わたしとヒトとアライさん

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300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 18:01:12.79 ID:H01/3URV0
何か裏があるのか単に利用されてるのか
本文で語られるのかも
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 18:27:14.98 ID:WBhy2/6I0
>>299
単純明快よ
アライさんは一目で見分けられてもアラ信は見ただけじゃ分からんからな
人間のテロリストと一緒で人混みに逃げられたら撃つことも出来ん
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 18:35:52.19 ID:iQF17L5mO
いや、そっちじゃなくて・・・
アライさん達にアラ信が殺されてないのは何でだろう、という意味です。
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/12/22(金) 19:00:49.58 ID:WBhy2/6I0
>>302
あーすまんそっちか
まあ、これまた単純明快で流石のハエガイジでも精子(快楽)や武器、情報、そして食料を提供する『奴隷』を殺したりはせんだろ
アラ信はアライさんを助けているヒーローな自分に自己満足していてアライさんは股を開いているだけで最高の奴隷が手に入る
お互いに都合のいい関係なんだろ
304 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 00:43:19.39 ID:9bTKxpv+0
森の中に銃声が響く。森の中に悲鳴が響く。

あらゆる所でギンギンと甲高い声が上がり、不愉快さが脳と食道に滲み出す。

アライちゃん1「にげっにげるのりゃぁああああああぁああああああああああああ!!!!!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

こちらに糞のこびりついた汚らしい尻を向けて逃げ出す幼獣に狙いを定め、飼い主が引き金を引く。

アライちゃん1「いぃいだいのだぁあぁあぁあああああああああああああ!!!!!!」グシャァ

やかましい悲鳴を上げながらごろごろと地面を転がりだした。

アライちゃん1「ぎびぃ!!びぃ!!びぃいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」ゴロゴロ

痛かろうが悲しかろうが、殺すべき相手がこちらから距離を取るのを止めたとなればやる事は一つ。

飼い主「パスカル!殺せ!!」

最愛の相棒に抹殺命令を下すと、傍らの大型犬が後ろ足に全力を込めて飛び跳ねた。

人体そのままの構造で更に負傷もしている生物が四つ足移動で成犬の走りに勝てるはずがない。

大型犬「ングァウ!!」ガブッ

アライちゃん1「ぎびいいいいいいいいいいぐべ…!!!!」

数秒も経たない内に追いつかれ、喉笛に噛み付かれて敵が悲鳴を上げた。

大型犬「」ブチブチブチブチ

アライちゃん1「ごぼぼおっ…ご…ごきゅぅ〜…」ビクンビクン

噛み切られたアライちゃん1の喉から血液と空気が漏れ出していく。
305 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 00:57:10.51 ID:9bTKxpv+0
アライさん1「わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!」ヨジヨジヨジヨジ

飼い主の後ろに声と気配を感じる。

森の中、感じるその気配が何をしようとしているか経験で予想を立てたが無視をする。

恐らく木に上って奇襲をかけてくるのだろう。

こういった森の中では木登りに慣れているアライさんに頭上を取られる事の方が多い。

そして地上に配置された囮に気を取られている間に上からの奇襲を受けて負傷するハンターも多い。

人類が人類である限り、危害を加えようとするものに上を取られるという事は死にも直結する事態だ。

だが飼い主は無視をする。

木に登りきられる前に振り向いて引き金を引き、先に駆除する事もできる。

だが飼い主は無視をする。今すぐ振り向いて撃ち殺してやりたい。

だがギリギリまで我慢する。ここで自分が動いては意味が無い。

アライさん1「とったのだ…!!」

あえて後ろを振り向かない飼い主の死角で、アライさん1が木の股に立って槍を構えた。

アライさん1「あの間抜けなニンゲンを殺してアライさんは英雄として歴史に名を刻むのだ…!!」

アライさん1「アライさんは知っているんだぞぉ…!お前達がアライさんの事を舐めている事くらい…」

アライさん1「だがアライさんはアライさんなのだ…!気高きけものの頂点に立つフレンズなのだ…!!」

アライさん1「その首を落としてアライさんによる反撃の狼煙を上げるのだぁ…!!」

アライさん1の身体が野生解放で光り始める。

第三者からこの場を見た時に存在感を出しすぎてしまう程、光り始める。
306 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 01:07:14.76 ID:9bTKxpv+0
アライさん1「たぁぼび!?!?」グシャァ!!

今まさに飛びたたんとしたその瞬間、この空間の外部から銃声が響き、重い何かが落ちる音が響いた。

アライさん1「」ビクン、ビクンビクッビクッガクンガクガクガクガックゥン

その音を聞いてようやく飼い主が振り向くと、ゴキガイジムーブを晒すアライさんが地面を転げ回っている。

頭打ち抜かれ、血と脳漿で地面を汚しながらアライさん1が最後の大暴れを見せる。

生きている時は糞便を撒き散らし、死ぬ間際も血と脳漿を撒き散らす。

アライグマという生物はその名前に反し、存在している限り何かを汚さずにはいられない生物なのか。

所詮は上っ面と幻想しか見なかった人間が名付けた名前。こいつの本質は汚染を広げる害獣だ。

そんな事を考えながら飼い主が前に向き直ると、飼い主の方に銃を向けた男が立っているのが見て取れた。

既にその引き金は引かれ、銃口からは僅かに煙が立ち上っている。
307 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 01:20:51.40 ID:9bTKxpv+0
飼い主「ナイスキルです。店員さん」

店員「ありがとうございます」

飼い主が笑顔で労うと、銃を構えていた男性もまた笑顔で飼い主に返事をした。

父と娘程の歳の差があっても増長せずに柔らかい物腰を維持する店員に、飼い主は謙遜と尊敬と庇護欲が入り混じった感情を抱き少し頬を赤らめた。


アライさん駆除は遊びではない。まして一人でやり切れるものではない。

多くの人々が力を合わせなければ、アライさんの絶滅など夢のまた夢。

だからこそ後進の存在、同士の存在を意識する事もまた大切だ。

同士の命を救った事。一発でアライさんの頭を撃ち抜けた事。

願わくばこの事が、この新たなハンターの自信に繋がってくれれば。

そう飼い主は考えていた。
308 :短くてすみません ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 01:23:00.80 ID:9bTKxpv+0
♪また今度♪
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 01:26:05.07 ID:afR/SqHpO
乙です、続き楽しみにしてます
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 12:31:42.61 ID:jfZ4AXnNO
乙です
311 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 21:48:08.18 ID:dp1o01yS0
ハンター1「おぉい!こっちは終わったぞ!!」

ハンター2「仕上げやるぞー!戻ってこーい!!」

気がつけば周囲の悲鳴や銃声が止み、遠くから二人を呼ぶ声が聞こえてきた。

害獣との戦闘は終わり、ここからは事後処理の時間だ。

今回の仕事仲間がその事後処理の準備ができた事を大声で伝える。

飼い主「はーい!今行きまーす!!」

飼い主「店員さん、行きましょう」

飼い主「これが終われば、今回のコロニー駆除のお仕事はほぼ終わりです」

店員「わかりました」

二人は他の仲間が集まる場所へと走り出した。


アライさんコロニーの駆除、その最終工程とは

罠に引っかかったりアライさんからの投降を受け入れて捕まえたアライさんを二酸化炭素ガスによって殺処分する事である。
312 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 22:06:34.93 ID:dp1o01yS0
アライさん2「出すのだぁー!!出すのだぁー!!!ここからぁ!!出せぇー!!!」ガシャンガシャン

アライさん3「きしゃあぁあああ!!きゅるるるるるるぅうううぅううううううう!!!!!!」ガシャンガシャン

アライさん4「ほ、他のアライさんは殺してもいいからアライさんは助けるのだ!!」ガシャンガシャン

アライさん5「アライさんが何をしたって言うのだ!!お前らこんな事して許されると思ってるのかぁ!?」ガシャンガシャン

アライちゃん2「のぁああああああーーーーーーん!!!のぁああああああああああーーーーーーーーーーん!!!!!」ガシャンガシャン

アライちゃん3「おうぢがえるぅううううう!!!!!あげでええええええええええ!!!!!!!!!!!」ガシャンガシャン

アライちゃん4「へねっくぅううううーーーーーーーー!!!!!!べねっぐぅううううううううううううう!!!!!!!!!」ガシャンガシャン


ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン
ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン
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ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン


大きなCO2ボックスの中に小さな籠がいくつも詰め込まれ、中でアライさんの群れが叫びながら体当たりを繰り返している。

阿鼻叫喚とはまさにこの事。アライさんの群れがこれから何が行われるのかを察したのか命乞いや泣き言を騒いでいた。

男「さっさと終わらせようぜ」

オヤジ「あぁ。こっちはOK」

男「OK。こっちもOK」

箱の外側では内側の地獄絵図とはまるで別世界であるかのように、冷静に淡々と作業が進められていた。

二酸化炭素ガスのボンベから伸びたチューブがCO2ボックスの側面の穴、ガス注入口に挿入される。

後は蓋をして、密閉してから二酸化炭素を流し込んで数十分も待てば殺処分は完了だ。
313 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 22:15:33.07 ID:dp1o01yS0
アライさん5「アライさんが何をしたっていうのだぁああぁああ!?!?!?」ギィイイイイイイン

最後の最後まで抵抗を止めないアライさん5が森を揺らさん程の声量で絶叫した。

アライさん5「お前達ニンゲンにアライさんを殺す権利があるのか!?」

アライさん5「アライさんだってなぁ!!生きてるんだぞぉ!?」

アライさん5「お前達と同じ命!!!尊い命なんだぞぉ!?!?!?!?」

飼い主「!」

尊い命、その言葉を聞いた飼い主の身体がびくと動いた。
314 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 22:45:12.27 ID:dp1o01yS0
アライさん5「お前達ニンゲンは勝手なのだ!!自分しか見えていないからこんな事ができるのだ!!!」

その飼い主の様子を知ってか知らずか、アライさん5は叫び続ける。

アライさん5「アライさんの祖先…アライグマは、お前達ニンゲンに無理矢理連れて来られたのだ!!」

アライさん5「それなのに飽きたら捨てられて!!必死に生きていたのに害獣扱いでハイさようならか!?!?」


アライさん5「ふざけるのもいい加減にするのだぁあああああああ!!!!!!!!!!」ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン


爆音、と表現しても差支えないほどの絶叫に周囲のハンターが軽く耳を塞ぐ。

オヤジ「っつ、うるせぇな」

アライさん5「何もかもお前らの都合じゃないのか!?アライさんは命を大事に生きていただけなのだ!!!」

アライさん5「お前らと何も変わらないのだ!!お前らもアライさんも生きる為に動いているのだ!!!」

アライさん5「それなのに何が特定有害駆除対象フレンズだ!?何が害獣だ!?」

アライさん5「一方的に決め付けて、一方的に殺しにかかって!お前らに何の権利があってそんな事をしているのだ!?」

アライさん5「命を奪う権利なんて、誰にもあるはずがないのに…誰に許可を得てそんな事をしているのだ!?!?」

アライさん5「こんな事をするニンゲンの方が、アライさんよりよっぽど害獣なんじゃないのかぁ…!?」

飼い主「…」

男「こいつ…」

アライさん5「アライさんにはそれだけ恨む権利があるのだ…!!!」

アライさん5「アライさんは被害者なのだ…!!!一方的に弄ばれて傷付けられる被害者なのだ!!!」

アライさん5「なのにニンゲンはなぁ…ニンゲンなんてなぁ…!!!」フー!!!!フー!!!!!!!
315 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 23:19:30.16 ID:dp1o01yS0
ガンガンガンガン!!!!!

アライさん5が息を吐き出そうとしたその瞬間、鉄を殴る音が森の中に響いた。

野生解放も想定して作られたCO2ボックスがへこむ事はないが、アライさん5の言い分を止めるには十分だった。

飼い主「尊い命?命を奪う権利?」

飼い主「ふざけた事を言わないでよ。害獣のくせに」

アライさん5「アライさんは害獣じゃないのだぁああ!!アライさんはなぁあああーー!!!!!」

飼い主「害獣だよ!!!」ガァン!!!

CO2ボックスを拳銃の銃床でぶん殴った音でアライさん5を黙らせた後、炭酸ガスのバルブに手を伸ばして掴んだ。

これを回転させればCO2ボックス内に二酸化炭素が溜まり、中のアライさんは全員死ぬ。

急にバルブを回そうとする飼い主を見て、周囲のハンターが慌てながら蓋を閉めようと作業を進めた。


飼い主「殺す前に一つ教えてあげる」

飼い主「お前達は勘違いしてるみたいだけど、アライグマは『ここに来たから害獣になった』んじゃないんだよ」

飼い主「本当は、『元々害獣だったものを連れて来てしまった』だ。アライグマの原産の北アメリカじゃとっくの昔に害獣指定を受けている」

飼い主「日本にはアライグマがいなかったから、来てから害獣に指定しただけの話」

飼い主「馬鹿な人達のせいで害獣の生息地が広がったってだけの話」

飼い主「しかも天敵がいないからすぐに数を増やした」

飼い主「必死だったとしても原産地に比べりゃ楽だっただろうね?天敵がいないんなら殺される心配をそんなにしなくてもいいんだから」

飼い主「だから被害者ぶるのは的外れのお門違い」

飼い主「お前達が害獣なのは、お前達の性質そのものが害獣だからに他ならない」

飼い主「お前達はどこに行っても害獣。人間の生活を脅かす、人間の敵なの」

アライさん5「…!!」

飼い主「わかったらとっとと死んで」
316 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 23:30:44.22 ID:dp1o01yS0
飼い主がバルブを回そうとしたその瞬間


「グォオォオオオオオオオーーーーーーーッ!!!!!!」


何かが森の中で木魂した。全員がその木魂の方向を振り向く。

そこにあったのはこげ茶色の塊。

ハンター1「うっ…」

ハンター1が思わず息を詰まらせる。


彼らが見たものは茶色と言っても溜糞ではない。

だが人の心を跳ね上がらせるには十分すぎるもの。

人々の恐怖の対象として語り継がれてきた獣。
317 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 23:35:26.13 ID:dp1o01yS0
男「く…」

店員「熊だぁ!!!」

森の、山の王者の姿が、ハンター達を睨み付けているように見えた。

王者は猛スピードでハンター達に向かって走り出す。

四つ足で地面を抉り取り、鋭い牙をむき出しにして走り出す。

店員「うわ!あ!あ!!」ガサッ

その威圧感に店員が尻餅を付いた。

ハンター2「まず!逃げ!逃げろぉ!!!」

オヤジ「待て!!!」
318 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 23:43:04.04 ID:dp1o01yS0
オヤジ「顎の下撃ちまくれ!!!」

オヤジは真っ先に銃を構え、迫り来る熊に銃口を向ける。

飼い主「顎の下…!!」

男「え!?え!?」

オヤジ「いいから撃て!!それで死ぬ!!!」

飼い主「!!!」

ズダダダダダダダダダン!!!!!!

飼い主のPDWとオヤジのアサルトライフルが火と銃声を吹き上げるのを合図に、ハンター達の一斉射撃が熊に向かって飛んでいった。

すると

熊「ぎび!!びいいいいいいいいぃいいいいいいい!!!!!!」ビスビスビスビスビスビスビスビス

熊「じびぎぃーーーーー!!!」ドス!

熊はその恐ろしくも猛々しい見た目とは程遠い耳障りな悲鳴を上げてあっさりと倒れた。

店員「…え?」
319 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 23:47:49.02 ID:dp1o01yS0
倒れたまま動かなくなった熊だったがハンター達は近付けず、遠くから様子を見守る事しかできなかった。

店員「…」

男「…」

ハンター1「…」

ハンター2「…」

すると今度は突然

熊「」ビクン!

男「うぬ!?」ビックゥン!!

熊「」ビクン!ビクン!ガクン!ガクンガッビクッビクビクビクビクビクビクビクビク

熊が周囲の木の葉を撒き散らしながら、倒れたまま痙攣するように暴れだした。

ハンター2「なんだぁ!?」

痙攣を続けていくうちに熊の身体が徐々に崩壊を始める。

ぐにゃんぐにゃんに曲がり、あらぬ方向から何かが突き出て

アライさん6「」ズルゥ

身体の中から蜂の巣になったアライさんが出てきた。

ハンター1「は」


「「はぁああああああぁあああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?」」

320 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/03(水) 23:50:11.33 ID:dp1o01yS0
オヤジ「よし」グッ

男「よしってお前!!」

オヤジ「何だよ」

男「アレがアライさんだって知ってたのか!?」

オヤジ「知ってたって言うか、気付いた?」

店員「気付いたって…」

オヤジ「いやだって、よく見てみればすぐわかるって」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 00:16:49.56 ID:Z7p5dRF+o
これはスカっとする
322 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/04(木) 00:35:40.38 ID:vW3qRU2M0
オヤジ「いくら野生解放したアライさんだからって熊に擬態は無理があるだろ」

ハンター達は熊…の毛皮とゴキガイジムーブを終えたアライさん6の傍に近付いてオヤジの説明を受ける。


アライさんが熊に擬態するのが不可能な理由。

熊の大きさは平均で110cm〜130cm。成体のアライさんの平均は140cm程。毛皮を被ったとしても全てを隠し通せない。

逆に大きな個体の皮を被ったとしても皮がびろびろとはみ出てしまい、すぐ見ればバレてしまう。

完全にアライさんの身体にフィットした熊に遭遇し、それを倒し、綺麗に皮を剥がなければならない。

余程神に愛されでもしなければ、奇跡は起こりえない。

それをクリアしたとしても今度は骨格の問題にぶち当たる。熊の独自の骨格を人間の骨格であるアライさんが再現する事など、死ななければ不可能だ。

首の長さが異なるし、熊の頭をお面のように被るにはあまりにもアライさんの顔はデカすぎる。


仮に顔の問題がクリアできたとしても、アライグマという生物は性質上視力が弱い。

だからこそアライグマは水に手を付けて獲物を探る術を身に付けたのだ。

ただでさえ視力が弱いのに更に視界が確保できないまま野生解放を使って四つ足のまま熊の全速力を再現して突き進めば、

木や岩にぶつかって首の骨を折るかそのまま崖に転落して複雑骨折して死ぬのがオチだ。

日本に生息するクマは二種。ツキノワグマは時速35キロ〜50キロ、ヒグマは時速60キロの速さで駆ける。

細い首の骨がその速度が生み出す衝撃に耐えられるだろうか。いや耐えられない。

バイクでその速度を出しながらヘルメットの代わりに小さな覗き穴だけ付いた着ぐるみの頭を着けて走って無事でいられるだろうか。いや無事でいられるはずがない。


必然的に顎の下、首元から顔を出して視界を確保しなければならない。それが人間の身体を得たアライさんの限界なのだ。

現に人間が熊の毛皮をかぶる時は顎の下、喉元に自分の頭や顔が来るようにしている。

勿論二足歩行で熊の毛皮を被る事を想定した話だ。それでも胸の辺りから見える毛皮の中身は隠せないのだが。

四つ足で駆けるなど論外だ。人間の骨格で四つ足移動をしようとすれば、頭を限界まで上げなければならない。

野生解放を使って熊のスピードを再現し、前方不注意による事故死を避ける安全性を確保したとしても




ずっと上を向いた熊の喉元に、下膨れと吊り目が両立する世にもキモい顔がくっ付いているクリーチャーにしかならないのである。




ちなみに熊の顔を正面に向ける為に下を向いて走るというのも論外である。

人体の構造上、自分の頭上は首を動かさなければ見れないのだから。前述の通り前方不注意で死ぬのみだ。

アライさんがろくろ首のように首の骨を伸ばせるのならば話は別かもしれないが…そんなアライさんはいない。というかいてたまるか。
323 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/04(木) 00:43:54.47 ID:vW3qRU2M0
オヤジ「まぁ要するに、落ち着いてみれば簡単に見抜けるって事だ」

店員「はぁ」

男「普通熊見て落ち着けるかっての」

オヤジ「まぁそうかも知れんなぁー君たちは。はっはっは」

男「うっぜー」

オヤジ「あの時に比べりゃこんなもんな」ボソッ

飼い主「え?」

オヤジ「それにな」

オヤジ「いちいち熊ごときでビビってたらアライさんハントなんてやってられないだろ?」

オヤジ「下手すりゃこっちが死ぬのは熊でもアライさんでも一緒だ」

オヤジ「だったら相手が何だろうが全力でやって生き残るだけよ」
324 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/04(木) 00:47:59.57 ID:vW3qRU2M0
♪また今度♪

いまいちイメージし難い話題になってしまったので参考にした資料を貼っておきます。

http://www.afpbb.com/articles/-/3071842
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 01:00:34.97 ID:Z7p5dRF+o
乙です
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 09:37:54.86 ID:xFaFeK230
乙です
俺がこの世界にいたら某SSのMCチヘドローになりそうで怖い
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 18:37:41.52 ID:9l98CyTmO

正直アラ虐ssの世界観ではここが一番怖いかもしれん
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 22:54:12.83 ID:NqDnVWBC0
もし、アラスコのチヘドローみたいなイカれた奴がこのSSにいたら、
ヒーロー扱いになるんだろうか?
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 18:06:16.04 ID:Y6uBRlo8o
>>315
ここ正論過ぎてすぐアライさんは悪くないとか言い出すアラ信に見せてやりたい
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 18:27:29.42 ID:7W9Og93ko
>>315
ここすき
331 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 22:12:14.02 ID:sGSB6ulD0
男「…ちょっと待て。じゃあさっきの鳴き声はどこから?」

店員「え?」

飼い主「あ…!パスカル!!!」

大型犬「ワウ!ハフハフハフハフ…」クンクン

大型犬「!!」ビクッ

大型犬「ガウ!ァウ!!!」

鼻を鳴らして索敵を始めて早数秒、大型犬は何かを感じ取った先へ一切の躊躇無く走り出した。

飼い主「いた!?そこか!!!」

アライさん7「ヒィイイイイイイイ!?!?!?バレたのだぁぁ!!!!!!!」

アライさん8「なぜなのだぁあぁあああ!?!?大母の器たるアライさん渾身にして絶対無敵最強の策が破れはずがないのだぁああああ!!!!!」
332 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 22:18:49.19 ID:sGSB6ulD0
ペットは飼い主に似るという言葉がある。その家のペットを見れば飼い主の人となりがわかるという事だ。

今獲物を見つけた大型犬と、同じように目を殺意で光らせた飼い主を見て、アライさん達は掴んでいたラジカセを置いて一目散に逃げ出した。

ここで冷静になって野生解放を使えばまだ勝機があったかも知れない。

だが先程の熊の擬態が新米ハンター達の混乱を招いたように、一度ペースを崩す何かがあると判断が鈍くなるのが生物の性だ。

一瞬でも気迫に飲まれ逃げる選択肢を選んだ瞬間、アライさん達の勝機は消え去った。

オヤジ「そりゃお前、あんなん引っかかるの慣れてない新人だけだからだろ」パン!

アライさん7「び!!!」ビスッ!

後ろからオヤジの弾丸がアライさん7の後頭部を撃ち抜く。

アライさん7「」ビクン!ビク!ビク!ビク!ビク!ガッタンガッタンガッタンガッタン

オヤジ「こちとらてめえらの汚ねぇツラぶち抜くのが仕事なんだ」

オヤジ「そのツラをぶち抜きたくてブッ潰したくて、終いにゃ人の顔までハエガイジに見えてくるイカれたアラアンチや」

オヤジ「それを仕事にしてるプロのハンターが、てめえらの顔がどこに付いてようが見逃すわけねぇだろ」
333 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 22:30:30.90 ID:sGSB6ulD0
大型犬「ガァウ!!」ガブゥ

アライさん8「いだいのだぁああああああああああ!!!!!!!!」ブシャアアアアア

アライさん7がゴキガイジムーブを晒しているその頃、大型犬がアライさん8の足に噛み付いて転倒させていた。

そして転倒したのを見るとすかさず噛み付く対象を尻尾に切り替えて引きずりだす。

アライさん8「ぎひぃ!!びぃ!!!ひぃいいいいいいいい!!!!!」ザリザリザリザリ

成体のアライさんを相手にする場合、猟犬の噛み付き一撃でし止めきれない事も多い。

アライさん本来の生存能力の高さ、そしてアライさん特有の自己回復能力があるからだ。

それを過小評価したハンターと猟犬が返り討ちに遭う事はそこまで珍しい話ではない。

喉に噛み付いたはいいが耐えられて、逆に爪で首を切り裂かれて死ぬ猟犬。

囮と知らずに噛み付いている間に他のアライさん達による投槍で針山にされる猟犬。

とにかくアライさん相手に他の動物の戦法そのままを取るのはあまり良策ではない。

アライさんは人間と同じ頭脳と異なる価値観を持つ生物だ。

故に人間の予想を越えた動きを取ってくる事など、ベテランのハンターの間では一般企業におけるタイムカードの存在レベルで周知の事実だ。

だがアライさんには他の動物にない、アライさん特有の弱点がある。
334 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 22:48:02.53 ID:sGSB6ulD0
それがこの尻尾だ。

足のくるぶし程度まで垂れ下がり、太った蛆虫のような形で存在感を出している尻尾こそが、アライさんの弱点と成りえるのだ。

アライさんの汚らしい顔面と同じくらい汚らしく毒々しい色合いをしたその尻尾はアライさん社会における地位の高さ低さを決める大きな要因であり、

しっぽのだんす、けづくろいだんすなどといった挑発…もとい求愛行動の為の小道具でもあるのだが、本来の役割はそれではない。


アライさんの尻尾はバランサーであり、舵である。

野生解放時に人間を圧倒する機動力を得られるのは幼獣アライちゃん期の四足移動、ヨチヨチムーブの賜物であり、

このうんこを更に腐らせたような色合いをしている本当に汚い尻尾のおかげであるのだ。


そして、だからこそ、最大の弱点と成りえるのもこの、綺麗な蝶に生まれ変わる未来も一切見えない救いようのない毛虫のような尻尾である。
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/10(水) 22:54:10.56 ID:T5rkwvjlo
アライさんの尻尾ってほんとキモイよなぁ…
336 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 23:32:39.45 ID:sGSB6ulD0
今回のようにアライさんの尻尾を掴んで引きずり続ける事はアライさん駆除において優位に立つ手段である。

別にどこぞの野菜人間みたいに捕まれると力が抜けるとかではない。

レスリングの試合で相手の肛門に指を入れて腰を浮かせる裏技術がある。ダーティな技術であるが、それによって優位に立つ選手もいる。

アライさんの尻尾を掴むというのはそれに等しい。

何故なら人間の身体を得たアライさんの尻尾の位置は、人間の尾骨の位置。しかもそれを舵やバランサーとして扱えるほどしっかりと骨が通り、重さもある。

フレンズとなって人の身体を得るに当たって蛇足でありフレンズの証明でもあるその尻尾の存在が、身体のバランスを取る部位として成り立ちすぎてしまったのだ。


だから身体を支える部位に直結する尻尾を掴まれ、引っ張られれば嫌が応にもアライさんの身体全体も引っ張られる。

何かをしようとした時に引っ張れば簡単にバランスを崩せる。戦いにおいて相手のバランスを崩す事の重要性は言うまでもない。

そして何よりも、尻尾がデカすぎる。捕まれたら助けが無い限り反撃ができないのだ。

足のくるぶしまで垂れ下がる程長い尻尾の先端を掴まれればアライさんがいくら自慢にしている爪だろうが届かない。

背を反らそうが、顔面が削られるのを覚悟して身体を折り曲げようが、その距離まで手が届かない。

けづくろいだんすで尻尾を正面に持ってこれるのはあくまで何も障害が無ければの話だ。引っ張られればそんな事はできない。

いくらご自慢で、お気に入りで、一撃で相手を倒せると豪語していてもそれが当たらなければ意味が無い。それが人体を持ったアライさんの限界なのだ。

腕が足より長いとか、背骨を逆に曲げられるとか、間接を外して腕を伸ばす個体がいるのならば話は別だが…

それはもうアライグマとしての体裁を保つ理由すら放棄した新種のクリーチャーでしかないだろう


大型犬の顎の力は160kg程と言われている。平均140cmの人間の女性の身体では全体重を合わせてもその半分の重さもいかない。故に簡単に引きずれる。

野生解放したアライさんの尻尾の力がどれ程のものか計測したデータは存在していないが、もし仮に大型犬に勝る程の力があるのならば尻尾は十分な武器となる。

だが尻尾を使っての攻撃はジャパリパークにいたアライさん、オリジナルアライさんですらしなかった。

その後日本で繁殖して害獣行為を続けるアライさんの中にも、そのような攻撃を行うアライさんは報告には上がっていない。

その考えその事柄から、あるハンターが考案した対アライさん戦法がこれだ。

主に今回のような妨害の少ない少数戦や掃討戦で特に効果を発揮するその戦法は、猟犬を連れたハンター間で共有され一定の成果を出していた。

勿論いずれその戦法を破る為だけに(物を掴むには短く太すぎる尻尾でどうやるかは知らないが)尻尾を鍛え抜いた変態アライさんによって

破られる事も覚悟した上で、だが。
337 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 23:44:50.19 ID:sGSB6ulD0
機動力で人間より勝る猟犬がアライさんを捕まえ、尻尾を噛み、引きずる事で逃亡・反撃の手段を奪い時間を稼いでいる間に

相棒であるハンターが駆け寄り

飼い主「まぁそういう事」

飼い主「でもアライさんにしてはよくやったと思うよ。さよなら」パン!

とどめを刺す。

例え力比べで均衡した場合は良い的。そうでなくても息の合ったコンビならば誤射の心配は無い。

アライさん8「べ!!!」ビスッ!

飼い主「よくやったね。パスカル」

大型犬「ワン」

ベテランのハンターと相棒である猟犬が組めば、二対一で負けは無い。

負けるとしたら突出しすぎて周囲から集中攻撃を浴びるか、アライさんに逃げ切られるか、前述のような変態アライさんによって根底から覆されるかだ。
338 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 23:50:21.27 ID:sGSB6ulD0
ハンター1「…で、鳴き声はこれから?」ブラブラ

ハンター1が取ってを持って掲げているのはラジカセだ。

音量を小さくしてから再生すると、先程の熊の鳴き声が聞こえてきた。

ハンター2「くっだ、らねぇ…こんなんに引っかかりかけてたのかよ…」ガックリ

男「はぁああああ…」ガックリ

飼い主「まぁ、ほら、熊に見えちゃったらしょうがないですよ。わたしだって言われるまで気付けませんでしたし」

男「でも飼い主ちゃん真っ先に撃ったよな…」

飼い主「だってアレが本物の熊だったとしたらあの状況でわたし達逃げられないですし、殺されちゃいますよ。なら撃ちます」

店員「思い切りいいんですね」

飼い主「PDWとアサルトライフルで何とかなるかなーって思いまして」

飼い主「あの大きさの熊ならそれで足止めくらいはできますし、今回みたいにアライさんだったなら致命傷いけますよ。実際殺せましたし」


飼い主「でも今回のMVPはわたしじゃなくてオヤジさんですよね!オヤジさんの的確な指示があったから上手く事が運んだんです」

オヤジ「へっへっへー。惚れたか?」

飼い主「はい!凄いかっこいいと思いました!」ニコッ
339 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/10(水) 23:55:14.62 ID:sGSB6ulD0
男「!?」

飼い主「あの一瞬であそこまで判断してちゃんとわたし達に指示まで出せるなんて、何だか凄腕の兵士さんみたいでしたよ」

オヤジ「まぁーあの状況で熊はいくらなんでもできすぎてんなーって思ってよ。本物だったらあんだけの騒ぎ、もっと早く来るだろうしさ」

オヤジ「で、ちょっと見てみたら案の定さ」

ハンター1「はー…」

オヤジ「それに俺元自衛隊員だからな。この程度の急場は慣れっこだぜ?」

店員「自、衛隊!!」ビックリ

飼い主「へぇー!そうだったんですか!?すっごーい!!!」キラキラ

飼い主「自衛隊の時どういうお仕事してたんですか!?どうしてハンターになったんですか!?」キラキラキラキラ

オヤジ「んんーそれは話すとなるとちょっと長くなるなぁー」

オヤジ「とりあえず、近場のホテルでその辺の事朝まで語り明かそうか」グイッ

飼い主「わっ」

男「おい」
340 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/11(木) 00:00:13.83 ID:51brVUUL0
オヤジ「あ?何だよビビリボーイ」

男「お前アレ忘れてないだろうな?さっさと片付けるぞ」クイクイ

男はあからさまに不快な表情のままCO2ボックスを親指で指し示した。


「ニンゲンブッ殺せたのかぁー!?」ギャーギャー

「流石大母候補はその辺違うのだ!!ここから出してくれたら妹をファックしてもいいのだぁ!!」ギャーギャー

「というか早く出すのだぁあああああ!!!!!!」ギャーギャー

「何やってるのだガイジ!!さっさとこっからアライさんを出すのだぁ!!!」ギャーギャー

「ぐるのがおぞずぎなのりゃぁあああああ!!!!ごろざれがげだのだぁぁぁああああ!!!このうずのろぉおおおおおおお!!!!!!」ギャアアアアアアアアアア


銃声も止んだ今、自分を捕らえたハンター達が逃げたか増援のアライさんに殺されたと思い込んでいる、籠の中のアライさん達の絶叫が響き渡っていた。

飼い主「…あぁー」

オヤジ「あぁあぁそうだったわ。じゃちゃっちゃと終わらせるか」

男「さっさとブッ殺して終わりにしようぜ」

ハンター1「そうだな」

ハンター2「はぁ…ハエガイジなんかに騙されかけるなんてなぁ…俺この仕事でやっていけんのかなぁ」

飼い主「大丈夫ですよぉ!これから一杯経験を積んでいけばガンガンアライさんハントできます!!」

飼い主「店員さんも、ハンター1さんも、ハンター2さんも、ここから頑張っていけばいいんですよ!!」

ハンター2「ほんとぉ?」

飼い主「本当ですよぉ!ね!パスカル!!」

大型犬「アォ」


男「…」ジー

オヤジ「凄いかっこいい、だってよー。今回は俺の勝ちだな」ボソ

男「うるっせぇなエロジジイ…」
341 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/11(木) 00:02:57.23 ID:51brVUUL0
飼い主(にしても…うーん…ラジカセか…)

オヤジ(ただのアライさんにしては…アレだな。多分)

((後でみんなに話振ってみようか))
342 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/11(木) 00:04:50.16 ID:51brVUUL0
♪また今度♪
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/01/11(木) 00:13:47.67 ID:gSmDuuQS0
乙。CO2ボックスのアライさん達の絶望の声とチリざまは見たかったかな。
344 : ◆7Yg2t5JHRU [sage]:2018/01/11(木) 00:16:56.93 ID:51brVUUL0
>>343
この後ちゃんとやりますのでお待ちください
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 00:17:52.72 ID:oH8Vr6OvO

尻尾の解説のこだわりが凄いですね…
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 00:53:22.98 ID:k0TkBO8do
実際、今回のオヤジはかっこよかったわ
熟練の佇まいだった
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 04:47:14.03 ID:wIehNUyl0
乙でしゅ。次回も楽しみです

オヤジさんの詳細な経歴が気になりますね。自衛隊に所属してた頃もこんな性格で通してたのかな?
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 09:17:20.96 ID:Am4M6e7A0
乙です
ここまで驚異的でブッ殺しがいのあるアライさんは中々ないです
アライさんのバックにはアラ信がかんでるんだろうか?
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 11:33:56.73 ID:C0DuYFOOO

あのしっぽ気持ち悪いのわかるわ
350 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 20:11:45.82 ID:BxNo61/O0
ガンガンガンガンガン!!!!

箱の中身「ピいィイぃいいいいいいいイイ!?」


飼い主「はい。そこまでね。クソ気持ち悪いピカピカ顔のハエガイジは殺したよ」

飼い主「今度こそお前達の番」

箱の中身「大母候補を殺したのか!?ず、ずるいのだ!ずるをしたのだぁ!?お前らに大母候補が殺せるはずが無いのだぁ!!!!」

飼い主「何を根拠に?」

箱の中身「大母はなぁ!!お前ら人間なんかより無量大数億兆倍賢いんだぞぉ!!お前らみたいな巨悪なんて一瞬でバッキバキにできるんだぞぉ!!!」

箱の中身「なのにお前らはなぁ!お前らはなぁ…!!大母が失われるのは全アライさんにとって未曾有の損失なんだぞぉ!!!」

飼い主「知らないよ」

男「殺し合いにズルもへったくれもあるかって」

オヤジ「アライさんにとってなら、俺達人間には何ら関係ないよな」
351 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 20:28:04.23 ID:BxNo61/O0
箱の中身「うぬぬぬぬ〜〜〜〜…!!」

箱の中身「お前ら人間は!いつもそうやって殺しを正当化するガイジなのだ!!」

ハンター1「あ?」


箱の中身「アライさんはなぁ!知ってるんだぞぉ!!」

箱の中身「お前達が殺すのはアライさんだけじゃない!」

箱の中身「お前達は害獣だからってタヌキさんやプレーリードッグさんやハクビシンさん達を迫害してるんだろぉ!!!」


ハンター2「!?」

店員「お前…」

箱の中身「それに他のフレンズだって、バケモノフレンズとか呼んで石を投げてるって事をアライさんは知ってるんだぞぉ!!!」
352 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 20:38:13.28 ID:BxNo61/O0
ハンター2「…何を」

箱の中身「アライさんにはわかるのだ!」

箱の中身「お前ら人間はフレンズを恐れているのだ!!だから害獣だからという大義名分を掲げて迫害するのだ!!」

箱の中身「オスを取られるのが嫌だから人間のメスはフレンズを迫害するのだ!!」

箱の中身「フレンズの方が力も頭脳も優れているから人間はフレンズを迫害するのだ!!!」

箱の中身「フレンズという新たな競合生物達に内心では怯え、憤るから迫害するのだ!!!」

箱の中身「だからお前達人間は美味しい食べ物もお宝も全部全部一人占めしてフレンズを差別しているのだ!!!」


箱の中身「現にアライさん達を殺そうとしている!!」

箱の中身「本当ならアライさんを助ける事なんて簡単にできるはずなのだ!!!」

箱の中身「人間にはそれだけの知能と技術がある事をアライさんは知ってるんだぞぉ!!!」

箱の中身「なのに、お前達はアライさんを助けようとしない…!!」

箱の中身「なぜなら!!」


箱の中身「お前達は!!『最初から救おうとなんて考えていない』!!!」

箱の中身「『分かり合おうという気が無い』からなのだぁあああああああ!!!!!!」


飼い主「…」

箱の中身「この箱が何よりの証拠なのだ!」

箱の中身「フレンズを殺す為だけに用意したこの装置が!!人間が巨悪である最たる理由!人間の傲慢さの象徴なのだぁ!!!」


飼い主「…」

箱の中身「アライさんが間違っていると言うのならアライさん達を助けるのだ!!」

箱の中身「アライさんはお前らと同じ命なのだ!同じ命が命を奪う権利なんてあるはずがないのだ!!」

箱の中身「アライさんの言う事が間違っていると!!人間が正しいと言うのなら!!!」


箱の中身「アライさんを助けるのだぁ!!!!!」
353 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 20:55:33.36 ID:BxNo61/O0

飼い主「あぁそうだね」

飼い主「わたし、馬鹿な事を言ってた」
354 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 21:04:46.19 ID:BxNo61/O0
飼い主「『害獣』なんて便利な言葉を使うから」

飼い主「そうやって曲解したり拡大解釈したり誤魔化そうとする奴が出てくるんだ」

飼い主「だから、もっと砕いて言ってあげる」


飼い主「お前達が殺される理由は、お前達が現在進行形で社会や生活を滅茶苦茶にしてるから」

飼い主「現在進行形で社会と生活を滅茶苦茶にしてるから駆除される」

飼い主「元が害獣だからとか、フレンズを恐れてるから、とかじゃない」

飼い主「お前が、人の生活を滅茶苦茶にするから殺されるんだ」

飼い主「それにね、他のフレンズの迫害なんてお前達の頭の中の妄想でしかないんだよ」

飼い主「人の生活を邪魔しようっていうフレンズはお前達アライさん以外にいなくて」

飼い主「そもそも、この世界はフレンズを受け入れたんだから」

箱の中身「意味がわからないのだ!お前はガイジなのだ!!!」

飼い主「迫害なんて無いって言ってもわからない?」

箱の中身「嘘なのだーーーーーー!!!!お前ら人間はフレンズを迫害しているのだぁああ!!!!!」


飼い主「」キュッ

飼い主が無表情でハンドルを回す。CO2ボックスの中に大量のガスが噴出し始めた。

箱の中身「ぴぃいいいぃいいいいいーーーーーー!!!!!!!」

箱の中身「おがーーーーーしゃあぁあああああああああんっ!!!!」

飼い主「」キュッ

CO2ボックスの中が再び阿鼻叫喚の地獄と化したのを聞き届けてから再びハンドルを回す。

逆回転したハンドルはアライさんの群れを窒息死させる二酸化炭素ガスの供給を止めた。

飼い主「次騒いだら問答無用で殺す」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 21:15:08.76 ID:BdU/a8MpO
恐ろしい目をしてるんだろなあ。
356 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 21:31:00.99 ID:BxNo61/O0
飼い主「『巽の方舟』…『はこぶね』は知ってるよね?オリジナルのフレンズはそれに乗って日本にやってきた」

飼い主「人間達が協力して、フレンズをジャパリパークから脱出させる為に作った船」

箱の中身「…知ってるのだ」


飼い主「人間達はフレンズに会う前からフレンズを知っていた」

飼い主「多くの人がフレンズを始めて知ったのはテレビ番組から。

飼い主「『けものフレンズ』に映るフレンズ達の姿に日本人は魅了され、社会現象まで引き起こしたんだ」

飼い主「だから巽教授と影川財閥が対立した時、人々はフレンズをジャパリパークから脱出させて日本に連れてきた」

飼い主「それがフレンズの為であり、自分達の為でもあると信じていたから」

飼い主「『けものはいてものけものはいない』…その言葉に従って、フレンズ達を助けたんだ」

飼い主「お前達アライさんですら、『素直ないい子』と誰もが信じて疑わなかった」


飼い主「でも…お前達アライさんはあの事件を引き起こしたんだ」
357 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 21:47:42.29 ID:BxNo61/O0
飼い主「野生解放したアライさんによる無差別大量殺人事件」

飼い主「世界初のフレンズによる殺人事件で、世界唯一のフレンズによる殺人事件だよ」


飼い主「当時フレンズ関連の法整備がされてなかったのもあって、誰もがどうしていいかわからずに犠牲者だけが増え続けた」

飼い主「銃も持てず、フレンズ性善説に囚われていた当時の日本人は無抵抗のまま殺され」

飼い主「鎮圧に来た警察も大した事ができないまま殺された」

飼い主「最終的に機動隊まで出てきて、それでも麻酔銃での捕獲に拘ろうとして犠牲を出し続けた」

飼い主「最終的に射殺を選んだ機動隊員も、事件解決後に身元がバレて集団攻撃に晒された後に自殺した」


飼い主「それからだよ。アライさんが唯一の特定有害駆除対象フレンズに指定されたのは」

飼い主「その事件を皮切りにアライさん達が作物や家畜を襲い、住居を侵略し、人を殺し始めたから」

飼い主「日本人は『アライさんは素直ないい子』という幻想を泣く泣く捨てて、駆除する決意をしたんだ」
358 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 22:09:51.20 ID:BxNo61/O0
飼い主「それが、お前達が駆除されだした歴史」

飼い主「人がどう、じゃない。お前達が暴れだしたから駆除してるの」

飼い主「どうせそこまでは知らなかったでしょ?アラ信が教える知識なんてそんなものか」

箱の中身「…あらしん?」

飼い主「お前達に会いに来ている人間がいるはずだよ」

飼い主「ラジカセもそいつから流れてきたものじゃないの?」

飼い主「ずっと山中にいるお前達が、こんな新品同然のラジカセなんて持っているはずが無いもの」

飼い主「それに『命は平等』だの『アライさんを救う気が無い』だの熊の毛皮を着て擬態だの、いかにもアラ信が好みそうな考え」

箱の中身「違うのだ!これはアライさん達が見つけたものなのだ!!」

飼い主「あっそう」
359 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 22:34:57.78 ID:BxNo61/O0
お手本のような、アライさん然とした返事を聞いて飼い主は会話を放棄する事にした。

どうせ言いたい事は言ったし、あとやる事はハンドルを回して駆除するだけだ、と考える事にした。


今の言葉だけを聞くと、恐らくアラ信であろう協力者を庇っていると解釈する事もできるかも知れない。

だがアライさんという生き物はどこまでも自己中心的で協調性が無い生き物だ。

自分が生きる為に親や子すら見捨てる生物が、別種族の生き物を庇う理由を思い付くはずがない。

ましてや、人間から何かを与えられたから感謝する、なんて思考がもしあるのならアライさん被害がどれだけ減るのだろうか。

そんな思考が無いからこそ、尋常ではない程のアライさん被害が出ているのだ。


自分が見たものは全て自分のものである。それが知識だろうが物だろうが。自分が知れば自分のものである。

それがアライさんの基本の思考回路だ。よほど命に関わる特別な条件が加わらなければ、アライさんは物事をそう感じ取る。

そういえば、先程の駆除中に『ニワトリの飼い方図鑑(仮)』的な本が落ちていた事を飼い主はふと思い出す。

それも恐らくアラ信からの貢物だ。

だがその思いも虚しく、大母候補と呼ばれていたアライさんですらその事実すら忘れ『自分が人間から奪った』と思い込んでいただろう。


一を聞いて百や千を知る。何も苦労せずに飛躍的な進化を遂げられるのはアライさんが生命体として優秀だからだ。

多くのアライさんがそう思い込んでいる。


確かにアライさんの学習能力は驚異的と言える。アライさんの場合生命活動に直結するから尚更だ。

賢くなければ生き残れないから賢くなる。生きる事だけを考えればそうなるのは当然だ。

だが、知識や技術の発展というのは当時の社会の倫理や価値観に大きく影響を受けている。

いくら頭の回転が早く学習能力が長けているとしても、協調性が無く自己中心的なアライさんにはそれを理解できない。

もしアライさんがそれをできるというのなら、そもそも無差別大量殺人事件など起こすはずがないのだから。

自分の価値観が絶対として、それ以外の価値観に見向きもしないプライドの高いアライさんが、それらを学べるはずがないのだから。

つまり、いくら学んでも根幹が根付かない。一を聞いて百や千を知った気になっているのも、

その陰で一から二三四五六…と知識と技術や交渉術を手取り足取り伝えていくアラ信の存在があってこそだ。

だがアライさんは彼らの存在をアライさんの歴史から完全に抹消する。


全てがアライさんの功績であると。故にアライさんは特別な存在であると。

故にアライさんは天下を取る逸材であると。故にアライさんは偉大であると。

事実を捏造し、アライさんにだけ都合の良い歴史をアライさんは作り出す。そこにエビデンスなどという言葉は類義語ですら存在しない。

何故か。アライさんの言葉を借りるならば、『アライさんはアライさんだから』だ。


アライさんという生き物の考えを人の言葉で説明するなら、全ての事柄と知識を色眼鏡を通して見ている、と説明するのが近い。

その色眼鏡は、映るもの全てがアライさん好みの色になる。

全ての事柄と知識が、100%アライさんにだけ都合の良いものと捉える。

それがアライさんという生物だ。
360 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 22:43:38.63 ID:BxNo61/O0
飼い主「じゃ、最後に一つだけ聞かせて」

飼い主「正直に答えてくれたら逃がす事も考えてあげる」

オヤジ(考える、ねー…)

箱の中身「!!わかったのだぁ!!その辺バッチリ答えるのだ!!!」

箱の中身「ありゃいしゃんはぁ♪きつきつまんこのばーじんちゃんなのらぁ♪うっふーん」

飼い主「」キュッ


ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウ

箱の中身「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」


飼い主「」キュッ

飼い主「じゃあ聞くね」

飼い主「そもそもここのコロニーが見つかったのは、近隣住人の行方不明者が出たからなの」

飼い主「老人、子供、成人男性に妊婦…」
361 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 22:46:13.49 ID:BxNo61/O0

飼い主「美味しかった?」

箱の中身「美味しかったのだぁ!!おまけも付いててお腹いっぱいになったのだぁ!!」


返事の代わりにハンドルを限界まで回した。もう二度と飼い主がハンドルを逆に回すことはなかった。
362 :タイトル詐欺になりそうですが次からコック出ます ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 22:47:26.89 ID:BxNo61/O0
♪また今度♪
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 22:49:08.27 ID:ja1t2NG4o

ここのアライさんは駆除絶滅させられても仕方ないわ
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 22:52:50.45 ID:D7TmL655O

無差別大量殺人を起こしたのは方舟で来たアライさんなのかな
それとも繁殖したアライさん達なんだろうか
365 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/14(日) 22:57:26.48 ID:BxNo61/O0
♪おまけ♪

♪フレンズについて
アライさん以外のフレンズは人間社会で受け入れられています。

巽教授のカリスマと、フレンズの魅力の賜物と言うべきものですが、

少しあくどい話をすると少子高齢化問題解決のブレイクスルーとしてフレンズを利用しているという面もあります。

子孫を残す本能が強いフレンズ達に日本国籍を与えれば、フレンズの子孫は日本人の子供になるからです。


『ペパプとアライさん』に出てきたサーバル喫茶もその一種です。

人間男性からすればサーバルちゃんに会って、お喋りをして、あわよくばセックスできる場。

サーバルちゃんからすれば、自分に合った自分好みの番を見つけて子供を産む場。

指名回数やサービス内容での給与変動は法律で禁止されていて、セックスに及ぶかどうかは完全にサーバルちゃんの一存です。

万が一暴力に訴えてきても野生解放がある以上人間側に勝ち目はありませんし、事がバレればフレンズ至上主義者からのリンチを受けるリスクがあります。

そういう事もあり、出会い系サイトやキャバクラよりもよっぽど健全で安全かつ自由な施設です。


この世界では人間と結婚したフレンズが『妻』という役割ではなく『パートナー』という第三の役割に就く法案を通そうとしている最中です。

つまり、この法案が通れば人間男性・人間女性・フレンズの三人で一家庭を築く事が法で認められます。

これによって人間同士のカップルの不和が起こるのを防ごうとするのが政府の思惑です。

フレンズが女性だけなので、まぁ比率的にもそれくらいが丁度いいだろうと。


ここまで受け入れられたのはフレンズの愛くるしさに日本が熱狂したという事もありますが、

見た目が全然違うフレンズを受け入れる事で、世界に向けた平和的アピールにするという狙いもあります。

歴史上数多く存在する差別の歴史を何度も繰り返しつつも、少しずつ前進し、全く異なる種族であるフレンズすらも受け入れたというアピール。

人々が種族を越えた『ヒューマン』という一つの存在になる為の第一歩を日本が踏み込んだ証拠としてフレンズを受け入れた、という面もあります。


アライさんは無差別大量殺人事件を起こした事もあり、対話を諦めていますが

他のフレンズの迫害なんて百害あって一利無しレベルの愚行という考えがこのss世界での一般的価値観です。

アラ信の場合は、アライさんも他のフレンズと同一視するべきという考えがそこに加わるくらいでしょうか。
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 23:51:01.78 ID:0HuwOPH+0

混血ってどうなってるんだっけ?
アライちゃんの描写からフレンズから産まれるのはメスだけだっけ?
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 02:26:27.66 ID:UgGusFIz0
乙でしゅ
ヒトを文字通り食うアライさんは数あるSSの中でも珍しい描写ですね。ますます憎たらしくなります

しかし信者たちは自分も被害に遭う危険性があって接触してるのか、それとも対策があるのか・・・
そのあたりの事情もいずれ語られるのかな?
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/15(月) 08:05:11.44 ID:bjcslAbMO
>環境省の資料によるとアライグマは、色覚は低いものの、視覚は決して単純に悪いわけではなく、他の夜行生物と同程度発達しているとありました。
ネコ科やイヌ科の夜行動物のフレンズと同等ぐらいなのかな…

>>1、力の差も理解せずにアラ罪に喧嘩売るが瞬殺され無知を晒して涙目敗走
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 09:03:50.35 ID:53O706JmO
SSによって設定なんていくらでも変わるし変えられるだろ、何言ってんだ
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 21:16:47.83 ID:hClRen+xo
他の夜行生物と同程度(他の夜行生物も基本的に視力は大して高くない)
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:49:09.59 ID:9ketvwR70
いつもの自演やぞ
372 :前回Aパート終了宣言入れ忘れてた ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 00:04:08.51 ID:rWJWHzCR0
♪Bパート始まります♪
373 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 00:26:39.21 ID:rWJWHzCR0
テレビ「今日も頑張るフレンズに!」

テレビ「食事!睡眠!グラスモーク!!」

街中のとある飲食店のテレビに、もはや見慣れたCMが流れる。グラスモークというフレンズ用栄養ドリンクのCMだ。

ペパプのメンバー、イワビーが出演する事もあり、フルルの一件以来活動や放送を控えていたペパプの復帰作として放送当初から話題となっていた。

テレビ「たまには疲れるフレンズに!」

テレビ「友情!恋愛!グラスモーク!!」

有名な芸能人を起用した所で、実際のものが悪ければ忘れられ消えていく。その法則は何年経とうが変わらない。

だがグラスモークは話題だけで留まる品ではなかった。

発売直後から爆発的な人気と売上を記録し、製造元である青空製薬の看板商品まで一気に上り詰めたのだ。

テレビ「栄養素は、じゃぱりまん4個分くらいかな!?」

かつてジャパリパークで製造されていたじゃぱりまんの上位互換として開発され、

飲めば立ちどころに笑顔になる、怪我の治りが早くなる等じゃぱりまんにない薬効と即効性が評判となり、

飲みやすい味と喉越しはジュースのそれと変わらないとフレンズの間で大好評だ。

今では大人のフレンズから子供のフレンズまで、多くのフレンズがグラスモークを飲んでいるし、その薬効から病院では点滴投与でも使われている事もある。

人間が飲んでも害は無く、とある放送局ではパートナーとのカップル飲みを流行させようとあらゆる番組で特集が組まれた。

テレビ「グラスモークで明日も!たーのしー!!」

とは言うものの、所詮はCM。それに見飽きてしまえば人はそれに意識を向けることすらしなくなる。

だがグラスモークがそれで終わるわけではない。それは、既に人々の生活に根付いたのだ。

CMを見なくてもそれを求める。そういうものにグラスモークはなり始めていた。

テレビ「獅子のマークの青空製薬から!!!」
374 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 00:30:31.58 ID:rWJWHzCR0
ここに集まった人々も、もはやこのCMを見飽きて久しい人々だ。

今まさに仕事の打ち上げを始めんとするハンター達はテレビに見向きもせずにグラスを手に向き合っていた。

飼い主「今日のコロニー駆除のお仕事お疲れ様でした!!」

飼い主「アクシデントもありましたが、今回の貴重な経験を活かし今後の駆除活動にも励んでいきましょう!!」

飼い主「それでは、今後の皆様の!特に今回が初陣だった新人さん達の!ますますのご活躍を願いまして!」

飼い主「かんぱーい!」

「「「「「かんぱーい」」」」」カンカンカン

飼い主「お疲れ様でした!」

男「お疲れー」

オヤジ「おつかれさん」

店員「お疲れ様でした」

ハンター1「おつかれちゃーん」

ハンター2「おっつおっつー」
375 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 00:52:03.68 ID:rWJWHzCR0
飼い主「どうでした店員さん?初めての駆除は?」

店員「大変ですが、やりがいは感じますね」

店員「アライさんを駆除していけば、アライさんによって悲しむ人がいなくなると思えば…」

店員「ですが、アライさんっていうのはどこもあんな感じなんですか?私が知っているアライさんとは、何か違う気がしました」

飼い主「あれはアラ信の入れ知恵があったからです。あぁやって人の知識を取り入れて生き延びようとする個体は少しはいます」

飼い主「ただ、確かに最近はちょっと多いような気もしますね」

男「そうだな。熊の皮を被るアライさんなんて聞いた事がない」

オヤジ「俺はそれでも見破ったけどなー」

男「うるせ!」

飼い主「情報共有しておいた方がいいですね。他の地域じゃ起こらないなんて事はないと思いますし」

飼い主「それに、このまま全国のアライさんが一斉にやりだしたら最悪熊が絶滅するかもしれません。何とか潰さないと」

飼い主「保健所への通達とハンター組合員用SNSへのアップ…オヤジさんやります?」

オヤジ「いやいいよ。飼い主ちゃんやりな」

飼い主「わかりました…皆さんも何かあったら情報共有を忘れないようにしてくださいね。共有した情報が有益だと特別報酬も入りますから」

ハンター1「特別報酬!」

飼い主「ユーチューブとかニコ動のアレみたいなもんです。えっと、クリエイションなんとか?」

男「なんかそう言い換えるとすげえ俗っぽくなるな」

オヤジ「だけどアライさんを全国から排除する為には必要な事だ」

オヤジ「一匹でも生き残られたらまずいんだ。その辺のアラ信かアライグマ引っ掛けてまたすぐ数を増やしちまう」

オヤジ「生まれてくるのが混血のフレンズにせよアライさんにせよ…母親がアライさんである以上変わりはねぇ」
376 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 01:14:59.23 ID:rWJWHzCR0
ハンター2「なんか思ってる以上に真面目にやってるんすね」

オヤジ「そらそうだ仕事なんだから。俺達に求められてるのは個人プレーじゃなくて協力プレーなんだ」

オヤジ「自分が目立とうとするより一匹残らず確実に駆除する方法を取る。1人で5匹駆除する方法じゃなくて10人で100匹駆除する方法を取る」

オヤジ「その為の情報共有なんだ。ハンター同士の質の差を縮めて、確実に駆除する事が俺達には求められている」

オヤジ「一匹も残らないように確実に駆除するには、そうやって人間同士が協力して効率的なやり方を共有しなきゃ駄目だろ」

オヤジ「趣味と視聴数の為に1人でド派手にやろうとする動画主とは違うんだ」

ハンター2「…俺、動画主なんすけど」

飼い主「え、そうだったんですか!?」

ハンター2「元だけどね。視聴数全然伸びないしアラ信に攻撃喰らうしで、嫌になって」

ハンター2「アライさん駆除の実績があればやっていけるだろと思ってハンターになったんだ」

オヤジ「でも遊びでやるのと実際の駆除全然違うだろ?」

ハンター2「そうっすね。まさかハエガイジに騙される事になるなんてなぁ…」

オヤジ「相手も必死だし、腐ってようが人間並みの頭脳を持ってるんだ。動画撮る時みてぇに舐めてかかるから足元掬われる」

ハンター2「…耳が痛い」

飼い主「でも、動画も大事だと思いますよ?ほら、救急隊員のドラマやるとその年の救急隊員の就職率が増えるみたいな感じで!」

オヤジ「そりゃ、確かにそうかもしれねぇけど緊張感ってもんが…」

飼い主「む…それは…」

ハンター1「て、店員さんはどうしてハンターになったんすか!?」
377 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 01:39:43.66 ID:rWJWHzCR0
店員「私は、そうですね…義務感です」

ハンター1「義務感?」


店員「私は…もう、長くないんです」

店員「アライさん経由でいくつもの感染症にかかっていて、今は薬で抑えていますがそれもいつまでもつかわからない」

男「え…」

店員「私はアライさんに人生を滅茶苦茶にされたんです」


店員「私は前職でコンビニのオーナーをやっていました」

店員「店を開けて3年。全国でアライさんが暴れだして害獣として有名になったのはその頃です」

店員「店を閉めるべきじゃないかと言われた事もありました。ですが生活がかかっている以上、止める事はできませんでした」

店員「会社の人も保健所の人も手を尽くしてくれました」

店員「それでもアライさんを止める事はできず…アライさんは日々私の店を襲うようになりました」

店員「お客様や従業員が大怪我を負い、商品は食い荒らされ、お客様も離れ売上も落ち…出費だけが増え…」

店員「結局私は多額の借金を抱たまま店を畳まなければいけなりました」

店員「私が感染症にかかったのはその時です。最後の最後まで私の店を荒らしまわったアライさんの群れを見て我を忘れ」

店員「感情のままにアライちゃんを駆除し、その時できた傷口から血液感染したらしいです」

飼い主「…」

店員「あれは、自分のミスだったと思っています」

店員「ですが、それ以外の事には何も納得ができないんです」

店員「品揃えを考え、サービスを充実させ、そうやって必死にやってきた日々が、突然湧いて出てきたあんなものに滅茶苦茶にされるなんて!」

店員「売上も利益も出ていました!ただアライさんが現れたそれだけで!全てが滅茶苦茶になったんです!」

店員「もう、妻にも子供にも会う事ができない…!!」

店員「でも自分を責める事も、誰かを責める事も保健所を責める事もできない」


店員「なら私のできる事はただ一つ。アライさんを殺す事だけです」

店員「アライさんを殺して、私のような人間を増やさない事。そうしないと私は、自分の辛い記憶を受け入れることができないんです」

店員「だから私はハンターになりました。残りの命をアライさん駆除に捧げる為に」
378 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 01:40:38.57 ID:rWJWHzCR0
♪短くてすみません!また今度♪
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 01:47:53.48 ID:Co+9GwqR0
寝落ちかと思った

なんか不治の病っぽい感じになってるけどリアルアライグマの感染症ってどんなんじゃろ
なんか変異とかしてるんかな
380 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/19(金) 02:07:20.49 ID:rWJWHzCR0
>>379
アライグマ回虫という寄生虫が人の身体に入ると体内を突き進み、眼球や中枢神経を食い荒らし死に至らしめるそうです。

ただ店員さんは回虫症にはかかっていません。店員さんはエイズに感染しています。
現代ではエイズを完治させる手段はないので薬で抑えることしかできないのです。
アライさんは性欲が強く、同族同士でレズセックスを行う事も多々あるので人伝でエイズ感染した個体ができると一気に増えます。
ただアライさん自身にはサンドスターの加護もあって感染しようが何ら影響ありません。

サンドスターにボコボコにされてかろうじて生き長らえている程度ですので
アライさん経由ウィルスは普通のウィルスより弱かったり色々話に都合のいい感じになったりはしますけど…
これも全てサンドスターで説明できる!スゴいねサンドスター!
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 03:01:49.31 ID:lE+8msez0
乙でしゅ。サンドスター効果は色んなSSで見る設定だから便利ですよね
けどこちらでは完全にウイルス等を除去するわけではないのですね
という事は、いずれサンドスターの加護を破るウイルスが出る展開が微レ存?
382 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 20:58:21.69 ID:wWkpTQg80
ハンター2「改めて聞くと本当にとんでもない奴だなアライさんって」

ハンター2「正直あれがフレンズだなんてとてもじゃねぇけど思えねぇよ」

ハンター1「フレンズじゃなかったら、何?」

ハンター2「フレンズを貶める目的で影川財閥がフレンズそっくりに作った生物兵器、とか」

ハンター1「あぁーなるほど。テレビでやたら映ってたのも影川の差し金って考えれば」

ハンター2「だろ?」

ハンター1「影川ならそういう事やりかねないな確かに」

オヤジ「色々言いたい事はあるだろうがな、一応今の生物学的にはフレンズ扱いだ」
383 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 21:04:37.13 ID:wWkpTQg80
ハンター2「じゃあ何でアライさんだけああなったんすか?」

飼い主「フェネックギツネのフレンズが死んだのと何か関係があるとか?」

ハンター2「にしたって影川のせいじゃねぇか!フェネックはジャパリパークから脱出する時に影川の刺客に殺されたってニュースで!」

ハンター2「だから人間に恨みを持って害獣になったってか?冗談じゃねぇよ?俺達普通の人間をあのキチガイと一緒にするなって」

ハンター2「クソ!まじ、クソ!フルルも殺しやがってよ!何考えてんだよ影川財閥ってのは!」

オヤジ「どうなんだかな。それは俺も知りたいよ」

オヤジ「自分の首が飛んだ理由くらい、はっきり理解しておきたいからな」

飼い主「それってさっき言ってた自衛隊の時の…」


コック「はいお待たせしましたぁ」

コック「『はたけのおやさいおなかいっぱいなのだスペシャル』です」ゴト
384 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 21:14:25.96 ID:wWkpTQg80
ハンター1「うぉい!?」

机の上に乗せられた料理を見て数人が驚く。

その料理は、しっかりと熱が通って焦げ目が付いた皮のようなものの中に野菜と挽肉と軟骨のようなものが混ざり合って詰め込まれたハンバーグ。

そしてそれらは見覚えのある耳と尻尾でデコレーションされていた。

もう彼らなら見間違えようのないそれは、アライさんの耳と尻尾だ!

オヤジ「お、来たかい。待ってたぜ」

飼い主「これが、アラジビ…!」


コック「捕獲したアライさんの胃袋に、人参玉葱ピーマンとアライちゃんの挽肉を少々混ぜ合わせて詰め込んだものです」

ハンター2「あーそれで『はたけのおやさいおなかいっぱい』なのか。なるほど」

ハンター1「自分の子供も腹に入れりゃさぞ満腹だろうな。ある種の胎内回帰か?」

飼い主「ピーマンの肉詰めならぬ肉の野菜詰めですね。これステーキみたいに切って食べればいいんですか?」

コック「はい。ザクっと行っていいですよ」

飼い主「よーし。それじゃ頂きます!」ペコリ

男「うわ早!躊躇しねぇの!?」
385 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 21:23:51.78 ID:wWkpTQg80
飼い主「ん」モグモグ

コック「新人を連れて来るとは聞いてたけど、凄い若いな。まだ十代前半?」

オヤジ「多分な。あとその子は新人じゃねぇ」

コック「マジかよ」

飼い主「」ゴクン

飼い主「オヤジさんほど熟練でもありませんけどね」ア、スゴイオイシイデス

飼い主「コックさんはオヤジさんの知り合いなんですか?」

オヤジ「あぁ。こいつはこの『食べ犬君』のオーナーシェフで俺の自衛隊時代の同僚のコックだ」

コック「いつも馬鹿がご迷惑をおかけしています」

男「もうほんとですよ」

オヤジ「オイコラ」


店員「それじゃあ、オヤジさんに一体何があったかとかもご存知なんですか?」

コック「えぇ。と言っても私もそこまで状況を理解できていないのですが」

男「不祥事とかじゃなくてですか?」

コック「不祥事といえば不祥事ですね」

コック「オヤジの不祥事ではなく、もっと上の連中の不祥事ですが」
386 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 21:41:44.65 ID:wWkpTQg80
ハンター1「上?」

オヤジ「ミサイル防衛網の情報を始めとしたあらゆる情報を他国に流したんだ」

オヤジ「おかげで日本は丸裸。一時はミサイル打ち込まれ放題」

オヤジ「必死こいて対応したお陰で本土はなんとか無事だったけど、ジャパリパークは吹っ飛んだ。で、もう二度とサンドスターがあそこから出てくることはない」

オヤジ「その後の反攻作戦も全部情報筒抜けでグダグダのグダグダ」

オヤジ「それで連帯責任だか尻尾切りだかでクビ」

店員「そうなんですか…」

オヤジ「豚箱にブチ込まれなかっただけでもマシかもな。何せ日本を滅ぼしかけたんだからさ」

ハンター2「その情報を流した上の人って影川財閥なんすか?そういう噂ってよく聞くけど」

男「ジャパリパーク支配が失敗に終わった腹いせに日本とジャパリパークを潰そうと情報をバラ撒いたって奴か」

男「馬鹿だよなぁ。社会や契約上のルールに則って潔くしてればいいものを」

男「ギャーギャー騒いで何もかも滅茶苦茶にしてやろうだなんて、ガキじゃあるまいし」

オヤジ「どうなんだかな。俺達はよく知らねぇ」

オヤジ「何の目的で情報を流したのか。犯人の野朗は一切口を割らなかったらしい」

オヤジ「誰かが裏で手を引いてたのか、それとも別の何かがあったのか。誰もわからねぇままだ」

オヤジ「…まぁ、そんな事があったからちょっとやそっとじゃビビらねぇ自信は付いたな」

オヤジ「日本が駄目になるかも知れないっていうあの時に比べりゃ熊の毛皮着たハエガイジなんて、なぁ…」チラッ


飼い主「」モグモグ

オヤジ「」

飼い主「」モグモグ

オヤジ「」

飼い主「んえ?」



飼い主「お、おいしいですよ!!」

オヤジ「あらお食事に夢中で聞いてなかった?」

飼い主「はい!」

オヤジ「あら正直。おじさん泣けてきちゃう」
387 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 22:03:50.26 ID:wWkpTQg80
飼い主「わたしアラジビって食べるのはじめてだったんです!こんな美味しいんですね!」

コック「そう言ってもらえるとは料理人冥利に尽きます」

店員「でも感染症とか大丈夫なんですか?」

コック「生食は駄目ですね。でもアライさんに付着した菌はサンドスターに弱らせられているものばかりです」

コック「しっかりと熱すれば簡単に殺菌できますよ」

オヤジ「まぁ最悪じゃぱりまん食わせてから腹の中のものを処理してジビっちまえば万事OKらしいけどな」

飼い主「」モグモグ

ハンター1「グラスモークでいいんじゃないすか?あれってじゃぱりまんの上位互換品なんすよね?」

コック「流石に食用アライさんにグラスモークはもったいないですよ」

コック「殺菌とギリギリまでの生命維持さえできればいいので、じゃぱりまんで十分なんです」

ハンター2「俺も食ってみよ」モグモグ

飼い主「」モグモグ

男「そういえば、死んだフレンズが元の動物に戻るってのもじゃぱりまんの効果だったような?」

コック「正確にはじゃぱりまんの中のナノマシンの効果ですね」

コック「フレンズの生命活動が停止するとナノマシンが起動し、サンドスターを分解。それによって動物の姿に戻るんです」

飼い主「」モグモグ

飼い主「あっ…」

店員「へぇ、そうだったんですか」

オヤジ「まぁそれをやってたのもジャパリパーク内だけ。今流通しているじゃぱりまんはナノマシンの入ってない殺菌効果だけだったはずだ」

オヤジ「避妊なんて邪魔でしかないしな。国籍持ったフレンズを使って少子高齢化解決しようって魂胆なんだろ」
388 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 22:04:39.50 ID:wWkpTQg80
飼い主「」ジー

オヤジ「」

飼い主「」ジー

オヤジ「俺の欲しいの?」

飼い主「欲しいです」

オヤジ「よく食べるね?そのまま俺の太くて大きな魚肉ソーセージも食べ」

コック「それならお客様」ゴスッ

コック「アラジビ料理を今ここで、ご自身の手で作ってみませんか?」
389 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 22:16:51.66 ID:wWkpTQg80
飼い主「え、いいんですか?調理場ってコックさんにとって神聖な場所なんじゃないですか…?」

コック「当店ではアラジビの体験、欲求の発散もサービスの一環と考えています」

コック「そもそもアラジビというのは、ただのグルメではなくアライさん駆除促進の役割も持っています」

コック「そういう事もあり様々な人に体験していただき、アラジビ…アライさんジビエの魅力を知って欲しいのです」

コック「ですがアラジビはフグと同じ位、そして全くベクトルの違う危険を孕んでいます」

コック「アラジビという概念が出来上がってまだ日が浅く、その認識が薄いのですが…」


コック「例えば、私の店舗でアラジビを知ったお客様が影響を受け、アラジビ料理を独自で作ろうと考えたとして」

コック「実際にやってみたらアライさんの抵抗を受けて大怪我を負ったり思いもよらない事故が起こる。それが我々にとって一番恐れている事です」

コック「現に、アラジビ料理を作って動画サイトにアップロードしたというものをいくつか拝見させていただきましたが」

コック「正直に申し上げますと、非常に危なっかしい」

コック「またカニバリズムと同じではという認識も強い以上大っぴらにするものでもない、という意見もありました」


コック「それならば店舗内でお客様がアラジビを安心かつ安全に行えるよう環境を整える事で」

コック「そういった欲求を満たし事故も未然に防げるのではないか。私はそう考えました」

オヤジ「リピーターも作れるしな」

コック「(無視)私がすぐ近くに控えておりますし、体験して頂くのは成体のアライさんを使うような危険で難しい料理ではありません」

コック「仕込みはこちらで済ませた上で非力で調理しやすいアライちゃんをご用意いたします」
390 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 22:25:28.32 ID:wWkpTQg80
オヤジ「良い機会じゃね?やってみなよ」

飼い主「でも他の人は?」

ハンター1「気になるけどまた今度だ。まずはどんな感じか見たい」

店員「うっかり手でも切ったら大変ですからね。私も見ているだけでいいですよ」

飼い主「そっかぁわかりました。じゃあやらせてください!」


コック「かしこまりました。では準備に少々お時間を頂きます」

コック「お客様に体験して頂く料理はアラジビ料理の中でも手軽で簡単、スタンダード中のスタンダード」

コック「ですが、これこそ原点にして頂点という声も挙がる至高の一品です」

飼い主「それって…」ゴクリ

コック「はい」


コック「『アラフライ』の調理を、お客様に体験して頂きます」
391 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/01/22(月) 22:26:52.66 ID:wWkpTQg80
♪また今度♪
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/01/22(月) 22:30:22.92 ID:JLXQXGb/0
アラフライが広がっていく。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 00:01:47.47 ID:QG2/p1zvo
アラフライwwwwきたwwwwww
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 01:03:58.70 ID:jpoPJu/N0
全部影川ってやつの仕業なんだ
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 01:29:43.04 ID:pht0n6vSO
フライ乙
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 07:10:21.97 ID:RfoZ07+50
乙でしゅ。どんな過程でフライになるか楽しみです
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 14:04:58.82 ID:wgo//b8HO
アニメ見てるみたい・・・
この世界のアラフライ楽しみ
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/25(木) 09:11:59.66 ID:Fh+xMppSO
油のお風呂に入ろうねー
399 : ◆7Yg2t5JHRU [saga]:2018/02/01(木) 20:04:24.88 ID:lpWTygNE0
飼い主「失礼しまーす」

準備を終えたコックに呼ばれて調理場に入った彼女達の視界に見慣れた道具の数々が映る。


アライちゃん1「だしゅのりゃ!こっきゃらだしゅのりゃぁーーーーー!!」ガシャガシャ

アライちゃん2「のぉおーーーぉああああああーーーーんっ!のぉおおおおおあぁああああああーーーーーーーーん!!!!!!」

アライちゃん3「もーーうんちだちたきゅないいいーーーー!!!!!!」ガシャガシャ

その中ですぐに目に付いたのは、かなり小さめだが頑丈に作られた籠の中にいる数匹のアライちゃん。

今まで多くのアライちゃんを見つけて殺してきたが、その思い出の姿と比較して目の前のアライちゃんどもはやたら小さい。

それが『材料』を一目見た飼い主の感想だった。恐らく産まれてまだそう月日は経っていないのだろう。

それでもう言葉を話せるようになっているという点はフレンズという種の優秀さを感じられる。
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