462
本局を襲撃したのは蘭子で、奏たちは文香の生死を確認するついでに協力したって感じでしょうか
ユッコは最初の予定では惨たらしい扱いを受けて、見つかったころには死んでいた予定だったのですが、
「ユッコなら半喰種になったら強いんじゃないか、天才的なセンスで赫子を使いサイキックを再現できる強キャラになれるんじゃないか」と考えて
彼女には生きてもらいました。

>>465
ハッキリと決まったのは去年の今頃くらいでしょうか。
当初は卯月未央智絵里かな子きらりアーニャの他に李衣菜もみくをかばって死んでしまう予定だったのですが、
アスタリスクはユニットで固まってるというより平行線で一緒に走ってる(後期OPで唯一手を繋いでいない)ってイメージがあり
相方が死んだのを引きずるタイプのユニットじゃないなと思ったこと、
夏樹の左手やるから帰ってこいネタをどうしてもやりたくて、そのためには生きててもらわなきゃ意味がないなと思ったことなどの理由で李衣菜は生還しました。

ちなみに卯月は凛にとって幻想が壊れ現実に叩きのめされる瞬間、
未央は本人の「喰種の自分でも優しい人でいられる」という願いが壊れていく過程とそれを凛に見せつけること、
智絵里、かな子、きらりは杏が見守って来たものの残酷な喪失(全部失って初めて杏に取り返しのつかないダメージを与えられると思いました)、
アーニャは蘭子を一番に理解していた存在、そして彼女の間違った選択の重い代償として死を書いてます。

武内Pは赫者になる前から結構強かったです。元々S~レートくらいはありました。
タイマンなら346内で負けなしって程度でしょうか。流石に楓さんには勝てなかったでしょうが。
それでも昔は多人数でかかればなんとか抑え込めたのであり、
今の実力で同じことをやれば2ケタ単位の人数で抑え込んでも返り討ちにされるんじゃないかと思います。

>>466
誰にどのアイドルの赫子で作ったクインケを与えるかはもう考えているので
今からそのシーンを書くのが楽しみです
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 18:30:54.86 ID:9mTl5avuO
おつおつ
ついに終わってしまったけどまた新しいやつ待ってるぞ!
469 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 18:33:44.87 ID:OtjLsYf80
>>463
フリスクについて、最初は4人バラバラになる予定だったんですけどね。
あるモバマス能力者パロディ漫画のフリスク回で
どうしてもアイドルを続けたかった忍のわがままに3人が付き合って4人で旅をしてる描写がすごく好きになりまして。

それに影響を受けて、柚と穂乃香には人間の身ながらも忍とあずきについて行ってもらいました。
470 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 20:06:43.12 ID:OtjLsYf80
>>468
アザス!!
471 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/10/07(土) 23:04:47.64 ID:OtjLsYf80
>>463
何気にお母さん‘sのお山のサイズが考えてた通りなのが素敵
ありすが美樹とギンのバストサイズを比べて将来性に落ち込むネタとか考えてました
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/07(土) 23:30:53.07 ID:BiEYmoyW0
お疲れさまでした!
美城常務と奏たちとの再会が見たいと書いたらエピローグがそうなって嬉しいです
読んでいて本気で心にくる辛い場面がいくつもあったけど、それだけに引き込まれたしおもしろかった!

ではお互いに就職活動を頑張りましょう!(こちらはまず卒業研究が難航していますが)
本編の方も楽しみにしています
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 01:58:01.12 ID:hyyCvrpjo

ありすが両親が文香真相を知ったら発狂し別人になりそう
蘭子覚悟決めた結末が女王様か、お互いに救いのない結末が待ってるんだろうな

474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 02:21:43.45 ID:ggjx92WMO

ありすの母親は来世はGに転生して
ふみふみに叩き潰されてください
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 09:37:10.53 ID:V4hcKhhSo
ありす母の件は文香とありすの事情知らない当時の同僚・先輩とかがサギサワのクインケ渡す時にポロッと言っちゃいそう
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