魔女娘「あなたは何ができるの?」サキュバス「うっふーんなこと」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/19(土) 13:04:48.72 ID:qFTZsmBy0
先生「今日は生涯のパートナーとなる使い魔を召喚する日です。皆さん何を召喚するかしっかりイメージしてきましたか?」


ライバル魔女「あら魔女娘さん、随分と貧相な触媒を使って召喚するのね。一生を共にする使い魔を召喚するというのに、そんな粗末な触媒しか用意できないなんて平民上がりは本当に可愛そうですわ」

ライバル魔女「そうだわ! よろしかったら私の余ったものを恵んであげましょうか? ライバル魔女様にいっっっしょう尽くしますと泣き咽び跪きながら言えたら与えてあげてもいいですわよ」


魔女娘「いらない。触媒なんかなくても召喚くらいできる」


ライバル魔女「ふん! 強がりはおよしなさいな。そんな古ぼけた手鏡一枚で何が召喚できるというの?! というかどこから持ってきたの。かび臭いし、ヒビも入ってるじゃないの」


魔女娘「実家の納屋に置いてあった」


ライバル魔女「ゴミじゃありませんか!?」
2 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/19(土) 13:13:45.79 ID:qFTZsmBy0
取り巻き「ライバル魔女様。順番が回ってきましたよ」


ライバル魔女「あら、ありがとう」

ライバル魔女「まあいいわ。せいぜい召喚してから触媒をもらわなかったことを後悔するといいわ! あとから跪いて一生尽くしますって泣いても知らないから」


魔女娘「ん、そんなことにはならないと思うから大丈夫。自分の召喚に専念してね」


ライバル魔女「その余裕も今の内ですわよ! 絶対あなたよりすごい使い魔召喚しますからね!」


魔女娘「行ってらっしゃい。頑張ってね」
3 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/19(土) 13:34:54.03 ID:qFTZsmBy0
友魔女「おつー魔女娘。今日もライバル魔女の相手お疲れ様」


魔女娘「お疲れ。だけどただ普通に話してただけだから、疲れてない」


友魔女「さすが成績ナンバー1様はナンバー2からの嫌味を物ともしないね! もっとライバル魔女のこと気にしてあげたら?」


魔女娘「……? 友達らしく接してるとは思うけど?」


友魔女「ホントにアウトオブ眼中なんだね……。ライバル魔女カワイソー」

友魔女「—―あ、ライバル魔女召喚しだした」


魔女娘「魔力の流れも安定してる。精神も乱れてない。ん、失敗はしない」


友魔女「じゃああとは何が出るか……って、デカいな」


魔女娘「それに魔力量も凄まじい。伝説級の使い魔、くる」


友魔女「—―っ、あれは……」


魔女娘「——――ドラゴンだ。すごい……」

魔女娘「おいしそう」


友魔女「え?」


魔女娘「え?」
4 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/19(土) 13:54:28.30 ID:qFTZsmBy0
ライバル魔女「おーほほほっ見ていましたか、魔女娘さん。というか見なさいこの雄々しくも美しい二色の眼を持つドラゴンを!」

ライバル魔女「これほどまでの使い魔を、あなた呼び出せますか?!」


友魔女「……冗談だよな」


魔女娘「昔、トカゲを丸焼きにして食べた。おいしかった。あれも似てるからきっとおいしい」


友魔女「食べるなよ、絶対だからな! フリじゃないからな!」


魔女娘「伝説級の使い魔……伝説級の味……」


友魔女「おいっ!?」


魔女「冗談」


友魔女「お前なぁ……」



ライバル魔女「無視しないでくださる!!?」
5 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/19(土) 14:42:38.23 ID:qFTZsmBy0
魔女娘「すごいの召喚したね」


ライバル魔女「そうでしょうそうでしょう。なんたって神童と呼ばれ育ち、魔法界の華といわれるのですもの。これくらい当然ですわ!!」

ライバル魔女「さあ、次はあなたの番よ。ワタクシのライバルとして恥じない使い魔を召喚しなさいな」


魔女娘「応援してくれるの? ありがとう」


ライバル魔女「応援なんかじゃありませんわ! ライバルがみっともないとワタクシまで低く見られてしまいますからね!」

ライバル魔女「だから、余った触媒をあなたに譲ってもよろしくてよ!」


魔女娘「うん、いらない」


ライバル魔女「もう!!」


魔女娘「魔力いっぱい込めれば何とかなる」

魔女娘「だから大丈夫。心配してくれてありがとう」


ライバル魔女「しっ、心配なんてしていませんわ。せいぜい見れる使い魔を召喚することね!!」


魔女娘「うん……じゃあ、友魔女、ライバル魔女、行ってくるね」


友魔女「がんばー」
6 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/19(土) 22:04:02.35 ID:qFTZsmBy0
魔女娘「さてと……」


先生「魔女娘さん、準備は大丈夫ですか?」


魔女娘「はい」


魔女娘(集中集中……魔力を魔方陣の上に置かれた触媒に注ぎ込むっと)グウゥ

魔女娘(……お腹すいたな。何か食べたいなあ……。非常食になる使い魔がいいなあ……)


鏡「」ピキッ


魔女娘「え――?」ガクン


先生「……っ!? 魔女娘さん! 一旦魔力を止めてっ」


魔女娘「止まりませんっ……吸われる……っ」


先生(このままじゃ何が出てくるか……)

先生「触媒を破壊します! 離れて—―」


鏡「」ピカ—―ッ—ードッ—ー


???「あらぁ、どこかしら、ここ」


先生「おそかった……」


???「……ああ、あたし召喚されたのね……」


魔女娘「貴方は――」


???「あなたがあたしを召喚したマスターね」

サキュバス「初めまして。私はサキュバス。よろしくね」


魔女娘「私は、魔女娘。よ……よろしく」

魔女娘「……あなたは何ができるの?」


サキュバス「あたしサキュバスよ。決まってるじゃない」

サキュバス「うっふーんなこと」


魔女娘「……そっか……やっぱり非常食にはできないか……」

魔女娘「うっ……お腹減った」バタン


先生「魔女娘さん!? 気絶してる……」


サキュバス「あらあら召喚の時に魔力びゅっびゅっしすぎちゃったね。……あと空腹でかな?」


魔女娘「うぅ……」キュルキュル
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 07:10:00.94 ID:LlyJl/P/0
期待
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 18:37:13.27 ID:Os+LDEiDO
まだかな
9 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2019/10/27(日) 18:52:51.62 ID:X5n/noWX0
魔女娘「うう……ん、ふああよく寝た」

魔女娘「……? ここどこ?」

魔女娘「やけに豪華なベッド……貴族が使うベッドみたい。ふかふか」

魔女娘「……どうせふかふかならベッドより焼き立てのパンのほうがいいなぁ」

魔女娘「ベッドみたいな大きさのふかふかなパン……食べたいなあ」グウゥ


魔女娘「……おなか、空いたなあ……ん?」


焼き立てパン「」ホクホク


魔女娘「なんでベッドの上に焼き立てのパンが……」ぐう

魔女娘「……。……食べちゃえ」


焼き立てパン「ち、ちょっとまってぇ—―!」


魔女娘「パンがしゃっべた!?」


焼き立てパン「すごいねあなた、この状況で食欲優先させるなんて」


魔女娘「生きたパン……絞めたことないな」


焼き立てパン「食べることしか考えてない!?」

焼き立てパン「まってまって!? 元の姿に戻るから—―」ボフンッ


魔女娘「うっ……けほけほ……あれ、パンは?」


???「どうやらあたしのマスターは色気より食い気みたいね」


魔女娘「……誰? パンは?」


???「さっき自己紹介したけど……まあ忘れちゃうか」

サキュバス「じゃあ改めまして、あたしはサキュバス。あなたの使い魔よ」


魔女娘「……私のパンは?」


サキュバス「ごめんなさいね。あの姿はマスターの欲望をもとに形作った幻想なの」

サキュバス「普通は性欲マシマシ汁だくだくな理想の美形になるんだけど……性欲よりも食欲が上回った人なんて聞いたことない」

サキュバス「……欲を助長させる暗示もかけてたのに」ボソ


魔女娘「そんな……食べたかったパン……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 18:58:42.61 ID:hhs88MhUo
良いね食いしん坊少女
11 : ◆TEm9zd/GaE [saga]:2019/10/27(日) 20:23:58.87 ID:X5n/noWX0
サキュバス「ねえマスター、ここがどこだか気にならないの?」


魔女娘「そういえば、こんな豪華なベッドで寝たことない、私」

魔女娘「学園の保健室……な訳ないか。貴族みたいなベッドだし……それに……—―!!?」ハッ


魔女娘「ドアがない、窓も……どころか、ベッド以外に何もない!」


サキュバス「うふふ、やっと気づいたみたいね」ニヤリ

サキュバス「そう、ここには出口なんてない—―」ドサッ


魔女娘「うわっ—―?!」ドサッ

魔女娘(押し倒され—―)


サキュバス「ここはあなたの夢の中」

サキュバス「なにをしてもいい。なにをしても許される」

サキュバス「ねえ、見せて……あなたの欲を――」


サキュバス「醜く、愚かで、度し難い――その陰鬱とした劣情を――!!」


魔女娘「……っ」ガクン

魔女娘「な、にこれ……力が……」


サキュバス「言ったでしょう。ここはあなたの夢の中」

サキュバス「あたしが創ったあなたの夢。全てはあたしの思った通り」


サキュバス「抵抗しないで。どうせ逃げ場はないのだから」

サキュバス「受け入れて。――今まで一度も体験したことのない甘美な夢を見せてあげる」
12 : ◆TEm9zd/GaE [sage saga]:2020/02/22(土) 00:31:48.96 ID:keKnuKXkO
――魔女娘視点。

 
 これまで一度も嗅いだことのない甘い匂いが鼻を擽る。

 どんなチョコレートよりも蕩けていて、どんな花蜜よりも粘執的な。

 そんな匂いに、私の心はふにゃふにゃに砕けてしまった。


 その匂いは目の前の女性から漂っている。

 美しい女性だ。

 二重の瞳に、熟れたリンゴを思わせる瑞々しい唇。カモシカのようにしなやかに伸びる手足は小麦のような健康的な色をしていた。


 そんな彼女のなかで一番心惹かれたのは、貴族が身に付けているような宝石――アメジストを思わせる紫紺の瞳。

 くっきりとした目尻にしっかりと嵌まったその瞳は、逸らされることなくまっすぐに私を射抜いている。

305.08 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)