吹雪「どうして鎮守府に敵が…?」

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163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:42:44.47 ID:B1sR52fI0
〜川内・青葉サイド〜

青葉「それで、どうやって階段を塞ぐ仕掛けを作るんですか?」

川内「このちょうど崖の境目がある階段があるでしょ。ここを通れなくしちゃえば敵は階段を使えなくなるから…」サッサッ

青葉(川内ちゃん、なんだか忍者みたい)


川内「よし、準備オッケー!」

青葉「えっ、もう終わったんですか?」(あれ、青葉いらなかったんじゃ…)

川内「階段の下にちょっと改造した魚雷を埋めたよっ! これで敵がここを踏んだら瞬間に…」

青葉「なるほど、それなら確実ですね」

川内「このことは明日みんなに言っておかないとね!」

青葉「そうですね!」(今思ったけど魚雷を地面に埋めたら地雷になるのかな?)


川内「仕掛けも終わったし、私たちも部屋に戻る? …ほんとは夜戦したいけど資材もないし…」

青葉「あ、あはは…」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:44:13.10 ID:B1sR52fI0
♦ ♦ ♦

・9月14日 

龍驤「さて、司令官たちが出発して2日経ったわけやけど」

白雪「昨日はつかれました…」

吹雪「そうだね、でもあれからは動きはないみたいだね」

龍驤「そうやな、こっちは動けない以上準備をしていくしかないしなぁ」


白雪「それで、今日は何をしますか?」

龍驤「せやなぁ、この島から脱出する船でも造る?」

白雪「え、えぇ…」(私たちも一応形式上は船なんだけどなぁ)

龍驤「まぁ、今日は見張りは欠かさずにして普通に過ごすしかないなぁ…」

吹雪「そうですね…」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:47:11.37 ID:B1sR52fI0
♦ ♦ ♦

・9月15日 1000

伊58「結局昨日は何もなかったでちね」

U-511「平和が一番…」

古鷹(かといって、このまま過ごしても何かが変わるわけじゃない。提督たちが1週間で帰ってくる可能性も捨てきれないけど…)

古鷹(それに逆に敵が来ないというのは怖い。出撃体制を整えている可能性があるから…。もしも戦艦や空母を連れてこられたら本当にどうしようもないよね。どうすればいいんだろう…)

どたどたどた

霞「みんな、鎮守府正面から、敵連合艦隊よっ!」

龍驤「来たか…。覚悟はしてたけどこんな朝に来るとはなぁ」

霞「ちょっと! のんびりしてる暇ないわよっ! 早く出撃の準備しなきゃ!」


古鷹「霞ちゃん、落ち着いて。まず敵艦隊の規模を教えて?」

清霜「はい! えっと、確認できた限りでは第一陣の敵水雷戦隊に敵軽巡2 敵駆逐3と」

霞「その後方から敵戦艦3 敵正規空母2 敵重巡1っていう編成で来てるわ」

古鷹(そんな…無理よ。今までだって結構ギリギリの戦いだったのに…。戦艦だけならなんとかなったかもしれないけど正規空母が2隻、制空の面で圧倒的に不利…)

古鷹(私たちの悪運もここまでだね…)
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:49:05.64 ID:B1sR52fI0
吹雪「作戦を考えましょう! 敵の戦力が大きくても作戦次第で勝ち筋が見えてくるかもしれません!」

白雪「そうですね、きっと勝てる方法があるはずです」


伊58「ゴーヤの魚雷が火を噴くでち!」

U-511「ユーも負けない…」

霞「とにかく、倉庫に行って魚雷と弾薬を補給しないとっ!」

清霜「戦艦を倒して、私が戦艦になるよっ!」


青葉「…みんなは諦めてないみたいですよ?」ボソッ

古鷹「…! 何を言ってるの、青葉?」(ありがとう…)

青葉「なんだかしょぼくれた顔をしていたみたいだったので」

古鷹「…必ず、乗り切ってみせるよ」




古鷹「よし、みんな準備はできた? 時間もないから手短に作戦を話すよ」

古鷹「まず、ゴーヤちゃんとユーちゃんの2人に先制雷撃を2回ずつしてもらうね。2人はもう準備をして」

伊58「了解でち! …怖いとは言ってられないよぉ!」

U-511「任せてください…!」

古鷹「狙いは出来れば正規空母ね! できれば中破状態にまで…」

古鷹「そしてゴーヤちゃんたちの雷撃が終わったら、私の班と龍驤ちゃんの班に分かれて駆逐→軽巡→正規空母→重巡→戦艦の順番でとにかく頭数を減らすことを念頭に置いて立ち回るよ」

「「了解っ!」」


古鷹「…守るよ、私たちの鎮守府も仲間も」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:50:24.33 ID:B1sR52fI0
龍驤「そうや、ええか、敵を倒すことも重要やけど、仲間を守るのが最優先や」

古鷹「よし、みんな、行くよっ!」

「「了解っ!」」


伊58「わぁ、怖いのいっぱい…」

古鷹「ゴーヤちゃん、ユーちゃん準備はいい?」

伊58「準備万端でち!」

U-511「準備okです」

戦艦ル級A「テキカンタイハッケン」

古鷹「砲雷撃戦よーいっ…てぇーっ!」

伊58「ゴーヤの魚雷さんお願いしますっ!」シュルルル

U-511「当たってくださいっ…」シュルルル


駆逐イ級A「ぐぎゃああああっ」ぱらぱら…

伊58「敵駆逐撃破でち!」

U-511「外しました…」

古鷹「次、すぐに二撃目いくよ! 準備してっ」(二人とも正規空母を狙ってくれてはいるけど、前衛の水雷戦隊が邪魔で削れない…)

伊58「雷撃、いつでも行けるでちっ」

U-511「ユーもいけます」

古鷹「よし、二撃目行くよ! …てぇーっ!」

伊58「お願いしますっ」シュルル
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:52:00.48 ID:B1sR52fI0
U-511「次は、外しません…!」シュルル


駆逐イ級B「ぐぎゃああああっ」ぱらぱら…

軽巡ホ級A「ぐがぁああ」

U-511「敵駆逐、撃破しました」

伊58「軽巡中破でち」


駆逐イ級C「ぐがあああ」どがぁんっ

軽巡ホ級A「ぐぎゃあああああ」どごぉん

軽巡ホ級B「ぐぎゃあああああああ」どごぉんっ


古鷹「なっ、一斉発射!? ゴーヤ、ユー、避けて!!」


ゴーヤ「よ、避けられなっ」

U-511「ダメ、回避できません…きゃあっ!!」


古鷹「二人ともっ!」

伊58「う、うぅ…被弾したでち…」ボロッ

U-511「ユー、浮上します…」ボロッ

戦艦ル級A「テキヲホソク」どがああんっ

古鷹「みんな、避けてっ!」


古鷹「まずいっ、ゴーヤ、ユー、今浮上したらダメッ! 砲撃がそっちに…」


伊58「えっ…」

どがぁんっ


伊58「あ、あ、あ…」


青葉「っぐ…危なかったね、ゴーヤちゃんたちよりは装甲がしっかりしてるからね、こういうのは青葉の役目です」

古鷹「青葉っ!」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:54:32.78 ID:B1sR52fI0
龍驤「古鷹、立て直すでっ! 青葉、清霜でゴーヤとユーを曳航して安全な場所まで! 他は作戦通り行くで!」


清霜「ユーちゃん、私につかまって!」

青葉「…っぐ、ご、ゴーヤちゃん安全な場所まで」

正空ヲ級A「ニガ、サなイ」ずがががんっ

龍驤「させへんでっ! 艦載機のみんな頼むでっ!」

正空ヲ級A「タリナイ、タリナイ」

龍驤「…ぐっ、ダメや、押されるっ」


正空ヲ級A「シズめ」


ずがががんっ

龍驤「まずいっ、清霜、青葉避けるんやっ!」

清霜「あっ、だ、ダメ…もうまにあわ」

霞「…助けるったら!」ごぉんっ

龍驤「霞っ、いつの間に陣形を離れて…」


清霜「か、霞ちゃ…」


霞「いったぁ…で、でも守れたわ、ね…」ガクッ

清霜「霞ちゃん、霞ちゃん! そんな霞ちゃん…」キッ

清霜「ゆ、許さないっ…私の大切な霞ちゃんをっ、許さないっ!」ザザザザザザ


龍驤「清霜、焦るんやない! いったん青葉たちと合流して」

清霜「沈めっ、沈めっ!」ズガガガガッズガガガガッ

正空ヲ級A「ッグ…、コノテイド…」

清霜「はぁ…はぁ…」

戦艦ル級B「アリが…」どごぉんっ


清霜「きゃあっ!!」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:58:37.28 ID:B1sR52fI0
龍驤「清霜っ!」

吹雪「古鷹さんっ! 龍驤さん達の班が!」

古鷹「っく…吹雪ちゃん、白雪ちゃん、川内ちゃん! 怪我した娘達を庇いながら戦うよ!」(…やっぱり、この戦力差じゃ)

戦艦ル級A「ワレワレデもオマエラごとキ…!」どごぉんっ

川内「っく、まずいね…、とにかく装甲の薄い奴から…!」ズガガガッズガガガッ

敵駆逐「ぐぎゃあああ」

白雪「仕留めますっ!」ズガガ

駆逐イ級C「ぐぎゃあああ」ぱらぱら…


戦艦ル級A「ワレワレノちかラハコノテいドデハナイ」ずがぁんっずがぁんっ

龍驤「こ、これはちょっち、アカンかも…」

白雪「龍驤さんっ!」ザザザザッ

ずががぁんっ


白雪「っぐぅ…」

龍驤「し、白雪っ、何しとんねん! なんでウチの前にっ」

白雪「え、えへへ、今度はちゃんと命令を守りましたよ…」ボロッ

龍驤「め、命令て…」

白雪「龍驤さん言ったじゃないですか、『仲間を守るのが最優先』って」ニコッ

龍驤「ばかちんっ…、ウチにとっては白雪が仲間なんや…。白雪が被弾したらウチが指示を守れなかったことになるやないかっ…!」ギリッ

白雪「…指示を無視した方が、仲間を守ろうって思いが強いんですよね?」ニコッ

龍驤「屁理屈ばっかり…! 待ってろ、全員倒してきたるからっ!」


171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 19:59:22.40 ID:B1sR52fI0
正空ヲ級A「フフフ、ケイクウボだケデナニがでキルカ」

ずがぁんっずがぁんっ

龍驤「軽空母だけでも、負けられないんやっ!」ズガガガガッズガガガッ

正空ヲ級A「グッ…ナ、ナゼケイクウボゴトキニ…」ボロッ

龍驤「よ、よし、大破させたでっ!」

正空ヲ級B「ヨクモヨクモ…シズメッ」

ずがぁんっ

龍驤「さ、避けられへん…。だ、ダメやな、これは…」

ぐわあんっ

龍驤「いやぁっ!!う、ぐぅ…被弾してもうた」ボロッ

川内「龍驤!」

川内「っく、古鷹、ここはいったん退こう! …古鷹、古鷹っ!」


古鷹「やっぱり…やっぱり、無理だったんだ…」

古鷹「みんなが被弾していくのに私は何もできない…」ポロポロ

古鷹「もう、終わりなんだ…」ガックシ
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:02:15.25 ID:B1sR52fI0




吹雪「敵がいますっ! 古鷹さん、泣いてる場合じゃありませんっ!」

古鷹「えっ…」

吹雪「古鷹さんが言ったんじゃないですか! 敵が残っているときは泣いてる暇はないって! 言ったじゃないですか、みんなを守るって!」

吹雪「まだ…まだ、だれも沈んでいませんっ!」

吹雪「私は守ります…! 鎮守府もみんなもっ、そして、そして…」


吹雪「私の大好きで大切な…古鷹さんの事を、守ります!」

古鷹「えっ、ふ、吹雪ちゃん…今…」


吹雪「まだ、頑張れます!」ズガガガッズガガガッ

重巡リ級「うぼぁーっ!」


古鷹(…泣いてる場合じゃない!)ゴシゴシ

古鷹「川内ちゃん、重巡から行くよ!」ズガガガガガ

川内「了解!」ズガガガガガ


重巡リ級「うぼぁーっ…」ぱらぱら…


川内「よっし、撃破っ!」

戦艦ル級A「アマいアマい…」

ずごぉんっ

戦艦ル級B「オマえらゴとキ…」

ずごぉんっ

吹雪「だめっ、避けられないっ…」

川内「っく、私も…」

吹雪「いやぁっ!」ボロッ

川内「ぅあっ! や、やばっ」ボロッ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:05:39.39 ID:B1sR52fI0
古鷹「吹雪ちゃん、川内ちゃん!」

古鷹「どうすれば…私はどうすればみんなを守れる…どうすればっ…!」

吹雪「…ま、まだ、まだやれます!」

シュルッルルル

ずがぁんっ

正空ヲ級A「ナ、ナゼ、イッタイドこカラ…」ぱらぱら…


古鷹「せ、正規空母が沈んで…」

ザザザザザ・・・・・
   
   ザザザザザザ・・・・・


叢雲「ふぅ…ぎりぎり間に合ったみたいね」

吹雪「む、叢雲ちゃんっ!?」

叢雲「敵の残党勢力が残ってるかもって聞いたけど本当だったみたいね」


戦艦ル級A「エングンカ…ダガクチクカんイッピキゴときニナニガ…」


叢雲「吹雪っ! まだ動けるんでしょ! 軽巡倒すの手伝って!」

吹雪「う、うんっ!」

叢雲「私がひきつけるから仕留めるのよっ!」ザザザザザ

軽巡ホ級A「ぐぁぁぁぁっ!」

叢雲「今よっ、吹雪!」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:08:24.59 ID:B1sR52fI0
吹雪「うん、し、沈んでくださいっ!」ズガガ

軽巡ホ級A「ぐわぁぁぁぁっ」ぱらぱら…


吹雪「よ、よしっ!」

叢雲「なかなかやるじゃない、このまま行くわよ!」

戦艦ル級B「オノレ…、イッピきデモシズメてヤる!」

ずがぁんっ

ズガガ

戦艦ル級B「ワタシノホウゲキガ…」

朝潮「大潮、行くわよっ! 一発必中、肉薄するわっ!」シュルル

大潮「小さな体に大きな魚雷、いっくよぉ! どーん!」シュルル

どがぁん

戦艦ル級B「ワタシタチは、カナラズコノカイイキヲ…」ぱらぱら…


古鷹「な、なんで…まだ一週間たってないのに…」

清霜「か、霞ちゃんのお姉さまたちっ!」

朝潮「清霜ちゃん、霞を守ってくれてありがとうね」

清霜「い、いえ、霞ちゃんが私の事を守ってくれたんです!」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:10:22.91 ID:B1sR52fI0
大潮「おー、やるねぇ霞!」


朝潮「さぁ、再開の感想は後にして…古鷹さん、今は敵を倒すことに集中しましょう!」

朝潮「大潮もまだ敵は残ってるわよ!」

大潮「はーい! アゲアゲで行くよ!」


叢雲「古鷹! これ、高速修復材が3個あるわ! ええっと、龍驤と青葉と川内に使ってあげて!」

古鷹「う、うん。でもどうして…」

叢雲「さっき、朝潮も言ったでしょ? 今は敵を倒すことに集中よ」


叢雲「とにかく、これを早く!」

古鷹「う、うんっ! 龍驤ちゃん、青葉、川内ちゃん、いくよっ!」

龍驤「えっ、ウチそれ使うの初めてなんやけどぉぉぉっ!?」

ばっしゃーん

古鷹「よし、次だよ!」

龍驤「な、治った…けど、そのバケツ、その使い方で合ってるんか!?」

龍驤「まぁ、ええわ。さぁ、艦載機のみんなもういっちょ…ボーキも燃料も尽きるまで行くで!」

古鷹「青葉、川内ちゃん行くよっ!」バシャァン

川内「うぷっ!? お、おぉ、治っていくよ! これ、すごいね!」

青葉「ホントです! なんか初めての感覚…」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:15:29.41 ID:B1sR52fI0


伊58「す、すごいでち…これなら勝てるかも」

U-511「ユー達は被弾しないように避難しておこう」

叢雲「吹雪、白雪! まだ何とか動けるでしょ?」

吹雪「う、うん、なんとか!」

白雪「わ、私もまだいけるよ」ボロッ

叢雲「二人は霞と清霜を安全な場所まで曳航していってあげて!」

吹雪「…わ、私もたたかっ」(いや…今私にできることは…)

吹雪「…分かったよ! 白雪ちゃんは清霜ちゃんを、私は霞ちゃんを曳航するから!」霞ダキッ

白雪「う、うんっ!」清霜ダキッ

吹雪「叢雲ちゃんっ! …お願いっ!」

叢雲「…吹雪、少しは強くなったみたいね」ボソッ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:19:06.56 ID:B1sR52fI0
叢雲「任せて! さ、朝潮、大潮、古鷹、青葉、龍驤、川内行くわよ!」

「「了解!」」

叢雲「まずは軽巡と重巡からっ…!」ドゴォンッ

軽巡ホ級B「ぐぁぁぁ」ぱらぱら…

大潮「朝潮お姉さん! アゲアゲで行きましょっ!」

朝潮「…分かってる! 行くわよ!」

朝潮・大潮「「一発必中!」」シュルルル


戦艦ル級C「ナ、ナニ…コイツラ…」


どがぁんっ!!

戦艦ル級C「クッ…オノレオノれ…」ぱらぱら…


正空ヲ級B「クッ、ヒクわケニハいカヌノダ」ブゥーン

龍驤「ウチが相手や! …艦載機のみんな耐えてくれ!」ブゥーン

古鷹「青葉、今だよ! 正規空母を!」ズガァンッ

青葉「了解ですっ!」ズガガガァン

正空ヲ級B「アァ…ワタシタチハここデも…」ぱらぱら…


龍驤「ナイスや、古鷹、青葉!」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:29:55.40 ID:B1sR52fI0
戦艦ル級A「シズメ!」ずがががが


龍驤「…なっ、あ、あかn!」

川内「危ないっ!」シュバッ


龍驤「た、助かったで川内」

川内「夜戦だったら、もっと早く助けられたんだけどねー!」


叢雲「…アンタたち、この数日間で随分練度が上がったんじゃないの?」


朝潮「ほ、本当にすごい強くなってます、みなさん!」

大潮「練度アゲアゲだね!」


古鷹「そ、そういえば、なんだか私達…」

戦艦ル級A「マダダ…シズメる…ワタシタチハキサマらヲタおすタメダけニ…」どがぁんっ


叢雲「くっ…最後、魚雷で仕留めるわよ!」

古鷹「う、うん! 主砲狙って…」


戦艦ル級A「ワタシタチハ、ヤクタたズダッタノカ…? キサマらモ…」


古鷹「てぇっ!」シュルルッル


戦艦ル級A「ナゼ、ワタシタチハ…」


どがぁんっ

戦艦ル級A「シずム…また、暗い、海のソこニ…」ぱらぱら…
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/15(日) 20:31:01.36 ID:B1sR52fI0



  ザザザザザーン・・・・・・・・・・・・・




       ザザザザザザザザーン・・・・・・・・・・・・・・・
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:33:15.45 ID:B1sR52fI0



古鷹「…やった、ね」

龍驤「守ったんや、この海を…ウチ達の鎮守府を…」



川内「や、やったぁぁっ!!!」

青葉「やりましたね、みなさん!」

叢雲「ふぅ、なんとかなったわね…」

朝潮「良かったです…」

大潮「ホントに何とかなってよかったよ!」


古鷹「そうだ…吹雪ちゃん! みんな!」ザザザ


龍驤「そうや、みんなをっ!」ザザザ

叢雲「あっ、ちょっと待って! って、聞いてないわね…」

青葉「どうしたんですか?」

叢雲「え、えぇっと…あなたは、青葉? あれ、ウチの鎮守府に着任してたっけ?」

青葉「あぁ、叢雲ちゃんたちが行った後に着任した…らしいです!」

叢雲「え、えっと…なんで、私たちが行った後に着任できるの?」

青葉「それは青葉にも分からないんですけども…」


叢雲「…そう。とりあえず、私たちも吹雪たちの所に行きましょうか」

青葉「そういえば、ここに来たのは叢雲ちゃんと朝潮ちゃんと大潮ちゃんだけですか?」

叢雲「そうよ、まぁいろいろあってね。この三人しかこられなかったのよ」


青葉「それはなぜ…?」

叢雲「それも後で説明するわ、とにかく行きましょ」

青葉「そ、そうですね…」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:35:15.44 ID:B1sR52fI0
♦ ♦ ♦

・9月15日 1500

〜入渠〜

霞「な、治った…」

清霜「か、霞ちゃん…霞ちゃんっ!」ダキッ

霞「き、清霜っ! 全く…」ナデナデ

清霜「良かったよぉ、良かったよぉ…」ムギュー


伊58「ユー、治ったでちね」

U-511「うん、すぐに治った…」

伊58「な、なんだかあんなに激しい戦いだったのにあっさり治っちゃったでち…」

U-511「潜水艦だから、しょうがない…」


吹雪「よ、よかった、みんな無事で」ホッ

白雪「本当に良かった…」ホッ


龍驤「白雪っ! キミは…キミは、心配かけよってぇ!」ウリウリ

白雪「ひゃっ!? りゅ、龍驤さんほっぺたうりうりしないでください〜」


川内「二人とも無事でよかったよ…!」

伊58「ゴーヤは沈まないでち!」

U-511「ユーも、もっと日本の事を知るまでは筋むわけにはいかない…!」ギュッ

川内「そ、そっか…」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 20:36:51.04 ID:B1sR52fI0
古鷹「…」

吹雪「…」


叢雲「まさか、加賀さんの予感が的中するとはね…」

朝潮「あの、叢雲さん。みなさんにも事の些末を教えてあげないと」

大潮「そうですね!」


わいわいがやがや

青葉「はっ!? あ、あのっ、今誰も見張り室に居ないですよね! もし今敵に来られたら…!」

吹雪「そ、そういえば…たいへんっ!」

叢雲「あぁ、それならもう多分大丈夫よ」


古鷹「えっ…?」

叢雲「そうね、でも万が一という事もあるし…朝潮、大潮には移動中に話したから二人に見張りを頼めるかしら?」

朝潮「もちろんですよ! さ、大潮行くわよ」スタスタ

大潮「はーい!」スタスタ

叢雲「ありがと、朝潮、大潮」

叢雲「よし、みんな入渠は完了したかしら? それなら事の些末を説明するから会議室に行くわよ」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:24:27.54 ID:B1sR52fI0
「「はーい!」」

♦ ♦ ♦

〜会議室〜

叢雲「さ、集まったわね」

青葉「はい、それでいったい今この鎮守府では何が起こってるんでしょうか?」


叢雲「まぁまぁ、えっと、これはすべて加賀さんから聞いたことよ。私も加賀さんから聞くまでは全く知らなかったことなの」

叢雲「それを前提に聞いてね」


叢雲「私たちをここに行くように言ったのも加賀さんよ。つまり、ここに来たのは司令官の命令じゃないの…まぁ、要は私と朝潮と大潮は命令違反してここに来たってわけよ」


古鷹「め、命令違反!?」

叢雲「そうよ。…朝潮を説得するのは大変だったけどなんとか連れ出してきたわ」


霞「あ、あの朝潮ねぇが命令違反なんて…」


叢雲「それで…まず確認なんだけど、ここの鎮守府の無線とかは今使えるかしら?」


川内「いや、無線はうんともすんとも言わなかったよ」

叢雲「…という事は加賀さんの言ってたことは正しかったのね」


龍驤「加賀の言ってたことが正しい? いったいどういう事や」

叢雲「初めから説明するけど、オブラートに包んでもしょうがないしはっきり言うわ」


叢雲「ここにいるあなたたち、そして鎮守府は司令官に捨てられたのよ」


清霜「えっ…、わ、私たちが…捨てられた?」


古鷹「そう…」(やっぱり、捨てられていたんだね)

叢雲「そうよ」

霞「ほんっと、クソ提督だったのね。それにしても…あたしたちが捨てられたのはまだわかるわ。練度もかなり低くて正直自分でも使い物になるなんて自惚れちゃいないもの」

霞「でも、鎮守府を捨てる理由は? やっぱり古鷹が言っていたように立地の関係?」

叢雲「あら、知ってるの? まぁ、一応説明しとくわね」

叢雲「えぇっと、さっき霞も言ってくれたように、この鎮守府の場所と敵の巣の場所に関係があるの」

叢雲「そもそもこの鎮守府がなんでこんな未開の地、それに航運経路から外れた真水もまともに取れない場所にあるかだけど…」

叢雲「この場所は敵の巣の近くにあるのよ」

叢雲「そして、この場所は小さい島がたくさんあるから敵側にも気づかれにくい」

龍驤「だから鎮守府の規模もそこまで大きくしなかったわけやろ? あまり大きくしちゃうと敵側に感づかれてしまうもんなぁ」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:47:10.79 ID:B1sR52fI0
叢雲「その通りよ」(というより、知ってたの…? まぁいいけど)

白雪「でも…それだったら、やっぱりこの鎮守府は大事な拠点なんじゃないのかな? 敵の動向を近くで観察できるんだから…」


叢雲「…敵の動向が観察できなくなったから捨てられたのよ」

白雪「観察できなくなった…?」

叢雲「そうよ、簡潔に言うと敵側が元の巣を放棄して新しい巣に移動した…らしいのよ。敵側の巣が移動したって言うのは聞いてたけどまさか元の巣がこの鎮守府の近くにあるとは思ってもみなかったけどね」

U-511「敵側が巣を放棄…」

伊58「敵側の巣に近いからこの鎮守府は存在意義があったでち。つまり、敵側の巣が近くになかったら…」

川内「ただの未開の地にある不便な鎮守府…」

叢雲「そうよ、そこで大本営も鎮守府の放棄を決定したのでは…って加賀さんは言ってたわ」


吹雪「つまり、大規模作戦もすべて司令官のウソ…」

叢雲「…大規模作戦というのは嘘ではないわ。敵側の巣の移動のいざこざがあるうちに叩いてしまおうっていうのが大本営の方針だったらしいから」

叢雲「そして、私たち…まぁここから移動した私たちは新鎮守府に移転するまでは別の大規模鎮守府の指揮下に置かれて作戦行動をしてたの」


叢雲「でも、昨日の夜、加賀さんに呼び出されて今言ったようないろいろなことを教えてもらったの」


叢雲「加賀さんってすごい人だわ。移動中にさりげなく艦載機を飛ばして敵側の元の巣を発見して、偵察したらしいの。機動力も練度も超一流のあの人だからできたことだと思うわ」

叢雲「これは私の推測だけど、多分加賀さんはこの鎮守府の傍に深海棲艦の拠点があることを勘づいていたんだと思う」

叢雲「だから、加賀さんはいろいろな行動をとったんじゃないかしら。」


叢雲「あ、話が逸れちゃったわね。で、加賀さんによると敵の巣はすっからかんで捨てられた後みたいで動きはないから安心した、らしいんだけど…」

叢雲「艦載機が戻るときにかすかな光を捉えたらしいの」

川内(それって、もしかして私が)

吹雪(もしかして、私が見た光も…)

叢雲「最初は加賀さんもただの光の反射だと思ったらしいわ。でも、明らかに怪しいと感じて、責任はすべて私が持つからっていって、持てる限りの資材と高速修復材を私たちに持たせてくれて、言ったのよ」

叢雲「『元の鎮守府が心配だわ、見てきてください。責任はすべて私が持つから』ってね」

加賀「資材面やノット数…まぁ、速さの面でもこの3人しか来れなかったけどね。ばれないように夜中に出発したから」


龍驤「加賀…独断行動しすぎやないか…? 命令無視とかいう域を超えてるで…」

白雪「命令無視は、仲間想いの証拠じゃなかったでしたっけ?」

龍驤「…ま、まぁそうやけど」


叢雲「それで、私たちは今ここにいるわけ。でも、まさか加賀さんの言う通り、本当に敵側が残党勢力を残してるとはね」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:49:40.22 ID:B1sR52fI0
叢雲「敵側が主力を移動したのは確かだし、敵の規模的にも戦力のほとんどを新拠点に移動したらしいからあいつらは残された敵ってわけね」


吹雪(立場は違えど…私達と境遇的には少し似てるかも…)


清霜「…でも、私達、提督に捨てられちゃったんだよね? これからどうなっちゃうの…」

叢雲「…それは心配いらないと思うわ。そもそもアンタたちを置いていくこと自体あの司令官の独断だし…」

叢雲「それに、気づいてないかもしれないけどアンタたちかなりの練度になってるわよ」


古鷹「そ、そうなの? 全然実感がないけど…」

龍驤「まぁ、短時間とは言えあれだけ実戦を重ねたら練度も上がるっちゅうもんやで」


叢雲「それに、今さっき加賀さんにも持ってきた無線でこのことを報告したら、明日加賀さん達が迎えに来てくれるって言っていたし…。多分加賀さん達が提督…もしくは大本営に掛け合ってくれたんだと思うわ」


叢雲「加賀さんに感謝しないと。あの人は本当にすごいわ!」

龍驤「加賀…さすがやな」


叢雲「まぁ、私…もとい加賀さんからはそんなところよ」

川内「…要は、私たちは提督にいらないからってことで鎮守府ごと捨てられて」

青葉「それに気づいた加賀さんが助けをよこしてくれたってわけですね」


叢雲「どう、何か質問はある?」

青葉「ここにいる司令官はかなり合理的な考えをするんですよね?」

叢雲「確かにその気があると思うわ」

吹雪「だから、大規模作戦でも役に立ちそうもなくて、新鎮守府に居てもまた練度を上げないといけない私たちを置いて行ったんだね」


白雪「で、でもっ! 一週間たっても私たちを迎えに行かなかったら…もし私だったら居てもたってもいられなくてこの鎮守府に迎えに行くと思うんだけど…」


叢雲「私だってそうすると思うわ。でもそんなの司令官ならどうとでもいえるわ。例えば『あいつらは別の鎮守府に着任することになった』とかね」


白雪「ひどい…」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:51:02.02 ID:B1sR52fI0
叢雲「…そうよ、ただの機械人間」


叢雲「…とにかく、明日になったら加賀さんが来てくれるわ」

吹雪「そうだね…」ぐぅぅぅ


吹雪「あっ…」カァァ

白雪「…そういえば、敵と戦って入渠してたらいつの間にかもう1600に…」


龍驤「よっしゃ、じゃあご飯作るで! 今日は魚を獲りまくって、山菜も採ってパーティーや!」


叢雲「え、魚を獲って山菜も…?」


吹雪「叢雲ちゃんも一緒にやろうね!」

白雪「意外と大変だから覚悟してね?」

叢雲「ちょ、ちょっとどういうことよ!」

吹雪「さっ、行こっ!」ギュッ

叢雲「ちょ、ちょっと吹雪!」

伊58「ユー、ゴーヤたちも行くでち!」

U-511「魚獲るよ…」グッ


霞「じゃあ、あたし達は水を汲みに行く?」

清霜「そうだね、一緒に行こ!」

霞「そうね、今日はちゃんとお風呂にたくさん水を張れるようにたくさん汲まないと!」

龍驤「ウチらはのんびり山菜でも探すか?」

古鷹「そうだね」

青葉「山菜の情報ならお任せです!」

川内「夜が近づくとテンション上がってくるよっ! …ちょっと眠いけど」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:53:08.64 ID:B1sR52fI0
・9月15日 2000

〜食後・お風呂場〜

清霜「霞ちゃん! 背中流してあげる!」ギュッ

霞「だ、だからいろいろ当たってるったらっ!」カァァ///

龍驤「ほーん…」

青葉「りゅ、龍驤さん、青葉の胸に何かついてますか?」

龍驤「いや、なぁ。余計な脂肪がずいぶん育ってると思うてなぁ」ワキワキ

青葉「そ、その手の動きは何ですかっ!」


龍驤「なぁなぁ、ねぇちゃん、ええやろぉ?」

青葉「…逃げるっ!」ダッ

龍驤「逃がさへんでぇ!」モミモミ


青葉「ひゃぁぁっ!!」


古鷹「前も聞いたけど、川内ちゃんって夜戦好きなんだよね?」

川内「夜戦!? もちろん!」

川内「夜戦って聞いただけで体が疼くよ!」

古鷹「よし、やっぱりいろいろ落ち着いたら夜戦で勝負しよう!」

川内「へぇ…負けないよっ!」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:54:18.30 ID:B1sR52fI0
古鷹「ふふっ、私も夜戦で負けるわけにはいかないからね。手加減は無しで行くよ!」

川内「もちろん! こっちだって夜戦バカって呼ばれてるくらいだからね!」

古鷹(…そう呼ばれてるの知ってるんだ)


吹雪「あ、あのぉ…白雪ちゃん? 私一人で洗えるんだけど…」

白雪「いいよいいよ、吹雪ちゃんは座ってるだけで。私が洗いたいんだから」ワシャワシャ

吹雪「そ、そう?」

白雪「吹雪ちゃん、せっかく綺麗で真っ直ぐな黒髪なんだからちゃんとお手入れしないとダメだよ」サラッ

吹雪「う、うん」(白雪ちゃんのお世話スイッチが入っちゃったみたい…)


わいわいがやがや


U-511「…」クラクラ

伊58「ユー、大丈夫でちか?」

U-511「…うん、大丈夫。みんなでお風呂入ろうって言ったから」フラフラ


伊58「…ユー、上がるでちよ」バシャ

U-511「え、でも…みんなでお風呂入るって…」クラー


伊58「…じゃあ、軽く羽織って風に当たりに行くでち。その後もう一回お風呂に来ればいいでしょ?」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:56:24.39 ID:B1sR52fI0
U-511「分かった…」


伊58「大丈夫でちよ。ゴーヤたちが少しこの場から居なくなったって時間も、みんなも、ゴーヤたちを取り残したりしないから」ニコッ

U-511「…ゴーヤ、なんかかっこいい」


伊58「そ、そうでちか? とにかくちょっと羽織って風に当たりに行くでち!」


〜防波堤〜

伊58「気持ちいいでちね!」

U-511「うん…ほ、火照った?身体に気持ちいい…」

伊58「やっぱり、のぼせてたんでちね…」


U-511「の、のぼせてなんか…」


U-511「…そういえば、ゴーヤ強くなったね。ゴーヤの夢かなった、けど…」

伊58「あぁ、そのことだったらもう大丈夫だよ」

U-511「えっ…」

伊58「ゴーヤはもう迷わないって決めたでち! ゴーヤはもっともっと強くなるでち!」

伊58「ゴーヤの先制雷撃で敵を沈めて、仲間が少しでも戦いやすくなるように強くなるでち!」


伊58「それに、今日の戦闘で分かったんでち。ゴーヤはまだまだ弱いでち。こんな弱いうちから強くなった時の心配をするなんて意味ないでちよ」ニコッ
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:57:01.09 ID:B1sR52fI0
U-511「…良かった、ゴーヤ、元気になった、ね」


伊58「…全部ユーのおかげでちよ」ボソッ


伊58「さっ、大分涼めたしお風呂に戻るでち!」

U-511「うん…日本のお風呂、あったかくて楽しくて気持ちよくて…なんだか心までポカポカする」

伊58「…そうでちね、さっ、みんなの所に戻るでち!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 22:58:29.23 ID:B1sR52fI0
♦ ♦ ♦

・9月15日 2100

〜吹雪型の部屋〜

叢雲「二人は疲れてるでしょ? 見張りは私と朝潮と大潮で交代してやるから今日はゆっくり休んで」

吹雪「そんな、私たちも手伝うよ! 叢雲ちゃん達だって疲れてるだろうし」

叢雲「大丈夫よ、それにあの大潮がいるのよ? あの娘は疲れ知らずだからね。とにかく今日は私たちに任せて」

白雪「そう…? それなら、お願いしようかな」

叢雲「分かればいいのよ、それなら…」


吹雪「…ちょっと待って! 私、叢雲ちゃんとの約束守れた、かな?」


叢雲「…守れてる、と思うわ」

吹雪「…微妙な感じかぁ」ガックシ


叢雲「…でも、少しはお姉ちゃんっぽくなったわよ」ボソッ

吹雪「ん、何か言ったかな?」


叢雲「べ、別に何も言ってないわよ」

白雪「…ふふっ、叢雲ちゃんったら素直じゃないんだから」

叢雲「き、聞こえてたの!? あぁー、もうっ、とにかく二人はちゃんと休むのよ! おやすみ!」

吹雪「う、うん、おやすみ!」

白雪「おやすみなさい、叢雲ちゃん」


ガタン

吹雪「…私たちも寝よっか?」

白雪「そうだね、私も今日は疲れちゃったかも」

吹雪「…おやすみ、白雪ちゃん」

白雪「おやすみなさい、吹雪ちゃん」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 22:59:37.11 ID:B1sR52fI0
〜数分後〜

吹雪「…」ムクリ

吹雪「…白雪ちゃん、ごめんね。私どうしても…今、会いたい人がいるんだ」ボソボソ

白雪「…」


吹雪「おやすみ、白雪ちゃん」ボソッ

ガタン


白雪「…吹雪ちゃん、きっと古鷹さんの所に行ったのかな? なんだか吹雪ちゃん、古鷹さんの事意識してたみたいだったし…」

白雪「…私も」ムクリ

ガタン
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:01:30.51 ID:B1sR52fI0

〜朝潮型の部屋〜

霞「…清霜、起きてる?」

清霜「うん、起きてるよ」


霞「なんだか、長かったわね」

清霜「うん、本当にいろいろあったね!」


霞「…その、ありがとね」

清霜「えっ! 急にどうしたの、霞ちゃん?」

霞「…聞いたわ、あたしが被弾した時にすごい怒ってくれたって」


清霜「…だって、霞ちゃんは私を守ってくれるヒーローで、私は霞ちゃんが大好きだから…」

清霜「許せなかったの、霞ちゃんが傷つけられたのが、だからっ」


霞「あのね」

霞「…あたし、勘違いしていたみたいなの」


清霜「…勘違い?」

霞「…ここに残されたとき、まず最初に思ったのよ。何があっても清霜はあたしが守るって」

清霜「…」


霞「でも、実際は違った。あたしは清霜に守られっぱなしだった」

霞「きっと、清霜が居なかったら、あたしは今ここにいなかったと思う」


霞「だから、清霜。…ありがとう」


清霜「お礼を言うのは私の方だよ、霞ちゃん」

霞「え…?」


清霜「霞ちゃんはあたしが霞ちゃんを守ったっていったよね…それはね」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/15(日) 23:03:58.70 ID:B1sR52fI0
清霜「霞ちゃんが私のことを守ってくれたから私も霞ちゃんの事を守ることが出来たんだよ」


清霜「…自分でも何が言いたいか分からないけど、やっぱり守られてたのは私の方だよ」


清霜「それでね、私、この三日間で思ったんだ! やっぱり私、戦艦になりたい!」

清霜「もっと強く、もっと大きく、たった一人ですべてを守れるような、そんな大きな戦艦になりたい、って!」


霞「はぁ…最後までそれなのね…。まぁ、頑張りなさいな」


霞「でもね、清霜。これだけは覚えていて。」

清霜「ん、何かな?」

霞「清霜は駆逐艦で小さくても…十分に強いわよ、みんなを守れてるわよ」

霞「それだけは、忘れないで。清霜、あたしから見れば、あなたは今のままでも十分に大きいの、強いの。あなたの存在はあたしにとってとっても大きなもので、その存在の大きさに助けられた、そのことは忘れないで」


清霜「…それは霞ちゃんの方だよ」ボソッ

清霜「ありがと、霞ちゃん。それじゃあ…」


霞「そうね、おやすみ」ギュッ

清霜「おやすみ」ギュッ

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:04:55.97 ID:B1sR52fI0
〜青葉の部屋〜

青葉「今日あったこと、今までの事をノートにまとめてみたけど…」


青葉「みんなにこれを見てもらいたい! この鎮守府で何があったかを知って欲しい!」


青葉「…だから、もうちょっとレイアウトを工夫して…えぇっと…」


〜川内の部屋〜

川内「はぁ、結局今日も夜戦は無しかぁ」


川内「…いろいろあったなぁ」

川内「那珂は随分早く改二になったし、神通も旗艦として活躍してた」

川内「私も早いとこ強くなんないとねっ!」


川内「でも今は…夜戦したーいっ!」バタバター
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:05:58.40 ID:B1sR52fI0
〜龍驤の部屋〜

こんこん

龍驤「ん、なんや、こんな夜に…だれやぁー?」

白雪「あっ、白雪です! 夜遅くにすいません」


龍驤「ん、白雪か、入ってきてええでぇ」


白雪「は、はい」ガチャ

白雪「お、おじゃましまーす」

龍驤「邪魔するなら帰ってやぁ」


白雪「え、えぇっ!?」

龍驤「嘘や嘘や、さ、こっち来てや」


白雪「はい」

龍驤「それで、どうしたんや?」

白雪「え、えっと…す、少し、顔が見たくなってしまって」


龍驤「お、おぅ、そうか…」(なんや、ちんまくてかわええやつやな)

白雪「えと…そういえば前も話しましたけど私と龍驤さんって前世では同じ場所で生まれたんですよね」


龍驤「そうやで、ウチは横浜生まれや!」

白雪「そうですよね」フフッ(ホントにどうして関西弁風なんだろう)

龍驤「んっ…?」


龍驤「…白雪、キミ、笑うとなんだか…どこかの国のお姫様みたいやな」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:08:00.96 ID:B1sR52fI0
白雪「えっ!? お、お姫様だなんてそんな…」カァァ///(わ、私の事をお姫様って、そ、それじゃ龍驤さんはお、王子様…?)


龍驤「まさに、白雪姫やな!」ドヤッ

白雪「えっ、あ、そ、そういう…」(私の名前と白雪姫をかけただけだったんだね、そうだよね…)


龍驤「さ、白雪も疲れたやろ? 今日はもう寝るで」ゴロン


白雪「…」(ドキドキさせたんだから少し位仕返ししてもいいよね…?)

白雪「…龍驤さん、私は白雪姫なんですよね?」

龍驤「ん、ま、まぁそうやな。どうや、ウチのセンスは」


白雪「…白雪姫は王子様のキスでしか起きられないんですよ?」

龍驤「え、ど、どういうことや?」

白雪「だから、明日の朝は龍驤さんのキスで起こしてくださいね?」

龍驤「ちょ、そ、それってどういう…///」

白雪「ふふっ、おやすみなさい♪」


龍驤「ちょ、ちょっちまちや! 白雪、白雪! そ、そうや! グリムの原作では王子様のキスじゃなくて…」アーダコーダ

白雪(いろいろ言ってるけど、明日の朝は龍驤さんがキスしてくれるまで寝たふりしてればいいよね? ふふ、おやすみなさい龍驤さん)


龍驤「し、白雪ぃー!」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:08:53.96 ID:B1sR52fI0

〜古鷹の部屋〜


古鷹「…」ゴロゴロ


古鷹「寝れない…」ゴロゴロ


古鷹(寝れない…もちろん今日あった敵との戦闘の興奮とかいろいろあるけど…)


古鷹「…大好きで大切な人、か」モヤモヤ

古鷹(…私にとって吹雪ちゃんって何だろう)


こんこん

古鷹「…!」ビクッ

古鷹「あっ、ど、どちら様ですか?」

吹雪「ふ、吹雪です! 夜にすいません、お邪魔してもいいですか?」

古鷹(ふ、吹雪ちゃん!?)

古鷹「う、うん。いいよ、入って?」ガチャ

吹雪「ありがとうございます、古鷹さん」ニコッ
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:10:54.30 ID:B1sR52fI0
古鷹「う、うん」ドキッ


吹雪「今から寝るところでしたか?」

古鷹「えっ、そ、そうだね。ちょっと布団に入ってごろごろしてたんだ」


吹雪「…それなら、わ、私も布団で一緒にお話がしたいんですけど、ダメ、ですか?」


古鷹「い、一緒に!? ま、まぁ、いいけど…」(私の布団、臭くないよね…?)


吹雪「あ、ありがとうございます!」

古鷹「じゃ、じゃあおいで?」

吹雪「し、失礼します」モグリ

吹雪(わぁ…古鷹さんの匂いに包まれているみたい…)ドキドキ

吹雪「え、えっと、やっぱり、古鷹さんって大きいですね」


古鷹「そうかな? 重巡の中だと小さい方だよ?」

吹雪「そうなんですか? でもやっぱり、とっても大きくて…なんだか安心します」

古鷹「う、うん」カァァ///(う、うぅ、なんでだろ、まともに話せないよっ)


吹雪「…」

古鷹「…」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:13:34.64 ID:B1sR52fI0


吹雪「あの、古鷹さん。改めてありがとうございます」

古鷹「え、ありがとうございますって…」


吹雪「…私、よく迷っちゃうんですよ」

古鷹「迷っちゃう?」

吹雪「私、自分では何事も真っ直ぐに真面目に本気でぶつかっていこうと思っているんです」

吹雪「でも、すぐに弱気になっちゃって…自分が今すべきことを見失っちゃうことがあるんです」

古鷹「…」


吹雪「きっと、自分に自信が持ててないんです。だから、ちょっとでも自分の予想外の事が起きてしまうともうどうしていいか分かんなくて、何をすべきか迷っちゃって…」


吹雪「私の名前が吹雪だからですかね…? まるで吹雪の中、灯りもないような暗い中をひたすら彷徨っちゃうみたいな…」

吹雪「一人になったり、何をすべきか分からないとき…。たまに、私の思考も心もそんなところに迷い込んじゃうんです」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:14:43.26 ID:B1sR52fI0
吹雪「…寒くて、暗い場所です」


吹雪「…そんな寒くて、暗い、吹雪の中から…私を連れ出してくれたのは、古鷹さんでした」


吹雪「私、古鷹さんの事が好きです」


吹雪「大好きで大切な私の守りたい人です。傍に居たいって思える人です」


吹雪「…でも、本当に私はこんな感情を持っていいんでしょうか? 私たちは艦娘です。海の平和を願って、深海棲艦を倒すことが私たち艦娘の使命です」


吹雪「もちろん、仲間を想う感情は大事です。仲間を助けることも艦娘の使命です」

吹雪「でも…でも、私の古鷹さんに対する感情は…恋愛感情なんです。古鷹さんと話すと胸がポカポカして古鷹さんに触れられるとドキドキして…そんな、そんな感情を、私は持ってしまったんです…」ポロポロ
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:17:13.00 ID:B1sR52fI0
古鷹「…吹雪ちゃん」ナデナデ


吹雪「うっ、わ、私…また、どうしていいか分からなくて…ふ、古鷹、さん…わ、私どうすれば…」ポロポロ


古鷹「…吹雪ちゃんは、そのままでいいと思うよ?」


古鷹「…だって、私たちは艦娘なんだから」


吹雪「えっ…」

古鷹「艦娘は確かに敵を倒すことが使命だよ」


古鷹「でもね、私たちは気持ちを持っているんだよ? だから仲間を助けるの。気持ちがなかったら仲間なんて助けない。だから、その気持ちは誰にも否定できないんだよ」


古鷹「気持ちを持っている艦娘だから、人間と同じように笑っていいの、泣いて、怒って、喜んで、悲しんで…嫌いになって、好きになっていいんだよ」


古鷹「…吹雪ちゃんは、自分の気持ちを否定しなくていいんだよ」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:19:27.52 ID:B1sR52fI0
古鷹「…私も今、好きな人がいるんだ」ニコッ


吹雪「ぐすっ…ふ、古鷹さん、うっ、ぐすっえぐっ…」ポロポロ


古鷹「でも、この好きはまだ私の好きな人と同じ好きかどうか、分からないんだ。…でも、その人は私にとって特別な人」


古鷹「だから、私の好きな人にはもうちょっと待っていてほしい。私の答えが出るまで…我がままだよね」

古鷹「でも、真剣だからこそ待っていてほしい」


古鷹「どうかな、吹雪ちゃん。私のわがまま聞いてくれるかな…?」


吹雪「…ふふっ、古鷹さんって私よりも生真面目ですね?」ゴシゴシ


古鷹「そうかな?」

吹雪「…分かりました、私の告白のお返事はまだしてくれなくて大丈夫です」


吹雪「でも、必ずいつか答えを聞かせてください。…私も待っているので」ニコッ

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:20:44.74 ID:B1sR52fI0
古鷹「うん、ありがとう吹雪ちゃん」ニコッ


吹雪「って、そういえば私たち一緒に寝ちゃってますね?」

古鷹「えっ、どういうこと?」


                   (アイアンボトムサウンド) 
吹雪「だって、言ってたじゃないですか? 一緒の場所で眠るのは前世の私達だけで十分って」


古鷹「そういえばそんなことも…でも、大丈夫だよ。前世の私たちは暗くて寒い海の底だけど、今私たちがいるのは温かい布団の中なんだから」


吹雪「ふふっ、そうですね」


吹雪「…古鷹さん、今日は月明かりが綺麗ですね」

古鷹「そうだね、本当に綺麗だね」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/15(日) 23:21:34.03 ID:B1sR52fI0
吹雪「…古鷹さん」ギュッ

古鷹「なに、吹雪ちゃん」

吹雪「おやすみ、なさ…い……」zzz


すぅ…すぅ…


古鷹「…今は、おでこだけど、いつか私が、私の気持ちに答えを出せたら次は…」

ちゅっ

古鷹「おやすみ、吹雪ちゃん」

 
 ―艦―
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 23:23:42.13 ID:B1sR52fI0
終わりです、途中にコメントくれた人ありがとうございました!

最後の方は収拾がついてないような気もするけどこれでおわります。誤字とかよみかえしてみるとひどいという…

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 03:16:02.57 ID:j2Wkx6Xv0
おつかれーい
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 09:43:18.47 ID:u9Ghz/VQ0
よかった
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 09:58:57.44 ID:7VcHO7JfO
もう一波乱あるかと思ったけど終わりか。
でも面白かった
お疲れ
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 23:43:43.74 ID:+7sASrdUO
一気に読みました
とても台詞の選択が良かったです
感情移入できました

ただこのままだと青葉の着任の説明がつかない気がするのでその点は残念でした
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/22(水) 00:49:25.04 ID:/4ecCh8Eo
後日談が欲しい
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 02:52:09.17 ID:1Zx78ASo0
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