阿良々木月火「もうお兄ちゃんうるさい!!」阿良々木火憐「ぶっ飛ばすぞ!!」

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8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/13(火) 23:10:48.70 ID:BpNphpLIO
「故に選ばなかったのじゃろう?」
「たとえ選んだとしてもの話だよ」

例えばあの時火憐ちゃんを選んだとしよう。
火憐ちゃんをお嫁さんにしようとする僕を、必ず正義の下、月火ちゃんが裁く筈だ。
その逆もまた然り。それこそが正しい。

「やれやれ。我が主人さまは自罰的すぎる」
「なんなら、お前が裁いてくれてもいいぜ」
「裁くと言っても心渡で三枚おろし、じゃ」

三枚におろしてくれたら、火憐ちゃんと月火ちゃん、それから忍のぶんも確保出来るな。

「かかっ。博愛主義者のつもりか?」
「3人の僕がそれぞれ大切な人を想うのは博愛主義とは言わないだろ。大目に見てくれ」
「大目に見る。すなわち曇りなき眼じゃな」

悪を大目に見ること。
悪に目を瞑ること。
悪を見逃すこと。

それが恐らく、長くこの世界を彷徨った忍の境地であり、曇りなき眼なのだろう。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/13(火) 23:13:36.33 ID:BpNphpLIO
後日談というか、今回のオチ。

「曇りなき眼と言えば」
「なんじゃ?」
「いや、もののけ姫では結局、森と人間、どちらも選ばなかったんだよな」

アシタカは結局、どちらも選ばず、どちらの味方にもならず、それでいてちゃっかりサンと良い仲になっていたことを思い出した。

「アシタカは実は悪党なのかもな」
「かかっ。しかし不思議なことに女という生き物はどうしてか悪党に惹かれるものじゃ」
「どうして悪党に惹かれるんだ?」
「悪党は、身内には優しいからの」

確かに優しいというか甘いイメージはある。

「お前も身内には甘いのか?」
「儂が、というよりも主人さまの血は甘かったよ。今思い出しても、実に甘美じゃった」

じゅるりとよだれを垂らす忍に僕は囁いた。

「お前の血も、甘かったよ」

すると忍はこの時を待っていたとばかりに。

「じゃが、儂のおしっこはしょっぱいぞ?」
「ちなみに僕の肥やしは糞みたいに苦いぜ」
「フハッ!」

いい感じに、オチならぬウンチがついたな。

「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「もうお兄ちゃんうるさい!!」
「ぶっ飛ばすぞ!!」

忍の愉悦につられて哄笑する僕に正義の鉄槌を下す妹たちは曇りなき眼じゃなくたって誰の目から見ても正義であり、誇らしかった。


【肥物語】


FIN
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/14(水) 19:58:31.27 ID:RCy6pzVd0
フハッまで読んだ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/14(水) 22:58:05.00 ID:g3KCryo10
>>1>>8まで読んで
俺「(この人文章力あるな〜)」

>>9を読んで
俺「ってあんたかい!ww」

乙でしたww


あとリクエストしていい?
ゴールデンカムイでss書いてくれ、うんこと相性いいぞww
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/07/16(金) 20:45:56.07 ID:HHo7aQtFO
>>11
お読みくださりありがとうございます。
ゴールデンカムイは未視聴未読でして、もしも書けそうなら書いてみますね。
面白そうな作品を教えて頂き感謝です。
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