W号戦車「ドゥルルルルルルン……!?」 エリカ「貴女の名は」

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289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/18(水) 23:20:22.63 ID:F5vkVy/u0
年度切り替わるドタバタでコレてない間に1ヶ月すぎてますね、申し訳ない
もうちょっとだけ続くんぢゃ……
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 23:25:28.92 ID:F5vkVy/u0

ミカ「〜♪」

アキ「もう、さっきまでは借りてきたネコ状態だったのに、急に元気になるんだから」

ミッコ「まあ、気持ちはわかるけどなー」

ミッコ「ただでさえ知らない人ばかりだったのに、ハンバーグで戦車潰す人間まで居たんだし」

アキ「もー、仲良くしとけば色々プラスになったかもしれないのにー」

ミカ「……それは本当に必要なことかな???」

ミッコ「しかし、このメンツであの砲撃の主を探し当てる、ねえ……」

ミカ「……あくまで敵の捜索がメイン」

ミカ「とはいえ、私達で撃破に向かうのもいいかもしれないね」 ポロローン

アキ「ええ、無茶だよそんなの〜」

ミカ「……ふふ」 ポロローン

ミカ(適当に役に立って、相打ちになってここを出られたら上出来、かな……)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 23:48:32.81 ID:F5vkVy/u0

エリカ(……しかしあの砲撃……)

エリカ(威力的にシュトゥルムティーガーが最有力候補だと思ってたけど……)

エリカ(それにしてはロケット推進音がなかった)

エリカ(……とすると……)

エリカ「まさか……カール自走臼砲……!?」

逸見車操縦手「ええ!?」

逸見車砲手「あれって使用可能車輌なの……!?」

エリカ「サンダースのバカどもがやりかねないから調べたときはまだ競技中だったけど……」

逸見車通信手「でも、多分それであってると思う!」

逸見車通信手「逸見さんが言うより若干先に、みほさんの所の通信手から通信入ってたし!」

逸見車通信手「あとサンダースの人達も逸見さんより早くその結論に至――」

逸見車通信手「いたっ、いたたたた!」

エリカ「いちいちどちらが早かったなんて言う必要ある?」 ギリギリ

逸見車通信手「め、目がマジで怖いよ!!」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 00:01:06.07 ID:KuYcTXM40

逸見車砲手「まあまあ……」

逸見車砲手「最近逸見さん弄られキャラとしてやってるみたいだからっていう気遣いなんだし……」

エリカ「小さな親切大きなお世話の例文にできるレベルで巨大なお世話よ」

逸見車操縦手「それにしても、カールって聞いてすぐさまカール自走臼砲が連想できるんだから、黒森峰ってすごいよね」

エリカ「はあ? このくらい普通でしょ」

逸見車装填手「いやあ、普通は『カール』って聞いたらお菓子が出てこないかなーって」

エリカ「あのねえ……素人じゃないんだから……」

エリカ「大体お菓子のカールであの爆発とか非現実的にも程があるでしょ」

逸見車通信手「でもハンバーグで戦車倒すような人もいるし……」

エリカ「あーあー聞こえない。あーあーあー」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 00:12:34.69 ID:KuYcTXM40

エリカ「それにしても……」

エリカ「いくら相手を見つけるのが再優先とはいえ、あの連中で大丈夫なのかしら」

エリカ「全員豆戦車だし……」

エリカ「戦闘になったら為す術もなく蹂躙されるわよ」

逸見車通信手「……でも、意外と何とかするかもよ」

逸見車操縦手「確かに、アンチョビさん達って、何かやってくれそうなものを感じるよね」

エリカ「そう?」

エリカ「そりゃまあ、たまにハッとするような作戦は立ててるけど……」

エリカ「結局毎回うちと練習試合する度にスペック差の前に屈してたじゃない」

逸見車砲手「あと、継続の人達も、伊達に私達を追い込んだわけじゃないって感じの練度だよね」

逸見車操縦手「逸見さんのハンバーグ射出がなきゃ負けててもおかしくなかったもんね」

エリカ「忘れろアノ時のことは」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 00:20:45.38 ID:KuYcTXM40

逸見車通信手「それに、大洗の子たちも凄いよね」

逸見車通信手「あの二人、確かマウスを倒した人達だし」

逸見車通信手「それに、あの大洗の副将までいるんだよ?」

逸見車通信手「きっと何とかなるって」

エリカ「……気持ちはちょっとだけ分かるけど、向こうの副隊長って期待できない置物よ」

逸見車砲手「え、そうなの?」

逸見車砲手「でもすごい賢そうな顔してたけど……」

エリカ「顔だけよ、あんなやつ」

エリカ「少なくとも知性なんてひとっつも無いわ」

エリカ「口先だけで煽ることしか出来ない哀れな存在よ」

エリカ「不意をつれるとすぐテンパルし、平気で和を乱すし、役職がそもそも向いてないのよあの子は」

逸見車操縦手(ツッコミ待ちかな……)
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/19(木) 00:36:18.23 ID:KuYcTXM40

エリカ「まあ敵の位置情報はわかったし、なんとか強力な戦車を送るより他手はないわ」

エリカ「あの小隊じゃ倒せないのは火を見るよりも明らかだもの」

逸見車通信手「うーん、そうなのかなあ」

エリカ「当たり前でしょ」

エリカ「どんぐり小隊とカールってだけでも絶望的な差があるのに、絶対護衛ついてるのよ」

エリカ「その戦力差はひっくり返せる域を越えてる」

エリカ「まだ人間がワニと素手ゴロした方がマシなほどよ」

逸見車砲手「そこまで言わなくても……」

エリカ「いーや言うわ」

エリカ「私達は王者よ、客観的に戦力差を見れなくてどうするの」

エリカ「もしあの貧弱な小隊がカールをぶっ倒そうものなら、ワニと素手でだって闘ってやるわよ」 フン

逸見車装填手「す、すごい自信だ……」

逸見車砲手「万が一のことを考える気0なんだ……」

エリカ「やる前から駄目だったときのことを考えるヤツなんていないわよ」

逸見車通信手(そうかな……)
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/19(木) 00:37:43.07 ID:KuYcTXM40
もっとやりたかったのですが意識飛び始めたのでごめんなさい早いですがここまでにします
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 05:54:30.88 ID:zLA5qPbm0
乙 生きていたか
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 06:25:56.02 ID:U6aQRrUN0
数レスですが、死なないように少しでも投下します
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 06:40:25.73 ID:U6aQRrUN0

まほ「カール自走臼砲を撃破、か……」

アンチョビ『代わりに継続が撃破されちゃったけどなー』

まほ「いや、上出来だろう」

まほ「……さすがはエリカが奇策に出ねば倒せなかった相手、か」

アンチョビ『いやー、全て終わったらピザでも振る舞って労ってやらないとなー』

まほ「そのためにも、気を引き締めて勝利で終わらなくてはな」

まほ「まもなくたんぽぽと合流する」

エリカ『……』

まほ「……どうしたエリカ、大人しいが……」

まほ「先程の砲撃でどこか不調でも発見されたか?」

エリカ『いえ……』

エリカ『ワニと闘うならどう闘うべきかをちょっと……』

まほ「……」

まほ「よ、よくわからないが、噛む力に対して口を開く力は大したことがないと聞くし、口を押さえつけることが求められると思うぞ」

アンチョビ(あ、答えるんだ……)
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 06:46:49.78 ID:U6aQRrUN0

絹代「西住さん」

絹代「わが校は2輌も戦列を離れてしまい、誠に申し訳ございません」 ペコリ

みほ「いえいえ……」

カチューシャ「うちはカチューシャだけになっちゃった……」

ダージリン「大丈夫」

ダージリン「まだ貴女が残ってるわ、カチューシャ」

カチューシャ「わ、わかってるわよ!」

絹代「……」

絹代「知波単は2輌撃破されたのに対し、黒森峰も2輌……プラウダに至っては3輌も……」

玉田「おおっ、つまり我々はプラウダ以上であり、あの黒森峰にも並んだということでは!?」

カチューシャ「は???」

エリカ「あ?」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:27:35.41 ID:U6aQRrUN0

アンチョビ「お、おいおい……」

アンチョビ「そういう言い方はよくないぞ……」

ダージリン「でもその理屈だと、1輌も撃墜されていない私達とアンツィオ高校、そして大洗が三強ということになりますわね」

アンチョビ「さ、三強!?」

アンチョビ「三強か……」

ペパロニ「なんかかっこいい響きっすね姐さん!」

カチューシャ「今すぐ被撃墜数を増やしてあげようかしら!?」

エリカ「いいわね、あんなクソ戦車、秒でぺちゃんこにしてやるわ!!」

アンチョビ「な、バカバカ、こっち向けるな〜っ!」

ケイ「ウチも撃墜されていないけど、履帯やられたり知波単ズを守りそこねたりはしちゃったもんね〜」

ダージリン「こんな格言を知ってる?」

ダージリン「ヤツは四天王の中でも最弱」

ケイ「ワオ、四天王にしてくれるのね。エキサイティング!」

アリサ「意味わかりません隊長ッ」

まほ「大隊長、脱線著しい上に不快感故に連携に難が出かねない。何とかしてくれ」

みほ「え?」

みほ「ええと……」

みほ「……」

みほ「すみません、私の責任です……」

沙織「諦めて全部責任背負って終わらせようとしないでみぽりーーーーーん!!」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:31:51.43 ID:U6aQRrUN0

みほ「でも……実際私のせいで、これだけ被害が出たようなものだから……」

まほ「定石通りやりすぎたな。らしくもない」

みほ「……」

エリカ「まったく……準決勝でもだけど、不利になるまで本領発揮しないのは悪いクセね」

まほ「みほの闘いをすればいいんだ」

みほ「……!」

ケイ「ここからの作戦は? 大隊長」

みほ「局地戦に持ち込んで、個々の特性を活かしチームワークで戦いましょう」

エリカ「急造チームでチームワークぅ?」 プップクプー

エリカ(ほんっと、甘ったるい考えが大好きねえ……)

まほ「急造でもチームはチームだ」

エリカ「……」

まほ「互いに足りないものを補うしかない」

エリカ「……」

逸見車操縦手(誰かエリカさんのメンタルケアっていう必要なのに今足りてないポジション埋めてくれないかな……)
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:37:57.68 ID:U6aQRrUN0

エリカ「……」

逸見車操縦手「わ、わあ、遊園地跡だあ、興奮するなあ」

エリカ「……」

逸見車砲手「……」

逸見車装填手「そのトークは絶対違うって……」 ヒソヒソ

逸見車通信手「ええと、アンツィオの人達ジェットコースターのレールに乗ったんだって!!」

逸見車操縦手「へ、へえ! すごい!」

逸見車装填手「便利なGPSになるかも!」

エリカ「……」

逸見車装填手「……」

逸見車砲手(……き、気まずい……)

逸見車操縦手(こういう沈黙を平気で生むし時折キレ出すし、やっぱり逸見さんって面白い人ではあるけど怖さもあるなあ……)

まほ『……撃て』

エリカ「撃て……」

逸見車砲手(て、テンションが低い……!)

逸見車通信手(もう急造チームの誰でもいいから何とかしてえ〜!)

逸見車操縦手(年単位でチーム組んでても話が盛り上がらないことくらいあるもんなあ……)

逸見車装填手(隊長、こういう気まずい空気を察して和ませたりは絶対してくれないしなあ……)
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:44:28.20 ID:U6aQRrUN0

エリカ「……」

エリカ(隊長に怒られた……だって実際急造チームなのに……) シュン

カチューシャ「……4輌しかいないみたいね」

カチューシャ「私達を引きつけておくだけみたいだけど、どうする?」

まほ「……分かった、いこう」

まほ「エリカ、頼む」

エリカ「!!!!!!!!!!!!!」 パァァァァァァ

エリカ「はいっ!!!!!!!」

逸見車通信手(隊長相手のときだけちょろすぎてちょっと見ていて心配になるなぁ……)
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:46:49.79 ID:U6aQRrUN0

エリカ「んふっ……んふふふふふふ!」

逸見車操縦手(こわい……)

逸見車装填手(きもい……)

エリカ「オッケーですよ隊ッッ長!!」 ダパパパパパ

逸見車通信手「うっきゃーっ、滝のような鼻血がっ」

逸見車操縦手「うえっ、ちょ、かけないでえっ!」

エリカ「ほらそんなこと気にしないでちゃんと前見てドリフトしなさいドリフト!!」

エリカ「大学生がなんぼのもんじゃーい!!よ」

逸見車砲手(久々にハンバーグ吐き出すわけでもないのに狂った姿を見ている気がする……)
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:56:20.87 ID:U6aQRrUN0

エリカ「そらそら、バンッバン落とすわよ!!」

逸見車操縦手「元気だなー逸見さん……」

逸見車操縦手(ちょっと引くわ……)

逸見車砲手「さっきまでは頭上の砲撃に怯えてたのにねえ」

エリカ「うるさいわね」

エリカ「飽きたのよ、ビクビクしながらトラウマの砲撃に背を向け逃げ出すような真似は」

エリカ「それにねえ……今の私はさっきまでの私とは違う」

エリカ「守りたくて、守らなくちゃいけなくて、一人で闘ってたときとは違う!」

エリカ「仲間の犠牲という大きすぎるものに応えなくちゃいけないプレッシャーがあったさっきまでとは!」

エリカ「私は……私は隊長に『エリカ、頼む』と言われたのよ!」

エリカ「私は、信頼と共に言われたのよ!!」

エリカ「エリカ、頼む――って!」

エリカ「強すぎる故に何でも一人で出来てしまうような隊長が、頼むって私に……」

エリカ「大事な決勝戦ですら完全には頼ってくれなかった隊長が、あの時守りにいくことが出来なかった私なんかに……頼むって……」

エリカ「こんな、こんな私によ!」

エリカ「黒森峰という最高峰から逃げ出して弱小校でエースを張り大学選手に選ばれただけのヤツらには分からないでしょうね!」

逸見車砲手(私達にもそこまでテンション上がる理由はいまいちわからん)
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/26(木) 07:56:47.09 ID:U6aQRrUN0
時間なので終わります、申し訳ない
サクサクやって終わらせにかかりたいところです
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 11:35:14.53 ID:cwW7MHQSO
逸見わに(素手)対ワニ(空腹)
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 12:58:36.19 ID:h1SfaMPh0
乙 エリカが楽しそうでなによりです
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 04:58:02.10 ID:/f890eT80
また少しですが投下します
夏までには終わらせたい・・・
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 05:23:48.47 ID:/f890eT80

エリカ「ふうー……」

逸見車砲手「わあ、やった!」

逸見車操縦手「あの大学選抜相手に撃墜数ゲット!!」

エリカ「ふっふっふ」

エリカ「隊長に信頼し託されたらこんなものよ!」 ドヤッ

エリカ「まっ、継続が異常だったとはいえ、あの大学選抜相手にこうもやれる私達はやっぱりすごいってことね」

エリカ「プラウダの連中をもってしてもブリザードのノンナしか撃墜数を稼げなかったんですもの」

エリカ「やはり胸を張って黒森峰のナンバー2を名乗るべきね」

逸見車通信手(知波単から撃破の報告来たことは黙っていよう……)
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 05:52:44.20 ID:/f890eT80

エリカ「……隊長がチャーフィーの動きに仕組まれたものを感じると言ってたけど……」

エリカ「見事なまでに包囲されてやがるわね……」

逸見車砲手「うっ、めちゃくちゃいっぱいいる……」

逸見車操縦手「1体倒したところで包囲に大きな穴開けられないし、と、とりあえずこっちが撃墜されないようにしないと……」

逸見車通信手「確かに私達までやられたら本当に終わりだけど、でもどうするの!?」

逸見車装填手「このままだと、他の皆は――」

エリカ「……ッ」

エリカ(くそっ、さすが大学選抜……)

エリカ(このままじゃここでほとんどの戦車がやられる……)

エリカ(そうなったら本当に終わりよ……!)

エリカ(何か……何でもいいから打開策を……)

ゴロゴロゴロゴロ

エリカ「……ん?」

観覧車先輩「」 ゴロゴロゴロゴロ

エリカ「」

逸見車砲手「……なに、あれ……」

逸見車装填手「さあ……」

逸見車通信手「うわっ、こっち来た!!!」

エリカ「はあ!? ちょ、逃げるわよ!」

エリカ「他の連中と合流!!!」

エリカ「こ、こんなところであんな意味わかんないものにぶつかって白旗上げましたなんてことになったら一生の恥よ!」

逸見車通信手(でもハンバーグ吐き出す生身の人間にやられるよりはマシだよなあ……)

エリカ「ちょっと何よその目は」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 05:58:51.84 ID:/f890eT80

みほ『相手以上にこちらが分散するので、見えない仲間の把握に心がけてください』

エリカ「……急造チームに本当にチームワークを求めるわねえ……」

逸見車通信手「でも意外となんとかなるんじゃない?」

逸見車通信手「隊長クラスの人大勢いるし……」

逸見車通信手「皆協調性あって、自分で判断もできるから柔軟性もあるし……」

エリカ「……協調性ある?」

エリカ「あの格言紅茶馬鹿や傲慢ちき幼児体型に突撃チンパンジーに」

逸見車通信手「……判断力があって柔軟性があるからそのへんは、こう……」

逸見車砲手(協調性……無い人の方が多いかもなあ……)
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 06:03:56.85 ID:/f890eT80

エリカ「ったく……ようやく観覧車もいなくなったわね」

逸見車通信手「バイバイ観覧車先輩〜」

エリカ「ちょっと、大洗のアホなノリに感染しないでよみっともない」

逸見車通信手「あはは……駄目?」

エリカ「駄目に決まってるでしょ」

エリカ「黒森峰はもっとこう、ピリピリとした緊張感に包まれてなきゃいけないのよ」

エリカ「そんなんじゃ、これからのプランFで何一つ戦果をあげられないわよ」

エリカ「あの脳天気な連中はあてにならないし、こっちがバシバシ戦果を上げなきゃいけないんだからね!!!」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 06:15:52.39 ID:/f890eT80

エリカ「……」

逸見車砲手「……」

エリカ「……」

逸見車操縦手「……」

エリカ「……」

逸見車装填手「……全然撃墜数増えないね」

エリカ「し、仕方ないでしょうが」

エリカ「こういうのはタイミングとかの問題も……」

逸見車通信手「あ、大洗の人達や、よりにもよって知波単の人達まで撃墜報告あげてきてる……」

エリカ「な、なんですって!?」

エリカ「ええい、探せ! 獲物を探すのよ!」

エリカ「あんな連中に負けてられないわ!!」

逸見車通信手(人間が小さいなあ……)

逸見車装填手(最初はあんなに殊勝だったのに、すっかりいつもの人間性の低い逸見さんになっちゃったなあ……)

逸見車通信手「っと、どうやら向こうのセンチュリオンが出てきたらしいよ!」

エリカ「……!」

エリカ(センチュリオン……現代最強のニンジャ戦法を使う島田愛里寿、ね……)

エリカ「相手にとって不足はないわっ……!」

逸見車通信手(どこにいるかもまだふわっとしか分かってないのにもう倒す気でいるとか、不足してるのは計画性じゃないかな……)
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 06:54:13.36 ID:/f890eT80

逸見車通信手「……えっ?」

エリカ「今度は何!」

逸見車通信手「嘘……」

逸見車通信手「各所からドンドン撃破されたって報告が来てる……」

エリカ「なんですって!?」

逸見車通信手「さっきまでは圧倒的に優位に立ってたはずなのに、たった一台のセンチュリオンで、ここまで……」

エリカ「……」 ゴクリ

逸見車砲手「……」

逸見車砲手(目の色が変わった……みほさん達の命運がかかってるもんねえ)

逸見車砲手(追い込まれてる時の方が強いのかも、なんて)

逸見車砲手(……みほさんもそうだから、口にしたら怒られそうだしいわないけど)

エリカ「……」

逸見車装填手(どうしたんだろう、さっきから何を考え――)

エリカ「センチュリオンに挑むのは一旦中止」

エリカ「それより、どこか適当な連中と合流するわ」

エリカ(クソッ、なんで一瞬でひっくり返されそうになってるのよ……!)
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 06:54:41.86 ID:/f890eT80
終わり見えてきましたが眠気ひどくて何書いてるんだかわからなくなってきたので中断しますもすいわけない
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 07:42:53.03 ID:/S6xuRAUo
代わりに寝てやるから続きはよ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 10:52:25.17 ID:LefrV9B7O
乙。ぐっすり寝ろよ

いよいよ終盤だな。試合後の逸見vsワニも楽しみだw
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 09:51:12.80 ID:PlPy7wsr0
もうすぐ6月だ
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 02:49:48.38 ID:7UtrLC770
のんびりしてたら地震食らったし、何が起きるかわからないので生きてる内に終わらせに向います
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 03:09:52.56 ID:7UtrLC770

カチューシャ「くっ……」

カチューシャ「どーなってるのよ、次から次へとやられてるじゃない!」

エリカ「無事!?」 ザッ

カチューシャ「!」

ナカジマ「黒森峰の……!」

カチューシャ「当たり前でしょ!」

カチューシャ「カチューシャが簡単にやられるわけないじゃない!」

エリカ「……」

エリカ「わからないでしょ」

エリカ「通信聞いたでしょ、あのサンダースが一瞬で全滅したのよ」

カチューシャ「……」

エリカ「まあ何にせよ無事で良かったわ」

エリカ「……癪だけど、今の状況じゃアンタらと合流出来るにこしたことはなかったからね」

カチューシャ「ふん、そうでしょうそうでしょう」

カチューシャ「なにせ黒森峰を破ったプラウダの隊長なんだからね!」 フッフーン

エリカ「……」

エリカ(確かにチビッコもそうだけど、ソレ以上に……) チラリ

ナカジマ「はは、頼りにしてるよーカッチャン」

エリカ(狂った程の整備技能を持つ自動車部……)

エリカ(あのサンダースの連携すら敗れる相手に勝つには、一瞬でも相手の虚を突く必要がある……)

エリカ(まっとうな戦車乗りとは違うアプローチにすがるしかない……)

エリカ「……」

エリカ(……こんな、邪道みたいな手に頼るはめになるなんてね……)

カチューシャ「……って、アンタ“ら”ってなによ」 ムスッ

ルクリリ「はっはっは」

ルクリリ「このルクリリ、聖グロの誇る秘密兵器として、その期待に応えてさしあげますわっ!」

エリカ「……」

エリカ(いたのか……アレは別にどうでもいいや……聖グロの連中気に入らないうえに隊長格と比べて大分落ちるし……)
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 03:10:05.45 ID:zHAG3MUp0
速くアリスぶち殺してみほと百合百合させろよ
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 03:23:46.01 ID:7UtrLC770

ナカジマ「それで、どうするの」

ナカジマ「アンツィオの人達からも連絡が途絶えたけど」

ルクリリ「どうやらセンチュリオンが暴れまわってるらしいけど……」

カチューシャ「……」

カチューシャ「センチュリオンは遭遇しない限り無視するわよ」

ルクリリ「え?」

カチューシャ「……知波単とか、集団で挑んで返り討ちにあったって報告が入ってるわ」

カチューシャ「所詮知波単だからっていうのはあるだろうけど……」

カチューシャ「まともに連携の練習もしてないカチューシャ達で簡単に勝てる相手とは言えないわ」

カチューシャ「……それに、向こうにはサンダースが三人がかりでやられた中隊長三人組がいる」

カチューシャ「最悪の事態は、その両方が健在なこと」

エリカ「……随分弱気な考えなのね」

カチューシャ「勿論負けるつもりなんてないわよ」

カチューシャ「でもね、ノンナが教えてくれたの」

カチューシャ「勝てないなんて許せないし屈辱的だわ」

カチューシャ「だけど――何にも残せず舞台を去るなんて許されない」

カチューシャ「カチューシャは、未来に繋ぐために散ったノンナ達の分も戦う責任がある」

カチューシャ「……私の手で万が一にも終わらせられないなら、そのバトンを繋がなくちゃならないの」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 04:10:38.21 ID:7UtrLC770

カチューシャ「……センチュリオンと中隊長三人が同じくらい厄介だとして」

カチューシャ「万が一だけどカチューシャ達が全滅するとするでしょ」

カチューシャ「……センチュリオン相手だと、どれだけ抵抗したところで、倒せなくちゃほとんど意味がないわ」

ナカジマ「確かに、履帯とか一部を壊しても直されたらおしまいだもんねえ」

エリカ「いや、アンタらが異常なのよ……普通試合中にあそこまで直せないからね?」

カチューシャ「まあ、それでも直されるリスクは大きいわ」

カチューシャ「よしんば直されなかったとしても、後から対峙する人間がどこがおかしいか瞬時に見抜いてくれなきゃいけない」

カチューシャ「勿論カチューシャになら余裕だけど!」

カチューシャ「……まあ何にせよ、何もダメージを与えられないよりマシとはいえ、そこまで効果は見込めないわ」

カチューシャ「その場合、このカチューシャが率いているのに全滅するような相手がほぼ無傷で相対しちゃうのよ」

カチューシャ「もうそうなれば一巻の終わり」

カチューシャ「……だけど、中隊長の場合はそうじゃない」

エリカ「……白旗を上げさせたら修理復帰は出来ない、か」

カチューシャ「ええ」

カチューシャ「三体揃ってはじめて強力なコンビプレーで立ち回れるみたいよ」

ナカジマ「サンダースの最後の通信でそんなこと言ってたねえ」

カチューシャ「逆に言えば、一体でも落とせばその戦力は大幅に落ちる」

カチューシャ「……勿論完勝を目指しにいくわ」

カチューシャ「でも――最悪の場合、一輌を落とせればいい」

ナカジマ「その小さなキズで、中隊長という強敵は瓦解する、かあ」

ナカジマ「カッチャン、賢いなー」

カチューシャ「だーかーらー、そのカッチャンっていうのと子供扱いをやめなさいよ!」 プンスコ
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 04:26:13.03 ID:7UtrLC770

エリカ「厄介といえば、搭乗員の技量の差で若干落ちるとは言え、T28も十二分に警戒対象だったけど……」

逸見車通信手「そういえばいつの間にか落ちてましたね」

ルクリリ「……それならダージリン様がなんとかしてくださった」

エリカ「あの紅茶格言馬k……ダージリンが?」

ルクリリ「言いとどまるの大分遅くない?」

カチューシャ「……ダージリンは自分達の白旗と引き換えにT28を落としたそうよ」

エリカ「……あの女が自己犠牲なんて……」

ナカジマ「私としては、エキシビションでカッチャンが身を挺してダージリンさんを庇ったことにも驚いたけどねー」

カチューシャ「あれはそうするのが最善だったし、あっちがフラッグなうえに身を挺したら即座に勝てると分かってたからよ」

カチューシャ「その後どうなるか分からなかったら身を挺したりなんてしてないわ」

カチューシャ「このカチューシャが脱落したら不利になるのは目に見えてるんだから!」

エリカ「……」

エリカ(そう……遠くの地で、最終決戦よりも前に強敵を倒したところで、勝ちに即座に繋がるわけじゃない……)

エリカ(……だから、ずっと、隊長の傍にいたんだ……)

エリカ(隊長の傍でなら、隊長の勝利に直接貢献出来るような気がしたから)

エリカ(……決着をつけてくださる隊長から離れた場所では、どれだけ奮起してもどれほど効果があるのか実感しにくかったから)
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 04:41:04.82 ID:7UtrLC770

エリカ「……」

エリカ(カチューシャは、成長してるのね……)

エリカ(相変わらず腹立つクソチビではあるけど……)

エリカ(……今なら、良いところも見ることが出来る……)

カチューシャ「サンダースからの最後の通信を信じるなら、そろそろかち合うはずよ!」

エリカ「……」

エリカ(ノンナの姿を見て軟化した、ってところかしらね……)

エリカ(……少しだけ、それも分かるわ……)

エリカ(私だって――――)

ナカジマ「!」

ナカジマ「発見したよ!」

ルクリリ「3輌ってことは――」

カチューシャ「体当たりでもいいから、センチュリオンとの合流を阻止するわよ!」

エリカ「言われなくてもそのつもりよ!」

エリカ(別個でもヤバいっていうのに、合流なんてさせられないッ)

エリカ(センチュリオンの出現報告的に、明らかに合流に向かってるし、猶予は無――――)

ドンドン
 ガンッ ギャインッ

シュポッ

ルクリリ「ああっ、クソォ!!」

エリカ「なっ――!?」

エリカ(体当たりもよけられたうえに、1輌落とされた?!)

エリカ(こ、これが大学トップクラスの実力――――――ッ!)
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 04:46:53.52 ID:7UtrLC770

ナカジマ『……このままじゃあ追いつけないから、パワー出すよ!』

ナカジマ『スリップでついてきてね、よろしくぅ!』

エリカ『……スリップするのか???』

カチューシャ「スリップストリームね!」

エリカ「……」

逸見車砲手「スリップストリームって分かる?」

エリカ「わ、わかるわよ! あったりまえでしょ!!」

逸見車装填手「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥って言うけど」

エリカ「わかってるけどピンときてなかっただけよ!!」

逸見車通信手「こっそり聞いてあげようか?」

エリカ「やめろ!!!!!」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 04:58:21.43 ID:7UtrLC770

ルミ「そんなんじゃいつまで経っても追いつけないよーノロマさん達ぃ〜」

エリカ「……」

エリカ「なんだろう、猛烈にナメられてるような予感が……」

逸見車装填手「おお、さすがナメることのスペシャリスト……」

エリカ「おい」

逸見車砲手「他人は平気で見下すくせに、自分や黒森峰へのディスには敏感なだけあるよね……」

逸見車通信手「荒れてるスレとかで勝手に深読みして勝手にキレるタイプかあ……」

逸見車操縦手「シャドーボクシングにならないようちゃんと操縦してあげるのが同じ戦車に乗る私達の役目なのかもね」

エリカ「アンタらほんと最近私のこと馬鹿にしてるわよね? ねえ?」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/21(木) 04:58:56.52 ID:7UtrLC770
労働が迫ってるので一旦中断
あんまり引っ張らずにとりあえずまた当歌詞にきます
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 05:02:01.58 ID:D2XC7jq10

劇場版での逸見の最活躍シーンだな
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/06/21(木) 09:25:37.05 ID:Nn4J21Kl0

劇場版所見ではかっちゃんの活躍がわかってなかったなぁ
色々めまぐるしかったのと観覧車先輩のインパクト強すぎた
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 10:20:44.29 ID:NknUMe9i0
>>332
うるせぇsageろks
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/22(金) 19:12:57.97 ID:ks5uZyKS0
さっさとエリみほ出せよ
わかってねーな
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/22(金) 20:06:49.23 ID:pg7opeS60
>>334
カップル厨はよそへ逝ってください
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/03(火) 03:51:43.06 ID:KTvtY1U90
ワールドカップの合間合間に透過します
337 :先制したり追加点入れたり思ったよりテレビにかじりつきそうで申し訳ない [saga]:2018/07/03(火) 04:21:37.41 ID:KTvtY1U90

カチューシャ『……それで、アンタはこれでいいの?』

エリカ「……は?」

エリカ「何よ今更」

カチューシャ『カチューシャはカチューシャのことを信じているし、カチューシャのことを信じてくれたノンナ達のことも信じてる』

カチューシャ『私は自分の判断を信じて、自分にやれることをやるわ』

カチューシャ『だからここは、自分の命に替えてでも誰かを落とすつもり』

カチューシャ『……でも別に、ムリに付き合えとは言わないわよ』

エリカ「……え?」

カチューシャ『カチューシャのことは他の誰よりノンナが理解してくれてるように』

カチューシャ『ミホーシャと、それに西住まほのことを、誰より分かってるのはアンタ』

カチューシャ『……あの二人のために、どうするのが最善なのか』

カチューシャ『それと、自分自身がどうしたいのか』

カチューシャ『それだけを考えて行動しなさい』

ナカジマ『お二人さん、お喋りしてると舌噛むよ!』

カチューシャ『二番手は私がつくわ、コバンザメは最後尾について、やりたいようにやればいいわ!』

エリカ「コバンザ……私のことかこの野郎!!!!!」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/03(火) 04:42:56.29 ID:KTvtY1U90

ナカジマ『ツチヤ!』

ツチヤ『はいはい!』

ツチヤ『エンジン規定はあるけど、モーターはないもんねぇっ』 ポチー

エリカ「うわっ」

逸見車操縦手「ひえーっ、なにあれ!」

逸見車通信手「ね、ねえどうするの逸見さん!」

エリカ「……」

エリカ「私は……」
339 :日本おしかった・・・ [saga]:2018/07/03(火) 04:59:23.35 ID:KTvtY1U90

エリカ(私は……どうしたかったんだろう……)

エリカ(あの娘を助けたい?)

エリカ(勿論そうだ。今回は、そのために……)

エリカ(……いや、でも、それだけじゃない……)

エリカ(成長したのはアンタだけじゃないってことも見せつけたいし、今度こそ隊長を守りたい)

エリカ(隊長と一緒に戦いたい……)

エリカ(ううん……あの娘と、隊長と、3人で……)

エリカ(……)

逸見車装填手「い、逸見さん……?」

エリカ「……ふふ、馬鹿ね」

エリカ「あれはもう……二度とは叶わないただの夢なのに」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/03(火) 05:19:24.85 ID:KTvtY1U90

エリカ「……どうするも何も、さっきと一緒よ」

エリカ「あの二人と協力して、体当りしてでも絶対止める」

エリカ「それだけよ!」

逸見車操縦手「……いいの?」

エリカ「……いいのよ」

エリカ「あの二人の横に並び立てる実力は、今の私にはない……」

逸見車装填手「そ、そんな、ことは……」

エリカ「いいのよ」

エリカ「いいの」

エリカ「だからって、諦めたわけじゃないもの」

エリカ「……いつか絶対並び立ちたい」

エリカ「だからこそ――ただ尻尾振ってついていくだけじゃ駄目なのよ……ッ」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/03(火) 05:20:56.26 ID:KTvtY1U90
シリアス語りくらい終わらせようと思ってたのに一気に眠気がきて何書いてるんだかわからなくなったので中断島s申し訳ない
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 09:25:01.07 ID:PDvPVSOsO
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 12:48:24.38 ID:mp3XCKs20
更新乙
いい葛藤だ
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 00:02:22.58 ID:pjnV+iJf0
サクサクっと書けるとこまでシリアス書いていきます
終わりは見えてるんだよ、信じて
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 00:43:24.27 ID:pjnV+iJf0

ずっと、遠くから見てるだけだった。

ずっと、届かない背を老い続けるだけだった。

空っぽの土台に、憧れだけを積み上げて。

何とかしがみついた場所は、空っぽの私には分不相応で。

――待っててください、隊長!

待っててもらえるような存在になれなかった。

間に合えるような存在にもなれなかった。

隊長の役に立つことも出来ない、少し目立つだけの雑兵。

所詮私は、あの人に憧れ、あの娘に嫉妬する、ただの凡人だったんだ。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:15:38.69 ID:pjnV+iJf0

W号戦車になってわかった。

私はあの娘にはなれない。

……あの娘の代わりになるなんて、最初から無理だったんだ。

それに、私じゃあの娘に敵わない。

認めたくはなかったけれど、どうしようもなく大きな才能の壁がある。

腐っても西住流の血だ、邪道に行ってもその才能は揺らいでいない。

……隊長は、最初から全部分かっていたのだろう。

あの娘の幻影を追っても、あの娘と張り合っても、私に先などないって。

だからずっと言われていたのに。

お前の戦車道を見つけろと、言われていたはずなのに。

結局私は、空っぽのハリボテのままだった。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:17:05.65 ID:pjnV+iJf0

W号戦車になってわかった。

私はあの娘にはなれない。

……あの娘の代わりになるなんて、最初から無理だったんだ。

それに、私じゃあの娘に敵わない。

認めたくはなかったけれど、どうしようもなく大きな才能の壁がある。

腐っても西住流の血だ、邪道に行ってもその才能は揺らいでいない。

……隊長は、最初から全部分かっていたのだろう。

あの娘の幻影を追っても、あの娘と張り合っても、私に先などないって。

だからずっと言われていたのに。

お前の戦車道を見つけろと、言われていたはずなのに。

結局私は、空っぽのハリボテのままだった。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:17:31.42 ID:pjnV+iJf0
ぐえっ、書き込みエラーが出たから再送信したら重複……片方は見なかったことに
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:30:47.34 ID:pjnV+iJf0

だけど、それでも。

エリカ(それでも、私は――――)

貴女の後ろをついていきたい。

貴女の右腕になりたい。

貴女の右腕として、あの娘と張り合っていたい。

エリカ「今ッ!」

金魚のフンと罵られようとも。

自分がない空っぽの存在と嘲られようと。

それでもこれが、目指し焦がれて歩んできた道。

無謀だろうが、虚ろだろうが、誤っていようが、無様であろうが、それでも――――

エリカ「ッてぇ!!!」 ズドムッ
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:34:25.54 ID:pjnV+iJf0

逸見車操縦手「うーん、見事にやられたなあ」

逸見車砲手「それでも何とか1輌は倒せてよかったわ」

エリカ「……」

逸見車通信手「……やっぱり、この程度で満足してちゃまずい、かな?」

逸見車装填手「……結局今回も、隊長の援護行けなかったもんね……」

エリカ「……いいわよ」

逸見車通信手「ふえ?」

エリカ「これで十分」

エリカ「きっとこれが――分相応なんだわ」

逸見車砲手「逸見さん……」

エリカ「何も、隊長の隣で、隊長と一緒に戦うだけが右腕の仕事じゃない」

エリカ「……前と違って、ちゃんと右腕の仕事を成し遂げられたんだもの」

エリカ「満足よ。私は」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:46:32.27 ID:pjnV+iJf0

逸見車装填手「……おお……」

逸見車砲手「なんだか逸見さんが……」

逸見車操縦手「つきものとれた、みたいな顔してる……」

逸見車通信手「逆に怖い……」

エリカ「アンタラね……」

エリカ「言っておくけど、今回はこれで満足ってだけで、今後はもっとバシバシ上を狙うわよ」

エリカ「少しでも隊長のお役に立てるようにするんだからね!」

逸見車砲手「ひえ〜っ」

逸見車通信手「うう、隊長もあと半年で引退なのにぃ」

エリカ「……それでもよ」

エリカ「まあ、情けない話だけど、私にはその道しか知らないし――」

エリカ「何より、あの人のために動いているときが、一番楽しい」

エリカ「あの人の力になりたい――って、思うんだから」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:54:51.47 ID:pjnV+iJf0

逸見車砲手「ひゃー、愛ですなあ」

逸見車通信手「こりゃ来年また私達苦労しますねぇ」

エリカ「う、うっさいわね!」

逸見車操縦手「まあ、でも仕方ないから付き合ってあげますか」

逸見車装填手「前より付き合いやすくなったしねえ」

逸見車砲手「実際、隊長の腰巾着が板についっちゃってるしね、私らも」

エリカ「腰巾着じゃなくて右腕って言いなさいよ!」 プンスコ

エリカ「……」

エリカ「不満があれば……」

エリカ「来年の再編成で、別の車輌に行ったっていいんだからね……」
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 01:57:53.23 ID:pjnV+iJf0

逸見車面々「…・………」

逸見車面々「ブフッ」

逸見車装填手「あっはっは、なにそれ」 ゲラゲラゲラ

逸見車操縦手「ガラじゃなさすぎるよっ」 ゲラゲラゲラ

エリカ「ッさいわね!」

エリカ「自分がかなり情けないこと言ってるって自覚してるから、一抜けするチャンスをあげたんでしょうが!」

逸見車砲手「いやいや、付き合うってば」

逸見車操縦手「今更他っていうのもねー」

逸見車装填手「それに、私達だって腐っても西住流だもん」

逸見車通信手「そうそう、隊長のお役に立ちたいって気持ちは持ってるんだから」

エリカ「ったく……」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 02:20:04.53 ID:pjnV+iJf0

エリカ(腐っても西住流、か――)

何処まで行っても、やっぱり貴女を追うことはやめられない。

どれだけ割り切ろうとしても、あの娘と張り合うことをやめられない。

二人に依存せず、自分だけで成り立てる、確固たる道を見つけられたらよかったのに。

エリカ(そうね。例え、望んでた形じゃないとしても)

それでも、そうやって歩いてきた道だから。

だからこそ、ここまでやって来れたのだから。

このままずっと、この道を歩んでやる。

本物には遠く及ばないハリボテの実力で、いつか空っぽの土台を満たしてやる。

エリカ(これが、私)

それが――今の私の、自分自身が歩みたいと思った戦車道だ。
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 02:23:37.84 ID:pjnV+iJf0

カチューシャ「ちょっと、何ぼんやりしてるのよ」

エリカ「……クソチビ……」

カチューシャ「カチューシャは小さくないわよっ!」

エリカ「はいはい……」

エリカ「まあ確かに、いつまでもここに居てもしょうがないわね」

エリカ「さっさと移動しましょ」

エリカ「隊長の勇姿を見逃しちゃうわ」

カチューシャ「……」

グイッ

エリカ「っ!」

エリカ「ちょっと、急にスカート引っ張らないでよ!」

エリカ「ストンと落ちたらどうするのよ!」

カチューシャ「どうするって……爆笑しながら写真を撮るけど」

エリカ「このガキ」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 02:27:28.23 ID:pjnV+iJf0

カチューシャ「カチューシャは疲れてるのよ」

カチューシャ「それに、黒森峰の番犬風情が頭が高いのも気に入らないわ」

カチューシャ「肩車しなさい」

エリカ「……」

エリカ「はあ〜〜〜〜〜???」

エリカ「遊園地で疲れた四歳児までよ、そんなワガママが通るのは!」

逸見車通信手「まあ、でもここは遊園地ではあるしね」

逸見車砲手「逸見ママ……」

逸見車操縦手「今夜のおかずはハンバーグよ、はぁと」

逸見車装填手「口から出して来そうでやだー」 クスクス

エリカ「アンタら〜〜〜〜!!」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 02:30:52.83 ID:pjnV+iJf0

カチューシャ「光栄に思いなさい」

カチューシャ「カチューシャはそれなりに認めた相手にしか肩車をさせてあげないんだから」

エリカ「はあ?」

エリカ「ったくどれだけ傲慢なのかしら」

エリカ「大体アンタなんかに褒められたって嬉しくないわよ」

逸見車通信手「と、言いながらもしゃがむんだ……」

逸見車装填手「めちゃくちゃ嬉しそう……」

逸見車砲手「笑顔を隠せてないよね……」

逸見車操縦手「常に叩かれっぱなしで、全然褒めてもらうことなかったもんねえ……特に他校からは……」

エリカ「アンタらそういう陰口はせめて聞こえないようにやりなさいよ全部聞こえてるわよコラ」

逸見車砲手「じゃあまた逸見の森復活させる?」

エリカ「やめろ」

逸見車通信手「種籾を植えようか……たねも見エリカさんが、やがて立派な逸見の森になるように……」

エリカ「…………っ!」

カチューシャ「ちょ、ちょっと! カチューシャを投擲武器にしようとしないでよっ!!」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 02:39:37.27 ID:pjnV+iJf0

エリカ「ったく……」

カチューシャ「……」

カチューシャ「まあ、でも、少しはマシになったんじゃない」

カチューシャ「ただキャンキャン吠えてしっぽ振るだけの犬じゃなくなったみたいだし」

エリカ「何よソレ」

カチューシャ「少なくとも、虚栄にしか使ってなかったその首輪、前よりは立派に見えるわよ」

エリカ「……はあ?」

エリカ「もうちょっとわかりやすく言いなさいよ」

カチューシャ「そうね……」

カチューシャ「ほんのちょっぴりだけ、ノンナみたいになったわねってことよ」

カチューシャ「肩車をさせてもいいくらいにね」

エリカ「!」

カチューシャ「まあ、射撃の腕は足元にも及ばないし、人間性から忠誠度まで本当に比べるべくもないけれど」

カチューシャ「言うならば超絶劣化ノンナね」

カチューシャ「ノンナをSSR腹心とするならNの腹心くらいにはなれたわよ、よかったわね」

カチューシャ「課金したら出てこなくなるレベルの存在とはいえ、ようやく比べてあげてもいいくらいにはなったわ」

エリカ「このままパワーボムにでも移行してやろうか」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/23(月) 02:40:08.25 ID:pjnV+iJf0
明日早いことを思い出したので寝ます
最終章2話までにはなんぼなんでも終わるはず
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/25(水) 23:59:27.20 ID:FQa5Qfe60
エリみほまだです?
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 00:18:53.69 ID:ekbvHXWZ0
カチューシャは投げるものではありません愛でるものです
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/23(木) 16:26:06.58 ID:lPi4Qc4u0
続き待ってます!
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/01(土) 17:14:31.95 ID:Joyrw7Hv0
まだ二話まで時間はある
慌てなくて良い
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 09:14:28.61 ID:gvBRgTba0
おお復活したか
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/27(土) 03:28:47.83 ID:fryFPQYS0
いつのまにかSS速報復活しとるやんけ、また暇なタイミングで更新します……
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/27(土) 06:34:34.33 ID:+LikDUIEo
やったぜ
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 08:56:34.40 ID:kYmOzZja0
>>365
やったぜ
待ってます
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 12:11:43.22 ID:8NBaMj2e0
12月なっても待ってます
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/18(火) 20:48:58.56 ID:N1rZTuBD0
待たせて申し訳ない、いい加減終わらせたいので、ちょっと自分で読み返してから投下します
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/18(火) 21:15:49.19 ID:Q2Wqj9qmO
待ってた
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/19(水) 01:35:15.49 ID:yweZSe7+0
予想の数倍ボリューミーで読み返すうちに眠気まで着たので投下自体は明日します申し訳ない
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/19(水) 17:22:18.21 ID:44k122Cm0
待ってた。そりゃ1スレ以上あるからボリューミーで仕方ない
投下楽しみです
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 08:43:19.75 ID:dIQjRC5y0
寝落ちてましたごめんなさい。週末には、必ず透過するんで許して…
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:09:22.96 ID:1qPV23730
というか本当に作者か
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:51:37.38 ID:1qPV23730
ずっとやるやるいっててすぐできなかったレスばかりだから心配
最後どうなるか期待している
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 22:16:25.08 ID:cNUWCSvW0
気付けばクリスマスも終わりますし、今夜の投下で終わりくらいにしたいので投下します
待たせて申し訳ない
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 22:19:22.90 ID:cNUWCSvW0

カチューシャ「……それにしても……」

カチューシャ「意外と乗り心地が悪くないわね……」

カチューシャ「体幹がしっかりしてるからかしら」

エリカ「ふん、これでも黒森峰の未来を背負う副隊長よ」

エリカ「体力だって必要だし、ボクササイズで体を引き締めてるんだから」

カチューシャ「ふーん……」

カチューシャ「まるで戦車に乗ってるみたいな安心感は確かにあるわね」

エリカ「だ、だだ、誰が戦車よ!」

カチューシャ「うわあっ、ちょ、暴れないでよ危ないでしょ!!」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 22:26:44.84 ID:cNUWCSvW0

エリカ「んなことより隊長達よ!」

エリカ「……勝ってくれると信じてはいるけど……」

エリカ「あっ、やった! パーシング撃破!」

カチューシャ「……ふふん、カチューシャ達が一輌落としておいたおかげね!」

エリカ「はあ? 私の功績が一番大きいでしょ」

エリカ「……」

エリカ(あいっかわらず、理解を超えた動きをするわね、あの娘も……)

エリカ「……っ」 ズキッ

エリカ「……?」

エリカ(何かしら、今の……少し頭が……)
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 23:07:36.09 ID:cNUWCSvW0

エリカ「……」

エリカ「ここで急旋回」 ボソ

カチューシャ「?」

エリカ「……」

カチューシャ「……ほんとに急旋回したわね」

カチューシャ「読んでたわけ? やるじゃない」

カチューシャ「まあ! 勿論カチューシャだって読めてたけど!」

エリカ「……」

エリカ(いや、読めてたっていうか……)

エリカ(デジャヴ?)

エリカ(なんだか、細かい動作一つ一つが頭に浮かぶっていうか……)

エリカ「……」

エリカ「あ……」

エリカ(浮かんでくる映像、全部戦車視点……ってことは……)

エリカ(W号のときの記憶……?)
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 23:11:20.12 ID:cNUWCSvW0

エリカ(いや、でも、私がW号になってたとき、ここまで来られなかったわよね……)

エリカ「……」

エリカ(あ、でも……)

エリカ(今の時間のW号と入れ替わっていた私が居るのは確かなわけで……)

エリカ(未来が変わった今、あのW号はどうなってるのかしら)

エリカ(少なくとも未来が変わる前は、あの中に私がいたはずだし、W号の魂は入ってなかったはずだけど……)

エリカ(……こーいうSF的なの、正直さっぱりなのよね……)

エリカ「…………」

エリカ「ねえ、パラレルワールドとか詳しかったりする?」

カチューシャ「は?」

エリカ「……なんでもないわ」
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 23:13:59.18 ID:cNUWCSvW0

エリカ「……」

エリカ(そういえば、今までは、戦車の中に私が居るときは、常にその時間でも入れ替わりが起きてたのに……)

エリカ(今回は起きないのね)

エリカ(……これが最後だからってことかしら)

エリカ(まあ、大洗も救えたんだろうし、十分よね……)

エリカ(W号の中に居たおかげで、色々なことを知れたし……)

エリカ「……っ」 ズキッ

エリカ(また頭痛……まったくなんだってのよ……)

エリカ「…………あれ?」

エリカ(W号の中に入って、色々知って……)

エリカ(知ったはずよね……)

エリカ(私……何を見て、何を知ったんだっけ……?)
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 00:54:43.81 ID:JaX/Ez/c0

エリカ「……?」

エリカ(何……何なの……なんだか、頭にモヤがかかって……)

エリカ(何か大切なことを学んだ気がするのに……)

エリカ(イマイチ思い出せない……?)

カチューシャ「……」

カチューシャ「どうかした?」

エリカ「……」

カチューシャ「まったく、あの忠犬がご主人様の試合に集中しないなんて」

カチューシャ「よほどのことがあったのね」

エリカ「な、しゅ、集中してないなんてことは……」

カチューシャ「……」

カチューシャ「あのさ」

カチューシャ「噂で聞いただけだし、違ったらスルーでいいんだけど」

カチューシャ「それ、戦車みたいな奇行してたことと関係があるわけ?」

エリカ「っ!!」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 02:35:15.91 ID:JaX/Ez/c0

エリカ「な……」

エリカ「……」 ジロリ

小梅「何かこっち睨んでるけど、私じゃないからね!?」

カチューシャ「言っとくけど、諜報活動が得意なのは聖グロだけじゃないんだから」 フフン

小梅「ほら、冤罪」

小梅「その情報はあんまり漏らさないようにしてたんだから」

エリカ「……悪かったわよ」

小梅「そりゃあ、他の情報は逸見の森で積極的に流してたけど……」

エリカ「気になるけど聞きたくないわね何流してたのか……」

直下「生理重くてすぐ不機嫌になるからそのへんの情報は皆で共有してたよね」

小梅「森の仲間達総出でチェックしてたらそのへんすぐ分かるもんねえ」

エリカ「物量を活かしたストーカー行為ほんとやめなさいインターネットじゃないんだから」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 02:37:20.64 ID:JaX/Ez/c0

カチューシャ「……特別に、話してあげるわ」 コソ

エリカ「……?」

エリカ「何よ、急にヒソヒソと……」

エリカ(……顔が近い……肩車のせいでただでさえ密着してるのに……)

エリカ(ブリザードのノンナがここにいなくてよかったわ……)

カチューシャ「……カチューシャも、昔、似たようなことがあったのよ」

エリカ「………………は?」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 02:41:14.84 ID:JaX/Ez/c0

カチューシャ「とは言っても――カチューシャにその記憶はないわ」

カチューシャ「でもね」

カチューシャ「ノンナが記録をつけてたのよ」

エリカ「……はあ……」

カチューシャ「身長が3ミリ伸びた気がして、確認するためにノンナに聞いたところ……」

カチューシャ「毎日記録をつけてるっていうから見せてもらってたんだけど」

エリカ「え、毎日記録付けてるの? 身長の?」

エリカ「アンタのとこの副官、どうかしてるんじゃないの?」

カチューシャ「ちょっと、ノンナを馬鹿にすると許さないわよ!」

カチューシャ「大体、どうかしてる具合で言うと、アンタも大概なんだからね」

エリカ「はあ〜??? 私の隊長への想いはもっとピュアネスですぅー!」

小梅(試合佳境なのに、何か楽しそうだなあ二人とも……)
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 03:18:41.54 ID:JaX/Ez/c0

カチューシャ「まあとにかく、つけてた記録を見せてもらってたんだけど……」

カチューシャ「結構細かく記録がつけられてて、懐かしむように読み漁っちゃったのよね」

カチューシャ「そしたら、書いてあったのよ」

カチューシャ「……1年くらい前に、私が何かおかしくなったって」

エリカ「今でも十分おかしいでしょ」

カチューシャ「そこには色々調べた結果が記されていたわ」

カチューシャ「どうやら私がまるで戦車みたいになったって書いてあった」

エリカ「く、苦し……あ、足を首に絡めるなっ……おえっギブ! ギブ!」 バンバン

小梅(何喋ってるのかあんまり聞こえないけど楽しそうだなあ……)
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 03:32:49.38 ID:JaX/Ez/c0

カチューシャ「……おかしなことに、そのあたりの記憶、まったくないのよ」

カチューシャ「私には勿論、ノンナにもね」

エリカ「……え?」 ケホッ

カチューシャ「そのあたりの記憶が、どーにも皆朧げなのよね」

カチューシャ「ノンナなんて、思い出せないことを悔やんで柱に何度も頭を打ち付けてたわ」

カチューシャ「そのせいで校舎の柱が一本砕けて大変だったんだから」

エリカ「あんたんとこの副官こそ体が戦車で出来てンじゃないの?」
388 :細かいところにミスが出てるけど脳内修正してもらえると助かるなって… [saga]:2018/12/26(水) 04:00:18.41 ID:JaX/Ez/c0

カチューシャ「だからまあ、アンタが戦車っぽくなったって聞いて、少し気になってたのよ」

カチューシャ「……カチューシャに何が起きてたのか、何か知るヒントになるかもって」

エリカ「……私は……」

エリカ「…………」

カチューシャ「……その調子じゃあ、アンタももう、忘れつつあるみたいね」

カチューシャ「プラウダの工作員を総動員しても全然分からないし、まったくどうなってるのかしら」

エリカ「忘れる……」

エリカ「……そんな馬鹿な……」

エリカ「だって、あんなに強烈な……」

エリカ「強烈な……」

エリカ(あれ……何があったんだっけ……?)
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