バットマン「グランド……オーダー?」

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669 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:45:28.77 ID:biE0lZxz0

………………

リドラー「おいおい、随分騒がしいな。何が起きている?」

敵兵F「だっ、脱走した捕虜の反乱です! 暴れているのです! 捕らえた二人のうち、皇帝は行方が知れないとの事……」

リドラー「……まさか、ロボット達を使ってないだろうな? アレは僕専用の尖兵だぞ」

敵兵F「そ、それは……使用もやむなく……」

リドラー「何だと、この無能共め! 連合帝国の永遠を約束するのはあのロボットありきだろう、全滅させられる前に動け!」

敵兵F「は、はっ!」

リドラー「まったく、使えない奴ばかりだ……! ロムルスに連絡しなければ」ピッピッ

670 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:46:08.85 ID:biE0lZxz0

リドラー「もしもし、ロムルスか? 玉座の間に居るのか?」

ロムルス『ああ、そうだ。何やら騒がしいが、何かあったか?』

リドラー「何かあったか、じゃあない。キミが捕らえていた捕虜が逃げ出したんだ。反乱だぞ」

ロムルス『そうか……ふ。そうか』

リドラー「……なんでキミはそんなに嬉しそうなんだ!?」

ロムルス『いや、良い。特にこだわりが無ければ、ネロの方は好きに泳がせるのだ』

リドラー「……ち、キミのローマ贔屓もそこまで行くと病気だな。良いだろう、だがマシュは僕が拘束する」

ロムルス『ふふ……言ってなかったか? お前のコウモリ贔屓も、なかなかのものだ』


671 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:46:58.31 ID:biE0lZxz0

リドラー「ふん、言ってろ」

ロムルス『……リドラー』

リドラー「何だ?」

ロムルス『共に永遠を目指せた事を、誇りに思う』

リドラー「……なんだ、気色悪いな。永遠の別れでもあるまいに」

ロムルス『……そうだな』

リドラー「そうだ。僕はこんなところでは終わらない。……これが終わった後に、またローマの運営について話し合いが必要だぞ」

ロムルス『……ああ。では、そこで会おう』プツッ


リドラー(……終わらない……)

リドラー「……そうだ。知性を……天才を証明するまで、終われない……!」


672 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:47:37.27 ID:biE0lZxz0


………………

荊軻「はあ、はあ……こんなに走ったのは久々だ」パタパタ

バットマン「……ドクター、ローマ連合首都への潜入が成功した」

ドクター『おお! 良かった、今その周辺を解析している! ……どうやら、主力敵性反応の多くは城の中に居るみたいだ』

バットマン「成程……ではドクター、マシュの位置を……」

ピピピ‼ ピピピ‼

バットマン「……すまない。一旦通信を切る」ピッピッ

バットマン「もしもし? マシュか?」


リドラー『ハロ〜。元気にしてるか、コウモリくん? マシュは少し眠ってる、代わりに僕が話し相手になってあげよう!』

バットマン「……リドラー」

673 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:48:15.74 ID:biE0lZxz0

バットマン「マシュは何処だ?」

リドラー『それは言えないなぁ。でもヒントなら出してやろう! いいか? それは木製だ』

バットマン「お遊びに付き合っている暇は……」

リドラー『焦るな、ヒューズを入れてしまうかもしれないぞぉ? おっと、余計なヒントだったか』

バットマン「……ヒューズ?」

リドラー『くくく、続きだ! それはとても刺激的で、座った途端に電撃が走る! これまでの人生、まるで死んでいたかのような……』

バットマン「……電気椅子か!」

リドラー『……マシュは寝てるさ、快適な椅子の上でな。だが、その睡眠はいつまで続くだろうな? 
急げバットマン、私は気が短いんだ』プツッ

674 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:48:41.89 ID:biE0lZxz0

バットマン「……ドクター、マシュの周辺を解析してくれ」

ドクター『了解。……暗い部屋に……一人で居るのか? 何かに座ってるな、これは……まさか、嘘だろ!? 電気椅子だ!?』

バットマン「……」


バットマン(……リドラーの言葉は本当か。ならどうする……)


荊軻「……どうする、ブルース?」

バットマン「……プランHだ」

荊軻「本当に? 『やられたらやり返す計画』を実行するのか?」

バットマン「……妙な呼び名を付けるな。プランHだ。良いか荊軻、お前の働きに賭ける」

荊軻「……分かった。ブルース」

バットマン「何だ」

荊軻「必ず生きて、後で会おう」

バットマン「……確約できない誓いは立てない」

荊軻「……キミは全く本当に!」


675 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:49:24.18 ID:biE0lZxz0


………………

バッ、バササササササ……スタッ……


リドラー「……来たか。バットマン」

バットマン「……」

荊軻「……」スタッ


25

リドラー「まあ座ってくれ。そこの椅子に」

バットマン「……」

リドラー「安心しろ。その椅子には何も仕掛けていない」

荊軻「……」スッ

バットマン「……大丈夫だ」スタスタ……スチャッ

リドラー「ふふ……ようこそ、バットマン。お前が来るのを待ちわびていたぞ……
さあ、さっそくゲームを始めようじゃないか。彼女の命を懸けたゲームを」


676 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:49:54.46 ID:biE0lZxz0

バットマン「……彼女」

リドラー「ふふ、勿論彼女だ」ピッ


モニター『』ブゥゥゥゥン……

マシュ『う……ま、マスター……』


バットマン「……マシュ」

リドラー「彼女の命は、このボタンにかかっている」ゴトリ

リドラー「じゃあ遊び方の説明に入るとしようか? ……説明が要るかな? このゲームを知っているか、バットマン?」スッ

トランプ「」バサァッ
677 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:50:30.59 ID:biE0lZxz0


バットマン「……これは……トランプ?」

リドラー「くっくく、お前の知識不足は不安だったが……知っていて良かったよ。なら、このゲームも知っているな……『ポーカー』」

バットマン「……!」

リドラー「そうだ。ポーカー……これをして遊ぼうじゃないか。マスクは付けていて良いぞ、ハンデ有りでも圧勝してみせよう」


678 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:51:04.26 ID:biE0lZxz0

バットマン「何故だ」

リドラー「何故? ああ……バットマン。天才は一を見て百を知る。このポーカーというゲームこそ、私の知性を証明するのに適したゲームじゃないか?」

バットマン「……」

リドラー「チップは10枚。ドロップは連続三回まで……さあ、始めよう」

679 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:51:41.02 ID:biE0lZxz0

バットマン(……ここは相手のフィールド。イカサマもし放題だろう)

バットマン(……さて、ここで勝つ事が出来るのか……)


リドラー「安心しろ。イカサマなどしないよ、私は誇り高き頭脳の戦士なんだ……何なら、バットマン。お前自身がカードをシャッフルして配ると良い」

バットマン「……」

荊軻『……ブルース』

バットマン「……一度、全てのカードを確認する」

リドラー「どうぞ、ご自由に」


680 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:52:17.87 ID:biE0lZxz0


………………

バットマン(……カードそれぞれに判別できるような特徴無し。全て、普通のカードだ……)

バットマン(つまり、リドラーは……本当に、頭脳で勝負を仕掛けてきている?)


バットマン「……」

リドラー「面倒だからそのままシャッフルもしてくれ」

バットマン「何が狙いだ」

リドラー「言っただろう? 私は私の知性を証明したい。私は天才になりたいんだ」

バットマン「……」


681 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:52:47.06 ID:biE0lZxz0


バットマン「……」シュッシュッシュッシュッ

リドラー「おお、カード配りも慣れたものだ。お前もよく遊んでいたみたいだな、バットマン」

バットマン「……」シュッシュッシュッシュッ……

リドラー「……さあ、手札を確認しようじゃないか」

682 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:53:21.44 ID:biE0lZxz0


バットマン(……スペードのA、ダイヤのA、ハートの4、ダイヤの5、ハートの6……ワンペアか)

バットマン「……」

リドラー「私はカード交換は不要だ。お前はどうする?」

バットマン「……一枚出そう」スッ


バットマン(ダイヤの5を出し……何が代わりにドローできる?)スッ


バットマン「……」

バットマン(……クラブの6。悪くない)


リドラー「……」ニヤリ


683 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:53:51.10 ID:biE0lZxz0

リドラー「では……私はチップを四つ、ビッドしよう」

バットマン「……」


バットマン(初手で四つ賭けたか……動きとしては大きな方だ。それは自信の表れか、それとも……)


バットマン「……コール。私も四枚賭ける」


バットマン(……様子を見る。これで負けても、保険はある)


リドラー「ではショウアップだな!」パラッ


684 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:54:21.33 ID:biE0lZxz0

リドラーの手札『ハートの8、ハートのK、ハートのJ、ハートのQ、ハートのA』


リドラー「おっと、フラッシュだな。幸先が良い、ククク……」

バットマン「……」

リドラー「んん〜? そちらはツーペアか。……ふふ……」

リドラー「まあ目線で分かっていたがな、バットマン」


バットマン「……」

685 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:55:28.23 ID:biE0lZxz0

リドラー「視線の動きだよ、バットマン。端の二枚をチラ見、そしてドローしたカードを見た時の表情筋……簡単な予測だ。キミはツーペアで、私はフラッシュ。必ず乗ってくると思ったよ」

バットマン「……」

リドラー「ともあれ、一回目は私の勝ちだ。チップ四枚、もらうぞ」スッ

バットマン「……」


バットマン(こちらの残りチップ枚数、六枚)


686 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:56:00.58 ID:biE0lZxz0

………………

バットマン(……二回目。手札……ハートの2、クラブの2。ダイヤの7。ダイヤの9。スペードのK)

バットマン(……さあ、あちらはどうだ)


リドラー「……」

バットマン「……」

リドラー「……」ニヤリ


バットマン(……)

リドラー「私は二枚、交換に出そう」

バットマン「……私は一枚だ」

リドラー「へえ……」

バットマン「……」

687 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:56:30.19 ID:biE0lZxz0

バットマン「……ドロップする」

リドラー「……ふーん? つまらないなあ」イラ

バットマン「……」


バットマン(表情を読め。こちらのぼろを出すな。心を殺せ。怪物になれ、ブルース・ウェイン)


688 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:57:04.69 ID:biE0lZxz0

………………

リドラー「……さあ、今回はどうだ?」

バットマン「……ビット。一枚」

リドラー「一枚だと!? レイズだ、三枚!」

バットマン「……ドロップ」

リドラー「……そうやって逃げ続けられるのも、連続で三回までだぞバットマン……!」


バットマン(…………読め。表情を。手の震えを。筋肉の動きを。心臓の拍動を聞け)


689 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:57:34.96 ID:biE0lZxz0

………………

リドラー「今度はどうだ! ビット、4枚!」

バットマン「……チェック」

リドラー「チェックだと……!?」


リドラー(何を企んでいる、バットマン……罠か? それともブラフ……? ここで私にドロップを使わせる気か? そんな手には乗らんぞ!)

リドラー「レイズだ。チップを五枚に増やす!」

バットマン「コール。同数のチップを賭ける」

リドラー「……!」

690 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:58:03.79 ID:biE0lZxz0

リドラー「スリーカードだ!」

バットマン「フルハウス。……さあ、チップを五枚もらおうか」

リドラー「……貴様……!」


リドラー(……いや、落ち着け。今のは偶然だ。次は勝つ)


バットマン「……」


バットマン(これでこちらのチップは11枚。リドラーの残りチップは9枚)


691 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:58:39.36 ID:biE0lZxz0

………………

リドラー(どう来る? どう出る? バットマンは気付くか?)

バットマン(……手の震え。網膜の縮み。全てをコントロールしろ……)

リドラー(私は天才になれるのか? 目の前に居る怪物を超えられるのか?)

バットマン(怪物になれ、ブルース。敵は自分だ)

リドラー(全てのモノの中で唯一価値あるもの、それは知性を持った自分という存在だ。僕はそれを証明できるのか?)

バットマン(自分を信じるな。世界はシステムであり、自分もまたシステムの一部だ。逃れ出る足掻きではなく、世界に溶け込む諦観を持て)

リドラー(目の前の怪物の)

バットマン(目の前の異常者も)

リドラー(価値を消せるのか?)

バットマン(システムへ落とし込んでみせる)


692 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:59:10.47 ID:biE0lZxz0

………………

ネロ「……はあ、はあ……!」タッタッ


ネロ(何階登ったのだ? ここは城のどのあたりだ……?)


ネロ「む、大きな扉が……ふっ!」ググッ


扉「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


ネロ「あれは……」スタスタ……ピタッ


ロムルス「……よくぞ来た、ローマ皇帝よ」

ネロ「……神祖」


693 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 02:59:43.73 ID:biE0lZxz0

ロムルス「私の永遠のローマを邪魔しに来たのだな」

ネロ「……そうだ」

ロムルス「……ああ、良い目をするようになった」

ネロ「神祖。確かに、貴方はローマを作った偉大なる祖。余がもっとも尊敬する男の一人。
永遠のローマ。世界でこれほどの熱を持つ夢も無かろう」

ネロ「……だが」

ネロ「だが、神祖。浪漫を追い求める、偉大なる祖よ。貴方はひとつ、見落としている」

ロムルス「……なんだ」

ネロ「すべてのものに、終わりは来るのだ」


694 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:00:26.57 ID:biE0lZxz0

ネロ「余は皇帝だ」

ネロ「皇帝は、永遠などという言葉に寄りかかってはならぬ。……世界を停滞の中に落としてはならぬ!」

ネロ「たとえ神々が永遠を望んでいようとも! たとえ世界が炎にまかれる事になろうとも! 余は抵抗し、立ち上がり、決して退かぬ事を誓おう!」

ネロ「退かず、君臨し、華々しく栄えてみせよう!!」

ネロ「余こそが! 紛うことなきこの世界(ローマ)である!」


695 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:01:10.79 ID:biE0lZxz0

ロムルス「……!!」ニィッ

ロムルス「ならば! 覚悟は出来ていような、ネロ・クラウディウスよ!」

ネロ「無論だ! 余はローマ帝国、五代皇帝! ネロである! 道を開けよ!!」チャキッ

ロムルス「開けさせてみよ!!」バッ


696 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:02:46.18 ID:biE0lZxz0
………………


バットマン(……あれから数戦。互いにチップは十ずつ……)

バットマン(……そして……)


通信機『』チカチカ


バットマン(……潮時だ)


バットマン「……チップ、十枚。オールインだ」スッ

リドラー「……!!」


697 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:03:19.34 ID:biE0lZxz0


バットマン「…………」

リドラー「…………」

バットマン「…………」

リドラー「…………」

バットマン「…………」

リドラー「……ふ、ふふふ」

バットマン「…………」

リドラー「ふふふ、ははははははは、はははははははははは!!」


698 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:03:49.94 ID:biE0lZxz0

リドラー「楽しいなあ、バットマン! 今、僕は確信したぞ! たとえ世界が終わっても、この瞬間だけは消えない! 人生という名の知を使い、敵を超えようとするこの瞬間だけは!」

バットマン「…………」

リドラー「僕は! この世界に爪痕を残す! 決して消えぬ傷を! そして認めさせる! 僕は知性の戦士であったと! 知性でもって世界を跪かせた天才であると!」

バットマン「……」

リドラー「代償に世界が燃え尽きようが知った事か! 僕は自分を、永遠であると認めさせる! 絶対に! お前は道具に過ぎないんだ、バットマン!」

バットマン「…………」

リドラー「さあ、ショウアップだ……行くぞ!」

699 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:04:18.32 ID:biE0lZxz0

バットマン側の手札『ダイヤ、スペード、ハート、クラブのK。そしてQ』フォーカード


リドラー「……はははははは……はははははは!! 勝てると思ったんだろう、馬鹿め! 哀れな男だ、バットマン!」

バットマン「……」

リドラー側の手札『スペードの10、J、Q、K……ジョーカー』ロイヤルストレートフラッシュ


リドラー「お前は! また! 愛する者を、ジョーカーに殺されたな!」

バットマン「…………」


バットマン「ああ。楽しかった」


700 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:04:45.89 ID:biE0lZxz0

リドラー「……何?」

バットマン「楽しかった、と言っているんだ。リドラー。良いゲームだった」

リドラー「……負け惜しみか? それとも狂ったか?」

バットマン「そう見えるか?」

リドラー「……分かっていなかったのか? マシュ・キリエライトだよ! お前のお仲間は死ぬんだ! お前がポーカーに負け、私がこのボタンを押す! すると電気椅子の機構が働いて……」

バットマン「やればいい」

リドラー「……何だと……」


701 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:05:15.85 ID:biE0lZxz0

リドラー「き、貴様……状況が分かっているのか?」

バットマン「……リドラー。それは私の台詞だ」

バットマン「随分私に執着していたようだな。こんな舞台まで用意してカードゲームとは恐れ入る」

バットマン「だから、だろうな。お前を欺くのも容易だった」

リドラー「何の話だ……私がいつ騙された!?」

バットマン「……本当に、まだ気付かないのか」

702 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:05:46.13 ID:biE0lZxz0

バットマン「ずっと、私の隣に立っていた荊軻が……ホログラムだったという事に」

荊軻『……』ザザザザ……

リドラー「……!!」

703 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:06:18.02 ID:biE0lZxz0

バットマン「言ったハズだ。私は根に持つと」

リドラー「ばかな……それじゃあ、本物は何処に……?」

バットマン「……天才的な知性を持つお前なら、既に気付いているだろう?」


荊軻「遅くなったな」バタン

マシュ「ま、マスター!」タタッ


バットマン「……さあ、形勢逆転だ」


704 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:06:53.05 ID:biE0lZxz0

リドラー「……馬鹿め! この僕が何も策を用意していないとでも!?」


ガシャン、ガシャン

巨大ロボットB『抵抗は』

巨大ロボットC『無意味』

巨大ロボットD『ただちに殺害』


リドラー「結局のところ、勝てばいいのさ! 世界の構造なんて分かってる!」


バットマン「本性を現したな、リドラー。それ以上品格を下げない内に片付けてやる」

マシュ「マスター! 指示を!」

荊軻「やれるぞ!」

バットマン「構えろ。やるぞ」



705 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:07:25.03 ID:biE0lZxz0

………………

ネロ「はあっ、はあ……」

ロムルス「…………うぐっ……」ドシャッ

ネロ「……ふう!」

ロムルス「……見事であった、ネロ・クラウディウス」

ネロ「……」

ロムルス「私は、お前の中に……永遠のローマを見た。満足だ」シュウシュウシュウ……

ネロ「神祖……」

ロムルス「……さらばだ、ローマの御子。お前達の道に……祝福の、あらんことを……」シュゥゥゥゥゥゥゥ……

ネロ「…………」


706 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:07:56.17 ID:biE0lZxz0


バタンッ‼

バットマン「……無事だったか!」

マシュ「ネロさん!」

荊軻「ネロ……久しぶりに会えたな」


ネロ「……ブルース、マシュ、ケーキ……」

荊軻「ケイカだ……!」


707 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:08:23.46 ID:biE0lZxz0

マシュ「ロムルスさんは……」

ネロ「倒した。……なんとか、といったところだが」

荊軻「心配をさせてくれる。……だが、これにて一件落着だな」


バットマン「……ドクター、聖杯の場所は?」

ドクター『今検索してる。……ん? 妙だな、反応はキミ達のすぐ目の前だ』

バットマン「何……?」


???「……いや、いや。まさかあの二人を倒し切るとは」


バットマン「……!!」

バットマン(この声……!)


708 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:08:56.39 ID:biE0lZxz0

レフ「サーヴァントもどきが、よくやるものだ。冬木で目にした時よりも、多少は力を付けたのか?」

バットマン「レフ・ライノール……! 全員下がれ!」

ネロ「な、なんだ?」

荊軻「……これは……」

マシュ「ま、マスター……!」

バットマン「……!」グッ


レフ「特に、そこの目障りな黒装束だよ。まったく、虫唾が走る……だが、所詮は屑サーヴァント、そして屑のマスターだ。悲しいかな、聖杯の力に勝る事などありえない」


バットマン「……大人しく聖杯を渡せ。レフ・ライノール」

709 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:09:27.03 ID:biE0lZxz0

レフ「ほう。相変わらずその減らず口は治らないようだな。
聞けば、フランスでは大活躍だったそうじゃないか。まったく……お陰で私は大目玉さ」

レフ「本来ならとっくに神殿に帰還しているというのに、子供の使いさえできないのかと追い返された!」ギリィ

レフ「結果、こんな時代で後始末さ。聖杯を相応しい愚者に与え、その顛末を見物する愉しみも台無しだよ」


バットマン「……」フ

レフ「……何が可笑しい」

バットマン「その愚者さえ満足に操り切れない男が高見の見物のつもりか。三流の人形師でももっと上手くやるだろう」

レフ「……」ピキピキ

バットマン「お前などを使うとは……お前のバックに居る連中も、よほど人材不足のようだ」

レフ「……嘗めるな、俗物め。我ら72の同胞の前では、貴様など塵に等しい」

バットマン「成程、やはりグループで動いているのか。挑発に乗って数まで丁寧に教えてくれた事、感謝する」

レフ「……」


710 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:09:57.34 ID:biE0lZxz0

レフ「……成程、認めよう。キミ達は確かによく足掻いている」

レフ「実に醜悪な足掻きだが、認めねばなるまい! その無駄な努力は!」

レフ「フランスを救い、古代ローマを救い……特異点を修復し、人理を救う? 無理だ。キミ達では、既にどうにもならない!」

レフ「抵抗しても何の意味もない。結末は確定している。貴様達は無意味、無能!」

レフ「哀れにも消えゆく貴様たちに! 今! 私が! 我らが王の寵愛を見せてやろう!」ズズズズズズ……


バットマン(何だ? 聖杯の魔力が反応して……レフの肉体が……)

マシュ「あ……あれは……」


711 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:10:44.48 ID:biE0lZxz0

ネロ「なんだあの怪物は……この世のどんな怪物よりも、醜いあの姿は……」


バットマン(地面に突き立った……肉の柱……? 目玉がいくつも表面に付いた、肉の柱のような……)


レフ?「はは! ははははは! それはその通り!
その醜さこそが貴様らを滅ぼすのだ!」

ドクター『この反応、この魔力……サーヴァントでもない、幻想種でもない!
これは……伝説上の、本当の“悪魔”の反応か……!?』

レフ?「改めて、自己紹介しよう。私は、レフ・ライノール・『フラウロス』!」

フラウロス「七十二柱の魔神が一柱! 魔神フラウロス……これが、王の寵愛そのもの!」

マシュ「ここまで大量の魔力は……ドクター……!」


ドクター『フラウロス。七十二柱の魔神と、確かに彼は言った。なら、彼の言う王とは……』

バットマン「ドクター、今は憶測を走らせるべき時ではない。脅威が目の前にある。解析を」

ドクター『あ、ああ。そうだ、そんな筈はない。魔神なんて実際は存在しない!』

マシュ「……!」

ドクター『詳細はすべて不明。だが、それは危険なものだ。
来るぞ……この場で完全に撃破するんだ!』

712 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:11:40.67 ID:biE0lZxz0

フラウロス「死ね」ドドドドドドドッ

バットマン「……っ」ガガッ


バットマン(なんだ、この攻撃は……魔法か? ノータイムで……いや)


フラウロス「滅びるがいい」ズドドドドドッ‼

ネロ「うおっ!?」ババッ


バットマン(……まるで、あの身体から魔法から染み出しているように見える。という事は……あれ自体が意思を持った魔法陣のようなものか。流石は魔神、理解が出来ない)


バットマン「ふっ!」シュパッ


バットラング「」ヒュォォォォォンッ


フラウロス「嘗めるな!」バシィ‼


バットマン(弾く……という事は、物理攻撃が通用するという事か)


バットマン「マシュ!」

マシュ「たああっ!!」ゴシャアッ‼

フラウロス「っぐぅ!?」ユラァ

713 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:12:11.01 ID:biE0lZxz0

フラウロス「おのれ……」

ネロ「まだだ!」ズバァッ‼

フラウロス「うぐ……『焼却式、始動』!」ガガガガガガガッ‼


ネロ「むっ、これは……」

マシュ「危ないッ!」ガギャギャギャギャギャァン‼


フラウロス「……おのれ、生意気にも防ぐか!」


バットマン(ここだ……!)


バットマン「荊軻!」

荊軻「応!」シュドッ‼

フラウロス「……な、に……」

714 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:12:37.62 ID:biE0lZxz0

ネロ「そこ!」ドシュッ‼

マシュ「もう一発!」ドッゴォ‼

フラウロス「な……んだと……」ユラァ……

フラウロス?「馬鹿な、この、私、が……」ズォォォォォォォォ……


レフ「……」ドサッ


バットマン(……人間の形に戻ったか)


715 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:13:04.87 ID:biE0lZxz0

レフ「くっ……長時間の酷使で、既に腐敗が始まっていたとはいえ……たかが英霊如きに、退けられるとは……」ギリィ

レフ「いや、計算違いだ。そうだ、そうだろうとも」

レフ「しかし、私も未来焼却の一端を任された男だ。万が一の事態は想定済み……奥の手は取ってあるさ」


ドクター『……気を付けて! 聖杯の活性化を感知! また何かが来るぞ!』

バットマン「……!」


716 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:13:31.29 ID:biE0lZxz0

レフ「古代ローマそのものを生贄として、私は、最強の大英雄の召喚に成功している」

バットマン「最強の……大英雄だと?」

レフ「くく……喜ぶがいい。これこそ、真にローマの終焉に相応しい存在だ」

レフ「さあ人類(せかい)の底を抜いてやろう! 七つの定礎、その一つを完全に破壊してやろう!」

レフ「――我らが王の、尊き御言葉のままに!」

レフ「来たれ! 破壊の大英雄アルテラよ!!」

聖杯「」ギュォォォォォォォォォォッ

717 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:14:02.11 ID:biE0lZxz0

シュゥゥゥゥゥゥ……

???「……」

マシュ「……!」


レフ「……さあ、殺せ、破壊せよ、焼却せよ。その力で以て、特異点もろともローマを焼き尽くせ!」

レフ「ははは! 終わったぞ、ロマニ・アーキマン! 人理継続など夢のまた夢!
このサーヴァントこそ究極の蹂躙者! アルテラは英霊ではあるが、その力は――」


アルテラ「……黙れ」ズバァッ


718 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:14:29.26 ID:biE0lZxz0

レフ「」ドシャアッ

聖杯「」カラァン


マシュ「な……」


バットマン(馬鹿な……アルテラが、レフを両断した?)


聖杯「」コロコロ……

アルテラ「……」スッ


マシュ「せ、聖杯を……吸収、した?」

バットマン「構えろ、危険だ……」


アルテラ「……私は……フンヌの戦士である。そして、大王である」

アルテラ「西方世界を滅ぼす、破壊の大王」

アルテラ「……破壊の……!」キィィィィィィィィン


719 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:15:01.43 ID:biE0lZxz0

バットマン(何か来る……これは、不味い!)


バットマン「『令呪を以て命ずる!』マシュ、宝具を展開しろ!」

マシュ「はい!」

アルテラ「お前達は言う。私は、神の懲罰なのだと。
――神の鞭、なのだと」


アルテラ「フォトン・レイ」ゴォォォォォォォォォォォォッ‼


マシュ「ロード・カルデアス……!!」ドォォォォォォォォォッ



バリィィィィィィィィン



720 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:15:39.99 ID:biE0lZxz0


………………


バットマン(……これは……)

バットマン(ここは、何処だ……私は、何故横たわっている?)

バットマン(……そうだ、私は、……アルテラの、宝具を……)


バットマン「……うおぉぉぉぉぉぉ……!」ドシャア

バットマン「ここは……」ムクリ

バットマン(……城があった場所、なのか……跡形もない……)


ピピー‼ ピピー‼

721 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:16:14.90 ID:biE0lZxz0


バットマン「もしもし、ドクター……アレから何分経った?」

ドクター『ブルース! ブルースくん! ああ良かった、生きてたんだね……! まだ二分ほどしか経っていない! でも、マシュのバイタルサインが極端に弱まってる! 彼女を見つけてくれ!』

バットマン「……! 了解した」


バットマン「マシュ! 何処だ!」ガシッ、ドサッ


バットマン(瓦礫……アルフレッド……いや、マシュは生きている。必ず生きている、筈だ……)


ドクター『ブルース、キミの後方三メートルの地点だ! そこにマシュの反応がある!』

バットマン「分かった……」ガシッ、ドサァ……

マシュ「……っはあ……っは……」カヒュッ、カヒュ……


722 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:16:40.74 ID:biE0lZxz0

バットマン「……マシュ。マシュ、聞こえるか」スッ

マシュ「ま、……すたー……」ヒュー……ヒュッ

バットマン「『令呪を以て命ずる』。回復しろ、マシュ」

マシュ「……ご、ほっ……」ブル、ブルブル……

バットマン「……ドクター! マシュの傷の治癒が……治らないのか?」

ドクター『……! これは……アルテラの「破壊した」という強い認識が、マシュの傷を呪いじみて覆ってる……! 治癒速度が極端に遅れてしまう!』

バットマン「……そのアルテラは何処だ」

ドクター『い、今は……マッシリアへ向かっている。多分、ネロの都へ向かい……そこを滅ぼすつもりだ!』

バットマン「……成程」

723 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:17:09.25 ID:biE0lZxz0

バットマン(……何を躊躇っている。ブルース・ウェイン)

バットマン(メタヒューマンと戦うのは……初めてじゃないだろう)


バットマン「……今、動けるのは私だけのようだ。私が向かう」

ドクター『!?』

マシュ「!?」

ドクター『駄目だ。ブルースくん、それだけは絶対に認められない!』

バットマン「……すまない、ドクター」プツッ

ドクター『ブルースく』プツン……


724 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:17:36.93 ID:biE0lZxz0

マシュ「ます、たー……やめて、ください……」ヒシッ

バットマン「……マシュ。ここで横になっていろ。動くな。
……時間は稼ぐ。もし私が死んだら、グランドオーダーの残りは頼む」

マシュ「だ、め……」

バットマン「……」スッ


725 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:18:14.32 ID:biE0lZxz0


マシュ(また、思い違いをしていた)

マシュ(マスターは、人の死を悲しまないんじゃない)

マシュ(人の命を、道具として見る事に躊躇いが無いだけ……たとえそれが、自分の命であっても)


マシュ「ます、たー……いかないで……いか、ないで、ください……」ヒューッ、ヒューッ

バットマン「……」スタスタ


726 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:18:41.86 ID:biE0lZxz0

………………

ドクター「ブルースくん? ブルースくん!?」

レオナルド「どうしたんだ、ロマニ」

ドクター「ブルースくんが……一人でアルテラを止めに」

職員達「「「はああ!?」」」ガタタッ

所長「!? な、なんで止めないのよ!? 死ぬに決まってるでしょ!?」

ドクター「ぼ、僕だって止めようとしたんです! でも、ブルースくんが通信を切断して……」


727 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:19:11.65 ID:biE0lZxz0

所長「…………いいえ、アレよ。非常通信。令呪用のチャンネルを使って、念話形式で話すアレをしましょう」

職員A「め、名案です! それにしましょう!」

職員B「そうと決まったら早速変電を……あ、あれ?」カタカタカタ、カタ、カタ。

職員C「どうした?」

職員B「……何か、おかしい。制御装置が、言う事を……」エラー‼エラー‼エラー‼


モニター『』ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……


728 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/23(火) 03:19:41.13 ID:biE0lZxz0

モニター『ハローハロー、見えるかな? ようやく捕まえたぞ、カルデアの皆』

ドクター「……なんだこれは……」

レオナルド「……緑の、巨大な、ハテナマーク……?」

モニター『これが流れるって事は、私はこっちでは死んでしまったのだろう。だがまだだ、まだまだ天才の証明は終わらない!』

所長「……ふざけてるの!? はやく通常の状態に戻して!」

職員B「そ、それが……なにこれ、ハッキング……!?」カタカタカタ、カタカタカタ、カタ


モニター『さあ……』


リドラー『なぞなぞの時間だ』
729 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/01/23(火) 03:20:58.33 ID:biE0lZxz0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/23(火) 08:59:16.44 ID:iii508NxO

更新が早くて嬉しい
トンデモ化け物相手は慣れてるとはいえアシスト少ない状況でどうなるのか
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 10:29:00.72 ID:IGGylC/j0
リドラー……
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/23(火) 23:40:34.00 ID:y1/EH3Vlo
モービルやら無しで単身鯖相手か
それでもバッツならなんとか…
733 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:52:15.02 ID:U2Rv23+B0

 夢以上の宝は無い。分かっていたつもりだった。

 だが、私は自分を誤魔化していた。民こそ至高の宝だと言いながら夢を崇め、世界をないがしろにしながらローマの永遠の存続を願った。

 矛盾だらけだった。私の隣に立っていた怜悧な男は、何度も私を笑った。

「キミは馬鹿だ、ロムルス」

「だが、私には夢があるのだ」


私の返答はいつも決まっていた。その度に、奴はくたびれたように首を振った。


 夢など無駄だ。そう言いながら、奴は私に手を貸した。

 ……本当は、私も気付いていたのかもしれない。夢など、世界を壊すだけの凶器なのだと。



734 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:53:45.65 ID:U2Rv23+B0

 頭脳以上の宝は無い。そんな事は分かり切っていた。

 ロムルスも、結局のところは馬鹿だったのだ。浪漫などという存在しないものを追い求め、自ら命を絶つような真似をした。

 ……奴は、本当に馬鹿だ。熱に取りつかれ、夢の行方を見失い、敵に斬られる事を選んだ。


 人間は熱無しには生きていられない。僕はその点賢いんだ。最低限の熱量だけで生きていける。いつもそうしてきた。熱など、疎ましいだけ。

 ……だから、奴の持つ夢は、眩し過ぎた。


「キミは馬鹿だ、ロムルス」


 僕はいつも言っていた。言っていないと、いつか自分の世界が壊れてしまう。僕の世界はそうではなかった。いつも雨が降りしきる、闇の世界だったのだから。

「だが、私には夢があるのだ」


 奴の返答はいつも決まっていた。その度に、僕はその愚直さから目を逸らした。



 ……本当は、僕も気付いていたのかもしれない。永遠とは、自分の夢でもあるのだと。

735 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:54:15.49 ID:U2Rv23+B0

 取り返しがつかない時間の中で、彼は緑のシルクハットをかぶり直した。

「……さらばだ」

 誰も聞いていない別れの言葉を呟き、彼はニヒルな笑みを口元に灯す。その身体がノイズで霞んだ。



736 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:54:49.14 ID:U2Rv23+B0


………………

職員A「不味いです! 存在証明式が途絶えた事により、二人の『輪郭』がどんどん時流に溶けて行く!」

ドクター「なんだ、これは……! ウィルス!? なんで急に!?」

レオナルド「……駄目だ、カルデアのAIも完全に機能停止している。早く復帰させなければ、ブルースとマシュだけの問題ではなくなる!」

所長「なんとかしなさい! 全ての機器を手動に切り替える事は!?」

ドクター「無茶な! ただでさえ人材不足も甚だしいのに!」

リドラー『チチチ……そんじょそこらのウィルスなんかと一緒にしてもらっちゃ困るなぁ。
僕は元々電脳系のサーヴァントだったんだ。キミ達の使う周波数から、カルデアを探知……そして、こうやってハッキングしてる。簡単な仕事だったよ』


737 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:55:21.87 ID:U2Rv23+B0

所長「電脳系の……?」

リドラー『そうとも、僕の得意分野さ。……とまあ、身の上話はここまでにしておこう。本題だ。
なぞなぞ遊びをしようじゃないか。楽しい楽しいお遊びを……な』

ドクター「冗談じゃない、お遊びだって!? こっちは人命がかかってるんだ!」

リドラー『勿論それも計算の内だ。命をかけたお遊びほど、熱中できるものも無いだろう?』

ドクター「……!」

レオナルド「……付き合うしか無さそうだ。そのなぞなぞに答えたら、カルデアは返してもらえるのかな?」

リドラー『当然だ、そこはフェアに行こうじゃないか』


職員A「……コンピューター補助無しでの存在証明式を開始します! ほんの少しの延命にしかなりませんが、やってみます!」

レオナルド「私も手伝おう。かなり大雑把な計算になるが、少しは保つハズだ」

職員A「はい!」


738 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:55:50.87 ID:U2Rv23+B0

リドラー『いいかな? では第一問!』


ドクター「こんな事馬鹿げてる……!」

レオナルド「ああ、そうだ。だが常識で挑んでいたら超えられない問題もある。……やるしかない」サラサラサラサラ……カタカタカタ、タン。

職員A「…………」カリカリカリカリカリカリカリカリ……

リドラー『……それは8より多い。でも9には届かない。さあ、どんな動物だ?』


739 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:56:26.50 ID:U2Rv23+B0

所長「8……より多い、9には届かない!?」

職員B「ええーと、えーっと……8,5……8,6……」ブツブツ

職員C「……うーん……」

ドクター「……9には届かない……9には……」ブツブツ

リドラー『さあ急げ、制限時間付きだ! チクタクチクタク……あと一分!』

ドクター「馬鹿な、あと一分だって……!?」

職員C「……9……9には届かない……」


740 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:56:57.20 ID:U2Rv23+B0

職員C「……ああ、成程。クジャクだ」

ドクター「へ?」

職員C「九弱で、クジャクです」

ドクター「……ああ!!」

リドラー『大正解だ! だがまだまだここからだぞ、次の問題!』


職員A「……不味いです、そろそろレイシフト先の二人の存在に矛盾が……」サラサラサラサラ……

レオナルド「分かってる。存在証明式を取り戻すためにも、手早く終わる事を祈ろう」カタカタカタ、カタン


741 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:57:32.96 ID:U2Rv23+B0


………………

ブーディカ「……」


ブーディカ(もう、戻れないよね。分かってる……ここで、どうする事もできずに、傍観者のまま……居るしかない)


???「フォウ」ピョコ

ブーディカ「……アンタ……ここで何してんのさ。……さっさとご主人様達のところへ帰りなよ」

フォウ「フォウ、フォーウ……」スリ

ブーディカ「……」


ブーディカ(……ごめんね、マシュ……ごめんね、ブルース……)


ドッサァァァァァァァン‼

ブーディカ「!?」バッ

フォウ「フォーウ!?」

742 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:58:03.24 ID:U2Rv23+B0


スパルタクス「……完全復活! 強大な圧政の下、一度は敗れ去ったが! そんなものは過去の事である!」ドスドス

ブーディカ「スパルタクス……アンタ、生きてたの……」

スパルタクス「何、自分で引き起こした爆発のせいで土の下へ埋まっていただけである! ……キミはそこで何をしている?」

ブーディカ「……別に。行きなよ、アンタ。マッシリアで皆待ってるよ」

スパルタクス「何故来ない? 仲間に何も伝えない沈黙は時に圧政足りうる……」

ブーディカ「……アタシはもう、戻れないから……」

フォウ「……」

743 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:58:36.96 ID:U2Rv23+B0

スパルタクス「……ふむ……何かしらの致命的な過ちを犯した後と見る!」

ブーディカ「……そーだよ、そうなの。もう戻れないって……あんだけ自分勝手な事したらさ」

スパルタクス「しかし! 反抗者は時に道を違える事もあろう! だがそれでも、立ち上がるからこそ反抗者なのである!」

ブーディカ「……アタシ、もう反抗者じゃないよ。それに……アンタみたいに、反抗が上手く行けば良かったけど……反抗して、事態悪化させた馬鹿なんだから……」

スパルタクス「……」


744 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:59:04.70 ID:U2Rv23+B0

スパルタクス「……初めから全てが分かっている者など居ない」

ブーディカ「……」

スパルタクス「圧政の下、もがき苦しみ、世界を変えようと動くのは素晴らしい事だ。反抗と反撃、そして結果。残酷ながら、世界には常に結果が付いて回る」

ブーディカ「……」

スパルタクス「だがだからこそ! まだ今、その結果は出ていないと見える!」

ブーディカ「……うるさいな……! アンタに何が……!」

スパルタクス「分かるとも、我が同盟者! 反抗者よ、成功する反乱など一握りだ!」

745 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 00:59:34.32 ID:U2Rv23+B0

スパルタクス「だが、勝てる戦いにのみ挑む者を、果たして我々は反抗者と呼べるのか!? いや、人間とも呼べまい!」

スパルタクス「それは機械だ! まごう事無き圧政の業! 我々は違う! 証明してみせよう! 我らは圧政者ではなく、人間なのだと!」

ブーディカ「だって! アタシ……アタシ、世界が大変な時に、自分の欲を……」

スパルタクス「自分のために戦えない者が! 世界など救えるものか!!」

ブーディカ「……!」


746 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:00:17.99 ID:U2Rv23+B0

スパルタクス「立つがいい、女王よ! 世界はまだ終わっていない!」

ブーディカ「……はは。アンタの勢い、本当に羨ましいよ……」

スパルタクス「……行くぞ!」

ブーディカ「……分かった。行こう」カチャリ


747 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:00:56.80 ID:U2Rv23+B0

………………

呂布「■■■■■■■――――!!!」シュウシュウシュウ……

カエサル「ふ、私にかかれば……む?」シュウシュウシュウ……

呂布「……」シュゥゥゥゥゥゥゥ……

カエサル「……何故私まで消え始めて……ああ、そうか。もう『奥の手』を出したのか、奴は……」シュウシュウシュウ……

敵兵A「か、カエサル様!?」

カエサル「うるさい、騒ぐな。……良いか、この後に怪物が来るが、決して立ち向かうな。ここから逃げ出せ」シュウシュウシュウ……

敵兵A「は、はい……?」

カエサル「……全軍撤退。家族の元へと帰るがいい。世界は終わった」シュゥゥゥゥゥゥ……


748 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:01:27.65 ID:U2Rv23+B0

キャット「……なんだ? 敵が……退いて行く……?」

エリザベート「やったんじゃない? ふー、ようやく休めるわ!」

キャット「馬鹿、もう少し空気を感じ取るのダ。先程からやけにピリピリした殺気が伝わってくる……」

エリザベート「そんなワケ……な……い……何よ、この魔力……」

キャット「……アレは……」


749 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:02:06.32 ID:U2Rv23+B0

アルテラ「……」ズバッ

敵兵A「あぎゃ……」ドシャッ

敵兵B「あ……」ゴシャッ


キャット「……撤退する兵の波の向こう。何か来る」

エリザベート「これ……これ、ソイツの魔力なの? 異常すぎて、鳥肌が……」

キャット「……この嫌な魔力。聖杯を取り込んでいるようだワン」


アルテラ「……」スタスタ


キャット「……やれるか、ドラゴン娘」

エリザベート「……死ぬ気なら、数分は足止めできるかもね」

キャット「GOOD。ならばぶちかますとしよう」


750 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:02:36.86 ID:U2Rv23+B0


………………

バットマン「……」ダッダッダッダッ


バットマン(あれから恐らく十分ほど。全力疾走のまま追っているが、追いつけるか……)

バットマン(……!)


バットマン「これは……」


751 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:03:03.34 ID:U2Rv23+B0

敵兵A「う……うぐ……」

敵兵B「……たすけて、たすけてぇ……」

バットマン「……」


バットマン(連合ローマの兵士達か……本当に見境なく襲っているようだな)

バットマン(……やはり放ってはおけない。このままでは、マッシリアも危ない)


ドッゴォォォォォォォォォォォン……


バットマン「!!」

バットマン(あれは……)


752 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:03:29.78 ID:U2Rv23+B0

キャット「ぐぬ……やはり、力及ばずか……」シュウシュウシュウ……

エリザベート「……」シュウシュウシュウ……


アルテラ「……」

アルテラ「……私の、行く手を阻むからだ」クルッ

753 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:03:58.65 ID:U2Rv23+B0

アルテラ「……」スタスタ

アルテラ「……」スタスタ……ピタッ


バットマン「……」

アルテラ「……お前も行く手を阻むのか」チャキリ


754 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:04:24.38 ID:U2Rv23+B0

バットマン(……周囲の地形は観測済み。そして目の前の敵の弱点も把握済み。準備も済んでいる)

バットマン(あとはどれだけ上手く立ち回れるか……)


アルテラ「私は、フンヌの戦士である。そして、大王である。西方世界を滅ぼす、破壊の大王である」

バットマン「……」スッ


バットマン(アルテラ。フン族の王。西欧世界に巨大な帝国を築き上げ、大王を自称し……)


アルテラ「……それでもなお、立ち塞がるか」


バットマン(……ローマ帝政末期のキリスト教信者からは、神の災い、神の鞭と呼ばれた。成程、彼女ほどこの世界を滅ぼすのに適した英霊も居まい)


バットマン「……それが役目なら、そうするまでだ」


755 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:04:53.50 ID:U2Rv23+B0

アルテラ「人間は、機械にはなりえない。貴様は、怪物にはなれん」

バットマン「……試してやる。来い」

アルテラ「……哀れな男だ」ヒュォンッ


ゴガァァァァァァァァァァァァァァァッ‼


バットマン「!!!」ギャギャギャギャギャギャ……バガァァァァァァァッ


バットマン(馬鹿な……ブレーサーが、一発で……!?)


756 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:05:23.54 ID:U2Rv23+B0

アルテラ「次は首だ」ヒュオッ

バットマン「くっ」バッ


バットマン(まだ右腕のブレーサーは残っている……立て直しを、)

アルテラ「……」ドゴッ

バットマン「うっぐぉ……!?」ドドドドドドドドド……


バットマン(この、馬鹿げた、膂力……!)ゴロゴロ……


757 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:05:49.59 ID:U2Rv23+B0

アルテラ「……」スタスタ


バットマン(今だ!)ピッピッ

地面「」ドッゴォォォォォォォォォォォン‼


バットマン「……どうだ」


バットマン(リドラーの地雷の一時停止を解除……少しは効いたか?)


煙「」モクモク……ユラッ

アルテラ「……」スタスタ


バットマン(やはり無理か)


758 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:06:17.92 ID:U2Rv23+B0


バットマン「ふっ!」ヒュッ

アルテラ「……」パシッ

バットマン「……くっ!」グッ、グッ‼

アルテラ「フン」ブォンッ‼

バットマン「うっ……ぐあ!?」ドッサァァァァァァァン


アルテラ「そろそろ決着を付けてやる」カチャリ

バットマン「ごほっ、ごほ……」


759 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:06:47.40 ID:U2Rv23+B0

アルテラ「死ね」ブンッ


バットマン「……!!」プシューッ、ゴロゴロッ

アルテラ「!?」ガッシャァァァァァン‼


バットマン「……どうだ。効いたか」ムクッ

アルテラ「何だ……なにを、噴射した……」ヨロ

バットマン「……さあ、何だろうな」


760 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:07:18.00 ID:U2Rv23+B0


バットマン(アルテラ。453年、急死……死因は……)


(((この酒はこの店で一番上等なものです、よろしければ)))


バットマン(……死因は酒。こればかりは荊軻に礼を言わなければな)カチャリ


アルテラ「……こんな……これは……」ヨロヨロ

バットマン「……そろそろ反撃させてもらうぞ」


761 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:07:53.05 ID:U2Rv23+B0

………………


マシュ「……」ユラユラ


マシュ(……気を、失ってた……? 誰かに、運ばれて……)


荊軻「ああ、目を覚ましたか。おはよう、マシュ」

マシュ「……荊軻、さん」


762 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:08:21.60 ID:U2Rv23+B0

荊軻「はは、友に置いて行かれる辛さは分かっている。動けないなりに、少しでも……追いつきたくてな……」ズル、ズル……

マシュ「……! 荊軻さん、脚が……」

荊軻「……全く、生前と同じじゃないか、これじゃあ。目的を一歩前にして、死にそうとは」シュウシュウシュウ……

マシュ「……」

763 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:08:52.90 ID:U2Rv23+B0

荊軻「……マシュ。最後に、私の魔力を持って行ってくれ」

マシュ「……それは……」

荊軻「キミと共に、戦わせてくれ。……あの不器用な男は、放っておけない」

マシュ「……」

荊軻「……頼む。私を、二度も失敗した女にさせないで欲しいのだ」

マシュ「……」


764 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:09:18.97 ID:U2Rv23+B0

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

マシュ「……」

マシュ「……」スクッ


マシュ(……いける。走り出せる。間に合う)


マシュ「今行きます、マスター……!」ダッ



765 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:09:44.97 ID:U2Rv23+B0

………………

職員A「……」カリカリカリカリカリカリカリカリ

レオナルド「……」サラサラサラサラ……カタカタカタ、タン


リドラー『三問目だ! キミは家を飛び出し、3回左折して帰ってくる。そこにはマスクを被った二人の男が待っていた。さあ、キミの職業は何だ?』

ドクター「……家を飛び出して……」

所長「……三回左折……」

職員B「……マスク二人……」

職員C「……」

766 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:10:16.84 ID:U2Rv23+B0

リドラー『チクタクチクタク、あと40秒だ』

職員C「……」

ドクター「家……ホーム……野球だ! 野球選手だな!?」

リドラー『ぴんぽーん、正解だ。賢いな、だが次の問題からはもっと厳しくなるぞ』

ドクター「まだあるのか……いい加減にしてくれ!」

767 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:10:48.52 ID:U2Rv23+B0

職員A「……」カリカリカリカリカリカリカリカリ……ツー

職員B「ちょ、ちょっと! 鼻血が……」

レオナルド「……無理をしちゃ駄目だ。脳は大切にしなよ、倒れられたら困るんだ」サラサラサラサラ……

職員A「……ブルースさん達も命懸けで戦ってるんです、俺達が命を懸けない理由が無い……!」カリカリカリカリカリカリカリカリ

職員B「だからって……!」

職員A「……鼻血で済んでる内は可愛いものさ……!」カリカリカリカリカリカリカリカリ


リドラー『ふふふ、らしくなってきたな? 命のぶつかり合いだ。もっとも、僕のは命ではなく存在意義だが……』

ドクター「……」

リドラー『……では、五問目だ』


768 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/01/24(水) 01:11:19.71 ID:U2Rv23+B0

………………

バットマン「ふっ!」シュドッ‼

アルテラ「うっぐ……」フラフラ……ブンッ

バットマン「っ……」バッ、ドゴォ‼

アルテラ「かはっ……」ドサッ

バットマン「……」ガシッ、シュドッ

アルテラ「っぶ……」

バットマン「……」シュドッ、シュドッ、シュドッ、シュドッ……

アルテラ「が……かは……」


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