転校生「貴方の体質を教えてください」男「…」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/13(金) 01:48:54.76 ID:Wf/WO6WqO
学校 ウサギ小屋


男「うん」ガチャ

モシャモシャ

男「たんと食べるんだぞ。ヨウ、ウメ、お前たちは僕の希望なんだからな」


「あ! やっぱり中庭にいたんだね、も〜〜〜!」スタスタ


男「委員長おはよう。今日もいい天気だね」キィ パタン

委員長「おはようじゃないよ、もうこんにちわ、だよ!」プンスカ

男「あれ? あぁ、もう昼過ぎなのか」


チュン チュン


男「最近は時間が過ぎるのが早いなあ…」ボー

男「それで? 委員長はお昼ごはん食べてからの登校?」

委員長「いやいや、違う違う。…まあ、そういう子が最近多いけどさ」ハァ

男「みんな自由でいいじゃないか」

委員長「またそーいうこと言う。私達は学生なんだよ?」


委員長「──世間様が未だ大地震で騒がしくっても、この学園の生徒なんだから!」

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/13(金) 01:49:18.76 ID:Wf/WO6WqO
男「うん。そうだね」


【──今から一年前のこと、日本で大地震が起こった。】

【街をみっつ陥没させるほどの大規模な災害範囲。】

【周辺地域は壊滅状態。無論、この学園も被害を被った。】


委員長「ぎゃー! また地割れにこんな雑草が生えて! 掃除したのに!」ギニャー

男「どんどん生えてくるよ。餌に困らなくていいけどね」


【多くの人が死んだ。多くの建物が壊れた。多くの未来が潰えた。】

【──かに、思われた。】


委員長「あぁもう…ほとんど…」

委員長「生徒どころか教師だって、余震を怖がって学園から居なくなっちゃうし…」グスン

男「もう一年前の話なのにね。それに震源だった街から、この学園はだいぶ離れてるのに」

委員長「でも、最近もけっこう揺れたよ? 昨日の夜とか……」

男「気づかなかった」

委員長「…多分、震度四弱ぐらいあったと思うケド…」ぐぬぬ

男「知らなかった」

男(実際、そこまで興味がない。人は居なくなったけれど、居なくなっただけだ)


【そう、今も一年前も誰ひとりとして死にはしなかった。】

【世界で最大観測の震度を叩き出した、あの日。】

【災害に巻き込まれた命あるもの全てが死ななかった。】

【──我々は数百年という時を超え、やっと、神という存在を認識したのだろう。】
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/13(金) 01:49:48.48 ID:Wf/WO6WqO
【これは大げさな表現ではなく、本当に人類はそう悟ったのだ。】

【──人は、次なるステージへと上る時代が訪れたのだと】


男「それで? 委員長はなぜ俺を探してたの?」

委員長「わっ、忘れてたァー! そうだよ、来るんだよ真っ昼間から! しかもこのご時世に!」

男「落ち着いて」セイセイ

委員長「落ち着いていられますかネ! ゴホン、ごめん落ち着くよ、うん」コホン

委員長「──実は、今日は珍しいことにホームルームがあります」

男「それは珍しいことだ」

委員長「全然そう思ってない顔してるね! でも聞いたら驚くぞお、なぜかって言うとォ───」



〜教室〜


男(…本当に珍しいことだった)


転校生「ハジメマシテ☆ 今日から皆様と半年間ほどだけ仲良くさせてもらおうかと思ってる私の名前は──」


男(転校生、って。ほんとに来たんだ、この先のない学園に)

転校生「ってなカンジでぇ〜ぐふふ! 頑張ってゆきますので、よろぴこお願いします!」


パチパチ… パチ…


男(おざなりの拍手。そりゃそうだ、半年後に学園は廃校になるんだから)ぱちぱち

転校生「んふふ〜」ニッコニコ

男(気にしてない様子…キャラが濃いな…)

転校生「じゃあじゃあ、私ぃに質問あるかたー? どなたかー? いますー?」シュピッ シュピッ

「それじゃ、はぁい」

転校生「ドウゾ! なんだって聞いちゃって下サイ! なんだって答えちゃいますから!」ニィー!

「転校生さんはぁ、どーしてこの学園に転校したんですかー?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/13(金) 01:51:25.14 ID:Wf/WO6WqO
男(いい質問。というか教室に居る全員が気にしてる、なぜ今更に転校していたのか)チラ

男(もしや地雷を抱えた少女なのかもしれない)

転校生「ワオ! まさかそんな質問がしょっぱなくるとは〜っ…」ドキドキ

男(どうやら俺の杞憂だったようだ…)

転校生「ええい迷うな私、頑張って答えなきゃ友達百人できません──ズバリ!」

転校生「この学園に転校してきた理由は、ただひとつです!」シュバッ

グッ バッ! シャキィーン!


転校生「──私が【仮設黄泉学校】定員漏れにて、ここに飛ばされたからですよ!」バァーーン


男「……!」ピク


シィーーン…


「…え…嘘…黄泉学校って…最近、あの震源地に建てられた…」

転校生「ご質問は一人ひとつ! 次の方! 次の方はいらっしゃいませんか!?」

「お、おい、あそこの学校に通えるということは…」

転校生「ハイ! なんでしょう!」


「アンタも……【超能力】……使えるって、コトか?」


転校生「…超能力…」

転校生「ふふっ、ははっ、くくく…」

男(笑ってる…)

転校生「超能力ですって? そんなコト…私、この私…」



転校生「──もちろん使えますよ! 当たり前じゃあないですか! 思いっ切り使えちゃいます!」キラキラキラ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/13(金) 01:52:06.23 ID:Wf/WO6WqO
男(この転校生が…)

男(──震源地である三都市、その中で一際に大被害を被った黄泉市の住人──?)

転校生「しかァし! 詳しく言うと、超能力ではありません! 正式名は未だ公表されてませんが、」フフノフ


「なぁ! ちょっと見せてくれよ、能力ってやつを!」

「見てみたい…ニュースでやってたけど、ナマでみたいよね〜?」


転校生「えぇっ? 私は構いませんが、でもぉ〜…」モジモジ

「いいじゃん別に! 咎めるような教師も大人もいねーよ、ここには!」


転校生「ムムム。それはアリ、実にアリですね、ならばご披露させていただきましょうか!」クル

転校生「──タイプホルダー、系統は個人、登録名は『ギャグ体質』です」パサリ


男(体質……?)

転校生「大人たちは言うのです。貴女はいつか世界の常識を覆す、天使にも悪魔にもなると」

くる…

転校生「では、その一端を皆様にお見せいたしましょう!」ニコ

男(なぜか嫌な、予感が──)バッ

転校生「ひゅうう〜〜……」スゥウウウウウッッッッ


転校生「──今日からお世話になります私は転校生です宜しくお願いしまあああああああああああああああ!!!!」ビリビリビリ
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