【ラブライブ】海未「罪と罰」【仮面ライダーW】

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1 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/10(土) 23:15:52.44 ID:Dp85zYSd0
更新遅め。
地の文、台詞混合。
オリキャラあり。

前作あり
【ラブライブ】真姫「その罪は何色か」【仮面ライダーW】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515243825/

以上のことが大丈夫な方はぜひお付き合いください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518272152
2 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:00:32.51 ID:V4ryizZl0
ーーーーーー




『ア、アァぁ……』




なんで、こんなことになってるんだろう。

目の前には、倒れる二人の姿。
そして、正気を失ってる彼女の姿。



「もう、やめて……」

『…………あ……ウァ……』

「お願いっ」



逃げなさい!

悲痛な叫びが聞こえる。
だけど、目の前の人を放っておけないよっ!

そうだ。
そうだよっ!

止めなきゃ!
やっと、分かってくれたんだから。
だからーー



「ねぇ、お願い」

「戻ってよっ!」



「いつもの貴女にっ!!」




ーーーーーー
3 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:05:11.91 ID:V4ryizZl0
『Sの憧れ/赦し』
4 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:13:34.53 ID:V4ryizZl0
ーーーーーー




にこ「亜里沙ちゃんの様子がおかしい?」

絵里「えぇ……」




呼び出された喫茶店で、甘いカフェオレを飲みながら、にこは絵里にそう問い返した。



希「おかしいってどんなところが?」



にこの隣に座る希も、訊ねる。

正直な話。
シスコン気味の絵里のことだし、どうせしょうもないことじゃないかと思ってる。
たぶん、希もそう思っているようで、なんとなく話半分に聞いている感じがする。

まぁ。
亜里沙ちゃんのことで頭がいっぱいな目の前のお姉ちゃんは、それに気づく様子はないけどね。

ともかく、話の種くらいにはなるでしょ。
そう思って聞いてみた。
すると、返ってきたのは、



絵里「…………最近の亜里沙、ため息が多いのよ……」

にこ「はぁ……」



予想以上に、なんというか……。
5 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:22:12.72 ID:V4ryizZl0

希「ため息?」

絵里「えぇ」



にこが脱力したのを察したのか、希が突っ込んで聞いてくれるみたい。
ありがたい。



絵里「ここ半月くらいかしら。妙にため息をつくのよ」

希「半月かぁ」

絵里「前までなら、帰ってくると、パタパタと家で待っていた私に近づいてきて聞くのよ。今日のご飯はなに? お姉ちゃん!……って」

希「い……いや、なんでもない」

にこ「…………」



犬みたい。
そう思ったのは、希だけじゃないわ。
安心しなさい。



絵里「でもね、この半月はそれがないの。帰ってくると疲れたようにため息を吐くのよ」

にこ「……練習で疲れてたんじゃないの?」



ラブライブの予選も近いし。
花陽たちも事実上引退してるから、その分、亜里沙ちゃんもプレッシャー感じてるんでしょ?

そう言っても、



絵里「いえ……あれはそういうため息ではないわ!」




どうやら、このシスコン、聞く耳もたないようである。
6 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:32:05.45 ID:V4ryizZl0



希「えっと、それで? えりちはウチらになにか手伝ってほしいん?」




と、希が本題をぶつけた。

まぁ、そうよね。
その話をするだけなら、メッセージを送ってくればいい。
そうせずに会って、しかも、にこたちにここの代金を奢ってまでこの話をしたんだから……。



絵里「…………手伝ってくれるの?」



案の定。
そういうことらしい。



希「当たり前やん? えりちが困ってたら、ウチは助けずにはいられんからなぁ」

絵里「の、のぞみぃぃ」

希「ふふっ、よしよし」


7 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:44:14.19 ID:V4ryizZl0
希「さてさて、ウチは当然手伝うけど……」

にこ「うっ」

絵里「……にこ……?」



にこっちはどうするん?

希はそんな言葉を目で語りかけてくる。

人の妹の動向を探るって?
なんでにこがそんなこと……。
ただでさえ、ここのところ忙しいのよ?

部室破壊事件を始めとして、花陽や凛が襲われたり、穂乃果に付き合わされてロケ終わりに隣の市まで連れ回されたり。
真姫ちゃんのところも色々あったみたいだし。

とにかく最近は本業じゃなくて『そっち』が忙しかった。

だから、正直、断りたい、んだけど……。




にこ「………………はぁぁ」

にこ「しかたないわねぇ!」




絵里「にこっ!」

希「流石はにこっちやね」



にこも姉だもの。
絵里の気持ちも分からなくはないわけだし。
なにより…………まぁ、友達が困ってるのは……ね。



絵里「よかった……。うぅぅ、これで安心して眠れるわ……」

にこ「…………」



にしても、



にこ「あんた、ちょっとは妹離れしなさいよ」

絵里「…………え? してるでしょ?」



にこ「え?」

絵里「え?」




ーーーーーー
8 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 00:47:48.85 ID:V4ryizZl0
ーーーーーー




亜里沙「……はぁぁ」

亜里沙「なんで…………こんな…………」

亜里沙「お姉ちゃん……に言ったら、心配するよね……」

亜里沙「うぅぅ…………」




亜里沙「たすけて……だれか……」



ーー ギュッ ーー




ーーーーーー
9 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/11(日) 01:00:12.22 ID:V4ryizZl0
ビルド見なくてはいけないので本日はここまで。
またお付き合いくださるとありがたいです。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 06:48:23.49 ID:z8unGykOO
前にも書いてた人…?
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/11(日) 13:47:39.41 ID:89KWwQy0O
待ってた
タイトル海未ちゃんか
最初といいなんか嫌な予感がする
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/12(月) 12:57:59.27 ID:0xHvjdjLO
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!
13 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:00:06.74 ID:Y18+/ZbbO
レス感謝
少し更新。
14 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:08:15.95 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー




にこ「ということでなんかあった?」




花陽「……え、えっと」

真姫「いきなり来たと思ったら……はぁ」



亜里沙ちゃんの件を解決するために、にこが来ていたのはアイドル研究部の部室だった。
で、そこにいた花陽と真姫ちゃんに早速聞いたわけだけど……。



真姫「暇なの? 干されたの?」

にこ「違うわよ!」

真姫「いや、そう言ってこの前も来てたじゃない」

にこ「ぐっ」



そんなことを指摘される。

いや、忙しいから!
ほんと忙しいから!



花陽「ま、まぁまぁ、真姫ちゃんっ。にこちゃんって後輩思いだから」

真姫「……はぁ、はいはい」



花陽の言葉に、真姫ちゃんも口を閉ざした。

流石よ!
やはり花陽を部長にして正解ね!

……って、もう部長じゃないんだったわ。
15 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:19:08.90 ID:Y18+/ZbbO


にこ「それで、どうなの?」



とりあえず話を戻す。

亜里沙ちゃんのことだもの。
先輩に当たる二人に聞けば、どうにかなるでしょ!



花陽「えっと、うーん。そうだなぁ」



にこの質問に、花陽は首を捻る。
花陽からの答えはその様子を見れば分かった。

えっと、周りをしっかり見てる花陽がそう言うなら……これは……。



花陽「あっ、でも、半月前くらいかな? その頃は確かにちょっと元気はなかったと思うよ。 ね、真姫ちゃん?」

真姫「まぁ、そうね」



半月前、ね。
確かに、1週間前に絵里から聞いた話とも合致するわ。
でも、



真姫「少なくとも私たちの前ではため息を吐いてるのは見たことないし」

花陽「うん。それに、最近はむしろウキウキしてるみたいだよ?」

にこ「ウキウキ?」

花陽「うん。ね?」

真姫「えぇ。なんだか浮かれてる印象だったわ」

にこ「浮かれてる……?」
16 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:25:11.14 ID:Y18+/ZbbO
絵里が嘘をつくとも思えない。
……これはつまり?



真姫「にこちゃんが絵里から話を聞いたのが1週間前だっけ?」

にこ「そうね」



真姫「つまり、この1週間でなにかが起きたってこと、かしらね」




たぶんそういうことでしょう。
悩みか心配事かは分からないけど、それはこの1週間で解消された、ってことかしら?



真姫「解決じゃない」

にこ「ま、まぁ、そうね」



なんというか、呆気なかったわね……。
なんだか拍子抜けしてしまった。
一応それなりに心配だったんだけど。

なにもないならそれに越したことはないわ。
一応、絵里には今夜あたり連絡してーー




ーー ガチャッ ーー




と、そこへ扉の開く音。
そちらを見ると、




亜里沙「こんにちは!」




件の亜里沙ちゃんが来たところだった。
17 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:34:51.31 ID:Y18+/ZbbO
表情を見る。
……うん。
確かに、大丈夫そうね。



亜里沙「にこさん!!」

にこ「え?」

亜里沙「おひさしぶりです!!」

にこ「あっ、ええ、うん」



亜里沙ちゃんの嬉しそうな笑顔に、少し圧倒されてしまった。
流石は絵里の妹というか……。
ほんと綺麗ね、この娘。

…………って、ん?

ふと、気づいた。
なんかこの娘……。




にこ「リップ……」

亜里沙「え?」

にこ「あっ」



つい反射的に口にしていた。
というのも、亜里沙ちゃんの口元がなんだか……。



亜里沙「どうかしました?」

にこ「あ、なんでもないわ!」

亜里沙「??」



これは、ひょっとすると……。



ーーーーーー
18 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:46:22.51 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー



せっかくだから、一通り練習を見学して。
にこにこにー?も指導して。
にこはーー




凛「おなかすいたにゃぁ……」

花陽「そうだねぇ」

にこ「しっ! 静かにしなさい! 気づかれるわよ!!」



凛と花陽を連れて、校門側の茂みに隠れていた。

ブツブツ文句を言う凛とそれに相槌を打つ花陽をたしなめる。

もう!
これじゃバレる!
……しょうがない……。



にこ「…………このあと、ご飯でも奢るわよ」

りんぱな「「!!!」」

にこ「だから、静かにーー」

凛「凛、ラーメン!!」

にこ「っ、わかったわよ! だからーー」

花陽「ご飯大盛りでもいい!?」

にこ「あーっ、分かった分かった!! 好きなだけ頼みなさい!!」

りんぱな「「やったーー!!」」



もうダメね、コレ。
バレるのも時間の問題よ……。

ため息を吐きながら、校門の前に立つ人物に視線を向ける。

10月ってこともあって、徐々に日は短くなってきて。
少し肌寒さを感じてるんでしょうね。
彼女は体を縮こませるような姿勢で、校門に身を預けていた。
19 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 15:54:37.28 ID:Y18+/ZbbO

花陽「ねぇ、にこちゃん」

にこ「なに?」



今度はちゃんと小声で、話しかけてくる花陽。



花陽「亜里沙ちゃんのことなんだけど」

花陽「なんで尾行なんて……?」



そう。
にこたちが隠れて見ているのは、亜里沙ちゃんだ。

あの後、こっそり花陽と真姫ちゃんに声をかけていた。
……で、真姫ちゃんには断られた。
凛が言うには、未来のスクールアイドル候補を育ててるらしいけど……?

結局、花陽にはOKしてもらって。
で、ついでだから、凛も連れてきたというわけ。



にこ「まぁ、そうね」



練習の時の様子を見ていれば、絵里が心配していたため息の原因は解消されたのは分かった。

ただ、別の問題があった。
それが、



にこ「たぶん、亜里沙ちゃん、誰かと待ち合わせしてる」

凛「? そんなの見れば分かるにゃ」

にこ「…………えぇ、だけど」

花陽「…………」




花陽「はっ!?」




どうやら、花陽も分かったようね。
見ると、目を見開いた顔をしている。
20 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:00:52.01 ID:Y18+/ZbbO


花陽「ま、まさか……」

にこ「えぇ、そのまさか、の可能性は捨てきれないわ……」

花陽「な、なんてこと……」



花陽が崩れ落ちる。

無理もないわ。
もし、にこの勘が当たっているとしたら……それに責任を感じるのは元部長として必然!
アイドルへの意識が高い花陽なら尚更よ!



凛「え? な、なになに?」



と、一人分かっていない凛。
…………まぁ、こういうことには縁遠いでしょうから、無理もないわね。



凛「にこちゃん」

にこ「なに?」

凛「その、凛を哀れむ顔がうっとおしい」

にこ「……喧嘩売ってる?」



……まぁ、いいわ。
今は凛の生意気な態度より、目の前の問題の方が重要よ!



にこ「……哀れな凛に教えてあげるわ」

凛「にこちゃんの方こそ喧嘩売ってるよね? 凛、買うよ。喧嘩買うよ?」

にこ「にこたちが危惧している問題。それはーー」





にこ「亜里沙ちゃんに恋人がいるってことよっ!!」

凛「ナ、ナンダッテー」



21 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:07:37.85 ID:Y18+/ZbbO
凛「って、そんなわけーー」



花陽「確かにっ!!」




凛「」ビクッ



驚く凛。
事の重大さを理解できていない凛に、花陽が語る。



花陽「いい!? 今、スクールアイドルが人気の絶頂期にあるのは、凛ちゃんも分かってるよね!」

凛「う、うん」

花陽「だから、スクールアイドルから本当にプロのアイドルや歌手にある人は多いの! にこちゃんやA-RISEみたいに!」

にこ「えぇ、そうね!」

花陽「その活躍もあって、スクールアイドルは芸能界入りの登竜門とも言われています!」



そう。
スクールアイドルと言えど、注目度はプロのアイドルと同じレベルにまで来ている!
つまり!




にこ「恋愛沙汰はNG!!」

花陽「なんですっ!!」




凛「は、はい……」
22 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:16:50.73 ID:Y18+/ZbbO
凛「に、にこちゃんとかよちんが真剣になる理由はなんとなーく分かったけど……亜里沙ちゃんに恋人がいるっていうのは……」

にこ「甘いわね」



まったく……。
これだから素人は。



にこ「亜里沙ちゃん、今日かなり気合い入ってるわ」

凛「気合いって……普通に制服だよ?」

にこ「甘いわ! 見なかったの?」

凛「見なかったって……なにを?」



なにを、ね。
そのサインは至るところにあったわ。

ブロンドの髪。
艶やかなリップ。
ほんの少しのチーク。
それに、着替えの時…………。

節々から確かに、自分を可愛く見せようとする意識を感じた。
現役アイドルが言うんだから間違いないわ。




にこ「……あれは誰か大切な人に会うため、でしょうね」



23 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:19:23.64 ID:Y18+/ZbbO

凛「うーん、でも、それは亜里沙ちゃんの自由だし……」

にこ「なっ!?」

花陽「凛ちゃん!?」



くっ!?
教育が足りなかった……。
にことしたことが、アイドルへの意識がこんなに低いなんて……。
これは一から教え直す必要がーー





亜里沙「あっ!」




24 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:25:13.18 ID:Y18+/ZbbO


にこりんぱな「「!!」」



亜里沙ちゃんの声に反応して、お互いの口を手で塞ぐ。
まさか、バレ……



亜里沙「こっちです!」



……バレてはない。

って!



にこ「亜里沙ちゃんの相手っ」

花陽「う、うんっ」



花陽と一緒に、こっそりと茂みから顔を出す。

手を振る亜里沙ちゃん。
その視線の先には、確かに誰かがいる。

背は……それなりに高い。
少なくとも亜里沙ちゃんよりも、ここにいる3人よりも高いようで。
暗くなり始めたせいで、近づいてくるまで顔は見えない。

ただ、声が聞こえた。
その声は、





「すみません」

「少し遅れてしまいました」




女性!?

って、待ちなさい!
この声は!!
25 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:26:46.31 ID:Y18+/ZbbO





海未「昨日ぶりですね」

海未「亜里沙」




26 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:31:51.60 ID:Y18+/ZbbO
その人物が近づいて、顔が見えて。
ハッキリした。

亜里沙ちゃんが待ってたのは、




花陽「海未ちゃん……だったんだね」




ホッと胸を撫で下ろした花陽。

…………そう。
アイ研部長だったら、この場面は胸を撫で下ろすところよね。
前までのにこもきっと同じ反応をしたわよ。

でも、今はーー



凛「に、にこちゃん……」

にこ「…………えぇ」



たぶん凛も同じことを感じ取ってる。
にこを呼ぶ声が微かに震えてるのが分かったから。



花陽「凛ちゃん? にこちゃん?」

凛「…………っ」

にこ「……………………」





海未「それでは行きましょうか」

亜里沙「はい!」




ーーーーーー
27 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:39:05.45 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー



確かに。
聞いてはいた。

ことりのこと。
そして、海未のこと。



だけど……。
なんで、なんでなのよ?

あの場で『それ』を感じていたのは、凛とにこだけ。
それはきっと最近、『それ』をずっと感じてきたから。

にこたちは、海未からも『それ』を感じた。

前までの細かくて厳しくて、でも、優しげな雰囲気の海未はいない。




『それ』を。
身も凍るほどの『殺気』を放つ海未。

その『殺気』は確かにーー




ーー亜里沙ちゃんに向けられていた。





ーーーーーー
28 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 16:40:08.28 ID:Y18+/ZbbO
一旦ここまで。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 18:45:41.07 ID:lMEeLLTso
おつ
30 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 19:30:57.29 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー




翌日。
にこは穂乃果を仕事場に呼び出していた。



穂乃果「ここが楽屋ってやつかぁ!」



物珍しそうにキョロキョロと、にこの楽屋を眺める穂乃果。
こいつ、ここに着いたときからこんな感じね。
まぁ、いいわ。



にこ「もういい?」

穂乃果「あ、うん! それで昨日の夜の話だけど」

にこ「えぇ」




にこ「亜里沙ちゃんが海未に会ってたわ」

穂乃果「……そっか」



それだけを伝える。
詳しいことは今日話すとは言ったけど、詳しいこともなにも、それしか分からない。
……あとは、



にこ「あいつ、変わったわね」



海未が放っていた殺気を思い出す。



にこ「っ」



ここ数ヶ月で怪物と戦っていたにこでも、あの海未は怖かった。
その上、その殺気を亜里沙ちゃんに向けてるなんて。

本当に変わったとしか思えない。
やっぱり海未もガイアメモリの副作用で……。




穂乃果「違うよ」



31 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 19:36:51.34 ID:Y18+/ZbbO

にこ「え?」



穂乃果は、にこの言葉を否定した。
変わった、という言葉を。



にこ「でも……」

穂乃果「……海未ちゃんは変わってない」

にこ「………………」



そう言う穂乃果は真剣だった。
まっすぐにこを見てくる。



にこ「……あんたは……あの海未を見てないから、そう言えるのよ」

穂乃果「…………」

にこ「アレは亜里沙ちゃんをこーー」




穂乃果「にこちゃんっ!!」




にこ「っ」

穂乃果「………………っ」

にこ「………………ごめん」




謝る。

…………不用意な発言だったわ。
今のはにこが悪い。
うん、分かってる。

だから、そんな顔するんじゃないわよ。



穂乃果「……っ」



そんな、今にも泣きそうな顔、するんじゃないわよ……。
32 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 19:40:27.63 ID:Y18+/ZbbO


穂乃果「……ごめん、おっきな声出しちゃって……」

にこ「いや、にこの方こそ、ごめん……」



微妙な空気が流れる。
居心地の悪い感じ。

…………あぁぁっ!
もうっ!



にこ「海未は変わってない!」

穂乃果「え……?」

にこ「えぇ、あの堅物で、そのくせ変に抜けてるやつがそんなこと考えるわけないわっ!!」

穂乃果「っ、うんっ!」



うん。
今はそう考える。
きっと、海未は……大丈夫。
33 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 19:48:09.18 ID:Y18+/ZbbO



にこ「……話を変えるわ」



少し強引に。
いえ、どちらかといえばこっちが本題だし、自然な流れよね。



にこ「この間の話を確認すると」

穂乃果「うん」



にこ「海未は今、『アームズ』っていうメモリを持ってる」

にこ「それはことりをドーパントにして連れ去ったもう一体のドーパントを…………倒そうとしてるから」

にこ「……それで、あんたは海未を止めようとしてる」

にこ「にこと凛を使って」



にこ「合ってる?」

穂乃果「う、うーん。使ってって言葉は悪いけど……」

にこ「否定はできないでしょうが」

穂乃果「は、はい……」

にこ「続けるわよ」



にこ「あんたはこの数ヶ月ずっと海未に会うために連絡をとってる」

穂乃果「……けど、ずっと海未ちゃんの声聞けてない……」

にこ「……その間、海未が動いたのは?」

穂乃果「たぶんない、と思うよ」

にこ「曖昧ね」

穂乃果「さすがに穂乃果だって、海未ちゃんをずっと監視してる訳じゃないし」

にこ「まぁ、いいわ。大事なのはーー」





にこ「その海未が今、動き出したこと」



34 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 19:51:00.64 ID:Y18+/ZbbO

穂乃果「そう、だね……」



なんだかんだ慎重な海未だから、思い付きや気まぐれで行動はしないはず。
だとしたら、



にこ「…………ことりの件かしら」

穂乃果「……だと思う」



ことりを連れ去った化物。
そいつに繋がる情報を手に入れた。

そんなところかしら。
35 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 19:56:26.34 ID:Y18+/ZbbO

にこ「とりあえず、凛には亜里沙ちゃんから目を離さないように言っといたわ」

穂乃果「うん。あ、雪穂にも言っとこうかな?」



なるほど。
確かに、雪穂ちゃんなら亜里沙ちゃんとクラスも部活も一緒だし、違和感はないわよね。
…………けど、



にこ「止めといた方が賢明よ」

穂乃果「…………え、でも……」

にこ「雪穂ちゃんはメモリに関わってないでしょうが!」

穂乃果「あっ…………」



恐らくこの件にもガイアメモリが関わってくる。
にこや凛はともかく、雪穂ちゃんを巻き込むのは……。



穂乃果「うん……そうだね」



シュンとした表情で頷く穂乃果。

…………ったく!




にこ「ほっ!」ベシッ

穂乃果「いたっ!?」




うなだれる穂乃果のおでこに、黒猫肉球パンチをお見舞いする。
36 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 20:01:32.91 ID:Y18+/ZbbO

穂乃果「いたいよっ! いきなりなにするの、にこちゃん!!」



と抗議する穂乃果。



にこ「ふふっ」

穂乃果「なに笑ってるの〜!!」




にこ「そっちの方があんたらしいわよ」




穂乃果「え?」

にこ「あんたには深刻そうな顔は似合わないわ」

穂乃果「〜〜っ、にこちゃんっ!」

にこ「あんたにはアホ面がお似合いにこ〜♪」

穂乃果「なっ! ひど〜〜いっ!!」

にこ「ふふふっ」




……そう。
一刻も早く、この騒動を終わらせましょう。

あんたも。
海未も。
ことりも。

このにこにーが皆を笑顔にしてやるわよ!!




ーーーーーー
37 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 20:02:09.93 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー
38 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 20:10:25.55 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー



亜里沙「また明日です!! 凛さん、花陽さん、真姫さん!」



花陽「うん、また明日」

真姫「ん、また明日」

凛「じゃあねー!!」



校門で人を待つという亜里沙ちゃんと別れる。
それで、



雪穂「じゃあ、私も……」



雪穂ちゃんとも別れる。
んだけど、



凛「…………真姫ちゃん!」

真姫「…………ん」



真姫「送ってくわ」

雪穂「えっ!? い、いいですよっ」

真姫「……なに? 嫌なの?」

雪穂「そういうわけじゃ!!」

真姫「……じゃあ、ほら、帰るわよ」

雪穂「は、はい!」



そんなこんなで、真姫ちゃんは雪穂ちゃんと一緒に去っていった。
そして、この場には凛とかよちん。



凛「ふぅ、うまくいったにゃ〜」

花陽「うん、流石真姫ちゃんだね」



さらっと計画通りにこなす姿は、流石だなぁって思ってみたり。
念のため、雪穂ちゃんにも誰かついていった方がいいもんね。

と、これで亜里沙ちゃんを追える!
39 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 20:16:21.31 ID:Y18+/ZbbO


花陽「じゃあ、いこっか、凛ちゃん」



鞄を持ち直しながら、かよちんはそう言った。
そんなかよちんに、凛は、



凛「……かよちん、ほんとに来るの?」



そう返す。

本当はかよちんにはついてきてほしくはないんだ。
だって、きっとガイアメモリ関係の事件になると思うから。

凛なら大丈夫!
ドライバーもあるし!
だから、かよちんは真姫ちゃんたちと帰って!

そう言ったんだけどね……。



花陽「勿論行くよ。凛ちゃんだけが危険な目に遭うのはやだもん」

凛「…………にゃぁ……」

花陽「ね?」

凛「……うぅぅ、わかったよぉ」



こうなったかよちんが頑固なのは、凛が一番よく知ってる。
だから、うん。



凛「……かよちんは凛が絶対守るからね」

花陽「うん♪」



覚悟を決めるにゃ!



ーーーーーー
40 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/17(土) 20:25:41.55 ID:Y18+/ZbbO
ーーーーーー



にこちゃんが言った通り。
今日も海未ちゃんは亜里沙ちゃんに会いに来ていた。
校門に来た海未ちゃんを見て、亜里沙ちゃんは嬉しそうに笑いかける。
それに、海未ちゃんも笑顔を返してた。
でも、



凛「……やっぱり海未ちゃん……」



昨日見たのと同じだ。
亜里沙ちゃんも、かよちんも気づいてないけど、海未ちゃんは帰る道でも警戒してた。
刺すような……殺気みたいな雰囲気を、凛はずっと感じてる。

しかも、たまに怖い視線で周りと、それから亜里沙ちゃんを見ていた。



花陽「…………あっ」



と、かよちんが声をあげる。
それに反応して亜里沙ちゃんの方を見ると、ちょうど亜里沙ちゃんの家に着いたところだった。

……って、いつのまにかもう着いてたんだね。

そのまま見ていると、亜里沙ちゃんと海未ちゃんは家の前でちょっとだけ話をして、亜里沙ちゃんは家の中に入っていった。
これも昨日と同じ。
ただ、昨日と違ったのは、




海未「………………出てきなさい」




りんぱな「「っ」」

海未「隠れていても無駄です」



海未ちゃんに見つかってしまったこと。
ごまかすために隠れたけど、海未ちゃんはずっと凛たちが隠れた壁を睨み付けてくる。
41 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/18(日) 01:32:48.32 ID:KQqO361oO


凛「…………」

海未「…………」



凛「…………ふぅ」

花陽「凛ちゃんっ」



たぶん誤魔化しきれない。
そう思って、大人しく隠れてたところから姿を現した。




凛「…………久しぶりにゃ、海未ちゃん」

海未「…………凛、でしたか」




海未ちゃんは特に驚いた様子もなく、ただそう言った。
続けて出てきたかよちんの方も少しだけ見る。
だけど、最終的には凛の方を見てくる海未ちゃん。

さっきよりはまだいい。
けど、威圧感は肌で感じ取れるくらいだ。



海未「盗み見とは……感心しませんね」

花陽「っ」

凛「…………ごめんね」



かよちんを後ろに隠すように、凛は一歩だけ前へ。
42 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/18(日) 01:39:21.86 ID:KQqO361oO
大丈夫にゃ。
後ろにいるかよちんに小声で伝えて、海未ちゃんを見つめ返す。
海未ちゃん……。



凛「…………ねぇ、海未ちゃん」

海未「なんですか」

凛「亜里沙ちゃんをどうする気なの?」

海未「…………」

凛「誤魔化したってむだだよ」



じっと見る。
きっと、海未ちゃんなら後ろめたいことがあれば目をそらすはず!

そう思った。
だけど、海未ちゃんは目をそらさなかった。




海未「……なにも」

海未「私は亜里沙の相談を聞いているだけですよ」




ただ、そう言った。
笑顔はない。
冷たい印象だった。
43 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/18(日) 01:47:47.38 ID:KQqO361oO

凛「相談って……」

海未「そこは亜里沙のプライバシーですから」

凛「でも、絵里ちゃんも心配してるんだよ!」

海未「関係ありません」

凛「……じゃ、じゃあーー」




海未「凛」




凛「っ」



ポツリ、と。
海未ちゃんに名前を呼ばれた。
昔みたいな優しい声じゃなくて、冷たい刺すような響き。
思わず、身構えてしまう。

そんな凛を大して気にした様子もなく、海未ちゃんはこう続けた。



海未「詮索は止めた方がいいと思いますよ」

海未「でないと」




海未「命を落とすかもしれません」




凛「っ」

海未「…………」

凛「…………っ」

海未「……分かってもらえたようですね。では、私はこれで」



海未ちゃんは去っていく。
凛はその後ろ姿を見送ることしかできなかった。



ーーーーーー
44 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/18(日) 01:49:15.32 ID:KQqO361oO
充電切れで落ちてました。
更新遅いですが、またお付き合いいただけるとありがたいです。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:46:10.64 ID:vi6TifjFo
待ってる
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/18(日) 23:04:18.30 ID:yD3ELjQL0
新しいやつきてた
うれしい
47 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 20:17:20.79 ID:n094tBnX0
レス感謝です。
本日更新予定。
48 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:02:09.83 ID:n094tBnX0
ーーーーーー



凛たちと海未ちゃんが出会ってから数日間は動きはなかった。
海未ちゃんは変わらず、亜里沙ちゃんを家まで送って、そのまま帰ってく。
それの繰り返し。

刺すような気配とか。
冷たい雰囲気とか。
それはずっと感じてたけど、ビックリするくらいなにもなくて。

もうそろそろいいかな?
本当に相談があっただけかもしれないし。
そう思って、入ったお休みの日。
練習が終わったら、にこちゃんに相談してみようかなと思っていたその日に、事件は起こった。



ーーーーーー
49 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:08:31.38 ID:n094tBnX0
ーーーーーー



凛「ねぇ、亜里沙ちゃん!」



帰りがけ。
どうやら休みの日も海未ちゃんと会うみたいで、
亜里沙ちゃんはまた校門の前にいて。

そろそろ話を聞いてみなきゃ。
そう思った凛は、亜里沙ちゃんに声をかけた。



亜里沙「なんですか、凛さん?」



首をかしげる亜里沙ちゃん。
ポカンとした表情だ。

たんとうちょくにゅーに聞くね!

そう言ってから、凛は、




凛「海未ちゃんとなにをしてるの?」




それを聞いた。
50 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:15:35.10 ID:n094tBnX0



亜里沙「っ」



ビクリと亜里沙ちゃんの体が跳ねる。



亜里沙「……海未さん? なんのことですか?」



目をそらしながら、とぼける亜里沙ちゃん。

……うーん。
それはさすがに無理があるにゃ……。
その反応を見れば、なにかを隠してるのは、流石の凛でも分かる。

だから、凛はさらに追及する。
海未ちゃんとのことについて。



凛「亜里沙ちゃん!」

亜里沙「な、なんでもないですっ」

凛「そんなことないでしょ! 凛、二人が会ってるの知ってるにゃ!」

亜里沙「っ、そ、それは、その……」



また亜里沙ちゃんは目を伏せる。
そして、一歩分、凛から下がってしまう。

凛はその一歩を詰めようとしてーー






ーー ザクッ ーー






ーー何かが足元に降ってきた。
51 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:26:19.64 ID:n094tBnX0



凛「っ!?」ダッ



反射的に飛び退く。
よく見れば、足元に刺さっていたのは、




凛「…………剣?」




見慣れない形。
包丁とかナイフとかじゃない。

巨大な剣。

そうとしか呼べない形のものだった。
しかも、人が扱えるような大きさじゃない。

それはつまり、



凛「ドーパントっ!!」



振り向く。
そこにいたのは、




???『………………』




ドーパント。

吊り上がった複眼に鉄でできたマスク。
錆びた鉄みたいな赤黒い体は、全身を刃物が覆っていて、触っただけで斬れてしまいそうだった。
ドーパントの左腕に付いている剣の形は、今、凛の足元に突き刺さっているものと全く同じ造形みたい。
つまり、これはこのドーパントが投げたものってことだよね……。

ってことは!




???『…………』グッ




ドーパントが左腕を振り上げた。
あの剣を投げてくるってことが本能的に分かる。
その先には、凛じゃなくてーー




亜里沙「………………え?」



52 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:32:07.53 ID:n094tBnX0



凛「なっ!!」



それで察した。
さっきの剣は凛の足元を狙ったんじゃなくて!



凛「ふせてっ!!」

亜里沙「っ」




???『…………』




ーー ブンッ ーー





凛「っ、変身!」



『サイクロン!!』





間に合えッ!
53 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:40:37.03 ID:n094tBnX0

亜里沙「っ」

亜里沙「っ……」

亜里沙「………………あ、あれ……?」




サイクロン『っ、だいじょぶ? 亜里沙ちゃん……?』



目の前でうずくまる亜里沙ちゃんに声をかける。



亜里沙「……え? え?」

サイクロン『……こんらんさせちゃったかにゃ?』

亜里沙「…………え、にゃって……凛、さん?」

サイクロン『うん……そうだよ……』



おそるおそるそう聞く亜里沙ちゃんを安心させるために笑って頷く。
……って、この姿じゃ笑ってるの見えないや。



ーー ズキッ ーー



サイクロン『痛っ』



強い痛み。
背中に感じたそれは、凛の背中を大きく傷つけていた。
刺さったり貫通したりしてる訳じゃないから、まだましかにゃ……?

チラリと視界の端に写るその剣を見る。
ほんと、刺さんなくて……よかった……。
54 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:44:19.96 ID:n094tBnX0


亜里沙「な、なんで、凛さんが? え?」



まだ混乱してるみたいで、亜里沙ちゃんは凛の方を見ながら、なんでって言ってくる。
ほんとはちゃんと答えなきゃ、なんだけどね。




サイクロン『…………まずはこっち、だよね』

???『…………』




振り返る。
そこには、腕を降り下ろしたようなカッコで止まっているドーパントの姿があった。

うん。
説明するのはあと!
まずはこっちを倒しちゃおう!
55 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:51:20.72 ID:n094tBnX0



サイクロン『ハッ!!』


ーー バキッ ーー




先手ひっしょー!!

まずは一撃!
一瞬で間合いを詰めて、そのまま跳び蹴りをドーパントの横顔に叩き込む。
手応えあり!

……って




???『…………』

サイクロン『効いてない!?』




吹き飛ぶどころか、全然動かない。

ありえない!
こっちは加速した勢いに、サイクロンの風でスピードも乗せて蹴ったのに!?



???『…………』スッ

サイクロン『っ』



ーー ガシッ ーー



攻撃が効かなかったことに驚いている凛の足を、掴まれる。
って、ヤバイにゃ!?



サイクロン『っ、このっ!!』ベキッ

???『…………』

サイクロン『はぁっ!』バキッ



蹴る。
蹴る。
……けど、ドーパントは動じない。
56 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 21:57:41.97 ID:n094tBnX0

???『…………』グググッ

サイクロン『ちょっ!? 待ってよ!?』



そのまま持ち上げられてーー





ーー ドゴォォッ ーー



サイクロン『が……っ!?』




一瞬、何が起こったのか分からなかった。

地面に叩きつけられた。
そう、理解が追い付いた時にはーー




亜里沙「凛さん、危ないっ!!」

サイクロン『え……?』



???『…………』




ーー ギラッ ーー





ーー目の前に、あの剣をこっちに向けて突き刺そうとしているドーパントがいて。



サイクロン『っ!?』バッ



すぐに、体をひねって避ける。
バッと横を見る。
たった今、顔があったところに剣が突き刺さっていた。

間一髪……!!
57 : ◆6cZRMaO/G6 [saga]:2018/02/21(水) 22:06:41.87 ID:n094tBnX0
ちゅーちょなく刺してくる……。
このドーパント……。



サイクロン『…………強い』



強い。
というよりは、怖い。

剣を使った戦い方。
そして、それを本気で向けてくる狂気。

凛が今まで戦ったのは、風ちゃんの時のマネーと真姫ちゃん家の病院で戦ったブラッドだけ。
穂乃果ちゃんから聞いた話だと、どっちも戦い向きのドーパントじゃなかったみたい。

だから、このドーパントは、凛が初めて戦うーー




サイクロン『人を殺すためのドーパント』




亜里沙ちゃんを。
そして、凛を殺そうとしてくる。
…………それはやっぱり、



サイクロン『怖い……』



だけど、




亜里沙「…………っ」

サイクロン『………………うん。そうだよね』




退くわけにはいかないよ。
58 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:13:55.48 ID:n094tBnX0


サイクロン『〜〜〜っ、にゃ!!』



ーー バキィィッ ーー



思いっきり蹴りあげる。
それはちょうどドーパントのお腹に当たった。
さっきと同様動じない。
けど!



サイクロン『ほっ!』ダッ



隙はできた。
その隙を突いて、ドーパントの懐、そして、間合いから抜け出す。

距離を離せば、そう思ったんだけど



???『…………』グッ

サイクロン『っ、また投げてくるのっ!?』



???『…………』クルッ



亜里沙「えっ……!?」

サイクロン『!?』



しかも、また亜里沙ちゃんを狙ってる!?




サイクロン『やめろぉぉぉぉ!!』ダッ




走る。
でも、間合いから抜けるために離した距離は予想よりも遠くてーー





ーー ブンッ ーー





無情にも、それは亜里沙ちゃんに向けて投げられた。
そして、それはーー
59 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:15:10.41 ID:n094tBnX0







ーー ガキィィィンッ ーー







サイクロン『………………え?』

60 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:20:32.91 ID:n094tBnX0
ーー亜里沙ちゃんに届く前に破壊されていた。




???『…………』



亜里沙「あ、あ…………」

サイクロン『…………な、なに?』



凛がやった訳じゃない。
勿論、亜里沙ちゃんでもない。



サイクロン『誰が…………?』



ポツリと呟いた疑問。

呆然とする凛と亜里沙ちゃんとは違って、ドーパントはその姿を捉えていたみたい。
凛たちの後ろを睨むように見つめていた。

そちらの方から、声がする。
凛の疑問に答えるように、声が聞こえた。




「…………こんなところでそんなものを投げてはいけませんよ」

「危ないではないですか」



61 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:23:24.31 ID:n094tBnX0



サイクロン『っ!!』



声の方に振り返る。
そこにいたのは、




海未「遅くなりました、亜里沙」




海未ちゃんだった。
どこか空っぽな笑顔で、海未ちゃんは亜里沙ちゃんに笑いかけてた。
62 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:29:07.98 ID:n094tBnX0


亜里沙「う、み……さん……?」

海未「はい。すみません。用事を済ませてからでも間に合うだろうと思ったのですが……」



思ったよりも時間がかかってしまいました。

海未ちゃんは目の前の状況を放って、亜里沙ちゃんに話しかけていた。
って!



サイクロン『海未ちゃん!?』

海未「…………その声……凛ですか」

サイクロン『……凛ですかって……』



仮面ライダーの姿に大して驚いた様子もない海未ちゃん。
さっきの亜里沙ちゃんとは正反対なんだけど……。

凛がそう言うと、



海未「……穂乃果がなにか動いているのは知っていますから」



それだけ。
一言だけ言った。
63 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:36:07.83 ID:n094tBnX0


???『………………』スッ

サイクロン『っ、また!!』



凛たちの会話を待ってくれるわけもなく、ドーパントが動き出した。
今度は最初に凛の足元に投げた剣を、地面から引き抜く。
そして、ゆっくりと構えている。



サイクロン『亜里沙ちゃん! 凛の後ろに!』

亜里沙「は、はーー」




海未「その必要はありません」




凛に答える亜里沙ちゃんの言葉を遮るようにして。
海未は落ち着いた口調でそう言う。



サイクロン『その必要はないって!?』



なに言ってるの!?
凛の抗議の声を無視して、海未ちゃんは一歩前に出る。
凛よりも前へ。



サイクロン『って! 海未ちゃん!』

海未「…………」



凛を無視する海未ちゃん。
流石の凛もこれには腹がたって、海未ちゃんの腕を掴もうとしてーー





ーー ゾワッ ーー




64 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:37:50.01 ID:n094tBnX0
止めた。
それは海未ちゃんの横顔を見てしまったから。

ドーパントを見る海未ちゃんの横顔はーー





海未「……………………」





ーー寒気がするほど怖かった。
65 : ◆6cZRMaO/G6 [saga]:2018/02/21(水) 22:40:24.87 ID:n094tBnX0



???『………………』グググッ




ドーパントが構える。
剣を投げてくるのがハッキリ分かる。
今度こそ凛たちを殺そうとするのが伝わってくる。

身構える。
無意識に亜里沙ちゃんを庇おうとーー








ーーーーーー バシュンッ ーーーーーー

66 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:50:27.08 ID:n094tBnX0



ーー ドサッ ーー



サイクロン『………………』

サイクロン『……………………え?』




一瞬のことだった。

瞬きをする。
その一瞬で、終わっていた。

ドーパントだったその人物は、地面に横たわっていた。
その姿はもうドーパントのものじゃなくて、ちゃんとした人間に戻っていて。

後から話を聞くまで、それがガイアメモリを破壊されたからだってことはわからなかった。

その時、ひとつだけ分かったのは、




海未「………………ふぅ」




凛のすぐ隣にいた海未ちゃんがしたんだってことだけ。

確かに、穂乃果ちゃんから聞いてはいた。
海未ちゃんもガイアメモリを使ってるってことは……。

でも、目の前で起こったことは理解できないことだったんだ。





だって、海未ちゃんは『人の姿のまま』その『能力』を使っていたんだよ。





ーーーーーー
67 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:51:19.09 ID:n094tBnX0
ーーーーーー
68 : ◆6cZRMaO/G6 :2018/02/21(水) 22:51:56.11 ID:n094tBnX0
本日はここまで。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 10:33:42.70 ID:hzBKIEeGO
おつ
人間体でドーパントとかマジシャンの子を思い出す
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