【バンドリ】燐子「異世界で冒険……?」【安価】

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8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 03:10:25.95 ID:kjIsKE5V0
どうだ
9 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/24(水) 07:35:23.68 ID:O5HCo43k0


 紗夜 初対面 好感度8
  職業『ナイト(NFOイベント時のタンク参照)』

 友希那 家族 好感度3
  職業『吟遊詩人』

 リサ 幼馴染 好感度9
  職業『僧侶(ヒーラー参照)』

 あこ パートナー 好感度9
  職業『ネクロマンサー』

 で、初期のメンバーは決定です。
 またすぐ設定の判定やらが出ますが、とりあえず本編開始です
10 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/10/24(水) 07:39:35.23 ID:O5HCo43k0


 
燐子(……自分が目を閉じてるのが分かった)

燐子(ぼんやりとした自我への気づき。そして目覚め。……それはいつものこと)

燐子(けれどわたしはこの時、ちょっとした違いを感じていた)

燐子(……眠っていた筈なのに、というより今も眠っている筈なのに意識がはっきりしている。スイッチがオンになった照明みたいに、わたしは目覚めた状態になっている)

???「りんりーん……」

燐子(……あれ? あこちゃんの声?)

燐子(えっと……わたしは――あれっ?)

 微睡みと目覚めの中間。心地よく漂っていた意識は違和感に急激に冷める。
 そう。わたしは思い出せなかったのだ。自分が眠りに落ちたその時を。
 眠っていていいのだろうか。例えるなら、二度寝の後に目覚し時計を止めたのを思い出したような悪寒。そんな感覚が身体を走り、わたしは身体を起こした。

燐子「……え?」

 すると目に飛び込んできたのは見慣れない光景。どこかのキャンプ場のロッジみたいな木造見え見えな壁と天井に囲われた一室。わたしが寝ていた一人用のベッドの横、窓から見える景色は緑一色で……その窓の反対側、唯一わたしの知っている人物がそこに立っていた。

アコ「りんりん、やっと起きた?」

燐子「あ……あこちゃん?」

 普段の姿と違うけど、間違いない。彼女は宇田川あこ。わたしの友達だ。


 判定です。↓1のコンマ一桁が偶数ならあこに前世界の記憶がある
               奇数なら記憶なしの状態
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 09:12:33.42 ID:VHHwqHes0
12 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/25(木) 05:04:07.93 ID:h/Sift450

 あこ 記憶あり


 あこちゃんの姿はまるでNFOみたいな、現実離れしたものだった。紫色の髪はそのままにツインテールで、頭には悪魔の翼みたいな飾り。服はフリルの付いたブラウスにミニスカート。紫と白を基調にしたデザインで、彼女の言う聖堕天使のイメージに近いカラーリング。
 目覚めて間もないわたしと違って事情を把握しているのか、その表情はいつもみたいに自信に満ち溢れていた。

アコ「りんりん、あこのこと覚えてる? ロゼリアでバンドしてて、それより前にも――」

燐子「う、うん。覚えてる……よ」

 かと思いきや、喜びに満ちていた顔をパッと弱気に変えて、あこちゃんはわたしへすがるように問いかけてくる。
 何かあった。それが簡単に分かっちゃうくらいに。

燐子「……何か、あった? というより……」

 周囲を見回す。おかしなのはあこちゃんの様子だけじゃない。景色もそうだし、よく見てみればわたしの格好も変だった。あこちゃんみたいにNFOのわたしのキャラクターみたいな服装で……枕元には帽子も置いてある。
 ……お、おかしい。色々と。
 超リアルなゲーム世界? それとも現実? なんて、まとまる筈のない思考が高速で回転する中、ぽかんとするわたしを前にあこちゃんが今度はキラキラと輝いた笑顔をして口を開く。
13 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/25(木) 05:05:00.92 ID:h/Sift450

アコ「えっとね、りんりん。驚かないで聞いてね? あこ達――異世界転生しちゃったみたい!」

燐子「異世界、転生?」

アコ「うん」

 こっくりと頷く。
 異世界転生……最近よく聞くあれだよね? 異世界にやって来て冒険するっていう。もしそれが本当なら服装も窓の外の景色も納得なのだけれど、まだドッキリとか夢だとかその線の方が太そうだ。

アコ「あれっ? りんりん信じてないの?」

燐子「……? う、うん……あんまり」

 私もまた首肯――するのだけど、違和感を覚える。なんだろう。あこちゃんの信じて当たり前、みたいな様子は。

アコ「えっと、りんりんはその――生まれ落ちる瞬間より授かりし、禁断の叡智がこう、ドバーと来てないの?」

燐子「来てない、かな……。あこちゃんは……違うみたい、だね……」

アコ「うんっ。すごいんだよ、目が覚めた途端ブワーッ、って!」

 なるほど、つまりあこちゃんが目覚めた時にこの世界の知識、記憶が頭に雪崩込んできて……ということみたい。
 あこちゃんが嘘を言う必要もないから、本当なのだろう。そしてもしそんな有り得ないことが真実なら、ここが別世界であっても納得できる。
 テンションを上げて楽しそうに話すあこちゃんを、わたしは困った笑顔を浮かべて眺めつつ考える。
 そういえば……最初のあこちゃんの言葉、前の世界の記憶がない誰かに会ったみたいだけど、それって誰だろう。
14 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/10/25(木) 05:05:41.65 ID:h/Sift450

燐子「あこちゃん……この世界に来て、ちょっと……経つみたいだね……」

アコ「3日くらいかな。りんりんがいなくて寂しかったよー」

 3日も……。じゃあ異世界って話は確定。頭は追いつかないけど……。

燐子「他にも……誰か、いたの?」

アコ「うん! えっとね――」

 尋ねると、あこちゃんはウキウキした様子で考えはじめる。この世界に来た人は複数いるみたい。
 前の世界の記憶の有無。つまりはこの世界の住人である同じ性格、容姿の別人とか、住人になりきってる転生した誰かがいる訳で……少し不安だ。
 できるだけ、少ないといいけど……。


 一気に記憶の有無判定。コンマ一桁が奇数なら無し。偶数なら有り。全員有りだった場合はこちらでランダムで一名記憶無しにします。

 ↓1 友希那の判定
 ↓2 紗夜の判定
 ↓3 リサの判定 
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 05:20:46.46 ID:k27sms/d0
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 10:55:32.40 ID:S9LqoxiR0
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 11:14:52.05 ID:CHQcwiHr0
18 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/26(金) 02:57:09.86 ID:YM0BnYNK0


 リサのみ記憶なし。
 初対面設定は記憶なしじゃないと面白味が……と思ったので、次からは記憶なしで突き進みます。


アコ「ロゼリアのみんなとは会ったよ。ユキナさんと、サヨさんと、リサ姉」

燐子「あ……みんないたんだ……」

 少し安心。あこちゃんと二人きりなのはちょっと心細いから。にっこりと笑いながら語るあこちゃん。でも何か思い出したみたい。シュンと落ち込んだ様子を見せる。

アコ「でもね、リサ姉は記憶ないみたい。サヨさんのこと知らないって言ってるし、ロゼリアのことだってさっぱりで」

燐子「え……?」

 今井さんの記憶が……? ムードメーカーたる彼女がバンドのことを、前の世界のことを覚えていないなんて……わたしが覚えていない、なんて場合より大ダメージではないだろうか。

アコ「だから今日、りんりん来てくれて嬉しかったんだー。ね、りんりん。みんなに会いに行こ?」

燐子「う、うん……」

 あこちゃんに手を引かれ、わたしはベッドから降りようとする。――その時。

燐子「……っ?」

 身体の異変に気づいた。あ、あれ? ……身体に、下半身に何か……有る筈のないものがあるような。でもそれが何なのか分からない……。
 サーッと血の気が引いていくのが分かる。さり気なく、できるだけバレないように手をやり確認すれば――やはり、何かある。
 え? え? なんで……?
19 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/26(金) 02:58:16.04 ID:YM0BnYNK0

アコ「りんりん?」

 混乱していると、当然目の前のあこちゃんが気づく。突然静止し下半身に触れたわたしを見、首を傾げていた彼女だけど何かに気づくとにっこりと笑った。

アコ「もしかして……したくなっちゃった? ふふっ、あこはいいよ? りんりん」

燐子「……えっ?」

 見たことのないあこちゃんの笑顔。妖艶な、色気のある笑みを浮かべた彼女に、思わずドキッとしてしまう。
 
燐子「あ、あこちゃん――っ、何……言って……」

 『したく』……なんとなく意味を察してしまったわたしである。でもあこちゃんが私の身体のことを知ってる筈ないし、そういう意味で言ったわけじゃないのかもしれない。
 理解が追いつかず困惑するわたし。するとすぐにあこちゃんが顔を真っ赤にさせた。

アコ「んっ? あ……あーっ! な、なんであこ、こんなこと! ご、ごめんねりんりんっ、変なこと言って」

燐子「……???」

 これが漫画なら多分わたしの顔の近くにはハテナが一杯浮かんでいたことだろう。赤面したあこちゃんが、腕をバババとすごいドラムを叩くみたいに忙しなく動かしながら叫ぶ。自分でも意識してなかった発言みたい。……でも、意味は分かるみたい。

燐子「落ち着いて、あこちゃん……何が、あったの……?」

アコ「うぅぅ……。そのぅ……」

 もじもじと、思考が落ち着いてくると恥ずかしがるあこちゃん。両手の人差し指をちょんちょんと合わせ、こっちをチラチラ見てくる。
 和んでしまいそうな可愛らしい姿だけど、直後される衝撃的な発言にそうはいられなかった。
20 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/26(金) 02:59:06.28 ID:YM0BnYNK0

アコ「この世界のアコ、りんりんと恋人同士みたいなんだ……」

燐子「……!」

 ピシャーンと雷に打たれたかのような強い動揺が走る。
 ……こい、びと? それでさっきの発言……。あ。分かった……。

アコ「それで、そういうことした記憶も頭にあって……ううぅ、恥ずかしい……」

 つまり……そういうこと。
 この世界のわたしは、あこちゃんとアレやコレをしている関係。それであこちゃんはついその設定に引っ張られてしまったみたい。

燐子「……あの、分かった……から。気にしないで……あこちゃん」

 あこちゃんに手を出すなんてこの世界のわたしについて色々質問したいところだけど、みんなに会って現状を把握するのが優先。
 わたしはあこちゃんを励まそうと微笑みを浮かべる。けれどどうしたのだろうか。まだもじもじと、何か言いたそうにしているあこちゃんは意を決した様子でわたしに近づき、手を取った。
21 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/10/26(金) 02:59:52.98 ID:YM0BnYNK0

アコ「ね、ねぇ、りんりん……。辛かったらあこ、ほんとにいいからね? りんりんの身体、魔力多くて――出さないといけないの、知ってるから」

燐子「えっ……」ゴクリ

 ……ゴクリって、わたし。
 でも潤んだ目で頬を赤らめ、わたしを見つめるあこちゃんを見ていると……かわいいなって思ってしまう。
 体質のせいもあったみたいだけど……手を出してしまう気持ちが分か――って、ダメダメ。
 前の世界なら有り得ない感情だ。まるで自分にもこの世界の記憶があるみたい。

燐子「わたし……は……」

 揺らぐ気持ち。頭がくらくらしてきたのを感じながら、わたしは答えた。


 1 「……お願い……したいかな……」
 2 「……みんなに会いに……行こう?」

 ↓1 選択肢を一つ選択
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/26(金) 05:24:54.79 ID:qWj/Zown0
今はまだ2
23 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/10/28(日) 23:08:55.40 ID:aZ1aod5f0

燐子「……みんなに会いに……行こう?」

アコ「うん……緊張するけど、りんりんのためなら――えっ? そ、そうなんだ」

 あれ? あこちゃんがっかりしてる……? 若干呆れも入ってるような……。

アコ「そうだよね! りんりんも初めてのところだし、まずは色々見ておかないと」

燐子「う、うん……」

 気のせいかな。傾げていた首を戻し、私はベッドから降りた。枕元の帽子を一応かぶって服を整える。すると今度は下半身だけではなく、全身の感覚の違いがはっきりと感じられた。
 身体が軽い。魔力、とかあこちゃんは言ってたけど、そういう身体の仕組みも普通とは違うのかな。

アコ「まずはユキナさんかな。すぐ隣のお部屋にいるから」

燐子「隣……?」

 身体の感覚を確かめていると、あこちゃんが歩き出す。友希那さん……ロゼリアの頼れるボーカル。冷静で自分にも他人にも厳しく、音楽に真正面から向き合う真摯さ――実力は勿論、そういうピンと張り詰めた、とにかく真っ直ぐな姿勢も尊敬できる人だ。
 隣に、というのが引っかかるけど、ここってマンションみたいな場所なのかな。
 ドアから出たあこちゃんに続いて部屋の外へ。その先は、おそらく廊下。人二人分くらいの横スペースの道で、ドアの前、手すりの下に一階が見える。
 ここは二階らしい。マンションじゃなくて宿屋、かな?
24 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/10/28(日) 23:09:32.17 ID:aZ1aod5f0

燐子「……あこちゃん、ここって、誰かの……お家?」

アコ「りんりんのだよ。ここはりんりんとユキナさんのお家」

燐子「わたし……友希那さんと……一緒に……?」

 あこちゃん、首肯。
 ……え、えっと、あこちゃんは私と恋人みたいな関係で、その上友希那さんと住んでる? この世界の私、遊んでる印象しかないんだけど……。

ユキナ「声がすると思ったら……本当に来たのね、リンコ」

 ドアが開く音。私とあこちゃんの視線の先、隣の部屋から一人の少女が現れる。スラッとした華奢な身体に、鋭い視線。見知った姿にやっぱり安心してしまう私だった。
 友希那さん……この世界で私と一緒に住んでるのは何でだろう……?


 1 義妹
 2 義姉
 3 その他、家族関係から自由に

 ↓2 友希那は燐子の……? 選択肢から選択
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:43:39.15 ID:UX04L1+80
2
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:59:38.36 ID:Mbe5UEBPo
義娘
27 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/10/29(月) 00:36:24.63 ID:fAXrczS70
 『友希那は燐子の……義娘』
 【義理の娘、ということで養子みたいな扱いで進めます。詳細を追加で安価】

 
 『義娘になった理由は?』
 1 小さい頃に両親が亡くなり、同居を始める。なんやかんやで母扱い
 2 燐子とあこ、リサのいずれかがカップルとして身寄りのない彼女を保護


 ↓1 選択。二番の場合はあことリサのいずれかを選択

  

 『ユキナのリンコの呼び方は?』

 1 お母さん
 2 ママ
 3 リンコ
 

 ↓3 選択
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/31(水) 05:26:51.95 ID:65nGjkyu0
1
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/01(木) 01:14:08.03 ID:oF+Psixfo
踏み台
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/04(日) 14:48:46.37 ID:MQHwNlSso
3
31 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/06(火) 23:19:31.81 ID:KRHwaj9G0

 『両親が亡くなり、同居を始める。なんやかんやで母扱い。呼び方はいつも通り』


燐子「は、はい……無事で、よかったです……」

 気になる……。けど、聞いてる場合じゃないよね。返答をしつつ私は友希那さんの服装をそれとなく観察。NFOの吟遊詩人の格好によく似ている。腰回りを出し、大きなスリットの入ったスカートが目を引く、大人っぽい友希那さんに似合う女性らしくて上品な衣装だ。
 帽子もそのままで、腰に琴を提げている。
 このNFOでの共通点はどういうことなんだろう……。
 色々考え込むわたしの横、あこちゃんが一歩近づいて面白そうな顔をして言う。 

アコ「ユキナさんはね、りんりんの子供なんだよ」

燐子「子供? え……えぇっ!?」

 遊んでる遊んでるとは思ったけど、一体誰との!? というより、わたしって何歳なの……?

ユキナ「……アコ。その話はやめなさい」

アコ「でも、本当ですよね? すごい笑顔でりんりんに甘えてるユキナさんの記憶が――」

ユキナ「や め な さ い」ゴゴゴゴゴ

アコ「は、はい……ごめんなさい」

 あこちゃん、萎縮。威圧感を放っていた友希那さんだけど、混乱した私を見ると表情を和らげる。

ユキナ「ごめんなさい、リンコ。ええと……その様子だと、記憶は…… 」

燐子「はい……この世界の、記憶だけ……なくて……」

ユキナ「新しいパターンね」

 顎に指を当て、ふむと頷く友希那さん。
32 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/06(火) 23:20:12.68 ID:KRHwaj9G0

アコ「だからアコ、説明しようと……」

ユキナ「うっ……。ごめんなさい。どのパターンにせよ、この世界の私を知っていると思っていたから、つい」

 友希那さんが落ち込んだ様子のあこちゃんに謝る。
 わたしも同年齢の知り合いを母親扱いしていた……なんて知ったら、すごく恥ずかしいだろうし、気持ちはよく分かる。知っているであろう相手にそんなことをまた説明するなんてしたくはないだろう。

ユキナ「ということは、これから説明を?」

あこ「はいっ。りんりん、重要な役ですから」

ユキナ「そうね……とりあえず、リビングへ」

 重要な……? と疑問に思うけれど、訊く間もなく二人は歩き出す。廊下を進んで階段を降り、一階へ。するとそこには大きなテーブルと数個の椅子、台所らしきものが見え――おそらくリビングだろう。
 友希那さんだけと暮らしているなら、大きすぎるくらい立派な家だ。家具もすごい。でもやっぱりそういう世界なのか、電化製品やコンセントの類いは見当たらない。
 パッと見ただけで世界の差は一目瞭然だ。

ユキナ「座って、リンコ」

燐子「はい……」

 ユキナさんが椅子の一つに座り、わたしとあこちゃんはその向かい側に。それから少しの間を置いて、友希那さんは口を開いた。

ユキナ「まず最初に、分かっているだろうけど……ここは私達のいた世界とは別の世界よ」

燐子「……」コクッ

ユキナ「ここに来た理由はよく分からないわ。ただ、死んだ、というわけじゃないと思う。ゲームとかの類いでもない。何かの理由で、私達は別世界に来た」

ユキナ「それぞれがこの世界で持つ設定を引き継いで」

 設定。
 あこちゃんがパートナーと言っていたり、友希那さんがわたしの子供だったりというのがそのことなのだろう。
33 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/06(火) 23:21:02.87 ID:KRHwaj9G0

ユキナ「前の世界の記憶の有無は人それぞれみたいね。現にリサはロゼリアのことも知らずに、この世界の住人になりきってるわ」

ユキナ「……まったくの別人、私達のように入れ替わってない可能性もあるのだけど」

アコ「でもそれはアコ達もですよね。前の世界の記憶だけ入ったのかも」

ユキナ「ええ。……とにかく、私達の身に何が起きたのか、分からないことが多い。むしろこの世界の知識と記憶の方が膨大ね」

 ……友希那さんも、わたし達がどうしてこうなったのか分からないみたいだ。ショックだけど……二人はもっと困っているのだろう。理解不能な状況に、記憶と知識が前と今の世界で一気に二倍に。容量がオーバーしかねない。

ユキナ「それで、私達のこの世界での設定だけれど……」

ユキナ「まず、リンコ。あなたは勇者。この世界を救うという選ばれた少女よ」

燐子「……。ゆ、勇者……?」

 真顔で勇者とか選ばれた少女とか言ってる友希那さんにシュールさを覚えたわたしだけど、言葉の意味を理解し、すぐその重大さに気づく。
 勇者。世界を救う。
 さっき二人が言っていた重要な役というのは、このことのようだ。
 でも、なんでわたしが……。

燐子「どうして、わたしが……」

ユキナ「選ばれたから、としか言い様がないわ。一年前、勇者の力に目覚め魔物を撃退し、その時アコと知り合ってパートナーに。それから修行をしつつ……」

アコ「なんだかんだ平和に暮らしてたんだー」

ユキナ「ええ。……特に二人は仲が良すぎるくらいに」

アコ「そ、そういうのはいいですからっ」

燐子「……子供、というのは……?」

ユキナ「……リンコを母扱いしていた。それだけよ」

 友希那さん……すごく恥ずかしそうな顔をしてる。
34 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/06(火) 23:22:14.95 ID:KRHwaj9G0

ユキナ「この世界の私は幼い頃に両親を亡くしたみたい。それから同じ境遇のリンコと同居して、まぁ……甘えてた、みたいね」

ユキナ「リサとは変わらず幼馴染よ。この世界ではリンコも。両親のことは気にしなくて大丈夫。不思議と落ち着いているの。……この世界の記憶のおかげかしら」

燐子「……そう、ですか……」

 両親……わたしの親もこの世界ではいないみたい。もし帰れなかったらこのまま会えない場合も……。少し、怖くなってきた。

ユキナ「次はサヨね。サヨは……城の騎士をしていたわ。記憶もあるけれど、私達とは初対面みたい」

燐子「騎士……な、なるほど……」

 紗夜さんらしい。彼女もまたNFOに沿った職業みたいだ。今のところわたし達と関係性はないみたいだけど、沙夜さんなのだ。いずれ知り合うことだろう。

ユキナ「最後に……リサね」

アコ「うん……」

 今井さん。ベース担当の、あこちゃんとはまた違ったバンドのムードメーカー。みんなの意見や想いをメンバーに伝え、説得する姿はある種ロゼリアのネゴシエーターとも言えるやも。
 あこちゃん、友希那さんによると記憶がなくて、この世界の住人になりきってるみたいだけど……。


ユキナ「リサは……↓1」


 ↓1 この世界のリサの状態(燐子への好感度9準拠)。台詞でも説明でも
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 00:07:47.68 ID:C3UF0NGSo
多重スパイ。汚れ仕事でも何でも使ってリンコのために働く
底辺奴隷時代にちょっと優しくしてもらったのを何年も覚えてた
36 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/08(木) 05:04:35.20 ID:s1Z0TEIy0


 『ヘビーめ設定採用ですー』


ユキナ「……少し、分からないところがあるの」

燐子「……」

 言葉や表情に出さないもののわたしは驚いた。
 友希那さんが今井さんのことについて分からないと口にするなんて。幼馴染ということもあるけど、知ろうとする姿勢を見せるだろうし、こんな諦めたような口調で断定する筈はないのだ。
 ましてや諦めるにしても、『少し』だなんて曖昧な言葉を使うとは。
 余程複雑なのだろう。

燐子「そう……ですか……」

ユキナ「普段は教会で働いているわ。勇者の仲間になってからは仕事と修行、私達の面倒を見たり……現実より忙しなさそうね」

アコ「でもユキナさんも、りんりんのことも大好きで、アコにもよくしてくれるんだよ」

燐子「うん……今井さんらしい……」

 根っこは変わらないみたいで安心した。直接会って話してみれば、今井さんがどうなってるかちょっとは分かるかな……。

ユキナ「一応、一通りはこれで話したかしら……」

アコ「そうですね。あっ、この世界についてまだじゃないですか?」

ユキナ「そうね、忘れていたわ」

37 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/08(木) 05:05:28.75 ID:s1Z0TEIy0

 あこちゃんに言われ、頷く友希那さん。台詞を整理しているようで数秒止まると彼女は口を開いた。そして早口で、

ユキナ「リンコ。この世界についてだけど……世界の名前はグランバウム。ドイツ語、らしいわね。何百年おきに勇者が選ばれ、魔王を倒す使命を課される……一言で言えばアコやリンコがやっていたゲームのような世界ね」

ユキナ「魔法や不思議な力が使えるし、科学の気配は無し。街の外に出れば魔物や盗賊が出る。弱肉強食の世界ね。加えて……ロゼリア以外のバンドの人達もこの世界に来ているわ」

燐子「それは……もしかして」
 
 なんとなく予想ができた。ポッピンパーティーにパステルパルット、アフターグロウ……ロゼリアと接点も多い彼女達メンバー。わたしたちが来たということは、彼女達も……。

ユキナ「ええ。様々な役と職業、設定……街の外にも大勢いるみたい」

アコ「街の人、しょっちゅう噂してますよねー……。」

 やっぱり、そういうこと。
 これで死んだ線は薄くなったと思うけど……なおさら意味が分からなくなってきた。わたしたちはなんでこの世界に来たのだろう。わたしが選ばれた理由は?

燐子「……」

ユキナ「リンコ、大丈夫? 疲れたのなら時間を空けるけれど」

燐子「……あ。大丈夫、です……。わたし達は……何をしたら、いいんでしょうか……?」

 説明は一通りされた。浮かぶ疑問は友希那さん達にも答えられないだろう。となると聞きたいのはこれからの目的。魔王を倒す、という大きな目的があるけれど、まだ挑むには早いだろうから。
38 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/08(木) 05:06:25.60 ID:s1Z0TEIy0

ユキナ「そうね……リンコがこの世界に来たのだから、今から預言者に会いにいきましょう。それで何をするべきかきっと分かるわ」

アコ「あ、そうですね! 勇者が目覚めたなら、魔王の部下も来そうですし」

ユキナ「……それはあまり考えたくないわね」

 とりあえず、預言者という人に会いに行くみたいだ。預言者……バンドの知り合い、なのかな。
 出掛ける支度をする、とリビングから離れる友希那さんとあこちゃんを見送り、わたしは一人、椅子に座って考える。

燐子「勇者……わたしが……」

 友希那さんとか、紗夜さんとか、他のバンドの人達も……もっと相応しい人がいるのに。
 ……いや、選ばれたのだからもう頑張るしかない。
 元の世界に戻れるか、どうしてここに来たのか、分からないことだらけだけど……わたしはまだロゼリアで演奏していたい。
 知るために、今立ち止まってる暇はないだろう。

燐子「……」コクッ

 覚悟は決めた。何も分かってない状態で決意しただけで、多分簡単に揺らぐのだろうけど……それでも、やろうと決めた。
 目標を決め、目覚めた当初よりも余裕のできた思考はぼんやりとこんなことを考えはじめた。

 ……預言者って誰だろう?



 1 花園たえ
 2 白鷺千聖
 3 弦巻こころ
 4 その他、四つのバンドメンバーから一人指名

 ↓1 預言者役を選択。設定も記載可。4番の場合はキャラ名も。コンマ一桁が初期好感度。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/08(木) 07:16:48.39 ID:wzQPoBHQO
2
40 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/08(木) 22:20:00.95 ID:s1Z0TEIy0
 預言者役 白鷺千聖 高感度9(説明忘れてましたが現実、異世界共通)で決定

 
 ↓1〜適当なところまで 現登場キャラ(リサを除く)の設定やリンコへの感情を募集
       >>1の自己判断で採用、採用しないがありますが
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/08(木) 23:46:54.48 ID:AzhqecGI0
ユキナ
リンコのことを内心では今でも母親だと感じている(表には出さないが)
実はユキナの本当の母親は魔族だった(ユキナは知らない)
ユキナの本当の両親は魔族狩りにあって亡くなった
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/09(金) 00:04:15.13 ID:upSQcsWPO
アコ
リンコと身体を重ねる時リンコが好きすぎてはドSになる
43 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:08:00.49 ID:Qrnhjdlu0

 2つとも採用しますーありがとうございます


燐子「……」キョロキョロ

アコ「すごいでしょ、りんりん。まるでNFOみたいだよね」

燐子「う、うん……すごく、綺麗……」

 家を出てすぐ。私は周りの景色に心を奪われる。
 窓から見えていた一面の緑。それは全て、一つのとてつもないサイズの大樹から伸びた枝で、街はその樹を中心に家やお店、教会らしき建物やお城などを並べ、さながら絵画のような美しさ。
 わたしの家は樹から離れており、ちょうどそれがよく見える。この位置からも大樹の枝が伸びてるのだから、途方もない話だ。しないだろうけど、倒木しちゃったら辺り一面大変なことになりそう……。

アコ「ここは大樹の街。聖王国の首都で、りんりんの故郷だよ」

ユキナ「……これを見ると、本当に現実なのか分からなくなってくるわね」

 二人の話を聞きながら、のんびりと道を歩く。舗装されていない地面を踏み、ひんやりとした空気を受けながら異世界ならではの景色を楽しむ。
 これが、この世界の現実。目に肌に雰囲気に、『差』をまじまじと感じる。

燐子「預言者さんは……どこに……?」

ユキナ「お城よ。国お抱えの重要人物だから」

 お城……。石造りの、そういう物語ではよく見る形状だ。距離が結構ある。行って帰ってくるだけでもかなり時間が経ってしまいそうだ。

燐子「あそこまで……。大変そう……」

アコ「大丈夫だよ、りんりん! りんりんも強くなってるはずだから」

燐子「強く……?」

 身体が軽く感じるのは分かるけれど、それ以外はさっぱり……。
44 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:08:48.02 ID:Qrnhjdlu0

ユキナ「設定と同じようなものよ。身体能力や技能が目覚めた時に引き継がれているみたい」

燐子「……」

 そんな、いいとこ取りみたいな……この世界のわたしに悪いような。

ユキナ「……罪悪感を抱くことはないと思うけど」

 表情に出ていたのか、友希那さんが言う。ほんの少しだけ照れ臭そうな様子で。 

ユキナ「巻き込まれたのだから利用くらいしないと割に合わないわ」

アコ「それに世界も救わないといけませんしね!」

ユキナ「ええ」

 二人とも前向きだ。
 世界を救う……。戦いになるんだよね……。わたしも遠慮しないで、最大限に力を活用するようにしないと。

??「おっ、三人揃ってどこ行くのー?」

燐子「あ……この声……」

 のんびりしたペースで歩くわたし達へ声がかかる。遠くの景色から前方へ視線を向ける。道の左右に並ぶ家の間、その脇道から一人、女の子が歩いてきた。
 ウェーブがかかったロングの茶髪。明るく人懐っこそうな愛らしい顔立ち。普段は派手目な格好をしているけれど親しみやすい雰囲気で、皆に気を配ってくれるロゼリアのお姉さん、お母さん的な存在、今井リサさんだ。
 この世界での服装は、やはりNFOの時みたいなシスター衣装だ。緑と白の色がよく似合っている。
 ――さて、今井さんはのほほんとした笑顔で声をかけてきたのだけど……みるみるうちにその表情を変えて、足の動きを止めてしまう。
45 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:09:25.70 ID:Qrnhjdlu0

リサ「って、リンコ……な、なんで……?」

 そう。真っ直ぐにわたしを見つめて、今にも泣き出しそうな顔をしている。訳が分からないで戸惑っていると、友希那さんがカチコチとした動作で片手を挙げた。

ユキナ「お、おはようリサ。少し報告が遅れてしまったけど、これから教会に向かうところだったの」

アコ「うんうん! 全然忘れてないよリサ姉!」

 二人のぎこちなく、慌てて乱れまくりな口調に更に混乱するわたしである。今井さんにわたしがいたことを報告しないと駄目なのかな?
 なんて、横目で二人を見ていると不意に今井さんがわたしに猛ダッシュ。

リサ「もう、リンコ! 3日もどこ行ってたの!?」ギュッ

燐子「――えあっ!?」

 そのまま飛びついて抱擁。受け止めたけどびっくりして大きな声が出てしまった。
 今井さん……この世界でもいい匂いがする。香水っぽいのにふんわり香る程度で、すごく女の子らしいというか……。

燐子「あ、あの……今井さん?」

リサ「――あっ、ごめん! つい安心して」バッ

燐子「えっ? ……あ、はい……」

 ハッと我に帰りすぐ離れる今井さん。触ることが悪いこと、みたいな今井さんの様子にわたしは違和感を覚える。でも考えてみると元の世界でも今井さんに抱きつかれたことはなかったような。
 遠慮している……のかな?
46 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:10:05.93 ID:Qrnhjdlu0

リサ「それで、3日も何してたの? 一人で出かけたりしないで、っていつも言ってるよね? 勇者なんだから」

リンコ「えっ……は、はい……っ、ごめんなさい……」

アコ「リ、リサ姉っ。りんりん一人で山ごもりしてたんだって」

リサ「……。は、はいっ?」

ユキナ「……それじゃリンコがとんだ変人よ」クイッ

アコ「ででも他に思いつかなくて!」

 詰問される私を見かねてあこちゃんが助け舟を出してくれたのだろう。けれど三日間一人で山ごもりという、物理的アウトドアと精神的インドアに振り切った無理ありすぎな言い訳に今井さんが納得するわけがなく。あまりの突拍子のなさに今井さんがポカンとしてしまっている。
 その間に今度は友希那さんが前に。ツッコミ代わりにあこちゃんの服を引っ張り、毅然とした態度でわたしの横に。
 流石は友希那さん。三日間も空ける理由はわたしに思いつきそうもない。ここは頼れる彼女に任せるしかないだろう。
 数秒たっぷり使って落ち着いて思考し、友希那さんはついに口を開いた。

ユキナ「リサ。本当は三日間、預言者――チサトと過ごしていたそうよ」

リサ「」ゼック

アコ「そっちのが絶対まずいですユキナさん!」

 『なんで?』とあこちゃんのツッコミに疑問を抱くわたしだけど、すぐ意味を理解した。今井さんもわたしの体質を理解しているだろう。そしてそれはわたしが女の子に興味があることを理解しているということでもあり……。簡単に言えば男子高校生が女性の友人宅に三日間いたような話。
47 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:10:58.18 ID:Qrnhjdlu0

ユキナ「……どうして? 仲が良いじゃない、チサトと」キョトン

 ……うん、ユキナさん……らしい……。

リサ「へ、へぇーそうなんだー☆ アコってパートナーがいながらねぇー。3日もチサトと」

アコ「アハハ、ハハ……勇者はみんなそうみたいだからねー」

燐子「アハハー……」

 あこちゃんと二人、棒読みの愛想笑いで乗り越えようと試みる。なんでだろう。悪いことも何もしてないのにすごく追い詰められた気分。この世界の設定、うらめしや。

リサ「アコがそう言うならいいけど……リンコ、アコのこともちゃんと可愛がってあげてよ?」

アコ「大丈夫! りんりんとはラブラブだから!」

リサ「ならよしっ☆」ビシッ

ユキナ「……」

 多分、なんなのかしら……と思っているであろう友希那さんの真顔。そして三日間白鷺さんと一緒にいるということを自然に受け入れられ、あまつでさえ複数人での交際を許すような発言に困惑するわたしであった。
 ……え、白鷺さんとわたしそんなに仲良かった……のかな? 普通のクラスメイトくらいの認識でいたんだけど……。

リサ「色々聞きたいけど、どっか出かけるんだよね? どこ行くの?」

ユキナ「それは勿論……」

 自然な会話の流れ。今井さんに尋ねられて、友希那さんは気づいたみたいだ。わたしも今気づいた。
 三日間泊まり込んで、家に帰って、また白鷺さんの元を訪ねようとするわたしという存在に。
48 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:11:36.55 ID:Qrnhjdlu0

リサ「モチロン?」

アコ「ええと……チサトさんのところに」

リサ「ふーん、また行っちゃうんだー」

燐子「……こ、今度は、真面目な……理由です……」

リサ「つまり三日間は真面目じゃなかったと」

 う、うう……っ、今井さんの視線がすごく痛い。

リサ「じゃ、アタシもついてく。勇者関連の用事でしょ?」

燐子「は、はい……」

アコ「これからのこと預言してもらうんだよねっ? そうですよね、ユキナさんっ」

ユキナ「ええ」コクコク

リサ「なーんか慌ててるのが気になるけど、まぁいっか☆ さ、行こ行こ」

三人『ふぅ……』

 な、なんとか誤魔化せた……。わたしの評価に多大な被害をもたらして。歩き出す今井さんを見、わたし達三人はホッと息を吐く。
49 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/11(日) 03:12:15.23 ID:Qrnhjdlu0

ユキナ「ボロボロで、なんとか勝利ね……」

アコ「勝ってます? これ」

燐子「……なんとなく。……ユキナさんが言っていたこと……分かったような、気がします……」

ユキナ「……距離を取っているでしょう?」

 今井さんからちょっと離れて歩きつつ、わたしたちは彼女の様子について話す。
 親しみやすいし面倒見がいいし、わたしの知るリサさんと見た目も性格も全く変わらない。でもどこか距離を取っていて、特に顕著なのがハグからの離れ方。
 それと、あこちゃんとの仲にすごく気を遣ってるような……気のせいかもしれないけど。

アコ「アコ達の状態を察してたり……」

ユキナ「かもしれないわね。二つの記憶が混ざって、リサと温度差があるのかも。こちらの様子を察して、距離を取っている可能性も高いわ」

燐子「わたしは……完全に、この世界の記憶喪失状態ですし……」

 ……一度、じっくり話をするべきなのかもしれない。わたしは口下手だから、ロゼリアのみんなで。
 目的がはっきりして、この世界にも慣れて、余裕ができたら……きっと。
 今はしっかり頭の中にこの街の道を記憶させて前に進むとしよう。
50 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/11(日) 03:12:45.68 ID:Qrnhjdlu0


 城へは顔パスで入場。見張りの人に下げてもらった跳ね橋を通り、門をくぐって巨大な城の中へ。
 許可のない一般人は入れないという城内は、独特の緊張感があって、そわそわと落ち着かない張り詰めた空気が流れている。
 兵士さんらしい人や、騎士みたいな人、忙しなく動き回る強そうな人達を見るに、魔物関係で忙しいのかもしれない。

ユキナ「……ここね」

 城内を歩くこと少し。一際豪華な扉の前に到着する。
 預言者の白鷺さん……。彼女に前の世界の記憶はあるのだろうか。どんなことを預言されるのだろうか。
 不安と緊張にゴクリと固唾を飲む。
 友希那さん、今井さん、あこちゃんと続いてわたしも部屋へ。
 呆れてしまいそうなほど広い部屋には、水晶の置かれたテーブルやソファー、その他家具が。ドアやカーテンで仕切られた場所もあり、預言者への優遇が見てとれた。

チサト「……あら」ガチャ

 感心して眺めているとドアの一つからタイミングよく白鷺さんが顔を出す。彼女はわたし達を見ると……



 ↓1 チサトとリンコのこの世界での関係、もしくは設定
    (ついでにコンマ一桁で記憶の有無を判定。偶数で有。奇数で無し)
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 05:50:10.13 ID:Sw53m/VJ0
仲良し姉妹
52 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/11(日) 11:14:08.78 ID:Qrnhjdlu0
 姉妹に決定

 ↓1 更に追加でどんな姉妹かコンマ判定
    コンマが01から40で燐子が姉で
     41から80で千聖が姉
     81から90で燐子が姉で、すごく仲良し(意味深)
     91から99で千聖が姉ですごく仲良し(意味深)

     ゾロ目の場合はパートナーに追加

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 11:19:39.57 ID:Hn7aRjhmO
54 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/13(火) 04:11:47.63 ID:Mupi6Yem0


 57 千聖が姉
   (義理の、ということになりますが)

チサト「リンコちゃん、それにみんなも。揃ってどうしたの?」

 ふわふわとした薄い生地が何枚も重なった神秘的な白のローブを身につけ、頭に装飾の綺麗なカチューシャを付けた白鷺さん。
 預言者らしい身長大の杖を持ち、こちらを見つめる彼女は首を傾げた。
 ここへ初めて来たわたしの存在にリアクション無し。記憶がないと見て間違いないだろう。

サヨ「えっ、シロガネさんですか?」

 ……あ。この声は。
 白鷺さんが出てきたドアから、彼女に続いて出てくる人物が。
 氷川紗夜さんだ。NFO時の衣装に似た、胸当て、軽装の鎧、スカートを身につけ、ゲームの初期装備よりも豪華そうな盾と剣を背負っている。
 彼女はわたしを見るとホッとした様子で息を吐いた。

サヨ「良かった……やっと来てくれましたか、シロガネさん」

燐子「遅れてしまって……すみません……」

サヨ「いえ。気にしないでください。みんな巻き込まれただけですから」

 相変わらずキビキビしててかっこいい人だ。ただ心なしか不安そうな色が強いような。それも当然……だよね。異世界に来るなんて突飛な展開、彼女が受け入れることは難しいだろう。
 ……騎士の氷川さんがここにいるってことは、白鷺さんの護衛が仕事なのかな。
55 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/13(火) 04:12:48.51 ID:Mupi6Yem0

リサ「チサト。リンコが三日間お世話になったらしいね〜。ありがと」

チサト「……三日間?」チラッ

三人『(無言の「合わせて」身振り手振り)』

チサト「え、ええ。まぁ姉として当然よ」

 なんとなく察してくれたらしい白鷺さん。苦笑をしながら合わせて――ん? 姉?
 さらっと口にされた言葉に首を傾げると、白鷺さんの視線がわたしへ。満面の笑みで彼女は続けた。

チサト「むしろもっと泊まっていってもいいわよ、リンコちゃん」

燐子「えっ? あ……はい……」

チサト「ふふふ、かわいいわね……」

 聞き間違えじゃなかったみたい。接し方は前の世界と同じ感じだけど、こっちの世界の方がちょっとだけ親密な気がする。

アコ「りんりん。こっちの世界だとりんりん、チサトさんのことお姉ちゃんとして慕ってたみたい」

燐子「あ……そうなんだ……」

 ストレートな好意の示し方に戸惑っているわたしへ、あこちゃんが耳打ちして教えてくれる。

ユキナ「魔法の師匠だからかしら。リンコはシラサギさんを信頼していて、シラサギさんはリンコを溺愛していたわ」

燐子「……溺愛だなんて……そんな……」

 チラッと白鷺さんを見る。なんだか怖がりの小動物でも見るような笑顔で、ヒラヒラと手を振られた。
 ……溺愛、されてたのかも。
 
56 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/13(火) 04:13:38.47 ID:Mupi6Yem0
 
アコ「前の世界と変わらないですね、そこは」

ユキナ「そうね」

 ……そんなことはないと思うけど……。今の白鷺さん、わたしが近づいたら抱きしめくらいはしてきそうな雰囲気だし。

チサト「――さて。今日はお姉さんに何の用かしら、リンコちゃん」

燐子「……そ、その……これからのことに……ついて、教えてもらいたくて」

チサト「預言ということね。わかったわ」

 わたしが用件を伝えると、白鷺さんの表情がスッと真面目に。預言者……その職業に相応しい落ち着いた雰囲気で、彼女はテーブルの前に歩いていく。その向かい側に立つ友希那さん達にならい、わたしも仲間達の横へ。

サヨ「預言、ですか。確かにシロガネさんがこちらの世界へ来たのなら、何かしら変化があるはずですね」

ユキナ「ええ。まずはそれを確かめるわ」

アコ「元の世界についても、何か言われるかもしれませんしね」

リサ「……? よく分かんないけど、そろそろ始まりそうだよ」

 すぅと息を吐いて、吸ってと深く呼吸を繰り返し、集中をはじめる白鷺さん。不思議なことにわたしたちは自然と口数を減らし意識を彼女に向け、部屋はすぐに静寂に包まれた。
 水晶が光り、白鷺さんがそれへ手をかざし……数分、だろうか。もっと長いかもしれないし、短かったかもしれない。白鷺さんが水晶から手を引くと、わたしたちはハッと我に帰る。
57 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/13(火) 04:14:46.91 ID:Mupi6Yem0

チサト「……終わったわ」

サヨ「どうでした? 神からのお言葉は」

 神……。紗夜さんが真顔で言うと、友希那さんの時と同じく違和感がすごい。他の人が言っても、前の世界の常識だと危ない宗教感がすごいのだけど、この二人は特に。

チサト「……驚いたわ。昨日と違ってすごく具体的に教えてくれるものだから」

アコ「おおーっ。それで、何て言ってましたっ? 神様」

チサト「……では、神託を告げます」

 白鷺さんが静かに説明をはじめる。目を閉じて語る彼女の姿は美しく、神秘的であった。

チサト「勇者、そして異界から訪れし分身達。世界をあるべき姿に戻す方法は、魔王を討伐するのみ。勇者とその仲間、五人の奏でる音が鍵を握る……。以上です」

 思ったより短かったけど、それでも得られる情報は多い。そして嬉しい事実も判明した。

アコ「うーんと……つまりどういうこと?」

サヨ「おそらく、こういうことね。魔王を倒せば、世界は元に戻る。二つの世界を含めて。後半は説明するまでもないわ」

ユキナ「……これで、やるべきことは決まったわね」

 今井さんがいるから、元の世界のことはぼかしているのだろう。でもあこちゃんも今の説明で分かってくれたみたいで、嬉しそうにガッツポーズを作っている。
 わたしも、今の預言はそんな風な意味に受け取れた。魔王を倒せば、今この世界に居るはずのないわたし達は元のあるべき世界へ戻れる。
 この世界へ来た理由は未だ分からない。でも魔王を倒せば帰れることは判明した。

58 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/13(火) 04:16:28.00 ID:Mupi6Yem0

リサ「リンコの仲間を探して、魔王、音のことを探るってところかな?」

ユキナ「そうね。けれど仲間はもう集まっている可能性が高いわ」

燐子「はい……」

 勇者含めて五人。そして奏でる音。
 多分、ロゼリアが関係している筈だ。今はその線が一番濃い。

ユキナ「……リンコ。勇者はあなた。世界のこと、私達のこと、鍵は全てリンコが握っているわ」

リサ「まあ、そうだよね。けど一人じゃないから」

サヨ「仲間は沢山いるようですし、安心してください。勿論、私もシロガネさんのことを護るつもりです」

アコ「りんりん、一緒に頑張ろうね!」

 魔王を倒す。途方もない目的だけど……みんながいるなら、どうにかなるかもしれない。なんて、今のわたしなら思えてしまう。
 臆病で自信のなかったわたしがここまで変われたのだ。みんながいるのなら、きっとどこまでだって。

リンコ「うん……。アコちゃん、みんな……よろしくお願いします……」

 だから、覚悟を決めよう。
 わたしはシロガネ リンコ。魔王を倒す、勇者。
 まだまだ分からないことは多いけど……この世界での役割を果たしてみようと、そう思う。
59 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/13(火) 04:17:00.33 ID:Mupi6Yem0
※今回はここまで
 次回はアコちゃんとの夜のシーンを書き溜めて一気に投下予定
60 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:29:54.56 ID:uzs9us3pO

 それから異世界へ来たばかりのわたしに気を遣ってか、ユキナさんの指示で一行は解散。わたしとユキナさん、あこちゃんとイマイさんの四人でわたしの家に戻った。
 明日から戦闘の訓練を始めたり、魔王や音の調査を始めたりと、本格的に元の世界へ戻るべく活動をはじめるらしい。
 これからどうなるのか。慣れない環境の中で、ぼんやり考えながら家でゆっくりしていると、あっという間に夜。
 イマイさんの作ってくれた夕食を食べ、彼女が自分の家に帰ると、わたし達は近所の銭湯で身体を洗い、寝る支度をはじめた。
 はじめた……のだけど。

アコ「りんりん、お待たせっ」

リンコ「え? ……アコちゃ――っ!?」

 突然入ってきたアコちゃんに度肝を抜かれた。
 お風呂上がりはそんな格好していなかったのに、わたしの部屋の前で別れてから数分後くらいか。その間に着替えたのだろう、すごく薄いキャミソールを身に着けていた。
 肩、首、胸元、湯上がりで火照った身体を大きく露出した、灰色のヒラヒラとした可愛らしいそれの下から透けて見える黒い下着。
 キャミソールはスカートほどの丈はあり、下着姿よりは見える肌色が少ないのだけど……布越しに薄く見える肌色がいかがわしく見えてしまう。
 わたしが着ているキャミソールとは全然違って大人っぽいというか、露骨にそういう様に見えるというか……。
61 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:30:21.43 ID:uzs9us3pO

アコ「どう……かな? あこ的にはかっこいいかなー、と思うんだけど。堕天使の力が我が衣を――包んで、ドンッ! みたいな」

リンコ「う、うん……。……似合ってるよ、アコちゃん」

アコ「そ、そうっ? よかったー。恥ずかしかったから、これ」

 と言いつつ部屋の中を進み、ベッドへ腰掛けるアコちゃん。
 この部屋にベッドは一つ。そしてここはわたしの部屋。さらにアコちゃんはわたしのパートナー。最後にアコちゃんの服装。
 様々な要素から、これから起こるであろうことが予想できてしまう。

リンコ「えっと……アコちゃん? わたしたち……もしかして、同じ部屋で寝てるの……?」

アコ「ぅん……そう」

 そして大胆な服装で恥じらい、もじもじしてるアコちゃんを見てると、その予想に期待してしまう自分もいる。
 そんなことはいけないと分かっているのに。できるだけアコちゃんの顔を見るようにして、隣へ座る。

アコ「ねぇ、りんりん。嫌ならいいんだけど……」

 いつもの明るさは抑えられ、しおらしい雰囲気の彼女は横のわたしへ身体を向ける。
 恥ずかしさで赤面するあこちゃん。うるんだ瞳でわたしを見つめ、そしてわたしにそっと抱きついてきた。
 アコちゃんの揺れるツインテールから香る石鹸の匂い。細くて小さいけれど、しっかり柔らかい女の子の身体。わたしの胸の上に顔を乗せ、甘えるみたいに首を傾げたアコちゃんは間近で囁く。
62 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:31:09.67 ID:uzs9us3pO
アコ「アコと……エッチなことしてくれる?」

リンコ「――」プツン

 頭が真っ白、というのはこのことを言うのだろう。常識が守っていた理性が、身体に伝わる感触と視覚、聴覚への刺激で一気に吹っ飛んで、身体と思考が硬直する。
 アコちゃんにこんなことされて、こんなこと言われたら……前の世界のわたしはどうしただろう。アコちゃんのことは好きだし、ずっと一緒にいたいと思う。
 でもそれは、恋愛的なものなの……?

アコ「りんりん……」ジーッ

リンコ「……うん、アコちゃん……しよう……?」

アコ「りんりん……!」パアァ

 うん、無理。耐えられない。
 身体の異変に心が引っ張られてるのか分からないけれど、今はアコちゃんが愛おしくてたまらない。それにアコちゃんが勇気を出して誘ってくれているのだ。わたしも応えなくては。

リンコ「……」

 ――とは言ったものの、どうすればいいのやら。頷いた後に恥ずかしさが出てきて、どう始めたらいいのか分からなくなってきてしまった。
 魔法の照明で部屋は明るいままだし……。
 知識は情報社会の並程度にはあるはずなのに……悲しいかな、経験の無さがここにきて響く。
63 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:31:51.16 ID:uzs9us3pO

アコ「りんりん? どうしたの?」

リンコ「……アコちゃん……その、やり方が……分からなくて」カアア

 経験なしの素人。困っていることを素直に答えると、アコちゃんはニッコリと笑う。

アコ「りんりんかわいいっ。それじゃあ、アコに任せて」

リンコ「――ふぇっ? んんっ……!?」

 いきなり体重をかけられ、ベッドに倒される。そのままアコちゃんはヒョイとわたしの身体を持ち上げ、ベッドに寝かす。腕力も強くなっているみたい、なんてぼんやり考えているとわたしの上に覆いかぶさったアコちゃんが、キスをしてきた。

アコ「ん……っ」

 唇を重ねる。言葉にするとたったそれだけのことだけど、アコちゃんの顔がすぐ間近にあって、彼女の吐息や唇の感触が伝わり、頭が興奮でぼんやりしてくる。
 ただのキスだけでこんな気持ちいいなんて。なにもできず、されるがままのわたし。アコちゃんは一度目を開き、そんなわたしの表情を見るといたずらっぽく笑う。いつもは無邪気さを感じさせる表情だけど、今は色気もあって妖艶に見えた。
 思わず見惚れるわたしへアコちゃんは再度唇を重ね、

アコ「ん、ちゅ……」

 わたしの唇へ舌を入れてきた。驚く間もなくアコちゃんの唇はわたしの口の中へ侵入し、わたしの舌を撫で回すように動いてくる。
64 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:32:30.54 ID:uzs9us3pO

リンコ「ぁ――んっ……ふぁ、アコちゃ――んぁっ!?」

 舌というのは思っていた以上に敏感で、彼女のがわたしを愛撫する度に身体が無条件にゾクゾクと震えてしまう。
 未知の感覚に戸惑い、思わず彼女の名前を呼ぼうと口を開くとアコちゃんがタイミングを図ったみたいにグイと唇を押し付けてきた。

アコ「ちゅ……りんりん……っ、ジュル……っ、はぁ」

 唾液を交換するような、とはこんなキスのことを言うのだろう。わたしの頬に手を添え、可愛がるように撫でながらわたしの口内をあちこち愛撫し、名前を囁くアコちゃん。
 唾液が口の端から漏れていても気にせず、わたしを求めるように激しく長い口づけを続ける。当然息がずっと続くわけはなく、時折唇を離す時間もあるのだけど……その間もアコちゃんはわたしの身体を優しく触れ、休まる時間がない。
 戸惑う心は初めての快楽に徐々に染められ、わたしとアコちゃんの喘ぎ声に唾液で立つ音が混ざるようになる頃には、わたしはもう自分から彼女を求めていた。
 息苦しさにぼんやりした頭で、けれども身体は自然と彼女を受け入れ、彼女に合わせて動く。
 
アコ「はぁっ……はぁ……」

リンコ「ぁ……はぁ、ん……っ」

アコ「ん……りんりん、すごいうっとりしてる……。気持ちよかった?」

リンコ「……っ」コクコク
65 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:33:03.70 ID:uzs9us3pO

 満足したらしいアコちゃんが唇を離した時にはもうほぼ限界で、高まりきった快感に頭が一杯。途中で止められたことに焦れったい気持ちでわたしはなんとか頷きつつ、無意識に刺激を求めて手を下半身へ伸ばす。
 秘所に触れようと伸ばした手だが、そこで硬いものに触れる。スカートを持ち上げるほど大きく膨張したそれは、この世界に来てからわたしの身体に起こった異変、男性器だった。

アコ「……? あっ、りんりんのもうこんなに大きくなってるね」

 嬉しそうに笑い、明るく言うアコちゃん。わくわく、なんて擬音が聞こえてきそうな様子で彼女は私の寝間着へ手をかけ――あっという間に下着だけの姿にさせてしまう。
 そうなると嫌でも目に入ってしまう、反り立った肉棒。そういう漫画で見るようなサイズで、とても女性に付いているとは思えないほどグロテスクな見た目だ。平均以上、なのかな? 倒したらおへそに余裕で届きそう……。

アコ「えへへ、ダーイブッ!」パフッ

リンコ「ひゃっ……あ、アコちゃん……」

アコ「りんりんって本当にキレイだよね。おっぱいも大きいし……いいにおーいっ」

 恥ずかしがるわたしの胸に顔を埋め、アコちゃんはご機嫌そうに笑う。あんまりそこの匂いはかいでほしくないんだけど……恥ずかしいから。
66 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:33:39.90 ID:uzs9us3pO

アコ「それに、ここ。記憶で覚えてるけど、すごい大っきいね」

リンコ「ひゃうっ、つ、掴まないで……っ」

 アコちゃんの小さな手がわたしのそれを掴む。記憶のお陰か絶妙な力加減で、痛くはなくむしろ快感のみが伝わり思わず声が出てしまう。
 初めての男性器への刺激。自分でもなるべく触らないでいたのだけど、思った以上に敏感だ。前の世界で、自分の女の子の部分を慰めた時よりも、強い快感かもしれない。
 声や反応に出てしまうこと、女性であるはずのわたしに存在するわけのないものを見られていること。恥ずかしくて、わたしは拒絶するふうなことを言ってしまう。
 本当は触ってほしくて、気持ちよくしてほしくて、そんな気持ちで一杯なのに。

アコ「へぇー……」

 けれどアコちゃんは、わたしの反応を悲しむでもなく、むしろ楽しんでいるみたいだった。力が入らなくて弱々しくアコちゃんの肩を押すわたしに、アコちゃんはニヤニヤと笑う。
 そしてわたしの男性器に添えた指をゆっくり根元から先へ動かしながら、わたしの手を掴む。それを自分の口元へ運び……指を口に咥えた。
 わざと大きく口を開き、中を見せつけてからねっとりと舌と唇で撫で回す。
67 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:34:19.54 ID:uzs9us3pO

アコ「ん……っ、ちゅ……」

 刺激はそれほどでもないのに、指をまるで口で奉仕するかのように舐め回すアコちゃんの姿は言い様のない淫靡さがあった。もしアコちゃんにアレを舐めてもらえたら……なんて期待で、わたしの男性器がピクッと跳ねた。

アコ「ねぇ、りんりん。どうしてほしい?」

リンコ「ふぁっ、ぁ……ん……ぅ」

 アコちゃんの顔で下半身がどうなっているのか見ることはできない。けれども先端を刺激され、一際強い快感が身体を走る。そのまま頭の周囲を指で撫で回され、次第に粘着質な水音が立ち始める。
 先走り、というやつだろうか。それが潤滑油の役割を果たし、敏感すぎる先端への刺激で与えられる微かな痛みすらもなくし、快楽の純度が増す。
 これだけでも絶頂に至ってしまいそうなほど気持ちがいいのに、わたしの頭にはもっと気持ちよくなることしか思いは浮かばない。
 わたしをからかうみたいなアコちゃんの表情。恥ずかしいのにわたしの思考は熱にうかされたみたいにぼんやりとしていて、彼女の愛らしい口元しか目に入らない。

リンコ「アコ、ちゃんの……口で……っ、んあっ」

アコ「口で?」

 囁かれる声。指で絶えず与えられる小さな刺激に声を震わせながら、わたしはなんとか言葉を口にする。

リンコ「……だ、あっ――ん。出したい……っ」

アコ「うんっ。いいよ、りんりん」

 元気よく答えるアコちゃん。その笑顔に嗜虐的な悦びを浮かばせて、なんだかとても嬉しそうな表情でわたしの手を開放。
68 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:35:25.52 ID:uzs9us3pO

アコ「りんりん可愛いね。そんなに射精したいんだ?」

リンコ「そ、それは……っ」

 わたしの言葉を卑猥な表現で言い換えられ、思わず恥ずかしがってしまう。何も間違ってはいないのに。

アコ「ふふっ。冗談だよ、りんりん。今気持ちよくしてあげるね?」

 わたしの反応が気に入ったのか、にやけつつアコちゃんが移動する。すると彼女の身体で見えなかった男性器が再び視界に入った。
 大きさはそのまま。けれど先走りにより、先端がてらてらとしていて……なんだかいやらしい。

アコ「りんりんの……近くで見ると本当に大っきいね。記憶のアコは咥えてたけど――下手だったらゴメンね?」

リンコ「……う、うん……」

アコ「ん……りんりんのにおい……」

 わたしのそれを間近で嗅ぎうっとりとした様子で呟くアコちゃん。記憶の影響か、抵抗感はないようでむしろ積極的だ。先程の焦らしや言葉責めも、この世界のわたしがされてきたことなのだろうか。
 だとしたらすごい。もうわたしはこの時点でいっぱいいっぱいなのだから。
69 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:36:22.89 ID:uzs9us3pO

アコ「はむっ……」

リンコ「いっ――ひあっ!?」

 大きく口を開け、先端を口に含む。口へ挿入するみたいに唇の間を通り、中へ。先っぽ全体が温かな口内に含まれ、舌の先が触れ――その瞬間、わたしは限界に至ってしまった。
 強すぎる快感に腰が抜けてしまうかと思った直後に、更に身体を走る快楽の波。頭が真っ白になり、目の前がチカチカする。これまで我慢していた何かをアコちゃんに放ち、それまでの何倍もの気持ちよさが身体を震わせた。

アコ「んうっ!? ん……」

 無意識に突き上げられた腰にアコちゃんが苦しそうに呻き、けれどもすぐ舌を動かし裏筋へ刺激を与えつつ吸い付く。

リンコ「ぁ……っ、あー……っ……ん、ぅ」

 精液が吸い上げられるような感覚。うわ言のように喘ぐことしかできず、怖いほどの快楽に目をキュッと閉じて耐えるわたし。
 射精なんて初めてだけど、特異な体質のせいか、異世界故か、女性としての絶頂にほぼ近く、余韻が後を引く。数秒の射精の後、わたしは放心状態。息切れ気味に荒い呼吸を繰り返し、目の前のいやらしい光景を眺める。
 わたしのモノを口から抜き、白濁を見せつけるように口を開いたアコちゃんがそれを飲み、空っぽになった口内をアピール。
 ぼんやりしているわたしを恍惚とした表情で眺めると、軽く頬にキスをした。
70 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:37:15.70 ID:uzs9us3pO

アコ「敏感でかわいいなぁ、りんりん。でも本番はまだなんだよねー」

 言って、アコちゃんは未だ復活できていないわたしをよそに、次の行動を起こす。

アコ「本番前にもう一回出そっか?」

 明るく言い放つアコちゃんはそのまま再びわたしの男性器に顔を近づけ――

アコ「あーっ……むっ」

 またまた口の中へ。
 ぽわぽわとしていた意識は突然の刺激に無理矢理覚醒させられる。

リンコ「やっ!? ぁ、アコちゃっ――あっ! 今は――っ」

 絶頂後で感覚の鋭さが増した男性器に容赦なく与えられる、慣れない快感。身体を起こそうとするけれど、アコちゃんはその暇も与えずに頭を動かしはじめる。
 咥えた直後にイケたほどの気持ちよさに、動き、擦られる快感がプラスされ、わたしはなす術がない。 

アコ「じゅぷ……ん、ふ……っ」

 唾液と先走り、アコちゃんの口から卑猥な音と声が聞こえ、わたしの耳に入ってくる。唇に扱かれ、ヌルヌルとした肉棒が見え、また咥え込まれを繰り返しその度にぞわぞわと身体が震え、だらしない声が口から発せられる。
71 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:38:25.80 ID:uzs9us3pO

リンコ「んぁっ、あ、アコちゃ――っ、すぐイッちゃ……ぁっ!」

 言葉ではやめてほしいと抵抗するものの、身体は対照的にはしたなく腰を動かし男性器は射精後だというのに硬さを保ったまま。
 次々と襲ってくる気持ちよさに混乱気味なわたしを見、アコちゃんは目を細めた。

アコ「ふ……っ、りんりん。いふでもふぁふぃていいから……ん、ちゅ」

 そして頭の動きを止め、もごもごと舌動かしつつ喋る。いつものトーンで話すアコちゃんだけど、わたしを見つめるその目は明らかに楽しんでいて。
 動きを止めたのもわたしがまたイク寸前だからと察したからか。それはさだかではないが、こちらをジッと見つめながらアコちゃんは緩く刺激を与え続ける。
 絶頂から休みなく強い刺激を受け続け、今度はじわじわと限界へ導かれる。

リンコ「あっ、や……アコ、ちゃんっ――ぁ、気持ち、よすぎて――イッ、く……!」

 再度身体を走る、上りつめる感覚。わたしが絶頂に達すると同時にアコちゃんはわたしの男性器から口を離し、手で扱いてくる。

リンコ「ん……あぁっ……ん……ふ」

 精液が放たれる度、思考が白く染まっていく。うっとりとした顔でわたしの精液を顔に浴びたアコちゃんは白濁が放たれてる最中も手を動かし続け――最後に先端から漏れた液体を舐めとると、わたしの上に跨った。
72 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:39:06.98 ID:uzs9us3pO

リンコ「アコ……ちゃん……?」

アコ「りんりんがかわいくてついいじめちゃった。大丈夫? 疲れてない?」

 どこか満足げな様子でアコちゃんは尋ねながら、自分についた精液を指で掬い、舐め取っていく。

リンコ「アコちゃん……、美味しくない――でしょ?」

 苦いだけ、みたいなことを見たのを思い出し、わたしは心配してしまう。その気持ちとは反対に、美味しそうに精液を飲み、身体をゾクゾクと震えさせるアコちゃんに下半身のそれが硬さを取り戻したのだけど。

アコ「すっごく美味しいよ? 味は確かにまずいけど……」

 やっぱりまずいんだ……。
 アコちゃんはもう一度白濁を指で拭い、それを舐める。口の中に含み、しっかり味わってから飲み込む。うっとりした声をもらし、アコちゃんは恍惚とした様子で自分の身体を撫でる。
 今にも自分を慰めそうな発情しきったアコちゃんの姿に、わたしは興奮してしまう。

アコ「りんりんの魔力が川……滝? ドドドーって流れ込んできて、触ったりするだけでも気持ちいいんだー」

リンコ「そう……なの?」

アコ「うんっ。ほら……」

 アコちゃんがまたいたずらっぽく笑い、わたしの手を掴むと――彼女の秘部へとそれを持っていく。
73 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:40:12.77 ID:uzs9us3pO

リンコ「――ア、アコちゃん!?」

アコ「ん、りんりんの指……。ほら、ビショビショでしょ?」

 湿った感触。よく見れば下着の黒が割れ目部分は濃くなっており、形がしっかり浮き出ている。太ももにも水滴が。

アコ「んっ……こういう時のりんりんに触ってるだけでも……」

リンコ「アコちゃん……」

 眺めていると、アコちゃんの腰がちょっとずつ動いていることに気づいた。わたしの指で自分を慰めるように腰を押し付け、クチクチと小さな音が立つ。
 そんな光景を見せられて我慢できるわけがなく、わたしは恐る恐る問いかけた。

リンコ「アコちゃん……続き、してもいい?」

アコ「――あっ、うん。アコもしたいから……」

 腰の動きを止めて、アコちゃんは苦笑。少し後ろに下がり、わたしの肉棒がお腹の前へ来るようにする。

アコ「これ、入るのかな……記憶のアコはひいひい言ってたけど……」

リンコ「そういえば、アコちゃん……っ。そういう言葉……知ってるんだね……んっ」

 射精、とか言われたときは興奮しちゃったけど、ちょっと複雑な気持ち……。腰を上げ、男性器に手を添えてあれこれ試行錯誤するアコちゃん。彼女はにっこりと笑い、

アコ「ネット社会だからね! それにアコも思春期だし興味あるから。……好きな人とこういうことしたいって」

リンコ「アコちゃん……」

 そういうふうに思っててくれたんだ……。前の世界でもそうだったのかな。わたしに男の人のものがなくても……。
74 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:41:00.44 ID:uzs9us3pO

アコ「入れるね、りんりん」

リンコ「……う、うん。無理しないで、ね……」

 暗い思考が頭に浮かびかけるも、今はアコちゃんとの行為にしか意識がいかず。先端が割れ目に触れると、わたしの頭はアコちゃんのことでいっぱいになってしまう。
 アコちゃんと一線を越える……。今更だけどこれ、犯罪……なのかな。なんて思うけれど背徳感という興奮の材料にしかならない。
 未だ硬いままのそれが、アコちゃんの割れ目へ沈んでいく。下着をちょっと横にずらし、扇情的な下着姿のままわたしを受け入れていくアコちゃん。

アコ「んっ、く……ふぁ」

リンコ「ひぅっ……」

 わたしのお腹に手をついて、徐々に腰を下ろしていく。熱いアコちゃんの体温に先端が包まれ、強く締め付けられる。華奢な体格のせいか、わたしの大きなそれが狭い中をかき分け入っていき、隙間なく柔らかな中に締め付けられ、擦っていく……またすぐに射精してしまいそうなほど気持ちよく、わたしは自分の身体を抱きしめるようにしてなんとか耐えようとする。
 件の魔力のせいもあるのか、快感のレベルが違う。
 視覚的な刺激の強さもあるのだろう。アコちゃんの身体にわたしのものが入っていき、蜜が押し出されてわたしのそれを伝い――アコちゃんも気持ちいいのか、腰を下ろしながら舌を出して、深く呼吸をしている。
75 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:41:42.06 ID:uzs9us3pO

アコ「あ……っ。は、ひ……っ」

リンコ「アコ、ちゃん……。ぁん、大丈夫……っ?」

アコ「だ、大丈夫……っ。ちょっと気持ちよすぎて……」

 声をかけるとアコちゃんは頭をブンブンと横に振り、幾分かしゃっきりした表情に戻る。それから再度、腰を下ろし……一度何かにぶつかる。それを越え更に奥へ。たっぷり時間をかけて一番奥まで入りきったようだ。
 わたしのそれはまだ全部入りきってないけど……それでも挿入するというのは快感も興奮も別物で、頭がどうにかなってしまいそうだ。

アコ「〜〜っ! こ、ここまで……だよね?」

リンコ「う、うん……っ、多分……」

 奥まで入りきり、前のめりのまま大きく震えたアコちゃんは緩んだ笑顔で首を傾げる。だらしない表情だけど……もしかして、挿れてイッちゃった……?
 そう考えるわたしも限界スレスレで、盛大に声が裏返ったけれども。

リンコ「あれ……?」

 我慢我慢と頭の中で何度も唱えつつ、アコちゃんを眺めていると彼女の秘所、そこから赤い何かが男性器を伝い流れていることに気づく。
 そういえば挿入の時……まさか。
76 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:42:24.20 ID:uzs9us3pO

アコ「あはは……アコ、初めてだったみたい。記憶の身体とは別なんだね」

リンコ「そんな……。痛くなかった……?」

アコ「全然平気! 気持ちよくてクラクラしちゃうくらいだったから!」

 やっぱりあれはそういう反応だったんだ……。
 アコちゃんの初めてをわたしが……。前の世界では有り得なかったこと。アコちゃんがそれを嬉しいと思ってくれてるなら、ちょっとこの世界に来て良かったなと思える。

アコ「りんりん、動くね?」

リンコ「う、うんっ……いいよ」

 アコちゃんも我慢できないのか、話を早めに切り上げて確認を投げかけてくる。
 アコちゃんの中……狭くてキツくて、ヌルヌルしてて……とっても気持ちがいい。すぐにでもイッてしまいそうだけど、せめてアコちゃんを少しでも満足させられるように耐えなきゃ。

アコ「それじゃあ……あっ、んうっ」

リンコ「ぁ、ひっ……!」

 アコちゃんが腰を上げ、下げる。ジュプといやらしい水音がして、男性器と中が擦れ合う。柔らかいアコちゃんの中がまんべんなくモノを刺激し、腰が浮いてしまうほどの強烈な快感が与えられた。
77 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:43:11.94 ID:uzs9us3pO

アコ「んぁっ……これっ、すごい……」

 うっとりとした声音でアコちゃんが喘ぐ。身体を少し後ろへ仰け反らせ、自分の胸に触れながら腰を回すようにして動く。グリグリと先端が奥に押し付けられ、溢れ出る愛液の立つ音が大きくなっていく。

リンコ「いっ、う――あぅ! アコちゃん、わたし――ひぁっ!」

アコ「りんりんっ、はぁ――はぁ、ぁんっ……いいよ、いつでも」

 アコちゃんのタイミングで快感を与えられ、休むこともできない。挿れているのはわたしなのに、まるでアコちゃんに犯されているようだ。限界がまた近くなってきたわたしへ、アコちゃんは喘ぎ混じりに優しく言い、身体を前に。
 わたしの胸に手を付いて、腰を上下に動かしながら慣れた手つきで揉んでくる。
 二人の体温とアコちゃんの愛液でとろけてしまいそうな男性器から伝わる快楽と、アコちゃんの胸への愛撫。
 されていることは分かってるのに、思考がまったく追いつかずわたしはただただ喘がされるだけ。

アコ「んっ、りんりんが出すところ、見ててあげるから……あっ、あっ、んぁ」

リンコ「あっ、ぁ――ん、く……イッちゃう! アコちゃん
に――出し――ああっ!」

 スパートをかけるみたいにペースを上げられ、耐えられるわけもなく、わたしは達してしまう。無意識にアコちゃんの腰に手を添えて自分へ寄せ、彼女の奥へと精を放つ。
 中に出す。その快感は言わずもがな、彼女を自分のものにしているのだという征服感が興奮を煽る。
78 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:43:58.60 ID:uzs9us3pO

アコ「あ……あぁ。りんりんの、熱い……」

リンコ「ん……ぁ、あ――っ」

 彼女の中で男性器が跳ね、精液が放たれる。射精は一、二度目より長く続き途方もない快楽がわたしの思考能力を奪う。
 わたしが出す度に彼女の中が、身体がビクビクと震えるのを感じた。アコちゃんの脱力しきった顔……。イッてくれてるのかな?

リンコ「はぁ……っ、ぁ……ん」

アコ「いっぱい……出したね、りんりん。気持よかったよ」

リンコ「う、うん……わたしも――ひぅ」

 アコちゃんが腰を上げ、中からわたしのものを抜く。白濁がドロっと溢れ、彼女の太ももを伝う。あんなに溢れるほど……。

アコ「……あれっ? りんりん、またしたくなっちゃった?」

リンコ「……へっ?」

 いやらしい光景に見惚れていたわたしは彼女の声で我に帰る。見てみればすっかり元通りなわたしの男性器が。……わたし、どれだけ元気なの……。
 呆れるわたし。流石にアコちゃんも疲れるだろうと、寝ることを提案しようと口を開きかけたわたしへ、アコちゃんは顔を近づけてくる。
79 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2018/11/19(月) 03:44:29.72 ID:uzs9us3pO

アコ「いいよ、いっぱいしよっかりんりんっ。アコも満足してないし……」

 いい笑顔だけど、なんだか目にハートが見えるような……。

リンコ「アコちゃん……流石に休――んむっ!?」

アコ「ん、ちゅ……じゅる、ぷぁ……」

 キスから、再び挿入。そうなるとわたしに抵抗する気力はなくなり……

リンコ「やっ、ぁ……あ、ん……ぁひっ――あぁ」

アコ「んっ、ぁ……りんりん、その顔可愛い……っ」

 多分一桁を超えた回数、アコちゃんと身体を重ね続けた。わたしも、アコちゃんの体力もすごすぎると思う。
 この世界のわたしが体力をつけていてくれて本当に有り難いと思った夜である。
80 : ◆g5daB11lKU [saga]:2018/11/19(月) 03:48:22.24 ID:uzs9us3pO

 ※書きすぎました
  次回から通常の進行に。
  落ちるのと同時に最後に安価

   ↓1 翌朝に登場するキャラを一人指定(未登場のキャラでも、出てるキャラでも可。未登場の場合は設定も記載可)
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/19(月) 07:10:35.08 ID:uf008rP9O
モカ

有名な奴隷商人
現在は奴隷商だけでなく、さまざまな店(レストランや道具屋など)の経営も行っているやり手の商人
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/19(水) 07:16:36.36 ID:lMwc40nIO
続き待ってるぞ
83 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:28:53.39 ID:kaaTwu240
 記載忘れですが、
 コンマ二桁目で記憶の有無、一桁目で好感度の判定を行います。今回は偶数なので記憶有。好感度は8とします。
 書いていない設定以外はこちらで他キャラと関係つけたりしますのであしからず。




リンコ「……ん。うう」

 めくるめく、という表現が似合う肉欲の夜を越えて、朝。心地よい疲労感と身体の重荷を払ったかのような身軽さを感じつつ、わたしは鳥の囀りを目覚ましに覚醒する。

??「なるほどー。勇者はリンコさんかぁ〜」

リンコ「くぁ……ふぇ?」

 無防備に欠伸を一つ。口を開いたわたしは、聞き慣れない声に固まる。こののんびりとした口調、聞いたことがあるような……。

??「あ、起きました? カーテン開けますねー」

 わたしが起きたことに気づいたのだろう。変わらぬトーンでその人物は言うと、窓にかかっているカーテンを開いた。眩しい朝日に照らされ、姿を現したのは……青葉さん。
 NFOで彼女の姿は見たことがなかったけれど……とても値段が高そうな服を身に着けている。
 旅人用の茶色のマント、白シャツに茶のロングパンツ。一見すると地味に見えるけれど、素材は一級品。元の世界でも中々見ることができない質だ。
 冒険者風の装いの彼女は、大きなリュックを背負っていた。商人……なのかな。
84 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:29:41.60 ID:kaaTwu240

モカ「おー……。これはこれは」

リンコ「……?」

 首を傾げる。青葉さんの視線はわたしの顔より下に向けられてるけど……あ。

アコ「すやすや……」

 わたしの身体に抱きつき、胸に頬を寄せたアコちゃんが熟睡している。扇情的な下着姿で。わたしは裸で。
 昨晩は……疲れていつの間にか寝ていたみたい。毛布かぶってないし、服着てないし……。

リンコ「こ、これは……そのっ……」

モカ「お邪魔しました、リンコさん」ペコッ

 ほんのりと赤くなり、青葉さんがそそくさと部屋から出ていく。……この世界で初めて会った時にこの姿。タイミングが悪すぎた。
 うまい言い訳が見つからず、パタンと閉まるドア。アオバさんの足音が遠ざかっていく。
 ……とりあえず、起きよう。

リンコ「……アコちゃん、起きて」

アコ「んぅ……? あ、りんりん。おはよー」

 声をかけ、肩を揺するとアコちゃんはすぐ起きてくれる。眠そうに挨拶しながら枕に頬ずりをするみたく、わたしの胸へ顔を擦りつけてくる。

リンコ「ん……くすぐったいよ、アコちゃん……」

アコ「えへへ……。りんりんのおっぱい、やわらかーいっ」

 ちょっとコンプレックス気味だったスタイルだけど……憧れるちゃんが気に入ってくれてるなら、少しは自信を持てそうだ。猫みたいに甘えてくる彼女の頭を撫で、癒やされ気分。
85 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:30:16.28 ID:kaaTwu240

リンコ「アコちゃん……。あれから、わたし達……」

アコ「あっ! そうそう。りんりんごめんね?」

 ハッとして、アコちゃんはわたしの上から横に。腕へ抱き着いて小首を傾げる。か、かわいい……。

リンコ「……ごめんね、って?」

アコ「アコ、調子に乗ってりんりんに10回くらいビュッてさせちゃって……最後りんりん気絶しちゃったから」

リンコ「……そ、そうなんだ……」

 最後の曖昧な記憶はそれが影響してるのかな。アコちゃんが蕩けた顔でわたしの上で腰を振ってるのを見たのが最後の記憶で……きっとサキュバスに襲われた人ってこんな気持ちなんだろうなぁ……なんて。
 でもすごい気持よかったことは覚えている。アコちゃんの身体にわたしのものを出し入れして……。

アコ「次はりんりんに動いてほしいなぁー」

リンコ「……それは、無理……かも」

 入れるだけで腰が引けそうで精一杯なのに、動くだなんて。入れる側なのに攻められてるみたいな感じ方をしちゃうのは、今後のためにもどうにかしないと……。わたしもアコちゃんを最後まで満足させたいから。
 まぁそれはそれとして……さっきアオバさんが来たことを伝えて、早く部屋の外に出ないと。

リンコ「アコちゃん……さっき……」

アコ「――あれっ? りんりんまた勃ってるよ?」

リンコ「――えっ? あぅっ!?」

 説明しようとした途端、アコちゃんがおもむろにわたしの男性器を掴む。アコちゃんの細くて温かい手が触れた瞬間、身体に電流が走ったみたいにピクッと反応してしまう。
86 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:30:58.38 ID:kaaTwu240
リンコ「あ、あのっ……アコちゃん、んっう――早く起きないと……っ」

アコ「早く? あ、もう朝ごはんの時間だよね。でもその前に……アコに朝のご飯(魔力)ちょうだいっ!」

リンコ「だ、ぁ……駄目、だよアコちゃ……くぁっ……」

 だ、ダメ……頭がぼんやりしてきた。ちょっと擦られただけで抵抗できなくなっちゃうなんて。でもアコちゃんの技術もすごくて、何も考えられなくなってしまう。

アコ「じゅぷっ……れろ……あむ、ん」

リンコ「ひゃうっ! あっ、アコちゃん……っ!」

 ……その後、すぐ達したわたしの精液を綺麗にアコちゃんは平らげ、また続けようとする彼女をなんとか制止することに成功。急いで家の簡易的な水浴び場で身体を洗い……リビングへ向かうのだった。
87 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:32:36.20 ID:kaaTwu240
 
 
ユキナ「……来たわね、二人とも」

リサ「おっはよー☆ アコ、うまくいったみたいだね」

 リビングに行くとそこには既に二人……と、

モカ「さっきはどうもー」

 微妙にぎくしゃくした動作のアオバさんがいた。無かったことにしてくれているのか、冷静な風を装ってくれる彼女にわたしも多くは語らず会釈。
 記憶のないイマイさんが彼女がいることを受け入れているってことは、二人はこの世界では知り合いなのかな……?
 アオバさんは前の世界の記憶がありそうだけど。
 階段を降りた先で観察していると、アコちゃんが小走りでイマイさんのところへ向かっていく。

アコ「リサ姉のアドバイス、すっごい効いちゃったよ! ありがとう、リサ姉」

リサ「どういたしましてっ。けど、ユキナに聴こえちゃうくらい賑やかだったのは気をつけた方がいいかもね〜」

アコ「えっ? あはは……ごめんなさい、二人とも」

ユキナ「私は……別にいいわ。お母――リンコが幸せなら」

モカ「えーと、話を再開しませんかー?」

 わたしの部屋で目撃した関連の話を蒸し返され、困った様子のアオバさん。わたしとしても真面目な話をしたいところだけど……声、聞こえちゃってたんだ。
 昨晩のはわたしの方が声、大きかっただろうし……ユキナさん、色々複雑な気分なんじゃ……。
 バンドの仲間で、この世界では母親代わりの女性の夜の営み。……うん、言葉にしただけでも複雑さがよく分かる。
88 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:33:25.41 ID:kaaTwu240
ユキナ「……そうね。リンコ、アコ。適当に座って」

リサ「じゃ、アタシご飯持ってくるね」

リンコ「はい……ありがとう、こざいます……」

 着席。イマイさんがわたしとアコちゃんの朝食、パンとスープをテーブルに並べ、席に座ってからユキナさんは話をはじめた。

ユキナ「……今日は、情報をもらうためアオバさんに来てもらったの」

モカ「どうもー。アオバモカです。この世界では奴隷商人やってます」

リンコ・アコ『!?』

 緩い口調で言い放たれた、ゆるくない単語。不意打ちみたいに叩きつけられた言葉に、わたしとアコちゃんは驚愕する。
 ど、奴隷商人……? それって、ファンタジーでは悪役なイメージが……。
 何秒かかけて脳内で処理していくと、段々と彼女が気の毒に思えてきてしまった。目を覚ましたらこの世界の自分は悪役でした、なんてどんな気持ちになるのだろうか。

リサ「あ。心配しないで二人とも。アオバさんってすごくいい人だからさ。そうですよねっ、アオバさん」

モカ「あははー……敬語はちょっと調子狂うなぁ」

 硬直するわたしとアコちゃんへ、アオバさんのフォローを入れるイマイさん。どうやら二人は知り合いみたいだ。イマイさんの前の世界の記憶はないし、商人のモカさんと面識があるということ。
 不思議に思っていると、それを察したのかユキナさんが語る。
89 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:34:36.35 ID:kaaTwu240

ユキナ「アオバさんはやり手の商人として有名人なのよ。奴隷商人だけではなく、レストランや店の経営をしていて……この国随一の富豪と言っても過言ではないわ」

アコ「んー……あ、そういえばそんな話聞いたような」

モカ「まぁ、奴隷なんて言っているけど人材派遣みたいなものでアフターケアも万全ですしー」

リサ「うんうんっ」

 人材派遣……。身寄りがなかったり、仕事につけない人に仕事を与えるってことだろう。それだけじゃなくてアオバさん自身も多岐に渡る事業をしていて、自ら仕事を作っている……のだろう。
 よかった。単なる悪人、なんてことはなくて。

モカ「というわけで、リサさんに呼ばれてここに来た次第で〜。魔王情報大量入荷してますよー」

リサ「アオバさん、仕事柄情報通だからさ。何か知ってるかなって思って」

ユキナ「それはいいのだけれど……。リサ、どこでアオバさんと知り合ったの?」

 多分、ユキナさんは単純な疑問でその質問を投げかけたのだろう。元の世界の記憶もないのに、どうして奴隷商人などという職業のアオバさんに接点があるのか、と。
 何気なくされた問いかけに意外な反応を見せたのはイマイさんだった。

リサ「えっ? それはそのー……」

 ……怪しい。この場にいる全員――いや、アオバさんを除く全員がそう思っただろう。あたふたと視線を泳がせる彼女は笑顔を浮かべたままおれこれと言い淀む。
 知り合ったきっかけもそうだけれど、わたしはイマイさんとアオバさんの迅速すぎる対応にも違和感を覚えていた。預言を貰った昨日の今日で朝から来るだなんて。
 わたしが勇者だからかな……? やっぱりみんなも早く元の世界へ帰りたいのだろう。
90 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/08(火) 04:35:16.72 ID:kaaTwu240

モカ「それはー、あたしの方から持ちかけたんです。やっぱり勇者さんに魔王を倒してもらいたいので。預言者のところへ行ったのは知ってたから、今日がいいかなーっとモカちゃん自慢の情報網で」

ユキナ「……なるほど、そうだったのね」

リンコ「……」

 確かに有り得なくはない。でも、心底ホッとしてるイマイさんを見るとそれだけじゃないような気も……。
 追求したい気持ちを抑え、わたしはパンをかじる。訊かれたくないことのようだから、話してくれるまで待つとしよう。

モカ「そしたら、イマイさんが大切な人、特にミナトさんとリンコさんのためにって――」

リサ「ちょ、アオバさんっ!」

モカ「あははー。冗談冗談」

 リサさん、照れてる……。ユキナさんを大切な人、って他の人に言われてもあんなに取り乱すイメージはなかったから意外である。

モカ「というわけで、まず第一の情報から」

 飄々と、その話は終わりと言わんばかりに話題を切り込む。ゆるい空気のままアオバさんは語る。

アオバ「この街の近く。魔王の仲間、↓1が守る遺跡に↓2があるらしいです」


 ↓1 登場済み以外のキャラで一人指名
    コンマ一桁で好感度を判定。記憶は強制的になし
 ↓2 楽器(マイク、ギター、ベース、キーボード、ドラムの内一つ指定)
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 15:02:13.14 ID:fxtwA8ahO
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/01/08(火) 15:41:36.97 ID:hcgz/AUp0
ベース
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 15:56:12.14 ID:fxtwA8ahO
設定を何か書いた方が良かった?
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 16:08:44.55 ID:fxtwA8ahO
間に合うなら『職業:暗黒騎士』でお願いいたします
95 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/09(水) 03:41:36.78 ID:YJN6gR4f0

【キャラと楽器決定。職業も採用です。巴の好感度は4
   執筆に入るので、その間また登場済みのキャラの設定を募集します。
   異世界だけでなく現実世界の出来事なども大丈夫です

 間が空いて申し訳ないです】
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 08:35:22.92 ID:wuNalFhA0
リンコが来る数日前、現実世界ではCiRCLEで大会が開催された。
Roseliaや多くのグループが参加したがPoppin`Partyが優勝やベストボーカル賞などを総ナメした
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 09:49:16.50 ID:cCFV516VO
紗夜

異世界のサヨとヒナとの関係は互いに憎しみあう程最悪
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 17:38:43.86 ID:3d2oe03MO
リサが底辺奴隷だった頃にモカに拾われてモカの屋敷でメイドとして使えていた頃がある(スパイになる前)。モカには感謝をしており今でも使えるべきご主人様だと思っているがスパイになるため勝手に飛び出した事に対する罪悪感もかなりある。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 23:51:53.99 ID:HxXHCjf00
ユキナ
母親は猫娘のような猫系の魔族
マゾの気が強い
満月の夜12時から2時までの間、魔族として覚醒して猫娘の様に猫耳と猫尻尾が生え、爪が伸びて猫のような目になる。ほぼ二重人格の様な状態で、普段の本人は知らないし気づいてもいない。この時の性格は明朗快活だがサドになる。
100 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 02:59:46.07 ID:d/x7VjDG0

【各種設定ありがとうございます。全部取り入れていきますのでので】


モカ「ともちんが守る遺跡にベースの楽器があるらしいです」

 トモエさんが守る遺跡に……?
 ベース、ということは預言からわたし達が予想したことは外れていなそうだ。勇者のわたしを含めたロゼリアの奏でる音が鍵を握る……まずはベース、イマイさんの楽器。
 トモエさんはそれが祀られている遺跡の守護者、といったところだろうか。
 
ユキナ「ウタガワさん……?」

アコ「おねーちゃんっ!? モカちん、どういうこと!?」

リサ「ちん!? すみません、モカさん! アコ、ちょっと世間知らずというか――」

 ああ……記憶のないイマイさんが戸惑ってる。突拍子もなく偉い人をあだ名呼びしてタメ口で話し始めたら、わたしも絶対慌てるだろうなぁ……。

モカ「あーあー、だいじょーぶ大丈夫。モカちゃんはフレンドリー大歓迎ですので」

ユキナ「……それで、詳細は」

モカ「聖なる楽器が祀られた古代の遺跡に、暗黒騎士ともちんが陣取ってる感じでー……」

リンコ「え……敵?」

 暗黒騎士という響きに呟くと、アオバさんは首肯。
 敵……トモエさんは魔王側の人ということ。今までの友達たちは味方でいい人ばかりだったのに、こういうケースもあるらしい。
101 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 03:00:24.02 ID:d/x7VjDG0

アコ「暗黒騎士……おねーちゃん、かっこいいジョブに就いてる……。流石異世界」

ユキナ「驚いたわね。ウタガワさんが敵に……」

リサ「……? ウタガワ? あれっ、アコと一緒の苗字?」

アコ「うん……おねーちゃんとは小さい頃に別れちゃったんだけど……」

リサ「あー。アコ、魔王軍幹部だったし……色々あったんでしょ?」

アコ「……おねーちゃんもあこも強かったから、別の隊に分けられてそれっきりで」

 アコちゃんが少し暗い表情で答える。元の世界ではアコちゃんはトモエさんにべったりで、仲良しな姉妹だった。その記憶と異世界の記憶のギャップ……苦悩は計り知れない。自分が魔王軍にいたとなれば尚更――

リンコ「えっ!?」

 ま、魔王軍幹部!? それこそどういうことなのアコちゃん!

アコ「あ、説明してなかったよね、りんりん」

 驚いたわたしに気づいたアコちゃんはそっと耳打ち。

アコ「アコね、前はりんりんの敵で、失敗して魔王軍に処分されそうなところをりんりんに助けられたんだ。それから、ずっと一緒で……パートナーになったり……えへへ」

リンコ「そ……そうなんだ……」

 ありがちと言えばありがちな展開……。
 前の世界の友達が敵側にいる……アコちゃん、トモエさん、二人もいるのだから、彼女達以外にも有り得るかもしれない。

モカ「……とまぁ、今のところはこんな感じでー。最初から強敵なので気をつけてほしいですけど……できれば、早く目を覚ましてあげてほしいなぁーと」

ユキナ「……ええ。その気持ちは分かるわ」

アコ「うん! すぐ助けるよモカちん! おねーちゃんが敵役なんて絶対嫌がるだろうしっ」

リンコ「そう……だね。任せてください……アオバさん」

モカ「……ありがとー、みんな」

 前の世界の記憶が戻るのか。まだ分からないことだらけたけど、音を集めるしかないのが現状。それにトモエさんが大きな罪を犯す前に止めてあげないと。トモエさんが悪い人じゃないのははっきりしているから。
102 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 03:01:15.02 ID:d/x7VjDG0

リサ「……あの、さ」

 みんなで一致団結、という雰囲気の中、不意に不安げな声が上がる。そちらへ視線を向けると、イマイさんが苦笑を浮かべてみんなを順番に見回していた。
 この中で唯一、記憶がないイマイさん。ずっと違和感はあった筈だ。今朝の会話でそれがある程度の確信に変わってしまったのだろう。

リサ「みんな知り合いなの? 仲良さそうだけど……」

モカ「……」チラ
アコ「……」チラ
ユキナ「……」チラ

 あ、あれ……? なんでみんなしてわたしを見るの?
 急な連携を見せる仲間達に戸惑っていると、ユキナさんが立ち上がる。

ユキナ「少しリンコを借りるわよ」

リンコ「えっ? あ、ユキナさん……?」

 そしてそのまま手を掴み、家の外へわたしを連れて行く。ぽかんとした顔の三人を取り残し、わたしとユキナさんはドアの向こうへ。
 ユキナさんは手を離すとわたしへと振り向いた。

ユキナ「……私達はリンコの決断に従うわ」

 そして一言、簡潔に告げた。

リンコ「……」

 さっきの視線の意味はそういうことらしい。
 わたしの決断に……。

リンコ「どうして……ですか?」

ユキナ「それが道理だと思ったからよ。今、前の世界での記憶がないと分かっているのはリサとシラサギさん。そしてこの世界での記憶がないのはリンコ、あなた一人だけ」

ユキナ「転生……なのかは正確には分からないけれど、前の世界でのことを話すと決めて一番影響を受け、与えるのが――」

 ……わたし。
 そこで台詞は切られたけど、すぐにわかった。
103 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/15(火) 03:07:02.90 ID:d/x7VjDG0

 話すと決めれば、わたしだけこの世界の記憶がない事実が発覚する。色々やりやすくなるだろうし、誤魔化す必要もなくなる。でもそれは、この世界のわたしと別人のわたしが入れ替わったのだと言っているようなもの。

 逆に、話さないと決めれば嘘をつく必要が出てくる。うまくいけばいいけど、それがバレた時は……。

 イマイさんから問われたのだ。もう曖昧にはしておけない。ここで決めておかないと……。
 ユキナさんから託された選択。打ち明けるか隠し通すか。

リンコ「わたしは……」


 1 打ち明ける
 2 隠す

 ↓1 一つ選択



 そしてついでに、ロゼリアパーティのライバルパーティ的なメンバーを決めようかと思います。

 ↓2から6でキャラ名を指定。 ↓2のキャラがパーティのリーダーに。
 未登場のキャラに限ります。その投稿のコンマで好感度判定。ライバル位置なので記憶は強制的に無し。ボーカルやギターなど、演奏の担当は関係なし。

 指名安価後の投稿でこれまでのような設定の追加も受け付けます。但し好感度準拠で、既に出ている設定と矛盾しそうなのは省いたりします
 
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:04:43.85 ID:zTvWg+ctO
2
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:06:29.19 ID:s+ubjPibo
美竹さん
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:15:19.21 ID:iYKwMOBj0
有咲
設定はまた後でってことでいいのかな?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:18:37.37 ID:eM8xySNxO
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