穂乃果「なんでも屋だよ!」ことり「第3部ですっ!」

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98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:14:09.70 ID:HZBhdYL/O
マダムA「許すって…」

マダムA「あ…あんた一人が許したって意味ないのよ!私は今まで沢山の…」

穂乃果「全員に謝りましょう」

マダムA「…はぁ!?」

穂乃果「会って本心で話せば、きっと許してくれます…」

穂乃果「マダムAさんは悪い事はしたけど、悪い人じゃないもの…」

マダムA「許すわけないじゃない…」

穂乃果「大丈夫ですっ!」

マダムA「…また、それ……」

マダムA「大丈夫…大丈夫…って」

穂乃果「だって本当に大丈夫なんですもん!」

マダムA(なんて真っ直ぐな目で見てくるのよ…)
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:14:37.33 ID:HZBhdYL/O
マダムA「はぁ…呆れたわね…」

マダムA「でも、私達死ぬのよ?」

穂乃果「はっ!そ、そうだったぁ〜…ど、どうしよ…」オロオロ

マダムA「ったく…この子は…」

マダムA「さっきまでの威勢はどうしたのよ…」

穂乃果「だ…だってぇ〜…」ウルウル

マダムA「ほら…もう泣かないの…」

マダムA「大丈夫だから…」

穂乃果「え?…」

マダムA「あるのよ…秘密の通路が」

穂乃果「えっ!本当ですかっ!って…ああ!!そういえば、ことりちゃんに言われたんだっけ!」

穂乃果「完全に忘れてたぁ〜!」

マダムA「なんなの…もう…」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:15:07.90 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「じゃあ、死なずに済みますねっ!」

マダムA「そうね」

穂乃果「そしたら、マダムAさんも、ちゃんも全員に謝って、やり直せますね!」

マダムA「…そうね」

マダムA(やり直す…か)

マダムA(この子が言うと、本当にやれそうに思えてしまう…)

マダムA(でも…無理ね)

マダムA(私のした事が許されるはずない…)
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:15:51.97 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「良かったですね!マダムAさん!」

マダムA「ふふっ、そうね…」

マダムA(ま、この子はそんな事知らなくていい…)

マダムA(どこまでも、その綺麗事を突き通して見せなさい…)

マダムA(いつか、壁にぶつかるその時までね…)

マダムA(私も応援してるわよ…)


−−−−−−−−−−−−−−−−−−

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:16:23.07 ID:HZBhdYL/O
建物の外−


ことり「うぅ…穂乃果ちゃん…」

黒服「マダム…」

にこ「まずいわね…もうそろそろ10分経つわよ…」

海未「大丈夫です…大丈夫…大丈夫…」

絵里「穂乃果…」

真姫「…っ」(穂乃果……)

花陽「穂乃果ちゃん…」

ガラガラ……ガラガラガラ……

希「っ…も、もう建物が…」

ことり「大丈夫…秘密の通路が見つけられれば…」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:16:58.56 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「あっ…お、おーーいっ!!みんなぁっーーー!!!」

凛「き、来たにゃっっ!!」

海未「穂乃果っっ!!!」ダッ!

ことり「穂乃果ちゃんっ!!!」ダッ!

穂乃果「わー!二人ともー!良かった…!ちゃんと逃げられたんだね!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:17:32.53 ID:HZBhdYL/O
マダムA「ちょっと…どうでもいいから早く、この子背負うの代わってくれない?」

海未「あっ…は、はい!」

穂乃果「あはは…ごめんねー」

ことり「…」

ことり「マダムAさん…」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:18:13.12 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「あっ!ことりちゃん!マダムAさんはね、穂乃果をここまで…」

マダムA「黙ってなさい」

穂乃果「え?」

マダムA スッ…

黒服「…っ!?」

黒服「マ、マダムが頭を…!」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:18:47.10 ID:HZBhdYL/O
マダムA「これで許してもらえるとは思ってない…私の残りの一生をかけても償えない…そう思ってるわ…」

マダムA「それでも…言わせてもらう…」

マダムA「本当にっ…ごめんなさいっ…!」

マダムA「私は…あなたに酷い事をしたわっ…どうしようもないほどに…あなたの夢を壊そうとした…あなたの未来を奪おうとした…自分のためにっ…本当に…本当に…ごめんなさいっ…!」

黒服「マダム…」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:19:28.37 ID:HZBhdYL/O
ことり「…」

ことり「顔を上げてください…」

マダムA「…」

ことり「謝ってくれて、ありがとうごさいます」

ことり「でも、私…まだ、あなたの事許せません」

マダムA「…っ!」

穂乃果「こ、ことりちゃん!」

ことり「だから、私のお願いを聞いてください」

マダムA「…?」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:20:11.64 ID:HZBhdYL/O
ことり「私が大人になってデザイナーとしてスタートを切る時に、マダムAの所で雇わせてください」

マダムA「…え?」

マダムA「い…いやいやいや…私は、もうダメよ…今までの作品は全部、自分が作った物じゃないし…それに、ここまでの事をして、続けていいとは思ってないわ…」

マダムA「申し訳ないけど…あなたの頼みは…」

ことり「じゃあ、私はあなたを許しません」

マダムA「…!」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:20:46.43 ID:HZBhdYL/O
ことり「続けていいと思ってないなら、続けてください。逃げないで向き合ってください。それに、あなたの作る作品は私は好きでしたよ」

マダムA「なっ…み、見たの!?私の作品…」

ことり「はい…。黒服の人に見せて貰いました…」

黒服「…」

マダムA「そ…そうなの…。センスないでしょ?私の…ダメダメよね?」

ことり「そんな事ないです。熱意が伝わってくる良い作品でした」

マダムA「…っ!」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:21:21.77 ID:HZBhdYL/O
ことり「私だけじゃない…夢を奪われた女の子達のためにも、続けてください」

アリス「そうね…妹もきっとそれを望んでいるわ」

マダムA「あ…あなた達…」

マダムA「ふふっ…」

マダムA「鬼ね…まだ私に苦労しろと…」

穂乃果「マダムAさん…」

マダムA「分かったわ…。やってやろうじゃないの…」

マダムA「トップデザイナーとして待ってるわよ!南ことりっ!」

ことり「っはい!」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:21:57.65 ID:HZBhdYL/O
マダムA(はぁ…全く…この子もこの子で恐ろしいまでに優しくて強い子…)

マダムA(すごい子達だわ…本当に…)

マダムA(この子達なら本当に最後まで綺麗事を押し通すのかもね…)

穂乃果「よーしっ!じゃあ一件落着って事で…!フランス観光だぁーー!!」

全員「わーい!」

第9話「なんでも屋とことり」完
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 18:45:42.75 ID:ymYM+anB0
おもしろかった
いい話だわ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 21:59:31.29 ID:tzuzQ2Dw0
第10話「なんでも屋とA-RISE」


夏休み−


ミーンミンミンミーン… ミーンミンミンミーン…

にこ「いや〜、まさか真姫ちゃんから遊びの誘いがあるとはねぇ〜」ニヤニヤ

真姫「な…なによっ!悪い!?////」

にこ「いや、別に悪くはないけどぉ〜」ニヤニヤ

にこ「真姫ちゃんの誘い方が、あまりにも可愛かったから」ニヤニヤ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:00:00.76 ID:tzuzQ2Dw0
昨晩−

にこ「ん?真姫から電話だわ。なにかしら…」

にこ「もしもし、真姫?どしたの」ガチャリ

真姫「…」

にこ「…ん?」

真姫「…」

にこ「……あれ?真姫いる?」

真姫「あ…」

にこ「あ?」

真姫「明日…遊ぼ…」

にこ「…」

にこ「…は?」

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115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:00:31.32 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「遊ぼって…!小学生かっ!」ゲラゲラ

真姫「わ、笑わないでっ!///」

真姫「だ、だって!しょうがないじゃない!私だって別ににこちゃんと遊びたくて、にこちゃんに声かけたんじゃないからね!一昨日、たまたまパパから見たかった映画のチケット2枚貰えて、私がたまたま今日しか空いてなくて、それで、チケットもう一枚かって凛と花陽と観に行こうと思ったら、たまたま凛も花陽も空いてなくて、しょうがないから他の人を探そうってなった時に、たまたま、昨日LINEしたにこちゃんがトークの一番上にきてたから、それでなんとなく電話してみたら、にこちゃんがOKだったから、もしも、にこちゃんの予定が合わなかったら、全然他の人でも良かったのよ!だから、にこちゃんを誘ったのはただの偶然で、私がにこちゃんと遊びたかったとかそういうんじゃないんだからね!」

にこ「言い訳なっがいわね…」

真姫「べ、別にいいでしょ!ていうか、急がないと映画の時間遅れるわよ!にこちゃんが服選んでて、出るの遅かったんだから!」

にこ「うっ…すみません」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:01:25.04 ID:tzuzQ2Dw0
お婆さん オロオロ…オロオロ…

にこ「ん?あのお婆さんどうかしたのかしら…」

お婆さん オロオロ…オロオロ…

真姫「なにか困ってそうね、ちょっと声かけてみましょうか」

にこ「あれ?いいの真姫ちゃん、急がないと映画遅れるんじゃないの?」ニヤニヤ

真姫「それより大事な事があるわ、それに、私達困ってる人を助ける部活入ってるでしょ?」ニコリ

にこ「ふふっ、そうね。真姫ちゃんも、なんでも屋らしくなってきたわね」

真姫「なによ、前からそうよ」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:02:00.32 ID:tzuzQ2Dw0
??「今、なんでも屋と…」

??「あぁ…確かに言ったな」

??「決まりね…ちょっと、そこのあなた達!」

にこ真姫「…?」

??「あなた達が噂のなんでも屋ねっ!!」

にこ「……そうだけど、あんた達誰よ」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:02:27.51 ID:tzuzQ2Dw0
あんじゅ「あ、自己紹介が遅れちゃったわね、ごめんなさい、私はあんじゅ、優木あんじゅよ」

英玲奈「私は英玲奈だ、よろしく」

ツバサ「そして、私がリーダーの綺羅ツバサよ」

真姫「…はぁ…」

ツバサ「つり目のあなた!…今、リーダーって何のリーダー?と疑問に思ったでしょ」

真姫(思ってないけど…)

ツバサ「いいわ、答えてあげる。私はA-RISEのリーダーよっ!!」

にこ「…はぁ…」

ツバサ「ツインテールのあなた!…今、A-RISEって何?と疑問に思ったでしょ」

にこ(思ってないけど…)

ツバサ「いいわ、答えてあげる。A-RISEはね、UTX高校が有する、ここ秋葉原全体を行動範囲としたお助け集団なのよっっ!!」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:02:56.83 ID:tzuzQ2Dw0
真姫「……そうですか」

ツバサ「…!?」

ツバサ「…な、なんかイマイチ反応が…」コソコソ

英玲奈「おかしいな…なんでも屋は熱血で高血圧集団と聞いていたか…」コソコソ

にこ「そりゃ、うちのアホリーダーだけでしょ…」

あんじゅ「きっと…恐れをなしてるのよ…自分達だけだと思ってた専売特許を奪われて…」コソコソ

ツバサ「なるほど…!…じゃあ、あんまりいじめるのも可哀想ね…」コソコソ

ツバサ「あなた達…!今日のところは勘弁してあげる!あのお婆さんは私達に任せて、デートでもしてなさい!」

真姫「デ、デデデデデート!?///」

にこ「デートじゃないわよ」

真姫(デートじゃなかった…)ガーン…
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:03:31.08 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「まあ、お婆さんをあんた達が助けてくれるって言うなら、喜んで任せるわ、頼むわね」

真姫「そうね…映画の時間もあるし」

ツバサ「……」

ツバサ「ほ、本当にいいのね!?私達が助けちゃってっ!!本当に助けちゃうわよ??バシッと解決しちゃうわよ!??」

にこ「あー、そうしてくれると助かるわ」

にこ「行きましょ、真姫」トコトコ

真姫「えぇ…」トコトコ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:04:03.53 ID:tzuzQ2Dw0
あんじゅ「本当に行っちゃったわね」

英玲奈「あぁ…」

ツバサ「…っはははははは!!!やったわ!これで、この街のお助け集団は私達で決定よっ!!勝ったわ!勝利よ!勝利!」

あんじゅ「なんか、見苦しいわね」

ツバサ「関係ないわ、さっ!お婆さんを助けにいきましょう!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:04:32.88 ID:tzuzQ2Dw0


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真姫「変な人達だったわね」

にこ「そうね、まあ、でもちゃんとお婆さんの事は助けてくれそうで良かったわ」

近所のおばさんA「最近、あのお婆さん、頻度が高くなってなあい?」

近所のおばさんB「そうねぇ…心配だわぁ…」

真姫(あのお婆さんって、さっきのお婆さんの事かしら…)

近所のおばさんA「もうお孫さんはいないのにねぇ…」

にこ(お孫さん…?)

近所のおばさんB「そうねぇ…見てるこっちが辛いわ…」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:05:01.07 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「あ…あの…」

近所のおばさんA「あら、私?何か用かしら?」

真姫「さっき話してたお婆さんの事、ちょっと知りたいんですが…」

近所のおばさんA「…え?」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:06:10.35 ID:tzuzQ2Dw0


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ツバサ「ふむふむ…」

お婆さん「なんとかなりますかねぇ…」

ツバサ「大丈夫です!お婆さんのお孫さんは必ず私達A-RISEが見つけますっ!」

お婆さん「おぉ…そうか、頼むわね、新井さん」

ツバサ「え…いや、新井でなくA-RISE…」

お婆さん「そうか、新井さんか…頼むわね…」

ツバサ「…」


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125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:06:39.80 ID:tzuzQ2Dw0
近所のおばさんA「あのお婆さんはね、ご主人を早くに亡くしてね、ずっと独り身だったのよ。それから少し元気が無くなってね…」

近所のおばさんA「そんな時ね、静岡に居るお孫さんがね、東京の大学に出るっていうんで、一緒に住む事になったのよ」

近所のおばさんA「あの頃は、お婆さんも楽しそうだったわね〜…お孫さんも綺麗で礼儀も正しくて良い子だったわぁ」

近所のおばさんB「そうそう!あの子は本当に良い子だったわ、それにハーフだかなんだか知らないけど、綺麗な金髪でね〜、近所でも有名だったわ」

近所のおばさんA「でもね、そんな幸せの真っ只中、事故が起きたの」

にこ「事故…?」

近所のおばさんA「えぇ…お婆さんがお孫さんを乗せて車を運転してたらね…誤ってトラックと衝突しちゃってね…」

真姫「そんな…」

近所のおばさんA「その事故で、お孫さんは亡くなってしまったのよ…その時からね、お婆さんがショックからか、ボケてきてね…」

近所のおばさんA「事件から一年経った今でも、こうして、お孫さんを探してフラフラしてるのよ…」

にこ「そんなことが……」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:07:09.35 ID:tzuzQ2Dw0


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ツバサ「どうやって探しましょうか…」

あんじゅ「そうねぇ、1年近く居ないって言ってたものねぇ…」

英玲奈「警察に相談した方が良くないか?」

ツバサ「そうよね…さすがに警察に言った方が…」

にこ「やめなさいよ」

ツバサ「えっ?…あ、あなたは…」

ツバサ「ツインテールっ!!」

にこ「にこでいいわよ…」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:07:48.65 ID:tzuzQ2Dw0
真姫「あなた達が探してる人はもうこの世に居ないのよ」

ツバサ「…え?」


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あんじゅ「そんな事が…」

英玲奈「そんな…じゃあ一体どうすれば…」

ツバサ「これは…お手上げね…どうしようもないわ…」

にこ「あら?諦めるの?」

ツバサ「っ…しょ、しょうがないでしょう!?もう、お婆さんの探してる人は居ないんだし…それにお婆さんはボケちゃってるし…」

真姫「別にそれが諦める理由にはならないわ」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:08:16.31 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「なんだ、A-RISEってのも大した事ないのねぇ〜」

ツバサ「じゃっ…じゃあ!あなた達ならやれるって言うの!?」

にこ「やれるわ」

ツバサ「なっ…ど、どうやって!?」

にこ「あのお婆さんはボケかけてるんでしょ?じゃあ、それを逆手にとってやればいいのよ」

ツバサ「逆手に…?」

にこ「えぇ、つまり、誰かが孫のフリをして、ちゃんとお別れを言うって事よ。簡単でしょ?」

ツバサ「た、確かに…それならいけるかも…」

英玲奈「でも、その孫は金髪なんだろ?さすがに騙せないんじゃないか?」

にこ「ふっふっふっ…それがいるんだなぁ〜、ぴったりの人間が…」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:08:50.28 ID:tzuzQ2Dw0
にこ スッ…

真姫「なるほど、絵里を呼び出すのね」

にこ「えぇ、どうせ家で暇してるでしょ」

真姫「ありそうね。テレビ見ながら「暇だわ」って言ってそう」

にこ「はははっ、真姫!あんた面白い事言うわね!絵里ならありそうだわ」

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絵里家

テレビ ヒツジノショーン♪ヒツジノショーン♪コロンデモタダジャオキナイゼ♪

絵里「暇だわ」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:09:38.98 ID:tzuzQ2Dw0
絵里(夏休みだからNHKでアニメ沢山やってくれるのは、ありがたいけど…)

絵里(ひつじのショーンは、私もう3週ぐらいしてるわよ…)

電話 プルルルルルルル…

絵里「…!?電話!にこから電話だわ!」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:10:25.23 ID:tzuzQ2Dw0


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にこ「というわけで、こちら絢瀬絵里さんよ」

絵里「よろしく♪」

ツバサ「よ、よろしく」

ツバサ「あなたも、その…仲間なの?」

絵里「仲間…?……えぇ…!そうよ!仲間よ!仲間」

ツバサ(そう…この人もなんでも屋なのね)

真姫(なんか誤解が生じてそうだけど、めんどくさいから黙ってよ…)
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:10:58.46 ID:tzuzQ2Dw0
絵里「それで私はなんで呼び出されたの?」

にこ「とある人になりきってもらうわ」

絵里「…え?」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:54:32.04 ID:LNbBcPuGO

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絵里「なるほどね、分かったわ!お婆さんのためだもの、任せて頂戴!」

真姫「そう、助かるわ」

にこ「死んだ人が会いに来るんだから、神秘的な感じで頼むわね」

絵里「神秘的!?む、難しいわね…」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:55:06.19 ID:LNbBcPuGO
ツバサ「ねえ、それなら、それっぽい服が必要なんじゃない?」

真姫「そりゃ、確かにあればいいけど」

ツバサ「あんじゅ」

あんじゅ「はぁ〜い、できてるわよ〜」スッ

絵里「わ〜!白くて神秘的な服ね、綺麗だわ!」

にこ「えぇ!?これ、いつ作ったのよ!」

あんじゅ「さっきよ、ツバサがね、あなたの作戦を聞いた時に必要になるだろうって言ってきてね」

あんじゅ「そこの服屋でいろいろ借りて作ったの」

英玲奈「あんじゅの服作りはプロの領域だからな」

にこ「はぁ〜…すごいわね、あんたら」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:55:43.22 ID:LNbBcPuGO
絵里「でも、これでより神秘的になったわ!私、行ってくるわね!」タッタッタッ!

真姫「ああ!絵里!」

にこ「行っちゃったわね」

英玲奈「言う事なにも考えてないけど、大丈夫なのか?」

にこ「…」

にこ「多分大丈夫じゃないわ…」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:56:19.51 ID:LNbBcPuGO

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お婆さん「あ、あんたは一体…」

絵里「私は…」

絵里(あちゃー…名前聞いてくるの忘れちゃった…)

絵里「私は…」

絵里「私は…」

お婆さん「私は…?」

絵里「……私は、孫よっ!!」

お婆さん「孫!?」

絵里「えぇ、孫よ!」

お婆さん「孫!?」

絵里「そう!孫!」

お婆さん「そうか、それで誰の孫なんじゃ?」

絵里「…」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:57:02.47 ID:LNbBcPuGO


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絵里「うぅ〜…にこ〜…失敗したわ〜…」

にこ「ほら、やっぱり」

絵里「名前が分からなかったのよ〜」

真姫「名前…確かに、それが無いとキツイわね…」

英玲奈「そんな事ないぞ」

にこ「そうなの?」

英玲奈「あぁ、例えば、オレオレ詐欺なんかがいい例だ。これを使えば、名前を相手から自然に聞き出す事ができるぞ」

絵里「確かに!じゃあ、私の場合は、わたしわたし詐欺って感じかしら」

英玲奈「そうだな、それがいいだろう」

英玲奈「それと、その後のセリフも考えた方がいいだろう。ここで成功させないと、さすがに3回目はバレるだろうからな」

絵里「そうね、助かるわ!ありがとう!」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:57:32.42 ID:LNbBcPuGO


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にこ「へぇ〜、あんたすごいわね〜。よくこんなに、いいセリフがポンポンと出てくるものね」

英玲奈「まぁ、私は詩を書いてるからな」

絵里「詩!?すごいわね」

真姫「えぇ、さっきの服といいA-RISEってタレント揃いね」

にこ「約一名、何もやってない人がいるけどね」

ツバサ「!?ちょっと!それ私の事!?」

あんじゅ「ツバサはピアノ弾けるわよ、それも結構上手く」

ツバサ「そ、そうよ!ナイスフォローよ!あんじゅ!」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:58:02.12 ID:LNbBcPuGO
にこ「でも、ピアノって…」

真姫「今は全く関係ないわね」

ツバサ ガーン…

絵里「あっ、でも、さっきお婆さんの家行った時に、奥にピアノが見えたわ。それって使えないかしら」

ツバサ「ほんと!?」

にこ「もし、それが使えるなら、更に神秘的になるわね」

ツバサ「じゃあ、やるしかないわね!」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:58:30.76 ID:LNbBcPuGO
にこ「そうね、やれるならやった方がいいわね。じゃあ、真姫、あんたもやる?」

真姫「え…」

真姫(言わないでいようと思ったのに…)

ツバサ「あら、あなたもピアノ弾けるの?」

真姫「ま、まぁ…」

ツバサ「じゃあ、連弾しましょ!私についてこれるかしら!」

真姫「は、はぁ…」

真姫(うーん…これは、めんどくさい…)

絵里「よーし!それじゃあ、行きましょ!なんだか今度はいける気がするわ!」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:59:18.17 ID:LNbBcPuGO

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お婆さん「あ、あんたは一体…」

絵里「わたしよ…わたし、忘れたの?」

ピアノ ♪〜〜♪〜〜♪〜〜

お婆さん「も、もしかして…○○○か!?」

絵里「えぇ…○○○よ…」

お婆さん「そうか…そうか…やっと来てくれたか…」

お婆さん「これでまた一緒に暮らせるのお」

絵里「…」

絵里「それはできないわ…」

お婆さん「…え?」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:59:46.38 ID:LNbBcPuGO
絵里「ふー…」

にこ「お疲れ様」

ツバサ「大成功だったわね!」

英玲奈「あぁ、お婆さんも、ちゃんと死を受け入れてくれたし、これからは前向きに生きてくれるだろう」

絵里「でも、少し心が痛むわね」

真姫「いいのよ、方法は嘘であれ、お婆さんを救ったのは真実なんだから」

絵里「真姫…」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:00:17.60 ID:LNbBcPuGO
ツバサ「はぁ…今回は完敗ね」

にこ「完敗?」

ツバサ「えぇ…お助け集団として完敗したわ」

真姫「そんな事ないわよ。A-RISEにも随分助けられたわ」

ツバサ「ありがとう、でも私達はあなた達の手助けをしただけ。お婆さんを助けたのは、あなた達なんでも屋よ」

絵里(あれ?私はなんでも屋では無いわよね…)

英玲奈「あぁ、君たちの諦めない心がお婆さんを救ったんだ」

あんじゅ「素晴らしかったわ」

にこ「いや〜、それほどでも」ニコニコ
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:01:02.07 ID:LNbBcPuGO
ツバサ「同じ地区に、こんなにも頼もしい同業者がいるとはね…私達も、まだまだだわ」

ツバサ「でも、次は負けないわよ!」

真姫「私達は、その時その時に全力で挑むだけよ。別に勝敗は競ってないわ」

ツバサ「じゃあ、勝手に競わせてもらうわ」

ツバサ「さて、お婆さんも助けたし、私達は行くわね。今日は楽しかったわ。ありがとう」

にこ「そう、私達も楽しかったわ。またいつか、どこかでね」

ツバサ「えぇ!また会いましょう!なんでも屋3人衆!」

絵里(なんでも屋3人衆!?)

真姫「さようなら〜」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:01:31.23 ID:LNbBcPuGO
にこ「……行ったわね」

真姫「えぇ、やっぱり変な人達だったわ」

絵里「ちょ、ちょっと!私、なんでも屋じゃないわよね??なんか、3人衆とか言われたけど」

絵里「それに、あなた達なんでも屋って5人よね??撤回しなくてよかったの!??」

にこ「いいんじゃない?別に、めんどくさいし」

真姫「それに、絵里も半分なんでも屋みたいなもんじゃない」

絵里「えっ、そうなの??」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:02:43.92 ID:LNbBcPuGO
にこ「それより、これからどうする?映画の時間終わっちゃってるけど」

真姫「そうね、せっかく外に出てるわけだし、3人でどこか遊びに行きましょうか」

絵里「あら、いいわね!じゃあ、ボーリング行きましょ!私得意なのよー」

にこ「いいじゃない!勝負よ!」

真姫(ボーリングなんて初めてだわ…なんとかなるかしら…)


第10話「なんでも屋とA-RISE」完
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:05:33.59 ID:LNbBcPuGO
読んでくださった方、ありがとうございました!

これにて「第3部完」です。そろそろaqoursのテレビアニメ放送が始まるので、「第4部」をあげるのは先になるとは思いますが、また読んでいただければ幸いです。
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