清霜「Saxophone Colossus 」

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5 : ◆0rjCWOlcd8we [sage saga]:2019/05/09(木) 17:34:56.87 ID:0g5bjTyFO
4月31日 午後3時20分
鎮守府 間宮の食堂

あの日以来清霜はどこか上の空だった
同室の朝霜も、食堂でよく一緒に甘味を食べる大和も武蔵もそれに気づいていた


「清霜、最近様子が変だぞ どうかしたのか?」

「そーだぜー なんか上の空ってかなんてゆーか」

「清霜ちゃん... 何か悩みあるの?」

「...」

「清霜?」

「ねえ武蔵さん」

「なんだ?」

「私...」

息を呑み彼女は言った

「ジャズやりたい」

「!!」

「はあ!?」

「えっ!?」

この返答には皆驚きを隠せなかった

「わたしね、この前の演奏見て思ったの」

「...」

「私もああなりたい、音で自由に表現したい! 世界一のプレーヤーになりたい!」

彼女は武蔵に真剣な眼差しを向ける
この目は本気だと武蔵は感じた、だからこそこう言った

「清霜、あの道はやめたほうがいい」

「えっ...?」

「お前の思っている以上に茨の道だ 何百人、いや何万人もその道を目指したが... 達成できるのはほんの数人だ」

「それでもお前はやりたいのか? 投げ出さないんだな? 途中で泣きつけないぞ?」

「私... あの音楽が好きになっちゃったの」

「ほう?」

「あの日以来頭から離れなくて、毎日聴くようになってそれで思ったの」

「私、ジャズ好きなんだって」

「...そうか」

「武蔵さん、私どうしたらいいいかな? どうやったら私はなれるの?」

「...清霜、今すぐ私の部屋に来い」

「へ?」

「いいもの見せてやる」

おもむろに武蔵は席を立ち部屋に戻っていった

「あっ! 武蔵さん待って!」

慌てて清霜も席を立ち追いかけていった


「...武蔵さんなに見せんだろ?」

「あのね朝霜ちゃん」

「ん?」

「実は武蔵は...」
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