長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」(再・改)1(ネギま!×とある禁書)

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1 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q [saga]:2022/01/26(水) 01:48:53.23 ID:PRrtfKOz0
ネギま!サーガ終幕予定?記念リバイバル上映です。

元スレ
長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368805523/
長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」2(ネギま!×とある禁書)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384882889/

その他
見滝原に微笑む刹那(まど☆マギ×ネギま!)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491067306/

詰まり、昔私が投下した作品なのですが、本音の所を言いますと、
その時ペース配分を間違えて
最後の最後にアホほど解説入れ込んで致命的にグダつかせると言う大失敗をやらかしまして、
この際と言いますかこの期に乗じてと言いますか、すっきり投下し直したいと。
更にそこに便乗して、基本はそのまんま部分的な修正改訂加筆訂正もしれっとやってしまいましょうと。

それで支度をして見たら想像以上の物量とこちらの個人的事情で、
まあ、タイミング的には名目の割には中途半端なものになりそうな最後まで締まらない話ですが。
二週間前カウントダウンにこじつけて、ぼちぼち投下を始めます。

思えば、元スレの連載中に「UQ HOLDER!」の連載が始まって、
おおー、ネギま!の続きかよ、なんて事もありました。

そんなこんなで、基本、既に出来てる作品のドカスカ投下と言う感じになります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1643129332
2 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 01:52:53.27 ID:PRrtfKOz0

改めまして作品の前書き

「魔法先生ネギま!」と映画「エンデュミオンの奇蹟」(とある魔術の禁書目録)
のクロスオーバー作品です。

ネギま!の終盤からのサザエさん時空が映画の時期にリンクしています。
ネギま!側がメインの進行になります。
ネギま!一通りと禁書の映画(と前提になる禁書)観てないと厳しいと思います。

正直言って、自分の禁書の知識、地雷あるかも(汗)、
ご都合独自解釈もありますが、爆炎上げて吹っ飛んでる様でしたら、お手柔らかに

原作映画よりも日数が多いのでは、と感じられたならばそれは気のせい、
ではないです只の御都合です。

それでは本作の投下、スタートです。
3 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 01:56:04.07 ID:PRrtfKOz0

 ×     ×

一見すると、ちょっと変わった姉弟、と言った所だろうか。
姉の方は、日本人の目線で言えば白人ハーフの日本人を普通に連想させる
流れる様なロングの金髪も美しいすらりとした美少女。

弟の方は、その意味ではこの辺では珍しくないだろう赤毛の白人少年。
年齢は精々が十代前半かそれよりも下だが、
きちんとスーツを着こなしているのが変わっていると言えば変わっている。

それでは姉の方はと言えば、
見る人が見れば結構な金額になる装いをセンス良く着こなしている。
丁度お茶の時刻、ロンドン市内のオープンカフェで落ち合ったそんな二人は、
実際の所は姉弟と言う訳ではない。

「いかがでしたか、ネギ先生?」

金髪の美少女が尋ねた。

「有意義なお話しが出来ました」

ネギ先生と呼ばれた男の子がそう言ってにこっと微笑む。
金髪の美少女雪広あやかならずとも天使の微笑みと言う表現に躊躇は要らない。
回りくどい表現をしたが種も仕掛けも無い、正真正銘ネギ・スプリングフィールド先生である。
スコーンでミルクティーを楽しみながら、話を続ける。

「夕食の席で改めてお話ししたいと。
先方への取り次ぎに就いても色よい返事を頂きました」

「まあっ」

あやかが目を輝かせた。

「でも、よろしかったのですか?」

あやかが話を続けた。
4 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 01:57:24.64 ID:PRrtfKOz0

「色々と事情があると伺いましたが。
やはり、わたくしのカードを使うのが確実だったのでは…」

「いえ、カードを使えば発覚してそれに対抗される、
最悪、それだけで宣戦布告とみなされてしまう。そう思った方がいい相手です。
それに、この先、どれだけ困難でも誠意をもって向き合わなければならない相手ですから」

ぐっ、と前を見るその表情を、あやかは優しく、そして惚れ惚れと眺めていた。

「それでいいんちょさん」

「はい、ネギ先生」

「お願いがあるんですけど」

「なんなりと」

「はい。それでは、僕も勉強はしたんですが、
改めて少し、日本の古文を教えていただけないでしょうか?」

「え?あの、ネギ先生?」

「はい」

「あの、確か、イギリス紳士であるネギ先生が
こちらの方と面談なされたのですよね?」

「ええ、そうなんですが」

 ×     ×

「メイゴ、アリサ、ですか?」

「知らんな」

長谷川千雨にとって、想定された通りの反応が返って来た。
場所は麻帆良大学工学部、葉加瀬聡美の研究室。
返答したのは桜咲刹那に犬上小太郎。
葉加瀬聡美は千雨、刹那と同じ女子校麻帆良学園中等部三年A組の生徒であるが、
大学にも研究室を許された天才科学者の一面も持ち合わせている。
5 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 01:58:58.44 ID:PRrtfKOz0

「歌手のARISAの本名、って言っても余計分からなくなりそうだな」

そう言いながら、千雨が自分のノーパソを操作してアリサのサイトを映し出す。
そこに映し出されたのは、自身のキーボード演奏と共に歌うアリサの路上ライブの映像だ。
歳は千雨の一つ二つ上か、容姿は可愛いと言っていいだろう。

「…いいですね…」

刹那が言った。

「こういう歌は余り聴かないのですが、何と言いますか、いいです」
「あー、俺もそうや。そういうテレビとか見ぃへんけどなぁ。いいなこれ」

「ああ、歌手って言ってもマイナーだからな。今ん所路上やネットがほとんどだ。
実際いい歌だよ。何て言うか心が洗われると言うか、
例えば、アクセスランキングなんて詰まらないものに囚われて、
アリサのサイトにウィルス送り込んでやろうとか掲示板荒らしてやろうとか、
そんな邪な心を抱いたとしてもこれを聞いたらすっきり洗い流されるってぐらいいい歌だ」

「確かに、何かがありますね」

刹那が続ける。

「魔力的なものではありませんが、質のいい御詠歌を聞いた後の様でもある、
歌そのものの力なのでしょうか」

「そうですね、確かに脳科学的な音波、周波数のパターンの見地からも、
この歌に関するある程度の見解は出せるのですが、
やはり、そうした科学の領域を留保した感覚的なものがあるのではと」

刹那と聡美がそれぞれの見解を述べた。

「で、ひょんな事からこのアリサと知り合いになったんだ」

「千雨姉ちゃんがか?」

「ああ」

少々退屈の虫がうずき始めた犬耳ワンパク小僧犬上小太郎の問いに千雨が応じる。
千雨が「ちう」の名前で運営しているウェブサイトでARISAを紹介した所、
「ちう」の愛読者だったと言うアリサ本人からのアクセスがあり、
非公開のやり取りをしている間柄だった。
6 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 02:00:37.99 ID:PRrtfKOz0

「未来のステージ衣装の事とか色々話している中で、
アリサの部屋撮り写真を何度かもらったんだが」

そう言って、千雨はプリントアウトした写真を何枚か取り出して刹那、小太郎に渡す。
当初は何と言う事も無く目を通していた二人が、眉をぴりりと動かし始めた。

「いるな」

「ええ、いますね」

写真に目を通す二人の呟きを聞きながら、聡美が室内の大型モニターを操作する。
そこに映し出されたのは千雨が受け取ったアリサの部屋の画像だったが、
モニターの中でその部屋の窓が徐々に拡大される。
その作業が、別の部屋撮り画像で幾度か繰り返される。

「なあ、何に見える?」

「魔法使い」

千雨の問いに、刹那がぽつっと応じた。
既に、刹那からは珍しい友人からの招きに寛いだ雰囲気は消え失せ、
その眼差しは頼もしい仕事モードだ。

「だよなぁ」

はあっと嘆息した千雨は、バリバリと後頭部を掻く。

「確定的な結論を出すには元の画像の質が不足していましたが、
分析結果として現時点で確実に言えるのは、対象は人間、判明している限り三人です」

聡美が説明した。

「変態コスプレストーカーにしちゃあ気合いが入り過ぎてる」

「只のコスプレやなかったら西洋魔術師やな」

千雨の言葉に、小太郎はややウキウキとした口調で言った。
只、刹那の周辺に洋の東西と外見とのマッチングに少々問題があるケースが無いではないのが引っ掛かる。
7 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 02:02:12.94 ID:PRrtfKOz0

「場所は、どこですか?」

「科学の学園都市だ」

千雨の言葉に、刹那と小太郎が顔を見合わせた。

「おかしい」

刹那が呟く。

「科学の学園都市がどういう場所だか、長谷川さんはご存じですよね?」

「まあ、表に出てる程度の事はな。
街ぐるみで最先端科学を研究してる実質的な独立国家」

「科学覇権主義、と言ってもいいですね。
今や、世界の科学技術そのものがあの都市のお下がりも同然。
それでいて、物理的にも法的にも厳重に閉ざされたブラックボックス」

聡美が言った。

「インターネットも、少なくとも科学の学園都市側からの発信は
何重にも検閲されています、想像を絶する技術で。
簡単に言えば、向こう側の人間でも害の無い限り支障はありません。
しかし、単純な単語検索を初めとして、
把握される流出情報の質や悪意のレベルに合わせて、エラーを偽装した差し止めから逆探知まで
直ちに対応出来るシステムになっている、と、
これが当たらずとも遠からじな実情であると私は把握しています。
加えて、そもそもソフトもハードも何世代も先に行っていますから、
基本的なものはとにかく、サブ的なものは、
向こうではそれが普通でもそんなものをうっかりこちら側に送られたら」

「ああ、まるっきり解読不能、下手すりゃ開いた途端に冷凍庫、何回か引っ掛かったよ」

聡美の言葉に千雨が応じた。
8 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 02:04:52.01 ID:PRrtfKOz0

「より閉鎖的なのは魔法との関係です」

刹那が言った。

「端的に言います。科学の学園都市に魔法使いは立ち入れません。西洋東洋問わずです」
「そうなのか?」

「そうです。余りにも進みすぎた科学の学園都市の科学技術と魔法の技術。
それが交わる事で生ずる現実的、政治的な影響は未だ計り知れないと言う事で、
現時点では、少なくとも外交関係が成立している魔法の勢力は
科学の学園都市には関わりを持たない。その旨の協定を結んでいます」

「一時期はあったみたいなんですけどね」

聡美がデコを光らせながらくいっと眼鏡を直す。

「人間の能力に関して、彼らの科学は魔法を受け容れない。
どうも現時点ではそういう結論に達しているらしいんです」

「この辺じゃロボがうろうろしてるってのに、違うモンだな」

「ええ。こちらはそれこそ魔法を科学するのが流儀ですから、
その流れで色々と話を聞く事もあるんですけど。
一時期向こうでもそのギャップを埋める研究も進められていたらしいんですが、
事は人間の能力と魔術に関わる事です。
研究者のアングラ情報では何かイギリスで凄惨な犠牲が出て立ち消えになったと言う話も聞いています」

「人体実験で人体爆発もやらかしたのかよ」

「恐らくその線だと思います」

「取り敢えず、魔法関係でアリサさんが何か付きまとわれている可能性がある、と」

「そういう事になるな」

刹那の言葉に千雨が同意する。
9 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 02:06:05.65 ID:PRrtfKOz0

「分かりました。少し心当たりを当たってみます」
「ああ、そうしてくれると助かる」

千雨が感謝を示し、刹那が頷いた。
一般人でいたい筈の長谷川千雨だが、今やネギ・パーティーと言うべき魔法勢力にどっぷり浸って
ついこの間夏休みがてら世界一つ救出して来た所だ。

そのネギ・パーティーの誰よりも頼りなく誰よりも頼もしいリーダーである
ネギ・スプリングフィールドは、十歳の少年にして飛び級卒業の千雨の担任教師であるにも関わらず、
ここ暫く、夏休み明けからずっとろくに学校にも来ておらず接触する機会が乏しい。

マイナーでも歌手が相手でもある。
千雨の周囲に事欠かない、火力はあってもやかましい面々は余り巻き込みたくない。
だからと言って、現在の実質的な担任とか色黒ノッポな巫女とか恐怖心が先に立つのもあれだ。

等と考えている内に、当面の相談相手としてこの人選に至ったと言う事だ。
人間としては誠実そのものである刹那はもちろん、元はいっぱしの悪ガキをやっていた小太郎も、
喋っていい事と悪い事の区別ぐらいは付くだろう。
見た所、裏側の知恵もある。何よりも半端なく強い。

 ×     ×

「よう」

「いらっしゃい」

麻帆良大学工学部を後にした千雨は、夕食後に女子寮の665号室を訪れ、
住人である村上夏美と挨拶を交わしていた。

「よっ」

「ああ」

リビングで、つい先ほど顔を合わせていた小太郎とも挨拶を交わす。
本来この部屋は村上夏美、那波千鶴、雪広あやかが住人であり
小太郎が暫定的に居候している状態であるが、
最近、夏美以外の元々の住人、特にあやかの外出は頻繁なものだった。
10 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/01/26(水) 02:14:28.46 ID:PRrtfKOz0

「いらっしゃい」

「ああ」

にこっと微笑む那波千鶴に千雨が挨拶を返す。
ゆったりした部屋着の上からも、やはり圧倒的な胸のボリューム、
だけではない、年齢さしょ…とにかく緩やかでいながら圧倒的に大人びた何かがある。

「どうぞ」

「ああ、ありがとう」

途中で思考を強制的な切り替えた千雨が、ウーロン茶を用意した千鶴に頭を下げる。

「珍しいな、そっちから呼び出しって」

「それはお互い様やけどな」

「まあ、確かに。さっきの件か?」

「ああ」

小太郎の表情は真面目なものだった。

「ちぃと、まずいかも知れんな」

「と、言うと?」

「問題は、刹那の姉ちゃんが言うてた心当たり、や」

「知ってるのか?」

「多分な。千草の姉ちゃん所で小耳に挟んだ。
だとすると、逆の目に出るかも知れん」

「何何だよ一体?」

珍しい奥歯に物が挟まった様な小太郎の言葉に、千雨が苛立ちを覗かせる。
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