【オリジナル】男「没落貴族ショタ奴隷を買ったwwww」

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556 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 13:59:19.98 ID:EXH8nMFU0
ほしゅ
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 18:59:29.92 ID:wtmh6DrU0
ほしゅ
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/07/07(金) 01:35:03.24 ID:G6IRnip80
ほしゅ
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 23:44:29.96 ID:FDWk9Z750
ほしゅ
560 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 00:55:26.46 ID:pjPWS69mo
あってるかな、よいしょ!
561 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 00:57:44.68 ID:pjPWS69mo
 ショウタはいつでも、窺うようにこっそりとタカシを見つめる子供であった。
 そっと静かに見つめ、タカシがそれに気づき振り返れば、咎められると思ったのだろう、
何も見ていかなかったかのように視線を逸らす子供。
 シュウを羨ましげに見ていたことも一度や二度ではない。
 可哀想な子供。不憫な子供。本来生まれてくるはずのなかった、
身体の半分をタカシで構成された子供。
 その子供は、今、タカシの前に立っていた。
 視線が逸らされるのは、怯えからではなくタカシへの反抗心だ。
 置屋の中へとタカシを招き入れることを、ショウタが「どうしても嫌だ」と厭ったため、
こんな道の往来で二人は対峙していた。
どうせこの混乱だ、客なんて来はしないのだから問題はないだろう。
 何をしに来た。何の用のだ。そんな問い掛けさえないまま、二人はそこにただ立ち尽くしていた。
 楼主に首根っこを捕まれるようにして外へと放り出されたショウタは、
その楼主に助けを求めるように彼を見つめていた。
 ショウタにとって、頼るべき大人、甘えるべき大人は最早タカシでもミユキでもなく楼主なのだ。
 楼主は店に引っ込む直前に、ショウタの後頭部をさり気無く撫でた。
 まるで父親だ。
 そのさり気無い愛情表現に、鈍磨したショウタは気づかない。
ただなんとなく触れただけ。そんな風に思っているのかもしれない。
 楼主がさっさと置き屋へと引っ込んでしまってからは、助けてくれるつもりがない彼に対してか、
それともタカシに対してか、不貞腐れるような顔でただこうして突っ立っている。
 シャツに、半ズボン、それに少し伸びた髪。
 剥き出しの足は下駄に突っ込まれ、小さな爪がむき出しだ。
562 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 00:58:52.72 ID:pjPWS69mo
「寒くないか」
 小さく声を掛けると、ショウタはぞんざいに「寒くない」と答えた。
「俺、仕事が残ってるんだ。さっさと済ませてくれる?」
 矢継ぎ早に言うと、足元の小石をつま先で蹴って弄び始める。
 お前と話すことなどない――、そういうことだろう。
 小手先の取り繕いなど、最早意味を成さない。
そうなるまでショウタを追い詰めたのは、他ならぬタカシだ。
 タカシは息を吸い込むと、ショウタを真っ直ぐに見た。
「単刀直入に言う。俺とこの街を出よう」
 ショウタは視線を俯かせたまま、小石を蹴っている。
返事はなく、ただ風の音が二人の間を通過していった。
「知っていると思うが、A社が破壊された。
おそらく、A社に対するテロ行為だ。お前の命もいつ狙われるか判らない」
 提灯が揺れている。
 普段ならどこからか聞こえてくる明るい調子の音楽も一切聞こえない。
花火も花を咲かせていない。
 ただ、小さな声で「だから」と。
突き放すように「だからどうしたの」と言うショウタのか細い声が、
どうしてか、やけに大きく聞こえてきたのだ。
「貴方は、別に俺が死んでも悲しくないでしょ」
 言葉に詰まる。
 ショウタが死んだ場合を想定したとき、頭を駆け巡る感情は実に様々で、
しかしその感情の根っこにあるものは殆どが『焦り』であり、
ショウタが言うように『悲しみ』はその極々一部、とても些細なものであった。
563 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:02:56.96 ID:pjPWS69mo
例えば、特別ファンではないが、同世代の芸能人がこの世を去った時のような、些細な悲しみ。
それによく似ている。
 しかし、それでもタカシはショウタの命を守らなければならないのだ。
 ショウタは『同世代の芸能人』ではなく、タカシの子供なのだ。
その発生こそタカシの与り知らぬところで行われたものであったが、
しかしタカシが遺伝上の父親だというのなら、
最低限度、『最も近い他人』としてしてやらねばならないことはそれだった。
 ショウタは既に父親を必要としていない。生きる手立てでさえ自分で整えた。
 そんなショウタに『父親であるタカシ』を押し出したところでなんの効果もないだろう。
 ならば、いっそショウタを対等に扱うべきだろう。
「お前は突然生まれた」
 ショウタの肩が、ピクリと揺れたように見える。
相変わらず俯いたままで、表情は判らない。
 二人を見守るようにして警らの男が傍らに立っているが、口を挟む様子はない。
ただ静かに、成り行きを見守っている。
「体重2700グラム、少し小柄だが、健康な男の子だと言われた。だけど、」
 お父さんは。そう一人称を紡ごうとしたが、やめた。
 ここで『父』を匂わせる単語を用いること以上に卑怯なやりかたはないはずだ。
「――俺は、お前を自分の子供であるとは思えなかった。
気づいたらミユキはお前を身篭っていた」
 俺の精子を使って勝手に。
 精子、という単語を、果たしてこの子供が理解できるかどうか不明であったから、
事象だけを短く告げることにした。
「父親が、父親の自覚を持つ前に子供が生まれ出るのは、今時珍しくない。
だから、俺がお前の父親になれなかったのは、俺自身の欠陥であってお前の所為ではない」
「知ってる」
 ショウタが突然しゃがみ込んだ。
 足元の玉砂利を寄せ集め、山を作り、そして崩した。意味のない遊びだ。
ショウタはタカシと、決して視線を合わせようとはせず、その無意味な手遊びを繰り返した。
564 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:05:07.92 ID:pjPWS69mo
「知ってた。俺が生まれたのは俺の所為じゃないし、
アンタが毛嫌いする原因は俺にはないって知っていた。直せる事じゃない。
俺の所為じゃないのに、アンタは俺を邪魔者にした。
でもその原因は俺にはなくて、アンタの中にあった。知ってた。ずっと知ってた」
 ショウタは、玉砂利を積み上げる。そして崩す。
 玉砂利の山のように、少し力を加えれば崩れ去る城に、ショウタは住んでいた。
 自分を『脳みその器』としか思わない母と、たまにしか会いに来ないくせに邪険に扱う父。
そして、そんな子供を不憫に思ったのか、殊更優しく接しようとする祖父。
 だが、ショウタはそんな事実に気づかないフリをしていた。
普通の子供――、与えられるべき愛情を真っ当に注がれている子供であろうとした。
「今更何も必要ない。誰かに優しくしくしてもらいたくもないよ。
好きにすればいいじゃん、今までどおりに。
俺が殺されてしまっても、今までみたいになかったことにすればいいよ」
 ショウタは自ら砂の城を崩し去ったのだ。
 大人たちを見限り、自分一人で生きていくことを選んだ。
 揺れた提灯の明かりが、ショウタの旋毛を照らし出す。
 綺麗に巻いた頭の渦に、既視感を覚えた。
 シュウだ。ショウタの旋毛は、シュウのそれとよく似ていた。
 タカシの傍らで息を潜め、そっとタカシの手を握る幼子のそれにソックリだったのだ。
 ショウタは、紛れもなくその体の半分を、タカシで構成された子供なのだ。
「お前を死なせたくない」
 唐突に、言葉が飛び出した。
 ショウタが手を止め、そしてタカシの全てを遮るように、玉砂利の山を崩す。
565 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:06:54.20 ID:pjPWS69mo
「いらない」
 短い言葉は、ハッキリとタカシの鼓膜を振るわせた。
 鼓膜の振動は脳に伝達され、それが拒絶の言葉であると強い力で自覚させる。
 当たり前だ。今更何を言い出すのだと罵倒されてもおかしくはない。
 漸く向けられた、冷たさだけで構成された親切心など、ショウタは欲していない。
 ショウタは賢い。ショウタは最早子供ではない。
 長らく親に無下に扱われてきた不遇の子供――、ショウタがもしもそのような、
そうとしか言いようのない子供であったのなら、
或いはタカシのこの愛情の欠片もない手を握り返したかもしれない。
 だが、ショウタは確かに不遇の存在ではあったが、既に『従順の殻』を脱ぎ捨て
子供である自分を捨て去ってしまっている。
 そうさせたのはタカシだ。そうさせたのはミユキだ。 
「そういうのも、いらない。忘れちゃってよ。アンタの子供はシュウ君しかいない。それでいいじゃん」
「そうだ。俺の子供はシュウだけだ」
 残酷な、だか嘘偽りのない言葉を告げると、ショウタは、ふ、と視線を持ち上げ、そして苦笑した。
 ほらな、やっぱりな。
 そう言いたげな視線は、タカシを貫くと同時に、再確認によってショウタ自身をも傷つけていた。
「だから、お前の遺伝上の父親としていではなく、一番近い他人としてお前を助けたい」
「――わあ嬉しい、ありがとう。そう言えばいいの?」
 冗談じゃない。
 やけに大人びた声音が、小さく、憎しみを込めて落とされる。
「馬鹿にしないでよ。俺はどこにも行かないよ。
ここにいる。俺の命を狙う人が来るんだとしても、俺はここいる」
「ショウタ」
「名前、呼ばないで。一度も呼んだことなんてなかったくせに」
「ショウタ」
「呼ばないでってば!」
 キィンとした、子供特有の甲高い声が花街の不自然に静かな夜を切り裂いた。
566 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:08:31.51 ID:pjPWS69mo
 呼ばないで、呼ばないで、呼ぶな、呼ぶな、呼ぶな。
 ショウタは我武者羅に叫びきると、最後に「親父様」と助けを求めるように楼主を呼んだ。
「親父様!!」
 ショウタの声は、怒りで震えていた。
「親父様!!」
「でかい声出すんじゃないよ、みっともない」
 置屋から溜息を吐きつつ顔を出した男に向かって、ショウタは全力疾走していった。
 受け止める素振りもない楼主に抱きつき、その胸に顔を埋める。
 なにも聞きたくない、なにも見たくない。
そう言わんばかりに、片方の腕を耳にあて、もう片方は楼主の腰を手繰り寄せるのに使われている。
「俺はずっと"いい子"にしてた……俺はずっと"いい子"にしていたよ……!」
 悲痛な叫び声に、タカシは立ち尽くした。
 最早、なすすべはないのだろう。
ショウタは、例えそれが単純な依存であろうとも、楼主の下に居ることを選んでしまった。
 歪だろうが、異常だろうが、それがショウタの出した答えだった。
 タカシには、もうなにも言うことができない。
 肩が震えている。細い腕は、この世にまるで楼主しか存在し中のように、
彼に必死ですがり付いている。
「馬鹿な子だ」
 楼主は哀れむような視線をショウタの旋毛に向けた。  
「ショウタ」
 ショウタが、ただ一人頼るべき相手と定めた男が、彼の名を呼んだ。
 ゆっくりと後頭部が上向き、おそらくその視線は楼主のそれと交じり合った。
567 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:25:09.31 ID:pjPWS69mo
「勘違いするなよ、ショウタ」
 硬質な声は短く告げたかと思うと、その幼子の両頬を優しげに両手で包み込み、
しかしもう一度「勘違いするな」と手酷く言い放つ。
 相反する仕草の狭間で、ショウタの薄い肩骨が、
戸惑うように、もしくは恐怖するように震えた。
「私はお前の父親じゃあない。父親役を求められても困る。
お前がそれなりの年齢に達すれば店にも出てもらうつもりだ。
私はお前の父親にはなれない」
「……判ってる」
 蚊の鳴くような声がそう答えるが、楼主はきっぱりと短く言い放った。
「判っちゃいない。お前はあわよくば私を父親に仕立て上げようとしているだろう」
 ショウタの中に、少しもそんな希望がなかったのなら、
あの負けん気の強い子供は即座に否定したことだろう。
 だが、ショウタは弱く脆く、そして愛情を求めて歩く哀れな子供だ。
 愛情らしきものを充分に与えられなかった子供は、
自分に好意を示した大人を、夜から朝へと連れ出してくる突破口に見立てていたに違いない。
 ショウタは黙りこくったまま楼主の腕を振り払うこともせず彼の顔を見上げていた。
「私はお前を愛しているわけじゃない」
 嘘だ――、大人の目から見れば、それは明らかな嘘だ。
 楼主はショウタを自分の懐に迎え入れた時点で、この子供に何らかの情を抱いていたはずだ。
 だが、彼はきっと妙なところで『常識的』なのだ。
 タカシが言うように『何かが』起きた場合、ショウタの身を守りきれないと判っているのだ。
 タカシが守りきれるかどうかは定かではない。
 それでも最後の最後に、こうしてチャンスをくれてやろうと考えているに違いない。
 タカシにチャンスをやるわけではない。ショウタに、だ。
 ショウタがタカシに引き渡され、その後状況が落ちつき次第置屋に戻ってくるのならば、
きっと楼主は、ショウタが大人になるまで面倒を見てくれることだろう。
 これは、ショウタが真っ当な世界へ帰る最後のチャンスだ。
 初めてショウタがこの街の住人になることを決意した夜とは、事態が違う。
 ショウタの身に危険が差し迫っているような状況でなかったとしたら、
己の懐へと収めたショウタを手放したりはしなかっただろう。
 事態を重く見た楼主が、生命の危機を回避させると同時に、
最後のチャンスを与えただけに過ぎないのだ。
568 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:28:53.04 ID:pjPWS69mo
「私はお前を金のなる木ぐらいにしか思っちゃいない。
いいじゃないか、一度もとの世界に戻ってみるのも。
うちにゃあ食い扶持も稼げねぇガキを置いておく金なんてないんだよ。
どうしてもその身体で稼ぎたいって言うんなら、『売り時』になってからまた来ておくんな。
まったく、面倒だったらありゃしない。
すぐ熱を出すわお使い一つまともにできやしねぇわ、
身体が小さすぎてケツも使えない。そんなガキなんて邪魔なだけだ」
 トン、とショウタの身体が後ろへと後ずさる。自らそう動いたわけではない。
 楼主が残酷な愛情を孕んだその手で、ショウタの身体を突き放したのだ。
 自分を突き放した男の掌に、優しさや愛情が含まれているなどと、
ショウタは露ほども思わないことだろう。
「おい……!」
 黙ったまま応酬を見守っていた警らが声を上げるが、
楼主が放った視線はとても冷ややかで、それに恐れを為したのか、彼は口を噤んでしまった。
「今のお前はうちの店にとってお荷物でしかない。その気があるのならまた来ておくんな、坊や」
 それはあと何年のことだろう。
 男娼として『真っ当な』売り方をしてもらえる最少年齢をタカシは知らない。
 酷い店ならば、男娼や娼婦の身体への負担も考えずに、
売れるときに売ってしまうことも少なくないだろう。
 だが、楼主はこんな場所に居ながらも奇妙な常識を携え生きている。
 そんな店で、ショウタが売り物になるのは一体いくつになったときなのだろう。
 一年後か、二年後か。或いはもっと先か。
 たとえそれがひと月後であったとしても、ショウタにとっては遠い遠い未来の話だと感じるに違いない。
 捨てられた。きっとあの小さな頭はそんな言葉で埋め尽くされていることだろう。
 かと言って、命の危険があるような店――、
いいや、情を抱いた楼主が切り盛りしているわけではない店へ、そんな場所へと移動するのは、
ショウタの本意ではないのだろう。
 楼主がそうであるように、ショウタとて彼に対して情を抱いているのだ。
 別の選択肢を模索するには時が経ちすぎた。
 雛鳥の刷り込みのように、ショウタは楼主を絶対的存在として捕らえているのだ。
569 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:30:52.71 ID:pjPWS69mo
「い、いやだ……!」
 悲痛な声が、花街の薄ぼんやりとした夜に響く。
 嫌だとショウタは何度か叫び、楼主の腕にすがりついた。
「嫌だ、嫌だよ! 今更、今更帰れなんて言わないでよ……!」
 子供の声で――、実に子供らしい仕草と声で、ショウタは首を振り何度も嫌だと叫ぶ。
 それを見下ろす楼主の瞳のなんと冷たいことか。
 ――可哀想に。
 ふと、そんな感情がこみ上げた。
 可哀想に。
 客観的な感想は、感情を伴わない。
 映画を見た時のように、ドラマを見たときのように、湧いてきた感情はその場限りの偽物だ。
「おや、親父様……!」
 楼主に見捨てられまいと、必死で彼にすがりつく子供の姿は、
哀れで、悲しくて、そして可哀想だ。
 ショウタはどこにもいけない。誰の子供にもなれない。誰のものにも、なれない。
 いっそ店に出て、贔屓の客でもついたほうが、ショウタにとっては幸せなことのかもしれない。
 それはミユキがショウタにしたのと同じ『所有』だろうが、
少なくとも贔屓客はショウタの全身を見てくれる。
 頭の中身だけをくり貫き中身を挿げ替え、その中に納められたタカシを見るわけではないのだ。
 どちらも鬼畜の程度は同じだろうが、
それでも前者の方が、ショウタにとってはほんの僅かではあるが幸せなことなのだろう。
570 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:32:18.14 ID:pjPWS69mo
「親父さま……! 親父さ、」
 それは、ショウタが男を呼び出して何回目のことだったろう、
突然ショウタの声が途切れたかと思うと、次の瞬間にはその身体はふわりと宙に浮き、
そして玉砂利の上へと落下したのだった。
 楼主がショウタの襟首を掴んで放り投げたのだと悟ったのは、
「しつこい!」と言う怒気を孕んだ声に鼓膜が震えたからだ。
「私は忙しいんだ! 優しくしてやっているうちに帰っておくんな!」
 小さな嗚咽が、風に混じって聞こえてくる。
 これが優しさ、もしくは愛情と呼ばれるものだと言うことに、
ショウタはこれから先気づく日が来るだろうか。
 気づけばいい。
 それがたとえ遺伝上の親以外の他人であっても、
自分に情を与えてくれた存在だと、覚えているといい。
 ミユキの父親で、ショウタの祖父たるあの男――、
すべての元凶でもあるあの男が、その役目を担うには最も適切な存在であるはずだが、
ショウタにとって最早身内は『信用できない』存在なのだ。
 ミユキが接触を拒んでいた所為で、ショウタにとって祖父とは、
金目のものを買い与えるだけの存在なのだ。
 やはりショウタにとっては最も信用できる大人というのは、楼主意外には有り得ないのだ。
 それも今この瞬間までの話であったが。
 ショウタはどう出るだろう。
 夜風に震える細い肩が寒々しい。
 脱げた下駄が玉砂利の上へと転がっていた。
 ここでショウタが自棄を起こし、他の店に行く可能性は零ではない。
 その万が一が起こった場合、タカシは全力で止めねばならぬだろう――、最も近しい他人として。
 ショウタがすっくと立ち上がった。
 目元を袖口で拭っているようだった。
 子供が、振り返った。
571 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:36:13.03 ID:pjPWS69mo
「……アンタの所為だ……」
 深い恨みを湛えた眼差しが、タカシを射抜く。
「アンタがこなければ俺はずっとここに居られたのに……!」
 その通りだろう。
 おそらく楼主は、ショウタをそれなりに大切にはしてくれたはずだ。
売り物として、そして保護対象としても。
 タカシは何ひとつ反論しなかった。
 すべての言葉は、ショウタの逆鱗に触れることであろう。
ならばなにも答えずに居るほうがいい。
「アンタの所為だからな……!!」
 楼主の裏切りに悲鳴のような声を上げて泣くショウタは、やはり子供だ。
 それが裏切りではないと気づきはしない。
 おそらく楼主とて、ショウタの命の危険が差し迫った状態でないのなら、
易々とタカシに渡したりはしないだろう。
 楼主の心根の『常識的な部分』と『異常事態』という要素が重なった結果、
彼はタカシへとショウタを渡すことにしたのだ。
 上手く行けば、ショウタはもうこの花街に戻ってこない。
 それを楼主は『喜ばしいこと』と感じているのだろう。やはり彼はこの花街には向いていない。
 ショウタが腕で顔を擦った。
「親父様……」
 蚊の羽音よりも小さな声で楼主を呼ぶ。
 返事はない。
「親父様……!」
 楼主の返事はなく、そして――、彼の姿は彼自身の城の中へと吸い込まれるようにして消えていった。
 シュウがタカシの手をギュッと強く握った。
 ショウタは無慈悲に放り出された夜の中で、ひ、と小さく息を飲んだ。
 だが、泣きはしない。ただただ、唇を噛み締め、現実を受けれようとしていた。
そう、タカシの拒絶を受け入れ、そして自分自身の遺伝上の繋がりをすべて捨て去った時のように。
572 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:38:35.00 ID:pjPWS69mo
「……アンタの世話になるなんて、死んだほうがマシ」
 どれほど時間が経っただろうか。
 あまりぐずぐずとしている時間はない。
だから、暴れようが殴られようが、ショウタを抱えてでも
この街を脱出しなくてはならない――、そう考え始めた頃に、ショウタはそう漏らした。
「それならお爺様の所に行った方がマシ」
「それは駄目だ。危険すぎる」
「だからなに!? 危険だろうがなんだろうが構わない!
アンタの世話になんか絶対になりたくない!」
「ショウタ……」
「今更そんな"父親みたいな顔"をしないでよ、鬱陶しい」
 辛らつに吐き捨てると、ショウタは下駄を履きなおした。
「どこに行く」
「どこだっていいだろ。俺が一番近い他人のアンタに望むことは一つだよ。
放っておいて。それだけ」
「ショウタ」
「優しくしてくれたことなんて一度もなかったくせに、今更なんなの、気持ち悪い」
 ショウタは吐き捨てるとどこかへと彷徨うように歩を進めた。
 もう駄目だ。決定的な判決は下された。どうやってもショウタはタカシについてはこない。
 ショウタの意志はどこまでも堅い。
 ショウタを頑なにさせたのはタカシと、そしてミユキだ。
 ショウタは誰にも従わないだろう。
 誰のものでもなく、誰に従うこともなく、ただ孤独に大地を踏みしめ生きていく。たった一人で。
 タカシは、こんな状況に陥ってもなお――。
「これは最初で最後にお願いだ」
 不夜城の赤い光りを反射する背に向かって、タカシはそう声を掛けた。
 ショウタの足が止まる。
 ショウタは、タカシの言葉を『聞いてやっている』のだ。
 それでいい。
 本来タカシは、ショウタに何事かを願える立場にないのだから。
573 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:40:41.46 ID:pjPWS69mo
「これが最初で最後の頼みだ。状況が落ち着くまでは守らせてくれ。
その後はお前の好きにしていい。
ミユキとも俺とも、A社と縁を切ってくれて構わない。
後はお前は自由だ。この街に戻るも、一人で生きていくも、決して止めはしない」
「勝手すぎる」
 小さな頭が振り返った。
「……判った。これっきりだ」
 ショウタは意外なほどあっさりと返事し、タカシに向かって歩いてきた。
 寧ろその変わり身の早さに面食らったのはタカシの方だった。
 だが、ショウタはそうすることで近い未来の自由を勝ち得たのだ。
 彼は、タカシを許したわけではなく、タカシを受けれたわけでもなく、
タカシに従ったわけでもない。
 タカシに付きまとわれることを終わらせるために、タカシの願いを『きいてやった』のだ。
 自由と一時的な拘束を、その小さな頭で天秤に掛けたに違いない。
 賢い選択、とも言えない事もないだろう。しつこく『帰って来い』と言われる未来を断ち切り、
より自由度の高い未来を得たのだ。
「約束を破ることは許さない」
 ショウタはもはや何の感情も感じさせない瞳で、タカシをじっと見た。
 タカシも、反故にするつもりはなかったが、ショウタを信頼を得ようと力強く頷いた。
「……親父様に"出掛けてくる"って伝えてくる」
「判った」
 ショウタは逃げも隠れもしないだろう。
 そういう子供だ。
 タカシはショウタが帰ってくるのをこの場で待つことにした。
 数分後、ショウタは小さな風呂敷包みを片手に持ってタカシの前へと現れた。
 その背後には楼主が居たが、ショウタは振り返らずに足元ばかりを見つめている。
「ショウタ」
 声を掛けたのは楼主だった。
 ショウタはゆっくりと顔を持ち上げ、楼主を見上げた。
 不安、絶望、失望。
 そんなものさえも感じさせることのない、光のない瞳が真っ直ぐに楼主を見つめていた。
 楼主は何も言わず、ショウタの頭を撫でた。
 それから肩を押し、タカシのもとへと行くよう促す。
 ショウタもまた、なにも言わずに重い足取りのままタカシの方へと進んだ。
「行ってきます」
 蚊の鳴くような声は、楼主に背を向けたまま放たれたものだった。
 楼主はなにも答えない。
 不断の空気と唯一同じなのは、隠微な香の匂いだけ。
騒音に紛れることのない玉砂利の音が、ショウタの孤独を示しているようだった。
 タカシに従うことなく、ショウタは率先して歩いていく。
574 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:42:28.08 ID:pjPWS69mo
 空気が揺れる。
 風に靡く赤い提灯が、金魚のようだった。
 静寂と言うほどではないが、常ならざる静かな空気だ。
 なにか言いたげなシュウであったが、タカシに手を引かれれば素直に歩き出す。
 タカシは、シュウと歩きながらショウタの背中を見た。
 ショウタの荷物は、小さな風呂敷包みだけ。
ショウタのなにも与えれなかった人生のようで、物悲しささえ覚えた。
そのように仕向けたのはタカシ自身であるというのに、だ。
 ショウタはどこへ向かうのだろう。どんな風に生きていくのだろう。
 タカシにはなにひとつ予見できないままだった。
 なにもしてやることなど、できないのだ。
 タカシにはなんの力もない。
 精々、今日から数日、或いは数ヶ月の間だけ傍にいることで、
ショウタの身の安全を確保するよう努めることくらしか、できない。
 それとも上手くこなせるかどうか怪しいものであったが。
 下駄は相変わらず、カランコロンと鳴っている。軽快ささえ覚えるような小気味のいい音。
それに、玉砂利の擦れる音。
「ショウタ」
 思わず声を掛ける。声を掛けたが二の句は継げない。ショウタも返事はしなかった。
 返事をもらえるなどと思ってはいなかったから、落胆することはない。
それに、ショウタとタカシの間柄は親子ですらないのだから、落胆などしようがない。
 ならば何故呼び止めたのだろう。頼りない小さな背中に何かしらの情を抱くのなら、
もっと早い段階でそうすべきであったのだ。
 だがタカシにはそれができなかった。それができなかったのは、タカシ自身の欠陥だ。
 追いやり、追い詰め、そして柔軟な子供は捩れきった。捻くれた、ではない。捩れてしまったのだ。
 きっと遅かれ早かれ、ショウタはこの街に戻ってくる。最初からここで生まれたような顔で、
少しずつこの街の世界と掟に馴染んでいくことだろう。
 連れ出すことは間違いであったかもしれない。ショウタの一端は、もうこの街の色に染まっていた。
 命の危険さえなければ、何事もなければ。
 このままショウタを手放していたのだろう。
 元々倫理観といものが薄い方なのだ、タカシは。
 それでも。
575 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:44:48.69 ID:pjPWS69mo
「……?」
 物思いに耽りながら、ショウタのあとをついていっていたタカシであったが、
微かな違和感を覚えた。
ゆらゆらと、ただ機械的に前へ前へと動かされていた足が
何かしらの異常を察知して緊張するのを感じた。
 なにかが、おかしい。そう感じたのだ。
 鳥居に近づくにつれて、なにやら喧騒が広がっていくような気がした。
 賑やかに、がやがやとしているのは、この街の常。
 だが、今日は『異常事態』に際して奇妙な静けさが広がっていたはずだ。
 鳥居の近くでは徐々に落ち着きを取り戻し、通常の営業が開始されたということだろうか。
 否、それにしてはざわめきが妙に、妙にそう、乱暴なのだ。
「ショウタ……」
 小さく声を掛けるが、返事はない。
「ショウタ!!」
 怒鳴るようにその子供の名を呼ぶと同時に、風船が割れたかのように複数の悲鳴が一気に上がった。
 間違いない、なにかが起きている。
 そう判断するまで僅か数秒程度、
タカシは無理やりショウタの腕を乱暴そのものの手つきで引っ張っていた。
 子供の体がよろける。瞬間的に与えられた強い力に、シュウが意味不明な声を上げた。
 タカシは咄嗟の判断で、子供二人を両脇に抱え、もと来た道を走っていく――、
走っているつもりであったが、如何せん子供二人を抱えてのそれは
『走っている』と称するには遠く及ばず、タカシは転げるように玉砂利を蹴りつづけた。
 なにかが起こっている。だがなにが起こっているのかを振り返って確める余裕はない。
576 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:46:46.62 ID:pjPWS69mo
「アンドロイド」
 舌を噛み千切りそうな振動の中、シュウがもらした一言をたった一つで、
それはよく知った単語であった。
 アンドロイドが何だというのだ。
 タカシは疑問を抱いたその一瞬、振り返って今しがた走って来た道を見てしまった。
 もとより酸素が欠乏した状態であったが、その一瞬で呼吸が止まりそうになる。
 アンドロイドだ。アンドロイドが、全速力で走っていた。
 ――タカシたちを目指して。
 見覚えのあるアンドロイドであった。
 今回の旅に同行させた、ショウタがかつて『お父さん』などと呼び、
歪な親子関係を形成したことさえあったあれと同型の――、
いや、おそらく義父がショウタに宛がった、ショウタ名義のそれであった。
 それが、どういうわけか、血だらけでタカシたちを追ってきていたのだった。
 背後からは怒号が飛び、手に刀やら拳銃を携えた人々が走ってきていた。
 遠くで「先生を呼べ!」だの「死んじまうぞ!」だのと言う物騒な言葉が飛び交っている。
 先生とは、誰のことだろう。死ぬとは誰が。何故タカシたちはアンドロイドに追われているのか。
 何故、アンドロイドは血だらけなのか。
 そもそも、あのアンドロイドは電源を落としてあったはずだ。
 なにが起こっているのか判らなかったが、タカシは走り続けた。
 だがアンドロイドの殆ど無尽蔵である体力――、体力、と呼ぶべきかどうかはさておき、
走り続けることが可能である能力だ――に生身の人間であるタカシが勝てるわけもない。
 あと少し、あと僅かと言うところで、タカシは身を屈めた。
577 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:48:37.14 ID:pjPWS69mo
 アンドロイドが、タカシたちに害を為そうとしていることは本能的に判った。
 ふと、頭の中を光速で記憶が駆け抜けていく。
なるほど、これはもしかしたら走馬灯というものかもしれない。
 そんなことを冷静に考えながら、タカシは子ども二人を自分の身体の下に隠した。
 ごく普通、中肉中背体型のタカシの身体からは子供一人ならいざ知らず、
二人を覆い隠すまでには至らない。
二人の身体の半分ずつ程がタカシの身体からはみ出す形となった。
 瞬間、腰から腹部に掛けて耐え難いほどの、凄まじい痛みに襲われた。
 悲鳴さえ漏れないような痛み。
 それが断続的に何度も襲う。
 なにが起こっているのか。なにをされているのか。
 タカシは絶望的な、かつて体験したことのない痛みを感じていた。
 悲鳴が響く。
 老若男女問わない、悲鳴。
 一際耳に響くのは、子供の悲鳴。
 恐怖心に耐え切れずショウタとシュウが、鼓膜が破れそうな金切り声で悲鳴を上げていた。
 痛みは尚も続く。痛みが酷すぎて気を失うこともままならないような痛みだ。
 ああそうか。
 唐突に気づく。
 タカシは、腰から腹部に向かって、肉体を大きくえぐられていたのだ。
 割れた肋骨が引き抜かれ、内臓も派手に掴み出される。
 アンドロイドは、随分と手酷く、タカシの肉体を蹂躙していた。
 身動きすることさえも困難となったタカシの身体の下から、シュウが抜き取られる。
578 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:50:18.27 ID:pjPWS69mo
「ま、」
 待て。
 漸く搾り出された言葉は言葉にならなかった。
 無理やり首を動かし、己の身体の上でなされるおぞましい行為にタカシは気がふれそうになる。
 アンドロイドが、泣き叫ぶシュウを人形かなにかのように捕らえ、そして。
「ま、て、」
 首がボキッと気味の悪い重低音を上げてへし折られた。
「シュ、」
 少しでも身体を動かせば、ひどい痛みが走る。
 声が出ない、出せない、声を出すだけで激痛に震え上がりそうになる。
 起き上がることがままならず、だが不自然な体勢のまま、その瞳は惨劇を捕らえ続けていた。
 身体の痛みと精神的なショックで、呼吸が浅くなっていくのを、タカシ自身も感じざるを得ない。
 なによりも、己の身体の損傷が異常なもの、普通の損傷度合いと一線を画するものであると
頭の片隅で理解が積み重なっていく。
 死ぬのだろう。ふいに、そう思った。
 身体から徐々に失われる血液は、体温ばかりか、気力も奪っていくようだった。
 続いて引きずり出されたのは、ショウタ。
 ハッとする。タカシは、約束をしたのだ。
 そうだ、ショウタを守らなくてはならないのだ。
 一番近い他人として、またこの子供を絶望させてはならない。
 たとえ今際の際であったとしても、ショウタを絶望させてはならないのだ。
 未だ嘗てない責任感が、タカシの頭を支配した。
 駄目だ。駄目だ駄目だ駄目だ。
 頭がおかしくなりそうだった。
 シュウはおそらく死んでいる。やっと再び生まれたのに、また死んでしまった。
 なにかよくないことが起こって、そしてシュウは奪われてしまった。
 せめてショウタを、ショウタだけは。
 守らなくてはならないと思った。だがどうだ。タカシは非力でなにもできない。
 手を伸ばすが、ショウタには届かない。
 そして。
579 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:51:34.90 ID:pjPWS69mo

「ぎゃあああああああああ」
 ショウタの腕が、引きちぎられた。
「ショ、ウ、」
 ボトリ、と細い子供の腕が投げ捨てられる。
 それからアンドロイドはタカシにしたように、素手でショウタの腹部を貫いていた。
 先程まで悲鳴を上げていたショウタの声が止む。
 痛みで、声さえ出ないのだ。
 アンドロイドが何かしら臓器を抉り出して玉砂利の上へと放り投げる。
 やめろ、やめろ、やめろ。
 声がでない。指一本も動かすことが適わない。
 なにが起こっている、一体なにが。
 ロボットの三原則。そう言ったものがアンドロイドには刷り込ませてあるはずだ。
 いわく、人に危害を与えてはならない。それは第一項であり、尤も厳守されるべきもののはずだ。
「ショウタ!」
 聞き覚えのある声がした。
「早くしろ!」
「駄目だ、子供に当たる!」
「頭だ、頭を狙え頭だよ!!」
 怒号が飛び交い、そして続いて響くのは銃声。
 着弾したのか、どさりと音がし、ショウタの身体が玉砂利の上へと落ちていった。
 ガウン、ガウン、と言う音がひっきりなしに響く。
 銃では無理だ。この街の住人は知らないのだろうか。この手のアンドロイドは、
戦闘にかち合うことも予測され、銃弾にはめっぽう強く設計されているのだ。
 狙うのなら首。それから大たい骨と胴体の付け根。
 その辺りに刃物――、長い刃物、つまり刀などだ――、を差し込んで切断する必要があった。
 ただし、それらもおそろしく頑丈にできている。
580 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:53:34.35 ID:pjPWS69mo
「全然当たらな、うわああああ!」
 無様に寝転がったままのタカシには、状況がまるで掴めない。
 視界が低すぎて、なにも見えない。
 ただ飛び交うのは、先程までの静けさが嘘のような銃声、怒号、悲鳴だった。
 見なくても判る、地獄絵図だ。
 なにが行われているのかまったく理解できない、地獄絵図。
「ショウタ!」
 タカシの脇をすり抜け駆け寄ってきたのは、楼主だ。
「ショウタ、しっかりしろ! 待っていろ、もう直ぐ医者が来る!」
 ショウタがなにか言ったのか、楼主は「大丈夫、大丈夫だ」と繰り返している。
「おい、逃げろ!」
 ジャリ、ジャリ、と不気味な音が響いてくる。
「……テメェ……アンドロイドだかなんだか知らんがこんなガキになにしてんだ!」
 銃声が、一発、二発、三発。
 だが当たらないのだろう。やがてカチッカチッという悲しく頼りない音だけが木霊するようになる。 
 やがて楼主も悲鳴を上げたきり、声を上げなくなった。
 損傷したのか、それとも絶命したのか。
 辺りに飛び交う怒声が徐々に減っていき、そして増えていくのは悲鳴だ。
 あってはならない、起こってはならない事象によって、アンドロイドが暴走をしているのは判る。
 判るが、何故そんなことになっているのかは皆目判らなかった。
 ミユキはどうしたのだろう、とタカシは漸く思い至った。
 タカシたちを追い詰めるより前にアンドロイドはボディを赤く染めていた。
あれはもしかしたら、ミユキの血であったのかもしれない。
もしもそうなら、おそらく彼女も生きてはいないだろう。
581 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:54:56.44 ID:pjPWS69mo
 アンドロイドは無差別に暴走しているわけではないようだった。
 狙いはタカシたち一家で、その邪魔をしているこの花街の住民をついでのように攻撃している。
 明らかにA社が襲われた一件と関連性があるだろう。
 だが、どうやって? どうやって、A社で最初の最初、
生産の初期段階で仕込んでいる三原則を解除したというのだろう。
 駄目だ。
 急速に意識が薄れていくのをタカシは感じていた。
 そうなると、己の思考など無意味なもののように思えてきた。
「離れろ!!」
 突如怒号が響いたのは、タカシが意識を手放すかどうか、という直前であった。
 またもや、聞き覚えのある声だ。恐ろしい俊足で、タカシの横を駆け抜けていく足は、
この街では珍しいスニーカー履きであった。
 うおおお、と言う獣のような叫びと共に、金属同士が擦れるような音と、なにかが破壊される音、
それが止むと玉砂利に重い物体が落下するような音がした。
「やったか!?」
 誰かが叫ぶ。
「まだだ! 足だ、足も切り落とせ!」
 切り落とせ――、つまり誰かが手か、胴体か、頭を切り落としたということになる。
 チュイン、チュインと言う派手な音が何度も響く。
 なにかしらの高速回転する機器で、アンドロイドは切断を繰り返されているようだった。
 やがてそれらの音が聞こえなくなると歓声が響いた。
 アンドロイドは制圧されたのだろう。
 最初に四方八方から銃弾を浴びせたのが幸いしたのだろう、軽度の損傷とは言え、
それがなかったら、一般市民の持ち物ではアンドロイドを沈黙させることは現実的とは言いがたい。
582 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:57:47.36 ID:pjPWS69mo
「おい、大丈夫か! 先生はまだか!?」
 聞き覚えのある声は――、警らのそれだと気づいた――は周囲を見回っているようだ。
 大丈夫か、そう何度か声を掛け、その声が一瞬途切れたかと思えば、
呻き声のような声で「畜生」と悪態を吐き、そしてその声は地面から近い場所で響くようになった。
「おい、おい、大丈夫か! しっかりしろ、兄弟! 畜生! しっかりしろ!」
 警らの男が、しきりに楼主を呼んでいた。
 楼主の怪我もまた、タカシ同様にひどいものなのだろう、「眠るな」だの「しっかりしろ」だのと
警らは何度も叫んでいた。
「先生は、先生はまだか!! 早くしてくれ! 死んじまう!!」
「あと少しで着くそうだ! 頑張れ!」
「駄目だ、血が止まんねぇんだ! おい、しっかりしろ!」
 悲鳴、励まし、悲鳴、励まし。
 それらが幾重にも重なり合唱のようだった。
 提灯が風に揺れて優雅に揺れている。
 視界がかすんでいく。
 ああ、バチが当たったのかもしれない。
 一度死を体験し、ほぼほぼ無神論者となったくせに、タカシはそんなことをぼんやりと考えていた。
 寒い、とても寒い。
 これで、全部が終わるのだろう。
 生の終焉を感じながら、漸く一つの結論に至る。
 なるほど、アンドロイドはハッキングでもされたのだろう、と。
 最早痛みを感じることはなくなっていた。
 もしも、もしも死の国があるのなら、姉はそこにいるのだろうか。
 合唱に混じって、子供の声が非力に「痛い……」と痛みを訴えるのを聞いたのは、
幻聴だったのか、それとも。

 こうしてタカシの二度目の生涯は、幕を閉じることになる。
 とは言え、それが実際に起こるのはそれから一時間後のことであると、
タカシは三度目の生でもって他人によって伝えられることとなるのだが。
583 : ◆OfJ9ogrNko [saga]:2017/08/20(日) 01:58:34.22 ID:pjPWS69mo
今日はここまで
なんか……すみません……

感想と保守ありがとうございます
嬉しいです
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 10:43:16.85 ID:t9DaP2ds0
続ききてた!どうもありがとうございます&お疲れ様です!
ショウタは親父様と幸せになってくれと思った矢先…大変なことに…。

続きも楽しみにしてます。
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 00:30:09.57 ID:YGuo9UYJ0
ほす
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 02:36:57.64 ID:GhQDzjD+0
ほしゅ
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 23:03:51.82 ID:vz3/PTwN0
ほす
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 12:08:50.91 ID:7NuLLkv80
メリクリほしゅ
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/07(日) 21:19:54.41 ID:ZTET3gPd0
ほす
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 21:24:32.33 ID:tRkMOCI0o
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/02/12(月) 23:00:32.00 ID:u3P4O89K0
ほす
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 20:06:22.30 ID:d9Wc9E1B0
保守
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/03/18(日) 04:17:12.25 ID:WOBA7fET0
ほしゅ
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 08:59:16.99 ID:lxvlIdMZO
ほしゅ
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/04/10(火) 11:56:16.60 ID:j5EjI2/G0
ほす
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 02:22:19.43 ID:j4y4jOfF0
はしゅ
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/06/01(金) 23:59:29.56 ID:8e/l8XdY0
ほす
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/07/02(月) 03:11:51.79 ID:tgtb2Ams0
ほしゅ
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/08/08(水) 17:16:50.65 ID:s4ygg3pV0
ほしゅ
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/30(木) 22:30:22.97 ID:s2OyRMbp0
ほしゅほしゅ
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/19(金) 02:35:45.48 ID:GNZRR6TR0
ほしゅ
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 11:00:37.39 ID:NNEALs7DO
ほしゅ
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/12/13(木) 19:07:53.22 ID:w8Rg49do0
ほしゅ
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/16(日) 19:52:15.06 ID:OaDGYvV8o
久しぶりに来た

これで長かった回想も終わりかな
もう少しで完結だと思うので頑張って欲しい
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/12/28(金) 23:53:01.26 ID:7okbYwYT0
ほしゅ
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 20:20:54.43 ID:eaoqasy+0
よいお年をほしゅ
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/01/12(土) 23:51:49.02 ID:a6vB0D0h0
ほしゅ
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/26(土) 00:08:17.59 ID:ixhLQrDR0
ほしゅ
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/02/07(木) 19:09:35.48 ID:kCibQANs0
ほしゅ
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/03/05(火) 11:35:55.84 ID:RtKEGC3h0
ほしゅ
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 23:22:50.52 ID:+MWDC5HN0
ほしゅほしゅ
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/04/16(火) 01:03:18.17 ID:OXbhrE3r0
ほしゅ
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/24(水) 03:30:01.71 ID:uD9TuTuY0
ほしゅ
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/05/02(木) 02:43:38.42 ID:6opJb62S0
ほしゅ
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/05/09(木) 12:56:08.30 ID:FtjGwQ7C0
ほしゅ
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 13:30:49.17 ID:/jvKexXJ0
待ってるよ
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/08(土) 20:13:43.03 ID:tZXhho0Do
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 02:25:57.85 ID:Hc8ZR/WY0
ほしゅ!
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/06/24(月) 00:05:05.15 ID:C+Olr1Si0
ほす
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/07/05(金) 03:38:05.66 ID:NcAiSFKq0
ほす
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 12:56:02.43 ID:x33aReW/O
ほしゅ
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/08/04(日) 10:48:32.13 ID:viGF8Nys0
ほしゅ
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/31(土) 21:15:44.27 ID:GKAXkjMF0
ほしゅ
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/09/03(火) 16:51:53.16 ID:hK/fmyKK0
ほす
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/04(金) 12:10:59.03 ID:fA73a6anO
ほしゅ
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/10/27(日) 21:57:47.16 ID:HqpRz/X00
ほす
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/11/17(日) 17:12:30.09 ID:zonQgLrk0
ほしゅ
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 18:16:53.37 ID:5ZOcW6R60
ほしゅ
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 01:40:57.77 ID:TnfGoYQK0
ほしゅ
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/12/31(火) 21:51:36.94 ID:Yttmpg0i0
ほしゅ
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/07(火) 17:53:31.41 ID:2xaXhcIh0
ほしゅ
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/20(月) 15:51:33.04 ID:nnvDIs3I0
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633 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/05(水) 14:32:25.29 ID:S49NnuG/0
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634 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/22(土) 10:22:54.51 ID:3I6X0bCC0
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635 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/10(火) 03:20:48.24 ID:TCWpuOig0
ほ!
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/18(水) 19:46:21.07 ID:OloJfGSm0
ほしゅ
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/04/04(土) 02:54:27.39 ID:rg3+jBAV0
ほしゅ
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/05/07(木) 15:40:02.53 ID:CkzjS+fM0
ほしゅ
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/05/27(水) 02:09:56.59 ID:PUpArYMn0
ほしゅ
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/06/09(火) 03:18:48.05 ID:tvAeUTlx0
ほしゅ
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/07/01(水) 11:51:37.04 ID:Vl6CMjST0
ほしゅ
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/07/24(金) 23:59:43.19 ID:ZJRNGCfT0
ほす
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/08/17(月) 22:00:25.23 ID:wSoTpZLY0
ほしゅ…
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/08/17(月) 22:01:27.53 ID:wSoTpZLY0
ほしゅ…
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/09/05(土) 19:46:04.97 ID:jyxOXO1e0
ほしゅ
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/10/22(木) 03:52:42.32 ID:NfYPQ6XD0
ほしゅ
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/11/03(火) 13:00:54.81 ID:jks8wE8z0
ほしゅ
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/07(土) 00:59:15.80 ID:I1h1wB7dO
ほしゅ
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/12/14(月) 10:47:11.19 ID:HVAjU+om0
ほしゅ
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/04/19(月) 14:45:06.89 ID:L8Rqk+910
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651 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/07/06(火) 02:35:05.08 ID:oHbmRs0+0
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653 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 23:30:46.01 ID:M8eRCZ4ko
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654 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/07/24(日) 15:14:10.19 ID:unFVi9hw0
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655 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2023/07/13(木) 09:57:05.45 ID:DG/Q3DL/0
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