【艦これ】こちら耳かきで安眠の、艦娘です。

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/21(水) 01:08:41.56 ID:dHluVzgi0
【黒潮】

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521562121
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 01:10:05.22 ID:dHluVzgi0

黒潮「あ!司令はん、遅かったんなぁ。ウチ、心配しとったんやで」

黒潮「ん?何を心配してたんやって?も〜、やーぱり忘れてはる。言うてたやんウチ、明日サプライズよういしとくって...」

黒潮「....その顔、なんも覚えてないんと違う?はぁ....まぁええよ。黒潮さんは寛大やから、司令はんが、なんも覚えてなくて、しまいにはこんな時間に帰ってきても、ウチは、なんも思ってません」

黒潮「.....嘘やて!そんなしょげた顔なんしんといてや〜。ほら、司令はん、いつもお疲れさん」

黒潮「そんなお疲れさんな司令はんに、黒潮からのサプライズプレゼント。なんやと思う?」

黒潮「え〜....わからんなんて言わんといてや...。なんかトンチの効いた答え期待しとったんに...。まぁ、ええか。ウチからのサプライズプレゼント、それは」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 01:11:00.14 ID:dHluVzgi0

黒潮「....んーやっぱ内緒や。なんや、勿体ぶらずにさっさと教えろって?はぁ....せっかちさんやなぁ。まぁおいおい、やね」

黒潮「....玄関でずっと喋ってるのもあれやし、はよぉ、あがったあがったで」

黒潮「あ〜、なんか最近また寒ようなったなぁ....。司令はん、風邪引いてへん?なんかここんとこ、くしゃみ多いやん?え、花粉症?なら大丈夫やな。大丈夫やないけど」

黒潮「さ、部屋に入った入った」

黒潮「あ〜〜。ぬくい....。やっぱ寒いよりあったかいのが一番や....。いや〜、司令はんが帰って来る前に部屋温めててよかったわ。秀吉さんの気遣い、現代でも通用するわぁ....」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:11:47.42 ID:dHluVzgi0

黒潮「.....なんでウチの向かい側に座るん?それも扉側に座って。寒いやん、そこ。はーよこっちきなさいな」

黒潮「....やっぱ人の温もりはぬくいわ....。司令はん、なんやいつもよりあったかいわ。まさか、やっぱ花粉症やなくて、風邪なんちゃう....?せやったらはよ病院行かんと....」

黒潮「へ?恥ずかしい...?...あはは!!なんや今更そんなこと気にしてるん?ウチとどんだけ長いこと過ごしてるん思ってるんや。初々しくて、こっちまで恥ずかしようなるわ....」

黒潮「あーー!もう!調子狂う!ほれ司令はん背中向いた!」

黒潮「そんな恥ずかしさ蔓延させるような、悪い病原体は、蓋せんとな。はい、アイマスク装着や」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:12:13.95 ID:dHluVzgi0

黒潮「これで真っ暗やんな。これで司令はんから、ウチのことは見えません。見えへんから、これから司令はんにされることは、ウチがやってるっていう証明はできへんで」

黒潮「ちょっとお腹周り失礼するで....」

黒潮「ん?抱きついてるのかって?....さぁ、司令はん見えてへんから、わからんやろ。ウチも知らんへんで....」

黒潮「....司令はん、太ったやろ。昔よりお腹周りが太ましようなってる気がするで。デスクワークはこれやからウチ嫌いなんや....」

黒潮「黒潮も前より太った....?アホ、なんてデリカシーのないこと言うんや。乙女心を傷つけるなんて....」

黒潮「ちょっとふくよかな方がええって言ってもな、限度ってのがあるんや。まったく、ウチやからええけど、ほかん子には言ったらあかんで」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:13:07.60 ID:dHluVzgi0

黒潮「幸せ太り同盟として、罰則かしたろ。明日からウォーキングや。ええな?拒否権なしや。スリム同盟締結するまで、ウォーキングやウォーキング」

黒潮「....のびーるのびーる、脂肪がのびーる....。司令はんのお腹がのびーる....」

黒潮「司令はん、ウチにもたれてや。遠慮せんでええよ」

黒潮「......」

黒潮「思ったより軽いわ。ごめんな太ったなん言うて....」

黒潮「ほな、ちょっと倒すで....。黒潮さんの膝枕や」

黒潮「......」

黒潮「司令はん、ここで問題。今、ウチどんな顔してるでしょーか」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:13:40.42 ID:dHluVzgi0

黒潮「.....にやけてるって?.....答え、教えんとこ....」

黒潮「今は膨れてるって....。....用意したアイマスク安もんすぎたんか...?アカンわこれ」

黒潮「えーはいはい全問正解ですよーだ。にやけて膨れましたー。全問正解の司令はんには、商品として....」

黒潮「あったかい濡れタオルで耳塞ぎます」

黒潮「ほーれ」

黒潮「....どうや、あったかい?なら、用意したかいがあったわ。秀吉さん見習ったんやで、とりあえず、全部あっためとけってな。ほーれぐーりぐーり」

黒潮「耳たぶから、溝をなぞって上に行く。そんで戻って、また上に行って....」

黒潮「....なんで呪文みたいに繰り返すんやって、思ってるやろ。手順書っていうのは、全部の物事には用意されてるんや」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:14:33.47 ID:dHluVzgi0

黒潮「そんなら、次はって思うやん?次はな、ほれ、耳の穴に.....」

黒潮「......」

黒潮「ゆっくり動かした方が落ち着く?せやったら、リクエストにお答えして、ゆっくり動かすわ」

黒潮「......」

黒潮「司令はん、口開けっぱやで」

黒潮「.....」

黒潮「......はいお終いや。あんま耳さんいじいじしてたら、腫れてまうやろ。しまいや、しまい。.....もうちょっとだけお願いって」

黒潮「はぁ、まぁええで。でも、もう少しだけやからな....。ほーれ、ぐーりぐーり....」

黒潮「.......」

黒潮「はい、本当におしまいや。あんま長いことやってたら、次に行かれへんやろ」

黒潮「もう少しだけ....?アホ、ちょっとはこっちの都合考えてや....」

黒潮「ゆーこと聞かん悪い子は、めっ!おでこアタックや」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:15:00.24 ID:dHluVzgi0

黒潮「懲りたらほんまにしまいや。ほら、寝返りうって、右耳上に向けてーや」

黒潮「.....」

黒潮「よーできました。えらいでー司令はん。よくできたいい子には、頭撫でたるからね〜」

黒潮「ほーれよーしよーし。えらいぞー」

黒潮「....感情がこもってへんって。あのなー感情込めたら、犬をよしよししてるみたいになるで?ええんか?犬扱いして?」

黒潮「それもそれでって、アホか」

黒潮「はい、よしよしタイム終了や」

黒潮「司令はん、次ウチ何しよると思う?まぁもうわかるか。膝枕して、耳拭いたら、もうわかるわな」

黒潮「わからんから教えてくれって.....。あんなぁ、面白がってるん?ほんま畜生やな....」

黒潮「ええか、畜舎には畜舎専用の接待ってもんがあってな、問題です。これから何を耳に突っ込まれるでしょうか」

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:15:31.57 ID:dHluVzgi0

黒潮「....箱の中身当てるみたいやな。まぁええか、ほな、行くでー」

黒潮「......」

黒潮「さぁ何やろなー?ヒントは、白色で、先端が丸いもの。そんで耳に突っ込むやつや。耳かゆいなーって時に使います」

黒潮「.....綿棒?んー、正解や。綿棒です。ウチは今、綿棒突っ込んでました」

黒潮「本当やったら耳拭いたみたいに外周からやけどね、まぁクイズやし、耳奥からでもええな」

黒潮「ほんじゃ続き、してくで」

黒潮「......」

黒潮「.....なぁ司令はん。ウチ思うんやけど、なんで季節って巡るんやろ」

黒潮「春きて、夏きて、秋きて、冬くる。そんで繰り返し。ずっとずっと」

黒潮「.....」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:16:19.20 ID:dHluVzgi0

黒潮「司令はん、どの季節が好き?.....夏?なんでや?」

黒潮「夏は汗かくことしても、なんも思われへんから?なんやその理由.....」

黒潮「......」

黒潮「てっきりむっつりスケベさんの司令はんは、薄着の季節やから、なんていうと思ってたわ」

黒潮「ウチは、夏はあんま好きやないなぁ....。暑いもん、空気がむしむししてて、年中サウナに入ってるみたいで、なんかイヤや」

黒潮「......」

黒潮「秀吉さんは、なんでもあっためとけって、言うとったけど、なんでもはアカンな。空気は澄んでいた方がええ」

黒潮「そんならウチは何が好きかって?んーウチは、秋やな」

黒潮「.....せやから太るんやぞって、思ったやろ。筒抜けや」

黒潮「そんなひどいこと考えるアホさんには、耳の奥に綿棒突っ込んだるからな....」

黒潮「......」

黒潮「秋ってさ、空気も澄んでて、程よく寒いやん。あと美味しいもんが多い....」

黒潮「栗もええなぁ。栗ご飯、おいしい。さんまもええなぁ、あとさつまいも。天ぷらにしたら、おやつや」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:16:58.47 ID:dHluVzgi0

黒潮「さつまいもの天ぷらにご飯は、ありえへんけど。どれもこれも美味しくって堪らんなぁ....。あぁさっさと春と夏過ぎてくれへんかなぁ」

黒潮「......」

黒潮「せやから、思うんや。季節っていうのは一つでええやんって。そしたらさ、みんな幸せや。太る子増えるし、ウチも隠れる。それは冗談やけど」

黒潮「季節が一つやったらさ、春に花粉で悩まされんし、夏に熱中症で倒れもせん。それに冬に雪かきだってせーへんですむ。リスクが一番少ない秋がベスト、なわけなんです」

黒潮「......」

黒潮「あ、でも司令はんは夏派か....。相容れへんなぁ。秋派の黒潮が仲間になって欲しそうに、司令はんを見てるで」

黒潮「えースリルがなくて秋はつまらんって....。なんや秋派はダメなんか....?」

黒潮「別に悪いわけやない、か」

黒潮「...... 」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:17:52.87 ID:dHluVzgi0

黒潮「なんか織姫と彦星みたいやな。あれってさ、働き者の2人が恋にうつつ抜かしよったから、神様が無理やり切り離したんやろ、確か」

黒潮「秋派の織姫は、おいしいもんが好きで、夏派の司令はんは、アクティブに動き回るのが好き。せやから、一年にちょっとしか会うことができん....」

黒潮「せやったら、間をとって、冬にしようか。春は、花粉がうっといから、ダメや。冬やったら、部屋あっためれば暑いし、食べ物は、美味しさがぎゅっと詰まって、おいしい」

黒潮「ウチら2人は、冬将軍一派に仲間入りや〜」

黒潮「......」

黒潮「せやったら、めんどいから季節が巡った方が、ええな」

黒潮「しゃーないなぁ....。ほんなら司令はんも、そろそろ頭回そっか」

黒潮「それじゃ、最後に、耳ふーするで」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:18:31.91 ID:dHluVzgi0

黒潮「.....。ふーー......」

黒潮「.....もっかい」

黒潮「.....ふーー」

黒潮「.......」

黒潮「司令はん、頭反対にしてや」

黒潮「.....」

黒潮「左耳はん、こんにちわ」

黒潮「芸が少なくてごめんな。また上から下にやってくで」

黒潮「.....」

黒潮「なんや、眠くなってきたなぁ....。思わずぶすって行ってしまいそうや」

黒潮「.....冗談やて。そないなことせーへん、せーへん」

黒潮「.....司令はんがよくしとる、デスクワークってこんな感じなんかな。最初のうちは、元気でも、だんだん眠なってきてって感じで」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:18:58.40 ID:dHluVzgi0

黒潮「......」

黒潮「ウチには無理そうやなぁ....。パソコンぴこぴこして、判子をぱんぱん打ってくなんて。せやったら、あんま好きでもない運動してた方が、まだ楽や」

黒潮「そー考えると、司令はんは、いつも頑張ってるんやなぁ。毎日毎日、お疲れさん」

黒潮「.....」

黒潮「実は、その溜まった脂肪は幸せ太りなんかやなくて、不幸太りなんちゃう?ストレスのせいで過食しすぎてたり.....」

黒潮「....それはない、ねぇ。ご飯が美味しすぎるのがあかんのか。せや、ウチと鳳翔さんが作るご飯はどっちがおいしい?」

黒潮「....鳳翔さんかい。そこは、ウチって言って欲しいなぁ。嘘でもなぁ」

黒潮「黒潮には、黒潮なりの味があるって、そんなうまいこと言ってもなぁ」

黒潮「.....愛情のスパイスがよく効いてる....。うまいこと言ったつもりなんか?.....いいこや、いいこ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:19:26.54 ID:dHluVzgi0

黒潮「......」

黒潮「なぁ、もう終わりにしたってええ?なんか、途中で投げ出したくなったんやけど....」

黒潮「飽きたって?違うで、今は司令はんの人間カイロが無性に恋しいねん。ぶよぶよお腹、って実はそんな太ってへんけどね。も少し、温もりが欲しいねん」

黒潮「あくびって人に移るやん。それて同じでさ、幸せも人に移るねん。司令はんの幸せがウチに移って、なんかもう、眠たなってきた.... 」

黒潮「また、今度に、左耳しよっか。そん時は、ちゃんとはよ、帰ってきてな。そしたら、ウチも寝ないですむから.....」

黒潮「.....おやすみ、司令はん」

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17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 01:21:59.95 ID:dHluVzgi0
こんな感じで進めてきます。提督は埋め込まず、自分を埋め込んでもらえると没入感が得られそうな気がするので、こんな感じです。リクエストの艦娘があったらどんどんどうぞ。頑張ってみます。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:32:43.52 ID:Hv+fL+deo
こういうのすき…
阿武隈をお願いします
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 01:38:38.15 ID:sS3k1pEj0
耳掻きで永眠インシデント待った無しの五月雨
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 03:11:38.99 ID:tVZ0ZDFD0
大鳳お願いします
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 07:35:31.90 ID:4fZljbhqO
神通さんを是非
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 09:29:26.30 ID:Q+83QsTYo
五十鈴をお願い
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 09:49:09.32 ID:6Lp53GgmO
磯風
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:19:30.19 ID:4uQxv9qM0
【阿武隈】
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:20:18.55 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「あ、いました!」

阿武隈「....ダメじゃないですか!お仕事中に抜け出して、こんな所でサボってちゃ.....。みんな探してましたよ?」

阿武隈「神通さんなんか、おかんむりで、後で思いっきり怒らないとって言ってましたからね...?あの人阿武隈なんかよりもずっと怖いんですから」

阿武隈「隣に、こい?....ダ、ダメ!ダメなんですよぉ!ほら、はやく執務室に戻って、尋問受けてください!」

阿武隈「.....なんで毛布用意してるんですか?それに、わざわざ縁側に座って、外眺めているんですか...」

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 12:20:50.61 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「はぁ....用意周到ですね。最近は雨続きで寒いですから、合理的って言えば、合理的ですけど。でも!ダメなものはダメなんです!!ほらはやく....」

阿武隈「耳がかゆい....?わたしの話、聞いてました?.....まぁ雨の日は耳はかゆくなりますけど....」

阿武隈「あ!だから寝っ転がらないでください!!.....30分だけって、もぉ....わたし、どうなっても知らないですからね」

阿武隈「.....」

阿武隈「阿武隈は帰らないの、ですか?.....うーん....。帰っても、いいですけど、どうせサボるなら2人の方がいいじゃないですか....?」

阿武隈「どうせ暇だったら耳かきしてくれって....。もう!人をいいように使ってぇ!」

阿武隈「....時間の使い方が勿体無い?....それも、そうですよね。たしかに、非効率的ですから、時間を提督に費やすのも、悪くはないですね.....」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:21:36.92 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「でも綿棒も耳かき棒も今は持ってないですし.....。あっ!でも代わりになるのがたしか.....」

阿武隈「.....道具も揃ってるなら、わかりました。右左、15分ずつです。それじゃ横、失礼します.....」

阿武隈「提督は、上むいたままでいいですよ。....へ?なんで膝枕じゃない、ですか....?」

阿武隈「.....だってスパッツの上に乗せたくないじゃないですか.....。スパッツ、雨の日蒸れるんですよ....?だったらこうして一緒に寝っ転がる方が、効率的なんです....」

阿武隈「ふわぁぁ....。眠く、なりますねぇ。雨の音聞きながら、こうして転がってると....。提督毛布、少しください....。窓側は寒いです.....」

阿武隈「.....それじゃ、耳かき、しますね。って言っても、擬似的な耳かき棒、なんですけど....」

阿武隈「擬似的な耳かき棒は、ポケットティッシュを細く丸めた、こよりです。これなら、かゆいところにまで、こよりが届きますよ」

阿武隈「それじゃ、サボリ魔の右耳に向けて、こより魚雷発射....」

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:22:46.52 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「.....今のは忘れてください。思い出すと痛いから....」

阿武隈「......」

阿武隈「かゆいのは、奥の方ですよね。.....これ、いいんですよ?かゆくなったら、いつでもかけますから、ポケットティッシュは常備しておいた方が、合理的ですよ。鼻もかめますし....」

阿武隈「......」

阿武隈「たぶん提督の耳の中で、ごりごりって鳴ってると思います....。.....わたしがこよりで耳をかいてるときの顔って、こんな顔なのかな.....」

阿武隈「間抜け面、ですよぉ?提督」

阿武隈「......」

阿武隈「なんで、そんなこと知ってるのか、ですか.....?」

阿武隈「.......」

阿武隈「雨の日、でもそうでもない日でも、わたし達艦娘って、水に縁があるじゃないですか....。ほら、出撃しちゃえばもう水の上、です」

阿武隈「.....こよりエピソードに、特別な出来事なんて、何もないですよ。まぁそうですね.....。それは、夏の日です」

阿武隈「......」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:23:55.88 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「夏の日って、太陽がさんさんと照りつけて、日焼け止めべったり塗らないと、日焼けで大変なんですよね.....。海の上ですから、反射した太陽の光に挟まれて、オーブントースターにでも、いるみたいなんですよ.....」

阿武隈「それに、びっしょりとかいた汗でべとべとになって、髪の毛も軋んで、もういいことなんて何もないんですよ.....?」

阿武隈「そして、そんな夏の日の訓練終わりって、もう最悪で、あぁどうにでもなれ〜って自暴自棄になるんです

阿武隈「髪型なんて、知ったことか....!わたしはこの汗と潮で軋んだ髪をどうにかしたいんだ.....!って」

阿武隈「夏はだから嫌いなんです..... 」

阿武隈「.......」

阿武隈「訓練が終わると、だいたい暇そうにしてる大和さんが、ラムネを持ってきてくれるんです.....。バケツいっぱいに氷水と、ラムネを入れて。おつかれさまです〜って言いながら....」

阿武隈「みんな疲れてますから、甘くてしゅわしゅわした飲み物、それにきんきんに冷えてる....。そんなの用意されたら、疲れなんて吹っ飛んで、大和さんに飛びかかるんです。はやく頂戴、って。まるで鳥の雛、みたい....」

阿武隈「受けっとったラムネは、綺麗ですよね。炭酸が弾けてて、気泡が宝石みたいに輝いてる。それもたくさん....。そして上のビー玉を押し込んで、炭酸を喉に流し込む.....」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:24:27.49 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「急ぎすぎてて、飲み口から弾けちゃう人もいますよ.....。それを慌てて口に頬張ったり....」

阿武隈「.....夏は嫌いですけど、この時だけは好きです。.....はやく夏にならないかなぁ.....」

阿武隈「......」

阿武隈「飲み終わったら、みんな倒れちゃうんです。コンクリートは熱せられて、熱いのに。わたしもなんですけどね....」

阿武隈「そうしてると、大和さんが面白そうに、してくるんですよ。なんだと思います....?」

阿武隈「......」

阿武隈「大和さん、けっこう子供っぽいですよね.....。バケツの水、わたしにかけてきたんですよ。それも面白そうに」

阿武隈「それを見ていた駆逐艦の子たちが、真似してわたしにかけてくるんです。......北上さんの気持ちが少しだけわかる気がします....」

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 12:25:14.30 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「そんなことされたら、わたしおこですよ。もうぐちゃぐちゃな髪型でも、この後お風呂に入るからオールOKだとしても、おこはおこです.....。でもそんなこと気にしないで、水、かけてくるんです」

阿武隈「わたしも負けじと、水をかけるんです。そうしてると、バケツの水って大して入ってないじゃないですか。もう空になったなぁ....ってわたしが思ってると、ホースを引っ張ってきた大和さんがいて.....」

阿武隈「てんやわんやですよ。てんやわんや.....」

阿武隈「......雨、少し止みましたね.....」

阿武隈「.......」

阿武隈「もう、みんなびたびたになって、どうにでもなったわたしは、大和さんからホースを借りて、頭に思いっきり水をかけるんです」

阿武隈「.......」

阿武隈「髪の毛から水を絞って、さぁお風呂に行こうって思った時、わたしの耳の中が変だったんですよ。そう、耳に水がっ!って....」

32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:26:18.54 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「耳に水が入ったら、提督はどうします?やっぱり、入った耳の方を下に向けて、ジャンプですか?わたしもそうしたんですよ。でも、中々取れないじゃないですか....」

阿武隈「.....あっ、また雨が降ってきた....」

阿武隈「......」

阿武隈「この季節の雨って、春時雨って言うらしいですよ。....雨が好きな人の名前が入ってますよね.....」

阿武隈「.....耳を澄ましたら、雨音に混じって聞こえてきそうですね。雨が好きな人たちの声が....」

阿武隈「.......」

阿武隈「それで、わたしがジャンプしてたら、それよりも、もっといい方法がありますよって、大和さんが言うんです」

阿武隈「なんですか、それって言うと。提督は、もうわかりましたよね。こよりです。こよりを渡されて、これで耳の水をとるんですって....」

阿武隈「そうしたら、あっという間に耳の水がとれたんです。その時に、わたし気がついちゃったんです。じゅわーって、耳の中に音が広がったんですよ。それが気持ちよくて、わたしはもうこよりの虜です....」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:27:16.15 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「......提督も、体験してみます?ほら、雨の中に行って、耳を空に向ければ......。じょーだんですよ。ふふ.....」

阿武隈「......」

阿武隈「右耳はこんな感じですね」

阿武隈「それじゃ最後に耳に、ふーします」

阿武隈「......いきますよ〜」

阿武隈「.....ふーー.....」

阿武隈「.....耳元で囁かれると、ぞわぞわしませんか....?えへへ、やっぱり、しますよね....」

阿武隈「ふーー」

阿武隈「......不意打ちです。こういうのは、得意ですからね」

阿武隈「はい、片耳、おしまいです。反対に.... 」

阿武隈「......移動するのめんどくさいです。提督う伏せに、って、あたし的には、OKだけど、それじゃ提督息苦しいですね」

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:27:44.69 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「.....回転しましょう。わたしも回って提督も回れば、向きが変わって万事よしです」

阿武隈「......寒いですから、せーのでいきましょう」

阿武隈「じゃあ、せーーの!!」

阿武隈「とりゃー!!」

阿武隈「.....どうですか、わたしの作戦、効果的でしたよね?向きも変わってて」

阿武隈「よくやった阿武隈って.....。えへへ、褒めても何もでないですよ〜」

阿武隈「んふふ。それじゃ、続きしましょう!」

阿武隈「.....それじゃ、ゆっくりいれますね」

阿武隈「.......」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 12:29:02.27 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「.....阿武隈のあー、っはどっう書くのっ?こーかいて、こーかいて、こーかっくの....」

阿武隈「阿武隈のぶー、っはどっう書くのっ?こーかいて、こーかいて、こーかっくの....」

阿武隈「阿武隈のまー、っはどっう書くのっ?こーかいて、こーかいて、こーかっくの....」

阿武隈「......」

阿武隈「.....尻文字ならぬ、耳かき文字.....」

阿武隈「......」

阿武隈「なんで、わたしってスパッツ履いてると思います?提督」

阿武隈「.....正解者には、スパッツでの膝枕が景品です....」

阿武隈「.....スパッツが好きだから.....?ぶー。ハズレです。ハズレ賞は、何もありません.....」

阿武隈「......」

阿武隈「正解は、スパッツの方が、楽だからです」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:29:56.76 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「何が楽、ですか?.....ほら、汗とかかくと、服ってびしょびしょになるじゃないですか。それに、冷えると居心地悪くて。わたし的には、それがOKじゃなかったんですよ」

阿武隈「....みんなすごいよなぁ。わたしはイヤだったから、スパッツに逃げたのに.....」

阿武隈「実は、由良さんも、大鳳さんも同じ理由だったりして。脱げば一瞬、それに出撃中は楽。.....みんなスパッツにすればいいのに....」

阿武隈「.....意外、ですか?案外ズボラだなって....」

阿武隈「......」

阿武隈「なんで、提督がここにいるって、わたしが思ったのか、気になりません?ほら今だって、みんなまだ提督を探しているのに、誰も来てない....」

阿武隈「なのに、わたしがいる。不思議、ですよね、思えば。.....ここで阿武隈クイズです。正解者には.....今日ずっとここで阿武隈とサボれるチャンスが贈呈されます」

阿武隈「.....なんでだと思います?提督?」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 12:31:27.08 ID:4uQxv9qM0

阿武隈「....ぴんぽーん。正解です。わたしも、ここでサボる人だからです」

阿武隈「ここなら、誰にも見つからない。提督も、それを知っててここにいるんですよね。離れで、縁側があって、部屋は小さい。とびっきりの穴場です」

阿武隈「......」

阿武隈「わたしたち、後で神通さんに怒られますね.....。まぁいっかぁ....赤信号、みんなで渡れば怖くない、ですね。赤信号、見たことないですけど」

阿武隈「......提督、今日は、もうこのままここでサボっちゃいましょう。どうせ誰にも見つからないですし」

阿武隈「休息をとる、だいじです。阿武隈らしくない?......わたしだって、たまには、いいんですよ」

阿武隈「それに髪型崩れたし、直すのは、今日はめんどくさいです。わたし癖っ毛ですから、雨の日は億劫なんです」

阿武隈「これで、髪型直しに時間がかかる理由がわかりました?癖っ毛が直毛にするのは、大変なんです」

阿武隈「......提督と、わたしがやる気ないのは、ぜんぶこの雨のせいです。だから悪くない、なら、もうサボっちゃいましょう.....」

阿武隈「それじゃ、眠る前に、左耳にふー、します」

阿武隈「......」

阿武隈「.....ふーー.....」

阿武隈「......」

阿武隈「.....提督、お昼寝しましょっか.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:35:15.36 ID:4uQxv9qM0
昼寝用です。阿武隈さんはあまりイメージしたことないので、チャレンジ精神でやってみました。あとやってほしい艦娘の方と、季節を入れてもらえれば、それに応じて作るので、今からですみません。どんどんどうぞ。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:37:47.62 ID:k1ts8o8r0

リクエストは羽黒、季節は春でお願いします
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 12:38:11.62 ID:4uQxv9qM0
それと基本一日一人って考えてます。暇な時は昼もやりますし、基本は夜です。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 16:17:13.69 ID:SvWdXQ27o
龍田さんを…
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 16:56:48.82 ID:nXe5Pi+E0
霞か曙
気の強い子が見てみたい
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:17:42.31 ID:4uQxv9qM0
【神通】
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:19:52.52 ID:4uQxv9qM0

神通「帰ってきましたか.....。提督、そこに正座してください」

神通「なんで、ですか....。それは、自身の心中に問いてください。そうすれば、きっとわかりますよ」

神通「.......謝るなら、最初からやらなければいいことじゃないですか....はぁ、いいですよ、もう。過ぎたことですし。お風呂、沸いてますよ、あとご飯もできてます。どちらから.....」

神通「私、ですか....?別に構いませんけど、私は何をすればいいのでしょう....?ご飯もお風呂も全て終えてますし、何か問題があるなら、片付けます.....」

神通「冗談が通じてない....?ごめんなさい、私そういうのは言ってもらわないとわからなくて.....。やっぱりいい?.....提督の考えることは、私には、よくわかりません.....」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:23:09.95 ID:4uQxv9qM0

神通「ご夕飯ですね。了解しました。今日は、ハンバーグを作ってみました。テレビで作りかたをやっていたので、たまにはと思い。さっ、早く上がってください.....」

神通「え?どんな作りかた、ですか?.....なんでも、よくこね過ぎないのがいいと、言っていましたね。それと弱火でじっくり火入れするのが良いとも.....」

神通「ぜんぶ逆、ですか?こねてこねるのがいい、あと強火で一気に、ですか....。すみません、やはりテレビはあてにしない方が良かったです....。すみません....」

神通「でも今更作り直せませんし、今日のところは、ご勘弁を....。さっ、提督は座っていてください。私はごはんを装いますから」

神通「.....エプロン姿、似合ってる。ですか.....」

神通「........」

神通「ご飯は多め、少なめ、どちらが.....。普通、ですね、わかりました」

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:23:58.22 ID:4uQxv9qM0

神通「......ふーんふふーん♪」

神通「.....提督、どうぞ。いつも少し残す癖がありますから、今回は少なめです」

神通「では、いただきます」

神通「.....ハンバーグは、どうですか?いつもより、おいしいですか。それは良かったです.....」

神通「やはり、テレビのレシピはあてになりますね。これからはこうやって作りましょう.....」

神通「提督、おいしいからって早食いはダメです.....。よく噛んで食べてください」

神通「ご飯のおかわり、ですか?量は.....。はい、普通ですね」

神通「.....ふーふふーん♪」

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:25:42.60 ID:4uQxv9qM0

神通「.....提督、どうぞ。おかわりするのは構いませんが、提督はおかわりすると、少しだけ残す癖がありますから、少なめです」

神通「.....提督、今日はどこでサボっていたのですか?.....いえ、怒っているわけではなくて、単純に興味を持って....」

神通「言えない....。なるほど、人には言えないこと、ですか。なら結構です」

神通「.......」

神通「.....離れの小屋でサボっていたのですか。はぁ、あそこは物置き部屋だったのに、いつの間に改築したのですか....。まぁ、今回は見逃します。たまには、休息をとるのは必要なこと、休息をとるのも、仕事のうちですから、その間は、この神通が頑張ります。ですから、提督は気にしないで休憩を.....」

神通「.....いえ、怒ってないですよ?声が恐い?.....ごめんなさい、つい自然と....。気をつけます.....」


48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:27:16.23 ID:4uQxv9qM0

神通「....それで一人であの離れにいたと.....。阿武隈さんと、一緒に、ですか.....」

神通「......おかわり?.....自分で装いに行ってください。あと私の分もお願いします。少なめで。たまには運動したらどうですか」

神通「.....怒ってる?さぁどうでしょうか。怒っていると思うなら、それ相応の対応というものがありますよね。いえ、別に強要はしていません。ただ誠意は言葉で示す前に、行動が先だと、私は思います」

神通「.......」

神通「はい、ありがとうございます」

神通「.....ふふ。冗談ですよ。そんなに怯えないでもいいじゃないですか。たまには、私だって冗談の一つはつきます。.....笑えないからやめて、ですか。.....さじ加減が難しいですね」

神通「まぁ提督にあれこれ言ってもしょうがないですから、事の真相は阿武隈さんにきっちりと聞きます。......わかってます。そんなに怒りませんってば.....」


49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:28:31.19 ID:4uQxv9qM0

神通「.....ご馳走さまです」

神通「.....皿洗い、提督がしてくださるのですか?.....なら、お願いします」

神通「私は、そうですね。少しだけ、準備を....。なんの準備、ですか?さぁ、内緒です」

神通「.....提督、やはり私も手伝います。なぜ、ですか?いいえ、ただなんとなくです。イヤ、ですか.....?ふふ、冗談です。イヤと言っても手伝う所存です」

神通「......これくらいのさじ加減の冗談は、大丈夫ですか?.....なら良かったです」

神通「さ、テキパキと進めましょう。後がつっかえてます。私は皿を洗います。提督は洗い流してください」

神通「......提督はエプロンしないのですか?....忘れていた、ですか。なら着た方がよろしいですよ」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:29:27.95 ID:4uQxv9qM0

神通「......蝶結びができない.....?....ぷっ!!あはは!!ご、ごめんなさい!ちょっとだけ....。ダメ!あはは!!」

神通「そんな笑わなくてもって言われても!ごめんなさい!!ついツボに入ってしまって!!」

神通「深呼吸、深呼吸.....。ふー.....。はい、これで大丈夫です。提督、後ろ向いてください。私が結んでさしあげます」

神通「......ぷっ!」

神通「いえ、笑ってないですよ。気のせいです。さっ早く始めましょう」

神通「.......」

神通「.......」

神通「......何も喋らない、ですか?いえ、私は集中していたので、特には感じませんでした。.....なにか、すみません」

神通「......」

神通「.......」

神通「.......蝶結びができない、ですか」

神通「いえ、何も」

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:47:56.83 ID:4uQxv9qM0

神通「......」

神通「......おしまいです。提督、後はよろしくお願いします。神通は色々と準備が.....」

神通「.......」

神通「.....蝶結びができないなら、靴はどうやって結んでいるのかしら....」

神通「.......」

神通「......提督?終わりましたか....。なら、こちらにどうぞ....」

神通「......いえ、隣に座るのではなくて、太ももに頭を乗せてください」

神通「.....なんで、ですか?いえ、これから提督に耳かきを....。もう、阿武隈さんにしてもらった....」

神通「明日、問いただすことが増えましたね....」

神通「.....提督、正座してください。えぇ早く」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:48:50.77 ID:4uQxv9qM0

神通「提督がもう耳かきを終えているなら、私がしてもらいます。耳かきを」

神通「だから、早く正座してください」

神通「......失礼します」

神通「.....太もも、硬いですね。私のなんかよりも....右側からお願いします.....」

神通「竹耳かきがテーブル上にあるのが見えますか....?そう、それです。優しく、ゆっくり入れてくださいね....」

神通「.....人に耳かきするのは初めて、ですか.....。私は那珂ちゃんや川内姉さんにしたことがありますけど、提督はそういったことは....。ありませんか。男同士だったり、兄妹でとかもない」

神通「....不安になってきました。.....大丈夫、ですか。なら、提督を信用します」


53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:49:59.12 ID:4uQxv9qM0

神通「好きにやってみてください。髪の毛が邪魔だったら、避けてもらって....」

神通「.....そう。そんな感じです。あまり、奥の方は突かないでくださいね。痛いですから.....」

神通「......私の耳の中ってどうですか?やはり、汚かったり.....?そんなことない?なら、良かったです.....」

神通「.....耳の中って自分では見えないですから、少し不安になって。.....言うではないですか、耳かきはしない方がいいって。綿棒も入れない方がいいって.....」

神通「.......」

神通「体は洗えます。頭も、爪の先も。歯だって磨けます。毎日綺麗にしてるから、汚れていないという、保証が付くではないですか.....」

神通「それなのに、耳だけはできない。それでは、神通は不安なんです。やっていないなら、できないのも同然なんですから」

神通「考えすぎ、ですか?いえ、考えないと、私は気が済まないので.....すみません」

神通「......」


54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:50:32.91 ID:4uQxv9qM0

神通「女子がお化粧するのと似てますね。見えるところは、せめて良くしておきたい。人から見えるところは、綺麗に保ちたい.....」

神通「......」

神通「耳かきは、する方であって、される方ではなかったのですけど.....癖になりますね、これ....」

神通「何度も何度も、くるわけです.....」

神通「......人の温もりに、直に触れているから、でしょうか....。提督の体温が、妙に心地いいです.....」

神通「.....私って、冷え性ですから。女の人は大体が体温は低いだそうですけど。男の人は、違うみたいですね」

神通「.....暑いと冷たいのが欲しくなる、ですか。.....なら、丁度よかったです....」

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:51:38.73 ID:4uQxv9qM0

神通「......」

神通「.....そろそろ、反対にしていただいても、いいですか?すみません」

神通「あ、最後に.....。耳に、息を吹きかけてもらっても、いいですか.....?いつも、私はするんです。だから、されてみたいなぁ....と」

神通「いえ、別に無理にとは言いません。耳は加齢臭の原因だったり、しますし....」

神通「.......」

神通「.....吐息が、熱いです。.....なんだか、すごく緊張、します....」

神通「......」

神通「.....んっ.....」

神通「......」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:52:32.92 ID:4uQxv9qM0

神通「......ごめんなさい。もう一回だけ、いいですか.....?」

神通「.......」

神通「.....んぁ....」

神通「........」

神通「提督、あの、もしよろしかったら....。いえ、なんでもないです.....」

神通「....いえ!本当に、なんでもないです....」

神通「言わないと、次に進まない.....?」

神通「......」

神通「.....頭なでてください」

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:53:08.61 ID:4uQxv9qM0

神通「.......」

神通「......なんだか、心を掌握されたみたいです」

神通「.....牙を抜かれた虎、ですか?虎、というのは、私のことですか.....?みなさん私を鬼だ虎だなんて言いますけど、心外です.....」

神通「.....そろそろ反対に。はい、お願いします....」

神通「.....不思議な光景です。人のお腹がこんな近くにあるなんて、中々ないですから」

神通「.....触っても、いいですか?太ってるからダメ?....提督は太ってないですよ」

神通「やられっぱなしは、私的に癪なんです。触ります」

神通「......」

神通「.....なんだか想像通りで、面白みがないですね」

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:54:35.94 ID:4uQxv9qM0

神通「.....だからって、私の頭を撫でるのは.....」

神通「......」

神通「.....その、頭撫でながら、耳かきできますか.....?」

神通「.....やってみる。.....信用してますね、提督」

神通「......」

神通「.....ダメになりそうです。自堕落に....。だから、その、やめてもらっても.....」

神通「.....ダメですか。なら、仕方ない、ですね.....」

神通「.....提督、明日、桜を見に行きませんか?えぇ、明日です」

神通「.....OKですか。なら、明日は、書類は午前中に仕上げましょう。会議関係は、阿武隈さんに丸投げして、二人で、たまには.....」

59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:56:05.87 ID:4uQxv9qM0

神通「......でも、雨が降った後ですね。もしかしたら、雨で桜が全部落ちてたり.....。それはない?それも、そうですね.....」

神通「......」

神通「落ちた桜の花弁は、どうやって消えていくのでしょう。春風にのって、どこか遠くに行くとしても、私たちが見れなくなるだけで、無くなってはいない.....」

神通「.....なら、土に還る。でも、誰もその瞬間を見たことはないですよね.....」

神通「地面に落ちた桜たちを見て、神通は思うのです、いつも。実は、消えてなくなるのは、風に乗って、どこか一つの島に集まっているのではないかと.....」

神通「そこでは、桜の妖精がいつも春の心地の中、やってきた桜吹雪を迎えていて、お祭りをしている....。そんな所に、行ってみたいなと、思うのです。たぶん一面ピンクで、明るくて、楽しい所だと、思います」

神通「......メルヘンチック、ですか?ふふ、意外ですか?これが乙女心ですよ」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:57:05.42 ID:4uQxv9qM0

神通「......」

神通「普段は、こんなこと話さないのですけど、なぜでしょう。ついつい口が滑ってしまいました」

神通「なんで話さないのか、ですか。.....それは、恥ずかしいからです。鬼の神通が、そんなメルヘンチックなことを考えているなんて知られたら、笑わられてしまいます。.....鬼の神通は、心外ですけど」

神通「今日は、そうですね。そんな日です。ついつい、喋りたくなってしまった、そんな日です。提督に、心を掌握されたせいですよ」

神通「.......」

神通「また、耳に.....。はい、お願いします....」

神通「.....その、手を握って.....。はい、ありがとうございます.....」

神通「.....あと、頭を撫でながら.....。すみません....」

61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:58:11.10 ID:4uQxv9qM0

神通「.....注文が多い、ですか....。言わないと、伝わらない、から、です.....」

神通「.....はい、お願いします.....」

神通「.......」

神通「.......」

神通「......もう一回」

神通「......」

神通「.......」

神通「.....その、ありがとうございます....。なんだか、明日はすごく頑張れそうな気がします」

神通「.....少し、眠ってもいいですか?このままで....。10分だけでいいので。そのあと...お風呂に入りましょう.....」

神通「えっと、私が眠っている間はその.....」

神通「....はい、お願いします......」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:59:52.64 ID:4uQxv9qM0
続きからです。また明日更新します。新妻神通さんの雰囲気が出てたら大成功です。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 20:06:50.37 ID:NQuQ3ZPI0

とても素晴らしい
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 20:15:34.05 ID:41HmHWL/o
おつ
あぶぅ生きろ
すばらしい
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 21:03:07.08 ID:4uQxv9qM0
あと次回から季節ごっちゃにします。いつまでも春のままだとネタがつきるので.....。リクエストには艦娘の方と、季節を乗せてもらえればこっちでがんばります。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 21:29:51.03 ID:Hv+fL+deo
乙乙
阿武隈とても良かったありがとう……
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 00:53:43.29 ID:zWV2jr8q0
白露で名前の元ネタ的に 秋で
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