【ゼルダの伝説】リンクルが時の勇者になるようです

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32 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:11:54.44 ID:Y8RltpkZ0
――ハイラル平原

「ホホーゥ! リンクルよ、こちらをご覧」

リンクル「うん?」
リンクル「うわっ、でかっ! フクロウ!?」

ケポラゲボラ「フクロウではない、ケポラゲボラじゃ」
ケポラゲボラ「やっとお前の旅立ちの時がきたようだの」

リンクル「……あたしのこと知ってるの?」

ケポラゲボラ「よぅーく知っているとも」
ケポラゲボラ「デクの樹とも古い友達だよ」

ケポラゲボラ「お前はこの先多くの苦難に出会う」
ケポラゲボラ「それがお前の運命……それを恨んではならん」

ケポラゲボラ「この道を真っ直ぐ行くと、ハイラルの城が見えてくる」
ケポラゲボラ「だが、お前がその小さな身体で歩いて行くには広大な平原じゃ」

ケポラゲボラ「途中で別の道とぶつかる。それは行商の道だから、馬車と出会うであろう」
ケポラゲボラ「心優しい者に出会うことが出来れば、そのまま城下町まで乗せてもらえるかもしれんな」

リンクル「ここにきて運頼み?」

ケポラゲボラ「ホホ、それも旅の醍醐味であろう」
ケポラゲボラ「それではワシは一足先に行くとしよう。待っておるぞ。ホホーッ!」バサバサ

リンクル「……行っちゃった」

ナビィ「行きましょリンクル、この道を真っ直ぐだって!」
ナビィ「きっと良い人の馬車にも会えるよ!」
33 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:12:41.67 ID:Y8RltpkZ0
ガラゴロガラゴロ

リンクル「本当に出会えるとは思わなかったね」

ナビィ「ネー」

「妖精ちゃん、何の準備もなしに平原を越えようなんて無茶だよ」

リンクル「こんなに広いとは思わなかったんだもん」
リンクル「それにしても馬の手綱を持ってるあの人、おっきな人だね。これが大人?」

「とーさんのこと? うん、あれが大人。見たことないの?」

ナビィ「コキリ族はずっと子供の種族だから、大人は見たことないよネ」

「お、そろそろ見えてくるだーよ」
「ハイラル城下町だ」
34 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:15:12.14 ID:TKL21FKP0
――ハイラル城下町

リンクル「わぁー、すっごーい! こんなに人が居るんだ!」
リンクル「この地面も、壁も、石かな? 家も石で出来てる!」

ナビィ「大人も子供もいっぱいね! あれはお爺さん? 初めて見るものばっかり!」

リンクル「ん、この匂いは……?」
リンクル「わっ、何これ? 見たことない食べ物がいっぱい!」

ナビィ「どう加工したらこんな風になるんだろう?」
ナビィ「気になるものいっぱいね!」

リンクル「……あ、でもお金持ってないや」

ナビィ「今いくらぐらい持ってたっけ?」

リンクル「10ルピーとちょっと……」

ナビィ「そこのお店の食べ物を少しくらいは買えるかなぁ……」

リンクル「……あっ!」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「予備ボルト、置いてきちゃった……!」

ナビィ「ボルト?」

リンクル「クロスボウの矢。迷いの森とか行く時は予備も持ち出すんだけど、あの時はまさか使うと思わなくて」
リンクル「何本か回収したとはいえ、デクの樹様の中で大分撃っちゃったからなぁ」

ナビィ「……そういえば、デクの樹様のこと終わってから家にも寄らずに出てきたんだもんネ」
ナビィ「あと何本くらいあるの?」

リンクル「あと10本もない……」

ナビィ「ちょっと心許ないわね……」

リンクル「うーん……まぁ、城下町の中なら安全そうだし」

ナビィ「……ほんとにそう思ってる?」

リンクル「なんで?」

ナビィ「左手。平原は仕方ないにしても、城下町入ってからもずっとクロスボウに触ってる」
ナビィ「フードもずっと被ったまんまで、なんだか顔隠してるみたいだヨ?」

リンクル「……ごめん、つい、大きな人が多いから怖くて」

ナビィ「大人を見るのも殆ど初めてだもんね……」
35 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:16:09.89 ID:TKL21FKP0
男「そこの可愛いお嬢さん」

リンクル「?」

男「どうだい、少し遊んで行かないかい?」

リンクル「遊んでって言っても……」
リンクル「ごめんなさい、今お金がないの」

男「平気だよ、お金なんて借りればいいし、君は可愛いからきっとすぐに稼いじゃうよ」
男「君みたいな子が好きな人だっていっぱい居るわけだしね……」ボソッ

リンクル「……」

ナビィ「……リンクル、なんだか怪しいヨ」

男「さあ、おいで」

リンクル「いや……」

兵士「おい、そこで何をしてる」

男「げっ!」
男「ななな何もしてやせんよ、ははは……」

兵士「本当だろうな? ここ最近阿漕な商売で女性を騙している輩が居ると聞くぞ」ジロリ

男「そ、そんな人聞きの悪い……」
男「あ、あっしは忙しい身なのでね、もう失礼しますね、へへへ……」スタコラ
36 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:17:18.19 ID:TKL21FKP0
兵士「……ったく」
兵士「大丈夫かい? 何もされてないね?」

リンクル「大丈夫……ありがとうございます」

兵士「何事もなくて何よりだ」
兵士「街に慣れない様子だが、君はどこから来たんだ?」

リンクル「コキリの森から」

兵士「コキリの森……そんな遠いところから遥々と」
兵士「城下は人が多くてびっくりしただろう?」

リンクル「はい、まあ……」

兵士「私も平原の方の小さな村の出だ。この街に初めて来た時はそれこそ君みたいに驚いた」
兵士「賑やかで、華やかで、楽しいことも沢山ある」

兵士「だが、覚えておくんだ」
兵士「人が多いと、さっきのような不逞の輩も出てくる」

兵士「我々も目を光らせているが、君自身も十分気をつけるんだよ」
兵士「もし困ったことがあったら、治安警備隊の詰所に来るといい」

兵士「城の衛兵隊と違って人々の困りごとの相談を受けるのも我々治安衛兵の仕事だからね」
兵士「……おっと、喋り過ぎてしまったな。それじゃ、私はもう行くからね。気をつけるんだよ」

リンクル「……」

ナビィ「……良い人だったネ」

リンクル「うん……あれって兵隊さんって言うんだよね?」

ナビィ「そうヨ、あれが兵隊さん」

リンクル「ふーん……」
37 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:18:07.73 ID:TKL21FKP0
――ハイラル城

「ねぇねぇ」

リンクル「うん?」
リンクル「あ、馬車に乗せてくれた……マロンだったっけ?」

マロン「うん、マロンだよ」
マロン「とーさんがお城に牛乳届けに入ったまま出てこないんだ……」

リンクル「おじさんが? お城に?」

マロン「うん。妖精ちゃん、お城へ入れる?」

リンクル「分かんないけど……用事があるのは確かだよ」

マロン「じゃ、とーさん探してくれる?」
マロン「とーさん、きっとお城のどこかで寝てるのよ……困った大人よね、フフフ!」

リンクル「ふふっ、そうね」
リンクル「じゃあ、見つけたらすぐ出てくるように伝えてみるね」

マロン「ありがと、よろしくネ」
38 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:18:49.04 ID:TKL21FKP0
リンクル「……とは言ったものの」

ナビィ「どうだった?」

リンクル「駄目駄目、門番の兵隊さんは通してくれなさそう」
リンクル「上から見た感じはどう?」

ナビィ「門の向こうも兵隊さんいっぱいよ」
ナビィ「でも見た感じリンクルなら抜けられそうなとこは結構あったかな」

リンクル「じゃ、こっそり入る方向で行こっか」

ナビィ「うん、それがいいかも」

リンクル「うーん、手始めに……そこの蔦上れそうかな」
39 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:19:23.98 ID:TKL21FKP0
リンクル「よしっ、ここまで来た」

ナビィ「案外見つからないものネ……」

リンクル「これ城下町の外にもあったけど、この川は何?」

ナビィ「お堀、っていうのよ。これで敵の侵入を防ぐの」

リンクル「ふーん……平和な国でも必要なんだね」
リンクル「お堀とか、兵隊さんとか、戦をする為のものなのに」

ナビィ「そういうものがあるから平和なのかもしれないわ?」

リンクル「そうかな。難しいなぁ……」
リンクル「……ん、あれは……」

「ぐぅー……ぐぉー……」

リンクル「あのおじさんだ! マロンの言う通り、こんなところで寝てるなんて……」
40 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:21:39.96 ID:ruDy2xqk0
リンクル「城壁の内側へ入れたね」

ナビィ「ここにも兵隊さんがいっぱいよ。気をつけてね」

リンクル「うーん……」
リンクル「なんか、おんなじとこグルグル回ってるだけみたい」

ナビィ「抜けられそう?」

リンクル「簡単そう」
41 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:22:17.30 ID:ruDy2xqk0
――ハイラル城 中庭

リンクル「ここが最後かな?」
リンクル「……誰か居る」

「!」クルッ
「だ、誰っ? どうやってこんなところまで……」

リンクル「ちょっとね」

ナビィ「思い切り不法侵入だったけどね」

「あら……もしかして、妖精!?」
「それじゃ、あなた……森から来た人なの?」

リンクル「え、あ、うん。そうよ」

「それなら……森の精霊石を持っていませんか?」
「翠色のキラキラした石……」

リンクル「これ?」

「やっぱり!」
「私、夢を見たのです……」

「このハイラルが真っ黒な雲に覆われて、どんどん暗くなっていくのです……」
「その時、一筋の光が森から現れて、雲を切り裂き、大地を照らすと……」

「妖精を連れて、翠に光る石を掲げた人の姿に変わったのです」
「それが夢のお告げ」

「そう、あなたがその夢に現れた森からの使者だ、と……」
「……あ、ごめんなさい!」

「私、夢中になってしまって……まだ名前もお教えしていませんでしたね」
「私はゼルダ。このハイラルの王女……あなたのお名前は?」

リンクル「リンクルよ。よろしくね、ゼルダ姫」

ゼルダ「リンクル……不思議……なんだか懐かしい響き……」
ゼルダ「それでは、リンクル」

ゼルダ「今からこのハイラル王家だけに伝わる聖地の秘密をあなたにお話しします」
ゼルダ「絶対に他の人に言ってはいけませんよ?」

リンクル「言わない……けど、あたしなんかに話していいの?」

ゼルダ「いいのです。だって、あなたは夢のお告げに出てきた森の人……」
ゼルダ「このハイラルの、希望の筈なのですから」

リンクル「ハイラルの、希望……」

『それが、ハイラルに残された……』
『最後の希望だからじゃ……』

リンクル「……うん。分かった」
リンクル「誰にも言わないから、教えて」
42 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:23:30.10 ID:ruDy2xqk0
ゼルダ「力の神ディン、知恵の神ネール、勇気の神フロルの三大神がハイラルを創造したのはご存知ですか?」

リンクル「うん、知ってる」
リンクル「その後三人の女神様はトライフォースだっけ? それを聖地に残して行ったんだっけ」

ゼルダ「ええ……」
ゼルダ「トライフォースには神の力が宿っています」

ゼルダ「その力とは、トライフォースを手にした者の願いを叶えるものでした」
ゼルダ「心正しき者が願えば、ハイラルは善き世界に変わり……」

リンクル「……悪い人が願えば悪い世界になっちゃう」

ゼルダ「その通りです」
ゼルダ「そこで、古の賢者達は心悪しき者からトライフォースを守る為、時の神殿を造られました」

ゼルダ「そう……時の神殿とは、この地上から聖地へ入る為の入口なのです」
ゼルダ「でも、その入り口は“時の扉”によって閉ざされています」

ゼルダ「そして、その“扉”を開く為には……」
ゼルダ「三つの精霊石を集め、神殿に納めよ……と伝えられているのです」

リンクル「今あたしが持ってるのの他に、まだ二つ精霊石があるってこと?」

ゼルダ「そういうことになりますね」
ゼルダ「更にもう一つ必要なもの……言い伝えと共に王家が守っている宝物……」

ゼルダ「時のオカリナです!」
ゼルダ「いずれも、彼に渡すわけにはいきません……!」

リンクル「彼?」
43 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:24:29.24 ID:ruDy2xqk0
ゼルダ「私は今、この窓から見張っていたのです」
ゼルダ「あなたも、ほら、ご覧になって」

リンクル「?」

ゼルダ「あの男こそが夢のお告げのもう一つの暗示……」

リンクル「……真っ黒な雲?」スッ

ゼルダ「はい。鋭い目付きの男が見えるでしょう?」
ゼルダ「あれが西の果ての砂漠から来たゲルド族の首領、ガノンドロフ……」

リンクル「……砂漠……あっ」

『ワシに死の呪いをかけたのは、黒き砂漠の民じゃ……』

リンクル「あいつが……黒き砂漠の民……!」

ゼルダ「今はお父様に忠誠を誓っているけれど、きっと嘘に決まっています」
ゼルダ「夢に見た、ハイラルを覆う黒い雲……あの男に違いありません!」

ガノンドロフ「……?」チラッ

リンクル「!」

ゼルダ「どうしました?」

リンクル「……目が合った」

ゼルダ「……構うことはありません!」
ゼルダ「今は私達が何を考えているか、分かりはしないのですから!」
44 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:25:13.63 ID:ruDy2xqk0
リンクル「ゼルダ姫のお父さんって、王様だよね?」
リンクル「王様には話さなかったの?」

ゼルダ「……お父様にもお話はしました」
ゼルダ「けれど、お父様は私の夢のお告げを信じてくださいませんでした……」

ゼルダ「でも、私には分かるのです!」
ゼルダ「あの男には悪しき心が……黒き野望があると!」

ゼルダ「ガノンドロフの狙いは、恐らく聖地に納められたトライフォースです」
ゼルダ「それを手に入れる為に西の砂漠からやってきたのでしょう」

ゼルダ「このハイラルを手中に収めようと……」
ゼルダ「リンクル……今、ハイラルを守れるのは私達だけなのです!」

リンクル「……うん、分かった」
リンクル「あたしも、あいつには返さないといけない仇があるし」

ゼルダ「……リンクル……」
ゼルダ「……兎に角、絶対にあの男をトライフォースに触れさせてはなりません」

ゼルダ「時のオカリナは私があの男の手に渡らぬよう守っています」
ゼルダ「あなたは、どうかあと二つの精霊石を見つけてください!」

リンクル「うん。じゃ、行ってくるね」

ゼルダ「はい、お気をつけて……」
ゼルダ「と、言いたいところですけど、もう日も傾いてきています」

ゼルダ「今日はここで泊まっていくと良いでしょう」
ゼルダ「私の乳母が部屋まで案内しましょう」

リンクル「あの人?」クルッ

「……」

ゼルダ「え、はい……」
ゼルダ(まるで居ることが分かっていたかのように振り向いたけど、気付いていたの……?)

リンクル「……あ、そうだ」

ゼルダ「?」

リンクル「予備のボルトある?」

ゼルダ「ボルト?」

リンクル「クロスボウの矢。予備置いてきちゃって、あと少ししかないんだ」

ゼルダ「……インパ、用意してあげて」

インパ「承りました。ついてこい」

リンクル「はいな」
45 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:26:15.80 ID:ruDy2xqk0
インパ「そういえば……」

リンクル「?」

インパ「お前は、クロスボウの他に剣と盾も持っているようだが」

リンクル「一応ね」

インパ「……ふむ」
インパ「左利き、クロスボウの方が得意、近接戦の補助は剣ではなく……足、か?」

リンクル「なっ……」

インパ「お前の動きは見る者が見るとすぐに手を見破られる」
インパ「先程から頻りに左手でクロスボウに触れている仕草はそれがメインであると分かる」

インパ「常に半装填状態で、抜いて弦を引けばすぐに撃てる状態にしていることもな」
インパ「……いや、抜く時に一度押し込むと弦が引かれるようになっているのか。見事な細工だ」

インパ「一方で、剣は同じように左手で抜けるよう背負っているにも関わらず、触れる素振りもない」
インパ「盾もそうだ。どうにも盾を素早く手に取れるようにしている様子はない」

リンクル「……」

インパ「大方、森の中では程度の低い魔物しか相手が居なかったのだろう」
インパ「これからはもっと強力であったり、または知力に優れた魔物とも対峙することになる」

インパ「……お前には少し衝撃的かもしれないが」
インパ「恐らく、人間を相手にすることもあるかもしれないな」

リンクル「……!」

インパ「どうだ、少しばかりだがここで稽古していかないか?」
46 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:27:00.12 ID:ruDy2xqk0
カァンッ キンッ

インパ「どうした、踏み込みが甘いぞ」ガキンッ

リンクル「っ……わっ!」ドタッ

インパ「盾で防ぐ時は、逆に相手の攻撃に向かって踏み込まねばならん」
インパ「殊に、お前は体が軽いからな。姿勢を崩されやすい」

インパ「これまではその身軽さで勝負をしてきたんだろうが、剣と盾を使う場合はそうもいかないだろう」
インパ「だが、筋は良い。剣の才能は十分だ」

リンクル「……」ムクッ

インパ「その立ち上がる意志も見事なものだな」
インパ「それ、もう一本!」ビュッ

リンクル「!」タンッ
47 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:29:29.33 ID:ruDy2xqk0
――翌朝

ゼルダ「昨夜はインパに随分絞られていたようですね」

リンクル「ああ、うん……」

ナビィ「剣はからっきしだったもんね、リンクル」
ナビィ「でもこれからは剣も使えるネ!」

ゼルダ「強いでしょう、彼女は」
ゼルダ「私の乳母であり、護衛も兼ねているのです。武術の達人なのですよ」

リンクル「……戦の達人でもあるの?」

ゼルダ「えっ……」
ゼルダ「……そうかも、しれません」

ゼルダ「ハイラル王国が今の形に統一されたのも、ほんの20年とちょっと前の話です」
ゼルダ「その後もいくつか動乱がありましたから、彼女も戦に参加したことがあるのかもしれません」

リンクル「……だから、あんなことを」

ゼルダ「……リンクル、あなたは心優しいのですね」
ゼルダ「これを持って行ってください」

リンクル「手紙?」

ゼルダ「私のサインが入っていますから、大抵の門は通れる筈です」

リンクル「そっか、ありがとね」

ゼルダ「それと、もう一つ……」
ゼルダ「昨夜、インパに歌を教えてもらったでしょう?」

リンクル「ゼルダの子守唄ね」

ゼルダ「あれも、王家に伝わる重要な歌です」
ゼルダ「王家の使者であると証明する為に、きっと役に立ちますよ」
48 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:30:28.94 ID:ruDy2xqk0
――ハイラル平原

インパ「軍資金だ。100ルピーある」
インパ「よく考えて、大切に使うんだぞ」

ナビィ「水と食料も十分だネ」

リンクル「ボルトももらったし、これで安心ね。ありがとう、インパさん」
リンクル「……でも、なんだか変なボルトだね」

インパ「そのボルトはポイントに返しがついている」
インパ「一度刺さればそうそう抜けはしない。戦の知恵だ」

リンクル「……」

インパ「……勇気ある少女よ」
インパ「我々はこの美しいハイラルを守らねばならない」

インパ「その為に、手を汚さねばならないこともあるだけの話だ」
インパ「あの山を見ろ」

インパ「あれは炎の精霊石があるゴロンの山……デスマウンテンだ」
インパ「デスマウンテンの麓には私の生まれ育った村、カカリコ村がある」

インパ「村人達に話を聞いてからデスマウンテンへ向かうがいい」
インパ「姫はお前がこの城へ戻ってくるのを待っておられる。それでは、頼んだぞ」
49 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:30:59.42 ID:ruDy2xqk0
ナビィ「リンクル、元気ない?」

リンクル「ちょっとね……」テクテク
リンクル「なんか、変な感じ」

ナビィ「変?」

リンクル「新しいボルトもそうだけど、インパさんと話してると、なんだか……」
リンクル「モヤモヤするの」

ナビィ「モヤモヤ?」

リンクル「ざわざわする、とも言えるかな……」
リンクル「なんだか落ち着かないような……」

リンクル「勿論インパさんが悪い人じゃないのは分かるよ」
リンクル「でも、なんか……嫌な感じ」

ナビィ「……もしかして、戦争の話?」

リンクル「……」
リンクル「……そうかも」

ナビィ「……そっか」
ナビィ(どうしよう……どんな言葉をかけたらいいのか、分かんないヨ……)
50 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:43:21.67 ID:ruDy2xqk0
 ep.4 ゴロンシティへ


――カカリコ村

リンクル「ここがカカリコ村かぁ……」

ナビィ「日が暮れる前に着いて良かったね」

リンクル「うん。取り敢えず日が落ちる前に今夜の宿を探さないと……」

コッコ「コッコッコッコッコッコ……」

リンクル「なんか、そこらじゅうにコッコが居るね」ヒョイッ

コッコ「コッケコーコケッコケッコケッコケッ」バタバタ

コッコ姉さん「あ、丁度良かった……ねぇねぇ!」

ナビィ「呼ばれてるよ、リンクル」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

リンクル「へ? なんだって?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

ナビィ「Look! あそこのお姉さん! リンクルのこと呼んでる!」

リンクル「はぁい!?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

コッコ姉さん「そのコッコ、うちのなんだけど、逃げ出しちゃって、困ってたの」
コッコ姉さん「あたしコッコに触ると鳥肌立っちゃうから、あなたが捕まえてきてくれない?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

リンクル「なんて!?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

リンクル「うるさいよ!!」ポイッ

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バサバサバサ

リンクル「ふぅ……」
リンクル「で、なんて?」

コッコ姉さん「あ、えっとね……」
コッコ姉さん「村中にうちのコッコが逃げちゃったから、さっきみたいに捕まえてきてほしいの」

リンクル「んー、分かった。じゃあ村の探索がてら探してみるね」

コッコ姉さん「助かるわ」
51 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:51:59.99 ID:ruDy2xqk0
リンクル「これで最後かなっと」ポイッ

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バサバサバサ

コッコ姉さん「ありがとう! ほんとに助かったわ!」
コッコ姉さん「あ、これはお礼よ。キラキラしてて綺麗でしょ?」

リンクル「空き瓶……何か色々使えるかな」
リンクル「ありがと、お姉さん」

ナビィ「でも、もうすぐ夜になっちゃうヨ?」
ナビィ「今夜の宿どうするの?」

リンクル「……あーっ!? 決めてなかった!」

コッコ姉さん「あらあら、迂闊ね」
コッコ姉さん「じゃあさ、今夜はうちに泊まっていかない?」

リンクル「いいの?」

コッコ姉さん「コッコ捕まえてくれたでしょ? これもお礼の一つだと思って」
52 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:52:54.50 ID:ruDy2xqk0
――親方の家

コッコ姉さん「フフフ、美味しい?」

リンクル「ええ、とっても!」モグモグ

親方「どんな小娘連れてきたのかと思や、中々いい食いっぷりの良い娘っ子じゃぁねぇか!」
親方「どうでい、うちの母ちゃんの飯は絶品だろう!?」

リンクル「はい!」

コッコ姉さん「ご飯が終わったら、あたしと一緒にお風呂入ろっか?」

リンクル「え、や、流石にお風呂くらい一人で入れるよ」

コッコ姉さん「そーんなこと言って、髪もボサボサでお肌も手入れなってないじゃない」
コッコ姉さん「駄目よ、その年からそんなんじゃ。可愛い顔してるんだから勿体ないわ」

リンクル「可愛い、って……」
53 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:53:34.86 ID:ruDy2xqk0
コッコ姉さん「ほらほら、ちゃんと洗えてないじゃない」ゴシゴシ

リンクル「ひゃっ、ちょっと、くすぐったぁい」

コッコ姉さん「女の子の肌はデリケートなんだから、きちんと綺麗にしとかないと駄目よ」ゴシゴシ
コッコ姉さん「ほら、ここも」ニュルッ

リンクル「ひぅっ!?」ビクッ

コッコ姉さん「ここもちゃーんと洗わないとね」ニュルニュル
コッコ姉さん「……リンクルちゃん?」

リンクル「はぅ……そ、そこあんまり触らないでっ……!」

コッコ姉さん「あらま……おませさん」ニュルッ

リンクル「ひゃうっ!?」ビクンッ
リンクル「も、もうーっ! お姉さんサリアみたいなことしないでよ!」

コッコ姉さん「サリア?」

リンクル「森に居た頃の話よ、サリアったら洗いっこするといっつも胸とかお股とかばっかり……」
リンクル「さっきのお姉さんの触り方、その時のサリアみたいだったのよ」

コッコ姉さん「あー……」
コッコ姉さん(幼馴染とかお友達とかに“そういう子”が居ちゃった感じかしら……)

コッコ姉さん(……そういえば)
コッコ姉さん「言われてみればリンクルちゃん、年の割に胸おっきいんじゃない?」ムニッ

リンクル「きゃっ!?」

コッコ姉さん「その子に揉まれておっきくなってきちゃったのかなー?」ムニムニ

リンクル「お、お姉さんほどじゃないでしょ……!」ビクビクッ

コッコ姉さん「でも、成長性はすっごくありそうよねー♪」ムニュムニュ

リンクル「あうぅ……!」
54 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:54:01.78 ID:ruDy2xqk0
――翌朝

リンクル「食糧と水まで、ありがとうございます」

おばさん「いいのよいいのよ、またいつでも泊まりにおいでね」

コッコ姉さん「またお風呂一緒に入ろーネ!」ツヤツヤ

リンクル「やだよ!」

コッコ姉さん「えー」

親方「何があったのかは知らねぇが……」
親方「嬢ちゃん! あそこがデスマウンテン登山道の門だ!」

親方「兵士が立ってんのが見えるな?」
親方「普通は王の許可がないと入れない危険な山だってこった」

リンクル「……」ゴクッ

親方「お前さんがどうやってあの門を通るのか知らねぇが」
親方「それなりの覚悟はしてったがいいだろう」

親方「ただまぁ……これは俺っちの勘だが」
親方「お前さんなら大概どうにでもなる気がするよ」ニカッ

リンクル「……!」
リンクル「うんっ! ありがとうっ!」
55 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:54:36.49 ID:ruDy2xqk0
――デスマウンテン登山道

ナビィ「兵隊さんにはゼルダの新しい遊びだと思われちゃったね」

リンクル「まぁいいよ、通れたんだし」
リンクル「それにしても見慣れない魔物だね」バシュッ

赤テクタイト「ピギィッ」

ナビィ「さらっと殺したけど矢大丈夫?」

リンクル「大丈夫大丈夫」
リンクル「森から持ってきたボルトはちょっと貴重だから回収しないとだけどね」ズボッ

ナビィ「森から持ってきたのは節約したいんだ」
ナビィ「うわぁ……なんか変な色の体液ついてるヨ……」

リンクル「まだ使えるでしょ」ブンブン
リンクル「ほら落ちた。まだ使えるよ」
56 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:55:06.12 ID:ruDy2xqk0
ゴロゴロゴロゴロ

リンクル「おっと、岩が……」
リンクル「……あれ? 止まった?」

「こんなとこにお客さんゴロ?」ムクッ

リンクル「きゃっ!? ななな何!?」

「何とは失礼ゴロ」
「オラはゴロン族ゴロ。知らねぇゴロ?」

リンクル「は、初めて見た……」

ゴロン「こっちとしても、ニンゲンの、しかも子供がくるなんて珍しいゴロ」
ゴロン「この先にオラ達ゴロン族の街ゴロンシティがあるけど、子供が来ちゃ危ないゴロよ」

リンクル「そうは言っても、炎の精霊石探さないといけないのよ」
リンクル「ゴロン族が持ってるんでしょ?」

ゴロン「んー……もしかしたら、ダルニアのアニキが持ってるアレのことゴロ?」

リンクル「アレ?」
57 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:55:36.14 ID:ruDy2xqk0
――ゴロンシティ

ダルニア「何ィ? 炎の精霊石がほしいだァ?」

リンクル「えぇ。ハイラルを救うのに必要なんですって」

ダルニア「誰が言ったんだそんなこと」

リンクル「……ハイラル王家の人よ」

ダルニア「けっ、王家の使者がガキんちょとは舐められたもんだ!」
ダルニア「もう完全にへそ曲げたからな! 話なんぞしねぇぞ、帰れ帰れ!」

リンクル「むぅ」
58 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:56:11.30 ID:ruDy2xqk0
ナビィ「けんもほろろ、とはまさにこのことね」

リンクル「それにしたって、ダルニアさんに限らず、なんだかみんな気が立ってるように見えるよ」

ゴロン「あ、分かるゴロ?」

リンクル「何か原因が?」

ゴロン「オラ達は岩を喰う種族ゴロ」
ゴロン「でも最近はドドンゴの洞窟に住む古代龍が暴れ出して、良質な岩が食べられなくなったゴロ」

ナビィ「空腹でイラついてる、ってわけネ……」

リンクル「取り敢えず話だけでも出来る状態にならないとなぁ……」
59 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:56:41.28 ID:ruDy2xqk0
リンクル「どうしたもんかなぁ」スッ

ナビィ「オカリナ?」

リンクル「なんとなく、コキリの森のみんなはどうしてるのかなって思ってさ」

♪♪♪〜♪♪♪〜……

ナビィ「なんだか、聞き覚えのあるような……」

リンクル「サリアがよく吹いてた曲よ」
リンクル「ちゃんと教えてもらったわけじゃないから、少ししか吹けないけどね」

ゴロン「あ、その曲知ってるゴロ」

リンクル「知ってるの?」

ゴロン「そこの道の先のゲートからよく聞こえる曲で、アニキのお気に入りゴロ」
ゴロン「こっちゴロ」
60 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:57:13.45 ID:ruDy2xqk0
ゴロン「このゲートは森に繋がってるらしいゴロ」
ゴロン「長いこと岩で塞がってるけどね」

リンクル「なんだか……懐かしい空気」

ナビィ「ちょっと見てくるね」

リンクル「こういう時小さな身体で飛べるって便利だなぁ」

ナビィ「ホントだ、森に繋がってるヨ!」

リンクル「これ退かせる?」

ゴロン「んー、普段なら出来ないことはないけど、お腹が空いててちょっと無理かもゴロ」

リンクル「そっか……」

ゴロン「あ、そうだゴロ」

リンクル「?」
61 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:57:47.83 ID:ruDy2xqk0
ゴロン「離れてるゴロ」

リンクル「うん」

ドカーン

リンクル「きゃっ!?」
ナビィ「ぴぃっ!?」

ゴロン「これで開いたゴロ」

リンクル「い、今のは……?」

ゴロン「ゴロンシティ名産の爆弾だゴロ」
ゴロン「さ、道も開いたし行ってくるゴロ」

ナビィ「随分協力的なのね」

ゴロン「オラ達としても早いとこダルニアのアニキには機嫌直してほしいからね……」

リンクル「じゃ、サリアに教えてもらえないか聞いてくるね」
62 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:58:16.49 ID:ruDy2xqk0
――迷いの森

リンクル「へぇ、こんなとこに繋がってたんだ……」

ナビィ「道分かる?」

リンクル「ここから森の聖域へは微妙……だけど、今回はツイてる」

ナビィ「どうして?」

リンクル「耳を澄ましてみて」

……♪♪〜……♪♪♪〜……

ナビィ「……あっ! この曲!」

リンクル「森の妖精達がサリアの奏でる音を運んできてくれるわ」
リンクル「さ、行きましょ!」
63 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:58:44.00 ID:ruDy2xqk0
――森の聖域

ウルフォス「アオオーン!」

リンクル「はいはい」バシュッ

ウルフォス「キャイン!」

オコリナッツ「ピッ!」ベッ

リンクル「ほい」

デクの盾「フハハ、ソンナモノカ」ゴンッ

オコリナッツ「ピピィッ!」

リンクル「ったく、ここは相変わらずね」
リンクル「サリア、大丈夫かしら?」

ナビィ「手慣れたものね……」

リンクル「いっつもだからね」
64 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 13:59:25.50 ID:ruDy2xqk0
リンクル「サーリアっ?」

サリア「待ってたヨ、リンクル」
サリア「ちょっと久しぶりだけど、迷わずに来れたんだ?」

リンクル「慣れてるし、何よりサリアの歌が聞こえたからね」

サリア「そっか、嬉しい」
サリア「ここでオカリナ吹くと妖精達とお話出来るのよ。一緒に吹いてみる?」

リンクル「うん。いつものあの曲、今教えてほしいな」

サリア「じゃあ、サリアの真似して吹いてみてね」

♪♪♪〜 ♪♪♪〜

♪♪♪〜 ♪♪♪〜

♪♪♪〜……
♪♪♪〜……


サリア「上手い、上手い!」
サリア「この曲、忘れないで」

サリア「あたしの声、聞きたくなったらこの曲吹いてネ……」
サリア「いつでもお話出来るから、ね……」
65 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 14:00:00.75 ID:ruDy2xqk0
――ゴロンシティ ダルニアの家

ダルニア「なんだ、またおめえか」
ダルニア「話はしねぇって言ってるだろ」

リンクル「まぁまぁ、これでも聞いてよ」

♪♪♪〜♪♪♪〜♪♪♪〜
♪♪♪〜♪♪♪〜♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪〜

ダルニア「おっ、おっ、おおっ!」
ダルニア「きた、きた、きたーっ!」

ナビィ「えっ、踊り出し……」

ダルニア「アツい!」
ダルニア「このアツいビート!」

ナビィ「……」

ダルニア「ウオォー!」
ダルニア「イエイ!」

ナビィ「えぇ……」

ダルニア「キャッホーッ!」
ダルニア「イエアアアアアアアッ!」

ダルニア「うーん、イイ曲だぁーっ!」
ダルニア「沈んだ気分もすっきり、踊りまくっちまうぜぇー!」
66 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 14:00:33.33 ID:ruDy2xqk0
ダルニア「ふぅ……」
ダルニア「それで、結局のところおめえの話はなんなんだ?」

ダルニア「おめえも炎の精霊石がほしいってんだろ?」
ダルニア「いくら何でも炎の精霊石は簡単にはくれてやれねぇぜ?」

リンクル「あたし達“も”?」

ダルニア「おうよ、この前も同じことを言う奴がやってきたんで追い返したんだよ」
ダルニア「そしたらよ、その野郎ドドンゴの洞窟のドドンゴ共を凶暴化させやがった」

ダルニア「どーしても、ってんなら、おめえがそのドドンゴ共を何とかしてきてくれよ」
ダルニア「そうすりゃ俺達もみんな幸せ! 炎の精霊石もくれてやろうってもんだ」

リンクル「……分かった。ドドンゴの洞窟まで案内して」
67 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 14:01:00.33 ID:ruDy2xqk0
ゴロン「ここだゴロ」

リンクル「ここって……」
リンクル「来る途中で見かけた岩だけど」

ゴロン「危ないから岩で入口を封鎖してるんだゴロ」
ゴロン「そこの花を摘んでみるゴロ」

リンクル「これ?」ブチ

ゴロン「ほら、早くあの岩に向かって投げるゴロ」

リンクル「こ、こう?」ポイッ

ボテッボテッ

ゴロン「あんまり飛ばないゴロね……伏せといたがいいかもしれないゴロ」

リンクル「?」

ドカーン

リンクル「きゃっ!?」
ナビィ「ぴぃっ!?」

ゴロン「お、開いた開いた」
ゴロン「さっきのはデスマウンテン名物爆弾花ゴロ。きっと役に立つから覚えとくゴロよ」

リンクル「爆発する花かぁ……」

ゴロン「爆弾花以外でも、ゴロンシティで見せた爆弾を持ち歩ける道具もあるゴロ」
ゴロン「ハイリア人も戦争の時にはカタパルトで飛ばしたり矢に仕込んだりして使ってたゴロよ」

リンクル「……そう」

ナビィ「じゃ、行きましょ」

リンクル「……うん」

ゴロン「気をつけるゴロー!」
68 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/04(日) 14:09:49.88 ID:ruDy2xqk0
取り敢えず一旦ここまで
>>26の言う通り、大体は時のオカリナ本編をなぞっていくよ
ちょくちょく他のゼルダ作品のネタも挟んでいくけど

時のオカリナやってて思ったけどあれのちょっと前くらいの時代のハイラルって結構な侵略王朝だよね
ていうかゲーム本編中の時代も結構覇権主義的な面が見え隠れしないでもない
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 23:38:01.01 ID:xsrxllERo
70 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:43:03.67 ID:oLRcur970
初見でダルニアのダンス見た時は笑ったよね
VCしかやったことなかったんだけど、3DS版の動画見てたら動きが無駄に滑らかになってて更に笑った
無双ではとうとう空飛んでクソ笑った


更新します
71 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:52:11.12 ID:oLRcur970
 ep.5 炎の精霊石


――ドドンゴの洞窟

リンクル「入る時に中からむわっと熱気が来たのが分かったんだけど……」
リンクル「こりゃ暑いわけだわ」

ナビィ「Listen! 気をつけてリンクル、下の方にマグマが溜まってるみたい」
ナビィ「あんなとこに落ちたら死んじゃうヨ」

リンクル「分かってる。にしたってあっついなぁ……」

ボコボコボコ

リンクル「うん?」

ベビードドンゴ「キシャアアアアッ」

リンクル「うわっ!? なんだこれ!?」
リンクル「こっち来ないでよ!」バシュッ

ベビードドンゴ「ギャアアッ」バタッ

リンクル「死んだ……?」

ナビィ「……気をつけてリンクル!」

リンクル「……!」バッ

ドカーン

リンクル「あ、あれ死んでたんだよね……?」

ナビィ「死んでたヨ……」
ナビィ「多分あれがドドンゴ……死ぬと爆発するみたいね」

リンクル「まさか死体が爆発するなんて……心臓に悪い生物……」
72 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:52:54.50 ID:oLRcur970
リンクル「この部屋は……」

ガコーン

リンクル「!」
リンクル「扉が……何か来る!」

リザルフォス「ヒャッハーオンナノコダー!」

リンクル「何あの魔物……剣持ってる!?」バシュッ

リザルフォス「オオット」バッ

リンクル「ちっ、一筋縄じゃいかないみたいね!」バシュッ バシュッ

リザルフォス「ヘイヘイアタラネエゼ」ヒョイヒョイッ

リンクル「ああ、もう!」
リンクル「これでも喰らえ!」パァン

リザルフォス「ギアアアッメガッメガァーッ!」ジタバタ

ナビィ「デクの実ね!」

リンクル「さぁ、何発欲しい! このボルトは簡単には抜けないよ!」バシュッ バシュッ

リザルフォス「ギャッ! ギャアアッイテェッイテェーッ!」
リザルフォス「ナ、ナンダコノヤハ!?」

リンクル「返しのついたボルトってのも案外悪くないわね」バシュッ バシュッ

リザルフォス「グアッ、ギャッ! ウググ、イテェー!」
リザルフォス「チ、チクショーッ! センシュコウタイダ!」バッ バッ

リザルフォスB「ヨクモナカマヲヤッテクレタナ!」

ナビィ「もう一体居るヨ!」
73 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:53:30.48 ID:oLRcur970
リンクル「同じことよ!」

リザルフォスB「オナジテヲクラウホドマヌケデハナイワ!」

リンクル「デクの実!」パァン

リザルフォスB「ヨソウシテタゼ!」

リンクル「予想はしててもクロスボウはかわせないと」バシュッ

リザルフォスB「グアッ! イ、イテェ! ナンテエゲツネェヤヲツカイヤガル!」
リザルフォスB「シ、シマッタ! アシガ! ウデモヤラレタカ!」ジタバタ

リンクル「さて」シャキンッ

リザルフォスB「マ、マテ、ハナセバワカル! セメテハナシアイヲ……」
リザルフォスB「ギャアアアアアアアッ!!」

リンクル「流石にボルトが勿体ないからね」ザシュッ ザシュッ

リンクル「ナビィ、首切り離したら魔物でも死んじゃうよね、多分」

ナビィ「え、あ、うん、た、多分……」

リザルフォスB「タ、タスケ……!」

リンクル「やっぱり魔物って大した生命力だよね……」ザシュッ

リザルフォスB「」ボトッ

リンクル「よし、これでいいかな?」

ナビィ「そ、そうね……」
ナビィ「……あっ! ゆ、油断しないでリンクル! もう一体居るよ!」

リンクル「うん、分かってる」

リザルフォス「ヒエッ……」
74 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:54:11.37 ID:oLRcur970
リザルフォス「」

リンクル「この部屋はなんだろう?」

ナビィ「……」

リンクル「ナビィ?」

ナビィ「……あ、ゴメンネ! ちょっと考え事!」

リンクル「そう? 何かあったら言ってよ?」
リンクル「それで、この部屋はなんだろ?」

ナビィ「うーん……何かしら」
ナビィ「爆弾花がいっぱい生えてるけど……」

リンクル「起爆してみる?」

ナビィ「うん、何か分かるかもね」

リンクル「じゃあ、一個引っこ抜いてっと……」

ドカーン ドカーンドカーン ドカーンドカーンドカーン……


ナビィ「すごーい! 階段が下りてきたよ!」

リンクル「これで上に行けそうね!」
75 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:54:38.06 ID:oLRcur970
リンクル「何これ?」

ナビィ「ボム袋、ね」
ナビィ「爆弾を入れておけるみたい」

リンクル「へぇ……」
リンクル「……」

ナビィ「何してるの?」

リンクル「いや、爆弾をクロスボウで飛ばせないかなって……」
リンクル「これなら遠くまで飛びそうだし」

ナビィ「あー、洞窟前でのこと気にしてるの?」

リンクル「……ちょっとね」
76 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:55:16.94 ID:oLRcur970
リンクル「ここが一番奥かな……?」

ズシンッ ズシンッ

リンクル「……」
リンクル「……こいつが」

猛炎古代竜 キングドドンゴ

キングドドンゴ「グオオオオオオッ!」

リンクル「で、でかぁい……!」

ナビィ「クロスボウや剣じゃ歯が立たないヨ!」

リンクル「と、兎に角一旦距離を置こう……!」

キングドドンゴ「グルルゥ……!」グルンッ ゴロゴロゴロ

リンクル「うわぁー!? 転がってくるなんて!?」バッ

ズシーン

リンクル「……あれ?」

ナビィ「壁に激突したみたい……」

リンクル「……そっか、あんまり頭は良くないんだ」
リンクル「よーし……!」
77 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:55:49.55 ID:oLRcur970
キングドドンゴ「ギシャアアアアッ」ゴオオッ

リンクル「うわぁ! 火まで噴くの!?」

キングドドンゴ「グオオオオッ!」

ナビィ「また転がってくるよ!」

リンクル「おっと!」ポイッ

ゴロゴロゴロ ドカーン

リンクル「効いて……ないね」

ナビィ「駄目! 外皮が硬過ぎて爆弾も通らないみたい!」

リンクル「やっぱり外側は駄目か……」
リンクル「それなら……!」

キングドドンゴ「グゥゥゥ……!」

リンクル「大口開けた!」
リンクル「これでも食べてな! 爆弾ボルト!」バシュッ

キングドドンゴ「!?」バクンッ

ナビィ「上手い!」

ドカーン

キングドドンゴ「グオオオオオオオオオオオ!!」

ズズーン……

ナビィ「やった!」
78 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:56:34.63 ID:oLRcur970
――ドドンゴの洞窟前

リンクル「残ったドドンゴも粗方掃討したし、これでゴロン達も満足でしょ」

ナビィ「そうだネ……」

リンクル「……どうしたのナビィ? やっぱりなんだか元気ない?」

ナビィ「平気だヨ……大丈夫。暑かったから、ちょっとだるいだけ」
ナビィ(相棒が魔物とはいえ大虐殺してる様子なんか見てて明るい気分にはなれないヨ……)ゲンナリ

リンクル「……?」

ナビィ「ていうか、爆弾ボルト? っていうの? あんなのいつの間に作ったの?」

リンクル「ボム袋手に入れてからすぐ、歩きながら」
リンクル「結構簡単な仕組みだよ?」

ナビィ「そ、そう……」
ナビィ(本人は気分悪くなるくらい嫌ってるみたいだけど、やっぱりこの子、戦の類の才能があるんじゃ……)
79 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:57:28.43 ID:oLRcur970
ヒュルルルー
ドシーン

リンクル「うわっ!?」

ダルニア「俺だゴロ! ダルニアだゴロ! よくやったゴロ!」ナデナデ

リンクル「痛い痛い!」

ダルニア「これでまた美味い岩が腹いっぱい食えるゴロ!」
ダルニア「おめえのお陰だ!」

リンクル「ど、どういたしまして……」

ダルニア「しかしおめえは良い奴だな」
ダルニア「あのガノンなんとかいうゲルド野郎とは大違いだ!」

リンクル「……ガノンドロフがここにも?」

ダルニア「おうよ。言わなかったっけか?」
ダルニア「おめえの前にも精霊石を寄越せと言ってきて、ドドンゴ共を凶暴化させた野郎だ」

リンクル「あいつ……! こんなところでも……!」

ダルニア「……どうやらあの野郎は他所でも何かしでかしてるようだな」
ダルニア「それに引き換えおめえは危険を顧みず俺達の為にここまで……」

ダルニア「おめえが気に入ったゴロ!」
ダルニア「今日からおめえは俺達のキョーダイだ!」

リンクル「あ、ありがとう……?」

ダルニア「さ、約束は約束だ! これを受け取ってくれ!」
ダルニア「ゴロンのルビーだ!」

リンクル「これが炎の精霊石……!」
リンクル「ありがとう、ダルニアさん!」

ダルニア「おいおい、キョーダイなんだから“さん”だなんて水臭ぇぜ!」
ダルニア「気軽に“アニキ”とでも呼んでくれゴロ!」

リンクル「あ、アニキ……?」

ダルニア「おう!」
ダルニア「おめえはこれからも目的の為に旅を続けるんだろ?」

リンクル「うん」

ダルニア「それじゃ、デスマウンテンの頂上の妖精様に会ってみな!」
ダルニア「きっとおめえの力になってくれるゴロ!」

リンクル「頂上……」
リンクル「うん、分かった! 何から何までありがとね!」

ダルニア「おうよ! よーしおめえら! キョーダイをお見送りしろい!」

ゴロン「よくやったゴロ!」ブンブン

ゴロン「オラ達はキョーダイだゴロ!」ブンブン

リンクル「うん! また来るからねー!」フリフリ
80 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 22:58:04.24 ID:oLRcur970
――デスマウンテン 頂上

リンクル「こ、ここが……頂上……!」

ナビィ「す、すごい道のりだったネ……」

リンクル「あー……ちょっと休憩ー!」
リンクル「水が美味しいー!」ゴクゴク

ナビィ「あんまり飲み過ぎないようにね」
ナビィ「で、そこが目的地かしら?」

リンクル「みたいだね」
リンクル「たのもー!」
81 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 23:01:17.49 ID:oLRcur970
――大妖精の泉

「オーッホッホッホッホ!」

リンクル(うわぁ……)
リンクル「あなたが妖精様?」

ナビィ「大妖精様だヨ! 失礼のないようにしなくちゃ!」

力の大妖精「ようこそリンクル……私は力の大妖精」
力の大妖精「あなたに一つ、剣の技を授けてあげる」

リンクル「剣の技……ですか?」

力の大妖精「あなたは魔法の才能に優れているわ。引き出し方を知らないだけ」

リンクル「あたしが? 魔法の才能に?」

力の大妖精「ええ。あなたからはとっても高い魔力を感じる」
力の大妖精「技を教える前に、少し魔力の引き出し方を教えてあげるわね」
82 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 23:01:57.48 ID:oLRcur970
力の大妖精「ウッフフ、やはりあなたの魔法の才能は素晴らしいものがあるわ」
力の大妖精「さ、それじゃさっき教えた通りに技を見せてご覧なさい」

リンクル「は、はい……!」
リンクル「はぁー……せやぁっ!」ブゥン

力の大妖精「見事な大回転切りね」
力の大妖精「よくぞこの秘技を身につけたわ。魔法だけでなく、剣の才能もある」

リンクル「……剣の、才能」

力の大妖精「勇気と才能ある少女よ」
力の大妖精「各地に居る私の仲間を訪ねなさい。新たな力を授けてくれるわ」

リンクル「……ありがとう、ございました」

力の大妖精「……あ、そうそう。それともう一つ」
力の大妖精「右手でもクロスボウを使えるのなら、クロスボウは今後右手で構えるようにした方がいいわ」

力の大妖精「左手だけじゃ剣とクロスボウの切り替えに時間がかかっちゃうでしょ?」
力の大妖精「じゃ、頑張ってね! オーッホッホッホッホ!」
83 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 23:17:55.83 ID:Bzc3eTBr0
――デスマウンテン 頂上

ナビィ「大妖精様にあんなに褒めてもらっちゃうなんて、凄いじゃない!」

リンクル「……うん」

ナビィ「……なんだか、嬉しくなさそうだネ」

リンクル「……」
リンクル「……これまであたしってさ、自分は武器なんてクロスボウくらいしか使えないと思ってたんだ」

リンクル「これ以外にないって思ってた。剣と盾も、持ってるだけで使えやしないって思ってた」
リンクル「でも……森から出てきて、急にお前は剣の才能があるなんて言われて……」

リンクル「ここに来て、今度は魔法の才能があるなんて言われて……」
リンクル「……あたし、こんな才能欲しいわけじゃなかったのに……」

リンクル「ねぇ、ナビィ。才能って何だろう?」
リンクル「森ではみんな剣なんてまともに使えなかったし、ましてや魔法なんて……なんであたしだけ?」

リンクル「あたしは一体何者なの? どこから来たの?」
リンクル「考えたくないのに、考えちゃうよ……」

ナビィ「……ゴメンネ、ナビィも分かんないや……」
ナビィ「でも、リンクルはリンクルだヨ。他の誰でもない、ただ一人のあたしの相棒だヨ」

リンクル「ナビィ……」

「ホホーゥ、悩んでおるようじゃな」

リンクル「……ケポラゲボラ」

ケポラゲボラ「大妖精のところはどうじゃった? 何か発見があったかな?」
ケポラゲボラ「まだまだハイラルの運命を預かる者には見えぬがのぉ……」

ケポラゲボラ「世界は広い。広い空から広い大地を見渡せば、お前は実にちっぽけなもんじゃ」
ケポラゲボラ「だが、その広い世界を変える力は誰にでもある。それが小さいか大きいかの違いはあるがの」

ケポラゲボラ「お前は偶々その力が大きかっただけじゃ」
ケポラゲボラ「いつかそのことが分かる時が来るじゃろうが、それまで大いに悩むのも良かろう」

リンクル「……」

ケポラゲボラ「下界まで行くのなら力を貸そう」
ケポラゲボラ「近くへ来て足に掴まりなさい。そうすればそのまま飛んで行ってあげよう」
84 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 23:18:30.66 ID:Bzc3eTBr0
――カカリコ村

ケポラゲボラ「ホホーッ」バサバサバサ……

リンクル「ありがとねー!」
リンクル「……さて、と」

ナビィ「リンクル……頂上の話だけど……」

リンクル「……ああ、うん」
リンクル「もう、いいの。暫く忘れようかなって」

ナビィ「それでいいの?」

リンクル「うん。あたし一人で悩んでたって、ハイラルの危機は勝手にやってきちゃうんでしょ?」
リンクル「それなら、先にそっちを何とかしなきゃ。あたしのことは後でいくらでも悩めるよ」

リンクル「それに、ケポラゲボラも言ってたでしょ?」
リンクル「いつか分かる時が来る、って」

ナビィ「……そっか。そう、ネ……」
ナビィ(でも……それって、いつのことになるのかしら……?)
85 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/05(月) 23:21:56.25 ID:Bzc3eTBr0
取り敢えずここまで

時の勇者ってあれ絶対病むと思うんだ
ていうか病ませたい
リンクルちゃん病ませたい
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 02:07:45.73 ID:pS6I86RAo
病んじゃった心の隙をガノンドロフが見逃すはずもなく……
とかそんなifルートかな?かな?
87 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:15:33.09 ID:co1YisJx0
思いついた時につらつら書いてるから今後リンクルがどんな風に病んでくのかとか、その心の隙をガノンドロフに付け入られるのかとか、そもそもリンクルが病んでく方向になるのかとかは色々未定
それはそうと、ハイラル史は時のオカリナで三つに分岐するわけだけど、みんなは時の勇者が魔王に勝利してハイラルは平和になるけど数百年後に魔王復活してハイラルは海の底に沈められちゃう幸せか不幸かよく分からないルートと、時の勇者が敗北して賢者達がなんとか魔王を闇の世界へ追放してハイラルは平和になるけど勇者は死んじゃってる文字通り死亡ルートと、魔王に勝利した時の勇者は本来居るべき時代に帰されて一緒に旅した妖精とも別れて勇者なのに勇者として伝説になることすら叶わず余生を過ごす行き地獄ルート、どれが一番好き?


更新します
88 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:16:20.98 ID:co1YisJx0
 ep.6 精霊石を求めて


――ハイラル平原

ガラガラガラガラ

リンクル「取り敢えず次の目的地を聞きたくて城下町前まで来たはいいけど……」

ナビィ「日没に間に合わなかったネ……」
ナビィ「どうする? 夜の平原で野宿は危険だと思うけど……」

リンクル「近くに泊まれるとことかないか探してみよっか」

ナビィ「一応平原にも人の家はあるんだもんね」

……♪♪〜……♪♪……

リンクル「……?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「何か聞こえない?」

ナビィ「……言われてみれば」

リンクル「こっちかな?」

ナビィ「森の時といい、耳がいいのね、リンクルって……」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 20:17:18.66 ID:6Q2fdASeo
最初の(風タク好き)
90 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:17:30.68 ID:co1YisJx0
――ロンロン牧場

リンクル「ここかしら……」

ナビィ「誰のお家だろう? 動物がいっぱいみたい」

リンクル「奥の広場で歌ってるみたいだよ」

ナビィ「よく場所まで分かるネ……」

「♪♪♪〜……あら?」
「こないだの妖精ちゃんじゃない! 久しぶり!」

リンクル「久しぶりって程かな……まぁいいや、久しぶり、マロン」

マロン「あの時はとーさん見つけてくれてありがとね」
マロン「とーさんったらあの後すぐ大慌てで帰ってきたのよ、フフフ!」

リンクル「そっか、良かった」クスクス

「フーッ……ブルル」

マロン「あ、紹介するね! この子はあたしの友達のエポナよ!」

リンクル「この馬?」

マロン「うん! 可愛いでしょ!」

エポナ「ブルルッ」パカッパカッ

リンクル「あ……」

マロン「あら……エポナ、妖精ちゃんのこと、怖がってるみたい」

リンクル「むぅ」

マロン「……そうだわ! さっき歌ってたんだけど、エポナはマロンのおかーさんが作った歌が大好きなの」
マロン「妖精ちゃん可愛いオカリナ持ってたよね? 折角だから、あたしの後に続いて吹いてみてよ」

リンクル「あ、うん」

♪♪♪〜 ♪♪♪〜 ♪♪♪ ♪♪〜


エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ

リンクル「わわっ」
リンクル「あん、こら、くすぐったいよ」

マロン「フフ、エポナったら、妖精ちゃんのことすっかり気に入ったみたい!」
マロン「あ、そうだ! 妖精ちゃんはご飯もう食べた?」
91 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:18:17.70 ID:co1YisJx0
マロン「どんどん食べてね!」

リンクル「ありがとうね、泊めてもらうことになっちゃって」

タロン「気にすることないだーよ」
タロン「いつぞやは城で迷惑かけたからな」

リンクル「いやぁ、気にするほどのことでは……」

マロン「フフフ、とーさんの癖にはいっつも困っちゃうのよ!」

タロン「わ、悪いとは思ってるだーよ」
タロン「……こんなにマロンが楽しそうなのは久しぶりだーよ」

ナビィ「そうなの?」

インゴー「この牧場は観光地でもあるとはいえ、お嬢さんと年の近い子供なんて滅多に来ねぇからな」
インゴー「殊に年の近い女の子だ。きっと良い友達になれる」
92 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:19:19.14 ID:co1YisJx0
リンクル「……あちこち擦り剥いてる」ゴシゴシ

マロン「妖精ちゃん、入るよー?」ガチャッ

リンクル「えっ?」

マロン「洗いっこしよーよ!」

リンクル「え、えー……ちょっと、それは、遠慮したいかなー、って……」

マロン「えー、なんで?」
マロン「あたしとお風呂一緒するの嫌?」ジワッ

リンクル「あ、いや、別に嫌じゃないけど! その……!」

マロン「良かった! じゃあまずマロンが洗ったげるね!」

リンクル「ちょっ……!」
93 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:19:59.55 ID:co1YisJx0
リンクル「あーうー……」チャプン

マロン「フフフ、妖精ちゃんたら発育イイのね!」ツヤツヤ

リンクル「何の話よ……」
リンクル「カカリコ村のお姉さんといい、サリアといい……もう……」

マロン「えへへ、妖精ちゃんのことは何でも気になっちゃうのヨ」
マロン「それっ」バシャッ

リンクル「きゃっ!」
リンクル「やったなー!」バシャッ

マロン「きゃんっ、お返しよ!」バシャッ

バシャバシャ

ナビィ「こうして見ると仲の良い姉妹みたいねぇ……」

リンクル「あっ……ちょっと、やだ、またそんなとこ触んないでよっ!」

ナビィ(……撤回しようかな)
94 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:20:37.07 ID:co1YisJx0
――翌朝

マロン「もう行っちゃうの?」

リンクル「うん。一旦お城の方へ行って、次の目的地を決めなきゃね」

マロン「そっか……また来てくれる?」

リンクル「また来るよ」

マロン「絶対だよ?」

リンクル「うん」

タロン「マロン、あんまりこの子を困らせるなーよ」
タロン「お嬢ちゃん、これを持っていくだーよ」

リンクル「何これ? 瓶?」

タロン「ロンロン牛乳だ。栄養満点、滋養強壮、飲んだら元気いっぱいだーよ」

リンクル「ありがとう、おじさん」
リンクル「じゃ、行こ、ナビィ」

ナビィ「うん!」

マロン「絶対また来てねー!」フリフリ

リンクル「はーい!」フリフリ
95 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:21:15.86 ID:co1YisJx0
――ハイラル城

ゼルダ「炎の精霊石を手に入れたのですね!」

リンクル「うん。これで残るは一つだね」

ゼルダ「はい。残る一つは水の精霊石……ゾーラ族が守っている筈です」
ゼルダ「ゾーラ川沿いを上り、ゾーラの里へ向かってください」

リンクル「分かった、行ってみるよ」
リンクル「ありがとね」

ゼルダ「いいえ……」

リンクル「……そうだ。次来る時は普通に入れるようにしといてほしいな……」
リンクル「流石に毎回こんな風に忍び込むのはちょっと……」

ゼルダ「あ、ご、ごめんなさい!」
96 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:22:23.22 ID:co1YisJx0
――大妖精の泉

リンクル「こんなところに大妖精様の泉があるなんてねー」
リンクル「ハイラル城の兵隊さん達は気付いてないのかな」

魔法の大妖精「フフフ、どうかしらね」
魔法の大妖精「私はあなたに魔法のアイテムを授けてあげるわ」

魔法の大妖精「これを使えば、簡単に魔法を放つことが出来るの」
魔法の大妖精「さあ、受け取って」

リンクル「ありがとうございます」
リンクル「炎……の結晶?」

魔法の大妖精「それはディンの炎。その結晶を手に持って念じると、魔力を消費して火を放つことが出来るわ」
魔法の大妖精「出したい炎の大きさや方向をイメージして、念じてみて」

リンクル「はい」
リンクル(出来るだけ小さく……指先くらいの大きさでいいや。真上に……)

リンクル「おっ」ヒュボッ
リンクル「成程、こりゃ便利だわ」

魔法の大妖精「フフ、それだけじゃないのよ?」
魔法の大妖精「さっきみたいに念じながら、大きく振ってみて?」

リンクル「こう……?」ブンッ

ドヒュンッ

リンクル「おおっ!?」

魔法の大妖精「そうやって振ることで、周囲に炎を放つ攻撃魔法にもなるわ」
魔法の大妖精「これから先、きっと役に立つから使ってみてね」
97 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:23:51.67 ID:co1YisJx0
――ゾーラ川

リンクル「夜になっちゃった……」
リンクル「しかしこの川もまた結構長くて険しそうだなぁ。牛乳美味しい」ゴクゴク

ナビィ「道中何が出るかも分かんないしネ。ちょっとだけ頂戴」
ナビィ「……リンクル! そこの水辺、何か居るよ!」

リンクル「早速か!」

オクタロック「ドーモ、タビビト=サン」ベッ

リンクル「うわ! 岩吐いてきた!」

デクの盾「イヤーッ!」バコッ

オクタロック「グワーッ!」ザブンッ

リンクル「……あ、対応はデクナッツと同じでいいのね」
98 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:24:32.98 ID:co1YisJx0
――ゾーラの里

リンクル「ああー……やっと着いたぁー……」

ナビィ「ほんとに長い川だったネ……」

リンクル「取り敢えず今夜の宿探して、精霊石のことは明日にしよー……」
リンクル「それにしても、ここ変わってるね」

リンクル「陸地より水面の方が大きいなんて、すごくない?」
リンクル「壁とかキラキラしてて綺麗だけど、これほんとに普通の岩なのかな」

ナビィ「どうだろう……水が綺麗だから、それに反射してるようにも見えるけど」

リンクル「森とはまた違う感じで空気が澄んでるから、なんだか過ごしやすそうだなぁ」

ゾーラ「ハイリア人のお客さんとは珍しいね」
ゾーラ「潜水ゲームやってかないかい?」

リンクル「コキリ族だよ」
リンクル「潜水ゲーム?」
99 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:25:10.65 ID:co1YisJx0
ゾーラ「中々イイ潜りっぷりだ!」
ゾーラ「君にはこれをあげよう」

リンクル「これは……?」

ゾーラ「俺達ゾーラ族の鱗さ。特殊な魔力が宿っていて、これがあればゾーラ以外でも長く水中で活動が出来る」
ゾーラ「君なら……髪飾りかな? ちょっとあっち向いてごらん」

リンクル「うん」

ゾーラ「しかしコキリ族ってのは初めて見たけど、姿形はハイリア人の子供と変わらないんだな」

リンクル「まぁね。でも、ハイリア人と違って大人は居ないの」

ゾーラ「大人が居ない? へぇー……」
ゾーラ「ほら、出来た。試しに潜っておいで」

リンクル「ん、ありがとう」
100 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:25:44.18 ID:co1YisJx0
――翌朝

ナビィ「おはよう、お寝坊さん」

リンクル「ごめーん……泳ぐのって地上歩くより疲れちゃって……」

ナビィ「ううん、ゆっくり休むことが出来たのなら良かったワ」
ナビィ「で、昨日の夕方何見つけたって?」

リンクル「ああ、あれね」
リンクル「確かこの辺だった筈……」ザブン

リンクル「……」ゴボゴボ
リンクル「(あった!)」ゴボゴボ

ナビィ「(……水路? どこに繋がってるのかしら……?)」
101 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:27:06.03 ID:co1YisJx0
――ハイリア湖

リンクル「ぶはっ!」ザバッ
リンクル「……ここは……?」

ナビィ「わぁー、おっきい……」
ナビィ「湖、ってやつよ、多分!」

リンクル「へぇ……おっきな池だとは思ったけど」
リンクル「これが湖かぁ……」ザブザブ

リンクル「……ん?」
リンクル「なんだろ、あれ」ザブン

ナビィ「?」

リンクル「ぷあっ」ザバッ
リンクル「ナビィ、こんなの拾ったよ」

ナビィ「空き瓶……?」
ナビィ「いや、何か入ってるわね。何かしら?」

リンクル「手紙……かな? 陸に上がったら見てみよっか」ザブザブ


『たすけてたもれ!
 わらわはジャブジャブさまのお腹の中でまっておる。ルト
 追伸 父上にはないしょゾラ!』
102 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:28:16.17 ID:co1YisJx0
――ハイリア湖畔 みずうみ研究所

ゾーラ「そうですか、こちらには来ておられないのですか……」

キィ

「おや、お客さんかな?」

リンクル「こんにちはー?」

みずうみ博士「随分と可愛らしいお客さんじゃな」
みずうみ博士「ワシはみずうみ博士。このハイリア湖の水と変なものを混ぜて研究をしておる」

リンクル「コキリの森から来ました、リンクルです」
リンクル「こっちは相棒のナビィ」

ナビィ「ハロー、みずうみ博士にゾーラのお兄さん!」

ゾーラ「あ、ああ、こんにちは」

みずうみ博士「やや、妖精とは珍しい」
みずうみ博士「それで、君のような子が来るのも珍しい。何かご用かな?」

リンクル「えーと、さっきそこの水の中でこんなもの拾ったんですけど……」

みずうみ博士「どれ……? おや」
みずうみ博士「ゾーラの兵士さんや、これを見てご覧」

ゾーラ「……! こ、これは!」
ゾーラ「君、ルト姫のことを何か知っているのかい!?」

リンクル「い、いえ、全然」

ゾーラ「取り敢えず来てくれ! それは実に重要なものだ!」ガシッ

リンクル「ちょ、待っ、待ってぇー!?」

ガチャ バタン

みずうみ博士「……ありゃ、ゾーラの兵士さん、茶に手をつけておらんな。むぅ」
103 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:28:44.05 ID:co1YisJx0
――ゾーラの里 玉座

キングゾーラ「うう……余の可愛いルト姫よ……どこに行ってしまったゾラ……」

ゾーラ「キングゾーラ様!」

キングゾーラ「む……何事ゾラ……?」

ゾーラ「この者が姫のことで何か知っていると!」

キングゾーラ「何……?」
キングゾーラ「それは本当か!?」

リンクル「し、知ってるっていうか……その」
リンクル「この、手紙を湖で見つけたんですけど……」

キングゾーラ「……おお!? これは!? 確かにあの子の字ゾラ!」
キングゾーラ「しかし、ジャブジャブ様のお腹の中だと!?」

キングゾーラ「我らの守り神、ジャブジャブ様が余の可愛いルト姫を食べたりする筈はないゾラ!」
キングゾーラ「だが……言われてみればここ最近のジャブジャブ様の様子は変だゾラ」

リンクル「……まさか、ガノンドロフが?」

キングゾーラ「よく分かったな……その通り、あのゲルド族の男が来てからのことだゾラ」

リンクル「どこでも耳にするわね、あいつのこと……」

ナビィ「ほっといたら大変なことになっちゃうわけネ……」

キングゾーラ「……何やらややこしそうだの」
キングゾーラ「よし、そちを信じてジャブジャブ様の祭壇へ続く道へ通してやろう」

リンクル「いいの?」

キングゾーラ「うむ……捜索隊も出払っておって、人手がないからの……」
キングゾーラ「早く余の可愛いルト姫を見つけてきてくれぃ……!」

ノソノソ……

リンクル(急いでほしいんならもっと早く動いてくんないかな……)
104 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:29:29.70 ID:co1YisJx0
――ゾーラの泉

リンクル「うわぁー……大きな魚……」

ナビィ「これがジャブジャブ様ね……」
ナビィ「でも、どうやって中に入ればいいんだろう?」

リンクル「ちょっと口開けてもらえばいいんでしょ?」
リンクル「こう、やって……」グイグイ

リンクル「んぬぬぬぬぬっ……」グイグイ
リンクル「うぬーっ!」グイグイ

ナビィ「……」

リンクル「……駄目でした」

ナビィ「うん……ナビィもそれ以上はやっちゃ駄目だと思う……」
ナビィ「女の子がしちゃいけない顔してたし……」

リンクル「でも、そうするとどうやって中に入ればいいのかな……」

ナビィ「うーん……守り神、っていうくらいだし、お供え物でもしてみたら?」

リンクル「それで口開いてくれるのかなぁ……」
リンクル「それに、お供え物って言っても、何をお供えすればいいの?」

ナビィ「さ、さぁ……? 魚、とか……?」

リンクル「魚が魚食べるのかな……」
リンクル「まぁいっか、ちょっと捕まえてくる」
105 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:30:00.72 ID:co1YisJx0
リンクル「で、捕まえてきました」

ナビィ「案外あっさり捕まえたネ……」

リンクル「あの鱗すっごいのよ。息が続くだけじゃなくて、スイスイ泳げるもん」
リンクル「さて、じゃあこの魚を瓶から出して、っと……」

魚「ピチピチ」

ジャブジャブ様「!」
ジャブジャブ様「ふご……ずごごごごっ!」

リンクル「おっ、口が開い……」

ずごごごごっ!

魚「ピョーン」

リンクル「ひっ!? ちょっ、待っ……きゃあああああああっ!?」
ナビィ「ひゃあああああああっ!?」

ジャブジャブ様「ばくんっ」
106 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/06(火) 20:35:12.51 ID:co1YisJx0
取り敢えずここまで

風のタクトはラストが良いよね……ガノンドロフの哀愁が……

次回は多くの小学生達の性癖を歪めたであろうゾーラのプリンセス登場です
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 21:38:23.56 ID:JT8qWvmMo
おつおつ
俺は自力じゃここまでいけませんでした(憤怒)
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 00:50:06.33 ID:Liwhc3Vqo
おつー
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 15:43:48.44 ID:CTlLz4YIo
>>106
最近の子はミドナなんじゃろか
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 20:38:22.38 ID:ucljTbkGO
いや、最近の子はミファーじゃないかな?
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 20:50:17.82 ID:/xcrn8ITo
俺はミドナだったなぁ
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 20:58:28.79 ID:mdY4/Z9Vo
ゼル伝とかいう小学生の性の目覚めを促すポルノシリーズ
これが任天堂からリリースされているという事実
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 21:26:31.52 ID:HqognsX00
3DS版で引き続きルト姫で性癖歪む子供達いただろうなあ…
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 18:10:14.08 ID:N1mBXsp90
時オカリンクはナビィを諦めてタルミナにずっといれば英雄として幸せに生きられたんじゃないかとは思う。
二兎を追う者は一兎も得ずになっちゃったんだろうか
115 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:48:20.90 ID:KepXK8wj0
あなたのゼル伝人外性癖はどこから? 私はナビィから
ていうかナビィといいルトといいメドリといいミドナといいファイといいミファーといい、3Dゼルダシリーズは妙に性癖に突き刺さるキャラを毎回出さないといけないとかいうノルマでもあるんだろうかと

更新します
116 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:50:14.77 ID:KepXK8wj0
 ep.7 水の精霊石


――ジャブジャブ様のお腹

リンクル「うっ……」
リンクル「何ここ……くさーい……」

リンクル「ていうか壁とか床とかの感触も気持ち悪……」
リンクル「……あ、そっか。ここがジャブジャブ様の中なんだ」

ナビィ「リンクルー?」

リンクル「あ、ナビィ! こっちこっち!」

ナビィ「良かった、そんなに離れてなくて」
ナビィ「大丈夫?」

リンクル「臭いのと気持ち悪いのを除けば大丈夫かな」
117 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:51:34.17 ID:KepXK8wj0
リンクル「うわ、何この泡みたいなの」

ナビィ「剣じゃ弾かれちゃうヨ」

オクタロック「ココノツウコウリョウハタカイゾ」ベッ

リンクル「はいはい」

デクの盾「ドウシタソレデオワリカ」ゴンッ

オクタロック「グワーッ」

リンクル「……ゾーラの守り神なのに、なんで中に魔物が……」

ナビィ「きっとガノンドロフの仕業ね」

リンクル「やっぱりあいつ懲らしめないといけないね」
リンクル「で、この部屋は……」

ナビィ「部屋って言っていいのかなぁ……」
118 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:52:20.93 ID:KepXK8wj0
リンクル「……あっ、ゾーラ族が居るよ!」

ナビィ「ほんとだ」

「む、その方は何者じゃ?」

リンクル「あたしはリンクル。ルト姫を探しに来たの」

「何……?」

リンクル「もしかして、あなたがルト姫?」

ルト「うむ、わらわがゾーラのプリンセス、ルトじゃ!」

リンクル「ああ、無事で良かった。キングゾーラ……あなたのお父さんが心配してるよ?」

ルト「何?」
ルト「すると、その方は父上に頼まれてわらわを迎えに来た、というのか?」

リンクル「ええ。さ、ゾーラの里に戻りましょ?」

ルト「そんなこと頼んだ覚えはない!」
ルト「父上が心配していようがいまいが関係はない!」

リンクル「でも、瓶に入った手紙が……」

ルト「そ、そんなもの知らん!」
ルト「兎に角、今は帰れぬ。その方こそさっさと帰れ! 良いな!」タッ

リンクル「あっ、そっちは……!」

ルト「あ〜れ〜っ!」ズルッ

リンクル「……落ちてっちゃった」
リンクル「ど、どうしよう……?」

ナビィ「そりゃ……追うしか、ないと思うけど……」

リンクル「この気持ち悪い穴に飛び込むのかぁ……」

ナビィ「流石に躊躇するよね……」
119 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:53:13.30 ID:KepXK8wj0
リンクル「っと……!」スタッ

ナビィ「大丈夫?」

リンクル「平気。ちょっと柔らかくてクッションみたいになってるし」

ルト「まぁーだうろうろしとったのか」

リンクル「連れ戻せって言われてるからね」
リンクル「あなたを連れて帰るまではあたしも帰れないよ」

ルト「むぅ」

リンクル「さ、帰ろう? 魔物も居るし、危ないよ」

ルト「……わらわは幼き頃よりジャブジャブ様の中に入っておるから平気じゃ」
ルト「じゃが、今のジャブジャブ様はなーんか変じゃ」

ルト「ビリビリするクラゲや変な穴なんか開いてるし……」
ルト「お陰で大事な石まで……」

リンクル「石?」

ルト「あっ、それはこっちの話じゃ!」
ルト「と、兎に角、用事が済むまではわらわは帰らん!」

リンクル「その“用事”って一体何なのさ?」

ルト「その方には関係ないゾラ!」

リンクル「関係ないってこたないよ!」
リンクル「さっきも言ったでしょ、あなたを連れて帰らないといけないのよ!」

ルト「嫌じゃと言ったら嫌じゃ! さっさと帰れ!」

リンクル「あーもう! こんな我儘お姫様だなんて聞いてないよ!」
リンクル「無理矢理にでも連れて帰るからね!」グイッ

ルト「な、何をする!」ジタバタ

リンクル「暴れない!」

ナビィ「同じくらいの年の子供とはいえ、よく人一人抱えて走れるネ……」
120 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:54:02.59 ID:KepXK8wj0
ルト「離せブレーモノー!」ジタバタ

リンクル「じっとしてってば!」

バリ「ウィーッス」ドシーン

リンクル「……! 危ないっ!」ドンッ

ルト「きゃっ!?」

バリ「オラオラー」バリバリバリッ

リンクル「きゃあああああああっ!?」

ナビィ「リンクル!」

ルト「なっ……!」

リンクル「あうぅ……」

バリ「マダイクゾオラー」ブオンッ

リンクル「くっ!」バッ

ナビィ「Watch out! 剣で攻撃するのは危ないよ! 痺れちゃう!」

リンクル「じゃあクロスボウなら!」バシュッ

バリ「イッテェケドタイシタコトネェナ」

リンクル「き、効かない!?」
リンクル「ルト、逃げるよ!」ガシッ

ルト「ひゃっ」
121 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:55:10.39 ID:KepXK8wj0
リンクル「まさかクロスボウが効かないなんて……」
リンクル「あれが“ビリビリするクラゲ”ね」

ルト「……」

ナビィ「大丈夫?」

リンクル「ちょっと感覚がおかしいけど、大丈夫。段々軽くなってきた」
リンクル「ルトは大丈夫?」

ルト「……大丈夫じゃ」

リンクル「そか、良かった」
リンクル「いずれにせよこの魔物達はなんとかしないとね」

ナビィ「ほんとにね」

リンクル「あのクラゲ対策は特に優先事項だよ」
リンクル「さっき撃ったのは森から持ってきたボルトだったけど、そもそも刺さらなかった」

ナビィ「刺さらないとなると、何か刺す以外でダメージを与える必要があるよね」

リンクル「うん」
リンクル「まぁ木で出来てるし、ポイントがそこまで尖ってないから、刺さらないっていうのはある程度考えてたけどね」

ナビィ「多分だけど、あのクラゲは打撃に強いんだと思う。刺さりさえしなければ弾いちゃう」

リンクル「そうすると……やっぱり、あれを使うしかないのかなぁ」

ナビィ「あれ?」

リンクル「インパさんからもらったボルト」
リンクル「返しが目立つけど、ポイント自体も鉄だし、森から持ってきたのより鋭くしてもあるんだよね」

ナビィ「そうなんだ」

リンクル「あとは……爆弾かなぁ」

ナビィ「もっと大きな衝撃を与えるわけね」

リンクル「ま、取り敢えずは色々試してみよう」

ルト「……話は終わったか?」

リンクル「うん、まぁね。取り敢えず、もう無理矢理とかは言わないよ」
リンクル「だから、せめて離れないでね」

ルト「ふん、わらわに命令か、ブレーモノめ」

リンクル「さっきのクラゲめがけて放り投げてもいいんだよ?」

ルト「うっ……」

リンクル「……冗談」
リンクル「兎に角、早く行きましょ。解決は早ければ早いほど良い」
122 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:55:55.88 ID:KepXK8wj0
リンクル「ここほんと普通のボルトじゃ効かない敵が多いなぁ」バシュッ

シャボム「ボヨーン」

ナビィ「この泡も森から持ってきた矢じゃ通らないんだ」

リンクル「まぁ剣も弾かれちゃって危ないわけだしね」
リンクル「これならどうよ!」パァン

シャボム「ギエエエッ」

ナビィ「あ、デクの実なら簡単に倒せるんだ」

リンクル「怯むだけかと思ったんだけどね」
リンクル「おっと」

バリ「ヤッハロー」ドシーン

ルト「ひっ……」

リンクル「まずはインパさんからもらったボルトで……どうだっ!」バシュッ

バリ「イッテェー」

ナビィ「刺さったよ!」

リンクル「刺さったけど……」

バリ「ナニサラスンジャワレ」ブォンッ

リンクル「うわっと!」バッ

ナビィ「刺さっただけで、あんまり効いてない!」

リンクル「じゃあこいつだ! 爆弾ボルト!」バシュッ

ドカーン

ナビィ「消し飛んじゃった!」

リンクル「よしっ!」

ルト「す、すごい……」
123 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:56:23.22 ID:KepXK8wj0
リンクル「うわっ……何アレ?」

ルト「し、知らん……」

触手「ウネウネ」

リンクル「あれも魔物なのかなぁ……」

ルト「少なくとも以前はなかったものじゃ」

ナビィ「じゃあ、もしかしたら魔物の仲間なのかも」

リンクル「そうね。撃ってみよっか」バシュッ

触手「ギャアアッ」ボトッ

リンクル「あ、千切れた」
124 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:57:21.47 ID:KepXK8wj0
ルト「……あっ!」
ルト「あれじゃ! あれがわらわが探しておったものじゃ!」

リンクル「あの蒼い石?」

ルト「早くわらわをそこに持ち上げてたもれ!」

リンクル「はいはい、ちょっと待ってね……よっ」

ルト「良かった良かった、見つかって!」

リンクル「何それ?」

ルト「これはゾーラのサファイア……わらわの母上の形見じゃ!」
ルト「あー、良かった……ジャブジャブ様に飲み込まれた時はどうなることかと……」

リンクル「……もしかして、それって水の精霊石じゃ……」

ルト「精霊石? 確かにそうとも呼ばれておるそうじゃな……」

リンクル「あの、あたしにそれを……!」

ダイオクタ「ザッケンナコラー」ドシーン

ルト「きゃーっ!? なんじゃこのタコー!?」

リンクル「オ、オクタロック!? にしては大き過ぎない!?」

ナビィ「来るよ!」

ダイオクタ「シャーオラーッ」ザザザザッ ドカッ

リンクル「きゃあーっ!」
125 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:58:03.16 ID:KepXK8wj0
リンクル「いつつ……! こいつ、案外動きが速い!」

ナビィ「でも岩は吐かないみたいだよ!」

ダイオクタ「スッゾオラーッ」

リンクル「ええいっ、これでも喰らえ!」バシュッ

ダイオクタ「イテェーッ」グルグル

ナビィ「……!」
ナビィ「あの背中! きっとあれが弱点だヨ!」

リンクル「よしきた! えーいっ!」ザシュッ

ダイオクタ「アバーッ」ドシャッ

リンクル「よしっ」
リンクル「ルトは大丈夫?」

ルト「だ、大丈夫……」

リンクル「良かった」ニコッ

ルト「……うむ」

リンクル「じゃ、精霊石見つけたし、さっさと出ましょ」
126 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:58:41.72 ID:KepXK8wj0
リンクル「あれ……? こんなとこ通ったっけ?」

ルト「む……道を間違えたか……?」

リンクル「……ルト、下がってて!」
リンクル「何だあれ!」

ナビィ「電撃クラゲが集まってく……!」

電撃旋回虫 バリネード

リンクル「こいつがジャブジャブ様をおかしくしてた奴!?」

ナビィ「気をつけて! 今までの奴らより手強そうだヨ!」
ナビィ「まずはジャブジャブ様から切り離しちゃわなきゃ!」

リンクル「上のアレだね……よし!」
リンクル「森のボルトで十分!」バシュッ バシュッ

バリネード「ギュルルルッ」

ナビィ「切れた!」

リンクル「よーし……って、うわっ!?」
リンクル「クラゲがぐるぐる回ってて近寄れない!」

ナビィ「クラゲをぶつけてくるヨ! 間を縫って爆弾ボルトで撃っちゃえ!」

リンクル「喰らえっ!」バシュッ

ドカーン

バリネード「ギュルアッ」
バリネード「グルルルルッ」グルグル

リンクル「う、うわぁ、動き出した! 気持ち悪!」
127 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 20:59:15.11 ID:KepXK8wj0
リンクル「だ、駄目! クラゲの回転が速過ぎてボルトが……!」

ナビィ「リンクル、避けて! 近付き過ぎ!」

リンクル「ハッ、しまっ……!」
リンクル「きゃあああーっ!!」バリバリバリ

ルト「ああっ!」
ルト「だ、大丈夫か……?」

リンクル「いっつぅ……」
リンクル「だ、大丈夫……ちょっと痺れたけどね……」ググッ

ナビィ「こっち来るヨ!」

リンクル「ううっ……! 当たって……っ!」バシュッ バシュッ

バリネード「グルルルッ!」

ナビィ「あ、間をすり抜けたみたい!」

リンクル「これで……とどめだーっ!」ザシュッ

バリネード「ギャアアアアアアアアッ」ブクブクブク

ドバァーン

リンクル「うわっ!」
ルト「ひぃっ!?」
128 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 21:00:13.92 ID:KepXK8wj0
ボタボタボタ

リンクル「……」

ルト「……」

ナビィ「……」

リンクル「……さ、さて」
リンクル「こんなとこ、もう出よっか、ルト」

ルト「そ、そうじゃな……」

ナビィ「死に様まで気持ち悪い奴だったネ……」
129 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 21:00:52.55 ID:KepXK8wj0
――ゾーラの泉

リンクル「それで、なんだけど……あたしが本来ゾーラの里に来た目的はね」
リンクル「その精霊石を探しに来たんだ」

ルト「何? これを?」

リンクル「うん」

ルト「そうか……」
ルト「しかし、これはわらわが生涯を共にすると決めた相手に渡す、いわばエンゲージリング……」

リンクル「えんげーじりんぐ?」

ルト「本来は夫となる者に渡すべきものじゃが……」
ルト「……戦っている時のそなたは、ちょっぴりかっこよかったしな」ボソッ

ルト「持って行くが良い」
ルト「父上には内緒……ゾラ!」

リンクル「あ、ありがとう……」
リンクル(えんげーじりんぐ、って何だろう……?)

ナビィ「キマシ……いや、なんでもない」

リンクル「?」

ナビィ(さっきの話を聞く限り、ルトが女の子に渡していいものじゃないと思うんだけど、いいのかなぁ……)
130 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 21:05:49.03 ID:KepXK8wj0
――大妖精の泉

魔法の大妖精「よくここを見つけたわね、リンクル」

リンクル「ナビィが気付かなかったら見つけてなかったですよ」

魔法の大妖精「妖精の気配を察知したのね」
魔法の大妖精「さて、ここではあなたに魔法のアイテムを授けるわ」

魔法の大妖精「フロルの風、というワープの魔法よ」
魔法の大妖精「好きな場所でポインタをセットしておいて、その魔法を使うとセットしたポインタに戻れるわ」

リンクル「これは便利そう……!」
リンクル「ありがとうございます!」
131 : ◆R/MMXv4xbuiy [saga]:2018/02/09(金) 21:06:41.90 ID:KepXK8wj0
――ハイラル平原

リンクル「もうすぐ日没だけど、間に合うかな……」
リンクル「雨降ってきたし、平原で野宿は嫌だなぁ」

ナビィ「夜になると橋が下りてきて城下町入れなくなっちゃうもんね」
ナビィ「やっぱり平原をもっと早く移動する手段は欲しいね」

リンクル「馬とか乗れたらなぁ……」
リンクル「……あれ?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「お城の方……なんだか様子がおかしくない?」

ナビィ「……ほんとね」
ナビィ「あの明るさは……」

リンクル「……橋がもう閉まってる?」

ナビィ「あら、まだそんな時間じゃないと思うけど……」
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