勇者「………は?嘘だろ」

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1 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 12:13:25.44 ID:mgxVjfNg0
ー遺跡、最深部【つるぎの祭壇】


勇者「………は?嘘だろ」

勇者「待て待て待て、意味がわからないぞ」

賢者「これは…驚きですね……」

狩人「まさか、ね」

商人「誰も思わないでしょうな…」



勇者「伝説のつるぎが砕け散るなんてな………」



2 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 19:34:31.03 ID:mgxVjfNg0
5分前ーー
ー遺跡、最深部【つるぎの祭壇】


勇者「ようやく見つけた…」

賢者「これが伝説と謳われる剣ですか」

狩人「岩に刺さってるのを抜けばいいのかな?」

商人「売ったら高いでしょうなぁ」

勇者「売らねーわ。何のためにここまで来たと思ってやがる」

賢者「魔王の側近に出会い、魔王の恩恵を受けたとかなんとかで普通の剣じゃ勝てなかったから」

狩人「いやー、あれはしょうがない。だって剣が通らないんだもの」

賢者「まあ力では圧倒的にこっちが勝っていましたので、縛り付けて放置してきた訳ですが…」

勇者「このつるぎさえあれば勝てるんだな」

商人「サクッと抜いて持って帰るとしましょう」


商人は ぬすっとのごくいを つかった▼


商人「《全盗全商》、世の全ては利益の為に」キュヴヴヴヴヴンッッ

商人「ふんっ……ふんっ……」グググッ

商人「はて…なかなか固いですぞ」フゥ

賢者「全盗全商でも抜けないとなると…」


賢者は 握力強化呪文を となえた!▼
勇者の あくりょくが あがった▼

賢者は 握力強化呪文を となえた!▼
勇者の あくりょくが あがった▼

賢者は 腕力強化呪文を となえた!▼
勇者の こうげきりょくが あがった▼

賢者は 腕力強化呪文を となえた!▼
勇者の こうげきりょくが あがった▼

賢者は 身体強化呪文を となえた!▼
勇者の (以下略

・・・
・・



勇者「っしゃー!みなぎってきたァ!」ギュンギュンギュン

賢者「一通り強化しておいたので、まあ抜けるかと」

狩人「さあ、1回目で抜けるかな?勇者」

勇者「任せとけコノヤロー」

賢者「抜けないということはまずないでしょう」

勇者「よっ…」ガシッ

勇者「ぬぅぅぅおおぉぉりゃああぁぁぁぁ!!」メキメキメキッ


伝説の剣「」バキィィィンッ
3 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 19:37:24.34 ID:mgxVjfNg0
勇者「………は?嘘だろ」

勇者「待て待て待て、意味がわからないぞ」

賢者「これは…驚きですね……」

狩人「まさか、ね」

商人「誰も思わないでしょうな…」

勇者「伝説のつるぎが砕け散るなんてな………」

賢者「どうしましょうか。このままでは魔王は倒せません」

狩人「うーん、まずいなぁ」



ドォォンッ
ドォォォンッ

ドッゴォォォン!


側近「フハハハハハハ!こんなところまで逃げていたか!」

勇者「チッ……縄を抜けやがったか」

賢者「しかもこんなところまで追ってくるとは」

側近「ククククク、あの程度で私の動きをゴフッ」ガクッ

商人「先手必勝」ヒュンヒュン

勇者「よーし、一気に畳むぞ!」ジャキン


勇者の こうげき!▼
側近に ××のダメージ▼


賢者「……ダメージが通っている?」


狩人の こうげき!▼
側近に ××のダメージ▼


賢者「以前は打撃などで態勢を崩すことは出来てもダメージは入らなかったはず…」


商人は 側近のふところを あさった!▼
5000G を手に入れた▼
商人は がっかりしている▼


賢者「この遺跡の空間そのものが作用しているのでしょうか…試してみますか」


賢者は 広範囲爆破呪文を となえた!▼
祭壇の遺跡は くずれおちた!▼


勇者の こうげき!▼
しかし 側近は ダメージをうけない▼


賢者「やはり…」

勇者「ええええええちょっと賢者さんなにしてんの!なにしてくれちゃってんの!?」
4 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 19:39:02.41 ID:mgxVjfNg0
賢者「あ、すみません実験です」

狩人「はぁ…一言言ってよね」

勇者「やはり…じゃねえよ馬鹿!」

賢者「失礼。以後気をつけます」

側近「」

勇者「お、でもさっきの爆発で結構ダメージ入ったみたいだな」

商人「次は埋めておきましょうぞ」


側近は 土にかえった▼



5 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 19:44:51.91 ID:mgxVjfNg0

ー宿屋、客室【205号】


勇者「さて…」

賢者「これからどうしましょうか」

狩人「伝説の剣が折れるなんてね」

商人「まだ希望はありますぞ」

賢者「…なんでしょう」

商人「魔王の恩恵とやらのせいで側近にダメージを与えられなかったわけですな?」

賢者「側近の話が事実ならばそうです」

商人「しかしあの遺跡で戦った時は確実にダメージが入っていた」

狩人「遺跡が壊れるまでは、ね」

商人「遺跡の謎を解けばあるいは」

勇者「一理あるな」

賢者「行ってみる価値は充分にあると思います。何かあると思い、爆破してしまいましたが」

勇者「他の検証方法はなかったのか、まったく…」

狩人「じゃ、明日もまた遺跡行きだね」

勇者「おめーらさっさと寝とけよ。おやすみ」

賢者「おやすみなさいませ」

商人「景気の良い夢を」

狩人「おやすみー」




6 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 19:59:53.42 ID:mgxVjfNg0

翌日ーー
ー遺跡跡地


勇者「跡形もねーな」

賢者「ありがとうございます」

勇者「褒めてねぇから」

狩人「誰か何か感じる?」

勇者「んんー、特に…」

商人「祭壇のあたりまで行きませんかな?何かあるかもしれない」

勇者「どの辺だったっけ」テクテク

賢者「確かそのあたりの地下かと」

勇者「建物の残骸で地下が埋もれてるな」

勇者「せいっ!」ブォン


勇者は まりょくをこめて けりとばした▼
なんと!がれきが ふきとんだ!▼


勇者「あったあった、地下への入り口」

賢者「初めからこうして入れば早かったですね」

商人「そうしたら途中のお宝が手に入りませんぞ」

狩人「楽しくないしね」

賢者「そうですか…」

勇者「どうした、早く行くぞ」ガラガラ


7 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:06:17.28 ID:mgxVjfNg0

ー遺跡跡地、地下【滅びた祭壇】


勇者「あーあ。つるぎの祭壇が滅びた祭壇になっちまったよ」

狩人「まあ、ボロボロだからね」

賢者「何か感じますか?」

勇者「………気のせいか、右手がムズムズするんだ」

賢者「剣を砕いた影響でしょうか」

狩人「祭壇に右腕指してみたら?」

商人「面白そうですな。やってみては?」

勇者「ええー…なにそれ…」

賢者「もしかしたら何か起こるかも知れないですよ」

勇者「まあやらないよりは…」


勇者は さいだんをゆっくりと のぼりはじめた▼


勇者「おお、どんどんムズムズが強くなる」

賢者「もしや本当に…」

勇者「で、右手を突き刺すのか?」

勇者「意味あんのかこれ…ふんっ」ドスッ


勇者は 右手をさいだんに つきさした▼
さいだんから 光があふれだす!▼


勇者「おわっ」

狩人「わあ、綺麗じゃん」


光が 右手にすいこまれていく…▼
光は しょうめつした▼


賢者「なんだったんでしょうか、今のは…」

勇者「なんか右手から力が湧き出てくるぞ」

賢者「はて、強化呪文の類でしょうか」

商人「伝説のつるぎの力が流れ込んだ、とか」

勇者「そんな馬鹿なと言いたいがその可能性はあるな」

狩人「試して見たら? ほら、そこの土から側近が」


なんと! つちのなかから 側近がよみがえった!▼


勇者「なんというご都合主義」

勇者「でもちょうどいい。死ねぃ!」バキィィ

側近「ギャアアアァァァァァ」ドサッ


側近を たおした!▼



8 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:10:04.81 ID:mgxVjfNg0
勇者「おお……これは」

狩人「手刀で一撃か」

賢者「伝説のつるぎの効果と同等とみて、まず間違いないでしょう」

商人「いやー、勇者殿の腕がそのまま伝説のつるぎとはこりゃまた…」

狩人「まあ、面白そうだしいいんじゃない?」

商人「お前はいつもそうだな…」

勇者「そんなこと言ってー、商人だって俺が祭壇に腕刺す時面白そうとか言ってたじゃねーか」

商人「うぬ、これは一本取られましたな。わっはっはっは!」





数週間後ーー
ー北の大雪原


ビュオオォォォォォォ……

勇者「寒っ」ブルブル

商人「寒いですなぁ…」ブルブル

狩人「みんな情けないなぁ」ブルブル

勇者「お前だって震えてるぞ」ブルブル

狩人「武者震いさ…」ブルブル

商人「賢者殿は…寒くないのですかな?」ブルブル

賢者「ええ、賢者ですから」ホカホカ

勇者「……んー? あ!お前!」

賢者「なんでしょうか?」

勇者「魔法で暖かくしてるだろ!ずるい!まりょくせつやく!!」

賢者「チッ…しょうがないですね」ポゥッ



2分後ーー

賢者「寒いです」ブルブル

勇者「お前もこの寒さを味わえ」ブルブル

商人「次の街はどこに…」ブルブル

狩人「そういえば遠いねぇ」ブルブル

勇者「さっきの村の村長の話だと5時間あれば着くって…」ブルブル

商人「もう6時間半は歩き通しですぞ…?」ブルブル

賢者「幻惑魔法にでもかかっているのでしょうか……」ブルブル

9 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:16:44.09 ID:mgxVjfNg0
勇者「……」ブルブル

商人「……」ブルブル

狩人「……」ブルブル

賢者「……」ブルブル

賢者「もしかして本当に?」ブルブル

勇者「ありうる……」ブルブル


賢者「あっ、丁度いいですね。勇者様の右腕聖剣の力を試してみますか」

勇者「そういえばあれからずいぶん経つけど1度も戦闘で使ってないな、右腕聖剣」

商人「側近を倒してしまったせいで大した魔物もいませんし、右腕聖剣使うまでもなかったというか」

狩人「あのさ、どうでもいいけど右腕聖剣って名前ダサすぎて…」

勇者「そうか?……そうだな」

賢者「確かにそうですね」

商人「ふーむ、何がよろしいか」

勇者「伝説の手刀」

賢者「やめましょう。勇者様のネーミングセンスが疑われます」

商人「手刀丸」

賢者「手刀から離れましょうよ」

狩人「勇者の腕」

賢者「効果がなにも伝わって来ませんね」

勇者「つーか元々俺の腕は勇者の腕だろ」

賢者「そうですけど」

狩人「スキルみたいな物と考えようか?」

賢者「それはいい案ですね」

勇者「スキル《魔物殺し》とか?」

商人「魔物はもとから殴り殺せますぞ」

勇者「そうか…あ、スキル《魔王殺し》」

賢者「まだ確実に殺せると決まった訳ではないですし」

勇者「……賢者、さっきから文句しか言ってねーじゃねーか。お前もなんか考えろよ」

賢者「そうですね……」

賢者「スキル《×××××》などはどうですか」

10 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:20:41.09 ID:mgxVjfNg0
勇者「……? なんて?」

賢者「《×××××》ですよ」

勇者「???」

狩人「僕も聞き取れないな」

商人「うむー、さっぱり」

賢者「魔界の言葉です」

勇者「なんでそんなの喋れんの」

賢者「賢き者と書いて賢者です」

狩人「範疇超えてない?」

賢者「魔族の言葉を研究していたら喋れるようになっていました」

勇者「ふぅん…もうそれでいいや」

狩人「でもそれだと賢者しか言えないよ」

商人「そうですぞ。我々が呼ぶために考えてるのに」

勇者「じゃあやめだ。お前ら考えろ」

商人「…スキル《聖拳》」

商人「聖なる拳で聖拳。いかがですかな」

勇者「おー、いいじゃん。もっといいの出るまでそれにしよう」

狩人「正拳突きがややこしいことになるね」


勇者は スキル せいけん をおぼえた!▼

11 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:30:48.95 ID:mgxVjfNg0

賢者「………そういえばさっきからあまり寒くないですね」

商人「確かにそうですな……はて?」

狩人「勇者、なんか右腕光ってない?」

勇者「おわっ、ほんとだ。気付かなかった」

賢者「魔力……それも暖かい」

勇者「聖拳カイロだ」ホカホカ

商人「カイロ扱いとはなんとも」


ヴヴヴヴッ
『勇者達…選ばれし者どもよ……』


勇者「おっ、なんだこの声」

賢者「私にも聞こえます」

狩人「こいつ…直接脳内に…っ!?」

商人「聞こえないですぞ…?あ、今聞こえた」


『聞け…我が声を……』


勇者「いや聞いてるよ」

賢者「聞いてるというより聞かされてますね」

狩人「なんか偉そうだなこの声」

商人「いや聞こえな……あ、聞こえた」

勇者「なんか時間差発生してんぞ」

賢者「そういうの『ラグ』というらしいですよ」


『勇者よ…我は聖剣……』


勇者「はぁ?聖剣?何言ってんだお前」

狩人「聖剣は砕け散ったんだよ?」

賢者「聖剣……もしや」ハッ

商人「なかなか聞こえませんな……おお、聞こえ(ry」


『我は聖剣の意思…本体といったところか……』


勇者「ああ、あの光か?」

狩人「やっぱりあれは聖剣の力だったんだね」

賢者「聖剣に意思があったなんて…」

商人「聞こ(ry」


『…この喋り方疲れるから普通に喋ってもいいか』


勇者「初めからそうしろ」

狩人「この聖剣なんか残念」

賢者「というかどうやって喋ってるんでしょうか」

商人「(ry」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 20:33:55.44 ID:jTqGO65+O
某大魔王様の手刀かと思った
13 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:37:06.22 ID:mgxVjfNg0
聖剣『思念を送り込むのは疲れる』

勇者「知るか」

狩人「じゃあ今はどうやって喋ってるの?」

聖剣『勇者の右腕から直接音を発している』

勇者「そんなことできるのか」

商人「こっちだとラグがなくて助かりますな」

聖剣『すまなかったな、商人』

賢者「それで、何か用があって話しかけてきたのでは?」

聖剣『そうだ。文句を言いたくてな』

勇者「ほー、この俺に文句を言おうってのか」

聖剣『うるさい。我の力がなければ魔王の恩恵も破れぬくせに』

狩人「文句言われるようなことしたの、勇者?」

勇者「いや、記憶にねーな」

聖剣『はー!?正気か貴様!?』

聖剣『この我の身を粉々に打ち砕いておきながらよくもそんなッ!』

勇者「あれはわざとじゃないし、お前が勝手に折れただけだし」

聖剣『まだ言うか!』

賢者「聖剣殿、そろそろ本題を」

聖剣『ほぅ、文句を言いに来たことが本題ではないと見抜いたか』

狩人「いや、普通に考えれば分かるよ」

商人「そんなくだらない理由でわざわざ話しかけてくるとは思えませぬからな」

勇者「そういうことだ、で?用件は?」

聖剣『ぐぬぅ…いいだろう』

聖剣『選ばれし者達よ、そなたらの力は強大だ。しかしまだ魔王を倒すには足りん』

勇者「へぇ、側近あんなに弱かったのに…」ボソッ

聖剣『勇者よ、仲間たちよ!魔王を倒したくば己の"レベル"を限界まで引き上げるのだ!』クワッ
14 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/15(金) 20:54:53.16 ID:mgxVjfNg0
_____________
[勇者]Lv.99 称号:驍勇無双
[賢者]Lv.99 称号:聖人賢者
[狩人]Lv.99 称号:迅雷風烈
[商人]Lv.99 称号:商売繁盛
_____________


勇者「え?」

聖剣『え?』

勇者「レベルがなんだって?」

聖剣『……………なんかすいませんでした』シュゥゥ

勇者「あっ、おい!」

賢者「右手から光が消えましたね」

ビュオオォォォォォォ……

狩人「さっ、寒っっ!」ガタガタ

商人「おお…聖剣の光が消えた途端冷えますな…」ブルブル

賢者「き…【極大火炎魔法】っ」
ゴオォォォオオッ!


賢者は 極大火炎魔法をとなえた!▼
なんと!あたりに 春が おとずれた▼


勇者「なんてことしてくれちゃってんの…」

賢者「少しやり過ぎましたか…しかし暖かいですね」

商人「おお、次の街が見えてきましたぞ」

狩人「うわほんとだ」

賢者「やはり吹雪による副次的な効果でもあったのでしょうか」

勇者「知らんわもう。行くぞ」




15 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/16(土) 05:42:52.58 ID:p2iGCAz60

ー要塞都市、北の大門


若手兵士「あっ、ゆ、勇者様!」

勇者「おう、お疲れさん。通っていい?」

賢者「これ通行許可証です」ピラッ

重兵士「勇者様御一行の証、でございますね。お通しします」ビシッ

重兵士「門を開けぇぇえい!!」

ギギイィィィイィィィイイッ……ズゥン

狩人「どうもー」

若手兵士「ごゆっくりなさってくださいませ!」ビシッ

??「ちょっと待ちな」

商人「おや、なにか御用ですかな」

??「てめぇみたいな肥えた豚腹に用はねぇ。俺は魔法剣士ってもんだ」

商人「ほっほ、口が悪いですな」

魔法剣士「おい勇者、お前この街のアレには出るのか?」

勇者「は?呼び捨てかてめぇ殺すぞ」

賢者「アレ、とはなんでしょうか」

魔法剣士「チッ、知りもしねぇのかよ。じゃあお前らに用はない」

重兵士「貴様、勇者様に無礼は許さんぞ」ガシャン

魔法剣士「糞が、知ったことか!ったくどいつもこいつも勇者様勇者様ってよぉ!そんなに勇者様が偉いかよ!」

勇者「おう、偉いぞ」

狩人「勇者だからね」

商人「世界の救世主様ですからな」

賢者「そしてその救世主の旅のお供である我々も偉い」

重兵士「…お、おほんっ。とにかく貴様ごときが逆らって良い相手ではない!」

魔法剣士「…ゴミが」
16 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/16(土) 07:18:49.24 ID:p2iGCAz60
勇者「おうこら、そんなに言うならそのアレ、ってのに出てやるよ。何だか教えろ」

魔法剣士「…闘技会だよ」

賢者「討議会?」

若手兵士「私から説明させていただきます!闘技会というのは参加者がトーナメントで戦闘を行い、優勝したものには豪華景品が贈られるというこの街の伝統的な行事です」

賢者「闘技会か…」

勇者(なんか勘違いしてたんだな)

若手兵士「参加者は毎年の様に猛者が集まり、優勝はかなり困難とも言われているにも関わらず更に多くの参加者が…というような具合に毎年出場者が増え、それにつれて景品も毎年どんどん豪華になっています!」

重兵士「今ではこの街の一大行事となっていまして…闘技会が開かれるとそれはそれは多くの見物人が集まるのです」

勇者「へぇ、面白そうだな」

賢者「魔法の使用は許可されているのですか?」

魔法剣士「当たり前だ。魔法も使わないで何が戦闘だ」

狩人「狩るよ?」ニコッ

魔法剣士「魔力もないくせによくいうぜ」ペッ

若手兵士「お申し込みされれば詳しい説明もされるかと思いますよ」

勇者「面白そうだしやってみるか」

魔法剣士「おい、1つ言っておく」

勇者「まだあんのかよ…」

魔法剣士「闘技会で負けたらお前は勇者を引退しろ」

勇者「いいよ別に」

重兵士「勇者様!?な、何を…」

魔法剣士「言ったな?確かに聞いたぞ。後から何言っても無駄だからな!?」

勇者「だってどうせ負けねーもんwww」

賢者「そうですねwww」

狩人「やめたげてwww可哀想だよwww」

商人「腹がwwwよじれるwww」
17 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/17(日) 20:27:11.99 ID:aKPLOLBL0
魔法剣士「ふざけやがって…!今すぐその口きけなくしてやろうか!」

狩人「へー大した自信だね、やってごらんよ」

魔法剣士「舐めんじゃ、ねぇ!」ゴウッ


魔法剣士は ほのおをまとった剣で 斬りかかった▼



狩人「【狩場の暴力】」ユラァ…



なんと! 狩人のすがたが かききえた!▼

かたちのない暴力が 魔法剣士をおそう!▼



シャッ ズバッ ブシュッ

魔法剣士「ぐっ、なんだこれは…!」

バキッ ドスッ メキッ

魔法剣士「ぐがあぁっ」ガクッ

ズドンッ !

魔法剣士「がっ、げふっ」ボタボタ


狩人のすがたが あらわれた▼


狩人「まだ足りない?」ヒュッ

魔法剣士「…」ピクピク

勇者「もう喋れないみたいだぜ」

狩人「やりすぎたかな、これじゃあ僕が悪者みたいだ」

賢者「回復させましょうか?」

勇者「死ぬと困るからな。とりあえずここじゃ目立つし、宿まで行こう」

重兵士「なんて容赦がない…」

商人「敵に容赦などすれば死ぬのはこちらですぞ」

若手兵士「ひっ」ガクガク

勇者「じゃ、ありがとな。こいつは連れてくぜ」ズルズル



18 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/03/17(日) 20:40:47.22 ID:aKPLOLBL0

ー要塞都市、宿屋


賢者は 小回復呪文をとなえた!▼

魔法剣士のキズが みるみるふさがっていく▼


魔法剣士「ぐっ、はぁっ、はぁっ」

狩人「全く、僕らの何がそんなに気に入らないんだろうね」

勇者「さあな、知ったこっちゃねぇ」

賢者「私は闘技会の申し込みをしに行こうと思いますが…参加する人?」

勇者「俺はやるぜ。面白そうだ」

狩人「僕もやってみようかな」

商人「ワシは見物人相手に商売を…」

賢者「商人殿らしいですね。では3人参加ということでよろしいですか?」

勇者「ああ、いいんじゃねぇか?」

賢者「では行ってまいります」ガチャ

バタン

狩人「でさ、こいつどうするの?」

魔法剣士「くっ…」

勇者「もう俺らに勝ち目はないって分かっただろうし、その辺に捨てとこう」

魔法剣士「いい加減にしろよ…!」

狩人「まだ何か?」ニコッ

魔法剣士「」ビクッ

勇者「あーあ、プライドもクソもねえなこりゃ」

商人「おふたりは先に休んで結構ですぞ。ワシが捨ててきますゆえ」

勇者「おー、そうか。悪いな」

狩人「ありがとー」

商人「いえいえ、では…」ガチャ ズルズル

バタン
クソッ ハナセェ! キタナイテデサワルナァ! …


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