提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」

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449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 03:11:42.90 ID:rGhT5DYe0
>>447 コメントありがとうございます

>>446が一冊目で>>448が二冊目です
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 04:57:18.04 ID:XFgBKMvKo

初めて見たときはめっちゃ興奮したなぁ
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 06:06:48.28 ID:8GiGqkxa0
前日譚のせいで胸糞だわいらなかったろこれ
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 06:48:11.81 ID:UXKnoV/K0
ベースがこれならやっぱビスコ解体もんだろ
そしてあまりにもプリンツ報われなさ過ぎ
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 07:18:05.04 ID:cmupSnnA0
あの臼異本は救いないからある意味しょうがない。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 08:41:15.69 ID:z5r6n6VOo
前日譚っつーか元ネタとして散々取り上げられてたし
むしろ知らなかったのかって感じ
だからビスマルクを救うとか言い出したら非難轟々だったんだろ
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 09:00:42.11 ID:GXcla/500
元ネタと違って、このSSではプリンツが健気だからプリンツの方が魅力的に感じるのは仕方ない
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 09:57:47.66 ID:4K8NweovO
同じビスコ陵辱ものだったら俺はビスコが深海棲艦由来の媚薬使われる同人誌の方が好きで抜ける
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 16:25:43.76 ID:BWP7X88jO
ああ、あのウ=ス異本ですか
なかなか良かった(KONAMI感)
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/12(月) 21:55:48.06 ID:rGhT5DYe0


友『くっ!!遅かったか……!!』

プリンツ「待って!!切らないで!!私にも貴方の知っていることを教えて!!」

友『悪いがそんなことしている時間h』

プリンツ「少将!!……お願いです!!どうか教えてください……!!」

友『……七時までにこれからいう場所に来られれば教えてやる。いいな?』

プリンツ「っ!!Ja!!」



プリンツ(友さんが言っていた集合場所は、今から急いで行っても間に合うか間に合わないかぎりぎりな遠く離れた場所だった)

プリンツ(私は急いで部屋に戻り、支度をする。外は強い雨が降っていて、雷もなっている)

プリンツ(通常勤務用の短靴を脱いで、黒革のブーツに履き替える。クローゼットの中を探って、官給の黒いレインコートを引っ張り出す)

プリンツ(オートバイ兵用の奴で、脛まである裾を足に巻き付けられるタイプだ。財布やスマホを入れたポーチを方から掛け、レインコートを着た)

プリンツ(すぐにバイクに乗れるようあらかじめ足に裾を巻き付けておく。そしてゴーグルをつけて、黒く塗装されたシュタールヘルムを被った)

プリンツ(最後に、少し迷ったが、左腕に軍属であることを示す赤い腕章をつける。目立つが、これで扱いは緊急車両だ)

プリンツ(今の私は、見る人が見たら卒倒するだろう。が、幸いなことにここは日本だ。気にしないようにしよう)

プリンツ(バイクのキーを握りしめ、部屋を飛び出して駐車場へ走る。運よく誰にも見つからなかった)
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 21:58:02.62 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(そして相棒のBMW R1200 RTに飛び乗り、エンジンをかける。すぐに体に響くエンジンの音と振動が伝わってきた)

プリンツ(よし、出発!!時間ぎりぎりなんだ。もう一刻たりとも時間を無駄にするわけにはいかない)

プリンツ(しかし、相棒に乗ったことで焦る気持ちがだいぶ楽になった。大丈夫、間に合う)

プリンツ(私の相棒、R1200 RTは最高のバイクだ。まるで車のように快適で、安定感がある)

プリンツ(もっと詳しく言うと、サイズから考えられないほど軽く感じられ、コーナリング特性が良い。この時点で素晴らしい)

プリンツ(そして、その1170ccの……正確には1169ccらしいが、ともかくそのエンジンパワーによる加速力と最高速度は圧倒的なのだ)

プリンツ(特に、空水冷ボクサー故にごく低回転域でエンジンに高負荷をかけても全くギクシャクすることは無い)

プリンツ(つまり、停止と発進を繰り返す日本のような狭く入り組んだ道の多いところに最適な子だということだ)

プリンツ(さらに高速巡行も得意で、アウトバーンでも平気で使える。もっとも、今みたいに路面が濡れているとスピード出せないけど……)

プリンツ(ライディングプロはレインに。雨の中、風と水を切り裂きながら進んでいく)

プリンツ「……寒い」

プリンツ(この季節とは思えない寒さ。そして冷たい雨、悪い視界。北海の荒れた海を思い出した)

プリンツ「アトミラール……アトミラール……!!」ギリッ

プリンツ(友さんは何を知っているのだろうか……アトミラールが心配でたまらなかった。ずっと一緒に居れば良かった)
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 21:59:13.13 ID:rGhT5DYe0


飛龍『ええっ!?ちょっ、本当にどうしたの!?私に指揮任せるなんて……何処に行くの!?』

友『親友を助けに行ってくるんだ!!すまない飛龍!!今日だけだ!!頼んだぞ!!』

飛龍『頼んだぞって……もう!!帰ってきたらちゃんと話してもらいますからね!!』



友(訝しむ飛龍にひとまずの指揮を任せ、車を飛ばしてきた。合流地点に到着し、時計を見るともう数分で7時だった)

友(危うく俺が遅刻する所だった……満月が辺りを照らしている。日中の嵐が嘘のように快晴だ)

友(俺は集合地点に来ていた。本当は今すぐにあいつの元へむかいたいところだが、プリンツの熱意に負けてああいってしまったのだから仕方がない)

友(近くの自販機でコーラを買う。ゴクッと飲むと爽快な炭酸と甘さに脳がリフレッシュされる。少し気分が落ち着いた)

友(残りを一気に飲み干して缶を捨てた。時計を確認するともう七時だ。プリンツは来ていない)

友(まあ、どんなに飛ばしても時間的に厳しかったからな。残念だが、約束は約束だ。大事な親友が俺を待っている)スタスタスタ

ヴゥゥゥゥン キュルルルル

友「っ!?」

友(車に戻ろうと歩き出したら、一台の大型バイクが猛スピードでやってきた。そして、すぐそこにドリフトしつつ止まった)
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:01:01.84 ID:rGhT5DYe0
友(乗っていたのは……ドイツ兵だ。黒ずくめの軍服に黒いロングブーツ。そして特徴的な黒いシュタールヘルム)

友(暗い上にゴーグルをしているので顔はよく見えない。腕に巻いた赤い腕章が、式典で見たドイツ軍の士官を思い出させる)

友(ドイツ兵が何でこんなところに……!?まさかビスマルクを逮捕しに来たのか!?だとしたら、あいつも巻き込まれるかもしれん!!)

プリンツ「友さん!!」

友「!?お前……プリンツ・オイゲンか!?」

プリンツ「Ja!! 来ましたよ友さん!!教えてください!!何を知っているんですか!?」

友「時間がない!!とりあえずそれをそこらに停めて俺の車に乗れ!!走りながら話そう!!」

プリンツ「っ、了解!!」

友(一瞬バイクを見て躊躇ったようだったが、すぐに降りて路肩に停める。助手席に飛び乗ってきたところで車を出す)

プリンツ「友さん!!教えてください!!」

友(プリンツはゴーグルを外し、脚に巻いたコートの裾を解きつつ、怒鳴るように声をかけてくる)

友(相当追い詰められているようで表情には余裕がない。精神的に酷く打ちのめされているようだった)

友「落ち着け!!今あいつが居るであろう所に向かっている!!」

プリンツ「っ!!すいません……そこは何処なんですか?」

友「あいつの敵の所だ……クソ整備士とビッチ戦艦の所だよ」

プリンツ「っ!?どうして……」

友「俺が知っていることを話してやる。舌を噛むなよ?」ブゥゥン
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:03:26.82 ID:rGhT5DYe0


友「もうそろそろその家のはずだ」

プリンツ「……」

プリンツ(いつのまにか雨が降っていた。周りは晴れているのに、このあたりだけ雲に覆われている)

プリンツ(オレンジ色に染まった沈みかけの満月が空に浮かんでいる。不気味な夜だった)



友『あの作戦会議の後、俺はあるつてを頼って密かにあの二人の行方を捜していた。時間が経っていたうえ、工作もされていたそうだが無事に見つかった』

友『だが、それと同時に同じくその二人を追っている同業者も発見したそうだ。そいつの方が先に探していたことが幸いした』

友『俺はもちろん誰が探しているのかも突き止めるように頼んだ。予想では、お前らドイツ軍の連中だと思っていた』

友『だが違った。今朝、そのつてから連絡が来て報告を電話越しに聞いたんだ』

プリンツ『探していたのはアトミラールだったんですね……?』

友『ああ。今日の午後一時にある場所で直接会って報告しているのを確認したらしい』

友『たった一日違い、おそらくあいつは作戦会議の日までには正気に戻っていたんだろうな』

プリンツ『……』

友『運が良かった。あいつが報告を直接会って伝えるよう依頼していたこと、俺のつてが優秀だったこと』

友『いろんな幸運が俺たちを助けてくれた。一歩間違えれば、俺たちがこの事実を知るのはすべてが終わった後になっていただろうからな』

プリンツ『そうですね……』

友『あいつは恐らく一人で決着をつけるつもりだろう。だがどう考えてもまずいことになる可能性が大きい』

友『それこそ、あいつの経歴に致命傷をつけるぐらいのことをしでかすかもしれん。だから、止めなくちゃならない』

プリンツ『ぶっ殺してやるとか言っていた人の発言とは思えませんね』

友『俺ならいい。だが、これ以上クソ野郎どもにあいつをどんな方法であれ傷つけさせはしない』

友『あいつは本当にいい奴なんだ。それがどうしてこうもひどい目にあう……あんまりじゃないか……』

プリンツ『……同感です』
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:05:24.17 ID:rGhT5DYe0


プリンツ「……」

プリンツ(アトミラールは、たぶんあの作戦会議の日に正気に戻ったんだ。だって、思い返せばあの日以来、私をビスマルクと呼んでいない)

プリンツ(……おそらく、アトミラールは私と友さんの話を聞いていたんだ。それしか考えられない)

プリンツ(正気に戻ってくれて本当に嬉しい。だけど、ならどうして言ってくれなかったの?そんなに私は、アトミラールにとって他人だったの?)ズキン

プリンツ(……ビスマルクお姉さまは、どうしてこんなに思ってくれているアトミラールを裏切ったの?)

プリンツ(私がいくらアトミラールを思って望んでも、いくらアトミラールに尽くしても、アトミラールは私をそれほど思ってくれることは無いのに)ズキン

プリンツ(っ!!いけない、そんな事考えちゃダメだ。そうだよ。私はただの部下で、お姉さまは提督の……好きな人なんだから)ギュッ

友「あれだ!!あそこのはずだ!!」

プリンツ「っ!!」

プリンツ(友さんの声にハッとする。慌てて顔をあげると確かにそこにはなかなか大きな家があった)

プリンツ(ひとつだけ灯りのともった窓には薄いレースのカーテンが閉まっているが、中が見える)

プリンツ「!!?? Scheiße!! 」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:08:45.48 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(それを見た時、全身に衝撃が走る。引きちぎるようにシートベルトを外し、警告音に構わず扉の鍵を開ける)

友「あっ!?おい!!」

プリンツ(まだ走ってる車から飛び降りる。水たまりの中に落ちるが、仕方ない。受け身をとってそのままの勢いで飛び起き、駆けだす)

プリンツ「嘘だ、嘘だ、嘘だ!!信じられない!!信じられない!!」

プリンツ(窓を通して見る部屋の中には、アトミラールに向けて銃を構えたあの男が見えたのだった……)

プリンツ(私が馬鹿だった!!ずっとアトミラールについていればよかった!!間に合って!!)

プリンツ(あの男が指先に力を少し入れるだけで、最悪の結末を迎えてしまう。そんなことは絶対に嫌だ!!)

プリンツ(主よ、どうかお願いですから私を光よりも早く走らせてください!!お願いですからどうか間に合わせてください!!)

プリンツ(アトミラールまでの数十メートルの距離が、遥か彼方に感じる。アトミラールの苦悶に満ちた表情まではっきり見えるというのに……!!)

バンッ

プリンツ「……ぇ?」

プリンツ(それは唐突だった。銃口が光り、あの男の手が跳ね上がる。轟く爆音に、壁に叩きつけられるアトミラール。紅い液体が飛び散る)

プリンツ「あぁ……あぁ……」

プリンツ(そのワインのような滴の1つ1つまで見える気がした。何が起きたのか、嫌でも理解してしまう)

プリンツ「いやぁ……!!」

プリンツ(アトミラールが、撃たれた)
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:12:26.42 ID:rGhT5DYe0


友『簡単に洗脳されるような、頭のねじが数本とんでるクソビッチの方も問題だ。だが、どちらにせよあのクソ野郎はたとえ法律が裁けなくても俺が裁く』

友『乗り込んでやるさ、あいつらの所に。痛めつけられるだけ痛めつけたうえで、あのクソ野郎をぶっ殺してやる』

友『その法律が、俺の大切なものを傷つけて守らないっていうんならそんなもの守る義理はない!!』

友『そんなもののために、大切なものを土足で踏みにじった奴がのうのうと生きているのを黙って見てるだけなんて耐えられないだろう!!』



プリンツ「……」

プリンツ(いつか聞いたその言葉は、今、私の心を打った。私は現代の律法に囚われ、仇を討つことをしなかった。できなかった)

プリンツ(傷ついた大切な人を癒すことも、……その命を守ることも、できなかった)

プリンツ(落雷のような衝撃に、地獄の業火のような怒りと海よりも深い悲しみ)

プリンツ(そして、たまりにたまった不満がないまぜになった、言葉にできない感情が一気に爆発する)

プリンツ(ニーベルンゲンの歌。私の好きな叙事詩に謳われる、英雄である夫を殺された美しい乙女の復讐の物語を思い出した)

プリンツ(血を啜って復讐を誓ったクリームヒルトのように、私もまたここに誓おう)

プリンツ(失われてしまった愛する者の為、何か譲れない大切なものの為、仇を討つことを何故に躊躇う必要があろうか?)

プリンツ(そうだ、愚かな私は忘れていた、私の中に流れるものを。ドクンと心臓が痛いほどに鼓動を打った。自分が変わっていくのを感じる)

プリンツ(私の中でくだらない常識が壊れ、崩れ去っていく。長い時の流れの中で眠りについていたゲルマン民族の、その苛烈で誇り高い血統が目覚めた)

プリンツ(もう躊躇わない。もう迷わない。私はあの人のために私のすべてをささげる)

プリンツ(アトミラールを傷つけたモノを、私は決して許さない。自分が何をしてしまったのか、そして誰を敵にしたのかを知らしめてやる)
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:14:50.17 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(力が抜けかけた脚に、逆に力を込めて今まで以上に強く地面を蹴る。落としかけた視線をあげた)

プリンツ「っ!!!!」ハッ

プリンツ(そして、気がついた。アトミラールはまだ生きている!!撃たれたのは肩だ!!動脈が傷ついた様子もない!!)

プリンツ(なんという幸運だろうか!!クリームヒルトは夫を失ったが、私はまだアトミラールを失っていない!!)

プリンツ(アトミラールを守れるかどうかは私にかかっている。するべきことは、分かり切っていた)

プリンツ(窓へ突進し、腕を顔の前でクロスさせる。破片対策だ。そのまま窓へ体当たり。ガラスが砕け散り、カーテンを突き破る)

ガシャーン

提督「!?」

ビスマルク「!!」

男「ええええっ!?」

プリンツ「……!!」

プリンツ(両手を広げ、構える。そのまま止まることなく、あの忌々しい男の元へ突っ込む)

プリンツ(再び銃を構えて何事か叫んでいたそいつは、驚いて振り向きかけている。弾みで撃たれなくてよかった。それだけが賭けで、私はそれに勝った!!)
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:26:29.93 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(左手でそいつの髪の毛を掴み、右手をそいつが握る銃へ伸ばす)ガッ

プリンツ(急ブレーキするも止まり切れるわけもなく、そのまま後ろから抱き付くような形となってしまった。気持ち悪い……)

プリンツ(が、ともかく無事止まって銃を下から支えるように掴むことに成功した)

プリンツ(人差し指で強引にマガジンキャッチのボタンを押し、力を入れて銃口を上へ逸らせることでマガジンを脱落させた)カチッ

プリンツ(そしてそれが落下する音を聞きつつ親指で強引に引き金を引かせ、発砲させる。弾丸は天井を貫通しどこかへ消えた)カラン バンッ

プリンツ(そして、右手を離しながら、髪を掴んだ左手を後ろへ引き、右足を前へ出して床を踏みしめる)

プリンツ「ぁああっ!!」バキィ

男「」グシャァ

プリンツ(後ろへ倒れかけるそいつの顔面に向かって、握りしめた右手をぶち込んだ。確かな感触。左手で掴んでいた髪がごっそりと抜け、そいつは吹き飛んで床に沈んだ)

プリンツ「はぁ……はぁ……!!」

プリンツ(やった……!!やった!!アトミラールを守れた!!握りしめていた手を開き、気持ち悪い髪の毛を手放す)

ビスマルク「……っ!!あ、貴女……?」

提督「……!!」

プリンツ(振り向き、改めてアトミラールを確認する。アトミラールは驚きに目を見開いていた。顔に残る殴られた跡と血痕に怒りが燃え盛る。)

プリンツ(しかし、肩の傷を含めて命に別状はなさそうだ。アトミラールと目が合う。もう何年も会っていなかったような錯覚を覚えた)

プリンツ「アトミラール……!!」

プリンツ(思わず、目が潤む。涙があふれそうだった。今すぐに抱きしめたい。アトミラールを全身で感じたい)

プリンツ(だけど、それにはまだやらなくてはならないことがある。私は頭を切り替えてもう一人の仇の方へ向き直る)

プリンツ(その醜く腹を膨らませて、驚きの表情でこちらを見上げる売女を睨みつける。私の心がまた激しい怒りの業火をともした)
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 22:58:46.40 ID:cmupSnnA0
優しいプリンちゃんが…gkbr
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 23:00:35.72 ID:5vi6fjlHO
売女ビスマルク
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 22:40:22.19 ID:34eO+mnO0
>>1がBMWバイク好きなのは良く分かった
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:44:18.19 ID:DQAjaddu0


プリンツ「……」ギロッ

提督(プリンツ……!?馬鹿な、なぜ彼女がここにいるんだ?どうしてこの場所が分かったんだ?)

提督「プリンツ……?」

ビスマルク「プリンツ……」

プリンツ「Du Scheißfotze(この卑しい売女め). 民族、血統の汚辱!呪われるべき裏切り者!!そんなお前にお似合いの、醜い豚。その腹の中も、醜い豚の子!!」ギリッ

ビスマルク「っ」ビクッ

プリンツ「よくも……よくもアトミラールを……!!お前を切り刻んで地獄へ落としてやる!!」ツゥー

提督(プリンツは怒りと嫌悪感をみなぎらせた眼差しでビスマルクを睨みつけていた。そして、早口のドイツ語で何かを捲し立てている)

提督(信じがたい。あのプリンツが……?俺もドイツ語は話せるが、あくまで日常会話と軍事関係のみだ。何を言っているかまでは理解できない……)

ビスマルク「アトミラール……!! そうよ!!アトミラールが撃たれて……!!救急車!!」

プリンツ「っ!!そうだ……!!救急車……私が呼ぶ!!……っ!?」クルッ

ビスマルク「……?何してるのよ!?早くして!!」

プリンツ「見られている……?っ!!」ジッ ハッ

ガチャリ カツカツカツ

提督(プリンツが窓の外を警戒し始めたところで、ドアが開く音が響く。そして足音も。誰が入ってきたんだ!?全く状況がつかめない)
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:45:58.68 ID:DQAjaddu0
プリンツ「……友さん?」

提督「友……!?あいつまで来ているのか……!?」

ビスマルク「……誰!?」

メンゲレ「……さて、諸君。積もる話もあるだろうが、そこまでだ」

友「……」リョウテアゲ

提督「!?友……!!」

プリンツ「ドクトル……!!」

ビスマルク「……!!」

提督(入ってきたのはドイツ軍の制服に白衣を纏った、プリンツと同じぐらいの年頃の少女だった)

提督(そしてその後ろには何人もの戦闘服を着た兵士が控えている。ドイツ軍の部隊だ)

提督(そしてそんなやつらが何をしに来たのか。言われなくても分かる。ビスマルクを捕まえに来たのだろう)

提督「ビスマルク……!!」ズリ ズリ

ビスマルク「アトミラール!!」ペタ ペタ

提督(俺は、残念ながら立てない。這いずりながら近づいていく。そしてビスマルクもまた顔を蒼白にしながら四つん這いで這いよってくる)

プリンツ「アトミラール!?……っ!!」ギリッ

メンゲレ「おっと、動かないで貰おうか?」チャキッ

プリンツ「っ!!ドクトル、アトミラールに銃を向けるな……!!」

メンゲレ「誰にものを言っている?と言いたいところだが、親友の頼みとあれば仕方ない。が、限度はあることを理解しておくように」スッ

提督「くっ……何者だ?」

メンゲレ「おっと、これは失礼しました。初めまして中将。私はヨゼフィーネ・メンゲレ大佐です。今月からの連絡将校を務めさせていただいております」

ビスマルク「貴女が……」

メンゲレ「さて、まずは貴方です。中将」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:47:10.93 ID:DQAjaddu0
提督「何の用だ……?」

メンゲレ「治療ですよ。それとも、救急車でも呼びましょうか?Sanitäter(衛生兵)」

衛生兵「Jawohl. 見せてください、中将。Danke…… 深刻ではありません。応急処置をすれば移動に堪えられます」

メンゲレ「よろしい、では応急処置を」

衛生兵「了解です」

提督「待て。移動と言ったか?どこへ連れていくつもりだ?」

メンゲレ「我々の拠点、遣日ドイツ軍司令部です。そこらの病院よりよほど設備が良いですよ。それに、このことを公にするのはまずいでしょう?」

提督「っ」

メンゲレ「悪いようにはしません。ここは我々に預からせてください」

提督「……悪いようにしないとは?」

メンゲレ「このような騒ぎに巻き込まれたと知られれば、あなた方のキャリアに傷がつくでしょう?」

メンゲレ「ですから、今日のことは無かったことにします。中将と少将、そしてプリンツ・オイゲンは今日ここに居ませんでした」

メンゲレ「そして我々は、逃亡兵とその協力者を秘密裏に逮捕しました。ただ、それだけです。悪くない取引ではありませんか?」

ビスマルク「……」

提督「断る!!」

友「!?」

プリンツ「っ」

ビスマルク「!!」

メンゲレ「……何故でしょうか?」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:51:43.95 ID:DQAjaddu0
提督「ビスマルクをどうするつもりだ?」

メンゲレ「……許可なく部隊から逃亡した士官は銃殺です。お前もその覚悟があったのではないか?」

ビスマルク「っ。……ええ」

提督「止めろ!!それは赦さないぞ!!」

メンゲレ「……なら、どうするというのですか?」

提督「この件を告発する!!そのうえで減刑を求める!!そうなれば、ビスマルクの功績からして死刑だけは避けられるはずだ」

メンゲレ「貴方のキャリアを犠牲にしてですか?痴情のもつれからこんな問題を起こしたと知られれば、未来が消えますよ」

提督「それでもいいに決まっているだろう。……」



ザワザワ

テレビ【ご覧くださいこの廃墟を!!信じられませんが、ここはお台場です!!もはや無事な建物は一つもないかと思われます!!】

「嘘だろう……?」「信じられん……」「みんな、無事でいてくれよ……!!」

提督『こんな手紙なんて……嘘だ……そんなの嘘だ……妻と子が空襲で死んだなんて……!!』グシャリ ボロボロボロ

友『提督……』

テレビ【この一連の大規模な空襲で被害を受けた都市は12都市にのぼります。死亡者数は現時点で10万人を超え、さらに増加する見込みです。この件について海軍省は〜】



提督「愛する女一人守れないで、何が帝国軍人か……!!今、俺が行動すれば何とかできるかもしれないのなら、躊躇うことは無い!!」ギリッ ツゥ

友「提督……」

プリンツ「……」ギュッ

ビスマルク「アトミラール……もういいの。貴方がそう言ってくれただけで、もう救われたわ……だから、」

提督「そんなことを言わないでくれ!!君は生きたくないのか……?俺は君とこんな形で別れるなんて嫌だ!!」

ビスマルク「わ、私だって……!!けど、それであなたが犠牲になるのなら……死ぬ方がマシよ……!!」ボロボロボロ
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:52:29.82 ID:DQAjaddu0
メンゲレ「……では、貴方はどうしたいのですか?中将」

提督「ビスマルクを保護したい!!」

ビスマルク「アトミラール……!!」

プリンツ「っ、アトミラール……」

メンゲレ「なるほど……ふむ……」

メンゲレ(素晴らしいぞ……!!うまくいけば、2体も確保できる……!!)

男「……」ピクッ

プリンツ「!」

メンゲレ「つまり、この一連の出来事はなかったことにするという認識でいいですね?」

「「「「!?」」」」

メンゲレ「ビスマルクは逃亡などしていない……あなたの元から去っていない。この男はただ軍を一人で去っただけ」

メンゲレ「そして行方不明になった。そういうことでいいですね?」

提督「あ、ああ。だが、なぜいきなりそんな提案をする?」

メンゲレ「コレが不祥事を起こしたとなれば私の責任問題にもなります。それは御免ですから」

メンゲレ「ですが、誓ってもらえますね?このことは決して他言しないと。もちろん、ここにいる全員です」

提督「分かった、誓う」

メンゲレ「いいでしょう。貴方はどうですか、少将?」

友「貴様を裏切ったそいつを保護する。……本当にそれでいいのか、提督?俺は反対するぞ」

提督「いいんだ、それがいい。……迷惑をかけた。ありがとう、友」

友「……なら、もう言うことは無い。誓おう」

メンゲレ「分かりました。プリンツ?」

プリンツ「……誓いますよ」

メンゲレ「Gut. で、お前は?Versager(愚か者) 」

ビスマルク「私は」

男「ぅぅ……ビスマルク……助けてくれ……!!」

ビスマルク「っ!?」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:53:43.11 ID:DQAjaddu0
メンゲレ「意識が戻っていたか。どうする?」

男「いいのか……?あんな奴にお前を幸せにすることなんか……悦ばせることなんかできるものか……!!」

男「お前は僕専用なんだ……!!異物を入れたって前のようになるだけだぞ……!?」

提督「っ」

男「それにお腹の子は僕の子だ!!僕はその子の父親で、お前の夫だろ!?」

ビスマルク「っ!!」

男「ドイツ人!!僕を殺すな!!僕の命を保証するなら、僕が知ることを全て話してやる!!機密まで全部だ!!」

男「僕は整備士として優秀だった!!それこそ、ビスマルクの整備を任されるぐらいに!!だから様々な機密に詳しいぞ!!」

メンゲレ「ほぅ……興味深い……」

男「僕を助けるなら知っている情報をドイツ軍に全て提供する!!だから僕を助けろ!!」

メンゲレ「ふむ……」

男「提督、言ったな!?ビスマルクが望むようにすると!!ビスマルクが僕と逃げることを選べば、お前はそれを支援すると言った!!」

提督「ああ、そうだ」

男「ならビスマルクが望めば僕たちがドイツへ逃げることを支援しろ!!」

提督「……分かった」

友「っ」

メンゲレ「なら、望むようにしようじゃないか。すべては我らが祖国、ドイツの為にだ。どうする、ビスマルク?」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:55:41.36 ID:DQAjaddu0
ビスマルク「ぁ……わ、たし……」マッサオ

男「お腹の子だってそうしたいはずだ。ビスマルク……!!」

提督「……君が望むようにしてくれ。帝国軍人として、約束は必ず守る。例え、君が俺の元を去ってそいつと行くと言ってもだ」

ビスマルク「私、は……私はっ……」ドクン ドクン ドクン

ビスマルク「……っ!!はぁっ……!!……あ、貴方と……アトミラールといたい……!!アトミラールがいいなら……」ギュッ

ビスマルク「アトミラールが赦してくれるなら……アトミラールが受け入れてくれるなら……アトミラールといたい……ぐすっ……!!」ツゥー

男「あぁ……!!ビスマルク!!お腹の子はどうするんだ!!」

ビスマルク「っ!!そんなの!!分からないわよ!!けどアトミラールがいいの!!」

男「僕を殺すのか!?見殺しにするのか!?お前の夫だろう!!」

ビスマルク「違う……違う!!元はと言えばあなたが私を騙してっ……!!」

男「受け入れたのはお前だ!!ビスマルク!!」

ビスマルク「うるさいうるさい!!今は何も考えたくない!!けど私はアトミラールといたい!!」

ビスマルク「あなたなんか……お前なんか大っ嫌い!!」

メンゲレ「決まったな。ヴォルフガング、そいつを黙らせろ」

兵士「 Einverstanden(了解しました). 」

男「ビスマルク!!な、止めろ!!放っんん!!」

メンゲレ「……さて、睡眠薬もすぐに効くだろう。いいのだな、Versager?」

ビスマルク「勿論よ……!!」フルフルフル

メンゲレ「ふん、そいつを運び出せ。予定通りにな」

兵士「分かりました」

提督「ビスマルク!!」ダキッ

ビスマルク「アトミラール、私……!!」ギュッ

提督「もう二度と話さないからな。だから、もう二度といなくならないでくれ……!!」

ビスマルク「うん……うん……!!ごめんなさい……!!ありがとう……!!」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:58:19.47 ID:DQAjaddu0
メンゲレ「……では、ヘリが待っていますので移動をお願いします。少将とプリンツはどうされますか?」

提督「っ!!待っててくれビスマルク」バッ

ビスマルク「ええ、分かったわ」コクリ

提督「待ってくれ!!プリンツと話がしたい」

プリンツ「!!」

メンゲレ「そうですか。では簡単にお願いしますね。貴方は負傷者ですから」

提督「ああ。……プリンツ」

プリンツ「アトミラール……」

提督「迷惑をかけた。すまない……」

プリンツ「言いたいことはたくさんあります。けど、生きていてよかった。今はそれだけ伝えられれば十分です」

提督「ありがとう、プリンツ……本当にありがとう……!!」

プリンツ「ドクトル、アトミラールはいつ戻れるのですか?」

メンゲレ「傷が癒えるのに時間はかかるだろうが、入院が必須なわけではないだろう。明日にでもな」

プリンツ「なら私が迎えに行きます」

メンゲレ「構わんよ。後で連絡する」

プリンツ「いえ、この後に話しましょう」

メンゲレ「……手短にな」

プリンツ「ええ。では、アトミラール。名残惜しいですが、傷に障ってはいけませんから今日の所はこれで」

提督「そうか……分かった」

プリンツ「ただし、明日からは覚悟してもらいますからね?」

提督「ああ、首を洗って待っているよ」

メンゲレ「終わったようですね。では、少将は?」

友「俺はもう帰るよ。車もあるしな」

メンゲレ「分かりました。では、各員行動開始。集合地点のヘリにて待機。私は少し話がある。問題発生の場合は合図して離脱しろ。私は自分で戻る」

「「「「 Jawohl. 」」」」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 02:02:22.05 ID:DQAjaddu0


プリンツ(アトミラールと少将、強襲班、そして仇2人が去り、私はメンゲレと二人でいる)

プリンツ(他にこの家にいるのは証拠隠滅班だけだ。私達は別室にいて、話を聞かれる心配もない)

メンゲレ「それで、何の用かな?」

プリンツ「このことを本国に知られても貴方に不利益なんかないでしょ?」

メンゲレ「だがドイツ本国には不利益がある」

プリンツ「だとしても、こんなやり方はおかしい。やるなら有無を言わさず事故死とかにするはずなのにどうしてこんな方法を?何を企んでいるの?」

メンゲレ「……私は医者だ。常に医学の発展に力を尽くしている。なぜなら、それが今の私の目標だからだ」

メンゲレ「だが、やはり卓上で計算やら理論やらで予測したり、合法的な実験だけでは話にならない」

メンゲレ「使える検体が必要なんだ。……何をしても問題にならない、人間がな」

プリンツ「……!!」

メンゲレ「どうせ奴は処刑される。なら、是非人類の役に立って貰おうじゃないか。そう思うだろう?」

プリンツ「……」

メンゲレ「……そうだな、道徳的に考えれば難しい問題だろう。よくない事だと感じないわけではない」

メンゲレ「だが、私は割り切る。なぜならそれが一番だからだ。最善だからだ」

メンゲレ「くよくよ悩んでいても、時間の無駄だ。なら早く割り切って行動すべきだろう?」

メンゲレ「過剰な倫理観で下らん言い訳を並べて……限りある時間を無為にするのが人格者ならば、私は人格破綻者であるほうが良い」

プリンツ「……メンゲレ。私で実験しようとしたことは赦さない。けど、私は貴女のことが少し好きになったかも」

メンゲレ「!?そ、そうか……?それは嬉しい……!!それと、一つ言わせておらいたいのだが、あの時私は君を殺そうとしていたわけじゃないぞ?ただ」

プリンツ「分かってる。じゃあ私も先に戻るね。艦隊の皆が混乱しているだろうから。何時にアトミラールを迎えに行けばいい?」

メンゲレ「そ、そうか……正午に来てくれ。分かってると思うが、どういう事にするかは決まっていない。迂闊な発言には気を付けろよ」

プリンツ「当然。じゃあね、メンゲレ」

メンゲレ「!!ああ。また今度、プリンツ。……Gut!!」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 02:03:15.36 ID:DQAjaddu0


プリンツ「……あ」

友「来たか」

プリンツ「友さん……どうしたんですか?何か用ですか?」

友「用があるのはお前の方じゃないか?」

プリンツ「はい……?あっ」

プリンツ(私のバイク……あの自販機のとこだ……危うく帰れなくなるところだった)

友「乗れよ」

プリンツ「待っていてくれたんですか?ありがとうございます……」

友「気にするな」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 02:04:37.71 ID:DQAjaddu0


メンゲレ「待たせた。では出発してくれ」

パイロット「了解しました、大佐殿」

提督(ヘリがゆっくりと離陸していく。俺の隣の席にはビスマルクが座っていた。手を繋ぎ、互いに頭を相手にもたれている)

提督「ビスマルク……」

ビスマルク「何かしら……」

提督「いや、呼んでみただけだ」

ビスマルク「そう」

提督「……ここにいるんだな」

ビスマルク「ええ。……もう二度と離れないわ」

提督「ああ……」ギュッ

ビスマルク「ん」

提督(本当に辛い出来事だった。俺にとっても、そしてきっとビスマルクにとっても、だ)

提督(だが、終わった。決着をつけた。このことはもう忘れよう。これからはきっとビスマルクとの幸せな生活が待っているはずだ)

提督「ビスマルク……俺はもう眠い……」

ビスマルク「大丈夫?」

提督「少し、仮眠させてもらう……」

ビスマルク「分かったわ。お休み、アトミラール」

提督「ああ……」

提督(一気に疲れが溢れ、眠気に瞼が重くなる)

提督「……」

提督(ワルイユメは、もう醒めた。俺はすがすがしい気持ちで、本当に久しぶりの安らかな眠りに落ちていった)
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/14(水) 02:05:51.73 ID:DQAjaddu0


友「そろそろ都市部に戻ってきたな」

プリンツ「……友さん」

友「どうした」

プリンツ「どう思いますか?アトミラールとアレとの……ビスマルクとのこと」

友「気に食わない。だが、あいつがそれを望んだのなら仕方ない」

プリンツ「仕方ないって……あんなひどい女に親友が引っかかっていいんですか?」

友「ひどい女か……まあそうだ。赦しがたい裏切りをしたからな。だが……あいつの態度を見て考えを少し改めた」

プリンツ「態度って……」

友「ひどく後悔しているようだったし、どうやら本当にストックホルム症候群のようなものだったみたいじゃないか」

友「あいつのクソ整備士に対する言葉を聞いて、許せはしないがまあ一回ぐらいチャンスをやってもいいかと思った」

プリンツ「……そうですか」

友「まあ、一発ガツンと殴ってやりたい気分は収まらないがな」

プリンツ「……」

友「納得できないか?」

プリンツ「ええ……あんなのより私の方がアトミラールを……」ボソリ

友「ん?何て言った?」

プリンツ「何でもないです。それにしても、今からまた六時間近くかけて戻るのはさすがに億劫ですね」

友「だろうな。バイクだと余計辛いだろう」

プリンツ「はい……」

プリンツ(……あ、ホテルだ。こんなに煌びやかで、なんかクラブとかカジノとかみたい。へぇ、休憩ねぇ。……)

プリンツ「……今日は疲れました。あのホテルで少し休憩していきたいです」

友「お前……まさかとは思うが、分かって言ってるわけじゃないよな?」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 02:08:02.41 ID:F6gb6jvIO
あのさあ…
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 02:31:00.28 ID:/fsoCVdDo
ここまでして報われないプリンツ……
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 02:33:10.76 ID:GQCRZGBMO
結局プリンツも友に靡くのか
ドイツ艦はビッチばっかだなあ
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 03:35:55.85 ID:Z2q3ptFUo
原作でもプリンツはビッチだからね
しかたないね
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 04:33:15.91 ID:6vNQy1ouO
やっぱりビッチだな
多分今までの艦娘全員寝取られてるわ
この流れだと
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 05:12:52.93 ID:lLTa6t7A0
友が寝取ったら最悪だわ
待ってる飛龍に死んで詫びろ
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 06:56:08.48 ID:gVkSQWBm0
ただの無知だろ
この流れでまた寝取られを匂わすシナリオにしたのはマジで訳わからんが
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 07:50:59.33 ID:rL8OPibjo
(読者にとって)ワルイユメ
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 08:23:59.41 ID:/9c8XE69O
ここまでひっでぇ展開は久々に見たよ……
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 09:15:06.99 ID:elQbO9ZCO
流石にあそこまで提督に一途だったプリンツを伏線も過程も無しにいきなり友とくっつけるのはどうかと思うの
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 12:51:09.48 ID:lKx+os/2O
これは荒れても仕方ない…
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 13:22:59.62 ID:7fi1Sb0no
まだあわてるような展開じゃない……はずだ……
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 13:27:01.60 ID:z3P5UtxwO
今まであんな苦労掛けといて自分には礼一つで済ませて再び売女とよりを戻そうとしてる提督への当て付けかね
現実的な思考かもしれんけど物語としてあまりに不毛な展開だな
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 14:19:21.39 ID:aJOI0A6DO
先に期待してずっと読んできたけどひたすら胸糞悪いだけ

もう全員[ピーーー]ばいいんじゃないかな
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 18:45:43.39 ID:GNxkoxZOO
もう全員寝取られればいいんじゃないかな
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 19:56:58.41 ID:8nk4tgxWO
失望しました
プリンちゃんのファンやめます
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 20:57:12.44 ID:ihSQiooK0
プリンツの行動はまあ、元鞘に収まられて自棄になったか提督を忘れ去りたいかなんかってわからんでもない
問題なのは提督とビッチ戦艦の頭。特にビッチの方は頭のネジ飛びすぎじゃね?
提督撃たれそう→特に何もしない。止めたのは負傷覚悟で飛び込んで来たプリンツ
提督負傷→プリンツに対して救急車を早く呼べと発言。自分ではやらない
お腹の子は?→特に何も考えてない。他のこと含めてなんとかなるだろうと思ってる節がある
これでワルイユメが覚めた?自分達以外の周りの人のこと少しでも考えた?どうせ整備工その2が現れたら同じ事繰り返すぞこのビッチ
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 21:24:21.06 ID:eseOKI3iO
登場人物全部駄目
ビスマルクは勿論駄目だし提督もプリンツじゃなくてビスマルクを選んじゃって駄目
そしてプリンツも友に靡くだろうから主要登場人物全部駄目なんだよなあ
>>448でプリンツの立ち位置が違う云々言ってたから期待してたけどこの展開じゃなあ…
10中9、8で友とくっつくだろこれ
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 22:14:12.07 ID:ZvLK/9vro
今までにないパターンだから微妙にまさかな可能性は残されているような気もするが
整合性が無くなるか
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 22:45:58.25 ID:KhrN5ERGO
ビスマルクを許すとしてもプリンツも受け入れて両手に花エンドだったらまだマシだった
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 23:33:56.59 ID:VpeRWKFuo
てかこんなストーリーにするなら前半いる?
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 23:52:20.35 ID:z3P5UtxwO
てか作品の整合性がとれなくなった、の一言で終わる所を烈火の如き長文を飛ばしながら作中の女に憎しみを込めるようにビッチビッチ言ってる人はどんだけ感情移入してんだよと
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 00:06:47.32 ID:nCjlachyO
感情移入するほどこのSSを気に入ってたって事だろうよ
言わせんな恥ずかしい
作者もこれだけ感情が篭った感想のレスが貰えて本望だろ
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 00:54:23.25 ID:R2q43YVg0


提督(遣日ドイツ軍司令部は何度か訪れたことがあったが、こんな病院があったとはな。知らなかった)

提督(無事に到着し、そこで本格的な治療を受けた俺は割り当てられた寝室へ戻る。まるで高級ホテルだ)

提督(しばらくボーっとして過ごす。今日一日が夢幻のように感じられた。すると、ノックの音が聞こえる)

提督「どうぞ」

ビスマルク「アトミラール、ただいま」

提督「事情聴取とメディカルチェックは終わったか?」

ビスマルク「ひとまずは……精神的なストレスが酷いから続きは明日からだって」

提督「そうか……い号作戦が近くて、俺は戻らなくてはならない。もし何かあれば、すぐに連絡しろ」

ビスマルク「ええ。……アトミラール、ごめんなさい」

提督「もう何も謝るな。すべて終わったことだ」

ビスマルク「けど、それでも……いいえ。こんなこと繰り返したって、自己満足でしかないものね」

提督「君は悪くないよ。悪いのは全部あいつだった。あいつが君を騙さなければ始まらなかった」

ビスマルク「……どうすれば償えるのかしら」

提督「ずっと一緒に居てくれればそれでいい。もう考えるのは止めよう。今日はいろいろありすぎた」

提督「寝て、気持ちを切り替えよう。寝支度は終わっているな?」

ビスマルク「そうね…… 終わっているわ」

提督「じゃあ、寝よう。……どうする?」

提督(俺は灯りを消し、二つ並んだクイーンサイズのベッドの1つに入る。そしてビスマルクを見る)

ビスマルク「……行ってもいいの?私……穢れt」

提督「良いに決まってる!そんなことを言わないでくれ……!来てくれないか」ポンポン

ビスマルク「!は、はい……!」

提督(ビスマルクは泣きそうな顔で躊躇っていたが、俺が声をかけるとおずおずと言った感じでベッドに入ってきた)

提督「……」スッ

ビスマルク「! ……」ギュッ

提督(手を伸ばしてビスマルクの手を取ると、握り返してくる。暗闇の中、涙を流しながら微笑んでいた)

ビスマルク「私、今とてもしあわせ……」

提督「俺もだ」

提督(俺たちは眠りに落ちるまで……いや、眠りに落ちてからもずっと手を握っていた)
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 00:55:32.75 ID:R2q43YVg0


提督「……んん」

ビスマルク「ん、起きたかしら?」

提督「ああ」

ビスマルク「コーヒーが入ってるけど、飲む?」

提督「ああ、頂くよ」

ビスマルク「分かったわ。……はい、どうぞ」

提督「ありがたい。……苦い、とても。君のコーヒーだ」ニコッ

ビスマルク「お口に合えばいいけれど。貴方は甘党だから」

提督「苦いのもたまにはいいさ」

ビスマルク「私も、甘いのもたまにはいいと思うわ。ふふっ」

提督(こうして俺たちは、まだ事件が起きる前の頃のような幸せな朝を過ごしたのだった)
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 00:56:23.04 ID:Nx5a5gGPO
メシマズ
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 00:58:26.88 ID:R2q43YVg0


メンゲレ「さて。では中将、武運を祈る。い号作戦の成功を信じているよ。ビスマルクも、1、2か月の間には必ずそちらへ戻らせる」

提督「任せてくれ、大佐。……いろいろと世話になった。ありがとう」

メンゲレ「どういたしまして、中将」

提督「ではな、ビスマルク。また後で」

ビスマルク「ええ、アトミラール。すぐ連絡するから。作戦、応援しているわ。頑張ってね」

提督「今、勝利を確信したよ。褒美を何にするか考えていてくれ」

提督(名残惜しそうな顔で手を振るビスマルクに手を振り返し、階段を下りていく。そのままエントランスを出た)

プリンツ「……!!アトミラール!!」ダッ

提督「プリンツ!!」

プリンツ「アトミラール!!」ダキッ

提督「!!プリンツ……?」

プリンツ「アトミラール!!アトミラール!!アトミラール!!」ギュッ

提督「プリンツ……よしよし」ナデナデ

プリンツ「アトミラールに会うまで、何かあったら……またいなくなっちゃたらどうしようって……!!ずっと怖くて……!!」

提督「……大丈夫だ、俺はここにいる。本当にありがとう。君にはなんて感謝すればいいか」

プリンツ「いえ、いいんです。アトミラールがこうして私の近くにいてくれれば…… っ!!」

提督「いや、それじゃ俺の気持ちが収まらないよ。俺にできることなら何でもする。だから、何でも言ってくれ」

プリンツ「……はい、分かりました。ありがとうございます。では、行きましょうか。他の皆さんもとても心配していますから」

提督「ああ、そうだな」

提督(最後にもう一度、二階の窓を振り返る。ビスマルクがこちらを見送っていた。俺が見ていることに気がつくと、笑顔で手を振る)

提督(微笑んで、振り返す。そして車に乗った。少し遅れてプリンツも乗り込んでくる)

プリンツ「では、出発しますね」

提督「ああ、頼む」

提督(さて、気持ちを切り替えよう。とりあえず、俺は友と緊急の作戦会議を開いていたことになった)

提督(戻ったらみんなに謝ってい号作戦の準備だ。忙しくなる……。だが、今の俺は負ける気がしない。やってやるさ)
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 01:00:33.09 ID:R2q43YVg0


プリンツ「……っ!!」ハッ ギロリ

ビスマルク「!」

ビスマルク(アトミラールに飛びついたプリンツが、私が見ていることに気がつくと目を見開いて驚いた)

ビスマルク(そして、嫌悪と激しい敵意を孕んだ瞳で睨みつけてきた。それこそ、憎い敵を睨みつけるように……)

ビスマルク「……」

ビスマルク(私がしたことを考えれば、当然のことだ。けど、それでもとても悲しく辛い事だった)

プリンツ「……」ジッ

ビスマルク(笑顔で手を振ったアトミラールが車に乗り込みプリンツが運転席へ乗る前、再び睨みつけられる)

ビスマルク(その表情は明らかに私を威嚇していた。食いしばられた歯に上目遣いの睨みが憎しみの程を語っていた)

メンゲレ「……さて、ビスマルク。そろそろ現実に戻る時だ。まずは一刻を争うことを話そうか?」

ビスマルク「……何かしら?」

メンゲレ「そのお腹のことだ」

ビスマルク「っ!?」

メンゲレ「どうしたい?中絶は可能だ。違法だが、ここで手術する分には問題ない」

ビスマルク「私は……」

ビスマルク(正直に言うと、本当にわからなかった。考えたくない問題だから、考えることを避けていた)

メンゲレ「……」

ビスマルク「私はっ……」タラリ
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 01:00:54.63 ID:HTvKnB+S0
寝取り寝取られの背徳感や絶望感があるわけでもない。悲恋の哀愁が漂っているわけでもない
かといってハッピーエンドや勧善懲悪の爽快感があるわけでもない。何も無いある種の奇跡だよこれ
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 01:02:13.66 ID:R2q43YVg0
ビスマルク(本音を言うと、私は……私は……堕ろしたかった。だって、あんな男の子供だ。好きで妊娠したわけじゃない)

ビスマルク(人として最低なことを言っていることは分かっている。でも、それでも私は……堕ろしたかった)

メンゲレ「……堕胎するかしないかだろうが。早く決めろ。先送りにしても何の意味もないぞ」

ビスマルク「っ……!!はぁ……はぁ……」ブルブルブル

ビスマルク(でも、この子に罪はない。そんな子を殺してしまうことなんて、したくない。できない)

ビスマルク(でも、産みたくない。この子のことを愛せる自信がない。けど、産んであげたい。愛したい)

ビスマルク(……分からない。分からない!分からない!!どうすればいいの?どうすればいいの!?)

メンゲレ「そんなに悩むのなら、産めばどうだ?」

ビスマルク「!?」ビクッ

メンゲレ「中将も昨日君のしたいようにしろと言っていただろう?」

ビスマルク「!!」

ビスマルク(……もし、アトミラールが一緒に居てくれるなら。そしてこの子を受け入れてくれるのなら。私は……)

ビスマルク「いいの、かな……?」

メンゲレ「さあな。お前たちの問題だ」

ビスマルク「私……」
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 01:03:07.59 ID:R2q43YVg0
メンゲレ「だが、あれが熱に浮かされていただけのものかもしれない可能性はある」

ビスマルク「!?」

メンゲレ「お前自身も、身に覚えがあるのではないか?熱に浮かされていたらどんな馬鹿なことでも簡単にいえてしまう」

メンゲレ「だが、後で冷静になってから後悔する。そして、その場合は十中八九、手遅れだ。……覚えがあるだろう」

ビスマルク「……!!」

メンゲレ「……中将はいい男だったな」

ビスマルク「……何のつもり?」

メンゲレ「あんな人に愛されて、女として羨ましいばかりだ」

ビスマルク「何が言いたいの!?」

メンゲレ「プリンツが彼に惚れこんでいるのも分かるよ」

ビスマルク「っ!」

メンゲレ「方や一途に尽くしてくれる清らかな処女。方やほかの男に寝取られて自らの元を去ったビッチ」

メンゲレ「しかも寝取った憎い男の子供までついてくるとなれば……一体どっちが男としていいのかな?」

ビスマルク「!!」

メンゲレ「……冷静になった後の彼はどう思うのかな?プリンツが彼を誘惑したらどうなるかな?」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 01:03:54.22 ID:R2q43YVg0


プリンツ『アトミラール、ずっと好きでした。結婚してください……!!私を選んでください……!!』

提督『君のことは好ましく思っているが、あくまで部下だ。俺には、ビスマルクが……』

プリンツ『……あんなビッチがどうしたっていうんですか?』ギリッ

提督『!!』

プリンツ『あいつは浮気した挙句、一度そいつと逃げているんですよ?しかも、そいつの子供もいます』ジッ

提督『だが、あいつは騙されて……』

プリンツ『騙されたとしても、事実は事実です。……あなたを裏切ったことも』

提督『っ』

プリンツ『……アトミラール、私は貴方をずっと支えてきました。あの時助けたのも私です』

提督『……ああ』

プリンツ『あの女が貴方に何をしましたか?銃で撃たれそうになった時、撃たれて負傷した時、どうしてくれましたか?』

提督『……』

プリンツ『私は一途に貴方に尽くしてきました。信じて下さい。貴方を裏切るような真似は、私はしない』

提督『プリンツ……!!』

プリンツ『この体も、誰にも触れさせたことはありません。貴方が初めてで、そして最後です』スルリ ナガシメ

提督『っ!!……プリンツ、俺は目が覚めた。……君が好きだ!!あんな奴なんて、好きじゃない。あれは、昔の想いの残滓を勘違いしていただけだった』

プリンツ『アトミラール……!!嬉しいです』ニコッ

提督『プリンツ!!』ダキッ チュッ

プリンツ『んっ……ふぅ……だいすきぃ……』ギュッ
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 01:05:42.29 ID:R2q43YVg0


ビスマルク「……」ガタガタガタ マッサオ

ビスマルク(そ、そんなことになったら……私……!!)

メンゲレ「……だが、やはり堕胎はよくない事だ。命を粗末に弄ぶのだからな。当たり前の選択だ」

メンゲレ「まあ、身から出た錆だろう。頑張ってくれ。きっと中将も良くしてくれるさ」

ビスマルク「待って!!」

メンゲレ「……何かな?」

ビスマルク「……して」ボソリ

メンゲレ「何だって?もっと大きな声で言ってくれ」

ビスマルク「堕ろして」

メンゲレ「聞こえんよ。もっと大きな声ではっきりと話したまえ」

ビスマルク「堕ろして!!」

メンゲレ「……罪なる人殺しめ。本当にそれでいいのか?地獄へ堕ちるぞ」

ビスマルク「……もう、堕ちてる。だから、何をしても私は……アトミラールだけには捨てられたくないの……だから、堕ろしてください……」

メンゲレ「……分かった。後で連絡しよう。ただし、一つだけ命令するぞ」

ビスマルク「……なに?」

メンゲレ「このことで悲しみ、嘆き、涙を流すことは赦さん。お前にその資格はない。ではまた後で」ツカツカツカ

ビスマルク「……っ ぐすっ……ふぐぅ……」ボロボロボロ



メンゲレ「ふふふふーん♪ふふふふーん♪ふむ、素晴らしい結果だ。さて、次の実験に付き合ってもらうぞ」

メンゲレ「ああ、そうだ。お前に加えてお前の子供も私の研究に協力してくれることになったよ。何をするかは、言わないでおいてやろう」

メンゲレ「私の望み通りの結果だ。プリンツと中将、そしてあのビスマルクに感謝しなくてはな」

メンゲレ「何、誇りたまえ。君たち親子の犠牲で、医学は発展し、きっとどこかの誰かを救う」

メンゲレ「だから安心しろ。……って、もう話せないか。まあ、生きていて、反応すればそれでいい。……十分な成果が出るまでの間な」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 01:11:27.49 ID:3OU5xwg/o
調子に乗って書き続けた結果って感じ
有名になった物の知名度を自分の良いように利用する人間っていうのはどこにでもいるもんだよね
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 01:58:06.32 ID:R2q43YVg0


提督(帰るまでの道、プリンツとは様々ことを話した。俺がおかしくなっている間のこと、そして俺が正気に戻ってから今日までのこと)

プリンツ「なんで言ってくれなかったんですか……?私は、そんなに信用に足りませんでしたか……?」

提督「まさか!!俺は、君を巻き込みたくなかったんだ。場合によっては、俺はすべてを捨てることになったかもしれない」

提督「そうなった時、俺は君を巻き込みたくなかった。だから俺は言えなかった……」

プリンツ「そのすべてに、命も含まれていましたか?」

提督「っ……」

プリンツ「……一人で抱え込まないでください。私を頼って下さい。きっと私は貴方を守ります。守れます」

提督「ああ、すまなかった」

プリンツ「もう二度とこんなことをせず、私をちゃんと頼ると約束するのであれば許してあげましょう」

提督「分かった、約束するよ」

プリンツ「はい、よろしい!では許してあげます。……約束ですからね」

提督「ありがとう」

提督(……こんなにも俺を助けてくれたプリンツに、俺は何をしてあげられるのだろうか。何をしてあげればいのだろうか?)

提督(ふと、運転に集中するプリンツの横顔を見る。日の出を思い出す、金色の綺麗な長い髪を黒いリボンで留めておさげにしている)

提督(形の良い眉毛、すっと通った高い鼻。長い睫毛に彩られた大きな目はオーロラを湛えている。それらがその整った顔立ちを飾り立てていた)

提督(空高くに浮かぶ満月のような白い肌は、瑞々しくシミ一つない。分かっていたが、改めて見るととてつもない美人だ)

提督(っていかん!!俺にはビスマルクがいる!!帝国軍人たるもの、二股やら浮気など言語道断だぞ!!)

プリンツ「あ、アトミラール?」

提督「!?ど、どうした!?」

プリンツ「えっと……さすがに長い間運転して疲れちゃいました……」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 02:00:58.76 ID:R2q43YVg0


友『お前……まさかとは思うが、分かって言ってるわけじゃないよな?』

プリンツ『はい?なんかおかしなことを言いましたか?』

友『そうか。ドイツにラブホはないのか』

プリンツ『らぶほ?何ですかソレ?』

友『アレだよ。あのホテル』

プリンツ『ホテル?ああ、もしかしてラブホってラブホテルの略ですか?なんかロマンティックそうなホテルですね』

友『ロマンティックねぇ……まあ、そう言えないこともないだろうがな。あれはセックスするためのホテルだ』

プリンツ『……はい?』

友『二度は言わんぞ』

プリンツ『今、聞き違いでなければセックスするためのホテルだと言いました?』

友『言った』

プリンツ『!?なんて破廉恥な!!何ですかソレ!?』

友『うるさいから叫ぶな。まあ、こればかりはな……何も言えん。だけどドイツには娼館があるだろう?』

友『愛し合う相手とする分だけ、それよりいくらか良くないか?まあ娼館も日本にもあるが』

プリンツ『だからって……!!日本じゃ、ああいうところでセックスするのが普通なんですか!?』

友『ああ。まあ、何だ。好きな相手とそういうことをするのは割と普通だし、やることやっときゃ寛容だ。キリスト教がそこまで普及していないからかな?』

プリンツ『何てこと……これが日本……!!』

友『ちなみに、さっきのお前の発言は日本語訳すると。【ねえ、ここで私といい事しようよ】になる』

プリンツ『違います!!言ってません!!そんなことは言ってません!!そんなつもりじゃありません!!』

友『知ってる。だが悪い奴に引っかかると厄介だから知っておけ。ああいうところに連れ込もうとする輩はそれが目的だ』

プリンツ『私にはもう心に決めた人が居るんです!!』

友『そうか。なら安心だな』

プリンツ『っ!!』
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/15(木) 02:24:49.96 ID:R2q43YVg0


友『じゃあ、俺は戻る。無理はするなよ』

プリンツ『はい。少将もお気をつけて』

プリンツ《なんてことだろうか。日本とドイツでそこまで恋愛に違いがあるとは思わなかった》

プリンツ《私はバイクに乗る前に、スマホとヘッドセットを繋げる。そして青葉に電話をかけ、急発進した》

青葉【はい、プリンツさん?どうしました?】

プリンツ【青葉、日本での恋愛について教えて!!】

青葉【はい!?恋愛ですか!?】

プリンツ【そう!!】

プリンツ《深夜のおかしなテンションで青葉に尋ねる。事故を起こさない程度にバイクをかっ飛ばした》

プリンツ《あんな奴に負けてたまるものか!!私は必ずアトミラールを振り向かせて見せる。躊躇う必要はない》

プリンツ【私、絶対に振り向かせて、幸せにしてあげたい人がいるの!!どうすればいいと思う!?】

プリンツ《アトミラールを幸せにして、そして私も幸せになるんだ!!きっとやって見せる!!》
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 02:38:35.86 ID:d+7r2VQPO
なんかもうグッダグダだな
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 02:48:15.04 ID:TgF0R/jq0
ラブホ描写なんて入れるから…
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 02:52:29.26 ID:Lzr7yl+cO
プリンツを友とくっつけようとしたけど思いの外不評だったから急遽無理矢理方向転換した感が否めない
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 05:46:21.25 ID:u3mSoDc/o
お前ら文句しか言えんのか
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 06:03:11.45 ID:zJn7yFU+O
胸糞SSが荒れるのは仕方ないね
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 06:07:25.72 ID:Th0q35pLO
ラブホは日本独特の文化らしいからこの展開は元々考えてたんやろ
プリンツがビッチ化してるのは変わんないがな
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 07:38:39.33 ID:uX/mKVfCO
ん?ビッチ化なんてしてなくね?
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/12/15(木) 07:49:19.18 ID:YyW8dgAhO
あれでビッチ化はさすがに無理があるな
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 08:08:31.82 ID:TgF0R/jq0
良いところで引くから毎回続きが気になる
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 08:26:31.91 ID:GwtjrUC8O
プリンツはビッチではないな(あくまで現時点では)
救いようがないビッチはビスマルクの方
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 13:23:46.86 ID:F/EFCD80O
おつ、面白いです
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 15:30:39.80 ID:cTtCC6GBO
>>1のSSは面白いけど、プリンツがここまで好かれたのは誤算だろうな
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 15:38:43.64 ID:kZp/j6JUO
他の登場人物が糞だから相対的に好かれたんだろ
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 15:47:25.63 ID:TgF0R/jq0
友や艦娘勢はまともだろ、まともじゃないのはビスマルクと整備士くらいだし
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:13:46.32 ID:gmkHBzcA0
中将がまともかは意見が割れそう
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:17:49.27 ID:i6K7ivobO
ビスマルクを寝取られたショックで心を病んでたから
それを考慮すれば…まあって感じ
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:21:28.56 ID:aDHFyIwT0
お腹の子が相当大きい妊婦に、急に動いて提督助けろだったり、連絡がつかなかったことから携帯とかの器具を持ってなさそうなのに、何で救急車を呼ばねぇんだって言われるビスマルク。洗脳に近いことをされて不倫した人をここまでボロカスに言えるんだろ
その考えがあるなら、衝動的にビスマルクに殺人行為を犯しそうになったプリンツも責めればいいのに(整備員以外、ボロカスに責められる道理はないと思うがね)
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:25:06.76 ID:3OU5xwg/o
ヤケになって股開いた女が果たして洗脳されたと言えるのだろうか
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:28:37.81 ID:CloP3qjcO
提督が一番苦しんでいた時に側に居て
他の艦娘から憎まれても自分を捨てて一途に尽くしてたのがプリンツだからな
そりゃ好かれるわ

>>536
このSSの設定は例の同人に準拠してるみたいだから、ベースになってる同人読んでみ
そりゃあもう、全く同情の余地が無いぞ
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:38:33.51 ID:aDHFyIwT0
>>538 内容完全に準拠なら確かに酷いけど提督の説得の部分見てると、ビスマルクが非常に後悔してるし少しは同情の余地あるかなぁと
このss自体、現状は提督がビスマルクを整備士から取り戻してハッピーだし。この後のプリンツの展開次第で変わるだろうけども
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 16:54:37.78 ID:CloP3qjcO
後悔したくらいじゃ同情の余地は出ないと思うぞ
このSSで艦娘達がいちいち否定していった方法でビスマルクは洗脳されたんだから
まともに自立した女なら簡単に洗脳なんてされないよ。整備士の事を拒絶して通報して終わり。

後悔したくらいで元鞘してほしくないなぁ。プリンツがかわいそすぎ
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 17:20:18.85 ID:Gs2xZj1kO
>>540
これなんだよなあ
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 17:21:59.69 ID:TidzR56XO
>>536
おう洗脳云々はこのSSの最初の方のビスマルクの振りしたプリンツのツッコミ見てこいや
提督の寝取り妄想を次から次へとバッサバッサと論破しておるで
艦娘が洗脳されるなんて有り得ないんだよなあ
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 17:22:54.70 ID:5KA2ftzRO
>>539
この展開のどこがハッピーだよ
ただただ胸糞悪いだけだろ
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 19:13:08.34 ID:GwtjrUC8O
>>539
元鞘で仇敵もいなくなってよかったよかった、これで幸せハッピーエンドってか?
一度冷静になることをお勧めするよ
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 19:34:44.14 ID:uX/mKVfCO
話が七転八倒して物語が破綻しかけてるSSの中の既に改心した浮気女に対して長文でぶっ叩いたり未だにビッチビッチ言ってる人こそ冷静になるべき
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 19:48:00.80 ID:JxZwoHSAO
はいはいそうだねワロスワロス
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 20:11:41.12 ID:FmvUYxvdo
俺が言うのもなんだけどお前ら書き込みすぎ……
レスバトル大好きかよ
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 23:18:49.41 ID:nkGydrX8o
更新かと思ったのに
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