曜「内浦がゾンビだらけに...」

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118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:32:07.90 ID:XfsUBm1I0
千歌ちゃん・・・?千歌ちゃんどこ・・・?

耳鳴りが止まない・・・

曜「ふぅっ!」

えっ?

あれ・・・右腕の感覚が・・・

どうした右腕・・・?動いて・・・

・・・

あっ?

うそ

腕がないんだけど・・・

曜「ぅぅ・・・」ウツラウツラ

ダメだ・・・

真姫さん・・・!真姫さん・・・!

曜「まき・・・ま・・・さ・・・」

真姫さん助けて・・・!うごけない・・・

ザザ・・・よう・・・ザザザ・・・

真姫さん・・・なの?

耳がおかしいみたいだ。あと、目がすごく霞んで、腕と、なんか力が入らない・・・

千歌ちゃん・・・千歌ちゃんはどこ・・・?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:33:56.73 ID:XfsUBm1I0
コツッ

んっ?

千歌「」クタリ

千歌・・・ちゃん!?

曜「ちか、、ち・・・か・・・?」

起きて千歌ちゃん!!目を覚まして!!

曜「ちかち、か・・・ちゃ・・・」

曜!曜聞こえる!?

『曜!!曜!!』

曜!!!

曜「うんっ!!?」

真姫『曜!!曜しっかりしなさい!!』

曜「ま、真姫・・・さん?」

真姫『平気!?あなた大丈夫!?』

曜「真姫さ・・・千歌ちゃんが・・・!」

真姫『地雷を踏んだのよ!奴らこんなことまで・・・!』

曜「千歌ちゃん・・・千歌ちゃん・・・!」

千歌「」

曜「千歌ちゃん・・・!!!」

曜「許さない・・・許さない許さない許さない!!!」

スクッ・・・!ザッ・・・!

真姫『・・・!』

曜「許さない!!許さない!!絶対!!!」

ズダッ!!

曜「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

ダダッ!!

真姫『曜・・・ふふ・・・』

そう。それでいいの、曜

許せないでしょ?憎いでしょ?

そのまま怒りをぶつければいいの。

殺すのよ。みんな
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:34:46.42 ID:XfsUBm1I0
・・・

理事長室

ダァン!!ダァン!! パパパパ!!

きゃあああ!!! うわああああ!!!

ルビィ「みんな・・・」

梨子「このままじゃ・・・」

梨子「神様・・・神様お願いします・・・!どうかやめさせて・・・!」

梨子「曜ちゃんと千歌ちゃんに会わせて・・・!そしたら終わるはずだから・・・!!」

梨子「ダイヤさん・・・!みんな・・・!力を貸して・・・!!」

ガラガラ!!

曜「はぁ!はぁ!」

ルビィ「曜ちゃん・・・!」

梨子「曜ちゃん!!」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:35:48.79 ID:XfsUBm1I0
梨子よ。奴が千歌を殺したの

曜「!!?!?」

殺して。殺すの!!梨子を殺せ!!

梨子「よかった曜ちゃん!!お願い話を聞いて!!」

ズゴォッ!!

梨子「え・・・・・・よう・・・・・・」

ドサッ!!

梨子「よう・・・ちゃ・・・」

こいつが千歌を殺した!!

曜「お前が千歌ちゃんを殺した!!!」

ボゴッ!!ボゴッ!!

こいつのせいで死んだんだ!!

曜「お前のせいで・・・!!!死んだんだ!!!」

ボゴッ!!グシャ!!

絶対に許すな!!殺せ!!

曜「許さない許さない許さない!!!」

グシャ!!グシャ!!

曜「うぅぅああああああああああ!!!!!!!」

グシャ!!!

梨子「」

曜「はぁ!はぁ!はぁ!」

曜「やった・・・!やったよ千歌ちゃん!!はぁ!はぁ!」

ルビィ「・・・・・・」

ルビィ「・・・・・・」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:36:20.08 ID:XfsUBm1I0
あいおwfな@03jヴぁ@

ダイヤ「さぁ来なさい!ルビィ!」

ルビィ「えっ!?うっ、う・・・そ、そんな、、無理だよぉ・・・」

ダイヤ「ルビィ!!」

ルビィ「む、無理!ルビィはそんな・・・」

ガシッ!グイッ!

ルビィ「い、いたたたた!」

ダイヤ「ほら!自力で抜けてみなさい!」

ルビィ「痛い!いたいむりむり!」ドサッ

ルビィ「ううう・・・グスッ、ひどいおねえちゃぁ・・・」

ダイヤ「ルビィ、もう・・・」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:36:55.63 ID:XfsUBm1I0
ルビィ「ルビィはこんなの向いてないもん・・・」

ダイヤ「ルビィ?」

ルビィ「ルビィだったら善子ちゃんやマルちゃんの方が強いもん・・・!」

ダイヤ「ルビィ、あなた」

ルビィ「志満姉さんや美渡姉さんのほうが強いもん!ルビィが頑張っても意味ないもん!」

ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「ルビィはなんにもできないもん!もうルビィに構わないで!」

ダイヤ「ルビィ!!!」サッ!

ルビィ「ひぅっ!」

ギュッ

ルビィ「え・・・おねえちゃぁ・・・?」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:38:01.37 ID:XfsUBm1I0
ダイヤ「ルビィはそれでいいの?」

ダイヤ「弱くて、泣き虫なままでいいの?」

ルビィ「・・・だって・・・」

ダイヤ「じゃああなたは、友達が苦しんでてもそれでいいの?」

ダイヤ「みんなを・・・助けられない。そんなのでいいの?」

ルビィ「・・・・・・ううん・・・」

ダイヤ「ルビィ、貴方が強くなることは」

ダイヤ「貴方のため」

ダイヤ「友達のため」

ダイヤ「家族のため」

ダイヤ「あなたは一人じゃないの」

ダイヤ「貴方の事を想う人はたくさんいるの」

ダイヤ「あなたは、みんなに守られながら・・・」

ダイヤ「みんなを守らなきゃいけないの」

ダイヤ「そのためには・・・確かに辛いかもしれない」

ダイヤ「あなたは子供のままでいい。だけど・・・」

ダイヤ「自分自身の力を知ってほしい」

ダイヤ「強くなることの意味を、知ってほしい」

ルビィ「意味・・・?」

ダイヤ「うん」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:38:40.70 ID:XfsUBm1I0
・・・

ルビィ「強くなる・・・」

ルビィ「・・・ルビィなんか・・・」

ルビィ「ん・・・?あれ・・・」

梨子「きゃあっ!」ドサッ!

美渡「ごめん!梨子ちゃん大丈夫?」

梨子「は、はい!平気です!」

志満「梨子ちゃん・・・やっぱり無理しないほうが・・・」

梨子「ううん。いいんです」

梨子「まだまだ・・・もっとお願いします!」

志満「・・・梨子ちゃん」

志満「どうして梨子ちゃんは、強くなりたいの?」

梨子「どうして?」

梨子「・・・あはは、改めて言われると、あまりパッと思い浮かびませんね・・・」

梨子「そんな難しくないですよ」

梨子「守りたい人がいるんです」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:39:38.03 ID:XfsUBm1I0
美渡「守りたい?」

梨子「うん・・・その人は今、遠くの地できっと頑張ってます」

梨子「私の・・・好きな人・・・」

梨子「あの人に守ってもらったから、今、私は生きてるんです」

梨子「彼女は、かっこよかった。みんなを守ってくれた」

梨子「私は、彼女みたいになりたい」

梨子「彼女に与えてもらったことを、私は、他のみんなにも与えてあげたいんです」

梨子「そのためには、私は今のままじゃいられない」

梨子「少しでも強くなって、誰かを助けてあげたいんです」

志満「・・・うん、わかった」

美渡「私たちも、出来る限り協力するよ」

梨子「ありがとうございます!」

美渡「さぁ・・・行くよ!」

梨子「はい!」

ルビィ「・・・・・・」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:40:14.16 ID:XfsUBm1I0
お姉ちゃんは、どうして強くなりたいんだろう

梨子ちゃんは、どうして強くなりたいんだろう

みんなの想いを知ると

ルビィも、強くなりたいと思いました

それは、ルビィのためじゃない

ルビィを愛してくれる、みんなのために

ルビィは、強くなりたい

んふぃえ;おあwvんg:いあいn

ルビィ「おねえ・・・」

ルビィ「・・・・・・」プツン
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:42:18.67 ID:XfsUBm1I0
曜「千歌ちゃん・・・!これで・・・!」

ポンポン

曜「・・・ぅん?」

ボギャッ!!

曜「わうっっく!!?」

ドサッ!

ルビィ「・・・・・・」

ルビィも梨子の協力者よ!!殺せ!!

曜「るびぃちゃん・・・」

仰向けに倒れた曜に馬乗りになるルビィ

ズゴッ!!ズギャ!!

曜!!殺すの!!殺すのよ!!

曜「あぐっ!!?ふっ!!?」

ルビィ「またルビィのお姉ちゃんが殺されちゃった。もうルビィ許さないよ」

ゴズッ!!ゴンッ!!

ルビィ「どうしてルビィの大事な人ばっかり殺すの?酷いよ」

ゴスッ!!バギッ!!

ボギャ!!!

ルビィ「あっ・・・いてて・・・」

ルビィ「ああぁ・・・右手、血まみれ・・・今ので骨折れちゃったかも・・・」

曜「・・・っ・・・っ」ピクッ・・・

曜・・・!!立って!!

ルビィ「そうだ、梨子お姉ちゃんに言われたこと忘れちゃってた」

ルビィ「『女の子の大事な手なんだから、綺麗にしないとダメだよ?』だったよね」

ルビィ「ごめんなさい梨子お姉ちゃん。ルビィおバカだからちょっと忘れちゃってた」

スチャ

ルビィ「こうやってガントレットで手を守りながらじゃないと殴っちゃダメなんだよね」

ズゴッ!!バンッ!!ガンッ!!

ゴギッ!!ガンッ!!グシャ!!ゴシャ!!・・・
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:43:38.54 ID:XfsUBm1I0
・・・

・・



曜「」プス・・・プス・・・

曜・・・お願い起きて・・・貴方しかルビィを殺せない

ガシャ!!ガシャ!!

曜「」ビクッ!

ガシャ!!ガシャ!!

曜「」プス・・・

曜・・・立ってよ・・・

ルビィ「・・・・・・」

ルビィ「・・・なにこれ・・・ロボットなの?」

ウィーン

ルビィ「腕の断面も機械だ」

ルビィ「・・・人間だったら梨子お姉ちゃんみたいになるはずだもんね・・・」

ルビィ「ん?頭の中に・・・」

曜・・・負けるわけにはいか

プチン

ザザザ・・・

ルビィ「これなんだろう・・・?無線機?」

ルビィ「もしもし?おーい? 違うか」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:44:17.42 ID:XfsUBm1I0
・・・・・・

ルビィ『もしもし?おーい? 違うか』

真姫「・・・・・・」

真姫「曜・・・」

真姫「ううん。まだ大丈夫。だってことりがいるもん」

真姫「ことりなら多分勝てる。みんな殺してくれる」

真姫「お願いことり。すべてを殺して」

・・・・・・
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:45:13.16 ID:XfsUBm1I0
ガラガラ!

ルビィ「・・・!」

ことり「・・・!」ニヤッ

ルビィ「うぅぅ!!」

ルビィはことりの侵入とともに瞬時に理事長席の裏へ飛び込む

瞬間!!ことりの銃撃が襲う!!

ダダダダダ!!!

ことり「ははっ!ルビィちゃ〜ん」

ことり「そんなところに隠れたって無駄だよ!」

ジャギッ!!ダダダダガチッ!!

シーン

ことり「あ・・・あれ・・・?」

ルビィ「っっっぅ!!!」

ことりの左の横膝にルビィの蹴りが飛び込む!!

ゴギャアア!!!

ことり「!!!?!!?」

ことり(ひざ・・・がっ・・・!!)

ルビィ(膝をやる・・・ダイヤお姉ちゃんが教えてくれた!)
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:46:32.19 ID:XfsUBm1I0
倒れかかることりにルビィは追撃を行う!

ルビィ(弾は尽きてる!膝を壊した!あとはルビィの力を・・・!)

ヌッ

ルビィ「・・・!!!?」

手の平が・・・!

バチィーン!!!

ルビィ「うぅぅっっっぶ!!!?」

顔全体で平手打ちを受けるルビィ!!

ルビィ「っ!」ドサッ!!

ルビィ「ふっ!?!ふっ??!」

ルビィ(顔が・・・いたい・・・!!?鼻が・・・!!)

ルビィ「あうっ・・・うっ・・・ゆっ!」

ことり「ふふっ・・・」

ゴギッ!!

ことり「いいぃぃぃっっっ!!!?てぇぇ・・・えへへ・・・」

ルビィ「ふっ、そっか・・・あなたは偽物のあやりさんでしたね・・・」

ルビィ「忌々しい人造人間っていうのは、それだけで膝の負傷を治せるんですか?」

ことり「へへ・・・さすがに・・・っ・・・嵌め切らない部品があるみたいだね・・・」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:49:00.44 ID:XfsUBm1I0
ことり「いつの間にそんなに強くなったのルビィちゃん」

ことり「ついこの間まではずっとおどおどして、びくびくして・・・怖がりだったのに」

ルビィ「・・・まだ怖がりですよ。おどおどするし、びくびくもするし」

ルビィ「でも・・・」

ルビィ「今はそれどころじゃないから」

ことり「梨子ちゃんの事・・・お姉ちゃんって呼んでるんだ。仲良くなったんだね」

ルビィ「・・・ルビィの事を察して・・・お姉ちゃんになってくれたの」

ルビィ「ダイヤお姉ちゃんがいないと何もできないルビィを、梨子お姉ちゃんが助けてくれたんだ」

ルビィ「梨子お姉ちゃんが・・・バカで、何もできなくて、弱いルビィを守ってくれた」

ルビィ「なのに・・・二人とも死んじゃったんだ・・・」

ルビィ「もう弱いままのルビィでいられないの」

ルビィ「負けちゃうようなルビィじゃ、もうダメなんだよ」

ルビィ「二人が安心して眠れるようにも・・・ルビィは強くなきゃダメなんだよ」

ことり「そっか・・・」

ルビィ「それに、相手は人造人間」

ルビィ「ルビィのお姉ちゃんを殺した種族と同じ」

ルビィ「お姉ちゃんの仇を取るんだ」

ことり「愛は全てに勝つ・・・ルビィちゃんは、家族の愛で強くなったんだ」

ことり「ことりは、真姫ちゃんとの愛で強くなったんだ」

ことり「どっちの愛が強いのか・・・力比べしてみようか?」

ルビィ「・・・はい!」

スッ

スッ

ゴチン!!!
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:51:17.17 ID:XfsUBm1I0
ことり「ぐっ!」

ルビィ「うゅっ!」

頭突きと頭突きの力比べ・・・!!

グググ・・・!ギチギチ!!

ことり「っっ!!やるじゃん・・・!!ことりの石頭を・・・!!」

ルビィ「相手が機械だろうが・・・負けるわけにはいかない・・・!!!」

ギリギリギリギリ!!!

ことり「っ・・・!っ・・・!」

ルビィ「はぁ・・・!はぁ・・・!」

ゴリゴリゴリ!!!

ことり「はぁ・・・!私には・・・!なんとなく・・・!わかる・・・」

ことり「ダイヤちゃんや・・・梨子ちゃんは・・・ずっと抑えてた・・・!」

ことり「こうしてルビィちゃんが・・・本物の悪魔になるのを・・・!!」

ルビィ「・・・!!」

ことり「その封印を解いちゃったんだね・・・!真姫ちゃんの意思は・・・!」

ルビィ「・・・!」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:54:36.13 ID:XfsUBm1I0
ことり「わかってるだろうね・・・ルビィちゃん・・・!」

ことり「ルビィちゃんはこの一歩を踏み出したら・・・!歯止めが利かなくなっちまう・・・!」

ギチギチギチ!!

ことり「ダイヤちゃんや・・・!梨子ちゃんが止めたその道を・・・!」

ことり「このまま進む覚悟があるんだったら・・・!!」

ルビィ「・・・!!」

ことり「・・・本気で来い!!!!」

グリリ!!!グリリ!!!

ルビィ「負けない・・・!!負けない!!負けない!!!」

ゴチゴチ!!ゴチゴチ!!!

ことり「ほらどうした!!?」

グリグリグリグリ!!!

ルビィ「絶対・・・!!!負けない!!!」

グリグリグリ!!!ギチギチギチ!!!

ことり「うわああああああ!!!!」

ルビィ「はあああああああ!!!!」

グギャァン!!!!

ことり「あんっっぶ・・・!!」

ルビィ「うっうっ!!?」

ドサッ!!
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:56:03.10 ID:XfsUBm1I0
ザッザッガタッ!

ルビィ「あぁっ!はぁ!はぁ!」

ことり「」

ルビィ「なんとか・・・立ってるけど・・・!」

ことり「・・・っ」

ルビィ「ルビィ・・・もう・・・倒れそうだよ・・・」

ことり「くっ・・・・・・そ・・・」

ルビィ「・・・おかしいよ・・・」

ルビィ「なんでまだ立てるの・・・?」

ことり「いて・・・て・・・」

ルビィ「ぅ・・・うっ・・・」ヨタタ・・・

ルビィ「はぁ・・・はぁ・・・きもちわるい・・・」

ことり「わたしより・・・あたま・・・硬いなんてね・・・」

ルビィ「・・・人工の鉄骨格を有機的な皮膚で包んだ戦闘特化型の人造人間」

ルビィ「南あやりの石頭の秘密は、人を殺すために製造された機械だから」

ことり「そんな私と対等にやりあってるんだ。自分を褒めていいよ」

ルビィ「そんなのいりません。貴方を殺せれば、なんでもいい」

ことり「ふふっ・・・ならもう一戦、行くぞ!!!」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:57:22.30 ID:XfsUBm1I0
ルビィ「ふぅぅっ!!」

ルビィの右ストレート!!

ことり「っっ!!」

それを容易くいなし、ことりは右ストレートをぶち込む!!

ズゴッ!!

ルビィ「っっふ!!」

ゴンッ!! すかさず繰り出たルビィの左カウンターが決まる!!

ことり「・・・っ!!」

ことり「おらあぁ!!」左フック!!

パシッ!!

ルビィ「はぁぁ!!」 右で止めた勢いのまま殴りかかる!!

ガスッ!!

ことり「いっ!!」

ルビィ「やっっ!!」

ボゴッ!! 左ボディー!!

ことり「ぶほっ!!」

ことり「やろおおぉぉ!!!」

ルビィ「甘い!!」

ブンッ!! ことりの右アッパーは空を切る!!

ルビィ「っっっ!!」

ことりの空いたボディーへ右ストレート!!

ボガッ!!

ことり「っっぅ!!」ブンッ!!

瞬間ことりの左フックがルビィの顔面を襲う!!

バギャァ!!

ルビィ「うぅぅああ!!!」

ルビィ「っっ!!つっ!!」ヨタタ・・・

実時間わずか5秒!!

絶対に負けられない女と女の殴り合い!!!
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:58:40.05 ID:XfsUBm1I0
ザッ・・・ザッ・・・

ルビィ「っっ!!・・・!!」

ことり「終わりか・・・?」

ことり「どうしたルビィィィィ!!!!」

渾身の右ストレート!!

ボギャアアア!!!!

ルビィ「っっっ!!!」

ルビィは顔の左半分でもろに受ける!!

ことり「・・・ふっ」

ルビィ「ああぁぁぁ・・・ぁぁ・・・」

ルビィは朦朧とする意識の中、カウンターを繰り出すが空を切る・・・!

ブンッ・・・

ドサッ!!

ことり「はぁ・・・はぁ・・・」

ルビィ「ぅぅ・・・ぁ・・・ぁぅ・・・」

ことり「・・・マジでヤバかった・・・なんて子だよ、ルビィちゃん・・・」

ルビィ「あば・・・ば・・・」

ことり「このままほっといたらきっと・・・どこまでも強くなる・・・」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 23:59:29.23 ID:XfsUBm1I0
ことり

ことり「・・・!」

殺して

約束してくれたでしょ?

ルビィを殺して

それで終わるの

ルビィ「ぅぅ・・・ぅぁ・・・」

ことり「・・・うん・・・わかった」

ザッ!

殺して

ことり「バイバイ。ルビィちゃん」

スッ・・・

殺して

ことり「・・・はっ!!」

プツン!

ことり「!!!?!?」

ことり「なっ・・・!!?なっ・・・!!?」

曜「・・・・・・」

ことり「曜・・・ちゃん・・・?」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/20(月) 00:00:26.23 ID:DvovL8f50
ルビィ「・・・・・・はっ!」

ルビィ(曜ちゃん・・・!?)

ことり「っっ!!?」

曜「・・・・・・」

ルビィ(曜ちゃんが持ってるやつ・・・さっきの無線機みたいな・・・)

ことり「・・・!!ルビ・・・!!」

ルビィ「っっ!! うらああああ!!!!!」

ルビィは仰向けの体勢から、ことりの顎に向かってミサイルにも等しい頭突きを仕掛ける!!

ボッギャアアアアア!!!!!

ことり「ばがっっっはああああ!!!!」

ドサッ!!

ルビィ「はぁっ!はぁっ!」

ルビィ「それ・・・」

顔の左半分をなくした曜は答える

曜「わからない・・・けど・・・」

曜「多分これのせいで私はおかしくなってた・・・ことりさんも・・・」

ルビィ「・・・!」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/20(月) 00:01:18.52 ID:DvovL8f50
・・・・・・

真姫「・・・・・・」

真姫「あ〜あ、負けちゃったのね」

真姫「すごいわルビィ、ことりを持ってしても勝てないとは・・・」

真姫「じゃあ、しょうがないわね」

カタカタ カタカタ

真姫「曜の動力は核バッテリー、爆発させればみんな死ぬ」

真姫「これで終わるの。みんな死ぬの」

カタカタ カタカタ

真姫「曜、ことり、今までありがとね」

真姫「最後に私のため、人類のために」

真姫「死んでね」

カタカタ







ジャグッ!!!
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/20(月) 00:03:20.76 ID:DvovL8f50
真姫「・・・!!!?」

千歌「曜ちゃんを・・・愛するって誓いました」

真姫「千歌・・・」

千歌「曜ちゃんと生きるって・・・曜ちゃんを守るって・・・!」

千歌「爆発の時、曜ちゃんの腕が光って、曜ちゃんの腕が爆発した」

千歌「いくら真姫さんでも・・・曜ちゃんを傷つけるなんて絶対に許さない・・・!」

真姫「千歌・・・やるじゃない・・・」

ドサッ!

曜「千歌ちゃん!」

ルビィ「千歌ちゃん!」

ことり「千歌ちゃん!真姫ちゃん!」

千歌「みんな・・・!」

真姫「ふふ・・・殺されるなら、曜にだと思ってたのにね・・・」

ことり「真姫ちゃん!!」

真姫「いいのよことり・・・当然の報い」

真姫「貴方達にしてきた・・・嘘に対する・・・ね・・・」

千歌「真姫さん・・・」

真姫「」グタッ

ことり「真姫ちゃん!!真姫ちゃーーん!!!」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/20(月) 00:05:09.70 ID:DvovL8f50
真姫「このユニットは、死亡が確認されました」

ことり「!!?」

千歌「えっ・・・!?真姫さん・・・!?」

真姫「死亡時の音声データを再生します」

曜「・・・!?」

真姫「死んじゃったみたいね」

真姫「多分この場にいるのはぁ・・・あやりに、曜あたりかしら?」

ルビィ「これ・・・人造人間の・・・」

真姫「真実を知りたいでしょ?」

千歌「・・・!」

真姫「西木野総合病院にきて。そこに・・・」

真姫「答えがある」

千歌「答え・・・」

真姫「・・・再生を終了します。ピピッ」

真姫「」

ことり「真姫・・・ちゃん・・・?」

曜「・・・なんなの・・・?」

曜「ヤマト隊の隊長は・・・人造人間だったの・・・?」

ルビィ「・・・西木野総合病院」

千歌「答えがある・・・て、言ってたよね」

千歌「行こう・・・!私たちの・・・戦いの意味を知るために・・・!!」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/20(月) 09:11:46.23 ID:hpA8PZWRo
うわ更新きてた乙
進むごとにどっちが正しいのかわからなくなってくるな
今回圧倒的に真姫ちゃん側が悪になってたけど最後にまたどんでん返しありそうな終わり方だな
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:05:48.95 ID:FALlyvuv0
バタバタバタバタ!!

ことり「・・・・・・」

ルビィ「・・・・・・」

曜「・・・・・・」

曜「・・・千歌ちゃん?」

千歌「ん?」

曜「・・・痛く、ない?」

千歌「・・・なんとか・・・今は耐えるよ・・・」

千歌「曜ちゃんこそ、その・・・平気なの・・・?」

曜「あぁ、多分痛覚の設定とかが低くされてるんだと思う」

曜「まぁ・・・でもまぁ、痛いよ。はは」

ルビィ「ご・・・ごめんなさい・・・」

曜「いやいや!いいんだっていいんだって!ルビィちゃんが謝るような・・・」

曜「・・・ごめんなさい」

ルビィ「・・・・・・」

千歌「・・・・・・」

ことり「・・・あの」

ことり「あ・・・あと、ね・・・20分くらいで着くかな」

曜「はい」

ことり「・・・・・・ごめんなさい」

ルビィ「・・・『答え』を知るまで・・・」

ルビィ「ううん、なんでもない」

千歌「・・・・・・」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:14:01.28 ID:FALlyvuv0
千歌「・・・ダイヤさんはね、あの時、屋上から海にダイブした曜ちゃんを助けてくれた」

ルビィ「・・・・・・」

千歌「ヘリでは、真実を聞かされた」

千歌「今思うと、それは紛れもない・・・真実だったと思う」

千歌「果南ちゃんはね・・・ダイヤさんの事が許せないって言ってた」

千歌「・・・ダイヤさんの事、嫌いだから襲ったんじゃない」

千歌「反省してほしいから抗ったんだ・・・」

ルビィ「・・・・・・お姉ちゃんは、鞠莉さんを殺した」

千歌「・・・!」

曜「・・・・・・」

ルビィ「・・・平和のためと、思いたいって」

ルビィ「お姉ちゃん・・・・・・いつもいつも、怖がってた」

ルビィ「ルビィなんかよりも、ずっと怖がりになってたの」

ルビィ「自分の過ちが、いずれ人を傷つけてしまうと」

ルビィ「どうしてもっと、話をしなかったんだろうって」

ルビィ「もしも時間を戻せるならって・・・何度も神様にお願いしてた」

ルビィ「いずれこの事実によって殺されるって、察してたんだと思う」

千歌「ダイヤさん・・・」

ルビィ「だからルビィに・・・」

ルビィ「グスッ・・・おねえちゃぁ・・・」ポロポロ

バタバタバタバタ!!
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:15:34.31 ID:FALlyvuv0
西木野総合病院

千歌「・・・・・・」

曜「・・・・・・」

ルビィ「・・・・・・」

ことり「・・・・・・」

曜「行こう・・・千歌ちゃん」

千歌「うん」

ザッザッ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:16:10.15 ID:FALlyvuv0
ガチャ

バタン

??「やぁ」

千歌「・・・!?」

曜「・・・!?」

ルビィ「・・・そっか」

ことり「・・・真姫ちゃん」

真姫「初めまして。千歌、曜、ルビィ」

真姫「あぁ・・・貴方達からしたら、初めましてじゃなく感じるわよね」

スクッ

真姫「私は西木野真姫。『本物』のね」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:23:41.57 ID:FALlyvuv0
真姫「あやり、元気だった?」

ことり「・・・いつから?」

真姫「そうね、超ヤマト戦艦を手にしたとき辺りかしら」

ストン

真姫「共に親鳥製薬に殴り込みに行ったときには、すでに『私』じゃなかった」

ことり「・・・足の怪我も、偽物が受けた怪我だったわけだね」

真姫「ええ」

真姫「彼女・・・下手したら私より凄かったと思うわ」

真姫「ふふ、客観的に見て、自分にこんなにプロデュース力があったのかと驚いちゃった」

千歌「私たちの事・・・」

真姫「ヤマト隊隊長の、人造人間西木野真姫の行動は全て監視してた」

真姫「貴方達の事も、果南の事ももちろん知ってる」

真姫「ほぼ私のコピー品だった彼女が失敗しちゃったんじゃ、私もきっとうまく出来なかったのよね」

真姫「もう完全に私の負けよ。もう諦めたわ」

千歌「・・・・・・」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:28:14.94 ID:FALlyvuv0
真姫「・・・聞きたいことがあるんじゃない?」

千歌「・・・・・・」

真姫「いいのよ。なんでも聞いて」

真姫「そのために来たんでしょ?」

千歌「・・・・・・」

真姫「・・・答えるわよ。なんでも」

千歌「・・・・・・」

曜「・・・・・・」

ルビィ「・・・・・・」

ことり「・・・・・・」

千歌「・・・真姫さんは」

千歌「どうして人を、殺すんですか?」

真姫「・・・・・・」

千歌「・・・・・・」

真姫「ええ。そうねぇ・・・何から話せばいいか・・・」

真姫「・・・千歌」

千歌「・・・・・・」

真姫「あなたは・・・死んだこと、ある?」

千歌「・・・!」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:33:22.81 ID:FALlyvuv0
じゃあ、えっと・・・長くなるわよ

20×〇年×〇月×〇日、音ノ木周辺でゾンビウイルスによるアウトブレイクが発生した

私は命からがら生き延び、ゾンビウイルスの開発元が当時から有名な製薬会社、親鳥製薬だと知った

千歌「ちょっと待て」

真姫「ん・・・?」

千歌「・・・20×〇年・・・?」

ルビィ「μ'sが・・・第二回ラブライブ!に優勝した年・・・」

真姫「ええ。何も間違ってない」

真姫「・・・そうね、やっぱみんな座って。コーヒーでも淹れるわ」

真姫「長話になるから・・・覚悟してよね」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:41:09.55 ID:FALlyvuv0
私とことりは、親鳥製薬の社長である理事長を殺した

でもまだ終わってなかった

人格を乗っ取るウイルス、人造人間

そのすべてを、衛星による攻撃で消滅させた

それと同時に、衛星攻撃に含まれるウイルスが原因で人類は滅亡した

千歌「・・・っ!?・・・っ!?」

真姫「・・・・・・」

理念の違いでことりと決別し、私はこの世にたった一人、残された

何年もの間、生きてる人は私しかいない・・・孤独を味わった、けど

結果人類はまだ生き残ってた

衛星ウイルスから逃れた人間・・・だけど、死滅した文明の中では争いしか生まれなかった

同時に、オリジナルを私に殺された理事長のクローンも解放された

奴らの私への恨みは・・・ふふっ、今のルビィより大きいかもしれないわね

私は奴らに捕まった

痛かった

苦しかった

辛かった

怖かった

こんな思いをするくらいなら死にたかった

でもそれは、こと・・・

うん、ことりのクローンがね、許してくれなかった
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:49:35.97 ID:FALlyvuv0
G.E.C.K.

正式名称は、Garden of Eden Creation Kit

エデンの園創造キット

0を1にできるもの。1を0にできるもの

・・・つまりは、神様の真似事ができる機械

戦いに勝った私とことはこれを手に入れた

衛星ウイルスによって死んだ世界

この世界を『0』にして、私たちの理想とする『1』を作り出す

私たちは、G.E.C.K.を起動した

それから・・・ささやかな幸福の中で過ごした

先の戦いで負った怪我に耐えながら、この世に二人きり、誰も邪魔しない、幸せな生活だった

この時間がいつまでも続けばいいのに

・・・と、ことは思ってたかもしれない

だけど私は・・・
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 20:55:57.07 ID:FALlyvuv0
真姫「話してあげようか?」

真姫「まず、指と爪の間に針を刺された」

真姫「血のマニュキュアって言ってたわね」

真姫「指10本全てやられたわ」

真姫「次に、有刺鉄線で作られた鞭で叩かれた」

真姫「あれ痛いのよね。一発ごとに体に刺さるから、毎回毎回体を抉られる感じ?」

千歌「・・・っ」

曜「・・・っ」

ルビィ「・・・っ」

真姫「あと・・・あ、乳首を切り取られたわ」

真姫「でもこんなん序の口。次は子宮にダイナマイト突っ込まれた」

真姫「子宮爆発させられて、でもまだ死ななかった。死なないように威力を調整したんだって」

ことり「真姫ちゃん・・・」

真姫「あとね、地雷で右腕をなくした」

真姫「こんな状態で生きてたのよ。そりゃあ長く持たず死ぬわよ」

真姫「・・・・・・」

真姫「・・・痛かったわ」

真姫「・・・死にたくなってきた」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:03:19.97 ID:FALlyvuv0
死にたかった

こんなに苦しい思いをするくらいなら

でもね、そんなに長くなかったのよ

ことと二人で幸せを送っていて

ある日突然、体が動かなくなったの

察したわ。死ぬんだって

もう十分生きたわ

やっと迎えに来たんだ

遅いわよことり

そんなこと思ってた

ことが私に向かって叫んで、泣いてた

ごめんね、先に逝くね。なんて思いながら

私は死んだ
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:09:21.11 ID:FALlyvuv0
死ぬって、どんなことだと思う?

痛い?

苦しい?

辛い?

怖い?

違うわよ

死ぬってね

『救い』だった

死んだ瞬間、全身の痛みがなくなったの

苦しみも、辛さも、怖さも、全部なくなった

地面だって、空気だって、なんだか・・・う〜ん・・・

言葉で表現するの難しいわ

気持ちいいとか、眠たいとか、お腹すいたとか、そういうのじゃないの

ただ、こう・・・

そこは無だった

『無』がこんなに楽だなんて、初めて知った
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:10:40.43 ID:FALlyvuv0
千歌「・・・貴方が人を殺すのは」

真姫「死を体験したことがあるから」

真姫「生き地獄。まさに生きていることは地獄の連続」

真姫「どうして努力してお金を稼がないと生きていけないの?」

真姫「金のためなら、雪が降ってても台風が来ても会社に行かないといけないの?」

真姫「私はただ、人々をこの苦しみから救いたかった」

真姫「強要するしかなかったの」

真姫「口で言って伝わると思う?」

真姫「人類で唯一、死んだことがある私がしなければならないと思ったこと」

真姫「それは、全人類を殺すことだった」

曜「・・・・・・」

真姫「・・・さて、話は後半」

真姫「ふふっ、じゃあ今ここにいる私は何者?幽霊?ふふ、違うわ」

真姫「この世界は全て、あの子のわがまま」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:13:07.78 ID:FALlyvuv0
ふぇいあおんら@あ

真姫「んっ!?」ガバッ!

真姫「・・・・・・」

ベッド、私の部屋、眩しい日差し

真姫「は?」

私は死んだ

死んだはず

真姫「・・・・・・」

怪我はない

髪がさらさら

お肌つやつや

傷のない綺麗な手

でもこれは、生きてる感覚

私は死んでない

真姫「・・・何が起こってるの・・・?」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:14:55.19 ID:FALlyvuv0
トットッ

真姫ママ「あら真姫ちゃんおはよう。今日はゆっくりだったのね?」

真姫「ママ」

フラッシュバックする

『真姫「可哀想なママ・・・M,ウイルスなんかに・・・」 』

真姫ママ「朝ごはんはなにがいい?」

真姫「・・・・・・パン」

真姫ママ「は〜い」

スト

椅子・・・テーブルだ

テレビ「ラブライブ!開催!」

真姫「・・・・・・」

フラッシュバックする

『穂乃果「やった・・・勝ったんだよ穂乃果達・・・!!」』

真姫「・・・・・・」

真姫(なに・・・?断片的に、私じゃない記憶が思い出される)

真姫(まるで、別の世界で実際に体験したことのような・・・夢を見ているような感覚)
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:15:42.32 ID:FALlyvuv0
真姫ママ「ラブライブねぇ・・・」

真姫「ん?」

真姫ママ「真姫ちゃんがあんなに良い笑顔で舞台に立ってたこと思い出しちゃった」

真姫ママ「ホントに感動しちゃって・・・ふふっ」

真姫ママ「あの頃からパパも真姫ちゃんの事、今までよりもっと大好きになっちゃって・・・」

真姫「・・・・・・」

フラッシュバックする

『真姫「名前で呼んでよ・・・///」』

真姫ママ「そうだ、南さんに電話しなきゃ!」

フラッシュバックする

『真姫「浮いてこないようにね、体にブロック巻き付けたからね」』

真姫「・・・・・・」

ケータイを見る

これはホントに私のケータイ?

こんなに電話番号登録されてるなんて・・・
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:16:54.39 ID:FALlyvuv0
テレビ「第二回ラブライブ!優勝ユニット、μ's」

テレビ「リーダーを高坂穂乃果を中心とし、絢瀬絵里、南ことり・・・」

テレビ「西木野真姫」

真姫「えっ!!?」

真姫ママ「やってるやってる〜、見てるわよ〜」

テレビ「高坂穂乃果さんは現在アメリカでダンサーとして活躍」

テレビ「南ことりさんの母親は、なんと親鳥製薬社長の・・・」

真姫「っっっ!!!?」

テレビ「そして、西木野真姫さんはなんと20歳にして親鳥製薬重役に・・・」

真姫「はぁ!!?」

真姫ママ「どうしたのよ真姫ちゃんさっきから? いや、真姫ちゃんがね・・・」

真姫「・・・・・・」

フラッシュバックする

『理事長「うちで働いてくれるの?あなたほど優秀な子なら大歓迎よ♪」』

『真姫「薬だって、人を救うためのものでしょ?パパとは少し違う面で人を助けたいと思っただけ」』

真姫「・・・・・・」

真姫「そうね、整理をしましょう。頭が追いつかない」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:24:31.56 ID:FALlyvuv0
真姫「・・・・・・」

私は、衛星攻撃で人類を滅亡させ、G.E.C.K.起動により全てを無に作り変えた

かつ、あのラブライブの第二回優勝ユニットμ'sのメンバー

ん?でも年代で見ると二つを同時に行えてるはずがないのよね

真姫「・・・・・・」

ゾンビウイルス   音ノ木 ゾンビだらけ   世界 荒廃 滅亡

調べても出てこないわね

じゃあ私が体験したあの痛みは?

あの苦しみは?

真姫「・・・・・・」

ピッポッパッ プルルルル

ことり『もしもし真姫ちゃん?珍しいね』

真姫「・・・・・・こと?」

ことり『え?ことりだよ?』

ことり『どうしたの真姫ちゃん・・・珍しく電話なんてと思ったら、急にあだ名で呼んで・・・』

真姫「・・・・・・」

そうか、G.E.C.K.か

G.E.C.K.だ。あぁきっとそうね
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:26:46.09 ID:FALlyvuv0
あの4年間

ことと暮らしたあの日々

ことはG.E.C.K.によって失われてしまったものを取り戻すために毎日を過ごしていた

それは、死んでいった仲間、人々

G.E.C.K.の高すぎる理想に、ポンコツのあの子は抗っていた

私は色々思い出しちゃうから関わってなかったけど

この世界は、あの子が夢見た世界

あの子なりの『答え』

愛のために、人類を作り直した

・・・

それなら、もう一度

もう一度、やり直せるのかな

あの子のわがままに付き合ってみようかな

記憶の中だけにある幸せだった時間を、もう一度体験してみようかな

そんなことを思ってて、でも『それ』は突然訪れた
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:33:09.82 ID:FALlyvuv0
ガンッ

真姫「いたっ」

真姫「ぅぅぅ・・・こゆび・・・」

痛い

真姫「・・・っ・・・っっ!!」

『真姫「きゃあああああああああああああ!!!!!!!!!」』

真姫「やっ・・・やっ・・・」

『真姫「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!」』

真姫「いやっ!やっ!」

『真姫「ぅぅぅぁぁああああああ!!!!!」』

真姫「やあぁぁぁ!!」

『真姫「!?!?!!!?!?!?!!?」ガタッ!! 』

真姫「んんんんんんんわあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

真姫ママ「真姫ちゃん!!真姫ちゃんどうしたの!!?」

真姫「やっやあああぁぁぁ!!!!!!!きゃああああああああ!!!!!!」

真姫ママ「真姫ちゃん!!パパ!!パパ!!?」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:35:55.70 ID:FALlyvuv0
・・・

真姫「すぅ・・・・・・」

真姫ママ「真姫ちゃん・・・」

真姫「zzz・・・」

真姫ママ「ナースセンターにいるわね」

ガラガラ パタン

真姫「・・・・・・」

真姫「・・・ケホッ、ケホッ」

喉が痛い

真姫「・・・あぁ・・・」

現実だ

現実なんだ・・・

この世界はただのおもちゃ箱じゃない

神様により創造された現実

G.E.C.K.ってのは、こんなにも大きな力を持っていたのね・・・

神様の真似事を、あの子はしてしまったのね

なら・・・

痛くなりたくない

苦しみたくない

辛くなりたくない

怖くなりたくない

それならば、どうすればいい?
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:41:56.91 ID:FALlyvuv0
真姫(死んじゃえば・・・いいのね)

真姫(死んじゃえば・・・辛い事なんて・・・)

コンコン

真姫「・・・! はい」

穂乃果「お邪魔しまーす・・・」ガラガラ

真姫「穂乃果・・・」

穂乃果「真姫ちゃん・・・!よかった大丈夫なの?」

真姫「え・・・えぇ・・・」

フラッシュバックする

『穂乃果「アメリカで・・・ダンスを学びに行くんだ。世界に通用する・・・ダンサーになるって決めたの」』

真姫「・・・あなたアメリカに居たんじゃ・・・」

穂乃果「そんなの・・・!真姫ちゃんが倒れたって聞いたからそれどころじゃないよ!」

穂乃果「よかったよ真姫ちゃん・・・ホントに無事で・・・」ポロポロ

真姫「ほの・・・か・・・」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:44:14.11 ID:FALlyvuv0
それから、みんな来た

私にとっては記憶の中でだけで、μ'sとして共に輝いたみんな

彼女たちは9人で一つ

一人でも欠けたらダメなんだって、みんな泣いてた

私だってつられて泣いた

あの世界では親友だったみんな

みんなが生きて、私の事を想ってくれてると知って泣いた

私はこの世界でも

愛によって生きていた
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:47:12.38 ID:FALlyvuv0
じゃあどうすればいいの?

みんなの愛を感じたい

だけど

痛いのはいや

苦しいのはいや

辛いのはいや

怖いのもいや

う〜ん・・・

・・・・・・

・・・

・・



そうだ

みんな『救えば』いいんだ

みんな救えば、みんなと一緒に居られて

痛くも苦しくも辛くも怖くもない

ついでにあの子の遊びに付き合わされている、この世界の住民全て

救ってあげればいいんだ
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:49:06.95 ID:FALlyvuv0
それから私は全人類を滅亡させるために動いた

躊躇いなどなかった

私は死を知っている。死ぬことで人が救われると、今でも思っている

でも一人じゃできない

幸い、元μ'sという肩書のおかげで仲間を作るのは容易だった

『聖良「そんな・・・貴方に従います。協力させてください」』

『千歌「すごいに決まってるよ!だって、あのμ'sにも所属してたんだもん!すごくないわけがない!」』

『「「「日本と!!世界と!!平和のために!!!」」」』

でも、それでも足りない

その時、私の昔の記憶が蘇った

ゾンビ

音ノ木を一瞬にして死の地獄へと導いた存在

あれなら全てを殺せる
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:52:17.19 ID:FALlyvuv0
親鳥製薬で私は、昔の記憶を頼りにゾンビウイルスを開発した

ゾンビ化ってね、元は治療薬を開発するうえでの副産物だったの

体中の血液がなくなった患者

脳に障害を持って植物状態だった患者

手足がちぎれた患者

そんな状態の患者を、糸一本で生命を維持させる薬

奴らの動きがトロいのも、目が悪いのも、もうホントに死ぬ寸前だからよ

そして、全人類がゾンビ化した後

治療薬を浴びせる

霧吹き一吹きでプツンとその糸を切ることができるの

いずれは空気に治療薬を含ませれば

みんな救われる

そのためとはいえ、ゾンビ状態で人を生かすのは心苦しかった

ゾンビにはなったことがないから、痛いのか、苦しいのかわからない。それを強要するのはね

だけど・・・だけど、それで全てを救えるのなら

手段はこれしかなかった
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:55:39.87 ID:FALlyvuv0
μ'sのメンバーは、ことり以外みんな私が殺した

みんなは特別、一瞬も苦しまずに救いたかった

だって、前の世界ではみんなあれだけ苦しんだものね

『凛「ま〜きちゃん!お話なんて、もしかして凛に相談事?いや〜凛も頼られるようになったなぁ〜えへへ」』

『絵里「何よ真姫?後ろを向いてだなんて、今日ちょっと変よ?疲れてない?」』

『にこ「や〜ん目隠し〜!にここれから何されちゃうの〜?」』

『希「ん?何の音?」』

『海未「まっ、まきっ・・・!!まっ、・・・!!」』

『花陽「」ドサッ』

ことりは、前の世界では私とことりは愛し合った

彼女はまた、私に付いてきてくれると思った

でも、ウイルスを拡散させ、仲間を殺したことがことりにバレちゃったの

もうことりと敵対するしかない。そんな時、理事長が着手してた人造人間技術の最初の完成品が産まれた

それが貴方だった、あやり

出産と同時に死んでしまった、ことりの姉の名前を預かったあなた

あなたに、嘘を伝え、私と愛し合い、私の武器にした

貴方にことりを名乗らせたのは、μ'sの南ことりを知る人間が多いから

だってそのほうがより、私たちを信用しやすくなるでしょ?
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:56:39.82 ID:FALlyvuv0
超ヤマト戦艦は、この計画を思いついてすぐに必要だと思った

行き場をなくした人間の希望

パパへの人生最後のわがままとして、第二次世界大戦以降姿を隠した超ヤマト戦艦を探し出してもらったの

ウイルスで世が混乱すると、この戦艦を手に入れることは容易だった

あれなら大丈夫

あれなら生きていける

そして、ヤマト隊という、偽物の正義の味方

人々に希望を与えるのは簡単だった

この武器があれば

私でも家族を守れる

私でも戦える

ヤマト隊が拡大するのは早かった
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 21:58:34.08 ID:FALlyvuv0
ホテルオハラグループの援助は莫大だった

そりゃそうよ。もしもホントに成功していたら、人間は死を克服できるかもしれない

でもその実は、あの薬事態G.E.C.K.の作用を働かせて実現しているものだから、所詮神様の真似事

この作られたおもちゃ箱の中で、生命の糸を引いてるだけにすぎない

ゾンビウイルスが外部に拡散した瞬間に、ホテルオハラグループは私たちを切った

どころか、自衛のため理事長の人造人間技術まで盗み出した

親鳥製薬とホテルオハラグループ、いずれ戦争が起き潰し合ってくれれば万々歳だった

でも、いつの間にか小原鞠莉は死に、ホテルオハラグループは消滅した

それならそれでいいと思ったけど、

小原鞠莉を殺した黒澤ダイヤは、黒澤一派として、私が思うよりも早く、正確に真実に辿り着いた

果南が無茶していなければ、隊員は黒澤一派に吸収され平和にケリがついたかもしれないわね

どちらにしても、黒澤一派によってヤマト隊が潰れるなんて、思いもしてなかったわ
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:00:57.78 ID:FALlyvuv0
曜の事、私は誰より、果南よりも力になると思ってた

あの時・・・貴方達と初めて会ったとき

内浦のゾンビの死体を見てわかった

愛する者のためなら何でもやる。そんな子よ

この子の愛の引き金は間違いなく千歌だった

千歌が傷つけば傷つくほど、彼女は強くなる

まるで・・・昔の私とことりを見ているようだった

彼女に機械骨格を授け、千歌を殺し、彼女を全てを破壊する悪魔に仕立て上げた

これも、黒澤一派によって失敗に終わったわね

私はもう、負けを認めるしかない
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:02:03.07 ID:FALlyvuv0
ことり「真姫ちゃん・・・」

真姫「あやり・・・」

真姫「ごめんね、あやり」

ことり「・・・グスッ・・・じゃあ・・・」

ことり「私たちの関係は・・・嘘だったの・・・?」

真姫「・・・・・・」

真姫「・・・えぇ、貴方が、強くなるのなら、と・・・」

真姫「私は・・・残念だけど、貴方との愛で、生きることに希望を見出せなかった」

真姫「それは貴方のせいじゃない。・・・ふふっ、私も年を取ったのよ」

真姫「昔の世界の記憶、今の世界の記憶、合わせて私はもう40年以上生きてる」

真姫「愛は全てに勝つ・・・あの頃の私は、もう・・・」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:03:22.42 ID:FALlyvuv0
真姫「さて、これで私の話はおしまい」

真姫「どうかしら?・・・驚くことだらけだったよね」

千歌「・・・・・・」

曜「・・・・・・」

ルビィ「・・・・・・」

真姫「・・・千歌」

千歌「・・・はい」

真姫「あなたは今、どう思ってるの?」

真姫「答えを知った貴方の、貴方なりの答えを教えて?」

千歌「・・・・・・」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:06:36.79 ID:FALlyvuv0
千歌「今・・・怪我がすごく痛いです」

千歌「こんだけ痛いなら・・・死んじゃったほうがいいのかなって・・・考えもしました」

真姫「・・・・・・」

千歌「痛くなく、苦しくなく、辛くなく、怖くない」

千歌「天国へ・・・行ってみたい・・・」

千歌「私はバカだから、一人じゃ何もできない」

千歌「すぐに、死んじゃうかもしれない」

千歌「でも、曜ちゃんとなら・・・ルビィちゃんとなら・・・」

千歌「抗ってみたいんです。この地獄に」

千歌「痛くてもいい」

千歌「苦しくてもいい」

千歌「辛くてもいい」

千歌「怖くてもいい」

千歌「私はそれ以上に、仲間と一緒に居たい」

千歌「生きていないと成し得ないことを、してみたいんです」

千歌「きっとあなたが、以前したように」

千歌「希望を・・・手にしてやります・・・!」

千歌「・・・人は、過ちを繰り返す」

千歌「私の考えは、過ちでしょうか・・・?」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:07:22.38 ID:FALlyvuv0
曜「千歌ちゃんがそう言うなら」

千歌「曜ちゃん・・・」

曜「昔からずっと、千歌ちゃんと何か一緒にやりたいって思ってました」

曜「私は、何があっても千歌ちゃんの味方です」

曜「千歌ちゃんが、諦めて泣いても・・・頬を叩けるのは私だけだから」

曜「千歌ちゃんが、私を愛してくれる限り」

曜「私と生きてくれる限り」

曜「私を守ってくれる限り」

曜「私は千歌ちゃんに、私の全てを捧げると・・・誓ったんです」

曜「・・・えへへ」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:10:10.43 ID:FALlyvuv0
ルビィ「お姉ちゃんは、平和を求めていました」

ルビィ「お姉ちゃん亡き今、ルビィがお姉ちゃんの望んだ世界を実現させてみます」

ルビィ「厳しくも優しかったダイヤお姉ちゃん」

ルビィ「優しくて私の心まで守ってくれた梨子お姉ちゃん」

ルビィ「二人の望みは・・・この世が平和であること」

ルビィ「そして、私が・・・生きて、幸せであること」

ルビィ「二人の望みを叶えないと・・・へへ、またダイヤお姉ちゃんに怒られちゃうもん」

ルビィ「生きて、希望を掴み取ってみせるまで」

ルビィ「ルビィは死にません」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:11:36.55 ID:FALlyvuv0
真姫「・・・ふふ・・・」

真姫「ええ。貴方達は確かに、今を生きている」

真姫「貴方達の答えを、確かに聞き遂げたわ」

真姫「私とは違う・・・3人もいるんだもんね」

真姫「この地獄を変えられるのは・・・」

真姫「貴方達。そうよね?」

ようちかびぃ「はい!」

ことり「・・・ふふふ、若いっていいね」

千歌「そんな、あやりさんもお若いですよ」

曜「うんうん、同い年って言われても全然違和感ないよね」

真姫「ホント若いわよねこいつは。なんで変わらないのかしら」

ことり「なーに真姫ちゃん?真姫ちゃんも若いよ♪」

ルビィ「でもでも、真姫さんは大人の女性って気がします」

真姫「わっ、私だけおばさんに見られてるじゃない!」

千歌「そんなそんな!真姫さんも若いです!」

真姫「お世辞にしか聞こえない!」

曜「あちゃー、二人とも余計なことを・・・」

あはは♪

あはははは・・・
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:13:26.51 ID:FALlyvuv0
・・・

真姫「曜」

曜「はい?」

真姫「貴方に謝りたいの」

曜「えっ?」

真姫「貴方の身体を・・・そんな目に合わせたのは私」

曜「あぁ・・・はは」

真姫「ごめんね、大変な思いをさせちゃって」

曜「・・・おかげで、千歌ちゃんが守れたから」

真姫「言葉だけで済ます気はないわ」

真姫「貴方に、新しい・・・普通の身体を授けたい」

真姫「でも、ヤマトの破壊によって私の持ってる人造人間技術は失ってしまった」

真姫「そこでね、こんな提案があるの」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:15:45.98 ID:FALlyvuv0
ことり「真姫ちゃん・・・ホントに・・・」

真姫「ええ。彼女たちがここに来た時点で決めてたことだから」

曜「・・・・・・」

真姫「心配しないで。ここの設備とあやりの腕があれば失敗はしない」

真姫「貴方の記憶もそのままよ」

真姫「ただ・・・そうねぇ、ちょっと胸がしぼむわね」

真姫「でも、背も高くなるしお尻は私のほうがでかいからそれで勘弁して」

真姫「顔は貴方の顔のデータがあるから完ぺきに再現できる」

真姫「髪は貴方のを植え付けるけど、いずれ私の色が混じってくるかな、気に入らなかったら染めてね」

曜「私の・・・!」

真姫「・・・・・・」

曜「・・・魂を、真姫さんの身体に預けて・・・」

曜「真姫さんの魂は、どうなるんですか・・・?」

真姫「・・・『救われる』わ」

曜「・・・!」

真姫「もう十分生きたわよ。あの子のわがままにもうんざり」

真姫「私は・・・貴方達が本当に、奇跡を起こせると信じてる」

真姫「もう若い世代にバトンタッチするべきなのよ」

真姫「貴方達に託して、私はゆっくり寝るわ」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:17:23.60 ID:FALlyvuv0
ことり「真姫ちゃん・・・!」ギュ

真姫「何よあやり・・・そんな状態じゃ施術できないわよ?」

真姫「南の産まれなら、泣くのは嬉しい時だけにしなさい?」

真姫「・・・あやりさんの言葉よ」

ことり「・・・うん」

真姫「曜」

曜「・・・・・・」

真姫「希望を・・・失うな」

真姫「人は過ちを繰り返す」

真姫「この言葉に・・・答えを出してみなさい」

曜「・・・はい!」

真姫「じゃあ・・・よろしくね、あやり」

ことり「うん・・・」

ことり「・・・安らかに」

真姫「ありがと、ふふ」

真姫「今・・・少し・・・」

幸せよ、私
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:18:31.70 ID:FALlyvuv0
ねぇ

ねぇ、こと

聞こえてるんでしょ?

きっとあなたは、私が生きて、幸せになる世界を望んだ

スクールアイドルの頂点

良好な家族関係

親友たち

前とは違う・・・私への幸福を与えようとしてくれただけなのよね

でもごめんね

私はもうそんなに若くないの

年を取り過ぎたのよ

『死』を知ってしまった私には、それ以外の選択肢は最初からなかった

私にはもう手の届かない『生』は・・・

私に勝ったあの子たちに任せる

ねぇ・・・こと

これでよかったのよね

これでやっと

私の平穏が訪れる
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:19:10.01 ID:FALlyvuv0
・・・・・・

・・・

・・



・・

・・・

・・・・・・
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:20:16.51 ID:FALlyvuv0
ガタガタ ガチャン

千歌「・・・!」

オットト・・ ヘイキ?

千歌「曜ちゃん・・・」

ガラッ

曜「・・・・・・おまたせ」

曜「千歌ちゃん、ルビィちゃん」

千歌「よう・・・ちゃん・・・」

ルビィ「曜ちゃん・・・大丈夫?」

曜「うん、まだちょっと違和感あるけど・・・ロボよりは動きやすいかな」

千歌「曜ちゃん!」ギュッ

曜「わっと!もう・・・」

千歌「平気?どこも痛くない?」

曜「うん・・・」

曜「ただいま、千歌ちゃん」

千歌「グズッ・・・ぅよーちゃぁ〜〜!!」

曜「もう、泣き虫千歌ちゃんだ」

曜「ねぇ、ルビィちゃん」

ルビィ「ん?」

曜「お見舞い・・・・・・行かせてほしいんだ、いいかな?」

ルビィ「・・・うん」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:21:58.26 ID:FALlyvuv0
・・・

千歌(あんちゃん、ななかちゃん、美渡姉、志満姉)

曜(しゅか、ヤマト隊のみんな)

ルビィ(ありさちゃん、あいちゃん、あいかちゃん、かなこちゃん、黒澤一派のみんな)

(安らかに)
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:22:37.31 ID:FALlyvuv0
松浦果南の墓

千歌(果南ちゃん)

千歌(果南ちゃんは、私をいつも守ってくれたね)

千歌(一つしか変わらないのに、私の憧れのお姉ちゃんだった)

千歌(果南ちゃんの、平和を求める姿を見て、私は生きることを誓ったんだよ)

千歌(果南ちゃんに守られた命を、決して無駄にはしない)

千歌(それが、果南ちゃんの背中を見て、私が学んだこと)

千歌(あなたのように、強くなります)

千歌(あなたのように、優しくなります)

千歌(あなたのように、おおらかであります)

千歌(あなたのように、親友に本気で怒れる人間になります)

千歌(果南ちゃんの意思を、千歌は、必ず守り続けます)

千歌(ありがとう果南ちゃん。安らかに)
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:23:46.28 ID:FALlyvuv0
小原鞠莉の墓

曜(鞠莉ちゃん)

曜(鞠莉ちゃんの活躍は聞いたよ)

曜(きっと鞠莉ちゃんが居なかったら、内浦は一瞬にして死の地獄になってた)

曜(内浦の被害を抑えたのも、間接的にでも真姫さんの呪いを弱らせたのも、鞠莉ちゃんのおかげ)

曜(地元民として、感謝をしないといけないね)

曜(ダイヤさんとはケンカ別れになっちゃったって聞いたけど・・・)

曜(きっとみんな、天国で仲良くしてるよね)

曜(仲良かったもん。3人で散歩してる姿が憧れちゃうくらいだった)

曜(ありがとう鞠莉ちゃん。安らかに)
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:29:30.61 ID:FALlyvuv0
黒澤ダイヤの墓

ルビィ(ダイヤお姉ちゃん)

ルビィ(お姉ちゃんには・・・何度ありがとうって言わないとだろう)

ルビィ(ルビィを守ってくれてありがとう)

ルビィ(ルビィを抱きしめてくれてありがとう)

ルビィ(今思うとお姉ちゃんがしてくれたことは、全部お姉ちゃんが優しかったからだと思います)

ルビィ(ルビィを、辛い運命から遠ざけてくれてたんだよね)

ルビィ(お姉ちゃんが全てを終わらせる。お姉ちゃんになんでも任せる)

ルビィ(そんなお姉ちゃんのやさしさに、ルビィはずっと甘えてきました)

ルビィ(お姉ちゃん亡き今、ルビィは強くなることを誓います)

ルビィ(お姉ちゃんが止めたその道を、ルビィは歩き続けることを誓います)

ルビィ(そしたらお姉ちゃんは・・・ルビィの事、認めてくれるよね?)

ルビィ(ううん、認めてもらいます。ルビィは強いんだよ、お姉ちゃんの意思を継げるんだよ)

ルビィ(見ててねお姉ちゃん。ルビィがこの世を平和にします)

ルビィ(ありがとうお姉ちゃん。安らかに)
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:32:29.97 ID:FALlyvuv0
国木田花丸の墓

千歌(花丸ちゃん)

千歌(優しい優しい花丸ちゃん)

千歌(ありんこも、蚊も殺せないような花丸ちゃんが超ヤマト戦艦を爆破したこと)

千歌(友達想いなんだよね)

千歌(ルビィちゃんを守るために、その身を犠牲にして任務を成し遂げた)

千歌(仲間のためなら我が身も厭わない)

千歌(私も、そんなかっこいい女になりたいな)

千歌(花丸ちゃんは年下だけど、いろんなことを教えてもらったよ)

千歌(花丸ちゃんのような強い意志を、私は持ち続けます)

千歌(ありがとう花丸ちゃん。安らかに)
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:34:44.80 ID:FALlyvuv0
津島善子の墓

曜(善子ちゃん)

曜(いっつも私の無理に付き合わせてごめんね)

曜(どんな無理にも付き合ってくれる善子ちゃんが大好きだよ)

曜(私が勝手に善子ちゃんの事を気に入って、いろいろちょっかいかけて)

曜(嫌そうな顔もするけど、最後は笑ってくれたよね)

曜(手を取り合ったあの日々を、ずっと忘れないよ)

曜(ありがとう善子ちゃん。安らかに)
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:39:11.14 ID:FALlyvuv0
桜内梨子の墓

ルビィ(梨子お姉ちゃん)

ルビィ(ルビィは、みんなの前で強くあろうとする梨子お姉ちゃんの背中を見ました)

ルビィ(潜入作戦に失敗した時、みんなを庇って助けてくれようとしたよね)

ルビィ(その後、ダイヤお姉ちゃんが死んじゃった後も・・・)

ルビィ(みんなを・・・何よりルビィのために、ルビィのお姉ちゃんになってくれた)

ルビィ(ダイヤお姉ちゃんと同じように、ルビィを優しく守ってくれた)

ルビィ(結果ルビィは戦いの道を選んでしまったけど)

ルビィ(梨子お姉ちゃんの優しさを決して忘れません)

ルビィ(今度はルビィが、誰かのために、お姉ちゃんの優しさを振りまきます)

ルビィ(それほどの優しさと愛を、梨子お姉ちゃんは教えてくれた)

ルビィ(梨子お姉ちゃんの優しさを、ルビィは人に教えていきます)

ルビィ(ありがとう梨子お姉ちゃん。安らかに)
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:40:53.42 ID:FALlyvuv0
西木野真姫の墓

ことり(真姫ちゃん)

ことり(真姫ちゃんは、どれほど痛かったの?)

ことり(どれほど苦しかったの?)

ことり(どれほど辛かったの?)

ことり(どれほど怖かったの?)

ことり(ずっとそばに居ながら、私はなんにも気付けなかった)

ことり(貴方を愛で救いたかったのに)

ことり(悔しいよ)

ことり(悔やみきれないよ・・・!)

ことり(死を知らない私は、やっぱり死ぬことが怖いの)

ことり(もう、何が正解かを考えることも、諦めたよ・・・)

ことり(だから真姫ちゃんが希望を託したあの子たちを、私は一生守り抜く)

ことり(真姫ちゃんは彼女たちに、『生』の意味を見出した)

ことり(真姫ちゃんが最後に見つけた希望を・・・大事にしてみせるからね)

ことり(ありがとう真姫ちゃん。安らかに)
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:43:58.20 ID:FALlyvuv0
千歌(あやりさん・・・)

曜(あやりさんはきっと、伝えたいことが山ほどあるんだ)

ルビィ(・・・真姫さん)

千歌(生きることを諦めないでほしかった)

曜(私たちの選択が間違えではないと、証明して見せます)

ルビィ(ありがとうございました。真姫さん)
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:46:36.99 ID:FALlyvuv0
ことり「・・・さて」

ことり「・・・ふふ、みんな泣き疲れちゃったんじゃない?」

曜「あやりさんこそ」

ことり「ふふっ、そうだね」

ことり「・・・もう、やることは決まってるの?」

千歌「はい」

ルビィ「・・・親鳥製薬に行きます」

ルビィ「理事長と・・・話し合いをします」

千歌「それで世界が変わるなら」

千歌「希望の欠片を逃しません」

曜「そうだね」

ルビィ「・・・チャンスの前髪をはなさないから」

千歌「もって?」

曜「ぎゅっと?」

ルビィ「うん!」

ことり「じゃあ、行こっか」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:48:41.90 ID:FALlyvuv0
・・・

親鳥製薬 社長室

理事長「・・・・・・」

理事長「う〜ん・・・ヤマト隊と黒澤一派が手を組んだのはわかったけど・・・」

理事長「本当に武器を持ってないのね?靴や、下着の中まで調べた?ほかに人は?」

理事長「・・・うん、通していいわ」

ポーン ウィーン

ことり「お母さん・・・」

千歌「・・・・・・」

曜「・・・・・・」

ルビィ「お久しぶりです。理事長さん」

理事長「久しぶり。元気にしてた?」

ルビィ「おかげさまで」

理事長「そっちの二人はヤマト隊の高海千歌と渡辺曜ね」

千歌「初めまして」

曜「・・・(似てる)」

理事長「A0-01 001・・・動作異常はないみたいね。完成度の高さを自負できるわ」

ことり「あやりって呼んでよ。みんなにはそれで通してもらってるんだ」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:51:18.97 ID:FALlyvuv0
理事長「それで?」

理事長「ヤマト隊と、黒澤一派が共謀して、素手で殴り込みに来たの?西木野真姫の意思で」

千歌「違います」

千歌「話をしに来ました」

曜「武器を持ってこなかったのは、争う気はないからです」

理事長「ほぅ・・・」

理事長「貴方達は、ゾンビウイルスを世にばら撒いて」

理事長「自爆シーケンスを起動させようとして」

理事長「最愛の娘であることりを殺して」

理事長「今度は私から何を奪おうとしているの?」

千歌「真姫さんは死にました」

理事長「・・・!?」

千歌「西木野真姫は・・・もうこの世界にはいません」

千歌「彼女から、彼女のしてきたことを全て聞きました」

千歌「その上で、ヤマト隊としてではなく・・・」

千歌「答えを知った・・・一人の人間として、貴方とお話をさせていただきたい」

千歌「3人も一緒です。どうか、対話で、ケリを付けさせて頂けませんか?」

理事長「・・・・・・」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 22:59:02.80 ID:FALlyvuv0
理事長「西木野真姫は、貴方達が殺したの?」

千歌「・・・直接手を下してはいませんが、私たちに影響されて、真姫さんは自ら死を選んだことは事実です」

理事長「貴方達に真実を告げて死んだと」

理事長「それなら貴方達は、西木野真姫の意思を引き継ぎ、世界を破滅させるためにここに来た。違う?」

千歌「私たちは、平和を求めています」

理事長「・・・渡辺曜さん。貴方の身体の事、詳しく教えてくれない?」

曜「この身体は・・・」

千歌「私たちは!」

千歌「平和のために・・・ここまで来ました」

千歌「だからどうか、今は昔のことを忘れ」

千歌「ただ・・・話し合いをさせてもらいたいだけなんです」

千歌「私たちに、その強い意志があることを貴方に理解してほしい」

理事長「・・・わかったわ。何言ってもその一点張りね。いじわるが過ぎた」

千歌「・・・ありがとうございます」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:00:40.68 ID:FALlyvuv0
千歌「私たちは、平和のために・・・」

バリーン!!

突然、修復中の社長室の窓が割れる

千歌「!!?」

曜「!!?」

ビュオオオ!!

ズダッ!

降り立ったのは・・・

理事長「・・・・・・」

ルビィ「かなん・・・ちゃん・・・?」

果南「リコールコードA0-01 001。強制シャットダウン開始」

ことり「リコールコード、承認、シャットダウンします」

ことり「」プーン・・

千歌「果南ちゃん!!?」

曜「果南ちゃんなの・・・!!?」

果南「全員、動くな。動いたら撃つよ」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:04:51.80 ID:FALlyvuv0
千歌「果南ちゃん・・・なの・・・?」

果南「千歌!」

千歌「!!」ビクッ

果南「動くなよ」

果南「・・・ルビィちゃん」

ルビィ「っ!」

果南「下手な真似はやめて。別に、私だって争いに来たわけじゃない」

曜「なにが・・・どうなってるの・・・?」

ことり「」

曜「あやりさんに何をしたの!?」

果南「あんたにも用があるんだよ。曜」

果南「いや、あんたの中に潜んでる、真姫さんの意思にね」

千歌「・・・まってよ・・・」

千歌「意味が分からないよ・・・果南ちゃん!どうして・・・」

千歌「なにがどうなってるのか千歌わかんないよ!」

千歌「あなたはホントに果南ちゃんなの・・・?どうして果南ちゃんが生きてるの・・・?」

果南「・・・簡単だよ」

果南「『あれ』は私じゃなかった。それだけのこと」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:06:35.77 ID:FALlyvuv0
ふぃえんw@gqんj02q^おf−l

果南「んっ・・・」

果南「んんんーーー〜〜、よく寝た・・・」

果南「・・・ん?ここどこ?」

果南「鞠莉の部屋・・・じゃない、ダイヤの家でもない、千歌も違うな・・・」

果南「あ、あれ?もしもーし!」

果南「・・・・・・」

果南「昨日・・・普通に家で寝たよね・・・」

果南「・・・・・・」ゾワッ

果南「や、やば・・・こわいんですけど・・・」

果南「逃げよう」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:12:07.98 ID:FALlyvuv0
寝室から出て、廊下を走る

恐らく玄関と思われる扉は開かなかった。タックルしてもダメだった

他に逃げ道がないか探してみると、どうやらここは地下のようだった

綺麗な部屋にリビングキッチン、お風呂トイレ、寝室、不自由は何もなさそうだった

屋内だけどプールにトレーニングルームもあったよ。正直ここでなら一生暮らしていけると思った

だけどそんなことしてるわけにはいかないもん。おじいが待ってる家に帰らなきゃ

ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!

果南「はぁ!はぁ!・・・嘘でしょ・・・!」

バーベルで殴ってもドアは壊れなかった。ついでに壁も殴ったけど傷一つ付かない

相当頑丈に作られてるみたい

どうやら私は監禁されてしまったらしい
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:16:01.96 ID:FALlyvuv0
でも犯人は私の事をよく知ってるらしい

プールはこれ海水だ。結構深いし、ダイビングスーツまで準備されてる

ランニングマシーンは走ると目の前の映像が流れて本当に外を走ってるみたいになる

さざえ♪わかめ料理〜♪一生食べてもなくならなそう♪

テレビは〜ばっちり付くし、ゲームだ!暇ならやってみようかな〜

っとと、その前に脱出の方法を考えないと

そしてなにより

このモニター映し出されてる映像

私のよく知る内浦の海を自由に泳いでいる、人の視界と思われる映像

ここ、千歌の家の近くだよ。何度も見たことある
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:17:06.07 ID:FALlyvuv0
テレビ「あ、千歌だ」

果南「千歌?千歌だ!」

テレビ「おーい千歌ー!」

果南「千歌!!千歌聞こえる!!?」

テレビ「あ、果南ちゃーん!」

テレビ「千歌ー!」

果南「千歌!良かった聞こえてるんだね!なんか、私よくわかんないけどヤバいかもしれないの!」

テレビ「よく私が海にいるってわかったね」

果南「なんか、鞠莉のドッキリとかなのかな!?なんか聞いてる?」

テレビ「なんとなくわかったんだ〜。千歌の果南ちゃんセンサーは鋭いんだよ!」

果南「えっ? ・・・千歌?千歌?」

テレビ「今日も海気持ちいいよ」

テレビ「もぉ〜ホント果南ちゃんはずっと海入ってても飽きないよね」

果南「千歌?何言ってるの・・・?私は海になんか入ってない」

テレビ「そうだ!果南ちゃん今日お昼食べてく?今日は蟹だって!」

テレビ「いいの?やり〜」

果南「千歌?違うよ・・・!それは私じゃない!私はここだよ!千歌!!」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:18:18.21 ID:FALlyvuv0
テレビ「果南ちゃん目赤いよ?もう花粉の時期か・・・」

テレビ「うん、やだよね〜、ずっと海に入ってよ」

果南「騙されないで千歌!それは私じゃない!!お願い気付いて!!」

テレビ「ほら鏡見て!こんなに真っ赤だよ?」

果南「千歌!ちが・・・」

テレビ「わっ、やばーい」

果南「えっ!!!?」

それは・・・私だった

テレビ「うち目薬とかあったっけな〜?貸してあげるよ」

テレビ「助かる〜」

テレビ「あ、なんかいい匂い!」

テレビ「聞いて驚かないでね果南ちゃん!なんと今日は蟹のほかに・・・!」

テレビ「なになに〜!?」

果南「・・・・・・」

果南「・・・・・・」

果南「・・・・・・」

それは、紛れもなく私だった
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:19:53.81 ID:FALlyvuv0
ど・・・・・・どういう・・・・・・

なに・・・何が起こってるの?

この、映像は・・・私の視界、私の顔で

それで、私はこの部屋に監禁されている

果南「千歌・・・」

果南「千歌、千歌助けて!!私はここにいるんだ!!外に出れない!!助けて!!!」

ケータイがない、電話もない。外と連絡が取れない

いったい何なの!?

誰かが私に成り替わろうとしている?ドッペルゲンガー?

分からないよ!!一体なにがどうしてこんなことになってるんだ!?

あああああああああ!!!!!
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:20:28.65 ID:FALlyvuv0
ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!

果南「くっそ!!!」

果南「くそくそ!!!壊れてよ!!!」

果南「くぅぅぅ!!!あああああ!!!!」

果南「はぁ・・・!はぁ・・・!」

果南「はぁ・・・はぁ・・・」

グゥゥ・・・

果南「・・・・・・あっ」

果南「疲れたな・・・お腹なっちゃったよ・・・」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:23:03.70 ID:FALlyvuv0
果南「・・・・・・」モグモグモグ

果南「・・・・・・」ガツガツ!

果南「美味い!」

果南「・・・・・・」

テレビ「ニュース見た?ニュース!」

果南「千歌・・・」

テレビ「果南ちゃんみたいなのんきな人は気づかぬ間に感染しちゃうかもよ?」

果南「あ、今バカにしたな?」

テレビ「あ、今バカにしたでしょー!」

果南「・・・・・・」

テレビ「ねぇおじさん!」

果南「千歌・・・?千歌危ない・・・!」

テレビ「おじさん!冗談じゃすまないよ!」

果南「よ、よし!」

テレビ「ぅわああ!!」ブンッ!

果南「やった・・・!」

果南「・・・・・・」

テレビ「みんな・・・目が真っ赤だよ」

果南「なにこれ・・・これは本当の映像なの・・・?」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:26:06.67 ID:FALlyvuv0
曜に、善子、花丸、ルビィ、梨子ちゃん

偽物の私は面識のあるみんなに気付かれることなく仲間を集めて行った

次第に私は、この偽物の私を応援するようになっていた

みんなを守れるのは、私じゃない。この、偽物の私なんだって、そんな状況だったから

果南「何やってるんだよ!変にためらうからそんな怪我するんじゃん!」

果南「ダメだよ!行かせちゃダメ!どうして止めないの!?」

果南「曜!!曜良かった・・・!信じてた・・・!」

果南「みんな訓練してるんじゃ私も身体が熱くなってきたよ」

果南「梨子・・・大丈夫。梨子は優しいもん。みんなを守ってあげられるはずだよ」

果南「バカ!!真姫さんの指示に従えよ!!だから・・・クソ!!」

果南「理亞・・・!!殺すなよ・・・生きて反省してもらうんだ!!」

果南「ななかちゃん!!なんでもいいななかちゃんを助けて!!頼む果南!!」

果南「あやりさん・・・!果南、絶対に油断するな!二度も負けるんじゃない!」

果南「ずるいよことりさん!!そんなんじゃなにもわからない!!」

果南「ダイヤ・・・!!」

いつの間にか、映像の果南が、本物の果南だって、私だって思い込んでいた
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:27:54.55 ID:FALlyvuv0
そして、あの瞬間

果南「果南!!果南危ない!!!」

テレビ「だいやああーーーー!!!」

テレビ「ダアァァァンン!!!!」

果南「果南!!!」

果南「果南・・・!!果南嘘・・・そんな・・・!!」

テレビ 予備バッテリー作動 シャットダウンまで00:02:47

果南「果南・・・?果南生きてるの!!?」

テレビ「ぁ・・・ぅぁぁ・・・・・・ぁ・・・」

果南「曜・・・千歌!逃げて!!」

果南「逃げるんだ!!早く!!二人は生き残るんだ!!!」

テレビ「みんなで・・・そちらに逝きますわ」

果南「ダイヤ・・・」

果南「反省しなよ。またいつか会おうよ。ね?」

テレビ「ズウウウウウアアアアアアアアア!!!!!!!」

果南「ありがとう果南。よくみんなを守った」

ガチャリ

果南「・・・・・・」

ようやく、ドアが開いた
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:29:13.71 ID:FALlyvuv0
果南「・・・・・・」

そこは、淡島ホテルだった

やっぱりね。人造人間の私を製造したのも、私を守るためにここに幽閉したのも鞠莉だった

果南「私の事を知り尽くしてる部屋だったもん」

果南「・・・・・・」

それから・・・

自分でも驚くほどに冷静だった

あの果南の記憶と共に、鞠莉のデスクを調べ、理事長と接触し事件の真相に辿り着いた

超ヤマト戦艦が爆破したのも見た

だけど、考えたの

ことりさんに言われたこと

人は過ちを繰り返す

今の私が手を出しても、もう一人の私と同じようになるだけ

だから、考えるのが苦手な私が、どうにか頭を回転させて

答えを出した

ふぉえgんmくぉ3いん:お;
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:30:42.73 ID:FALlyvuv0
千歌「・・・あの果南ちゃんは・・・」

果南「そもそもあの時・・・丸腰だった私はどうしてヘリを爆発させられたと思う?」

果南「それは、千歌が覚えてないだけ。あのショックで忘れちゃってるだけ」

果南「人造人間は、腹の中にある核バッテリーが動力なんだ」

果南「それを蒸発させて爆薬に変えただけ・・・ヘリの爆発の正体はこれだよ」

果南「私だって・・・だんだん自分が偽物なのかとも思い込んできたくらいだし、気付かなくてもしょうがない」

曜「・・・鞠莉ちゃんは、どうしてこんなことを・・・?」

果南「私に・・・生きてほしかったんだよ」

果南「ゾンビウイルスで平和は崩される。それをわかってた鞠莉は・・・こんなことを」

果南「鞠莉に感謝しないとね。おかげで私は生きて、真実に辿り着いた」

果南「そして、私なりの答えを導きだした」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:38:52.12 ID:FALlyvuv0
果南「人が、過ちを繰り返すと言うのなら・・・」

果南「過去の過ちを学び、少しずつでも修正していく」

果南「そして、人は変わっていく」

果南「これが私の答えだよ。千歌」

果南「・・・頭空っぽの私が、一生懸命考えたんだ」

千歌「過ち・・・」

果南「この世界の過ち。それは、間違いなく真姫さんの意思・・・」

果南「世界中の人間を殺そうとした真姫さんの呪縛だ」

果南「私はそれを葬り去る。そのためにここに来たんだよ」

曜「・・・!」

千歌「それじゃ・・・!」

果南「わかってるね・・・」

果南「曜。あんたは・・・今は、渡辺曜かもしれない」

果南「だけど、ふとした瞬間に、真姫さんの魂が曜の魂を乗っ取るかもしれない」

果南「あんたは、気付かず、人を殺す」

果南「そんなことは絶対にないと、言い切れないはずだ」

果南「あんたの中にある真姫さんの意思を・・・」

果南「葬り去る。これが私の答えだ」

曜「・・・・・・」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:40:03.20 ID:FALlyvuv0
果南「あやりさんはリコールコードを理事長から聞いた」

果南「あやりさんの存在は互いにとって害になるからね」

果南「曜、あんたのリコールコードは?」

果南「それを教えてくれれば、千歌の前であんたを撃たずに済むんだ」

曜「リコール・・・そんなの分からないよ・・・」

果南「なら、力尽くで機能を停止させるまで」

千歌「・・・っ、・・・っ!」

果南「千歌・・・」

果南「・・・どいてよ千歌。当たっちゃうよ」

千歌「だ・・・ダメだよ・・・!」

果南「どうして?真姫さんが正しいって言うの?」

千歌「違う!違う・・・そうじゃない・・・けど・・・」

果南「千歌」

果南「・・・『それ』は、渡辺曜なの?」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:43:15.65 ID:FALlyvuv0
果南「曜はね、あのヘリの爆破の時、死んだんだよ」

果南「あの時、曜は自分の身を代えて千歌を守り切ったんだ」

果南「残ったのは心臓だけ」

果南「ロボの曜も、今の曜も、確かに本物の曜の心臓が入ってるかもしれない」

果南「その心臓に、魂は入っているの?」

果南「理事長の人造人間技術の成功で、記憶、感情、容姿のコピーは取れるんだ」

果南「何万もの知能を持ったロボの中で、ただ一人オリジナルの心臓を持っただけのロボ」

果南「それを、あんたは本物の曜だって認識が出来るの?」

果南「設備と材料さえあれば、それと同じ記憶を持ち、同じ容姿を持つロボットをいくらでも作り出せるんだよ?」

果南「千歌は、曜が死んだこと、受け入れられないだけなんだよ・・・!」

果南「死んだ光を無理矢理輝かせようとしているだけなんだよ・・・!」

果南「・・・千歌を守る。そのためだけに生きてきた曜の意思を、真姫さんが乗っ取ろうとしているんだ」

果南「もう・・・終わらせてあげようよ」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/05/22(水) 23:45:21.42 ID:FALlyvuv0
果南「千歌」

千歌「・・・・・・」

果南「千歌は、どう思うの?」

果南「真姫さんの意思を、根絶やしにする?」

果南「それとも、それでも曜を守りたい?」

千歌「・・・・・・」

果南「・・・いいよ、ゆっくり考えて」

果南「頑張って考えて、千歌なりの答えを教えて」

果南「みんなの意見を聞いたっていい」

果南「千歌が正しいと思った選択を教えて」
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