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【らき☆すた】新ジャンル「ヤンデレこなた」Part5【(=ω=.#)】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:08:32.42 ID:H4kyuGo0
新ジャンル「ヤンデレこなた」過去スレ
PART1 http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196196082/
PART2 http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196017805/
PART3 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1196402758/
PART4 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1196781557/

まとめWiki
http://www30.atwiki.jp/yankona/
携帯用
http://www30.atwiki.jp/yankona/pages/17.html?&flag_mobilex=1
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:10:48.65 ID:ynDPloko
>>1
あの頃のようなにぎわいを期待する
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:13:01.07 ID:H4kyuGo0
携帯用
http://www30.atwiki.jp/yankona/pages/1.html?&flag_mobilex=1
でした。すいません
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:13:23.73 ID:TcFmstUo
>>1
乙ですよー

このスレを活性化させるのはモニタの前のあなた達です!
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:16:03.27 ID:DkA2JwAO
>>1
乙!

ヤンデレは書けん…
努力はする…
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:18:29.73 ID:ZoZ556SO
>>1乙です!

よし。俺も努力してみる
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:19:18.11 ID:Ru2YMAAO
>>1
乙。

何か書きたいなあ。
前みんなヤンデレ書いたものですが。
…ギャグになりそ。
あれもシリアスのつもりだったのになあ。
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:26:46.26 ID:IOdYAlco
>>7に期待
需要あるうちに投下すべきだぜ
練習になるからいいんだがオレは全く書けそうにない>ヤンデレ
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:33:59.86 ID:H4kyuGo0
そういや、前スレって埋めたほうがいいのか?
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 22:51:49.22 ID:IOdYAlco
埋めようぜ
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/11(火) 23:36:04.81 ID:ynDPloko
ヤンデレに辿りつくまでが長くなりつつあるんだが
途中まで書いたgdgd長編投下してもいい?
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 23:42:41.87 ID:Ym8YosA0
1乙。
蝉はもう来ないよな。
受験生だしな。
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 23:56:37.94 ID:H4kyuGo0
>>11
wwktk、是非投下してくれ
14 :11 :2007/12/12(水) 00:10:41.57 ID:XmTCet.o
>>13許可感謝
前スレでも密かに予告してたひつまぶし専用作
地の文があるからなんか空気が合わないかもしれない。正直すまん
自己満足の拙い文章なので過度な期待はしないでください。
あと、部屋は明るくして、ディスプレイから3メー(ry



序―

今にして思うと
はじまりはなかなかドラマチックだったんだな・・・


―埼玉県○○市
それはあるありふれた夏の日のことだ
俺は通っている高校の授業を終え、帰宅の途中だった
足どりはいかにも重く、正直かなりだるかったのを覚えている
普段から登下校に利用するローカル線の駅舎はまぶしく陽光をきらめかせ
アスファルトは道行く人達をまとめて焼き尽くそうと照り返しに余念がなかった

ま、一言で言うなら暑かったわけだ


「暑い・・・」
今日という日を迎えてから何度目かもわからない呟き
いくら夏だと言ってもこの暑さは尋常じゃない・・・朝起きた瞬間からこんな調子だ
ちきゅうおんかんばーだかなんだか知らんがそろそろやめてくれ
しまいにゃとけるぞこのやろう

しかし・・・だ。よく考えたらおかしいんじゃないか?
いや、というか何もかもおかしいぞ!
夏が暑いのは当然だ。暑いから夏だ。それは認めよう
だが、こうも日照時間が長い必要があるだろうか?・・・いや、ないと思うね俺は
そもそも昼を長くし夜を短くすべきは冬じゃないのか?
そうすれば寒さも少しはましになるし、暖房や照明の使用も控えられいいことずくめだ
なぜ実践しない!この星の怠慢体質は相変わらずだな・・・
よーし・・・、今度気象庁辺りに文句を言っておいてやろう
こういう身近なことから始めてこその・・・


・・・やばい。おかしいのは俺だ。KOOLになれ
15 :14 :2007/12/12(水) 00:20:38.00 ID:XmTCet.o

暑さにやられ煮え切った脳でそんなことを考えながら俺は駅の階段に差しかかっていた
列車に乗り込めばさらに嫌な熱気に包まれるだろう事を危惧しながらふと上を見上げると



女の子がふってきた



ああ、この高さから落ちたらやばいよな。とか
マジでこういうのってスローで見えるんだな。とか
早く親方に報告しなくちゃ。とか
そんなことを思う前に俺は動いていた


気づけばそこは階段の下
俺は落ちてきた少女を抱えるようにして転がっている
身体の節々が熱い
心臓の鼓動が異様に早い
安堵と恐怖がじんわりとこみ上げてくる
・・・さっきまでの暑さを気にする余裕はすでになかった

顔を上げると腕の中にいる少女の連れであろう3人が慌てて階段を下りてくる
彼女たちは全員同じ制服を着ていて、それは俺が通う高校のものだった
見覚えのある顔ぶれだ・・・うち二人はクラスメイトですらある

青の超ロングヘアに大きなアホ毛。○学生と間違われるほどの体躯を持つ立派なオタク娘、泉こなた
特徴的なピンクの髪に眼鏡と巨乳を有する歩く萌え要素、高翌良みゆき(←名字修正よろ)
薄紫のロングヘアをリボンでツインにまとめたツンデレ娘、柊かがみ

ならこの子はかがみの双子の妹の柊つかさか
姉と同じ薄紫の髪をセミショートほどに切りそろえ、大きなリボンをつけている。性格はちょっと天然だ

「つかさっ!!」
3人が走り寄ってきた。

腕の中のつかさはリボンをぴょこぴょこと動かしている
どうやら命に別状は無さそうだ

「く、くるし・・・」
あ、すまんきつく抱きしめすぎてたか

俺はゆっくりとつかさを解放した
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 00:20:43.96 ID:U1sTcUw0
>>14、KOOLwwwwwwww
まさかK1ふらぐ?
17 :14 :2007/12/12(水) 00:27:31.86 ID:XmTCet.o




結論から言うとつかさは無事だった。

急にふってきた理由だが、軽い熱中症にかかったせいらしい
あの暑さだ、無理はない。
階段の上ですぅっと意識が途切れ、重力に従って落下した。わかりやすくていいね
念のため病院にも行ったそうだがなにも問題はなかったようだ

ちなみに俺も無事だ。外傷は軽い打撲と擦り傷のみ。全治には一週間とかからなかった






とにかくこれがはじまりだ
この日以来俺は彼女たちとよく話すようになった
もともと男っ気のないグループだったからどう接するべきか少し考えたりもしたが
なんのことはない。4人とも素直にいい奴だ
年齢も一緒だし自然に振る舞っていればそれだけで楽しく、充実した毎日を送れた
夏休みにはお祭りに呼ばれたり(2種類のな)、先生達を加えて海に行ったりもした
はっきり言って楽しかったね。まさに人生の絶頂ってヤツだ









・・・だから、必然的に、あとは落ちるしかない。

話は2学期に移る
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 00:40:08.74 ID:XmTCet.o
1―

新学期に入って1週間が過ぎた
いつの間にか季節は秋へとすり替わり、暑中見舞いは残暑見舞いへと姿を変えた
世間様の関心も最高気温より台風情報のほうへと向かいはじめたようだ

一方、自由気ままな高校生活をenjoyしている俺はというと・・・いまだに夏休みボケに悩まされていた
具体的に言うと
・朝、目覚ましを無視して二度寝してしまう
・授業中に襲い来る睡魔を退ける事ができない
・就寝時刻が安定しない
等だ

思うに夏休み中遊び人にジョブをチェンジしたのが原因なのかもしれない
早急に次の職を見つけなければ頼みの失業保険も打ち切られてしまう!
何を言っているのかは俺にもわからない

そんなわけで今日はちょっと生徒指導室に呼び出されていた
ついでに進路について聞かれたりなんかして思った以上に話が長引いてしまったな
普段適当な割には教育熱心な先生でお兄さんびっくりだ

ガラッ
教室の扉を開くと茜色に染まる室内には見事に誰もいなかった
「わ、びっくりした」
よく見たらいた
「つかさ?」
「あわわ、お、男くん・・・」
「遅いな?どうかしたのか?」
「今日、日直だったの」
なるほど、だが
「遅くなりそうだったからみんなには先に帰ってもらったんだ」
「そういうことか」
納得した。
「俺も今帰りなんだけどつかさは?良かったら一緒に帰ろうぜ」
「え!あ、バ」
「バ?」
「バル、バ、バルサミコ酢〜」
「なんでだよ!なんでここでバルサミコ酢だよ!」
「どんだけ〜」
「お前だよ!」
「でもそ
「いいから帰ろうぜ」
この流れにつき合っていては日が暮れるどころか夜が明けかねん
「ち
「それはやめろ」

その日俺はつかさと二人で帰った
つかさは終始よくわからない言動を繰り返していたが、まあいつものことなので別に気にしない
ただ・・・隣を歩くつかさの横顔がいつもより赤く染まって見えたのは、俺の意識しすぎなのか
それとも暮れなずむ秋の夕日のせいだったのだろうか・・・
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 00:43:15.50 ID:4CvBPsM0
暇つぶしに投下しようと思ったけどwwktk
20 :18 :2007/12/12(水) 00:47:58.57 ID:XmTCet.o
2―

突然だが、こなたはおもしろい

そう本人に言ったら
「う〜ん、初心者にしてはまあまあってとこかな〜」
と言われた
「あえて突き放す、いやいや、いきなり褒めてみるのも選択肢としてはおもしろかったか・・・」
だそうだ
意味がわからん・・・2次元で得た独自の理論を現実に持ち出されては困る

彼女によると最終的には好感度のあがる音(?)を聞き取れるようにならなくてはいけないらしい
・・・その領域には一生到れそうにないし、できることなら到りたくはない

こなたはそんな変な奴だが、それ故に雑談をしているだけでだいぶ楽しい
普通なら無駄と切り捨てるような知識が豊富で、常に余計なことに頭を使っている
しばしば常人にはついていけない発想をみせるし、思いつきに周りを巻き込むことも日常茶飯事だ
それでいて、なおそこそこまっとうな人間関係を維持している
これはこれでなかなか立派なことではないだろうか?


要するに何が言いたいかというと・・・こなたといると退屈しない、ということだ
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 00:56:06.02 ID:U1sTcUw0
つかさフラグとこなたフラグ
これからの転がり方にwwktk
22 :20 :2007/12/12(水) 00:56:41.20 ID:XmTCet.o

ある日の昼休み
「わたしが思うには小五なのだよ!」
「は?いきなりなんだ」
相変わらずこなたの話には文脈というものがない
「ロリの絶頂期」
文脈とかの問題じゃなかった
「・・・すまん、なんだって?」
「ロリよロリ、いわゆる一つのロリ属性」
「似てるってレベルじゃねーぞ・・・」
「当然じゃない。だって中の
「中に誰もいませんよ?」
「・・・男もわかってきたね。Nice boat!」
「・・・おおいに間違ってるがな。いろんな意味で」
「で話を戻すと、男ってネトゲはやらないの?」
「どこに戻った?言われてみればやったことないな」
「それはいかん。なんで?」
「別に。機会がなかったんだろ」
「じゃあさちょっとやってみない?おすすめのがあるんだけど」
「そんな時間はない。と言うのが本音だ」
「パソは持ってるでしょ?」
「ああ」
すでにお前から借りた年齢制限のあるゲームでいっぱいだがな
「ふぅむ。それでは・・・」
「まあ待て」
「なんと!上官の話を妨げるとは!貴様それでも軍人か!」
「違うよ。全然違うよ」
「・・・ちょっとはずした?」
否定できん
「とにかくネトゲはいい。お前から借りたゲームも積みっぱなしだしな」
「なんですと!」
「驚くなよ。急にあれだけの数を渡されても無理に決まってるだろ」
なんといっても段ボール一箱分だ。1年あっても攻略しきれる気がしない
「・・・愛が足りない」
「無茶言うな」
「ひとえに、愛だよ」
「・・・」

・・・もしかして退屈させてもらえた方がいいんじゃないだろうかと、俺はようやく気づいた
23 :22 :2007/12/12(水) 01:05:49.06 ID:XmTCet.o
今の所はここまで・・・まだ短くてすまん
俺は八月蝉先生とは違ってリアルタイムで書き続けるのは無理っぽいので
書きためつつ投下する方向で
続きは近日中に。読んでくれた人サンクス
おやすみなさい
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 01:19:51.13 ID:U1sTcUw0
GJ、wwktkしながらまってるぜ
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 02:54:36.62 ID:4CvBPsM0
暇つぶし投下


―――冬


寒さを運ぶ季節


でも


その寒さの裏側にある



やみつきになりそうな暖かさに


人は溺れたがる





どんな気丈な人間でも




26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 02:55:40.72 ID:4CvBPsM0
かがみ「おーっすこなた。」
つかさ「おはよう、こなちゃん。」
こなた「おはよー。いやぁ、今日も寒いねー。」

いつもの毎日
崩れるなんてあんまり考えない
だって、ここは現実―――

男「さみぃ〜・・・・」
みのる「おはよう男。」
男「よぅ白石。相変わらず目ぇ細いな。」
みのる「意味がわからないんだけど。」
男「なんだよ、おもしろみがねぇなぁ・・・・。」

通学路も
制服も
電車もバスも教室もチャイムも
みんな顔色を変えない


つかさ「もうすぐクリスマスだねー。」
こなた「二人とも、なんか予定とかないの?フラグ立ってることとか。」
かがみ「ゲームじゃないんだから、そううまくいくわけ無いでしょ。」
つかさ「あたしも予定はないなぁ。」
こなた「かー、さみしぃこと言うねぇ。」
かがみ「そーいうあんたこそどーなのよ?どーせまたゲームしてすごすんでしょ?」
こなた「まぁね。でも一人でってわけでもないんだよ?」
かがみ「インターネットでしょ?もう一々驚かないわよ。」


―――会話は


こなた「うん、それもあたってる。けど・・・・。」
かがみ「え?」


少し、苦笑い――――


こなた「おとーさんとクリスマス格ゲーやるんだよ。」
かがみ「(・・・いい加減やめよう、一々驚くの。自分に腹立つわ。)」
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 02:58:28.83 ID:4CvBPsM0


男「さみぃよほんとに。廊下もさみぃよ。」
みのる「連呼してると余計に寒くなるぞ。」
男「うるせぇよ、さみぃよ白石。WAWAWAとか言ってろよ・・・・。」

キーンコーン――・・・

みのる「あ、じゃぁまた昼休みな。」
男「おう。・・・・ん?」

みな散り散りに教室に入るなか、男の目に一つの落し物が目に入った。
誰も気づかない。落し物も、アピールをしていない。
地味で飾り気はないが、しっかりした作りの――

男「定期入れ・・・・?高翌良みゆき・・・・?うちの生徒のだろうな・・・。」

聞いたことはあるし、見たこともある名前

一苦労のあとによく見かける気がした。


男「(隣のクラスか?うちにはいないし・・・誰かに聞いてみるか。)」

朝の挨拶も終わり、休憩とも取れない時間
 
  登校時の余韻もあって、ややうるさい時間
  
   でも、少し授業に関する話題も出やすい時間
   
    ―――ついでの多い時間

かがみ「男ー。昨日貸したノート持ってきてくれた?」
男「あぁ柊、おはよう。ちゃんと持ってきたぜ?ほら。ありがとな。」
かがみ「あ、おはよう。ん、確かに。じゃあ・・」
男「あ、ちょっと待ってくれ。」
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 03:00:50.69 ID:4CvBPsM0
登校時の出来事は
普通忘れず引き継がれる時間

かがみ「なによ?他のノートでも貸してほしいの?」
男「それもあるけど・・・高翌良みゆきって誰だかわかるか?」
かがみ「みゆき?そりゃわかるけど、何か用事?」
男「定期入れ拾ったんだよ。その、高翌良の。でも誰だかわかんなくってさ。」
かがみ「そうだったの。だったら私から返しておくわ。どうせお昼休みに会うんだし。」男「そうか?そういや柊も常に隣のクラスにいるもんな。じゃあ頼むわ。」
かがみ「おっけー。」



確かな

そして

取るに足らない出来事の終わり



一つ目の 終わり――




続くと思う
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 05:19:49.56 ID:u4KHp6AO
駄文失礼します。読み辛さは目をつむって下さい…。



好き?嫌い?好き?嫌い?好き?嫌い?…私の事…スキ?

二つの言葉が私の頭の中を支配してる、今まで感じた事のないくらい強い感情があふれて来る


「ん〜〜〜〜〜っ!」私は思いっきりせもたれにもたれながら大きく伸びをするとそのまま机に倒れこんだ。
「勉強…進まないなぁ…」

私は眼鏡を外して机の上に置くとそっと目を閉じた

「男さんに…早く会いたいなぁ…」

30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 05:37:52.75 ID:u4KHp6AO
俺は走っていた、ひたすらに走り続けていた。なぜなら7時半にセットしたはずの目覚ましが何者かによって止めら起きた時には七時五十分…。
「ちくしょ〜〜っっ!誰の目覚ましを止めたのは!政府の陰謀か?はたまた俺に怨みのある人間の犯行か?」
などといいながらサイ○スター顔負けの速さで学校へ猛ダッシュで向かった

キーンコーンカーンコーン♪

ガラガラ…ビシャン!
「よっしゃ!ギリギリ…」

「ア・ウ・トや!そのまま廊下に戻って立っとらんかい!」

「そんな…違うんです先生!だれかが俺の目覚ましを勝手に止めたんです!これはきっと政府の…いや俺に怨みを持つものの犯行に違いありません!きっとこの中に犯人が…」

「そう…犯人はお前や!犯行動機はズバリ眠かったから!わかったら廊下に戻らんかい」
「…ハイ」

頭脳も体も大人の女性に怒られると俺はおとなしく廊下に戻った。
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 05:57:42.82 ID:u4KHp6AO
「よっしゃホームルームはここまでや、ちょっと廊下におる遅刻魔と話ししてくるけど…みんな静かにしてるよーに!」

ガラガラガラ…パン

しばしの沈黙そして少しづつクラスは活気を取り戻して行く
「相変わらずバカだね〜男は私ならもう少しまともなうそをつくよ」
「こなちゃんも遅刻常習犯だもんね〜」
「なっっ!つかさもズバッとひどい事言うねぇ〜助けてよ〜。みゆきさぁん」
「えっ?あっハイそうですね〜やっぱり歯医者さんは怖いですよね」
「…みゆきさん、ちゃんと話し聞いてた?天然がいつもより2割増だよ」
「そっそうですか?すいません…」
「いやいや、謝らなくてもいんだけどさ何かあったの?さっきからずっっと廊下の方みて?」
「えっ?えっ?まさかゆきちゃん…」
「そそそんな!なななんにも…ありません」「なになに?つかさ何?」
「ゆきちゃんもしかして…」
「つかささん!」
「あんたらもう少し静かに騒がんかい!」
くろい先生の登場で朝の生徒達の憩いの時間は終了した
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 06:08:23.19 ID:u4KHp6AO
その日の昼休み
「朝の続きなんだけどさ、つかさ何て言うつもりだったの?」
「何?なんの話し?」「おーかがみん聞いておくれよ今日のみゆきさん何か変なんだ〜ずっっと廊下の方みてさポゲ〜っとしてるの!それでつかさがさ何かに気付いたらしくて」「へーそれでつかさあんた何に気付いたの?」
「うん、実はね、もしかしてゆきちゃん…」「うん、うん」
「ゆきちゃんね…」
「うん、うん」
「お化けさんとお話ししてたのかなって」
「あんたねぇ…そんな訳ないでしょ!」
「つかさに期待したのが間違いだったよ…」(こなちゃんのくせにー!!)
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 06:17:01.78 ID:u4KHp6AO
「あれそういえばみゆきは?」
「何か用があるとかでどっか行っちゃった」「そういえば男君もいないねー」

「ほんとだ!これはまさにフ ラ グ の よ か ん」

「なに訳分かんない事言ってんの!ところで誰?男って」

「うちのクラスメイトの男君だよ〜最近ゆきちゃんと仲良しなの」
「へーそれってよく遅刻して来るって話ししてたあの男?」

「そうそう!」

「…もしかして今日も?」

「そうそうっておねぇちゃんなんで知ってるの??」

「あんたは…」
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 06:30:04.52 ID:u4KHp6AO
同時刻屋上にて

「高翌良さん!こっちこっち」

「あっはい」

トテトテトテ…

二人でベンチに腰掛けながらお弁当を食べる声を掛けて来たのはみゆきさんからで、俺は即オッケーを出した、初めは教室での予定だったがあまりにもいかにもなのでやめた。

「すいません、急にお誘いしてしまって…」
「そんな謝らなくてもいいよ、嬉しかったし男だけで毎日弁当がっつくのもあきあきしてたしさ、たまには美女と食べるのもいいもんさ」

「そっそんな…」

きざったらしい言葉だか本音だった。

その日は購買のパンがいつもよりおいしく…まぁぶっちゃけ味は一緒だか楽しい時間を過ごした
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 06:44:48.68 ID:u4KHp6AO
その日の夜…私はまた机に顔をふせながら今日の事を思い出していた。
放課後
「ちょっとみゆき〜?私達にいうことがあるんじゃない?」

「いや青春ですな〜お暑い!フラグたちまくりですな〜」

「バルサミコ酢〜」

「えっ?」

「とぼけても無駄よ〜付き合ってるんでしょ?男と」

「いやぁ〜悪いとは思ったんだけどね〜かがみんがどーしても確かめたいってうるさくてさ〜」

「あっあんただって昼休みは屋上と決まっておる!急げ〜なんてはりきってたじゃない!」

「バ…バルサミコ酢〜」

つかささんはよくわからなかったけど明日紹介するということで何とか話は収まった…嬉しいような恥かしいような気持ちにうかれていた私は心の中にある一抹の不安に気付く事ができなかった…
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 06:55:44.86 ID:u4KHp6AO
次の日放課後

「えっ?まだ付き合ってるわけじゃないんだ?」

「はっはい…ですからあんまり…」

「わかってる変なちゃちゃいれたりしないわよ、あんた達もわかったわね?」

「「はーい」」

「っていうかあんたら二人は毎日会ってるでしょうが…」

「まぁまぁかがみんよいではないか!遅刻同志としては一度くらい話をしてみたいものだよ」

「うん、クラスは一緒だけどあんまり話す機会なかったもんね〜」
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:12:31.23 ID:u4KHp6AO
同時刻校門前

高翌良さんの友達って泉さん達の事かな?しっかし何がどうなれば四人で帰る事になるんだ?
まぁ俺とすれば嬉しい限りだが…まぁ気楽に行くか。

ふと正面玄関に目をやると奇抜な髪の色の女性達…然り高翌良さんたちがやって来た

「お待たせしました」
「いや全然大丈夫。あっえっと…男です、よろしく」

フランクにかつ紳士的に挨拶を交わす

そしてほどなくお互いに挨拶を交わすとダラダラと帰宅路に着いた
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:17:04.18 ID:HTjMOBA0
おお、新しい作家がぞくぞくと現れている。
そして、みんなレベル高いな。
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:22:14.95 ID:u4KHp6AO
バタっ…

私はベッドに倒れこむと深く息を吸い込んだ
そして目をつむり今日の出来事を思い出す。
「男ーあんたもなかなかオタクだねぇ!どうこんど家のエロゲー達を貸してあげようか?」

「なっ!?オタクとな?俺はただセイバ…」
「いやいやいわずとも私にはわかる男には立派なオタクの素質がある」

「こなたさんあんまり男さんをこまら…」

「こら!あんた達二人で何ディープな話ししてんのよ!ねぇつかさ?」
みんなで帰る帰宅道、楽しいはずなのに…どこか素直になれていない自分に私は気付ていた
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:27:30.68 ID:u4KHp6AO
男さんとあんまり話せなかったな…

男さん私といる時より楽しそうだったな…

男さんこなたさんの事たくさんみてたな…

男さんいつもより口数多かったな…

男さん…男さん…男さん…
ワタシトイルトツマラナイノ?モットワタシヲミテホシイナ…ワタシヲ…ワタシヲ…ミテ
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:40:00.56 ID:u4KHp6AO
次の日
「おっす、高翌良さん!」

「あっ男さん…おはようございます!今日は早起きなんですね?」
「いや昨日あのあとこなたにつかまってさ…」

コナタ…?昨日は泉さんだったのに?

「でさwwそのネトゲがラグ…ってごめんおもしろくないよねこんな話し…」

「いっいえそんな…もっと聞かせてください男さんのお話し」

「ほんとに?よかったでさ、その…」

「おーい男〜?ちょっと〜」

「なんだよ、こなた、今俺は高翌良さんに」

「ハイハイあんたに一周目でみゆきさんをものにしようなんて無理無理、いいから付き合いなさい!団長命令よ!」

「ものにっておれはそんな…こら引っ張るな!ごめん高翌良さんまたね」

「…ハイ」

コナタ…ワタシハ? ワタシモミユキッテヨンデヨ…
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:46:16.15 ID:u4KHp6AO
その日の夜
今日は散々だったなぁ…こなたにつかまってあんまり高翌良さんと話しできなかったなぁ…
ったく今まで必死に高翌良さんにばれないよう隠れオタクで通してきたのに…

…電話してみようかな
時計を見る

十二時過ぎか…さすがに寝てるよな〜はぁ〜高翌良さん…

43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 07:52:39.78 ID:u4KHp6AO
同時刻ミユキ宅

眠れないなぁ…眠れない…


こんな事今までなかったのに…男さん…助けて…胸が痛いよ…苦しいよ…ワタシヲミテヨ…
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:06:55.55 ID:u4KHp6AO
次の日高翌良さんは学校にはこなかった。

名誉挽回のチャンスだ!そう思った俺は放課後お見舞いに行くことを決めていた。

「男さん…きてくれたの?」


「当たり前じゃないか?ほら、お見舞い」


「まぁ、すごい花束!!嬉しい!男さん」


「ミユキお前の美しさにはどんな花も星空さえもかすんで見えるさ☆」

キラーン(輝く白い歯)
「男さん…」

ギュッ…

「ミユキ…」


そして二人は熱い夜を…


「何ニヤニヤしてんのさ?」


「うわっ!!こ、こなたかビックリさせんなよ…」

「こっちのセリフだよ!いきなり大声ださないでよ、それよりさいまからアニメ○ト行くんだけど一緒に来るでしょ?」

「いや今日は…」

非常にまずい…ここは奥の手…

「あっあんなところに水木一○!」

「えっ!?どこ」

いまだ!Bダッシュ
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:14:49.08 ID:u4KHp6AO
なんとか撒いたな…
俺は肩で息をしながら回りを見渡した、しかしなんだあいつの足の速さ…途中本物の水○さんがいなければあぶなかったな…、いやむしろなんでいたんだろ…?

結局花屋による時間もなく唯一残された白い歯だけを武器に高翌良さんの家に向かった。


家の呼び鈴を押す…反応がない。もう一度押す。

ダメか…やっぱ風邪で寝込んでんのかな…?
諦めて帰ろうとした時玄関のドアが開いた…

「男さん…?」
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:23:44.20 ID:u4KHp6AO
高翌良さんの部屋はとても綺麗で本当に女の子の部屋といった感じだった…。少しいい匂いが漂っていた。


「ビックリしましたよ〜。窓から男さんの姿が見えたものですから急いで下りて行ったんですよ」

あれ?なんか変だ

「あっ…ごめん急におしかけて」


「あっいえそんな意味じゃなくて…とても…嬉しかったんです…」

「でもよかった高翌良さん元気そ…」

「みゆき…って呼んでください」

「えっ?でもそんなどうしたの高翌良さ…」


「呼んでください!」

本人も予想外にでた声に驚いたように下を向いてそのまま押し黙ってしまった
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:31:56.87 ID:u4KHp6AO
「み、みゆき」

俺は声が裏返りそうになるくらいの恥ずかしさを押さえて言った…いや、というより言わなければこの空気に耐えられなかった…


「はいっ☆」

さっきまでの落ち込みが嘘かのようにみゆきさんは屈託のない笑顔で笑った。


俺はそんなみゆきさんに若干の違和感も覚えつつもそれが具体的な言葉では表せず少し戸惑っていた…


「どうかしましたか?」


「いや何でも、元気でなによりだなって」


精一杯笑ったつもりだったが正直…素直に笑えた自信はなかった

そのとき 俺の携帯電話がなった…
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:34:24.61 ID:2eo7WUAO
wwktk
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:41:07.91 ID:u4KHp6AO
「お、男〜!た、助けて〜」

「はぁ?おいどうした?」

「いいから早く家に来て!」

ツー…ツー…

そういって電話はきれてしまった。


「…こなたさんですか?」

少しいつもより低いトーンでみゆきが聞いて来た

「うん、何か助けて〜ってさ、まぁ大した事ないんだろうけどさ、ちょっと心配だから行って来るよ」


「またこなたさんか…」

「えっ?」


「もし…私が行かないでくだいって言ったら…男さんどうしますか?」

「えっ…」
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:56:07.24 ID:u4KHp6AO
電話がなった…男さんの携帯電話だ…今はでないで欲しい…今だけでいい…もう少しだけでいい二人でいさせて…ジャマヲシナイデ…
男さんは少し申し訳ない顔して電話の通話ボタンを押した。

すこしだけ聞こえる聞き覚えのある声…コナタノコエダ…

「…こなたさんですか?」


チガウトイッテ!オネガイ…チ ガ ウ ト イ ッ テ ! ! ! !

「うん、なんか助けて〜って、まぁ大した事ないんだろうけどさちょっと心配だから行ってくるよ」


ナニカガハジケタオトガシタ ワタシノ心ノ中ノナニカガ…

「またこなたさんか…」

ワタシノ男ヲツレテイカナイデ
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 08:59:23.98 ID:WoR2IiUo
待ちに待ったみゆきのヤンデレwktk
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:07:17.30 ID:u4KHp6AO
「どうしますか?」

やっぱり今日のみゆきはどこか変だ…みゆきは…こんな事…そうだ大体みゆきは何で学校を休んだんだ?風邪の様子もないし…

「みゆき?」

冗談だろ?といった顔で笑いかけて見たが、みゆきはクスリともせずにまるで全てを凍て付かせるような目で俺を見つめ続けていた…
いつもの優しいあのおっとりとした…俺の大好きなみゆきはもうそこにはいなくなっていた…

俺は言葉が出なかった…

2回目の電話のベルが少し前まで優しく包んでくれていたこの部屋になり響いて、
あれほど温く感じていた夕日のオレンジ色が少しずつ闇にさらわれていった
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:15:11.63 ID:u4KHp6AO
「みゆき?」


男さんの苦しそうな笑み…
誰があなたをそこまで苦しめているの?
少し前まであんなに幸せだったのに…
誰が?
男さんは私の心配をして来てくれたんだ、もう学校でも帰り道でもあんまり話せなくなった男さんとやっと二人きりになれたのに…

私をみゆきと呼んでくれたのに…誰が…ダレガ 男さんを苦しめているの?

そのとき二度目の着信が流れた…









コ ナ タ …
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:25:04.78 ID:u4KHp6AO
「…ごめん」

俺はそう言うと部屋を飛び出した

「イカナイデ!」

みゆきの声がまるでとまっていた闇を加速させるように部屋中にこだました。


ゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメン…心の中で何度も叫びながら俺はみゆきの家を後にした。

「イカナイデ」

その声が頭から離れなかった…必死に耳を押さえながら俺は走った…
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:31:16.07 ID:u4KHp6AO
誰もいなくなった私の部屋綺麗な夕焼けも沈み辺りは真っ暗になった…

「アハハ」

「フフフフフフ」


「アハハハハハハハ」

「コナタ…コナタ…コナタ!!」


「いらない…私の大切なものを奪う人はいらない」







「ソウ、ダカラ、コナタハイラナイコ」
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:41:12.50 ID:KcBBagAO
うおぉ、こえぇ
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:42:09.69 ID:u4KHp6AO
「こなた…こなた…開けてくれ頼む…」

気付いた時には俺はこなたの家の前にいた涙を流しながら必死にこなたの名前を呼んでいた…


「ちょっ、男どうしたのさ?何があったの?」


こなたの顔を見た瞬間俺は無意識にこなたを抱き締めていた。
いや…すがっていたと言う方が正しいのかもしれない…


「お、男?ま、まずいってうちのオトーサンにみられたら…」

「みゆきが…みゆきがぁぁぁぁぁ」


「ま、待った!とりあえず入って」
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 09:49:55.09 ID:u4KHp6AO
「少しは落ち着いた?」

「うん…ありがとな…」

「なんのなんの、ところでみゆきさんがどうしたの?」


「いや、それよりお前は?」


「?」


「いや、電話…」


「あっあれ?あれはーww暇だったからさ」

「はっ?」


「だってさ〜一緒にアニメ○ト行くって約束だったのに置いてかえっちゃうからさwwちょっと困らせようと…ゴメン☆」

「約束なんぞしとらんだろ!」


「そだっけ?まぁまぁその議題はまた今度にして…それよりみゆきさんの話し!」
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 10:03:25.69 ID:u4KHp6AO
俺は今日の出来事をこなたに1から説明した…

俺より遥かにみゆきとの付き合いが長いこなただからこそ、初めは半信半疑だったが俺の玄関前での姿と俺の態度をみると少しづつ顔色を変えていった…


「それってさ…私も悪くない?」

「少しはな…でもあそこまで冷たいみゆきは初めて見たよ…とってもそれだけが原因とは思えないんだよ…」


「あのさ…初歩的な事聞いていい?」

「二人はさ付き合ってるの?」


「…いや、正確にいうとまだ…」


「好きだーって言った事は?」


「まだ…」


「じゃあ手握ったりくらい…」

「…いや」

「……じゃあさ、じゃあさ出会いは?」

「出会いか…」
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 10:17:03.01 ID:u4KHp6AO
「同じクラスになって始めの頃に声かけられたんだよ」

「何て?」


「俺全然覚えてなかったんだけどお久し振りですって、そっからたまに話すようになって…」


「恋に落ちたわけですな?」


「そゆことだね、気が利くし、優しいし、眼鏡でメガネでめがねだし」


「貴様!メガネっ子属性か!」

「甘い!さらに巨乳、どじっ子でパーフェクトだ!」


「ん〜〜っあっちょぉ!」

バシッ!

「いてっ!格闘技経験者が軽々しく人を殴っていいのか!」


「ふざけるからでしょ?」

「ゴメン…まぁでも出会いはこんな感じだった」

61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 10:24:26.39 ID:u4KHp6AO
「ん〜エロゲ的には過去に男がみゆきさんと結婚の約束してて相手はそれを覚えてたってパターンが考えられるね…」


「昔か…ま、家帰ってゆっくり考えて見るわ、もう遅いし…そろそろ行くわ」

「もう大丈夫なの?」

「あぁ大分楽になった話し聞いてくれてありがとな」


「ん、じゃあまた学校でね」

「おう!」









それが俺とこなたの最後の会話だった
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 10:26:51.22 ID:wwh7c2SO
wwktkwwktk
次スレ作戦はひとまず大成功と言ってよさそうだな。
とてもいいことだ

みんなレベル高いよ…しかもタフだよ
こなたあああああああ
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 10:38:14.06 ID:u4KHp6AO
その日の夜俺は必死に昔の事を思い出していた、昔の写真引っ張り出して見たり、卒業アルバムを見てみたりしたがさっぱり思い出せなかった…

「う〜ん」

「う〜ん」

「う〜〜〜〜ん」


「あ〜だめだ!!もー寝る!!寝てやるからな!」


ウーウーウー
携帯のバイブがなった。

「メール…?こんな時間に?おっ?こなたかなになに〜」







送信者
泉こなた
題名
無題
本文
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ


「なっ…」
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 10:53:59.96 ID:QALtBYSO
WaffleWaffle
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 11:33:05.26 ID:lTNKcwDO
(ノ・Ω・)ノわふー
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 11:42:18.08 ID:u4KHp6AO
体中から震えが来た…たった一通のメールでここまで恐怖を感じたのは初めてだった…。
「こ な た …」

俺は気を取り戻すと急いでこなたに電話をかけた、きっとあいつの質の悪いいたずらだ!そうだ!そうに決まってる…。
そうに決まってる!!二回も引っ掛かるかよ…全く電話取ったら即説教だ!
夜どうし説教して…二人で遅刻してやる!!全部お前のせいにしてやるからな!!
泣いて謝ったて許してやるもんか!!
でも、まっそれなりの誠意で謝るなら許してやらんこともないぞ?だから…だから…電話取れよ……

取ってくれよ…

携帯の呼び出し音がいつまでも主を呼び続けていた…
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 12:10:12.19 ID:u4KHp6AO
俺は糸が切れた人形のようにその場に倒れこんだ

あんなにも泣いたのに俺の涙は枯れる事なく溢れ続けた


呆然としていた、時がとまったかのように…なにもする気がおきなかった…

しばらくしてまた携帯のバイブがなった

「こなたっ!!」

俺は急いで携帯を見たそして




メール受信完了


送信者





高翌良みゆき
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 12:37:59.49 ID:QALtBYSO
わっふるわっふる
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 17:07:47.26 ID:u4KHp6AO
男さん
お会いしたいです。
私を見つけてください。
二人が初めて出合ったあの場所で待っています。


「………」

「みゆき…」

こなたのあの不思議なメール、そして今日一日のみゆきの態度…。俺は全てを確かめるために部屋から飛び出した。
初めてあった場所はどこかはわからない。
けど、見つけなければ…俺は走り出した。
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 17:12:38.05 ID:KcBBagAO
これは楽しみwwww
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 17:22:14.78 ID:u4KHp6AO
少し時間は戻って…
みゆきの部屋

(こなたはいらない子)

(コナタハイラナイコ)

「こなた…こなたって…やめてよ…こなたなんていらない…私以外の名前なんて呼ばないで…」

(ワタシハダレ?)

「私はみゆき…みゆきなの!!みゆきって呼んでよ!!…好きだって言ってよ」

「男さん…男さん…」

私は私なりの答えを出すために家を後にした…。

少し大きめのバックに決意の刃をしまって…
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 17:31:06.86 ID:u4KHp6AO
男さん…男さん…好き…好き…好き好き好き好き好き好き好き好きスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキ

私はこんなにも好きなの…気付いて…気付いて…気付いて…キヅイテ…キヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテキヅイテ!

頭の中はこんなにも男さんで一杯なのに私の足は迷う事なく目的地を目指していた…

そうこなたの家に…全てを確かめるために…
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 17:46:03.01 ID:wwh7c2SO
ああ、やっぱりみゆきさんにもヤンデレが似合うなぁ…
怖くてwwktk
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 17:51:54.13 ID:u4KHp6AO
こなたの家 玄関前

私はこなたに会うために家の呼び鈴をー

「おや?君は確かこなたのクラスメイトの?」

ふいに後ろから呼ばれ私は振り向いた、そこには無精髭の男性…
こなたの父親がいた…
「高翌良です、あのこなたさんは…?」


「こなた?あ〜家にはいるんだけどね…クラスメイトと大事な話しがあるからしばらくででって何て言われてさ追い出されちゃったんだよ」

クラスメイト…

「しかもそいつが冴えない男でね、少し前まで玄関前でうちの大事な娘の名前を呼びながら泣いてるんだよ…父親として心配でしょ?だから追い出してやろうとしたら逆に追い出されちゃって…」

…男?マサカ…

「…その人のお名前わかりますか?」


「名前?え〜っと確か男とか言ったっけ?待ったうちの大事な娘をなんたと…」


男…
唯一つの希望さえも闇の中に消えて言った…
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:02:14.56 ID:u4KHp6AO
「って訳だよ、高翌良さんにもわかるでしょ?この気持ち!!」


「すいません…失礼します」


「えっまだ話の…って高翌良さん?高翌良さ〜ん??カームバァァック!」


高翌良…高翌良…高翌良…私しの方が早くに出会ったのに…こなたにはすぐにこなたって呼んだじゃない!!何でこなたなの?何でこなたなのよ?みゆきって呼んでよみゆきって!!!高翌良って呼ばないで他人行儀にしないで!!
私は振り返って少し大きめの声で言った

「高翌良って呼ぶのはや め て く だ さ い!!!」

「えっ?たか…?えっ?ゴメン、えっ〜?どういう?えっ?」


私はこなたの家を後にした。
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:14:57.75 ID:u4KHp6AO
「ん、じゃあまた学校で」

「おう」

そういってこなたの家からでると、変質者もといこなたの父親がいた。


「夜分遅くまで、おじゃましました」

むすっとした顔でこちらをみている。
そっと後にしようとすると

「待ちなさい!男君…だったか?うちの娘とはどういう関係なんだね?」

「え?」

「どういう関係なんだ?」

「…ただのクラスメイトです、こなたさんには少し相談にもらってて…」

「本当かい?」

目付きが鋭く光る

「本当です!!」

「まぁいい何にせようちの娘を泣かしたらただではすまさないからな!!」


「は、はい…」

少し満足そうなこなた父を後に俺は家路に着いた
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:18:33.38 ID:HTjMOBA0
おお、再開してた。
wwktk
優等生ヤンデレは怖い・・・
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:23:40.48 ID:u4KHp6AO
「おとーさん男と何話してたの?」

「父親の威厳をみせつけていたのさ」

「ふ〜ん」

「こなたもあんな冴えない男じゃなくてだな、例えばおとーさんのような…」

「おとーさんよりは大分ましかな」

「な、まさかこなた…」

「ないないwwだって男みゆきさんが好きなんだもん」

「みゆきって高翌良さんか?」

「そうだよー」

「そういえば高翌良さんも家の前にいたぞ?やたら深刻そうな顔して」

「え、い、いつ?」

「男が帰る少し前かな?なんかおとーさん怒られちゃってさ〜」

「何でもっと早く言わないの!!」

「え、だってこなたが家に入れてくれなかったんじゃないか…」

「もう!あ〜男に伝えなきゃ〜携帯携帯」

「ん?メールがきてる誰だろ?」


「みゆきさん…?」
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:25:35.91 ID:u4KHp6AO
<<77

すいません寝てました、よければ、もう少しお付き合い下さい
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:30:47.26 ID:KcBBagAO
>>79
がんがれ!
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:45:20.55 ID:u4KHp6AO
こなたさん、大切なお話があります。学校近くの公園まで来ていただけますか?

私はこなたさんにメールを送ると誰もいない公園のベンチに腰掛けた。

この公園覚えてるかな?…男さん。

私とあなたが初めて出会った場所…

きっかけは小さな偶然だった…
学校帰り寄り道でよったこの公園で急に雨が降ってきて…この木陰のベンチで雨宿りんでいた時…。

(ちょっと?キミ?)

(はい?)

(あんた傘とか持ってないの?)

(はい…)

(はいって…天気予報くらいみてこいよな…ほら傘貸してやるから)

(いえ、そんな、大丈夫です!きっとすぐにやみますから)

(何を理由に言ってんだか…あんたうちの学校の生徒だろ?そのうち返してくれればいいから、んじゃ!)

無理やりに傘を渡すと男の人は鞄を傘がわりに走っていきました…
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 18:56:03.33 ID:u4KHp6AO
あれが全ての始まりで…次の日早く傘を返そうとホームルームの前に同じ学年のクラスを見て回ったけれど昨日の男の人は見当たらなくて

(クラス…聞いておけばよかったな…)

ホームルームの途中そんな事を考えながらふと外を見ると、校庭をすごいスピードで駆け抜けて行く男の人…
(あ、昨日の…)

玄関に消えてしばらくすると
ドタドタという音とともに私達の隣のクラスへと入って行きました
(同じ…学年だったんだ)
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:03:58.79 ID:u4KHp6AO
でも次の休み時間にも昼休みにも放課後にも男さんはいなくて、クラスの方に聞いても

(あの人授業中以外ほとんど教室いないよね〜)

(そうそうそれに遅刻魔だしな〜渡すものあるなら預かるけど?)
(あ、いえ大した用事ではないので…失礼します)

直接お礼もいいたかった事もあって私は知らず知らず男さんを探すようになっていた…

そのうちに…傘を返す目的も忘れて…ただ男さんを無意識に探してる自分に気がついて、顔を見るのが楽しみになって…
たまにすれ違う時には心臓の音が周りに聞こえるじゃないかなって思うほどに高鳴っていた
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:11:02.77 ID:u4KHp6AO
同じクラスになった時は本当に嬉しくて、学校に行くのが本当に楽しみになった、勇気を振り絞って話しかけてみたけど男さん…覚えてなくて

あのとき男さんらしいって笑ったのを覚えてる…

それからはずっと幸せだった、二人で色んな話をして一緒にいる時間がゼロから少しづつ増えていって…

どんどん…どんどん好きになっていった…


「みゆき…さん」

声の方をみるとそこにはこなたが立っていた。



私は幸せだった。


そう幸せだったんだ…


コナタガカカワルマエマデハ


85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:23:09.23 ID:u4KHp6AO
私は浮かれていた。

みんなに冷やかされながらもどこかでそこに居心地のよさを覚えていた。

男さんを紹介する時は幸せの絶頂だった…まるで…本当に恋人同士にでもなって気がして幸せだった…

それなのに幸せなはずなのにみんなで友達にも応援されて…もっともっと幸せになる筈だったのに…

ミンナガワタシカラオトコヲトリアゲタ…

ワタシノタイセツナ人ヲ

二人ノ時間ヲカエシテ…

休ミ時間モ…昼休ミモ…放課後モ…ミンナガワタシノ大切ナ時間を奪ッテイッタ…

ソシテコナタハ…私ガ一番ホシカッタ…男の気持ヲ……


奪っタ!!
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:23:57.18 ID:cXsCykSO
カタカナ多過ぎワロタwwwwww
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:33:46.63 ID:u4KHp6AO
「みゆきさん…なんか怒ってる?目が怖いんだけど…」

「こなたさん…」

「な、なに?」

…グサッ

「えっ」

私は何の迷いもないままにバックに忍ばせていた包丁でこなたを刺した

「痛い…ですか?痛いですよね?痛くないと困るんです…少しでも私の心の痛み…わかって欲しいですから…」

「み、みゆき…さ」

私は何度も…何度も刺した

鮮血が街灯の明かりに照されてとても綺麗にどびちっていた…

こなたは最後に何かを伝えようとしていたけれど、その声は私には届かなかった…
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:41:26.73 ID:u4KHp6AO
「そうだ、こなたさん…あなた、謝らないといけませんよ?分かりますか?今日男さん私の家でとても辛そうな笑顔をしたんです…きっとあなたのせいです。ちゃんと男さんに謝って下さいね?」


私はさっきまでこなたであったものに話しかけた…

「もう…聞こえないか…」


私は血の池に浸かっているこなたから携帯を取り上げると男さんにメールを打った


「代わりに…謝っといてあげますね…」


しばらくすると静かな公園にこなたの着信音だけが鳴り響いていた
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 19:55:22.02 ID:u4KHp6AO
俺は必死に走っていた…俺とミユキが初めて出合った場所を探して…
どんなに思い出そうとしても俺には学校しか思い付かなかった。

学校の中を必死に探し回ったけど…人影は見当たらなかった…。


「ここじゃないのか…?じゃあ一体…」

ポツ…ポツ…

ザーッ…


「雨…か」

俺はしばらく雨に打たれてた…


90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:04:10.69 ID:u4KHp6AO
男さん…こないなぁ…コナタにはすぐ電話返したくせに…

やっぱり私なんてどうでもいいのかな…

溜め息を一つつくと、私はこなたを見つめた…真っ赤に染まった私服…驚きとも、恐怖ともとれるような顔で目を見開いたまま、空を見上げていた…

「こなたさんはいいわね…愛されたんですもの…」


「私もう疲れてきちゃった…」

しばらくすると雨が降りはじめた…
あの時と同じ…
雨は急に降り出してきた…

私はベンチから腰をあげると少し公園を散歩する事にした
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:12:52.15 ID:u4KHp6AO
暗闇…街灯の当たらない場所は夜中という事もありほとんど何にも見えなかった…

静寂…雨の音だけがこの場所を支配しているような…全ての生命が雨に怯え息を潜めているようにすら感じられる…


そんな時公園中に響き渡るような声で…


「み ゆ き ど こ だ !」

「へ ん じ を し て く れ ー」



「男…さん?」

私は声のする方へと歩き出した
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:19:52.10 ID:u4KHp6AO
「男さん!」


声のする方へ目を向けると暗くてよくは見えないが、人影が動いているのが…見えた

「ミユキ?」

「思い出してくれたんですか?」

「…雨に打たれてたらふいにね…」

俺はミユキに近く為に足を踏みだそうとしたその時

「こないで!!」

ミユキが叫んだ
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:27:47.27 ID:u4KHp6AO
「何でだよ?呼んだのはミユキだろ?それに俺は聞きたい事がたくさん…」

そうだ聞かないといけない…こなたの事そして何よりミユキ自身について…


「分かりました、何でも聞いて下さい…けど一つだけ…聞かせて欲しい事があるんです…」


「こなたさんの事…好きですか?」


突然の質問
正直意味がわからなかった…


「好きだよ」





「けどみゆきさんが一番好き」


質問の意味はわからなかったが俺は正直に自分の気持ちを伝えた


ミユキがなぜだか少し驚いた顔してる…ように感じだ。

94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:36:33.79 ID:u4KHp6AO
「こなたさんの事…好きですか?」


こなたが好きだと言ったら私も死のう…


男さんの手に入らない世界に未練なんて何にもない…

もちろんこなたを嫌いだと言っても死のう…そして謝ろう…こなたさんに…


ただ男さんの答えが聞きたい…


けれど答えは私の考えていたものではなかった…


「でもみゆきが一番好き」


95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:38:19.22 ID:Si8Ohggo
期待の新人ktkrwwwwww
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 20:41:17.64 ID:u4KHp6AO
あんなにも聞きたかった好きと言う言葉…
この言葉が聞きたくて…私は…私は…

けれど今はこの言葉が一番聞きたくなかった…

私は怨みや嫉妬で必死に押しつぶしていた感情がこなた…こなたさんへの思いが溢れてきた…


私は…私は…私は…

「ごめんなさい!」
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 21:02:58.32 ID:u4KHp6AO
「ごめんなさい!!」

「ごめんなさい!!」

「ごめんなさい!!」

必死に謝るみゆきに俺は多少困惑したが…彼女にそっと近付いてくとみゆきの異常に気付いた…
そう彼女の全身は真っ赤に染められていた…

しばらくすると近所の人の通報により…警察が駆け付け

みゆきは…殺人容疑で逮捕された…

その後みゆきは精神病棟に送られ…もう会うことはなかった

俺はこなたの葬式場で言われた


「うちの娘が…何か殺されるような事したのか?」

その言葉に今でも…いや、きっと死ぬまで苦しめられて行くだろう…
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 21:10:21.55 ID:u4KHp6AO
何がダメだったのか…いつから壊れ始めたのか…人を好きになるそんな誰にでもある大切な気持ちが…
誰かを知らぬ間に傷付けて…
幸せだった時間が壊れだして…
全てが後悔へと代わっていった…

俺は…この絶望と後悔に彩られた世界を生きていけるのだろうか…

お終い
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 21:13:28.54 ID:wwh7c2SO
乙!!
楽しませてもらったぜ。
出会った頃のあたたかい雰囲気と、終わりの方の喪失感が見事だった

機会があればまた何か書いてくれると嬉しい
お疲れ様でした。
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 21:14:47.01 ID:u4KHp6AO
駄文に付き合ってくれたみなさん、本当にありがとう。
行き当たりばったりの思い付きで書いてたので予想外に長くなってしまいました…

ここまで文章を書いたのは初めてなので、誤字脱字なとが目立つと思うのですが…

そこは勘弁して下さい。
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 21:45:18.36 ID:cXsCykSO
長くなるのは分かるなぁ
書きながらアイディア生まれてくるから予定の倍くらいになる時もある
削りたくても伏線にとっとけそうなのは削れないしね


書きたいんだがヤンデレ限定だから話が似通っちゃうかな?
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/12(水) 22:20:19.36 ID:U1sTcUw0
>>100乙、GJだったぜ
>>101確かにそうだよね、
ヤンデレじゃなくても投下していいんじゃね?
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/12(水) 23:21:54.11 ID:9IG8SQMo
このスレがどんどんパワーアップしていく
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 02:11:24.03 ID:Wffs/fI0
>>100
今更ながらテラ乙

続きが思い浮かんだので投下

高翌良さんが定期入れを落としたようです


ごめんね駄文ごめんね



みのる「よぅ。眠そうだなぁ男。」
男「うるせぇよ白石。いろいろうるせぇ。」

お昼はいつだってお昼
朝の話題でもりあがったり、よくわからない話をしたり
とにかくうるさかったり、静かだったり
気まぐれな時間

こなた「はむ、ハムハム、ハフ。」
つかさ「飽きないねぇ、こなちゃん。」
かがみ「ほんとね。栄養偏るわよ?今更だけど。」

気まぐれなのに、"いつも通り"を提供してくれる時間

みゆき「・・・」
つかさ「ゆきちゃん、どしたの?具合悪いの?」
みゆき「いえ、そうではないんですが・・・。」
こなた「なんかあったの?」
みゆき「はい・・。実は定期入れをなくしてしまったみたいなんです。一時間目から見当たらなくて・・・。」
かがみ「あっ。」

ポケットを探る。すっかりではないが
ちょっと忘れていたモノ

ノートのついでに受け取った
小さな小さな終わりの証明

105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 02:12:47.93 ID:Wffs/fI0
かがみ「はいこれ。みゆきのでしょ?廊下に落ちてたんだって。」
みゆき「それです!・・・私ったらうっかり落としてしまっていたんですね・・・。どうもありがとうございました。」
かがみ「拾ったのは私じゃないのよ。同じクラスの奴が―・・・」

ふとあたりを見回した

ただの気まぐれ
きっと気まぐれ

安堵したみゆき
コロネを舐め散らかすこなた
一緒に安堵しているつかさ

目にうつったそれらより

確かに聞こえた声―

かがみ「あいつよ。おーい、男ー。」
男「?」

手招きするかがみに
男は些かの疑問しか抱かなかった
接点というかなんというか

ほんの少し、想定の外側だった


男「なんだ?柊。」
かがみ「男っていうの。コイツがみゆきの定期入れ拾ったのよ。」
男「あぁ、あんたが高翌良か。どうも、男です。」
みゆき「本当にありがとうございました。とっても助かりました。」
男「うん、今後は気をつけないとな。」
みゆき「おはずかしいです。」
こなた「ずいぶんチープなフラグですな。」
男「フラグ?・・・旗?」
かがみ「それはフラッグよ。コイツの言うこと、一々ゲームに沿ってるから、聞けば聞くほどしんどくなるだけよ。」
男「ゲームかよ・・。」
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 02:14:30.49 ID:Wffs/fI0
昼休みは気まぐれ
些細な話題を押し広げてくれる

いつも通りを犠牲にして


キーンコーン・・・・

かがみ「じゃあ私らそろそろ戻るわ。また帰りね。」
男「じゃあな、高翌良。定期しっかり持っとけよ。」
みゆき「はい。ありがとうございました。」



男「柊、ありがとな。ちゃんと渡してくれて。」
かがみ「どうってことないわよ。それより、なんか他にノートいるんじゃなかった?」
男「ん?あー・・・いいや、今は。なんか勉強する気にならん。」
かがみ「知らないわよ?後で泣きついたって・・・。」

普通の会話
友達の会話
言葉の一つ一つが
先をつくり
先を壊し
先を予見する



キーンコーンカーンコーン――

107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 02:17:13.40 ID:Wffs/fI0
終わりと始まりの鐘が鳴り響く
授業の終わり
放課後の始まり

男「おーわった!さて、帰るか。この寒空の下を・・・。」

授業の終わりを選んだ男は岐路に着く
無機質に 無頓着に 無意識に

みゆき「あ・・・男さん。」

男は背後の声にも無頓着
だが、決して無機質には応えなかった

男「よぅ高翌良。今から帰りか?」
みゆき「えぇ。あの、今朝は本当にありがとうございました。」
男「ん、気にするなよ。たいしたことじゃないしな。」
みゆき「そうですか?でも、定期の金額もそんなに小さくはないですし・・・。」

気が付けば無頓着は形をひそめ 帰り道を共に
昼休みの気まぐれを引きずりながら
分かれ道に至るまで
話は途切れなかった

新鮮さあふれる故に


男「へぇー。高翌良って結構博識なんだな。」
みゆき「本が好きですので、たくさん呼んでいるうちにいろいろなことを覚えまして。」男「オレも読書は好きなんだよ。疑問を解くために読むのに、新しい疑問がまたでてきて、それが案外楽しかったりするんだよなぁ。」
みゆき「そうですね。そういった新しい発見をするのは、私も好きです。・・もしよろしければ、何か本をお貸ししましょうか?」
男「え、いいの?」
みゆき「はい。定期のお礼もかねて。」
男「ありがとう!じゃあさ、なんか高翌良がオススメな本貸してくれないか?最近コレ!ってなる本、読んで無くてさ。」
みゆき「御期待に添えれるかわかりませんが、いいですよ。明日、お昼休みにお渡ししますね。」
男「わかった。昼休みに取りに行くな。・・・おっと、オレここで降りるから。んじゃ、また明日。」
みゆき「はい、さようなら男さん。」


また一つ
無意識で誰にも気づかれない終わり


"いつも通りの毎日"の終わり


二つ目の終わり―――



多分続く
ごめんね展開おそくてごめんね
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 04:34:00.60 ID:4GZz8Hk0
おー、やってる。やってる。
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 06:33:36.99 ID:ropgZJc0
パート1からずっとROM&html保存してる俺ww
楽しませてもらってますよー!作者さんGJです!
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 07:59:38.12 ID:uyCd9wAO
wktk
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 10:47:11.29 ID:DtPm61so
水さして悪いんだけど。
なんでみゆきさんは「高翌翌翌良」なの?
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 10:57:23.21 ID:ZCttshYo
パー速の邪魔くさい機能でそうなるんだよ
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 11:14:31.22 ID:DtPm61so
勝手になるのか、ありがとう。すまんかった。
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 17:41:02.57 ID:TTBcTYDO
てすと


高翌良
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 17:52:47.61 ID:IZDPkwoo
高翌良?
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 17:53:42.52 ID:gRSGfmgo
高翌良てすと
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 18:52:24.45 ID:eBYgY920
テストも兼ねて

パー速のヤンデレこなたの・・・・
色々解決した後男がコスプレで裸になって主張してるやつ(いろんな笑えるAAで)
って保管されてるのかな?

俺モタリケ持ってないから過去ログよめねー
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 18:59:04.16 ID:0oIgmIAO
モリタケwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 19:04:54.00 ID:eBYgY920
>>118
wwwwwwwwwwwww
指が勝手にwwwwwwwwww
モリポタだっけ?モリタポ???

そしてお前も間違ってるwwwwwwwwモタリケだモタリケwwwwwwwwwwH×Hの最強のお方モタリケ様だwwwwwwww
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 19:04:57.30 ID:Q7SDTUAO
さて、追いついたわけだが
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 19:09:56.53 ID:cDAu2foo
>>117
鉄也はVIPの頃じゃね?
一応まとめWikiには残ってる
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 19:19:46.22 ID:eBYgY920
\_ /                 `ヽ _/

\_/        〔お金命〕     ヽ.. /
  /----------┌─────┐---ヽ
  ヽ:::::::::::::::/ヽ::::/│ ■   ■.│ l:ノリ'
  ヾ,、:::::::l ヘ,l:::l  \_/\_/ l/
   `ー--;:ヾリ:::::`;;イ   、_ ,)    !ーノ  >>121確認した! サンクス
      ヽ:`'::::::_;イ  ,___    /シ´    お礼にこのお金ヘルメットあげる
      /::::rニ-‐'  丶---'  /-'´
    、_i'ソ:::::| 、ヽ、    ̄  ,.イ;`i
    ー-'イ:|  ヽ  `丶 --'  |ノ '
    ,. - ' ´ '   \  ヽ.   /  ト、
_,. ‐'´ヽ                `ヽ、
     ー-----  、. _       _,,. `ヽ、
              ``丶― . '"       `ヽ 、
   ;                  (漢)    、  ヽ
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/13(木) 19:21:47.92 ID:cDAu2foo
>>122
いらんwwwwwwwwwwwwwwwwww帰れwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 19:54:10.16 ID:reONaNM0
>>104>>28の続きでおk?
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 20:02:39.02 ID:5PYj06SO
>>124
最後が2つ目の終わり−だから、余程特別な事情が無い限りそう考えて間違いないはず
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 20:51:44.66 ID:reONaNM0
>>125、さっくす
127 :22 :2007/12/13(木) 22:20:40.78 ID:cDAu2foo
人がいないところを見計らってひつまぶしの続きを投下
正直思った通りにいかなすぎて打ち切りにしようかとも思ったけど
始めたからには逃げたくないので続けることにした
・・・ヤンデレに辿りつけるのはいつだろう?


3―

次の日曜日
俺は珍しく街に出てきていた。そして早速後悔していた
最近なんだかんだで家に引きこもりがちだからたまには外の空気でも吸おうと思ったんだが・・・

そこには

当たり前のように人があふれていた。
決して身動きが取れないとか、歩くこともままならないなんてことはないが
どちらを向いてもどこまで行っても必ず同じくらいだけ人がいる

「・・・どうも人混みは好きになれないな」

俺は適当なベンチに座りただただ行き交う人たちをながめることにした
せめて何か目的を用意してくるべきだったか・・・
128 :127 :2007/12/13(木) 22:27:27.51 ID:cDAu2foo




「あれ・・・男?」
創造の理念を鑑定し基本となる骨子を想定し構成された材質を複製し製作に及ぶ技術を模倣し成長に至る経験に共感し蓄積された年月を・・・
「っておい、ちょっと帰ってきなさいよ」
故に、生涯に意味はなく。その体はきっと・・・
「とりゃ!」
「いてえ!」
突然首に激痛が!なんだこりゃ!
「あ、おかえり」
「おかえりじゃねえ!いきなり何を・・・かがみ?」
次元の境界から強制送還されてくると、そこにはなぜかかがみがいた
「ほんとに気づいてなかったのか」
「なにしてるんだこんなとこで?」
言いながら軽く隣を空けた。かがみは素直に座る
「それはこっちの台詞。あんたこそなにやってたのよ?」
「んー・・・武者修行?」
「なんのためにだ・・・」
あきれた顔をするかがみ
「・・・冗談だよバカ。そんな目で見るな」
無性に悲しくなるだろ・・・
「バカはどっちよ、まったく」
「おまえ・・・一人だったのか?」
「え?なによ急に・・・まあそうだけど」
「俺もだ」
「そう」
「ああ」
何となく会話が続かない・・・そういえばかがみと二人というのは珍しいシチュだな
「・・・あの、さ」
「ん?」
「やっぱり・・・休日に一人で街にいるのってちょっと変?あ、私だっていつもはつか
「別に変だなんて言ってねえよ。それに・・・今は一人じゃないだろ?」
「あ、え!?あ、あんたなに言って・・・」
「かがみ」
「わ!ちょっと・・・」
視線が交差する・・・かがみの薄い青紫の瞳が心なしか潤んで見える
俺の気のせいでなければ、顔も少し赤いかもしれない・・・
129 :128 :2007/12/13(木) 22:34:19.67 ID:cDAu2foo
だから、このまたとないチャンスに・・・俺は言った
「さいしょはグー」
「へ?」
「じゃーんけんぽん」
「!?」
計画通り
「はい負けー。のど渇いたからなんか買ってきてくれ」
「帰る」
「待て待て。ほら、おまえの分も買っていいから」
俺は財布から500円玉を取り出して差し出す
かがみはしばらくその500円と俺を交互に見たあと、無言で受け取った
そして、ため息混じりに小さく呟いた
「はぁ・・・これじゃバカは私のほうだ。もう」



このあと俺たちはしばらく適当な話をして、ごく普通に帰宅した
ただの休日だった割には、楽しい一日となったのは言うまでもないだろう
やはり、たまには街に出るのもいいかもしれないな。



ちなみに、かがみが買ってきてくれたやたらどろりと濃厚なももジュースは、のどを潤すのに全く適していなかったことを追記しておく
かがみめ、仕返しのつもりか!
130 :129 :2007/12/13(木) 22:44:57.54 ID:cDAu2foo
4―

「うーん・・・わからん」
―いくら頭をひねっても、わからないものはわからない。

俺が今までに出会った数々の教科書から学んだ唯一の真理だ
これに勝る法則は俺の認識できる世界には存在しないと思われる

「そこは、そうですね・・・この問題と同じ様に考えてみてはどうでしょうか?」
「ん?どれ?」
「見た目は少し違いますけど、ちゃんと整理して、公式を」
みゆきは綺麗すぎるくらいに整った字体で解き方のヒントを書いてみせてくれる。
なるほど。ここまでくれば俺でも解けそうだ
「じゃあ、つまり・・・こういうことか」
「その通りです。あ、グラフにしてみてもわかりやすいですね。そのときは・・・」

今日はみゆきに勉強を教わっている。場所は放課後の教室だ
先に断っておくが、俺は決して成績が悪いわけじゃない。点数だけ見ればむしろ学年でも上位に入る
ただ、発想力というか・・・とっさのひらめきってヤツがいまいち弱く、特に数学等では応用問題に無駄な時間を使ってしまう事が多い
なので、こうして時々みゆきの力を借りて勉強会を開いてもらっているわけだ
たまにこなたやつかさも参加するが、今日は俺一人
こなたはもともとやる気がないし、つかさにはちょっとだけ難しすぎるらしい

ちなみに、頭の良さ、で言えばかがみに教わってもいいんだが、教え方に関してはみゆきの方が上なので自然とこういう形になっていた
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 22:44:58.97 ID:cxLiH7Q0
ちょwwwwwwwwwwAIRwwwwwwwwwwww
132 :130 :2007/12/13(木) 23:03:18.94 ID:cDAu2foo

「お、解けた解けた。さすがはみゆき。説明がわかりやすいな」
「そんなことはありませんよ。男さんの理解が早いおかげではないでしょうか」
もしそうなら俺はこんなに苦労していない
「そう謙遜するなって。褒め言葉は素直に受け取るものだぞ」
「え?は、はい・・・そうですね」
あ、ちょっと照れてる
「よし。この辺でちょっと休憩にするか」
「あ、ではそうしましょうか。集中を高めるにはリラックスをする必要があるそうですし」
「そうなのか?」
「そうなんです。以前から言われていたことなのですが、集中しているときとリラックスしているときの脳の状態はとてもよく似ているんですよ」
「へぇ」
初耳だ
「集中に一番大事なのは余計な力を抜くことなんだそうです。やらなくちゃいけないことを強く意識して緊張しているときほど、実は余計なところに力が入ってしまっていて、集中できていません。だからなにをやってもなんだかうまくいかないんですね。逆に自分のペースで楽しんでいるときに不思議といい結果が出せるのは、無駄な力が抜けて脳がリラックスしているからなんですよ」

一点に力を集めるには他の力を抜く必要がある。”凝”と”絶”みたいなものだと思えばいいか?

「集中とリラックス・・・なるほど。みゆきが言うと説得力があるよな」
「い、いえ・・・そんなことは」
「ひかえめな台詞禁止」
「あぅ・・・すみません」
「謝るのはもっと禁止だ」
「ふふ・・・そうですね。じゃあ、ありがとうございます。ではどうでしょうか?」
「それはOK、うん。いい感じにリラックスできた。あー、まだほとんど休んでなくて悪いんだが、続き頼めるか?」
「はい。もちろんです」



なんてことをしているうちに結局帰りはだいぶ遅くなってしまったんだが、みゆきは
「いいんです。私もちゃんと復習になりましたし、楽しかったですから」
と言ってくれた
まったく、非の打ち所がないくらいに素敵なヤツだ

いずれなにかちゃんとしたお礼をするべきだろうな・・・
今度誕生日でも聞いておくとしよう
133 :132 :2007/12/13(木) 23:13:50.96 ID:cDAu2foo
5―

今日はありふれた一日だった
朝は遅刻しそうになって走って登校して、俺じゃなくてこなたが遅刻してきた
休み時間はつかさ達と穏やかに笑って過ごした
昼休みにはみゆきにちょっとだけ宿題を手伝ってもらった
放課後は珍しくかがみと二人で並んで帰り、いつもどおりの場所で別れた

そして、家に帰って寝た。
俺にとっては、そんなありふれた一日だった
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/13(木) 23:21:17.17 ID:A8SwK3co
ふいー
135 :133 :2007/12/13(木) 23:36:34.64 ID:cDAu2foo
6―

翌日
今日も一日は滞りなくスタートした
俺は適当に朝食を詰め込むと、戸締まりを確認して家を出た
日差しはとてもあたたかく、一歩進むごとにいちいち心地いい
いい朝だった

俺の家から最寄りの駅までは徒歩で約10分
道中はずっとゆるやかな坂で、行きは下り、帰りは上りになっている
途中にはさびれた公園が一つと普通の住宅があるだけ。駅前に出るまで商店の類は全くない
買い物には少々不便だが、それなりにいいところだと思っている。住めば都とはよく言ったものだ

電車に乗り込む
車内はそこそこににぎわっていた
通勤通学にこの路線を利用する住民は多いようだ

走るように過ぎていく景色をぼーっと眺めていたら、いつの間にか車掌のアナウンスは目的の駅を告げていた
学生達の流れに乗って学園方向の改札を出る。そこで、後ろから声を掛けられた

「よ、男。おっす」
「おはよう男くん」
かがみとつかさか
「おう、おはよう。・・・こなたは、まだか」
俺は少し歩調をゆるめて、二人に並ぶ
「たぶん次の電車で来ると思うけどね」
「・・・まだ寝てたりしてな」
「ありえるかも、最近さらにネトゲにはまったとか言ってたし」
「昨日は、寝たの4時だったんだよ〜。とか言ってたぞ」
「今日もきっとそのくらいよ?まったくあいつは反省ってものを知らないのか?」
「そのへんがまたこなたらしい気もするが」
「ま、そうね」
ところで・・・
「・・・なぁ、かがみ?」
俺は少し小声でかがみに話しかける
「・・・なによ?」
「つかさは・・・どうかしたのか?」
136 :135 :2007/12/13(木) 23:56:59.45 ID:cDAu2foo
さっきから気になってたんだが、今日のつかさはちょっとテンションが高い
なんだか知らんがうれしさが隠しきれてない、といった感じだな
「ああ・・・なんか昨日帰ってきてからずっとああなのよ」
ほう・・・それはまた
「何かいいことでもあったのか?」
「さあ?でもそうだとしたらよっぽどのことよね」
「聞いてみたか?」
「まだ。・・・気になるなら聞いてみなさいよ」
「そうだな」
よし、聞いてみよう
「なあつか
「なに?男くん」
は、はやい!
「お、いや、なんでそんなに機嫌がいいのかと思ってな。何かいいことでもあったのか?」
「うん」
即答だ
「かがみ、即答だぞ」
「言われなくても聞こえてるわよ」
「・・・なんだと思う?」
「うーん・・・」
「あ、そうだ。男くん」
俺とかがみがつかさの上機嫌の理由に思考を巡らせていると、今度はつかさが声をかけてきた
「ん?なんだ?」



「昨日はありがとう」



「・・・?」
昨日・・・?
「なによ?あんたなんかしたの?」
「いや・・・なんのことだかさっぱり」
全く思い当たることはなかった。だって昨日はただのありふれた一日だったんだから。
つかさにお礼を言われるような、特別なことはなかったはずだ。


結局それきりつかさは、その話に触れようとはしなかった。

その日もいつもと同じように授業は終わり放課後を迎え、俺たちはそれぞれ帰宅する
137 :136 :2007/12/13(木) 23:59:46.51 ID:cDAu2foo



夕食を終えて適当にくつろいだ後、やるべき事をかたづけると、寝るのにはちょうどいいくらいの時間だった
俺は小さなあくびを一つしてベッドにもぐりこんだ

まさにそのタイミングで携帯が着信音を響かせる。・・・これはメールだな


from:柊つかさ
sub:無題
text:明日もよろしくね>< おやすみなさい


「なんだこりゃ?」

今朝のありがとうといい、今日はつかさがちょっと変だったな・・・
これは素直におやすみってことでいいのか?

ま、別に不穏な内容でもないし・・・そんなに気にすることはないだろう
俺は適当に返事を返し、そのまま眠りについた・・・
138 :137 [sage]:2007/12/14(金) 00:08:40.10 ID:cYV5DRMo
今日はここまで。とりあえず6章終わり
・・・そろそろ気づく人が出てくるかもと思ったり思わなかったり。
こんな感じで徐々に話が進みますが、完成してもたいしたことにはならないのであしからず

というわけで、読んでくれた人サンクス!
迷惑でなければまた近日中に投下します
Wikiの人も即時対応お疲れ様です。ありがとうございます。仕事増やしてすみません
ではでは。おやすみなさい
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 00:32:06.55 ID:ed4zmEw0
>>138、乙
続きwwktk士ながら待ってるぜー
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 08:35:13.07 ID:hY6vNi.o
wikiで八月蝉の「崩れ行く関係」で男とつかさがキスするシーンが足りないよ
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 21:11:34.41 ID:90i/H7Ao
期待の新星が現れたというのにこの過疎っぷりはなんだ
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 21:30:31.95 ID:hvuY.eI0
そのうち皆もどってくるさ
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:23:22.26 ID:aR/RAgAO
雑文投下してみます。
長くなりそうなので、途中で力尽きるかもしれませんが、その時は御勘弁下さい。


 真っ赤な夕日が差し込む放課後の教室。
 そこに、三人の人間。

「あ……ああ」

 放心して立ち尽くす□□□と、俺にすがって泣く□□□。
 俺の横腹には授業で使うような彫刻刀が墓標のように突き立っていて、夕日とは違う赤色が広がっている。
 真っ赤な血液は水溜まりのように広がり、俺の服や彼女の服に染みを作っていた。
 ……頭は、意外と冷静だった。
 血液が抜けて、頭が冴えてきてるのかもしれない。
―――そして俺は、走馬灯のように彼女と出逢った日の事を思い出していた―――
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:25:04.09 ID:aR/RAgAO
―――

「柊つかさ……ああ、柊の妹か」

 下駄箱。朝の登校時刻。
 自分の出席番号のプレートが差し込まれた下駄箱の戸を開けると、ピンクの便箋が一枚入っていた。
 裏返すと、3-B 柊つかさ。
 …………うむ、とりあえず前後左右の確認。
 幸い、早めの登校なので誰もいない。
 俺はそれを素早く学ランの内ポッケに入れて、教室に向かった。
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:27:33.80 ID:aR/RAgAO
「―――まだ、誰もいないな」

 教室を覗きこみ、安堵の溜め息を吐く。
 ま、朝の六時だし。
 帰宅部である俺が何でこんな時間に登校しているかと言うと……まあ、習慣としか言いようがないのだが。
 ……とりあえず、開けてみるか。
 内ポッケから取り出し、今一度ピンクの便箋を、今度はじっくりと見る。
 ……ってか、こんな朝早くにどうやって下駄箱に入れたのだろう? 昨日の放課後にでも入れてたのか?
 裏返すとクラスと名前。便箋を留めているのはピンクのハート型シール。
 ……よし、開けてみよう。
 破かないように慎重にシールをはがす。
 中には、一枚の手紙が入っていた。
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:30:41.31 ID:yWm.gjko
wwktk
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:30:49.71 ID:aR/RAgAO
―――

『突然手紙を送ってごめんなさい。
 3-Bの柊つかさです。
 突然ですが、男くん、貴方に話したいことがあります。
 もしよければ、放課後屋上に来てください。

柊つかさ』

 ……ベタな、それでいて簡潔な呼び出しの手紙だった。
 字は実に女の子らしく、まるっこい字体だった。
 俺は落ち着いてその手紙を便箋に戻し、内ポッケに戻す。
 ……まあ、何の用事かは分からないし、放課後行ってみよう。

 ……柊つかさ、か……。
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:38:11.50 ID:aR/RAgAO
―――

 授業中、俺は落ち着かなかった。
 あれがラブレターなのかフルボッコイベント発動フラグなのかは定かじゃないが、やはり緊張すると言うか、手に汗握ると言うか。
 ……何度か柊――言うまでもなく、柊かがみの方だが――を見てみたところ、何度か視線が合った。……普段はこんなことは無いので、彼女も知っているのかもしれない。……なんとも言えない気分だ。
 そんなこんなで教員の話は耳に入らず、体感的に当社比三倍スピードで1日が過ぎていった。
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:43:36.95 ID:aR/RAgAO
 そして放課後。
 屋上に行くと、手紙の通り柊つかさがいた。……フルボッコイベントでは無いようだ。
 じゃあ何だ? まさかマジでラブレターじゃあるまいし。

「あっ……」

「えー、と。うちのクラスの柊……かがみの妹さん、だよな?」

「う、うん」

 顔を赤らめながら頷くのはショートカットの少女。
 柊かがみとは違い、穏やかで大人しそうなイメージを感じさせる。

「……それで、話って、なんだ?」

「え、えと、ね」

 しかし、何の話だろう。
 たしか、彼女と俺には面識は無いはずだが―――

「男くん、好きです! もしよかったら付き合ってください!」


―――そう、この日から、俺の世界は、変わり始めた―――
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:45:15.20 ID:90i/H7Ao
ゴクリ・・・
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:47:23.74 ID:aR/RAgAO
―――

「柊つかさ……か」

 今日最後に会った人間の名前を呟く。
 ……一人暮らしだと、一人言も怪しくないから良いよな。

「……しっかし、参ったなぁ」

 本当に参った。

『へ、返事はいつでもいいからっ』

 そんなこと言われてもなぁ。
 困る。困惑しか生まれてこない。
 ……俺には、好きな人がいるのに。
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 22:55:36.44 ID:aR/RAgAO
―――

 彼女と出逢ったのは、今年の三月末。
 今は二学期だから、半年前くらいか。
 その年、俺はこの土地に引っ越してきた。
 そんで、一人で来たものだから道に迷ってしまったのだ。
 方向音痴には自信があるのである。
 ……やがて日も暮れ、交番すら見当たらず、こりゃもう公園で野宿するしかないですかーと諦めかけていたその時。

「ちょっと、そこの人。生徒手帳落としたわよ?」

 柊かがみに出逢った。
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:00:48.09 ID:vi2eMESO
wwktkwwktk
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:03:01.84 ID:hvuY.eI0
職人さんに感動して、自分も何か書きたいと思って書いてみた。
スキットっぽいし、いろいろ変なのは仕様ってことでお願いします
お目汚し失礼します



つかさ「男くん、今年のクリスマスも男くんの家で過ごしていいかな?」
かがみ「あー、そうよねー。毎年恒例だもんねー、ねっ男」
男「あー、そのことなんだけどさ。今年はダメなんだ。ごめんな」
つかさ「え!?」
かがみ「ん〜?もしかして女でもできたのか〜このっこのっ!」
男「あぁ、実は、つかさのクラスのみゆきと付き合ってるんだ。」
かがみ「えええええええええええええええええええ!!!」
男「そんな大きい声出すなよ。」
かがみ「だって、だって、みゆきでしょ?」
男「ああ」
かがみ「博学で成績優秀で運動神経も良くて人柄もいいみゆきと!」
男「其のとおりだな、うん」
かがみ「馬鹿で自慢できるのは部活のバスケくらいの男が!」
男「おまえ、けんか売ってるのか?」
かがみ「付き合ってるなんて!!」
男「何だよ、悪いか?」
かがみ「いや、ただ驚いただけだって、拗ねない拗ねない。」
男「ったく、まぁそういうことで今年のクリスマスはみゆきと過ごすから」
かがみ「じゃあしっかり楽しんできなさいよ!」
男「ほいほい、」

キーンコーンカーンコーン

男「お、じゃあ戻るわ、またな」
かがみ「またね〜」
つかさ「……………」




嘘だ!
155 :154 :2007/12/14(金) 23:03:36.06 ID:hvuY.eI0
嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!
嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!
嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!
男君はいつも私といた、小さい頃からずーっと、
男君と私は幼馴染だよね?付き合うとかそういう事を超越した関係だと思ってたのに。
いや、違う。そういう関係だよ。それを壊したのがあの女。
きっとあの女が男くんを………そうだ。そうだよ。
男君が私と離れるなんてありえない!あっちゃいけない!!
男君は私と愛し合ってる。いままでも、これからも。
だから、それを壊すような人は存在しちゃダメなんだよ。

ねぇ?みゆき?




男君がゆきちゃんと付き合ってるなんてビックリだよ〜。
さっきは驚いて声も出なかったなぁ。
あ〜あ、今度のクリスマスに告白しようと思ってたのになぁ。
やっぱり、男君は私みたいな普通の子よりゆきちゃんみたいな子のほうが好きなのかぁ。
はぁ。。。初恋だったのになぁ。小さい頃から、私とお姉ちゃんと男君。
三人でいるのが普通だと思ってたのになぁ。なんかちょっと寂しいな。
男君が私たちと離れていくみたいに、そのうちお姉ちゃんとも離れるんだ。
でも、私たちの関係が崩れるわけじゃないし。
私も、前を向かなくちゃ………
156 :155 :2007/12/14(金) 23:03:57.10 ID:hvuY.eI0
其の日の夜
ピンポーン
男「ん?こんな時間に誰だ?ってかがみ!?」
かがみ「よ!ちょっとあがらせて」
男「おいおい、何だよ急に、何かあったのか?」
かがみ「まぁ中で話すわ、とりあえずあげてよ」
男「ったく、はいよ」
かがみ「じゃあアンタの部屋行ってるね。」
男「ちょ!それはダメだ!」
かがみ「いいから!」
男「いや、マジで、勘弁してくれ!」

男の制止を振り切って2階の右から二番目の部屋に入る。

男の部屋はいつもより少し整頓してあった。

ベットには、いつもの星空の布団はなく、シーツも敷いてなかった。
そして、みゆきの好きな香水の匂いと、それに汗と塩素のような匂い。

数秒もしないうちに男も部屋に来た。

男「だから、入って欲しくなかったのに。少しは人の話をきけって」

かがみ「ねぇ?」
男「なんだよ?」
かがみ「みゆきを抱いたの?」
男「ああ。んなもん入りゃ分かるだろーが」
かがみ「抱きしめただけじゃなくて、みゆきと、したの?」
男「何回もきいてんじゃねぇよ。」
かがみ「ほんとなの?」
男「だから、そうだって」
かがみ「そう、ごめん。帰る」
男「おい、かがみ。話があるって、、、、待てよ!」


男「ったく、行っちまった。なんだったんだ?」
男「まぁいいか、明日聞けば。今日はもう寝るか。」
男「その前にみゆきにメールしとこ」
157 :156 :2007/12/14(金) 23:04:19.02 ID:hvuY.eI0
ぴろり〜ん
みゆき「あら、男さんからです。」
みゆき「ふふっ、男さんったら、もう////」
みゆき「わ・た・し・も・あ・い・し」
ピンポーン
みゆき「あら?こんな時間に誰でしょう?」
みゆき「え?かがみさん?」
ガチャ
みゆき「かがみさん?どうされたのですか?こんな遅くに」
かがみ「ちょっとあがっていい?」
みゆき「ええ、かまいませんよ。今日はちょうど両親とも不在ですし」
かがみ「じゃあ、お邪魔するわね」



みゆき「どうぞ、紅茶です」
かがみ「ありがと…」
みゆき「で、かがみさん?一体どうされたんですか?」
かがみ「ちょっとみゆきに用事があったの、男のことで」
みゆき「男さんの…ですか///」
かがみ「今、男と付き合ってるってホント?」
みゆき「えぇ、お付き合いをさせて頂いてます/////」
かがみ「で、今日男に抱かれたってほんと?」
みゆき「え!?//// かがみさんなんで其のこと////」
かがみ「ホント、なのね?」
みゆき「はい、/////」
かがみ「分かったわ。」
みゆき「え?」
かがみ「アンタが私の敵だってことがね!!!!」

かがみはそう叫ぶとコートの中に隠していた鉈を取り出し、みゆきに切りつけた。
突然のことに反応できないみゆきは右腕に怪我を負い、そのまま床に倒れた。

みゆき「きゃあああああああああああ!」
かがみ「アンタが居なければ男はずっと私と一緒だったのに」
みゆき「うっ……い…た………」
かがみ「ねぇ?男にされたとき、どうだった?気持ちよかった?嬉しかった?」
みゆき「ううっ……ひっく……」
かがみ「自慢の胸でしてあげたの?こんなもので男は騙せないわよ!」
みゆき「ぐぅ……ひゅ……」
かがみ「そうねぇ、もう悪さできないように私が取ってあげるわ!要らない部分をぜーんぶ♪」
みゆき「ひっ……」
ぐちゃ
158 :157 :2007/12/14(金) 23:04:55.72 ID:hvuY.eI0
かがみ「アハハ♪ヒャハハハハハ♪」
みゆき「………」
かがみ「コレデ男ハ私ト一緒ニ居レルネ♪」
かがみ「アハハ♪フフフフフフ♪」
かがみ「男モキット喜ンデクレルワ♪」
かがみ「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ…」

明け方、近所の家から変な笑い声がすると警察に一本の通報があった
駆けつけた警察官が見たものは

胸部が完全に破壊され、四肢が切断された少女と見られる遺体と、
その頭部の上に座って、笑いながら鉈を振り回す、ツインテールの少女だった。





乱文失礼しました。
先に投下していた人すいませんでした
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:11:06.36 ID:aR/RAgAO
―――

「へぇ、あんた転校生なんだ。こんな時期に珍しいわね」

 お互いに名乗り、こちらの事情を話すと、案内してくれるそうで、今は歩きながら会話をしているのだった。

「ああ……ちょっと、色々事情があってな。一人でこんなところまで、さ」

「……あんた、もしかして問題児?」

「はは、そんなもんだな」

 彼女は初対面の俺にも気さくに対応してくれた。
 こんな知らない土地に一人で引っ越してきた俺には、それが、とても嬉しかったんだ。
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/14(金) 23:21:06.07 ID:vi2eMESO
>>158
乙です
かがみで来たか!難しいキャラだけどよく書けてるぜ。GJ!
しかし鉈とは物騒なものをお持ちですねかがみ様wwwwww
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:22:13.01 ID:aR/RAgAO
―――

「えーと、あ、男、ここよ、住所だと、ここのアパートの302号室だって」

「おおー、ここかー」

 …………ボロッ!
 今にも崩れそうな鉄骨丸出しな造り。
 一番下の段が無い階段。
 全体に絡まる何かのつた。
 名前は『羅輝崇多荘』……どこぞの暴走族か。読めねえぞ。

「……ここ、あんまり通らないから知らなかったけど……凄いわね」

「ああ……なあ柊、ホントにここか? オラはちょっと信じたくないだす」

「あんた何人よ!
 ……ここで間違いないわね。ほら、ここに住所が」

 柊には引っ越し先の住所を書いた紙を渡していたのだが、それと照らし合わせるように看板を見せられる。……マジですね。

「ていうか、あんた自分が住むアパートなのに調べなかったの?」

「いやあ、全部人任せ」

「……さっきからの話聞いてると計画性皆無ねあんた」

「うぐっ」

 ……まあ、こんなボロ家でも新しい俺の家だ。受け入れようじゃないか。
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:24:41.98 ID:aR/RAgAO
>>158
乙でした。
俺のことは気にしないでどうぞ。
いいかんじに狂気に満ちてて良かったです。
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:32:50.31 ID:hvuY.eI0
>>160
ありがと、うれしいよ
かがみんチョイスは前に誰かが、かがみのヤンだけないって言ってたからww

>>162
さんくぅ、>>162もがんばってくれぃ
続きwwktk
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:33:24.18 ID:aR/RAgAO
「ま、助かったよ柊。公園で野宿せずにすんだ」

「あはは、どういたしまして。
 ……あ、もうこんな時間! 私もう帰るわね。
 じゃあ、学校でまた会えたらね」

 駆け出す柊。

「ち、ちょっと待てよ! 礼がしたい! 連絡先かなんか教えてくれないか!?」

 すぐに呼び止めたが、「そんなのいいわよー!」と言いながら走り去っていってしまった。


―――まあ、その一週間後、同じクラスで再会することになるのだが。
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:40:20.77 ID:aR/RAgAO
ああ、真面目な文章は疲れますね。
書き溜め分が終わりましたので、書くペースが上下すると思います。すいません。
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 23:47:57.27 ID:90i/H7Ao
まったり読めてイインダヨー
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/14(金) 23:48:37.70 ID:cYV5DRMo
>>165
全然おk
wwktkしながら投下を待つぜ
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 00:03:08.14 ID:z7i.KYAO
―――

 そんな感じで、俺と柊は出逢ったのだが、同じクラスになった後、一回お礼としてスイーツを奢って以降はあまり話すことはなかった。
 ……だから、好きと言うか、憧れや尊敬に近いかもしれない。
―――うーん。

「柊つかさのことも、真剣に考えてみようかな」

 幸いいつでも良いらしいし、考える時間はある。

「よっ……と」

 寝転んでいた体勢から起き上がる。
 リモコンを取り何気なくテレビを付けた。
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 00:29:10.68 ID:z7i.KYAO
『これが俺様の真の力だ―――!』

『何……だと……!』

 なんかアニメやってる。今日は水曜日だっけ。


―――
 見終わった。今日は三回でした。何……だと……!

 ……さ、晩飯作ろ。
―――
 ……もう12時か。寝よ、明日は一限目体育だし。
 歯を磨き、布団を敷いて寝転ぶ。
 ぶらりと下がった紐を引いて、電気を消した。

―――とりあえず、明日は柊つかさについて、誰かに聞いてみよ。
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 00:32:53.16 ID:Gug3bJE0
これは・・・・こなたフラグ?
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 00:40:32.38 ID:z7i.KYAO
―――

―――

 そして朝。
 ボロ家を出て、学校へ向かう。
 十月も半ば、肌寒くなってきた。
 秋ですなー。

―――

 駅についた。
 そこに。

「あ、男くんっ」

「おー、男」

 柊姉妹がいた。
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 00:53:27.97 ID:z7i.KYAO
「お、おう……奇遇だな、……えーと」

「? ……ああ、私達は下の名前で呼んで。ややこしいから」

「お、おう、わかった。
 おはよう、かがみ、つかさ」

―――
「お、男くんもこの駅からだったなんて、私知らなかったよー」

「そういえば会わなかったな。何でだ?」

「もう、今日は会うために早く出てきたの。男は登校早すぎなのよ、まだ6時前よ?」

「すまん。癖なんだ」

「いや、それは知ってるけど……」

「ああ、ひ……かがみには前に言ったことあったっけか」

「お、男くん。……あの、昨日の……ことだけど……」

 来た。
 微妙に逸らしながら話してたんだが、やっぱり無理があるか。

「あ、ああ……悪い、……つかさ。もうちょい時間くれないか?」

「う、うん。ホントにいつでも良いからっ」

「男、あんたちゃんと真剣に考えなさいよ! ふざけたら承知しないからね!」

「お、おう……分かってるよ、ひ……かがみ」

 慣れないな、これ。
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 01:07:01.71 ID:z7i.KYAO
☆―――

 食堂。

「ふあぁ……」

「あれれー? 今日はやけに眠そうだねかがみん。どかしたのー?」

「あ、いや、何でも無いわよ。ちょっと今日は早く起きて……ふぁ」

「へえ、何時に起きたんですか?」

「……四時半」

「うわー! かがみんすごっ 私にはちょっと考えられないなあ。
 あ、だから今日は食堂なんだね。伏線が解けたよ!」

「何よそれ……」

「でも、どうしてそんなに早く起きたんですか?」

「あー、そこは私よりつかさに聞いて……ふぁ」

「でも今つかさは列に並んでんじゃーん。
 ねえねえかがみんが教えてよかがみーん」

「うー……うるさいー」
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 01:09:05.67 ID:z7i.KYAO
あ、ちなみに
―――
が場面切り替えで
☆―――
が視点切り替えです。
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 01:11:44.23 ID:EAq732SO
>>174
把握。演出に力が入ってるな
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 01:13:05.39 ID:586z1EEo
イイヨイイヨ~キテルヨ~
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 01:20:58.88 ID:z7i.KYAO

「あ、こなたさん、つかささんが来ましたよ」

「お、つっかさー! こっちこっちーって、つかさも今日は眠そうだねぇ。理由はかがみんと一緒?」

「ふぁ……うん、そうだよー……ってお姉ちゃん!? 話しちゃったの!?」

「話してないわよ。理由はね。なんで眠いかは言ったけど……ふぁ」

「なになに!? 何なのさつかさ! 教えてよ! かがみんは教えてくれなくてさー」

「えー、恥ずかしいよー」

「おーしーえーてーよー」

「……こなたさん、あんまり無理言ったらかわいそうですよ。
 お二人ともつらそうですし……」

「むむー」

「ごめんねこなちゃん。落ち着いたら教えるから」

「わかったよー、ちゃんと教えてよ! かがみん!」

「何故に私にふる」
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 01:25:51.97 ID:z7i.KYAO
…男以外のオリキャラだしてもいいですか?
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 01:34:51.87 ID:EAF76aIo
>>178
全ての判断は作者に委ねられる
思うままにすすめておk
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 01:37:06.58 ID:EAq732SO
オリキャラには魔物が住むという…
扱いには気をつけるんだぞ
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 01:39:26.28 ID:z7i.KYAO
いや、かなりちょいなんすけどね。よくある「友」みたいな。
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 01:51:20.97 ID:EAq732SO
>>181
なら何の問題もない
続きwwktk
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 01:59:45.72 ID:XP3oBJMo
回線が重かったり切れたりして安定しなくて、今になって
ようやく追いついたww
みんなすごいな。かがみんも怖かったがみゆきさんの
ヤンデレはまた一段と怖かったぜ…

>>181氏にwktk…してるんだがもう寝なければorz




ゆたか「よーよー、姉ちゃん達よお」
みなみ「…なにしてるの、ゆたか」
こなた「シガレットチョコなんてくわえちゃって」
ゆたか「え?えっとね、いま『ヤンデレ』って流行ってるって聞いたからやってみたんだけど」
こなた「それはヤンデレじゃなくてヤンキーの「ヤン」では」
みなみ「…」
こなた「どしたの?」

みなみ(ゆたかは何をやっても可愛いなと思いまして)
こなた(うむ。可愛いは正義!)

 なでなで。

ゆたか「はぅ…ど、どうしたの二人とも?」
みなみ・こなた(可愛いなあ、もう〜)
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 02:14:15.21 ID:z7i.KYAO
☆―――

「ごちそうさん、と」

 自作の弁当を平らげる。自炊ついでに作り始めた弁当も、いまや習慣だなー。

「お前もよく毎日作ってこれるよなー」

 一緒に机を並べて箸をつついているのは俺の友人こと岸場友樹。通称友。……そういやこいつ、情報通だっけ。

「なあ友」

「なんぞよ男」

「お前3-Bの女子のことわかる?」

「もちろんだぜ」

 頼もしいな。そこまではっきり言われると逆に。

「で? なんて子だい男よ」

「柊つかさ」

「柊、つかさ、な。
 えーと柊つかさ。
 誕生日は七月七日。血液型はB型。左利き。身長は158cm。体重は―――」
「いやまてまてまて。なんだよその情報量はっ!」

「お前が聞きたいって言ったんだろうが」

「誰が身体情報を欲しがるかっ。評判とか、性格の話だよっ」

 知ってることにも驚きなのはもうあえて突っ込むまい。

「ああなんだそう言うことかよつまんね」

「……いいから、教えてくれよ」

「知らね。
 ああ評判は良いみたいだぜ。告白とかはされたりしないらしいけど。裏もなくて至って善良な子だよ」

「……ふーん」

 やっぱり、イメージ通りと言うか、そんなかんじか。
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 02:15:27.07 ID:z7i.KYAO
>>183
ありがとうございます。
大丈夫、俺もそろそろ寝落ちそうです。
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 02:17:49.61 ID:z7i.KYAO
しまった。
友の台詞。
「知らね。
 ……ああわかったよ睨むな。
 評判は良いみたいだぜ。告白とかはされたりしないらしいけど。裏もなくて至って善良な子だよ」

です。
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 02:27:14.29 ID:z7i.KYAO
―――

 放課後。
 朝は柊姉妹と一緒だったものの、別に帰りは約束なぞしていないので、無論友と二人で帰ることになる。

「なあ男」

「なんだ友」

「ゲーセン寄らね?」

「いいね。でも手加減しろよ? 俺は久々だからな」


―――
 ゲーセンに入る。
 ゲーセン独特の喧しい音が頭に響く。久々に見るゲーセンは懐かし―――あれ?

「? ―――なんだ、今の」

 デジャブか? つい最近ここに来たような気がする。
―――まさか、

「男ー? 早く来いよー、十七分割してやる!」

「……おう! 今行く!」

―――ま、気のせいだろ。
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 02:33:11.81 ID:EAF76aIo
友は魔眼使いかwwww
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 02:38:25.99 ID:z7i.KYAO
―――
 ゲーセン内。筐体前で、俺と男は唖然としていた。

「き、九十九連勝……?」

「ば、化物であろうか……?」

 そう、九十九連勝。そして今、またしてもストレートで。
「「「おおおお!」」」

 ギャラリーが一層沸いた。
―――百連勝目だ。
 席が空く。誰も近寄れない。そこに、


「―――十七分割してやるぜっ!」


 無謀人間岸場友樹が突撃した。

「かつてはゲーム中毒と言われたこの俺が! この流れを変えて見せるっ!」

 今も中毒だろうが。
 ま、一発負けてくるまでの間、俺は暇だな……。
 どれ、百連勝突破の猛者の顔でも見てやるかね。
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 02:44:29.29 ID:z7i.KYAO
ごめ、寝ます。
再開は分かりませんが、とりあえずぐっすり寝る派なので早くには来れません。
では。
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 02:58:18.97 ID:EAq732SO
>>190
ぜひぐっすり寝てくれ
おやすみなさい
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 08:36:30.44 ID:cR8gZbQo
ここの住民は会話のみタイプと小説的タイプのどっちが好きなのだ?
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 09:00:04.77 ID:VxmOegAO
俺はどっちでも好きだが
194 :1/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:45:34.21 ID:cR8gZbQo




誰も知らないほんとの私。


家族も


友達も




双子の姉妹も




みーんな知らない。
195 :2/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:46:37.62 ID:cR8gZbQo
「ほらつかさ、行くわよ」
「ま、待ってお姉ちゃ・・・!」


いつもと同じ朝。


「おっはよーおふたりさん。」


いつもと同じ風景。



「おはようございます、かがみさん、つかささん。」


いつもと同じ私・・・・




「おっす、柊姉妹!」







いつもの同じ、はずだった。
196 :3/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:47:54.52 ID:cR8gZbQo

「おとk
「男ー!」
「おう、こなた。」
「昨日は残念だったねぇニヤニヤ」
「何がだ?」
「男が落ちた後、シークレット祭りがあったのだよ!」
「なに!?くそっ眠気さえなければ・・・っ」
「ふっふっふ。抜かりない、私が男の分もキープしておいたよ。」
「流石こなた!いやっこなた様!!」
「うむ、くるしゅーないっ」


―――またネトゲの話しかぁ・・・いいなぁ、共通の趣味って。



「おt
「おはようございます、男さん」
「あ、みゆきさん。昨日はさんきゅーな」
「いいえ。ちゃんと伝わったか心配で・・。」
「あー・・・実はいまいちだったり・・・」
「申し訳ありません、電話で勉強を見たことはなかったもので、」
「いやっみゆきさんが悪いんじゃないよ!悪いのは俺の頭だし!!」
「そんなことはないですよ。そう、今日の放課後なら時間が取れるので直接教

えてさしあげられますが・・・」
「まじ?みゆきさんがよければ是非!」
「では、放課後に図書室で。」



―――図書室で・・ふたりきりで勉強・・・か・・・
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 12:49:13.37 ID:VxmOegAO
ニヨニヨ
198 :4/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:49:27.72 ID:cR8gZbQo

アノコのことは名前で呼ぶのに

どうして私のことは「柊姉妹」なのかな?


私だって、名前で呼んで欲しいのに。

大好きな貴方に。


貴方のワタシ。


ワタシの貴方。


ワタシだけの、貴方。



人のものを盗ろうとするコは、悪いコ。


悪いコは、いらない。



そうだ、いらないモノは、ちゃーんと処分しなきゃ。














ね?
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 12:49:57.21 ID:EAq732SO
新星ktkr
wwktkwwktk
200 :5/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:51:11.34 ID:cR8gZbQo

Pipipi...


「あら、メール・・」

「んぅ?相談なんてめずらしいなぁ。」






「ひぃあ〜寒い寒いっ。さて、公園に呼び出して相談なんて・・・何かあった?」
「、うん・・・実は・・・・」




「お待たせしてしまい申し訳ありません」
「ううん、大丈夫。私こそ、わざわざ来てもらっちゃってごめんね。」
「いいえ。それで、私に相談というのは・・」
「ん、あのね・・・・・」









よし。おーわり。
201 :6/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:52:33.44 ID:cR8gZbQo
「・・・柊、」
「男くん・・・」
「男・・おはよ・・・。」

「その・・・あんまり落ち込むな・・って、無理だよな・・・」






















「こなたとみゆきさんが、通り魔にやられちまったなんて・・・。」
202 :7/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:54:15.81 ID:cR8gZbQo
「、ん・・・」

――――おっかしいなぁ。



「どうして・・なんでこなちゃんとゆきちゃんが・・・っ」

――――イラナイ子は一人だと思ってたんだけど。




「「・・・・・っ」」


――――私、一人しか捨ててないのになぁ。







「二人とも同じ公園で・・・・みゆきさんは柊姉と、こなたは柊妹と会った後に、だったらしいな・・・」
203 :8/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:55:45.16 ID:cR8gZbQo
――――・・・・・。



「事情聴取で、変な疑いかけられなくてよかったぜ。」



――――・・・あぁそっか。


――――そういうコトだったんだねぇ。



「・・・・ひいらぎ?」



「「なぁに?」」



「あ・・いや・・・・なんでもない・・・じゃあ、俺教室戻るな・・・。」





「・・・つかさ、ちょっと話したいんだけど。」

「うん、私もお姉ちゃんに聞きたい事があるの。」


「「屋上で。」」
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 12:56:38.42 ID:EAF76aIo
これはうまい。期待せざるを得ない
205 :9/9 [sage]:2007/12/15(土) 12:57:20.91 ID:cR8gZbQo
――――ドンッ

キャァアアアアッ





「?・・・・なっ、柊・・!?」







教室の窓から見下ろした男の目に映ったのは





抱き合うように倒れていた"柊姉妹"だった。
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 12:58:34.26 ID:0V5sxz60
テラ乙

テラGJ
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 12:58:57.85 ID:cR8gZbQo
今朝簡単な流れが浮かんで、勢いで書き上げました。
文章の投下は初めてなので
色々指摘してくださると嬉しいです。
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 13:25:40.32 ID:z7i.KYAO
>>207
乙です。
大変スピーディーで楽しかったです。


…いやあよく寝た。
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 13:34:59.59 ID:Pjp8GMAO
>>207
簡潔ゆえに震えがくるな
乙!

>>208
おはよう期待の新星ww
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 14:04:21.76 ID:z7i.KYAO
続き。



 ええと、対戦相手の筐体は……あっちか。ちょい離れてるな。

「「「おおおお!」」」

 早いなオイ。
 ……友のいる筐体に戻ろう。

 ……戻ると、筐体の前に死体らしき物が一つ。

「おーい友ー、生きてるかー?」

「じ、十七分割されました……」

 しかも同じキャラに負けたのか。それはお前としては屈辱だな。

「お、俺の仇を……」

「ヤだ」

「ぐふっ」

 いいからもう帰れよ、お前。

―――

 さて、友がホントに帰ったところで、改めて百一連勝の相手を見に行くか。……あっちだな。

―――

「ってあれ? 柊?」

「おー男。かがみでいいって」

 相手の筐体のそばに寄ると、そこには筐体の画面をつまらなそうに覗き込む柊かがみがいた。
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 14:16:26.03 ID:z7i.KYAO
「どうしたんだこんなところで?」

 柊かがみのイメージではないな。

「ああ、私はちょっと付き合いよ。……友達がゲーム好きでね」

「ほう。峰岸……はないだろうから日下部か?」

「違うわよ。つかさのクラスの友達」

 ほう。そういえば昼休みは向こうのクラスに入り浸ってるようだし、そういうのがいてもおかしくないか。

「で? その友達とやらは?」

「? そこに居るじゃない」

 指差すかがみ。その先には目指していた筐体。……こっからプレイヤーの肩が見える。確かにうちの制服だ。

「……って女子か!?」

「ええ!? あ、当たり前じゃない! わ、私が男子とこんなとこ―――」

「じゃ、なくて! この百連勝突破の超強者は女子だったのか!?」

「あ、ああ……なんだ、そう言うことね。
 私は慣れちゃったから気にしてなかったけど、確かに凄いわね」

 感覚が、鈍っている……!

「……今、何か失礼な事考えなかった?」

「気のせいだかがみ。それよりその強者を紹介して欲しいんだが」
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 14:21:19.91 ID:z7i.KYAO
「な、なんでよ」

「なんでって、こんな偉業を果たした人間と合間見えたいと願うのは普通のことだろ」

「……あんたもそっち系か?」

 どっちだよ。

「ふー、かがみん。私は疲れたから代わらない?」

 と、筐体の影から声が聞こえた。
 おお、女装の変態とかじゃなくてマジで女子だ。
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 14:36:44.34 ID:z7i.KYAO
 筐体の影から出てきたのは、ちっこい女の子だった。
 ……中学生?

「ち、ちょっとこなた! 私やり方知らないわよ!」

「まあまあかがみ〜ん」

 かがみが無理やり交代させられてる。
 かがみん?

「お、男! あんた出来るでしょ! 代わりにやってよ!」

 かがみんに引っ張られて台に座らされる。……しょうがない、やるか。
 相手は……こちらと同じキャラか。

―――かくして、魔眼同士の戦いが始まった。
―――さあ、殺し(ry

―――

「ま、負けた……」

 二勝三敗のギリで負けた。
 プレイヤーが代わっていると知っているこっちでは大して声は上がっていないが、向こうの対戦台では歓声が上がっている……気の毒な。

「ああー、残念だったねぇ」

 先程の……確かこなた、と呼ばれていた女の子が話しかけてくる。
 俺は台を立ち上がった。

「えーと男。つかさのクラスの泉こなた」

「よろ〜」

 かがみが泉こなたという少女を紹介してきた。

「あ、ああ、俺はひ……かがみと同じクラスの男だ。よろしく」


―――そんなかんじで、俺と泉は出逢った。
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 14:40:57.00 ID:z7i.KYAO
☆―――

 余談。

「はっはっはー! やったぜ! 百連勝の化物に勝ったぜー」

 気の毒な人は帰ってきた友でした。
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 14:53:39.11 ID:z7i.KYAO
☆―――

 自宅。

「なにか色々事情があるようで、今度改めてちゃんと紹介するから今日は帰ってほしいそうで、自宅でポツンと一人いるのは私、男です」

 一人言はつまらない。
 ……一人は虚しいな。

 ……暇だな。
 テレビでも……いや、今の時間はあまり面白いのはやってないな。

「…………」

「…………」

「…………」

「……風呂入ろ。シャワーでいっか」

 遅く寝なくちゃいけないし。

―――

 風呂場。
 蛇口を捻る。
 ザーザー。
 ……って。

「冷水じゃねえかっ!」

 寒い! メッチャ寒い!
 畜生! オンボロアパートめ! シャワーまで壊れたか!
 俺はすぐに風呂場を出た。
 明日、大家に文句言ってやる。


―――

「寝よう」

 夜の十二時。……まあ、大丈夫だろ、きっと。
 紐を引いて、電気を消した。
 ……決めた。つかさへの返事は、明日しよう。
 だから今日は……ぐっすり……ね……よ………………………。
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 15:06:08.49 ID:z7i.KYAO
―――

―――

 翌日、金曜日。
 今日、俺こと男は……風邪をひきました。
 ……大家のバカ野郎。

☆―――

 一限と二限の間。
 告白してから2日経った。
 私への返事は、まだこなかった。

「はあ……」

「……? つかささん、どうかしましたか? 少し疲れて見えます」

「え! いやあの、だ、大丈夫だよゆきちゃん!」

「そうですか? それならいいのですが……」

―――ふう、危ない危ない。
 まだ、言わないほうがいいよね。

 ……今日もお姉ちゃんに頼んで早起きしたのに、朝は会えなかったなあ。
 朝、教室にも居なかったし……。
 ……もしかして、避けられてる?
 ……私、キラワレ―――
「つかさ!」

 ビクッ。
 身体が震えた。
 ……お姉ちゃん?

「ど、どうしたのお姉ちゃん? そんなに慌てて……」

「それが今日、男は学校風邪で休みらしわよ」

 男くんが……風邪で休み。
 ……良かった……嫌われて、無かったんだ。

「そっか……心配だね」

「そう、それでつかさ! お見舞いに行かない?」
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 15:26:16.51 ID:z7i.KYAO
―――

 放課後。

「あ、かがみーん。今日も一緒に―――」

「ごめんこなた。今日は用があるの」

「じゃあね、こなちゃん」

「えー」

 ……男くんの家に行く。
 たったそれだけで私の胸はすごくドキドキしていた。
 どんな部屋だろう。
 男くんは大丈夫かな?
 今日、返事が貰えるかも。
 男くんと付き合いたい。
 男くんと一緒にいたい。
 男くん。
 男くん。
 男くん―――


☆―――

 ……眠い。
 身体が休養を求めてる。
 ……俺は朝から一睡もしていなかった。
 寝るわけにはいかなかった。
 寝ちゃダメだ。
 寝ちゃダメだ。
 寝ちゃダメだ……!





 やがて、俺の意識は遠のいていった。
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 15:44:32.53 ID:z7i.KYAO
☆―――

「えーと、あ、ここよつかさ。男の家」

「う、うわあ……」

 ぼ、ボロボロ……。

「あはは、私も最初は驚いたわ」

 先導して階段を上っていくお姉ちゃん。
 ……その階段も今にも壊れそう。


「ええと……あ、この部屋ね」

「お姉ちゃんは部屋に上がったことあるの」

「ないわよ、私も初めて」

 チャイムを押すお姉ちゃん。
 ピンポーン。
 …………。
 …………。
 …………。

「……出ないわね」

「……出ないね」

「寝てるのか?」

 ドアノブを引くお姉ちゃん。すると。

「あ、あれ!? ……開いた、なんで……?」

 ……ドアが、開いてしまった。
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 15:48:27.63 ID:z7i.KYAO



 ……中に入る。
 一畳間のシンプルな部屋。
 パソコン。テレビ。ビデオデッキ。ミニキッチン。新聞。本棚。……ベッド。
 男くんは、その部屋には居なかった。
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 15:49:25.79 ID:z7i.KYAO
離脱します。
展開がつまらなくてすいません。
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 16:09:42.58 ID:cR8gZbQo
>>220
乙です。
男が眠らなかった理由・消えた理由が気になる・・・


>>208-209
ありがとうございます。
書き手さんが数名いたので、だらだら続けるよりは、と思って
すぐ終わるように書いてしまったので
多少自己陶酔文章になってしまった認識はしているのですが・・・
機会があったら、長文にもチャレンジしてみたいですね。

途中でwwktkしてくれた人もありがとうでした。
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 18:35:17.51 ID:1HgZh8Mo
>>207
良かった!!
書き方も何か新ジャンルっぽいよ!!
まさかちゅかさまでヤンでたとはね・・・
「柊姉妹」って呼び方にも意味があって驚いた

でも空白が多すぎる気がする
空白にはそれぞれ意味を持たせてるんだろうけど
読む方としては一つ一つの空白が大きすぎかも

オレも始めたばっかで
いつか空白なしでもふいんき出せるようになりたいなと思ってます
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 18:40:57.98 ID:1HgZh8Mo
もっとたくさん本読まなきゃなって思うなぁ
表現力が全然なくて困る

個人的には短編のが好きです
長編読んでると、どうしても愛着湧いちゃって
どんな展開でも受け入れちゃうからな〜
224 :ID:4CvBPsM0 :2007/12/15(土) 18:43:58.53 ID:0V5sxz60
>>220
超乙
どう繋がるか思いっきりwwktk

てかみんなすげぇ
なんでそんなにペース速いんだ

後、>>28>>104は続きであってます。ごめんねわかりにくくてごめんね
上記の続き、投下します。
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 18:45:39.06 ID:EAF76aIo
ktkr
俺も早く続けねば・・・
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 18:46:29.78 ID:0V5sxz60
みのる「よう、男。」
男「やぁ、おはようセバスチャン。今日も相変わらず寒いね。」
みのる「その呼び方やめろよ・・・・。」
男「チッ・・・・KYなやつめ・・・。」


年を越えた
冬休みも終えた
もうすぐ桜が見えそうなのに
寒さは留まることを知らなかった


かがみ「おっそいわねー、こなたの奴!」
つかさ「ぅあ!」
かがみ「な・・なによ、どしたの?」
つかさ「ごめん、おねーちゃん・・・。こなちゃんからメール着てたの忘れて
た・・。」
かがみ「どんなメール?」
つかさ「えと・・・、先行っててって・・・。」
かがみ「もっとはやくいいなさいよ。まったく・・・。」
つかさ「ほんとにごめんね。」
かがみ「・・まぁいいわよ。ほら、行こう。」
つかさ「あ、まってよおねーちゃん!」


それぞれの道は違えど
集う先はみな同じ
些細な変化も変わらない日常も
集う先はみな同じ

学校というコミュニティーが

―――良くも悪くも逃さない
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 18:47:43.33 ID:0V5sxz60
男は馴染んでいた

かがみ「おはよう、男。」

定期を拾ったあの日から

男「よぅ、かがみ。もう春間近ってのに寒いなぁ。」

馴染んで、変わっていった

かがみ「ほんとよねぇ。あ、聞いてよ男。今朝つかさがさぁ・・」

知り合いが、友人に

男「ハハハ、つかさらしいなww・・・なぁかがみ、つかさで思い出したんだけど
さ。」

でも

かがみ「なによ?なんかあったの?」
男「バルサミコ酢って何?メールするたび文末についてるんだけど・・・。」

変わらないものもある






キーンコーン・・・

いつものお昼がやってきた
みんなで楽しくお弁当
雨風晴天関係なく
みんなで仲良くおしゃべり日和

男「よぅ、つかさ。・・・あれ?こなたと―――


変わらないものは


男「―――高翌良は?」


感情を内包する

228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 19:00:43.63 ID:0V5sxz60
つかさ「えっとね。なんか2人とも用事があるんだって。」
男「そうなのか・・・。」
かがみ「珍しい組み合わせねぇ。」
つかさ「一緒の用事かはわかんないけどね。」
男「こなた的に言えばなんかのプラグ?だったりしてな。」
かがみ「フラグって言いたいのか?」
男「・・・そうだつかさ、バルサミコ酢ってなんなんだよ結局。かがみもわかんなくってさ。」
つかさ「でもそんなの関係ねえ。」
男「(隠す必要があるのか・・・?)」
かがみ「ねぇ、男。さっきの授業で黒井先生がさぁ・・・」

仲良くおしゃべりしていても
気分は等しくなりはしない

ささやかな喜びを秘めながら
僅かな悲しみを抱えながら

それぞれの昼休みを共有する


食事が終わり
昼休みが会話で成り立ち始めた頃

こなた「やぁやぁ皆の衆。」

喜びと悲しみが入れ替わった

みゆき「こんにちは、かがみさん、男さん。」
かがみ「あ・・・お帰り。」
男「おぅ、こなたに高翌良。珍しい組み合わせで居なかったな。」
つかさ「どこ行ってたの?」
こなた「ちょっと聞きたいことがあって、2人で図書室にいたのだよ。」
みゆき「・・・・」
つかさ「へぇ〜。あ、でも図書室ってことは、何か調べるほどのことだったの?」
みゆき「・・・・」
つかさ「ゆきちゃん?」
みゆき「えっ?いゃ、あの」

みゆきは気を取られていた
先ほどの時間に
そして
その時間の種に目を向けた

男「?」
こなた「そ、その通り!いやぁギャルゲで難しい言葉が出てきて、みゆきさんに聞いてもわからなかったから、一緒にその意味を調べに。ね、みゆきさん!」
みゆき「は、はい。そうですね・・・。」
つかさ「へぇ〜、ゆきちゃんにも難しいことってあるんだね。」
みゆき「そんなことはないんですよ?私にもわからないことだらけでして。現にさっきも泉さんに」
こなた「みゆきさんっ!!」
みゆき「!・・・いえ、なんでもないんです。」
つかさ「? へんなゆきちゃん。」
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 19:23:38.48 ID:0V5sxz60
少しの間
一瞬が長く感じた
会話が詰まると空気も詰まる
出口が詰まれば
感情も行き場を無くした

それを切り裂いたのは、男

男「・・・そうそう高翌良。聞きたいことがあるんだ。」
みゆき「は、はい。なんでしょう?」
男「あのな・・・、バルサミコ酢ってなに?」
つかさ「どんだけ〜。」
みゆき「バルサミコ酢ですか?・・・えっと、確か
色は茶色を濃くした黒色で、その名の通り独特の芳香が有り、オリーブ・オイルとともにサラダにかけるなどイタリア料理の味つけや香り付け、隠し味に使用される。他の食酢にはない甘味を有するため、デザートの味付けやトッピングに使われることもある。

・・・参考:wikipedia

・・・だ、そうですよ。」
こなた「おぉ!さすがはみWikiさん!」
かがみ「うぃきってなにようぃきって。」
男「へぇ〜。ほんとにさすがだなぁ。ありがとう高翌良!・・・でもつかさ。」
つかさ「な〜に?」
男「これってわざわざ文末につける必要あるのか?」
つかさ「そんなのかんけぇねぇ!」



キーンコーン・・・


打ち切りの合図がなった
気持ちだけが取り残されるように



ごめんちょっとごはん食べてきます
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 20:25:29.96 ID:0V5sxz60
男「ん、じゃあ戻るわ。いこうぜかがみ。」
かがみ「うん、じゃあね。」

でも気持ちは

こなた「男!ちょっとまって。」

取り残されまいと

男「なんだよ?ゲームなら積んでるから押し貸しはちょっと・・・。」
こなた「それは後で話をつけねばなるまい。・・・いや、そうじゃなくて、放課後ちょっと教室来てほしいんだよ。一人で。」

―――あがきだす

男「フルボッコされるならいかねぇ。」
こなた「こないとほんとにフルボッコだよ。」
男「ぜひ、伺わせてください。」
かがみ「・・・男、遅刻するわよ。」
男「わかってるよ。じゃあこなた、あとでな!」



放課後がやってきた
今日は帰宅を選ぶことなく
掃除が終わり人気も消えかけた教室に
男はたたずんでいた
昼休みの余韻がかすかに香る中
一人で

男「どーいう罠なんだろうこれは・・・。いねぇじゃねぇですか・・・・。」

放課後に違うクラスの奴がいる
単数であることが、周囲の視線を集めてしまう

男「(・・・・こーいう場合はどーすれば。らめぇとでも叫べばいいのか・・・!?)」


男が目攻めにあっているころ
校舎の入り口が、いつになく不安に見える
かがみが立っていた
来ないであろう人物を待って


かがみ「・・・・。」
つかさ「こなちゃん、一緒に帰れないんだって。なんかまた用事って。」
かがみ「・・・そう。」
つかさ「おねーちゃん、どしたの?こなちゃんと帰れないのが辛いの?」
かがみ「はぁ!?そんなわけないじゃないの!」
つかさ「えぇ!違うの?ごめんね・・・元気なかったから・・・・。」
かがみ「・・・気のせいじゃない?じゃ、さっさと帰って予習でもしようかな。」
つかさ「ま、まってよおねーちゃん!今朝と同じことしないでよ〜。」
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 20:28:18.17 ID:z7i.KYAO
wktk
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 20:53:59.71 ID:0V5sxz60
男「(も・・・もう限界だ!オレを見るな!!近づくなァ――!!)」
こなた「・・・何もだえてんの、男。」
男「こ、こなた!!フルボッコよりもはるかにきつい生殺ししやがって・・・!」
こなた「意外にもろいね男も。むしろせっかくのシチュを楽しめばいいんだよ。」
男「し、シチュー?オレの昼飯はアンパンだったんだが・・。」
こなた「それ、マジで言ってんの?」
男「(なんかまずいこと言ったのだろうか・・・。)ん?」
みゆき「・・・・・」
男「あれ?高翌良。帰ったんじゃなかったのか?」
みゆき「はい・・・。」


あがいた気持ちと誰かの不安
イコールで繋がる瞬間が、今――


男「よかった。一緒に帰らないか?今から用事があって」
みゆき「その用事、私のものなんです。」
男「そうか、高翌良のか。だったら終わってから・・・って、え?」
みゆき「私が、男さんに用事があったんです。」
男「あれ?じゃぁこなたは・・・?」
こなた「呼び出したに過ぎない。みゆきさんの一歩のために。」
男「一歩?ボクシング?」
こなた「どんだけ・・・。まぁこれからわかるよ、みゆきさんがんばってね!」

彼女がそう言って去ることで
教室がついに静まり返った
見守る人はいないのに
固唾を飲み込んで見守られているような空気

男「・・・・。」
みゆき「・・・。」

この空気が二人を押さえつける
声も出ない  だが

男「あのさ・・・。」

背中は押されている
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:22:46.42 ID:Gug3bJE0
今執筆している長編の投下待ちの暇潰しにでもなれば幸いです
乱文失礼します



「ほな、今日の授業はこれで終わりや」
ガヤガヤ――
「それと、男。後で研究室までに課題集めて持ってきといてや」
「また俺っすか」
「名ばかりの学級長じゃあかんやろ、まぁこれも仕事や」
「へーい」

嘘や、ウチが男を呼ぶんは男がすきやから。
けど、それは許されへん恋。絶対に実らへん恋なんや。
不毛な恋愛。

一回りも年が違う上に教師と生徒
自分が後10年後に生まれていたら
男が後10年早く生まれていたら

―――

「ほな、今日の授業はこれで終わりや」
あぁ、終わっちまった。これで今日はSHRまでななこ先生に会えない
「それと、男。後で研究室までに課題集めて持ってきといてや」
「また俺っすか」
自分の気持ちに気づかれたくない。気づかれたら学校に通えない。
「名ばかりの学級長じゃあかんやろ、まぁこれも仕事や」
「へーい」
本当はずっと研究室にいたい。ずっとななこ先生のそばにいたい。
でもそれは叶わない恋。だから今日こそ決着をつける。
当たって砕けて失恋する。

そう思っていた。
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:22:50.24 ID:Gug3bJE0
コンコン
「失礼しまーす、3年の男ですけど」
「おー、こっちや!」
ちょうど昼休み、社会科研究室にはななこ先生しか居なかった
大方他の先生は昼飯を取りに行ってるのだろう
「あ、コレ課題です。」
「さんきゅ♪助かったわ。」
ななこ先生が軽く俺に微笑んだ。
正直、たまりません。
今、ここには俺と先生だけ、言うなら今しかない!
「あ、あの……先生!」
「なんや?急に声はりあげて、」
「あの……俺………せ…」
ダメだ、舌が乾いてうまくしゃべれない。
なんか頭もボーッとしてきた。
もう耳まで熱くなってきたし、これじゃ顔真っ赤かな、かっこわりぃ。
「先生のことが好きです!」
「………え?」
ななこ先生が一瞬あっけにとられた顔をして、すぐさま赤くなっていった。
「そ……それは…ウチの事を女としてってことか?」
「もちろんです!」
「からかったりしてへん?」
「俺の本気の思いです」
「ウチら教師と生徒なんやで?」
「かまいません!先生と一緒なら!」
俺はこれ以上無いほど強い口調で言った。


「そうか、そこまで本気なんか。実はな、ウチも男のこと好きなんや」
「へ?」
今、ななこ先生はなんていった?俺を好き?え?マジで?
これもしかしてドッキリなのか?
「だから、ウチもアンタの事ずっと思っとったんよ」
間違い?じゃないよな、明らかに聞こえたぜ
「ってことは?」
「両思いってことやろ///」
胸の熱くなった。涙が溢れそうになった。
ななこ先生も恥ずかしそうに微笑んでくれた。
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:22:53.59 ID:Gug3bJE0
「でもな、やっぱり教師と生徒はダメなんや、許されへんことなんよ」
「じ、じゃあさっきなんで両思いなんて言ったんですか!」
「男が真剣に自分の思いを伝えてきた、それに正直に答えるんが教師ってことや」
そういうと先生は少し凛々しい顔付きになった。

「それにな、恋愛が始まった時点で教師の公正な立場は失われる。それに社会的信用も失われる。」
「…………」
「男は将来にたくさん希望がある。それを追求するときに不必要な枷を背負わせる事になってしまう」
「…………」
「だから、ウチにはそんな事出来ん。だから……」
「………」
「……卒業まで男の気持ちが変わらんかったらウチは男を受け入れる。」
「……え?」
いま、なんて…?
「もしも、互いにこのままの気持ちで卒業を迎えたら、あんたの女になるって言ったんや」
「はい!わかりました!」
俺は思い切り大声で返事をした。
「おし、ならこの話はもう終わりや、次の授業遅れんようにな」
「ななこ先生もね、じゃ、失礼しました」



俺は毎日、研究室に行った
質問という名目で先生のそばに居たかったからだ

朝は早く起き、学校で先生と雑談
昼は研究室で一緒に食事
放課後も残って、先生と過ごす

そんな毎日がデフォになっていたある日

おれは信じられない噂を聞いた

“かがみと俺がつきあっている?”


一体誰の仕業かはわからない。だいたい俺は妹のつかさの方となら多少親しいが…
姉のかがみとはほぼ面識も無い。
だが噂は一気に広まっていた。当然それはななこ先生の耳にも
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:22:56.31 ID:Gug3bJE0
その日の昼休み、いつも通り研究室に行くと、普段よりテンションが高めの先生がいた。
「なんや、男か。まだココで昼喰うんか?」
「ダメですか?」
「いや〜ダメっちゅうことは無いんやけど、お前の彼女が悲しむんかなぁってな」
「…俺、彼女いないですよ」
「いまさら隠さんでもええって、柊姉と付き合うてるんやろ?噂になってんで」
そういって先生はニカッっと笑った。
「なんにせよ、これで良かったやん。ウチも男がまっとうな高校生になってくれて安心したわ」
「え?それって一体……?」
「この前は男を傷つけるんが忍びなくて演技しとったけど、ウチは年上の包容力の有る人がタイプなんやww」
俺には意味が分からなかった。先生は俺のことを何とも思ってない?
そんな、じゃあこの前のあれは?嘘だった?そんな・・・

「男もウチから卒業できてよk」
ガタッ
「ちょっ、男!急にどうs……いってしもた。」

俺は走った、この気持ちのやり場が分からなかった。
ただ、先生にふられたことは分かった。
先生は俺のことが好きだと思った。思っていた。
でも、先生は違った。こんなことならあの時ふってくれれば良かった。


そう思って、昼休みの喧騒を俺は走り続けた。



―――――

はぁ。ウチもアホや。男に彼女が出来た事でこんな傷つくなんて
やっぱ、年取ってもこういうとこは変わらんなぁ。
何にきたいしてたんやろ、アホやなぁ。
この年齢の男は年上に憧れ抱くなんて普通のことやん。
ソレを恋と勘違いしても普通のこと。
何でこないに悲しい気持ちになるんやろうか。
男は相応の相手見つけて、幸せなんやから。
祝福しなきゃ、でもこの気持ちは……
ダメや、死ぬほど悲しい。胸が張り裂けそうや。
男に今すぐ、噂はデマって言って欲しい。
それで抱きしめて欲しい。
男。ウチは。本気で………

――――――
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:22:58.72 ID:Gug3bJE0
気が付くと俺は元の研究室に戻っていた。
中をそっとのぞくと、ななこ先生が咽び泣いてるのが見えた。
「ぐすっ…えぐっ…男…」
先生の嗚咽がドアの隙間から零れている。
「すきゃ…おとこ……ぐすっ…」

え?聞き間違いか?

いや、違う
確かに俺のこと好きって。やっぱり、嘘じゃなかった!

俺はそのまま研究室に入り、先生を抱きしめた。
「ふぇ…お…とこ…?な…んで…?」
「先生、俺は先生が好きです!噂は誰かが流したデまです!」
「!!」
「俺はずっと先生を思ってます、卒業式に迎えに行く約束も果たします」
「ぐすっ……・・・」
「だから、俺を信じてください!」
先生は体重を俺にあずけてきた。そして泣きはらした瞳でじっと見つめ
「ほんとに…信じていいん?」
小さな声で尋ねてきた。

「はい。先生は俺が幸せにします」
俺ははっきり言い放った。
「わかったわ、ウチも男を信じる」

そういって先生は俺の唇を盗んだ。

余談だが、先生の唇はすごく柔らかかった。

――――

昼休み、誤解が解けた俺と先生。結果的には良かったが、まだ一つ解決しなければいけないことがある。
そう、柊かがみだ。
俺は、かがみを放課後呼び出し話をつけることにした。




「ごめんねー、遅れちゃって。話ってやっぱあのこと?」
かがみが自慢のお下げを揺らしながらこっちに近づいてきた。
「やっぱり、お前も耳にしてるか。俺とお前が付き合ってるとかって噂」
「まぁね、まぁそろそろ呼び出しが来るとは思ってたけどね」
「どういうことだ?」

「あの噂はね、私が流したの」
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:23:02.00 ID:Gug3bJE0
「なんでだ?お前はそんなことをして何の得になる?」
「あんた分かんないの?好きな男の子を振り向かせるための一つの手段ってこと」
「はあ?何言ってんだ?」
「だから、私はあんたが好きなの!」
そういってかがみは俺を押し倒し、キスをしてきた。

「ヤメロ!」
思わず俺はかがみにビンタをしてしまった。
かがみは口を切ったらしい。少し血が流れていた。
「いったぁ、、」
「お前の勝手な妄想で、俺の大切な人が傷ついた!お前は最低だよ!」
「え!?」
「それと、俺のことは諦めてくれ。俺には将来を約束した人がいるんだから…」
「………あ、あは、あはは」
急にかがみの目が虚ろになり、甲高い声で笑い始めた。
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:23:05.13 ID:Gug3bJE0
「そう、そうなの、じゃあ、もう、ようは、ない、じゃあね」
そういうとかがみは走り去って行った。
あいつの目に少しばかり涙がにじんでたのは気のせいだよな、うん。


「疲れた、ちょっと休憩だ」
俺はフェンスに寄りかかった。

少したつと、同じクラスの泉がその場に現れた。
「お、泉じゃないか、どうした?」
「どうした?じゃないよ!!アンタかがみの彼氏でしょ!何かがみを傷つけてるんだよ!!」
なんだ?この展開は。俺がアイツの彼氏?When、いつ?
「はぁ?彼氏でもないし、傷つけた覚えも無い。」
「ふざけんな!アンタがかがみんを傷つけた!かがみんがアンタとなら幸せになれると思ったから私は身を引いた!」
おいおい、何言ってんだこいつ?いみわかんねぇ
「アンタはかがみんを殺した!かがみんは今死にそうな顔してる!アンタがそうしたんだ!」
アイツが死にそう?大体なんで俺のせいなんだ?分かるやつは今からココで俺に説明しろ。
「やっぱり、男なんてそんなもんだよ!アンタが居なければかがみんは傷つかなかった!!」
「おい、さっきから意味が分からない、しっかり説明しろ」
「アンタが居なければ、居なければ、居なければ、」
「おい、泉!!」

アンタノセイダ――アンタガイナケレバ―――
かがみんハワタシノモノダッタノニ――――
―アンタガスベテワルイ――――
――アクハ―ホロブベキ―――ウンメイ――
―――ワタシガアンタヲコロシテアゲル!!!!

ぐさっ!

「ぎゃあああああああああ!!!!」
痛ぇ、何だこれ、腹が熱い!何か出てるよ、痛い痛い、助けてくれ!!
先生!痛い!助けて!先生!先生!!

「アンタガワルイノサ、ソノミデツミノオオキサヲシレ、コノゲドウガッ!!」

そういうと泉は倒れている俺の頭にナイフを突き刺したらしい。



俺は先生との約束を守れずにこの世を去った。





スイマセン、黒井先生出したかっただけなんです
お目汚し失礼しました。連載中の書き手さん頑張ってくだしあ><
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 21:34:05.65 ID:0V5sxz60
>>239GJ
黒井先生ktkr

あと遅筆過ぎてすまない

みゆき「・・はい、なんでしょう。」
男「この前借りた本、難しかったんだよ。」
みゆき「はい。」
男「でも、そこそこ読めてさ、なんとなく話したかったんだ。それで、一緒に帰りたかったんだ。」
みゆき「・・・そうだったんですか。」
男「そうだったんです・・・。」

再び詰まる
お昼休みの続きのように
断ち切る術が男にはわからなかった
背中を押す力が緩んでいく

みゆき「・・・お貸しした本、面白いですか?」
男「!・・うん。すごい面白い。それで・・・その本の話を高翌良とするのが、すごく楽しい。」
みゆき「・・・私も、すごく楽しいです。初めてお貸しした本を返してくれた時からずっと。」

力が緩んだおかげか
それともただのその場しのぎか
意図無く出た話が、空気を少しずつ持ち上げていく

男「会ってからまだ四ヶ月もたってないのに、随分たくさん本借りたよな。冬休みの間も、割と頻繁に会ってたし。」
みゆき「男さん、読むのが早いですからね。」
男「んで、本返すために会うたび、また借りていってた。いい本いっぱいもってるよな。」
みゆき「そして、返しにくるたびに、長話もしてましたよね。」
男「そうそう、借りた本についてな。」
みゆき「・・・あぁいうお話ができるって、すごい楽しいことなんですね。」
男「え?」
みゆき「私、あまりああいうお話をしたことがないものですから。」
男「そうだったのか・・・。あれ、でもかがみとは?あいつも結構本読んでるけど・・」みゆき「・・・かがみさんとは、確かにお話はしますけど、どちらかといえばライトノベルが多いですね。男さんにお貸ししたような本の話はあまり・・。」
男「かがみってライトノベル読んでたのか。」
みゆき「そうですよ。・・・だから、男さんとお話できるのをとても楽しみにしてたんです。」
男「・・・・。」

持ち上げた空気が、少しずつ降りてきた
でも少し 違った空気
暖かさを感じる
重さが減っている
何より――

みゆき「・・・男さんは、皆さんと少し違うんです。」

――居心地がよくなっている
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/15(土) 21:39:37.54 ID:EAq732SO
>>239
せんせーktkr!
ナイス!GJ!

>>240
話が進んできたな みゆきと…かがみか?
続きwwktk
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 22:08:57.88 ID:0V5sxz60
男「?心当たりがない・・・・。」
みゆき「そうですか?私ははっきりと感じてましたよ。・・・皆さんは、確かによくしてくださいます。お話も楽しいですし、よく私を頼りにしてくださって、本当にうれしいです。」
男「うん、高翌良いろいろ知ってるし、成績もパネェしな。」
みゆき「ですが、それは私の好きなことが幸いしているからこそなんです。」
男「好きなこと・・・本を読んで、知識を蓄える?」
みゆき「そうです。蓄えた知識はお話する機会があり、うれしいことなのですが・・・・。」

みゆきはうつむいた
今まで感じてきた思いと 募ってきた想いが
強く強く のしかかったために

みゆき「読んだ本の内容がどんなにおもしろくても、それをお話することはほとんどありませんでした。ましてや、男さんとお話するみたいに、長時間になるなんていうことは一度も。それが少し寂しく思ってましたし、ほんの少し、孤独に思えました。御自分の趣味のお話を億面無く話すことができる泉さんがいつもうらやましかったです。」
男「まぁ、こなたは少し控えめでもいいと思うけどな・・・。」
みゆき「つかささんも、かがみさんも。皆さんとてもうらやましく思えました。・・・言い方を悪くすれば妬んでいたんです。すごく申し訳なくなって、私がこの方たちと一緒にいてもいいのか、と考えるとさらに孤独に思えてきて・・・。」

親友という言葉では測れない気持ち
親友という言葉では解決しきれない気持ち
今まで表に出てこなかった 本当の高翌良みゆき

みゆき「そんな中、男さんとは望んだお話ができました。いつもお話をして下さいました。そのおかげで私の中から妬みの気持ちが少しずつ薄れていったんです。」
男「オレは別に気をつかってるとかじゃなくて、本心で話したかったから・・・」
みゆき「・・・本心でこういう話ができるからこそ、うれしかった。・・・暖かかったんです。」
男「高翌良・・・。」
みゆき「暖かさに惹かれるのに、時間はかかりませんでした。」

みゆきは顔を上げた
強さと儚さをあわせもって
ただ一言 何もかもを覆しかねない一言のために


みゆき「・・・好きです。男さん。」


243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 22:11:12.43 ID:Gug3bJE0
>>240>>241、さんく
Wikiの告白ktkrwwwwwwww
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 22:49:13.15 ID:0V5sxz60
好きという言葉
たった二文字でしかない言葉
人を苦しめかねない言葉 でも

人に幸せをもたらす言葉

男「高翌良・・・。」
みゆき「・・・はい。」

特大の恐れは目をそらさせてはくれない
みゆきは微動だにできなかった

男の真直ぐの目線をただ
受け止めるしかできなかった

男「こなたや、つかさや、かがみ・・・。こいつらはみんな名前で読んでるよな?オレ。」
みゆき「はい・・・。」
男「なんで、高翌良だけ高翌良なのかっていうとな。」

目も瞑ることができない
耳も塞げない
あきらめることもできない

男「・・・照れくさかったんだ。」
みゆき「・・・・え?」
男「どうしても言えなかった。もっと仲良くなりたかったのに、意識しまくりでさ。名前で呼ぶって恋人かよ、恥ずかしすぎる〜・・・みたいな感じでさ。」

恐れが消えた瞬間だった
かわりに涙がこぼれた

安堵と 喜びと 暖かい未来
それらがあふれ出たせいで

みゆき「え?・・え?」
男「オレって弱いよなぁ。名前で呼ぶ勇気すらなかったし、告白なんて考えもしなかったぜ?・・・・オレだって、高翌良とそんな話できるとは思わなくってさ。正直、ずっと惹かれてた。話しているうちに、心の奥でもっと知りたいとか、もっと一緒にいたいとか思ってたんだよ。・・・今こうして、高翌良が好きって言ってくれなかったら、一生胸にしまって風化させるつもりだった。・・・女々しいな、オレも。」
みゆき「そ、そんなこと・・ないです・・。
男「オレはそーいう男なんだ。女々しくて、弱くて。話だって、オレがしたかったからって感じだし、自分本位なんだと思う。・・・・それでもいいのか?」

考えたことの無い
でも、惹かれつづけた日々が築いた
心の奥底にあった言葉

みゆき「・・・そんなあなただから、いいんです。」
男「そう・・か。・・・ありがとう・・・みゆき。」
みゆき「・・・はい!こちらこそ、ありがとうございます。」

目に浮かべた涙は
なかなか枯れてはくれなかった
余韻を楽しむように
こぼれすぎる事が無く
ただ 静かに溢れていた
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 23:27:18.35 ID:0V5sxz60
いつもと違う帰り道 ありふれた例え
いろいろな意味のなかで
格段の心地よさ
それは家に着かなくても
構わなくなるような

男「今日は、おくってく。」
みゆき「・・・はい、ありがとうございます。」

決して小さくない出来事だった
持ちきりになろうとも非が無いほどに

それでも いつもの話題で盛り上がった
二人を導いた話で

みゆき「・・・もう着いてしまいましたね。」
男「ここ!?豪邸じゃねー・・・ぇっくしょい!!さみィ〜・・・」
みゆき「確かに急に寒くなってきましたね。」
男「話に夢中になりすぎて、寒さに気づかなかったのかな・・・。」
みゆき「・・・。男さん。」
男「ん?」

緩やかな衝撃がおきた
ほのかにいい匂いがして
暖かかくて ちょっと苦しくて
ずっとこうしていたいような

男「へ・・・・え・・?」
みゆき「あ、そ、その、だ、だめ・・でしたか?」
男「いや、全然。てか、意外と大胆っすね・・・。」
みゆき「す、すごく寒そうでしたので・・・つい。」
男「(つい、でできるものなのか?)」
みゆき「(・・・暖かい・・・。)」


"いつもの毎日"の終わりは実感できた
恋仲の誕生の犠牲であるために


でも 気づけなかった

互いが友人でなくなったこと

"友情の終わり"は 見ることができなかった

たった今噛締めている
やみつきになりそうな暖かさが隠した



三つ目の終わり―――
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 23:29:31.14 ID:0V5sxz60
やっと区切りついたよぉぉぉ
ほんとに遅筆で駄文でごめんね
WIKIの人、手早すぎる更新乙です
>>241
最近かぶりまくりでwwktkかつgkbr
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 23:47:22.05 ID:Gug3bJE0
>>246
乙!また続き楽しみにしてるぜ!
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 23:52:54.86 ID:AWH66kDO
ちょいと提案なんだが。
男に名前を付けないか? 駄目なら別にいいが。
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 23:56:04.48 ID:z7i.KYAO
共通でですか?
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/15(土) 23:58:24.75 ID:Pjp8GMAO
>>246
お疲れさん!
めっさおもしろいぜww

>>248
それはそれでいいかもな
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/16(日) 00:05:38.32 ID:FN3Hiiko
>>246
乙です 続きにも期待してるぜ

>>248
名前には好みがあるからな・・・
付けたい人が付けて書き始めるのは全然おkだけど
共通で、は現状維持希望
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 00:15:34.01 ID:3LtPLes0
>>248
どっちでもいいじゃん?書き手に一任の方向でいいとおれは思う
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 00:29:30.32 ID:Lygu32DO
ふむ、やはり付けたい奴が付けて付けたくない奴は付けないのがいいかな。


ありがとう、いいデータが取れたよ。










さて、寝るか。
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/16(日) 03:07:28.11 ID:a/Dr.FYo
>>219
えーと、大分今更だとおもうんだが、一畳間は狭すぎると思うんだ。
大体、180×90くらいしかないし。
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 03:40:58.49 ID:8sgLnwAO
>>254
……すいません。そこら辺の知識皆無でして。
六畳間位でしょうか?
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 03:51:59.50 ID:8sgLnwAO
よくわからないので、大変申し訳ないのですが、wikiの方、「一畳間」を「ワンルーム」と代えていただけますか。

…アパートをワンルームっていうのは、変じゃないですよね……?
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/16(日) 04:13:37.30 ID:a/Dr.FYo
>>256
一畳=たたみ一枚分≒90×180

ボロいとこなら四畳半一間とか六畳一間とかでいいんじゃね?


ちなみに一間で一部屋って意味なんで、
「六畳一間」だと「たたみ6枚ぶんのスペースのワンルーム」って意味になる。
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 12:33:24.12 ID:8sgLnwAO
>>257
解説あり。
勉強になります。

wikiの方も対応感謝します。
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 12:56:20.52 ID:3LtPLes0
>>258、オキニなさらずに〜

他に不良があればここかコメントに書いてもらえれば対応します
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 15:18:14.87 ID:Lygu32DO
男「宝くじで1000万当たったんで引っ越ししました」つかさ「どんだけー」
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 23:01:16.83 ID:HJ.Ur/Ao
スレスト・・・だと・・・!?
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:23:28.79 ID:aE.W5sAO
 時間がないので書き溜め分だけ。
続き。


―――

 その後、私とお姉ちゃんで、家の中をしばらく探してみても、男くんは見つからなかった。

「……いない、わね」

「うん……どうしようお姉ちゃん?」

「うーん……勝手に部屋に上がり込んだのも不味いし……今日のところは帰りましょ。……きっと、薬でも買いに行ったんでしょ」

「……うん」

 ……………………。


 部屋の物の位置を元に戻して、私達は帰っていった。
 お見舞いに買ったの桃缶を置いて。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:26:56.69 ID:aE.W5sAO
☆―――

―――

「ぐう……ぐう………………はっ」

 しまった! 寝ちまった! 何時間だ……!?
 ……五時間、か。
 ギリギリ……大丈夫、かな。

「ちくしょー……あれ?」

 ベッドから立ち上がる。……喉が痛くない。咳もでない。熱もない。

「……風邪が治ってる」

 早かったなあ、治るの。展開上の都合ですか?
 ……ま、いいや。こんな時間だし、晩飯作るか。

「―――ん?」

 ふとキッチンを見ると、桃缶一つ。
 ポツンと、置いてあった。

「……おっかしいなあ……こんなもん買ったっけ……?」

 まあいいか。食っとこ。桃好きだし。
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:29:04.21 ID:4KD0HMgo
うん?
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:29:15.94 ID:aE.W5sAO
―――

 晩飯を食べ終わり、その日は深夜一時に寝た。

―――

―――

 今日は五時に起きた。
 朝食を摂り、ゴロゴロし、昼食をとり、ゴロゴロし、晩飯を摂り、また一時に寝た。暇な一日だった。

―――

―――

 今日も五時に起きた。天気は雨。朝食を摂り、ゴロゴロし、昼食を摂り、ゴロゴロし、晩飯を摂り、明日は学校なので十二時に寝た。退屈で孤独な一日。


 二日間、つかさのことを考えてた。
 答えは、決まった。
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:30:32.20 ID:aE.W5sAO
あ、>>219 の続きです。
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:31:02.27 ID:4KD0HMgo
あ、それは分かってます。
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:32:38.30 ID:99wUdIAO
お、始まってる
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:32:50.94 ID:aE.W5sAO
―――

―――

 朝の駅。

「お、今日もいる」

 翌日、駅にはまた、つかさとかがみの姿が。

「あ! 男!」

「男くん!」

「おはよ、お二人さん」

「風邪はもう……?」

「おうよ、一日で治ったよ」

「そっかあ、……よかったあ」

「はは、心配してくれたのか。サンキューな、つかさ」


 やがて電車が来て、俺等は乗り込んだ。
 その後も平凡な雑談。……楽しかった。

 ……やっぱり、人といるのは、心地良い。
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:37:25.99 ID:aE.W5sAO
☆―――

 今日もお姉ちゃんと一緒に朝早くに駅に来た。
 ……あ、やっぱり来た。

「お、今日もいる」
 先に声をかけられる。少し意外そうだ。

「あ! 男!」

「男くん!」

「おはよ、お二人さん」

 にこやかに挨拶をする男くん。元気そうだ。
 でも一応、聞いてみた。

「風邪はもう……?」

「おうよ、一日で治ったよ」

「そっかあ、……よかったあ」

「はは、心配してくれたのか。サンキューな」

 はにかむ彼は、何故かとても、嬉しそうだった。


 ……金曜日に勝手に家に入ったことは、黙っておこう。
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:41:19.86 ID:aE.W5sAO
☆―――

 電車を降りた後、学校の廊下で。

 教室前の廊下でつかさと別れた後、かがみが自分の机に鞄を置いて向こうの教室に行く前に呼び止めた。

「おいかがみん」

「ぶっ……! な、なんで……!?」

「いや、この前泉がそう呼んでたからだな」

「余計なことをするなっ」

 ……よし、反応が面白いからまた使おう。

「いやすまんすまん。
 かがみ。つかさに伝言頼めるか?」

「はあ? そんなの今から自分で……」

「放課後。こっちの教室に来てくれ……って」

「―――。
 返事、するの?」

「ああ」

「……そ、わかった。伝えとく」

 かがみはそう言って、つかさのいる教室へと走っていった。直後に何かにぶつかる音も聞こえた。
 ……何やっとんだあいつ。
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:48:32.14 ID:aE.W5sAO
―――

「―――つまり、ここのxが2bと等しくなり―――」

 ……授業が耳に入らない。
 緊張という名の縄に全身が縛られてるようだ。
 指すらまともにノートをとろうとしない。
 教員の話など右から左へ、だ。
 ……だって、土日挟んでの返事だぜ?
 タイミング逃しまくりだぜ?
 緊張するに決まってる。

「……はあ」

 ……暇だし友の横顔でも見てるか……ってあいつサボりだった。
 じゃあかがみ……ん?
 今、視線がぶつかった。
 慌てた感じで顔を背けるかがみ。
 ……? 何だ、あいつ。
 …………、…………、…………。
 ……しばらく見つめても反応がないので、しょうがないから窓の外を見て過ごした。


―――そして、今日は速く、速く過ぎていった。
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 00:55:25.58 ID:aE.W5sAO
―――

 時は速くも放課後。
 今日の体感的スピードは当社比五倍でした。
 ぼう、と机に座ったまま、時間が経つのをまった。
 ……やがて、教室から生徒が居なくなる。
 また、窓の外を見る。
 天気は昨日雨が降ったおかげで、晴れ。
 今は夕方だから、綺麗な夕焼けだ。
 ムード満点である。


 ガラ……。


 教室の、ドアが開いた。
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 01:03:07.08 ID:aE.W5sAO
 ……来た。
 ドアの方を見ると、予想通りに柊つかさ。彼女がいた。うつむいている。
 俺は立ち上がる。

「……呼び出したりしてごめんな、つかさ」

 声をかけた。
 するとつかさはピクッと反応し、顔をあげた。

「あ……ううん、私も、呼び出したし……」

 ゆっくりとつかさは教室内に入ってきた。それに対応するように、俺もつかさに近寄る。
 ……そして、ピタリとちょうど教室の真ん中で、同時に足を止めた。
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 01:12:08.15 ID:aE.W5sAO
 ……距離は1・5メートル程。
 微妙な距離だった。

「つかさ……」

「な、何……?」

「俺の話を、聞いてくれるか?」

「……うん」

「ちょっと……長くなるけど」

「……うん」

 許可を貰い、俺は独白を始める。

「……俺さ、人と居るのが怖いんだ」
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 01:12:42.99 ID:4KD0HMgo
寝るべきか起き続けるべきか……
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 01:18:58.36 ID:aE.W5sAO


「え……?」

「俺は昔……といっても、ここに来る前だから、半年程前だけど」

「……ある、事情で、迫害を受けてたんだ。
 気味悪がられてた。クラスメイトにも、教員にも、……両親に、さえも」

「その内、人と居るのが、ただ関わるだけで嫌われるのが、怖くなったんだ」

 独白を続ける。
 つかさは真剣な顔で、聞いてくれてる。

「……でも」


「―――でも俺は、人と話したり、一緒に居るのが、大好きなんだ」
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 01:24:27.15 ID:aE.W5sAO


「誰かと居るだけで。
 誰かと何気なく話してるだけで。
 ……俺は、幸せだった」

「……でも、それが叶わなくなって」

「……それでも、必死に、誰かとの関係を築こうとしてた」

「……寂しくて、虚しくて……孤独だった」

「それで……全ての関わりを、一度全部断とうと考えた」

―――それは、俺にとって死ぬほどつらいことだったけど。

「……じゃあ、それで男くんは……」


「ああ、この町に来たんだ。
 全てをやり直す為に」
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 01:32:33.65 ID:aE.W5sAO


「この町に来て……かがみに会った。
 初対面の俺に親切にしてくれて、めちゃくちゃ嬉しかった」

 あの好きという感情は、多分、ホントの好きとは違うんだろうな……。
 優しくされて、ココロが揺れただけだったんだと思う。

「学校に通って、友……岸場に会った。
 久しく居なかった友人ができた」

 あいつは最初っからバリバリ馴れ馴れしくて、でもそれが、また嬉しかった。

「そして、色んな人達と、関われた」

 それが俺にとって、どれだけの幸福だったか。


「そして、五日前、―――つかさに、告白、された」
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 02:01:06.81 ID:aE.W5sAO
 書き溜め分終わったけど中途半端なので書きます。





 その言葉を聞いて、つかさが赤くなる。
 ……ちょっと、言い方が不味かったかな。

「え、えーと。
 ……それで、つかさと、しばらく話してなかったかがみと、関わりを持った」

「……楽しかったよ」

「ありがとう」

「そ、そんなこと……」

 突然のことに慌てるつかさ。
 ……そう、そんな彼女が、可愛かった。

「そんなこと、あるんだ。
 ……つかさ、俺はまだ、君にあったばかりだし、……俺みたいなのが、なんて思うよ」

 ここ数日で、色々わかった。
 とてもいい子だってことも。
 ……一緒に居たいって、思うことも。


「……でも、つかさが好いてくれるなら、こんな俺で良いのなら……俺は、つかさと付き合いたい」
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 02:16:48.00 ID:aE.W5sAO


 沈黙。
 しばらくの沈黙の後、

「……うぐっ、ひぐっ」

―――泣き出した。

「うええっ!? どうしたつかさ! な、何泣いて……っ」

「ご、ごめんね……男くん……わ、私、私嬉しくて」

「…………つかさ」

「ぐすっ……男くん」

 涙を拭い、つかさが俺の顔を見る。
 顔は、既に真っ赤だ。

「……五日、経っちゃったから、もう一回、私から、言うね?
―――私、男くんのことが、好きです」

「―――ああ、よろしくな、つかさ」


―――その顔は、真っ赤になってて、飛びきりの、笑顔だった。
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 02:39:15.31 ID:aE.W5sAO
……すいません。限界にてもう寝ます。
明日は学校だー…
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/17(月) 08:35:54.52 ID:ZbY1ESQo
まだあったのか
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 09:38:18.27 ID:zPkWekSO
乙!!
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 09:42:10.46 ID:99wUdIAO
乙!無理すんな!
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/17(月) 13:37:34.22 ID:1QFU7Iwo
>>222
遅くなったけどありがとう。
また機会があったら、空白減らして読みやすくなるよう心がけてみます。

いざ自分で書いてみると、書き手のすごさが改めてわかるな。
長編書いてる人、楽しみにしてるからのんびりがんばれ
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 19:28:31.52 ID:KZwqB2AO
少し投下します、長くなるかもしれませんがお暇な方だけお付き合い下さい



「かがみ…俺と付き合ってくれ」

「な、なによ。いきなり」

「いきなりではないだろう?俺とかがみは同じクラスで隣りの席という事もあり、たまに色んな話しをしながら少しづつ仲良くなった仲じゃないか」

「誰に説明してんのよ…っていうか私でいいの?」

「当たり前だろ!…やっぱりダメか?」

「…そんなことない…わよ」

「えっ?そ、それってOKって事?」

「まぁ…OKという事で…」

「やったーーーーー!!」

「こ、こら大声だすな!恥かしいでしょ!」

歓喜の声が校舎裏に響いた
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 19:39:23.33 ID:KZwqB2AO
次の日の昼休み 屋上

「お・べ・ん・と・お・べ・ん・と・楽しいなぁ〜♪」

「何歌ってんのよ…っていうか男、毎日購買のパンよね?飽きないの?」

「仕方ないだろ?うちの両親共働きであんまり家にいないし」

「だからって、少しは栄養のあるもの食べなさいよ、もしかして夜もカップラーメンなんて言わないでしょうね?」

「まぁ概ね当たりだ」
「あんたは…っていうかお昼でよかったら私作ってこようか?」

「ほ、ほんとに?」

「あ、あんまり期待はしないでよ?そんなにうまくないんだし…」
「そんなの関係ねぇ!やったーーーーーー!!」

「こら!いちいち大声ださないでよ」


その日の昼休みは回りの目が多少痛かった
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 19:49:43.18 ID:KZwqB2AO
「かがみ帰ろうぜ〜」

「あっうん、ちょっと待って」

帰宅途中

「うわ、あの人女の人こんな寒いのに偉い薄着だな…胸もでかいし」

「ど・こ・みてんのよ!」

「いたたっ、ごめんごめん、だから耳を引っ張るのはやめてくれ〜」

「まったく、男ってのはどうしてあんのが好きなんだか…」

「いや好きと言うより…ロマンかな」

スタスタスタ…

「あぁっかがみ置いてかないで!!」


その日はしばらく口を聞いてもらえなかった
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 19:56:01.30 ID:lYNB/Vk0
この男はかわいいなwwwwwwww
wwktk
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 19:56:15.90 ID:n5mk7rAo
ワッフルワッフル
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 19:57:37.72 ID:KZwqB2AO
「はい、お弁当」

「お、サンキューいつも悪いな」

「だったら少しは自炊しなさいよ…」

「それは無理な相談だ」

「…そのうち料金とるわよ」

「俺の愛でご勘弁を…」

「バカ!冗談よ、さっさと食べましょ」

「待ってました!いただきま〜す、うっひょ〜今日もまたいいお弁当」

「あんたは好き嫌いがないから助かるわ〜」
「ハートの形のノリとかは作ってくれないの?」

「ハートが黒くてどうすんのよ…まっ気が向いたらね」

「やっーーー…」

「まった大声禁止!」
次の日のお弁当にはハートの形の人参が入っていた
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 20:04:57.64 ID:KZwqB2AO
「ねぇつかさ?」

「何?こなちゃん」

「ここ最近かがみんをみかけないんだけど…」

「あ〜おねぇちゃん最近隣りのクラスの男君とよく一緒にいるみたいだよ?」

「男?誰それ?」

「ん〜多分彼氏さんかな〜、毎日早く起きてお弁当作ったりしてるし、昨日もずっと電話してるみたいだったから」

「かっ彼氏〜〜?ぬぬぬ…うちの嫁をよくも〜〜!つかさ!次の休み時間はかがみんのクラスに突撃だよ!」

「だ、ダメだよ!それはおねぇちゃんに悪いよ!」


結局つかさはついてきた
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 20:12:19.27 ID:KZwqB2AO
「ほほぉ〜これが噂の…」

「は、初めまして」

「ん〜なるほど〜これがかがみんの趣味か〜。」

「こ、こなちゃん…」
「あっこらあんた達何してんの!」

「やぁかがみんお邪魔してるよ〜どこ行ってたの?」

「ちょっとお手洗いにっていいからちょっとこっち来なさい!」

「あ〜れ〜〜〜〜お戯れを〜」

「ふふ…こなちゃん楽しそう〜」

「つかさもよ!!」

「あっごめん、じゃあまたね〜男君」

「あ、うん。またね」
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/17(月) 20:14:43.60 ID:IYxZAcSO
wwktkwwktk
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 20:24:34.30 ID:KZwqB2AO
廊下

「まったくあんたたちは何してんの?あんまり男困らせないでよ?」

「いやぁ〜かがみんに変な虫が付いてないかの確認だよ」

「何言ってんの…つかさも、こなたが変な事しないようにちゃんと止めなさいよ」

「うん…ごめん」

「だって最近かがみん全然構ってくんないしさ〜、寂しかったんだよ〜〜、彼氏が出来たなら紹介ぐらいしてくれてもいいのに…」

「そ、それは謝るけど…もぉ!とにかくあんまり男困らせないでよ?分かったわね?」

「「は〜い」」

返事を聞くとおねぇちゃんは教室に戻っていった

「ねぇつかさ?」

「何?こなちゃん?」
「二人っていつもどこでお弁当食べてるの?」

「え?たしか屋上だけど…それがどうしたの?」


「屋上…か」


その時こなちゃんの目が一瞬光をおびた…気がした
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 20:34:26.22 ID:KZwqB2AO
昼休み

男待ってるだろうな…急がなきゃ。
私は職員質からでると二人分のお弁当を教室から取り屋上に向かった

「ごめん!男〜待ーーー…」

「ねぇ男はさどっちがチョココロネの頭だと思う?」

「あ、頭?そんな風に考えた事ないからな〜」

「こなちゃんそれ私にも前に聞いてたね〜そんなに気になるの?」
「いやいや、色んな意見を聞くのも大切なーーーってかがみんいつの間に!」

「おっかがみおつかれさん」

「おねぇちゃんお帰り〜」


「あんたらは…」
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 20:44:07.96 ID:KZwqB2AO
「はい、男お弁当」

「サンキュー」

「おぉ〜これが噂のかがみん弁当!!」

「泉も少し食べるか?」

「だーめ」

「えぇ〜かがみんのケチ〜」

「じゃあ私がーー…」

「つかさ!」

「バルサミコ酢〜」

「かがみ、そんなに怒るなよ、二人とも悪気があるわけじゃないんだから」

「お〜男〜さすがだよ〜輝いて見えるよ」

「そ、そうかな…まっ何にせよ折角だし、みんなで食べよう。いいだろ、かがみ?」

「まぁ男が言うなら…」

「そうと決まれば」


「「「いただきまーす」」」


「あんたたちは…」
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 21:01:20.56 ID:KZwqB2AO
放課後

「かがみ〜いこ〜?」

「あ、うん。男…今日はごめんね?」

「気にしてないよww楽しかったし」

「私は…二人がよかったけど…」

「ん?何か言ったか?」

「ん〜ん、何でもない行こ!」


「まてぇぇぇい」

「まさか…」


「一人よりも二人、二人よりも三人…楽しさを分かち合う人は多ければ何倍もなり、また辛い事は人数の数だけ分割されていく…人、それを仲間という」

「だ、誰だ!」

「悪党に名乗る名などない!とう!!」

「飛んだっ!?」

「コナタ・イズーミ見参!!」

「思いっ切り名乗ってんじゃない…それで何の用?」


「そ、そんな醒めた目でみないでよ。かがみ〜ん一緒に帰ろ〜よ〜」

「おねぇちゃんゴメンね…一応止めたんだけど…」
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 21:14:57.75 ID:KZwqB2AO
「ハハっやっぱ泉は面白いなぁ〜よし、四人で帰ろう!」

「ちょっちょっと男?」

「「わ〜い」」

「はぁ…」

その日の夜

『そんなに怒るなよ〜』

「別に怒ってないわよ、ただもう少し気をつかってくれてもさぁ…」

『二人とも寂しかったんだよ、とくに泉は。大丈夫、そのうち飽きるって』

「だといいんだけど…それじゃ切るわね?おやすみ男」

『あれ?好きだよ、男おやすみじゃないーーー…』

「バカ」

ガチャン プープープー…


私は少しは照れ笑いをうかべながらベッドに横になった


「そうよね…すぐ飽きるわよね…好きだよ、男おやすみ…」
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 21:30:53.81 ID:KZwqB2AO
「さて今日もはりきって帰ろう〜!」

「ヒソ…ちょっと男?」
「ヒソ…どした、かがみ?」

「ヒソ…一週間たったけど…状況に変化が見られないんですけど」

「ヒソ…大丈夫…だよ、多分…そのうちきっと飽きるよ」

「こら〜そこの二人〜?早くしないと置いてくよ〜?」

「いっそ置いてってくれ…」

「まぁまぁ、かがみ、そう言わずに…」

「男〜…あんた少し楽しんでるでしょ?」

「まぁ…多少ww」

「バカ!」

「二人とも早く〜〜」

「おぉ今行くよ、泉〜」

「…少しは気を使ってよね」
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 21:42:33.72 ID:KZwqB2AO
次の日の放課後

「かがみ〜ん、男〜帰ろう〜…ってあれ?」
「二人ともいないね〜」

「し、しまった逃げられた!つかさ急ぐよ!」

「えっ?あ、うん」

「ハァハァ…ここまできたら…安心…よね」
「ハァハァ…でもこんな逃げるように帰らなくても…」

「し、仕方ないでしょ?た、たまには二人で帰りたいじゃない?それともみんなでの方がよかった?」

「いや…そんな事はない…けど」

「けど?」

「あ、いや、そんなことないです!」

「よかった…じゃあ…帰ろっか?」

「…おう」


「見つけた〜〜〜〜」

「「まさか…」」
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 21:45:01.84 ID:KZwqB2AO
文字だけで人を動かすのがこんなにも難しいなんて…いきなり書き方変わるかもです、ごめんなさい…完全に実力不足です。
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:06:59.06 ID:KZwqB2AO
「もぉ〜二人とも置いてかないでよ〜」

「泉…よく追いついたな」

「こなたの足の早さを忘れてたわ…帰り道を帰るべきだった」

しばらくすると息を切らせながらつかさが追いついた

「こ、こなちゃん早過ぎるよ…」

「ごめんね、つかさ〜二人の後ろ姿が見えたからさ、つい」


「あんたは…」

溜め息混じりに言うかがみは呆れた顔をしていた。


「まったく、かがみんは油断も好きもないんだから、さ、帰ろ」

そう言って泉は俺の袖を引っ張った

「お、おい泉、そんな引っ張るな」

「もう逃げられないように男は人質!」


その時呆れ顔のかがみが一瞬悲しいような怒ったような、何とも言えない顔でこなたを見つめた
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:15:41.19 ID:KZwqB2AO
その日の夜 かがみの部屋


最近、ちょっとした事でイライラしてしまう自分がいた…今日だってそう、こなたが男の袖を引っ張った時…すごく辛かった…私はまだ男と手もつないでないのに…
男だって…もっとハッキリ嫌がってくれてもいいのに…
まったく…私がしっかりしなきゃ男はすぐ流されるんだから…
そうだ…私がしっかりしなくちゃ…男…守んなくちゃ…

その日はなかなか寝付けなかった
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/17(月) 22:20:16.34 ID:zSTnyMYo
>>303
おkおk
十分よく書けてる。これで実力不足だと俺は困る・・・
台詞回しや空気が本物(原作)に近くてうまいと思う

気楽に、でもがんばって書き続けてみてくれ
続きwwktk
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:26:10.67 ID:KZwqB2AO
次の日の朝

「おね…ゃん…るよ」
んっ

「おねぇ…ちこ…るよ」

んんっ

「おねぇちゃん遅刻するよ〜!」

「ええっ!?」

ガバッ

時計を見ると時計の針はもうすぐ七時半を大きく過ぎていた…

「しまった、お弁当!!」

「えぇ!?今から作るの?そんな時間ないよ?」

「でも男が…」

「大丈夫だよ、男君なら許してくれるよ、ね?急ごう?」

昨日…しっかりしなきゃって思ったばかりなのに…

「うん…」

私は暗い足取りで学校に向かった
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:38:35.47 ID:KZwqB2AO
その日の昼休み

「男…ごめん…今日寝坊してさ、お弁当作れなかった…」

「…そっかまぁ残念だけど、いつも作ってもらってばっかりだし、文句は言えないよ」

「…本当にごめん」

「気にしすぎ!たくっ朝から暗いと思ったらそんな事か…じゃあ購買にパン買いに行くの付き合ってくれよ?」
「うん!ありがーー…」

「おねぇちゃん、男君ちょっと待って!!」
「どうした?つかさ?」

「えへへ…実はじゃーん!!」

つかさが取り出したのは三人分のお弁当だった。

「えぇ!?まさか?」
「うん!今日おねぇちゃん朝起きてこなかったから私が作ってみたの」

つかさ…?何で?

「はい、男君。はい、おねぇちゃん」

「うぉ〜ありがとうつかさ〜」

「ありがと…つかさ…」
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:53:55.64 ID:n5mk7rAo
わっふるわっふる
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:55:42.66 ID:KZwqB2AO
つかさのお弁当は私が作ったものよりもとても手がこんでいて…男の分は私達より多めに作ってあって、男の子が好きそうなものがちゃんと入っていた…

「おーすげー豪華だな。彩り緑ちゃんだ」

「えへへ…男君がどんなのが好きかわかんなかったからちょっと苦労したよ〜」

「いやいや流石つかさだねぇ〜かがみんの作ったお弁当より華があるよ〜」


…ウルサイ


「そんなことないよ〜おねぇちゃんだって最近本当にお料理上手になってきてるんだよ?ねっ男君?」


「ガツガツ…へっ?ふぁに?」


「どんだけ〜」


その時の三人の笑い声が…いままで感じた事のないほどの居心地の悪さを感じた

311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 22:57:15.45 ID:4KD0HMgo
これは期待できる
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:01:42.84 ID:KZwqB2AO
>>306

そう言ってもらえるとかなり助かります。
原作実はあんま読んだ事ないんだけど、いままでの長編と記憶を合わせてキャラを書いてます。
他にも書いてる人がたくさんいるのでなんとか一気に終わらすつもりです。
よければみなさんしばしのお付き合いを…
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:12:16.35 ID:b86mCy.0
なかなか面白いなぁ。
焦って一気に終わらすことないと思うよ。
ゆっくりやっていっても誰も文句言わないし。
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:16:19.57 ID:KZwqB2AO
その日の夜 かがみの部屋

結局その日はつかさのお弁当に手を付ける事ができなかった…

男…何もあんなに喜ばなくたっていいじゃない…
私だって…一生懸命作ってるつもりだよ?
私のお弁当じゃ…満足できない?
…私じゃだめなの?

自己嫌悪に陥りながら私の頭の中にはもう一つ別の感情が生まれていた

つかさ…何で起こしてくれなかったの?
つかさ…何であんな余計な事するの?
つかさ…お弁当作りは私の役目なんだよ?
私が男に喜んでもらうために、私が始めたの…私が…わたしが…ワタシガ…


その時

コンコン…

「おねぇちゃん?少しいい?」
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:34:30.18 ID:KZwqB2AO
「おねぇちゃん、もしかしてどっか悪いの?」

「そんなこと…ないわよ」

「今日だって私のお弁当あんまり食べてなかったし」

私のお弁当…か

「放課後だって一人で帰っちゃうし…男君心配してたよ?」

男と帰ったんだ…

「でも、男君って本当に面白いよね〜。私の作ったお弁当一気に食べ過ぎて喉につまらしちゃうんだもん」

私のお弁当…私のお弁当…ワタシノオベントウ…

「つかさ」

「え、ど、どうしたの?」

「一人にしてくれない?」

「えっでも…」

「つかさ!」

316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:43:09.06 ID:KZwqB2AO
一瞬にして辺りは凍り付いた…いやもともと温かい雰囲気なんてそこにはなかったのかもしれない…

「おねぇちゃん?本当に大丈夫?熱とかない?もしかしてお腹が痛いとか?」

それでもつかさは必死にその場を取り繕っていた…いつもとは違う私を本当に心配してくれているのだろう…
そんなつかさの優しさが…
今日は吐き気がするほどの嫌悪感に変わっていく


「そ、そうだ今日帰り道での男君ねーーー」

男…おとこ…オトコって男はあんたのものじゃないのよ…アンタノモノジャ…

その時私の頭の中に何か声が聞こえた気がした…

そして私は…
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:53:55.96 ID:KZwqB2AO
「お…ゃん」

「おね…ゃん」

「苦し…いよ…おねぇちゃん…」

私は知らぬ間につかさの首を締めていた。

「あっ」

私はすぐに手を放した…力なく座り込んだつかさが苦しそうに咳をしている…

「ごめん…とにかく一人にして…」

つかさは静かにうなずくと私の部屋を後にした

私はまた自己嫌悪に陥りながらも…どこかで自分のとった行動を完全に否定する事が出来ずにいた。

私が男を守らなくちゃ…男を守らなくちゃ…男ヲ守ラナクチャ…


その日からつかさは屋上でお弁当を食べる事を私達と一緒に帰る事をやめた…
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/17(月) 23:59:37.93 ID:n5mk7rAo
wktkwktk
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 00:00:48.22 ID:CH.GkFoo
かがみが本格的に病んできたな
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:06:58.03 ID:jaclKgAO
それから数日すぎ
昼休み 屋上

「なぁこなた?」

「なぁに男?」

「最近つかさをみないのだが?」

「ん〜誘ってはいるんだけど、みゆきさんと食べるからって断られるんだよね〜帰りも同じ理由」

「みゆきさんも来ればいいのに…」

「ダメよ、男は巨乳好きだから、みゆきに何か危なっかしくて合わせらんないわよ」

「なんだよそれ〜かがみは何か知らないのか〜?」

「さぁ?家では普通よ?こなたもみゆきと食べて来れば〜?」

「ぬぅあからさまな戦力外通報…監督私はまだ戦えます!!」

「よくいった泉!お前ならきっとまだ戦えるはずだ!」

「監督〜!!」

「いい加減にしなさい!」

321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:08:11.56 ID:jaclKgAO
あ、ID変わりましたが続きです
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:10:49.63 ID:WO8Xd2g0
追いついた
普通にしてるかがみんKOEEEE
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:12:03.05 ID:bUAeHQAO
もうwktkが止まらないぜww
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:18:08.45 ID:jaclKgAO
それからまた数日して放課後

「あれ?こなたは?」
「今日は用事があるから二人で帰っててさ」
「へ〜あいつもやっと空気読んだんだ?」

「今日はって強く言ってたから今日だけじゃないか?」

「あっそ…」

「なぁかがみ?せっかくだし聞きたい事があるんだが?」

「ん?なぁに?」

「つかさと何かあったか?」

またか…

「だから何にもないったら…」

「本当か?」

「少し信じたら?」

「むぅ…そだな、ゴメン変な事聞いて」

そんなに気になるのかな…

「それじゃあ私も言わしてもらうけど…あんた最近こなたと仲良くし過ぎよ?」

いつの間にか「こなた」何て呼んじゃってさ…

「そうかな?まぁ気をつけるよ」

本当に分かってるんだか…
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:22:53.47 ID:jaclKgAO
読んでくれてる人すいません。誤字が目立って来ました…
細かいですが男はみゆきとは呼びません。高翌良と呼んでいます。
さっきのかがみのセリフも細かいですが「少しは信じたら?」です…本当にすいません。出来るだけ減らしていきます。
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 00:24:09.89 ID:XS8TN6Ao
うまいな〜…これで実力不足とか言われると俺は泣くぜw
かがみん怖いよかがみん(((゚д゚;))))と震えつつwktkします
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:25:56.45 ID:HuIcEHAo
誤字脱字気にしないぜ
脳内補完するからイインダヨー
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 00:30:55.06 ID:XS8TN6Ao
>>325
焦らずにゆっくり見直してから投下していいと思うよ〜
時間が多少かかっても自分のペースでおk

そんなこと言う俺はいつも後から書き直しになるダメな人orz
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:31:32.44 ID:jaclKgAO
次の日の放課後

「すまん!かがみ!!今日家の用事があるから先帰るわ!」

「えぇ〜?」

「埋め合わせはまた今度な?悪いけど行くわ」

「高くつくからね?」
私にわかったよという顔をしながら男は走っていった。
はぁ…帰ろう






しばらくして…学校
校舎裏

「こなた、こっちだ」
「あいよ〜かがみんは?」

「大丈夫、うまく誤魔化したから」

「そっか、そっか、それじゃあさっそく情報交換といこうか?」

330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:45:11.98 ID:jaclKgAO
「で?かがみんは何て?」

「ん〜それが何にも、いつものかがみだった」

「そっか…」

「こなたの方は?つかさ何て?」

「ん〜それがさ…つかさも初め何にも言ってくれないからさ…私…ムキになっちゃって…つい怒っちゃったんだ」

「それは、しかたないだろ…最近の二人みてて何にもないなんて信じる方が難しいよ…」

「うん…だから私、言ったんだ、友達を信じなさいって…そしたらつかさ、急に泣き出しちゃって…」

そう話すこなたの目も少しだけ潤んでみえた
「それでね、男…一つだけ約束して欲しい事があるんだ…」

「なんだよ?」

「私が何を話してもかがみんの事…嫌いにならないでね?」

真剣な目でこなたは俺を見つめた…元気な不利をしてはいるが、こなたの目は不安で一杯のように見えた…昨日そうとう悩んだんだろう…俺はそんなこなたの気持ちに答えるためにこなたの目をしっかり見つめ返して答えた

「…当たり前だろ」
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 00:56:38.03 ID:jaclKgAO
こなたは少しだけ回りを伺うと、少しだけ小さな…しかしはっきりとした声で言った…


「つかさ…さ、かがみんに首…締められたんだって」


少しだけ頭が真っ白になった

「な…何でそんな…」

「理由はつかさも分かんないらしくて…でもそのときのかがみん…すごく怖かったって…それで…」


「一緒にいるのが怖くなった訳か…」

「うん…男…信じてくれるの?」


「いっそ冗談にしてくれた方が俺も楽なんだけどな…」

ははっと渇いた笑いが響いた…

「ごめん…」


こなたも俺もそれっきりうつむいたまま話すのをやめた…
夕暮れの校舎が今日だけはやけに不気味に感じた…


そして沈黙が回りを完全に覆った時、こなたでも俺でもない別の誰かの声が響いた


「二人でこんな所で何してんのよ?」


332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:03:22.24 ID:WO8Xd2g0
wwktkwwktww
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:10:51.78 ID:jaclKgAO
時間は戻って…

はぁ…帰ろう

私は何気なくこなたの教室を覗いた
そこにはこなたはいなかった

変なの…いつもは呼ばれなくても勝手にくるくせに、昼休みはいたし…休みって訳じゃないわよね?
私は少し不安を感じながら男の下駄箱に向かった…そして…

「靴…あるじゃない」

こなたの靴の場所はわからない、けどあの二人が一緒にいる…そんな気がした…
私は夕暮れの校舎に戻り…歩き出した

屋上…教室…図書館…体育館…どこにもいない…
不安が少しずつ大きくなっていく…

「ド・コ・ニ・イ・ル・ノ・カ・ナ」

音を立てて崩れていきそうな心を私は必死に押さえた…そして


ミーツケタ…


そこには二人でうつむきながら一緒にいる二人がいた…
私は暴れ出したい気持ちを押さえて言った


「二人でこんなとこで何してんのよ?」
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:19:06.43 ID:jaclKgAO
すいません、睡眠飛ばすために少し休憩します…明日は休みなので限界まで書いてみます。心配してくれる方、読んでくれてる方。
こんな駄文にwwktkしてくれる方。
ありがとうございます

ーしばらくお待ちくださいー
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:20:37.61 ID:WO8Xd2g0
おつかれー
イイヨイイヨーカガミンコワイヨー
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:24:03.78 ID:vXr5KcAO
心理描写がうまいだけに複雑だ…
かがみん…
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:31:18.18 ID:oyXtzcAO
唐突に。
>>282 です
ちょっと煮詰まってないので今日はお休みします。
明日からは冬休みなんで多分書けるかと。

>>334
ごゆっくりー
楽しませていただいてます。
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:40:03.59 ID:jaclKgAO
>>337

wwktkしてますよ〜
眠眠打破はとてもまずかったですが再開します

そしてなんとか今日中に終わらせてみせます。

行き当たりばったりですがやぁぁぁってやるぜ!!
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 01:48:04.25 ID:CH.GkFoo
よっしゃついていくぜwwktkwwktk
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:49:14.78 ID:WO8Xd2g0
早すぎる復帰に感動した

オレも冬休みだから追っかけるよ〜wwktk
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:49:52.95 ID:jaclKgAO
「かがみ…」


「かがみん…」


「な、なによ?お化けでも見たみたいな顔して…顔に何かついてる?」


「い、いや何でもないよ!っていうかどうしてここに?」

「男の靴…下駄箱にあったからさ、まだいるのかな〜って探し回っちゃったわよ」

「そ、そっか」

「帰るわよ?用事…あるんでしょ?」


「そうだな、よしじゃあみんなで帰るぞ〜」

「「………」」

「おいおい…どっちでもいいから返事してくれよwwww」

「…ごめん、今日は遠慮しとく」

「あら?いつもはよばれなくてもくるあんたが?珍しい事もあるわね〜明日は雨かな〜」
「そうかもね…」

「な、なによ冗談でしょ?」


「そ、そっか…じゃあこなた、また明日な!」


「うん…明日」
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 01:58:55.49 ID:jaclKgAO
その日の帰り道

「…………」


「…………」


「…………」


「…ちょっと何か話してよ?」

「え?あぁゴメン」


「…………」


「…………」


「…………」


「あんたねぇ…」


「あっ…ゴメン」


「そんな謝んなくていいわよ…っていうかさっき二人で話してたの?」

「いや…そんな大した話じゃないんだけど…」

「用事…あるのほっぽり出したくせに?」

「いや…それは…」

「…話しなさいよ」

「…かがみ怒ってる?」

「そんな訳ないでしょ?…いいから、話しなさいよ」

「………かがみとつかさの事話してた」
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 02:17:45.88 ID:jaclKgAO
その時…私の心臓が強く脈打つのを感じた…

「へぇ〜、それでこなたは何て?」


男に私の心を悟られてはいけない…本当の事を話せば…全て崩れてしまう…

「……つかさの首…締めたんだって?」

さっきよりも強く私の心臓は脈を打った…

「どうしてそんな事…」

私が貴方を守るの…つかさじゃない…私が男を守るの…私ガ男ヲ守ルノ…

「ち、ちょっとね、勉強がうまくいかなくて…イライラしちゃったのよ」

「でも、せれだけでーーー…」

「いいの!本当に悪いとは思ってるし…帰ったらつかさにまた謝っとくから」

ダカラ…私ノ話シ…シヨ?

「…約束な」


「まったくつかさもそんな事気にしてるなんてね〜私に直接言ってくれたらいいのに…」

男は黙ったまま…
私達は帰路についた…

私ノ話シ…シテヨ…モット…私ヲ気ニカケテヨ…

344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 02:33:22.53 ID:jaclKgAO
夜 柊家


「…つかさちょっといい?」

夕飯を食べ終えると私はつかさを部屋に呼んだ


「ど、どうしたの?おねぇちゃん…」


「あんた…あの事こなたに話したんだ?」


「…あ、あの事って?」

私は少し苛つきを覚えながら…務めて冷静につかさに言った

「私があんたの首締めた事よ」

そう言うとつかさの顔が少しづつ恐怖に彩られていった…

「別にこなたに何話したって気にしないわ…ただ男に伝わるのはちょっとね…」

つかさは俯いたまま何も言わない…

「何とかいいなさいよ!!」

それでもつかさは俯いたまま、まるで子犬のように肩を震わせるだけだった、私は…少しづつ苛つきが高まっていくのを感じた…

その時…声が聞こえた…前と同じ声…ただ違うのは…その声が…ハッキリと聞き取れた事…その声は言った…





コロセ…
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 02:45:02.53 ID:jaclKgAO
「かがみ!何してるの!!」

私の声を聞いて家族が私の部屋に駆け付けた…

「手を放しなさい!」

手…?私は自分の手を見た…あの時と同じ…私はつかさの首を絞めていた…

突き飛ばすようにして私からつかさを奪い取ると家族は私を一斉に睨み付けた…


「あんた!何してるかわかってるの!!」

「だ…大丈夫だから…おねぇちゃん…ちょっと疲れてるだけだよ…ね?おねぇちゃん…」


うるさい…ウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイ

あんたに同情なんてされたくない…誰も…誰も私を見てくれない…わかろうともしてくれない…
いらない…みんないらない!!

私は家を飛び出した…
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 02:57:57.81 ID:jaclKgAO
行くあてもないまま…私はフラフラと歩いていた。
誰にも会いたくない…結局、誰もいない近所の公園のベンチに腰掛けた…

「寒い…」

着の身着のままの私はひどく薄着で…全身を襲う冷気に身を震わせていた…

「携帯くらい…持って来ればよかった…」


「このままいたら…死んじゃうかな?」


「まぁそれでもいっか…」


何か疲れたな…今日はひどく疲れた…

あぁ…会いたい人…一人いたや…男に…男に…会いたいなぁ…

少しづつ寒さも忘れて何もかも薄れて来て…それでも私は笑っていた…幸せな時を思い出して…
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 03:04:26.72 ID:jaclKgAO
あったかい…ここが天国なのかな?

…私死んじゃったのかな…

男に会いたかったな…
「…ろ」

ペシペシ

天国って痛いんだ

「…きろ」

しかもうるさい…あぁでも男の声に似てるから許す…

「起きろ!かがみ!」

「えっ…」


目を開けるとそこには男がいた…やっぱり…天国なのかな…


「かがみ!」


ペシペシ

あぁでも痛いやってことは…


「男…?」

348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 03:13:19.52 ID:jaclKgAO
「かがみ!!」


男は涙を浮かべながら私を抱き締めた…


「よかった…生きてて本当によかった…」

あったかい…


「なんで?男が?」


「つかさから連絡があって…おねぇちゃんがいなくなったって…今会いたいのはきっと俺だからって…」


「つかさが…?」

「そうだよ…でも本当によかった…こんな寒空にそんな薄着で…見つけた時、すげぇ冷たかったんだぞ!」

「ゴメン…」


「バカ…ほら帰るぞ?」

「いや…」

「はぁ?」

「今日は男以外といたくない…」
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 03:22:19.34 ID:jaclKgAO
家に着くとすぐに俺はつかさにかがみの安否を伝えた。

つかさは本当に嬉しそうに涙ぐんだ声で俺にお礼を言った…

家に泊まる事はつかさがうまく家族に伝えてくれるみたいで、俺は少し安心した。

「ほら…ココア。飲めよ?暖まるから」

「…ありがとう」

「泊りはつかさが何とかしてくれるってさ、まぁここまできて連れ返されたら俺も寂しいしな〜」

俺の目一杯のいやらしい笑顔を見てかがみは小さく「バカ」と言って笑った

俺も照れ笑いを浮かべた、そして今までが嘘みたいに温い時間が流れた…
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 03:36:27.73 ID:jaclKgAO
朝、私は男よりも早く目を覚ました、隣りには幸せそうな顔で寝息を立てている男…

男の部屋…男の匂い…ここには私の大好きな男の全てがあった…幸せ…昨日死のうとしたのが嘘みたいに…
あのあと私は男の全てを受け入れた…いままで空ろに見えていた好きだという気持ちが、少し形に捉える事ができた…恥かしいような嬉しいような…私はニヤけた顔をのまま男を起こさないように…そっとベッドからでた、
「朝ご飯でも作ってあげますかね〜」

そういって男にそっとキスをして台所に向かった…



…その時私は気付いていなかったかもしれない…男への想いが強くなるほどにつれて…狂信的になっていく自分に…
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 03:51:58.13 ID:jaclKgAO
それから数日後昼休み屋上


「う〜そろそろここで食べるのも限界だな…」

「確かにね〜あの日から一気に気温下がっちゃったしね、もうすぐ雪も降るらしいわよ?」

あの日…そういえばかがみと結ばれた次の日からこなたも屋上にこなくなったな…けどその話もつかさの話もお互いに何となく避けてる気がした…

「ちょっと、男聞いてる?」

「え、何?」

「全く…どうする?明日から教室で食べる?」

「そーだなぁ…そうするか」


「OK〜」


そう言ってその話は終わった…また聞きそびれたな
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 04:02:16.02 ID:jaclKgAO
その日の夜、珍しくかがみ以外からメルが来た

ー今からかがみんに内緒で会える?こなたー

こなたからだ、いつの間に俺のアドレスを…いや…そんなことよりこの意味深なメールをどうするか…

こんなのかがみにばれたら一撃だしなぁ…

それでも俺は頭にずっとある疑問を確かめるためにもこなたに会う事にした…

ーいいよー

353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 04:20:04.75 ID:jaclKgAO
ピンポーン

チャイムが響いた

「お?きたか…」

俺は玄関に向かった、そしてドアをあけると、そこには俯いた顔のこなたとそして…つかさがいた

「なんだ二人一緒か?まぁ…遠慮せずにはいーーー…」

「男…男ぉぉぉ」

こなたが泣きながら飛び付いてきた…


「ど、どうしたんだよ?とりあえず二人とも入って!」

俺は訳がわからないまま二人を家に迎え入れた…

部屋に入ってもこなたは泣いたまま…つかさは顔をふせたまま何も話そうとはしなかった
「な、何があったんだよ一体」

空気が重い…しばらくの静寂の後こなたが口を開いた…

「か…かがみんが…かがみんが…」





「…怖い」
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 04:40:14.83 ID:jaclKgAO
こなた達が男の家を訪ねる前の放課後 柊家

「…ただいま」

返事はない…あの日以来家族は私をまるで腫物でもみるような目で見続けている…

「…ご飯は?」

「…いらない、食べて来たから」

嘘だった、こんな家族とは一秒だって一緒にいたくない…私は部屋に戻った

「はぁ…」

私は溜め息を一つするとベッドに倒れこんだ男…男…幸せだったなぁ…あの時…あの瞬間には私と男だけ…私が作った朝ご飯…おいしいおいしいって…フフ…まるで子どもみたいに…あんなの、いつでも作ってあげるのに…はぁ…あの時…時間なんて止まればよかったのに…
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 04:56:16.35 ID:jaclKgAO
私は少しだけ昔を思い出していた…

そう…あの日の事を…あの日…私はとても幸せだった…学校に行く間もずっと男と二人きり男が笑って私も笑って…何もかもが幸せだった…。

その日の休み時間

(こなた…ちょっといい?)

(どしたの?かがみん?)

(あのさ…お願いがあるの…)

(えっ何?)

(もう…私と男の前に表れないで)

(えっ…?)

(私今すごく幸せなんだ…だからさ…だから…邪魔しないで)

そう…邪魔しないで…二人で十分幸せなの…私は男がいるだけでいいの…男だって…きっと同じ気持ち…だって抱き締めてくれた…私を助けてくれた…こなたはいらない…
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:07:08.40 ID:jaclKgAO
その日こなたは現れなかった…。
男はそのことに何も言わない。
やっぱり、こなたはいらなかったんだ。
男は私と二人でいたかったんだ…ゴメンね。私がもっとしっかりしてれば…早く気付いてれば…でも大丈夫。
これからはずっと二人だよ…邪魔は…させない。

私は幸せな気持ちで家についた。

(ただいま〜)

(…………)

(な、なによ?)

(あんた…昨日、男の家にいたんだってね)
(は?)

(つかさに…あんな事しておいて…あんたは…あんたって子は…)
肩を震わしながら母はその場で泣き崩れた

私はそんな母をみながらも懺悔や後悔の言葉よりも先につかさへの憎悪がわきでてきた…
つかさ…あんたも私の邪魔するんだ…
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:14:35.25 ID:jaclKgAO
(おねぇちゃ〜んご飯だよ〜)

(いらない)

(え、でも)

(いらないって言ってるでしょ!!)

(…ゴメン)

つかさそう言って戻って行くと…家族の話し声が聞こえた、漫画やドラマでよく聞く言葉…育て方だどうだとか…お前が悪いだとか…そんなありきたりな言葉…ありきたり…ありきたりな言葉よ…それなのに…

その日私は涙をこらえる事が出来ずに…泣いた…
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:22:07.49 ID:jaclKgAO
それからはずっと腫物扱いで…家にいるだけで息が詰まりそうになる…。
そういえばここ何日も家族とご飯食べてないや…
学校にいる時…男といる時だけが私の幸せ…
「はぁ…」

私はベッドから起きると、ふと窓から下を覗いた…そこにはつかさがそっと出かけるのが見えた。

「こんな時間に…?」
私の中を不安が走った…

でも…まさかね…


まさかね…
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:28:12.49 ID:jaclKgAO
もう5時半か…でも、もう少しで終わらすつもりです。
起きてる方がまだいらしたらもうしばしのお付き合いのほどを…
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:32:40.52 ID:CHRKA2DO
ノシ
ポリッシャーかけながらwktk&gkbrしてる
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:34:37.28 ID:WO8Xd2g0
wwktkしてますよぉぉ
ていうかよくもつなぁ
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:42:05.53 ID:jaclKgAO
場所は戻って男宅

「かがみが…そんな事…」

「本当なんだよ!あの時のかがみん普通じゃなかった!私冗談で怒らしたりするけど…あんな…あんな目のかがみん…初めてだよ…」

そういってこなたはまた泣き出した…

頭が混乱しそうだ…
少なくともかがみは俺の前ではあれからもずっとかがみのままだった…

その時…俺の携帯が鳴った


着信中
かがみ
090-xxx-xxxx

「…誰から?」

涙を必死に堪えながらこなたが聞く

「かがみから…」

「…でないの?」

「今は…いい」

その時ずっと俯いたままのつかさが震えた声で言った


「電話…とって…」

「でも…」

「お願い!電話とって!!」

つかさの必死の訴えに俺は戸惑いながら通話ボタンを押した
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:56:15.30 ID:jaclKgAO
「もしもし」

『ゴメン、寝てた?』
「いや…大丈夫、どした?」

『ううん…ちょっと声聞きたくなって…』

「そっか…」

俺はこなた達に目を向けた、必死に泣き声を堪えるこなたと肩を震わせながら異常に怯えるつかさが目に入った…

『どうしたの?何かやけに静だけど?』

「あ、ゴメンゴメンぼーっとしてた」

今の電話の向こうのかがみは…

『まったく…変な事してないてしょうね?』

こなたが泣きながら訴え…


「するわけないだろ〜」

つかさが怯えるかがみと

『本当にぃ?…怪しいものね〜』

本当に同一人物なのか…?


364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 05:58:57.67 ID:jaclKgAO
起きてる人いたーーー!!
みなさんの優しさが本当に原動力です…

よし、気合い入ったのでもう少し頑張ります
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:10:44.15 ID:jaclKgAO
『って聞いてる?』


「聞いてるよ」


『何〜か変!』


「な、なにがだよ?」
『何か…隠してない?』

「何を隠すんだよ、エロ本なら前にかがみが全部捨てただろ?」

『そういう事じゃなくて…』


「何だよ?」


『例えば…ん〜そっちにつかさがいる…みたいな』

「そ、そんな訳ねぇだろ」

思いっきり動揺した…つかさどころかこなたもいます。
何て冗談でも言えない…

『何動揺してんの?まさか本当にいたりして〜?』

「違う、そ、それはお前が急に変な事言うから…」

『はいはい…そういう事にしてあげる、ねぇ男?』


「なんだよ?」


『いまから遊びに行っていい?』
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 06:11:29.67 ID:DVCZ22AO
今夜勤が終わったところの俺も応援してる
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:17:09.85 ID:jaclKgAO
「こんな時間にか?」

『そ、こんな時間に』
どうしよう…
とてもじゃないが今はかがみを呼べる状況ではない

「いや…今日は両親が帰ってきてるから…」

『その割りにはあんたんち暗いわね?』


「えっ?」

俺はこなた達にジェスチャーで窓から離れるように言うとカーテンを開けて外を見た。
そこには俺の部屋を見つめながら携帯を握り締めるかがみの姿があった
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:26:13.16 ID:jaclKgAO
「今下りる!」

俺は携帯を切るとこなた達に言った

「俺がかがみつれて時間稼ぐからその間に帰れよ?台所に裏口あるから」

二人は声を出さずにうなずいた…今がどんな状況か二人にも分かっているみたいだった。
俺が部屋を出ようとした時こなたが小さな声で「ゴメン」と言った。
任せとけ、とは言ったが正直内心は心臓が破裂しそうだった…

けど弱音は言ってられない…それほどまでに二人は怯え…弱っていた…
俺が何とかしないと…俺は玄関のドアを開けた
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:30:42.84 ID:CHRKA2DO
ぎゃああああああ
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:33:51.77 ID:jaclKgAO
「悪い、お待たせ」

「…二階から降りるだけなのに偉く疲れてるわね」

「そ、そうか?なぁ少し散歩しないか?」

「散歩ならこっちに来る間に十分したんだけど?」

「そう言わずに、そうだ!明日の朝ご飯でも買いに行こう」

「誰の?」

「俺とかがみの」

「両親いるんじゃないの?」

「そ、それはこんな時間に女の子を一人歩きさせないためのだな…」

「はいはい…ほら行くんなら寒いしさっさと終わらせましょ?」

「お〜〜〜」


そこにいるのは紛れもなくかがみだった…俺の知ってる…かがみだった…
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:48:09.56 ID:jaclKgAO
「…行ったみたい」

私はカーテンを少しだけ開けて外の様子を伺った

「つかさ行くよ」

「………」

「つかさ!」

「…こなちゃん…私怖い…きっと…おねぇちゃんにばれたんだ…だから私を捕まえに…ここまでーーー…」

「つかさ!あんたがかがみん信じないでどうすんの!!きっと何か訳があるんだよ…大丈夫…そのうちまたいつものかがみんに戻るよ…だから大丈夫」

「こなちゃん…手震えてる…」

「え、こ、これは武者震いだよ!何いざとなれば私が悪いかがみんなんて一撃でーーー…」

軽口を言いながらも手の震えは止まらなかった
「こなちゃん…」

私達は手をつないで男の家を後にした
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 06:58:25.11 ID:jaclKgAO
一時間ほど買い物して私達は男の家に向かった

「そんなにカップラーメンばっかりじゃ体に悪いわよ?」

「そうは言っても非常食だからなぁ…」

「どんだけ毎日非常事態なのよ…」

「いや、それは…」

「呼べばいつだって作りに来るのに…」

「さすがにそれは悪いよ…かがみにも家族にも」


どうでもいいわよ…あんな家族…今日だって私が出かける時に何も言わないで…都合のいい時だけの家族なんて…こっちから願い下げよ


「かがみ?着いたぞ?」

「あ、ゴメン…おじゃましま〜す」

373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 07:03:06.07 ID:XS8TN6Ao
うは、寝落ちしちまったああああorz
しかし眠眠打破でここまで頑張れるとは…タフですなw

かがみんがマジでKOEEEE(((((゚д゚;))))
怖い…でも読んじゃう…ガクブル
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 07:08:31.79 ID:jaclKgAO
「ねぇ男?さっそくで悪いんだけど台所借りていい?実はまだご飯食べてなくてお腹ペコペコなんだ〜」

「ならいいものがタラタラッタラ〜♪インスンターーー…」

「いらない、明日の分も作っちゃうから適当にゴロゴロしてて」


「…せめて最後まで言わせてよ」

かがみは今買ってきたばかりの食材で料理を初めた…俺はかがみにばれないようにそっと部屋に向かった…


「いない…な、何とかうまく言ったみたいだな」

俺はリビングに戻るとソファーに座り鼻歌まじりに料理をするかがみを見ていた。

正直…今のかがみを見ている限りこなた達を100%信じる事は出来ずにいた…
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 07:17:23.30 ID:jaclKgAO
次の日の昼(日) 男宅

「じゃあ…行くね」


「おう!気をつけてな」


「…うん」

「何だよ?元気ないな」

「ねぇ男?また…泊りにきてもいい?」


「もちろん、大歓迎だよ」

「よかった…じゃあ…またね!」

その時の笑顔は本当に眩しくて…このまま写真におさめてしまいたいほどだった…。
なぁ…かがみ…俺たち何か間違った事したのかな…

物語は終焉に向け…少しづつ走り出した
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 07:29:31.40 ID:jaclKgAO
同日 柊家

「………」

私は玄関を開けそのまま部屋に向かった…

あんなに幸せな気持ちだったのに…この家にくると全部薄れていく…ほんとに…嫌な家…こんな家無くなればいいのに…

そしたら男と二人で暮らせるのに…

コンコン…

誰?


「おねぇちゃん…今日はどうしても聞きたい事があるの…」


つかさ…
ドアの向こうでつかさは話しかけてきた


「私はあんたと話したい事何て何にもないの!お願いだからほっといて!!」

それでもつかさは引き下がらなかった

「おねぇちゃんお願い…話し聞いて!!私近くの公園で待ってるから…ずっと待ってるから…」

「うるさい!」


私は枕を思いっきりドアに投げ付けた。
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 07:37:05.53 ID:jaclKgAO
その夜つかさは帰ってこなかった…そこでも家族は私に疑いの目を向けた
つかさ…あんたも…この家族も…そんなにも…私を困らせたいの…?
私は机を強く叩くと立ち上がりドアを開けた…そこにいる母親を睨み付け私は台所に向かった

もう限界…みんな邪魔なのよ…もう終わりにしましょう…

私は台所からでるとつかさが待つという公園に向かった…

378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 07:49:19.19 ID:jaclKgAO
「…おねぇちゃんきてくれたんだ」

そこにはつかさと…

「かがみん…」

こなたがいた


「おねぇちゃん…あのね…聞きたい事があるんだ…最近…あんまり部屋からでてこないし…お話しする機会もなかったし…家だと…みんなうるさいし」

「そんな風にしたのは誰よ…」

私は必死に押さえていた感情が一気に溢れた…

「そんな風にしたのは誰?あんたでしょ?全部あんたが悪いのよ!私を困らせてそんなに楽しい?あんたはおしゃべり過ぎるのよ…首締めた事だって…男の家に泊った事だって…みんな…みんな話して…文句なら…直接あたしに言えばいいでしょ?卑怯…あんたは卑怯よ!」

「おねぇちゃん違うの!男君の家に泊った事は誰にも言ってない!!けど受話器から男君の声が聞こえたらしくて…それで…」


「そんな言い訳…信じる訳ないでしょ!!」
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 07:55:58.62 ID:jaclKgAO
私は服の下に隠していた…
包丁を取り出した

「今さら…全部遅いのよ…あんたさえいなければ…私はもっと幸せになれるんだ…いらないのよ…つかさも…こなたも…あんな家族も…みんないらない…私と男だけでいいの…他は…いらない!!」


「いい加減にしろ!かがみ!!」

「この声…」


私は声のするほうへと目を向けた…そこには…

男がいた…


「な、なんで…?」
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 08:05:36.08 ID:jaclKgAO
同日 かがみが帰った後 男宅


ウーウーウー


「ん?メールだ…こなた?」


ー大事な話しがあります、すぐに家にきてー
俺も聞きたい事がある…あのかがみの話についてだ…俺はすぐにこなたの家に向かった。

「こなた」

「男…とりあえず上がって」


俺はこなたの部屋に案内された

しばらくの沈黙の後…こなたは意を決したように言った

「男…私とつかさね…決めたんだ」


「…何を?」

「私達…もう逃げるのやめようって…」

「逃げる…?」


「うん…かがみんから、逃げる事を…」

381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 08:12:58.25 ID:jaclKgAO
「かがみから逃げるって?」

「私達ね…気が付いたらかがみの事避けてたの…怖くて…怖くてさ…」

こなたの目は少し潤み初めていた

「だけどさ…私達やっぱり…かがみんが好きなんだって思い出した」

こなたは必死に涙を堪えながら話を続けた…
「男の家から逃げた後二人で決めた…さっきつかさからかがみんが家に着いたってメール来たから…きっともうつかさは公園に向かってる…」


「待て!待ってくれ…話が全く見えない。結局俺は何で呼ばれたんだ?」

「男には…私達を見守って欲しいの…」
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 08:20:25.49 ID:jaclKgAO
「見守る?」


「うん…きっとかがみんが暴走したら…止められるのは男しかいないから」

「でも、こなた…昨日一日かがみといたけど…かがみはかがみだったぞ?そこまで決意の必要なものなのか?」

「それも含めて…全部男の目と耳で確かめて」

さっきまで泣きそうだったはずのこなたが…いつの間にか涙は枯れ…真っ直ぐと俺を見つめた



「…わかった」


そして俺たちは公園に向かった…俺はこなた達とは反対の場所でかがみを待った…
誰一人口を開こうとはしなかった…
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 08:31:10.73 ID:jaclKgAO
「何で…男がいるの?」

ダメ…見ないで…私を嫌いにならないで…ダメ…違う…違うの…これは私じゃない…あぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ

「い、、、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ見ないで!男…お願いだからそんな目で私をみないで…みないでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


その時…私の頭の中に声が響いた…今までよりも大きく…そしてハッキリと…



コロセ… コロセ… コロセ…



殺せ!!!!!!!!!!!!!!!!!
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 08:31:14.14 ID:kLu4UgSO
wwktk
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 08:44:05.22 ID:jaclKgAO
「かがみ!!」

俺はかがみの元に駆け出した。
しかしそこには俺の知ってるかがみはいない…全てを憎み…怨み…そして全てに絶望した一人の少女がいた…でもかがみ…それでも…それでも俺は…

グサッ…

脇腹に何かが刺さった…
しばらくして…自分が刺された事に気付いた

「…もうだめなんだ…もう…何にもいらない…」


「男!!!」

「男君!!!」

「か…がみ…!」

俺を見つめるかがみの目がとても冷たく感じた。

その時ーーー

「…違う…違う…男…男?…何で?私がやったの?男…男…男…あっああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「かがみ!」


かがみは頭を押さえながら走っていった
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 08:52:25.41 ID:jaclKgAO
「男、大丈夫?」
涙を浮かべながらみつめるこなた。
全く本当に泣き虫だな
「救急車…救急車呼ばなきゃ…」
慌てふためきながらも必死に助けを呼ぶつかさ。
全くこいつらは…

俺は薄れゆく意識の中で最後の力を振り絞って俺は言った…

「さ…さと…か…がみたすけて…や…れ」

「 」

二人が返事をした…のを聞いた気がする…
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:00:40.21 ID:jaclKgAO
私達はかがみんの後を追った…

そして走ってる途中で私は転んだ…そして泣いた
私のせいだ…私が男を巻込んだんだ…
涙が止まらない…こんな時に…私は…私は…何て弱いんだ…
もう…立ち上がれないよ…


「こなちゃん大丈夫だよ…男君ならきっと大丈夫!だから急ごう!おねぇちゃん助けなきゃ」

「つかさ…」

そうだ…しっかりしなきゃ!今は私達しかいないんだから…私は涙を拭うともう一度立ち上がった…そして…
見つけた。
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:11:12.77 ID:jaclKgAO
かがみんは震えていた…頭を抱え座込んだまま怯えるように震えいた…
そして私達に気付くと立ち上がり…

「いらないのは私?それともみんな?もう男はいない…私はいない」

「かがみん何言ってーーー…」

「男君は大丈夫。おねぇちゃんも大丈夫。それに、み〜〜〜んな大事な人…いらない人何ていない」

そういいながらつかさは少しづつかがみんに近付いて言った…

「つかさ…?つかさはいらない…私の仕事取り上げて…居場所を奪うから…いらない子いらない子!!!」

「つかさ逃げて!!」
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:17:45.56 ID:jaclKgAO
何もかもがスローに感じた…
つかさは逃げようとはしなかった…それどころか…
手を広げてかがみんを受け止めた…
そしてかがみんを抱き締めると…


「大丈夫…私はずっとおねぇちゃんの味方…だよ」

つかさの服が真っ赤に染まっていった…
そして力なくその場に倒れた…

「つかさ…」

その声を聞いてかがみんはこっちを向いた…
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:26:36.22 ID:jaclKgAO
少しづつ近付いてくるかがみん…でも不思議と怖くなかった…刺されるかもしれない…死んじゃうかもしれないのに…本当に不思議なくらい恐怖を感じなくなっていた…

今はあんなにも怖かったかがみんが…とても…とても小さく見えた…きっと…かがみんも怖かったんだね…私達が…

「ゴメン…ゴメンね…かがみん…怖くないから…もう大丈夫だから…」

私はつかさ同様かがみんを抱き締めた…
強く…強く…抱き締めた…

それが…私の最後の記憶…
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:37:03.34 ID:jaclKgAO
私が気がついた時…もう…こなたもつかさも…この世にはいなくなっていた

空ろな記憶が少しずつよみがえりだした…
私は二人が大っ嫌いだった…どんなに私が拒んでも二人はいつのまにか私の仲にいて…そのうち心まで全部見透かされてる気がして…大っ嫌いだった…だったのに…

私は泣いた…そしていつの間にか頭の中の声が消えていった…

「あんたたち何か…大っ嫌いよ…大っ嫌いなんだから…悔しかったら言い返して見なさいよ…何とかいいなさいよ!!」
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 09:37:09.21 ID:bFgNAJso
wwktk
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:51:45.56 ID:jaclKgAO
「お〜い、かがみ〜?」

「あっ男?何してんの?」

「何って…一緒に帰ろうぜ?」

「ん〜…ダメ」

「何でたよ?」

「つかさとこなたと先に帰る約束してるから…」

「だったらみんなで久し振りに帰ろうぜ!」
「だからダメだったら…」

「何でだよ〜?」

「全く…本当に子供なんだから…でもあんたのそういうとこ結構好き」

「へ?」

「いつのまにか逆になってたのね…いつの間にかあんたに守られてた…」

「お、おい…かがみ大丈夫か?」

「単純な事だったのよね…私がもっと素直になれたらよかったんだ…」

「お〜い、かがみ」

「おねぇちゃ〜ん」

「あぁ…もう行かなきゃ…男…最後に一つだけ聞かせて?」

「なんだよ?」

「私の事好き?」

「好きじゃない…」

「え?」

「大好きだ」

「…バーカ…でもありがとう…私も大好きだったよ…本当に…本当に大好きだった」
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 09:57:11.77 ID:jaclKgAO
気がつくと俺は病棟のベッドの上にいた…

「夢…か…」

幸せな夢…幸せな夢のはずなのに…何でだろ…?涙止まんないや…

その日は初雪が降り出して…その雪は止む事を忘れてしまったかのように、シンシンと降り続いた…


「また…みんなで帰れるよな…」





終り
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 10:03:44.63 ID:jaclKgAO
急ぎ過ぎて投げっ放した部分や、誤字、脱字、表現間違いなどお見苦しい部分満載で…今すぐ書き直したいくらいです。お付き合いしてくださった、皆さんには本当に申し訳ありません…大分ぶったぎって書いたので何で?何で?って部分がかなりあると思いますが…とりあえず区切りとさしていただきます
ありがとうございました
このスレ有る限りIDを変えてまた現れます
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 10:03:58.34 ID:kLu4UgSO
乙です…なんてせつない終わり方
正直期待してたけど…

軽く上を行かれた
いい作品でした。ありがとう
お疲れ様でした
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 10:04:11.67 ID:bFgNAJso
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 10:06:09.47 ID:oyXtzcAO
乙でした。
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 10:11:38.54 ID:bUAeHQAO
授業中にも関わらずポロリと来そう
乙!
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 11:18:12.92 ID:RrPs0oQ0
乙!
どうしてくれる、もっとかがみんが好きになったじゃないかwwwwww
しかし、みゆきさんは絡みづらいのかな?
主役じゃないと出番が・・・
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 11:43:44.39 ID:vlw0XESO
乙!!
学校に遅刻した揚句、レポートの入ったバッグを無くした俺の心が潤ったよ
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 13:49:22.80 ID:oyXtzcAO
>>337 です。
ゆったり書き始めます
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 13:51:02.23 ID:CH.GkFoo
wwktk
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 13:59:49.93 ID:oyXtzcAO
―――


―――ブツン。
 ……意識が帰ってきた……。
 腹には刃物。
 口は鉄の味。
 傷口からは、絶え間なく生暖かい血が流れてる。
 ……ホント、何でこんなことになったんだろう……。
 俺のせいか、つかさのせいか、かがみのせいか、こなたのせいか、みゆきのせいか。
 じわじわと死にながら、俺は再び、幸せな頃の思い出へ―――

ブツン―――

405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:01:02.31 ID:oyXtzcAO


―――

 その日は、手を繋いで二人で帰った。
 もちろん、手を絡める恋人繋ぎ。

―――俺とつかさは、今日から恋人同士になった。


☆―――

―――そして、男がつかさと話しているとき、廊下で全部立ち聞きしていた少女がいた。

「―――そっかあ、つかさと付き合うんだ、男」

 柊かがみである。
 彼女は一人、静かに泣いた。

 慰めてくれる人は、居なかった。
 どこにも、彼女の気持ちを知るものは、居なかった。
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:01:58.55 ID:oyXtzcAO
☆―――

「ただいまーって、誰もいないけど」

 つかさと二人でゆっくりと歩いて帰り、別れを惜しみながら家に帰ってきた。
 もちろん、家の前まで送ってきた。

「……ま、うまくいってよかった」

 ベッドに寝転がり、今日のことを思い出す。

「柊つかさ……俺の彼女……か」

 彼女なんて、初めてだ。どうすればいいかすらわからない。
 ……かがみにでも、相談しようかな。

「―――あ、そうだ。
 かがみに礼言わないと」

 色々やってくれたみたいだし。
 明日、学校で、かがみに礼を言おう。

 ……さて、帰ってそうそうだけど晩飯の買い物でも行くかな。
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:04:59.02 ID:oyXtzcAO
☆―――

 私が、男くんに送られて家に帰ったのは、もうお母さんが晩御飯を作り始める時間だった。
 帰ってすぐに、お姉ちゃんにお礼を言おうと決めていた。……なのに。

「え……? まだ、帰ってない……?」

 お母さんは、お姉ちゃんはまだ帰ってないと言った。
 ……帰りに、どっかに寄ったのかな?
 帰ってきたら、ちゃんとお礼を言わなくちゃ。
 やさしいやさしいお姉ちゃん。
 思えば、手紙を書くのを手伝ってくれたり、色々架け橋になってくれてた。

 私はお姉ちゃんが、大好きだ。
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:10:21.62 ID:oyXtzcAO


☆―――

 ゆらゆらと、私は町を徘徊していた。
 夜の町。
 辺りは騒がしく、感傷にも浸れない。
 男は楽しい奴だった。
 初めて会ったときは、ちょっとした関わりだと思ってた。
 でも、私達は同じクラスになり、席も近かった。
 あいつはわざわざ律儀にお礼と言ってデザートを奢ってくれた。
 ……やがて、恥ずかしさもあってだんだんと疎遠になったんだけど。
 ……それが、つかさの告白でまた繋がりを持った。
 別に最初は、なんのこともなかった。
 ……やがて、またあいつと関わって、ココロがもやもやした。
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:20:23.80 ID:oyXtzcAO
 このもやもやは何?
―――さあ、解らない。
 私は、彼をどう思ってるの?
―――それも、解らない。
 ……私は、彼が好きなの……?
―――解らないっ!

 さっきからずっと自問自答。
 私は、何も解らないまま、町を漂い続ける。
 ゆらゆらと、目的も無く。


 ドンッ。
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:46:39.50 ID:oyXtzcAO
「ああ!? 何だよテメェ! 痛てぇじゃねぇぇかっ」

「え……?」

 誰……?

「―――!」

 何かを、言っている。……よく、聞き取れない。

「オイテメェ! シカトこいてんじゃねぇぞ!」

「ひ……!」

 制服の胸ぐらを捕まれる。

「テメェちょっとコッチに―――」

 引っ張られて、どこかにつれて行かれそうになったその時―――

「ふげっ!?」

 買い物袋が飛んできた。
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 14:49:15.38 ID:kLu4UgSO
男GJ
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 14:57:32.90 ID:oyXtzcAO
☆―――

「牛乳、人参、玉ねぎ……あ、最近運動不足だからダンベル買っとこ」

 別にスポーツはやってないけど。鍛えといて損はないだろ。

―――

 スーパーを出る。
 今日の買い物はこれで終了……っと。
 さっさと帰って晩飯の作るか。

「オイテメェ! シカトこいてんじゃねぇぞ!」

「ひ……!」

 ……何か向こうが騒がしいな。喧嘩か?
 ちょっと目を細めて見ると、女が不良っぽいのに絡まれてる。……女の方、うちの制服だ。
 ……もうちょっと近寄ってみる。
 あれは……―――!

「テメェちょっとコッチに―――」

―――それに気付いたとき、俺は反射的に買い物袋を投げ付けていた。

「ふげっ!?」

 顔面にヒット。そのまま倒れて、不良は動かなくなった。
 ……あ、やべ、ダンベル入ってんだった。
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 14:58:32.65 ID:CH.GkFoo
ダwwンwwベwwルwwww
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:00:16.79 ID:WO8Xd2g0
死ぬwwwwwwwwww
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:03:44.35 ID:oyXtzcAO
☆―――

 突然の事態に、私は唖然と立ち尽くしていた。
 タッタッタ。
 誰かが駆け寄ってくる。
 …………男?

「かがみ! 大丈夫か!?」

「お、男……どうして」

「いや、買い物帰りに見かけてさ。絡まれてるみたいだったから……」

「そ、そうなんだ……」

 どうしよう。
 今、こいつに会ったら……。
 今、こいつと話したら……。
 わた、しは……。

「う……ぐう……?」

「―――!」

 どうしようかと迷っていたら、さっきの奴の意識が回復した。
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:08:13.40 ID:oyXtzcAO
 ゆっくりと起き上がり、こちらを睨み付けてくる不良。
 額からは血が出ている。……あの買い物袋、何が入ってんのよ……。

「テメェ……、よくもやってくれたな……!」

 バッ、と男が私を庇うように前にでる。

「男! 危ないわよ!?」

「大丈夫だ。
―――お前は、俺が守る」

 背中越しに、そう、言われた。
 その背中は、とても大きく見えた。
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:12:56.03 ID:oyXtzcAO

 何で……!
 何でそんなことするの……!?
 あんたは、あんたはつかさの彼氏でしょ……?

 私の大好きな妹の、彼氏なんでしょ……!?


☆―――

 額から血を流しながら、不良が俺を睨んでくる。……タフな奴だな。俺だったらダンベル頭に食らったら死んでるぞ。
 ……とりあえず、かがみを守らなくては。
 俺の恩人を、俺の大切な繋がりを守るんだ……!

―――だから俺は、こちらを睨んでくる不良を、思い切り睨み返した。
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:21:35.06 ID:oyXtzcAO

・この不良は「恐ろしくタフな不良」なので流血程度で済んでいますが、普通は頭に当たると大変危険です。
真似しないで下さい。
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:25:53.41 ID:kLu4UgSO
>>418
注意乙wwwwww言われなくても真似なんかするかwwwwwwww
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:27:42.37 ID:bUAeHQAO
>>418
普通ならネギトロ状態だよwwwwwwwwwwww
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:35:56.86 ID:oyXtzcAO
「はっ! 怪我しても知らねぇぜ!」

 上着を脱ぎ捨て、構える不良。ジャブ体制だ。
 外身から見ても筋肉質な体に少しビビるが、引くわけにはいかない。
 相手に倣うように、俺も両の拳を構えた。

「―――へえ、やる気かよ……ん? お前、どっかで……?」

 しっかりと顔を上げると、俺の顔が見えたのか、何やら考え始めた。


「―――あ、お前、は……あの時の……」
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 15:37:27.10 ID:CH.GkFoo
なにこのフラグwwwwwwwwww
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:45:52.68 ID:oyXtzcAO
 ……?
 何だ……? この反応……?

「お前っ、お前は……! 何なんだよ!」

 言ってる意味が解らない。
 ……とりあえず、好機だ。
 ゆっくりと、不良に向かって歩み寄る。

「ひいっ!?」

 そして出来るだけ声に凄みをつけて、一言、言い放った。

「失せろ……!」

「ひ、ひいぃぃ! 勘弁してくれぇっ!」

 妙な悲鳴を上げて、不良は逃げていった。
 …………何で?
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 15:48:31.56 ID:oyXtzcAO
ちょっと休憩します。
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 16:25:14.60 ID:oyXtzcAO

 ……ま、一件落着、か。
 後ろにいるかがみは……。

「あ、ああああんた、な、何したの……?」

 ……しまった。こっちもビビってる。

―――

 まあ周りの人達も騒いでたし、警察が来ても不味いので、急ぎ足で近くの公園……初めて出逢ったときの近くにあった公園まできた。
 とりあえず誤解は解いたが、なんでかがみはあんなところで何をしていたんだろう?
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 16:54:44.62 ID:oyXtzcAO
 公園のベンチに座り、かがみに話しかける。

「なあ、かがみ」

「な、何よ」

 まだビビってるんかいっ。

「なんであんなところに一人で居たんだ?」

「……ち、ちょっとね」

 ……まあ、いいけどさ。

「そか。……あ、コーヒーいる?」

「……うん」

 買い物袋から缶コーヒーを取り出す。幸いまだ暖かいそれを、かがみに渡した。
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 17:03:32.23 ID:oyXtzcAO
 …………。
 …………。

「ねえ、男」

 かがみが、話しかけてきた。

「何だ?」

「何で……助けてくれたの?」

「は?」


「だって……男はつかさの彼氏なんでしょ?」
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 17:19:11.42 ID:oyXtzcAO
すいません。
復活したばかりですが、ここまでです。
用事があるので。

ではまた。
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 19:40:13.19 ID:aiTk4iAo
おっつー
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 20:35:19.36 ID:HuIcEHAo
乙ですよー

ワッフルワッフル
431 :ID:4CvBPsM0 :2007/12/18(火) 20:43:51.58 ID:WO8Xd2g0
>>394>>428
GJ
次回を楽しみにしてるよー

暇だから投下しますね
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 20:45:04.39 ID:WO8Xd2g0


時間は少しさかのぼり

聖なる夜の少し後

正月間近に生まれ出は

――我侭で悲しい切なき想い





男「・・・じゃあまた駅で待ってるな。いつもいつもありがとう、高翌良。」
みゆき「いぇ、いいんですよ。それじゃあ、また後ほど。」

切った電話をすぐさま置いて
でかる準備にいそしむ2人
同じ期待を抱きながら



かがみ「あんた、毎回毎回言うのもめんどくさいんだけど、ほんとたまには自力で宿題やりなさいよ。いつか痛い目見るわよ?」
こなた「そんなつれない事を言うでないかがみんよ。この冬休みはほんとにやることばっかりでさ。」
かがみ「どうせ遊びだろーが。そのやる気、少しは勉強に向けろよ・・。」
つかさ「でも、やってもわからないとこだらけだと、どうしていいかわかんなくなっちゃうんだよね。」
かがみ「一度ちゃんと問題に触れてるならまだいいんだけど、こいつは絶対にノートすら開いてない。」
こなた「開いても開かなくても、結果的にノートが白紙であることにかわりはないんだよね。」
かがみ「まじめにやれよ!」
つかさ「まぁまぁ。こなちゃん、やるだけやってみようよ。今からゆきちゃんとも一緒にやるんだし、わからないところは聞けばいいんだよ。」
かがみ「あんたも結構他力本願だな。」

年末寸前に宿題を少しでも片付けるべく
みゆきの元へ向かう3人
ちょっとした雑談もかねて――

ただ、それだけだったハズだった
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 20:50:04.73 ID:WO8Xd2g0

入り混じる雑音の中 みゆきは一人立っていた
返すべきものを返す その指定の場所で

―――小さな歪みの 始まりの場所で

男「高翌良!すまん、遅かったか?」
みゆき「いいえ、私が早くに来てしまっただけですので、お気になさらずに。」
男「そうか?わりぃな。あ、コレ借りてたやつ。すっげぇおもしろかったぜ、相変わらず!」
みゆき「御期待にそえたみたいでよかったです。では、これがお約束の・・。」
男「ほんとありがとな、借りてばっかりで・・・。オレもオススメの本とか貸したりしたいんだけど、全部持ってたしなぁ高翌良。」
みゆき「いいんですよ。お貸しした本をきっちり読んでくださいますし、それで十分ですよ?」
男「そーいうもんなのか?・・・まぁいいや。それよりさぁ・・・」


抱いた期待は応えてくれた
借りた本に関する内容
貸した本に対する感想
騒がしくなく それでいて熱のある
のちの2人を紡ぐ会話
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 21:08:52.63 ID:WO8Xd2g0

かがみ「えっと・・・みゆきは・・・。」
つかさ「どしたの?おねーちゃん。」
かがみ「あぁ、さっきみゆきからメールきたのよ。急用で駅にいるから、そのまま改札口で待ってるって。」


見回したわけではなかった
ただの偶然か それとも

歪みの元に吸い寄せられたのか

かがみ「あ・・・男・・・・?」
つかさ「あ!ゆきちゃん・・と、男くん?」
こなた「お〜い、みゆきさ〜ん!」

みゆきにかけよる2人
心のどこかで
それに続きたくなかったかがみ

男とみゆきの笑顔が
うらやましく見えたから

みゆき「あら、みなさん。こんにちわ。」
男「よぅ泉。それにつかさも。・・・そーか、そーいえば勉強会やるんだったな。」
こなた「男はこんなとこで何してんの?」
男「ん?あぁ、高翌良に借りてた本返したついでに――」
みゆき「新しく本をお貸しして、そのままお話してたんですよ。」
男「そうゆうことだ。んじゃ、オレもう行くわ。またなみんな。高翌良、コレありがとう!」
こなた「ばいにー。」
みゆき「・・・。」
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 21:34:23.37 ID:WO8Xd2g0
みゆきは見送りつづけた
男が見えなくなっても 話の余韻をそこに感じて

かがみは見送りつづけた
気づいてほしかった気持ちを 伝えるかのように

かがみ「・・・・。」
こなた「じゃ、いこっかみゆきさん。」
みゆき「・・・。」
つかさ「ゆきちゃん?」
みゆき「え?は、はい!それじゃあ行きましょうか。」

気持ちを切り替える術
かがみにとってそれは 造作も無い技術

――自分を演じること

つかさ「大丈夫?なんかぼーっとしてたよ?」
かがみ「またなんか考え事?みゆきらしいけど。」
みゆき「そんなに、ぼーっとしてましたか?お恥ずかしいです・・。」
こなた「ん〜?まさかみゆきさん・・・男にホの字なのかぃ?」
かがみ「おっさんくさいなおまえは。」
みゆき「い、いえ!けしてそのようなことは・・・!」
つかさ「ゆきちゃん顔あか〜いww」
こなた「わかりやすいねぇみゆきさん。相変わらずの萌え要素。」
みゆき「ほんとに、そんなのことはないんですよ?!」

聞きたくなかった

かがみ「またくだらないこと言って、みゆき困ってるじゃない。」

違うというみゆきの言葉を 信じたかった

みゆき「ただ、考え事をしてただけですから。ほんとにお騒がせしてすみません。」


自分に言い聞かせたかった

かがみ「いいのよ、こいつらが勝手に騒いだだけだから。」
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/18(火) 21:36:24.71 ID:CH.GkFoo
wwktk
437 :諸事情により携帯から :2007/12/18(火) 22:02:33.57 ID:i1cfxwAO
その日の話題は決まってしまった
"柊かがみ"を演じている限り
執拗に切ろうとすることはできない


あまりに小さなもどかしさ
あまりに儚い妬み

そう思いたくて

素直を抑えることにしか辿り着けなかった

でも

無意識に いや

意識したくないものを感じ取っていた


みゆきは

かがみ「でも、みゆきって好きな人とかいるの?」

―――私と同じ匂いがする




ごめんなさい一旦落ちます
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 22:47:20.51 ID:HuIcEHAo
続きwktk
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/18(火) 22:50:00.41 ID:oyXtzcAO
ちょwwwwww
wikiの人、注も入れてくれてるwwwwww
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 10:21:26.35 ID:xRntWMSO
乙〜
わっふるわっふる
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 22:24:58.56 ID:bSoI4iAo
半日無人だー

ワッフルワッフル
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 22:33:14.78 ID:iNeNqfI0
ここまで人気なさを見せ付けられると逆に清清しいー
というわけで投下します、短いし誤字とかあるかもしれないけど

俺 、 頑 張 る よ




『先生。俺、先生のことが…』
『あ、アカン、男! ウチとあんたは教師と生徒や!!
 あんたの気持ちは嬉しいけど、ウチはそれに答えるわけには!』
『でも、俺は…』
『あ、アカン…』


「アカ―――ン!!」


ガバッ

「はぁ、はぁ…」

久々に見た夢は、洒落にならん内容やった。
おかげで髪はボサボサ、体中汗まみれで呼吸も乱れまくってた。
何であんな夢を見たんやろうか?
自分の教え子に告白されるという、教師を志す者なら
誰もが夢を見るシチュエーションやけど、特に目的があって
教師になったわけじゃあない、ウチにとって今の夢は笑えんかった。
少し時間がたって、雀の鳴き声が聞こえてきた所で、ようやく落ち着きを取り戻してきた。
ふと、時計を見てみる―――どえらい時間になってた―――

「ち、遅刻やー!!」

シャワーを浴びる暇もなく、あわてて着替えて家から飛び出す。
先ほど見た夢のことなんか、思い出す余裕もなくなとった。
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 22:36:42.58 ID:bSoI4iAo
キター!wktkwktk
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 22:52:17.02 ID:iNeNqfI0
>>442の続き

>>443
プレッシャーかかるからあまりwktkしないでくれww



ガラッ!

「はぁ、はぁ、ほ、HRを始めるで」

久々に全力疾走したわぁ。この歳になってやるもんやないな。
まぁ、ギリギリセーフなのは、ウチもまだまだイケるっちゅうことなんかな?
とりあえず、出席でもとって落ち着こう。

「泉ー? 泉ぃ〜? 何や、あいつまた遅刻か?」

ガラガラッ!

「ストープ! 遅刻じゃないです〜!」
「えぇ、そうですとも!」

そう言って入ってきたのは、泉と…今朝の夢にも出てきた、男やった。

ズキッ

何か今、胸が苦しくなったけどなんでやろう?

「人助けをしてたら遅くなりました。その人はどうやら従兄妹を待ってたらしかったんですけど
 2時間もまたされていたらしくて、流石に可愛そうだから、その従兄妹の住所を聞いて
 その人の家まで送っていってあげてたんです! いや〜、人助けっていいもんですね〜(=ω=.)」
「ほぉ〜、そうなんか〜。で、実際はどうなんや、男?」
「はい、またこいつは遅くまでネトゲーをしてたらしいです」
「と、男はこう言っとるけど?」
「お、男〜」
「いつも巻き込まれてる俺の気にもなって見やがれ」

本当のことをバラされて膨れる泉と、少しは反省しろと言う男。


…仲がええなぁ。
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:03:23.17 ID:1aTfvoSO
ここでwwktkするなとは無理な注文だってヴぁ
wwktkwwktk
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:04:08.64 ID:m1kHtDQ0
久々の先生sswwktk
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/19(水) 23:06:09.07 ID:02.2WIoo
この内容でwktkしてはならぬとな?
寝る前なのに み な ぎ っ て き た www
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:07:58.84 ID:bSoI4iAo
今までの過疎っぷりが嘘のようだwwww
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:16:39.58 ID:iNeNqfI0
お前らwwwwwwwwww

あと早速誤字、可哀想が可愛そうになってるww


>>444の続き

泉と男は幼馴染らしく、しかも家が隣同士らしいからなぁ。
そのせいで、何時も男は泉を起こしに行って、一緒に遅刻をしとる。
かといって、泉を見捨てるようなことは一度もなく、ずっと一緒に登校しとるらしいし。

ズキッ

またや、また胸が苦しくなった。
どうしたんやろう、今日のウチは…

「どうしたんですか、先生?」
「わひゃあ!?」

気付いたら、男が目の前におった。男のドアップにビックリしたウチは
足を滑らせて転びかけたけど―――


「だ、大丈夫ですか?」


男に抱きかかえられ、転ばずに済んだけど、顔が熱くなるのがわかる。
ま、まさか抱きかかえられるとは思わんかったけど…



『先生。俺、先生のことが…』



なんで…なんで今朝の夢を思い出してしもうたんやろう。
動悸が激しくなる、呼吸も乱れてきた。
あかん、これ以上このままでいたら、ウチは―――

「だ、大丈夫や! その、ありがとうな?」
「あ…はい」

ガラッ―――ガシャン

急いで男から離れて教室から出る。
HRも終わっとらんのに、ウチ、なにしとるんやろう。

先生の似非関西弁ってこんなんでおk?
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:29:09.11 ID:iNeNqfI0
>>449

「だ、大丈夫や! その、ありがとうな?」

先生はそう言って教室から出て行った。
別に礼を言われるようなことをしたわけじゃなかったが
先生にそう言われたのが少し嬉しかった。
でも、どうしてそんなに辛そうな顔をしてるんですか?
何か嫌なことでもあったんですか? それは俺が解決できることなんですか?
どうして俺に悩みを打ち明けてくれないんですか?


どうして―――俺の想いに気付いてくれないんですか?


「先生、どうしたんだろうな?」
「…さぁ」

こなたの口からは、たった一言だけしか返ってこなかったけど
それがとても冷たいものに聞こえた。驚いてこなたの顔を見てみる。
一瞬、目を疑った。十数年も一緒に過ごした幼馴染なのに
始めてみる負の感情…まるで般若のようだった。
どうやったらあんな顔が出来るんだろう?
どうしてあんな顔をしたんだろう?
本当に目の前にいるのは、俺の幼馴染である、こなたなのだろうか?

「男、私の顔に何かついてる? (=ω=.)」

気付くと、こなたは何時もの緩い顔に戻っていた。
今のは見間違いだよな? そもそもこなたがあんな顔するわけがないし。

「いや、相変わらず緩い顔だな〜ってな」
「むぅ〜、それって褒めてんの?」

このやり取りもあと何回出来るんだろう?
俺達は高校生だ、ここを卒業したとき、皆離れ離れになるだろう。
だから杭の残らないように大切にしよう。
この何気ない日々も、黒井先生とのやり取りも…

「じゃ…も…は……ない……」
「うん? こなた、何か言ったか?」
「うんにゃ、何も言ってないよ(=ω=.)」

ブツブツ聞こえたから何か喋ってたとは思ったけど、どうやら気のせいらしい。
ところでHRはどうなったんだろう? 急に先生が出て行ったもんだから
クラスは騒然としている。

「邪魔者は、消さないとね…」

だから、こなたが漏らした言葉も、ちゃんと聞き取ることが出来なかった。
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:41:00.33 ID:iNeNqfI0
一先ず終了、一応続きは8割がた出来てるけど
時間があまりないから投下する暇がないかも…
何はともあれ、読んでくれた人、ありがとう〜 ノシ
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:42:57.21 ID:fPrrz7g0

黒井せんせーネタはwktkせざるをえないww
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:43:20.14 ID:xRntWMSO
乙〜
時間が出来て暇だって時にでも投下してくれ〜
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/19(水) 23:44:23.20 ID:JFzF0d.o
乙です!
再開をwwktkしながら待ってるぜ!
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:46:37.82 ID:bSoI4iAo
乙だぜ
先生ネタは貴重なのでいつもwktk
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 00:49:18.64 ID:wiWms6AO
乙です。
ところで黒井先生描いてみました。
http://mup.vip2ch.com/dl?f=25831
こんなんでしたっけ?

……まあ、俺の下手な絵は置いといて。
そろそろ続き書きます。
あんまり長く書けませんが。
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 00:57:08.67 ID:/Gpb55so
>>456
即保存した!GJ!

続きwwktk って・・・どの続き?
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:01:08.97 ID:wiWms6AO
>>428 です。



続き。
超ゆっくりと。



☆―――

 言った。
 言ってしまった。
 私はどうしたんだろう。
 どうしてしまったんだろう。
 こんなのは『柊かがみ』じゃない。
 私は、私は―――

「……はあ、何でつかさとのことが出てくるんだよ」

「え……」

「お前を助けんのに理由がいるのか?
 お前は俺の恩人で、俺の友達で、……俺の繋がりだ」

「…………」

 『繋がり』。
 教室で、つかさに話してた。
 それを聞いてたからこそ、私は理解してしまった。

「……そっか、そうよね。
 ごめん、変なこと聞いて」


―――私は、もう手遅れだと。
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:02:54.71 ID:wiWms6AO
 彼にとっての私は、決して恋愛対象じゃない。
 精々『友人』止まり。
 だから私は、


「別に、そんなことは良いけどさ。
―――あ、そだ、かがみ」

「何よ?」

「ありがとな」

「……何がよ」

「いや、つかさのこと。なんか色々やってくれてたんだろ?」

 ……ああ、その事か。

「いいのよ、そんなこと。
 それにあんたがお礼することでもないでしょ?」

「そりゃそうだが……」

「……ま、受け取っておくわ。
―――男」

「ん?」

「―――つかさを裏切ったりしたら承知しないからね」

 友人として、つかさの姉として、そう言った。

「……ああ、わかってるよ」



―――だから私は、生まれかけたその想いを、捨て去った。
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:02:58.34 ID:r4rBrYAO
ktkrwktk
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:03:37.64 ID:wiWms6AO
―――

 その後もしばらく雑談をした後、男に家まで送ってもらうことになった。
 ……私は、別にいいといったんだけど……。

『かがみ……お前なあ、さっきあんな目にあっといて、よくそんなこと言えるな。
 つべこべ言わずに行くぞ。これは強制だからな』

 だ、そうだ。
 ……まったく、

「……カッコつけちゃって」

「……ん? 何か言ったか、かがみ」

「……何でもないっ」

 やがて家についた。

「男、家で晩御飯食べていかない? つかさも喜ぶわよ〜」

「はは、いや、つかさとはさっき別れたばかりだし……。
 それに、もう晩飯の材料買っちまったしな。期限今日までのもあるし」

「そっか……」

「ああ、誘ってくれたのにすまんな。
―――あ、一つ聞き忘れてた」

「何?」

「何で、俺とつかさが付き合ったって、知ってたんだ?」
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:04:24.31 ID:wiWms6AO
 ……しまった。
 そうだ。さっきつい言っちゃったんだった。
 ……どうしよ。

「かがみ?」

「え、えーと。
 さ、さっき見かけたのよ! あんたたちが手を繋いで帰ってるのをね!」

「ああ、そういうことか」

 ……危なかった。立ち聞きなんて、バレたら不味いもんね。

「じゃ、俺は帰るわ。
 また明日な、かがみ」

 そう言って駆けていく男。
―――あ、私まだお礼言ってない。

「ま、待って男!」

―――あ、これって。
 立ち止まる男。

「どーしたー?」

 少し、大きな声で、離れたところから聞かれる。


「ありがとう!」


 私は、同じように大きな声で、お礼を言った。

―――そう、あの日。
 男と初めて会った日と、逆の構図だった。
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:05:59.93 ID:bvg92820
続きktkr
卒論と履歴書書きながら待ってた甲斐あったwktk
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:06:54.20 ID:dlQrkkSO
演出うめえ
wwktkwwktk
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:13:36.16 ID:wiWms6AO
 …………。

「ふう」

 溜め息一つ。
 ガチャリ。
 家の玄関のドアが開いた……つかさだ。

「あれ? お姉ちゃん?
 じゃあ今の声お姉ちゃん? 何だったの?」

 つかさの問いかけに、私は少し、いじわるをした。

「あはは、何でもないわよ」

―――せめてもの、小さな小さな八つ当たり。
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:29:00.37 ID:wiWms6AO
☆―――

 バタン。
 家に帰ってきた。
 相変わらずなアパートの中、俺はベッドにダ〜イブ。
 ボフー。
 ……今日は、色々あったな。
 つかさへの返事、かがみを「恐ろしくタフな不良」から助けたり……。
―――不良。
 恐ろしくタフな不良。

『お前、は……あの時の……』

 アイツは、アイツはまさか……。
―――まさか。
 もう、ないんだから。
 有り得ない。

「うっが―――!」

 飯作ろ飯!
 さあ、今日はカレーだヤッホーい!


―――もう、大丈夫。
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:32:24.28 ID:wiWms6AO
―――

 その日のカレーは、旨かった。デリシャス。

―――

 就寝。
 夜十二時。
 いつも通りの時間。
 いつも通り。
 いつも通り……。
 いつ、もどお、り……。
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 01:59:38.93 ID:wiWms6AO
―――


―――

 ……朝だ。時計は……六時。
 よし、いつも通りだ。

―――

 朝の駅。
 そこに、また柊姉妹がいた。

「おはよ、つかさ、かがみ」

「あ、おはよー男くん」

「おはよ、男」

 かがみはそのままで、つかさはこちらに駆けてきた。

「おお、どうしたつかさ」

「なんとなくだよー」

 遠くでかがみが、ニコニコと笑っていた。
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 02:16:20.38 ID:wiWms6AO
―――

 電車内。

「アドレス?」

「うん! 男くんケータイ持ってたよね?」

「ああ、持ってる」

 イマドキ高校生で持ってない奴が珍しいだろう。

「だから……あの、彼氏彼女になったんだから……ね?」

 もじもじしながら顔を赤らめていじらしく言うつかさ。ああもう可愛いなちくしょう。

「わかった。
 ……ええと、はい、赤外線で送ってくれ」

「……へ?」

「……え?」

「赤外線て……なに?」

 おいおい……。
 困っていると、かがみが割り込んできた。

「もう、つかさ。前にやり方教えたでしょ? 私がやったげるわよ」

「ご、ごめんねお姉ちゃん〜」

 つかさの携帯を弄くり、かがみは携帯を俺の携帯に合わせてきた。

「……よしきた。
 んじゃ、アドレス送るな、つかさ」

「うん。お願い」

 携帯を操作し、メールを送る。
 ……つかさの携帯が震えた。届いたようだ。
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 02:22:29.39 ID:wiWms6AO
「あ、きたよ〜。登録しとくね」

「おう……ん、どした、かがみ」

 何やらそわそわしている。

「え! えと、つ、ついでだから私とも交換しない? アドレス」

「? ああ、いいよ」

 言うと、わたわたと自分の携帯を弄りだすかがみ。
 ……何をそんなにそわそわしてるかなあ。




ごめんなさい。
睡魔にとりつかれました。
また明日、続き書きます。
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 02:25:17.56 ID:/Gpb55so
乙ー
ぜひゆっくり休んでくれ
おやすみなさい
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 02:36:43.92 ID:bvg92820
GJ
がっつり期待してまってる
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 07:50:13.30 ID:J8VQlwAO
そろそろ睡魔も倒せたかな?
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 16:11:46.88 ID:OeXv3zco
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)
 (0゜∪ ∪ +
 と__)_) +
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 17:12:22.50 ID:wiWms6AO
書きます。

ゆったりですが。
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 17:13:45.09 ID:wiWms6AO
「じ、じゃあ、はい」

 かがみが携帯を合わせてくると、アドレスが送られてきた。
 すぐさまそのアドレスにメールを送る。

「あ、来たわ。……登録っと」

 そんなやりとりをしている間に、目的の駅についた。
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 17:16:04.54 ID:wiWms6AO
☆―――

 教室。三人で。

「そういえば、つかさ」

 教室での雑談中、私はつかさに話しかけた。

「なあに? お姉ちゃん」

「こうやって三人で話してるけどさ、あんたはいいわけ?」

「えー、だって、まだ二人きりじゃ恥ずかしいよー」

「あんたね……男はどうなのよ、つかさと二人っきりになりたくないの?」

「いや……俺は別に……つかさが、嫌じゃないならこのままでいいけど」

 ……もう、これじゃあ気を使ってる私がばかみたい……。

「あ……そ、もう、いいわよ」
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 17:17:21.44 ID:/Gpb55so
おかえりwwktk
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 17:19:33.11 ID:wiWms6AO
☆―――

「あ、そうだ。男くん」

「なんだ、つかさ」

「今日の昼休み、こなちゃんとゆきちゃんに紹介してもいいかな?」

「こなちゃんとゆきちゃん?」

 誰?

「泉こなたと高翌良みゆきのこてよ」

「……ああ、泉と高翌良ね」

 泉はこの前会ったし、高翌良みゆきという名前も聞いたことがある。

「ああ、じゃあかがみと一緒につかさの教室に行けばいいかな」

「うん!」
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 17:31:14.64 ID:wiWms6AO
―――

 しばらくして、クラスの連中が登校してくると、つかさとかがみは向こうの教室へと行ってしまった。

「よ! 男!」

 すると誰かが話しかけてきた。

「……? 誰だお前は」

「忘れられとるー!」

「白石みのるだっけ?」

「それは隣のクラスの奴だー!」

「だってお前久々の登場だから……」

 きっと読者も忘れてるよ、本名とか。

「……で、友。何か用か?」
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 17:59:17.81 ID:wiWms6AO
「や、特に用はねえよ。単なる挨拶だろ」

「何かしらのネタを仕込んでこいよ」

「お前は俺に何を望んでるんだ……?」
「いんや……友、何か最近めぼしいニュースないか?」

「はあ……ないな。至って平和な町だよここは」

「そうか……」

「―――あ、そういや一つ」

「ん?」

「ここいらで強くて有名な不良が、ここの生徒にやられたって話」

―――

 そして、昼休みになった。
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 18:59:50.80 ID:wiWms6AO
 かがみと一緒につかさのクラスに入ると、ニコニコしているつかさと、ニヤニヤしている泉と、ふわふわした雰囲気を放つ女子が待ち構えるようにこちらを見ていた。

「あ、こっちだよー、男くーん」

 つかさがこちらに手を振ってきたので、俺はその一団に近づいていった。

―――
「いやー、まさか君がつかさの彼氏なんて思わなかたよー」

「はは、まああの時はまだ付き合ってなかったけどな」

 このグループにはわりあい早く馴染めた。

「あれ? こなちゃん。男くんのこと知ってるの?」

「うん、この前ゲーセンで偶然あったんだよ」

「へえー」

 和やかに、時間は過ぎていく。
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 19:25:13.71 ID:wiWms6AO
☆―――

 放課後。

「じゃあ、帰りくらいは二人で帰りなさいよ」

「う……ん。じ、じゃあ、男くん」

「お、おう」

 手を繋いで先に帰っていく二人。
 その二人が見えなくなってから、こなたが。

「いやー、初々しいねえ。今まで誰とも付き合ったことが無かった二人が、結ばれて一日目な感じだねえ」

「……よくわかるわね、あんた」

「ギャルゲ知識だよっ」

 ……確かに、つかさは今まで誰とも付き合ったことは無かったし、……男も、昨日の話を聞いた限りじゃ、初めての彼女だろう。
 ……だからこそ、少し不安だった。
 男へのつかさの執着は、普段のあの子からすれば、少し異常な位だった。

―――私はこの頃既に、嫌な予感がしていた。
 だから私は、つかさの姉として、男の友人として、精一杯、二人を応援をしようと、思った。
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 19:35:29.22 ID:wiWms6AO
ちょっと休憩。
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 20:49:05.22 ID:wiWms6AO
☆―――

 ……その日から、俺の日常は変わった。
 つかさとの付き合い。
 かがみとの親交。
 泉や高翌良との交流。
 その全てが、俺の世界を変えていった。
―――そして、季節は冬へと移りだす。
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 20:55:38.26 ID:wiWms6AO
―――

 あれから、一週間の時がたった。
 つかさとの付き合いは順調で、かがみはもちろん、こなたやみゆきとも仲良くなっていった。
 ……そして、今日は祝日。
 何だかんだで二人きりでは出来なかった、初デートの日だ―――

―――

 その日、俺はいつも通り六時に起きた。
 待ち合わせは午前十時。
 場所は、つかさの強い希望により遊園地だ―――
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 21:01:12.20 ID:wiWms6AO
ところで、今見てるかたがいたらお訊きしたいのですが、皆さんはハッピートゥルーバッドどれがいいですか?
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 21:12:05.83 ID:ElLvfQDO
ハッピー
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 21:17:00.58 ID:r4rBrYAO
ハッピーエンドで
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 21:21:24.63 ID:xkL8tPIo
ハッピーエンド希望
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 21:31:16.32 ID:f0blktw0
マルチエンドはダメですか・・・?
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 21:43:38.45 ID:wiWms6AO
>>488-491
解答あり
意外にハッピーエンド希望多くて驚きました。
マルチ……ルート分岐ってことですよね……。
じゃ、できるだけマルチで。
残酷のデッドと
絶望のバッドと
現実のトゥルーと
幸福のハッピー。
……全部やれるかなあ…

とりあえず過去形の話なので、「そこ」にたどり着くまで分岐はないですけど。
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 22:07:15.39 ID:wiWms6AO
 朝食を摂った後、俺は柊家に向かった。
 ……今日は、結構寒いな。

―――

 ピンポーン。
 チャイムを鳴らす。すると、家の中から「はーい」という声が聞こえた。
 ガチャリ。

「あ、男。時間通りね」

「あれ? かがみか。つかさは?」

「ごめんねー、つかさったら、今日寝坊したゃってて……寒いでしょ? 上がって待っててよ」

 おお、柊家に入るのは初めてだな。
 中に踏み込み、辺りを世話しなく見回す。

「緊張しなくても平気よ。今日は私とつかさしかいないから」

「ほう、しかしそれでは、かがみが家で一人にならないか?」

「え? ……あ、ああ、平気よ。今日はこなたの家に行くから」

「……仲、良いよな」

「―――そうね、もう二年以上の付き合いだし」

「そっか」

 リビングについた。

「じゃあ、ここに座ってて」

「おう」
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 22:17:25.67 ID:Y1bMunIo
WAWAWA
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 22:21:48.45 ID:wiWms6AO
「コーヒーいる?」

「ああ」

「お砂糖いくつ?」

「いらないよ」

「ん……はい」

「さんきゅ……お、旨い」

「苦くないの?」

「ああ……甘いのが、苦手なんだ。
 ……つかさは? まだ、かかるのか?」

「いや、もう少しだと思うわ。急いで準備してるところでしょ」

―――そうかがみが言った瞬間、奥の方でバタバタと音がした。
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 22:22:37.68 ID:xkL8tPIo
wwktk
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 22:30:09.31 ID:VCqqsUAO
ギャルゲとかエロゲとかやったことないからわからないんだけど
トゥルーエンドってスーパーハッピーエンドって認識でおk?
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 22:37:24.99 ID:wiWms6AO

 奥の方……階段から、つかさが現れた。

「ご、ごごごごめんね男くん! 待たせちゃって」

「おう、おはようつかさ」

「え? ―――あ、うん、おはよ」

「つかさ……あんた、昨日遅くまで寝てなかったでしょ?」

「う、うん……楽しみで……えへへ」

「遠足かっ」

「……それよりつかさ。あんた、お弁当作るって言ってなかったっけ?」

「…………ああああああーー!」
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 22:57:32.20 ID:/Gpb55so
>>497
厳密には決まってないかな・・・?
主にはスーパーハッピー、ベストなEDって感じだけど、バッドなことも結構ある
制作者の意図する真実のエンディング、の意味

今ここでは>>492
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:11:19.20 ID:rb368wSO
わっくてくわっくてく
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:13:32.04 ID:Twm4CJE0
>>451 だけど、ちゃんと終わるまで投下は待ったほうがいいのだろうか?
KYとか言われたくはないし、話の途中に割り込むとちょっと罪悪感がするんだが…
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:19:31.44 ID:J8VQlwAO
wwktk
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:20:56.81 ID:wiWms6AO
―――

「……ぐすん」

「つかさ、俺は気にしてないって」

「男くんが気にしなくても私が気にするの〜」

 あのまま落ち込んだつかさを連れて、柊家をでた。
 遊園地には電車で行く。
 ……まあ、とりあえず、隣で落ち込んでるつかさをどうにかしないとな……。
 ふいに、つかさの手を握る。

「男くん……?」

「大丈夫。つかさがいれば、弁当なんていらないよ」

「ぁう……」

 顔を真っ赤にして照れるつかさ。
 やがて、その顔は、笑顔になった。

「あ、ありがと……」

 つかさのこの笑顔が、俺は好きだった。

―――そう。
 俺は、この一週間で、柊つかさのことが、しっかり好きになっていた。
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:21:05.11 ID:hH3R5/A0
遅れたけどゆーちゃん誕生日おめでとう!!
                  /^ヽ./^⌒\
            , -/´ ̄: : : : : :\: : : : : \___
            /: /: : : : : : :{ : : : : : ヘ: : : : : : \ヽ、
        ,イこY: : :/ : : : : : : : ヽ: : : : : : ',: : : : : : : \\
       / / /^}: :/: : : : : : : 厶∧: : : : : : ',: : : : : : : : :\\
.      / / /  ∨: : : : : //l: {  \ : : : : :, :ヽ :\: : : : :ヽ/
    〈 }:│  ∨ : : : : :.' |: l   \: : : |\| : : :ヽ: :}\ヽ
     ∨: :|   | : : : : :/  |: |     ヽ、}  ヽ: : : :}: {  ヽ}
     }: :│   } : : : : :l   Y-       ィzx、 }: : :∧:ヽ
     /: : :|  ,/',: : : : :{   ,ィ气       `ヾヽ/: :ヘ: :',
.    /;イ: : l.イ: : ∧: : : ∧〃          { : j: : : }\}
   / ' |: : : :∧ :ハ:ヘ: : :{: :ヽ.     rー、  fY^}j : |ヘ : l
  ,/   { : : / {:{ ヽヽ :|: : : :\   、__ノ,ヘ}  ト、:| W
      | : /   ヾ   ^Y>、;_;_;≧ー‐ ヘヽ  ,/ :}ノ
     Y          / . : /´ ̄ヽ ,ィ} ,/: /:j
               /. :/       } fこ´_:/:∧
.           /. : :/         | ヘ:_:_:_://}
          /. : : :/       | jー― '  .′
            /. : : :/ {        |ー}     ,/
          \;_/   ∨     j/^    /
            /   /       /      /
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:23:29.19 ID:wiWms6AO
風呂に入ってきます。
>>501さんどぞ
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/20(木) 23:26:40.13 ID:dlQrkkSO
wwktkwwktk

>>504
ホントだ。おめ
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:28:43.01 ID:Twm4CJE0
>>505さん、じゃあお言葉に甘えて

>>504
マジか、おっさんビックリだwwwwww
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:31:04.54 ID:wiWms6AO
>>504

ゆーちゃんおめー。
冬生まれなのか。
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:31:36.83 ID:Twm4CJE0
前回の続き、今回はみゆき編です
あと、二コ動ネタスマソ


「男、今日はゲマズに寄って行くから、寂しいかも知れないけど一人で帰っておくれ〜(=ω=.)」

我が幼馴染である泉こなたは、そう言って一足先に学校を飛び出すように出て行った。
いつもなら、かがみやつかさと一緒に帰るところなんだが
あの2人も今日は都合があるらしく、さっさと帰ってしまった。
いつもこなた達と一緒に帰ってるもんだから、今日みたいに
一人で帰るというのは少し新鮮な感じだ。

「男さ〜ん!」

んなこと考えていたら、みゆきさんが走って来た。
…揺れる揺れる、メロンが揺れる。制服を着てても自己主張する
彼女の胸部は、走行することで左右に激しく揺れていた。


ちっ、ちちっち、ぅおっぱぁ〜い、ぶぅぉいんぶぅぉい〜ん(ぼいんぼい〜ん)


…何か某漫画のキャラが、首をくいくいっとしながら高らかに歌っている映像が浮かんだ。
どう見ても、そんなこと歌うようなキャラじゃないんだけど、中の人繋がりであのキャラがなぁ〜…
何考えてるんだろう、俺…
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:36:41.61 ID:Twm4CJE0
>>509の続き


「今から帰るところなんですか?」

気付けば目の前にメロンがありました、って速っ!!
結構距離あったけど、もう来たのか!?
明らかに走るのに不向きな胸をしてらっしゃるのに
この人、本当にパーフェクト超人か?

「あの…どうかしましたか?」
「はっ!? いや、何でもないです、あはははは…」

流石に言えない、本人に『すばらしいおっぱいですねww挟んでくださいww』
とか言えるはずがあるまい、下品極まりない。
それに、俺には黒井先生という素敵な人がいるんだ…付き合ってはないけど。

「良かったら駅まで一緒に帰りませんか?」

みゆきさんに誘われるとは、今まであっただろうか?
否! 全くといっていいほどない! 少なくともみゆきさんは
帰る方向が違うので、どうしても学校を出る時間をずらさなければいけない。
だから一緒に帰る機会なんてほとんどないのだ。
だが、今日の俺は一人、こなた達はいないからぶらぶらしながら帰れる。
おまけにみゆきさんからのお誘い…HOIHOIついて行かない訳がない。
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:38:38.65 ID:VCqqsUAO
>>499
そうなのか、サンクス
てかこういうのもうちょっと学んでから投下すべきだったかもと反省している

作者さん方GJ
続きwktkwktk
512 :烏の行水 :2007/12/20(木) 23:46:30.23 ID:wiWms6AO
wktk
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:50:03.06 ID:Twm4CJE0
>>510の続き
PCの調子がおかしくなってきたー


駅までの短い道のりだったが、それなりに楽しい一時だった。
みゆきさんがみwikiと呼ばれる由縁が垣間見れたし、今度一緒に
勉強でもしないかとも誘われた。
学年トップの人に誘われるなんて、何てラッキーなんだろう。

「それじゃあお互いの携帯の番号とか知ってたほうがいいですよね?」

そう言って俺は携帯を取り出して、赤外線通信が出来るように
携帯に打ち込んでいったが、みゆきさんは携帯を出すそぶりを見せない。
どうしたんだろうか、ひょっとして忘れたんだろうか?

「男さんの番号なら知ってますよ。090-XXXX-OOOOですよね?」

…何で知ってるんだろう、この人。
ひょっとして、こなたかかがみにでも聞いたのかな?
まぁ、別に知られても困ることではないが、せめて教えたのなら
一言言ってくれればいいのに…

「じゃあ、アドレスのほうも…」
「アドレスも知ってます、XXXXXXX@OOOOO.co.jpですよね?」

番号だけかと思ったら、アドレスもか…まぁ、普通か。
友達なんだし、そのぐらい教えられてもおかしくはな

「番号やアドレスだけじゃなく、住所も男さんの部屋の位置も
 家族構成も生年月日も、趣味もベットの下に隠してある本のことも知ってます」

…へ? この人何を言って

「他にも、昨日男さんが食べた夕食や、お菓子
 お風呂に入った時間や就寝した時間、自慰をした時間も全部知ってます」

急に寒気を感じた、梅雨に入ったばかりなのに…
今まで俺がこの人に抱いた感情は単に尊敬といったものだった。
勉強や運動に加え、スタイル抜群の体つきに童顔ではあるものの
十分美人といえる顔つき、おまけに性格良し、家も裕福。
完璧という言葉はこの人のためにあるもんだと思っていた。
だが…
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 23:58:23.36 ID:Twm4CJE0
>>513


「クスクス、男さん?」

今はこの人が怖い、この屈託のない笑みの向こうに、どんな感情が潜んでいるんだろう?

「そういえば、今度の土曜日は男さんのお父さんは出張で
 お母さんはお友達と旅行、弟さんはサッカーの合宿で、家には男さんだけでしたよね。
 おまけに泉さんは、アルバイトで夜遅くまでは帰れないと仰ってましたし…
 うふふ、誰にも邪魔されない土曜日…今から待ちきれないですね」

誰も知らないはずの家族の動向が筒抜けになってる。
なにをどうすれば、こんなことになるんだ?

「知ってますか? 血液型占いでは、A型とO型の相性はとてもいいんです」

血液型も教えた覚えもない、なのにどうしてこの人は知っているんだ!

「どうしたんですか男さん、そんなに怯えた顔をして…」

彼女は少しずつ俺に近づいてくる。俺は目の前にいる少女から
目を背けることも、逃げ出すことも出来なかった。
ただ、さっきまでの優しかったみゆきさんの目が
まるで獲物を狙っているときの猟師のように見えた。
心臓を鷲掴みにされたような気分だ、身動き一つ出来ない。

「うふふ、男さんの怯えた顔…、可愛いです」

そう言ってみゆきさんは俺のそばに立つと、眼鏡を外して俺の首に手を回した。
―――一瞬、何が起きたのか分からなかった…
口にみゆきさんの唇を押し付けられると、口内に異物が侵入してきた。
みゆきさんのそれは、まるで俺の舌を放さんとばかりに絡んでくる。
俺だって男だ、こんなことをされて嬉しくないはずがなかった。
なのに友人と思っていた人から、一方的に唇を奪われるなんて
タチの悪い冗談にしか思えなかった。
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:10:09.17 ID:CF4wGvA0
>>514
眠くて誤字があるかとか分からなくなってきた


「っ…!」

ドン

「きゃっ!?」

みゆきさんを突き飛ばし、何とか離れる。
突然突き飛ばされたみゆきさんは、尻餅をついてしまっていたが
口には俺のか、それとも彼女のか、はたまたは両方が
混ざり合ったものなのか知らないが、唾液が付いている。

「うふふ、男さんのファーストキス、ごちそうさまでした」

彼女の顔はひどく官能的…しいて言うなら、欲情した女の顔だった。
だが、彼女と距離を稼いだおかげで、だいぶ落ち着きを取り戻せた。
しかし、気付けば周りは人だらけ…それはそうだ、駅のまん前で
こんなことしてたら誰だって興味を持つ。
おまけに、俺じゃあつりあう筈もないほどの美少女であるみゆきさんを突き飛ばしている。
周囲の冷ややかな視線が、俺に注がれるのは当然といっても良かった。
しかし逆に言えば、この人ごみの中に紛れれば彼女から逃げ出せるはずである。

「男さん! 待ってください!!」

当分はこの周辺や学校内から、そして…黒井先生にも冷たい視線を浴びることになるだろう。
だけど、こんな状況から一刻も早く脱したい俺は、そんな後のことを考える余裕なんてなかった。
気付けば走り出し、人ゴミを押し分けて、自分の家へと向かう電車に乗り込んでいた。
慌てて乗り込んだせいで、事情を知らない乗客達は驚いたような顔をしていたが
そんなことはどうでも良かった。ただ、今はみゆきさんが追ってこないかという恐怖で
怯えることしか出来なかった。
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:19:29.00 ID:CF4wGvA0
>>515
会話が少ない上に読みにくい…
俺、絶対向いてないわ。もう、やめようかなぁ…orz


今日はまともな事は考えられへんかった。
今朝のHR以来、男の顔も見るだけで胸が締め付けられそうになって
無理やり視線を変えては、また見つめての繰り返し…
他の生徒に大丈夫かと心配されたときは、流石に自分がどれほど深刻な状況なのかを思い知らされた。

やっぱりウチ、男のことが好きなんやろうか…

その答えは、ウチ自身がよう知っとるはずなのに、それを認めたくない自分がおる…
所詮ウチと男は教師と生徒、許されるはずがないから禁断というのに
この思いは止められそうになかった。

ざわ…
  ざわ…

気付けば駅前についとったけど、何故か人だかりが出来ていた。
別に見に行く必要なんてものはなかったけど、少しでも気が晴れればと思い
つい見に行ってしもうた。

嘘や…

嘘や嘘や…

嘘や嘘や嘘や…

嘘や嘘や嘘や嘘や…

嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や…

嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や
嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や
嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や





―――嘘や!!
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:20:36.80 ID:nmPzB3U0
誤字があるかわからない俺もきっと眠いんだろうな
wikiwktk
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/21(金) 00:22:04.76 ID:BaH91AUo
あきらめんなwwwwwwよく書けてるってヴぁ
続きwwktk

>>511
何か投下してた方でしたか。まさかは・・・いや、そんなわけないか
そんなの別に気にすることでもないから、気が向いたらまた何か投下してくれよな
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:28:02.31 ID:nmPzB3U0
>>516
むしろこーいう小説タイプは好きだ
がんばれ

>>518
無さ過ぎるwwwwww八月蝉の見て感化されて投下してる口ではあるけどwwwwww
でもありがとうwwww
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:30:33.80 ID:CF4wGvA0
>>516


目の前の光景が信じられへんかった…
だって、男と高翌良が…



キスしとるなんて…



あ、あはは…何勘違いしとったんやろ、ウチ。
ただ、男に助けてもらっただけで、ええ気になっとって…
そりゃー、高翌良みたいなええ女に惚れんはずがないもんな〜。
何が教師と生徒や…それ以前の問題や。若くて将来性もあって、全てにおいて優秀な同級生と
年増で将来性もなくて、図々しい教師とを比べたところで結果なんて、鼻から分かりきっとる事やんか。
もう、ここにおる理由はない…そう思い、この場から離れた。
それにしても、ウチってカッコ悪いわ…いくら年齢的に危機感を覚えたからって
自分にとって、身近な生徒に変な期待をした挙句に勘違いして。

ズキッ

「―――っ!!」

また胸が苦しくなったとたんに、涙が溢れてきた。
こんなところ、誰にも見られたくない、そう思い、ウチは
駅のトイレと駆け込んだ。

「ハァ、ハァ…」

中に誰もいないことを確認すると、ウチは我慢できんこうなっとった。

「うっ、くぅぅ」

駅のトイレなので、声を殺して泣いたが、ここまで泣いたのは生まれて初めてかもしれない。
やっぱりウチ、男のことが好きやったんやなぁ…
許されないとわかっとった…でも今まで会った男達の中で誰よりも好きやったんや。
でも、もうその願いは叶わんもんになってしもうたな、あはは…
こうして、黒井ななこは、生徒である男に恋をして、失恋した。
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:39:22.20 ID:CF4wGvA0
以上です、ちなみに前回はこなた編です。
そして今回はみゆき編で、次回はつかさ編となっております。
みゆきが病んだらストーカー系になると思ったんですけど、イメージとは違いますかねぇ?

あと、明日からマジに忙しくなるので、どんなに急いでも投下するのは
明々後日となります、何かすいません。
あと、NGとか作ってみました。


今回のNG


「知ってますか? 血液型占いでは、A型とO型の相性はとてもいいんです」
「マジで!?」
「えっ?」
「確か黒井先生もO型だったよな? ということは向うも脈あり!?」
「あの、男さん?」
「ありがとうみゆきさん…いや、みwikiさん! 俺、今ので勇気付けられたよ!」
「まだ言いたいことが…」
「よーし、今から告白だ! それじゃあみwikiさん、さよなら!」
「………」

(未)完

…本当にすいませんでした。
それでは、見てくれた人達、ありがとうございました ノシ
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:44:01.40 ID:Wb.Q56AO
乙。そしてNGワロタwwwwww
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 00:44:02.69 ID:KA/DJkSO
乙ー
続き楽しみにしてるぜ!
NG集wwww男台本読めwwwwww
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 01:00:55.69 ID:oyKeT1.0
なんかCF4wGvA0の話を読んでいると
絶対誰かが得するたびにそのことで誰かが損している
という理が心にしみてくるわ
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 01:20:37.60 ID:nmPzB3U0
乙カレー

男自重wwww
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 01:22:38.15 ID:Wb.Q56AO
さて、あとちょっと書いたら俺も落ちますね。


☆―――

「……さて、と」

 二人を見送ったあと、私は暇になった。
 ……ホントにこなたの家に行こうかな……。

「しかし……」

 ホントにあの二人は、もどかしいことこの上無い。
 今回だって、私が説得してようやく二人きりでのデートだし。
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 01:27:28.67 ID:Wb.Q56AO
 ……ここまでしたのには訳があった。
 ……夜、つかさの部屋から聞こえるんだ。
―――苦しそうな、呻き声が。
 ……きっとつかさは板挟みにあっている。
 友情と愛情の板挟み。
 こなたやみゆきと一緒にいたいけど、男とは二人きりでいたい。
 ……解決口の無い悩みだ。
 どちらかを切り捨てるしかない。

―――でも、つかさはどちらも捨てられなかった。
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 01:34:57.55 ID:Wb.Q56AO
 だからみんなで。
 男とは二人きりにはなれないけれど、みんなと一緒。
 ……つかさは、それを選んだんだ。
 ……好きな人が、自分以外の女の子と仲睦まじげに話してるなんて、苦しいだろうに。
 つかさは、友情をとった。

―――でも、きっとこのままじゃ、つかさはどんどんストレスに悩まされるだろう。
 だから私は、二人きりで遊びに行け、と。
 つかさのストレスを少しでも減らしてあげれるように、した。
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 01:37:14.38 ID:Wb.Q56AO
「―――さて」

 こなたに電話して、遊べるか聞いてみるか。



 今日はここまで。
 それではまた明日。
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/21(金) 01:43:17.88 ID:BaH91AUo
乙です
明日もよろしく
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 02:13:26.13 ID:votSkzc0
乙でした〜
明日もwwktkしてますwwwwwwww

そういやもうすぐクリスマスですねぇ
何か悲しくなってきた、
はぁ欝だ

―――――――

最近、街がやけに賑やかになってきた。
みんな幸せそうに笑いながら歩いてる。
「そっか、もうすぐクリスマスなんだ。。。はぁ。。。」


街中をいちゃつくカップルを見て、つい溜息がこぼれてしまう

今まで恋人なんか居たことが無い


みんな、今ごろ元気かなぁ……



最近は高校のときのことばかり考えてしまう

あの時は

こなたにおちょくられたり
つかさに世話焼いたり
みゆきと勉強で競ったり

4人一緒で楽しかったのに、

最近は何か、生きてるのが辛いや。

弁護士がこんなに大変だなんて知らなかった

出身校の繋がりがほとんど無い私は本当に辛い思いをしている

上からは怒鳴られ、下からは突き上げられ


気がつけばもう27歳


こなたは結婚してヲタショップでパートしながら主婦
つかさは主婦をしながら料理教室
みゆきは医学生時代の相手と結婚し、整形外科をやっているらしい
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 02:13:30.99 ID:votSkzc0
家に帰っても誰もいない

寒くて冷たいワンルーム

辛い………


ふと携帯をみると光っていた
「ん?留守電か」
ピッ
「伝言を一件再生します。ピッ」
「おー柊?元気かー?アタシだよ〜、ひさしぶりだなぁ」
ヴァの発音にやたら厳しい旧友からだった

「2月の末の土曜にクラス会やることになったんだk」
ピッ

用件を理解すると伝言をきってしまった


同窓会に行くのが嫌になったのはいつごろだったろうか?


高校の時はあまりに楽しくて、
それに比べ卒業後の自分があまりに荒んでいて


大学はあっという間だった

思い出といえば勉強したことしかない

朝起きて学校に行って、
講義の無いときは図書館

サークルに入る気にはならなかった

お金は節約してたから、バイトはせず
仕送りだけでも貯金する余裕があった

だけどその結果がこれ
彼氏もできず友達らしい友達もできずに気がつけばこんな年になってた


一人で勉強していれば、忘れることができる現実
でも街に出れば否応なしに現実を見なきゃいけない
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 02:13:36.66 ID:votSkzc0
辛い。。。。


身体的にも精神的にも


朝早く出社して、雑務
同僚にも誘われず昼は一人
夜帰って少しだけラノベを読む

ルーチンワークのような日常



今日もいつも通り
幸せそうなカップルと
楽しそうな学生と
草臥れたサラリーマンとともに
電車に揺られる

でも、そんな時、運命の人に出会った
534 :533続き :2007/12/21(金) 02:30:22.81 ID:votSkzc0
このままじゃ嫌だ

そう思って今日はいつもとは違う道を通った

前の方に酔っ払いが出来上がってフラフラしながら歩いていた

「いい気なもんねぇ」
「あぁ!?」

どうやら私の心の声は外に出ていたらしい
ベロンベロンの酔っ払いが絡んできた

「おい、姉ちゃん、なんだってぇ?んん?」

こういうときは無視するほうがいいだろう

私は構わず通り過ぎようと思った、でも

ガッ

唐突に肩を捕まれバランスを崩して倒れてしまった

「イタッ」
「人を馬鹿にすんじゃねぇよ!まったk…うん?」
「何ですか、あなた」
「良く見りゃ結構な美人さんじゃねぇかww 女教師系か、そそるねぇwwwwww」
「何言ってって、きゃ」

酔っ払いが酒臭いを漂わせながら私に覆いかぶさってきた

「ちょっと!何するんですか!どいてください!」
「うるせぇ!女は黙って男の言うこと聞きゃいいんだよ!」

そう言うと酔っ払いは私の身体を撫で回し始めた

今まで恋愛の経験なんて無い
勿論、男性に肌を触れられることが初めてで私はパニックになってしまった


「いやああああああああああ!何すんの!助けて!誰か!」

「なんだい姉ちゃん。急にエキサイトピンポンかい?ヒッヒッヒ」


なんだか分からない私が泣きそうになったその時
「はいはい、お父さん、ちょっと失礼しますよ」

誰かが酔っ払いの身体を私から引き剥がしてくれた

その人は高校の時の友達だった
535 :534続き :2007/12/21(金) 02:37:14.33 ID:votSkzc0
しばらく酔っ払いと助けてくれた男性はもめていた様だった

その間私は落ち着きを取り戻そうと必死だった

「大丈夫でしたか?」

「はい、ありがとうごz…えっ?」

優しそうな雰囲気、短めの髪に細い目
つかさのクラスだった白石くん…?

「あ!かがみだったのか。大丈夫だったか?」

「え?あ、うん。ありがと、助けてくれて」

彼の雰囲気は高校の時よりもいくらか大人びて
でも、優しそうなところは変わっていなかった

「たまたまココ通ったらさ、悲鳴が聞こえたから驚いたよ、でもかがみが何とも無くてよかった」

そう言った白石君の顔はスゴクかっこよかった
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 02:38:29.06 ID:vs2OLMAO
WAWAWAwwwwwwまさかの展開wwwwwwwktkwktk
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 02:52:35.28 ID:votSkzc0
すいません、寝ます
唐突に始めてすいませんでした
続きは次に書きます
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 08:10:51.14 ID:igQ253Ao
みのるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

わっふるわっふる
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 08:35:55.07 ID:vs2OLMAO
ヤンデレこなたの華麗なる1日

8:00 ヤバい遅刻する!!!でも、昨日ナイスアイデアを思いつくまでに時間かかっちゃったから、しょーがないと言えばしょーがないよね。

8:15 いろいろ飛ばせばなんとかなるもんだね。かがみんたちまだ駅にいて良かったよ。さぁ男がいる学校に向かってれっつらごー。

8:22 男みーっけ。でも、挨拶は私が最初じゃない。しょーがないよね、まずは彼女から挨拶するよね。いいなぁかがみん。でも、今日はそこまで羨ましくない。だってかがみん出し抜いて男にドッキリを仕掛けるからね。放課後がワクワクですなぁ。

10:15 ね…眠たい…

11:40 次でお昼だ。男に会えるじゃん。がぜんやる気が出てきたよ!

12:00 寝ちゃだめだ寝ちゃダメだ寝ちゃダメだ寝ちゃダメだ寝ちゃダメだ寝ちゃダ……

12:40 お昼キタ―――!男キタ―――!いつもは不味いのに今日はチョココロネは絶品だね。この絶品さを目の前のカポーにわけてやりたいよ。

13:30 意識が…

15:30 何してたか記憶がないけどついに放課後だ!いよいよドッキリを実行する時…

15:42 電車見えた!ドキドキするよこの瞬間!!かがみん。悪いけど、男に私を刻ませてね。男、これで一生、男の心から離れない。いつまでも一緒だよ。…………いっせーのーっで!!!
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 08:52:51.75 ID:vs2OLMAO
お目汚しスマソ

>>537
乙彼ー
続き楽しみにしてるww
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/21(金) 10:33:12.58 ID:KA/DJkSO
これはいいセンス。GJ!
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/21(金) 11:11:20.71 ID:EHmLxvUo
小ネタ思いついても、考えてるうちに設定とかが過去作品と被る悲しさ。
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 12:57:04.15 ID:vs2OLMAO
柊つかさのヤンデレシピ


男くんに、お弁当つくってあげよう。男くんが喜んでくれたら、私すごい幸せだよー。そのためにも、男くんの好きなものたっくさんいれなくっちゃ!
まずは、お野菜。男くん、人参大好きだったから、あまーい人参入れてあげるね。そうだなぁ、あ、次はコーン。男くん、ファミレスでステーキとかについてくるコーンが好きだっておねーちゃん言ってたし。次は…そうだ!ステーキ弁当にしよっと。これならきっと男くん、大喜びだよー。でも牛肉ないんだよね……。
どーしよう、男くんに嫌われちゃうよー。男くん、ただでさえおねーちゃんとばっかり一緒にいるのに、このままじゃおねーちゃんにとられちゃう…。
…そっか、男くんおねーちゃんが好きなんだった!よかったー、なんとかなりそうだよー。

おねーちゃん、ちょっといい?協力してほしいことがあるんだー。実はね…



再びスマソ
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 21:58:53.94 ID:votSkzc0
コソコソ、今誰もいないかなァ?
とりあえず>>535続き投下しちゃいます
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 22:00:33.41 ID:votSkzc0
「ちょうど席空いてて良かったよ、とりあえず何か食べようぜ?」

ここは居酒屋の個室

さっき助けてもらった後、白石が
「嫌なことあった時は旨い酒と旨い料理で気持ち切り替えしよう!」
なんて言って少し強引につれてこられたのだ

居酒屋といっても、馬鹿騒ぎするようなやつらなんか居なくて
料理も雰囲気もお洒落で、彼がこんな店を知ってることに驚かされた

高校卒業から友達も恋人もいない私にとって
男性と二人でこんな店に入るのは初めての経験だった

「へぇ、居酒屋ってどんな所かと思ったら結構お洒落でいい雰囲気のお店ね」
「流石に騒がしい居酒屋には連れてこないよ」
「でも、以外ね。アンタがこんな店知ってるなんて」
「まぁ、仕事柄結構こういう店に世話になるんだよww」

少し照れくさそうに白石が微笑んできた

「仕事って、今何してるの?」

白石は正直言ってそんなに成績良くは無かったし
こういう店の世話になるっていうのが引っかかった

「あー、なんていうか、タレント?かな」



「え?まじですか?」
「ああ、ホントに」

「タレントって、あのテレビに映るのが仕事のタレント?」
「それ以外何があるんだよww最近じゃドラマとかも出てるんだよ。ハルヒの谷口役とか、知らない?」
「うーん…」

(信じられない。まさか白石がタレントなんて)
私は受験期からテレビを見てないので芸能関係の話題には疎かった


「そういえば、高校のときは「らっきー☆ちゃんねる」とかいうのやってたんだっけ?」
「やってたねー、その時のパーソナリティが嫌な先輩でさぁ……」
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 22:00:59.43 ID:votSkzc0
笑いながら小生意気で目つきの悪いロリピンクの事を話始める白石
「あの時はああだったけど今は結構丸くなって…」なんて話を続けている

話してる間中笑っていた白石の顔が何かキラキラしていて
胸のあたりがモヤモヤした

だから

「でさぁ、その時のあきら様がs」
「ねぇ、そろそろ何か頼まない?」

あきらの話なんてAlt+F4よ

「あ、ごめんごめん。今日は飲む?」

(あ、そうか。ここって居酒屋だった。飲むって事はお酒よね)
慌ててメニューに目を通す私
(え?何これ?お酒ってこんなに種類あるの?しかもまったく内容が分からないわ)
当然、私はお酒を店で飲むことは初めてだった
ワインとか日本酒とかカテゴリの名前しか知らない私には何を頼めばいいのか全く分からなかった

「えっと……白石って結構ココ来るの?」
「ん?まぁ初めてでは無いって程度かな」
「じゃあ任せるわ」
「そうか?分かった。」

(危なかったわ、この年でメニューが分からないなんて恥だもんね)

「じゃあ、かがみって酒強い?あと甘い方がいい?」
(うっ…強いか弱いかなんてわからないし、好みなんて…困ったわ)

「え……まぁ強くは無いわね、じゃあ甘めでお願い」
「はいよ〜」

ソレを聞くと白石は店員を呼びなにやら注文していた
けど、私には何がなんだかサッパリだった

「でさ、かがみは今何やってんの?」
「私?法律事務所の下っ端よ。」
「おお、すごいな!かがみは成績良かったしなぁ、司法試験も受かったのか?」
「ええ、流石に受験より勉強したわね」
「すごいな〜かがみは、俺ももっと頑張らないとなぁ、TVでの姿をかがみに見せるためにww」
「ちょっと、たまたま私がTV見てなかっただけじゃない!」

白石と過ごした時間は本当に楽しかった
選んでくれた料理もお酒もおいしかったし

何より、私の話を聞いて、一緒に笑ってくれた
こんなに人と話すのが楽しいと感じたのは久しぶりだった
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 22:01:23.69 ID:votSkzc0
「すみません、そろそろラストオーダーの時間ですがご注文はございまか?」
「だってさ、かがみ。まだ何か頼む?」
「私は大丈夫、」
「では、特に無いです」

いつの間にか23:30。この楽しい時間もそろそろお開き

「かがみ、そろそろ出ようか?」
「え…………ぅ、ぅん」

本当は出たくなかった。できることならずっと白石とココで過ごしたかった
でも、そんな我侭を通そうとするには、あまりにも大人になりすぎていた

(はぁ、これでまたいつもの毎日か。嫌だな。)


店を出ると、コートを突き抜けるほど寒さが襲ってきた

「おー、寒ぃ、今日は冷えるなぁ」
「…うん」
「かがみ家ってココから近い?」
「歩いて15分くらいかな。」
「じゃあ送ってくよ、ウチも大体そのくらいだし」
「ぇ…ぁ…ありがと…」

正直、すごく嬉しかった。
まだ白石と一緒に居れる。
そう思うと身体が火照っていくのが自分でも分かった

白石と歩く、帰り道。いつもの荒んだ自分は居なかった
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 22:01:40.39 ID:votSkzc0
でも直ぐに家についてしまった
「ここよ、」
「ん、そうか。じゃ、まぁ風邪引かないようにな、またな」
そう言って踵を返し帰ろうとする白石
(待って、まだ、一緒にいたいよ。行かないで)



「待って!!!!」
気がつくと私はお腹のそこから叫んでいた


「え?」
白石の驚いた顔が目に写った

「いや、その、だから、折角だしお茶でも出すから寄っていったら?」
(恥ずかしい、コレじゃまるで誘ってるみたいじゃない、でももう少しだけ白石と…)

「いや、悪いから遠慮しとくよ、」
「いいから来てよ、ねぇ…」
「………分かった、じゃあ一杯だけ」
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 22:08:30.59 ID:votSkzc0
ではでは今日はこのへんで
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/21(金) 22:16:08.31 ID:BaH91AUo
乙!
白石ががんばってるwwwwwwwwww続きが楽しみだぜ
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/21(金) 22:26:46.02 ID:Wb.Q56AO
乙です。
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:05:20.57 ID:ma4GT2oo
ワッフルワッフル
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:11:46.34 ID:dclDOwAO
何だろう、期待と不安が混じったこの感じ
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:36:35.53 ID:bYREOsAO
さあ、始まるザマスよ
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:37:27.09 ID:Aexd0HY0
行くでガンス
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:39:44.65 ID:dWNrUf.o
フンガー
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:40:35.82 ID:ZdBJ4.SO
まともに始めなさいよ!
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:41:53.48 ID:azkMBgAO
あ〜いまい3センチ♪
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:45:06.95 ID:bYREOsAO
やべwwwwww歌始まっちゃったwwwwww
……よし、じゃあ始めますね。

>>529続き

☆―――

 電車。

「なあ、つかさ。遊園地に着いたらまず何乗りたい?」

 揺れる電車の中、渋滞の人達に押されて縮こまっているつかさに話しかける。

「う、うーん。やっぱり観覧車かな?」

「それは最後まで取っておいた方が良くないか?」

「それもそうだねー。あ、じゃあメリーゴーランドとかは?」

「……一人で乗れよ?」

「えー、男くんも一緒に乗ろうよー」

「……まあいいや、何に乗るかは着いてから決めよう」

「は、話逸らされた……」
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:46:57.42 ID:bYREOsAO
―――

―――そして、遊園地。
 名を、『あいまい遊園地』。

「わー、私、遊園地なんて中学以来だよー」

「俺は、小学以来かな」

 ……友達と来ることなんて、無かったしな。

「……男くん? 入らないの」

「ん? ああ、じゃあ入ろうか」

 受付に行き、チケットを二枚買った。
 一枚を、つかさに渡す。

「はい、つかさ。
―――んじゃ、行くか」

「うんっ」
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 00:47:39.15 ID:dWNrUf.o
ホントに始まったwwwwww
wwktkwwktk
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:51:20.10 ID:Aexd0HY0
なんという前フリwwwwww
wwktktktktktkt
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 00:54:20.21 ID:bYREOsAO
―――

 メリーゴーランド

「くぅ……結局、俺も乗ってるし。……でも、つかさにあんな顔で頼まれちゃなあ」

「えー? 楽しいよー?」

―――

 コーヒーカップ

「速く回すぞつかさ! それ!」

「ひいぃ、ち、ちょっとはやいよ〜、おとこく〜ん」

「ぐるんぐるんぐー」

「バルサミコ酢ー」

―――

 ジェットコースター

 ゴトン……ゴトン……ゴトン……。

「た、高いよ男くん……」

「ああ、これは高いな……」

 しかも坂がめちゃくちゃ急だ。

「……あ、く、くる……きちゃうよ! 男く……きゃああああああーー!?」

「うおーー!」

 二人して酔った。
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 01:00:35.93 ID:bYREOsAO
―――

 休憩、昼食。

『あーいまーい遊園地♪』

 この遊園地のテーマソングが聞こえる。……変な曲だな。

「ふう……気持ち悪い……」

「わ、私も……」

「せっかく買った焼きそばも口を通らないぜ……」

「だから私は嫌だって言ったのに〜」

「つかさだって俺が嫌がったのにメリーゴーランドに乗せただろ。おあいこだぞ」

「私はメリーゴーランドで楽しんだけど男くんはジェットコースターで楽しめてなかったからおあいこじゃないよ〜」

 そんな会話をしながら、俺達はゆっくりと腹を満たしていった。
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 01:16:17.29 ID:bYREOsAO
 ブルルル。
 バイブレーション。
 ……つかさの携帯が震えていた。

「なにかな……あ、お姉ちゃんからだ。
 楽しんでる? 体調崩してない? だって」

 ……かがみはやっぱ、家族想いだよな……。

「えー、と。
 男くんのせいで気持ち悪いです。っと」

「やめいっ」

 勘違いするだろっ。

「じ、冗談だよー」

―――

「さて、次はどこ行く? つかさ」

「うーん……あ! あそこ行ってみよ! 男くん!」

 そう言ってつかさが指差したのは、「鏡の迷宮」。
 いわゆる、ミラーハウスだった。
566 :ところで、コテってつけたほうがいいのかな? :2007/12/22(土) 01:42:31.87 ID:bYREOsAO
―――

「お、男くん、どこー?」

 つかさの声が聞こえる。……姿は、見えない。
 見えるのは大量の自分―――

「―――これは、結界かっ」

「へんなこと言ってないでこっち来てよー」

―――つまりは、はぐれた。

「ちょっと待ってろ! すぐ行く!」


 ……結局、探すのに三十分かかってしまった。
 ……もう、あの迷路には入らねえ……。
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 01:59:04.50 ID:bYREOsAO
―――

 ……日も、暮れてきたな。

「つかさ」

「…………」

 ……拗ねてる。

「つかさー」

「…………」

 ……まあ、三十分も一人にしちゃったしなあ……。

「つかさ、黙ってると抱き締めるぞ」

「ふ、ふぇ!?」

「おお、やっと反応したな」

「だ、抱き締めるなんて……こんなとこで……で、でも、男くんがそうしたいなら……」

「おーい、つかささーん?」

「は、はいっ」

「もう遅いし、締めに観覧車行こう」

「うんっ……ってあれ?」
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 01:59:52.21 ID:bYREOsAO
ちょい休憩
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 02:04:37.11 ID:ZdBJ4.SO
がんがれー
起きていられる限りはついていくぜー
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 02:38:44.99 ID:bYREOsAO
―――

 時間的に、観覧車のところには列がなかった。
 よって、ついてすぐに乗り込めた。

「わ、わ、上ってくよ男くんっ」

 向かいに座ったつかさが興奮した声を上げる。

「……なあ、つかさ。ホントに遊園地来たことあんのか?」

「あるよー、でも、久しぶりだから、つい興奮しちゃって」

「そっか」

 ……ま、俺はあんまり興奮しないけど。……冷めてるのかなあ、俺。
―――やがて、観覧車は頂上近くに差し掛かった。

「綺麗だね……」

「ああ……」

 夕焼けの町。
 赤い光に照らされた町は、いつもと違う気がした。
571 :三時頃終了……かな? :2007/12/22(土) 02:47:19.90 ID:bYREOsAO

―――何か、行動したくなった。
 赤は、人を興奮させる色だと、前本で読んだっけ。

「―――つかさ」

「ん? なあに、男くん」

「……そっち、行っていいか?」

「そっちって……隣?」

「ああ」

「いい、よ」

 許可を得て、つかさの隣へと移動する。
 ドクン。
 つかさの顔を見る。
 顔は、間違いなく陽の色以外の赤色で染まっていた。
 ドクン、ドクン。
 ……つかさと、目が会う。可愛らしい、大きな瞳。
―――そういや、俺からは、まだ言ってなかったっけ。
 ドクン、ドクン、ドクン。
 顔をじっと見る。
 そっと、つかさの肩に手をかけた。



「―――つかさ、俺は、お前が好きだ」
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 02:58:54.94 ID:bYREOsAO

 ……そのままそっと、肩を引き寄せる。
 そして、彼女の唇に、自分のそれを重ねた。

「ん……」

 息を漏らすつかさは、しっかりと瞳を閉じていた。
―――なんてベタなシチュエーション。
 こなたにギャルゲみたい! とでも言われそうな状況だった。
 ……数秒して、顔を離す。

「……男、くん」

 呟くつかさの目じりには、少し涙が溜まっていた。
 瞳を閉じれば零れ落ちそうな、涙。
 それを拭わぬまま、



「―――私も、男くんが、好き。大好き」



―――そう、笑顔で言った。
 ……一粒の涙が、つかさの頬を伝って、落ちた。
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 03:01:37.71 ID:bYREOsAO
今日はここまでで。
起きてはいられますが、書く体力がありません……
読んでくれた方、ありがとう。
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 03:05:37.33 ID:dWNrUf.o
乙ー
また明日も楽しみにしてるぜ
おやすみー
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 09:21:32.33 ID:dclDOwAO
また、歌い始めるか?
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 09:54:36.15 ID:ma4GT2oo
さあ、始まるザマスよ
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 10:50:12.99 ID:1qSns/wo
いくでガンス
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 11:00:26.78 ID:dWNrUf.o
フンガー
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 11:05:37.79 ID:dclDOwAO
まともに始めるなさいよ!
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 11:05:49.94 ID:dclDOwAO
ごめん
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 11:06:20.47 ID:R2hxaE20
\_ /                 `ヽ _/

\_/        〔お金命〕     ヽ.. /
  /----------┌─────┐---ヽ
  ヽ:::::::::::::::/ヽ::::/│ ■   ■.│ l:ノリ'
  ヾ,、:::::::l ヘ,l:::l  \_/\_/ l/
   `ー--;:ヾリ:::::`;;イ   、_ ,)    !ーノ  まともに始めなさいよっ!
      ヽ:`'::::::_;イ  ,___    /シ´
      /::::rニ-‐'  丶---'  /-'´
    、_i'ソ:::::| 、ヽ、    ̄  ,.イ;`i
    ー-'イ:|  ヽ  `丶 --'  |ノ '
    ,. - ' ´ '   \  ヽ.   /  ト、
_,. ‐'´ヽ                `ヽ、
     ー-----  、. _       _,,. `ヽ、
              ``丶― . '"       `ヽ 、
   ;                  (漢)    、  ヽ
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 14:06:29.81 ID:21sdTEU0
>>581がふざけてる様にしか見えないのは気のせいか。
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 21:02:51.66 ID:bYREOsAO
三ねーんB組ー
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 21:05:48.37 ID:ZdBJ4.SO
くろいせんせーい
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 21:15:18.42 ID:dWNrUf.o
はいはい・・・
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 21:17:46.13 ID:Lt/cbwg0
はいはい・・・
587 :早くも今回でネタ切れ :2007/12/22(土) 21:21:36.16 ID:bYREOsAO
これは……成功?


続き


―――

 ……帰り道は、無言だった。
 と言っても、気まずい沈黙じゃなく、どこか心地良い沈黙。……そう、感じていた。
 夕暮れの中、二人で歩いてく。
 手を、しっかりと絡めて。
 ……平和で、幸せな日常だった。


―――この頃までは。
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 21:22:54.93 ID:Lt/cbwg0
ごめんね・・・私がリロードを怠ったばっかりに
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 21:28:26.53 ID:dWNrUf.o
今日もちゃんと再開したwwwwww
wwktkwwktk
590 :そろそろ……病みが……くるような……こないような…… :2007/12/22(土) 21:30:59.96 ID:bYREOsAO
―――

―――ブツン。

 ……再び、意識が戻ってくる。
 あの平和な日の思い出からは、考えられない現実に。
 さっきから意識を失う度に、過去を幻視する。
 時はゆっくりと、腹部の激痛と共に、過ぎていく。
 俺にはやっぱり□□□がすがって泣いていて。
 近くで□□□は呆然と立ち尽くしている。……自分のせいだ、と後悔するような顔で。
 ……数秒、現実を見て、また俺は、幻想へと―――


―――ブツン。
591 :さんスマ見てるからゆっくりです :2007/12/22(土) 21:40:30.74 ID:bYREOsAO
―――

 ……柊家の前についた。

「……男くん、送ってくれてありがとう」

 律儀に礼を言うつかさ。

「ああ、気にするな、恋人だろ?」

「うん……今日は楽しかったよ、……ありがとう」

 ……二度目の礼。

「ああ、俺も楽しかった」

「ホントに……ありがとう」

 ……三度目。

「……つかさ?」

「ありがとうね、男くん。私、今、幸せだよ」

 ……四度目。

「……おい、どうした?」

「何でも……ないよ」

 そう言って、踵を返すつかさ。……顔は、伏せていた。

「つか―――」
「―――また、明日ね、……男くん」

「…………ああ、また明日、学校で」

「…………」

 ……無言で、つかさは家へと帰っていった。
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 21:47:35.64 ID:bYREOsAO
☆―――

「…………」

 私は、無言で家に入った。

「……あ、つかさ、帰ったんだ」

 声をかけてくるお姉ちゃん……それを、無視した。

「ち、ちょっとつかさ!?」

 バタン。
 戸を閉める。
 布団に潜った。
 ……今日は、楽しかった。
―――その分、悲しく、寂しく感じた。
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 22:10:59.56 ID:bYREOsAO

 今日【は】楽しかった。
 ……じゃあ、いつもは?
 ……二人きりじゃいられない。
 みんなと一緒。
 ……私は、いつもは楽しくない……?
 今日、久しぶりに二人きりになって、よく解った。

―――私は、男くんと二人きりで居たい―――
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 22:39:25.35 ID:bYREOsAO
☆―――

 家についた。
 ……今日は、疲れたし、インスタントでいいか。

―――

 ずずずずずずー。
 すする。
 俺はラーメンをすする。
 塩味。カップヌードル。
 ずずずずずずー。

「……侘しい」

 ……今日が楽しかった分、後が侘しいな……。
―――しかし、

「つかさ……どうかしたのかな……」


―――その時、俺の携帯が鳴った。
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 22:57:24.61 ID:bYREOsAO
「電話か……」

 手にとる。
―――表示は、『柊かがみ』。



ごめ、ここまでです。
もしかしたら夜また来るかも……?
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/22(土) 23:02:57.85 ID:dWNrUf.o
乙ー
続き待ってるぜ
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 23:47:32.71 ID:cunVBIY0
乙かれー

気が付けば長編結構増えてるんだな
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 00:23:14.82 ID:bQCZvy6o
乙!
毎回楽しみにしてるよー
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 00:51:38.60 ID:YR6FlUAO
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:00:37.66 ID:iH3gykSO
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:01:59.23 ID:LqkprTo0
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:02:18.01 ID:eLJ0Huk0
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:04:39.68 ID:bi.eJW2o
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:06:22.83 ID:ZtQZpywo
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:13:39.05 ID:3gaHFFco
このスレを読んでると、無性に書きたくなるんだけど……

('A`)らきすたを読んだことが……
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 01:27:26.09 ID:YR6FlUAO
OTZ……

>>605
大丈夫です。
俺だって読んだことありません。
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:13:20.56 ID:eLJ0Huk0
さぁ始まるザマスよ
行くでガンス
ふんが〜
さっさとはじめろってヴぁ
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:14:17.36 ID:eLJ0Huk0
>>548続き

ガチャリと重苦しいドアを開ける
「さ、どうぞ。入って」
「じゃあお邪魔するよ」

そういって靴を脱いで端に揃える辺りが彼らしい
そんなことを思いつつ私も自分の部屋に上がった

「ここ…が…かがみの部屋か……」
呆然と立ち尽くす白石に気づいて慌てて私も駆け寄ると、そこには

脱ぎ散らかしたパジャマ

ぐしゃぐしゃのベット

極めつけは部屋干ししていた下着


「っ!!!!!!!」
私は声にならない悲鳴を上げ慌てて片付けた

白石がいったんキッチンの方に行ったところをみると
彼に不快な思いをさせてしまったのだろうかと心配になった
確かに急に上がっていけと言われた女の部屋がこんなに散らかっているとは思わないだろう
私は軽くショックを受けながら大慌てで片づけを済ませた

「ごめん。もう入っていいわ」
「あぁ、改めてお邪魔します」

彼はいつものように微笑んでくれていたので少し気が楽になった
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:20:30.43 ID:eLJ0Huk0
「じゃあ何か出すわね、コーヒーでいい?」
「手伝おうか?」
「いいわよ、砂糖とミルクは?」
「ブラックでよろしく」

コーヒーを入れながら私は重要なことに気づいた
(もしかしてこれって貞操の危機?飲みの後に家に行くってやっぱりそういうことよね!?)
私の頭は再びパニックを起こしそうになっている
(大丈夫、白石はそんな軽い男じゃないわよ、安心してかがみ。大丈夫大丈夫)
(でも、白石にならいい…白石と一緒に居たい)
(でもコレを飲んだら彼はかえってしまうかも……なら…)
少し考え私のほうにミルクを入れ、彼のほうに睡眠薬を入れた
私が最近使っている水溶性のものだ
効果が出るのが少し遅いけれど強い薬なのでコレを飲ませれば明日までは一緒に居られる

私は二つのカップを丸いお盆に乗せ白石の下に戻った

「は…はい、どうぞ」
「ん。ありがと、で、どうしたんだ?」
「へ?何が?」
私は急に真剣になった白石に少し驚いた

「だって、わざわざココに招いたって事はココでしか出来ない話があるんだろ?」
「………」
「まぁ久々に会った友達に告げられないような深刻な悩みだったらともかくそうじゃないんだろ?」
「………」
「話してみろよ、ほかならぬかがみの事だ。意地張って中々人には打ち明けられないんだろ?」
「………」

私は勘違いをしていた
いや、白石稔という男はこういう男だって事を忘れていた
普段は頼りないくせに気が利いて優しく
時に男らしい
抱かれる抱かれないなどとくだらない事を考えていた自分に自己嫌悪
それと同時に私の中に有る気持ちが浮かんだ

(白石になら話して受け止めてもらえるかも、自分の悩みを、話してみようかな)
もはやさっきまでの浮かれた乙女の心境は冥王星まで飛んで行ったらしい

「実は……」
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:20:50.16 ID:LqkprTo0
みのるの人ktkr
wwktkwwktk
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:21:00.95 ID:eLJ0Huk0
私は話し始めた
楽しかった高校時代とは対照的な大学時代
司法浪人した2年間
就職してからの対人関係
自分とは違って幸せになっていく旧友、妹

彼は真剣な眼差しでずっと私の話を聞いてくれた

自然に涙が溢れる

自分の悩み、辛さ、孤独さを吐露するたびに楽になっていく

聞いてもらえる人が居ることがどんなに幸せなことか

そんなことを実感しながら

私は嗚咽を上げながら思いを吐き出していった


「ぅぐっ……ごめん…こんな話…して…」
「そうか、今まで辛かったな。よしよし」

不意に抱き寄せられ、頭を撫でられる


今まで感じていた孤独感や悲壮感が一気にぬぐわれる気がした
人のぬくもりがこんなに暖かい物だったなんて初めて知った

白石は私が落ち着くまでずっとそうしてくれていた



(あったかいな、それに結構たくましい////)
「ん?落ち着いたか?」
「うん、ありがとう」
「そのままでいいからちょっと聞いてくれよ」
「うん」

白石の声がいつもより大きく感じる
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:21:37.50 ID:eLJ0Huk0
「かがみはさ、一人じゃないんだよ」
「え?」
「みんなから置いていかれたって思いは単なる自己嫌悪」
「…」
「自分を孤独だと思ってるのもそう」
「…」
「だってかがみはいい女だもん」
「……え?」

(な、何突然言ってるのよ!///)
突然の白石の発言に思わず私は混乱してしまった

「いい女っていうのはなかなか近寄れないんだよ」
「…」
「だから孤独に感じる。職場での苛めもそう」
「…」
「お前が有能だから嫉妬されて、変えようの無い学歴とかを使って攻撃されてるだけ」
「…」
「もっと自分に自信持ちなよ、いい女は自信満々でこそいい女なんだから」
「…」
「嫉妬と羨望の眼差しで見られる事に慣れてなかっただけなんだよ、きっと」
「…」
「だから、お前は大丈夫。な?」
「うん////」



抱き締められた腕から白石のぬくもりを感じる
埋めている胸から心臓の音が聞こえる
そのどれもが心地よく感じる

自分の中で白石の存在が大きくなっていく


そして、私は白石の両頬に手をかけて目を閉じた
そうしたかったわけじゃない
けど、勝手に身体が反応していた


私の身体が彼を恒久的に求めているとさえ感じた
彼も同じ気持ちであると思った


白石の唇にそっと自分の唇を近づけていく

そして



613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:22:35.10 ID:eLJ0Huk0
>>610、遅くてごめんよ、wwktkしてくれてありがと
拙い文章だけど読んでくれてうれしいぜ
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:28:06.23 ID:eLJ0Huk0
今日の書き溜め分は終わったので
今からは投下感覚遅めになりそうです
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:44:20.26 ID:eLJ0Huk0
突然身体が離された


「ダメだ。かがみ。一時の感情に流されちゃダメだよ」
「…」
「俺はかがみの友達として悩みの相談に乗っただけだ」
「…」
「それに、俺は今、あきら様と付き合ってる、だから彼女を裏切る事は出来ないんだ」
「…え?」

(イマナンテイッタノ………?)

「ごめん、かがみ、今日はもう帰るわ」

(イヤ!デテイカナイデ!)

そういって白石は私を引き剥がし出て行こうとした

その時急に白石が倒れた


彼の口から鼾のような音が聞こえてきた



あのときの睡眠薬が効いてきたのだ


そして私は彼をベッドまで運んだ
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:52:12.47 ID:eLJ0Huk0
「ん。。。明るい?朝?」
「んふっ。やっと起きたわね、遅いじゃない♪」
「お前何やってって、ええええええ!!!!!」

(な、何だこれは!何で俺しばれれてんだ!!!何だこれは!)

「あんたが昨日寝ちゃったからベッドまで運んどいたのよ」
「何でおれは縛られているんだよ!」

「逃げ出さないため♪」

(逃げ出す?WHAT?何から?)
「意味が分からないし笑えない!いいから早く解いてくれ!今日は朝からロケなんだよ!」
白石の言葉に焦りが見え始めた


「あぁ、それなら大丈夫よ。ちゃんと断っておいたから」
「は!?どういうことだよ!!」
徐々に白石の発言に怒気がこもっている

「ちゃんと私が休むっていっといたわ」
「ふざけんなよ!早くといてくれ!今からでもまだ間に合うから!!」

「だ〜め♪」
「おい、ふざけんのもいい加減にしろ!」

「ふざけてなんかいないわよ」
そう冷たく言い放つかがみに白石は何ともいえない寒気を感じた

「白石はここでずーっと暮らすの。私と一緒に」
「じょ…冗談言うなよ。早くといて」
「冗談なんかじゃないわよ」

そういってかがみは後ろから何かを取り出した

「お、おい、まさかソレって……」
「見てのとおり、玄翁と鉄杭よ、」
「どうする気だ……?」
「ふふふ…白石がずーっとここに居れるように手伝ってもらうだけ」

そういうとかがみは白石の右手首に鉄杭をあてがい玄翁を思いっきり振り落ろした
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:52:38.26 ID:eLJ0Huk0
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ」

人の物とは思えない叫び声が部屋に響いた
白石の右手首からは血が流れ、無機質な鉄が伸びていた

「まだグラグラしてるわね。えい!」
かがみはもう一度玄翁を振り下ろした
そして今度は完全に手首とベッドが繋がれた

「これで、もう私のもの。ふふっ♪」
「ぅぅ…ぐぇ……」
「あれ?これは何かな?」

そういってかがみがむいた方向には自己主張をしているもう一人の彼があった

「んふっ♪白石もうれしいんだ、私と一緒に居られて、だからここがこんなになってるのね」

人間としての生殖本能が死を間近に感じたときの反応だが
かがみは自分を独占できる幸福感からの反応だと思った

「もう、昨日の夜あんなにしてあげたのに。しょうがないなぁ」
そういうとかがみは白石のものに唇を近づけていった
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 02:52:59.89 ID:eLJ0Huk0
すいません、やはり寝ます。申し訳ない
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 03:05:36.84 ID:LqkprTo0
乙ー
白石逆レイプこえー(((( ;゚Д゚)))

触発された上暇になったので>>437の続き投下


その日の夜
ふとした珍事は
始まりも終わりも加速させた

泉こなたがノートを開き
約半日を振り返り
宿題が完全ではないことに気づいた

(戦 争)
.コミケを控えた現状において
例え果てようともそのミッションを完遂するために
小さなわだかまりは払拭しておきたい
そのために取るべきは――

みゆき「はい、高翌良です。」

迅速な問題解決

こなた「もしもし、みゆきさん?」
みゆき「あら、泉さん。どうなさいました?」
こなた「実はさっき聞きそびれた答えがちらほら見つかっちゃってさ・・・・」

淡々と述べられる答えを
明確に 素早く 記入していく
目だけでそれをとらえるなら
普段の勉強嫌いの面影はない


こなた「おわったぁ!ありがとうみゆきさん!」
みゆき「お役に立てて光栄です。・・・あの、泉さん。」
こなた「なに?」
みゆき「あの・・・その・・・・。」
こなた「どしたの?みゆきさん。」
みゆき「泉さんは・・・えっと・・・こ、恋をしたことがありますか?」

620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 03:37:00.78 ID:LqkprTo0
まさに鳩が豆鉄砲を食らった瞬間だった
出ることがないとすら考えなかった質問

こなた「・・・え?今なんて?」
みゆき「ですから・・・・人を、す・・好きになったことはありませんか?」
こなた「もしかして・・・昼間の話・・・?アレ、マジだったの?!」
みゆき「・・・・お恥ずかしいですが、そう・・・なんです。」

抑えきれない不安と
電話越しにも伝わる桃色の頬
それらがみゆきの口を走らせた

みゆき「あの・・・私、こういう気持ちは初めてで・・・どうしたらいいか、全然わからなくて・・・・!」
こなた「(大体どーいう焦り方してるのかビジョンが浮かぶなぁ。)」
みゆき「・・・それで、あまりに私の気持ちを的確に言い当てた泉さんなら・・・どうしたらいいか、教えてくれるのではないかと思ってしまいまして・・・・。」
こなた「そ、そうなんだ。(ありそうなシチュ並べただけなのに・・・。)」
みゆき「でも、迷惑でしたよね?本当に申し訳ありません・・・・。」
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 04:33:31.39 ID:LqkprTo0
宿題の後片付けから始まった電話は
予想外のカミングアウトに主導権を移す
他者――ましてや友人の恋路であり
その先に居る相手が自身のそれではないのなら
半ば予定調和である方向に流れていく

こなた「い、いや!そんなことは全く無いよみゆきさん!」
みゆき「え・・・本当ですか?」
こなた「うん、むしろ協力する。ギャルゲとエロゲの孔明である
この泉こなたにお任せあれ!」
みゆき「あ・・・ありがとうございます!」

電話越しに頭を深々とさげるみゆき
足場 と呼んで良いものなのかは
本人にはわからなかったが
少なくとも"味方"ができたことに安堵した


そこからは ありがちな時間だった
どの話で押すか どのタイミングを狙うか
総括すれば"どうすればいいか"という
覚悟を蓄積するための時間


こうして膨らむ気持ちの先に
1人の嘆きなど露知らず

ただただ 喜びを瞬間を夢見ていた


三つ目の終わりである その時を
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 04:51:25.80 ID:LqkprTo0
かがみ「おーっす、こなた。」
つかさ「おはよう、こなちゃん。」
こなた「おはよう、お二人さん。いやー、今日もいい天気だねぇ。」

時を戻して春手前
"いつものように"じゃないけれど
今日も今日とて学校日和

こなた「(ニヤニヤ)」
かがみ「朝っぱらから、何ニヤニヤしてんのよ。」
こなた「え?いやぁ、今日はみゆきさんに会うのが楽しみでさぁww」
つかさ「ゆきちゃん?そーいえば昨日一緒に残ってたよね、なんかあったの?」
こなた「なんかありまくりww今日はその結果を楽しむんだよ。」

昨日感じた不安
押し殺しきったはずの不安が
再び湧き出した

かがみ「・・・・余計なことしてみゆきを困らせたんじゃないの?」
こなた「失礼な!むしろ喜ばれることをしたのさ。今日はそのお礼にCG回収させてもらうわけなのだよ、かがみん。」

これ以上話を聞きたくない

かがみ「つまり、いまから困らせるようなことをするんだな?おまえは。」
こなた「細かいことは言いっこなし。ちゃんと対価は払ってるんだから。」

そう言いたくなるほどの

暴力的な不安
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 05:19:42.27 ID:LqkprTo0
学校に着いても
不安はかがみを逃しはしなかった
背中に張り付いているのを振り払うように
なんてことない会話に意識を集中させる

だが

こなた「あ、みゆきさん!おはよ〜。」
みゆき「おはようございます、こなたさん、つかささん、かがみさん。」
つかさ「ゆきちゃん、おはよう。」
かがみ「おーっす。」

現実は思った以上にしつこくつきまとう

みゆき「こなたさん、昨日は本当にありがとうございました。」
こなた「いやいや、メールでも聞いたけど、うまくいってよかったよ。」
つかさ「何がうまくいったの?ゆきちゃん。」

聞いてはダメと
かがみは叫ぶ
誰に知られることもなく

みゆき「え?!いや、その・・・ですね・・・」
こなた「どーせお昼にゃあばれちまうんだぜ?ここは好機と見て、自分をさらけだしたまへ。」

言わないでと
かがみは願う
仮面をかぶったその裏で

みゆき「実は・・・お恥ずかしながら・・・男さんと、お付き合いさせていただくことになりまして・・・・。」

624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 05:26:44.21 ID:LqkprTo0
脳みそパンクした\(^o^)/
寝ます
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 07:59:22.46 ID:bi.eJW2o
乙だぜ
続きwktk

ワッフルワッフル
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 21:06:18.73 ID:YR6FlUAO
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 21:10:38.93 ID:yZpWN2AO
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 21:13:22.86 ID:Hs8PGEAO
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 21:45:43.10 ID:ZtQZpywo
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 22:15:31.39 ID:iH3gykSO
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 22:30:33.26 ID:eLJ0Huk0
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 22:44:48.02 ID:bi.eJW2o
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/23(日) 23:21:32.53 ID:xFmst0Yo
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/23(日) 23:44:00.66 ID:eLJ0Huk0
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/24(月) 00:02:16.69 ID:LxfIERU0
クリスマスイヴになったので投下


「ん、んん」
かがみの口から軽く吐息が漏れる
舌で確かめる様に舐めまわしたした後ゆっくりと顔を埋める
さらに左手の指先で亀頭を撫で回す

右手を貫かれた痛みと下からせり上がる快感が白石を襲い始めた


「うぅ…や…めてく…れ……」

この言葉が彼の最後の抵抗だった


「もう、しょうがないわね」
かがみは突然愛撫をやめ、そして

白石のモノを自らにあてがい
一気に腰を下ろした

「あぁぁん♪」
「うっ……」

そこで白石の意識は潰えた………



一週間後
「こんばんは、RSニュースです。では先ほど入ったニュースをお伝えします」
「一週間前から行方が分からなくなっていたタレントの白石みのるさん27歳が先ほど、遺体となって発見されました」
「同時に一週間前から行方不明の某法律事務所職員も発見されました」
「二人とも裸体のままベッドの上で発見され、白石さんは右手首を直径5cmほどの杭で貫かれている状態でした」
「警察は事件の方向で捜査中とのことです。詳しい情報が入り次第また、お伝えします」


かがみ心中ENDING


GAME OVER
636 :以下、めりーくるしみます :2007/12/24(月) 00:11:57.75 ID:LxfIERU0
Other

私の身体が彼を恒久的に求めているとさえ感じた
彼も同じ気持ちであると思った




白石の唇にそっと自分の唇を近づけていく



そして


私の唇と白石の唇は重なった

口から暖かくて心地いいなにかが身体に注がれるようで
私はしばらくその快感に酔いしれていた


ドサッ
急に私は押し倒された
(ちょ、え?ホントに?やだ、どうしよう。私まだ身体も洗ってないのに!)

「ぐーぐー」
「え?」

パニックの私に聞こえたのは豪快な鼾

(あぁ、そうだったわ。睡眠薬入れたんだった、こんなことなら入れなきゃ良かったかも…)
(まぁとりあえずこのままじゃ風邪引くわよね…)


私は白石を自分のベッドに寝かせた
637 :以下、めりーくるしみます [sage]:2007/12/24(月) 00:12:11.03 ID:.5x7y7wo
ついにイブを迎えてしまいましたね・・・

>>635乙!
みのるがんばったな!

>>626-634おしいwwwwwwwwwwww
638 :以下、めりーくるしみます :2007/12/24(月) 00:13:35.30 ID:GjIn3oSO
ちょwwww名前wwwwwwww

otherルートwwktk
639 :サタン :2007/12/24(月) 00:39:19.63 ID:LxfIERU0
ちゅちゅん。ちゅんちゅん。ちゅちゅん。ちゅん。

「ふぁ〜、朝か?まぁいいや後五分……ってええ!朝!!」
「まったく何よ朝から五月蠅いわね」
「ってかがみ!?お前その格好…えぇ!?一体何が!?」
「何?覚えてないの?」

目覚めの白石が見たのは下着姿のかがみ
白石自身はパンツは履いてるもののほぼ全裸



「はっ!まさか…おれ……」
「なに?どうしたの?」
平静を装っているがかがみの心臓はこれ異常ないほど脈動していた
(あ、私見られてる。それもこんなに近くで、そんなに見られると顔赤くなっちゃう////)


「すまん!謝って許されないけどすまない事をした!ごめん!!」
白石は急にベットから飛び降り、ジャンピング土下座をした
640 :サタン :2007/12/24(月) 00:39:55.75 ID:LxfIERU0
ちょwwwwww名前がサタンになってるwwwwwwww
641 :横綱 [sage]:2007/12/24(月) 00:41:57.57 ID:2BBzoxco
酉のみ以外の場合何かランダムで割り振られるらしい
そんな俺は・・・
642 :サタン :2007/12/24(月) 00:52:10.52 ID:JChG9YAO
ジャンピング土下座wwwwww
643 :イケメン :2007/12/24(月) 00:54:47.20 ID:vsB4zQAO
こんな機能あったのかwwwwww
644 :イケメン :2007/12/24(月) 00:55:33.04 ID:vsB4zQAO
うはwwww俺テライケメンwwwwww
645 :サタン :2007/12/24(月) 00:56:58.00 ID:LxfIERU0
なんかクリスマスって聞いて鬱になってきた
俺の友達もみんなセクロスかよ。。。。
なんだかなぁ
646 :サンタ [sage]:2007/12/24(月) 01:05:41.29 ID:GjIn3oSO
>>645
そう落ち込むなよ!俺なんかそんな友達すらいな(ry

…はぁ
647 :サタン :2007/12/24(月) 01:07:44.51 ID:LxfIERU0
>>636、サンタさんじゃないすか!
おれに!おれに彼女をくれええええええええええ!
648 :サタン :2007/12/24(月) 01:19:15.29 ID:JChG9YAO
俺の中のイメージ。
27のみのる
http://mup.vip2ch.com/dl?f=26436
649 :サンタ [sage]:2007/12/24(月) 01:22:42.59 ID:GjIn3oSO
>>647
必死過ぎるだろwwwwwwww

ああ、いいとも
でも、まずは今年一年を振り返ってごらん
ちゃんといい子にしてたかな…?


もし、いい子にしてたなら…




来年もその調子で頑張るんだ!安心しろ、人類の半分は女だ!どうにかなるさ!
650 :サタン :2007/12/24(月) 01:32:55.75 ID:LxfIERU0
>>648
うはwwwwwwテラ優しそうwwwwww

>>649
いい子にしてたよ?講義もサボってないし、街では人助けしたし
それなのにサンタさんは……


えーっと白石の続きはクリスマスの後に投下します
今日明日は予定あるので、ごめんなさい
651 :サタン :2007/12/24(月) 01:38:25.39 ID:JChG9YAO
そしてかがみん。
http://mup.vip2ch.com/dl?f=26437
652 :サタン :2007/12/24(月) 01:52:55.64 ID:LxfIERU0
>>651
おー、ツインじゃなくてロングかぁ
*´д`*はぁはぁ
653 :サタン :2007/12/24(月) 02:01:00.26 ID:JChG9YAO
そして書きます。



>>595の続き


 ピ。

「はい、こちら男」

『男? 私、かがみよ。今大丈夫?』

「おお、構わないぜかがみん」

『その呼び方はやめてって!
 ……もう、とにかく、本題よ。
―――今日、つかさに何かした?』

 …………。

「……どうした、何かあったか」

『いや……特に何かあったってわけじゃないんだけど……ちょっと、帰ったとき変だったから』

「変……とは?」

『無言で部屋に閉じ籠ったのよ』
654 :独身男性 [sage]:2007/12/24(月) 02:02:01.00 ID:Dfx5xWg0
クリスマス?
友達と遊ぶわwwww
655 :サタン :2007/12/24(月) 02:19:52.36 ID:JChG9YAO
 …………。

「それは……今もか?」

『……いや、もう出てきたけど』

「様子は?」

『普通よ。……けど、帰ったときの様子が……気になって』

「……そうか。
 ……そうだな、別れるとき。家の前まで送って、別れるとき―――少し、様子が変だった」

『……どんな風に?』

「やたらと礼を言ってくるし……何か、惜しんでるような……苦しんでる、ような」

『…………』

「……かがみ?」

『……ごめん、ありがと、……ちょっと、考えたいから、今日は電話を切るね』

「あ、ああ……」

「じゃあね、男」

 プツッ、ツー、ツー、ツー……。
 携帯の電子音が、何故か響いて感じられた。
656 :サタン :2007/12/24(月) 02:36:26.03 ID:JChG9YAO
☆―――

 私は、部屋の中で、切った電話を見つめたまま、考えていた。
―――つかさの葛藤が、激しくなってきていることを。
 あえて二人きりにしたことが裏目に出たのかもしれない。
 男の話を聞く限り、少しずつ嫌な方向に進んでいる―――そう、私は直感していた。
 つかさは、男との二人きりをより望むようになるだろう。
 だから私は、自分で何とかしよう。そう考えていた。


☆―――

「―――、―――」

 お姉ちゃんの部屋から、声が聞こえる。
 電話だろうか?
 私は何故か気になって、壁に耳を当てた。

「じゃあね、男」

―――!

 ……男くん?
 何で、お姉ちゃんと、電話、してるの?
 こんな、時間に。
―――何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で……―――ナンデ?



―――その時から、私のココロに、何かが生まれた。
657 :トナカイB [sage]:2007/12/24(月) 02:51:47.87 ID:.5x7y7wo
wwktk
658 :サタン :2007/12/24(月) 02:55:48.59 ID:JChG9YAO
☆―――

 午後十二時、俺は床についた。
 いつも通りの時間。
 ……でも、ココロに何か、もやもやした気持ちがあった。

―――不安。

 それを抱えて、俺は眠りについた。
659 :サタン :2007/12/24(月) 03:14:13.04 ID:JChG9YAO
―――



―――

「ふあ……」

 いつもの朝。
 時刻は……あれ?

「八……時?」


―――【いつも通り】が、崩れてく。



―――

「はあ、はあ、はあ……」

 間に合った……。
 高速で準備し、神速で駅へ行き、音速で電車に乗り、光速で学校まで駆けた。

 教室前に着いた。
 ……本鈴、三分前。
 危なかったー、マジで。
 ドアに手をかけ―――

「あ、男」

 後ろから、かがみの声がした。
660 :サタン :2007/12/24(月) 03:20:39.67 ID:JChG9YAO
 振り返る。

「よ、かがみ。おはよう」

「今来たの? あんたにしては随分遅いわね」

「ああ……寝坊しちまって」

 こんなん、こっちに来てから一度も無かったのに。

「へえ、珍しいこともあるのね」

「……あ、そだ、つかさは? 何か変化あったか?」

「ううん。至って普通よ。……心配しすぎなのかも」

「そか」

 それは、なによりだ。
661 :サタン :2007/12/24(月) 03:27:41.50 ID:JChG9YAO
「あ、それと、つかさにちゃんと謝っときなさいね。今日も二人で早起きしたんだから。つかさ、落ち込んでたわよ」

「あー……そうだな。ってか、それならかがみにも、だろ」

「ああ、私はいいのよ。私の意思でつかさに着いているだけだし、明日からは私は行かないしね」

「そうなのか? どした、急に」

「今朝ね、電車の中で、明日からは私一人で早起きして行くから大丈夫、って言ってたのよ」

「へー……っと、チャイムもう鳴るな。入ろうぜ」

 ガララ、とドアを引き、中に促す。

「ん、そうね」

 そして俺達は、教室に入っていった。
662 :サタン :2007/12/24(月) 03:48:03.57 ID:JChG9YAO
―――

 一限目が終了した。黒井先生が教室を出ていく……寝癖、激しいな。

「よ! 男ー、今朝はどうしたんだよ?」

 ぼーっとしてると、友人、友こと……何だっけ?

「ああ、珍しく寝坊しちゃってさ。
 昨日ちょっと考えながら寝たからかもな」

「ほほう、悩みごとかい少年。どれ、話してみ?」

「誰だよお前……。
 個人的な悩みだ。それに解決した臭いし、相談なんざ必要ねえよ」

「そうか……でも、何かあったら言ってくれよ! 俺はお前の友だからな!」

「……ああ」
663 :サッターン :2007/12/24(月) 03:49:21.73 ID:JChG9YAO
今日はここまでです。

また明日、来れたら来ます。
664 :トナカイB [sage]:2007/12/24(月) 03:57:32.22 ID:.5x7y7wo
乙です
そして鬱です
おやすみ
665 :イケメン :2007/12/24(月) 08:25:57.17 ID:vsB4zQAO
>>663
666 :サタン :2007/12/24(月) 10:09:09.59 ID:ao9y3EAO
ちょっと駄文投下します
667 :サタン :2007/12/24(月) 10:14:21.84 ID:CIsZM.AO
>>666
名前と番号がぴったりwwwwww
668 :サタン :2007/12/24(月) 10:19:15.47 ID:ao9y3EAO
12月18日

?「突然ですが男君、あなたは一週間後の24日に死んでしまいます」

男「え゛」

我ながらなんて最悪なオープニングだと思う
いや、オープニングじゃないのかもしれないが
しかしこれが、紛れもなく、俺の「日常」の始まりだった
669 :子供B [sage]:2007/12/24(月) 10:36:34.74 ID:tLhVgYEo
回線の調子悪かったが久々に来たぜ。
みんな乙!そして読んでて自分の文才の無さに絶望するイブの朝orz
670 :子供B [sage]:2007/12/24(月) 10:38:21.04 ID:tLhVgYEo
子供B…俺、どこかのエキストラか?まさに空気orz
空気な俺なんて無視して続きお願いしますウワァァン
671 :サタン :2007/12/24(月) 10:39:48.35 ID:ao9y3EAO
その10分前。

男「ふぅ……」
俺は紫煙をゆっくりと吐き出した。
未成年で喫煙していることに罪悪感は無い。
かと言って好きなわけでもない。
理由は単純解明、煙草は便利だからだ。

はっきり言って、俺は他人と関わるのが嫌いだ。

学生が煙草を吸っていると、一般人はにべもなく不良に認定する
これは人避けとして便利この上ない。
それが俺が煙草を吸う理由。
……じゃあ何故部屋でも悪意と欲望に満ちたモノを吸引してるのかって?
男「そんなの俺の意思が常習性を拒めないからに決まってるだろ!」
男「……はっ。また独り言を言ってしまった」
独り言は死の前兆だと誰かが言ってた気がする。
男「気をつけような……」

?「え?」

男「…………え?」
672 :サタン :2007/12/24(月) 10:58:10.80 ID:ao9y3EAO
目の前には、天使がいた。
長くて綺麗な髪に小柄な身体、そして慈愛に満ちた顔立ちに不法侵入。
これを天使と言わずなにをそう呼ぼう?
……って

男「不法侵入ゥ!?」
?「へ?」
男「なんだ貴様は! この家が俺専用聖域と知ってのことか!」
?「聖域……あー……思い出すなぁ。そうくんも、時々そんな言葉使ってなぁ」
男「出てけ」
?「それは無理です」
男「何故だ」
?「私、この家から出れないみたいですから」
男「……新手のストーカー?」
?「ストーカーじゃないです!」
男「じゃあなんなんだよ……」
?「幽霊です」
男「遊霊(ニート)か」
?「ニートじゃないです! 幽霊なんですってば!」
男「じゃあその幽霊が、俺になんの用だよ?」
?「……えーと……こほん…………」
男「もったいぶってないで早く言――」

?「突然ですが男くん、貴方は一週間後の24日に死んでしまいます」

男「え゛」
673 :サンタ :2007/12/24(月) 12:05:26.69 ID:GjIn3oSO
わっふるわっふる
674 :めりーくるしみます :2007/12/24(月) 12:30:19.66 ID:ao9y3EAO
その女が言うには、俺は25日に死ぬは確定事項らしい。
それはその女が決めたことではなく、彼女はただその事実を知っているだけだとか。
もちろん最初は俺も信じなかったが、女が床に沈み込み幽霊の証明をすることで迂闊にも信じてしまった。
(床をプールのように泳ぐのはかなり不気味だった)

男「それに……」
?「?」
男「あんた、嘘付けるようなタイプに見えないんだよな」
?「ふふふ……」
男「別に褒めてない」
?「う」
男「で、なんで死ぬの?」
?「それは……」
男「あ! やめっ! やっぱ言うなっ!」
?「へ?」
男「生活に支障を来たす! 窒息死とかだったら、二度と餅も食えくなる!」
?「そ、そうかもしれませんね」
男「だから死因の話はやめ。それより、なんであんたは俺んちに取り付いてんだ? 守護霊?」
?「違いますよ。気付いたらこうなってたんです」
男「じゃあ無意味な霊か」
?「ひ、ひどい! 私にもちゃんとやるべきことはあります!」
男「やるべき?」
675 :サタン :2007/12/24(月) 12:46:49.45 ID:ao9y3EAO
?「娘を助けることです!」
男「ブホッ!」
?「なんですかその反応は」
男「あんた幾つなんだ!」
?「女性に年齢を聞くのは失礼ですよ、男くん」
男「じー」
?「ふふ」
男「じー」
?「あ、えと」
男「じー」
?「うぅ」
男「なんか、どっかで見たことある顔だな」

?「こなたのこと覚えてるんですか!?」

男「こなた? というかなんだそのきらきらした目は」
?「これは見込みありなのかなぁ」
男「人の話を聞いてくれ。俺はこなたなんか知らない」
?「私にそっくりなんですけどね。……中身以外……」
男「ふーん。あ、なんか思い出してきた」
?「え!」
男「やっぱ駄目だ」
?「うぅ。諦め早すぎませんか? 頑張って思い出して下さい!」
男「無理。それより、あんたの方は名前なんて言うんだ?」
?「わ、私にはそうくんが! 駄目な人だけどれっきとした旦那さんのそうくんが!」
男「そ、そんな意味ちゃうわ! 呼びにくいだろ!」
かなた「そうですか。そうですね。私は泉かなたです。よろしくお願いしますね、男くん」
676 :トナカイB [sage]:2007/12/24(月) 12:51:15.99 ID:.5x7y7wo
切り口があたらしいな!
wwktkwwktk
677 :サタン :2007/12/24(月) 13:08:20.72 ID:ao9y3EAO
男「よろしくな、かなたさん。それじゃあそろそろ逝こうか」
かなた「え!? な、なんか今、幽霊的に物騒なニュアンスが聞こえたような」
男「仏葬だ」
かなた「し、塩かけないで下さい! 成仏はしないけど痛いです!」
男「チッ。塩の力ってその程度だったのか。こうなったらやっぱお祓いしかないな」
かなた「うー。なんで邪魔者扱いするんですかー」
男「いきなり死の宣告した女が何を言う。それに、娘助けたいならそっちへ行けよ」
かなた「……そうする気はないです」
男「え?」
かなた「そもそも移動出来ないですし! さっきも言いましたが、この家の中限定でしか動けません!」
男「何故胸を張る!? 無いから! そこには張れるものなんにも無いから!」
かなた「ずーん。男くん……セクハラ……」
男「プライバシーも糞もなくなった俺の方が被害甚大なんだよ! セクハラくらい耐えろ!」
かなた「うぅ。こなたは、こんな人のどこがいいのかなぁ」
男「……はぁ?」
かなた「私が生きてさえいれば、こんなことには……」
男「おいおい、何を言ってんだ?」
かなた「……」
男「おーい?」

かなた「こなたは……あなたのことが好きなんです」
678 :イケメン :2007/12/24(月) 13:21:35.66 ID:SAxNONIo
これは斬新だ
ワッフルワッフル
679 :サタン :2007/12/24(月) 13:22:49.39 ID:ao9y3EAO
男「……俺を?」
かなた「はい」
男「……俺を?」
かなた「同じ台詞で二回聞かないで下さい。誤植だと思われちゃうじゃないですか」
男「物好きもいたもんだ」
かなた「本当に」
男「塩っ!」
かなた「いたたぁ! なんで塩を投げるんですか!」
男「安易に同意するからだ」
かなた「……それで、こなたはどうですか?」
男「は?」
かなた「どうですか?」
男「ち、近い! あっ、なんかひんやりする! 離れてくれ!」
かなた「どうですか?」
男「繰り返すな! 誤植だと思われるだろ!」
かなた「それがなんですか。どうですか?」

男「ど、どうもこうもない! 俺は誰とも付き合うつもりはないんだよ!」

かなた「……」
男「はぁはぁ……」
かなた「……」
男「はぁ……わかったら、とっとと成仏して消えてくれ。迷惑だ」
かなた「……」
男「第一、あんたが何故俺に自分の娘アッピールするかわからん」
かなた「え……」
男「俺は24日、クリスマスイブで偶然にもマイバースデーでもあるんだが、その日に死ぬんだろ?」
かなた「……」
男「だったら何故娘を進める?」
かなた「それは……」
男「乙女チックな片思いの相手がいなくなるより、恋人がいなくなる方が傷跡は残るぞ」
かなた「わかって……ます」
男「だったら――」
かなた「でも仕方ないんです。これ以外に、方法がないですから」
680 :めりーくるしみます :2007/12/24(月) 13:58:29.14 ID:ao9y3EAO
男「どういう意味だよ」
かなた「こなたは、あなたが好きです」
男「く、繰り返さなくてもそれはわかったって」
かなた「今の状況――つまり、こなたの片思い状態で――あなたが24日に亡くなると……」
男「なると?」
かなた「クリスマスの日に……」
男「日に?」

かなた「こなたは、自らの命を絶ってしまいます」

男「絶って……」
かなた「……」
男「しまう……」
かなた「はい」
男「……」
かなた「……」

男「わけわからん」

かなた「な、なんでですか! なんて冷たいんですか!」
男「ただの片思いだろ? 全く持って意味不明。びじゅある系的信仰の極地後追いかよ」
かなた「顔がびじゅある系だったらまだその方が納得出来るんですけどねー」
男「塩っ」
かなた「ゆ、幽霊バリア」
男「そんなのはありません」
かなた「私が幽霊なのに。……そ、そんなことよりこなたです!」
男「む」
かなた「あの子は、三年も前からあなたのことが好きなんです」
男「気長なこった」
かなた「携帯電話の待受け画像は、あなたを隠し撮りしたものでした」
男「ほぼストーカーだ」
かなた「なんでも、それを誰にも気付かれないければ、恋が成就するとか」
男「そんな迷信が流行ってんのか」
かなた「楽しそうなおまじないですよね」
男「あんた旦那いるだろ」
681 :トナカイB [sage]:2007/12/24(月) 14:04:04.76 ID:.5x7y7wo
スクイズフラグ?wwwwww
682 :子供B [sage]:2007/12/24(月) 14:06:07.65 ID:tLhVgYEo
ちょwwスクイズwwwwww
683 :喪男 [sage]:2007/12/24(月) 15:29:12.40 ID:wba53yco
スクイズwwww
684 :イケメン :2007/12/24(月) 16:23:43.13 ID:SAxNONIo
Nice boat. wktk
685 :サタン :2007/12/24(月) 19:03:37.61 ID:JChG9YAO
>>663だけど矛盾点見つかっちゃった……
どうしよう……
686 :サンタ [sage]:2007/12/24(月) 19:16:39.37 ID:GjIn3oSO
どうしようと言われてもwwww俺達がわかるわけないだろwwwwww
作者権限でどうにかするしかない
687 :サタン :2007/12/24(月) 20:04:29.33 ID:JChG9YAO
とりあえずwikiのコメントに訂正願いを出してきました。

一応書いておきます。大してストーリーに関わりはないのですが……。

前の書き込みの【いつも通り】は六時前に起きることです。
六時前が六時になってるところがありました。
これじゃあ六時に起きて六時に学校に着いてることになるので、矛盾になる……ということで。
688 :サタン :2007/12/24(月) 20:33:31.23 ID:ao9y3EAO
男「ふむ。要約すると、『このままでもどうせ娘は死ぬし、それなら状況を変えてみようかなー』ってわけか人妻」
人妻かなた「人妻って呼ばないでぇ」
男「でもそれは、かなりヤケクソ気味な選択だよな人妻」
人妻かなた「男くんが人知れず引っ越して人知れず逝き絶えれば、一番なんですけどね」
男「ふざけろ半透明物体」
半透明物体かなた「……そう言うと思いました」
男「ふん」

俺が通算十本目の煙草に火を付けたその時、小さな音をたてて部屋のドアが開いた。
入って来たのは、俺の唯一の家族である、ペットの子狐だ。
名前はまだない。

子狐「くるっ!」
かなた「わぁー! か、可愛い!」
男「お。狐もこの半透明物体が見えるのか。密かに考えてた『かなた俺の幻覚』説は否定されたな」
かなた「おいでおいでー」
子狐「くる、くる……」
かなた「おぉよしよし。いい子いい子――あぁっ! 透けて撫でられないっ!
男「アホめ」
子狐「こんっ!」

がぶっ!

男「ぎゃあああっ! 何故俺を噛む! 飼い主への不服従は万死に値するいたたたたっ!」
かなた「いいぞ。やっちゃえ(ぼそっ)」
男「き、貴様が狐を驚かすから、俺が被害を受けてるんだぞ! そのひんやりした手で迂闊に動物を触るな!」
かなた「好きでこんな温度じゃないんですよぉ。……それより」
男「いい加減離れろアホ狐!」
子狐「こんっ」
かなた「どうですか?」
男「は?」
かなた「こなたと、付き合ってくれますか?」
689 :サタン :2007/12/24(月) 20:55:00.78 ID:ao9y3EAO
(選択肢)
→断る
断る
断る
断る
断る
断る?

男「断る」
かなた「うぅ。やっぱりそうですか……」
男「最初から言ってるだろ。それ以外の選択肢はない」
かなた「……わかりました」
男「やっとわかったか。じゃあとっとと消えてくれ」
かなた「消えろと言われても、出来ないんですってば」
男「お。こんな所にお札が」
かなた「え」

男「悪霊退散っ!」

かなた「きゃあっ」

かなたは消えた。
その瞬間色々爆発した。
地球は滅びた。



エンディングA『地球爆発』
690 :トナカイB [sage]:2007/12/24(月) 20:56:14.90 ID:.5x7y7wo
ちょwwwwwwなにこのEDwwwwwwww
691 :プレゼント [sage]:2007/12/24(月) 20:56:23.79 ID:APsm9MUo
なんだそれwwwwww
692 :イケメン :2007/12/24(月) 20:58:36.37 ID:SAxNONIo
今までのwwktkを返せwwwwwwwwwwwwwwww
693 :イケメン :2007/12/24(月) 21:06:05.95 ID:vsB4zQAO
ちょっと待てwwwwwwwwww
694 :横綱 :2007/12/24(月) 21:06:09.53 ID:2BBzoxco
これにぴったり?
http://www.nicovideo.jp/watch/sm811361
695 :サタン :2007/12/24(月) 21:25:50.38 ID:ao9y3EAO
(選択肢)
断る
断る
断る
断る
断る
→断る?


男「うーん」

普段なら絶対にごめんな話だ。
即座に「断る」とか言ってるはずだ。
だけど俺はここで少し考えた。
それでいいのか、と。
かなたを哀れに思ったわけでも、こなたが気になったわけでもない。
だからこれはただの気まぐれ。

男「……いいぞ」
かなた「うぅ。やっぱり駄目で………………えっ!?」
男「二度は言わん」
かなた「ほ、本当ですか!?」
男「……ったく。今日の俺はどうかしてるんだよ、きっと」
かなた「絶対の約束ですよ!? もう聞きましたからね!? 取り消せませんよ!?」
男「あんたの反応がうざいから、やっぱ取り消」
かなた「うー! よかった……まさか本当にオーケーして貰えるなんて……」
男「……」
かなた「じゃあ明日、ちゃんとこなたに告白してあげて下さいね」
男「明日っていうか、今日だけどな。もう夜中だし。……って俺が?」
かなた「男くんが。だってあの子と付き合ってくれるんでしょう?」
男「……」
696 :トナカイA :2007/12/24(月) 21:27:44.52 ID:GjIn3oSO
その時、男のきまぐれが、地球を救った―
697 :サタン :2007/12/24(月) 21:31:48.47 ID:9H1f7wAO
久しぶりに来ますた
そんな俺に産業で頼む
698 :イケメン :2007/12/24(月) 21:32:49.59 ID:SAxNONIo
>>697
男は
地球を
救う
699 :トナカイB [sage]:2007/12/24(月) 21:34:52.65 ID:.5x7y7wo
>>697
イヴなのに
人が
いる
700 :サタン :2007/12/24(月) 21:41:59.31 ID:9H1f7wAO
>>699
つまり仲間がいっぱいって事ですね
701 :サタン :2007/12/24(月) 21:43:06.70 ID:ao9y3EAO
その後俺は激しく後悔しつつ、かなたが「恋人の心構え」について語るのをぼーっと聞いていた。
時刻は3時30分。
いい加減に眠いので、かなたに塩を投げ付けて部屋から追い出した。
しくしくすすり泣く声がまるで幽霊のようで(幽霊だが)怖かったので、仕方なく隣の部屋を貸してやった。

俺は自室のベッドに寝転がって、また煙草をふかす。

男「ふぅー……」

なんでこんな馬鹿な約束をしてしまったんだ。
俺らしくもない。

男「狂ってる」
子狐「くる」
男「お? なんだ、また一緒に寝たいのか」
子狐「こん!」
男「甘えん坊な奴め……うりゃ」

狐を持ち上げる。
俺の手の中でじたばたするが、逃げられはしない。

子狐「くるるっ!」
男「はっはっは」
子狐「くーっ!」
男「アホな狐め」

こいつは、俺が高1のときに拾った。
人間は好きじゃないが、動物は別だ。

子狐「くるぅっ!」
男「なになに。だったらいじめるな、って?」
子狐「こん!」
男「残念だが我が家にいる限り、狐と幽霊に人権はない」
子狐「くーっ!」
男「……」

暴れる狐をじっと見る。

男「お前、本当は猫じゃないのか?」
子狐「くる!?」
男「狐にしては変な顔だし」
子狐「こん!」
男「あー……」

狐を降ろしてやる。
すると狐は、俺の枕の横に丸まった。

男「……憂鬱……」
702 :サタン :2007/12/24(月) 21:53:05.46 ID:ao9y3EAO
かなた「本当に告白してあげて下さいね!」
男「あいあい」
かなた「なんですかその返事は」
男「あいあい」
かなた「もう。お願いしますよ? じゃあ、いってらっしゃい」
子狐「こんっ」
男「いってきます、狐」
かなた「私はスルーですか!」

そんな風にかなたに見送られ、俺は重い足取りで学校に向かった。
12月も18日と来れば冬で間違いないはずなのに、やたらと暑い。

男「ほんと狂ってる……」
703 :サタン :2007/12/24(月) 22:01:00.09 ID:ao9y3EAO
学校に着く。
キーンコーンカーンコーン。
昼休みを告げるチャイムがなった。

男「――もう昼休み?」

途中にあるはずの授業時間は一体どこにいったのだろう。
……いや、記憶の片隅には受けた覚えがある。
ただ、嫌なことを前にすると、時間とは恐ろしい程早く過ぎるだけのこと。
俺は恐ろしいものの片鱗を味わいながら、うなだれる。
昼休みということは、つまり、かなたとの約束を守らなければならない。
約束は守らなければ。

男「あ……」

そういえばあいつ、何組だ?
704 :サタン [sage]:2007/12/24(月) 22:01:45.30 ID:9H1f7wAO
>>698
把握しますた
705 :サタン :2007/12/24(月) 22:20:36.53 ID:ao9y3EAO
筋金入りの不良と思われている俺には、当然そんなことを聞ける友人はいない。

男「……仕方ないか」

俺は意を決して、クラスメイトの一人に話し掛けることにした。
あのカチューシャの女にするか
名前は……峰岸とかいったかな?

男「おい、峰岸」

ざわ、とクラスに波紋が広がる。
教室にいる人間の大半が、戸惑い顔で俺を見ていた。
今まで誰とも話さなかった不良が、急にそうしたので戸惑っているのだろう。
俺だって好きで人に話し掛けているわけじゃねーよ、と心の中で反論する。

あやの「な、なななななな」
男「あのさ」
あやの「ひんっ!」
男「こな――」

みさお「待て待てぇいっ!」

男「……誰だお前」
みさお「く、日下部みさおだ! というか同じクラスだ!」
男「ふぅん」
みさお「あやのに、な、何する気だ!」
男「何って……」
みさお「ななな、ナニ!? い、いくら暴走族のリーダーでヤクザ事務所に出入りしているお前でも、あやのに手を出すなら私はっ!」
あやの「み、みさちゃん! 刺激しちゃ駄目!(こそこそ)」

もちろん俺は暴走族のリーダーじゃないし、ヤグザと親交もない……
706 :サタン :2007/12/24(月) 22:37:22.12 ID:ao9y3EAO
みさお「あやのは下がってろ! さぁ、かかってこい!(裏声)」

みさおが騒ぐ声を聞き、人が不穏な空気でざわめき出す。

男(まずいな……)
みさお「に、睨んだって怖くないぞ!」
男「睨んでねぇ!」
みさお「ひぃんっ! ご、ごめんなさいやっぱ事務所だけは勘弁してくれーっ!」
男(し、しまった。悪化させちまった……)

予想通りざわめきが大きくなる。
しかもなお悪いことに、クラスの周囲にまで人だかりが出来ていた。

男「……」

その中に、見つけた。

(=ω=.)「あ……」
707 :サンタ :2007/12/24(月) 22:41:56.61 ID:GjIn3oSO
男恐れられすぎwwwwww
708 :サタン :2007/12/24(月) 22:50:49.18 ID:ao9y3EAO
男(いやがった!)

俺はみさおに背を向けた。
するとみさおが得意下に叫んだ。

みさお「なんだ逃げるのか! へっへーん! やっぱり私が怖いんだろー!」
あやの「みさちゃん!」

振り向く。

みさお「ひっ。な、なんにも言ってないからー」
男「峰岸」
あやの「えっ」
男「悪かったな」
あやの「……」

そして俺は、クラスの周りにたかる群衆――こなたの方へ、早足で歩み寄った。
群れていた人々は蜘蛛の子を散らすように逃げ出したが、こなただけはそうしなかった。
彼女の目の前に立つ。

男「……」
(=ω=.;)「……」
男「ちょっと来い」
(=ω=.;)「え……う、うん」

こなたの手を引き、屋上を目指す。
後ろから何人かの悲鳴や、みさおの「ちびっこが捕まったァーッ!」という声が追いかけてきたが、無視した
709 :イケメン :2007/12/24(月) 22:55:13.43 ID:SAxNONIo
男がどんな風貌なのか気になるwwww
710 :サタン :2007/12/24(月) 23:01:02.77 ID:ao9y3EAO
>>709
別に顔が怖いわけじゃなくて今までの行動に問題があった、という設定で脳内保管よろしく
711 :イケメン :2007/12/24(月) 23:05:17.91 ID:SAxNONIo
>>710
把握ww
712 :江頭23:8.1 :2007/12/24(月) 23:08:01.12 ID:BhS6imo0
どんな行動だよ
713 :サタン :2007/12/24(月) 23:11:16.26 ID:ao9y3EAO
男「ふぅ……」
(=ω=.)「ここどこですかなんで私連れて来られたんですかなんで鍵を閉めるんですか一体なに」
男「句読点をちゃんと使いやがれ。第一鍵なんか閉めてねぇ」
(=ω=.*)「軽いジョークだよ。み、み、みらくるー」
男「わけわからんぞ」
(=ω=.;)「非オタ……」

俺はポケットから煙草を取り出し、火をつけた。

男「……ふぅ」
(=ω=.;)「げほぁっ。ごほぁっ。くさいんだけど」
男「なんだ、それだけか」
(=ω=.)「へ?」
男「他の奴等は、こういう姿見ると引くもんだぞ」
(=ω=.)「ふーん」
男「さっきも怖がってただろ」
(=ω=.)「だねー」
男「……」
(=ω=.)「……」

会話が途切れた。
告白するなら今だが、ここで俺は一つ困ったことに気付く。

男(好きでもないやつに、どんな告白をすればいいんだ?)
714 :サタン :2007/12/24(月) 23:12:46.49 ID:ao9y3EAO
>>712
今まで誰とも話さなかった←これ
715 :独身男性 :2007/12/24(月) 23:35:21.63 ID:CWa3LQg0
こなたが片思いのまんまだと25日?に死ぬって設定だったけど
もしかしてこなたに・・・(=ω=.)
716 :サタン :2007/12/24(月) 23:39:01.69 ID:ao9y3EAO
好きだ――こんな心にもないことは言えない。
愛してる――同上。むしろなおひどい。
付き合ってくれ――これが無難か。

男「なぁこなた」
(=ω=.*)「えっ。私の名前知ってたの?」
男「まぁな。……お前も、俺の名前知ってるんだろ?」
(=ω=.*)「えっ、あっ、その……」
男「知らないのか?」
(=ω=.*)「お、男……でしょ?」
男「……知ってたか」
(=ω=.*)「うん……でも名字は知らないなぁ。男って名字なんていうの?」
男「その話題はやめろ」
(=ω=.;)「なんで?」
男「男は名字であり名前であるからだ……いいか、これ以上は詳しく聞くな。大変なことになるからな」
(=ω=.;)「う、うん」
男「……」
(=ω=.*)「……」

沈黙が辺りを支配した。
こなたは顔を赤らめながら、こちらをちらちら気にしている。

(=ω=.*)「き、聞いていい?」
男「……何を?」

俺は煙草を携帯灰皿に押し付けた。
しかしすぐにもう一本取り出す。

(=ω=.*)「なんで私連れてこられたんですか?」
男「……」

冬に似つかわしくない暑い日差しを受けながら、俺はこなたから顔を背けた。
背を向けたまま、答える。

男「付き合ってくれ」
717 :独身男性 :2007/12/24(月) 23:40:39.69 ID:CWa3LQg0
wwktk wwktk
718 :サタン :2007/12/24(月) 23:56:28.83 ID:ao9y3EAO
(=ω=.*)「ワンモアセッ」
男「付き合ってくれ――ハッ! 何させるんだ、アホかお前は!」
(=ω=.*)「嬉しいっ!」
男「アホと呼ばれて喜ぶとは、どんだけマゾ」
(=ω=.;)「いやそっちじゃなくて」
男「……オーケーってことか?」
(=ω=.*)「もちろんだよ! 私、ずっと前から男のこと好きだったから!」
男「知ってるー……」
(=ω=.;)「え゛」
男「あ、いやいや、冗談だ」
(=ω=.*)「ほっ。なんだ。てっきり隠し撮りしたのがバレたのかと……」
男「……」
Σ(=ω=.)「し、しまっ!」
男「知ってるー……(撮られたときは知らなかったけど)」
(=ω=.;)「あうあうあうなのです」
男「まぁいいや。とにかく付き合ってくれるんだよな」
(=ω=.*)「もちろんさー!」

そう言うとこなたは、俺の横に並んできた。
満面の笑顔に、少し罪悪感を覚える。
それを隠すように、俺は肺を煙で満たした。

(=ω=.*)「センキュー伊藤誠」
719 :サタン :2007/12/24(月) 23:57:12.15 ID:9H1f7wAO
もう少しでイブが終わりますね
明日クリスマス…
エア電話しますか
720 :サタン :2007/12/24(月) 23:59:15.02 ID:ao9y3EAO
>>719
一方俺はヤンデレこなたを書いた
何かに没頭しないとやってられない
721 :トナカイB [sage]:2007/12/25(火) 00:04:23.15 ID:3WXzvloo
あ、クリスマスだ
だからどうって事もないけどな
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:06:01.99 ID:gGl5goAO
名欄表示変わるかな?
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:09:04.07 ID:ruL/96AO
変わってないな
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:09:43.84 ID:ruL/96AO
戻ってる?
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:22:28.89 ID:VJgIYsAO
かなた「おかえりなさい!」
子狐「こん!」
男「ただいま、狐」
かなた「うぅ……」

かなた「それで、こなたとは?」
男「上手くいったぞ」
かなた「……そう。よかった……」
男「よかった、とは言えない。好きでもないのに告白するのは、気分が悪かった」
かなた「ごめんなさい……」
男「本当に下らない約束しちまったもんだ」

俺は椅子に腰掛けた。
机の上に塩があったので、かなたに投げ付けた(「いたいです!」)。

かなた「……男くん」
男「なんだ?」
かなた「こなたのこと……少しだけでも、好きになれないんですか?」
男「無理」
かなた「……むう! 私の娘ですよ? 変わってるけど、とってもいい子なんですよ!?」
男「うわっ、やめろっ! ひゃあっ! 首筋を触るな!」
かなた「好きになれ好きになれ……」
男「呪いをかけるなこの怨霊が!」
かなた「い、いたぁっ! あっ! 塩いたいですっ!」
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:23:42.99 ID:XcCk/kAO
クリスマス…
サンタさん俺を二次元に連れてってくれ〜
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:40:04.82 ID:VJgIYsAO
12月19日

キーンコーンカーンコーン。
放課後を知らせるチャイムが鳴り響いた。
教室から出ると、こなたが待っていた。
どれだけ素早いんだよ。

(=ω=.*)「一緒に帰ろーよ!」
男「ん」

そのやり取りを見て、クラスがまた騒がしくなった。
例のごとく無視した。
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 00:50:30.19 ID:VJgIYsAO
(=ω=.*)「アニメイト寄ろうか」
男「アニメイト? ビデオ屋か?」
(=ω=.;)「ぐは……ま、まさかそこまでとは……」
男「なんだよ」
(=ω=.*)「まぁいい。これから存分に教えてあげよう」
男「は?」
(=ω=.*)「なにせこの私と付き合ってるんだからね! 1から10まで完璧にレクチャーしてあげるよ!」
男「れ、レクチャーだ? なんのレクチャーだよ?」
(=ω=.)「黙ってついてきなさい」
男「よ、よせ引っ張るな! なんか目が怖いんだよ!」
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/25(火) 00:53:14.22 ID:3WXzvloo
wwktkwwktk

名前戻っちゃったか・・・トナカイB気に入ってたのにな
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 01:22:13.92 ID:VJgIYsAO
(=ω=.*)「ここが、アニメイトだ」
男「い、異臭がする……」
(=ω=.*)「すぐ慣れるよ。むしろ段々故郷のようにすら思えてくるよ」
男「お前さ……」
(=ω=.*)「んー?」
男「オタクなんだな……」
(=ω=.*)「今さら何言ってんの」
男(……かなたの奴、隠してやがったな)
Σ(=ω=.)「あ。スザクの新刊出てるなぁ。今日だったかぁ」
男「スザク?」
(=ω=.)「ランスロット仮面だよー」
男「より一層わけがわからなく……」
(=ω=.)「あ。こっちには、グレンラガン……これは持ってたっけなぁ」
男「おーい……」
(=ω=.*)「あっ。男、これなんかオススメだよ! ひぐらしは初心者にも取っ付きやすいから!」
男「……」
(=ω=.*)「む。でもまずエロゲかな? ネトゲもしてほしいな」
(=ω=.*)「エロゲだったらやっぱ王道な純愛系からやらないとね! 沙耶の唄とかグロ描写はちょっときついかもだし」
(=ω=.*)「やっぱダカーポとかさぁ。マブラヴもいいね。純香はタケルちゃんの嫁」
(=ω=.*)「オルタでグロ耐性もつくし、そういや最近ファンディスク出したらしいし」
(=ω=.*)「とりあえずそれを見に行ってみようかー……」

(=ω=.;)「あれ?」
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 01:37:29.92 ID:VJgIYsAO
男「ふぅー……やってらんねー……」
(=ω=.#)「い、いた!」
男「む」
(=ω=.#)「どこへ行ったのかと思ったら外ですか」
男(貴様の話が長いんだよ)
(=ω=.#)「散々探しまわっちゃったよ!」
男「(く。反論したいがここは我慢だ、俺! ファイト、俺!)……悪かったよ」
(=ω=.*)「許す」
男「……」
(=ω=.*)「じゃあ次は、ゲーセンでも行こうかー」
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 02:13:14.53 ID:VJgIYsAO
(=ω=.)「ギルティやる?」
男「ギルティ?」
(=ω=.;)「男、アニメイトはともかくゲーセンにも来ないの?」
男「来ない」
(=ω=.*)「そかそか。ならこっちも私が教えてあげよう!」
男「いや、俺は……」
(=ω=.*)「座りたまへー」
男「……」

(=ω=.*)「では100円入れて」
男(自腹!?……後でかなたに請求、と)
(=ω=.*)「よしよし。ではキャラを選ぶんだ」
男「……じゃ、こいつ」
(=ω=.;)「ジョニー? ズブの素人はソルやカイの方がいいと思うけどな」
男「カチン。決定。ジョニーを使う」
(=ω=.*)「まぁ好きなキャラを使うのが一番だね。ちなみに私はスレイヤー」

ジョニー『ミストファイナー! ミストファイナー!』
(=ω=.)「CPU戦で、コマンド入力はよくなったね。欲を言えば通常技キャンセルからミストで構えキャンしたいところだけど」
男「日本語か、それ?」
ガチィーン!
男「ん?」
(=ω=.;)「あ。やば。挑戦者だ」
男「ふ。真っ二つに、してやぁるぜぃ」

カイ『セイクリッド・エッジ!』
YouLose!
男「……な……」
(=ω=.;)「この辺、それなりのレベルはあるからなぁ」
男(グゥ)
(=ω=.#)「よし。恋人のかたきは私がとろう! いざ参る!」

一時間が経った。

(=ω=.*)「50連勝ーっ! 男、今の見た見た?」
男「あー」
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 02:33:32.93 ID:VJgIYsAO
男「ただいまー……」
子狐「こん!」
男「あれ? かなたは?」
子狐「きゅう」
男「……ま、いいか。聞いてくれよ狐ぇー」

狐を抱き締める。
俺の癒しはこいつだけだ。
その思いが伝わったのか、いつもより狐はおとなしかった。

子狐「きゅう?」
男「アニメイトはくさいわ、ゲーセンではこなたが連勝だわ、帰りに貧乳について語られるわ、大量のエロゲを押し付けられるわ……」
子狐「く、くぅん」
男「大変だったんだぞ!」
子狐「け、けふっ!」
男「あ。悪い。つい力が入ってしまった」
子狐「こん……」
男「……ところでお前は、貧乳ってどう思う?」
子狐「きゅうん! こんこん! きゅるきゅる! こん!」
男「なに? 小さい方がいいだと? 大きい方がいいに決まってるだろ」
子狐「がぶっ!」
男「いてぇーっ!」
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 02:37:59.10 ID:mcr2O6SO
狐かわいい
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 02:44:03.90 ID:VJgIYsAO
かなた「……あ。帰ってたんですね。おかえりなさい。仲良く何してるんですか?」
男「これが仲良く見えるか!」
子狐「がじがじ」
かなた「じゃあ喧嘩ですか?」
男「あんたの平らな部分のせいで噛まれているんだ!」
かなた「狐さん。その指噛み切っちゃえ」
子狐「こん!」
男「ああああああああ覚えてろよ貴様らあああああああああああ」
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 03:02:59.30 ID:VJgIYsAO
かなた「いたぁ……いたぁ……まさか、あんなに大量の塩を振り撒かれるとは……」
男「煙幕みたいになってたもんな」
かなた「身体中がひりひりします……」
男「自業自得だ」
かなた「もう。……それで、今日はあの子と一緒に帰ってきてくれたました? 仲良く出来ました?」
男「……」

俺はいつものように煙草に火をつけた。
最近吸う本数が増えている気がする。

かなた「そんなの吸うと、身体によくないですよ?」
男「24日に死ぬんだから身体に悪くても構わないだろ」
かなた「う。た、確かにそうですね」
男「……散々だった」
かなた「え?」
男「なんでもない。じゃ、俺は寝るからあんたは早く部屋に帰れ」
かなた「あ、はい、えっと……」
男「……こんな時間まで男の部屋にいるのは、旦那様より俺をとったと見なす」
かなた「わ、私はそうくん一筋です! 言われなくても出て行きます!」
男「ついでに成仏しても構わないぞ」
かなた「ぷんぷん!」
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 03:09:22.50 ID:mcr2O6SO
かなたんかわいい
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 03:12:21.81 ID:GL9Q6sDO






739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 03:19:19.47 ID:VJgIYsAO
12月20日

かなた「いってらっしゃいにゃん、ご主人様!」

子狐「……」
男「……」
かなた「にゃん……にゃん……うぅ。そんな目で見ないでぇ……」
男「今のはなんの真似だったんだ。そしてそのネコミミはなんだ」
かなた「昨日そうくんの話をして思い出したんです……」
男「何を」
かなた「そうくんが、こうやって見送られるの好きだったこと」
男「……」
かなた「だから男くんも、これなら私にも返事してくれるかなぁ、って……」
男「いってきます、狐」
子狐「くぅん……」
かなた「すんすん……」
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 03:46:07.43 ID:VJgIYsAO
すすり泣く自縛霊を尻目に俺は学校へ向かった。
かなたの奇行で、こなたが女ながらにオタク街道まっしぐらな理由がわかった気がする。
そんな奴に今日も一日付き合わなければならないのか……。
無意識に煙草を求め手を伸ばした後、それを切らしていたことを思い出した。
ちょっと寄り道して買いに行くことにした。
確かこの角を曲がったところで買えるはずだ。

男「……なんじゃこりゃあ」

そこには、逆さまになった自販機があった。

男「新しいデザインなのか……?」

試しにお金を入れてみる。
ランプはちゃんと点灯した。
俺はしゃがみ込んで男くん御用達の銘柄を探す。
さ、探しにくい。

男「えーと。ラッキーストライクは……逆さまだと読みにくいな……お、あったあった。ポチッとな」

ガコン、と小気味いい音が、上にある受け取り口から鳴り響く。

男「……らっきーすたー……?」

微妙にラベルが違った。
二度とここでは買わないと誓った。
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 04:13:10.86 ID:VJgIYsAO
パチモンを掴まされた嫌な気分を引きずりながら、学校に到着する。
校門で偶然こなたと鉢合わせする。

(=ω=.*)「あー。おはよー」
男「……」

昨日した最悪のデートを思い出し、気分はさらに沈んだ。
彼女の表情を見るに、こなた的には最高だったのかもしれないが。

男「……おはよ」
(=ω=.;)「あれ? どったの? なんかテンション低くない?」
男「あ……いや。その、パチモンの煙草買っちまってな」
(=ω=.#)「……わかる! わかるよその気持ち!」
男「は」
(=ω=.#)「たまにあるんだよねー。ネトオクでも悪質な出品者いてさ! 何度煮え湯を飲まされたことか!」
男「へぇ」
(=ω=.;)「あ。ちなみにコスモスのフィギュアはパチモンじゃなくて、デフォでアレだったけど」
男(相変わらずついていけねーな……)
(=ω=.)「あ!」
男「……ん?」
(=ω=.)「そんなパチモンの話じゃなくて、楽しい話があるじゃん!」
男「なんだ?」

(=ω=.*)「今日から冬休みだーっ!」

男「……あー。そうだったか。最近色々あったせいですっかり忘れてたな」
(=ω=.)「色々?」
男「色々だ」
(=ω=.*)「まぁいいやぁ! ねぇねぇ男! 学校終了祝いに、今日はぱーっとカラオケでも行こうよ!」
男「……」
(=ω=.*)「私達は自由だよー!?」
男「……悪い」
(=ω=.)「へ?」
男「今日は駄目だ」
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 04:34:22.16 ID:VJgIYsAO
(=ω=.;)「な、なんと!」
男「悪いな」
(=ω=.#)「ええい、何故だ! 理由は!」男「……用事だよ」

もちろん俺に用事なんてない。
本当の理由は「気分が乗らないから」だ。
かなたに約束した手前、そんなことは言わないが。

(=ω=.)「そんな用事は破棄すればいいよ!」
男「大事な用事なんだよ」
(=ω=.#)「むぅ!」
男「……」
(=ω=.)「じゃあ、一緒に帰るのは?」
男「それもなし」
(=ω=.#)「もー!」
男「怒るなって。ほら、早く学校行かないと遅刻だ」

俺は唐突に歩き出した。
こなたは慌ててついてくる。

(=ω=.;)「待ってよー」
男「はいはい」
(=ω=.)「…………ねぇ、男」
男「ん?」
(=ω=.)「男は……私のこと……」

キーンコーンカーンコーン。

男「うお! やべー! 走るぞっ!」
(=ω=.;)「あっ!……うん……」
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 05:01:12.79 ID:VJgIYsAO
退屈な終業式が終わり、放課後になった。
俺はこなたが来る前に教室を出る。

男「……ふぅ」

学校が見えなくなった辺りで、俺は歩くペースを緩め、一息ついた。

男「今から、どうするかな」
男「家に帰っても鬱陶しい幽霊がいやがるし」
男「はぁ……」
男「本当、あんな約束するんじゃなかったな」
男「……ハッ」
男「また独り言を言ってしまった……」
男「独り言は死の前兆……まさに俺だ!」
男「……」
男「あ。そうだ……こんなときこそ、あそこに行くか」
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 05:22:41.82 ID:VJgIYsAO
俺の家から少し離れたところに、小さな公園がある。
街が一望出来るその公園は、俺が一人になりたいときにいつも来る場所だ。

男「はぁ。やっぱりここは落ち着くな……」

そう言った瞬間後ろの方で、微かにマフラーをふかす音が聞こえた。
また走り屋か。
この公園は車道沿いにある。
しかもその車道というのが曲がりくねったイイコースなので、走り屋が来る事も日常茶飯時なのだ。

そろそろ見える頃かな。
そちらに視線を移してみる。
二台の車が風のように、公園の脇を通り過ぎていった。
一瞬見えたが、優勢は眼鏡をかけた女性の車だった。

男「またあの人か……」

何度ここで彼女が走る姿を見たことか。

男「何者なんだろう」
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 06:03:06.39 ID:VJgIYsAO
男「今日が20日だから……残り4日か」

木製の手すりに寄り掛かり、街を眺める。

男「……ぶるっ」

少し震えた。

男「俺の身体の癖に弱虫な……」
男「死ぬからなんだって言うんだ」

これからやりたいこともない。
趣味や楽しみもこれといって持っていない。
離れたくない人もいない。

男「なら、死んでも構わないはずだろ」

しかし、何故か足の震えは止まらなかった。

男「……」

不意にこなたの顔が浮かぶ。
俺の死を悲しむであろう唯一の人物。
それだけでなく、その悲しみのせいで自殺までしてしまうという。

男「……本当、わけわかんねー……」

呟いたとき、震えは止まっていた。

男「あれ? な、なんでだ?」
男「……」
男「……なんかむかつく」
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 06:27:42.33 ID:VJgIYsAO
男「オラァ。帰ったぞコルァ」
子狐「きゅ?」
かなた「お、おかえりなさい」
男「黙ってろ塩を口にぶち込まれたいかこの猫耳人妻メイド幽霊」
かなた「な、何でそんなに荒れてるんですか? 不良の真似ですか?」
男「真似も何も俺様は不良なんじゃっ! 屑じゃっ! 人間の不良品でいいんじゃっ!」
かなた「えーと……たぶんそこまで酷くはないですよ?」
男「だからやめる」
かなた「え?」
男「こなたのことなぞもう知らん!」
かなた「そ、そんなっ!? 喧嘩でもしたんですか!?」
男「してない。順調に……とは言えないが、一応付き合うフリをした」
かなた「じゃあなんで……」
男「イライラするからだ」
かなた「……」
男「そもそもおかしかったんだ。この俺が人助け紛いのことするなんて」
かなた「……でも……約束を……」
男「約束は破る。我ながら屑な行為だな。だけど俺はさっき言ったように」
かなた「……」
男「不良でいい」
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 06:37:38.27 ID:VJgIYsAO
かなた「でもっ!」
男「うるせァーッ! もう寝る! 俺は寝る!」
かなた「あ……」
男「ほら狐、寝るぞ! カモン!」
子狐「……」
男「狐!」
子狐「……」
男「……」
子狐「……」
男「チッ!」

何度読んでも狐は近付いて来なかった。
俺は大きな舌打ちをして、部屋に帰った。

男「……」

その夜は結局、かなたも狐も部屋に近付いて来なかった。
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 07:22:16.09 ID:/T21UTQ0
そういえば俺も今日から冬休み
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 09:08:18.17 ID:.zMFGrAo
寝ちまったかな

ワッフルワッフル
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 19:10:35.40 ID:RuuKHRo0
そろそろ来るかな
ワッフルワッフル
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 19:15:32.82 ID:VJgIYsAO
ごめん寝てた
案外見てくれてる人がいてイヤッホォ
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 19:25:46.78 ID:3WXzvloo
きてた!
wwktkwwktk
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 19:29:52.52 ID:VJgIYsAO
12月21日

目を覚ますと昨日のイライラは、すっかり消えていた。
その代わり、虚脱感に身体を支配されていたが。
とりあえずベッドに腰掛けて、ぼーっとしたり……

男「……」

火の点いてない煙草を、指でくるくる回したり……

男「ペン回しの要領だぜ」

UMAを撮影したり……

男「こ、これがスカイフィッシュ!」

そんなことをしていた。

昼になると、部屋の外から声が響いてきた。

かなた「男くん?」
男「……あー?」
かなた「入っていいですか?」
男「……あー」
かなた「入りますよ?」

そう言うなり、ぬう、と床下から顔が生えてきた。

男「……ドアから入ってこいよ……」
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 20:05:24.55 ID:VJgIYsAO
かなた「……」
男「なんだよ」
かなた「あの……ええっと」
男「……」
かなた「昨日のこと……」
男「言っとくが、前言撤回する気はないぞ」
かなた「……」
男「俺はもう知らん。こなたと別れるつもりも、付き合い続けるつもりもない」
かなた「……」
男「どうでもいい」
かなた「……」
男「このまま放置」
かなた「……」
男「……そうだ。こなただって、冷たくされれば俺のことなんざ諦めるだろ」
かなた「……」
男「そしたら、俺が死んでもあいつは自殺しない。我ながらベストな案だ」
かなた「……」
男「……」

かなた「……男くん」
男「……」
かなた「ちょっ! お説教するつもりはないですから、塩を構えないで下さいよぉ」
男「じゃあなんだ?」
かなた「……お話してもいいですか?」
男「……」
かなた「話を聞いてくれた後なら、いくらでも塩ぶつけていいですから」
男「……」
かなた「……」
男「……勝手にしろよ」
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 20:26:35.02 ID:.zMFGrAo
wwktk
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 20:36:20.94 ID:VJgIYsAO
かなた「私は死んでから、あの子のことがずっと心配でした」
男「心配?」
かなた「ええ。確かにこなたは元気な子に育ってくれたけど、ずっと恋人の一人も出来なかったから……」
男「……そういえばあんた、いつ死んだんだ?」
かなた「こなたがまだ幼い頃です」
男「ふーん……」
かなた「そのせいであの子は男の人を好きにならないのかな、って心配してたんです」
男(いや、単に性格の問題だと思うんだが)

かなた「こなたが高校に入ってしばらくすると、ある変化がありました」
男「……」
かなた「あの子は一人の男性を好きになったようでした」
男「……俺、か」
かなた「はい。嬉しそうに携帯電話の画像を眺めているあの子の姿を見て、私はほっとしました」
男「……」
かなた「他のことには積極的なあの子が、あなたのこととには臆病で」
男「……」
かなた「本当に好きなんだな、って……嬉しかったです」
男「……」
かなた「出来ればその恋が成功するように、願いました」
男「……」
かなた「でも……」
男「……相手は死ぬ、と」
かなた「……」
男「……」
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 20:55:22.36 ID:VJgIYsAO
かなた「……私は、今でも同じことを願っています」
男「……」
かなた「あの子が幸せになれるように、一度でも人と愛し合うことが出来るように」
男「……」

かなた「それと今は、あなたについても同じことを」
男「……俺?」
かなた「あなたが人を愛せるように」
男「余計なお世話だ」
かなた「やっぱり。そう言うと思いました」
男「……」
かなた「短い間ですがあなたと過ごして、こなたがあなたを好きになった気持ちがわかりました」
男「……は?」
かなた「気付いてないかもしれませんが、あなたはとっても優しいですよ?」
男「……」
かなた「一方的な約束を渋々ながらも守ろうとしてくれたり」
男「……」
かなた「よく見ると、いいところはいっぱいです」
男「……下らない」
かなた「ふふ。……だからそんなあなたに、人を愛する喜びを知って欲しいんです」
男「……」

かなた「話はこれだけです」
男「……」
かなた「じゃあ、私は部屋に戻ります」
男「……」

かなたは言うだけ言って出ていった。
俺は部屋に一人取り残される。
……俺にいいところだって?

男「……アホか、あいつは」
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 21:28:00.40 ID:VJgIYsAO
12月22日

かなた「あれ? どこに行くんですか?」
男「どこだっていいだろ」
かなた「あ! もしかして昨日の私の話で気が変わって、こなたに会いに」
男「行くわけないだろ。煙草を買いに行くだけだ」
かなた「またまたぁ。照れなくていいですってばぁ」
男「塩(シ)ッ!」
かなた「あいたーっ! な、なんで塩常備してるんですか!」
男「毎度毎度下らないことを言う亡霊への対策に決まってるだろ」
かなた「うぅ」
男「大体俺は、あんたが昨日語った願いなんかどうでもいい」
かなた「……むー」
男「願いなら、お星様にでもしてろ」
かなた「ひ、ひどいです!……でもそんなこと言いつつ、本当は会いに」
男「塩(シ)ッ!」
かなた「あぁっ!」
男「勝手にそう思ってればいい」
かなた「うぅ。本当に煙草を買いに行くだけなんだ……」
男「だからそう言ってるだろ。じゃあいってきます、狐」
子狐「くぅん……」
かなた「鬼ーっ! 人でなしーっ!」
男「人じゃないのは貴様だろうが……」
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 21:58:39.27 ID:VJgIYsAO
むくれるかなたを置いて、俺は歩き出した。
もちろんこなたに会いに行くわけではない。
さっき言ったように、俺は自縛霊の願いなどどうでもいいからだ。
ただ、昨日は何故かやたらと煙草を消費してしまった。
だから煙草を買いに行くのだ。
中毒性とは恐ろしいものだ。

男「お」

確かこの角を曲がったところで買えるはずだ。

男「あ゛」

曲がると、逆さまの自販機が目に入ってきた。

男「わ、忘れてた。ここは駄目だったんだ……」

自分の記憶力の低さを恨みながら、俺はため息をついた。
一昨日パチモンを買ったばかりなのに。
ちなみに怪しげなパチモン煙草「ラッキースター」はまだ家にある。
あんなの怖くて吸えるか。
憎悪を込めて、逆さま自販機を睨む。

男「……ん?」

すると自販機の前に一匹の猫がいることに気付いた。
猫は自販機を見上げている。
俺は好奇心から、そいつに近付いてみた。
猫が俺に気付いた。
そして

猫「ちょっとそこのあんた! なんなのよ、この自販機!」

喋った。
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:04:51.50 ID:F8oWbrw0
この生産力
まさか蝉たん?
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:09:22.68 ID:VJgIYsAO
>>760
本人証明は出来なかった、しようとも思わなかった
だがせっかく気付いてくれたから言うと
YESです
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:12:59.50 ID:.zMFGrAo
ちょマジかwwwwwwおかえりwwwwww
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:13:10.39 ID:3WXzvloo
やはりそうか
こなたが(=ω=.)だしな
ますますつづきwwktk
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:19:15.80 ID:gGl5goAO
ああ、やっぱり。
地の文の書き方がそっくりだから。
もしかしたらと思ってた。
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:20:33.20 ID:VJgIYsAO
>>762
ただいも

>>763
バレテター
書き方は変えてたつもりだったのニナー
こうなったら名前入れた方がいいカナー?
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:23:31.55 ID:.zMFGrAo
文章でよくわかるな
またまた期待の新星が現れたものかとwwww
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:24:11.57 ID:VJgIYsAO
>>764
基本的なところはやっぱ癖が出るものか
今回の男は、前の男とまるっきり性格が違うから、書くの大変
読んでる方も男にイライラしてることと思う
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:26:40.27 ID:gGl5goAO
>>767
改行後のスペースが無くなってたから別人かもと思ってたんだけどねwwwwww
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:30:25.61 ID:VJgIYsAO
>>768
前回書いてるとき、あれがめんどくさかったのよ!
書き方としては間違ってるのはわかってるが、まぁいいかってね!
じゃ、そろそろ続き書くわ
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 22:34:18.57 ID:mcr2O6SO
おかえり!
>名前入れた方が(ry
どちらかといえば入れた方がいいかも
Wikiにも専用の項があることだし
771 :八月蝉 :2007/12/25(火) 22:37:45.81 ID:VJgIYsAO
>>770
了解した

では引き続きヤンデレこなたスレをお楽しみ下さい
772 :八月蝉 :2007/12/25(火) 22:49:32.68 ID:VJgIYsAO
男「猫が喋った!?」
猫「あぁん? 誰が猫よ誰が」
男「お前だ!」
猫「あーはいはい。そういえばそうだったわ」
男「自分が何者か忘れるなよ!」
猫「五月蠅いわね! あたしだって好きでこんな身体になったわけじゃないわよ!」
男「はぁ」
猫「そんなことより何よこの自販機は。人をおちょくってんの?」
男「人じゃないだろ……」
猫「なんか言った?」
男「別に」
猫「あー! もう腹が立つー!」

猫は自販機をガンガン叩き始めた。猫パンチで。

男「で、でも一応買えるじゃねーか」
猫「受け取り口に届かなかったら意味ねーだろがーっ!」

さらにガンガン叩く。猫パンチで。

男「わかったわかった! 俺が取ってやるから!」

俺は暴れる猫を押しとどめ、煙草を取ってやる。

男「ほら」
猫「ったく。ようやく一服出来るわ」

煙草の箱を渡されるなり、猫は前足で器用に封を開けた。

猫「……」

しかし箱の中には、一本の煙草も入っていない。
代わりに、紙切れが入っていた。
俺はそれを盗み見る。

男「ハズレ……」
猫「うがーっ!」

猫は煙草を地面に叩き付けた。
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 23:03:40.89 ID:ROCHygSO
男の言動に対して正直戸惑いを隠せない

怖いお
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 23:08:22.25 ID:VJgIYsAO
猫「ふー! ふー!」
男「そんなぐしゃぐしゃになるまで踏み付けなくても」
猫「ふざけやがって! ふざけやがって!」
男「……」
猫「あーあ。こんなことなら、やっぱ白石にパシらせるんだったわ」
男「白石? そいつは猫仲間か?」
猫「はんっ。あんな細目が猫になっても萌えないっつーの。やっぱこのあたしのようなスーパーアイドルじゃないと」
男(猫界にも色々あるんだな)

みのる「こんなところにいたんですか!」

突然声が聞こえたと思ったら、細目の男性が現われた。
細目の男性は、猫に話し掛ける。

みのる「探しましたよー!」
猫「噂をすればなんとやらね」
男「……」
みのる「どうもすみません、ウチの猫が!」
猫「ちょっと! 誰があんたの猫だって!?」
みのる「もう! 喋る猫なんて普通はいないんですから、自重して下さいよ!」
猫「なんだぁ? 私に指図する気か下っ端」
みのる「そういう問題じゃなくてですね!」
猫「じゃあなんだ!?」
みのる「だからそれはそれで!」
男「……あー。痴話喧嘩中に悪いが、俺はもう行くぞ?」
猫「な、何が痴話よ! 目ぇ腐ってんの!?」
白石「はい。本当に失礼しました。僕らももう帰りますから。ほら、行きますよ」
猫「ちょ、ちょっと! 首の後ろの皮を持つなぁ!」

俺が去るより早く、二人は仲良く(?)ぎゃあぎゃあ騒ぎながら歩いていった。

男「……なんだったんだ」
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/25(火) 23:18:39.32 ID:3WXzvloo
もっとまともに登場できないのかこの人はwwwwwwwwwwwwww
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 23:20:25.30 ID:VJgIYsAO
その後俺はコンビニを訪れ、煙草を買った。
身分証の提示は求められなかった。
……俺、老けてるのかな?

男「さて……」

家に帰るのは気が引けた。
かなたがプリプリしてるだろうし。

男「やっぱあそこしかないか」

俺は車道沿いにある、景色のいい公園に向かうことにした。
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 23:37:36.97 ID:VJgIYsAO
男「うお!」

公園に辿り着くと、そこには先客がいた。
カップルのようだ。
まさかここに人がいるとは思ってなかったため、俺は声をあげてしまった。
カップルが二人同時に振り向く。

男「……」

女の方には見覚えがあった。
長い髪に、カチューシャ……。

男「……峰岸?」
あやの「あ……こ、こんにちは」
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/25(火) 23:53:04.04 ID:3YJ5sMAO
………あれ?
神様降臨してる?
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 00:03:23.27 ID:YfdbjsAO
峰岸の横にいる男性は「誰?」という顔をして、彼女を見た。
それに気付いた峰岸が、彼に言う。

あやの「あ……えぇっと……同じクラスの……」

そう聞くと、彼氏はにこやかな表現で俺に会釈した。
俺は会釈を返さず、淡々と告げた。

男「邪魔したな」
あやの「あ……ううん。いいよ……」

俺は二人に背を向け、来た道をとぼとぼと引き返した。
煙草に火を点ける。

恋人やら、猫と飼い主やら、今日はなんて日だよ。
そういうのは、もううんざりだった。
人は何故人を求めるのだろう。
かなたが言っていたように、人を愛するというのは、そんなに必要なことなのか?
――わからない。
考え方の違う人間といても煩わしいだけなのに。

あやの「待って!」

考えながら歩いていると、後ろから峰岸の声がした。
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 00:05:56.47 ID:CMotmYDO
あやの「一本ちょうだい」
781 :八月蝉 :2007/12/26(水) 00:06:39.19 ID:YfdbjsAO
>>778
神じゃないww神じゃないよwwwwwwww
今度こそ話は破綻させない

そういえば……また名前つけるの忘れたな
習慣が消えてる
782 :八月蝉 :2007/12/26(水) 00:31:18.74 ID:YfdbjsAO
何故追いかけてきたのだろう。
「一本ちょうだい」とでも言いに来たのだろうか。
……それはないか。
即座に自分の考えを否定し、尋ねる。

男「何だよ?」
あやの「はぁ、はぁ……その……」
男「おい。息を整えてから話せよ。聞きにくいだろ」
あやの「あ……はい……はぁはぁ」

峰岸は何度か深呼吸した。

男「落ち着いたか?」
あやの「ありがとう……」
男「で、なんだ?」
あやの「……私、男さんに、謝りたいの」
男「謝る?」
あやの「うん」
男「謝られるようなことはない。早く彼氏のところに帰ってやれ」
あやの「あるの!」
男「ない」
あやの「き、聞いてよー!」
男「嫌だ」
あやの「じゃあ……」
男「……」
あやの「勝手に謝るね。ごめんなさい」
男(……かなたといい、こいつといい、女って奴は……)
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 00:32:37.90 ID:5/LS0..0
だ。ダメダ
俺はもう眠気の限界だ、
久々の蝉たんなのに・・・
じゃあ頑張ってくれ
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 00:33:53.62 ID:8oDA0mso
>>782
即座にネタを取り込んだなwwwwさすがだwwwwww
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 00:39:19.70 ID:CMotmYDO
>>782
やりやがったwwwwwwwwwwww
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 00:51:11.27 ID:YfdbjsAO
あやの「あのとき、怖がったりしてごめんなさい」
男「あのときだぁ?」
あやの「男さんが私に話掛けてくれたときだよ」
男「……あー。そんなこともあったな」
あやの「本当にごめんね。男さんのこと噂だけで怖がったりして、迷惑掛けて……」
男「やっぱ謝る必要はないな。実際、俺は怖がられるようなことしてんだから」

指で挟んだ煙草を、ひらひら振ってみせる。

あやの「でも、男さんは、泉ちゃんのことを聞きたかっただけなんでしょ?」
男「……」
あやの「……」
男「な、なんで知ってんだ」
あやの「だって『こな』って言い掛けてたよね? その後すぐに、泉ちゃんを連れていっちゃったし……」
男「……」
あやの「次の日には、二人は付き合ってるみたいだったから……そうだったのかなって……」
男「……貴様はどこぞの名探偵か。手紙の謎を解明したりするのか」
あやの「手紙?」
男「俺、そんなこと言ったか?……まぁいい。深く考えるな」
あやの「う、うん。とにかく男さんは、泉ちゃんに告白したかっただけだったんだよね」
男「……」
あやの「だから、ごめんなさい」
787 :八月蝉 :2007/12/26(水) 01:09:13.01 ID:YfdbjsAO
男「……そんなことで謝りに来たのか」
あやの「そんなことじゃないよ! 大切な告白の前だったのに……」
男「わかったわかった。許す。ほら、これでいいだろ? とっとと帰れ」
あやの「……ありがとう、男さん」
男「……」
あやの「やっぱり、本当は優しいんですね」
男「……」

峰岸は礼儀正しく一礼して、俺に背を向けた。
少しずつ彼女の背中が遠ざかる。

男「――おい」

気付いたら、俺は声を掛けてしまっていた。
すぐに聞こえなかったことを祈ったが、あやのは振り返ってしまった。

あやの「はい?」

頭に浮かんだ言葉を、仕方なく口に出す。

男「彼氏といるのは、楽しいか?」

峰岸は驚いていたようだったが、やがて、はにかみながら答えた。

あやの「とっても!」
788 :八月蝉 :2007/12/26(水) 01:36:31.77 ID:YfdbjsAO
あやのが行った後も、俺は暫くその場に立ちすくんでいた。

男「お、俺は何故あんなことを」
男「……」
男「か、かなたのせいだ! あいつが昨日、下らない話をするからだ!」
男「……覚えてやがれ、幽霊娘」
男「帰ったら塩のフルコースだ」
男「――ハッ」
男「ま、また独り言を……俺ってやつは……」

うなだれていると突然、車のクラクションが鳴り響いた。

男「うお」

俺は急いで車道脇に移動した。
やってきたのはパトカーだった。
パトカーは俺の目の前で停止した。
窓が開いて、婦警が顔を出す。

婦警「気をつけなよー? 道の真ん中に立ってると危ないよー? 特にこの道は、走り屋とか多いし」
男「あ、すみません」
婦警「おやぁ?」
男「……」

婦警が眼鏡ごしに俺をじっと見る。
煙草を持っているのがバレたのだろうか。

婦警「あなた、男くんじゃない?」
男「は?」
婦警「……うん! 絶対そうだよね!?」
男「……確かに俺は男だけど」
婦警「男なのは見ればわかる! 男くんかどうか聞いてるんだよ!」
男「だから! 俺は男!」
婦警「男なのはわかったってば! それ以上からかうと逮捕しちゃうぞ!」
男「俺の! 名前は! 男だ!」
婦警「あー」
男「……」
婦警「やっぱりそうだよねー! いやぁ偶然だねぇ。おねーさんびっくりだ」
男「あんた……誰だよ?」
ゆい「あや。自己紹介まだだっけ。ごめんごめん。私はこなたの従姉妹のゆいだよー」
789 :八月蝉 :2007/12/26(水) 01:41:11.86 ID:YfdbjsAO
あ。wwikiが変わってる!
ありがとうwwikiの人!
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 01:48:27.16 ID:8oDA0mso
今まで出番のなかったキャラ達が優遇されている・・・!
wikiの人乙です
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 01:59:10.99 ID:YfdbjsAO
男「あいつの従姉妹?」
ゆい「そう。男くんのことは、こなたからよく聞いてるよー」
男「……」
ゆい「ささ。立ち話もなんだし、乗りなさい」
男「え……あんた勤務中じゃ……?」
ゆい「細かいことは気にしない! さぁ乗るんだ!」
男「いや、でも……」
ゆい「むー……あ! あれはなんだ!」
男「え?」

ゆいさんの指差した方向を見た瞬間、カシャンと小気味いい音がした。
それと、手首に違和感。

男「……」

俺は手錠をはめられていた。

男「な、何すんだーっ!」
ゆい「外して欲しければ乗るのだ!」
男「く……卑怯な……!」
ゆい「あっはっは」
男「あんたそれでも警官か!」
ゆい「別にいいんだよー? 警官らしく、奇妙に膨らんだそのポケットの中身を追求しても」
男「なっ!」
ゆい「何が入ってるのかなぁ? なんか身体に悪そうな気配が――」
男「外道……っ!」
ゆい「あは」
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 02:02:14.84 ID:2d/aAAAO
久しぶりに来たら八月蝉が新連載してる!!!!
ちょっとwiki読んでくるわ
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 02:05:08.50 ID:YfdbjsAO
>>790
最近ようやくらき☆すた読んだんだぜ
ゆい姉さん可愛いよゆい姉さん
でもみさおはもっと可愛いです
794 :八月蝉 :2007/12/26(水) 02:06:29.49 ID:YfdbjsAO
>>792
そのIDいいな……
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 02:13:54.05 ID:2d/aAAAO
>>794
1つ小文字なのが惜しいかな
ところで、バルサミコ酢な つかさの登場は期待してもいい?
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 02:26:28.71 ID:YfdbjsAO
>>795
もちろん
797 :八月蝉 :2007/12/26(水) 02:41:31.16 ID:YfdbjsAO
ゆい「こなたのどこが好きなのー?」
男「言えません……」
ゆい「照れちゃってー!」
男「……」

パトカーの中で(予想通り)俺は質問攻めされた。
答えるのが難しい質問も幾つかあったが、なんとか誤魔化した。
散々話を聞いて、ゆいさんはようやく満足したようだった。

ゆい「うんうん。ラブラブだねぇ!」
男「……」
ゆい「でも私ときよたかさんには負けるけどねー!」
男「きよたかさん?」
ゆい「えへへ。私の旦那さんだよ」
男「……」
ゆい「ん? どったの? ま、まさかこなたと付き合っておきながら、私のことを!」
男「ありえねー」
ゆい「うぐ。それはそれでなんか悔しい……いいもーん。私にはきよたかさんがいるもーん」
男「……あの……」
ゆい「ん?」

男「……その人といると、どんな感じですか?」
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 02:54:27.13 ID:YfdbjsAO
ゆい「すっごく幸せ!」
男「幸せ……」
ゆい「……あー。でもあの人単身赴任してるから、あんまり会えないんだよねー……うー……」
男「じゃあ……嫌になったりしないんですか?」
ゆい「うゆ?」
男「意見や趣味……考え方が合わなくて、疲れたりしないんですか?」
ゆい「しないねー!」
男「何故ですか?」
ゆい「何故って……えーと……」
男「……」
ゆい「そうだなぁ……。合わなかったら、合わせる! これかな!」
男「合わせる?」
ゆい「そういうこと! 基本だよー。人付き合いの基本だよー」
男「……」

そのとき一台の車が凄まじい速度で、俺達のパトカーを追い抜いた。

ゆい「あの野郎……」
男「え」

後のことは思い出したくもない。
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 03:03:48.85 ID:D93GOQSO
ゆい姉さんがすてき過ぎる…
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 03:10:32.41 ID:YfdbjsAO
男「た、ただいま……」
子狐「くぅ!?」
男「どうした、だって? 聞かないでくれ……」
子狐「こん……」
男「ただ一つ言えるのは、あの暴走車のプライドはペシャンコだってことだ……」
子狐「きゅう」
男「はぁー……」
子狐「ぺろ」
男「お?」
子狐「ぺろぺろ」
男「こら、くすぐったいぞ」
子狐「ぺろぺろ」
男「……気を取り直して、飯でも作るか。腹減ってるだろ?」
子狐「こん!」
男「……あれ? そういえば、自縛霊は?」

かなた「誰が自縛霊ですか!」

かなたの顔が、天井からにょきっと生えてきた。
長い髪が垂れ下がって果てしなく不気味だ。

男「む。まだ怒ってんのか」
かなた「怒ってないです!」

そう言って、かなたは頭を引っ込めた。

男「明らかに怒ってるじゃねーか」
子狐「くぅん」
801 :八月蝉 :2007/12/26(水) 03:28:57.93 ID:YfdbjsAO
食事をし終えると、俺はかなたの部屋を訪れた。
いや、正しくはかなたが取り憑いている部屋、か。
ドア越しに

男「おい、かなた」

と声を掛ける。

かなた「なんですか!」

同じように声が返ってきた。

男「入るぞ」

ドアを開け、中に入る。
かなたは足の爪を切っているところだった。
入ってきた俺を見るなり、彼女は真っ赤になって爪切りを投げ捨てた。

かなた「な、なんですか! 不法侵入ですよ!?」
男「貴様に言われたくないわー!」
かなた「む……」
男「大体幽霊の癖に爪なんか伸びるのかよ!」
かなた「伸びませんよ!」
男「なら何を切ってたんだ!?」
かなた「なんでもいいでしょう!? それより、何か用ですか!? 用が無いなら出てって下さい! 塩投げますよ!?」
男「さわれるもんならさわってみろよ!」
かなた「どうせさわれませんよ! 幽霊ですからね! 塩にさわれますように、とお星様に祈るだけです!」
男「……」
かなた「……」
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 03:54:21.21 ID:YfdbjsAO
男「はぁ。その話はもういい」
かなた「もういいなら出てって下さい」
男「一つだけ聞いたら出て行く」
かなた「……なんですか?」
男「こなたの家の電話番号、教えてくれ」

かなた「え……」

男「早く。俺、携帯とか持ってないから、困ってるんだよ」
かなた「……」
男「あいつに番号も教えて貰ってないしな」
かなた「わ、わわわ」
男「ん?」
かなた「わかってくれたんですか!?」
男「ぶわっ! ち、近付くな! ひんやりする!」
かなた「ついにこなたを好きになってくれるんですか!?」
男「そうは言ってないだろ! ただ……」
かなた「ただ?」
男「合わせてみようかなってな」
かなた「……」
男「ま、まぁこれもただの気まぐれだ。好きになるかは、その後で決めるんだからな! 勘違いすんなよ!?」
かなた「気まぐれ……ですか……」
男「ああ。最初に気まぐれであんたと約束した。それなら、二回目の気まぐれがあっても変じゃないだろ?」
かなた「……ふふ。そうですね……ぐすっ……」
男「な、何泣いてんだよ!」
かなた「男くん」
男「あ?」
かなた「ありがとう……」
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 04:28:46.95 ID:8oDA0mso
ここまでは実にハートフルなお話だな
804 :八月蝉<名前の入れ忘れが激しいが気にしない :2007/12/26(水) 04:35:14.39 ID:YfdbjsAO
かなたに番号を聞いた俺は、埃をかぶった電話機を前にしていた。

かなた「わくわく」
男「おい、なんで貴様までいるんだ」
かなた「いいじゃないですか」
男「チッ」

受話器をあげ、番号を打ち込む。

男「……」
かなた「……」

1回、2回、3回と、呼び出し音が鳴り続ける。

男「よし。10回鳴っても出なかったら切ろう」
かなた「そんなっ!」
4回、5回、6回……

男「……」
かなた「お、お願い。出てぇ」

7回、8回、9回……ガチャ。

?『はい』
男「うおっ」

出たのは、の太い声をした男性だった。
断じてこなたではない。
俺は慌ててかなたに受話器を押し付けた。

かなた「えっ! な、なんで私に!?」
?『なっ! その声はまさかっ!?』
かなた「あ、わ! そ、そうくん!?」
そうじろう『うわっ! うわっ! うわあーっ!』

ガタガタという音が、伝わって来た。
どうやら向こうの受話器を、床に落としたらしい。

(=ω=.)『もー。何やってんの、おとーさんは』
そうじろう『か、かなたが出た! かなたが出たんだ!』
(=ω=.)『は? そんなわけないって。……よいしょ……もしもーし?』

かなたが黙って俺に受話器を返却してきた。
その目は「なんてことするんですか!」と言っていた。
俺はそれを受け取る。
805 :八月蝉 :2007/12/26(水) 04:59:22.69 ID:YfdbjsAO
男「こなたか?」
Σ(=ω=.)『えあっ!? ひ、ひゃああっ!』

またガタガタが聞こえた。
今度はこなたが落としたらしい。

そうじろう『な、な! かなただったろ!?』
(=ω=.;)『違うよ! 違うけど、別の意味でびっくりしたんだよ』
そうじろう『へ?』
(=ω=.;)『とにかく、ここは私に任せて。あっち行って』
そうじろう『でも……』
(=ω=.#)『早く』
そうじろう『うぅ。わかったよ……』

(=ω=.)『……もしもし、男?』
男「そうだ」
(=ω=.)『本当に、男?』
男「俺の名前は男だ」
(=ω=.*)『電話くれたんだね!』
男「ま、まぁそんなとこ」
(=ω=.*)『やったーっ! 嬉しいな、嬉しいな。なんのようかな、かな?』
男「えーと。なんつーか、その……明日会わないか?」
(=ω=.*)『もちろんだよっ! どこで待ち合わせするの?』
男「んー……駅前にある噴水はどうだ?」
(=ω=.*)『オッケー!』
男「それじゃ、また明日な」
(=ω=.*)『うん! おやすみ、男!』

受話器を置く。

かなた「……」
男「……何にやにやしてんだ」
かなた「ふふ。なんでもないですよ?」
男「塩(シ)ッ!」
かなた「いたぁっ!……ふふ……あっ! いたたっ! や、やめっ! いたいですーっ!」
806 :八月蝉 :2007/12/26(水) 05:19:46.22 ID:YfdbjsAO
男「ふぁーあ……よし。明日に備えて早く寝るか」
男「……」
男「べ、別に楽しみなわけじゃないけどな」
男「オタ話に合わせるのなんて大変だろうし……」

そのとき、部屋の片隅にあるいくつもの箱が、俺の目に入ってきた。
以前、こなたに押し付けられたエロゲ達だ。

男「……」
男「……」
男「……」

男「……ちょっと、やってみようかな……」

男「うん。話のネタになるかもしれないしな」
男「一本くらい、さわりだけプレイしてみよう」

俺は積まれたエロゲの中から、適当な一本に目をつけた。
恐る恐る手を伸ばす。
指先がエロゲの箱に軽く触れた。
その感触に、俺はビクッと手を引っ込める。
――馬鹿な。この俺が恐れているだと?
自分を奮い立たせ、箱を鷲掴みにする。
重い……。
これが、エロゲ……。
そのパッケージを舐めるようにじっくり観察する。

男「……Air? エロゲのくせに洒落た名前だ」

PCを起動し、Airのディスクをセットする。
インストールはすぐに完了。
ご、ごくり……

子狐「こん!」

男「わあああああああああああああああああああああ!」
子狐「くるっ!?」
男「はぁはぁ。な、なんだお前か。驚かすなよ」
子狐「くぅ」
男「……なんだ? まさかエロゲが見たいとか?」
子狐「こん!」
男「じゃ、一緒にやるか」
子狐「こん!」
807 :八月蝉 :2007/12/26(水) 05:55:26.25 ID:YfdbjsAO
12月23日

かなた「……くん! 男くん!」
男「……んあ?」
かなた「や、やっと起きたっ!」
男「なんだ、かなたか。……あ。俺、パソコンの前で寝ちまったんだな……」
かなた「寝ぼけてる場合じゃないですよ! 今何時かわかってます!?」
男「何時って……」

時計を見る。

男「……8時か。そういえば昨日、何時に約束だとか決めなかったな。そろそろ行った方がいいか」
かなた「8時じゃないですよ!」
男「はぁ? どう見ても8時だろ。幽霊になると時計が読めなくなるのか」
かなた「じゃあ外を見て!」
男「……あれ? 今日は曇ってるな。やけに暗い――」

言いかけて気が付いた。
暗いどころではない。
これは……

男「夜っ!?」
子狐「きゃんっ!」

俺は慌てて立ち上がった。
膝の上で寝ていた狐がどすんと落ちる。

男「は、8時じゃなくて20時っ!?」
808 :八月蝉 :2007/12/26(水) 05:59:23.29 ID:YfdbjsAO
そ、そろそろ寝るんだ
再開は2時くらい
起きられなかったらスマンでもきっと反省はしない
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 06:02:40.29 ID:c3pCykAO
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 06:34:14.14 ID:w0aR/UAO
乙!!

http://m.nicovideo.jp/watch/sm1865064/3355834/26773709?cp_in=watch_sc
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 07:19:19.92 ID:HEPPvOEo
なんか、あんまりスレタイ関係ないような気がするけど、このままハートフルに終わって欲しい気持ちをこめて


乙!
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 07:58:53.38 ID:jqA/jDoo
おつー
最終的にはハッピーエンドだと思うけどヤンデレ分岐も期待してるよ
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 10:41:44.61 ID:CMotmYDO
いや・・・男がゆい姉さんに捕まって逆レイプのおちと見た!
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 10:47:40.88 ID:5/LS0..0
蝉たん乙ww

そしてらき☆すたのRe-Mix2買ってきてしまった
自重しろ俺wwwwwwww

つーか組曲「らき☆すた動画」がかなりイイ、オススメしとく

それとWiki編集するとき高翌良を買えるようにしてるんですが、多いと全部把握しきれないので
気づいたらコメントとかここに書いてください
ほかにも変な部分があれば随時変えるので
気づいた事があればご指摘ください
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 11:26:50.19 ID:5/LS0..0
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1865064
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 13:07:32.12 ID:x/65kVs0
病み目で男が来るのをずっとまってるこなたが浮かんだ
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 13:15:22.23 ID:NZEVqb.0
蝉のカリスマ性は異常

今更ながら乙〜
818 :八月蝉 :2007/12/26(水) 14:01:57.02 ID:YfdbjsAO
おはよう!
案外見てくれてる人がいて嬉しいな
それじゃあ続き行こうか
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 14:04:01.64 ID:8oDA0mso
おは!
続きwwktk
820 :八月蝉 :2007/12/26(水) 14:08:11.75 ID:YfdbjsAO
>>814
あんた様には頭下がりっ放しなんだぜ
821 :八月蝉 :2007/12/26(水) 14:23:00.15 ID:YfdbjsAO
男「なんで起こさなかったーっ!」
かなた「あらゆる手段を使って起こそうとしましたよ! でも全然起きないんだから!」
男「だ、だって」
かなた「だって、なんですか! 昨日は早く寝たんじゃなかったんですか!」
男「……観鈴ちんぴんち……国崎最高……つまり……」
かなた「はい!?」

男「朝までエロゲしてた」

かなた「……」
子狐「すやすや……」

かなた「ば、ばかぁーっ!」

男「おわぁっ! も、物を投げるな!」
かなた「ばかっ! ばかっ! ばかぁーっ!」
男「いたたたっ! お、俺が悪かった! 悪かったってば!」
かなた「今すぐ行ってあげて下さい!」
男「は!? いくらなんでも、待ってるわけないだろ!?」
かなた「……」
男「わ、わかったわかった! 行くから、振り上げたそのハサミを捨てろ!」
子狐「すやすや……」
822 :八月蝉 :2007/12/26(水) 14:43:57.34 ID:YfdbjsAO
かなたに急き立てられ、俺は駅前の噴水に向かっていた。

男「いるわけねーってのに……」

煙草をふかしながら愚痴る。
そんな風に歩いていると、前から二人の女がやってきた。
夜の闇でその顔はよくわからない。

男(こんな時間まで遊んでるとは、不良め)

すれ違いざま、二人の会話が聞こえた。

リボンの女「ねぇおねーちゃん。こなちゃん、あんな所で何してたんだろうね」
お下げの女「さぁね。人間観察とかふざけたこと言ってたけど……。ちょっと様子が変だったわね」
リボンの女「最近、怖い人と付き合ってるって噂だしねー。そういえば、バル……」

二人の会話が離れていく。
彼女達の足音を聞きながら、俺はその場に立ちすくんでいた。
咥えていたはずの煙草が、何故か地面にぶつかる。

男「……」
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 14:48:40.77 ID:jqA/jDoo
2時再開の公約を守る蝉に萌えww
そしてwwktk
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 14:52:38.03 ID:5/LS0..0
蝉たん乙ww
wwktkwwktk
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 15:07:26.20 ID:YfdbjsAO
男「はぁ、はぁ……!」

駅前に着いたとき、俺の息は完全に上がっていた。
こんなに全力で走ったのは、久し振りだった。
息も凍るほど寒い夜なのに、額に汗が伝う。

男「ふぅ」

上着を脱ぎ、肩にかける。
凍て付く夜風が心地いい。

男「あいつは……」

俺は辺りを見回した。
まばらにしかいない人々。
もはや21時を指し示す背の高い時計。
大きな噴水。
その横のベンチ。

男「あ……」

そこに、こなたはいた。

(=ω=.)「……」

時々寒そうに手を擦り合わせながら、じっと待っている。
その表情はよくわからない。
なんで、待ってんだよ……?
戸惑いながら、俺は声を掛けることにした。
826 :八月蝉 :2007/12/26(水) 15:42:46.05 ID:YfdbjsAO
男「……おい」
(=ω=.)「……」
男「おい!」
(=ω=.)「あ……」
男「……」
(=ω=.)「男……?」
男「……」
(=ω=.)「あは……。来てくれたんだ……」
男「……」
(=ω=.)「待ってた甲斐、あったかなぁ?」
男「……」
(=ω=.)「ね、男」
男「……なんだ?」
(=ω=.)「隣、座って……」

こなたに促されるまま、俺はベンチに腰掛けようとする。

男「あ……」

しかし、そこにある二本のジュースに目が止まり、動作が途中で停止してしまう。

男「これ……」
(=ω=.)「ん? あー……一緒に飲もうかと。飲みたいなら飲んでいいよ」
男「……」

俺はジュースに手を付けず、その分だけこなたから距離をとって、座った。

(=ω=.)「……」
男「……」
827 :八月蝉 :2007/12/26(水) 16:10:29.37 ID:YfdbjsAO
長い沈黙の時間が過ぎた。
その間、俺は言うべき言葉を見つけられず、ただこなたの言葉を待っているだけだった。
(=ω=.)「……」
男「……」

そのとき、駅から一人の酔っ払いが現われた。

酔っ払い「ひっく……」

相当飲んだのか、千鳥足で右に左にふらつきながら歩いている。

酔っ払い「ん……?」

不意に俺と酔っ払いの目が合った。

酔っ払い「なんか文句あるんかー! ラブラブしよってからにー! クリスマスイブイブってか!?」

酔っ払いが叫んだ。

酔っ払い「熱々ってかぁー!? 見せつけとるつもりか! そうや! どうせウチは一人もんやーっ!」

そうやって叫ぶだけ叫ぶと、酔っ払いはふらふらした足取りのまま走り去った。
828 :八月蝉 :2007/12/26(水) 16:35:13.00 ID:YfdbjsAO
(=ω=.)「……あはは。ラブラブだってさ」
男「タチの悪い酔っ払いだったな」
(=ω=.)「そう言わないであげてよ。あの人も寂しいんだよ」
男「そうかもな」
(=ω=.)「……」
男「……」
(=ω=.)「……私も、同じだけどね」
男「……」

(=ω=.)「あのさ」
男「……」
(=ω=.)「私さ、男に告白されたんだよね……?」
男「……」
(=ω=.)「そうなんだよね?」
男「……ああ」
(=ω=.)「付き合ってるんだよね?」
男「付き合ってるな」
(=ω=.)「私は、男が大好きだよ」
男「……」
(=ω=.)「ずっと好きだったから、付き合えてとっても嬉しかった」
男「……」
(=ω=.)「……男は?」
男「……」
(=ω=.)「男も、嬉しかった?」
男「……」
(=ω=.)「私のこと……好き……なんだよね?」

こなたの声が震える。

(=ω=.)「ねぇ……」
男「……」
(=ω=.)「教えてよ……」
男「……」
(=ω=、)「どうして?」
男「……」
(=ω=、)「なんで一度も、笑ってくれないの?」
男「……」
(=ω=、)「好きじゃないなら、なんであんなこと言ったの?」
男「……」
(=ω=、)「うぅ……うー!」
男「……っ!」
(=ω=、)「あっ!?」

俺は、こなたを抱き締めた。
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 16:47:55.70 ID:D93GOQSO
この酔っ払い…まさかはる(ry
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 17:09:51.86 ID:c3pCykAO
ところでかなたさんは何でたまに物に触れてるの? サイコキネシス?
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 17:13:24.23 ID:2OU5mcAO
>>830 仕様だよww
832 :八月蝉 :2007/12/26(水) 17:14:00.88 ID:YfdbjsAO
何故そんなことをしたのかは、よくわからなかった。
気まぐれでもなんでもなく、気付いたときには彼女が胸の中にいた。
その身体はすっかり冷たくなっていて、とても小さかった。

(=ω=、)「うぅ……」
男「……」

どれだけ耐えていたのだろう?
俺のために震える彼女を、強く抱き締めながら考えた。
そうしていると、今まで誰にも感じることのなかった気持ちが生まれた気がした。
温かくて、不安定で、とても優しい気持ち。

男「……お前の言う通りだよ」
(=ω=、)「……」
男「付き合ってくれと言ったが、本当は好きでもなんでもなかった」
(=ω=、)「……」
男「ごめん……」
(=ω=、)「……それでもよかった。どんな形でも男のそばにいられるなら、それでよかったよ」
男「……」
(=ω=、)「でもね、今日……あんまり外が寒かったから……」
男「……」
(=ω=、)「凄く寒くて……私……」
男「……」
(=ω=、)「うぅ……」

――ああ、そうか。
俺もこれが怖かったんだ。
人に傷付けられることが、怖くて仕方なくて。
だから最初から拒んでいた。
不安定に揺れる気持ちの上に立つのを拒んでいたんだ。

男「ごめん。傷付けて、ごめん」
(=ω=、)「……」
男「謝っても許して貰えないだろうが、本当に……」
(=ω=、)「……」
男「でももし、許してくれるなら……」
(=ω=、)「……」
男「信じられないかもしれないが、聞いてくれ」

俺は、不安定な足場に身を置くことを、決意した。

男「俺は、お前が好きだ」
833 :八月蝉 :2007/12/26(水) 17:15:52.98 ID:YfdbjsAO
>>830
物には触れたり触れなかったりを選べる意識的ポルターガイスト
人には触れられない
つまり仕様だよww
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 17:18:28.61 ID:8oDA0mso
仕様なら仕方ないな
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 17:19:10.08 ID:71/yrgAO
そこに触れると世界が崩壊するってやつか
836 :八月蝉 :2007/12/26(水) 17:23:40.64 ID:YfdbjsAO
>>835
誰が上手いこと言えと
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 17:32:51.92 ID:IneJgZIo
水差すようで悪いけどさ、こういう参加型のスレでコテはやめた方がいいと思うんだが・・・
確かに始まりは八月蝉だし、彼の書く文章は俺も好きだ。
でも、そうして「蝉たんkwwtkwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」とか書かれると、
短編の投下がし辛くなったりするんじゃないだろうか。

仮に名前出すなら、投下終了後に
「もしかして書き手は○○?」とか、自分で「○○でした。」って名乗るくらいでいいと思う。

不快になったらすまん。
838 :八月蝉 :2007/12/26(水) 17:46:03.00 ID:YfdbjsAO
>>837
あ。確かに他の人の投下がない
ちょっと配慮が足りなかったなぁ。ごめんよ他の方々
誰かが気付いたら名前を明かそうと思っていたわけは、俺がパロディ好きな性格だからです
名前を明かせば前作のパロ出来るかなぁってねww
はいwwwwいいわけですwwwwwwww

でもたぶん、この作品が二作目にして最後の作品にするつもりだから許してくれると嬉しいんだぜ
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 17:51:58.22 ID:2OU5mcAO
>>838
なん……だと………




え、最後(・ω・`)?
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 18:03:30.33 ID:CMotmYDO
ふーん、最後か・・・。






いやああああああああああああああああああああ!!
841 :八月蝉 :2007/12/26(水) 18:04:26.55 ID:YfdbjsAO
>>839
ナリィ
あ。>>837に言われたからそうするんじゃないから、>>837は気に病まないでくれよ!頼むぜ!?
これは書き始めるときから決めてたんだからな!
理由はネタ切れ
842 :八月蝉 :2007/12/26(水) 18:16:03.84 ID:YfdbjsAO
>>840
いやああああああってレス見てイヤッホォォォォォ!

さて、とにかく話を進行させるわ
迅速に終わらせてやる!
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 18:18:25.69 ID:8oDA0mso
長編は投下がかぶるとカオスになるから自粛してるかもしれないけど
単発ならちょこちょこ出てたんじゃないか?前の時は
全体的なネタ切れ感が問題のような気もしなくもない・・・

>>842
くそぅ・・・終わってしまうのか・・・
ならせめて最期まで見届けてやるぜ!
続きwwktk
844 :八月蝉 :2007/12/26(水) 18:32:52.50 ID:YfdbjsAO
(=ω=、)「え……」
男「好きだ」
(=ω=、)「男……」
男「好きだ」
(=ω=.*)「……」
男「好きだ」
(=ω=.;)「……あわ」
男「好きだ」
(=ω=.;)「あわわわわ」
男「好――」
(=ω=.;)「うきゅーっ! す、ストップストップ! う、うう嬉し過ぎて色々壊れる!」
男「む」
(=ω=.;)「はぁはぁ……でもなんで急に?」
男「やっぱ駄目か?」
Σ(=ω=.)「だ、駄目じゃないっ!」
男「じゃあいいのか?」
(=ω=.*)「もちろんだよっ!」
男「そっか。……サンキュ。これから、よろしくな」
(=ω=.*)「男ーっ!」

こなたが抱き返してきた。

男「そういえば、俺、Airやったぞ」
(=ω=.*)「えっ!」
男「国崎最高ーっ!」
(=ω=.*)「もしかして今日遅れたのって、それが理由?」
男「あ……ま、まぁそんなとこ」
(=ω=.*)「むふー」
男「なんだよ!」
(=ω=.*)「イインダヨー。グリーンダヨー。そういうことならしょうがないんダヨー」
男「は?」
(=ω=.*)「私も最初にエロゲやったときは、目の下にでっかいクマが出来たものさ」
男「いつの話だ」
(=ω=.)「あれはぁー……中学せ……」
男「そ、それ以上言うなっ! やばいだろ!」

(=ω=.*)「あは」
男「まつたく!」
(=ω=.*)「ね、男」
男「あん?」
(=ω=.*)「大好きだよーっ!」
男「うわらばっ! サバ折りだと!? やめろ! せ、背骨がァーっ!」
(=ω=.*)「えへ」
845 :八月蝉 :2007/12/26(水) 18:48:38.73 ID:YfdbjsAO
男「ただいまー」
かなた「あ!」
子狐「こん!」
男「狐ぇーっ! お前は可愛いなぁーっ!」
子狐「く、くるっ!?……くぅんくぅん」
かなた「……男くん?」
男「あ?」
かなた「ど、どうでした? こなた、いましたか?」
男「いた」
かなた「……」
男「よしよーし、狐、狐!」
子狐「くんくん」
かなた「それで、どうなったんですか?」
男「……」
かなた「……」
男「聞きたいのか?」
かなた「まさか、何か悪いことに……?」
男「……そうだな。この先次第かな」
かなた「この先?」

男「何しろ、人と付き合うなんざ初めてだし」

かなた「え……?」
男「……ま、そういうことだ」
かなた「……」
男「……」
かなた「男くん!」
男「うわあああああああああああっ!」
かなた「あ。しまった。抱き締めるつもりが通り抜けちゃった……」
男「ひくひく」
子狐「……」
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 18:57:29.84 ID:CMotmYDO
見届けるさ・・・。
847 :八月蝉 :2007/12/26(水) 19:15:33.48 ID:YfdbjsAO
かなた「うー……ひりひり……悪気はなかったのにー……」
男「そういう問題じゃない」
かなた「大体ですねー、男くん」
男「なんだ。無い胸を張るなと言ってるだろ」
かなた「ほら、またばかにして! 私、一応こなたの母親なんですよ?」
男「一児の母とはとても思えないが、そうだな」
かなた「またまたばかにしましたね! 母なのに!」
男「だからそれがどうしたんだよ?」
かなた「あなたがこなたの恋人なら、私はあなたの義理の母になるんですよ?」
男「幽霊なのに?」
かなた「幽霊は関係ないです」
男「ふーん。そうなるのか」
かなた「少しは敬意を持って下さい」
男「敬意ってどんな風に?」

かなた「かなた母さんって呼んで下さい」

男「地獄に墜ちろこの自縛霊」

かなた「ひ、ひどいです!」
男「ふざけたこと言うからだ!」
かなた「でも私、息子も欲しかったんですよねー。一回だけでいいから呼んで下さいよー」
男「無理」
かなた「うぅ。しどい……狐ちゃぁん……男くんがお母さんにひどいのよー」
子狐「がぶっ!」
男「ぎゃあああああっ! だから何故俺を噛む!? 何故そいつの言うことを聞く!?」
848 :八月蝉 :2007/12/26(水) 19:16:14.44 ID:YfdbjsAO
BREAK TIME☆(ω=. )~
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 20:10:24.46 ID:8oDA0mso
唐突にひらめいた
続きwwktk
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 20:47:58.85 ID:jqA/jDoo
ワッフルワッフル
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 20:51:59.97 ID:CMotmYDO
ベルギーワッフル食いてぇええええええええええ!!
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 21:11:45.30 ID:EO4W4U20
更新まだかwwktk
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 21:32:21.18 ID:YfdbjsAO
子狐「がじがじ」
男「指がちぎれるゥーッ!」
かなた「あはは!」
子狐「がじがじ」
男「はうっ! き、貴様ら! 覚えておけええええええええええええ!」
かなた「……あは……」
子狐「がじがじ」
男「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」
かなた「……狐ちゃん」
子狐「がじ?」
かなた「もういいよ。ありがとうね」
子狐「こんっ」
男「はぁはぁ……と、途中でやめたからって許されると思ってんのか!?」
かなた「……ごめんね」
男「謝っても許さん! かねてから計画していた、塩風呂に入れてやる!」
かなた「……」
男「おい。聞いてるのか?」
かなた「……」
男「……なんだよ。変な顔しやがって」
かなた「……いよいよ、明日ですね」
男「……」
かなた「……」

明日は24日。
それはつまりクリスマスイブで、俺の誕生日で……俺が死ぬ日だ。

男「忘れてたわけじゃないが、わざわざ思い出させてくれるとはな。ありがとうよ」
かなた「ごめんなさい……」
男「……謝るなよ」
かなた「せっかく上手くいったのに……」
男「……」
かなた「男くんが人を好きになれたのに……」
男「……」
かなた「もう終わりだなんて……悲しいよ……」
男「わかってたことだろ」
かなた「それはそうですけど……」
男「……」
かなた「……」
男「ていっ」
かなた「あいたーっ!? な、何するんですか!?」
男「下らないことを言うな。こっちは最初から覚悟出来てるんだよ」
かなた「……」
男「それより、明日のデートを成功させる方法でも一緒に考えろ。デートって何すればいいんだ?」
かなた「……もう。わかりました。かなた母さんが教えてあげます!」
男「やっぱいらん」
かなた「ひどっ!」
854 :八月蝉 :2007/12/26(水) 22:09:31.66 ID:YfdbjsAO
12月24日

男「ふーむ」

翌朝、俺は居間で一枚の紙切れを見てうなっていた。
そこにかなたが現われる。

かなた「あ! まだ行ってなかったんですか! 昨日あれ程言ったのに!」
子狐「くぅん!」
男「アホかお前ら。まだ1時間も余裕あるだろ」
かなた「むー。ちゃんと行くんですよ? 男の子は女の子をエスコートするものなんですよ?……私はされたことないけど」
男「わかったわかった。それよりさ、これ見ろよ」
かなた「んぅ?」

「クリスマス企画! タウンライトアップイベントのお知らせ!」
そう書かれた広告を、二人(?)に見せる。
さっきから俺が見ていたのは、これだ。

子狐「……」
かなた「クリスマスイベントですかー。いいですねー」
男「なんか街中をライトアップするみたいだぞ」
かなた「私も見たいなぁー」
男「無理。お前は狭く寂しい俺の家で一人きりのクリスマスを迎えるのだ」
かなた「すんすん……」
男「俺さ、街が一望出来る所を知ってるんだよな。これどうかな? あいつ、こういうの好きかな?」
かなた「いいと思いますよ。……ふふ」
男「……なんだ」
かなた「いえ。なーんにも?」
男「なんか腹が立つぞ、その笑顔」
かなた「ふふ。あ、でも……」
男「……心配すんな。夜には帰るよ。自分が死ぬ瞬間なんか、あいつに見せたくねーし」
かなた「……」
男「真夜中の夜景を見れないのは残念だが、まぁ我慢するさ」
かなた「……男くん……」
子狐「……」
男「お。そろそろ行くかな。……喜べ。帰りにケーキでも買ってきてやる!」
かなた「……はい。じゃあ……いってらっしゃい、男くん」
子狐「こん」
男「いってきます」
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 22:14:34.39 ID:cgujMq2o
○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○
このレスをみたあなたは・・・3日から7日に
ラッキーなことが起きるでしょう。片思いの人と両思いになったり
成績や順位が上ったりetc...でもこのレスをコピペして別々のスレに
5個貼り付けてください。貼り付けなかったら今あなたが1番起きて
ほしくないことが起きてしまうでしょう。
コピペするかしないかはあなた次第...
○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 22:21:43.58 ID:2OU5mcAO
あと、どれぐらいで終わる予定?
俺としては冬休み中イッパイかけてやって欲しい
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 22:25:53.84 ID:2d/aAAAO
俺としては終わらないでほしい
858 :八月蝉 :2007/12/26(水) 22:30:04.73 ID:YfdbjsAO
男「……あれ? あいつ、まだ来てねーのか」

そう呟いた瞬間、目の前が真っ暗になった。

男「っ!?」
(=ω=.*)「だーれ……」

俺は咄嗟にその腕を取り、背負い投げを放った。

男「セイッ!」
(=ω=.#)「トウッ!」
男「何ッ!?」
(=ω=.)「しゅたっ」
男「馬鹿な……。あの体制から自ら身を投げ出し、一回転して着地だと……?」
(=ω=.)「ふ。甘い、甘すぎるよ男」
男「タイミングは完璧だったはず……何故だ!」
(=ω=.)「坊やだからさ……」
男「……」
(=ω=.)「……」
男「……おはよ」
(=ω=.*)「うん。朝からノリいいね、男」
男「……言うな。我ながらアホなことしたとわかってる……」
(=ω=.*)「いやいや、それでオケオケ。嬉しいよー」
男「親子揃ってマゾか」
(=ω=.;)「親子?」
男「あ。いや、なんでもない。それより、早く行こうぜ」
(=ω=.*)「うんっ」
859 :八月蝉 :2007/12/26(水) 22:35:45.57 ID:YfdbjsAO
>>856
明日ぐらいかなー
……前回もそう言いつつ長くかかったが
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 23:08:19.52 ID:8W43I.DO
なんかwiki見れん
861 :八月蝉 :2007/12/26(水) 23:20:25.95 ID:YfdbjsAO
>>860
そのうち直るとおもふよ
862 :八月蝉 :2007/12/26(水) 23:37:32.10 ID:YfdbjsAO
(=ω=.*)「どこ行く?」
男「んー。どうすっかなぁ」
(=ω=.*)「私は、男と一緒ならどこでもいいけどねー」
男「そうか? じゃあ……水族館でも行くか?」

(=ω=.)「それは絶対に嫌だ」

男「……」
(=ω=.)「……」
男「な、何故だ」
(=ω=.;)「あえて言うなら、前世の記憶か平行世界の記憶かが、私に行くなと言っている気がしたから」
男「お前の脳は本当にエロゲ脳だな。そんな世界が現実にあるわけないだろ」
(=ω=.;)「むー。まぁとにかく水族館は却下ね」
男「じゃあどこ行くんだよ?」
(=ω=.)「……カラオケ? ゲーセン? アニメイト?」
男「せ、せっかくクリスマスイブなのにか?」
(=ω=.;)「だって思いつかないんだもん」
男「……まぁいいか」
(=ω=.*)「うんっ。どこでもいいよー。男が一緒ならー」
男「そ、そういうこと言うなアホ!」
(=ω=.)「……」
男「なんだ?」
(=ω=.)「男ってさ」
男「……」

(=ω=.)「ツンデレ?」

男「塩(シ)ッ!」
(=ω=.;)「うわばっ! ぺっぺっ! なんで塩を投げるの!」
男「……間違えた」
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 23:44:45.94 ID:ko4W.IAO
wktk wktk
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/26(水) 23:45:18.03 ID:5/LS0..0
>>860
さっき混んでたみたい
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/26(水) 23:51:56.01 ID:8oDA0mso
確かに水族館はオススメできないよなwwwwww
穏やかでいいムード!wwktkwwktk

俺もこんなクリスマスを過ご・・・いやなんでもない
866 :八月蝉<新ジャンル格ゲー :2007/12/27(木) 00:04:30.54 ID:As2kQAAO
ジョニー『ミストファイナー! ミストファイナー!』
(=ω=.#)「違うっ。そこでロマキャンだってば!」
男「こ、こうか!」

ジョニー『俺を本気にさせたのはぁ……ミステイクだったな』
男「勝った! 勝ったぞ!」
(=ω=.#)「相手が弱かったんだよ。慢心こそ己が敵だと思って!」

そうしてかれこれ二時間修行していると、ついにあいつが現われた。
この前対戦したカイだ。

男「この動きは……あのときの!」
(=ω=.)「大丈夫、今の男なら楽勝楽勝」
男「あぁ……俺の強さを見せてやるぜぃ」

戦ってみると、こなたの言う通り前のように苦戦することはなかった。
いやむしろ、俺が圧倒している。

男「見える、僕にも見えるよ! そこっ!」

ジャキーン!

ジョニー『それがァ……俺の名だァ……』
YOU WIN!
男「やったぞ! ついに勝ったぁ!」
(=ω=.*)「おめでと」
男「ははは! 連コインも出来ないようだな! 俺が最強だ! 出来る、新世界!」
(=ω=.)「……最強?」
男「格ゲーなんか楽勝楽勝! 誰でもかかってこんかーい!」
(=ω=.)「……私、ちょっとトイレ行ってくるよ」
男「あ? トイレ?」
(=ω=.)「うん。あ……そうそう。前に言ったけど、私はスレイヤー使いだからね」
男「……そうか。わかった。行ってこいよ……トイレへ」
(=ω=.)「ふ……。いい目だね。じゃあ行ってくる」
男「ああ……」
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 00:05:48.69 ID:OPmYNuko
前回の男にものすごい勢いで近づいているな
868 :八月蝉 :2007/12/27(木) 00:17:57.81 ID:As2kQAAO
男「……」
(=ω=.*)「ただいまー。いやぁ。トイレが込んでてまいったよー」
男「……」
(=ω=.*)「次から次へと人が来てさぁ。しかも全部同じジョニー使い。20戦もしちゃったー。もちろん全勝ね」
男「トイレの話じゃなかったのかよ」
(=ω=.)「おぉ。そうだったそうだった!」
男「……」
(=ω=.*)「あれぇ? どうしたの、男? よく見ると、なんかやつれてるよ?」
男「黙れアホ! 貴様とは二度と対戦しない!」
(=ω=.*)「あー。待ってよージョニー」
男「うっさいわ!」
(=ω=.;)「うわらばっ! だ、だからなんで塩を投げるの!?」
男「また間違えた」
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 00:22:18.01 ID:VY0IUEAO
もう男はソルトマスターだな。
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 00:27:13.88 ID:/WrbIQSO
どれだけ塩持ち歩いてるんだよww

>>869
お前のID発声練習にむいてるな
871 :八月蝉 :2007/12/27(木) 00:35:31.62 ID:As2kQAAO
(=ω=.*)「あ、ここにギルティの同人誌があるよ? 男、買わないの?」
男「まだ言うか!……というか」
(=ω=.)「ん?」
男「なんつーかさ、その……」
(=ω=.*)「あ。エロゲコーナーがご所望で? じゃあ行こうかー」
男「ち、違う! いや、行きたいのは行きたいが!」
(=ω=.)「じゃあ何ー?」
男「……なんか俺達、周りの客に見られてね?」
(=ω=.)「見られてるね。まさか男、そういうので感じちゃう人?」
男「アホか。だが何故見られてるんだ?」
(=ω=.)「クリスマスイブといったら、飢えた男性の敵だよね」
男「そうなのか?」
(=ω=.)「……その発言、色んな人を敵に回すよ?」
男「え?」
(=ω=.)「でさ、そういう人はやっぱアニメイトとかに引きこもるわけだよ」
男「ふむ」
(=ω=.)「男がそうだったとして、そこに幸せそうなカップルが現われたらどう思う? しかも貧乳な彼女」
男「貧乳は関係なく、腹が立つだろうな」
(=ω=.)「まさにそれですよ」
男「……」
(=ω=.)「……」
男「出るか……」
(=ω=.;)「うん……」
872 :八月蝉<今回投下遅くてすまん :2007/12/27(木) 01:35:08.02 ID:As2kQAAO
(=ω=.*)「男ーっ! 何か歌って欲しい曲のリクエストあるー?」
男「じゃあメス豚」
(=ω=.#)「だ、誰がメス豚かっ」
男「お前のことじゃねーよ! 銀杏BOYZだ!」
(=ω=.;)「そんなの歌いたくない」
男「そ、そんなの……」
(=ω=.*)「じゃ、オーソドックスにアニソンでいいか」
男「アニソン?」
(=ω=.)「送信」

……チャラチャラチャラチャラ♪チャッチャチャ〜♪

男「あぁ。これは聞いたことあるな。ど、ど……ドランゴボールの主題歌だ」
(=ω=.;)「ドラゴンボールだってば。ドランゴはドラクエの竜だし」
男「……」
(=ω=.*)「よーし! 歌うよーっ!」
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 01:55:05.80 ID:lrCU8oAO
ドランゴボールwwwww
874 :八月蝉 :2007/12/27(木) 02:02:08.18 ID:As2kQAAO
(=ω=.*)「すぱーきぃん!」

(=ω=.)「ひっかるく〜もをつきぬぅけふぁいあえ〜〜〜〜〜ぇっ!」

(=ω=.*)「からだっじゅうぅにぃひぃろがるぱのらむぁ〜〜〜!」

(=ω=.*)「かっおを蹴られた地球がおこっおてぇ〜〜〜〜っ!」

(=ω=.*)「火山っをっばぁくぅふぁつさぁせるぅ〜〜〜〜〜〜ぁっ!」

(=ω=.*)「とぉっ! けぇたこぅおるぃのぬぁ〜〜〜〜かにぃ〜〜〜!」

(=ω=.#)「恐竜ぐぁいぃたら〜た〜むぁのぉりしっこみとぅあいねぇーーーーーーーーっ!」


(=ω=.#)「ちゃあらぁ! へっちゃらぁ!」


(=ω=.#)「ぬぁにーがおぉきてぇも気分はぁぁぁ゛ぁ゛ーーーーっ! へのへのかぁぱぁぁああああーーーーーーーーーっ!」


(=ω=.#)「ちゃあらぁ! へっちゃらぁ!」


(=ω=.#)「むぅねぇぇぇ゛ーーがぷぁちぷぁちするぅほどぉ゛ぉ゛ーーーーーーっ!」

(=ω=.#)「騒ぐ! げ・ん・き・だ・まぁーーーーーーーっ!」


(=ω=.*)「すぱぁーーーーきぃんっ!」
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 02:07:32.18 ID:TVbQrIIo
大wwww熱wwww唱wwwwwwww
876 :八月蝉 :2007/12/27(木) 02:16:11.67 ID:As2kQAAO
男「……歌い切りやがった。……これでいいのか? いいんだよな?」
(=ω=.*)「じゃあ次の曲いくよーっ!」
男「だ、駄目だ! これ以上歌うと世界の法則が!」
(=ω=.)「法則?」
男「え? 俺、そんなこと言ったか?……まぁいい。というか俺にも歌わせろ!」
(=ω=.*)「いいよ。ちょうど鳥の詩いれたから、どうぞ」
男「……なに?」
(=ω=.*)「だから、鳥の詩。ほら、始まったよ」
男「……」
877 :八月蝉 :2007/12/27(木) 02:28:30.41 ID:As2kQAAO
俺は歌った。

(=ω=.;)「……」
男「ふぅ。歌った歌った」
(=ω=.;)「じゃ、ジャイアンリサイタル……!」
男「あ? 何か言ったか?」
(=ω=.;)「まさかこの世に本気で『ぼえ゛ぇ゛ーっ!』て声を出す人がいるとは」
男「ぼえ? 褒めてんのか、それ? じゃあもう一曲いってみるか!」
(=ω=.;)「うおっ」
男「歌うぞー! 俺の歌を聞けーっ!」
(=ω=.;)「ちょっ! まっ!」
男「今度はシャウトするぞーっ!」
(=ω=.;)「ひっ――」



「アッー!(誰にも届かないこなたの悲鳴)」



878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 02:51:48.71 ID:Ij07OSYo
ど下手wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
879 :八月蝉 :2007/12/27(木) 02:53:21.07 ID:As2kQAAO
男「あー疲れた。外ももう真っ暗だ」
(=ω=.<)「……」
男「どした?」
(=ω=.<)「なんでもない」

俺達は、イルミネーションで飾られた街を歩く。
……そろそろ、切り出してみるか。
朝考えていた計画。
景色のいいあの公園からだと、この街をこれ以上なく見られるはずだから。

男「なぁ、こな――」
(=ω=.*)「そうだ、男!」

しかし、俺の言葉は彼女によって遮られてしまった。

男「な、なんだ?」
(=ω=.*)「これからさ、私の家に来ない?」
男「お前の? いいけど、その前に夜景……」
(=ω=.*)「夕食ご馳走するよ! おとーさんにも紹介するよ!」
男「だからその……夜景が……」
(=ω=.*)「手料理作るからねー! 実はさ、最初からこのつもりで、買い物は済ませてあるんだー」
男「ん……そ、そっか」
(=ω=.;)「……やっぱ嫌かな? おとーさんとかいると、困る?」
男「……いや。困らない。そうくん、だろ?」
(=ω=.)「あれ? 名前教えたっけ?」
男「ん。まぁな」
(=ω=.;)「でもその呼び方はやめた方がいいかも。ただでさえ私の彼氏ってことに嫌な顔するだろうし」
男「了解」
(=ω=.*)「じゃ、レッツゴー」

俺はこなたの後について、歩き出した。
夜景は見たかったが、まぁ、仕方ないさ。

男「料理なんて出来るのか?」
(=ω=.#)「し、失礼な!」
男「はは」
(=ω=.)「あ……」
男「ん?」
(=ω=.*)「今の顔、好きかも」
男「……うっせー」
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 02:55:58.64 ID:tNRpsE2o
夜景がキーだったね
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 02:59:13.15 ID:Ij07OSYo
いやぁ何か
こう面白いんだ
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 03:07:57.45 ID:S5C5F8Q0
そうかそうじろうにころ(ry
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 03:08:21.81 ID:X8DvkNI0
SAWじろうとな?
884 :八月蝉 :2007/12/27(木) 03:15:54.71 ID:As2kQAAO
そうじろう「名前は?
男「男……」
そうじろう「性別は?」
男「男……」
そうじろう「性癖は?」
男「おと――あっ、あぶねっ!」
そうじろう「チ……。男って言ったら、追い出してやるつもりだったのに」
男(……本気の目だ……)
そうじろう「……」
男「……」

(=ω=.*)「おまたせー! ローストチキン完成したよ!」

そうじろう「……」
男「……」

(=ω=.;)「……って、何このムード。私は間違えて地獄に来てしまったのだろうか」

そうじろう「……」
男「……」

(=ω=.;)「もー。二人とも仲良くしてよー。特におとーさん。男くんに般若のような目つきを向けないように」
そうじろう「だ、だってこなた! おとーさんはこんな男男した男は絶対に認めないぞ!」
(=ω=.)「誰でも認めないくせに」
そうじろう「そうだけどっ!」
(=ω=.)「でもおとーさんの知らない所で娘は大人になるもんなんだよ?」
そうじろう「貴様ァーッ! ウチのこなたに何をしたァーッ!」
男「ぐえっ……な、何もしてないですってば!」
(=ω=.#)「おとーさん、ここにいたかったらやめなさい!」
そうじろう「こ、こなたっ!? ここ俺の家なんだけど!」
(=ω=.)「じゃあ私、男の家で食べようかな」
そうじろう「ゆっくりしていきなさい、男くん」
男「……」
885 :八月蝉 :2007/12/27(木) 03:28:24.34 ID:As2kQAAO
ゆたか「わー。いいにおーい」

(=ω=.*)「あ。ゆーちゃん、帰ってたんだ?」
ゆたか「うん。みなみちゃんとご飯食べてきたんだけど、私もちょっと摘んでい……」
男「ん?」
ゆたか「……」
男「……」
ゆたか「あ、あの……えと……?」
(=ω=.*)「あぁ。その人はねぇ」

(=ω=.*)「私の恋人の男だよー」
そうじろう「ゲイが恋人の男だぞー」

ゆたか「……え? ごめんなさい、同時に喋ったから、よく聞こえなかった」

(=ω=.#)「私の恋人!」
そうじろう「ゲイ!」

ゆたか「う? ほ、本当にごめんね。また聞こえなかったの。もう一度だけ言って貰っていい?」

(=ω=.#)「おとーさんのばか! 五月蠅いよ!」
そうじろう「ゲイィィィッッッッッ!」


ゆたか「……おとーさんの……ゲイ……?」


(=ω=.#)「違うよ!」
そうじろう「違うぞ!」
男「違う!」

ゆたか「ひんっ!」
886 :八月蝉 :2007/12/27(木) 04:15:10.23 ID:As2kQAAO
(=ω=.)「……というわけだよ、ゆーちゃん」
そうじろう「こなたにびんたされたこなたにびんたされた……」
ゆたか「へー。じゃあ男さんは私の……その……」
男「ん?」

ゆたか「おにーちゃん……?」

男「……」


おにーちゃん……。


おにーちゃん……。


おにーちゃん……。





男「 ア ッ チ ョ ン ブ リ ケ ッ ! 」





(=ω=.;)「あぁっ。男が限界を超えてしまった! 駄目だよ、ゆーちゃん、殺戮兵器だって言ったでしょ!?」
ゆたか「そ、そんなこと言われてないよぉ」

男「ぴくぴく……」
そうじろう「こなたにびんたされたこなたに……」


(=ω=.;)「ここはやっぱり地獄だ」
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 04:18:34.68 ID:Ij07OSYo
>>886
確かにゆうちゃんに言われたらいろいろ終わって始まるな
888 :八月蝉 :2007/12/27(木) 04:41:58.34 ID:As2kQAAO
ゆたか「わー。このお肉、おいしいねー」
男「そうだな。……あ。こなた、ティッシュ取ってくれ」
そうじろう「ほらよ」
男「……アリガトゴザイマス」
(=ω=.;)「なんでおとーさんが取るのさ!」
そうじろう「いいじゃないか」
ゆたか「あつっ」
男「おい、気をつけろよ。その器、まだ熱いんだから」
ゆたか「ご、ごめんなさい」
男「火傷してないか?」
ゆたか「うん。ありがとうおにぃ――」
(=ω=.#)「ん゛ん゛ぅっ!(咳払い)」
ゆたか「……男さん」
男「おにーちゃんでいいのに……」
そうじろう「お前はこなただけでなく、ゆーちゃんまで誑かす気か! 俺の世界を返せバカヤロー!」
ゆたか「はわっ。お、叔父さん、私は別にそんなぁ」

ゆい「おぉ。なんか盛り上がってるねぇ……ヒック!」

(=ω=.;)「ゆいねーさん、また飲酒運転ですか」
ゆい「固いこと言わない言わない! ダンナがいないクリスマスなんてーっ!……って、おぉっ! なんと男少年じゃないか!」
男「こんばんは」
(=ω=.)「あれ? 知り合い?」
ゆい「ちょっとした私の弟子だよ」
男「そう弟子……弟子?」
ゆたか「ゆいおねーちゃんも一緒に食べようよー」
ゆい「もちろんさー! おじさん、お酒持ってきてーっ!」
そうじろう「……俺の世界……エロゲ世界……」
ゆい「騒ぐぞーっ! 飲むぞーっ!」
ゆたか「あ。これもおいしいなぁ」

男「はは……」
(=ω=.;)「男……(こそこそ)」
男「ん? どうした、こなた?」
(=ω=.;)「ごめんね、なんか騒がしくなっちゃって」
男「いや、なんつーか……」

ゆい「お! おじさん、今日はやけに飲むねーっ!」
そうじろう「ううっ! かなたがいたらなぁ! 娘があんなどこぞの馬の骨と付き合うのを止めてくれるのに!」
ゆたか「む。これはちょっと辛い……」

男「こういうのも、悪くないもんだな」
889 :八月蝉 :2007/12/27(木) 05:11:23.49 ID:As2kQAAO
俺が今まで経験したことがないほど、その夜の食事は賑やかだった。
こなたの作る料理は旨いし、ゆたかは可愛いし、ゆいさんは酒を飲まそうとしてくるし
親父さんは泣くし、こなたは笑うし、ゆたかは可愛いしで、息つく暇もなかった。

最後に、デザートの大きな手作りケーキを食べた。
一切れ持ち帰ると言ったら「食いしん坊」の称号を与えられてしまった。
俺は密かにかなたを憎んだ。

ケーキを平らげた後、まずゆいさんが帰った。
ダンナが突然帰って来たらしい。
次にゆたかが寝たのを契機に、俺も帰ることにした。

そうじろう「帰るのか! 残念だなあ」

と言った親父さんの顔には、太陽のような笑顔が張り付いていた。

そしてこなたと共に、外に出る。

男「うお。さみ……」
(=ω=.;)「中は温かかったからねー」
男「だなぁ」
(=ω=.)「でも、この寒空の下で延々と恋人を待ってた人も、ここにいるけど」
男「罪悪感で[ピーーー]気か」
(=ω=.*)「あは」
男「はは」
890 :八月蝉 :2007/12/27(木) 05:13:24.96 ID:As2kQAAO
[ピーーー]うぜぇwwwwww
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 05:19:17.44 ID:S5C5F8Q0
そういうときはひらがなで書くといいよ
たとえば「しね」とか
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 05:20:28.16 ID:S5C5F8Q0
文章の流れとして「ころす」か
[ピーーー]←だと規制
893 :八月蝉 :2007/12/27(木) 05:36:30.87 ID:As2kQAAO
男「……」
(=ω=.)「……」
男「……」
(=ω=.)「……あっ。そうだった」
男「え」
(=ω=.*)「ちょっと待っててね! すぐ戻ってくるからさ!」
男「お、おう」

そう言うと、こなたは家の中に走っていった。
俺は煙草を取り出そうとしたが、生憎切らしてしまっていた。
白い息を吐きながら、腕時計を見る。
21時30分。

男「まずいな……」

何が原因で死ぬのかは知らないが、これ以上ここにいるのはまずいかもしれない。
……死ぬのではなく、殺されるってセンもあるかもしれない。
そんな嫌な考えが過ぎり、俺は辺りに通り魔がいないか確認した。
しかし、やはり誰もいない。

男「……ま。そりゃねーよな」

誰に恨みを買ってるわけでもない。
頭を軽く振っていると、こなたが帰ってくるのが見えた。
彼女は駆け寄ってくる。
――もの凄い速度で。

男「ちょっ! アホっ! こっちくん……」

きらり、とこなたの手の中で何かが光るのが見えた。

男「……え……」

一人だけいた。
俺が恨みを買った人物が。

男「ま、まさか…………」

俺、こいつに殺される?

みるみる内にこなたが近付いてくる。
というかもう目の前だ。
こなたは加速をたっぷり乗せて、俺の胸に飛び込んだ。

男「ぐぅっ!」

腹に鈍く重い衝撃が走った。
894 :八月蝉 :2007/12/27(木) 05:43:52.68 ID:As2kQAAO
>>892
了解した。ひろゆきはほうけい
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 05:45:32.04 ID:S5C5F8Q0
>>894
ちょwwwwwwwwwwww規制対象じゃない
ってかひろゆきほうけいとか
896 :八月蝉 :2007/12/27(木) 05:46:20.92 ID:As2kQAAO
[あぼーん]ィィ!
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 05:48:26.82 ID:S5C5F8Q0
包茎
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 05:49:11.21 ID:S5C5F8Q0
>>896
ちょwwwwwwwwwww何かいた
899 :八月蝉 :2007/12/27(木) 05:51:22.46 ID:As2kQAAO
ひろゆきは 包茎→[あぼーん]
「ひろゆきは」までいるんだぜwwww
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:01:12.59 ID:S5C5F8Q0
[あぼーん]
ひろゆきは 包茎
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:01:28.88 ID:S5C5F8Q0
すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:03:51.19 ID:S5C5F8Q0
考えたら今居るの二人だけ…かそりすぎだ
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:06:46.55 ID:VY0IUEAO
いるよ
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:08:02.73 ID:S5C5F8Q0
いたのか
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:08:02.97 ID:zR2NeoAO
俺もいるよ
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:08:27.53 ID:S5C5F8Q0
おまえもいたのか
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:23:47.15 ID:JOtzUcso
今来たとこだよ
908 :八月蝉 :2007/12/27(木) 06:30:20.28 ID:As2kQAAO
男「ぐあ……や、やられた……」
(=ω=.*)「誕生日、おめでとう!」
男「……へ?」

俺の胸から頭を離しながら、こなたは言った。
腹に置かれていた彼女の手が、目の前に差し出される。

男「これは……」

小さな手の中にあったのは、美しく輝く石を繋げて作られた、ブレスレットだった。

(=ω=.*)「ラピスラズリのブレスレットだよ。男、12月生まれだからね」
男「……知ってたのか?」
(=ω=.*)「当たり前だよ。男に関する情報なら、尻の毛一本に至るまで集まってるよ」
男「やはり貴様はストーカーだ」
(=ω=.*)「最近はそんなニーズもあるらしいよ」
男「ふーん……そういうもんか……」
(=ω=.*)「そういうもんよ」
男「そういえばお前、なんで俺のストーカーになったんだ?」
(=ω=.)「ん? なんでって、好きだからに決まってんじゃん」
男「だからなんで好きになったんだよ。話したこともなかったろ」
(=ω=.)「んー……」
男「……」

(=ω=.*)「……あぁ! そうだ、あのときだ! 学校の帰り道だ」
男「帰り道?」
(=ω=.*)「そうそう。私達はまだうら若き1年生のときでさぁ。強い雨が降ってる日だったね」
男「ふむ」
(=ω=.)「そんな日に、一匹の猫が路上に捨てられてた」
男「……」
(=ω=.)「誰も助けなくて、にゃーにゃー泣いてる猫はだんだん弱ってった」
男「……」
(=ω=.*)「そんな中! 現われたのが男!」
男「……あー……」
(=ω=.*)「男は辺りに誰もいないことを確認すると、さっそうと猫をつまみあげた」
男「……」
(=ω=.*)「でも実は私が見てたんだけどね。男もすぐに気付いたもんね?」
男「……」
(=ω=.*)「気付いた男は私に近付いてきて、怖い顔で言った」


(=ω=.)「誰にも言うな。それとペットフードってジャスコに売ってんのか教えろ」


男「ぐ……!」
(=ω=.*)「私は痺れちゃったんだ! ジャスコにはなんでも売ってるよ! わざわざ確認する男が可愛い過ぎたんだよ!」
男「う、五月蠅い黙れ! 過去の汚点だ!」
(=ω=.*)「可愛いなぁ、男は」
909 :八月蝉 :2007/12/27(木) 06:32:08.24 ID:As2kQAAO
>>903
>>905
>>907
テラマバラwwwwwwww
だいぶ過疎ってるな
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 06:39:02.10 ID:VY0IUEAO
ここでちょい考察。

男は必ずしぬ。
それは決定事項。
こなたと付き合おうが付き合うまいが変わらない。
事故だと、行動の変化で巻き込まれないこともありうるから……。

誰かの強烈な私怨か、男自身の病気だな。

……多分。
死に方が固定じゃなくてランダムなら即崩壊の解釈だけどwwww
911 :八月蝉 :2007/12/27(木) 06:49:40.45 ID:As2kQAAO
>>910
いやー、嬉しいな
ここまではそんなに盛り上がりのない物語を作ってきたのに、考察してくれるなんて
期待に添えるかはわからないが、続きを書くよ
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 06:50:14.19 ID:zIkgEuUo
おはよう。朝まで書き続けてるとはさすが蝉たん…鋼鉄の男よ。
ところでヤンデレ成分が今のところない感じだが俺はひとつ考えた。





つまりこれは「ヤン」キーに「デレ」るこなt…おや、誰か来た様だ
913 :八月蝉 :2007/12/27(木) 07:04:13.66 ID:As2kQAAO
>>912
だれが上手いこと言えと……
大丈夫。ちゃんと病んでる人は中にいますから
中に誰もいないなんてことはないですから
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 07:07:19.45 ID:VY0IUEAO
>>911

他にもあるけど自重した方がいいかな。
wikiが見れなくて不安定だし。
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 07:10:33.48 ID:zIkgEuUo
>>913
おkwくだらないこと書いてすまぬ。
続き期待してますぜ




今から仕事だユカイダナー λ.......
916 :八月蝉 :2007/12/27(木) 07:27:54.19 ID:As2kQAAO
(=ω=.*)「それからというもの、私は男にひたすら片思いしてたよー」
男「知ってるー……」
(=ω=.*)「えへへ。だからさ!」
男「うわ!」

再度、こなたに抱き付かれた。

(=ω=.*)「こうして付き合えて、とっても嬉しいよ」
男「あ……」
(=ω=.*)「これから、もーっと男のこと教えて貰うからね!」
男「……」

それは、出来ない。

(=ω=.*)「年末には冬コミもあるから、手伝ってね?」
男「……」

それも、出来ない。

(=ω=.*)「そうだ。今回はコスプレもしよう! 男はどんな格好がいいかな?」
男「……」

俺にはもう、何も出来ない。

(=ω=.*)「それから……」
男「……っ!」
(=ω=.;)「わっ」

俺はこなたの身体を引き剥がした。

(=ω=.;)「お、男……?」
男「……いい加減離れろっての。二階から親父さんが睨んでたぞ」
(=ω=.;)「うぞ!」

嘘だった。
例え本当にいたとしても、涙の溢れ出したこの目では、見つけられはしない。
キョロキョロしているこなたに、俺は背を向ける。

男「じゃあな」
(=ω=.)「え……あ、うん!」
(=ω=.)「おやすみー!」
男「……」
(=ω=.)「また……」
男「……っ!」

俺は、声から逃げるように走り出した。
こなたが「また明日」と言う気がしたからだ。
彼女の家も見えなくなった辺りで、俺はようやく振り向く。

男「……さよなら」
917 :八月蝉<ああっ。だめっ。書きたいのに寝オチしちゃうっ :2007/12/27(木) 07:33:38.86 ID:As2kQAAO
>>914
wiki見れないなー
でも自重しなくていいと思うんだぜってか自重しないでえええ
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 08:10:01.42 ID:LYgY5wDO
おはようございます。
今日も一日がんばります。八月蝉たんがんがれ!
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 09:03:19.87 ID:odRJ.z.o
寝ちゃったかー乙
今日も再開は2時かな

ちょいとテスト
[あぼーん]
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 09:35:54.00 ID:LYgY5wDO
どうやるの?
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 10:27:07.87 ID:odRJ.z.o
>>920
「ひろゆきは 包茎」
これをスペース無しで書くと「[あぼーん]」
>>899-900あたり参照

スレ違いスマソ
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 11:04:34.90 ID:LYgY5wDO
>>921
ありやす。
ではテスト


「[あぼーん]」!
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 11:42:48.18 ID:LYgY5wDO
うお、マジだ。
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 14:04:18.90 ID:TVbQrIIo
バイト行ってくるぜノシ
ワッフルワッフル
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 14:18:41.20 ID:LYgY5wDO
いてらノシ
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 14:35:50.59 ID:lrCU8oAO
続きwktk
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 15:34:09.34 ID:HaaMuBYo
スレ違いだがなすーんはどうやるの?
928 :八月蝉 :2007/12/27(木) 15:38:23.19 ID:As2kQAAO
ご、ごめん寝てた
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 15:40:18.41 ID:tNRpsE2o
おはよう。
930 :八月蝉 :2007/12/27(木) 16:01:00.89 ID:As2kQAAO
かなた「あ……」
男「……」
かなた「おかえり……なさい」
男「おう。ただいま」
かなた「……」
男「ほれ、土産のケーキだ。こなたお手製だってよ」
かなた「あ、はい。ありがとう……」
男「なんだよ、もっと喜べっての。それを持ち帰ったせいで、俺は食いしん坊にされたんだぞ」
かなた「はい……ごめんなさい……」
男「……喜べというのに」
かなた「……」
男「ん? そういえば狐は?」
かなた「あの、部屋に……」
男「ふーん。あいつが出迎えなしとは、珍しいこともあるもんだ」
かなた「……」
男「じゃ、俺も部屋に帰るとするか」
かなた「はい……」
男「玄関なんかで最後の時を迎えたくねーしな」
かなた「……そうですね」
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 16:02:47.28 ID:tNRpsE2o
いやー、期待
932 :八月蝉 :2007/12/27(木) 16:21:49.45 ID:As2kQAAO
部屋に帰ると、狐が窓から月を見ていた。
暗い部屋の中で月明かりに照らし出される狐。
それは幻想的な光景だった。

男「……お前、何してんだよ?」

狐は答えず、ただ月を眺める。

男「……お前にも、主人が死ぬことがわかってんのか?」

部屋の電気も付けず、狐の横に座る。
かなたも同じようにした。

そのまま一緒に月を眺めていると、時刻は23時30分を回ってしまった。

男「……なぁかなた」
かなた「はい?」
男「本当に俺は死ぬのか? 今日は後30分しかないが」
かなた「……そのはずです」
男「そっか……。じゃあ、最後の一服といくかな」

俺は煙草を取り出そうとし、気付いた。

男「……切らしてたんだった」

がっくりした。
映画でよくある、こういう場面での最後の一服を試してみたかったのに……。

男「あ。そういえば、一個だけあるじゃないか」

俺は唐突に思い出した。
前に買った、パチモン煙草「ラッキースター」のことを。
机の奥深くにしまっていた、それを取り出す。

男「ま。ないよりマシだよな。どうせもう死ぬし」

ラッキースターと書かれたカラフルな箱から一本取り出し、火を点ける。

男「すぅ……」

吸い込む――途端にむせ込む。

男「げほげほ! あ、甘っ! まずっ!」
かなた「でもいい香りですねー。本当に煙草ですか?」
男「知らねーよ」

不味い煙草を吸いながら、俺は時を待った。
933 :八月蝉 :2007/12/27(木) 16:31:51.10 ID:As2kQAAO
23時55分。

時計と月とを見比べるように、何度も視線を動かす。

23時56分。

時間が進むのがやけに遅く感じる。

23時57分。

鼓動が少し早くなる――まだか。

23時58分。

二本目の煙草に火を点ける。
やはり不味い。

23時59分。

俺は目を閉じた。
そして……





00時00分――





世界が、白く包まれた。
934 :八月蝉 :2007/12/27(木) 16:40:31.92 ID:As2kQAAO
12月25日(?)。

(=ω=.)「……」

街を一望出来る、あの公園にこなたはいた。

(=ω=.)「……男……死んじゃったんだ……」

壊れた手すりを見ながら、こなたは呟いた。

(=ω=、)「ううっ……」

その目に涙が零れる。

(=ω=、)「いらない……」
(=ω=、)「こんな……男がいない世界……いらない……」

壊れた手すりに近付くこなた。
地面は遥か下に見えている。

(=ω=、)「想いも伝えられなかった」

(=ω=、)「私が本当に好きな人は……なんでこうなっちゃうの?」

(=ω=、)「もう……いい……」

(=ω=、)「……出来るなら男のそばに……いたかった……」

(=ω=、)「あの人が飼ってる猫みたいに」

(=ω=、)「ずっと……ずっと……」

そして、こなたは身を投げた。


エンディングB『悲劇の始まり』
935 :八月蝉 :2007/12/27(木) 16:48:31.77 ID:As2kQAAO
みんな、お疲れ様!
ここまで付き合ってくれてありがとう!
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 16:49:22.78 ID:OPmYNuko
乙なんだぜ
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 16:51:08.61 ID:eVhQCDg0
お疲れ様
次回作楽しみにしてるお
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 16:51:12.70 ID:S5C5F8Qo
乙…タバコが原因か
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 16:51:50.66 ID:AwJfAeoo
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 16:52:32.33 ID:S5C5F8Qo
ん…ちょっと待てエンディングBだと?
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 16:52:45.81 ID:/WrbIQSO
乙だったぜ!
終わってしまったかー…また一つ日々の楽しみが減ったな…
942 :八月蝉 :2007/12/27(木) 16:53:27.59 ID:As2kQAAO
……そう。お疲れ様なのだ。
だから俺は思う。
おまいらなら、この先にある超展開すら受け入れてくれるだろう、と……

物語はもうちいっとだけ続くんじゃ

だからまたアレを言っておく
この先を読むなら、超展開を覚悟してほしい
厨設定イラネwwって人はスレを閉じるんだ
いいかい?
じゃあ行こうか……
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 16:54:00.16 ID:S5C5F8Qo
レッツ
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 16:54:02.79 ID:odRJ.z.o
おつー
次のエンディングCは惨劇エンドの予感wwktk
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 16:54:55.33 ID:/WrbIQSO
>>942
なん・・・だと・・・!?

続くのか!だまされた!がんばれ!
wwktkwwktk
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 17:01:17.06 ID:WeoSKUAO
蝉スレと化しているなww
人口密度が全然違うww
947 :八月蝉 :2007/12/27(木) 17:07:36.68 ID:As2kQAAO
12月*******************************************日。

俺は何かに腕を引かれ、目を覚ました。

男「あれ?……俺、死んだんじゃ?」

辺りを見回す。
そこは真っ白な世界だった。
ふわふわした雲の中に浮かんでいるような感覚。

男「ここが天国か? なんとも殺風景な……」

すると、目の前に狐がいた。
深く頭を垂れている。

男「狐っ!?」

俺が声を掛けると、狐は驚いたようにこっちを見た。

男「お前も死んだのか?」

俺の質問に、狐は短く答えた。




子狐「ごめん……」




男「は!? おまっ! 喋っ!?」

狐は、俺を無視して駆け出した。

男「まっ……!」

白い世界が晴れていく――
948 :八月蝉 :2007/12/27(木) 17:29:59.62 ID:As2kQAAO
男「ん……?」

気付くと、俺は俯せになって倒れていた。

男「いてて……。なんなんだよ全く……変な夢を見た気がしたぞ……」

周りを見回す。
そこは俺の部屋だった。
消えていたはずの電気が点いている。

男「……生きてる?」

ばばっと自分の身体を撫で回す。

男「あ! そうか! かなたと同じような幽霊になったのか!」
男「よーし。それなら……」

俺は壁に向かって走り出した。
一度やってみたかったんだよな、壁抜け。

男「でやぁーっ……ごふっ!」

擦り抜けられなかった。

男「ど、どうやら生きてるみたいだな……」

あえぎながら結論付ける。

男「ん? そういえばかなたはどこ行った?」
男「あの野郎……俺が死ぬだなんて嘘つきやがって!」
男「この部屋に入ってきたら泣くほど塩撒いてやる! ソルトマスターたる俺の力を見せてやるぜ!」

ぶんぶん腕を振り回し、準備する。

そうしていると、すぐにかなたが入ってきた。
何食わぬ顔で来やがったな……!

男「滅せよ悪霊ォーッ!」
かなた「え……きゃあっ!」
男「散れっ! 散れっ! 地獄の塩に抱かれて消えろっ!」
かなた「あいたぁっ! 痛いですぅっ!」
かなた「いたっ! そのっ! いきなりで驚かれたことだとは思いますが! 大丈夫です! 私、あ、悪霊じゃないです!」
男「あぁん!? どう見ても悪霊だろが! 嘘つきやがって!」
かなた「う、嘘もなにも、私、まだ何も言ってないですよ!」
男「しらばっくれやがって! 俺に死の宣告しやがっただろ! 嘘のな!」
かなた「え……」

かなたが奇妙な顔をする。

かなた「なんで、知ってるんですか?」
949 :八月蝉 :2007/12/27(木) 17:47:07.17 ID:As2kQAAO
男「はぁ? 貴様が言ったからに決まってんだろ!」
かなた「……た、確かに私はそれを伝えに来ましたが……」
男「伝えに来た? アホなのか! また同じ嘘をつく気なのか!」
かなた「う、嘘じゃないです!」
男「なら言ってみろ。どんな言葉を伝えに来たんだ?」
かなた「……えーと……こほん…………」
男「もったいぶってないで早く言――」

かなた「突然ですが男くん、あなたは一週間後の24日に死んでしまいます」

男「やっぱ同じじゃねぇかッッッッッ!」

かなた「えー……」
男「大体、今日はもう25日だぞ!? それが本当なら俺も幽霊か! 壁抜け出来ない幽霊か!」
かなた「え? な、何言ってるんですか、男くん」

かなた「今日は18日ですよ」

男「はぁ? そんなわけ――」

腕時計の日付表示を見て、俺は固まった。
そこには紛れもなく表示されていた。
12月18日、と。
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 17:48:07.66 ID:spocnmAo
無限ループって怖くね?
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 17:48:48.64 ID:odRJ.z.o
テラ梨花wwwwww
952 :八月蝉 :2007/12/27(木) 17:50:51.68 ID:As2kQAAO
ちょい飯食ってくる
無限ループって怖くねwwwwwwwwwwww
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 18:00:29.82 ID:lrCU8oAO
ループ!?
まさかのループ!?
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 18:05:56.54 ID:S5C5F8Qo
無限ループこぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 18:09:17.50 ID:zIkgEuUo
今帰ってきt…
ちょwwwおまwwwwループktkrwwwwwww

つい草を生やしちまったぜ…
次は綿流し編?
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 18:28:09.63 ID:S5C5F8Qo
マブラヴオルタナイティブ思い出した
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 18:35:01.47 ID:LYgY5wDO
・・・なるほどな・・・。男は0時ちょうどに時の歌を奏でたんだ・・・。
そして、キータンの仮面が外れたんだ・・・。
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 18:52:56.21 ID:VY0IUEAO
じゃ、ここらで謎の整理な。

・男の死因。
・きつねの台詞
・こなたは何故男が死んだことを知ったのか。
・想いを伝えられなかった?
・猫を拾って狐を飼っている男。
・あきら様猫化

……くらいか?
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 19:06:03.78 ID:6pubRgAO
>>958
死因は…脳溢血?
きつねはわかんね
こなたは学校一緒だしいつか知るもんだろ

下三つは…蝉のみぞしる
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 19:07:32.13 ID:odRJ.z.o
男が梨花だからおそらく狐は羽n

おや、誰か来たようだ
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 19:40:05.09 ID:Ua2XwsAO
今、正にひぐらし祭の皆殺しをプレイしてる俺参上

この展開にびっくりだぜ
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 20:08:28.32 ID:Z3nKo3Q0
>>960
きつねは俺の嫁
963 :八月蝉 :2007/12/27(木) 20:15:08.97 ID:As2kQAAO
ただいまー
つーかこんなに人がいたのかよww
今朝の過疎が嘘のようwwwwww
まぁ今までの展開には謎も糞もなかったから、仕方ないが!
じゃ、続き書くや
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 20:15:31.26 ID:AwJfAeoo
無限ループ怖いな
965 :八月蝉 :2007/12/27(木) 20:31:23.40 ID:As2kQAAO
12月18日☆

男「……」
かなた「ね? 18日でしょう?」
男「……時計、狂ってんのかな?」
かなた「狂ってないですよ」
男「じゃあ狂ってんのは、俺の頭か」
かなた「どうでしょう。私を見ても動揺しないなんて、凄いとは思いますけど」
男「は?」
かなた「だって、普通は幽霊が出たら驚きますよ?」
男「……ちょっと待て。さっきから、なんかお前、変だぞ?」
かなた「どこがですか?」
男「まるで初めて会ったみたいに……」
かなた「初めて会ったじゃないですか」
男「……」
かなた「……」

かなたの目をじっと見る。……またこの目だ。
最初に会ったときと、同じ目。
嘘をつけない目。

男「本当に、初めて会ったんだな?」
かなた「はい」
男「……」

それならもう、こうとしか考えられない。

男「時間が……戻った?」
966 :八月蝉 :2007/12/27(木) 21:11:32.88 ID:As2kQAAO
男「……幽霊ってさ、時間を戻せたりするのか?」
かなた「じ、時間を? どういうことですか?」
男「今から一週間前に時間を戻す、とか」
かなた「そんなの出来ませんよ」

こいつの仕業じゃない、か。

男「……まぁお前みたいなヘボ幽霊に、そんなこと出来るわけないと思ったがな」
かなた「ヘボ!? ひ、ひどいです! それにですね!」
男「ん?」
かなた「さっき私を変だって言いましたが、男くんの方こそ変です!」
男「……」
かなた「いきなりわけのわからないこと言ったり、急に時間がどうとか言ったり!」
男「……」
かなた「……私のこと、知ってるみたいに話したり……」
男「……」
かなた「……」

かなたは少し怯えたように身体を縮めた。
幽霊が怯えるなんておかしな話だ。

男「……かなたは、覚えてないのか」
かなた「……何を……」
男「……」

この様子だと、こいつは時間が戻る前のことを、覚えていないらしい。

かなた「……男くん」
男「なんだ?」
かなた「……なんで、私の名前を知ってるんですか?」
男「そりゃあ……」
かなた「私、まだ教えてないです」
男「……」
かなた「なんでですか? なんで、私のことをそんなに……」
男「……」
かなた「……」

俺だってわけがわからない。
わからないが……

男「……実はな……」

俺はかなたに、今までの話をすることにした。
967 :八月蝉 :2007/12/27(木) 22:56:19.57 ID:As2kQAAO
話は俺の経験した一週間前から始めた。

かなたが現われたこと。
気まぐれで彼女の願いを聞き、こなたと付き合ったこと。
その日々の中で、俺が人を好きになれたということ。
そして24日が終わり、死んだと思ったらここにいたということ。

俺は長い時間をかけて全てを話した。
すっかり話し終える頃には、夜が明けてしまっていた。

男「……信じられるか?」

話の締めくくりとして、俺は問い掛けた。

かなた「……」

かなたは沈黙で答えた。

男「やっぱり信じられないか。俺だって信じられないしな」
かなた「いえ。信じられますよ」
男「む……」
かなた「私がしようとしてたことをそこまで正確に言われたら、信じないわけにはいけません」
男「……」
かなた「……」
男「なぁかなた……」
かなた「はい?」

そこで俺は、ずっと抱いていた疑問をぶつけることにした。

男「俺は、どうして死ぬんだ?」
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 23:01:24.28 ID:tNRpsE2o
wwktk
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/27(木) 23:02:53.90 ID:LYgY5wDO
wwktk
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/27(木) 23:09:22.33 ID:Ij07OSYo
わくてかああああああああああああああああああああああああ
971 :八月蝉 :2007/12/27(木) 23:19:47.13 ID:As2kQAAO
かなた「それは……」
男「……」
かなた「あれ……?」
男「……」
かなた「……おかしいな。あれ? あれれ?」
男「……おい……まさか……」
かなた「……思い出せないです……」
男「なあっ!? ひ、人の死因を忘れやがったのか!?」
かなた「だ、だってですね! あ……あれぇ!? 夜中に……うんん?」
男「そんなもん俺も知ってるわ! この役立たずっ! ただ飯食らいのアホ幽霊っ!」
かなた「ひ、ひどいです! あなたが人を好きになれたのは、誰のおかげだと思ってるんですか!?」
男「 前 回 の お前だ! 今のお前とは初対面じゃねーか!」
かなた「どっちも私です! 覚えてませんけど!」
男「いいや違うね! 前回のお前の方がもっと……いや……やっぱ同じかな」

かなた「あ! そうだ!」
男「なんだよ?」
かなた「あなたは覚えてないんですか? 一回24日を経験したんでしょう?」
男「……あー……」
かなた「……」
男「……よくわからなかった。なんか白かった気がするんだが……」
かなた「 ふ っ 。私と同じですね」
男「何勝ち誇ってやがんだ貴様は!」
かなた「あいたたたたっ! し、塩はやめっ! いたひっ!」
972 :八月蝉 :2007/12/27(木) 23:37:11.05 ID:As2kQAAO
>>968-970
残念ながらかなたさんはwwktkに答えられなかったようです
973 :八月蝉 :2007/12/27(木) 23:41:31.45 ID:As2kQAAO
男「じゃあなんだ? 死ぬのは知ってるのに死因はわからない、ということか」
かなた「はぁはぁ……はい……」
男「それじゃあ、こなたはなんで死ぬんだ?」
かなた「え」
男「お前言っただろ? 『このままの状況であなたが死ぬと、こなたは自らの命を絶ってしまう』ってさ」
かなた「あ、はい」
男「なんで死ぬんだ?」

かなた「……」

男「……」

かなた「……」

男「ふぅ……」

かなた「うぅ……そんな哀れむような目で見ないで下さいよ……」
男「もうお前には本当に失望を隠せん」

俺はそういいつつ、部屋の窓を開けた。
冬なのにやたらと暑い風が舞い込んできた。
この狂った気温には覚えがある。

男「間違いなく18日だな……」
かなた「……あぁっ」

突然かなたがすっ頓狂な声をあげた。

男「なんだよ?」
かなた「お、男くん! 学校学校! もう9時ですよ!」
男「何言ってんだよ。冬休みに学校なんてあるわけないだろ」
かなた「何が冬休みですか! 今日はまだ18日ですってば!」
男「……これが時差ボケってやつか」
かなた「ただの勘違いじゃないですか! しかも凄まじいスケールの!」
974 :八月蝉 :2007/12/28(金) 00:02:42.89 ID:98/whUAO
学校に着く。
キーンコーンカーンコーン。
昼休みを告げるチャイムがなった。

男「――もう昼休み?」

途中にあるはずの授業時間は一体どこにいったのだろう。
……記憶の片隅にも受けた覚えはない。
ただ大遅刻したから短く感じただけのこと。
俺は恐ろしく怒っていた担任の顔を思い出しながら、うなだれる。
夜通しかなたと話をしていたせいで眠い……。

男「あ……」

そういえば、前回はこの時間に告白したんだった。

男「……今回も告白から始めないといけないか」

前との違いは、俺が本気かどうかだけ。
結果はわかっている。
それなのに俺の心臓は、何故か早鐘を打った。

男「……行くか!」

自分に気合いを入れた。
だがそこで気付く。

男「う。そういえばあいつのクラス知らないままだ……」
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:03:03.73 ID:L.i6iEDO
わくぅぅぅぅてかぁぁぁぁこころで凄く期待したならあっああああああ
おとぉぉぉぉこのぉぉぉぉお尻を分け合う事ができたのかい?
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/28(金) 00:03:41.13 ID:bjh5S.AO
そろそろ次くるかな?かなぁ?
977 :976 [sage]:2007/12/28(金) 00:06:18.72 ID:bjh5S.AO
あ…もうきてました
改めて続きにwktk
978 :八月蝉 :2007/12/28(金) 00:13:56.41 ID:98/whUAO
(選択肢)
→みさおに告白する。
こなたに告白する。


男「はぁ!?」

自分の思考にツッコミを入れた。

男「な、なんで日下部なんだ!?」

だがその選択肢を選んでしまったものは仕方がない。
俺は日下部に告白することにした。

男「く……っ! なんでそうなるのかはわからないが、告白するなら用意周到にしてやるぜ!」

俺は日下部に告白する方法を考えた。

男「よし……じゃあまず、峰岸に話し掛けよう」

前回の流れなら、峰岸に話し掛ければ日下部が割り込んでくるはずだ。
そこをついて告白しよう。

男「……なんで告白するのかはさっぱりわからないが……」
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:15:42.07 ID:PYLPcwE0
わっふるわっふる
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/28(金) 00:15:58.62 ID:yr8NkoUo
八月蝉はちょうしいいねぇ
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:16:08.95 ID:oN/NJkAO
おいwwwwwwww
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:18:18.64 ID:lgP4uwAO
選択肢おかしいだろwwwwwwwwwwww
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:22:14.05 ID:PYLPcwE0
みさおは大好物なのであります
984 :八月蝉 :2007/12/28(金) 00:25:00.96 ID:98/whUAO
男「おい、峰岸」

ざわ、とクラスに波紋が広がる。
教室にいる人間の大半が、戸惑い顔で俺を見ていた。
今まで誰とも話さなかった不良が、急にそうしたので戸惑っているのだろう。
なんでこんなことに……と心の中で嘆く。

あやの「な、なななななな」
男「あのさ」
あやの「ひんっ!」
男「くさか――」

みさお「待て待てぇいっ!」

男「……誰だ、お前(知ってるけどな)」
みさお「く、日下部みさおだ! というか同じクラスだ!」
男「ふぅん(どうやって告白するかなぁ……)」
みさお「あやのに、な、何する気だ!」
男「いや、実は俺が用があるのはお前なんだ……」
みさお「わわわ、私!? 暴走族のリーダーでヤクザ事務所に出入りしているお前が、私に何の用!?」
あやの(じゃあなんで私に話し掛けたんだろう……)
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:27:50.92 ID:oN/NJkAO
あやの混乱気味wwwwwwww
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:29:55.10 ID:PYLPcwE0
そういえば不良設定だったんだ
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:31:18.66 ID:0EGXUnU0
wwwww
988 :八月蝉 :2007/12/28(金) 00:32:08.31 ID:98/whUAO
みさお「な、なんだよっ! 私に何をする気なんだよぉっ!(裏声)」

みさおが騒ぐ声を聞き、人が不穏な空気でざわめき出す。

男(計画通り……)
みさお「に、睨んだって怖くないぞ!」
男「いや、これは見つめたんだ……」
みさお「ひいいぃぃぃっ! ご、ごめんなさい貞操だけは勘弁してくれーっ!」
男(そうだ、騒げ、騒ぐんだ……)

計画通りざわめきが大きくなる。
しかもなお素晴らしいことに、クラスの周囲にまで人だかりが出来ていた。

男「日下部……いや、みさおっ!」

みさお「えっ……」

俺はみさおを抱き締めた。
教室がしーんとなる。


男「好きだぜ愛しのガブリエール」


決まった。
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/28(金) 00:34:39.84 ID:COTQygAO
ガブリエールwwwwww
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:35:06.38 ID:lgP4uwAO
ガブリエールwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

誰か次スレ頼む
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:35:24.99 ID:1Z6TLNso
これはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:41:12.84 ID:oN/NJkAO
もうこの日にこなたにやられるんじゃね?
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/28(金) 00:45:17.39 ID:yr8NkoUo
ほらよ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1198770288/
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 00:47:35.17 ID:lgP4uwAO
>>993
ぐっじょぶ
995 :八月蝉 :2007/12/28(金) 00:48:25.83 ID:98/whUAO
>>993
ありがとー
じゃあ続きはそっちに
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/28(金) 00:49:11.44 ID:bjh5S.AO
1000?
997 :埋め [sage]:2007/12/28(金) 00:50:22.70 ID:yr8NkoUo
998 :埋め [sage]:2007/12/28(金) 00:50:29.02 ID:yr8NkoUo
999 :埋め [sage]:2007/12/28(金) 00:50:34.78 ID:yr8NkoUo
1000 :埋め [sage]:2007/12/28(金) 00:50:38.00 ID:yr8NkoUo
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパー・・ くりすます】
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  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
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1000超えたのでHTML化の依頼をするでござるの巻
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【らき☆すた】新ジャンル「ヤンデレこなた」Part6【(=ω=.*)】 @ 2007/12/28(金) 00:44:48.88 ID:yr8NkoUo
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【妹】のツンデレの足跡 @ 2007/12/28(金) 00:41:15.26 ID:pMiFkGEo
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ここだけ魔法世界 105―市丸語― @ 2007/12/28(金) 00:38:21.02 ID:5VaiaIAO
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【反省は】*40が*50に*90が*00に電話するスレ【時々…】 @ 2007/12/28(金) 00:32:08.57 ID:kBMFQsAO
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【こたつでみかん】カオスとフラクタル時々純和風【最近無いなぁ】 @ 2007/12/28(金) 00:19:23.03 ID:5Osuidwo
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