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速水奏「裸で重なる一時」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/09/13(水) 21:33:50.88 ID:t50tah/9O
「プロデューサーさん」
「……ん?」
「お風呂、私も失礼するわね」
プロデューサーさんの家の中。今日初めて足を踏み入れたその中の浴室へ、今日二度目となる入室を果たす。
扉を開いた正面には備え付けのシャワー。その右横へと設えられた湯船の中へ身体を浸からせているプロデューサーさんへ……突然入ってきた私に驚いて、あるいは小さなタオル一枚で下を隠しているだけの私の姿に戸惑って、そうして声も出せずにいるプロデューサーさんへ視線を送りながら歩を進めて中へ。
「……って、奏……!?」
「しーっ。……ほーら、そんなに大声出したらご近所さんに迷惑じゃない」
入って、それから後ろ手に扉を閉じる。
すっかり昂ってしまってきっと赤い顔、緊張で上手く緩められない表情をなんとか微笑みの形へ装わせながら「将来は私のご近所さんにもなるのかもしれないんだから……ふふ、なんてね」なんて、そんな台詞を口にして。
隠しきれてはいない。どこかに表れてしまっているはず。……でもそれでも、叶う限り誤魔化して。この胸の高鳴りも、荒くなってしまいそうになる呼吸も、なんとか隠して余裕を繕って。そうして、そうしながらプロデューサーさんと向かい合う。
「なんで、奏……お風呂ならさっきもう入って……」
「ええ、いただいたわ。……でも私ったらうっかりしてて、湯船に浸かるのを忘れていたのよ。シャワーしか浴びていないの」
「いや、だとしたら……だとしても、今じゃ」
「今じゃ駄目なのかしら」
「駄目でしょ!」
「あら残念。……でもやめないわ。だって、貴方と一緒に入ることが私の望みなんだもの」
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