果南「内浦がゾンビだらけに・・・」

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115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/05(火) 22:51:03.86 ID:RJBzSfnv0
連絡係「ま、真姫さん!何者かがボートで近づいてきています!」

真姫「何者か?」

連絡係「一人・・・あれは・・・!みんな衝撃に注意!」

ゴロゴロゴロ

連絡係「バズーカを撃ち込まれてます!」

真姫「牽制ね・・・!」

ことり「あれ・・・!」

真姫「ことり?」

ことり「ちっ・・・あやりだよ・・・!」

真姫「あやりが・・・!」

果南「あやりさん・・・!」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/05(火) 22:52:19.63 ID:RJBzSfnv0
連絡係「砲撃を行いますか!?」

真姫「いや・・・この距離じゃ避けられる」

連絡係「また撃ってきます!」

ゴロゴロゴロ

連絡係「くそっ!好き勝手に・・・!」

真姫「このヤマト戦艦に外からのダメージが少ないのは分かってるはずよ」

真姫「これは・・・『お呼び出し』ね・・・」

果南「真姫さん!私が戻ったとこ、見られてたんでしょうか・・・?」

真姫「きっとそうよ。あの距離で牽制を続けてもどちらも埒が明かないのはわかってるはず」

真姫「誰かが行かないと・・・」

ことり「真姫ちゃん・・・!」

千歌「このままじゃ・・・」

曜「・・・!」コクッ

果南「真姫さん!指示を!」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/05(火) 22:53:18.82 ID:RJBzSfnv0
真姫「果南!」

果南「はい!」

真姫「行けるわね?」

果南「・・・はい!」

真姫「曜と千歌、貴方達も行きなさい。果南をフォローするのよ」

真姫「あやりの強さは貴方が肌で感じてるはず・・・あなた一人じゃ勝てないかもしれない」

真姫「でも貴方達なら・・・!」

千歌「はい・・・!」

曜「みんな幼馴染なんだ・・・!チームワークじゃ絶対に負けないよ!」

真姫「3人でボートに乗って奴をヤマトから引き離して」

真姫「あのボートであんだけバズーカ撃ち込んだんじゃもう武器は少ないはずよ」

真姫「貴方達はいくらでも武器を持っていきなさい。人数と武器で優位を取るのよ」

真姫「うまく逃げ回れれば奴の武器は尽きて、いずれ逃げに回るはずよ」

真姫「その時が、最大のチャンス・・・!」

果南「わかりました・・・!」

真姫「生きて帰ってくるのよ」

ようちかなん「はい!」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:03:37.85 ID:lnp6N5FB0
・・・

果南「よし、行くよ!」

千歌「うん!」

曜「準備オッケー!」

果南「ヨーソロー!!」

ブオオオオオ!!

あやり「・・・!」

ブオオオオオ!!

曜「ついてきた!!」

果南「流石真姫さんだよ・・・!」

ブオオオオ!!

果南「頭を低くして!!」

パパパパン! ヒュン! カンカン!

千歌「うぅっ!撃ってきてる!」

果南「一応、計画のうちだよ!」

パンパン!
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:04:54.70 ID:lnp6N5FB0
曜「よし!こいつを撃ち込む!」ミサイルランチャー!

果南「銃声が鳴りやんだ時にして!標的にされちゃうよ!」

曜「うん!」

カンカン! ・・・

曜「今だ!!」

ズゴン!!プシューー!!

ブオオオオオ!!

ドッポーーーンン!!!

曜「うそ!?避けられた!」

果南「伏せて!!」

パパパパン!! ヒュンヒュン!!

果南「うぅ・・・!」

千歌「はぁはぁはぁはぁ・・・!!」

曜「千歌!?千歌どうしたの!?」

千歌「ご、ごめん曜ちゃん・・・!怖くて・・・!」

曜「・・・千歌は伏せてな!私があいつを倒す!!」

果南「曜!!曜無理しちゃダメ!!」

曜「私だってヤマト隊の隊員なんだ!ことりさんの訓練だっていつも一番でこなしてきた!」

曜「あいつのせいで果南ちゃんが大変な目にあった!潜入組のみんなが捕まった!」

曜「この世を地獄にした!!千歌を怖がらせた!!」

曜「絶対に許さない!!私があいつをぶっ殺す!!!」

果南「・・・っ!!今は無理をしちゃ絶対ダメだよ!!あやりさんの銃声を聞き分けて!!」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:06:55.11 ID:lnp6N5FB0
パパパン!カンカン! ・・・

曜「死ね!!」

ズゴン!!プシューー!!

あやり「・・・!」

ドッポーーーンン!!

曜「なんで避けれるんだ!?」

曜「果南ちゃん速度を落として!次は絶対当てる!」

果南「ダメだよ!近づいたら危険すぎる!」

曜「もう!奴を殺せない!」

果南「曜!!!落ち着くんだ!!!気持ちが前に出過ぎだ!!!」

曜「奴を殺さないといけないんだよ!!!」

曜「オラアア!!」

ダダダダ!!!ダダダダダ!!!
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:08:07.10 ID:lnp6N5FB0
曜(奴は撃つたびにハンドルから両手を離してる!)

曜(そのタイミングに合わせてミサイルを撃てば・・・!!)

曜「千歌!!ミサイルを取って!!」

千歌「み、ミサイル・・・!ミサイル・・・!」

曜「喰らえ・・・!!」

ダダダダダ!!!

千歌「曜ちゃん!」

曜「よし!」サッ

カンカン! パンパン!

曜「今だ!!」

ズゴン!!プシューー!!

ドッポーーーンン!!!

曜「よし!!」

果南「やったの!?」

バシャン!バシャバシャ!ブオオオオオオ!

曜「しぶといなぁ!!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:09:29.60 ID:lnp6N5FB0
曜(やっぱり奴が撃ってるときに撃てば、今度は当てれる!)

曜「千歌!もう一発!!」

千歌「う、うん!」

曜「もう一発・・・!もう一発・・・!」

ヒュンヒュン!カンカン!

千歌「曜ちゃん!」

曜「よし!!」ジャギッ!!

ブスン!!

曜「うぅっ!!?」

ゴロゴロ! ドサッ!!

果南「わぐっ!?曜!?」

千歌「曜ちゃん!!?」

曜「うい・・・ぐ・・・」

千歌「曜ちゃん!」

曜「ぃ・・・いた・・・」

曜の右肩に・・・グロテスクな穴が・・・

ジュワジュワーー・・・ ボタッボタッ

曜「いっ・・・!ひっ!ひっ!」

曜「ぐっ!あっ、ああああああ!!!!」

千歌「曜ちゃん!!」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:10:29.30 ID:lnp6N5FB0
千歌「曜・・・!ちゃ・・・!」

曜「いたいいたいいたい!!!うーーーいいい!!!」

果南「曜しっかり!!よおーーー!!!」

曜「あああ!!!いたいいたい!!!ぅあああああぁぁぁあああ!!!」

千歌「やっ・・・!ひぃ・・・!」

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病院

千歌「よーちゃん!!」

曜「あっ、千歌ちゃん!来てくれたんだ!」

千歌「大丈夫なの!?」

曜「全然余裕だよ〜、骨折なんていつもの事だし!」

千歌「ホントに!?痛くない?」

曜「平気だよ〜。ほら、叩いても全然大丈夫!」ベシッベシッ

曜ママ「こら!」

曜「あっ、あはは〜・・・」

千歌「もう!心配して損した〜!」

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曜「いたい!!ああぁいたいいたい!!ああぁ、あああああぁぁ!!!」

千歌「やっ・・・やっ、やああ!!」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:12:14.24 ID:lnp6N5FB0
果南「千歌ぁ!!!」

千歌「っっ!!」

果南「血が止まらない!!患部をタオルで強く縛って!!」

千歌「う、うん!」

ヒュンヒュン!!パンパンカン!!

千歌「ひぅぅ・・・!!」

千歌「ようちゃん!た、タオル当てるよ!」キュ

曜「いやっ!!いたい!!!いたいいたいいたい!!!!」ゲシッ!

千歌「きゃぁ!!」

果南「千歌!!早く!!」

千歌「よ・・・ちゃ・・・」

曜「いいいぃぃあああああ!!!」

千歌(怖い・・・!!怖い・・・!!怖い怖いこわい!!!)

果南「千歌ぁぁ!!!」

千歌「か・・・!」

果南「ちかあああ!!!!」

千歌「はっ!はは・・・!」

果南「早く血を止めて!!!曜が死んじゃう!!!」

千歌「うん・・・!!うんうん!!!」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:13:00.16 ID:lnp6N5FB0
千歌「曜ちゃんごめん!!」

ギュウウウウ!

曜「ああああああ!!!!いいいいいっっっってぇぇああああああ!!!!!」

ギュッ!ギュッ!

千歌「こ、これで・・・!」

曜「うぅぅ・・・!!ううぅぅぅ・・・!!!」

果南「ダメだ・・・!顔が真っ青・・・!!ちゃんとした場所で休ませないと・・・!」

パンパンパン!

果南「くっ・・・!くそ・・・!」

果南「千歌!一度地上に降りるよ!曜を回復させないと!」

千歌「うん!でも、どこで!?」

果南「ここからなら淡島ホテルが近い!あそこなら医務室もある!ヤマトに戻るより確実かも!」

千歌「わかった!」

ブオオオオオオ!
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:15:03.85 ID:lnp6N5FB0
果南「着いた!」

パンパン!パパパパン!

果南「くっ!いい千歌!?訓練したことだよ!あやりさんに撃つスキを与えるな!」

果南「私がマガジンを撃ち尽くしてリロードする間、千歌があやりさんを足止めするんだ!!」

千歌「・・・!!」

ダダダダ!!ダダダダダ!!!

果南「今だ!!」

千歌「うぅぅ・・・!!」

ダダダダダ!!ダダダダダ!!

果南「曜!頑張って歩いて!ほら!」

ダダダ!!ガチッ!

千歌「果南ちゃん!!」

果南「了解!!」

ダダダダ!!ダダダダ!!

千歌「曜ちゃん!肩貸すよ歩ける!?」

果南「千歌!!」

千歌「はい!」

ダダダダ!!ダダダダダ!!
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:15:44.32 ID:lnp6N5FB0
淡島ホテル エントランス

千歌「やった!医務室まで急ごう!」

果南「いやっ・・・!待って!」

果南(あやりさんは曜が怪我してることは分かってる!私たちが医務室に向かうことは予想される!)

果南(もし鉢合わせたら・・・!!)

果南「千歌!こっちだ!」

千歌「果南ちゃん!?」

果南「私は子供のころからここを知ってる!私たちは地の利で有利にならなきゃ!」

果南「二階の事務室にも簡易治療キットがある!そこに向かう!」

千歌「うん!わかった!」

果南「さぁ曜!もうちょっとだよ頑張って!」

トコトコ!
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:17:38.59 ID:lnp6N5FB0
淡島ホテル 二階事務室

バタン カチッ

果南「よし、曜?大丈夫?」

曜「」グラッ

果南「曜!?曜!」

曜「かな・・・」

果南「・・・!これ・・・!血が止まってない!」

果南「千歌!こんなんじゃダメだよ!もっと強く縛ってあげなきゃ!」

千歌「やっ・・・だ、だって・・・ようちゃん・・・いたそうで・・・」

果南「痛くてもしっかり縛ってあげないと!出血多量で死んじゃうよ!」

千歌「っ!・・・ご、ごめんなさい・・・!」

果南「曜?我慢してよ・・・!」

ギュウウウ!!

曜「うぅぅぅぅっっ!!!?うっ!!」

曜「ふぅ・・・ふぅ・・・!」

果南「とりあえず、ゆっくりしてれば大丈夫かな・・・!?」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:24:10.23 ID:lnp6N5FB0
果南「・・・・・・」

果南「・・・ん・・・?」

果南「血が・・・止まってない・・・?」

来た道を・・・見てみると・・・

曜の血の跡が・・・

果南「ダメだ・・・ヤバいダメだ!ここはすぐバレる!」

果南「血の跡を追われる!早く逃げないと!」

曜「果南ちゃん・・・ちょっと・・・」

果南「ドア・・・いやダメだ鉢合わせる!」

果南「千歌!窓から飛び降りる!曜は私が抱える!」

千歌「ここから!?た、高いよ!」

果南「いや!何とかなる!」

果南「ほら曜!行くよ!」

果南「はぁぁ!!」

ズダッ!

果南「千歌!」

千歌「う・・・!う、はぁ!」

グギッ!!

千歌「きゃあ!!」

果南「千歌!」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:25:05.25 ID:lnp6N5FB0
千歌「うぅぅ・・・いたい・・・」

果南「千歌!大丈夫!?」

千歌「か、果南ちゃ・・・!」

果南「立って!歩ける!?」

千歌「なん・・・とか・・・」

果南「ほら!肩を貸すから!頑張って!」

曜「」グラン

果南「曜!曜!」

曜「かな・・・ごめ・・・ちょ、無理・・・」

曜「横にならないと・・・しにそう・・・・・・」

果南「曜・・・!」

果南「ダメだよ連れて行かないわけには!」

曜「果南ちゃん・・・お願い・・・」

曜「そこのビニールシートを被ってじっとしてるから・・・」

果南「曜・・・!」

果南「曜いいね!?絶対に迎えに来る!」

果南「大人しくしてるんだよ!」

曜「りょーかい・・・」

果南「千歌!歩いて!頑張って!」

千歌「うん・・・!」

ヨタ・・・ヨタ・・・
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:26:38.44 ID:lnp6N5FB0
曜「あぁ・・・やっぱ横になってたほうが・・・いくらか・・・」

曜「・・・死ぬのかな・・・?」

バンッ!

曜「ドアが・・・開いた音・・・!」

曜(もう近くに・・・!)

ズダッ!

曜(来た・・・すぐそこにいる・・・!)

曜(果南ちゃん・・・千歌ちゃん・・・うまく逃げきれたか・・・?)

トコトコ

曜(足音が・・・)

曜(お願い見逃して・・・!)

ガバッ!

曜「あっ・・・!」

あやり「・・・・・・」

曜「死んだ・・・・・・」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:27:43.51 ID:lnp6N5FB0
淡島ホテル内

果南「千歌、足は?」

千歌「捻っちゃったみたい・・・ちょっと痛いかな・・・」

果南「・・・よし、これで」

果南「テーピングしといた。いくらかマシになると思う」

千歌「ありがとう・・・」

果南「曜・・・大丈夫かな・・・」

千歌「・・・・・・果南ちゃん・・・」

果南「んっ?」

千歌「・・・ごめんなさい・・・チカ、足引っ張ってばっかり・・・」

果南「・・・いいんだよ千歌・・・無事ならそれで・・・」

千歌「でも、チカだってヤマト隊なのに・・・なんにもできなくて・・・!でも怖くて、でも悔しくて・・・!」

果南「・・・千歌、いい?」

果南「私たちは、真姫さん率いるヤマト隊の隊員なんだ!」

果南「一度失敗したのなら、次は失敗しなければいい」

果南「千歌は今までの生活で何を学んだ?」

果南「平和のために生まれる、誇り高き魂だ!」

果南「私は誓う。仲間のために、千歌と曜のためにこの身を捧げつくすことを!」

千歌「果南ちゃん・・・!うん・・・!」

キィィィィ

千歌「・・・!」

果南「館内放送だ・・・!」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:29:18.56 ID:lnp6N5FB0
あやり『果南ちゃん。聞こえてるよね?ここのどこかにいることはわかってる』

あやり『曜ちゃんは私が預かったよ』

果南「曜・・・!?」

あやり『二人で話をしようよ』

あやり『屋上で待ってる。あんまり遅いとどうなるか・・・わかってるよね』

ブツン

千歌「果南ちゃん・・・!」

果南「千歌・・・」

果南「千歌・・・ここで待ってて」

果南「ご指名は・・・私らしい・・・!」

千歌「大丈夫・・・!果南ちゃん!」

果南「曜に言ったんだ。必ず迎えに来るって」

果南「それに、今の千歌じゃ・・・一人のほうが動きやすい」

千歌「果南ちゃん・・・!お願い、曜ちゃんを助けて!」

果南「もちろんだよ・・・!」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:30:08.40 ID:lnp6N5FB0
屋上

果南「すぅぅーー・・・はぁぁーー・・・」

ガンッ!

あやり「・・・・・・」

果南「・・・曜、待たせたね・・・」

曜「果南ちゃん・・・」

あやり「武器を捨ててもらおうか」

果南「曜を離して」

あやり「・・・武器を捨てろって言ってんだよ」

果南「っっ!」ゾワッ

果南「・・・・・・」ポイッ

あやり「よし」

果南「よ、曜を離してよ・・・」

あやり「その前に、話をしようよ。話がしたいんだ」

果南「・・・・・・」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:31:46.06 ID:lnp6N5FB0
あやり「果南ちゃんはさ・・・平和って何だと思う?」

果南「・・・・・・」

果南「毎日海で・・・ぷかぷか泳いで・・・」

果南「幼馴染が声を掛けに来て・・・蟹でも食べて・・・昼寝する・・・」

あやり「私は、お菓子作って、お裁縫して、友達と遊んで」

あやり「私は平和を求めてる」

果南「だったらなぜ!?」

果南「ウイルスを開発して・・・平和を壊したのはお前じゃないか!!」

あやり「違うよ。ウイルスを開発したのも拡散したのも真姫ちゃんだ」

果南「騙されると思う!?」

あやり「それが真実なんだよ。ヤマト隊だって、人を殺すために作られた組織だ」

果南「私は真姫さんの理念に感動した!平和の為ならこの身を捧げつくす!」

果南「私から!世界から平和を奪ったあんたたちを滅ぼす!それが私の使命だ!」

あやり「ふふっ・・・そうか・・・そう・・・か・・・」

あやり「もう・・・完全に・・・」

あやり「洗脳されちゃってるんだね、果南ちゃん」

あやり「怖いな・・・真姫ちゃんの呪縛は、こんなに平和を求める子を狂わせてしまうんだ・・・」

あやり「私がその呪縛から・・・解放してあげるからね・・・!」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:33:23.16 ID:lnp6N5FB0
ダァァン!!

曜「うぅぅっっ!!!?」

撃たれた曜は吹っ飛び、屋上から落ちていく!

果南「よおおおお!!!!うわあああああああ!!!!!」

ダダダダダ!!

あやり「これで・・・正当防衛だよ・・・!」ジャギッ!!

ダァァン!!

果南「ふっ!!」

あやり「なっ・・・!」

あやりの銃撃をかわした果南。その勢いのまま猛烈なタックルを仕掛ける!!

果南「らああ!!!」

ズゴン!!!

あやり「うわっっっ!!?! くっ・・・!」

吹っ飛ばされたあやりは華麗に態勢を整える!

直後、果南の拳が顔面に飛んでくる!!
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:34:20.30 ID:lnp6N5FB0
あやり「ふんっ!」

ガシッ!!

果南「ふっ!!ぐっ!!」

果南の拳を両腕の前腕部で受け止めたあやり!

そして、全身を回転させ果南の顔面に蹴りをかます!

果南「きゃはっ!」

あやり「これならどう!!?」

回転の衝撃でそのまま倒れこみ、腕挫十字固を掛ける!

ギチギチ・・・

果南「うっ・・・!」

あやり「はあああぁぁ!!」

果南「ぅぅぅうううらああああ!!!!」

果南は腕力であやりを投げ飛ばす!!

あやり「うっ・・・!はぁはぁ!・・・マジかよ・・・!」

果南「はぁ!はぁ!」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:35:51.82 ID:lnp6N5FB0
果南「しゃっ!」

あやり「っ!ぅっ!」

シュシュ! パシッパシッ!

果南「うらあぁ!!」

あやり「甘い!」サッ

果南「くそっ・・・!」

果南(なんて動体視力だ・・・!私のパンチもキックも全部ガードされる!)

果南(私もあやりさんも武器は持ってない!拳だけで勝てるのか・・・!?)

果南「はぁっ!」

あやり「どうした!?」

ゴギッ!!

果南「ぶっ!!?」

ザザ!

果南「いっ・・・く・・・!」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:37:15.79 ID:lnp6N5FB0
シュッ!シュッ!

ボグッ!バキッ!!

果南「あうぅっ!!」

あやり「ふぅ・・・!」

果南「いぅぅ・・・!はぁ!はぁ!」

グラッ

果南「ぅぅぅ・・・」

果南「はっ!はっ、くぅぅ・・・!」

あやり「どうしたの?ヤマト隊ナンバーワンの実力はこんなもの?」

果南「くそっ・・・!」

果南(勝て・・・ない・・・!)

あ〜あ

痛いしもう疲れたよ。早く家に帰ってシャワー浴びて寝たい・・・

ちょっと前なら、こんなこと簡単に言えたのにな・・・

ごめん曜・・・もう、無理だよ・・・仇、討ってあげられない

ごめん千歌・・・守ってあげられない・・・

このまま負けたら・・・あやりさんは千歌を追って・・・千歌は・・・

やだ・・・やっぱり・・・いやだ・・・!

果南「すぅぅーー・・・」

あやり「やる気になったね・・・」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:38:36.13 ID:lnp6N5FB0
果南(なぜあやりさんに勝てない?)

果南(動体視力も、パンチの鋭さも全部負けてるから)

果南(冷静になるんだ。じゃあ何なら勝てる?)

『果南「らああ!!!」ズゴン!!!』

『果南「ぅぅぅうううらああああ!!!!」』

果南(・・・っっ!!)

腕力は私のほうが上・・・!!

あやり「はぁぁ!!」

バギィッ!!

果南「っっぅ!!!」ギロッ!!

あやり「!!?」

あやりのパンチを根性で耐えた果南は、そのままあやりの腰回りにしがみ付く!!

ガシッ!!

メリメリメリ!!

果南「はぐううぅ!!!!」

あやり「ぅぅ!!?!あぁっ!はぁっ!」

あやりの身体を浮かせ、腕力と重力であやりを締め付ける!!

あやり「くっ!!っっはせ!!」

抵抗を続けるあやり!
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:39:31.40 ID:lnp6N5FB0
果南「はぁぁぁぁ・・・!!」

メキメキメキ!!

あやり「ううぁぁぁ・・・!!あぁぁ・・・!」

あやり(ぐっ・・・!力・・・が・・・!入らな・・・!)

果南「ああぁぁぁ・・・!!!」

あやり「ぅぅぅわあぁぁ・・・!!」

果南「はぁ・・・!はぁ・・・!」

果南「ふぅぅぅ・・・!!!」

グリグリグリ!!

あやり「あが、っく・・・!ああ、ぁぁぁ・・・!」

果南「ふぅ!ふぅ!ふぅ!」

果南(このまま・・・締め落とす・・・!!!)

果南「ぐぅぅぅぅ・・・!!!」

ゴリゴリゴリ!!

あやり「あっ・・・・・・ぁ・・・・・・!」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:40:09.41 ID:lnp6N5FB0
果南「終わりだ・・・!!」

あやり「は・・・・・・」

あやり(かべ・・・・・・)

あやり(かべ・・・!!)

ダンッ!

果南「っ!!?」

ヨタヨタヨタ!

ズゴッ!!

果南「あぅぅ!!?」

あやり(緩んだ!!)

あやりは果南の首に両腕を回し、果南の身体を蹴った反動で締め付けから解放される!

その反動のまま、果南の顔面を地面に叩きつける!!

あやり「はあぁ!!!」

バーーンン!!!

果南「ぶあっっっはぁぁ!?!!?」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:41:30.13 ID:lnp6N5FB0
あやり「来いっ!!」

うつ伏せに倒れた果南の胸倉を掴み無理矢理引き起こす!!

バキャアア!!

果南「うぐっっ!!」

右側頭部を殴られた果南は必死に両腕で顔をガードする!!が!!

ズブッッ!!

果南「ぶっっっお!!!」

果南の両腕を縫ってあやりの拳が突き刺さる!!

あやり「らっっ!!」

ズゴン!!

果南「っっっ!!?」

顔を守る果南に不意打ちのボディーブロー!!

果南「あっは・・・!!!」

顔も腹も、どこをガードすればいいかわからない果南!!

空いた右側頭部にもう一撃、あやりの強烈なフックが襲う!!

バキャアア!!

果南「がっっ!!かっっ!!」

あやりの蹴りが脇腹を襲う!!

果南「っっ!!?」

だがその蹴りはフェイント!!顔面へ蹴りが襲ってくる!!!

あやり「はぁぁぁらあああ!!!」

バキャアアア!!!!

果南「あああああ!!!」

ケンカを極めしあやりの、冷酷無比な旋回砲火のラッシュコンボ!!!
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:42:39.56 ID:lnp6N5FB0
果南「ぁぁ・・・ぁっ・・・!」

あやり「はぁぁ!!」

仰向けに倒れた果南に馬乗りになって両手で首を締めにかかるあやり!!

果南「あぐっ・・・はっ・・・!!」

あやり「ふぅぅ!!」

果南「あぁぁ・・・!」

あやり「これで・・・!終わりだよ・・・!」

果南「はっ・・・はっ・・・・・・はっ・・・」

あやり「これで・・・!!」

果南「かっ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」

果南「ぁ・・・・・・」

シャクッ!

あやり「!?!!?」

果南(ゆるん・・・だ・・・・・・!)

ガバッ!!

あやり「うぅぅっ・・・!」

果南「ゲホッ!ゲホッ!あはっ!ケホッ!」

果南「・・・!?」

果南「ち、千歌!!」

千歌「はぁ・・・!はぁ・・・!」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:43:39.85 ID:lnp6N5FB0
あやり「ぅぅぅ・・・!」

果南(今しかない!!)

果南「千歌!!その包丁を貸して!!早く!!」

千歌「果南ちゃん!」

果南「うわあああああ!!!!」

ザクッ!!

あやり「あああああ!!!!」

果南「あああ!!!はああああ!!!!」

ザクザクザク!!!

あやり「ああっあ・・・あっ・・・!」

果南「はぁ!はぁ!はぁ!」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:44:19.43 ID:lnp6N5FB0
果南「曜を殺した!!」

ズンッ!!

あやり「うぶっ!」

果南「みんなに酷い目を合わせた!!」

ズンッ!!

あやり「あぁぁうっっ!!」

果南「この世を地獄にした!!」

ズンッ!!

あやり「あああ!!あぁぁぁ!!」

果南「これ以上!!私の平和を奪う気か!!?」

果南「らあああああ!!!!!」

ザンンッッ!!!!

あやり「ああああああああ!!!!!」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:45:42.32 ID:lnp6N5FB0
あやり「あ、あ・・・あっ・・・」

ドンッ

果南「はぁ!はぁ!はぁ!」

あやり「さすがに・・・もう・・・」

果南「やっと・・・諦めた・・・?」

あやり「うん・・・ふふ・・・」

あやり「強いんだね・・・果南ちゃん・・・」

果南「・・・いいや、私だけが強いんじゃないよ・・・」

果南「千歌がいたから・・・曜がいたから勝てたんだ・・・」

あやり「そっか・・・『愛はすべてに勝つ』か・・・ふふ、若いね・・・」

果南「・・・・・・」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:46:59.06 ID:lnp6N5FB0
あやり「果南ちゃん・・・よく聞いて・・・」

あやり「曜ちゃんは・・・死んでない・・・」

果南「えっ・・・!?」

あやり「曜ちゃんを撃った銃は空砲だよ・・・あのまま海に落として・・・今は私の協力者が保護してるはず・・・」

果南「なんでそんなこと・・・!」

あやり「・・・出来れば人を、殺したくなかった・・・」

あやり「真姫ちゃんに洗脳された子に襲われた・・・正当防衛だった・・・そんな自尊心のため・・・」

果南「あなたが・・・もし本当に平和を望んでいるんだとしたら・・・」

果南「平和を望む私たちが殺し合う・・・この戦いの意味は何ですか!!?」

果南「どうして私たちは手を取り合えないんですか!!?戦わなければならない理由は何ですか!!?」

果南「平和を望む貴方を殺した私はこれからどうすればいいの!!?何が正解なの!!?」ポロポロ

果南「教えてよ!!!どうして私たちは殺し合うんですか・・・!!?」ポロポロ

あやり「果南ちゃん・・・」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:50:52.39 ID:lnp6N5FB0
あやり「真実を見極めるんだよ・・・」

あやり「全てを知ったうえで、あなたなりの正解を見つけるんだ・・・」

あやり「この言葉だけは・・・覚えておいて・・・」

あやり「『人は過ちを繰り返す』・・・」

あやり「果南ちゃんなら・・・この言葉に答えを出せるって・・・」

あやり「信じてるよ・・・」

果南「・・・・・・っ!」

果南「・・・そんなのわからないよ!!」

果南「答えなんかわからない!!私は人の意思であなたを殺した!!」

果南「答えを教えてください!!私は何をすればいい!!?『平和』ってなんなんですか!!?」

あやり「それを見つけ出すのは・・・あなただよ・・・」

果南「わからないよ!!答えてよことりさん!!!」

あやり「・・・ふふ・・・」

あやり「はじめて・・・なまえをよんでくれたね・・・・・・」

あやり「わたしたち・・・・・・つぎはなかよく・・・・・・なれるよね・・・・・・?」

あやり「」クタッ

果南「ことりさん!!ことりさん!!!」

果南「返事してよ!!!答えを教えてよ!!!ことりさーーーんん!!!!」

果南「ううっ・・・ひぐっ・・・うっ・・・」ポロポロ
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:51:36.48 ID:lnp6N5FB0
千歌「果南・・・ちゃん・・・」

果南「千歌・・・」

ギュ

果南「帰ろう・・・千歌・・・」

千歌「果南ちゃん・・・うん、帰ろう・・・」

果南「帰ろう・・・」

バタバタバタバタ!!

果南「ヘリの音・・・!」

千歌「あんちゃんかな!?」

果南「いや・・・!」

バタバタバタバタ!!

千歌「あのピンクのヘリ・・・!」

果南「ダイヤ・・・!!」

バタバタバタバタ!!着陸!
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:53:26.25 ID:lnp6N5FB0
ガラッ

ダイヤ「お久しぶりですわ。果南さん、千歌さん」

果南「ダイヤ・・・!」

千歌「ダイヤさん!」

ダイヤ「・・・っ!ことりさん・・・!」

果南「ダイヤ・・・いや、今は・・・」

果南「黒澤一派の、黒澤ダイヤだったね・・・」

ダイヤ「果南さん、千歌さん。お話したいことがあります」

ダイヤ「着いてきていただけませんか?」

ダイヤ「いや、貴方たちはついて来ざるを得ない」

美渡「よう千歌。久しぶり」

千歌「美渡姉!!?生きてたの!!?」

志満「さっ、曜ちゃん」

果南「志満姉・・・!」

曜「果南ちゃん・・・千歌ちゃん・・・」

果南「曜!!」

千歌「ようちゃん・・・みんな・・・」

千歌「生きて・・・たんだ・・・!!」

ダイヤ「ついてきて・・・いただけますね・・・?」

果南「・・・・・・」

バタン

バタバタバタバタ!!
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:54:37.31 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「ありささん。しばらくこの辺を飛んでください」

操縦士「ラジャーー」

果南「曜、大丈夫なの?」

曜「うん・・・なんとか・・・」

曜「あの後・・・ことりさんが治療してくれたんだ・・・」

果南「ことりさんが・・・?」

曜「輸血をしてくれて・・・傷口も縫ってくれた・・・」

果南「・・・・・・」

ダイヤ「みなさんにお話したいことは・・・」

ダイヤ「紛れもない・・・真実です」

美渡「それはあんた達にはショックなことかもしれない」

志満「だけど・・・抵抗しないでよ・・・」

志満「抵抗すれば・・・みんなを撃たなきゃならない・・・そんなことさせないでよ・・・」

千歌「志満・・・ねぇ・・・?」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:56:37.84 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「まずお話することは、貴方達の従う、西木野真姫の真実です」

ダイヤ「単刀直入に、ゾンビウイルスを開発したのは西木野真姫です」

ダイヤ「それは、彼女が親鳥製薬で勤務していた時の事」

ダイヤ「ウイルスを開発し、開発データをすべて超ヤマト戦艦に持ち逃げした」

ダイヤ「ご覧ください。当時、親鳥製薬で撮られた監視カメラの映像です」

ダイヤ「西木野真姫はデータをすべて盗み出した後、親鳥製薬のシステムに不正にアクセスしました」

ダイヤ「この映像は加工のされていないものです。不正アクセスを何とか掻い潜り見つけ出しました」

ダイヤ「ウイルスをばら撒き、ゾンビの習性を生かし安全な船上に逃げこんだ」

ダイヤ「ヤマト隊なる組織を指揮し、行き場を失った人間を助け、自らの兵器として活動させた」

果南「みんな、真姫さんが悪いって言うんだね・・・」

ダイヤ「仕方ない・・・それが真実なのです」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:58:47.02 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「果南さんは親鳥製薬の地下に機密文書があると知らされていますね?」

ダイヤ「文書はない・・・西木野真姫が盗み出し、今は恐らく超ヤマト戦艦にあるはずです」

ダイヤ「そして、あなたの弄っていたPCは自爆シーケンスの起動スイッチです」

ダイヤ「あのままパスワードが入力完了していたら・・・親鳥製薬は・・・貴方も今頃灰になっているでしょうね」

ダイヤ「西木野真姫ももちろんそのことは知っている。じゃあなぜ仲間が大勢いるなかで自爆をさせようとしたか」

『あやり「もしホントに自爆シーケンスを起動したら誰も助からない!!お願い辞めさせて!!」』

果南「・・・・・・」

ダイヤ「ことりさんに聞いた話では・・・彼女は『死』を知っている」

ダイヤ「『死』こそが救いだと考えている」

ダイヤ「ウイルスを開発したのも、効率よく人間を殺せるため」

ダイヤ「ヤマト隊は、全てを殺すために生まれた組織」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 20:59:33.37 ID:lnp6N5FB0
千歌「真姫さんは・・・平和のために活動しているんじゃ・・・」

ダイヤ「親鳥製薬への潜入作戦は、機密文書を盗み出すためだと言われていたんですよね?」

ダイヤ「確かにいい作戦でした。ことりさんの強い警戒がなければ作戦は成功していた」

ダイヤ「もしあれが、本当に自爆シーケンスだったらあなたたちはどうなっていた?」

ダイヤ「あの場にいたルビィたちも・・・みんな死んでいたはずです」

千歌「ルビィちゃん・・・そうだ!みんなを保護してるって・・・!」

ダイヤ「ええ。ルビィに梨子さん、花丸さん、善子さん。みんな今浦女で生活していますわ」

ダイヤ「みんなにこの真実を伝えました」

ダイヤ「みんな・・・ルビィの影響もあるでしょうが、今はヤマト隊を離れ我々に協力していただいています」

ダイヤ「みんな元気です・・・いや、善子さんは・・・」

ダイヤ「善子さんだけは・・・彼女はヤマト隊でした。最後まで口を割らなかったそうですわ・・・」

千歌「みんな・・・!やっぱり生きてるんだ・・・!」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:00:27.62 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「そして、南あやり」

ダイヤ「いえ・・・皆さんから見て、『南ことり』、ですわね」

ダイヤ「彼女は、人造人間です」

果南「人造人間・・・?」

ダイヤ「理事長が開発した・・・今はもう本物の人間と見分けは簡単にはつきません」

ダイヤ「・・・ことりさんの戸籍情報です。彼女に兄弟はいません」

ダイヤ「南あやりは最初の人造人間です。親鳥製薬の中だけで生活していました」

ダイヤ「ことりさんと西木野真姫は理念が合わず対立しました。ことりさんは死を望まなかった」

ダイヤ「南あやりは貴方達と同じように西木野真姫に騙されたのでしょうね」

ダイヤ「親鳥製薬が悪だと信じているから・・・自分のオリジナルとなった人間とも敵対した」

果南「私が戦ったのは・・・本物の・・・南ことり・・・?」

ダイヤ「ええ・・・彼女は平和のために、貴方と・・・いや、西木野真姫の理念と敵対した」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:02:03.26 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「わたくしはことりさんと繋がっています」

ダイヤ「黒澤一派として内浦を拠点に活動を始めた後、事件を調べ行きついたのは親鳥製薬」

ダイヤ「平和を求めるため、親鳥製薬に接触した時・・・受け付けてくれたのがことりさんでした」

ダイヤ「ことりさんは平和を望んでいる。血を流さずに解決できる方法をいつも探し求めていた」

ダイヤ「敵対しているはずのヤマト隊にだって、大きな慈悲を与えていたはずです」

『あやり「真姫ちゃんに洗脳された子に襲われた・・・正当防衛だった・・・そんな自尊心のため・・・」』

ダイヤ「ルビィたちを解放したのも彼女です。善子さんだけは間に合わなかったそうですが・・・」

ダイヤ「・・・きっと切ない誓いがあったのでしょう」

ダイヤ「彼女は・・・平和のために活動していた」

果南「平和の・・・ために・・・」

果南「私は・・・・・・私が悪だったの・・・?」

ダイヤ「貴方は・・・人の命を奪う西木野真姫の手助けをしていた」

ダイヤ「わたくしには・・・貴方が悪に見えますわ・・・」

果南「・・・・・・」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:02:37.81 ID:lnp6N5FB0
果南「ダイヤ」

ダイヤ「はい?」

果南「真実を教えてくれるって・・・言ったよね・・・?」

ダイヤ「ええ」

果南「・・・・・・」

果南「鞠莉・・・」

ダイヤ「・・・!」

果南「このヘリは・・・小原家のもんでしょ」

果南「鞠莉をどうしたの・・・?知ってるんでしょ・・・?」

ダイヤ「・・・・・・」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:05:08.22 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「鞠莉さんは・・・・・・」

ダイヤ「彼女は、真実を知らなかった」

ダイヤ「内浦と、盗み出した人造人間技術を使い・・・戦争を起こそうとした」

ダイヤ「彼女は世界のために・・・私たちの町を潰す覚悟だった」

ダイヤ「理念の違いですわ・・・そんなこと私が許せるはずがない」

果南「・・・・・・」

ダイヤ「・・・彼女と別れ、私は内浦で呼びかけを始めました」

ダイヤ「志満さんや美渡さん。みんなわたくしに着いてきて頂けました」

ダイヤ「わたくしは平和のために、悪と戦うと誓った」

果南「鞠莉と・・・・・・」

果南「『別れ』た・・・?」

ダイヤ「っ・・・」

ダイヤ「・・・・・・」

ダイヤ「彼女は・・・わたくしが殺めました」

果南「・・・!!!」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:07:17.82 ID:lnp6N5FB0
果南「なんで言ってくれなかったの・・・?」

果南「昔からいつだって・・・私たちは3人で決めてきた!」

果南「スクールアイドルやるときだって!何食べに行くか決めに行くときだって!」

果南「なんで殺したの!?もっと他にやり方があったはずでしょ!!」

ダイヤ「それが!・・・わたくしの覚悟ですわ」

ダイヤ「彼女の事を親身に受け止め、私はこの選択をした」

ダイヤ「平和のためなら・・・わたくしは・・・」

果南「わかんないよ・・・平和のためなら親友を殺すのかよ!?」

果南「もう平和ってなんなの・・・!?」

果南「鞠莉を迎えに行って、3人で散歩でもして・・・!そんな日はもう戻ってこないの!!?」

ダイヤ「・・・大人になりなさい、果南さん・・・」

果南「・・・これが大人なら・・・私は一生子供のままでいるよ」

ダイヤ「・・・・・・!!」

ダイヤ(このセリフ・・・わたくしも同じ事を・・・)
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:08:06.17 ID:lnp6N5FB0
果南「曜、千歌・・・ごめん」

千歌「え・・・?」

果南「私は、大人になれないみたい」

果南「ことりさんの思うような・・・立派な人間じゃない」

果南「『答え』なんて・・・のんきな私にはわからないよ」

果南「でもね・・・これだけは・・・」

果南「これだけはやらなきゃいけないんだって・・・感じる・・・」

果南「ごめんね・・・ダメなお姉ちゃんで」

千歌「かな・・・」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:08:48.36 ID:lnp6N5FB0
ドク ドク

果南「すぅぅーー・・・」

ドク ドク

ドク

ドガッ!!!

美渡「うぅっ!!?」

果南「・・・っ!!」

パシッ



果南「だいやああーーーー!!!」



ダイヤ「・・・!!!?」



果南「っっ!!!」



ジャギッ!!



ダイヤ「っっっ!!!?」



ダアァァァンン!!!!
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:09:54.81 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「ぅっ!!? ・・・!??」

果南「ぁ・・・・・・ぁ・・・ぁ・・・・・・」

ダイヤ「はっ・・・!?」

ダイヤ「志満・・・さん・・・!?」

志満「・・・っ!!」

カラーン

果南「」

ドサッ!!

千歌「か・・・!」

曜「か・・・!」

千歌「かな

「動くなああああ!!!!!」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:10:31.57 ID:lnp6N5FB0
志満「動くな!!!」

美渡「う、動くな!!!」

美渡「動くな!!!」

千歌「ぃ・・・!!?」

曜「か、果南ちゃ・・・!!」

志満「あああああああ!!!!!!!」

千歌「しま・・・」

志満「だから言ったのよ・・・!!絶対に抵抗しないでって・・・!!!」

ダイヤ「志満さん・・・」

ダイヤ「これで何度目でしょうね・・・また命を救われました・・・」

ダイヤ「ありがとうございます、志満さん」

志満「言ったでしょダイヤちゃん・・・ダイヤちゃんのためならなんでもやるって・・・」

ダイヤ「ええ・・・ありがとう、志満さん・・・」

志満「うん・・・!」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:12:48.29 ID:lnp6N5FB0
千歌「果南ちゃん・・・!」

果南「」

千歌「果南ちゃん!果南ちゃん!」

曜「果南ちゃん!!」

果南「」

美渡「無理だよもう・・・頭を撃たれてんだよ・・・」

美渡「頼むから・・・二人は抵抗しないでくれよ・・・」

美渡「私を・・・志満姉と同じ境遇に・・・妹を殺させないでくれよ・・・!!」

曜「・・・っ」

千歌「果南ちゃん・・・!!」

果南「」

操縦士「なになに!?なにがあったの!?」

ダイヤ「ありささん落ち着いて?大丈夫ですわ、このまま飛んでて」

操縦士「あ、そう?」

バタバタバタバタ!!
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:13:54.30 ID:lnp6N5FB0
んっ?

あれっ?んーー?

あっ、そっか

私、死んだのか

あー、そうだ、ダイヤ撃とうとして志満姉に撃たれたんだ

あ〜あ、死んじゃったな

結局、なんにもできなかったな

千歌と曜を守れなかったな

ダイヤを許せなかったんだ

だって、殺す必要なんてないでしょ?

鞠莉にあの世でお詫びしてきなって、説教してやろうと思ったのに

できなかった・・・

いや、やってやるよ

ここまで頑張ってきたんだもん。今更簡単にはあきらめないよ

千歌、曜、ごめんね。迷惑かけちゃうけど

私はダイヤが許せない
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:15:36.53 ID:lnp6N5FB0
ピー ピー

美渡「何の音!?」

千歌「果南ちゃん!!?」

曜「果南ちゃん!!」

ダイヤ「果南さん!!?」

志満「・・・!!?」

果南「」スッ

仰向けに倒れ、目を見開き、硬直したまま・・・果南は右手だけを天に掲げた

その右手には、ヘリを爆破させるには十分な爆弾が握られている

果南「」パク パク

ピー ピー

美渡「おいなんでだよ!!?あんた頭撃たれたんだろ!!?」

美渡「こんなの・・・!!」

ダイヤ「美渡さん・・・!」

美渡「なんだよ・・・!!なんで離さないだよ!!!」

美渡「抵抗してるのか!!?あんた死んでるんだろ!!なんで離さないんだよ!!!」

千歌「果南ちゃん・・・!」

曜「っ・・・!っ・・・!」

ピー ピー
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:16:28.03 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「美渡さんどいて!!」

美渡「っ!!?」

ダァンダァン!!

ダァンダァンダァンダァンダァンダァン!!!

ダイヤ「・・・っっ!!?」

ダイヤの銃撃は確かに全弾果南の右腕を捉えた

でも果南は動かない

美渡「なっ・・・!?おかしいだろ・・・!!?」

ピー ピー

美渡「離せよ果南・・・!!そうまでしてダイヤちゃんを殺してぇかよ!!!?」

果南「」

ピー ピー
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:22:12.60 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「そうか・・・そんなに・・・」

ダイヤ「果南さん・・・それが・・・」

ダイヤ「貴方の覚悟、なのですね・・・」

ダイヤ「ふふ・・・」

ダイヤ「負けましたわ果南さん」

ダイヤ「やっぱりこういう面では・・・わたくしは貴方にはかなわない」

美渡「ダイヤちゃんも志満姉も手伝ってくれよ!!」

美渡「くそっ!!くそくそくそ!!!」

美渡「こうなったらこのまま引き摺り下ろしてやる!!」

ガチャン!ドアを開ける!

ビュオオオオオ!!!

千歌「ううぅ・・・!!」

曜「千歌ちゃん!捕まって!!」

美渡「おら!!動けよ!!!」

美渡「なんで動かないんだよ!!あんた死んでんだろ!!?」

美渡「なんで抵抗してるんだよ!!やだ・・・!死にたくない!!!」

ピー ピー
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:23:09.32 ID:lnp6N5FB0
ダイヤ「美渡さん」

ダイヤ「今まで、ありがとうございました」

ダイヤ「わたくしに協力してくれるって言っていただいたとき、とっても嬉しかったですわ」

美渡「やめろよダイヤちゃん!!」

美渡「私たちはまだ死なない!!死にたくない!!」

志満「美渡ちゃん・・・」

千歌「曜ちゃん・・・!」

曜「・・・!!」コクッ

志満「っっ!!?千歌ちゃん!!曜ちゃん!!」

志満「無理よこの高さじゃ!!絶対に死ぬ!!」

曜「じゃあ銃で止める!!?」

曜「千歌ちゃん!!」

千歌「曜ちゃん!!」

ガバッ!! ビュオオオ!!!

志満「待ってーーーー!!!!」

志満「バカ!!!助かるわけない!!!」

ダイヤ「千歌さん・・・曜さん・・・」
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:24:51.69 ID:lnp6N5FB0
ビュオオオオオ!!!!!!

曜「千歌ちゃん!!」

千歌「よーちゃん!!」

曜「千歌ちゃん!!!」

千歌「よー、、ちゃん!!!」

曜「うぅうっっうう!!」

曜「千歌・・・ちゃ・・・!!」

千歌「曜ちゃん!!!」

ギュッ!!

曜「千歌ちゃん!!」

千歌「よーちゃん!!」

ビュオオオオオオ!!!!!!!
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:26:20.90 ID:lnp6N5FB0
ピー ピー

ダイヤ「志満さん・・・」

ギュッ

志満「ダイヤちゃん・・・」

ダイヤ「ありがとう、志満さん・・・」

志満「ダイヤちゃん・・・ありがとう」

志満「美渡ちゃん・・・」

美渡「志満姉!!手伝って!!」

志満「美渡ちゃん・・・!」

ギュッ

美渡「志満・・・ねぇ・・・」

志満「ありがとう」

美渡「志満姉・・・・・・」

美渡「グズッ・・・ありがとう・・・」

ダイヤ「ありささん、ありがとう・・・」

ギュッ

操縦士「え?なに?なにこの状況?」

ダイヤ「・・・ありがとう」

操縦士「・・・ありがとう、ダイヤ」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:27:43.08 ID:lnp6N5FB0
果南「」

ピー ピー

ダイヤ「果南さん・・・」

ギュッ

ダイヤ「ごめんなさい」

ダイヤ「みんなで・・・そちらに逝きますわ」

志満「ダイヤちゃん」

美渡「ダイヤちゃん・・・」

ギュッ

ダイヤ「ありがとう」

志満「ありがとう」

美渡「ありがとう」

ダイヤ「ありがとう・・・」

ダイヤ「ルビィ・・・」

「ごめんなさい」

ピー ピー

ピー ピー

ピー




ズウウウウウアアアアアアアアア!!!!!!!

ドガドガドガアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:28:59.91 ID:lnp6N5FB0
曜「千歌ちゃん!!」

千歌「よーちゃん!!」

ズガアアアアア!!!

曜「!!!?」

ブワッ!!!ゴオオオオオ!!!!

千歌「ううううう!!!!」

曜「千歌・・・ちゃん・・・!!!」

千歌「よう・・・ちゃん・・・!!!」

曜「千歌ちゃーーーん!!!」

千歌「よーちゃーーーん!!!!」

ズゴゴゴゴゴゴ!!!!!!

ズガガガガガガ!!!!!!
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:29:41.32 ID:lnp6N5FB0
・・・

・・





・・

・・・
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:33:41.67 ID:lnp6N5FB0
鳥「ちゅんちゅん」バサバサ

鳥「ちゅん?」

鳥「つんつん・・・」

鳥「おえっ」

鳥「ちゅんちゅん!」バサバサ

ザバーン ザバーン

千歌「」

曜「」

ちょうちょ「パタパタ」

ちょうちょ「ピトッ」

千歌「」

ちょうちょ「・・・?」

ちょうちょ「パタパタ」

曜「」

・・・

・・



千歌「」

曜「」


第二部 完
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/06(水) 21:37:06.34 ID:lnp6N5FB0
また後日このスレに特別編を投稿します
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:50:47.29 ID:KxdzKGpM0
特別編2
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:51:51.49 ID:KxdzKGpM0
ブゥゥゥン!

果南「はぁ・・・寒い・・・」

果南「はぁぁーー・・・はぁぁーー・・・」

果南「あっ・・・エンジンであっためられるかな・・・」

ホワァァァ

果南「あったかぁぁーー・・・」

果南「・・・・・・」

北海道 函館

親鳥製薬への潜入作戦に失敗した私は、真姫さんの計画通り、遠くの場所まで来た

果南「・・・・・・」

ゾンビ「アァァ・・・」

一面が輝く白銀の世界

どうやらここでも、ゾンビの被害は拡大してしまっているらしい
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:52:26.99 ID:KxdzKGpM0
ドガアアアアア!!!!

果南「えっ!!?」

果南「・・・・・・」

学校が爆発した

果南「な・・・・・・?」

果南「・・・向かうか・・・」

バイクを走らせる

猟銃を携え

梨子ちゃんが・・・迎えに来てくれるまで

絶対に生き残ってやる
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:53:22.64 ID:KxdzKGpM0
ブゥゥゥン キキッ

果南「あれ・・・!」

女の子がゾンビに襲われている

果南「助けてあげる・・・!」

サプレッサー代わりに銃口に分厚くタオルを巻き、猟銃を構える

ゾンビは音に強く反応する

弾に限りがある。前みたいにいくらでも撃てるわけではない

無駄な戦いは避ける。外す余裕もない

ジャキッ

果南「すぅぅーー・・・」

果南「・・・・・・」

バシュ!

グスッ!

ゾンビ「ウゥゥ!!?」

ドサッ

果南「よし・・・!」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:54:08.17 ID:KxdzKGpM0
理亞「姉様・・・姉さまぁぁ!!」

理亞「姉様!姉様!なんで・・・!」

果南「大丈夫?」

理亞「・・・!!」キッ

理亞「お前かああ!!!」

果南「やっ!ちょ、ちょっと!?」

理亞「この人殺し!!殺す!!ぶっ殺してやる!!」

果南「待って!あの子はゾンビ化してた!君を助けたんだよ!」

理亞「助けただと!?姉様の意思を邪魔しやがって!!」

果南「姉様・・・?君のお姉ちゃんなの?」

果南「彼女はもう手遅れだったんだ。お姉ちゃんのためにも、君は生きなきゃならないんじゃないの?」

理亞「てめぇに・・・!!」

理亞「てめぇになにがわかる・・・!?」

果南「わからないよ・・・!でも・・・」

果南「生きてなきゃ・・・何も変わらない・・・!」

理亞「・・・・・・」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:54:55.37 ID:KxdzKGpM0
理亞「姉様・・・」

瞳孔が赤く光った死体・・・

理亞「ねえさまぁ・・・!」

果南「・・・お姉ちゃんのためにも、できることがあるはずだよ」

理亞「できること・・・?」

理亞「・・・・・・」

果南「安全地帯を知ってる」

果南「一緒についてきてくれるね?」

理亞「・・・あぁ、わかった」

果南「よし、行こっか」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:57:09.61 ID:KxdzKGpM0
果南「しっかり捕まっててね」

理亞「・・・・・・」

ブゥゥゥン

果南「私は松浦果南。君は?」

理亞「・・・鹿角理亞」

果南「お姉さんは?」

理亞「聖良・・・」

果南「その、お姉さんの事・・・」

理亞「うるせぇ」

果南「えっ?」

理亞「・・・・・・」

果南「・・・あはは」

理亞「姉様の事笑ってんのか!?」

果南「ちょ、違うよ!謝りたかったんだって!」

果南「事情は分からないけど私は理亞ちゃんを救えたと思ってる!」

果南「お姉さんだとは知らなかったんだ!君を助けたかった、それだけなんだよ!」

理亞「・・・うるせぇ・・・この人殺し」

果南「・・・・・・」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:59:01.78 ID:KxdzKGpM0
理亞「・・・!」

理亞「止まって!止まれ!!」

果南「っ!?」

キキー!

果南「何!?」

理亞「トイレ」

果南「えっ・・・?」

理亞「コンビニ」

果南「・・・中は危険かもしれない。安全地帯にもトイレあるから、そこまで我慢できる?」

理亞「お前が見に行けばいいだろ。殺すのは得意なんだろ?」

果南「・・・・・・」

果南「・・・はいはい、わかったよ」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 15:59:56.12 ID:KxdzKGpM0
ジャキッ!

果南(マガジンにあと4発、予備は3発しかない・・・)

果南(銃口は厚く巻いておこう。銃はなるべく使わない。ナイフを構えて・・・)

果南「すぅぅーー・・・はぁぁーー・・・」

果南「私のすぐ後ろにいて。周りをよく見て・・・ゾンビが居たら必ず教えるんだよ?」

理亞「・・・・・・」

果南「・・行くよ」

ウゥーン テルレルレル

果南「・・・・・・」

トコ・・・トコ・・・

果南「・・・・・・」

理亞「・・・・・・」

果南「いなそうだね」

果南「じゃあ行っておいで。待ってるから」

理亞「・・・ん」

果南「・・・・・・やっと返事してくれた」

果南「手間のかかる妹だな・・・ふふ・・・」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:00:52.03 ID:KxdzKGpM0
果南「・・・あっ、ラッキー!食べ物残ってる!」

果南「って言っても、曜ちゃん大好きカロリーメイト1袋(2本)」

果南「これだけじゃあ・・・みんなには・・・」

グゥゥ・・・

果南「・・・・・・」

果南「雑誌は揃ってるね。これが食べられればなぁ・・・」

果南「・・・唐揚げもチキンもおでんも何にもない。探索済み、だね・・・」

果南「・・・お金もない・・・」

果南「・・・・・・」

果南「・・・遅いな」

果南「・・・・・・オトメイク」

果南「キュートジャパン、キュンキュンランド(函館編)」

果南「・・・///」カァァ
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:01:23.18 ID:KxdzKGpM0
ジャーー

理亞「・・・・・・」

果南「あっ、おかえり」

理亞「ん・・・」

果南「あっ、ねね・・・理亞ちゃん・・・」ニコニコ

理亞「ん・・・?」

果南「これ・・・食べる?半分こ!」

理亞「・・・食べる」

果南「やった!食べちゃお食べちゃお!」

果南「お腹減ってたんだ〜」モグモグ

理亞「・・・・・・」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:02:07.57 ID:KxdzKGpM0
理亞ちゃんを連れて安全地帯へ

安全地帯って言っても、周辺にゾンビがほとんどいなく、入り口を一つにしたってだけの魚市場

こんな場所に、20人くらいかな

みんな女性

食料不足、水不足に、寝床不足

みんな・・・今日を生きるのもやっとだ
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:03:29.68 ID:KxdzKGpM0
果南「ただいま!戻ったよ!」

女性「・・・・・・」

理亞「ここかよ・・・」

果南「・・・え・・・?」

果南「・・・なに・・・?みんな・・・」

果南(雰囲気が違う・・・)

リーダー「お帰り果南ちゃん」

果南「あいな・・・」

リーダー「来て」

女性「裏切者!飢え死にさせる気か!」

女性「独裁者め!お前は地獄に落ちる!」

果南「みんな・・・?あいな何があったの?」

リーダー「いいから」

リーダー「・・・理亞ちゃん!?」

理亞「よぉ、人殺し」

果南「・・・??」

リーダー「・・・来て」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:04:26.55 ID:KxdzKGpM0
関係者部屋

果南「ねぇ、なにがあったの?」

リーダー「管理することにしたんだよ。ここを・・・」

果南「管理?」

リーダー「うん。食料のね」

リーダー「もう・・・尽きかけてるんだ」

果南「そんなに・・・?」

リーダー「20人もの人数分、毎食提供したらあと二日も持たないくらいなんだ」

リーダー「お年寄りと子供にはやっぱり優先してあげないといけない」

リーダー「だけど、みんなは・・・違うんだ」

リーダー「自分さえ食べられれば・・・」

リーダー「みんな、自分が可愛いのは自分だけなんだ」

リーダー「いずれ来る救助のために、私たちは少しでも長く生きてなきゃならない」

リーダー「だから・・・管理した」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:05:02.69 ID:KxdzKGpM0
果南「支配するためじゃ・・・ないんだよね」

リーダー「うん。みんなを少しでも長生きさせるため」

リーダー「不器用だけど、こんなことしか私にはできないから」

リーダー「お年寄りと子供と、探索に出てくれる果南ちゃんにはもちろん多く食料を渡す」

リーダー「健常な人たちは弱い人のために我慢をしてもらうしかない・・・」

リーダー「それを強要してしまうのは心苦しいけど・・・弱い人を見捨てられない」

果南「ふふ・・・よかった。やっぱりあいなは優しかった」

リーダー「ううん、私なんかただの栄養士もどきだよ」

リーダー「私に外を歩く力はない・・・果南ちゃん、貴方に任せるしかない」

果南「任せてよ・・・私が食料を見つければあいなちゃんの苦労はなくなるんだよね」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:05:38.45 ID:KxdzKGpM0
じqfh9q83hpくぁふぁふぁ

事件はどのくらい前だったかな

あの頃は、東京は大変なんだなぁくらいにしか思ってなかった

ここまで広まるのはすぐだった

リーダー「東京が大変なことになってるんだってね?」

聖良「そうみたいですね・・・感染症って、怖いですね・・・」

リーダー「聖良ちゃんでも怖いことってあるんだw」

聖良「ありますよ・・・」

リーダー「ヤバいよヤバいよwウケるw」

聖良「そんなに・・・?」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:06:44.98 ID:KxdzKGpM0
他人ごとにしか思えなかった感染症事件

テレビでよく見る著名人が感染したことをきっかけに被害はいきなり大きくなった

リーダー「全国放送は永遠の放送中止」

リーダー「地方局のアナウンサーも都市部に派遣されてるけど、そんなに人手不足なの?」

このころ都心からの観光客が大幅に増えて、道路はずっと渋滞

もちろんただの観光じゃない、みんな逃げてきたんだってことをこのころは知らなかった

コンビニやスーパーには都心ナンバーの車が盗みを働く事件が多発

みんなあてがなかったんだ

生きるためにはこうするしかないことを、当時の情報不足の私たちは知らなかった
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:07:32.96 ID:KxdzKGpM0
リーダー「あの、すみません」

男「な、なんだよ!文句あんのかよ!」

リーダー「い、いえ・・・!」

男「どいてくれ!」

男「ごめんよ・・・かーちゃんのためなんだ・・・!」

リーダー「都会人こわ・・・」

男「さぁ、かーちゃんこれでも食って・・・」

かーちゃん「ガアア!!」

ガブガブッ!!

男「あああああーーー!!!」

リーダー「っ!?」

リーダー「ねぇ・・・!ねぇ大丈夫ですか!?」

男「あっ・・・あ・・・あ・・・」

リーダー「救急車・・・!」

かーちゃん「アァァ・・・」

リーダー「っ!?・・・ねぇ、あの・・・」

かーちゃん「グアア!!」

リーダー「きゃっ!!」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:08:04.98 ID:KxdzKGpM0
感染者を見たのは、それが初めてだった

赤く光った目

腕の怪我から絶えず流れる血

人とは思えない呻き声

これが噂の感染症であること

そして、もうこの町も手遅れであること

気付くのが遅すぎた
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:09:16.40 ID:KxdzKGpM0
リーダー「はぁ・・・!はぁ・・・!」

「うわあああ!!」

「きゃあああ!!」

リーダー「こんなに早く・・・広まるんじゃ・・・!」

聖良「あいなさん!?」

リーダー「聖良ちゃん!」

聖良「大丈夫ですか!?噛まれてない!?」

リーダー「うん、私はなんとか・・・」

聖良「早く来て!逃げましょう!」

聖良「ほら、理亞も!」

理亞「うん!」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:10:11.08 ID:KxdzKGpM0
聖良ちゃんはすごい

ニュースを見て、すぐに対策を始めてた

家族や友人に協力を仰ぎ、あらゆる武器や食料を集め人々を学校に集めた

感染者の音に対する習性、戦い方

生きる術を聖良ちゃんはみなに教えた

次第に町の人間は全て感染し、この学校以外に生存者はいなくなった

ここもじき襲われ全滅する・・・その恐怖の中立ち上がってくれたのは男の人たちだった
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:11:10.02 ID:KxdzKGpM0
男「みんないいか!一人になるんじゃない!必ず誰かと助け合え!」

男「顔を狙うんだ!遠慮するんじゃない!こいつらはみな化け物だ!」

「「うおおお!!!」」

学校周辺の感染者の群れを倒しきってくれた

なんとも頼れる人たち・・・だけど・・・

男「食い物だけ消費するんだろ!?誰がお前たちを守ってやったと思ってる!」

男「まぁまぁ!子供だっているんですよ!」

男「知ったこっちゃねぇ!俺の飯をあのガキが勝手に食いやがったんだぞ!」

男「なんにもしねぇのに飯ばっか食っていいご身分だな!」

男「落ち着いてよ!いずれ救助が来る!それまで耐えしのげばいいんだ!」

女「男なんだから戦うのは当然でしょ!」

男「てめぇを守ってやる筋合いがどこにあるんだ!」

食料が問題になったんだ

100人以上が暮らすここは、いくら食料があっても足りなかった
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:12:37.36 ID:KxdzKGpM0
聖良「落ち着きましょう!みんなが手を取り合わないと!」

男「あぁ、鹿角姉・・・お前がここにみんなを集めたのは知ってるよ」

男「武器だってお前が中心にここに集まったことは知ってる。おかげで俺たちは危機を一時乗り越えた」

男「だがな・・・腹が減っては戦はできねぇって知ってんだろ?」

男「俺の分のパンを食いやがったのは誰だったかわかってんだよ!!」

男「お前の妹だよ!!あのクソガキが!殺してやる!」

聖良「待ってください!妹の不肖は謝ります!だから落ち着いて!」

聖良「私たちは手を取り合わないと!」

男「手を取るだと!?じゃあ女は今まで何をした!?」

男「戦ったか!?食料のために危険な街を探索したか!?」

男「お前らは俺らの枷でしかないんだ!!」

男「選べ!!ここを出てくか、俺に殺されるか!!どっちだ!?」

パァン!!

男「ぐおおああああ!!」

聖良「!!?」

理亞「調子に乗るなよクソジジイ!姉様がお前を助けたんだぞ!!」

「てめぇ何してんだ!!」

パァンパァン!! きゃあああ!!!
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:13:36.19 ID:KxdzKGpM0
学校は一瞬で地獄に変わった

聖良ちゃんと理亞ちゃんと私と・・・何とか逃げ出した数名でわずかな武器とともにあてもなく歩いた

学校には即座に感染者が集まっていき・・・みんな死んだ

あれだけ銃を撃ったんだ・・・集まらないわけがなかった

何とか埠頭近くの魚市場を見つけ、そこに住むことにした

もちろん快適ではない。食料もない。噛まれた人だって数人いる

みんなを導いた聖良ちゃんと、ただ知り合いってだけで私がその中のリーダー格になった

食料の在庫を管理し、みんなに平等に食べ物がいきわたるように・・・

だけど、母数が少なすぎるんだ

平等にしても何をしても、文句しか出てこない

みな、自分が可愛いのは自分だけ・・・

ヴぃ3うぇあgなえ@39hgん3あq
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:15:17.54 ID:KxdzKGpM0
果南「聖良・・・さん・・・」

果南(ヤマト隊の協力者ってもしかして・・・)

『理亞「てめぇになにがわかる・・・!?」』

果南「さっき学校が爆発したのと、どんな関係が?」

リーダー「学校はもう町中の感染者が溢れかえってた」

リーダー「聖良ちゃんだよ・・・学校を爆破させれば、周辺の感染者は大幅に減る」

リーダー「彼女が命を懸けて・・・みんなを救ってくれたんだ」

果南「・・・・・・」

理亞ちゃんにも事情が・・・ありそうだね・・・

果南「とにかく、私はまた出るよ」

果南「家を一軒一軒回れば絶対に何かあるはずだよね」

リーダー「果南ちゃん・・・!」

リーダー「気を付けてね・・・!」

果南「うん、任せて」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:15:56.69 ID:KxdzKGpM0
ガチャ

女性「何を話した!?お前も支配者になるのか!?」

果南「支配なんかじゃない!あいなはみんなを平等にしようと・・・!」

女性「そんなの嘘に決まってる!」

果南「私が食料を探してきます!みんなのために!」

女性「嘘だ!すべて独り占めする気だ!」

果南「違うんだって・・・!」

理亞「人殺しの次は独裁か・・・」

果南「そんなんじゃない」

果南「みんなのために・・・行ってくる!」

女性「この嘘つきめ!お前のせいで私たちは死ぬんだ!」

果南「・・・・・・」

ブゥゥゥン!
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:16:34.17 ID:KxdzKGpM0
果南(あいなは・・・悪にならざるを得なかったんだ)

果南(みんな、自分が可愛いのは自分だけ・・・か)

ツー ツー

果南「・・・っ!」

果南「公衆電話・・・?」

果南(ゾンビは音に反応する・・・)

果南「・・・・・・」スルー

ツー ツー

果南「・・・・・・」

果南「・・・・・・」スルー

ツー ツー

ガチャ

果南「もしもし?」

公衆電話『よかっ・・・ザザ・・・で・・・』

果南「えっ?電波が・・・」

公衆電話『迎え・・・埠頭に来て・・・』

果南「この声・・・ななかちゃん!?」

公衆電話『埠頭・・・これから・・・』

ツー ツー

果南「切れちゃった・・・」

果南(埠頭にって、言ってたよね・・・?)

果南(ヤマトが来るんだ!助けが来るんだよ!みんなを助けられる!)

果南「知らせなきゃ!」

ブゥゥゥン!
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:17:05.42 ID:KxdzKGpM0
魚市場前

果南「みんな・・・!?」

果南(様子がおかしい・・・)

ガラッ

果南「っっ!!?!?」

死んでる・・・

全員・・・

果南「あいな・・・?あいな!!」

リーダー「果南・・・ちゃん・・・」

果南「あいな!あいななにがあった!?」

リーダー「」クタッ

果南「あいな!!あいなぁ!!!」

「やっと帰ってきたか」

果南「っ!?」

理亞「言ったろ?あんたをぶっ殺すって・・・なぁ!!」

パァン!!

果南「うわっ!!?」

コンテナに隠れる!
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:17:42.41 ID:KxdzKGpM0
果南「理亞ちゃん!?理亞ちゃんあんたがやったのか!?」

理亞「そうだよ悪いか?お前と同じことをしただけだよ、人殺し」

果南「みんなに罪はない!」

理亞「姉様にも罪はない!!!」

パァン!!パァン!!

果南「ううっ・・・!」

理亞「わかったかよ・・・!?大切な人を殺される感覚が!!」

理亞「自分の命よりも大きなものを奪われた感覚が!!」

果南「・・・っっ!!」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:18:18.09 ID:KxdzKGpM0
fj09あgねあいgらねう

聖良「ここなら・・・!みんな早く!!」

女性「いたい・・・噛まれた・・・」

聖良「もう大丈夫です!」

・・・

理亞「姉様・・・」

聖良「猟銃三つに爆薬・・・食料は・・・」

理亞「姉様は悪くない」

理亞「悪いのはあの男たちだ」

聖良「理亞。今は悪い悪くないじゃない」

聖良「ここでみんながどうすれば生きていけるのか、それを考えなきゃ」

理亞「姉様・・・うん」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:18:59.15 ID:KxdzKGpM0
姉様は完ぺきだった

みなを平等に、これから生きるための策を考えた

でもそれは、この少なすぎる物資の中では文句しか生まれなかった

姉様は何も悪くない

誰のために姉様は危険な外を出歩いてると思ってる

自分の身を自分で守れないお前らがどうして文句を言えるんだ

私は周りとは馴染めなかった

それが姉様に・・・あんな苦労を・・・
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:19:41.85 ID:KxdzKGpM0
理亞「なんだよ!!?放せ!!」

女「あの女が私たちを支配しようとしてるんだ!そんなの絶対許さない!」

理亞「姉様の苦労も知らないでなに言ってやがる!!」

女「あんたを誘拐すればあの女は話を聞いてくれるはずだ!」

感染者「グワア!!アアアア!!」

理亞「やめろ!!やめろ!!!」

聖良「理亞ああああ!!!」

女「鹿角さん!私たちの話を聞いて!そうじゃなきゃこの子は噛ませる!」

聖良「お願いやめてください!話は聞きます!」

感染者「ガアア!!」

理亞「っっ!!?!」

聖良「理亞・・・!!!」

聖良は理亞を庇う!!

ガブッ!!!

聖良「ううぅぅぅ!!!?」

理亞「姉様!!!」

パァン!!

感染者「グワッ!」

聖良「はぁ!はぁ!」

左手が・・・!!
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:20:32.85 ID:KxdzKGpM0
ダンッ!!

聖良「ふーっ!ふーっ!」

理亞「姉様やめろ!!やめるんだ!!」

聖良「私はまだ感染するわけにはいかない!!」

理亞「そんなことして死んだら元も子もないだろ!!」

女「ちがう・・・こんなつもりじゃ・・・」

聖良「切り落とすしかない!!」

聖良「ウイルスが体内を巡る前に!!!うわあああああ!!!!」

理亞「やめろ姉様あああ!!!!」

ガシッ!!!

ザキュッ!!!!!

聖良「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

理亞「きゃああああ!!!!姉様ぁぁ!!!!!」

聖良「邪魔を!!!!邪魔をしないで理亞!!!!!」

聖良「うううぅぅぅああああああああ!!!!!!」

ザパァッッ!!!!!!  ボトッ

聖良「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:21:06.77 ID:KxdzKGpM0
・・・

・・



本来、腕を切り落として生きてるほうがおかしいんだ

姉様は激しい体調不良に襲われながら、生きていた

理亞「姉様・・・飲んで?」

聖良「いいんだよ理亞・・・みんなに回してあげて・・・」

理亞「それじゃあ姉様が死んじゃうよ・・・!」

聖良「いいんだよ・・・これで・・・」

姉様も察していたんだろう

目の充血が酷いことは・・・言わなかった
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:22:01.03 ID:KxdzKGpM0
リーダー「聖良ちゃん!?大丈夫なの!?」

聖良「あいなさん・・・お願いが・・・」

リーダー「なに?何でも言って?」

聖良「・・・・・・」

聖良「もう私も長くない・・・さっき鏡見て・・・ここまで酷いとは思わなかった」

聖良「ウイルスは血を巡るんでしょうね・・・・・・早い対応だと思ったけど、間に合わなかったみたい」

リーダー「聖良ちゃん・・・」

聖良「爆薬を」

聖良「私はこのままじゃ死ねないの」

聖良「みんなのために・・・平和のために、一矢報います」

リーダー「聖良ちゃん・・・!」

聖良「理亞には・・・言わないで・・・」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:23:24.01 ID:KxdzKGpM0
・・・

コンコン

理亞「姉様?開けるよ」

ガラッ

理亞「姉・・・様・・・?」

ダダダッ!

理亞「おい!!」ダンッ!

リーダー「理亞ちゃん・・・っ!」

理亞「姉様をどうした!!?どこにやった!!?」

リーダー「落ち着いてよ・・・!」

理亞「どうしたかを聞いてるんだよ!!」

リーダー「・・・爆薬を持って、学校へ行ったよ」

理亞「はっ・・・!!?!?」

リーダー「聖良ちゃんには口止めされてるんだけど・・・」

理亞「ふざけんな!!お前は姉様を見殺しにした!!」

リーダー「理亞ちゃん・・・バカな真似はしないで」

理亞「うるせえ!!!」

ダダダダッ!!
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/06/09(土) 16:23:49.55 ID:KxdzKGpM0
・・・

・・



理亞「姉様・・・!姉様・・・!」

理亞「姉様・・・!!」



・・

・・・
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