「安価、コンマ」神話に似た物語作ります。

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1 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 13:25:10.24 ID:Vft8eHv00
インド神話を面白くみたのでそれに似た物語を作ります。
ー簡単な世界紹介ー
時代は古代。
主な国は下の四つでそれ以外にも小さな国々がいます。

【勇猛なる戦士の国、ヴィクラム】
強靭な軍隊を持っている国。
子供のころから民は訓練をし戦士として育てられた。
訓練はほかの国を攻撃するわけではなく自国を守るため、また修行のためである。
決して野蛮ではなく勇猛な誇り高き国だ。

主に信じる神は戦争神、英雄神など。

【叡智な学者の国、マニシャ】
学問に励む学者の国。
豊かな資源で余裕のある人々は学びを余暇とした。
この時代で最先端な代物を主に作っている。
何かを学びたいならマニシャへ。

主に信じる神は知恵神、鍛冶神など。

【活発な商業の国、サティ】
あらゆるものが行き来たりする市場の国。
大きな川と海に囲まれておりどこにでも道がある。
民は愛想がよくあらゆる国と友好関係である。
食べ物、服、道具なんでもあり。

主に信じる神は商業神、幸運神など。

【高尚な芸術の国、ニカール」
美麗な芸術の国。
素敵な自然景観は人に創作の霊感を与えた。
作られている歌は遠くの国でも聞けるだろう。
素晴らしい景色と都市は必見。

主に信じる神は美の神、芸術神など。
2 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 13:27:32.94 ID:Vft8eHv00
キャラクターの作り方を説明します。
キャラクターには「軍事」、 「学問」、 「政治」、「芸術」という四つの能力値があり、
最初からすべての能力値を一点づつ持っています。
能力値は「天性点」で上げることができて基本的に5点あります。
各々の能力値は5点までが上限です。
能力値ではないですが「運命点」というのもあります。
「運命点」は判定に失敗したときそれを成功にできます。

「軍事」は勇猛さ、力、戦うための技を表しています。

「学問」は知識、知恵と信仰を表しています。

「政治」はカリスマ、話術を表しています。

「芸術」は作文、作曲、作画やそのほか小手先を表しています。

これの他に信じる神を選ぶことができます。
信じる神には「献身度」をあげること出来てその「献身度」の値だけ
判定の難度が下がります。
「献身度」は「学問」の値と同じで信じる神には必ず一つの「献身度」が必要です。
神も「軍事」、 「学問」、 「政治」、「芸術」の四つの分類があり
例えば戦争神に献身度1なら「軍事」の判定難度が1下がります。
神の分類は神の特性に合うように選んでください。

最後に主人公の「出生」を決めます。
「優れた人」、「神の化身」があります。

「優れた人」はただの人ですが優れた能力を持ち運命に抗うことになります。
「天性点」+3、「運命点」+3します。

「神の化身」は神の生まれ代わりで人ですが神のようにとっても優れています。
「天性点」+5、「運命点」+1します。

要約
1. キャラクターは能力値を1は持っており最大5まで上げることができる。
2. 能力値は「天性点」で上げることができてキャラクター作成時5点持っている。
3. 「学問」の値だけ「献身度」をもらえる。信じる神には「献身度」最低1つを振り神の分類の判定難度がその分下がる。
4. 「出生」で最初にもらう「天性点」5点に追加で「天性点」をもらえる。「運命点」は判定に失敗したとき成功にできる。
3 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 13:30:11.11 ID:Vft8eHv00
ーキャラクターシートー
【名前】
【性別】 男
【年齢】
【一人称】
【所属】
【出生】   【運命点】
【軍事】   【武器】
【学問】   【信じる神/献身度】
【政治】
【芸術】   【楽器】
【備考】
(芸術1なら楽器なしも可で所属と関係なく神を選べます。)

下は例です。

【名前】 ラマ
【性別】 男
【年齢】 16歳
【一人称】 俺
【所属】 ヴィクラム
【出生】 神の化身 【運命点】 1
【軍事】 3 【武器】 弓
【学問】 3 【信じる神(分類)/献身度】 維持神(学問)/3
【政治】 3
【芸術】 1 【楽器】なし
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 13:40:50.60 ID:aELeF8eqO
(あ、これ設定に拘りすぎて処理しきれなくなってエタるやつや…)
5 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 13:51:34.00 ID:RI3t3tQ+0
上のキャラクターシートでまず主人公を決めます。
下3まで集めてコンマが一番高いのにします。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:03:12.42 ID:yiweYbBN0
【名前】テイシロ
【性別】 男
【年齢】16
【一人称】僕
【所属】ニカール
【出生】優れた人   【運命点】3
【軍事】 1  【武器】杖
【学問】 3   【信じる神/献身度】文学神(学問)/1 文芸神(芸術)/2
【政治】1
【芸術】3 【楽器】笛
【備考】小柄で華奢な少年 性格は内向的で大人しい

こういう感じで合ってるのかな?
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:06:39.42 ID:7kMO6zxRo
【名前】ダビド
【性別】 男
【年齢】11
【一人称】ボク
【所属】ニカール
【出生】優れた人【運命点】3
【軍事】1【武器】槍
【学問】1【信じる神/献身度】創造神(芸術)/1
【政治】1
【芸術】5【楽器】横笛
【備考】この年にしてほぼ全ての芸術に才がある神童。本人は早々と自分の限界を見極めており若干冷めている
8 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 14:14:09.63 ID:zn6B/b2J0
>>6 そんな感じですが能力値を4点もっと増やせます
>>3 設定こだわるの好きです…エタらないよう心がけておきます。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:19:06.13 ID:Hs57sv230
天性点は優れた人は基本値5+追加3=8
神の化身は基本値5+追加5=10
じゃないのかな?
10 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 14:22:06.71 ID:zn6B/b2J0
>>9 そうですけど四つの能力値全部最初に一点もらっています。
なので全部あわせると8点と14点ですね。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:28:49.21 ID:7kMO6zxRo
>>10
あーなるほど
じゃ>>7政治に+4します(一応)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:32:14.33 ID:yiweYbBN0
>>3の例の神の化身の出生の点の合計値が10点でしたので優れた人は8点だと思ってました
では>>6を訂正して
【名前】テイシロ
【性別】 男
【年齢】16
【一人称】僕
【所属】ニカール
【出生】優れた人   【運命点】3
【軍事】 1  【武器】杖
【学問】 5   【信じる神/献身度】文学神(学問)/1 文芸神(芸術)/2
【政治】1
【芸術】5 【楽器】笛
【備考】小柄で華奢な少年 性格は内向的で大人しい
に変更します
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:34:47.41 ID:sG60DwigO
エロある?
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:37:59.12 ID:Hs57sv230
>>9
回答ありがとうございます。これでいいのかな?

【名前】オウル
【性別】男
【年齢】20
【一人称】俺
【所属】マニシャ
【出生】優れた人   【運命点】3
【軍事】3  【武器】槍
【学問】4  【信じる神/献身度】農耕神(学問)/2 鍛冶神(軍事)/2
【政治】3
【芸術】2 【楽器】太鼓
【備考】やや小柄で筋肉質。国の発展のため、農機具や農法の研究に努めている。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:38:54.44 ID:Hs57sv230
>>14の返信は>>10でした
失礼しました
16 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 14:41:59.05 ID:rvTov0Y60
>>13 インド神話とか多くの神話ではあるけどあんまり筆力ないので…あるとしてもすくなめですかね。
テイシロとダビドコンマが同じなので下で先に2票得たキャラクターにします。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:42:00.46 ID:yiweYbBN0
>>12の献身度も増えるのを見落としてました。文学神(学問)/2 文芸神(芸術)/3 に変更します
重ね重ねすみません
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:47:52.07 ID:Hs57sv230
テイシロ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 14:53:31.45 ID:h+pxKUqDO
テイシロ
20 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 15:36:51.46 ID:RI3t3tQ+0
澄んだ川が流れるあるニカールの田舎で一人の赤ん坊が生まれた。
幼い頃から学問と芸術に神のような才を持ち心優しく美しい彼は
誰もが可愛がりすくすく育つのだった。

ジャナ(父)「もう君に教えることはない。君のその知恵と文才は神でさえも称えるだろう。」

テイシロ「父上、それは過言です。僕にはまだ知らないものが山ほどあります。」

マヤ(母)「自分を貶さなくていい、テイシロ。本当によく育ってくれた。」

テイシロ「母上、ありがとうございます。」

ジャナ「もう16歳となり成人となったな。今夜は盛大なる成人式をあげよう。」

テイシロ「はい、ちょうど盛り上がる曲を作っておきました。」

夜となり町の人々が集まり備蓄した肉や酒を使い大きな成人式が始まった。

テイシロ「♪〜♫〜」

彼の笛から流れる洗練な音に皆心を奪わてこのひと時を楽しんだ。

成人式は終わりテイシロは町から少し離れた川沿いに行き

笛を吹きながら考え事をした。
21 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 16:06:58.62 ID:zn6B/b2J0
テイシロ「父上は僕に似合う嫁を探してくれるって言ってくれたがまだ自由にこの世界を
回ってみたい。両親は僕を庇ってくれているが今は成人だ。きっと理解してくれるだろう。」

心を落着かせ笛を吹く。その音につれ周りには兔、鹿のような動物が惹かれ観客となり
隣で寛ぐ。

しばらくしたら隣の川には人が流れていた。体には傷を負え今すぐでも治療しなくてならないだろう。そう考えたテイシロはその人が流れる前に川に入りその人を掴んだ。
川の外に連れて行き息を確認する。まだ呼吸をしていることを知り周りの木の枝を集め
火をつけ体を暖かくする。その火と月の明かりで顔が露わになりテイシロは息を吞んだ。

テイシロ(なんて美しい女性なんだ…)

彼が今まで町で見たどの女性より美しく月の明かりも欺く。
顔とは裏腹に体は程よい筋肉が付いている。
間違いなく彼女は戦士なのだろう。この傷は戦いでうできたものだろうか。
それはさておきまずテイシロは彼女を治療し一夜を彼女の看病に励んだ。

ここで彼女の設定を募集します。下3まででコンマが高いほうにします。
同じだったら先に出たキャラクターにしますね

【名前】
【性別】 女
【年齢】
【一人称】
【所属】
【出生】   【運命点】
【軍事】   【武器】
【学問】   【信じる神/献身度】
【政治】
【芸術】   【楽器】
【備考】 ビックラムの姫。
22 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 16:09:08.60 ID:Vft8eHv00
>>3 間違いました…ビックラムではなくヴィクラムです。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 16:10:53.15 ID:Hs57sv230
【名前】シルファ
【性別】女
【年齢】16
【一人称】私
【所属】ヴィクラム
【出生】優れた人   【運命点】3
【軍事】4  【武器】弓
【学問】4  【信じる神/献身度】地母神(学問)/2 軍神(軍事)/2
【政治】3
【芸術】1 【楽器】フルート
【備考】ヴィクラムの姫。明るく人懐っこく温厚な少女。軍事については直接戦うより軍略に長ける。平穏が好きで戦いが好きなわけではない。
24 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 16:11:04.53 ID:gkAxGvF70
>>21 それと優れた人固定です…
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 16:44:01.44 ID:h+pxKUqDO
【名前】クルル
【性別】女性
【年齢】17
【一人称】私
【所属】ヴィクラム
【出生】優れた人 【運命点】3
【軍事】5 【武器】薙刀
【学問】2 【信じる神/献身度】 武神(軍事)/2
【政治】4
【芸術】1 【楽器】無し
【備考】ヴィクラムの姫。 豪快さっぱりとした姉御肌
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 16:59:50.03 ID:rIlYnN+Ao
【名前】アルマ
【性別】女
【年齢】16
【一人称】私
【所属】ヴィクラム
【出生】優れた人  【運命点】3
【軍事】4   【武器】槍
【学問】2   【信じる神/献身度】月神(政治)/2
【政治】5
【芸術】1   【楽器】
【備考】ヴィクラムの姫。穏やかながら人の心に自然に取り入る。自分の幸せを考えず国の繁栄のため生きるよう育てられた。
27 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 18:39:30.54 ID:zn6B/b2J0
朝となり彼女は暖かい太陽の光に目を覚ます。なぜか体が前より治ったことを知り周りに目を向けるとそこには見知らぬ少年が座っていた。
彼女は彼の周りの薬草や道具を見てなんとなく察した。

テイシロ「起きましたか。お体は大丈夫ですか?」

?「ええ、お陰様で」

お互い目を見つめ合う。テイシロは二度目ながらもその美しさに驚いた。

?「貴方は何方でしょうか?」

テイシロ「僕はここの住んでるテイシロというものです。ただの羊飼いです。貴方は?」

アルマ「私はアルマと申します。」

テイシロ「なるほど、ところで気になったのですが貴方はなぜ傷を受けここまで流れ込んだのですが?」

アルマ「それは、あまり言いたくないです。傷を癒してくださってありがとうございます。私は行くべきところがあるので…」

テイシロ「その傷では無茶です。ここで三日は休んでください。」

アルマ「私がここにいては貴方にも被害ができます。この町にも…」

テイシロ「それは一体? 説明してくれませんか?」

アルマ「私は追われています。あいつらは私がここにいるのを探知し来るはずです。そうなるとこの町にも被害が。」

テイシロ「誰かは知りませんが貴方を狙うものがいるということですね。
なら尚更ここで休むべきです。
貴方は武に心得がありそうですがその傷だと全力は出ないだろうし一人よりは二人のほうがましです。」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 18:54:55.62 ID:lM7hByUP0
面白そうだが難解なスレだな、嫌いじゃない
29 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/16(日) 19:26:41.17 ID:Vft8eHv00
アルマ「なぜ見知らぬ私のためにそこまで言えるんですか?」

テイシロ「哀れな人を見ると誰も手伝うものです。貴方はそうじゃないんですか?」

アルマ「…」

テイシロ「その沈黙は肯定と受け取ります。」

アルマを連れテイシロは自分の家へ向かう。

ジャナ「テイシロ、その女性は誰だ?この町のものではないが。」

マヤ「ひどい傷!大丈夫なの?」

アルマ「はい、彼のおかげで何とか。」

テイシロ「父上、母上。彼女は何者かに狙われています。少しの間、ここに住ませてくれませんか?」

マヤ「それは大変!ひょっとしたらこの町も危ないわ。」

ジャナ「大丈夫なのか?彼女をここに住ませて」

テイシロ「この町も彼女も守るって神に誓います。」

ジャナ「ふむ、男らしくなったな。」

マヤ「なにか問題あったら頼っていいわよ。」

テイシロ「心配しないでください。」


今日はここまで
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 19:49:58.22 ID:yiweYbBN0

期待してます
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 19:56:44.82 ID:7kMO6zxRo
おつ
きたい
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/17(月) 00:21:35.60 ID:aA31T0NXO
乙です

コンマ最大だと>>25なのでは?
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/17(月) 07:37:24.54 ID:D2OdRH+DO
乙です
面白そうだから続いて欲しいです
34 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/17(月) 20:36:15.54 ID:dXbArB6f0
テイシロは両親からの話を終えてアルマを余る部屋に連れ寝台の上に招いた。

テイシロ「その体の傷が治るまではここで休んでください」

アルマ「ありがとうございます。色々申し訳ありません。」

テイシロ「大したことありません。それより貴方を追うものなんですが何人位でしょうか?」

アルマ「多分50人は超えるかと。」

テイシロ「それほどの人を連れ女一人を追うとは。なんて卑劣な輩だ。」

アルマ「彼らは堅固な武装をした軍隊です。決して容易く勝てる相手ではありません。」

テイシロ「最初から簡単に勝とは思ってもいません。戦士の貴方をそこまでにした彼らはさぞかなりの脅威でしょう。」

アルマ「ならば、どうやって彼らに立ち向かおうと?」

テイシロ「見た目通り、僕には戦士としての資質がありません。ですが策を練ることが出来て一緒に戦える友があります。貴方はお美しい。きっと皆喜んで手伝ってくれるでしょう。」

アルマ「…何から何まで本当に申し訳ありません。」

テイシロ「それ以上謝らないでください。これは僕の我儘です。貴方のせいではありません。それではごゆっくり休んでください。暇でありましたらここにある本でも読んでください。」

テイシロは部屋を出て町の広場に若い男達を集めアルマのことを伝える。
誰も彼を責めることはなくむしろ誰が彼女を守るかで火が付いた。
それはきっと彼女の魅力だけではなく彼への信頼があってこそだろう。
35 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/17(月) 20:56:52.13 ID:dXbArB6f0
テイシロ(輩がいつ来るかわからない。早く策を考えねば。)

ここで初の判定です。
軍事、学問、政治、芸術の範疇にある判定は一つだけを使用しますが。
今回は策を練ることなので軍事をメインに学問も判定に使用します。
学問と学問の献身度の値をコンマで出た値に足します。
判定回数は軍事の値です。
基本的に12以上なら成功ですが難しいか易しいかで変わります。
それと成功は一回でいいのもあるんですが増えることがあります。
例えば基準が12と成功数1ならテイシロの場合
軍事が1なので一回コンマで判定し出た値が29なら11に学問+学問の献身度=7をコンマに足して18になります。成功です。
アルマなら軍事が4なので4回コンマで判定します。
14、40、84、52ならそれぞれ5,14、12、7となり学問が2なので
最終的に7,16、14、9となり二回成功です。
複数回コンマで判定するとき連取り自由です。
あとコンマの値が2と20(つまり11と00)は特別扱いで
2は大失敗、20は大成功です。

長く書きましたが案外簡単です。
今回は基準値14で成功数1です。
下1で判定します。
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/17(月) 21:01:47.43 ID:E68lcuJP0
37 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/17(月) 22:46:30.53 ID:rINenyca0
コンマ(7)+学問、献身度(7)=14 成功

は過ぎ彼女が来てから三日が立つその夜、人があまり寄らない山の奥に多くの人の影が近づく。彼らの重厚な甲冑と鋭利な剣が月明りを反射する。

兵士1「本当にここに彼女は来たのでしょうか?」

兵士2「もう魚の餌にでもなったと思いますよ。」

兵長「彼女は生きている。その程度で死ぬとは思えん。それに彼女を生け捕りにしないと俺達になにが起こるか…」

兵士1「ラヴァラーナ様が徹底的過ぎるだけです。」

兵長「いいと考えろ。今こうしてニカールを観光に来たと思えばそう悪くもないだろう。」

雑談をしているといつの間にかとっても心地のいい音が流れる。
心身疲れていた兵士達はその音に耳を傾く。

兵士1「何でしょうか、こんな深夜に音楽が。」

兵長「どこか町で祭りでもしているのではないか?ちょうどいい。今日はその町に入り一晩を過ごそう。」

その音を追って兵士達は前へ進む。異国の音楽だったがその音は兵士の心に染み母の胎動のような拍子に自然に力が抜けていく。

兵士2「素晴らしい腕だ。文化の国とは聞いていたがこれほどとは。」

しばらくこの状態がつづき、兵士達は川の前には万年雪のある美しい山に囲まれているとある町を見つけた。その壮大な光景と音に惚れていたがその瞬間は刹那に終わり、音は母ではなく雷のような恐怖の轟音にかわる。
それと同時に彼らの後ろには大きな波が襲ってくる。兵士の大半がその波に飲まれ跡形もなく消えた。
38 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/17(月) 22:48:48.66 ID:rINenyca0
兵士1「なんだ!なにが起きた!」

残った兵士達は突然の出来ことに混乱を隠せない。

その時、雷の音は止み戦争の勝鬨となり森の木に隠れていた多くの男が現れ兵士達の息を止めていく。

兵長「この野郎ども!何をしやがる!」

彼だけが残り武器の剣を構える。ここの全員が彼を襲うと勝つだろうが
何人が犠牲となる。少しの間、お互い攻めも受けもなく対置状態が続く。

「ここからは私が受け取ります。」

その声には迷いはなく気概があった。

アルマ「皆さん、私に任せてください。」

可憐な顔とはまるで違う迫力に彼女が進むと前の男達は場を譲る。

兵長「貴様の仕業か!王国から逃げては男達と暮らしていたとは下品な女だ。」

アルマ「私と一体一では勝てなくて人を集めた犬がよく吠えるね。」

兵長「このアマが!」

剣を強く握り怒りに任せ走ってくる。
彼女は動じない。ただ槍を掴み時を待つ。
彼女は剣を振る敵に対しまるで世間知らずの子供のようだった。
振られた剣は地面を叩き、兵士は跪く。
彼の腹は槍で貫通され直ちに絶命した。

今日はここまで
亀更新になると思うので申し訳ないです…
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/17(月) 23:14:21.92 ID:ChFkgpJIo
おつ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/17(月) 23:14:45.86 ID:D2OdRH+DO
乙です
次の更新も楽しみにしてます
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/17(月) 23:24:57.37 ID:E68lcuJP0
乙乙
42 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/18(火) 22:46:20.46 ID:SphnGhQX0
テイシロ「見事の槍裁きでした。」

アルマ「大したことありません。相手が弱かっただけです。」

テイシロ「何はともあれ、無事に済みました。そろそろ貴方の事情を教えてくれませんか?彼らの兜の紋章を見るにヴィクラムの兵士のようですが何故貴方を狙ってるのか。」

アルマ「…貴方達は身の上も知らない私を手伝ってくれました。言いましょう。」

彼女は皆の前に立ち自分の懐にある王家の短刀を見せつけた。

アルマ「私は勇猛なるヴィクラム王国の8代目の姫にして現代国王ヴィロタムの娘のアルマと申します。」

彼女の一言に皆ざわめいた。その中でテイシロは跪き顔を下げる。

テイシロ「先に気づきませんでした。無礼をお許しください。」

アルマ「そういうのはおやめください。私が言わなかっただけです。顔を上げてください。」

テイシロ「なんとご慈悲深きお方。心から敬服いたしました。」

テイシロは顔を上げその場に立ち話を続けた。

テイシロ「その短刀は間違いなく本物。しかしだとしたら何故彼らは自分の王国の姫を襲ったのですか。」

アルマ「私は姫とは言いましたがもう姫ではございません。ヴィクラム王国は魔神に乗っ取られたのです。」

テイシロ「あの世界最高の軍事力を誇るヴィクラム王国がやられるとはあの魔神は何者ですか。」
43 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/19(水) 00:18:13.49 ID:V/EOwwft0
アルマ「魔神と神と似て異なる存在。力は神の匹敵すると言われています。
そこでさらに過酷な修行を終えさらに力を増し私が世界を旅し勉強をする時、ヴィクラム王国を襲い占領したそうです。」

テイシロ「それで兵士はその魔神を従うようになり反乱を起こすかもしれない貴方を攻撃したということですか。」

アルマ「そうだと思います。魔神ラヴァラーナを筆頭に彼の兄弟が数人いると聞きました。きっととてつもない力を持ってるでしょう。」

テイシロ「それならば故郷をなくした今、貴方の行先はあるのですか。」

アルマ「このニカールの下の国に私の母上の故国があります。そこでしばらく体制を整えようとしました。」

テイシロ「そうでありましたか。ならば僕もお供します。」

アルマ「危険な道のりです。貴方のこれ以上世話をかかせません。」

テイシロ「僕は貴方を守ると神に誓いました。神を裏切ることは父上の教えに背くこと。たとえこの身が塵になろうと必ず果たせて見せましょう。」

アルマ「同情はいりません。」

テイシロ「同情ではありません。」

アルマ「なら何なのですか。」

テイシロ「同情は哀れな相手に情けをかけること、僕は優れた貴方に情けを求めているのです。平民の僕が姫様である貴方と一緒に行くなどありえません。だから僕は貴方に乞っているんです。」

アルマ「私はもう姫でもなんでもありません。貴方とは関係のないこと。
傷を治し共に戦ってくれたのは感謝しますがもういいんです。」
44 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/19(水) 00:19:28.82 ID:V/EOwwft0
テイシロはアルマの前で跪き彼女の手を握る。
テイシロ「何故そこまで一人で背負うとするのですか。たとえ故国が乗っ取られたと言っても姫様を待ち続けている民がいます。国を取り戻すのは一人では出来ません。それはご存じのはず。」

アルマ「しかし他国の貴方に頼るのは…」

テイシロ「それは優しいのではなく傲慢です。王国に打ち勝った魔神を一人で倒すなんていくら姫様でも無理です。」

アルマ「分かっています。しかしだからこそ貴方を巻き込みたくないのです。」

テイシロ「だから言ったのです。一人では無理だと。だから僕が傍で貴方を支えます。」

アルマ「…本当にお人好しですね。」

テイシロ「貴方の意を書く筆となり、貴方を讃える歌となって貴方に奉仕することを神に誓いましょう。」

アルマ「立ってください。貴方はここで跪く男ではないです。」

アルマは手を伸ばしテイシロはそれは掴み立つ。

テイシロ「なら誓い通り共に魔神に打ち勝ち国を戻しましょう。」

テイシロ「仰せのままに。」


明日にまた書きます。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/19(水) 00:20:21.80 ID:qHyKeLfS0
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/19(水) 00:21:51.03 ID:IaKd25AH0
乙乙
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/19(水) 00:25:52.23 ID:yrGNM+vMo
おつー
48 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/19(水) 21:58:44.55 ID:V/EOwwft0
---

雲に太陽が隠れ陰りが出来ヴィクラム王国に陰りが出来る。
輝いていた初代国王の銅像は光を失い民に笑いが途絶えた。
王宮の王座にはヴィロタム王ではなく強豪な魔神が座っていた。

ラヴァラーナ「アルマ姫は捕まったか?」

親衛隊員「いいえ、それどころかアルマ姫を掴む為に送った兵士達の連絡もなくどういう状況なのかも把握仕切れてません。」

それを聞くとラヴァラーナは怒りを隠しきれず、震える剛腕と血が溜まった目に親衛隊は思わず一歩退く。

ラヴァラーナ「何故にそんな生娘一人も捉えぬのだ!いくら強いとは言っても所詮一人!兵士百人にかなうわけがない!」

親衛隊員「落ち着いてください、ラヴァラーナ様!必ず彼女を捉えて見せます。」

ラヴァラーナ「言い訳は聞き飽きた!」

ラヴァラーナが柱を叩くと砂のように崩された。
城は少し揺れ休んでいた鳥もネズミも遠くへ逃げていく。
同時に雲が去り太陽は再びその姿を現し城内を明るく照らした。

ラヴァラーナ「我が真にこの国を支配するに抑制だけではなく統合が必要だ。
その為にも彼女を生け捕りにし我の嫁にしなくてはならぬ。
そうすると民も屈することだろう。」

ラヴァラーナ「アヌジャはおるか!」

その呼びにすぐに魔神アヌジャは現れた。

アヌジャ「兄上、お呼びですか。」
49 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/19(水) 22:25:21.33 ID:ZLQtXNsB0
ラヴァラーナ「こいつらはもう信用できん。お前がアルマ姫を生け捕りにしろ。あと三か月で日蝕の日だ。我らの力が最高潮になりこの全世界を支配する日だ。その前にこの国を治めなくてはならんのだ。」

アヌジャ「承知いたしました。偉大なるラヴァラーナ様に栄光あれ。」

親衛隊「偉大なるラヴァラーナ様に栄光あれ!」

---

マヤ「服はちゃんと持ったの?それとお金とか…」

テイシロ「母上、僕はもう子供ではありません。」

ジャナ「そうだぞ、マヤ。息子ももう旅立つ日が来たのだ。」

マヤ「そうよね、もう母はいらないよね。」

テイシロ「そこまではいってません。ただ母ももう自分の心配をすべき年頃です。息子を案ずるのであれば自分を案じてください。」

マヤ「ああ、なんて立派に育ったのかしら。」

テイシロは母の懐に入る、誰であれ母の前では皆子供である。

テイシロ「必ず、偉勲を立て帰って来ます。その日までご自愛ください。」

テイシロは家を出るとそこには老若男女問わず町中の人が迎えてくれた。
皆が名残惜しかったが止めず、彼のと彼女の旅を祝福してくれた。
いつ終わるか分からないこの旅の前に最後の曲を演奏する。
笛を吹きながら歩く彼の姿は正しく賢者のようだった。
50 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/19(水) 23:45:38.30 ID:riqtsScX0
山を越え川を越え歩いて行く。
ニカールは山が多く道が険しい。
町を出て夜になり森の中で寝場所を作る。

テイシロ「申し訳ございません。奮って進んでいましたがもう日が落ちました。」

アルマ「仕方ありません。また明日に進みましょう。」

テイシロ「ありがとうございます。」

布団を臨時に作りそのまま横になり天を眺める。
雲一つなく星座が輝いた。

テイシロ「なんて美しいのでしょう。」

アルマ「天は変わらぬというのに地では争いが絶えません。」

テイシロ「国の心配ですか?」

アルマ「国も民も父上も母上も何もかもが心配です。」

テイシロ「王族である以上、国の心配は絶えぬもの。貴方のせいではないです。」

アルマ「儚いものです。富も権力も。」

テイシロ「あらゆるものには浮き沈みはあるものです。それが神だとしても世の習いです。」

アルマ「…まるで達観してますね。貴方はいつも真っ当なことだけ。」

テイシロ「労わる為に言ったのですが嫌でしたか?」

アルマ「むしろ安心しています。貴方と居ると。」
テイシロ「それであれば嬉しい限りです。」

明日に再開
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 00:20:12.25 ID:OVifuElDO
乙です
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 00:32:26.78 ID:SfMxNtN30
53 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/21(金) 19:24:04.21 ID:jlinFiry0
昨日眠すぎて寝てました…
明日は週末なんで遅くまで書けると思います。

テイシロ一行の道のりで起こるサブイベントを決めたいと思います。
下3で出た内容にします。
混ぜれるのなら混ぜてやります。
エロいのはまだ早いと思います…
最大限には寄せていくので気軽にお願いします。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/21(金) 19:47:11.44 ID:dUOCe5J90
温泉を見つけて一緒に入る
(普通の混浴が無理なら岩越しに入るとかで)
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/21(金) 20:47:48.05 ID:a7nSvwMDO
怪我をした動物(種類はおまかせ)の子供を見つけて怪我の治療をしたら、なついて一緒に旅に付いていく
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/21(金) 21:00:51.83 ID:0x+IyzxVo
上の親の魔獣と遭遇
57 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/21(金) 22:11:16.13 ID:jlinFiry0
森、川を越え歩いて数日が経つ。
テイシロは疲れが溜まり道中で歩みを止める。

アルマ「まだ休みを取る時間ではありません。」

テイシロ「分かっていますが、体が言うことを聞きません。貴方もそうではないですか?」

アルマ「民が私を待ってる筈です。早くいかなくては。」

テイシロ「疲れがある時は休んで言ったほうが効率がいいと思います。
ここの近くに休める所を探しましょう。」

テイシロは再度歩み出し周りを見渡す。
数分過ぎるとこぢんまりする小屋を見つける。

テイシロ「ここに小屋があります。ここで休みましょう。」

アルマ「今日だけですよ。」

中に入ると女将が迎える。

女将「旅人とは珍しい。泊りに来たのかしら?」

テイシロ「はい、部屋2つお借りたいです。」

アルマ「一つでいいです。お金は可能な限り使いたくないです。」

女将「分かったわ、それとここには小さいけど温泉もあるから使いたいなら使って。」

テイシロ「ありがとうございます。」

先ずは部屋に行き荷物を下し布団に座る。
58 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/21(金) 22:42:14.61 ID:3ifB0Y3A0
テイシロ「いいのですか、僕とご一緒に寝るのは。」

アルマ「別に気にしません。お金は限られていますから。それに森では二人で寝たではありませんか。」

テイシロ「その時は一人で寝るのは危険だったのでそうしましたがこの場合は。」

アルマ「だからいいと言っているのです。それとも私と寝るのはいやですか?」

テイシロ「そのようなこどでは。」

アルマ「ならばそれ以上言わなくていいです。」

テイシロ「承知しました。」

二人とも談笑を終え体を癒す為、温泉に行く。
温泉は男女に分かれているが分ける壁は望めば隣の室を覗くことができる位低かった。

テイシロは服を脱ぎ体を水で流し温泉に入った。
温度はちょうど良く体の疲れを解く。
天井はなく高い空を見上げた。
その下にある白い山の頂がいい味を出している。
顔にも熱が上がり暫くぼうっとする。

アルマ「テイシロさん…そこにいますか?」

突然自分を呼ぶ声に我に戻る。

テイシロ「どうかしましたか?」

アルマ「そこにいるんですよね?」
59 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/21(金) 22:53:11.33 ID:6/XgyaWm0
テイシロ「今、男湯にあります。」

アルマ「すみません、少し怖くなりまして。」

テイシロ「何がですか?」

アルマ「私には今、父上も母上もなく国も失いなにもありません。
それに兵士に追われいつ殺されるかもわかりません。最初は自分一人で何とかすると覚悟をしていましたが、貴方が傍に居てくれて、ありがたいですがまた亡くすのではないかと怖いです。」

テイシロ「そのような心配はしないでください。」

アルマ「信じ居てもそれでも怖いのです。」

テイシロは湯を分ける壁に近づき背を凭せ掛ける。

テイシロ「大丈夫です。貴方の忠臣としてお供します。貴方が蓮華となるなら湖になり、真珠となるなら海にでもなりましょう。」

アルマも壁に背を凭せ掛けた。壁越しに互いを感じる。

湯から出て同じ部屋で同じ寝台に寝り朝を迎えた。

テイシロ「心地よい朝です。また数日は耐えそうです。」

アルマ「もう半分は越えました。まっすぐ行きましょう。」

力強く歩き出す。ニカールの外郭だからか土地が平らになった。
このまま何も無ければ予想より早く着くだろう。
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 07:19:32.60 ID:dbvhaq/DO
乙です
61 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/23(日) 19:23:40.30 ID:NhSDUqZb0
太陽が降り夕をしらす。
テイシロは水を飲みながら地図を見て道を確かめる。

テイシロ「今日はだいぶ進めました。この調子なら三日で着くでしょう。」

アルマ「ならば良かったです。」

話をしていると横の草むらからばさばさと音がする。
アルマはすぐさま槍を持ち、テイシロも杖を持つ。
しかし音はでるもののなかなか出てこない。
アルマが先に出て中を覗くとそこには足に傷が付いた狼がいた。

アルマ「小さな狼です。どうやら足に傷が付き歩けなさそうです。」

テイシロ「罠に掛かり怪我をしたのでしょう。狼は人を脅かす猛獣です。
可愛そうですがおいていきましょう。」

アルマ「ですがこの仔はまだ生まて月日が浅く、このままだと飢えて死んでしまいます。どうかこの仔を治してくれませんか。」

テイシロ「貴方の命なら。」

テイシロは狼の怪我を確認し、消毒と止血をして布で巻く。
怪我の他にかなり飢えている。テイシロは自分の食料を半分に分けて
口に移す。狼は辛うじて食べている。

テイシロ「これで少しはましになったでしょう。」

そうしていると草むらからまた音がしてそれはどんどん大きくなる。
そしてその音を出す存在はすぐ姿を現す。
それは人の何倍は大きな狼であった。
アルマとテイシロが警戒をすると大きな狼が喋った。

狼「我が仔を救って下さりありがとうございます。」
62 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/23(日) 19:24:47.86 ID:NhSDUqZb0
テイシロ「貴方は誰ですか。」

大神「この森に住む聖獣”大神”と申します。」

テイシロ「何と、まさか大神様に会うとは思ってもいませんでした。」

アルマ「拝見でき光栄です。」

大神「礼はいいです。貴方達の事は天から聞いています。」

大神の仔は母の声を聞いてからかテイシロの懐からじたばたしている。

大神「まだ若く神力が足りてないので喋れませんがどうやらその仔は貴方達と旅をしたがるようです。どうか連れて行ってくれませんか?」

テイシロ「しかしこの先に何があるか分かりません。この仔に危害があるかもしれませんがいいのですか?」

大神「小さくても立派な大神です。貴方達がその仔を支えてくれれば問題ないはずです。」

そう言って大神はテイシロに呼び子を授けた。

大神「何か危険がある時はこれを使ってください。一回だけですが貴方達のいる所に出て貴方達を護ることが出来ます。」

アルマ「このような物まで頂けるなんて御礼申し上げます。」

大神「それではまた次の機会に会いましょう。貴方達に祝福があるように...」

大神は森の中に溶け込んだ。

*テイシロとアルマは大神(軍事)/1 を得ました。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 19:53:08.06 ID:cylmWxsy0
更新待ってました
64 : ◆3oqrAy1Ql2 [saga]:2021/05/23(日) 21:46:13.30 ID:RTFyGgPy0
テイシロ一行が歩いて数日、ようやくヴィクラム王妃の故国、べガムにたどり着いた。べガムはニカールの真下にありニカールの山、ハルディを発源とする川、シンドゥが流れておりべガムの主要水源と移動手段として使われている。それでべガムはニカールの宗主国として活発な交易が行われている。

警備隊員「ニカールからべガムに入りたいのならまず身分を言ってください。」

アルマ「私はアルマと申します。」

警備隊員「アルマ姫様!なんでいきなりこのような所にお越しを。」

アルマ「説明は後です。私を王国の宮殿へ案内してください。」

警備隊員「分かりました。少し待ってください。」

警備隊員は早速馬車を準備しテイシロ一行を載せて首都、ラジャニに向かう。

警備隊員「ここからラジャニに向かうには三時間は必要です。」

アルマ「分かりました。なるべく早くお願いします。」

警備隊員「承知しました!ところであの少年と狼は何者でしょうか?」

アルマ「私の警備員と飼い犬です。お気になさらず。」

警備隊員「はい!」

何のこともなくラジャニに付き宮殿の前に出る。

親衛隊員「ハリ王様!アルマ姫様が宮殿の前にお越ししました!」

ハリ「なんと、来るという連絡はなかったのだが、とにかく中に入れてくれ。」

>>63 更新遅いのでたまにきてみてください...
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 00:02:33.75 ID:TR0tVuqC0
乙です
>>1のペースで更新してください
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 01:18:31.28 ID:6V8t8HoDO
乙 応援してます
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