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【FEif】リリス(……これは、だめそう……ですね……)
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451 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/16(金) 20:44:43.83 ID:lvf+Nozu0
今日はここまで
好きな人から恋愛相談をされた時の一瞬空気が凍り付くあれ、結構好き
452 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/20(火) 22:17:14.60 ID:63S8JZzQ0
レオン「ふぅん、海水だからとても冷たいと思ってたけど、丁度いいくらいの水温なんだね」
ニュクス「ふふ、いくらレオン王子でもやっぱり海に入るのは初めてなの?」
レオン「まぁね。幸い、遠洋航行で水難に見舞われたことは無かったからさ。ニュクスは海で泳いだ経験はあるのかい?」
ニュクス「まぁ、あるわね。追ってから逃げるために色々と苦労したから、私を見て高く売れるとかなんとか、あの頃はまだ悪魔の魔女としての触れ込みもあったし、報奨金目当てに私の命を狙っていた矢からもいたと思う」
レオン「高く売れるっていうあたりで、違う報奨金目当ての輩だと思うけどね。よし、ここまで来て海に入らないのもなんだから、ちょっと入ってみよ」
ニュクス「ええ、いってらっしゃい」
レオン「あれ、ニュクスは来ないのかい?」
ニュクス「大人の女には準備がある物なの。すぐに行くから心配しないで」
レオン「そうかい? それじゃ先に行ってるよ」バシャバシャ
ニュクス「……ええ。じっくり観察してからいくわ」
レオン「ブクブク、プハァ!」バシャンッ
ニュクス「水に濡れたレオン王子、今夜はおいしい夜食になりそうね」
453 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/20(火) 22:28:48.54 ID:63S8JZzQ0
レオン「ふぅ、ようやく水に馴れてきたかな」ポチャンッ
レオン(……それにしても、まだ全然胸のドキドキが収まらない。あの、重力に従って揺れてたカムイ姉さんの……。白夜の文学にああいうのをたわわに実ったっていうけど、白夜の表現はどうしてこうも悩ましいものばっかりなんだろう)
レオン「ああ、だめだ。もう、カムイ姉さんはアクアと恋人同士になってるんだ。そんな目で見ちゃだめだ」
レオン(っていうのに、全然頭から離れない。はぁ、白夜で修行しても意味なんてなかった。結局僕は姉さんの特別に、まだなりたいって思ってるわけだし)
レオン「はぁ、カムイ姉さん……」
カムイ「なんですか、レオンさん?」
レオン「……え? カカカ、カムイ姉さん!?」
カムイ「わ、どうしたんですか。そんなに慌てて」
レオン「う、ううん、何でもないよ」
カムイ「ふふ、嘘を言わないでください。あんなに難しい顔をしながら名前を呟かれて何もない、そんな言葉信じられませんよ。何かあったんですよね、私で力になれる事なら言ってください」タプタプッ
レオン「ち、力になるって」チラッ
タユンタユン
レオン(だ、だめだ。今さっき考えていたことがことなだけに、変な事しか思い浮かばない!)
454 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/20(火) 22:40:28.85 ID:63S8JZzQ0
レオン「ほ、本当に何でもないから!」
カムイ「ふふ、そうやって強がるところは変わりませんね。だけど、家族であるレオンさんが悩んでいるのを見過ごすほど、私も幼くはありません!」
レオン「その、思いっきり動かないでくれないかな」
カムイ「あ、水が掛かってしまいましたか?」
レオン「いや、そうじゃなくて……」
カムイ「じゃあ、教えてくれますか?」ズイズイッ タユユンタユン
レオン(ま、まずい。非常にまずい。こんな至近距離まで近づかれたら、もっと意識が向いて……。僕のブリュンヒルドが……あっ)
バッ
カムイ「どうしたんですか?」
レオン「な、何でもないよ!」
レオン(もう、反応し始めてる。ううっ、体と欲望が正直すぎる、僕自身恥ずかしいくらいこらえ性が無い。ど、どうにかしないと……)キョロキョロ
カムイ「?」
レオン(早くカムイ姉さんがもっと近づいてくる前に、何か気を紛らわせるもの、紛らわせるもの……ん?)
バシャバシャ
ニュクス「カムイ王女、それくらいにして置きなさい。レオン王子が困っているわ」
カムイ「ニュクスさん」
レオン「ニュクス……」ジーッ
ニュクス(え、なに、なんでこんな熱い視線でレオン王子が私を見ているの。もしかして、私の格好にも魅力を感じるようになってくれたということ!?)
レオン(……よし、落ち着いた)
455 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/20(火) 22:55:34.28 ID:63S8JZzQ0
カムイ「でも、私の名前を言っていましたし」
ニュクス「だとしても、時には詮索しないのも姉としての務めだと思うわ。それに、あなたはあなたで悩みを抱えているようにも見えるわ。そんなあなたにレオン王子の悩みが解決できるとは思えない」
カムイ「……」
ニュクス「……」
カムイ「さすがはニュクスさんですね。こんなにたやすく見破ってくるなんて」
ニュクス「伊達にあなた達より大人をやっていないわ。もしも困っていることがあるなら、私が相談に乗るけど?」
カムイ「いえ、大丈夫です。ふふっ、ニュクスさんはレオンさんのこと、よく見ていてくれるんですね」
ニュクス「た、偶々よ。それに問題を抱えているもの通しを一緒にして、何か起きたらあれでしょう?」
カムイ「問題って、どんな問題ですか?」
ニュクス「ともかく、一度わき目は降らずに問題と向き合いなさい。それがあなたのためになるはず、大人からの助言よ」
カムイ「……わかりました。ごめんなさい、レオンさん。ちょっかいを出してしまって」
レオン「いやいいんだ。僕の方こそごめん、心配してもらったのに」
カムイ「いいんですよ。私も少し自分で考えるべき問題だと思っていますから。失礼しますね」
バシャバシャバシャ
レオン「ニュクス、ありがとう。おかげで助かったよ」
ニュクス「別にいいわ。ところでレオン王子……」
レオン「どうしたの、ニュクス」
ニュクス「ずっと見つめられるのは、さすがに恥ずかしいわ。いくら何でも見つめすぎよ」
レオン「あ、ああ、ごめん」
ニュクス(……あれ、思ったより素っ気ない。さっきまでの熱い視線から、なにか余韻みたいなのがあると思ったのだけど……。どういうこと?)
456 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/20(火) 23:10:30.07 ID:63S8JZzQ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
エリーゼ「ん、タクミさん、どうしたの?」
タクミ「……もしかしたら、僕とあいつって似た者同士なのかなって思ってさ」
エリーゼ「もしかしてレオンおにいちゃんのこと?」
タクミ「う、うん」
エリーゼ「うーん。言われてみればそうかも」
タクミ「正直、あんまり気に入らないけど」
エリーゼ「ダメだよー。レオンおにいちゃんはタクミさんにとっても家族なんだから」
タクミ「じゃあさ、エリーゼ王女から見て僕とレオン王子ってどこが似てると思う?」
エリーゼ「えーとね……趣味(チェスとか将棋)が似てると思うなー」
タクミ「趣味(性癖)?」
エリーゼ「うん、タクミさんといい勝負ができると思う。すごく熱心にけんきゅうしてるから」
タクミ「そ、そうか。だから、あんなに熱い視線をニュクスに向けてたのか……」
タクミ(……今度、ちょっと話してみようかな。その、どんな幼さが好きなのかとか、どういうのが心に来るのかとか。うん、これも一種の異文化交流と考えれば問題ないはず)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レオン「な、なんか悪寒が……」
ニュクス「少し冷えたのかもしれないわね」
457 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/20(火) 23:16:01.81 ID:63S8JZzQ0
今日はここまで
ニュクスはロリなのか?
なんだかんだ難しい問題の一つだと思う
458 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 20:57:27.70 ID:onAyyDlW0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
リリス『ふぅ、海も十分満喫しました。上がりましょうか、ピエリさん』
ピエリ「えー、ピエリ、まだまだ遊び足りないの。だからリリスはまだ出ちゃダメなの!」
リリス『さすがにもう漂っているのは飽きましたから、一度上がってからにしましょう?』
ピエリ「やーなのー! ピエリが出ていいって言うまで、出ちゃダメなの!」
リリス『はぁ、一体どうすれば……』
アクア「大丈夫?」
リリス『アクアさん……。ピエリさんが出でいいって言うまでは出ちゃダメだって。このままだと、ふやけちゃいます』
アクア「そうね、あなた皮被りだから。さらにふやけると大変だものね」
リリス『よーし、ピエリさん。もうすこし海にいましょうね』
ピエリ「わーいなの!」
459 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 21:11:12.62 ID:onAyyDlW0
リョウマ「ふう、これだけ泳いだんだ。俺は今日は上がることにする」
タクミ「うん、わかったよ。僕はそうだな……、エリーゼ王女はどうする? まだ海で遊ぶかい?」
エリーゼ「今日はもういいかな。明日も来れるし、残りの時間はタクミさんと島の中を歩いて回りたいな」ギュッ
タクミ「わかったよ。僕も色々と見て回りたい場所もあるし、エリーゼ王女はどこか行きたいところとかあるかな?」
エリーゼ「えっとね、この島の中央にある洞窟とかどうかな。さっき地図で見た所なんだけど」
タクミ「え、洞窟に? てっきり島の南にある花園とかに行くのかと思ったけど」
エリーゼ「その、タクミさん、ちょっと耳を貸して?」
タクミ「なんだい?」
エリーゼ「うん。えっとね……」ゴニョゴニョ
ヒノカ「ふふっ、二人だけで内緒話か。ほほえましいものだな」
カミラ「そうね、エリーゼがあんなになつくなんて思ってもいなかったから、本当にうれしいわ」
ヒノカ「ああ、しかしエリーゼ王女が洞窟に行きたいとは、一体どういう事情があるんだろうか。タクミの様子で内容が分かるわけ――」チラッ
タクミ「……」モッコリッ
ヒノカ(あ……)
460 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 21:25:54.48 ID:onAyyDlW0
ワイワイ ガヤガヤ
リリス『あ、皆さん上がったみたいですね』
ピエリ「うー、みんな海から上がって行っちゃったの。ピエリとリリスしか、今海の中にいないの」
リリス『長い時間あそんでましたからね、疲れも出てくるころですし、やっぱり一度上がりませんか?』
ピエリ「そうするの。リリスの浮き輪で、もっともっとぷかぷかポヨポヨしたかったのよ」
リリス『明日にしましょう。そう言えばアクアさんはどちらに向かわれたんでしょうか?』
ピエリ「アクア様ならマークス様とサクラ様の様子を見に行ってくるって言ってたの」
リリス『……ピエリさんは先にあがっていてください。私はちょっと野暮用を思い出したので……』バシャバシャ
ピエリ「ん、わかったの! あとでなの!」
リリス『もう、興味があるのはわかりますけど。そういうのを覗きに行くのはどうかと思うんですよね』バシャバシャ
461 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 21:37:28.44 ID:onAyyDlW0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
サクラ「やっ、んんっ、はぁ、マークスさん、ふああっ、深いですぅ。マークスさんの太いのが、ふあああああっ。だめぇ」
マークス「そんなことを言いながら、私のモノをこんなに包み込んでいるじゃないか」パンパン
サクラ「だって、だってぇ。ふああっ、マークスさんの腰が当る度に、奥が、んんっ、奥がぐりゅってなってますぅ」
マークス「そうか、このような感じか?」パンッ! パン!
サクラ「ひゃあああ!!! だめ、マークスさんのお〇んぽで来ちゃう、来ちゃいますぅぅぅ!!!」ガクガク
プシャアアアア!
サクラ「ふああああっ。あっ、はひっ、んんんっ。んあっ、あああっ」ピクピク
マークス「またイッてしまったんだなサクラ」
サクラ「だめって、だめって言ったのに。やっ、腰を抱えないでください。やっ、見えちゃう、水面に反射して全部見えちゃいますから!」
マークス「ほぉ、何が見えてしまうんだ?」ユッサユサッ
サクラ「はあああっ、だめ、や、言えま……ひゃんっ、せん…。そんな恥ずかしい事……」パチュパチュ
マークス「ふっ、そうだな。こんなにビクビクと震えさせながら、サクラ王女が私のペ〇スを頬張っている。確かに恥ずかしい光景だな」
サクラ「やっ、言わないでくださ、あっ、んんっ、あ、いあっ……ううっ、やっ、だんだん、はげしくぅ、なってぇ……」
マークス「はぁはぁ、サクラ王女。どんどん締め付けが強くなっているぞ」パンパンパンッ
サクラ「あううっ、だめ、どんどん、敏感になってりゅ……。マークスさぁん」
マークス「サクラ、んっ」
サクラ「はむっ、んんっ、レロレロ、ちゅ。んんっ」パンパンパンッ
462 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 21:50:27.89 ID:onAyyDlW0
サクラ「ぷはっ、あん、マークスさん、胸も……いっぱいいじってくらはい」
マークス「ああ、サクラの蕾。こんなにも愛おしく可愛いらしい」モミモミ
サクラ「あっ、んっ、ふああっ、だめ、お〇んこも乳首も、きもちぃいですぅ」
マークス「はぁ、こんなに固くして、そろそろ芽吹いてしまうのではないか?」
サクラ「ああっ、んっ、マークスさんに咲かせてほしいです。愛してるマークスさんに、私の、蕾を咲かせてもらいたいです」
マークス「なら、もう遠慮はいらないな。サクラ王女、激しくなるがいいか?」
サクラ「いいですよぉ。いっぱいいっぱい私を激しく求めてください……」
マークス「ああ、サクラ王女の膣、こんなにも締め付けてくるぞ」
サクラ「んっ、はい、私はマークスさんだけの物だから、もっともっとマークスさんの形を、擦り込んでくださぃ!」
マークス「サクラ、私はお前を愛している。これだけでは足りないくらいに!」
サクラ「私も、私もです。やっ、だめ、一番大きなの来ちゃう、来ちゃいます、マークスさぁん」パンパンッ
マークス「私もだ。もう限界が違い、サクラ受け止めてくれ」
サクラ「きて、来てください。私のお○んこに子宮に、マークスさんの熱いザー〇ンを、ビュルルって、送り込んでほしいです……」
マークス「サクラ! ううっ、出るぅ!」ビュルルルッ ビュルルンッ
サクラ「んあああっ、んっはぁ……。マークスさんのお〇んぽが私の中で、びくびくいっていっぱい熱いのが入り込んできてます。あ、だめ、あふれちゃう……」ドロリッ
マークス「はぁはぁ、サクラ」
サクラ「マークスさん、んっ。んんんっ。まだ欲しいです」
マークス「私もだ、サクラ。もう少しだけ、お前が欲しい」
サクラ「はい、もっとシてください。マークスさん」クパァ……
463 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 21:57:24.40 ID:onAyyDlW0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アクア「………」
アクア(二人とも気持ちよさそうね。まぁ、性行為はそう言うものだもの。当たり前よね)
アクア「でも……」
リリス『あ、見つけましたよ。アクアさん』プカプカ
アクア「リリス?」
リリス『さぁ、戻りましょう。覗き見なんて趣味が悪いですから。まぁ、そう言ったところで意味は無いと思いますけど』
アクア「そうね、確かにそうかもしれないわ」
リリス『え、どうしたんですか。いつもなら、開き直るところだと思うんですけど』
アクア「そういう時もあるだけの事よ」
リリス『えっと、何かあったんですか?』
アクア「大きなことは無いわ。ただ、二人とも気持ちよさそうにシてた」
リリス『まぁ、そういうものですからね』
アクア「あと……」
リリス『? 何かあるんですか』
アクア「いいえ、何でもないわ。戻りましょう? あの二人なら私たちが上がったことくらい気づくはずだから」
リリス『は、はい』
アクア(性行為を気持ちよさそうにしている事は何の問題もない。でも、私にはあの二人が気持ちいい以上に――)
(幸せを感じているように見えたのよね……)
464 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/26(月) 21:59:12.21 ID:onAyyDlW0
今日はここまで
サクラは乱れるとき、すごく乱れる。そんな女の子に違いない。
465 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/29(木) 21:07:52.91 ID:XeNJzd5s0
◆◇◆◇◆◇
―???・南国リゾート『リリスとピエリの部屋』―
ピエリ「わーい、ふかふかなベッドなのぉ。えへへ、ベッドも大きいから暴れても落ちないのよ」ポフンポフン
リリス『なんで特に説明もなく、私はピエリさんと相部屋になってしまうんでしょうか?』
ピエリ「リリスは、ピエリと一緒の部屋は嫌なの?」
リリス『嫌ではありませんよ。ただ、今私はこういう恰好なわけですから。その、ですね』
ピエリ「?」
リリス『……いいえ、何でもありません。ピエリさんは午後はどうされるんですか?』
ピエリ「んー、ピエリの荷物を中央に取りに行く予定なの」
リリス『中央、ああ竜脈で送られたピエリさんの服とかですね』
ピエリ「そうなの。はやく、ピエリもお洋服に着替えたいのよ」
リリス『あれ、さっきまで水着だったじゃないですか、もう荷物は取りに行ったのかと思っていましたけど』
ピエリ「あの水着はリリスの浮き輪が売ってた場所で買ったの。ピエリが準備したのは、明日お披露目なのよ」
リリス『そうですか、ところで私の服はどこに?』
ピエリ「えっと……脱衣所で脱いで気づいたら無くなってた気がするの」
リリス『やっぱりかー』
466 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/29(木) 21:24:01.73 ID:XeNJzd5s0
ピエリ「それじゃ行ってくるのー」ガチャン バタンッ
リリス『はぁ、私も後で取りに行かないといけませんね。荷物なんて服と星界の図鑑の一覧だけですし……』
リリス『あ、そうでした。一応、調べておかないといけませんね。ええと、たしかここに、ありました』ガサゴソッ
バッ
リリス『えっと、執事の報告だと5枚の魔符が出されたそうで、支払われた合計金額は350000Gですか。そんなに高いレオン様の魔符なんてありましたっけ?』
ペラペラペラ
リリス『……変ですね。レオン様の魔符、上から下を調べてもそんな高価な物がありません。もしかして、魔符を提供したことでニュクスさんがお礼を置いて行ってくれたとか……』
リリス『いいえ、そんなことする必要性ありませんよね。というか、ニュクスさんが手に入れてないレオン様の魔符は3つくらいしかないみたいですし。そう考えるとなぜ5枚も排出があったんでしょうか?』
リリス『えーっと、カムイ様にアクア様、ベルカさんにリョウマ様、レオン様、ゼロさんにルーナさん、サイゾウさんにヒノカ様、サクラ様、マークス様……。うーん、金額を無理矢理合わせれば5枚分で350000Gを出すことは出来ますけど……。レオン様以外の魔符を取り出したところで、ニュクスさんに利益があるように思えませんし……』
リリス『……』
リリス『これは、中々に謎ですね』
アクア「本当に謎ね」
リリス『……ノックもせずに入ってこないでくださいよ』
アクア「あ、ごめんなさい。今から激しい運動に取り掛かるところだったのなら謝るわ」
リリス『その謝罪は適切でない』
467 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/29(木) 21:33:50.78 ID:XeNJzd5s0
リリス『それで何が謎なんですか? 私の資料を見たから、口にしたことじゃないでしょう?』
アクア「鋭いわね、さすがに私の頼みを聞いてくれただけはあるわ」
リリス『はぁ、正直察したくはないんですけど。もうこの状態だと筒抜けになりますから』
アクア『そうね、この状態ならあなた、嘘を吐けないものね』
リリス「不本意ですがそうなりますね」
アクア「ピエリにおち〇ちんをシュッシュってされて気持ちよかった?」
リリス『はい』
アクア「清々しいくらいに即答するのね、若干引いてしまうわ」
リリス『アクアさんが答えさせたんじゃないですか!』
アクア「ええ、そうね」
リリス『そっちも清々しいくらいの即答ですよね。悪気は一切ないくらい清々しい顔してますし』
アクア「さぁ、あなたがピエリに気持ちよくしてもらったことはもうどうでもいいの」
リリス『だったらなんで聞いたんですか……』
アクア「まぁ、面白そうだったから?」
リリス『あなたってやっぱり悪魔ですよ』
アクア「悪魔じゃないわ、アクアよ」キリッ
リリス『決まった!みたいな顔しても許しませんからね」
468 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/29(木) 21:45:17.64 ID:XeNJzd5s0
リリス『まぁいいです。それで相談っていうのは、やはりカムイ様とのことですか?』
アクア「うっ、鋭いわね。あなたに見透かされてしまうなんて、もうお嫁に行けないわ」
リリス『で、もしかして思い直したということですか? モローから頂いた薬を使わない方がいいのかもしれないと思うようになったとか』
アクア「何を言っているの。あれを使ってカムイをアヘアヘさせるのは最低限の目的なんだけど」
リリス『最低が最高の難易度になってるんですがそれは』
アクア「カムイには今のところ全戦全敗だけど、これはそれを崩すもの。いうなればスケベ界のドラゴンキラーね」
リリス『あなた、槍使いじゃないですか。ドラゴンキラーは装備できませんよ』
アクア「細かいことを気にしていたら、勝利はつかめなくなるわ」
リリス『そんな勝利いらないので、もう諦めてください』
アクア「ともかくよ。その作戦を起こす前にちょっと聞きたいことがあったの」
リリス『聞きたいことって言われても、アクアさんの方がカムイ様の事は詳しいでしょう?』
アクア「ちがうわ。私が聞きたいのはカムイの事じゃなくて……その」
リリス『なんです?』
アクア「え、えっとね……。やだ、こうやって聞くとなると、案外恥ずかしいものね////」
リリス『そんなに恥ずかしいことなんですか?』
アクア「ええ、この感じは初めて野外露出プレイを強要させられた時に似ているわ。こう、誰かに見られてしまうっていう、わかるでしょう?」
リリス『共感できないし、共感する気もありません』
アクア「でも、あなただってピエリにされたのは屋外――」
リリス『共感しませんから!』
469 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/29(木) 21:57:21.35 ID:XeNJzd5s0
リリス『で、そろそろもったいぶってないで話してください』
アクア「そ、そうね。ごめんなさい。えっと、さっきマークスとサクラの濃厚なセックスを見てたと思うけど」
リリス『待って、そのセックスの下りは必要なんですか?』
アクア「二人とも互いを激しく攻めていた。特にマークスのち〇ぽがサクラのま〇こを出たり入ったりする度に、愛液が隙間から溢れていたの。二人ともとても気持ちよさそうだったわ」
リリス『あの、もしもし?』
アクア「二人が絡まってトロトロのアヘ顔を晒している。それは多分、私とカムイも変わらないことだって思ってた。だけど……私たちとは違うところがあったの」
リリス『違うところ?』
アクア「ええ、それについてあなたに相談に来たというわけ」
リリス『……すみませんが、ち〇ぽがあるとか無いとかっていう話じゃないですよね? そうだったら失礼してもいいですか、私中央にいって荷物を持ってこないといけないんで』
アクア「早とちりしないでちょうだい。私の話はここからが本番だから」
リリス『手短にお願いしますよ』
アクア「……そのね、リリス」
リリス『はい、なんでしょうか?』
アクア「……あなたに教えてもらいたいの」
リリス『おしえてもらいたい?』
アクア「ええ、その……について」ゴニョゴニョ
リリス『?』
アクア「その、教えてほしいの。私に……」
「私に愛というものが、どういう物なのかを……」
470 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/03/29(木) 21:58:04.68 ID:XeNJzd5s0
今日はここまで
リリスの苦難が再び始まる。
471 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/04(水) 22:27:00.55 ID:sG3S4ap40
リリス『あ、あいですか?』
アクア「そうよ」
リリス『……えっと、あいっていうのは『あいうえお』のあい?』
アクア「違うわ、愛よ。愛情の愛、暗夜的に言えばラブね」
リリス『正直、今のアクアさんが口にするのに違和感しかないんですけど、何か悪いものでも食べましたか? そこら辺に落ちているお肉を食べたとか』
アクア「そんなもの食べないわ、あなたじゃあるまいし」
リリス『察してくれてるなら、広場で拾った食材をカムイ様にあげないでくださいよ。時々砂利が付いてたりするんですから』
アクア「あなたの食事事情なんてどうでもいいわ。それで愛ラブについてなんだけど」
リリス『す、すみません。なんで私にそれを聞こうと思ったんですか?』
アクア「あなたなら答えてくれると思っただけよ。ほら、色々と覗き見てるんでしょう?」
リリス『あなたは私をなんだと思っているんですか』
アクア「それはもちろん、性竜フタナリリスだと思っているわ」
リリス『まだそのあだ名を引っ張るんですか!?』
472 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/04(水) 22:35:03.27 ID:sG3S4ap40
アクア「そういうわけだから、まずリリスの思う愛について教えてもらいたいのよ」
リリス『愛ですか。正直、抽象的な課題で何とも言えないところなんですけど。アクアさんって愛を知ったんじゃないんですか?』
アクア「そうね、カムイの思い通りにされてそれに興じていたのだけど、やっぱり周囲の交際してるみんなを見ていると違う気がして、愛っていうのは腰のぶつけ合いじゃないと思い始めたの」
リリス『愛の例えが腰のぶつけ合いって……』
アクア「私にとってはそうだったの。だけど、それだけじゃないでしょう?」
リリス『おそらくはそうでしょうけど……。愛ですか、正直私では助言の一つも出来ません』
アクア「なぜ? そんなハートマークみたいな模様が体にあるのに?」
リリス『それだけで愛の伝道師にされたらたまったもんじゃありません。正直に言えば、私は恋愛経験もありませんし、誰かに愛されていると思ったこともなかったので』
アクア「そう、ごめんなさい。悪いことを聞いてしまったみたいね」
リリス『いいんです。もう過ぎたことですから』
アクア「で、愛についてなんだけど」
リリス『あれれ、私の話聞いてましたか?』
473 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/04(水) 22:50:59.26 ID:sG3S4ap40
アクア「聞いていたわ」
リリス『ならなんで聞くんですか?』
アクア「気づいたの。私も愛を知らない、そしてあなたも知らない。一見意味のないことに思えるかもしれないけど、こうして知らない私たちだからこそ愛について考えられる……。そう思わない?」
リリス『……?』
アクア「例えば、リリスは星界という言葉を聞いて何を思う?」
リリス『それは星竜モロー様が管理されている星界ですね。私も星竜の一員ですから、それ以外に思いつくことがありません』
アクア「そう、私も同じように地面に食材や武器が散乱しているマイキャッスルを思い浮かべるわ」
リリス『辛辣…』
アクア「だけど、星界というものを知らない人に聞いたら?」
リリス『……あ』
アクア「そう、私たちでは想像できないようなセイカイを思い浮かべるはず、それはある意味もっとも価値のあるものだと思わない?」
リリス『なるほど、だから考えてみようという話だったんですね』
アクア「ええ、そういうわけで、まずは互いに持っている愛に関するイメージを口にしてみましょうか?」
リリス『わ、わかりました。ではせーので行きましょう』
アクア「ええ、行くわよ」
リリス&アクア『せーの』
リリス『家族』アクア「……セッ〇ス!」
アクア「家族でなんて、あなたって意外と……」
リリス『今、間を置きましたよね?ねぇ?』
474 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/04(水) 23:04:31.92 ID:sG3S4ap40
リリス『で、今の話で何か得られたものってありますか?』
アクア「リリスは家族でのセックスに興味があるってことくらいかしら?」
リリス『興味ないですよ』
アクア「ともかく、やっぱり何もわからないもの通しで考えても意味がないということはわかったわね」
リリス『ええ、時間の無駄ですよ。そういうわけで、私はこれで』
アクア「待ちなさい。まだ話は終わっていないわ」
リリス『話は終わってないって、これ以上何の話があるっていうんですか?』
アクア「リリスには愛について色々と探ってもらいたいの。幸いにもここにはカップルとして成立しているのが二組もいるでしょう?」
リリス『なんで私が探らないといけないんですか? 直接アクアさんが聞いてくださいよ』
アクア「だめよ。そんなことを誰かに聞いたら、色々と問題になるでしょう?」
リリス『すでに私に問題が発生しているんですけど。というか、私ここには休養のつもりで来たんですけど? アクアさんもそう言ってましたよね?』
アクア「そうね、もう昔の話よ。あれはまだ、無限渓谷が開いていた頃の事だから」
リリス『今も開いてますよ、あなたが開いたおかげでね?」
475 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/04(水) 23:05:17.20 ID:sG3S4ap40
今日はこれだけ
476 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/10(火) 22:21:43.04 ID:ZUc39d2A0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―???・中央竜脈地に続く道―
リリス『……』プカプカ
アクア「ともかく、私は愛について知らないといけないの。出来れば早急にね」
リリス『あの、なんで付いて来るんですか?』
アクア「突然背中を向けたから……、話は分かった。付いて来なさい、私が愛について教えてあげるから、っていう意味だと思ったのだけど?」
リリス『それは間違いです。正解は、ついてこないでください、私は愛について教えられませんって意味です』
アクア「愛を知らない者同士、意思疎通もままならないなんて……。こういう事故を防ぐためにも、愛についてよく考えるべきだと思うわ」
リリス『アクアさんと意思疎通するために愛を学びたくはないんですけど……』
アクア「仕方ないじゃない。正直、頼りになるのが貴女しかいないのよ。他のみんなにカムイとの仲がうまくいっていないなんて知られたら……」
リリス『アクアさん……。そうですよね、心配をかけてしまいますよね』
アクア「きっと、カムイを寝取りに来るに決まってるわ」
リリス『……』プカプカ
リリス『なんでそう思うんですか?』
アクア「だってほら、人の物を奪うのって、こう……背徳感がすごいでしょう?」
リリス『そういうのは先に罪悪感が生まれる物なんですよ。罪悪感』
アクア「結果的には同じものでしょう? 罪悪感があってもしてしまったら、それは背徳感になるわ」
リリス『多くの人は踏み留まりますよ……きっと』
477 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/10(火) 22:38:56.93 ID:ZUc39d2A0
アクア「だってわからないものはわからないのよ……。初めて好きとか愛しているとか言われたけど、今のこれが本当にそうなのかわからない。分からないままに、カムイと過ごし続けるのは難しいわ……」
リリス『……』
アクア「……ぐすっ」
リリス『はぁ、わかりましたよ。まだ表面的にあなたとカムイ様の関係に揺らぎが生じていることを知っている人は少ないですから、何も起きないに越したことはありません』
アクア「リリス……」
リリス『それに、こうして多くの方々と交流を持つようになったのはあなたのおかげでもありますからね。少なからず、楽しい日々を送らせてもらっていますし。あなたの力になるのも悪くありません』
アクア「……あ、ありがとう////」
リリス『ふふっ。それで、根本的な話ですけど、今カムイ様の事をどう思っていらっしゃるんですか?』
アクア「この頃はどうやってカムイと接すればいいのかわからないの。部屋に行けばいつも肉体関係ばかりで……。その、これでいいのかって思ってしまって」
リリス『恋人と言うより、セフレのような気が……』
アクア「……そうね、あなたの言う通りセフレなのかもしれないわ。毎日抱かれているだけだもの……」
リリス『いきなり返答に困る空気にシフトしないで……』
478 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/10(火) 22:54:19.82 ID:ZUc39d2A0
アクア「ところで、なぜ中央竜脈に向かっているの?」
リリス『私の服を回収しようと思っていたんです。人に戻れるようになっても、服を脱いでから変身したので、戻ると下着姿になってしまいますから』
アクア「……つまり、今のリリスは外を下着だけで歩いているという事ね」
リリス『はい』
アクア「もしかして、その恥部の場所だけオープン出来るジッパーが付いてるような奴を付けているの?」
リリス『普通のパンティーとブラだよ!』
???「んー、誰かいるの?」タタタタッ
アクア「あら、誰か中央竜脈に来ているみたいね?」
リリス『多分ピエリさんです。ピエリさーん」
ピエリ「あ、リリスなの。もしかして、ピエリのお荷物を持ちに来てくれたの?」
リリス『いえ、服を回収しに来ただけです。それに、ピエリさんの荷物はそんなに多くないじゃないですか』
ピエリ「ぶー、リリスのケチー……。おりょ、アクア様も一緒なの?」
アクア「ピエリ、回収されてしまった荷物を取りに来てたのね」
ピエリ「そうなの。ピエリ荷物が無くなっちゃってびっくりしちゃったの。ところで、アクア様はどうしてここにいるの?」
アクア「えっと、それはね……」
リリス『私が服を取りに行くところで会いまして、散歩のついでに付いて来たというだけですよ』
ピエリ「そうなの? アクア様はカムイ様と一緒にいるのかと思ってたから驚きなの」
アクア「どうしてそう思ったの?」
ピエリ「だって、カムイ様とアクア様は恋人同士で愛し合ってるから、一緒にいるのが当たり前じゃないの?」
アクア「」
リリス『……気まずい。非常に気まずいですよぉ』
479 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/10(火) 23:08:45.67 ID:ZUc39d2A0
リリス『何とか話の流れを……。そ、そうでした。ピエリさん、私の服はありました?』
ピエリ「うん、あそこにあるの。いっぱいメイドと執事がいて、回収品の整理整頓してたのよ。ピエリがリリスのお洋服取ってきてあげるの!」タタタタタッ
リリス『……アクアさん、大丈夫ですか?』
アクア「大丈夫、大丈夫。かなり深く精神に刺さって抉って来たけど、どうにか大丈夫よ」
リリス『うわぁ、唇強く噛んで耐えてるようにしか見えないんですけど』
アクア「無邪気っていうのは時にどんなものより恐ろしい物だというのは本当だったわ……。今の私に、あの純粋な問いかけは……」
リリス『気をしっかり、あの背中摩りましょうか?』
アクア「お、おねがい」
リリス『……』ナデナデ
アクア「はぁ、はぁ、んんっ……」
リリス『どうですか?』
アクア「ええ、いいわ。うん、だいぶ良くなった気がする……」
リリス『これ、愛について調べている間にアクアさん、粉微塵になってしまうんじゃ……』
アクア「大丈夫、平気だから……」
ピエリ「リリス、持ってきたの!」テトテトテトッ
リリス『あ、ありがとうございます、ピエリさん』
ピエリ「こんなの朝飯前なのよ。リリスはこれからどうするの?」
リリス『え、私ですか。えっと……愛について調べに行くなんて言えませんよね』
ピエリ「? 愛について調べに行くの?」
リリス『……そうですね、はい。愛について調べに行こうと思います』
ピエリ「アクア様に聞かないの? アクア様なら――」
アクア「やめて、ピエリ。その言葉は私に効く……」ズギズキ
480 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/10(火) 23:20:02.94 ID:ZUc39d2A0
ピエリ「アクア様、どうしたの? お腹痛いの? ピエリがナデナデするのよ。カムイ様のお手手の方が愛情たっぷりだと思うけど、ピエリでも少しは楽にできるはずなの」ナデナデ
アクア「もう、愛は堪忍して……」
リリス『……ピエリさん、アクアさんをお部屋までお連れしましょう。どうやら疲れているようですから』
ピエリ「やっぱりそうなの? ならピエリ、カムイ様にお伝えしてくるの」
アクア「……や、やめ……」
リリス『いいえ、カムイ様にアクアさんも心配を掛けたいとは思っていないはず…。そうですよね、アクアさん?』
アクア「え、ええ……。少し寝れば大丈夫だから……。だから、カムイに伝えるのだけは……」
ピエリ「……わかったの。ここから泊まる場所まで遠いから、ピエリがアクア様をおんぶして連れてくの! リリスはピエリの荷物を持ってきてほしいの」
リリス『状況が状況ですからね。よいしょ、口で咥えていても話せるのはなんだかんだ便利です』
ピエリ「それじゃ、まずは山を下りるの! えーいえいっ!」ユッサユッサッ
アクア「うぐっ、はぐっ……。ちょ、ピエリ、もう少しやさしく、しっ、て……」グワングワン
リリス『すごい振動……、あれじゃ乗ってる人は疲れてしまいそうです。さてと、私も後を追って――』
シュオンッ!ドサッ
リリス『ん、誰かの落し物が届いたみたいですね。タグ付けを忘れていたんでしょうか?』
リリス『まぁ、何れ取りに来るでしょうし、そもそも落とし物の主が分からない以上、届けられませ――』チラッ
『レオン王子魔符コレクション』
リリス『誰の物かわかるのが悲しい……』
リリス『……このままにしておくと事件が起きそうですし、仕方ありません』
パクッ
リリス『よし……色々とがんばろう。頑張れ私……』プカプカ
481 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/10(火) 23:20:45.37 ID:ZUc39d2A0
今日はここまで
ピエリの無邪気な発言が、アクアを襲う!
482 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 19:07:03.78 ID:CkqNC5Ff0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―南国の異界・
ニュクス「んっ……んんっ、レオン王子……」コスコスッ
アドベンチャラーレオン「」
ニュクス「はあっ、見られてる……。レオン王子に、オナニーしてるところ見られちゃってる。レオン王子、レオン王子……。え、もっと、足を開いて見せて? いや、そんなこと、は、恥ずかしいわ……」
アドベンチャラーレオン「」
ニュクス「んっ、じっと見ないでくれるなら……。んっ、こ、これでいい?」
アドベンチャラーレオン「」
ニュクス「そ、そんな急かさないで……。ち、小さいんだから、やっ、んっ、そんないきなり入れちゃ!」
アドベンチャラーレオン「」
ズビュズビュ
ニュクス「ふああっ、わたし、ふああっ、子供になっちゃう。レオン王子に見られて子供になっちゃうよぉ。おっしこ出る所、ぐちゅぐちゅさせて、子供になっちゃう、なっちゃううううっ」グチュチュチュ
ニュクス「―――っ!!! んんっ――――!!!!」ビクンビクンッ
アドベンチャラーレオン「」
ニュクス「はぁ、んっ、はぁ……はぁ……はぁ……ふぅ」ピチャピチャ
ニュクス「……」
ニュクス(……また、自分の手をレオン王子の物だと思ってしてしまったわ……。目の前にレオン王子の魔符を置いて臨場感もあげてるから、かなりの快感を得られるけど……)
ニュクス「この終わった後の空しい感じは、馴れないものね」
ニュクス(むしろ、なんだか切なくて――)クチュ
ニュクス「あっ/////」
ニュクス(物足りなくなっちゃう……)コスコスコス
483 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 19:23:07.99 ID:CkqNC5Ff0
ニュクス(でも、さすがに同じ魔符はヌキ辛いから……。そうだ、さっき見てた魔女っ子レオンちゃんで……)ガサゴソ ガサゴソ
ニュクス「……?」
ガサゴソガサゴソ
ニュクス「無い、無い!? 無いーーーー!?」
ニュクス(おかしいわ。今さっきまでそこに置いて会ったはずなのに、ちょっと目を離した隙にいなくなるなんて。魔符書どこ、どこ? ここ?)ガサゴソガサゴソ
ニュクス(……ど、何処に行った!?)
ニュクス「ん? これって……」ヒラヒラ
ニュクス(この異界で回収されないようにするための紋章が掛かれた紙……。私がこれを張り付けたのは魔符書と衣類だけ。衣類はまだ鞄の中に入ってる。魔符書は消えて、これだけが残っているということは……)
ニュクス「……落とし物として回収されてしまったってこと?」
ニュクス(と、取りに行かないと。でも――)チラッ
アドベンチャラーレオン「」
パラディンレオン「」
ダークマージレオン「」
ニュクス(こんなところ誰かに見られでもしたら…。いや、落ち着きなさい、私。そんなものは記憶を飛ばす呪術でどうにかできる、重要なのは取りに行かないとこの子たちを収納できないという事よ)
ニュクス「そうと決まれば行動よ。まずは鍵を……、あれ?」
ガサゴソガサゴソ
ニュクス(……鍵、受け取ってなかったみたい……私としたことが、うっかりね)
ニュクス「……どうしたものね」
484 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 19:34:52.40 ID:CkqNC5Ff0
ニュクス(鍵を取ってくるしかない。でも、このわずかな間に万が一にもレオン王子が訪ねて来て、これを見られてしまったら……)
レオン『ニュクス、これは一体どういう事かな?』
ニュクス『れ、レオン王子、こ、これには深くてその思い出深い理由があって』
レオン『……最低だよ、ニュクス。君がこんな人間だったなんて……』
ニュクス『え? れ、レオン王子……』
レオン『近づかないでくれないかな。汚らわしい! 見た目は子供でも中身は大人だって言ってたけど、こういうはことに関してだったなんてね……』
ニュクス『レ、レオン王子、違うのこれは――』
レオン『近寄らないでくれるかな、この変態!』
ニュクス『い……』
ニュクス「いやああああっ!!!! そんな汚物を見るようなめで、私を見ないでェ!!!」ジタバタジタバタ
ニュクス「……」ピタッ
ニュクス「……いや、むしろ見てぇぇぇぇ!?」ジタバタジタバタ
コンコン
ニュクス「だ、だれ!? い、今は立て込んでるところだから、あとにしてくれる?」
リリス『あの、ニュクスさん。私です、リリスです』
ニュクス「り、リリス? 何の用かしら、今はとっても大事な用があるの。悪いけど、後にして――」
リリス『レオン様の魔符コレクションが中央竜脈に届いてたのでお持ちしたんですが……』
ガチャッ
ニュクス「ほ、ほんとぉ? ニュクスのコレクション、もってきてくれたのぉ……」フルフル
リリス『あの、まずは服を来てくれませんか。その、色々とシてたことの跡が見るに堪えないので……』
485 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 20:23:12.54 ID:CkqNC5Ff0
シュオオオッ
シュオオッ
シュオオオオッ
パタンッ
ニュクス「これでみんな収納できた。ふぅ、一時はどうなるかと思ったわ。やっぱり、何事も落ち着いて対処するのが基本ということよ」
リリス『幼児後退するくらい慌てていたように思えますが……』
ニュクス「……だ、だって、レオン王子に汚物を見るような眼で見られながら変態って罵られることを想像していた所だったから……」
リリス『ああ、扉越しに聞こえていた叫びの正体はそれでしたか。何考えてるんですか?』
ニュクス「だって、レオン王子の視線って元から冷たいでしょ?」
リリス『いや、そうでもないと思いますけど……』
ニュクス「そんな冷徹な視線に軽蔑が加わったら……。これはとても危険な組み合わせね」
リリス『今後、魔符に「汚物を見るような眼で」という意味不明な命令を下すあなたの姿が手に取るようにわかります』
ニュクス「とりあえず、ありがとう。まさか、魔符を呼び出してその目の前でオ〇ニーしている拍子に紋章を入れた紙が取れるなんて思わなかったわ」
リリス『紙が取れるとは思わなかった、それだけで纏めてください』
ニュクス「でも、こうして届けてくれたあなたには真実を伝えるべきだと……」
リリス『それを知っても私に利益なんてないんですけど。ともかく、今後は気を付けた方がいいですよ。今回は運よく私がいましたけど、いなかったらこの南国での休暇が休暇ではなくなってしまいますから』
ニュクス「安心しなさい。今度からは本を主体に行うから、体の一部に触れていれば回収はされないでしょう?」
リリス『その閃き、いらない』
486 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 20:34:39.42 ID:CkqNC5Ff0
ニュクス「それで、何の用かしら? 魔符書を届けてくれたのはうれしいけど、それだけだったら部屋に入ることもないでしょう?」
リリス『察しがいいですね』
ニュクス「それとも、私がいっぱい体内ファイアした部屋の香りが……、その好きだったりするとか?//// ほら、あなたってそうやって竜の姿になるでしょう、その極度の臭いフェチだったりするのかと思って……」
リリス『外で話しましょうか。ココの空気は酷く淀んでいますので』
ニュクス「ストレートに言われると傷つくわ」
リリス『在らぬ疑いを駆けて置いて良く言います。その少し魔符書をお渡しする際にお聞きしたいことがありまして』
ニュクス「いいわよ。あなたは命の恩人だから、そのエッチをしたいっていうこと以外なら……」
リリス『私、お聞きしたいことがあるとだけ言ったはずですけど?』
ニュクス「聞くセッ〇スっていうのもあるから……」
リリス『ないそれ、怖い』
487 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 20:47:14.21 ID:CkqNC5Ff0
リリス『そういったことに興味はありませんから、安心してください。私はノーマルですから』
ニュクス「そう、ピエリに色々と気持ちいいことをさせたってアクアから聞いているけど」
リリス『なんで私が無理矢理奉仕させたみたいな話になっているんですか?』
ニュクス「でも、ピエリよね。あの子、体は大人なのに中身は子供でしょう? 私は中身が大人で見た目が子供、少し不公平だと思うわ」
リリス『正直、この頃のニュクスさんを見ていると身も心も成熟していないとしか言えません』
ニュクス「ふん、大人の女性の魅力がわからないからそう言えるのよ。あなたも、まだまだ子供という事ね。それで、そんな私に何を聞こうというの?」
リリス『自分からハードルを上げてるのわかってます?』
ニュクス「ふん、何でもいいから聞いてみなさい。この私が答えてあげるわ」
リリス『はぁ、それじゃお聞きしますね』
ニュクス「ええ、来なさい」
リリス『あの、ニュクスさんは愛についてどう考えていますか?』
488 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 20:50:01.79 ID:CkqNC5Ff0
ニュクス「愛? なんだか抽象的な質問ね、私のが答えになるとは思えないけど……」
リリス『それはわかっていますよ。この答えは十人十色で、決まり切った答えがあるとは思っていませんから』
ニュクス「まあいいわ。愛ね、私からすると……。もう、私が手に入れられない物、そう答えるしかないわ。私がしてきたことを考えれば、愛なんて物を受け取れるわけもないことくらい、わかるでしょう?」
リリス『でも、ニュクスさんはレオン様が好きなんですよね?』
ニュクス「私が好きな事とレオン王子が私を愛してくれるかは別問題よ……。私は自分が幸せになるべきじゃない、その幸せには誰かに愛してもらうというのも含まれるわ」
リリス『ニュクスさん……』
ニュクス「だから、独りよがりな妄想に逃げ込むのかもしれない。だって、それが賢いことだって、少なくとも私は思っているんだもの……。傷つかない方法はこれくらいしかないって、わかってしまうんだから」
リリス『……あの、ニュクスさん』
ニュクス「……なに、リリス」
リリス『そこまで考えているなら……自室に置いてある盗んだレオン様の衣装を返してもいいのでは?』
ニュクス「あれは、そう、うん、私の愛を増幅させるための物だから、ギリギリセーフよ」
リリス『どうみてもアウトです』
489 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/15(日) 20:50:57.75 ID:CkqNC5Ff0
今日はここまで
ニュクスの一人エッチは、幼さと精神年齢のギャップがあって凄そう
490 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 20:07:05.09 ID:4XVlyKWe0
ガチャ バタン
リリス『はぁ、あまりアクアさんのためになるようには思えませんけど、一応の答えは得られましたね。しかし、得ることのできないものですか……』プカプカ
リリス『アクアさんに言ったら色々と再び拗らせそうな回答ですよね。もう少しわかりやすい答えを出してくれる人を探さないと』
ピエリ「あ、リリス。ここにいたの!」テテテテッ
リリス『ん、ピエリさん? どうかしましたか?』
ピエリ「どうかしてるの! ピエリを置いてどこかにいっちゃ、駄目なの! リリス、アクア様に頼まれごとがあるんでしょ? ピエリには御見通しなの。ここからはピエリも一緒に調べてあげるのよ」
リリス『ピエリさん。そのうれしいお言葉なんですけど、その情操教育にですね、とてつもない悪影響を与えるかもしれない内容を探らないといけないので……』
ピエリ「ひぐっ、リリスはピエリのことをひとりぼっちにするの? ピエリとリリス、同じお部屋だから仲良しさんじゃなかったの? うええええんっ」
リリス『ああ、泣かないでくださいピエリさん。私は、ピエリさんと仲良しさんですよ』
ピエリ「ほ、本当?」
リリス『そうですよ、私とピエリさんの仲じゃないですか。ここまで色々と交流してきたでしょう? ほら、思い当たることの一つくらいはあるでしょう?』
ピエリ「うーん、そうなの! リリスのお〇んちんをなでなでしてあげたことなの!」
リリス『ああ、はい、そうですね。もう、それでいいです』
491 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 20:17:11.49 ID:4XVlyKWe0
ピエリ「愛について、なの?」
リリス『アクアさんにも色々とあるみたいですから、愛についてみんなの意見を聞いてきてほしいと頼まれているんです』
ピエリ「ふーん、リリスは愛ってどんなものだと思ってるの?」
リリス『家族でしょうか』
ピエリ「家族、ピエリのお父さんとお母さんみたいなものなの?」
リリス『多分そういうものだと思っています』
ピエリ「リリスおかしいの。お父さんとお母さんがいるからリリスがいるのに。リリスにはお父さんもお母さんもいないみたいないい方に聞こえるのよ」
リリス『それに近い存在ですから……』
ピエリ「え?」
リリス『いいえ、何でもありません。とりあえず、誰に最初尋ねるべきでしょうか?』
ピエリ「はいはーい! まずはピエリに聞くべきだと思うの」
リリス『……ピエリさん、愛と好きの違いが分かってますか?』
ピエリ「言い方が違うの」
リリス『そんなお決まりの返答されても……』
ピエリ「えっと、愛は重くて好きは軽い気がするの」
リリス『そこはかとなく正解に思えますね』
492 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 20:28:42.49 ID:4XVlyKWe0
リリス『わかりました。それじゃ、手始めにピエリさんの考えている愛というものを教えてください』
ピエリ「わかったの。愛っていうのはキスすることなの!」
リリス『キスですか?』
ピエリ「そうなの。あ、リリス、キスはキスでもほっぺとか、御凸とかじゃないのよ。唇と唇を重ねる奴なのよ。ピエリ、お父さんとお母さんがキスして愛してるって言ってるの聞いたことがあるの!」
リリス『ふむふむ、思ったよりも健全な意見ですね』
ピエリ「でも、お父さんとお母さん裸で絡み合ってたの。あれ殺し合いしてるようにしか見えなかったの。だけど、二人とも愛してるっていっぱい言ってたの。意味が分からないのよ」
リリス『そうですね、意味が分かりませんねー』
ピエリ「だけど二人とも笑顔だったの。だからピエリは愛ってそういうものだと思うの。抱きしめあってキスをすると愛してるって言えるようになるの!」
リリス『……もう、これをアクアさんに提出すればいい気がしてきました』
ピエリ「ピエリ、リリスの役に立てたの?」
リリス『はい、とっても。ここで調査を切り上げてもいいくらいに、素晴らしい答えでした』
ピエリ「わーい。ご褒美にナデナデしてほしいの!」
リリス『仕方ないですね。ほーら、よしよし』ペトペトッ
ピエリ「んふー、くすぐったいのぉ////」
リリス『うん、かわいい』
493 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 20:37:59.55 ID:4XVlyKWe0
リリス『まぁ、さすがに二人ではアクアさんは納得しませんよね。それに、まだカップルになっている方々には意見を頂いていませんし』
ピエリ「なの?」
リリス『ですが、皆さんがどこにいるのかわからないことには、どうにかして場所を探れるといいんですけど』
ピエリ「あ、リリス。外にある地図の場所に行けばわかるかもしれないの」
リリス『え? どうして地図で場所が?』
ピエリ「リリスは忘れん坊さんなの。早くいくの!」テテテテッ
リリス『え、ちょっと、ピエリさん!?』スィー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒノカ「ふむ、やはり思ったよりも広いな。天馬を持って来れれば向こうにいったりと色々と捗るのだが……ん?」チラッ
ピエリ「あ、ヒノカ様なの! ヒノカ様―」ブンブンブンッ
ヒノカ「ああ、ピエ……」
ピエリ「えへへ、えへへへ〜」ブルン ブルンッ!
ヒノカ「……」ピョンピョン
ピエリ「? ヒノカ様、どうしてジャンプしてるの」
ヒノカ「ちょっと、ちょっとは揺れるかと思ったんだ」
ピエリ「揺れる? なにも揺れてないのよ」
ヒノカ「そうだな、何も揺れるわけない、よな……」
ピエリ「リリス? ヒノカ様は何を揺らしたかったの」
リリス『何でもできる証拠、ですかね……』
494 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 20:52:02.38 ID:4XVlyKWe0
ヒノカ「ああ、リリス。お前はまだ人の姿に戻れないのか?」
リリス『はい、さすがにまだ力が溜まっていませんから。しばらくはこのままですよ。それより、ヒノカ様は何をしていらっしゃるんですか?』
ヒノカ「少し休んで泳ぎの疲れも取れたのでな、島の中を歩いて回ろうと思っていたんだ。しかし、思ったよりも広くてどこから手を付ければいいかと悩んでいたところだ」
リリス『確かに改めて見ると結構大きな島ですね。ここも竜脈の一つで作られたと考えると、いやはや万能な力だなって私も思います。だけど、これを見ても誰がどこにいるのかはわからない気がするんですけど』
ヒノカ「これで誰がどこにいるのかわかるのか?」
リリス『ピエリさんがそう言っていたんです。でも、地図の前にいる私たちの事さえ表す記号とか名前もありませんよ』
ピエリ「少し待つの。誰かがいる場所がそろそろわかるはずなの!」
リリス『ええ、このまま待っていてもわかるようになるとは思えな――』
島のバトラー「お客様、失礼いたします」スッ
ヒノカ「おわっ、この島の使用人か。む、何をしているんだ?」
ガチャガチャ カタンッ カタンッ カタンッ
リリス『何かを掛けているようですけど。これは……』
島中央の洞窟『使用中』
北にある小さな小屋『使用中』
南にある小さな浜辺『使用中』
ピエリ「えへへ、これでここには誰かがいるってわかるの。ピエリは嘘なんて吐いてないの」
リリス『そう言えば、こんな説明してましたね。マークス様の発言で忘れていましたけど』
495 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 21:37:41.64 ID:4XVlyKWe0
ヒノカ「しかし、誰が利用しているのかはわからないのか。誰かを見つけるために仕えるというわけではないのだな。しかし、その使用中というのは……その、あれのことだったりするのだろうか……////」
リリス『いやいや、それだけっていうことは無いと思います。でも、これで誰かがいることは分かりますね』
ピエリ「ピエリの言った通りだったの」
リリス『ええ、ありがとうございます、ピエリさん』
ピエリ「うー、お礼はなでなでにしてほしいの」
リリス『はいはい、ピエリさんはいいこー、いいこー』ピトピトッ
ピエリ「わーいなの」
ヒノカ「ところで、リリスとピエリは何をしているんだ? 見た所、人を探しているみたいだが…」
リリス『ああ、その愛について色々と人の意見を聞いているところなんです』
ヒノカ「あ、愛だと!? なんでそんなことを聞いているんだ?」
リリス『まぁ、これにはそれなりの訳がありまして。唐突ですけど、ヒノカ様は愛って何だと思いますか?』
ヒノカ「あ、愛か……。うう、私には恋愛経験もない、そんなことを突然聞かれても答えられる自信が無い」
リリス『それでは質問の形を変えましょう。愛し合っているって思う場面というのはありますか?』
ヒノカ「あ、愛し合っているだと……。ま、まぁそうだな。それくらいなら……答えられるかもしれない。その、笑わないでくれると助かるのだが……」
リリス『笑いませんよ。ねぇ、ピエリさん』
ピエリ「ん、おかしいことだったらピエリ笑っちゃうの!」
リリス『容赦ないなぁ…』
496 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 21:54:30.78 ID:4XVlyKWe0
ヒノカ「そ、その…手をこう繋いで……」
リリス『ふむふむ…、続けてください』
ヒノカ「そして互いに見つめ合いながら、今日の事を話したりしてな。庭先で取りが休んでいたとか、今日の空模様はとても美しいとか、そんな他愛ない話をして、その時折笑顔を向け合って……」
リリス『ほうほう……』
ヒノカ「そんなまったりとした空気の中で、自然と接吻を交わし合うのが、その愛し合っているという事なんじゃないだろうか……。そ、そのすまない、どう伝えればいいのかわからなくて、このような長い語りを……。リリス、どうしたんだ。目が痛いのか?」
リリス『いいえ、あなたが眩しすぎて。こんな胸を打つ愛の調べを聞けるとは思っていませんでした』
ヒノカ「や、止めてくれ。私には似合わないことくらいわかっているんだ。いつも長刀を振り回しているような女が、そんな愛について語るなど……ああ、顔の火照りが止まらない///」
リリス『なに、この破壊力?』
ピエリ「うーん、よくわかんないの。リリス、ヒノカ様の言ってたこと、ピエリに教えてほしいの」
リリス『キスをすることが愛、そんな感じです』
ピエリ「ヒノカ様、ピエリと同じ考えだったの。やっぱり、ピエリとヒノカ様はお友達なの!」
リリス『正直、これだけ意見を貰えればもう十分だと思うんですけど。やっぱり、カップルからの意見も取り入れるべきですよね。マークス様とサクラ様、そしてエリーゼ様にタクミ様、二組からはちゃんとお話を聞かないと……』チラッ
島中央の洞窟『使用中』
北にある小さな小屋『使用中』
南にある小さな浜辺『使用中』
リリス『いるとすればこの三カ所のどこか……。さて、何処に行くべきでしょうか……』
リリス『あまり、良い予感はしませんけど……』
497 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/18(水) 21:56:40.13 ID:4XVlyKWe0
今日はここまで
赤面したヒノカ、とてもいいぞ。
リリスが向かう場所を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◆◇◆◇◆◇
・島中央の洞窟
・北にある小さな小屋
・南にある小さな浜辺
>>498
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/04/19(木) 19:13:29.30 ID:UkuB3Um6o
洞窟がいいかなー
声が超響いてそう
499 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 20:33:56.06 ID:JwH8mUnn0
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界『島中央の洞窟』―
ピエリ「ほえー、大きな穴なの。これじゃ洞窟って感じがしないのよ」
リリス『はい、洞窟ということですからもう少しこじんまりとしている物を考えていましたが、思ったよりも立派な穴ですね』
ヒノカ「洞窟の途中までは天井が裂けていて太陽が照らしている。それに奥の方も所々割れ目があって、光が注ぐ構造になっているのか。おどろおどろしい場所を想像していたが、いやはや美しい場所じゃないか」
リリス『自然の芸術ですね。まぁ、こういうところだからこそ、何かしらが潜んでいるという可能性もありますが』
ヒノカ「リリス、脅かすのをやめてくれ。今私たちにはそんな存在に抗う術はないんだぞ」
リリス『ふふっ、冗談です。さすがにここは管理が行き届いているみたいですから、そんな危険は――』
???「やめ、やめてぇぇぇぇぇ!!!!」
リリス『え、今の声は!?』
ヒノカ「洞窟の奥の方から聞こえた。今の声、タクミじゃなかったか?」
リリス『え、タクミ様ですか? 私には誰だか……』
ピエリ「リリス、しーっなの。また聞こえてくるの」
タクミ?『うああああっ、そんな、の、だ、だめぇぇぇぇ!!!!』
ヒノカ「くっ、何かに襲われているのだとすれば、一刻を争う事態だ。今すぐ助けに行かないと!」
リリス『ここは使用中で、この叫び声がタクミ様だとする。つまり、タクミ様がいるということは……あ』
500 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 20:52:32.37 ID:JwH8mUnn0
ヒノカ「よし、私が先行する。武器は……こんな棒切れだが無いよりはマシだろう。リリス、ピエリも万が一に備えて武器を取るんだ」
リリス『あ、あのヒノカ様』
ヒノカ「何だリリス?」
リリス『えっと、ここは少し待ちませんか。具体的には叫び声が収まるまで…』
ヒノカ「何を言うんだ。叫び声が止まったということは、タクミがやられてしまったということになってしまうではないか!? 私に弟を見捨てろというのか!?」
リリス『私はここで待つのがいいと思います。多分、お互いにそれが一番いいと思うんです。きっと平和に解決できます』
ヒノカ「お互いとは誰の事だ!? 今タクミを襲っている何かにとってか? リリス、お前がそんな薄情者だとは思わなかった」
リリス『いや、だから――』
ヒノカ「聞こえてくる悲鳴を聞いてお前は何も思わないのか。この身を引き裂かれているような悲鳴を聞いて!」
タクミ?「んほぉぉぉぉぉおおおおお!!!!! んぎぃぃもぅ、んいいいいっ!!!!!」
ヒノカ「かなり苦しんでいるのが分かるだろう!?」
リリス『これは苦しんでいるのでしょうか?』
501 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 21:04:16.00 ID:JwH8mUnn0
ピエリ「ヒノカ様、ピエリは準備できてるの!」
ヒノカ「そうか、リリス。お前とは親友になれると思っていたのに、残念だ。お前が仲間を見捨てるような奴だったとはな」
リリス『私はあなたを助けたいんです。もう、正直に言います、この先で行われてるのは――』
ヒノカ「わかっている。獰猛な何かによってタクミがボロボロに引き裂かれているんだろう。今行っても間に合わないかもしれないことはわかっている。だけど、私は弟を見捨てることは出来ない!」ダッ
ピエリ「ヒノカ様、ピエリも一緒に行く――」
グイッ
リリス『ピエリさんはここで待っていてください。ヒノカさんは私が追いかけますから』
ピエリ「えー、ピエリだけ仲間はずれなの?」
リリス『違いますよ。ピエリさんにはここで私たちの背中を守っていてほしいんです。ヒノカさんが突入すれば、間違いなくこの洞窟は地獄と化します。その騒ぎに誘われて何かが現れて挟み撃ちを狙ってくる可能性もあります。私では守り切れませんが、ピエリさんならきっと守り切れるはずです!』
ピエリ「リリス…。わかったの、ピエリが洞窟の入り口をちゃんと守るのよ! だからヒノカ様のことをお願いするの」
リリス『はい』
ピエリ「リリス、生きて帰ってくるのよ。絶対なの!」
リリス『ええ、なんとか帰ってきます。ヒノカさんを連れて必――』プカプカ
タクミ?「あ、あ、あいいいいぃっぃ〜〜〜〜!!!」
リリス『あんなこと言ったけど、もう帰りたいなぁ……』スィ〜
502 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 21:22:07.26 ID:JwH8mUnn0
ヒノカ「タクミ! どこだ、タクミ!」
ヒノカ(くっ、油断していた。幾らあの戦争を乗り越えたからと言っても、タクミはまだ未熟な所がある。それを知っていれば、事前に何とかできたことかもしれないというのに!)
ヒノカ「そうだ、タクミがいるということはエリーゼ王女も一緒にいるはずだ!」
ヒノカ(でも、聞こえるのはタクミの声だけ、まさかエリーゼ王女はすでに!? いや、考えるなそんな最悪の可能性。そんな、そんなことが起きるはずがない!)
タクミ?「や、やめぇぇぇぇ、そ、それ以上は、だめだから!」
ヒノカ「近い、この先か!」ダッ
リリス『ヒ、ヒノカ様!? そちらに行っては駄目ですよ!』ビュンッ!
ヒノカ(リリス!? 私を追ってきたのか、あんなことを言ったのに私の身を案じて……。だが私はここで退くわけにはいかない。この先にタクミがいるんだ。待っていろ私が必ず助け出してやるからな!)
タクミ「も、もうだめ……」
ヒノカ「タクミ!!!!」ダッ
リリス『ヒノカ様、駄目です!!!』
ヒノカ「タクミ、助けにき――」
ビュルルルルルルッ ビュルンッ
ビチャアアアッ
タクミ「ふえぇぇええ、んっ、あぁ、あひぃ……」ビクンビクンッ
ヒノカ「へ?」
リリス『間に合わなかった……』
503 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 21:36:58.04 ID:JwH8mUnn0
エリーゼ「えへへ、タクミさんいっぱい出たね。やっぱり、お尻を弄られちゃうと、出る量が多くなってる。あたしのライブ、そんなに気持ちよかった?」ズニュズニュ ジュポンッ
タクミ「う、うん……すごく、気持ちよかったよぉ。んっ、ああ、だめ、そこまたされると、うあああっ」ギンギン
エリーゼ「ふふっ、タクミさんいけないんだ。女の子にお尻の穴をこんなにホジホジされて、恥ずかしいって思うはずなのに、こんなに元気にしちゃってるなんて、いけない子だね♪」シコシコ
タクミ「え、エリーゼ王女、んあっ、はぁはぁ」
エリーゼ「ふふっ、タクミさんのをあたしのお尻で受け止めるよりも先に、あたしがタクミさんのお尻をいいようにしちゃうなんて思ってもなかったよ」プニプニ
タクミ「んっ、はぁはぁ、エリーゼ王女。んんっ、穴を撫でないでくれな……うあああっ」ビクンビクン
エリーゼ「だって、タクミさん触られる度に体をビクビクさせるんだもん。すごく可愛くて、もっともっと苛めたくなっちゃうよ」ヌプヌチュ
タクミ「はっ、ううっ」
エリーゼ「今日初めてなのにすごく気持ちよさそうにしてたよね、タクミさんっておち〇ちんじゃなくて、こっちの方がいっぱい感じちゃう変態さんなのかな」
タクミ「そ、そんな、これは初めてだっただけで――」
エリーゼ「それじゃ、試してみよっ」ガバッ
タクミ「な、え、エリーゼ。こ、こんな格好!!!」
エリーゼ「えへへ、これでお尻の穴もおち○ちんも、どっちも弄ってあげられるね。あ、お尻の穴がキュッてなったよ。ふふっ、期待してるんだね」
タクミ「そ、そんなわけ――あうっ、うあああっ」ガクガク
エリーゼ「はぁ、タクミさんのお尻、すっごく暖かいよぉ。指が溶けちゃいそうだよ。はぁはぁ、おち〇ちん、いただきまーす、んじゅるっ、じゅるるるっ、んはぁ、さっきの残り臭くてドロッてしてるぅ。じゅるるるるるっ」
ヒノカ「」
リリス『ふぬぬぬ……だめ、全然動きません』グイ―ッ
504 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 21:47:42.97 ID:JwH8mUnn0
エリーゼ「んっ、んっ、……んん、はぁ、お尻の出し入れすると、ピクピクって震えて少しだけしょっぱいの出てきてるよぉ」
タクミ「え、エリーゼ王女、も、もうこれ以上は、これ以上は駄目だから。ああっ、お尻が締まらなく、なっちゃうよぉ」
エリーゼ「そんなことないよぉ、だってタクミさんのお尻、あたしの指をこんなにギュンギュン締め付けてくるんだもん。いっぱい、いーっぱい気持ちよくなりたいんだよね、タクミさん」
タクミ「あっ、エリーゼ王女。エリーゼ王女!!!」
エリーゼ「あ、タクミさんの臭い濃くなってきたよ。もう出そうなの、出そうなんだよね?お尻とおち〇ちん、一緒に弄られて気持ちよくなっちゃってるんだよね? ね?」
タクミ「う、うん、きもひいいっ。お口でお○んちんをしゃぶられて、指でお尻を攻められて、とっても気持ちいいんだよぉ」
エリーゼ「うれしい、タクミさん。あむ、ひょのまま、だしゅて、あむ、んじゅるるっ…ぷはぁっ。エリーゼのお口に、喉奥にいっぱい、いっぱいぃー」
タクミ「ふあああっ、エリーゼ王女、でるぅ、出るぅぅぅぅ!!!!」
ドプッ ドププッ ビュルルルルッ
エリーゼ「んぶっ、んっ、んっ、はぁっ、顔にいっぱい掛かってる…。タクミさんの臭くてネバネバなザーメン、いっぱいだよぉ……」
タクミ「はぁはぁ、エリーゼ王女……こ、今度は僕がエリーゼ王女のお尻に……してもいいかな?」
エリーゼ「う、うん、いいよ。でも、初めてだから……優しくし――」
カランッ
タクミ「ん、何か音がしたような気が――」チラッ
ヒノカ「タ、タクミ、お前は一体何をしていたんだ?」フラッフラッ
タクミ「」
ヒノカ「タクミ?」
タクミ「」
リリス『今すぐにでも死にたいって顔してますね…」
505 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/24(火) 21:50:08.06 ID:JwH8mUnn0
今日はここまで
506 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/28(土) 21:02:57.98 ID:s5GnruwI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピエリ「ふんふ〜ん、嫌いな敵はえいえいえいっ、ちみどろぶしゃぶしゃえいえいえいっなの♪」
ガサガサッ!
ピエリ「! だ、誰なの!?」チャキッ
レオン「あ、やっぱりピエリだったか。見間違えじゃなくてよかったよ」
ピエリ「あれ、レオン様なの、どうかしたの?」
レオン「君の姿が見えたからちょっとね。とりあえず持ってる棒を下げてくれないかな、当たりそうで怖い」
ピエリ「はーい」コトッ
レオン「ありがとう、何をしてるんだい? 洞窟に用事があるなら入ればいいと思うけど?」
ピエリ「ん、ピエリ、今ここを守ってる最中なの。この奥に変な生き物がいて、タクミ様がそれに襲われてるの!」
レオン「えっと、よくわからないんだけど……。タクミ王子は今ピンチなのかい?」
ピエリ「わからないの。でもリリスが、ヒノカ様が中に入ったらここは地獄になるって言ってたの。だから、ピエリはここで入り口を見張ってるのよ! リリスとヒノカ様に中の事は任せてあるのよ」
レオン「中にヒノカ王女とリリスが向かったのか。それで何か変わったことは?」
ピエリ「今さっきね、『でぃるぅ、でぃるぅぅぅぅ!!!!』って変な叫びが聞こえてから洞窟が静かになっちゃったの。多分、タクミ様の声だったと思うの」
レオン「あー、タクミ王子を襲ってる変な生き物が誰なのかわかる自分が嫌だなぁ……」
507 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/28(土) 21:16:20.97 ID:s5GnruwI0
ピエリ「え、レオン様。わかるの?」
レオン「まぁ、本人たちの事は知っているつもりだから……。だけど、自分の家族ってこともあって何とも言えない気持ちだけどね……」
ピエリ「およ?」
レオン「ん、どうしたんだいピエリ」
ピエリ「誰かが中からこっちに向かってくるみたいなの」チャキッ
レオン「え?」
タタタタタタッ
タタタタタタッ
レオン「うーん、この聞こえ方からすると、逃げているのを追っている奴がいるみたいだ」
ピエリ「あ、見えたの!」
ヒノカ「いやあああああああっ!!! タクミが、タクミがああああぁぁぁぁ!!!!」
タクミ「ちょ、ちょっと待って、姉さん待って、僕の話を聞いて、お願いだから!!」ブラブラ
リリス『ちょ、タクミ様。せめて下を履いてください。今すぐ履いてください。ヒノカ様が見てしまわない様にするのにも限界があるんですから!』フワフワッ サッ ササッ
タクミ「今は誤解を解く方が先決なんだ! わかってくれる、ヒノカ姉さんならきっと今さっきの事も――」
リリス『このままじゃ親族としての信頼に地割れが起きて、無限渓谷になってしまいます!』
レオン「ピエリ、今すぐあの変質者にその棒を投げるんだ!」
508 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/28(土) 21:29:17.46 ID:s5GnruwI0
ヒノカ「しくしくしく、しくしくしく……」
リリス『だから言ったじゃないですか、見たらきっと後悔しますよって』
ヒノカ「私は、私はタクミが、危険な目に、危険な目にぃ、うええええん」
レオン「ヒノカ王女、変質者はこっちで捕らえておいたから。もう安心して、ね?」
ヒノカ「レオン王子……。ぐすん」
ピエリ「あははは、ヒノカ様いっぱい泣いて子供みたいなの!」
リリス『もっと子供っぽいピエリさんには言われたくないでしょうけどね。で……』
タクミ「……」
エリーゼ「……」
リリス『まさか、エリーゼ様が縄で縛られている姿を見る日が来るとは思いませんでしたね。ビジュアル的に私たちが悪いことをしているみたいに思えてきます』
レオン「それは言わないでくれないかな。それで誰がこの騒ぎの元凶なんだい?」
タクミ「エリーゼ王女は関係ないんだ。彼女だけでも放してくれないか。これは、僕が原因で――」
エリーゼ「た、タクミさん。そんなことないよ、あたしがしたいってお願いしただけで。それにタクミさんが付き合ってくれただけなんだよ!」
レオン「……ところでリリス。この二人は洞窟の中でなにをしていたんだ?」
リリス『そうですね。万が一にもヒノカ様みたいになる可能性がありますけど、いいですか?」
レオン「……」チラッ
ヒノカ「そうだ、これは夢だ。私はまだ白夜にいて、大量の政を前に現実逃避の転寝をしているだけなんだ。早く覚めないと、あははおかしいな夢ならほっぺを摘むと痛くないはずなのに、なんだかとても痛いぞ。あはは、あはははは」ギューッ
レオン「うん、遠慮しておく」
リリス『賢明な判断、さすがはレオン様です』
509 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/28(土) 21:39:14.29 ID:s5GnruwI0
レオン「タクミ王子もタクミ王子だよ。エリーゼのことを大切に思っているなら、こんなところで変な事はしないようにしてくれ。誰も見ていないって考えで、場所を選ばなかったら獣と同じだからね」
タクミ「ぐっ、返す言葉もないよ……」
エリーゼ「タクミさん。ごめんなさい、あたしが変な事おねがいしちゃったから……」
タクミ「もう、いいよ。それにエリーゼ王女がしてくれたこと、そのすごく気持ちよかったから。だ、だからそんな顔しないでくれないかな。その、エリーゼ王女にはいつも笑っててほしいから……」
エリーゼ「タクミさん……うれしい」
レオン「二人の世界に入るのは今度にしてほしいね。まったく、これで異界から戻ってこのままじゃ、正直先が思いやられるよ……」
ヒノカ「……レオン王子」
レオン「あ、ヒノカ王女。もう大丈夫?」
ヒノカ「……なぁ、私の義弟にならないか?」
レオン「……えっと、ヒノカ王女、頭でも打ったかい?」
リリス『頭もそうですが、他にも色々と痛めてしまった部分があると思いますよ、あんなものを見てしまったら』
レオン「大体、ヒノカ王女にはタクミ王子っていう弟が――」
ヒノカ「何を言っているんだ? 私に弟なんていないぞ」
タクミ「」
レオン「お、おう……」
510 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/28(土) 22:03:24.50 ID:s5GnruwI0
ヒノカ「どうだ、お前なら白夜王国の王族として相応しい人間のはずだ」
レオン「いやいや、ヒノカ王女、少し落ち着こうか? 僕は暗夜の人間だよ? そんな人間が白夜の王族の席に特に理由もなく着けるわけないでしょ?」
ヒノカ「私が何とかしよう。そうだ、お前は実は元は白夜の子で、昔暗夜に攫われたということにすればいいんだ」
レオン「それはカムイ姉さんの特権だから!」
タクミ「ヒノカ姉さん、どうしてそんなこと言うんだい!? 僕が何かしたっていうんだ!?」
ヒノカ「あんな趣味(濃厚菊座プレイ)を持っているなんて思っていなかったんだ。タクミが、こんなにも変人だったなんて知りたくなかった……」
タクミ「趣味(ロリコン)って……。レオン王子だって僕と同じ趣味なんだけど……」
ヒノカ「……ふぁっ?」
レオン「……は? 何を言ってるんだ、僕がなんでお前と同じ趣味になるんだ?」
タクミ「エリーゼ王女もそういってたよね?」
エリーゼ「うん、タクミさんとレオンおにいちゃんってやってる趣味(将棋やチェス)が似てる気がするの。もしかしたら二人が仲良しになれたのも、そういうところが似てるからかなって」
レオン「ちょっとまって、これってなんかひどい勘違いが始まってるだけだよね!?」
ヒノカ「……ははっ、あははははは……。そうかー、レオン王子もあんな趣味をモッテイタンダナー」スゥーッ
レオン「いやいや、どんな趣味か知らないけどそんなことないから! まずは話を聞いてくれ、ヒノカ王女!」
リリス『不憫すぎて、言葉に出来ませんね……」
ピエリ「そう、みんな楽しそうで、ピエリうれしいの」
リリス『ええ、見てる分には楽しいですよね……。当事者にとっては地獄に違いありませんが……」
511 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/04/28(土) 22:04:30.16 ID:s5GnruwI0
今日はここまで
512 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/03(木) 19:53:52.54 ID:9ZP5FJCd0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒノカ「そうか、私の誤解だったのか」
レオン「そうだよ、どうして僕があんな変態と同じ趣味を持たなくちゃいけないんだい?」
ヒノカ「……よかった、レオン王子は私が思っているような人物だったんだな。これからも交流を深めていけるといいな」
レオン「ヒノカ王女はそれなりに常識人だからね。ただ、時々おっちょこちょいなことをするから。例の肖像画の件、忘れるつもりはないからね」
ヒノカ「本当にあの件はすまなかった……」
レオン「はぁ、僕もマークス兄さんもそうだし、王族揃って布切れ一枚の絵画とか、この休暇が終わったら新しいものを作るよ」
ヒノカ「色々と苦労を掛けてすまないな……。はぁ、やはり私では白夜を纏めていけるとは思えない」
タクミ「そんなことない、ヒノカ姉さんは頑張ってるじゃないか」
ヒノカ「それでレオン王子、前回の話にあがった暗夜と白夜の主要交通網の件に関してなんだが、意見を聞かせてくれないか?」
レオン「ああ、あの件か。でも、今は休暇中なんだから、忘れておくのがいいとは思う。こんなところまで仕事を持ってくるのは、それこそ愚行だからね」
タクミ「なんで、あいつの言葉には答えるのに、僕の言葉には答えてくれないんだ……。もしかして、これもハイドラの仕業なんじゃ……」
リリス『ふふっ、何でもハイドラの所為ですかー。便利に使ってくれますねー』ピキピキ
ピエリ「リリス、額に筋が通ってるの」
エリーゼ「本当ー、リリスって思ったより表情豊かだよね」
リリス『褒められてる気がしない』
513 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/03(木) 20:09:02.17 ID:9ZP5FJCd0
レオン「で、どうしてここにいるド・変態を見つけることになったわけ?」
リリス『実はですね……カクカウシカジカでして……』
レオン「なるほどね。だけど愛についてみんなの意見を聞くって、あまり意味があるとは思えないんだけど」
リリス『それは重々承知しているんですが。これも一つの人助けみたいなものでして』
レオン「それで、ここの洞窟が使用中だったから誰かいると思って、話を聞きに来たっていうことだね?」
ピエリ「そしたら洞窟の中からすごい声がしたの! それでヒノカ様、居ても立っても居られないって感じだったの。木の棒もって中に走って行っちゃったの。それで――」
ヒノカ「うわああああっ」ガクガクガク
リリス『ピエリさん、そこでストップです。思い出してヒノカさんガクガクしてます』
エリーゼ「挿入れてあげた時のタクミさんみたい……」
タクミ「え、僕あんなふうになってたのかい……」
エリーゼ「やっぱり、姉弟なんだね。タクミさんとヒノカさんは」
レオン「エリーゼ、その辺にしておくんだ。ヒノカ王女の呼吸が弱々しくなってる」
514 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/03(木) 20:22:00.43 ID:9ZP5FJCd0
ピエリ「リリス、ピエリとヒノカ様からも意見を聞いたの。でも、出来ればお付き合いしてる人の意見も聞くべきだって。だから、使用中の場所に来て話を聞くことにしたのよ」
レオン「で、リリスはタクミ王子とエリーゼから話は聞いたのかい?」
リリス『いえ、色々と終わってから話を聞こうって思っていたんですけど、それを待たずにヒノカ様が突貫してしまいまして』
レオン「うん、わかった。このまま進むと、ヒノカ王女の心臓が止まるかもしれないから、経緯はここで終わりにしよう」
リリス『配慮助かります』
レオン「だそうだけど、エリーゼはどう思っているんだい?」
エリーゼ「ん、なんのこと?」
リリス『実は皆さんに愛とは何なのかということを聞いて回っていて、独り身の方々よりも今こうしてお付き合いをしている方の意見の方が重要なのではないかと思って、こうして足を運んできたんです』
エリーゼ「そうなんだ、でも愛だよね……。うーん、よくわかんないよ」
リリス『それじゃ、エリーゼ様はタクミ様と一緒にいるときに、その愛を感じる事っていうのはありますか?』
エリーゼ「……えっと、愛かどうかはわからないけど、タクミさんといるとね。ポカポカしてくるの」
ピエリ「ポカポカ? 何かに叩かれてるの?」
リリス『ピエリさん、これは暖かくなるとかそういう意味の発言なんですよ』
エリーゼ「そうだよー。タクミさんので顔を叩かれてるときはペチンペチンって感じだから」
レオン「え、なんだって?」
515 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/03(木) 20:34:13.06 ID:9ZP5FJCd0
リリス『とりあえず、エリーゼさんはポカポカしてくるんですね。なんていうか、一番子供っぽい意見と言いますか、可愛らしい意見ですね』
エリーゼ「むーっ、リリスひどい! あたし、もう立派なレディなのに!」
レオン「はぁ、そういう風に声を荒げる時点で立派とは言えない気がするけどね」
エリーゼ「うー、レオンおにいちゃんまで……。あたし、いっぱい成長してるって思ってたのに……」
タクミ「……そんなことないよ。エリーゼ王女はいっぱい成長してる。僕が近くで見てるんだから、間違いないよ」
エリーゼ「タクミさん……そ、そうかな////」
タクミ「そうだよ」
レオン「……まったく、エリーゼは単純だね」
リリス『なんていうか昔のタクミ様からは想像できないような言葉ばっかり出てきますね』
レオン「そうだね」
エリーゼ「えへへ、タクミさんだーい好き」ギュウッ
タクミ「あ、ちょ、エリーゼ王女。みんなの前で恥ずかしいよ……」ムクリッ
リリス『ただ、欲望に忠実すぎるのが玉に瑕ですね』
レオン「傷だらけだからどれが瑕なのかわからないなー」
516 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/03(木) 20:51:25.94 ID:9ZP5FJCd0
リリス『それで、タクミ様。タクミ様は愛についてどう思いますか?』
タクミ「え、それって僕も答えないといけないの?」
リリス『はい、有力なサンプルですからね』
タクミ「そ、そうだね。僕はその、愛っていうのはこうして一緒に過ごしながら変わっていくことだって思ってる」
レオン「変わっていくこと?」
タクミ「うん。昔の僕と今の僕で違うところは、エリーゼ王女と出会って変わっていった部分が大きい。いつも一緒にいてくれて、僕と一緒に歩いてくれる彼女がいる。毎日少しずつだけでも、僕にエリーゼ王女の思いが伝わっているから、僕はここまで来れたんだ」
エリーゼ「タクミさん……」
タクミ「みんながどう思うかはわからないけど、僕はそういうものだって思ってる。エリーゼ王女と一緒に過ごして、少しずつ変わっていくのが愛なんだって」
リリス『なるほど、タクミさんの意見、思ったよりもいいものだったと思います』
タクミ「そ、そうかな?」
リリス『ええ、とても。まぁ、その行き着く先が目を覆いたくなるような現実なわけですけど……』
レオン「どんな現実なんだよ、それ……」
リリス『えっと、エリーゼ様がタクミ様のお尻にライブを突き立てて、一気に――』
レオン「それ以上はだめだ!」
517 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/03(木) 20:51:55.87 ID:9ZP5FJCd0
今日はここまで
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/03(木) 22:51:48.20 ID:IxVBgTsSO
春祭突き立てるのはあかんの?
519 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/12(土) 23:34:29.39 ID:IgqMfh/D0
リリス『多大な犠牲が出てしまいましたが、それなりに良い意見が手に入りました』
リリス『ですが、レオン様とヒノカ様が犠牲に……。でも、これも仕方のないことです。一人を助けるためにその何倍もの人に危険が及ぶ…、これが逃れられない悲しみの連鎖なんですね』
レオン「僕が精神的に抉られたのは、君の不注意なんだけど?」
リリス『あ、レオン様。もう起き上がって大丈夫なんですか?』
レオン「僕はまだいいよ、あれを見て」
リリス『あれ?』チラッ
ヒノカ「そうだ、ライブを突き立てるのはきっと暗夜の民間療法なんだ。ほら、なんか葱を指すといいとかそんな話があるじゃないか、あれと同じでライブを使うと健康になれるんだ。あはは、あはははは」カタカタ
レオン「ヒノカ王女、君の説明を聞いて完全にどこかに行ってしまったじゃないか!」
リリス『いや、止めたのに先に走って行ったりと、若干自業自得な部分もありますし。ぶっちゃけ、もう自然治癒に任せるしかないかと』
レオン「ぶっちゃけないで、少しはケアに励んでよ」
520 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/12(土) 23:39:33.85 ID:IgqMfh/D0
タクミ「ううっ、僕が何をしたっていうんだ」シクシク
エリーゼ「タクミさん、大丈夫だよ。あたしが抱きしめてあげるから、元気出してね?」ギュッ
タクミ「ううっ、エリーゼ王女ぉ〜」
エリーゼ「うんうん、大丈夫大丈夫、タクミさんは何も悪くないよ?」
タクミ「……もっとハグハグして」
エリーゼ「いいよぉ、ハグハグ〜」
タクミ「はー、いい、すごくいい」
レオン「まったく、エリーゼもエリーゼだ。少しは物事を考えて行うようにしてくれないと……」
エリーゼ「うん、ごめんなさい」
レオン「それにタクミ王子も、少しはその自分の特殊な趣味は隠すようにしてほしい。二人の仲がいい事に文句はないけど、やっぱり受け手の気持ちを考えてほしい」
リリス『そうですね、嫌な気持ちになる人もいるのは確かですから』
エリーゼ「ねぇ、タクミさん、されるのいやだった?」
タクミ「最初は少し抵抗があったんだけど……。実際やってみると、そのとっても気持ちよかったっていうか……」
エリーゼ「レオンおにいちゃん、タクミさん、気持ちよかったって!」
レオン「僕たち、第三者の事を言ってるんだよ!」
リリス『いやー、レオン様がいると代わりにツッコミを入れてくれるから助かります』
521 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/12(土) 23:44:12.18 ID:IgqMfh/D0
レオン「まったく、尻に棒を入れるなんて正気の沙汰じゃない。普通なら入れたりしないよ?」
タクミ「え、でもエリーゼ王女は……」
レオン「ごめん、それ以上何も言わないでくれないかな。家族として、本当に知りたくないことを知ることになりそうだから」
レオン「ともかく、今度は場所をきちんと選ぶようにして、さすがにタクミ王子だって誰かに見られたいわけじゃないだろ?」
タクミ「わ、わかったよ。今度から気を付ける」
エリーゼ「レオンおにいちゃん、ごめんなさい」
レオン「まったく、エリーゼがタクミ王子の御願いを叶えたい気持ちはわからなくもないけど、いくら何でもライブを使うなんて願いを叶える必要はないと思うよ」
リリス『そうですね。ライブは回復の杖なのに、それを挿入しては回復どころではありません』
レオン「そうだね。うん、リリス。もう、それ以上はやめてくれないかな、主に僕の心が砕けてしまいそうだし、ヒノカ王女の様子がとてもおかしくなってる」
ピエリ「リリス、ヒノカ様がぐったりし始めちゃったの! なんか息がか細くなってるのよ」
リリス『とりあえず、背中をさすってあげてください』
タクミ「えっと、レオン王子……ちょっといいかな?」
レオン「なんだい、タクミ王子。ライブのすばらしさを語りたいなら、地獄で語っててもらうことになるけど?」
タクミ「いや、そうじゃなくて……。そのライブの事なんだけどさ」
レオン「うん?」
タクミ「あれ、エリーゼ王女が使いたいって言ってきたことなんだよね……」
レオン「……」
リリス『……』
レオン&リリス『……は?』
522 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/12(土) 23:48:51.82 ID:IgqMfh/D0
レオン「えっと、どういう事かな? あれってタクミ王子の変態趣味の産物なんじゃなかったの?」
リリス『あのエリーゼさん、タクミ様の言っている事なんですけど。本当なんですか?』
エリーゼ「……えっとね、実は――」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―数日前の暗夜王国―
エリーゼ「南国の異界。みんなで行くの楽しみだよー」
サクラ「あ、エリーゼさん。異界の下見はどうでしたか?」
エリーゼ「うん、すごくよかったよー。いっぱい遊べる場所があったし、タクミさんと一緒に行きたい場所もいっぱい見られたから!」
サクラ「そうなんですね。ところで、エリーゼさん」
エリーゼ「ん、なにサクラ?」
サクラ「タクミ兄様のお尻に興味はありませんか?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
リリス『ちょ、ストップストップストップですよ!』
エリーゼ「え、どうして?」
リリス『すみません、いきなり回想が始まったこともそうですけど、脈略もなくお尻に興味はありませんかって、そこで話を切り上げるべきじゃないんですか?』
エリーゼ「そうかな? でもね、あたし興味があったから」
リリス『あったんですか……』
レオン「……聞きたくはないんだけど、どうして興味があったわけ?」
エリーゼ「えっとね、タクミさん、あたしのお尻でいつも気持ちいいって言ってくれて、それにあたしも気持ちいいから。タクミさんもお尻で気持ちよくなれるのかなって思って……」
リリス『ア〇ルの虜になっていたんですね』
レオン「リリス、言わないでくれ……。たのむから……」
523 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/12(土) 23:54:08.33 ID:IgqMfh/D0
リリス『で、話はどんなふうに落ち着いたんですか?』
エリーゼ「えっとね、タクミさんに気持ちよくなってもらいたいって思ったの。でも、あたしにはお〇んちんが無いから。そこでサクラが代りに道具を使って気持ちいい事をしてあげるのはどうでしょうって話になったの」
リリス『おかしいですね。お〇んちんが無いことに悩む女性なんて、世界広しと言えど一人だけだと思っていたんですが』
レオン「で?」
エリーゼ「それでね。最初は春祭りがいいかなって思ったんだ。真っ直ぐだし、挿入れやすそうだなって思ったの!」
リリス『どうして祈祷とか治療とか、神聖な行為を行う棒を選びたがるんですか? 春祭りとライブの気持ちになってくださいよ』
エリーゼ「え、だって、ライブとかってその、する時のお供だったから……。今日タクミさんに使ってあげたのも、あたしのお気に入りなの///」
レオン「」
ピエリ「レオン様が固まっちゃったの」
リリス『肉親の性事情暴露大会に耐え切れなくなったみたいですね』
タクミ「エリーゼ王女……。今度、それを使ってるところ直に見せてもらいたい、かな?」
エリーゼ「た、タクミさん。それは恥ずかしいよぉ……」
リリス『恥じらう部分が違う気がするなぁ』
524 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/13(日) 00:01:23.23 ID:YkBuOnRM0
リリス『それで、どうしてライブに?』
エリーゼ「えっとね、サクラが文化交流を兼ねて互いの文化的象徴を相手にいれるのがいいと思うんです。って言ったの。すごいよね、サクラ。こんなところでも白夜と暗夜の事を考えてたんだよ」
レオン「それは異物混入であって、文化交流じゃないよ!」
リリス『レオン様、落ち着いて。確かに異物混入と文化交流は似ていますけど』
ヒノカ「なぁ、エリーゼ王女。もうそこまでにしてくれないか、このままじゃ、私は家族を誰も信じられなくなってしまう……」フルフル
リリス『ヒノカさん、もう耳を塞いで倒れていてください。ケアとかしている暇がありません』
レオン「……? ねぇエリーゼ、サクラハ文化的対象を相手にいれるって言ってたんだよね?」
エリーゼ「うん」
レオン「サクラ王女、そのほかに何か言ってなかった?」
エリーゼ「えっとね、私も今度は頑張るって言ってた。マークスおにいちゃんに文化交流してもらうんだって!」
レオン「……」
リリス『……』
ヒノカ「……」
三人『マークス(兄さん、様、王子)の危険が危ない!?』
レオン「リリス、二人以上が利用してる場所って何処なんだい?」
リリス『えっと、北にある小さな小屋と南にある小さな浜辺でしたね。今はどうなっているかわかりませんけど』
レオン「どっちだ、どっちに兄さんとサクラ王女はいるんだ……。どうにかして探し出して――」
「文化交流を止めさせないと!」
525 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/13(日) 00:06:15.56 ID:YkBuOnRM0
今日はここまで
ライブと春祭りで行う、暗夜と白夜の文化交流、始まります。
次にリリス達が向かう場所を決めたいと思います、参加していただけると幸いです。
◆◇◆◇◆◇
この後向かうことになる場所
・北の小屋
・南の浜辺
>>526
すみませんが、よろしくお願いいたします。
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/13(日) 07:59:46.47 ID:IdbKDCrSO
北へ。
527 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/19(土) 22:19:26.29 ID:ssg03SE20
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・北側―
レオン「……ここがその小屋?」
リリス『はい、ここがその誰かが利用している小屋ですね』
ピエリ「とってもきれいなの。小屋っていうより、小さなお家なのよ」
ヒノカ「そうだな。……それで中に誰かいるのか?」
レオン「誰かいるのは間違いないよ。ほら、そこの看板、宿舎の場所の奴と同じだ」
ヒノカ「……使用中になっているな。む、浜辺もまだ使用中みたいだが」
リリス『ですが、これであの小屋の中に誰かがいるのは明白です。ですが、このまま乗り込むのは難しいです……。なにせ、突入した瞬間にマークス様の御開帳を見る羽目になるかもしれませんから』
レオン「止めてくれ、想像しちゃうから」
ピエリ「マークス様の御開帳って何なの?」
リリス『大きく開くことですよ』
ピエリ「何を開くの?」
リリス『言いたくはありませんけど、マークス様のですね、ア――』
レオン「リリス、少しの問答は控えて。僕はね、出来ればさっきまでのヒノカ王女みたいになりたくないんだ」
ヒノカ「レオン王子、私の仲間になってくれてもいいぞ。むしろなってくれるか?」
レオン「うん、丁重にお断りさせてもらうよ」
528 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/19(土) 22:31:52.98 ID:ssg03SE20
リリス『そういえば、どうして北の小屋を選んだんです?』
レオン「さすがに浜辺でそんなことしないでしょ。サクラ王女もマークス兄さんも、国を背負ってるんだ。そんな多くの人がドン引きするようなこと、人目の着く場所でするわけないよ」
リリス『はぁ……。例の浜辺で青姦に励んでいたお二人のことは言わない方がいいですね』
レオン「」
リリス『……言わない方がよかったですね』
レオン「僕、このバカンスが終わるのが怖くなってきたよ。バカンスが終わった時には、兄さんやエリーゼに対する接し方が変わってしまう気がして……」ガクッ
リリス『私もここ数ヶ月でカムイ様やアクア様との接し方がかなり変わりましたから、心中お察しします』
レオン「兄さんは、もっとまじめな人だったのに……。あの扉を開けたらすべてが終わってしまうような気がする…」
リリス『いや、まだ間に合うかもしれません。あれを見てください』
レオン「何を見ろっていうんだい? サクラ王女に春祭りで開拓されてる兄さんの姿をその目に焼き付けろって言いたいの?」
リリス『いいえ、よく見てください。あの小屋の外観、多くの窓が開かれています。なのに獣みたいな声が聞こえてきません』
レオン「もう事が終わったから、換気してる最中なんだよ、きっと。ほら、サクラ王女もマークス兄さんも綺麗好きだと思うから」
リリス『ともかくです、敵が事を起こしていない可能性のある今がチャンスです。もしかしたら、寸でのところで思いとどまらせることが出来るかもしれないんですよ?』
レオン「リリス……」
リリス『まぁ、すでにセッティングが完了しているなら、かなりやばいものを見ることになりますね』
レオン「士気を挫くことにかけて今の君は天才的だよ」
529 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/19(土) 22:41:12.31 ID:ssg03SE20
リリス『でしたら、ここで待ちますか? タクミ様の一件もありますからおすすめはしませんよ』
レオン「進められても聞きたくないから。くそっ、どうしてこんな役回りばっかりなんだ」
リリス『そういう星の下にいるのだと諦めてください』
レオン「星竜の君が言うと、無駄に説得力があるから勘弁して」
ピエリ「……あ、いま窓に人影が見えたの!」
ヒノカ「なに!?」
レオン「ピエリ、それは誰だった!?」
ピエリ「わからないの。でも、多分男の人だったと思うの」
リリス『下準備を終えたという事でしょうか。しかし、窓を閉める気配はありませんね。包み隠さずにいたいというマークス様の心の表れでしょうか』
レオン「隠す場所だよ! そういう暗夜の暗部みたいなのは隠すところだから! リリス、今すぐあの扉を行き破って来るんだ!」
リリス『え、なんで私なんですか?』
レオン「いいから」
リリス『いいからって、私にだって見たくないものの一つや二つあるんですけど?』
レオン「僕にとって、それは見たら一生のトラウマだよ」
530 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/19(土) 22:52:20.10 ID:ssg03SE20
リリス『はぁ……、これでその光景を見ることになったら、その光景をねっとりレオン様の枕もとで囁いてあげますからね』
レオン「無音の魔術を使っておくから、好きなだけしゃべるといいよ」
リリス『ううっ、レオン様がこんなに薄情な人だったなんて……』フワフワッ
リリス『……そ、それじゃ行きますよ』フワフワ
レオン「」コクリッ
ヒノカ「」コクリッ
ピエリ「なんでピエリ、耳を抑えられてるの? 声がよく聞こえないの」
ヒノカ「ピエリ、私も出来れば耳を塞いでいたい。でも、もう私の耳の中にはあの獣の声が……反復して……。でも、まだ理解していないお前だけは、お前だけでも助けられるなら……私はこの身を薪にしてでも……」
ピエリ「?」
リリス『そ、そのレオン様。この先にマークス様の御開帳が無いことを祈りながらドアを開けるって、今後することない体験ですよ。今が変われる最後のチャンスです!』
レオン「いらない」
リリス『そうだ、一緒に開けて見ればダメージが半分になりますよ。ほら、見る人が増えれば損害もきっと――』
???「あら、人を見て損害とかダメージとか、失礼なことを言ってくれるじゃない?」
ガチャンッ
リリス『え?』
ヒノカ「カ、カミラ王女、あなたがなぜここに?」
カミラ「あら、私がここにいるのがそんなに不思議な事かしら?」
531 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/19(土) 23:02:17.80 ID:ssg03SE20
レオン「ど、どういうことだい? ここにはマークス兄さんとサクラ王女がいるんじゃ……」
カミラ「あら、マークスお兄様に用事だったのかしら。残念だけど、ここにはいないわよ」
リリス『では、カミラ様は一体だれとここに――』
???「む、騒がしいと思ったが。こんなに大勢でどうした?」
ヒノカ「え、リョウマ兄様!?」
リョウマ「む、ヒノカか。どうした、何というか一度死んだような顔をしているが?」
ヒノカ「……何でもないんだ。本当に何でもないんだ、だからそれ以上聞かないでくれ。そこにいる筒抜けの竜が全てを話してしまう」
リョウマ「ふむ、わかった。これ以上はやめておこう。それにしても、俺とカミラ王女の話しに混ざりに来たのか?」
リリス『話ですか?』
カミラ「ええ、少し前からここでずっと『カムイの素敵なトコロはどこ?』っていう話で盛り上がっていたのよ。ベルカは途中で飽きちゃって、出て行ってしまったけど」
リリス『さすがに一臣下の身には、お二人の談義は荷が重すぎるでしょう。どうしましたレオン様?』
レオン「……じゃあ、マークス兄さんとサクラ王女は、南の浜辺に!!!」ダッ
リリス『……レオン様、いけません』フワフワ
レオン「リリス、そこを退いてくれ。僕は、僕は!!!」
リリス『もう間に合いません。私たちは間違えてしまったんです。私も迂闊でした、さっきまで浜辺で楽しんでいたんだから浜辺を選ばない、そう思ってしまったんです。もう、二人の文化交流は……止められないんです』
レオン「ううっ、兄さん……。兄さん……」ポロポロッ
ヒノカ「レオン王子……」
ピエリ「レオン様、具合悪いの? 背中をピエリがなでなでしてあげるの」ナデナデ
リリス『……南の浜辺、今日はあんまり近づきたくないですね。本当に……』
カミラ「南の浜辺ね……。今日は行くこともないけど、何が起きているのかしら?」
リョウマ「さあな……」
リョウマ(そういえば、ベルカは確か南の方に気分転換に行くと言っていた気がするが……)
リョウマ「まぁ、大丈夫だろう」
532 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/19(土) 23:04:10.26 ID:ssg03SE20
今日はここまで
容赦ないとばっちりが、ベルカを襲う!
533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/20(日) 09:36:44.83 ID:AFdDl4KSO
気分転換(最悪)
534 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/28(月) 20:50:53.68 ID:koGNGl1w0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・南の浜辺周辺―
ベルカ「……気分転換に歩くのも悪くないわね」
――! ――!
ベルカ(ん、この先の浜辺に誰かいるみたい…。いったい誰が――)チラッ
サクラ「んんっ、んひっ、だ、駄目ですぅ。マークスさぁん」
マークス「何がダメなんだ、サクラ王女?」グリグリ トントンッ
サクラ「そ、それを宛がうのを止めてくださいぃ。やっ、お尻の穴、そんなトントンしちゃだめです、マークスさん」
ベルカ「」
535 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/28(月) 20:53:33.50 ID:koGNGl1w0
マークス「ふっ、日焼け止めのオイルを塗るというからどんなものかと思えば、このようなものを準備していたとはな。ふっ、残念だが背後で蠢く企みには少々鼻が利く性質だ。少し準備が不足していたな、サクラ」グポグポ
サクラ「ふああっ、やっ、指……んんっ!!! 広げないでください、は、はずかしいです/////」
マークス「私にこれを入れようとしていたのに何を言うかと思えば。反省していない罰としてこちらを開拓させてもらうとしよう」ズブブッ
サクラ「んんっ、はうぅぅ////」
マークス「ふむ、良い締まりだ。こんなにも私の指を締め付けてくる……。それに淵回りがとてもキュートだぞ」グチグチ
サクラ「あっ、だめ、お尻の入り口、撫でまわさないで、んっ、くうぅぅ」ピクピク
マークス「こんな公衆の面前に見られそうな場所で、局部を晒して尻を弄られて感じているとは、やはりサクラはスキモノということだな」
サクラ「お、お尻を弄られて感じてるわけじゃ、ひゃううううぅっぅぅぅ!」
マークス「ふっ、こんなにお尻を震わせ、恥部からはしたなく涎を垂らしていてはな」
サクラ「こ、これは違うんです。これはぁ……ひゃっだめ、だめ、お尻、なんで、こんなにぃ、ふあああああっ」ビクンビクンッ
サクラ(や、私、お尻でしたことなんてないのに。どうして、こんな……。きもちいいんですかぁ)
マークス「んじゅるる、はぁ。これだけ湿らせておけば入るだろう。さぁ、私にもっと尻で善がる姿を見せてくれ」ピトッ
サクラ「や、らめ、いまわらめです。マークスさ――」
マークス「……ゆっくりと入れてやるからな」ヌプ、ヌププッ
サクラ「―っ! はああっ。んっ、んんんーーーっ!!!」
536 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/28(月) 20:58:53.50 ID:koGNGl1w0
サクラ(入ってる。お尻の中に、あんな太いの挿入って……)
マークス「ふっ、指の次にこんなものを取り込むとはな。どうだ、サクラ、中でお前がいつも使っている杖が動いているのを感じているか?」ヌププッ ズリュリュ
サクラ「やっ、んっ、だめ、ふああっ、きちゃう、またキちゃいます!!」
マークス「オーガズムを持続できるほどにこちらが好きなのか。ふっ、サクラはこちらの方が弱点だったとはな。良い発見が出来たぞ。さぁ、もう一度はしたなくイってしまうといい」
サクラ「やっ、んやっ、はぁはぁ。声、とめられない、あっあぁんっ!」
サクラ(こ、こんなのだめ。お尻の中で何かが動いてるのに、こんなに気持ちよくなってる。こんなの誰が見ても変態です。そんな姿をマークスさんにいっぱい見られちゃってる。私のアソコ、あんなにテラテラしてお尻でいっぱいベチャベチャに――。だめ、感じちゃ、感じちゃダメなのに!!!)
サクラ「あっ、あっ、んっ、ふあっ、あああっ。マークスさん、だめ、でちゃううううっ!!!!あああっんんんんーーー!!!」ビクンビクンッ
チョロ チョロロロロロロッ
サクラ「や、だめ、おしっこ、とまって、とまってよぉ/////」ビチャチャ
サクラ(自分のおしっこいっぱい掛かっちゃってる…。お尻をいっぱい穿られて、おもらしまでしてしまいました……)
537 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/28(月) 21:04:02.95 ID:koGNGl1w0
マークス「おもらしまでするとは。粗相を働くいやらしいココを私のジークフリード躾けてやらなければ」クチュリッ
サクラ「ら、らめです。そんな、お尻に挿入れてるのに、今は――ふああああんっ!!!!」
マークス「はぁはぁ、おしっこに塗れたサクラのヴァギナ、ヌルヌルしていてそれでいて暖かい。すぐに出てしまいそうだ!」パンパンパンッ
サクラ「そ、そんなこと言わなでください、マークスさ、あっ、あんっ。んっ、ああ、おま〇こもお尻も奥まで、あっ、そんなに激しくしちゃ、だめ、だめえええぇ」
マークス「こんなにも欲張りなアナルを見て、興奮するなというのが無理な話というものだ! ああ、サクラ!!!」ビュルルルルルッ
サクラ「んんんっ! 熱い、熱いマークスさんのザーメン、私の中に出て、ふああっ、だめ、また出ちゃうぅぅ」チョロロロロッ
ビチャチャチャチャッ
サクラ(ああ、私お尻で感じちゃう変態さんなんだ。だって、こんなにお尻をもっと苛めてほしいって思っちゃってる……。冷たい棒じゃなくて、マークスさんのおち〇ぽで苛めてほしい……。私のお尻でいっぱい気持ちよくなって、いっぱいいっぱいザーメンを注いでほしいって……)
サクラ(お尻にほしいよぉ)ドキドキ
538 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/28(月) 21:12:52.99 ID:koGNGl1w0
ヌポンッ
サクラ「はぁはぁ……。んんっ、はぁはぁ……」クテンッ
マークス「こんなにアナルをクパクパとさせて、まだもの足りない様だな?」
サクラ「ま、まーくすさん……」
マークス「サクラ、これからどうしてほしい?」
サクラ「……ください」
マークス「聞こえないな?」
サクラ「お、お尻に、お尻にマークスさんのおち〇ぽ入れてください。いっぱい、もっといっぱいお尻で感じたいんです!」
マークス「わかった、それでは望みどおりにしてやろう。……ふんっ!」ズボッ
サクラ「ひゃあああっ、ああっ、いいですぅ、大きいの入ってます。熱くて逞しいマークスさんのおち〇ぽが入って、いっぱい中をゴリゴリされて気持ちイイですぅ」アヘェ
マークス「そうか、ではもっともっといやらしくしてやろう」ヌププッ ヌブッ!
サクラ「ああ、マークスさかぁん。いっぱい、いっぱい押し広げられて気持ちイイよぉ」グチュグチュ
サクラ(マークスさんに文化交流するのは失敗しちゃったけど……これでいいよね?)
サクラ「ああっ、マークスさん、来て、来てください。私のお尻にいっぱい受精させてください」
マークス「サクラ、ううっ!!!!」ビュルルルルルッ ビュルルッ
サクラ「んひいいいっ、お尻、いっぱい出されて、はぁはぁ、んああああっ!!!!!」ビクンビクンッ
サクラ(だってこんなに幸せなんだもん……)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ベルカ「」
ベルカ「……」
ベルカ「………」
「うん、西に行こう……」フラフラ
539 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/05/28(月) 21:15:29.19 ID:koGNGl1w0
今日はここまで
ベルカは西に舵を取った!
540 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/04(月) 19:55:11.46 ID:PSq6feDZ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―南国の異界・北の小屋―
カミラ「そう、愛について……。とっても素敵なことを調べているみたいね」
ピエリ「素敵な事なの?」
カミラ「そうよ、誰かを愛さることはとても素敵なこと。ピエリもいつか誰かの事を愛せるようになるとわかるようになるわ」
ピエリ「んー?」
リリス『カミラ様、ピエリさんにはまだ早いことだと私は思うんです』
カミラ「ふふっ、リリスはピエリのお母さんみたいなことを言うのね」
ピエリ「リリスはピエリのお母さんじゃないのよ。カミラ様、おかしなこと言っちゃダメなの!」
リリス『そうですよ。ピエリさんにもちゃんとお母様がいるんですから』
ピエリ「そうなの。ピエリと同じくらいお胸が大きかったから、リリスは絶対にお母さんじゃないの!」
リリス『違う。その決め方は違う』
カミラ「胸の大きさね、例えば私はどうかしら?」
ピエリ「カミラ様は……お母さんなの!」
カミラ「ふふっ」
リョウマ「なるほど、貧乳は母に非ずということだな」
リリス『リョウマ様、頭をガブッてしてもいいですか?』
541 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/04(月) 20:13:24.94 ID:PSq6feDZ0
リョウマ「しかし、どうして愛について調べているのか、よくわからないところだ。もしかして、リリスは結婚を望んでいるということか?」
リリス『いいえ、全然。結婚の予定もありませんし、誰かを好きになる予定もありません』
リョウマ「心の声が筒抜けである以上、本当に浮いた話は無いという事か。では、何ゆえそのようなことを――」
カミラ「リョウマ王子、そういうことを探るのは良くないわ。女の子は、誰でも愛について深く考えちゃうときがあるの」
リョウマ「……ということはヒノカも愛について考えたりするということか?」
ヒノカ「な、なんで私に話を振るんだ!?/////」
リョウマ「四六時中、槍の振り方や天馬の兵法ばかりを考えているのではないかと少し心配でな。で、実際どうなんだ?」
ヒノカ「い、言えるわけないだろう! さっきリリスに言うだけでも恥ずかしかったんだ。もう一度なんて口が裂けても言えないし、言うつもりもないぞ!」
カミラ「そう……。ところで、リリス、ちょっと――」
リリス『なんですか、カミラ様?』
カミラ「ねぇ、ヒノカ王女は愛についてどんな回答をしたのか、教えてちょうだい」
リリス『えっと、手を繋いで互いに見つめ合いながら――カクカクシカジカ』
ヒノカ「」
カミラ「ふふっ、情景が思い浮かぶくらいに良いものね」
リョウマ「なるほどな、日々の中で育むものということか」
ドタリッ
ヒノカ「コロシテ……コロシテヨォ……」
542 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/04(月) 21:01:55.84 ID:PSq6feDZ0
リリス『出来れば、お付き合いをしているマークス様とサクラ様にご意見を伺いたかったんですけど……』
リョウマ「なるほど、そういう事だったか。なら今からでも遅くない、南に赴いて二人に意見を聞いてみるのはどうだ?」
リリス『いえ、今お二人に遭遇すると精神崩壊を迎えてしまう人がいるので、後日改めてお伺いしようと思います』
リョウマ「そうか? それでその愛についての意見というのは、集まったのか?」
リリス『そうですね。十分だとは思いますが、もう少しあるといいなって思います』
ピエリ「あ、そうなの! だったらカミラ様とリョウマ様に答えてもらうのがいいの!」
リョウマ「お、俺もか?」
カミラ「あら、面白そうね。リョウマ王子はどんな愛を考えているの、興味があるわ」
リョウマ「うーむ、愛、愛か……うーむ」
リリス『難しく考えなくても結構ですよ。リョウマ様が愛だなと感じることを言ってもらえれば……』
リョウマ「…愛……愛……」
ピエリ「はやく、早くするのぉ」
リョウマ「……ピエリ、俺を兄だと仮定して、もう一度言ってみてくれないか」
ピエリ「おにいちゃん、早くしてほしいのぉ」
リョウマ「……ふぅ」
リリス『ふぅ、じゃないです』
543 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/04(月) 21:12:26.20 ID:PSq6feDZ0
リョウマ「……共にいられることもそうだが、やはり互いに愛していると思えることが愛だと俺は思う」
リリス『互いにですか?』
リョウマ「ああ、ヒノカの言った愛に近いかもしれないが、俺は一方だけの愛だけでは本当の愛だとは言えない。そう考えている。片方がどれほど心中でそのものを思っていたとしても、相手が意識していないのあれば、それは育まれることもないものだ」
ピエリ「んー、よくわからないの」
リョウマ「例えばピエリが誰かを愛していたとする」
ピエリ「……うん」
リョウマ「しかし、その誰かはピエリの事を愛していないとなれば、その思いが結びつくこともないということだ」
ピエリ「ピエリ、その人に嫌われちゃったの?」
リョウマ「嫌っているわけではないさ。ただ、互いに愛を共有していく間柄になることは出来ないというだけの事さ。ピエリにはまだわからない話ではあると思うがな。長くなってしまって済まない、これが俺の考えている愛というものだ」
リリス『なるほど、共有してこそ愛というわけですね』
リョウマ「ああ。もっとも俺は共有することは叶わなかったがな……」
リリス『その返しは雰囲気が重くなるのでやめてください』
544 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/04(月) 21:23:19.06 ID:PSq6feDZ0
今日はここまで
545 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/11(月) 20:17:59.03 ID:igfP/BJR0
ピエリ「ねぇ、愛って共有できるものなの?」
カミラ「ふふっ、共有できるものかもしれないわね。少なくともリョウマ王子はそう思っているという事よ」
ピエリ「そうなの? ねぇねぇ、リョウマ様」
リョウマ「なんだ、ピエリ?」
ピエリ「リョウマ様の共有する愛って何なの?」
リリス『ピエリさん、それはですね。互いを心の底から愛しているという相互理解の――』
リョウマ「やはり、鞘と刀のような関係だろうな」
ヒノカ「なるほど、守られる者と守る者のような関係ということか。流石はリョウマ兄様だ」
カミラ「そうね、守り守られる関係は愛が無いと成立しないものだから」
レオン「え、これって文面通りの意味に取るところ?」
リリス『レオン様、今は文面通りに取っておきましょう』
546 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/11(月) 20:28:09.00 ID:igfP/BJR0
リリス『それで、カミラ様は愛についてどうお考えなんですか?』
カミラ「あら、私にも聞くのね?」
リリス『はい。そもそも、ここまであまりいい回答が無いので……』
カミラ「そう、ヒノカ王女の回答なんて理想的な物だと思うわ。私はとても気に入っているもの」
ヒノカ「カ、カミラ王女。止めてくれ、恥ずかしくて死にたくなる……」
ピエリ「ヒノカ様の顔、髪と同じくらい真っ赤かになってる。えへへ、とってもおかしいの」
ヒノカ「ううっ……」
リリス『確かにヒノカ様の愛についての考えはとても素晴らしいものです。でも、その後が色々と言葉と行動がかみ合っていないと言いますか……』
カミラ「そう、中々リリスのお眼鏡には適わない答えばっかりっていう事ね?」
リリス『そ、そんなことは……』
カミラ「ふふっ、少なくともあなたの主観で選別しているんだから、あなたの価値観に会っていないのは事実でしょ?」
リリス『……そう、ですね。ごめんなさい』
カミラ「ふふっ、愛の形は人それぞれ。尖っているのもあれば丸まってるのだってあるの。今リリスは人が思う愛を探っているのだから、噛みあっていないなんて言い方はしちゃダメ。きちんとお願いしてくれるなら、話してあげるわ」
リリス『はぁ、カミラ様には敵いませんね。では、改めてカミラ様から愛について意見を聞きたいんですけど、よろしいですか?』
カミラ「ふふっ、良く出来ました」ナデナデ
547 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/11(月) 20:42:59.01 ID:igfP/BJR0
カミラ「それで愛についてね。ふふっ、まだ結婚もしてない私の意見だから鵜呑みにはしないでね?」
リリス『はい、それはもちろん。それで、カミラ様はどういったことを愛だと思ったり、感じたりしますか?』
カミラ「そうね……。ふふっ、その誰かが幸せになるように尽くしてあげること、それが愛だと私は考えてる」
リリス『尽くしてあげること、ですか?』
カミラ「ええ、臣下が主のために尽くすことと、主が臣下のために最善を尽くすみたいに。幸せという大きな目標に向かって、尽くしてあげることが愛なのかもしれないわ」
ピエリ「カミラ様の愛ってピエリしてるの。ピエリ、戦争中はマークス様にいっぱい尽くしてきたの!」
レオン「ピエリ、それはマークス兄さんとサクラ王女の前では言わないようにしてね。要らない誤解ってふとした言葉から生まれるからさ」
リリス『尽くしてあげることですか』
カミラ「ええ、その子が幸せになれるのなら、おねえちゃんはなんだってしてあげるの。言い方を変えるとね、私がその子を幸せにするために尽くすと言えばいいわね」
リリス『まさに良妻って感じですね。というか、カミラ様は見た目も相まって色々と良妻賢母と言いますか……』
リョウマ「ああ、カミラ王女の夫となれる者はとてつもないほどの幸せ者なのだろう」
カミラ「大袈裟よ。でも、その人の事は世界で一番の幸せにしてあげたいわ」ニコッ
リリス『ううっ、まぶしい……』
548 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/11(月) 21:01:38.98 ID:igfP/BJR0
リリス『ふぅ、やっぱりカミラ様ですね。慈愛に溢れているというのは絵に描いた餅ではないというのがわかりました』
カミラ「ふふっ、私の答えはあなたのお眼鏡に適ったみたいでよかったわ」
リリス『うう、そう言わないでください。先ほどの言葉、結構ダメージあったんですよ?』
カミラ「ふふっ、ごめんなさいね」
リリス『もう……。しかし、これだけデータが集まれば大丈夫でしょう。色々とご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした』
カミラ「気にしないで。色々とみんなの愛についての価値観が知れて有意義な時間だったわ。リョウマ王子もそう思うでしょ?」
リョウマ「ああ。特にヒノカも愛について興味を持ってくれていたこと、俺はうれしく思う」
ヒノカ「だから、その話をぶり返さないでくれ……」
レオン「はぁ、愛なんかよりも色々なことが重なって頭が痛いよ。特にエリーゼとタクミ王子の事とか……」
ヒノカ「止めてくれ、レオン王子。その名前は、私の心を抉る刃のように鋭い……」
レオン「あ、ごめん」
ピエリ「そういえば、マークス様とサクラ様から聞かなくてもいいの? 南の浜辺に行けばいるんでしょ?」
リリス『……気が向いたらお聞きします。ええ、気が向くことなんて今日は無いでしょうけど』
ピエリ「そうなの?」
リリス『そうなの!』
549 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/11(月) 21:16:32.04 ID:igfP/BJR0
カミラ「ふふっ、一息ついたみたいね。それじゃ、ここで少しだけゆっくりしていって、もう夜が近づいているみたいだから」
レオン「あ、本当だ。陽が落ち始めてる。暗夜ではあまり見ることが出来ない光景だね」
リョウマ「ああ、少しばかりの気分転換にと思ってきたが。思った以上の効果を得られる旅になりそうだ」
カミラ「ええ。とってもいいものになるといいわね」
リリス『まぁ、色々と問題があるメンバー構成ではありますけどね』
カミラ「ふふっ、それも旅の醍醐味でしょう? それに雨が降った後の地面が固くなるみたいに、この旅で固まるものもあるはずよ」
リリス『もう、カミラ様は天使か何かなんですか? 私はそう楽観的に構える余裕もありません』
カミラ「ふふっ、リリスは苦労人ね。いいえ、苦労竜かしら?」
リリス『こんな形での苦労はしたくありません。出来れば皆さんの戦いのサポートだけに専念していたかったくらいですから』
カミラ「あらあら、戦いが終わった後は隠居するみたいな言い方ね」
リリス『まぁ、そのつもりでしたから……』
カミラ「ふふっ、予定が狂っちゃったみたいね。でも、ならその予定になるまではゆっくりとしていきなさい、それが今できることならね?」
リリス『カミラさ、それもそうですね。出来れば明日はゆっくりと――あわわわ』ガシッ
カミラ「あら?」
リリス『ちょ、誰ですか。いきなり持ち上げないでください、ってピエリさん!?』
ピエリ「リリス、ペタンってしてる場合じゃないの! 外に出て綺麗な夕陽を一緒に見るの!」タタタッ
リリス『ピエリさんダメ、そんな風に持ち上げたら、あれが、あれが――』
『隠せないからやめて――――!!!!』
550 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/11(月) 21:17:13.45 ID:igfP/BJR0
今日はここまで
リリスのあれ
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/19(火) 08:50:07.81 ID:XQiiku5r0
乙なのよ
552 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 20:37:58.87 ID:ri7cwBYP0
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国・宿泊施設『ロビー』―
ニュクス「ふぅ、どうにか魔符の確認は終わったわ。少し堪能するのに時間が掛かったけど、これは大人の時間の楽しみ方。背に腹は代えられないと白夜では言うように、時間と幸福は等価交換というのを改めて実感したわ」
アクア「時間と幸福が等価交換ね、私はそうは思わないけど?」
ニュクス「あら、アクア、あなたもここにずっといたの? てっきり、外に出ていると思っていたのだけど」
アクア「ちょっと気分ではなかったから……。それに外に出ても面白いことがあるかどうかはわからないでしょ?」
ニュクス「それもそうね。外に出て行った他のみんなもそろそろ戻ってくるはずだけど、お土産話に期待しておきましょう」
アクア「そうね……。リリスはうまくやってくれているかしら?」ボソッ
ニュクス「? あら、噂をすれば……」
ピエリ「えへへー、ただいまなの! あ、アクア様とニュクスなの!」
ニュクス「こんなに暗くになるまで歩いているなんて、ピエリは悪い子ね」
ピエリ「ぶー、ピエリもう立派な大人なの! 心配される子供じゃないのよ」
ニュクス「ふふっ、ごめんなさいね」
リリス『はぁ、なんだかんだ北側からここに来るまで結構な距離がありますね。浮遊しているとはいえ、なんだかんだ疲れました』
ヒノカ「ああ、疲れたな」ゲッソリ
ニュクス「?」
553 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 20:49:19.81 ID:ri7cwBYP0
アクア「あら、他のみんなは?」
リリス『はい、リョウマ様とカミラ様はベルカさんを探してから戻って来るそうです。他の方々はわかりませんが、少しすれば戻ってくると思いますよ』
アクア「そう、ところでリリス、夕食の事なんだけど」
リリス『はい、カムイ様に夕食の準備が出来たらお伝えしておきますね』
アクア「そう、ありがとう」
アクア(どうやら、きちんと情報は集めてくれたみたいね……。もしも、あまり多く手に入らなかったら、夕食の事を私からカムイに伝える様に返すことになっていたから)
アクア「それじゃ、夕食の時間に会いましょう。失礼するわね」
リリス『はい、またその時間に』
ピエリ「リリス、戻って来たばっかりなのにカムイ様を呼びに行ったり大変なの。アクア様は呼びに行かないの?」
リリス『いいんですよ。それに私はカムイ様にお仕えしていたんですから、主のために出来ることはしたいですし、そのアクアさんにすべてお任せするのは、なんだか少し悔しいじゃないですか』
ニュクス「リリス……」
リリス『……』
ニュクス「アクアと仲良くしておきながら、実は主の隣を虎視眈々と狙っている。あなた、中々やるじゃない」
リリス『どうしてストレートに受け止めてくれないかなぁ……』
554 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 21:00:39.03 ID:ri7cwBYP0
タッ タッ タッ
リリス「ん?」
リョウマ「む、リリス達の方が先に着いていたか。もしかしたら、俺たちの方が早く着けるかもしれないと思ったが、やはりそうもいかないな」
カミラ「さすがにベルカと合流してからだと、真っ直ぐに帰ったリリス達には敵わないわね」
ベルカ「……」
リリス『あ、リョウマ様にカミラ様、お帰りさないませ』
ピエリ「えへへー、ピエリたちのほうが先にゴールしてたのよ」
リョウマ「ああ、どうやら俺たちの負けのようだな。しかし、ベルカはどうして浜辺に腰を下ろし、じっとしていたんだ?」
ベルカ「別に……。特に何もすることが無かっただけ……。あと、気分転換をしたかった……」
カミラ「ふふっ、ベルカらしいわね。さぁ、ベルカ、一度シャワーを浴びに行きましょう。海水はきちんと洗い流さないと肌も髪も痛めちゃうから」
リョウマ「そうなのか?」
カミラ「ええ、そうなのよ。それじゃリョウマ王子、また夕食の席で会いましょう」
リョウマ「ああ、ベルカも」
ベルカ「ええ、リョウマ様……」
タッタッタッ
リリス『カミラ様とベルカさん、主と臣下というよりも仲の良い友人のような関係になりましたね』
リョウマ「……ああ、見ていてとても穏やかな関係だ。まるで寡黙な妹に寄り添う姉のように思えてくる」
リリス『大体そうなんですけど、リョウマ様が言うとなぜか釈然としませんね』
555 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 21:06:45.85 ID:ri7cwBYP0
ヒノカ「私は部屋に帰って休むことにする……」
リリス『はい、そのゆっくり休んでくださいね』
ヒノカ「……ああ、なんとか夕食の時間には顔を出せるようにするよ……。ああ、まだ耳の奥に……あの獣みたいな叫びが……」フラフラッ
リリス『……ヒノカ様、とても不憫です』
レオン「所々、君が原因な部分もあると思うけど?」
リリス『いや、そうは言われても、さすがに予測可能でありながら回避不可能な行動をされてしまっては止めようもないと言いますか』
ニュクス「一体何の話をしているの? 少し興味があるわ」
リリス『えっと、実はですね――』
レオン「そうだニュクス、少し魔法について色々な意見が聞きたいんだけど、時間はあるかな?」
ニュクス「と思ったけど、リリスの話はそれほど面白くなさそうだから、また今度にしましょう」
リリス『あ、はい』
ニュクス「それで、レオン王子ともあろう人が、魔法にまだついて知りたいことがあるの?」
レオン「それなりにはね。それにニュクスの呪いの件、忘れてるわけじゃない。そのことも少し気に掛けているつもりだよ」
ニュクス「そ、そう///// それじゃ、上にテラスがあるから、そこで話しましょうか。夕食までの短い間だけど……」
レオン「ああ」タタタタッ
リリス『……レオン様もなんだかんだ鈍感な人ですよね』
ピエリ「レオン様、鈍感なの?」
リリス『ええ、だからある意味、これはこれで良いことなのかもしれませんね』
ピエリ「リリスがそう言うなら、きっといい事なのよ」
リリス『だといいんですけどねぇ……』
556 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 21:11:13.08 ID:ri7cwBYP0
リョウマ「では、俺も部屋に戻って一息つくことにする。何か用があったら気にせずに声を掛けてくれ」
リリス『はい、わかりました』
タッタッタッ
リリス『さて、私たちだけになっちゃいましたね。マークス様にサクラ様、タクミ様とエリーゼ様の姿は見えませんけど、さすがに夜になったら帰ってきますよね』
ピエリ「ふわぁ〜、ピエリもちょっとおねむなの……」
リリス『今日は色々とありがとうございました。ピエリさんには色々と助けられてばかりですね』
ピエリ「んー、気にしてないの……。ピエリもお部屋に戻ってお昼寝するの……。リリス、夕ご飯になったら起こしに来てほしいのよ」
リリス『はい、わかりました。って、ピエリさん。今にも寝落ちしそうじゃないですか、私の背中に寄り掛かってもいいですから、ちゃんと部屋に行きましょう』
ピエリ「んー、えへへ、リリスの背中ひんやりしてて気持ちぃの」
リリス『やっ、ちょっと背鰭に頬ずりしないでください。バランスが崩れたら倒れちゃいますよ』
ピエリ「うー、リリス意地悪なの。はふぅ……」
リリス『ひゃっ、背鰭に吐息を当てないで』
ピエリ「あ、リリス面白いの。ふーっ、ふーっ」
リリス『あ、ちょ、いやんっ』
557 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 21:13:10.24 ID:ri7cwBYP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―異界の南国・宿泊施設『ピエリとリリスの部屋』―
ピエリ「すぅ……すぅ……」
リリス『はぁ、ベッドに倒れたと思ったらすぐに眠っちゃいました。眠っている時の顔もそうですけど、やっぱり子供みたいですよね、ピエリさんって』ナデナデ
ピエリ「んー、えへへ……」
リリス『ふふっ、ゆっくり休んでくださいね、ピエリさん』フワフワ……
ガチャ バタンッ
リリス『さて、おそらく夕食の支度が出来るまではあと一時間位でしょうか」
リリス「ここは夕食のお知らせを受けてからピエリさんを起こしてカムイ様を呼びに行くことにしましょう。アクアさんへの報告は夕食後にするとして………』
フワフワ
「少しの間、どうしましょうか」
558 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/20(水) 21:15:52.55 ID:ri7cwBYP0
今日はここまで
ピエリの寝顔は絶対に可愛いと思う。
次にリリスがすることを決めたいと思います、参加していただけると幸いです。
◆◇◆◇◆◇
この後のリリスの予定
・「レオンとニュクスの様子を見に行く」
・「まだ帰ってきていない文明開化組の到来を待つ」
・「ヒノカの様子を見に行く」
>>559
すみませんが、よろしくお願いいたします。
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/21(木) 21:17:32.57 ID:Tjhs4gO2O
取ってしまえ
ヒノカの様子で
560 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 20:48:57.61 ID:WvYfOck10
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国・宿泊施設『ヒノカの部屋』―
ヒノカ「はぁー、タクミにあのような趣味があったなんて…。それにサクラもマークス王子に、その……文化交流を試したいなどと思っていたとは……」
ヒノカ「……はぁー」
ヒノカ(これほど心の底からため息が漏れるとは思っていなかった。しかも、政などではなく、家族の事でなんて……)
ヒノカ「はぁ〜。ううっ、どうしてこうなってしまったんだ。カムイが手繰り寄せてくれた暗夜と白夜の絆、その絆を確かなものにしながらハイドラに立ち向かった日々に戻れたらと思ってしまうなんて」
ヒノカ(それにしても、その、排泄をする穴を弄って何がいいのかわからない。その、男女が付き合い子を成すための行為が、副次的に気持ちが良い事だというのは聞き及んでいるが、不浄の穴に何かをしてとても気持ちがいいのか?)
ヒノカ「とてもそうは思えないのだが……。それとも男には女性のような物が無いから、その代用として?」
ヒノカ(いや待て、私は何を考えている。こんなことを考えている暇があるなら。一度、すべてを忘れて眠るべきだろう……)
ヒノカ「そうだ、一度寝れば色々と整理が付くかもしれない。武術の鍛錬も行き詰ったら、少し間を置くことで上達したことだし」
ヒノカ(今考えたことも、きっと疲れているからに決まっている。そうだ、一度眠ってしまえれば――)
コンコン
ヒノカ「む?」
リリス『ヒノカ様、まだ起きていますか?』
ヒノカ(リリス?)
561 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 21:29:23.61 ID:WvYfOck10
ヒノカ(どうしてリリスが私の部屋に? もしかして、心配してきてくれたのか?)
リリス『……』
ヒノカ(……その、とてもうれしいが今は出来れば休んでいたいんだ)
リリス『もうお休みになられてしまったんでしょうか?』
ヒノカ(ああ、今から休むつもりだ。疲れて色々と壊れそうな精神に一時の休息を与えたいんだ。だから、すまないが――)
リリス『さすがに色々あったのですから仕方ないです。でも、ヒノカ様は強いお方ですから、きっと大丈夫ですよね……』
ヒノカ(ふっ、聞き耳を立てているようで少しばかりの罪悪感は生まれるが、こうして心配されていることが分かるのは、なんだかとても心地がいいな。あ、安心したらなんだかウトウトと――)
リリス『タクミ様のア〇ルプレイとか、サクラ様のマークス様文化交流疑惑とかいろいろありましたけど――』
ヒノカ「うわああああああああああっ!!!!!! それは言わないでくれええええ!!」ジタバタ!
562 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 21:39:16.31 ID:WvYfOck10
リリス『すみません、てっきりおやすみになられたと勘違いしてしまって、その色々と思ってしまいました』
ヒノカ「いやいいんだ、お前が来た時にきちんと出なかった私にも責任がある」
リリス『ヒノカ様』
ヒノカ「うん、でもだ、もう少し思うべきことがあると私は思う。来るまでに見た海の景色とか、皆で泳いだ海水浴場の事。色々他にもあっただろう?」
リリス『すみません。ヒノカ様の事を考えますと、やはりタクミ様の光景が過ってしまいまして。あの光景はちょっとやそっとでは忘れ去ることもできませんから、運が悪かったと諦めるしかありません』
ヒノカ「……ううっ、私の頭の中、穢されてしまったよぉ……」
リリス『まぁ、あれを見て興味を持ってしまったのならある種の変態になってしまいますからね。色々とリカバリー出来ることはしようと思ってきたのですが……。真逆の事を行ってしまったみたいですね』
ヒノカ「もういい、いいんだ。はぁ、タクミもタクミだ。幾ら、その……。あれだからといって……。あんなふうに従順になってしまっては、男としての威厳は無い様なものじゃないか」
リリス『最初の頃は威厳というより我侭っていう感じでしたけどね。それをエリーゼ様が紐解いてくれたんでしょう。その、お二人の性的趣向に関しては、まぁ、あれですね。それはそれ、これはこれとしまして……』
ヒノカ「リ、リリスは、ああいったことに抵抗は無いのか?」
リリス『ああいったこと?』
ヒノカ「ほ、ほら。その……」
リリス『あー、ア〇ルをグリグリ弄ることですか?』
ヒノカ「……」
563 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 21:46:05.16 ID:WvYfOck10
リリス『そうですね。世の中にはそう言ったものが大好きな方々もいますし、同意の上での行為で安全第一に行っているのなら問題ないかと』
ヒノカ「私は正直わからない。あのような行為が、その、いい事のようには思えない……」
リリス『まぁ、体験したことのないヒノカ様にはわからないものだと思いますし、知らなくてもいい事だと思います』
ヒノカ「体験すれば、私にもわかるようになるのだろうか?」
リリス『え?』
ヒノカ「……はっ!? いや、違う、違うぞ。そう言う意味ではない。ちがうからな!////」
ヒノカ「あ、あのような行為を見せられて気が動転して、変な事を口にしてしまっただけなんだ! 私がそんな事を望んでいないことくらい、おまえにだってわ、わわかるだろぉ!?」
リリス『とりあえず落ち着いてください、ヒノカ様』
ヒノカ「わ、私は落ち着いている。今ならあの時のタクミの姿も直視できるはずだ!」ガクガク
リリス『直視した結果が今のヒノカ様なんですけどね……』
564 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 21:50:35.89 ID:WvYfOck10
ヒノカ「すまん、見苦しいところを見せてしまった……。せっかく、私の様子を見に来てくれたというのに……」
リリス『いいえ。私が来たことでヒノカ様に色々と迷惑を掛けてしまいました。本当にすみません』
ヒノカ「謝るのは私の方だ。元はと言えば、リリスの忠告を聞かずに吶喊した私に原因もある」
リリス『いえ、それが原因なんでけど』
ヒノカ「と、ともかく。先の発言は気の迷いであって、その私の本心では……」
リリス『ああ、はい。そう言うことにしておきます。でも、血は争えない可能性も』
ヒノカ「タクミは男だろう。だが、私は女だ」
リリス『それだと、すべての男性が対象になってしまうんですけど。リョウマ様やサイゾウさんも、その仲間になってしまいますよ?』
ヒノカ「サイゾウはそう言う人間じゃないはずだ。それにリョウマ兄様も……きっと大丈夫なはず」
リリス『サイゾウさんとリョウマ兄様で、かなり信頼差がありますね。ここまでの経緯を考えると当然ですけど…』
565 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 21:57:16.00 ID:WvYfOck10
リリス『ともかくです。まずは落ち着きましょう。そうですね、お風呂にでも入って心と体を休めて見るのはどうでしょうか?』
ヒノカ「そうだな。もう眠気は吹き飛んでしまった。ここはお前の言う通り、一風呂浴びてくることにしよう。確かに湯船に浸かることで、いろいろと落ち着けるものがあるかもしれないからな」
リリス『はい、それがいいと思います』
ヒノカ「しかし、今から一人でというのも寂しいな、そうだリリスも一緒にどうだ?」
リリス『そのお誘いはうれしいのですが、私はピエリさんとカムイ様にお声がけをしなくてはいけませんので』
ヒノカ「そうか……」
リリス『それにお風呂の最中、私が何かをぽろっと零してしまうかもしれませんし。だれか他に入っていて聞かれたら致命傷になる可能性もあります』
ヒノカ「それは、勘弁してほしい……」
リリス『ですから、ヒノカ様だけでゆったりしてきてください。私の事は大丈夫ですから』
ヒノカ「そうか、わかった。夕食の時間にまた会おう、リリス」
リリス『はい、ヒノカ様』
タタタタタタッ
リリス『……正直、ああいう風に言ってましたけど――』
『興味を持つ時点で、ちょっとあれじゃないかなぁ…』フワフワ
566 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/06/29(金) 21:58:38.26 ID:WvYfOck10
今日はここまで
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/30(土) 09:39:44.53 ID:JwVXAQZYo
ヒノカ…?
568 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/09(月) 22:00:32.44 ID:IPAgZ3Gf0
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国『宿泊施設・ピエリとリリスの部屋』―
ガチャッ ガチャチャッ!‼‼
バタンッ
リリス『はぁっ、ようやく開きました。鍵を入れて回すのは慣れましたけど、扉を開くのは中々に難しいです』
フワフワ〜
リリス『はぁ〜、早く人間になりたい。戻ってこの思考ガバガバ状態をどうにかしたいです』
ピエリ「あ、リリス」
リリス『あれ、ピエリさん。起きていたんですか? 私が起こすまで眠っていてもらってもよかったんですよ?』
ピエリ「なんだけ目が覚めちゃったの。うー、ピエリ一人でつまらなかったの」
リリス『そんなことを言われても、ピエリさん戻って来るなりすぐに眠ってしまわれましたし……』
ピエリ「うー、ピエリが一人で退屈な時間を過ごしてる間、リリスは何か楽しいことしてたに決まってるの!」
リリス『決めつけられるほど、私は面白い人間じゃありませんよ』
ピエリ「人間じゃないと思うの」
リリス『その返し、結構傷つきます……』
569 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/09(月) 22:19:13.72 ID:IPAgZ3Gf0
リリス『ともかく、特に楽しかったり面白かったりなんてことはありませんよ』
ピエリ「ぶー、リリスはピエリに嘘を吐いてるに決まってるの。だって、ピエリが起きた時にリリスはいなかったの」
リリス『ピエリさんが寝ている間しか、私に自由時間は無いってことですか?』
ピエリ「違うの。ピエリが起きた時にリリスがピエリの近くにいればいいのよ」
リリス『なんでそんなに束縛されなくちゃいけないんですか……』
ピエリ「だって、リリスはピエリの友達なの。友達と一緒にいたいと思うのは当然なのよ」
リリス『何でもかんでも友達という言葉で何とかなるわけではないです。私たち友達だから、私のために死んでくれるよねって言われて、素直に死ぬ人なんていないでしょう?』
ピエリ「それは友達じゃなくて敵なのよ。リリス、おかしなこと言ってるの」
リリス『……例えに真面目な回答されると、こちらの立場がありません。ピエリさん、もう少し流れに沿って言葉を返してくださいよ』
ピエリ「ピエリよくわからないの。ピエリがおしゃべりするのは、リリスとおしゃべりするのが楽しいからなのよ。リリスはピエリのことを変な風に見ないの。だからいっぱいおしゃべりしたくなっちゃうの」
リリス『うれしいですけど、出来れば会話のキャッチボールに協力してくれませんか。その、突拍子もないこと言われたら受け取れるものも受け取れません』
ピエリ「おかしな話を始めたのはリリスなの。ピエリは一緒にいたいって言っただけなのに、リリスは違う話を始めちゃったのよ」
リリス『……あー、そうですね。すみません』
ピエリ「わかればいいの!」
570 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/09(月) 22:28:24.95 ID:IPAgZ3Gf0
ピエリ「そう、リリスはヒノカ様とお話ししてたのね。ぶーっ、羨ましいの」
リリス『羨ましいですか。ピエリさんにはあまり聞いてもらいたくない話ばかりだったので、私としてはピエリさんがいなくてよかったと思いましたよ。例えばお尻の事とか、お尻の事とか、そう、お尻の事とか』
ピエリ「お尻? リリス、お尻に何かできてるの?」
リリス『いえ、そう言うわじゃありませんから。とりあえず、お尻の事は忘れてください。あれ、ピエリさん?どうして私の後ろに――』
ピエリ「ん」サスサスッ
リリス『……』
ピエリ「……」ナデナデッ
リリス『ピエリさん、何してるんですか?』
ピエリ「リリスのお尻を触ってるの」サワサワッ
リリス『そうですか……。ところで、今の問い掛けの意味わかりますよね?』
ピエリ「ん? もっといっぱい触ってほしいってこと?」
リリス『ふふっ、違いますよ。なんで触ったのかを聞いてるんですよ?』
ピエリ「んー、お尻の話で近くにお尻があったからなの」
リリス『自分の触ればいいですよね?』
ピエリ「リリスのはなんだか大きくて触り心地がとってもいいの。弾力もあって触り心地がいいの」
リリス『遠回しに下半身太ってるって言ってますよね? ねぇ? ねぇ!?』
571 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/09(月) 22:36:24.77 ID:IPAgZ3Gf0
ピエリ「それにお尻は大きい方がいいって聞いたことあるの」
リリス『あー、安産型という奴ですね。でも、それは将来子供を産む方に関係する話です。私には一切関係ありませんよ』
ピエリ「?」
リリス『まぁ、ピエリさんにはわからない話です。あの、そろそろ私のお尻を無暗に撫でたり掴んだりするの止めてくれませんか』
ピエリ「んー、ピエリはもう少し触っていたいのよ」
リリス『あのですね、こういうところを誰かに見られたりとかすると、それはそれで面倒になってしまうんです。今、ここにいる人の中で真面目な解釈ができるような人、結構少ないんですから』
ピエリ「? ピエリは触ってたいから触ってるだけなのよ?」モミモミ
リリス『素直に受け取られてもやばいし、素直に受け取らなくてもヤバいので、即刻辞めてください』
ピエリ「うー、わかったの。だけど、リリスのとっても柔らかかったのよ」
リリス『褒められても全然うれしくありませんから。まったくもう……なんだがお尻が変な感じです』
バタンッ!
サクラ「お、お尻が変って、どんなことをしているんですか!?」
ピエリ「わっ、サクラ様。いきなり入って来たからびっくりしちゃったの」
サクラ「それよりもお尻が変ってどういうことですか? 詳しく聞かせてください、今すぐに!」
リリス『サクラ様のイメージがとてつもなく損なわれてしまうので、入って来るところからやり直してもらってもいいですか? 出来ればお尻の下りは全部無くしてくれると、なおいいです』
572 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/09(月) 22:54:00.70 ID:IPAgZ3Gf0
サクラ「すみません、取り乱してしまって……。今、お尻にはとても敏感になっているので……」
リリス『お尻に敏感になっているというのは理解できませんけど、サクラ様がいらっしゃるということは、他の皆さんもお帰りになられたということですか?』
サクラ「はい、その南の浜辺からここまで、宿近辺まで…お尻で…その////」
リリス『ああ、話さなくていいですよ。うん、というか話さないでくださいね。ピエリさんにとても有害な話だと思いますので』
ピエリ「?」
サクラ「その、少しまだお尻がの感触が安定しなくて、この心境をわかってくれる人はいないかなって思ってたら、お尻が変になるってリリスさんの声が頭の中に入り込んで来たので」
リリス『変になるじゃなくて、変な感じです。勝手に解釈して私を仲間にしないでください』
サクラ「お尻で変な感じ、それは絆が深まった証だと私は思います」
リリス『そんな絆の深まり見たくないです。CからBに上がるとどうなるんです? Aに至ってはどうやって絆を深めればAになるんですか?』
サクラ「それは、やっぱりお尻で――」
リリス『お尻お尻って、少しは白夜王国の王女である自覚を持ってください。ここに入ってきてから、サクラ様お尻って言ってない時ありませんよ?』
ピエリ「ピエリもいっぱいお尻って言ったの!」
リリス『ピエリさんは、なんで張り合ってるんですか?』
サクラ「そうですね。確かに言い過ぎ多と思います。ですから、ここからは臀部と言うようにしますね」
リリス『根本的にお尻から離れて……』
573 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/09(月) 22:55:36.17 ID:IPAgZ3Gf0
今日はここまで
お尻で絆が強くなる……
574 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/16(月) 19:56:36.40 ID:YXuxl1x00
リリス『サクラ様、ピエリさんにそういった趣味はありませんし、私もありませんので。臀部の話はやめてください』
サクラ「そうなんですね。ごめんなさい、勘違いしてしまったみたいです……」
リリス『勘違いにしても色々と問題があると思いますけどね』
ピエリ「サクラ様、お尻で変になるってどういうことなの?」
サクラ「え、ピエリさんも興味があるんですか?」
リリス『サクラ様、ピエリさんは子供なんです。この興味があるっていうのは、初めて見た玩具や遊びに興味を持っているのと同じで、それがいけないことだったらいけないことだと遠ざける事も必要だと思います』
サクラ「でも、興味を持っている方を放っておくわけにはいきません。私は経験者です。少しでも、ピエリさんのお役に立てるなら……」
リリス『その使命感と優しさはうれしくもないので、すべて畳んでマークス様の下にお持ち帰りしてください』
サクラ「い、今マークスさんとは顔を合わせられません/////」
ピエリ「あー、サクラ様。顔真っ赤にしてるの、マークス様といっぱいラブラブしてきたのよ」
サクラ「そんなことは……////」
ピエリ「えへへ、照れてるサクラ様とっても可愛いの」
リリス『ふふっ、床に密着させたお尻をグリグリしていることに目を瞑れば、とっても可愛らしいですね』
575 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/16(月) 20:07:31.01 ID:YXuxl1x00
リリス『さてと、私は少しやらなければいけない仕事がありますので』
サクラ「そうなんですか?」
リリス『はい、カムイ様とアクア様をお呼びに行かないといけないので。もうそろそろ夕食の時間だと思いますし』
サクラ「夕食、そうかもしれません。先ほどここの方々が食堂で作業をしていました」
リリス『ということは、あと少しすれば夕食の席が整うということですね。それでは私は失礼しますので、ピエリさんはちゃんと食堂に向かうんですよ?』
ピエリ「はーい」
リリス『元気な返事ですけど、なんだか心配になってしまいます』
サクラ「ふふっ、リリスさんはピエリさんのお母さんみたいですね」
リリス『目を離すと何をするかわかりませんし、色々とこの島にはピエリさんに悪影響な方々も揃い踏みしていますから』
サクラ「えっと、ピエリさんに悪影響な人たちはいないと思います。マークスさんもカムイ姉様も、目標にしている方々はいっぱいいますよ」
リリス『わー、この世界の生末がとっても心配』
ピエリ「ふふーん、マークス様がみんなに尊敬されてて、ピエリとってもうれしいの」
サクラ「はい、私もとっても嬉しいです。でも、ちょっとだけするときは乱暴だから……」
リリス『それが悪影響なんですよ』
576 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/16(月) 20:18:19.13 ID:YXuxl1x00
ピエリ「ぶー、ピエリはもう大人だって言ってるのに、リリスは子ども扱いしてくるのよ」
リリス『見た目が大人なだけじゃないですか』
ピエリ「見た目が大人なら大人なの! ピエリのお胸は大人だねって、ピエリのおうちに来てたおじさんが良く言ってたのよ」
リリス『へー。ちなみにその人ってこの頃、ピエリさんのお屋敷に来ているんですか?』
ピエリ「ううん、この頃見ないの。お父さんに聞いたらね、そんな人いないって言ってたの」
サクラ「や、止めてください。それって怖い話じゃないですか。私、そういう話は……」
リリス『確かに怖い話ですねー。ピエリさんの危機感の無さもあれですけど……』
ピエリ「ピエリは強いの! だから問題ないのよ。どんな敵にも負けないの!」
リリス『まぁ、ピエリさんってそういうのが似合わない人ですからね……』
サクラ「……そうですね。やっぱりヒノカ姉様のような方だと、すごく絵になると言いますか」
リリス『あの、さすがにそれはヒノカ様に言わないでくださいね。血の繋がった妹に、そんな風に見られていると聞いたら、溝が更に開いてしまいますので』
ピエリ「むー、サクラ様もリリスも何の話してるの? ピエリだけ仲間外れにしちゃだめなの!」
サクラ「……ピエリさん、『くっ、殺せ!』って言ってみてくれませんか」
リリス『サクラ様!?』
ピエリ「くっ、殺せ! これでいいの?」
サクラ「……なにか違いますね」
リリス『同意したくありませんが、確かに何かが違います』
ピエリ「?」
577 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/16(月) 20:34:07.42 ID:YXuxl1x00
サクラ「やっぱり、ピエリさんは思ったよりも純愛肌なのかもしれませんね」
リリス『基本的にすべての行為は純愛であるべきではないかと……って、そんな話ばかりしている場合じゃなかった』
サクラ「では、私がピエリさんを食道にきちんとお連れしておきます。色々とご迷惑を掛けてしまいましたし」
リリス『……うーん、それはそれで心配なんですけど』
サクラ「大丈夫です。こんな場所で迷子になったりしませんから」
リリス『……例えばですけど、お尻の事を尋ねられたらどうします?』
サクラ「それは、やっぱり探求の手助けを――」
リリス『しないで』
サクラ「でも――」
リリス『しないで』
サクラ「わ、わかりました」
リリス『というわけでピエリさん。サクラさんにちゃんと付いて行ってくださいね』
ピエリ「わかったの。サクラ様、一緒に食堂まで行くのよ」
サクラ「は、はい。それではリリスさん、私たちは先に向かっていますね」
リリス『はい、あ、出来れば先に部屋を出てもらえませんか。その、扉を開けるのは中々に難しいので』
サクラ「はい、どうぞ」ガチャッ
リリス『ありがとうございます。サクラ様、それではくれぐれもよろしくお願いしますね?』
サクラ「任せてください、リリスさん」
フワフワ〜
ピエリ「リリス、行っちゃったの……」
サクラ「そうですね。さてピエリさん、私たちも行きましょう」
ピエリ「はーい! サクラ様と二人きりは初めてなの!」
サクラ「ふふっ、そうですね。合流してもあんまりお話しすることもありませんでしたから、これからよろしくお願いしますね?」
ピエリ「うん。あっそうなの、さっきのお尻で変になるって結局どういう意味だったの?」
サクラ「あ、それはですね。お尻の――」
リリス『しないで』
サクラ「!?」
ピエリ「!?」
578 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/16(月) 21:24:18.15 ID:YXuxl1x00
今日はここまでで
579 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 21:52:59.30 ID:9krMZ18o0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―南国の異界・宿泊施設『カムイ部屋前』―
リリス『はぁ、ようやくカムイ様の部屋に着けました。結局、サクラ様とピエリさんを食堂前まで送ってからになってしまいました……。もしかして、もう向かわれていたりして……』
コンコンッ
リリス『カムイ様、リリスです。いらっしゃいますか?』
カムイ「あ、リリスさんですか。少し待ってくださいね」ガサゴソッ
ガチャッ
リリス『こんばんはです、カムイ様』
カムイ「はい、こんばんはリリスさん。どうしたんですか、私に何か用事でも?」
リリス『はい、そろそろ夕食のお時間になると思いましたので、お声がけを」
カムイ「え、もうそんな時間なんですか?」
リリス『はい。といっても食堂を見てきたわけではないので確証はないんですけれど、サクラ様が先ほど戻られた際に、準備をしているようだと言われたので。時刻を考えるとそろそろと思った次第です』
カムイ「そうですか、ありがとうございます。リリスさんには色々とご迷惑をおかけしていますね」
リリス『そんなことはありませんよ。私はカムイ様の臣下、こうしてお役に立てることは至高の喜びでもあります』
カムイ「ふふっ、ありがとうございます。ところでリリスさん」
リリス『はい、何でしょうか。カムイ様』
カムイ「アクアさんから何か頼まれごとをしてませんか。主に、私に知られない様に何かを調べるようにとか?」
リリス『ファッ!?』
580 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:04:52.13 ID:9krMZ18o0
リリス『と、突然何をおっしゃられるんですか?』アセアセ
カムイ「いいえ、今日の昼間、アクアさんとリリスさんが一緒にいるのを見掛けまして、それで何かあったのかと……」
リリス『と、特に何にもありませんよ。ただ、たまたまお会いしただけでして……。深い意味とかはなくてですね』
カムイ「そうですか。てっきり、浮気でもしているのかと思ってしまいまして」
リリス『え、浮気って?』
カムイ「リリスさんとです。面と向かって聞くようなことではないと思うのですが。私の恋人ですし、その……」
リリス『私とアクアさんをどうやって浮気という線で結んだのかが結構気になるんですけど?』
カムイ「そのアクアさん、もしかしたら私との竜プレイで、人じゃ満足できない体になってしまったのかもしれなくて、新しい刺激を求めて色々な竜と――」
リリス『カムイ様、世の中に生きている竜は真面目に子孫を残すために頑張っています。だから、娯楽の一種みたいな言い方はやめてくださいね?』ニッコリ
カムイ「あ、はい」
581 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:20:50.67 ID:9krMZ18o0
リリス『それにしても、どう考えれば私とアクアさんを絡めることが出来るのですか?』
カムイ「……だってここ最近、リリスさんはアクアさんと一緒にいる時間が多いみたいですから。私という者がありながら……」
リリス『ここ最近って、あんまり一緒な時なんてありませんでしたけど。まぁ確かにこの異界に来てからは結構一緒にいた気もしますが……』
カムイ「それです。この島に来てからほとんど一緒じゃないですか! 午後は出来れば二人きりでいたいと思ったのに、アクアさん部屋に閉じこもってしまっていて、そんな中で一緒にいられたリリスさんが羨ましいんです」
リリス『カムイ様の最近って、本当に最近過ぎません? もう少し期間を開けてもいいと思いますよ?』
カムイ「アクアさんの飛沫成分が足りないのがいけないんです。アクアさんの溢れる飛沫成分が……」
リリス『……あの、少し予想は出来ていますけど、飛沫成分って何ですかカムイ様』
カムイ「主に私の手がアクアさんを悦ばせた時に溢れる物です」
リリス『うん、予想通りでどんな顔していいかわかりません』
カムイ「笑えばいいと思いますよ」
リリス『そんな微笑ましい話じゃありません』
582 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:28:18.01 ID:9krMZ18o0
リリス『とにかく安心してください。私とアクアさんはカムイ様が考えているような関係ではありませんから、あくまでも知り合いというだけです』
カムイ「そうですか? そんなことを言いながら陰でアクアさんの事を虎視眈々と狙っているんじゃないですよね?」
リリス『さすがに私にも相手を選ぶ権利というものがあると思うんです。アクアさんをそういう目で見るのはちょっと無理ですね』
カムイ「はぁ、アクアさんの良さが分からないなんて。私リリスさんの見る目を疑ってしまいます」
リリス『ええ、私は残念ですがアクアさんに親愛以上の物を感じることはありません。まぁ、同性ということもありますけど……』
カムイ「同性は関係ありません。そもそもアクアさんに性愛を感じられない人は、きっといやらしさを感じる部分が欠如しているんです。あの、踊りながらちらりと見えるVラインとか、もう最高じゃないですか。健康的とか美術的とか差し引いて、ただ単純にエロいと思うんです」
リリス『はー、そうですか』
カムイ「そうなんですよ。色々な服装を試してもらいましたけど、やっぱりVラインのいやらしさではあの踊り子に敵う物は中々ありませんでした。黒い踊り子の服もありましたけど、一度着てもらった時、誰だかわからなかったですね。すごくエッチでしたけど」
リリス『理性より衝動優先だから姿を見破れないんじゃないですかね?』
583 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:40:17.33 ID:9krMZ18o0
リリス『ならカムイ様がアクア様にきちんとお話をするのが一番です。なにせ、アクア様の心を繋ぎ止めるのはカムイ様にしか出来ないことですから』
カムイ「うっ、それは確かにそうですけど……」
リリス『……なんだか弱気ですね。あの日、私に無理やり跨ってアミュージアの林を駆け巡らせたカムイ様とは思えません』
カムイ「あの時、もう体から溢れるスキスキオーラが止められなかっただけです。その、今考えるとあれってレイプだった気がしなくもないと……」
リリス『誰がどう見てもレイプじゃないですか?』
カムイ「だって、気持ちが良かったらレイプじゃないって話を聞きました」
リリス『それは間違いです』
カムイ「あと、レイプで始まる恋というのもあると」
リリス『そんな恋が認められるなら、世界中の出来事の八割以上は恋で説明できますね』
カムイ「え、じゃあ。白夜と暗夜が戦争していたのも?」
リリス『恋ですね』
カムイ「では、やっぱり私のしたことは恋の始まりだったということですね!」
リリス『カムイ様の中ではそうですね。私は絶対に認めませんけど』
584 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:42:55.10 ID:9krMZ18o0
カムイ「その……リリスさん」
リリス『なんですか、私はそういったものを認めるつもりはありませんよ?』
カムイ「いえ、違うんです。その私とアクアさんの関係をどう思いますか?」
リリス『……私はお二人の関係に口を出せる立場ではありません。まぁ強いて言うならセフレ的な関係でしょうか』
カムイ「セフレですか……。おかしいですね、私はアクアさんに愛しているといっぱいアピールしているのに、どうしてそう見えてしまうんですか?」
リリス『……あのカムイ様、一つお聞きしたいことがあるんですけど』
カムイ「はい、なんですか? 駄目ですよ、アクアさんの弱いところとかは教えませんからね」
リリス『そんな弱点興味ありませんので、どうぞ独り占めにしててください』
カムイ「そうなんですか。正直、私から聞きたいことなんてそれくらいだと思ったんですけど」
リリス『もう少し違う価値を見出しても罰当りませんよ』
カムイ「それで、聞きたいことっていうのは一体なんですか?」
リリス『はい、カムイ様は愛についてどう考えているんですか?』
カムイ「……愛、ですか?」
リリス『はい』
カムイ「な、なんだか改まって聞かれると、そのなんと答えればいいのかわかりません」
585 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:44:25.51 ID:9krMZ18o0
リリス『ですが、カムイ様。先ほどアクア様に愛しているとアピールしているって、言ってましたよ』
カムイ「……確かにアピールをしているんですが……」
リリス『とりあえず、聞かせてもらってもいいですか?』
カムイ「わ、わかりました。その少し説明不足になってしまうかもしれませんが。よろしいですか?」
リリス『はい、お願いします』
カムイ「そうですね。まず―――」
カムイ「アクアさんの髪をペロペロしてお胸の匂いをいっぱい吸って好きといいながらそのまま胸にしゃぶりついて可愛い乳首を転がしながら口から洩れる吐息を感じつつ手で下着の上から愛撫してだんだんと下着が濡れ濡れになっていくのを耳元で囁きながらしんぼうたまらんと下着をずらして恥丘に生えた厭らしい草原に指を馴染ませつつ隠れた蕾を剝いて触れると体を痙攣させるのでそのまま下腹部に顔を下ろして見える様に――」
リリス『あ、一つ以上聞けたんでもういいです。とりあえず、私は食堂に行くので失礼しますね』フワフワ~
カムイ「そしてトロトロになったところで竜になった私が口に貯め込んだ水の力でアクアさんの奥に――」
リリス『……』
『愛っていったい何なんでしょうねぇ……』
586 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/22(日) 22:46:48.48 ID:9krMZ18o0
今日はここまで
カムイの竜プレイは異種姦か、否か?
587 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 22:13:25.23 ID:exWJQDRV0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―リリスとピエリの部屋―
ピエリ「んー、お料理とってもおいしかったの! でも、ピエリの料理のほうがもっともーっとおいしいのよ」
リリス『ふふっ、ピエリさんはお料理が上手ですから。私はどれもこれもおいしかったですね。やっぱり、一工夫しただけでこんなにおいしくなるんですから』
ピエリ「リリス、切っただけのサラダもおいしいって言ってたの」
リリス『いつも取ってきたのをそのまま置かれている身としては、切ってあるだけで感動ものなので』
ピエリ「でも、みんな同じ料理じゃないからびっくりなの。こういうところって、みんな同じ料理になると思ってたの」
リリス『どうやら、私たちの昼間の行動を加味して、最適な献立を提供しているみたいですね』
ピエリ「そうなの。それってすごいことなのよ」
リリス『そうですね。どんなに一流の人々でもその日の行動を見て、献立を考えるというのは中々に出来ませんから、さすがは竜脈の力を最大限使っているだけの事はあります』
ピエリ「でも、ちょっと偏ってたのもあったの。あれは多かったってピエリは思うの」
リリス『偏っていた人、誰かいましたか?』
ピエリ「マークス様とタクミ様なの。レバーが山盛りに置かれてたの。マークス様、良い心配りだって言ってたけど、どういう意味なの?」
リリス『無性にレバーが食べたいときがあるんですよ、きっと……』
588 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 22:25:53.73 ID:exWJQDRV0
ピエリ「リリスはこれからどうするの?」
リリス『私は一度アクアさんに調査結果を報告しなくてはいけませんので、ちょっと出る予定です。ピエリさんはどうしますか?』
ピエリ「んー、ピエリお腹いっぱいなの。お布団でゴロゴロしてるのよ」
リリス『ゴロゴロするのもいいですけど、すぐに横になったら太っちゃいますよ』
ピエリ「大丈夫なの。ピエリ、太ったりしないのよ」
リリス『そう言って何百何万という女性が涙を流していると思っているんですか』
ピエリ「ピエリ。あんまり体系変わらないの」
リリス『何百何万という女性に喧嘩を売る一言ですねぇ。絶対何処かに無駄な栄養が付くに決まっています』
ピエリ「……んー、よく考えらリリスの言う通りなの。ピエリ、大きくなってる場所あるの。この前もちょっとだけ大きくなってたのよ」
リリス『そうでしょうそうでしょう。食べた後はすぐに眠らないで、ちょっとばかり体を起こしておくのがいいんです。ちなみにどこが大きくなったんですか?』
ピエリ「お胸なの」
リリス『』
ピエリ「少し前に買った可愛いお洋服、もう着られなくなっちゃったの。ショックだったの……。ん、どうしたの、リリス?」ハァ
リリス『なんでもないですよ。ええ!なんでもないですよ!』
ピエリ「どうして怒ってるの?」
リリス『怒ってません!』
589 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 22:37:03.96 ID:exWJQDRV0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―アクアの部屋―
リリス『あんまりです。私は食べた分だけお腹がぽっこりしてしまうのに…』
アクア「落ち着きなさい。愛の報告を期待していたのに、いきなりピエリの胸が今も成長している、なんて話を聞かされても対処に困るわ」
リリス『そ、そうですね。すみませんでした。アクアさんになら、この愚痴を理解してもらえるかと思ったのでつい……』
アクア「遠回しに私の胸が小さいと言っているみたいね」
リリス『まぁ、立ち姿を見る限りそれほど大きくはないと思いますから』
アクア「そう、時の流れというのは残酷ね。こうやって、悲しい現実を教えなくてはいけなくなるから」
リリス『?』
アクア「そんなことはさて置いて、どうだったの? 量は確保していることはわかっているけれど、質の方まではわからないわ」
リリス『そうですね。色々と意見を頂きましたので、アクアさんの参考になればと思います。とりあえずこちらを見てください』ガサッ
アクア「ありがとう、……これはえーと、蛇?」
リリス『文字ですよ』
アクア「あ、文字なのね。うーん、どうやって書いたの? あまりにも踊りすぎてて目が回りそうだわ」
リリス『し、仕方ないじゃないですか。私、この姿で筆を取るしかなかったんですから』
アクア「そう、ある意味芸術ね。芸術は読む者じゃなくて感じる物だと思っているけど、これは感じることが出来ないわ」
リリス『ストレートに汚くて読めないって言っていいですよ』グスンッ
590 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 22:51:56.23 ID:exWJQDRV0
アクア「そう、なるほどね。ヒノカが愛についてそんなことを考えていたなんて、ちょっと意外だったわ」
リリス『この中では一二を争う意見でしたから、まぁヒノカ様は恥ずかしそうにしていましたけど』
アクア「ふふっ、それにしても、みんなそれぞれに愛を感じる何かを持っているという事なのね……。それに比べて私は……」
リリス『アクア様……』
アクア「はぁ、わからないままね。むしろ、もっと謎の谷に落ちてしまっているみたい」
リリス『答えは十人十色だとは思いますから。この中にこれかなって思う物は無かったんですか?』
アクア「……この互いに愛し合っているというリョウマの意見かしら? 少なくとも今これに私とカムイは達していないはずだから、そう言う意味ではこれだって思うのよね」
リリス『否定する方角で納得するのはどうかと思いますけど。でも、やっぱりアクアさんとしては今の現状、愛し合っているのかわからないという位置は変わらないんですね』
アクア「ええ……。今日は部屋に籠りっぱなしで、カムイと顔を合わせていなかったから」
リリス『なんだか今にも破局寸前って感じで、正直怖いんですけど』
アクア「顔を合わせても何を話せばいいのかわからないの。話すよりも先に押し倒されてしまって、流されてしまうような気もして……。どうすればいいのか」
リリス『思った以上に重くて、今さらですが関わったことを後悔してきました』
591 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 23:07:00.25 ID:exWJQDRV0
リリス『でも、そうやって悩んでいるということは。やっぱり、アクアさんもカムイ様の事を本当に愛したいからだと私は思います』
アクア「リリスに言われても、あなただって愛はわからないって」
リリス『そうですね、私には愛はわかりません。でも、同じことが繰り返されるとその行為に疑問を抱いてしまうのは、誰しもあることだと思います』
アクア「そうなのかしら?」
リリス『ええ、現に私にもそう言ったことがありました』
リリス『私がカムイ様にお食事を頂いていることは御存じと思います。毎日毎日カムイ様から食事をいただけるのはとてもうれしかったのですが、ある日を境に笑顔で無くなっている自分がいたんです。でも持ってきてもらった手前、無碍に出来ないからと力いっぱいジャンプをして喜びをアピールする。そんな状態になってしまいました』
アクア「そう、相手のために喜んだふりをする、色々と追い詰められていたのね」
リリス『はい。そんなある日、特に用事もなくカムイ様が来てくれたんです。私に声を掛けにきただけだったのですが。私はとてもうれしかったんです』
アクア「どうして?」
リリス『それはですね。私は食事を頂くことではなくて、カムイ様が会いに来てくださることが何よりもうれしいことだった。だけど、長く続いた食事という習慣がそのことを忘れさせ、その行為に対する対応だけをするように、私を縛り上げていたんです。私は、本当にうれしいことを忘れていたということです』
アクア「……」
592 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 23:19:25.38 ID:exWJQDRV0
リリス『おそらく、アクア様もそうなんだと思います。毎日のように行われる行為に、今答えが見つからなくなっているだけで、きっと本当はカムイ様の事を色々と思っているに違いないんです』
アクア「……リリス」
リリス『だからゆっくりと考えていきましょう。大丈夫です、ここに滞在している間に答えを出す必要はありませんから』
アクア「……ふふっ、まさかあなたに本格的に慰められることになるとは思っていなかったわ。もしもそうなら、私がカムイをメチャクチャにしたいというのは、私がしたい愛情表現なのかもしれないわ」
リリス『やられっぱなしは性に合わないってだけでは?』
アクア「ふふっ、ありがとう。他のみんなの意見も色々と参考にしてみるわ。明日からは自由にして、私も私なりに頑張ってみるつもりだから」
リリス『頑張ってくださいね、アクアさん』
アクア「ええ」
リリス『ところで、アクアさん。最初に悲しい現実がとか言ってましたけど、あれってどういう意味なんですか?』
アクア「悲しい現実……ああ、そのことね」
リリス『はい』
アクア「大したことではないの。私の胸が前に比べて大きくなっただけの事だから」
リリス『え?』
アクア「ね、大したことなかったでしょう?」ニッコリッ
リリス『………』
『………え?』
593 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/23(月) 23:20:21.34 ID:exWJQDRV0
今日はここまで
FEHのリリス実装は何時になるんですか。
594 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 20:05:19.18 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―???―
リリス(また夢を見る。あまり見たくもないのに。だけど、私はそれをぼんやりと見るしかなかった。淡い光に包まれているからだけじゃない。私はその初めて見る場所が分からなかったから、ぼんやりと眺めるしかなかったのだ)
リリス(青い石畳の床に、黒い影が二つ。私はそれを後ろから、ゆっくりと眺めている。動き出さない世界を見つめながら、少しだけ輪郭に色が入り始める。だけど、誰だかはわからない。いや、誰だかは予想が付く、私が夢を見る理由は決まっているからだ)
リリス(それが私の役割であるのだから……)
リリス(光が強くなってくる。夢の終わりが来た。消滅していく世界に睨みを利かせて、何か手掛かりはと見つめてみるが、床が青い場所に二人の人影があるということ以外わからないまま。これはただの夢だと願いながら私は目を覚ました)
595 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 20:39:54.34 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・宿泊施設『ピエリとリリスの部屋』―
リリス『……んっ。朝ですか……』ウトウト
リリス『えっと昨日は、そうでした。アクアさんに適度に報告を行って、それで胸が成長したとかいう話を聞いて……』
リリス『……』サスサス
リリス『竜の体ではまるまるフォルム過ぎて大きいのか小さいのかもわかりません。……でです』
ピエリ「スヤ……スヤ……」
リリス『なんでピエリさんが私を抱き枕にして眠っているんでしょうか。わざわざシングルベットを抜け出して、私を抱き枕にする必要なんてないと思うんですけど』
ピエリ「んんっ、えへへー、リリス〜」ギューッ
リリス『ちょ、ピエリさん。背鰭、背鰭が折れる。折れちゃいます!』
ピエリ「んー、冷たくて、きもちぃのぉ」ペタペタ
リリス『ひゃっ! ちょっと、お腹、そんないっぱい触っちゃダメ……んっ!』ピクッ
ピエリ「ん、えへへ〜」サワサワッ
リリス『や、駄目ですピエリさん! そんな下まで手を伸ばしちゃだめ――』
サワサワ サワサワッ ピクンッ
……
ギョムッ
リリス『ぴええええええええっ!』
596 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 20:49:10.16 ID:gU7Y0K7Y0
バッ!
リリス『はぁはぁ……。なんか、ギュムって、私のがギュムって!』
ピエリ「んー、ふわああああっ。リリス、どうしたの?」
リリス『どうしたのじゃありませんよ。ピエリさん!』
ピエリ「?」
リリス『あのですね、昨日ちゃんと話し合ったじゃないですか。夜は別々のベットで寝ましょうって』
ピエリ「んー、そんな約束したの?」
リリス『しましたよ。なのに、朝起きたら私を抱き枕代わりにして、約束守ってないじゃないですか』
ピエリ「だって、リリスの体冷たいし、とっても抱き心地がいいのよ。ピエリ、リリスを抱きしめて眠るのが気に入っちゃったの」
リリス『気に入ったとしても駄目です。私が竜の時にどんな姿をしてるのか考えてください。もしかしたら、私が狼になってあなたを襲っちゃうかもしれないんですよ?』
ピエリ「大丈夫なの。襲ってきたらお腹に向かって一突きえいってしてあげるのよ。襲われたら返り討ちにして問題ないってマークス様も言ってたの」
リリス『ああもう』
597 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 20:56:22.26 ID:gU7Y0K7Y0
リリス『ともかくです。私が人の姿に戻るまでは、一緒のベットは遠慮してください』
ピエリ「うー、どうして人の姿ならいいのに、竜の姿じゃダメなの?」
リリス『ダメな理由位察してください』
ピエリ「そんな風に背を向けて言われても納得できないのよ。ピエリの方をちゃんと向いて話をするの」
リリス『い、今は向けません』
ピエリ「どうしてなの?」
リリス『ど、どうしてってそれは……だ、駄目ですそんなあそこがカチンカチンだからとか、そんなこと言えるわけがって、ああ、どうしてこういう事は思わず考えてしまうんですか私は!』
ピエリ「? リリスのあれ、カチンコチンになってるの?」
リリス『いえ、カチンカチンです、ってそうじゃなくて。ともかく、今はピエリさんに正面を見せるわけにはいかないので。その、あれです。ちょっとシャワー室に行ってきます!』ビューンッ!
ピエリ「あ……行っちゃったの」
598 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 21:07:04.33 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ザアアアアアアアッ
リリス『冷水でかなり冷たいですけど、これなら効果ありですよね』チラッ
ショボン……
リリス『はぁ、作戦は成功ですね。ピエリさんの無邪気さはどうにかしてもらいたいものですね』
リリス『……それにしても、やっぱり先ほど見た夢は、またそういうことが起きる前兆だという事でしょうか』
リリス『もう戦いは終わったはずで。そんな夢を見る事なんてないと思っていたのに、やっぱりあの時の淡い光は勘違いでも何でもなかったのだとしたら……』
リリス『でも、一体誰が仕掛けてくるというのでしょうか。この異界に乗り込んでくるなんてことを行う必要性があるとは思えませんし……』
リリス『だけど、私が夢を見る理由を考えると……』
ザアアアアアア
リリス『いいえ、もしかしたら私も普通に夢を見るようになったのかもしれません。なら、あの見た光景にも意味がなかったと言えるはずです。だって、今まであんなにぼやけた夢を見る事なんてなかった』
ザアアアアっ
リリス『だから、杞憂に決まっているんです……』
599 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 21:12:14.21 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ガチャッ バタンッ
ピエリ「あ、リリス。もう大丈夫なの?」
リリス『はい、大丈夫ですよ。ちゃんとこれも持ちましたし』パシッ フワフワッ
ピエリ「えへへ、リリスはその玉を持ってるのが一番なの。ピエリのリボンみたいに、リリスのトレードマークなのよ」
リリス『できれば私のトレードマークはこのカチーフであってほしいんですけど。私だとわかるように、これを今でも被っているんですから』
ピエリ「? カチーフが無くてもリリスの事見間違えたりしないのよ?」
リリス『それはそうかもしれませんが、その没個性にならないようにと言いますか……。まぁ、いいです。それで、ピエリさんは朝食までどうしてますか?』
ピエリ「えっとね、ピエリちょっとお外を歩いてくるの。リリスも一緒に行くの?」
リリス『散歩ですか。少し運動したいので、確かにいいですね』
ピエリ「うん、それじゃ急いで支度するの」ババッ
リリス『部屋に同性しかいないとしても、なんの躊躇もなく服を脱ぐのはどうかと思います。そういう無防備さに男というのはですね』
ピエリ「ん? ピエリ別に気にしないの」プルンップルンッ
リリス『……大きいのが揺れてますね……」ジーッ
……ムクッ
リリス『……ちょっと、もう一度シャワーを浴びて来ますね』フワフワ
ピエリ「リリス、そんなに玉を押し付けてどうしたの?」
リリス『押し付けないといけない時ってあるものなんですよ……』
ガチャッ バタンッ……
ピエリ「変なリリスなの」プルンッ
600 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/29(日) 21:14:52.37 ID:gU7Y0K7Y0
今日はここまで
601 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 19:01:36.11 ID:gk0GcDcs0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国・宿泊施設外周―
ピエリ「んー、すっごくいい天気。暗夜だとこんなにお日様が出ることないから、とっても楽しいの」
リリス『そうですね。しかし、暗夜と白夜、これほど偏った気候条件で生活が成り立っているのは不思議です。白夜にも夜という時間はあっても、暗夜のような暗闇は在りませんからね』
ピエリ「そう、白夜に初めて泊まって時ビックリしたの。眠ってた時も起きた時も明るかったから、ピエリ眠ってないって思っちゃったのよ」
リリス『白夜から暗夜に来た人も、何時も暗いから寝ても起きても夢の中みたいだって困惑していらっしゃるそうです。そう考えるとアミュージアやイズモといった公国の方が、朝昼晩がきちんとやって来る場所と言えますね。ピエリさんはどちらの方が好みですか?』
ピエリ「んー、ピエリはずっと暗夜の王都に住んでたから、ずっと暗い方が馴れてるの。白夜もいいけど、やっぱり暗夜の方が好きなの」
リリス『そうですか。私としては朝も昼も夜もあった方がいいと思うのですが』
ピエリ「そうなの? それじゃ、リリスはアミュージアとかイズモみたいな場所が故郷ってことなの?」
リリス『残念ですけど、それはハズレです』
ピエリ「ちがうの? でもそうなの、リリスは星竜だから、星界の生まれなのよ」
リリス『それもハズレです。私は元々星竜だったというわけではありません。色々とあって、こういう形になってしまっただけなんですよ』
602 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 19:15:56.27 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「? 色々って何なの?」
リリス『色々は色々ですよ。残念ですけど、そこら辺はガードを固くしているので、そう簡単にポロリしたりしませんから』
ピエリ「んー。ピエリ、リリスの事あんまりよく知らないのに、リリスはピエリのことそれなりに知っててずるいの」
リリス『それなりにっていうわけではありませんよ。私が知っているのは、ピエリさんは料理がとっても上手な無邪気で子供っぽい人っていうことくらいです』
ピエリ「もう、ピエリは子供じゃないの。リリスはピエリのこと全然わかってないのよ」
リリス『そういうムキになるところが子供っぽいところなんですけどね。でも、ピエリさんがとても料理上手なのは間違っていないことだと思いますよ。いつかの料理、とてもおいしくて出来ればまた食べたいくらいです』
ピエリ「ふふーん、ピエリはお料理得意なの、中でもお肉を料理するのが大好きなの。大きなお肉を用意してもらって、包丁で八つ裂きにするの。血抜きしてないのはいっぱい血が出るから、ピエリいつも下ごしらえさせてもらえるのよ」
リリス『それ、一緒に面倒事も押し付けられてませんか?』
ピエリ「いっぱい血を抜いて、最後に包丁でえいえいってして炒めたり煮たりすると、とってもおいしい料理が出来上がるのよ」
リリス『ピエリさんは簡単に言いますけど、私はカムイ様ほどではありませんけど不得意なので、そううまく出来る気がしません』
ピエリ「リリス、ピエリの前でカムイ様の料理の話はしないでほしいの。ピエリ、あの料理を思い出すと、なんだかイライラしちゃうのよ」
リリス『まぁ料理できる人から見たら、あれは食材への冒涜ですもんね』
603 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 19:31:26.68 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「……あれ、なんでピエリがリリスの質問に答えてるの? ピエリ、リリスの事知りたいって思ってたから危なかったの。忘れなくてよかったの」
リリス『うっ、気づかないでくれれば誤魔化しきれたのに』
ピエリ「ねぇねぇ、リリスの事を教えてほしいの」
リリス『はぁ、教えてほしいと言われても。いったい何を教えればいいんですか? 私の事を知ったところでピエリさんにメリットがあるとは思えませんし……』
ピエリ「よくわからないけど、ピエリはリリスのことが知りたいだけなのよ。ピエリ、リリスとお友達なの。だから、リリスのことをもっと知りたいって思っただけなのよ」
リリス『……そ、そうですか////』ポリポリ
ピエリ「? リリスどうしたの、なんだか顔が赤くなってる気がするの」
リリス『その、あまり態勢の無いことを言われてしまうと、こうなってしまうものなんです。恥ずかしいというよりは、その、何でしょうか、よくわかりません……』
ピエリ「ふふー、リリスはピエリに子供って言ってるけど、リリスの方がピエリより子供なの」
リリス『そ、そんなことはありません!』
ピエリ「あ、ムキになってるの。ムキになるのは子供ってさっきリリスが言ってたから、リリスは子供なのよ」
リリス『あれはピエリさんに向かっての言葉であって、それにピエリさん私より年下ですよね?』
ピエリ「ん、わからないの。ちなみにピエリは〇〇歳なの。リリスはいくつなの?」
リリス『やめましょう、年齢で子供か大人かなんてわかるはずありません』
604 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 19:57:37.42 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「それで、リリスの事なの」
リリス『え、やっぱり話さないとだめなんですか?』
ピエリ「当たり前なの。えーっとね、リリスって星界を守ってるけど、その前は何をしてたの?」
リリス『前まで、それはマイキャッスルを管理する前という意味ですか?』
ピエリ「そうなの。ピエリ、マイキャッスルに来た時に一度だけリリスを見ただけなの。だから、それよりも前は何をしてたのか知らないのよ」
リリス『……そうですね。私は厩舎係として北の城塞に仕えていました。最初にした仕事はあまりうまくいきませんでしたけど、徐々に仕事にも慣れて――』
ピエリ「なんだかつまらないの」
リリス『えー、ピエリさんが話してって言ったんじゃないですか』
ピエリ「だって、リリス、仕事の事しか話してないの。ピエリ、リリスが何をしてたのか聞きたかったの」
リリス『だから厩舎係の仕事をしていたと言っているじゃないですか』
ピエリ「それじゃ、リリスはそれ以外に何かなかったの?」
リリス『それ以外と言われましても……。そうですね、あるとすればやはりカムイ様の事でしょうか。私が厩舎係になって少して、カムイ様が来てくださったときがあったんです。何でも、ギュンターさんから鍛錬の一種だと馬の世話をするように言われたらしくて』
リリス『だけど、その日の馬は気性が荒くて、正直カムイ様に怪我でもあったら大変だと注意していたんですが、一頭が激しく暴れ出してしまいまして』
ピエリ「それでどうなったの? その馬に何かされちゃったの?」
605 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 20:08:42.50 ID:gk0GcDcs0
リリス『ふふっ、それがカムイ様、馬に近づくと優しく鬣を撫で始めたんです。見ただけで危ないってわかるのに、すたすたと近づいて』
ピエリ「暴れてる馬に近づくなんて危ないの。後ろ足で蹴られたら、首が変な方向に向いちゃったりするのよ」
リリス『私はかなり慌ててました。なにせ大切な主君を危険な目に合せてしまっているわけですから。でも、あれがカムイ様の人柄なんだと思います。暴れていたはずの馬が段々と大人しくなっていったんです。私は一頭宥めるのにも時間を使ってしまうのに、カムイ様はいとも簡単に宥めてしまうものですから、正直厩舎係の面目丸つぶれでした』
ピエリ「ふふっ、リリス。内心悔しかったのね」
リリス『ええそうですよ。これでも厩舎番を少しの時間任されるようになった矢先だったので……。本当に、カムイ様に敵いません』フフッ
ピエリ「えへへ、ピエリ一つだけリリスの事が分かったの」
リリス『え?』
ピエリ「リリスはカムイ様の事が好きなの。仕事のお話だけの時と違って、リリスの顔いっぱい、いっぱい動いてたのよ」
リリス『そ、そんなに動いてましたか。いやですね、恥ずかしい////』
ピエリ「えへへ、リリスのこと一つ知れてうれしいの」ニコニコ
リリス『もう……。私の事を、ピエリさんに一つ知られてしまいましたね』
ピエリ「ふふん、ピエリがもっともっとリリスの事を知って全部見つけ出してあげちゃうから、覚悟するのよ」ビシッ
リリス『ふふっ、お手柔らかにお願いしますね』
606 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 20:14:59.20 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「ふふーん、ピエリ手加減なんてできないの」
リリス『はいはい、わかってますよ。それより、どうしますか? そろそろ宿泊施設に戻るのも――』
リョウマ「む、そこにいるのはピエリとリリスか?」タッタッタッ
リリス『あ、リョウマ様。おはようございます、それに……ベルカさん?』
ベルカ「おはよう……」
ピエリ「おはようなの!」
リリス『おはようございます。どうしたんですか、こんな朝からお二人とも』
リョウマ「俺は日課としている朝の素振りに出る所でな。そしたらベルカと会って、一緒に素振りでもしないかと誘って、今一緒に浜に向かっているところだ」
リリス『そうなんですか。でも、ベルカさん。なんで私の浮き輪を持っているんですか? 素振り用の武器は?』
ベルカ「昨日マークス様が武器にも使えると言っていたから、これで素振りをするわ。確かに、これは中々に強い武器になると思う…」
リリス『あのー、浮き輪は浮くためのものですよ?』
リョウマ「だが、俺の木刀の一撃を喰らって割れなかったところを見るに、これは中々に強い武器だ」
リリス『だから浮き輪は浮くためのものですから』
ベルカ「それで、朝の素振りが終わったら打ち合いをしてみようってことになったの」
リョウマ「ああ、俺の剣戟をどれほど受け切れるのか興味もあったが、何よりベルカの腕がどれほど上がったのか確かめてみるのも悪くない、そう思ったわけだ」
607 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 20:47:35.15 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「なるほどなの」
リリス『それにしても朝から素振りと打ち合いは中々にハードな鍛錬ですね』
リョウマ「何、毎日行っていればそれほど苦にはならん。それに毎日の鍛錬が今の自分に繋がっていることもある。これをやらないと一日が始まった気がしないのでな」
リリス『あはは、毎日続けてきた習慣は疎かにすると、なんだか調子が狂ったりしますからね』
リョウマ「ああ。そうだ、良ければお前たちも来るか?」
リリス『え、私たちもですか?』
リョウマ「ああ、無理にとは言わないさ。だが、朝から軽く汗を掻くのも悪くは無いと思ってな」
ピエリ「なんだかおもしろそうなの。ピエリ、リョウマ様とベルカと一緒に素振りするの。あ、だけど、ピエリ素振りのための道具持ってきてないのよ」
ベルカ「なら、予備のこれを使えばいいわ…」スッ
ピエリ「あ、リリスの浮き輪なの! あ、この角すごいの! すっごく固くて相手をボコボコに出来そうなのよ」
リョウマ「ふっ、言っただろう。中々に強い武器だとな。それでリリスはどうする?」
リリス『このまま一人帰るのもあれですし、ご一緒させていただきます』
リョウマ「そうか。しかし、リリスは何を使って素振りをするか……」
リリス『ご心配なく、私にも素振りに仕えそうなものがありますので』
リョウマ「? 何も持っていないように見えるが」
リリス『大丈夫です。私にはこの――』
『尻尾がありますので』ユラユラ
608 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/07/30(月) 20:48:25.58 ID:gk0GcDcs0
今日はここまで
みんな、リリスの浮き輪は持ったか?
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/07/31(火) 23:15:56.94 ID:8KqYmkxkO
更新が多いとやはり嬉しい
610 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/02(木) 22:17:04.55 ID:WaW1UoZ60
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒノカ「はぁ、昨日は色々とありすぎてあまりよく寝られなかった。サクラにタクミ、これから二人とどうやって接していけばいいんだ……」
ヒノカ「タクミを見ると頭にあの獣のような叫び声が反響するし、サクラを見てはもしかしたらという想像が頭を過って……」
ヒノカ「だめだだめだ、私は二人の姉だ。こんなことで迷ってどうする。どうにか気分を入れ替えるために、こうやって浜まで来たんだ。まずは軽く体を動かして――」
リョウマ「はっ! せやっ! とうっ!」ブンブンブンッ
ヒノカ「ん? あそこにいるのはリョウマ兄様か。朝の鍛錬を欠かさないとはさすがだな。リョウマ兄様!」
リョウマ「む? なんだ、ヒノカか。お前も朝の鍛錬か?」
ヒノカ「ああ、何をする予定かは決めてなかったけど、ちょっと体を動かしたくて。リョウマ兄様は一人で?」
リョウマ「いや、俺だけじゃない。向こうを見てみるといい」
ヒノカ「向こう?」チラッ
ピエリ「えいっ、えいっ、えいなの!」ブンブンブンッ ドゴンドゴンドゴンッ!
ベルカ「………」ブンブンブンッ ドスンドスンドスンッ!
リリス『ふっ、ふっ、ふっ』クルリンッ クルリン クルリンッ ベシンベシンベシンッ!
リョウマ「思ったよりも、あの浮き輪は侮れない存在だな。ピエリやベルカの黙々とした素振りにも耐えている」
ヒノカ「そっちよりもあれ(リリス)が気になって仕方ないんだ、兄様」
611 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/02(木) 22:28:46.56 ID:WaW1UoZ60
リリス『ふっ、ふんっ、はああっ!』クルリンッ クルリンッ クルリンッ
ヒノカ「リリス、何をやっているんだ?」
リリス『あれ、ヒノカ様。おはようございます、昨日は……あんまり眠れなかったみたいですね。目元、うっすらとですが隈が出来てますよ』
ヒノカ「うっ、わ、私の事はいいんだ。それよりもどうしたんだ、そんなくるくるくると風車みたいに回って」
リリス『え、私そんな風に見えましたか?』
ヒノカ「横から見ると、そう思えなくもなかったぞ。それに、あんなに力強く砂を巻き上げて、思ったよりも力はあるんだな」
リリス『はい、私宙返りだけは得意なので。毎日ご飯を貰う度に、カムイ様の目の前で宙返りをしていましたから。筋力の殆ども実際この尻尾だと言っても過言ではありません。まぁ、筋力を使う場面なんて一回もありませんでしたけど』
ヒノカ「リリス、ならどうして尻尾を使って素振りなんかを?」
リリス『特に理由は在りませんよ。そうですね、あるとすれば、時々砂とかゴミのついた食材を持ってくるカムイ様に一回くらいテールサマーソルトを喰らわせてやりたい!と言ったところでしょうか』
ヒノカ「リリス、そういう時は素直に怒っていいと思うぞ」
612 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/02(木) 23:10:30.32 ID:WaW1UoZ60
ピエリ「あ、ヒノカ様なの。おはようなの!」
ヒノカ「ああ、おはようピエリ。それにベルカも」
ベルカ「おはよう、ヒノカ様…。ヒノカ様も朝の鍛錬に?」
ヒノカ「ああ、そのつもりだ」
ベルカ「そう……。見た所、素振りの道具は持ってきてないみたいだけど」
ヒノカ「何をするかは決めていなかったから、どうするか」
ピエリ「なら、ヒノカ様もリリスの浮き輪を使うの。これとっても持ちやすくて、地面をどんどんって叩けるから、とってもおすすめなの! お鼻の部分で砂を叩くと、すっごい音がするのよ」
リリス『あの、本人が隣にいるのわかってて言ってるんですか?』
ベルカ「持ってきた予備があるから、これを使えばいい…」
ヒノカ「あ、ありがとう」ギョムッ
ヒノカ「……」
浮き輪リリス「」
ヒノカ「……思ったよりも可愛いい造形だな。これを使って素振りをするというのは、その、何だか気が引ける……」
リリス『うう、ヒノカ様だけです』
ヒノカ「はは、でもこれしかないなら仕方ないさ」
リリス『……え?」
ヒノカ「少しだけ素振りをさせてもらうとしよう。ふんっふんっ!」ブンブンッ
リリス『……』
ヒノカ「はっ、やっ!」ブンブンッ
リリス『……お尻』ボソッ
ヒノカ「やめろおおおおお!!!!」
613 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/02(木) 23:11:53.76 ID:WaW1UoZ60
今日はこれだけ
リリスが宙返りした瞬間に飛び込んでビンタされたい
614 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/10(金) 19:00:38.96 ID:tD3gb6oL0
ヒノカ「リリス、なぜ言った!? なんでその言葉を口にした!?」
リリス『いえ、今唐突に尻尾の部分が痒くなってですね、別にワザと言ったわけじゃないんです』
ヒノカ「そんなに私が素振りをするのが気に入らなかったのか?」
リリス『……』
ヒノカ「そうか、すまない。すでにピエリやベルカが振っているから、大丈夫だと思ってしまって」
リリス『いえ、私の方こそごめんなさい。私の今の姿では心にとどめておくことさえも、難しい状況だということを忘れていました。ヒノカ様、昨日の一件でお尻に敏感になっているはずなのに、あえて、お尻と言ってしまいました』
ヒノカ「……やはりワザとだったんだな?」
リリス『ええ、まぁ、……そうですね』
ヒノカ「……」
スッ
リリス『あれ、ヒノカさん。そんなに高く浮き輪を掲げてどうしたんですか?』
ヒノカ「リリス、やはり素振りは良くない。無心で振っているだけでは体がなまってしまう。そこでだ、ちょっとここに来てくれ」
リリス『はい、ここですね。着きましたよ、それでこれから何を――』
ヒノカ「はあああああっ!!!!」ブンッ
ドゴンッ!
パラパランッ……
615 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/10(金) 19:10:50.51 ID:tD3gb6oL0
ヒノカ「……」
リリス『ちょ、何ですか!? 反応遅れたら顔面に浮き輪が当ってたんですけど!?』
ヒノカ「ちっ。ああ、すまない、すまない、力加減が出来なくてな。本当は寸止めしようと思っていたのに、まぁこういうこともある。さぁ、定位置に戻ってくれ、今度はちゃんと寸止めするさ」
リリス『今、思いっきり舌打ち聞こえましたよ!? それに何ですかその構え、体反って待機して、確実に全力で振り抜くつもりじゃないですか。私、色々と食べても体はそれほど強くなれていないんですよ?』
ヒノカ「大丈夫だ、もし失敗してもノスフェラトゥに殴られたくらいで済む。流石に奴の一撃で死ぬようなことはないはずさ」
リリス『その威力は私のとって致命傷になってしまうと思います』
ヒノカ「む、そうなのか? まぁ、その時はその時だろう。さぁ、私の朝の訓練に協力してくれるよな?」
リリス『いいともー、なんて言うと思ってるんですか!?』
ワーワー ギャーギャー
リョウマ「ふむ、ヒノカとリリスは思ったよりも打ち解けているみたいだ。ふっ、戦争が終わってからというもの、ああして楽しそうなヒノカの姿を見るのは久しぶりだ」
ベルカ「……楽しそう?」
616 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/10(金) 19:30:12.73 ID:tD3gb6oL0
リョウマ「ああ、裏表なく互いの本心をぶつけられる関係というのは、中々巡り会えるものではない」
ベルカ「ただ言い合いをしているだけのようにしか見えないけど……」
リョウマ「なに、あれも一つの良好な関係というものだろう。一度も喧嘩をしないということは確かにいいことかもしれないが、それはお互いの上辺だけを見合っているだけということもあり得る。相手を理解することはそう簡単にはいかないという事さ」
ベルカ「……よくわからないわ」
リョウマ「ベルカはカミラ王女と喧嘩したことは無いのか?」
ベルカ「私はカミラ様の臣下、従うことが私の役割…。カミラ様の指示に反したことをするつもりはないわ…」
リョウマ「そうか……。俺としては臣下にも気兼ねなく接してもらいたいと思っているのだが……」
ベルカ「リョウマ王子は少し変わっているわ…。臣下がそんな軽い行動を取れば、それがあなたの評価に影響する。私はカミラ様の評価が下がる様な事をするつもりはない…」
リョウマ「確かにそうかもしれないが、公の場でなければカミラ王女と親しくする分には問題ないだろう?」
ベルカ「……私にそんな時間は無いわ」
リョウマ「?」
ベルカ「それより、あの二人はまだ収まってないみたい…」
リョウマ「む?」
617 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/10(金) 19:33:16.56 ID:tD3gb6oL0
リリス『はぁはぁ、ちょ、ヒノカさん。そろそろ許してくれませんか……』
ヒノカ「ああ、許してやるさ。その木から降りてきて、ここにちょこんと座ってくれればな」
リリス『浮き輪を力強く握って言っているから、説得力ありませんよ!』
ヒノカ「くっ、私がカミラ王女ともっと親密に仲良くなっていれば、ここで飛竜を駆ることが出来たというのに……。さぁリリス、さっさと降りてくるんだ。大丈夫、最後の一撃は切なく終わると決まっている」
リリス『そんな一撃要りません!』
ギャーギャー
ウーウー
リョウマ「……もしかすると、ヒノカは本当に怒っているのかもしれないな」
ベルカ「そうとしか思えないけど?」
リョウマ「うーむ、しかし、喧嘩するほど仲がいいと――」
ピエリ「え、それじゃピエリとリリスは仲良しさんじゃないの!?」
ベルカ「またややこしくなりそう……」
ピエリ「リョウマ様。ピエリ、リリスとあんな喧嘩したことないのよ。喧嘩しないと仲良しじゃないってリョウマ様言ってるけど、それって本当なの?」
リョウマ「い、いやそうではないと思うが。ただ、俺からするとあの二人はとても仲が良く見える、というだけのことだ」
ピエリ「……だったらヒノカ様もピエリと同じことしたのか、確かめるの!」タタタタタッ
リョウマ「……何を確かめるつもりだ?」
ピエリ「決まってるの!」
「リリスのこと気持ちよくしたことがあるか聞くのよ」
618 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/10(金) 19:34:35.69 ID:tD3gb6oL0
今日はここまで
理不尽な仲良し理論が二人を襲う
619 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/14(火) 19:51:08.27 ID:tBPp48J00
ヒノカ「降りてこいリリス! 降りてくるんだ!」
リリス『いやです。私、ヒノカ様がその浮き輪から空気を抜かない限り、この木の上に立て籠もります』
ヒノカ「そんなところにいたらいつか脱水症状で倒れてしまう。そんなことはやめるんだ」
リリス『いずれやって来る脅威よりも、今目の前にある脅威を避けさせていただきます。私、これでも断食にはそれなりの自信がありますので、ご心配なさらずにどうぞ』
ヒノカ「くっ、長期戦になればなるほどこちらが不利ということか」
ヒノカ(……というか。さんざん大声を出したからなのか、若干腹の虫が収まって来た気もする。今思えば、こうして条件反射のようにお尻に敏感になっていては、それこそ今後の生活に影響を与えかねない。そうだ、落ち着け、リリスに悪気があったにしてもだ、それを受け流す心の余裕、そしてゆとりを持ち合わせること、それこそが今私に必要なことなのではないのか?)
ヒノカ「……」
リリス『……あれ、静かになりました?』
ヒノカ「リリス……。今回の件だが――」
タタタタタッ
ピエリ「ヒノカ様!」
リリス『ピエリさん?』
ヒノカ「なんだピエリ、私は今リリスと話を――」
ピエリ「ヒノカ様は、ピエリみたいにリリスにきもちいいことしたことあるの?」
ヒノカ「……は?」
リリス『ちょ――』
620 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/14(火) 20:04:24.41 ID:tBPp48J00
ヒノカ「おい、ピエリ。いったい何を言っているんだ?」
ピエリ「ん、ヒノカ様とリリスを見てて、リョウマ様がとっても仲良しだって言ってたの」
ヒノカ「仲がいい? これを見て仲がいいとは、リョウマ兄様は何を言って――」
リョウマ「いや、お前と臣下同士の掛け合いを見る限りでは、そう思えなくもないと思っただけの事だ」
ヒノカ「リョウマ兄様、何でもかんでもその理屈が通るわけではないと思う。私にも本当に怒りたくなることがいくつかある。リリスはそれを突いたんだ」
リリス『私もさすがに我慢できないことがあります。ヒノカ様、期待させておきながらあっさり裏切りましたし』
ヒノカ「う、それは確かにあるかもしれないが……。ともかくだ、ピエリの質問の意味がよくわからない。どうして、私にそんなことを聞いたんだ?」
ピエリ「前にピエリ、リリスのこと気持ちよくしてあげたのよ」
ヒノカ「あー、あのみんなの前でリリスが気持ちよかったと宣言したことか」
ピエリ「そうなの!」
リリス『自信満々な宣言やめてよぉ』
ピエリ「うん、スズカゼがね。気持ちよくしてあげて、相手が気持ちいいって思ったらとっても仲良しさんな証拠だって言ってたの! だけど、リョウマ様は喧嘩するほど仲がいいって言ってる。ピエリ、リリスとこんなに喧嘩したことないから……」
ヒノカ「ピエリ……」
ピエリ「だから、もしかしてピエリが知らないところでヒノカ様はリリスに気持ちのいい事したんじゃないかって思ったの!」
ヒノカ「どうしてそうなる?」
621 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/14(火) 20:30:50.14 ID:tBPp48J00
ピエリ「だって、昨日。リリス、夕ご飯のまえにどこかに出かけてたの。ヒノカ様、すっごく疲れてたから、リリスはお見舞いに行ってたのよ」
ヒノカ「た、確かにそれはそうだが……」
リョウマ「なるほど、疲れている自分を労わってくれたリリスに恩返しとして、気持ちのいい事を提供したという事か……」
ヒノカ「兄様の言葉の九割が勘違いで、私がどうにかなりそうだよ」
リリス『私も、少しクラクラしてきました』
リョウマ「しかし、気持ちのいい事というと一体何をしていたのか、そこが少しばかり気になるところだな……。やはり揉み解しといったことだろうか?」
ヒノカ「へ?」
リョウマ「む、違うのか? 昨日、島の中を歩き回っていたと言っていたただろう」
ヒノカ「……そ、そうなんだ。リリスの体を少し解してやろうと思ってな」チラッ
リリス『は、はい。そうなんですよ。私、こうして浮かんでいるだけに見えますけど、実は思ったよりも凝っているみたいで、ヒノカ様にとても気持ちよくさせていただいて』
リョウマ「ほう、そうだったのか」
ヒノカ「ああ、そうなんだ。あまり腕に自信はなかったが、満足してくれて何よりだった」
リリス『ええ、中々に良かったですよ』
ヒノカ「そういうわけだから、えっと、その……なんだ。私とリリスは、仲が良いということになるのか?」
リリス『……ピエリさんの考えだとそうなります。あはは、口にするとなんだか恥ずかしいですね////』
ヒノカ「はは、リリスはしゃべってないじゃないか。でも、そうだな、こうして口にすると照れ臭いな/////」
ヒノカ&リリス「//////」
622 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/14(火) 21:20:45.37 ID:tBPp48J00
リョウマ「ふっ、やはり俺の目に狂いはなかったな」
ピエリ「うう、ピエリ、ヒノカ様に負けちゃったの。こうなったら、ピエリ、もっともっと仲良しさんになるためにリリスと喧嘩するの!」ブンブンッ
リリス『あれ? また私下に降りられなくなってるんですけど?』
ヒノカ「ふふっ、私をからかった罰が当たったんだろう」
リリス『自分だけ何解決したみたいな顔をして、少しは助ける素振りをしてもいいと思うんですけど?』
ヒノカ「私が邪魔をすると、ピエリが困るだろう? それはお前も望まないことだと思うからな」
リリス『それはそうかもしれませんが……』チラッ
ピエリ「リリス、降りてくるの! えいっえいってしてあげるの!」ボスンボスン
リリス『うわぁ、地面がすごい抉れてますねぇ……』ガクガクブルブル
ピエリ「えへへ、リリス。早く来るの!」
ヒノカ「頑張るんだぞ、ピエリ」
ピエリ「うん、ピエリ頑張っちゃうの!」
ヒノカ(……ふぅ、どうにか話を濁すことが出来た。なんだかんだ、リリスが私の話に乗っかってくれて助かったな。朝食の時、なにかおかずを一つ分けてあげよう)
リョウマ「ところで、ヒノカ。一つだけいいか?」
ヒノカ「なんだ、リョウマ兄様」
リョウマ「純粋な疑問があってな。リリスは浮いているが、何処の筋肉を酷使していたんだ?」
ヒノカ「……へ?」
623 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/14(火) 21:47:07.52 ID:tBPp48J00
ヒノカ「リリスがどの筋肉を酷使していたか、か?」チラッ
リリス『?』
ヒノカ(浮いている物体が酷使する筋肉? やはり背筋か? いや、もしかしたら尻尾で均衡を保っていたのかもしれない。ううむ、だめだ、変に考えるといろいろ拗れる可能性がある。ここは太ももや足ということにしておこう、幸いあの変な玉を抱えているのだから、何時も力んでいるに違いない、さぞや疲れているはずだ)
ヒノカ「ああ、それはだな――」
ピエリ「お尻なの!」
ヒノカ「え?」
リリス『え?』
ベルカ「えぇ……」
ピエリ「昨日リリスにヒノカ様のお部屋で何してたのか聞いたら『お尻の事とか、お尻の事とか、そう、お尻の事とか』って言ってたの。多分、ヒノカ様にお尻をいっぱい気持ちよくしてもらったってことなのよ!」
リョウマ「そうだったのか……。お前たちは、すでに尻を揉みしだくような関係に……」
リリス『違います』
ヒノカ「断じて違う」
624 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/14(火) 21:49:03.87 ID:tBPp48J00
今日はここまで
625 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:26:46.34 ID:strW7KPN0
リョウマ「まぁ、どんな理由にせよ。ヒノカとリリスの仲が良いのはいい事だ。これからもヒノカと仲良くしてやってくれ」
リリス『あの、理由の部分だけは訂正してもらえませんか?』
ヒノカ「そうだ、私とリリスはそんな爛れた関係ではない」
リョウマ「わかっているさ。それにお前がカムイと同じくそちら側の人間だった場合、報われない者が出てきてしまう、正直それはそれで心苦しいというか、なんというか……」
ヒノカ「そちら側? いったい何のことだ、兄様?」
リョウマ「こちらの話だ。気にすることは無い。それよりもベルカ、準備運動はここまででいいか?」
ベルカ「ええ、とっくに準備は出来ているわ…」ガシッ
リリス『……ベルカさん、その大量に背負った私の浮き輪はなんなんですか?』
ベルカ「予備ね。頑丈だけど所詮浮き輪、何度か使えば割れてしまうから…」
リリス『何度か使えばって、浮き輪として利用すれば数十回以上持つと思いますけど?』
リョウマ「リリス、今この場で浮き輪にも違う使い道が適用されていることを忘れていないか?」
リリス『いえ、浮き輪は浮き輪として使ってもらいたいと、心から願っていますよ』
ピエリ「そう? ピエリはこれでブンブンするのが楽しいのよ」ドゴンドゴンッ
リリス『ピエリさん。ちょっと海に行って浮き輪の使い方、ちゃーんと覚えましょうね』
ピエリ「浮き輪の使い方くらい知ってるのよ。リリスはお馬鹿さんなのね」
リリス『あぁん?』
626 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:33:53.73 ID:strW7KPN0
リョウマ「よし、こちらの準備も整っている」チャキッ
ベルカ「そう、開始の合図は?」
リョウマ「ベルカの始めたいタイミングで構わん。本気で来い、こちらも本気で撃ちこませてもらう」
ベルカ「……」
ジリッ
リョウマ「……」
ザザッ
ヒノカ「この空気、やはり兄様だ。訓練であろうとも、これほどに場に緊張感を漂わせることが出来るとは……」
ピエリ「なんだか、見てるだけでも緊張するの」
リリス『リョウマ様と対峙しているベルカさんのビジュアルは、かなりシュールですけどね』
ヒノカ「確かにそうかもしれないが、ベルカの腕も確かなものだろう。心得の無いものが兄様の前に立てば、この気迫を前に動けなくなってしまうこともあるくらいだ」
リリス『そうなんですね』
ヒノカ「ああ、そういう意味ではとても尊敬しているよ」
ピエリ「ねぇヒノカ様、それ以外だとリョウマ様のこと、尊敬してないってことなの?」
ヒノカ「あ、そろそろ始まるみたいだ」
ピエリ「ヒノカ様?」
627 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:44:19.04 ID:strW7KPN0
ベルカ「……!」ダッ
リョウマ「!」チャキッ
ベルカ「はあっ!」ブンッ
リョウマ「ふんっ」チャキッ ガキンッ
ベルカ「!」
リョウマ「そこだ!」グッ
ダッ
ドスッ! パァンッ!
ピエリ「リリスが頭から割れたの!」
リリス『なんでそこだけ実況するんですか!?』
ベルカ「ちっ……。なら……これでどう!」ガシッ ブンッ
ヒュンヒュンヒュン!
リョウマ「むっ……目くらましなど!」ブンッ ガキィンッ
ポサッ
リリス『容赦なく地面に叩きつけられましたね、私の浮き輪……』シクシク
ピエリ「リリス、撃ち落とされちゃった。ベルカ、一本無駄遣いしちゃったの」
ヒノカ「いや、それはちがうぞピエリ。もう、ベルカは次の手を打っている」
ピエリ「え? そうなの?」
ヒノカ「ああ、おそらく距離を詰めるための一手、次でこの行為の理由が分かるはずだ」
628 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:47:21.48 ID:strW7KPN0
ベルカ「……」タタタッ
リョウマ「なるほど、投擲した浮き輪にこちらの意識を逸らさせたか。だが、その手に乗ると思って――」
ベルカ「ふんっ!」ガシッ ブンッ
ヒュンヒュンヒュン!
リョウマ「なに!?」
リョウマ(両方投げてきただと!?)
リョウマ「だが、こんなもの落としてしまえば!」ブンッ
ドゴッ!
パァンッ!
リョウマ「なに!?」
ピエリ「あれ、今回のリリスは割れちゃったの。リョウマ様、そんなに力強く落としたようには見えなかったのにどうしてなの?」
ヒノカ「私にもわからない、兄様が思っていたよりもリリスの強度が弱かったのかもしれない。いや、もしかしたら先ほどの素振りの間に弱いリリスを一つ作り上げていたのかもしれないな」
ピエリ「どういうことなの、ヒノカ様」
ヒノカ「ベルカは自身の投擲攻撃にかなりの自信があるようだし、兄様は避けるより撃ち落とす選択をした。だから、二本目も同じように打ち落すだろうと予測して、他に比べて弱いリリスを投げ、破裂させることで隙を作り上げて肉薄する。これがベルカの狙いだったんだ」
ピエリ「なるほどなの! 弱いリリスならリョウマ様の攻撃で割れても仕方ないのよ」
リリス『私を弄って楽しいですか!? 楽しいんですか!?』
629 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:49:53.09 ID:strW7KPN0
リョウマ(くっ、隙を作ってしまったか。だが、今のベルカは丸腰、距離に入られなければ!)
リョウマ「そこだ!」ダッ ブンッ
ベルカ「っ!」サッ ガシッ
ブンッ
ガキィン!
リョウマ「それは先に撃ち落としたリリス! くっ、まさか迎撃したつもりが、近距離に武器を設置させる行為に繋がるとは思いもしなかったぞ」
ベルカ「はっ、ふんっ!」ブンブンッ
リョウマ「っ」サッ ササッ
ヒノカ「すごい、兄様をあそこまで追いつめるなんて。ベルカの奴、さすがはカミラ王女の臣下だけはある」
ピエリ「あ、リョウマ様が押され気味なのよ。これはベルカの勝ちなの!」
ヒノカ「見た目は確かにそう見える。だが、そういうわけではないぞ」
ピエリ「?」
ベルカ(よし、動きを抑え込んだ。これで――)ガシッ ダッ
リョウマ「ここまでの打ち込み、見事だ。だが、最後の最後まで来は抜かぬことだ!」チャキッ ザッ
ベルカ「え!?」
リョウマ「はあああああっ」ブンッ
バシンッ パァンッ!!!!
ビリリリッ!
630 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:54:13.49 ID:strW7KPN0
ベルカ「……あ」
リョウマ「見事だ。しかし、最後に欲が出たようだな、ベルカ」
ベルカ「……そうね。あの瞬間、こちらの攻撃を当てる事だけを考えていたわ。暗殺の時と違って、今は敵と対峙しているのに…。私の落ち度ね…」
リョウマ「だが、間合いをこうして詰められるとは思ってもいなかった。中々に新しい経験になったよ。ありがとう」
ベルカ「そう、ならいいわ。だけど、次は同じようには行かないわよ…」
リョウマ「ああ、望むところだ」
ピエリ「ベルカ惜しかったの……。それにしても、リョウマ様の動きはとっても早くて、ピエリわからなかったのよ」
ヒノカ「うむ、やはり強さに衰えは感じられない。兄様は白夜一の侍であることに変わりはないという事か。しかし、中々に白熱した試合だったな、リリス」
リリス『そうですね……』
ヒノカ「どうしたんだ、浮かない顔をしているが」
リリス『浮かない顔をしたくなる理由が私にはあるんですけど。それはさておいて、何かが破れたような音が聞こえませんでしたか? そのビリリって……』
ヒノカ「ビリリ? そんな音、聞こえたか――」
ヒュウウッ
ヒラヒラ ポスリッ
ヒノカ「む、なんだ、この布切れは……。先ほど割れたリリスの残骸か何か、か?」
リリス『出来れば、浮き輪の残骸と言ってもらえませんか。えっと、これは……。水着の切れ端?』
631 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:58:01.12 ID:strW7KPN0
ヒノカ「……仄かに温かみがあるが。一体、誰のものだろうか? その、私よりはある気がする……な」
リリス『ヒノカ様、苦しそうに言うのは止めてください』
ピエリ「これ、ピエリには合わないから、ピエリのじゃないの」
リリス『私でもないですし、ヒノカ様の物でもありませんね』
ヒノカ「ああ、私たち以外に誰かが浜辺に来ていて、何らかの拍子にここまで飛んできたのかもしれない。私たち以外の人影は――ん?」
リョウマ「……」
ベルカ「……?」
ヒノカ「何だか二人の様子がおかしいみたいだが?」
ピエリ「本当なの、リョウマ様。なにか考えてるみたいに見えるの」
リリス『どうしたんでしょうか? ちょっと様子を見に行きましょう』スイスイ~
リョウマ「……」
ベルカ「リョウマ王子、なにか……?」
リョウマ「……ふむ」
ヒノカ「リョウマ兄様、何かあったの……か……」
ベルカ「ヒノカ様? リョウマ王子が動かなくなったのだけど、何かあったの?」 プルンッ
ヒノカ「ベルカ、む、胸が丸見えじゃないか!は、早く、これを付けろ!/////」
ベルカ「?」
リリス『なるほど、あの、ビリリリッという音は、ベルカさんの胸の水着が千切れ飛んだ時のものだったんですね……』
リョウマ「ああ、俺の攻撃の勢いで吹き飛んでしまったようだ、先ほどまで怪我がないかを確認した。どこにも怪我はなかったよ」
リリス『そうでしたか。それで、リョウマ様――』スッ
『言いたいことはそれだけですか?』ペチンペチンッ
632 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/21(火) 20:59:17.27 ID:strW7KPN0
今日はここまで
633 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 19:50:42.97 ID:sH0tw0bD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・宿泊施設入り口―
カミラ「今日もいい天気ね」
レオン「あ、カミラ姉さん。おはよう」
カミラ「あら、レオンおはよう。ふふっ、昨日はよく眠れたかしら?」
レオン「まぁね。こういった場所は熱帯夜っていうのかな? 夜も熱くて眠れないかもしれないって思ってたけど、そんなこともなくてよかったよ」
カミラ「そうね。この異界は蒸し暑い感じじゃないから、過ごしやすくてとてもいいところだと思うわ」
レオン「そうだね。あ……」
カミラ「?」
カムイ「あ、カミラ姉さんにレオンさん、おはようございます」
カミラ「おはようカムイ。ふふっ、今日もかわいらしいわね」
カムイ「ありがとうございます、カミラ姉さん。レオンさんどうしたんですか?」
レオン「な、なんでもないよ、その、おはようカムイ姉さん」
カムイ「はい、おはようございます。どうしたんですか、もしかして昨日あまり眠れなかったとか?」
レオン「ううん、そういうわけじゃないから。気にしないでいいよ。こんな朝早くにどうしたんだい?」
カムイ「はい、ちょっと軽く散歩にでも出ようと思いまして、良かったら一緒にどうですか?」
カミラ「うれしいわ、だけどごめんなさい。そろそろベルカが戻ってくるころだから、ここで待っていないといけないから」
カムイ「そうですか…」
カミラ「レオンはどうかしら? 起きたばかりなんだから、軽く歩いてくるのもいいと思うわ」
レオン「そんな、僕はまだ寝起きじゃ……」
カミラ「そう? それじゃその裏表逆の羽織は、レオンのセンスなのね?」
レオン「! そ、そういうことは静かに言ってよ!////」ガサゴソ
カムイ「ふふっ、なんだかレオンさんらしいですね。とっても愛嬌があっていいと思います」
レオン「か、揶揄はないでよ、姉さん!」
634 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 20:13:35.73 ID:sH0tw0bD0
レオン「はぁ、もう……。朝からどうしてこんな辱めを受けなくちゃいけないんだ…」
カミラ「あら、皆が集まった朝食の場で指摘されるほうが良かったのかしら?」
レオン「うう……。何も言い返せない」
カムイ「それでレオンさんはどうしますか? 正直、一人で歩き回るのもなんだか寂しいので、ご一緒していただけると嬉しいんですけど」
レオン「え、えっと……」
カムイ「……」
レオン(こういった場所を姉さんと一緒に歩いていて、僕たちの事を何も知らない人が見たら、恋人同士だって思ってくれるのかな……。アクアじゃなくて、僕の事を……。こうやって誘ってくれてるんだから、姉さんももしかしたら……)
レオン「……」
カムイ「レオンさん?」
レオン「ごめん、ちょっと僕も用事があるんだ。少しだけ外の空気を吸いに来ただけで、だから悪いんだけど……」
カムイ「そうですか。分かりました、それでは一人で歩いて来ます。朝食には間に合うようにしますので、遅れても気にしないでください」
カミラ「わかったわ」
カムイ「それでは……」タッ タッ タッ
レオン「……」
カミラ「まだ、諦めきれていないのね」
レオン「……うん」
635 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 20:26:22.93 ID:sH0tw0bD0
レオン「本当にどうかしてると思う。こんな難題は生れて初めてだ、こんな勝つことなんてない戦いだってわかっていても、それを受け入れられないことなんてさ…」
カミラ「……そう。レオンにもこんな風に誰かに恋い焦がれることがあるなんて、何だか不思議ね」
レオン「僕もそう思う。姉さんが幸せならそれでいいって思ってたのに、出来れば自分で幸せにしてあげたいって望んでいるんだから」
カミラ「……レオンはカムイを幸せにできる自信があるの?」
レオン「……わからない。だけど、辛そうにしてる姉さんを見るのは嫌だし……。ちがうね、多分だけど誰かに幸せにしてもらってる姉さんを見るのも僕は嫌なんだと思う…」
カミラ「欲張りね」
レオン「うん、初めてだからかもしれない。うまくコントロールできてないだけだから。離れたらどうにかなると思ってたのに、実際は心の中でただ膨れ上がっただけだったし、本当に厄介だよ、この感情は」
カミラ「厄介かもしれないけど、それはとても大切な物よ。誰かを好きなって、その誰かを幸せにしてあげたいっていう姿勢、おねえちゃんは嫌いじゃないわ」
レオン「ありがとう。でも。もしチャンスが巡ってきたら、僕は……」
カミラ「レオン?」
レオン「……ううん、何でもない」
636 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 20:42:25.26 ID:sH0tw0bD0
カミラ「そう……。それにしてもベルカ遅いわね…。朝の訓練だけだからもう戻ってきてもいい頃なのに……。あら?」
ズズズ― ズズズズズ―
レオン「何だろうこの音、向こうから聞こえてくるみたいだけど」
カミラ「そうね、何かを引き摺っているような音だけど――」チラッ
リョウマ「くっ、お前たち。確かに俺が悪かったかもしれないが。こんな形で拘束する必要はないだろう?」
リリス『悪かったじゃなくて、悪いんです。乙女の柔肌を越えた先を曝け出しておきながら、あまつさえそれをまじまじと観察するとは、武士道が泣いて腹を割るまであります!』
ベルカ「リリス、私は別に気にしてないから…」
カミラ「ふふっ、何かあったみたいね」
レオン「そうだね。僕は部屋に戻るよ、その散歩からカムイ姉さんが戻ってきたら気まずいし……」
カミラ「ええ、わかったわ。それじゃ、またあとでね?」タタタタッ
レオン「……はぁ〜」トボトボ
637 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 20:50:42.50 ID:sH0tw0bD0
ピエリ「リリス、すごいの。あのリョウマ様をパッパッと捕まえちゃったの」
ヒノカ「あれは事故だと私は思うのだが。しかし、まさか浮き輪の残骸だけで見事に拘束できるものだな」
リョウマ「ああ、この材質では抜けるのに相当な力がいるぞ。出来れば解いてくれないかリリス」
リリス『ダメです。まったく、ああいうときは背中を向けるのが男だと思います。あんなにじっと見て……』
ベルカ「リリス、リョウマ様は私の体に怪我がないのか見てくれただけ…。だから――」
リリス『そうかもしれませんが……ん?』
カミラ「ふふっ、なんだかおもしろいことになっているみたいだけど。何かあったのかしら?」
リョウマ「む、カミラ王女か、おはよう」
カミラ「ええ、おはようリョウマ王子。ふふっ、今日はとてもカラフルな布を体中に巻き付けているのね?」
ピエリ「カミラ様、これリリスの残骸なのよ」
カミラ「リリスの残骸?」
リリス『ピエリさん、勘違いしそうないい方はやめてください』
カミラ「それで、どうしてこんなことになっているのかしら? リョウマ王子が何か粗相でも?」
リリス『それがですね……』
638 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 20:56:54.32 ID:sH0tw0bD0
リリス『というわけなんです』
カミラ「なるほどね。リリスの気持ち、わからないわけじゃないわ。女の子はそう簡単に肌を見せる物じゃないものね?」
ヒノカ「カミラ王女がそれを言っても、あまり説得力が……。その今もそんな恰好をしているし……」
カミラ「そう? ここは南国の異界なんだから、むしろこれが正装だと思うのだけど?」プルンプルンッ
ピエリ「ピエリも熱いより、涼しくて動きやすい格好の方がいいの!」プルルンッ プルルンッ
ヒノカ「くっ!」
リリス『ともかくです。事故だとしてもあんなにまじまじとベルカさんの乳房を見つめるのはどうかと……』
カミラ「そうね、その点はリョウマ王子も紳士の対応をしてほしかったわ」
リョウマ「すまなかった。だが、俺も本気だったからな、怪我をしていないか確認をする必要があった」
カミラ「ふふっ、わかってるわ。リョウマ王子はベルカの裸に鼻の下を伸ばしていたわけじゃないんでしょう?」
リョウマ「ああ、俺はベルカの身を案じていただけに過ぎない…」
リリス『ほんとぉ?』
リョウマ「本当だ」
リリス『即答されると、もう何も言えません』
639 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 21:00:10.19 ID:sH0tw0bD0
カミラ「なら何も問題は無いわ。それよりもベルカ、本当に怪我はなかった?」
ベルカ「ええ、怪我はないわ…。鍛錬では負けてしまったけど…」
カミラ「そう、次は勝てるといいわね」ナデナデ
ベルカ「ん……。撫でないでカミラ様…」
カミラ「ふふっ、頑張った臣下にはご褒美を上げないと」ナデナデ
ベルカ「……」
リリス『というかベルカさんもベルカさんです。もう少し体を隠すとか、そういうことをしてもいいじゃないですか。なんであんなに棒立ちのままでいたんです? 恥ずかしかったですよね?』
ベルカ「……え?」
リリス『だって、いつぞやのアミュージアで行われたダンスの祭典でカミラ様のダンスをお手伝いしたとき、かなり恥ずかしがっていたじゃないですか』
ベルカ「確かにそうだけど、あの時は多くの人もいたし、私も普通じゃなかっただけだから…」
リリス『そうかもしれませんが、もう少し恥じらいを持ってもいいとお思います。ベルカさんだって女の子なんですから』
ベルカ「恥じらいを持ったところで、誰かを殺せるわけじゃないなら。そんなもの必要ない…」
カミラ「ふふ、だけどそういうのに弱い男がいるのもまた事実よ。相手を骨抜きにしたりするのも夢じゃないわ」
ベルカ「そう? なら覚えた方がいいかもしれない…」
リリス『カミラ様、それはシャーロッテさんのお株です』
640 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2018/08/26(日) 21:01:29.71 ID:sH0tw0bD0
今日はここまで
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