安価でSCP収容

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21 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 14:42:34.25 ID:rfjrUrxdO

「俺は48だ」

「39」

「私は……36です」

その流れで各自の年齢を申告する。
上から富士野、森住、私だ。

「に、25……です」

そして顔を青くして三宅が言う。

今のところ、安全が確認された年齢は32と30。
影響範囲が及ぶ年齢に下限があるタイプのオブジェクトと仮定すれば、コトが起こった時に矢面に立つのは彼女という事になってしまうと気付いたのだろう。

「……影響がない範囲が小さく区切られている、というパターンもあり得ます。そちらを考慮すると、安全な年齢との差は私の方が小さくなりますね」

見ていられず、つい意見を出す。

「そうだな。つまりオブジェクトに動きがあった時はお前たち2人に主に働いてもらう事になる。頼んだぞ」

もっとも、藪蛇に終わったようだったが。
22 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 14:54:41.85 ID:rfjrUrxdO

ともかく、これで新たにオブジェクトの性質が判明した。

■ 対象Bは、4m以内に接近した少なくとも57歳以上の人間に異常性を発揮する

■ 対象Bに曝露した人間は、肉体の一部が刃物に変化する

■ 対象Bに曝露した人間は、凶暴化し対象Bに対して怒りや憎悪を抱き攻撃を開始する

■ 対象Bに曝露した人間は、肉体的な頑強性に変化はなく容易に処分が可能

■ 対象Bに曝露した人間同士は、今のところ互いに興味を抱いていないように見える



オブジェクト達を覆っていたヴェールはその大部分が剥がれてきたと言える。

だが、と私は今一度気を引き締めた。
この任務では、こういったタイミングが、何も分かっていない時と同等に危険なのだ。
謎を暴いたと油断して警戒を緩めた同僚が、突如として死より恐ろしい現象に飲み込まれる……そんな光景を私は数度目にしてきている。
23 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 14:57:51.82 ID:rfjrUrxdO

私はチラリと時計に目を落とした。
対象Aが繰り返す攻撃は、そろそろ1時間に及ぼうとしている。
先ほど確認した損傷を念頭に置いて注視してみると、対象Aの動きは徐々に、しかし明確に鈍り出していた。


>>下1 チームの行動
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/21(土) 15:44:53.98 ID:8+faHUk9O
対象Aを鎮静化、対象Bから距離を離して対象Aに記憶処置を実施する
25 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 18:54:28.89 ID:7alGVdzk0

「とりあえずは、対象Aへの対処を提唱する。明らかにそう長くはもたなさそうだ。行動変化に繋がりかねない以上、今のうちに鎮静化させ確保しておくべきだろう」

3度目の提案は富士野だ。
理屈の通ったものであり、反対の声は上がらない。
むしろ全員が積極的に賛成し、案を煮詰めて無力化を目指すことで一致した。

対象Aの発生がもっと特別な条件が必要で”再生産”が困難であれば違った意見もあっただろうが、既にDクラス2名の変異が確認されている。
対象Aは唯一無二のサンプルとは到底言えず、ここで失ったとして問題は何もなかった。
ここで対象Aの異常性を除去し無力化できるのならば、安全性の観点から見れば狙わない理由はない。

となれば、と私は頭の中で筋道を立てて発言した。

「これまでの情報を踏まえると、薬品が効かないという事は恐らく無いでしょう。鎮静剤、あるいは麻酔を投与し抵抗能力を奪い、対象Bの効果範囲外へ牽引した後、記憶処理剤による精神影響の除去を試みる……というプランでどうでしょう」

「特に問題はないように思う。それで行こう」

案はすんなりと通り、新たな行動は遅滞なく実行に移された。
26 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 19:07:18.02 ID:7alGVdzk0

「対象Aの意識喪失を確認。よし、こっちに引きずってきてくれ。対象Bとの距離に注意しろよ」

作戦の序段は特に問題なく完了した。
対象B以外に注意を払わない背中に麻酔銃を命中させるのは実に容易く、そして麻酔の効果も正常に発揮された。
命中から数分の時間をおいて対象Aは昏倒し今やアスファルトに身を横たえている。
麻酔銃に対する反撃にも警戒していたが、結局倒れるまでこちらに視線を向ける事さえなかった。
当然、牽引も全く抵抗なく行える。

対象Bから20mの位置まで運ばれた対象Aは、まずその体を拘束された。
両肘から伸びる斧は重ねて束ねる形でまとめられ、強靭なワイヤーで厳重に縛り付けられている。
実際に確認した斧の鋭利さでは到底切り裂ける強度ではない。
また、両脚も縛り付けられており、凶暴性をたもったまま意識を取り戻したところで芋虫のようにのたうつ以上の事はできないだろう。

「よし。ではクラスA記憶処理剤を投与する」

そうなった対象Aに森住が首元の血管から記憶処理剤を投与した。
これもやはり、何の問題もなく行われる。
27 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 19:17:21.35 ID:7alGVdzk0

そのまましばし、対象Aの麻酔が切れる時間を待つ。

とはいえただ棒立ちで待っていたわけではない。
これまで得られた情報をまとめ、後方への通達を同時に行いながらだ。

結果として、対象Bの収容の目途が立った。
おおよその性質と効果範囲がほぼ確定し、確保の妨げとなる対象Aがこうして拘束できた以上、障害は最早ない。
4m以内に人間が進入しないよう重機と大型コンテナを用いて移送すれば安全だろうとの判断が下ったのだ。
こうなれば後は機材の到着を待てば良いだけとなった。
もちろん油断は出来ず、三宅は対象Bの監視に注力する事となったが。



さて、そうして時間が経過した。
重機が到着し、コンテナ内の環境を整えだした頃、対象Aの様子に変化があった。

「ぅ……っ、あ」

どうやら意識を取り戻したようだ。
28 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 19:27:28.71 ID:7alGVdzk0

「寺田さん。寺田秀一さん。わかりますかー?」

富士野が屈みこみ、対象Aの名前を呼んで意識を確認する。

「あああ、あああぁあぁぁ、うぁ、ああああ!」

「寺田さん、落ち着いてください、大丈夫、大丈夫ですよー」

「ああああ! ああああああ! いいいいぃぃあああ!! うぅぅぅぅ!!」

「……これはダメそうだな」

しかし、どうやら精神影響の除去は叶わなかったようだ。

対象Aの叫びからは知性の類は感じられない。
まるで獣の雄叫びそのもので、そこに含まれるのは怒りと憎悪だけだ。
頭を限界まで持ち上げ、口の端から泡立つ涎をこぼし、対象Bを睨み続ける様からもそれは明らかだろう。

私達は顔を見合わせ、互いに首を横に振った。
29 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/21(土) 19:32:05.77 ID:7alGVdzk0

(……ん?)

と、その時だ。
私はふと、対象Aの様子が若干変化した事に気付いた。

「あぁ、ぁ……うぁ、あああ……!」

叫びに含まれる感情に違うものが混じり始めている。

嘆き。
あるいは悲しみ。
そう呼ぶべきものが、激しい怒りの陰から漏れ出している、ような。


>>下1 対象Aに対する行動
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/21(土) 20:18:40.39 ID:WStYR2RWo
拘束したまま対象Bの四メートル以内に持っていって反応の変化を見る

(Aが範囲にいないとBが凶悪化すると見た)
31 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 08:53:48.04 ID:Kj0ngkiY0

「対象A、様子が変わったように見えます」

その気付きを、私は即座に共有した。
こういった時に最もまずいのは、気のせいだろうなどと勝手に判断し変化の兆候を見逃してしまう事だ。
勘違いだったならば後で笑えば良い。
オブジェクト絡みで悪い事態が引き起こされてしまったならそれすら出来なくなるのだ。

私の発言を受けて、富士野と森住が対象Aを覗き込む。
そして同時に表情を引き締めた。
2人とも、私が感じたと同じように対象Aの呻き声から嘆きや悲しみを見て取ったのだろう。

「対象Bから引き離した事が原因か? 戻してみるか」

「処分してしまった方が確実では?」

富士野が案を出し、森住が反対し対案を出す。
森住の銃口は対象Aの額に向けられ、いつでも発砲できるよう引き金に指がかかっていた。
32 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 09:01:00.18 ID:Kj0ngkiY0

「いや、私は前者の案に賛成したい」

「……む」

それを、私は止めた。

確かに森住の言う通り、安全面だけを考えれば対象Aは処分してしまった方が良い。
唯一無二のサンプルでないと確かめられた現状では無理を押して保護する理由はない。

だが、対象Aは本来全く異常性のない一般人である可能性が極めて高く、つまりはただの被害者だ。
記憶処理による影響除去には失敗したが、回復が完全に見込めないとはまだ言えない。
ここで殺害してしまうのが正解だとは私には思えなかった。
財団職員として余計な感情ではあるのだろうが。



対象Bの監視を行っている三宅はここに居ない。
賛成2、反対1で富士野の案が可決された。

「よし。大塚、頼めるか」

富士野に頷きを返し、私は拘束されたままの対象Aを台車に乗せて運び始める。
33 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 09:08:10.11 ID:Kj0ngkiY0

そうして、対象Aは対象Bの効果範囲内に戻された。

「あぁ、あぁぁ……」

しかし、対象Aの悲嘆は収まらない。
むしろ強くなったようだ。
目の前の対象Bの見上げ、そこに手を届かせられない事を嘆いている……ように見える。

「鎮静化、はしているみたいですね……」

対象Bの至近に居た三宅が私の横に立ち、対象Aを覗き込んで言う。

彼女の言葉通り、対象Aの嘆きが強まるにつれて凶暴性は消えていくようだった。
斧を振ろうと暴れる回数はどんどんと減っていき、今はもう随分と大人しい。
34 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 09:16:18.25 ID:Kj0ngkiY0

「あぁぁ、ぇぁ……う、うぁ、えぁ」

「え?」

対象Aの漏らす呻きは徐々に弱く小さくなっていく。
そしてその代わりに、何か意味のある音に変化しつつあるように聞こえてくる。

「うぅ、ぁ、れた」

「……意識が回復しつつある?」

「どうでしょう……。寺田さん。寺田さん!」

三宅が呼びかけを試みるが、対象Aがこれまで同様こちらに注意を向けない。

「も、ぉらない…………り、ぁえ、せない」

対象Aの声はいよいよ言葉になろうとしていた。
しかし、そこに含まれる感情は、いっそ呪いと呼んでも良い程に色濃く変わっている。



>>下1 対象Aに対する行動
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/22(日) 10:22:05.74 ID:FQ2WpUUso
このままサイトに収容すればいけそう
範囲年齢から外れていると思われる人員で対象Bの移動を試みる
36 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 13:23:11.15 ID:Kj0ngkiY0

が、その変化を私は問題ないものと見なした。

対象Aがどれほど呪いじみた感情を見せたところで、既に腕の斧は無力化されている。
拘束を解く事が出来ないならば何を言おうが関係はないだろう。

「ぬすまれ、た、ぬすまれた、ぬすまれた……!」

「盗まれた? どういう事でしょうか」

「さぁ……しかし鎮静化はしているようだし、このまま収容も可能そうですね」

私がそう言うと、三宅は困惑の様子を見せながらも首肯した。
今回の任務はこれで終わりだろう。
対象Aはこのまま運べば良く、対象Bは重機とコンテナに任せれば良い。

安堵の息が、ふう、と漏れる。
37 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 13:29:16.29 ID:Kj0ngkiY0

「あぁ、あぁ、かえってこない……とりかえせない」

ちょうど支援チームの準備も整ったようだ。
重い音を立てて接近する重機を見やり、片手を上げる。

「もうもどらない、にどと、にどと、にどと……!」

その間も対象Aは嘆き続ける。
いよいよしっかりとした言葉になってきていたが、やはり私は特段の対処を行わなかった。
38 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 13:31:36.21 ID:Kj0ngkiY0

そしてそれが。

「かえせ、かえしてくれ、ぬす、ぬすんだ、わたしの───」

どうしようもなく、致命的な失敗だった。


>>下1 コンマ

0-1 頭
2-3 首
4-5 胸
6-7 腕
8-9 脚
39 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:13:06.39 ID:vY8L/LAJ0

■ 自分で踏んで書きます
40 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:25:19.31 ID:vY8L/LAJ0

「わたしの、あしを、かえしてくれ……!」

その言葉を耳にした瞬間、私は自分の体が倒れていくのを理解した。
地面が急速に近付き、踏みとどまる事が出来ない。
どころか、私の下半身から全ての感覚が失われていた。

「っ!?」

「うぁっ!?」

咄嗟に腕で受け身を取ったものの、アスファルトに体を打ち付けた衝撃で一瞬思考が止まる。
隣では同様に、三宅が地面に転がっていた。

「かえってこない、かえってこない、もうにどと!」
41 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:30:27.65 ID:vY8L/LAJ0

「大塚! 三宅! 何があった!」

異変に気付き、富士野と森住がこちらに注意を向ける。

「あぁ、かえせ! かえしてくれ!」

混乱する私達の耳に、吐き出され続ける対象Aの嘆きが届く。
対象Aの声量は徐々に大きくなっていくようだった。
今はもう、離れた位置の2人にも届いてしまうだろう。

原理は分からない。
だが、何かまずい事態が進行している事だけは理解した。
そしてそれが、対象Aの「脚を返せ」という言葉をきっかけに引き起こされた事も。

「ぬすんだ、わたしの───ッ」

ならば2度目を発させてはならない。
ただそれだけを閃いて、保持し続けていた小銃の引き金を引く。

対象Aの頭部に3つの穴が開き、数度の痙攣を経て沈黙する。
頑強性にはやはり変化なく、対象Aは間違いなく死んだようだった。
42 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:38:32.41 ID:vY8L/LAJ0

オブジェクトの処分を確認してから、富士野と森住は私達に駆け寄ってきた。
富士野は三宅を、森住は私の体を支え起こし、尋ねる。

「状態を報告しろ!」

「あ、脚の感覚がありません。そこに何もないみたいに───」

「───あ?」

そして三宅が返答した瞬間に、2人もまた地面に倒れ込んだ。

もがく2人の下半身はピクリとも動いていない。
出来る事は、腕で体を支えて上体を持ち上げる事だけだった。

「な、なにが……」

三宅が口を開き、そしてすぐに閉じる。
掲げられた富士野の手を目にしたためだ。

ハンドサインで示された指示は「音を立てるな」というもの。
この場合はつまり、言葉を発するな、という意味だろう。
43 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:43:20.73 ID:vY8L/LAJ0

私はようやく、自身の判断の誤りを理解した。

オブジェクトの異常性を甘く見た。
特定の人間の体を作り替え、凶暴化させるだけのものと油断した。
その結果がこれである。

悔恨に沈みながら、急速に遠ざかり退避していく支援チームの判断に安堵する。
今ここに近付くべきではない事だけは確かだろうから。

私達が何らかの異常性に感染した事は、最早明らかだった。


■ 挑戦を終了します
44 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:44:43.25 ID:vY8L/LAJ0

■ オブジェクトの性質公開

https://dotup.org/uploda/dotup.org2928868.txt.html

パスワード:sssokuho
45 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:46:11.24 ID:vY8L/LAJ0

■ そのうち流れるので直接書き込み(内容は上と同じ)

アイテム番号: SCP-238-SS
オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:
SCP-238-SSは低脅威度保管ケースに格納した状態で、10m×10m×10mの施錠された部屋の中央に、高さ4.5mの架台に乗せて安置されています。
また、収容室はそれ以外の区画から、完全防音が可能な隔壁によって隔離されます。

室内に無許可の人員が立ち入る事のないよう、2名以上の警備員を出入口前に常駐させます。
警備員は全身を防刃スーツで防護し、一般的なヒューマノイドを確実に殺傷可能なだけの武装を装備させ、聴覚が機能しない状態を保つ必要があります。

SCP-238-SSを用いた実験は現在凍結されています。

年齢が満55歳以上の人間はSCP-238-SSの周囲半径4m以内への接近が許可されません。
この条件に該当する人物がSCP-238-SSに暴露した場合、対象との対話を行わず、ただちに終了処分を行います。



説明:
SCP-238-SSは、モンゴロイドの男性を模した全身彫刻です。

全高180cm、重量75kgで、外見から推測される骨格構造は一般的な黄色人種と変わりありません。
検査により、SCP-238-SSは石膏を素材としている事が判明していますが、重量の異常の原因は判明していません。

SCP-238-SSは頭部が破壊されない限り、最長で1秒以内に完全に再生します。
頭部が損傷した場合は2分から3分をかけてゆっくりと頭部を再生し、頸部にまで再生が至ると瞬間的に全身の再生が完了します。
再生中であっても後述の異常性は継続して発揮されます。

SCP-238-SSの主たる異常性は、その周囲半径4m以内に満55歳以上の人間が進入した場合に発生します。
対象(以下SCP-238-SS-Aと呼称)はSCP-238-SSに対する強烈な不快感を抱き、SCP-238-SSを積極的に攻撃しようと試みます。
この際、SCP-238-SS-Aの肉体の一部あるいは全体が鋭利な刃物へと変形します。
肉体的な頑強性には変化が見られず、変化部位も鋭利ではあるものの脆く、一般的な銃器による破壊や殺害は容易です。

この変化は瞬間的に完了するため、変化の抑止に成功した例はありません。
また、変化部位の切除や破砕はSCP-238-SS-Aの即時の死亡を引き起こします。
SCP-238-SS-Aは変化前の性格や気質に左右されず極めて高い凶暴性を発揮します。
SCP-238-SS-Aは変化の度合いに関わらず発声能力や言語能力は保持していますが、対話の試みは現時点で全て失敗しています。

SCP-238-SS-AはSCP-238-SSを破壊する事に強い執着を示し、あらゆる手段を用いて破壊を試みようとします。
しかしSCP-238-SSの再生能力のために目的を完遂する事が出来ず、最終的には破壊の失敗を嘆きながらその場からの逃走を図ります。
この時、SCP-238-SS-Aは例外なく「体の一部が盗まれた」「取り返せない」「もう二度と戻らない」といった意味合いの言葉を発します。
この盗まれたとする主張と変化部位との相関関係は、現時点では存在しないものと見られます。
SCP-238-SS-Aは逃走を阻害する障害物や生物に対して積極的に変化した部位を用いた攻撃を行いますが、変化前から所持していた武装等を攻撃に用いた例はありません。

SCP-238-SS-Aの発した音声を聞いた人物(以下SCP-238-SS-Bと呼称)は、SCP-238-SS-Aが喪失したと主張する部位の感覚と機能を永続的に喪失します。
この異常は伝染し、SCP-238-SS-Bが部位感覚や機能の喪失を報告した場合、それを耳にした人物もまたSCP-238-SS-Bへと変化します。
SCP-238-SS-Bの異常性は発声能力の除去、あるいは対象部位の切除により無力化できる事が明らかになっています。


20■■/■/■■ 追記

収容担当者の指摘により、SCP-238-SSの表面の色彩に変異が発生している事が明らかになりました。
収容初期の映像と比較して、ごく僅かに赤みを帯びている部位が複数発見されています。
これらはSCP-238-SS-Aが「盗まれた」と主張する部位に集中しており、また、主張が複数回行われた部位の変異はより大きいものとなっています。

SCP-238-SSに未知の異常性が存在する可能性が懸念され、計画されていた実験は全て中止、凍結されました。
現在、SCP-238-SSのオブジェクトクラス変更に関する審議が行われています。
46 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:50:53.06 ID:vY8L/LAJ0

【挑戦結果】


■ 対象Aは、処分されました

■ 対象Bは、性質を暴く事に成功したため支援チームが無事収容しました

■ 初期収容チーム4名、大塚、森住、富士野、三宅は両脚の感覚と機能を永久に失いました

■ 初期収容チーム4名は、両脚を切断し異常性の除去に成功した後、記憶処理を受けて財団を退職しました
47 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 15:53:37.51 ID:vY8L/LAJ0

■ 次のオブジェクトの収容に挑戦しますか?

>>下1
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/22(日) 16:09:31.96 ID:IkBtxsWVO
挑戦する
49 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 16:12:26.44 ID:vY8L/LAJ0

■ 挑戦継続、オブジェクトをランダム生成しています
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/22(日) 18:38:41.69 ID:cS9ALRqCo
音か……こーれsafe詐欺です
たんおつ
51 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 20:33:42.63 ID:r0eOFbpVO

■ 新たなオブジェクトが発見されました



正常な物理法則に反した異常な物品や現象、いわゆるオブジェクトというものは出現場所を選ばない。
故にオブジェクトに対する財団は様々な機関に情報収集のためのエージェントを潜ませている。
警察、病院、役所、時には極一般的な商店街の一店舗にさえ。

今回財団に入った情報はそういったエージェントの1人から送られたものだった。

エージェントが潜伏していたのは病院である。
報告者によると、この地域は他地区と比較して優位にホームレスの急性アルコール中毒が多いのだという。
しかも、そうして運び込まれた者のうち半数近くが似通った証言を行うらしい。

いわく、山ほどの酒を持った子供達に宴会に誘われた、のだとか。

実際に一風変わった夜遊びにふける少年グループが存在するという可能性もある。
が、その程度の疑念であっても財団は調査を行う。
初期収容チームが選抜され、付近の捜索に派遣された。
52 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 20:46:10.41 ID:r0eOFbpVO

「……黒い球体?」

『はい。黒い球体です。直径は目測で2mほど。地面から30cmほどの位置に浮遊して静止状態を保っています』

が、見つかったのは意外なものだった。
所有者が死亡し放棄された廃屋の中に、異常な球体が浮いているのを初期収容チームが発見したのだ。

『また、表面には複数の亀裂が入っています。破裂や崩壊、亀裂拡大の兆候は今のところありませんが、隙間から虹色の光が漏れています』

財団支部にて現地チームから連絡を受け、本事案の責任者である私は、どうしたものかと頭を抱えた。
何しろ。

「しかし、映像を見る限りそのようなものは確認できないが」

『どうやらこの球体は肉眼のみで視認できるようです。持ち込んだ全ての機器を試しましたが、撮影できません』

現地に行かなければ目で見る事さえ出来ない物であるらしいので。
53 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 20:55:09.35 ID:r0eOFbpVO

ともあれ、異常なオブジェクトが見つかったならば対処しなければならない。

現地に居る初期収容チームは3名。
全員が20代の男で、都市部での捜索であるために装備は最低限のものだ。
計器類は所持しているものの、服装は丈夫だが街に溶け込める通常のもので、武器も隠し持てる小型の拳銃が精々だ。

そして現場は廃屋。
これは所有者が既に無く放棄されているだけに過ぎず、荒らされた様子や崩れる心配は無い。
チームからの報告によると、何者かが立ち入ったような足跡などの痕跡は確認出来なかったとの事だ。



さて、それではこの球体を前にしたチームにどう指示すべきかと、私は頭を回転させた。

>>下1 初期収容チームへの指示
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/22(日) 21:52:49.71 ID:cS9ALRqCo
二十四時間の観察
時間帯で変化があるかの確認
55 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 23:08:18.87 ID:XdgTa3lI0

少しの思考の後に一旦の結論を出す。

まずはともかく情報が必要だろう。
球体に余計な刺激は与えず観察を行うべきだ。
何らかのアクションを起こすにしても、性質の一端ぐらいは知ってからにしておきたい。

「現地チームはその場で待機。球体の観察を行ってくれ」

『了解』

「とりあえずの観察期間は24時間、定時報告は15分毎に設定する。映像に残せない以上、君達の感覚だけが頼りだ。些細な異常も見逃さないよう留意するように。補給と周辺封鎖はこちらで用意しておく」

通信越しの指示を終え、続いて後方支援の手配に移る。
今回のカバーストーリーは楽で良い。
現場が廃屋という事なら、劣化による崩壊の危険があるとでもでっち上げれば封鎖はスムーズに進むだろう。
追加の装備を運び込む必要が生じたとしても、解体用の機械に紛れ込ませれば幾らでも誤魔化しが効きそうだった。
56 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 23:19:45.95 ID:XdgTa3lI0

そうして……24時間は何事もなく経過した。

「変化なし、か」

『はい。球体の色、サイズ、位置、亀裂の状態、光量、いずれも一定のままです』

ふぅむ、と息を漏らして私は目の前の画面を眺めた。
表示されているのは件の球体の3Dデータである。
現地チームが正確な観察のために作成した物だ。

それは彼らの証言と同じく、黒い球体だった。
直径2m、地面から30cmの位置に浮遊して静止している。
表面には複数の亀裂が走り、その隙間からは虹色の光が漏れており、内部は光に遮られて見通せないようだ。

また、亀裂の入り方に何らかのパターンは存在しない。
意味のある紋様を描いているなどという事はなく、一ヶ所に集中してもいない。
脆い素材の球体にゆっくりと内部から偏りなく圧力をかければどこかの段階で似たような姿になるだろう。
57 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 23:29:33.39 ID:XdgTa3lI0

「亀裂の向こう側に何か気配は? そうだな、例えば視線のようなものだとか」

『いえ、そういったものは現状感じません。これは全員に確認した所感です』

「圧力を感じたりはしたか? 光以外に何かが漏れているような感覚は?」

『ありません』

何とも言いがたい手応えである。
現地からの報告を聞く限り、黒い球体は今のところ安定しているように思える。
光は球体本体と同様に計器類で捉えられないようで一切データが取れていないが、少なくとも現地チームの人員には身体的にも精神的にも異常は起こっていない。

が、だからと安易に手を出してろくでもない結果に繋がる、というのは財団の扱うオブジェクトには良くある事だ。
58 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/22(日) 23:31:44.95 ID:XdgTa3lI0

(いっそ変化があってくれた方が判断も楽なんだが)

そんな不謹慎な考えを抱きつつも、私は次の指示をどうすべきか考えた。



>>下1 現地チームへの指示
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/23(月) 03:50:56.00 ID:X2blg5rcO
どうすりゃいいんだ?とりあえず球体を監視しつつ廃屋内と所有者の調査
60 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/23(月) 05:30:19.16 ID:kvIW16ryO

「うーん……しばらくは監視を継続してみるしかないか。後ほど交代要員を送る。長期戦に備えてローテーションを組んでおいてくれ」

『了解』

悩みはしたが、現場の人員に出せる指示はこの程度だろう。
収容スペシャリストというのは損耗率が高い役職ではあるが、だからといって使い捨てに出来るようなものではない。
危機的事態が進行している様子もない現状で、まさか未知の異常存在にちょっと触ってみろとは言えなかった。

と、そこに別口から報告が上がってくる。
球体がある箇所以外の廃屋内部および周辺の探査と、所有者に関する調査を指示しておいた支援チームからのものだ。
これが何かの糸口になればと、私は一度メガネを拭き、視界をクリアにしてから端末を操作しファイルを開いた。
61 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/23(月) 07:48:15.76 ID:kvIW16ryO

が。

「…………不自然な点は無い、なぁ」

そちらからも手応えはない。

廃屋は極一般的な民家だ。
築42年で延床面積38坪。
木造2階建ての構造で、隠し部屋や何かの儀式の痕跡などは一切発見されなかった。
劣化の具合も全く正常の範囲でしかない。
また、どの部屋も何者かが立ち入った形跡はない。

権利周りもシンプルなものである。
前所有者は多古和彦、男性、享年42歳。
3年前に死亡しており、死因は非異常性の肝臓癌だ。
妻子は居たようだが子供がまだ幼い頃に交通事故で亡くしている。

他に親類はなく、相続する者が居なかったために廃屋の権利は宙ぶらりんになっている。
つまり行政が管理するものなのだが、倒壊の恐れがあるでも無ければ放置というのはよくある話だ。
これもまた異常とは言えない。

最後に、付近の住民に対する聞き込みの結果もある。
こちらもシロ。
多古氏はおかしな宗教や団体に接触していたりもせず、地域行事にもそれなりに参加する人当たりの良い人物であったようだ。
62 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/23(月) 07:57:56.75 ID:kvIW16ryO

見落としが無いようファイルを数度繰り返し読み終え、私は眉間を揉んだ。

未だ、現地からの報告に変化はない。
黒い球体は安定を保っているようだ。
あるいは非活性化状態なのかも知れない。

こういう時には余計な感情が湧き立ちやすいものだ。
特に今は、目の前に材料がある。



ファイルには数枚の写真が添付されていた。
廃屋内部には家財道具が残されている。
その中で目を引いたのは、居間の一角に飾られたマグカップだ。

歪なそれはいかにも使いにくそうな形で、表面には「おとうさん いつもありがとう」と文字が彫られている。
事故死したという多古氏の子供による手製の品だろう。
私も幼い頃に小学生の授業で似たような物を作り家族に贈った覚えがある。
もしかしたら今も実家に残っているかも知れない。

家族を失い、独りとなった多古氏はこれをどんな想いで見つめたのだろうか。
考えるだけで気が滅入る。

その上、当の居間には今や謎の異常存在が鎮座していると来た。
いかに感情を抑えるべき職務であろうと、同情は禁じえないものだった。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/23(月) 08:00:10.38 ID:X2blg5rcO
もう球体調べるしかないのか
すげー怖いんだか
64 : ◆kTml9wRQIIYK [saga]:2023/01/23(月) 08:31:25.81 ID:kvIW16ryO

深く、深く溜め息を吐く。
幸いにも余分な感情はそれで消えてくれた。
冷徹にオブジェクトに対峙するいつもの自分自身が帰ってくる。



現地ではチームに交代要員が合流し、監視体制が確立されたようだ。
全員が良く訓練された職員であり、必要となればこのまま数年間だ経とうと音を上げずに監視を続けるだろう。

オブジェクトに変化があるまで待つか。
それともこちらからアクションを試みるか。
もう何杯目かも分からないコーヒーをひと口啜りながら、私は思案した。



>>下1 現地チームへの指示
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/23(月) 12:07:17.96 ID:4qS9X4RJo
年齢十代のDクラス職員を通信装置持たせて球体に接触させる

お酒飲めないならどうなるかなーこ
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2023/02/09(木) 23:58:36.20 ID:NlZZS/Jk0
おーい、作者、このSS覚えてるかー
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/03/16(木) 03:05:30.76 ID:Umo0DmJ80
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/03/27(月) 23:15:26.18 ID:57n2Lndw0
みんなSSかこうze
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/04/12(水) 22:35:49.15 ID:ojuvlcQ90
ピヨピヨ
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 23:53:34.65 ID:N2l8zYux0
なんで書き溜めないのかな?
書き溜めないでスレ立てする時の心情ってどーなってるの?

普通に友達関係や上下関係作ってる人で人間関係の最低常識が解ってる
人ならこんな非常識な事を出来無い筈なんだがな?

一応は読物で素人の発表場所で読み手をイライラさせるって
なに考えてるの?
確かに俺はお前に金銭を渡してる訳じゃない

お前もプロ意識なんてある訳じゃないと思う
でも、書き手と読み手が居たらそれは一つの作品なんだよ

これはお前の作品であり可愛い子供なんだよ
それをネットで流して俺みたいな奴からダメ出し受けて
悔しくないのか?

なんでその場凌ぎの子供を世間に晒すんだ?

ちゃんと考えて書き溜めしてからスレ立てして
恥ずかしくないお前の子供を世の中に送れよ

お前の意識の問題だぞ
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