【FEif】リリス(……これは、だめそう……ですね……)

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633 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 19:50:42.97 ID:sH0tw0bD0
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◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・宿泊施設入り口―

カミラ「今日もいい天気ね」

レオン「あ、カミラ姉さん。おはよう」

カミラ「あら、レオンおはよう。ふふっ、昨日はよく眠れたかしら?」

レオン「まぁね。こういった場所は熱帯夜っていうのかな? 夜も熱くて眠れないかもしれないって思ってたけど、そんなこともなくてよかったよ」

カミラ「そうね。この異界は蒸し暑い感じじゃないから、過ごしやすくてとてもいいところだと思うわ」

レオン「そうだね。あ……」

カミラ「?」

カムイ「あ、カミラ姉さんにレオンさん、おはようございます」

カミラ「おはようカムイ。ふふっ、今日もかわいらしいわね」

カムイ「ありがとうございます、カミラ姉さん。レオンさんどうしたんですか?」

レオン「な、なんでもないよ、その、おはようカムイ姉さん」

カムイ「はい、おはようございます。どうしたんですか、もしかして昨日あまり眠れなかったとか?」

レオン「ううん、そういうわけじゃないから。気にしないでいいよ。こんな朝早くにどうしたんだい?」

カムイ「はい、ちょっと軽く散歩にでも出ようと思いまして、良かったら一緒にどうですか?」

カミラ「うれしいわ、だけどごめんなさい。そろそろベルカが戻ってくるころだから、ここで待っていないといけないから」

カムイ「そうですか…」

カミラ「レオンはどうかしら? 起きたばかりなんだから、軽く歩いてくるのもいいと思うわ」

レオン「そんな、僕はまだ寝起きじゃ……」

カミラ「そう? それじゃその裏表逆の羽織は、レオンのセンスなのね?」

レオン「! そ、そういうことは静かに言ってよ!////」ガサゴソ

カムイ「ふふっ、なんだかレオンさんらしいですね。とっても愛嬌があっていいと思います」

レオン「か、揶揄はないでよ、姉さん!」
634 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:13:35.73 ID:sH0tw0bD0
レオン「はぁ、もう……。朝からどうしてこんな辱めを受けなくちゃいけないんだ…」

カミラ「あら、皆が集まった朝食の場で指摘されるほうが良かったのかしら?」

レオン「うう……。何も言い返せない」

カムイ「それでレオンさんはどうしますか? 正直、一人で歩き回るのもなんだか寂しいので、ご一緒していただけると嬉しいんですけど」

レオン「え、えっと……」

カムイ「……」

レオン(こういった場所を姉さんと一緒に歩いていて、僕たちの事を何も知らない人が見たら、恋人同士だって思ってくれるのかな……。アクアじゃなくて、僕の事を……。こうやって誘ってくれてるんだから、姉さんももしかしたら……)

レオン「……」

カムイ「レオンさん?」

レオン「ごめん、ちょっと僕も用事があるんだ。少しだけ外の空気を吸いに来ただけで、だから悪いんだけど……」

カムイ「そうですか。分かりました、それでは一人で歩いて来ます。朝食には間に合うようにしますので、遅れても気にしないでください」

カミラ「わかったわ」

カムイ「それでは……」タッ タッ タッ

レオン「……」

カミラ「まだ、諦めきれていないのね」

レオン「……うん」
635 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:26:22.93 ID:sH0tw0bD0
レオン「本当にどうかしてると思う。こんな難題は生れて初めてだ、こんな勝つことなんてない戦いだってわかっていても、それを受け入れられないことなんてさ…」

カミラ「……そう。レオンにもこんな風に誰かに恋い焦がれることがあるなんて、何だか不思議ね」

レオン「僕もそう思う。姉さんが幸せならそれでいいって思ってたのに、出来れば自分で幸せにしてあげたいって望んでいるんだから」

カミラ「……レオンはカムイを幸せにできる自信があるの?」

レオン「……わからない。だけど、辛そうにしてる姉さんを見るのは嫌だし……。ちがうね、多分だけど誰かに幸せにしてもらってる姉さんを見るのも僕は嫌なんだと思う…」

カミラ「欲張りね」

レオン「うん、初めてだからかもしれない。うまくコントロールできてないだけだから。離れたらどうにかなると思ってたのに、実際は心の中でただ膨れ上がっただけだったし、本当に厄介だよ、この感情は」

カミラ「厄介かもしれないけど、それはとても大切な物よ。誰かを好きなって、その誰かを幸せにしてあげたいっていう姿勢、おねえちゃんは嫌いじゃないわ」

レオン「ありがとう。でも。もしチャンスが巡ってきたら、僕は……」

カミラ「レオン?」

レオン「……ううん、何でもない」
636 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:42:25.26 ID:sH0tw0bD0
カミラ「そう……。それにしてもベルカ遅いわね…。朝の訓練だけだからもう戻ってきてもいい頃なのに……。あら?」

 ズズズ― ズズズズズ―

レオン「何だろうこの音、向こうから聞こえてくるみたいだけど」

カミラ「そうね、何かを引き摺っているような音だけど――」チラッ

リョウマ「くっ、お前たち。確かに俺が悪かったかもしれないが。こんな形で拘束する必要はないだろう?」

リリス『悪かったじゃなくて、悪いんです。乙女の柔肌を越えた先を曝け出しておきながら、あまつさえそれをまじまじと観察するとは、武士道が泣いて腹を割るまであります!』

ベルカ「リリス、私は別に気にしてないから…」

カミラ「ふふっ、何かあったみたいね」

レオン「そうだね。僕は部屋に戻るよ、その散歩からカムイ姉さんが戻ってきたら気まずいし……」

カミラ「ええ、わかったわ。それじゃ、またあとでね?」タタタタッ

レオン「……はぁ〜」トボトボ
637 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:50:42.50 ID:sH0tw0bD0
ピエリ「リリス、すごいの。あのリョウマ様をパッパッと捕まえちゃったの」

ヒノカ「あれは事故だと私は思うのだが。しかし、まさか浮き輪の残骸だけで見事に拘束できるものだな」

リョウマ「ああ、この材質では抜けるのに相当な力がいるぞ。出来れば解いてくれないかリリス」

リリス『ダメです。まったく、ああいうときは背中を向けるのが男だと思います。あんなにじっと見て……』

ベルカ「リリス、リョウマ様は私の体に怪我がないのか見てくれただけ…。だから――」

リリス『そうかもしれませんが……ん?』

カミラ「ふふっ、なんだかおもしろいことになっているみたいだけど。何かあったのかしら?」

リョウマ「む、カミラ王女か、おはよう」

カミラ「ええ、おはようリョウマ王子。ふふっ、今日はとてもカラフルな布を体中に巻き付けているのね?」

ピエリ「カミラ様、これリリスの残骸なのよ」

カミラ「リリスの残骸?」

リリス『ピエリさん、勘違いしそうないい方はやめてください』

カミラ「それで、どうしてこんなことになっているのかしら? リョウマ王子が何か粗相でも?」

リリス『それがですね……』
638 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:56:54.32 ID:sH0tw0bD0
リリス『というわけなんです』

カミラ「なるほどね。リリスの気持ち、わからないわけじゃないわ。女の子はそう簡単に肌を見せる物じゃないものね?」

ヒノカ「カミラ王女がそれを言っても、あまり説得力が……。その今もそんな恰好をしているし……」

カミラ「そう? ここは南国の異界なんだから、むしろこれが正装だと思うのだけど?」プルンプルンッ

ピエリ「ピエリも熱いより、涼しくて動きやすい格好の方がいいの!」プルルンッ プルルンッ

ヒノカ「くっ!」

リリス『ともかくです。事故だとしてもあんなにまじまじとベルカさんの乳房を見つめるのはどうかと……』

カミラ「そうね、その点はリョウマ王子も紳士の対応をしてほしかったわ」

リョウマ「すまなかった。だが、俺も本気だったからな、怪我をしていないか確認をする必要があった」

カミラ「ふふっ、わかってるわ。リョウマ王子はベルカの裸に鼻の下を伸ばしていたわけじゃないんでしょう?」

リョウマ「ああ、俺はベルカの身を案じていただけに過ぎない…」

リリス『ほんとぉ?』

リョウマ「本当だ」

リリス『即答されると、もう何も言えません』
639 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 21:00:10.19 ID:sH0tw0bD0
カミラ「なら何も問題は無いわ。それよりもベルカ、本当に怪我はなかった?」

ベルカ「ええ、怪我はないわ…。鍛錬では負けてしまったけど…」

カミラ「そう、次は勝てるといいわね」ナデナデ

ベルカ「ん……。撫でないでカミラ様…」

カミラ「ふふっ、頑張った臣下にはご褒美を上げないと」ナデナデ

ベルカ「……」

リリス『というかベルカさんもベルカさんです。もう少し体を隠すとか、そういうことをしてもいいじゃないですか。なんであんなに棒立ちのままでいたんです? 恥ずかしかったですよね?』

ベルカ「……え?」

リリス『だって、いつぞやのアミュージアで行われたダンスの祭典でカミラ様のダンスをお手伝いしたとき、かなり恥ずかしがっていたじゃないですか』

ベルカ「確かにそうだけど、あの時は多くの人もいたし、私も普通じゃなかっただけだから…」

リリス『そうかもしれませんが、もう少し恥じらいを持ってもいいとお思います。ベルカさんだって女の子なんですから』

ベルカ「恥じらいを持ったところで、誰かを殺せるわけじゃないなら。そんなもの必要ない…」

カミラ「ふふ、だけどそういうのに弱い男がいるのもまた事実よ。相手を骨抜きにしたりするのも夢じゃないわ」

ベルカ「そう? なら覚えた方がいいかもしれない…」

リリス『カミラ様、それはシャーロッテさんのお株です』
640 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 21:01:29.71 ID:sH0tw0bD0
今日はここまで
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