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わたしとヒトとアライさん
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:17:07.20 ID:BBRlU/0B0
落ち葉と枯れ葉が散らばる地面を踏みしめる度、がさ、がさ、ぎゅっぎゅと音がする。
小枝がへし折れ、ぱき、と音がする。
風の音、葉が擦れる音が聞こえてくる。
それ以外のものはこの森からは何も聞こえてこない。
息を潜め、ゆっくりと、男は地面を踏みしめる。
畑を荒らす何かがこの森に入って行ったのを近隣の住人が見つけてから二日後
男はそれの駆除をこの職の初仕事として引き受けた。
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:19:38.97 ID:BBRlU/0B0
息を潜め、ゆっくりと、男は地面を踏みしめる。
風の音、葉が擦れる音が聞こえてくる。
今はそれ以外のものは、何も聞こえてこない。
だが、聴覚ではない、男の嗅覚が異常を検知した。
悪臭。こんな森の中では決して発生しないはずの、悪臭。
木の周囲に落ちている悪臭の発生源を見て男は顔をしかめる。
人間の糞便のようなものが木の根っ子に固められていた。
まるで砕石場に詰まれた石のように、恐ろしい量の糞便がそこに溜まっていた。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:24:16.17 ID:BBRlU/0B0
男「うっ…まさかあれ、溜め糞か?」
溜め糞があったという事は、恐らくは。
そう考えて男は腰に手を伸ばし、拳銃を掴んだ。
男は初めて実戦で掴む拳銃の重さを手首で感じ取り息を飲む。
ある時を境に、日本の治安は急激に悪化した。その結果、日本での拳銃の所持が認められるようになった。
とは言ってもそれまでの風潮もあり、よほどの事がなければ日本人は銃を使わない。
だが今は、そのよほどの事が起きている。彼は今から銃刀法の改法を余儀なくした存在の一つと戦うのだ。
拳銃の重さから、彼はそれを感じ取っていた。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:25:42.69 ID:BBRlU/0B0
「たぁ〜〜〜〜!!!!」
甲高い奇声に気を惹かれ男が上を見上げると、性器を丸出しにした何かが尻からこちらに落ちてくるのが見えた。
心臓が跳ね上がる。女性器を見た事による性的興奮ではなく、命の危機を感じ取った。
脚に力を入れ地面を蹴り、その場から離れる。
ザクッ
男がさっきまでいた場所に棒状の何かが深く突き刺さった。奇声の主が持っていた棒状の何かが。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:30:59.34 ID:BBRlU/0B0
逃げた獲物の姿を捉えようと、奇声の主が男を視界に収める。
男も奇襲をしかけてきた奇声の主を視界に収める。
灰色の髪が見える。視覚から入ってきたその情報が、一瞬目の前のそれが人間だと誤認させる。
頭から生えた二つの大きな耳。灰と黒の縞模様の尻尾。
きちがいのように吊りあがった二つの目と、ぶよんと飛び出した頬。
ねずみ色の毛皮が首に付いた、青がかった紫の服。
一見人間のように見えるが、二つの耳と尻尾と気狂いのような顔がそれを否定させる。
目の前のそれ、彼女は生物学的にも人間ではない。
動物がサンドスターと呼ばれる未知の粒子によって突然変異を起こした姿。
フレンズ。その一種。
男「あ、アライさん…!!」
特定有害駆除対象フレンズ、アライグマ。
この、人の知恵を身に付けた害獣は手に持った槍で男を刺し殺そうとして失敗した。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:32:11.12 ID:BBRlU/0B0
「たぁ〜〜〜〜!!!!」
呆気に取られ、銃口を向けるのを忘れていた男の頭上からまた別の奇声が聞こえた。
男「あづっ!!」ザクッ
今度は避けそこない、槍が右腕を抉る。落ち葉の上に赤い血と拳銃が落ちた。
男は痛みに悶絶する暇もなく、頭をよぎった嫌な予感によって動きを止める。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:35:04.29 ID:BBRlU/0B0
男は周囲を見渡す。周囲の木々から、何かが這い出てきているのが見えた。
アライちゃんA「のだー」ニュウッ
アライちゃんB「だー」ニュウッ
アライちゃんC「なのだー」ニュウッ
アライちゃんD「のだー」ニュウッ
アライちゃんE「のだー」ニュウッ
アライちゃんF「のじゃー」ニュウッ
アライちゃんG「ふははははー」ニュウッ
「「「「「「「わっちぇ、わっちぇ、わっちぇ、わっちぇ」」」」」」」
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ
手の平に乗る位の大きさのアライさんが木々の内側から這い出て、木を降りていく。
この小さいアライさんはアライさんの幼獣、アライちゃんだ。
今アライちゃん達が這い出てきた木々の内側は、既にアライさんに侵食され巣とされていたのだろう。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2017/11/09(木) 00:39:24.99 ID:8uctEsTo0
アライさんマジやばい。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:41:30.42 ID:BBRlU/0B0
だが、これはおかしい。
アライさんがアライグマと同じように木を巣として生活するのは知っていたが、この数は明らかにおかしい。
この一帯が危険地帯、アライさんのコロニーになっているなんて話を男は聞いていなかった。
特定有害駆除対象フレンズ、つまり害獣であるアライさんの危険性は他の害獣の比ではない。
これの祖先のアライグマが子供やペットを襲い、殺すように、アライさんも人を襲うのだ。
平均140cm程の、人間サイズの成獣(アライさん)によって人間が殺害され、捕食された事例もある。
つまり、この目の前の群れは人食いの群れなのだ。しかも、祖先よりも思考が進化している。
下手に過疎地に攻め込まれれば、そこに住む人間を皆殺しにして乗っ取る事くらいはやってのける。
それ程までに危険な害獣、それがアライさんだ。
それ故に、日本での拳銃の所持が認められ、駆除屋・ハンターの数も増えた。
その群れがコロニーを形成しているとなればすぐにわかるし、その森一帯近隣含め危険地帯として認定されるはずだ。
だが、そんな情報は男に一切入ってきていない。
彼も新米とは言え、一人のハンターだ。アライさんコロニーの情報は真っ先に彼らの耳に入る。
誰かが、隠していなければの話だが。
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:44:49.08 ID:BBRlU/0B0
まずい、殺される。男は命の危機を感じて逃げ出した。
拳銃を拾うという選択肢は捨てた。
利き腕を負傷した事と、拾っている間にまた上から奇襲をかけられたら心臓をやられると考えたからだ。
徐々に胸を締め付ける息苦しさに耐えながらも、全力で落ち葉を踏み、地面を蹴る。
逃げろ、逃げろ、逃げろ。ただそれだけを考えて男は全力で走った。
後ろからアライさんの群れが男を追いかけている。
聞いていた数と違いすぎる。コロニーができているなんて聞いていない。
一人で何とかなる場所ではない。逃げるしかない。
男は全力で走り続ける。止まれば、あの群れが男を殺すだろう。
だがそれは突然の、予想外のものによって阻まれた。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2017/11/09(木) 00:44:53.11 ID:8uctEsTo0
男。ゲームオーバーか。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:46:26.56 ID:BBRlU/0B0
土と植物、有機体に囲まれた空間に似つかわしくない無機物が擦れる音がしたと同時に彼の左足に痛みが走る。
その痛みと、左足を固定した何かに引っ張られ、彼は落ち葉の溜まった地面に倒れこんだ。
左足を見ると半円型の何かが二枚、彼の左足を挟み込んでいた。
淵に付いた刃が彼の服と肉に刺さり食い込む。
トラバサミだ。人間が獣を捕らえる為に開発した、古くから伝わる罠。
彼は、それに引っかかってしまった。
嘘だろ、と彼は思わず口走った。
自分が仕掛けたものではないし、自分以外のハンターの姿は無い。
誰かが仕掛けたまま置いて行ったか、そうでなければアライさんが仕掛けたかだ。
前者なら仕掛けた奴をぶん殴ってやる。
後者はありえるのか?あのガイジがそんな事をできるのか?
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:47:40.63 ID:BBRlU/0B0
アライさんA「ヒトが作った道具にヒトがひっかかったのだ!あいつ馬鹿なのだ!!」
アライちゃんA「やっぱりおとーしゃんのいうとおりらったのらぁ!」
アライちゃんA「ばかなのだ!」
アライちゃんB「がいじなのら!」
アライちゃんA「あらいしゃんをいじめるやつはみんあがいじなのら!!」
アライちゃんC「ガイジなのだ!」
アライちゃんD「ガイジなのだぁ!」
アライちゃんE「がいじなのりゃぁ〜!」
アライちゃんF「が!い!じ!が!い!じ!が!い!じ!が!い!じぃ〜!」
アライちゃんG「がいじ!がいじ!がいじ!がいじぃ〜!のりゃりゃりゃりゃ〜!!≧∀≦」
アライちゃんA「が!い!じ!」
アライちゃんB「が!い!じ!」
アライちゃんC「が!い!じ!」
アライちゃんD「が!い!じ!」
アライちゃんE「が!い!じ!」
アライちゃんF「が!い!じ!」
アライちゃんG「が!い!じ!」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:49:14.98 ID:BBRlU/0B0
身動きが取れなくなった彼にアライさんが近付いていく。
アライちゃんの群れが、まるで古い映画に出てくる肉食の甲虫のように男に近付いていく。
囲まれれば最期、その映画のように殺され、食われ、骨をこの森に晒す事になる。
アライさんは血で汚れた棒を持ち、アライちゃんは涎と小便を垂れ流しながら男に近付いていく。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:50:37.81 ID:BBRlU/0B0
アライさんB「ガイジは生きている価値なんて無いのだ!」
アライさんA「影川の手先はみんなガイジ!なのだ!!」
アライちゃんD「ガイジなのらあああ〜〜〜〜〜!!!!!」
男「やめ…やめろ…!!」
アライさんA「巨悪ガイジはみんな死ぬのだ!」
アライさんB「殺すのだー!殺すのだー♪」コスリコスリコスリコスリ
アライちゃんA「こりょすのだぁ〜〜〜!≧∀≦」コスリコスリコスリコスリ
「「「「「「こりょすのだぁ〜〜〜!!!≧∀≦」」」」」」
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16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:51:28.52 ID:BBRlU/0B0
下品な笑みを浮かべながらアライさんの群れが自分の両手をこすりはじめた。
祖先のアライグマから遺伝子レベルで引き継がれてきた動き、通称ハエガイジムーブだ。
この害獣どもはこの動きが癖になっていて、隙あらばハエガイジムーブを行う。
手が寂しい時、暇な時、嬉しい時、不満な時。
ありとあらゆる状況でも隙あらば手をこすり合わせ、人を不快にさせる。
今もアライさんBは、獲物を殺す高揚感が溢れ出したかのように激しくハエガイジムーブを行っている。
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:53:41.18 ID:BBRlU/0B0
アライちゃんG「しぬのらぁ〜!あらいしゃんがせいぎのてっちゅいをくだしてやるのらぁ〜!!」コスリコスリ
アライちゃんC「でもまずそうなのりゃ!くさそうなのりゃぁ!!アライしゃんのうんちよりくさそうなのりゃあ!!!」
アライちゃんE「おかおもあぶらぎっててくちゃそうなのりゃあ!!」
アライちゃんB「ふかいなのらぁ!ガイジなのらぁ!!おかーしゃんさっさところすのらぁ!!!」
アライさんA「言われなくてもそうするのだ!!」ジャキ
アライさんA「ちびたち!!今日のごちそうが手に入ったのだ!!」
アライちゃんC「いやなのら!くちゃいのりゃあ!くちゃいのいやなのりゃあああ!!!><」ブンブンブンブン
アライさんA「焼いて食えばくさくないのだ!!」
アライちゃんA「おぉ〜〜〜〜〜〜!!!!!」コスコスコスコスコスコスコスリイイイイイイイイイ
アライちゃんB「金玉はあらいしゃんがもらうのらぁ!!ころころ転がしてごりっとかむのらぁ!!」コスコスコスコスコスコスコス
アライちゃんC「なにをいってるのだこのどろぼー!金玉ガムはあらいしゃんのものなのだぁ!!」
アライちゃんB「はっ!?おまえこそなにいってるのだ!おまえこそどろぼーなのだ!かげかわなのだ!!」
アライさんA「金玉は二つあるのだ!分け合えるのだ!」
アライちゃんB「おぉ〜〜!!さすがおかーしゃぁーん!!」コスコスコスコス
アライちゃんC「てんさいなのらぁ!あらいしゃんはてんさいの子供なのだぁ!!」
アライさんB「ふははははー!そうなのだ!アライさんたちは天才なのだ!!」
アライさんB「アライさんたちは無敵なのだ!だからこんなガイジに負けるはずがないのだぁー!!」コスリコスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコス
アライさんAが男の腹を万が一でも逃げられないように踏みつけ、手に持った槍の切っ先を胸に向けた。
アライさんA「お前はアライさんを殺そうとしたのだ!だがそれは大きな間違いだったのだ!!」
アライさんA「アライさんは天才であると同時に、今日まで野生の一匹狼として生き抜いてきた偉大なアライさんなのだ!!」
アライさんA「お前みたいな温室育ちのハエガイジとはわけが違うのだ!」
アライさんA「ざまーみろなのだぁー!!」ケラケラケラケラコスリコスリコスリコスリ
「「「「「ぴぇ〜ぴぇっぴぇっぴぇっぴぇっぴぇ〜〜!!!≧∀≦」」」」」
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18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:55:16.49 ID:BBRlU/0B0
ハエガイジムーブによって擦れる音が重なり、森の中に響く。
アライさんの群れの笑い声が重なり、森の中に響く。
勝利を確信したアライさん達は男を嬲りものにしていた。
いつでも殺せるのだから、めいいっぱい馬鹿にして馬鹿にして馬鹿にしくさった上で殺してやろうと、アライさん達は考えていた。
が、すぐに飽きが来たアライさんAが男を刺し殺す為に槍を握りなおす。
アライさんA「たあ〜〜〜!!!!」
そして手に持った棒を突き刺そうと振りかぶる。
自分達の勝利と今日のごちそうを確信し、気持ちの悪い釣り目をさらに釣りあげた。
男「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
森の中、一人の男の悲鳴が響いた。
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:56:51.84 ID:BBRlU/0B0
その瞬間
パァン
アライさんA「あぼっ!!」
アライさんA「」ドサッ
破裂音と共に、男を刺し殺そうとしていたアライさんの頭から何かが突き抜け地面に刺さった。
アライさんA「ぼぼぽっ…」ビクンビクン
アライさんA「ぼぼっべっぼぼっおんっほぼぼおおべえっ」ビグンッジタッバタタッビッググッバタタタタッ
脳を破壊され倒れこんだアライさんAが痙攣を始めた。
手足をばたつかせ、背筋も使い、身体をびくんびくんと激しく跳ねさせる。
これは通称ゴキガイジムーブと呼ばれ、祖先のアライグマから引き継いだ謎の特徴である。
だがそれも数十秒もすれば止まり、アライさんAは完全に生命活動を停止した。
アライさんB「お、おねーしゃあーん!!」
パァン!
再び破裂音が響く。
アライさんB「あびゃ!」
響く。
アライちゃんA「ぐべ!」
響く。
アライちゃんB「のぎゃっ!」
アライさんB「」ビグンッジタッバタタッビッググッバタタタタッ
アライちゃんA「」ビグンッジタッバタタッビッググッバタタタタッ
アライちゃんB「」ビグンッジタッバタタッビッググッバタタタタッ
そしてゴキガイジムーブの合唱。
破裂音の主、銃を持ったハンターの手際の良さが伺える。
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 00:59:23.31 ID:BBRlU/0B0
下品でおぞましいコンサートが開かれている、その少し離れた場所に大きな白い塊がいた。
その白い塊、大型犬の飼い主こそが、今4匹ものアライさんを射殺したハンターである。
アライちゃんC「にげゆのりゃ〜!ぴいいぃぃぃいいいいええぇえええ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
飼い主「パスカル」
大型犬「グワァオ!!」
飼い主が隣の大型犬に呼びかけると、大型犬は白い残像となって駆け抜けていく。
四つ足でヨチヨチと逃げるアライちゃんCにあっという間に追いつき、喉笛に噛み付いた。
ガブウ!
アライちゃんC「ぐびゅえええええ!?」
飼い主「パスカル。殺せ」
大型犬「ガウ!ガウ!ガウ!ガウゥ…!!」
アライちゃんC「」ビクンッビクッビクッビクッ
大型犬は何度も何度も顎に力を込める。アライちゃんCは何度か痙攣した後動かなくなった。
飼い主「パスカル。離せ」
飼い主の合図に従い、咥えていたアライちゃんを離す。
首から大量の血をどくどくと流し、白目を剥いたアライちゃんCが動く様子は無い。
大型犬の飼い主は、その汚らしい顔面を靴底で踏み潰した。
アライちゃんC「」グシャ
アライちゃんC「」ビクッビクビクッ、バタバタバタバタッ
幼獣がゴキガイジムーブをする。それが止まるまで、飼い主はその様子をずっと見ていた。
ゴキガイジムーブが止まり、アライちゃんCの生命活動が完全に止まった。
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:01:29.20 ID:BBRlU/0B0
飼い主「よくやったねパスカル。助かったよ」
飼い主は大型犬を労い、身体を手の平で撫でる。大型犬はそれに尻尾を振って答え、飼い主からは笑い声が漏れた。
パートナーの労い兼スキンシップを終えた飼い主が男を視界に収める。
彼の足にはまだトラバサミの刃が食い込んでいるのだ。
飼い主「すみません今外します。そのままにしててください」
罠を外す為に飼い主が男の足元に跪いた。手に持った工具を押し、捻り、力を込めて罠を外す。
工具をポーチに突っ込み、代わりにガーゼと消毒液を取り出す。
飼い主「よし…このまま傷の手当もしておきますね。ちょっと染みますけど我慢してください」スッ
男「あ…あぁ。頼む…ッ!!」ビクッ
飼い主「それにしてもハエガイジどもが罠を使うようになるなんて…」シュルシュル
男「あぁ…」
男「いや、確かお父さんが何とかとか言ってたような」
飼い主「お父さんが言っていた?罠の使い方を?まさかアラ信の人達がここまで来てるんじゃ」
男「…多分」
飼い主「こんなコロニーを今まで隠し通せていたのも、まさか」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:02:37.02 ID:BBRlU/0B0
そこで会話が途切れた。
飼い主は深刻な事を考えているかのように眉間に皺を寄せながら男の傷の手当をしていく。
それを見た男は、この命の恩人が今自分と同じ事を考えているのだろうと感じ、あえて何も言わずに大人しく手当てを受けた。
誰もが思っている事を、何度も何度も口にする必要も無いだろう。
余計な事をしやがって、と。この場にいる二人とも、そう思っていた。
害獣は死に、人と人の会話が途切れ、森に再びあるべき静寂が訪れる。
だが男の胸から引っかかりが消える事は無かった。
まだ、あのハエガイジどもの生き残りがいるからだ。
だが、それを追いかけるのはもう無理だ。
その思いが、後悔が彼の胸をずっと締め付けていた。
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:05:03.91 ID:BBRlU/0B0
…
ブロロロロロロロ
男「本当にごめん」
飼い主「気にしないでください。3000円ちょっとと人の命、どっちが大切かなんて明確じゃないですか」
飼い主「それに、あそこにコロニーがあるとわかれば近いうちにハンターが集団で入るでしょう。今日殺し損ねたのもそこで死にますよ」
飼い主「それより本当に運転大丈夫なんですか?まだ足痛いですよね?」
男「大丈夫。痛いのは慣れっこだしな」
飼い主「何かあったら大変です。安全運転で行きましょう?」
男「そうだな。君を事故に巻き込むわけにはいかないし」
飼い主「…わたしの事は別にいいから自分の事心配してくださいよぉ。お母さんから貰った大切な身体なんですよ?」
口を尖らせて不満げな表情とどこか妙な言葉を表す飼い主に男は思わず吹き出した。
不満を表しつつもどこか媚びたその口調と、先程までアライさんを冷酷に殺していたそのギャップが可笑しかった。
飼い主「男さんはこの辺の人なんですか?」
男「あぁ、うん。まぁそうだな」
飼い主「そうなんですか。わたしもそうなんです」
飼い主「またお会いできた時は、一緒にアライさん狩りしましょうね。知っている人と一緒なら安心できます」
男「そうだなぁ。君がいてくれれば心強いな」
飼い主「パスカルもいますよ。三人いれば、油断しなきゃ無敵です」
飼い主「ね。パスカル♪」
大型犬「ワン」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:06:15.86 ID:BBRlU/0B0
飼い主「あ…」
男「どうした?」
飼い主「あれ…」
飼い主「人の、死体?」
男「?」
飼い主「すいません。ちょっと止めてもらっていいですか」
車のハザードランプを付けて道端に車を寄せて止める。
男は、飼い主がかばんから取り出した双眼鏡を受け取り、覗き込む。
遠くで、人の死体が吊り下げられていた。
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:07:50.53 ID:BBRlU/0B0
この者は影川の手先。アライさんを殺し影川から金を貰った罪で天誅を下した。
この世を暗黒に引き戻そうと画策する影川に死を。
首を吊られた死体に、そう書かれた看板が下げられている。
身体にはおびただしい程の暴行の後が残され、右目の眼球が零れ落ちていた。
露出した下半身から血の混じった糞便が垂れ流され、吐き気を催す臭気を周囲に発していた。
ハンターの惨殺死体。それは今の日本では鳩の死骸よりは見る機会の多いものである。
「影川に天罰を!」
「影川に死を!!」
「影川こそ、この世全ての害悪である!!」
「影川の一族郎党皆殺しにせよ!!」
「影川に関わったもの全ての首を撥ねよ!!」
「臓物を引きずり出し頚椎を踏み潰し豚のように切り刻め!!」
「煮えた油に突き落とし、焼けた鉄板の上で土下座させ、生まれてきた事を後悔させながら殺せ!!」
「影川に死を!!」
「影川に死を!!」
死体を取り囲む集団が各々叫びながら死体に石を投げ付けている。
声を張り上げ、声を裏返し、声を枯らし、それでも尚叫び続けている。
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:09:53.68 ID:BBRlU/0B0
二人はその様子を、車の中から双眼鏡で覗いていた。それほど離れていても、叫び声は彼らの耳まで届いてくる。
男「誰が影川の手先だ」
男「あんなクソ野朗から金貰う位なら死んだ方がマシだ」
男「クソアラ信どもが…あいつらがああいう事をしてっからアライさん被害は一向に収まらねぇんだよ…!」
飼い主「そうですね」
飼い主「男さんも、気をつけてくださいね」
飼い主「わたし達の敵は、アライさんだけじゃないみたいですから」
男「あぁ。君も気を付けろよ。その………」
飼い主「気を付けますよ。男さんと、パスカルがわたしの事を気にかけてくれてますから」
大型犬「ワンッ」
男「そうか」
飼い主「………」
男「…あー、ところで、いつまで見てるのかな?」
飼い主「もうちょっとだけ見てていいですか?」
男「えぇ…あんなの気分悪くなるだけだろ」
飼い主「でも、受け止めなきゃいけない事のような気がするんです」
そこから飼い主は、男の体感時間で少なくとも5分以上はアラ信による処刑を見守っていた。
飼い主「バットか、何かで…顔と、腹を集中して殴って…」ボソッ
イヤホンで耳を塞いでいた男に、そう呟いた言葉は聞こえなかった。
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:10:43.64 ID:BBRlU/0B0
…
男を別れた飼い主は、愛犬パスカルと共に舗装された道を歩く。
やがて一人と一匹の前に大きな門が目の前に立ち塞がった。
飼い主はポケットから鍵を取り出し、目の前の鍵穴に差し込み、回し、門を開ける。
重い金属がこすれる音、金属がぶつかる音、そして再び鍵が閉まる音が辺りの空気を震わせた。
門の中も、舗装された道が続いている。
飼い主は、愛犬パスカルと共に舗装された道を歩く。
広い空間に、一人と一匹。それ以外は誰もいない、はずだった。
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:11:47.66 ID:BBRlU/0B0
パスカルがうなり声を上げた。まるで近くにアライさんを見つけた時のように。
飼い主は目の前の、焼け跡が目立つ建物から目を逸らし、道の外れにあるカゴを見た。
そのカゴの中には辺り一面に散らばる食べカスと、灰色と青がかった紫で構成された汚物の影。
アライさんC「おまえー!アライさんをここから出すのだー!!」
アライさんが中にいた。
カゴ罠に見事にひっかかり捕まっているアライさんはきちがいのように目を吊り上げ、飼い主を怒鳴りつけた。
アライさんC「アライさんはなぁ!フレンズなんだぞぉ!!ヒトの友達なんだぞぉ!!」
アライさんC「ヒトはみんなフレンズにメロメロなんだぞぉ!!だから早くアライさんを出すのだ!そして傅くのだぁ〜!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコス
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:14:48.98 ID:BBRlU/0B0
それを見た飼い主の顔が笑顔になった。まるで道の横をふと見たときに、ちょこんと生えた四葉のクローバーを見つけた時のように。
笑顔を保ったまま、歩く速度をやや上げて、飼い主は建物の中に入っていく。
アライさんC「おまえ!どこに行くのだ!?アライさんをほおっておく気なのか!?」
アライさんC「アライさんを助けないと教授がお前を許さないのだ!!」
アライさんC「アライさんは尊い命なんだぞぉ!!宇宙船地球号の船員なんだぞぉ!!」
アライさんC「動物愛護法違反なんだぞぉ!鳥獣保護法違反なんだぞぉ!狩猟法違反なんだぞぉ!!」
アライさんC「お前は犯罪者なんだぞぉ!ガイジなんだぞぉ!!ガイジガイジ!影川!!ガイジ!!!影川!!!ガイジ!きちがい!!犯罪者!!影川!!!」
アライさんC「おまわりさーーーーーん!がいじがあああああああ!!!!はんざいしゃがここにいるっのだあああああああああああああああ!!!」
どこかで覚えてきたであろう言葉を並べて騒ぎ立てているアライさんに応えるため、飼い主は再び庭に出てきた。
その手には警棒型のスタンガンが握られていた。そのスタンガンをカゴの中に突き刺し、電流を流す。
アライさんC「びびじぃっ!?」ビリビリビリビリ
アライさんC「」ビクンッビクンッ
短めのゴキガイジムーブのような動きを取った後、アライさんは白目を剥いて動かなくなった。
二・三度スタンガンから電流を流す。その度にアライさんは痙攣を起こすが動く様子は無い。
だが、死んではいない。フレンズ、そして何より害獣としての生命力があるのだ。アライさんがこの程度で死ぬはずがない。
飼い主はカゴ罠の鍵を外し、片手で拳銃を構えながらカゴ罠を開ける。
銃口を至近距離に近づけたまま、アライさんの毒々しい縞模様の尻尾を掴んだ。
尻尾で吊り下げられている形になり、アライさんの身体が真っ逆さまに、宙ぶらりんになる。
起きる気配が無い事を確認して、飼い主は微笑んだ。
そのままアライさんを前後左右にぶらぶらと揺らして遊びながら、建物の中に入って行った。
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:16:41.63 ID:BBRlU/0B0
…
アライさんC「はっ!!」パチッ
アライさんCが目を覚ますと、そこはコンクリートの壁で覆われた無機質な空間だった。
アライさんC「ここはどこなのだ」
アライさんは周囲を見渡す。今までで見た事がない異様な光景に身構える。
本当に異常なのは自分の身体にある事に気付いたのはその瞬間だった。
アライさんC「のあ?」キョトン
アライさんC「のあぁ!?」
アライさんC「アライさんの手と足が動かないのだ!!」
腕と脚が動かない。力を入れることができない。
手足の代わりに体に四本の重りを付けられたに等しいアライさんは戸惑いながらももう一つ、自身にとって大きな発見をする。
アライさんC「でも尻尾はうごくのだぁ!!」フリフリ
だからどうした。
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:18:47.35 ID:BBRlU/0B0
飼い主「あ、起きた」ヒョコ
アライさんC「おまえー!アライさんのからだに何をしたのだ!?」
飼い主「切ったんだよ。腕と足を。アライさんの両手両脚はもう一生動かないよ」
アライさんC「切ったぁ!?嘘なのだ!アライさんの手も足もちゃんと生えてるのだ!!」
飼い主「そりゃそうだよ。残るように切ったんだから」
飼い主はアライさんが気絶している間に両腕両脚の腱を切っていた。
アライさんの反撃と逃亡を防ぐ為
アライさんのフレンズとしての能力、自己回復能力を防ぐ為
そして
この作品は、一見五体満足に見えなければ意味がないからだ。
アライさんC「お前の言ってる事がわからないのだ!切ったらくっついてるはずがないのだ!」
アライさんC「お前は馬鹿なのだ!やっぱりガイジなのだ!!アライさんの方が格上なのだ!!」
アライさんC「アライさんはなぁ!アライさんなんだぞぉ!ガイジよりよっっっっっっっっぽど偉いんだぞぉ!!!」
飼い主「ぎゃあぎゃあうるさいなぁ。もうそんなもんどうでもよくなるんだよ」ガシッ
飼い主「どうせここで死ぬんだから」
カラン、ジャリジャリジャリジャリ
部屋に入ってきた飼い主の手には、金属バットが握られていた。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:20:04.59 ID:BBRlU/0B0
力を込め振りぬいた金属バットはアライさんの顔に直撃する。
アライさんC「ぎび!!」ガォオン
アライさんC「痛いのだぁ!」
飼い主「痛いだろぉ」
飼い主「もっと痛がっていいんだよ。最期くらいめいいっぱい騒いでいいんだよ」
飼い主「騒がなくても、殺すけどね!!」ブン
アライさんC「ごげ!!」ゴォン
アライさんC「わ、わがったのだぁ…アライさんは、おまえの友達になってやるのだ!」
飼い主「…え?友達?」ヒクッ
アライさんC「アライさんはなぁ!フレンズなんだぞぉ!友達になればおまえも人生勝ち組なんだぞぉ!!」
アライさんC「馬鹿なお前にはこんなチャンスはもう二度と無いのだ!友達になるなら今なのだ!!!」
飼い主「はっ!人生勝ち組!?そんなわけないじゃん」
飼い主「ゴミみたいな命がいくつくっ付いたってね、ゴミはゴミでしかないんだよ」
飼い主「だから友達なんてね」
飼い主「友達なんてね、いらないんだよ」スウッ
飼い主「ただ、死んでくれればいい!!」ブン
アライさんC「ぶっち!!」ゴォン!
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:22:31.48 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「びぃいいい!!わがっだ!わがっだのだ!おまえはアライさんと交尾していいのだぁ!!」
飼い主「え」ピキ
アライさんC「フレンズのアライさんと交尾できるのは凄い事なんだぞぉ!!」
飼い主「………」
アライさんC「ほ、ほら!アライさんのしっぽのダンスなのだ!!特別にただで見せてやるのだ!」
アライさんC「おしーりふーりふーりしっぽーのだーんすー♪」フリフリフリフリ
アライさんC「ずぼってどびゅってアーライーさんー♪なのだぁ!!」ヘコヘコキューン☆
飼い主「………」カツカツ
アライさんC「お!その気になったのだ!?ほら、濡らしてやるからさっさとずっぽしぱんぱんどっぴゅんこっていくのだ!!」チョロッチョロッヘコヘコ
少しでも膣を濡らそうと尿を出し、腰を前後左右に揺らして誘うアライさんに近付き
その股間を爪先で蹴り上げた。
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:24:01.59 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「ぎびじい゙い゙いいいーーーーっ!?!?!?!?!」ビグンビグン
アライさんC「お゙ーーーー!!ぼぉおおおおおーーーー!!!!おぉおおおおおーーーーーーー!!!!」ビクンビクンビクンガクガクガク
悶絶して身体をごろごろと転がしながら、膀胱の中身を辺りに撒き散らす。
アンモニアと血液の赤が混ざった汚水が部屋を汚していく。
飼い主「わたしさ、死んでくれればいいって言ったよね」
飼い主「叫んでもいいとは言ったよね」
飼い主「でもそれ以外の事を、誰がやってくれって言った?」
アライさんC「おっおまえ、ホモなのか!?」
飼い主「あ?」
アライさんC「アライさんのマンコは人気者なのだ!オスが群れなしてアライさんを巡って喧嘩もするのだ!!」
アライさんC「メスのフレンズにだってメロメロなのだ。マンコしゅっしゅして気持ちいいのだ!!」
アライさんC「でもお前はアライさんと交尾しないのだ!ホモなのだ!ガイジなのだ!!」
飼い主は
にっこりと笑ながら金属バットを両手で持ち
筋肉を引き絞るかのように頭の後ろまで手を持っていく。
そして思い切り振り下ろした。
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:25:57.62 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「ぶじぇぇ!?」ガゴォン!!
金属バットの先端が、アライさんCの口の中に捻じ込まれた
アライさんC「ぶぷっぺっ!」コンコンッ
アライさんCが口から何かを吐き出し、コンクリートの上に黄ばんだ何かが転がる。
黒い穴も見えるそれは、アライさんCの歯だ。今の金属バットの一撃で何本か折れたようだ。
アライさんC「は、はば、おれびゃのだぁ…!」
ブン
アライさんC「ごび!!」ゴォン!!
またも顔面で金属バットを受けたアライさんの鼻柱がへし折れ、鼻の穴があらぬ方向を向いて変形する。
アライさんC「んぎ…なぼばぁ…がひびがぁ…がひびがはびゃびざむを…ほほふのばぁ…」
何かを喋っているようだが、飼い主には最早理解できない。
ガンガンガンガンガンガンガンガン
ゴビュッ!ボッ!オンッ!ヂッ!ダヅッ!ビュッ!ギ!ビッ!ヂッ!ヌッ!ウッ!オンッ!
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:27:25.53 ID:BBRlU/0B0
意味不明な悲鳴を上げるしかできないナマモノになったアライさんCを何度も何度も金属バットで殴った。
何発、十何発、何十発と殴るが仕留め切れない。
害獣としての生命力、フレンズとしての力が、アライさんCの命を繋ぎとめているのだ。
飼い主「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
アライさんC「」ピクピク
このままでは殺しきれない。次で決めなければ。
荒い息を吐きながら危機感を感じた飼い主は、軽い痙攣以外の動きを見せなくなったアライさんCの頭を掴み、壁側にもたれかからせる。
これでいい。そう飼い主は感じた。
この位置ならば、頭を狙える。飼い主は勝機を感じ取った。
バットを構え、力を込める。
狙いを定める。
引き絞られた力を、放つ。
ブゥン!!
ゴォオオオオオオオン…
放たれたフルスイングは、アライさんCのこめかみに直撃し、その日で一番響く音を出した。
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:29:03.87 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「」ビグンッビクンッビクビクビクッガクンッ
アライさんCが痙攣する。腱を切っているから派手に暴れまわらないが、アライさんCなりの全力で痙攣する。
十数秒後、アライさんCの痙攣が止まった。
今のはゴキガイジムーブだったのだろうか。まだ生きているのではないだろうか。
二択の判断が飼い主の頭をよぎる。だがそれをすぐに強引な論理で殴り飛ばした。
どちらでも問題はない。
どうせこの作品は、首を吊らせて完成するのだから。
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:30:19.56 ID:BBRlU/0B0
…
チュンチュンチュン
アラ信「…うーん。もう朝かぁー」
アライちゃんH「ヒトしゃんおはようなの、だぁ〜!!!」ブリブリブリブリブチュチュブッチッパッ
アラ信「おはようアライちゃん!今日も快便だね!健康の証だよ!」ニコニコ
アラ信「ほぉら、うんち拭くからちょっと大人しくしてねぇ」
アライちゃんH「ヒトしゃんのうんちふきふきしゅきなのらぁ!はやくするのらぁ!」ヒクヒクフリフリプップップー
アラ信「はいはい」ウーンクッサーイ
アラ信「ほーらふきふきふきふき」
アラ信「…おまんこもふきふきふきふきふっきふきー」
アライちゃんH「のっのぁっ///あぁっふぅっ///」
アラ信「あららーアライちゃーん。おまたびしょびしょにしちゃってるよぉー?」
アライちゃんH「そっ///それは、ヒトしゃんがくりちゃんしゅっしゅすりゅからぁ////」
アラ信「かーわいいー事いっちゃってぇ〜そーんな子には〜?」スルスルボロン
アライちゃんH「そ、そんなかわいいアライしゃんにはぁ…?」ドキドキ
アラ信「こーびするのだぁ〜!!」
アライちゃんH「あぁ〜ん!こーびなのだぁ〜!!!///」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:31:01.73 ID:BBRlU/0B0
●数十分後!●
アラ信「それじゃあ、行ってきます!!」
アライちゃんH「いってらっしゃいなのだー」プップッー
アライちゃんの声と屁の音を背中で聞き、誇らしい気持ちで扉を閉める。
彼は今幸せの海に浸かっている気分だった。
溜まったものを吐き出してスッキリしているのもあるが、彼が今世界が輝かしく見えていた。
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:34:00.50 ID:BBRlU/0B0
特殊な粒子によって突然変異した動物達、フレンズがこの日本にやって来て早数年。
彼女達の魅力で人間は愛に包まれ、悪意を持つ者たちは愛の名の下に散華する定めとなった。
彼は昨日も、愛を以って悪意を持つ者に裁きを下した。
裁きを下せば下すほど、アライちゃんHと愛のある交尾をすればするほど、この世界が浄化されていくのを彼は感じていた。
今、この地球は友人達によって、争いの無い世界、優しい世界へ昇華され始めているのだと。
フレンズという存在を世に知らしめ、この現状を作り出した巽教授には感謝してもしきれない。
彼がいなければこの世界は、今も悪意が渦巻き邪悪なままだったのだから。
もしかしたら教授は神の遣いなのかもしれない。いや、なのかもしれないではない。教授は神の遣いなのだ。
金や欲にまみれた政府や財閥に支配された地球を哀れんだ神が、教授という遣いを地球に送り込んだのだ。
いや、もしかしたら神そのものなのかもしれない。あの姿、毅然とした言葉、その全てが神々しい。
今、この世界は教授という神によって正しい方向に導かれてようとしているのだ。
今、自分が見ている輝かしい世界こそが、神によってもたらされた新世界の入り口なのだ。
彼は、本気でそう信じていた。
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:34:34.95 ID:BBRlU/0B0
この世界の全てを受け入れ、愛と優しさに満ち溢れていく事が、今の人間には必要なのだ。
それを受け入れられない人間はこの世界には不必要なのだ。
愛を、全てを受け入れるのだ。
教授という神の名の下に。
この世界の全てを。
目の前にある
アライさんの死体も。
死体も。
死体。
死体!?!?!?
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