わたしとヒトとアライさん

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130 :>>127読みやすくなるよう努力してみます ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:16:23.66 ID:IIcKHLWt0
三人が銃を手に、一匹が牙をむき出しにして草原を駆ける。

アライさんの群れも三人と一匹に真正面からぶつかる形で草原を駆ける。

乱戦が始まった。

とは言っても銃を持つハンター達の方が圧倒的優位であり、アライさんの群れはどんどん数を減らしていく。
131 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:25:20.82 ID:IIcKHLWt0
飼い主「!!」ズダダダダダダ

アライさんF「がぎゅっ!おぼご!お!お!お!お!!!!」ドスドスドスドスドスドスドスドス

アライさんFは野生解放の隙を与えられず、PDWで蜂の巣にされた。

オヤジ「っらぁ!!」

アライちゃんI「ごびぅッ!!」グチャァ

アライちゃんIは鉄板入りのブーツで顔面を砕かれ宙に舞った。

男「この!!!」ダァン!!ダァン!!

アライさんJ「いぎぃ!?」バスッ

アライさんJ「あ、アライさんは、こんな所で死ぬ存在じゃ」コスリコス

男「させっか!!」ダァン!!ダァンダァン!!

アライさんJ「べ」ビスッビスッ

アライさんJ「」ガクッガクン!ビクンビクンビクンビクンビクンビクッ

アライさんJは腹に銃弾を受けてのた打ち回った末、自己回復能力を活かせぬまま頭を撃ち抜かれてゴキガイジムーブを晒して死んだ。

アライさんの、フレンズとしてのもう一つの能力。それは自己回復能力だ。手でこすった箇所の傷がサンドスターの力で回復する。

だが、死んでしまえばもう使えない。手も動かせず、サンドスターも消滅するからだ。

大型犬「ガァウ!!ガウ!ウゥウウウウ!!!!」ブチブチブチブチブチブチブチ

アライちゃん「あらっい、じゃぁ…おぉお………」

アライちゃんは喉笛を食い千切られ、血管や筋を外気に引きずり出され千切られ死んでいった。
132 :英字表記入れ忘れたけど別にどれが死んでもいいから別にいいよね!^^ ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:38:42.99 ID:IIcKHLWt0
だが少しでも長引いた途端、その優勢はあっけなく崩れる。

アライさんの群れによる人海戦術は、アライさんGに野生解放させる隙を作らせてしまった。

アライさんG「うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬーーーー!!!!!!」

アライさんGの身体が光る。その光を見て三人の心臓が跳ね上がる。

アライさんG「っしゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

野生解放を使い、アライさんは四足で草原を駆け抜ける。それまでの二足歩行とは比べ物にならない速さでハンター達に肉薄する。

オヤジ「くそ!!」ダァン!!ダァンダァンダァン!!

アライさんG「アライさんは!すばしっこいのだ!!そう簡単に!捕まらない!の!だぁーーー!!!!!」

銃で応戦するが、命中しない。速度の差に揺さぶられ、判断が鈍る。

その一瞬後にはアライさんGの間合いに入れられていた。

オヤジ(やべぇ!!)

男「エロジジイ!!!」

飼い主「オヤジさん!!!」

間合いに入れられたオヤジが銃と腕で頭と首を庇う。アライさんが後ろ足で跳ね上がる。

もはや避けられないアライさんGからの攻撃に三人の心臓が一瞬、更に跳ね上がり痛みをもたらした。
133 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:44:48.46 ID:IIcKHLWt0
だが、アライさんGの身体はオヤジの横を通り抜けた。

飼い主「え」

予想外の行動に、飼い主の世界が一瞬止まる。

アライさんGが何も掴まず何も噛まず、オヤジの後ろの地面に着地する。そして目を吊り上げた。

アライさんGは今、呆然としている飼い主を見ている。

そして飼い主は今、アライさんGの間合いの中にいる。

アライさんGの目が、更にギラリと光った。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 22:45:34.20 ID:qEv2sC5Io
>>130
おおう、ありがとうございます
応援してますよー
135 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:46:56.90 ID:IIcKHLWt0
野生解放によって強化された筋肉で、アライさんGが宙を飛ぶ。

アライさんGが飼い主の顔を目掛けて飛びつく。牙と爪を剥き出しにして。

飼い主「あ…」
136 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:52:30.65 ID:IIcKHLWt0
とっさに突き出した左腕にアライさんGの手足が瞬時に巻き付き、牙と爪が突き立った。

野生解放によって強化された顎と牙が手首に浮かぶ青い線を上から潰す。

飼い主「あっ!?ぎっ…あぁあああああああぁああああああ!!!!」

アライさんG「うぬぬぬぬ…!!ぬぬぬぬぬぬぬうううう…!!!」ギチギチギチギチ

野生解放によって強化された腕力と握力と爪が布を裂き皮膚に赤い線を刻んでいく。

赤い線と赤い点から赤い血液がどくどくと流れ出し、左腕全体を赤く染めていく。

それでもアライさんGは離そうとしない。力をさらに強めていく。
137 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:53:00.03 ID:IIcKHLWt0
飼い主「あぁああああああ!!!!!!いっあっあああああぁあああああああああ!!!!!!!」

全力で締め付けられ、引き裂かれ、貫かれる痛みに飼い主が絶叫する。
138 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 22:55:32.62 ID:IIcKHLWt0
腕を振る、身体を振る。あらゆる手段を使ってもアライさんGが腕から離れない。

大型犬「ゥアォオオン!!!」

大型犬が飼い主の腕に巻きつく汚物を排除する為に駆け寄る、飼い主はそれを右手で抑えた。

飼い主「パスカルっ…ダメ…!あなたは…他を!!」

大型犬がその牙と顎でアライさんを引き剥がそうとすれば、アライさんGは激しく抵抗する。

左腕からアライさんGが離れる頃には、左腕は爪と牙でズタズタにされるだろう。

その時、飼い主の左腕が左腕と呼べる形を保っているかも怪しい。

他のやり方を考えなければいけない。腕に引っ付いたアライさんGの力を抜き、引き剥がす方法を。
139 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:00:29.59 ID:IIcKHLWt0
血液の喪失と痛みが視界と平衡感覚を揺らし、飼い主は草の上に倒れた。

それでもアライさんGはまだ腕から離れない。

アライさんE「このクソ売女め!アライさんの正義の一撃をくらうのだぁー!!」

アライさんEが槍を突き刺そうと、振りかぶった。

その槍の軌跡を読み、身をよじりながら渾身の力で左腕を突き出す。腕にへばりついたアライさんGをそのままにして。

アライさんE「たぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」

つまり

アライさんG「いっだいのだあああああああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?」ブッスウウウウウウウウウウ

アライさんE「ちっちびいいいいいいいいい!?!?!?!?!?」

槍がアライさんGに突き刺さった。槍の切っ先はアライさんGの内臓を貫きながらもう片側の横腹から突き出た。

アライさんGは予想外の激しい痛みを受けて思わず力を抜いてしまい、槍の穂先に連れ去られる形で飼い主の左腕から離れた。

下手をすれば左腕どころか命も失うかなり危ない賭けであったが、土壇場の土壇場で飼い主は勝利したのだ。

アライさんG「ぎびいいいいい!!!いいいいいい!!!!いぎいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!」

アライさんE「あぁっ!あぁっ!ちび!どうして!?どうしてちびに当たるのだああああああ!?!?!?!?!?」

想定外の結果に動揺するアライさんE。それが命取りとなる。

右手で持った銃のトリガーを引く。銃声が数えられないほど連続で響き、アライさんEに穴を開けていく。

アライさんE「んぎっ!!ぎびびびびびびびびびびびああああああああ!!!!!!!!」

銃弾が身体に穴を開ける度にゴキガイジムーブにも劣らない程の激しい動きを見せる。

穴だらけになったアライさんはできあがった自分の血の海に倒れこんだ。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:02:12.57 ID:qEv2sC5Io
このSSのアライさんは強いな
割と手こずる事が多くなりそうだぜ
141 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:03:50.95 ID:IIcKHLWt0
アライさんG「おがーじゃ…あ…」

アライさんE「な、泣くななのだ、ちび。こいつはアライさんの根性の前に負けたのだ」

アライさんE「アライさん達の、勝ちなのだ」

飼い主の左腕はだらんと垂れ下がり、出血は服を赤く染めその重さを増し、左手はぶるぶると震えている。

動脈に空いた穴からどくどくと血が湧き出ている。

アライさんGを引き剥がし立ち上がったものの、左手首に空いた穴から血が流れ、左手からぼたぼたと落ちて地面を赤く染めていく。

その様子を見てアライさんEは口角を吊り上た。

自分はこれから死ぬ。だが、アライさんという誇りは死なない。その誇りがこの人間に致命傷を負わせた。

その要因がもたらす精神勝利が、アライさんEを調子付かせた。

アライさんは、英雄になるのだ。人間と勇敢に戦い、犠牲となるが、自分の犠牲によってこの戦いは勝利する。

自分で自分の娘を突き刺した事など、もうどうでもよくなっていた。

自分が飼い主に深手を与えたわけではないという事などどうでもよかった。

最後に戦って勝ったのは自分なのだから、この栄誉は自分だけのものだと、そう信じて疑わなかった。

そもそもアライさん達を奮い立たせたのは自分なのだから、全ての栄誉は自分のものになると、そう信じて疑わなかった。

巨悪に立ち向かい、最後まで抗い、一撃を加えたという高揚感がアライさんEの心を支配していた。

自分の行動の全てを誇らしいと感じていた。
142 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:07:21.34 ID:IIcKHLWt0
アライさんE「ざ、ざまーみろなのだ。お前は、死ぬのだ」

アライさんE「アライさんの、アライさんたちの、根性と、誇りの前には」

アライさんE「お前の、いのちなんて、ゴミみたいな、ものなのだ」

アライさんE「アライさんは、アライさんとして、永遠に、生き続けるのだ」

アライさんE「おまえは」

アライさんE「くたばれ」

アライさんE「ゴミガイジ」

アライさんE「じごくに、おち、ろ、お…」

アライさんE「」

アライさんEは最期の最期まで、飼い主への罵倒の言葉を吐き続けながら死んだ。

アライさん、アライグマ特有の無様なゴキガイジムーブをする事無く、ゆっくりと静かに死んでいった。
143 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:22:35.53 ID:IIcKHLWt0
PDWが手から滑り落ちる。拳銃を代わりに握る。

右脚を踏み込む、身体が右に傾く。頭がぼうっとする。アライさんEの言葉が頭の中で反響する。

飼い主「命は、ゴミ」

男「飼い主ちゃん!!!」

男の声が鼓膜を震わせる。

オヤジ「おい!!しっかりしろ!!!!」

オヤジの声が鼓膜を震わせる。だが聴覚が反応しない。

飼い主はただ、自分でも聞こえない独り言をぶつぶつと呟き始めた。

飼い主「誇りも、根性も、あったもんか」

飼い主「ゴミじゃない命なんて、あったもんか」

飼い主「みんな、殺す。みんな、死んだんだ」

飼い主「ゴミ、だから、死んだから、ゴミ、だから、死んだ、だから、殺す」

飼い主「」

そこで飼い主の意識が途絶えた。左手首から、飼い主の身体の中に残っている血がどんどん流れ出していた。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:23:34.60 ID:TD6FOWe3o
アライさんEの断末魔が程よく意味不明で吹いた
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:24:26.03 ID:sJMiVYAoo
ここのアライさんの戦闘力もそうだけどアラ信もたくさんいそうで厄介だな
146 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:33:23.04 ID:IIcKHLWt0


飼い主「…あ」パチ

男「あ、目が!覚めた!!よかった!!よかったぁ!!」

オヤジ「馬鹿揺らすな!もっと優しくしてやれよこういう時は!!!」

オヤジ「飼い主ちゃん、大丈夫か?」

飼い主「えっと、アライさんは?依頼主さんは?無事ですか?」

オヤジ「粗方駆除し終えてたからな。無事終わったぜ。依頼主も無傷。家畜も農作物も無傷」

オヤジ「俺達の勝ちだ」

オヤジ「ただ」

飼い主「ただ?」

オヤジ「その傷。アライさんに噛まれて、引っかかれただろ」

飼い主「はい」

オヤジ「俺と男で止血はした」

オヤジ「でも感染症にかかってるかもしれない。最悪の場合、エイズか狂犬病だ」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:37:24.31 ID:cHrNi74E0
こっちのアライさん達は原種と同じく病原菌の類を保菌しているのか・・・ますます危ないなぁ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:37:45.07 ID:KZ2ai6CwO
げ?ここのアライさん病原菌持ってるのか・・・
・・・何で交尾したアラ信普通に過ごしてるんだ?
149 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:49:16.67 ID:IIcKHLWt0
感染症、それはアライさんとの戦いで最も恐れなければいけないものだ。

アライさんの通称の一つに、うんこのフレンズという名前がある。

その名の通り、アライさんの体には多種多様な雑菌と寄生虫と汚物がこびりついているのだ。

サンドスターの影響で、それらはアライさんには害は無い。

だがアライさん自身には害が無いというだけで、アライさん自身は立派すぎるほどの感染症キャリアだ。

狂犬病、ジステンパー、アライグマ糞線虫、アライグマ蛔虫、 インフルエンザ、日本脳炎、レプトスピラ、紅斑熱群リケッチア、サルモネラ等々等。

場合によっては人間伝手にHIVに罹っている個体もいる。

不法に飼われていたアライさん、アライちゃんがその飼い主から感染するというケースだ。

他の感染症は薬等で極秘裏に対策が取れたとしても、HIVに関してはアライさんを飼う人間が要因の為どうしようもない。

そしてHIVに感染した個体が脱走、放逐され野生に帰り、他のアライさんやアライグマと交尾する事で感染が一気に拡大していく。

それでも尚アライさんの数が減らないのは、前述の通りサンドスターがアライさんの身体を完全に守っているからだ。

サンドスターが免疫の役割としてHIVウイルスを殺し、万が一HIVにやられ免疫が無くなってもサンドスターだけでその役割を全て果せる。

アライさんには、全く、何一つ、影響が無いのだ。

だが人がそれに噛まれ、傷口に唾液が入ればどうなってしまうかは想像に難くない。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:51:54.97 ID:sJMiVYAoo
自分には影響が無く、他には影響を与えるとかクソ害獣だわ
151 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/27(月) 23:57:30.50 ID:IIcKHLWt0
飼い主「そうなってたら、わたしはもう手遅れですね」

オヤジ「馬鹿な事言うな!後は俺達に任せてさっさと病院行ってこい!」

飼い主「大丈夫です。というか、わたしの今回の足は男さんなので、男さんがいないと、病院にも行けません」

飼い主「それより、この仕事をやり遂げさせてください」

飼い主「これが最後かもしれないので」

寂しそうに微笑む飼い主を前に、二人はそれ以上何も言えなくなってしまった。

悔しさや悲しさ、怒りがこみ上げ、それが目の前のアライさんの群れの殺意へと変わっていく。

槍に突き刺さったまま動けなくなったがまだ息のあるアライさん。電気柵で気絶していたアライさん。

カゴ罠や捕獲器具で捕らえられていたアライちゃん。

目の前の、この汚物の群れに対する殺意が増していく。

最早相手に抵抗する手段は無い。命のやり取りは終わった。

ここから先は処分、駆除。同情的な言い方をするなら一方的な殺戮。

全て殺し尽くして、この仕事は完了となる。
152 :思うがままごちゃごちゃにしたら誰が生きてて誰が死んでるのかわからなくなってきた ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:08:32.67 ID:GusN3dUB0
オヤジ「よくも、よくも俺の仲間をやりやがったなこのクソガイジどもが」

アライちゃんN「あらいしゃんはがいじじゃないのら!!」

アライちゃんO「おまえらがどくせんするからぜんぶわるいのりゃあ〜!!!じごうじごくなのだゃぁ〜〜!!!」

アライちゃんO「おまえらがぼくじょーをどくせんするからぜんぶわるいのりゃあ〜!!!」

アライさんH「フレンズは絆の生き物なのだ!誰かが困っていれば誰かを助ける!!」

アライさんH「『けものはいてものけものはいない』!そういう事なのだ!!誰一人のけものにしないのだ!生きる為に助け合うのがフレンズなのだ!!」

アライさんH「だがお前達は何なのだ!?アライさんをのけものにして殺そうとする!!のけものを作るのは間違っている事なのだ!!」

アライさんH「アライさんをのけものにするお前達こそが、真のガイジなのだ!!!」

アライちゃんK「そうだそうだぁ〜!!このどくさいしゃどもめ〜!!!あらいしゃんがじゃまだからみなごろしにしようとするんだろぉ〜!?!?」

アライちゃんK「そうやってどくせんするきなのりゃぁああ〜!!!」

アライちゃんL「ぬぃんげんはどうしようもないきょあくなのじゃぁあぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「きょあくなのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「きょあくなのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「きょあくなのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「きょあくなのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 00:13:25.57 ID:1KEWLys+0
都合が悪くなったら『助け合い』やら『絆』を主張して自己弁護か
アライさん達は他の生き物を助けるつもりはさらさら無いくせになぁ・・・
154 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:14:32.30 ID:GusN3dUB0
男「何が巨悪だ!!」

男「てめぇらが、苦労して育てた野菜や家畜を奪って食うから殺されるだけじゃねぇか!!!」

男「お前らがやっているのは略奪行為なんだよ!!勝手に入り込んで勝手に持ち出して勝手に食う!!!」

男「せめて金を置いていこうともしない!!それでいてお前らが正しいなんてありえるわけねぇだろ!?」

アライさんH「盗み?お金?人間が勝手に作ったルールなんてアライさんは知らないのだ!勝手にそれを押し付けるななのだ!!」

アライさんH「アライさんは!アライさんなのだ!!アライさんらしく生きるのがアライさんなのだ!!!」

アライさんH「けものの誇りを忘れない、アライさんの生き方を認めてアライさんを生かすのがお前達人間の役割なのだ!!!」

アライちゃんO「そうだそうだぁ〜〜〜〜!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

アライちゃんH「そうだそうだぁ〜〜〜〜!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

アライちゃんK「せいろんなのだ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

アライちゃんL「せいろんなのだ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「「「「せいろんなのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」」」」

アライちゃんK「ろんぱなのりゃ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

アライちゃんO「ろんぱなのりゃ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「「「「かんぜんろんぱなのだ!!!」」」」

「「「「あらいしゃんたちがせいぎなのだぁ〜〜〜〜!!!!」」」」

「「「「ここはせいぎの、あらいしゃんおうこくなのりゃあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」」」」

「「「「おまえたちにんげんの、ぼくじょーなんかじゃなあああああああああああい!!!!!!!!!!!」」」」

コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
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155 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:35:04.08 ID:GusN3dUB0
オヤジ「もういい。こいつらに口論で勝とうと思うな」

男「思った事を言って何が悪い!!」

オヤジ「俺も言いたい事は沢山あるけどな、無駄なんだよ」

オヤジ「テレビでやってたジャパリパークのアライさんからしてそうだっただろ」

オヤジ「こっちの意見を聞かせたいなら、誰がどうみても不利な状況に持っていくしかないって」

オヤジ「で、そのやり方だが」

飼い主「…焼き芋」ボソッ

男「!!」

オヤジ「飼い主ちゃん動かなくていい。黙って見ててくれ」

オヤジ「というか、焼き芋って何だ?」クイタイノカ?

飼い主「アライさんが持ってた槍、まだ落ちてますよね」

オヤジ「あぁ。あぶねぇから一箇所に集めてあるが」

飼い主「牧場主さん」

牧場主「は、はい?」

飼い主「焚き火してもいいですか?確か許可、必要だとかお聞きしましたけど」

牧場主「え?あ…まぁ、一応どういうやり方の駆除になっても大丈夫なように許可は貰ってますが」

飼い主「さすが」ニコッ

男「何をするんだ?というか焼き芋って?」

飼い主「焼き芋は、言い間違いです」

飼い主「本当は、焼畑です」

男「焼畑って、畑燃やすアレ?」

飼い主「…まぁ、流石に畑燃やすわけにはいきませんけど」

飼い主「奪った分、いやそれ以上に役に立って貰いましょう」

飼い主「肥料として」
156 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:40:59.99 ID:GusN3dUB0


作業開始から一時間と数十分後、準備が完了した。

そこにはキャンプファイアと

アライさんの槍が深ぶかと突き刺さったアライさんと

一本のアライさんの槍に団子のように連なって突き刺さったアライちゃんがあった。

痛みと、これからの未来の予想でアライさん達の顔が青ざめている。

今から、このキャンプファイアに火を灯し、この中にアライさん達を入れる。そして灰になるまで燃やし続ける。

焼き芋、と言われれば確かにそう見えるかもしれないが、ちょっと悪趣味だなとオヤジは思った。

キャンプファイアに火を灯す。少しずつ、火が大きくなっていく。
157 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:47:55.25 ID:GusN3dUB0
アライさんH「わ、わかった!わかった!わかったのだ!!アライさんが!!アライさんが悪かったのだ!!!」

アライさんH「このぼくじょーちほーは一旦人間のものでいいのだ!!」

アライさんH「アライさんは他を探すのだ!!」

男「探してどうする?どこを探す?」

アライさんH「他の畑を探すのだ!アライさんのものになる畑を探すのだぁ!!」

男「また人間から奪うのか」

アライさんH「ひっ!?こ、ここは人間のものなのだ!!でも他の畑が人間のものであるなんてなんでわかるのだ!?」

アライさんH「そこはアライさんのものなのだ!!お前らには関係ないのだ!!!」

男「畑は人間の文化なんだよ!!!」

男「で、そこの人間が抵抗したらまたこうやって殺しに来るのか!?」

男「またこうやって!!誰かを傷つけるんだろうが!?」

男「見たもんを全部自分のものだと考えて!それに反したらすぐに暴力に訴えて!!」

男「お前らがな、そんな考えだからフレンズになっても害獣って枠から抜け出せないんだろうが!!」
158 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:55:13.23 ID:GusN3dUB0
アライさんH「アライさんは素直に反省しているのだ!!だからお前らはアライさんを許すべきなのだ!!」

アライちゃんK「そうなのりゃあ!あらいしゃんはすなおないいこなのりゃあ!!それをころすなんておまえらおになのりゃあ!!!」

男「許さねぇよ!!!」

男「お前らが反省しているなんて、どうして俺達がわかるんだよ」

男「お前らが二度としないなんて、どうして俺達がわかるんだよ」

男「俺達にはな、ここでお前らを逃がしたらお前らが別の場所でまたこういう事する未来しか見えねぇんだよ!!」

男「だから、全員ここで死ね。成獣も幼獣もまとめてみんなここで死ね。それがこの社会の為だ」

アライさんH「社会!?社会って人間の社会か!?アライさんはアライさんの社会で生きてるんだぞぉ!!」

男「その人間社会に土足で踏み込んだんだよお前らは!!!」

男「それが嫌だっていうんなら、一生巣から出てくるな!!」

アライさんH「それじゃあご飯がなくなってしまうのだ!!」

男「だったらそのまま飢え死にしてろ!!」

アライさんH「そんな社会間違っているのだぁ!!!」

男「少なくとも、他のフレンズはそうして社会で生きている」

男「お前らアライグマだけが、できていない。同じフレンズなのにだ」

男「やる気がないのかできないのかはしらねぇよ。だけどそれができなきゃ死ぬだけだって理解していないのがお前らだ」

アライさんH「うぬぬぬぬ…!!」
159 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 00:58:05.91 ID:GusN3dUB0
男「もっとわかりやすく言ってやる」

男「越えちゃいけないラインを越えたんだよお前らは」

アライさんH「ライン!?そんなの誰が決めたのだ!?誰も教えてくれなかったのだぁ!!!」

男「そんなもんもわからねぇんだったら、けものとして生きていてもどうせどっかで殺されて終わってただろうな」

男「ここで死のうが、別のどっかで死のうが、何の変わりもない」

男「お前らはな、けものとしても欠陥だらけだったって事だ。生きていく上で越えちゃいけないラインってものが見えていない」

男「想像力が欠如している。危機感が欠如している」

男「生物として欠陥品なんだよお前らは」
160 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:02:54.05 ID:GusN3dUB0
男「今だってそうだ」

キャンプファイアの火が燃え上がる。激しく燃え上がる。

男「俺が何でここまで怒っているかわからないだろ」

男の怒りに呼応するように燃え上がる。

友人を、愛する人を傷付けられた怒り。愛する人を殺しかけたモノに対する怒り。

後ろで黙って聞いている二人が抱える怒りにも呼応して、激しく炎が舞い上がる。

この怒りの炎が、この汚物達を灰になるまで焼き尽くす。

その為に生まれた炎が、アライさんHの背中にじりじりと熱を与えていく。

男「わかった所で、もう遅いけどな」
161 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:08:59.01 ID:GusN3dUB0
その怒りの目を間近で見たアライさんHの精神はついに限界を迎えた。

アライさんH「フェ…」

アライさんH「フェネックーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

アライさんH「フェネックふぇねっくふぇねっくふぇねっくふぇねっくふぇねっくぅううううううううーーーー!!!!!!」

アライさんH「あぁああぁああああああああへねっくぅうううううううあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

涙をぼろぼろと流しながら誰かの名前を叫ぶ。

フェネック、フェネックギツネ、フェネックギツネのフレンズ。その名前を連呼する。何度も何度も何度も、助けを求めるように。
162 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:10:52.08 ID:GusN3dUB0
その助けを断ち切るかのように、男がとどめの言葉を呟いた。

男「何がフェネックだ」

男「フェネックギツネのフレンズはもうとっくの昔に死んでいる」

男「子孫もいない。フェネックはもうこの世のどこにもいねぇんだよ」

そしてキャンプファイアの炎の中にアライさん達を全員放り込んだ。
163 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:16:20.03 ID:GusN3dUB0
絶叫が響く。上から投げ込まれ、槍が地面に刺さる。

縛られたアライさん達は身体をもぞもぞ動かす事しかできずに炎に焼かれていく。

槍を抜き、身体の拘束を解かなければアライさん達は全員焼死する。

勿論、そんな可能性は無いに等しい。本日は雨の予報も無いし、予報どおりの天気だ。

キャンプファイアの炎は順調に燃え続ける。

やがて、声が聞こえなくなった。キャンプファイアの炎からは光と熱と吐き気を催す匂いだけが発せられていた。

それでもキャンプファイアの炎が消える事は無かった。

アライさん達全員が有機物の名残を全く残さない、ぼろぼろの灰になるまで、キャンプファイアの炎が消える事はなかった。
164 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:28:21.96 ID:GusN3dUB0


男「じゃあ、感染症は大丈夫だったんだな?」

飼い主「はい。何度か病院で診てもらいましたけど、大丈夫みたいです」

男「よかった…本当によかったよ」

飼い主「わたしももう駄目かと思いましたよ」

飼い主「ただ、この怪我があるから暫くはお仕事できませんけどね」

男「そうだな。ゆっくり休みなよ」

飼い主「はい!ゆっくり休みます!だから…」ガサッ

男「これ」

飼い主「はい!あの牧場のたまねぎ!!」

飼い主「あの時止血してくれたお礼に、ご飯を振舞わさせて頂ければな、って思うんです!!」カレーデスヨカレー!!!

男「…マジで?」

飼い主「マジです!駄目ですか?」

男「いや駄目じゃないけど、駄目というか」

男(散らかってるどころの騒ぎじゃねぇんだよ!!アレとかソレとか見られたら、やべえんだよ!!)

男「つーか片手怪我してるのに料理って大丈夫なのかよ?」

飼い主「最近ずっとこれで料理してますけど?」ユビハウゴカシテモイイミタイデスシ

男「アッソウデスカ…」

飼い主「駄目なら、オヤジさん所行きます」タマネギシンセンナウチニタベタイシ

男「やめろォ!あいつの家なんて上がり込んだ瞬間どうなるかわかったもんじゃねぇぞ!?」

飼い主「大丈夫じゃないですか?わたし怪我した時何かちょっと紳士的でしたし」

男「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

男「わかった!来て!!ただ部屋入る前にちょっと待ってな!?」

飼い主「はい。お邪魔させて頂きますね♪」
165 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:41:02.71 ID:GusN3dUB0
「「「銃刀法改悪やめろーーーーー!!!!!」」」

飼い主「」ビクッ

男「」ビクッ

男「何だよあれ…」

「「「政府は影川との癒着を恥じれーーーー!!!!!」」」

「「「銃刀法改悪はフレンズ絶滅の為の虐殺法案だーーーー!!!!!」」」

「「「ジャパリパーク独占に失敗した影川の陰謀だーーーー!!!!!」」」

「「「我々の友人たちを守れーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」」

「「「のけものを作るなーーーーーー!!!!!」」」

「「「影川セルリアンを滅ぼせーーーーー!!!!!!」」」

「「「影川の息のかかったもの全てをこの世から滅ぼせーーーー!!!!」」」

男「…」

飼い主「…」

飼い主「銃刀法改法…反対デモ?」

男「んな事いってる場合かよ」

男「アライさんから身を守る為には銃を持つしかないだろう」

男「あいつらはどこにでも現れる上、人も殺す史上最悪の害獣なんだから」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 01:42:36.00 ID:hWd+0rCz0
影川ww
167 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 01:45:25.43 ID:GusN3dUB0
「このどくさいしゃどもめ〜!!!あらいしゃんがじゃまだからみなごろしにしようとするんだろぉ〜!?!?」

「おまえらがぼくじょーをどくせんするからぜんぶわるいのりゃあ〜!!!」

「ぬぃんげんはどうしようもないきょあくなのじゃぁあぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「せいろんなのだ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「せいろんなのだ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「せいろんなのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」

「ろんぱなのりゃ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「ろんぱなのりゃ!!」コスリコスリコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

「かんぜんろんぱなのだ!!!」

「あらいしゃんたちがせいぎなのだぁ〜〜〜〜!!!!」

コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
168 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 02:03:40.85 ID:GusN3dUB0
男「…」

飼い主「…」

飼い主「男さん。今、何考えています?」

男「こないだ殺したアライさんの群れの事だ」

男「何だか、あれを見ていたら思い出したんだよ」

飼い主「…わたしも、一緒です」

男「うん」

飼い主「行きましょう」

男「うん」

飼い主「料理作るって言っておいてアレですけど、荷物置いたら買い物手伝って頂けませんか?」

男「うん」

飼い主「男さんのえっちな本はベッドの下にあるんですか?」

男「うん」

男「っておい!?」

飼い主「そうなんだ…持ってるんだ…」

男「いや待って違う。いや、そうじゃなくて。今時はパソコンだから」

飼い主「ファイルで持ってはいるんだ…」

男「持ってて悪いかよチクショー!!!!」
169 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 02:04:32.45 ID:GusN3dUB0
♪つづく♪
170 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/11/28(火) 02:06:43.23 ID:GusN3dUB0
●次回予告●

テレビ「…次の、ニュースです」

テレビ「人気アイドルグループPPPのメンバー、フンボルトペンギンのフレンズのフルルさんが」

テレビ「本日午前10時頃、自宅で亡くなっているのが係員によって見つかりました」

テレビ「フルルさんの近くには拳銃が落ちており」

テレビ「自殺と見られています」

次回
「ぼくとペパプとアライさん」

半分くらい書けたら投下します。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 02:12:47.43 ID:KUk8KuCd0
フルル自殺かよ・・・
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 02:29:05.18 ID:1KEWLys+0
乙でしゅ
アラ虐SSいくつか読んだ中で、ここのアライさんは危険度がかなり高くて怖いですね
フレンズが自害する世の中とは・・・イカれた時代へようこそって感じ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 02:55:04.66 ID:SxPsZLIxo
ヘイトパートが長い割には発散するシーンが殆どなくてスッキリしないけど
そういう方針?とりあえず乙
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 06:47:45.37 ID:1ZIgofuzO
偉そうにアライさんさんに男が説教してるけど人間が言える立場かよって
人間もなにもしてない動物や魚を殺して食べたりして楽しんでる畜生

地球が育てた大地や緑を人間の都合で破壊してアライさんよりたちわるいだろアライさん以上に悪事働いてるのが人間
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 12:06:49.07 ID:hWd+0rCz0
言ってることは正しいけど釣り竿もってるやろきみ
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 22:41:36.97 ID:npVPOVK10
正しい
その通り
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 22:46:25.93 ID:6nkJjMQpo
人間全体として見たら他に並ぶ者がない巨悪だけども農家の人とかは何も悪くない
アライさんも生きるために必死だからしょうがない
共存できなくて悲しいね おわり
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 01:03:25.55 ID:u3wRWKibo
魚「えっ私たち人間と一切関わらないで迷惑もかけず暮らしてきたのに捕まえて食べるんですか?」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 02:15:12.01 ID:bULDKRgC0
サカナ、オイシイ、ダカラ、タベル

深海魚「ハハッ!そんな高い場所にいるから喰われるんだよwwww」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 06:34:14.92 ID:ilqRYVl5O
>>179
漁師「最近さ深海が人気で儲けて最高」おっ引っ掛かった

深海魚「目がぁ〜目〜がぁ〜」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 09:23:18.26 ID:fZ+RYdBG0
シャチ「人間ごときに負ける雑魚どもwwwwww」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 09:36:13.08 ID:1Hzmq0L2O
誰かフェネックも死んでることに突っ込んでやれよ
183 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/03(日) 23:27:15.65 ID:xkzOuHIl0
名も知らぬ人の話し声。遠くから聞こえる店員の声。

軽快なBGMが耳に入る。よく聞くとそれがこの間の音楽番組で一緒に出演したグループの曲だとわかった。

そこに突然、じゅ、と不協和音が響く。目の前の少年がココアの上に浮かぶクリームをストローで吸っていた。

チョコとクリームを舌で味わい微笑みを浮かべる少年、ぼうしの様子を彼女は不思議そうに眺める。

顔を見るのは今日が初めてだけど、どこかで会ったような気もする。ぼうしはそんな不思議な雰囲気を感じさせる少年だ。

日本にやって来て色々な人間を見た中で、ぼうしは若い部類に入る。

日本にやって来て色々な人間を見た中で、ぼうしは美人の部類に入る。

声を聞かなければ女性と見間違われてしまうかもしれない見た目をしている。

クリームを味わう事に飽きたぼうしはストローでクリームを何度もつつき、マドラーのように掻き混ぜ始めた。

ぐるぐると回るココアの中に白いものが混ざりっていく。

ぐるぐると回るココアの中で白いものが分解されていく。

ぐるぐると回るココアの中で…

ぼうし「えっと…」

声に気が付き視線を上げると、ぼうしが恥ずかしげに苦笑いを浮かべながら彼女、フルルを見ていた。
184 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/03(日) 23:34:14.24 ID:xkzOuHIl0
ぼうし「それじゃあ最初にちょっと聞きたいんだけど」

ぼうし「君達フレンズは、ジャパリパークからはこぶね…『巽の方舟』に乗ってこの日本にやってきた」

ぼうし「その時の事は覚えているよね?」

フルル「うん」

フルル「ジャパリパークに突然人が現れて、悪い人がジャパリパークを支配しようとしているって言われて」

フルル「私達ははこぶねに乗って日本にやってきたの」

ぼうし「懐かしいね。凄いニュースになってたもん」

ぼうし「その直後、ジャパリパークは爆破された。どっかの国が核ミサイルを落としたんだって」

フルル「核ミサイル」

ぼうし「んー…爆弾…んー…でっかいセルリアンの踏みつけの何千万倍も怖い攻撃」

ぼうし「影川財閥…えっと、悪い人がジャパリパークの征服に失敗したから、その国の元首に言いつけて攻撃させたってニュースでは言ってた」
185 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/03(日) 23:44:00.58 ID:xkzOuHIl0
ぼうし「でも影川総裁、悪い人達のリーダーは巽教授と仲間達によって倒された。そこからはもうフレンズを妨害するものが無くなったんだ」

ぼうし「で、君達ペパプは芸能事務所入りして『今や知る人はいない。いたらそいつは非国民』っていう程の人気絶頂アイドルになったわけ」

ぼうし「他のフレンズは他のフレンズで、この日本でそれぞれの生活を送ってる」

ぼうし「例えば、そうだね。あそこのサーバルキャット」

サーバルA「あははははは」

サーバルAの彼氏「うふふふふふ」

ぼうし「君の知ってるサーバルとは別人だよ。そのサーバルの子孫かな」

ぼうし「フレンズの中でも特に人気が強くて、ああやって人間のパートナーになる子がかなり多いんだ」

ぼうし「恋愛して子供を産んで、その子供もすぐ成長して、色々な子が色々な所で恋愛をしてそれぞれ子供を産んだ」

フルル「恋愛」ピク

ぼうし「今じゃ日本で一番よく見る、一番知られているフレンズなんじゃないかな」

ぼうし「SBR48プロジェクト、なんてのもネットで見た事あるね。サーバルのフレンズ48人で構成されるアイドルユニットだってさ」

ぼうし「デビューしたらきっとペパプのいいライバルになるよ」

フルル「はぁー」

ぼうし「あごめん。話がずれた」

ぼうし「とにかく色々あったけどフレンズはこの日本でちゃんと受け入れられた」

ぼうし「ただ一種を除いてね」ユビサシ
186 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/03(日) 23:47:37.87 ID:xkzOuHIl0
ぼうしが指差した方を見ると、窓越しに人だかりができているのが見える。

人の輪の中心にミニサイズのフレンズ、アライちゃんが二匹向かい合ってお互いを傷付けあっていた。

アライちゃん1「ぴぎぃいぃいいいいぃいいいぃいいい!!!!!!」

アライちゃん1「いだいいいい!!いだいのだああああああ!!!!めが!!めがぁあああああ!!!!!!」ブシュウウウウ

アライちゃん1が左目を押さえ叫ぶ。指の間から血液がどくどくを溢れ出していく。アライちゃん2の爪が、左目を完全に切り潰し周りの肉を抉り取っているのだ。

確かな手応えを感じたアライちゃん2が調子付く。

アライちゃん2「ふはははははー!!つぎはみみをちぎってやるのだぁ!!」

観客1「ふっふー!!やれやれー!!生き残った方はこのご飯をくれてやらぁー!」ビーダマカカゲ!

観客2「ヒューッ!!まるくってキラキラしてておいしそー!!!」

観客3「あ、もしもし保健所ですか?アライグマのフレンズが出まして…」

観客3「え、大きさ?えーっと、アライ…ちゃんくらい?はい。ですので駆除をお願いしたいのですが。はい」

観客4「うわっ…目抉れてるじゃんグロ…よく仲間にこんな事できるなこいつら…」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 23:48:38.84 ID:L7iZ2RQLo
アライちゃん同士戦わせるの好き
188 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/03(日) 23:49:44.12 ID:xkzOuHIl0
アライちゃん2はうつ伏せに倒れたアライちゃん1の背中に馬乗りになり頭を掴む。

アライちゃん1「やめっやめるのら!やめるのら!!いまやめるならゆるしてやるのら!!だからこうふくするのらぁ!!」ブンブン

アライちゃん2「こうふくするのはおまえなのりゃああああ!!!」ザクッブチブチブチブチブチ

アライちゃん2が1の頭部から生えている獣耳の根元に爪を刺し、引き千切った。

アライちゃん1「ぎびえぇえええええああああああああ!!!!!!!」

アライちゃん2「はななのだああぁああああああんぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!!!!!」ガブリブチブチブチブチゴリゴリゴリゴリ

アライちゃん2が1の鼻に噛み付き顎を引き、首を捻る。

アライちゃん特有の柔らかい骨はあっさりと砕け、千切れ、鼻があった場所には鼻腔だけが残った。

アライちゃん1「あぁあああぎいぃいえいいえええええええ!!!!!」

観客4「うえぇぇええ」
189 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/03(日) 23:55:17.75 ID:xkzOuHIl0
ぼうし「アライグマ。この世界で唯一の特定有害駆除対象フレンズだよ」

フルル「特定有害駆除対象フレンズ?」

ぼうし「えっと、つまり、ジャパリパークにいたセルリアンみたいなもんかな?」

フルル「セルリアン?フレンズなのに?」

ぼうし「アライグマのフレンズ、アライさんは農場を狙って野菜を盗んだり家畜を殺して食べたり、場合によっては人やフレンズを殺す事もあるんだ」

フルル「人とフレンズを!?」

ぼうし「うん。遠慮なく野生解放を使ってくるからかなり危険な害獣だよ」
190 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:02:28.14 ID:2mlAmTj60
フルル「でも見た事あるよ。はこぶねで一緒に乗ってきたもの」

ぼうし「オリジナルのアライさんと!?その後どうなったの!?」

フルル「わからない。途中で逃げていなくなったって、はこぶねに乗ってた人から聞いた」

ぼうし「そっかぁ」

ぼうし「アライさんは、今や数だけ見ればサーバル以上だ。何せ無秩序に数を増やすからね」

ぼうし「山や森はもちろん、こんな街中にもうじゃうじゃいる」

ぼうし「街中のは人やフレンズを襲ったりする事はあまりないけど、やっぱりちょっと危なくはなったかな」

ぼうし「ジャパリパークを爆破した国も、どういうわけかこっちの情報が筒抜けになってたみたいでいつまたあれが飛んでくるかわからない」
191 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:09:36.35 ID:2mlAmTj60
フルル「え?どういう事?」

ぼうし「そのミサイルってのが飛んでこないように防いでたんだけど、そのディフェンスに穴があったのがばれちゃったんだ」

ぼうし「影川総帥の最後の嫌がらせらしいよ。腹いせに情報をばらまいたんだって」

ぼうし「本当はジャパリパークと一緒にここも一緒に攻撃されたんだ。それは何とか防いだんだけど、ジャパリパークは…」

ぼうし「もう危ないから倒そうって流れになったんだけど、やっぱり情報が漏れてて上手くいってないみたい」

フルル「じゃあ、また攻撃されちゃうの?」

ぼうし「そうならないようにみんなで頑張ってるところ。でも、みんな怖がっているのは確かだ」

ぼうし「外にはミサイル。中にはアライさん。だからみんなちょっとピリピリしてる」
192 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:10:39.14 ID:2mlAmTj60
ぼうし「でも悪い事ばっかりじゃないんだ!」

ぼうし「君達が方舟に乗って来たからこそ、街にはフレンズをお客様としてるお店も増えてきてるんだ」

ぼうし「せっかく抜け出してきたんだし、色々見て回ろうよ。ぼくが案内する」

ぼうし「ここにいる間はぼくがちゃんと守るから、安心して」ニコッ

フルル「うん」

ぼうし「ここの支払いもぼくに任せて」

ぼうし「人間の社会だとね、同席した女の子の支払いもしてあげる事が男の甲斐性だって言う人もいるんだ」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 00:13:26.95 ID:ClM/N1KY0
影川ネタわらうわ
194 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:16:29.89 ID:2mlAmTj60
支払いを終えて二人が店から出ると甲高い笑い声が聞こえてきた。

アライちゃん2「ふはははははーー!!あらいしゃんがしょうしゃなのだぁー!!!」

アライちゃん1「の…あ……あ…ぎぇ……」ピクピク

先程の喧嘩、殺し合いに決着がついたようだ。

血まみれになったアライちゃん2が、動かなくなったアライちゃん1を踏み付け、千切り取った尻尾を掲げながら勝鬨を上げた。

アライちゃん2がアライちゃん1の頭を踏み躙り、鼻が千切れた傷がアスファルトでざりざりと削られていく。

結果から見れば同属の仲間を一方的に惨殺したのだが、アライちゃん、アライさんからして見ればそんなものはどうでもいい。

勝った方が観客1が手に持っているものを貰えるという話だった。だから殺した。それだけだ。

自分が生き残るのが第一なのだ。それで餌にあり付けるのならこれは同属を何匹でも殺す。

だが餌にありつく事ももはや叶わない。

男「はい通してくださーい!今から駆除を行います!!」

保健所から依頼を受けたハンター、男が到着した。

拳銃を腰から下げているが街中での発砲は避けるべしと通達を受けている為、主武装は警棒だ。
195 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:21:07.44 ID:2mlAmTj60
観客1「いよっ!待ってました!!」

アライちゃん2「ヒトしゃんヒトしゃん!あらいしゃんかったのら!!ごほうびはあらいしゃんのものなのら!!」シッポフリフリコスリコスリ

アライちゃん2がアライちゃん特有の人懐っこさで男に擦り寄る。

アライちゃん2「あらいしゃんはがんばったぶんごほうびたくさんほしいのらぁ!!!」シッポブンブン

男「そうか、よ!」ブン

アライちゃん2「ごす!!」ゴスッ!!!

男「こっちは…死んでる?」

観客3「あぁ。アライちゃん同士が喧嘩してたんですよ。今死んだのがそいつ殺したんです」

男「そうでしたか…でも念の為!」ブン

ゴシャッ!!!

アライちゃん1「」

観客4「はー…手馴れたもんだなぁ」

観客2「FOOO!!気持ちいい〜」

男「駆除完了です。死体を回収します」ザザッ
196 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:26:10.16 ID:2mlAmTj60
男(うん。一発でいけたか。もっと上手くできるようになって飼い主ちゃんの負担を減らさないとな)ゴソゴソヒョイ

男(あの子が復帰するまでにもっと腕を磨いて、今度は俺が守ってやらないと)ポイッドサ

男(でも飼い主ちゃん大丈夫なのかなぁ。感染症はないって言ってたけど心配だなぁ)ポイッドサ

男「はい撤収しまーす!失礼しましたー!!」

観客1「しかし保健所も対応早くなったなぁ。もうちょっと遅かったらビー玉飲み込ませて窒息死、までやったんだけど」

観客2「まぁそれやったら怒られてたかもしれないしな?もし次の機会があったらでいいじゃん?」

観客1「そうだな」

男「ふぅ〜」

ぼうし「お仕事お疲れ様です」ペコリ

フルル「お疲れ様ですー」ペコリ

男「あ、どうも」ペコリ
197 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:38:07.34 ID:2mlAmTj60


カラス1「カー」

電線に止まったカラスが鳴く。

カラス2「カーカー」

電線に止まったカラスが鳴く。一匹だけではない。群れで止まっている。

その瞳はゴミ捨て場を見つめている。カラス避けのネットで覆われたゴミ捨て場だ。

カラスはそのくちばしでゴミ袋に穴を空けてゴミを食べる。だがそれ用の対策を施されてしまっては文字通り手も足もくちばしも出ない。

こうやって見守っている事そのものが無意味だ。ネットがある限り、彼らは餌にありつけないのだから。

そう、ネットがある限り。ネットが外れない限り。カラスはそれを待っている。

本来ならばあまりにも非合理的。学生で例えるならばテストに何も書かずに100点を取るという奇跡を信じるに等しいあまりにも愚かな行為。

だがテストに何も書かずに100点を取る方法はある。

誰かが代わりに正解を全て書いてくれれば、何も書かずとも100点は取れるのだ。
198 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:46:35.09 ID:2mlAmTj60
アライさん1「チビ達、ここなのだ」

アライちゃん3「ここなのだー?」

アライちゃん4「ここなのだぁ」

アライちゃん5「おいしそうなにおいがたくさんなのらぁ〜」ニンマリコスリコスリ

アライさんの親子がゴミ捨て場に現れた。街中にいるアライさんもゴミを餌としている個体が多い。

アライさん1「いいか?いっせーのーせでガバっといくのだ。いくぞぉ」

「「「「いっ」」」」

「「「「せーのー」」」」

「「「「せっ」」」」ガバッ

カラス避けのネットがあっさりと外された。

人の形を得たフレンズは人と同じ手が使える、人と同じ力の前ではカラス避けのネットなどあってないようなものだ。

ネットなんて外してから、ゴミを漁って食べればいい。そこに何の苦労も無い。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 00:54:25.26 ID:84NM4PReo
アライさんのせいで被害が連鎖的に増えるんだな
200 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 00:58:41.21 ID:2mlAmTj60
カラス「カー!カー!!」バサバサバサバサバサバサバサバサ

カラスの群れが動き出した。彼らはカラス避けがアライさん親子によって取り払われるのを待っていたのだ。

彼らの最大の障害はたった今害獣によって取り払われたのだ。最早彼らは遠慮などしない。

黒い翼で羽ばたいて、カラス達が一斉にゴミ捨て場に集まっていく。

アライちゃん3「のぁああああ!?!?」ビクゥ

アライさん1「来た!!食料を確保したら全力で逃げるのだぁ!!!」

アライさん1がゴミ袋を一つ掴み真っ先に逃げていった。

独占欲の強いアライさんにとって、群がるカラスはゴミ捨て場を独占しようとする巨悪以外の何者でもない。

だが、地を這う生物の宿命として空を飛ぶ生物には弱いのだ。

まして止まったボールすら蹴れないほど運動能力が他のフレンズより低いアライさんなら、負傷は免れない。

野生解放すれば簡単に殺せるが、目立ってしまい今度はハンターに射殺される。

普段は街中での発砲は禁じられているが、野生解放したアライさんに対しては即時発砲許可が下りるのだ。

つまり、ゴミ捨て場を餌場とするアライさんの最良の選択は取るものを取ってさっさと逃げる事。アライさん1は最良の選択を迷う事無く行えた。

アライちゃん3「お、おかーしゃぁああん!!」ジョババババババババババババ

アライちゃん4「おいでかないでほじいのだあああああ!!!!」ビチャビチャビチャビチャ

アライちゃん5「のぁあああああぁああ!!!!!」ジョボボボボボボボボボボ

アライさん1に続いてアライちゃん達がそれぞれゴミ袋を持って走り出す。

自分と同じ、下手すれば自分よりも大きいサイズの生物がギラギラとした目をしながら向かってくるのだ。恐怖を感じるのは当然だ。

アライちゃんの群れは失禁しながら必死に逃げて母を追いかけていく。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 01:06:51.49 ID:lVL+/et9o
なんで子供を連れてきたんだ…
カラスが来ること予想してなかっただけかな
202 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 01:12:58.24 ID:2mlAmTj60
アライちゃん5「のぎ!!」ザカァ

アライちゃん5の足がもつれて転倒する。ゴミ捨て場に集まったカラスの群れの中の一部が目を光らせた。

アライさんによる障害の撤去を待つ、という選択肢にはもう一つのうま味がある。

それは、カラスにとってミニサイズのアライちゃんは絶好の餌になるという事だ。

非力で野生解放も使えないアライちゃんからは反撃の心配も無い。

それがカラス避けのネットを外してくれる。カモがネギをしょってやってくるとはまさにこの事か!

群れの一部がアライちゃん5に群がる。

アライちゃん5「びいいぃいいいいいい!?!?!?おがあああじゃあああああん!!!!!!」

自分と同等、もしくは自分より大きいサイズの鳥が自分を捕食する為に近付いてくる。

某ゲームにも出演した有名な敵役怪獣Gをイメージするのが一番ベストだと筆者は思う。その恐怖が現実のものとなった。

だがそんな窮地に立たされた娘を見て母親は叫んだ。

アライさん1「チビはまた産めばいいのだ!あいつを囮にして早く逃げるのだぁあああ!!!!」

アライちゃん5「んぎびいいい!?!?!?!?!?!?」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 01:23:02.39 ID:jt0hti6Xo
小気味良いワンシーン
204 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 01:25:30.94 ID:2mlAmTj60
囮。そう囮だ。娘である前に囮なのだ。

かの有名な王、劉備玄徳は自軍の倍以上の兵数の敵陣の中をたった一人で切り抜けて自分の息子を救出した猛将趙雲子龍と合流した際

自分の息子を投げ出してこう叫んだ。

「世継ぎはまた作れる。だがその世継ぎの為に大切な将を失うところだった」

義の人と名高い劉備玄徳ですらそう叫んだのだ。彼が生きた戦乱の世とはそういうものだ。

将として兵としていつ死んでも、誰が殺されてもおかしくない世界だったのだ。

命を繋ぐ者が途絶えたのならば、次の継承者を作ればいい。義の人であろうとその考えを持つ事を否定してはいけないだろう。

そう考えれば害獣としていつ死んでも、誰が殺されてもおかしくないアライさんの考えは一見正しいようにも思える。

だが囮だ。最初からそのつもりでここに連れて来たのだ。

劉備玄徳のような諦めではない。捨てるつもりで連れて来たのだ。
205 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 01:35:09.65 ID:2mlAmTj60
囮のはずだったが運良く逃げ延びられる他のアライちゃんは危機感を抱かない。

お母さんも危険だった。自分も危険だった。だがあいつだけが死ぬ。

自分はそうならない。あいつがガイジだから囮になったのだ。そう信じて疑わなかった。

アライちゃん5「いじゃいい!!いじゃいいい!!!なんあのらおみゃあらあああ!!!」

アライちゃん5「あらいしゃんはいだいなんだぞおお!!あっぢいげええええええええ!!!!」ブンブン

くちばしで貫かれ、筋肉や筋を抉り取られだしたアライちゃん5の絶叫が響く。もはや僅かな抵抗もできない。

そして一羽のカラスがアライちゃん5の右目にくちばしを突き刺した。

アライちゃん5「んぎえええええええええええ!!!!!」ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ

目の裏の皮膚が裏返り、くちばしに挟まった眼球が飛び出していく。名残惜しそうに残る視神経に引っ張られ、頭も動く。

ブチッ

アライちゃん5「びぎい!!」ゴン

視神経がついにぶつりと切れ、ごちそうを手に(口に?)入れたカラスはそれを飲み込んだ。

うまい!もう一個!!今回のラッキーバード君がもし人の言葉を喋られたのならそう叫んでいただろう。

アライちゃん5「お…おがぁ…じゃん…」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 01:39:24.28 ID:NMvtoO1ao
カラスに食われるアライちゃんとか良いねえ
207 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 01:46:49.61 ID:2mlAmTj60


ぼうし「この辺は、ちょっと古い商店街だね」

ぼうし「本とか、アクセサリーとか色々売ってるよ」

ぼうし「アクセサリーは駄目かもしれないけど、本くらいなら係員の人も許してくれるんじゃないかな?」

ぼうし「そのー、ワイン君にも危なくないし」

フルル「…そうだねー」

ぼうし「…ごめん。今はワイン君の話は止めておく」

ぼうし「それよr」ビクッ

フルル「え?」

ぼうし「いや、ちょっと今日は凄い荒らされてたからびっくりした」

彼らが見た先には、ぐちゃぐちゃに散乱したゴミ、ボロになったゴミ袋、そして中身の殆どを抉り出されたアライちゃん5の死体があった。

アライさんが繁殖し、害獣認定を受けてから街の景観は大きく損なわれた。

ゴミ捨て場を荒らすアライさん、便乗し利用して更に荒らすカラス。カラスに襲われ死体を晒すアライさんとアライちゃん。そして路地裏に溜め糞。

だが今彼らが見たものは問題の一端に過ぎない。

アライさんの存在がもたらす問題は、この街にはまだまだ沢山あるのだ。

ぼうし「もうちょっと、賑やかな所行こうか!そっちなら、まだ、大丈夫!多分!」

フルル「多分?」

ぼうし「たぶん!!!」
208 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 01:48:13.27 ID:2mlAmTj60
♪Aパートおわり♪
♪後半へつづく♪
209 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/04(月) 01:52:16.49 ID:2mlAmTj60
♪あとがき♪
某スレを参考にしようとしたら殆どそのまま使ってしまいました。
この場を借りてお詫び申し上げます。鳥葬って、いいですよね。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 02:03:02.19 ID:mOnHimUbo
乙です
囮で連れ回されて姉妹が食われているのに
自分は大丈夫、アイツは間抜けだから死んだみたいな
根拠のない自信に溢れるアライちゃんの思考面白かった
そしてその親は始めっから囮として子供を連れてくるという
アライさんの親子関係って面白い
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 05:43:06.57 ID:GwSbQshV0
乙でしゅ
ほんとSSによって親アライさんの思考が微妙に違いあって面白い
最初から見捨てるのと、いざとなれば見捨てるではまるで違うもの

しかしアライさんの感染症リスクだけでなくミサイル攻撃といった国家間の危機もあるとは驚き
このSSは最終的にどういう結末に行き着くのか・・・楽しみでなりません
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/11(月) 06:07:24.53 ID:2CK/2OmZO
巽の方舟ってノアの方舟のパロディか。もう完全に神話の人間扱いじゃない
213 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 19:09:01.49 ID:KiJ09jlW0
アライちゃん5の中身が散乱した商店街を避け道を歩く二人の視界にある店舗が横切った。

どこにでもある建物の中の、ガラス張りが目立つ小さな店舗。

所謂コンビニエンスストア。本当にどこにでもある店舗である。

ただその店舗の扉には閉店セールと書かれたポスターが貼り付けられていた。

フルル「お店閉まっちゃうの?」

ぼうし「うん。安くなってるみたいだし、ちょっと見てみる?」

フルル「どうして閉まっちゃうの?」

ぼうし「お店自体の売り上げが悪くて利益取れないからってのが普通だけど…」

ぼうし「この感じ、もしかしたらアライさんかな?」

フルル「またアライグマ?」

ぼうし「またアライさんだよ。こういうコンビニってよく狙われるんだ」
214 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 19:32:33.93 ID:KiJ09jlW0
アライさんの被害、こと街中において一番の被害者はコンビニエンスストアだろう。

商品の8割方が食品という特性上、街に潜むアライさん達が狙いを付けないはずがなかった。

何せ何もしなくても人間が自分の餌を持ってきてくれるのだ。あとはそれを取ればいい。

ずる賢く好奇心旺盛なアライさんはそこに餌があるとわかると、あらゆる手段を使ってコンビニに襲撃をかけた。

時には店員が対処できない繁忙期に潜り込んで盗み

時には窓から潜入して気付かれないように盗み

時にはピークが終わって店員が油断した瞬間に集団で押し入り

時には野生解放も利用しながら夜間に押し入る。

等々等。だが結末は全て同じだ。

店舗のイメージの悪化。不潔であらゆる感染症を持つアライさんが入り込んだ事によって客離れが起こる。

想像してみてほしい。駅のトイレに入った時、そこに放置されている、蓋の開いたジュースを飲みたいと思うだろうか?

よほどの変態でなければ飲みたいとは思わないだろう。アライさんが触ったかもしれない食べ物を口に入れる事への嫌悪感とはそういうものだ。
215 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 19:45:18.81 ID:KiJ09jlW0
襲撃をかけた後自分の領地であると主張する為、もしくは便意に駆られて脱糞していくアライさんもいる。

前者なら店内の棚やカウンターで堂々と、後者でも床や棚で堂々と、つまりほぼ全ての事例がトイレの外での脱糞だ。

万が一、いや二百億が一があるかもしれないがそういう事例は記録として残っていない。


「アライさんは賢いから知ってるのだ!これはトイレのマークなのだ!だからここはトイレなのだぁ!」

そう叫びながら脱糞をするアライさんの映像が、どこかのテレビ局の資料の中に今も残っている。


集団での襲撃の場合はそれが溜め糞になる。そうなってしまえばもう終わりだ。匂いが充満し、誰も入りたがらなくなる。

例えアラ信、もしくはフレンズ至上主義者だろうが、変態でもなければ糞の匂いが充満する店舗の、糞の臭いがこびり付いたおにぎりを買おうとは思わない。

そして一匹だろうが複数だろうが、アライさんの糞は普通の清掃では対処しきれない。

臭いもさることながら、ウィルスや寄生虫がもぐりこんでいる可能性があるからだ。

清掃業者に依頼して大掛かりな清掃が必要になる。そしてその費用は店持ちだ。
216 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 19:57:12.04 ID:KiJ09jlW0
また、街に潜むアライさんはタバコを優先的に盗む傾向が強い。どういうわけかタバコに病的な程の興味と執着心を示す。

「アライさんのゴーストが囁くのだ」

その理由に答えるように、今この街のどこかにいるアライさんがタバコを吸いながらそう呟いた。

大事な売上に直結するタバコがアライさんによって片っ端から奪われていく。それによる売上の著しい低下と更なる客離れ。


そしてこれだけの被害が出るにも関わらず、店員が銃を持つ事は忌避されている。

銃社会に馴染んでいない日本で、店員が銃を持っているというのはそれだけでマイナスイメージだ。

人間に対しても使える物である以上、客が怖がるのは必至。

アライさんに対して使おうものなら、例え撃退できたとしてもお客様、上記のフレンズ至上主義者達による大炎上は避けられない。

つまり、店側がアライさんに抵抗する手段は何も無い。商品を差し出し、身を守る事しかできない。

だからこそアライさんにとってコンビニエンスストアは格好の餌場だった。


あまりにも美味しい餌場故にアライさん同士でのコンビニの奪い合い、殺し合いも発生する。

争奪戦に敗れたアライさん一家が負けに負け続けた結果、ゴミに手を出して商店街のアライちゃん5のようにカラスに食われて死ぬのだが、それは置いておく。


今彼らの目の前にあるコンビニも、アライさんによって閉店まで追い込まれた店舗の一つだった。
217 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 20:29:19.80 ID:KiJ09jlW0
ぼうし「自分を殺すかもしれない強盗が連日連夜襲ってくるんだ。普通の人は怖くて抵抗なんてできない」

ぼうし「アライさんはそれで味を占めて何度も何度もお店を襲ったんだ」

ぼうし「コンビニは町中色々な所にあるし、アライさんはそこらを転々とするから保健所も対応し切れない」

ぼうし「問題は解決されない、お店は仕入れ代と清掃代がかさむ、お客さんも来なくなる、アライさんだけが来る。それでこれだ」

ぼうし「もうこういうお店何件見てきたか覚えてないや。特に最近は潰れるコンビニが多い」

フルル「ねぇ、お昼ここでもいい?」

ぼうし「いいよ。優しいんだね、フルルは」

扉をくぐって店内に入ると、空きが目立つ棚が立ち並んでいた。その設備のどれも、汚れはあるものの拭けば取れる程度のものだ。

フルル達は店の奥にあったおにぎりやサンドイッチを手に取りレジに持って行き会計を済ませた。

レジを打つ中年男性は自分達に笑顔を向けているものの、見ていて胸が痛くなる何かを感じさせた。

フルルはそんな彼から既視感を感じ、その正体にすぐ気が付く。

ワイン君に初めて会った時もこうだったな、と。
218 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 22:19:02.52 ID:KiJ09jlW0
扉が開くチャイムが店内に響く。

条件反射のように店員は扉の方を向いた。そして表情と動きが固まった。

入ってきたのはアライさんの一家だからだ。

アライさん2「お腹が空いたのだぁ」

アライさんが、堂々とした様子でずかずかと入り込んでくる。

アライさん2「もぐっぐちゅっくっちゃくっちゅらくっちゃ」

そして店員に何も言わずに店内に残った僅かな商品の袋を破り、食っていく。

クチャクチャクッチャクッチャクッチャクッチャクッチャクチャクチャクチャクチャ…

店内BGMには合わない、粘着質な不快な音が店内に響く。

アライちゃん6「うゆぅぅう〜まえよりかずがすくないのらぁ〜『しけてる』のらぁ」クッチャクッチャ

アライちゃん7「んふぬぁああ〜ん…うんちしながらたべるあまあまどーなつおいしいのらぁ〜」ブリブリクッチャブリクッチャ

クチャクチャクッチャグチャムチャグチュゴリグッチャ

アライちゃん達も店員には何も言わず、勝手に商品の袋を開けて食べ始めた。

アライちゃん7に至っては脱糞しながら飯を食っている。

アライちゃん6「しょうがないからぜんぶくいだめするのらぁ。あらいしゃんはおっきくなってチビをたくさんうむからエネルギーがひつようなのらぁ」クッチャクッチャ

アライちゃん7「ぐっちゃぐっちゃしあわしぇくちゃなのくちゃらぁ〜」ジョボボボボクチャクチャ
219 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 22:30:16.01 ID:KiJ09jlW0
フルル「ちょっと」

アライさん2「何なのだお前は?ここはアライさんの狩場なのだ。餌が欲しいなら他をあたるのだ」

フルル「餌じゃないよ!買い物だよ!」

アライさん2「は?これはアライさんのものなのだ。売り物じゃないぞ」

フルル「この棚にあったからこのお店のものだよ」

アライさん2「ならアライさんのものなのだ!アライさんはここの王なのだ!」

アライさん2「アライさんは偉大だから奴隷がいるのだ!そこの人間はアライさんに屈服してアライさんの奴隷になったのだ!!」

フルル「何言ってるの?」

アライさん2「そこの人間はアライさんを何度も何度も殺そうとしたのだ!だが偉大なアライさんは全てを切り抜け、返り討ちにして完全勝利を収めたのだ!」

アライさん2「アライさんは強い!アライさんは賢い!アライさんは偉大!それに比べて人間はゴミなのだ」

アライさん2「ここをアライさんから横取りしようとアライさんに勝負を挑んできた人間は多くいたが、どいつもこいつもアライさんの頭脳の前ではクソザコナメクジだったのだ」

アライさん2「だからアライさんは偉大!人間はゴミ!」

アライさん2「その真理を一番よぉくわかっているのはそこの人間なのだ!」

アライちゃん6「しょうだしょうだ〜!にんげんは『まけいぬ』なのりゃぁ〜!」

アライちゃん6「あらいしゃんにかしずく『くそどれい』なのりゃぁ〜!!」コスリコスリ

アライさん2「人間に独り占めする権利なんてどこにもないのだ!ここはコンクリートのジャングル、強いものがご飯を食べて弱いものは飢えて死ぬ!」

アライさん2「つまりここは最強王者たるアライさんのものなのだぁ!!」
220 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 22:44:11.28 ID:KiJ09jlW0
街に住むアライさんは森や山に住むアライさんに比べ、人に慣れている。

アライグマのフレンズは、元種であるアライグマ由来の比較的高い知能と学習能力、環境に対する適応力を有する。

アライさんは街で生き残る為に、森や山暮らしのアライさんに比べてより狡猾に、より陰湿に育ったのだ。


コンビニの特性を理解し、自分の特性を最大限に発揮し、行動する。

各地に点在するコンビニをアトランダムに襲撃し、保健所員やハンターが来る前に退散する。

そして同じコンビニは連続では襲わない。欲を掻いてもう一度行った先でハンターに待ち伏せされて駆除される恐れがあるからだ。

コンビニの数は多く、襲撃をするアライさんの数も多い。そして次にどこが襲撃されるか、アライさん以外はわからない。

各地に潜むアライさんの群れ、そして山から降りてきたアライさん、法則性を見出そうにも数と不確定要素が多すぎて決定打が見えないでいた。


ならば全てのコンビニに護衛を付けようと試みたが、それも失敗に終わった。前述の通り、コンビニの数が多いからだ。

護衛に付けたとしても一人・二人になってしまう。野生解放の不意打ちを喰らって殺害されるハンターが出た。

また、何事も無く終わり帰宅している途中にアラ信の襲撃を受け、一話の時のように死体を晒されるハンターもいた。

つまり、アライさんによるコンビニ襲撃問題を解決する手段が何一つ見つかっていないのが現状だ。

囮にされたり、純粋に逃げ遅れたり、縄張り争いに夢中になっている間に駆除されるアライさんもいた。

だがそんな間抜けな個体は遅かれ早かれ殺されている。それが偶然コンビニにいたハンターに駆除されただけだ。

そんな奴等をガイジと罵り、アライさんはただただ日本各地のコンビニエンスストアをむさぼり尽くし閉店に追い込んでいった。

自分達を追い掛け回すだけで何もできない人間たちを嘲り笑いながら、アライさんの群れはコンビニ業界を食らい尽くしていった。
221 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 23:03:57.19 ID:KiJ09jlW0
コンビニを食らい尽くしていく中でアライさんの自尊心はどんどん膨れ上がっていった。


いつか母から聞いた温室のジャパリパーク、人間のいない森や山

そんな甘ったれた環境を捨て、邪悪な人間を翻弄し、野生を捨てずに生きている気高きけもの。

いつか人間を打ち倒し、人間を支配し、英雄となり王となる存在。

街育ちが板に付いてきたアライさん達の自己評価は概ねこんなものだ。

前述の通り、人間側が手加減を強制されている事や人間同士での潰し合いが起こっている事への違和感は感じていない。

深く考えてもいない。あいつら人間は弱くてガイジだから、としか思っていない。


ここで傍若無人に商品を食らい尽くそうとしているアライさん一家も同じ考えを持っていた。

アライさんは偉大でそれに比べて人間はゴミ。ゴミな人間はアライさんの奴隷として働かせる以外に生きる術は無い。

そこの店員もアライさんがお情けで生かしているだけだ。本当ならアライさんが瞬きする間に殺せるものを。

このクソ奴隷の役割はアライさんにご飯を献上する事だけだ。アライさんの為だけにご飯を集め、アライさんの為だけにご飯を差し出す事だけが人間の生きる術だ。

そのはずなのに、今日はご飯の量が少ない。アライさん2はそう感じ、不満を言葉で表す代わりに大音量のゲップを店内に響かせた。

このコンビニがもう人が滅多に来ない店舗で、もうじき閉店するという事には全く気付いていなかった。

今度来た時も少なかったらもう殺してやろう。奴隷としての役割も果せないなら餌にしてやる。

アライさん2はそんな事を考えながら5つめのおにぎりにかぶりついた。
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 23:10:46.02 ID:aRSxviFDo
なんかもう某スレの出来の悪いなろう系のアライさん臭がしてきた
223 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 23:15:12.33 ID:KiJ09jlW0
店員「ふっざけんなぁ!!!」

店員が突然大声を張り上げ、何かを掴んだ右手をアライさん2に向けた。

その右手には、拳銃が握られていた。

暴挙。コンビニエンスストア店員としては一番やってはいけない愚行。

拳銃を持ち込み、大声を張り上げ拳銃を突きつけるなど一番やってはいけない暴挙。

だがそんなものはもう店員には関係が無かった。堪忍袋の尾が切れた店員の指がトリガーにかかっている。

ぼうし「まっず!!!」ガバッ

フルル「わぁ!」ドサッ

ぼうしはフルルの後頭部に手を置きながら押し倒し、庇うように上に覆い被さる。

フルルの視界には見知らぬ天井とぼうしの上着で覆われた。フルルが今まで体験した事のない異常な世界は、少し甘い香りがしている。

その香りがフルルの鼻腔をくすぐった瞬間、BGMを掻き消すほど大きな銃声が店内に響いた。
224 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 23:25:26.12 ID:KiJ09jlW0
床に銃弾がめり込み、破片が舞い上がる。

アライさん2を狙ったその銃弾はアライさん2に直撃しなかった。銃を撃つ経験の無い素人が、感情を爆発させて撃った結果としては妥当である。

だがアライさん一家は大層驚いた。

「「びぃいい!?!?」」ブッピッ

アライさん2「ひぃっ!?な、何でお前がそれを持っているのだぁ!?!?」

拳銃の存在は知っていたが、まさか店員が持っているとは今の今まで思わなかったのだろう。

まさにガイジの甘い考え、と言いたい所ではあるが実際今の今まで店員は拳銃を持っていなかったのだから大目に見てあげよう。

それよりも大事なのは、今店員が拳銃を持っている事だ。

店員としてのタブーを犯してまで拳銃を持ち込み、発砲した。

つまり彼は今初めて、自分の店を今まで存分に食らい尽くしてきたアライさん一家に、明確で、本気で、本当の、強大な殺意を見せている。
225 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 23:31:40.26 ID:KiJ09jlW0
店員「殺してやる、殺してやる」

スイングドアを開け、力任せに叩き付ける。ずがん、という大きな激突音が店内に響き渡る。

アライさん2「ひっ!ひっ!」ズサ、ズサ

殺意に満ちた店員と、二度も虚を突いた爆音にアライさん2は怖気付いてしまった。

それは王が奴隷に対して見せる態度ではない。王は王でも、革命で引き摺り下ろされ殺される直前の無様で哀れな王だ。

アライちゃん6「ご、こ、こ、こわいのりゃぁあああ!!!!!」

アライちゃん7「おがああしゃああん!!こんなやつころしちゃえええええええ!!!!!」

アライさん2「ち、ちちちチビいいい!!!!!」

アライちゃん達が恐怖を共有するかのようにアライさん2にしがみ付く。

店員「殺してやる、殺してやる」

拳銃を向けたまま、呪いの言葉を呟きながら、店員がアライさん一家に歩み寄っていく。
226 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 23:42:49.12 ID:KiJ09jlW0
アライさん2「んぎぃ!!!」ブン

「「じび!!」」バシ

アライさん2が突然うなり声をあげてアライちゃんを弾き飛ばし立ち上がった。

そしてそのまま

アライさん2「逃げるのだあああああああああ!!!!!!!!!」

逃げ出した。出口に向かって、全速力で走り出した。

王の器である自分は他のどこでも王になれる。今は自分の命が優先だ。

そう考え、自分の逃走の邪魔になるアライちゃん二匹を弾き飛ばして一人で逃げ出したのだ。

アライちゃん6「おかーしゃぁあああ!?!?!?!?」ヨチヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん7「おいでがないでぼじいのりゃぁあああぁぁああぁあああああ!!!!」ヨチヨチヨチヨチヨチ

弾き飛ばされたアライちゃん達も汗と涙と鼻水の全力全開ヨチヨチムーブで出口へと向かう。
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 23:45:52.55 ID:RzSpN3fgo
>汗と涙と鼻水の全力全開ヨチヨチムーブ

これすき
まだ発育状態は児童ほどの運動能力すらない赤ちゃんなんだなって思う
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 23:54:48.95 ID:uwcGrByFO
ここのアライさんのクズ度は群を抜いてるわ
もはやこの地球上に存在してていい生物じゃない
229 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2017/12/14(木) 23:56:23.11 ID:KiJ09jlW0
ドスン

アライちゃん7「いだいのだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」ゴキゴキゴキゴキ

店員のかかとがアライちゃん7の腰を踏み付ける。

骨が砕かれる自分の娘の絶叫を聞きながら、それに意も解さずにアライさん2は街の中へ逃げていく。

あれは必要な犠牲だったのだ。あいつがガイジだからああなったのだ。アライさんは悪くない。アライさんは悪くないのだ。

頭の中でぐるぐると自己擁護を繰り返しながら、ひたすら走り続けた。

自分が安心できるまで、いつまでも、いつまでも。
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