モバP「痛くなければ覚えませぬ」

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2 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:17:25.91 ID:kn5lQ3PC0
目の前には書類、書類、書類の山…。

日中、アイドルの付き添いで現場に出ていたしわ寄せだ。
一日でもこれだけ溜まってしまう。

企画書、稟議書、履歴書、見積書、請求書、企画書、領収書、進捗表、履歴書、企画書…種々様々。
目を通し上司の書類トレーへ、目を通し修正して再出力、目を通して経理へ回覧…。

事務所にただ一人残り、片っ端から書類を千切っては投げ、千切っては投げ(イメージ)。
うおォン俺はまるで人間書類処理機だ、なんてな。

でもまぁノってきた。
このペースなら終電までには余裕で終わるなぁ。
と見通しが立ったので一息つこうかなと気を緩めたのだが…
3 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:18:43.82 ID:kn5lQ3PC0










「おつかれさま。働き者ね、頭が下がるわ」



P「ひぃっ!!??」ドキィッ

4 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:21:17.76 ID:kn5lQ3PC0

その絶妙なタイミングで背後から、それも耳元で声を掛けられ、完全に一人だと思い込んでいたこともあり心臓が止まるかと思うほど驚いた。


「…ずいぶんな反応ね。せっかく一人寂しく労働にいそしむあなたを労いに来たのに」

P「か、奏かぁ。驚かせないでくれよ…」ドキドキ


振り向くとそこには担当アイドルである速水奏が立っていた。
まだ、心臓の鼓動は正常には戻らない。


奏「そんなつもりはなかったのだけれど…。Pさんが集中し過ぎなのよ」

奏「あぁ、でもこんなにたくさんの書類を前にすれば、そうでなければ立ち行かないのかしらね」

奏「ともかく改めて、おつかれさまPさん。いつも私たちのためにありがとう」

P「おつかれさま奏。だけどこれは俺の仕事だから礼には及ばないよ」

奏「ストイックなところは素敵だけれど、感謝は素直に受け取っておくものよ? ふふっ」

奏「頑張ってくれているあなたのためにコーヒー買ってきたの。集中するのは結構だけれど息抜きも必要だと思わない?」


ナイロン袋に入った缶コーヒーを取り出し微笑みながら顔の横で軽く振る奏の仕草はそのままCMにも使えそうなほど絵になっていた。いやしかし缶コーヒーは奏のイメージとは少しズレるか…。
奏はなんとなく瓶だな。瓶となるとコーヒーではなく…


奏「…Pさん、メリハリって言葉知ってる?」

P「あ、すまない…。ちょうど俺も休憩しようかと思っていたところなんだ。コーヒーありがとう」

奏「さ、ソファで休憩しましょ」
5 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:22:48.59 ID:kn5lQ3PC0
ソファに腰を下ろしふと壁掛け時計に目をやるともう23時になろうかというところだった。
23時…。びっくりしたことで思いつくのが遅れたが、高校生であれば夢の中にいるのが推奨されるような時刻だ。


P「奏、こんな時間になぜ事務所に来たんだ? 今日の仕事は21時まででそのあともタクシーで直帰するように伝えていたはずだが?」


向かいではなく隣に座ってきた奏に目を合わせないまま質問する。

奏「だからあなたを労いに来たのよ」


見目麗しいアイドルが労ってくれるなど本来なら望外の喜びと言っても良いのだが、それもやはり時と場合に依る。
それに加えて奏は「要注意人物」なのだ。
ひょっとしたら自意識過剰と言われてしまうかもしれないが。
…ただの自意識過剰であったならどんなに簡単か。


P「感心しないな…。奏はまだ高校生なんだぞ? たしかに仕事で夜遅くまで拘束することはあってそれは本当に申し訳ないと思っているが、それでもだからこそ高校生として最低限の休息を取れるように配慮しているんだ」

P「しかも、こんな時間の事務所に来るなんて。俺しか残っていないような事務所にのこのこやって来るなんて、危機感があまりにも無さすぎるんじゃないか?」

奏「…あなたしかいないからきたのよ」ボソッ

P「ん? なんだ?」


かなり際どい言葉を必死に冷静に聞こえていないふりをした。


奏「…なんでもないわ」
6 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:23:58.16 ID:kn5lQ3PC0
奏「大人びてみせなくちゃいけない仕事ばかりやらせるくせに、こんなときは子供扱いするのね。矛盾してるわ」


それは実に痛いところであるが…


P「矛盾は百も承知だ。ただお前が何かひどい目に遭ったりせず安全でいられることはなによりも大事なんだ」

奏「…今日ここで何が起こったって、私はそれをひどいことだなんて思わないのに」

P「ん? なんだって?」

奏「…っ」キッ


奏の大きな瞳に睨まれると実に迫力がある。
たしかにさっきのは自分でも白々しかったと思うが。


奏「…いいわ。子供らしくわかりやすく言ってあげる」


そして完全に失策だったようだ。まずい奏の目が座っている…。


P「いや、待て奏。いい、わかった、俺が悪かった」

奏「いいえ、待たないわ」

















奏「…好きよPさん」




P「ぁ…」
7 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:25:40.53 ID:kn5lQ3PC0
決定的な言葉に思考がショートする。
強引にでも奏の言葉を遮った方がいいのか、それとも最後まで聞いてうまくごまかした方がいいのかわからない。
そもそも手遅れであるような気がするし、それに最早ごまかせるものでもないかもしれない。


奏「今日この時間にここに来たのはあなたしかいないと分かっていたから。さっき聞こえてたでしょ?」

P「れ、冷静になれ…」

奏「冷静よ? 少なくともPさんよりは」

奏「…もっと言えばあなたに手を出してもらいたくて、あなたと二人きりになれるここに来たわ」

P「っ…」

奏「本当にあなたには感謝してるの。見たこともない素敵な世界を見せてくれて」

P「それは、奏の力だ…」

奏「半分はね。でももう半分はやっぱりPさんのおかげよ。私が一番輝ける仕事を取ってきてくれたり、自分でも知らなかった一面に光を当ててくれたり…。
 たぶん他のプロデューサーでは無理だったと思うわ」

P「……」

奏「それに、あなたは下衆な視線を送って来るクラスメイトやタレントや俳優とは違う。
 あなたはちゃんと私の内面も見てくれている。それとも…ただ私のルックスがあなたの好みではないのかしら?」

P「いやっ、そんな……ことは…ない……」


あまりにも見当違いな奏の考えに咄嗟に本心が顔を出してしまった。まずいまずい完全に奏のペースだ…。


奏「ふふっ。嬉しいわ。本当に…」
8 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/17(金) 23:26:32.27 ID:kn5lQ3PC0
奏「きっとあなた以上の男性はいないわ。だからあなたが好き。単純明快でしょ?」

奏「Pさん……あなたの答えを聞きたいわ」


吸い込まれそうなほど美しい瞳をまっすぐ向けられる。
この2つの宝石の前じゃとてもじゃないが嘘はつけそうにない…。


P「か…奏…。俺とお前はプロデューサーとア「Pさん」


俺の言葉を遮るように奏が話し始める。


奏「私は子供らしいから、子供でも納得できるように答えてね? 変なごまかしや単なる先延ばしはきっと理解できないわ」

P「ぐっ……」

奏「本心を聞かせて。本心であればそれがどちらでも私は納得するわ」

奏「あ、そうね……別に言葉でなくてもいいわよ」

P「?」

奏「ん……」


奏が俺の方へ体を向け目を瞑り、キス待ちの構えになった。
このポーズはこれまでにも何度もされてきたがいずれも俺をからかうための冗談めいたものであった。
しかし今回の奏は本気らしい。
主導権を握っているかに見える奏もその実、緊張しているようで頬は見たことがないくらいに朱が差し、唇もかすかに震えている。
9 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:28:34.22 ID:kn5lQ3PC0

……
………
…………無理だ。

どうシミュレートしても奏にキスする結末になってしまう。
だって仕方ないよ、俺だって奏大好きだもん。
嘘つけない、ごまかしダメ、先延ばしダメなんて、もう他にないよ…。
あ!「答えは沈黙」というのは…ダメだろうなぁ。
「沈黙ということはOKということね」ってなるよ絶対。
どうしたらいい!?この緊縛にも似た状況を打破できる妙手ないのかい!?



ずっと奏のキス顔を見つめていたら意思とは関係なくキスしてしまいそうだったので、
どうにか目を逸らしソファ前に置かれたローテーブルに目をやった。テーブルに置かれ
たままになっていたあるものに目が留まる。きっと誰かが食べ切ったあとに捨て忘れた
のだろう。あぁ、懐かしいなぁ。子供の頃、コレをアレしたらすげー笑えたなぁ……。
あ、やるか…? やってみるか? 奏に? 絶対奏はやったことないだろ。こんなこと
したらもう今日のことなんてぶっとんでしまうんじゃないか? 奏ももしかしたら考え
直してくれるかも。もっとも俺の首もぶっとんでしまうかもしれないが…。いや、それ
は確かに嫌だが今はもうこの思いつきを奏にやってみたくてたまらなくなっている。
…奏怒るだろうなぁ。でもコレをアレされた奏がどんな感じになるのか興味あるなぁ。
いや、あくまで交渉材料としてね?
10 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:29:39.62 ID:kn5lQ3PC0
そうして俺はテーブルの上に無造作に投げ出されていた赤色のソレ、通称みかんネットにひそかに手を伸ばした。

そして入れ口を十分に広げ振りかぶり……






ず ぽ っ !

奏「ふぇ!?」







奏の美しい顔に一気に被せてしまった。









奏「へっ!? はっ…!?」フゴフゴ

圧迫祭り絶賛開催中……っ!








あわわわわ…。
11 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:30:34.50 ID:kn5lQ3PC0
P「ごくり…」

奏「Pひゃ、ん…な、にをひ、たの…? 目が…開けられなひわ……」

奏「こへ…スツォッキング…? いえ、網たひつ…? なに…これ…どこから…? 何なの…?」


ネットの圧迫感で瞼があげられないらしく、頭を飲み込んだみかんネットをペタペタと触り、その感触から網タイツと勘違いしたようだ。
惜しい! いや、本来下半身に履くものである網タイツをこのタイミングで頭に被せられたなどという発想自体出てこないのが普通かもしれないので、そこは奏の客観的判断力と柔軟な思考の融合を称賛しても良いだろう。
さすが奏だ…。




…。

……あぁ。

………やってしまった。



ネットに圧迫された奏の顔は見るも無残。
鼻は潰れ、頬はネットに引きずられ下に垂れ、髪は散らかしたように顔にへばりついている。
このネットの下に美女の顔があると分かる人間は皆無だろう。
この圧迫顔から元の美しい顔を想像することは人間業ではない。
そもそも美女にこんな罰当たりなことをするなんて常軌を逸している。


あぁ…まじでやっちまったなぁ…。





しかし……
12 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:31:58.31 ID:kn5lQ3PC0
奏「えっ? ほんとうに…えっ、なっ、なんなの?」

P「……」ゾクゾクッ


状況がまったくわからず、あたふたとする奏のぶちゃいくな顔を見ていると胸の奥がズキズキするようなあまりよろしくない類の快感が沸いたことを認めなくてはならないだろう…。
なんだろうこの感情…。

おそらく俺しか見たことがない、しかももう二度と見ることはできないだろう奏の無様な姿。
それを凝視する。
そこで文明の利器の存在を思い出す。
慣れた手つきでスマートフォンを取り出しカメラアプリ起動。


カシャ♪


静かな事務所に無慈悲な撮影音が鳴り響いた。


奏「P、ひゃん…? 何を撮っているの…?」


カシャ♪  カシャ♪


響く電子音。


奏「だから! 何をしているの!?」


明らかに怒気を孕んだ問いかけに答えてやることにする。言葉で、ではなく…。


むんず  ずるぅ


奏「んっ!?」


ネットの先端を上へ5センチほど引っ張ると、予想通りそれにつられて奏の瞼が開いたのでスマホの画面を見せてやった。
13 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:33:10.40 ID:kn5lQ3PC0
奏「ぃゃ…なひよ…これわたひ…? なんのつもり…なの…ひょ…」フルフル


あ、ネットを引き上げたから今度は頬が引き上げられて…しかも最悪なことに鼻がブタっ鼻ぽっくなっている。
さらに昏い興奮を覚えた。
残したい、この感動。


カシャ♪


奏「や、や…めへ…やめへぇ……」


カシャ♪ カシャ♪ カシャ♪


奏「やめなさい!!!」グイッ


声を荒げて奏が被せられていたみかんネットをはぎとってしまった。
顔にネットの跡はついていないが、髪はそうもいかずせっかくビシッと決まっていた髪型は崩れ後れ毛があっちにもこっちにもある。
だからかもしれないが、怒りに凄む奏もいつもの迫力がない。


奏「なんなのよ!? なにがしたいの!?」

P「奏、俺はやはりお前の想いには答えられない」

奏「えぇ!? はぁぁ!?」



奏「えっ…………」

奏「やっぱり私じゃダメなのね……」シュン

P「いや! 違うそうじゃない。 『応えられない』ではなく『答えられない』だ。OKともNOとも答えられないということだ」

奏「なによ…それ…納得できない…」
14 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:35:24.53 ID:kn5lQ3PC0
P「俺たちの関係の始まりはプロデューサーとアイドルだ。それが大前提だ。その前提を反故にするようなことは俺にはできない。
そしてお前もアイドルでいる間は特定の誰かに表立って愛情を注ぐというようなことはしてはいけない。
だから俺に『好き』だなんて言うのもだめだ。それはそれが許される時までずっと秘めておくべきものだ」

奏「な…とく…できない…」

P「そういうルールだ。アイドルになる前に伝えたはずだな?」

P「そして…それでも尚、ルールを破ろうというのなら、俺だってルールを破る…」

奏「な、なによ…?」


スマホを3回ほどタップして画面を見せつける。

LINEのとあるグループにさっきの圧迫顔の写真をあと1タップで送信できる状態になっている。
グループのメンバーは、俺、速水奏、城ヶ崎美嘉、そして、宮本フレデリカ、塩見周子、一ノ瀬志希。俺とLiPPSの連絡用のグループだ。


P「ルールを破ろうとするような悪い子には罰を与えなくてはいけない。
 まだこの話題を続けようというのなら、このグループにさっきの写真をぶち込む…」



奏「…」



奏「………」



奏「ひぃぃぃ!!!??」ブルルッ
15 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:36:51.50 ID:kn5lQ3PC0
この罰の恐ろしさを正しく認識した奏の顔が一気に青くなった。
美嘉はともかく、フレデリカ、周子、志希にこんな写真が渡ろうものならどれだけいじられてどこまで拡散されるか…。
もし俺の恥ずかしい写真が万が一この三人に渡ったとしたら…想像するだに恐ろしい…。


奏「だ、だめっ…そんなの家から出られなくなる……っ」ガタガタ

P「こんな汚い手を使うしかない俺をいくらでも罵ってくれていい。だから俺との関係についての話はすべての筋を……奏?」

奏「だ、だめよっ…もう日本じゃ生きてきけないわ……」ガタガタ


青くなったまま身震いしている奏に俺の声は届いていないようだ…。


奏「ダメよ…Pさんっ…お願い写真を消して…っ」ガバッ


奏が俺のスマホに飛びついてくる。
やばい完全に正気を失っている…。


P「いやっ、待てっ!送らない!送らないから!!危ない!押しちゃう!!」

奏「いやぁぁぁ!だめよ!!押さないでぇ!!!」グイィ

P「押さないって!!!!だ、大丈夫!!嘘だって!!こいつらに渡すわけないって!!!」

奏「だめぇぇえ!!! やめてぇぇぇぇぇええ!!!」グイィィ

P「ほんとに!!送らないからぁっ!!! 奏ぇ!!! 俺の話を聞けぇぇぇ!!!」

奏「いやぁぁぁあぁぁ!!!」グイィィィィイイ

P「やめろぉぉぉぉ!!!!」







   ぽちっ……




P奏「「あっ」」











LINEの薄青の背景に奏のみかんネット顔が表示される。



奏「いやあああぁぁぁぁぁああ!!!!」
16 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:37:47.60 ID:kn5lQ3PC0
響き渡る奏の絶叫。近隣のビルから通報されてもおかしくない声量だ。

そしてすぐさま既読が1つ付く。


  ぽーん♪


美嘉【これ奏? どゆこと???】



奏「いやあああぁぁぁぁぁああ!!!!!」


そしてまた絶叫。


奏「はぁ、はぁ…み、美嘉?…まだ美嘉だけ…まだ美嘉なら…消さなきゃ…消さなきゃ…早く…っ」

P「か、奏…」


うわ言のように呟きながら俺のスマホを取り上げて震える手でフリックとタップを繰り返す奏だが、たしかLINEの写真は…。


奏「け、消せるのはこの端末だけぇぇぇぇええぇ!!???」

奏「いやあああぁぁぁぁぁああ!!!!!!!」


そして気付けば既読があっという間に「4」となっていた。
つまり全員に見られたことになる…。


奏「あああぁぁぁぁぁあ゛あ゛!!!!!!!!!」
17 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:38:43.99 ID:kn5lQ3PC0

 ぽーん♪ ぽーん♪ ぽーん♪



周子【これは大変なことになってますねぇフレデリカさん】


フレデリカ【大変キョーミ?深いって感じ? 一ノ瀬さんはいかがしるぶぷれ?】


志希【にゃはは〜〜〜】












ぽーん♪




志希【みんなに知らせなきゃ(使命感)】













奏「ぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!」
18 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:40:16.36 ID:kn5lQ3PC0
これまでの人生でぶっちぎりで一番の絶叫が耳をつんざいた。
ちなみに5位までは全部ついさっき聞いたものだ。

絶叫し終わった後も微動だにせず、携帯を見つめ続けている奏から何か空気が漏れ出るような音がする…。
顔をのぞき込むとそれはなんかもう奏っぽい誰かだった。
我ながら酷い言い草であるが…。


奏「かひゅっ、かひゅ、かひゅ……」


奏「かひっ……」ビクッ



奏「」グタリ



叫び過ぎの酸欠からかショックからか現実逃避からか、奏は意識を手放してしまったようだ。
ソファに横たえて乱れた髪を撫で整えてやるが、表情は悪夢をみているように険しい。

こんなことにするつもりなんてなかったんだが…過ぎたことはもうどうしようもない。
この痛みによって奏が意識改革してくれることを切に願う。


俺と奏のスマホからはメッセージの受信を知らせる電子音が鳴り続けている。






P「ふ〜〜〜……」


P「さて、退職届書こうか」
19 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:41:06.84 ID:kn5lQ3PC0
速水奏 編 終わり
20 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/17(金) 23:43:22.04 ID:kn5lQ3PC0
次の話は明日投下予定です。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/06/17(金) 23:45:20.33 ID:sNuwHLU90
ふぅ…

なんて可哀想な事をしたんだこのPは悪魔か…
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 01:09:58.57 ID:v2iRKIgmo
うーん、こういうプレイと考えれば、Rになるのか……?
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 01:52:19.38 ID:zvFW1m/t0
ちゃんとフォローするシーンが後で追加されてそこんとこがR-18なんですねわかります(強要)
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 03:39:40.67 ID:6Cj/lvtLo
うーん。控え目に言って最高かな。

素晴らしく紳士的で興奮します
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 03:47:12.28 ID:wb1m+kEmo
堕ちるところまで堕ちたらもう怖いものなんてないやん
気絶するなんて奏には失望したよ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 10:21:11.24 ID:bSNDq+Lfo
フレデリカ志希周子がやってもちょっとハジケたおふざけの範疇
美嘉がやるとLippsのいじられポジなので許容範囲
奏の場合はイメージ崩壊にしかならないという恐怖
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 11:04:29.82 ID:8Ytk7gGko
参考画像早く
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 15:30:30.37 ID:cgbMGE+xO
R…あれ?
29 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2016/06/18(土) 17:06:27.34 ID:r3M5PZL/0
始めます。
尚、各話のモバPは同一人物とは限りません。
30 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:09:04.40 ID:r3M5PZL/0
…………
……


鼻をくすぐるような良い匂いがする…

心地の良いかすかな音がしている…

それに左半身がなんだか温かい…まるで…


ん?
俺は今何をしているんだ?


たしか…事務所でずっと書類仕事をしていて…
他のスタッフはみんな帰ってしまって…
だったらのんびりやるかと一旦休憩しようとソファに深く腰を下ろして…

なるほど、そのまま寝てしまったのか。


意識が覚醒し始めてようやく目をひらく気力が湧いてきたがまだ視界はかすんだままだ。


良い匂いのする方、心地よい音がする方、つまり温かな感触のある左方に目を凝らすとぼんやりと人の輪郭が見える。
その人影はじぃっとして動かないが周期的に手のあたりだけが動き、それに伴って心地の良い音…これは本のページをめくる音だ…がした。
31 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:10:39.48 ID:r3M5PZL/0
P「あぁ…文香か……」

文香「……」ペラッ


俺の呼びかけは読書中の鷺沢文香には届いていないようだ。
その集中力には感心するが…。


P「文香、近いぞ?」

文香「……」ペラッ


俺と文香が座るソファは4人が余裕をもって座れるほど大きいもので、しかも向かい側にももう一つ同じソファが設置されているというのに、
文香は俺の体の左側面と触れ合うほど近くに座っていた。
俺が休憩し始めた時には確かに文香はいなかったので、あとから来た文香がわざわざ俺のすぐ隣に腰かけたことになるが、一体どういうつもりなのだろう。


P「文香、近いって。おーい、文香!」

文香「……」ペラッ

P「ってこれも聞こえないのか…? すごいな」


数メートル先の人にもはっきりと聞こえるような声量で呼びかけたのに、読書に没頭している文香は気付くことができないらしい。
32 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:12:08.15 ID:r3M5PZL/0
周りの声が耳に入らないほどの集中力というのは往々にして称賛されるものだが、このレベルまで来てしまうと最早危ういと言わざるを得ない。
仕事の時刻になっても気付かなかったり、カフェテラスで読書中に居眠り運転の車が向かってきたり、電車などで痴漢に良い的にされたり…。

読書するときにはもっと周りに注意を払うか、自室などのそもそも何の危険もないような場所を選ぶようにと再三にわたって文香には伝えていたのだが、相変わらずのようだ。

しかも今日などは夜も遅く俺しか残っていない事務所にわざわざ来て、それもわざわざ俺の隣に座ってこんなに無防備を晒しているなんて、本当にどういうつもりなんだ…。

こんなの、文香のそういう性質を知っている人間にとってはいたずらを誘っていると思われても仕方ないぞ?


P「……」

文香「……」ペラッ


そういうわけで…これから俺がすることは文香が読書中どれほど周りが見えなくなっているのかをプロデューサーとして把握しておくためであるし、
また同時に文香にその危うさを身をもって学習してもらうためである。


P「……」スッ

つぃぃぃ さわ…さわ…

文香「………」ペラッ


手始めに文香の艶髪に触れてみた。
当然この程度では文香にとってはそよ風と変わらないのだろう、なんの反応もない。
33 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:14:13.25 ID:r3M5PZL/0
P「本当に綺麗な髪だ…これで特別な手入れしてないってんだから羨ましがられるのもやむなしだよなぁ…」サワサワ


早くも目的を忘れ、見た目通りの素晴らしい手触りをつい愉しんでしまう。

まさにシルクのような髪だ。
髪の暖簾に指先を突きいれてみるとなんの引っかかりもなく入り込み、手櫛をかけようとするも「するん」と
一切の抵抗なく髪先まで通ってしまったのでそもそも手櫛の必要は全くないのだろう。

しかもサラサラのくせにフワフワとした柔らかさもあって、髪先の束を手のひらで持ち上げてみると歪さのかけらもない
優しい曲線を描いた後で蛍光灯の安っぽい光をまったく別次元の輝きに変換してみせてからハラハラと元通りになった。

うむ、キューティクル・モイスチャ―ともに良し。


文香「…………」ペラッ

P「それに文香といえば…」


くいっ


P「この瞳だなぁ。ほんとうに吸い込まれそうだ…」


文香「…………」




文香「……」ペラッ
34 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:16:17.49 ID:r3M5PZL/0
前髪を上げるとどこか海の青さを連想させるような瞳があった。


P「はぁ……」ジー

文香「…………」ペラッ

P「文香の瞳はずっと見ていたくなるなぁ…。はぁ……」ジーー

文香「…………」


文香「…………」



文香「…………ぁ」ペラッ


冗談抜きで本当にずっと見ていられるのだが、それで文香の読書が終わってしまっては検証ができなくなってしまうので断腸の思いで視線を外した。
その先にあったのは文香のトレードマークといってもよいヘアバンドだった。


P「文香のヘアバンド…」

文香「…………」ペラッ


P「好き」

文香「…………///」

P「だけどたまには……あれ? ヘアバンド外したところ見た記憶が…無いな…」

P「外してみるか…? いやでも流石に気付くか…?」


P「うーん…」

文香「………」ペラッペラッ

P「あ、読むスピードが速くなってる。ということは集中も深まっているということか…。もしかしたら気付かないんじゃ…?」


   ぐいっ


ヘアバンドの縁の指を掛けて少しずつ後ろへずらしていくと、あるところで手櫛と同じように「するん」と抜けてソファに落ちた。

文香は…?

35 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:17:40.86 ID:r3M5PZL/0
文香「………………」ペラッ

P「あちゃーほんとに気付かないのかぁー。これはいよいよ危ないぞ〜」


P「ん?」

P「すんすん…めっちゃ良い匂いがする…どこから…?」

文香「………?」

P「すんすん…あ、ヘアバンドがかかってた髪のところからかぁ。バンドで温められてたのが解放されたからかな」

文香「………」ペラッ

P「あぁ、すごい良い匂い…。これで安物のシャンプーって嘘だろ…」

文香「………」

P「すんすん……あぁ…」


P「……直接嗅いでも大丈夫だよな…?」

文香「………!?」ピクッ

P「ん?」

文香「………///」ペラッ


検証とは関係なくなってしまうが、良い匂いを胸いっぱいに吸い込みたいという欲求に逆らえそうにない。
でも残業代もでないのにこんな夜遅くまで働いているし、偶々転がり込んできた幸運をモノにしないのは
寧ろ神様の采配に逆らっているようできっとそれは良くないことなので、つまりはこの僥倖を噛みしめたところで
誰も俺を咎めることなどできるはずがない。

よし、OK。


文香の髪ギリギリまで鼻を近づけ…




P「すぅ〜〜〜〜〜〜はぁ〜〜〜〜〜〜〜」


文香「ぁぁ………/////」
36 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:19:06.38 ID:r3M5PZL/0




P「………」






P「OH MY GODESS……」ゾクゾクゾクッ

文香「………/////」


胸を満たしてくれた期待以上の幸福感に小躍りしてしまいそうなほどだった。
こんなの、鼻をうなじに突っ込んで思いっきり嗅いだら一体どうなってしまうんだろう…?

どうなってしまうんだろう…?
どうなってしまうんだろう…?
……どうなってしダメダメダメ!流石にダメ!

もしこの検証中に文香が気付いたとしても、直接肌に触れていなければなんとでも言い訳できるけど、さすがに鼻を押し付けてたりなんかしたら完全にアウトだ。

ダメだめだめだめだめ……。
うん、もう大丈夫。

変な気はもう大丈夫、うん。



P「ふぅーーー、ふぅーーふぅー………よし!」

文香「………?」ペラペラ


P「あ、そういやヘアバンド外した文香をちゃんと見てなかったな…う〜〜んと……?」

文香「………/////」



P「うわぁ〜〜〜」



P「こりゃだめだぁ〜〜〜」


文香「ぇ………」
37 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:20:21.77 ID:r3M5PZL/0

文香「………………」ウルウル…



P「ヘアバンド取ったら前髪がサイドに流れて文香の綺麗な瞳がどこからでもはっきり見えてまうやん…」

P「こんなの街に出ようもんなら、ナンパやスカウトが殺到して1ミリだって進めんへんで…」

P「これほどの女神、悔しいが俺のプロデュース能力ではまだ扱いきれへん。
 ストーカーを増やすだけ増やして文香を危険にさらすことになるに決まっとる…」

P「すまん文香、きっとすぐにこの姿の文香にもスポットライト当てたるからな…」


文香「…………////////」



P「あ、あまりの衝撃で関西弁が出てもうたわ…。ん゛ん゛ん゛…よし、戻った」


P「それにしても文香の集中力はどうなってるんだ…。さすがに肩を強く叩けば気付くだろうが、
 痴漢がそんな触り方をするわけないし、きっと触れるか触れないかいや触れてる、というような微妙なラインを攻めてくるはずだ…」

P「かといって検証とはいえ俺がそれをやったら御用も御用…むむむ…」


P「ソフトタッチ…直接触れず…合法的な……」

文香「…………???」ソワソワ




P「あ!」


悪魔的でも圧倒的でもないけどどれかといえば犯罪的かもしれないけど丁度いい思いつきが下りてきた。
38 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:21:28.50 ID:r3M5PZL/0

P「たしか…このあたりに…」


ごそごそと壁際のキャビネットの引き出しを漁る。
少し前に事務所内で流行ったものの、そのあまりのアレさに一瞬でブームが去ってしまったといういわくつきの器具を探す…。


P「あ、あった…」ニタァァァ

文香「………?」


おっと、思わずゲスい笑みを漏らしてしまった。
しかしコレを使ったことがある人間ならば誰だってニヤつくだろう。
この器具の威力を知っている者ならば誰でも…。


緩いカーブを描いた針金を束にしただけの重量50グラムにも満たない見た目は至って簡素な器具。
ちなみに針金の先端には肌を優しく擦るための小さな丸い素材が接着されている。


P「これはヘッドスパワイヤー…」

文香「!?」ビクッ


P「ゆえにこれはマッサージである…」



文香の良い匂いがほのかに立ち上ってきている頭頂部に狙いを定める。

そしてゆっくりと丁寧に十数本のワイヤ―の先端のポッチを文香の頭皮に挿入するように押し込んだ。
39 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:22:01.42 ID:r3M5PZL/0





   し ゅ る ん ♪




文香「んひっ♥」ブルッ





40 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:23:49.35 ID:r3M5PZL/0


P「ん?」

文香「ぁ……」



P「あぁ、やっぱりこれは文香も気付いたかなぁ? 
 もし気付いたんならこの検証ももうここできっぱりと終わりにしないとなぁ…」


文香「………/////」プルプル


文香「………」


文香「……」ペラッ




P「なん……だと……!?」



   しゅこん♪ しゅるん♪ するん♪


文香「んんぅ♥ ぅひっ♥ あひっ♥」ペラッペペペラッブルルルペラッ


P「なんてこった…。ワイヤーの刺激は確かに感じているのに、読書をやめないだなんて…。
 もしかして読書中の文香の精神と肉体は完全に分離されているのか…!?」


   しゅる♪ しゅこここ♪ しゅるん♪


文香「んっ♥ ぐぅぅ♥ ふぁぁっ♥」


P「肉体を置き去りにして精神だけを本の世界に…。
 だからこんなふうに、こんなふうにしても!はぁ、はぁ……
 口がだらしなく開いて鼻の穴をヒクヒクさせているのも、下品な喘ぎ声も、単なる肉体の反射反応でしかなく、
 ゆえにそれが精神に伝達されることはない…だとォ?」
41 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:24:48.03 ID:r3M5PZL/0
  しゅぴゅん♪ しゅるるん♪ しゅこ♪しゅこ♪しゅこここ♪


文香「んぃぃ♥ もぉ♥ んぁ♥ だぇ♥」ブルブルブルッ


P「こんなの痴漢に好きにして下さいって言ってるようなもんじゃないか!?」シュコシュコン

文香「んあっ♥ んんぁっ♥」


P「これはやばいぞ! 本格的に対策を考えないと文香が! 文香が暴漢に手籠めにされてまう!」シュコココッコココ

文香「あっ♥ あっ♥ あっ♥」ヒクッヒクッ




P「………」




P「なんてな♪」


文香「ふぁ?」ブルブル



P「文香、手止まってるぞ?」


文香「ぁ!? ……」ペラッペラッ




P「ふん…まだ続ける気か…」


文香「……」ペラッペラッペラペラ
42 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:26:30.44 ID:r3M5PZL/0
P「文香の意図はよくわからないが…今日みたいに俺しかいないような事務所に来てあまつさえ俺のすぐ隣に座るなんて…、そんな不用心なことするんじゃないぞ?」

文香「……」ペラッ


P「男と触れ合うことがあまりなかった文香にはよくわからないかもしれないが、そういうのは普通好きな男を落とすためにやるもんだ」

文香「……」ペラッ


P「いくら俺でも勘違いするところだったぞ?」

文香「……勘違いじゃ 『しゅこん♪』 んひっ♥」ブルッ



P「文香みたいな可愛くて綺麗でおとなしい女の子なんてな、悪い男の手にかかったらあっという間に食べられちゃうんだぞ?」


  しゅるん♪

文香「はひっ♥」


P「わかるか? 身も心もズタボロのドロドロにされて…」


  しゃこん♪

文香「ぅぁっ♥」


P「もしかしたらドラッグなんかも使われて頭バカにされて…」


  しゅこしゅこ♪

文香「ふぁ〜♥」


P「涙も鼻水も唾液もだらしなく垂れ流したアヘ顔を写真に撮られて…」


  しゃっこん♪ しゃっこん♪

文香「ふぅぅ♥ んぁぁぁん♥」


P「それを使って一生脅され続けることになるんだ…」



P「わかったか?」

文香「はっ♥ はひぃ♥」
43 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:27:50.04 ID:r3M5PZL/0
P「そうか、なら良いんだ。それはそうと……」


  しゅこん♪ しゅこん♪ しゅるるん♪

文香「あひゃぁんん♥」


P「コレ…気に入ったか?」

文香「ふっ♥ ふぁぁい♥」


P「キモチイイか?」

文香「きひぃ♥ きもひいいれすぅ♥」


P「もっとしてほしいか?」

文香「んはぁい♥ もっろひてぇぇ♥」



P「ははは…よし」


  しゅるん♪ しゅるしゅりゅしゅるるる♪ しゅこん♪

文香「ふぁっ♥ ぁぁあ♥ あっ♥ あっ♥」








P「文香って結構欲しがりなんだな……」

44 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:28:26.04 ID:r3M5PZL/0



P「この……」













P「スケベが」ボソッ










文香「!?」




文香「あっ♥ あっ♥ ふあぁん♥♥♥」ビクンッ
45 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:30:13.55 ID:r3M5PZL/0


P「あ……」


つい調子に乗ってひどいことまで言ってしまった。
俺の悪い癖だ…。

文香は何かを耐えるように体を震わせている。
傷つけてしまったのかもしれない…。


P「文香…その…ごめん」

文香「ふ、ぅぅぅ……」ブルブルブル


文香「……」プルプル



文香「ぁ…Pさん…お目覚めでしたか…」プルルッ

P「ふ、文香?」


文香「すみま…せん。 私…本を読んでいると……んはぁ♥ 周りが見えなくなってしまうので…
 もしかしたら…Pしゃんのこと…無視してしまっていたかもしれません…」

P「いや…うん…そうだね…?」


文香「ぁ…ちょっと…はぁん、はぁ♥はぁ♥ お花摘みに行って…きますね……」スック

P「お、おう…」



ふらつきながら立ち上がり事務所外のトイレへ向かう文香の後ろ姿を見送る。


ついさっきまで文香が座っていた場所を見ると何かに濡れているように見えなくもなかったが、
それは曖昧なままにしておくことにしておく方が何かと良いような気がしたので調べるようなことはあえてしなかった。


46 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:31:13.55 ID:r3M5PZL/0
鷺沢文香 編 終わり
47 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/18(土) 17:31:43.80 ID:r3M5PZL/0
次の話は明日投下予定です
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 18:09:48.43 ID:IdV1B+FL0
乙乙
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 18:20:13.36 ID:j6UEwUcio
さすが座るセックスさん
おつ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 20:13:38.99 ID:mYBaeLtRo
いいぞー
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 21:38:07.98 ID:Ey+zXgXmo
この変なノリ好きだわ
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 23:01:23.97 ID:PpWZcW4Qo
>座るセックス

そんな呼び方が…
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 03:03:00.07 ID:RsyD8I91O
R…Rだ!やった!
54 : ◆ao.kz0hS/Q :2016/06/19(日) 21:27:56.31 ID:mx+DuvUn0
始めます
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 21:28:41.46 ID:5cf0uzSIO
まってた
56 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:30:59.71 ID:mx+DuvUn0



「は〜い、おっけーで〜す」


ADの間の抜けた一言は放送に必要な撮影がすべて終了したことを意味している。


「ふ〜終わった〜お疲れ〜」 「お疲れ様です」 
「お疲れさまー」 「どう?飲み行く?」 「おっ、いいっすねぇ〜」


スタジオのセット中央に配置されたソファに腰かけた出演者たちは(撮影中もかなりリラックスしていたように見えたが
)一気にプライベートモードに切り替わり、この後の予定を立て始めていた。
現在は午後7時、飲みに行くには丁度いい時間だろう。


「ねぇ、キミも一緒にご飯食べに行かない?」 「スタッフさんたちもいるからさ」 
「んん〜どうしよっかにゃー…あっ」


久々に担当アイドルが出演するテレビ番組の撮影現場に顔を出すことができ、その子が自分の仕事を卒なくこなしているのを確認できた。
そして今日のこのスタジオ内で営業をかけるべき人間は……いないようだ。
となるともうここには用はない。
そう思ってスタジオを後にしようとしたのだが。


「ごめんね〜この後予定があったの忘れてた〜♪」 「あぁ〜…、なるほどね。頑張ってね!」 
「ありがとーじゃね〜♪」




「ぷ〜ろでゅ〜さ〜!」


自分のことを呼ばれ振り向いた瞬間、胸部に鈍い衝撃が走った。



P「うぐっ!?」
57 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:32:21.80 ID:mx+DuvUn0

「にゃはは〜! 何も言わず帰ろうとするってどういうことかにゃ〜!?」グリグリ

P「す、すまん、志希。お疲れ様…」


担当アイドルである一ノ瀬志希が俺の胸に飛び込みがてら頭突きをかまし、そのまま頭をぐりぐりとしてくる。


志希「久しぶりに現場に来てくれたのにね〜〜〜うにゃ〜〜〜!!」グリグリ

P「ちょ…志希、やめなさい…」


衆人環視の中、ほとんどアイドルに抱き着かれているようなものであるから変な汗がジワリと滲み出るのを感じた。


志希「なんでぇ〜 キミはぁ〜 あたしの現場にぃ〜 来てくれないのかにゃ〜!?」グリグリ

P「いや、まって志希ほんとに! 人が見てるからっ!」


気付けばスタジオ内に残る人たちの視線が俺と志希の二人に注がれていた。
ただ不思議なのはそれがゴシップ的なモノを見る視線ではなく…なんというか生温かい視線というか…。


志希「ふっふっふ〜〜残念だったね〜。このスタジオの人たちはみんなあたしの味方だよ〜。ロクに現場に来ないようなナマケモノには発言権も拒否権も無いのだぁ〜♪」

P「へ? はぁっ?」

志希「だから大人しくしてるよーに!わかったかなー? ハスハス〜♪」グリグリ

P「ちょ、やめっ!? 嗅ぐな! くすぐったい!」


クスクスと、いや、ニヤニヤとした笑みを浮かべながらスタッフの人たちが各々の作業を再開し始めた。
どうやらパパラッチの類の心配はいらないようであるがどうにもばつが悪い。

大きく「お疲れ様でした」と言い放ち、しがみつき続ける志希を引きずるようにしてどうにかスタジオから出ることに成功した。
58 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:34:08.15 ID:mx+DuvUn0

P「志希、おい、志希! もういいだろう、もういいだろう!?」

志希「ありり? スタジオから出ちゃったか〜」

志希「ふぅ〜〜とりあえず充電かんりょー♪」


そう言ってようやく志希は離れてくれた。
志希の頭が擦り付けられていた胸のあたりから彼女の匂いが立ち上って来たのが分かった。
やれやれ…。


志希「改めてお疲れさまー♪」

P「あぁ、お疲れ様。撮影良かったぞ」

志希「まぁねー。それにしても一体どういう風の吹き回しかな? 最近めっきりあたしの現場には来てくれなくなってきたのに。
キミが来てるって分かってたらもっと頑張ったのにな〜」

P「いや、そこは常に頑張ってくれよ…」

志希「ジョーダン、ジョーダン♪ にゃはは〜」

P「たのむぞ?」

P「…それがなぁ、この局で予定してた打ち合わせが急にキャンセルになってしまって手持無沙汰でな、丁度志希の番組撮影やってるの思い出して見にきてみたんだ」

志希「んん〜〜? やることないから暇つぶしに見に来たってことかな〜? それはさすがの志希ちゃんでも怒っちゃうぞぉ〜?」


いつも通りの軽い口調だが微かにではあるが確かに怒気を孕んだ声に内心ひやっとしてしまう。
そもそも馬鹿正直に言わなくてもよかったかもしれないが…志希に変に取り繕ってもごまかせる気がまったくしないのだ。


P「本当にすまん! これからはできるだけ同行するようにするから許してくれ…」

志希「うん、許す♪ なんちゃって〜にゃはは〜」


志希の声のトーンが一転して元の軽快さに戻る。


志希「『ダダ』っていうのをこねてみただけだよ♪ キミも大変だもんねぇ〜」
59 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:35:00.03 ID:mx+DuvUn0
自由奔放が服を着ているようなイメージを持たれている志希であるが、それは彼女の一面でしかない。
好き勝手やっているように見えて自分の仕事はきっちりこなしているし、どう振る舞えば自分の魅力を出せるかも十分に理解している。
そのギャップはギフテッドである志希特有のメリハリのつけ方なのだろう。

だが最近はその志希の能力に甘えてしまい、一人で現場に赴いてもらうことが増えてしまっていた。


志希「でも〜だからこそ〜こういうときくらい好きにハスハスさせてもらうからね〜♪」ダキッ


言いつつ、折角引きはがした志希がまた抱き着いてきてしまった。今度は腕にであるが…。
普段の奔放さから多少のスキンシップは「キャラ」ということで大目に見てきたが最近は少々過剰に感じることも多くなってきている。


P「志希、そういうのはちょっと減らそうって言ってるよな?」

志希「いいの、いいの〜♪ さっ、プロデューサーも事務所に帰るんでしょ? 
 あたしも連れてって欲しいな〜♪」

P「あぁもう…。俺は飯をどこかで食べるような余裕は時間的にも金銭的にもないからな?」

志希「いいよ♪ あたしもキミと同じコンビニ飯で構わないから♪」

P「う〜ん、年頃のアイドルがそれでいいのか…?」

みく「なんだか今日は食品添加物をたっぷり味わいたい気分なんだ♪」グイッ

P「はいはい、わかったよ」


撮影終わりのくせにまだ元気満々な志希に駐車場に停めた社有車まで引きずられていく羽目になるのだった。
60 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:35:59.38 ID:mx+DuvUn0
―――――
―――
――


志希「じゃああたしはあっちでオベンキョーするから。プロデューサーもお仕事頑張るよーにー♪」


実に粗末な晩御飯を一緒に済まし一服したところで志希がそう言い立ち上がった。


P「事務所に用があるって、勉強しに来たのか? 自分の部屋でやればいいのに」

志希「たまには気分を変えたくてね〜。はぁい、あたしのことはいいから、キミもさっさと労働に勤しむのだ〜♪」

P「はいよ。あまり遅くなる前に帰るんだぞ?」

志希「……」

P「?」

志希「はいは〜い♪ さあやるにゃ〜」


会議室に向かう志希の後ろ姿を見送る。
アイドルには学生が多いので会議室は業務に使われていないときに限り自習室として使っていいことになっている。
もっとも、志希のする勉強とは学生の域をはるかに超えたものであるのだろうが。
…凡人にはよくわからない。


事務所を見渡せばいつもより活気のある雰囲気を感じた。
…今日は金曜日か。
そうだよな花金くらいスパッと仕事片づけて明日知らずの飲みに繰り出したいよな。

悲しいかな俺には縁遠い話である。
それでも今日ぐらいは最終帰宅者になるのは避けたいものだ…。


P「…」

同僚P「…」


同じく最終帰宅常連の同僚Pと目が合う。


P・同僚P「「ふっ…」」ニヤッ


今日は俺の方が先に帰ってやるぞという不敵な笑みの応酬。


絶対同僚Pなんかに負けたりしない!
61 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:37:19.58 ID:mx+DuvUn0
―――――
―――
――


同僚P「おつかれちゃーーーーーん!!!!」

P「…」イラッ

同僚P「戸締りと消灯の確認よろしくねーーーーん!!!」

P「ウス…」イライラッ


汚い笑みを浮かべながら事務所のドアをくぐる同僚Pに心の中で中指を立てる。
あの野郎、勝ち誇ってたけど僅差だからね僅差。
俺だってあとはこのメールを送信すれば終わりだからね。
さっき掛かってきた電話を同僚Pがなかなか取らないから俺が仕方なく代わりに取った所為だからね。
もうほら、これで、これで、あ、添付ファイル忘れずに、これで…。


P「送信っ、と…」

P「ふぅ………見回りして帰ろ」


同僚Pには勝てなかったが午前様は避けられそうだ…。
自席から立ち上がりまずは事務室内の窓の施錠を確認して、最終帰宅時の確認シートにマークする。
資料室、給湯室も同様にチェックし、会議室を確認しようとしたのだが…。


P「電気ついてるな…」


ドア下の隙間から光が漏れ出ている。
電気の付けっ放しなどがあった場合は確認シートにその旨を書いておかなければならないから面倒だ…まったく誰だ消さずに帰った奴は…。

気怠さが増したのを感じながら会議室のドアを開くと、美少女と目が合った。
天才美少女、一ノ瀬志希。


P「はっ? え? なんでいる?」

志希「あっ! もぉ〜〜遅いよ〜! いつもこんな時間まで働いてるなんて感心を通り越して少し引くにゃ〜」


まるで俺がこうして会議室のドアを開けるのを待っていたかのような言い草だ。

両腕を上げて一伸びしてから、机の上に広げていた論文…うわなんだこれ英語びっしりで目がチカチカする…あれなんか英語ですらない…と筆記用具を鞄に仕舞い始めた。
62 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:38:50.20 ID:mx+DuvUn0
P「え? ずっと勉強してたのか?」

志希「そうだよ〜。…ん? 勉強するって言ったよね?」

P「言ってたけど…こんな時間まで会社にいるなんて…」

志希「?」


状況がよくわかっていないらしい志希に軽い眩暈を覚えた。


P「あのなぁ…今日はたまたま俺が最後だったけど、もし他の奴が見回りしてたらソイツとこんな時間にこの狭い会議室で二人きりになってたんだぞ? 
 万が一があるかもとは思わないのか?」

志希「にゃはは〜『たまたま』なんて白々しいんじゃにゃいかな〜♪ ソレ♪」

志希が俺の左手にある確認シートを指さす。

志希「ここ最近ほとんどキミのサインだったよ? それって最後に会社を出る人が書くんだよね? 
 きっと今日もキミだと予測…するまでもないかな♪」


改めてシートを見てみると確かにここ一か月はほとんど俺の名前が並んでいた。
極たまに同僚P。


P「いや、でもなぁ…今日は同僚Pが最後の可能性も十分あったんだぞ? それこそ10分の差しかなかった」

志希「にゃはは〜ザブトンイチマイ〜♪ でも同僚Pさんだったとしても、あの人なら心配ナッシン。
 ああ見えて小さな犯罪も犯せないゼンニンと性向判断済みだよ〜♪」

P「ったく、心理学だかなんだかわからんが、十代の小娘がアラサーのオッサンの内面を語ってたら痛い目みるぞ? 
 男が誰の目もない密室で女と二人きりになったときにどう動くかなんて当人にしかわからんわ。
 それに魔が差すってこともあるし」

志希「それでも大丈夫♪ もしものときにはこの志希ちゃん特性の暴漢撃退用のスプレーが火を噴くぜー♪ 
 あ、火は出ないよ?」


そのスプレーの中身の効果はえげつないんだろうが、果たしてその時になって冷静に使えるのか?
しかも密室だったら自分も吸い込む危険もある。
あくまでそれが必要になるような状況を未然に回避するよう努力することが一番大切だ。
63 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:40:12.82 ID:mx+DuvUn0
P「はぁ…。志希、これからは会社に残るのは俺がいるときだけにするんだぞ?」

志希「は〜い♪」


自分で言いながらどこか違和感を感じる…? 
その原因は客観的になってみるとすぐにわかった。


P「魔が差すかもしれないのは俺も一緒か……あっ…」

志希「……」


本来であればわざわざ口に出すべきではないことをつい言ってしまったのは気安い志希だからか…。


志希「にゃはは〜♪ プロデューサー、志希ちゃん襲うっちゃうの〜?」ニヤニヤ


そして失言を聞き逃してくれるほど志希の耳は悪くないらしい。


P「い、いやっ…そんなことはしない! 不安にさせるようなことを言ってすまん! 言葉の綾というか…失言だった」

志希「な〜んだ、つまんないの〜♪ せっかくスプレーのテストができると思ったのに〜♪」


どうやら冗談っぽく受け取ってくれたようで一安心……?


P「とにかく! 志希は天才と言っても体はただの女の子なんだから! 男に対しての危機感は常に持っているように!」

志希「体は女の子って……な〜んかや〜らし〜♪」


あくまで茶化してくるスタイルに多少の苛立ちが募る。


P「志希、危機感。OK?」

志希「おーけーおーけー。あいむおーけー♪」


本当にわかってるのか…?
志希が顔の横でOKサインを作りながら立ち上がった。
どうやら会話の間に片づけは終わったらしい。
64 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:41:24.32 ID:mx+DuvUn0
志希「見回りまだあるんだよね? あたしも一緒に行く〜♪」

志希「それと…」

P「わかってる、マンションまで送ってやるから」

志希「やったあ♪ お礼としてこのスプレー要る?」

P「結構です」

志希「あっはい」

志希「…にゃはは〜! さぁ見回りレッツゴー」


とはいえもうそんなに残ってはいないのだが。



志希「ここで最後?」

P「そうだな」


そう言って見回り最後の部屋、仮眠室のドアを開いた。



がちゃり



残念ながら慣れ親しんだ仮眠室である。
吊りカーテンで仕切られた3台の簡素なベッドとサイドテーブル、そして毛布を収納した棚と洗面台があるだけの部屋。
しかし志希は初めて入ったらしく興味津々のようだ。


志希「へぇ〜♪ キミもここで寝ることあるんだよね?」

P「あぁ、よく使うなぁ」

志希「どのベッド使うの?」

P「う〜ん、大抵一番奥のかな」

志希「あそこかぁ〜……ううぅ〜うにゃ〜ん♪」バッ


   ぎ し っ


志希が助走をつけて奥のベッドに飛び込むと静かな部屋にベッドの軋む音が響いた。
そして何が楽しいのかベッドの上でゴロゴロと転がっている。

…自分がスカートを穿いていることを忘れているらしく、スカートの裾はめくれ上がり肌触りのよさそうは太ももはまぶしく、
パンツは…普通に見えてしまっているぞ、おい…。


P「ちょっとおい、パンツ! 見えてる!」

志希「いいの、いいの〜♪」
65 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:42:22.55 ID:mx+DuvUn0
いいことなど一つもないというのに尚もベッドを転げていたかと思うとうつ伏せの状態で止まり、志希のゆっくりとした呼吸音が聞こえてきた。
どうやら深呼吸をしているらしい。
艶のあるピンク色の生地を丸見えにしたまま…。
あぁ頭が痛くなってきた…。


志希「んんん〜〜〜? 全然キミの匂いしないよ!? なんで〜?」

P「そりゃ掃除のおばちゃんが毎日シーツ替えてくれてるに決まってるだろ。嫌だろ?オッサンの匂いがしたら。眠れるものも眠れん」

志希「あたしはキミの匂い好きなんだけどにゃあ〜」

志希「あ、お菓子が置いてある! 食べていいのかにゃぁ…?」


自由すぎる…。
サイドテーブルの上に未開封の菓子箱があった。
そういえば昨日俺が出先で貰ったモノだ。無くしたと思っていたがここに置き忘れてたのか。


P「それ俺のだ。志希にやるよ」

志希「やったぁ♪ ありがとね〜♪ お礼にこのス」

P「結構です」

志希「あっはい♪」


ばりっと音を立てて菓子箱が開かれる。


P「え? ここで食べるのか?」

志希「誰かさんが遅くまでお仕事してたから、なんだか小腹が空いてきちゃってね〜」

P「というかこんな時間にお菓子って女の子的にどうなんだ?」

志希「ん〜……カロリー計算しゅーりょー♪ 明日の朝食とレッスン量で調整可能で〜す」

志希「ほら、キミも入り口に突っ立ってないで、一緒に食べよ? これから車の運転するんだから休憩しておくべきだよ♪」


一人だったら特に気にしないが志希を乗せるとなる万が一があってはいけないから確かに少し休憩しておいた方が良いだろう。
ポンポンとベッドのマットレスを叩く志希に促されるまま、彼女の隣に腰かけた。


志希「もぐもぐ…美味しい♪ あたしはやっぱりきのこ派だな〜。チョコとスナックの食感が絶妙だね♪ プロデューサーは?」

P「俺は…どっちでもいいけど、どちらかと言えばたけのこの方かな」
66 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:44:26.63 ID:mx+DuvUn0
志希「えぇ〜そうなんだ!? キミならきのこの良さを分かっていると信じてたのに…」

志希「じゃあ、これいらないよね?」

P「いるわ」


きのこの山の箱に手を伸ばそうとしたところで志希から待ったがかかった。


志希「はい、すとーっぷ♪ 食べたいなら…」

志希「はい、あ〜ん♪」


志希がきのこを一粒つまんで俺の口元に差し出してきた…。
よくあるアレである。
が、俺はそれを無視して、自分で菓子箱から一粒つまみ出して口に運んだ。
うん、これはこれで美味いんだよなぁ。


志希「無視だとぉ〜♪」

P「もう一個もらおう」


再び菓子箱に手を伸ばそうとしたのだが、志希はそれを自分の背後に隠してしまった。


志希「ダメ〜♪ キミはこれ。はい、あ〜ん」


そして性懲りもなくあ〜んを強制してくる。


P「え、嫌だよ、普通に食べたい」

志希「アイドルからの貴重なあ〜んだよ〜? うりうり〜♪」

志希「あ、これはもしかして恥ずかしいのかにゃ〜? あ〜んされるのは初めてだったかにゃ〜? 
 それなら恥ずかしくてできないのも当然だにゃ〜♪」


十中八九ただの煽りであるが、まぁそこまで言うのなら乗ってやろう。


P「はいはい、じゃあ良いよ?」

志希「にゃは♪ はい、あ〜ん♪」

P「んあ〜むぐ……。もぐもぐ」


まぁ俺もいい大人ですし? 女の子からのあーんぐらい? 経験ないわけじゃないし?


志希「へぇ…これぐらいじゃバイタル変わらないんだぁ。見直したよ♪」
67 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:45:57.85 ID:mx+DuvUn0
P「ふふん…」


どうだこれくらなんともないんだからな、と内心勝った気分でいたのだが。


志希「じゃあ、これはどうかにゃ…?」


そう言うとスナック部分を唇で咥え、チョコの部分をこちらに差し出してきた。


志希「ん〜〜♪」

P「ちょっ…!?」ドキッ

志希「どひたの〜? たへないの〜?」ニヤニヤ

P「っ……」


志希は間違いなく俺の反応を楽しんでいる…。
俺が慌てるのを見たいだけだ。
志希の思い通りにさせたくないのであればその口からあーんを受け取ればいいだけの話であるが、そんなことできるはずもない。
取ろうとしたら確実に唇同士が触れてしまうだろう。
状況的には完全に俺の負けであるのはわかるが、やめてくれと言うのも負けを認めているようで言いたくない。
ただ窮するのみであった。


志希「にゃはは〜顔真っ赤〜♪ 志希ちゃんご満悦〜〜♪」


また、ぎしっ、という音を立ててベッドに寝転んだ。
仰向けになってニヤニヤしている。俺の困る顔の映像を脳内で反芻でもしているのだろうか…?


十代の小娘に小馬鹿にされるというのは……正直イライラする…。
今日はいつになく志希に振り回されているからか、普段は微笑ましく見ていられる彼女のニヤケ顔がすごくイライラする…。
キスをせがむような行為、二人きりの仮眠室でベッドに寝そべるという行為、胸元の開いたボタン、いまにも見えそうなパンツ……。
何もわかっていない志希にすっごくイライラする。
68 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:47:28.11 ID:mx+DuvUn0





……こんなの俺じゃなかったらとっくに襲っている。



あれだけ言ったのに分かっていない。
それとも自分は襲われても撃退できると本気で思っているのだろうか。
また俺が注意しても結局は馬耳東風、そして他の男に対しても同じように振る舞う…?


志希「〜〜♪」ニヤニヤ


だめだ。
絶対にだめだ。
志希にはその危うさをなんとしても理解してもらわないと。

……仕方がない。
多少強引なやり方になってしまうが言葉でダメなら体で理解してもらうしかない。


P「……」ゴソッ


一度深呼吸をし、ゆっくりとした動作で革靴を脱ぐ。
ベッドに膝をつくと小さく軋む音が鳴り、それと同時に志希の見開かれた目と合った。
天才に思考する暇は与えない。
素早くしかし必要以上に触れないように志希の上半身に馬乗りになり志希の顔を見下した。


志希「ぁ……」


志希のキョトンとした顔は貴重だ。
こうしてみるとただの可憐な美少女で、急激に罪悪感が襲ってきたがそれは無視することにした。


P「…どうだ志希、逃げられるか?」


体を落とし、志希の腹に軽く体重をかけながら尋ねてみた。


志希「にゃ、は、は……ちょっと、むりっぽいかな……」

P「そうか…、撃退スプレーはどうした?」

志希「……鞄の中」

P「わかったか? 俺がその気になればお前なんて簡単に襲えるってことだ」

志希「……っ」

P「これに懲りたらあまり男を…って志希?」
69 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:49:12.42 ID:mx+DuvUn0
志希「…っ…ふ……ふふっ」

志希「……にゃ〜〜はははは〜〜♪」

P「お、おい志希…?」


突然笑い出した志希に今度は俺の方がキョトンとしてしまう。


志希「にゃは、にゃはは♪……ごめんねぇ〜だってキミの行動があんまりにも予想通りだったからさ〜♪」

P「え…?」

志希「キミをわざとユーワクすればあたしに怖い目をみせようとしてくると思ってたんだよね〜♪ 
 馬乗りになってくるのもばっちし的中♪」

P「…」

志希「にゃはは〜♪ 大丈夫だよプロデューサー♪ 危機感でしょ? 最初からわかってるって〜♪」

志希「最近はキミとあんまりじゃれあえないからその補充だよ♪」

P「……」

志希「んでさぁ〜、もうそろそろどいてくれない? お腹少し苦しいんだ♪」


ぶちり、という音が俺の脳内に響いたような気がした。
だめだ、冷静に冷静に……。
わざと誘惑した、すべてお見通しでした、だと…?
イライライライラ。
男をこんなにコケにして…、わかってない。
全然わかってない…。
あぁ、だめだめ冷静に……。


志希「それで、またキミの可愛い赤面顔を……ってあり?」

志希「あ、あれぇー……あたしの計算ではキミは赤面しながら急いであたしの上からどいてくれるはずなんだけど……志希ちゃん間違っちゃった…?」


もしコイツが男だったらもうとっくに手が出ていただろうが、さすがに女の子、それも飛び切りの美少女だ。
馬鹿にされたぐらいで暴力をふるうのはいくらなんでもあり得ない。
しかしコイツには一度痛い目を実際に見てもらう必要があるらしい。

さぁ、どうすればいいか…。
70 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:50:28.58 ID:mx+DuvUn0
深呼吸すると頭に上った血が幾分薄まったような気がして視界が開ける。
視界の端にはお菓子の箱、その中にはまだたくさんの小さなきのこが残っている。
志希はそれが好きだと言っていたなぁ…。


P「志希…今度は俺が食べさせてやるよ。ほら、あーん」

志希「え…な、なんで…?」


不穏な空気を感じ取ってか志希の顔から笑みが消えた。
こんな風に察しがいいところは本当に志希らしいと感心する。
が、今はそれすらも俺を苛立たせた。


P「はぁ? 好きなんだろコレ? ほらぁ」

志希「むぐっ!?」


半開きになっていた口に問答無用で菓子を突っ込むと彼女の目が驚愕の色に染まった。
志希が目をパチクリさせる様はちょっとだけ気の毒に思えたが、まだまだ足りない。


P「まだまだあるぞ? ほら口開けろ」

志希「もぐっ…!? ま、まっへ! いらないよぅ!」


菓子を押し込もうとした俺の腕が志希の両手に阻まれたのですかさずその両手を絡めとり、一瞬だけ腰を浮かせ股下に押し込んだ。
俺の股下から出ているのは志希の胸と顔だけ。
完璧なマウントの完成だ。


志希「やっ、だめっ、離してよぉ〜」


志希は必死に体をよじってこの状態から逃れようとしているようだが、その抵抗は女に生まれなくて本当に良かったと心から思えるほどに非力だった。


志希「ふぎゅっ!?」


股下を潜り抜けようと足先の方へずれていくのを止めるのと同時に志希の口を開くために左手で志希の頬をつかみ無理矢理口を開かせる。
こんなアヒル顔でさえ可愛いくて…なぜかそれもまた苛つく。


P「何個入るかなぁー。にーこ、さんこ、よんこ…」

志希「ふむっ!? ふぅぅん゛ん゛っ!?」ブンブン


顔を左右に振ってイヤイヤしているが、まだ入るに決まっている。
唇と歯の隙間から見えるすでに入れたきのこ菓子を人差し指で奥に押し込むと、案の定スペースが空いた。


志希「んぐぅぅぅっ!?」

P「ごーこ、ろっ……こ、なぁ〜なぁ〜…こ! ん〜〜限界かな?」


本当はもっと入りそうだが志希が非協力的なのでこんなものだろうか。
71 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:52:41.93 ID:mx+DuvUn0
P「ほら、もぐもぐして」グイッグイッ


志希の顎を手で押して咀嚼の手伝いをしてやる。


志希「も゛…ぐ、もぐ…んぐ…う゛……」

志希「んん゛…んごく…」

志希「ぷおでゅーさぁ…んぐ…こわい…よぉ…んごく……もうやめよぉ…?」


今更何を言っているのか…。


P「志希、怖いだろう? 男を舐めてると怖い目に遭うんだぞ?」

志希「ぅ…んぐ…ぅん…」コクリ


志希が素直にうなずくのはこの荒療治の成果だろう。


P「でも俺で良かったなぁ、他の男だったら絶対に襲われてもっと怖い目に遭ってたぞ?」


頬の盛り上がりが減ってきたのでまた食べさせようと菓子箱をまさぐり一粒つまみ出すと、志希がぎょっとした表情を見せた。


志希「やっ…また…?」

P「あぁ、まただ。残ってるだろ? お残しは許しまへんで〜ってか、ははっ」

志希「やだぁ…なんで…? もうわかったって言ってるのに…。なんの意味があるの…?」

P「ほらぁ、泣き言はいいから口開けろ〜?」グイッ

志希「ひっ!? んごぁ…っ!?」


また志希の頬を握り強制的に開口させる。
さっき食わせた分はもう腹の中のようだ。
よしよし。


P「七個までは一気にいくぞ?」

志希「ふぅぅぅ゛ん゛!??? 」


一個、二個、三個……七個。
とりあえず、少なくともこれだけ入るのはもう分かっているからハイペースにつっこんでやった。


志希「んん゛ん゛ん゛……ふっぐぅ…う゛ぅ゛…」


こちらを見つめる志希の目はどこか虚ろに見える。
頬をリスみたいに膨らませ、しかも生気を失った表情なのにやはり可愛い。
くそっ!
苛つくイラつくイラつくイラつくっ!!


P「あと、一個いけるか…?」

志希「んんん゛〜〜〜〜!!!」ブルブル


聞き分けなくイヤイヤする志希を軽く抑え込んで八個目を押し込むと、どうやらそれが限界らしかった。
72 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:54:26.55 ID:mx+DuvUn0
箱の中には残り二個のきのこの山…。
あともう少しだというのに…。
志希にはもう入らないか…?


志希「ん゛っ…んふ〜〜んふ〜〜っ」


と、そこで口呼吸を禁じられた志希の荒い鼻息が耳に入った。
志希のしゅっとした鼻もこのときばかりは小鼻をヒクつかせながらどうにか体内に酸素を取り入れようとしている。


鼻。


鼻かぁ…。


残り二個のうち一個を志希の口元に近づける。
そうすると志希は怯えにも似た表情を見せたが、口の上を素通りさせると一瞬安堵の色が浮かんだので、その油断の隙をついてきのこのスナックの部分を志希の左側の鼻の穴に挿入した。


   ずにゅっ♪


志希「ふむっ!?」

志希「ふ…ぐ……?」


志希の時間が止まっている。
めったなことでは思考することをやめない天才も、度重なる無意味な…いや無意味じゃない、志希を教育するためだ、本当だ…度重なる特異な状況に脳の処理機能がフリーズしてしまったらしい。

しかし…これはまた……。



P「んふっ…」


P「ふふ…はははは…」


なんて顔だよ、ははは。
さすがにアイドルでも鼻に異物を突っ込んだら可愛くなくなるのな、あはははは。
73 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:56:36.02 ID:mx+DuvUn0
そうだ記念…じゃなくて教育記録として残しておこう。


   ぱしゃり♪


志希「……ふ」

志希「ふぅ゛ぅ゛ぅ゛〜〜〜〜〜〜〜」ジタバタ


カメラのシャッター音に志希の思考が回復したようで…まぁ回復したところで体をよじることしかできないのだが。


P「片鼻じゃあ苦しいだろう? ほら、よく噛んで飲み込もう? ははっ」グイグイッ

志希「んに゛ぁ!? んむっ!んぐっ…んく…」


咀嚼することを失念していた志希を手伝ってやると、口内でグズグズになっていたらしい八個のきのこの山はほどなく嚥下された。


志希「んぷぁ…」

志希「な、なんで? なんなのこれぇ…こんなの襲われた方が…あたしキミになら……」


   ずにっ♪


志希「ふな゛ぁ!?」ビクッ


口内の圧迫感がなくなり安心した隙をついて最後の一個を右側の鼻の穴に差し込んだ。


   ぱしゃり♪


アイドルとしてという以前に女の子として致命的な様を写真に収めたこの時点で、いつの間にか志希に対する苛立ちは霧散していた。
今はもう俺の下でフルフルと小動物のように震えている志希がたまらなく愛らしく見える。


志希「なんえ゛なんえ゛なんえ゛りはいれきらいりはいれきらいいみふめひいみふめひ……」


志希が極まった鼻声で何事かを呪文のように呟く。
その目の焦点はどこにあるのか曖昧だ。
その愛らしい視線を俺に向けたくて、両穴のきのこをそのスナック部分で鼻の内壁をノックするようにグリグリしてやった。


志希「んお゛ぉ゛!?」



志希「ん゛あ゛…やめへ…ごめんなさい…もうや…へ、へ、へ…」








志希「へぷちっ」



   ぽろん……コロコロ…











世にも可愛らしいくしゃみの勢いで左側のきのこの山が鼻からすっぽ抜け、志希の胸の上に転がった。
74 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:57:45.85 ID:mx+DuvUn0
志希「ぁ……」


さっきまで志希の鼻穴におさまっていて、くしゃみによって発射されたソレには当然のようにぬめりのありそうな透明な液体が付着していた。


この可愛らしい志希の鼻水…。
嫌悪感は微塵も感じない。
意識せずともその濡れ菓子に手が伸びてしまう。


志希「ぷろ…でゅーさー…? それ…どうするの…? まさか、だよね…」

P「?」


志希が何を言っているのかわからない。
こんなのどうするかなんて決まっている。
そんな分かり切ったことをいちいち質問するなんて志希らしくないなぁ。

こんなオイシソウナものタベルに決まってるだろ?


P「ん、ぱく」

志希「あっあっあ…えへ? えへ…?」

P「もぐ、もぐ…うん、美味いな…」

志希「ひっ、ひっ、ひあっ!? うぁっ!? はっ!? え!? ひっぃぃっ!?」


志希の口から出るのは意味をなさない空気が抜けるような音。
75 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 21:59:06.44 ID:mx+DuvUn0
P「こっちももらおうかな…」グニグニ

志希「ひぐぅ!?」


右穴に残ったきのこを突っ込み直し、内壁に擦り付けてから引っこ抜いた。


   ずるぅぅ♪


P「あ、なんか付いてきた」

志希「ひっ!? ひっ、ひひひっ、だめだめだめだよっ、あひっ」


黄色だか透明だかよくわからない塊のような粘液のようなアイドルから出てくるものにしてはえげつないレベルのものを引き連れてスナックが出てきた。


P「ん、あむ…うんイケるイケる」

志希「いひっ、ひひっ♪いひひひ♪りかいりかいできなぁーいいいいい♪あひひひひ♪」


壊れたような笑い方をする志希の目には涙が溜まっている。

なんだっけ?
何をしてたんだっけ?
危機感のない志希への教育だ。
そうだそうだ。

男に馬乗りになられて好き放題にされる怖さも分かってくれたようだな。



P「志希、男のことをあんまり甘く見てると痛い目に遭うんだぞ? 分かったな?」

志希「はいはいはーーい♪ いひひひひひ志希ちゃんりょーかいだよー♪あはははははっひひひ♪」

P「事務所に遅くまで残るときは俺がいるときだけにするんだぞ?」

志希「はぁ〜い!いひっ♪ キミがいるときだけ〜あはっははは♪」

P「よし、じゃあ帰るか」

志希「帰る帰るーいひひっ♪」




なぜか酔漢のように足腰が立たなくなってしまった志希を彼女のマンションまで送り届けるのはなかなか骨だった。
76 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 22:00:48.74 ID:mx+DuvUn0
一ノ瀬志希 編 終わり
77 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/19(日) 22:01:18.58 ID:mx+DuvUn0
次の話は明日投下予定です
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 22:27:09.63 ID:hwfRtahpo
レベル高いわ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 22:37:09.60 ID:fkoR2eDRo
乙乙
なんか途中猫が紛れ込んでたような気が…
80 : ◆ao.kz0hS/Q [sage]:2016/06/19(日) 22:48:27.24 ID:mx+DuvUn0
>>79
うぎゃぁーー!! 死にたい……
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 23:10:14.14 ID:JHEEXsAIo
おいおい……新たな目覚めを感じたわ……腹の奥がむず痒いっす
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 23:38:16.83 ID:nceCqwVP0
これはいいスレを見つけた
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 23:41:37.37 ID:F4xfQKNRo
すごく……なんというか…でも悪くないような…
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/20(月) 00:11:13.53 ID:8/FU3o2OO
まあ、単純に素晴らしいよな
久しぶりに爽やかな気分になれるss
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/20(月) 00:20:43.71 ID:QESpDIrHo
>>1の守備範囲広すぎィ!
次はどんなネタが来るのか想像もできねぇ
86 : ◆ao.kz0hS/Q :2016/06/20(月) 21:25:22.52 ID:ISQHSrEc0
始めます
87 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:27:20.40 ID:ISQHSrEc0


…………
……



何かいい香りがする…

吸い込めば吸い込むほど体に力が漲ってくるようないい香り…

視界は停止した砂嵐…
これは…目を閉じているからか…

そうか俺は事務所のソファで仮眠をとっていたんだ…
まだ目は…開きたくないなぁ…
だってソファの寝心地がこんなに良くて、この程よい硬さの枕は温かくて…それにすごくいい匂いがするし…



枕…?

枕なんてあったっけ…?


P「ぅ……?」


「ぁ…Pさん…お目覚めですか…?」


P「ぇ?」
88 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:28:17.97 ID:ISQHSrEc0
目と鼻の先からの距離からの予期せぬ問いかけに反射的に目が開く。

視界の左側は柔らかそうな膨らみに遮られているが、右目からその声の主の顔を確認することができた。


P「あ…え? 美優さん…?」


仰向けに寝ていた俺の顔を心配そうにじぃっと見つめていた女性は三船美優だった。
つまりこの後頭部の柔らかな感触は彼女の膝枕らしい。


P「あっ、す、すいません!起きますっ」


寝起きでまだ不自由な体に鞭打ち、急いで起き上がろうとしたのだが…。


美優「あっ、いいんです。Pさんもお疲れでしょうからもう少しこのままで…」


美優さんの手が優しく俺の額と瞼に添えられて、起き上がろうとした初動を制されてしまう。
美優さんの手はひんやりと冷たく…本人は冷え性を辛がっていたが…俺にはとても心地よく、彼女の言葉に抵抗する気を削ぐのに十分な威力だった。


P「ぅ…すみません…みっともないところをお見せして…」

美優「そんなふうに思うわけ、ありません…。
私がアイドルとしてやっていけているのはPさんがこんな夜遅くまで頑張ってお仕事してくれているからなんですから…」

P「…ありがとうございます美優さん。ではもう少しだけいいですか…?」

美優「はい…いくらでも…」


了解が得られ安心して膝枕に体重をかけると首筋に感じる美優さんの体温は生々しく、今日の彼女の装いは彼女にしては短めのスカートであったことを思い出してしまった。
どきり、という胸の高鳴りを努めて無視する…。
89 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:29:35.41 ID:ISQHSrEc0
P「あ…今何時ですか? それにどうして美優さんは事務所に…?」

美優「今は…24時になったところですね…。さっきまでこの近くで留美さんたちとお酒を飲んでまして…。
帰りに会社の前を通ったらまだ電気がついていたので、もしかしてまだPさんがいらっしゃるんじゃないかと寄っちゃいました」


普段より柔和な表情で微笑む彼女の頬は、よく見るとほのかに朱が差していることがわかった。
24時か…そういえば事務所の電気はこの一画しか点いておらず、周囲も静まり返っている。


美優「もしかしてこれからまだお仕事されるんですか…?」

P「いえ、今日はもう仕事は残っていません。少し疲れが溜まっていたので帰る前に30分だけ仮眠するつもりだったんですが…。
思ったよりも長く寝てしまっていたようです」

美優「……」ジーー

美優「たしかに…目の下にクマが見えます…」ジー

P「み、美優さん…っ、ちょっと…近いです…」


鼻と鼻の頭がくっつきそうなぐらい近づいて、俺の顔をまじまじと見つめる美優さんに心拍数が一段上がったのが分かった。
しかも頭を美優さんで取り囲まれるようなこの体勢に加え、お酒で体温も上がっているらしく、濃密な彼女の香りが鼻腔を満たし、思考が濁りそうになる。
緊急回避とばかりに視線を美優さんからずらすと、ソファ前に置かれたローテーブルの上に、見慣れない小さな電気製品らしきものが稼働しているのに気が付いた。


P「あ、コレ…もしかしてアロマディフューザーってやつですか?」

美優「はい…。少しでもPさんの疲れが取れればと、使わせていただきました…」


美優さんは趣味でアロマを嗜んでいるというのは聞いていたが、実際に見ることは初めてだった。
可愛らしい形をしたディフーザーはうっすらとした照明を点けながら、その上部からミストを排出している。
意識して深呼吸してみると、胸奥をつつく美優さんの匂い以外に南国を想起させるような甘い香りがあることに気付くことができた。

…なんだか元気が湧いてくるような香りはこれだったのかな…?
90 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:30:23.67 ID:ISQHSrEc0
P「これはなんていうアロマですか?」

美優「え? え、えぇと…なんだったかしら……」

P「?」


歯切れ悪く顔を逸らした美優さんの視線の先には小さな小瓶。
これはアロマの容器か…。
テーブルの端に置かれていたが手を伸ばせばこの体勢でもなんとか届いた。


美優「ぁっ……」


小瓶に貼られたラベルの文字。
これがアロマの内容物だろう。


P「イランイラン…っていうんですか?」

美優「そ、そうでしたイランイランでした…」

P「へぇ、初めて聞きました。まぁそもそもアロマのことはほとんど知らないんですけどね」

P「で、どういう効果があるんですか?」


単なる興味本位からの簡単な質問。
アロマを趣味にする人にとってはその効能など把握していて当然だろう。
それでも美優さんはやはりどこか都合の悪いことを聞かれているかのように表情が曇っている。


美優「ぇ…ぇぇと…ストレス…の軽減…? それと…安眠? ……です」

P「あぁ〜なるほど。だから寝すぎちゃったのかなぁ…、アロマってすごいですね」

美優「そ、そうなんですよ。アロマって正しい使い方をすればちゃんと生活を彩ってくれるんです。
もしよろしければPさんにもお教えしますよ…?」

P「えぇ、是非ともお願いしま」


   ぴぴぴぴぴぴ♪


P・美優「「 !? 」」
91 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:31:23.18 ID:ISQHSrEc0
ゆったりとした雰囲気が突然の電子音で遮られる。
これは携帯のアラーム音だ。
眠りこけないように仮眠を取る前にあらかじめ設定しておいたのだったか…。


P「すいません、目覚ましのアラームです」

美優「あぁ、そうでしたか…。少し驚いちゃいました…」


起き上がろうかと思ったが、頭に添えてくれている美優さんの手が心地よくて…まだ離れたくなくて…、
失礼ながら寝たままの姿勢で携帯をスラックスのポケットから取り出し、アラームを解除した。


P「解除…っと」ピッ


そして携帯を手に取っているその流れで何の気なしにとあるワードを入力しタップした。



【検索】イランイラン



検索して出てきた候補の一番上のページをとりあえず開く。


P「ぇ…?」


気になる記述があったので、他の2、3の候補も流し読む。


P「……………」

美優「Pさん…?」

P「へぇ…イランイラン…イランイランですか……」

美優「え…? あ…っ!?」


俺が何をしていたのかようやく気付いたらしく美優さんの体が小さく一度震えた。
頭に触れていた手は強張り、やっと起き上がる意欲がわいてきた。
92 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:32:44.80 ID:ISQHSrEc0



   ぎしっ


上体を起こし美優さんの隣に座る。


P「イランイランの効能…ストレス軽減と安眠でしたか…。他には…?」


自分でも意地悪な質問をしていると思う。


美優「え…えぇと…ごめんなさい忘れちゃ…」

P「いえ、知ってますよね? というかどこ見てるんですか?こっち向いてくださいよ?」


ついさっき心拍数の上昇を抑えようと美優さんと目を合わせるのと避けた自分が言うのも説得力に欠けるなぁとは思うが、
そこを指摘できるほどの余裕は彼女には無いらしい。

美優さんの頬に手を添えこちらを向かせると、その目は誰かに助けを求めるように泳ぎ、唇もあうあうと震えていた。

嘘のつけない彼女の逃げ場をさらに狭めてやる言い方をしてやる。


P「美優さん、知らないならそれでいいんですけど…知ってるのに言わないとか、嘘を言ったりはしないでほしいなぁ…?」

美優「っ……」


彼女の怯えるような目、それでいて上気した頬に言いようのないドロリとした熱が腹の底にたまるような感覚がある。


美優「イランイランの効能は……ストレス軽減と…安眠……それと…」

P「それと?」

美優「ぅ………こ、こうようかん…。高揚感です…っ」


当たり障りのない言い方を思いついたつもりのようで、そうはっきりと言い放った。
もし仮に本当にそれでお茶を濁せると考えているとしたら……途端に美優さんがとても可愛らしく見えてきた。
と、それと同時に悪戯心に火が付いた。


P「高揚感?よくわかりませんねぇ。どういう高揚感なんですか?もうちょっとわかりやすくお願いできますか?」

美優「ぅっ………」


顔は真っ赤、目にうっすらと涙を溜めて、恨めしそうな視線を送って来る美優さんは本当に愛らしい。

あぁ…いつもの大人な美優さんはどこにいったのだろう。
93 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:33:38.87 ID:ISQHSrEc0
P「ふ……」フリフリ

美優「うぅぅ〜〜〜」


トドメに検索画面が表示されている携帯を見せつけながら懺悔を促す。
『ほら、ネタは上がってるんだよぉ』という奴だ。


美優「う……」

美優「さいいん……」

P「さいいん…?」

美優「催淫っ、効果がっ、あります……っ」


湯気が出るのではと心配になるくらいに赤い顔をして、なにか吹っ切れたような美優さんが声を裏返しながらそう言った。



ここまでは罪の告白。
ここからは罰の時間。
罰がなければきっと罪を繰り返す。
だから罰は必要。



P「さいいん…ってどういう字を書くんですか?」

美優「〜〜〜っっ、Pさぁん……もう許してくださいぃぃ……」

P「え?だめですよ? ほら教えてくださいよ。俺にアロマのこと教えてくれるんでしたよね? 美優さんが俺に対して使ったアロマのこと教えてくださいよぉ」

美優「ううう〜〜ひどいぃぃ〜〜」


美優さんはついに羞恥に耐えられなくなりうつむきながら震え始めてしまった。
普通であれば罪悪感を感じてしまう光景かもしれないが、儚いながらもなぜか意地悪したくなる雰囲気を纏う三船美優のそれには胸の高鳴りを禁じ得ない。


美優「みっ、淫らを…催す…と書きます……」

絞り出すような呟き。
94 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:34:51.71 ID:ISQHSrEc0
P「ん〜〜難しいなぁ。それってどういう意味なんですか?」


そしてそれに対しての無慈悲の上乗せ。


P「わかりやすく教えてください? さいいん?されるとどういう気分になるのか」

美優「ぅぅ……わかってるくせに…いじわるです……」

P「ほら、教えてください」

美優「ぇ…えっちな…気分になります…」

P「……イランイランの効果は男女に共通なんですか?」

美優「は、はい…どちらにとっても…その…気分が高まります…」

P「で、もし男と女が一対一でいて両方がエッチな気分になったら、その後どうなるんですか?」

美優「……ぁ…ぁぅ…ぁぁぅ……」


目が回るというのはこういう状態のことをいうと辞書に載せたいくらいの良い表情を美優さんは見せてくれた。

『罰』はこれくらいにしてあげようか。



P「……」



P「あはははっ……」


美優「ぁぅ……ぇ……?」
95 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:35:51.07 ID:ISQHSrEc0
P「ははっ、まぁおそらくは酔っぱらった川島さんあたりが、こうすれば俺をからかえるとか言って美優さんをそそのかしたんですよね? 分かっていますよ?」

美優「ぇ…ぃゃ…ちが…」

P「ん?」

美優「い、いえっ……そ、そうです……カワシマサンゴメンナサイ…」ボソッ

P「でも…いくらお酒が入って羽目を外してしまったとしても、こんなのはいくらなんでも軽率じゃないですか? 美優さん?」

美優「ぅ……おっしゃる通りです…」シュン


まるでイタズラがばれて叱られている子供のようだ。


P「他に誰もいないような場所でこんなことして…、俺じゃなかったら勘違いして襲ってますよ?」

美優「ぅぅぅ………」シューーン


二十歳を超えた大人にもなれば人の言いうことを真摯に受け止められないかたくなな人間も多くなってくるが、得てしてそういう人間の成長は期待できない。
喜ばしいことに美優さんはどうやらそちら側の人間ではないらしい。
となれば俺が伝えることはちゃんと美優さんに響くわけで…。


P「まったく…もし、美優さんが襲われた場合どんな悲惨なことになるか教えてあげましょうか?」

美優「え…?」


美優さんにはもっと警戒心を持ってもらうために男の怖さを教えてあげるべきだと俺は思う。
96 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:36:59.48 ID:ISQHSrEc0
P「まず男は襲うとなったら美優さんを押し倒すでしょうね。そう…こんな風にっ」グイッ

美優「あっ」ドサッ


美優さんには完全に不意打ちだったようで、肩を軽く押しただけでソファに押し倒すことができた。
ソファの柔らかいひじ掛けを枕にして仰向けとなった美優さんの顔のすぐ横に手を着き覆いかぶさるようにして彼女の顔をのぞき込む。
が、必要以上に彼女に触れてしまわないように細心の注意を払っている。


美優「えっ!? P…さん……?」

P「びっくりして対応できなかったでしょう? そういうものです。でもこうなるともう逃げるのはむずかしいですよ? 
普通は美優さんのお腹に馬乗りになって身動きは完全に封じ込められちゃいますからね。今はそんなことはしませんが」

美優「は、はい…そうですか……」

P「で、こうなるとまず美優さんはどこを触られると思いますか?」

美優「えっ? ど、どこを…?」

美優「……む、胸ですか…?」

P「なるほど。そういう奴もいると思います。が、大多数はまず美優さんの唇を狙うと思います」

美優「そ、それって…」

P「はい、キスされちゃいます」

美優「きっ…ぅぅ………」


戻りかけていた顔色がまた色づき始める。


P「だんだんと燃え上っていくような恋人同士のキスなんかじゃなく、美優さんの唇と口内を一方的に貪るような暴力的なキスです」

美優「そ、そんな……」

P「上唇も下唇も前歯も奥歯も歯茎も舌もベロベロ舐められて唾液でべちゃべちゃにされちゃいます。
唇がしびれて感覚が無くなってくるくらいの長い時間キスし続けられるでしょうね」

美優「あ、あぁぁ…うそ……」
97 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:38:38.36 ID:ISQHSrEc0
P「頭もぼうっとしてきて、いったいいつまで続けるんだろうだなんてことしか考えられなくなる頃…おや、キスがやみました」

美優「んっ、はぁ…やっと……」

P「涙で歪んで見えるその男の顔は、それでもまだすぐにキスできるくらい近くにあって…
あれ?よく見ると口をもごもごとしてますね。何してると思いますか?」

美優「ぇ…わ、わかりません…」

P「……と、ぼんやりしていたらまたキスされてしまいます。でもそれまでのキスとは少し違う。
口内を貪ってくるような激しさがない。なんでだろう?と思っていたその瞬間!」

美優「……」ゴクリ


P「どろり……口に生温かい液体が注ぎ込まれる感覚に鳥肌が立ちます」

美優「まさか……」

P「はい、流れ込んできたのは男の唾液です。さっきもごもごしてたのは口の中の唾液を集めていたんですね」

美優「あ、あぁ………」

P「考えるより早く体が勝手に吐き出そうと顔を横に向けようとします。
ですがそれをソイツが許すわけもなく、頬をがっしりとつかまれて全く首は動かせません」

美優「え、えぇっ…どうすればいいんですか…?」

P「残念ながらどうにもなりません。男は美優さんが唾液を飲み込むまで頬を離しませんし、
たとえ上を向いたまま口の端から吐き出したとしても、今度はさらに多くを流し込まれるだけです」

美優「そんなぁ……」

P「それにあんまりまごついていると男は拳を握って…暴力をふるうぞと脅してくるかも」

美優「ひっ!…い、いや……っ」


P「…恐怖に支配されて仕方がなく飲み込みます。喉を落ちていく気持ちの悪い粘液。
普段飲み食いしているときは全く気にならないのにこういうときだけ妙に鮮明に感じてしまいます」

美優「うっ……」ピクン

P「一度飲んでしまえば二度三度と流し込まれ飲み込まされ、男にされるがまま。
そのころにはもう抵抗するのは無理だと諦めているんじゃないですか?」

美優「あぅ…そうかも…しれません……」
98 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:39:57.77 ID:ISQHSrEc0
P「ぼんやりとして動きの鈍くなった美優さんを見て、男は次のステージに進みます。次は胸です」

美優「っ……」


そう言いながら俺はソファから下り、仰向けになったままの美優さんの横の床に膝をついた。


P「ソイツはとにかく胸を触りたいという衝動からまずは服の上から揉んでくるでしょう。ぐにぐにと乱暴にまさぐられます」

美優「やっ……」

P「でもそれはすぐ終わります。だって服の上からより直に触った方が気持ちいいですから。
強引に服を脱がされ、下着もはぎ取られ…美優さんの生の胸にまじまじと視線が注がれます。
隠そうとする両手は簡単に絡めとられてネクタイで後ろ手に縛られてしまいました」

美優「ゃぁ…見ないでぇ…恥ずかしい…っ」


P「ひとしきり視姦した後は当然触るんですが、今度は服の上からの時とは違いゆっくりと、優しく。
それどころか触れているのか微妙なほどのソフトタッチです」


言いつつ手のひらを美優さんの胸に近づけた。


美優「んっ………♥」

P「膨らみの外側からゆっくり…じっくり…羽が撫でるように…ソフトに…円を描きながら中心に近づいていく指先の感触」

美優「ふぁ…んっ…ジンジンしま…すぅ…♥」

P「安心してください、俺は触れてませんよ?」

美優「ぅそ……? たしかに感じるの、にぃっ……♥」ピクン


美優さんの体が本当に何かを感じたかのように小さく震えた。
俺の指先の体温をじんわりと胸で感じ取っているのだろうか?
いやそんな馬鹿な。ただの思い込みだろう。


P「気付けばもう指先が描く円は小さくなり、突起の周りの肌の色が濃くなるエリアに差し掛かろうとしています」

美優「ぁっ…ゃぁん…」
99 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:41:04.67 ID:ISQHSrEc0
P「このエリアの大きさはどれくらいかな…?一円玉くらい?五百円玉くらい?それとも牛乳瓶の底くらい…?」

美優「そんなに…大きくありま…せんっ」

P「……」

美優「じゅ…十円玉くらいです……」カァァ


別に答えなくてもいいのに律儀だ。


P「その十円玉ほどの領域を指先でカリカリ…カリカリ…一番真ん中の突起にはまだ触れずカリカリ…カリカリ…」

美優「ふっ…くっ…こんなに、焦らすなんて……」

P「十円玉がピカピカになるんじゃないかというくらい撫でまわした後にようやく突起への刺激に入るわけですが…
どう触られるでしょうか? これまでと同じように優しく?それとも強く?」

美優「おねがいします…優しく…してぇ…」

P「これまでの焦らすような触り方でテンションが限界にまで高まってとても敏感になったそこは…
残念ですが…指先で『きゅっ!!!』っと潰されちゃいました。こんな風に」


美優さんの目の前で、人差し指と親指で目に見えない肉豆を潰して見せる。


美優「ひぃぃあああんん!!!??」ビクン


指の間が狭くなるのに同調して美優さんが嬌声を上げた。
もちろんさっきから彼女の体には一切触れていないのだが…美優さんの感受性はかなり高いようだ。


P「美優さん? そんな風な色っぽいうめき声を出してたらソイツの手は余計強くなっちゃいますよ?」

美優「そ、んなぁ…だめです…むぐっ……」


これ以上声を漏らさないように美優さんが両手で口を覆ったが、それはダメですよ美優さん。何故ならば…。


P「今の美優さんは両手を後ろで縛られていることになっているんですよ? なので今は…手は頭の後ろで組んでおきましょうか」


彼女の手を取って頭の後ろにもっていくと、俺の言いつけ通りに頭の後ろで組んでくれた。
そうすると、呼吸が荒くなっていることもあり、まるで腹筋運動の最中のようにも見える。
100 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:42:49.32 ID:ISQHSrEc0
美優「ぁぁ…声…でちゃう……」

P「頑張って耐えてくださいね? 声を出したら男を興奮させるだけですからね?」

美優「は、はい…耐えてみせます…っ」

P「……」クニクニ

美優「ぅぁん…っ♥」

P「くすっ…」

美優「ぁ……」カァァ


P「……とまぁ、指で摘ままれて美優さんの意思とは関係なく硬度を増した突起ですが、きっとそれは見るからに美味しそうでしょう。
というわけで胸の感触を指で愉しんだ後は口でも味わいたくなるものです」

美優「ぁ…だめ……」フルフル

P「唾液で濡れた舌を胸全体に擦り付けます。柔らかい膨らみを舌で押し込んで変形させてみたり、
色違いの十円玉を舌先でなぞったり、舌の腹で突起のコリコリを愉しんだり…もう胸はべちゃべちゃです」

美優「はぁ、はぁっ…んぁ…」


P「もしかしたら歯形が付いちゃうくらい強く噛まれたりもするかも…だってこれは恋人同士の行為じゃなくて、美優さんは乱暴な男に襲われているんですから…」

P「かぷっ…って…」

美優「…痛っ……」ビクン


P「襲われていることへの恐怖と、肌を晒している恥ずかしさと、柔肌に歯が食い込む痛みと…
なのに確かに感じる甘い快感と……美優さん…あなた本当は襲われるのを愉しんでませんか?」

美優「襲われてるのに…そ、そんなわけ…ないで…す……っ」

P「そうですか…ならいいんです…」
101 : ◆ao.kz0hS/Q [sage saga]:2016/06/20(月) 21:44:04.52 ID:ISQHSrEc0
P「キスをした。胸も味わった。となるともうアソコに行くんじゃないかと思います。美優さんアソコってどこか分かりますか?」

美優「アソコって…き、聞かないでください…っ」


答えるのを拒否すること自体が知っていることの証明なのに…。
その通り、彼女の視線は自分のアソコに注がれていた。


P「そうですね…ココ、ですね」スッ

美優「あっ! P、Pさん…ソコは…だめぇ……」


美優さんの言葉には耳を貸さず、彼女の下腹部を1センチの距離をあけて手で覆った。


美優「くっ…ぁぁ……んっ♥」

P「スカートもパンツもすぐにはぎ取ってしまって、一気に突き立てるというルートが普通かもしれませんが…時に美優さん、経験はありますか?」

美優「ふぇ…? け、けいけん…? えっ、経験ですか…っ?」

P「あ、答えたくなければ答えなくてもいいです。…美優さんの担当プロデューサーとしては把握しておきたいですが…」

美優「………ぅ」

美優「……………ま、まだ…です……やだっ恥ずかしい……」カァァァ



P「なんてことだ………………」





P「はっ!? いぇ、何も恥ずかしがることなどありません!! アイドルとしてこれ以上の武器はありませんからね!! 
 それにその…俺は美優さんがまだ、ということを知ることができただけでなんていうか、最高に幸せな気分です! 
 神様に感謝したいぐらいですよ!!」

美優「え、えっ…そ、そうですか…それは良かった、です…?」


P「でも、そうなると一気にいくのはちょっと躊躇われるかな…う〜ん、でも襲っているならそんな気は使わないか…? う〜〜む」
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