幼女魔王N「小さなお城で甘えたい」 母性巫女「晴れ渡る雨の新世界」

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420 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 12:43:26.46 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王の塔 母性巫女の部屋



ガチャ
キイイ パタム


幼女魔王A 「まま!」

幼女魔王たち 「母性巫女!」


母性巫女 「ただいま戻りました」


幼女魔王A 「お、おかえりなさい……!」


トテテテテ


幼女魔王A 「……あ」


幼女魔王M 「…………」


母性巫女 「……A、Mを寝かせるの、手伝ってくれますか」


幼女魔王A 「う、うん。Rの隣でいい?」


母性巫女 「お願いします」


幼女魔王C 「Mは、大丈夫なの? 生きているの?」


母性巫女 「C。弱っているけど、はい」


幼女魔王C 「そう……」

幼女魔王C 「良かった……!」


幼女魔王F 「フェニックスだ!」


幼女魔王H 「フェニックス!」


幼女魔王C 「…………」

幼女魔王C 「それで、Gはどこ?」


母性巫女 「それが……」


421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 13:27:59.63 ID:NPBlHHBUo


カチ コチ カチ コチ
ポーン



幼女魔王I 「それでそれで、どうだったの? あの声」

幼女魔王I 「Mの体のすみずみまで、いじめてくれたの?」


幼女魔王J 「貫通された? Mのお尻から口までズリズリされた?」


幼女魔王E 「石鹸は? 石鹸は使われた?」


幼女魔王M 「うっさい……ぶっとばすわよアンタら……」


キャッ キャッ




幼女魔王C 「……そうなのね。Gが、あの声を」


母性巫女 「はい」

母性巫女 「……ごめんなさい」


幼女魔王C 「いいえ。帰ってきてくれてありがとう」

幼女魔王C 「きっとGの言うとおり」

幼女魔王C 「あの声は、あのままだったらきっと、ここまでやって来た」

幼女魔王C 「やっつけなきゃいけなかった」

幼女魔王C 「できれば私たちの、誰かが……」


幼女魔王L 「やっつけられたの?」


幼女魔王S 「声は聞こえなくなったけど」


幼女魔王C 「…………」


母性巫女 (Gのこと、あの毛玉のこと)

母性巫女 (なんて話したら良いのかしら)


422 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 13:52:16.42 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王S 「ううむ、ただのゲーム大好きな私が」

幼女魔王S 「道連れにしたくらいであの声をやっつけられるものか」


幼女魔王D 「でも、あの私って、あの声を聞いても平気だったよね」


母性巫女 「……あの。Gのことなんですけど」


幼女魔王C 「なあに」


母性巫女 「ゲームが大好きなG……じゃ無かったみたいです」


幼女魔王L 「えっ!?」


幼女魔王H 「フェニックス!?」


幼女魔王F 「偽者か!?」


母性巫女 「あ、いえ。ちゃんと本物? だったみたいですけど」


幼女魔王C 「…………」

幼女魔王C 「あの私は何の私だったか、母性巫女は教えてもらったの?」


母性巫女 「はい」

母性巫女 「幼女魔王を守る幼女魔王」

母性巫女 「…………」




母性巫女 「……カーディガン」

母性巫女 「だそうです……」



幼女魔王たち 「…………」

幼女魔王たち 「カーディガン……」



423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 14:03:09.72 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王L 「カーディガン……」


幼女魔王P 「ゲームが好きじゃないのは何となく感じてたけど。どうでもいいから黙ってたけど……」


幼女魔王S 「たしかに、どこかあたたかい感じのする私だったわ」


幼女魔王D 「肌寒い朝夕も、冬の寒さも、さりげなく暖めてくれるような」


幼女魔王W 「そんなフェニックスだったわね……」


母性巫女 「…………」


幼女魔王C 「……ありがとう」

幼女魔王C 「幼女魔王G」




幼女魔王たち 「私たちの、カーディガン……」





424 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 14:04:42.97 ID:NPBlHHBUo


ガチャ キイイ
パタム



幼女魔王G 「…………」

幼女魔王G 「ガーディアンだね」



幼女魔王たち・母性巫女 「!?」








425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 15:05:11.21 ID:NPBlHHBUo



幼女魔王C 「G……!」


幼女魔王G 「ただいま、C。Mは……無事なようだね」


幼女魔王M 「無事じゃないわよ……全身重いし」

幼女魔王M 「さっきから私が私の不幸にたかってくるし……」


幼女魔王I 「ペンペン」 


幼女魔王J 「ズリズリ」


幼女魔王E 「ヌルヌル」




幼女魔王G 「Mをありがとう母性巫女」

幼女魔王G 「私はガーディアンだけど」


母性巫女 「ご、ごめんなさい」

母性巫女 「良かった、本当に……無事だったんですね」

母性巫女 「階段が崩れてしまって、もう駄目かと……」


幼女魔王G 「ああ、私も覚悟していたよ」

幼女魔王G 「けれど、幸運ってあるんだね」



426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 15:12:20.69 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王C 「いろいろ聞きたいことがあるけど」

幼女魔王C 「どうしよう。何から聞けば良いのかしら」


幼女魔王G 「ああ。私も話さなくてはならないことがあるけれど」

幼女魔王G 「ゆっくり、順をおわずに話すとしよう」

幼女魔王G 「とにかくもう、怖い声が聞こえてくることは、なくなったのだから」


幼女魔王S 「なくなった?」


幼女魔王C 「それって……」


幼女魔王G 「いってしまったよ、あの声は」

幼女魔王G 「私たちの行くところのどことも違う場所に」


幼女魔王たち 「…………!」



427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 15:55:15.52 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王A 「……あの怖い声、もう聞こえないの?」


幼女魔王G 「ああ。もっと怖いものが」

幼女魔王G 「ぜんぶ食べてしまったからね」


幼女魔王S 「ももも、もっと怖いもの!?」


幼女魔王G 「ああ……」


キャハハハハハハ


幼女魔王たち 「!?」


母性巫女 「……!」




毛玉触手 『キャハハハハハ』


毛玉触手が 現れた!


幼女魔王P 「ひっ……!!」


幼女魔王W 「おのれ出たな! いくぞフェニックス隊!」


幼女魔王L 「わああ、戦いを挑まないで! じっとしてて!」



幼女魔王A 「ま、まま……!」


ギュウゥ


母性巫女 「大丈夫、大丈夫ですからね……」

母性巫女 (あれ……私、何だか少し、あの毛玉触手の笑い声が平気になってる?)


幼女魔王C 「ええ、こちらから何もしなければ、何もしてこないわ」

幼女魔王C 「ただ怖いだけ」


幼女魔王J 「あいかわらず怖い……けど、あのぶっとい触手……グヘヘ」


毛玉触手 『キャハハハハハ』



幼女魔王A 「あれがもっと怖いもの?」


幼女魔王G 「ううん。あれは、待っているだけだ」



428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 16:10:56.04 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王C 「待っている?」


幼女魔王L 「誰を?」


幼女魔王G 「……私たちかな」


幼女魔王S 「?」


幼女魔王C 「……そう」



毛玉触手 『キャハハハハハ……』




幼女魔王A 「……じゃあ、もっと怖いものって……ううぅ」


母性巫女 「よしよし、大丈夫大丈夫」

母性巫女 (広間からずっと下の、あの棺……)


幼女魔王G 「そう、大丈夫だよ、A」

幼女魔王G 「怖くて大丈夫だ」

幼女魔王G 「この塔にある怖いものは、本当は」

幼女魔王G 「私たちのために、怖いのだから」


幼女魔王A 「……?」



429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 17:17:41.24 ID:NPBlHHBUo


……

…………



幼女魔王の塔 厨房


カチャカチャ コトコト
クツクツクツ



母性巫女 (私に分けてくれた部屋のすぐ近くが台所だったなんて)

母性巫女 (広間はなくなってしまったけど、よかった)

母性巫女 (……ここで何かを食べるって、現実にはどういうことなのかしら)


幼女魔王A 「まま…おひげとるの、終わった……」


細長い野菜


母性巫女 「ありがとうございます」

母性巫女 「うん、とっても丁寧」


幼女魔王A 「えへへ……いっぱい、やりなおしたから」

幼女魔王A 「ほかに、何かする?」


母性巫女 「うーん、そうですね」

母性巫女 「どうしましょう、R?」


幼女魔王R 「……もうすぐお鍋持って行かなきゃだから、Aは、食べるところの様子を見てほしい」

幼女魔王R 「食器。持って行ったり、お片づけとか……ちゃんと、できてるか……」

幼女魔王R 「お願い、します……」


母性巫女 (なんだか、ぎこちない……)


幼女魔王A 「う、うん……じゃあ、いってくる」


430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 17:47:59.85 ID:NPBlHHBUo


コトコト 


幼女魔王R 「あとは、これだけ……」


母性巫女 「はい」

母性巫女 「……体の具合、つらいところりませんか?」


幼女魔王R 「うん……大丈夫」


母性巫女 「Rのおかげで、おいしいお鍋になりそうですね」



処女風魚介野菜鍋



幼女魔王R 「……う、うん」

幼女魔王R 「でも、私、やっぱり」

幼女魔王R 「いいのかな……私」


母性巫女 「R?」


幼女魔王R 「だって……ぜったい見たことないお野菜も」

幼女魔王R 「食べたことないお魚も……」

幼女魔王R 「どうやったらおいしくできるか、切り方とか……知ってて」

幼女魔王R 「お鍋料理のしかた、覚えた記憶、ぜんぜん、ないのに」


母性巫女 「はい……」


幼女魔王R 「だから、どうやってお料理おぼえたか、分からないから……」

幼女魔王R 「これから、どうやって新しいお料理おぼえたら良いか、分からないから」

幼女魔王R 「ううん、きっと、私、料理をおぼえたくない。新しいことおぼえるの眩暈がする」

幼女魔王R 「できるから、だからやってるけどっ、でも私っ、今たまたま上手なだけでっ……」

幼女魔王R 「だって、私、こんな、だめな、私……」

431 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 18:02:44.08 ID:NPBlHHBUo


母性巫女 「はい…うん……」


幼女魔王R 「私、本当は何もできないの、なまけものなの」

幼女魔王R 「なのに、こんな、知らないお料理なんて知ってて」

幼女魔王R 「何もできないから、がんばらなきゃいけないのに……!」

幼女魔王R 「やだ、やだ、怖くて、何もできない、違う」

幼女魔王R 「分かってるの、何かしなきゃいけないのに」

幼女魔王R 「分かってるのに……! うぅ、うぅ……!」


母性巫女 「R」


ダキ


幼女魔王R 「あううぅ、ううぅう!」


母性巫女 「いいこ、いいこ……」


ナデ ナデ


幼女魔王R 「違うの、私、ちがうの」

幼女魔王R 「悪くて、悪い……」


母性巫女 「はい」

母性巫女 「Rは悪い子」


ナデ ナデ


幼女魔王R 「すごく悪くて、ここにいちゃいけなくて……」

幼女魔王R 「やだ、やだ、やだ……」


母性巫女 「悪い子、とても悪い子」


ナデ ナデ


母性巫女 「悪くて、悪くて」

母性巫女 「だいじな、悪い子……」


ナデ ナデ……



432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 18:20:58.40 ID:NPBlHHBUo


幼女魔王の塔 母性巫女の部屋



ガヤガヤ


幼女魔王W 「ここをフェニックス席とする!」


幼女魔王P 「ちょっともう! そこ座られると邪魔!」

幼女魔王P 「寝そべってプニマンできなくなる!」


幼女魔王L 「久しぶりのRの料理、楽しみ」


幼女魔王S 「調子悪そうだったのに、大丈夫かな」

幼女魔王S 「というか……」


毛玉触手 『キャハハハハ』


幼女魔王S 「……ずっとここにいるのかな」


ワイワイ ガタガタ


幼女魔王C 「……どうして本当の名前、隠していたの」


幼女魔王G 「うーん、うまく言えないけど、私だから分かるんじゃないかな」


幼女魔王M 「……私たちは甘えんぼうで怠けんぼう」

幼女魔王M 「Gがいれば安心だって分かったら」

幼女魔王M 「ぜったい、他の私たちはどんどん駄目になってく」


幼女魔王C 「……きっと、そうだけど」




カチャ キイイ ハタム
トコトコトコ


幼女魔王A 「……あ、あの」

幼女魔王A 「もうすぐ、お鍋、くるよ……」

幼女魔王A 「から、えっと……お部屋の、食べるところの準備、みんなで……」



…………
 


433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 18:34:07.12 ID:NPBlHHBUo


グツグツグツ
ガヤガヤ ワイワイ


幼女魔王C 「どうして広間がなくなってしまったのかしら」


幼女魔王M 「なくなったものは、しょうがないでしょ」

幼女魔王M 「それより、これから幼女魔王会議をする場所をどうするの」


幼女魔王G 「広間ほどでなくても、せめてここくらいの広さがある場所かな」


母性巫女 「ここで良いと思いますよ」

母性巫女 「はい、M。あーん」


幼女魔王M 「……あ、あーん」

幼女魔王M 「ハフッ……うん、おいしい」


幼女魔王R 「……ありがとう」


幼女魔王C 「素直ね、M」


幼女魔王M 「……仕方ないでしょ」


幼女魔王A 「うぅ、ずるい、ずるい」

幼女魔王A 「まま、私も、あーん、私も」


母性巫女 「はい。あーん」


幼女魔王A 「あーん。えへへ」


母性巫女 「うふふふ。自分でもしっかり食べるんですよ」


434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/07(水) 18:43:39.36 ID:NPBlHHBUo


毛玉触手 『キャハハハハハ』


幼女魔王C 「では、あれは味方のようなものって考えて良いの?」


幼女魔王G 「私たちではなく、のぼってくる声だけに対して攻撃していたからね」

幼女魔王G 「何と言うか、頼もしい怒りのようなものも感じた気がするし」


幼女魔王C 「……とても、信じられない話ね」


毛玉触手 『キャハハハハ』


幼女魔王F 「フェニックスなのか?」


幼女魔王H 「追加フェニックスなのか!?」


435 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2023/06/08(木) 06:14:51.86 ID:p/M6VMH+o


母性巫女 「私にも、あれが、のぼってくる声を攻撃しているように見えました」

母性巫女 (少し平気になったけど、あの毛玉のモンスターの笑い声を聞いたらまだ少しお腹の底がキュンとする……)


幼女魔王C 「……ふうむ」


幼女魔王G 「声がいってしまうのを見届けて、私が帰ってくることができたのも」

幼女魔王G 「浮遊移動するあれに、どうにか掴まることができたからだ」


幼女魔王M 「あれを乗り物にしたの? あんまりやりたくない」


幼女魔王G 「意外と良い乗り心地だったよ」

幼女魔王G 「それに発見もあった。あれに掴まって帰る途中で」

幼女魔王G 「広間からのどの廊下とも繋がっていない部屋などを」

幼女魔王G 「いくつも見かけた」


幼女魔王C 「空中を浮かないと行けないような場所があるってこと?」


幼女魔王G 「ああ」


幼女魔王C 「……まだまだ分からないことだらけなのね、この塔も」


436 :sage :2023/07/10(月) 19:48:57.85 ID:gZ2ZhsEo0
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