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吉良吉影「ここが陵桜学園高等部か。」 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 22:28:42.48 ID:z5ElJc2o
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1220959252/l5
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1220718779/l50#tag158
より
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ちょっと眠いかも @ 2024/06/15(土) 10:24:10.33 ID:9agpDsvoO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1718414650/

バカ @ 2024/06/14(金) 21:03:40.47 ID:+rRfRWn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1718366620/

グランアレグリア「安価とコンマでトゥインクル・シリーズを走りきる」『オリトレ』 @ 2024/06/14(金) 20:52:38.13 ID:AtfPHltc0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1718365958/

だれでも抱けるキミが好き @ 2024/06/14(金) 00:25:58.93 ID:cg+rfMJvo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1718292358/

阿笠「出来たぞ新一!陰謀論を現実にするスイッチじゃ!」 @ 2024/06/13(木) 19:24:45.77 ID:8bjcNj4o0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1718274284/

アルベド&ユリ・アルファの未知なる洞窟の冒険譚 〜オーバーロード外伝〜 @ 2024/06/13(木) 02:10:28.49 ID:Ed3T9Jtk0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1718212227/

嫁宣言して60分以内に嫁AAにお断りされなければ結婚 @ 2024/06/12(水) 19:23:11.34 ID:ZBHFdCsDo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1718187790/

村人「石投げる方が殴られずに勝てるしつえーよなー」村人B「矢の方が強くね?」 @ 2024/06/11(火) 03:47:37.90 ID:WsfNCYSZ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1718045257/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/09(火) 22:37:15.73 ID:5FbUZuE0
>>1乙そして2
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 22:43:08.71 ID:z5ElJc2o
今まで投下したもんでも投下すっか
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 22:45:04.99 ID:z5ElJc2o
吉良「フム・・・・・・ここが陵桜学園高等部・・・・・・」

吉良「あのクソ坊主め、わたしの立場を良いことにこんな都心にまで遠出させるとは・・・」

都心はキライだ。どこもかしこもザワザワしていてとても『幽霊』であるこの吉良吉影が平穏に暮らせるような場所があるとは思えない

吉良「しかし『巨大な未確認生物』・・・・・・。もしヤツを始末できればあの森を私の居住区にすることができるかな?」

吉良(・・・埼玉県だって?)

巫女(はい、あなたにはこの『埼玉県所沢市』に住む正体不明の巨大な未確認生物を監視をしてもらいます)

吉良(はははっ!未確認生物だって?屋敷幽霊のときはあんまりにも斬新なことを言うモンでたまげちまったが

   そんな使い古された設定でわたしをまた罠へ陥れようとしてるじゃあないか?)

巫女(本当よ。写真見てみる?)

吉良(どれ見せてみろよ。どーせネッシーみたいな単純なトリックを使ったイカサマ写真なんだろ?)

巫女(はいコレ。)

吉良が勢いよく差し出された写真を取り上げる

吉良(・・・・・・・・・・・・・・・オイ。どこかで見たことあるぞコイツ。)

巫女(ええ、有名ですからね)

吉良(こんな化け物が実在していたとでも言いたいのか?)

巫女(その写真こそ揺るがない事実です。それで、行ってもらえますね?)

吉良(何度も言わしてもらうが・・・ アンタとオレは『ギブアンドテイク』の関係だ。報酬はたんまりと出してもらうからな)

巫女(その答えから察するに、行ってくれるのね?)

吉良(ま、一度コイツに会ってみたいんでね・・・・・・)

トントンと左手の人差し指で右手に持っている写真を小突く

その写真には、とても巨大で怪奇な外見をしているのだが、なぜだかどうも可愛らしい
どこぞのロリコンが創ったかのようなキャラクターが写っていた。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 22:48:33.06 ID:z5ElJc2o

子供「ほっほぉ〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!!ぶりぶり星人〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

母親「オラァ―――ッ!この煮豆野郎がッ!アタシに手間かけさせんじゃあねえぞッ!ダボッ!(グリグリ」

子供「おおぉぉおうっ」

吉良「人間の質は上々と言ったところか・・・?いや、こんな人前でケツ出すようなガキがいる時点でかなりビミョーだな」

吉良「さて、この陵桜学園高等部にはまた別件できたワケだが・・・・・・」

巫女(あ、ついでに一つお願いできませんか?)

吉良(ん?なんだよ)

巫女(埼玉の春日部市にわたしの馴染みの巫女友達がいるのです。できればその方にご挨拶しておいてくれませんか?)

吉良(あァ〜〜?今は携帯だとか色々と技術が発達してんだからメールなり電話なりすりゃあいいだろ)

巫女(・・・・・・・・・)

吉良(あ、もしかして携帯持ってなかったり)

巫女(早く行け。)

吉良(・・・・・・分かったよ、冗談だ。ほんのすこしばかりからかっただけさ)

巫女(彼の娘が陵桜学園高等部という学校に通っているそうなので、少し覗いていってみて。)

吉良(ああ分かったよ。そいつにはわたしが見えるのか?)

巫女(さぁ?校内に入ってあなたが見える人間が『柊家』の娘でしょう)

吉良(オイ、その柊っていう苗字以外に何かないのか?)

巫女(というと?)
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 22:53:49.36 ID:z5ElJc2o
吉良(いや、容姿の特徴とかだよ)

巫女(申し訳ないですが分かりません。自分で探してください)

吉良(それが人に物を頼む態度かよ・・・・・・)

巫女(喋っているヒマがあるのならば早く行って下さい。期間は3ヶ月。その間謎の未確認生物に何の変化もなければ
   
   帰ってきても構いません。ただ期限を破れば報酬も無いと考えてね)

吉良(はいはい。じゃあ早速行かせてもらうとするよ)

というわけで電車に揺られて約一日半。都心に入るにつれて景色がキンピカになっていくサマは見ていて楽しかった

吉良「今はちょうど正午か・・・。昼飯を食ってるってところだな」

何のためらいもせずに堂々と校内へ入って行く

果たして私は平穏な生活のできる住居を手に入れることが出来るのだろうか?
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 22:54:23.23 ID:z5ElJc2o
こなた「フ〜フ フ〜フフフ フフフのフ〜♪」

みゆき「テレビで聞いたことがあります。たしか『崖っぷちのジョジョ』という宮崎やる夫監督のアニメ映画の主題歌ですよね」

こなた「おお〜〜〜 アニメ音痴のみゆきでも分かるだなんて流石はポニョだね〜〜〜」

かがみ「アニメに音痴とかってないでしょ!」

こなた「いやいやそれがあるんだなぁ〜 ロボアニメを楽しめないコはロボアニメ音痴。萌えアニメを素直に楽しめない
    コは萌えアニメ音痴とかさ〜〜〜」

かがみ「アンタの話は本当に付いていけないわ・・・ちょっとトイレ行ってくるわね」

こなた「いってら〜」

みゆき「行ってらっしゃいませ、かがみさん」
8 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/09(火) 22:55:21.39 ID:z5ElJc2o
『ざわざわ・・・』
                       『ざわざわ・・・』

吉良「やれやれ、学校というものはウルさいな。とてもわたしの生活には不似合いだ

   生前の学生時代のわたしもこうやってはしゃいでいたんだろうか?」

男子生徒「三橋!お前が欲しい!」

男子生徒「だ、駄目だよ阿部くん、こんなところでアッー!」

吉良「フム、思春期というヤツか・・・・・・。しかしこうも人が多いといちいち避けるのに手間が掛かるな
   
   この格好だし目立つはずなんだが、なかなか見つからないな。柊家の娘。」

コツコツコツコツ

吉良「三年生の教室まで来てしまったが・・・ 見つからないな。」

吉良「どうしたものか、非常に困ったぞ。どうせあの坊主もあとで確認するよな

   流石に電話が使えないということはないだろうし」

タッタッタッタッタッ

かがみ「や、ヤバイわ。ちょっとピンチ・・・・・・」

吉良「ん?なんだ彼女は?こっちに向かっ」

かがみ「キャッ!」

吉良「うぉわぁああああ――ッ!」

ズシャァアアアアアアアアアッ

吉良「キサマ前見て歩かないか――ッ!危うくぶつかる所だった・・・・・・ハァハァ」

かがみ「す、すみません!怪我とかなかったですか!」

吉良「あとほんの数秒避けるのが遅かったら全身が飛び散るところだったぞ!」
9 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/09(火) 22:56:40.88 ID:z5ElJc2o
かがみ「そ、そんな大袈裟な・・・・・・」

吉良「うるさいぞ!アンタに幽霊の気持ちが分かるとでも・・・・・・」

かがみ「・・・あれ?何で男の人がこんなところに?」

吉良「あれ?なんでお前わたしと話をしているんだ?わたしが見えるのか?」

かがみ「え?えぇ?」

吉良「いや、そのえーと・・・・・ わ、わたしはここに赴任してきた吉良吉影という者だ」

吉良(驚いた、まさか柊家の娘こんなところで鉢合わせするとは・・・・・・ベッタベタなラブコメ展開を

   思い出すが、背景が便所ではな・・・・・・・・・)

かがみ「え?えぇーと・・・・・・ あ。」

吉良「ん?どうしたの・・・・・・」

ふと私は足場に違和感を抱いたので、チラリと下を見てみた。

濡れている。少し黄ばんだ液体が柊家の娘の所から流れ出ている

吉良「これは・・・・・・」

かがみ「いいぃいぃいいいいいやぁぁぁあああッ!」

吉良「オ、オイ落ち着け!今雑巾をトイレから」

かがみ「なな何なのよもう!アンタ誰なのよ!どうすんのよこれ!」

吉良「うおおぉおっ うるさいぞ!とっととパンツ脱げ!」

かがみ「このヘンタイ!」

バシィッ

べリャァァアア

吉良「うおおおお顔の皮膚がッ!」

かがみ「え?いやうぇあぇあああッ!?」

吉良「く、くそッ!自分でもよく分からなくなってきたッ!おいお前ちょっとコッチ来い!」

彼女の手を強引に引っ張り、女子トイレの個室の中に連れ込んだ
10 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/09(火) 22:59:33.93 ID:z5ElJc2o
吉良「ハァハァ、災難な日だ。今日は・・・」

かがみ「どーいうことなのよもう!なんなのよ!アンタ誰なの!?このベリィッってはがれたものは何なのよ!」

吉良「フェイスペントだ・・・・・・」

かがみ「んなわけないでしょ!この弾力はどう考えても人間の皮膚・・・・・・あわわわわ」

そう言って彼女は手に付いたカメムシを払うかのように私の顔の皮膚を便所の中に放り投げた

吉良「いつでも治るが替えは効かないってのに、クソ」

それを私は丁寧に摘み上げ、元有った箇所にはめ込んだ

吉良「チクショウ、ちょいとばかし臭うな。」

かがみ「一体なんなのよアンタ・・・・・・」

吉良「いいか柊家の娘。さっきは赴任してきた教師だとか嘘っぱちをこいちまったが本当のことを教えてやる。

   わたしは『幽霊』だ。お前らが生きているヤツがよくテレビで見るあの幽霊だ」

かがみ「・・・・・・・・ハァ?」

唖然としている。まぁ無理もないだろう。想定の範囲内だ

吉良「たとえばこうして物体をすり抜けることだって出来る。」

ドキュ〜〜ンッ

かがみ「・・・・・・・・・」

吉良「ただ生きている者は別でね。私側からしか触れないし仮に触られてしまったなら

   今のようにその部分がブッ飛んじまう。」

サワサワ

かがみ「ちょ、ちょっと触らないでよ!」
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:11:25.55 ID:z5ElJc2o
かがみ「な、なんでもないわっ!お、お通じがこないだけよ!」

こなた「ところで廊下に黄ばんだ液体でビッチャビチャになってたんだけど・・・・・・」

かがみ「!!!!!!」

吉良「・・・・・・・・・」

こなた「・・・アタシは別に何とも思ってないけどね。けど一応確認しときたいかなぁって・・・・・・」

かがみ「な、何よ!アタシがおしっこもらしたって言うの!?」

こなた「だれもおしっこだなんて言ってないよ・・・・・・」

かがみ「あっ」

吉良(ウゥーム・・・・・・・ なんだこの状況は。個室の外にいる子にはわたしは見えないだろうし、逃げてしまおうか。)

かがみ(ちょ、ちょっと!まさか逃げようだなんて考えてないでしょうね!)

吉良「そんなワケないだろう。」

吉良(仕方ない・・・・・・・・・。)

吉良(せいいっぱい高い声で)「おいトイレの外のコ!ボクがガマンできなくてもらしちゃったところを柊さんはかくまって
   くれたんだ!」

こなた「えぇっ そうなのかがみん?」

かがみ「え、えーっと・・・・・・」(いいの?)

吉良「構わない。どうせオレは幽霊だ。」

かがみ「そ、そうよ!アタシがかくまってあげたの!あたしがトイレに向かってる時にこの子がM字開脚座りでおしっこ漏らしてて・・・・・・

     そのときにちょうど他の生徒がきてね。女子トイレにかくまってあげたの」

こなた「プップークスクスクスクス・・・・・・ご、ごめん男子生徒くん。ちょっと想像しちゃって・・・・・・・クスクスクスクスクス」

吉良(クソ・・・・・・)

こなた「ハァハァ・・・・・・・・わ、わかったよ。かがみんの言うこと信じるよ。アタシがちゃんと掃除としいてあげよ

   その、パンツとかズボンとかびしょびしょでしょ?あの量だしねぇ」

吉良「あ、ああ!お願いするよ!」(クソッ!幽霊になってから二度目の屈辱だ・・・・・・しかも両方とも女の手によって・・・・・・・・・)
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/09(火) 23:12:55.07 ID:5FbUZuE0
>>10>>11の間にキング・クリムゾンが発生してるが
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:14:38.60 ID:z5ElJc2o
>>12
しまった

>>10>>11の間
――――――

吉良「こちら側から触れば何の問題もないんだがな。厄介なことだ」

かがみ「触んないでって!」

吉良「おっとすまない。決してセクハラしにきたんじゃあないぞ」

かがみ「それでなに?なんで幽霊さんがこんなところにいるの?もしかしてこの学校に怨みがあるとか?」

吉良「信じていないのか・・・・・・?」

かがみ「そんなすり抜けるところ見せられたら信じざるを得ないでしょ」

吉良「ま、それもそうだな。それでこんなところにきたってのは」

こなた「おやおやかがみん〜?遅いと思って来てみたら個室から男の人の声が聞こえますよ〜?」

かがみ「!!!」

吉良(・・・・・・・・・さて、どうしよう。)
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:17:01.65 ID:z5ElJc2o

こなた「そんじゃ、お二人さん仲良くね」

かがみ「ど、どういう意味よ!?」

こなた「プクゥ〜〜〜 べっつにぃ?」

かがみ「こなたぁぁぁぁ!」

こなた「あひゃひゃひゃひゃひゃそれじゃあねー!」

吉良「・・・・・・・・行ったようだな。どうやら掃除までしてくれるようだし、良い友達を持っているな

    えーと、かがみん?柊かがみんか?」

かがみ「皮肉にしか聞こえないわよ。」

吉良「フン。」

かがみ「それとかがみんはアダ名よ、本名は柊かがみよ。それで一体全体幽霊が何しにきたっていうの?ウチの学校に」

吉良「単刀直入に言わせてもらうとアンタに用があるんだ。」

かがみ「・・・・・・・・・え?アタシ」

吉良「そうだ、正確にはきみの父親だが。」

かがみ「ア、アタシのお父さんが祟られるようなことしたの?」

吉良「別に祟りにきたワケじゃあない・・・・・・。何でもウチの依頼主さんがきみの親と知り合いだそうでな

よろしく言っておいてくれとな。」

吉良「オレは普通の人間にゃ解決不可能な難事件を依頼主さんのご希望通りに終焉させるのを仕事にしている

   そうやって依頼主さんから現金をいただいて、そこら中を旅しているってワケさ。」

かがみ「ドラマやアニメでよく見たりする探偵みたいな?」

吉良「そんなところだな」

かがみ「ふ〜〜ん・・・・・・。壁をすり抜けたりされたのを見せられても・・・その・・・・・・」

吉良「なんだ?」

かがみ「なんかアンタ人間臭すぎるっていうか、幽霊って気がしないのよね」
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:18:52.72 ID:z5ElJc2o
吉良「私が?」

かがみ「そうよ、何かこう イメージ的にもっと暗い顔したのが幽霊のビジョンていうか・・・・・・」

吉良「フム・・・。たしかに大半の幽霊はそんなモンだ。さっきみたいに生きている者に触られたらバラバラに

  なっちまうからな。結局パーツが見つからず、かと言って天国(あるのかどうかは知らないが)にも行くことが出来ない。
   
  そんなヤツが幽霊の世界にはわんさかといる。」

かがみ「なんだか怖いわね・・・。いかにもホラーって感じ」

吉良「きみは見たことないのか?そういう幽霊を」

かがみ「幽霊なんて見るのアンタが始めてよ。」

吉良「ほォ・・・・・・」

吉良(・・・・・・・・・おかしい。幾らなんでも霊の見えるヤツが今まで一度も『幽霊を見たことがありませんでした。』ってのは

    おかしいぞ。そういえばここに来るまでの途中、埼玉に入るまではチラホラとどうにかしちまった輩を見かけたが
   
   ここに来てからはめっきりだ・・・・・・。まさかこれは未確認生物が関係している?)

吉良「とりあえず授業は何時に終わる?」

かがみ「午後4時ってところかしら。」

吉良「分かった。では校門前で4時に待っている。それまでにここの土地の具合でも見てくるか」

かがみ「そうね、せっかくだから観光でもしていきなさいよ」

吉良「ああ、では行ってくるとしよう。きみも授業ってヤツがあるんだろうから早く行った方が良いぞ。

  もう1時を過ぎている。」

かがみ「えぇ!?何で早く言ってくれなかったのよっ!」

吉良「幽霊屋敷での備品が役に立ったってところだな。ホレ早くしないとヤバイんじゃあないのか?」

かがみ「分かってるわよ!」

吉良「そういやパンツはどうするんだ。」

かがみ「どうしようもないでしょう・・・・・・。ノ、ノーパンでなんとかなるわよ!」
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:20:24.13 ID:z5ElJc2o
吉良「思春期は怖いぞ。気をつけろよ」

かがみ「幽霊の方が100倍怖いわよ!ああー喋っている間に早く行かないと!」

吉良「前向いてちゃんと歩けよ。」

かがみ「小学生じゃないのよ!そんなこと分かってるわよ!」

タッタッタッタッタッ・・・

吉良「・・・・・・さてと、ゆっくりと観光でもしに行くとするか 平穏に暮らせそうな場所があるといいな。」

吉良「なんだ、ダサイたまだかなんだか言われてる割にはなかなか充実した都市じゃあないかこの町は。」

子供「うほほぉ〜〜〜〜〜い!ぞ〜〜〜〜さんっ!」

母親「こ、こらっ!やめなさい!」

吉良「この町の子供はどうして下半身を露出したがるのだ?そういう点も合わせて実に興味深い。何だあれは、ネギま?

   なかなかおいしそうな名前だな。しかしどうしてか漫画のキャラクターが描かれているな・・・・・・。面白い、面白いなここは」

男達「「「男子がシンクロに挑戦しまぁーす!是非見に来てくださァーい!」」」

吉良「どこの誰がムサ苦しい男のシンクロナイズドスイミングなどを見たがるって言うんだ?あれは視覚して涼むために

   あるようなもんだろう。本当に意味が分からないな、愉快だ。」

長髪の女「うるさいうるさいうるさい!」

男「ちょっ、やめろルイズ!」

吉良「なんだあいつらは・・・・・。平日の午後から学生がうろついてんのか?素晴らしい町だということに変わりはないが

   治安はサイアクだな。ガキがチンポ出すわ男が海パン一丁で疾走しながらシンクロの宣伝をしているわ学生がほっつき歩いてるわ・・・・・・

   平穏に暮らすにはこの町は大分適していないみたいだ。だが面白いんで良しとしよう。フッフッ、記憶がないと色々と好奇心が沸いちまうから

   困ったモンだ。おっと、そうこうしている間にもう3時半じゃないか。あんまりにも面白くって時間が経っていることを忘れてた。」
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:24:34.86 ID:z5ElJc2o
陵桜学園高等部 ―校門前―

吉良「3時59分・・・・・・、うん。まったく無駄のないジャストなタイムだ。今日は災難な日かと思ったが、飛んだ思い違いだったようだな」

タッタッタッタッ

吉良「ン、この急ぎ足。柊かがみか?」

つかさ「えっほえっほ、早くお使い行かないと〜」

吉良「別人か・・・・・・。しかし紫髪の女子高校生が同じ学校に二人いるとは。

運命というヤツか?引かれ合うべくして紫髪の二人は出会ったということになるのか?意味の無い考察ということは分かってはいるが

考えてみるとなかなか面白いものだ。」

つかさ「あの〜」

吉良「ブツブツ・・・・・・ブツブツ・・・・・・」

つかさ「どうかしたんですか?」

吉良「柊かがみは遅いな。それにしても柊かがみって名前はまるで外国人が

日本人の苗字名前を逆さまにして呼んだってカンジがするな。いざ声に出してみると。」

つかさ「え?お姉ちゃんのこと待ってるんですか?」

吉良「ン?」

つかさ「ほぇ?」

吉良「・・・・・・・・・キョロキョロ」

つかさ「あ、あれ〜?あ、あのその・・・・・・」

吉良「・・・・・・もしかしてオレに言ってるのか?」

つかさ「ひぇぇごめんなさい!」

ピュゥゥン――ッ

吉良「・・・・・・? ?? 何だったんだ一体。」
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:32:17.63 ID:z5ElJc2o

かがみ「ごめーん 待たせちゃった?」

吉良「いや、今来たところだ。ところであの走っている紫髪の女の子は一体誰だ?わたしの姿が見えていた」

かがみ「ああ、あれはつかさよ。あたしの妹なの。」

吉良「妹?姉妹なのか?」

かがみ「6つ子よ。依頼主さんから聞いてなかったの?」

吉良「6つ子!?」

かがみ「え、ええそうよ」

吉良「たまげたな・・・・・・。ちょいと前に11人家族ってのを見たことあるが、てっきりやらせかと思ってたよ

   本当にいるんだな。」

かがみ「当たり前でしょ!それで、どうすんの?家に来るの?」

吉良「ああ、できればお邪魔したい。」

かがみ「あたしは別にいいわよ。なんかあなた嫌なカンジがしないのよね・・・・・・何ていうか・・・・・・・・・
その、ヒーローみたいな雰囲気があって。その・・・・・・」

吉良「何か言ったか?ボソボソ言ってて聞こえないぞ。」

かがみ「な、なんでもないわよ!早く行きましょ!」

吉良「あ、お、オイバカ!手を引っ張るなッ!」

かがみが強引に手を引っ張ったせいでわたしの右腕は肩から指先まで引っこ抜けてしまった。

かがみ「うおわぁああっ!」

かがみは引っこ抜いた腕をそのままドブの中へブッ込んじまった

吉良「ぐぅぅぅう・・・・・・な、何度人の体をズブ濡れに気が済むんだお前はッ!」

ズキズキと痛んだ肩へ、ドロに塗れた右腕をはめ込む

吉良「うぅ!臭いッ!」

かがみ「と、とりあえず家に来てっ」

吉良「触るなッ!わたしが先に触るッ!」

かがみ「分かってるわよ!バカ!」
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:39:55.56 ID:z5ElJc2o
柊かがみの家に向かう間は、一定の距離を取って歩いていた

うっかりまたわたしのことを触ってまた体の部分がブッ飛んだりしたら今度こそ失神してしまうらしい。

わたしだって体がもげたら痛いんだから彼女のその提案に少しだけホッとしている

吉良(しかし相変わらずこの町はおかしいな・・・・・・。幽霊は一人も居やしない。別にあんなのがいなくて寂しいワケじゃあ

   ないが・・・・・・・・・。この町にいる幽霊はまさかわたし一人?もしあの『未確認生物』によって『狩られている』のだとしたら?)

吉良「考えすぎか・・・・・・。」

かがみ「どうかしたの?吉良。」

吉良「いや、こっちの話だ。」

???「クゥゥ〜〜〜ン」

吉良「うおおっ」

急に足の辺りから動物の鳴き声がしたんで、急いでわたしはその場から飛びのいた

???「コラ〜〜〜っ シロ〜〜〜っ!かってに抜け出すんじゃないゾ〜〜ッ!」

???「ワン!ワンワンワン!」

かがみ「カワイイ犬ねぇ。きみいくつ?」

???「おぉ!キレイなおねえさん、オラの名前は野原しんのすけ!ごさいだゾ!ちなみにこっちはシロ!」

シロ「ワン!」

しんのすけ「ところでおねえさんは生卵をごはんにかける派?焼いてオカズにする派?」

かがみ「え?え、えぇ〜〜〜っと。そうね 玉子焼き派かしら」

ダッダッダッダッダッダッ

吉良「ン?」

こちらへめがけて中年のばあさんが鈍い足音を立ててやってくる
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:41:28.88 ID:z5ElJc2o
???「ちょっとしんのすけ!まーたアンタはこの!」

しんのすけ「イダダダダダダダダァァァ」

吉良「・・・・・・きみにはわたしが見えているのかな?」

シロ「クゥ〜ン。」

吉良「フフッ そうか」

前の依頼の時に犬に襲われてから極力動物の近くに寄るのは避けていたが

なかなか愛くるしいものだ。

吉良「ウリウリ。」

シロ「キュゥウウン〜〜〜ムワォオン」

みさえ「ごめんなさいねお姉さん。ウチのしんのすけがご迷惑かけて」

かがみ「い、いえいいんですよそんな」

みさえ「あ・ん・た・も・あ・た・ま・さ・げ・な・さ・い・よ」

しんすけ「イタタダダダダダダダタごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

かがみ「別にいいのよ謝らなくても!」

みさえ「ホントごめんなさいねぇ〜。ホラ行くわよしんのすけ」

しんのすけ「み、耳を引っ張らないでぇえええぇぇ」

吉良「ホレ、ご主人と一緒に帰りな」

シロ「ワン!」

そういってシロは家族の元へ軽やかなステップで駆けていった

吉良「私も生きている頃はあんな賑やかな家族の下で暮らしていたのかな。」

かがみ「生きてるときの記憶ってないの?」

吉良「断片的だ。自分がどんな人間だったかはこれっぽっちも覚えていない」
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:44:54.97 ID:z5ElJc2o
かがみ「え!?そうなの?」

吉良「ああ。どうして驚くんだ?」

かがみ「幽霊って生前の恨みとかで現世に残ってるってイメージが・・・・・・」

吉良「何事も先入観に捕らわれるなというこった。」

かがみ「えっと・・・・・・ごめんなさい。気にしてた?」

吉良「別に気にしちゃあいない。もしかしたら記憶がないだけで現世に強い恨みを残したまま死んだのかもしれないしな」

かがみ「そ、それはないわよ!」

急にこちら側を向いて大きな声を出すので、少し驚いてしまった

吉良「ど、どうして?」

かがみ「そのね、そりゃあ一日の付き合いだけどその。あんたからはそういう雰囲気がまったくしないのよ」

吉良「? どういう事だ?」

かがみ「ようするにその・・・・・・。この世に恨みを持っていただなんてとても思えないのよ

あんたといるとすごく清清しいっていうか・・・・・・」

吉良「よくは分からないが褒めてくれてるのか?」

かがみ「か、勘違いしないでよ!別にそういう意味はないんだから!」

吉良「そういう意味?」

かがみ「だーもう!早く行くわよ!」

ガシィッ

吉良「あ。」

かがみ「あ。」
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:47:24.67 ID:z5ElJc2o
結局先の通り彼女は私の腕のパーツを頬リ投げた。見事にそいつが近くで死んでるみたいに眠ってたブルドックの頭部に

ブチ当たっちまったんだ。 この瞬間わたしは決めた、もう絶対に動物には寄り付かない。

何とかワン公巻いた後、無事かがみの家にたどり着くことが出来た

吉良「ハァハァ・・・・・・やれやれ、このドジ踏みやがって。」

かがみ「あんたがニブいからよ!」

吉良「何がニブいんだ?どっちかって言うとお前の方が逃げる速度は遅かったぞ」

かがみ「ハァ・・・・・・なんかもう疲れたわ。ただいま〜」

かがみ「あれ?あんたは入らないの?」

吉良「人の家に入るには『許可』が必要なんだ・・・・・・。すまないがそこで『入ってもいい』と言ってくれないか?」

かがみ「ドラキュラみたいね。分かったわ、入ってもいいわよ」

吉良「よし。」

ガラララ

吉良「人の気配がしないぞ。他の姉妹はまだ仕事や学校か?」

かがみ「ええ、多分ね」

わたしはスラーッとあたりを見渡す。

和風なカンジでとても落ち着く。しかも神社の人間の住む家とはな

なかなかこの家は良いな。かがみの許可がもらえたらここに住んでみたいな

かがみ「なんか当たり前みたいに壁抜けとかしないでよね〜

    見てるこっち側は変な気持ちになるわ」

吉良「そうかァ〜ッ?けっこう面白いモンだぞ。」

かがみ「フーン。ま、とりあえず居間で待っててよ。」
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/09(火) 23:54:04.67 ID:z5ElJc2o
吉良「分かった。あそこだな?」

かがみ「ええ、そうよ」

私は歩み足で居間のほうへ向かって行った。

吉良「ん?なんだこりゃあ。」

かがみが「居間」と呼んでいた部屋に、一枚書置きのようなものがあったので
私はそれを拾い上げた

吉良「かがみの父親か姉妹が書き残しておいたものか?」

折り畳まれていたので、丁寧に広げる

ペラッペラッ

吉良「・・・・・・・・・?」



『                始末完了。                』
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:02:43.38 ID:R6tQl7Yo
吉良「どういう意味だ・・・・・・?始末完了?どうして20センチくらいもある紙の紙面に

   たった一言しか書いてねーんだ?」

かがみ「吉良ー あんたって何か飲むのー?」

かがみは冷蔵庫を漁っているようだ。ガサゴソを音が聞こえる

吉良「幽霊だから飲んだり食ったりは必要ないんだけどな。せっかくだから頂くか

   コーヒーでも注いでくれ。」

かがみ「ガツガツッ ええ、ガツガツッ 分かっガツガツッたわ。ゴキュリッ ガツガツガツッ」

何かを必死に食べるような音が聞こえる。何かかがみが食っているのか?

吉良「オイ行儀が悪いなかがみ。何か食うんだったら喋り終わってから食えよ」

かがみ「えっ?グスグスッ 何もガツッ 食べてなんてガツガツッ ないわよ?」

吉良「そんな嘘をついてなにか得なことでもあるのかい?現に今も何かを食べる音が聞こえるじゃあ・・・・・・」

グスグス グスグス

かがみ「ホントよ!今そっちガツガツッ行くから」

かがみがわたしのいる部屋に姿を現す。

吉良「あれ・・・・・・?どういうことだ?今も同じように聞こえているってのに」

かがみ「幽霊の耳鳴りかなんかじゃないの〜?プラズマの一種って聞いたことあるしね

    変な磁気がウチにはあったりして。」

吉良「いや、そんなことはありえない たぶん・・・・・・。しかしこの音、注意して聞いてみると

   わ、わたしの所から聞こえているのでは・・・・・・・・・?」
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:03:09.84 ID:R6tQl7Yo
かがみ「私にはグスグスッ聞こえないわね・・・・・・ガツッ?大丈夫?」

吉良「い、以前にもこういうことがあったような・・・・・・。」

モゾモゾモゾッ

吉良「モ、モゾモゾするぞ・・・・・・・・・。 ま、まさかッ!『始末完了』というのはッ!

   うおぉおおッ!」

異変に気付き、わたしは即刻自分のスーツを破り捨てた

かがみ「ちょお!な、何やって!いくら家族がいないからってそんな、その。まだ心の準備っていうのその」

吉良「や・・・・・・やはり!『始末完了』ってのはこのわたしのことだったのか!

   いつのまにオレの体に巣食っていやがったんだァ―――ッ!『魂の掃除屋』ッ!」

魂の掃除屋「グスグスグスグスグスグスグスッ ゴキュッ」

かがみ「え、ええ? キャアアアーッ!な、何よその変なの!」

吉良「どの世界にも『掃除屋』ってのはいるもんだ・・・・・・。この世の人間の掃除屋はこのわたし。

   そしてこの世の幽霊の掃除屋は・・・・・・このド腐れた化けモンだッ!くそ、わたしは女じゃあないんだぞ!

   腹が新しい生物に変わってきているゥッ!!かがみィ―――ッ!何でもいい!ナイフだろうがなんだろうが

   いいからコイツらを叩き落とすッ!」

かがみ「え、ええ?」

吉良「早くしてくれェ――――ッ!」

かがみ「わ、分かったわよ!たしかこの辺に果物ナイフが・・・・・・ キャアアッ!」

吉良「ど、どうしたんだ!」

かがみ「こ、・・・・・・コッチにもぉ!」

吉良「!?ッ」
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:07:24.12 ID:R6tQl7Yo
よく目を凝らすと、かがみの腕にもわたしの腹に巣食っているような化け物が引っ付いていた

魂の掃除屋「プギャア―――――ッ!ウギャ―――――ッ!」

吉良「テメーらトカゲみたいな格好した分際で何をしていやがる!このわたしがお前らの的だッ!

   『魂の掃除屋』が人間に手ェ出してんじゃあねーぞ―――ッ!」

手元にあったテレビのリモコンを勢いよくかがみの元へ投げつける。

魂の掃除屋は不意を付かれたようで、なんとかリモコンは空を仰ぐだけでは済まずに

眉間にヒットしてくれた。

吉良「大丈夫かッ!?」

魂の掃除屋「グスグスグスグスグス」

吉良「うぐぅぅうッ!」

かがみ「き、吉良 はい!ナイフよッ!」

ポイッ

パシィッ

吉良「うぅ、食らえッ!化けモンがッ!」

ザシュザシュザシュザシュゥッ

魂の掃除屋「アバシャア――――ッ!」

もの凄いスピードで魂の掃除屋共は物陰へ身を潜めた。

シィーンとしたイヤな沈黙が続いている

吉良「ハァハァ・・・・・。殺せはしなかったが、ダメージをあたえることはできた。

   かがみ 今の内にこちらへ来い」

かがみ「わ、分かったわ。けどえーとその・・・・・・」

かがみの視点が定まらない

吉良「何だ。早く言ってみろ」

かがみ「その、幽霊とはいっても男の人が上半身を露出してるから。あの・・・・・・・・・」

吉良「アホみてーなこと言ってないで早くコチラへ来い!死にたいんだったら話は別だけどな

   肉体ごと魂を食い散らかされるぞ!」
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:08:41.49 ID:R6tQl7Yo
かがみ「う、うっさいわよ!バカ!」

吉良「バカなんて言えるあいだは大丈夫だ。さて、あの化けモン共はどこからきやがる・・・・・・?」

ヤツらはどうやら機をうかがっているようだ。

前方の物陰に二匹。左方右方それぞれに一匹ずつ。後方へ3匹といったところか

吉良(爬虫類ごときがこの吉良吉影を始末できると思っているのか・・・・・・?

  ハンターにでもなったつもりでいるのか知らないが、ハントされるのはゲテモノと相場が決まっているんだよッ)

吉良「急いでこっちに来るんだかがみ。そこにうずくまってる魂の掃除屋もいつ襲い掛かってくるか分からんぞ」

魂の掃除屋「ウギャアアァア・・・・・・」

かがみ「え、今行くわよ」

冷蔵庫の方から駆け足でこちらへ向かってくる、その時だ。

わたしを狙っていた前方の二匹が、彼女の方へ視線を急に変える

吉良「何ッ。」

かがみ「キャアアアーッ!」

魂の掃除屋「ウバャアアアアア―ッ!」

吉良「得意げな叫び声をあげやがる・・・・・・。ケッ だがその程度のことを『幽霊様』が考えもしないとでも思ったのか?

   スローイングナイフってヤツだ!」

ドスゥッ!

魂の掃除屋「ギャアアァァァァァァァ―ッ!」

吉良「ビンゴォッ!二匹串刺しだッ!爬虫類のバーベキューなんざ食いたくもないがな!」
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:09:13.24 ID:R6tQl7Yo
武器を失ったわたし目掛けて、残りの掃除屋共がいっせいに襲い掛かる。

吉良「コレも想定内の内だが・・・・・参った、抵抗する手がないぞ。さてかがみ、ここで問題だ」

かがみ「こ、こんな状況でなによ!」

吉良「そう、この圧倒的不利な状況・・・・・・。しかし一つだけこんな状況でも打開することのできる素晴らしい策があります。

   ヒントは『足』です。」

かがみ「な、なんなのよ!早くしないとまた食われるわよ!」

吉良「正解教えてやろうか?」

吉良「正解は・・・・・・・・・・・」




吉良「逃げるんだよォ―――――――ッ!かがみ!手を伸ばせッ!」
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:09:26.06 ID:R6tQl7Yo
―とある歩道―


こなた「あれ?何やってんだろかがみん」

みゆき「片腕を振りながら一人でものすごい勢いで走っていますね。どうされたんでしょうか?」

つかさ「一人?男の人と走ってるよ?」

こなた&みゆき「え?」

みゆき「・・・・・・・・・私視力が落ちたんでしょうか。いくら目をこらしても皆目見当が付きません・・・・・・」

こなた「あ、あたしもだよ。男の人なんているぅ〜?」

つかさ「い、いるよ!なんか変なトカゲみたいなのに追いかけられるよ〜」

こなた「んん〜?・・・・・・たしかに、トカゲは見えるね」

みゆき「しかしどうしてトカゲにかがみさんは追いかけられているのでしょうか?」

こなた「そんなこと聞かれてもねぇ・・・。本人に聞いてみる他ないね」

つかさ「そだね〜」

みゆき「行ってみましょうか?」

こなた「おk。そんじゃ行こうか!」

みゆき&つかさ「はい〜」
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:09:41.62 ID:R6tQl7Yo
魂の掃除屋「ヴギャァァアア――――ッ!

吉良「ハァハァ・・・・・・しつこいヤツらだな」

かがみ「ど、どうすんのよ。ハァハァ これじゃあそのうち追いつかれちゃうわ」

吉良「分かっている!どこかに凶器はないのかッ!クソ」

ステンッ

かがみ「きゃあっ」

吉良「かがみッ!」

魂の掃除屋「ヴシャアアアアアアアアアア―――――ッ!」

吉良「クソッ!うおおおおおお」

メリメリメリメリッ

ブゥンッ

吉良「わたしの腕でも食らっておくんだな・・・・・・。」

一度かがみが触ってブッ飛んだ腕を、わたしは無理矢理引っこ抜いて

トカゲもどき共にぶつけてやった。

ヤツらはすぐに私の腕にかがみを襲うのを止め、わたしの腕にむさぼりつき始めた

吉良「自分の腕が食われてるトコを見るってのは気分が良いモンじゃあないな」

かがみ「あ、アンタ。」

吉良「腕の一本や二本あとでどうとでもなる・・・・・・。」
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:10:24.91 ID:R6tQl7Yo
魂の掃除屋「ジャアァ゛ァズア゛゛ グスグスグスグスグスグス」

吉良「食い付いたのは二匹だけかッ!なんとかして避けろかがみ!」

かがみ「ううっ!」

つかさ「み、みて!お姉ちゃんが!」

こなた「どうしてトカゲが人を襲ってるの!?」
みゆき「わ、私もあんな種類のトカゲ見たことありません・・・・・・か、かがみさ〜ん!大丈夫ですか〜!」

かがみ「み、みんな!来ちゃダメッ!」

吉良「! アレはかがみの妹!あちらの子はトイレの時の女だな・・・・・・。もう一人は誰だ?」

魂の掃除屋「ギャウ?」
もう一人の女がかがみへ呼び掛けたのを感じ取ったのか、野郎共は視点を彼女達3人へ向ける

魂の掃除屋「ウウウウウウ・・・・・・ウガァ―――――ッ!」

吉良「うおっ!」

ヤツらは私達を完全に無視して通り過ぎ、100mほど後ろにいた彼女達へ向かって行く。

吉良「コイツら見境無しか・・・・・・・・・逃げろキサマらッ!」

つかさ「こっちへ来るよぉ〜〜〜〜っ!」

こなた「むぅぅ〜〜〜爬虫類の分際でナマイキな。返り討ちにしてやんよぉ〜〜〜っ」

かがみ「だ、ダメよこなた!早く逃げて!」

みゆき「止めましょう泉さん、早く逃げないと!」

吉良「逃げろと言ってるんだお前らッ!」

こなた「え!?天の声!?」

魂の掃除屋「ウギャア――――――ッ!」

こなた「は、早っ」

かがみ「こなたァ―――っ!」

ドゴォォオオオンッ

こなた「ふぅ〜〜〜 まさか秘儀回転疾風脚を使うことになるなんてねぇ〜〜〜ッ」

吉良「あ、あの女・・・・・・。なんつー運動神経しているんだ・・・・・・。飛んでくるヤツらに

   回転蹴りを浴びせやがった」
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:10:41.16 ID:R6tQl7Yo
かがみ「よ、よかったぁ。」

魂の掃除屋「ウギャアアアァ・・・・・・・・・」

つかさ「ほぇっ!」

こなた「あじゅら〜 てっきりノックアウトしたのかと思ったけど」

吉良「もちろんのこと死んではいないか・・・・・・」

スッ

吉良「しかしもう『凶器』は手に入った・・・・・・。あとは『執行』するだけだ、バケモノ共め。」

魂の掃除屋「ウギャアアアァアア――ッ!」

こなた「もう一度ノックアウトしてやんよ〜〜〜〜!」

ガシッ ガシィッガシガシガシィ

魂の掃除屋「ガ、ガァ?」

吉良「この私がノコノコと逃げてといて、幼児体系の女子高生に軽々と始末させられちゃあ『執行人』の名前が廃っちまう

別に誇りとか持ってるワケじゃあないが」

こなた「むっ 幼児体系とは天の声のクセに失礼な。」

魂の掃除屋「ガガガガガカガ!ウギャア〜〜〜ッ!」

吉良「黙れ。」

ギギギギギィイィィ

魂の掃除屋「ガッ」

吉良「フゥゥウ〜〜〜〜〜〜っ『魂の掃除屋御一行様』ご案内ィィィィィ〜〜〜〜〜ッ 今度会ったら感想でも聞かせてくれ

   『あの世』の感想をな。」

ザクリッ
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:11:34.07 ID:R6tQl7Yo
こなた「いやぁ〜〜〜 驚いたね。かがみぃんあれって結局なんだったの?」

かがみ「な、なんだか品種改良しててね。実験で失敗して出来たのがあのトカゲらしいのよ

    ホントに驚いたわよ。ウチにいっぱいいるんだもの」

こなた「ふぅ〜〜〜ん。そういえばあたしさっき、天の声が聞こえたんだよね〜〜〜」

かがみ「ついにあんたも頭がおかしくなったんじゃないの〜?」

こなた「なんか今日トイレ前で漏らしてた男の子の声に似てたなぁ〜」

吉良「!」

かがみ「あははははは」

吉良「・・・・・・・・・・・・・」

かがみ(あんたもわざわざバレたくないでしょ。黙ってなさいよ)

吉良(分かってる・・・・・・。クソッ)

かがみ「ところであれ臭いよね〜」

みゆき「そうですね。」

つかさ「クサいよねぇ〜〜〜」

吉良「・・・・・・?」

???「・・・・・・・・・」

ふと気付くと、こなたの後ろに女性が一人立っていた

おしとやかな服装をしていて、とても小柄だ。

吉良(誰だあの女?いつからあそこにいたんだ?いや、いつからいたそんなことはどうでも良い。もっと気になんのが・・・・・・

    この「こなた」とかいうかがみの友人にそっくりだ。)
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:11:54.36 ID:R6tQl7Yo
???「ペコリ。」

吉良「・・・・・・・・・ペコリ。」

吉良(オイかがみ。ちょっと行ってくる。)

かがみ(え?行ってくるって一体どこに・・・・・・)

かがみ「え?あれっ」

みゆき「どうかされましたか?かがみさん」

こなた「どしたの〜?」

かがみ「……な、なんでもないわ。」

かがみはこの時彼女のことを言おうとしたが、わたしと彼女が唇に指を当てていたので

やむなく喋り出そうとしたその口を閉じた

つかさ「お姉ちゃん怖かったよぉ〜〜〜」

かがみ「よ、よぉ〜しよしよしよしよし」

つかさ「うぇぇ〜〜〜ん」

かがみ(あの人、こなたの家にあった写真に写ってた…………

    こなたのお母さんじゃないわよね?)

―こなた達から少し離れた河川敷―

吉良「アンタ何者だ?見たとこ幽霊みたいだけど。」

彼女は、さきほどよりも深くお辞儀をした

???「始めまして。私の子供の友達がお世話になりました」

吉良「そんな律儀に言わなくてもいいよ。見りゃあ誰だってわかる

   アンタこなたの母親だな?」
35 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/10(水) 00:13:07.97 ID:R6tQl7Yo
かなた「……ふふっ嬉しいわ。何も言わないでも分かってもらえるなんて」

ちょいと照れくさかったんでわたしは頭をポリポリと掻くしぐさをした

吉良「別に褒めちゃあいないさ」

かなた「私にとってはものすごくうれしい褒め言葉なの。ありがとう」

吉良「そう言ってもらえりゃあオレだって嬉しい。ところで何をしていたんだ?

   自分の子供の後ろに突っ立って」

かなた「……なんだかとっても寒気がしたの。」

吉良「寒気?」

かなた「そう。そして気付いたらここにいたわ……。もう死んでるのにね

    いつまでも子供の心配なんてしてちゃダメね、私ったら。」

少しだけわたしは悲しくなった。

わたしにも、子供はいたんだろうか 妻はいたんだろうか 親はいたんだろうか。

吉良「………わたしは生前の記憶がないから。」

吉良「ちょいとアンタが羨ましいな。今のわたしの生きがいはこの仕事だけだ
  それなりに楽しんではいるがね。だから、『ちょいと』だけ羨ましい」

かなた「………そうなの。生きている頃の記憶がないの。」

吉良「ああ、自分がどういう人間だったのか思い出せない」

かなた「私だったら気が狂いそう。生前の記憶がないなんて。」

吉良「わたしはもう狂ってるのかもしれないぜ?狂った結果が今の性格なのかも」

かなた「だったら狂って大正解だったのかもしれないわね」

吉良「イヤなこと言ってくれるな、アンタ」

かなた「あらそう?」

吉良「…………くっくっくっ」
かなた「ふふふふふっ」

かなた「……それじゃ、これからも彼女達をよろしくね」

吉良「わたしが?」
36 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/10(水) 00:13:23.72 ID:R6tQl7Yo
かなた「ええ。あなたはそうちゃんの次に頼りになりそう」

吉良「アンタはもう行っちまうのか?」

かなた「こなただっていずれは一人立ちするんだもの。母親の私がいつまでも家族に寄り添って甘えてちゃダメだわ」

吉良「アンタは強いな。」

かなた「あなただってね。」

吉良「……彼女達は任せな。」

かなた「ありがとう」

彼女はまたわたしにお辞儀をした。

吉良「ただ、最後にひとつ質問してもいいか?」

かなた「何かしら?」

吉良「『あの世』ってのはホントにあるのか?そいつがどうしても聞きたい」

かなた「それは来てからのお楽しみ、それじゃあ また会えるといいわね」

そう言って、彼女は風に煽られるのと一緒に煙のように消えてしまった

吉良「つまりわたしに『守護霊』になれと言いたかったのか?あの女……。

   とんでもないことを押し付けやがって。わたしはとことん女運が無いな」

吉良「だがまぁ、けっこう面白いかもな。」

そんなことを呟きながら、わたしは彼女の消えていった夕焼け雲を見ていた
37 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/10(水) 00:13:44.20 ID:R6tQl7Yo
結局私はかがみの家に居候することになった

彼女の家系の人間はみんなわたしが見えるようだし、わたしのために部屋まで作ってくれた。

週に一回ちゃんと未確認生物の観察も忘れずに行っている。先のトカゲ野郎はヤツが仕掛けてきたことなのだろうか?

だとしたらいつか始末してやろう。やられたまま終わるってのは性に合わない。

しかししばらくはこうして自分の部屋のソファへもたれていることにしよう。

やっと平穏な生活が手に入ったんだから。



                                      第一章 おわり
38 : ◆qHoU1cCPc2 [sage]:2008/09/10(水) 00:14:10.29 ID:R6tQl7Yo
とりあえず二章は書き終えてから投下します
ここまで付き合ってくださってありがとうございました
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/10(水) 00:15:50.67 ID:AZdVtgUo

きたいしてますぜ
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/10(水) 00:16:59.65 ID:3Fuy9Ik0
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/10(水) 00:19:26.89 ID:PDO8V6s0
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 10:36:33.54 ID:Hb/lTYDO
まだー?
43 :kiraandkagami [sage]:2008/09/18(木) 19:14:55.37 ID:tf6D3p6o
とりあえず書き溜めた分だけ投下します
44 : ◆qHoU1cCPc2 :2008/09/18(木) 19:15:27.23 ID:tf6D3p6o
!!!
45 : ◆hrRUHodCfg :2008/09/18(木) 19:16:13.23 ID:tf6D3p6o
吉良吉影「となりのトットロ トットーロ。」

なんて陽気に歌うことができたのはほんの3ヶ月前までのことだ

私の名前は吉良吉影。いつなぜわたしが死んだのかはどうしても思い出せない

生前自分がどんな職に就いてたのか、どんな子供だったのか、どんな性癖をしていたのか

どんな家族の下で育ったのかすら覚えていない。しかし一つだけ確信して言えることがあるとすれば

今の生活には満足しているということだ。わたしは今、平穏な生活を手に入れている。

しかし何事にもかならずリスクというものが必要だ。

週に一回、わたしはこの埼玉県所沢市にある「森」を観察しなければならない

それが巫女(女坊主)から課せられた依頼であり、わたしの「生きがい」だからだ

彼女から聞いた話によると、この森には妖精が住んでいるらしい。

そう 日本国民ならばだれもが知ってそうな「となりのトトロ」。あのキャラクターがなんとこの森に実在しているそうなのだ

しかし宮崎作り話での「トトロ」とはちょいと違うらしい。どこかで、「トトロ」というものは

死神なのでは?という説を耳に挟んだことがある。

先日の「魂の掃除屋」の一件といい、この説はもしかしたら本当なのかもしれない。
46 : ◆hrRUHodCfg [sage]:2008/09/18(木) 19:18:09.49 ID:tf6D3p6o
吉良「今日も特に音沙汰はなし・・・・・・か。」

かがみ「吉良〜 そんな高いところ登って大丈夫なの〜?」

彼女は柊かがみ。わたしが居候させてもらっている家の娘だ

巫女というものにはどうやら幽霊であるわたしの姿が見えるらしく、唯一まともなスキンシップのとれる人間たちである。

わたしは女坊主のもう一つ依頼で、彼女の父親に挨拶をするだけのつもりで近付いたのだが

思わぬ収穫だった。彼女のおかげでわたしは柊家に一つの個人部屋をいただくことが出来た

吉良「大丈夫だし、落ちても死にゃあしない」

かがみ「そりゃあそうなんだけど、やっぱり心配じゃない?ほらその・・・・・・」

吉良「アンタに心配されなくても大丈夫だ。むしろわたしが心配する立場だっ」

わたしの声はかがみの怒声にかき消されてしまった

かがみ「ああ〜〜〜〜〜っ…………もう!せっかくついてきてあげたのにどうしていつもそんな無愛想なこと言うのよ!」

吉良「いちいちなんなんだ……仕方ないだろう、そういう性格なんだから……面倒なヤツだな」

かがみ「もういいわよ!先帰るわよ!」

吉良「ああ……分かったよ、そんな怒鳴られちゃ出てくるモンも出てこなくなる」

かがみ「あっそう!トトロだかとろろだか知らないけど日が落ちるまでには帰ってきなよ!」

吉良「なんでそんな怒ってるんだ この間プリンを勝手に食ったことまだ根に持ってんのか?

もう謝ったじゃあないか。それにあんまり食いすぎると太」

かがみ「バカッ!」

吉良(なんであんなに怒ってるんだ…… 何かしたっけ?)

吉良「それにしてもリスとかがいるだけで、見せてもらった写真に写ってた『トトロ』はどこにもいねーじゃあないか。

   実物をこの目で見たかったからこんな面倒な依頼受けてやったのに……」

吉良「…帰るか。」

???『……………………。』
47 : ◆hrRUHodCfg [sage]:2008/09/18(木) 19:18:59.56 ID:tf6D3p6o

〜吉良たちが帰って数時間後、森の奥深く〜

トトロ『最近、この私を嗅ぎ回っている「幽霊」がいる』

ポニョ『そいつは報告で聞いたポニョ、しかしポニョ達の生活を妨げる危険因子である

    幽霊は、縄張りから完全に消し去ってるポニョ。お前のテリトリーでもそれは同じく言えることのはずポニョ』

ムスカ大佐『このわたしを呼び出したからには一体何事かと思えばそんなことかね。

我々「ジブリ」の生態を観察しようなどというその愚かな「幽霊」を始末すればいいだけではないのかね?

トトロくん。』

ハウル『どうして僕まで呼んだのか知らないけど、そんなことだったんだね 別に僕自身に危害があるワケじゃあないし

    先に失礼するよ』

トトロ『…あまり先人をなめない方が良いぞ。ハウル』

ハウル『僕がちゃんと集会に来たことなんてあります?こうしてちゃんと来ておとなしく話を聞いてるだけ

    儲けモンだって思ってくださいよ』

ポニョ『仲間割れは止めるポニョ!』

トトロ『新株は黙っていたほうが身のためだ。お前とて時の人になりたくはなかろう

    わたしのように長い間愛されていたいだろう?』

ポニョ『ポ、ポニョ〜……』

ムスカ大佐『我々の縄張りに「幽霊」が居座っているということ自体大問題なのだよハウルくん。』

ハウル『僕には関係のないことです』

ムスカ大佐『大ありだとも。もしトトロくんがこの土地に居座っているというその「幽霊」に始末されてしまったらどうするのかね?

      彼の死体から我々の存在を知られてしまう。』

ハウル『…………』

ムスカ大佐『懸命な君ならば今の一言で理解してくれただろう。きみの魔法は頼りになる

      期待しているよ。』

ハウル(………面倒くさいなぁ)
48 : ◆hrRUHodCfg [sage]:2008/09/18(木) 19:19:44.14 ID:tf6D3p6o
ポニョ『「魂の掃除屋」は送り出したのかポニョ?』

トトロ『数回送ったのだが、彼が今までのように私の周りを探索しているということは

    やられたのだろう。』

ムスカ大佐『ラピュタの最先端バイオ技術により作り出した私の傑作をことごとく殺したというのかね

      ますます許せなくなってきましたな』

ハウル『僕の魔法のおかげじゃないか』

ムスカ大佐『なにか言ったかね。』

ハウル『ハハハ 何でもないですよ』

トトロ『ポニョ、きみにお願いだ。』

ポニョ『はいポニョ!』

トトロ『私を嗅ぎ回っているこの「幽霊」を始末して来い』

トトロからポニョへ一枚のポラノイド写真が手渡される。

ポニョ『コイツかポニョ……了解だポニョ!』

ダダシューゥッポッ

ムスカ大佐『あんな新株に任せてもいいのかね?掃除屋共が何度も撃退される相手には

       彼女では少々役不足ではないですかな?』

トトロ『新入社員というものは我先にと行動しようとするものだ。上司からの信頼を得るためにな

    それにポニョなど所詮は噛ませよ。見事に始末することができれば』

ムスカ大佐『それはそれで良し、ということですかな?』

トトロ『そういうことだ。』

ムスカ大佐『あなたもなかなかのワルだ、トトロくん』

トトロ『長年こういう世界にいると、勝手になってしまうものだ。他の人間を蹴落とすためにな』

トトロ『ハッハッハッハッハッ!』

ムスカ大佐『ハッハッハッハッハッ』

ハウル(帰ってソフィーの手料理食べたいな………)
49 : ◆hrRUHodCfg [sage]:2008/09/18(木) 19:23:16.43 ID:tf6D3p6o
―かがみ 帰路―

とぅるるるるるるるるる

かがみ「あ、電話だ。」

さみしいよぉぉお……ボス……電ピッ

かがみ「もしもし〜?」

こなた「あーかがみん?先週の金曜貸したラノベなんだけどさぁ〜」

かがみ(あっ ヤバイ!すっかり忘れてたわ)

かがみ(えーとたしかバッグの中に……)

ガサゴソ

『The Book』

かがみ(あったあった!)

かがみ「あ、ぁぁ〜〜〜っ わかったわ、今そっちの家行くわね」

こなた「ちょっと今の間何〜?もしかしてかがみん忘れてたんじゃないの?」

かがみ「アンタじゃないんだから覚えてたわちゃんと!じゃあ今から行くね」

こなた「どうだかねぇ〜〜〜 ま、早くきてね。」

プチッ ツーツーツー

かがみ「まったく………さーてと、とりあえずお父さんに少し遅れそうってメール打っとくかなー」

ポニョ『………………。』

ポニョ『アレは……。間違いないポニョ、この写真に幽霊と一緒に写っている女だポニョ』

ポニョ『トトロさんは特に気にしてなかったけど、きっと何か繋がりがあるはずなんだポニョ。』

ポニョ『尾行するポニョ』

カサカサカサカサッ
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/18(木) 19:37:11.68 ID:tf6D3p6o
―泉家―

かがみ「おーっすこなたー」

こなた「あいあい〜 ラノベの方は〜?」

かがみ「ハイハイ、これね。」

スッ

かがみ「はい。」

こなた「はいご苦労さま。ところで感想とかないの〜?そういうのが楽しみで本貸したりしてるんだよねぇあたし。」

かがみ「たしかに友達に貸してあげた本の感想は聞きたくなるわねぇ。原作とちがってしっとりした悲しい話だけどこれはこれで…」

こなた「フムフム。」

カサカサッ

ポニョ(何の話をしているのか理解できないポニョが……、あれはこの女の身内か何かポニョか?血気盛んなコイツとは違って

    マイペースそうな女だポニョ。)

そうじろう「あーどうもどうもかがみちゃん。今度また巫女服着てくれないかな?俺も年だしこまめに英気を養わないとね〜」

かがみ「は、はぁ。気が向いたら……」

そうじろう「うっはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwよろしく頼むよ〜」

こなた「あんまり友達の前では変体染みたこと口に出さないでって言っといたのにこのお父さんは。」

そうじろう「そんな冷たいこと言うなよこなたぁ〜〜〜」

ポニョ(アレは父親かポニョ。いかにもな優男だポニョ これなら簡単に始末できそうだポニョ……)

ポニョ(……いや、とりあえずはまだ様子を見ておこうかポニョ)
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 19:45:11.04 ID:tf6D3p6o
―柊家―

吉良「ただいま……」

ただお(柊父)「吉良さんおかえりなさい、ご飯用意してあるよ。」

キョロキョロ

吉良「…かがみは?」

ただお(柊父)「なんでもこなたくんの家に寄ってくるそうだ。本を返し忘れてたらしくてね」

吉良「フーン……じゃあ飯をいただくよ。」

ただお(柊父)「はいはい。」

吉良「……つかさ、いつまでそこに隠れてるんだ」

つかさ「はぅぅ!」

つかさ「えーとその……ま、まだ吉良さんに慣れてなくてね エヘヘ

   その、ごめんなさい」

ふぅ、とため息をついてわたしはつかさを見る
そうするとまたつかさは頭を隠して、小刻みに震えだした。

吉良(いちいち扱いづらいヤツだな…)

吉良「別にわたしはお前に取り憑いてやろうだとか思ってるんじゃあないんだぞ、もう

   1ヶ月経つんだからリラックスしろよ」

つかさ「け、けど家の中にお父さん以外の男の人がいるとなんかちょっと。」

吉良「………よし、わたしはかがみのいる泉こなたの家にでも行ってくる。」

つかさ「えっ」

吉良「別に気を使ってるつもりではない、ここにいてもヒマだからだ」
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 19:45:48.67 ID:tf6D3p6o
つかさ「うぅ……」

ただお(柊父)「あれ?吉良さん夕食は?」

吉良「かがみを迎えに行ってくる 飯はその後に食わせてもらうよ」

ただお(柊父)「わざわざすみませんねぇ。」

吉良「好きでやってるんだからわざわざ社交辞令みてーな言葉は必要ないさ。それじゃあ行ってくる」

ただお(柊父)「はぁ…。」

ガララッ

ただお(柊父)「お気をつけて〜」

吉良(それになんだか胸騒ぎもするしな…… 帰ってくる時に、少しばかりわたしに向けられる視線を感じた

   「幽霊」のわたしにだ。)
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 20:09:03.24 ID:tf6D3p6o
かがみ「それでさぁ〜〜〜臭くってさァ〜〜〜」

こなた「あの臭いはたしかにないよねぇ〜〜〜っ」

そうじろう「おじさんよくわからないけどきっと臭いんだろうな〜〜〜」

ポニョ(な、何が臭いんだポニョ?ポニョ生臭かったポニョか?)

ポニョ(! 後ろから気配がッ!隠れるポニョ……)

カサカサッ

ピンポォ〜ン

???「郵便で〜す、開けてくださ〜い」

こなた「ん?だれか来たみたいだね」

そうじろう「お父さんがちょっと見てくるよ」

かがみ「誰かしら?」

こなた「なんかの勧誘じゃない〜?」

そうじろう「ハイハイ『どうぞどうぞ』……… アレ?いないな。」

そうじろう「イタズラかなァ〜〜〜……ったく。それにしてもウチの玄関こんなに生臭かったっけ」

吉良「コイツが泉かなたの言っていた泉そうじろうか…… わたしよりこの男が頼りになるとか言ってたなそういや」

吉良(ま、そんなことどうでもいいが)

吉良「それにしても生臭いな。」

かがみに向かってチョイチョイとこちらへ来るように催促する

かがみ「あっ」

こなた「どしたのかがみん?」
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 20:22:54.11 ID:tf6D3p6o
かがみ「えーと、ちょっとトイレ行ってくるわね」

こなた「うん?うん、分かったよ。漏らさないでよ〜プクク」

かがみ「誰が漏らすか!しつこいのよアンタ!」

こなた「別にかがみんが漏らしたんじゃないでしょ〜 そんな必死にならなくてもいいじゃ〜ん?」

吉良「…………」

かがみ「い、今行くわよ!」

こなた「? 誰に言ってんのかがみん?」

かがみ「な、何でもないわよ!う〜トイレトイレ」

ポニョ『ポニョポニョポニョ……… 大当たりだポニョ

     やはりこの女、あの「幽霊」と面識があったポニョ。あとはここにいる人間共を始末すればいいだけポニョ』

ポニョ『あと少しだけ機を伺うとするポニョ………果報は寝て待てポニョ。』
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 20:26:00.85 ID:tf6D3p6o
―トイレ―

かがみ「それで何なのよ?」

吉良「いや 少し胸騒ぎがした。それにさっきアンタを怒らしちまったらしいから謝っておこうかと思ってな」

かがみ「そ、そんな!べ、別にいいのよ!アタシも構ってもらえなくてムシャクシャしてただけだし」

吉良「オレに構ってほしかったのか?」

かがみ「ち、ちがうわよ!えーとリスよリス!あのリスホントムカつくわよねぇ!あたしのこと無視するんだもの!」

吉良(忙しいヤツだな……)

吉良「早く戻ってこいよ。お父さんに心配かけさせるなよ」

かがみ「分かってるわよ言われなくても!」

吉良「素直じゃねーなぁ……」

かがみ「うるさいから早く出てきなさいよ!」

吉良「分かった。」

こなた(んふふ〜 この間トイレの中から聞こえた男の人の声がするよ〜

    電話してるのかなぁ?イチャイチャしてるなぁコッチが恥ずかしくなってくるよ)

ズキュ〜〜〜〜ンッ

吉良(いちいちドアを開けずに通り抜けられるってのは便利だな)

吉良「おっと。」

こなた「………」

吉良(コイツ盗み聞きしてやがったのか……)
56 : ◆hrRUHodCfg :2008/09/18(木) 20:26:24.26 ID:tf6D3p6o
こなた(聞こえなくなったなぁ……もう終わり?つまんないなぁムプクククク)

そうじろう「おーい!こなた〜 アニメ始まったぞ〜」

こなた「あ、あぃぃ〜〜〜」

こなた(まいいや 今度このネタでかがみん冷やかそう〜っと)

吉良「オイかがみ、わたしは先に帰るぞ。19:00までには帰ってこいよ」

かがみ「お前は保護者か!言われなくてもちゃんと帰るわよ!子供じゃないんだから!」

吉良「分かったから。トイレットペーパーを無駄遣いするんじゃあないぞ」

かがみ「バカッ!」

ポニョ(ポニョ〜………あと少しだけ機を伺うポニョ……)

こなた「アニメアニメ〜♪」

ポニョ(!!!!!!)

ポニョ(ポニョポニョポニヨ……やはりポニョ!果報は来たポニョッ!ヤツがいない今!今ならこの二人を同時に始末できるッ!)

57 : ◆hrRUHodCfg :2008/09/18(木) 20:27:13.24 ID:tf6D3p6o
書き溜め分は投下しました
一週間くらい書き溜めてからまた投下しようかと思います
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/19(金) 15:26:34.22 ID:uV5t2gDO
おつ
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/10(水) 18:41:49.29 ID:jsOww.AO
こないな・・・
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/12(月) 11:03:54.83 ID:EdwMFIYo
>>1はもう来ないんだろうか・・・
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