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らき☆すた SS 〜笑えよみなみんアハハのハ〜 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/27(土) 19:38:26.21 ID:GkRmuDA0
ここは「らき☆すた」のSSスレです。

・どんなジャンルでもどんどん投下したまへ〜 by こなた
・でも、他所からの作品の無断転載は絶対ダメよ! by かがみ
・あとね、あんまりえっちなのはちょっと恥ずかしいから遠慮してほしいな by つかさ
・メール欄に「saga」と入力するとこの板特有のフィルターを回避できます。「sage」ではありませんよ。
 代表的な例が「高翌良」です……よろしくお願いしますね by みゆき
・長編作品はタイトルをつけてもらえるとまとめるときとかに助かります! by ゆたか
・それと、できればジャンルを明記するようにしてほしいの。
 特定のジャンルが苦手な人もいると思うから…… by あやの
・パロディとかクロスオーバーとかもおっけーだけど、
 あんまり度が過ぎると他の人に引かれっから気をつけろよなー by みさお
・シラない人へのハイリョがアればgoodネー byパティ
・初めてでもよっしゃーいっちょ書いたろかって人大歓迎するでー by ななこ
・まとめてくれる人募集中です……そして、現在のまとめ人には感謝してます…… by みなみ
・お題を出せば書いてくれる職人さんもいるっス。ネタのため……
 いや、いろんなお話を読んでみたいんで、いいお題があったら書いてみてください! by ひより
・そしてそして、SSだけじゃなくて自作の絵もOK!
 投下された絵は美術室に展示されるからジャンジャン描くべしっ! by こう
・注意! 荒らしへの反応は絶対ダメ。反応する悪い子は逮捕だ! by ゆい


(避難所)
 PCから->http://jbbs.livedoor.jp/auto/5330/
 携帯から->http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/auto/5330/

(まとめサイト)
 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/

(SSスレ用画像掲示板)
 http://www.sweetnote.com/site/luckystar/
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 00:41:54.95 ID:C9LYBUSO
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 00:45:41.35 ID:FaY5mASO
>>1
乙です。

みなみ「…失敗したね」
チェリー「面目ない…」
みなみ「…じゃ、これはお預け」
チェリー「アオ〜ン」
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 00:48:14.30 ID:MmR0Lms0
不覚にも前スレで>>1000ゲットしてしまっていた
>>1乙です
うわ地獄の番犬ケルベロスがぎゃああああ
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 01:25:44.07 ID:bQYVbSA0


 前スレの分はまとめておいた
 あとトップページを更新

6 :てぃーたいむ [saga]:2008/12/28(日) 01:46:06.82 ID:7yaOWPU0
>>5乙です。

では、新スレ一発目投下行きます。

発作的に書きたくなった、例のかなたさんです。
7 :てぃーたいむ [saga]:2008/12/28(日) 01:46:51.30 ID:7yaOWPU0
 家事も一通り終わった昼下がり。ここからが本当の主婦の時間!ウダゴロこそが主婦の本懐!
 ………ごめんなさい、嘘です。ホントはお外に行きたいです。お買い物したいです。ガーデニングもやりたいです。
 でも、下手に外に出て近所の人にでも見つかったら大騒ぎだし。
 なんていうか、ぶっちゃけ暇すぎるんです。
「ただいまー」
 あ、そう君帰ってきた。私はいそいそと玄関に向かいました。これだけ暇だと、心のオアシスが家族に向いてしまうのもいたしかたないこと。今日はもう、変態チックな抱きつき方も大目に見ちゃいましょう。
「お邪魔します」
「お邪魔しまーす」
「…お、お邪魔します」
 …ってあれ?なんか女の人が三人ほど…え?ナニこのハーレム状態は?そう君ですよ?あなた達の真ん中にいるの、あのそう君なんですよ?
「…なにか誤解されてそうだけど、こなたの友達の親御さんだよ。そこでたまたま会ってね、ちょっとお茶でもと誘ったんだ」
 ああ、そういうことだったんだ。こなたのお友達の…ってことは主婦の方なんですか。みなさん暇なんですね。
「そこでぶっちゃける辺りが、こなたちゃんのお母さんって感じね…」
 あの娘の無茶苦茶なぶっちゃけ方と同じにしないでください…ところでそう君。
「なんだ?」
 お茶にかこつけて、人妻に囲まれてウハウハ…とか、考えてないよね?
「………まさか」
 思いっきり目が泳いでるんだけど。


- かなた あうと ざ ふぉとぐらふぃ てぃーたいむ -


 とりあえず私はみなさんをリビングに案内した後、そう君の煩悩を断つために間接技地獄に沈めておきました。
「…そうじろうさん、生きてます?」
 髪の長い人が、苦笑いでそう君を覗き込んでます。大丈夫、そう君は頑丈だからこれくらい平気です。
「…いや、普通に死にそうなんだが…ってか、かなた…こんなサブミッションどこで覚えたんだ…」
 こなたに教わりました。それはもう手取り足取り、私が泣いて謝るまで。
「お前…またこなたと喧嘩したのか」
8 :てぃーたいむ [saga]:2008/12/28(日) 01:48:16.43 ID:7yaOWPU0

 三人の方を紹介して貰いました。
 髪の長い方が柊さん。こなたのお友達の、双子の子のお母さんだそうです。そういえば目元があのかがみちゃんに似てるような…いえ、怖くなんかありませんよ?
 なんだか髪の毛がホワッとしてる方が高良さん。眼鏡の子のお母さんだそうです。
 そして髪がショートの方が岩崎さん。こなたとは関係ないそうですが、高良さんと一緒にいたところを拉致ら…もとい、誘われたそうです。
「いえ…私は帰るつもりだったのに、ゆかりさんに無理矢理連れてこられたから、拉致られたでもあってると…」
 大変ですね。
「ええ…いつもこんな感じの人ですから…諦めてはいます」
「もー岩崎さん。それじゃ、わたしがいつも無理矢理連れまわしてるみたいじゃないのー」
「…自覚…ないんですね…やっぱり…」
 なんだか苦労してるみたいです。
「かなたさん、一つ聞いてもいい?」
 なんでしょうか、柊さん?
「どうして私から思いっきり離れてるのかしら?」
 いえ…深い意味はないんです。あのかがみちゃんのお母さんだと思うと、どうしても身体が…。
「あの子は言い方がきついのよね…でも、ホントは思いやりのある子なんですよ?」
 そうですか。私を説教で泣くまで追い込むのも、思いやりですか。
「…え?」
 いえ、なんでもありません。

 しばらくお茶を飲みながら、他愛ないお喋りをしていました。
 それにしてもなんと言うか…みなさんお若くていらっしゃる。思わず敬語になるくらいに。
 柊さんなんて子供四人の母ですよ?見えませんよ?出るところも出てるし、羨ましいと言うより妬ま…いえ、そんなこと思っちゃいけませんね。
 私も見た目は若いですけど、不必要に若すぎてあんまり嬉しくありません。歳の話題が出て、「お若いですね」と言おうとして口を滑らせて「幼いですね」って言われた時のショックだったこと…。
 そんなことを色々私が思っていると、高良さんがじっとこちらを見ているのに気がつきました。
「…かなたちゃんって可愛いわねー」
 いきなりそんなことを言われて、私は思い切り飲んでいたお茶を噴出しました。そして、岩崎さんにクリーンヒット。すいません、すいません。ホントすいません。
「い、いえ。気にしないで…よくあることなので」
 …よくあるんだ。
「んーなんていうのか」
 目の前の惨状をまったく意に介さない高良さん。なんてマイウェイな人妻。
「見てて、萌えるわねー」
 人妻が変な言葉知ってた!
「こう後ろから思い切り抱きしめたいわねー」
 人妻の視点がなんだかそう君よりだ!
「高良さんにも分かりますか。かなたの良さが」
 そう君、食いつかないで!
「ええ、分かりますとも。そうじろうさんも良い人に巡り会えましたねー」
「はっはっは…貴女とはなかなか気が合いそうだ。どうです?今晩辺り二人きりで…」
「お誘いはうれしいんですけど…奥さん、後ろで凄い顔してますよ?」
「…え?」
 そう君、ちょっと頭かして♪

 コキャッ。

9 :てぃーたいむ [saga]:2008/12/28(日) 01:48:58.98 ID:7yaOWPU0

「…す…すいません…でした…っていうか…ちょっとした…冗談…」
 そう君の頚椎は折り損ねましたが、泡吹いて謝ってるので許してあげることにします。
「いや、頚椎って折れたら死ぬんじゃ…」
 大丈夫です岩崎さん。そう君は頑丈ですから、頚椎が折れたくらいじゃ死にません。
「…いや、それって人間じゃないんじゃ…もしかして、そうじろうさんも幽霊だったりしません?」
 いえ、そう君は普通の…え…そう君「も」?
「かなたさんって幽霊なんですよね?」
 自分でもたまに忘れますけど、そうです…っていうか岩崎さん、どうしてそれを?
「そうじろうさんが言ってましたから」
 そうくぅぅぅぅん!どうしてそういう事言っちゃうのぉぉぉぉ!こなたといい、どうして広めようとするのよ!噂が広まってゴーストバ×ターズとかス×ーパーとか来ちゃったらどうするの!
「…いや、来ないと思うぞ」
「あ、でも私のうちは神社ですから…よかったらお祓いします?」
 祓わないでぇぇぇぇ!
「ふふ、冗談ですよ」
 …心臓に悪い冗談はやめてください柊さん…親子揃って私をいじめるのですか…。


「…それでは、失礼しますね」
「お邪魔しました」
「ばいばい、かなたちゃん」
 一人、挨拶が間違ってます。
「ああ、良かったらまたいつでも来て下さい」
 ええ、来てください。出来れば岩崎さんだけで。
「ひどいわーかなたちゃん。私はかなたちゃんと仲良くしたいのにー」
 高良さん。そう思うならとりあえず「ちゃん」を取ってください。この際呼び捨てでも構いませんから。
「あ、じゃあ今度は御札持ってきますね」
 なにがどう「じゃあ」なんですか柊さん!?今の話の流れと全く関係ないですよね御札!?ってかマジで持ってこないで!
「ふふ、冗談よ」
 そう君、塩!塩持って来て!撒くから!
「お、落ち着いてください、かなたさん…」

10 :てぃーたいむ [saga]:2008/12/28(日) 01:50:01.97 ID:7yaOWPU0

 みなさんが帰った後、私は居間の床に倒れるように寝転びました。ああ、疲れた…暇してた方がマシだったかも…。
「そうか?結構楽しそうにしてたぞ」
 …そう君にはそう見えるたんだ…っていうかあんまり急に連れて来ないで。色々心臓に悪いから。
「はは、急に決まっちまったからな。同じ主婦の友達なんて、お前は作る間なかったからな。今から作ろうにも、外出れないんじゃ向こうから来て貰うしかないかないからな」
 …ねえ、そう君。
「ん、なんだ?」
 その言い方だと、最初から私の友達作るために連れて来たみたい。たまたま会ったんじゃないの?
「…あーそれは…」
 …肝心なところを誤魔化す癖は、昔と変わらないね。
「はは、三つ子の魂百までっていうからな」
 でも…ありがとう。そう君。
「ああ」
 ………で、最初からずっと構えてるそのカメラはナニかな?
「…さて?なんだろうな…」
 撮ってた?私とかみなさんとか。
「…黙秘します」
 そう君。手とか足とか逆にも曲がったら便利だと思わない?
「ひぃぃぃっ!?」



「…ねえ、お母さん」
 なに、こなた?
「お父さんがなんか動かない…ってーかなんかあちこち微妙に歪んでない?」
 気のせいよ♪

- 終 -
11 :てぃーたいむ [saga]:2008/12/28(日) 01:53:19.67 ID:7yaOWPU0
以上です。
この物語はフィクションです。
実在の人妻達とは何の関係もありません。特に性格とか。
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2008/12/28(日) 01:56:58.99 ID:xJ7bQTQ0
>>11
乙だっぜ!
かなたさん、毎度の事ながらかわいいです。
てかそうじろう自重しろwwwww
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 02:11:28.13 ID:MmR0Lms0
>>11
乙。かなたさんはかわいいなー
ニヤニヤ
さて、そんな空気をぶち壊す柊つかさの地獄巡り5話目行きます。
サブタイトルの後半部分でググっちゃだめ><
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 02:12:06.29 ID:MmR0Lms0
柊つかさの地獄巡り
第5話 わずかな希望の糸、そして食卓のお肉が出来るまで

つかさ「・・・・・。」
私は狭くて暗い檻の中にいる・・・
周りに広がるのは・・無機質な岩・・?と鉄格子・・それから・・果てしなく広がる闇・・・
つかさ「おなか・・・すいた・・・」
私はあれから何も・・水一滴すら飲んでいない・・・
つかさ「あ、そういえば私もう死んでるんだった・・・幽霊なんだった・・・幽霊でもおなかすくんだね・・・あ、あはは・・・」
私は何もない空間に向かって呟く。なんだか空しい。どうせ誰も聞いてはいないというのに・・・
あれから、どれだけの時間がたったかな・・・1日?1週間?あるいはもっと−−−
こういうのは確か・・・放置プレイっていうってこなちゃんが言ってたっけ・・・
でももうどうでもいいや・・さよなら、お姉ちゃん。・・・そういえばお姉ちゃんは最後まで私の味方でいてくれたよね・・こんな駄目な妹でごめんね。
そして・・・ありがとう。
ゆきちゃん。ゆきちゃんはーーーガクガクブルブル・・・黒ゆきちゃんおそるべしだよ・・・怒らせないようにしないと・・・
こなちゃん。・・・・・・・・こなちゃん・・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・・
   「つかさ・・違うんだよ・・・そうじゃなくて・・・」
つかさ「え!?」
私は周りを見渡したけど、誰もいない。けど確かに聞こえた。
地獄に来てから一度も聞いていない・・・邪悪なこなちゃんじゃない、私の親友のこなちゃん、泉こなたの声を。
つかさ「こなちゃん・・・」
   「つかさ・・私だって・・」
こなちゃんの声が直接頭に流れ込んでくるみたいな・・不思議な感覚・・・
   「私だって・・・つかさのそんな姿・・・見たくないんだよ・・・私が見たいのはつかさのあれちょっと電波の調子が悪・・プツッツーツー・・・・」
つかさ「ど、どんだけー><」
そして再び辺りは静寂に包まれてしまいました・・・
それからまたどれだけの時間が経ったかはわかりませんが・・・何の前触れもなく檻の扉は開かれました。
こなた「つかさ。出て。」
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 02:12:32.91 ID:MmR0Lms0
私はこなちゃんに言われるがまま後をついていきました。ついた先は・・・
何なんだろう・・ここ・・・?
そこにあったのはテーブルと椅子。テーブルの上にはお皿に盛られた料理が並んでいました。
その前の舞台には何やらカーテンで仕切られた部分と機械のようなもの。何が始まるんだろう・・・
こなた「ん?つかさどうしたの?食べないの?」
私が警戒して食べずにいると、料理を食べながらこなちゃんがそう言いました。
こなた「食べて体力つけておかないと次からの地獄の苦しみに耐えられないよ〜〜このハンバーグなんておいしいから」
さらっととんでもないこと言っちゃったね。こなちゃん。
私はおそるおそるこなちゃんの指さすハンバーグに口をつけました。
つかさ「あ!本当だ!おいしい!!」
こなた「おいしいでしょ?かがみのお肉ハンバーグ。」
つかさ「!!!???」
私はこなちゃんが何って言ったのか理解できませんでした。え・・・お姉・・ちゃん?
こなた「疑ってるね。つかさ〜それじゃあ、カーテンオープン!」
カーテンが開かれると、そこには、鎖でつながれた傷だらけのお姉ちゃんの姿が。
よく見ると両足がありません。
かがみ「つ・・つかさ・・見な・・・い・・で・・ごめんね・・あんたを・・助けよ・・う・・と・・して・・こう・・」
つかさ「あ・・・あああ・・・」
という事は・・今食べているのは・・・
こなた「かがみんの尊い犠牲が私達の血肉となるのであった。おかわりー」
亡者A(声:くじら)「はいよー。今作るから待っててくださいねー」
亡者B(声:立木)「作りおきして冷凍しておきたいから残りの食材全部使おうか」
亡者A「はい、料理長」
そうして亡者さん達は数人がかりでお姉ちゃんを無理矢理隣にある機械の中に放りこみました。
お姉ちゃんは抵抗しませんでした。もはや抵抗する気力さえ奪われているようでした。
そして、一生忘れることのできない。お姉ちゃんの断末魔を聞きました。
こなた「ごちそうさまーあれ?つかさ?」
私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつからかまた意識を失っているようでした。
あう・・・いつまでこんな事を繰り返すのだろう・・・早く・・楽に・・なりたい・・よ・
意識を失う直前、白いフードの少女の姿がみえました。
顔は見えませんでしたが・・何か・・少し困っているような・・・・
あれは・・・誰なんだろう・・・・・・
To be continued
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 02:20:14.02 ID:bQYVbSA0
>>15
「かがみのお肉ハンバーグ」で戦慄が・・・
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 02:38:18.41 ID:ZG6jnIDO
いち乙
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 08:38:11.07 ID:C9LYBUSO
>>15
かがみのお肉ハンバーグって元ネタ封神演技?

最初にかすかな光が現れたな先を期待してるぜ!
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/28(日) 18:59:32.31 ID:Rp1M5iso
まあ元ネタっていうか、中国じゃ珍しくもない話だよな。
怖い怖い。
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2008/12/28(日) 19:58:53.21 ID:FaY5mASO
−みなみちゃんが開会宣言の練習をしているようです−

みなみ(前回のコンクールでの出番がなかったからか、こんな大役が…頑張らないと)
みなみ「これより、第十二回らき☆すたSSコンクールを開催いたし…」
??「甘いぞ岩崎みなみぃぃぃぃっ!!」
みなみ「ひぇっ…だ、誰…?」
兄沢「天呼ぶ地呼ぶ人ぞ呼ぶ!アニメ店長ここにあり!開催宣言特別指導員、兄沢命斗!」
みなみ「…えっと…」
兄沢「岩崎みなみ!お前の宣言はまるでなっちゃいない!そんなことでは良い作品を呼び込む事など夢また夢!」
みなみ「…ご、ごめんなさい…」
兄沢「そこで見ていろ!俺が開催宣言というものを見せてやる!」
みなみ「…え…あ…はい…」

兄沢「君の心に勇気はあるか!?愛を伝える言葉はあるか!?愛と勇気をその手に乗せて、唸る携帯轟くキーボ!アキバなオタクもブクロな腐女子も、俺もお前も人生コナタ!いざ!らき☆すたSSコンクール!レディィィィ…ゴォォォォォッ!!」

兄沢「…どうだ!?」
みなみ「…あ、あの…わたしにはこんなのは…とても…」
兄沢「当たり前だ!出来る訳がなぁぁぁい!」
みなみ「…ぇー…」
兄沢「今のはあくまでも俺の開催宣言!俺以外には不可能!」
みなみ「じ、じゃあなんでわざわざ…」
兄沢「…岩崎よ、今の俺に何が見える?」
みなみ「…え?…何?…火…いや、炎…」
兄沢「ふ…今見えたものはお前の中にも必ずある…それこそがお前の宣言に足りなかったものだ」
みなみ「…そんな…わたしは、あなたみたいには…」
兄沢「岩崎よ、一つだけ教えよう…赤く激しく燃えるだけが炎ではなぁぁぁぁいっ!!」
みなみ「っ!?…あ…あぁ…」
兄沢「…今のお前になら分かるはずだ…俺に出来るのはここまでだ…さらばだ!お前の宣言を楽しみにしているぞ!」
みなみ「ま、待ってください!」
兄沢「…?」
みなみ「…し…師匠と呼ばせてください…」
兄沢「ふ…俺はただの指導員。師と呼ばれる程のものではない」
みなみ「…そう…ですか…」
兄沢「だがどうしても呼びたければ、そう…店長と呼べ!!」
みなみ「は、はい!店長!」



ゆたか「…ねえ、田村さん」
ひより「ん、何?」
ゆたか「最近、みなみちゃんの側にいると、なんだかその…熱いんだけど…なんでだろう」
ひより「さ、さあ…わたしにはさっぱり…(泉せんぱーい!やっぱあの助っ人間違ってるッスよ!)」


予想以上に長くなった。兄沢喋りすぎ。
ちなみに俺は主催ではありませんので、本当にみなみが宣言をやるかは知りません。
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/28(日) 21:25:31.24 ID:jNX12oSO
開催は1月5日だよね?
間に合うかな
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/28(日) 21:29:49.22 ID:7o1yCkDO
*メゾンらき☆すた*

ゆたか「よいしょっ」

手にしていた大きな鞄を地面に置く

ゆたか「ん〜と、こっちがあれで、これがそっちだから…こっちかな?」

私、小早川ゆたか
親元を離れ初めての一人暮らし、生まれて初めての都会は右も左も同じに見えてめまいがしそうです

ゆたか「あ、あった!あれだ」

【メゾン・らき☆すた】

これからしばらくお世話になる家、メゾン・らき☆すた
いったいどんな生活が待ってるのか不安たくさん、ちょっぴり楽しみな気持ちです

「♪ア〜ンバランスなキスを交わして愛に近付けよ〜♪♪」

ゆたか「Σっ!?」

突然に聞こえてきた大きな歌、ひょっとして…いや、ひょっとしなくてもあそこから聞こえる…

ゆたか「おっお隣さんだったらどうしよう…(ドンっ あ痛」

「あ、すいません、大丈夫でしたか?ついうっかりしていまして…あのお怪我等ないでしょうか?」
ゆたか「あ、はい大丈夫です」
「そうですか?申し訳ございませんでした、あの、私ちょっと先を急いでおりますので…」
ゆたか「あ、どうぞどうぞ」

優しくて綺麗な人…あの人がお隣さんだったら嬉しいな…
なんてことばかり考えて再び荷物を手にして、いざ…

ゆたか「まずは管理人さんに会わなくちゃ」

お姉ちゃん、私、一人暮らし始めます
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/29(月) 01:33:03.88 ID:FviY6oU0
>>18
封神演技は見たことないなー
>>19
中国の田舎ではよくあるよねー
って怖いってwwそういうネタ作っておきながらだけど
>>20
俺もお前も人生コナタ!
↑終わってどうする兄沢ww
そして、
が ん ば れ み な み
>>22
これは・・・まほ○ば?ひ○まり?
続く・・・よな・・・?
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/29(月) 16:06:30.98 ID:8QulmTAo
よくは知らんけどめぞんって書いてあるからそうじゃないの?
25 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 16:58:04.72 ID:pWVKjDQ0
中の人繋がりで「め×ん一刻」かと思ってました。

それはそうと、投下行きます。
26 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 16:59:22.04 ID:pWVKjDQ0
「ねえ、こなちゃん。お母さんいなくて寂しいとか思ったことないの?」
 とある土曜日の帰り道。それは、つかさの唐突な一言から始まった。
「へ?…いやーないかなー。お父さんがあんなだから、賑やかさには事欠かないよ」
「そうなんだ…」
「まーでも、不便だとは思ったことはあるかな。こんな時お母さんがいたらなーって、何回か思ったことあるよ」
 それを聴いたつかさは、うんうんと頷いて、こう言った。
「じゃあさ、こなちゃん。お母さんがいる家庭っての、体験してみない?うちのお母さんで」
 一瞬にして沈黙があたりを支配する。その場にいる誰一人、つかさのその言葉が理解できなかった。
「あ、あの…つかささん、それはいったいどういう…」
 みゆきが恐る恐るつかさに聞く。
「だから、うちのお母さんを貸し出すの。こなちゃんの家に。明日と明後日の連休の間だけ」
「うちの母親はゲームかなんかかっ!?」
 あまりと言えばあまりなつかさの発言に、たまらずにかがみが突っ込む。
「ダメかなあ?」
「ダメに決まってるでしょうが…ってかお母さんが了承するわけ無いでしょうが」
「そうかなあ…」
 まだなにやら食い下がってるつかさを見ながら、こなたはなんともいえない顔をしていた。
「い、泉さん…つかささんはその…泉さんのためを思って…」
 そのこなたに、みゆきがとても自信なさげに話しかける。
「う、うん…それはわたしも分かるんだけど…なんでああいう方向に向かうんだか…恐ろしい子だよ…」
 まあ、明日になれば忘れてるような雑談だ。こなたはそう思っていた。


- お母さんが来た日 -


27 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:01:30.83 ID:pWVKjDQ0
 ピンポーン、と泉家の呼び鈴が音を立てた。
「こなたー、ちょっと出てくれないか?」
「ほいほーい」
 そうじろうに頼まれ、こなたは玄関を開けて外に出た。
「はーい、どちらさまで………え?」
 そこで、こなたの動きがピタリと止まった。
「こんにちは、こなたちゃん。二日間よろしくね」
 そこにいた人物は、かがみとつかさの母親…柊みきだった。
「え?あ、あの…よろしくって…」
「あれ?つかさから聞いてないかしら?今日と明日、私がこなたちゃんのお母さんになるって」
「しょ、少々お待ちください…」
 こなたはみきにそう言うと、ダッシュで自分の部屋に飛び込み、ベッドの上に置きっぱなしの携帯に飛びついて、かがみに電話をかけた。
『…あー、こなた…』
「ちょっと、かがみ!どうなってんの!?みきさんがホントにお母さんになりに来てるんだけど!昨日のアレってマジだったの!?」
『…うん…なんかマジだったみたい…』
「と、止めてくれなかったの?」
『止めたわよ…わたしもまつり姉さんもいのり姉さんも…でも当の本人がなんでかノリノリだったから、どうしようもなかったのよ…』
 携帯の向こうから聞こえる、疲れた溜息。本当にどうしようもなかったということが、それで分かった。
『…こなたのお父さんが、ロリで女好きのオタク親父だとはとても言えなかったしね…』
「…わたしが言うのもなんだけど、えらい言われようだ…ってか、それ言ったら止まったのかな…」
『さあ…とにかく、行っちゃったのはもうどうしようもないから…せめて無事に終わらせて…お願い…』
「あー、うん…努力はするよ…」
 かがみの大きな溜息と共に携帯が切れる。沈黙した携帯を眺めながら、こなたも溜息をつく。
「どーすっかなー」
 とりえずこなたは、玄関に待たせているみきのところに向かった。
28 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:02:23.79 ID:pWVKjDQ0

「…と、いう訳なんだけど」
 玄関に戻ったこなたは、みきをリビングまで連れて行き、とりあえずそうじろうに事情を話した。
「…えーっと、リアルだよなこれ?人妻もののエロゲとかじゃないよな?」
 長い絶句の後、そうじろうはそう呟いた。
「うん、間違いなくリアルだから。お客さんの前でエロゲとか言うのやめようよ」
 そのやり取りを聞いていたみきは、不満そうな顔をした。
「お客さんだなんて…今日と明日は、あなたの母親ですよ?」
「突っ込むのそっちですか…」
 こなたが珍客とも言うべきみきをどう扱おうか迷っていると、みきは立ち上がりこう言った。
「お昼は済みました?」
「あ、はい。さっき済ませましたが…」
 戸惑い気味にそうじろうがそう答えると、みきは少し口を尖らせた。
「そういう他人行儀な口調はやめてくださいな。こなたの母親ということは、あなたの妻なんですから」
 みきがそう言うと、そうじろうは少しの間硬直し、テーブルに突っ伏して頭を抱えた。
「…すまん、かなた…一瞬イイとか思ってしまった…」
 その様子をみていたみきはクスリと笑うと、立ち上がり部屋を出て行こうとした。
「あ、どこに…」
 こなたがそう聞くと、みきは顔だけをこなたの方に向けて答えた。
「とりあえず、お掃除でもしとくから、何かあったら遠慮なく言ってね」
 そう言ってみきはドアを開け、立ち止まって再びこなたの方を向いた。
「そうそう、お掃除の道具はどこかしら?」
「い、一階の階段を下りたところの物置に…」
「わかったわ、ありがとう」
 今度こそ部屋を出て行くみきを、こなたは惚けたように見送った。
「…掃除とかさせてるだけじゃ、お母さんと言うよりメイドさんだよね」
 こなたの頭に、メイド服姿で掃除にいそしむみきの姿が一瞬浮かび、そうじろうの隣で同じように頭を抱えた。
「友達の母親で何想像してるんだよ、わたしはー…」
 親子揃ってしばらく悶絶し…そして、同時に勢いよく顔を上げた。
「掃除って…!」
「掃除だと…!」
 二人は部屋に出しっぱなしの色々アレな物を思い出していた。
『掃除はまずいって!』
 そして、同時に叫んでいた。

29 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:03:07.71 ID:pWVKjDQ0

「みきさんちょっとタンマー!」
 こなたは大声でそう言いながら、勢いよく自分の部屋のドアを開けた。中で散らかった本やらナニやらの整理をしていたらしいみきは、飛び込んできたこなたに微笑んだ。
「お母さんって言って欲しいな」
「…そこはこだわるんだ」
 あくまでも母親として振舞おうとするみきに、こなたは少しだけ覚悟を決めることにした。
「えーと、お…お母さん」
「なに、こなた?」
 口に出したときのあまりの気恥ずかしさに、こなたはまた頭を抱えて悶絶しかかったが、かろうじてこらえる。
「ちょ、ちょっと見られたくないものもあるから、掃除はまた今度にでもと…」
 こなたがそう言うと、みきは手に持っていた箱をこなたに見せた。
「見られたくないものって、これかしら?」
 やたら肌色の多いCGと十八禁のシールが目に眩しい、PCゲームのパッケージ。こなたの顔色が、一気に青ざめる。
「こなたはいくつだったかしら?」
「じゅ、十七です…」
「こういうのは早いと思うし、そもそも女の子のするゲームじゃ無いと思うんだけど?」
「ご、ごもっともで…」
 なんとなくかがみに怒られているような気分になったが、かがみ以上に抗い難い何かをこなたは感じていた。
「それじゃ、これは没収しとくわね」
「マジですか…」
 箱をもって部屋を出て行くみき。それを見送ったこなたは、パソコンのディスクドライブの中を確認した。
「…箱だけ持って行っても没収にはならないんだよ、みきさん」
 少し抜けている辺りがつかさに受け継がれたのか…と、こなたは思った。


 こなたがリビングに戻ると、そうじろうがいた。なにやら真っ白に燃え尽きたような感じで椅子に座り込んでいる。
「お父さんも没収されたんだね…」
「…ロリ趣味丸出しのエロゲーを…」
「…もしかして、このまえ買ったヤツ?」
「…ああ…」
「…それは、没収するほうもされるほうもきっついね…」
 こなたがそうじろうの隣に座り、そして二人同時に大きく溜息をつく。
「…こなた…なんでまたこんなことに…」
「いや、わたしに聞かれても…」
 もう一度二人揃って溜息をついたところで、みきが入ってきた。
「そろそろ、晩御飯のお買いものに行こうと思うんだけど…こなた、手伝ってもらえる?」
「え、あー…う、うん」
 少し躊躇しながらも、こなたは承諾した。
「あなたもどうかしら?」
 みきがそうじろうにも誘いを向けると、そうじろうは慌しそうに席を立った。
「お、俺はちょっと済ませたい仕事があるから…二人で行っておいで」
 こなたの『裏切り者め』という視線を背中に突き刺しながら、そうじろうは自分の部屋へと戻った。

30 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:03:42.29 ID:pWVKjDQ0

「今日の晩御飯はどうするつもりだったの?」
「チキンカレーにしようかと…」
「そう。じゃあ、それにしましょうか」
 家を出てから、いつも利用しているスーパーまでの道のり。交わした会話はたったのそれだけだった。
 あまりの居心地の悪さに、こなたは全力で逃げてしまおうかとも思ったが、この辺りには不慣れだと言うみきを放っておく訳にもいかなかった。そんなことをすれば、明後日の学校でかがみにどれだけ怒られるか分かったものじゃなかったからだ。
 こなたは隣を嬉しそうに…本当に嬉しそうに、家から持参してきたらしい買い物カゴを、ぶらぶらさせながら歩くみきをチラチラと見ながら考えていた。いくら娘の友達とはいえ、どうしてこんなに躊躇なく母親代わりなどできるのだろうか。
 しかも、普通の家ではなく自他共に認めるディープなオタク親子だ。普通なら父親どころか年頃の娘の部屋に、エロゲの箱なんかあった日には思い切り引いて、何かと理由をつけて逃げてしまうだろう。
 それなのに、この人は…と、横目にうかがってるのに気付いたのか、みきがこなたの方を見ていた。こなたは慌てて視線を前に戻す。それを見ていたみきは、クスクスと笑っていた。

 みきが買い物を済ませている間、こなたは何気なく食玩コーナーを覗いていた。
「…あ、これ」
 前に来たときには無かった、集めている食玩が入荷されてるのを見つけた。
 こなたは、手に取ろうとして躊躇した。よく考えたら財布を持って来ていない。諦めてその場を離れようとした時に、後ろから声がかかった。
「こなた、それが欲しいの?」
「え?…あ…」
 こなたがどう答えようか迷っていると、みきはこなたが見ていた食玩の中から適当に一つ抜き出すと、買い物籠の中に放り込んだ。
「い、いいの…?」
 そのままレジに向かおうとするみきにこなたがそう言うと、みきは悪戯っぽく笑った。
「お父さんには、内緒よ?」

 帰り道の間、ずっとこなたは不思議なくすぐったさを感じていた。よく考えたら、食玩の一つや二つ内緒にする必要など何もない。それでも内緒にしようとみきは言った。母との秘密の共有。今までになかった感覚を、こなたは持て余していた。
「こなたは、今幸せ?」
 唐突にみきがそう言った。
「え…あ…た、多分…」
 こなたは返す言葉が見つからずに、曖昧に返した。そのこなたを、みきは嬉しそうに微笑みながら見ていた。

31 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:04:28.68 ID:pWVKjDQ0

 コンコンッと控えめなノックの音がした。
「開いてるよ」
 そうじろうが答えると、みきがドアを開けて入ってきた。
「お疲れ様です。お茶、飲みます?」
「ああ、ありがとう」
 そうじろうはノートパソコンの画面から目を離すと、大きく伸びをした。
「奥さん…なんですよね?」
 お茶を飲みながら休憩しているそうじろうに、みきがそう聞いた。視線の先には、仏壇に飾られたかなたの写真があった。
「…うん」
 そうじろうがうなずく。しばらくの沈黙の後、みきが口を開いた。
「せっかくですし、耳掃除でもします?」
「…は?」

「痛くないですか?」
「あ、ああ…」
 最初は断ろうとしていたそうじろうだったが、膝枕で耳掃除の誘惑には逆らい難く、結局耳掃除をして貰っていた。
「奥さんと比べてどうです?」
「ずいぶんとまた、意地悪な質問を…」
 そうじろうが返事に困っていると、クスクスと押し殺した笑い声が聞こえてきた。
「冗談ですよ」
「まったく…」
 少し不機嫌な声を出したものの、そうじろうは悪い気はしていなかった。
「…かなたに耳掃除をして貰ったのは、一回だけだよ。その時に、足が痛いからもうやらないって言われてそれっきりだ」
 ふと頭を過ぎった思い出を、口に出していた。
「そうだったんですか」
「あいつは人一倍身体が小さかったからな。何をするにしても大変そうにしてたよ」
 それでも、とりあえずは頑張ってみようと小さな身体を精一杯伸ばすかなたを、そうじろうはずっと愛おしいと思っていた。
「…たまに思うんだ。苦労かけ通しで、あいつは本当に幸せだったのか?…て」
 耳掃除の手が止まる。
「あ…す、すまない。変なこと言ったね…」
 そうじろうは慌てて誤った。今日あったばかりの人に言う様な事じゃない。流石に気を悪くしたんじゃないかと、みきの方に顔を向けると…みきは微笑んでいた。
「あなたは、幸せでしたか?」
 唐突にみきがそう聞いて来た。
「…え?」 
 そうじろうは、どう答えていいか分からなかった。
「かなたさんと居て、あなたは幸せでしたか?」
 答えないそうじろうに、みきがもう一度聞いた。そうじろうはしばらく考えた後、口を開いた。
「そんなことは考えたことも無かったな…いや、考えるまでも無いな。かなたと居て、俺が幸せでないはずが無い」
 そうじろうの答えに、みきは満足そうにうなずいた。
「きっと…それが答えですよ」
「…そう…そうか」
「はい」
 そうじろうは、少しだけ満足した気分になった。
「さ、続きをしましょう」
 みきに促されて、そうじろうは体勢を元に戻した。

 その頃のこなたの部屋。
「うぁ〜シークレットだ〜…」
 内緒の約束に阻まれて、父に思い切り自慢できないことに苦悶するこなたがいた。
32 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:05:05.67 ID:pWVKjDQ0


「それじゃ、私はこれで」
 次の日。意外に早く、昼頃にみきは自分の家に帰っていった。その背中を見送った後、こなたは小さな溜息をついた。
「なんだこなた。寂しいのか?」
 茶化すように言うそうじろうに、こなたはムッとして答えた。
「そんなんじゃないよ。ただ…」
「ただ?」
「…お母さんだったんだなって。みきさんはわたしのお母さんじゃないけど、本物のお母さんなんだなって…うー…うまく言えないや…」
 なにやら苦悶してるこなたの背中を、そうじろうは軽く叩いた。
「そう言うのは無理に言葉にしなくていいぞ」
 そう言って、そうじろうは家の中に戻ろうと、玄関のドアを開いた。
「え?…あ、待ってよお父さん。それってどういうこと?」
 そうじろうの後を追って、こなたも玄関のドアをくぐった。

 少しだけ、こなたはお母さんに興味が湧いていた。


 更に次の日。昼休みの教室で半分寝かけながら、こなたはチョココロネを頬張っていた。
「…連休明けの割りに、眠そうねー」
 そのこなたに、かがみが呆れたように言う。
「昨日みきさんが帰った後、思いっきりゲームしてたからねー…」
「一応、お母さんがいた時には自重してたんだ」
「んー、まーねー…おかげで色々溜まって…って…あぁぁぁぁぁぁっ!!」
「な、どうしたの急に…びっくりするじゃない」
「世界史の宿題!すっかり忘れてた!どうしよう!?」
 ワタワタと手を動かして慌てるこなた、眠気は既に吹き飛んでいた。
「いや、どうしようって言われても…」
「かがみー!写させて!たしか、かがみのところも宿題出てたでしょ!?」
「そういうことは覚えてるのかよ…ってか間に合うのか?」
「昼休み全部使えば何とかなるから!お願い!」
「つーか、自業自得だろ…たまには大人しく怒られなさい」
「そんな意地悪言わないで助けてよ!お母さん!」
 ピシッと音を立てて、場の空気が固まった。
「…あ、いや…ちが…その…かがみ…」
 しばらく沈黙が続く。かがみの「誰がお母さんか!」というような突っ込みが来ると思っていたこなたは、拍子抜けしてかがみの方を向いた。
「へー。お母さんかー。ふーん」
 そこには、いままでに見たこと無いほどニヤついた顔をしたかがみがいた。
「…な、なんだよー…」
「いやー思わずってやつ?こなたも結構甘えんぼさんなんだなーって」
「う、うううううるさいなー!そんなんじゃないよ!」
 こなたの顔がみるみる真っ赤になっていく。それを見たかがみの顔が更にニヤついていった。
「はいはい、そういうことにしときましょうねー」
「あーもう!だから違んだってお母さ…じゃなくてかがみ!」
 慌てるほどに墓穴を掘るこなたと、それをからかい続けるかがみ。結局それは昼休みの終りまで続き、こなたは宿題が出来ずに黒井先生に怒られることとなった。


- おわり -
33 :お母さんが来た日 [saga]:2008/12/29(月) 17:07:41.25 ID:pWVKjDQ0
以上です。

書き始めた当初は「レンタルお母さん」というあんまりなタイトルでした。
そして、当初の予定とは違い、あまりドタバタした感じにはなりませんでした。
…これがゆかりさんだったらトンデモないことになってたかもしれませんが。
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/29(月) 18:14:47.81 ID:1BWzfUY0
>>33
乙 みきさん平然としすぎだww
これは面白い。
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/29(月) 22:19:04.01 ID:ytmS7ASO
>>33
乙。
にやにやしちまったぜww
こなたとみきさんとは珍しいな

ゆかりさんだったら普通に不倫しそうで怖いわww
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/29(月) 23:05:28.41 ID:FviY6oU0
>>33

その後先生にもお母さんって言ってしまうこなたが想像できるwwにやにや
それと没収されたエロゲーの行方が気になるな
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/30(火) 06:41:37.26 ID:SwH/D2SO
>>33
つwwかwwさww提案がすげぇ
みきさんも楽しそうにやってるしww
楽しめたぜ><b
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/30(火) 13:04:52.40 ID:.1FrVAAO
こなた「あ、怪獣ツインテールだ」
かがみ「誰が怪獣だこら」
こなた「助けてウルトラマン!!」
かがみ「てめぇ…」
ゆたか「デュワッ!!」
こなた&かがみ「………」
ゆたか「デュ、デュワ…」
こなた「あのね…ゆーちゃん」
かがみ「無理しなくていいのよ?」
ゆたか「シュワッ!!」
こなた「あ、逃げた」
かがみ「見なかったことにしましょう…」


ひより「ウルトラマンが女だったらやっぱりボインボインのダァイナマァイトッ、ボディー!!なんすかね?」
パティ「いや、タイツをきても体系が崩れないように貧乳の方かもシレマセンヨ」
ひより「あー、じゃあ岩崎さんとか…」
みなみ「八裂きと爆死どっちがいい?」
ひより「じょ、冗談だぜぇ…」
みなみ「くらえ、貧乳光線!!」
ひより「ピギャァァァァ!!!!」
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/30(火) 13:43:45.44 ID:YolCNas0
アニキャラ板のつかさスレのカードゲームの画像見たらティンときた
人物設定とあらすじはできたけど、文才がないorz
「時代劇だよ らき☆すた」
こなた おかっ引
かかみ 南町奉行所同心
つかさ 茶屋の看板娘(同心たちの溜まり場)
みゆき 呉服問屋「高翌良屋」の娘(ある縁がきっかけでこなたやつかさと仲良し)
みさお 南町奉行所同心
あやの 南町奉行所同心
ゆたか 南町奉行所同心
みなみ 南町奉行所同心
ひより 新聞読み(かわら版)
パティ 情報屋(こなたに事件に関する情報を提供)
こう  南町奉行所同心
そうじろう 南町奉行所筆頭同心(お頭) (たまに影から町娘を眺めてるww)
かなた そうじろうの妻
ゆい  飛脚 (イメージそのままww)
ただお 茶屋の主人
みき  ただおの妻
まつり&いのり 町娘
みゆき父 高翌良屋主人
ゆかり みゆきの母
黒井先生 悪代官
桜庭先生 「桜庭屋」主人(「高翌良屋のライバル」)
天原先生 町医者
白石  桜庭屋に雇われた用心棒(あっさり切られます)
あきら様…思いつかなかった サーセンww

あらすじ
悪代官と桜庭屋が手を組み、高翌良屋から藩の仕事を奪おうとするが、うまくいかず、最終手段として、高翌良屋の娘を連れ去る。
それを南町奉行所の面々が捕まえにいく。

モデルは私が個人的に好きな八丁堀の七人からです。
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/30(火) 14:04:10.32 ID:CKFdUak0
時代劇とかわかんねー・・・
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/30(火) 14:04:54.54 ID:YolCNas0
小ネタ@
こなた「てぇへんだ〜 茶屋でつかさが輩にからまれてる」
かがみ「つかさが! 急いで行くわ」
こなた「それじゃあ、行きますぜ、かがみの旦那!」
かがみ「ちょっと待て。私は女だ。」
こなた「う〜ん それじゃあ、かがみの姉御!」
かがみ「いや、私たち同い年だから。」

小ネタA
かがみ「これって江戸時代の話よね?」
こなた「そだよ」
かがみ「それだと、江戸時代の日本は鎖国だからパトリシアさんは…」
こなた「かがみん、二次元の世界にリアリティを求めてはダメなんだよ」
パティ「そーデス!二次元ハ何でもアリなのデス!」
かがみ「はぁ…」

小ネタB
黒井先生「桜庭屋、お主も悪よのう」
桜庭先生「いえいえ、お代官様こそ」
二人  「ハーハッハッハ」 (なんでうちら悪役なん?(涙))

連投スマソ それと先生ファンの方々すいません
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/30(火) 15:30:01.29 ID:CjLLMsDO
よし、昔らき☆すたメンバーで時代劇物を投下したが見事にスルーされた俺が執筆を…と思ったけど知識があまりなくて無理ですた

あきら様は城下町に憧れる箱入り姫さま
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2008/12/30(火) 16:49:51.75 ID:REPHu.20
 時代劇か。年末年始っぽくていいね。
 八丁堀の七人はあまり知らないので、別の作品で小ネタ書いてみた。


 遠山のこなたん

こなた「そろそろ白状してヨ。残念だけど、犯行の瞬間は遊び人のこなたんという女性が見ていたんだよ?」
かがみ「そんな遊び人の言うことなんて信じられてもねぇ……なんなら、その遊び人を連れて来たらどう?」
こなた「ふっふっふ。往生際が悪いよ、かがみん」
かがみ「かがみんって言うな!」
こなた「これを見てもそんな態度でいられるかな?」

 おもむろに髪飾りをとるこなた。

かがみ「なっ!!……そ、そのアホ毛は……あの時の!!」
こなた「じゃ〜ん。わたしが遊び人のこなたんでした〜」
かがみ「……」
こなた「という事でかがみん、悪いが諦めてくれたまへ。え〜っと、茶屋の団子を根こそぎ食べた罪で――」

 突然立ち上がり、つかつかとこなたに詰め寄るかがみ。

こなた「ちょ、ちょっと、まだ裁きの最中だよ?ダメだよそっちで大人しくしててくれなきゃ」
かがみ「あー、もう!あんたこんなとこで何ふざけてんのよ!」
こなた「ふぇ?」
かがみ「そこは偉い人が座るところなの!遊び人風情のくせして冗談が過ぎるわよ!」
こなた「い、いや、だからね、わたしがその偉い人で――」
かがみ「ほら!本物のお奉行が来る前に早くどっか逃げなさい!捕まっちゃうわよ?」
こなた「うわっ!引っ張んないでヨ!は、話を聞いて――」
かがみ「よし!もう、この際だし私と一緒に逃げるわよ!」
ひより「!!……許されぬ身分同士の恋……そして駆け落ち……次のネタはこれッス!!」
こなた「ちょ、ひよりん!一部始終を書き留めてないで助けてよ!」

みなみ「……ゆたか、お奉行と一緒にいるの、さっきの罪人みたいだけど……」
ゆたか「あ、本当だ。あの人、お姉ちゃんのお友達だったみたいだね」
こなた「ちょ、ゆーちゃん!みなみちゃん!見てないでかがみをひっ捕らえ―むぐ!」
かがみ「おい!あんたはどっちの味方だっ!門番の注意をひきつけてどーすんのよ!」
みなみ「……人前であんなに密着して……///」
ゆたか「仲がよさそうだね。でも、何か叫んでたような……?」

 後に語られる南町奉行誘拐事件の始まりであった。
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/30(火) 19:46:26.98 ID:ENDxz.SO
欝にならない殺人事件投下します
45 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:47:53.39 ID:ENDxz.SO

 0.初っ端から


 何かの真実を知ったとき、人はどう行動するだろうか。秘密にしておく者、教える者、様々だ。しかし、それが自分の身近の出来事だとしたらどうだろうか。
「私は……」
 柊つかさは悩んでいた。これからどうすれば良いのか。何が最善の策なのか、と。
 ベッドに仰向けで寝ているつかさを見つめるかの様に、天井に映し出される――つかさの妄想だが――友人の顔……それを確認すると起き上がり、いつの間にか流れていた涙を手で拭き取る。
「やらなきゃダメだよね……」
 つかさは床に脱ぎ捨てていたコートを拾い羽織ると、一人、家を出た。





 埼玉市内、とある病院。コツコツ、と歩き慣れた道則を進む女性が一人。女性は一室の病室の前で立ち止まると、名前札を確認してから扉を開けた。
「あ、ノック忘れてもた……」
 名前札には『泉こなた』と書いてあった。
46 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:48:38.68 ID:ENDxz.SO
「なんや、柊おったんかい」
 ベッド付近には髪を両端で縛る少女が一人椅子に腰掛けて居た。
「あ、こんにちは黒井先生」
 柊と呼ばれた少女は、読んでいたと思われる本に栞を挟むと、それを自分の膝の上に置く。
「あぁ、ウチの事ならかまわんでえぇよ。読んでやってるんやろ? それ」
「いえ、人が居るときは流石に恥ずかしいですから」
 そう言って指で頬をポリポリと掻く。
 黒井は近くにあった椅子を柊の近くへ持ってくるとそこに腰掛ける。
「今日は妹の方は?」
「それが何かやることがあるみたいで」
「そうか」
 黒井はそれだけ聞くと、ベッドで寝ている小柄な少女『泉こなた』を見つめた。
 腕には点滴を打つための針、そして口許には酸素を取り入れるためのマスク。どこから見ても重症患者だ。
「泉は何か変わったことは?」
「何も……相変わらずですよこいつは。人がこれだけ心配してるのに呑気に寝ちゃって」
 柊は手を伸ばし、寝ている彼女の頭を撫でる。髪は傷んでおらず、サラサラとしていて柔らかい。それは柊が定期的に手入れしている証拠でもあった。
47 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:50:31.21 ID:ENDxz.SO
「でも、こなたらしいですけどね」
「まぁ、そーやな」
 二人は苦笑をもらす。黒井は席を立ち、ベッドに身を乗り出す様に寝ている少女に話し掛ける。
「なぁ泉、そろそろ起きてもええんとちゃうか? お前が好きなアニメも、もう三話も進んでるんやで? ネトゲもお前が来んからウチ、泉のレベル超えてもーたわ」
 黒井は自慢げに語ってはいるが、声は震えていた。
「はようしないと大変な事になってしもうで? なぁ泉、起きろや……起きんかい我ぇっ!」
「先生!」
 今にも胸倉をつかみ掛かろうとする黒井を間一髪で止める柊。柊もまた、手が震えていた。
「そんなことしても……こなたは起きません」
「……すまん。止めてくれてありがとな」
 そう言って黒井は椅子に座り直す。そして暫く沈黙が続いた。
 開いていた窓から風が入り込み、カーテンを揺らす。その風が黒井の髪に触れたとき、沈黙は破れた。
「なぁ、柊……あの時の事やけど」
 あの時……その言葉を聞いた瞬間、柊は何の事だかすぐに分かった。それ故に握りこぶしを強く締めていた。
48 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:51:29.03 ID:ENDxz.SO
「まだ詳しく話してもらってなかったな……そろそろ教えてくれへんか?」
「……わかりました。こいつには聞かせたくないので場所を変え、」
「はぁっくしょん!」
「…………」
「…………」
「あ、ごめん。気にしないで続き、」
「出来るか!」
「台なしや……」
 ちょ、先輩……そりゃないッスよ〜。
「ドンマイドンマイ! 気を取り直して始めよ〜」
「お前が言うな!」
 あ〜、柊先輩が説教を始めてしまったッス。調度良いや、状況が飲み込めない読者さん達に今のうちに説明しておきます。

 私はその場に居なかったから詳しくは知らないんだけど、事の発端は泉先輩が「映画監督になりたいなっ」と言ったのが始まりみたい。
 なんでも、卒業記念に何かやりたいらしく、泉先輩のこの一言で映画作りが決まったとか。
 そして参加出来る先生や先輩達を集め、シナリオやら機材やらを集め、ただ今本番中なんですが、見ての通りの有様ッス。
49 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:52:23.34 ID:ENDxz.SO



 この作品は殺人事件推理物だそうです。今撮影してるシーンは最初の最初、プロローグ。
 事件に巻き込まれ、寝たきり状態の泉先輩を中心に黒井先生と柊先輩が鬱になりそうな会話を繰り広げつつ、柊先輩が過去の事件を黒井先生に語っていくという大事な場面だったんですけど……。
「くしゃみくらい我慢しなさいよ」
「不可抗力だよ。仕方ないじゃん」
「後十秒もすれば次のシーンへ行けたのに……」
 泉先輩の盛大なくしゃみで見事にNGになってしまったんス。せっかく上手く読めてたのに……。
 そう、あの地の文は私が読んでました。三年生組は全員キャストとして出るので、こういった映像に映らない仕事は私達に任されてるッス。一年生組に。
 何故私達が居るのかというと、今回のこれは卒業記念とありますが、学校の行事等ではなく個人の希望にやりたい人が集まってやってるからなんですよ。
 そして何故、映画なのに地の文を読まなきゃならないのかという当然の疑問に泉先輩は「いやぁ、それが無かったら色々と困るじゃん?」とだけ……。
 説明終わりッスか! 色々ってなんスか、色々って!
 因みに泉先輩は監督でありながら脇役も演じています。本人いわく、私が提案したのに私が出ないなんて失礼じゃん、とのこと。更にシナリオを書いたのも泉先輩なんスよね……一体何が先輩をここまで駆り立てるのかな。
50 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:53:36.00 ID:ENDxz.SO
「ひよりん、ちょっとちょっと」
 泉先輩が私を手招きしてるッス。見たところ、柊先輩の説教が終わってテイク2を撮り始めるみたい。
 それで私が呼ばれる理由は何だろう? 台詞は間違ってはいないと思うけど。
「ひよりん地の文さ、上手く読んでくれてるけどちょっと固いんだよね。もっとこう明るめに、柔らかく……、ほらあるじゃん?」
「どういう事ッスか?」
「う〜ん、あ、あれだ! モノローグっぽく語って欲しいんだよ。なんならひよりんの一人称でも良いし」
「え、そんなんで良いんスか?」
「うん。その台本は参考程度に見てくれれば良いよ。あんまり固すぎると私達っぽくないっていうかね?」
「はぁ、分かりました」
「それと台本には『柊』なんて書いてあるんだけど、出来れば下の名前で読んでほしいなぁ」
「名前ッスか……」
 まぁ、柊先輩は姉妹ッスからねぇ。分かりやすくするためにも……。
「こなた、まだなの?」
 ひい……よし、練習練習。
 かがみ先輩が泉先輩を急かします。あ、ちょっとツンモードに入りかけてるッス。
 うん、こんな感じッスね。
「もう始めるって。じゃあひよりん、そーゆー事なんでよろしく」
 親指を立て、ウインクしながらグッジョブのサインを私に送る泉先輩。
 それにしても一人称かぁ〜、私の思うままに読んで良いって事だよね? 少し気が楽に……いや、これは台本通りに読まない分、難しくなったのでは?
 むむむ、とにかくやってみるッス!
「はい、テイク2よぉ〜い……アクション!」
 自分で放つ合図と同時にベッドに寝転ぶ泉先輩。楽しんでるなぁ〜。
 とゆーか、殺人事件で明るめって何スか……これちゃんと完成するんスかねぇ?
51 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:54:16.19 ID:ENDxz.SO




「まだ詳しく話してもらってなかったな……そろそろ教えてくれへんか?」
「……わかりました。こいつには聞かせたくないので場所を変えて良いですか?」
「あぁ、そやな」
 そういうと二人は病室を出ていきました。
 これから話す内容が内容だけに、かがみ先輩の表情は少しだけ曇ってるのが分かるッス。
 そして病室に残された泉先輩の――って先輩! まだカメラ回ってますよ! 寝てて寝てて!
 いや、そんな可愛く謝罪されても……え? これで通すんスか? まぁ、監督である先輩が良いって言うなら構いませんが……。
 って! この語りも収録されてるじゃないッスか! えーと、えーと……所変わって自販機と長椅子のある廊下! テキトーだな私!

「……コーヒーでえぇか?」
「あ、ココアでお願いします」
 黒井先生がかがみ先輩にジュースを奢ってます。これから長話をするって言ったら喉に潤いは必要不可欠ッスよね。
 でもココアは太るんじゃ、あ、違うんスよ! 台本を参考にしてるだけッス! 睨まないでぇ〜。
52 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2008/12/30(火) 19:54:47.02 ID:ENDxz.SO
「はいよ、熱いから気ぃつけーな」
「ありがとうございます」
 かがみ先輩はココアを両手で受け取ると、それを自分の隣に置きます。黒井先生も自分のコーヒーを自販機から取り出すと、先輩の隣に座りました。
「ほな、話してもらおか。あんまり話したくない様な事があったら無理して話さんでえぇからな」
「いえ、先生には全て知ってもらおうと思いますから。あいつも、黒井先生になら話しても良いと思いますし」
「そっか」
 黒井先生は缶コーヒーの蓋を開け、一口飲みます。
「……あれは三週間前かな」
 あの時の出来事を語り出す先輩は、どこか淋しげな表情になってたッス。

53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/30(火) 19:58:20.19 ID:ENDxz.SO
今回は以上です。
次回はコンクール参加するので更新が遅れます
そして、前殺人事件の作者より遅筆なので普通に更新遅めですが
最後まで付き合ってくれると嬉しいです

欝は……ない、かな?
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/30(火) 20:55:22.51 ID:QAdFNIDO
>>53
や ら れ た !欝じゃないってそういうことかよ!
いやしかし、どんな感じになるかめちゃくちゃ気になるわ……ひよりと中身とのギャップもある意味サイコーかもwwwwww
コンクールもどんな感じになるか楽しみにしてるよ!
55 :以下、2009年まであと65710秒。。。 :2008/12/31(水) 05:44:51.98 ID:USWcz2SO
>>53
ドラマの撮影かそんなやり方もあるのか
いろいろ展開が楽しみだな!
コンクールも頑張れ
56 :以下、2009年まであと44313秒。。。 :2008/12/31(水) 11:41:28.34 ID:zRNWXESO
>>53
乙です。
確かにこれなら欝にならなくて、殺人事件モノが苦手な俺でも読めそう。



…途中で本当に殺人事件が起きたりしませんよね?
57 :以下、2009年まであと41521秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 12:28:00.63 ID:zRNWXESO
−ある意味魔法−

こなた「今年も終わりだね〜」
かがみ「そうね〜」
みゆき「金融不安とか、色々大変でしたね〜」
つかさ「そうだね〜」
こなた「年明けても大変なのは変わらなさそうだよね〜」
かがみ「そうね〜」
みゆき「『年の瀬に 灰被れども 魔女は来ず』ですね〜」
つかさ「そうだね〜」


こなた「…でも、コタツに入ってると、どうでも良くなってくるよね〜」
かがみ「…そうね〜」
みゆき「…ですね〜」
つかさ「…だよね〜」

四人「はぁ〜〜〜〜…」


四人してゆるい顔でコタツに顎乗せしてる図を妄想しながら、年を越そうと思う。
…うちにコタツはありませんが。
58 :以下、2009年まであと29503秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 15:48:18.04 ID:CiT8IZo0
投下いきます。
59 :以下、2009年まであと29463秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 15:49:00.64 ID:CiT8IZo0
柊かがみ法律事務所──かがみと「彼」の無題

 かがみは、破産手続開始通知書を読んで、少しだけ表情を動かした。
 かがみの前には、かがみが顧問弁護士を引き受けているアキバ系中小企業の経営者が座っている。彼の会社が破産したのだ。
 破産申立手続については、かがみが代理人としてすべて執り行なっていた。その結果が裁判所から通知されてきたわけで、別段怪しいところなどありはしない。
 本件の破産管財人の弁護士が、かがみが若かりし頃に三日で振った相手であるというところを除けば……。
 三日で振ったあとも、互いに仕事を融通しあったり、協力して仕事をしたり、ときには法廷で対決することもあったりと、長年何かと係わり合いの多い相手ではあったが、ここまで来ると何か因縁でもあるのか疑いたくなる。

「これから破産手続に入ります。会社の財産の管理権は破産管財人に移ります。破産管財人は、ひらたくいえば裁判所の使い走りみたいなもので、会社の味方ではないので、勘違いしないでくださいね。会社に不利になるようなことがあれば、私が引き続き代理人として破産管財人と交渉等をしますので、何かありましたら御遠慮なく御相談ください」
「分かりました。柊先生には最後の最後までお世話になりっぱなしで本当にすみません」
「いえいえ。これが仕事ですから」



 翌日、さっそく破産管財人がやってきた。
 破産会社の財産状況等に関する書類の引継ぎのためだ。
 破産申立手続の際に用意した書類にその後の経過による修正を加えたものを引き渡し、説明と質疑応答。二人は淡々とそれらをこなしていく。
 その間、事務所内は、仕事以外の一切の会話がない異常な静けさに包まれていた。
 事務所に雇われている事務員・弁護士全員が二人の過去の関係を知っていたが、二人の前でそれを口に出すことはしない。そんなことをしたら、普段は温厚なかがみから背筋が凍りそうになるほどの冷たい視線で睨まれるからだ。

 引継ぎが滞りなく終わったところで、破産管財人の弁護士が初めて仕事以外の話題を口にした。
「いつもそっけないな君は」
「ここは仕事場で、あんたと私は仕事中でしょ」
「相変わらずドライだね」
「あんた、この仕事わざと取ったんじゃないでしょうね?」
「まったくの偶然だよ」
 破産管財人の選任は裁判所の権限であるが、「やらせてくれ」、「やってもいいよ」という弁護士を名簿に予め登録しておいてその中から選び出して打診するというのが実際の運用であった。破産者の顧問弁護士とか、破産者の債権者の顧問弁護士とかいった利害関係者は選任されないことになっている。
 とはいっても、これは東京みたいな弁護士がたくさんいる地域での運用であり、弁護士が少ない地方では破産管財人の選任には苦労してるようだ。
 それはともかく、金にがめつい彼のような弁護士が破産管財人みたいながっぽり儲かるとはいいがたい仕事を引き受けていることは、かがみには意外だった。
 彼にいわせれば、「国選弁護人みたいに赤字確実な仕事に比べればはるかにマシだ。あまり儲かるわけじゃないけど、コンスタントに引き受け続けていれば、そんなに悪い仕事じゃない」ということらしい。ちゃんと実績をあげておけばお国からコンスタントに仕事が回ってくるわけだから、収入源としては悪くはないともいえるのかもしれない。
60 :以下、2009年まであと29413秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 15:49:49.51 ID:CiT8IZo0
「まあ、それはともかくとして、せっかくこうして会えたんだ。これからディナーでもどうかな?」
「あんたの奢りならいいわよ」
 かがみは立ち上がった。時計の針は17時を指していた。
「今日の営業は終了。特に急ぎの仕事がない人は帰っていいから」
 かがみは、雇っている事務員・弁護士にそういい残すと、二人で事務所を出ていった。
 そして、二人の姿が見えなくなったのを確認すると、事務所内ではそれまで静けさが嘘のように会話が始まった。もちろん、話題の中心はあの二人の関係にほかならない。



 夜、二人は、都内の高級ホテルの最上階にあるレストランにいた。
 窓の外の夜景が、綺麗だった。
 かがみは、ワイングラスに口をつけた。たぶん、高級なものなんだろう。口当たりがいい。
「そうしてると、男に貢がせてる性悪女みたいだな」
「あんたが勝手に貢いでるだけでしょうが」
「まあ、そうだけどね」
 傍からみれば、どう見てもデート中の男女だが、かがみは意地でもそれを認めようとはしない。
「あんたさ。本当にこれでいいわけ?」
「いいさ。互いに形式にこだわるような歳でもないだろ? 僕は、振られてから長いこと、君との間では仕事関係以外の会話がほとんどない状態が続いた。それが何とかここまでこきづけられたんだ。僕にとっては充分に満足すべき成果さ。どんな形であれ、君を独占していられる時間をもてるようになったのだからね」

 かがみは、外の夜景に視線を向けた。
 正直にいえば、こうして付き合っている分には悪くない相手だ、彼は。
 それでも、三日で振ったのは、物事に対する考え方というか人生に対する考え方というか、そういう根本的なところが全く合わなかったから。
 人生を共に歩むなんて、結婚なんて、絶対に無理。
 それがあのときの結論だったし、その結論は今でも変わらない。
 でも、彼はそれで構わないという。結婚なんて形式にはこだわらない。交際してるんだかしてないんだか分からないような中途半端な状態のままでも構わないと。
 そんな中途半端な状態に至ってしまったのは、かがみが寂しがり屋のくせに意地っ張りだからにほかならない。
 もう四十代も半ばだというのに、何をしてるのかしら、私は……。
 そんな自己嫌悪に駆られてしまう。
 かがみは、視線を彼に戻した。
61 :以下、2009年まであと29373秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 15:50:28.30 ID:CiT8IZo0
「なんで、私なの? あんたなら、今だって、若い娘から選び放題じゃない」
「君は僕を振った唯一の女性だから」
 彼はそんなことを平然と言い放った。
「馬鹿じゃないの?」
「冗談さ。そんなに怒らないでくれよ。まあ、若さゆえの魅力なんて歳をとれば衰えるもんだ。それに対して、君には歳をとっても変わらない魅力がある。それが僕を魅了してやまないといったところかな」
「……」

 そういってもらえるのは素直に嬉しい。でも、それがよりによってなんでこの男なんだろうという思いは消えない。
 彼は完全に覚悟を決めて開き直っている。
 それに対して、自分は中途半端な気持ちのまんま宙ぶらりん。
 あのときに、三日でこの男を振ったときに、覚悟は固めていたはずなのに……。
 ますます自己嫌悪に陥りそうになり、かがみは思考を無理やり打ち切った。

「今夜はどうすんのよ?」
「ここのホテルの一室を予約してある。無理強いはしないがね」
「いいわよ。このまま帰る気にもなれないし」

 こうして、二人の夜はふけていく。
62 :以下、2009年まであと29268秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 15:52:13.40 ID:CiT8IZo0
以上です。
63 :以下、2009年まであと9505秒。。。 :2008/12/31(水) 21:21:36.28 ID:Vd0jpUE0
>>56
例えば、小道具のナイフが本物とすりかえられていたりとか……
64 :以下、2009年まであと8297秒。。。 :2008/12/31(水) 21:41:44.38 ID:Ztl9XqMo
>>62
しっとり……なのか、雰囲気がいい感じッすね。 乙!
65 :以下、2009年まであと7271秒。。。 :2008/12/31(水) 21:58:50.35 ID:PyMWXi60
>>63
よくあるパターンだよなwwwwwww
66 :以下、2009年まであと664秒。。。 [saga]:2008/12/31(水) 23:48:58.47 ID:WX7mooSO
ゆたか(あと少し、あと少し……)ウトウト
こなた「ゆーちゃーん、無理しちゃダメだよー」

ゆたか「だ、大丈夫だよ……まだ」フラッ
こなた「おっとと、ほら〜」

ゆたか「う〜、お姉ちゃん、何か眠気覚ましみたいの無い?」
こなた「う〜、そ〜だね〜、じゃあ」

ちゅ

ゆたか「!?!?!?」
こなた「あはは〜、どうだいゆーちゃん」

ゆたか(お姉ちゃんにキスされちゃった……!)


※こなたは少し酒入ってます
お酒は二十歳になってから!
67 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 00:01:31.37 ID:8iJ2IEAO
かがみ「明けましておめでとうございます、今年もよろしくね、」
68 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 00:11:55.65 ID:2zX9SISO
あけおめー
今年も長く続きますように
69 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/01(木) 00:13:30.28 ID:RqXeLsgo
>>67
俺に言った!!今かがみんが俺だけに言ったんだぞ!!やっほおおめでとう!!!!!!!!!
70 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 00:16:10.98 ID:GfBjQ2Mo
みんな、あけましておめでとー! 今年もよろしくッス! イェアァァァー!!
71 :コンクール主催者 :2009/01/01(木) 00:20:12.14 ID:imU0FQAO
コンクール挨拶



みなさん。あけましておめでとうございます。
吹雪止まぬ極寒の北海道から、未だに半袖で過ごせる常夏の沖縄まで。
全国……、いえ世界中から人々集まるここ『らき☆すた SS スレ 〜笑えよみなみんアハハのハ〜』へようこそ。
各地のあらゆる気候の下に住まわれるスレ主の方々に対し、ただ一つの季語を当てはめようなど所詮無理な話……っ
ですので、この挨拶で季語は使いません。

株の暴落で氷河期並みの不景気、みなさんどのようにお過ごしでしょうか?
2009年始まったばかり、1月5日午前0時より、第12回コンクールを開催いたします。

……。
えと、お題は「笑い」
スレタイにもあるように、アハハのハな……/// 一年を過ごせる様にという皆さんの思いが詰まっています。
きっと、だからこそ、皆さんがこのお題に投票したのですね。
さあ……、盛り上げましょう……。笑いましょう!

今まで一度も小説を書いたことがない人、ちょっと新しい事をしてみませんか?
小説を読んで感動したい人、コンクール参加作品から優勝者を選ぶのはあなたですよ?

第12回コンクール、よろしくお願いいたします……っ!
フフフフフ……


byみなみ


ゆたか「あ、熱いよみなみちゃん。冷たいのに熱いよ。まるで青い炎みたいだよ」
ふゆき「あまり熱い物質は可視光を通り超すのよ」
ゆたか「あ、ふゆき先生」
ふゆき「例えば紫外線とか、X線やγ線みたいな放射線まで。だから、みなみちゃんには近づかない方がいいのわね。逃げますよ!」
ゆたか「え?え?着いていけないよ……っ><」


第12回コンクールよろしく
72 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/01(木) 00:32:03.51 ID:z6/GLV.0
― 年賀状 ―

つかさ「おねえちゃんねむい…」
かがみ「年明けの巫女の仕事くらいしっかりしなさい。年に一回のことなんだから」
こなた「二人ともあけおめー」
かがみ「お、こなた。おめでとう」
つかさ「こなちゃん。おめでとう」
こなた「つーわけで、ほいこれ」
かがみ「…年賀状…」
つかさ「…こなちゃん、出し忘れたんだね…」
かがみ「あれ、もう一枚?…ってみゆきもか!?ってか本人は!?」
こなた「今ごろは海外かと…その準備で忙しくて出し忘れてたらしく、わたくしめが代筆の上に持っていただかせていただきましたとさ」
かがみ「あのブルジョアめ…ってか日本語おかしいぞ」
みゆき「ちゃんとここにいてます!」
つかさ「あ、ゆきちゃん。あけましておめでとう」
みゆき「はい、おめでとうございます…ってそれより泉さん!なんでそんなことするんですか!?」
かがみ「なにやらかしたんだ?」
こなた「みゆきさんも出し忘れたって言ってたから、奪って逃走してみた」
みゆき「意味ないですよねそれ!?」
つかさ「ゆきちゃん。どうどう、落ち着いて」
こなた「そんなわけで、今年もよろしくお願いします」
かがみ「どんなわけだか知らないけど、よろしく」
つかさ「よろしく〜」
みゆき「…納得いきませんが、よろしくお願いします」

そうじろう「どうでもいいことだけど、『あけおめことよろ』って区切るところ間違えたらえらいことになるな」
こなた「…いたんだお父さん…ってかホントにどうでもいいよソレ…」
73 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 00:40:48.77 ID:2zX9SISO
>>72
みなみ「……どういう意味だろう」


みなみ「ゆたか……あけ、おめことよろ」
ゆたか「あけましておめでとう、みなみちゃん」

みなみ「くぱぁ?」
ゆたか「?」

みなみ「あれ? 違ったかな?」
ゆたか「どうしたの?」
74 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/01(木) 01:04:00.81 ID:z6/GLV.0
>>73
そうじろう「分からないのなら、おじさんが実践でグボァッ!」

つかさ「な、なにがあったの?」
かがみ「いや、なんか突風らしきものが吹いて、飾ってた鏡餅がおじさんの脳天に…」
みゆき「…風で飛ぶような大きさじゃないですよね…あのかがみさ…もとい鏡餅」
かがみ「今、なんて言おうとしたコラ」
つかさ「おじさん、大丈夫かな…」
こなた「激しく自業自得だから平気」

かなた(そう君…!そんなに…そんなに若い子がいいの…!?)
75 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 01:24:41.08 ID:zQyahU.0
>>71
みなみ・・・こ…んっ…!ままだとな…んっ…!かすごいことになりそうだ

…あっ…!ーコンクール参加したいけどまだ一文字たりとも書けてない・・・
76 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/01(木) 01:25:51.46 ID:zQyahU.0
なんか変なフィルターがかかってるww
77 : ◆99/tzfnSzY [sage]:2009/01/01(木) 18:10:28.52 ID:wFfz2vMo
┌────────┐
│━┃┃┃┃┃┃┃│
│┏┛┃┃┃┃━┃│
│━┛━┛━┛━┛│
│.あ┃け┃お┃め┃│
│━┛━┛━┛━┛│
└────────┘
78 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 20:45:17.26 ID:SSb1eBQ0
                         _. - ._             _
                      /. -−- \             l `i   __
                         //      ヽ          } ´ ̄ ´ '´ う
                     |{      /\  ____  j     /
      ( ヽ              '.l.   ___/    ヽ´  ー-=ニ.¨`7     r '
   r──’ `ヽ            .ゞ ' ´         '.       `丶、  /
 (´_ ̄       ヽ         /             |       \  \/
 ‘ー⊂.         \      /  ,    l  |    |、        ヽ‐-,ヽ
      ̄ ̄\     \.     /  /     !  ∧   ||ヽ__|     ∨ `
          \     \  /  /     | / '   ||'´ヽ l      l. ',     オワタ
            \     \l  '    |  ,ィ´′ ∨ ハ. |   Nヽ.   |、 i
              \     \l.    |  /|/     / /       ',   |、ヽ!
                \     ヽ、.  | i       ∨    三三 ハ.  ! \
                  \.   /\ | | xィ彡        ・{ l. ∧ /
                /\ /   }'ヽ! "´       ,、_,   l |∨ ∨
                  / /   /   \     ‘7´  )   .ノ |     l
               {      /    ',\    、__,. ' ,/  |    /
                 \   /      ', ヽ----r ' ´ |   |  ./
                 | ー ´         ',  ',   ヽ    |   |  /

                      ココマ・デマ・トメータ(日本)
79 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/01(木) 21:50:43.93 ID:imU0FQAO
>>78
オ・ツ・DEATH
80 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/02(金) 02:05:19.82 ID:QO2zzpo0
>>78
ありがとさん
81 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/02(金) 17:02:02.34 ID:ytIOJFAo
>>78
新年早々お疲れ様ッス
82 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/02(金) 21:08:49.24 ID:FKGyAwDO
笑いがお題な今回のコンクールですが、シリアス方面で書く予定の方っています?
83 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/02(金) 22:29:25.58 ID:4RC65oAO
>>82
未定だけど、俺が書くと何もかもがシリアスになるという罠(¨;)
84 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/02(金) 23:52:36.68 ID:FK1F8.SO
>>82
書く事は出来ないけどシリアスは思い付くな
85 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 08:02:20.35 ID:Y4KFRADO
二人……結構多いな。みんな普通に来るかなって思ってた。
でもちょっと自信出た、シリアスで書こう
86 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 10:35:42.29 ID:iRbGF0M0
>>85
誰も書くと入ってないぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
87 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/03(土) 10:37:16.06 ID:iRbGF0M0
>>86訂正
×書くと入ってないぞ
○書くとは言ってないぞ

wの増え方が異常だな
88 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 11:01:09.75 ID:Y4KFRADO
>>87
それでも浮かんでる人がいてよかったと思ってます。一人だけってのはどうも…
89 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/03(土) 11:17:48.48 ID:BQ1scw.0
>>88
 シリアスで書き上げて校正中。
 自分だけかと思ってたら、同志がいたか……。
90 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/03(土) 11:22:12.34 ID:IHTUecSO
>>88
ポジティブに考えるんだ!
一人だけシリアスだと印象に残って、票が集まりやすいかもしれないぞ!

…俺のはシリアスではないんですが、変化球っぽいです。
大暴投になってお題から外れてるかもしれませんが…。
91 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/03(土) 13:43:34.38 ID:IHTUecSO
−おみくじ−

こなた「今年はみんなでおみくじひこうよ」
みゆき「いいですね」
つかさ「え、わたしたちも?」
かがみ「…自分ちの神社でおみくじ引くのってどうなんだろ…」
こなた「細かいことは気にしな〜い。あ、もしかして何番が何か知ってるとか?」
かがみ「いや、それはわたしたちはノータッチだから知らないけど…」
こなた「なら問題なし!いくよー」
かがみ「やれやれ…今年もこんなんなのか」
みゆき「そう言いながら、少し嬉しそうですよ?かがみさん」
つかさ「うん、お姉ちゃん顔に出てる」
かがみ「う、うるさい!いちいちそんなところ見なくていい!」


みゆき「あ、大吉です」
かがみ「おーやるじゃない。わたしは…中吉か」
みゆき「堅実なかがみさんらしいですね」
つかさ「わたしは小吉だったよ…」
かがみ「まあ、書いてることは悪くないし、いいんじゃない?」
こなた「………ねえ、かがみ」
かがみ「お、何こなた?まさか大凶だったとか?」
こなた「この、極小吉って…なに?」
みゆき「き、聞いたことありませんね…」
かがみ「…つかさ…」
つかさ「…うん、多分まつりお姉ちゃんだ…」
かがみ「…なにかコソコソしてたかと思ってたら…あんなの仕込んでたのか…ってかそれ引き当てるこなたがすげぇ」
こなた「胸かー!?ここの神さまはオッパイのデカサでおみくじ決めるんかー!?」
かがみ「落ち着け!そんな事大声で言うな!…ってか、あんたじゃあるまいし、そんなので決める神さまなんていないわよ…」
つかさ「こなちゃん、なんだかんだで気にしてるんだね…」
みゆき「みたいですね…」
92 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 14:10:07.43 ID:5dkU8WA0
>>91
ゆたか「あ、おみくじだ、引いてみようよ。みなみちゃん」
みなみ「う、うん・・・」
ゆたか「私は 小吉だったよーみなみちゃんは?」
みなみ「・・・・・・・・・・白紙?」

便乗スマソ
93 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 17:45:58.51 ID:ZUCILPA0
極小吉ってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
白紙はもっとひどいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
94 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 17:53:58.01 ID:7ndBigSO
>>93のおかげでやっと意味が分かったわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
95 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/03(土) 23:52:54.39 ID:2f/RNgSO
>>91-92
まつりお姉様自重wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>92は事故かもしれんが
96 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/01/04(日) 03:12:56.51 ID:ApMJj/M0
第5話 峰岸さんの目的

自分たちの世界(2次元)を元に戻すために再び3次元に舞い戻ったこなた達一行。
そこで2次元の住人・峰岸さんに遭遇する。峰岸さんが語る、驚愕の事実。
それは原作者は既に峰岸さんの手の内にあるということ。
自分たちが3次元に来てしまった理由は、原作者が逃がしてくれたから。というものだった。

「ってことは・・・原作者は私たちを助けるために・・?」

しばらくの沈黙の後、かがみが呟いた。

「原作者は今どこに?」
「さあ。それは教えられないわ。それに教えたところであなたたちにはどうすることもできないわ」

こなたの問いに、峰岸さんはあっさりと答えた。

「どうすることもできない、というのは・・・?」

みゆきさんが聞き返す。
峰岸さんは笑った。

「あなたたちは私にとって邪魔な存在。だから、その邪魔な存在は・・・封印されてもらうわ」

気がつけば先ほど雑誌を奪って逃走していた男たちに囲まれている。

「なっ・・・」
「はぅ・・お姉ちゃん」
涙目でかがみに引っ付くつかさ。
「あんたたちは一体誰なの?」

「この人たちは私のファンよ。私のこの作戦に賛同してくれた」
峰岸さんが答えた。

「悪いなこなたん。おまえは2番目に好きなんだけど、1番はあやのだからwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「俺はあやの一途だしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
囲んでいる男たちが笑いながら言った。


一方、近くの木の影。
こなた達を追ってきたオタク達。

「おいおいおい、これヤヴァくね?」
「そうだな。このままじゃ俺のこなたんが・・・」
「よし、援軍呼ぼうぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
1人が携帯を取り出し、なにやらいじり始めた。
97 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/01/04(日) 03:14:08.02 ID:ApMJj/M0
戻ってこなた達。

「存在を封印するなんて、そんなこと峰岸さんにできるわけ・・・」
「あら、言ったハズでしょう?原作者は既に私のモノ。原作者の力を持ってすれば、そんなこと容易いわ」
当たり前のことを言うようにサラリと言って退ける。
「存在を封印するどころか、存在そのものを消すことだってできるわ」
峰岸さんがニヤリと笑う。

・・・存在が消える。

考えただけで背筋がゾクッとする。

「ジョ、ジョーダンじゃないわよ!そんなこと絶対させない!」
「ふふ、相変わらずね、柊ちゃん。・・・みんな、その4人を捕まえておきなさい」
峰岸さんが言うのと同時に男たちが私たちに向かってきた。

「はわわわわっ〜〜〜」
「こなたっ、どうする!?」
「わ、私!?どうするって言われても・・・」
半ばパニっく状態の私たち。

ていうか、コレ犯罪じゃないの!?
年頃の女の子を捕まえようだなんてっ
って、そんなこと考えてる場合じゃない!
本当にマズイ!!

「待てってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

声がするのと同時に、私たちの前にオタクの人たちが出てきた。
それは私たちのことを追ってきたあのオタクの人たちだ。
しばし固まる峰岸さん陣営。

「流石にこなたん封印されると俺ら困るんだけどwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「だよなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww俺の嫁だしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

「なんだお前ら、邪魔すんのか?」

いつの間にかお互いを睨み合ってるオタクの人たち。
私たちはポカーンとそんな状況をみつめる。

「お前らいい加減気づけよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこなたん達いなくなったららきすた成り立たねーから」
「うるせーな。こいつらがいると俺の嫁が目立たねーんだよ」

(=ω=.;)・・・・。

「こなたっ、こなた」
「ん?」
かがみが小声で話しかけてきた。
「今のうち逃げましょ」
98 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/01/04(日) 03:15:16.95 ID:ApMJj/M0
確かに今、オタクの人たち同士で言い争いをしていて私たちのことなんか気にかけていない。
これは絶好の脱走チャンスである。
私はこくんと頷いて、気づかれないようにこそこそ移動を開始する。
今は夜だ。辺りは暗いので見つかりにくい。
近場の木の影まで逃げて、ほっと胸をなでおろす。
オタクの人たちの言い争いは激化し、アニメイトで見た乱闘騒ぎに勃発しそうな勢いだった。

「これからどうする?」
「どうするって見つかるのは時間の問題だし、」
私が聞くと、かがみが思案顔で呟いた。
しかし、全部言い終わる前に言葉を切った。
峰岸さんの叫ぶ声が聞こえてきたからだ。

「ちょっとあなたたち!いつの間にかあいつらが逃げてるじゃないの!!」

ギクリと反応する私たち。気づくの早いって!

「す、すいません!!」
「すぐ探します!」

あわあわ散らばる峰岸さんの僕たち。
あ、僕じゃなくてファンか・・・。
て、こんなのん気にしてる場合じゃないよね。

「みんな逃げろ〜〜〜〜」
私の一声を合図に、私たち一斉ダッシュ。
見つかったら存在を封印されるんだ。たまったもんじゃないよ〜

無我夢中で、呼吸が苦しくなるほど走った。
やばい、もうそろそろ限界だよ・・・。
走るのを止めて立ち止まって呼吸を整える。

「はぁ、・・はあ・・助かっ、た?」

周りを見渡すと一般の通行人しか見受けられない。
良かった。逃げ切ったみたいだ。

「ふぅ・・・」

安堵してため息を1つ。
はっはっは、私の足に敵う者など・・・
・・・・。
・・・・・・。

って・・・アレ?

もう1回周囲を見渡す。

(=ω=.;)・・・。

みんな、どこ?・・・
99 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/01/04(日) 03:15:40.56 ID:ApMJj/M0
やばい、みんなのこと気にかけずに走ってた・・・
とりあえず携帯、携帯・・・同じ次元にいるし、繋がるよね。
と、携帯を取り出したときに着信が鳴った。グッドタイミングだな〜。

ピッ
「あ、もしもしかが『あんた今どこにいんのよ!?1人でさっさとどっか行っちゃって!!』
通話ボタンを押すな否や突然怒鳴られた。
「え、あーごめんごめん。つい、ね」
『ついってなんだ・・・ついって・・・、まあいいわ。とりあえず合流しましょ』
「おけーぃ、そっちはみんないる?」
『うん、いる。でもあんまりここら辺にいるのは危険だと思うわ』
「私もそー思う・・・じゃあ、駅集合ってことで」
『はいよ。まだあいつらが近場にいるかもしれないから、気をつけなさいよね』
「分かってるよー。そっちもね」
『うん、じゃあ駅で』
ピッ

駅、とは言ったけど・・・
再び周囲を見渡す。
ふぅ・・今日ほどアキバの地理に詳しくて嬉しかった日はないね・・・。
峰岸さんの僕の人たちも私たちを探しているハズ・・・。
早く駅に行ってかがみたちと合流しないと。
ちょっと不安に思いながらも私は駅に向かって歩き出した。
100 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/01/04(日) 03:21:21.73 ID:ApMJj/M0
あけましておめでとうございます。
お久しぶりです。久しぶりすぎて忘れ去られてそうですが・・・
つーかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww大杉wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwなんじゃこりゃーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
こんな時間にすいませんでした。まとめておきます
101 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 08:07:02.36 ID:X85EMZ60
あんた、あやのの事好きなんだろ?だったら新年早々こんなかわいそうな話書いてねえで
ランティスの馬鹿どもに皆が何を求めているのか教えてやれよ!!最後っていったけど
どうも我慢できなかったスマン             P.Sあけおめ
102 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 08:53:48.11 ID:X85EMZ60
すいませんでした。馬鹿どもは言いすぎですし、そんなに皆欲しいと思ってないかもしれません・・・
ですが、これだけは分かります。あんたはあやののことが大好きだろ!!
彼氏持ちだからって関係ねぇ!!人妻だろうが彼氏持ちだろうが可愛けりゃ正義!!
かなたさんはともかくそうじろうでさえ出てんのになんであやのは出ねえんだよ!!?
103 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 09:26:48.48 ID:WTH7vgSO
>>l00
オタ達の抗争吹いたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

てかこれなんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
一文字で22文字でるとかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
高らかに叫ぼうかの暴走紳士の人マダー?
104 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 10:49:56.29 ID:SdBzZESO
>>100
おwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwぼwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwてwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
乙です。結末がどうなるのか楽しみです^^
105 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 12:06:18.95 ID:JM2PM3Y0
なんかもう上手い具合に話が組み立てられない〜…どうするよ…どうするよ俺!
……それでもあれこれ練り上げてみたけど…練りあがった結果がこれだよ!!!
…すみません、サイバーネタです。前半ちょい鬱かも…。覚悟ォ!!!
106 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/04(日) 12:07:05.27 ID:JM2PM3Y0
…ここは、一体どこだろう?
どこかぼんやりした風景、周りは白い光に包まれていて…。
その光は暖かく、でも、どこか哀しげで…。
その中に、見慣れた人物がいました。それは…。

「ゆいお姉ちゃん…ここはどこなの?」
「やぁ、来ちゃったネ…。でもここはゆたかがいるべき場所じゃないんだ」
「どう…いうこと?」
「私ね…死んじゃったんだ…相手のマシンに当て身食らわされてね…情けない話だよ…」
「そ…それじゃあ…」
「ゆたかに……お別れを言いに来たんだよ…」
「待って!待ってよ…お姉ちゃん…」
「ゆたか…こなたやおじさんに…よろしく…」
そう言って、お姉ちゃんは光の中へと消えていきました…。

「お姉ちゃん!?」
私が思わずそう叫んだとき、私は自分の部屋のベッドにいました。
じゃあ、あれは夢……なの?それにしても…嫌な夢見ちゃったなあ…。
そう、これは夢なんだ…と、安心しかけていたその時、誰かが激しくドアを叩く音が聞こえました。

「ゆたかちゃん!ゆたかちゃんはいるかっ!?」
その声の持ち主はどこかで聞いたような男の人の声でした。
えーっと、ガンダムのキャラに似たあの人は…。

「浜田さん!?どうしたんですか!?」
「大変なんだ…キャップが…ゆたかちゃんのお姉さんが…!」
そんな……夢じゃなかったの…?私は不安になりました。
浜田さんの話だと、お姉ちゃんは2日ほど前に関越道で暴走車を発見、これを追跡していたそうなんですが、いきなり暴走車がUターンしたため正面衝突、さらに近くを走っていたタンクローリーに激突して大爆発に巻き込まれたんだそうです…。
ほとんど全身が改造されている私と違ってお姉ちゃんは生身の人間…あれだけの爆発に耐えられるかどうか…。
「…とにかく早く病院へ行かなきゃ!浜田さん、急いで!」
「おうさ!」
私は浜田さんのパトカーに乗って、急いで病院へと向かいました。
107 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/04(日) 12:07:43.65 ID:JM2PM3Y0
「…お姉ちゃん!」
「キャップ!」
「あ…ゆたか、来てくれたんだー」
なんとか病院に辿り着き、病室のドアを開けると、そこにはケロっとした表情のゆいお姉ちゃんがいました。
「え…生きてる…?あれだけの爆発なのに…?」
「いやねぇ、あの時は本当に死ぬかと思ったよ〜…おかげで今はこんな」
そう言ってお姉ちゃんは、右腕につけていた手袋を外しました。するとそこには…。
どこかで見たような…銀色に輝く機械の腕がありました…。

「お、お姉ちゃん…その身体……!」
「いやぁ、まだ右腕の外装がついてないからメカ剥き出しでね〜」
「そうじゃなくって…」
「……処置が遅れてたら危うく死ぬトコだった…あの時私は、全身を炎に焼かれてね…」
「それじゃあ…あの時……」
「あの時はもう、本当にダメかと思った。冗談抜きにあの世へいくんじゃないかって。でも、私はまだ死にたくない。ここで死んだらゆたかにもこなたにも二度と会えなくなっちゃうし…きっとその思いが通じたのかな…」
お姉ちゃんがそう言いながら、機械の右腕を撫でていたその時でした。
「…あの、キャップ…」
「ん?どしたー浜田?」
「……俺は?」
「何が?」
「…『ここで死んだらゆたかにもこなたにも…』ってところに俺の名前が入ってないんですけどー?」
「…あぁ、素で忘れてた☆」
「そんなぁ〜〜〜〜〜〜!!!!!」
こんな話の中でも忘れ去られてる浜田さんには悪いけど、私とゆいお姉ちゃんは大笑い。
でも…何より、お姉ちゃんが生きていてくれたことが今は一番嬉しいです。
108 :サイバー☆ゆーちゃん〜警官王誕生!〜 [saga]:2009/01/04(日) 12:08:45.06 ID:JM2PM3Y0
数日後…。
「なぁるほど、ゆい姉さんもサイボーグにねぇ?」
と、こなたお姉ちゃんが訊いてきました。
それにしても、まさか姉妹揃ってサイボーグになるなんて、思ってもみませんでした…。
「でもさ…ゆい姉さんのことだから、きっとポジティブに頑張って生きていけるよ」
「そうかもしれないけど…ちょっと不安かも…」
「何が不安なの?」
だって…『あの』ゆいお姉ちゃんのことだからきっと……。

その頃、埼玉県内某所
「な、なぁ…そんなに呑んでええんか?」
「いーのいーの、私の復活祭だと思ってジャンジャン呑みねぇ…ヒック」
「おい!今日あんた呑み過ぎやって…」
「……んぁ」
「なあぁぁぁぁぁっ!?全身にミサイルぅ!?」
―ドカァァァァァン

「…あー、そういうこと」
…だって、ゆいお姉ちゃんは酔っ払うと暴走しちゃうんだもん…。ましてや今は火器満載の身体なのに…。
やっぱり、『黒井先生と呑みに行く!』って言い出した段階で止めておくべきだったかなぁ…うぅ…。
「…こなたお姉ちゃん」
「ん?どしたのゆーちゃん?」
「今度もしゆいお姉ちゃんと呑みに行くようなことがあったら、爆発に巻き込まれないように十分気を付けてね…」
「うっ!?」
109 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/04(日) 12:11:26.64 ID:JM2PM3Y0
以上です。
タイトルを入れ忘れるとかホント俺orz
すいません、天原先生に改造されてきますorz

とりあえず、今回のゆい姉さんはロ○コップ的に太腿から銃が出てきたらカッコいいなと思う。
110 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:39:23.44 ID:5epNi6o0
コンクール前の駆け込み投下いきます。

…これでコンクールに集中できる。
111 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:40:14.84 ID:5epNi6o0
 パンッ!と乾いた音が聞こえたのは、かがみが教室のドアを開けるのと同時だった。
「泉さん…あなたがそんな人だとは思いませんでした」
 続いて聞こえたのはみゆきの声。対峙しているこなたに向けた、今までにかがみが聞いたことのない怒りを含んだ声。
「…その言葉、そっくり返すよみゆきさん」
 頬を押さえたこなたが呟くのが聞こえた。さっきの音はみゆきがこなたの頬を叩いた音らしい。
 状況が良くつかめてないかがみは、どうするべきか迷っていた。しかし、こなたが拳を握り締めるのを見て、二人の間に割って入った。
「止めなさい、こなた!」
 こなたは格闘技の経験者だ。まともに喧嘩になれば危ないのはみゆきだ。そう判断し、かがみはこなたを止めることにした。
「どいてよ、かがみ」
「どくわけないでしょ!少し頭冷やしなさい!」
 こなたはかがみを無視し、その横をすり抜けようとした。そのこなたをかがみが抱きしめるように制止する。
「…はなして」
「離さないわよ」
 二人の様子を黙ってみていたみゆきは、短い溜息を一つついた。
「…もういいですよね?わたしは失礼します」
 そう言って、自分の鞄を持ち教室を出て行こうとする。
「み、みゆき…ちょっと待って、事情を…」
「わたしは泉さんを叩いて、少し気が晴れました。後は好きにしてください」
 振り返りもせずに教室を出て行くみゆき。
「逃げるなっ!戻れよっ!」
 それを見たこなたが叫びながら暴れ始めた。
「ちょっ!こなた、暴れないで…!」
 こなたを必死で押さえようとするかがみ。
「…今のゆきちゃん?…え?こなちゃん?お姉ちゃん?な、なにして…え?え?」
 みゆきと入れ替わりにつかさが教室に入ってきた。そして目の前の状況がつかめず、困惑してしまった。
「つかさ!こなた押さえるの手伝って!」
「え?こなちゃんを?ど、どうして?」
「いいから早く!」
 かがみに急かされ、つかさもこなたを押さえにかかる。
「離してよ二人とも!あいつぶん殴ってやるんだ!」
 結局、他のクラスメートが担任を呼んでくるまでの間、こなたは暴れ続けた。


- 二人の喧嘩 -


「…あの…お姉ちゃん、こなちゃん達どうなったの?」
 翌日の朝。朝食の席で、つかさがかがみに恐る恐るそう聞いた。
「とりあえず、停学とかは無いみたい。お説教と反省文の提出で済みそうよ」
 答えながらかがみは、少しあざの残る自分の頬をさすった。暴れるこなたを押さえつけようとして、肘が軽く当たったのだ。
「…でも、こなちゃんとゆきちゃん…今日、来るのかなあ」
「さあ…個人的にはどっちかには休んで欲しいわね…昨日みたいなのは、もう勘弁して欲しいわ」
「そ、そんな…」
「冗談よ…にしても、なんであんな喧嘩になったのかしらね…」
「うん…こなちゃんもゆきちゃんも、あんなのおかしいよ」
「ちゃんと事情を話してくれたら、良いんだけどね」
 かがみは今日これからのことを思い、大きく溜息をついた。

112 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:42:32.33 ID:5epNi6o0

「ねえ、みゆき」
「いやです」
 通学の最中にこなたと会うことなかったかがみとつかさは、既に教室に来ていたみゆきを見つけ、事情を聞こうと話しかけたが、返事は素っ気ないものだった。
「ま、まだ何も言ってないじゃないの…」
「どうせ泉さんと仲直りしろとか、そういうことでしょう?わたしは絶対に嫌です」
「いやそうじゃなくて、まず事情を聞かせてくれないとどうにも…」
「わたしから話す事は何もありません」
 なんでこんなに邪険にされないといけないのか。かがみはなんだか腹が立ってきた。
「…なんだみゆきさん、来てたんだ」
 かがみがみゆきに文句の一つも言おうとした時に、後ろからこなたの声が聞こえた。
「てっきり、わたしに殴り返されるのが怖くて、家でガクブルしてるのかと思ってたよ」
 言いながら自分の席に座る。かがみ達の方には、一瞥すらしなかった。
「泉さんこそ、引き篭もらなくて大丈夫ですか?無理に外に出てると、壊れますよ?」
 みゆきもこなたの方を見向きもせずに言い返す。そのあまりに冷たい空気に、教室の全員が見て見ぬ振りを決め込んだ。
「それじゃ、つかさ…グッドラック」
 みゆきに文句を言おうとしてたかがみでさえ、そそくさと退散を決め込んだ。
「ええ!?お姉ちゃん待って…」
 止めようとした時にはすでにかがみの姿は無く、つかさは仕方なく自分の席に戻った。こなたとみゆきに丁度挟まれる位置にあるつかさの席。かがみが再び来る昼休みまでの間、つかさはコキュートスがごとき生き地獄を味わうことになった。


「…つかさ、生きてる?」
 昼休み。かがみが弁当を持って教室に入ると、つかさは机に突っ伏していた。
「なんとか…」
 つかさが、よろよろと上体を起こす。よく見てみるとつかさだけでなく、こなたとみゆきの間のコキュートスゾーンにいる生徒は全員机に突っ伏していた。
「…ご飯食べにきたんなら、こっちきなよ」
 かがみの後ろからこなたがそう声をかけた。
「あ…うん」
 いつも通りに、こなたの席に他の椅子を引っ付けて弁当を広げる。みゆきの席の方を見てみるが、すでにみゆきはいないようだった。
「みゆきは?」
 かがみはつかさに小声で聞いた。
「お昼休みが始まったら、すぐにお弁当持ってどこか行っちゃったみたい…」
 つかさも小声で答える。その会話を聞いてか聞かずか、こなたは不機嫌そのものの表情でチョココロネを齧っていた。
「ねえ、こなた」
 そのこなたに、かがみが恐る恐る声をかけた。
「なに?」
「昨日の話したら…怒る?」
「怒る」
 バッサリと切り捨てられる。みゆきと同じくこなたも、仲直りどころか事情を話す気すらないようだ。
 結局、そこからは何の話も切り出せず、昼休み中三人は黙ってご飯を食べていた。

113 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:43:36.14 ID:5epNi6o0

 放課後、かがみとつかさは二人だけで帰り道を歩いていた。こなたとみゆきはホームルームが終わると同時に教室を出て行き、かがみが教室に入った時には、唖然としているつかさだけが残っていた。
「このまま、ずるずる悪いほうに行かなきゃいいんだけど…」
「…うん」
 二人がしばらく歩いていると、前の方に見知った小さな身体とアホ毛を見つけた。
「あ、お姉ちゃん。あれ、こなちゃんじゃない?」
「うん、そうみたいね」
「…なんか駅と違うほうに行くみたい」
「あの方向はたしか…つかさ、ちょっと後をつけてみましょう」
「うん」
 こなたに気付かれないように、少し後の方を歩く二人。しばらくつけていると、こなたはとある建物の中に入った。
「やっぱりここか」
「ゲーセン?何しにきたんだろ?」
 納得したようにうなずくかがみに、つかさがそう聞いた。
「うん、ここはこなたがたまによるみたいなんだけど…」
 二人が見てる中、こなたは格ゲーの対戦台に座った。かなり不機嫌そうな憮然とした表情だ。
 しばらくして一人の男性が乱入したが、一分も経たずに敗北していた。あまりの早さに、乱入した男性は信じられないといった感じでしばらくの間呆然としていた。
「…こなちゃん強っ…っていうか怖っ」
「うわ…八つ当たりプレイだ」
「八つ当たり?」
 対戦相手と戦ってるあいだも、負かした後も、こなたの憮然とした表情は全く変わっていなかった。
「ああやって、完全本気モードで相手ぼてくりこかして憂さ晴らししてるみたい…アレ始めると長いのよね。負けないから」
 かがみは溜息混じりにそう言ってから、何か思いついたように手を合わせた。
「そうだ。つかさ、こなたしばらく帰らないみたいだし、こなたの家に行こうか」
「え、こなちゃんち?どうして?」
「うん、ちょっとおじさんにこなたのことで話聞こうかと思って。こなたが家にいない今がチャンスよ…正直、一番頼りたくない人ではあるんだけど」
「お姉ちゃん、それはひどいよ…でも、うん分かった。行こう、お姉ちゃん」
 二人はこなたに気付かれないように、そっと移動を始めた。出口付近でかがみがチラッとこなたの方を見ると、自分たちと同じ稜桜の制服を着た癖毛で少し色の黒い女子生徒がこなたの座る台に乱入しようとしていた。八つ当たりの犠牲になるであろうその生徒に心の中で手を合わせながら、かがみはゲーセンを後にした。


114 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:44:19.67 ID:5epNi6o0

「はーい…っと、あれ?かがみちゃんとつかさちゃん?」
 泉家の呼び鈴を鳴らすと、中からそうじろうが顔を出した。
「こなたならまだ帰ってないよ。用事があるなら、中で待つかい?」
 そう言うそうじろうに、かがみは首を振って答えた。
「いえ、今日はこなたじゃなくておじさんに用があって…」
「俺に?…いやーそれはマズイ。流石に犯罪だと…」
「真面目な話をしに来たんで、余計な事言うと捻じ切りますよ」
「…すいませんでした…どうぞこちらに…」
 一切の冗談を許さないようなかがみに迫力に、そうじろうは完全に畏縮して、そそくさと二人を中に招き入れた。
「…お姉ちゃん。何を捻じ切るつもりだったんだろ?」
 玄関のドアをくぐりながら、つかさはそう呟いた。

「喧嘩?こなたがみゆきちゃんと?」
 かがみから大体の事情を聞いたそうじろうは、信じられないといった顔でそう言った。
「こなたが喧嘩ねえ…うーん…」
「珍しいことなんですか?」
 なにやら腕を組んで唸り始めたそうじろうに、かがみがそう聞いた。
「珍しいな。あいつは人とぶつかりそうになったら、身体ひねってかわすタイプだからな」
「…どんなタイプですか」
 突っ込んではみたものの、かがみはその言葉に少し納得していた。かがみもこなたとはよく衝突しかかるが、その度に茶化されたり誤魔化されたりと、真正面からぶつかり合うことは無かった。
「まあでも、それで納得したよ。昨日帰ってきてからこなたの機嫌がやたら悪かったからなあ」
「家でもですか…」
「ゆーちゃんにまできつく当たってたから、少し心配だったんだが…ありゃ相当自分が許せないんだろうな」
「自分が、ですか…?」
 喧嘩相手のみゆきがと言うならともかく、自分がと言うのはどういうことなのか。かがみは首を傾げた。
「多分、原因は些細なことだったんだと思うよ。そんな小さなことで友達と喧嘩してしまった自分が、本気で許せないんだろうな…話を聞いてると、みゆきちゃんもかなり怒ってるみたいだし、謝っても許してもらえないんじゃないかって、どハマリしてるんじゃないかな」
「…うーん…なんだが、こなたらしくないような…」
 納得のいかないかがみは、先程のそうじろうと同じように腕を組んで唸り始めた。
「あいつは嘘つきなんだよ」
「…嘘つき?」
「いつも言いたいことを言いたい放題にしてるけど、肝心なところでは嘘をつくんだ」
「嘘…あ、そうか…だから必要以上に…」
 何か思いついたのか、かがみは腕を組んだままうんうんとうなずいた。
「俺から言えるのはそれくらいかな…こなたのこと、頼んだよ」
「あ、はい…でも、どうして自分でどうかしようと思わないんです?」
「いやー…俺は意外とこなたに信用されてないからねぇ」
 困った顔でポリポリと頬をかくそうじろう。たっぷりと間を置いてから、かがみはそうじろうに言った。
「いや、それは意外でもなんでもありません」

「で、どうするの、お姉ちゃん?」
 泉家を出て、しばらく歩いたところでつかさがかがみにそう聞いた。
「そうねえ…おじさんの話聞く限りじゃ、正面からいくしかないわね」
「当たって砕けろ?」
「砕けるつもりも砕くつもりも無いわよ…それにしても」
 かがみは泉家の方をチラッと振り向いた。
「…なんか悔しいわね」
 なんだかんだ言っても、こなたの一番の理解者はあの人なんだ。かがみは嫉妬ににた感情を、少しだけ感じていた。


115 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:46:22.11 ID:5epNi6o0

 次の日の放課後、かがみとつかさはホームルームの後、すぐに帰ろうとしたこなたを捕まえて人気の無い廊下の隅に移動した。
「…何?帰りたいんだけど」
 不機嫌そのものの表情でこなたが言う。それに対峙するかがみは、少し表情を和らげて言った。
「こなた、みゆきに謝りに行きましょう?」
 いつもみたいに頭ごなしではなく、優しく諭すように。
「なんでわたしの方から行かなくちゃいけないんだよ」
 こなたの顔がますます不機嫌になる。
「…もう、嘘はいいから」
「え?」
 かがみのその言葉に、こなたは驚いたように目を見開き、落ち着き無く目線を彷徨わせた。
「な、なんだよ…嘘って…」
「もう、自分を必要以上に悪く見せなくていいのよ…ってか最初からそんなことする必要なかったのよ」
「どうしてそんなこと…」
「昨日の朝、みゆきに不必要に喧嘩売ってみたりとか…ゲーセンでわたし達がつけてるの知ってて、あからさまな八つ当たりをしたりとか…家でもゆたかちゃんにきつく当たってたそうじゃない」
「う…あ…そ、それは…」
「必要ないのよ…人にぶつかっちゃったら、ちゃんとあやまればそこ終わるから…ましてやみゆきは友達なんだから…ね?」
 こなたがうつむく。かがみは急き立てる様な事はせずに、ただこなたの言葉を待った。長いような短いような時間の後、かがみはこなたの肩が震えてるのに気がついた。
「…こなた?」
「…う…く…ふ………ふぇぇぇぇぇん…やだぁぁぁぁ…」
 かがみが思わず声をかけるのと同時に、こなたは泣き出した。
「え、えぇ!?ちょ!こなた、何!?どうして!?何が嫌なの!?」
 予想外のこなたの反応に、かがみが動揺する。そのかがみの胸に、こなたがすがり付いてきた。
「謝りになんてやだぁ…だって、だって…みゆきさん怒ってるよぉ…わたし叩かれたんだよ…絶対…絶対許してなんかぁ…」
 自分が間違っていた。かがみはそう思った。てっきりみゆきを悪く見せないように振舞っているのだと思っていたが…こなたは謝るのが怖くて強がっていただけだったのだ。
「だ、大丈夫…だ…って…」
 なんとかこなたを落ち着かせようとして、かがみの動きが止まる。
 潤んだ瞳で上目遣いに自分を見上げるこなた。それを見て、かがみの中になんともいえない感情が湧き上がっていた。
「…つかさ…なんかヤバイ…」
 かがみは思わず傍にいたつかさにそう言った。
「う、うん…わたしもなんだか…」
 つかさも今のこなたになにかを感じたのか、胸のあたりを押さえてなにやら苦しそうにしていた。
「こ、こなた、大丈夫だからね。みゆきだってきっとそんなに怒ってないから」
「…ホントに?…ホントにみゆきさん許してくれる?嘘じゃないよね?」
 上目使いのまま必死にかがみにすがりつくこなた。
「…ダ、ダメ…なにこのこなた…」
 かがみは飛びそうになる意識を必死に繋ぎとめていた。
「…これが…こなちゃんがいつも言ってる萌え…?」
 傍にいるのが耐えられなくなったつかさは、壁に手をついてこちらも必死に呼吸を整えていた。
「わたし…もうどうしようって…このまま、みゆきさんと友達じゃなくなって…かがみ達にも嫌われたらって…怖くて…怖くて…」
 もう辛抱たまらん。自分の胸にすがり付いて肩を震わせるこなたに、かがみは限界を感じていた。
 このまま抱きしめて、床を転げまわろう。そう思ってこなたの背中に腕を回そうとした瞬間に、廊下に声が響いた。
116 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:47:41.03 ID:5epNi6o0
「ごめんなさい!泉さぁぁぁぁぁん!」
 何者かが叫びながら、アメフトのタックルのようにこなたの身体にぶつかり、そのまま廊下を転がって壁にぶつかった。
「…み、みゆき?」
 抱きしめようとした瞬間にこなたをかっさらわれて、自分の身体を抱きしめた状態のまま、かがみは唖然と廊下の隅でこなたを抱きしめるみゆきを見つめた。
「…ゆきちゃん、いたんだ」
 これまた呆気にとられたつかさがつぶやく。
「かがみさんとつかささんが、泉さんを連れて行くのを見かけまして…一昨日の話だと思って、気になって後をつけて…ごめんなさい!泉さん!わたしがあんな事を言ったばかりに!こんなに泉さんが苦しんでるなんてしらなくて!…本当に…本当にごめんなさい!」
「みゆきさん…わたしも…わたしも…ごめん…ごめんなさ…ふぇぇぇぇぇぇぇん…」
 お互いの身体を抱きしめあいながら、謝り続けるこなたとみゆき。
「ゆきちゃん、もしかしてさっきのこなちゃん見て…?」
 なんとか呼吸を整えなおしたつかさが、かかみにそう聞いた。
「うん、爆発しちゃったみたいね…みゆきも謝る機会を逃して、変に意固地になってたってところかしら…」
 いまだに自分の身体を抱きしめた状態のまま、かがみが答える。
「…まあ、一件落着ってとこかしら…」
 友人を押し倒すという痴態が回避された上、喧嘩が収まったのだから一石二鳥と言うものだろう。
「…でも…なんか、ゆきちゃんずるい」
 そう呟くつかさ。それにはかがみも大いに同感だった。


117 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:48:17.89 ID:5epNi6o0

「で、結局喧嘩の原因はなんだったの?」
 二人が納まった後、かがみは改めて事情を聞くことにした。
「えっと…」
「そ、それは…」
 こなたとみゆきが揃って言い難そうに眼を泳がせる。
「お、怒らない?」
「怒らないから、言ってみなさい」
「…えっと…ジャムコロネ…」
「…は?コロネ?」
 こなたの言ってる事が分からずに、かがみは思わず聞き返した。
「う、うん…みゆきさんがね、そういうの見つけたから…」
「泉さんに勧めてみたんです…そうしたら、そんなの邪道だって怒られまして…」
「そこから売り言葉に買い言葉で喧嘩に…」
 そこまで聞いたかがみは、盛大に溜息をついた。
「あ、やっぱ怒った…?」
「いや、怒らないわよ…ってか怒れん。呆れる以外ないわ」
「…ご、ごめん」
「…すいませんでした」
 すっかり畏縮しきってる二人をみて、かがみはもう一度溜息をついた。
「まあ、申し訳なく思ってるんなら、今日はとことん付き合ってもらうわよ」
 そう言うかがみに、こなたとみゆきの顔が明るくなる。
「あ、うん!喜んで!ねえ、みゆきさん!」
「勿論です!かがみさんの気が済むまで付き合いますよ!」
 そんな二人を前に、かがみは満足そうにうなずいた。
「で、どこいくの?どこか買い物?ゲーセン?それともなにか食べに行く?」
「…いや、わたしの家」
「…へ?」
「…かがみさんの?」
「そ、わたしの家…気が済むまで付き合ってもらうわよ。ねえ、つかさ」
 そう振られて、かがみの考えを理解したつかさは、嬉しそうにうなずいた。
「うん!楽しみだね!…あ、じゃあお姉ちゃんこなちゃんとアレを…」
「あーそうね…それならみゆきにアレの方も…」
 なにかヒソヒソと話し始めた柊姉妹を見て、こなたとみゆきは言いようの無い不安を感じていた。
「ねえ、みゆきさん…わたしたち何されるの?」
「さ、さあ…わたしには分かりかねます…」


 その後こなたとみゆきは、如何なることがあっても二度と喧嘩はしないでおこうと、心に堅く誓うこととなった。


- おしまい -
118 :二人の喧嘩 [saga]:2009/01/04(日) 15:49:53.58 ID:5epNi6o0
以上です。

普通に喧嘩ものを書いてるつもりが、途中で指がすべりました。
119 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/04(日) 17:08:46.64 ID:gWMHhfso
思いっきり殴りあってほしかったぜ
120 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/04(日) 17:32:12.74 ID:SdBzZESO
>>118
乙。おい後半w

指が暴走する事ってよくあるよね!
121 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 18:10:21.36 ID:XQU3TbEo
>>100
忘れるわけないだろjk……僕たちをぼくたちって読んで一瞬( ゚д゚)?てなったぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
意外に役に立つオタ軍団wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ってかフィルター自重wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あやののオタ軍団め、影の薄さも含めて愛するのが真のファンだというのに目立てばいいとは浅はかな……
続きも期待だぜ!

>>109
さっき風呂で思いついたネタと若干被っててびびったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
……ゆいをそんな状態にして車運転させたら日本滅ぶだろ
安らかに眠れ黒井先生

>>118
何というくだらん理由……だがやっぱりジャムは邪道だよみゆき。メロン味のメロンパンと同じぐらいに
そうじろうすごいけど扱いひでぇw 
で、だ
指すべりすぎだろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwどういうことだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
シリアスからの神展開にめちゃワロタGJ!
122 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/04(日) 18:40:51.38 ID:brNXFtIo
>>118
勝手にもしこなたがまだ許してなかったら続編wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


「さあ、それじゃあ行きましょうか」
かがみの言葉に一同は歩き出した・・・様に見えたものの

「あ、その前にみゆきさん」
「はい?」

パンッ!!

こなたに呼び止められ振り向いたみゆきだったが、次の瞬間全力でひっぱたかれた。
その勢いで倒れこみメガネが落ちる。

「・・・・一発は一発だからね。 ビンタで済んだだけでもありがたく思ってね」
「・・・・・・・・はい」

「こなたっ! あんた一体何してるのよ! 仲直りしたでしょう!」

突然の事に反応が遅れたかがみだったが慌てて2人の間に割ってはいる。

「今での本当に仲直りだよ」
「殴っといてふざけるんじゃないわよ!」
「か、 かがみさん、いいんです。昨日私が泉さんをぶってしまったのを思えば当然の制裁です」

そう口にするみゆきの表情は悲しさに満ち溢れていた。

「かがみ・・・つかさ・・・昨日は止められた時は友達だと思って武術は使わなかったけど・・・
 ・・・今度余計な事をしたら・・・・・ヨウシャシナイヨ」
「ヒッ! こ、こなちゃん・・・」
「こ、こなた・・・・」
二人にそう語りかけるこなたの目の鋭さに恐怖を覚えずにはいられない双子だった。



もしあの時こなたが本気になったら、男子ならともかくかがみやつかさ程度だったら簡単に
振り解けてたと思うんだ。
123 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 18:40:57.99 ID:SdBzZESO
ななこ「通信表かえすでー、高翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌良みゆき」
みゆき「…………」

ななこ「? 高翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌良〜?」
みゆき「………………」

ななこ「あぁ、すまん。『saga』付けるの忘れてたわ高翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌良」
みゆき「もう笑うしかないですねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
124 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/04(日) 19:17:49.69 ID:XQU3TbEo
>>123
シリアス書いててsaga忘れたら大変なことになるなw
125 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 19:24:54.24 ID:U1HJaJo0
なんといううざさ
126 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/04(日) 23:47:05.47 ID:WTH7vgSO
>>118
合間に入る笑いが違和感なく話に溶け込んでたのがいい
オチも笑えるしな

>>123
高翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌良
ためしにやってみた
ギャグだったらむしろ役に立つなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
127 :コンクール主催者 [saga]:2009/01/05(月) 00:00:04.88 ID:SSyUoZ60
1月5日、午前零時となりました。

これより第十二回コンクールを開催いたします。
お題「笑い」のらき☆すたssを投稿じゃんじゃん投稿してください。

投稿期間は1月19日午前0時までとなっています。
コンクール作品は必ず、この時間までに投稿してください。
投票期間は1月20日午前0〜1月27日午前0時です。

コンクール概要:http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/72.html
コンクール参加規約:http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/673.html

因みに、E-mailに「saga」と書かないと大変な事になりかねないので、特にシリアス系のssを投稿する場合はお気を付けくださいネ。

128 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/05(月) 00:01:42.45 ID:MM58nUo0
 開催宣言お疲れです。
 さっそく、コンクール作品投下いきます。
129 :その笑顔は誰がために [saga]:2009/01/05(月) 00:03:16.74 ID:MM58nUo0
 誰がために笑うのか?
 そう聞かれたならば、成美ゆいは躊躇なくこう答える。
 自分のためさ。





 とある病院の一室。
「やほー、ゆたか。来たよん」
 いつものように笑顔で部屋に入る。
「お姉ちゃん、いらっしゃい」
 ゆたかも笑顔でそれを迎える。
 私が笑顔でここに来るのは、自分がそうしたいから。
 ゆたかが笑顔で迎えてくれるのは、誰のため?
 私のためにそうしてくれるのならば嬉しいし、ゆたか自身のためであるならばそれでもいい。結局のところどちらでもいいのだ。
「今日は調子いいみたいだね」
「うん」

 ゆたかが出産後に病院を移されてから5週間がすぎていた。
 ろくに食事もとれない状態なので、腕には点滴の針が刺さっていた。
 病室はゆったりとした個室で壁は防音仕様。多少騒いだところで、周囲に迷惑になることもない。
 当然かなり値がはるんだけど、そこは私が公僕の給料で何とかしていた。金は使うべきときに使わないと損だ。

 二人でたわいもない話をする。
 結構な時間がたったころに、来客があった。
「お義姉さん、こんにちは」
 ゆたかの旦那さんだ。
 腕には、赤ん坊が──ゆたかの娘が抱かれている。これがまたゆたかに似て可愛い。
「こんちは」
130 :その笑顔は誰がために [saga]:2009/01/05(月) 00:04:28.11 ID:MM58nUo0
「ゆたか、今日は調子がいいみたいだね」
「うん」
 ゆたかが、旦那さんから娘を抱き取った。
「いい子にしてたかな?」
「あう、あう」
 ゆたかも赤ん坊も、笑顔が輝いて見えた。
「さて、私はそろそろ帰るかな」
 椅子から腰をあげる。
「えっ? お姉ちゃん、帰っちゃうの?」
「家族団欒を邪魔するほど、私は野暮じゃないよ」
「別にいいのに」
「私がいると、旦那さんに甘えられないでしょ?」
 私がそう笑いかけると、ゆたかは顔を真っ赤にした。
 そんなゆたかを残して、私は笑いながら病室を後にした。



 そんな日々が続く。
 ゆたかの病室で鉢合わせるのは、旦那さんだけじゃない。母さんや父さんはほぼ毎日のように来ていたし、こなたやそうじろうおじさんもよく来ていた。
 ゆたかの親友みなみちゃんも頻繁に来ては、旦那さんがよく嫉妬しないものだと思うほどの仲のよさを見せ付けてくれた。
 ひよりちゃんやパティちゃんも仕事の合間を見つけては来てくれていた。
 私は、ゆたかのためではなく、自分が会いたいから会いにいく。それは昔から変わらない。
 ゆたかのために会いに来てくれる人もいるだろう。それはそれでいい。人それぞれだ。
 ゆたかは、そのすべてを笑顔で受け入れてくれるから。

 正直、ゆたかが回復する可能性については、客観的に見れば低いというのが現実だった。
 警察官という職業柄、物事を楽観的に予測するということはしない。まあ、それを態度に出すことはしないけどね。
 かといって、必要以上に悲観するわけでもなく、いつもとほぼ変わらぬ日常を過ごしていた。
 もちろん、ゆたかの回復を心から願ってはいる。しかし、それがかなうかどうかなんて分からない。
 どんな願いも、かなうこともあればかなわないこともある。ただそれだけだ。
131 :その笑顔は誰がために [saga]:2009/01/05(月) 00:05:43.54 ID:MM58nUo0



 ある日。
 私は、埼玉県警本部交通部交通規制課の課長席で、どうでもよさそうな書類仕事を片付けていた。
 ヘラヘラ笑いながらノリだけで生きてる私を課長にするなんて、埼玉県警大丈夫?って思っちゃうけどね。
 正直向いているとは思わない。現場の方が性に合う。交通畑一筋の経験の中でも、高速道路交通警察隊時代が一番楽しかった。「制服を着た暴走族」なんて異名をいただいちゃったりしてね。
 まあ、部下がそれなりにできた人たちだから、こんな私でも何とかやっていけてる。

 たいして中身も読まずにポンポンとハンコを押していたところに、電話が入った。
 父さんから、ゆたかの容態が急変したとの連絡だった。
「うん。今から行くよ」
 電話を切ると、私は公務用の携帯電話を充電器から取り外してポケットにねじ込んだ。充電器も忘れずにカバンに詰め込む。警察官として奉職して以来、これだけは忘れたことがない。
 部下に言い残す。
「妹の容態が悪化したから、ちょっと抜けるよ。そのまま忌引になるかもしれない。休暇処理はあとでするから」
「了解です」
 その声を背中に受けつつ、私は足早に職場を去った。

 ありとあらゆる交通法規を遵守しつつ病院まで突っ走り、慌てず走らず急いで病室に入ったときには、すべては終わっていた。
 父さんと母さんと旦那さんとゆたかの娘、そして、私の娘(親のところに預けてある)。それが、ゆたかの死を見取った人たちだった。
 父さんも母さんも旦那さんもぐだぐたに泣きぬれてた。
「お母さん、おばさんが……」
 私は、黙って娘の頭に手を置いた。
 そして、ゆっくりとベッドに近づく。
 ゆたかの死に顔は、笑顔だった。
 その笑顔が誰のためであったとしても、残された者たちにとっては、いくばくかの救いであることは確かだろう。
「母さん、ゆたかは最期になんて言ってた?」
 泣き濡れつつも、母さんは答えた。
「幸せだったよ、って……」
「かなたおばさんと同じか……」
132 :その笑顔は誰がために [saga]:2009/01/05(月) 00:06:35.07 ID:MM58nUo0

 あの人も天使みたいな人だったけど。

 そのあと、私は精力的に動いた。
 旦那さんも両親も、ずっと泣きっぱなしでまともに動けるような状態ではなかったから。
 なすべきことがある間は、なすべきことをなしている間は、泣かずにすむから。
 ゆたかの葬式が終わるまでは、完全にお別れになるそのときまでは、笑っていたい──そう望む自分自身のために。
 職場に連絡し一週間は出れないと告げ、きよたかさんにも連絡をとる。親戚・知人にも一通り連絡する。
 そして、死亡届とかのもろもろの手続をしつつ、通夜・葬式の手配をした。
 具体的な段取りは葬儀屋さん任せにした。それが一番楽でいい。



 通夜の日。
 通夜までにはまだ時間があったから、外の空気を吸いに葬儀場から出ると、雪が降っていた。埼玉県じゃ、今時期にこれだけの降雪量は珍しい。
 それを見て、ふいに思い出した。
「なんてこった。今日はゆたかの誕生日じゃないか」
 小さいころは、自分の誕生日に雪が降ったら、ゆたかは笑顔ではしゃいでいたものだ。

 通夜は滞りなく行なわれた。
 お坊さんがお経をあげて説話をすれば、あとは夜を明かすだけだ。
 黙っている人は黙っていて、泣いてる人は泣いていて、騒がしい人は騒がしい。私がどれかなんていわずもがなだよね。
 語って笑って夜を明かす気満々だった私だけど、ポケットの中で何かが震動したのに顔をしかめた。
 震動しているのは、公務用携帯電話。
 この二日間だけは着信があってほしくなかった──その願いはかなわなかった。

 フロアに出て、通話する。
「もしもし」
『こんなときにすみません』
 部下からだった。
133 :その笑顔は誰がために [saga]:2009/01/05(月) 00:07:28.50 ID:MM58nUo0
「いいよ。何かあったかい?」
『そちらにテレビありますか?』
 フロアの一角にテレビがあった。
「あるよ」
『NHKをつけてください』
 テレビをつけると、そこに映し出されたのは交通事故の現場だった。
 テロップには「埼玉県の国道で100台以上の多重衝突事故」とあった。
 どんな事故も、時を選んで起きてはくれない。
『県警本部に対策本部の設置が決定されました。交通部と各警察署交通課の全職員に取得済休暇の取消しと非常招集命令がかかってます、成美課長を除いて。部長は、判断を任せると言ってますが』
「部長も随分と温情家だね」
『いかがなさいますか?』
 天は私に泣ける時間を与えてくれる気は当面ないようだ。
 それならそれでもいい。そんな時間は、あとでいくらでもあるだろう。
「私も行くよ。部長も各課長も悪い人たちじゃないけどさ。キャリア組のボンボンじゃ、修羅場の統制なんて無理でしょ」
『迎えの車をやります』
「いや、いいよ。覆面パトカー用の赤色回転灯があるからね。自分の車でサイレン鳴らして突っ走ってくさ」
『勝手に持ち出したんですね? 駄目じゃないですか。バレたら、処分ものですよ』
「固いことはいいっこなしだよ。今はそれどころじゃないでしょ?」
 勝手に持ち出したことは事実だけど、私用に使ったことは一度もない。緊急時の参集は公務のうちだ。バレても何とか言い訳はつくさ。
 部下の溜息が聞こえた。
『今のは聞かなかったことにしますので、早く来てください』
「物分りがよくて助かるよ。それでこそ、私の部下だ」
『上司の薫陶が行き届いておりますので。でも、内部監査のときまでには戻しといてくださいよ。あいつら、細かいことにいちいちうるさいですからね』
「了解」

 電話を切り、会場に戻った。
 きよたかさんを見つけて、話をする。
「ごめん。仕事が入っちゃったから抜けるよ」
「分かった。みんなには話しておくから」
 きよたかさんとは、それだけで通じる仲だった。
134 :その笑顔は誰がために [saga]:2009/01/05(月) 00:08:17.64 ID:MM58nUo0
 私が喪服ではなくあえて警察の制服を着てこの場に臨んでいることの意味を、きよたかさんはよく理解してくれていた。

 祭壇の前までいく。
 みんなと一緒にお別れはできないから、今ここでしなければならない。
 いつも変わらぬ笑顔を、ゆたかの棺と遺影に向ける。
「ごめんよ、ゆたか。お姉さんだけ先にお別れだ」
 ゆたかはどう思っているだろうか。笑って許してくれるか、それとも、むくれてるか。
 どちらであっても、結局のところ、私のなすべきことに変わりはない。

 さようなら、ゆたか

 声に出さずにそう告げて、私は背を向けた。
 二度と振り向くことなく、その場を足早に去った。





 遺影の中のゆたかは、その後姿を天使のような笑顔で見つめていた。
 その笑顔は誰がために?
135 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/05(月) 00:09:48.80 ID:MM58nUo0
以上です。

このお題とゆい姉さんで、あえてシリアスを目指してみました。
136 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 02:55:58.84 ID:t5mYkuw0
>>135
う〜ん素晴らしい。ゆい姉さんが泣かないのもゆたかが笑っていられるのも切なくて感動した。
137 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 07:02:58.20 ID:9Z1olQAO
>>135

「その笑顔は誰がために?」の締めで、思わず溜め息が漏れたよ。
たんたんとした雰囲気がこのSSの特徴だろうね。
乙でした。
138 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 10:41:14.69 ID:eRn0MkAO
>>135
二人の在り方と言うか、それがいいね。お互い笑顔で受け入れてる
締めもきれいで感動した。GJ!

蛇足だが、最後の誰がために? は「?」ない方がよかったかもしれない。個人的にだけど
139 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 15:06:07.52 ID:JPmpbAA0
らき☆すたのみんなに属性があるとしたら・・・・

こなた  光属性(母親譲り)
かがみ  炎属性
つかさ  木属性
みゆき  水属性
ゆたか  木属性
みなみ  風属性
ひより  土属性
パティ  雷属性
みさお  炎属性
あやの  土属性
こう   雷属性
やまと  氷属性
ななこ  雷属性
ゆい   風属性
ふゆき  氷属性
ひかる  雷属性
そうじろう闇属性
かなた  光属性
ゆかり  水属性
ただお  木属性
みき   炎属性
いのり  風属性
まつり  炎属性
みなみ母 風属性
きよたか 雷属性
ひなた  光属性
ひかげ  闇属性
兄沢命斗 炎属性
あきら様 光/闇属性
白石   無属性
にゃもー 全属性
140 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 15:36:49.80 ID:9Z1olQAO
>>139

木と土属性がいまいちイメージできなかったけど、おおよそニヤニヤ出来た。
てか、そうじろうの闇属性に不覚にも吹いたw
141 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/05(月) 21:12:39.90 ID:FMxuAUY0
>>135です。

>>136 >>137 >>138
 ご感想ありがとうございます。

>「その笑顔は誰がために?」の締めで、思わず溜め息が漏れたよ。
 締めはだいぶ悩んだので、評価していただけるのは嬉しいです。
 締めの文が決まってから、全体の主題が決まったような感じです。

>たんたんとした雰囲気がこのSSの特徴だろうね。
 たんたんとしているのは、主要部がゆい姉さんの語りだから。
 あえてたんたんと語らないと途中のどこかで泣き出してたと思う。

>「?」ない方がよかったかもしれない。個人的にだけど
 そうですかね。
 タイトルは「?」なし、文章の締めは「?」あり、がしっくり来たのでそうしたんですが。
142 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 22:45:24.75 ID:9Z1olQAO
>>141
個人的には「?」があって良かったと思う。
?効果で私に答えを出すよう、強要されているように感じたよ。
143 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/05(月) 22:46:59.28 ID:eRn0MkAO
>>141
改めて読ませていただいて、なるほどと思いました
その一文にとらわれていたようです。たしかに流れを汲み、締めに持ってくるなら「?」がある方が合いますね


まだまだだなぁ(´・ω・)
144 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 00:20:40.64 ID:Nqy0EmA0
ちょいと失礼
高翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌良さんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
145 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 10:02:43.61 ID:fmx8bEAO
>>144

これで高翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌翌良みゆきと泉こなたの、いわゆるこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいが書けなくなった訳だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
146 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/06(火) 12:12:04.26 ID:oQAUNMSO
−元凶−

こなた「ねえ、お父さん」
そうじろう「ん、なんだ?」
こなた「今日、学校でかがみに『お前の家のおせちはおかしい』みたいな事言われたんだけど…」
そうじろう「あー、どうだろうなあ…俺も今のスタイルは人に教わったものだからなあ」
こなた「ふーん、そうだったんだ」


かなた(あれ?おかしいなあ…私、なにか間違ってたのかしら…)
147 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 12:19:41.70 ID:05XbAASO
普通の作品は書くのがめちゃ遅いのに、コンクールは締切があるから早く書けてしまう不思議
148 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/06(火) 12:52:07.21 ID:Iku.kwDO
シリアスは諦めることにした。我ながら、これは重すぎるうえにストーリーがヤヴァイ……
149 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 14:28:25.80 ID:0iuNfrI0
俺は未だにまったくネタが浮かばない\(^o^)/
また参加は見送りになりそうな気配だ・・・
150 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [saga]:2009/01/06(火) 19:06:53.26 ID:3Fg.4Cc0
コンクール作品を投下させていただきますね。
軽く鬱っぽい感じを含むので注意をプリーズ。
151 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:07:59.52 ID:3Fg.4Cc0
 夢を見た――



 それは、とても嫌な夢だった。

 夢の中の私は、小さなガラス窓以外何も無い真っ白な部屋の中に居た。
 窓から外の様子を窺うと、そこには通学スタイルの友人達の姿があった。
 友人達は楽しそうにおしゃべりをし、ふざけあい、笑っていた。
 私はその輪に加わりたくて部屋の中から声を掛ける。
 しかし、私の声がみんなに届かないのか、こちらに気が付いてもらえない。
 ふいに誰かの声が聞こえた。

『お前がいなくても、みんなああして笑っていられるんだ。お前はいなくてもいいんだ』

 夢の中の私は、その声のせいで次第に不安になっていく。
 その声が伝えてきたとおりに自分は不要な存在なのではないか、と考え始めてしまったからだ。
 不安を振り払うように窓を叩き、大声でみんなに呼びかける。
 一刻も早く気付いてもらいたい。
 一刻も早く窓の向こうのみんなと話がしたい。
 一刻も早く自分の存在を誰かに認めてもらいたい。
 必死になってみんなの名前を呼ぶのだが、誰もこちらを見ることさえしない。
 誰かの声がまた聞こえた。

『お前がいないからこそ、みんなああして笑っているんだ。お前はむしろいらないんだ』

 私の頬をいくつもの涙がつたい落ちる。
 違う。
 私はいらない子なんかじゃない。
 みんなの隣に私の居場所はちゃんとあるはずなんだ。
 私は拳がボロボロになるまで窓を叩き、喉が痛くなるまで叫んだ。
 しかし、いくら泣き叫んでも誰1人として私に気が付くことは無かった。
 夢の中の私は、疲れ果てて床に座り込んでしまう。
152 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:09:06.68 ID:3Fg.4Cc0

 これだけ叫んで少しも気がつかれないなんておかしい。
 ああ、そうか。
 もしかしたら、みんなは敢えて私に気が付かないフリをしているのかもしれない。
 私がいらない子だから。
 私が居ない方がみんな笑っていられるから。

 ガラス1枚を隔てた空間で、友人達は笑い続け、私は泣き続けた。

 それは、本当に嫌な夢だった。

 何故こんな夢を見るのか、その原因に心当たりは……ある。
 おそらくは、昨日の出来事が原因なのだろう。
 私を含めたいつもの4人組が大恥をかいてしまった昨日のあの出来事。
 あれが精神的に私を追い詰めているのだろう。
 確かに私にも悪いところはあった。
 しかし、私はあの結果を望んでいた訳では無いし……そもそも発端は私では無かった。

 そう、発端はアイツだ。
 本をただせばアイツが悪い。

 そうだ、アイツが悪いんだ!
 私よりアイツの方が悪いんだ!
 なのに何故、私がこんな夢まで見て苦しまなければならないのだろうか。
 本当にいらないのは私ではなくアイツの方だというのに……

 ……みんなは気が付いていないんだろうな。
 アイツがいらないってことに。

 だとしたら、私がみんなに気がつかせてあげなければならない。
 いや、そんな必要はないか。
 わざわざそんな手間をかける必要はない。
 みんなの貴重な時間をアイツの為に割く必要などない。
 もっとシンプルにいこう。
153 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:10:04.91 ID:3Fg.4Cc0

 そう、いらないモノは消しちゃえばいいんだ。
 
 そうだ、消すだけでいいんだ。
 なんて簡単なことなんだろう。
 さっきまでモヤモヤしていた目の前の霧が晴れた。
 難解な方程式が解けた時のように清々しい気分だ。

 なんだか嬉しくなった私は、すぐに行動に移った。
 善はいそげ、というヤツだ。
 そして、全てを淡々とこなした。

 結論から言うと、私の考えたとおりそれはとても簡単なことだった。
 アイツはあっさりと消えた。
 悲鳴をあげることも無く崖から落ちて、消えてなくなった。
 文字通り、海の藻屑と成り果てた。

 あまりに簡単で、あっけなくて、私は思わず笑った。
 自然と笑いがこみ上げてきた。
 目に涙が溜まるまで笑った後、私はアイツが消えた海に向かって最後の挨拶をした。

 さよなら、こなた。
 私の友達だった人。
 どうか恨まないでね。
 悪いのはアンタの方なんだから。
 いらないのはアンタの方だったんだから。

 そして私は何事も無かったかのように日常に戻った。

 まあ、当然と言えば当然なのだけれども。
 私にとって、アイツの事は何でも無い事なのだから。
 何事も無かったと言えるの程度の事なのだから。




 ――というかがみ視点の夢を。
154 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:10:46.79 ID:3Fg.4Cc0
「――という訳で、哀れにも私はそこのツンデレによって命を絶たれてしまったのだよ」
「……かがみさん、いくら昨日あのような目にあったからとはいえ……殺人は……」
「……お姉ちゃん、こなちゃんを崖から突き落としちゃうなんてダメだよ……」
「いやいやいやいや、コイツの夢の中の話だから。突き落としてなんかないから。こなたならあんたらの目の前でにやにやしてるから」
「そ、そうですね。すみません、泉さんの鬼気迫る話しぶりに少しばかり感情移入し過ぎてしまいました」
「えへへ、お姉ちゃんごめんね。早とちりしちゃった」

 かがみはやれやれといった感じで2人に微笑むと、私の方を軽く睨む。

「それにしても人を壊れた思考の殺人犯にするなんて、夢まで失礼なヤツだな。あと、ツンデレはやめろ」
「いやー。私なりに昨日の一件を引きずってるというか、昨日の騒動の元凶として反省しているからこんな夢を見た訳でして……」
「昨日の事なら本当に気にしてないわよ。その……私も悪かったんだし。だいたい、あんたが騒動の元凶なのはいつもの事だしね」
「ひどっ!?悪夢を見るくらい気に病んで反省したというのに、そんな扱いで終了ですかッ!?」
「はいはい。あんたが心底反省したってのはよくわかったから、ほら、めんどくさいこと言ってないでさっさと帰るわよ」
「『めんどくさい』デストッ!?ちょ、待ってよかがみ、話はまだ終わってないヨ!?」

 少し呆れたように笑いながら、かがみは鞄を掴んで立ち上がる。
 颯爽と教室から出て行くかがみを私は慌てて追いかける。 
 そして、ワンテンポ遅れてつかさとみゆきさんが私達を追いかけるように教室を出る。
 いつもの放課後。
 いつもの私たち。

 本当によかった。
 みんなが、かがみが私の事を許してくれて。

 正直、私は昨日の一件のせいで友達の縁を切られることも覚悟していた。
 残りの高校生活を1人で過ごす覚悟までしていた。
 でも、みんなは今朝もいつものように挨拶してくれた。
 かがみは『昨日あれだけ謝ってくれたんだから、もう気にしなくていい。私も悪かったし』と言って許してくれた。
 自分が一番の被害者だったというのに、簡単に許してくれた。
 昼休みもいつものように一緒に過ごしたし、放課後もこうしてクラスまで来てくれた。
 そして、私が見た少々失礼な悪夢も笑い話として消化してくれた。

 本当にかがみと、みんなと友達でよかった。
 思わず笑みがこぼれる。
155 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:11:59.63 ID:3Fg.4Cc0

「――でさ、みゆきさんが地道な捜査で真相を掴む探偵役でさ、最後は崖の上でかがみと対峙するって展開になると思うんだ」
「火サスかよ!っつーか、私が犯人役っていうキャスティングは何とかならんのか」
「まあまあ。落ち着きたまへ、かがみんや。それを言ったら私なんか被害者役だよ?自分の夢なのにさー」
「知らねーよ」
「そんでさ、つかさは間違った推理で捜査を進めていく警察官役とかがハマリ役だと思うんだけど、どうかな?」
「どんだけー」
「うふふ。泉さん、お恥ずかしながら私もこの4人のキャスティングを考えてみたのですが――」

 だらだらとくだらない話をしながらのいつもの帰り道。
 後半、母親の影響でサスペンスドラマを目にする事が多いというみゆきさんが珍しく積極的に会話に参加してきた。
 そして今は、意に反して再び犯人役を指名されてしまったかがみと熱く議論を戦わせている。
 めったにない光景だ。
 見ているだけで楽しい。

「だからなんで私が犯人役なのよ?だいたい犯人ってのは――」
「いえ、そういうのは古いパターンでして、最近の犯人は――」

 つかさとならんで歩きながら2人の様子を観察する。
 ふと、今日はやけに口数の少なかったつかさが声を掛けてきた。

「ねえ、こなちゃん。私、警察官以外にやりたい役があるんだ」
「おー、つかさもノってきたね。で、何の役がやりたいの?」
「えっとね、真犯人の役」
「ええっ!?真犯人!?」
「わっ!?……こ、こなちゃん、急に大声ださないでよ〜」
「ご、ごめん。予想外な答えだったからびっくりしちゃって……でも、なんでその役を?確かに意外性ならあるけどさ」
「えっとね、私は真犯人の役が自分に一番ふさわしいと思うんだ」
「んー、そうかなぁ?みゆきさんも言ってたけど、どこか憎めない感じの警察官の役回りってつかさにぴったりじゃん」

 つかさは突然足を止める。

「お姉ちゃんに犯人役は似合わないというか……犯人役をしてほしくないの。お姉ちゃんには汚れてほしくないから……」
「ああ〜、なるほど。つまりそれは、汚れ役を自分が代わりに引き受けるという、よくある麗しき姉妹愛ってパターンですナ?」

 茶化すようにそう言いながら振り返ると、つかさは今までに見たことの無い表情で笑っていた。
156 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:12:53.65 ID:3Fg.4Cc0

「えっとね、私には、崖から落とされたけど助かっちゃうような被害者役にトドメをさす役が似合ってるの」
「つ、つかさ?」

 屈託の無い、それでいてとても冷たい笑顔。

「ねえ、こなちゃん。お姉ちゃんは昨日のことを許したみたいだけどさ……」
「う、うん」

 私は笑うしかなかった。
 笑って、これがすべて冗談だという雰囲気にしたかったのかもしれない。

「私は許さない……私のお姉ちゃんに恥をかかせたこと、私のお姉ちゃんの心を傷つけたこと……私は絶対に許さないよ?」
「あ、あはは。へ、変な冗談はやめてよね、つかさ」

 つかさの目に宿った光は、冗談を言う時のソレではない。
 そこには、どんな希望も可能性も見出せない。
 どうやら、私の悪夢は始まったばかりのようだ。

「本気だよ?……絶対に許さないから……えへへ……」
「は、あはは……冗談だって言ってよ……あはは……」

 私とつかさは少しも笑っていない目と目を合わせたまま、しばらく笑い続けた。










 ま、結局これは昨日の仕返しとかで、かがみの仕込んだ心臓に悪い冗談だったんだけど(笑)
 てか、つかさ演技上手すぎwwww半分以上台本に無いとかwwwwwwアドリブ自重wwwwwwwwwwwwww


 ……あるぇ?
 ……半分以上台本に無い?アドリブ?
 ……あのつかさが?


 ねえ、つかさ。
 本当にさっきのって、全部演技なんだよね?
 そんな風に笑ってないで、ちゃんと答えてよ。
157 :悪い夢 [saga]:2009/01/06(火) 19:13:34.83 ID:3Fg.4Cc0
以上です。
こういう雰囲気のSS書いたの初めてなんで、ありがちな感じになったかも。
直球の「笑い」ではないけれど、楽しんでいただければ幸いです。
158 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/06(火) 19:28:42.96 ID:J1RBogU0
乙。GJ
今考えかけのコンクールとは全く関係ないSSと一部設定がかぶちゃっててwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(´・ω・`)
あのキャラが救われる道が1本絶たれたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
159 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 20:10:41.92 ID:H43XYHko
>>157
「笑い」というお題に沿いながら、「笑い」というお題の対極に位置するようなSSですね
タイトルどおりただの悪い夢だった。そう思ったところでそれを突き崩すつかさ、ゾッとしました
GJ!
160 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 21:40:01.06 ID:fj9cglI0
>>157
つwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwさwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
161 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/06(火) 22:11:42.70 ID:K2F8Sf60
『私のポジション』

 (一番)
 初めて出会ったあの日から 
 元気いっぱいだったあなた
 置いていかれがちだったけど 
 一生懸命ついていってた

 時々忘れられるけど
 必要としてくれるなら
 あなたのそばに私はいます
 そして隣で全力サポート

*人気関係ない ずっと一緒だったから
 太陽みたいなあなたの笑顔
 隣でそっと見守っていること
 それが私の 私らしいポジション

 (二番)
 時々ケンカもするけど
 すぐ仲直り大丈夫
 良いところも悪いところも
 認め合った親友だから

 つまらない意地張らないで
 素直な気持ちになれたら
 嫌な気分もすっきり解消
 仲が良くてもいろいろあるね

 また新しい 一日が始まる
 充実した日々思い出になる
 何年経っても絶対に忘れない
 みんなと過ごした かけがえない日々を



何の歌かは歌詞から想像がつくと思います   *(繰り返し)
162 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/07(水) 01:16:57.53 ID:A8bdmoSO
>>157
異質な笑いが来たな
つかさの黒い部分が恐怖をさそう…
163 :ちょっと思いついた黒井先生ネタ :2009/01/07(水) 03:08:31.55 ID:pbINnkDO
今日もいい天気やなぁ…
あいつ、今頃あの空を気持ち良く飛んでんやろかな…

あいつと出会ったのは生徒達にやっちゃあかんって言った出会い系サイトやったっけなぁ
興味本位でやってみて
待ち合わせしてから意気投合して呑みにいって…
気が付いたらホテルで寝てた…
あいつ、隅っこで毛布くるまってたけんどな。
164 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/07(水) 03:33:20.34 ID:pbINnkDO
>>163続き
まぁ、うちが酔い潰れて店から追い出されてしかたくって…あいつの話なんやけどな?
うちみたいなええ女を!
って気にもなったんやけど…
あいつが言う事にゃ
「確かに女の子襲うにはおいしい状況かもしれないけど…俺、ななこさんを傷つけたくないし…」
だって
くぅぅ〜なんか可愛いやないか!
でも、あいつ、年下なんやけど…
うちは、ちょっと気にしてるけど、あいつは全然気にしてないやね。
むしろ年下の女の子扱いしてんやけど。
165 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/07(水) 03:51:33.69 ID:pbINnkDO
>>164続き
そんなこんなであいつとの交際が始まったわけやが…
うん、うち、あいつ、ぶっちゃけ好きや
最初に好きになったのは



やな。
すごく綺麗な目をしてるんや
ときには優しく
ときには鋭く
そんな目をしてるんやな
あいつは
ただ、時々不安になるんけどな…
あいつ、うちに愛想尽かすんじゃないやないかな?とか
それよりも、あいつ、無茶して死んでしもうたりせいへんよな、とか…
166 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/07(水) 04:43:58.68 ID:pbINnkDO
>>165続き
…せんせー黒井センセー
「はっ!泉か!どうした!」
「ぶー、どうしたもこうしたも、あたしの遅刻の罰の資料室の掃除、終わりましたからね!」
「あ、ああ、ご苦労だったな、泉!」
「?なんか先生、変。」
「黒井先生、お加減悪いんですか?顔色もよろしくないですし…」
いかん、あいつの事考えてたら…

…ゴォォォ

ってアレ?ちょ、おま、嘘!アレ、絶対あいつ!

「ねぇ、こなちゃん?あの飛行機こっちくるけど…なに?」
「いや、わたしに言われても…みゆきさん!?」
「機体形状から判断するとF-15イーグルですわね。あちらのあの態勢でいきますと爆撃進路上にいるみたいですよ?私たち?」
「「ひぇぇ!!」」


ヒュン…バリバリババリ

パサッ

…飛行機はそのまま去っていった
花束を残して
花束にはあいつからのメッセージプレート


―結婚してください。幸せにしますから。―


あいつもおおげさつかとことんシャイっつか…
戦闘機つかわなくても直に言えばええねのに…
あとでそっちの親分に大目玉やな♪
あと、残念ながら保留やな、これ。
花束は投下するもんやない、手で差し出すもんや!
167 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/07(水) 04:48:56.02 ID:pbINnkDO
すまん、酒に酔った勢いでやった。反省?なにそれ?煮て食えるの?
いや、マジでスマン
168 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/07(水) 08:05:07.72 ID:mSOgzlE0
黒井先生、確か桜藤祭のおまけシナリオでアニメ店長とフラグ立ててなかったかい?
っていうかこの二人が結婚したらすごいことになりそうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/07(水) 12:36:47.63 ID:rWRSJwSO
−林間学校−

こなた「つかさー。悪代官と町娘ごっこしよー」
つかさ「な、なにそれ…?」
こなた「ほら、時代劇であるじゃん。帯引っ張ってクルクル回しながら着物脱がして、あーれーご無体なーっての」
つかさ「…もしかして、わたしが町娘?」
こなた「もち。つかさ、なんだか似合いそう」
つかさ「わたしより、ゆきちゃんの方が見応えあるんじゃないかな…」
みゆき「…つかささんに一票入れさせていただきます」
こなた「よし、多数決でつかさに決定」
つかさ「そんなっ!?」
こなた「ほいこれ。着物と帯」
みゆき「えっ!?ホントにやるんですか!?」
つかさ「というか、学校に持って来てたんだ!?」
こなた「さーつかさ。これ着てみれー」
つかさ「や、やだよー」
こなた「大丈夫だよ。制服の上から着せるから、脱げても平気だよ」
つかさ「それでも、恥ずかしいよー」
みゆき「あ、あの、泉さん…つかささん、ホントに嫌がられてますし…」
こなた「はっはっは。よいではないか、よいではないか」
つかさ「うわーん」
ななこ「…なにやっとんのや」
つかさ「黒井先生、助けてー」
ななこ「まさか、イジメやないやろうな?」
こなた「い、いや…それは…」
みゆき「く、黒井先生、泉さんはイジメていたわけじゃないんです…」
ななこ「そうなんか?」

みゆき「泉さんはただ、つかささんをマワそうとしていただけです!」

こなた「…ぇー」
ななこ「…泉、ちょお指導室いこか」
みゆき「…あ、あれ?」
つかさ「ゆきちゃん…それはちょっと…」


かがみ「うーす、ご飯食べよー…って、こなたは?」
つかさ「…う、うん、ちょっと…」
みゆき「スイマセン、スイマセン、スイマセン…」
かがみ「…?」
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 14:30:32.72 ID:vVotiUDO
>>169
どゆこと?
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/07(水) 14:58:48.89 ID:/XzDrXwo
マワす違い
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 15:04:51.29 ID:i1EV09co
>>167
乙。性格とやってることのギャップがすごくてワロタ
戦闘機向かってきてるのにふつうに解説するみゆきがまたw

>>169
みゆきなんつうことをww いや、たしかに回そうとしてるけどもw
タイトルとかけてるんですね分かります
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 17:12:58.24 ID:xdbphSY0
>>157

あーなんかすげえドキドキしながら読んでたぜww
つかさこえーwwww
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 17:59:30.86 ID:aI1cU6SO
>>169
お前エロい言葉好きだなww
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 19:41:41.02 ID:mSOgzlE0
突然ですが問題です。「銀魂」のお登勢さん(CV・くじら)の本名は何ていうでしょう?
ってか知ってる人いるかなぁ・・・
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 20:07:48.51 ID:PNVdlmY0
>>175
消えろカス。二度とここへ来るな
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 20:08:29.55 ID:cYfjPkE0
>>175
寺田綾乃
ってか何でこのスレで銀魂の話が出てくるんだよwwwwwwwwww
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 20:25:04.36 ID:mSOgzlE0
鈍いな貴様らwwwwwwwwww
179 :そんなネトゲ :2009/01/07(水) 22:19:48.66 ID:i1EV09co

konakona:こんちゃー
mirro:こんにちは☆
konakona:ちょwうはwwwミラさんまた職カンストしてるじゃないですかww3人目でしょそれww
mirro:レベル上げ楽しくて……ついついやっちゃうんですよね>ω<
konakona:……リアル大丈夫?www
mirro:あう>< それは言わないで! でも大丈夫、成績はいい方だからw
konakona:あー、高校生なんですよね
mirro:うん! コナコナさんもだよね?
konakona:そだよ〜。成績は……
mirro:悪いんですね^^
konakona:文句ありますか!!?
mirro:ないですよw 大変ですよね〜がんばれ!
konakona:うぅ……やさしくしてくれるのはミラさんだけだよ……
mirro:だけってことはw ……もしかして友達とか……
konakona:いるよ! でもうち一人が優しくないんだよ! いつもいじめられて……
mirro:仲良くないんじゃ?w あ、でもツンデレという可能性も
konakona:それ! そうだと思うんだよね〜。あの子は私のことが好きなんだ!
mirro:結論でましたかw でも、同性ですよね?
konakona:まぁね〜。でも今のご時勢そんなものは関係ない!
mirro:あははw たしかにそういう偏見は薄れてきてるかも。相変わらずな部分も多いけど
konakona:うんうん。私は異性を愛するんじゃない、人を愛するんだ……
mirro:コナコナさんカッコいいwww
konakona:……ほめてる?
mirro:褒めてますよww
konakona:ひっかかるなぁw ミラさんはそういうのダメな人?
mirro:特にダメってことは無いかな。歳の差と似たようなものかなって。好きになる気持ちって人それぞれだし
    好きになったら仕方ないと思う
konakona:おお〜やっぱりそうだよね!
mirro:同性の場合、憧れと恋心の判断つきにくいかもしれないけどねw
konakona:わかるわかるw ところで
mirro:うん?
konakona:口調が素になってますよw
mirro:あ>< 見なかったことに>△<
konakona:もう遅い!w
mirro:ていうかコナさんもでしょw
konakona:私はいいんだよ! っと、アニメ始まるから今日はそろそろw
mirro:なんで!? は〜い(・ω・) ……勉強は?ww
konakona:知ったことかぁぁ!
mirro:www 頑張れ! (アニメ見るのw
konakona:おうともさ!w んじゃばいに〜
miirro:ばいにー


だらだら書いてたらおかしなことにw 続きま……すん
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 22:29:56.71 ID:wB4YJJ20
>>179
ミラーってつまり……
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 22:39:20.26 ID:aI1cU6SO
>>179
ちょww姉さんかよ!
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/07(水) 23:26:03.91 ID:LUMnq5Q0
>>179
かがみ「〜♪」
つかさ(お姉ちゃんがさっきからPCの画面の前でニヤニヤしてる…なんか怖い…)
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/07(水) 23:47:02.89 ID:i1EV09co
言い忘れてたけど中の人ネタです

>>181
姉さんって中の人のこと? ならその通りすw
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/08(木) 00:29:32.58 ID:9DvcoFY0
>>182を見てカッとなって
>>179を『かがみんPCの前でニヤニヤver.』で解釈したくなって、チャット部分のかがみの心境を勝手に書いちゃった。
179さんごめんよー。

konakona:こんちゃー
mirro:(お、やっと来たわね。待ってたわよ、こなた)
konakona:ちょwうはwwwミラさんまた職カンストしてるじゃないですかww3人目でしょそれww
mirro:(ま、最近はいつもあんたがinしてくるまでずーーっと待ってるからねw)
konakona:……リアル大丈夫?www
mirro:(あんたに言われたくないっつーのw私としてはあんたの方が心配よw)
konakona:あー、高校生なんですよね
mirro:(あんたと同じ学校のねw)
konakona:そだよ〜。成績は……
mirro:(悪いんだよなぁw)
konakona:文句ありますか!!?
mirro:(いえいえw勉強会開く口実ができてむしろ大歓迎でございますw)
konakona:うぅ……やさしくしてくれるのはミラさんだけだよ……
mirro:(リアルでも優しい人がちゃんといるでしょ?ほら、いつも傍にいる……)
konakona:いるよ! でもうち一人が優しくないんだよ! いつもいじめられて……
mirro:(だって、こなたをいじめるの楽しいんだもんw悪気はないんだけどさw)
konakona:それ! そうだと思うんだよね〜。あの子は私のことが好きなんだ!
mirro:(わかってるじゃないのw……でも、同姓なのよね……)
konakona:まぁね〜。でも今のご時勢そんなものは関係ない!
mirro:(嬉しいこと言ってくれるじゃないのw本当に同姓でもいいのかしら///)
konakona:うんうん。私は異性を愛するんじゃない、人を愛するんだ……
mirro:(こなたんカッコいいーw)
konakona:……ほめてる?
mirro:(むしろ愛してるわよ///)
konakona:ひっかかるなぁw ミラさんはそういうのダメな人?
mirro:(相手があんたなら、いつでもどんとこいってなもんよw)
konakona:おお〜やっぱりそうだよね!
mirro:(ま、あんたのソレはまだ恋に達してないんだろうけどね……残念だけどさ)
konakona:わかるわかるw ところで
mirro:(うん?)
konakona:口調が素になってますよw
mirro:(うおっと。あんたとお話ししてると思うと、嬉しくってつい、ねw)
konakona:もう遅い!w
mirro:(ていうかこなたもでしょw)
konakona:私はいいんだよ! っと、アニメ始まるから今日はそろそろw
mirro:(宿題もちゃんとやれっつーのw)
konakona:知ったことかぁぁ!
mirro:(この分だと、明日も宿題写しに擦り寄ってきてくれそうねw)
konakona:おうともさ!w んじゃばいに〜
mirro:(もう終わりかぁ……アニメが終わる頃にメールでもしてみるかな……)
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 01:06:21.36 ID:S9jz9mo0
>>184
かがみさん楽しそうですねww
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 01:19:48.92 ID:C54e7QUo
>>184
内部設定的にはこんな露骨な名前なのに気づいてないおバカ二人なんだが……全然オッケーですw
むしろGJ! 俺がニヤニヤしたw
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 10:30:59.42 ID:SXGsDMSO
一連の流れを見てニヤニヤが止まらないww
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/08(木) 12:21:35.83 ID:Dv8JtMSO
−針の筵は優しくて−

みなみ「…あ、ゆたか。今どこ?…三階…じゃあ、次上がるエレベーターに乗るから、それで合流しよう…うん、また後で…」
プシュー
おじさん「………」チラッ
みなみ「…?」

みなみ(臭っ!?この匂いって…まさか、さっきのおじさんが?)
ウイーン
みなみ(…全然匂いが薄れない…どんなオナラしたの…)
プシュー
ゆたか「あ、みなみちゃ…んっ!?」
みなみ(ああああああ…違う、違うのゆたか…わたしじゃないの…)
ウイーン
ゆたか「………あ、あはは」ニコッ
みなみ(…違うのゆたか…だからそんな『わたしは平気だから』みたいな笑顔で見ないで…!)
ウイーン
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 12:57:15.21 ID:.3K1dEk0
ガキ☆つか

こなた「年末の『ガキつか』見た?」
かがみ「見た見た!笑っちゃいけない職場シリーズ、最高だったわ」
こなた「でしょでしょ!!やっぱアレだよね〜、アレでさ、『笑っちゃいけない陵桜学園』ってやってみたいと思わない?」
つかさ「はぅぅ・・・私お尻叩かれるの嫌だよぅ><」
こなた「大丈夫だよ、やるならピコピコハンマーでやるからさ」
みゆき「それも思いっきりやると、結構痛いと思うのですが・・・・」


いやマジで見たいんですよ、「笑っちゃいけない陵桜学園」
皆さんは見ましたか?
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/08(木) 15:07:56.66 ID:Dv8JtMSO
>>189
俺の部屋はテレビが見れない
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 17:10:50.38 ID:BLT00pQ0
見ようと思って忘れてた・・・
「笑っちゃいけない陵桜学園」か
面白そうだなwwwwww
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 17:28:53.26 ID:Cn3Gs.DO
ゆたか「長時間番組って、録画すると見るタイミング失っちゃうんだよね……」
という訳でまだ見てない。


みゆきさんにダイナマイト四国とかやられたら、間違いなく吹く件について。
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/08(木) 20:55:36.82 ID:/vS9fWc0
もし「笑ってはいけない陵桜学園」をやるとしたら、間違いなく小神あきらが出てくるな。
それと、そうじろうとみきさんが、いちゃいちゃしながら登場。
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 00:04:49.91 ID:6.b5jASO
>>l93
嫉妬したかなたさんがそうじろうをボコして周りは笑うんですねわかります
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/09(金) 00:12:47.00 ID:56D4ejg0
しかし、コンクール作品まだ二つか…。
自分は明日には投下できそうだけど、みんな後半スパートなのかな?
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 01:12:25.18 ID:2yWVcCIo
>>195
それもあるんじゃないか? 単にコンクール始まってから書き始める人もいるだろうし
あと年始だし
俺もネタはあるけど、無理に書いてもなーと思ってる
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 03:10:33.96 ID:cnWOX.DO
>>163-166をちょっと「あいつ」視点でやってみる


あの時は俺は…太平洋房総沖、高度20000ft上空にいた
《おい、エンジョイ2、そろそろ作戦実行の頃合いだぜ?》
先輩から通信が入る。
《了解、エンジョイ2、編隊を離脱します!》
《健闘を祈る!》

ゴォォォ

俺は編隊から離れ、機首を内陸に向けた。
そう、あの人がいる埼玉のあの学校に向けて…
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 03:41:22.49 ID:cnWOX.DO
>>197続き

最初は興味本位だったんだ。
『呑み友募集』みたいな携帯サイトがあったんで、やってみたら一緒に呑もうって言う女の人がいたんだ。
その人は
黒井ななこさん
って言ってかなり綺麗な人だった。
高校の先生をしていてる割りにはなんかノリがいいっていうかなんていうか…
でも、俺の職業って学校の先生とかには蛇蝎のごとく嫌われるんだよなぁ…

自衛官だし。

正直に話したけど
でも、ななこさん
「あー、うちそんなの気にせんから。なーそれよりきいてくれやー…」
そっからななこさんは、愚痴やら学校であった事なんかをバルカン砲みたいに話始めた
実家が早く結婚しろとうるさいとか
応援してる球団の事とか
成績悪いけどネットゲーム仲間の生徒の事とか
双子の姉妹の生徒の事とか
しっかりもののお嬢様な生徒の事とか
…etc
で、酔い潰れちゃうしななこさんってば
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 04:30:16.90 ID:cnWOX.DO
>>198続き
で、まぁ、もうその時間電車無かったし、ななこさんほったらす訳にもいかんし
近くにあるホテルで夜を明かす事に…
…手は出さなかったけどね。
この話を先輩にしたら
「このヘタレがwwwwwwww」
って言われるんだろうなぁ…
まぁそんなこんなでななこさんとの付き合いが続いているんだが…
野球観戦に首根っ子掴まれてつれてかれたり(かなり熱狂的ファンらしい…)
呑みに行ったり(ななこさんがからみ酒になるパターン多し)
ネットゲーム付き合わされたり(あの、konakonaってのが生徒みたいだけどやたら強いな、あれ)
振り回されっぱなしつーかなんつーか…
でも、正直楽しい。
一緒にいてなごむつーかなんていうか…
お姉さんのようで子供っぽいみたいな可愛らしさもあるし…

ただ、俺、あまり自分の仕事の話はやっぱりしない事にしている…
前に酔っ払って
上空でエンジントラブルなって墜落しかけた時の話とか
台風の日にスクランブル発進した時の話とか
乱気流に巻き込まれた時の話とか
うっかりGかけすぎて気絶して気が付いたら目の前海面だった時の話とか
実弾演習の時に味方が撃ったミサイルに追っ掛けられた話とかしたら

ななこさんに本気で泣かれた

「もうやめや!そんな仕事!死んでまうで!そんなんうちいやや!な、戦闘機のパイロットやってくらいやから英語得意やろ?英語の先生ならへんか?」
って
でも、俺は       「ごめん、でも、俺、空飛ぶの好きだから…」
こういう風にしか返せなかった…
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 05:59:06.18 ID:cnWOX.DO
>>199続き
「でも、どんな危険な目にあっても俺、帰ってくるから。必ず。ななこさんのところに…」

あん時はそう付け加えて宥めたっけか…
なんてこと回想してたら、目標上空だった。
これより爆撃侵入に入る。
ななこさんには前日に
「放課後屋上に来てくれない?上通るから」
って伝えてある。
あとは俺がうまいことななこさんの近くにこの花束爆弾を落とせれば作戦終了…
…ちなみにこの作戦、発案は先輩です…
名付けて『花爆弾プロポーズ爆撃作戦』だ、そうです…ネーミングセンスないよ先輩…
整備の人たちの協力もあって、高空に上がっても花束はばらけない工夫がされている。
…みんな、おもしろがってんな、さては…
エアブレーキ、フラップを使い着陸時の速度までスピード落として進入。
自分が乗ってる機体、F-15Jイーグルには爆撃照準器はないから勘で落とすしかない。
屋上に生徒達に囲まれてるななこさんらしき人が目に入った
今だ!
「投下!」
花束を落とした後、旋回しながら急上昇をする
後ろ振り返ると斜め後ろの学校にななこさんらしき人が花束拾ってるのが見えた気がする。
あとは野となれ山となれだ!
このまま俺は基地に帰投した。
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 06:15:17.74 ID:cnWOX.DO
>>200続き
基地にもどって俺に待ってたのは隊長のゲンコツと一ヵ月の減棒処分だった。
先輩も仲良く同じ処分。
まぁ、クビにならなかっただけマシなのかな。
それと、ななこさんからのメールもあった
ななこ『花束ありがとうな。せやけどあんな真似したらあんたんとこの上司に怒られるんとちゃう?つか、こっぴどく怒られたやろ?うちが慰めたるさかい、週末呑もか?あ、花束忘れんなや?』
…戦果はいまいち、なのかな?これは?
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 06:21:01.60 ID:cnWOX.DO
なんか眠らんないのと
ちょっとほとんど接点ないような立場の人が出会ってその人から見た視点をやってみたかった
反省はしないが後悔はしている
悪かった
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 09:34:04.70 ID:6.b5jASO
>>202
GJ!
先輩の案だったのかww
実際にやったら大ニュースなんだろうないろんな意味で
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 10:01:33.97 ID:6.fWewAO
>>202

F15Jに爆撃能力がないことをよく知ってるな、とおかしな目線から読ませてもらったw
黒井先生〜もっと感動しようよ!
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/09(金) 12:30:46.61 ID:dUmfpwSO
−某牛丼チェーン店−

店員「いらっしゃいませー」
かがみ「たまには、こういう所でお昼もいいわよね」
こなた「まーねー。あ、わたし並ね」
つかさ「わたしも並でー」
かがみ「わたしは大盛と半熟卵とサラダ」
こなた「…かがみ」
かがみ「なによ、その目は…」
こなた「いや、別に…みゆきさんはどうするの?」
みゆき「わたしは、そうですね…」

みゆき「特盛つゆだくでお願いします」

かがみ「…ぶっ」
こなた「…わーお」
みゆき「…?どうかなさいました?」
こなた「い、いやなんでも…で、ナニ考えたのカナ?かがみんや」
かがみ「こ、こなたこそ…」
つかさ「ゆきちゃん、よく食べるね」
みゆき「朝食を食べそこねまして…」


少し前に『お前、エロい言葉好きだな』というレスを賜ったので、期待に応えようとしてみました。
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 13:10:53.91 ID:/ckuxSk0
・・・・・・・共食い?
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 14:52:55.48 ID:I/vmq2SO
>>205
ネタを分かってしまうということは俺もエロいって事ですね
分かりました><
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/09(金) 15:12:17.83 ID:dUmfpwSO
あんまり詳しく解説すると、ゆーちゃん辺りに怒られそうなんですが。
みゆき自身が特盛で(多分)つゆだくという事で…。
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 18:34:03.43 ID:BQdUCYDO
*メゾンらき☆すた*

私、小早川ゆたか、親元を離れ初めての一人暮らしを始めるところです
まずはお世話になる管理人さんにご挨拶しないと…いけない…んだけど…

入り口のガラスの扉を開け中に入ると自動ドア…とインターホン

ゆたか「これで管理人さん呼ぶんだよね…どうしよう管理人さんの部屋番号がない」

「管理人さんを呼ぶときには0000と押せば大丈夫よ?」

ゆたか「あ、えと親切にありがとうござ…あれ?」

アドバイスが聞こえてきた方向へ向いてお礼をしよう、そう思って振り向くとそこには誰もいませんでした

ゆたか「???」

この時の声の主が誰だったのかを私が知るのはしばらく先の事…

ゆたか「誰だろう?でも周りには誰もいないし…とっとりあえず管理人さん管理人さん、えと0000っと」

『RURURURURU...』

「はい?」

気っ機嫌悪い…
ゆたか「あの、初めまして、今日からこちらに入居する小早川ゆたかです(ペコリー」

「あぁ、とりあえず部屋来て扉開けるから」

乾いたモーター音を鳴らしながら開く自動ドア

ゆたか「はい、失礼します」

――【管理人室】

ゆたか「……(ドキドキ」

『ピンポーン』
『ガチャン』

「はいはい、どうぞぉ」

ゆたか「Σっ!?」

「なぁに驚いてんのよ、ほら、さっさと中に入った入った」

ゆたか「あ、はい、すいません、失礼します…」

お姉ちゃん、これから住む所の管理人さんは制服を着ていて私と変わらないほど小さな女の子でした
一人暮らしが始まります
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/09(金) 19:32:56.88 ID:9GEuTWg0
>>208
ゆたか「特盛はともかく、つつつ、つ、つゆだくはイケナイと思いますッッ><」

かがみ「……あー、なんだ。その、ゆたかちゃんも染まってきたというか、汚れたというか……」
こなた「……うん、そだね……私、今、すごい反省してるヨ……ゆい姉さん怒るだろうなぁ……」



みなみ(……特盛か……)


>>209
おおー。続いていましたか。
これからの展開が楽しみだ。
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/09(金) 20:58:00.97 ID:cnWOX.DO
>>210
えーと、よくわからなかったんだが、ゆーちゃんの話を要約すると
みゆきさんが全裸の全身汁まみれのレイプ目でぐったりしてる、と?
ん?誰か来たみたいだ?誰だろ?
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/09(金) 23:44:27.85 ID:6.fWewAO
>>210

ゆーちゃん、君は知りすぎてしまったんだね……、ようこそといいたいけど、なんか違うッス!
byひより
213 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:14:32.88 ID:eWHIU2s0
コンクール参加作品の投下行きます。
「笑い」ということで、全編コメディー風です。
214 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:16:26.99 ID:eWHIU2s0
『それは、こなたのとある日の昼休みの一言から始まった。
「ペットをね、飼おうと思うんだ」
 それを聞いたかがみは、胡散臭そうに眉をひそめた。
「どういうゲームで?」
「…バレバレですか」
 図星をつかれて、こなたがムッとした表情になる。
「あんた、絶対途中で世話投げ出しそうだもの。リアルでペットとかありえん」
「…ひどい事言うなあ…当たってるから言い返せないけど」
「こなちゃん、前にDSでペット飼うゲームやってるって言ってたけど、あれとは違うの?」
 二人のやり取りを聴いていたつかさが、そう口を挟んだ。
「あ、うん。あれとは違うやつなんだよ。ネトゲのRPGなんだけどね。この前のバージョンアップで、ペットが飼えるようになるコンテンツが実装されてね。それでわたしも何か飼ってみようかと思って」
「ふ、ふーん…そうなんだ」
「つかさ。分からないなら無理して納得しようとしなくていいから…ってかわたしも半分くらい何言ってるか分からん」
「舞台がファンタジーだからね。ドラゴンとかでっかいのも飼えるみたいなんだよ」
「…分からないのお構い無しに続けるなっちゅーに…ってかそれはペットなのか?なんか違う気がするんだが…」
「だよねー。やっぱ飼うなら可愛いのがいいよねー…って事で、ワーウルフの女の子でも飼おうかと…」
「いいのかそれはっ!?なんか色々ヤバイ気がするぞっ!?」


- 名前 -


215 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:17:17.78 ID:eWHIU2s0
「それでみゆきさん。なんかいいのない?」
「は?…な、何がですか?」
 急に話を振られて、みゆきは素っ頓狂な声を上げた。
「ペットの名前。みゆきさんならいいの思いつきそうだから」
「まてまて、それくらい自分で決めろ」
 かがみがそう突っ込むと、こなたは困ったように頭をかいた。
「いやー、それが…自分で考えるとポチとかシロとかありきたりなのしか思いつかなくて…」
「…女の子にポチだのシロだのは…」
「へ?あ、いやさっきのは流石に冗談だよ。ホントに飼うのはノームドッグっていって、成長しても外見が子犬のままのモンスターなんだよ」
「へー、それは可愛いかも」
「うん、可愛いよー…で、みゆきさん、なんか思いついた?」
「そうですね…ハチ、なんてのはどうでしょう?」
「…ポチやシロとたいして変わんないね」
「…ですよね…すいません。ペット飼ったことなくて、名前の付け方とかよく分からないんです」
「あ、そうだ。こなちゃん、わたしにいい案があるよ」
 二人のやり取りをみていたつかさが、なにか閃いたようにそう言った。
「それはありがたいけど…バルサミコスとか言ったらデコピンだからね」
 ビシッとつかさの身体が硬直する。
「…バ…バッカじゃないのこなちゃん!そんなの言うわけないじゃない!」
 そして開き直ったように言い放った。
「言う気だったな」
「言う気でしたね」
「つかさのツン台詞は新鮮だけど似合わないね…ってかバカいうなー」
 ビシッと音を立てて、こなたのデコピンがつかさに炸裂した。
「あいたっ…うう、結局やられたよ…」
「…なんでか知らないけど、カチンときた」
 ビシッと音を立てて、今度はかがみのデコピンがつかさに炸裂した。
「あいたっ…うう、お姉ちゃんまで…」
「トドメです」
 ビシッと音を立てて、更にみゆきのデコピンがつかさに炸裂した。
「あいたっ…って、ゆきちゃんトドメってなにー!?」
「…すいません…つい勢いで…」
「まあ、そんな事はどうでもよくてっと…」
「どうでもよくないよこなちゃーん!」
「どうどう。つかさ落ち着け」
 興奮気味のつかさをなだめるかがみを横目に見ながら、こなたは溜息をついた。
「やっぱりなかなか難しいもんだねえ…あ、そうだ。かがみはなんかないの?」
「モノのついでみたいに聞くな…そうね……ボンタ、とか」
「…いやまあ…さすがかがみ。金魚にギョピとかつけるだけはある…」
「…何が言いたい」
「いや別に…ってかボンタ君、犬じゃないし」
「それもそうね…」
「なかなか参考にならないなー。放課後にでも、もっといろんな人に聞いてみるかな。かがみ付き合ってよ」
「あー、今日はダメ。日下部たちと約束あるから」
「えー。付き合い悪いなあ」
「いや、あっちの付き合いも大事にさせてくれ…」
 放課後のことで言い合うこなたとかがみを眺めながら、つかさとみゆきはのんびりと食後のお茶を啜っていた。
「…わたし達は暇なのにねー」
「すいませんつかささん。わたしは用事があります」
「暇なのわたしだけ!?」
216 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:19:41.94 ID:eWHIU2s0

「さて、とりあえずはっと…おーい、黒井せんせーい」
 ホームルームが終わった直後、こなたはななこを呼び止めた。
「おう、なんや泉」
「例のネトゲでわたしもペット飼おうと思うんですけどね。名前がなかなか決まらなくて…参考にするんでなんかいい名前ありません?」
「あー、あれなあ…で、なに飼うんや?」
「ノームドッグです」
「あのちっこい犬か…ワンコでええんちゃう?」
「…期待を裏切り、予想は裏切らないあなたに失望しました」
「…それは宣戦布告と受け取ってええんやな?」


 ななこをなんとかなだめたこなたは、ゆたか達一年生にでも聞いてみようと廊下に出た。そこで丁度隣のクラスから出てきた三人組を見つけた。
「お、あれは…おーい、かがみー、峰岸さーん、以下略ー」
「以下略ってなんだよ略す意味あんのかよ失礼だろあと一人なんだから名前呼んでくれてもいいだろー!」
 みさおは、こなたに詰め寄りながら一息にそう言い切った。
「…いやあ、激しい突っ込みだ。思わぬライバルが身近から出現ですな、かがみんや…ってか止まって、止まってみさきち」
 ゼイゼイと肩で息をしながら、尚も自分に詰め寄ろうとするみさおを両手で制しながら、こなたはかがみにそう振った。
「いや、突っ込みくらい好きにしてくれていいけど…」
「あ、そうだ。みさきち達にも聞いとこうか」
「ん、なにを?」
 みさおの動きがピタリと止まった。
「いや、ちょっとかくかくしかじかって訳で、二人にも参考例を出して貰おうかと」
「おーそっかー…って分かんねえよ。なんだよかくかくしかじかって。ちゃんと話せよ」
「…あー、ごめん。みさきち、頭悪いから分かんないか」
「頭良くてもんなもん分かるか!喧嘩売ってんのかちびっ子!?」
「どうどう。落ち着け日下部。この程度でマジギレしてたら、こなたと話できないわよ」
 みさおとこなたの間に割って入ったかがみが、そのまま事の経緯をみさおとあやのに伝えた。
「…なーあやのー…なんでこんな単純な話聞くのに、こんなに苦労しなきゃいけないんだー?」
「い、泉ちゃんなりのスキンシップだよ…多分…」
「んーまあいいか…犬の名前ねぇ…ジェットとかマッハとかどうだ?速そうだろ!」
「…えーと…いや、なんで速さをもとめるのさ…」
「犬だろ?速いほうが強いに決まってるじゃん」
「…えーっと、犬ってそうなの?…ってか別に強くなくてもいいんだけど…ま、まあそれは置いといて、峰岸さんはなんかある?」
217 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:20:34.24 ID:eWHIU2s0
「うーん…昔飼ってた犬のでもいい?」
「うん、全然オッケー」
「あやの、犬なんて飼ってたっけ?」
「もう、みさちゃんも一緒に遊んだじゃない。小学生の時に」
「あれ、そうだっけ…ちと思い出してみる」
 そういってみさおは、手を組んで考え始めた。
「えっと、それでその犬の名前、カトリーヌだったんだけど…どうかな?」
「…なんだか乙女チックだ…」
「…峰岸らしいっちゃらしいな…」
「そうだけど…な、なにかおかしかった?」
「いや、おかしくはないんだけど…」
 会話が切れたと同時に、考え込んでいたみさおがポンッと手を叩いた。
「おー、思い出したカトリーヌ。あのやたらデカかった土佐犬」
「土佐犬でカトリーヌとな!?それはおかしい!」
「あれってたしかオスだったよな?」
「しかもオスときたか!?それはおかしい!」
「…わたしてっきりメスだと思ってて…」
「うーん…まあ、参考になるかどうかは分からないけど、峰岸さんの意外なドジを知れた事でよしとしよう」
「なーちびっ子ー。あたしのはー?」
「論外」
「んなー!?」
「…で、こなた。まだ誰かに聞きに行くの?」
 またもこなたに詰め寄りそうになるみさおを押さえながら、かがみがこなたにそう聞いた。
「ん、あーそうだ。ゆーちゃん達にも聞きに行こうかと思ってたんだよ。それで、かがみ達見かけたから聞いとこうかと思って…予想外に時間食っちゃったけど」
「それは半分くらいはお前のせいだ…」
「まあ、そう言う事だから。行こうか、かがみん」
「全く…ちゃんと計画立てて動きなさいよ」
「何言ってんだよ。こういうのはトラブルあるから面白いんじゃないかー」
 言い合いながら連れ立って歩き出すかがみとこなた。その背中を見ていたあやのがポツリと呟いた。
「…あれ、柊ちゃん?」
 それを聞いたみさおが叫んだ。
「って、おおい!なんで柊連れて行くんだよちびっ子!ってか柊もナチュラルについて行くなよー!!」
 その叫びを聞いたかがみがハッと我に返った。
「ご、ごめん…つい…」
「…チッ、おしかった」

218 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:21:16.02 ID:eWHIU2s0

「さて、ゆーちゃん達まだいるかな…」
 こなたが廊下から教室を覗き込むと、みなみ、ひより、パティの三人が談笑しているのが見えたが、ゆたかの姿だけは見えなかった。とりあえずこなたは、そこにいる三人に聞いてみることにした。
「やふー、全略。ちょっといいかな?」
「…全略…」
「ゼンブをリャクすってコトデスカ!?」
「いやー、さっき三人組に挨拶する時に、一人だけ略したら怒ってねー。だから今度は公平に全員略してみたよ」
「…略さない方向でいきましょうよ泉先輩…ってか無理に略さないでみんなとかで良いと思うんスけど…」
「まあ、その辺は雰囲気で…っと」
 こなたは教室を見回したが、やはりゆたかの姿は見えない。
「ゆーちゃんは?」
「…ゆたかは、用事があるらしくて先に帰りました…」
「わたしらは、ちょっとダベッてから帰ろうと思いまして」
「ふーん、まあいいか。ゆーちゃんには家で聞こう」
「ナニかシツモンですカ、コナタ?」
「うん、今やってるネトゲでペット飼うんだけど、名前が決まらなくてね。みんなに色々参考例を聞いて回ってるんだ」
「なるほど…で、なに飼うんスか?」
「犬」
「…うーん、犬の名前…考えようとするとなかなか浮かばないッスね…」
「ワタシのジッカにロッキーってナマエのイヌいますヨ」
「ロッキーて…もしかして映画から?」
「イエス!タネウマならぬタネイヌデス!ネンジュウハツジョ」
 こなたが咄嗟にパティの口を手で押さえた。
「ストップパティ…それ以上はヤバイ気がする」
「…小さい頃にテレビで見て、あの通り名の意味が分からなかった思い出が蘇るッス…」
 こなたに口を押さえられても、なおモゴモゴ何か言ってるパティを見ていたひよりは、ふとあることを思い出した。
「あ、そういや近所にランボーって名前の犬がいたことあったッスよ」
「…いや、もうあのタレ目はいいから…みなみちゃんは何かない?」
 こなたは、まだ聞いてないみなみに話を振ることにした。
「チェリー」
 即答された。みなみにしてはハッキリとした声で。
「え、いや…それみなみちゃんちの犬じゃ…」
「チェリー」
 更にもう一度言いながら、みなみはこなたの方に近づいた。
「い、いや…あの、だから…」
「チェリー」
 顔が引っ付きそうになるくらいまで肉薄しながら、ダメ押しのようにみなみが言う。
「分かった!分かったから!検討しとくから!顔近いって!…ひよりん!パティ!見てないで助けてよ!」
「ミナミ、ナニかアリましたカ?」
「うん、なんか最近チェリーちゃんが、かまってくれないとかどうとかって…」

219 :コンクール参加作品 Desire [saga]:2009/01/10(土) 00:22:01.71 ID:eWHIU2s0

「あーびっくりした…」
 一年の教室から逃げ出したこなたは、とりあえず学校を出ようと靴箱の方に向かった。その途中で見知った背中を見つけた。
「っと、アレは…桜庭先生と天原先生…丁度いいや、二人にも聞いてみよう。せんせーせんせー、ちょっといいですか?」
 見かけた先生達の背中に呼びかけるこなた。
「…ん、なんだ泉か」
「なにか御用でしょうか?」
 立ち止まり振り返る二人。こなたは二人に感単に事の経緯を話した。
「名前なぁ…無くても死にはせんだろ」
 話を聞いたひかるが呆れたように言った。
「…いやまあ、確かに死にはしませんけど…」
「わたしが飼ってるサボテンは、名前はないが元気だぞ」
「それ、ペットですか…?」
「桜庭先生…この前、枯らしかけましたよね?」
「あれは不可抗力だ」
「…サボテン、枯らしかけますか…」
「いちいちうるさいな。名前がほしいならナナシノゴンベエでいいだろ」
「いやまあ…なんだこのやさぐれ教師…」
「桜庭先生、ダメですよ?生徒の相談事にはちゃんと答えてあげませんと」
「そう言うなら、ふゆきが相手してやってくれ」
「分かりました…泉さん、犬の名前でしたよね?」
「あ、はい…」
 ニコリと微笑むふゆきに、こなたは「女神」と称号をつけたくなった。
「ジェイソンとかフレディとかどうでしょう?」
 こなたは、さっきの称号の前に「闇の」とつけたくなった。
「あ、あの…それの出典はどこからでしょう…?」
 違う可能性もあるかもと、こなたは恐る恐るふゆきに聞いた。
「13日の金曜日と、エルム街の悪夢からですよ」
「…やっぱそこからですか」
「クラシックでいい名前ですよね」
「…いやまあ…確かにクラシックではありますが…」
「泉は知らなかったのか?ふゆきはホラーとかオカルトとかが好きなんだ」
「初耳です…」
「ちなみに、今飼ってる猫の名前はクトゥルフだそうだ」
「…なんか保健室のお世話にはならないでおこうと、決意が固まりました」
「来る生徒が減ると、わたしが保健室にしけ込みやすくなるから、その決意は助かるな」
「桜庭先生、サボりはダメですよ?」

220 :コンクール参加作品 [saga]:2009/01/10(土) 00:23:35.25 ID:eWHIU2s0

「なっかなか決まらないもんだねえ…」
 学校を出たこなたは行きつけのゲーセンによって、気晴らしに格ゲーをプレイしていた。
「…こう、やめといた方がいいんじゃない?どうせまた負けるだろうし」
「大丈夫だってやまと!今日は勝てる気がする!わたし的に!」
 対戦台の対面から、そんな会話が聞こえてきた。こなたは、その声に聞き覚えがあった。
「…うわー、あのしつこい人だ…また、適当なところで捨てゲーして逃げるか」
 最初こなたはそう思ったが、ふと別の考えが浮かんだ。

「ほれ見れやまと!この調子だと勝てる!」
「…っていうか、相手のキャラクター動いてないんじゃない?」
「へ?」
「向こうの席、誰も座ってないし」
「初っ端から捨てられた!?」
「いや、わたしはここにいるよ」
 今にも台を蹴りそうなこうの後ろから、こなたが声をかけた。
「いつの間に!?…じゃあ、わたしが今まで闘っていたのは残像!?」
「いや、普通にこっち来ただけでしょ」
「…やまとー…ノリ悪いよー…」
「別に乗る必要もないし…で、何のよう?」
「うん、今日会ったのもなんかの縁って事で、ちょっと相談したいんだけど」
「ほほう、相談と…よろしい!お姉さんにどーんと言ってみなさい!」
「…年下に思われてるなあ…いやまあ、分かるけど…」
「ん?なんか言った?」
「いや、別に」
 こなたは二人に事の経緯を話した。
「犬の名前ねえ…ケルベロスとかヘルハウンドとかかっこよくない?」
「…えー」
 相談する相手を間違えた。そう思っているこなたの肩を、やまとがポンッと叩いた。
「わたしが言うのもなんだけど…あなたは相談する相手を間違えた」
「…うん、丁度そう思ってた」
「なんだよやまと!そういうなら、あんたはなんか良い案あるの!?」
「わたし?そうねえ…ゴンザレスとか」
「…えー」
 相談する相手を間違えた。そう思っているこなたの肩を、こうがポンッと叩いた。
「わたしが言うのもなんだけど…君は相談する相手を間違えている」
「…うん、丁度そう思ってたけど…本当にあなたが言えることじゃ無いと思います…」
「なんでよ…こうよりマシでしょ?」
「…五十歩百歩だと思います…まあ、参考にはなったと思うこともあると思いますんで、わたしはこれで…」
 ここにいてもこれ以上収穫は無い。そう判断したこなたは、とっとと退散することにした。
「まー、ちょっと待ってよ」
 が、こうに肩をがっしりと掴まれた。
「な、なにか?」
「さっきは捨てられちゃったしさ、相談のお礼もかねて一戦相手してよ」
「…できれば帰りたいな…と」
「連コインなんかしないからさ。ね?ね?」
「しょうがないなあ…」
「手加減なんかしなくていいからねー」
「…失敗から学ばない人っているのね。こんな身近に」
「うるさいよ、やまと」
221 :コンクール参加作品 [saga]:2009/01/10(土) 00:24:23.12 ID:eWHIU2s0

「…あー、やっと帰ってこれたよ」
 こなたが家に辿り着いた時には、すっかり日が落ちていた。
 結局あの後、「もう一回!もう一回!」とねだるこうに連コインされ続け、業を煮やしたやまとがこうを取り押さえたところでこなたは逃げ出した来た。
「あの人、今日一日で何千円使ったのやら…」

 夕飯の席で、こなたは放課後に聞けなかったゆたかに、名前の案を聞いてみることにした。
「犬?…うーん…急に言われても思いつかないかなあ…あ、そうだ」
「お、何かいいの思いついた?」
「ルピーってのどうかな?」
「おー、なんかまともっぽい…あ、それってインドかどっかの貨幣単位だっけ?」
「うん、なんだか可愛いなって思ってたの」
「…んー…」
「どうしたの、お姉ちゃん?」
「いや、ここまでくるとまともなのが物足りないというか…」
「…どんな案がみんなから出てたんだろう…」
「まあ、気にしないで…そうだ。ねえ、お父さん」
 こなたは、テレビの方を見ていたそうじろうに声をかけた。
「ん、なんだ?」
「ついでに聞くけど、お父さんはなんかある?」
「…ついでか。いやいいけど…そうだなあ…ポチとかシロとかしか、浮かばんなあ」
「…あー…」
「どうした、こなた?」
「いや、間違いなくわたしはあなたの娘だなと…」
「なにを今更…」


「さて、どうすっかな…」
 一応みんなの案をメモッておいた手帳を眺めながら、こなたは悩んでいた。
「ゆーちゃんの案が良さそうなんだけど…なんか物足りないな」
 しばらく、じっと文字の羅列を眺めていたこなたは、ポンッと手を叩いた。
「よし、全部混ぜてみるか」

222 :コンクール参加作品 [saga]:2009/01/10(土) 00:25:40.12 ID:eWHIU2s0

―しばらく後

「うーす、こなた」
「こなちゃん、来たよー」
「お邪魔します、泉さん」
「おー、三人ともいらさーい」
「こなちゃん、ポチシロハチバルサミコスボンタワンコジェットマッハカトリーヌロッキーランボーチェリーナナシノゴンベエジェイソンフレディクトゥルフケルベロスヘルハウンドゴンザレスルピーポチシロちゃんの調子どう?」
「うんー順調だよ。ポチシロハチバルサミコスボンタワンコジェットマッハカトリーヌロッキーランボーチェリーナナシノゴンベエジェイソンフレディクトゥルフケルベロスヘルハウンドゴンザレスルピーポチシロもやっと外に散歩にいけるレベルになったよ」
「へー、レベルなんてあるんだ。じゃあ、ポチシロハチバルサミコスボンタワンコジェットマッハカトリーヌロッキーランボーチェリーナナシノゴンベエジェイソンフレディクトゥルフケルベロスヘルハウンドゴンザレスルピーポチシロも戦闘に参加できたりするの?」
「ポチシロハチバルサミコスボンタワンコジェットマッハカトリーヌロッキーランボーチェリーナナシノゴンベエジェイソンフレディクトゥルフケルベロスヘルハウンドゴンザレスルピーポチシロさんは、あまりそういう事には関わらせたくないような気もしますね…」
「あーそれもそうね」
「うん、わたしもそう思うよ」
「でも、ノームドッグって結構強かったりするんだよ。ポチシロハチバルサミコスボンタワンコジェットマッハカトリーヌロッキーランボーチェリーナナシノゴンベエジェイソンフレディクトゥルフケルベロスヘルハウンドゴンザレスルピーポチシロも捕まえるのに苦労したんだよー」
「へーそうなんだ。ポチシロハチバルサミコスボンタワンコジェットマッハカトリーヌロッキーランボーチェリーナナシノゴンベエジェイソンフレディクトゥルフケルベロスヘルハウンドゴンザレスルピーポチシロも見かけによらないわね………ねえ、こなた」
「ん、なに?」
「喉、乾かない?」
「………うん」

 結局、ゆたかの案を取ってルピーになりましたとさ』






「と、いうタイトルで今から話をだね」
「なげえよ」
 かがみはこなたの額をピシャリと叩いた。

- おしまい -
223 :コンクール参加作品 [saga]:2009/01/10(土) 00:33:03.77 ID:eWHIU2s0
以上です…すいません。途中まで前回のタイトルが残ってました。忘れてください。

笑い=落語と言うことで、多分誰もが知ってる古典落語の「寿限無」のらきすたバージョンです。クスリとでも笑っていただければと思ってます。
新春と言うことで、オールスターチックに出来るだけキャラ出そうとしたら、過去最長の長さに…。出てないキャラは展開的に出し難いとか、書くのが苦手というだけで、嫌いと言うわけでも忘れてるわけでもありません…多分。
念の為、ペットを飼っていたとか飼っているとかいう話は創作です。
あと、寿限無の漢字、間違えてるかもしれません。


…正直、お題に沿えてるか微妙なんですが、どうなんでしょ?
224 :コンクール参加作品 [saga]:2009/01/10(土) 00:34:31.65 ID:eWHIU2s0
忘れてました。色々ややこしいですがタイトルは『名前』です。
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/10(土) 00:40:59.75 ID:/PfUFFco
>>223
お題の解釈は人それぞれなので、問題ないと思いますよ
落語は知らないんですけどね〜。メンバーたくさん出てて楽しかったです! 
最初の『の閉じがないからミスかなと思ってたらこのオチですかww
笑わせてもらいました。GJ!
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/10(土) 00:41:55.45 ID:9841RXU0
>>223
名前長すぎるwwwwwwwwwwんで最後オチwwwwwwww
お題には沿ってると思うぞ、十分
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/10(土) 01:42:03.11 ID:aQ6oZnI0
>>223

思わず所々で笑っちまったぜwwww
まさかこうとやまとにまで出番があるとはww
GJ!
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/10(土) 03:37:12.90 ID:M.keJQDO
>>223
GJ!今夜はおかげでよく眠れそうだ!
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/10(土) 12:19:49.90 ID:msQ2rwSO
>>223
ばよえ〜ん!
読んでいるうちに、もしや?と思ったが……やはり寿限無ネタだったかww
GJ!

しかしほんのちょっとだけネタが被っちまったよorz
230 :普段あまり話さない人雑談会! [saga]:2009/01/11(日) 00:37:50.26 ID:Pf0gjRIo

みゆき「高良みゆきです」
あやの「峰岸あやのです」
やまと「永森やまと……です」
みゆき「永森さんは初めましてですね」
やまと「はい、たぶんこう以外とは初めましてのはずです。……なんか懐かしい感じはしますけど」
あやの「私もそうだわ。はじめましての筈なんだけど、そうじゃないような……」
みゆき「そうですね。なぜかは分かりませんが」
やまと「ところで、どうして私が呼ばれたのか分からないんですけど」
みゆき「ええと、『普段あまり話さない人雑談会!』だそうです」
あやの「どういう企画かは分かったけど、私たちじゃ……」
やまと「……テンションが足りませんね。暑苦しいぐらいのムードメーカーがいないと」
みゆき「ムードメーカー……」
あやの「暑苦しい……」
やまと「なんなら今先輩たちが思い浮かべた人呼んでみたらどうですか」
みゆき「え! いえ、決して泉さんが暑苦しいと言うことでは!」
あやの「みさちゃんも元気なだけで!」
やまと「……」
みゆき「えと、本当に、ムードメーカーという単語で、思い、浮かべた、だけ、で……」
あやの「ごめんなさい、みさちゃん……否定出来ないわ……」


 30分後...
みゆき「うふふ、そうなんですか?」
やまと「いっつもそんな感じで、疲れてばっかりですよ」
あやの「でも、仲がいい証拠だと思うわ」
みゆき「ええ、そうですね」
やまと「そんなことは……」
みゆき「っと、どうやら時間のようですね」
やまと「もう……こんな時間」
あやの「すっかり話し込んじゃったわ」
みゆき「お二人と話せて楽しかったです。ありがとうございました」
あやの「こちらこそ。またお話しましょうね」
やまと「私も、すごく楽しかった……。でも、オチも何もないですねこの企画」
みゆき「えっと……」
あやの「それは……」
やまと「やっぱり暑苦しいムードメーカーがいないとダメですね」


こう「ぶぇっくしょん! ……誰か呼んだ?」
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/11(日) 01:11:04.18 ID:yxW2vMSO
>>230
兄沢「オレの事かぁぁぁぁっ!?」
杉田店員「うおっ!?どうしたんスか店長!?」
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/11(日) 10:32:38.46 ID:gKXiqyk0
みさお・みなみ「百合ームコロッケ」
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/11(日) 12:19:58.55 ID:gidp/JA0
>>232
不覚にもwwww
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/11(日) 21:49:56.81 ID:.OT52VM0
みゆき「コホン。で、では、いきますよ?」


みゆき「泉さんに足りないもの、それはっ、
    情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!!
    そしてっ、なによりも――

    ――バストサイズが足りないッ!!!!」


こなた「ぐはぁっ!!」
かがみ「何でダメージを受けてんのよ。ネタなんでしょ?あんたがみゆきに頼んで無理矢理に言わせた台詞なんでしょ?」
こなた「うん、わかってる……自分が言わせたんだってわかってる……でもさ、こう、なんか……思ってた以上のショックが、ね?」
みゆき「あ、あの、泉さん……申し訳ありませんでした」
かがみ「みゆきが謝ることないわよ。このバカが自分で招いた結果なんだから」
みゆき「い、いえ、私も悪いんです……その、さっきの台詞の内容が【全部本当の事】でしたのでつい感情がこもってしまいまして……」
こなた「!!」
かがみ「!?」

こなた「う……うわあぁぁぁぁぁぁん!!引きこもってやるぅぅぅぅぅぅぅ!!みゆきさんのばかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ダダダダダダダ…
かがみ「ちょ、ちょっと、こなたー!待ちなさいよー!こなたぁー!!」タッタッタッタッタッタ…
つかさ「わあ〜、こなちゃん走るの速〜い」
みゆき「そうですね。どうやら、泉さんも速さだけは足りているようですね」
つかさ「わあ〜、ゆきちゃんなんか黒〜い」
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/11(日) 22:17:33.45 ID:WpEavsSO
こなた「かがみ〜、今日は鏡開きだよ〜」
かがみ「そうね、じゃあこのお餅でも……」

こなた「おりゃ」ドン
かがみ「きゃ、何するの、」

こなた「はぁい、ご開帳〜♪」
かがみ「んなっ……!」

ドガ バキ ボフッ!!

こなた「ま、前が見えない……」
かがみ「はぁ、はぁ……まったくコイツは」



みさお(チビッ子でさえあんな目に……やらなくて良かったぜぇ)
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/12(月) 01:05:39.55 ID:EEx7IKUo
>>234
やっぱりみゆきはソフトな黒さが似合うなw

>>235
鏡開き、の時点でピンと来た俺って……。みさおなら血祭り決定だww
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/12(月) 06:56:25.16 ID:SC0HVMDO
エロうぜぇ
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/12(月) 09:46:14.28 ID:4fxkCgSO
>>237
そうじろう「なら、君の股間についているモノもうざいと言う事だな?」
こなた「…いや、ソレにだけ使う訳じゃ無いんだから…」
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/12(月) 09:50:59.33 ID:KZ7sKZE0
>>237
「こうこう」に行きたくないんですね、わかります。
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/12(月) 09:59:53.71 ID:immsI9o0
ゆい「荒らしに反応しちゃダメだよ!逮捕しちゃうぞ♪」
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/12(月) 13:29:40.90 ID:71Git5E0
原作6巻P118が、もしかがみでなくつかさだったら、

こなた「でねー、ゆーちゃんが御守くれたんだけど。うっかりしたのか、学業成就とかじゃなくて、安産祈願のでさ……」
つかさ(はう! 健康祈願と間違って、違うの渡しちゃった!)
つかさ「ええと……こなちゃん。とにかく、頑張ってね……」
こなた「私は何を頑張ればいいんでしょうね……?」

 うっかりしたのは、ゆたかではなくつかさでした。



原作6巻P031「愛」が、もしゆたかでなくパティだったら、

ひより「パティは、恋愛抜きにした男女の友情ってあると思う?」
パティ「うーん……。ナカよくなるオトコのコゼンインに、そういうキをもつのもオカシイですから、あるとオモいまーす」
ひより「ふむふむ。なるほどぉー。じゃあ、男同士、女同士の友情ってあると思う?」
パティ「うーん……。ナカよくなるオンナのコゼンインに、そういうキをもつのもオカシイですから、あるとオモいまーす」
ひより「ふむふむ。なるほどぉー」

 なんか普通にこんな会話してそうだ。



原作6巻P031「塊魂」より、

こなた「って最近話してさー。肉まんとか雪合戦とか」
ゆい「あー、あるあるっ。私も肉まんで合戦とかやったやった!!」
ゆたか(あれ!? そんな話題だったっけ? 混ざってない? でもこなたお姉ちゃんと普通に話し続いてるし。……うーん、まぁ、いっか……)
ゆい「そこら中、肉まんまみれになってもったいないんだよねぇー」

 もったいないならやるな。



原作6巻P037「守備範囲外」が、ゆたかでなくみゆきだったら、

ひより「ふーむ」
みゆき「おや、田村さん、どうかしたんですか?」
ひより「あっ、先輩、こんにちわっス。いや、ちょっと、2月っぽい絵の構図を考えてまして。2月のイベントに出るんで」
みゆき「2月ですか。そうですねぇ……2月7日は北方領土の日、19日は万国郵便連合加盟記念日とされてます。2月26日は二・二六事件が起きた日でもありますね。変わったところでは、10日は左利きの日、13日は銀行強盗の日というのもありますよ」
ひより(い、いや、そんなので絵なんて描けないっスよ、先輩……)

 みwikiには、記念日の一覧も完備されてます。
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/12(月) 13:32:52.04 ID:T/1c62DO
696: ◆z8VwCanbEA2009/01/12(月) 13:06:27.83 ID:wu4xaZo0
>>695
感じやすい・・・ところ・・・?難しいですね・・・
彼女は頭を撫でられるとデレます。それくらいですね。

>>690
彼女の家で泊まったとき

彼女「寝ているときに変なことしないでね」
僕「当然しないよ。」
彼女「約束だよ。」

約4時間後・・・
目が覚めると彼女とその姉に腕を抑えられて、ズボンとパンツを脱がされそうになる。
アッー!と叫び、振り払いトイレに逃げた。
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/12(月) 13:56:11.67 ID:EEx7IKUo
「いやー今月のティーク見たよ〜。みゆきさん一位じゃん! おめでと!」
「えと、ありがとうございます、恥ずかしいです……」
「陰謀よ」
「陰謀だよ」
「うおっ! 何かがみにつかさ」
「こんなランキング認めないわ、私が負けてるなんて!」
「そうだよ! こなちゃんならともかく、私やお姉ちゃんが負けてるなんて」
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/12(月) 14:00:32.12 ID:EEx7IKUo
まちがって書き込んでしまったorz

「そうだよ! こなちゃんならともかく、私やお姉ちゃんが負けてるなんて!」
「わーお、二人がなんかおかしくなってるよぉ」
「う、うぅぅ……」
「み、みゆきさん、元気出して?」
「うふふふふ。負け犬の遠吠えは見苦しいですよ! おほほほほ」
「なんですってー!」
「ゆきちゃんの癖にー!」
「みんなおかしいよぉ……誰か助けてぇぇぇぇ」


パティって、メインルートではまだ出てなかったんだな……今更知った
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/12(月) 19:04:10.14 ID:B6h1Wtc0
ちょいと投下前に実験

高翌良
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/12(月) 19:12:24.46 ID:B6h1Wtc0
コンクール作品投下
久しぶりに筆握った……
タイトルは『せかんど・こんたくと』
247 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:14:52.87 ID:B6h1Wtc0
二〇〇八年が終わった。
そして二〇〇九年が始まった。
私は今大学生メンバーと一緒に初詣から帰ってきて、いわゆる新年会みたいなのをやっていた。
お父さんは仕事でどっかいっちゃったし、ゆーちゃんは二年生の皆で違うところにでも初詣に行ったんだろう。
鷲宮神社に行かず、あえて家の近くに初詣をしに行ったから、私の提案はすぐにまとまった。
かがみいわく「皆で家に来ると、特にこの時期は大変なことになる」
とのことだったので、まあそれもそうかと思いながら適当にあそこに決めたんだよね。
それがなぜかは皆承知のことだし、今更説明するようなことでもないと思う。
「大丈夫だってーみゆきー。そんなおみくじで凶が出たくらいで死にはしないわよー」
横でかがみがみゆきさんを慰めている。
関係者が言うからこそ、それはしっかりとした慰めになっているのだろうが……。
「でもさー……高翌良……だしやっぱり凶引いちゃうのもしょうがないんじゃぁ……」
 みゆきさんが更に沈み込む。
「ゆきちゃんかわいそう……」
 つかさにまで心配されるみゆきさん。いや、同情か?
「うっ」
 さすがに今のは聞いたらしい。
「あんたらは何でそうとどめをさすかな!」
……新年になりあったらすぐに怒られたと。
ふと思いついたように私はいう。
「ねえかがみ、だったら大吉が出た私もそれくらいで喜ぶなよってことなのかな?」
「あんたはおみくじなんてどうなっても変わらんだろ!」
おうおう、怖い怖い。
つかさだったら適当にごまかしてなんか言ってくれるだろうなと思ってそっちを見ても、あははと曖昧に笑って目をそらした。
「つかさにまで見捨てられた!」
そうしてどうすればいいか更にわからなくなってコップを手に取るつかさが居た。
それでいいのか関係者!
「みさきちー!」
「見てておもしれーから助けねー」
「ひどっ!」
 峰岸さん……には助けを求めても無駄か。
 それでも一応そっちを見る。
「まあ……高翌良ちゃんが……あれ?」
 あの人みゆきさん並にうまいもん。色々と。
 狙ってやってんのかな?
248 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:16:26.88 ID:B6h1Wtc0
「いーもーん。どうせ私の味方なんていないんですよーだ」
「はいはいわかったから、次あんたの番よ」
 ……すねてもかがみには効かなかったか。
 そういって私は細長いリモコン型のコントローラーを手に取り、軽く動かし始める。
「しかし正月っつってもいつもとやることかわんねーなー」
 みさきちが口を漏らす。
「おもしれーからいーけどー」
「いやー、これこそが私達現代っ子の在るべき姿なのだよ。二人ほど例外がいるけど」
「こなちゃんいくら私達でも普通に過ごしてるよー……でもまあ最近は百人一首とか羽根突きとかしないもんねー」
「でも家って、昔はちょっとそんなことやってたわよ? 最近はもうほとんどしなくなったけど……まあ上の姉さんもいるし、さすがにもうやるような年齢じゃなくなったしね」
「そして今はお餅に精を出すかがみんであった」
突っ込みのかわりに飛んできたのは強烈な熱視線だった。
 ちょ、かがみそれ怖い……いつのまにその粋にたっしましたか……?
「でも一年の計は元旦にありとも言いますし――」
 みゆきさんが口を開く。
 そしてこの後私達は書初めをするはめになってしまった。
 誰もが絶句する中、平然と自分の意見が正しいといえるみゆきさん。
 文化祭の出し物の中でも平然と「筒箪笥の歴史」がどうのこうのとか言うのを意見として出し、一票であえなく惨敗したみゆきさん。
 天然?
 ……いや、もう何もいうまい。
 あの峰岸さんでさえ固まっていたことだし……。
249 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:18:01.92 ID:B6h1Wtc0
 さて、かがみのダイエット祈願という実らない書初めを目にして散々かがみを冷やかした後、料理が出来る三人で色々と作って適当に夕食にした。
 脇にはさっき皆で書いた書初めが立てかけてある。
 こうしてみるとよくもまあここまで個性を持ってかけるなあとも感心してしまった。 
 私が書いた「二次元潜水」
 ……うん、われながらいい出来だ。
 みさきちが書いた「一億獲得」
もちろんあたったら私に頂戴という台詞は言ってあげたよ?
元陸上部らしく瞬間的に否定されたけどなにか?
かがみが書いた「減量成功」
無理だね。
みゆきさんが書いた「大凶返上」
みゆきさんそんなに悲しかったのか……いつもおとなしいのにこんなことを書くとわ。
――――ちょっと待って、大凶って実際おみくじにあるの!?
つかさが書いた「天然返上」
また返上ですか?
自覚あった……というか、私達と離れて逆に注意されたとか?
つかさ、何があった。
峰岸さんの「背景拡大」
怖!! え、なにこれ! 
いや、凄いなんだか異様なんですけど!
しかもそれを見て何も言わないって何?
出番拡大とかそんなんだったらまだわかるけど。
背景がどんどんでかくなるって……その辺……。
「まあ、皆苦労してるってことでいっか」
「泉さん、いきなり何を……」
 ああ……しかもこのタイミングで来ますか峰岸さん……?
 しかも私の書初めへの視線に気づいていたようですね。
 そりゃ最近みゆきさんがあんなんだからって……。
 ちょっと、顔怖いですよ? そんなに睨まないでください。
「早速拡大を……」
「え? 何のことですか?」
 
 峰岸さんが怖いです――泉こなた。
250 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:19:15.50 ID:B6h1Wtc0
 さて、適当に話をしている中、皆で大学の話とかいろいろまだ続いているわけで。
 どこがどうのこうのサークルがどうのこうのと言っている間にすぐ時間は過ぎていく。
「そういえばさー、私達ってもうすぐ二十歳になるんだよねー」
 なんとなくおもいついたことを話題に出す。
「そうだねー、来年の今頃は成人式に出るんだよねー」
「あんた、ちゃんと成人式でなさいよね?」
 かがみ、ダメ押し担当。
「おうおう、かがみんは心配してくれるのかな? かな?」
「はいはい、いってろいってろ。あと成人してまであんたにかがみんとか言われたくないわ」
「じゃあ、かがみ様?」
 まだ覚えていたのか、という具合にまた熱視線が来る。
 う……まだまだぁ!
「きょうちゃん?」
 一瞬かがみがふらりとする。つかさまでがちょっと驚いたようにこっちを見る。
 そっか、これつかさがいったあだ名だっけ?
 確か一年生くらいだっけなー?
「お姉ちゃん、ごめん……」
 つかさの声が徐々に小さくなっていく。
「そういえばちびっ子、そんなこと言ってたよなーあれつかさの入れ知恵だったのかぁ」
「あれ? みさきち妹じゃなくてつかさって呼ぶんだ?」
「ん? なんかおかしいか?」
 いや、別に……という風に曖昧に濁して言葉をなくす。
 そういえばかがみがまだ復帰していないような……。
 そう思ってちらりとかがみの方向を向いたところ。
 や、やばい、熱視線が今度はスキルあがってレーザー化しそうな表情を……や、やめて。
「ごめんかがみ、私が悪かったから、許して! え? 何でそんなものもってんの? それ 雑誌の特典についてたハリセン……ちょ、痛いって! ハリセンでも結構ダメージある!そんな風に乱打したら、いくらなんでもハリセンにもダメージできてかわいそうとか思わないの? ちょ、タイム! うわぁぁぁぁぁぁ!」

251 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:20:21.52 ID:B6h1Wtc0
「あーあ、結構レアだったのにこのハリセン」
「知るか!」
「……今日のかがみは手ごわいなぁ」
「うるさいわね。……そういえばあんた、初詣で何をお祈りしてきたの?」
おうおうかがみ、話題そらそうと必死なのが丸わかりだよ?
「んー、なんだっけ? つかさは?」
間があった。
結構長かった。
なんかもう、ネタになるくらい長かった。
それよりも謎なのは、つかさが全く動いていなかった。
「……つかさ?」
「い、いきなり振られるとちょっと……何言うかはわかるんだけど――」
なんだかなぁ……なんだろうこの微妙な空気……。
「これじゃあ天然返上なんて絶対出来ないと思わない? みさきち」
「いやあーこれはちょっと違うと思うぞ?」
「で、結局何をお祈りしたの?」
かがみ、もう話題それてるのにまだ頑張ってるのか。
やっぱりかがみはわかりやすいツンデレだなぁ。
「えっと……いつもと同じだよ。皆で仲良く笑っていられますようにって」
 つかさが恥ずかしそうに言う。
 今更そんなこと恥ずかしがっていうような仲でもないだろうに。
「でもさあ……そんなの祈るまでもないことじゃない?」
 ああ……かがみ、あなたはなんて残酷な人なんだ。
 心の中で突っ込みを入れる。
「で、あんたは……まあどうせ二次元潜水なんて書くような奴だしね」
「今日のかがみはなんだか元気だねー、よっぽど話題をソラシタイノカナ?」
 そしてまた例の視線が飛んでくる。
「わかった、わかったって。えっと……私は、身長が伸びますようにって祈ってきたよー」
「なんだちびっ子、まだあきらめてなかったのか?」
「あんた、ゆたかちゃんにあきらめることも必要だよーなんて言ってた割には、ちゃっかり自分でも祈ってるんじゃない」
「こなちゃん……が、がんばって、ね?」
「――泉さん、がんばってください……ね?」
「まだ伸びるよ……たぶん、」
 今度も私の味方は誰も居なかったようだ。というかみゆきさんもつかさも峰岸さんも、戸惑ってるのも無理してるのも、ばればれすぎる。
 何で声があそこまで小さくなるかなぁ?
なんで簡単なお世辞もいえないかなぁこの人たち。
 ――かがみとみさきちはどうでもいいとして。
252 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:23:29.00 ID:B6h1Wtc0
にしてもさあ……いくらなんでも二十歳で百五十近いなんて……。
ないよねぇ……そういえばお母さんって何センチくらいだったんだろう?
写真見る限りお父さんとの慎重さ凄かったから、案外私より低かったりして。
……やめよう、こんなこと考えるのは。

なんとなくお母さんのことを思い出したので、トイレに行くふりをしてリビングの写真の前に行った。
よいしょと声を少しだけ立てる。
「……まだそんな年じゃないよねぇ」
なんとなくつぶやいてしまう。
誰も居ない空間は、私が感傷に浸るのに十分な空間だった。
暖房の効いていないその部屋は、私の部屋からの喧騒が聞こえても、この空間自体は閑散としているように思う。
少しだけ肌寒い。
写真の中のお母さんは笑っていた。
お父さんは、最後まで笑っていたよと私に教えてくれたけど、きっとそれは本当のことだと思う。
私はこの人のことを全然覚えていないけれど、それでもお父さんの様子やゆい姉さんの様子から、ああ、この人は本当に私のお母さんなんだなと思ったものだ。
そういえば……今年はまだ言ってなかったな。
私は深々とお辞儀をしてこう言った。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
私の長い髪の毛が少しだけ揺れるのがわかる。
風が吹いてきたようだ。
「――――――――――どこから?」
思わず呟いてしまった。
立ち上がり、どこから吹いてきたのかを確認しようとそこら中の戸を急いでチェックした。
さっき私が入ってきたところだけ少しあいていた。
でも部屋の中には当たり前のようにどこからの風もない。
ふと振り返ると、お母さんは相変わらず笑っていた。
「……なるほどね、お母さんって、結構いたずら好きなんだ」
そう思うとさっきの風がとてもやさしかったように思えた。
とても暖かかったように思えた。
どうして?
――よくわからない。
写真のところに行っても、何も変わっていないのは確かで。
「当たり前だよね」
また、独り言。
それでもいい。
私がそう思いたいだけなんだから。
「やっぱりもう一度いうよ」
形式的だけど、今この場にあう言葉はこれが一番あっているように思える。
「今年もよろしくお願いします」
そして――ありがとう。
あなたはやっぱり私のお母さんだった。
たとえそれがただ単に隙間から吹いた風だったとしても。
なんかどっかの変なおっさんがそんなことありえないなんて言ったとしても。
これがただの私の感傷が招いた心理学的錯覚だったとか言う人が居ても。

きっと――これが私とお母さんが久しぶりに会った時間なんだろうな。
253 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:24:42.78 ID:B6h1Wtc0
「……じゃあそろそろ戻るね」
 そう言って部屋を出る。
 でもその前に一度振り返って、あの見慣れた笑顔をもう一度見ておいた。
 なんとなく、私にどうして欲しいのかお母さんが話しかけているような気がしたから。
 大丈夫だよ。
 私がどうするのかは、もう自分でわかっているから。



「随分長かったわね、体調でも悪いの?」
 私を出迎えてくれた友人達は、さっきと変わらないと思えた。
 私だけ少し変わったかのような思いが出来て、少しだけうれしくなってしまう。
「別にー。ちょっとねー」
「……嬉しそうね」
 まあね、と曖昧に返事をして座る。
それにしても何だろうこの空気。
 さっきは変わらないと思っていたはずの風景が、何か違う。
 私が空けていたのは三十分か四十分くらいで、その間に何が変わったんだろう?
「……カメラ?」
 私の目に入ったものはそれである。
 つまり……お父さんの持ち物の一つがそこに置かれていた。
 確か私が高校の文化祭のデータを欲しいといったら、カメラの中に記録されているといわれて持ってきた奴だ。
 んー。それをテレビにつないであるってことは、何があったんだろう。
 文化祭の踊りでも見たいのかな?
「さーて、じゃあこれからちびっこの感動シーン上映会に入りまーす!」
 ……。
「私は止めたんだけど、みさちゃんが折角だからって……」
「私は、日下部さんと峰岸さんがそんなことをしているとは気づいていなくて……申し訳ありません」
「私たち二人も気づかなかったわよ。なんかこなたの様子を見てくるとかいって二人ともどっかいっちゃってさ。何が映っているのかも私は知らない」
254 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:25:14.13 ID:B6h1Wtc0
 ということは、だ。
 きっとあの少しだけあいていた隙間から私の姿をとっていたのだろうか。
 私が確認したとき、どうせ風なんて吹いているわけないと思って閉めなかったあの入り口。
「いや、じつを言うとあやのも何が入ってるかしらねーんだよ」
「みさちゃんが、泉さんが何やってるか見に行こうって。それで、なんかやってるみたいだから適当にカメラを仕掛けておいたらしいんだけど……」
 つまり、みさきちと私しか内容は知らない。
 あー、これはあれか。
 止める人なんて誰も居ないし、皆何が入ってるかわからない人ばかりだし。
 つまり。
「人の恥ずかしいところの暴露現場?」
「んー、まあそんなところだな。いやあー。ドラマ見させてもらったぜ! ありがとう!」
 よーし、阻止しよう。
 やめさせよう。
 たとえ皆からブーイングを受けても、絶対にこれは止めさせよう。
 皆正月気分でハイになっちゃってるから、こんなの見てもギャグにしかならない。
 必死で阻止しようとする私は、結局大衆の荒波には勝てなかった。



 ――私は最後まで笑っていたお母さんのように、この時間を大切に、笑ってすごしていこう。
 それが嬉しいことでも、悲しいことでも、私は皆を明るくすることが出来る人間になろう。
 きっと――お母さんもそれが言いたかったんだよね?
255 :せかんど・こんたくと :2009/01/12(月) 19:27:43.75 ID:B6h1Wtc0
――以上
元ネタはらき☆すた×ハルヒちゃんお楽しみ本の書き下ろしより

笑いをテーマにするとき今までにないくらいなに書けばいいか悩んだ……
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/13(火) 00:48:13.62 ID:lEHpW2M0
>>255
乙!みんなの書初めにいちいち吹いたww
最後らへんはちょっとしんみりしたなあ
なんかあったかい感じがしたGJ
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/13(火) 04:03:46.46 ID:1BlwxYSO
>>255
ほのぼのとした笑いを感じたGJ!
258 :せかんど・こんたくと :2009/01/13(火) 18:32:23.97 ID:ECZZnIQ0
いつもそうなんだけど

みゆきさんとあやのを動かすのが凄く難しいwwww
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/13(火) 19:52:04.41 ID:YD3mcwSO
みゆきさんは、書くたびにキャラが変わる気がする。
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 00:26:01.00 ID:PRWhj7M0
投下したコンクール作品見直してたら、かがみの台詞を変えたのにあやのの台詞を変え忘れて会話のつながりがおかしいところがあった。
コンクールは何か一つはやらかしますな…。
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/14(水) 00:27:11.60 ID:vjRYcISO
あの二人は静かでそんなに動かないから動かしにくいね

前のコンクールでみゆきさんが課題の時はみんな苦戦してたし
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 05:47:07.84 ID:ztbe7uc0
柊かがみ法律事務所──専門家同士のぶっちゃけトーク

 日本弁護士連合会会議室。
 日本弁護士連合会刑事法制委員会柊かがみ委員と日本医師会医事法関係検討委員会高良みゆき委員が、意見交換という名目で打ち合わせをしていた。
 議題は政府で現在検討中の「触法精神病患者にかかる刑事訴訟制度等の改正」。過去何度も改正された制度であるが、とある事件をきっかけにまた改正が議論されていたのだった。
 政府の審議会には、日弁連も日本医師会も審議委員を送り込んでる。その審議委員の意見を決めるのが、かがみとみゆきが属するそれぞれの委員会なわけで、そういう意味で二人はかなり重要なポジションを占めていた。


 数時間かけての打ち合わせが終わり、残りは雑談となった。
「こういう形でお会いするとは思ってもみなかったですね」
「そうね。お互い厄介事を押し付けられるような歳になったってことね」
 お互い、既に50代後半だ(ただし、遺伝的な形質からか、二人とも30代といっても通用しそうな容姿ではある)。
 かがみは弁護士、みゆきは精神科医。立場は違えどそれなりの能力と責任感を有する人間であったから、組織の中でそれなりの役割を担うようになったのも極自然な流れであろう。
「責任ある役割を担うようになったといった方がよろしいかと思いますが」
「どっちだって同じことよ。私なんて知財委員会の委員まで兼務なんだからやってらんないわ」
「かがみさんはその方面の権威ですし、致し方ないのではありませんか?」
 二次創作をめぐる著作権と表現の自由に関する法的問題についてはかがみは日本でも第一人者だ。日弁連の知的財産制度委員会委員への就任も周囲からは当然視されていた。
「なら、知財委員会だけに絞ってほしいわよ。刑事関連は得意分野ってわけじゃないし、本業だって暇じゃないのよ」
「得意分野の知財委員会の方では議論をリードなさっているともお聞きしてますが」
「私の独壇場ってわけじゃないけどね。委員の一人に著作人格権擁護論の権威がいてさ。私はどちらかといえば、表現の自由擁護論者だから、議論のたびにガチンコ勝負よ」
「そのわりには、日弁連の著作権法関係の提言はよくまとまっていらっしゃるようにお見受けしますが」
「徹底的に議論したうえで結論をまとめてるから。正反合、ヘーゲルの弁証法の実践ってとこかしらね。まあ、裁判自体がそういう構造だから、弁護士にとっちゃ慣れてることでもあるし」
 裁判の審理過程は単純化すれば、原告の主張(正)→被告の反論(反)→裁判官の判断(合)、といった具合で弁証法的である。
「なるほど。それは医師会も見習いたいところですね」
「それに、二人とも著作財産権がらみの利権をむさぼる団体には批判的だから、その点では一致してるのよね。利権団体を擁護する意見は二人がかりで叩き潰してるし」
「お二人とも、創作活動者の味方というわけですか」
「まあ、そんなとこ。ところで、みゆきは、今回も問題になってる触法精神病患者問題で法律分野に首突っ込んだクチかしら?」
「そうですね。精神科医として刑事事件での精神鑑定の仕事は多かったですし、その関連でいろいろと勉強していたら、いつの間にか日本医師会の医事法関係検討委員会の委員にまでなってしまっていたといったところです」
「勉強好きが招いた悲劇ね」
「悲劇というのは大げさな表現かと思いますが。ただ、法律問題をきちんと議論できる医者が少ないのは事実です。医者は科学と技術の世界ですから、法律の世界とは思考様式自体が根本的に異なりますし」
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 05:47:46.60 ID:ztbe7uc0
「ああ、それは分かるわ。大学のときに教授がいってたもの。医学部や医科大に出張して法律の講義するときに、法的な思考方法がなかなか理解してもらえなくて苦労するって。そういう意味では、みゆきみたいな文系の医者は貴重かもね」
「そうですね」
「で、本業の方はどうなのよ?」
「私は精神科医ですから忙しすぎるということはないですけど、他の科は過密労働が恒常的に問題になってますね。病院自体も経営がギリギリですし。医療過誤が起きれば莫大な損害賠償の支払いで破産は確実でしょう」
「厳しいわね」
「いまどきは、どこの病院でもそうですよ」
「うまくやってるのは開業医だけってやつ?」
「公的健康保険制度が破綻寸前ですから、開業医も安穏としてられる状況ではないですね」
「うわっ。それって日本の医療体制自体がやばいんじゃ……」
「正直にいえばそのとおりです。マスコミはあまり報道しませんけど、医療の完全崩壊は目前まで迫ってるんです」
「医師会としては何か対策を考えてるの?」
「これは口外無用にしていただきたいですが、一部では医療の国営化が真剣に検討されてます。民営・自治体営+公的健康保険の体制ではもうもたないので、国営化して税金で運営しようというわけです。具体的には、特定独立行政法人化が有力視されてますね」
「昔のどこぞの社会主義国みたいな話ね。どのみち、日本医師会の重鎮がそのまま独法に横滑りするつもりなんでしょ?」
「医師会の長老方はそのつもりでしょうけど、私個人はそんなにすんなりいくとは思ってはいません」
「そりゃそうね。医療の効率化を口実に政府が介入してくるのは確実だもの。最初のうちは医師会の長老方にポストを用意してても、そのうち厚労省からの天下り官僚で乗っ取られるわ。落ちたりとはいえ官僚たちを甘く見てたら痛い目にあうわよ」
「まあ、その辺は長老方も甘くは見てないでしょうが、どちらが上手かといったところですね。私は傍観者を決め込むつもりですが」
 みゆきは時計をちらっと見ると、
「おや、もうこんな時間ですね。長居してもいけないですし、今日はこの辺で」
「ちょっと待った。みゆきはこの後ヒマ? 久しぶりに会ったんだし、硬い話以外の話もしたいわ。夕食でも一緒にどう?」
「そうですね。ご相伴に預かりましょう」


 その後、二人は一緒にレストランで食事をとった。
 そして、高校時代の話とか共通の友人とかの話題でおおいに盛り上がったことはいうまでもない。

終わり
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 05:50:19.68 ID:ztbe7uc0
以上、みゆきさんを出してみました。

確かにみゆきさんはちょっと難しいよね。
天然ボケ以外で出すなら、知的な会話をさせないとならないし、そうなると相手はかがみぐらいしかいないかなといったところで。
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 07:39:26.15 ID:8Q7vfMSO
…ごめん。正直読み飛ばした。

でも、原作とかアニメ版のみゆきさんの知的な会話って、雑学程度な気がする。
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 08:18:59.71 ID:8Q7vfMSO
って書き込んでから思ったけど
みゆきさんって小児科とか産婦人科みたいに、医者の少ない所に自ら進んでいきそうな気がする
極個人的にだけど
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/14(水) 08:37:33.05 ID:hGwJECso
>>255
みゆき必死www そして、自覚があったつかさにワロタ
暖かい?w 笑いと、ちょっぴり切ない感じがよかった。GJ!

>>264
乙。日本やばいのか……。他のとこでやばいのは分かってたけど
にしてもこの二人レベル違いすぎるww

>>265
みゆきは知的なイメージなだけで、知識をひけらかすよう真似はしないからなぁ


個人的にみゆきは、優しくてかわいい子ってイメージのが先行してるからそんなに書き辛くはなかったり
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/14(水) 10:02:50.00 ID:EkT.CMSO
愛があればなんでも書ける。
間違えたって良いじゃない。人間だもの。

みさお
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/14(水) 13:01:06.27 ID:VVIpRx.0
その愛を出番少ない人たちに分けてやってはくれまいか?
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/14(水) 16:25:43.69 ID:NSwjxnc0
愛の波動砲
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 16:42:49.94 ID:8Q7vfMSO
チェリー「つまり、皆の愛でいよいよ私が輝くわけですね」
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 16:51:10.19 ID:hGwJECso
パティ、ひなた、ひかげの出番のなさは異常。パティなんて準メインなのにモブ扱いだぜ

「やー、まぁオタクキャラは私とひよりんがいるしね、仕方ないんじゃない?」
「コナタ! 戦友ノコトバがそれデスカ!」
「まぁ、巨乳キャラは高良先輩がいるからねぇ」
「ひよりん、親友のコトバがそれデスカ!」
「えと、英語とか、カタコトで喋らせにくかったりするんじゃないかな……」
「no! サイゴノ良心ノコトバがそれデスカ!」
「……テンションに、ついていけない……」
「オーマイガッ! ワタシノこのtensionがゲンインじゃ、ドウシヨウもアリマセン!」
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/14(水) 19:08:36.40 ID:ID3FOV60
>>264です。
 ご感想ありがとうございます。

>>266
>みゆきさんって小児科とか産婦人科みたいに、医者の少ない所に自ら進んでいきそうな気がする
 ネットで調べてみると、精神科医は他に比べると文系出身の医者がいるようです。精神医学とかかわりがある心理学も、形式的な分類では人文科学ですし。そこで、文系から医者になるなら一番近道だろうということで、精神科医に設定した次第。
 ただ、オールラウンドの秀才であるみゆきさんなら、なんでもできそうではありますが。

>>267
>乙。日本やばいのか……。他のとこでやばいのは分かってたけど
 フィクションなんで真に受けないようにお願いします。
 とはいえ、現状を見てると、30〜40年たったら、現実になってそうで怖い。
 勤務医なんて過密労働で馬鹿馬鹿しくてやってられないと、独立開業するパターンは実際にあるようです。私の故郷のとある市営病院で、勤務医数人が労働条件が過酷すぎるということで一斉に独立開業してやめちゃって、勤務医不足になったなんてことがありましたし。
 健康保険制度も、少子高齢化が進んだらもたなくなるのは確実ですからね(それを見越しての後期高齢者医療制度だったわけですが、袋叩きにあってるし)。

>個人的にみゆきは、優しくてかわいい子ってイメージのが先行してるからそんなに書き辛くはなかったり
 そういう部分を生かしてみゆきさんを書ける人は、羨ましい。
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/14(水) 19:09:04.20 ID:FtMHJADO
知的なみゆきさん萌
みゆきは結婚してるの?
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/15(木) 06:02:48.23 ID:NDraoC.0
>>274
 たぶん、結婚はしてるかと思います。
 みゆきさんは人格者だから、自分にとってどうしても許せない部分がなくて(→偏見とかを持ってる人は嫌いそう)、自分を愛してくれる人なら、誰でもOKという気がする。よって、婿の座は案外早い者勝ちかも。少年Aにもチャンスはありますな。
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/15(木) 11:28:55.04 ID:IOqYuISO
>>274
>>275の説で考えてみると少年Aは副委員長っていう座にいたから、印象的に有利だな
少年A頑張れ〜!
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/15(木) 17:23:09.39 ID:TxWmJbA0
個人的に、副委員長は再登場してほしいわ。
「あれ? みゆきさんって、俺と大学が同じだったの?」って展開で
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/15(木) 19:52:33.42 ID:em.C.0o0
>>277
 同じ大学ってのは厳しいんじゃないかな。
 少年Aが告白できなかった要因の一つに「俺じゃみゆきさんには釣り合わない」コンプレックスがあったと仮定すれば、「釣り合わない」部分には学力の差も含まれていた可能性が高いし。
 まあ、同じ大学でも、学部によってレベルの差はあるから、可能性がないとはいえないが。
 医学部のレベルがそこそこで、他の学部のレベルが低そうな関東圏の大学ってどっかあるかな。
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/15(木) 19:54:46.02 ID:5F7Al6SO
やっと完成した!

コンクール作品投下します。
多分15レスくらい
280 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 19:57:32.88 ID:5F7Al6SO
 行わなければ良かった。

 規則を守れば良かった。

 誰でも良いから彼女を止めて下さい。

 延々と襲い掛かる恐怖の渦が、彼女達を取り込んで行く……。


 ――忘れられないダークナイト――


 季節は秋。木枯らしが吹き荒れる前のこの季節になると、上級学生達には嬉しいイベントがやってきます。
 修学旅行。日本の歴史ある名所を観光し、学習する旅行……と表向きはこんな感じに言われているますが、殆ど遊びに行く様なものですね。
 友人と親睦を深めたり、いろんな思い出を作ったり、はたまたカップルが誕生したりと学生達にとって、なくてはならないイベントの一つです。
 そして、修学旅行の一番のイベントと言えば夜。消灯時間を守らず他の部屋に遊びに行ったり、ホテルから出たり、見回りの先生に見つからぬ様コソコソとスリリングな体験は学生ならではが出来る貴重な体験。まさに修学旅行の醍醐味と言っても過言ではないでしょう。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はそんな体験をしている、ある女学生達のお話です。
 時刻は既に消灯時間、本来なら寝ていなければいけない時間帯なんですが……。
 え? 私は誰か、ですか? ふふっ、そのうち分かりますよ。
281 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 19:58:38.56 ID:5F7Al6SO



「待ちに待った夜がやってきました。皆さんこんばんわ。こなたです」
 お姉さんもびっくりな真っ暗な部屋の中、懐中電灯の明かりを首から上に向けて、いかにもな雰囲気を出しまくりな彼女……泉こなたさんはこれから始まるイベントの始まりの挨拶を告げていました。
 この部屋には泉さんの他に、柊かがみさん、柊つかささん、高良みゆきさんの三人が居るようです。
 布団を『×』の形で向かい合わせ、枕をクッションに皆布団から顔を出しています。
 以上、状況説明終わり。
「これから恒例の夜イベントを始めたいと思います」
「恒例の……って、今日が初めてじゃないのか」
「そこ、水をささないの」
「へいへい」
 小さなツッコミを軽くあしらって、泉さんは続けます。
「良い? 皆分かってると思うけど、今は消灯時間。先生に見つかったら……おしまいなんだよ」 顔を凄ませつつ『おしまい』を強調して言う泉さん。その顔に向かいに居た怖い物が嫌いそうなつかささんは案の定ビクついています。
「こなちゃんの顔、ビリケン様みたいで怖いよー」
 それを聞いた高良さんは勢いよく顔を枕に沈めます。笑っているのかしら?
「みゆきどうした?」
「い、いえ……」
「そうそう、先生が来たらそんな感じで寝たふりをするんだよ」
 ビリケン様、あまり聞かない単語ですが、物知りな高良さんは聞いた瞬間に頭に浮かんだんでしょうね。
 とまぁ、今はそれは置いておきましょう。先生が来たら寝たふりをするのが泉さんの作戦のようです。
282 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 19:59:22.82 ID:5F7Al6SO
「なんかドキドキするね」
「それで? 今から何をするの?」
「ふっふっふっ」
 泉さんは妖しく笑うと、布団の中からゴソゴソと何かを取り出します。
「これさ」
「これって……」
「トランプ、だよね?」
 泉……分かりやすく皆名前に統一しましょう。
 こなたが取り出したのは何の変哲もないトランプ。定番といえば定番なんですが、こなたにしては普通すぎる選択に少し期待ハズレな顔をする二人と私。
 みゆきはまだ顔を埋めて……あ、ようやく顔を上げましたね。
「その反応、トランプなんてつまらないって言いたいんだね?」
「いや、別にそんなことは言ってないけど」
「安心しなよ、これはトランプじゃない」
 「え?」と不思議がる三人。どっからどう見てもトランプにしか見えませんが……こなたは何をするつもりでしょうか?
「では今からルールを説明します」

 手慣れた手つきでトランプを切り、山札を皆が手に取れるように真ん中に置きます。
「これから皆に怪談話をしてもらいます」
「階段話? よく階段に座って電話はするけど……」
「つかささん、その階段ではないかと」
「それとトランプとどんな関係があるのよ?」
 勘違いしてる妹の頬を突きながら、かがみが問いかけます。
 怪談話ですか……。
283 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:00:36.88 ID:5F7Al6SO
「うん、先ず怪談を話す人はカードを引くんだ」
 そう言って山札からカードを一枚引き、それを見せるこなた。
「カードに描かれてる数字、この数字の大きさで怖い話のレベルを決めるってことさ」
 話を要約しましょう。
 先ず、怪談話をする人は手前のカードを引きます。そしてそのカードに記されている数字、1〜13。この数字の大きさによって怖さレベルが上がるというものです。
 中々面白い発想ですね。
「なるほどね……つまり、引いたカードの数字に見合った話をしろということか」
「そそ、面白みがあると思わない?」
「確かに、普通に語るよりは面白みが増しますね」
「ふぇぇ、私そんなに怖い話なんて思い付かないよ〜」
「まぁまぁ、先ずは私がやってみるからさ」
 こなたは持っていた懐中電灯を山札付近を照らす様にセットします。
 どうやら引いたカードをここに置くみたいですね。数字をごまかすズルはダメって事でしょう。
「じゃあ行くよ?」
 コホン、と咳ばらいをしてから山札に手を置くこなた。
「私のターン、ドロー」
「そう言わなきゃダメ?」
「いや、別に」
 こなたは引いたカードを目視すると、ちょっと残念そうに山札の隣に置きました。そのカードの数字は果たして……。
「ダイヤの『5』ね」
「はぁ、もっと怖い話があったんだけどね〜。まぁいっか」
 そう言うとこなたは懐中電灯の明かりを消します。この部屋の僅かな明かりが消えたことで、つかさは「ひぇっ」と小さな悲鳴を漏らしました。
「これは去年の六月頃の話なんだ……」
 そして、とうとう怪談話が始まりました。
284 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:01:26.85 ID:5F7Al6SO



 六月頃にさ、凄い雨が降った日、覚えてる? あの日の夜の事なんだけどね?
 あの日、私はいつも通り勉強もしないでゲームしてたんだ……。

「ふぃぃ〜、やっと素ステが十万超えたよ〜」

 窓に当たる激しい雨粒が五月蝿かったんだよね。今思えば、あれは最後の警告だったのかな……。

「次はこの子のレベル上げだね」

 一つの目的を果たした私は、調子に乗ってたんだよね。何かに集中すると他の物って見えなくなることあるよね?
 だから奴の存在に気付かなかったんだ。てゆーかヘッドホンしてたし。

「む、もうこんな時間か。そろそろセーブしないと」

 そう思った私は拠点に戻ってセーブしたんだ。でもさ、セーブってちょっと時間が掛かるって知ってる?

 『セーブしています。絶対に電源を切らないで下さい』って出るからね。
 まさにその時だったよ。

「……へ?」

 テレビ画面が、部屋が真っ暗になったんだ。
285 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:02:13.35 ID:5F7Al6SO
 何が起きたのか一瞬分からなかった。突然の事で恐怖もしたさ。
 でも原因は直ぐに分かったんだ。ヘッドホンから聞こえてくる音が無くなった変わりに聞こえてくる音でね。

 それは……『雷』だよ。

 そう、この暗闇現象は雷による停電だったのさ。
 なんだ、ただの停電か……と安心した私はあることに気付いた。

 あれ……?


 ゲーム……セーブしてる途中だったよね……?


 嫌だ……。
 嫌だよ……。

 あれは二百時間も掛けて育てた愛すべきキャラなんだよ!

 こんな、こんな事で……。


 返して……。

 返して二百時間。


 私の二百時間を返してよ!!



「――あれ? 怖くない?」
「え、えーと……」
 怪談を、これでもかっ! てな位に怖く話したつもりのこなたですが、皆はどう反応して良いのか分からないといった表情でした。
 確かにこれはどう反応していいか難しいですね。
286 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:03:03.28 ID:5F7Al6SO
「なぁ、これって怪談なのか?」
 そしてやっと出た第一の感想がこれです。
「レベルファイブなんてこんなもんだよ。ま、かがみ達には分からない恐さだろうけど」
 そう悪態をつきながら、明かりを点けようと懐中電灯に手を伸ばすこなた。
「待ってくださいっ」
 みゆきは小さく叫ぶと、こなたとつかさの頭を押さえ、そのまま枕に押し付けました。
「おっ!?」
「わっ」
 それを見たかがみも異変に気付いたようで、身体を一回転。仰向けになり目を閉じます。どうやら例の作戦が発動したようですね。
 その瞬間、ガチャっと遠慮なく部屋のドアが開けられました。廊下の明かりの逆光で誰が来たのか分かりませんが、部屋の入口に立っています。
「今なんか叫び声が聞こえたような気がするんやが……」
 のっしのっしと寝たふりをする彼女達に近付く足音。その音に、四人の心臓は激しく高鳴っている気がします。
「ほぉ〜、仲良く寝とるやないか」
 なんてどすの利いた声でしょうか。まぁ、布団の並べ方が明らかに不自然ですからね。
 でも確かこの声は……。
「明日も早いんやから、早う寝ろよ〜。えぇな?」
 それだけ言うとその人は部屋を出ていきました。見逃してくれたみたいですね。
 見回りご苦労様です。黒井先生。
287 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:04:10.00 ID:5F7Al6SO
「行った、わね」
「ぷはっ」
「ゆきちゃん酷いよぅ」
「すみません。急でしたもので」
 しかし、みゆきの判断は正しい。そう思ったのか、こなたは特に気にすることもなく、明かりを点けました。
「ところでこなちゃん、さっきの話は結局どうなっちゃったの?」
「ん? セーブデータは無事だったよ」
 あっけらかんと答えるこなた。彼女の話は本当に怪談話だったのでしょうか?
「でもさ、一時間弱のプレイデータはセーブされなかったんだよね……悲しいよね」
 ここで「あるある」という返事があれば、こなたも救われたのでしょうが……生憎、他の三人はそういう経験は無いようで、苦笑していました。
 私は分かりますよ。ゲームではありませんが……。
「語りは上手でしたよ」
 そうですね、語りは良いセンスでしたよ。
「ありがとみゆきさん。じゃあ、再開しよっか。次は……」
 じぃっと目の前を見つめるこなた。つかさが視線に気付くと、こなたは顔を今以上にニンマリとしてつかさを見据えます。
「じゃ、つかさね」
「わ、私そんなに怖い話出来ないよ〜」
 そして早速頼りになる姉に目配せをしてしまうつかさ。
「つかさっ」
 そんなつかさにこなたは軽くデコピンをします。ちょっと痛そうです。
「いつまでもお姉さんに甘えていたら立派な大人になれないよっ」
 拳を握りしめて力説。声は大きすぎず小さすぎずといった感じです。
「様々な苦難を乗り越えてこそ、人間は成長するもの……そこから逃げようとするつかさは正しくダメ人間。それで良いのかね?」
 何か言い過ぎの様な気がしますが……。でもその言葉につかさはハッと何かに気付いたみたいですね。
 目の色が変わりました。
「こなちゃんには言われたくないけど……そうだね、私間違ってたよ!」
「分かってくれたか、つかさ」
「何を熱くなってるんだか」
 着いていけない、そう感じずにはいられないかがみなのでした。多分。
「よーし」
 つかさは山札に手を置き神経を集中させます。これがアニメやゲームならオーラが出ているんでしょうね。
288 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:05:08.72 ID:5F7Al6SO
「えーい」
 つかさが勢いよく引いたカードの数字は……!
「ハートの『10』か」
「およよ〜!?」
 ハートというのが可愛らしいのですが、数字が大変な事になってしまいましたね。
「数字が小さければ何とかなると思っていました……つかさです」
「気休めですが、頑張ってください」
「じゃ、明かり消すよ〜」
 再び暗くなる部屋。部屋が暗くなると静けさが増し、つかさに焦りが見えてきました。
「う〜んと、えっと……じゃああれにしようかな。うん」
 色々悩んだ結果、遂につかさが語り出しました。



 この前の帰り道の事なんだけどね? お姉ちゃんは委員会だったし、こなちゃんは途中で別れて私一人だったんだ。
 最近、変質者が多いっていう看板をよく見かけるし、一人の時はなるべく早く帰ろうと思って、ちょっと近道って事でいつもと違う道に入ったんだ。
 そしたら曲がり角で男の人にぶつかっちゃって、適当に謝ってその場を直ぐに離れたんだけど、何か足音が聞こえて来て、後ろ振り向いたらさっきの男の人がこっちに走って来てたの。
 変質者だと思って私も必死に逃げたんだけど「待てぇ」とか言ってきてね? 捕まったらヤられると思うと怖くなっちゃって私も無我夢中で走り続けたの。
 でも、私転んじゃって、男の人に肩を掴まれてもうダメだと思った時、男の人が「携帯、落としましたよ」って言って、何だ私の勘違いかぁ……。



「――っていうお話なんだけど……」
289 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:06:09.34 ID:5F7Al6SO
「それは優しいお方でしたね」
「つかさ、もう少し怖く伝えることって出来ない?」
「えぇー、これで精一杯だよぅ」
「まぁ、つかさにしては頑張ったんじゃない?」
 どうやらつかさは思ってることをどんどん口に出しちゃうタイプみたいですね。これでは怪談も怖くありません。
 というか、これも怪談話と言えるのでしょうか? 全くこの子達は……。
「ふぅ……」
 とりあえず自分の順番が終わって安心したみたいですね。
「つかさ、言っとくけど三週くらいするからね?」
 あらあら、残念でしたね。
「えぇっ!?」
「ば、声が大き、」
「こらー、まだ起きてるのかー? 早く寝ろよー」
 そうめんどくさそうに言うと、ぺったん、ぺったんとスリッパの足音を立てて見回りの先生は去っていきました。
 注意するならもっとちゃんとしないとダメですよ、もう。
「今の桜庭先生?」
「ちょうどつかさが大声出したときにそこに居たのね……なんにせよあの人で助かったわ」
「だね」
 安心して明かりを点けるこなた。
 はぁ、普段から気怠そうな態度してるか生徒に甘く見られるんですよ? 桜庭先生……。
「こなちゃん、もうやめようよ〜」
「何言ってんのさ、今から本命二人が語ってくれるのに」
「本命?」
「そ、かがみとみゆきさんは何か凄い体験とかしてそうだし〜」
「いえ、私はそんな……」
「勝手に期待されても困るけどな」
 盛り上がってますねぇ。でも確かにこの二人なら期待しても良いかも知れません。
 真面目そうな人ほど怪奇的な体験をしている可能性は決して低くありませんからね。
「そんな事言って、あるんでしょ? それなりに」
「まぁ……ね」
「ダイエットで失敗した話とか」
「そんな話ねぇよっ」
 まったく、と溜息を吐いて山札からカードを引きます。
 何だか見ていて飽きませんね、この子達は。
290 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:08:40.93 ID:5F7Al6SO
「ダイヤの『7』か」
「お、ラッキーセブンだね」
「泉さんよりも怖くて、つかささんより優しい話ですか……」
「ふむ、ならアレを話そうかな」
 これで三人目。かがみの怪談が始まります。
 さて、この子は一体どんな話をしてくれるのでしょうかね。わくわくします。



 ――あれは修学旅行に行く前の日の夜、つまり昨日の事ね。

「さて、明日は早いし早めに寝るかな」

 支度を済ませた私は、まだ九時だってのに寝る事にしたの。寝坊なんてしたくないからね。

 でもね、早く寝ちゃったからかな? 夜中に目が覚めちゃったのよ。多分、三時位だったかな。
 こんな時間に起きるなんて勿体ない。そう思った私は姿勢を変えて寝ようと思ったんだけど……。


 身体が動かなかったの。


 俗に言う金縛りって奴ね。突然の事に頭が真っ白になったわ。
291 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:09:32.93 ID:5F7Al6SO
 でも変なのよね、普通、金縛りって言ったら全身が動かない筈なのに上半身は動くし、足の股から下も動くのよ。

 問題なのは、お腹と腰の辺りだったわ。何かそこだけ妙に重みがあってね……。
 何かあるのかしら? と思って恐る恐る首を上げてその場所を見たわ。そしたら……。


 誰かが馬乗りで私のお腹に 座 っ て た の !


 ビックリした私は思わず叫びそうになったけど、なんとか口を手で抑えて声を押し殺せたわ。
 叫んだりしたらソイツに気付かれちゃうしね。

 とにかく私は目をつぶったわ。朝になればコイツは消える。そう思って必死に寝ようとしたのに……。

 今度は声が聞こえて来たのよ。それも何て言ってたと思う?

「かがみぃ……かがみぃ……」

 ゾッとしたわよ。名前を呼ばれてこれほど怖いと思ったのは初めてね。
 でもね、何か違和感を感じたの。この声、聞き覚えあるなーってね。
292 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:10:23.71 ID:5F7Al6SO

 それでね? 段々と暗闇にも目が慣れてきて、うっすらと顔が見えるようになってきたのよ。

 その正体は……。まぁ、姉さんだった訳だけどね。
 なんか寝ぼけてたみたいだったから直ぐに起こしたわよ。

「は、はれ? カッコイイかがみ……は?」
「知らないわよ。私、朝早いんだから早く自分の部屋に戻ってよ」



「――っていうオチ」
「えぇー、途中までドキドキしたのにそりゃないよーかがみー」
 素っ気なく締めなくても良かったと思いますが。せっかく良い雰囲気でしたのに。そして予想はしていましたが、やっぱりそういうオチなんですね……。
「オチが無ければ怖いまま終われましたね」
「だってこなたより怖くてつかさよりも優しく、でしょ? ゲームのルールに従ったまでよ」
「それでお姉ちゃん、朝ちょっと寝不足気味だったのかぁ〜。でも良いの?」
「何がっぁ……」
 おや? どうしたのでしょうか? 何かに気付いたらしく、頭を抱えています。
「みんな……今の話は他言無用でお願い。オチを少し変えようとしてたのに……ごめん姉さん」
 なるほど、今の話はそのお姉さんに口止めされていたのですね? それをありのままに話てしまい焦っている……ということですか。
293 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:11:21.19 ID:5F7Al6SO
「えぇ、分かりました」
「まぁ、貸し一つってことで」
「う、分かったわよ」
「いや、嘘だよ。もう、かがみんてば」
「ごめん、ありがと」
 良い友人に恵まれていますね。しかし……この子達の話はとても怪談とは言えませんね。
 本来怪談とは化け物や幽霊などの出てくる気味の悪い話。又は、真相がさだかでなく、納得のいかない出来事、という物の事を指すのですが……この子達の話にはそれらの要素が全くと言っていい程ありません。
「じゃあ次はみゆきさんだね。わくてか」
「あまり自信はないのですが……」
 むむぅ、これは一体どうしたものでしょう? もう限界です。我慢の限界です。
「あ、スペードの『3』ですね。ほっ」
「う〜ん、残念。次に期待っ」
「怖い話聞きたいんなら変なルール作るなよな」
「私は助かってるけど」
 私だって教職員です。生徒の間違いは正さねばなりません。そうです。私がやらねば誰がやるというのですか?
294 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:12:08.72 ID:5F7Al6SO
「では、簡単なものですが、ご聴取お願いします」

 誰も居ません。私しか居ないんですっ。

「ある日、階段で転んで眼鏡が割れた、」
 よいしょ。
「ぐぇ」
「え? こなちゃんどうし……」
「つかさ? どうしたのよ」
「こ、こなちゃんの背中に……誰かが馬乗りで座ってる!」
「あ〜な〜た〜た〜ち〜」
「「「「きゃあぁぁっ! お化け!?」」」」
 お化けとは失礼ですね。それと、そんなに大きな声を出したら隣の部屋に迷惑でしょう?
 まぁ、今はそれよりも。
「あなたたち、何をやっているんですかっ」
「ご、ごめんなさい」
「え、誰?」
「保健室の天原先生よ」
「あー、私保健室行ったことないからなぁー」
 それは身体が健康って事ですね。でも身体測定等で会っているはずなんですが……少し寂しいです。
「そんなことより先生、降りてもらえませんか? そろそろやばいです」
「あ、ごめんなさい。大丈夫でしたか?」
「なんとか」
 一先ず泉さんの隣に腰を降ろしましょう。ペースが乱れましたが、気を取り直して……。
295 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:13:01.02 ID:5F7Al6SO
「何をしていたんですか?」
 念の為、確認を。私の勘違いかも知れませんし。
「怪談話を少々……先生はいつの間に部屋に入ったんですか?」
「それはどうでも良いんです」
 最初から部屋に居た、なんて口が裂けても言えません。そしてやっぱりあれは怪談話だったんですね。
 でも、ま、とりあえずは役割を果たしておきましょう。
「とっくに消灯時間は過ぎてるんですよ? それは分かっていますか?」
「「「「はい。ごめんなさい……」」」」
 っと、少し口調がきつかったみたいですね。今回は私も半分参加していたようなものですし、この件についてはもう良いでしょう。
「今回の事は黙っておきますが、次からはこのような事がないようお願いしますよ?」
 私が精一杯の笑顔でそう伝えると、皆さんも安心したみたいで心地良い返事が返ってきました。
 良い子達です。
 さて、今度は例の怪談話の件ですね。この子達は『怪談』というもの『恐怖体験』と勘違いしている様ですが……私的に見過ごせません。
 正しい怪談というのを教えてあげませんと。先生として。
「話は変わりますが、先程、怪談話をしていたと言いましたね?」
296 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:13:58.18 ID:5F7Al6SO
「あ、もしかして先生もやりたいんですか? どうぞどうぞ」
「ふぇ?」
 とと、予想外の意見にちょっと驚いてしまいました。
「おい、こなた」
「だってまだ物足りないんだもん。夜はこれからサ」
「先生の目の前で言うか普通……」
 ふむ、そうですね。確かに口で説明するよりは実際に聞いた方が早いですよね。
「ねぇ、良いでしょ先生? 先生の聞いたら寝ますから」
 今さっき、夜はこれからと言ったのは誰でしたっけ? まぁ、良いでしょう。
「しょうがないですね〜。一回だけですよ?」
 何気にノリノリな自分に苦笑してしまいます。
「やたー」
「なんか怖そうだよぅ」
「どんな『恐怖体験』でしょうか?」
「流れ的にそんなに怖くはなさそうな気が……」
 ……あらあら、聞き捨てならないことをサラっと言いましたね。
 この子達はあまり私と面識が無いので知らないと思いますが……私、ホラーとかオカルトに関しては誰にも引けを取らない自信があるんデスヨ?
「じゃ、先生、先ずはこのトランプを――」
 言い終わる前に引きます。
「あれ? ルール説明しましたっけ? まぁいいや、数字はな、」
「『ジョーカー』ですね。私に相応しいと思いませんか?」
「あれ〜? ジョーカー、なんて入れたかなぁ……?」
「入れて無かったんですか? では何故ここにあるのでしょう……」
 私には分かります。まともな怪談を語られなかったトランプ達の怨念が、私に救いを求めてきたのだと。なら、それに全力で応えましょう……取って置きのあのお話で。
「あの、先生?」
「あなた達が語っていたのは怪談ではありません。私が本当の怪談というものを教えてあげますね?」
「え……?」
297 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:15:06.70 ID:5F7Al6SO





「お、やっと帰って来たか。長い見回りだったな、ふゆき」
「学校では『先生』を付けてください桜庭先生」
 そういえば見回りをしている事になっていたんですよね。うぅ、それにしても……。
「天原先生どないしたんですか? 顔が優れないようですが」
 あら、顔に出ていましたか。折角ですから聞いてもらいましょう。黒井先生なら分かってくれそうですし。
「それが、『330号室』に居たんですが……」
「ん? そこって確か泉達の部屋やな。あいつらまだ起きてましたか」
「いえ、今はぐっすりと眠っていますよ。ただ……」
「ただ?」
「私のお話の最中に眠ってしまったんですよ、それも急に」
「急にですか?」
「はい、やっぱり大人の話すお話は長くてつまらないんですよね……そう思うとショックで」
 私なりに飽きないよう完璧なまでの語りでしたのに、何がいけなかったんでしょうか……。
「なるほどなぁー、いやぁウチもそーゆー事よくあるから分かりますわー」
 やはり、クラスを持つことだけあってそういう事は日常茶飯事なんですね。
298 :忘れられないダークナイト [saga]:2009/01/15(木) 20:15:35.12 ID:5F7Al6SO
「あいつらにはウチからキツ〜く言っときますから、そう落ち込まんどいて下さいよ」
「……はぁ」
 そうは言ってもやはり自信を失くします。取って置きのお話でしたのに……。
「あ〜、そういえば天原先生はホラーとか好きなんですよね? 何かおもろい話があったら聞かせてもろてもえぇですか? まだ眠くないさかい」
「えっ!? 本当ですか? 調度今、誰かに話したくてうずうずしていた話があるんですよ?」
「そ、そうなんや……」
 まさかこんなにも早く鬱憤が晴らせるなんて! 黒井先生には感謝しなくてはなりませんね。
「では早速、明かりを消して――あら? 桜庭先生、どちらへ?」
「ん、ちょっと確認したいことがあってな」
「そうですか。もう晩いですし、早めに帰って来て下さいよ?」
「分かってるさ。すぐ戻るよ」
 折角だから一緒に聞いてほしかったんですけど……用があるなら仕方ありませんね。
 さて、明かりを消してっと。
「――では黒井先生、始めますよ?」
「はは、お手柔らかに」
 お手柔らかに? 手を抜いたら怪談になりませんよ? 冗談がうまいですね黒井先生。
 では、語りましょうか……。
「これはとある館の――」





「……ふゆきよ、これは眠ってるんじゃない。気絶だ。どんな話をしたんだお前は」



299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/15(木) 20:19:56.41 ID:5F7Al6SO
>>280-298
以上。19レスも使っちまったw
6巻を見てから惚れちまったこの人のSSをどうしても書きたかったんだ。
好きなキャラだけどやっぱり難しいわ(^O^)
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/15(木) 20:31:05.51 ID:miHdDZc0
>>299
すげえおもしれえww4人の怪談が怪談になってなくてうけたww
ちゃんとオチてるしww
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/15(木) 23:50:47.22 ID:WaGLKhs0
>>299
乙!みんなの怪談に吹いたww
「教職員」ていうのを見るまで視点がふゆき先生だとは全然思いつかなかったぜ
しかも勝手に部屋に忍び込んでたとかwwww
それにしても怪談はどんな内容だったんだ・・・恐るべし

302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/16(金) 05:19:38.59 ID:eVwtBlA0
>>299
 乙。
 本物のグリム童話が(おそらく)暇つぶし程度でしかないふゆきちゃんのジョーカー級の怪談。それはそれは恐ろしいでしょうなぁ……。
 相手が一年生組でなくてよかった。一年生組だったら、ゆーちゃんがショック死して、大事件になりかねないところだ。
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/16(金) 15:20:35.50 ID:cBfdzls0
AYA NOTE〜アヤノート〜


使い方

・このノートに名前を書かれた人間は峰岸あやのに萌える

・このノートにアニメの監督の名前を書き込めば、あやのが主役の第2期にすることも出来る

・このノートにあやののキャラソンの歌詞を書き込めばそのキャラソンが実現する

・このノートであやのの人気を上げてください
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/16(金) 15:48:02.71 ID:m7E8BKko
>>299
最初誰が語りかわからなかったけど、わくわくします。で分かったわw
各々いやって言うほど、らしい内容で笑わせてもらった。GJ!

みゆきワロス。ふゆきオソロシス

>>302
同意。ゆたかが聞いたら大惨事だ
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/16(金) 18:15:03.42 ID:KssaDMSO
>>300>>301>>302>>304

感想ありがとうございます!励みになりますよ〜
語りが初っ端からばれてなくて良かったw

>>302
だろうねw
でもゆーちゃんたちは、みなみも居るし真面目に早く寝ると思うので大丈夫、だと思う多分
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/17(土) 10:37:15.30 ID:mGAXg360
ふゆき先生はハリーポッターとか凄い好きそう
そしてオカルト趣味ということからケロロ軍曹のふゆき君と凄い話が合いそうww
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/17(土) 16:47:29.92 ID:dkevVH60
6巻042ページ「至高の味」より

そうじろう「こなた、ゆーちゃん、チョコ食べないか?」
こなた、ゆたか「いただきまーす」
こなた「でもどうしたのコレ?」
そうじろう「ああ、今日、編集部の子から貰ってね〜」
こなた「あー、バレンタインか〜」
そうじろう「何かそれ一粒で1800円とかするらしいぞ」
こなた、ゆたか「ぎょっ」
そうじろう「おいしい?」
ゆたか「やっ。美味しいんですけど…。1800円を表す表現が思い浮かばないっていうか…っ」
ゆたか(おじさん。これ義理じゃくて本命なんじゃ……)
こなた「市販のチョコとの微細な味の違いがわからないっていうか…っ」
こなた(お父さん。その編集部の人、あからさまに再婚狙いだからっ! もしかして全然気づいてない!?)
そうじろう「ああ、まぁ、そんなもんだよな。差なんてよくわからんよな」

 そうじろうは、かなたを除いて異性から向けられる好意については鈍感そうな気がする。
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/17(土) 17:58:32.57 ID:JQRViSI0
>>307
確かによく考えたら、あの高さは本命っぽいな。
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/17(土) 21:45:14.36 ID:PjwwjWs0
作家としてのランクで値段を決めてるとか
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/17(土) 23:51:53.82 ID:R70LF2o0
/|
|/__
ヽ| l l│<ハーイ
 ┷┷┷

311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/17(土) 23:52:46.74 ID:R70LF2o0
>>310
すまん誤爆したw
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 00:05:38.07 ID:VgsiCUSO
>>311
しかし吹いたわw
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 00:25:57.89 ID:B/ncxMSO
>>307
かなたさんに対しても鈍感でかなたさん苦労したんじゃないかな?

幸せ願う彼方からでそうじろうが語ったのは付き合ってから最後まで過ごした思い出から感じ取ったとか
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 00:50:12.48 ID:ShuveB60
誰も書き込みをしませんのでしたら、10分後にコンクール用の投稿をさせていただきます。
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 01:01:03.31 ID:ShuveB60
誰も書き込みしないようなので投稿させていただきます。

タイトルは『こなたと魔法使いの約束』です。
316 :第十二回コンクール参加作品@ :2009/01/18(日) 01:02:37.21 ID:ShuveB60
つかさ「こなちゃんって、笑ってること多いよね。」

 とある冬の放課後、学校の帰り道をいつものメンバーで歩いていると、不意につかさがそんなことを言い出した。

みゆき「言われてみれば、そうですね。」
こなた「いや〜、そうでもないよ。かがみの鋭い突っ込みに何度涙を流したことか。うぅ、ホロリ。」
かがみ「ほぉ、その涙とやらを見せていただきましょうか?」

 かがみはこなたを見下げながら(身長的な意味で)こぶしをボキバキと鳴らした。いち早く危険を察知したこなたはみゆきの後ろに素早く隠れた。

こなた「も〜、かがみったら、冗談に決まってるじゃん。」
かがみ「まったく・・・。」
こなた「あはははは、・・・・・・ふぅ・・・。」
つかさ「どうしたの、こなちゃん?」
こなた「え?あ、いや、・・・ちょっと、昔のこと思い出しちゃって。」
みゆき「昔のこと、ですか?」
かがみ「どうせ、くだらないことなんでしょ。」
こなた「う、うん、まぁ・・・ね・・・。」

 いつもと様子の違うこなたにかがみたちは一瞬戸惑った。

かがみ「ど、どうしたのよ、あんたらしくないじゃない。」
つかさ「こなちゃん?」
みゆき「あまり思い出したくないことでもあったのですか?」

 こなたの様子が変わったのは、“昔のことを思い出した”というあとである。そのことから、みゆきのような結論に達するのは至極当然であろう。

こなた「あ、いや、えと・・・。」
かがみ「言いたくないことなの?」
こなた「・・・」
つかさ「こなちゃん・・・」
みゆき「泉さん・・・」
かがみ「・・・」
こなた「まぁ、べつに隠さなきゃいけないことでもないし、話しちゃうよ。」

 こなたたちは近くの公園のベンチに座わった。こなたの左にかがみ、右につかさとみゆきがそれぞれ座っている。手には途中で買ったらしい紙パックの飲み物がある。こなたとみゆきはココア、つかさはオレンジジュース、かがみはお茶が入っていた。中身から察するに、かがみはダイエット中のようだ。

こなた「4年前の中学2年生の時にね、約束したんだ。笑ってるって・・・」
317 :第十二回コンクール参加作品A :2009/01/18(日) 01:03:37.14 ID:ShuveB60





                            こなたと魔法使いの約束




こなた「さぁ、帰ろうか、魔法使いくん。」
魔法使いくん「おぅ!」

 とある中学校に仲の良い男女がいた。女の方はこなたである。そして、男の方は魔法使いと呼ばれていた。

魔法使いくん「ところでこなた。」
こなた「何、魔法使いくん?」
魔法使いくん「その魔法使いくんって言うのやめてくんない?かなり恥ずいんだけど・・・。」
こなた「え〜、だってこの間の授業参観の時に将来の夢は魔法使いですって言ったじゃん。」
魔法使いくん「た、たしかにそう言ったけど・・・。」
こなた「だから、君は魔法使いくん!あなたに拒否権はありません!以上!!」

 こなたは魔法使いと呼ぶ男に“ビシッ”と指を突き立てて言い放った。

魔法使いくん「なんじゃそりゃ・・・。」

 魔法使いと呼ばれる男も少々呆れぎみだった。

魔法使いくん「まぁ、いいや。とっとと帰るか。」
こなた「うん!」

 そう言うとこなたは、魔法使いと呼ぶ男の腕にしがみついた。そして、二人はそのまま教室を出て行った。

(((((お熱いことで・・・)))))

 教室に残っていたクラスメイトはそんなことを考えるのであった。
318 :第十二回コンクール参加作品B :2009/01/18(日) 01:04:25.68 ID:ShuveB60





魔法使いくん「ふぁ〜」
こなた「どうしたの、そんな大きな欠伸しちゃって。」
魔法使いくん「いや、昨日お前に付き合わされてずっとネトゲやってたから。」
こなた「ふ〜〜ん。」
魔法使いくん「しかし、よくお前は平気だな。俺と一緒にネトゲやってたのに。」
こなた「大丈夫、その辺のところは鍛えてあるから。」
魔法使いくん「もうちょっと有意義なことしろよ。」
こなた「えっへん!」
魔法使いくん「ほめてないから・・・」

 極小な胸を突き出して威張っているこなたに、呆れて溜息を吐く魔法使いくん。

魔法使いくん「時々お前の将来が心配になるよ・・・。」
こなた「うん?」
魔法使いくん「そういや、お前、この間の授業参観の時に将来の夢、なんつったっけ?」
こなた「私?私はねぇ・・・誰かに寄生して生きたい、だよ。」
魔法使いくん「なんじゃそりゃ。」
こなた「え〜、誰だって憧れるでしょう、そういう生活。」
魔法使いくん「憧れねぇよ。て言うか、寄生された方はものすごく迷惑だ。」
こなた「やっぱり、料理ができる人がいいよね。それともお医者さんがいいかな。」
魔法使いくん「待て待て、誰もそんなこと聞いてないから。」
こなた「それとも・・・弁護士がいいかな。」
魔法使いくん「いやいやいやいや、ちょっっと待て。お前、なんかやらかす気満々か!?」
こなた「さぁ、どうだろうねぇ。」
魔法使いくん「・・・」

 ニマニマと笑うこなたに、魔法使いくんはかなり引き気味になってしまった。

こなた「冗談だよ、冗談。いくら私でも、警察のお世話になるようなことはしないよ。」
魔法使いくん「そうであってほしいな・・・。」
こなた「で、君の将来の夢は魔法使いだったね。」
魔法使いくん「いや、あれはうけねらいで・・・」
こなた「そっか。じゃ、将来は“ピー○カ・ピリ○ラ・○ポリナ・ペー○ルト”とか言うわけだ。」
魔法使いくん「おい!それ、魔法使いじゃなくて魔女だし!!しかも見習いの!!!」
こなた「ん?それとも“汝のある○き姿に戻れ”?」
魔法使いくん「それも魔法使いとは少し違うって!まぁ、さっきのよりはメジャーだろうけど・・・。」
こなた「“テクマ○マヤコン”?」
魔法使いくん「古い!!」

 こなたに対する突っ込みの連続のせいか、魔法使いくんは疲れだしたようであった。
319 :第十二回コンクール参加作品C :2009/01/18(日) 01:05:07.40 ID:ShuveB60

魔法使いくん「はぁ〜」
こなた「くすくすくす・・・」
魔法使いくん「な、なんだよ、なに笑ってんだよ。」
こなた「ん〜ん?いやぁ、なんだかんだ言っても魔法使いくんは私にあわせてくれてるなぁ、と思ってね。」
魔法使いくん「へ?」
こなた「こうやって私の言うことに突っ込んでくれるし、買い物にも一緒に行ってくれるし、ネトゲもそうだしね。」
魔法使いくん「そ、それは・・・」
こなた「まぁ、だから好きなんだけどね、魔法使いくんのこと。」

 いきなり、なんのためらいもなく“好き”と言われて魔法使いくんの顔が赤くなる。確かに、二人は付き合っている、という仲なのだが、不意にそんなことを言われれば顔が赤くなるのも当然かもしれない。

魔法使いくん「や、べ、別に、お、お前にあわせてるわけじゃなくて、ち、違うものを違うと言ってるだけで、買い物だって、お、俺が行きたい所がたまたま一緒なだけで、その、えと・・・」
こなた「ニヤニヤ。」
魔法使いくん「こ、こなた?」
こなた「男のツンデレっていうのもけっこう乙だね。」
魔法使いくん「こ・な・た〜!!」
こなた「いや〜ん、魔法使いくんにおっそわれる〜ん。」

 こぶしを握って怒りを表している魔法使いくんに対して、キャハキャハとはしゃぐこなたなのであった。

魔法使いくん「まったく、お前は。」
こなた「にゃははは、怒らない怒らない。あ、そうだ、今日もネトゲしよ。一緒に森の怪物を倒しにさ。」
魔法使いくん「は?いや、今日は無理だろ。」
こなた「え?なんで?」
魔法使いくん「だって今日、英語の宿題出ただろ。明日提出の。ネトゲしてる時間ないって。」
こなた「そっか・・・。じゃ、明日、写させて。」
魔法使いくん「自分でしようという選択はないんかい。」
こなた「ない!」
魔法使いくん「即答かい・・・。でも、それも無理だぜ。提出は明日の1時限目だから写してる時間はないと思うぞ。」

 それを聞いたこなたはピタリと歩くのが止まった。魔法使いくんが振り返ると、そこにはなにやらごそごそと自分のかばんを漁っているこなたがいた。

魔法使いくん「こなた、もしかして英語の教科書置いてきたのか?」
こなた「英語に限らず全部置いてってるけどね。」
魔法使いくん「おいおい・・・。」
こなた「ごめん、一回教室に戻って取ってくる。」

 そう言うとこなたは、来た道を戻り始めた。
320 :第十二回コンクール参加作品D :2009/01/18(日) 01:05:48.12 ID:ShuveB60



     悲劇はその時に起きた。

     こなたが戻り始めた道の先の交差点はあまり見通しの良い所ではなかった。

     それゆえにこなたは自分に近づいてくる車に気が付かなかった。

     車の方もこなたに気が付いていないようだった。

     車はスピードを緩めずこなたも交差点を飛び出す形となってしまった。

     結果・・・



キーーーーー、ドン!!



 こなたは突き飛ばされてしまった。

 しかし、痛みはほとんどなかった。

 車に撥ねられたような感覚はなく、どちらといえば人に押し飛ばされたような感じであった。

こなた「あ・・・あれ?」

 こなたは自分の置かれている状況がつかめずにいた。自分は車に轢かれたのではないのか、と考えていたが、そうではないのだとすぐに分かった。こなたは後ろを振り返った。

こなた「え?」

 そこには先ほど走っていた車があった。そして、その先には、

こなた「そ、そん・・・」

 こなたを車に突き飛ばされるのを助けた、ついさっきまで一緒に話していた魔法使いくんの姿があった。

こなた「いやぁぁぁあああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

 黒い制服の一部を赤くして・・・。
321 :第十二回コンクール参加作品E :2009/01/18(日) 01:06:28.50 ID:ShuveB60





ピーポーピーポーピーポー・・・

 こなたと魔法使いくんを乗せた救急車が病院に向かって走っていた。魔法使いくんの体には脈を計るためにコードが付けられている。魔法使いくんはまだ、意識がなかった。

こなた「ねぇ、起きて・・・お願い、死なないで・・・」
救急隊員「患者を揺すらないでください、脳震盪を起こしている可能性があります。」

 泣きながら魔法使いくんの揺すっているこなたを救急隊員が止めた。

魔法使いくん「う・・・あ・・・」

 魔法使いくんが意識を取り戻したようだ。

こなた「あ!起きたの!!」

 魔法使いくんはその声のする方、つまりこなたのに向かってゆったりと顔を向けた。

魔法使いくん「ひでぇ顔してんな、こなた。」

 魔法使いくんはクスリと笑いながらそう言った。

こなた「え?」
魔法使いくん「すっげぇ泣き顔だぜ。」

 魔法使いくんは弱々しい声になっていた。

こなた「だって、だって・・・」

 こなたはその先何も言わなかった。否、言えなかった。それは、魔法使いくんがゆっくりと手を伸ばして、こなたの頬に触れたからである。そして、触れている手の人差し指で優しく涙を拭き取った。

魔法使いくん「笑え。」
こなた「え・・・?」
魔法使いくん「こなたに泣き顔なんか似合わない。」
こなた「・・・」
魔法使いくん「だから、笑ってくれ。こなたに一番似合ってるのは笑ってる顔だから。」
こなた「・・・うん!」

 こなたは笑顔で答えた。さっきまで泣いていたのだからうまく笑えなかったが、それでも精一杯の笑顔を見せた。そして、頬に触れている魔法使いくんの手をそっと両手で掴みながら言った。
322 :第十二回コンクール参加作品F :2009/01/18(日) 01:07:30.78 ID:ShuveB60

こなた「私、笑っているよ。だから、だから・・・」
魔法使いくん「こなた、俺少し寝るわ。」
こなた「え!?だ、だめだよ、寝ちゃ。もし寝ちゃったら・・・」
魔法使いくん「おやすみ、こな、た・・・」

 魔法使いくんは再び意識を失った。こなたが掴んでいた手が滑り落ち、ベッドの下に落ちた。と、同時に脈を計っている機械から“ピー”という無情な音が響いた。

こなた「・・・うそ、だよね?ねぇ、ねぇ・・・う、わああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

 こなたの泣き声が救急車の中を支配したのであった。





こなた「それでねその後、」
つかさ「もういいよ、こなちゃん!!」
かがみ「こなた!!」

 こなたの隣で話を聞いていたかがみとつかさはこなたに抱きついた。二人とも泣いているようだ。みゆきもハンカチを取り出して涙を拭っている。

つかさ「辛かったよね、こなちゃん。好きな人が目の前で死んじゃって。私だったらたぶん立ち直れないよ。」
こなた「あの、つかさ・・・」
かがみ「あんたはいつも楽しく笑ってるんだから、きっと天国の魔法使いって人も安心して見守ってるわよ。」
こなた「えと、かがみ・・・」
みゆき「私たちはその方の変わりにはなれません。しかし、泉さんのことを親友だと思っています。ですから、泉さんを悲しませるようなことはしません。私たちも泉さんには笑っていてもらいたいですから。」
こなた「み、みゆきさん?」
かがみ「そうよ、私たちはこなたを悲しませるようなことは絶対にしないわ!」
つかさ「そうだよ、こなちゃん!」
こなた「ああ・・・えっとぉ・・・」

 つかさやみゆきだけでなく、いつもは突っ込みをいれるかがみまでもこなたの話しに感傷的になっていた。こなたはなにか言いたいようだが、言うタイミングを逃してしまっているようだった。

“しばらく連絡とってないけど、今何してんのかな”
かがみ(あれ?)

 かがみは前にこなたがそんなことを言っていたのを思い出した。先ほどの話しの流れからいくとそのようなセリフはおかしいのではないか、と疑問を持ち始めた。

かがみ「ねぇ、こな」
?????「あれ、こなたじゃねえか?」

 不意に同学年くらいの男子がこなたに話しかけて来た。
323 :第十二回コンクール参加作品G :2009/01/18(日) 01:08:11.07 ID:ShuveB60

?????「やっぱりこなただ。ひさしぶりだな!」
こなた「あ、魔法使いくん!ひさしぶり。」
かがみ「・・・は?」
みゆき「・・・」

 こなたのセリフに呆けているかがみとみゆき。つかさはなぜか怯えていた。

みゆき「つかささん、どうなされたのですか?」

 我に返ったみゆきが様子のおかしいつかさに話しかけた。

つかさ「だ、だって、魔法使いくんって車に跳ねられて死んじゃった人でしょ?と、ということは、ゆ、ゆ、ゆうれぇぇぇぇぇ!?」
かがみ「違うわよ!ていうか、こなた、あんたさっきの話し、うそ!?言っていいうそと悪いうそがあるでしょ!なに考えてるのよあんたは!!」
こなた「ちょ、ちょっと待ってかがみ、落ち着いてよ。」

 怒っているかがみをこなたはどうにか宥めようとした。かがみはうそを言ったことよりも人を勝手に死なせたことを怒っているようだった。ちなみに、「え?ゆうれいじゃないの?」「はい、違います、そもそもゆうれいというのは(中略)ということなのです。」「どんだけ〜」という会話がつかさとみゆきの間で交わされていたが、ここでは割愛させてもらう。

魔法使いくん「えっと・・・」

 話しについていけずに置いてきぼりを食らってしまっている魔法使いくん。

かがみ「あんたもなんか言ってやんなさい。こいつ、あんたのこと交通事故で勝手に死なせてるのよ。」

 そんな魔法使いくんの様子に気づいたのか、それとも無意識か、かがみは魔法使いくんに話しを振った。

魔法使いくん「交通事故?もしかして4年前のことか?」
かがみ「え?え、えぇぇぇ?」

 かがみは話しが分からずにこなたと魔法使いくんを交互に見ていた。

つかさ「や、やっぱり、ゆうれぇぇぇぇぇ!?」
こなた「つかさも落ち着いてよ。みんな話し、最後まで聞かないんだから。」
かがみ「ど、どういうことよ。」
こなた「この話しには続きがあってね、」
324 :第十二回コンクール参加作品H :2009/01/18(日) 01:09:01.92 ID:ShuveB60





こなた「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
“バコッ!!”
こなた「ふが!?」

 突然、泣いているこなたの頭に衝撃が来て、間抜けな声を出してしまった。なにが起こったのか分からずにキョトンとしていると、魔法使いくんは上半身を起こした。

魔法使いくん「うるさいぞこなた、おやすみって言ったのが聞こえなかったのか!?あいててて・・・」

 魔法使いくんは体を抑えて再びベッドに倒れ込んだ。

こなた「え?え?ええ??」

 状況が掴めずこなたはオロオロしていた。

魔法使いくん「昨日はお前に付き合わされてずっとネトゲしてて寝みぃんだ。寝かせてくれ。」
こなた「え?いや、だって、いま、ピーって・・・」
救急隊員「すいません、抜けたコード付け直したいので少し退いていただけますか?」
こなた」「・・・はい?」

 救急隊員が魔法使いくんの手に引っかかっているコードを機械に付け直すと、魔法使いくんの脈が正常であることを示し始めた。こなたはそれを引きつった顔で見ていた。

魔法使いくん「頼むからうるさいしないでくれよ、マジで寝むいから。」

 魔法使いくんは欠伸をしながら言った。

“ブチッ!!”

 そんな音が聞こえてこなたの方を見ると、ものすごい顔でこちらを睨みつけていた。

魔法使いくん「こな・・・た?」
こなた「そっかそっか、寝たいのか。OK、OKぐっすり寝かしてあげるよ。」

 こなたはこぶしをバキボキと鳴らしながら表情を変えずにそう言った。
325 :第十二回コンクール参加作品I :2009/01/18(日) 01:09:58.73 ID:ShuveB60

魔法使いくん「こ、こなた?こなたさん??こなた様???」
こなた「おやすみ・・・」

 そう言うとこなたはこぶしを振り落とした。

“ドスッ!!”
魔法使いくん「ぐえ!?」
救急隊員「あ・・・」

 小さい頃合気道をしていて、運動神経も良いこなたのこぶしは強力だった。しかも、振り下ろした所は・・・

魔法使いくん「こなた、どう、して・・・」
こなた「私を心配させたバツです!」
魔法使いくん「ぐ・・・、ガクッ、チ〜ン・・・」
救急隊員「えっと・・・死因は“キン打撲”でいいでしょうか?」
こなた「はい、いいと思います。」

 こなたはハンカチで手を拭きながら答えた。
 こなたと魔法使いくんを乗せて走っている救急車のサイレンが、さみしく響いていたそうな。





かがみ「・・・」
つかさ「・・・」
みゆき「・・・」
魔法使いくん「・・・」
こなた「・・・あは。」
かがみ「あは、じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 こなたはその場の雰囲気を変えようとかわいらしく言ってみたが、どうやら逆効果だったようだ。

かがみ「なんじゃそりゃ、どういうオチだ!どこの漫画ネタだそれは!!」
こなた「オチって・・・別にネタとかじゃなくて、全部本当の話しだよ、ねぇ?」
魔法使いくん「あ?ああ、全部本当の話しだが。」
こなた「ほらね。」
かがみ「なによそれ。隠すほどの話しでも思い出したくないほどの話しでもないじゃないの。」
こなた「隠してはなかったけど・・・思い出したくないことではあったけどね。」
かがみ「なんでよ。」
こなた「私のせいでさ、魔法使いくんけがさせちゃったわけだしさ。」
かがみ「あ・・・」

 こなたは毒舌ではあるが、とても友達思いである。そんなこなたにとって、自分のせいでけがをさせてしまった、ということはあまり良い思い出ではないようだ。
326 :第十二回コンクール参加作品J :2009/01/18(日) 01:10:39.81 ID:ShuveB60

魔法使いくん「気にすることないって。大したケガでもなかったし、跡が残ったわけでもないんだから。」
こなた「それは、そうなんだけど・・・」

こなたはうつむいてしまった。表情はよく見えないが暗くなっているように見える。

魔法使いくん「こなた・・・」
かがみ「こな、た?」
こなた「そうだよねぇ、気にする必要ないよねぇ。」

顔を上げたこなたはいつもの猫口に糸目でニヤニヤとしていた。

つかさ「わ、こなちゃん立ち直り早!!」
こなた「いつまでもうじうじしてちゃダメなのだよ、皆の衆。」
みゆき「それは、そうですが・・・」
こなた「むふふ。あ、そうだ、魔法使いくん。」
魔法使いくん「ん?」
こなた「君はちゃんと魔法の修行してるかね?」
魔法使いくん「するか!てか、どうやってするんだよ!!」
こなた「え〜、してないの?“ファンファ○ファイン・ラン○ンレイン”とか。」
魔法使いくん「しません!しかもマイナーすぎだろ。」
こなた「じゃ、“魔法変身マー○・マジ・マ○ーロ”とかは?」
魔法使いくん「意外と古いぞ、それ!まぁ、俺は“ボ○ケンジャーVSマ○レンジャー”を見てみたかったがな。」
こなた「“メタモ○フォーゼ!!”」
魔法使いくん「猫ですか?蝶ですか?」
こなた「いえ、薔薇です。」
魔法使いくん「蝶と変わんないから!てか、魔法関係なくなってるし!!」

 こなたと魔法使いくんのそんなやり取りをかがみとつかさは意味が分からないような感じで呆けていた。みゆきはニコニコしながらおもしろそうに聞いていたようだが。

つかさ「えっと・・・こなちゃんと魔法使いくんって仲良いね。今でも付き合ってたりするの?」

 魔法使いくんがこなたへの突っ込みに疲れてゼェゼェいい始またところにつかさが話しかけてきた。

魔法使いくん「え?あぁ・・・それは」
こなた「いえ、もう別れました。」
つかさ「ほぇ?な、なんで?」
こなた「あんな紛らわしい寝方する人とは付き合ってられません。」
かがみ「なによそれ・・・」
こなた「ん〜、まぁそういうもんだよ。あ、もうみんな飲み終わってるね。私捨ててくるよ。」

 そう言うとこなたはかがみたちからコップを(ほぼ強引に)受け取り、自販機横のゴミ箱へ捨てにいった。
327 :第十二回コンクール参加作品K :2009/01/18(日) 01:11:19.25 ID:ShuveB60

かがみ「無理しちゃって・・・。」
つかさ「え?」
みゆき「かがみさん?」
かがみ「わざと明るく振舞って心配させないようにしてさ、別れた理由だってたぶん違うんでしょ?」

 かがみは魔法使いくんを横目で見ながら言った。

魔法使いくん「ああ、たぶん、負い目があるんだろうな。気にする必要もないのにさ。」
かがみ「こなたはあんなのだからね。」
魔法使いくん「そうだな。毒舌で、」
かがみ「人のことおちょくって、」
魔法使いくん「楽天的で、」
かがみ「セクハラまがいのことして、でも、」
魔法使いくん「元気で、」
かがみ「友達思いで、」
魔法使いくん「少し寂しがりなとこがあって、」
かがみ「ちょっと甘えん坊なところがある。それが、」
魔法使いくん「そう、それが、」
「「すごくかわいらしい。」」

 かがみと魔法使いくんはクスリと笑った。ここまで同じ考えの人はめずらしいだろう。

かがみ「まぁ、振られちゃったのは残念だけどね。」
魔法使いくん「そうだな。でも、まだ諦めてないけどな。」
かがみ「え?」
魔法使いくん「いつかもう一度振り向かせてやるよ。こなたは俺の嫁だからな。」

 魔法使いくんは親指を自分に向けて言った。その言葉にかがみはムッとした。

かがみ「残念だけど、それは無理ね。」
魔法使いくん「ん?なんでだ?」
かがみ「私がこなたの嫁だからよ。」

 魔法使いくんは一瞬呆気にとられたが、すぐにその意味に気付いた。

魔法使いくん「なるほど、こなたがそう言ってわけだ。」
かがみ「ええ、そうよ。」
魔法使いくん「つまり、俺たちは一種のライバル、というわけだ。」
かがみ「そういうことね。」

 二人はお互いの目を離さずにいた。表情こそ穏やかに見えるがその裏では一歩も譲ることのない戦いが繰り広げられているようだ。

つかさ「ゆ、ゆきちゃん、お姉ちゃんたち、どうしたんだろう?」
みゆき「さ、さぁ、よく、分かりませんね・・・。」

 そんな二人をつかさとみゆきは半ばおびえるように見ていた。
328 :第十二回コンクール参加作品L :2009/01/18(日) 01:12:05.81 ID:ShuveB60

こなた「お〜い、みんな、そろそろ帰ろ。」

 こなたがカップを捨てて戻ってきた。しかし、戻ってみると、かがみと魔法使いくんの様子がおかしいことに気が付いた。

こなた「どうしたの、かがみ?」
かがみ「なんでもないわよ、こなた。」

 かがみはこなたの方を向いてそう答えた。だが、目はチラチラと魔法使いくんの方に向けられていた。

こなた「そう?それならいいんだけど・・・。」

 こなたは少々納得できないようだった。

魔法使いくん「それじゃ俺、もう帰るわ。」
こなた「え?あ、そう。じゃあね。」

 こなたは軽く手を振った。魔法使いくんも片手を軽くあげてそれに答え、そのまま後ろを向いて歩きだした。

かがみ「待ちなさい。」

 魔法使いくんはその言葉に足をピタリと止めた。しかし、振り向くことはしなかった。

こなた「か、かがみ?」
つかさ「・・・」
みゆき「・・・」

 つかさとみゆきは無言で見守っていた。

かがみ「私の名前は柊かがみ。あなたの名前も教えてもらえるかしら?」

 魔法使いくんはクルリと振り返った。そこには不敵に笑うかがみがいた。魔法使いくんも相応の表情で返した。

魔法使いくん「宣戦布告、というわけだ。いいぜ、教えてやるよ。」

 こなたをめぐる二人の戦いが静かに始まろうとしていた。

魔法使いくん「俺の名は・・・・・・


   〜おわり〜

329 :第十二回コンクール参加作品あとがき :2009/01/18(日) 01:15:25.75 ID:ShuveB60
以上です。いかがでしたでしょうか?

今更ながらお題に合ってるかどうか心配になってきました。
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/18(日) 01:37:18.79 ID:bPxMHw60
>>329
GJ。お題のことなら心配ないと思う。
それにしても怪我人相手に容赦ないことするなぁ、こなたはww
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 08:42:57.36 ID:YzUeduU0
>>329
 乙。
 仮称「魔法使い」は、男女の別も謎だからなぁ。正体が気になる。

 ネタが書きあがったので、投下します。
 無駄に長いですが、ご容赦を。
332 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:43:56.86 ID:YzUeduU0
【アキバの】かがみん弁護士に萌えるスレ【女神様】
(中途略)
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 司法試験受かって弁護士になったら、かがみん先生に雇われたい

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 あそこの事務所、採用基準は結構厳しいらしいぜ。
 熱意だけじゃダメで、能力もないと

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 そりゃそうだろうな。
 あそこは、年中、著作権がらみで、出版社やらテレビ局やらカ○ラックやらとガチンコ勝負だからな。

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 いや、著作権がらみの案件は、案外多くはないらしいぜ。
 ただ、一度その手の案件が来たら、マジでガチンコ勝負だからきついらしいが。

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 かがみん先生って、独身?

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 独身

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 婿は、やっぱり弁護士とかじゃなきゃダメなんだろうか

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 弁護士に限る必要はないだろうけど、やっぱりかがみん先生なみにデキる男じゃないとつりあわないだろ。
 仕事もできて、家事も育児も分担してやっていける男じゃないとな。
333 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:44:43.37 ID:YzUeduU0
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 やっぱ、そうだよなぁ

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 いっそのこと、主夫に徹する方が希望があるかも

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 おお、それだ!
 それなら、俺にもチャンスがあるかも

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 ねーよ。

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 年中忙しいんだろうな。
 土日も仕事なんだろうか。

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 ラノベ作家のこなたん先生のブログなんか見てると、土日は結構こなたん先生とつるんで遊んでるみたいだぜ。
 仕事ができる人間は、その辺のメリハリはきちんとつけるもんだ。

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 この前倒産した○○○○って、かがみん先生が顧問弁護士してたとこ?

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 そうじゃね?
 破産管財人は、別の弁護士がついたみたいだけど。
 このご時勢だから、従業員の再就職は大変だろうな。まあ、ほとんどがバイトで正社員は少ないだろうけど
334 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:45:20.86 ID:YzUeduU0
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 俺、そこの元従業員。
 何とか同業他社に再就職決まったよ

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 それはよかったな

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 あとで聞いたら、かがみん先生の口ぞえがあったかららしい。
 かがみん先生の紹介じゃなかったら雇わなかったって、社長にいわれた。
 かがみん先生に足向けて寝れねぇ

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 アキバのオタク系企業でかがみん先生の世話になってないとこなんてほとんどないからな。
 かがみん先生の紹介なら引き受けざるをえないだろ。

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 倒産したとこのグッズの在庫って、オークションにでもかけられるのか?

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 競売にかけられるはずだが。
 掘り出し物があるかもしれんから、参加したけりゃ、官報チェックだな。

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 官報ってどこいけば見れるんだ?

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 最新一週間分ぐらいはネットでタダで見れるぜ。
 それ以上は、有料だけどな。
335 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:45:59.54 ID:YzUeduU0
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 かがみん先生フィギュアとかないだろうか

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 かがみん先生はその手のものは許可しないからなぁ。写真撮影でさえ、普段は許可してくれないし。
 こっそり自作して楽しむならともかく、売りに出したりしたら訴えられるぞ

137 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 今日のVIPは、かがみんの話題で盛り上がってるね

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 こなたん先生、降臨!

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 こなたん キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 こなたん先生、最近のかがみん先生の様子はどうなんすかね?

141 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 この前、彼氏と別れたって泣いてたよ
 これで8人目かな?
 かがみんは、どうにも恋愛下手だよね

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 ほほう。これは、貴重な情報ありがとうございます

143 :柊かがみ◆hiiragibengosi:2023/01/18(以下略)
 こらっ、こなた!
 勝手にひとのプライバシーを暴露するなっ!
336 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:46:37.84 ID:YzUeduU0
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 !!!

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 降臨!?

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 かがみん先生 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

147 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 まあ、このように、この手のスレはかがみんに監視されてるから、めったなことはいわない方がいいよ。
 かがみんに訴えられたら、金むしりとられたうえに、身ぐるみはがされちゃうからねぇ。おお、怖っ

148 :柊かがみ◆hiiragi:2023/01/18(以下略)
 人聞きの悪いこというな!

149 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 それではかがみん、来週の日曜のデート、よろ

150 :柊かがみ◆hiiragi:2023/01/18(以下略)
 デートじゃないっつーの。
 だいたい、来週の日曜はみんな一緒でしょ。

151 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 なら合コンだね

152 :柊かがみ◆hiiragi:2023/01/18(以下略)
 女だけで合コンなんてありえないから。
 だいたい、あんた、仕事は大丈夫なわけ?
337 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:47:11.60 ID:YzUeduU0
153 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 原稿の〆切あした

154 :柊かがみ◆hiiragi:2023/01/18(以下略)
 こんなとこで油売ってないで、さっさと働け!

155 :こなたん◆konakona:2023/01/18(以下略)
 へいへい、仰せのままにいたしますよ、かがみ様。
 それでは、みなの衆、この後もかがみんの話題で盛り上がってくれたまへ

156 :柊かがみ◆hiiragi:2023/01/18(以下略)
 みんな、こんな馬鹿オタクのいうこと真に受けちゃダメよ。
 じゃあね。

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 …………

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 今の本物?

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 トリップは本物だ。
 こなたん先生はラノベ版によく降臨するし、かがみん先生のトリップも昔どっかで見たことある。
 こなたん先生は、〆切前になるとよく降臨するんで有名だな。

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 なんか百合疑惑があるのも納得できるな。
 まるで夫婦漫才だ。
338 :IF 柊かがみ法律事務所世界の2chニュー速VIP版 [saga]:2009/01/18(日) 08:47:38.31 ID:YzUeduU0
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 同意。

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/18(以下略)
 こなたん先生のブログのコメント欄でも、ときどき、あんな感じで会話してるぜ。
 かがみん先生は2chにはめったに降臨しないからなぁ。こなたん先生のおかげで貴重な現場に立ち会えた。

(以下略)

終わり
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 08:48:05.14 ID:YzUeduU0
以上です。
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 08:54:15.89 ID:YzUeduU0
あっ、一箇所校正漏れ

143 :柊かがみ◆hiiragibengosi→143 :柊かがみ◆hiiragi

お手数ですが、まとめのときは訂正お願いします。
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 11:31:34.41 ID:adYiJwg0
なんとなーく
かがみは弁護士より学校の先生の方が似合うような気がする
本人は嫌がりそうだけど
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 11:52:30.97 ID:hA7pdIA0
>>341
 かがみは、面倒見がいいし、それでいて相手を甘やかしすぎるわけでもないから、向いてるといえば向いてるよね。教科は、公民かな。
 つかさは家庭科で、みさおは体育、あやのは養護教諭あたりにすえればうまくいくかも。
 みゆきさんはオールラウンダーだけど、どの教科をやるにしても密度が濃くなりすぎる傾向がありそう。上位大学めざす特別進学クラスみたいなのがあれば、そこの担当が向いてるだろう。
 こなたは、ダメだ。間違いなく、教師には向かない。
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/18(日) 12:10:07.99 ID:VgsiCUSO
疲れるけど、小学校の教師なら出来るんじゃないか?w人気もありそう
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 12:33:50.15 ID:.SqNezco
>>329
コナン思い出したw 十分お題に沿ってると思う乙!
かがみの対応にこれまたワロタ

>>339
周り置いてけぼりww gj!


こなたは校長。みゆきはいい加減な校長のせいで苦労が耐えない教頭
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 15:14:38.26 ID:XytqRec0
ちょいとコンクール作品を投稿しますよ。
ssの構成上、ダラダラと10レスほどいただきます。
346 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:17:53.53 ID:XytqRec0
日時:9月15日17:19
宛先:こなちゃん
件名:(non title)
本文:
ちょっとだけ久しぶり!夏休み以来だよね?
なんだか大学ってどきどきしちゃって、一日一日があっという間だよ〜。
入学してからもう半年たつのにね〜
あれから大学の友達が出来たよ!とってもいい人だよ!

日時:9月15日17:35
送信者:こなちゃん
件名:Re:
本文:
ども〜、ちょっとだけおひさ〜!元気そうだね!台風発生してるけど、つかさの家、沈まない?
つかさに友達が出来たのか、それで彼氏はまだいないの?ヽ(´ー`)ノ
私の方も元気だよ。授業中に私の友達ともよく話してて、たまに教授にしかられるw

日時:9月15日18:23
件名:(non title)
本文:
しずまないよ〜
今日ね、お姉ちゃんと買い物から帰る途中に捨て子猫ちゃんを見つけたよ。
背中の模様が、なんとなく星の形にみえるんだよ?
かわいかったけど、かわいそうだよね?

日時:9月15日18:26
件名:Re:
本文:
(´;ω;`)カワイソウス それは何かのフラグかなwktk
誰かが拾ってくれると思うけどね?
ところで、猫の事を、ちまたじゃあ「ぬこ」って言うんだよ?

日時:9月15日19:18
件名:Re:
本文:
そっか。フラグなら大丈夫なんだね。
ぬこちゃんって言うの?知らなかったよ。後でお姉ちゃんにも教えてあげよう!
347 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:19:28.87 ID:XytqRec0
>>346

日時:9月15日20:03
件名:Re:
本文:
>そっか。フラグなら大丈夫なんだね。
ナイスつかさ。全然文章が通じてなかったみたいだけど、それはそれでおk
本当は何かが起こる予感がするって言いたかったんだけどね。
夏休み始まったばかりでイベント発生かもよw

日時:9月16日20:49
件名:Re:
本文:
さっきね、お姉ちゃんがまたあの捨て子ぬこちゃんの所へ行こうって言って来たよ!
やっぱりお姉ちゃんも気になるんだね。
あとね、お姉ちゃんに「子ぬこちゃん」の事言ったら、その呼び方を使うなって怒られたの。なんでー?かわいいのに……

日時:9月16日21:22
件名:Re:
本文:
かわいいねえ、かがみんはw
つかさ、気をつけたほうがいいよ。かがみ、ぬっこぬこにされたみたいだからw
怒られた事なんて気にしないで良いよ!

日時:9月16日21:26
件名:Re:
本文:
え?「子ぬこちゃん子ぬこちゃん」にされちゃったの?どうしたらいいのかな
とにかく明日また連絡するね!


日時:9月16日19:21
件名:今日の子ぬこちゃん
本文:
今日、子ぬこちゃんの所に行ってきたよ。
そう言えばまだ詳しい事言ってなかったね。
子ぬこちゃんはね、橋の下にいてね、ダンボールの中に入ってるの。
だからカラスには襲われないんじゃないかって、お姉ちゃんが言ってるよ。
でも、誰も餌をあげてないから、元気がなくてね。
多分、前の飼い主が一緒に置いていった思う牛乳とパンが、ダンボールの中に入ってるんだけど、食べてないみたいなの。
だから今日はにぼしとか、いろんな食べ物を持っていったんだけど、なかなか食べてくれなくてね。
多分硬いものは噛めないんじゃないかな…。
そうそう、本当は今日子ぬこちゃんの所に行ったことは誰にも内緒なんだよ。
お姉ちゃんが誰にも言うなって言ってた。だからこなちゃんにこんな事を言ったのは、お姉ちゃんにも秘密だからね!
348 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:21:08.73 ID:XytqRec0
>>347

日時:9月16日19:48
件名:Re:今日の子ぬこちゃん
本文:
う〜ん、こういう時はみゆきさんに聞いてみようかな。
正直、私じゃ役に立てそうにないやorz
それにしてもかがみ、こんな事を秘密にしなくていいのに。相変わらずのツンデレだね。
つかさも子ぬこちゃんの事が心配だろうけど、きっと大丈夫だよ!

日時:9月16日19:50
件名:Re:今日の子ぬこちゃん
本文:
ダメだよ!本当はこなちゃんにも喋っちゃいけないんだから。みゆきさんには内緒だよ!?

日時:9月16日19:57
件名:Re:今日の子ぬこちゃん
本文:
つかさに怒られた!人生オワタ\(^o^)/
いかんいかん、そうだったね。かがみに殺される(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
とりあえずさ、ペット屋さんで餌を買ってあげてみたら?ミルクとか

日時:9月16日20:12
件名:Re:今日の子ぬこちゃん
本文:
そっかー、こなちゃんすごい!
明日さっそくお姉ちゃんに言ってみるね!
明日が日曜日でよかった〜

日時:9月17日13:41
件名:(non title)
本文:
ペットショップで哺乳瓶とミルク買ったよ!
さっそくお姉ちゃんと子ぬこちゃんにあげて来るね!

日時:9月17日19:36
件名:(non title)
本文:
つかさごめーん、寝てた!
タイ━━━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||━━━━ホ!!!
349 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:21:57.19 ID:XytqRec0
>>348

日時:9月17日19:44
件名:Re:
添付データ:080917_1749~0002
本文:
え?今起きたの!?
えとね、すぐにお姉ちゃんと一緒に子ぬこちゃんにあげに行ったら、ちゃんと飲んでくれたんだよ!
お姉ちゃん、嬉しすぎたみたいで涙が出てた。私も泣いてたかも……。これで安心だよね
それでね、今日、子ぬこちゃんの写真をこっそり撮って来たから送るね。
星の形わかる?かわいいでしょ?

日時:9月17日20:13
件名:Re:
本文:
ふお〜、よかったね〜(=ω=.)
たしかに★だ!子ぬこにも泣いてるかがみにも萌えるw
これで一安心だね。

日時:9月17日20:36
件名:Re:
本文:
よかったよ〜。
お姉ちゃん、すごく上機嫌でね、ジュースとポテトチップでさっき乾杯してきたところなの。

日時:9月17日20:42
件名:Re:
本文:
おいしいネタをありがとう、つかさ。(゚д゚)ウマー
次にかがみに会うときには、体重いくつになってるのかね。
そう言えば、つかさの新しい友達って、どんな子なの?

日時:9月17日20:51
件名:Re:
本文:
とってもやさしくてすごくいい子なんだよ!
私がノートを忘れた時に、次の日にその子のノート写されてくれたの。
それからいつも一緒に帰るようになって、たまにその子のアパートに遊びに行く事もあるよ!
一人暮らししてるんだよ、すごいよね。
こなちゃんにも友達が出来たんでしょう?よく遊んでるの?
350 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:22:42.42 ID:XytqRec0
>>349

日時:9月17日21:27
件名:Re:
本文:
なんかすごくつかさらしい出会いだー。

私の友達もオタクでね、よくゲームの話とかしてるよ。
これがなかなか気があってね、アニメの趣味やエロゲの趣味まで!フィギアも!
そのせいで講義中に話が盛り上がっちゃうと教授に……

日時:9月17日21:48
件名:Re:
本文:
うわーっ、楽しそうだね!
私は講義の時は直ぐに眠くなっちゃうよ……。
子ぬこちゃんも心配ないし、いつもよりぐっすり眠れそう。
じゃあまた明日ね〜。

日時:9月17日22:03
件名:Re:
本文:
そうだといいね、じゃお休み・・zZ

日時:9月19日18:14
件名:台風超接近!
本文:
台風がこっちに向かって来たね。
明日の夜が危ないって天気予報で言ってた。
私もだけど、お姉ちゃんは子ぬこちゃんが心配みたい。
さっきから部屋の前の廊下をずっと行ったり来たり。
子ぬこちゃんは橋の下にいるんだけど、川が近いから危ないし、風だってきっと吹くよね?
誰か拾ってくれないのかな……。私の家じゃ絶対にお父さんが許してくれないよ。どうしよう……。

日時:9月19日18:24
件名:Re:台風超接近!
本文:
おや、今日もミルクをあげて来たの?
確かに台風が来るみたいだね。でも橋の下なら大丈夫なんじゃないかな?
めったな事じゃ浸水しないでしょ。つかさの家みたいにw
とは言っても、つかさやかがみが心配するのも分かるけどね。
とにかく、かがみを落ち着かせなよ。ここは一つ

(  ゚Д゚)⊃旦 < 茶飲め
351 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:23:38.07 ID:XytqRec0
>>350

日時:9月19日21:15
件名:Re:台風超接近!
本文:
今お姉ちゃんを止めてきた。
明日の天気を見ながら決めようって言ってた。
明日は眠れないね><だから今日は早めに寝るね。
おやすみなさい。

日時:9月19日21:21
件名:Re:台風超接近!
本文:
うん、お休み。明日はがんばれ!

日時:9月20日19:36
件名:私の家は沈まない
本文:
台風が来ちゃったよ〜。でもあんまり雨も風もないみたい。
子ぬこちゃんも大丈夫かも。

日時:9月20日19:44
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
ん〜、こっちは雨さえ降ってないよ。全然なんともないね。
大丈夫っショ!

日時:9月20日19:58
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
そうだよね。よかった〜。
そう言えば、こなちゃんの新しいお友達に会ってみたいな!
ダメかな?

日時:9月20日21:41
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
すごい雨が降ってきちゃった!お姉ちゃんと子ぬこちゃんの所に行って来るね!
352 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:24:29.17 ID:XytqRec0
>>351

日時:9月21日00:13
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
遅くにゴメンね。
こなちゃん、起きてる?

日時:9月21日00:20
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
/|
|/__
ヽ| l l│<ハーイ
┷┷┷


日時:9月21日00:41
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
川が増水してて、子ぬこちゃんがいないの!
雨の中でお姉ちゃんと探してたけど、見つからなくて帰ろうって言ったんだけど、お姉ちゃんは帰りたくないって言うから、
お姉ちゃんのことも心配だって言って連れて帰ったんだけど、雨で服がずぶ濡れのままなのに、その後ずっとお姉ちゃんは窓のそとを見てるの。
やっぱり子ぬこちゃんの事が心配なんだと思う。
お姉ちゃんは、「もっと早く行けばよかった」って、さっきからずっとつぶやいてて、どうしよう、お姉ちゃんが心配だよ。
お姉ちゃんは悪くないのに。

日時:9月21日00:47
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
つかさ、気を取り直して!
かがみもなんとか元気付けてあげて!
きっとぬこは大丈夫だから。
だから今日はまず寝よう。明日天気が良くなってから探してみてごらんよ。
まず、かがみの髪を拭いてね。
353 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:25:28.27 ID:XytqRec0
>>352

日時:9月21日01:21
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
うん、ありがとう。お姉ちゃんも私も、ちょっと落ち着いてきたよ。
ごめんね、こんな夜遅くにメールして。
私たち今から寝るね。また明日、探してみるよ。
おやすみなさい。

日時:9月21日01:27
件名:Re:私の家は沈まない
本文:
落ち着いたみたいでよかった。気にしないで寝な。おやすみ。

日時:9月21日19:29
件名:子ぬこちゃんいないよ
本文:
今日、大学から帰ったらお姉ちゃんと子ぬこちゃんを探してきたんだけど、見つからなかった。
子ぬこちゃんが入ってたダンボールは、グショグショになって見つかったんだけど、子ぬこちゃんは……。
きっと大丈夫だよね?

日時:9月21日19:45
件名:Re:子ぬこちゃんいないよ
本文:
つかさ、悪い方向へ考えちゃダメだからね?
きっと大丈夫!もとの飼い主が連れて帰ったんだよ!

日時:9月21日19:50
件名:Re:子ぬこちゃんいないよ
本文:
そうだよね。
また明日も探すみたい。

日時:9月21日20:03
件名:Re:子ぬこちゃんいないよ
本文:
何も出来ない私からは一言、がんばれ!!!
354 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:26:29.26 ID:XytqRec0
>>353

日時:9月22日19:14
件名:お姉ちゃんが笑わない
本文:
今日も見つからなかった……。
おとといの台風の日から、お姉ちゃんが笑ってないの。
でも、泣いたりもしないし怒りもしないの。お姉ちゃんがお姉ちゃんじゃなくなってくみたいでヤダよ。

日時:9月22日19:31
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
あの感情むき出しのかがみが?絶対にぬこの事だね。
かがみん責任感強いから、自分のせいだって思ってるな。
ここは、つかさがクッキーを焼いてみるとか……。
そんな原始的な方法じゃダメだよね。

日時:9月22日19:38
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
そうだね、元気付けるために!
じゃあ、さっそくクッキー焼いてみようかな。
ありがとう!

日時:9月22日19:49
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
いまから?大変じゃない?
まあ、つかさのやる気しだいだね。

日時:9月22日21:22
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
どうだった?できればつかさのクッキー食べに行きたい;;;≡≡≡  ⊂⌒~⊃。Д。)⊃  

日時:9月22日22:42
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
もしもーし!つかさー!
無視ですかー!・゚・(つД`)・゚・  
355 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:27:35.36 ID:XytqRec0
>>354

日時:9月22日22:47
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
ごめんねこなちゃん。もう寝るね。

日時:9月22日22:59
件名:Re:お姉ちゃんが笑わない
本文:
  _, ._
( ゚ Д゚)エ?
うん、おやすみ

日時:9月23日20:10
件名:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
昨日はゴメン。
クッキーを焼いてる時に、お姉ちゃんが私の携帯を見ちゃったらしくて……、このメールまでは見られなくてよかったけど。
それでね、私がこっそり撮った子ぬこちゃんの写真を見て泣いちゃったの。
いままで溜まってたもの全部吐き出したみたいに。それ見てたら、私も一緒に泣いちゃって……。
クッキーおいしかったよ。今までの味とは全然違う気がして。お姉ちゃんと一緒に、おいしいねって言い合いながら食べたよ。
お姉ちゃん、今までが嘘みたいに、ニッコリ笑いながら。
それからは、もういつものお姉ちゃんに戻ったの。良かった……。
もう大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて……。
今日は子ぬこちゃんを探しに行かなかったの。どうしてなのかは、なんとなくお姉ちゃんには聞けなかったけどね。

日時:9月23日20:41
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
良かったね、つかさ。
かがみは何か形に残るものが欲しかったのかもね。たまたまつかさが写真を撮ってたお陰かもよ。
そのクッキーの味、きっと忘れないよ。その時一回だけ味わえるモノだと思うから。
そっか、今日はぬこ探しはしなかったのか。かがみは分かってるのかもね。大人だよ。
今見つけても、見つけなくても、今のかがみには何かできるわけじゃないだろうから。
これでぬこのイベントは終わりだよ。
356 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:28:22.45 ID:XytqRec0
>>355

日時:9月23日21:09
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
笑うって、悲しい事も、すごく怒れる事も、いろんな事を知ってるから、出切るのかもね。
きっとお姉ちゃん、今まで泣きもしなかったから、笑う事も出来なかったんだよ。
涙は笑うために流すんだね。泣いて、笑って、泣いて、笑って。ずっとこれを繰り返しながら、過ごすんだよ。
形に残るものか〜。でもそれって、お姉ちゃんは子ぬこちゃんの事をあきらめちゃったの?
それって大人なのかもしれないけど、でもなんだか切ないよ。
もう子ぬこちゃんの心配も出来ないなんて。すごく寂しい・・・・・・。


日時:9月23日21:19
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
そんな風に、自分の感じた事を素直に話せるつかさがうらやましい……。

日時:9月23日21:33
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
そんな事無いよ!こなちゃんだって、きっと感じた事話してるよ!

日時:9月23日21:33
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
私は違うよ。自分が何を感じてるのかすら分からないんだから。
ごめん、つかさ。実は嘘をついてた事があるんだ。

日時:9月23日21:38
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
そんな、こなちゃんはこなちゃんだよ!
嘘って何?私は怒ったりしないよ。謝らないで?
357 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:29:23.53 ID:XytqRec0
>>356

日時:9月23日22:15
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
ありがとう、つかさ。つかさは本当に私の親友だよ。
実はね、私に友達が出来たって言うのが嘘。
大学じゃあ、誰とも話してなんかいないよ?
そりゃ、社交儀礼みたいな付き合いはするけど、でもその関係には何にも無いよ?
高校のときは、皆が集まって、訳わかんない話のネタで盛り上がって、でもみんな本当の自分をさらけだしてた。
そんな私を忘れてた・・・・・・。
あの時はこんなに楽しかったのに、今じゃ大学へ行ってアニメを見てゲームをして、ただ淡々と繰り返してるだけで。
繰り返せば繰り返すほど、何を感じてるのか、何なのか、見つけられなくなってくるんだ。
私ってなんだろう?つかさは、私は私だって言ってくれたね。
ぬことかがみの話をメールでしてるうちに、その言葉の意味が分かるようになったのかもしれない。
つかさが私に、自分をさらけ出してくれたから、私もつかさに、私の感情をさらけ出せる!
私自身に、私の本性を見つけられるようにしたのも、つかさだよ。

私、このメール書きながら、泣いてるんだ。

高校のときの笑ってた私を思い出したから、今、寂しいって感じられる。
寂しい……っ!すごく寂しい……っ!
物心付いてから、多分初めて寂しさを感じて泣いてる。かがみにいつも「さびしんぼ」ってからかってたけど、寂しいってこんな感覚だったんだね……。
私もかがみとおんなじだ。実は、すごく寂しがりやだったんだ。
もう、なんて書けばいいかわかんないや。

日時:9月23日22:21
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
こなちゃんありがとう。私もこなちゃんの正直な心を教えてくれて、すごくうれしいよ。
今日泣いたなら、明日からきっと笑っていられるから。

日時:9月23日22:54
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
私、絶対に新しい友達作るよ!
今日流した涙の分を笑顔にして、新しい友達の前で見せるから!
358 :件名:今日の子ぬこちゃん [saga]:2009/01/18(日) 15:30:13.87 ID:XytqRec0
>>357

日時:9月23日23:10
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
こなちゃんがんばって!きっとすぐに友達ができるよ!

日時:9月23日23:21
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
ありがとう、つかさ。もうこんな時間だね。
私につき合わせちゃってごめん。絶対に作るね。
今日は見たいアニメはないし、そろそろ寝ようかな。
おやすみ、つかさ。

日時:9月23日23:25
件名:Re:お姉ちゃんがニッコリ
本文:
きっといい夢見られるから。
おやすみ、こなちゃん。



日時:10月4日16:41
送信者:かがみお姉ちゃん
件名:猫元気!
本文:
星の模様が付いている猫が、今、私の前を横切ったの!
私をジッと見つめて、直ぐに逃げちゃったけど、きっと挨拶をしに来たのよね。
猫は元気よ!つかさ!猫は元気!

359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 15:35:59.15 ID:XytqRec0
>>358

以上です。投稿してみたら改めてダラダラグダグダな作品だなと実感。
精進せねば!
本当はつかさには稜桜学園桜藤祭のメールみたいにしたかったんだけど

キキースシンがばてね。

っていう、日本語じゃないメール文書。
しかし、これじゃssが崩壊しそうなのでやめました。

ありがとうございました!
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 16:56:41.47 ID:bPxMHw60
>>339
147から157までのレスって相当早かったんだろうな〜ww
誰も間に割り込めないなんてww

>>359
GJ!このゆるゆる感がむしろ心地よい。
ぬこ無事でよかったww
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 17:13:47.71 ID:bPxMHw60
コンクール作品投下直後で>>359に申し訳ないが、ネタ投下させてもらいます。
>>339様の設定をお借りしてちょっと妄想。


 【アキバは】かがみん弁護士が全レス【私が守る】

 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/11 23:30:42.98
  このかがみ様になんでも相談するといいわ。
  勘違いしないで!べ、別にあんた達のことが好きだからって訳じゃないわよ!

 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/11 23:31:02.19
  実在の人間の全レスって初めてだわ

 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/11 23:31:15.86
  うはw本人にばれたらどうすんだコレw

 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/11 23:31:32.26
  かがみん先生(*´Д`)ハァハァ
  今日の下着は何色でしょうか

 5 :柊かがみ◆hiiragi:2023/01/11 23:31:58.00
  >>1
  何やってんのよ、こなた…いいかげんにしときなさいよ?

 6 :こなたん◆konakona:2023/01/11 23:32:07.77(※1と同じID)
  ちぇっ。もうバレたか。
  仕方がない。おとなしく仕事にもどるよノシ

 7 :4[]:2023/01/11 23:33:16.42
  本当にすみませんでした

 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/11 23:35:52.33
  >>4
  >>7
  吹いたw

 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/11 23:36:52.12
  >>4
  テラ勇者wかくいう俺もかがみ開きをネタに発言しようとしてた訳だがw

(中略)

998 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2023/01/12 01:28:06.33
  >>1000なら本人達(>>5-6)が再び降臨

999 :こなたん◆konakona:2023/01/12 01:28:06.57
  >>1000なら諦めずに次スレたてる

1000:柊かがみ◆hiiragi:2023/01/11 01:28:07.00
  >>999がこなたなら、今度会った時ただじゃおかない
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 17:47:58.40 ID:uYu4hmE0
>>359
いい友情だ。男同士でもこんなに自分の悩みを打ち明けたりできる友達いないのに。

>>361
こなたもこなただが、4は何をやってるwwww

ところで今レビューとか書いてる人いる?
よかったら今回任せてもらいたい
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 17:56:16.59 ID:.SqNezco
>>359
そういう文面のも見たいっちゃ見たいけどw
グダグダといってるが全然よかったと思うぜ。乙!

>>361
>>4アホスwww
つか、かがみスレ見つけるのはえーよww

>>362
好きに書いたらいいんじゃないか? システムとしてレビューがあるわけじゃないからな
レビュー多いほうが作者も喜ぶだろうし
と、今回は間に合わなかった俺が言ってみる
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 18:12:03.22 ID:3iye/6I0
レビューを書けるのは一人だけです、なんて決まりはないからね。
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 18:30:04.75 ID:hA7pdIA0
>>339です。

>>360
>147から157までのレスって相当早かったんだろうな〜ww
>誰も間に割り込めないなんてww
 チャットなみのスピードは間違いなしです。
 こなたは当然としても、かがみも相当鍛えられてるという設定(誰のせいかはいうまでもない)。

>>361
 おお、さっそくネタにしてくださるとは。GJ
 こなたならいかにもやりそうだ。

>>363
>つか、かがみスレ見つけるのはえーよww
 かがみは、ツール使って以下のようなスレやレスを自動的に検出してアラートを鳴らすようにしてるに違いない。

スレタイに以下の単語を含むもの
 ・かがみ
 ・かがみん
 ・柊

名前欄に以下の単語を含むレス
 ◆konakona
366 :362 :2009/01/18(日) 19:54:39.33 ID:uYu4hmE0
>>363 >>364
サンクス。書いてみようと思う。
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 22:29:10.73 ID:mtk/nvU0
あと、一時間半!
がんばれ!
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 22:36:51.81 ID:ODT1ypQ0
>>361
クソワロタwwwwwwww
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 22:44:37.19 ID:s0WQ8.g0
よし、そんじゃコンクール作品を投下させていただきます。
笑いと聞いたらこういうことしか思い浮かばない俺は単細胞orz
370 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:45:35.55 ID:s0WQ8.g0
「絶対嫌よ」
「何でよぉ〜、お願いだよぉ〜」
「他に適任がいるでしょ? なんで私なのよ」
「アンタしか居ないんだよぉ〜。本当に! この通りっ!」

2年F組の教室。窓際の最後列、まどろみを楽しむのに最適な席から何やら賑やかな声。
一人が、もう一人に必死に頼みごとをしているようである。
頼まれている方はどうも乗り気になれないらしく、席がもたらすまどろみと相乗してより一層鬱陶しさを増しているようだった。
それを察してか、頼む方も徐々に弱腰になってしまっていた。

「先輩たち卒業しちゃうんだよ? 最後の思い出に殻を破ってさ、ね?」

半分涙目になってひたすら頭を下げるも、どうにも相手の気持ちは動かないようだ。
むしろ、相手は徐々に安らかな眠りの世界へ旅立とうとしている。焦りを感じてきた。

話は、ほんの数日前に遡る。







普段と何も変わらない、アニメーション研究部の部室。
変わったことといえば、別段必要なくなったということで石油ストーブが1台片付けられたことと、桜庭教諭が珍しく顔を出していることぐらいである。
桜庭教諭はいつも以上にだらしない格好をして、ひよりがこっそり隠していたBL漫画をいとも簡単に見つけ出し、表情を変えずに読んでいた。
それを横目に苦笑いをしながら、ひよりは先輩のこうと話をしていた。

「で、今度先輩たちのお別れパーティーをやろうって話になってるんですよ」
「ほぉ〜、泉先輩たちのねぇ。面白そうじゃん、やってやんなよ」

こうは笑いながら、後輩の背中を軽く叩いた。打ち所が多少悪かったようで、ひよりが軽く咳き込む。

「それで、パーティーの出し物を考えようってことになってるんですけど、いまいちアイデアが……」
「なるほどねぇ。あのメンツじゃ、大した出し物できなさそうだからねぇ〜」

こうは自分の頭に、ひよりと仲の良い3人の姿を浮かべた。
恥ずかしがりやな小動物、クールで無口な貧乳娘、ハイテンション交換留学生……。
出し物をやるといっても、そのメンツでは大したことができないのは目に見えていた。
371 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:46:01.71 ID:s0WQ8.g0
こう自身、こなたたちには相当世話になっていた。桜藤祭に於いては、感謝してもし切れないほど力を貸してもらった。
あの先輩たちともっといろんな話をしてみたいという気持ちもあった。そして、もう一度キチンと感謝の気持ちを伝えようとも思った。

「じゃーさ、私も参加させてよ。やまとも連れてくからさ!」
「本当ッスか!? それはもう、大歓迎ッスよ! 是非来てください!」

こうして、こうはお別れパーティーへ参加することになったのであった。
翌日やまとにその旨を伝えると、意外にもすんなりとオーケーを貰えた。
やまとも、桜藤祭でこなたたちに世話になった身である。断る理由も無かったである。
それに、やまとは多少冷めた性格ではあるが、催しごとが嫌いなわけでもなかったのだ。

そして、話は現在へと戻る。







「ね! 本当にお願い! 雪見大福、毎日奢るからさ!」
「……物で釣ろうなんて、小学生じゃないんだから」

いくら頭を下げようが、胡麻を摺ろうが、肩を揉もうが、やまとの心は巨大ネオジム磁石をもってしても動かない。
やまとが拒絶する理由。それはこうが提案した出し物にある。

「……なんでお別れパーティーで私が漫才なんかやんなきゃいけないのよ」

というわけである。
こうはやまとに「二人で漫才やろーよ」と持ちかけたのだ。
きっと断られるとは思っていたが、まさかここまで拒絶されるとは予想だにしていなかった。

「やまとのツッコミ、光ると思うんだけどなぁ〜。サラッと流すようなツッコミ」
「別にツッコんでるつもりはないわ。こうが勝手に勘違いしてるだけよ」

こうはしかめっ面をして、やまとの髪の毛をいじり始めた。

「ね〜え〜、なんでそんなに嫌なのぉ〜? 今時、女芸人なんてザラにいるよぉ〜?」
372 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:46:37.54 ID:s0WQ8.g0
髪の毛を指に巻きつけたり、結んだり、三つ編みにしたり。
やまとの長い髪の毛は、こうに支配されて自由自在に変化していった。
やまとは特別気にする素振りは見せなかったが、髪の毛に3つ目の結び目が出来ようとしたところで口を開いた。

「……いい加減にしないと打ち首にするわよ」

こうの頭の中で、ピーンという擬音と共に点灯する電球がイメージされた。

「ちょ、この不景気の世の中で縁起でもないこと言うんじゃないよ」
「“クビ切る”違い。何バカなこと言ってんのよ」

それを聞いて、こうは口元を綻ばせた。

「……ツッコんだ」
「え?」
「やまと、今ツッコんだね? それだよ、それを求めてんの! あたしは!」

やまとは心底しまったという顔をして、顔を腕の中に再び埋めた。完全にこうのペースである。

「ほら、もっかいツッコんでみ? 私、いっくらでもボケられるからさっ!」

こうはやまとの睡眠を妨害するように、机をガタガタと揺らした。
恥ずかしさと憤りが混合し、やまとは居た堪れなくなった。

「私は絶対嫌よ! いくら頼んだって、雪見大福積まれたって嫌だからね!」

そう言って、やまとは鞄を手に取って教室を出て行ってしまった。

「……ふむ、困ったもんだね。しょうがないなぁ」

こうは自分の髪の毛をくるくると弄りながら、溜め息をついた。







やまとは、悩んでいた。
漫才をするのも嫌だったが、正直な話、みんなの前で何かするということが一番嫌だった。
授業で何かのプレゼンテーションをするときも、自分は資料やらを集めてまとめるだけで、あとは発表者に任せっきりだった。
文化祭でステージ発表する同級生達を見ても、特別羨ましいとは思わなかった。
むしろ、そうやって目立とうとする人たちを「ご苦労な人たちね」とあざ笑っていた。
だから、こうの頼みをああやって一方的に断ったのだ。
373 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:47:02.39 ID:s0WQ8.g0
「もっと無難な出し物があるでしょうが。……全く」

呆れと怒りで、歩調が自然と速くなってしまっていた。
それを特に気にせずに、やまとは一人家路につこうと、下駄箱へ向かった。

「おーい、ながもーん」

階段に差し掛かったところで不意に名前を呼ばれたので、やまとは危うく段を踏み違えるところだった。
手摺りを握って何とか体勢を整えると、やまとはゆっくり声の方へ振り向いた。

「……泉先輩。今帰りですか?」

仇名で呼ばれた時点で何となく予想はついていたが、声の主は予想通り、こなたであった。
「ながもん」というのはこなたがやまとにつけた仇名で、彼女と、ひよりしかそう呼ばない(ひよりの場合は「ながもん先輩」だが)。
別にそう呼ばれるのは嫌ではなかったが、仇名の由来がアニメのキャラクターなので、何となく煙たく思った。

「んー、そんなとこー。ながもんも今帰り?」
「……はい、私もそんなとこです」
「じゃー、一緒に帰ろーよ。どーせ糟日部からでしょ?」

一人で帰りたい気分だったが、何となくノーとは言い辛かったので、やまとはこなたと一緒に帰ることになった。
桜藤祭以来、こうやって3年生と帰ることが増えていたので、特に違和感は覚えない。
下駄箱で上履きを履き替えているところで、こなたが言った。

「ながもんさぁ、お別れパーティー来てくれるんでしょ?」

今一番触れて欲しくない話題なのに、折角張ったバリアーがこなたの言葉でいとも簡単に破られてしまった。
息が詰まって、やまとは咳き込んだ。

「……な、なんでそれを」
「こーちゃんから聞いたよ〜。何か出し物もやってくれるらしいじゃん。何やんの〜?」

こなたがやまとの顔を覗き込んでニマニマと不敵な笑みを浮かべる。
やまとはこなたから目を逸らして、苦笑いを浮かべるしかなかった。
相手が自分より年上でなければ、頬をつまんで引っ張っているところである。

「べ、別に大したものはやりませんよ」
「んふぅ〜、はぐらかさないでよぉ〜。漫才やるんでしょ?」

こなたの言葉は、やまとの心の奥底、闇に包まれた部分に矢のように突き刺さった。しかも、急所を的確に射止めていた。
やまとは校舎を出ようと歩きかけて、額を引き戸にぶつけた。
弱くもじんわりとした痛みが、やまとの額を赤らめさせていく。
374 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:47:31.70 ID:s0WQ8.g0
「……全部こうが喋ったんですか」
「その通り。楽しみだよー。ながもんがビシィっとツッコむ姿」
「……こうったら、ホントにお喋りなんだから……ひっ」

不意に手を取られ、やまとの心臓は跳ねた。こなたの顔を見ると、その眼差しは真剣そのものだった。

「……私たちとしては、みんなが持ってる、私たちが知らない別の顔、見てみたいんだよ。
 人ってさ、付き合いの中で印象とかキャラを決められちゃうと、どうしても自分で殻を破ることができないんだよね。でも、それって良くないと思うんだ。
 私も入学当初は猫被って、自分を隠そうとしてた。でも、いざ殻を破ったら、理解してくれる人がいたんだよ。
 殻を破って新しい自分を見せられる人って、きっとその後成功できるんだと思う。だから私、ながもんに殻を破って欲しい」
「で、でも」
「お願い。漫才やって。正直、ゆーちゃんやみなみちゃんじゃ、殻を破るってこと、難しいと思うんだ。
 そりゃ、ながもんにも難しいのはわかるよ。でも、ながもんならできると思う。きっと、私たちを驚かせてくれると思う。
 だって、桜藤祭であんなに私たちを驚かせてくれたじゃん。すんごい奇跡起こしてくれたじゃん」

何か言い返そうとしたが、こなたの眼差しにやまとは口を噤んだ。

「……失礼します」

搾り出すようにやっとそれだけ言って、やまとはその場から逃げるように駆けた。
こなたの視線が、背中に焼き付いているように感じた。







「で、突然やる気になったと」
「うん。やるわ。ツッコんでやるわよ」
「ま、やる気になってくれたのはいいんだけど……」
「けど、何よ」
「いや、何となく拍子抜け……」

こなたの励ましが効を奏したのか、やまとは次の日、こうに漫才をやると告げた。
こうは、昨日あれだけ拒絶されたので今日のやまとの変わりようには疑問を覚えるしかなかった。
普段とはテンションが間逆の二人だが、稽古は始まった。
375 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:48:11.81 ID:s0WQ8.g0
「で、どんなネタをやるつもりなのよ」
「んー、そうだなぁ」

こうは今の自分の考えをやまとに教えた。
やまとは目を瞑り、黙ってこうの話を聞いていたが、こうが話を終えるのを確認すると目を開いた。

「違うわね。それじゃ面白くなんないわ」
「え?」

やまとはシャープペンシルを手に取り、ルーズリーフを机から引っ張り出した。
そしてルーズリーフの上に力強く、かつ流麗に文字を書いた。

「……『やまとなでしこ』? 何コレ」

やまとは机を叩き、こうに真っ直ぐ視線を送った。

「……私たちのコンビ名。やるからには本格的にやる必要があるでしょ」

唖然。呆然。こうの口は、大根が一本銜えられるほどに、情けなく開いたままであった。
やまとはそんなこうを無視するかのように、ひたすらルーズリーフに文字を並べていった。
10分位して、やまとはシャープペンシルを置き、ルーズリーフをこうの眼前に突きつけた。
こうはそれでようやく我に返り、多少困惑しながらその紙を受け取った。

「こうが言ってた案に、私の案もちょっとずつ混ぜながらネタにしてみたの。どうかな」

こうは、言われるままにやまとのネタに目を通した。
時折ふふっと噴出しながら、指で原案をなぞり、そして言った。

「……これ、超面白いよ、やまと。あんたにこんなセンスがあったとはね……。何か、すごく意外」
「まぁ、お笑い番組は嫌いじゃないし……。人よりお笑い芸人の名前知ってる自信はあるわ」
「いや、お笑い詳しいだけじゃこんなギャクセンス発揮できないって! お笑いの道、考えてもいいんじゃない?」

やまとはそれはないと一蹴し、時間も限られてるからさっさと稽古しよう、と促した。
こうはうんと大きく頷き、それからやまとの両手を取って、言った。

「やまと、絶対、絶対成功させようね!」







日付変わって、3年生お別れパーティー当日。
全員で12人という大所帯のため、高翌良家のパーティールームを使うことになっていた。
思いもよらぬ大舞台。その舞台裏で、緊張しながら出番を待つ姿がちらほら。
発表する相手が3年生だけならまだしも、どこから噂を嗅ぎつけたのか保護者の姿があるのだから致し方ない。
376 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:48:35.51 ID:s0WQ8.g0
「なんでこんなことになってるんスか……」

重苦しい空気の中、ひよりが情けない声で現在の境遇を嘆いた。

「ごめん……。お姉ちゃんがみんなの両親に今日のことを教えてたの……」

ゆたかは小さい体が更に縮こまるほど、申し訳なさそうに頭を下げた。

「こ、これは流石のワタシでもキンチョウしますネ……」
「パティが緊張するってことは相当だな……コミケでもこんなに緊張しないよ、全く」

各々、それぞれが置かれている現状を嘆き、そして今にも逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
みなみは、ステージの袖から一点に視線を集中させていた。その先には、みゆきの母、ゆかりがいた。

そんな中、一人冷静に、まるで緊張を楽しんでいるかのような姿があった。
やまとである。

相方であるこうは、彼女の横で目を点のようにして口を真一文字に閉じてしまっていた。緊張が最高潮に達している証拠だった。
それを見て、やまとは深く溜め息をついた。
そして、今もなお不安が渦巻いている輪の中に歩み寄り、手を叩いて注意を促した。

「……さっきから聞いてればグチグチと、何をそんなに緊張してるわけ?」
「だ、だってながもん先輩、こんなにギャラリーが居るとは思いもよらず……」
「それならやらなきゃいいじゃない。無理してまで舞台に上がる必要なんかないわ」
「で、でも……」
「でも、何よ」

やまとはひよりの目を真っ直ぐに見つめた。ひよりがたじろぐ。

「いくら緊張してても、投げ出すわけにはいかない。それは何故? 答えは簡単よ、みんな、先輩たちに感謝してるからでしょ?」

やまとの言葉に、こうを除いた全員が俯いていた顔を上げた。

「先輩たちに感謝してるから、どうにかして感謝を形にしたいから、みんなはここに居る。違う?」

後輩たちの顔に、光が戻っていく。やまとは目を閉じ、言葉を続けた。

「だったらやりなさいよ。先輩たち、きっと今日を楽しみにしてるわ。
 ここまで来たのに何もせず、ただパーティーが終わるのを待つなんて、お門違いよ」

やまとは、1年生の顔を順番に見つめる。その視線はまるで魔法のように、後輩たちの顔に笑顔を宿らせた。
377 :THE MANZAI :2009/01/18(日) 22:50:23.10 ID:s0WQ8.g0
「思いっきりやりなさい。失敗しても、感謝の気持ちが伝えられればそれで十分。……できるわね?」

その言葉に、元気よく頷く4人。空気はいつの間にか清々しくなり、舞台裏の雰囲気を盛り上げていた。

「……そッスね。今日まで練習してきたんだから、失敗するはずないし。感謝の気持ち、伝えないといけないッスね!」
「そうデス! お世話になったセンパイたちに、笑顔でソツギョウしてもらうのデス!」
「うん! みんなで頑張ろう! 私たちが楽しくやれば、きっと先輩たちも楽しんでくれるよ!」
「……何か、絶対に成功できる気がしてきた……。永森先輩、ありがとうございます」

突然の感謝の言葉に意表を突かれ、やまとはそっぽを向いて頬を掻いた。

「そ、そんな感謝することじゃないわよ……。ま、やる気になってくれたならいいけど」

ファイト、オー、という掛け声と共に、1年生のテンションが最高潮になる。

「さてと、それで」

やまとは、未だに棒立ちのままピクリとも動かないこうの頭を力一杯ひっぱたいた。
こうは突然もたらされた衝撃に悶え、頭を抱えてやまとに振り向いた。

「な、何すんのさぁ、やまと」
「ツッコミの練習よ。何をいつまで緊張してんのよ。後輩たちはもう胸張ってステージに上がろうとしてるわよ」
「だ、だって」
「……全く。散々張り切っといてそれじゃ無理ね。私が一人で舞台に出て漫談でもやろうかしら」
「え、やまと漫談なんてできるの?」
「こうのあんな秘密やこんな秘密を大暴露。きっと盛り上がるわよ」
「ちょ、ちょっと、勘弁してよぉ〜」

こうがやまとにしがみ付く。それで、やまとが噴き出した。

「……やっといつものこうに戻った」
「あ……うん、そだね。なんか緊張してたのが馬鹿みたい」
「それでこそ私の親友よ。まぁ、今日の場合は相方、だけどね」

やまとが手を差し伸べる。こうはその手を力強く握り、立ち上がった。

「ほら、そろそろ出番よ」
「うん! 絶対、絶対成功させようね!」

拍手が沸き起こっているのが聞こえる。どうやら、1年生たちの出し物は盛り上がっているようだ。
舞台裏の空気が、二人の背中を後押ししているようだった。

「先輩たち、頑張ってください!」

その声に笑顔を返し、ステージの袖に立つ。
舞台の光が、たった一度きりの即興漫才師の登場を歓迎しているかのように眩く輝いていた。

殻を破り、新たな自分自身を見つけ出した二人が今、最初で最後のステージに立つ。


Fin
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 22:53:54.71 ID:s0WQ8.g0
どうもありがとうございました。
うん、「笑い」といったら「お笑い」しか思い浮かばなかった俺、乙。
何故みんなこのお題で感動物が書けるんだよ……。
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 23:15:07.26 ID:s0WQ8.g0
ちなみに「陵桜学園桜藤祭」を知らないとわからない部分がほんのちょっとあります。
俺もプレイ動画軽く見ただけだからそんな知らないけども。
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/18(日) 23:15:54.77 ID:uYu4hmE0
>>378
終わり方が好きだ。やまとが情熱的になるとは珍しい。
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/18(日) 23:30:09.31 ID:adYiJwg0
>>378
確かにやまとは、やると決めたらとことんな気がする。
二人の漫才、実際に見てみたいと思いました。
自分で書けたら良いんですけど、漫才って滅多にみないからなぁ…。


…これを言うのは野暮かもしれませんが。やまとが稜桜の生徒っぽいのが少しだけ気になった。
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/19(月) 00:07:31.11 ID:/9d52sAO
皆さんお疲れ様です。ころにて第12会コンクールの、投稿期間終了をお知らせします。
あとは投票所管理人さん、よろしくお願いいたします。
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/19(月) 00:14:27.45 ID:jhnaK..o
>>378
いやいや、面白かったっすよ〜乙! 熱いやまとが新鮮でよかった。

個人的には感動もののほうが書きやすいスw


「終わったぁ……」
「んー? どうしたのよ、元気ない。っつか疲れてるわね」
「いやー、コンクール用のSS間に合わなくてさ」
「? あんたちょっと前まで遊んでなかったか?」
「まぁね〜。今回書くつもりなかったんだけど、一、二時間前にやっぱり書こっかなーって思ってね」
「……で?」
「書き始めたけどやっぱり間に合わなかったぁ。終わったぁ。ってね」
「なめ過ぎだ、色々と」
「んですよね〜」
「ま、それは自業自得ってことで、作者の人たち、みんなお疲れ様!」
「お疲れさまぁ〜」
「シャキッとしろ!」
「んぎゃーご無体な!」
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/19(月) 00:34:29.58 ID:jyJNg7I0
>>378
乙!2年組とは珍しい・・・
シンプルですっごく読みやすかったぜ
こなたの言葉にぐっときたGJ
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/19(月) 00:51:36.30 ID:xmAqGZg0
感想ありがとです(^^)

>>380
実際やまとは普段冷めてるけど根は熱い奴だと思うんだ

>>381
やまとって陵桜の生徒じゃなかったんだっけ?
もし違うんだったらこっちのミスだごめんなさいorz

>>383
俺も感動ものは書けなくないけどこういうほのぼの系のほうが書きやすいんだよね
展開に捻りが足りないのかな

>>384
過去何回もレビューで「出番欲しい」と仰られていたからそろそろ出してやろうとwwww
ただほのぼの系書くだけじゃ普通だから何かメッセージ性を持たせてみたかったんだ
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/19(月) 01:03:04.48 ID:c4YpsGs0
こなた「コンクールおつかれっしたー!」
かがみ「お疲れさまでした」
こなた「今回は8作品?みゆきさんより難しいお題だったのかな…」
かがみ「なんか引っかかる言い方だな…まあ、年始が色々ごちゃごちゃしてたってか、それどころじゃないって人もいたんじゃないかしら?」
こなた「あーまあねー…『笑い』ってお題だったけど、結構シリアスなのもきてたね」
かがみ「お題の解釈は人それぞれだからでしょ。個人的には『笑顔』と『お笑い』の二つに解釈が分かれたと思ってるわ」
こなた「なるほどね」
かがみ「そういや、今回から副賞がつくみたいね」
こなた「みたいだね…わたしの予想としては大賞にはアレがきて、副賞にはソレだね」
かがみ「アレとかソレとか曖昧だな…」
こなた「これから投票する人への配慮だよ、配慮」
かがみ「まさかとは思うけど、全然予想がつかないからごまかしてるって事はないよな?」
こなた「………」
かがみ「………」
こなた「ばいにー!!」
かがみ「こら、急に締めるな!ってか逃げるな!!」


つかさ「こなちゃん、分からなかったら素直に言おうよ…ゆきちゃんはもちろん予想ついてるよね?」
みゆき「………」
つかさ「ゆきちゃん?」
みゆき「つかささん。甘味屋にでも寄って帰りませんか?奢りますから」
つかさ「わーい♪」
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/19(月) 13:45:58.33 ID:ayRbhYc0
>>386
釣るなwwwwそして釣られるなwwww
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/19(月) 20:00:32.29 ID:DZ9xkfU0
第12回コンクール投票所です
http://vote2.ziyu.net/html/madou.html

期間はちょっと早めの本日20時から26日の20時までです。

一人一票。携帯、パソコン両方を持ってる方もどちらかで一票をお願いします。

ルールを守って楽しく投票!!
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/20(火) 00:17:05.20 ID:ffDvMgSO
>>339

何に投票するか迷うな
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/20(火) 02:13:42.35 ID:qB0kkMSO
−スレ埋め戦士 ゴールドコナタン−


埋めるんだ 埋めるんだ
終わりのスレを
行くぞスレ埋め戦士 ゴールドコナタン

次スレに夢を見る 俺達の願いが
届いているか 聞こえるか 遥かネット次元

お前だけ信じた お前ならやれるはず
危なげないスレも 埋めるんだ

風を切って飛び立て コナタン軍団
戦う戦う舞台は 1000ゲットだ

正義を秘めて 色々萌えて
行くぞスレ埋め戦士
ゴールドコナタン



かがみ「いやいやいや!勝手に埋めるな!まだ500も行って無いって!」
つかさ「軍団って…もしかしてわたし達も?」
こなた「レインボーロードに入れば、わたしも色々大きくなれるんだ!」
みゆき「でもあれって、そのまま大きくなるだけで、体型は変わらないですよね」
かがみ「………」
つかさ「………」
こなた「んなこと分かってるもん!言ってみただけだもん!…うわぁぁぁぁん!」
かがみ「あー…行っちゃったか…」
つかさ「ダメだよゆきちゃーん…」
みゆき「え、あ、あの…間違った事は言ってませんよね…?」




ゴールドライタンなんか知ってる人がどれだけいるのやら…。
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/20(火) 06:09:24.75 ID:zJpLF/Q0
>>390
 幼少のころの記憶にちょっとあるぐらいかな。たぶん再放送かなんかだと思うが。
 リアルタイムで見てて、しっかり記憶があるなら、歳もバレるよ。
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/20(火) 12:20:09.01 ID:r.SAh.SO
みさお「ヴぁヴぁせーじん」
あやの「マッチ一本、火事のもと〜♪」

かがみ「違うような……」
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/20(火) 12:30:52.21 ID:qB0kkMSO
コンクール作品『THE MANZAI』を読んで思った事。


こう「八坂こうでーす!」
やまと「永森やまとです」
やまこう『二人合わせてやまとなでしこでーす』
こう「ねえ、やまと。このコンビ名なんだけど」
やまと「うん」
こう「やまとはともかく、わたしの名前はどこに…?」
やまと「最後の『こ』」
こう「こぉ!?半分だけなの!?右半身だけとか、そんな感じなの!?」
やまと「どっちかというと、上半身だけ」
こう「どこのテケテケだよソレ!?『わたしの下半身はどこー?』とか言いながら走り回るの!?」
やまと「下半身は犬がくわえて持っていった」
こう「ちょおぉぉっ!?なんでそんな扱い悪いのわたしの下半身!」
やまと「じゃあ、コンビ名を『となでしこ』にしよう」
こう「なんの意味あんのソレ」
やまと「わたしが下半身だけになって、上半身だけのこうと合体…」
こう「しないよっ!!」
やまこう『どうも、ありがとうございましたー』


ボケとツッコミが逆でも、結構いける気がする。
…いや、漫才がこんなんでいいのかは、自信ありませんけど。
394 :孤島 ◆vALsEeS3tA :2009/01/20(火) 13:04:52.25 ID:didlPsDO
こなた「かがみんセックスしよ〜」
かがみ「いいわよ〜」
くちゅくちゅ
かがみ「あっあっ」
こなた「かがみんって下向きなんだね」
かがみ「暇を持て余した」
こなた「神々の」
こなた、かがみ「遊び」
395 :孤島 ◆vALsEeS3tA :2009/01/20(火) 13:08:12.45 ID:didlPsDO
つかさ「お父さ〜んセックスしよ〜☆」
父「いいよ」
くちゅくちゅ
父「あっあっ」
つかさ「お父さん下向きなんだね」
父「暇を持て余した」
つかさ「神々の」
つかさ、父「遊び」  
父親の名前って「ただお」だっけ?
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/20(火) 18:32:21.49 ID:4pcHV9A0
今回のお題「笑い」ということで

「こんなとき、どんな顔したら良いか分からない・・・」
「笑えば良いと思うよ」

的なギャグパロがあると期待していましたのに

ちくしょう
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/20(火) 19:15:58.42 ID:zJpLF/Q0
>>396

 某OVAシーンより

かがみ「○○したい〜。……!」
つかさ「こんなとき、どんな顔したら良いか分からないだけど……」
こなた「笑えば良いと思うよ」
つかさ「あはははは……」

 こなた、どこから出てきた?
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/20(火) 19:32:24.63 ID:4pcHV9A0
>>397
そこで使うかww
こなたは声を魔法で届けたんじゃね?ww
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/20(火) 20:50:54.96 ID:vgQhjG60
こなた「かがみー、つかさから聞いたよ〜?私と『○○したい』って言ったんだって?」
かがみ「うっ……やっぱりバラしたのか、つかさのやつ……」
こなた「むふふ♪かがみんもカワイイ奴よのぅ。えいっ」
かがみ「ちょ、ちょっと、こなた!?何やってんのよ!?」
こなた「イイこと♪そしてさらにイイことをしてしんぜよう」
かがみ「ち、近い近い!顔近いって!ちょっと、離れなさいよ!」
こなた「ちゅっ☆」
かがみ「あっ……」
こなた「あはっ、かがみったらなんて表情してんのさ〜」
かがみ「だって……こんなとき、どんな顔したら良いか分からない……」


ゆたか「……笑えば良いと思うよ……」


こなた・かがみ「!?」


バタン!トットットットット…


こなた「ええ〜?ええ〜〜?」オロオロ
かがみ「……笑えねー……」
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/20(火) 22:14:42.86 ID:4pcHV9A0
ひより「ニヤニヤ」
401 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:50:52.61 ID:ZvTOLfs0
投下行きます。
正解率99%の暇つぶし再び!
と言うことで、以前に書いた「資料室は閉まらない」と同じくゆるい推理ものを、ぬるさ五割増(当社比)でお届けします。

とは言え、今回は少し事件性があり、ちょっとした惨劇もあります。
402 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:52:22.15 ID:ZvTOLfs0
 ばれるわけが無い。そう自分に言い聞かせて、少女はそれに近づいた。
 ばれてしまっても、ちょっとした悪戯で済むはずだ。そういった軽い気持ちで事を実行に移す。
 それが、あの惨事への幕開けとも知らずに…。


- チョココロネは食べられない 出題編 -


「ふ〜んふふ〜ふふ〜ふん♪」
「朝からえらくご機嫌ね」
 ある日の登校時。かがみは先程から鼻歌を歌いながら歩くこなたにそう聞いた。
「そりゃあ、機嫌も最高潮になるよ…ほら、これ見てよ」
 そう言ってこなたが鞄から取り出したのは、なにかの店の名前が書かれた紙袋だった。
「ベーカリーってことはパン?どこのお店の?」
「あ、こなちゃんそれって駅前のパン屋さんの!?買えたんだ、すっごーい」
 それを見たつかさが歓声を上げた。
「ホントですか!?わたしもあのお店のパンは凄く好きなんですよ」
 珍しいことにみゆきまでもが食いつく。
「えっ…二人とも知ってるんだ。どこのだろ…」
「おーっと。食いしん坊かがみんがこの情報を知らないなんて、槍が降るねこりゃ」
「うるさいなあ。わたしだって年がら年中食べ物のこと考えてるわけじゃないわよ…ってかそんなに食いしん坊って訳でもないわよ」
 かがみが何時も通りこなたにからかわれようとしているのを察したつかさは、助け舟を出そうと二人の会話に口を挟んだ。
「ほら、お姉ちゃんアレ。この前まつりお姉ちゃんが買ってきたのだよ。お姉ちゃん、美味しいって五個くらい食べてたじゃない」
 助けるどころか上から重しを落としていた。
「…五個て…」
「…あのパン屋さん、普通のところより全体的にパンが大きかったですよね…」
 こなたどころか、みゆきまでもが一歩引いてかがみを見つめていた。
「…つかさ…後で覚えてなさいよ…」
「えーっと…あ、そうだこなちゃん!どんなパン買ったの!?見せてほしいな!」
 見つめられている箇所がチリチリと熱いかがみの視線を受けたつかさは、冷や汗をたらしながら話題を変えようとした。
403 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:53:35.10 ID:ZvTOLfs0
「つかさ、タゲ逸らし乙。ま、それはそれとして…聞いて驚け!なんと限定チョココロネをゲットできたんだよ!」
 某ハイラルの勇者のごとく、高々と紙袋を掲げるこなた。それを見て、かがみが呆れた顔をした。
「チョココロネって、またあんたらしいな…ってかコロネ一つでそんな大層な…つかさ?」
 かがみはつかさの様子がおかしいことに気がついた。魂が抜けたかのように、こなたの持つ紙袋を見つめている。
「つかさ?おーい、つかさー?」
 かがみがつかさの顔の前でひらひらと手を振る。
「って、えええええええぇぇぇぇぇぇっ!?」
「うわあ!?びっくりした!」
 それに反応したのか、つかさが突如大声を上げ、かがみは驚いて三歩ほど後ろに下がった。
「ど、どうしたのよ?急に…」
「だってチョココロネだよ!数量限定だよ!一番人気なんだよ!普通買えないよ!どうやって買ったのこなちゃん!?」
 普段からは想像もつかないような勢いでまくしたてるつかさを、かがみは冷や汗をたらしながら見ていた。
「そ、そんなに凄いんだそのコロネ…みゆきは当然知ってるのよね?…って、みゆき?」
 かがみが先程までいた場所からいなくなったみゆきを探すと、こなたが掲げる紙袋に今にも食いつかんとする位置にいた。
「ちょっとみゆき!なにやってんの!?」
「え?…って、うわあ!みゆきさん!?」
 かがみの声でみゆきの接近に気がついたこなたが、慌てて紙袋を胸元に抱き込んだ。
「あっぶなー…かがみならともかく、みゆきさんは盲点だった…」
「どういう意味だ…ってか、ホントになにやってるのみゆき…」
「す、すいません…その紙袋を見てたら無意識に…」
「みゆきが理性を無くすほどなんだ…ねえ、こなた」
「一口もあげない」
「…まだ何も言ってないわよ…いや、当たってるんだけど…」
 これ以上外に出しておくのは危険だと感じたこなたは、紙袋を鞄の中にしまい込んだ。
「今日はニ時間目の体育がマラソンだったから、かなーりブルーだったんだけどねー。これでばっちり乗り切れるよー」
 これ以上はないくらい嬉しそうに鞄を抱きかかえて歩き出すこなた。
「こなちゃん、いいなー」
「はい。羨ましいです…」
 そのこなたの後ろをつかさとみゆきがついていく。
「………ふーん」
 その更に後ろを歩くかがみは、顎に手を当てて何かを考え込んでいた。

404 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:54:33.03 ID:ZvTOLfs0

 体育の時間。こなたは文字通り風となっていた。
「うりゃりゃりゃりゃー!!」
「…こ、こなちゃん…速すぎるよ…」
「…ぜ、全然追いつけませんね…」
 つかさどころか、みゆきすらも周回遅れにしそうな勢いのこなたを、クラス全員が『こいつホントに人間かよ』みたいな目で見ていた。

「いやー、走った走った。これだけお腹空かせれば、お昼もより美味しくなるに違いないよ」
「…それで…あんなに、張り切ってらしたんですね…」
 満足気に汗を拭くこなたの横で、みゆきが息も絶え絶えに座り込んでいた。
「ってかみゆきさん、わたしに合わせようとしなくても良かったのに」
「…周回遅れは…嫌でしたので…」
「うーん。みゆきさんは、変な所で負けず嫌いだなあ…タオル、濡らしてこようか?」
「…はい…お願いします…」
 こなたはみゆきからタオルを受け取ると、水道の方へと駆け出した。
「…まだ…走れるんですね…」
 呆れたようにこなたを見送ったみゆきは、自分と同じようにへたばっていたつかさが、立ち上がって校舎の方を見ているのに気がついた。つかさの目線を辿ってみると、どうやら自分達の教室の方を見ているようだった。
「…つかささん?どうかなさいましたか?」
 みゆきがそう声をかけると、つかさはビクッと身体を震わせ慌てて視線を戻した。
「な、なんでもないよゆきちゃん…なんでもないから」
「…そうですか?」

405 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:55:29.23 ID:ZvTOLfs0

「次乗り切れば、お昼だねー」
 三時間目終了後の休み時間、こなたは嬉しそうにつぎの授業の準備をしていた。
「こなちゃんのコロネが気になってしょうがないよ…」
「そうですね…」
 つかさとみゆきは授業の準備をしながらも、こなたの鞄を見つめていた。
「よし!準備完了!トイレでも行くか!」
 そう高らかに宣言しながらこなたは席を立った。
「こ、こなちゃん…そんな事あんまり大きな声で………あ…こなちゃん、わたしもいくよ」
 そう言いながら、こなたに続いてつかさも席を立つ。
「んじゃ、連れションといきますか!」
「こなちゃーん、やめてー」
 教室にいる全員の視線を集めながら、二人は教室を出て行った。
「…つかささんも、大変ですね」
 二人を見送ったみゆきは、次の授業の予習を始めようとした。しかし、ふと目に入ったこなたの鞄に視線が止まる。しばらく鞄を見つめていたみゆきは、何かを振り払うように首を振ると、自分の机に向かった。

「ただいまー」
 しばらくして、こなたが一人で教室に入ってきた。
「お、おかえりなさい、泉さん…あ、あのつかささんは?」
「んー、それがね、わたしがトイレから出た時にはもういなかったんだよねー…どこ行ったのやら」
「そ、そうですか…」
「…みゆきさん?」
「は、はい?なんでしょう?」
「なんか顔色悪いよ?気分でも悪いの?」
「い、いえ!なんでもありません!何時も通りですよ、わたしは!」
「そう?…んー、まあいいけど」
 二人が話していると、つかさが教室に入ってきた。
「あ、つかさー。どこ行ってたの?せっかく肩組んで帰ろうとでも思ってたのに」
「ごめんね、ちょっと喉が渇いたから自販機に行ってたの…っていうか、そんな恥ずかしいこと出来ないよ…こなちゃんと肩組むの大変そうだし」
「む、それは遠まわしにわたしの背の低さを非難しているのかね」
「そ、そうじゃないけど…って、あれ?ゆきちゃん?」
「…な、なんでしょう?」
「なんだか顔色悪いけど、大丈夫?」
「あ、つかさもやっぱそう思う?」
「うん…気分悪いんだったら、保健室行こうか?」
「い、いえ…ご心配には及びません、はい…」
「そう?だったらいいんだけど…」
 こなたとつかさは、なんとなく腑に落ちない表情で、顔を見合わせた。

406 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:56:47.57 ID:ZvTOLfs0

 そして昼休み。
「うにょわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 それは、こなたの奇妙な悲鳴で幕を上げた。
「ど、どうしたのこなちゃん!?…ていうか今のって悲鳴でいいの?」
「つかさ!つかさー!なんで…なんでこんなことにー!」
 こなたは近寄ってきたつかさの両肩をがっしり掴むと、力任せに前後に揺さぶった。
「お、お、お、お、落ちつい、落ち着いて、こな、こな、こなちゃ」
「あ、あの泉さん…つかささんが大変なことになってますんで…」
 みゆきがこなたを止めようと声をかけたが、今のこなたに声は届かないようだった。
「なーんーでーだーよー!」
「…こ、こな…おねが…まって…」
 さらに激しくこなたがつかさをシェイクしていると、教室のドアが開いてかがみが入ってきた。
「ねえ、さっきの悲鳴?で、いいの?は、こなたっぽかったんだけど、何かあったの…って何をやってるんだお前は」
 かがみはこなた達に近づくと、意識が朦朧としてるのか力なくカクカク揺れてるつかさを、こなたから引き剥がした。
「大丈夫ですか?つかささん…」
「…大丈夫…地球が震えてるから大丈夫…」
「かがみー!かがみー!これ見てよー!」
 みゆきがつかさを介抱してる傍で、こなたはかがみにコロネの入った紙袋の中を見せた。
「…え…こ、これって…」
 それを見たかがみは絶句した。
 紙袋の中にあったのは、無残にも踏み潰されたチョココロネだった。袋の内側にチョコが飛び散り、靴の跡も痛々しく、もはや食せる物ではなかった。
「…なんで?…どうして、こんなことに?…」
「そんなのわたしが聞きたいよ!」
 少し顔を青ざめさせながら聞くかがみに、こなたは噛み付きそうな勢いで答えた。そしてしばらく考え込むと、つかさを介抱しているみゆきに顔を向けた。
「みゆきさん!」
「は、はい!?」
「犯人見つけてよ!この前の資料室の時みたいにパパッとさ!」
「…え…あ、わたしが…ですか?」
「みゆきさんがこういうとき一番頼りになるんだから!」
 期待に満ちた目で見つめるこなたからみゆきは目を背けると、俯いて考え込み始めた。
「…みゆきさん?」
「…いえ…そうですよね…分かりました、放課後までには何とか…」
 俯いたまま答えるみゆきに、こなたは違和感を感じた。
「みゆきさん、ホントに大丈夫?」
「大丈夫です…ご心配なく」
「…だったらいいんだけど…はい、これ」
 こなたはみゆきに、コロネの入った紙袋を手渡した。
「何かのヒントになるかもしれないし、みゆきさんが持ってて」
「あ、はい…」
 みゆきは紙袋の中を覗き込んだ。中に入ってるのは目を背けたくなるような惨状のチョココロネ。
「…あれ?」
 それを見たみゆきは首を捻った。
「どうかしたの?みゆきさん」
「…これって…」
 こなたの言葉が聞こえなかったのか、みゆきはコロネを見つめながら考え込んでしまった。

407 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 00:57:42.77 ID:ZvTOLfs0

 放課後。すっかり人の出払った教室に、みゆき以外の三人が集まっていた。
「…みゆき、遅いわね」
 机の上に頬杖をついたかがみが呟いた。ホームルームが終わった直後にみゆきの姿が消えたため、三人はしかたなく教室で待機していた。
「うん…どうしたんだろ?」
「わたし、ちょっと見てくるよ」
 こなたが立ち上がり、みゆきを探すために教室出ると、丁度廊下の向こう側から歩いてくるみゆきを見つけた。
「あ、みゆきさーん」
「…泉さん」
「どこ行ってたの?みんな待ってるよ」
「すいません、少し証拠固めに職員室と購買の方にいってました…あまり利用しないので知りませんでしたが、購買は朝から開いているんですね」
「うん、部活の朝連の人とか利用するみたい…それで、犯人は分かったの?」
「はい、一応は…行きましょう、泉さん…真実のその向こうまで…」
「…え?」


 こなたとみゆきの二人が教室に入り、四人はいつもお昼ごはんを食べる時のように机を囲んで座った。
「さて、今回の事件の犯人ですが…」
 切り出すみゆきに他の三人の視線が集まる。
「残念ながら、この四人の中の誰かです」
「…え」
「…うそ」
「…わたしも容疑者なの?」
 みゆきの言葉に、かがみとつかさは唖然とし、こなたは自分を指差して困った顔をした。
「一応、前提としてはそうなります。被害者だからと言って犯人ではないということはありませんし…勿論、探偵役も特別ではありません」
「で、でもなんでわたしたちなの?」
「泉さんが、このチョココロネを持っているのを知っているのは、恐らくこの四人だけだからです。コロネの存在を知らなければ、わざわざ泉さんの鞄を漁ることはないでしょうから」
 みゆきはいつになく緊張した声でそう言った。そして、心を落ち着かせるために深呼吸をして、犯人を指摘する為に口を開いた。
「チョココロネを踏み潰した犯人は…」


「はい、今回は出番の無かった小早川ゆたかです」
「…同じく岩崎みなみです」
「…みなみちゃんは前回も出てなかった気がするんだけど…」
「無残にも踏み潰されたチョココロネ。果たして犯人は四人の内の誰なのか?」
「え?あれ?みなみちゃん?」
「みなさんもみゆきさんと共に、正解率99%の暇つぶしに挑んでみてください。では、今回はこの辺で…」
「え?もしかして締めちゃった?わたしがここにいる意味は?」
「………」
「みなみちゃん、どこいくの!?みなみちゃーん!」


- 解答編へ続く -
408 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/21(水) 01:00:39.18 ID:ZvTOLfs0
以上です。

見ての通りの殺パン事件です。
コンクール結果発表までの暇つぶしにでもなれば幸いです。

…例のごとく、解答編はまだ書けてません。
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/21(水) 02:08:14.25 ID:x1GtMkAO
>>408
殺パンwwwwワロタ
乙!

大まかには分かった、かなー
ただ推理どおりだとするとなぁ。踏み潰したのはともかく、なんであっちのことを白状しないのかって事に……
単に言いにくいだけか、もうバレないからいいと思ったのか
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/21(水) 16:30:19.41 ID:AWyW6v60
408 他のキャラは出てくるのですか?
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/21(水) 18:21:30.48 ID:ZvTOLfs0
>>410
その点は前作で指摘がありましたので、事件に関わるという事ではほかのキャラはでてきません、多分。
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/21(水) 18:51:07.39 ID:HOkj40o0
第12回コンクール投票所です
http://vote2.ziyu.net/html/madou.html

期間は26日の20時までです。

一人一票。
携帯、パソコン両方を持ってる方もどちらかで一票をお願いします。

ルールを守って楽しく投票!!

定期的にあげとく。wiki見てない人も居るかもしれないから。
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/21(水) 19:23:08.55 ID:WcIUI6SO
>>408

正解率99%か……
あいつが怪しいなー、ぐらいにしか分からない俺は残りの1%って事ですね?w

そんな俺が書く推理物は正解率きっと100%です。
難易度は超VERYいーじーです。

では続き投下します
414 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:24:10.89 ID:WcIUI6SO

 1.青と白の縞々


「よ〜い、スタート!」
 スタートの合図と同時に駆け出す陸上部員達。その中で一際足の早い女の子が居るッス。その早さは誰が見ても明らか、他の部員達にどんどん差を付けてるッス。
 そして今ゴール。
「凄いわ、新記録よ日下部さん」
「へへ、まぁな」
 彼女の名前は『日下部みさお』。この陸上部のエースらしいッス。
 何でかがみ先輩の回想なのにこんなシーンから始まってるのかっていうのは禁句ッスよ。気にしちゃダ〜メ。ちょ、先輩笑わないで下さいよ!
 まったく、えーと……ハニカムと八重歯がキュートで走ると少し大きめの胸がゆさゆさと揺れるのがポイント……あ、赤くなってるッス。
「この調子なら今度の大会でも結構イケるんじゃない?」
「まだまだだぜ、全国にゃもっとはえーのが居るからな。もう一回走るぞ」
 こうして彼女は走る。ひたすらに走るのであった。おわり。
 ……おわ、り? え? おわり!? あの、監督これは? あ、ギャグッスか……それならそうと最初から言ってほしいッスよ。
 ……はい。ちゃんと確認しなかった私が悪いんですよね。


 こうして彼女は走る。ただひたすらに走るのであった。おしまい。





415 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:24:45.48 ID:WcIUI6SO
「あぅ〜、もうやだ〜、勉強ちかれたぁ〜」
「口動かしてる暇があったらペンを動かせ」
 放課後、図書室にて珍しくも勉強している泉先輩一行。受験生でもあり、前回の中間テストがかなりやばかったため勉強の出来るかがみ先輩と高良先輩に見てもらってるという場面ッス。
 つかさ先輩も恩恵を受けようと、ちゃっかり居るッス。
「こんだけ勉強すれば百点取れるよね? よし今日は終わりかなっ?」
「別に良いわよ。その調子じゃ百点は疎か七十も超えられないわね」
「うぐぐ……」
 勉強道具をしまおうとしていた手が止まり、プルプル震える泉先輩。
 あぁ、三年生は大変なんだなぁ……。後二年か……。
 その一方でつかさ先輩はというと。
「ゆきちゃん、ここが分からないんだけど……」
「ここはですね、私を崇めよ讃えよ、なんですよ」
「そっかー。……実はここも分からないんだけど……」
「ここはですね、常に私を賛美すること、なんですよ」
「なるほどぉー。あ、後ここもなんだけど」
「そこの主役というのはこのみゆき様さ、が正しいですよ」
 と、こんな感じでループしてるッス。
 つかさ先輩、それちゃんと勉強してるんスか?
416 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:25:22.95 ID:WcIUI6SO
「暗記パンが欲しいよぉー……」
「現実逃避ばっかするな」
 泉先輩は再びペンを握り渋々と勉強を再開し始めました。そんな泉先輩を見て思ったのか、高良先輩がパンっと両手を合わせます。
 何か錬成するんスかね?
「ではこんなのはどうでしょう? 泉さんとつかささんが次のテストで、どの教科も平均点を超えられたら旅行に行くというのは」
「え? 旅行?」
 反応早いッスね先輩……。
「はい。実は先日、一組六名までのとある旅館の禁……無料招待券を手に入れまして」
 そう言って胸の谷間に挟んでいたと思われる招待券を取り出し見せる。
 さっきの発言といい今の行動といい、高良先輩はネタキャラ役ッスね。
「受験生でテスト期間……本来ならば全て終わった後にでも言い出すつもりでしたが、お二人のやる気が出るのであればと思いまして」
 この招待券、有効期限は無期限と書いてありますね。ご都合主義ッス。
 っと、二人の目の色が変わったッス。って、かがみ先輩もッスか!
「旅館、温泉……」
「のんびりふわふわ……」
「豪華料理……」
 それぞれ妄想に更けています。気が早いッスねぇ、先輩方。
 やがて三人は目を合わせると、心が通じた戦闘のプロの如く頷き合う。
 なんスか、この例え……。
「いいわね、絶対平均点を超えるのよっ!」
「うん、私頑張るよっ」
「タイタニックに乗ったつもりで良いよ!」
 三人の志が一つになったとき、歴史は新たなる一ページを刻むであろう。
 てゆーか、タイタニックって確か沈んだんじゃ……。
417 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:26:05.49 ID:WcIUI6SO
「やる気が出て良かったです」
 やる気が出たのは良いんスが、背景が燃えてるんスけど……CGですよね?
「熱っ! ちょっと火ぃ強すぎじゃない?」
「心頭滅却をすれば火もまた涼し! だよ」
「こらぁっ! 何をやってるのあなたたち!」
「うわっ、ごめんなさぁーい!」
 って本物の火を使ってたんスか!? 図書室でそれはまずいッスよ!
 緊急退避ッス!!



 暗くなる前に帰るという言い伝えがあるそうで、先輩たち一行は図書室を後にし、玄関に来ました。
「よーし帰ったら先ずはネトゲーだー」
 そう言い、下駄ばこの靴を取り出そうとした泉先輩の腕に誰かの手がガシッと力強く掴む。
「何事っ!?」
 驚いた先輩は掴まれた腕に付いている手の先を見るや否や口を鯉の様にパクパクとし、その相手を見つめる。
 ……なんか急にホラーチックッスね。
「つ、つかさ?」
 ようやく絞り出たその声は明らかに震えていた。つかさ先輩はいつもと変わらぬ笑顔でいるにも関わらず。
「ネトゲー? 何を言ってるのかなぁ、こなちゃんは」
 つかさ先輩が放ったその台詞は誰が聞いても普通な疑問系の言葉だった。しかし、泉先輩にはそれがとても重みのある言葉に聞こえたようッス。
「冗談だって! 勉強する、」
「怪しいね」
「そうね、ここは家に連れて行きましょ」
「いや、今日はゆーちゃんが具合悪くてさ」
「あ、もしもしゆたかちゃん? あら、元気そうね。今日こなたが家に泊まる事になったから」
「楽しい勉強会になりそうだね、こなちゃん」
 たった一言、ネトゲーと言っただけでここまで変わってしまうとは……恐るべし温泉パワーッス。
418 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:27:11.36 ID:WcIUI6SO
「あれ? 柊たち今帰り?」
 かがみ先輩とつかさ先輩が泉先輩を首から上だけ出して袋に詰め込んでいると、後ろから日下部先輩と峰岸先輩がやってきました。
「……何をしているの?」
 と、当然の疑問をぶつける峰岸先輩。夕日に反射するおでこが眩しいッス。
「あぁ、これ? こなたがテストが近いから家に泊まり込みで勉強したいって言うからその準備よ」
「ふーん、泉さんも大変ね」
「袋に入れる必要あるのかよ……」
 それは激しく同意ッス。でも私的にはこの後いろんな事を泉先輩にやって欲しいなぁ……おぅわ! 声に出してたッスか!? こっち見ないでほしいッスゥ!
「ねぇ、みさきち〜」
「んぁ?」
 身体が袋に入っているため、芋虫の様にもぞもぞと日下部先輩の近くに這い寄る泉先輩。
「今日は白か」
「は?」
 一瞬、意味が分からず怪訝な表情をしていた日下部先輩ですが、泉先輩が下から見ているという事を理解すると、直ぐさまスカートの中を隠す様に抑える。
 なんか可愛いッスね。日下部先輩……。
「ばっ、どこ見てんだよっ!」
「『今日は』って事はもしかして昨日も見たの?」
 峰岸先輩、そこ気にするとこッスか?
419 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:27:56.18 ID:WcIUI6SO
「もち。昨日は水色だったね!」
 って見たんスか!
「あら、よく知ってるわね」
 峰岸先輩、その反応は自分も見たと言ってるようなもんスよ。あ、日下部先輩が耳まで赤くなってる……。
「チビッ子ぉ! お前、それ言うために来たのかよ!」
「ごめんごめん、どーも目線がね? 因みにかがみは赤と白の縞々だったよ」
「おいコラこなた」
「あれ? お姉ちゃん今日は青じゃなかった?」
「なるほどねー」
「つかさぁ! 余計な事を言うなぁ!」
 あの、ストーリーが進まないんスけど……。これいつまで続くんスか?



 と、言うことで新たにニ名のキャストが旅行に参加することになったッス。
 招待券は一組六名様ッスからね。これでピッタリッス。

 ところで、あの騒ぎの中の何処に『一緒に温泉に行く』という話が出てきたんスかね?
 スカートの中よりも大事なシーンだと思うんスけど……。
 うーん、めちゃくちゃなシナリオだなぁー……。


 その後、何とか二人はテストで平均点を超え、高良先輩に合格点を貰ったみたいッス。
 泉先輩は柊先輩宅にマジで泊まり込みをさせられたらしいッスけど、疚しい事はされてないとの事(かがみ先輩に口止めされてる可能性ありッス)。
 そして一行は旅行の日を楽しみにしながら、数日を過ごしましたとさ。

 めでたしめでたし。

「さっきと同じネタかよっ!」
 やっぱりツッコミますよね……。
 一応、次回「銭湯のプロ」に続くッス!


420 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:28:40.62 ID:WcIUI6SO
第一話がくや裏


「ひ〜より〜ん、ちょっと」
「あ、はい。なんスか?」
 第一話が終わって少しの休憩時間――と言うか主に次回の台詞を復習したりする時間ッスね――に私は監督に呼ばれた。
 今度はなんだろう?
「ひよりんの一人称で良いよって言ったんだけどさ……」
「は、はい」
 もしかして余計な事言っちゃったッスか……?
 き、緊張してきたッス。
「度々で悪いんだけど、何て言うかね? 名前の後に『先輩』は付けないでほしいんだよ」
「何だそれだけ……えぇっ!?」
 それはつまり先輩方を呼び捨てにしろって事ッスか? そんな恐れ多い……。
「大丈夫だって、皆それぐらいで怒らないからさ。そもそもプロローグでは普通に言ってたじゃん」
「いや、あれは台本通りに読んだだけで……それに苗字だった、」
「じゃあ、ちょっと練習してみよっか。かがみ〜」
 ちょ、聞いて下さいよ。しかもよりによってお姉様の方ッスか……。
「何?」
「ちょっとひよりんが……」
 この流れは……言わなきゃマズイッスか? 逃げられないッスか? わざわざ本人目の前にして言わなくても……誰か助けて。
421 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/01/21(水) 19:29:06.46 ID:WcIUI6SO
「じゃあ、ひよりん言ってみようか」
「か……」
 言ってしまえ! 簡単な事じゃないッスか!
 最後に『先輩』を付けないだけ、先輩を付けないだけ……。
「か、かがみ…………先輩」
「…………」
「…………」
 小さく先輩と言ってしまったッス……この重苦しい空気は何スか?
 泉先輩、何か言って――。
「ヒヨリィー!」
「おわっ!?」
「アナタは最高デス!!」
 突然、パトリシアさんが抱き着いて来てこう言われた。
 何が最高?
「ひよりーん、今のは萌えたよー」
「へ?」
 萌えた? 誰に? 私に?
「なんか聞いてるこっちが気恥ずかしいわ」



 えー、どうやら私が小さく『先輩』と言った時の仕草がとても……萌えたようで……。
「ひよりんの真似。かがみ…………先輩……きゅん」
「oh! コナタ、とても似ていマス!」
 ぎゃあぁぁ! めちゃくちゃ恥ずかしいッス!! 穴があったら入りたいとは正にこの事……誰か私を殺して!
「ひよりんは殺される役じゃないよ」
 いや、分かってますけど……。
「ま、頑張ってね。あ、分かってると思うけどみゆきさんや峰岸さんも名前で読んでね? 統一しないとおかしいからさ」
「……合点了解ッス」
 よくよく考えたら、別に面と向かって言うわけじゃないし……うん。頑張ろう……。
 かがみ、こなた、つかさ、みゆき……くけけ。

「ところでこなた、これ殆ど撮り直しとかしてないけど……良いの?」
「良いの良いの。思い出作り何だからさ」
「……そうね」
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/21(水) 19:32:57.54 ID:WcIUI6SO
>>414-421
今回は以上です。次回はいよいよメイン現場へ!
更新は約2週間後ですが……
遅筆ですまない(´・ω・`)
早く見せたいがため、いろいろ爆走状態ですが許してくだしあ
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/21(水) 21:23:05.10 ID:xbBiFBs0
>>422
芋虫こなたんを想像して萌えたwwww
ひよりんの語りも結構面白いもんだなあ
GJ!続き待ってるぜ
424 :オタク初の米国大統領パトリシア・マーティンの就任演説 [saga]:2009/01/22(木) 06:31:04.00 ID:CCBbMJM0
 ■危機のさなか

 オタクの皆さん。私はきょう、今後の任務を前に謙虚な気持ちで、皆さんから授かった信頼に感謝し、私たちのオタク先輩諸氏が払った犠牲に思いを致してここに立っています。
 私は、前大統領が行ったオタク人民への奉仕と同時に、政権移行期間を通じて見せてくれた寛大さと協力に、感謝してます。

 これで44人の米国人が大統領就任の宣誓をしたことになります。宣誓の言葉は、オタク人民の繁栄のうねりの高まりの中で、述べられたこともありました。宣誓はしかし、しばしば、オタク人民に立ちこめる暗雲や荒れ狂う嵐のただ中でも行われました。

 そうしたときも米国は前に進んできました。単にオタク指導層に手腕や構想があったからだけではなく、私たちオタク人民が先輩諸氏の理念に忠実であり続けたからです。これまでもそうだったし、現世代でも、そうでなければなりません。

 私たちが危機のさなかにあることは今や、よく理解されています。オタク人民は戦争中です。オタクに対する偏見と憎悪の広範なネットワークに対する戦いです。エロゲー市場は著しく弱体化しました。
 規制主義者どもの偏見と暴虐の帰結であり、正しい選択をし国家として新しい時代に備えるのを怠ったせいでもあります。
 エロゲーは失われ、グッズはなくなり、コミケは閉鎖されてます。私たちのフィギュアはあまりにも高くつき、アニメは多くの期待を裏切り、規制強化のありようが敵対者を強くして、オタク人民を脅かしているという証拠は日々、積み上げられています。

 これらは、データや統計に基づけば、危機の指標です。計測はできないものの、劣らず深刻なのは、オタク人民を覆う自信喪失です。米国オタク文化の衰退は不可避で、次世代は目標を低くしなければならないという、つきまとって離れない恐怖です。

 私は本日、私たちが直面する試練は現実のものだと申し上げる。試練は深刻で数多く、容易に、あるいは短期間で立ち向かえるものではなかろう。だが、米国よ、知っておいてくれ、私たちは立ち向かうと。

 私たちはきょう、恐怖ではなく希望を、紛争や不和ではなく、目的の一致を選んだがゆえに、ここに集まりました。きょう、米国政治を締め付けてきたささいな不平と誤った約束、批判とすり切れた教義に終わりを告げるためにやってきました。

 私たちはまだ若い国家です。だが、裏死海文書の言葉にかけて、大人の論理を捨てるときが来ました。
 私たちの揺るぎない精神を再確認し、より良い歴史を選択し、あの貴重な贈り物、世代から世代へ受け継がれてきたあの崇高な理念、つまり、すべての趣味趣向は平等かつ自由で、それを最大限追求する機会が与えられるべきだという新世界の神の与え賜うた約束を推進すべきときが来ました。

 米国の偉大さを再確認するに際し、それが天から与えられるものでないことを理解します。それは勝ち取らなければならないものです。

 私たちの旅は近道や楽な道だったことは決してありませんでした。臆病者の道、多様な文化より規制を好んだり、富裕や名声の喜びを求めたりする者の道ではありませんでした。
 むしろ、リスクを取る者、実行する者、ことをなす者たち、一部は有名であれ、多くは目立たず苦労している男女こそが、私たちを繁栄と自由への長く険しい道へと運び上げてくれました。

 私たちのため、彼らはなけなしの財産をまとめ、新しい生活を求めて、夢の世界を横断しました。私たちのため、彼らはネトゲーで苦労し、シムシティに入植し、魔王の攻勢に耐えて、農家経営ゲームで荒れ地を耕しました。
 私たちのため、彼らはRPGや戦略シミュレーションゲームで戦って没しました。
425 :オタク初の米国大統領パトリシア・マーティンの就任演説 [saga]:2009/01/22(木) 06:31:42.54 ID:CCBbMJM0
 何度となく、これらの男女はもがき、自らを犠牲にして、私たちのオタク文化が広まるように、足の皮がむけるまで布教し続けました。彼らは、米国オタク文化を、個人の野望の総体より大きく、出身や富や党派のあらゆる違いよりも偉大なものととらえてきました。

 私たちの旅は続いてます。私たちは依然として地球においてもっとも栄えた力強い国です。私たちオタク人民は、この危機が始まったときより趣味への忠誠が低いわけではありません。独創性が少ないわけではありません。
 米国のオタクグッズとアニメは先週にも先月にも昨年にも劣ることなく求められてます。私たちの能力は変わりません。
 しかし、現状を維持し、限られた利益を守り好まない決定を先送りするときは終わりました。きょう、私たちは起き上がり、ほこりをはらい、米国オタク文化再生の仕事を再び始めなければなりません。

 どこを見渡しても、やらなければならない仕事があります。米国オタク経済は大胆で迅速な行動を求めてます。私たちはグッズ創出だけでなく、成長の新たな基盤を築くために行動します。
 オタク産業に力を注ぎ、私たち同士を結びつけるアニメや漫画、MADを構築します。
 私たちはエロゲーを正しい場所に戻します。エロの質を向上し、規制を削減するために、驚嘆すべき技術を巧みに使います。
 同人誌とフィギュアを人民の希望に、日々生きるための糧に活用します。新時代に合うようコミケやアニメショップを変革します。これらすべてを私たちはできるし、やっていきます。

 ■尊厳ある未来

 今、私たちの向上心に疑問を持つ人がいます。私たちのシステムはあまりに多くの大きな計画に耐えられないとささやいています。彼らの記憶力は乏しいです。
 なぜなら、この国がすでになしてきたことや自由な男女が達成できること、想像力が共通の目的と勇気の必要性と合わさったときを、彼らは忘れてしまったからです。

 皮肉屋は彼らの足元が動いたことを理解できません。私たちを消耗させてきた古い政治的な論議はもはや通用しないことを理解できません。

 私たちが今日問うべきなのはオタク文化がマイナーか否かではなく、それが尊重されるか否かです。まともな賃金で購入可能な同人誌と、愉快なアニメが視聴できる仕事を国民が見つけられるよう助けられるかどうかです。
 答えがイエスなら、私たちは前に進みます。答えがノーなら計画は終わります。

 公共のドルを扱う私たちは、お金を賢く使い、悪習を改革し、白昼の下で仕事をすることが重んじられます。なぜなら、それで初めて、私たちは同人誌をこの手にするお金を取り戻すことができるからです。

 テレビゲームが善か悪かも問題ではありません。ただ現在の危機は規制だけではゲーム業界は衰退することを思い起こさせました。道徳主義者だけを優遇すれば国家は長く繁栄できません。
 米国ゲーム業界の成功は、売上げの規模ではなく、その普及と意欲ある個人の機会を拡大する能力に依ってきました。慈悲によってではなく、それが共通の利益にとって最も確かな道であるからです。

 私たちの共同防衛に関しても、安全と理想のどちらかを選択するというのは偽りだと拒絶します。私たちの建国の祖は想像を超える危機のなかで、文化の多様性と国民の趣味趣向の自由を保障する憲章を起草しました。
 憲章は何世代もの犠牲のうえによって拡充されてきました。これらの理念は今も世界を照らしており、私たちは自己都合で手放したりはしません。
 最も繁栄している首都から私の父が生まれた小さな村まで、今日この日をみているすべての人々、政府に言いたい。
 米国はオタク文化と自由のある未来を求めるどの国に対しても、どの男性、女性、子供に対しても友人であり、私たちがもう一度指導的立場に立つ用意があることを。
426 :オタク初の米国大統領パトリシア・マーティンの就任演説 [saga]:2009/01/22(木) 06:32:17.85 ID:CCBbMJM0

 先人たちが規制主義や道徳主義に対して、電凸や2ちゃんねるだけでなく、強固な同盟と揺るぎない信念を持って対峙したことを思いだしてほしいです。
 彼らは単独では自らを守れないことも、その力を好き勝手に使うのは許されないことも理解していました。慎重に使うことで力が増すということを知っていました。安全は正当な大義、萌えを示す力、趣味や自重から生まれてきます。

 私たちはこの遺産を守ります。これらの理念にもう一度導かれることで、さらなる努力や国家間の一層の協力や理解が求められる新たな脅威に立ち向かうことができます。
 私たちは責任ある形でイラクをオタク人民に委ね、苦労しながらもアフガニスタンにオタク文化を築きます。昔からの友人やかつての敵とともにアニメ規制の脅威を減らし、エロゲー規制削減に努力します。

 ■新時代を先導

 私たちは自分たちの生き方について言い訳はしないし、それを守ることに躊躇はしません。オタク文化を圧殺し、罪のない人々を貶めて目的を達成しようとする人たちに告げます。
 私たちの精神はより強く打ち砕かれることはありません。私たちはあなたがたを打ち破るでしょう。

 私たちの受け継いだつぎはぎ細工の伝統は強さであり弱みではありません。私たちはキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、そして無神論者の国です。地球のあらゆる場所からもたらされた言語、文化で形作られています。

 南北戦争やオタク隔離のつらい経験を経て、団結し暗黒の時代を抜け出しました。憎悪をいつの日か乗り越え、民族を隔てる線も消え、世界が小さくなるなかで共通する人間愛があらわれ、米国は平和の新時代を先導する役割を果たさなければならないと信じずにはいられません。

 規制主義世界に対し、相互の利益と相互の敬意に基づいた新たな道を模索します。
 紛争を引き起こし、自分の社会の問題の責任をオタク側に押しつける世界各地の指導者よ、国民はあなたが何を築けるかで判断するのであって、何を破壊するかで判断したりはしないことを知るべきです。
 腐敗や欺瞞、反対者への抑圧を通じて権力の座にしがみついている者たちよ、あなたたちは歴史の誤った側にいます。もし握っているこぶしを開くなら、私たちは手を差し伸べます。

 貧しい国々の人たちには、コミケに同人誌が豊かに並び、待望のアニメが流れ、飢えたオタクの心に栄養を与えるために一緒に働くことを約束します。
 私たちと同じく富んでいる国には、国境の外で苦しんでいる人々に無関心でいることはもうできないと言いたいです。結果を顧みずにオタク文化を規制することは許されません。世界は変わったのだから、私たちもともに変わらなければなりません。

 私たちの目の前に広がる道について考えるとき、今このときも、はるか遠くの砂漠や山岳地帯をパトロールしている勇敢な米国人がいることを感謝の念を持ちながら思いだします。
 アーリントン(国立墓地)に眠る英雄たちが時代を超えてささやくように、彼らの存在は私たちになにかを語りかけてきます。われわれは彼らを誇りに思います。
 彼らが自由を守ってくれるからだけでなく、奉仕の精神を体現しているからです。それは自身よりもより大きな意義あるものをみつけようとする意志です。世代を特徴づけるこのときに、私たちすべてが持たなければならない精神です。

 政府ができること、しなければならないことはありますが、最終的に米国が依って立つのは国民の信念と決意しかありません。
 オタクが迫害されたときにそれを助けるのは親切心であり、逆境の時を切り抜けさせてくれるのは、仲間が同人誌を諦めるのを見るより自分のそれを提供したオタクたちの無私の精神です。
 最終的に私たちの運命を決定するのは、過剰な道徳主義に満ちた世間に突進するオタクたちの勇気であり、オタクを擁護する同志の意思でもあります。
427 :オタク初の米国大統領パトリシア・マーティンの就任演説 [saga]:2009/01/22(木) 06:32:52.73 ID:CCBbMJM0

 私たちが立ち向かう挑戦は新しいものかもしれません。私たちが立ち向かう手段も新しいかもしれません。しかし、私たちの成功は、萌え、寛容、好奇心、忠誠といった価値観にかかっています。
 これらは昔から変わらない真実です。これらは歴史を通じて、進歩を遂げるための静かな力となってきました。求められているのはこれらの真実に立ち返ることです。

 私たちが現在求められているのは、新たな責任の時代です。米国人一人一人が自分自身と米国、世界に義務を負うことを認識することです。
 そしてその義務は、困難な任務に持てる力のすべてをささげることほど私たちの精神を満足させ、私たちを特徴付けるものはないとの信念を持ち、いやいやではなくむしろ喜んで引き受けるものです。

 これこそオタクであることの代償であり約束であり、私たちの自信の源です。未知の未来を形作るよう新世界の神が求めている知見です。

 これが自由と信条の意義であります。なぜ、あらゆる趣味趣向の老若男女がこの素晴らしいモールでの祝典に参加できるのでしょうか。
 なぜ60年足らず前ならば、地方の食堂で食事をすることすら許されなかったかもしれない父親を持つ1人の女が、最も神聖な宣誓を行うためにあなた方の前に立つことができるのでしょうか。

 私たちがだれであり、どれほど長い旅をしてきたかを思い起こし、その記憶とともにこの日を祝いましょう。米国誕生のとき、厳寒のなかでオタクたちの小さな一団は凍りついた川のほとりで、消えそうになるたき火のそばで身を寄せ合っていました。
 首都は放棄され、敵は進軍していました。雪は血で染められていました。アメリカ革命の行方が最も疑問視されたとき、建国の父はこの言葉を人々に読むよう命じました。

 「冬のさなか、希望と萌えだけが生き延びたとき、共通の危機に脅かされながら、その難局に立ち向かう国家や都市が出現したと未来の世界で語られるようにしよう」

 米国よ。共通の脅威に直面し、苦難の冬のなかで、時代を超えたこれらの言葉を思いだしましょう。希望と萌えを持ってこの凍える流れに勇気をもって立ち向かい、どんな嵐にも耐えましょう。
 そして私たちの子孫に語り継がれるようにしようではありませんか。試練のときに、私たちは旅を終わらせるのを拒み、ひるみもせず、後退することもなかったと。
 地平線をみつめ、新世界の神の恵みをいただきながら、自由という新世界の神からの偉大な贈り物を運び、未来の世代に無事手渡したと。

 ありがとう。新世界の神の祝福がみなさんにあらんことを。新世界の神の祝福が米国にあらんことを。
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/22(木) 06:34:27.06 ID:CCBbMJM0
以上です。

 元ネタは、オ○マ大統領の就任演説です。
 意外と改変しやすかったので驚いた。
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/22(木) 08:13:37.93 ID:LgXp2As0
>>428
あの演説の全文を新聞で読んで、感動で泣けただけにかなり複雑…。
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/22(木) 11:21:57.24 ID:oXu8aVM0
>>428
乙!


パティ「どうだったデスカ、こなた?ワタシの演説は?」
こなた「よかったよー。でも、もっとシンプルな方が私は好きかな」
パティ「simple……デスカ?」
こなた「そうそう。さっきの演説ってつまりこういう事でしょ?」

こなた「起(た)てよ!国民よ!」ガタン!

パティ「!?……さすがコナタですネ、その発想はありませんデシタ!」
こなた「集まった200万超のオタク達がノリで『ジーク・ジ○ン』ってやってくれるかもよ〜?」
パティ「But、ソレでは他のイベントになってしまいマス」
こなた「あ、そうか。じゃあ、こういうのはどうかな――」
パティ「No!ソレでしたら、むしろこっちのネタの方が――」

かがみ「あれだけ立派な演説の後に、そんなくだらんことを熱く語りあうなっ!」スパーン!
パティ「……OH〜、カガミは相変わらず厳しいデスネー……」
こなた「……大統領の頭を容赦なくスリッパで叩ける人なんてそうそういないよネ……」

パティ・こなた「「だが、それがイイ!」」ビシィッ!

かがみ「……一生やってろ……」
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/22(木) 17:11:38.71 ID:Prv9bDYo
>>422
つかさ簡単に引っかかりすぎだw
ひよりの、……先輩。とこなたがそれ真似したのを妄想して俺撃沈なわけだが
乙!

>>428
乙。よくここまでw 違和感無いのがまたすごい
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/22(木) 18:53:35.25 ID:56mKr6SO
−呼び方−

こなた「ねえ、みゆきさん」
みゆき「なんでしょう、泉さん?」
こなた「そろそろわたしのこと、名前で呼んでくれてもいいんじゃないかなーって思うんだけど」
みゆき「え、あ…そ、そうですね…」
かがみ「…そういうのは強要するもんじゃないだろ」
こなた「強要じゃないよーお願いだよー」
みゆき「だ、大丈夫ですかがみさん…そのことはわたしも懸念していましたから…」
かがみ「そう?だったらいいんだけど」
こなた「それじゃ、試しに呼んでみてよ」
みゆき「は、はい…ではいきます…こ、こな…」

みゆき「こなたん!」

つかさ「…えー」
かがみ「…いや、それはないだろ」
みゆき「ち、違うんです!緊張して少し噛んでしまって…」
こなた「いや、イイ!」
みゆき「…は?」
こなた「それでいこう!じゃ、これからは『こなたん』でヨロシク!」
みゆき「ええええ!?」
こなた「こうなるとわたしも『みゆきさん』じゃなくて、なんか考えないとね…よし『みゆりん』でいこう!」
つかさ「…ええー」
かがみ「…それはもっとないわ」

それから。

こなた「おっはよ、みーゆりん♪」
みゆき「おはようございます、こなたん♪」
つかさ「…え…定着してるの…?」
かがみ「…しかもなんか楽しそうだな…」


自分で書いといて『みゆりん』は無いと思った。
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/22(木) 20:09:47.13 ID:Wdh9xWc0
>>428です。

>>429
 大真面目で感動的なものほど、パロってみたくなるというか。

>>430
 日米首脳会談がこんな感じだったら、世の中平和なのかヤバイのか、判断がつきかねますな。
 米国大統領をはたいたりしたら、大統領警護隊に取り押さえられますよ。

>>431
 割りとすんなり改変が進んだんで、自分でもびっくり。
 米国とオタクは、方向性こそ違えど、自由を求めるという建前は同じだからですかね。

>>432
 みゆきのあだ名は、「みゆっきー」でどうでしょうか?
 「りん」語尾が似合うのは、やはり「ゆかりん」でしょう。
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/22(木) 20:39:24.13 ID:8syBJMDO
>>432
こなた「みゆみゆ〜」
みゆき「はーいなんでしょうこにゃにゃっち」

かがつか「(Σっ!?進展してるー!)」
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/22(木) 21:58:19.21 ID:V.az5ASO
かがみ「ねぇこなた、チャゲアンドアシカって知ってる?」
こなた「え? 知らない」

かがみ「 だ と 思 っ た 」テクテク



こなた「なにさ」
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/23(金) 15:07:19.20 ID:sVBUt.SO
−かがみん−

かがみんはね
かがみって言うんだホントはね
だけどちっちゃから自分のことかがみんって言うんだよ
おかしいねかがみん

かがみ「いわねーよ」



みき「それが、かがみが産まれて初めて喋った言葉だったわ」
つかさ「へー、そうだったんだー」
かがみ「お母さん、そんな恥ずかしい事言うのやめてよ…」

こなた「…ツッコむべきなのか、納得するべきなのか…」
みゆき「…悩みますね…」
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/23(金) 15:20:12.92 ID:PmedRJ6o
>>434
進展っつか悪化つーか。でも個人的にみゆみゆはアリだ。みゆりんもいいんだけどなぁ……

>>435
誤字じゃないよな? 俺もしらねw

>>436
不覚にもワラタ
俺は納得する
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/23(金) 16:17:15.17 ID:FbNDm8Y0
ゆかりさんの目ってどうなってるんだろうか?


こなた「絶対ギ○スだ!もしくは写○眼!」
かがみ「んなわけねーだろ!ってか友達の母親に対して失礼だろが!!」




ゆかり「高翌良ゆかりが命ずる!・・・なんてね♪」
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/23(金) 19:28:37.13 ID:sVBUt.SO
>>438
みゆき「乙女座の聖闘士は、視覚を自ら封じる事で小宇宙を高めているのです」
こなた「…え、マジで?」
かがみ「いや、流石に冗談…よね…?」
みゆき「…その目が開かれた時、内に秘められた小宇宙が一気に爆発するのです」
つかさ「…ゆきちゃん、なんか怖いよ…」
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/23(金) 20:18:30.54 ID:KijraMM0
>>438
みゆきによってギ○スを掛けられナ○リー状態なんだよ
そして夫がル○なんだ。きっと
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/23(金) 22:46:23.89 ID:x5lAapQo
>>440
こなつかかが「おじゃましまーす。」
みゆき「いらっしゃいませみなさん、どうぞ上がってください。」
こなた「うーむ…やっぱりお金持ちの家はお金の臭いが…」
かがみ「えげつないことを…まぁでも、確かに特有の空気を感じるわよね〜。」
みゆき「いえいえ、そんなことは…」
みゆき父「お、みゆきのお友達か…やぁ、いらっしゃい。よく来てくれたね。」
つかさ「こんにちは〜、お邪魔してます。」
みゆき「あ、お父さん。今日はお家にいらしてたんですね。」
みゆき父「ああ。今日は休みが取れたからな……あ〜、お友達さんたち」
かがみ「はい、何でしょうか…」

みゆき父「高翌良ル○ー○ュが命ずる… 娘 を こ れ か ら も 末 永 く 宜 し く !(ピキィーン)」

みゆき「お、お父さん…やめてください…/////」
かがみ「はぁ…い、いえいえ、わざわざ言われなくてm
こなた「イエス、ユアマジェスティ!!」
つかさ「ほわぁ!?おろろいた!…こなちゃん、それなぁに?」
こなた「いや、言わなきゃいけない気がして…」
かがみ「またアンタは…せめて万人に分かるネタにしろよ…」
つかさ「?」
みゆき「?」
みゆき父「♪」

こんな図が瞬時に浮かんだ。反省はしている。
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/23(金) 22:54:29.34 ID:RmaO8ISO
>>441
高翌良ル○ー○ュっておかしすぎるだろww
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/23(金) 22:57:41.48 ID:PmedRJ6o
>>441
確かに知らないとわからんなww
で、何でわかるんですか? かがみ様
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 10:00:54.31 ID:D00./sAO
こなた「やらないか」
かがみ「やらねーよ」

こなた「やらないか」
つかさ「なにするの?」

こなた「やらないか」
みゆき「何をですか?」

こなた「かがみは私と同類♪」
かがみ「……orz」
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/24(土) 11:07:10.56 ID:8Y31mkSO
−饅頭−

こなた「よいしょっと」
みゆき「どうしたんですか、泉さん?こんな大量の饅頭…」
こなた「いやね、お父さんが差し入れに饅頭もらったんだけどね…なんかやけくそみたいに量が多くてさ、みんなで食べてくれって」
かがみ「…う」
こなた「ん?どったの、かがみ?」
かがみ「わ、わたしはちょっと饅頭は苦手だからさ…つかさももうすぐ来るし、三人で食べてよ」
こなた「…みゆきさん、こりゃアレかな」
みゆき「…はい、恐らくそうだと思われます」
かがみ「な、なによ…」
こなた「まあまあ、かがみ。そんな策を弄さなくても、ちゃんとかがみには多めにあげるからさ」
みゆき「そうですよ。遠慮なさらないで下さい」
かがみ「は?あんたらなに言って…ちょ、待って…」



かがみ「…うーん…うーん…」
つかさ「もう!ゆきちゃんもこなちゃんもなにやってるの!」
みゆき「すいません…」
こなた「ごめんなさい…」
つかさ「お姉ちゃん、饅頭にアレルギーあるんだから!食べるの嫌がってたでしょ!?」
みゆき「落語の饅頭怖いかと思いまして…」
こなた「まさか、かがみに食べられないモノが存在するとは…」
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 16:06:25.12 ID:znyVHLQ0
これでかがみが死んだりしたら
饅頭だけに「あん殺」・・・・・
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/24(土) 18:24:25.44 ID:KKDR90c0
お後がよろしいようで。
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:05:27.61 ID:z/pLC/60
山田君、>>446の、全部持っていって
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:19:52.56 ID:OcJvqiQ0
>>446->>447
ワロタwwwwwwww
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:41:35.34 ID:.ABGjLco
一ヶ月近く過ぎましたが、聖夜の奇跡の後編に当たるものを投下します
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:41:47.82 ID:.ABGjLco

 聖夜の奇跡とか、私は信じてない。
 そんな簡単に起きたら奇跡とは言わないし、それが自分に起きるとは限らない。
 でも、クリスマスは好きだ。イベントごとは楽しいし、プレゼントももらえるしね。

 聖夜の贈り物って意味では、誰にでも奇跡があるのかな。なんーてね。



 なんーてね。月曜の朝、私、泉こなたは地獄を見ていた。
 鬼の手によって、布団を引っぺがされ凍てつく大地に放り出されたのだ。
「お休みだからっていつまでも寝てちゃダメよ」
「さむぅい……」
「ほらほら、ご飯も出来てるから」
「はぁい」
 眠い目をこすりながらながらリビングへ上がると、そこには日本らしい朝食と、お父さんがまっていた。
「お、こなた起きたのか、おはよう」
「おふぁよ〜」
「なんだ、まだ寝ぼけ中か?」
「お母さんに布団取られた……」
「ははは、災難だったな」
「何が災難ですか、お掃除もあるんだから早く起きてもらわないと。はい、お味噌汁」
「ありがとー」

 今日は12月24日のクリスマスイブ。と言っても、ロマンスのカケラもない私は“いつも通り”お父さん、お母さんと過ごす予定だ。
 ギャルゲだと色々特別なことがあるけど、リアルじゃそうそう特別なことなんてないよね。
 プレゼントなんだろうなぁ。私も一応、二人にプレゼントを用意してある。お母さんには天使の羽根をあしらったペンダント、お父さんにはこの前欲しがってたエロゲーフィギュア。
 まぁ、お父さんが怒られるような気もするけど、それはそれで面白いからいいよね。

「ねぇこなた、あの夢はまだ見るの?」
「夢……ああ、うん。昨日も見たよ」
 ここ最近、私はずっと同じ夢を見ている。誰かが、私を呼ぶ夢。
 その夢には、女の人が三人出てくる。私の知らない人たち。
 一人は、眼鏡をかけた優しそうな人。その人は私のそばに来て色々話しかけてくれる。声を聞いてるとなんとなく落ち着く。
 次に、頭にリボンをつけたかわいい子。最初はあの子、ずっとごめんなさい、って言ってた。それがいつの間にか、大きな声で私を呼ぶようになった。
 そして、ツインテールのツンデレっぽい人。この人は何も言わない。何も言わないで遠くからじっとこっちを見てる。
 そんな夢が、毎日続いてる。アニメとか漫画的に言えば、私がすごい力を持っていてそれを目覚めさせるために……とか。
 前、なんなんだろうってお母さんに聞いてみたら『その意味はこなたが気づかないとダメよ』って言ってたっけ。なんか意味深だけど正直お父さんの影響だよね。
「何か変わった?」
「んー、ツインテールの人が何か言った気がするけど、あんまり聞き取れなかったよ」
「そう……。こなた、あとで行きたいところがあるんだけど、付き合ってくれる?」
「別にいいけど、どこいくの?」
「内緒」
「えー、教えてよ〜」
「行けば分かるわ。きっとね」
「?」
 思わせぶりなお母さんに、首をかしげる。言い方からすると私が知っているところだと思うけど。
 そんな疑問を感じながら、私は朝食を済ませた。
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:42:38.70 ID:.ABGjLco


「こんにちは」
 クリスマスイブの今日、私はつかさ、みゆきと一緒にこなたの病室へお見舞いに来ていた。
 こなたは、三ヶ月ほど前に交通事故に遭い、それ以来ずっと眠ったまま。容態は安定していて、いつ目が覚めるかは本人次第らしい。
「やあ、みんないらっしゃい」
「こんにちは、そうじろうさん。お花持ってきたので替えてきますね」
「ああ、いつもすまないね」
「いえいえ」
 事故の後、みゆきは毎日のようにこの病室へ通い、いつの間にか、こなたのお父さんのことを『そうじろうさん』と呼ぶようになっていた。
 ……セクハラとかしてないだろうなこの人。
 そう考えていた時、不意におじさんと目が合った。
「や、かがみちゃん。さすがにおじさんもTPOぐらいはわきまえてるよ」
「そう願います」
 視線の意味に気づく辺りがまた危ないと思うのは私だけだろうか。
 数分後、帰ってきたみゆきの手に抱かれていたのは、三色の花を生けた花瓶。
 青色、すみれ色、桃色。みゆきはいつもこの色を揃えて持ってくるらしい。私たち四人をイメージしたと言っていたこの花を。

「あの、おじさん、これ私たちからこなちゃんにです」
「これは……」
「クリスマスプレゼントです。今年寒いからマフラーとか」
「そうか、うん。ありがとう」
 今日来たのは他でもない、このクリスマスプレゼントを渡すためだ。
 三人で一つずつ。ウインターニットとマフラー、そして手袋を持ってきた。今年の冬は一段と寒い、だから必要になるだろうと思って、そうなることを願って。
「よかったな、こなた。早く起きないと、次の冬までお預けになっちゃうぞ」
「そうよ。っつか、そんなんじゃコミケも行けないわよ。……付き合ってあげるのはいいけど、代わりに行くのはごめんだからね!」
「わ、私も行くから!」
「お付き合いします」
 聞こえてるんだか聞こえてないんだか分からないけど、なんとなく、こなたが少し笑ったように見えた。



 電車に揺られ、バスに揺られ、私がたどり着いたのはどうやら学校だった。
「りょうおう、がくえん?」
「ええ、陵桜学園よ」
「ここって……お母さんの母校とか?」
「……いいえ、違うわ」
「じゃあ、ここって何?」
「こっちよ」
「え、ちょ、待ってよ、お母さん」
 お母さんは何も言わず校舎へ向かって歩き出した。
 誰もいない学校。確かに今日は休みだけど、ここまで人がいないものだろうか? なんで、門が開いているのだろう? なんで、お母さんは私をここへ連れてきたのだろう?
 そして、なんで私は、ここに見覚えがあるんだろう? 通る廊下も、上がる階段も。まるで、通いなれた場所のような……。
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:42:56.01 ID:.ABGjLco
 お母さんは、ある教室の前で止まる。見上げると、プレートに『3-B』と書かれていた。
「ここよ」
 ガラリ、と扉を開ける。ふと、懐かしさを感じた。
「私、ここ……」
 知ってる。確かに、ここを知ってる。
 私はここで……そうだ、あの人たちと。夢で見た彼女たちとここで。
「こなた」
 お母さんが、そっと私の手を握り、問いかける。
「かがみちゃんが言ったこと、本当に聞こえなかった? あなたに何を伝えようとしたか、わからなかった?」
 かがみちゃん? かがみ……あのツインテールの人のことだ。わかる。
『早――こな――』
「う……」
「よく思い出して、聞こえていたはずよ。かがみちゃんだけじゃない、みんなの声も」
 頭の中にあの夢の光景が広がる。
 あの人がいったこと、かがみが私に伝えたこと……。
『早く帰ってきなさい、こなた』
「っかがみ!」
「……思い出したのね?」
 そう。私が見たあの夢の意味。
「みんな、私を待ってるんだね」


 つかさを助けたあの日、私は大怪我を負った。
「みゆきちゃんのおかげで一命は取り留めたけど、生死をさまよったあなたの精神、心は危険な状態にあったわ」
 そんな私を、お母さんが捕まえて、助けてくれたんだよね。
「でも今度は、それがあなたが目覚めない原因になってしまった」
 こうしてお母さんと出会い、お母さんというものを知り、
「あなたは、自分の記憶に鍵をかけた」
 目覚めてしまわないよう、私を呼んでいるみんなの事も一緒に。

「私自身、こなたと過ごせるのが幸せだった。それがいけなかったのかも知れない」
「ううん、私も同じだよ。だから、気付かなかった。気付こうとしなかった」
 お父さんと二人でも、寂しくなかった。それは本当。でも、お母さんが居たらとか、会ってみたいとか、思わなかったわけじゃないから。
「ごめんなさい、こなた。何もしてあげられなくて」
「そんなことないよ。月並みな台詞だけど、お母さんは私を産んでくれた。私が、かがみやつかさ、みゆきさんと、みんなと出会えたのは、お母さんのおかげなんだよ?」
「こなた……」
「私こそごめんね。せっかく会えたのに、私帰らなきゃいけない。またお母さんを一人にしなきゃいけない……」
「いいえ、こなた。お母さんは一人じゃないの。ずっと、こなたとそう君のそばに居て、見守ってるから。
言ったでしょう? 少しだけどこなたと過ごせて、本当に幸せだった。したくても出来なかったことがたくさん出来た。だから私は、幸せなの」
「……お母、さん……」
 涙が流れる。お母さんと別れるのが悲しい? お母さんと過ごせたのが嬉しい? きっと、全部。
 そっと、私を抱き寄せてくれるお母さんの目にも、涙が溜まっていた。
「大好きよ……こなた」
 こんな風にやさしく抱きしめてもらえるのが、どれほど幸せなことか、私は初めて知った。
 この温かさを感じられるのは、こうして会えるのは、話すことが出来るのは、きっとこれが最後だ。今のうちに、言えるうちに、言っておかないと。
「――お母さん、ありがとう。大好きだよ」
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:43:13.49 ID:.ABGjLco



 神社の拝殿へ向かって、女三人で歩く。私たちは、こなたのお見舞いを済ませた後、うちでクリスマスパーティをしていた。
 お互いにプレゼントを交換して、つかさが焼いたケーキを食べて。
 でも、やっぱり盛り上がらなかった。あいつが居ないから、こなたがいないと、寂しくてつまらない。
 そんな時、みゆきが『せっかくですから、御参りしませんか?』って、言ったのよね。
「あれ?」
「何?」
「どうしました?」
  少し前を歩いていたつかさが、声を上げる。
「ほら、あそこ」
 つかさが指差したのは私たちの前方。
 確かに、誰かが歩いている。あの子も御参りに? 背格好からして女の子のはず。服装は……。
「……え?」
 おそらく、二人も同じことを思っているだろう。私たちは顔を見合わせ、その子の元へ走り出す。
 小さな背中に向かって、一気に走る。
 持ち前の足でいち早く追いついたみゆきは、その子を呼び止めた。
「待ってください!」
 その子が立ち止まり、まさかと思いながら、その名を口にする。
「……こなた?」
「みんなと、一緒に卒業できますように」
 そう言いながら、その子はゆっくりとこちらを振り向いた。
「って、お願いしに来たんだ」
 眠たげに、半開きになった目。左の目尻にある泣きボクロ。猫のような、いつもニコニコと笑っている口。それは、間違いない。
「こなた……っ」
 誰からともなく、私たちはそばへ駆け寄り、その小さな身体を力いっぱい、抱きしめた。
「馬鹿! 心配したんだから!」
「そうです! ずっと、ずっと待ってたんですよ!」 
「おかえり……こなちゃん、おかえり!」
「……ただいま」
 はっきりと、こなたはそう言った。
 ただいま。私たちが長い間待ち望んだ、その言葉を言った。

455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:43:51.87 ID:.ABGjLco
「こなた! 目が覚めたんだな! こなた……」
 泣きながら喜ぶお父さんの姿が、どれほど心配をかけたか私に教えてくれた。
「ごめんね。心配かけて」
「いいんだ……いいんだ、お前が起きてくれただけで」
「うん……私ね、行くところがあるんだ」
 お父さんは、少しも考えず即答する。まるで、それがわかっていたように。
「ああ、行ってこい!」
 お父さんから渡されたのは、ラッピングされた赤い包み。
「もって行くといい。プレゼントだ、みんなからのな」
「……ありがとう。そうだ、私からお父さんにプレゼント」
「ん?」
 伝える。お母さんに頼まれた、あの言葉を。
『予想とは少し違ったけど、こなたを立派に育ててくれてありがとう。私はいつも、そう君たちのそばに居るからね』
「だってさ」
 唖然とするお父さんを尻目に、私は病室を飛び出す。
「行ってきます!」
 ドアを隔てて、声が聞こえてくる。お父さんの嬉しそうな声が。
「そうか、はは、そうか! かなた、お前が……。ありがとうな、かなた」
 私はそっと、その場を後にした。


「やっぱりつかさのケーキはおいしいね〜」
「えへへ、たくさん食べてね」
「あんたよく食べれるわね。今まで何も食べてなかったのに」
 呆れたように言う鏡の顔は、笑っていた。
「いやぁ、つかさのケーキだし」
「どういう理屈だ」
「つかささんのケーキはおいしいですから」
 かがみだけじゃない。みんな笑ってる。つかさも、みゆきさんも、私も。
「まぁ、そこらの店のケーキなんて目じゃないのは確かね」
「かがみこそ、まだ食べるんだ。私来る前に食べたんじゃなかったの?」
「うるふぁいわよ!」
「お、お姉ちゃん」
「うふふ。まあまあ」
 楽しい。みんなと過ごすのが、すごく楽しい。みんなの笑い声が、とても心地いい。
 お返しをしよう。私を待っててくれた、大切な、大切な親友たちに。何が出来るかわからないけど、私に出来ることを、何か。
 私は幸せだ。こんなに想ってくれる友達が居る私は、お父さんとお母さんにあんなに想って貰える私は、きっと世界一幸せ。
 大好きなみんなが居るここが、


 ここが――私の居場所。



 end
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:53:40.24 ID:.ABGjLco
詰め込みすぎた感じになってしまいましたが以上です。
2編で分けるにはちょっと無理があったかなというのが正直なところだったりしますが、書きたいものは書けたので満足です。
読んでいただいた方、ありがとうございました!
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/24(土) 23:56:51.23 ID:.ABGjLco
忘れてました。タイトルは『クリスマス・プレゼント』です
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/25(日) 01:35:35.02 ID:GoS9Kdo0
涙腺崩壊をありがとう。
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/25(日) 05:03:55.84 ID:DydNsEDO
>>456
GJと書いてゴットジョブだコノヤロー
涙で濡れた枕どうしてくれんだコラァ!
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/25(日) 08:42:49.77 ID:S9pwPsSO
>>456
久しぶりに感動した!
グッッッッジョブだ!!
やはりあのお方の破壊力は凄まじいわ
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/25(日) 15:59:35.21 ID:/7ZRo..0
コンクール投票も今日でラスト!
まだ読んでいないという方、今この掲示板を見つけて興味を持った方!
ぜひ読んでみてください!

コンクール作品はこちら
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1281.html

読んだ上でコレが良いな〜と思ったらこちらにて投票お願いします。
http://vote2.ziyu.net/html/madou.html

残り後4時間です。新年一発目のコンクール、大賞を取るのは誰だ!?
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/25(日) 16:17:06.12 ID:HxJJrQw0
残りは、あと1日と4時間では?
463 :456 :2009/01/25(日) 16:18:15.53 ID:/xtlB1wo
ウボアアア('A`) 見直したら誤字がちらほら……orz
後ほど修正したのをまとめときます

感想ありがとうございます!

>>461
兄さん兄さん、締め切り明日や
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/25(日) 16:29:44.92 ID:/7ZRo..0
しまったwwwwwwww今日が26日だと思ってたwwwwww
吊ってくるお!!!
465 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:40:23.72 ID:SazeaJw0
解答編の投下行きます。
466 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:41:22.04 ID:SazeaJw0
「岩崎みなみです」
「………」
「さて、みなさんは真相に辿り着くことができましたか?」
「………」
「それでは、解答編の幕開けです………ゆたか?」
「………」
「…等身大ポップ…いつの間に…」


- チョココロネは食べられない 解答編 -


「チョココロネを踏み潰した犯人は…」
 みゆきはそこで言葉を止めてしまった。やはり指摘するのを躊躇してしまう。だが、それでも言わなければいけない。みゆきは勇気を振り絞って、言葉の続きを口にした。
「犯人はわたしです」
 そう、これは自分の罪なのだから。
「………みゆきが?」
 実際には短かったのだろうが、異様に長く感じる沈黙の後、かがみがそう呟いた。
「はい、わたしです」
「いつ?」
「三時間目と四時間目の間の休み時間です。その時に、泉さんとつかささんが教室から出て、わたし一人になっていました」
「…どうしてそんなことをしたの?」
「…言い訳に聞こえるかもしれませんが、踏み潰すつもりはありませんでした。ただちょっとだけ見てみたい…そう思ったんです」
 みゆきはそこで、自分の鞄の中からこなたから預かった紙袋を取り出した。
「紙袋からチョココロネを取り出したときに、手を滑らせて床に落としてしまったのです。そして、それを慌てて拾おうとして、足をもつれさせて…」
 その時の惨状を思い出したのか、みゆきは目を瞑って身を震わせた。
「幸い…いえ、不幸にもその時、クラスの誰もわたしの方を見ておらず、気づいた人はいませんでした。わたしは何を思ったのか、潰れたチョココロネを紙袋入れて泉さんの鞄に戻し、床に付いたチョコをふき取って自分の席に戻ったのです…そして、戻ってきた泉さんに何も言えず、そのままお昼休みになってしまったと言うことです…本当に、申し訳ありませんでした」
 みゆきはこなたに向かい深々と頭を下げた。
「…泉さん?」
 しかし、こなたからの反応が何もない。みゆきは違和感を感じて、顔を上げてこなたの方を見た。こなたは俯いていて表情が読み取れない。
467 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:43:15.33 ID:SazeaJw0
「とりあえずこれで、今回の事件は終りよね?後はこなたとみゆきの問題だし、わたし達は帰るわよ…行こう、つかさ」
 そう言って、かがみが席を立った。
「待って下さい、かがみさん。まだ終わってはいません」
 こなたからの反応が未だに無いのを気にしつつも、みゆきはかがみが帰るのを引き留めた。
「え、でも踏み潰したのがみゆきならこれ以上何が…」
「あるんです…見ててください」
 みゆきは自分の鞄から、ビニール袋に入ったチョココロネを取り出した。
「これは先程購買で購入したものです」
 そして今度は、紙袋から潰れたチョココロネを取り出して、手で出来るだけ元の形になるように整えた。
「それを、わたしが潰したチョココロネに重ねてみます」
 みゆきが二つのチョココロネを重ね合わせる。それを見たかがみの顔色が変わった。
「このように、この二つのチョココロネは大きさが全く同じです…おかしいですよね?」
 かがみに向かい、みゆきがそう言った。かがみが思わず視線を逸らしてしまう。
「な、なにがよ?」
「朝の会話を思い出してください。泉さんがチョココロネを買ったお店は、普通のお店よりパンが大きいんです。それはチョココロネも例外ではありません。にも拘らず、このチョココロネは購買で購入したものと大きさが同じ…そこから考えられることはただ一つ」
 みゆきは一度言葉を切り、改めてかがみの方をしっかりと見据えた。
「わたしが踏み潰す前に、何者かがチョココロネをすり替えていた…ということです」
「な、なんでそれをわたしの方向いて言うのよ…」
「すり替えたのが貴女だからです、かがみさん」
 少しばかり長い沈黙の後、かがみはみゆきを睨むような目つきで見据え、席に座りなおした。
「わたしが、いつチョココロネをすり替えたって言うの?昼休みまでのどの休み時間も、そっちのクラスには行ってないわ」
「そうですね。それに、休み時間に来たとしてもわたし達のうち誰かがいましたから、チョココロネをすり替えるのは不可能です」
「だったら…」
「休み時間以外ならどうでしょう?」
「い、以外って…そんなの…」
「かがみさんは、朝のわたし達の会話を聞いて、チョココロネをすり替える計画を思いついたのではないでしょうか…一時間目が始まる前に購買でチョココロネを購入しておき、二時間目の間に授業を抜け出して体育でクラス全員が出払ったわたし達のクラスに入り、チョココロネをすり替えた…違いますか?」
「…証拠は…あるの?」
「購買の方より、朝に髪をふたくくりにした女の子がチョココロネを買って行ったという証言と、かがみさんのクラスの二時間目を担当された教師の方より、授業中にお手洗いに出て行ったという証言をいただきました」
「…う」
「あとは…つかささん次第です」
 そう言いながら、みゆきがつかさの方を見ると、つかさは咄嗟に顔を伏せてしまった。
「…ゆきちゃんは、分かってるんだよね?」
 そして、顔を伏せたまま呟いた。
「つかささんの件に関しては、ほとんど推測ですが」
「…そっか…わたし次第…そうだよね…」
「つかさ!」
 思わずつかさの方に詰め寄ろうとしたかがみに、つかさは顔を向けニコッと笑った。
「お姉ちゃん、もうやめよう?…ゆきちゃんには分かってるみたいだし、隠し通せるものじゃないよ…ううん、隠してちゃいけないんだよ。悪いことは悪いことなんだから…」
 それを聞いたかがみが、力なく項垂れる。
「つかささんは、かがみさんの行動に気が付いていたんですね?」
「うん。体育の時にね、お姉ちゃんがわたし達のクラスからこっちを見てるのに気が付いてね、あんなところで何やってるんだろうって気になって…」
「それで、泉さんとお手洗いに行く振りをして、かがみさんに問い質しに行った…」
「うん…なんか凄くいやな予感がして、こなちゃん達には言わないほうがいいかなって思って…お姉ちゃんの所に行ったら、こなちゃんのコロネ食べようとしてて…半分あげるから黙っててって言われて…それで…」
「それでは、チョココロネはその時に…」
「うん、お姉ちゃんと食べちゃったの…ごめん…なさい…」
 こなたに向かい頭を下げるつかさ。しかし、こなたからの反応はまたしても無かった。
468 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:44:03.67 ID:SazeaJw0
「…最初はね、ちょっとした悪戯のつもりだったの…」
 それに気づいてか気づかずか、かがみが項垂れたまま話し始めた。
「こなたがあんまり得意気だったから、すり替えられたときにどういう反応するかなって…気づかずに食べちゃったら、思い切りバカにしてやろうって思って…でも、実物見たらどうしても我慢できなくなって…どうせバレっこないって、つい…」
「みんなの言い分はそれで全部?」
 急に聞こえたこなたの声に、三人がびくりと身体を震わせた。そして、いつの間にか顔を上げていたこなたの方に顔を向ける。
「つまり、わたし以外のみんながなにかしらやらかしていて、わたしに何一つ言い出せないでここまで来ちゃった、と」
 表情の無い眼で三人を見渡しながら、抑揚の無い声でこなたはそう言った。
「あ、あの、泉さん…」
 そのこなたに恐怖にも似た感情を覚えたみゆきが、何かしら言い繕おうとした。
「…見損なったよ」
 こなたはその言葉を遮り、鞄を持って席を立った。
「こ、こなちゃん、どこに…」
「帰る」
 一言だけ残して教室を出ようとするこなた。
「待って、こなた!」
 そのこなたの肩を後ろからかがみが捕まえる。
「ごめんなさい…わたしが…わたしが悪かったから…」
「だから許せって?」
 振り返りすらせずに、こなたがそう聞いた。
「…償いはするから…なんでも、するから…お願い…」
「…なんでも?」
「…うん…わたしに、出来ることなら…」
「おーけー…その言葉が聞きたかったよー」
 そう言って振り向いたこなたの顔は、笑顔だった。なんというか、ニンマリといった擬音がぴったりの笑顔だった。
「え?あれ?」
 呆気にとられるかがみの前で、いつもの調子でこなたが喋りだす。
「そうだねー。じゃあ決行は今度の日曜日って事で、土曜日にでもミーティングをしよっか。みゆきさんとつかさはどうする?」
「え?は、はい?…あ、いえ。わたしも償いはさせていただきます…結果的にはわたしが踏んだのは違うチョココロネでしたけど、そうじゃなかった可能性もあったわけですし…」
「わ、わたしも、お姉ちゃんを止められたのに、コロネに釣られて止めなかったから…」
「おーけーおーけー、いいねいいねー三人かー。こりゃ楽しくなりそうだねー。早速帰って準備しなきゃ…あ、みゆきさん。このチョココロネ貰っていい?お昼ご飯食べてなくて、ちょっとお腹空いた」
「あ、はい…どうぞ…」
「あんがとー。そいじゃみんな、土日はちゃんと空けといてねー」
 チョココロネにかぶり付きながら、教室を出て行くこなた。それを唖然と見送る三人。
「…ねえ、みゆき」
「…なんでしょう、かがみさん?」
「こういう時は『ぎゃふん』でいいのかな…」
「適切かと、存じます…」

469 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:46:27.75 ID:SazeaJw0

 泉家の日曜日の朝は遅い。
 休み前日には、いつも以上に夜更かしをするこなたは勿論だが、平日には徹夜明けでもこなたやゆたかと朝食を共にするそうじろうも、昼頃まで寝ていることが多い。
 そんなふたりの生活パターンに引き摺られてか、最初の頃は日曜日も早く起きていたゆたかも、段々と昼近くまで寝ているようになっていた。

 カーテンの開ける音と共に、眩しい光が部屋に満ちる。
「う、うーん?」
 その光でゆたかは目を覚ました。
「こなたお姉ちゃん?」
 ゆたかはこなたが起こしに来たのだと思った。しかし、まったく予想していなかった声がした。
「おはようございます。お嬢様」
「………え?」
 上半身を起こしたゆたかが、寝ぼけ眼で見たのは、メイド姿で深々と頭を下げているみゆきだった。
「え?ええ!?高良先輩!?って、メイドさん!?なんか色々と、ええええ!?」
「えーっと…こういう罰ゲームだと思って、少し落ち着いて貰えますか?」
 混乱するゆたかをなだめるみゆき。
「え、罰ゲーム?高良先輩が?」
「ええ、まあ。色々ありまして…では、お顔を洗いに参りましょうか?」
 用意してあったタオルを手に取り、みゆきは部屋のドアを開け、ゆたかに出るように促した。
「どうぞ、お嬢様」
「あ、はい…ありがとうございます」
「そんなお気遣いは無用ですよ、お嬢様」
「…うぅ、なんだかわたしが罰ゲームを受けてるみたい…」
 なんだか妙な気分を味わいながら、ゆたかが廊下に出た瞬間。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 と、悲鳴が上がった。
「い、今の声…」
「かがみさんですね。どうなされたのでしょうか?」
「…かがみ先輩も来てたんだ」
470 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:47:18.82 ID:SazeaJw0

「ゆーちゃん、おっはよー。どうだったかね?今日のお目覚めは?」
 ゆたかとみゆきが洗面所に向かっていると、こなたが声を掛けてきた。後ろには、やはりメイド姿のつかさを従えている。
「…こなたお姉ちゃん…訳がわからないよ…」
「まあ、折角のメイドさんなんだし、しっかり楽しまないと…ね、つかさ」
「…うぅ…こなちゃんの要求は恥ずかしいのが多くて…」
「ほら、つかさ。言葉遣い」
「あぅ…申し訳ありません、ご主人様…」
 そんな二人を見ていたみゆきは、ふとさっきの悲鳴が気になり、こなたに聞いてみることにした。
「あの、ご主人様。先程かがみさんの悲鳴が聞こえたようでしたが…」
「ああ、あれ。わたしの予想通りだと、面白いことになってるよー」
「…おはよう…こなた、ゆーちゃん」
 話してる後ろから、そうじろうが挨拶をしてきた。
「あ、おはよー。お父さ…うわーお」
 こなたは挨拶を返そうとして、そうじろうの顔を見て思わず止まってしまった。そうじろうの右目に見事な青あざが出来ていたのだ。そのそうじろうの後ろには、顔を真っ赤にして俯いているメイド姿のかがみがいた。
「…頬に紅葉作ってくるくらいは、予想してたんだけどね…」
 こなたは冷や汗を垂らしながらそう言った。
「お、おじさん…どうしたんですか?」
「いや…朝起きたらメイドさんに、グーパンチを顔面に貰ったんだが…訳がわからない…」
「流石はかがみ…容赦ないね…」
 泉家の面々が話してる後ろで、つかさはかがみに小声で事情を聞いてみた。
「な、なにがあったの?お姉ちゃん…」
「…きのこの山がね…たけのこの里に…」
「お姉ちゃん…全然わかんないよ…」
「あー、それはねーつかさ。男性の朝の生理現象ってやつだよ」
 いつの間にか二人の間に入り込んでいたこなたが、話に割り込んできた。
「お父さんのきのこの山がテント張って、たけのこの里みたく…」
「説明せんでいいっ!!」
「はい、かがみ。言葉遣い」
「…う…申し訳ありません、ご主人様…」
「さーて、次は何してもらおっかなー…お風呂で背中流すってのはどうかな?」
「ええええ!?それはダメだよこなちゃん!」
「で、出来るわけ無いでしょ!?」
「はい、二人とも。言葉遣い」
「あう…」
「もう、勘弁して…」

 みゆきは、そんな光景を見ながら思っていた。
 もしかしたら、こなたは四人のうちの誰かが犯人と聞いたときから、ずっとこういうことを考えていたのではないか、と。
 友達の誰かが犯人。そう分かった時点で、こなたが考え始めた事は、誰が犯人ではなく、どうやってこれを笑い話に変えてしまおうか、だったのでではないか。
 だから、なんでもするという台詞を引き出すために、あえて冷たい態度を取ったのではないか。
 そして、罪にかこつけてわがまま放題をして自分にも非を作り、みんなの中の罪悪感を消していこうとしているのではないか。
 すべては「あの時、こんなことがあったね」と、将来笑いながら話せるように。
「…とんでもない、被害者ですね」
 みゆきはクスリと笑うと、未だなにかを言い合ってる三人に混ざりに行った。
 自分もまた、その笑い話の一部として。


- おしまい -
471 :チョココロネは食べられない [saga]:2009/01/25(日) 17:48:23.56 ID:SazeaJw0
以上です。
途中でシリアスになりかけたので、方向修正しようと思ったら、何故かメイドに。

以下、NG場面(校正時点で判明した誤植)

「…半分投げるから黙っててって言われて…」
「ぶふぅっ!」
「こらこなた、吹くんじゃない。NGになる」
「…吹かなくてもNGです」
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/25(日) 18:02:42.52 ID:/xtlB1wo
>>471
当たってて俺歓喜。そりゃ、食べてたら白状できないわなー。
にしても、かがみ気持ちはわかるけどグーパンチはひどいw
こなたの優しさがいいなぁ。GJッス!

投げるwww
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/25(日) 18:48:04.25 ID:/7ZRo..0
>>471
かがみの「言わないでつかさ」という心境が凄く痛いwwwwww
てっきり犯人はひーちゃんだと思ってたが・・・ww
GJ。シリアスエンドもちょっと見てみたかったぜ
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 05:39:50.36 ID:EhS1lUSO
>>471
最後が奇抜で綺麗な終わり方だな
終わらせ方に感動した
こなたは頭が切れるねww

>>473
僕はシリアスエンドは見なくてもいいと思ってる
4人の仲が破滅するにしても、修復するにしても、このエンドを越える話が出るとは思えない
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 07:14:56.19 ID:8pU.MESO
みゆき「皆さん投票はしましたか?」
こなた「したよー。私はアレに」
かがみ「私はアレね。つかさは?」
つかさ「え? 投票って?」

かがみ「え? コンクールの投票だけど……あんたまさか」
つかさ「コンクール? あっ、忘れてた」
こなた「ちょ、今日の夜8時までだよ!」
つかさ「えぇー! まだ1つも読んでないよー!」

みゆき「つかささん、コンクール作品はこちらです
 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1281.html

かがみ「投票所はここね
 http://vote2.ziyu.net/html/madou.html

こなた「じっくり読んでじっくり選ぶんだよ?」
つかさ「で、でももう授業が……」

ななこ「なんや柊、まだ何もしてなかったんか?」
つかさ「はい……」

ななこ「しゃーない、授業はえぇから。図書室にでも行って読んでこい! ウチが許したる」
つかさ「えぇ! 良いんですかぁ?」
こなた「良かったねつかさ!」

つかさ「うん! じゃあちょっと読んでくるね!」タッタッ


ななこ「ま、もちろん欠席扱いにするけどな」
こなた「ひでー」
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 12:32:54.02 ID:eAf5wISO
−くしゃみ−

こなた「はーっくしょいっ!ちくしょうめー」
かがみ「オヤジ全開のくしゃみだな…」
こなた「うるさいなー。しょうがないじゃん、手加減きかないんだから」
つかさ「でも、もうちょっとやりようが…」
かがみ「あんたはそんなんだから…ふ…ふぇ…ぶえっくしょいっ!おらっしゃー!」
こなた「………」
つかさ「………」
かがみ「ち、ちょっと待って!引かないでよ!違うの!こなたにつられたのよ!」
こなた「いや、つられてもそれは…」
みゆき「…くちゅんっ」
かがみ「………」
こなた「………」
みゆき「…最近、急に冷えましたよね」
こなた「さて、かがみんや。このかわいいのを、どうしてくれようか」
かがみ「そうねえ…」
みゆき「え?え?あ、あの、なんですか?」
つかさ「…二人共理不尽だよ…」
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 18:37:58.05 ID:D2XEBBoo
みゆき「うふふ、そうなんですか」
かがみ「そうなのよ。でうわっ」
みゆき「泉さん」
こなた「やふー」
かがみ「ちょっとこなた……」
こなた「当ててんのよ」
かがみ「何をだよ……」
みゆき「?」


みゆき「泉さん、この間の『当ててんのよ』ってどういう意味なんでしょうか?」
こなた「んー? なんで?」
みゆき「いえ、私も兄にやってみたのですが、顔を真っ赤にされて『何か欲しいものでもあるのか』と言われまして」
こなた「……」

『み、みゆき背中に……』
『当ててんのよ。うふふ』

こなた(ダメだ! やばい、いろいろな意味でこの人は危険すぎるぅぅぅぅ!)
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/26(月) 19:37:29.69 ID:SSkIAEA0
>>475
保守ネタ乙〜 先生ひでえなww

>>476
豪快すぎるくしゃみwwww

>>477
みゆきのは刺激強すぎるww
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 19:45:13.83 ID:BjBhMX.0
>>477
THE END!よっしゃあぁぁぁぁぁっ!!
と叫ばずにはいられない
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 20:01:38.70 ID:BjBhMX.0

第12回らき☆すたコンクール投票結果!!

★大賞

エントリーNo.06:ID:ShuveB60氏:こなたと魔法使いの約束

☆副賞

エントリーNo.04:ID:B6h1Wtc0氏:せかんど・こんたくと


その他投票結果はこちら
http://vote2.ziyu.net/html/madou.html


俺からは以上です。後は主催者さん、コンクールの閉めをお願いしますよー!!
481 :名前作者 [saga]:2009/01/26(月) 20:16:20.89 ID:TMyqADo0
こなた「今回もだめだったみたいだね」
かがみ「みたいね」
つかさ「票が入っただけでもましなのかな…」
みゆき「大賞、副賞の予想も見事に外れましたね」
こなた「………ま、いっか」
かがみ「いいのかよ」

大賞の方、副賞の方、おめでとうございます。
そして、コンクールに携わった色々な方、おつかれさまでした。
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:29:59.02 ID:txiqLH20
某作者

 一票差で三位か……。まあ、それは、実力が及ばなかったということで。

 大賞と副賞の方、おめでとうございます。
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:35:36.21 ID:txiqLH20
 コメント確かめてみてみたら、一票は誤投票っぽいな。
 となれば、二票差か。
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 20:42:16.18 ID:SSkIAEA0
主催者がまだだけど、あれ投下しちゃっていいかな?
いつもの人ではないけどね。
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:51:49.94 ID:SSkIAEA0
ゆたか「・・・っていうわけだから、みなみちゃん一人ってことになるんだけど」
みなみ「うん・・・でも、緊張する」
ゆたか「私もわかるけど・・・せっかくのチャンスだもん。楽しんでやるんだよ」
みなみ「そう・・・そっか。楽しめばいいのか・・・」
ゆたか「うん、そうそう。それじゃ、がんばって!」
みなみ「うん・・・行ってくる」

ゆたか(そうは言ってもやっぱり不安だな・・・こっそり聞いちゃお)


 らき☆すたSS 第十二回コンクール 私的レビュー!!


みなみ「え、ええ・・・みなさん、こんばんは。みなみです。

    今回・・・ええと・・・第十二回のコンクール作品をレビューさせていただくことになったのですが・・・
    その・・・たの、楽しんでやろうということで・・・よろしくお願いします」

ゆたか(うわあ・・・やっぱり緊張してるよ。みなみちゃんアガリ症だなあ・・・)

みなみ「あ、ちなみに今回私が抜擢された理由は・・・
    スレタイ?とかいうものらしいのですが・・・よくわかりません。

    それから・・・八坂さん、永森さんという人と一緒にという話だったのですが・・・
    まだ来ないようなので・・・時間も来ていますし・・・
    私一人でお送りしたいと思います」

ゆたか(みなみちゃんファイト!それにしても、二人とも何やってるんだろう?)


486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:52:14.84 ID:SSkIAEA0
◎No.01:ID:MM58nUo0氏:その笑顔は誰がために

みなみ「ゆたかとそのお姉さん、ゆいさんによる物語です。
    といってもゆいさんが主役ですが・・・

    ゆたかが死ぬというドラマチックな展開がありますが、
    この作品自体は雰囲気が非常にリアルで、人間らしさがにじみ出ています。

    それにしても、ゆいさんは強い人ですね・・・
    頼れるお姉さんらしく気丈に振る舞うゆいさんに大人っぽさを感じました。

    そしてゆたか。いつでも笑っていられる、ゆたかも強い子です。
    死に際までその笑顔の花を咲かせて・・・私には出来そうもありません・・・
    本当に、その笑顔は誰がために?と問いたくなりますね。

    ゆたか・・・あなたのことは忘れない」

ゆたか(いやいや!私生きてるから!死んだのは作中の話だから!)



◎No.02:ID:3Fg.4Cc0氏:悪い夢

みなみ「泉先輩の見た夢から始まりますが・・・
    読んでて目を閉じたくなりました・・・あまりに怖くて。
    これほど恐怖心を駆り立てる描写の仕方には頭が下がります。

    そして、その後ですが・・・
    やっと元通りほのぼのな雰囲気、と思いきや・・・また戦慄。
    このつかさ先輩、怖いです・・・演技とはいえ・・・感情を露わにはしないのが却って。
    泉先輩も必死に事実を拒否しようとしていますが・・・

    『笑い』というテーマに変化球で挑んだ作品ですね。

    私が全て悪いってことでいいですから落ち着いてください、つかさ先輩っ・・・」

ゆたか(悪くないよ!?みなみちゃんは何も悪くないよ!?)


487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:52:38.31 ID:SSkIAEA0
◎No.03:ID:eWHIU2s0氏:名前

みなみ「これは素直に笑えました。
    一つ一つの場面でオチがついていますし・・・

    ネットゲームで飼うペットに名前をつけたいという泉先輩の希望から始まったのですが・・・
    つかさ先輩、相変わらずそれですか。
    日下部先輩、陸上部に染まりすぎです。
    私はチェリーに冷たくされてるし・・・

    そして決まった名前が『ポチシロハチバル・・・』って長すぎます。
    これを平然と会話で使いこなせてる先輩たちが面白すぎます。
    で、二段目のオチ。最後まで笑わせてくれました。

    今回のお題は『雨誕生日あつい文化祭旅行ウィンタースポーツホラーこなた柊姉妹失敗みゆき笑い』ですが、
    N0.1やNo.2に対して直球で勝負した作品ですね」

ゆたか(繋げちゃうの!?そこも繋げちゃうの!?)



◎No.04:ID:B6h1Wtc0氏:せかんど・こんたくと

みなみ「何となく・・・他の作品とは違う、独特な香りがしました。
    泉先輩視点の、熱すぎず冷たすぎずな温い語り口が印象的です。

    この作品で頭に残ったのは書き初めですね。
    全員願望がストレートに表れすぎです。
    峰岸先輩のはメタな・・・んん。

    そして泉先輩がリビングでおばさんの遺影に一礼する場面・・・
    いつも軽いノリの先輩だからでしょうか、とても清楚な感じがします。
    少し胸が詰まりました。

    笑いの中に感動あり、そして終始温かい雰囲気を醸し出している作品でした。

    もし私が書き初めをするなら・・・『前側膨張』でしょうか」

ゆたか(前川包丁?何だろうそれ)


488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:53:22.58 ID:SSkIAEA0
◎No.05:ID:5F7Al6SO氏:忘れられないダークナイト

みなみ「冒頭の文を読んだときこれは本格的なホラーかと身構えてしまいましたが・・・
    実際中身を読んでみると割とコミカルな話でした。
    一つだけ怖いといえば、語り手が誰か分からないということでしょうか。

    さて、この話の醍醐味の部分といえば怪談話ですが、
    ただ語るだけではなく、トランプの数字で怖さの程度を決めてから話すというのは面白いですね。
    泉先輩の発想はすごいのですが・・・

    怪談が怪談になってません。先輩らしいというか。確かに反応の仕方が分かりませんね。
    つかさ先輩は・・・みゆきさんの『それは優しいお方でしたね』という返事が面白すぎました。
    かがみ先輩は恐怖体験としては一番まともですが、オチを変え忘れるとはやってしまいましたね。

    最後、桜庭先生のセリフでオチているのが上手いと思いました。

    それにしてもトリを飾ることになった天原先生・・・一体どんな話を・・・
    今度機会があったら聞いてみます」

ゆたか(だめだよ!!やめといた方がいいよみなみちゃん!!)



◎No.06:ID:ShuveB60氏:こなたと魔法使いの約束

みなみ「この作品は・・・
    展開が右往左往しますね。

    泉先輩が急に表情を変え、何かと思うと昔恋人の『魔法使いくん』を交通事故で失ったという悲しい過去・・・
    と、思いきやその恋人は平然と生きていたという・・・
    最後には泉先輩が格闘技で攻撃してますし。

    そして、その話を聞いていた3人の先輩方も、途中は涙を流し同情、激励・・・
    が、『魔法使いくん』登場後は特にかがみ先輩が思いがけない行動に出たり。

    少々混沌としていますが、『笑ってくれ。』というセリフは心に響きました。

    笑ってくれ、か。
    ・・・アハハのハ

    わ、笑ってみたんですがどうでしょう・・・」

ゆたか(無理してるよ?すごく無理してるように見えるよ?)


489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:53:50.99 ID:SSkIAEA0
◎No.07:ID:XytqRec0氏:今日の子ぬこちゃん

みなみ「斬新なSSですね。メールのやり取りでストーリーを進めるとは・・・
    通常の『地の文+セリフ』の形に比べて書きづらいのに、よくできてるなと思いました。
    先輩たちのプライべートを盗み見している気分です。

    大まかな話の内容は、つかさ先輩とかがみ先輩が捨て猫を見つけたことから始まり・・・
    台風で大雨が降った後猫が忽然と姿を消し・・・
    つかさ先輩が泉先輩に、猫のことで神経を病んでしまっている
    かがみ先輩のことを報告したメールがきっかけで、
    お互いの悩みをさらけ出し、友情が深まる・・・

    私で言うと、泉先輩にとってのつかさ先輩にあたるのは、やっぱりゆたかですね・・・
    まだ色々悩んでいることが多いのですが、この作品を読んで、相談してみてもいいかなと思いました。

    そして終わりに、猫が無事だとわかってよかったです。

    それにしても、顔文字やwなど、泉先輩の書くメールは個性的ですね。確か2ちゃんねるでしたっけ。
    みゆきさんが教えてくれたことがあります」

ゆたか(高良先輩、そんなことまで知ってるの!?)



◎No.08:ID:s0WQ8.g0氏:THE MANZAI

みなみ「笑いと言えばお笑い、王道な作品です。
    シリアス寄りな調子で、全体的に真面目な感じがします。

    八坂さん、永森さんの二人が、先輩たちのお別れ会の出し物に漫才をやることになるという話。
    といっては平たすぎますが・・・

    八坂さんが必死になって説得してくるのにも応じず、
    かと思えば泉先輩の言葉に感銘を受けて、あっさり意見を変えてしまう永森さんが・・・
    さらに本番を控えたステージ前では、緊張する周りのメンバーを激励する立場にまで。
    まさに殻を破ったというわけですね。

    今回の作品の中では、素直な作品という印象をもちました。

    ところで作中、私が一文だけ紹介されますが、『クールで無口なひ』・・・
    いえ、『恥ずかしがりやな小動物』だなんて、とんでもないです。
    確かにアガリ症ですが・・・」

ゆたか(私だから!!それ多分私だから!!)


490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/26(月) 20:54:23.04 ID:SSkIAEA0
みなみ「・・・以上、8作品のレビュー、岩崎みなみがお送りしました。
    早いですね・・・もう終わるとは。
    まだ緊張が抜けていません・・・

    もう少し楽しい感じでやりたかったのですが。
    ご期待に添えられず申し訳ありません・・・

    あと、最後の作品のレビューをしていて思い出したんですが、
    八坂さんと永森さん、まだ来てないんですね・・・
    本当にどうしたのでしょうか。

    それでは、私一人でしたが、 らき☆すたSS 第十二回コンクール 私的レビュー でした。
    ばいにー」



みなみ「・・・終わった」
ゆたか「お疲れー」
みなみ「・・・緊張した」
ゆたか「頑張ったんだねー」
みなみ「うん・・・それにしても二人とも、遅すぎる」
ゆたか「そうだよねー、何してるんだろ?」

 ダダダダダッ

ひより「あー岩崎さん、小早川さん!!」
ゆたか「あれ、田村さん?」
みなみ「?」
ひより「ごーめん、今レビューしてくれたと思うんだけどさ、実は・・・」
ゆたか「ん?」
ひより「その・・・収録日間違えてて」
みなみ・ゆたか「え!?」
ひより「確か明日かその辺だったと思う。だから今日はカメラも回ってないし・・・」
みなみ「・・・つまり、無意味だった?」
ひより「うん・・・ほんっとごめん」
みなみ・ゆたか「・・・・・・」

ゆたか「後で二人と一緒にやり直しだね・・・」
みなみ「ゆたか・・・私はもう駄目かもしれない」グスッ
ひより「いいい岩崎さん!ダメ!泣いちゃダメ!ほら、笑って笑って!アハハのハ!!」

 ブツッ
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 20:57:32.18 ID:SSkIAEA0
というわけで私的レビューでした。
ちょっと避難所にて無理なお願いをさせていただきました、申し訳ないですが。

ちなみにこれ、今回もいつもの人がレビューを書いてくれてるという
まことに勝手な前提で書いたんですが、よく考えたらそんな保証はないわけで・・・

まあ、ネタが中途半端になってもキニシナイ!
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 21:04:53.10 ID:SSkIAEA0
あ そうだ
大賞・副賞受賞者のお二方、おめでとう。
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 21:12:04.91 ID:8pU.MESO
言うの忘れてたよ
大賞、福大賞の方。おめでとう!

>>491
乙!それなりに楽しめたぜww
後、褒めてくれてありがとうみなみん^^

やっぱレビューは良いな。後夜祭みたいな感じがしてww
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 21:18:18.33 ID:D2XEBBoo
「第十二回コンクール、お題『笑い』。大賞を獲得したのはID:ShuveB60さん作『こなたと魔法使いの約束』でした! また、今回から適用されることになりました、副賞はID:B6h1Wtc0さん作『せかんど・こんたくと』です。お二方とも」


「「「「おめでとうございます!」」」」


「いやー、お題が笑いというだけあって笑ったねぇ」
「クスリと笑っちゃうものから、思わず突っ込みたくなるものまであったわね」
「そして、対極とも言えるシリアスな笑いも見られましたね」
「うんうん! 私感動しちゃったぁ」
「ま、不覚にも。今回は、投稿数が控えめだったけど、やっぱり純粋な笑いほど難しいものはない、ということかしら」
「んだね〜。年始ってのもあるだろうけど、意外と難しいお題だったかもね〜。私たちって笑いの塊みたいなものなのにね!」
「……なんか釈然としないんだが」
「まあまあ、それだけ日々を楽しく過ごせているということで」
「そ、そうね?」
「ともあれ、すばらしい作品の数々を投稿していただいた作者の方々、コンクール関係者の方々、読者の方々も」


「「「「ありがとうございました!」」」」


「次のコンクール開催は三月ね」
「どんなお題になるか楽しみだね〜」
「そうですね。それまで皆さんもゆっくり休んでください」
「では。また次回もバルサミコ酢!」
「何、そんな締め!? つかさ、ちょっとまっ」


「いっつも思うんだけど、私ってここでの扱いがひどいよね。ね、ゆきちゃん?」
「そ、そうでしょうか。気の、せいだと……」
「そうかな? 台詞少ないし、バルサミコ酢だし。でも分かってるんだ、こなちゃんと微妙に喋り方被ってるとか、ゆきちゃんとキャラ被ってるとかわかってるんだ」
「だ、大丈夫よ! つかさはつかさだもの! そうよね、こなた? こなた?」
「えへへ、こなちゃん居なかったら出番増えるかと思って」
(思って、一体何を……)
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 21:25:42.06 ID:D2XEBBoo
てわけで、二人ともおめでとう!

>>491
レビュー乙。ゆたかのツッコミにワロタww
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 21:44:36.63 ID:SSkIAEA0
>>494
閉会宣言乙です
つかさ・・・すごく黒いです・・・
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 22:04:17.09 ID:9STiJRA0
こなた「コンクール無事終了、おめでとう!」
「「「おめでとう」」」
こなた「今回は大賞作品“こなたと魔法使いの約束”の作者からコメントをいただいてま〜す。」
かがみ「あれ?コメントだけ?本人は来てないの?」
こなた「なんか大賞取れるとは思ってなかったらしくて何の準備もしてなかったらしいよ。」
つかさ「どんだけ〜。」
みゆき「それで、作者さんは何と?」
こなた「はいはい、今読むよ。『皆さん、こんにちは。“こなたと魔法使いの約束”作者です。今回、大賞を取れたことをとてもうれしく思っています。コンクール主催者様、投票してくださった読者の皆様、そして、すばらしい作品を投稿してくださった作者の皆様に深く感謝いたします。それでは、短くはありますがこれで失礼いたします。』だって。」
かがみ「なんか月並みのあいさつね。」
こなた「しょうがないよ、かがみん。急ごしらえのコメントなんだから。」
かがみ「それにしたってもう少し・・・」
こなた「それじゃ、バイニ〜。」
かがみ「って!こら待て!!勝手に閉め」

ガタン!










つかさ「ねぇ、ゆきちゃん。」
みゆき「なんですか、つかささん?」
つかさ「私たち、セリフ少なかったね。」
みゆき「ええ、まぁ、いつものことですし。」
つかさ「そうだね、いつものことだよね。」
みゆき「はい、いつものことです。」
つかさ「・・・」
みゆき「・・・」

プツン!
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/26(月) 23:18:13.61 ID:39XTK5w0
大賞おめでとうございます^^
そしてコンクールに関わった全員にありがとうございます! と言いたい。。。

でもまさか自分が最初の副賞に入るとは……
最初に投稿した時はほとんど票が入らなかったのに……




それと今でもあやのには申し訳ない気分が……
499 :コンクール主催者 :2009/01/26(月) 23:58:03.83 ID:6REacgAO
皆さん、乙です。
今回はお題投票で不正票が見つかったり、副賞を導入させたり、波乱万丈なコンクールでした。

「こなたと魔法使いの約束」「せかんど・こんたくと」の作者さん。おめでとうございます!
今回から二位の方にも副賞がもらえるシステムになりましたが、この方が嬉しさ二倍ですね。
それにしても、私も作品を投稿しましたが、あなた達の足下にも及ばず……。羨ましい限りです。
次回のコンクールは3月に開かれるはずですので、今回の作品の得票数が芳しくなかった作者さん(私も含めて)は次で頑張りましょう。

レビューや感想を書いてコンクールを盛り上げてくださった方々。
そしてコンクール作品をまとめてくださった方々、投票所管理人さん、その他大勢、ありがとうございました!

ダメダメ主催者でしたが、楽しかったです。皆さん本当に乙でした〜
500 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:18:31.45 ID:qwqf32.0
>>499
主催、お疲れ様でした。

では、コンクールも無事終わったということで、投下行きます。
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/27(火) 01:19:13.95 ID:OGIoLgAO
昼食のじかん

こなた「ねえ、つかさ・・・」
つかさ「何?こなちゃん。」
こなた「チョココロネって・・・どこから食べる?」
つかさ「え?」
こなた「ねえ、つかさ・・・教えて・・・お願い・・・教えて・・・」
つかさ「ヒィッ!?」
こなた「チョココロネ・・・どこから食べるの・・・オシエテエエエエエエエェェェェェェ・・・」
つかさ「わ・・・私は頭からかなあ・・・」
こなた「アタマってどっち・・・」
つかさ「ほ、細い方じゃないかな・・・」
こなた「ナ ン デ ヨ !」
こなた「ナンデ細いホウガ頭だとおモうノヨ・・・!?つかさがそう言ウのなラソウナノカナァ!?オシエテヨオオオオオオオオオオオオア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」

つかさ「イヤアアアアアアアアアアアアア!!!」


・・・・・。


つかさ「ていう夢を(ry」
みゆき「正夢になるのがお決まりですねわかります」
こなた「ねーよwwwwww」
502 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:20:15.55 ID:qwqf32.0
「あー、もう最悪!」
 そう悪態を吐きながら、柊かがみは乗っていた自転車から降りると、手近にあった二年ほど前に潰れた飲食店の軒先に飛び込んだ。
 友人の泉こなたの家へ遊びに行った帰り道に、急に降り出した雨。こなたは「降りそうだから、傘持っていきなよ」と言ってくれたが、かがみはそれを断ってきた。
「…20%って言ってたのに」
 当てにならない天気予報を恨みながら、濡れた頭をハンカチで拭く。服もかなりの水を吸っていたが、流石にハンカチでは拭けきれないだろうと、諦めることにした。
「こなたの言うこと、聞いてれば良かったな…」
 溜息をつきながら覗き込むように空を見上げる。降りは酷くなっており、やむ気配はない。
 かがみが家族の誰かに傘を持って来てもらおうと、携帯を鞄から取り出したところで、一人の男性が隣に飛び込んできた。
「うわー、こりゃたまらんな」
 かがみはその声に聞き覚えがあった。隣を見てみると、やはりこなたの父親のそうじろうだった。
「…おじさん」
「ありゃ、かがみちゃんか」
 かがみが声をかけると、驚いたようにそうじろうがこっちを見た。
「いや、奇遇だねー」
「ええ、まあ奇遇なんですけど…遠目に女の子が見えたから、ここに飛び込んできたってのは無しですよ?」
「は、はははは…ま、まさか。いくらなんでもそれは無いよ…うん」
 あからさまに動揺するそうじろうを見ながら、かがみは溜息をついた。
「か、かがみちゃんはこなたと遊んだ帰りかい?」
「ええ、そうです」
 これまたあからさまな話題変えだったが、これ以上追求することでもないので、かがみは話に乗ることにした。
「今日は自転車なんだ」
 そうじろうはかがみの隣に置いてある自転車を見てそういった。
「たまには自転車もいいかと思いまして…おかげでこんな目にあってますけど」
 自嘲気味にそう言うかがみ。そうじろうはそのかがみを見ながら、顎に手を当ててしばらく考え込み、何かを思いついてこう言った。
「ダイエットでなくて?」
「…親子揃って同じこと言わないでください」


- 雨宿り -


503 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:22:27.07 ID:qwqf32.0
「それにしてもおじさん…」
 かがみは改めてそうじろうの服装を見た。いつもの作務衣ではなくスーツ姿だ。
「ちゃんとした服、持ってたんですね」
「いや、流石に持ってるよ…打ち合わせとか部屋着で行くわけにもいかないだろ」
「まあ、そうなんですけど…おじさんは平然とそういうことしそうですから」
「相変わらずきっついな…こなたといい勝負だ」
「う…それはちょっと…」
 俯いて「そんなにきついかしら…」などと呟いているかがみを見て、そうじろうは鞄からタオルを取り出した。
「かがみちゃん、随分濡れてるみたいだし、コレ使うかい?」
 そう言ってそうじろうは、かがみにタオルを手渡そうとする。
「え?…うーん」
「はは、大丈夫だよ。こいつはまだ使ってないやつだから。俺はこっちのがあるし」
 受け取るのを躊躇しているかがみに、そうじろうは鞄からもう一枚のタオルを出して見せた。
「すいません、そういうことなら…ってなんでタオルなんか持ってるんですか?しかも二枚も」
 受け取ったタオルで服を拭きながら、かがみはそう聞いた。
「こなたにね、降りそうだから傘持って行けって言われたんだけど、降水確率が20%だったし、邪魔になるからって断ったんだ。そうしたらせめてタオル持っていけって、これなら邪魔にならないだろうからって…二枚なのは念のためだとさ」
「なるほど…」
「その後、『電話かけてきても、絶対迎えにとかいかないからね。めんどくさいから』って言われたけどな」
「あはは、それはこなたらしいですね…って、そうだ。電話だ」
 かがみは自分の家に電話をかけて、傘を持って来てもらおうとしていたのを思い出した。
 先程取り出していた携帯で自分の家に電話をかける。だが、いくら待っても呼び出し音が続くだけで、誰かが取る気配は無かった。
「…あれ、おっかしいな…誰もいないのかな…」
 しかたなくかがみは、今度は妹のつかさの携帯にかけてみた。
「…あ、つかさ?ちょっと雨に降られちゃって、傘持って来て…え、無理?なんで?…は?あんたも?みゆきと一緒に?…あんたら二人して何やってるのよ…え?いや、まあそうなんだけど…うん、わたしもよ。ごめん、悪かったわよってみゆきに聞くな!聞こえてるぞ!みゆきも余計なこと吹き込むな!………え?ああ、うん。わたしもかけてみたけど、誰も出ないのよね…うん、わかった…それじゃね………いや、分かってるってだからいちいちみゆきに聞くなって!みゆきも律儀に答えるな!切るわよ!」
 かがみは携帯を畳みながら、大きく溜息をついた。
「…で、なんでおじさんはそんなにやけてるんですか?」
 自分の電話している姿を、終始嬉しそうに見ていたそうじろうを、かがみはジト目で見つめた。
「いや、随分楽しそうだなって」
「…そう見えましたか?」
「そうとしか見えなかったよ」
「…多分、さっきの楽しんでたのはみゆきだけだと思いますけど」

504 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:23:21.45 ID:qwqf32.0

「…今のこなたは友達に恵まれてると思うよ」
 なんの前触れもなくそうじろうにそう言われて、かがみはキョトンとした表情を浮かべた。
「なんですか?急に…」
「いや、さっきの電話とか見てて思ったんだけどね…普段はこなたともあんな感じだろ?」
「ええ、まあ…」
「あいつが小さな頃に格闘技を習ってたって、聞いたことはあるかな?」
「は?…それは、聞いたことありますけど」
 あまりな話の飛びっぷりに、かがみは一瞬眼を丸くしたが、すぐに思い至った。相手に合わせない喋り方は、こなたと同じだ、と。
「通っていた道場で、仲のいい友達ができてね。それがよっぽど嬉しかったのか、喜んで通っていたよ。習い事なんて絶対したくないとか言ってたのに」
「…まあ、確かにこなたに習い事って似合わない気が…」
「それが、ある日勝手に辞めてしまったんだ」
「え?」
「『飽きた』…とか言ってね」
「…飽きたて…こなたらしいと言えば、そうなんですけど…」
「なんか隠してるような気がしてね、道場の方に聞きに行ったんだ。そうしたら、練習中にこなたがその友達に怪我をさせてしまったらしいんだ」
「怪我…ですか」
「ああ。受身を取り損ねて、手の骨を折ったらしい…その事をこなたに言ったら、泣いて言われたよ『友達を怪我させるような所には行きたくない』って」
「そうですか…あの、その友達とは?」
「それっきり、連絡も取ってないみたいだよ…それからかな。こなたがあまり友達を作らなくなったのは」
505 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:26:07.81 ID:qwqf32.0
「…そんな事が…あ、でも中学のときに凄く仲のいい友達がいたって聞きましたけど…」
「ありゃ、その事も話してたのか…こりゃよっぽどだな」
 なにがどうよっぽどなのか分からず、かがみは首を捻った。
「…『友達がいた』って事しか聞いてないかい?」
「え?…はい、そうですけど…後は、全然連絡取ってないって事くらいしか…」
「そうか…うん、そうだな。かがみちゃんならいいか」
 そうじろうはそう言って、何度か頷いた。
「その子はね、俗に言う引き篭もりだったんだ…たまたま登校した時に、こなたと友達になった…っていうか、こなたが一方的に友達にしたみたいだけど」
「なんでまた急に…」
「感だったみたいだよ…そういう時の、こなたの感は鋭いからね…で、しばらくしてその子がまた引き篭もったんだけど、こなたが引きずって登校させたんだ」
「引きずってって…」
「何回引き篭もっても、引きずり出されるものだから、その子も根負けしたみたいでね…卒業間際には、普通に登校するようになってたよ」
「なんだか、ありがた迷惑な気がしますね…」
「かもね…『絶対に一緒に卒業するんだ』ってこなたは言ってたな。学校にいないんじゃ、一緒に卒業したことにならないんだって」
「…おかしいですよ、それ」
「なにが?」
「だって、今連絡とってないって…それだけこだわった友達なのに、なんでですか?」
「ああ、それは…連絡を取ってないんじゃなくて、取れないんだよ」
「…え?」
「その子は家の都合で、卒業と同時に遠くに引っ越したんだけどね、連絡先をこなたに教えなかったんだ」
「ど、どうして…」
「卒業式の日に家に来てね、俺とこなたにこう言ったんだ…『いつか、こなたさんのような魔法使いになれたら、わたしから連絡します。その時まで待っていてください…それと、こなたさんから連絡されると、また甘えてしまいそうなんで、わたしの連絡先は教えません』ってね」
「…こなたが魔法使いですか」
「ああ。その子からしたら、こなたは舞踏会に連れ出してくれた魔法使いだったんだろうな」
 かがみはこなたの言葉を思い出していた。
「類友とかそんなんじゃなくて、本気だったんだ…将来の夢が魔法使いって」
「卒業文集の事も話してたのか…そこまで話してて、肝心の部分を話してないなんてなあ…まあ、こんな話しといてアレだけど、こなたとは今までどおり付き合ってやってくれないか?あいつは気を使われるのか嫌がるからな」
 それは少し難しそうだと、かがみは思った。しかし、そうじろうがそれを出来ると信じてかがみに話したのだとすれば、その期待には出来るだけ答えようとも思った。
506 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:27:22.86 ID:qwqf32.0
「…多分、大丈夫です。そういうの、加減できない性質ですから」
「それは頼もしい…ってどうしたんだい?」
 かがみが顎に手を当てて、なにやら考え込み始めたのを見て、そうじろうがそう聞いた。
「…その二人の友達って女の子ですか?」
「ん、ああ。どっちも女の子だけど…またなんで?」
「いえ…なぜか気になって…」
 言いよどんだかがみが誤魔化すように空を見上げると、少しだけ雨足が弱まっていた。
「…少し、小降りになりましたね」
「そうだなあ…これなら家まで走れるかな」
 そう言ってそうじろうは、鞄を懐に抱えてタオルを頭の上に乗せた。
「それじゃ俺は行くけど、かがみちゃんは?」
「わたしは、もう少し小降りになるの、待ってみます」
「そっか…じゃ、また」
 そうじろうは手を軽く振ると、小雨の中を走っていった。
「…雨宿り、か」
 かがみは、先程までのそうじろうの話を思い出していた。魔法使いになろうとしている友達を、こなたは今でも待っているのだろうか。そうだとすれば、自分は雨が上がるまでの雨宿りなんじゃないだろうか。
「馬鹿馬鹿しい」
 その考えを、頭を振って追い出そうとしたところで、携帯の着信音がなった。
「こなた?…『かがみん、ちゃんと家につけた?風邪ひきやすいんだから気をつけなよ』…いや、わざわざそんな事…」
 呆れ顔でかがみが空を見ると、さっきよりさらに小降りになった空に、虹がかかってるのが見えた。
「そうね…置いてかれる理由なんて無いわね」
 例え今が雨宿りだとしても、雨が上がれば友達が出て行くとしても、一緒に出て行けばいいだけのこと。
「…そろそろ、行こうかな…っと返信しとくか。一応心配してくれてるみたいだし」
 かがみはこなたにメールを打つと、自転車にまたがって走り出した。


- 終 -

507 :雨宿り [saga]:2009/01/27(火) 01:28:48.24 ID:qwqf32.0
以上です。
なんとなく、こなたを美化してみようとしたらこんな話に。
それにして、この二人の絡みが書きやすいのはどうしてだろう…?

二人の友達が帰ってきたって設定で、以下のような感じの続編もちょっと考えていたんですが。

「だから!最初にこなたちゃんと友達になったのあたしなんだから、一番の親友はあたしだって!」
「そ、そんな事無いです…あの頃のように、こなたさんはわたしの事、一番に考えてくれてるはずです…」
「ちょっと待て!こなたの現役の友達はわたしなんだから!今の一番は絶対わたしだ!」

「…か、かがみまで混じって、何やってるのかな…」
「泉さん、止めなくていいんですか?」
「い、いや…止めたいんだけど…なんか怖くて…」
「こなちゃん、モテモテだね」
「…つかさ…それ違うと思う…」

冷静に考えると、無理ある上に名前の無いキャラ二人とか難しそうなので断念してます。

今回のNG場面(校正時点で発覚した誤植)

「…おかしいで、それ」
「…何故急に関西弁」
「か、噛んだだけですよ!あー、もうNGじゃない!どうしてくれるのよ!」
「…いや、逆ギレられても困るけど」
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/27(火) 06:45:29.07 ID:.U6GdPgo
>>507
いやーいい。乙! よくもまぁあんな類友話をこんないい話に……。
素直に感動しました&こんな意味をもたせられる発想に感激したッス。GJ!

名無しキャラは確かに無理だw
絡ませやすいのは、かがみがそうじろう相手ですら、鋭いツッコミを入れられるスペックを有してるから。たぶん
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/27(火) 23:35:27.56 ID:Wwt0WADO
そうじろうが良い人に見えた
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/28(水) 19:15:43.39 ID:kkd2V2SO
−不謹慎−

こなた「海賊対策って大変だね」
かがみ「うん、大丈夫なのかしらね」
こなた「そういえば、ソマリアって『乳搾り』って意味なんだって。知ってた?」
みゆき「…何故、それをわたしの方を向いて言うのですか…?」
かがみ「…お前は…ホントいらん知識ばっか知ってるな…」
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/28(水) 19:25:10.05 ID:scjoWVQo
>>510
みゆきさんを牛と申したかwwwwww


…いや、場合によっては羊や山羊か?
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/28(水) 20:37:57.95 ID:9JqADUYo
>>511の葬式会場はここですか?
513 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:12:33.63 ID:kUxRTJs0
投下いきます。

こういう話は苦手な人もいるかも。
514 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:13:07.97 ID:kUxRTJs0
「あれ?なんだろ、このノート」
 ある日、部屋の整理をしていたこなたは、見覚えの無い一冊のノートを見つけた。
「…日記…こんなのつけてたっけ?」
 何の変哲も無い大学ノート。表には『日記』と書かれ、その下には何故か『にっき』とひらがなで書かれてあった。
「んー…よし、見てみるか」
 これはさぼりじゃない、確認だ。そう自分に言い訳しながら、こなたはそのノートをめくった。


- 彼女の日記 -


 私 柊かがみ
 父 柊ただお
 母 柊みき
 姉 柊いのり
   柊まつり
 妹 柊つかさ(双子)
 友達 泉こなた
     高良みゆき
     日下部みさお
     峰岸あやの

 とりあえず、これだけ書いておく。忘れても見返せば思い出せるはず。
 明日から日記をつけようと思う。
 毎日は無理だと思うから、気が向いた日だけ。日付もいらないかな。いつまで続くかわからないし。
 それでも、何かの助けにはなるはず。正直、明日が怖い。

515 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:14:30.49 ID:kUxRTJs0

 今日、いのり姉さんとまつり姉さんを間違えた。こんなこと初めてだ。
 まつり姉さんは笑っていたけど、わたしは笑えない。


 つかさが妹だって事、忘れてた。
 一番忘れない自信があったのに、なんで?


 お昼休みに、日下部に「最近、隣のクラスに行かないのな」って言われた。
 なんでわたしがわざわざ隣のクラスに行ってお昼を食べるんだろう?
 そう言ったら、峰岸と二人で黙り込んだ。訳がわからない。ちゃんと言って欲しい。忘れてるのかも知れないから。


 つかさが隣のクラスだった。わたし達は双子だったんだ。
 妹だって事は覚えていたのに、次はこれか。


 日記と言うよりメモみたいだ。まあ、いいか。


 こなたと会話がかみ合わない。
 つかさは元からだって言うけど、何か違う。
 なんだかイライラする。


 こなたに酷い事言った。わたしどうかしてる。
 明日、ちゃんと謝らないと。


 こなたが一日中機嫌悪かった。
 原因が分からなかったけど、日記を見て思い出した。
 最低だ。明日はちゃんと謝ろう。


 みゆきと会話が出来なくなってきてる。分からない言葉が多すぎる。
 今の自分を突きつけられてるみたいで、みゆきと話すのが怖い。
 みゆきは何も悪くないのに。


 色々と分からない。頭の中が削られていく感じ。
 お願い、止まって。忘れたくないこといっぱいあるのに。


 最近、つかさが笑ってない。間違いなく原因はわたし。
 つかさが笑えるように、しっかりしないと。つかさの笑顔、好きだから。


 頭がグチャグチャする。気持ち悪い。今日はもう寝よう。

516 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:15:45.78 ID:kUxRTJs0

 どうしよう。かんじがわからない。かけないしよめない。どうしよう。


 なまえはわかるのに、だれがいもうとでだれがともだちかわからない。
 さいしょからひらがなでかけばよかった。わたしばかだ。


 くさかべに「いいかげんにしろ」ってどなられた。こわかった。
 でもそのあと、くさかべはみねぎしにおこられていた。
 くさかべはわるくないのに。わたしのせいなのに。ごめん。


 こなたにおこられた。りゆうがわからない。
 さいきんおこられてばかりだ。しっかりしないと。


 つかさに「そんなにあやまらなくてもいい」っていわれた。
 でもおこられてるんだから、あやまらないと。わたしのせいなんだし。


 「あやまるな」っておこられた。どうすればいいんだろ?


 みんながおかしい。わたしのせいだ。
 あやまったらまたおこられるからここにかいとく。
 ごめんなさい。


 きょうしつであばれた。ごめんなさい。


 がっこうにいけなくなった。いやだ。おこられてもいいからみんなにあいたい。


 いえにもいられなくなった。にゅういんしなくちゃいけないらしい。
 いきたくない。みんなからもっとはなれる。
 みんなのえがおがみたい。すきだったから。


 あたまがぐちゃぐちゃする。はきそう。

517 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:17:59.55 ID:kUxRTJs0

 のーとがかばんにはいってた なにかかいてるけどよくわからない
 わたしもこれにわかることかこう


 びょういんはつまらない なんにもない
 ともだちがたくさんきてくれるのがうれしい でもだれもわらってくれない
 わたしつまらないのかな


 ともだちがほんをいっぱいもってきた
 えばっかりのへんなほん かいてあることがわからないっていったら よんでくれた
 でもきいてもわからない せっかくよんでくれてるのに しっかりしないと


 きょうもともだちがほんをよんでくれた でもとちゅうでそのこがないちゃった
 すごくかなしいはなしだったみたい わたしもなけばよかったのかな


 きょうはほんをよんでくれなかった ともだちのかずがへってるきがする
 さびしいからなにかしゃべってほしい


 ともだちがあまりきてくれなくなった わたしのせいなのかな
 ほんがいっぱいのこってる がんばってよめるようになろう
 そうすればちゃんとおはなしできるようになるとおもう


 おへやかわった まえよりもっとなにもない
 ほんもどこかもってかれた わたしのじゃないのに ちゃんとともだちにかえしておいてくれるかな
 かくのはいいみたい でもこれだけじゃつまらない とこだちこないかな


 ひさしぶりにともだちがきた うれしい
 でもみんなさみしそうだった
 わらってほしいな そっちのほうがすきだから


 あたまがぐちゃぐゃ やめて

518 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:20:01.27 ID:kUxRTJs0

 なにもない わからない


 ともだちいる とおい こっちきて


 て にぎった うれしい


 わらった うれしい みんな すき


 あたま









 久しぶりに日記を書く。
 明日、退院。良かった。
 家族とか友達とかいっぱい迷惑かけた。凄く感謝してる。ありがとう。
 でも大変なのはこれからだと思う。思い出せなかったこと、頑張って思い出したりもう一度覚えたりしなくちゃ。
 それにしても、日記の事思い出してよかった。恥ずかしいこといっぱい書いてる。
 早く処分しとかないと、こなたとかに見られたら最悪だ。
 どうせ処分するし、最後に書いとく。
 みんな大好き。
 


「…んー」
 ノートを閉じて、こなたはポリポリと頭をかいた。
「そっか。かがみが病院から出てきたところを直接拉致ってわたしんちで退院祝いやったから、そのときに紛れちゃったのかな」
 もう一度、表紙を見る。そこにある、大変だった日々。
「…どうすっかなこれ」
 そこでこなたは、あることを思いついて、手を叩いた。
「まあ、折角書いたんだし、処分するのはダメだよね。こういうのは、みんなで分かち合ってこそ親友だよ…最悪のご指名もいただいてることだし」
 こなたはニヤニヤしながら、机の上にあった携帯をとった。
「へろーかがみー。今、部屋の片づけしてたらさ、面白いものが出てきてねー。今度、みんな集めて鑑賞会でも…」
 今はもう、そんな日々。
519 :彼女の日記 [saga]:2009/01/28(水) 23:21:00.55 ID:kUxRTJs0
以上です。

正直、短すぎた。
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/29(木) 00:33:11.21 ID:6rXIbZAo
>>519
だんだん鬱になってきて、途中読むの辛くなったがラストで救われた。なんかありがとう
乙! 

そして、かがみ様ご愁傷様ですww
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/29(木) 19:50:11.68 ID:JKzk3oDO
>>519
乙。
最後は
「かゆ、うま。」
になるかと思ったのは俺だけでいいはず。
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/29(木) 23:40:26.40 ID:O/6mFoAO
- 誤爆 -

「あの、これ誕生日プレゼントです。受け取ってください!」
と、見知らぬ女子がかがみに袋を差し出しそう言う。
「あの・・・人違いじゃないの・・・?」
すると彼女は突然「誤爆したwwwwww」と言い去っていった。

「誤爆・・・?」
とりあえずかがみは気にしないようにした。

「あのう・・・昨日は本当に申し訳ありませんでした・・・」今度はみゆきが話しかけてきた。
「え、昨日何か謝られるようなことされたっけ」
・・・。
「すみません。誤爆です」
またか・・・。
かがみには「誤爆」が何なのかわからなかった。
(誤爆・・・ねぇ、新しい遊びなのかしら)
「誤爆」という単語があまりに気になり、次の授業に集中できなかった。
因みに授業中に先生も誤爆しました。
授業が終わると、
「ねぇねぇこなちゃん。さっきねー」
「みゆきさーん、教科書貸してー」
「いいネタ思い付いた!」
「らっきー☆ちゃんねるー!」「伝説の少女A!」
「何とかしてよドラ○も〜ん!」
「ア○ロ行っきま(ry」
「禁則事(ry」
「事件は会議(ry」


そしてかがみは確信する。
これは「誤爆病」という病気であることを。
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/29(木) 23:58:32.02 ID:O/6mFoAO
>>522
×教科書貸して
○ノート見せて

の方が自然だということに今更気付いた
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/30(金) 12:28:33.68 ID:C6GiokSO
−くしゃみ2−

こなた「はーっくしょいっ!こんちくしょーめー」
かがみ「…いやもう、なをだかわざとオヤジ臭くやってないか?」
こなた「手加減できないなら、いっそ極めてみようかと思って」
かがみ「…もうちょっと別の事にその情熱を注ぎなさい」
こなた「まあでも、みさきち辺りもこういうくしゃみしてそうじゃない?」
かがみ「…まあ、ね」
みさお「クチュンッ…あー風邪ひいたかなあ…」
こなた「………」
みさお「おー、柊とちびっ子。まだまだ寒いよなー」
こなた「ちくしょー!みとめるかー!みとめてたまるかー!」
みさお「な、なんでいきなりキレてるんだ!?」
こなた「かわいいなんて一瞬たりとも思ってないからなー!」
みさお「柊ー…あたしなんかした…?」
かがみ「…まあ、犬噛まれたとでも思っとけ…」
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/30(金) 12:39:34.60 ID:v1mY.6SO
つかさ「へーちょ」
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/30(金) 14:34:48.44 ID:MMhRc.SO
つかさ「ヘッキチッ」

つかさ「……」キョロキョロ

つかさ「……」カ----


男子生徒ABCDEFGHGJKLMNOPQRSTUVWXYZ俺「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「かわええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/30(金) 16:21:25.38 ID:981M.EAO
こなた「クイズ!へーっくしょいごん!」
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/30(金) 18:55:55.07 ID:.HSUOAE0
男子生徒αγβζΩΣ「「「「「「小早川の鼻くすぐりにいこうぜ!!!!!!」」」」」」
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/30(金) 20:37:59.14 ID:djKrY6AO
こなた「そんましっ!」
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/01/30(金) 20:43:10.86 ID:Nj.E.jI0
>>528
ゆたか「は…ふぁ…」

ゆたか「ふぁ…ぅ…うぜぇんだよおまえらっしょいっ!!」

みなみ「!?……ゆ、ゆたか、大丈夫?」

ゆたか「えへへ。くすぐられてくしゃみでちゃったよ〜」

みなみ(…今の…くしゃみだったんだ…)


>>529
つかさ「あ、笛の人のくしゃみだ〜」
531 :ぐだぐだ [saga]:2009/01/31(土) 02:09:56.90 ID:QXH/FsQ0
投下行きます。
何も考えずにぐだぐだ書きました。
キャラ崩壊ってこんなんでいいんですかね?
532 :ぐだぐだ [saga]:2009/01/31(土) 02:10:39.65 ID:QXH/FsQ0
「あー、なんかやる気でない。もうやめよう」
 そう言ってかがみは、シャーペンを放り出して寝転んだ。
「…え…勉強会やろうって言い出したの、お姉ちゃんじゃ…」
 始まって五分も経たないうちに投げ出したかがみに、つかさが困った顔を向ける。
「そんなのこなたの顔見る口実だし。こなたの顔見たからもういいやって」
 その当のこなたもまた、かがみに困った顔を向けていた。
「いやかがみ…勉強教えてくれないとわたしが困るんだけど…」
「そうねえ…それは困るわねえ…よし、みゆきでも拉致るか」
「え、今からゆきちゃん呼ぶの?家遠いし、なんか今日用事あるって言ってたから無理なんじゃ…って今拉致るって言った!?」
「こなた、五分でお願い」
「いえす、まいろーど」
「そんなあっさりと行くんだ!?って五分!?」


- ぐだぐだ -


533 :ぐだぐだ [saga]:2009/01/31(土) 02:11:25.84 ID:QXH/FsQ0
「…ねえ、お姉ちゃん」
 やることは成し遂げたとばかりにポッキーをかじりはじめた姉に、つかさは恐る恐る声をかけた。
「ん、なに?」
「いくらこなちゃんが足速くても、大分時間かかると思うんだけど…」
「ああ、それなら平気よ。この家とこなたんちとみゆきんちは、直通の地下道で結んでるから、その気にになればすぐ行けるわよ」
「そんなのいつの間に!?って直線距離でもゆきちゃんち遠いよね!?」
「おまたへー」
「むーむー」
 ジャスト五分。こなたがSM雑誌でよく見るような縛り方をされた上に、目隠しと猿轡までされたみゆきを担いで、部屋に入ってきた。
「ホントに五分だっ!?しかもこれ以上ないくらい見事な拉致っぷりだっ!?」
「ごくろう、こなた」
「いやー、流石にみゆきさんは手強いねー」
 なんだかのんきにしている二人を横目に、つかさはみゆきを解放しようとしたが、縄の解き方がまったく分からなかったので、とりあえず目隠しと猿轡だけ取る事にした。
「ぷはっ…あ、つかささん」
「ゆ、ゆきちゃん…大丈夫?」
「つかささんも捕まったのですか!?地底人に!」
「…へ?」
「足を掴まれて地面に引き摺り込まれたんです!目隠しをされる前に一瞬変な触角が見えましたし、あれは間違いなく地底人です!」
「えーっと…」
「一応、形ばかりの抵抗はしてみたのですが、健闘むなしく…」
「それ、健闘してないよね?ほとんどわざと捕まってるよね?」
「…どのようなプレイなのか、少し興味がありまして…」
「プレイってなに…っていうか、地底人じゃなくてこなちゃんだから。ゆきちゃん捕まえてきたの」
「え?そうなんですか?」
 みゆきは周りを見渡し、ここがどこかということと、かがみやこなたがいる事を確認した。
「あ、言われてみれば柊家ですね、ここ…なるほど、あの地下道を使いましたか」
「…ゆきちゃんも知ってたんだ」

534 :ぐだぐだ [saga]:2009/01/31(土) 02:11:56.29 ID:QXH/FsQ0

 とりあえず、まったく説明する気のないかがみとこなたに変わって、つかさがみゆきに事のあらましを説明した。
「勉強会ですか…」
 ちなみに、未だみゆきは縛られたままで床に転がされている。
「うん…こんな状況で言うのは、あつかましいと言うか頭がおかしいとは思うんだけどね、協力して貰えるかな…」
「それはもう、つかささんの願いとあれば…とりあえず、ソフトに多頭鞭あたりから…」
「それなんの勉強!?」
「ところでみゆき。用事はいいの?」
 自分が拉致らせた事は棚に上げて、かがみがみゆきにそう聞いた。
「用事ですか?大したことはないといえばそうですし、後回しにすることも出来ますが…以前から楽しみにしていたことなので…」
「あ、そうなんだ。どんな用事だったの?場合によっては送り返すけど」
「つかささんの恥ずかしい隠し撮り映像の観賞です」
「なにそれぇぇぇぇっ!?」
 つかさは思わず大声を出すと、みゆきの肩を引っつかみ、ガクガクと前後に揺さぶった。
「何撮ったの!?何時撮ったの!?ゆきちゃぁぁぁんっ!」
 何故か恍惚の表情で揺さぶられるみゆきを見ながら、かがみは隣にいるこなたに言った。
「ねえ、こなた」
「ん?」
「勉強会やめて鑑賞会にしない?つかさ以下略の」
「あー、それいいね」
「全っ然よくないよ!!」
「居間にならビデオデッキもDVDデッキもあるからそっちで…」
「あ、かがみさん。そのどちらでも見れませんよ」
「え、そうなの?」
「はい、これブルーレイディスクですから」
「なんでそんな無駄に高画質!?ってか持って来てるんだ!?」
「んー、それじゃこなたんちに行くか。たしか、この前PS3買ったでしょ?」
「うん。それじゃサクッと移動しようか」
「やめてよぉぉぉっ!!」
 喚くつかさを無視して、みゆきを担いだこなたとかがみは玄関へと向かった。

535 :ぐだぐだ [saga]:2009/01/31(土) 02:13:49.51 ID:QXH/FsQ0

 そして、泉家。
「…ホントにサクッと移動した…五分かかってないよ…」
 つかさはこなたの部屋で呆然としていた。
「言ったでしょ?その気になればすぐ行けるって」
「…いや…でも…っていうか、わたしどうやって移動したの?…途中覚えてないんだけど…」
「まあ、気にしたら負けだよつかさ…あ、しまった」
 早速観賞の準備をしていたこなたが、何かに気が付いて三人の方を向いた。
「ちょっとあっち向いててくれないかな…」
「どうしたの?」
「いや、ジャケット見ただけで、みんながドン引きするDVD入れっぱなしだったよ。すぐ片付けるからね」
「…こなちゃん…一体何を見てたの…」
「泉さん。なかなかいい趣味ですね」
「いや、見ないでってばみゆきさん…」
「すいません。縛られてるので、向きが変えられないのです」
「いい加減、ゆきちゃん解こうよ…」
 そして、準備の終わったこなたがみんなの方を向き、高らかに宣言した。
「それでは今から、つかさの恥ずかしい隠し撮り映像の鑑賞会を始めます!」
「…うん、もうどうでもいいや…好きにして…」
 諦めきった表情で、つかさは力なく拍手をしていた。

「………」
「………」
「………」
 観賞後、かがみとこなた、みゆきはすっかり言葉を失っていた。
「…こ、これほどだなんて…つかさ、あんたって子は…」
「…わたしのDVDより三倍は引くねこりゃ…」
「…完成版を見たのは初めてですが…流石にこれは…」
 青ざめた顔で動けないでいる三人の背後で、つかさはゆっくりと立ち上がった。手にはいつの間に解いたのか、みゆきを縛っていた縄を持っていた。
「つ、つかさ…一体どこに?」
「…こなちゃん…この辺に、枝振りのいい木ってないかな…」
「無い!ないから!落ち着いてつかさ!」
「早まっちゃダメよつかさ!双子ってのはどっちが欠けてもダメなんだから!」
「つかささん!その縄は吊るためのではなく、縛るためのものです!わたしで良ければいくらでも縛られますから冷静になってください!」

 結局その日は、つかさをなだめるために費やしましたとさ。


- おしまい -
536 :ぐだぐだ [saga]:2009/01/31(土) 02:14:23.24 ID:QXH/FsQ0
以上です。
つかささん、お疲れ様でした。
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/31(土) 11:40:08.61 ID:1mQvHRA0
>>536
乙!
つかさが突っ込み役とはwwww
しかもいろいろと突っ込みどころ多すぎるww
・・・それにしてもつかさry映像の内容は一体・・・
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/31(土) 14:00:03.19 ID:JySmuCwo
>>536
かなりの壊れ具合で面白かったww 乙
そのこなたが引くほどだと……内容が気になるじゃないか……
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/31(土) 15:21:01.78 ID:avImOMAO
>>536

GJッス!この調子で次は一年生組もキャラ崩壊させるッス!!
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/31(土) 19:25:05.70 ID:s03JusAO
-てす-

かがみ「今回のテスト、すごく難しかったわね」
みゆき「そうですね、私も結構苦戦しました」
こなた「ギョヘエエエエエエェェェェ!!!!!!?」
かがみ「何叫んでるんだお前は」
こなた「だって・・・」
かがみ「さて、順位でも見てみるかな」
みゆき「当然学年トップはこのみゆきさm絵柄江ェェ餌ェぇ枝ぇ!!!!!?」
かがみ「みゆきまで何奇声挙げてグヘヘヘエェ餌江亜唖娃具和唖娃ァァアァ!!!!!!?」
こなた「人って、ここまで変われるもんなのか?」


つかさ「みんななんで学年トップが誰かを確認して奇声挙げてるのかな〜♪」
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/01(日) 00:04:27.16 ID:bN.ro.SO
>>540
つかさすげぇwwwwww
男でも出来たか?
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/01(日) 01:31:46.44 ID:4TfjGwDO
>>541
ごめん
俺が調教した
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/01(日) 14:25:05.99 ID:3lRCaJQ0
>>536
つかさryの作者はゆかりさんですね。わかります
1年メンバーではみなみんが犠牲になってそうだww
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/01(日) 16:48:06.62 ID:u0/W4mQ0
>>540
 つかさすげー。
 最大限努力して陵桜合格がぎりぎりなレベルだったはずなのに。

 こなただったら、人並みにやってれば、みゆきさんも余裕で超えられそうだけど。
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/01(日) 17:10:00.84 ID:sFwiIgSO
こなた「やれば出来る子理論なんてナイナイ」
かがみ「…だからって勉強やらんでいい理由にはならんぞ…」
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/01(日) 19:20:49.56 ID:i6wC.Xc0
こなた
http://imepita.jp/20090201/690611
かがみ
http://imepita.jp/20090201/691250
つかさ
http://imepita.jp/20090201/691450
みゆき
http://imepita.jp/20090201/693320


キャラ崩壊が今の流行りらしいんで、コスプレさせてみました。分かる人だけ分かればいいと思います。でも柊姉妹はそのまんまだと思う。
てゆーかせっかくの休日に何やってんだ、俺ァ・・・orz
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/01(日) 20:10:45.31 ID:LKu3RkDO
こんなだからより一層過疎ったと思うんだ
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/01(日) 21:00:42.51 ID:QwqGC4g0
なんか怪しいのか?
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/01(日) 21:01:22.37 ID:gF3.54o0
>>546
かわええwwwwww
けど分からんわww俺が異端なのか・・・
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/01(日) 21:36:09.80 ID:PluLGMAO
>>546
東方ネタか?かがみだけ分かったぜww
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/01(日) 22:03:30.58 ID:YClgEAY0
こなた「流派!」
かがみ「東方かがみんは!」

別にキャラ崩壊は流行ってるわけではないけどね
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/02(月) 04:05:25.37 ID:Z3furEko
>>546
みゆきぃぃぃぃぃぃぃえおああああああ
みんなかわいいな! それこそ休日の有効な使い方だぜww

流行ってはないw むしろ最近崩壊分ないなと思ってたとこ
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/02(月) 12:34:40.35 ID:EMS3tgSO
−そんな感じ−

みゆき「今朝の新聞で見たのですが、ジンバブエで百兆zドル札が発行されたそうです」
つかさ「ひゃくちょっ!?…凄いね、それだけあったら何買えるんだろ…」
こなた「んー、DVD‐BOXくらいかな」
つかさ「…へ?」
みゆき「日本円に換算すると、約二万七千円相当らしいです…」
つかさ「ギャップが凄すぎるね…」


かがみ「…こなた…んなもんに例えるな…話が一気に軽くなる…」
みき「かがみ…うわごとでツッコミ入れてないで、風邪の時くらい大人しく寝てなさい」
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/02(月) 19:14:25.23 ID:Vq04DQSO
(・ω・`)乙<投下いくぜぇ
555 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:15:40.88 ID:Vq04DQSO

 2.銭湯のプロ


「おっふっろ♪ おっふっろ♪ かがみんと一緒におっふっろ♪」
「おっふっろ♪ おっふっろ♪ 柊と一緒におっふっろ♪」
「む!」
「む!」
 温泉旅行を楽しみにしていただけあって、二人は朝から元気ッスね。
 今、メンバーは旅館行きのバスをバス停で待っている所ッス。
「かがみは私と一緒に入るんだねー?」
「いやいや、私とだよなー?」
「温泉なんだからみんな一緒だろ」
 かがみ、は迫り来る二人の顔を手で抑えながら極めて冷静なツッコミを仕出かす。
 さすが、慣れてるッスね。
「柊ちゃんモテモテね」
「モテモテオブジイヤーですね」
「いいなぁー」
「こんなのにモテても嬉しくねーよっ」
「が、がぁぁん……」
 みさおはへなへなと四つん這いになり、この世の終わりを唱えていた。
「ショック……じゃあね、ばいばい」
 対してこなたは自分の持ち歌を披露して、とぼとぼと何処かへ歩き出してしまった。
 お、大袈裟すぎるッス……。
「あぁ、もう……悪かったわよ。てゆーか、別に嫌いなんて言ってないんだからそこまで落ち込むなよな」
 その言葉を聞いた二人はパァッと明るくなり、かがみに抱き着いた。
556 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:16:20.69 ID:Vq04DQSO
「ひ、柊ぃぃ〜っ」
「かがみぃぃんっ」
 うぉぉ、見える、見えるッス! あの三人の周りに百合の花が咲いてるのが!
「えぇい、暑苦しい! 離れろっ」
「汗をかいた後に入るお風呂は最高だよ」
「お、チビッ子分かってるなぁ」
 三人がそうこうしているうちに車のエンジン音らしき音が聞こえてきた。
 どうやらバスが来たみたいッスね。
「バス来たよー」
 と、じゃれあってる三人に峰……あやのが言う。
「ほら、行くわよ」
 こうして一行はバスに乗り、目的地の宿まで向かうのであった。

 ふ〜……! 岩崎さん!? 早くバス乗って! 置いていかれるッス!

 はぁ、危ない所だったッスね。
「ゆたかが手を降っていたから……」
 ……まさか、その小早川さんを撮ってたッスか?
 後で見せてほしいッス!!





557 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:17:11.30 ID:Vq04DQSO

「着いたぁ〜」
「へぇ、よさ気な旅館じゃない」
 バスから降りてニ、三分歩いたところにそれはあった。
 結構でかい旅館ッスね〜。撮影の為とはいえ、よく貸し切りに……ん? 深海旅館『高良』?
 なるほどッス。
「じゃあ入ろうか?」
 一行は、こなたを先頭に旅館に入って行った。
 みんなウキウキ気分でランラン♪ な様子の彼女等は、これから起こる悲劇を知る由もなかった……ッス。


「うわぁ〜、ひろーい」
 旅館に入った第一歓声。
「見てみて! あそこ滝が流れてるよっ」
「すげぇー! ホントにここタダで良いのかよー」
「はしゃぐ気持ちもわかるけど、みっともないから止めてくれ」
「まぁまぁ」
 そんな賑やかな声に惹かれて、この旅館の女将らしき人物が姿を表しました。
「お待ちしておりました。高良様ご一行様ですね?」
「はい。そうです」
 若い。若いッス……。 一体いくつなんスかね?
「よ……十七歳でーす。キラッ☆」
「お母さん……」
「もう、冗談よ冗談」
 後ろの娘さんらしき従業員と何か漫才を始めたッス。
 サバ読みらしいッスけど、いつでも見た目が若いって凄いッスね……。
「荷物お持ちします」



558 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:17:41.52 ID:Vq04DQSO
 チェックインを済ませた一行は部屋に向かいました。
 部屋は二つ。さて、どんな組み合わせになるのでしょうか?
「部屋割りどうする?」
 誰に対してでもなく、あやのが言った。それを聞いて一番反応が早かったのは……。
「はい! 私かがみと一緒が良い!」
 やっぱりこなたでした。こなたはそう言うや否やかがみの腕に抱き着く。
 おぉっ、百合フラグッス!! そしてそれを見るや否や、みさおは空いているかがみの腕に抱き着く。
「私も柊と一緒が良い!」
「またこのパターンか……」
 心底うんざりする様子のかがみ様。しかし、両手に華とは羨ましい……と妹のつかさは嘆くのであった。
「な、嘆いてないよ!」
「正直、面倒見きれないわよ……クジで決めましょ」
「それが良いみたいですね」
 かくして、部屋割りはクジで決めることになったッス。
 姫を獲得できるのはどちらであるのか!?
「負けないよぉ!」
「へ、私クジ運には強いんだぜ」
「そうだっけ?」



559 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:18:15.28 ID:Vq04DQSO

 結果。
「なんで私がみさきちとー」
「おっかしいなぁー、ちゃんと選んだはずなんだけど……」
 クジにちゃんと選ぶも何もないッスよ。
「でもまぁ、みゆきさんと一緒だからオーケーかなぁ」
「よろしくお願いしますね。泉さん、日下部さん」
 というわけで、部屋割りは『こなた、みさお、みゆき』の組と『かがみ、つかさ、あやの』の組になったッス。
「じゃあどうしよっか、荷物の整理して……下町へ買い物に行く?」
「そうね、まだ外明るいし……温泉は帰って来てからでも」
「観光名所も結構あるんですよ」

 そんなわけで、一行は下町探索を十分に楽しみました。
 売店の変わったキーホルダーを見て笑ったり、ここでしか食べられないようなソフトクリームを食べたり、記念撮影を撮ったりと本当に楽しそうでした。
 巨峰ソフトはホントに美味しかったッス!
 そして時が経つのは早いもので、あっという間に日は沈みかけてたッス。
「そろそろ宿に戻らない?」
「そうだね、私温泉たのしみ〜」
「よーし、旅館まで競走だー!」
「あ、負けねーぞチビッ子!」
「おーい、転ぶなよー」
 と、既に駆け出して聞こえるはずもない二人に小さく叫ぶかがみ。
「まったく、子供なんだから」
「では私たちも行きましょうか」
560 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:19:02.35 ID:Vq04DQSO




「かぽーん」
「うにょーん」
「みうぃーき」
「みゆき……」
 宿に戻った一行は早速温泉に入ってるッス。
 ここの温泉は中々広く、サウナは勿論、泡ブロ、檜木風呂と種類が沢山あり、みんな温泉を満喫してるッス。因みに皆さんバスタオル巻いてるッスけど、本当はダメなんスよ。詳しくは温泉のマナーを調べるッス!
 それにしても湯気が凄いッスね。カメラは大丈夫なのかなぁーって、岩崎さん? なぜ小早川さんを撮ってるッスか?
「じ、自動追尾システムがこのカメラに着いてるみたい……」
 誰に対しての自動追尾なんスかね〜。
「みなみちゃん、恥ずかしいよぅ……」
 グハッ! バスタオル一枚の姿で赤面する小早川さんの破壊力は……! 岩崎さん、後で撮った映像見せてもらうッスよ! ぐふふ、良いネタになりそうッス……。



 まったく、ヒヨリは自分の仕事ほったらかしてやれやれデス。仕方ありません、ここから暫くはワタシがナレーションをやりましょう!
 オーケー? コナタ? イエス、では行きマス。

「くつろぐね〜」
「そーねー、みゆきには感謝しなくちゃね〜」
「いーんですよー、私は皆さんと一緒に楽しみたいと思ったからなんですから〜」
 完全に顔が緩みきってマスね。温泉というのは素晴らしいデス! オタク文化に次ぐ日本の誇りデス。
「そーいえば日下部、再来週辺り大会があるんでしょ?」
 一人サウナに向かおうとしていたミサオにカガミが声を掛けマス。
561 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:20:03.06 ID:Vq04DQSO
「おう、まーなー。ま、戦い前の最後の休息ってやつ? 眼鏡ちゃんには感謝してるぜー」
「いーんですよー、私も日下部さんと交流できて楽しいですからー」
 ミユキは既に溶けていマス。それに気付いたコナタは必死にお湯をかき集め、ミユキを復活させるのデス!
 液体から復活したミユキはバスタオルなど勿論身につけていまセン。コナタはそんなミユキの浮力ある胸に心を奪われてしまいまシタ。

 あむ、もむもみゅ、ぷはっ……って何で何もしてないんデスかコナタ! ミユキもポロリもしてないではないデスか!
「いや、流石に……私も考えてたんだけど、かがみが」
 カガミ! アナタは本当に日本人デスか!? 温泉で女子でポロリもないなんて、そんなのは数々の温泉を舞台にした作品に失礼ではないデスか!
 日本文化の誇りを傷付けるも同然! アナタは日本人失格デス!

 あの、パトリシアさん……。
「ヒヨリは黙っててください! 今この分からず屋に、」
「パトリシアさん、ちょっと良いかしら?」
「何デスか? 話はまだ終わって、」
「良いかしら?」
 うわ〜、柊先輩、笑顔なんだけど……恐いッス。あれはブチギレたけど周りの人には悟られないよう必死に作ってる笑顔ですね。誰が見てもキレてる事は明らかッスけど。
 ちょっと目を離してる隙に一体何が?
「フーン、サウナデスか。良いデスよ。どちらが日本人力を持っているか勝負デス」
 パトリシアさんはそう言って、柊先輩と意気揚々とサウナに入って行った。
「ご愁傷様。さぁ、私たちは撮影を続けるよー」
 泉先輩の合図で私たちは撮影を再開した。
562 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:20:42.52 ID:Vq04DQSO
 数秒後、身体が火照ったパトリシアさんが、ふらふらな状態でサウナから出て来た。意外と耐えられなかったッスね、パトリシアさん。てか、いくらなんでも早すぎるッス! 何か別な……深く考えるのはやめとこう。
 そして柊先輩は余裕な顔でサウナからの登場ッス。
「さ、パトリシアさんは自分の仕事に戻って」
「ハイ、オネイサマ」
 ……深く考えるのはやめとくッス。
「撮影再開……と行きたいところだけど、ちょっと長湯しすぎちゃったし休憩しよっか」
 と、泉先輩がお風呂から上がったその時、足元の石鹸に滑って……「わゎっ」と仰向けに転んでしまったッス。
「ちょっと、大丈夫? こな……」
 転んだ拍子に身体に巻いていたバスタオルが解け……その、ポロリというレベルを超えたサービスシーンが……。
 って! 岩崎さん! 何を撮ってるんスか!
「はっ、ゆたかだと思ってた……」
「み、みなみちゃん?」
「みなみちゃん! それ消して! 今撮ったやつ消して!」
 泉先輩が少し涙目になりつつも必死で岩崎さんにお願いしてるッス。
「は、はぃ、」
「ダ メ よ !!」
「分かりました……え、誰?」
 どこからか聞こえた叫びに、岩崎さんは消す作業をやめた。
「ちびっ子、お前本当にちびっ子なんだな」
 この言葉の解釈はあなた自身の妄想に任せるッス。……あなたって誰だろう、疲れてんのかな私。
「なっ、あ……」
 起き上がった先輩は慌ててタオルを巻いた。
 いやもう可愛いです先輩。この感情は普通ッスよね?
「目に焼き付けた」
「この記憶は私の思い出として永遠に残るでしょう」
 泉先輩が茹で上がっていくのが分かります。
「大丈夫だよお姉ちゃん、私もだから」
「……」
 先輩は「五分間休憩っ」と一言告げると、足早にぺたぺたと脱衣所に向かってしまったッス。
 折角だからサウナにでも入ってみるかな。あれ? 岩崎さん、カメラは?
「あれ? いつの間に……」
 そういえば柊先輩の姿もないッスね。ま、いっか。とりあえず……。
 次回「小さな名探偵」に続くッス!!
563 :たった一つの真実みぬく! [saga]:2009/02/02(月) 19:22:06.85 ID:Vq04DQSO

第二話がくや裏


「後半、ほとんどストーリー進んでないじゃん!」
 泉監督の喝が飛ぶ。後半というと温泉のシーンか……私もサボっちゃったからなぁ……。
「アドリブOKとは言ったけどさ、みんなちょっと自由すぎだよ」
 みんなというより一部ですけど。そしてその一部には私も入ってますよね……。だから顔を上げられない。
「特にパティ! 勝手に自由に台詞を変えない!」
「ソーリー」
「みなみちゃんも! さっきのは消してくれた?」
「多分……」
 岩崎さん、多分て……何?
「SDカードが抜き取られていた」
「私じゃないわよ」
 まだ誰も柊先輩なんて言ってないのに、それじゃ怪しまれるッスよ。
「……とにかく! 次回は物語の一番重要なシーンだから、そこだけは真面目にやってよね」
 それ、他は適当で良いって事ッスか?
 まぁでも、次回はシリアスな場面が多いから大丈夫だとは思いますけどね。
「ところでお姉ちゃん」
「ん? なぁに、ゆーちゃん」
 さすが小早川さん。ピリピリしていた泉先輩を一瞬で正常化させたッス。
「探偵役って誰なの? 台本には書いてないみたいだけど」
 それは私も、多分みんなも気になってると思うッス。台本には『???』と書かれてますが……。
「ごめんね、ゆーちゃん。まだ秘密。ちょっとしたサプライズなんだ」
「そっか。気になって夜も眠れなかったのにな……」
 小早川さん、最後のその独り言の様でそうじゃない台詞は反則ッス。
「ん〜、じゃあヒントね」
 小早川さん、恐ろしい子っ!!
「次回のタイトルに注目だよ」
「え? それって……」
 『小さな名探偵』。小さなって事は、泉先輩? でも先輩はプロローグで被害者役をやっていたはずだし……まさか……。
「はい、休憩終わり〜。撮影始めるよー、さっきの続きからー」
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/02(月) 19:23:23.31 ID:Vq04DQSO
>>555-563
以上、サービス編でした
次回はいよいよ……(`・ω・´)
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/02(月) 19:39:10.26 ID:Vq04DQSO
書き忘れ、次回も約二週間後です
すまない
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/02(月) 22:09:01.92 ID:0LCSsDwo
http://www.sweetnote.com/box8/file/2009020222070642.jpg
かいた
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 01:18:44.57 ID:9C00VjY0
>>564
乙!こなたに萌え死ぬwwwwww
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 08:19:35.06 ID:8TX4Hek0
誰か節分ネタいこうぜ
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/03(火) 09:22:36.67 ID:R6fCo.SO
>>568
バレンタインネタは書いてるけど、節分は素で忘れていた…。
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 12:25:38.69 ID:MSmGfEAO
>>569
ひより乙ww


鬼はそと〜福はうち〜なネタか………
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/03(火) 12:32:05.55 ID:R6fCo.SO
−豆−

ポリポリポリ…
つかさ「この豆って歳の数だけ食べるんだよね?」ポリポリ
みゆき「はい、そうですよ」ポリポリ
ポリポリポリ…
こなた「かがみ、それ食べ過ぎでしょ?」ポリポリ
かがみ「いいのよ。わたしは節分の時だけ+40歳されるから」ポリポリ
こなた「うわー、なにその小学生みたいな言い訳」ポリポリ
ポリポリポリ…
つかさ「でも、みんな食べ過ぎだよね…わたしもだけど」ポリポリ
みゆき「この手のものって、止まらないんですよね…」ポリポリ
ポリポリポリ…



こなた「で、この恵方巻どうしよう…」
つかさ「豆食べるのに夢中になってて忘れてたよ…」
みゆき「もう食べられません…」
かがみ「みんないらないなら、わたしが食べていい?」ポリポリ
こなつかみゆ「「「ぇー」」」



小ネタでスマン
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 12:54:50.50 ID:s99EKZQ0
やまと「こう、お誕生日おめでとう」
こう「ありがとう、やまと!いやー節分生まれだなんて我ながらちょっとすごいと思うよ」
やまと「・・・だからって例年みたいに鬼娘コスで祝うの、もう嫌だからね」
こう「そんな〜!今年も楽しみにしてたのに〜(泣)」
やまと「勘弁してよ・・・あれマジで寒いんだから・・・」

かなた(うんうん、分かるわその気持ち・・・私もいっつもやらされていたから・・・)


節分=こうの誕生日です こう、お誕生日おめでとう!
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/03(火) 17:56:58.31 ID:ziOSO2AO
豆まき

こなた「ちょうどここになぜか小豆があるし、豆まきでもしない?」
かがみ「いや、大豆あるし」
つかさ「じゃあ誰が鬼の役するの?」
みゆき「そのかがみ様さ!」クスクス
かがみ「なんでよ!?」
みゆき「ええい!問答無用!鬼は外!」バシッ
つかさ「鬼は〜外〜♪」バシッ
かがみ「ちょ・・・痛っ!!」
こなた「鬼は〜外〜!」バシッ
かがみ「痛い!」
つかさ(あれ?お姉ちゃん、こなちゃんが豆投げた時だけ一瞬笑顔になったような・・・?)
かがみ「こなたのまいた豆・・・ハァハァ・・・」
つかさ(豆をベロベロ舐め始めたww)
みゆき「フフフ・・・納豆もありますよ」
つかさ「納豆うにょーん!って、粘りけで手からはなれないよ」
こなた「あ、こっちも」
かがみ「それなら・・・ハァハァ・・・」
つかさ(うわあああああwwwこなちゃんの手をベロベロ舐め始めたwwww)
みゆき「フフフ・・・いいものを見ることができましたね」

(ry
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/03(火) 18:18:12.02 ID:s5zSfsDO
そうじろう「がおー!」
かなた「きゃっきゃっ!」
こなた「わーわー!」

かなこな「鬼は外ー!」
そうじろう「うがー!」

かなこな「きゃー逃げろー!」




こなた「今度はお母さんが鬼ぃ!」
かなた「私?」
そうじろう「はいお面」

こなた「じゃ始まり〜」
かなた「がっがお〜!」
そうじろう「…おっ鬼は内〜(がばぁ」
かなた「きゃっ!ちょっとそうく〜ん」

こなた「だめだこりゃ…(=ω=.;」
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 18:37:02.32 ID:7EPCB8Io
- 鬼 -

「節分……豆……」
「あんた、鬼はそと〜とか言って私に豆投げる気でしょ」
「ふむー。福はうち〜鬼もうち〜」
「え? な、何よ。鬼もうちって」
「かがみん知らないの? 鬼もうちってのがあるんだよ〜。ねーみゆきさーん」
「ええ、その通りです。鬼を祀っている神社や、鬼の字が姓につく家、また地域などによって鬼も、鬼はうち、と言われることがあります」
「へぇ」
「鬼でも福でもさ、みんなで楽しく居られるのが一番じゃん?」
「こなた、あんた……って、ちょっとまて。それって結局私が鬼ってことじゃないか?」
「あ、バレた?」
「こぉなたぁぁあぁぁぁ」
「おほほー。つかさ! 豆あげるから鬼退治手伝って!」
「え? え?」
「そりゃ桃太郎だろうがぁぁぁ!」
「あとその場合、豆ではなくきびだんごですね」
「みゆきさんっ、冷静に突っ込んでないでお助け〜!」
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 18:43:28.70 ID:7EPCB8Io
>>572
カレンダー見て唖然とした。忘れてたぜww こう誕生日おめでとう〜
んでこう、その鬼娘コスとやらkwsk

>>573
そこの二人落ち着けww 鬼にでも憑かれたか?

>>574
ちょっとそうく〜ん。じゃねぇよちくしょう! イチャイチャしやがって

>>571
おいおいかがみよ。そんなに食ったらまた太
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/03(火) 18:56:07.15 ID:R6fCo.SO
>>572
まったく知らなんだ


−何故に−

女生徒「八坂さん…なんか陸上部の先輩が、八坂さん呼んで欲しいって…」
こう「は?なんで?」
女生徒「わたしもさっぱり…」

みさお「…えーと、あんた八坂こう?」
こう「そうですけど…あの、なんの用でしょう?」
みさお「いや、あたしも何が何だかわかんないんだけど、誕生日だから祝ってこいと…これ、プレゼント」
こう「…はあ…ありがとうございます…」
みさお「それだけだから。そいじゃ」

こう(ホントになんだったんだろう…そういやプレゼント、なにかな)
ガサガサ
こう(…日焼け止め…どうしろと…)


小ネタでスマンがこうちゃんおめでとう
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 20:20:18.97 ID:6XPlvZc0
こなた「ついに私達がヴァイスシュバルツでカードゲームになるんだよ」
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/04(水) 06:03:16.03 ID:svF5vmo0
投下行きます。
580 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:04:26.48 ID:svF5vmo0
──ゲーム開始。

1.粛清

 大日本オタク帝国連邦、帝都アキバ、アキバ宮殿

「このこなた。にゃもー陛下のお望みをかなえ、かならずやこの地上にオタクの楽園を築き上げてみせましょう」
「うむ。そうか。よいよい」
 帝国宰相泉こなたは、玉座に鎮座するにゃもー陛下に一礼して、その場をあとにした。

 廊下では、帝国軍事大臣兼帝国連邦軍統合参謀本部総長柊かがみが待機していた。
「あれが、陛下ね」
「こんなゲームに天皇家出すわけにはいかないしね。プログラムで作り上げられたNPC(ノンプレイヤーキャラクター)とはいえ、さすがにやりにくいしさ」
 NPCとはいえこんなゲームに天皇家を出せば不敬というものだ。
 だから、現実世界ではありえない想像上の生き物であるにゃもーをNPCとしてその役に据えたのである。
「まあ、確かにそうね」
 二人連れ立って歩く。
「しかし、すごくリアルよねぇ。まるで本物みたいよ」
 靴の裏から伝わる床の感触でさえ、現実のものと全く同じだ。
 その靴も、いや自分で動かしてるこの肉体でさえ、仮想空間の中に築き上げられたデータでしかないはずなのに。
「五感をほぼ再現してるからね。あらゆる感覚がリアルとは大差ないはずだよ」
 そんな仮想世界の中で、プレイヤーとNPCは、見た目では全く区別がつかない。両者の違いは「我思う。ゆえに我あり」という自意識があるかないかでしかない。自分の意思で動く存在なのか、それともゲームマスターのプログラムとコマンドに従って動くだけの存在なのか、ということだ。

 やがて、宰相室にたどりつく。
 中に入ると、帝国情報大臣高良みゆきが待っていた。
「おや、みゆきさん。何かあったのかな?」
「はい。一部プレイヤーの間で反乱の謀議が進んでおります」
「にゃもー陛下の世界征服のご意向に反対する不届き者は、いったい誰だね?」
 みゆきは、一枚の紙を提示した。
「首謀者は、ゆーちゃんか。まあ、予想通りかな」
581 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:05:09.06 ID:svF5vmo0
「えっ、ゆたかちゃんが?」
「ゆーちゃんは、曲がったことは許せないタイプだからね。仮想世界とはいえ、戦争計画に賛成なんかできないはずだよ。それに、ゆーちゃんには求心力があるしね。私なんかより宰相には向いてるよ」
「で、どうするのよ?」
「反乱が成功しちゃったら、ゆーちゃんの勝ちになっちゃうから、見過ごすわけにはいかないね。もちろん、反逆者の処遇は血の粛清しかありえないよ」
「「……」」

 かがみとみゆきが沈黙する中、こなたは机の上の電話を手に取った。
 通話先は、帝国オタク党直属の工作機関(通称、永森機関)のボスである永森やまとであった。
「永森さんや、こなただけど」
『総裁閣下。何か御用でしょうか?』
 永森機関は帝国国家機関には属さないので、やまとはあくまでオタク党の役職名でそう呼ぶ。
「反逆者の始末をお願いしたいんだけど」
『ああ、その件ですか。高良幹事長には悪いですが、情報は情報省から勝手に盗聴済みです』
 みゆきは、帝国オタク党の幹事長でもある。
「話が早くて助かるよ。あとはよろしく」
『かしこまりました』

 受話器をおく。
「それにしても、意外だったね。みゆきさんなら、あっちにつくかと思ったけど」
「私は、臆病者ですから。権力者には逆らわないことにしております」
「みゆきさん。臆病なのと慎重なのは違うよ。みゆきさんは、慎重なだけさ」
 みゆきは、表情を動かすことなく、こなたの発言をスルーした。
「宰相閣下、粛清対象者については情報省から病気療養中と発表することにします。それでは、失礼いたします」
 みゆきは、情報大臣としての演技に徹して、宰相室をあとにした。
「なんか面白くなりそうだね。みゆきさんは一度入れ込むと結構熱中しちゃうタイプだし、永森さんも意外にノリノリだ」


 それから数時間後。
 みゆきは、廊下でやまととすれ違った。
「御命令どおりにいたしました」
582 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:05:49.22 ID:svF5vmo0
「ご苦労様です」
 交わされた言葉は、ただそれだけだった。


 こなたとかがみが今後の戦略について打ち合わせていた宰相室に、やまとが入室した。
 こなたに敬礼をしたうえで、報告する。
「総裁閣下、御命令どおり粛清を完了いたしました」
「ご苦労。仕事が早いね」
「お褒めに預かり光栄です」
 やまとの演技は、完璧だった。

 そこに、乱入してきた人物が一人。
「こなた! これはどういうことなんだ!?」
 宰相補佐官泉そうじろうだった。
「おや、お父さん。どしたの?」
「どうしたもこうしたもない! 病気療養なんて白々しい。粛清なんて、いくらなんでもやりすぎだろ!?」
「みゆきさんは、もう発表したのか。みんな仕事が早いねぇ」
「こなた!」
「お父さん。いくらゲームだからって、父親の説得で娘が改心するなんて、ベタな展開はありえないよ」
「……」
 こなたはここで、メタ発言を放った素の顔から、帝国宰相のペルソナへと切り替えた。
「帝国連邦政府構成員に許された選択肢は二つだけ。私に従うか私に従うか、私に逆らうかだ。後者を選んだお父さんの処遇は一つしかないよ」
 こなたは、拳銃を抜き、そうじろうに向けた。
「こなた……?」
 信じられないという表情で、そうじろうはこなたを見ていた。
 そうじろうのそれも、演じられたペルソナではあった。そして、こなたも演技をやめる気はなかった。
 そうじろうが娘を改心させようとする立派な父親という役回りなら、こなたは目的のためなら手段を選ばない冷酷非情な政治指導者といったところか。
「お母さんに伝えておいて、こなたはとても悪い子に育ちましたとね」

 銃声一発。
583 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:06:36.16 ID:svF5vmo0

 床に胸から血を流した死体が転がった。
 仮想世界であるにもかかわらず、それはあまりにもリアルだった。今回のゲームでは、再現度の高さには徹底的に拘っているのだ。
 ただし、死ぬときの苦痛は再現されないようにはなっている。その前に意識をシャットダウンして現実世界で覚醒させる仕様だ。
 死ぬときの苦痛まで再現すると実際にショック死しかねないので、その辺の安全性には配慮されていた。

「永森さん。そこの生ごみ片付けといて」
「かしこまりました」
 やまとは、無線で部下を呼び寄せ、そうじろうの死体を片付けさせて、退室していった。
 かがみは、あまりのショックに立ち尽くしていた。
「かがみ、しっかりしてよ。ここは仮想世界なんだからさ。現実と仮想の区別はきちんとつけないとね」
 かがみは、無言のままだった。
 そんなかがみに、こなたは語りかける。
「ここでの私の役回りは、世界征服を目指す鉄血宰相といったところかな。私はそれを存分に楽しむつもりだよ。では、かがみは、ここでどんな役者を演じたいのかね?」
「私の役回りは、あんたの突っ込み役。どこであっても、それは変わらないわよ」
 その言葉は、あまりにも自然に出てきた。かがみには、それ以外の役回りなど思いつきもしなかった。
 自分はブルータスにはなれない。それは分かっていたから。
「それでは、かがみ。わが生涯の友よ。ともに地獄の底まで堕ちようではないか」
 こなたの芝居がかったセリフ。
 演じられたペルソナから放たれたセリフにすぎないはずなのに、とても嬉しいのはなぜなのだろう。かがみには、それが理解できなかった。


粛清者リスト
 小早川ゆたか、岩崎みなみ、八坂こう、黒井ななこ、柊つかさ、日下部みさお、峰岸あやの。加えて、NPC多数。以上、永森機関により粛清。
 泉そうじろう。以上、泉こなたにより粛清。
 いずれも、帝国情報省から病気のため長期療養に入ったと発表された。


 プレイヤーが減ったことから、こなたは、政府組織を再編して、改めて組閣を行なった。
584 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:07:19.86 ID:svF5vmo0
大日本オタク帝国連邦内閣
 宰相   泉こなた
 軍事大臣 柊かがみ(連邦軍統合参謀本部総長兼務)
 軍需大臣 柊かがみ(兼務)
 情報大臣 高良みゆき
 外務大臣 パトリシア・マーティン
 内務大臣 田村ひより
 大蔵大臣 田村ひより(兼務)


 内閣はそれから数日かけて方針を練り上げ、帝国政府組織及び永森機関に伝達していった。
 それが終わった段階で、ゲームマスターから通告が入る。

──これよりステージを5年後に移行します。



2.一心不乱の大戦争

──ステージ移行完了。

 こなたは、宰相室の椅子の上に座っていた。
 机上の電話が鳴り響く。
「もしもし、泉ですけどぉ」
「ハーイ、こなた。帝国外務省よりパッピーなお知らせデース」
 相手は、外務大臣のパティだった。
「何かな?」
「ロシアと中国でオタク革命が成功しまシタ。両国とも、帝国連邦に加入デース」

──ロシアが、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。
585 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:08:05.06 ID:svF5vmo0
──中国が、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。

──大日本オタク帝国連邦は、ロシアを併合しました。
──大日本オタク帝国連邦は、中国を併合しました。

 それは、永森機関による工作活動の成果であった。
「永森さん、GJだね。これで、戦争にもめどがたってきたよ」
 ロシアと中国の膨大な戦力を連邦軍に編入すれば、欧米に対しても充分に勝算がある。
 ただし、バッドなニュースもあった。

──アメリカ合衆国が、カナダを併合しました。
──アメリカ合衆国が、中米諸国を併合しました。

 これで、合衆国の国力は増強されたことになる。
 こうなると、合衆国相手の長期持久戦は不可能に近い。ならば、短期決戦しかなかった。


 それから数ヶ月間、連邦軍統合参謀本部では作戦計画の最終的なつめの作業が行なわれた。
 必要な軍の展開も密かにかつ順調に進められた。情報省の防諜活動は完璧に遂行され、連邦軍の動きが漏れることはなかった。
 とはいえ、適宜ステージ移行が行なわれたので、その間のプレイヤーの体感時間は1日にも満たなかったが。
 すべての準備が完了した日、こなたの上奏を受けて、にゃもー陛下より開戦の詔勅が下った。


 開戦の日。
 こなたとかがみは、宙空両用機「みさお」に搭乗して、衛星軌道上を周回する連邦軍宇宙戦闘集団軌道基地「かなた」へと乗り込んだ。
 こなたは、司令部の宰相用にあつらえた席にゆったりと座った。
 その下の席にかがみが座る。

 こなたは、インターカムを手に取った。
 これから、帝国連邦軍の全兵士に向けて、演説を行なうのだ。
586 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:08:49.69 ID:svF5vmo0

『大日本オタク帝国連邦軍兵士諸君!

 諸君、私は戦争が好きだ
 諸君、私は戦争が好きだ
 諸君、私は戦争が大好きだ

 ザコ戦が好きだ
 ボス戦が好きだ
 異種格闘技戦が好きだ
 敗者復活戦が好きだ
 騎馬戦が好きだ
 紅白歌合戦が好きだ
 猿蟹合戦が好きだ
 編集合戦が好きだ
 雪合戦が好きだ

 二次元で、三次元で、
 異世界で、マンガで、
 ラノベで、スペオペで、
 テレビで、ニコ動で、
 アニメで、ゲームで

 いろんな世界で行われるありとあらゆる戦争行動が大好きだ

 ヤマトの艦首波動砲の一斉発射が轟音と共にガミラス艦隊を吹き飛ばすのが好きだ
 抵抗できない敵艦がばらばらに消し飛ばされた時など心がおどる

 ガンキャノンの操る240mm低反動キャノン砲が敵MSを撃破するのが好きだ
 悲鳴を上げて火花を散らすMSから飛び出してきた敵兵を
587 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:09:30.29 ID:svF5vmo0
 60mmバルカン砲でなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった

 ビームサーベルを構えたガンダムが敵のザクを蹂躙するのが好きだ
 恐慌状態のアムロが既に息絶えた敵ザクを何度も何度も刺突している様など感動すら覚える

 第2使徒リリスを十字架上に吊るし上げていく様などはもうたまらない

 泣き叫ぶシンジがゲンドウの降り下ろした手の平とともに
 エントリープラグに詰め込まれ無理やりエヴァに乗せられるのも最高だ

 哀れなケロロ達が雑多な小火器で健気にも立ち上がってきたのを
 核ミサイルが都市ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える

 敵使徒を滅茶苦茶にするのが好きだ
 必死に守るはずだった人類が蹂躙されサードインパクトにさらされる様はとてもとても悲しいものだ

 フランドールSの弾幕を圧倒し殲滅するのが好きだ
 弾幕に身を縮こませ害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ

 諸君、私は戦争を、地獄の様な戦争を望んでいる
 諸君、私に付き従う連邦軍兵士諸君
 君達は一体何を望んでいる?

 更なる戦争を望むか?
 情け容赦のない糞の様な戦争を望むか?
 鉄風雷火の限りを尽くし二次元世界の萌えキャラを殺す嵐の様な闘争を望むか?』


 こなたは、ここでいったんインターカムのスイッチを切った。
 司令部のスピーカーから、各地の将兵の声がダイレクトで流れてくる。
588 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:10:13.01 ID:svF5vmo0

「戦争!! 戦争!! 戦争!!」
 その単語だけがひたすら繰り返されていた。

「いいねぇ。この狂気こそがまさに戦争だよ」
 こなたは、ニヤリと笑みを浮かべた。
 そして、再びインターカムのスイッチを入れる。


『よろしい、ならば戦争だ

 我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとするトールハンマーだ
 だが平和ボケ日本の底辺で一世紀もの間堪え続けてきた我々にただの戦争ではもはや足りない!!

 大戦争を!! 一心不乱の大戦争を!!

 我らは総兵力400万を超える軍団である

 しかも諸君は一騎当千のミリオタだと私は信仰している
 ならば我らは諸君と私で総兵力400万と1人の世界最強のミリオタ軍団となる

 我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている平和妄想家どもを叩き起こそう

 髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう
 連中に恐怖の味を思い出させてやる
 連中に我々の軍靴の音を思い出させてやる

 三次元と二次元のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる

 400万人のミリオタの軍団で
589 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:10:52.32 ID:svF5vmo0
 世界を燃やし尽くしてやる

 帝国宰相より連邦軍全軍へ

 アキバの曙作戦、状況を開始せよ

 征くぞ、諸君!』


 かがみは、またなんかのネタなのだろうと呆れつつも、インターカムを手にとった。
「帝国連邦軍全軍に下令。アキバの曙作戦を開始せよ」


──大日本オタク帝国連邦は、アメリカ合衆国に宣戦を布告しました。
──大日本オタク帝国連邦は、EU諸国に宣戦を布告しました。
──大日本オタク帝国連邦は、中近東諸国に宣戦を布告しました。


 連邦軍ロシア方面軍(旧ロシア軍)がヨーロッパ方面へ、中華方面軍(旧中国軍)が中近東方面へ侵攻を開始した。
 だが、これらの動きは陽動にすぎない。本当に大事な作戦行動は、海中と宇宙で始まっていた。

 連邦軍潜水戦闘群の「ななこ」級攻撃型潜水艦が、情報省からの情報に基づき開戦前より追尾していた敵国戦略原潜を全隻撃沈。
 敵国は、海中からの核攻撃能力を完全に喪失した。

 ハワイ北方沖では、潜水戦闘群の「あやの」級潜水空母が浮上し、完全無人戦闘攻撃機「ゆきかぜ」5機を放った。
 海面スレスレの低空をハワイに向けて突き進む。
 この5機のうち1機には、核ミサイルが内臓されていた。
 こんな回りくどいことをせずとも潜水艦から核弾頭搭載の巡航ミサイルを放てばよさそうなものだが、問題がひとつだけあった。核兵器の最終運搬手段のステルス化を禁じたベルン条約の存在だった。
 核弾頭搭載の巡航ミサイルは、ステルス化不能なのだ。これはゲームシステム上の制約でもあり、プレイヤーがどんなに頑張ってもどうしようもない。
 ならば、戦闘攻撃機に核ミサイルを内臓して、戦闘攻撃機の方をステルス化すればいい。核兵器の最終運搬手段はミサイルであって、戦闘攻撃機ではないから、それは可能だった。そして、完全無人化すれば、核ミサイルを機内に内臓したまま起爆させても何の問題もない。
590 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:11:31.29 ID:svF5vmo0
 ステルス化しているとはいえ、ハワイ上空まで到達すれば、赤外線探知装置には引っかかる。空中を高速で移動する物体が熱を放たないことなど不可能だからだ。
 合衆国軍ハワイ駐留軍の防空システムが起動し、対空ミサイルを打ち上げてきた。
 5機の「ゆきかぜ」は、上昇しながら赤外線フレアを撒き散らした。いくつかの対空ミサイルがそれに反応して誤爆する。
 なおも迫ってくる対空ミサイルの軌道をコンピューターで解析した4機の「ゆきかぜ」が、自ら盾になって1機を守った。
 最後の1機が所定の高度に到達、内臓していた核ミサイルを起爆させた。
 広島型原爆の1000倍の威力をもつ核融合爆発が、ハワイ諸島を地獄へと変えた。

 同様の攻撃は、グァムの合衆国軍基地に対しても行なわれた。
 この二箇所の攻撃は、連邦軍の制宙権の確保を待たずに、太平洋上の敵戦略爆撃機基地を叩きつぶして、敵空軍の核攻撃能力を奪うことが目的だった。

 一方、衛星軌道でも戦闘が勃発していた。
 連邦軍の宙空両用機「みさお」が次々と衛星軌道に到達し、敵国の攻撃衛星や偵察衛星をレーザー砲で片っ端から撃墜していく。
 それは、冷戦期の合衆国におけるスターウォーズ計画のお株を奪うものだった。帝国連邦は、この5年間、その工業力と技術力と経済力のほぼすべてを宇宙戦力の整備に注ぎ込んでいたのだ。
 2時間ほどの戦闘で、連邦軍宇宙戦闘集団は、衛星軌道上の制宙権を完全に掌握した。
 偵察衛星群を失った敵国は、ミサイル防衛システムのかなめを奪われ、ミサイル防衛能力のほとんどを喪失した。
 大陸間弾道ミサイルに対しては上昇段階における早期発見早期撃墜がベストだ。大気圏再突入後は撃墜が難しくなるし、その難しい撃墜を成功させるためには、やはり偵察衛星による早期発見が欠かせない。
 宇宙戦闘集団の攻撃衛星は、敵国の残りの戦略爆撃機基地に核攻撃を行ない、そのすべてを壊滅させた。ミサイル防衛能力を喪失した敵はこれを防ぐことができなかった。
 続いて、海上に出ている敵艦隊に核攻撃を実施、これも壊滅させた。
 これで、宇宙戦闘集団が保有する核兵器は残り20発だけとなったが、連邦軍統合戦略軍にはまだ、旧ロシア軍と旧中国軍から編入した大量の大陸間弾道ミサイルがある。
 次の攻撃目標は、当然、敵国の大陸間弾道ミサイル基地となるはずだった。


──EU諸国は、降伏を申し出ました。
──中近東諸国は、降伏を申し出ました。


「うーん、もう降伏か。EUと中近東の好戦度の設定はちょっと低すぎるね。まあ、それはともかく、これは受け入れてもいいかな」
 こなたは、降伏を受け入れることとした。

──大日本オタク帝国連邦は、EU諸国を併合しました。
591 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:12:38.44 ID:svF5vmo0
──大日本オタク帝国連邦は、中近東諸国を併合しました。

 それを受けて、かがみが命ずる。
「ロシア方面軍と中華方面軍に停戦命令。自衛目的以外の戦闘行動を停止し、降伏国に進駐せよ」
 そして、こなたを見上げる。
「アメリカはどうするの?」
「米帝様が簡単に降伏するはずがないよ。その証拠に、ほら来たっ」
 司令部正面の情報スクリーンに、情報が提示された。

『宇宙戦闘集団提供。アメリカ合衆国本土より大陸間弾道ミサイル多数発射を確認』

「ミサイル防衛システム起動」
 かがみはとっさにそう命じた。
 連邦軍の所定の兵器が、統合戦略軍ミサイル防衛システム「オモイカネ」の指揮下に収められる。主になるのは、宇宙戦闘集団、地上の対空兵器群、そして海上機動戦闘集団のイージス艦だ。

 情報スクリーンに、合衆国の大陸間弾頭ミサイルの総保有数が表示され、その横に既に打ち上げられたミサイルの累計数がカウントされていた。そのさらに横には、撃墜数も。
 この勢いからして、いちかばちかで全ミサイルを投入する気であることは確実だった。

「ちょうどよかったかな。ミサイル基地を破壊する手間が省けたしね。これをすべて撃墜すれば、米帝様はご破算だ」
「そんなにうまく行くとは限らないわよ。アメリカの弾道ミサイル全部がいっぺんに来たら、ミサイル防衛システムの対応能力を超えるわ」
「まあ、戦争だからね。都市のひとつやふたつの犠牲はやむをえないよ」
 こなたは、そういいながら、チョココロネを食べていた。
「かがみも、チョコでも食べなよ。今日はずっと何も食べてないじゃん」
「そんな気分になれないわよ」
 五感が再現されるだけに、空腹感も再現されるのは確かなのだが、かがみは今日に限っては全く空腹を感じていなかった。
「このチョココロネの味の再現度は素晴らしいね、うん」
 いくら仮想空間だとはいえ、核戦争のさなかにそんなことをのたまうことができるこなたは、やはり大物というべきか。

 宇宙戦闘集団は、宙空両用機「みさお」と「ひかる」型攻撃衛星、そして「かなた」のレーザー砲まで注ぎこんで、弾道ミサイルを次々と撃墜している。
 情報スクリーンに新たな情報が映し出された。
592 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:13:32.20 ID:svF5vmo0

『宇宙戦闘集団提供。アメリカ合衆国本土より、エアフォースワンの離陸を確認』
『情報省提供。エアフォースワンの搭乗者は、副大統領、国務長官、空軍参謀総長の模様』

「大統領閣下は、ホワイトハウスの核シェルターにこもったかな? どちらにしてもガチで核戦争をやる気なのは確実だね」
「どうするのよ?」
「今はミサイル防衛が最優先だよ。でも、可能な限りエアフォースワンの位置は把握しておいて」
「了解」

 緊迫した雰囲気が司令部を支配していた。
 かがみには、1分が1時間にも感じられるほどだった。

 突然、アラートが鳴り響いた。
『オモイカネより警告! 日本本土防衛の対応能力が限界に達しつつあります』
 アメリカも心得たもので、核ミサイルの80%を日本本土への攻撃に集中していた。その結果がこれだ。

 対応策は、かがみではなく、こなたが直接命じた。
「システムリソースの80%を日本本土防衛に集中。日本本土防衛プログラムをアキバ集中防御モードに切り替えよ」
 それでは、他の地方の防御が薄くなる。
 かがみがこなたの方を見た。
「忘れたのかい? かがみん。連邦政府側のプレイヤーにとっては、にゃもー陛下の玉体が消し飛んだら、それでゲームオーバーなんだよ」
「……」
 かがみは、沈黙するしかなかった。
「それに、地上で留守を守ってるみゆきさんやひよりん、パティに永森さんも守らないといけないしね」
「分かったわよ」
 かがみは、帝国宮内庁に、宰相の名で、にゃもー陛下と閣僚をアキバ宮殿地下の核シェルターに避難させるよう命じた。

『宇宙戦闘集団提供。
 日本本土、札幌にて、核爆発発生。
 日本本土、大阪にて、核爆発発生。
593 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:14:09.58 ID:svF5vmo0
 ロシア方面、ウラジオストックにて、核爆発発生。
 ロシア方面、サンクトペテルブルクにて、核爆発発生。
 中華方面、北京にて、核爆発発生。
 中華方面、香港にて、核爆発発生。
  ・
  ・
  ・



──諸都市壊滅により、大日本オタク帝国連邦の経済力は、50000減少しました。
──諸都市壊滅により、大日本オタク帝国連邦の工業力は、50000減少しました。
──諸都市壊滅により、大日本オタク帝国連邦の技術力は、2000減少しました。
──諸都市壊滅により、大日本オタク帝国連邦国民の不満度は、40%上昇しました。
──諸都市壊滅により、大日本オタク帝国連邦国民の好戦度は、50%上昇しました。


「結構やられたね。さすがは腐っても米帝様だ」
「何呑気なこと言ってるのよ。このままじゃ、やられちゃうわよ」
「大丈夫だよ。もうすぐ、打ち止めだから」

 弾道ミサイルの打ち上げ数のカウントが、総保有数に一致した瞬間。
 弾道ミサイルの打ち上げが止まった。
 そしてまもなく、そのほとんどが打ち落とされた。
 最後に炸裂した核ミサイルは、誘導装置が狂って太平洋のど真ん中に着弾したものだった。

 それを確認したうえで、こなたは命じた。
「神々の黄昏作戦2号を発動せよ」
 それは、アメリカ合衆国本土全域に対する全面核攻撃作戦だった。
「ちょっと、こなた。アメリカにはもう反撃能力がないんだから、降伏を勧告すれば……」
594 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:15:05.91 ID:svF5vmo0
「駄目だよ、かがみん。国民の不満度と好戦度が急上昇してる。この状況で、降伏を受け入れれば、それが無条件降伏であったとしても、連邦全土で大暴動が起きるよ。軍を投入しても鎮圧は不可能だろうね。軍の兵士も、暴動側に加担するだろうから」
「そんな……」
「連邦国民の声はこうだよ。アメリカの不遜な核攻撃に対して報復を。それを無視すれば、私がつるし上げられちゃうよ」
 それは、このゲームの残酷なシステムだった。

 統合戦略軍戦略攻撃システム「アトム」からの指令に従って、ロシア方面と中華方面から次々と大陸間弾道ミサイルが打ち上げられた。

 それと平行して、宇宙戦闘集団の「ふゆき」型偵察衛星がアメリカのエアフォースワンをレーザーレーダーでロックオンした。
 こなたは、攻撃衛星からの投下核ミサイルを10発に指定。
 その途端にシステムから警告が発せられた。
『アトムより警告! 攻撃目標に対して投入戦力が過剰です』
「続行」
 空中に退避していたエアフォースワンは、レーザーレーダーによる精密誘導で周囲100メートルに集中した10発の核ミサイルの一斉爆発によって、跡形もなく消滅した。

 その後、アメリカ合衆国本土全域が核爆発にさらされた。
 連邦軍の核攻撃は、アメリカの地表からありとあらゆる人工物と自然物を消滅させ、すべてを更地に変えんばかりの勢いだった。

『宇宙戦闘集団提供。ワシントンDCの都市部壊滅を確認。周辺を含む対空兵器は全滅したものと認められる』

 情報スクリーンでそれを確認すると、こなたは命じた。
「ホワイトハウス跡地に核ミサイル10発を着弾炸裂モードで投下せよ」
 都市に対する通常の核攻撃では、地表から一定の高度(数十から数百メートル)をもって起爆させる。しかし、それでは地下の頑丈な核シェルターが無事で残る可能性も少なくない。
 しかし、地表に着弾してから(可能ならば地面にめり込ませてから)起爆させるようにすれば、地面をまるごとえぐることができ、地下の核シェルターへもダメージを与えられる。
 このような核攻撃を10発も食らってもつ人工物など、まず存在しないはずだった。それを実現するには、ヒマラヤ山脈の地下深くに核シェルターを作るぐらいでないと駄目だ。
 10発の核ミサイルは、攻撃衛星から時間をおいて次々と投下された。レーザーレーダーによる精密誘導によって、全弾命中。合衆国政府は完全に消滅した。

 その間も、合衆国全土に対する核攻撃は続いていた。
 偵察衛星のカメラが捉えた地上の映像が情報スクリーンに映し出される。
 核爆発によって、吹き飛ばされる建物、人。
595 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:15:57.33 ID:svF5vmo0
 それを見て、こなたが哄笑しながら、のたまわった。
「見ろ!! 人がゴミのようだ!!」
 かがみが、呆れた顔をする。
「あんたって、こんなときでもネタを欠かさないのね」
「それに律儀に突っ込むかがみも同類だよ」
「……分かってるわよ、そんなことは」
 かがみは、まさに地獄の底にまで堕ちたような気分だった。
 これが仮想世界の出来事だと分かってはいても……。

 核攻撃が終了したあと、こなたは、連邦軍海上機動戦闘集団に北アメリカ大陸の完全封鎖を命じた。
 核シェルターなどに生き残っている人間がいるかもしれないが、帝国連邦には人道的支援をする余裕などない。生き残っている人間も、餓死するにまかせるつもりだった。


──インドが、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。
──オーストラリアが、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。
──東南アジア諸国が、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。
──南米諸国が、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。
──太平洋諸国が、大日本オタク帝国連邦への編入を希望してます。
   ・
   ・
   ・
   ・


 制宙権を掌握し充分すぎる核攻撃能力を保持している帝国連邦にかなう国家はもはや地球上には存在せず、残りの独立国もいっせいに帝国連邦への編入を希望した。
 帝国連邦のそのすべてを受け入れた。
 こうして、アフリカ大陸と北アメリカ大陸を除く世界全域が帝国連邦の支配下に入った。


596 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:16:46.38 ID:svF5vmo0
3.魔弾の射手

 大日本帝国連邦、帝都アキバ、アキバ宮殿

 戦争終結の翌日。
 宮殿前広場には、連邦軍兵士が整列していた。
 これから、帝国連邦の世界統一記念式典が行なわれるのであった。

 閣僚たちが宮殿のテラスに出てきた。
「結局、私は今回は出番なかったッスね」
 ひよりがつぶやく。
「いやいや。ひよりんが内政をまとめてくれたから、安心して戦争ができたというものだよ。陰の功労者だね」
「そんなもんスか」
「世界征服が完了しちゃったら、外務大臣は失業デス」
「どうせ、すぐにエンディングでしょ」
 かがみが突っ込む。

 式典が終われば、ゲームも終わる。
 この場にいるプレイヤーの多くがそう思っていた。
 しかし、こなたは入念に警戒していた。永森機関に命じて、今日の警備体制については厳重にチェックさせている。抜けはないはずだ。
 ここにこうしてみゆきも伴っている。めったことはできないはずだった。

 みゆきは、テラスに出ると、空を見上げた。
 真っ青な快晴だった。
(英雄が非業の最期を遂げるには、ふさわしい天気ですよ、泉さん)
 そんなことを思う。
(かがみさんには到底及ばないでしょうが、私もお供いたします、地獄の底まで)

 テラスにずらりと閣僚が並ぶ。
 こなたが前に出て、宮殿前広場に整列する兵士たちに見下ろし、演説を始めた。
597 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:17:36.67 ID:svF5vmo0


 アキバ宮殿北方尖塔最上階。
 やまとは、そこから宮殿を見下ろしていた。
 手には、ライフル銃が握られている。
「ボスが自ら仕事に手をつける必要はないのでは?」
 二人の部下のうちの一人がそう発言した。
 二人とも、ライフル銃を手にしている。
「高良幹事長の最重要命令ですからね。ここはやはりボスがしっかり決めるべきでしょう」
「そんなもんですか」
 この部下たちは、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)──仮想世界に作り上げられたデータにすぎない。
 それでも、会話は自然に成立していた。
 やまとは、なんとなく、昔読んだSF小説の一節を思い出した。

『進歩した科学は魔法と区別がつかない』

 まさに、ここはそんな世界だ。

 やまとは、仕事にかかる前に最終確認を行なった。
「機関員の帝都から退避は?」
「完了しております。残っているのは我々三人だけです」
「特別監禁対象の釈放は?」
「手配済みです。我々の仕事が終わり次第、釈放されるでしょう」
「私たちの逃走経路は?」
「足がつかない経路を確保してます」
「では、手早く仕事をすませましょう」
 三人は、窓からライフル銃をかまえた。
 現実世界では、素人がこの手の小火器を扱うと肩を脱臼しかねないのだが、この仮想世界ではそのようなことがないように設定されている。
 命中精度についても心配はない。この仮想世界では、プレイヤーは誰でもゴルゴ13なみの精度で狙撃できるようにチート設定されていた。
 誰でも、魔弾の射手になれる。ここは、そういう世界だった。
598 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:18:23.44 ID:svF5vmo0

 この日の警備体制は、永森機関が事前チェックしており、完璧であるはずだった。
 問題は、泥棒が泥棒を見張っているも同然な状態だったことだ。
 こなたは、みゆきとやまとが内通している可能性を全く考慮していなかった。なぜなら、永森機関と帝国情報省は互いに牽制しあう関係であるはずだったから。
 標的には、この命令を下したみゆきも入っている。みゆきからの命令を受ける際に、やまとが出した条件がそれだった。
 みゆきが生き残ったら、みゆき率いる情報省とやまと率いる永森機関との間で抗争が起きるのは確実だった。やまとには、それに勝てる自信がなかったのだ。

 銃声3発。
 こなた、かがみ、そしてみゆきの眉間に銃弾が貫通し、三人をこの仮想世界から現実世界へと昇天させた。

「さぁ、逃げるわよ」
 やまとは、もちろん、華麗に勝ち逃げを決めるつもりだった。


 アキバ宮殿のテラスは、恐慌状態にあった。
 ひよりとパティはただおろおろするばかり。
 混乱のさなかにあるそこに、新たな人影が現れた。
 小早川ゆたか、岩崎みなみ、八坂こう、黒井ななこ、柊つかさ、日下部みさお、峰岸あやの。
 全員、目の前の惨状に唖然としていた。
 そして、ひよりとパティは、この世界からいなくなったはずの人たちの姿を見て、ぽかーんとしていた。
 沈黙状態からいち早く回復したのは、ななこだった。このメンバーの中では、この手のゲームには一番慣れていたから。
「とりあえず、そこの死体を誰かに片付けさせぇや。つもる話は落ち着いてから、会議室でやればええやろ」
 その言葉に、みんななんとかうなずいた。


 1時間後、アキバ宮殿、会議室。
 ゆたかたち側の事情は、こうが説明した。
「隠れ家でクーデター計画を練ってたところに、やまとが乗り込んできてな。こりゃやられたぜと思ったんだけど、やまとが『殺しはしないわ。でも、牢屋に入ってもらうわよ』ってな。高良幹事長の命令だって言ってたな」
「高良先輩の指示だったんスか?」
 ひよりの質問は、ななこが受けた。
599 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:20:12.34 ID:svF5vmo0
「そうみたいやで。高良は高良で何か考えがあったんだろうな。それはともかく、監禁された日から今日まで一気にステージ移行されたと思ったら、牢屋の電子錠が自動的に開いて、出てこられたんや。そういうわけで、うちらは浦島太郎みたいなもんやで。今まで何があったか説明してくれや」
 これまでの経過は、ひよりとパティが説明した。

 その説明が終わったちょうどそのとき、情報省の人間が入室してきた。
「失礼いたします」
「なんや?」
「高良情報大臣の死体を調べていたところ、このようなものが見つかりまして」
 ななこは、差し出された封書を受け取った。
 表には次のように書かれていた。
『みなさんへ、高良みゆきより』
 ななこは、封を切り便箋を取り出して広げた。
 みんな頭を付け合せるように寄り添い、中身を読み始めた。


『親愛なるみなさんへ。

 みなさんがこの手紙を読んでいるとき、私はもうこの世界にはいないことでしょう。
 計画がうまく運べば、泉さんやかがみさんとともに消えているはずです。
 お二人を排除するには、このタイミングとこの方法しかないと判断してのことです。永森さんに指示して、実行していただきました。
 永森さんは、たぶん、うまく逃げおおせていることでしょう。
 私も一緒に逝くことにしたのは、なんというべきでしょうか、そういう気分だったからとしかいいようがないですね。こんな負け逃げみたいなやり方は、少々卑怯という気もしますが、ご容赦いただければ幸いです。
 この後のことですが、小早川さんに組閣の大命が下るように手配してあります。エンディングまでは時間的な余裕はそれほどないでしょうが、お好きなようにしてみてください。
 このゲームでの勝利をなおも望むのであれば、永森さんを逮捕することが条件となるでしょう。もし捕まえたとしても、寛大なる処遇をお願いします。永森さんは私の指示に従っただけですから。
 それでは、残りの時間を有意義にお過ごしください。

高良みゆき』


 読み終わった瞬間、こうは情報省の人間にこう命じた。
「誰でもいいから永森機関の人間をすぐに探し出して捕まえろ! やまとの逃亡先の情報をつかむんだ!」
600 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:20:59.47 ID:svF5vmo0
「かしこまりました」
 情報省の人間はそういうと一礼して去っていった。
「八坂は、情報大臣決定やな」
 ななこがそう突っ込む。

 情報省の人間と入れ替わりに、宮内庁長官が入室してきた。
「小早川閣下に組閣の大命が下りました。すみやかに、にゃもー陛下のもとに参内願います」
「私でいいの?」
「泉への反乱計画の首謀者が何いうとるねん。この流れからして、リーダーは小早川しかおらへんやろ」
「まあ、そうだよなぁ」
 みさおが賛意を示す。
「私もそう思うよ」
 つかさが続く。
 あやのは黙ってうなずいた。
 ひよりやパティも異存はないようだった。
「ゆたか。私も手伝うから、大丈夫」
 みなみがそういうと、ゆたかはうなずいた。


大日本オタク帝国連邦内閣
 宰相   小早川ゆたか
 官房長官 岩崎みなみ
 大蔵大臣 岩崎みなみ(兼務)
 情報大臣 八坂こう
 外務大臣 パトリシア・マーティン(飢餓戦災復興援助担当宰相補佐官兼務)
 軍事大臣 日下部みさお(連邦軍統合参謀本部総長兼務)
 警察大臣 黒井ななこ
 産業大臣 柊つかさ
 文部大臣 田村ひより
 厚生大臣 峰岸あやの
601 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:21:45.87 ID:svF5vmo0


 内閣の基本方針を固めた段階で、ゲームマスターから通告があった。

──ステージを1年後に移行します。



4.エンディング

──ステージ移行完了。

 あやのは、厚生大臣室で書類の決裁をしていた。
 一枚の書類に手を止める。それは、放射線障害治療技術の研究の進展状況を示す報告書だった。
 こなた宰相時代は技術力のほとんどを軍事に回していたため、この方面の研究はおろそかにされていたが、今は潤沢な予算も確保され、研究は精力的に進められていた。
 旧合衆国本土から何とか救出された生き残りのうち少なからぬ人々が、放射線障害で苦しんでいた。日本本土を含む帝国連邦も、核攻撃を受けた都市は多数あり、放射線障害で苦しむ人々が多く存在していた。
 その人々を何とかして救いたいというのが、ゆたか宰相の意向であった。
 たとえNPC──仮想世界の人工人格が相手であっても、ゆたかには見捨てることなどできなかったのだ。

 みさおは、軍事大臣室で忙しく働いていた。
 世界征服が成れば軍隊なんて暇になりそうなものだったが、そうはならなかった。
 アフリカ大陸に進駐して軍政をしいている関係で仕事は山ほどあった。大飢饉と社会情勢の悪化で大陸全域が無政府状態となっているアフリカ大陸は、軍政をしく以外に秩序を回復する方法がなかったのだ。
「予算足んねぇ。みなみちゃんに頼むしかねぇな」

 開店休業中なのは、パティ外相だった。国外といえば、北アメリカ大陸とアフリカ大陸だけだが、どちらも国家の体をなしてない。
 その代わり、飢餓戦災復興援助担当宰相補佐官としての仕事は大忙しだった。
「アフリカ支援の予算が足りませんネ。みなみんにお願いするしかアリマセン」
 アフリカ支援の仕事をこなしつつ、旧合衆国の復興計画にも取りかかっていた。
 仮想世界だとしても、自分の祖国である。復興への思いは誰よりも強かった。おそらく、ゲーム終了までに見込みを立てることすらできないだろうが、それでもパティは計画立案作業をやめることはなかった。
602 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:22:52.46 ID:svF5vmo0
 つかさは、産業大臣室で書類の決裁をしていた。
 産業省は農業も管轄しており、アフリカへの食糧支援物資の確保も産業省の仕事になっていた。
 アフリカ大陸は援助物資を飲み込むブラックホールのような存在で、いくら物資を注ぎ込んでも足りない状態だった。
 とにかく、予算が足りない。つかさにさえそれが容易に理解できるほどだった。
「みなみちゃんに予算を頼まないと」

 ななこも、警察大臣として忙しく働いていた。
 アフリカや旧合衆国などへの支援の予算確保のために増税につぐ増税を繰り返しているせいで、国民の不満度はじわじわと上昇している。そのせいで、連邦内には犯罪が多発しており、連邦警察はその取締りで年中大忙しだった。

 ひより文部大臣もまた忙しく働いていた。
 国民の不満度の上昇を少しでも抑えるために、アニメやマンガ、同人誌やフィギュアを大量に供給しなければならず、大臣自ら同人誌の原稿を書かねばならないありさまだった。
 まあ、ひよりの場合は、それが本業みたいなところはあるが。

 ゆたかとみなみは、視察という名目で北アメリカ大陸にいた。
 1年もたてば放射能汚染度はだいぶ低くなっていたが、二人とも念のため放射能防護服に身を包んでいる。
 この視察は、ゆたかのたっての希望だった。現実の世界では絶対に見ることがないであろう(そして、あってはならない)光景、核戦争の惨禍を目に焼き付けておきたいというのがその理由だった。
 一面に広がる赤茶けた大地。それ以外には何もなかった。
 本当に、ただそれだけの光景がそこには広がっていた。
「これは、こなたお姉ちゃんがやったことなんだよね。現実の世界と仮想世界は別物だってことは分かってるけど。私だってテレビゲームだったら、きっとゲームだと割り切って何とも思わないだろうなぁって……」
「……」
「こなたお姉ちゃんだって、現実の世界じゃ、こんなことは絶対にしないよ。お父さんや友達を殺したりはしないし、戦争をしたりもしない。でも、仮想世界だったら全部あっさりやっちゃうんだ。だとしたら、私のこの気持ちも偽善なのかなぁとか……」
「現実の世界と仮想世界は別物。現実の世界でやってはいけないことは、ゆたかも泉先輩もやらない。それで充分だと思う」
「うん……ありがとう、みなみちゃん。たぶん、もうすぐこのゲームは終わりだろうけど、八坂先輩は最後まで粘るつもりかな?」
「おそらく」

 こう情報大臣は、最後の最後まで粘っていた。
 永森機関とやまとを捕まえるべく、情報省の総力を注ぎ込んでいた。
 この1年の間にも、反帝国の策謀の首謀者が不可解な死を遂げる事件が少なからず起きており、そこには永森機関の影がちらりとのぞくことがあった。だが、永森機関の連中は決して尻尾をつかまれることなく、見事に逃げおおせていた。
 もちろん、やまとの行方はいまだ分からず。
「くっそー! やまとのやつ、どこに行きやがったんだよぉ!」
603 :ゲームと仮想と現実 [saga]:2009/02/04(水) 06:23:38.07 ID:svF5vmo0


 日本本土、某都市。
 やまとは、そこで一般人と変わらぬ普通の生活を送っていた。
 逃げ隠れるなら人里離れたところをイメージするのが普通だろうが、そういうところでは人間の存在自体が目立つ。
 木を隠すには森。人を隠すには人が多く住んでいるところが望ましい。
 やまとはこの仮想空間では裏世界の住人であり、その顔を知っている者は少ない。怪しまれるような行動をとらずに普通に暮らしていれば、まずバレることはなかった。まあ、戸籍と住民票の偽造だけはやってあるが。
 永森機関への指示は極秘の通信手段を用いており、帝国情報省に尻尾をつかまれるようなヘマはしていない。
 こうが情報大臣に就任して、自分を血眼になって探していることも、知ってはいた。
「ねぇ、こう。私を必死に探してるのは、私が友達だから? それとも、私に負けるのが嫌だから?」
 そんなことをつぶやいてみる。
 もちろん、後者だという確信はあるが。


──まもなく、ゲームを終了します。
──10、9、8、7、

 パティは、外務大臣室の窓、北アメリカ大陸の方向を向いている窓から外を眺めていた。
 みさおは、机のうえに突っ伏してダレていた。
 ななこは、慣れたもので、静かに目をつぶった。
 つかさは、どうしたらよいか分からずおろおろしていた。
 あやのは、自分で作ったクッキーの味、仮想世界のそれの再現度に感心していた。
 ひよりは、ひたすら原稿を書いていた。
 ゆたかとみなみは、赤茶けた大地を目に焼き付けてから目をつぶった。
 やまとは、ソファに腰をかけ、ゆっくりと目をつぶった。
 こうの叫び声が、帝都アキバに響き渡る。

──6、5、4、3、2、1……

──ゲーム終了。
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/04(水) 06:24:56.46 ID:svF5vmo0
以上です。

 長いうえに、無駄にくどかったり、ぐだぐだだったりしてますが、ご容赦を。
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/04(水) 06:37:57.93 ID:fjbWqcQo
>>604
投下と並行して一気に読んでしまった。ここまでの文章量、質を書き上げるのはすごいな。
ゆたかたち死んでないんだろうなーとは思ってたけど、こういうオチになりましたか
こなたの詰めが甘かったのか、みゆきが更に上を行ったからなのか……むしろ両方かな
なんしても楽しませてもらいました。GJッス!
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/04(水) 12:26:31.03 ID:XVK8S.SO
−境地−

みさお「あやのーまだ終わんねー?」
あやの「あ、うん、もうちょっと。これだけ片付けるから」
みさお「墨?何に使ってたんだ?」
あやの「茶室に飾る掛け軸をね、茶道部のみんなで作ってたの…ほら、あそこに掛かってるの」
みさお「へー、どれどれ…」

『生涯一背景』

みさお「…何があった…あやの…」
あやの「んー、何て言うか…悟りが開けた、みたいな?」
みさお「…そ、そっか…ってかいいのか茶道部…この掛け軸で…」
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/04(水) 12:28:28.17 ID:yMYRtcSO
>>604
乙!
最後のこなたの詰めが甘かったな
強行手段に走ったなら内部に反乱起こす人間がいてもおかしくないが
それだけ友人達を信用してたって事か
敗因は相手の戦力を外交手段で戦争前に削がなかったからか
そうすれば最後に米国に降伏を勧告出来て少しでも有利に働いただろうしな
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/04(水) 19:12:39.76 ID:zuNmOSQ0
少ないけど




−−−−−−−−−−−−−−−−−

 こ こ ま で ま と め た 

−−−−−−−−−−−−−−−−−




609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/04(水) 19:15:54.84 ID:wAv4pgg0
どさくさまぎれにID:ENDxz.SO氏 たった一つの真実みぬく!が削除されてるな
挫折?
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/04(水) 19:18:56.99 ID:wAv4pgg0
言い忘れていた

>>608
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/04(水) 20:09:56.32 ID:jiTg3IE0
>>604です。

>>605 >>607
 ご感想ありがとうございます。
 こなたの直接の敗因は、以下のような感じですかね。
  a.みゆきばかりを警戒していた。
  b.現実世界であまり面識のないみゆきとやまとが内通するとは思いもよらなかった。
  c.永森機関を使いこなして、情報省を牽制すれば、みゆきの動きは抑えられると思っていた。
  d.まさかみゆきが自己犠牲の負け逃げに自分を巻き込むような手法をとるとは思いもよらなかった。

 一方、みゆきは、情報大臣の立場を利用して、慎重に情報を集めて、ゲームシステム自体の癖や各プレイヤーの傾向を見極めたうえで、あのタイミングと手法を選んだわけでして。

 >敗因は相手の戦力を外交手段で戦争前に削がなかったからか
 確かに中国とロシアを取り込んだ時点で、これで力押しでもいけると思った部分はあると思う。
 実際、力押しで世界征服は成ったわけで、あとはみゆきを警戒しつつ、エンディングまでしのげば自分の勝ちとは思ったでしょうね。

>>608
 ありがとうございます。
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/04(水) 20:54:09.28 ID:zuNmOSQ0
>>609
それは知らん。偶然一緒だった

>>611
アンタの作品は俺がまとめる前に既にまとめられていたよ
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/04(水) 23:08:44.33 ID:XVK8S.SO
−知恵−

かがみ「…こほっ、こほっ…」
みゆき「大丈夫ですか?あまり無理はしないほうが…」
かがみ「うん、大丈夫…この程度で休んでなんかいられないわよ」
みゆき「そうですか…でも、無理を感じたらすぐにでも早退なさった方が…」
かがみ「分かってるって」
こなた「ふと思ったんだけど…風邪の民間療法って、なんか変なの多いよね」
つかさ「うん、コレってどういう根拠があるんだろ?って思うよね」
みゆき「そうですね。ネギをお尻の穴に突っ込むとか、よく意味が分かりませんよね」
つかさ「…ゆきちゃん」
こなた「…いきなりソレがきたか」
みゆき「え、あ、あれ?な、なにかおかしかったですか?」



かがみ「…ねえ、こなた…お願いが」
こなた「全身全霊をもってお断りする」
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/04(水) 23:39:56.34 ID:lXfpMEAO
>>613

もしかして、かがみはこなたにネギをお尻の穴に突っ込んでほしいのか?
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/05(木) 08:00:49.76 ID:FWRgU2SO
>>604
いまさら読み終わった。
アバター立てずに自分を再現してしまってるだけに、終った後で気まずくなってないか心配だ…。
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/05(木) 18:59:11.59 ID:FWRgU2SO
「やふー、かがみー風邪の具合どう?」
「あ、こなた…まだちょっと熱があるのよね…」
「ふーん、そっかそっか」
「なっ!?ちょっ!何で布団に入って来るの!?」
「かがみが寂しそうだから添い寝をねー」
「バ、バカ…風邪移るわよ…」
「いいよー。そうしたらかがみが治るし、わたしは学校休めるし」
「そんなの…わ、わたしが困るわよ…」
「どうして?」
「治って学校行って…あんたが休んでたら…その…さ、寂しいじゃない」
「んー…あーもー!かがみー!」
「きゃっ!?ちょ、ちょっとこなた…あ…」
「大丈夫だよかがみ…わたしバカだから、風邪なんて平気だよ…だから…ね?」
「もう…ホントにバカなんだから…ん…」



ひより「よし、イケるっ!」
こなた「…どこに?」
ひより「………ほぅあっ!?先輩!?なしてアニ研に!?」
こなた「いや、あの人がね…」
こう「泉先輩、どーぞこちらに!…誰か!泉先輩にお茶お出しして!」
ひより「何があったんスか…?」
こなた「ゲーセンでちょっと…ね」
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/05(木) 20:36:08.20 ID:VXDLmR.0
>>615

 筋金入りのゲーマーや、理知的に振舞える人、精神をクールにたもてる人、お気楽な性格の人は、ゲームはゲームとして割り切れると思う。
 そういう意味では、こなた、そうじろう、みさお、みゆき、パティ、こう、やまと、ななこは、大丈夫そう。
 逆に、かがみ、ゆたかあたりは精神的に堪えてそうな感じ。
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/05(木) 21:10:45.57 ID:VXDLmR.0
原作6巻P139より


かがみ「日下部は、峰岸のカレシ知ってるのよね?」
みさお「そりゃもー、よ〜〜〜く知ってるよんっ」
あやの「(〃'д';」
かがみ「やっぱ、カッコよかったりしちゃうわけ? 峰岸の相手だし」
みさお「ぶぶっ!! ないない。それはない! ありえねー!!」
あやの「(〃・o・;」
みさお「ダラしないし、ムッツリだし、あんなんカレシにしたら大変だぜ?」
あやの「そんなコトないもん」
かがみ「人の彼氏に何つーことを」
あやの「いいところもいっぱいあるのにヒドいよ」
かがみ「よしよし」
みさお「うぇえ!? だ、だって身内って、何か褒め辛いじゃん!!」

かがみ(っていうか、今のセリフ、みんな日下部にも当てはまってるから。自覚ないのかコイツ?)


 日下部兄妹は、似たもの同士。
 あやのは、根本的にそういう人たちの面倒を見るのが好きな人なんだろうと思う。
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/05(木) 21:58:08.44 ID:lgsBDuU0
なんというコピペ
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/05(木) 22:10:49.02 ID:FWRgU2SO
>>604のゲーム終了後を個人的に

最初に出てきたそうじろうが茶でも飲みながらボーッと待ってて
次に出てきたこなた、かがみ、みゆきと四人で、あんときにこうすればああだったとか、この時にそうすればどうだったとかうだうだ話しながら待ってて
最後に全員出てきたら、そうじろうの奢りで打ち上げに行く

という妄想で補ってみた
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/06(金) 12:56:36.92 ID:2hk1SoSO
−桃太郎−

こなた「みんなー。今度の演劇の配役決まったよー」

桃太郎 柊つかさ
犬 高良みゆき
キジ 柊かがみ
猿 パトリシア・マーティン
お爺さん 岩崎みなみ
お婆さん 小早川ゆたか
鬼の大将 泉こなた
他の鬼 その他

つかさ「無理ムリむりー!主役なんて無理だよー!こなちゃん、配役変えてー!」
こなた「つかさ…これは貴女が越えなければならない試練なのよ…」
かがみ「なんの試練だ…それにしても意外ね」
こなた「何が?」
かがみ「あんたの事だから自分を主役にして、鬼の大将はわたしにするかと思ってたけど」
こなた「そっちの方がよかった?」
かがみ「い、いや、わたしは今のでいいわよ。鬼の大将役でこなたに踏み付けられるとかされたいな、とか思ってないから、うん」
こなた(あぶな…初期案のままいかなくてよかった)
みゆき「わたしは犬ですか」
こなた「うん、ちゃんと首輪着けてね」
みゆき「ええ!?あ、あの犬は別に飼い犬とかではないのでは…」
こなた「うん、単に首輪着けたみゆきさんが見たいだけだから」
みゆき「そんな…」
かがみ「………」
みゆき(…かがみさん…視線が痛いです…)

みなみ(…どうあってもわたしは男役なんだ…)
ゆたか「みなみちゃん、頑張ろうね」
みなみ「…うん(だけど、ゆたかがわたしの嫁!役柄とはいえわたしの嫁!)」
パティ「ミナミ、キアイはいってますネー」
ひより「うん…」
パティ「ドーカしましたカ?」
ひより「い、いやなんでも…(パティの猿ってどうなんだろ…あってるよーな、あってないよーな…)」

みさお「その他って…」
あやの「うん、まあ頑張ろう、みさちゃん?」

こう「ひよりんに頼まれて参加したけど…モブか。別にいいけど」
やまと「どうしてわたしまで…ねえ、こう」
こう「ん、なに?」
やまと「…本物の鬼ってのを見せてもいいかしら?」
こう「…年齢制限つきそうだから、やめようよ」

かがみ「…それにしても、あれね」
こなた「何?」
こなた以外全員『鬼の大将に迫力がない』
こなた「うるさーい!んなことないやーい!」
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/06(金) 17:45:06.82 ID:qIKO/vQ0
演劇かぁ・・・一度このメンバーで「ス○ライクウィッ○ーズ」やって欲しいなぁ・・・
ってかかがみwwwwwwww自重しろwwwwwwwwww
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/06(金) 19:27:27.65 ID:/leaacAO
かがみ「こなたはラノベとか読まないの?」
こなた「だって字ィ多いし」
かがみ「そう言わずに読んでみなさいよ♪」
こなた「グワァァ!目がぁぁ!頭が痛むぅぅ!湿疹がぁ!」
かがみ「こ、こなた!?」
こなた「かがみ!早くその本閉じて!死んじゃうよぉ!」
かがみ「わかったわ!」
こなた「おさまった・・・」
かがみ「今のは?」
こなた「今まで黙ってたけど・・・私、過度のラノベアレルギーで・・・」
かがみ「そんな・・・」
こなた「ごめん」

かがみ「そんな病気あるわけないだろ!早く読んでみなさいって!」
こなた「チッ、バレたか」
かがみ「そこまで読みたくないなら、私にも考えがあるわ」
こなた「何?」
かがみ「それを今すぐ読まないなら私はこの窓から飛びおりてやるわ!」
こなた「そんなのハッタリだ!ケガじゃすまないぞ!」
かがみ「私は本気よ」
こなた「・・・。」
かがみ「読まないようね・・・じゃあ、さよなら!」ヒュッ
こなた「かがみ!」

こなた「そんな・・・本当に落ちるなんて・・・こんなことなら、読めばよかった・・・」

みゆき「さっきからあの人たちは何をやってるんでしょうか?」
つかさ「窓の外ってベランダじゃなかったっけ」
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/06(金) 19:45:26.21 ID:CkHdImE0
なんというコント
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/06(金) 20:20:24.30 ID:d2nlHqo0
なんという芸人魂
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/06(金) 20:54:20.18 ID:BdT2b9s0
>>621
これはこれで見てみてえwwwwwwwwww
>>622
どうやってやるんだwwww想像つかんなあww
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/07(土) 13:19:34.96 ID:xTHg5kA0
つかさ「はい、こなちゃん。これあげる」
こなた「ん?なにこれ?チョコ……にしては珍しい色してるけど?」
つかさ「えっとね、2月と言えば節分とバレンタインでしょ?」
こなた「まあ、定番のイベントだよね」
つかさ「だからね、チョコをきなこでコーティングしてみたの」
こなた「おおー、さすがはつかさ。器用なことするねぇ」
つかさ「えへへ。義理チョコだからあんまり手が込んでないけど」
こなた「いやいやいや!どこかの不器用な姉にも見習って欲しいものですなー」ニヨニヨ
かがみ「……ひょっとしなくても、それは私の事だよな」

 ☆

―翌日―

かがみ「はい、これあんたにあげるわよ」
こなた「うわっ!ナニコレ!?なんか無駄に大きいヨ!?」
かがみ「ほら、2月と言えば節分とバレンタインでしょ?」
こなた「ということは……まさか……!!」
つかさ「だからね、恵方巻をチョコでコーティングしてみたの」
こなた「……さ、さすがはかがみ。ある意味ものスゴく器用だよ……」ゴクリ
かがみ「か、勘違いしないで!義理よ、義理!さ、早く食べなさ――」

こなた は にげだした!



しかし まわりこまれてしまった!





おお!こなた よ しんでしまうとは なさけない!

 ☆

こなた「――みたいな展開でしょ、どうせ?」
かがみ「……あんたは本当に失礼なヤツだな。そんな料理つくるやついねーよ」
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/07(土) 14:12:40.55 ID:nB1WnfQo
>>623
こいつらほんとに仲いいなww

>>626
たぶんワイヤーを使うんだよ。壮絶なものが見られるぞいろんな意味で

>>627
器用っつか、恵方巻をチョコの海に投げ入れて固めただけだよな
かがみならやりかねん
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/07(土) 15:06:16.10 ID:vKW9TkSO
>>627
チョコをインスタントココアでコーティングしたのなら食った事がある。
ココアパウダーの代わりだったらしいんだが…。
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/07(土) 19:04:26.57 ID:dyhpGsAO
―日常の危険―
こなた「実は人って日常的に死と隣合わせだよね」
かがみ「そうか?」
つかさ「そういえば大地震っていつ来るかわからないらしいね」
こなた「ひょっとしたら明日大地震が来て死んじゃうかもしれないし」
みゆき「大地震に限ったことでもありませんけどね」
かがみ「でもそんなの気にしてたらまともに生活も出来ないでしょ」

と、こんな会話を交わしながら4人で下校した次の日の学校の職員室に黒井の声が響いた。
黒井「何ィ!?高良が何もないところで転んで骨折!?
柊が階段から落ちて巻き添えくらった姉と姉妹いっしょに重症!?
泉がテレビでN○Kのおかあ○んといっ○ょを見てカッターで手首切って自殺未遂!?」
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/07(土) 19:26:19.40 ID:Dc2GDto0
みさおと彼氏と呼び名

 とある土曜日、日下部みさお(26歳)はブラブラと歩き回っていた。
 その隣には、会社の陸上部の後輩男子。まあ、社会通念上デートといわれる行為の最中であることは確かだった。

「夕食はどっかで食べますか、先輩」
 みさおは、彼の質問には答えずに、唐突に彼の首に腕を回してヘッドロックした。
 彼の耳元に口を寄せて、
「なぁ、いい加減、その『先輩』ってのはやめねぇか? 名前で呼んでくれてもいいじゃんか、彼氏さんよぉ?」
「あっ、いや、そのですね……。中学、高校、大学、会社まで、同じ部活の先輩だったんすから、すっかり染み付いてしまったというかですね……」
「もしかして、私を追っかけてきたってやつか?」
 いまさらそんなことに気づくことが、みさおの鈍さを証明している。
 実際、会社の同僚たちの後押しがなければ、この二人はずっと先輩後輩のままだっただろう。
「ええ、まあ、そうっすね」
「可愛いやつめ」
 みさおは、人差し指で彼のほおをつつく。

 その光景は、どこからどう見ても、いちゃつくカップルにほかならなかった。
 みさおの高校時代からの友人たちがこの光景を見れば、その9割が「意外だ!」と叫ぶことだろう。

「放してくださいよ、先輩」
「名前で呼んでくれなきゃ、放さね」
「うう……あー、そのう、放してください、みさおさん」
 みさおは、パッと腕を放した。
 そして、

 沈黙……。

「ああ、そのう……やっぱ、変な感じっすかね?」
「いや、変なというか……呼ばれてるみると、なんか恥ずいな……」
「とにかく、こちらも名前で呼んだんですから、先輩も名前で呼んでくださいよ」
 今度は、彼の方が攻勢に転じた。
「うっ、いや……なんだ、あ〜……」
 みさおは、しばらく言葉に詰まっていたかと思うと、突然、脱兎のごとく走り出した。
「ちょっと、待ってくださいよ、先輩!」

 二人は、かなり長い時間、走り続けた。
 いくら陸上部所属とはいえ、デートでマラソンするカップルなんてのは、天然記念物なみに珍しい存在だろう。
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/07(土) 19:26:57.42 ID:Dc2GDto0
 そして、みさおは目についたとある宿泊施設に駆け込んだ。
 追いかけてる彼も、当然、同じところに入る。
 気分は高揚していた。長らく陸上競技にいそしんでいる彼には、それがランナーズハイと呼ばれる現象であるという知識はあった。
 おそらく、みさおも同じ状態であるに違いない。というか、彼よりもみさおの方が、よりハイな状態なのかもしれなかった。
 なぜなら、その宿泊施設は、間違いなく風営法とか県の青少年なんたら条例とかで規制されてそうな類のもの、いわゆる親密な男女が同じ部屋に泊まって、一晩の間にいろいろなことが起きるのだろうというような宿泊施設だったからだ。

「帰るのもめんどいから、今日はここに泊まるべ」
 みさおは、まるで近所の商店にお使いにでも行くような感じでそう言い放った。
 通常状態の彼ならばとりあえずはなんらかの制止の言葉を述べただろうが、そのときは「まっいっか」と思ってしまい、みさおに引っ張られるままになっていた。
 これもまた、脳から分泌されるエンドルフィンの効果だとすれば、ランナーズハイ恐るべしだ。



 翌日、二人は仲良く某宿泊施設から出てきた。
「運動したあとぐっすり眠ったから、気分がいいぜ」
 昨晩、二人がどんな「運動」をしてたかについては、あえて触れないでおこう。
「そうっすね、先輩」
 そういいつつも、彼の方は何だか疲れた顔をしていた。
「どうした? あんぐらいで疲れきっちまったか?」
 みさおは、言葉をかざることもなく、あけすけにそう言い放った。
「まあ、そんなところっすね、はい」
「情けねぇぞ、彼氏さんよぉ」
 二人は、この日も仲良くデートであった。


 この出来事以来、名前で呼び合うのは夜の二人きりのときだけというのが、二人の間の暗黙のルールになった。

終わり
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/08(日) 05:01:26.45 ID:.LcauASO
−風邪の定番−

こなた「お父さん、お粥が出来たわよ」
そうじろう「ごほっごほっ…いつもすまないねぇ…こんな時、母さんが生きていてくれたら…」
こなた「お父さん!それは言わない約束…えーっと…」
そうじろう「うぉぉぉっ…かなたーっ…」
こなた「うん、変なネタ振ったわたしが悪かったから、泣かないで…」


かがみ「…出そこなったわね」
つかさ「わたし達は一体何を…」
みゆき「借金の型に娘を連れていく役…ではないでしょうか…」
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/08(日) 11:14:02.26 ID:yTjTAUSO
>>632
ほのぼのしてて可愛い感じの話だな
この状況はかがみならフルツッコミしてくれそうww


>>633
ちょwwwwみゆきさんその役はひどいww
635 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:31:08.09 ID:/9Sc/u.0
ちょっと早めのバレンタインSSの投下行きます。

636 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:32:35.78 ID:/9Sc/u.0
「今年も来たねえ。バレンタイン」
「そうね」
 二月十四日バレンタインデー。こなたとかがみは、いつも通りに登校していた。
「そういや、つかさは?」
「遅刻はしないだろうけど、ちょっと遅れて来るわ…まだチョコのラッピングしてたから」
「今年のはどれだけ凝ってるの…」
「あんなの作っといて、友達ばかりで男子には一枚も渡さないのよね…まあ、つかさにそんな度胸も無いと思うけど」
「何気に酷いこと言うねえ、かがみ…ってーか、つかさはバレンタインなんてどうでもよくて、単にお菓子作りたいだけなんじゃないかって思えてくるよ」
「あー、もしかしたらそれ当たりかも」
 駄弁りながら二人は靴箱の前に来た。そこでこなたが立ち止まり、じっと靴箱を見つめた。
「どうしたの、こなた?」
「いやね、一度でいいから『靴箱開けたらチョコがドサドサー』っての、見てみたいなって」
「あんたはまたそんな…んー、まあどうでもいいことなんだけど」
「ん、なに?」
「あれって最後の方にチョコ入れた人って、落ちてきたチョコ拾って入れ直して自分のチョコ入れてるのかしらね?」
「いや、どうだろ…ってか、ほんとにどうでもいいことだー」


- ハッピーバレンタイン -


637 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:33:30.01 ID:/9Sc/u.0
 ドサドサッという音と共に、靴箱を開けたみなみの前に大量のチョコが落ちてきた。
「…ふぅ」
 それを見てみなみは、溜息を一つこぼした。
「すごいね、みなみちゃん…」
 隣にいるゆたかが眼を丸くしてその光景を見つめる。
「一個くらいは入ってるんじゃないかって、予想はしてたんだけどね…」
「マサカこんなマンガみたいなエをみれるとはオモいませんデシタ…」
 その後ろから覗き込んでいるひよりとパティも、唖然としていた。みなみはもう一度溜息をつくと、下に落ちたチョコと靴箱に残っているチョコを手際よく鞄に詰め込んでいった。
「みなみちゃん、慣れてるね…」
 感心したようにい言うゆたかに、みなみは自嘲気味に微笑んだ。
「…中学の時からこうだったから…一年の時の文化祭で男装をやらされてからずっと…」
 男装の部分に力を込めてみなみがそう言った。
「…なんかグサッとくるッス」
「…チョーシノッてスイマセンでシタ」
 畏縮しているヅカ喫茶の提案者達の横を通り過ぎ、みなみはゆたかの方をチラリと見た。
「…?みなみちゃん、どうかしたの?」
「…ううん、なんでも」
 三度目のため息をつき、みなみは教室へと歩き出した。
「あ、まってみなみちゃん」
 その後をゆたかが慌ててついていく。
「ミナミ、タメイキオオいですネー」
「まあ、大本命からのは入ってなさそうだからねえ」
 ここいらで一気に進展してくれれば、いいネタになるのに…などと思いながら、ひよりはみなみ達の後を追って、歩き出した。

638 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:34:03.93 ID:/9Sc/u.0

「かがみさん、どうかなさいましたか?」
 登校してきたみゆきは靴箱を開けたまま固まっているかがみを見かけ、そう声をかけた。
「…え?あ、みゆき…いや、なんでもないの…なんでも…おほほほ」
 なにやら変な笑い方をしながら小走りで去って行くかがみ。それを怪訝そうな顔で見送るみゆきの肩を、後ろからこなたが叩いた。
「みゆきさん、おはよー。どうかしたの?」
「あ、泉さん。おはようございます。たいしたことでは無いのですが、かがみさんの様子がおかしかったので…」
「かがみんがどっかおかしいのはいつも」
 こなたが言い終わるより早く、その顔面に何かが凄い速度でぶち当たり、こなたは真後ろにぶっ倒れた。
「え?え?泉さん?」
 あわててみゆきがこなたを抱き起こす。こなたの顔面には上履きが張り付いていた。みゆきがその上履きが飛んできたであろう方向を見ると、かがみが怒りの表情で腕を組んで立っていた。
「聞こえて…いたんですね…」
「流石かがみ…地獄耳…がくっ」
「い、泉さん!?泉さーん!!」
 力尽きたこなたを抱きかかえ揺さぶるみゆき。
「…えーっと…何があったのかな…」
 その後ろでは、ようやく登校してきたつかさが事態を把握出来ずに、困った様子で突っ立っていた。

639 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:34:38.23 ID:/9Sc/u.0

 お昼休み。ご飯を食べているゆたか達の周りでは、戦果を誇る男子生徒や結果を気にする女子生徒がちらほらと見受けられた。
「あげたもらったって話、結構あるもんだねー」
「まったくエンがないのはちょっとカナしいですネー」
 しゃべりつつ、弁当をつつきつつ、ひよりとパティはちらちらとゆたかとみなみの方を気にしていた。
「…どっちかがなんかリアクション起こすかと思ったんだけどね」
 ひよりがみなみ達に聞こえないようにパティに小声でそう言った。パティはその言葉に頷く。
「デスネ。でもミナミはジブンはもらうタチバだとオモってそうですケド…」
「…ふーむ…よし…ねえ、ゆーちゃん」
 パティの言葉に何かを思いついたひよりは、ゆたかに声をかけた。
「………」
「…ゆーちゃん?」
 何故か反応の無いゆたかに、ひよりはもう一度声をかけた。
「え?あ…た、田村さん?」
「どうかしたの?ボーっとしてたみたいだけど」
「な、なんでもないよ…そ、それよりなにかな?」
「うん、ゆーちゃんは誰かにチョコをあげる予定とかあるのかなーって」
「…っ!?」
 直接聞くことにしたしたらしいひよりの質問に、みなみが分かりやすく反応する。
「今のところは全然そういうのないよー」
 さらりとゆたかはそう答えた。
「…脈なしか」
 あまりにあっさりしたゆたかの反応に、ひよりは今年はダメっぽいなと諦めることにした。
「…ヒヨリ、ダンシのナンメイかがorzってなってますケド」
「え…あ、ホントだ…ゆーちゃん結構需要あるんだね…」
「ソシテ、そのナカにミナミもまじってマス」
「…うん、そっとしといてあげよう…」

640 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:35:44.42 ID:/9Sc/u.0

「ハッピーバレンタイン!こなちゃん、ゆきちゃん」
 三年の教室では、つかさがこなたとみゆきに今朝完成したばかりのチョコを渡していた。
「…うわー、すごいラッピング」
「…お店に置いてたら、普通に誰か買って行きそうですね」
 凝りに凝ったつかさチョコに、二人は関心する以外に反応しようがなかった。そして二人で顔を見合わせる。
「…ふっ」
 何故か鼻で笑うこなた。その態度にみゆきがムッとする。
「こなたさん…その勝ち誇ったような態度は、なんですか?」
「ような、じゃなくて勝ち誇ってるんだよ…わたしの方が先に名前呼ばれた」
「そ、それがなにか…」
「分からないかなーみゆきさん?…つかさの優先順位はわたしの方が上って事だよ」
「なっ!?そ、そんな…いえ、呼ばれた順番だけでそう決めつけないでください!」
「いやいやーこういうことは重要だよー」
「え、あ、あれ?ちょ、二人とも…」
 どんどん険悪になっていく二人の間で、つかさは訳がわからずにオロオロしていた。
「そういうことでしたら、泉さん。わたしも一つ言いますが」
「なに?負け犬の遠吠え?」
「わたしの方がチョコが大きいです」
「うそぉ!?」
 驚いてこなたが二つのチョコをあわせると、僅かながらみゆきの方が大きかった。
「つ、つかさ!これってどういうこと!?」
「ど、どうって…手作りなんだし…少しくらいは違いはでるよ…」
「その違いが出た大きい方を渡す…それはすなわちつかささんの想いが大きいということではないですか?」
「そ、そんなことないやい!たまたまだよ!たまたま!」
「負け犬の遠吠えですか?」
「ぐ、ぬぬぬぬ…つかさ!ハッキリしてよ!わたしとみゆきさんと、どっちなの!?」
「えぇ!?どっちて…え、その…あの…」
「そうです、つかささん!ハッキリ仰ってください!」
「…う…あぅ…わたし…そんなつもりじゃ…」
「あんたら、いい加減にしなさいよ…つかさ、半泣きじゃない」
 つかさに迫るこなたとみゆきの背後から、かがみが声をかけながら二人の頭を軽く叩いた。
「おーかがみ。今日は向こうで食べてたんだ」
「まったく、みゆきまで一緒になってなにやってんのよ」
「ふふ、少しやりすぎだったでしょうか?」
「え?あ、あの?な、なにがどう…」
 未だ事態がよく飲み込めてないつかさに、かがみがため息混じりに説明した。
「演技よ、演技。なんか最近そういうのに凝ってるらしいわよ…で、今回はどういう設定?」
「んー、心の友を奪い合う女子高生の愛憎劇?」
「ええ、そんな感じですね」
「わけ分からないし…」
「…ねえ、こなちゃん、ゆきちゃん」
 ようやく事態を把握し、混乱が収まったのか、つかさが二人の名前を呼びながらゆらりと立ち上がった。
「な、なにかな?」
「つ、つかささん、なんだか怖いです…」
 背後に妙なオーラをまとったつかさに、こなたとみゆきは座っている椅子ごと半歩後ろに下がった。
「チョコ返して」
『申し訳ございませんでした』
 二人はつかさに向かい、深々と頭を下げた。
「なにやってるんだか…」
 むくれているつかさに向かい平謝りに謝っているこなたとみゆきを見ながら、かがみはやれやれと肩をすくめた。
641 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:36:38.97 ID:/9Sc/u.0


 放課後。帰る準備をしているみなみは、同じく帰る準備をしているゆたかの方を見て、軽くため息をついた。
「ミナミ、まだアキラめきれてないみたいデスネ…」
「もういっそ、正面からチョコくれって言っても良い様な気さえしてくるっスね…」
 部活に行く準備を済ませ、ゆたか達を待っているひよりとパティがなんとも言えない表情で二人を眺めていた。すると、教科書を鞄に詰め終えて蓋を閉めたゆたかが、何を思ったのかまた蓋を開け中に手を突っ込んだ。
「あれ?ゆーちゃんなにしてんだろ?」
 それに気がついたひよりが見ていると、ゆたかは鞄に手を突っ込んだままじっと何かを考え、やがて意を決したかのように手を引き抜いた。その手にあるのは三つのラッピングされた箱。
「…ありがとう、ゆたか」
「へ?」
「はやっ!?」
 そして、ゆたかが何かを言う前にみなみがその一個を受け取っていた…というか奪っていた。
「…えーっと…うん、一個はみなみちゃんの分のチョコだから…うん…」
「ミナミ、がっつきすぎデス…」
「…ごめん…」
 チョコを持ったまま、しおしおと小さくなるみなみ。その横でゆたかは、ひよりとパティにチョコを渡した。
「ありがとう、ゆーちゃん」
「サンクスデス!」
「ホントはお昼休み渡そうと思ってたんだけどね、なんだかちょっと照れくさくって…ごめんね、ぎりぎりになっちゃって」
 顔を赤らめながら、もじもじと手を合わせてそう言うゆたかに、ひよりとパティは一種の波動の様なものを感じていた。
「ニンゲンはこのイッシュンのためにイきているといっても、カゴンではありまセン…」
「いや、まったく…ってちょっとまって、ゆーちゃん」
「ふえ?何?」
「お昼休みにさ、チョコ渡す予定は無いって言ってなかったっけ?」
「あ、あれは…男の子にチョコを渡す予定を聞かれたのかなって思って…周りがそういう話ばっかりだったから」
「あー、なるほどねー」
「それじゃ、わたしそろそろいくね…また、明日!」
 大きく手を振って教室を出て行くゆたかに、ひよりとパティは手を振り返した。
「やっぱ、ゆーちゃんは良い子だねー。見習うのは…ちょっと無理ぽいけど」
「ソーデスネー…ところでヒヨリ」
「ん、何?」
「ミナミがコブシをテンにつきあげたまま、ウゴきませんケド」
「…あー…もう悔いはないんだ…まあ、そっとしてあげ………ちゃダメっスよ!!ゆーちゃん、ゆーちゃん!みなりん忘れてるよー!!」

642 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:38:00.29 ID:/9Sc/u.0

「ホントに来るのかしら…」
 かがみは手に持ったメッセージカードを眺めながら、廊下を歩いていた。今朝、自分の靴箱にチョコと共に入っていた物だ。
「やっぱり、確かめないとね…ほったらかすのもアレだしね、うん」
 しっかりと自分に言い聞かせるように呟いて、かがみはそのカードをポケットにしまい込んだ。
「…う」
 靴箱に差し掛かったところで、かがみはこなた達を見かけ、思わず柱の影に隠れてしまった。
「つかさ様、靴を温めておきました」
「うん、ありがとう、こなちゃん」
「つかさ様、鞄をお持ちしますね」
「うん、よろしくね、ゆきちゃん」
 などと会話を交わしながら出て行く三人を見送ると、かがみはほっと息を吐いて柱の影から出て、目的地に向かった。その途中で、三人が出て行った出口の方をちらりと見る。
「…昼から放課後の間に何があったんだろ…」
643 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:38:58.21 ID:/9Sc/u.0

 正門からも裏門からも遠い場所。滅多に人の来ないそこが、メッセージカードに記された待ち合わせ場所だった。
「…待たせるわね」
 かがみは少し苛立ちながら、携帯で時間を確認した。遠くを見ると、日が落ちかけている。
「で、いつまでそうしてるつもりなの、あんたは?」
 我慢できずに、かがみは少し離れた場所にあった気に向かってそう言った。
「…う、ばれてたんだ」
 照れくさそうに頭をかいて出てきたのは、こなただった。
「ばればれよ…ってーかこれ書いたのあんたでしょ?どういうつもりなの?」
 かがみはメッセージカードをポケットから取り出し、こなたの目の前に突き出した。
「それもばれてたんだ…」
「こんな悪筆、あんたしかいないわよ…で、なんのつもり?からかうつもりだったら…」
「そんなんじゃないよ!」
 大声を出したこなたに驚いて、かがみは一歩後ろに引いた。
「な、なによ急に…びっくりするじゃない」
「あ、ご、ごめん…で、でも、悪戯とかじゃないんだよ…」
「じゃあ、なんなの?」
「あの、その…よ、よくわかんない…」
「は?」
「最初は、去年かがみにチョコ貰ったから…今年はわたしが上げようかなって思っただけなんだ…なのに、気がついたらそのメッセージカード作ってて、靴箱にチョコと一緒に入れちゃってて…でも、かがみがここに来てるの見たら、なんだか出て行けなくなって…ごめん、ホントにわけわかんないよね…」
 俯いて、頭のアホ毛がしおれるほどに気落ちしながら話すこなたを見て、かがみはやれやれと溜め息を一つついた。
「ホント、わけわからないわね…でも」
 かがみは、こなたの頭に軽く手を置いた。こなたがそのかがみを見上げる。
「チョコ、美味しかったよ。ありがとう」
 そう言って、かがみはこなたに微笑みかけた。
「あ…うん」
「それじゃ、帰るわね。もう日が沈むし、あんたも寄り道とかしないで帰りなさいよ?」
「あ、あの、かがみ…」
 こなたに背を向けて立ち去ろうとするかがみ。その背中にこなたが声をかけた。かがみが首だけをこなたの方に向けた。
「なに?まだなんかよう?」
「え、えっと、その…ありがとう」
「なによそれ…チョコ貰ったのはこっちの方なのよ?」
「わ、わかってるよ…でも…ありがとう」
「…うん」
 かがみはこなたに向かって頷いて見せると、軽く手を振って歩き出した。
「…わたしも、かえろっか」
 かがみが見えなくなるまで見送っていたこなたも、家に帰るために歩き出した。
「んー」
 しかし、少し進んだところでふと気になることがあって、足を止めた。
「なにか、忘れてるよな気がするんだけど…ま、いっか」
 こなたは疑問を自己完結すると、再び歩き出した。

644 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:40:19.72 ID:/9Sc/u.0

「こなちゃん遅いねー。もう日が落ちちゃうよねー。ねえ、ゆきちゃん?」
「そ、そうですね…」
「すぐ戻るって言ってたのにねー。まさか、わたし達の事忘れてるってことはないよね?ねえ、ゆきちゃん?」
「…い、泉さん…後生ですから、早く戻ってきて下さい…」


 かがみは家の玄関をくぐると、後ろ手にドアを閉めた。
「…ふ、ふふふ…うふふふ…」
 思わず笑みがこぼれる。
「あははははっ!やったわ!やったわよ!なによ、脈あるじゃない!こなたのあの態度!アレは絶対本気よ!」
 笑みがこぼれるだけでは済まず、大声で喜びを爆発させてしまう。
「こなたはまだ自分の気持ちを量りかねてるみたいだけど、今日のはかなりの好印象だったはず…あとは、ホワイトデーにでもダメ押しすれば…イケる!イケる…わ…」
 そこまで言った所で、かがみは自分が今どこにいるのかを思い出した。恐る恐る前を見ると、いのりとまつり、二人の姉が引きつった顔でそこにいた。
「か、かがみ、なにか良いことあったみたいね…」
「う、うん、ちょっと…」
「嬉しいのは、分かるんだけどね…せめて自分の部屋でしようね…」
「う、うん、ごめんなさい…」
 顔を真っ赤にしたかがみが、自分の部屋に向かって走り去った後、まつりといのりは顔を見合わせた。
「姉さん…今名前出てたこなたって、よく遊びに来てるちっこい女の子じゃなったかしら…」
「まつり…たぶん、そこは突っ込まないほうがいいんじゃないかな…」


「………ぐすん」
「あ、あの、つかささん!そんなに落ち込まないで下さい!泉さんには、わたしの方から明日よく言っておきますから!お家の方も心配されますし、もう帰りましょう!ね!?ね!?」

645 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:41:53.08 ID:/9Sc/u.0

「…ただいま」
「あ、おかえり、お姉ちゃん。遅かったね」
 家に帰ってきたこなたを、ゆたかが出迎えた。
「うん、ちょっとね…」
「どうしたの?なにか元気ないみたいだけど…」
「いや…わたしって意外と意気地なしなのかなって…あー…いや、なんでもないよ、うん」
「そう?だったらいいんだけど」
 てくてくと歩いていくゆたかを追って、こなたは階段を上がり居間へと入った。
「…うわ、これお父さんの?」
 そして、居間にあるチョコの山に目を見張った。
「うん、おじさん凄いよね」
「まあ、一応売れ筋作家だもんねー。結構、ファンがいてもおかしくはないんだけど…無知と言うのは心底恐ろしいもんだ。お父さんの正体を知って、果たして何人がファンを続けられるものか」
「お姉ちゃん、それはちょっと…」
 こなたの容赦ない評価に、ゆたかが困った顔を浮かべる。
「あ、お鍋見なきゃ」
 そして、料理の最中だということを思い出し、ゆたかは居間を出て行った。
「ああ、今日の当番はゆーちゃんだっけか…あれ?」
 ゆたかを見送った後、こなたは一枚のメッセージカードが、チョコの山から離れた所に落ちているのを見つけた。
「どれのだろ…っていうかカードまで付けるなんて入れ込んでるなー。ホントに無知ってのはおそろし…」
 言いながら、何気なくそのカードの文面を見て、こなたは固まった。
「え、あ、こ、これ…お、お父さぁぁぁぁんっ!」
 思わずそのカードを放り出し、こなたは慌てて、父の書斎に向かった。放り出されたカードはひらひらと舞い、一つの写真立ての前にフワリと降りた。


 ハッピーバレンタイン
 そう君とこなたへ
 いつまでも愛しています


- おしまい -
646 :ハッピーバレンタイン [saga]:2009/02/08(日) 15:46:37.02 ID:/9Sc/u.0
以上です。

一部のキャラにハッピーが届かなかったことを、深くお詫びいたします。
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/08(日) 17:53:04.43 ID:uqN7JOU0
>>646

 乙です。
 百合バレンタインですな。
 でも、最後にかなたさんが綺麗に締めてくれた。GJ

 私も、バレンタインネタ投下行きます。
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/08(日) 17:54:24.89 ID:uqN7JOU0
義理チョコと義理返し

2月14日

「お疲れ様でーす」
 番組の収録が終わり、みんな解散していく。
「おい、白石」
「なんすか? あきら様」
「ほらよ」
 袋が白石みのるに投げつけられた。
 白石が受け取ったそれは透明な袋で、中にはチョコが入っていた。
「義理チョコの余りだ。ありがたく受け取れ」
「ありがとうございます。しかし、あきら様も毎年大変ですね」
 スタッフとか先輩タレントとかにせっせと義理チョコを配り歩いている小神あきらの姿を見ているだけに、白石からはそんなセリフがもれてくる。
「この業界で生きてくなら、これぐらいは浮世の義理ってやつだ」
「文字通りの義理チョコですね」
「まあな。で、今年も義理返しはあの可愛い彼女さんが作ってくれるんだろ?」
「そうなるとは思いますが」
「まあ、あの美味しい菓子が食えるなら、悪くない投資だな」
 あきらは、そういうと足早に次の番組の収録現場に向かっていった。
 なんだかんだいっても、あきらは人気高校生アイドル。仕事の日程はかなり詰まっている。



 白石は、電車を乗り継いで、自宅であるアパートに帰ってきた。
「お帰りなさーい」
 可愛い彼女、つまりは柊つかさが出迎えてくれた。
「ただいま」
 部屋のテーブルの上に、夕食が並べられている。
 なんつーか、既に夫婦も同然のような光景だが、一応同棲はしていない。しかし、通い妻も同然なのは確かだった(しかも、つかさの部屋はすぐ隣だ)。
 問題は、つかさの方にその自覚があまりないということなのだが。
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/08(日) 17:55:33.63 ID:uqN7JOU0
 テーブルの横に、ダンボール箱が置いてあった。
「あっ、それ。今日、事務所から送られてきたみたい。チョコがいっぱい入ってたよ。白石君は、人気者だよね」
 要するに、ファンからのバレンタインチョコだった。
 つかさの様子に特に変わったところはない。彼女は、このようなことには寛容だった。
 むしろ、白石の方が毎年戸惑っている。
 あきらがある番組で盛大に暴露したせいで、白石に彼女がいる事実は、世間には周知のことだった。それなのに、毎年このようにチョコが届けられてくるのだから。
 白石は、自分がことさらモテるような人間だとは思ってはいないから、なおさら戸惑うばかりであった。
 ちなみに、つかさのチョコは朝一番で白石に渡され、既に白石の腹の中に収められている。つかさが料理学校で培ったスキルを惜しみなく投入したそれが、愛情のスパイス抜きでも、極上の味わいであったことはいうまでもない。

 白石は、あきらからもらったチョコをテーブルの上に置いた。
「それ、あきらちゃんからもらったの?」
「ええ。義理チョコの余りだって投げつけられましたよ」
「あきらちゃん、毎年そういってるよね」
「そうっすね」

 夕食のあとの食器洗いを終われば、つかさは隣の部屋へと帰っていく。
 今日は、チョコが詰められたダンボールを持っていくため、白石もつきそった。
 ダンボールにはあきらからもらったチョコの袋も詰め込まれ、つかさの部屋へと搬入される。
 これらのチョコは、ホワイトデーの義理返しのクッキーを作る際の材料にされる運命にあった。



3月14日

「お疲れ様でーす」
 番組の収録が終わり、みんな解散していく。
「あきら様」
「なんだ? 白石」
「義理返しですよ」
 白石は、チョコクッキーが入った袋をあきらに手渡した。
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/08(日) 17:57:15.71 ID:uqN7JOU0
 ちなみに、ファンたちへの義理返しはメッセージカード(もちろんその内容は丁重なお断りの返事である)とともに、一斉配送されているはずだ。
 あきらは、クッキーをひとつつまみ、口の中に入れた。
「うーん、口の中でとろけるぜ。料理番組に出したいぐらいだな」
「ありがとうございます」
「ホント、おまえなんかにはもったいない彼女さんだよな。この幸せ者が」
 白石はひたすら照れることしかできない。
 あきらは、ここで、この数年来の疑問をぶつけてみることにした。
「これの材料って、バレンタインでもらったチョコなのかよ?」
「ええ、そうっすけど」
(やっぱ、そうか。彼女さんの作ったチョコ以外のチョコは、白石の口に入ることはないわけだ。まあ、それぐらいの独占欲は当然だわな)
「それがどうかしたっすか?」
「いや、なんでもねぇよ」
(こいつは気づいてないみたいだな。この鈍感男め。やっぱ、おまえには、あの可愛い彼女さんはもったいねぇよ)
 そうは思っても口には出さない。
 二人の仲を応援すると決めたのは、ほかならぬあきら自身だから。
 数年前に、二人の交際の事実を盛大に暴露してやったのも、二人をアシストする意味があったのだった。
(案外モテるやつだからなこいつは)
「彼女さんにはお礼を伝えておいてくれ」
「分かりました」
 あきらは、そういうと足早に次の番組の収録現場に向かっていった。

終わり
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/08(日) 19:41:03.89 ID:w0fk8nMo
>>646
最初、ネタを含んだらきすたらしいほのぼのかと思ってたのに、ネタ全開百合を含んだハイブリットじゃないか!
かがみとみなみだけ微妙に壊れててワロタww そして最後もきれいでよかった。GJ!

>>650
乙! なるほど小さな独占欲か、つかさかわいいな
これってやっぱり、あきらは白石好きなんだろうか? だとするとちょっぴり切ない感じだなぁ
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/08(日) 20:50:52.11 ID:KNdJhHM0
ななこ「グスッ・・・どうせ・・・どうせウチなんか・・・・ヒッグ;;」
兄沢「黒井先生!誕生日おめでとうございます!!」
ななこ「お・・・覚えててくれたんですか!?」
兄沢「さぁ!みんなで黒井先生をお祝いだぁぁぁ!!!!!!」
店員一同「「「「「「黒井先生!!ハッピーバースデー!!!!」」」」」」
ななこ「うぅ・・おおきに・・・・みんな!ホンマおおきにぃぃぃ!!」


黒井先生、お誕生日おめでとうございます!

653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/08(日) 21:08:44.21 ID:qgRRjQAO
次の日

みゆき「昨日は学校がお休みだったので・・・」
こなた「ネトゲの世界で気持ちだけ伝えました」
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/08(日) 21:15:57.11 ID:w0fk8nMo
>>652
うおああああああ! そうだったww ダメだ、ひかると言いこうと言い、月初めとか数日前は覚えてるのに……orz

黒井センセー誕生日おめでとう! ……おめでとうでいいのだろうか


konakona:おめでとうございますwww
nanakon:なんやお前からは悪意感じるねんけどな
konakona:まさかw本当におめでとうございますwwwwwww
nanakon:明日覚えとれよ
konakona:すみません
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/09(月) 01:23:17.52 ID:3lxYLISO
>>646
百合のネタ物かと思えば最後のかなたさんがいい感じの不意打ちでした
なんだかんだで黒くなりきれないつかさ萌えww

>>650
ある意味つかさらしい嫉妬のしかたですねww
あのあきら様は非常にかっこいいです!

ただ疑問なのが送られて来たりあきら様からもらったりしたチョコは一ヶ月も持つものなのでしょうか?
特に送られて来たチョコは1月下旬から2月上旬に作られたはずですし
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/09(月) 02:56:51.69 ID:jLAzX2AO
>>655
生チョコじゃなかったら大抵持つよ
直接手渡す相手でもないから期限短いのは選ばないと思うし
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/09(月) 05:22:52.49 ID:I0KkGrA0
>>650です。

>>651 >>655
 ご感想ありがとうございます。

>なるほど小さな独占欲か、つかさかわいいな
 でも、考えようによっては、つかさの所業はかなり黒いともいえそう。
 チョコをただ送り返すのでなくて、それを材料して美味しいクッキーにして送りつけて、「こんなに料理のうまい私が彼女なんだから、あんたなんかお呼びじゃないのよ」みたいな。

>これってやっぱり、あきらは白石好きなんだろうか? だとするとちょっぴり切ない感じだなぁ
 当たりです。ただ、あきらはもう割り切れてるから、白石に対してもつかさに対しても、普通に接してます。

>あのあきら様は非常にかっこいいです!
 あきら様はかっこよくあるべきだ、と思ってます。
 いや、黒いあきら様も、原作の可愛いあきら様も嫌いではないのですが。

>ただ疑問なのが送られて来たりあきら様からもらったりしたチョコは一ヶ月も持つものなのでしょうか?
 実は私もその点はどうなのだろうと思っていたところなのですが、>>656さんによれば、大丈夫そうですね。
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/09(月) 17:31:41.78 ID:16OxYE20
こなた「今日は二月九日、肉の日とでも言いましょうかねぇ」
かがみ「あーはいはい」
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/09(月) 18:13:27.71 ID:yR6M0ADO
>>658
〜 夕食時 〜

かがみ「あれ、今夜はすき焼きなんだ?」
つかさ「今日お母さんと夕食の買い物中にね、二月九日は肉の日だねー?って思い付きで言ったら、じゃあ今夜はお肉にしましょうって」
かがみ「…あー(す、すごいな肉の日…)」
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/09(月) 20:09:40.37 ID:W8o5FcSO
>>659
次の日
みゆき「二月九日は『ふくの日』なんですよ」
こなた「服の日?」
みゆき「いえ、そちらの『ふく』の日でもあるのですが、わたしの言っているのは『河豚』の事です。下関では『河豚』を『ふく』と発音するそうで、下関ふく連盟がこの日を制定したそうです」
こなた「へー」

かがみ「…つかさ」
つかさ「え、えっと、それは流石に無理だったと思うよ…」


みゆき「ちなみに二月二十九日が『閏肉の日』、十一月二十九日が『いい肉の日』だそうです」
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/09(月) 21:33:52.37 ID:WNsz..SO
>>660

こなた「ふーん……」
みゆき「で、それはあれでなんたらかんたら……」

こなた「そんなことより皆は何ラーメンが好き?」
みゆき「ッ!?」
662 :微エロ戦士 レズリオン :2009/02/09(月) 22:44:10.68 ID:OeFbrnE0

君に 欲望(ゆめ)はあるか 欲望(ゆめ)はあるか 今を生きているか
澄んだ瞳だけに 映るブルー・ヘアー

そうさ こなたなんて こなたなんて いつも萌えるオタク
人は胸に勇気 インプットできるはずさ

レズリオン 追いかけろ こなたを レズリオン つかみ取れ アホ毛を
こなたん ブルー・グリーン 戦う君の姿に 輝きを見た
微エロ戦士 レズリオン


君に 愛はあるか 愛はあるか こなた信じてるか
熱い想い抱いて ヤツへ向かい走れ

そうさ 君の母も 君の姉も かつて変態だった
誰も胸に愛を インプットしてたはずさ

レズリオン 同性を超えて レズリオン 常識を超えて
こなたん ブルー・グリーン 戦う君の背中に やらしさを見た
微エロ戦士 レズリオン


レズリオン 追いかけろ こなたを レズリオン つかみ取れ アホ毛を
こなたん ブルー・グリーン 戦う君の姿に 輝きを見た
微エロ戦士 レズリオン

かがみ「…どう?私のテーマソング☆」
こなた「もしもしゆい姉さん?変質者が私の部屋にいるんだけどすぐに来てくれない?」
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/09(月) 23:13:37.85 ID:22R8O.6o
そうじろう「ビデオ戦士レザリオンとは、こりゃまた懐かしい。かがみちゃん、よく知ってたね」
こなた「ちょ、お父さん! 感心してないで助け……うにゃあああああああ!」
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/09(月) 23:32:45.21 ID:h9zRhlw0
>>662
へんたいかがみさんですねわかります
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 00:05:59.26 ID:L262rUSO
ひさしぶりのへんたいかがみんwwwwww
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 00:07:39.86 ID:36A3wUA0
こなた「いや〜まさか>>658のネタが育つとはねぇ〜」
かがみ「まったく予想もできないわね、肉の日で連作とは・・・」
こなた「ま〜かがみのお腹の肉に比べれば大した事ないけどね〜」ぷにぷに
かがみ「ちょ!育ってないわよ!!」ボカッ!
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 00:12:41.60 ID:QBm.m9s0
変態補正か黒化補正がかかると
平常なキャラは成す術がなくなるなwwww
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/10(火) 10:07:19.89 ID:4HzkrcDO
>>667
荒野を走る
変態かがみ
抗う術は
わが手には無い
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/10(火) 18:31:06.33 ID:8dvuNQAO
もしもキレやすいタイプだとしたら

其の一
つかさ「ケータイ買ってもらっちゃった」
こなた「じゃあ電話番号教えてよ」
つかさ「うん」

ピッ

ピッ

ピッ

ピッ

ピッ

・・・・・・・。

つかさ「だああああああああ!!!私を馬鹿にしてんのかコラアアアアア!!!」バキャア
かがみ「つかさー!携帯がこっぱみじ(ry」

其の二
ひより「このアイデア面白いかも。明日起きたら書いておこーっと」
次の朝
ニュース「ニュースです。今朝、高校一年の女子生徒が鍵の掛かった自室で頭を机の角で何回も強打し、死亡していた怪事件で、警察は女子生徒がシャーペンを握って死亡していたことから、何者かに襲われダイイングメッセージを遺そうとしていたところを殺害されたとみて捜査をすすめています」

其の三
みゆき「あ、忘れてました。温めなおさないと」ピッ
みゆき「また忘れてました・・・」ピッ
みゆき「また・・・」ピッ
次の朝
ニュース「ニュースです。高校三年の女子生徒(ry」
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 18:41:34.95 ID:x7qfSgSO
>>669

魚「俺を食え」
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 18:47:51.45 ID:QBm.m9s0
>>669

牛乳「まあ飲めよ」
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/10(火) 18:59:34.92 ID:D9vA6QSO
みゆき「血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出し不足分を補いますので、カルシウム不足でイライラが起きるという事はないそうです。もし、カルシウム不足でイライラが起きたのならば、それより前に重度の骨粗鬆症になってしまいますね」
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 19:02:50.07 ID:QBm.m9s0
>>672

669のかがみ「グダグダうるせえんだよメガネ豚ァァァァァァァァァァ!!」
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 21:14:38.17 ID:DpMOdDg0
これじゃ、ただのDQN
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/10(火) 21:28:45.62 ID:x7qfSgSO
かがみだったら
「うるさいわねっ! いちいち説明しなくていいわよっ!」
だと思う
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/10(火) 21:35:55.33 ID:D9vA6QSO
みゆき「…わたし…負けません…」

つかさ「苦しくったって〜♪」
こなた「悲しくったって〜♪」
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/10(火) 23:02:08.66 ID:8dvuNQAO
其の四
こなた「ネトゲでもしよ」

こなた「む、なかなか手強いな」

こなた「あーやられた、でもめげずにリベンジ!」

こなた「またやられた。だが、私はこんなところで挫折するような女ではない!」

次の日
そうじろう「こなたー、なんでパソコン大破してるんだー?」

其の五
こなた「ゆーちゃん、卒アル見せてよ」
つかさ「あー、私も見たーい」
ゆたか「えー、恥ずかしいし嫌だよー」
こなた「まあそう言わずに」
ゆたか「嫌だっつてんだろこのオタクがああぁぁぁ!!!!」バチーン
こなた「痛ぁっ!」
かがみ「いいビンタね。まあ見せてあげなよ」
ゆたか「うん、わかった!」

ゆたか「これだよ」
こなた「へー、これがゆーちゃんの卒アルねー」パラパラ

パラパラ・・・・・

こなた「ねぇ、ゆーちゃんって何組だった?」
ゆたか「私を馬鹿にしてんのかああぁぁぁぁ!!!!」ドスッ
こなた「グハッ・・・」
つかさ「みぞおちいったー!!!」


其の六
みさお「寝起きの柊凶暴伝説!」
かがみ「よし、歯を食い縛れ」
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 00:27:20.18 ID:Hjicusk0
>>677
ゆたか凶暴伝説
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/11(水) 08:16:42.33 ID:6Cjb45I0
>>646
亀レスだが
コメディえらい上手いな
最近で一番のヒットだったわ
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/11(水) 09:27:18.88 ID:IWS/cPw0
>>677
何故だろう…其の六のかがみに違和感をあまり感じないw


ちょいと投下します。
681 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:28:47.56 ID:IWS/cPw0
「やった!やったぁー!そろった!そろったわ!私の勝ちね、こなた」
「むむぅ。まさか、この私が負けてしまうとは……」
「じゃあ、こなちゃんが1番負けだね。約束はちゃんと守ってよ〜?」
「むー。わかってるヨ、つかさ。それで私は何をすればいいのかな?」

 私が提案した、4人でのババ抜き勝負。
 1番負けの人は1番勝ちの人の命令をきかなければならない、というルール。
 意外な事に1番勝ちは、どうせ自分が負けるからと参加を渋っていたつかさだった。
 雪でも降るんじゃなかろうか。
 で、無難なポジションである2位にみゆきさん……コレは計画どおりな気がする。
 そして最下位は、かがみとの10分に及ぶ一騎打ちにたった今敗れてしまったこの私だ。

「う〜ん……お姉ちゃんが負けたら宿題やってもらおうかと思ってたんだけど……」
「しゅ、宿題はムリだよ?」
「だよね。こなちゃんじゃ、ちょっと無理だよね」
(つ、つかさのくせに……まあ、私が先にムリだって言ったんだけどさ)

 明日から3連休ということもあってか、昨日今日で宿題はどっさりとだされていた。
 おそらく、この後の5・6時間目の授業によってさらに宿題は増えることだろう。
 私も自分が1位で、かがみやみゆきさんが最下位なら、おそらく宿題の応援を頼んでいただろう。

 何を命令しようか必死で悩むつかさ。
 かれこれ5分以上は悩んでる。
 あと2分程で予鈴が鳴っちゃうよ。
 早く決めてくれないと次の時間の宿題を写す暇が無くなっちゃうんだけどなぁ。
 というかさ、そんなに悩まないと私にやってほしいことが思いつかないなんて……
 私ってそんなに役立たずかなぁ?

“あはは。無能なこなちゃんが最下位になっちゃったから、命令できる権利の意味がなくなっちゃったよ〜”

 いやいやいや、つかさに限ってそんなことは。
 私のことを無能だなんてことは微塵も思ってはいないだろう。たぶん。おそらく。
 きっと、前もって命令を用意していなかっただけだよね。
 この私が、ポーカーフェイスの下手なかがみなんかに負けるなんて結果を予想してなくって、ね?
682 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:29:38.79 ID:IWS/cPw0

「あ、そうだ!」
「なっ、なんでしょうかっ!?」

 黒つかさについて妄想していた私は、つかさが突然発した声にびくんと反応してしまう。
 思わず敬語まで出てしまった。
 いったいどんな黒いご命令が……いや、だからそれは私の妄想上の黒つかさだってば。

「えっとね。私、今日はお家のご飯当番なんだけど……こなちゃん、代わりにつくってくれないかな?」
「う。私をいれて7人分の食事をつくるのか。地味に大変だねぇ、それは」
「あっ、もちろんダメだったらいいんだよ?こなちゃん家の都合もあるし」
「いやいや。真剣勝負の結果だからね。約束はちゃんと守るヨ?」
「え、ホントにいいの?やったぁ。ありがとう、こなちゃん」
「お礼なんて言わなくていいのよ。こなたが負けたのが悪いんだから」
「ブービー賞のくせに言うねえ、かがみん」
「はん。最下位とは違うのよ、最下位とは」
「ラ○バ・ラル?」
「誰よソレ?」
「青い巨星。ところで、かがみん」
「何よ、まだ何かあるの?もうそろそろ教室に戻りたいんだけど」
「後でお父さんやゆーちゃんに連絡するの手伝ってもらえないかな。私、携帯持ってきてないから」 
「……いつもの事だけど、あんたの携帯って本ッッ当に意味が無いわね」

 ☆
683 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:30:27.11 ID:IWS/cPw0
「こなたちゃん、ごちそうさま」
「ごちそうさま。あー、おいしかったー」

 本日のメニューは泉家特製チキンカレーとこなた流シーザーサラダ。
 いのりさんもまつりさんも満足してくれたようだ。
 かがみも2回半程おかわりをしていたようだし、味の方は完璧だったと言っていいだろう。
 大量に作ったはずのカレーもサラダも見事に空になり、達成感が私を満たす。

「こなちゃん、ホントにおいしかったよ〜。ね、お父さん?」
「ああ。おいしかったよ」
「えへへ。ありがとうございます」
「いや、お礼を言うのは私達の方だよ。ありがとう」
「あ、洗い物は私がするから。こなちゃんはゆっくりしてていいからね」

 そう言うと、つかさは手際よく皿を重ねて台所へと行ってしまった。
 かがみは食べ過ぎが原因か、“あ〜”とか“う〜”とか呻きながら隅っこに寝転んでいる。
 結果として、つかさとかがみ以外の柊家の中に私はひとり残されてしまう形となる。
 慣れない空気に戸惑っていると、それに気付いたのか、みきおばさんが話しかけてきた。

「うふふ。こなたちゃん、そんなに緊張しなくていいのよ?」
「は、はあ……そう言われましても……」
「あはは。ガチガチになっちゃってる。カワイ〜」
「からかっちゃだめよ、まつり。でも、言われてみれば確かにカワイイわねー」
「ちょ、いのりさんまで、そんな」

 普段言われ慣れない言葉を連発され、顔が赤くなってしまう。
 そして、顔が赤くなればなるほどさらに“カワイイ”を連発されてしまう。
 なんという永久機関。

「ねえ、お母さん。こなたちゃんって、今日は泊まりだよね?」
「かがみはそう言ってたけど……それがどうかしたの、まつり?」
「いやさ、せっかくだから、こなたちゃんに今日だけ柊家の一員に、妹になってもらっちゃおうかなって」
「ええっ!?」
「あら、名案じゃない。私も素敵な家族が増えて嬉しいわ〜」
「ちょ、あの、おばさん……!?」
「うふふ、こなたちゃん。そういう訳だから、今日は私のこと“お母さん”って呼んでもいいのよ?」

 そう言って私のことをギュッと抱きしめるみきおばさん。
 うあ。たぶん私の顔はこれ以上ないほど赤くなっているだろう。

 でも、こういうのも悪くないな……
 少し平和な気分に浸っていると、まつりさん達が騒ぎだした。

「あー、お母さんズルい!提案したのは私よー!ほら、“まつりお姉さん”の方においでー」
「あっ、ダメよまつり。次は私の番なんだから。えいっ……こなたちゃん、私のことは“いのりお姉ちゃん”って呼んでね?」
「ちょっと、人の妹をとらないでよ!姉さん!」
「あら、私の妹でもあるのよ?うわー、かがみ達と違って小さいから抱き心地いいわー」
「あー、もう。姉さん、早く貸してよ。私もギュッてしたいんだからー」

 そして完全に2人のおもちゃと化す私。
 ああ、もう、どうにでもなれ――
684 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:31:39.40 ID:IWS/cPw0
 ☆

 つかさが洗い物を終えて戻ってくる頃になって、私は体の自由を許されるようになった。
 2人の新しい姉は短時間でヒートアップし過ぎた為に、クールダウンの時間が必要になったとみえる。
 ようやく手に入れたこのチャンスを逃す訳にはいかない。
 私はこの隙につかさの部屋に避難することにした。
 しかしここで、ただ単に『つかさの部屋で遊ぼう』などと言えば姉2人もオプションで付いてくる危険性がある。
 そこで私は『一緒に宿題をしよう』と言ってつかさを誘うことにした。
 泣いてすがって五体を投地して、宿題に気乗りしないつかさからなんとか了承を得る。
 すぐにつかさを追い立てるようにしてその部屋へと入り込み、扉を閉めてホッと一息。

「やれやれ、散々な目にあったよ」
「ねえねえ、こなちゃん」
「ん?……どど、ど、どうかしたのかな、つかさ?」

 つかさの目は輝いていた。
 さっきのいのりさん達みたいに。
 いや、それ以上に。
 イヤな予感どころの話ではない。

「洗い物しながらお母さん達の話を聞いてたんだけど、こなちゃんはウチの子になったんだよね?」
「えっと、あれはまつりさんが勝手に……」
「私ね、妹がほしかったんだー。だからね、1日だけでもお姉ちゃんになれて嬉しいよー」
「い、いや、私の方が誕生日は早いし……」
「ね、こなちゃん。私のこと“つかさお姉ちゃん”って呼んでほしいなぁ。ね、ほら、はやく、ほら!」
「う、あ……つ、つかさ、お、お姉ちゃん?」
「えへへへへ〜。なあに?こなちゃ、じゃなくて、こなた?」

 お風呂の時間になるまで、コンマ1秒たりとも決してスキップのできない強制イベントは続いた。
 この姉の監督の下で本当に宿題をやるハメになったばかりか、ことあるごとに“つかさお姉ちゃん”と呼ばされた。
 うっかり“お姉ちゃん”と言い忘れると、もれなく姉としての説教がついてくるという有り難いオマケ付きだった。
 正直、山のような宿題よりもこっちの方がきつかった。

「ふぃ〜、このままじゃ身がもたないよ」

 みっちり2時間程のつかさによる拉致監禁及び拷問から解放され、お風呂で自由を満喫する。
 ちなみにお風呂に入る直前、油断していた私はいのりさんとまつさんに拉致されそうになった。
『つかさお姉ちゃん助けて〜』という禁忌の呪文を唱え無敵状態のつかさを召喚し、なんとか逃げ出すことはできた。
 もし捕まっていたらと思うと、ゾッとする。
 自分の唱えた呪文にも十二分にゾッとするが、背に腹はかえられなかったので仕方がない。
 野良犬に噛まれたとでも思って諦めよう。

「とりあえず、今日はかがみの部屋で寝させてもらおうかな」

 いのりさん・まつりさん・つかさの魔手から逃れるには、その選択肢が最善だ。
 おそらくかがみなら、この子供じみた冗談につきあうことはないだろう。
『はあ?こなたが私達の妹?何の冗談よ、ソレ。手の掛かる妹が増えるなんて笑えない冗談だわ』
 などと一笑に付してくれることだろう。
 そう考えると、安息の地はそこにしかない。

「こういう時は、やっぱりかがみが一番頼りになるよネ」
685 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:33:06.55 ID:IWS/cPw0
 ☆

「こなちゃ、こなた。今日はわた、お姉ちゃんの部屋で一緒に寝ない?」
「ごめんね、つ、つかさお姉ちゃん。かがみと先に約束しちゃったんだ」

 つかさは心底がっかりした顔をしたが、“かがみ”という言葉の効果か、素直に諦めてくれた。
 案の定いのりさんとまつりさんも誘いをかけてきたが、こちらも同じ台詞で簡単に逃げることができた。
 深夜の通販番組の洗剤のように驚異的な効果だ。
 どうだい?“かがみ”と一言付け加えるだけで脅威が去っていくんだよ、ジョージ!
 心の中で、かがみという名の救世主に改めて感謝する。おお、神よ、かがみ様よ。

「それじゃ、おやすみなさ〜い」

 3人の新しい姉から逃げるように、毛布を抱えてかがみの部屋に転がり込む。
 まあ、実際にかなり本気で逃げているんだけど。
 かがみはベッドにもたれてラノベを読んでいた。

「ちょっと、人の部屋に入ってくるならノックぐらいしなさいよ」
「ごめん、ごめん。悪いんだけどさ、今日はこの部屋で寝かせてくれないかな?」
「あれ?つかさの部屋で寝るんじゃなかったの?」
「んー、そのつもりだったんだけどネ。なんていうか、いろいろと疲れちゃって」
「ふーん。ま、いいわ……って、何やってんのよ、あんた」
「ふぇ?寝ようとしてるだけだけど?」
「そんなとろで寝たら体が痛くなるわよ?遠慮せずに私のベッド、使いなさいよ」
「え。でも……」
「ほら、いいから」

 疲れていると言った私のことを気遣ってか、かがみはベッドを空けわたしてくれる。
 気合を入れて料理をした上にあのような事があってひどく疲れていた私は、素直に甘える事にした。
 かがみに促されてベッドに体を横たえる。
 こんなにも待遇が良いなんて。やはり、かがみの部屋で寝るという選択股は正解だったようだ。
686 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:34:14.44 ID:IWS/cPw0
「んー。極楽、極楽♪こりゃ、すぐに寝れちゃいそうだヨ」
「じゃあ、電気消すわね」
「あ。まだラノベ読みたいんだったら点けててもいいよ、かがみ。私って、電気付いてても大丈夫な人だから」
「……そうじゃないでしょ?」
「何が?……って、か、かがみ!?な、何してんのさ、ちょっとぉ!?」

 かがみは電気を消すと当然のようにベッドに潜り込んできた。
 さらに、私の体の上に覆いかぶさるような位置をとる。
 いわゆるマウントポジション。
 カーテンの隙間から漏れる月明かりの下、かがみはいたずらっぽい目をして笑った。

「だから、“かがみ”じゃなくて、“かがみお姉ちゃん”でしょ?」
「ひいっ!?」

 体はがっちりとホールドされている。
 体格差があるとはいえ、仮にも格闘経験者の私が冗談抜きで身動きひとつとれないとは……
 
 ん?
 
 アレアレ?
 ナンダカ目ガオカシクナッテマスヨ、カガミサン?

「まったく、つかさも姉さん達も欲張りなんだから。やっと私の番がきたみたいね」
「こここ、これは、な、なななな、なんの冗談かな?」
「妹ならお姉ちゃんには従わなきゃ、ね?」
「い、いや、つかさにも言ったけど、私の方が誕生日は早いし……ちょ、かがみ!?」
「たっぷり可愛がってあげるわよ、こなた」
「は、話をきい、う、うわ、うわあああああ、あああああっ――」

 この世は……地獄だ……!!

 ☆
687 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:35:16.64 ID:IWS/cPw0
「あ、お姉ちゃん、おかえりなさい」
「あ、ゆーちゃん。ただいま……」
「お姉ちゃん、なんかいつもと雰囲気が違うけど、何かあったの?」
「ふ、ふふ……ゆーちゃんの知ってる泉こなたは死んだんだよ……」

 ゆーちゃんから見た私は、きっとおそろしく荒んだ目をしていることだろう。
 大人の階段って、自分で登るものばかりだと思ってたよ……昨日まではね。
 玄関先で荒涼とした気分に浸る私。 

「朝っぱらからなにバカなこと言ってんのよ、あんたは?」
「ふぇ?」
「あ、柊先輩。おはようございます」
「おはよう。ゆたかちゃん」

 後ろを振り向くと、そこにはさっき別れてきたはずのかがみが立っていた。
 そこにいるのが当然かのような表情をして。
 何が入っているのだろうか、2泊3日の旅行に使うような大きめのバッグを抱えている。

「ええっと、かがみ様、何か用事でも?」
「昨日言ってたわよね、“私の方が誕生日は早い”って。言われてみれば、あんたの方が年上なのよね」
「そ、それが何か?」
「だからね、今日は私があんたの妹になってあげることにしたの。よろしくね、こなたお姉ちゃん♪」
「お、おね……!?」
「お姉ちゃんなら妹のワガママをきいてくれなきゃ、ね?」
「――――――!!」 

 この絶望感、もはや言葉にならない。言葉にできない。
 いやもうこれは、絶望感っていうレベルじゃねーぞ!

 結局この日の夜、私は大人の階段をもう一段登らされることになった。

 泉こなた、連休中に二階級特進。
 めでたし、めでたし。


 ☆


「めでたしめでたしって、何言ってんの?私はもう一泊する予定よ?物語はまだ終わってないんだから、ね?」
「だ、誰かっ、誰か本当に助け、あああああア――ッ!!!?」

 めでたし、めでたし←かがみ様公認

688 :仲良し姉妹 [saga]:2009/02/11(水) 09:36:19.82 ID:IWS/cPw0
以上です。
女の子同士の仲がかなり良いのは、きっと微エロ戦士レズリオンの仕業。
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 10:35:09.75 ID:NcAMuIAO
>>688
これはヤバいwwwwニヤニヤしまくりでした。GJ!
柊姉妹が面白すぎるwwかがみが変態なのはいつもの事としても、他三人が意外とそのままな感じがまたよかった
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 10:43:26.57 ID:rkcFuWg0
>>688
カフェオレ噴いたwwwwwwww
だめだ柊姉妹wwwwwwww早くなんとかしないとwwwwwwwwww
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 11:00:44.38 ID:9xtgR.SO
流れがカオスすぎるwwwwww
いいぞもっとやれww

>>688
へんたい一家ですねわかります
こなた涙目ww
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/11(水) 17:43:54.52 ID://oA1.AO
>>688

GJ!とてもおもしろくてニヤニヤして読んでいました。
話しを読んでいる途中からかがみが一番暴走するんだろうな、と思っていましたが、ラストが私の考えの遙かナナメ上をいっていました。
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 20:31:10.88 ID:8SzC7Aw0
>>668
こなたんご愁傷様です

でもまだこなたの地獄は終わりそうにないヨカーン

つかさ「〜〜〜♪」
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 22:41:30.14 ID:NcAMuIAO
「いや〜、負けた〜。みゆきさんキャラ投票一位おめ〜」
「ありがとうございます!」
「そだ、お祝いってことで好きなものなんでも一つあげるよ〜」
「なんでも……ですか?」
「うん。あんまり値段高いのとかは無理だけどね」
「でしたら……泉さんが欲しいです」
「え? み、みゆきさん」
「私、泉こなたさんが欲しいですっ!」
「あ、あの」
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「かがみ!?」
「なーに勝手なこと言っちゃってるのかしら? こなたは渡さないわよ」
「……。あらあら、キャラ投票三位のかがみさん、何の用ですか?」
「っ! 関係ないでしょ!」
「いいえ、あります。一位と僅差で二位になった泉さんが、一位のお祝いといって申し出てくれたんです。
それを三位のかがみさんが口を出すなんて、うふ、片腹痛いです」
「こんの乳女……」
「なんですか変態」
「ちょ、ちょっと二人とも……」
「なら勝負よ!」
「構いませんよ? 知力で競いますか? それとも体力で? どっちでも負ける要素がありませんけど。うふふ」
「ふ……甘いわね。どっちが勝ちか選ぶのはこなたよ!」
「……なるほど、もっともそれで負ける要素もありませんね」
「ふん。さあ、こなた! 私とみゆき、どっちを選ぶの!?」
「ぇ、えぇ〜……」
「遠慮はいりません泉さん、はっきり言ってあげてください」
「い、いや、はっきりと言われても……」
「さあ!」
「泉さん!」
「誰か……助けて……」

「バル酢!」
「目が! 目がしみます!」
「この、臭いは……バルサミコ酢を使ったわね!」
「こなちゃんこっち!」
「う、うん!」
「待っ、く……目が開けられません……」
「私を裏切ったこと、絶対に後悔させてやるからねつかさあああぁぁ!」

「こなちゃんは、私が守る!」


なんかかがみ辺りが壊れてる流れのようなので。……反省はしてます
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/11(水) 22:48:51.98 ID:3AQCqQAO
>>694

かがみ怖えwwww
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/12(木) 20:49:20.95 ID:X5c0jMDO
こなた「♪風船みたいでおかしいぞ、ふんふんふ〜ん…いやぁ世の中便利になったよねっと(ぽちっとな」

PC画面『ご利用ありがとうございました』

こなた「うし、明日にはくるかな」



〜翌日〜
ピンポーン
こなた「お、きたかな?はぁいどうぞー」
かがみ「べっ別に遊びにきたわけじゃないから、のっノート見せにきただけだからね?」
こなた「ツンデレwwささっあがったあがった」


―――さらに翌日の朝―――
こなた「ふぅ楽しんだ楽しんだ」
かがみ「はぁはぁ…」
こなた「さてと返すか…」

〜近所のポスト〜
かがみ「痛い痛い!無理だってこなた〜」
こなた「無理なのはかがみんが太ってるからでしょ?」
かがみ「いや痩せてる痩せてないとか以前の問題だってば、こんなポストに入れるわけないってばー!」



♪ネットで借りて自宅に届き、ポストに返却…
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/12(木) 21:54:34.51 ID:6h7utpg0
>>696
その発想はなかったww
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/12(木) 22:40:55.29 ID:HZ/ET9oo
>>696
これはwwwwwwww



みゆきさんを一週間ほど借りたいんですg(ry
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/12(木) 23:54:06.98 ID:Mu3pRASO
>>696
うまいなぁ

まつりお姉様を(ry
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/13(金) 00:11:56.53 ID:V6hdmoAO
どちらも貸出中です
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/13(金) 00:15:58.35 ID:AJolWcSO
>>696
あれってたしか、お試し期間なら延滞料金発生しないをだよな…。



借らりれるだけ借りて(ry
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/13(金) 20:27:07.82 ID:/pheS1U0
みさお「でなー? 兄貴がなー」
あやの「うんうん」

あやの「――ッ!?」
みさお「ん? あやの?」
あやの「みさちゃん……あれ、何かしら?」

 フワフワ☆<=ω=.>☆フワフワ

みさお「あれって? どれだよ?」
あやの「ほら、空に浮いてる……見えないの?」



 ―空を見上げるあやのの瞳に映る世界―


 ドーン!

あやの「きゃっ」
みゆき「やっと見つけました……私はみゆき」
あやの「みゆき?」
みゆき「みゆき様と呼べ!!」



声優ネタ。話題性が無いので分からんかな
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/14(土) 00:34:25.77 ID:gBKg4cSO
>>702
超こなたwwwwww
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/14(土) 09:31:02.47 ID:.1m/l2.0
wikiが全然更新されないんだけど何で?
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/14(土) 09:55:24.90 ID:XHafMNs0
涼宮春日の憂鬱


こなた「ねえかがみ、「春日」って何て読む?」
かがみ「え?「か○が」でしょ?普通」
つかさ「でもそのまま読んだら「は○ひ」だよね」
みゆき「たしかに、そう読みますね・・そもそも春日というのは・・・(ry」
こなた「やっぱりね・・・おかげで昨日は悪夢を見たよ・・・北高のセーラー服着た・・」
か○が「こなたさん、夢で会って以来ですねww」
こなた「ぎゃあああああああ!!!出たァア嗚呼ああああ!!!!!!」



は○ひファンの方ごめんなさい
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/14(土) 10:36:15.29 ID:U2vfiADO
>>704
・まとめ人が忙しい
・まとめ?PCのやつ自分でやれよ、ちょっと調べればwikiの使い方なんてわかるだろ
・現状のまとめ人が去ってしまった
・まだ…まだだよ…もっと、もっとレスが増えてから一気にまとめる、そんな快感

などの理由が考えられます

>>705
パクり乙
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/14(土) 10:59:40.97 ID:OroSdsAO
>>704
なんでって自動でやってる訳でも、誰かが仕事でやってる訳でもないからな
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/14(土) 11:11:53.61 ID:OTb0D0E0
言おうとしたことが既に言われてた
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/14(土) 20:40:40.45 ID:ufHQKQSO
ゆたか「はい、みなみちゃんハッピーバレンタイン♪」
みなみ「ありがとうゆたか……」

みなみ「でも私は、男の子じゃないから……“ホワイト”デーでお返しは出来ないんだ……」
ゆたか「え? うん。???」


ひより(何か……何か引っ掛かるッス)
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/14(土) 20:56:35.50 ID:prTGsQAO
>>709
みなみ危険wwwwww
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/15(日) 01:33:57.78 ID:7pHyvJc0
 お昼休みの終わり、私がトイレから戻ってきた時のことです。
 珍しくお姉ちゃんとゆきちゃんが言い争っていました。
 事情の分からない私はオロオロすることしかできません。
 こなちゃんが2人の間に入って、私のことで2人が喧嘩なんかしないでよ、と叫びました。
 すぐに予鈴が鳴って、2人は黙ったまま席を離れます。

 5時間目の後の休憩時間に、こなちゃんが私のところへやってきました。
 こなちゃんは、2人を仲直りさせるのに協力してほしい、と頭を下げました。
 私はそれを快く引き受けます。
 こなちゃんがゆきちゃんを、私がお姉ちゃんを説得する事になりました。
 説得と言っても、放課後にゆきちゃんと話し合うようにお願いするだけですが。 

 放課後、私は渋るお姉ちゃんを連れて自分のクラスに戻ります。
 ゆきちゃんはこなちゃんに留められてクラスに残っていました。
 2人の間には微妙に気まずい空気が流れています。
 こなちゃんが突然、私はつかさと先に帰るから後はよろしく、と2人に言いました。
 そして私を引っ張ってさっさと教室から出てしまいます。
 こなちゃんによると、私達が居ない方がお互い謝りやすいだろう、とのことでした。

 帰り道、私はこなちゃんに2人の言い争いの原因を聞いてみました。
 こなちゃんは、恥ずかしいから詳しくは言わないけど自分がふざけ過ぎたのが原因だ、と教えてくれました。
 それを厳しく咎めたお姉ちゃんに対し、ゆきちゃんがこなちゃんのフォローにまわったのが発端だそうです。
 注意とはいえ少しばかり独りよがりなお姉ちゃんの言動を、ゆきちゃんが少し厳しめに責める形になってしまったんだそうです。
 2人とも大丈夫かな、と尋ねた私にこなちゃんは、心配しなくても2人とも私達より大人だから、と応えてくれました。
 きっと今頃仲良くやってると思うよ、と言ってこなちゃんはいつものように笑うのでした。


つかさ「ただいまー」
み き「おかえりなさい。あら、かがみは一緒じゃないのね。また、こなたちゃんと遊びに行ったのかしら?」
つかさ「ううん。こなちゃんは私と一緒に帰ったよ。お姉ちゃんは、たぶん、まだ学校にいると思う」
み き「学校に?」
つかさ「うん。ゆきちゃんと一緒に」
み き「みゆきちゃんと?勉強でもしてるのかしら……いつもなら、遅くなる時は連絡してくるんだけど」
つかさ「えへへ。たぶん、今日は連絡するのも忘れるくらい仲良くしてるんだと思うよ」
み き「あらあら、今日は何か特別な事でもあったの?」
つかさ「えっとね、そんなにたいした事じゃないんだけど――
    こなちゃんに聞いたんだけど、ゆきちゃんがお姉ちゃんを激しくせめて、お姉ちゃんがよがっちゃってたらしくって、
    こなちゃんも困っちゃってなんとか止めたんだけど、そのあと、やっぱり4人で気まずい雰囲気になっちゃって…… 
    でも、こなちゃんが気を利かせて、お姉ちゃんとゆきちゃんを上手に2人っきりにしてあげることができたから、
    たぶん、今頃は2人っきりで、大人の関係をとっても仲良くやってるんじゃないかと思うんだー
    だから、ついつい連絡するのも忘れちゃってるんじゃないかなー……って、あれ?お母さん変な顔してどうしたの?」


かがみ「ただいまー♪」
み き「おかえりなさい……かがみ、大事なお話があるから、ちょっとこっちへいらっしゃい」
かがみ「何の話?とりあえず、着替えてからでもいいかな?」
み き「……あなたの将来に関わるかもしれない、とっても大事な話なの。それに、お父さんも待ってるから」
かがみ「?」


 その日の晩、バールのようなモノを手に部屋へ入ってきた双子の姉を見たときは、訳もわからず死を覚悟したとです……
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/15(日) 05:20:51.46 ID:ZxGWbSYo
>>709
いや、本当に何か引っ掛かるぞそれはww こう……色々な捉えようがあるよな、色々。

>>711
これはひどいww つかさが端折りすぎなのか、こなたの言った意味をちゃんと理解してないのかww
つかさの末路は想像に容易いな
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/15(日) 09:42:56.90 ID:9D46YTY0
>>711
wwwwwwwwwwwww
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/15(日) 10:20:51.84 ID:ni5/gh60
投下行きます。
715 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:21:47.46 ID:ni5/gh60
 岩崎みなみ検察官が、起訴状を読み上げていた。
 内容を要約すれば、電車内における痴漢行為ということだった。
 それを受けて、柊かがみ裁判官が被告人白石みのるに問う。

かがみ「被告人、起訴事実を認めますか?」
みのる「俺はやってないっす」
かがみ「否認したものと認めます。弁護人、何か意見はありますか?」
 被告人側弁護人高良みゆきが答えた。
みゆき「被告人に起訴状で述べられたような事実はありません。被害者が痴漢行為にあったという事実自体は否定はしませんが、被告人が加害者だという検察の主張は全くの事実誤認であり、人違いによる誤認逮捕です」
かがみ「これより証人尋問を行います。証人日下部みさお、証言台へ」

 かがみは、淡々と手続を進めていった。
 模擬裁判ということもあり、分かりやすくするために実際の法廷とは違うところも多々あるし、まどろっこしい手続は省いてる。
 かがみの前の席には、裁判員として、泉こなた、田村ひより、小早川ゆたか、八坂こう、パトリシア・マーティン、桜庭ひかるが並んで座っていた。

かがみ「証人、事件発生当時の状況について、話してください」
 かがみは、人定質問等を省略して、すぐに証言をうながした。
みさお「あれは、あやのと遊びに行った帰りだったぜ。電車が駅に止まったときに、あやのが痴漢!って叫んだんだ。あやの指差した方を見たら、開いたドアから逃げるように走ってくこいつの姿が見えたぜ」
みゆき「それは本当に被告人でしたか?」
みさお「ああ、あの後ろ姿はこいつで間違いねぇぜ」
みゆき「世の中には後ろ姿が似ている人はいくらでもおります。後ろ姿だけでは、見間違いということもあるでしょう」
みなみ「それについては、別の証人がおります。裁判官、次の証人を」
かがみ「証人日下部みさおへの尋問は終了します。下がってください」
 みさおが下がっていく。

かがみ「証人黒井ななこ、証言台へ」
 ななこが証言台についた。
かがみ「検察官、尋問を」
みなみ「質問いたします。黒井さん。あなたは、事件発生日時に○○駅のホームにいたことは間違いありませんね?」
ななこ「ああ、○○時○○分の電車に飛び乗ろうと思うて走っとったからな。間違いあらへんで」
716 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:22:24.33 ID:ni5/gh60
みなみ「そのときに、ホームの階段を駆け下りてくる被告人の姿を見たんですね?」
ななこ「そうや。なんかえらく焦っとったような感じで走っとったからなぁ。よく覚えとるで。こいつの顔で間違いあらへん」
かがみ「弁護人、ただいまの証言について何か意見はありますか?」
みゆき「当時の状況について、被告人尋問の許可を願います」
かがみ「許可します。証人黒井ななこへの尋問は終了します。下がってください」
 ななこが下がっていく。

かがみ「弁護人、尋問を」
みゆき「被告人は、その当時なぜ急いでいたのですか?」
みのる「番組の収録があって急いでたんすよ。危うく遅刻するところだったっす」
みゆき「今の被告人の証言のとおり、被告人は番組収録に間に合わすために急いでいたのであって、痴漢行為をしたから逃げていたわけではありません」
みなみ「そのときに番組収録があったという証拠はあるのでしょうか?」
みゆき「それについては、証人がおります。裁判官、次の証人を」

かがみ「証人小神あきら、証言台へ」
 あきらが証言台についた。
かがみ「弁護人、尋問を」
みゆき「小神さん。○月○日○時から○○局のスタジオで、証人と被告人が出演する番組の収録があった。これは間違いありませんね?」
あきら「ああ」
みゆき「そのときの被告人の様子はどうでしたか?」
あきら「時間ぎりぎりに走りこんできてな。息があがってたぜ」
かがみ「検察官、ただいまの証言について何か意見はありますか?」
みなみ「小神さん。番組収録中あるいは収録後に、被告人に何か変わった様子は見られなかったでしょうか?」
あきら「なんつーか、落ち着かない感じではあったよな。司会もトチってNG出しまくりだったしな」
みなみ「被告人は、動揺しているような態度だったということですね?」
あきら「ああ」
みのる「あきら様。それは、あきら様があんな発言をするからですね……」

 それから、被告人と証人の間でやりとりがあり、審理とは関係ない口論へと発展していった。
717 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:23:08.24 ID:ni5/gh60
 ダン! ダン!

 かがみは、木槌を二回叩いた。
かがみ「被告人、証人、審理に関係ない口論は慎みなさい」
 今のみのるとあきらの口論は台本にないアドリブだったが、さすが芸人というべきか、当意即妙ではあった。
 しかし、模擬裁判という趣旨からは外れるので、番組収録のときのノリで続けられても困る。
 まあ、要するに、かがみはいつだって突っ込み役ということなのだが。 

 次は、被告人の妻である白石つかさへの尋問だった。
つかさ「みのるさんは、そんなことする人じゃないです!」
 つかさは、一生懸命そう主張した。
 それは迫真の演技というよりは、むしろ素のつかさそのままともいえた。
かがみ(ごめん、つかさ。旦那さんにそんな役当てちゃって。知り合いで他に当てはまりそうな奴いなかったからさ)
みなみ「証人の証言は、全くの感情論であって、状況証拠にもなりえません」
 つかさの一生懸命な証言を、みなみはばっさりそう切り捨てた。
 台本どおりとはいえ、様になっている。さすがはクールで通っているキャラだ。

 つかさへの証人尋問は終了し、次は状況証拠として検察側からDVDが提出された。
みなみ「このDVDは、被告人の自宅から押収されたものです。内容は、いわゆるアダルトビデオでありまして、俗にいう痴漢物です」
 みなみのセリフは、いつにもまして棒読みだった。いくら役目だからとはいえ、こんな発言をするのは恥ずかしいのだろう。
 裁判員席で、こなたが笑いをこらえていた。
みなみ「被告人の犯罪は、このDVDから影響を受けたものといえるでしょう」
かがみ「弁護人、今の検察官の主張に対して何か意見はありますか?」
みゆき「そのDVDが被告人の所有物であること及びその内容については争いませんが、健康的な男性であれば、そのようなものに興味があるのはむしろ当然のことです。しかし、たいがいの男性は、それを実際に行動に移すことはしません。そのDVDの存在が被告人の犯罪的性向を立証するものだという検察官の主張は全くの言いがかりです」
みなみ「弁護人の主張には一理ありとはいえましょうが、被告人が弁護人のおっしゃるとおり健康的な男性であるならば、魔がさすということは充分にありえることでしょう」

 次は、被害者の意見陳述。
 被害者日下部あやのが、証言台についた。
あやの「痴漢なんて最低の犯罪です。白石さんには謝罪と厳罰を望みます」
かがみ「被告人、何かいいたいことはありますか?」
718 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:24:01.60 ID:ni5/gh60
みのる「やったのは俺じゃないっすよ」
 みゆきがさらにフォローする。
みゆき「被害者の気持ちは充分に理解いたしますが、今の発言は真犯人に向けていただきたいと思います」

 被害者の意見陳述が終わり、検察官の最終弁論。
みなみ「被告人は犯罪の事実を否定するなど反省の態度がなく悪質です。懲役一ヶ月の実刑を求めます」
 これに対して弁護人は、
みゆき「被告人は無実です。本法廷での証言及び証拠は、犯罪を立証するには、不充分なものとしかいえません」
 最後に被告人が、
みのる「俺はやってないっすよ」
かがみ「以上で審理を終了します。これから評議を行いますので、裁判員は別室へ来てください」

 ここまでは、ほとんど台本どおりの演劇だった。
 しかし、これからの評議は台本なしの文字通りのシミュレーション(模擬)である。
 とはいっても、裁判官役のかがみがどのような意見を述べるかということについては、予め決められていたが。
 まったくのアドリブで事を進めなければならないのは、裁判員役の6名だった。



 裁判員制度の対象事件の拡大が政府で検討されていることを受けて、東京弁護士会の有志で企画されたのが、この模擬裁判だった。
 マスコミにも注目してもらうということから、かがみにお鉢が回ってきたのだ。
 かがみは、普段は許してない自分の写真撮影等を許可するというカードを切り、さらにつかさのつてで、みのるとあきらに話をつけて参加してもらった(二人には格安ではあったがちゃんとギャラは払っている)。そのおかげで、弁護士会の会議室に設営された模擬法廷の傍聴席は、マスコミ関係者でごった返していた(政治記者のみならず、芸能記者も来ていた)。
 なお、他の参加者も、かがみが友人や恩師のつながりで頼み込んで参加してもらったものだ。



 別室。
こなた「いやぁ、結構面白かったね。みゆきさんもみなみちゃんも、なんか本職みたいだったし」
かがみ「泉こなた裁判員、評議に関係ない発言は慎んでください」
こなた「かがみん、ここでも演技を続けるのかね?」
719 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:24:52.98 ID:ni5/gh60
かがみ「まず、被告人が有罪か無罪かについてみなさんの意見を伺いたいと思います」
こなた「無視された」
かがみ「小早川ゆたか裁判員からどうぞ」
ゆたか「私は、無罪だと思います。高良先輩がいうとおり、白石先輩がやったというには証拠が足りないような気がするし」
こう「私は有罪かな。他に怪しそうな奴もいなかったんだろ? なら、白石先輩で決まりじゃんか」
ひより「そう断言するのもどうなんスかね」
パティ「フーム、迷いマスね〜」
ひかる「右に同じく」
こなた「かがみんはどうなのさ?」
かがみ「私は有罪だと思います。当時の状況からして現場に被告人以外に容疑者たりうる者がなかったと推測されること、証人たちの証言は信用できると思われること、法廷での被告人の言動は後付で言い訳しているようにしか見えなかったことなどから、そう判断できます」
ひかる「でも、番組の収録時間がギリギリだったのは事実だろ?」
かがみ「それは偶然だと思われます。魔がさして痴漢行為を働いて逃げるように走り去ったあと、収録時間ギリギリだったことを思い出したのでしょう」
ひかる「言われてみれば、確かにそうかもな」
パティ「説得力がアリマス」

 沈黙が部屋を支配した。

かがみ「他に意見がないようでしたら、評決をとりたいと思います。被告人が無罪だと思う人は挙手を」
 ゆたかだけが手を挙げた。
かがみ「被告人が有罪だと思う人は挙手を」
 かがみを含む残りの全員が手を挙げた。
かがみ「6対1で、被告人は有罪と決しました。続いて、量刑について評議を行います。泉こなた裁判員から意見を」
こなた「まあ、魔がさしてのことなんだろうから、みなみちゃんがいうとおり懲役一ヶ月でいいんじゃないかな?」
ひより「私も同じっス」
こう「いや、女の敵にそれじゃ甘いだろ? 五ヶ月ぐらいは刑務所入って根性叩き直した方がいいんじゃねぇか」
パティ「こうのいう通りデス」
ひかる「おいおい、検察の求刑より重いってのはありなのか?」
かがみ「前例はあります。ただし、どれも漏れなく弁護側が量刑不当を理由にして控訴してますが。小早川ゆたか裁判員の意見は?」
ゆたか「無罪だと思うのでないです」
かがみ「意見はなしとしても、裁判員である以上、評決は拒否できません。よろしいですね?」
720 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:25:48.37 ID:ni5/gh60
 ゆたかはしぶしぶうなずいた。
こなた「かがみんの意見は?」
かがみ「初犯ですし、魔がさしての犯行と推測されること、痴漢行為自体の態様は一回限りの軽い接触程度であったことなどを考慮すれば、反省がない点を差し引いても、罰金十万円の実刑が適当かと思います」
こなた「さすがにそれは甘すぎる気もするけどねぇ」

 それからしばらく議論が続いた。
 最終的に、選択肢は罰金十万円の実刑と懲役三ヶ月の実刑の二つに絞られた。

かがみ「では、評決をとります。罰金十万円の実刑に賛成の人は挙手してください」
 かがみだけが挙手した。
かがみ「懲役三ヶ月の実刑に賛成の人は挙手してください」
 ゆたかを除く残り全員が挙手した。
かがみ「小早川ゆたか裁判員、評決の拒否は許されません。どちらに賛成なのか述べてください」
ゆたか「……罰金十万円の方で」
かがみ「2対5で、被告人の量刑は懲役三ヶ月の実刑と決しました」

 模擬法廷に戻り、かがみが判決を言い渡して、模擬裁判は終結した。



 みのるやあきらが、マスコミの取材を受けている。
 みのるの奥さんということでマイクを向けられたつかさが、
「みのるさんは、痴漢なんてしないし、エッチなビデオなんか持ってないです!」
と、一生懸命主張していた。
 まあ、お熱い夫婦だことで。
721 :柊かがみ法律事務所──模擬裁判 [saga]:2009/02/15(日) 10:26:37.34 ID:ni5/gh60
 かがみは、今回の参加者全員にお礼を言って回ってから、マスコミの取材を避けるように別室にこもった。
 今回の評議の状況をレポートにまとめる。それは、東京弁護士会経由で日弁連に提出されることになるだろう。
 同じようなことは全国各地の弁護士会でも行なわれている。
 それらは、裁判員制度の対象拡大に関する日弁連の意見をまとめる際の参考にされるはずであった。



 ちなみに、今回の模擬裁判には実はモデルが存在していた。
 過去に実際にあった痴漢冤罪事件である。
 第一審が罰金十万円の実刑で、被告人側が控訴。控訴審が始まる前に被告人側の弁護人が根性で真犯人を探しあて、警察に告訴。再捜査で真犯人の容疑が固まったため、控訴審では逆転無罪判決が下っていた。
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/15(日) 10:27:21.58 ID:ni5/gh60
以上です。

 なお、現行法では、裁判員制度の対象は次のように限定されてます。

(対象事件及び合議体の構成)
第二条  地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第二十六条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
一  死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
二  裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/15(日) 11:19:21.90 ID:JGKLK2SO
>>l50
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/15(日) 11:27:17.64 ID:JGKLK2SO
事故ったorz
>>723は俺ですすみません
>>722
乙であります
判決って難しいね
自分なら有罪判決の懲役一ヶ月かな?
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/15(日) 12:57:25.48 ID:wTbSYoSO
今更だがスレタイ、かめはめ波みたいだな
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/15(日) 18:44:56.81 ID:oFkgu0E0
みなみ「アぁ〜ハぁ〜ハぁ〜のぉ〜、ハぁ〜」
ゆかり「ぷ、ククク」

みなみ「!?違う、これは・・・上の人がやれって言ったから・・・」
ゆかり「上、の人?クククwww」

みなみ「・・・///」
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/15(日) 19:23:59.01 ID:wq5m5R.o
>>722
乙です。このSS内でもそうだけど、やっぱり本職の意見に流される人多いんだろうなぁ
その場合俺もゆたかと同じかな。=犯人と言えるほどの証拠とはとても

隠しファイルも表示する設定で、パソコンのDドライブ調べてみな>つかさ

>>725
どこがだwwww 
そう見えるようになったじゃないか……
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/15(日) 19:29:07.33 ID:Q8Ap/w2o
>>722
これ読んでふと思ったけどこの女性被害特有の事件を扱った模擬裁判の裁判員は全員女なんだよな。
以外と有罪側が多く量刑も重めだったけど女性の観点からしか見れないのを考えれば必然・・?

裁判員が全員男性だったらまた違う結果になったかも(そっちはそっちで不公平だが)
この手の事件は出来れば裁判員の性別も出来るだけ偏り無くして欲しいですね。
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/15(日) 19:30:58.88 ID:oFkgu0E0

−−−−−−−−−−−−−−−−

やっほぉぉぉぉっ!!!

 こ こ ま で ま と め た

−−−−−−−−−−−−−−−−

730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/15(日) 19:36:55.28 ID:wq5m5R.o
>>729
おお、超乙だぜ!
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/15(日) 20:09:42.05 ID:ni5/gh60
>>722です。

>>724 >>727 >>728
 ご感想ありがとうございます。

>このSS内でもそうだけど、やっぱり本職の意見に流される人多いんだろうなぁ
 私の個人的な意見としては、有罪無罪の判定にかかる部分(証拠の評価とか証言の信憑性とか)に関しては、本職の意見に流される部分が多くて、量刑についてはむしろ本職より素人の方が厳しくなりがちなんじゃないかと予想してます。
 裁判官は「目には目を」はあくまで量刑の上限ということは心得てますからね。上限いっぱいを科すほどではないと判断すれば、それより下がっていくしかない。
 でも、素人から見れば、そういう判断って甘く見えるなんじゃないかと。

>その場合俺もゆたかと同じかな。=犯人と言えるほどの証拠とはとても
 防犯ビデオとかに映ってない限り痴漢事件には決定的な物証がない場合が多いでしょうから、犯罪を直接・間接に立証する証拠はほとんど証言だけになります。
 この手の事件が裁判員制度の対象になったら、素人には結構しんどいと思います。

>これ読んでふと思ったけどこの女性被害特有の事件を扱った模擬裁判の裁判員は全員女なんだよな。
 らきすたは女ばっかですからね。どうしてもそうならざるをえない。
 そうじろうなんかを裁判員にいれたら被告人に甘すぎなような気がするから、かがみとしては配役の最初の考慮段階で排除してたでしょう。
 まあ、そもそも、実際の裁判員制度では、被告人の関係者(友人、親戚、知人など)は選任の段階で排除されるはずです。これは模擬だから、その辺の配役は徹底しなかったということで。
 ちなみに、かがみが実際に裁判官だったとしたら、妹の夫が被告人ということで、この事件の担当を自ら辞退せねばならないところです。


>>729
 まとめありがとうございます。
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/16(月) 02:53:51.79 ID:P9GohgSO
>>729
乙だぜ!やっほぉぉぉぉっ!!!

ゆたか「体に気をつけてくださいね><」
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/16(月) 08:53:08.02 ID:LPlBLYSO
−まとめ人への感謝の気持ち−

こなた「を、久しぶりにやろうとしたんだけど、ネタが無いんだよかがみ」
かがみ「なら無理にしなくても…ってーか別にネタにしなくても普通に『お疲れ様です』とか『感謝しています』でいいんじゃないの?」
こなた「それだと味気ないっていうか、芸人魂が疼くというか…」
かがみ「いつから芸人になったんだ」
こなた「と、いうわけで、ほいこれ持って」
かがみ「なにこれ?タンバリン?」
こなた「うん、こうやって構えて…しゃかしゃかへい♪」
かがみ「…やれと」
こなた「うん。しゃかしゃかへい♪」
かがみ「…しゃ、しゃかしゃかへい…」
こなた「もっとノリよく大きな声で、しゃかしゃかへい♪」
かがみ「…しゃかしゃかへい♪」
こなた「そうそう、いい感じだよ、しゃかしゃかへい♪」
かがみ「しゃかしゃかへい♪」
こなた「しゃかしゃかへい♪」
かがみ「しゃかしゃかへい♪」


ななこ「さー、授業始めるでー。高良、号令ー」
みゆき「え、アレはスルーですか!?」
こなた「しゃかしゃかへい♪」
かがみ「しゃかしゃかへい♪」
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/16(月) 09:00:46.92 ID:P9GohgSO
>>733
ちょwwwwww
授業始まったらやめろよwwww
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/16(月) 12:22:59.48 ID:5Y2yLESO
あの有名な言葉が誕生した瞬間のネタ


かがみ「あら? へぇー、ウルトラマンに悩みを相談しよう、だって」
こなた「すごっ、本物じゃん!」


○(%)o<ジュワ!


こなた「ジュワワジュワワ、
    ジュワジュワジュジュワワワワワ?」


○(%)o<日本語でおk


こなた「…………」
かがみ「軽く夢壊されたわね」
736 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:13:31.59 ID:l88PCdU0
第6話 援軍と危機

約10分後、私は秋葉原駅に到着した。
二次元では「秋葉腹」だったのに。やっぱり多少違うんだなー。
でも流石は駅周辺。夜でも人がいっぱいだ。いや、夜の方が多いモンなのかな?
駅の中にちょこっと入ってみるが、かがみたちは見受けられない。
私のが早かったかな?しょーがない、少し待つかー。

10分が経過した。
未だ何の変化もなし。
ぅーん、迷っちゃってんのかなぁ?
そんな遠くでもないハズなんだけど・・・
ん?そういえばさっきより人、増えてない?気のせいかもだけど。
でも駅前に人だかりが・・・オフ会か何かでもしてるのかな?
まあいいや。とりあえずもっかい電話してみよう・・・。

プルルルル・・・プルルルル・・・

(=ω=.)

プルルルル・・・プルルルル・・・

(=ω=.)?

プルルルル・・・プルルルル・・・

(=ω=.;)・・・。

『ただいま、電話にでることができまs(ry』

えー・・・?何でだろう。
もっかいかけ直してみてもやっぱりダメ。
つかさやみゆきさんにもかけてみたけど、結果は同じだった。
どうなってるんだろう・・・?
でも携帯が繋がらない以上、どうゆう状況なのかも分からないし・・・
どうしよう、困ったなぁ・・・。

駅から出て辺りを見回すも、ただアキバの風景が目に飛び込んでくるだけだ。
737 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:14:06.63 ID:l88PCdU0
「あれ、こなたんじゃね?」
「お、まじだ・・・」

「ん?」
声の方を振り返ると例の駅前の人だかり・・・10人くらいはいるだろうか、
みんなが私の方をじっと見ながら呟いていた。
またかーーーー(=ω=.;)
でも、その人たちは私を追いかけるようなこともせず、ただ見ているだけだった。

「よし、連絡するぞ」
「おk」

そうぶつぶつ言いながら携帯を出し、なにやらいじってる。
れ、連絡て・・・ちょっと、待ってよ。嫌な予感がするんですけど・・・
もしかして峰岸さん陣営のスパイかなんかとかだったら・・・
やばい、なんか逃げた方がいい気がする。

私はダッとダッシュした。
もう、このアキバに安心して居られる場所はないの!?

「あ、おい、逃げたぞ」
「えっまじ、やばくね」
「待てこなたん!!!ここに居ろ!!」

後方から声が聞こえるけど、無視。
しかし、前方。
見覚えのある人たちが見えた。
峰岸さん陣営と衝突していた、メイトで会ったオタクの人たち。
峰岸さんたちのところから戻って来たのかな?

「あっ、こなたん」
「止まれ!!」
「そっちはダメだ!!あいつらがいるぞ」

「えっ!?」

声が聞こえて、急停止。
あいつら、それは峰岸さんの僕たちのこと、と解釈した。
この人たちのいう事が本当かは分からない、けどもし本当なら、さらに危ない。

「それって・・・」

「あいつら血眼で探してる。いずれこっちの方にも来るぜ」
「そうそう。早く逃げた方がいい」

「え・・・あ、うん」
738 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:15:03.34 ID:l88PCdU0
「おっ、いたいたー」
「こなたーん」

先ほど駅前に居た人たちもこっちに走ってやってきた。
なんだか人がいっぱいに・・・。

「お、やっと合流できたな」
「おっしゃーテンション上がってきたぜええええ」

私の傍らでなんかやけに盛り上がってるらしいオタクの人たち。

「あ、あのぉ・・・」

「お、そうそう、おまいら聞いてくれ。俺たちの嫁がどうやら困ってるらしーんだ」
「困ってる?」
「最近らきすたが変になってるのは知ってるけどwwwwww」
「それが原因でこなたんが3次元に来ちゃったんだ」
「まじでかwwwwww」
「え、じゃあどうすんだ?らきすたはこのままなのか?」
「いや、そーいうワケじゃない、なっ?こなたん」

「え?あ、うん・・・峰岸さんから原作者を解放して(ry」

何か流れなのかなんなのか、オタクの人たちに事情を説明することに。

「そっか、かがみんたちとはぐれちゃったのなwwwwww」
「誰か見たやついる?」
「ねーよwwwwww」
「俺もないな」
「よし、じゃあ今からみんなで探してあげよーぜwwwwww」

「えっ、そんな・・・別に、」

「遠慮すんなよ。俺たち、こなたんの役に立ちたくてこうやって来てんだぜ?」
「そうそう、俺の嫁が困ってるんだからなwwwwww」
「ばーか、俺の嫁だっつーのwwww」
「俺のだしwwwwwwww」
「一旦黙れおまいらwwww」

何だか私に協力してくれるみたい・・・。
ぅーん、だけどなんか複雑な心境だなぁ(=ω=.;)

「俺たちのらきすたは、俺たちで守ろうぜwwwwwwww」
「そーだなww今はいち、らきすたファンとして、だなwwwwww」
「よーし、じゃあ一旦解散な。何かあったらスレに報告を・・・」
「おk」

そう言ってオタクの人たちは一旦私の前から姿を消した。
複雑な心境ながらも、何だかちょっと良いなぁ、と思った。
なんてゆーか・・・ファンの力ってすごい・・・。
とりあえず私は駅に戻ることにした。
739 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:15:53.92 ID:l88PCdU0
けど、かがみたちは未だいない。
ホントにどこ行ったんだろう・・・?




プルルルルルル・・・

(=ω=.)!!

携帯に着信がきた。
かがみからだ。やっと連絡が来たよ。

「もしもし?かがみん?遅いよもー、何やってんの?」

どうせ、道に迷ったから電話してきたんだろう、と軽い気持ちだった。

『・・・・・』

「?・・ねえってば、聞こえてないの?」

電波悪い?ワケないよね。駅前だし。電波3本立ってるし。

「おーい・・・」

相変わらず返事なし。
何?何?返事がないと、なんか怖くなってくるじゃん・・・。
数秒沈黙があったのち、やっと人の声が聞こえた。

『もしもし?』

「ぇ・・・あれ・・」

しかし、その声はかがみのものではなかった。
私は予想外の声に、少し動揺した。
740 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:16:27.38 ID:l88PCdU0
「だ、誰・・ですか?」

『あら、分からないの?私よ』

その声に聞き覚えがある。
それもその筈。
さっき、私が会った人だったからだ。

「峰岸さん・・・」

『正解♪』

て、ちょっと待って。
何で峰岸さんがかがみの携帯から私に電話しているんだ?

「かがみは?」

『なぁに?』

「かがみは?それ、かがみの携帯だよね」

峰岸さんが、かがみの携帯を使っている。
と、いうことは、峰岸さんがかがみに接触したわけで・・・
つまり・・・それは・・・
冷や汗が出るのを感じながら、私は静かに峰岸さんの返答を待った。

『そんなことより、泉ちゃん今どこ?』

しかし返答どころが疑問で返してきた。
普段の峰岸さんなら発さないような、低くて静かな声だった。
私は一瞬頭の中でヤンデレキャラを思い浮かべてしまった。

「私の質問に答えてよ」

声の迫力に気圧されながらも、私も強気に言った。
741 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:16:58.40 ID:l88PCdU0
『どこ?』

先ほどよりも威圧感がこもっていた。
私は身震いした。
まだ、私のこと探しているんだ。
返答を考えようとしたが、恐怖で一瞬思考が停止した。

「な、何で、そんなことっ・・・」

ちょっと上ずった声が出た。

『どこ?』

再び同じ言葉が返ってきた。
威圧感がさらに増し、私は恐怖した。
危うく携帯を取り落とすところだった。
私は震える手で携帯を耳から離した。

もし、場所を教えてしまったらどうなるのだろう?
そんなの考えなくても分かる。峰岸さん陣営が攻めてくる。
もし捕まってしまえばアウト。原作者を助けることもできなくなる。
そう、捕まってしまっては駄目なんだ。
捕まるわけにはいかない。だから、場所は教えてはならない。

けど、かがみたちは?
峰岸さんはかがみの携帯でこっちに電話をしてきた。
かがみがわざわざ峰岸さんに携帯を渡すわけがない・・・。
つかさやみゆきさんが一緒でも、峰岸さん陣営の方が数が多い。
それに、もし誰かが逃げ仰せたというのなら私に連絡が来る筈だ。
そしてさっき、誰に電話しても繋がらなかった・・・。
つまり・・・かがみたちは・・・既に捕まってしまっている・・・?
もっと、早くに気づくべきだった。

私は愕然とした。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
いっきに焦りの感情が溢れ出した。
私は震える手で再び携帯を耳に当てる。
742 :こなたん達が3次元に来てしまったようです :2009/02/16(月) 22:17:29.46 ID:l88PCdU0
『泉ちゃん?聞いてるかしら?』

「・・・っ」

私の脳裏に、突然峰岸さんの顔がフラッシュバックした。

”存在を封印するどころか、存在そのものを消すことだってできるわ”

みんなの存在が消える。
考えただけで背筋が震えた。
そんなこと、現実世界じゃありえないけれど、私達の世界は2次元だ。
3次元とは次元が違う。3次元から2次元を変えるなんて造作もないことなんだ。
原作者という神がいるから。峰岸さんにしてみれば神を牛耳ったも同然だ。
私達が2次元でしていた生活・・・、学校に行ったり、ネトゲをしたりしたことも・・・。
みんなで遊んだり、ふざけたり、笑い合ったりしたことが、全て・・・なかったことになる。

・・・それだけは、絶対に嫌だ。

私は走り出した。
さっき私達が逃げ出した廃ビルに向かって。
夜の秋葉原を疾走した。
未だ通話中になっている携帯電話を握り締めたまま・・・―――。
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/16(月) 22:22:47.99 ID:l88PCdU0
お久しぶりです。・・・と、毎回言ってる希ガス
気が向いたときに書くかーって感じなんだ
でも途中放棄はしたくないから頑張って完結させたいぜ><
というわけでまとめてきます
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/17(火) 00:23:45.40 ID:AjcuSYSO
>>743
乙だぜ!
最悪の事態だなこなたんがいかにして乗り越えるか期待してるぜ!
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/17(火) 01:38:06.31 ID:gGL7vGA0

バル酢探偵つかさ
〜ミートボール盗難事件〜

昼休み

みさお「うぇぇぇぇん・・・ミートボールがぁぁぁ・・・」
かがみ「く、日下部!もう泣くのやめなさいよ!私のおかずわけてやるから!」


こなた「かがみんダイエットの本持ってきてたよw」
つかさ「それ昨日お姉ちゃんが買ってた本だw」

かがみ「はぁ・・・」
こなた「おっと、どうしたのかがみん」
かがみ「それがね・・・」

こなた「みさきちのミートボールが盗まれたぁ?」
かがみ「かなりヘコんでたわよ」
みゆき「誰が盗ったのかはまだわかってないのですか?」
かがみ「そうなのよねぇ。あいつ、今日ミートボール凄い楽しみにしてたらしくて、頻繁に弁当箱の中身チェックしてたのよね」
つかさ「最後に見たのはいつ?」
かがみ「三時間目の後の休憩時間ね。私のクラス四時間目は移動教室だったんだけど、日直が教室の施錠忘れたせいでその間はずっと空きっぱなしだったのよね」
みゆき「私たちのクラス、四時間目は途中で一回全員教室の移動がありました」
かがみ「授業時間の間に?」
こなた「なんか先生の手違いだったみたい」
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/17(火) 01:58:07.83 ID:gGL7vGA0
みゆき「あの移動は、かなりgdgdで・・・とても時間かかかりました。あれだけ時間があればミートボールを盗むこともできたでしょう・・・。スイマセン、委員長である私がもっと急かしていればこんなことは起こらなかったかもしれないのに・・・」
かがみ「みゆきは悪くないわよ!自分を責めたりしないで・・・」
こなた「悪いのは犯人だよ」
みゆき「ありがとうございます・・・」
かがみ「でも、あいつもあいつよね。たかがミートボール数個で大げさな・・・」
みさお「ミートボール馬鹿にすんな!!」
かがみ「うわ!いつの間に・・・」
あやの「さっきから居たよ。でも、本当に肉団子たかが数個なのにねー」
みさお「にくだんご・・・?なにそれうまいの?」
かがみ「は?」
みゆき「肉団子ってミートボールのことですが・・・」

みさお「・・・ヴぁか!知ってたに決まってんじゃん!」
あやの「・・・・。」


かがみ「そういえばこなた。今日は忘れ物なかったわね」
こなた「何その毎日あるみたな言い方」
かがみ「まぁね」

つかさ「・・・バルサー♪」
こなた「え、何、今の」
つかさ「盗難の犯人大体わかった!」
皆「つかさでもわかるとか難易度低すぎwww」
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/17(火) 08:40:05.98 ID:krg8BkAO
おし☆らせ

★3月2日より第13回コンクール開催★

ただいまお題募集中です。
また主催者、投票所設置できるかたも募集しています。
※どちらかだけでも可
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/17(火) 13:56:35.80 ID:0fA.akAO
>>735
こなた可哀想wwwwww

>>743
乙です
危機に直面ですね
毎回続き楽しみにしてます

>>746
俺つかさに負けたww
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/17(火) 18:40:19.64 ID:npD.D.Q0
>>733

かがみ「なにこれ?タンバリン?」
こなた「うん、こうやって構えて…しゃかしゃかへい♪」
↑リトルバスターズ?
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/17(火) 18:56:22.68 ID:BTvVTUSO
>>749
分かる人がいたか…。
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/17(火) 19:16:09.45 ID:SABeZn20
>>733
つまり俺の周りにこなたとかがみが居るんですね^^
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/17(火) 21:50:06.36 ID:XzXBgAA0
>>743
続きが気になってしょうがないぜ!
まとめも含めてGJ!

>>746
つかさ「難易度低すぎ?……果たして、本当にそうなのかなぁ……」
かがみ「つかさ?」
つかさ「この一見して簡単な事件、わたしが33レスもたせてみせるよっ!!」

かがみ「いや、無理だろ」
こなた「つかさじゃ、無理だよね」
みゆき「無理だと思いますよ」
あやの「無理なんじゃないかしら」
みさお「ぜってームリだな」

つかさ「そ、そんな風に一斉に全否定しなくてもいいのにぃぃぃぃ……!!」

こなた「あ、泣きながら逃げていった」
かがみ「まぁ、レスの壮大な無駄遣いをせずにすんでよかったんじゃない?」
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/18(水) 08:10:30.27 ID:qOPNfsSO
地の文の「――」の後に「。」を付けると変?
付けない方が綺麗かな?
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/18(水) 10:37:35.53 ID:CrIQzMSO
>>753
自分はあんまり使わないけど、付けない方が綺麗かな。
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/18(水) 12:24:59.65 ID:CrIQzMSO
−勉強会−

かがみ「みゆき、ここなんだけど…」
みゆき「はい、そこはそれで大丈夫だと思いますよ」
つかさ「…ゆきちゃん、ここが分かんない…」
みゆき「はい、そこはですね…」
こなた「あ、こんがり肉忘れちゃった…。みゆきさん、少しわけてくれない?」
みゆき「はい、分かりました。三つくらいでよろしいですか?」
こなた「十分十分、ありがとー」
かがみ「って、なんでモンハンやってんだお前は!」
こなた「いや、ちょっと息抜きに…」
かがみ「しかもみゆきまで一緒になって…普通に回答されて、気付かなかったわ…」
みゆき「こういうのって、始めるとなかなか止まらなくて…」
こなた「一狩り行こうぜ!」
かがみ「いかねーよ。勉強しろ」
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/18(水) 20:10:34.88 ID:qOPNfsSO
>>754
レスどうも
ありがとう、参考になったよ
757 :『イタズラにゲームが背中を押す時』-1 :2009/02/18(水) 22:21:12.04 ID:i/T/hcQ0
備考:初めての投稿です。
途中に鬱、微エロ展開アリですが、オチはそんなでもないですので
誰にでも安心して読めると思います。宜しくお願いします。

かがみ「ところでみんな自由研究のテーマやった?提出期限来週よね。」

つかさはポッキーを咥えたまま首を横に振る。

みゆき「私は桐箪笥の歴史的考察をテーマに・・・」

こなた「いよっしゃー!」

つかさ「(びくっ!)」

かがみ「急におっきな声出さないでよ」

こなた「だってパーフェクトだよー、我が隊は一人もやられることなく敵軍を殲滅したのだ!はっはっはー」

くすくすと笑うみゆき。しかしさっきとは打って変わってふいにこなたが溜息をついた。

こなた「はぁ〜あ・・・。でもしばらくゲーム出来そうにないや。」

急に何を言い出すんだコイツは。

こなた「かがみってさぁ〜、人を殺した事ある?」

いつもと声のトーンが違った。
758 :『イタズラにゲームが背中を押す時』-2 :2009/02/18(水) 22:23:14.92 ID:i/T/hcQ0
かがみ「あるわけないじゃないの、何?アンタそーゆーコロス系ゲームのやり過ぎで、
とうとう本当にやりたくなったとか言い出すんじゃないんでしょうね」

こなた「みゆきさんはある?」

みゆき「ありませんね」

こなた「つかさは?」

つかさ「な、ないよー!って実際そんなことしちゃってたら今頃ここにいないし。」

こなた「じゃーさ、人を殺したいって思ったことは?」
まず私に視線を向けてきた。

かがみ「それもないわね、常識的に考えて。あっ!でもしょっちゅう言ってる事とやってる事が変わるあの政党には私の鉄拳をねじ込みたいわね!」

つかさ「んー。ないなぁ、あっ、でも今観てる恋愛ドラマの主人公がさぁ!とっても優柔不断ですっごく腹が立つの!
始めは幼馴染の女友達と協力して主人公が気になる女の子に告白して成功するんだけど、急に冷めちゃって今度はその幼馴染とくっつくの!
しかも思わせぶりな行動して周囲の女の子の気も引いてさあ!」

みゆき「お二人の気持ちは分かります。でも、人を殺めたくなる程ではありませんよね。余程でない限りは・・・。私はそんな事を考えた事はありません。」

こなた「私はあるよ、昨日ね。」

かがみ「はぁ!?」

この時私は驚くリアクションをしつつも、半信半・・、というか全く信じていない。
これからこなたの口からはまことしやかな嘘エピソードが繰り広げられて、
最後に顔面蒼白になった私達の顔を携帯のカメラで捉えてお腹を抱えて笑い転げるに違いないと踏んでいた。
どーせなんかのアニメかゲームの内容をパクってるに違いない人の殺し方とか。
すでに私の頭はこなたから借りたアニメやゲームの内容を思い返すことに専念していて、
それらの内容とこなたの話す内容が一致した瞬間、今度はこっちがため息ついてオチを言う前にネタばらししてやろうと決めていた。
759 :『イタズラにゲームが背中を押す時』 [sage]:2009/02/18(水) 22:59:16.10 ID:i/T/hcQ0
一まずここまでです。
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/19(木) 01:47:25.30 ID:N/BcHdQ0
>>759
GJ!
なんかシリアスになりそうだなwwwwktk
続き待ってるぜ!
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/19(木) 13:22:24.57 ID:cHuZTzs0
 投下します。
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/19(木) 13:23:17.33 ID:cHuZTzs0
柊かがみ法律事務所──参議院選挙候補擁立経過記録


某スポーツ新聞記事より

○○党、次期参議院議員選挙候補に柊かがみ弁護士を擁立か?
 ○○党が、次期参議院議員選挙の候補に、柊かがみ弁護士を擁立しようとしている模様だ。
 柊弁護士は、秋葉原に事務所を構え、著作権と表現の自由に関わる事件を多数受け持ち、その分野では名の知られている弁護士である。また、いわゆる二次創作を擁護する立場をとっているため、オタクたちの支持もあつい。
 ○○党としては、柊弁護士を擁立することで、幅広いオタク層からの票を集めたいとの思惑があるようだ。


某スポーツ新聞記事より

柊かがみ弁護士、参議院議員選挙立候補を断固拒否
 ○○党○○支部代表の××××氏は、柊かがみ弁護士を参議院議員選挙候補として擁立しようとしていることを正式に認めた。
 しかし、柊弁護士は、数回にわたる説得にも全く応じず、立候補を断固拒否する姿勢を貫いているとのこと。
 この件について、多数のマスコミが柊弁護士に取材を申し込んだが、すべて拒否されたようだ。
 柊弁護士のマスコミ嫌いは有名な話で、普段は事務所と自分の撮影も一切認めていない。
 いわゆるカメコ(*主に通行人の女性に声をかけて写真を撮るオタクのこと)も、これには粛々と従っているくらいで、柊弁護士の秋葉原のオタクたちに対する影響力のほどがうかがえる。


某日刊新聞記事より

秋葉原の柊かがみ法律事務所前で小競り合い、警察が出動
 ○月○日○時○分ごろ、参議院議員選挙への立候補が噂されている柊かがみ弁護士の秋葉原の事務所前で、マスコミ関係者といわゆるオタクたちとの間で小競り合いがあり、警察が出動する騒ぎになった。
 オタクたちが「かがみん先生の聖地を勝手に撮るな」などと叫びながらカメラマンに迫り、小競り合いが発生。通行人からの通報を受けた警察が出動した。
 この騒ぎで、五人が報道機関の取材業務を妨害したとして威力業務妨害の容疑で現行犯逮捕された。
 柊弁護士は、すぐに逮捕された五人と接見し、弁護活動に入った。
 逮捕された五人は、即日で送検されたが、翌日には検察当局によって起訴猶予処分となり、釈放されている。
 釈放されたうちの一人は、取材に対して、「かがみん先生から『マスコミにも取材の自由があるのよ。あなたがたの気持ちは嬉しいけど暴力はよくないわ』といわれた。反省している。でも、あそこはアキバのために仕事をしてくれるかがみん先生の仕事場だ。見世物みたいに扱われるのはやっぱり許せない」と語った。
 なお、弁護士の接見費用については、「かがみん先生は『今回はいらないわよ』っていってくれたけど、みんなで金を出し合って払った」とのことだ。
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/19(木) 13:23:56.93 ID:cHuZTzs0


某スポーツ新聞記事より

柊かがみ弁護士、○○党○○支部を威力業務妨害で告訴か?
 柊かがみ弁護士が、○○党○○支部を威力業務妨害で告訴した模様だ。
 ○○党○○支部は、柊弁護士を次期参議院議員選挙候補に擁立しようと電話で度重なる説得を行っているが、これによって法律事務所の業務に著しい支障をきたしているというのが、告訴の理由のようである。
 ○○支部代表の××××氏は、この件について「何もお答えできない」とコメント。
 しかし、○○支部の事務職員に匿名を条件に取材したところ、「警察から任意の事情聴取を受けたのは事実。だが、業務妨害といえるほどではないので立件は見送るといわれた」との回答が得られた。
 柊弁護士の立候補断固拒否の姿勢は強硬で、今回の告訴のほかにも考えられうるあらゆる法的手段をもって対抗すると見られており、○○支部は戸惑いを隠せないようだ。
 なお、柊弁護士は、マスコミ取材拒否の姿勢も貫いており、この件についても何もコメントは得られなかった。


某日刊新聞記事より

秋葉原で柊かがみ弁護士擁立反対デモ
 ○月○日○時○分ごろ、秋葉原でデモ行進が行われた。
 デモに参加したのは、主にオタクといわれる人々で、「かがみん先生を汚い政治の世界に引きずりこむな」などとシュプレヒコールを挙げながら、秋葉原のメインストリートを行進した。
 柊かがみ弁護士に対しては○○党○○支部が次期参議院議員選挙候補に擁立しようと再三にわたって説得しているが、本人は拒否の姿勢を崩していない。
 ○○党は、当初は幅広いオタク層の支持を集めるもくろみで柊弁護士の擁立を図ったところだが、かえってオタク層から反発を受ける結果となっており、近日中にも擁立断念の結論を出さざるをえないものと見られている。


某日刊新聞記事より

○○党、柊かがみ弁護士擁立断念
 ○○党は、○月○日、柊かがみ弁護士の次期参議院議員選挙候補擁立を断念したと発表した。理由については触れられていない。
 柊弁護士は、秋葉原に法律事務所を構え……(以下略)



764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/19(木) 13:24:42.15 ID:cHuZTzs0
 秋葉原に居を構える柊かがみ法律事務所。
 かがみは、夜遅くまで残って仕事をしていた。今回の騒ぎのせいで、仕事が滞っており、それを挽回するために自ら残業せねばならなかった。
 かがみ自身が個人事業主であるため、当然残業代はもらえない。○○党に請求してやりたい気分だった。
 電話が鳴り響く。

「はい。柊かがみ法律事務所です」
「夜分遅くにすみません。○○です。そちらの様子はどうですか?」
 電話の相手は、所轄の警察署の知り合いの警察官だった。
 今回の騒ぎではかなり世話になっている。
 告訴にすみやかに応じて○○党○○支部に任意捜査に入ってくれたのは彼だったし、逮捕されたオタク五人の早期釈放のために手を回してくれたのも彼だった。
「ようやく静かになりました。今回の件では、いろいろとお世話になりまして、感謝しております」
「いやいや、柊先生には借りが多くありますからね。これぐらいはお安い御用ですよ」
「でも、大丈夫なんですか? 任意とはいえ政党支部を捜査なんかしたら上からもにらまれるでしょう?」
「そんなのは気にもしてませんよ。はなから出世は諦めてますからね」
「はぁ、そうですか……」
「今後も何かあったら、遠慮なくお申しつけください。可能な範囲内でご協力いたしますので」
「ありがとうございます」

 電話を切り、かがみは再び仕事に取りかかった。

終わり
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/19(木) 13:27:37.84 ID:cHuZTzs0
 以上です。
 アキバの有名女性弁護士ともなれば、こんな話もあるのかなと思って書いてみました。


*今日は、年度末まえにとれた(おそらく)最後の有給休暇。来週あたりから、地獄の年度末進行だなぁ。社会人にとってはつらい時期だ。次のコンクール参加できるだろうか……。
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/19(木) 18:12:56.57 ID:K66LOEAO
>>759
微エロ!?
あ、いや鬱展開か期待して待ってるぜ

>>765
GJ! たしかにそれはありそう。支持集めようとして反感買うとか本末転倒だなぁ。
にしても党支部を告訴するとはかがみん先生さすがだww

かがみん先生って呼び方、かがみ公認なんだろうか?ww
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/19(木) 20:02:59.80 ID:WjPeSUI0
こなた「みゆきさんってお医者さんになったら何のCD頭につけるの?」
みゆき「・・・・・・え? えーと・・・」

つかさ(発想が子供だね)
かがみ(だがそれが良い)
768 : 『イタズラにゲームが背中を押す時』 [sage]:2009/02/19(木) 21:13:22.31 ID:qj6te4Uo
>>760
ありがとうございます!
これでもギャグものでいこうと思って書いてるんですwwwwwwwwSSって難しいですねwwww

>>766
ありがとうございます!
激しくジャンル説明間違ってるかもしれませんww

投下します。


769 : 『イタズラにゲームが背中を押す時』-3 [sage]:2009/02/19(木) 21:24:38.98 ID:qj6te4Uo
こなた「メイド喫茶のバイト先の店長をさ、殺しちゃったんだ。」
こなたはうつむき、声が震えていた。

みゆきとつかさは呆気に取られている。

こなた「お別れの前に話すよ。一ヶ月前に新人のメイドちゃんが入ってきてさ、Aちゃんっていうんだけど。
どんなに忙しくても笑顔を絶やさない子でさ、バイト仲間ともすぐ打ち解けて
お客さんの間でもすぐ人気に火ついちゃった。
ある日のことね、閉店時間になってもAちゃんを捕まえて中々帰ろうとしない客が来てさ、
厨房で皿洗いしながらみんな怖い顔で睨みつけてた。
とうとう店長が痺れを切らしてその客を追い返したんだ。
オタクのネットワークって怖くてね、悪い風に噂を流されるとあっという間に広がって、瞬く間に売り上げに影響するんだよ。
だからこういう時だれもきつい態度で応対出来ないの。だから特に店長の行動はカッコ良く映った。
その客を追い出した後はみんで拍手喝采だったよ。そして私はAちゃんの顔が赤くなってたのを見逃さなかった。」

バイト先での話しか、私はそういうシチュエーションのアニメあったかな?と脳内ハードディスクに絞込み検索をかけた。

こなた「ある日Aちゃんはお店で一番仲の良かった私に相談を持ちかけてきた。自分は店長に恋している件についてね。
私って恋愛経験全然ないからさ、漫画やアニメで仕入れた知識で適当なことばっかり言って全然役に立ってなかったと思う。
でもAちゃんありがとうって、話聞いてくれただけでも勇気が出てきたって言ってくれたのね。
私もそれから二人の恋路が気になってバイトに行くのが楽しみになっちゃった。」

こなた「ある日開店前にお店に着いた事があって、更衣室のドアの隙間からバイト仲間と店長がエッチしてたのを見たの。
私は背筋が凍りついたよ。店長が動物に見えた。交尾って感じで、およそ萌えだとかそういうのには程遠いものだった。
私は見なかったことにすることにしたんだ、Aちゃんにはそれとなく諦めるように促すことにして。
でも、それで終わりじゃなかった。ある日店長とバイト仲間とのいかがわしい写真が綴じてるファイルを見つけてしまったんだ。
店長はバイトを食い物にしてることが分った。」

汚い大人の話に私もつかさもみゆきも言葉が出なかった。

こなた「急いでファイルを元あった場所に戻して振り返ったら、店長が背後に立っていた。張り付いた笑顔をして。」
770 : 『イタズラにゲームが背中を押す時』-4 [sage]:2009/02/19(木) 21:38:18.36 ID:qj6te4Uo
こなた「店長はいきなり私の唇を奪ってきた。気持ち悪かった。そのまま抱きかかえられて
机の上に座らされてズボンを下ろし始めたの。私は暴れて、身をよじって誰かに助けを求めようとしたら
更衣室のドアの隙間にAちゃんが立ってたの。涙を流しながら。絶望的だった。訳が分らなくなったよ。
うっ・・・、うっ・・・。」

みゆき「それで、どうしたんですか・・・。」

こなた「突き飛ばした。帰り道。ホームから。」

つかさ「つかさ!アンア昨日人身事故の列車に乗ってたって!まさか!!!」

つかさは口をパクパクさせていた。私は姉としてこういう時なんて声をかけていいのか分からない。
親友としてなんて声をかければいいのかも分からなかった。

かがみ「アンタ自分が何やったか分かってんの!!!」


人生で一番大きな声を出したと思う。そうせずにはいられなかった。
そして親友の罪に対しての怒りと、何の解決策も見出せない私自身の怒りに任せて
手にした漫画をこなたに投げつけた。
違うこんな事をしたかったんじゃない。
こなただって傷ついてるんだ。

こなた「へぶっ、いったぁ〜・・・。」


みゆき「皆さん落ち着いて下さい!これは不運な出来事だったんです。冷静になって下さい。
こなたさんは勇気を持って・・・告白・・、して・・くれ・・たんですよ・・・。
私達を必要としてくれているから!」

みゆきは声を詰まらせながらしっかりと言った。
針金が私の左胸を締め付けた。痛い・・・。

・・・?

ふいにこなたは勉強机に腰かけてペンを走らせはじめた。
771 : 『イタズラにゲームが背中を押す時』-5 [sage]:2009/02/19(木) 21:46:22.97 ID:qj6te4Uo
こなた「えーっとで、結果はつかさが真っ青になって、みゆきさん涙目、かがみんは物を投げつけて罵声を浴びせるっと!」

かがみ「は・・・?あんた何言って・・・」

こなたはイスの上に立って回転しながらグレートサイヤマンのポーズを取って私達の前でこう言った。

こなた「うっそぴょーん!こなたプレゼンツ自由研究テーマ『重大な告白をした時の愛する我が友のリアクション!』
いやぁ〜興味深い研究結果が得られましたよぉ〜。これもみなさんのおか・・・」

つかさ「こなちゃん・・・」怒りに震えている。

みゆき「泉さん・・・」みゆきの握りこぶしを初めて見た。

かがみ「こぉなぁたぁ〜!!!」

私はみゆきとつかさにぬいぐるみとざぶとんをパスしてから飛び掛った。

つかさ「もうっ!本気で信じちゃったんだから〜!」

みゆき「今回は度が過ぎますよ!」

かがみ「このっ、このっ!この〜!」

こなた「いたいっ!いたいっ!ごめんよぉ〜!!」

私達は安堵の気持ちの方が勝っていたから、笑いながら怒った。

その時、こなたの部屋の扉がきぃ〜・・・という音を立ててゆっくり開いた。

ゆたかちゃんが立っていた。

右手に赤い血液がしたたる包丁を持って。

目が虚ろで、どこにも焦点があっていないようだった。

その場に居た全員が青冷めた・・・。

かがみ「あっ・・・あっ・・・。」

するとおもむろにゆたかちゃんは背中ごしに隠し持っていた左手を私達の前に差し出した。

こなた「とまとじゅーす」

-おわり-
772 : 『イタズラにゲームが背中を押す時』 [sage]:2009/02/19(木) 21:47:51.00 ID:qj6te4Uo
>>757-758
>>769-771
これで以上です。

ありがとうございました。
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/19(木) 22:44:51.74 ID:8ddzvD6o
>>772
こ、これはエロい! じゃなかったなんてシリアス……でもねーよ、まてやコラww
こなたやりすぎwwゆたかはこなたの仕込み? よく引き受けたな。面白かったぜ、乙!
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/19(木) 23:09:12.16 ID:ojXpBPE0
そういえば、シリーズ物の泉こなた内閣やらき☆すた殺人事件などの復活はあるの?
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 00:14:13.03 ID:qgpFYnw0
>>772
途中までドキドキしながら読んでたぜww
確かにやりすぎかも試練がこなたらしいオチで思わずほっとしちまたww
と思ったら最後のゆーちゃんでまたビビったよ、ちくしょいwwww乙だっぜ!

>>774
さあどうだろう・・・
どちらも1人の作者さんが書いてるやつ?だよね?
だったら作者の人次第だと思うガ
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/20(金) 00:48:15.40 ID:VtmYmQAO
私はハーフドラゴンこなたとねこなたの続きが見たいですね。これもやっぱり、作者さん次第なんでしょうね。
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/20(金) 01:15:39.06 ID:4ajQkIY0
>>772
ゆーちゃん何やってんだww


>>774-776
続き物の投下は期待して待つしかないよなー。
過去に長いの書こうとしたことあるけど、モチベーションの維持が難しいんだよな……
まあ、こうやって需要があるのが目に見えたら作者さんもやる気出るんじゃなかろうか。

単に忙しいだけかもしらんがw
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/20(金) 06:56:22.37 ID:XdO5OKE0
岩崎みなみ大臣辞任


岩崎財務相、G7会見は栄養ドリンクと薬が影響と釈明
 岩崎みなみ財務相兼金融担当相は17日の閣議後の記者会見で、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見にろれつの回らない状態で臨んだことについて「疲労がたまっていたため栄養ドリンクを20本ほど飲んだ。そのあと体調が悪化し(G7閉幕日の)14日の朝と昼に風邪薬を服用した」と述べ、栄養ドリンクと薬の影響だと釈明した。
 財務相は16日に医師の診察を受け「風邪薬の抗ヒスタミン剤と栄養ドリンクに含まれているアルコール、時差が影響したのではないかという診断だった」と説明。
 診断書を17日中にもらい、公表などの扱いを幸星党に委ねる意向を示した。



 首相官邸。
(ゆたか)「みなみちゃん。辞めちゃうの?」
 小早川ゆたか総理は、みなみが差し出した辞表をじっと見ながら、そう問う。
(みなみ)「ごめんなさい。これ以上、ゆたかに迷惑はかけられないから」
(みゆき)「小早川さん。お気持ちは分かりますが、これ以上みなみさんをかばい続ければ、政権にダメージが大きすぎます」
 高良みゆき官房長官が、ただ残酷な現実をあえて淡々と述べた。
(ゆたか)「……」
 ゆたかは沈黙するしかなかった。
(みゆき)「みなみさん。いわゆる栄養ドリンクには少量のアルコールが含まれてる場合が多いのですよ。飲みすぎれば当然酩酊します。そして、アルコールと薬の併用がよろしくないのも常識です」
(みなみ)「すみません」
(みゆき)「ほとぼりが冷めれば、また復帰のチャンスもあるでしょう。今は充分に休養なさってください」
(みなみ)「はい……」
 みなみはそういうと、一礼して退室しようとする。
(ゆたか)「みなみちゃん!」
 みなみが振り返る。
(ゆたか)「今までありがとう。またいつか一緒に頑張ろうね」
 みなみは、感極まった表情でうなずいた。


779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/20(金) 06:57:10.49 ID:XdO5OKE0
岩崎みなみ財務・金融相辞任会見「迷惑掛けたと痛感」
 岩崎みなみ財務・金融相は17日午後7時から、財務省で緊急記者会見に臨んだ。
 盟友・小早川ゆたか首相に大打撃となる辞任劇。岩崎財務相は終始沈痛な面持ちだった。
 岩崎財務相は会見場に入ると「さきほど首相に辞表を提出しました」と切り出した。
 「予算の一日も早い成立という希望が実現しにくいと判断した」。その理由を淡々と述べ、組んでいた両手を解いてテーブルに置かれたグラスに右手を伸ばし、お茶を口に含んだ。
 「判断が甘かったのでは」「国際会議での大失態だが」。記者団からの厳しい質問に時折、顔をしかめる。「あなたに言われるまでもなく感じている」と気色ばみながらも、自分を落ち着かせるように呼吸を整え「国民、政府、国会に大変ご迷惑をお掛けしたことを痛感している」と続けた。
 酩酊状態についての問いには「栄養ドリンクにアルコールが含まれているとの認識が不足していた。そのうえ、風邪薬を服用したため、あのような醜態をさらしてしまった。不徳のいたすところです」と先の釈明内容を繰り返した。
 現在も風邪が回復しないと強調。「官房長官からも、充分な休養をとるようにいわれた」と付け加えた。
 約20分間の会見の最後には「長い間お世話になりました」と一礼し、せき払いして会場を後にした。



 首相官邸に、八坂こう経済産業大臣と白石みのる内閣広報官室企画官が召喚された。
(みゆき)「八坂さんには、財務大臣兼金融担当大臣に就任してもらいます」
(こう)「うげっ……まさか、経済産業大臣と兼務じゃないでしょうね?」
(みゆき)「経済産業大臣は、白石さんに就いてもらいます」
(みのる)「えっ、俺っすか? いやぁ、あきら様がなんていいますかね」
 みのるは、小神あきら内閣広報官を補佐していろいろとやってきた。それを取り上げられたら、あきらがなんというか。
(みゆき)「首相命令です。小神さんには有無を言わせる気はありません」
(みのる)「それで納得してくれればいいですけどね。ひと悶着ありそうっすね」
(みゆき)「それは、私が何とかいたしましょう」
(こう)「この時期に財務大臣と金融担当大臣の兼務は正直きついんですけど」
(みゆき)「八坂さんにはそれだけの能力が充分にあります。それに、幸星党も人材が豊富というわけではないですからね」
(こう)「過分の評価だと思いますが」
(ゆたか)「よろしくお願いします」
 ゆたかが立ち上がって、二人に頭を下げた。
 ゆたかに頭を下げられては、二人とも了承するしかなかった。
 力になってあげたい。そう思わせる雰囲気というかオーラというか、ゆたかにはそういうものが備わっている。これも一種のカリスマなのだろう。


780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/20(金) 06:57:48.75 ID:XdO5OKE0
 みゆきが官房長官室に戻ると、そこには永森やまと外務大臣が待っていた。
(やまと)「お疲れのようですね、幹事長殿」
 みゆきは、幸星党の幹事長でもある。
 そして、やまとも、外務大臣とは表向きの顔。幸星党の裏工作部門の統括責任者がその正体だった。
(みゆき)「ええ。泉前総理の辞任以降、疲れっぱなしですよ。私も、そのうちみなみさんと同じ醜態をさらすかもしれませんね」
 みゆきは、机のうえにある箱から栄養ドリンクを一本出して、一気に飲み干した。空き瓶を無造作にゴミ箱に放り投げる。
(やまと)「幹事長殿が辞められたら、後任の人材がおりませんが」
(みゆき)「永森さんがやればいいではありませんか。八坂さんを首相にたてて」
(やまと)「勘弁していただきたいですね。そんなことになるぐらいなら、手下を派遣して、泉前総理と柊かがみ前官房長官を引きずり戻してきますよ」
 こなたとかがみは、政界を離れて、全国鉄道制覇の旅の真っ最中だった。
 幸星党が野党に転落して奈落の底につきおとされるまで復党はすまいというのが、みゆきとやまとの予想であった。
(みゆき)「私は今すぐにでもそうしたい気分ですけどね」
(やまと)「御命令とあらば」
(みゆき)「言ってみただけですよ。かがみさんはともかく、泉さんは、その気がないのに無理やり連れ戻しても、全くやる気を出してはくれないでしょうからね」
 このままだと、だらだらと愚痴が続きそうであったが、
(やまと)「そろそろ召喚の理由を」
 やまとが本題を切り出した。
(みゆき)「すみません。つい、愚痴をいってみたくなってしまいまして。例の計画の進行具合を確認したいのですが」

 それから、二人の間でどす黒い計画の進行状況の確認が淡々と行なわれた。

終わり
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/20(金) 06:59:13.57 ID:XdO5OKE0
 リクエストがあったので、書いてみました。
 今の政界の旬の話題といったら、このネタしかないようなぁ。
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 07:08:24.07 ID:tiXM.USO
シリーズ物は基本的に誰が書いても良いことになっている
後は分かるな?
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 07:13:42.92 ID:tiXM.USO
新着レスが表示されてなかった/(^o^)\
>>782は無視ww
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 07:33:05.98 ID:zg4o6Dko
なんやかんやでシリーズものっていいの多いよなー

>>780
いまだと確かにこれぐらいっスねー。GJ! 昨日の今日でリクに応えるとはww
アルコールと薬の飲み合わせがやばいのは分かるけど、それ以前にドリンク20本は飲みすぎだと思うぞみなみww
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 08:35:46.26 ID:7QHaRA.0
泉こなたの消失はまだー?
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 16:21:04.31 ID:ZfA.QC60
704です。ボクのわがままで書いてくれてありがとう。殺人事件のだれか書いてくれるか?
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 17:11:48.34 ID:DVfZgOE0
殺人事件今度書いてみようかとは思ってる
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 19:16:45.88 ID:LNM.A.AO
>>787
wktk
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 19:23:41.64 ID:1Cpb1T60
俺は殺人事件とか推理物は全然書けないwwwwww
書ける人が羨ましい><
>>787同じくwktk

asLSの続きを未だに期待している俺がいる
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/20(金) 19:54:42.43 ID:Wou0e7s0
コナタ・イズミの日記まだー?
みwikiさんがどうなったのか気になるぞ…
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 22:41:33.93 ID:ZfA.QC60
今思ったけど、未完結の作品ってだいたい途中で話が終わっていることが多いな 
例えば、始末部隊やらき☆すた・ファンタジーR2やThe Legend of the Lucky Star。

792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 22:50:10.05 ID:tiXM.USO
だから未完結って言うんじゃないの?
それにしても、ここで作品名を上げられてる作者は幸せものだな・・・
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/20(金) 23:37:58.23 ID:4zHkljk0
書いてて気に入った設定は、シリーズにしたい誘惑には駆られるけど…。
自分でまとめれないと駄目なような気がしますな。
794 :『イタズラにゲームが背中を押す時』 [sage]:2009/02/20(金) 23:49:41.57 ID:gEB/7QEo
>>773
ジャンルの説明なってなかったですね、スミマセン
ゆーちゃんはこなたの仕込みって訳ではありません。彼女のイタズラですww
隣の部屋で聞き耳を立てていて、驚かせてやろうと途中から
ずっと廊下でスタンバってましたというのはどうでしょうwwwwwwww

>>775
もうちょっと軽い感じの話にしたかったんですが難しいですねww

>>777
フヒヒwwwwwwサーセンwwwwwwww


読んでくれた人ありがとうございました。
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 23:54:28.44 ID:ZfA.QC60
791です。未完結の作品てつづきが未だに書かれていないね?
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/20(金) 23:54:52.35 ID:ZfA.QC60
未完結の作品てつづきが未だに書かれていないね?
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 00:15:59.88 ID:0kB4ZWY0
だから未完成ry

連載モノがほとんどだけど途中で作者が失踪したりが主な理由?
モチベーションが下がってるとか、スランプかもしれんけど
いつかまた続きが投下されると信じて待つしかないね
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 00:29:57.96 ID:CRqcmAAO
>>797
需要がいまいちと判断して、打ち切ったらしいのもあるな
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 13:26:01.84 ID:sPeUc/6o
いきなりだけど、お題募集を本日23:59:59で締め切ります。
現在上がっているのは、「死亡フラグ」「雛祭」「みなみ」「幸せな時」「卒業」「嘘」
「輝く時の中で」「友達」「記憶の欠片」「春」「花」
以上11こです。他にある方はこのスレか、該当スレにて。上限は20を想定しています。

また、引き続き主催者、投票所設置できる方を募集。
主催の仕事は開会、閉会時の宣言と、何かあったときの方針決め。(ぶっちゃけ何もないですがww)
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/21(土) 13:38:06.33 ID:odkZIWc0
岩崎前財務相、バチカン博物館で柵越え美術品触り警報鳴らす

 辞任した岩崎みなみ前財務相が、失態を演じた14日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見後に見学したバチカン博物館で、美術品の周囲に設けられた柵を乗り越え、触ることが禁止された美術品を素手で触っていたことが20日、ローマ法王庁(バチカン)関係者の話で分かった。
 岩崎氏は会見後の14日午後、財務省幹部やバチカン博物館の職員らと約1時間半、館内を見学。その際、大蛇に襲われるギリシャ神話の登場人物をかたどった有名なラオコオン像の前で柵を越え、像に触れたため、警報が作動した。
 しかし、博物館職員はこれを問題行為ととらえず、制止しなかった。また、バチカン側も今後、岩崎氏に抗議などをする考えはないという。
 この件について、岩崎氏に親しい田村ひより文部科学相は、「岩崎さんは胸がないのを気にしてたっスからね。彫像の胸(注1)がうらやましくてつい手が動いちゃったんじゃないっスか。栄養ドリンクを二十本も飲むほどっスから、疲労でやっちゃいけないことも分からなくなるぐらいに朦朧としてたんでしょう」と語った。
 注1 ラオコオンの性別は男とされている。



*なんつーか、あの人はネタがつきませんな。まだまだぞろぞろ出てきそうだ。
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 14:12:51.63 ID:LsZXCAU0
>>793
そのシリーズもそればっかり延々と書き続けられると飽きるけどな
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 22:43:23.36 ID:sPeUc/6o
少ないけど、ここまでまとめ完了
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 23:40:25.60 ID:vuCdTkSO
>>802
いつもお疲れ様です!
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/21(土) 23:59:59.91 ID:sPeUc/6o
と、言うことで今日から三日間、お題の投票を行います。24日23:59:59までに投票をお願いします
http://vote3.ziyu.net/html/odie.html
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 00:59:48.39 ID:la/bebM0
つかさ「今日は私たちの大事な暴露話があるんだよー」
かがみ「うん」
こなた「へー、何?」
かがみ「驚かないでよ。実はね、私達、一卵性双生児だったのよ」
こなた「へーっええええぇぇぇ!!嘘!?顔全然違うじゃん!」
かがみ「私ね、幼い頃に顔に大火傷負って一回整形してるのよ」
みゆき「本当ですか!?」
かがみ「本当よ、ねぇつかさ姉さん」
こなた「ええっ!?何つかさ姉さんって!?」
つかさ「うん。何か本当は私の方が姉だったみたい」
こなた「何でこんな急に?」
つかさ「今まで私達の両親や姉さん達が必死になって隠してたらしいんだけどね」
みゆき「何で隠されてたんですか?」
かがみ「話すと長くなるんだけど」


オチとかないし
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 01:07:05.86 ID:/zoXEkk0
>>802
>>804
まとめだけでなく投票所の開設までやっていただけるとは…乙です!

>>805
何だその投げやりな〆方はw
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/22(日) 02:05:42.36 ID:unA6m6DO
>>805
その日空はすがすがしく晴れていた

「お姉ちゃんまだかな?」
「ん〜もうすぐかも…」

そんな青空の下軒先で背丈の同じ2人の少女が何かを待っていた

「あ!お姉ちゃんあれかな」
「うん!きっとそう」

2人はそろって笑顔で同じ方向を見た
その先にはゆっくりと走ってくるタクシー
ウィンカーを一定のリズムで光らせながら2人の前に停まった

後部座席の扉が開き右側から一人の男性が降りてきた、男性はそのまま車の後ろから先程とは逆の扉の前に立った
そして中に座る女性から一人の赤ん坊を受け取り大事そうに抱えた

「おかえりなさい!お母さん!」

2人が声を揃えて言った

「ただいま、いのり、まつり」
「ちゃんとお留守番してたか2人とも」
「うん!ちゃんとお留守番してたよ!だってまつりは今日からお姉ちゃんだもん!」
「まつりったら朝からずっとこればっかり言ってるんだよ?」
「だってぇ…」
「ふふ、そうね、まつりも今日からお姉ちゃんだものね」
「ほら、まつり、かわいい妹たちだぞ」

男性は膝を曲げ2人の目線と腕に抱えた赤ん坊の目線を繋げた
赤ん坊は透き通った眼で2人を見た

「はぁ〜かわいいー」
「この子はどっち?」
「そっちはかがみ、お母さんが抱いてるのがつかさであなたたちの一番下の妹よ?」


……とまぁ話せば長くなるわけなんだな
808 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:14:41.38 ID:V3ksVRc0
投下行きます。

激しく季節はずれで、R−15くらいの描写があります。
809 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:15:55.59 ID:V3ksVRc0
「紅葉を見に行きましょう」
 とある秋の日。こなた達四人が、何時ものように昼ご飯を食べていると、唐突にみゆきがそう言った。
「きゅ、急だねゆきちゃん…」
「しかも『行きませんか?』じゃなくて『行きましょう』だ…」
「なんでまた、そんなアグレッシブに…」
 なかば呆れたような三人をよそに、みゆきは嬉しそうに先を続ける。
「実は親戚の一人が旅館を経営してまして、そこの紅葉が今が見ごろなんです。毎年お誘いをいただいているのですが、今年は両親の都合がつかなくて行くかどうか迷っていたのですが、代わりに皆さんをお連れしてはどうかと言われまして…いかがでしょう?」
 そこまで一気に言い切り、みゆきは三人の顔を見渡した。
「それって、タダなの?」
「はい、もちろんです」
 こなたの質問に、みゆきが間髪いれずに答える。続いてかがみがみゆきに向かって手を上げてみせる、
「何時行くの?」
「次の連休に二泊三日の予定です」
「特に予定も無いし、悪くないわね…つかさも何もなかったわよね?」
「うん、わたしは大丈夫だよ」
 二人の答えにみゆきは満足気にうなずいて、こなたの方を見た。
「泉さんはいかがでしょう?」
「うん、わたしも予定ないし大丈夫だよ。むしろ好都合かな」
「どうして?」
「その日ね、お父さんが泊まりで出かけるんだ。家で一人だし、掃除とかめんどくさいなーって思ってたんだ」
「ふーん」
「では、みなさんOKと言うことで…ふふ、楽しみですね♪」
 みゆきは弾むような声でそう言うと、自分の弁当の残りに取り掛かった。
「ゆきちゃん、ホントに楽しそうだね…」
「…これ、絶対なんかあるよね」
「そうね、同感だわ」
 そんなみゆきを眺めながら、こなた達三人も弁当の残りを食べ始めた。


- 残影 -


「着きました。ここですよ」
「わぁ、すごーい」
 みゆきが指差した先、そこにある旅館とその後ろに広がる紅葉に、つかさが思わず感嘆の声を上げた。
「これは、確かに凄いとしか言いようがないわね…」
 かがみもぽかんと口をあけて、その風景に見入っていた。
「露天風呂からの景色も素晴らしいですし、旅館の敷地内にある散歩道も最高ですよ」
 誇らしげにそう言った後、みゆきはこなたが旅館の方を見ながらなにやら複雑な表情をしているのに気がついた。
「泉さん?どうかなさいましたか?」
「え?あ、いや、たいしたことじゃないんだけどね…既視感、だっけ?ここ、なんかどっかで見たことあるなって思って」
「似たような場所に、ご旅行に行かれたとか?」
「うーん…無いと思うんだけどね…まあ、いいや。多分気のせい」
「そうですか。では、中に入りましょうか」

810 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:16:42.21 ID:V3ksVRc0

「いらっしゃい、みゆきちゃん。お友達の方も、よくおいでくださいました」
 中に入った四人を、品のいい婦人が出迎えた。
「お久しぶりです、叔母さん。今年もお世話になります」
 みゆきが深々と頭を下げる。こなた達もそれに習って、頭を下げた。
「ゆきちゃんの叔母さんって事は、ここの女将さんなのかな?」
「みたいね」
「なんか、みゆきさんと物腰がにてるねー」
 三人がそんなことを話している中、みゆきは落ち着きなく辺りを見渡していた。
「あ、あの、叔母さん…兄さんは?」
 そして、そう女将さんに聞いた。
「あー、あの子ね…なんか急に仕事が入ったって言って、来れなくなったのよ…」
「…え」
「みゆきちゃんが来るって言ってあったんだけど、どうしても外せない仕事だからって…」
「そ、そんな…」
 がっくりと肩を落とすみゆき。その様子を見ていたこなた達三人が、ひそひそと話し合う。
「ゆきちゃんにお兄さんっていたっけ?」
「親戚に実の兄のように慕ってる人がいるって、聞いたことはあるわね。多分、その人なんじゃないかな」
「みゆきさんの様子からすると、今回の旅行はその人目当てだったみたいだね…」
 肩を落としながら「…そーですよね…そーですよね…」などと呟いているみゆきの肩に、女将さんが手を置いた。
「みゆきちゃん、みなさんを部屋に案内してあげてね。部屋はいつもの所だから。はい、これ鍵」
 女将さんはみゆきに無理矢理鍵を握らせると、後ろに回りこんでトンッと背中を押した。すると、押されたそのままの勢いで、みゆきがふらふらと歩き出す。
「それじゃ、ごゆっくり。露天風呂はいつでも入れますから、そちらもどうぞ」
 そう言って手を振る女将さんに一礼して、こなた達はみゆきの後を追いかけた。
「なんか、女将さん慣れてない?」
「うん、しょっちゅうあったりするのかな、こういう事…」

811 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:17:19.06 ID:V3ksVRc0

 ブツブツと何かを呟きながらふらふら歩くみゆきに案内されて、こなた達は『楓』と書かれた部屋にやってきた。
 みゆきが慣れた手つきで部屋の鍵を開け、中に入っていく。こなた達もみゆきに続いて中に入った。
「へー、いい部屋じゃない」
 かがみが思わず感嘆の声を出した。
「うん、景色もすごくいいよ」
 窓の外を見ながら、つかさがそう言った。
「これって普通に泊まったら高いんだろうねー」
「まあ、そうなんだろうけど…いちいち雰囲気壊すな」
 達筆で何を書いているのかよく分からない掛け軸を見ながら呟くこなたに、かがみが突っ込みを入れる。
「でもさ、なんかおかしいよね」
 しばらく掛け軸を見ていたこなたが、かがみ達の方に向き直ってそう言った。
「なにが?」
「部屋も綺麗だし、景色も良いし、時期的にも今が最高なのにさ、この部屋来るまで他の客に一人も会わなかったじゃん。なんか旅館全体が静かだったし、従業員も少ないんじゃないかな」
「流行ってないってこと?」
「うん。流行ってても全然おかしくないのにね」
「うーん、よくわかんないけど、ゆきちゃんなら何か知ってるんじゃないかな?ゆきちゃんは?」
 そう言いながら、つかさは部屋を見渡した。
「そういや、部屋入ってから見てないわね」
 かがみもみゆきの姿を探して、部屋を見渡す。
「みゆきさんなら、あそこにいるよ」
 こなたが部屋の隅の方を指差す。そこにはみゆきが壁に向かって寝転がっていた。
「…なにやってるんだ、みゆき…」
「…なんか『シクシク』って泣き声が聞こえるんだけど…」
 少しばかり引き気味のかがみとつかさを置いて、こなたはみゆきに近づく。
「この分だと、色々聞くのは無理ぽいけど、お風呂の場所は教えてもらわないと困る」
 そしてこなたは、寝転んでいるみゆきの肩を掴んで、ゆっさゆっさと揺さぶった。
「みゆきさーん。とりあえずお風呂入りたいからさ、案内してよー」
 聞こえているのかいないのか、みゆきは返事もせずに立ち上がると、ふらふらと部屋を出て行った。
「ほらかがみ、つかさ、置いてかれるよ」
 こなたがその後を追って部屋を出る。
「ま、待ってよ、こなちゃん、ゆきちゃん」
「ちょ、ちょっと、鍵かけていかないとダメでしょ?」
 つかさとかがみも、部屋の鍵を持って慌てて部屋を出た。

812 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:17:51.28 ID:V3ksVRc0

「おー、こりゃいいや。絶景かな絶景かな」
「…ちょっと、こなた」
「ん、なに、かがみ?」
「絶景はいいんだけど…前隠せ。全裸で仁王立ちするな」
 なかなかの広さを持つ露天風呂。その中央で眼前に広がる紅葉を眺めながら、こなたはタオルを首にかけただけの格好で堂々と立っていた。
「いいじゃん別に。他に誰もいないんだし」
「見てて恥ずかしいのよ…」
「恥ずかしい?わたしの身体に恥ずかしいところなど無い!」
 更に大きく胸を張るこなた。それを見たかがみは大きくため息をついた。
「…こなちゃん、生えてないんだね」
 いつの間にか、こなたの前にしゃがみ込んでいたつかさが、そう呟いた。
「いやん、どこ見てんのつかさのスケベ…」
 思わず身体のあちこちを隠しながら、しゃがみ込むこなた。それを見ていたかがみが再びため息をついた。
「二人してなにやってんのよ…って生えてない?マジで?」
 かがみは、しゃがんだままで何やら言い合ってるこなたとつかさに近付こうとして、一生懸命に湯船の中を覗き込もうとしているみゆきに気がついた。
「どうしたのみゆき?…っていうか復活したんだ」
「ええ、何とか持ち直しました…えっと、眼鏡が無いのでよく見えないのですが、お湯の中に何か黒いものが見えるんです」
 そう言ってみゆきが指差した先を、かがみも覗き込んでみた。湯気と濁ったお湯でよくは見えないものの、確かに黒いものがお湯の中に見えた。
「ホントだ、何かしらあれ…って、あの形…人じゃないの!?」
「ええっ!?」
「のぼせて倒れたのかしら…みゆき!」
「はい!」
 かがみが湯船の中に入り、人影の方に向かう。みゆきもそれについていった。そして、かがみがしゃがんで、沈んでいる人影に手を伸ばした。
「…ぶはぁっ!」
 すると、急に人影が立ち上がった。
「ふー、危ない危ない。寝てしまってたよ…」
 かがみの後ろにいたみゆきにははっきりと分かった…その人物は男性だ。そして、かがみの顔の位置が、その人物の『男性自身』の真ん前にあるという事を。
「…い…あ…きゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
 悲鳴と共に放たれた左ストレート。嫌な音。嫌な感触。その男性はうめき声を上げて、再びお湯の中に倒れ伏した。
「な、なに?お姉ちゃん、大丈夫?」
 悲鳴を聞きつけたこなたとつかさも湯船の中に入ってきた。
「つかさーっ!」
 つかさにかがみが抱きついた。
「…なんか、なんかぶらぶらしてたよー…」
「え、えっと…よく分からないけど、大丈夫だよ。お姉ちゃん…」
 こなたが二人の横を通り過ぎて、うつ伏せに浮かんでいる男性に近づいた。
「かがみより、この人が大丈夫かって感じなんだけど…あれ、なんか見たことある後頭部…みゆきさん、ちょっとそっちもって。とりあえず、湯船から出そう」
「はい、わかりました」
 こなたとみゆきは二人がかりでその男性を湯船から引きずり出した。
「あ、やっぱりお父さんだ」
 仰向けに転がされた男性は、こなたの父そうじろうだった。
「では、泉さんのお父さんが仰られてた泊りがけで出かけると言うのは…」
「うん、ここだったみたいね。偶然とはいえ、出来すぎだなー」

813 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:18:32.23 ID:V3ksVRc0

「ホンットーにすいませんでした…」
 数分後、意識を取り戻したそうじろうに、かがみが思い切り頭を下げて謝っていた。
「うん、もういいよ…俺も風呂入りながら寝るなんて、不注意だったからね」
「ってーかお父さん。潰れてない?」
 そうじろうの横から顔を出しながら、こなたがそう聞いた。
「…もう少し強力なのがきてたら、ヤバかったかもな」
「…ごめんなさい」
「あれ、でもどうしておじさんが入ってたの?ここって女湯じゃ…」
 今度は、かがみの横からつかさが顔を出してそう聞いた。
「ん?ああ、知らなかったのかい?ここは混浴だよ」
 そう言ってそうじろうは更衣室の方を指差した。つかさがそちらの方を見ると、自分たちが入ってきたドアの隣に「男」と書かれたドアがあった。
「ホントだ…全然知らなかったよ」
「ってーか聞けなかったよね。みゆきさんがああだったし」
「それは…すいませんでした」
 今度はみゆきが頭を下げる。それを見ていたこなたがぶるっと身体を震わせた。
「なんか冷えてきたね。お湯に入らない?」
「そうだね。わたし達、お湯に全然浸かって無かったよ」
 こなたの提案につかさが同意し、かがみとみゆきも頷いていた。

814 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:20:14.56 ID:V3ksVRc0

「…ホント、いい景色だね」
「だろ?あんまりいい景色なんで、思わず寝ちまったからなあ」
「ところで…なんで、かがみ達はそんなに離れてるの?」
 隣り合わせで湯に浸かって、話をしているこなたとそうじろう。そこから出来るだけ離れた位置に、かがみ達三人は浸かっていた。
「いや、普通離れるでしょ…男の人がいるってのに」
「そう?わたしは平気だけど」
「こなちゃん達は親子だから…えーっと…でも、普通一緒に入ったりしないよね…」
「あの…気になったのですが、泉さんはいつ頃までお父さんと一緒にお風呂に入られてたのですか?」
「なんか、中学くらいまで入ってそうだな…」
「んー…お父さん、最後に一緒に入ったのっていつだっけ?」
「二週間前くらいだったかな?」
「うそぉっ!?」
「現役でかよ!?ってかそれマジで!?ギャグじゃなくて!?」
「うん。別に、やましいことはしてないから大丈夫だよ」
「いや、してたら洒落にならんて…」
「なんだか、予想外でしたね…」
「ここまで規格外な親子だったとは…」
「そんなに変かなあ…あ、そうだ」
 色々と疲れたのか、ぐったりしているかがみ達を見ていたこなたが、ふと何か思いついてそうじろうの方を見た。
「お父さん、ちょっと聞きたいんだけど」
「ん?何だ?」
「わたし、ここに来たことある?小さい時とかに」
 旅館に着いた時に感じた既視感。こなたはそれが気になっていた。
「いや、無いはずだぞ。ここにはお前が生まれてから一度も来てないからな」
「ふーん、そっか…なんで来なくなったの?」
「お前を産んですぐに、かなたの体調が悪くなったからな…」
 そうじろうは紅葉の方を見た。つられてこなたも同じ方を見た。
「この景色はかなたのお気に入りだったんだ。かなたが来れないのなら、ここに来る理由が無いと思って、ずっと来てなかったんだ」
「…ふーん」
 こなたはもう一度そうじろうの方を見た。そこにある過去を懐かしむ、あまり見せない父の顔。
「じゃあ、どうして今年は来たの?」
「最後に、この景色をもう一度見てみたいと思ってな」
「…最後?」
「ああ、この旅館。今年一杯で閉めてしまうらしいんだ」
「ええっ!?」
 驚きの声は、かがみ達がいるほうから聞こえた。みゆきが立ち上がり、こなた達の方を見ていた。
815 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:21:02.46 ID:V3ksVRc0
「そ、それ本当ですか?わたし、何も聞いていないのですが…」
 そのままこなた達の方へと来て、そうじろうに詰め寄った。
「あ、ああ…間違いないよ…えーっと」
 そうじろうは困った顔で、こなたの方を見た。
「うん、ここの女将さん、みゆきさんの親戚なんだって」
「あー、なるほど…えーっと…」
「みゆきさん、見えてるから。上から下まで全部」
「…へ?」
 みゆきは思わず自分の姿を確認した。当然のことながら真っ裸。目の前にはそうじろう。みゆきの顔が見る見る真っ赤に染まっていった。
「ひあぁぁぁぁっ!?」
 みゆきは胸の辺りを両手で隠して、お湯の中に座り込んだ。
「…す、すいません…なんだかその…すいません…」
「いや、謝るようなことじゃないような…っていうか見てないから、うん」
「そ、そうですか…」
「むしろ感謝するよ。いいもの見させていただきました」
 こなたが手を合わせて、みゆきにお辞儀した。それに習って、そうじろうもお辞儀をする。
「見させていただきました」
「見てるじゃないですか〜」
「やめんか、セクハラ親子!」
 たまらずに、かがみの突っ込みが飛んできた。みゆきは気を取り直すために、咳払いを一つして、改めてそうじろうに聞いた。
「そ、それで、あの…旅館を閉める理由とか聞かれてますか?」
「え、ああ。ほら、ここってそれなりに高い宿泊費だろ?それで、客足が少なくなってるところに、近くに安い旅館が出来たんだ。半分道楽でやってるとはいえ、潮時だろうなって言ってたよ…」
「そうですか…仕方がないとは言え、寂しいですね…毎年来てましたから、思い入れはあったんです」
 みゆきは少し顔を上げて、複雑な表情で紅葉を眺めた。
「ねえ、お父さん。お父さんも、お母さんが生きてた頃は毎年来てたの?」
 そのみゆきを見ながら、こなたはそうじろうにそう聞いた。
「ああ、小説が売れ始めて、少し余裕が出来てからは、毎年来てたな…ここに来ると、かなたはホントに嬉しそうな顔をしてくれたからなあ」
「ふーん…そっか…」
 こなたは顔の下半分を湯に沈めて、ブクブクと何かを呟いた。
「ん?何かいったか、こなた?」
 そう聞いてきたそうじろうに、こなたは何でもないと言うように黙って首を横に振った。

816 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:22:38.37 ID:V3ksVRc0

 その日の真夜中。つかさは不意に目が覚めて、上半身を起こした。
「…ん…今何時だろ…」
 夜中に目を覚ますなど何時以来だろうか。つかさは時間を確認しようと時計を探して、窓の方にこなたが座ってるのを見つけた。
「こなちゃん?」
 つかさは布団を抜け出して、こなたの方に向かった。こなたもつかさに気がつき、窓の外を見ていた顔をつかさの方に向けた。
「こなちゃんも目が覚めちゃったんだ」
「…うん」
 つかさはこなたの横に座り、窓の外を見た。こなたも、つかさにつられて再び窓の外へと視線を向けた。月明かりに照らされた紅葉は、昼間とは違った美しさを見せていた。
「綺麗だね、こなちゃん」
「…うん…そうだね」
 こなたの元気のない返事に、つかさは不安になってこなたの顔を見た。
「こなちゃん、どうかしたの?」
「ん…うん、まあ…ねえ、つかさ」
 こなたもつかさの方を向く。
「お父さんはね、なんでわたしをここに連れてこなかったんだろうね」
「…え?」
「お母さんとの思い出の場所、わたしを連れてきたくなかったのかな…」
「そ、それは…」
「今年でこの旅館閉めるってのに、一人で来ようとしてたしね」
「………」
「お父さんが、ちょっとだけ分からなくなったよ…」
 つかさが顔を俯かせる。それを見たこなたは、ばつの悪そうな顔をした。
「…ごめん。変なこと言っちゃったね」
 つかさから顔を逸らし、こなたはまた窓の外を見た。
「…おじさんは、見せたくなかったんじゃないかな」
 俯いたまま、つかさがそう言った。
「…なにを?」
 窓の外を見たまま、こなたが聞いた。
「思い出の場所なんだからさ、色々思い出しちゃって、寂しくなると思うんだ…こなたちゃんに、そういうところ見せたくなかったんじゃないかな」
 つかさが顔を上げた。
「…そうかな」
 こなたは、窓の外見たままだった。
「きっとそうだよ」
「そうだったら…お父さん、バカだよね。そんなこと、わたしは気にしないのに」
「おじさんの方が気にするんじゃないかな。かっこ悪いとか、そんなんで」
「…バカだね。ホントに」
 そのまま、しばらく二人で景色を見ていると、つかさが大きな欠伸をした。
「こなちゃん、わたし寝るね…」
「…つかさ、ありがとう」
「…うん…おやすみ、こなちゃん」
「おやすみ…」
 つかさが布団に入った後も、こなたは景色を見続けていた。

817 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:23:02.56 ID:V3ksVRc0

「よーし、次はあっちだ」
「ちょ、ちょっと待ってよお父さん」
 翌日の朝。こなた達四人はそうじろうに連れられて、旅館の散歩道を歩いていた。
「…ホント、仲の良い親子ね」
 先頭に立って、右手でカメラを構え、左手でこなたの手を引いているそうじろうを見ながら、かがみが呆れたようにそう言った。
「そうですね…つかささん?」
 かがみに相槌を打ったみゆきは、つかさが少し遅れているのに気がついた。
「気分でも悪いのですか?」
「え?ううん、大丈夫。昨日夜中に目が覚めちゃって、ちょっと眠たいだけだから」
 つかさは少し距離の離れたこなたとそうじろうを見ながら、昨晩の会話を思い出していた。
 少しばかり抱いた不安や疑念。それでも、こなたはいつも通りに父親と接している。
「…こういうときって、こなちゃんが凄いなって思えるよ」
 つかさはこなた達から目をそらして、周りの景色を見た。少しばかりそうして歩いていると、前を歩いているかがみの背中にぶつかった。
「な、なに?お姉ちゃん。立ち止まって…」
「あ、あれ…あれ見て…」
 かがみが少し震える手で、前にいるこなた達を指差した。
「え…」
 つかさはそれを見て、固まってしまう。隣にいたみゆきも、同じ方を見て絶句していた。
 嬉しそうにカメラを構え、紅葉の中を歩くそうじろう。そのそうじろうに手を引かれ、「しょうがないなー」といった表情で付いていくこなた。そのすぐ後ろに、二人を優しく見守る人影があった。淡い光に包まれたその人は、かがみ達が見ているのに気がつくと、左手の人差し指を口に当て、ゆっくりと消えていった。
「…今の見た?」
「う、うん…あれって…」
「泉さんの…お母さん…ですよね?」
 三人が思わず顔を見合わせる。お互い何もいえないまま、しばらくの間固まっていた。
「おーい、どしたの?三人で固まってさ」
 三人が付いて来てないのに気がついたこなたが、近づいて声をかけた。
「あ、こなた…えっとさ…」
「ん?なに?」
「あー…いや、なんでもない…」
「んー…まあ、いいけど。それよりさ、お父さんが集合写真撮ってくれるって。こっちだよ」
 そう言ってパタパタとこなたは走り出した。かがみ達三人も、こなたを追って走り出す。

 紅葉を撫でる風の中、一際優しい風がこなた達を追って流れて行った。


‐ 終 ‐
818 :残影 [saga]:2009/02/22(日) 03:25:23.73 ID:V3ksVRc0
以上です。

この話は、アニメ版DVD初回限定版の11巻のジャケットを見てて思いつきました。
個人的には一番好きなジャケットです。次点は1巻。
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/22(日) 04:03:06.62 ID:6Pom57Qo
>>818
なんかみゆきがいいキャラしてるなぁww ネタもシリアスもいい感じでよかった
ラストでその11巻のジャケが自然に浮かんだわ……マジGJ!
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 10:27:07.01 ID:/zoXEkk0
>>818
うわぁ、すげぇいい話じゃないか。GJ!
最後の集合写真、こなたとそうじろうの後ろに変な影が写っちゃうんだろうなw
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 10:30:05.97 ID:/zoXEkk0
>>807
そこから始めるのかよw
どんだけ長くなるんだw


まあ、とりあず続きを聞こうじゃないか
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/22(日) 17:38:46.14 ID:sjoeIBs0
>>818
ジャケだけでここまでいい話を作れるとは・・・
GJ!
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 19:26:06.22 ID:TzQ5C9Q0
泉こなたの恋愛「無」感情

 泉こなたは、対人関係においては非常に淡白な人間だが、特に恋愛関係においては淡白以前の問題だった。
 なぜなら、彼女は、リアルでは、プラス方向のみならずマイナス方向においても恋愛感情を持つことが全くなかったから。



 とある日曜日。
 柊かがみは、泉こなたの家を訪れた。

「おーす、こなた」
「いらっしゃい」
 かがみが部屋に入ると、こなたが格ゲーで対戦プレイをしていた。
 相手は歳が同じぐらいの男性。
「うぁ、やられた!」
「ハッハッハッ、もっと修行してくれたまへ〜」
 かがみがちらりとこなたの方を見ると、
「こちらは、新しい担当さんだよ」
 こなたは、男性をそう紹介した。
 ラノベ作家のこなたには、担当編集者が常に二人はついている。だいたいは男女一組だ。女性の方は八坂こうから岩崎みなみに交代になって以降はずっと固定されているが、男性の方は結構頻繁に交代していた。
 ちなみに、こうは編集長に昇格している。
「○○です。よろしくお願いします」
「柊かがみです。よろしく」
「まあ、仲良くやってくれたまへ」
「で、さっそくあんたの趣味に引きずりこんだわけね」
「ゲーム友達が増えて嬉しいね。ちょっと、飲み物用意してくるから、かがみ相手してて」
 こなたは、そういって部屋を出ていった。

 かがみは、ゲームコントローラを手に取った。
 かがみも、こなたとの長年の付き合いで相当鍛えられている。素人も同然の相手に負けるわけもなかった。手加減なし、速攻でKOをとる。
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 19:27:00.80 ID:TzQ5C9Q0
「○○さんは、こなたのゲーム友達で終わる気はないんでしょう?」
 かがみは、唐突にそう質問した。
「ええ……まあ、そうですね。はっきりとそう告白したのですが……」
「『リアルでの恋愛には興味ないから』の一言で、ばっさり切られた?」

 こなたは、自分を主体とするリアルでの恋愛には(男が相手であっても、女が相手であっても)全く興味を示さない人間だ。オタク女子の完成形ともいえる存在だった。
 彼女にとって、恋愛とは幻想(ファンタジー)として楽しむものであって、リアルに追及するようなものではない。ぜいぜいジョークのタネにするぐらいのものでしかない。
 そういう意味では、泉そうじろうのオタク英才教育は完璧な成功を収めていた。
 かがみは、長年の付き合いからこなたのそういうところをよく知っていた。

「……はい。よくお分かりになりましたね」
「犠牲者は○○さんが最初ってわけでもないしね。まったく残酷よね、あいつも。悪気がないだけ余計にね」
「僕は諦める気はありません」
「で、まずは友達からってわけね」
「ええ、幸いなことに友人関係は拒絶されませんでしたから」
 こなたは、友人関係については、男女を問わず、来る者拒まずの姿勢だ。その反面、去る者追わずでもあるのだが。

 かがみは、いつだったか何気ない世間話の中でこなたが言っていた言葉を思い出していた。
 友情が恋愛感情に変わるなんて二次元の世界だけだから──こなたは、はっきりとそう言った。
 かがみは、それを彼に告げるような残酷なことはしなかった。

 こなたが戻ってきた。
「お待たせー。かがみの好きなチョコも持ってきたよ。これでかがみんの体重も2、3キロアップ」
「おまえ、そんなに私を太らせたいか」
「結局食べるくせに」
「あんたと違って仕事で頭使ってるから、カロリー消費するのよ。これぐらいで太りはしないわよ」
「とかいって、あとで体重計に乗ってへこむかがみんであった」
「うるさい!」
 その後は、三人で順繰りにゲーム対戦しながら、一日を過ごした。
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 19:27:46.94 ID:TzQ5C9Q0


 それから、数ヵ月後……。
「おーす、こなた」
「やふー、かがみん」
 二人で部屋に入る。
「そういえば、最近、あの担当さん見かけないわね」
「みなみちゃんから聞いたんだけど、なんかメンタルがなんだかで入院したってさ。やっぱり、編集さんっていろいろとストレスたまるのかね」

 それはおまえのせいだと突っ込みたいところだったが、かがみは喉まで出かかったその言葉を飲み込んだ。
 彼は、こなたから恋愛感情(プラス方向のみならず、マイナス方向のそれも)など微塵も含まれてない純粋なる友情を示され続けて、精神的に耐えられなくなったのだろう。
 過去の犠牲者には、発狂した者や自殺した者までいる。
 そして、こなたは、友人として心配したり悲しんだりはしたが、それらの真の原因についてはまるで理解してないようだった。

「見舞いに行きたいとこだけど、こういうのって専門家以外の人間が不用意に関わるとよくないみたいだしね。みゆきさんがそう言ってたよ」
 こなたは、そう続けた。
 もちろん、その言葉は友人を心配するものであって、恋愛感情など欠片も含まれていない。
「そうね。そういうのは、専門家に任せた方がいいわよね」
 かがみは、適当にそう受け流しとく。

 こなたの恋愛「無」感情のせいで世の男性にどれほどの犠牲が出ようとも、そこに罪はない。
 どんなに残酷であったとしても、そこには罪はないのだ。
 こなたが地獄の閻魔様の裁判を受けることになったら、かがみは躊躇なくこなたの弁護につくだろう。

 かがみはゲームソフトを取り出した。
「今日はクイズゲームで勝負よ」
「なんでもかかってきたまへ〜」

 かがみは、自分が女であることを天に感謝した。
 女であるからこそ、友情が恋愛感情に変わることなど全く心配せずに、こなたとの友情を育むことができるのだから。



 泉こなた。
 彼女は、恋愛感情的な意味においてリアルな世界の誰かを好きになったり嫌いになったりすることは、生涯一度たりともなかった。

終わり
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/22(日) 22:43:13.39 ID:EwxlgGU0
こなたらしいな・・・良くも悪くも。
なんか切ない。
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/22(日) 23:52:26.03 ID:L4G4iMAO
つかさ「どうしたのお姉ちゃん?暗い顔して」
かがみ「さっきあるRPGゲームをクリアしたんのよ」
つかさ「じゃあ何でそんなに元気ないの?」
かがみ「いや、ああいうゲームってクリアしたら嬉しいっていうか、むしろ切なくない?なんか『ああ、終わってしまったんだな・・・』って感じがして」
つかさ「・・・・・わからなくもないかも」
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 00:04:52.30 ID:hdKQyCM0
>>825
かがみもかなり淡白だな。
確かになんか切ないわ。
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 00:30:52.76 ID:kaOaSiI0
>>825
人の愛に気づけないなんて、なんか悲しいな

>>827
それはある
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 15:47:01.36 ID:XMDi0YSO
−こなたと○○したい−

こなた「って、どうせ『合体したい』とかでしょ…」
かがみ「何言ってるのよ。女同士でんなこと出来るわけないでしょ?」
こなた「へ?あ、うん、そうだよね…ほっ」
みゆき「女同士なら『連結したい』ですよね」
かがみ「流石みゆき、よく分かってるじゃない」
こなた「わたし、急用思い出したー!!」


意味が分かった人は、かなり手遅れ。
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/23(月) 17:06:50.12 ID:uTlu0uQo
>>825
恋愛感情において、か。確かに切ない気もするけど、こなたにとっては何てことないんだろうな
嫌いになることがないってのも、ある意味ステキな事だと思った

しかし自殺までとか……こなたどんだけ魔性の女なんだww

>>830
……
みゆき「残念ですが……末期です」
……orz
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 20:12:25.98 ID:ZMTUEzk0
>>825です。

>>826 >>828 >>829 >>831
 ご感想ありがとうございます。

>人の愛に気づけないなんて、なんか悲しいな
 気づけないわけではないとは思うんですよ。
 自分に向けられたものが恋愛感情という類型に当てはまることぐらいは理解できるけど、それに対して返すものがプラス方向はもちろんマイナス方向でも存在しないというだけ。
 その一方で、よほどそりの合わない人間が相手でない限り、友人関係なら誰でも大歓迎といった感じ。

>しかし自殺までとか……こなたどんだけ魔性の女なんだww
 かなたさん譲りの容姿と家事全般での万能性がありますからね。オタク趣味などが受け入れられる男性からすれば、かなり上位ランクの女性でしょう。
 かなたさんが、そうじろうに対して、恋愛感情全く抜きで惜しみのない友情を注ぎ続けたとしたら、そうじろうは発狂してたと思う。それと同じことがこなたにもいえるんじゃないかと。


 こなたの恋愛「無」感情傾向って、原作でも見て取れるところがある。
 1巻に「どうして私たちにはロマンスってないかね」ってセリフがあるけど、「私」本人には全く本気さが感じられない。軽い自虐ネタ程度にしか思ってない感じ。
 普通の女性なら、多かれ少なかれ、幼いころはファザコンで、思春期も過ぎれば親父なんか嫌うか眼中になくなるかのいずれだと思うけど、こなたの父そうじろうに対する態度にはそういう起伏はほとんど見られない。
 普通だったら、思春期も過ぎた娘にあんなにベタベタする親父なんて、本気で殴られてもおかしくはないのに、こなたは全くもって寛容だ。
 しょうがない親父だなぁとは思ってはいても、基本的には仲のいい友達関係をずっと維持し続けている感じ。かがみが、あんたのトコは本当に仲良いなと、評してるように。
 それがベースにあるから、こなたは異性間の友人関係というものに全く疑念なんて持ってないんだろうなぁというのが、私の予想。
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 20:47:52.41 ID:dWJo5YAO
へいわだなぁ

かがみ「ちょっとこなた!今のはアンタが悪いわ!」
こなた「何で!?明らかにかがみの過失でしょ!?」
つかさ「ここは平和的にじゃんけんで解決しようよ」
かがみ「・・・いいわよ」
こなた「私、じゃんけん弱いからダメ」
かがみ「じゃんけんに強い弱いは無いでしょうが」
こなた「じゃんけんじゃなくてくじ引きならいいよ」
かがみ「・・・ダメよ。私くじ運悪いから。」
こなた「くじ運に良い悪いは無い」
かがみ「じゃんけん!」
こなた「くじ引き!」
つかさ「じゃあ、どっちの過失かを決めるのはじゃんけんがいいかくじ引きがいいかをオセロで勝負して決めよう」
かがみ「良いわね」
こなた「えー?絶対私負けるじゃん!徒競走にしようよ!」
かがみ「徒競走って、こなたが勝つのが目に見えてるじゃない!」
つかさ「じゃあ、どっちの過失かを決めるのはじゃんけんがいいかくじ引きがいいかを決めるのはオセロがいいか徒競走がいいかをかくれんぼで決めよう」
こなた「いいね」
かがみ「いや、『だるまさんが転んだ』がいいわ」
つかさ「じゃあ、どっちの過失かを決めるのはじゃんけんがいいか(ry」




みゆき「早く自分たち3人の過失だと気付けよ」
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 21:09:33.51 ID:XMDi0YSO
>>832
正直、考えすぎだとは思う
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 21:24:28.15 ID:hdKQyCM0
今日は早めに家に帰れたので、ちょっとだらだらと書いてみた。
3レスほどいただきます。
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 21:26:19.29 ID:hdKQyCM0
「こなちゃん……お姉ちゃんがいなくなっちゃた……」

 高校を卒業して1年が経とうという頃、つかさから突然の連絡がはいった。
 つかさによると、何かしらの事件に巻き込まれた恐れがあるとのことだ。
 詳しい話はお姉ちゃんのアパートで、と言われたので私は急いで家を出た。

 卒業後、かがみは一人暮らしを始めていた。
 自宅から通えなくはない距離の大学だったが、かがみは家から出ることを希望したのだ。
 勉強に専念するつもりよ、なんて話していた様子が昨日の事のように思い出される。

 かがみの住んでいるアパートの前には数台の警察車両が停まっていた。
 入り口には制服姿の警察官が2人。
 横を通り抜けようとすると制止され、この建物の関係者の方ですか、と尋ねられた。
 かがみの部屋番号を伝え、その部屋の主の妹であるつかさに呼ばれた事を説明する。
 そうすると、少し待って下さいと言って1人が部屋に入って行き、すぐにつかさと一緒に戻ってきた。

 事態が事態なので簡単な挨拶だけを交わして、つかさと一緒に部屋へと入る。
 ドアを開けてすぐのキッチンでは、みゆきさんが警察官と何やら話をしていた。
 その奥の部屋の方では複数人の警察官がゴソゴソと調査をしているのが見えた。
 私はつかさに連れられて、みゆきさんと話をしている警察官のところへと進む。

 みゆきさんと簡単な挨拶を交わしていると、警察官がいくつか質問をしたいと話しかけてきた。
 質問に答えているうちに、この部屋でかがみと会った最後の人物が私達3人であるということが判明した。
 数分後、私達は部屋へと通され、最後に来た時と今とで部屋に変化がないか確認することとなった。

 部屋の中はいかにも事件が起きた後、といった様子に見えた。
 割れた窓ガラス、電源が入ったままのPC、血の着いたキーボード、転がった椅子、床に散らばった衣服。
 ガラスは何か大きなモノで叩き割ったのだろうか、鍵の周辺だけでなく全体が割れ落ち破片が派手に散らばっている。
 また、事が起きた時にかがみは課題でもしていたのだろう、PCの画面上には書きかけの文書が表示されたままになっている。
 キーボードにはPC使用者から飛び散ったと思しき血痕が付着しており、いくつかのキーの上には指の形をした血痕が見てとれる。
 そして、かがみがPCを使用する時にいつも座っていた椅子は、主を失ってクッションと共に虚しく横たわっている。
 椅子のまわりの床に乱暴に散らばる服は、かがみが最近よく着ていたお気に入りの部屋着と、それと……下着が一式、だった。
 横に居たつかさが泣き崩れ、それをみゆきさんが支えていた。

 結局、私達が気がついたのは何故か毛布が1枚無くなっていた事ぐらいだった。
 警察官と連絡先のやり取りだけをして、3人でアパートを後にした。
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 21:26:58.37 ID:hdKQyCM0

「……お姉ちゃん、大丈夫なのかな……もしかして、もう……っ!!」
「大丈夫だよ、つかさ。あのかがみがそう簡単にどうにかなる訳ないじゃん」
「そうですよ、つかささん。泉さんの言うとおりです」
「……うん」
「そんなに心配しなくても、たぶんすぐに戻ってくるよ。私にはわかるんだ」
「……ありがとう、こなちゃん……」





 その日の深夜、疲れて眠っていた私はありえない音で目を覚ました。
 私の部屋の窓――つまり、2階の窓――を何者かが叩く音で。

「ん……んぁ?」
「――た、起きてちょうだい……こなた……ここを開けて……」
「そ、その声は」
「……こなた……ここを開けて、こなた……私を、助けて……」
「かがみ!?」

 窓の方から生ぬるい風が流れてきているような気がした。
 何か嫌な予感がする。
 しかし、私は鍵を開けざるをえなかった。
 何故ならばその声が私の嫁であるかがみのものだったからだ。
 鍵を開けたとたん、窓は信じられないほど凄い勢いで開いた。





「こなたぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「ひゃあっ!?」
「う〜〜〜〜、寒かったぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
「うわっ、ちょ、冷たっ!離れて!離れてよ!冷たい!冷たいって、かがみっ!」
「冷たくて当たり前よ。この寒空の下を昨日から毛布1枚で過ごしてたんだから」

 窓から飛び込んできて私に抱きついているかがみの装備は全裸に毛布1枚。
 体は完全に冷え切っており、あろうことか私の体で暖をとりはじめた。
 仕方がないので、熱い飲み物を淹れてくることを条件に体を放してもらう。

 その後、ココアを2杯飲んだところでやっとかがみは落ち着きを取り戻した。
 とりあえず、なんでこのような状況になってしまったのか説明を求める。
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 21:28:00.98 ID:hdKQyCM0
「昨日のことなんだけど、ネットで巨大掲示板を見てたらさ、私の好みの絵柄の絵師が安価で絵を書いてたのよ」

 むぅ。よくある話ですな。

「で、私が見事に安価をとることに成功したの」

 安価をねぇ。暇なんだね、かがみは。

「安価の内容は、蒼くて長い髪の小柄で貧乳な女子高生が○○を××で△△して□□なっちゃうっていう……」

 かがみん、それはちょっと。
 さすがの私もひくんですけど。

「か、勘違いしないでよ?その、別にあんたの事を意識してそういうリクエストをした訳じゃないんだから」

 ま、まあ、話を続けたまへ。

「で、もちろん全裸待機するじゃない?」

 いや、しないから。
 みんな言ってるかもしれないけど、実際にする人いないから。

「ところがなかなか絵が出来なくって、仕方ないから毛布にくるまって課題のレポートとかやってたのよ」

 服を着ようよ。

「さすがの私も2時間を過ぎたあたりでいったん諦めようかと思ったわ」

 もっと早く諦めようよ。
 せめて服を着ようよ。

「でも待ってみた。頑張って保守もした……そしたらね、投下されたのよ!期待以上のモノが!私のこなたの□□な姿が!」

 わーお、『こなた』ってはっきり言っちゃったよ。
 さっき言ってたのやっぱり嘘じゃん。
 いろんな意味でもうダメだ、この人。

「もう、ものすごくテンションが上がっちゃって……そりゃ血とかでるわよ!窓から飛ぶわよ!」

 ああ、それであの惨状ができたんだね。
 窓を開けるのすら忘れるほど理性を失ってた、という訳か。

「飛ぶ前に画像を閉じるだけの理性はかろうじて残ってたけどねー」

 わかったからとりあえず帰れ。

「あ、ダメだ。思い出したら、なんかテンションあがってきちゃった!……そぉい!」

 ちょ、何を――
 うにゃああああああああああ!
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/23(月) 21:29:10.07 ID:hdKQyCM0
以上ナリ。
書いてる途中で酒を飲んだのが悪かった。
一応反省はしてるぜ、ヒャッホホーイ!
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 21:30:41.01 ID:XMDi0YSO
>>839
俺が言うのもなんだけど

オイチョットマテ
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 21:37:11.46 ID:XMDi0YSO
言い忘れた
こなたの部屋って一階じゃなかったっけ?
実家出てたら知らないけど
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 22:03:53.94 ID:Q0vrNPA0
>>839
書き始めとラストのギャップwwwwww
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 22:38:46.35 ID:NVPlpsSO
>>839
前半と後半で明らかに作者が変わった(酒)wwwwww

>>841
こなたの部屋は一階だよ
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 22:39:28.69 ID:1bSVUO.0
別の話かと思ったww
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/23(月) 23:06:50.90 ID:md9FnCE0
へんたいかがみんだぜIYH!!(AA省略)
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 00:49:05.19 ID:s/6eDoSO
>>839
タグ:シリアス? お酒は作風も変えるよ! 人間と酒の合作
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 12:25:43.29 ID:HaVZZIAO
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

現在、第13回コンクールのお題投票中。
投票は本日までとなっておりますので、まだの方はお早めにお願いします。
http://vote3.ziyu.net/html/odie.html

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 12:30:24.57 ID:EgcuUkSO
コンクール開始前にこのスレ使い切らんとな
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 15:09:22.60 ID:6Kar..SO
SS書いてて思ったんだけど
ゆーちゃんの髪型もツインテールっていうのかな?
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 17:01:39.97 ID:ZSLoJ0.0
2つに縛ってるものは全てツインテール

だと思ってたけど違うのかね
教えてみゆきさん
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 17:18:07.12 ID:6Kar..SO
レスありがとう

色々調べてみたら、肩に届かない長さのツインテールは、ピッグテールって別の名称になるそうな…。
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 17:35:48.09 ID:EgcuUkSO
おさげっていう名称も
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 18:04:37.86 ID:6jFb4rko
みゆき「はい、既に挙げられているように、小早川さんぐらいの長さであれば、ピッグテールというのが適当ですね。
しかしながら、一般的な名称として定義の基、認知されているわけではありませんので、
二つに結った髪。という意味では、ツインテールといっても差し支えないかと思われます。
おさげもまた、結って垂らした髪の総称として使われることがあるため、問題ないでしょう。
頭部の中央より下側でまとめたものを指す場合が多いようですが」
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 18:44:39.05 ID:EgcuUkSO
>>853
へぇ〜、勉強になったわ。流石みゆきさんだww


こなた「ツインテールがあるって事はさ、トリプルテール、クワトロテールってのもあるのかな?」
かがみ「さ、さぁ……呼び方はともかく、あるんじゃないの?」

こなた「でもさ、ここまでくると『萌え』って言うより『燃え』だよね」
かがみ「それは……分かる気がする」

つかさ「もえ? もえ? どゆこと?」
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 19:43:36.06 ID:rG9b3bU0
ヴォルカニックツインテール
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 20:49:59.86 ID:ZSLoJ0.0
>>853
おーありがとうみゆきさん
ピッグテールとか初めて聞いたww


こなた「でね、ゆーちゃんはピッグテールって言うんだって〜!」
つかさ「へぇ〜、かわいらしい名前だね」
こなた「けど、かがみはツインテールなんだよね」
かがみ「何かややこしいわね・・・」
こなた「でも何でピッグなんだろうね?」
つかさ「ぅーん・・・やっぱりかわいいからかなぁ?」
こなた「そうかもね!じゃあさ、かがみもさ、ピッg」
ドガッ
こなた「何で殴るのさぁ〜〜!?」
かがみ「今変なこと考えただろ」

つかさ「?」
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 21:45:15.22 ID:6rO3L.Q0
思ったけどシリーズ物で長編・短編集あるじゃんもうそろそろ新しいの作ったら。 
ちなみに作ってほしい作品は、らき☆すた芸能界。
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 21:55:19.35 ID:rG9b3bU0
自分で作れ
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 21:57:27.55 ID:6rO3L.Q0
ごめんでも新しいは作ったほうがいいと思う。
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 22:17:00.09 ID:EgcuUkSO
シリーズにしてもSSにしても、これらは作者の気まぐれでほぼ作られるからね〜

てか、あきら様と白石以外想像出来んぞww
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 22:28:32.02 ID:6rO3L.Q0
このらきすたSSを見た人で怖いと思った人はいませんか?別のスレでもいいから。
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 23:13:33.54 ID:TGnSGVo0
日本語でおk
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/24(火) 23:35:08.28 ID:tspG9os0
>>860
あきら「……」
みのる「ほ、ほら!あきら様!何か僕たちの話題がでてるみたいですよ?」
あきら「……なぁ〜んで白石ごときとこの私が同列の扱いになるかなぁ」
みのる「いや、ほら、この場合は芸能界っていう括り方ですから、仕方ないですよ」
あきら「はぁ〜ん?何?あんた、自分が一人前の芸能人だと思っちゃってるわけ?」
みのる「い、いえ、そんなことは決して。ただ、僕が思って無くても世間の見方は……」
あきら「あぁ?調子のってんじゃねーぞ!?あんたの、ど・こ・が芸能人だってのよ!?」
みのる「あ、あきら様、落ち着いてください」
あきら「落ち着いてられるかっつーの!この話題は私のアイデンティティーとかがかかってんだぞぉ!?」
みのる「ひえええっ!す、すいませんでしたぁ!」

♪ちゃ〜ちゃ〜ちゃららっちゃら〜♪

あきら「あれぇ?もぅこんな時間?それじゃ、次回もまたお楽しみにねー、バイニー☆」
みのる「ば、バイニー」

ガタン!

あきら「……ケッ!」
みのる「あきら様?」
あきら「私達しか芸能人はいないとか言っててもさー、結局はSSなんでしょ?なんでもありなんでしょ?」
みのる「ま、まあ、そうですね」
あきら「どーせ主要メンバーの誰かが芸能界入りするとかいったif的なストーリーばっかり投下されるんでしょ?」
みのる「残念ながら、そうでしょうね」
あきら「はぁ〜あ〜……白石ぃ!飲みに行くぞ!」
みのる「はいっ!どこまでもお供しますよ、あきら様!」
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/24(火) 23:45:50.27 ID:ZSLoJ0.0
ワラタwwwwww
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 00:07:10.45 ID:cSYkFtYo
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

投票の結果、今回のコンクールのお題は、『死亡フラグ』となりました。
http://vote3.ziyu.net/html/odie.html

主催者以下、できる方を引き続き募集です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/25(水) 00:18:24.65 ID:SSkHh/o0
死亡フラグ…今回は無理かもしれない… orz
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 00:47:23.82 ID:m0hPcPc0
>>866 に同じくorz

前回大賞取ったから今回も投稿しようか、と考えていたけど、唯一書けそうにないお題が来てしまいました (TдT)
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 00:48:54.98 ID:txv1PLU0
死亡フラグ…だと…?馬鹿な…!
俺には死亡フラグを成立させるだけのもっともらしいシナリオを書くことができそうもないorz

とりあえず、サイバーネタ新作投下しますね…
869 :サイバー☆ゆーちゃん〜姉妹ゲンカのその後は〜 :2009/02/25(水) 00:50:06.69 ID:txv1PLU0
今日は長期取材明けでひさびさの休み。
私、泉こなたは小早川家に遊びにきたのでありました。
でもまさか、こんなことが起きるとは、誰が想像しただろうか。
「やふー、ゆーちゃんにゆい姉さん、遊びにきたよー」
と、私がドアノブに手をかけた、まさにその時であった!

――ドガーン!
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『私は小早川家のドアを開けたと思ったらいつのまにか爆風に巻き込まれていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…

いや、どうにかなっちゃってるんだけどね実際。真っ黒焦げだし。
まぁ、こんだけの爆発に巻き込まれて死なないって、私も結構タフなもんだよね。
アハ、つか私って本当に人間なんだろうか…もしや新手のUMAだったりする?
…なんて言っている場合じゃない。
何でこんなことになったのか、と考えながらドアのほうをじっと見てると、やがて煙が晴れていった。

…そこにいたのは、いつもと違う二人の姿だった…。

「…ゆたかの馬鹿ー!」(←全砲門解放)
「…お姉ちゃんのわからず屋ー!!」(←ビームサーベル二刀流)
「ちょ、二人とも落ち着ギャー!!」
…泉こなた、本日2回目の大爆発でございますゲホゲホ。

「「あっ…」」
「うぉー!こなた、一体誰にやられたんだー!!」
「…いや、アンタだよアンタ…」
「こなたお姉ちゃん、大丈夫!?しっかりして!」
「と…とりあえず……詳しく話訊こうか……」
870 :サイバー☆ゆーちゃん〜姉妹ゲンカのその後は〜 :2009/02/25(水) 00:51:45.11 ID:txv1PLU0

数十分後。
「いや、だからさっきから謝ってるじゃない、それなのに聞かなくってさー」
と、何やら必死なゆい姉さん。どーやら、机の上にあったクッキーをうっかり食べてしまったらしい。
そのことでゆーちゃんとゆい姉さんはケンカになったというわけなんだけど…。
「でも、お姉ちゃんがケーキ食べちゃったんだよ?あのクッキー、私のなのに!」
「だから、ね?ごめんってば、この通り!…ほら、クッキーなんてまた買ってきてあげるから…」
――ゴゴゴゴゴゴ…
はっ!ゆーちゃんの後ろの空気が歪んでいるっ!…なんという悪寒。
ゆーちゃんは目に大粒の涙をためて、ゆい姉さんの方をじっと睨んでいた。
「や、あの、だからさ、食べちゃったことはしょうがないとしてだよ?」
「お姉ちゃんの馬鹿ー!!!」
――ドカーン!
「な、何を…」
ゆーちゃんの怒りがこもった一撃が、三度炸裂した…。
……や、ゆーちゃん?お怒りはごもっともだけど、私もいるってこと忘れないで欲しいんだよね…。
「ゆいお姉ちゃんのわからず屋!もう知らないもん!!」
そう言ってゆーちゃんは自分の部屋に帰ってしまった。
真っ黒焦げになったゆい姉さんと私。
ゆい姉さんはサイボーグだから何ともないと思うけど、なんで生身の私が3回も爆風喰らって平気なんだろう…。

それから更に十分後。
「…ゆたか…一体どうしちゃったのさ…」
ガックリとうなだれるゆい姉さん。いつになく弱気だ。
どーやらさっきのことで相当落ち込んでるらしい。
ゆーちゃんがあんなに怒ってたのって、きっと何か理由があるんじゃなかろうか。

「ゆーちゃん?」
「こなたお姉ちゃん…?」
ゆーちゃんは目に涙をためたまま、膨れっ面で窓のほうを向いていた。
…私は単刀直入に訊いてみた。
「いきなり入ってきちゃってごめんね…相当怒ってたみたいだけど、あのクッキーのことで…何かあったの?」
ゆーちゃんは暫く黙り込んでいたが、すぐにこう答えた…。
871 :サイバー☆ゆーちゃん〜姉妹ゲンカのその後は〜 :2009/02/25(水) 00:54:07.54 ID:txv1PLU0
「…お姉ちゃん、今日が何の日だか知ってる?」
「今日?……あぁ、ゆーちゃんが死の淵から帰ってきた日だったよね…」
「そう、今日は私の、もうひとつの誕生日…。実はね、あのクッキー…私のためにってみなみちゃんが一生懸命作ってくれたものだったんだ」
…そうか、そういうことか。
あのクッキー、ゆい姉さんにとってはタダのクッキーに見えていたかもしれない。
でも、ゆーちゃんにとっては、とても大切な、みなみちゃんの手作りの贈り物……。
それだけに、ゆーちゃんはひどく落ち込んでたのかもしれない…。

よし、ここは二人の仲直りのため、私がひと肌脱いであげようではないかー。
「あ、ちょっとゴメン、急に仕事が入っちゃったからー」
「え、ちょ…お姉ちゃん?」
…さて、行動開始だ。私は急いで車を走らせ都内某所へと向かった。

「……そうだったんですか……ゆたかの家で、そんなことが……」
私は、みなみちゃんに事のあらましを説明した。
その話を聞いたみなみちゃんは、最初は驚いていたようだけど、すぐに理解してくれた。
「とにかく…私も手伝うから、みなみちゃん!協力頼んだよ!」
「はい、それでゆたかとお姉さんが助かるなら…」
さぁ、気合入れていくか!…すべてはゆーちゃんとゆい姉さんの仲直りのために。

……その日の夜。
「…ゆい姉さん、今日は見せたいものがあるんだけどリビングに来てくれないかな?」
「え?…でも……」
「大丈夫だって。ゆい姉さんは心配しないで、黙って私について来ればいいのだよ」
私はゆい姉さんを呼び出す。状況がよく理解できていない様子のゆい姉さんをよそ目に、私はある指示を出した。
「…と、そのままリビングに行ってもつまんないだろうから、いいと言うまで視力センサーはOFFにしてて。その間、私の手を放さないようにね」
「…?」
872 :サイバー☆ゆーちゃん〜姉妹ゲンカのその後は〜 :2009/02/25(水) 00:54:32.18 ID:txv1PLU0
そうして、リビングへゆい姉さんを連れ込む。やっぱり、何がなんだか理解できていない様子。
いっぽうのゆーちゃんはというと、同じような指示を受けてみなみちゃんにつれてこられていたのだった。私たちはゆい姉さんとゆーちゃんを、同じテーブルの席に座らせた。
「…みなみちゃん、準備はいい?」
「…大丈夫」
「それじゃ二人とも、これからケーキを目隠して食べてもらおうー」
「…ケーキ…?」
「……私たちの、手作りなの……」
「そだよ、食べてみてー」
『目隠し』の状態でケーキを食べるゆい姉さんとゆーちゃん。
さすがに上手く食べられないのか、顔中クリームだらけ。
でも、本人たちは目が見えていない状態だから、気にせずに食べ続けていた。

「そろそろいいかな…それじゃ二人とも、もう『目隠し』取ってもいいよー」
そう言われるがままに『目隠し』を解除した二人は、次の瞬間とても驚いた。
「ゆた…か…?」
「ゆい…お姉ちゃん…?」

お互い、クリームまみれになった顔を見てきょとんとする二人。しかし、次の瞬間…。
「あっはははは!何その顔、ゆたか…クリームまみれだー」
「お、お姉ちゃんこそ…うっくく…変な顔だよ…フフ…」
お互いクリームまみれになった顔を見て、同時に笑い出す二人。
その後、私たちは奇跡の瞬間を目の当たりにするのだった。
「ゆいお姉ちゃん…こんな時になんだけど…さ、さっきはゴメンね…」
「ゆたか…お姉さんも、ごめんね…ゆたかがあんなに傷ついてたなんて…」
「ううん、もういいの、もう…いいんだよ。ゆいお姉ちゃんは、私の大切な家族だから…」
…こうして二人は、私とみなみちゃんの手作りケーキによって仲直りを果たしたのでした。
めでたし、めでたし。

……と、サッパリ締めたいところなんですけどね?
「…ゆたかの馬鹿!そんなことする子だなんて、お姉さん思わなかったよ!?」
「…違うもん!お姉ちゃんがしっかりしないから…」
…はぁ、またケンカの仲裁役を買って出ることになるのか…。
勘弁してくださいよ、姉妹ケンカはソレスタルビーイングの介入対象外だよ…。

                                 <gdgdですから>
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 00:57:00.97 ID:txv1PLU0
以上です。
もともとは「壮絶なまでの姉妹ゲンカ」というのが頭に浮かんでて、単純にドタバタ系ギャグ展開にしようかと思ってたんですが、
書いていくうちになんかちょこっといい話を入れてみたくなってこんな感じになってしまった…。
SSは計画的にね!
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 01:03:03.95 ID:cSYkFtYo
ついでにここまでまとめ完了
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 07:00:26.44 ID:7SrOvGE0
しかしイヤなお題になったもんだね('A`)
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 07:08:59.06 ID:T9DAd.SO
>>874
まとめ乙!

死亡フラグキタ―(゚∀゚)―ッ!!
ある意味「笑い」より楽しみだわww

俺、故郷に帰ったら結婚するんだ。うぉぉー

ぐらいしか思い付かん俺は書かないけど
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 07:57:56.36 ID:VdygiwSO
>>874
お疲れ様です。

コンクール作品、一応二つ程話は浮かんだものの、超ベタな話と誰かと被りかねない話の二択…。

助けて、みゆきさん。
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/25(水) 12:22:04.02 ID:VdygiwSO
−コンクールお題について−

かがみ「死亡フラグかあ…かなり厄介よね」
こなた「んーまあ、みんな毎回なんだかんだ言いながらいい作品書いてるから、大丈夫なんじゃない?」
かがみ「まあねえ」
こなた「そんな心配よりねー…んふふ」
かがみ「な、なによ」
こなた「かがみは死亡フラグより、脂肪フラグの心配したほうがいいんじゃないかなあって」
かがみ「…その発言こそが、死亡フラグだとは思わんか?」
こなた「いーだだだだ!抜ける!アホ毛抜けちゃう!やめて死んじゃうぅぅぅっ!!」
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 17:42:55.63 ID:zBHx2kU0
このお題がコンクールの死亡フラグになろうとは、この時誰も予想していなかったのです……

こいつが死ぬ
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 17:51:52.42 ID:cSYkFtYo
正直これまでのお題の中で最難じゃなかろうかww
一応ネタは思いついたけど、投下数とか厳しくなりそうだなー
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/25(水) 18:27:37.63 ID:lN7lC6AO
自分にはフラグを無駄に乱立させるストーリーしか思い浮かばんとです
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/25(水) 19:15:16.82 ID:x2S7psDO
今回のコンクールがこのらき☆すたSSスレの死亡フラ…

こなた「シャラップッ!」
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/25(水) 19:39:51.30 ID:kNh3dWY0
>>881
お前は俺か。

さっきとりあえず書き上げてみたけど、どうもしっくりこない。やっぱ難しいわー。
投稿期間は忙しいから、便乗ネタとしてもう投下してやろうかしら、なんて悩んでたりする。
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/25(水) 19:54:57.61 ID:kNh3dWY0
>>873
サイバーゆーちゃん久しぶりに見た気がする
こなたがんばれw

>>874
まとめ乙です
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/25(水) 20:24:40.79 ID:7OmpSao0
しぼーふらぐをさがそう

つかさ「しぼーふらぐってどんなのがあるかなぁ」
みゆき「実は私達の周囲には素敵な死亡フラグが満載なんですよ」
つかさ「例えばどんなの?」
みゆき「例えばつかささんがこれから重い工具箱片手に脚立に乗って蛍光灯を替えようとしていることとかですかね」
つかさ「あっ!手が滑って工具箱が!ゆきちゃん危ない!」

ゴシャ

つかさ「さらに蛍光灯落としちゃった!ゆきちゃん危ない!」

バリーン

つかさ「あ!バランスが崩れて脚立がたおれるよー!ゆきちゃーん!」

ぐしゃ




かがみ「ダメだ、コンクールに向けてもっとマシなシナリオを考えられるハズよ私」
886 :873 :2009/02/25(水) 21:42:10.63 ID:txv1PLU0
しまった!ミスを発見した!!

×「でも、お姉ちゃんがケーキ食べちゃったんだよ?あのクッキー、私のなのに!」
○「でも、お姉ちゃんがクッキー食べちゃったんだよ?あのクッキー、私のなのに!」

…俺が死亡フラグだ…wikiのほう修正してきますorz
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/25(水) 21:57:26.23 ID:Fv4a1uo0
なんだかんだで書けそうだ。
例え間に合わなくてもネタ的に投下は絶対したい
888 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:29:56.04 ID:lFcE9.w0
投下いきます。

少し前に書いた「ハッピーバレンタイン」の対になる、かなり早めのホワイトデーSSです。
889 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:30:38.00 ID:lFcE9.w0
「時は来た!いよいよわたしが女となるときが来たのよ!今日この日の為に練習に練習を重ねたこのクッキーを持って、こなたの元へと!八百万の神々よ!わたしに力を!勇気を!勝利を!」
「…ねえまつり、かがみは社の前で何をやってるのかしら」
「…出陣式…かな…感じ的に」


‐ スイートホワイトデー ‐


 三月十四日。泉家の玄関前。
「ゆ、ゆたか…この前のバレンタインはありがとう…それで、お返しにクッキーを焼いてみたんだけど…よ、よかったら食べてくれないかな…」
 差し出された可愛らしい柄の袋。それを目の前にして、小柄な少女は困った顔をした。差し出したほうの少女は思い切り下を見て、自分の間違いに全く気がついていないようだった。
「みなみちゃん…君は頑張った…でも、残念ながらわたしは小早川ゆたかじゃなく泉こなたなんだよ…」
「…え?」
 みなみが顔を上げると、そこには何故か万歳をしているこなた。
「…すいません、泉先輩…全て無かったことに…」
「うん、とりあえず友人一同に報告した後で、忘れることにするよ」
「…やめて…いやホントに…」

890 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:31:19.28 ID:lFcE9.w0

「あれ?つかささんでは無かったのですか?…というか、そのクッキーは一体…」
 クッキーをかじりながら、部屋に一人で戻ってきたこなたに、みゆきがそう聞いた。
「うん、みなみちゃんだったよ。ゆーちゃんにバレンタインのお返しを持って来たみたい。で、これは口止め料」
「…口止めって、一体何が…」
「口止め料もらったから言わない」
「そうですか。いや、まあいいですけど…おそいですね、つかささん」
「うん…変に焦らされると余計緊張するよ」
 つかさから貰ったバレンタインチョコのお返しに、こなたとみゆきは二人でクッキーを焼いたのだが、肝心のつかさは約束の時間を過ぎてもまだ泉家に来てはいなかった。
「やっぱ、まだ怒ってるのかな…ほったらかしにしたこと」
「そうでしょうね…その前にからかってもいますし…というか、どうしてあの時戻ってきてくれなかったんですか?」
「いや、だから大事な用があったんだって…」
「でも、いくら遅れても戻ってこれたのではないですか?…あの後、つかささんをなだめるのにどれだけ苦労したか…」
「う、それはゴメンとしか言いようが…」
「ホントひどいよね。わたし、こなちゃんに本気で見捨てられたかと思ったもん」
「うう、ホントごめんって…って、うわあ!つかさ!?」
 いきなり聞こえた声に、こなたが驚いて飛びのく。こなたが座っていた少し後ろ辺りに、いつの間にやらつかさが座っていた。
「つ、つかささん。いつの間に…」
「着いた時に、みなみちゃんが入るところだったから、後ろ付いてきちゃった」
「えー」
「この泉こなたが気付かぬとは…なんというスネーク」
「それで、今日は何の用事なの?」
 ニコニコと微笑みながら、つかさがそう聞いた。
「分かってるくせに…」
「まあまあ泉さん…つかささん、バレンタインデーのお返しに泉さんと二人でクッキーを焼いたんです。よければ食べて貰えますか?」
「うん、ありがとう!」
 みゆきからクッキーの入った袋を、嬉しそうに受け取るつかさ。
「食べてみていい?」
「はい、どうぞ」
 つかさは袋の中からクッキーを一つ取り出すと、一口かじってみた。そして、しばらく咀嚼し飲み込む。その様子をこなたとみゆきは緊張した面持ちで見ていた。
「…まだまだだね」
「つかささんのくせにっ!?」
「お菓子作りだと言い返せないのが悔しいっ!」

891 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:31:56.84 ID:lFcE9.w0

「ごちそうさま」
「なんだかんだ言いながら、結局全部食べちゃったよ…」
 つかさが食べ終わって空になった袋を回収しながら、こなたがそうぼやいた。
「そういえば、お姉ちゃんもクッキー焼いてたよ」
 つかさのその言葉に、こなたは心臓が高鳴るのを感じていた。
「そ、それほんと?」
「うん、わたしも少し手伝ったし…凄く頑張ってたけど、誰かにあげるのかな?」
 自分だ。こなたはそう思った。そうあってほしいと思った。いや、そうでなければ嫌だと思い直した。自分が渡したチョコのお返しだとすれば、今まさにこの家に向かっている最中なのではないだろうか。チョコを渡した時は曖昧なことしか言ってなかったけど、かがみは自分の感情を汲み取ってくれて、もしかしたら良い返事が貰えるのではないか。そんな期待すら、こなたは抱いていた。
「…こなちゃん、どうしたの?」
 俯いてなにやらブツブツ呟き始めたこなたの顔を、つかさが覗き込んだ。
「え、あ、いや、なんでもない!なんでもないよ!」
 慌てて顔を上げ、首を振るこなた。その時、玄関のチャイムの鳴る音が聞こえた。もしかして、かがみが来たのかもしれない。こなたは再び心臓の高鳴りを感じていた。


「えっとね、こなた…バレンタインの時はチョコありがとう。それでね、お返しにクッキー焼いてみたんだけど…あのね、チョコもらった時にさ、あんた色々言ってたけどさ、あれって…えっと…わたしの事を…その…」
「あの、かがみ先輩…凄く良いところですいませんけど…わたし、泉こなたでなく小早川ゆたかです…」
「…へ?」
 かがみは逸らしていた視線を前に向けた。クッキーの入った袋を差し出した先には、何故かホールドアップの姿勢で立っているゆたかがいた。
「ゆたかちゃん」
「は、はい」
「今起きたことは、五秒以内に忘れなさい…さもなくば、世にも奇妙な目にあわせる」
「ふえぇぇぇぇっ!?」

892 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:32:40.15 ID:lFcE9.w0

「はい、こなた。これバレンタインのチョコのお返し」
 そう言って無造作に袋を渡され、こなたはかがみと袋を交互に見た。
「…えっと…それだけ?」
「うん、それだけ」
 期待していたのと全く違うかがみの態度に、こなたは不満を感じていた。
「…んーとねー…ホントは台詞とか色々考えてきたんだけどねー…なんかこう、萎えちゃって…」
「…ホントはどーしたかったんだよー…」
 口を尖らせて文句を言うこなたに、かがみは頬をかきながら言葉をかけた。
「えっと…クッキー持って来たことが、答えってのはダメかな…」
「…え?」
「チョコくれた時に、言いそびれてたみたいだけど…アレって…その…アレよね…わたしの事…」
 そこでかがみは言葉を切って、こなたの目を真正面から見た。『後はあんたから言って欲しい』こなたには、かがみの目がそう言っているように思えた。
「うん…わたし…かがみが好き…友達とかじゃなくて…もっと…かがみが好きだよ…」
 こなたは、目を逸らさずにそう言い切った。それを聞いたかがみの顔が緩む。
「その答えが、そのクッキー…で、いいかしら?」
「ずるいよかがみ…わたしだけ言わせるなんて」
「ふふ、ごめん。でも、自信はあるから…」
「うん…」
 こなたはクッキーの入った袋を、嬉しそうにぎゅっと抱きしめた。
「…えーっと、ゆきちゃん…何か目の前で始まっちゃったんだけど…」
「わたし達がいる事を、完全に忘れてますね…」
 つかさとみゆきはどうしていか分からずに、二人を眺めていた。
893 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:33:22.34 ID:lFcE9.w0
「かがみ、コレ食べていい?」
「うん、そりゃあんたに食べて貰うために持って来たんだから」
「そっか、そだよね」
 こなたは照れくさそうに笑うと、クッキーの入った袋の口を開けた…そして、固まった。袋の中には確かにクッキーが入っていた。しかし、漂ってきたのはクッキーの香ばしい匂いではなく、鼻をつく刺激臭だった。
「…すっぱい」
 こなたは思わずそう呟いていた。つかさとみゆきも鼻を摘んでいる。
「ど、どうかしたの、こなた?」
「え、い、いや…ちょっと独特な匂いだなって…」
 コレは何かの間違いだ。こなたは自分にそう言い聞かせた。匂いはアレでも美味しい料理はある。それに、つかさもてつだったと言ってたから、不味いはずがない。こなたは意を決してクッキーを口に放り込んだ。
「………」
 そして、再び固まった。口の中に異様な味が広がる。こなたは吐き出したい衝動をこらえて、なんとかソレを飲み込んだ。
「どう、美味しい?」
 そう言うかがみには顔を向けずに、こなたは黙ってその袋をつかさ達の方に向けた。
「えっと…食べてみろってこと?」
 そう聞くつかさに、こなたは黙って頷く。つかさとみゆきが一つずつクッキーを取り出し、口に入れた。
「…なにこれ…お酢?」
「…ですね…お酢の味がするというより、お酢を焼き固めたのを食べてしまったみたいな気がします…」
「お姉ちゃん…これ、何したの?」
「つかさに教わった通りじゃなんだからと思って…隠し味にお酢を…ダメだった?」
「ダメすぎる…ダメすぎるよお姉ちゃん…ってか隠れてないよこれ…」
「かがみさん…隠し味の意味、分かってますか?」
「え、えっと…」
 かがみは困ったようにこなたの方を見た。
「…あんまりだ」
 こなたの口から、そう呟きが漏れた。
「え?」
「あんまりだよかがみ!わたしは…わたしは本気だったんだよ!?その答えがなんでこんなクッキーなのさ!?」
「え、いや…それは…」
「嫌なら嫌ってはっきり言えばいいじゃない!女同士なんて気持ち悪いって!わざわざこんな嫌がらせしないでさ!」
「ち、違…わたしだって本気だって…」
「本気で嫌がらせしたっての!?そんなにわたしの事嫌だったの!?キライだったの!?」
「そ、そうじゃなくて…」
「わたし…わたしは…ふえぇぇぇぇん…」
 とうとう泣き出してしまったこなたの前で、かがみはどうすることも出来ずにオロオロしていた。つかさ達に助けを求めようと部屋の中を見渡したかがみが見たのは、今まさに閉じられようとしている扉だった。
「あ、ちょっと、逃げないで…」

894 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:34:36.55 ID:lFcE9.w0

「逃げちゃったけど、良かったのかな?」
「わたし達がどうこう出来そうにありませんでいたから…ほとぼりが醒めるまで離れていましょう」
「…うん」
 こなたの部屋から逃げ出したつかさとみゆきは、二階へと上がり居間に入った。
「あれ?どうしたんだい?」
 居間にはこなたの父、そうじろうがいた。
「えっと…ちょっとこなちゃん達が…」
「すこし、込み入った話をしているので、わたし達は邪魔にならないようにと…」
「さっき、こなたが大声出してたのかい?」
「はい…」
「ふーむ…まあ、そう言う事なら、ゆっくりしていくといいよ…そうだ、クッキーでも食べるかい?」
 そうじろうは二人の前に、クッキーが盛られた皿を差し出した。先ほどのお酢クッキーを思い出し、二人の動きが止まった。
「ん?どうかしたかい?」
「え、あ、いえ…いただきます」
 つかさが一つ手に取り、口に入れる。それを見たみゆきも同じようにクッキーを口に入れた。
「…おいしい」
 つかさがそう呟いた。それを聞いたそうじろうが嬉しそうに笑った。
「そうか、それは良かった。上手くできたみたいだな」
「上手くできたってことは…おじさまが焼いたのですか?」
「そうだよ。意外かい?」
「えっと…すいません。少し意外です…」
「ははは。まあ、そうだろうね」
「手作りって、誰かへのお返しなんですか?」
「ああ、バレンタインの時に、こなたやゆーちゃんに試作品の処理をさせられたからね」
「あー、なるほど…」
「それと、かなたにもね…」
 そうじろうは居間に飾られてある亡き妻の写真を眺めながら、そう言った。
「え、それって…」
「はは、まあ気にしなくていいよ…そう言えば、こなたは随分作り直していたけど、あれはやっぱり本命だったのかな?」
「えっと…まあ」
「そう…ですね…」
 つかさとみゆきは、返答に困ってお互い顔を見合わせた。
「相手はかがみちゃんだよね?」
「えっ!?」
「ご存知だったんですか!?」
 その言葉に、二人は驚いてそうじろうの方を見た。
「うん、まあなんとなくだったけど…」
895 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:36:33.03 ID:lFcE9.w0
「ごめん!ちょっとかくまって!」
 突然、かがみが居間の中に飛び込んできて、机の下に入り込んだ。
「ど、どうしたの、お姉ちゃん?」
「しっ!黙って!」
 しばらくして、今度はこなたが居間にやってきた。
「かがみがここに来たよね?何処?」
「かがみちゃんならここに」
 そうじろうが机の下を指差した。
「ちょ、ちょっと!なんでバラすんですか!?」
 かがみが悲鳴にも似た声を出した。
「いや…なんかこなたが怖いし」
「あんたそれでも父親か!?この変態ダメ親父!」
「かがみ、戻るよ。まだ話は終わってないんだから」
「こ、こなた…もう許して…」
「あ、そうそう。逃げた分と、お父さんの悪口言った分も追加ね」
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁっ!」
「…あ、あれから何があったんだろう…」
 こなたに引き摺られていくかがみ。それを呆然と見送るつかさ。同じく見送っていたそうじろうが、つかさ達の方に向き直った。
「で、何処まで話したっけ?」
「わー動じてないやー」
「泉さんのお相手が、かがみさんだって所までですね」
「わーゆきちゃんまでー」
「おじさまはその…女性同士だってことをどう思われて…」
 恐る恐るそう聞くみゆきに、そうじろうは少し考えてから答えた。
「こなたが本気で選んだ相手なら、俺は受け入れるつもりだよ。相手が女の子でもね」
「そう…ですか…」
「あいつは俺と同じように育ってるからな。なかなかそういう出会いには恵まれてないと思うんだ」
 そうじろうは、もう一度かなたの写真を見た。
「俺にはかなたって幼馴染がいたけど、こなたにはそういうのも無いからな。だから、こなたがそういうのを見つけた時は、ちゃんと応援してあげようって、そう思ってたんだ…ああ、もちろん相手が男だったとしてもだよ」
「………」
 つかさは唖然とした表情でそうじろうを見ていた。まさかこの人物から、こんな言葉が聞けるなどと、夢にも思っていなかったからだ。
「つかささん、泉さんの部屋に戻りましょう」
「…うん」
 何が出来るかは分からなかったが、それでも二人のために何かしなければならない。つかさ達はそう思い、そうじろうに頭を下げて居間を出て行った。その二人の背中に、そうじろうは笑顔で手を振っていた。


 こなたの部屋の扉を開けたつかさとみゆきの耳に、こなたとかがみの声が聞こえた。
「…こなた、落ち着いた?」
「…うん、ごめんね。かがみ…」
 部屋の中央にあるテーブル付近には二人の姿は無く、代わりにベッドの上の布団が盛り上がっている。丁度人が二人中に入っているかのように。
「わたしの方こそ…変なことしちゃって…」
「うん…ねえ、かがみ…」
「なに?」
「…その…もう一回…」
 つかさとみゆきは、黙って部屋の扉を閉めた。
「…え?何今の?なんか事後っぽい?」
「…あの後…何があったんでしょうか…」
 二人はどうすることも出来ずに、ただこなたの部屋の扉を眺めていた。


‐ おしまい ‐
896 :スイートホワイトデー [saga]:2009/02/26(木) 01:38:24.00 ID:lFcE9.w0
以上です。

なんかもう、色々とすいません。
クッキー三昧なのは筆者が好きだからです。
あと、かがみが使ったお酢は、例のバのつくお酢ではありません。
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/26(木) 08:53:08.20 ID:FD/C.Y20
>>896
くそっ本気で面白いな!
小ネタからキャラの扱いまで笑いのセンスが俺にストライクだ 
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 13:38:21.00 ID:C3izvwSO
>>896
なんというカオス空間wwwwww
ハイスピードで流れる展開が素晴らしいww
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 17:19:30.59 ID:6p9oeKA0
らき☆すた殺人事件の愛憎の陵桜学園がまだ「まとめて読む」になってないけど?

900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 17:19:47.24 ID:6p9oeKA0
らき☆すた殺人事件の愛憎の陵桜学園がまだ「まとめて読む」になってないけどどうして?

901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 17:47:00.86 ID:mBcEfD60
ま た 君 か
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 17:57:49.40 ID:oLw8PzMo
ワロタww

>>896
かがみてめー都合のいいときだけ神あがめてんじゃねぇww
オリジナリティ求めての失敗……料理べたの典型的な例だな……。にしても酢はねーだろ酢はwwあと味見しろYO
前回といい、ほんのりシリアスというか感動? シーンがあっていいな。ネタも面白いしよかった。GJ!
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 18:12:55.01 ID:Z9G9rE.0
>>900
お前これからもなんか質問しかしなさそうだから教えておくね^^
今度からそーゆー質問は避難所で質問しな^^
ここだよ→http://jbbs.livedoor.jp/auto/5330/
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 19:33:02.35 ID:AZEKb2SO
>>896
みなみとゆたかのやりとりにワロタwww
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/26(木) 21:31:28.69 ID:GoJZb/E0
>>896
GJ!あんたの作品大好きなんだぜ!
バのつくお酢だった方がダメージ少なかったんじゃなかろうかw
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/26(木) 21:34:19.29 ID:4bCZ0MU0
>>896
クソワロタwwwwwwww
ギャグとシリアスがうまい具合に混ざってて良かったぜ!
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/26(木) 21:57:46.33 ID:bz9XSaMo
>>896
面白かった〜
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/26(木) 23:20:57.65 ID:lFcE9.w0
>>896です。

予想外のたくさんのレスに驚いてます。ありがとうございました。

かがみが味見をしなかったのは、「味見なんかしたらこなたの食べる分が減る」という、彼女の深い愛情の表れなんです。多分。
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/27(金) 03:02:01.76 ID:rg1Hwugo
>>908
てっきり、ストレートに
「舞い上がっていてそこまで思いつかなかった」
だと思っていた……。
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/27(金) 18:54:28.51 ID:yb68sxQ0
あんまり需要は無いかもしれないけど描いてみた
http://www2.uploda.org/uporg2051386.jpg.html

描いた後に気付いたんだけど、この人って設定絵を見ると貧乳に見えるんだが
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/27(金) 19:24:06.81 ID:YofY9ASO
−教えてゆきちゃん!−

つかさ「ねえ、ゆきちゃん。死亡フラグってなーに?」
みゆき「そのキャラの言動や行動で、読者が『あ、こいつ死ぬな』、と分かってしまう伏線の事ですね」
つかさ「ふーん」
みゆき「代表的な例としては、大きな戦いの前に仲間の一人が自分の過去を語りだしたり、故郷に残してきた大切な人の事を話し出したりしたら、それが死亡フラグです」
つかさ「へー。でもどうしてそれがフラグになるの?」
みゆき「その後のキャラの死を盛り上げる効果があるからです。『折角心を開いてれたのに!』『こいつには待っててくれる人がいたんだ!』といった感じですね」
つかさ「そっかー…でも、わたし達はそんな戦いしないよね」
みゆき「そうでもありませんよ」
つかさ「へ?」
みゆき「コミケなどは、よく戦場に例えられますね」
つかさ「コミケ!?」
みゆき「入場待ちの列の中で、かがみさんが家に残してきたお菓子の事を心配し始めたら、それは死亡フラグですね」
つかさ「えええ!?」
みゆき「オタク達の波にのまれて、薄れていく意識の中で『あのお菓子、食べといたらよかったな…』と、呟きながら果てていくかがみさんの姿が想像できますね」
つかさ「ええええええっ!?」


こなた「なんかね、かがみをコミケに誘ったらね、死亡フラグがどうとかいいながらね、つかさが鉈で襲ってきてね…」
みゆき「まあ、それは大変でしたね」
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/27(金) 19:51:49.86 ID:NRPnoxw0
>>911
>>885の前日談に見えるww
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/27(金) 22:06:08.15 ID:QBQthRE0
コンクールの筆が進まないので筆慣らしに適当に書いたモノを投下してみる。
先に謝っておく、スマン。
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/27(金) 22:07:26.53 ID:QBQthRE0
放課後の教室、こなたは机にうずくまって何やら呻いていた。 

こなた「む〜……どうしようかなぁ、困ったなぁ」
つかさ「こなちゃん、帰ろ〜……って、どうしたの?大丈夫?」
みゆき「泉さん、どこか具合でも悪いのですか?」
こなた「いや、ちょっと悩み事があってさ。たいした事じゃないんだけどネ」
みゆき「そうなのですか?……正直、そんな風には見えませんが」
つかさ「そうだよ。あんな深刻な顔してるこなちゃん久しぶりに見たよ?」
こなた「う〜ん……でも、2人にはちょっと相談しにくいなぁ……」

※※※「だったらその悩み、私に聞かせてもらえるかしら?」
こなた「えっ?誰っ!?」

勢いよく開く教室の扉。

※※※「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!鷲宮の神が呼ぶ!」
こなた「そ、その姿は!」
※※※「ズバッと参上!ズバッと解決!人呼んで『怪傑かがみん』!!」

悩めるこなたの前に舞い降りたのは、迷える子羊たちの味方『怪傑かがみん』!
タキ○ード仮面を思わせる純白の仮面に、純白のマント。
風になびくツインテールに、陵桜学園指定の制服。
まあ、ぶっちゃけ柊かがみの要素が90%くらいの姿かたち。
何処から来たのか、そしてその正体は誰なのか、すべてが謎に包まれた正義の使者だ。
大切なことなのでもう1度言おう。
正体を含め、すべてが謎に包まれた正義の味方だ。

怪傑K「で、あんたの悩み事って何?」
こなた「え、え〜っとぉ……その……」
みゆき「泉さん、どうしたのですか?せっかく怪傑かがみんさんが来てくれたんですよ?」
こなた「い、いやぁ、なんだかちょっと緊張しちゃって。悩み事もたいした事じゃないしさ」
怪傑K「そんなの、気にしなくていいわよ。どんな些細な悩みでもでも、私はかまわないわ」
つかさ「わあ〜、噂どおり優しい人なんだね」

こなた「えっと、最近の事なんですけど、友達の柊かがみさんが私に対してとても冷たいんです」
怪傑K「冷たい?どういうことかしら?」
こなた「宿題を見せてってしつこく頼んでたら、怒っちゃったのか、相手にしてくれなくなって……まあ、私が悪いんですけどね」
怪傑K「なるほどね。それで悩んでたって訳か」
こなた「はい。怪傑かがみんさん、わたし、どうしたらいいんでしょうか?やっぱり、素直に謝るのがいいんでしょうか?」
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/27(金) 22:08:22.18 ID:QBQthRE0
怪傑K「残念だけど、それじゃあ解決しないわ。かがみっていったかしら、その娘があなたに冷たくしているのは何者かに感情を操られているからよ」
こなた「ええっ!?誰に!?」
怪傑K「そうね……きっと孤高の女神、ツンデ・レーの仕業ね。やっかいな相手よ。あなたの度重なる甘えた言動がヤツを呼び覚ましたんでしょうね」
こなた「ああああ、どうしよう。私はいったいどうしたら……」
怪傑K「大丈夫、解決方法はあるから心配しないで。私をいったい誰だと思ってんのよ?」

こなた「でも、神様が相手じゃ、私にできることなんて……」
怪傑K「神を鎮めればいいのよ。捧げものでね」
こなた「捧げもの?かがみに、わたしの友達に何かあげればいいってことですか?」
怪傑K「ええ。ちょっと高めの甘いお菓子なんかを捧げてみるといいわ……ほら、あの2〜300円くらいの若干高めのぽっきーとか、そういうのがいい」
みゆき「なんて具体的なアドバイスなんでしょう……さすがとしか言いようが無いですね」

つかさ「こなちゃん、これで解決だね!よかったね!……あれ?何でそんな顔してるの?嬉しくないの?」
こなた「だって、わたし……今日は何も、甘いものとか持ってないから……今すぐにでもかがみと仲良くしたいのに……」
怪傑K「大丈夫よ。それも解決できるわ」
こなた「ほ、本当ですか!?」
怪傑K「もちろん。これから一緒に甘いものを食べに行くといいわ……ほら、あのよく行く喫茶店とか。あそこは今、期間限定の特大パフェがあるし」
こなた「でも、今の状態でわたしが誘ったとして、かがみは来てくれるのかな?
怪傑K「あー、大丈夫。その特大パフェって4〜5人前の量があるからさ、食べてみたくても1人じゃ頼めないのよね〜、ってその娘も悩んでたから」
つかさ「す、すごい!こなちゃんだけでなく、ついでにお姉ちゃんの悩みまで解決するなんて!」
みゆき「さすがです。さすが、噂の怪傑かがみんさんです」

怪傑K「よし、と。これですべての解決方法が見えたようね。後は、こなたが頑張るだけよ?じゃあ、縁があったらまた会いましょう!」
こなた「ありがとう!怪傑かがみんさん!」
つかさ「よかったね、こなちゃん!」
こなた「うん。ありがと、つかさ……それでさ、2人にお願いがあるんだけど……」
みゆき「わかっていますよ、泉さん。私達でよければ、お供させていただきます」



かがみ「つかさー、帰るわよー」
つかさ「ほら、こなちゃん。お姉ちゃんが来たよ?」
こなた「う、うん……ねえ、かがみ……」
かがみ「何よ?何か用?何度でも言うけど、宿題なら見せないからね」
こなた「えっとさ、今日、これからちょっと寄り道して帰らない?つかさもみゆきさんも行くって言ってるんだけど……」
かがみ「寄り道?あんたはさっさと帰って宿題した方がいいんじゃないの?」
こなた「う。しゅ、宿題はちゃんとやるって約束するよ。だからさ、一緒に喫茶店行かない?それでさ、みんなで特大パフェ、食べようよ」
かがみ「……わかったわよ、そこまで言うんだったら仕方ないからつきあってあげるわ」
こなた「やったー!かがみん、ありがと〜!」
かがみ「うわっ、こらっ、離れろっ!まったく、あんたはそうやってすぐ調子に乗るんだから!」
こなた「わたしのこの想いが、ツンデ・レーに勝ったんだ!」
かがみ「何を訳わかんないこと言ってんのよ、あんたは……」



つかさ「ねえ、ゆきちゃん。怪傑かがみんの正体って、誰なんだろうね?」
みゆき「すみません、それだけは私にもわかりません」
つかさ「なんとなくだけど、私、あの人のこと知ってるような気がするんだけどな〜」
みゆき(今まで怪傑かがみんが現れた時、必ずと言っていい程かがみさんはその場にいなかった。これは、もしかして……いや、そんなまさか……)
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/27(金) 22:13:07.75 ID:QBQthRE0
みたいな。
こんな感じの話とかは2つ3つでてくるのに、コンクールネタが皆無ときた。
俺はもうダメかもしれんw

ああ、みなさんのご想像のどおり怪傑K=かがみです。念のため。
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/27(金) 22:24:48.69 ID:WrM.BbY0
何というか、おもろいwwww
いいギャグSSですなー
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/27(金) 23:42:05.47 ID:oFAtPq60
>>916
ええっ!!・・・怪傑K=かがみだったのか!!
まるで気づかなかったあっ・・・・orz
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 00:11:53.02 ID:/arkG2SO
>>910
絵が見れないorz

>>916
こらかがみんなにしてんのww
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 00:40:17.99 ID:EbElLEM0
ああ、筆が勝手に……
怪傑かがみんの2作目です。何やってんだ俺w
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 00:41:35.63 ID:EbElLEM0
それは私が高校2年の時のことだった。

み き「かがみ、ちょっといいかしら?今日はあなたに大事な話があるの」
かがみ「大事な話?」
み き「そう、とっても大事な話。私以外の家族には内緒にしなきゃダメな話」

母の顔は真剣そのものだったので、私は椅子から降りて正座で母と相対した。
母は私の正面に座り、ダンボール箱を差し出してくる。

み き「まずは、これを……見て欲しいの」
かがみ「これを、開けたらいいの?」
み き「ええ、開けてちょうだい。それから、中身を確認して」
かがみ「う、うん。わかった」

み き「どう?」
かがみ「いや、どうって言われても特に何も……これ、ただの布みたいに見えるけど」
み き「もっとよく見て」
かがみ「どう見てもただの白い布……あれ?底の方にまだ何か……?何コレ?仮面?」

み き「かがみももう17歳でしょ?だからお母さんはこれをあなたに託すわ」
かがみ「え?なに?これ、私にくれるの?」
み き「そうよ……なんだか懐かしいわ、私も17歳のときに自分の母親からこれを貰ったのよ」
かがみ「そうなんだ。でも、これって何に使うの?」

み き「見てのとおり、それは『怪傑変身セット』よ」
かがみ「カイケツ?ヘンシン?」
み き「いのりもまつりも受け継がなかった私の力を、かがみ、あなたは受け継いだの」
かがみ「チカラ?」
み き「そう。ヒーロー的超絶ご都合主義の力よ」

かがみ「えーっと……ごめん、お母さん。話がまったく見えてこないんだけど」
み き「うーん……まあ、そうよね。かがみの気持ちも分からないでもないわ。それで、何が分からないのかしら?」
かがみ「なんか頭が混乱してて、何が分からないかも分からないの」
み き「あら、それじゃあ仕方ないわね……百聞は一見にしかずって言うし……かがみ、それを持ってついてきなさい」


922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 00:42:47.29 ID:EbElLEM0
ただお「ふ〜む……どうしたものかねぇ、困ったなぁ」

※※※「その悩み、私に聞かせてもらえるかしら?」
ただお「ん?誰かいるのかい?」

勢いよく開く居間のふすま。

※※※「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!鷲宮の神が呼ぶ!」
ただお「そ、その姿は!」
※※※「ズバッと参上!ズバッと解決!人呼んで『怪傑みきぽん』!!」

悩めるただおの前に降臨したのは、神のつかわした奇跡の使者『怪傑みきぽん』!
タキ○ード仮面を思わせる純白の仮面に、純白のマント。
何故か風になびくロングヘアーに、落ち着いた感じのいい私服。
まあ、ぶっちゃけ柊みきの要素が95%くらいの姿かたち。
何処から来たのか、そしてその正体は誰なのか、すべてが謎に包まれた正義の味方だ。
みんな分かってると思うが、お約束なのでもう1度言おう。
正体を含め、すべてが謎に包まれた正義の味方だ。

この様子を傍から見ていたかがみは「うわぁ……」と一声あげたきり固まっている。

ただお「久しぶりですね、怪傑みきぽんさん。この歳になってまであなたに助けられるとは、お恥ずかしい限りです」
怪傑M「それで、何を悩んでいたのかしら?」
ただお「いえね、そろそろ結婚記念日が近いのですが、妻のみきに何かしてやれないものかと思いまして」
怪傑M「あら、毎年何かしらなさっているじゃありませんか」
ただお「はあ、そうなんですがね……その、たまにはいつもより特別なことをしてやりたい、なんて思いまして」

怪傑M「そうですか。でも、その気持ちだけでも十分嬉しいものですよ?」
ただお「気持ち、ですか」
怪傑M「ええ、気持ちです。だから、その気持ちをいっそのこと形に……そうね、例えばダイヤのネックレスとか」
ただお「はあ」
怪傑M「あっ、そうそう、外出用のバッグが痛んできてたから、ブランドもののバッグなんかもいいかもしれないわ」
ただお「はあ」

かがみはもう一度だけ「うわぁ……」と一声あげた。

怪傑M「コ、コホン。そ、そうね、今回は2人っきりの温泉旅行なんかに誘ってみたらどうかしら?」
ただお「温泉旅行に?」
怪傑M「あなたの奥さん、みきさんって言ったかしら、この間の旅番組の影響で温泉旅行のパンフレットを眺めてたりするみたいだから」
ただお「なるほど……そういうことなら、そうしてみようと思います」
怪傑M「ホントに!?やったわ!嬉しい、あなた!…………と、奥さんも喜ぶことでしょう。じゃあ、縁があったらまた会いましょうね」
ただお「ありがとう、怪傑みきぽんさん」



み き「あなた、誰かいらしてるの?……あら、誰もいないわね。話し声が聞こえたんだけど」
ただお「あ、ああ……いや、電話で古い友人と話しをしていたんだよ。つい、盛り上がってしまってね。声が大きくなったかな?」
み き「あら、そうだったの」
ただお「ところで、お母さん。今度の結婚記念日なんだが、その、たまには2人で旅行にでも行ってみないか?」
み き「あら、嬉しい。じゃあ、子供達の予定も聞いて大丈夫そうだったら、そうしましょうか」
ただお「ああ」
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 00:43:31.35 ID:EbElLEM0



み き「どう?これでだいたいは分かったかしら?」
かがみ「……」
み き「ふふっ、どうしたらいいか分からないって顔してるわね」
かがみ「ねえ、お母さん。仮に私にも同じ力があるとして、私はこの力で何をすればいいの?みんなを救う正義の味方を演じればいいの?」
み き「そんなに難しく考える必要はないわ。お母さんはかがみに何かしろって命令するつもりはないし、私達に使命なんてものは無いもの」

かがみ「……別に何もしなくてもいいってこと?」
み き「そうよ。でも……そうね、かがみは優しいけど不器用なところがあるでしょ?だから、この力を上手く利用したらどうかしら?」
かがみ「どういうこと?」
み き「本当の想いを伝えたいけど、伝えられない。そんな時、自分の想いを伝えるひとつの道具としてこの力があるって考えてみて」
かがみ「でも、そんなのって……」
み き「ずるいと思うのなら、使わなければいい。でもね、この力は自分の為だけじゃなくて、みんなの為にもあるんだってことを覚えておいて」
かがみ「みんなの為にも?」

み き「あなたの悩みは他人の悩み、他人の悩みはあなたの悩み。例えばかがみが悩んでいたら、お母さんはそれが心配になって悩んじゃうわ」
かがみ「……よく、わからない」
み き「そう。でも、そのうちわかると思うわ。ごく少数でも、みんなが幸せになれると思えた時は力を遠慮せずに使いなさい。『怪傑』の力を」
かがみ「……ねえ、お母さん」
み き「何?」

かがみ「あの仮面とマント、もっとどうにかならないの?」
み き「ならないの」
かがみ「ならないんだ?」
み き「ならないのよねぇ……ダメかしら?」
かがみ「う〜ん、さすがにあの格好は恥ずかしいのよね。お母さんには悪いけど、たぶんこの力を使うことは無いと思うわ」





つかさ「お姉ちゃんに謝ろうかな……ううん、私は悪くないもん!お姉ちゃんが先に謝まるまで口もきかないんだから!……でも、寂しいよう……」
怪傑K「ねえ、その悩み、私に聞かせてもらえるかしら?」
つかさ「ひゃあっ!?だ、誰っ!?」
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 00:47:17.81 ID:EbElLEM0
みたいな。
書いてて「みきぽん」は無いわーと自分で思ったw
うん、俺はもうダメだわw

ちなみにタイトルは
914-915が『怪傑かがみん登場!』
921-923が『怪傑かがみん誕生!』
ってことでどうかひとつ。
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 01:05:45.82 ID:NEY2BRw0
仕事早っ!ww
今回も面白かったwwww
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 09:41:18.11 ID:oCOKVts0
なんという仕事のはやさwwwwww
親から受け継いだ物だったのかww
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 10:08:34.81 ID:MfDgH.SO
http://imepita.jp/20090228/364300

すげー初めて見たww
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 11:02:14.82 ID:DEfQhoAO
>>916,924
なんだこれwwwwすげー笑ったww乙!
仮面つけると認識阻害の効果があるんだなきっと
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 12:21:39.43 ID:NrxtpcSO
−陵桜戦隊らき☆れんじゃー−

ゆたか「らき☆れっど!」
こなた「らき☆ぶるー!!」
かがみ「らき☆ぱーぷる!」
つかさ「らき☆いえろー!」
みゆき「らき☆ぴんく!」
五人『五人揃って、らき☆れんじゃー!』


みなみ「…れっどといえろーが弱そう…」
ゆたか「えええっ!?」
つかさ「なにをーっ!?」
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/02/28(土) 18:09:25.11 ID:fchrmCw0
いえろーにこうちゃんを持ってくれば、戦力があがりそう。
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 23:09:11.57 ID:kZKUsWU0
>>916,924
クソワロタwwwwww
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:17:03.03 ID:KLErSLw0
ちょっと反応があると調子に乗るのが俺の悪い癖w
まあ、コンクール前の息抜きにでもしてくれたまへ。
4レスほどいただきます。
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:18:02.17 ID:KLErSLw0
こなた「かがみんのカバンって、パンパンだねぇ〜」
かがみ「あ、あんたと違って教科書をちゃんと持って帰ってるからよ!」
こなた「あー、なるほど」


『怪傑かがみん危機一髪!』


こなた「おーい、かがみ〜。あれ?かがみ?かがみ〜?」
みさお「おー、ちびっ子。ひいらぎなら今はいねーぞ」
こなた「えぇー。せっかくノートを返しにきたのに……」
みさお「なんだ、そんなことかよ。あたしが代わりに受け取っといてもいーぜ?」

こなた「気を遣わなくてもいいヨ。勝手にかがみのカバンに突っ込んどくからさ」
みさお「そんなことして、後で怒られても知んねーぞ?」
こなた「ふっふっふ。わたしとかがみの仲を侮らないでもらいたいものだネ」
みさお「なっ!?……ち、ちくしょー、全然悔しくなんてねーからなっ!」
こなた「みさきちとは違うのだヨ!みさきちとは!」

こなたはみさおに対して高らかに勝利宣言をし、鼻歌交じりにかがみのカバンを漁る。

こなた「ふんふんふ〜ん♪んあ?なんだこりゃ?……ここここ、これって、まさか!?」
みさお「何をそんなに慌ててんだよ?」
こなた「な、なんでもないよ!……私、慌ててなんかないヨ?」
みさお「なんだー?ひいらぎのカバンの中にすげぇもんでも入ってたのかー?」
こなた「そんなわけないじゃん!……いたって普通だったヨ?」
みさお「怪しいなー。どれどれ、あたしにも見せてみろよ」

かがみ「人の机の周りで何やってんのよ、あんた達は?」
みさお「ちぇー。なんだよ、もう戻ってきちまったのかよ」
かがみ「自分の席に戻ってきて何か悪いのか?」
みさお「じょ、冗談だよ、じょーだん。そんな恐ぇ顔すんなって」
かがみ「まあ、いいわ……で、何やってたの?」

みさお「うーんとな、ちびっ子がひいらぎのカ――いてっ!?」
こなた「ノート!ノートを返しにきたんだよ、かがみ!はいっ、コレありがと!」
かがみ「ど、どういたしまして」
こなた「じゃ、そういうことで!みさきち、ちょっとこっとへ来てもらっていいかな!?」
みさお「ちょ、何すんだよ、ちびっ子!お、おい、ひっぱんなって!」
かがみ「まったく、あいつらときたら何やってんだか……」

こなたがみさおに何やら必死で話している様子を見ながら、かがみは溜息をつく。
そして、とりあえずノートをしまおうとカバンに手をかけ……固まった。
カバンの中身が少し乱れていたのだ。
あの仮面と、あのマントが詰め込んであるカバンの中身が。

かがみ「まさか……こなたに見られた……!?」

934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:19:05.58 ID:KLErSLw0

昼休みも放課後も、かがみから見たこなたの態度はいつも通りだった。
そしていつも通り、こなたはかがみを寄り道に誘ってきた。

かがみ「ごめん、こなた。悪いけど今日はそんな気分じゃ――」
こなた「大事な話があるんだよ」

かがみ「そっか……ねえ、こなた……その話ってさ、私に関係すること?」
こなた「うん……かがみの、秘密、になるのかな?それに関しての話なんだ」
かがみ「そう……やっぱり……」

こなた「気持ちの整理が必要だっていうなら、別の日にしてもいいけどさ」
かがみ「……別にいいわ。いつかはバレるんじゃないかって思ってたから」
こなた「ありがと。ここじゃアレだから、とりあえず他の場所に行こうか」
かがみ「できれば、他の人がいない場所でお願いできるかしら」
こなた「わかってるよ。私のバイト先、今日は定休日なんだけどさ、控え室なら使わせてもらえるから」



控え室までの移動はお互いにほとんど無言のままだった。
会話を交わしたのは途中のコンビニで1回だけ。
緊張で喉が渇いていたためか、2人はそこで飲み物を買ったのだ。
こなたが鍵を開けて控え室に入り、味気ないパイプ椅子に座る。
座ってからも暫くの間、2人は無言のままだった。
それから時計の長針が半分程度まわったあたりで、こなたが口を開いた。

こなた「まず最初に謝っておくよ。私、かがみのカバンを勝手にさわっちゃったんだ……本当に、ごめん」
かがみ「もう、いいわよ」
こなた「それでね、中身のアレなんだけどさ……やっぱりアレって、その、アレであってるんだよね?」
かがみ「はっきり言ってくれてかまわないわ」
こなた「うん、わかった…………アレって、『怪傑かがみん』の仮面とマント、であってるんだよね?」

かがみは深い溜息をついてから、そうよ、と小さな声で答えた。

こなた「やっぱり」
かがみ「そうよ。アレは『怪傑かがみん』の衣装よ……馬鹿みたいな話よね。笑ってくれてかまわないわ」
こなた「なんで?」
かがみ「え?」
こなた「なんで私に隠してたの?恥ずかしいから?」
かがみ「なんで……か。よくはわからないけど、あんたの言うとおり、私はアレが恥ずかしかったのかもね」
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:19:58.59 ID:KLErSLw0
こなたは突然立ち上がると、かがみの目をしっかりと見据えて言葉をはなった。

こなた「私は!私は、アレが恥ずかしいだなんて思わない!」
かがみ「……こなた?」
こなた「怪傑かがみんのこと、私はカッコイイと思う!かがみはそうは思えないの!?」
かがみ「……私は、私はアレがカッコイイとは思えないわ」
こなた「なんでさ!」

悩みを解決してみんなを幸せにする。
そんな大義名分があるとは言え、己が関係する悩みを解決するのに『柊かがみ』以外の力を行使するのは卑怯だ。
例えどれほど伝えにくい想いでも、本来、想いを伝えるのは自分自身であるべきなのだ。
かがみは怪傑の力を使うたび、そういう風に思っていた。

こなた「だったらなんで!なんでカバンの中にあんなモノいれてたのさ!」
かがみ「そ、それは……」
こなた「ちゃんと答えてよ!かがみ!」

そうなのだ。
こなたの言うとおり、嫌ならあんなもの持っていなければいい。
ならば何故、自分はアレを片時も放さず持っていたのか。
自分の想いを伝える手段としてあまりにも便利な代物だったから?
誰かの悩みが4人の関係を僅かでも悪化させるのを恐れたから?
ヒーローとしての絶大な力に酔いしれていたから?
或いは、そのどれもが正解なのかもしれない。

かがみが答えられないでいるのを見て、こなたはさらに言葉をはなつ。

こなた「アレがカッコイイと思えないなら、なんで!」
かがみ「もう、もう許して……こなた……」


こなた「なんで怪傑かがみんのコスプレ衣装なんかもってたんだよぉーーーーーっ!」


かがみ「……は?」
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:20:40.36 ID:KLErSLw0

こなた「ね、かがみ、心配しなくても私はそういう趣味にも理解はあるんだよ?それにさ、私とかがみの仲じゃん!」
かがみ「え?あれ?」
こなた「だから、別に恥ずかしがらなくともいいいんだヨ。さっきも言ったけど、怪傑かがみんってカッコイイし!」
かがみ「えーっと、こなたさん?」
こなた「確かに、かがみにそういう趣味があるってのは意外だけどさ、まあそれも萌え要素のひとつだヨ!大丈夫!」

かがみ「ごめん。ちょっと整理させてくれるかしら?」
こなた「どうぞどうぞ」
かがみ「まず、あんたは私のカバンの中に怪傑かがみんの衣装があるのを見た、と」
こなた「いやぁー、見た瞬間、あのクオリティにはびっくりしたよ。本物そっくりだったから」
かがみ「で、あんたは私にそういうコスプレの趣味があると考えた、と」
こなた「中々いいセンスしてるよ。かがみはツインテールだから初音ミクか怪傑かがみんの格好が似合うと思ってたんだよね」
かがみ「ひとつ聞きたいんだけどさ、怪傑かがみんの正体が実は私だった、とかは考えないわけ?」
こなた「えー、さすがにその発想はないよ。だいたいさ、正体がかがみなら、私やつかさやみゆきさんが見たらすぐにわかるって」
かがみ「ああ、そう……そうなんだ……そうよね……」

こなた「ということで、かがみ!」
かがみ「な、何よ?」
こなた「ここの奥にはいろいろなコスがある訳なんだけど……どうだい?レイヤーの血が騒いだりはしないかい?騒ぐよね?」
かがみ「ちょ、自分の趣味がそっち方向だなんて、私がいつ認めたって言うのよ!?」
こなた「ふっふっふ、今さら隠しても無駄だよかがみ。怪傑かがみんというマニアックなコスを持っているのが何よりの証拠!」
かがみ「い、いや、だから、これは、その」
こなた「さあ、楽しいお着替えの時間だヨ!」
かがみ「な、納得いかねぇ〜〜〜〜〜〜っ!」





こなた「むふふ、やっぱ基本はメイドだよネ。次は何を着てもらおうかな〜♪」
かがみ「はぁ、結構な数の衣装があるのね……げっ、怪傑かがみんの衣装までありやがる……」
こなた「あ、それ私のだから。なんなら、ダブル怪傑かがみんでもやってみる?」
かがみ(こなたさん……それはマジっすか……)
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:24:30.72 ID:KLErSLw0
みたいな。
怪傑かがみんは、第13回コンクールを応援しています。

とか言ってる場合じゃないって、何やってんだ俺はw
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 01:29:26.96 ID:ie8QbuU0
>>937
なにやら、ヒーローっぽい悩み方してますが…。




最初に思い切り私利私欲を満たしてませんでしたか?かがみさん。
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 02:19:53.24 ID:QKBQjUSO
>>937
怪傑かがみんに一言
「大いなる力には大いなる責任が宿る」
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 03:00:11.95 ID:MGtWYic0
>>937
こなたんに吹いたwwwwww
序盤の緊張感返せ><
GJ 遠慮なんかせんでいいぜ
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 12:22:58.41 ID:J7UwGTA0
ひよりん 〜私が主人公でイイんスか?〜 発売告知CM

ひより「角川チャンネルプレゼンツッス!」

 チャッチャッチャー♪
    チャッチャッチャー♪

 やみつき度…史上最強!
 主人公…オタク腐女子高生!!

 ひよりん 〜私が主人公でイイんスか?〜

ひより「はい、私が田村ひよりんッス。下書き、ペン入れ、ネタ構成と
    何でもこなせる万能型同人作家ッス!」
こう 「……」
ひより「私が所属するクラブの部長のこうちゃん先輩ッス。
    血も涙も無い格闘オタで、いつも締め切りに近づくとふごぉっ!?」
こう 「誰が血も涙も無いって?」
ひより「ちょ…これCMですから……」



こう 「おぉー、新しいネタ思いついた♪」

ひより「ある日、こうちゃんがネタを思いついたッス。当然それを描くのは私の仕事ッス。
    それが私、同人作家の使命ッス。そんな使命を私が…」

ひより「描く、サボる、(ネタを)投げる、ボツる、資料観賞!
    私って意外と頑張っちゃってるッス。それが主人公の使命ッス!」
こう 「それって全然頑張ってないよね?」

ひより「私ってまだ有名ではないッスけど、一応、必殺技っぽいのもあるみたいッス」
こう 「有名だったら誰でも必殺技もってるのかー?」

ひより「ネタ数は…1,000! つまんないネタも数撃ちゃ当たるって理論ッス!」
こう 「つまんない?」
ひより「…待って欲しいッス、これはぁ!?」



942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 12:23:40.01 ID:J7UwGTA0
>>941

ひより「即売会には屍の山を築きあげる覚悟ッス。それが私達同人作家の宿命ッス!」
こなた「そのぐらいの覚悟がないと、あの世界では生き残れないからね」

ひより「目指すは"究極のネタ"! その先に待つのは…」

 ピコーン、ピコーン

   ☆ひよりん脳内ニュース速報☆
「ただいま、1,000個目のネタが没りました。」

 GAME OVER

こう 「原稿が完成しなかった時は、ひよりん退部だからね」
ひより「…私の命運はともかく、予約特典は
    ひよりん オリジナルサウンドトラックCDッス」

ひより「史上最凶のやみつきアクション。ひよりん〜私が主人公でイイんスか?〜
    2009年11月20日、発売ッス」



ひより「…因みにこれって」
こう 「嘘予告だよ」
ひより「ですよねー」


※元ネタ。プリニー 〜オレが主人公でイイんスか?〜
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 16:37:49.99 ID:OQ1nYFgo
ここまでまとめ

>>910の画像を取得できませんでした。まとめ希望の場合は、再うpをお願いします
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 17:49:28.61 ID:J7UwGTA0
>>943
まとめ乙!
画像は良いです。誰も見てなかったし、需要ないようなので
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/01(日) 18:43:11.33 ID:.u0UhgSO
−まとめ人への感謝の気持ちS−

こなた「と、まあ今回もやろうと思うんだけど」
かがみ「また、タンバリン?」
こなた「いや、流石におんなじのはね…」
かがみ「…ちぇ」ゴソゴソ
こなた(持ってきてたのか…気に入ったのかな)
かがみ「で、今回はなに?」
こなた「これ」
かがみ「…トライアングル?」
こなた「そ。こうやってちーんっと」チーン
かがみ「…ちーんっと」チーン
こなた「………」チーン
かがみ「………」チーン
こなた「………」チーン
かがみ「………」チーン
こなた「うっとーしーわー!!」カシャーン!
かがみ「お前がキレるのかよ!?」
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 18:47:11.42 ID:65W5ubg0
トライアングルだけってどんだけか細いんだよwwww
まとめ人乙です!
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 22:41:26.19 ID:0ve73QSO
暇だからお題ちょうだいでございます
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/01(日) 22:54:39.14 ID:S3pNgD.0
お題:石橋を叩き割る
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/01(日) 23:03:53.88 ID:0ve73QSO
任務了解
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/02(月) 00:01:04.61 ID:Lfwad760

これより、第十三回らき☆すたコンクールを開催します

今回のお題は「死亡フラグ」です
普段はROMに徹してる方もこの機会にキーボード、携帯を手に取り奮ってご参加ください
投稿期間は03/02〜03/15です


コンクール参加規約
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/673.html


他読者の方に読みやすいように名前欄にタイトル(現在のレス数/総レス数)と書くとわかりやすいです。
タイトルのみでも大丈夫です。
それと、他の作者様と投稿がかぶってしまい読みづらくなってしまう場合があるので投稿の前に一言レスして、リロードしてから投稿すると親切です。
また、名前欄やメール欄、事前の一言レス等の中にコンクール参加作品と書いていただかないと参加作品なのかどうかわからないのでお願いします。
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/02(月) 00:02:06.35 ID:Lfwad760

僭越ながら開催宣言をさせていただきました。
引き続き、コンクール作品の投下いきます。
952 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:03:18.08 ID:Lfwad760
01 かわいいだろ。娘の写真なんだ。

こなた「かわいいでしょ。我が娘の写真なんだよ」
 こなたがみなみに写真立てに収まっている写真を見せびらかす。
みなみ「そうですね」
こなた「すごくかわいいんだよ。今すぐ会いたいんだよ」
みなみ「では、今すぐ原稿を仕上げてください」
 そのとき、隣の部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
こなた「娘が私を呼んでいる〜! 今行くよ! 我が娘よ!」
みなみ「駄目です。娘さんの面倒は旦那さんが見てくれているのですから、泉先輩は原稿を仕上げてください」
こなた「そんな殺生な!」
 ラノベ作家と担当編集者のそんな日常。


02 この戦争が終わったら、俺、結婚するんすよ。

みのる「この映画の撮影が終わったら、俺、結婚するんすよ」
あきら「そうかい。まあ、せいぜい死なないように頑張れ」
みのる「ううっ……。ハードアクションものの映画でスタントの代役なしってきつくないっすか?」
あきら「製作費ケチったらしいからな。脇役の代役スタントつけるほどの予算がなかったんだろ。まあ、死んだら骨は拾って婚約者のところに届けやるから、安心しろ」
みのる「いや、それは安心するところが違うっす!」

953 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:04:15.84 ID:Lfwad760
03 いいか、俺が帰ってくるまでここを動くんじゃないぞ!

こなた「ほほぅ。これがかがみの一人暮らしの部屋かぁ」
かがみ「飲み物もってくるから、そこにおとなしく座って待ってなさい。家捜しとかすんなよ」
こなた「はいよ〜」
こなた(といっても、黙って待ってる私じゃないけどね。家捜し、家捜し♪)
 ガサゴソ……。
こなた(おっ。ベッドの下から同人誌みっけ♪ ほほぅ、かがみんにもこんな趣味が……)
 突如として、背筋に悪寒が走る。
 こなたが振り向くとそこには、般若の形相のかがみ様が!
かがみ「見たわね?」
こなた「いや……これは」
かがみ「見たわね?」
こなた「あは……あははは……」


04 おまえなら安心してあとを任せられる。

かなた「そう君なら安心してこなたのことを任せられるわ」
そうじろう「そんなこと言うな、かなた! こなたは俺たち二人で育てるんだろ? だから、そんなこと言うな!」
かなた「そう君、あとはよろしくね。私はそう君とこなたといられてとても幸せだったよ」
 かなたの目がゆっくりと閉じられていく。
そうじろう「かなたぁー!」

 カバッ!

そうじろう「夢か……」
 目の前にあるのは、パソコンの画面。書きかけの小説の文字が途中で途切れている。
 ふと視線をずらせば、そこには今は亡きかなたの写真があった。
そうじろう「そうだな。俺が頑張らなきゃいけないんだよな……。よしっ、もうひと踏ん張りいくか」
 そうじろうは再びキーボードを打ち始めた。

954 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:05:05.19 ID:Lfwad760
05 言い訳はそれだけか?

みさお「いや、誰だって、失敗はあるじゃんかよ。しかも、そういうときに限って、なんかいろいろと悪いことが重なるっていうかよ。人間転ぶことはよくあることだし、そのときにたまたまコーヒーのカップを持ってたり、こぼれたコーヒーが運悪くリラッタヌにかかったり……」
あやの「言い訳のそれだけ、みさちゃん?」
みさお「いや、ああ、そのう……ごめんよぉ、あやの〜。謝るから許してくれよぉ〜」
あやの「ごめんですんだら、警察はいらないわ」
みさお「ごめんってヴぁ」


06 覚えてるか? 俺たちが初めて会ったときのことを。

そうじろう「覚えてるか? 俺たちが初めて会ったときのことを」
かなた「うん。そう君ったらいきなり『なんてかわいい女の子だ』なんて叫ぶから、びっくりしちゃったわ」
そうじろう「あのころからかなたはかわいかったからなぁ」
かなた「あのときはこんなふうになるなんて思いもしなかったけど」
 車椅子に座るかなたの腕にはこなたが抱かれていた。
そうじろう「俺はあのころからかなたと結婚するつもりだったぞ」
 そうじろうは、車椅子を押しながら、そう宣言した。
 かなたはそうじろうを見上げた。
 添い遂げるべき人と出会って、そしていつかは別れる。自分の場合は、そのどちらもひとよりは早いのだろう。
 でも、後悔はない。それだけは絶対にない。
かなた「そう君ったら、あのころから全然変わらないんだから」

955 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:05:53.70 ID:Lfwad760
07 やっぱり、あいつには言っておくべきだったかな……。

 ゆたかが卒業して泉家から実家に帰ったあとの話。
ゆき「ちょっと、兄さん。どういうことよ!? うちのゆたかがオタクになっちゃってるじゃないの!」
 電話口から妹の怒声が響きわたった。
そうじろう「まあ、朱に交われば赤くなるというやつじゃないか」
ゆき「そうじゃなくて! なんで早く言ってくれなかったのよ!?」
そうじろう「いやぁ、言おうとは思ったんだけど、なかなか言い出せなくてな」
 やっぱり、こいつには言っておくべきだったかな……。
 そうは思ってももう遅い。
ゆき「今からそっちに行くから首洗って待ってなさい!」
 通話が一方的に切られた。

 そうじろうは受話器を置いた。
そうじろう「こなた」
こなた「なに?」
そうじろう「お父さんはこれから少し旅に出る」
こなた「いってらっしゃーい」

 そうじろうが出ていってから、数時間後。
ゆき「兄さんはどこ!?」
こなた「あっ、おばさん、こんちわ。久しぶりだね」
ゆき「兄さんはどこに行ったの!?」
こなた「お父さんなら旅に出るってどっか行ったよ」
ゆき「あの腐れ外道がぁー!」
 ゆきは来たときの勢いそのままに走り出ていった。

956 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:06:38.69 ID:Lfwad760
08 おまえと二人きりで話すのは、久しぶりだな。

そうじろう「こうして二人きりで話すのは、久しぶりだな」
かなた「そうね。最近はずっとこなたも一緒だったから」
 今、こなたの面倒は、ゆきが見ている。
 だから、こうして二人きりで話すことができていた。
かなた「そう君、話したいことってなぁに?」
そうじろう「いや、そのう、なんだ、かなたの体のことなんだが……」
 そうじろうが言いよどんでいると、
かなた「分かってるよ、そう君。私もそうじゃないかなぁとは思ってたから」
 病院のベッドの上で衰弱していく自分の体。その行き着く先は、想像はつく。
そうじろう「かなた……」


09 大丈夫だ! 傷は浅いぞ!

konakona:ぐはぁ! やられた!
yamanka:大丈夫だ! 傷は浅いぞ!
gatongo:いや、HP1しか残ってないから
konakona:そんなこと言ってないで、回復魔法頼むよ! って、死んだぁー!
nanakon:この辺のモンスターは素早いヤツが多いんやな。ほれ、攻撃魔法
 モンスターを倒した。
gatongo:攻撃魔法には弱いのか
konakona:デスペがぁー!
nanakon:このゲーム、デスペナルティきついんやったな
gatongo:ご愁傷様

957 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:07:25.10 ID:Lfwad760
10 恨まれるようなことをした覚えなど金輪際ない!

そうじろう「カミソリレターか。ひとから恨まれるようなことをした覚えは金輪際ないんだがなぁ」
こなた「ほんとにないの? お父さんの書いてる小説で読者に人気のキャラを殺したりとか」
そうじろう「それはない。あっ……」
こなた「なんか心当たりでもあるの?」
そうじろう「ああ、かなたを独り占めしたことで、世の男性からは恨まれてるかもしれないなぁと」
こなた「お父さん、こんなときにノロケはいいから」


11 そういや、最近、敵からの攻撃がないな。

yamanka:そういや、最近、モンスターが出ないな
konakona:2時間ぐらい、ずっとチャット状態だね
nanakon:この辺は、モンスターが少ないんやろ
 モンスターが現れた!
yamanka:って言った瞬間にモンスターがぁ!
nanakon:なんやコイツ、強いで!
gatongo:うはっ、強すぎ
nanakon:逃げるで! 三十六計逃げるにしかずや!
konakona:たいきゃーく!
 しかし、回り込まれてしまった!
yamanka:ぎゃー!
konakona:ぎゃー!
nanakon:ぎゃー!
gatongo:ぎゃー!

958 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:08:01.33 ID:Lfwad760
12 また来てくれるよね?

yamanka:すまん、俺しばらく、ネトゲにインできなくなるんだ
gatongo:そうか……理由は聞かんが、いつかまた来てくれるんだろ?
yamanka:もちろんだ
konakona:待ってるよ
nanakon:何があったか知らへんけど、うちらは待っとるで
yamanka:みんな、ありがとう

 その後、ネトゲ上でyamankaの姿を見た者は誰もいない。


13 雨か……。

 雨か……。
 みなみは、空を見上げた。
 あの日もこんな天気だった。
 逝く友を見送ったあの日は、ずっと雨が降り続いていた。泣くことすらできないほどに呆然として立ち尽くす自分の涙の代わりであるかのように。
 そして、今日は十二回目の命日。
 みなみの目の前には、生涯でただ唯一、親友と呼ぶに値する人の名が刻まれた墓石があった。
 目を閉じて手を合わせる。
 無心、ただ無心。
 何かを思えば、胸が張り裂けそうになるから。

959 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:08:52.46 ID:Lfwad760
14 達者でな。

 学校の職員室。
こなた「先生、3年間いろいろと世話になったというかなってないというか」
ななこ「いっぱい世話してやったやろが。無事卒業できたんは、誰のおかげだと思っとるんや。散々補習やら追試やらで疲れたわ」
こなた「感謝してますって」
ななこ「おまえがいうと全然心がこもっとるように聞こえんで」
こなた「酷いなぁ」
ななこ「まあ、そんなんはいまさらだからどうでもええわ。達者でな」
こなた「先生もお元気で」

 そう言って母校に別れを告げた夜。
konakona:狩り行きませんか? チャモロ村で待ってますんで
nanakon:おお、行くでぇ。っていうか、こんなんだとおまえが卒業したっちゅう気が全然せんな
konakona:私も同感ですよ


15 あのころは何をやっても楽しかったな。

 病院の一室。
 みなみが見舞いに来たのを見て、ゆたかはベッドから上半身を起こした。
みなみ「無理しないで」
ゆたか「今日は調子もいいし、大丈夫だよ」

 二人はそのあといろんなことを話した。
 話はいつしか、二人が出会ったときの話、高校時代での思い出に移っていった。
ゆたか「あのころは何をしても楽しかったよね」
 その言葉が過去に限定されたもののように感じたみなみは反論した。
みなみ「病気が治れば、これからだって楽しいことはいっぱいある」
ゆたか「うん、そうだね」

960 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:09:34.58 ID:Lfwad760
16 この仕事が終わったら二人で暮らそう。

きよたか「ゆい。この仕事が終わったら二人で暮らせるよ」
ゆい「帰ってこれるんだね、きよたかさん」
 電話口から聞こえてくるゆいの声は期待に弾んでいた。
きよたか「うん。この仕事が終われば転勤だって内々に言われててね。勤務地もまずそこで間違いないだろうって」

 そして、数ヵ月後、再び電話。
きよたか「ごめん、ゆい。転勤先が変更になった。また、単身赴任だよ」
ゆい「きよたかさんの馬鹿ぁー!」


17 ここからは別行動だ。

konakona:このイベント、パーティ全員バラバラになんなきゃ駄目なんだよね
nanakon:ここからは別行動ってわけやな
yamanka:まあ、たいしたイベントじゃないし、一人でも楽勝でしょ?
gatongo:さっさと終わらせようぜ

 そして……

konakona:って、なんで生き残ってるのが私一人だけなんですかっ!?
yamanka:油断した\(^o^)/
gatongo:あそこであれが来るとは予想外(T_T)
nanakon:あそこであれは反則やで!
konakona:デスペの回復に何日かかることやら……orz

961 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:10:15.92 ID:Lfwad760
18 ここは俺に任せろ! お前は早くいってあいつを助けるんだ!

 誘拐された村人を救い出すイベント。
 ベタすぎるイベントだが、報酬のアイテムが貴重なものだったので、パーティはそれに挑戦していた。
 村人救出まであと一歩のところで、強敵が立ちはだかる。

yamanka:よし、ここは俺に任せろ! おまいらは早くいって村人を助けるんだ!
nanakon:すまんな
gatongo:感謝
yamanka:いいってことよ
konakona:yamankaをパーティ連結解除
gatongo:可及的すみやかに、ダッシュ、ダッシュ
konakona:村人ゲット
nanakon:よっしゃー! 追っ手が来ないうちにとんずらやー!
yamanka:って、おい! 村人救ったんなら、こっち助けろや!
konakona:君の尊い犠牲は忘れないよ
gatongo:君の犠牲は忘れない
nanakon:おまえの犠牲は忘れないで
yamanka:うぎゃー! 死んだぁー!

 その後一ヶ月ほど、yamankaはいじけてネトゲにインしてこなかった。


19 今日は妙にやさしいっすねぇ。

みのる「なんか、今日は妙にやさしいっすねぇ、あきら様」
あきら「私がやさしいとそんなに変かよ?」
みのる「いや、そういうわけじゃないっすけど、なんかあったんすか?」
あきら「おまえはよほどいじめられたいらしいな?」
みのる「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ! なんでいきなり黒あきら様モードになるんすか!?」
あきら「さぁな。そんな気分だからじゃねぇか?」
みのる「いや、それ理屈になってませんから!」
あきら(ちくしょう。バレンタインチョコ渡しそびれちまったじゃねぇかよ)
 みのるをいびり倒してからあとでこっそり確認したら、小箱に入れられたチョコレートは原形をとどめないほどに融けてお亡くなりになっていた。

962 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:11:05.28 ID:Lfwad760
20 縁起でもないこと言うなよ。

 そうじろうは、かなたが乗った車椅子を押して、外を散歩していた。
 かなたの腕には、こなたが抱かれている。
かなた「ポカポカしていい天気ね」
そうじろう「そうだなぁ」
かなた「なんだか眠くなってきちゃうわね。眠っちゃったら、そのままずっと目覚めなかったりして」
そうじろう「おいおい、縁起でもないこと言うなよ」
かなた「フフフ、大丈夫よ。私は王子様のキスがあればすぐに目覚めるから」


21 おまえだけは絶対守る。

そうじろう「おまえだけは絶対守るって、ずっとそう思ってたんだけどなぁ……」
 かなたの写真を眺めながら、つぶやく。
 ふと視線を移せば、ベビーベッドで眠るこなたの姿。
そうじろう「せめて、おまえの忘れ形見、こなただけは俺が絶対守ってやるからな」
 写真の中のかなたは何も答えない。
 それでも微笑んでくれているように見えた。

963 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:11:49.00 ID:Lfwad760
22 実は俺……いや、なんでもない。

こなた「かがみ」
かがみ「何よ?」
こなた「実は私……プププ、いや、なんでもない」
 こなたが吹きそうになって、口を手で押さえた。
かがみ「何よ、言いたいことがあるなら、はっきり言いなさいよ」

 こなたは意を決したように両手でかがみの肩をつかんだ。
こなた「私、実はツインテール萌えなんだよ」
かがみ「はぁ?」
こなた「かがみんのツインテールはそりゃもう反則的なまでに似合ってるよ」
かがみ「何言ってるのよ、あんたは」

 ここで、こなたが素に戻った。
こなた「かがみんや、ひとがせっかくハルヒネタで攻めてるんだから、合わせてくれないと」
かがみ「って、ハルヒネタだったのか。おまえなぁ、そんなの女同士でやってどうするのよ?」
こなた「いや、今の時代はそういうニーズも……」
 かがみがこなたの口をふさいだ。
かがみ「危ない発言禁止〜」

964 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:12:32.77 ID:Lfwad760
23 来月には、はれて退役だ。

ななこ「来月には、はれて定年退職やなぁ」
 ななこは、そうつぶやきながら、長年職場としてきた校舎の廊下を歩いていた。
 むやみに感傷にひたる趣味はないけど、それでも何かしらの感慨というものはある。
教師A「黒井先生」
ななこ「なんや?」
教師A「校長先生がお呼びですよ」
ななこ「なんやろな?」
教師A「なんかお話があるそうですよ」
 彼はメッセンジャーをおおせつかっただけであり、詳しいことは知らないらしい。

 ななこは校長室に向かった。
ななこ「話ってなんでっしゃろ?」
校長「ちょっと黒井先生にお願いしたいことがあるんですよ」
ななこ「はぁ」
校長「実は新年度の2年D組の担任を予定してた先生が急に産休をとることになりましてね。今からだと代替教員の確保も難しい状況でして」
 なんか嫌な予感がする。
校長「まあ、そういうわけで、黒井先生には定年を1年延ばして2年D組の担任をお願いします」
 新年度のクラス割はもう決まっている。
 2年D組といえば、かつてのこなたやパティやひよりみたいなのがたくさんいるクラスで、ぶっちゃけいえば問題児クラスだ。
 いくら豪放な性格でならしてきたななこでも、年齢的にというか体力的にきつい仕事になる。
 しかし、担任予定だった先生を除けば、その手の問題児の相手ができる先生は、ななこしか残ってないのも現実だった。
ななこ(せめて、桜庭先生が残っとったらなぁ)
 ないものねだりをしても仕方がない。
ななこ「拒否権はないんやろな?」
 諦め気味な口調の質問に対して、校長は止めを刺した。
校長「ええ、その通りです」
ななこ「殺生やなぁ。まあ、仕方あらへんか。引き受けたる」
校長「ありがとうございます」

965 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:13:22.04 ID:Lfwad760
24 ん、なんか音がしなかったか? ちょっと見てくるわ。

 泉家において、みんなで勉強会。
 そのさなかに事件は起きた。

 ガチャン!
かがみ「ん、なんか音がしなかった?」
みゆき「そうですね。何かが壊れたような音でした」
つかさ「なんだろう?」
かがみ「ちょっと見てくるわ」
 かがみが部屋から出ていこうとドアを開けた瞬間、
 ガン!
 金たらいが落ちてきて、かがみの脳天を直撃した。
こなた「かがみん、グッジョブ」
 みゆきとつかさが唖然とする中、こなたは親指を立てていた。

 すべては、こなたの悪戯だったとさ。
 このあと、こなたも頭にタンコブを作ることになったのはいうまでもない。

966 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:14:11.80 ID:Lfwad760
25 少し外の空気を吸ってくる。

 夏のさなか、泉家において、みんなで勉強会。
こなた「あつ〜。今日は風もないし、扇風機の風もなまぬるいし、やる気でなーい」
かがみ「確かに今日は暑いわね」
みゆき「空気もよどんでますしね。少し外の空気を吸ってきた方がよろしいのではないしょうか?」
つかさ「そうだね」
 みんなでぞろぞろと、部屋を出た。
 玄関で靴を履き替え、最初に外に出たのはみゆきだった。
 玄関のドアが閉まった瞬間、

「きゃー!」

 ドアの向こうからみゆきの悲鳴が聞こえた。
かがみ「みゆき、どうしたの!?」
こなた「みゆきさん!」
つかさ「ゆきちゃん!」
 三人が慌ててドアを開けて外に出ると、みゆきが転んでいた。
みゆき「すみません。つまずいて転んでしまいました。お恥ずかしい限りです」
 みゆきがほこりを払いながら立ち上がる。
かがみ「ああ、もう。びっくりしたわよ」
こなた「何もないところで転ぶなんて、ドジッ娘属性だね」

967 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:14:56.00 ID:Lfwad760
26 また一緒にここに来ようね、約束だよ。

 新婚旅行の二人。
かなた「綺麗ね」
 かなたは、あたり一面の紅葉を見渡していた。
そうじろう「そうだな」
 丘の上から見渡す紅葉は、本当に見事としかいいようがない光景だった。
かなた「いつかまた来たいわね」
そうじろう「紅葉は毎年あるんだ。毎年来ればいいさ」
かなた「また一緒にここに来ましょうね、約束よ」
そうじろう「ああ、もちろんだ」
 毎年旅行に出かけられるぐらいの収入はある。それぐらいお安い御用だった。

 しかし、その約束は一度も果たせない運命にあることを、このときの二人はまだ知らない。


27 おまえら先に行ってくれ。少し休んだらすぐに追いつくからよ。

みさお「だる〜」
 みさおはテーブルに上半身を預けてダレていた。
かがみ「相変わらず、やる気のないやつだな」
みさお「柊たち先にやっててくれよぉ。少し休んだからすぐに追いつくから」
かがみ「一周遅れどころか二十周ぐらい遅れてるやつがいえたセリフじゃないわな」
みさお「うう〜。あやの〜、柊が冷たい」
あやの「あとでクッキー持ってくるから、頑張ろうよ」
みさお「だる〜」
 夏休みが終わるまであと二日。
 宿題を片付けてる三人の光景。

968 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:15:49.97 ID:Lfwad760
28 今日はやけに星が綺麗だな。

 ゆたかは、夜中に目が覚めた。
 病院の個室。自分以外には誰もいない。
 窓の外の夜空を見上げると、満天の空に星が輝いていた。
 新月の夜。雲ひとつない快晴。今日は、やけに星が綺麗だ。
 そんな夜空を眺めていると、吸い込まれていきそうな感覚にとらわれる。

 あの夜空に吸い込まれていったなら、私も楽になれるだろうか?

 ふと浮かんだその考えを、ゆたかは慌てて振り払った。
 なんとしても生きるんだ。今までの人生の中で、それだけは諦めたことはない。
 たとえ死にゆくのが運命なのだとしても、最後まであがくことにはきっと意味があるはずだ。

969 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:16:50.01 ID:Lfwad760
29 あとであいつに謝んなきゃいけねぇなぁ。

かがみ「あとでみんなには謝んなきゃいけないかな……」
 空港のロビーで、かがみはそうつぶやきながら立ち上がった。
 搭乗手続が始まっている。まもなく、彼女はこの日本を旅立って、アメリカに行くのだった。
 ロースクールへの三年間の留学。
 その事実を、かがみは誰にも話してはいなかった。
 一応、実家あてに手紙は書いておいた。たぶん、今日中には届くだろう。
 見送りは誰もいない。それでいい。誰かいたらたぶん泣いちゃうと思うから。
 手荷物検査ゲートに向かおうとしたそのときだった。

「かがみ!」

 自分を呼ぶ叫び声に驚いて振り向くと、こなたが走ってきて、かがみに飛びついた。
かがみ「こなた、あんた、なんで……?」
こなた「ひどいよ! かがみ! なんで言ってくれなかったんだよ!」

 こなたを落ち着かせて、事情を聞く。
 かがみの一人暮らしの部屋に遊びに行ったらもぬけの殻で、携帯にかけたら通じなくて、いろいろと聞いて回ってたら、大学の事務局でかがみの留学の事実を知ったということだった。

こなた「なんで言ってくれなかったんだよ……」
かがみ「ごめん……こんなふうに泣きたくなかったから……」
 かがみもこなたも泣いていた。
かがみ「ほんとごめん……みんなにもあとで謝るから……」
こなた「かがみ、帰ってくるんだよね!? そのままあっちで暮らすなんていわないよね!?」
かがみ「もちろんよ。3年したら帰ってくるわ」
こなた「絶対だよ!」

970 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:17:32.97 ID:Lfwad760
30 これを……おまえに預けておくよ。

かなた「これを……そう君に預けておくね」
 かなたは、封筒をそうじろうに手渡した。
 封筒の表面には「大人になったこなたへ」と書かれてあった。裏面には「かなたより」とある。
 病床のかなたの腕に抱かれているこなた、いずれは大人になるだろう彼女への手紙だった。
かなた「こなたに渡すまで絶対に封を切っちゃ駄目よ」
そうじろう「何を書いたんだ?」
かなた「内緒」
そうじろう「俺にも秘密なのか?」
かなた「女同士には男の人にはいえない秘密があるのよ」
そうじろう「そんなふうに言われると気になるじゃないか」
かなた「絶対に見ちゃ駄目だからね」

 そんなやりとりがあってから、はや20年近くがたった。

そうじろう「こなた。ちょっと来なさい」
こなた「何? お父さん」
そうじろう「おまえに渡すものがある」
 そうじろうは、あの封筒をこなたに渡した。
 こなたは、裏面を見て驚く。
こなた「お父さん、これの中身知ってるの?」
そうじろう「いや、知らない。かなたから絶対見ちゃ駄目って念押されたからな」
こなた「そういうのって、余計に見たくなんない?」
そうじろう「確かにそうだけどな。でも、俺にとってはかなたとの約束の方が大事だから」
こなた「律儀だねぇ」
 こなたは、封を切って便箋を取り出した。
 一文字一文字確かめるように読み進める。
 すべて読み終わってから、再び封筒にしまいこんだ。
そうじろう「なんて書いてあったんだ?」
こなた「教えない。お父さんには教えないでって書いてあったからね。私とお母さんとの約束だもん。絶対に教えなーい」
 こなたはそういうと、封筒を持って自分の部屋に戻っていった。
そうじろう「酷いな、かなた。俺は20年も我慢したってのに……」

971 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:18:11.95 ID:Lfwad760
31 あなた、少し調子に乗りすぎたみたいね。

かがみ「こなた。あんた、少し調子に乗りすぎたみたいね」
 かがみがゆっくりと近づいてきた。その顔は能面のように無表情でかえって怖い。
こなた「ちょっと待った。軽い悪戯じゃないか、かがみん。そんな怖い顔しなくても」
かがみ「人間誰にだって許せないことの一つや二つはあるものよ」
 凄みのあるセリフに、こなたは震え上がった。
こなた「ごめん、ごめんよ、かがみん! これこの通り謝るから許してよ!」
 こなたは、その場に土下座した。

みゆき「泉さんはいったいどんな悪戯をしたのですか? かがみさんがあんなにお怒りになるなんて」
つかさ「お姉ちゃんが使ってる体重計に悪戯して、お姉ちゃんの体重が重く表示されるようにしたんだって」
みゆき「そうですか。それであんなにお怒りになっているのですね」


32 おまえは生きろ。

 病院のベッドに、そうじろうが横たわっている。
かなた「そう君!」
 容態の急変の報を聞いてかけつけたかなたの呼び声に、そうじろうの目が開かれた。
そうじろう「かなた。おまえは生きろ。こなたを頼んだぞ」
 それが最期のセリフだった。
 目が閉じられ、そして、心電図の表示が平らになった。
かなた「嘘でしょ、そう君? 嘘よ、こんなの嘘よぉー!」

 唐突にすべてが暗転した。

 悪夢から現実へと覚醒する。
 病床に伏せているのは、夫ではなく自分。それがまぎれもない現実だった。
 よりにもよって、なんであんな夢を……?
 いくらなんでもあんまりだ。
 かなたは、その夜、自己嫌悪にさいなまれて、ずっと眠ることができなかった。

972 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:18:56.70 ID:Lfwad760
33 ふぅ、ここまでくればもう大丈夫だ。

みゆき「ふぅ、ここまでくればもう大丈夫ですよね」
 相手をうまく撒いて全速力で逃げてきたのだ。
 そう簡単に追いつけるわけが……、

「みゆきさん、みーつけた」

みゆき「!」
 みゆきが振り向くと、そこには負のオーラをまとったこなたの姿が!
こなた「食べ物の恨みは恐ろしいんだよ、みゆきさん」
みゆき「すみません! 泉さん! つい出来心で! この償いは必ずいたしますから!」
こなた「限定品特上チョココロネの恨み、晴らさずにはいられない」

 みゆきの悲鳴があたりに響き渡った。

こなた「さて、次はかがみとつかさだね」
 みゆきの亡骸を残して、こなたは再び走り始めた。


34 この技だけは使うまいと思っていたが……。

 泉家で、こなたとかがみが二人でゲーム中。
 やってるゲームはシミュレーションRPGで、対戦モードでプレイしていた。
 こなたがこのゲームを買ってきたのは出てくるキャラが萌え要素満載だったからだが、シミュレーションゲームとしても充分な内容。
 戦略的思考となれば、こなたよりはかがみの方が上だ。対戦プレイは、かがみに有利に展開していた。

かがみ「あんたのターンよ。まあ、もう対抗策は何もないでしょうけどね」
こなた「うぬぬ、ゲームでかがみんに遅れをとるとは」
かがみ「何をいっても負け惜しみでしかないわよ」
こなた「こうなったら最後の手段。この技だけは使うまいと思っていたが……」
 こなたは、ゲーム機本体に手を伸ばした。
こなた「究極の奥義、電源オフ!」
かがみ「アァーッ!!」

973 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:19:49.25 ID:Lfwad760
35 天佑を確信し、全軍突撃せよ!

konakona:MP切れた
yamanka:みんなのHPもあとわずか
gatongo:回復アイテムもない
nanakon:移動アイテムもないで
 モンスターが現れた!
gatongo:うげっ!
yamanka:逃げても回り込まれるだろうなぁ
konakona:諸君、この絶望的な状況の中で我らがなすべきことはただひとつ! 天佑を確信し、全軍突撃せよ!
nanakon:突撃やー!
yamanka:うぉりゃー!
gatongo:とつげーき!

 こうしてパーティはあえなく全滅し、全員のデスペナルティの回復に一週間を費やしましたとさ。


36 俺に構わず逃げろ!

「「はぁ、はぁ……」」
 息を切らしながら逃げるかがみとつかさ。
かがみ「きゃー!」
 かがみがつまづいて転んだ。
つかさ「お姉ちゃん!」
かがみ「ううっ……」
つかさ「大丈夫?」
かがみ「私はもう駄目。つかさ、私に構わず逃げて」
つかさ「駄目だよ、お姉ちゃん。一緒に逃げようよ」

「みーつけた」

 二人が顔をあげると、そこには負のオーラをまとったこなたの姿が!
つかさ「あう……」
かがみ「……」
 二人の顔に汗がつたう。
こなた「さぁ、二人とも、私の限定品特上チョココロネを勝手に食べた罪、ここで償ってもらうよ」

 つかさとかがみの悲鳴があたりに響き渡った。

974 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:20:38.51 ID:Lfwad760
37 馬鹿やろう! こんなお宝みすみす逃したら、一生後悔するぞ!

konakona:うーん、あからさまにトラップがいっぱいあるね
nanakon:そうやな
yamanka:回復手段もないし、ここは無理せず、出直してきた方が
gatongo:馬鹿やろう! こんなお宝みすみす逃したら、一生後悔するぞ!
yamanka:無理して突破しても途中で死ぬだろ
gatongo:出直してきたときには誰かにとられてるかもしれないんだぞ! ここは無理してでもとっておくべきだ!
nanakon:そうは言ってもなぁ
gatongo:ええーい! こうなったら俺だけでも行ってくる!
konakona:ちょっと待った!

 制止の声を無視して突き進むgatongoに、次々とトラップが襲いかかる。
 そして、

gatongo:アァーッ!
konakona:死んだね
yamanka:死んだな
nanakon:言わんこっちゃないで

975 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:21:24.91 ID:Lfwad760
38 呪いなんてバカバカしい! そんなもんは絶対信じないぞ!

こなた「ねえねえ、知ってる? 理科室で一晩過ごすと呪われるって噂」
つかさ「それホント? こなちゃん」
こなた「実際に試してみないと分かんないけどさ。つかさ、やってみる?」
つかさ「絶対嫌だよ」
かがみ「そんなのバカバカしい噂でしょ。つかさも真に受けちゃ駄目よ」
つかさ「そうだよね」
こなた「かがみならそういうと思ったよ。呪いなんて絶対信じないタイプだもんね」
かがみ「そんなことないわよ。ただ、そういう呪いってね、ちゃんと怨念をこめてしっかりやらないと、効果が出ないものなのよ」
こなた「およ? かがみんから意外な発言が」
かがみ「私だって、神社の娘なんかやってるから、その手の呪術はいくつか知ってるわよ。それでつかさをいじめてる奴を呪ってやったこともあるしね。あれは結構効果があったわね」
つかさ「えっ? お姉ちゃん、そんなことしてたの?」
かがみ「久しぶりに試してみようかしら? こなたあたりで。日頃から散々からかわれてる恨みを晴らすのもいいかもね」
こなた「ちょっ、ちょっと待った! かがみ、それは冗談だよね!?」
かがみ「冗談に聞こえるかしら?」
こなた「絶対冗談だ!」
かがみ「まあね。半分は冗談よ」
 かがみは笑顔でそういうと、席を立って自分のクラスに戻っていった。
こなた「半分ってどういう意味?」
つかさ「そういえば、昔、私をいじめてた人が、みんないきなり入院したりとか交通事故にあったりとかしてたような……」
こなた「……」


39 おまえが家族のことを話すのは珍しいな。

ふゆき「私の父は、母を早くに亡くしたせいか、私を甘やかしすぎでした。私が自分でやれることまで、家政婦さんとかにやらせようとする人でした」
 病院の個室。ひかるが横たわるベッドの横に座って、ふゆきはそんなことを語りだした。
ふゆき「私はそれが嫌で、自分でなんでもやれるようにいろいろと頑張ったんですよ。でも、自分で働きたいっていう私の希望にも、父は大反対でした。結局、私は家を飛び出してきたわけですけど」
ひかる「おまえが家族のことを話すのは珍しいな」
ふゆき「そうですね。それはともかく、私がいいたいことは、ひかるさんも食事ぐらいは一人できちんとできるようになった方がいいですよってことです」
 ふゆきは、落花生の殻を丁寧に剥いて一つ一つ皿にのせていた。
ふゆき「私が三週間ほど旅行に行ってただけで、脚気(かっけ)にかかって入院とはどういうことですか?」
ひかる「面目ない」

976 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:22:24.13 ID:Lfwad760
40 おまえには私のすべての技を教えたつもりだ。行くがよい。

そうじろう「こなた。おまえには俺のすべての技を教えたつもりだ。思い切って行ってこい」
こなた「うん、行ってくるよ」

 こなたは、想い人の前で一世一代の告白をする。
こなた「あなたが振り向いてくれないから、私はこんなギャルゲ好きになったんだ!」

 その結果は……、
こなた「お父さん、玉砕したぁ〜」
 こなたは、滂沱の涙を流しながら、そう報告した。
そうじろう「おかしいなぁ。かなたはこれで一発だったんだが」

 特殊な事例を他に当てはめようとしてはいけない。

977 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:23:17.16 ID:Lfwad760
41 この仕事がうまくいけば、一生遊んでくらせるだけの金が手に入る。

 この仕事がうまくいけば、一生遊んでくらせるだけの金が手に入る……というわけではないが、この仕事のギャラがいいことは確かだった。
 でなければ、みのるもこんな仕事を引き受けたりはしなかっただろう。
 上空何千メートルの飛行機からのスカイダイビング。とあるテレビ番組でのみのるいじめ企画の生放送だった。
 素人が一人でスカイダイビングはできないので、みのるは資格をもつダイバーとの二人羽織状態で待機していた。

 スタジオで司会を務めているあきらからの声がイヤホンに入る。
あきら「白石、眺めはどうだ?」
みのる「ええ、雲ひとつない快晴でまったくの絶景っすよ」
あきら「飛び降りるにはいい天気ってことだな。今生の別れになるかもしれんから、奥さんにつないでおいたぞ」
 テレビ画面がみのるの自宅を預かる妻つかさの映像に切り替わった。
つかさ「みのるさん! 無理しないで! 死んじゃったら嫌だよぉ!」
みのる「ちゃんと資格をもってるダイバーが一緒だから心配ないっすよ」
つかさ「駄目ぇー!」
あきら「白石さんは奥様に愛されてますねぇ。うらやましい限りです。おい、白石」
 画面が飛行機の中のみのるの映像に戻された。
みのる「なんすか?」
あきら「おまえ、生命保険には入ってるんだろうな?」
みのる「入ってますよ」
あきら「なら思い残すことはないな。行ってこい」
 テレビ画面にテロップが出る。「逝ってこい」と。
みのる「ええ、行きますよ。さっさと終わらせてたんまりギャラいただきますからね」
 ダイバーと二人羽織状態のまま、みのるは飛行機から飛び降りた。
つかさ「きゃー!」
 つかさの悲鳴が全国のお茶の間に響き渡った。

 結論からいうと、パラシュートは無事に開き、みのるはケガひとつすることなく地上に降りてきた。

978 :死亡フラグでショートショートショート☆42連発 [saga]:2009/03/02(月) 00:24:15.36 ID:Lfwad760
42 俺は抜けさせてもらうぜ。

 アニ研部室。
こう「全部ボツ、やり直し」
ひより「マジっスか!? 部誌原稿の〆切は明日っスよね!?」
こう「そう」
ひより「絶対無理っス。だいたい、死亡フラグなんてお題で42本も四コマなんて無茶だったんスよ。それなのにせっかく捻り出したネタが全部ボツなんて無茶苦茶っス!」
こう「我がアニ研に不可能の文字はないよ、ひよりん」
ひより「もう付き合ってられないっス! 今回は、私は抜けさせてもらうっスよ!」
 ひよりが部室のドアに手をかけた瞬間。
ひより「うっ。なんで開かないっスか!?」
こう「そのドア、内側からも鍵がかけられるように改造したから。私が素直に逃がすと思ってたのかい、ひよりん? さぁ、明日までにネタ出しして原稿を仕上げよう」
ひより「無理っス! 絶対無理っス!」


終わり


お題提供
そこはかとなく死にそうな42のお題 著作権者mount-root-yy(http://f21.aaa.livedoor.jp/~mtrootyy/
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/02(月) 00:25:43.68 ID:Lfwad760
 以上です。

 白状すると、お題提供元のサイトは私が運営してるサイトです(今はほとんど更新もなく休止状態ですが)。
 コンテストのお題が「死亡フラグ」に決まって、どうしたもんかと途方に暮れていたときに、昔作ったこれを思い出したというわけでして。
 でもよく考えてみれば、これって自分でお題を42倍に増やす愚行だったな……。
 フラグが成立してるのも折れてるのも、「いや、そもそも死亡フラグ関係ないから」みたいなネタもあってぐだぐだですが、読んでくださった方に感謝。

 しかし、死にネタになると、かなたさんの出番が増えるなぁ。
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 00:34:43.73 ID:9JPTRPY0
>>979
42個もお疲れさんだぜ
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/02(月) 02:35:39.94 ID:d/5re5so
>>973
36のアッーになる前のとこを描いてみた。
すごく…おもしろいです…
こなたならチョココロネも3個買ってそうだなwww
でもつかさとみゆきとかがみんに食べられたからやっぱり無いのか…(´・ω・`)
https://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_40e/late-night/E381B2E38184E38184.jpg
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/02(月) 03:58:29.54 ID:d/5re5so
>>89
正直スマン
https://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_40e/late-night/E799BDE8A1A3.png
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/02(月) 06:27:09.52 ID:W1LPBLU0
>>979
42個はすげぇwやれと言われても俺にはできそうにない。
かなたさんは死亡フラグ成立させてもかまわん人物だからな、悲しいぜ…

>>981
あ、悪魔だ…チョココロネでそこまで怒るのかw
>>982
GJだ。そして、謝ることなど何もない。
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 18:28:15.44 ID:LL9srIso
>>979
色々あって面白かった、乙っス。一口に死亡フラグと言ってもこんなあるんだなぁ
で、結局お前の仕業かw>ひよりん

>>981
何が彼女をそこまで掻き立てるのか。
GJww 何気に髪とかの塗りいいな
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/03/02(月) 19:27:11.51 ID:93N60TU0
>>979です


>>980
 42個捻り出すのに苦労しました。
 そのせいで、ほとんどごり押しのネタもありますが、ご容赦を。

>>981
 なんという負のオーラ。
 私の想像以上だ。GJ

>>983
 かなたさんは、名前持ちキャラでは唯一死んでるキャラですからね。
 死がテーマになると、まずは彼女が思い浮かんでしまう。

>>984
 実をいうと最後のメタ風味なひよりんネタが真っ先に思い浮かんだわけでして。
 逆にいうと、最後以外はメタなネタはいっさい封印という縛りがかかってきつかった。
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 21:38:19.09 ID:9JPTRPY0
そろそろ次スレ立てようか
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 22:35:35.07 ID:LL9srIso
>>986
ういっす。じゃ梅〜
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 22:49:58.09 ID:9JPTRPY0
次スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1236001709/

誰も立てねーのかよ!
立てさせてくれてありがとさん
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:00:42.42 ID:PFlzPASO
>>988
乙!スレタイが予想通り過ぎるwww

うめ
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:18:26.89 ID:LnOHnASO
ゆたか「埋めちゃっていいんだよね…」
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:20:12.19 ID:LnOHnASO
ゆたか「うーっめましょー♪うっめましょー♪」
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:21:04.57 ID:LnOHnASO
キョロキョロ
ゆたか「………」
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:22:12.53 ID:LnOHnASO
ゆたか「次スレのためにー埋めましょー♪」
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:22:54.54 ID:LnOHnASO
キョロキョロ
ゆたか「………」
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:23:00.35 ID:LL9srIso
>>988
死亡フラグ乙www


うむぇ
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:24:35.54 ID:LnOHnASO
ゆたか「…もしかして、千取れちゃったりとか」
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:25:47.44 ID:LnOHnASO
ゆたか「一つも残らず埋めましょう♪」
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:26:21.48 ID:LnOHnASO
ゆたか「もうちょっと…もうちょっと…」
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:27:06.16 ID:LnOHnASO
ゆたか「ん、いけそう…」
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 23:27:59.78 ID:LnOHnASO
ゆたか「………あれ?オチ無し?」
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