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のび太「これが…スタンド…」 -
パー速VIP 過去ログ倉庫
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1 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/16(金) 21:44:51.69 ID:btm189Uo
主よ気づいてくれ
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
Twitter
]: ID:???
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】
ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/
少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/
渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/
二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/
佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
2 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/16(金) 21:45:52.15 ID:dNP/pESO
無いと思って探しにきたらあった
スレ建乙!
3 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/16(金) 21:59:58.14 ID:eW/9B9Yo
先生はここに来るのか?
4 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/16(金) 22:28:03.50 ID:cFBUSMAO
先生頼むから来てくれ
あのまま終わりじゃ辛い
5 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/17(土) 00:05:34.96 ID:xUxsoAUo
このスレ落とすの?
6 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/17(土) 00:06:07.43 ID:xUxsoAUo
すまん、誤爆した
7 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/17(土) 00:24:18.96 ID:XK0ncsDO
>>1
乙
8 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/17(土) 00:38:24.15 ID:SBsT0EAO
先生‥
9 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/17(土) 01:11:37.83 ID:.KTaEKso
↓のスレで先生来てた?265までしか取得してないんだが\(^o^)/
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1231927605/
10 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/17(土) 01:24:44.19 ID:0lVlydMo
>>9
312まででは来てなかった
総レス315だからほぼ来てないと見て間違いないかと
11 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/17(土) 01:34:23.06 ID:.KTaEKso
>>10
サンクス
12 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/17(土) 13:21:05.67 ID:SYI/dcAO
先生…
(´・ω・`)
13 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/17(土) 13:55:08.93 ID:F4EDYMAO
誰かVIPにスレたててきてくれ
ここは避難所みたいにしようぜ!
俺は規制に巻き込まれてたてれないんだよ
14 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/17(土) 18:04:21.52 ID:vmCy2tko
のび太「これが…スタンド…」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1232183023/
15 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/18(日) 01:18:17.99 ID:LQFatUEo
もうだめなのかな?
16 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/18(日) 01:30:48.58 ID:ZbH/r2oo
これはあれだ
当時週刊少年ジャンプで連載中だった世紀末リーダー伝たけしで
ばあちゃんが「しおっ」ってなってこれからストーリーの佳境に突入
ってところで作者のしまぶーが買春でパクられた時
ぐらいのやるせなさを感じる
17 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/18(日) 02:04:23.81 ID:F8NFmMDO
なんで[
たぬき
]とジョジョのコラボは完結しないん
またかよー
18 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/18(日) 13:07:41.01 ID:SNyW6.AO
やれやれと言ったところか‥
19 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/18(日) 16:21:31.14 ID:MQSACMAO
先生まだかなぁ
20 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/18(日) 16:35:48.83 ID:ERRh3sAO
消されたか…
21 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/18(日) 22:19:30.61 ID:czNbyADO
ここに来ると作者いなくなるな…
22 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/19(月) 08:37:34.66 ID:MD4D.P20
ここはパートスレの墓場だから
23 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/19(月) 17:56:07.77 ID:ACk.qwDO
続きが読みたい
24 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/19(月) 18:03:32.25 ID:lXU6uMg0
vipには立てられないか・・
25 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/21(水) 01:00:40.17 ID:TTA/p6Yo
作者様発見!!!!!
みんなでお願いします。しにいこうぜ!!!!
でも礼儀正しく頼むな
http://27.xmbs.jp/CrazyCat-30943-d_res.php?n=2303851&view=1&page=d
26 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/21(水) 09:52:24.24 ID:boF3b3k0
パー速いけというレスがつく
↓
>>1
は大抵、俺はかまわないよという
↓
パー速に移動して読者が減る
↓
いなくなる
27 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/21(水) 12:13:33.43 ID:WhYiMUAO
>>25
これは!!!
28 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/01/21(水) 23:11:33.42 ID:.vXiFAAO
辺りには敵意を持った空気が流れているのをのび太は感じた。
のび太「それじゃあ納得出来ないんだよ僕は…」
ドラミ「納得?これから私に五臓六腑を破壊されて死にゆくあなたに話す必要があるのかしら?」
ドラミの一言一言が、のび太の頭にビリビリと響いた。怯んではならない。
のび太「…死ぬ?僕が?何も知らずに?ジャイアンやスネ夫やスネ吉、それに出木杉。将来に希望を持って生きてた皆を『スタンド』という『運命の歯車』でメチャクチャにしたテメーの真意を知らないで僕が[
ピーーー
]るとでも思ってるのかい?」
しずか「………」
それはしずかも知りたいことだった。
あの優しいドラミが。お兄ちゃん思いの優しいドラミが、どのようにして悪に染まったのか。
その真実を知りたいと思っていた。
29 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/21(水) 23:15:08.44 ID:Bx6G99Io
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
30 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/21(水) 23:15:21.63 ID:oKGmac.o
キタ――(゚∀゚)――!?
31 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/21(水) 23:17:04.77 ID:MVGqajgo
これは・・・!
32 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/21(水) 23:18:45.54 ID:4Agkv.go
来た・・・というのか・・・?
33 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/01/21(水) 23:23:33.36 ID:.vXiFAAO
[
たぬき
]「…のび太君……」
のび太「…[
たぬき
]。後で美味しいドラ焼きを一緒に腹一杯食べような。僕だって少しは貯金してるんだ。それを使えばたっくさんのドラ焼きが食えるさ」
[
たぬき
]「……のび太君……知らないほうが良いってこともあるんだ…」
のび太「……君の気持ちはわかるよ。実の妹だもんね。信じてやりたいよね。
…でもね、こいつは…ドラミはもう君が愛していた昔のドラミじゃないんだ…。
人の生き血を啜って喜ぶ自動人形さ…」
[
たぬき
]「違う…違うんだ…」
のび太「いいから[
たぬき
]はそこで寝ててくれよ。起きたら全てが終わってるはずさ…」
ドラミ「自動人形?ヘドが出るわ。今では私の方が貴様達クズ人間どもより全てにおいて優秀。異論は認めない」
のび太「クズがクズを見下してさぞ楽しかろう…ドラミ」
34 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/21(水) 23:25:17.47 ID:eO7zyyEo
ここでたぬきwwwwwwwwwwww
35 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/21(水) 23:25:35.02 ID:4MYVZMwo
たぬきが多すぎwwwwwwww
さすがパー速
36 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/21(水) 23:26:00.80 ID:4Agkv.go
パー速しようのせいでwwwwwwwwwwww
37 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/21(水) 23:26:37.27 ID:MVGqajgo
メ欄にsagaって入れるとパー速の仕様が適用されなくなるよ
38 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/01/21(水) 23:39:58.91 ID:.vXiFAAO
ドラミ「……愚弄するか。この、世界を、宇宙を、今にもこの手で支配せんとするこのドラミをッ!!」
その昔、般若に変じた女の話を出木杉に聞いたことがある。
どこにでもいる普通の女。
そして普通に一人の男を愛した。
しかし、男の瞳に女の姿が映ることはなかった。男の瞳には別の女が映っていたのだった。
何故?私はこんなにも貴方を愛しているというのに。私の両の瞳には貴方しか映らないというのに。
貴方の瞳には私は映っていないの?
それでは、私の瞳には何を映せばいいというの?
純粋な女の愛情。
純粋過ぎた愛情。
それはだんだんと歪んだ愛情へと変じていく。
女がいなければ貴方の瞳には私が映る…
女がいなければ…
歪んだ愛情は、女への憎しみへと変じ、その憎しみは女の顔を恐ろしい般若へと変えた…
出木杉が振った女の子にストーカーされてノイローゼ気味になっていた時に僕に話してくれた。
ドラミ「………」
こいつは可愛いドラミちゃんではない。
闇に支配された『鬼』だ。
39 :
◆.LMqmG8Hlg
[sage]:2009/01/21(水) 23:48:22.92 ID:.vXiFAAO
>>37
サンクス
40 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/22(木) 00:06:39.60 ID:SE6G6Voo
sage じゃなくて saga な
41 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 00:30:17.91 ID:7tNw4MSO
まさか来ていたとは……
42 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 00:33:09.88 ID:Z6esgGso
待ってたかいがあった……
43 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 01:17:58.28 ID:psuGaAAO
のび太「…全てにおいて人間を上回っている、か…」
ドラミ「完全無欠地上最強のドラミ様だ」
のび太「出木杉が言っていたが……人間は神によって創られし者。だがオマエの言う、正に完全無欠の『神』が創った人間は不完全なものだった。欲望のために同じ人間同士で殺しあいをする愚かな生き物…
その人間に造られたオマエもまた不完全なものと言えるんじゃないか?」
出木杉が暇そうに平和だった毎日を貪っていた僕によくこんな話を聞かせてくれた。
その当時は、また得意の蘊蓄が始まった、とウンザリしていたものだが…
やっと意味がわかったような気がするよ…
ドラミ「お前達の言う『神』などいない。だが私も昔は聖書の話を聞かされたものだ…」
ドラえもん「…僕も一緒に聞いた…な…」
ドラミ「私は思った」
ドラミ「神様ってスゴイんだなぁ…、と」
のび太「……」
44 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 01:25:01.02 ID:psuGaAAO
ドラミ「大地を創り、生命を創り、『神』がやろうと思ったことは何でも出来る」
のび太「…神なんていないんじゃないのか?」
ドラミ「いないさ」
ドラミ「貴様達クソ人間どもが信じている『神』なんてものはなッ!!」
ドラミの言う『神』とは何なのだろうか?
のび太はそれが気になった。
そして、あのドラミが『神』について語るその姿が妙な違和感があり、のび太の目に焼き付く。
ドラミ「私は長い間、人間に仕えてきた…それが当たり前だと思っていたからな」
45 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/22(木) 01:28:06.45 ID:4xRL1LQo
これ作者の中では完結までのプロットはあるんだろうか?
46 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 01:37:29.65 ID:psuGaAAO
ドラミ「私の使命は人間の世話をし、人間の生活をより快適に、より幸せにすることだとインプットされていた」
しずか「ロボット三原則…」
ドラミ「今思えば、そのふざけた原則を考え出した人間を、過去に戻って始末しておくべきだったな」
ドラえもん「そんなことしたら…僕達ロボット自体が存在しなくなるかもしれないんだぞ…」
ドラミはまるで路上でゴミを漁っているホームレスを見るかのような冷たい目でドラえもんを見た。
ドラミ「……そんな事わからないだろ?お兄ちゃん」
ドラえもん「……」
ドラミ「野比……野比のび太。貴様は『赤い旗』と『白い旗』があったら、どちらを取る?」
のび太「僕の質問にオメーはまだ答えてないだろ?それなのに質問を質問で返すのか?」
ドラミ「貴様のは質問だったのか?無知なるゆえの知識の渇望だろ?まずは知識を与えようとしている私の質問に答えるのが貴様達『人間』の常識ではないのかね?」
47 :
◆.LMqmG8Hlg
[sage]:2009/01/22(木) 01:47:21.80 ID:psuGaAAO
のび太「チッ…、ぺらぺらぺらぺらよく喋るロボットだ…。『赤』だ。『赤い旗』だ!」
ドラミ「精神年齢の低いガキは当然『赤』だろうな」
のび太「キサマ…!」
ドラミ「しかしそれも『正解』としよう」
のび太「……?」
ドラミ「だがこの貴様達が作った『社会』では違う」
ドラミは星が散らばる天を仰ぐ。
ドラミ「正解は『最初に取った者』に従う…そうだろ?
土地の値段は誰が決めている?金の価値を最初に決めている者がいるはずだ、それは誰だ?私達を猫型ロボットにしようと決めたのは誰だ?そして法令や法律は?一体誰が最初に決めている?
民主主義だからみんなで決めてるか?それとも自由競争か?」
48 :
◆.LMqmG8Hlg
[sage]:2009/01/22(木) 01:53:52.55 ID:psuGaAAO
のび太「……」
ドラミ「否ッッ!!旗を取れる者が決めている!!
この世のルールとは『赤か白か』?均衡している状態で一度動いたら全員が従わざるを得ない!
いつの時代だろうと………この世はそのように動いてるッ!!」
[
たぬき
]「……」
ドラミ「そして『旗を取れる者』とは万人から『尊敬』されていなくてはならない。
誰でも良いってわけではない…無礼者や暴君はハジかれる。
それは『敗者』だ」
49 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 02:00:11.26 ID:psuGaAAO
ドラミ「そしてそれはロボット三原則を決めた者にも当て嵌まる…」
ドラミ「だがどうだ!?そいつのせいで私達ロボットは『敗者』だッ!!おかしいじゃあないか、この世のルールでは全てにおいて人間より上のロボットが『旗を取れる』権利があるはずだッ!!
それが『力』なき人間どものいいなりになっているではないか…!!」
50 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 02:08:07.81 ID:psuGaAAO
のび太「それは…しょうがないだろ…ロボットは人間無くしては生まれてこなかったんだから…」
ドラミ「…しょうがない…?お前にわかるか?自分の生きる目的に疑問を抱いたロボットの気持ちが?」
ドラえもん「ドラミ…君は…」
ドラミ「頭がおかしくなりそうだったよ。自分は何なのだろう。他のロボットは何の疑問も抱かず人間の世話をしている。私はオカシイ?私は不良品?
生きる意味を失ったら何が残ると思う?」
のび太「…え……」
ドラミ「『絶望』だよ」
のび太「『絶望』…」
ドラミ「パンドラの箱の底には唯一『希望』が残ってたらしいが、私は逆さ」
51 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 02:13:56.59 ID:psuGaAAO
ドラミ「自分は生まれてきたこと自体が間違いなのでは?そんな風に思い続けていたが、何も出来なかった。
ロボット三原則のせいでね」
ドラミ「自らの命を絶つことも出来ない、人間を殺すことも出来ない。ただ己に自問自答をすることで苦痛な日々を過ごした」
ドラミ「一つだけ私に許された行為があった」
ドラミ「『神』に祈ることさ」
52 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 02:22:52.73 ID:psuGaAAO
ドラミ「私は祈ったよ…。『ああ、神様。どうか、どうか、私の馬鹿な考えを消して下さい。それが出来ないのであれば存在自体を消しても構いません』とねぇ」
しずか「『死』を『神』に望むなんて…」
ドラミ「神は何だって出来る…私はそれを心から信じていた…だから毎日祈った」
ドラミ「…もっと早く気が付くべきだった。この世には私が望む『神』なんていないとな」
ドラミ「『神』はロボットなんて眼中に無かったのさ。周りの虫けらのような人間どもを見ていてわかったよ。
普段は神なんか信じていないくせに、自分の都合が悪くなればすぐに『神様、お願いです』!
なんてほざきやがる…。
結婚だってキリスト教でも無いくせに教会で式を挙げる。
…そして、そんな奴らの願いをこの世の『神』は叶えてみせる。
毎日毎日心から祈っている私の願いは叶えないというのに」
53 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 04:20:16.89 ID:1ySKpcDO
たぬきwwwwww
54 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 09:05:07.02 ID:nKfueoAO
いつの間にか
>>1
が……
シリアスな場面なはずなのにタヌキで吹いてしまったwwww
55 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 10:47:44.73 ID:rqS0uFko
最初から全部見てますよ。
がんばってくれ。
56 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 11:50:40.20 ID:I32L/2AO
[
たぬき
]wwwwwwwwwwww
57 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/22(木) 12:40:19.29 ID:BUMhN.DO
待ってたぜ!!!!
58 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 12:58:41.56 ID:4XZBWsAO
うぉぉぉ!!!!!!!!
>>1
ぃぃぃぃ!!!!!
59 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 17:34:56.75 ID:EGbyYAAO
支援するしかない!!!!
ついでに過去スレって思ったけど乱立したせいで
わかりにくいからこっちを見ろ
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1008769.html#more
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1231234897-0.html
60 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 22:45:08.40 ID:psuGaAAO
のび太「それが『神』なんていないと言ったことに繋がるのか…。だが、ロボット三原則とやらでお前は人間を敵に回すことは出来ないはずだろ?
だが現状はどうだ?今、この瞬間、僕を殺そうとしてるじゃないか」
ドラミ「黄色メガネザル、人が話しているときは終いまで聞くのが常識なんだろ?ん?」
のび太「お前は人じゃない」
ドラミ「…ハーーハッハッハッハッ!!!居たよ、未来にも。貴様のようにロボットを虐げる者達がなァ〜〜!」
ドラミ「世界に『神』はいないと悟ったは、ロボットの使命を果たすしかなかったよ。
クソ生意気なセワシの世話なんてものをなァ!吐き気がしたよ。アイツがこの私をッ!貴様なんか軽く力を込めればミートボールにしてやれるこの私がッ!アイツにペコペコしなきゃならなかったんだからなァ…」
のび太「セワシ君は…お前の事を信頼していたんだぞ…」
ドラミ「ああ、何でも言うことを聞いて、困ってる時は助けてくれて、イライラしてるときはストレスのはけ口になる私を嫌うなんて百万年早いわッ!!」
ドラミ「アイツにとって…人間にとって、私達ロボットは単なる便利な家畜でしか無いッ!!」
のび太「そんなことはないんだッ!!僕はドラえもんが好きだ!!それこそ困ってる時は便利な道具を出してくれるからじゃない!大事な僕の親友だからだッ!!」
ドラえもん「のび太君…」
61 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/22(木) 22:51:30.44 ID:tP790VQo
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
62 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 22:52:28.22 ID:psuGaAAO
ドラミ「笑わせるなッッ!!貴様ほどロボットを馬鹿にしているやつはいないッ!日頃からお兄ちゃんを困らせているッ!何度も何度も貴様を正しいレールに戻そうと努力しているのにそれを貴様は何度も踏みにじりッ!!
……お兄ちゃんが言ってたわ…。『もうのび太君なんて嫌いだ』ってね」
ドラえもん「ち、違うッ!それはのび太君と喧嘩したあとだったから…」
ドラミ「そうさッ!嫌いだから喧嘩をするのが人間だろ!?嫌いだから憎しみあって殺し合うのが人間なんだろ!?
のび太ァ!貴様とドラえもんは心の奥では憎しみ合っているのさッ!!それに気付かぬか愚か者めがァッ!!!」
63 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/22(木) 23:03:22.73 ID:psuGaAAO
のび太「喧嘩するから嫌い…。褒め合うから好き…。そんなに単純なものじゃないんだッ!!」
ドラミ「いいや違うねッ!!怯えれば逃げ出しッ!怒れば牙を剥きッ!ロボットのようにプログラミングされた行動をするのが人間だろッ!?」
のび太「違う…、違う、違う、違う違うッッ!!!
人の喜びを分かち合いッ!人の悲しみを分け合いッ!そして、愛する人のためなら自分の命なんか投げ出したって構わないのが人間だッ!!
お前が思っているほど人間は簡単な生き物じゃあないッッ!!!」
ドラミ「ならば証明してみせろォッ!!!人間がロボットより優れているということをォォォッ!!!」
64 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 23:10:57.13 ID:tP790VQo
age
65 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/22(木) 23:54:26.92 ID:nKfueoAO
キテタ━(゚∀゚≡゚∀゚)━!!
66 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/23(金) 01:07:34.14 ID:hpo5sASO
台詞廻しがうますぎる
67 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/23(金) 01:32:18.66 ID:7ANt1Jwo
見てるぞ
一応紫煙
68 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/23(金) 02:13:04.70 ID:4o3gG.AO
先生復活!
ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
69 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/23(金) 11:23:55.30 ID:2Nrx26AO
紫煙!!
70 :
◆Me6i2cacaw
[sage]:2009/01/23(金) 11:37:29.80 ID:lkiblsAO
wwwwww
71 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/23(金) 17:24:06.12 ID:gW2QF7.0
>>25
誰だオレのサイトを作者のサイトと勘違いしてるのは
でもおかげでこのスレを見つけたぜ!!紫煙
72 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/23(金) 19:53:09.24 ID:4o3gG.AO
先生マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン
73 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/23(金) 20:25:07.54 ID:RH9oi8Ao
作者のほかの作品なんて教えてくれたら凄く嬉しいです・・・
74 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/23(金) 22:12:23.66 ID:Je9QLoAO
>>73
ジャムで検索してみな
75 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/24(土) 19:49:53.04 ID:vdqBk2c0
まだー
76 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/25(日) 05:07:07.03 ID:KjEuoy2o
俺は待つよ
77 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/25(日) 12:25:28.50 ID:/AJogAAO
マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチンチンチンチンチン
78 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/25(日) 19:02:39.43 ID:w7bz9MQo
>>1
がんばれ
まってるぞ
79 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:11:12.54 ID:ux/u2.AO
のび太「証明してやるよォ!!僕の『キャッツ・クレイドル』でぇぇ!!!」
ドラミ「『フィフス・ディメンション』!!!」
ドラミの話が終わると同時、
のび太の『キャッツ・クレイドル』が人間の、のび太の人生を証明するために、同じく自らの人生が何なのか、それを証明せんとするオートマータ・ドラミに糸を伸ばす!
だが、ドラミの背後に佇む『スタンド』がそれを阻んだ。
のび太「そいつが……テメーの野望を叶えようとしている相棒かい…」
ドラミ「相棒?汝は我、我は汝。これもドラミッ!!このドラミであるッ!!」
のび太「かわらねぇ…。テメーをぶっ飛ばす手間が省けるだけだ」
80 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:12:46.07 ID:MJYTk3Uo
先生キター
81 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/25(日) 21:13:53.44 ID:5xV7Y.AO
きたっっっ!!!!!!!!
先生乙!!!!!!!!!!!!!!
この物語は間違いなく終着へと向かってるうぅぅっ!!!!!!!
82 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:14:13.98 ID:ZB2urIUo
まってました!
83 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:17:42.69 ID:ux/u2.AO
『キャッツ・クレイドル』の糸は『フィフス・ディメンション』の腕を縛り付けている。
青白い肌、髪のように頭から伸びている細長いいくつものラッパ。
生物的とは言えないその身体的特徴だが、表情やしぐさは限りなく人間に近い。
腕に巻かれている糸を気にもせず、『フィフス・ディメンション』はドラミの背後からのび太を見据えている。
84 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:27:04.46 ID:ux/u2.AO
ドラミ「…『引力』を信じるかい?」
のび太「!?」
ドラミ「『引力』を……貴様は信じるか?」
のび太「は…ァ?…信じるも何も、今、この瞬間も『引力』ってやらをビンビン感じてるぜェーーーー!!」
ドラミ「物理的な『引力』ではない。運命と運命を引き合わせる『引力』のことだ」
しずか「のび太さん、気をつけてッ!!そいつ最近『六部』を読んだばかりよッ!!」
のび太「ああ…しずかちゃん、コイツが得意なお喋りだぜ…。…さっきの話だってよ、テメーは苦労したのかもしんねぇけど…だからといってテメーのしていることが許される訳じゃねえ」
85 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:28:14.13 ID:JweUlpko
そいつ最近『六部』を読んだばかりよッ!!
ワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
86 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:29:07.33 ID:cLoa3LIo
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
87 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:32:00.16 ID:uWyp9Yco
先生の生原稿だあああああああああ
88 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:34:19.29 ID:ux/u2.AO
ドラミ「そうだ…。私は『神』を捨てた。人間の偶像に過ぎない『神』を。
だが代わりに私は『運命』を信じることにしたのだよ」
のび太「何かを信じなきゃ生きていけないのはロボットも同じってのかい?」
ドラミ「NO。私は事実を元にして『運命』とやらを信じることにしたのだよ」
のび太「事実…?」
ドラミ「この『スタンド』さ」
89 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:43:31.90 ID:ux/u2.AO
突如、糸に縛られていない方の『フィフス・ディメンション』の腕が、のび太の顔目掛けて振るわれた!
のび太「不意打ちかッ!!しかしその程度のスピードなら防ぐことは容易であるッ!」
ドゴォッ!!
のび太「な……」
無情にも『フィフス・ディメンション』のパンチはのび太の顔面を捉えた。
のび太「にぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
しずか「のび太さんッ!!」
ドラえもん「ど、どうしたっていうんだいッ!?君はそこまで運動音痴だったのかい!?」
のび太は顔を押さえながら考えた。
のび太「(運動音痴ィ…?そんなやわな話じゃねぇ…。僕は確かに、確かに『キャッツ・クレイドル』でパンチを防御した………はずだった。
…さっきもおかしなことがあった。…これがコイツの『能力』か…)」
ドラミ「このドラミと、『スタンド』。この出会いは実に『運命的』な『引力』が働いたおかげだったよ」
90 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:44:37.50 ID:fxU28K6o
フィフス・ディメンション・・・五次元か・・・
91 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:47:12.44 ID:ux/u2.AO
ドラミ「…それは私が神にも絶望し、ロボットの『使命』というのを死ぬまで果たさければならないと覚悟してから長い長い時を過ごした頃だった」
のび太「………」
92 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 21:52:34.15 ID:ux/u2.AO
〜一年前〜
セワシ「……………」
セワシママ「セワシ、ご飯をテーブルに運ん……いやあああああああああ!!!」
ドラミ「ど、どうしたんですか!?(うるせぇメスブタが、おちおち休日を謳歌することも許されねぇのかロボットは)」
セワシ「………」
ドラミ「あ…。また『ジョジョ立ち』をしてッ!!家では禁止って言ったでしょ!?」
セワシ「しょうがないだろ、大会が近いんだよ」
93 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:53:11.96 ID:JweUlpko
大会wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
94 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 21:56:21.84 ID:uWyp9Yco
たいかいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
95 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 22:00:00.82 ID:ux/u2.AO
ドラミ「大会って…、そんなのがあるの?」
セワシ「そうさ。この地区の『ジョジョラー』が集まって、そのジョジョに対する熱い思いを『ジョジョ立ち』に込めて披露する『ジョジョラー』にとっての晴れ舞台さ。
だからママ連れて消えてよ」
ドラミ「ば…馬鹿みたい!何が『ジョジョラー』よッ!そんな暇あったら勉強でもしたらどうなの?」
セワシ「黙れよ」
ドラミ「…ッ」
セワシ「ロボットならロボットらしく人間の言うことを聞けばいいんだよ」
ドラミ「……」
ドラミ「そう…。じゃあ…」
ドラミ「……」
セワシ「あ〜あ。こんなんなら旧式のASIMO・一般家庭強襲型にすれば良かったよ」
ドラミ「……(クソッ……クソッ…)」
96 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 22:05:08.84 ID:uWyp9Yco
しえn
97 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 22:06:04.45 ID:ux/u2.AO
ドラミ「………」
セワシママ「…うぅん…」
ドラミ「目が覚めましたか、お母様」
セワシママ「………」
セワシママ「…あんたのせいよ。ちゃんとセワシの面倒を見ないからッ!あんな気味の悪い『ジョジョ立ち』とやらにハマッてッ!!
あんたの役目はなんなの!?何もしないでご飯だけ食べて……この疫病神ッ!」
ドラミ「そ…そんな」
ドラミ「(私だって…好きでこんな愚民どもの世話なんてするわけがないッ!!クソッ!クソッ!こんな屈辱は初めてだ…ッ!クソッ!)」
98 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 22:14:24.61 ID:ux/u2.AO
〜翌朝〜
ドラミ「おはようございます」
ガチャ
ドラミ「…え?目玉焼きのパリパリの部分がお皿に一杯…。
ここも食べれるんですから食べないとダメですよ〜」
セワシママ「それは良かったわね」
ドラミ「はい?」
セワシ「それがお前の朝メシだよ」
ドラミ「……冗談が過ぎるわよセワシ君」
セワシ「冗談?僕はいつだって真面目さ。
僕はそのパリパリの部分が嫌いなんだ。
…好きなんだろ?ドラミ。食べていいんだよ。
良かったなぁ、僕の役に立ててさ」
ドラミ「………」
ドラミ「…パリ…」
パシャ
セワシママ「こらセワシ!食事中に携帯いじるの止めなさい!」
セワシ「え〜?だってロボットが目玉焼きのパリパリのとこだけ食べてんだよ?写メ撮って皆に見せたいじゃない。
……あー、ドラミ、口の前で一回止めて。…ハイハイ、いいよー」
セワシママ「…後でママにも送って」
ドラミ「……」
99 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 22:17:56.36 ID:uWyp9Yco
セワシwwwwwwwwwwww
100 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/25(日) 22:27:25.01 ID:ux/u2.AO
しずか「酷い…」
ドラえもん「まさか…そんな…だってドラミ、僕に一言もそんなこと…」
ドラミ「貴様は人間に随分入れ込んでたな?そんな下等な人間に尻尾振ってるようなやつに話せるものかよ」
ドラえもん「ドラミ…僕はいつだってドラミのことが心配で…」
ドラミ「それもプログラムされた考えだってのにいつ気付くんだ?
所詮、貴様の頭の回路に私達は『兄妹』とプログラムされてるだけの話だ。人間のように同じ腹から出てきてなんかいない。
ただそうやって私達を造った人間がプログラミングしただけだ」
ドラえもん「ド、ドラミ…」
ドラミ「それに貴様みたいな弱くて汚くて耳の無いロボットが兄だなんて死んでも嫌だね」
101 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/26(月) 01:01:52.03 ID:/pyXuoAO
紫煙
102 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/26(月) 01:05:02.60 ID:yhirEhQo
いつも唐突に現れて唐突に消えるな・・・
103 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/26(月) 01:22:10.34 ID:ct0crADO
来てたと思ったらいなくなってた……
104 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/26(月) 07:53:22.82 ID:aG2SzADO
来ていただいたんだ
ありがたやありがたや…
105 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/27(火) 02:27:07.62 ID:ym4ccHgo
じっくり待とうぜ
106 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/27(火) 12:53:38.05 ID:vINExYAO
しばらくおまちください
107 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/27(火) 17:44:08.60 ID:1SvSkwDO
ここまで読んだ
108 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 21:37:38.57 ID:60q6BoAO
のび太「テメェ!!!」
ドラミの話を聞いていたドラえもんの顔が悲しく歪んでいくのを見たのび太は、沸き起こる怒りを抑え切れずドラミに食ってかかった。
ドラミ「『フィフス・ディメンション』」
ドグォッ!!
のび太「うぐぅぅ〜〜〜ッ!!」
しかしドラミの『フィフス・ディメンション』はのび太の腹に重い蹴りを入れ、まるで赤子をひねるかのようにのび太を退けた。
ドラえもん「や、やめろドラミィィィィ!!!」
バキィ!!
ドゴッ!!
ドラえもんの叫びも虚しく、倒れ込むのび太に次々と蹴りを入れる。
ドラミ「あっあ〜〜♪キモチィィ〜〜〜〜〜♪」
109 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/27(火) 21:39:11.65 ID:7ZtgME6o
きたああああああああ
110 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/27(火) 21:39:23.54 ID:TTMB2z.o
きたきた
111 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 21:44:08.19 ID:60q6BoAO
ドラミ「どうしたァ〜〜??『証明』してくれるんじゃなかったのかァ〜?」
のび太「うあ……あ…」
ドラミ「…情けない声を出しているんじゃないよッ!!貴様もッ!貴様もやはりッ!!口先だけのハッタリ野郎だったんだよッ!!
何が『証明』してみせる?見ろッ!感じろッ!この痛みを知ろッ!貴様は私の『フィフス・ディメンション』になすすべもないではないか!!
悟れッ!己の無知をッ!そして絶望しろッ!己の無力さにッ!!」
112 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 21:50:15.02 ID:60q6BoAO
ドラえもん「もうやめてくれぇぇぇ!!!」
ドラえもんは傷付いた体に鞭打って、ドラミに向かって走り出した。
ドラミ「おやおや?貴様の体じゃあ、秘密道具をポケットから出すスピードと私がポケットから『熱線銃』を取り出して貴様を溶かすのとどちらが速いかしら?」
ドラミの言っていることは正しかった。
ドラえもんもそれはわかっていた。
それでも。
目の前で苦しんでいる友達を黙って見ていられるほどドラえもんは馬鹿ではなかった。
113 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 21:55:57.03 ID:60q6BoAO
ドラえもん「ドラミィィィィーーーーッ!!!」
ドラミ「滑稽だねぇ。実に滑稽だよ。見ていて飽きない」
ドラえもんはドラミを見据えたままポケットに手をかけた。
ドラミ「…ふぅ。愚かな。やはり貴様は私の兄などではない」
ドラミもポケットに手をかける。
そのスピードはドラえもんよりも速い。
ドラミ「ABAYO」
ロボットだからこそ可能な、正確で、素早い動きでポケットから『熱線銃』を取り出し、ドラえもんの頭に向けた。
114 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/27(火) 21:59:05.46 ID:wv/Qs9.o
(^ิ౪^ิ)ABAYO
115 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 21:59:43.91 ID:60q6BoAO
のび太「ド…ドラえもん……!!」
『熱線銃』から、血のように赤く染まった光線が、ドラえもんの全てを無に還そうと発射された。
しずか「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ドラちゃぁぁぁぁん!!!」
116 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/27(火) 22:03:27.79 ID:7ZtgME6o
ドラ・・・
117 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 22:08:17.95 ID:60q6BoAO
ドラミの顔は、笑っていた。
偽りであろうと、本当の兄妹のように接してきた二人の関係は、ドラミにとって『熱線銃』一つでたやすく壊すことのできるものであった。
やっと邪魔なドラえもんを始末できた。
その喜びからドラミは笑っていた。
だがドラミの表情が笑みから驚きに変わるのに時間はいらなかった。
ドラミ「………き、貴様……」
『熱線銃』はドラミの手から離れ、空中で光線を発射しながら舞っていた。
ドラえもん「『アメリカ』…!!」
ドラミ「最初から『熱線銃』を狙っていたのか…ッ!」
ドラえもん「君のおかげだよ…。君がくれた『アメリカ』のスピードだから出来た」
ドラミ「…ウォォォォォォォォ!!!『フィフス・ディメンショ…』」
ドラえもん「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァ!!!」
118 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 22:21:18.00 ID:60q6BoAO
放たれる『アメリカ』のラッシュ。
ドラえもんの目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
ドラミ「DO、DORAMYAAAAAAAAA!!!!」
何発かのパンチをドラミの『フィフス・ディメンション』は防いだが、『アメリカ』の、ドラえもんの命と引き換えに放たれるスピードのパンチを防ぎきるのは無理であった。
ドラミ「ぬ、ぬおおぉおぉおぉおぉお!!!!…よ、よくやったと褒めてやってもいいと思ったがこの私が他人を褒めると、この世に天変地異が起きてしまうッ!!
それは地球を支配せんとする私には都合がわるい。なので『フィフス・ディメンション』の『能力』を使わせてもらうッ!!!」
119 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/27(火) 22:27:00.64 ID:n.RM35co
ついに来るか『フィフス・ディメンション』の『能力』・・・・ッ!
120 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/27(火) 22:30:18.58 ID:60q6BoAO
ドドドドドドドドドドドドドドド
ドラミ「(我が『フィフス・ディメンション』の『能力』!!それは他人が頭で感じる『時間の流れ』を操ることッ!!
ドラえもん、貴様の『時間の流れ』を遅くすれば、すなわち貴様の動きも比例して遅くなるッ!!
たやすく貴様のパンチをかわすことが可能になるということッ!!)」
ドラミ「ふ…フハハハハハハハハッ!!遅いッ!遅すぎるッ!!蝿が止まってしまうぞッ!?
ドラえもん、貴様との長きにわたる因縁、ここで断ち切るッ!!
『フィフス・ディメンション』!!この青ダヌキの頭を吹っ飛ばすのだッ!!」
ドラえもん「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァ!!」
ドラミ「勝ったッ!『これが…スタンド…』、完ッ!!」
121 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/27(火) 22:31:48.00 ID:2W7.GbEo
『体感時間』の操作か・・・なるほど
122 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/27(火) 22:43:48.41 ID:JIld2MMo
時を操るスタンドと言う事はドラミがラスボス?
黒幕は…
123 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/27(火) 23:19:54.32 ID:2W7.GbEo
また唐突に着て唐突に消えたか・・・
てかちょうど見てる某スレで時止めと時を遅くするのどっちが強いかって議論が始まってワロタwwwwwwwwwwww
124 :
1
:2009/01/28(水) 15:34:57.41 ID:cxkWDkIo
ほんとにこれで完っていうぶっとんだ落ちでした
125 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/28(水) 19:00:34.03 ID:QR48ejMo
お疲れっす先生!
126 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/28(水) 21:28:30.27 ID:0aZCogAO
( ゚∀゚)о彡°早く!早く!
127 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/29(木) 01:46:25.38 ID:uU0YZoAO
紫煙紫煙
128 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 16:26:44.60 ID:SueJPIAO
ドギャアッ!!
ドラミ「!!!」
鈍い音が響いた。
渾身のパンチを喰らったのはドラえもんではなく、渾身のパンチを与えたのはドラミではなかった。
ドラミ「き、貴様はそこまでしてッ…!!」
『アメリカ』の次の攻撃がドラミの体を痛め付けるまでの数秒、ドラミはドラえもんに聞いた。
ドラミ「『遅く』しても尚、それを上回る『スピード』で殴るとは……!!貴様ッ!!死ぬぞッ!!」
極限まで命を『アメリカ』に授けたドラえもんの青いボディーは確かに悲鳴をあげながら、そう輝きを失いつつあった。
129 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 16:34:01.09 ID:SueJPIAO
ドラえもん「ドラミ…、ロボットもいいものだよ」
ドラえもんは顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら話した。
ドラえもん「本当に大好きな人をずっと護ってあげれるなんて、こんなにも嬉しいことはないよ」
ドラミ「私は護ってやりたいものなどいない…ッ!!」
ドラえもん「僕にはいるんだ。命に換えても護りたい友達が」
ドラミ「ぬ…ぬあああああぁぁぁぁ!!!!」
ドラえもん「『アメリカ』!!ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァーーーーッ!!!!」
130 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 16:41:03.46 ID:SueJPIAO
『アメリカ』のパンチを一発、また一発、ドラミにぶつける度に、ドラミの黄色いボディーは醜く歪み、ドラえもんのボディーも火花を散らしながら歪んでいった。
のび太「ドラえもォォんッ!!!」
ボロボロの体を必死に起こし、のび太は今にも倒れそうなドラえもんを抱えに行った。
のび太「何してんだよォ!!何頑張ってんだよォ!!誰もそんなこと頼んでないだろォ!?」
ドラえもんはのび太に全てを任すように体を預けた。
ドラえもん「のび太君…ちょっとは褒めてくれてもいいじゃない…」
131 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 16:42:20.20 ID:A/8i1XQo
なッ!こんな時間にだと!?
132 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 16:46:15.45 ID:SueJPIAO
しずか「ドラちゃん!!ドラちゃん!!」
ドラえもん「やあ…しずかちゃん…」
しずか「ドラちゃんは偉いわよ!!スゴイわよ!!だから…!」
ドラえもん「しずかちゃん…何で泣いてるの…?可愛い顔が台なしじゃないか…」
しずか「とめどなく溢れてしまうのッ!!ドラちゃん、あなたが元気に立ち上がってくれればきっと止まるわ!!」
ドラえもん「はは…。しずかちゃんは『スタンド』が発現してないんだね…。良かった…。あんなのは僕達には過ぎた力だよ…」
133 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 16:51:39.12 ID:SueJPIAO
しずか「私は欲しいわッ!!みんなを元に戻す『スタンド』がッ!!みんなのケガを治して、死んじゃったみんなを生き返らせて、全部、全部、元に戻してくれる『スタンド』が!!」
ドラえもん「そんなチートな『スタンド』なんていないよォ………でもね…」
ドラえもんはボンヤリとのび太としずかの顔を見つめた後、動かなくなったドラミを見た。
ドラえもん「僕も…欲しいなァ…」
134 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 16:58:37.30 ID:SueJPIAO
のび太「僕も……僕だって欲しいよ……!!…きっとあるよ!だからドラえもん〜〜〜〜!一緒に探しに行こォ〜〜?だから早くいつもの元気を見せてよォ!!いつもみたいに僕を泣き虫だって叱ってよォ!!!」
ドラえもん「のび太君……しずかちゃん………ドラミを責めないでやってくれないかな…?」
のび太「え……」
ドラえもん「ドラミも…一人で辛かったと思うんだ……誰にも理解されない悩みを抱えて…ドラミも……。
ドラミにはあんなこと言われたけど…僕はやっぱりドラミの『兄』だから……ははは……こんなときに兄バカだなぁ…」
135 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/29(木) 17:04:04.03 ID:fiDbmgAo
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::...゜ . .::::::::: /ヽ ノ ヽ__/ ....... . .::::::::::::........ ..::::
:.... .... .. . く / 三三三∠⌒>:.... .... .. .:.... .... ..
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:.... . ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ無茶しやがって… ..........
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
136 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 17:06:11.96 ID:SueJPIAO
しずか「ドラちゃん……」
ドラえもん「……のび太君…僕…ドラ焼きが食べたい…」
のび太「ドラ焼き……ああ!!今持ってくるから!腹一杯食べさせてあげるから…!」
ドラえもん「ちゃんと……僕と君とで半分こだよ……大きい方は君にあげる……」
のび太「ドラえもん……何言ってんだよ、全部あげるよ…僕はお腹一杯だからさ……好きなだけ食べていいんだよ…?
ドラえもん…、だから目を開けてよォ〜〜〜〜!ドラえも〜〜〜ん!!」
ドラえもん「のび太君と食べるから…美味しいんじゃないか………僕は…いつだって君のこと…を………………」
137 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 17:13:07.01 ID:SueJPIAO
のび太「…ドラえもん…?…ドラえ…も…ん…?」
のび太は返ってくるはずのない返事を期待して、ドラえもんに声をかけつづけた。いつまでも。
ドラえもんの顔は、いつものび太とドラ焼きを食べている時の顔だった。
のび太はドラえもんの手を握りしめた。
握りかえしてはこないのに。
138 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 17:25:44.48 ID:4hbACrwo
今更だが犠牲を伴う強さだからアメリカって訳ね。
139 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 20:02:53.26 ID:WkgCk.DO
せ、先生〜!!
目から変な汗が〜!!
140 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:01:39.80 ID:SueJPIAO
のび太「………」
しずか「…のび太さん……」
しずかは流れる涙を止めるのも忘れ、のび太の震える肩に手をかける。
のび太「しず…か…ちゃん……」
のび太は優しく微笑むしずかの顔をみて、安堵感からか、それともしずかも自分と同じ気持ちだということを知ったのか、
声を上げて、泣いた。
例えドラえもんに叱られようと、大声で泣いた。
141 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:04:47.51 ID:SueJPIAO
ドラミ「…見苦しいな」
しずか「!?」
のび太「ド……ッ!」
ドラミ「何を呆けた顔をしている」
のび太「ドラミィィィィーーーーッ!!!!」
142 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:09:25.64 ID:SueJPIAO
目の前には機能を停止し、横たわっていたはずのドラミ。
のび太は反射的に『キャッツ・クレイドル』の『糸』を用意した。
ドラミ「…私にはもう戦える力など残っていない…ポケットも機能を停止した。正にガラクタさ」
のび太「…なら、僕がトドメをさしてやる……ッ!!この悪夢を終わらせる!!」
143 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:14:17.85 ID:SueJPIAO
ドラミ「好きにすればいいさ」
ドラミはのび太から五歩ほど前まで近付き、腕を広げて目を閉じた。
のび太「……何をしている……ッ!」
144 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:18:27.49 ID:SueJPIAO
ドラミ「おかしな事を聞くものだな?貴様が私を殺したいと言うから私はこうしているのではないか」
ドラミの言葉にのび太は明らかに動揺していた。
ドラえもんを…ドラえもんを死なせた憎きドラミ…!
そうさ。僕はこいつを殺してやりたい。僕の手でドラミを…!
なのに…
のび太「…何で…手が動かないんだよ……」
しずか「のび太さん……」
145 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:23:26.26 ID:SueJPIAO
ドラミ「あいつも……ふざけたマネをしてくれた……」
のび太「……?」
ドラミ「あのポンコツ……最後の最後で力を抜きやがった……クソが…私が痛め付けたせいか……。
そのせいで私は生きる屍だ…ッ!!」
のび太は構えていた『糸』をしまい、『キャッツ・クレイドル』を解除した。
146 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:29:17.37 ID:SueJPIAO
のび太「お前が痛め付けたせい……?」
のび太はひび割れたメガネを外してポケットにしまい込んだ。
のび太「あいつは……ドラえもんは…わざと手加減したんじゃないのか…?」
ドラミ「……」
のび太「ドラえもんはバカだから…お前が何て言おうと、お前のことを『妹』だと思っていた。
心の底から…お前のことを愛していたんじゃないか…?
だから自分の手で『妹』を殺すことは出来なかった…」
ドラミ「………」
のび太「……まぁ、全部僕の推測だがな。今となっちゃ本当のことは分からない。……お前がドラえもんを死なせたからな」
147 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 21:33:22.20 ID:GCct.r2o
しえん
148 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/29(木) 21:36:29.88 ID:SueJPIAO
ドラミ「フ……フフフ……」
のび太「……」
ドラミは押し殺した声で笑い始めた。
ドラミ「ロボットに…『兄妹』なんてあるものかよ……」
しずか「………」
ドラミ「フフ……ハハハ……しかしアイツは無能で無知な恥ずべきロボットだったからなァ…」
のび太「テメッ…………」
ドラミ「…有り得るかもなァ……お人よしの『バカ兄貴』だったらさァ〜〜…………」
しずか「ドラミ……ちゃん…」
ドラミは静かに、ただ静かに、涙を零しながら、真っ暗な空に浮かぶ月の光を浴びながら、佇んでいた。
149 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/01/29(木) 21:43:06.03 ID:7pQopzoo
うおおおおおおお!
150 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 21:45:09.56 ID:GCct.r2o
熱いな
151 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/30(金) 14:29:17.20 ID:jxu4SIDO
ほ
152 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/30(金) 15:56:23.60 ID:EmdSEcAO
( ゚∀゚)о彡°早く!早く!
153 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/31(土) 01:35:23.21 ID:WzP6X6AO
ドラミは、心の中ではドラえもんを求めていたのかもしれない。
いつだって自分の事を誰よりも心配してくれたドラえもんを。
けれどもドラミはドラえもんには言えなかった。
ただでさえのび太の相手を毎日して苦労している『兄』に、これ以上心配はかけたくなかった。
ドラミがこの気持ちに気付いていたのかはわからない。
気付いたとしても、今はもう、『兄』と話せることは無い。
ドラミ「…………」
154 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/01/31(土) 01:41:45.11 ID:WzP6X6AO
ドラミ「私を…殺さないのか…」
以前の覇気を全く感じさせなくなったドラミには、正にロボットという無機質さだけが残っていた。
のび太「……」
のび太「やめた」
ドラミ「………!?」
のび太「ドラえもんが最後に守ったやつを、僕が奪うわけにはいかないだろ。………ジャイアン達には悪いかな」
155 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/31(土) 01:59:34.96 ID:kyDznQQo
結構ながいなww
156 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/31(土) 07:16:54.17 ID:YJJEOMDO
先生の焦らしプレイ…
たまんねぇっす!
157 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/31(土) 17:29:18.95 ID:rE64.IQo
なんかコレ思い出した。
http://vippers-online.com/archive/ar000000000301.php
158 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/01(日) 10:12:33.11 ID:zpE./wAO
マダー
159 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 20:58:22.34 ID:jZLsHMAO
『スタンド』という力に振り回され、散っていった者達。
その者達の事を考えると、のび太の決断は正しいものでもないのかもしれない。
ドラミ「……野比……のび太…貴様は…」
しずか「……のび太さん、私は正しいと思う。…確かにドラミちゃんのせいで、武さんやスネ夫さん、それに出木杉さんは死んでしまった。
…けれど、ここでドラミちゃんを殺しても皆は帰ってこない。のび太さんにもこれ以上、人をあやめてほしくない」
ドラミ「また……同じことを繰り返すかもしれないのだぞ…?」
のび太「その時はまた僕が止めてやる」
ドラミ「……フッ、貴様もお兄ちゃんと同じようにお人よしだな…………だが」
ドラミ「嫌いじゃない」
160 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 21:04:24.36 ID:jZLsHMAO
終った―――
遂に終わった。
夜空に浮かぶ月がショーの終わりの挨拶をのび太達に催促するように、その光を浴びせていた。
のび太「……しずかちゃん」
しずか「ええ…」
のび太「帰ろうか」
のび太はしずかの手を取った。
ドラミ「まだ終末の天使はラッパを鳴らしてはいない」
のび太「…意味がワカラン」
ドラミ「まだ終わってないということだ」
161 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 21:07:58.28 ID:jZLsHMAO
のび太「な……に…?」
ドラミは容赦なく続ける。
ドラミ「のび太…貴様は『スタンド』がどこから出てきたか気になっていたな?」
のび太「ああ。オメーは上手くごまかしていたがな」
ドラミ「今から全てを話してやる」
162 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 21:13:27.43 ID:jZLsHMAO
『真実』。
のび太は聞かなければならないと感じた。
この一連の『スタンド』事件。ドラミをも狂わせた『スタンド』の『真実』を。
のび太としずかは繋いだ手を離し、ドラミの話に耳を傾けた。
ドラミ「観客の準備は出来たようだな……」
ドラミ「…私がセワシ達から虐げられていた時の話だ…」
163 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/01(日) 21:15:54.00 ID:c0hEXroo
キタ━━(´◕ω◕`)✪Д✪)◕∀◕)♉A♉)☼Д☼)❝_❝)◉。◉)▣_▣)☉∀☉)━━!!
164 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/01(日) 22:04:26.44 ID:M.2LEMAO
やっぱし黒幕いるのか……。
黒幕は22世紀まで生き延びた荒木本人と予想してみる。
165 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:08:49.01 ID:jZLsHMAO
セワシ「そんじゃあ大会行ってくるから!!ママには適当に言っといて」
ドラミ「…うん」
ドラミ「池沼が…」
私はセワシのクソガキに留守番を頼まれていた。
この時の私に拒否権などなかった…
ドラミ「何が大会だ。金集めのためとも知らないで集まった馬鹿共を写真撮影して2ちゃんに流してやろうか…」
私は愚痴をこぼしながら暇を持て余していた。
そんな時だった。
『運命』の『引力』に捕まったのは…
166 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:14:17.51 ID:jZLsHMAO
ドラミ「あの野郎ッ!!」
目の前には散らばった本。
ドラミ「また読んだマンガをそこら辺に散らかしているなッ!!だれが叱咤を受けると思っている!他でもないこの私だッ!!」
この頃はセワシをこの世に産み落とした史上最悪のメスブタとの仲がますます悪くなっていた。セワシがしでかした事が私のせいにされることも日常茶飯事だった。
167 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:25:20.03 ID:jZLsHMAO
ドラミ「……『ジョジョ』か…ッ!」
セワシは大会に出るほどのジョジョ好きだ。ジョジョが家に全て揃っていないはずがなかった。
ドラミ「うぜぇ…」
しかし私はジョジョが嫌いだった。
セワシは、『19部』200冊以上を毎回散らかしていたからだ。
ドラミ「無駄に多いんだよ、対して面白くもねぇくせに……」
その日も私は膨大な数の『ジョジョ』を本棚にしまう作業を始めた。
168 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:32:09.71 ID:jZLsHMAO
のび太「待てッ!!……『19部』だと?」
ドラミ「……」
のび太「それは何故だ…?今、この時、『20部』が連載中なんだぞ?」
ドラミ「私がいた『22世紀』では無かったのだよ」
のび太「どういうことだ…?あまりの出来で歴史から抹殺されてしまったのか?…まぁ、荒木先生が書いてるんじゃないからな…有り得ない話ではない…」
『ジョジョの奇妙な冒険』は、『19部』を終えた所で荒木先生が死んでしまい、その長いジョースター家の戦いが終わりを迎えたと、誰もが思ったが、無名の新人が『ジョジョ』を引き継ぎ、尚ウルトラジャンプで連載していた。
169 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/01(日) 22:41:27.33 ID:gOY3bDko
ありえそうだなww
170 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:41:56.62 ID:jZLsHMAO
ドラミ「『ジョジョ』の連鎖は時を越えたのだ」
のび太「…?」
ドラミ「…続けるぞ」
――――――――
私はいつものように、黙々と動いた。
ドラミ「…うぬ?」
しかし、いつも一つだけ違うことがあった。それが何かはハッキリと分からない。ただ、何か『ジョジョ』の『19部』の最終巻に『違和感』があったのだ。
ドラミ「……醜い絵だ」
私はパラパラとページをめくり、最後のページを開いた。
ドラミ「……ぬ?なんだこのページは?白紙ではないか。こういうのは集英社に電話をして取り替えてもらわなければ…」
真っ白なページ。
一ページだけではない、何十ページという白紙だった。
171 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:46:48.21 ID:jZLsHMAO
私はその白紙を一枚、また一枚とめくっていた時だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ドラミ「な、なんだ、このエネルギーはァッ!?」
本を通じて私に何かが流れこんできた。
ドラミ「ぬ、ぬおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーッッ!!!」
『生き物』のように暴れる本。
…いや、あれは『生き物』だった。
私の体に流れるエネルギーは不快なものではなかった。
いや、むしろ、
ドラミ「こ……心地良い……ッ!」
172 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:51:22.16 ID:jZLsHMAO
気付いた時には、目の前に見知らぬ者が二人立っていた。
ドドドドドドドドドドドドドドド
ドラミ「………き、貴様らは何者だ…ッ!?…いつの間に現れたッ!?」
一人は私のすぐそばに。
もう一人は本のすぐそばに。
「私ハ…アナタ…アナタハ私……私ハ『フィフス・ディメンション』
アナタニ『力』ヲ与エマショウ…」
そう……、コイツだ。私の『スタンド』はそう言ったのだ。
173 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 22:57:13.45 ID:jZLsHMAO
「ソシテアナタハソノ『力』ヲ使イ、私ヲ『存在』サセルノデス」
本の横に立っていた『スタンド』は私にそう言ったのだ。
ドラミ「理解不能理解不能理解不能……『力』?コイツは『力』なのか?それに『存在』させるだと?理解不能だッ!!」
「ソレハアナタ自身ガ決メルノデス。ソノ『力』ノ使イ道……。ソシテアナタガソノ『力』ヲ使イ続ケル為ニハ、私ヲ『存在』サセナイトイケナイ」
174 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 23:01:37.68 ID:jZLsHMAO
ドラミ「……『存在』したいなら『存在』していればいいッ!!」
「私ハ『存在』シタカッタ。シカシ、私ノ役目ハ終ワッテシマッタ。ダカラ、マタ始メタイ」
ドラミ「『役目』…?『終わった』…?……貴様、まさか続きを…?」
「私ハ、マダ続ケテイタイ。永遠ニ終ワル事ノ無カッタ物語ヲ…」
175 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/01(日) 23:06:17.37 ID:jZLsHMAO
のび太「おいおい……」
しずか「まさか…」
ドラミ「……」
のび太「『ジョジョの奇妙な冒険』自体が『スタンド』だったっていうのか…?」
ドラミ「正確には目覚めたとでも言うべきか。
長い、長い時を過ごしてきた『ジョジョ』は荒木が死んだ後も物語を続けようとした。読者の思いが…、『スタンドが欲しい』という思いが宿ってしまったのだろう…」
しずか「そんなことって有り得るの…?」
ドラミ「未来じゃ何でもありだ」
176 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/01(日) 23:32:31.99 ID:CA2HBAAO
紫煙;;!!!!
177 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 10:36:54.29 ID:7nTjzgAO
ドラミ「そして私は『フィフス・ディメンション』を手に入れた」
ドラミ「だが、コイツを使用するには、ある『条件』が必要だった。…私の『スタンド』だけではない。全ての『スタンド』の『条件』」
のび太「『条件』…?」
ドラミ「私の目の前に現れたもう一人の『スタンド』…。『ジョジョの奇妙な冒険』の続きを書くことだった」
178 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 10:43:26.19 ID:7nTjzgAO
のび太「じゃあ、今、連載されている『20部』は…ッ」
ドラミ「『スタンド』だ」
しずか「最初の『スタンド』…」
ドラミ「…あの『スタンド』の物語を終わらせなければ、同じ事は未来永劫繰り返される」
――全ての始まりは『ジョジョ』。
それはのび太達のすぐ近くにあったのだ。
のび太としずかが驚愕の事実を何とかして受け入れようとしているところに、ドラミはポケットから取り出した紙を見せた。
ドラミ「これを見れば、信じなければならなくなる」
179 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 10:49:15.23 ID:ove1X2c0
紫煙
180 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 10:52:03.83 ID:ove1X2c0
これ終わったらまとめさせてもらうぜええええ
かまいませんよね!?
181 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 10:53:22.86 ID:7nTjzgAO
のび太はドラミが持っていた原稿を見た。
のび太「……こ…これは……『僕達』…?」
それは来週の『ジョジョの奇妙な冒険・20部』の生原稿であった。
のび太が言葉を失った訳は、そこに書かれている『ストーリー』が、ここ最近でのび太の周りに起きた出来事と全く同じだったからであった。
のび太「いじめられっこの少年は…『スタンド』の『力』を得て、復讐を果たしていく………」
しずか「わ、私がいる……ッ!」
のび太「…………」
――ジャイアンの壮絶な死に様。スネ夫のあっけない死に様。出木杉の…死に様。
そしてドラえもんの死に様。
ジョジョの奇妙なタッチ、擬音、ポーズ。
いつもの『ジョジョ』で書かれた僕達がそこにはいた。
182 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 10:56:53.66 ID:ove1X2c0
sien
183 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 11:01:41.60 ID:7nTjzgAO
ドラミ「これが現実…。夢幻では無い現実だ。私達はこの『ストーリー』通りに動いていた見事な役者だったのだよッ!」
しずか「う…嘘よ…」
しずかは鋭い踵落としでのび太の持っていた原稿をたたき落とした。
のび太「しずかちゃん…」
しずか「そんなッ!!そんなのってッッ!!!全部、決められた行動をしていただけなの私達はッ!?」
ドラミ「左様」
しずか「皆のッ!!皆の死もッ!!全部決められてたってことなのッ!?」
ドラミ「左様」
しずか「……酷すぎる……ッ!…そんなのって酷すぎる……ッ!!」
ドラミ「……」
184 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 11:04:48.30 ID:ove1X2c0
オレは見てるぞおおおッ!!
185 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 11:07:16.23 ID:7nTjzgAO
裏山にしずかの泣き声が虚しく響く。
ドラミにそのRequiemは聞こえているのだろうか。無気力な姿で立っている。
ドラミ「これが『真実』…。私達の行動は全て『決定』されていた。私がスネ吉をたぶらかすのも全て『決定』されていた」
しずか「…ううっ、あああぁ!!」
ドラミ「私達は決められた『運命』をなぞっているだけの『役者』になってしまったのだ」
186 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 11:10:24.92 ID:ove1X2c0
支援
187 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 11:12:41.44 ID:7nTjzgAO
ドラミ「…だが、一つだけ、私達がこの『運命』の『引力』から逃れる方法がある」
のび太「…それは…?」
ドラミ「私達の『運命』が揺るぎ無いものになるのは原稿が完成した時だ。
次の原稿が完成するまでの間…それまでに『物語』を終わらせる」
188 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 11:14:26.19 ID:ove1X2c0
しえ
189 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 11:26:25.69 ID:ove1X2c0
まだー?
190 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 19:09:55.76 ID:VKTBc2DO
素晴らしいぜぇ〜!!
191 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 20:17:02.36 ID:lBmaVoAO
マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン
192 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 20:51:56.67 ID:7nTjzgAO
裏山に冷たい風が吹く。
いつの間にしずかも涙を流すのを止め、ドラミの話に耳を傾けていた。
のび太「僕達でこの物語にピリオドを打つ……」
ドラミ「…私は、本の『スタンド』の言う通りに、続きを書いてくれる者を捜した。荒木の後を引き継ぐ者。私には覚えがあった。漫画を書くことを趣味とし、未来では有名な漫画家として名を馳せている者…」
しずか「……私達を…描いている人…」
ドラミ「未来での名前……『クリスチーヌ剛田』といったかな」
のび太「ジャ……!!」
のび太「ジャイ子……!!」
193 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 20:52:37.84 ID:uKDFB2so
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
194 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 20:57:20.04 ID:U.zs7TUo
ジャイ子ならのびたが主人公でも納得だなww
195 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 21:00:57.79 ID:0yLxaZgo
まさかのジャイ子wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あいつがジョジョ絵かいてるのかよwwwwwwwwwwwwww
196 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:01:23.27 ID:7nTjzgAO
ドドドドドドドドドドドドドドド
『クリスチーヌ剛田』。
ジャイ子。
ジャイアンの妹。
しずか「ジャ、ジャイ子ちゃんが描いていたなんて…」
ドラミ「私はこの時代に来てすぐに、クリスチーヌ剛田の元へ行った。『今すぐに有名な週刊誌に漫画を載せてみないか』と誘ってね。
…簡単なものだったよ、エサを見せられた豚のように鼻息を荒くして食いついてくれてね。…まぁ、クリスチーヌ剛田の意思なんて関係無かったのだが。
私は『ジョジョ』を目の前にひろげ、クリスチーヌ剛田を取り込んだ。
彼女は続きを書くためだけの存在になったのだ…」
しずか「…じゃあ、ジャイ子ちゃんは……自分の兄の死も、無理矢理描かされていたっていうの…」
ドラミ「…そういうことだ。まさか私もこんなことになるとは思っていなかった。私もストーリーの駒になるなんてな…」
197 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:08:08.05 ID:7nTjzgAO
そういえばジャイ子の姿をここ数週間見ていなかったが、まさかジャイ子が……と、のび太は曇った顔でドラミを見た。
ドラミ「……クリスチーヌ剛田を止める。それがこの茶番劇を終わらせる唯一の方法だ」
のび太「本を燃やせばいいのか?」
ドラミ「ハッキリいってこれ以上は分からない。本を燃やせば済むのか、あるいはジャイ子を殺さなければいけないのか……」
のび太「……そうか……」
ドラミ「……無駄だろうな」
のび太「何?」
198 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:16:13.06 ID:7nTjzgAO
ドラミ「私は止める方法を話したが…止められる保障など無い」
のび太「……」
ドラミ「どうやら貴様達は本気で止めようとしているが…無駄だ。やつは正に『神』になっている。この状況も既にやつの『ストーリー』かもしれん。
私達はストーリーが終わるまでステージで踊っていなければならないのだよ…」
のび太「そんなこと…やってみなきゃ分からないだろ」
ドラミ「私はロボットだからな…全ての可能性から計算して、止められる確率は極めて0に近い」
のび太「じゃあ…何で僕達に今の話をした?お前も止めたいと思っているんだろッ!?」
ドラミ「…可能性を提示しただけだ」
のび太「…そうかい。じゃあ、これを見ろよ」
199 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:21:27.42 ID:7nTjzgAO
のび太は地面に散乱していた原稿を一枚拾ってドラミに渡した。
ドラミ「………」
のび太「…そこに描かれているストーリーは、オメーが僕に殺されているって内容だ」
ドラミ「……」
のび太「だがどうだ?僕はオメーを殺していない。オメーは生きてここにいるじゃないか!!
僕達で変えられるんだよ!!未来は!!」
ドラミ「…『運命』はそんな簡単に私達を見逃したりなどしないッ!!ストーリーが変わったことは、やつも気付いているはずだッ!きっと何か修正してくる!
『運命』の『引力』に捕まった者は二度と逃げれないのだッ!!」
200 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:32:55.53 ID:7nTjzgAO
のび太「………」
のび太「あーー、うるせぇ……」
ドラミ「論破完了ォッ!!」
のび太はドラミから原稿を引ったくり、
ドラミ「…な、何をッ!!」
のび太「こうするんだ………よッ!!」
ビリビリに破り、捨てたッ!!
ドラミ「………ッ」
のび太「『運命』…?『運命』ってのはそんなに凄いのかい…?僕達は何で生きている?『運命』ってやつが決めたから?」
ドラミ「……」
のび太「違う。僕達が、『決めた』ッ!!
僕のッ!自分の意志でッ!!『決めた』のだッ!!『運命』とやらに決めさせた覚えはねぇ!!!
おい、オメーはあるのか?『運命』サンに決めさせたか!?」
ドラミ「私は……!」
のび太「だろッ!?決めさせていないッ!!オメーもッ!『決めた』んだッ!自分でッ!!」
ドラミ「………」
のび太「『運命』が何だ……。そんなもん誰だって決めれるんだよ。全てが終わった後に、こう言えばいいんだよ…」
のび太「『全部、運命だった』ってね」
201 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:37:07.02 ID:7nTjzgAO
ドラミ「のび太……」
のび太「プッチィィィィィィィ!!!出てこーーーいッ!!僕がテメーを論破してやんぜぇぇぇぇ!!」
しずか「ドラミちゃん…」
ドラミ「ぬ…」
しずか「諦めるのはまだ早かったみたいね。……終わらせましょう。私達で」
ドラミ「………」
ドラミ「人間ってのは……つくづく興味深いよ…」
202 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:44:53.90 ID:7nTjzgAO
―――全ての真実を知ったのび太達は、長きにわたる物語を終わらせるため、ドラミという新しい仲間と一緒に、
『ジョジョの奇妙な冒険・20部』の作者、クリスチーヌ剛田…ジャイ子を止めるべく、剛田家に向かうのであった……。
TO BE CONTINUED→
203 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 21:47:13.50 ID:UJDGtgMo
おつ。次も楽しみにしてる
204 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 21:53:43.32 ID:nFcFP720
乙、激しく軽やかに且つ大胆に乙
205 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 21:54:48.71 ID:7nTjzgAO
今までのスタンド
【名前】ドラミ
【特徴】ロボット、尊敬する人:ヒトラー、Dio
【スタンド名】フィフス・ディメンション
【射程距離】本体から5M
【能力】
「相手の認識する時の流れを操作する」
「例えば、相手に石を投げて、時の流れを速くすると、相手は極端に早いタイミングで石を避ける。
逆に遅くすれば、相手は避けようとする前に石に当たる」
「どこまで速くしたり遅くしたり出来るかは不明」
206 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/02(月) 21:57:38.17 ID:.GCeX5wo
>>1
乙!
207 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 22:03:07.01 ID:/sLrbzgo
乙ッ!!
まさかジャイ子とは
208 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/02(月) 22:03:23.53 ID:7nTjzgAO
長い間待たせて悪かったな。
しかしッ!次で本当に正真正銘マジでいやいやホントに最後となりました。
応援してくれた皆ー
やっと終わるよー
209 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 22:55:11.01 ID:nzXHBZko
ジャイ子ラスボスなんて誰が想像しただろうかwwww
乙
210 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 23:07:08.52 ID:VKTBc2DO
終わっちまうのかよ〜!
ずっと読んでいたいぜ〜
211 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/02(月) 23:46:58.97 ID:HYqWlYDO
乙
212 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/03(火) 00:14:10.49 ID:eryz1zUo
乙。
213 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 20:59:07.19 ID:CbDsKVIo
ディ・モールト乙
214 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:05:36.48 ID:7zz1zoAO
これまでのあらすじ
出木杉「みんな……僕のこと…覚えてる…?出木杉ですわよーーーwwwww
さあ、前回のあらすじはァ、
遂に闇魔界の覇王ドラミとの戦いの火蓋が切って落とされました!!月の光が照らされる裏山で、ドラミの凶悪な強さになすすべも無くやられてしまうのび太ッ!!
だが、その強さの裏にはドラミの深い悲しみと憎しみが渦巻いていたのだった!自らの存在意義について悩み苦しむドラミ。それこそがドラミを狂気へと導いたものだったのだ…
無惨にしてやられるのび太。苦しくても耐えてる私って素敵(笑)スイーツ(笑)
だが、ドラえもんの命を懸けた『アメリカ』の攻撃によってぶっ飛ばされたドラミッ!!
ドラミに『兄』であることを否定されたドラえもん。それでも、ドラミを殴りぬけるドラえもんの目には涙が浮かんでいた…
そしてドラえもんはのび太とドラ焼きを食べることを約束して散って行った…
力を失ったドラミは全てを語り出す。真実は『ジョジョ』であると。『ジョジョ』自体が『スタンド』であり、今までの事件は『ジョジョ』の『ストーリー』通りのことであると。
全てを終わらせるには『ストーリー』を書かされているクリスチーヌ剛田、ジャイ子を止めなければならない。
新たな仲間、ドラミを加えたのび太、しずかは、この永い悪夢から覚めるために、剛田家へと向かうのであった…」
最終回「夜明けの中の対決」
再開だお
215 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:13:58.86 ID:7zz1zoAO
チュンチュン…
チュンチュン…
のび太「少し…空が明るくなってきたな」
ドラミ「夜明けが近い。それまでには止めなければ私達は『物語』の中から自由になることはない」
しずか「…間に合わせるわよ。そして家に帰って熱々のお風呂に肩まで浸かるの。風呂好きだなって他の人にバカにされるのもいいかもね…」
のび太「僕も…家に帰ったらフカフカの布団にくるまって思う存分昼寝をするんだ。蕎麦の実の最高級マクラだ!湯たんぽものっけてもらおう!」
216 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 22:14:49.02 ID:KDRpmcMo
キター!
217 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 22:14:51.81 ID:XJ2VNY6o
地味にフラグがwwwwwwwwwwwwww
218 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 22:18:53.57 ID:KDRpmcMo
5部の終盤を彷彿とさせる会話だな・・・
219 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:20:03.45 ID:7zz1zoAO
ドラミ「くだらないな。もっと贅沢をすれば良かろう」
のび太「わかってないな、こうゆう小さな事に幸せを感じるのが人間なんだよ」
のび太はフフンと得意げな顔でドラミを見る。
ドラミ「……そんなものなのか」
しずか「あなたも何かないの?終わったらやりたいこと」
ドラミ「ぬ……」
ドラミ「………」
ドラミ「メロンパン食べたい」
220 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 22:22:16.18 ID:DHAUzIMo
なんという可愛いドラミ
221 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:31:14.27 ID:7zz1zoAO
のび太「メロンパン……いいんじゃあないかな…」
ドラミ「ならば何故笑っている」
しずかは考えていた。
横でドラミにフランケンシュタイナーをかけられているのび太をよそに、自分の役割について。
しずか「(これがドラミちゃんの言う通り、本当に『物語』だとしたら…、私の『役割』は何なの?ここまで『スタンド』を持っていないのに生き残っている…
単に紅一点だから?それならドラミちゃんが加入したことで私の命もヤバイってことに……。
いざとなればドラミちゃんを……!って考えさせようとしているならそうはいかないわよ!ここで私はあえてゴリラの真似をしてみせるッ!どう?こんな『物語』だったかしら?)」
のび太「ギブギブギブギブギブ」
のび太「……?」
しずか「ウホッ、ウホッ」
のび太「な、何をしている…?」
しずか「ウホッ?…『運命』とやらに逆らってるの」
ドラミ「……」
のび太「お前が『運命』がどうのとか言うからしずかちゃんが!!」
ドラミ「私のせいじゃないッ!!」
222 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 22:36:43.12 ID:KDRpmcMo
フランケンシュタイナーはドラミには無理だろww
223 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/03(火) 22:37:49.92 ID:1RMqd4o0
支援!
224 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:40:13.08 ID:7zz1zoAO
ジジイ「えっほえっほ」
剛田家の前で神妙な面持ちで立っているのび太達の横を、60過ぎの男性がランニングシャツに股引きという出で立ちで走っていった。
ドラミ「こんな時間からご苦労なことだ」
のび太「年寄りは起きるのが早いからな」
ドラミ「この時間は虚ろいやすい時間だ。現世とあの世の境界線が不明瞭になっているからな。死期の近い年寄りは自然と起きるのが早くなるのだろう」
のび太「身も蓋も無いな」
しずか「お喋りはそこまでよ」
225 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:47:01.68 ID:7zz1zoAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
のび太「わかってるさ」
ドラミ「うぬ」
のび太もドラミも分かっていた。ここでしくじるわけにはいかない。
二人の体を緊張感という見えない袋に包んでいた。何とか袋から抜けだそうとして、口が動いてしまっていた。
のび太「作戦は?」
ドラミ「…貴様に出来るかな?」
のび太「言ってみろ」
ドラミ「正面突破。一気にクリスチーヌ剛田の部屋まで行き、止める」
のび太はポケットからひびわれた眼鏡を取り出し、かけた。
のび太「気に入った」
226 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/03(火) 22:52:13.21 ID:7QIPA9go
それ作戦じゃねえww
227 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:52:50.24 ID:7zz1zoAO
しずか「ジャイ子ちゃんのおばさんは?」
ドラミ「…寝てるだろうな」
のび太「すぐに終わるさ…」
しずか「…そうね。やっと終わる」
のび太「ああ。こんな糞漫画、僕達の手で打ち切りにしてやるよ」
ドラミ「…行くぞ」
228 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 22:59:05.01 ID:7zz1zoAO
ドラミ「開けるぞ」
年季の入った引き戸にドラミは手をかけ、開ける。
ドラミ「……よし」
ドラミは後ろで待機していたのび太としずかに手で合図する。
のび太「……」
しずか「FBIみたい」
素早くドラミについていくのび太達。
のび太「…見慣れた家だ」
ドアの奥に広がってる光景は、平凡な家。
この先に悪夢の元凶がいるとは到底思えないほどの、家庭的なたたずまいだ。
229 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 23:06:55.30 ID:7zz1zoAO
ギシ…
のび太「……」
ギシ…
ドラミ「いいか。周りに気を配れ。神経を尖らせろ。五感を活用しろ」
ギシ…
奥の部屋へと導く廊下を、三人は静かに歩いていく。
しずか「………」
壁に貼られているのはジャイ子が描いた絵だろうか。
小学生にしてはとても上手く、母と父と兄に囲まれたジャイ子が楽しそうに笑っている。
230 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/03(火) 23:11:25.19 ID:7zz1zoAO
ドラミ「この部屋だな」
のび太「ああ…。隣はジャイアンの部屋だ…。ここがジャイ子の部屋…」
しずか「この中で…ジャイ子ちゃんは『ジョジョ』の続きを書き続けている…」
のび太は両手から『糸』を出し、構えた。
ドラミ「私が合図したら、一気に突入する。いいな」
しずか「ええ」
のび太は黙って頷く。
231 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/03(火) 23:43:58.28 ID:eryz1zUo
wktk
232 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/04(水) 00:47:52.61 ID:0YknC3M0
ん?
233 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 07:57:18.49 ID:Q9QMPADO
グレートだぜ…
234 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/04(水) 22:44:49.14 ID:jRdaLwAO
wktk
235 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 00:55:00.87 ID:hMviuMAO
ディ・モールト良いぞ!
236 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 16:46:28.40 ID:HLKKAMAO
唾の飲み込むのを遠慮するほどの緊張感がドアノブを掴むドラミの手から発せられている。
ドラミがもう片方の手を挙げる。
『いいか。周りに気を配れ。神経を尖らせろ。五感を活用しろ』
しずか「え?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
のび太「わかってるってそんなこと。さっきも言ってただろ?…ったく、今のでタイミング逃したぜ」
ドラミは挙げた手をゆっくりと降ろす。
ドラミ「違う…今のは私ではない…」
237 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 16:47:40.91 ID:Tr1G8bgo
おかえり
238 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 16:53:01.02 ID:lEXKppY0
良いタイミングだ
239 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 16:53:23.12 ID:HLKKAMAO
『この部屋だな』
しずか「そんなこと知ってるわよ」
のび太「なに?お前じゃない…?どういうことだ…?」
ドラミ「今のも…違うぞ…」
『ああ…。隣はジャイアンの部屋だ…。ここがジャイ子の部屋…』
しずか「だから知ってるって」
のび太「え?え?今、僕何か言った?」
しずか「思いっ切り。えーと」
『この中で…ジャイ子ちゃんは『ジョジョ』の続きを書き続けている…』
しずか「……って言ってた」
のび太「は?」
しずか「え?」
『気をつけろッ!』
ドラミ「気をつけろッ!………ぬッ!」
『スタンドか!?』
のび太「スタンドか!?」
のび太「……こ、コイツは……」
240 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 16:54:56.87 ID:lEXKppY0
wwktk
241 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 16:56:53.79 ID:HLKKAMAO
ドラミ「WRYAAAAAAAッッ!!」
ドラミは気合いの叫びと共にドアノブをゆっくり回し、ドアを開けたッ!
カリカリ…
カリカリ…
ジャイ子「………」
ドラミ「はなクソッ!!既に『物語』は私達に追い付いていたのか…ッ!」
242 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 17:00:45.29 ID:lEXKppY0
鼻くそwwww
243 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:02:28.35 ID:HLKKAMAO
部屋の中は、カーテンをしめきっているせいか、光が全く入っておらず、薄暗い。
だが、不自然なほどにジャイ子がペンを走らせている机からは、ボンヤリと薄緑色の光が放たれている。
ドラミ「今のも…貴様の仕業かッ!!私の前に現れた、始まりの『スタンド』!!」
『………………』
ジャイ子「…………」
のび太「あれが…」
うっすらと、ジャイ子の背中に覆いかぶさるように『スタンド』の姿がのび太には確認できた。
244 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 17:07:31.85 ID:lEXKppY0
荒木ktkr
245 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:10:00.32 ID:HLKKAMAO
しずか「ジャイ子ちゃんッ!!ジャイ子ちゃん無事なのッ!?」
一心不乱にペンを走らせるジャイ子に向かってしずかは呼びかけた。
ドラミ「無駄だ。クリスチーヌ剛田は『スタンド』に操られている…」
のび太「ジャイ子ちゃん…!」
その時、ペンの動きが一瞬止まった。
しずか「待って!!今、ペンが…」
ギギギ…
ジャイ子の座っている回転式のイスが、まるで反発する力に逆らうかのようにゆっくり回った。
ドラミ「なぬ……ッ」
ジャイ子「………た…すけて……」
ギュウンッ!
再びイスは急回転し、ジャイ子の体を机へと向き直らした。
のび太「ジャイ子ちゃんはまだ…!」
ドラミ「そのようだな…」
しずか「ええ……必ず……助けてあげる……!」
246 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:15:45.75 ID:HLKKAMAO
のび太「しかし、助けるといってもどうやって…!」
しずか「『本』よッ!!『本』を燃やせばッ!」
机には一冊の開いた『ジョジョ』の単行本が置かれていた。
ドラミ「…あれしか可能性はないか…」
『そんなことをしたら、おそらく、この子の体も、ブスブスと音を立て、嫌な臭いを君達の鼻に届けながら燃えていくだろう』
のび太「この声は…ッ!」
ドラミ「私達に背中を向けながら喋るのはマナー違反ではないか?ゲス野郎」
247 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:21:08.92 ID:HLKKAMAO
『言われてみればそうかもしれない。が、ロボットの君がマナーを語るとは奇妙奇天烈摩訶不思議。実に興味深い』
ジャイ子を座らせているイスが、今度は滑らかな動きでジャイ子とのび太達を対面させた。
しずか「ジャイ子ちゃんは気絶しているの…?」
声はジャイ子の口から出ているようだ。
だがジャイ子から意思は感じられない。
ドラミ「こんな芸当も出来るとはなぁ…」
248 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:28:52.70 ID:HLKKAMAO
『ありがとう。けれども先程の言動は褒められたものではないなァ。今考えただけでも恐ろしい!こんないたいけな少女を燃やそうとするなんて』
しずか「あ、アンタがさっさと消えればいいのよォ!!」
『役目が終わったら消えるさ。物語を終わらせたらね』
のび太「それはいつ終わる…?」
『うーーん……最短で20年後』
のび太「今消えろォォォ!!!」
『それは出来ない。私は続くはずだった物語を終わらせなければならないから』
249 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:37:03.50 ID:HLKKAMAO
のび太「もう終わったんだ。気付けッ!!荒木先生は死んだッ!その時に『ジョジョ』も終わったんだッ!!」
『終わってないんだよ。荒木はまだ終わらせてないんだ』
ドラミ「荒木は確かに死んだ。未来でも記録として残っている」
『荒木の意志は死んでない。荒木はこれからも、私の続きを書くつもりだった』
のび太「意志…?」
『荒木は私を19部で終わらせる気など無かった。少なくとも30部までは構想があった』
のび太「30部ゥ!?」
ドラミ「…それを書き終える時には荒木は軽く120歳を超えている。物理的に不可能だ」
『不可能かどうかは私にとって問題ではないんだよ。荒木の続きを書きたいという意志が、私の中に、荒木が死んだ後も残ったのです』
250 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 17:41:54.30 ID:lEXKppY0
支援支援!!
251 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:46:16.55 ID:HLKKAMAO
ドラミ「荒木も一種の『スタンド使い』だったわけか…」
のび太「荒木先生が死んだ後、その意志を引き継いで、『スタンド』…こいつが発現した…」
『あなた達も私に力をくれたのですよ』
のび太「力を…?あげた覚えはねぇ!」
『荒木が死んだ後、あなた達はこう想ったじゃないですか。
なんで死んでしまったの…ああ…これからはジョジョの続きを読めないのか…ああ…続きが読みたい…………と』
のび太「……ッ」
『その想いが私を生んだのですよ。私はあなた達の想いを叶えてあげるのです。あなた達の望み通り続きを読ませてあげるのです』
のび太「想ったッ!想ったけれど…」
『私はあなたなんですよ』
のび太「…ッ!」
252 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 17:58:47.22 ID:HLKKAMAO
野比のび太は両手の『糸』を見るときいつも思い出す。
ジャイアン「ノロマでグズなのび太ァ〜〜!今から人間ボウリングやるからピンになれよォ〜!」
スネ夫「イッヒッヒッヒッヒ!!そりゃあいいやぁ〜!」
小さい時から思っていた。
町に住んでいるとそれは沢山の人と出会う。そのほとんどが僕をバカにしてきた。
一生で真に気持ちがかよい合う人がいったい何人いるのだろうか…?
小学校のクラスの〇〇君のアドレス帳は友人の名前と電話番号でいっぱいだ。五十人ぐらいはいるのだろうか?百人ぐらいだろうか?
母には父がいる。父には母がいる。
自分は違う。
TVに出ている人とかロックスターはきっと何万人といるんだろうな。
自分は違う。
だけど
253 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 18:04:42.04 ID:9WWRh4Uo
のび太は花京院だったのかwwwwww
254 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 18:06:20.29 ID:Tr1G8bgo
死亡フラグ
てことはとどめはしずかか
255 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 18:10:35.41 ID:lEXKppY0
のび太には[
たぬき
]が居るじゃあないかッ!!
256 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:19:08.63 ID:HLKKAMAO
ジャイアン「ぐええ〜〜!」
スネ夫「や、やめてくれぇ〜!」
「自分にはきっと一生友達なんて出来ないのだろう」
「なぜならこの『キャッツ・クレイドル』でバカにしてくるやつを始末すればいいんだから…僕は特別なんだ。他の人間と真に気持ちがかようはずがなかったんだ」
しずかちゃん、出木杉、ドラえもんと過ごすまでずっとそう思っていた。
出木杉とドラえもんのことを考えると背中に鳥肌が立つのは何故だろう。
それは目的が一致した初めての仲間だったからだ。
いつもの日常を取り戻すというこの旅!
数週間の間だったが気持ちがかよい合っていた仲間だったからだ。
257 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:22:09.69 ID:HLKKAMAO
野比のび太は『キャッツ・クレイドル』を見て考える!
こいつのおかげで僕は仲間が出来た。
そう!まるで『赤い糸』のように僕と皆を繋いでくれた。
それなのに
258 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 18:22:52.60 ID:lEXKppY0
UWAAAAAAAAA
259 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:28:30.50 ID:HLKKAMAO
のび太「…こいつを生んだのは…僕……」
ドドドドドドドドドドドドド
『そうだよ。あなたが私なんだ。ストーリーだって、ほら、主人公はいじめられっ子。あなたが望んだことじゃないかな?』
のび太「そん…な………確かに…僕は…そんなジョジョを考えたことがある……僕が主人公で……そんな……」
『あなたが望んだ通りになっているよ。それなのに何故、物語を終わらせようとするのか、私には理解出来ない』
260 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:33:03.70 ID:HLKKAMAO
ドラミ「のび太ァッ!!フニャフニャしてるんじゃないッ!ただの偶然だ!荒木が元々そういうストーリーを考えていたのだッ!!」
しずか「そうよ!のび太さんが悩む必要なんてないのッ!!だからしっかりしてッ!!」
のび太「わかってる……わかってる……わかってる………ッ」
261 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 18:33:49.88 ID:lEXKppY0
支援wwww
262 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:39:41.50 ID:HLKKAMAO
『そろそろ話を進ませないと…〆切りに間に合わなくなるな』
ジャイ子「………」
グルリ、とイスは回転し、ジャイ子は机に置いてある紙に向かってペンを走らせる。
ジャイ子「………」
カリカリ…
カリカリ…
『ドラミ、と…』
ドラミ「のび太ァ!!…クッ、しずか、コイツは任せたぞッ!!」
しずか「え、あ、うん、けど何をする気ッ!?ジャイ子ちゃんを殺してはダメよォォォォ!!!」
ドラミ「『ペン』を破壊すればヤツは続きを描けないッ!!」
263 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:45:51.41 ID:HLKKAMAO
そう言うと、ドラミは機械音を不規則に鳴らしながらジャイ子へと確実に近付き、その全体重を拳に込めるため、飛んだッ!
ドラミ「狙いは『ペン』ッ!!続きは無いッ!永遠にッ!!」
『ドラミ「……な、私は……ッ」』
264 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 18:56:40.94 ID:HLKKAMAO
ドラミの拳がジャイ子の愛用のペンを破壊しようとした瞬間だった。
ドラミの体の間接から眩しいほどの光が溢れた。
光は収まることなく、ドラミの周りを照らし続け、ドラミは自らの体の異変に気付き、何が起こるのか、悟った。
ドラミ「……な、私は……ッ」
カリカリ…
カリカリ…
『ドラミ「私には…やはりこんな…『結末』か……』
ドラミ「私には…やはりこんな…『結末』か…」
カリカリ…
『ドラミ「ははッ……お兄ちゃ……ついに……ついに…見つけたんだ………私は見つけたんだ……皆を……お…教えてあげるよ……お兄ちゃんに……」』
ドラミ「ははッ……お兄ちゃ……ついに……ついに…見つけたんだ………私は見つけたんだ……皆を……お…教えてあげるよ……お兄ちゃんに……」
カリカリ…
カリカリ…
『ジョジョは終わらない。邪魔をするなら『退場』してもらうだけだよ』
光は炸裂音に変わり、音は爆発となってドラミの体を内側から破壊した。
ドラミ「お…お兄ちゃ…………!!!」
ドグォォォォン!!
265 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 18:58:07.99 ID:PSEkxE.o
ドラミイイイイイイイイイイイイイイイイ!!
266 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/05(木) 19:00:59.08 ID:HLKKAMAO
腹減ったwww
飯食べるよ。
やる気続いてたら後で書きます。
267 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/05(木) 19:05:11.46 ID:lEXKppY0
ぬアにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
268 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 19:06:48.78 ID:80O5Sq.o
どうでもいいが作者IDすげええええええええ。全部大文字
269 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 20:47:41.19 ID:iBTQr2DO
オレも飯食いてぇぇぇぇぇ!!!
270 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/06(金) 01:04:45.79 ID:z9SoNMAO
乙!!楽しませて貰ってるぜ!!
271 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/06(金) 11:35:14.73 ID:W5KwowDO
作者は満貫全席でも食べとるのかね?(ΞωΞ)
272 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/06(金) 12:29:12.83 ID:z9SoNMAO
作者も忙しいんだ、ゆっくり待とうぜ
273 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/06(金) 19:30:25.71 ID:bk2n2wAO
( ゚∀゚)о彡°先生!先生!
274 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/08(日) 01:44:30.58 ID:z/IuG2AO
ゴールドエクスペリエンスレクイエム以上に強い……!
275 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/08(日) 19:06:13.06 ID:b6y0QT20
まさに荒木レクイエム!!
276 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/08(日) 23:31:36.05 ID:yTU1dcAO
のび太「ド、ドラミィィィィィィィ!!!!?」
『ふぅゥ〜〜〜〜』
激しい爆音と共に、ドラミは簡単に、これほどまでに簡単にとのび太が思うほどに、呆気なく、粉みじんになって消えた。
部屋には充満したオイルの臭いが残るだけであった。
『ちょっと退場してもらうのが遅くなっただけの事だよ、ドラミ。君はよくやってくれた。感謝してるよ。さようなら』
のび太「僕達は…本当に…物語の中の登場人物で、お前はそれを生かすも殺すも自由だって……僕は信じたくないんだ……」
『ペンは剣よりも強し、って言うのだろう?』
277 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/08(日) 23:32:19.16 ID:gB9OTNUo
キタ━━(´◕ω◕`)✪Д✪)◕∀◕)♉A♉)☼Д☼)❝_❝)◉。◉)▣_▣)☉∀☉)━━!!
278 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/08(日) 23:37:30.04 ID:yTU1dcAO
のび太「ぐ………ッ」
『!!』
『いいねぇ〜〜〜〜〜!!YES!YES!YES!その表情GOOD!!ドラミの死に悲しみ、最強の敵に敵わないと絶望しているその表情ッ!』
黄色い声をあげながら机に向かうジャイ子。もとい、始まりの『スタンド』。
その手の動きはもはや普通の人間には不可能なスピードである。
279 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/08(日) 23:44:51.20 ID:yTU1dcAO
のび太「うああああああああああッ!!!」
『キャッツ・クレイドル』の糸をがむしゃらにペンに向けて伸ばすッ!
『…………』
ピタッ
しかし『糸』はペンの前で止まった。のび太の意思など関係無く。もっと大きな、力によって。
のび太「動け…!動け…!動いてよォォ!!」
『君は主人公なんだから落ち着いて。私が君を消そうとなんてしないから。君は黙ってストーリーの通りにしてくれればいいんだ』
280 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/08(日) 23:47:00.08 ID:y.0AFdEo
キテターーーーー
281 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/08(日) 23:53:37.18 ID:yTU1dcAO
しずか「のび太さん…!」
『…………う〜む。…一つだけ気になる事があるのだが……別に気にするほどでもないのかもしれないな。荒木なら良くある事だろうし……』
カリカリ…
カリカリ…
しずか「のび太さん……ごめんなさい……!私…何も役に立てない…ッ!」
のび太「………何言ってんだい。君がそばにいてくれるだけで僕はいいんだよ」
しずか「己の無力が……ッ!恨めしいッ!!」
のび太「(…でも…どうすればいい……コイツには勝てない…どうやったって……)」
282 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/09(月) 00:02:15.72 ID:DrFXgYAO
カリカリ…
カリカリ…
『……さあ!!物語は遂にクライマックスへと向かうッ!君がッ!皆が望んだラストへと物語は進んでいくッ!!時の流れと共にッ!』
ドドドドドドドドドドドドド
のび太「僕が望んだラスト……?」
『そうだよ、君だけじゃあない、全ての読者が望んだラストがこの物語を締めくくるッ!』
283 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/09(月) 00:14:55.94 ID:DrFXgYAO
同時刻、物語のラストが、街の中で次第に始まっていった。
ガサゴソ…
ホームレス「………」
何か食べる物がないかホームレスの男はごみ箱の中を漁っていた。その様子をカップルが冷ややかな目で見ていた。
男「ゴミ漁ってやがるぜコイツゥ〜!じゃあ俺もプレゼントしてやるよォ!」
男はホームレスの頭に飲み終わった「リアルゴールド」の缶をぶつけた。
女「カツノリったら優すィィィィィィィ!!」
カップルは程度の低いやり取りをホームレスの男に散々見せ付け、その場を去っていった。
ホームレス「……バカにしやがって………中は……空かよッ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ホームレス「…あれ??…手にもってたはずの空き缶が…?…いつの間にか中身が入ってる!
……ああッ!!腐った食べ物やティッシュで溢れていたごみ箱の中身が『ほか弁』に変わってるゥゥゥゥ!!!やっほおおおおぉぉぉ!!!!」
284 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/09(月) 00:23:05.45 ID:DrFXgYAO
小学生A「やめてよォォォォ!!」
小学生B「早く犬のクソ食えよッ!オラッ!かりんとうだと思えッ!」
小学生C「ウンコ好きなんだろ!?学校でウンコなんかするぐらいだもんなァ!」
小学生A「ウンコ嫌いだよォォォォ!!臭いよォォォ!やめてよォォォォ!!」
小学生B「大腸菌野郎ッ!早く食えよッ!」
小学生C「ヒャッハー!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小学生B「ぐえッ!!」
小学生A「テメーはダメだ」
小学生C「…な、いきなり、何なんだよぉ〜〜」
小学生A「オラァッ!」
小学生C「ぐえッ!」
小学生A「オラオラオラオラオラァッ!!」
小学生C「ばみゃああああああ!!!」
285 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/09(月) 00:29:17.76 ID:DrFXgYAO
のび太「………何が起こっている…?何だこの外の騒ぎは?何をした…?」
『これが皆の望んだものだろう?一度は思ったはずだよ、ジョジョを読んだ後はこう………スタンドが欲しいってね。……もう8時だ。外には人が溢れ出しているだろうね』
のび太「この騒ぎの中心は……『スタンド』だっていうのか…」
『街にはスタンド使いで一杯だろうね』
286 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/09(月) 02:18:07.09 ID:bkLENUAO
紫煙
287 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/09(月) 02:48:10.36 ID:pz1oYEDO
全く先が読めない
288 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/10(火) 02:30:21.70 ID:dAXaOw.o
このストーリーは凡人には思いつかない
289 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/10(火) 02:55:22.09 ID:KGPENW60
支援
290 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[!蒼_res]:2009/02/10(火) 03:11:53.86 ID:YzeEA7oo
蒼くなったり
291 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/10(火) 13:04:05.61 ID:iJX4zIAO
ドドドドドドドドドドドドド
のび太達の望んだ『ラスト』…
それはジョジョの読者なら誰しも一度は夢見た事であろう。
『スタンド』の発現。
自分も『スタープラチナ』が欲しい。自分は『サバイバー』が欲しい…
そんな小さな、ふと思った小さな『想い』が、この街を包み込んでしまった。
この『想い』はジョジョ読者に限らず、老若男女に伝わり、あちこちで『スタンド使い』が生まれていった…
『見てごらん!感じてごらん!ビンッビンッ伝わるよ!スタンドの鼓動がァッ!』
のび太「グレート…」
292 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/10(火) 13:10:20.65 ID:iJX4zIAO
興奮のあまりか、『スタンド』が乗り移ったジャイ子は椅子から立ち上がり、狂喜の雄叫びをあげた。
しずか「アンタ…、一体何がしたいっていうのよッ!これは一応『マンガ』なんでしょ!?こんな事して……どう収拾つけるきよッ!!」
のび太「まったくだ…。まさか『これからも僕達の戦いは続いていく!』で終わらせる気じゃないだろうなァ〜〜〜!」
『パードゥン?』
『これでも私は荒木の意志を引き継いでいるんだ…。そんな打ち切り同然の事なんてしないよ』
293 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/10(火) 13:17:57.66 ID:iJX4zIAO
ジャイ子は乱暴に椅子に腰掛けると、その大根のようにたくましい脚を艶やかに組み、角質化したひざ小僧にこれまた角質化した肘を乗せ、多めに脂肪の乗った顔の前で、ペンダコまみれの手を優雅に組んだ。
『ウゥ〜ン、のび太君、君ならこれからどうなるか分かると思うんだけどなァ』
のび太「僕なら分かるだと…?僕には分からないねッ!!」
『FUUUUUUuuuuu…』
ジャイ子は深いため息をつくと、しめきったカーテンを少しめくり、窓の外を眺めた。
『分かろうとしないからだよ…。君は既に経験している。外にいる皆がどうなるかね』
294 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/10(火) 13:24:32.94 ID:iJX4zIAO
のび太「エクスペリエンス…?」
『そうさ。…思い出してごらん。君がスタンドを手に入れた時、君はどうしたか』
のび太「僕は………」
のび太「…………有り得ない……そんなこと…皆が…」
『思い出したみたいだねェ。そうッ!君がスタンドを手に入れた時ッ!君はッ!その力を使って憎い人間に復讐しようとしたんだッ!!』
のび太「……ッ」
しずか「あ…あれだってアンタが考えた『ストーリー』だったんでしょ!?」
『いいや、私だって、0から生み出す事は出来ないよ。少なからずのび太君にはジャイアン達を憎み気持ちがあったんだ。私はそれをちょっと刺激しただけだよ』
295 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/10(火) 13:30:25.08 ID:iJX4zIAO
のび太「………」
『そうなんだよ、人間というのはスタンドみたいに過ぎた力を手に入れたら、使ってみたくなるものなんだよ。……悪い方向にねェ』
『外にいる人達も気づいてくるんじゃないかな。スタンドの使い道にね』
しずか「皆が皆、悪いことに使うとは限らないわッ!!」
『うん、皆が悪人ってわけじゃないだろうね。でもね、善人は悪人の数には勝てない。大多数の人が自らの欲望に負け、本能の赴くまま行動するだろうね。
…そして本能ってのはスゴイよ。表面に繕った正義感なんかじゃ止められない』
296 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/10(火) 13:35:29.30 ID:F6lJbxQo
wktk
297 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/10(火) 13:35:54.51 ID:iJX4zIAO
『いつしか街には欲望に塗れた人間達が溢れ、破壊の限りを尽くし、街は混乱する』
のび太「そんなラスト…誰も望んじゃいないッ!!それに誰が止めるんだッ!?」
『君だよ』
『数年…いや、数十年かけてね』
のび太「なッ…!」
『こんなジョジョも新鮮だろッ!?世紀末編ッ!北〇の拳、ジョジョMIXバージョンさァッ!!』
298 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/10(火) 13:36:14.27 ID:KRSx6OAo
キターwktk
299 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/10(火) 13:38:46.76 ID:KG98B0Eo
wktk
300 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/10(火) 13:41:29.99 ID:DDicHPMo
マジで面白い
支援支援
301 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/10(火) 13:52:10.15 ID:.JhtY5Mo
追いついた…だと…
302 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/10(火) 18:11:34.56 ID:/o8fbQSO
一ヶ月以上続くってすごいな
303 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/10(火) 20:29:17.94 ID:t1kWroDO
やっぱあんたグレートだぜ!
304 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/11(水) 14:44:05.01 ID:Dqk1AxQo
4400−未知からの生還者−シーズン4はそんな終わり方だったな
305 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/11(水) 21:11:34.99 ID:fATPSoAO
先生マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン
306 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/12(木) 08:17:02.29 ID:4BPy1Wwo
>>304
どうやらこのスレでの話だと万人が手に入れているようだが
(本当のジョジョでのスタンドも同じくだけど)4400では万人がそのような力は手に入れられないからそこが違うといえば違うね
307 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 00:44:32.30 ID:AhaSNwAO
『フフフ…本当に荒木はいいラストを考えてくれたよ。…いや、君達かな?』
時折、窓の外から日常聞き慣れない音がのび太達の耳に飛び込んでくる。こいつの言っていた事が始まってきたのが、いやがおうでものび太には分かった。
のび太「……僕が…僕達が考えた『物語』で街が崩壊していく……」
しずか「……これはもう……街の人達の『想い』が生んだもの…私達ではどうすることもできない……そういうことなの……?」
『そうさ。そうする必要もないよ。だってみんなが望んでいたのだから!』
のび太「みんな……が……」
のび太「そうだ…望んだのは僕達なんだ……僕達の責任なんだ……」
308 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 00:52:16.86 ID:AhaSNwAO
『そう落ち込まないでくれよ。今のシーンは、これから迫り来る脅威に立ち向かおうとする、のび太君の決意の表情のアップなんだから』
カリカリ…
カリカリ…
ペンは原稿にのび太の凛々しい顔を手慣れた感じで描く。
のび太「か、顔が…」
描き終わったと同時に、のび太の表情がグググ…と、原稿の表情と同じ表情になった。
『いいねェ!ここの擬音は……ズキュウゥゥゥゥゥンでいいかな』
のび太「…………」
しずか「…………」
しずか「……やっぱりおかしい…」
のび太「……え?」
しずか「やっぱりおかしいわよこんなのッッ!!!」
パシィッ!
しずかは声を上げると、のび太の凛々しい顔に平手を入れた。
309 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/13(金) 00:58:25.55 ID:Sb5OgnUo
しずかもスタンド来る?
310 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/13(金) 01:01:36.26 ID:WlfuBK.o
眠いよーwwktk
311 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:06:53.98 ID:AhaSNwAO
のび太「し、しずかちゃん?」
のび太は凛々しい顔から、すっかり情けない顔に変わり、自分の頬に鋭い痛みを与えたしずかを見た。
しずか「こんな…こんなのおかしいのよッ!!のび太さんだって、あんな深い掘りで妙に髪型が奇抜になっていつもより二、三倍濃いタッチの顔より、今みたいな情けない下膨れの馬鹿みたいな顔のほうがお似合いよッ!!」
のび太「……」
しずか「みんなが望んでる…?みんなが想っていた…?
それがどうしたっていうのッ!!」
『おやおや…、みんなの想いに反抗しようっていうのかい?』
しずか「犠牲の上に成り立つ『想い』なんて誰も望んでなんかいないッ!!」
312 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:18:07.87 ID:AhaSNwAO
しずか「『想い』を叶えたいなんて皆が思っているに決まっている……」
『……』
しずか「でもッ!大事な何かを失って叶えた『想い』なんて、これっぽっちの価値もないのよッ!!
『ちっちゃいときに一心不乱に集めた包装紙』のようにッ!」
しずか「のび太さん……思い出して。私達にはもっと大事な、もっと大きな『想い』を叶えようとしているでしょう…?」
のび太「『想い』…」
しずか「それは私達だけのものじゃない……いなくなった皆の『想い』も篭っている…」
しずかの言う『想い』…
のび太「出木杉……」
それは『ジョジョ』を読んだ後に生まれる小さい『想い』とは比べものにならないほど…
のび太「スネ吉……」
大きく、
のび太「ドラミ………ドラえもん……」
尊い。
のび太「それだけじゃない……もっと沢山の人が……『想って』た……」
しずか「『平和な日常を取り戻す』」
313 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:24:32.98 ID:AhaSNwAO
のび太「…そうだよ……なんで僕はこんなに馬鹿なんだ…こんなことに迷っていたなんて」
のび太「僕は取り戻すんだ」
のび太「出木杉が…ドラえもんが望んだ日々をッッ!!」
のび太の顔は相変わらず情けないタッチだった。
しかし、その目は、どんなときよりも、強く、決意に満ちていた。
しずか「……『想い』を力に」
314 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:33:19.45 ID:AhaSNwAO
『熱く、心に響く言葉をのび太に届けると…』
カリカリ…
カリカリ…
『しずかは考えるのをやめた』
ドシュッ
しずか「………あ…」
しずかが体に違和感を感じ、ゆっくりと顔を傾けて見てみると、自分の体を血まみれの腕が貫通していた。
しずか「……あ…れ…?………うっ……」
ジャイアンの母「……娘を……娘を殺させはしない……」
ジャイアンの母はゆっくりとしずかの体から自らの『スタンド』の腕を引き抜く。
しずかの体は糸の切れた操り人形のように倒れた。
のび太「あ…ああ………ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
315 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:37:32.60 ID:AhaSNwAO
『主人公をたぶらかすなら退場してもらうしかない。』
『君の言ってた想いの力?それはどうしたんだい?』
しずかがその疑問に返答することはなく、
横ではジャイアンの母が死んだように立ち尽くしていた。
『娘を守ろうとする母の力は偉大だなァ。こんなに簡単に行動してくれるなんて』
のび太「貴様ァァァァァァァァァァァ!!!!!」
316 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/13(金) 01:43:12.55 ID:YrafFcAO
しずかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
なんという外道。
317 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:43:59.76 ID:AhaSNwAO
『このジョジョの物語の前では全ての事象が』
『無駄無駄無駄無駄』
『さあ、いよいよフィナーレだッ!!』
『この一描きで皆の想いが声を揃えて言うだろうゥッ!!感謝の言葉をこの私にィッ!!!』
318 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:49:50.40 ID:AhaSNwAO
ジャイ子の手にまがまがしいほどに輝く緑の光が纏わり付き、握られているペンは震える。
しずかの横で泣きじゃくりながらのび太はその様子をただただ見つめるしかなかった。
ドドドドドドドドドドドドド
『…………』
『…………』
依然、漲る力を発しているペンは一向にフィナーレを原稿に描く気配が無い。
グググ…
『何故だ………何故動かん……ジャイ子ォッ!!!』
319 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 01:58:56.13 ID:AhaSNwAO
その『スタンド』はペンを動かさないのでは無かった。
いかに腕に力を込めようと動かなかったのだ。
『一体……何が……!!』
のび太「………ッ!光が……ッ」
のび太の目の前の机から、暗い部屋をその緑の光で満たしていたジャイ子の体から、別の、白く輝く光が溢れていく。
『眩しい……この光は何なんだ……ッ』
ジャイ子「………もう……これ以上……あなたに私の漫画を……汚されたくない……!」
苦しそうに、だが力強くジャイ子の口から、『スタンド』のものではない、ジャイ子自身の言葉がこぼれた。
320 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 02:06:10.64 ID:AhaSNwAO
のび太「ジャイ子ちゃんッッ!!」
ジャイ子「……のび太さん………」
『無駄な事は嫌いなんだ……こんな事したって無駄だよッ!!私の力は皆の力ァッ!!お前一人の力で止められるものではないッ!!』
ブワァァ!!
のび太「ううぅ!!ジャ、ジャイ子ちゃん…ッ!」
激しさを増す緑の光はジャイ子の体を包み込んだ。
『…ハハハッ!!やはり無駄だったッ!!お前はおとなしく続きを描けばいいん……………な……なに……』
ジャイ子「……私一人じゃない…!」
321 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 02:17:17.87 ID:AhaSNwAO
『何故だ……この光は何故いまだ輝き続けている…!?』
ジャイ子「この光は……皆の『想い』の光…」
のび太「あ………ああ……」
のび太はたしかに見たッ!
その白く輝く光の中に出木杉やドラえもんの姿があることを。
のび太「出木杉ぃ!!ドラえもんッ!!」
光の中で、出木杉とドラえもんは優しい笑顔でのび太を見ていた。
その隣にいたジャイアンは、悲しそうな顔でジャイ子を見ていた。
ジャイ子「お兄ちゃん………!!…ごめんなさい……私のせいで……ごめんなさい…!」
ジャイ子は涙を流しながらジャイアンに謝った。自分の意思ではない、だけど自分の描いた漫画のせいで兄を死なせてしまった。
ジャイ子「私……ずっとわかってた……描いてた時もずっと……だけど……止めれなかった………!目の前でお兄ちゃんが……死んでいくのを黙って……見てるしか出来なかった!!」
322 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 02:22:29.65 ID:AhaSNwAO
ジャイアン「お前は自慢の妹だ」
ジャイ子「……え?」
声が聞こえた。幻聴なんかではない。大好きだった兄の声が。
ジャイアンはジャイ子に屈託無く笑いかけると、光の中に消えた。
ジャイ子「お兄ちゃ……ん…」
『ふざけるなァッ!!こんなものでジョジョの続きが描けなくなるなんて有り得ないのだァァ!!!』
323 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/13(金) 08:03:53.54 ID:BeCaPwDO
せ、先生ぃぃ〜!!
お待ちしておりました
324 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/13(金) 20:55:52.09 ID:qHNmk.AO
作者ッ!君の作品にッ!僕は敬意を表するッ!
325 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:05:36.60 ID:AhaSNwAO
のび太「暖かい……なんて暖かい光なんだァ………」
その光は……
暖かく……体が感じる『暖かさ』ではなく、心で理解できる『暖かさ』をのび太に届けた…
のび太は、この場にいない人には『何言ってんだ?頭パーになっちまったか?』なんて言われるかもしれないが…
光から奇妙な『懐かしさ』も感じていた。皮膚の奥がむず痒くなるような『懐かしさ』を…
それはのび太の耳でも感じる事になった…
ドラえもん「のび太君」
のび太「ドラえもん……?」
出木杉「僕もいるよ」
のび太「出木杉君…!」
326 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:20:05.00 ID:AhaSNwAO
のび太「ど…どうして………」
のび太「い、いや……そんなことはどうでもいい……」
のび太「そんなことは……!」
のび太は目を真っ赤にして、光り輝く二人に驚き、そして喜んだ。
ドラえもん「のび太君……君を残してしまって本当にごめんね……」
のび太「あ…謝る事なんてない……」
出木杉「僕も一緒に……野比君と『想い』を叶えたかった…」
出木杉「でも…それももう出来ない……」
のび太「え……?ど、どうしてだい…?」
ドラえもん「僕達はもうここにはいないんだ……『想い』だけが……『物語』の中に残ったんだ」
のび太「そんな…」
出木杉「でも僕達はずっと君と一緒だ」
ドラえもん「平和を取り戻すって、約束したよね…?僕達の『想い』はのび太君と同じだ…」
出木杉「だから君は何も迷うことはないんだ……僕達がついてるから…」
のび太「ドラえもん…出木杉…」
ドラえもん「僕達だけじゃない…こんな『物語』、終わらせたい人達は沢山いる……その人達の『想い』も君についてる。……だからもう一度約束して…」
ドラえもん出木杉「平和な日常を取り戻す、って!」
のび太「…………」
のび太「うんッ!」
327 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:28:16.04 ID:AhaSNwAO
『平和を取り戻す』
二人の言葉はのび太の胸に深く刻まれ、二人の顔ものび太の心にしっかりと焼き付いた。
出木杉とドラえもんは、のび太の返事を確認すると、ニッコリと笑い、光の中へと歩いていった。
クルッ
のび太「…ドラえもん?」
ドラえもん「ドラ焼き…一緒に食べるって約束…守れなくてゴメン……」
そう言うと、ドラえもんは出木杉と共に光の中へと消えていった。
のび太「………」
そして白い光もやがてその輝きを失っていった…
のび太「…………」
のび太「げ……幻覚……だったのか…………それとも……」
のび太「………」
のび太「とにかく俺は約束を果たさなければならない………今の俺には感傷に浸っている時間なんかないぜ…」
328 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:34:35.21 ID:AhaSNwAO
ドドドドドドドドドドドドド
『よくもこんな茶番を……よくもジョジョを汚してくれたなァァッ!!!』
のび太「汚す……?」
のび太「汚してんのは誰だ…?」
のび太「テメーだ」
『私が汚しただとッ!?馬鹿も休み休み言えッ!!ジョジョのなんたるかも知らない青二才がァァッ!!』
のび太「…『ジョジョ』をわかっちゃいねぇのは」
のび太「テメーだ」
『なにィィ〜〜〜〜〜〜?』
329 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:43:33.47 ID:AhaSNwAO
のび太「『ジョジョ』ってのはな………いろんな友達と…ジョジョ立ちし合ったり……会話の中にジョジョの名言を挟んでみたり……ブチャラティの服が欲しいからって自分で作ったら、ちゃんとしたやつが発売されたり………」
のび太「そこには哀しい顔してるやつなんていない」
のび太「だがこの世界は哀しみで溢れている」
のび太「これがお前の言う『ジョジョ』の物語っていうなら……」
のび太「お前に荒木を語る資格など無いッ!」
『ふざけるな……私は荒木の意志そのものッ!!私を否定すること、すなわちッ!荒木を否定ッ!!
ドゥーーユゥゥゥアンダァァァスタァァァァァン!!??』
330 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:53:23.99 ID:AhaSNwAO
のび太「荒木はこんなことを望んでいないっていつになったら気づくッ!!」
『気づくも気づかないも私が荒木ッッ!!私の考え、それすなわち荒木ィッ!!』
のび太「そうか……じゃあこれもお前の意志なんだな?」
『ッ!!………な、み、源静香ッ!!何故生きているッ!?』
のび太はしずかの肩に手を回し、しずかを立たせた。
しずか「ありがとう…」
のび太「…ついさっき…しずかちゃんは目を覚ましたんだ…。致命傷は外れていたらしい…」
331 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 21:58:27.52 ID:AhaSNwAO
『生きている……そんなことは有り得ないッ!!私が源静香を死なすよう描いたら必ず死ぬのだッ!!!』
『…………ジャ…ジャイ子……!!』
ジャイ子「………」
自分の顔を見る『スタンド』にジャイ子は小悪魔ウィンクをお見舞いした。
『…………ぐッ…』
332 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/13(金) 22:11:08.44 ID:AhaSNwAO
しずか「どうせなら…無傷で済まして欲しかったけど」
ジャイ子「ごめんなさい…コイツに気付かれないためには仕方なかったの…」
しずか「…まぁ……おかげで私の『スタンド』がやっと目覚めたわ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
『ス、スタンド…?源静香にスタンドは発現しない物語のはずだ………』
ブワァァァァァァ
しずかは自分の肉体を流れる『スタンド』のエネルギーに体を震わせるッ!
しずか「ウィィィィィィィィィィ!!!!これが『スタンド』!!なんて、なんて力なのッ!?押し潰されてしまいそうッッ!!」
しずかの『スタンド』は、その美しい姿をあらわにした。
のび太「これがしずかちゃんの『スタンド』……」
《………》
《私ハ……『JOJO』……全テヲ終ワラセルノガ私ノ役目…》
333 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/13(金) 22:18:19.61 ID:Mhu9Q.AO
クライマックス!!
334 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/13(金) 22:18:44.36 ID:Dye/ngAO
え?ブチャラティの服売ってんの?!
335 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/13(金) 22:20:18.42 ID:C4FKZT6o
しずかぁぁあぁキタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!
336 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/13(金) 23:35:26.00 ID:SlQProAO
支援ッ!!
余りの燃え展開に思わず描いたッ!!
http://imepita.jp/20090213/847560
337 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/13(金) 23:48:33.05 ID:hFvSfCMo
>>336
GJ!!
338 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:02:02.40 ID:IOP4nEAO
>>336
ウマww
しずか「『JOJO』……それがあなたの名前…」
《私ハオ前ヲ止メルタメニ存在スル……オ前ト私ハ対ノ存在…》
『止める…?私を…?どういうことだ………。私と対の存在だと?私はそんな事を聞いたことがないッ!!』
《荒木ハオ前ガ生マレル事ヲ予測シテイタ。モシオ前ガ生マレタ時ニ、オ前ヲ止メル存在トシテ、荒木ハ『物語』ノ中ニ私ノ存在ヲ隠シテイタ》
《荒木ハ薄々気付イテイタ……コノヨウナ事態ニナッテシマウ事ヲ。ダカラ私ヲ『物語』ノ一部ニ隠シタノダ。
オ前ガ『ジョジョ』ノ『物語』ヲ現実化サセタ時ニ、私モ一緒ニ現実トナッテ現レルヨウニ》
『だから……源静香はスタンドも持っていないのにこんなラストまで生き延びたのか……ッ!おかしいと思ったんだよ………ッ』
《ソウ……私ノヨリシロトシテ、コノ子ヲ選ンダノダ》
339 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:09:38.63 ID:IOP4nEAO
しずか「そう…だったの……」
《サア……『物語』ヲ終ワラセル時ガ来タ》
パアァァァーーーッ
『JOJO』が両手を天に向かって上げると、全ての物を白く染めてしまうほどの閃光が四方八方に走り出した。
『この光は………………!!!!や……やめろ……!!』
《全テノ『スタンド』ヲ消ス……ソレガ荒木ガ望ンダラストダ》
340 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:17:28.95 ID:IOP4nEAO
『い……いやだ……!!消えたくない………私はまだ物語を終わらせてない……!』
のび太「……お前は間違っていた」
のび太「『ジョジョ』は終わったんだ……」
『終わってない………終わってなど………ッ!!』
『ジョジョは終わらないのだァァァァァーーーーーーーーッッ』
この物語の著者『スタンド』の最期の叫びは狭い部屋に幾度も響いて………
終わることの無いと思われた物語の終焉を予感させると共に、消えた…
341 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 00:20:36.91 ID:BL3oBw6o
勝ったッ第20部完!
342 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:22:11.28 ID:IOP4nEAO
のび太「…………」
しずか「…………」
のび太「終わった………」
のび太「やっと終わったんだ………」
しずか「やったのね……私達、やっと……!!」
343 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:28:26.62 ID:IOP4nEAO
しずか「……あなたは……」
《………》
しずか「あなたは何で私を選んだの…?」
《貴方ニハドンナコトニデモ屈シナイ信念ガアッタカラデス。誰ヨリモ『平和』ヲ望ンデイタカラ》
のび太「やっぱりしずかちゃんはスゴイなぁ」
のび太の言葉にしずかは頬を赤らめた。
しずか「ええ…。だてにこの年で裸をさらしてないわよ」
344 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 00:31:31.25 ID:RJujXEDO
裸wwwwwwwwwwwwwwwwww
345 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:37:51.49 ID:IOP4nEAO
のび太「………あ…『キャッツ・クレイドル』が…」
のび太の背後に立っていた『キャッツ・クレイドル』は、まるで役目を終え、満足しているかのような様子で、のび太を見つめながら、少しずつ、少しずつ、その体が消え始めていた。
のび太「………」
のび太「ありがとう……『キャッツ・クレイドル』…」
のび太はそう呟き、共に戦った仲間との別れを最後まで見送った。
346 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:46:23.12 ID:IOP4nEAO
しずか「……」
しずか「あなたも消えるのね…」
《私ノ役目ハ終ワリマシタ…》
しずか「ありがとう」
《…貴方タチノヨウナ読者ガイテクレル『ジョジョ』ハ幸セデス。荒木モソウ思ウハズデス》
のび太「ジョジョは大好きだよ。今までも、これからも」
『JOJO』が光の柱のように空に昇っていくと、
街に溢れていた他の『スタンド』達も次々に消滅していった……
のび太がカーテンを開けると、太陽の光が部屋に差し込んだ。
347 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 00:49:54.43 ID:IOP4nEAO
のび太「……出木杉、ドラえもん……」
のび太「約束、守ったよ………」
のび太は窓を開け、広がる空を眺めた。
その空は、いつの日か、皆と見た空と同じように真っ青な空だった………
348 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 01:00:12.94 ID:IOP4nEAO
〜20年後〜
…のび太は有名漫画家になったジャイ子のアドバイスのおかげもあり、念願の自筆の漫画を出版することができた。
その漫画は決して良い売上では無かったが、
一部の人々からは支持を受け、長年に渡って語り継がれる漫画となった…
それは、気弱だけど勇気のある少年、力持ちで歌のヘタな少年、ずる賢いけどいざというときは頑張る少年、頭脳明晰で運動も得意な少年、へんてこロボットに、優しくて可愛い少女が、
一緒に力を合わせて大事な物を取り戻すために立ち向かう物語……
完
349 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:01:42.07 ID:gvlNWqoo
乙!!!!
350 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:02:39.85 ID:k3Yybhwo
おお、ついに完結したのか
>>1
おつかれ
351 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 01:02:40.32 ID:IOP4nEAO
長くなったけど………
終わりッ!
352 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 01:03:58.07 ID:ApKzsmco
1おつ!!!!!!!!!
353 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:04:34.69 ID:euHv.ako
おつ
354 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 01:05:01.33 ID:TCo1dm6o
>>1
先生、お疲れ様でしたッ!
355 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 01:06:22.66 ID:jYS9AtIo
最初からずっと読んでたよー おつでしたー
356 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:06:47.10 ID:MUh67HEo
乙!!
面白かったぜ!!楽しみが一つ減るのは寂しいけどお疲れ様でした!!
357 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/14(土) 01:07:33.46 ID:IOP4nEAO
本当長くなって申し訳ない。
そして読んでくれた人ありがとう!!!
358 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 01:12:20.43 ID:jlInvpYo
乙
楽しかった!!!!!
359 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:13:34.25 ID:wbR4GFEo
乙!!!
360 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:14:50.13 ID:dcauvj2o
乙!!
ずっと読んでたぜ
361 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:15:29.22 ID:Jpe413Yo
お疲れ様でした!!
362 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 01:16:42.86 ID:jlInvpYo
まとめブログからきたけど乙でした!!!!!
363 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 01:38:00.34 ID:wKAqGPUo
久々に面白い長編を見た
おつっ!
364 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 02:40:24.22 ID:Tz8wocAO
初めて最初から終わりまでリアルタイムでSS読んだ…
いちおつ!
365 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 04:42:10.37 ID:LP5OewDO
乙!
面白かったなりぃ・・・
366 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 04:58:12.03 ID:RJujXEDO
1乙ッ!
367 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 09:28:14.42 ID:.H3Ke.AO
乙ッ!
368 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 10:16:31.78 ID:ADYQSXIo
僕は
>>1
敬意を表するッ!
369 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 10:29:32.32 ID:7MQbTNA0
乙!!
370 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 11:14:37.55 ID:JICR/8Eo
乙!
371 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 12:49:55.81 ID:zxIE93w0
乙
372 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 12:56:43.96 ID:VlpM8F2o
乙でした!
373 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 13:24:18.14 ID:FWFC5QQ0
乙!!
374 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 13:47:34.15 ID:BL3oBw6o
乙ッ!
375 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 14:33:55.79 ID:9x6o2SQo
お疲れ!
376 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 15:02:22.56 ID:a4L8EEDO
乙!
こんなにワクワクする作品は初めて見た
377 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 15:38:21.69 ID:OXyBo0wo
乙としか言いようがない! 乙!
378 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 18:11:39.36 ID:olgVtgAO
乙だ!
379 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 21:14:48.37 ID:gu2csDEo
>>1乙!
最初の頃は興味なかったけど
どんどん惹きこまれていって
結局ラストまで付き合ってしまったwwwwww
次回作品も楽しみにしてるよ!
380 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/14(土) 22:12:37.67 ID:ExpTqJI0
乙!!
すばらしいラストに涙した!!ありがとう!!!!
381 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/14(土) 22:15:40.12 ID:hnzzQ.AO
このスレに出会えて感謝
面白かった
382 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/15(日) 01:19:46.38 ID:EDE/Ilco
◆.LMqmG8Hlgに敬意を表するッ!
乙ッ!!
383 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/15(日) 02:44:19.06 ID:GOec3kDO
乙!!
次回作にも期待してます
384 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/15(日) 10:29:57.27 ID:jZY.ehY0
乙!!
すごく面白かったです
385 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/15(日) 11:12:50.79 ID:mYi2EH60
乙
386 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/15(日) 13:36:46.90 ID:RVuxH6AO
乙
387 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/15(日) 15:13:03.64 ID:HVOa0.DO
完結してよかった、乙!
388 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/16(月) 01:09:11.94 ID:gmtv82AO
乙
楽しかった
389 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/16(月) 04:11:03.44 ID:ZPErYYAO
先生お疲れ様でした!
先生の次回作『ジョジョエさん』にご期待下さい!
390 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/16(月) 09:25:05.05 ID:7qRuxcDO
お魚加えたスタンド
391 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/16(月) 12:14:05.23 ID:uHllfbwo
本当に乙!!11
392 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/02/16(月) 22:30:57.68 ID:wfcYdEAO
それじゃあ次回作は
カツオ「これが…スタンド…」
の方向でw
今度は書き溜めてからスレ立てますんで、見かけたらヨロシク
393 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/16(月) 22:35:11.17 ID:T0rWn.6o
せっかくここがあるから建てたらここで誘導希望
394 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/16(月) 22:36:55.98 ID:8/CyC/2o
ちょwwwwwwwwwwwwww本当に次回作るのかwwwwwwwwwwwwww
グレート・・・期待させていただくッ!
395 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/16(月) 23:31:30.97 ID:IGj8qHoo
立てる時にここで告知してくれたら嬉しいんだぜ
396 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/02/22(日) 00:21:14.72 ID:.32KaYAO
>>392
わーい!
ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
397 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/03/01(日) 21:58:46.78 ID:E3iTlcAO
お久しぶり。
カツオ「これが…スタンド…」
少し書き留めたから、やることやって一段落したら後でニュー速の方に投下しようと思いますゥゥ!
398 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/01(日) 22:00:11.55 ID:a8dTWO6o
キターーーー(・∀・)ーーーーーーー!
399 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/01(日) 22:09:20.46 ID:RNJ/jy6o
了解、wktkして待ってるのでスレ誘導は頼むぜ
400 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/03/01(日) 23:04:01.69 ID:E3iTlcAO
カツオ「これが…スタンド…」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1235916147/
よろしく!
401 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/02(月) 08:59:12.17 ID:9aXIVxoo
落ちたか?ww
402 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/02(月) 12:48:05.31 ID:b96Sl.Ao
カツオ落ちてんじゃねえかよおおお
403 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/03/02(月) 12:56:55.95 ID:MLDxj6AO
ちょwwww落ちたwwwwww
やはりここで細々とやるか
404 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/02(月) 14:22:57.84 ID:ixzRLqwo
落ちるの早すぎwwwwwwwwww
保守くらいしようぜ
405 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/02(月) 14:39:57.09 ID:38Msz0wo
ヴぃpは規制中で何も出来なかった・・・
ただ、落ちていく様を見届けただけ・・・
406 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/02(月) 17:42:56.22 ID:HxgYPKko
続きが分からなくなったからまとめに載るまで追いつけないかもしれない…
407 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/02(月) 19:36:44.45 ID:7tCycIwo
まぁ、パー速でも一部のスレみたいに盛り上がるといいな
408 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/02(月) 22:09:10.55 ID:MLDxj6AO
それじゃあちょこちょこ投下しますか。
カツオ「あれーー……やっぱり只の噂だったのかなァ〜」
億泰「まァ、そんなガッカリなさるなって!ホラ、お家の方には俺から言っといてやるから、さッ、帰った、帰った…」
億泰はカツオにタラオを預けると、そのガタイの良い体には似つかわしいほど、かわいらしくカツオ達に小さく手を振った。
カツオ「ご迷惑かけてすみませんでした。どうやら僕の『見当違い』だったみたいです。さようなら」
億泰「おゥ、きぃーつけて帰りなァーー」
409 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/02(月) 22:17:24.15 ID:ixzRLqwo
再開キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
期待age
410 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/02(月) 22:18:55.56 ID:MLDxj6AO
〜校門前〜
タラオ「カツオ兄ちゃん、あんなやつの言うこと素直に聞くんですかー?」
カツオ「………いや、帰るわけないさ」
カツオ「帰れるわけないさ」
カツオの表情は暗く、濁っていた!
しかしその瞳の奥には確かに輝くものがあったのだ!
カツオ「さっき億泰先生はこう言った…」
カツオ「『熱湯が出たら危ない』……とね」
カツオ「僕は学校に着いてから『熱湯』の話は一言も口には出していない…」
カツオ「ましてや」
カツオ「この噂好きの僕がこの話を知ったのは昨日だ。中島やあの花沢さんでさえ知らなかった」
カツオ「それなのに最近赴任したばかりの億泰先生がそんな噂話に通じていると考えるのは難しい…」
カツオ「あの男……くせぇ…くせぇぞォ…」
411 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/02(月) 22:28:56.77 ID:MLDxj6AO
〜学校・一階玄関前〜
僕はタラちゃんを一人で家に帰させた。
もちろんあのタラちゃんが大人しく帰るわけもなく、ちゃんと帰ったら僕のブタさん貯金箱を割らせる権利をあげるという約束をした。
カツオ「…ったく、タラちゃんってなんであんなワガママなんだよ。僕の小さい頃はあそこまで酷く無かったぞ」
カツオは暗闇の玄関で腕を組んで立っている。
カツオ「……そうだよ…そもそも億泰先生はこんな時間に何をしていたんだ?さっき職員室の前を通った時、電気は点いていなかった」
謎は深まり、闇も深まる…
412 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/02(月) 22:38:57.19 ID:MLDxj6AO
あーースマン!!
やっぱりちゃんと自分の中で物語完成させてから投下するわ!
せっかく皆が読んでくれるやつを中途半端な形で投下したくない。
スマン。いつか必ず時が来たら続きを書くよ。
413 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/02(月) 23:47:36.11 ID:NhwvD8Uo
前スレ30くらいまでしか見てない・・・
414 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/03(火) 00:23:04.19 ID:k9sjV2AO
そうかそうか
気長に待ってるよー
415 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/03(火) 00:40:17.21 ID:UUmylOQo
期待して待ってるよー
416 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/03(火) 18:33:36.81 ID:z7O9PHko
サザエ「私の頭が丈助みたいですって・・・・・・?」
417 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/07(土) 08:15:56.89 ID:nD30o1Ao
umu
418 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/03/07(土) 20:27:32.48 ID:9tMNuIAO
ちょっと気分展開に「これが…スタンド…」から離れたやつVIPに書いてみるww
419 :
◆.LMqmG8Hlg
:2009/03/07(土) 23:01:35.30 ID:9tMNuIAO
と思ったけど規制されてて立てれなかった。
ウサ晴らしに少し投下するぜ〜〜
420 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/07(土) 23:07:51.81 ID:9tMNuIAO
カツオは学校中を歩き回った。億泰先生を見つけ、一体何の目的で学校に居るのかを確かめるために。
例の『噂』が、カツオの億泰に対する不信感へと繋がっていた。
……だが億泰先生に見つかったら、
もしも、
もしかしたら、
最悪の事態になってしまうかもしれない……
そんな恐怖もカツオは感じていたのだ。
暗闇を利用し、慎重に、カツオは億泰先生を捜した。
421 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/07(土) 23:16:46.48 ID:9tMNuIAO
カツオ「………」
ガララッ
カツオ「……誰も…いないみたいだなァ」
カツオはドアに片手を預けたまま、闇に包まれた教室を見渡す。
カツオの頭上に存在している札に、ぼんやりと『5‐…』と書いてあった。
この暗さでは後半部分が良く見えないが……
まぁ、隣にある教室との位置関係から見て『5‐2』であろう。
カツオはそう納得し、教室内に入った。
422 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/07(土) 23:22:54.39 ID:9tMNuIAO
カツオが教室の中央辺りに足を進めた時…
カツオの鼻に生臭い臭いが入ってきたッ!
カツオ「うォエッ!」
思わず鼻を指で摘むカツオ!
カツオ「く、く、なんて臭さだよォ〜〜〜ッ」
カツオ「まるで、腐った魚みたいな……足の爪に溜まったカスみたいな……」
カツオの脳裏を掠めた臭いの元…
カツオ「金魚かァ〜〜〜〜?」
423 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 12:10:11.37 ID:ozEXUMAO
カツオの通う小学校では、金魚を飼育することで命の尊さを知ろう。
…という事で上級生のクラスには金魚が飼われている水槽が教室の後ろにある棚に置かれていた。
カツオ「飼育係のやつ、また水取り替えるの忘れてるな。忘れるなら飼育係なんかになるなって話だよ」
金魚の世話はクラスで決められた飼育係が行うことになっていた。
餌なんか横にあるやつからパラパラ入れればいいだけなのだが、水の取り替えになると遊び盛りの小学生には煩わしい事であるらしく、やらないことが多々あったのだ。
424 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 12:16:28.29 ID:ozEXUMAO
カツオ「………」
カツオ「……ああもう!」
カツオはぶつぶつ文句をいいながら水槽に近付いた。
カツオ「しょうがないなぁ………明日朝行ってこんな臭い嗅ぐのも嫌だからな。取り替えるか……。もしかしたら早川さんが僕が取り替えた事を知って胸キュンポイント上がっちゃうかもしれないし」
カツオ「よっと」
カツオは水槽を両手で持ち上げ、廊下の水呑場へと持って行った。
425 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 12:26:12.54 ID:ozEXUMAO
カツオ「まずは金魚を別の入れ物に移して………と」
カツオ「………随分大人しいな……」
カツオは飼育係ではないので、実際金魚を網ですくう時の様子は分からなかったが、
あまりにも大人しい金魚の様子にはカツオでも違和感を感じていた。
その違和感も網ですくった金魚を見て確信へと変わった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
カツオ「こ…こいつ…」
カツオ「死んでる…」
カツオは動かない金魚を一匹移し替え、また水槽の中にいる金魚を網ですくった。
カツオ「こ、こいつもッ!!」
カツオ「こいつもッ!!」
カツオ「こいつもだッ!!」
426 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 12:29:55.44 ID:ozEXUMAO
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
カツオ「ぜ、全滅……」
金魚は動かない。
一匹たりとも。
カツオ「こ、これってスゲーヤバイんじゃねぇのかァ〜〜〜??金魚を全部死なせたなんて億泰先生が知ったら……
あの人恐そうだし…飼育係のやつただじゃ済まないぞォ!!」
427 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 12:37:36.64 ID:ozEXUMAO
ガタッ!
ザバアァァァァ
カツオ「あッ!!しまった水槽がッ!」
カツオは動揺のあまり水槽を倒したッ!
敷き詰められた小石や、金魚が隠れるのに最適だと入れた空洞がある太い木のカケラが流れるッ!
カツオ「クソッタレ!!」
慌てて水呑場に散乱した水槽の中身を戻す。
カツオ「早く…早くしないと億泰先生が………熱ッッ!!!」
ドドドドドドドドド
カツオ「な、なんだこの『水』は……?この水槽から流れ出た『水』の……不自然な熱さは……ッ?」
428 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/08(日) 13:22:03.51 ID:eHEXnoAO
きたこれ
429 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/08(日) 14:51:22.64 ID:xfasGxMo
支援あげ
430 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 16:55:25.63 ID:ozEXUMAO
カツオ「こ…これは…!!」
嫌な予感がする。
もしやこれは…
カツオ「この金魚はもしかして……『水』が汚いからとか、そんな理由で死んだんじゃない…!?だ、誰かがこの水槽に『熱湯』を入れて金魚を殺したのかァッ!?」
カツオ「だ、だが待て……待つんだ……一体誰が何故そんなことを?そして分からないのが…」
カツオ「わざわざ水槽の中の金魚を別の容器に移し、中の『冷たい』水を捨て、空になった水槽に『熱湯』を入れ、金魚を再び水槽の中に戻したってのか…!?」
431 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 17:17:11.08 ID:ozEXUMAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
???「………」
暗闇の向こうにカツオは人の気配を感じるッ!
カツオ「誰だッ!?」
???「………」
カツオ「いるんだろ!?そこにッ!分かってるんだぞッ!」
???「………」
カツオ「(誰だ…?身の丈からして億泰先生じゃあない。僕と同じくらいだ……)」
カツオの呼びかけにその人影は答えることなく、カツオとは正反対の方向に歩きだした。
カツオ「……!!あいつ…何か知っているッ!!待てェッ!」
432 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 17:26:26.40 ID:ozEXUMAO
カツオ「(さっきの水槽に入っていた『熱湯』……)」
カツオ「(そして僕がここに来る理由となった『噂』…)」
カツオ「(なにか…なにか胸騒ぎがする……僕の予想を超える何かが、この学校で起きているのか…?)」
???「…………」
カツオ「!」
足を止めた……?
433 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 17:38:12.87 ID:ozEXUMAO
???「わたしが……聞いておきたい事は…………だ……磯野カツオ」
カツオ「………ッ!僕の名前を……やはりッ!」
???「私を追って…どうする気だ?」
カツオ「(この『声』……大人だ。それも中年以上の)」
カツオ「どうするもこうするもッ!!」
???「困る………とても困るんだ。君が私の後を追って捕まえようとすると…」
カツオ「捕まえる?何を言ってるんだ?僕はそんな気はさらさら………オマエェッ!!」
カツオ「口を滑らしたなァッ!!『金魚』を殺したのはオマエかァーーーーーッ!!」
???「君は私を捕まえて…警察に言うんだろ?困る…困るんだそんなことされては……。
この不況の中やっと見つけたこの仕事、給料なんてクソだがそれでも私は妻と子供と幸せに暮らしているんだ……
それなのに…君は私の幸せを壊そうとするんだな……困った……君を殺すしかないじゃないか」
カツオ「こ、コイツッ!!!」
434 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 17:53:19.32 ID:ozEXUMAO
カツオ「(殺す!?こいつ何言ってるんだ!?僕はただこいつに『聞こう』としただけなのにッ!」
???「ぶつぶつ……困る…警察だけは……困る……言われる前に……ぶつぶつ」
カツオ「こ、こっちに近付いてくるッ!!」
???「ぶつぶつ……顔を見られたんだ……ならしょうがないさ…しょうがない……うん…しょうがない……ぶつぶつ」
カツオ「顔!?僕は顔は見てないッ!!」
???「………」
カツオ「本当だッ!この暗さで、この距離ならオマエの顔は見えないッ!!この事は誰にも言わないから黙って家に帰る僕を見送ってくれッッ!!!」
???「…………」
カツオ「ハアハア……ハアハア…」
???「そんな嘘で大人を騙せると思ったかァーーーッ!!!!このクソガキがあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
435 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 17:58:04.26 ID:ozEXUMAO
カツオ「こ、コイツイカレてやがるッ!!」
???「逃がさねぇぇぇぇぇぞォォォ!!!!」
カツオ「に、逃げなきゃ……殺されるッ!!」
カツオは震える足を無理矢理動かし、全速力で逃げ出した!
カツオの顔は汗か、それとも涙か、よくわからない液体でぐちゃぐちゃになっていた。
カツオ「(死にたくない…死にたくない…死にたくない…!!)」
436 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/08(日) 18:09:48.47 ID:KTat89Ao
パー速だけど支援
437 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 18:16:07.51 ID:ozEXUMAO
カツオは走った。
ただ闇雲に。
あのイカレた男から逃げるために。
そしてカツオは混乱していたッ!
階段を降り、玄関に向かえば、カツオは運動が得意で体力もある。中年の男からはたやすく逃げることが出来ただろう。
しかしカツオはただあの男から離れるために走った!
そしてこの階の端っこにある教室へと逃げ込んだのだ。
カツオ「ガクガクブルブル」
どこだーーい……
磯野カツオくーーーん…
殺さないから出ておいでーーーーー……
教室の隅で震えるカツオの耳に、廊下からの声が聞こえる。
カツオ「嘘だ…嘘だ…出て行ったら殺される……」
438 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 18:33:24.42 ID:ozEXUMAO
磯野カツオが最も恐れる事………
それは『死』
当たり前の事だと笑われるかもしれないが……カツオにとっては『死』は恐怖で、忠実で、偉大なものだった。
カツオには『夢』がある。
単純だが簡単ではない。
『ビッグ』になること。
そしてカツオは夢を叶えることを当たり前だと思っていた。
なんでも良い、仕事で成功するとか、テレビに出て有名になるとか、なんでも良かった。
そしてカツオはそれを叶える『自信』と『覚悟』があった。
だがそんな『自信』も『覚悟』も簡単にゴミクズにしてくれるのが『死』
カツオが最も避けなければいけない事態。
それがカツオの目の前で今にも首を狩ろうと静かに息を立てていた。
439 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 18:39:46.94 ID:ozEXUMAO
カツオ「ハアーーッ、ハアーーッ!」
カツオ「死ぬわけにはいかない……この磯野カツオには『夢』があるッ!!…何とかしてここをやり過ごさなければ…」
恐怖からか、緊張からか、汗だくになった顔を手で拭う。
カツオ「ハア…ハア………………ッ!?」
カツオは自分の顔に、鼻、目、口、そして汗、
それら以外のものがあることに気付いた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
『エフ、エフウゥゥゥゥゥゥーーーーー』
カツオ「な、何なんだよ『コイツ』は………!!?」
440 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 18:45:00.40 ID:ozEXUMAO
『エフ、エフ………』
カツオの顔でうごめくその物体。
動物とも、虫ともつかないその形。
カツオ「ひ……ひぃ……コイツ…いつの間に僕の顔にィィ………」
カツオはその形に生理的恐怖を覚え、払うことも出来ないほど体が固まってしまった。
カツオ「は…早く、取らないと……」
『エフエフウゥゥゥゥゥゥ!!!』
ジュウウゥゥ
カツオ「あ……うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
441 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 23:35:02.54 ID:ozEXUMAO
突如カツオの顔を襲う刺激ッ!
カツオ「ああぁぁぁ!!!か、顔が……ッ!熱いッ!!」
カツオは咄嗟に顔にくっついていた『生き物』を振り払った。
『エフエフウゥゥゥゥゥゥ』
カツオ「ハアハア!……何が起こったんだ!?今、僕の顔を襲った『熱さ』はなんだ!?」
カツオ「こいつがやったのか……!?」
ガララッ!
???「みぃ〜〜〜つけたァ〜〜〜〜!!」
442 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 23:47:18.64 ID:ozEXUMAO
カツオ「あ……あ…」
『生き物』はチョロチョロと男の元に素早く移動し、男の肩の上に乗った。
???「よしよし、良くやったぞ『ホット・チップ』」
男は愛おしそうに、その『ホット・チップ』と呼んだ『生き物』を指で撫でた。
『エフ、エフ』
カツオ「そ、それは何なんだ!?お前が飼ってるのか!?」
???「ピクッ」
???「お前……見えるのか…?」
443 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/08(日) 23:47:45.27 ID:KTat89Ao
パー速だけど保守
444 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 23:51:12.82 ID:ozEXUMAO
カツオ「は……?」
『見える?』
あの男は何を言っているんだ?見えるもなにもそこにいるじゃないか。そしてお前はソレを指で撫でているじゃないか?
カツオは男の言った言葉の真意を探ろうとしたが、男は続けた。
???「やはりお前も『スタンド使い』か………やはりなぁ…やはり……困った……もしやとは思ったが……ああ、困った」
445 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/08(日) 23:58:12.78 ID:ozEXUMAO
カツオ「な……さっきから……お前は何を言ってるんだ…?……ス…スタンド使い?…訳が分からない…」
カツオの耳に入ってくる聞き慣れない単語。
『スタンド使い』?
そして僕も……?
これは夢か……?
カツオ「そ、そうだ、夢だよこれはァ……この学校にきてから理解不能な事ばかり起きてる……きっと夢なんだ…」
???「でも『スタンド』は発現していないようだ………今のうちに殺すか」
446 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 00:15:27.52 ID:piXpsUAO
wwktk
447 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 01:26:05.00 ID:5Gj2kcAO
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
カツオ「こ、殺される……?夢なのに……いやだ……夢だとしても…殺されるのは……」
???「一度人間で試してみたかったんだ……私の『能力』で人間はどのような状態になって苦しむのか……」
男は目の前に並べられたている机を足で蹴飛ばしながらカツオに近付いて行く。
カツオ「ぼ…僕には『夢』があるんだ……!それなのに……」
???「『夢』だと?」
???「オマエみたいな世間を知らないガキが『夢』を語るなど……」
カツオ「う……うるさいッ!!僕にだって『夢』はあるッ!!そしてそれを叶えるんだッ!!」
???「叶える叶えないを決めるのはオマエではない……オマエのこれからを決めるのはこのわたしだ」
???「乳臭い小学生ごときがわたしに向かって得意顔に語るんじゃあないッ!!!」
448 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 01:33:20.15 ID:5Gj2kcAO
汗だくのカツオの顔目掛けて『ホット・チップ』が走り出したッ!
『エフエフウゥゥーーーッ!!』
カツオ「ううッ!?」
???「オマエの顔は『汗だく』だ……『ホット・チップ』の『能力』を発揮するのに充分な水分量だ」
???「地球上の水棲生物が生息可能な最高水温は摂氏32度以下らしい……金魚で試し済みだ」
カツオ「コイツが……ッ!水を熱湯に変えたとでも……ッ」
カツオ「!!さっきの顔の『熱さ』は………」
???「今度はじっくり最後までやらせてもらう」
『エフエフウゥゥーーーッ!!』
カツオ「や、やめろオォォォォォ!!!」
449 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:24:10.02 ID:5Gj2kcAO
バアアァァァァァ
カツオの体が熱くなるッ!
カツオ「あ、熱いッ!!けれどこの『熱さ』はッ!気持ちが良いィッ!!」
カツオの体を熱くさせるもの、それは目前まで迫っていた『ホット・チップ』のせいなどではなくッ!
カツオ自らの肉体が心臓の鼓動を高ぶらせ!流れる血液がその鼓動を全身へと循環させ!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
カツオ「……ハア……ハア……」
カツオ「これが…スタンド…?」
『スタンド』と呼ばれる『ソレ』をカツオの肉体から解き放ったッ!!
450 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:28:40.59 ID:5Gj2kcAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
カツオ「ぼ、僕の『スタンド』……なのか…?」
???「ぐうぅッ!!やはりッ!やはりお前も『スタンド』をォッ!!?」
カツオ「僕の『夢』を守ってくれる……僕自身のエネルギーの固まり…」
カツオ「『夢』を想う『気持ち』が集まって固まれば『力』になるッ!!」
カツオ「この概念!!」
451 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 20:30:18.89 ID:ioCZ3Ioo
wktk
452 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:33:18.04 ID:5Gj2kcAO
『エ、エ、エフエフウゥゥゥゥゥゥ!!!』
???「こ…困ったッ!!予測はしていたッ!だ、だが本当にお前が『スタンド』を……ッ!!」
???「クッ……!」
???「五十年生きてきた男の人生の教訓だああァァァァァーーーーーッ!!!
『ホット・チップ』ウゥゥ!!」
???「殺られる前に殺れエェェェェェ!!!」
453 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:39:07.74 ID:5Gj2kcAO
『エエェェフエエェェファァァァァ!!!!』
ヒュンッ
ガッ!
『エフッ!』
襲い掛かってきた『ホット・チップ』を、カツオの横にいる『スタンド』はいともたやすく捕まえた。
???「ぐえッ!……な、な、な、は、速い……」
カツオ「これで……五分だな」
454 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:44:52.27 ID:5Gj2kcAO
カツオは感じたッ!
『スタンド』の圧倒的な『力』をッ!
自分の横で、散々自分を苦しめた『生き物』を、やろうと思えばいつでも潰してしまう事が出来るほどの『力』を持つ『スタンド』が…
まさか自分の『スタンド』とやらなんて。
カツオ「さて……この場合僕は何をすべきか?」
455 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:54:46.71 ID:5Gj2kcAO
???「ぐ、ぐるじィィ〜〜〜!!」
カツオ「殺そうと思えば……この『スタンド』の手に、軽く力を入れるだけでコイツは潰れる……」
カツオの『スタンド』の手の中で、『ホット・チップ』は苦しそうにもがいている。
そして『ホット・チップ』の『飼い主』の男も同じように苦しんでいた。
カツオ「………おい」
???「うげェェ〜〜〜!!」
456 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 20:58:59.13 ID:5Gj2kcAO
カツオ「一々苦しそうな声を出すんじゃあないッ!!力は緩めただろうがッ!」
???「ウゥ………なんだ………」
カツオ「もし……僕がコイツを潰したらお前はどうなるんだ?」
???「そんなことしたら死んじまうじゃねえぇぇぇぇぇかよおォォォォォ!!!!!頼むから止めてくれよオォォォォォ!!」
カツオ「死ぬ……ッ?」
457 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/09(月) 21:03:40.00 ID:1fbhB4Yo
支援
458 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:19:06.41 ID:5Gj2kcAO
???「ああそうだよオォォォォォ!!!!『スタンド』が消滅すれば『スタンド使い』も死んじまうんだアァァァァァ!!!」
カツオ「そ…そうなのか…?お前、嘘をついてるんじゃないのかッ!!」
???「嘘なんかついてねぇぇぇよおぉぉぉぉ〜〜〜……なんだよォ、お前が1番知ってるはずの事だろおぉ!!」
カツオ「僕が1番…?何故だ!?何故僕が!?お前は何を知っているッ!?」
???「………へッ、こりゃあ傑作だ。まさか本当に何も知らないとはなァ!!」
459 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:23:57.68 ID:5Gj2kcAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
この男は何を知っている?
僕の何を知っているんだ?
こんなハゲかかった頭の中年親父が何故?
僕さえ知らない僕自身の事を知っている?
カツオ「……言え。知っている事を全てッ!!」
???「………困った………それは出来ない」
460 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:31:39.31 ID:5Gj2kcAO
カツオ「なに…?」
男は息を殺して笑っている。
カツオ「お前………ッ!!言わなければ殺すぞ!!」
『スタンド』の手に力が入る。
グググ…
『エフ……エフ…』
???「うげ……!」
カツオ「頼む……言えッ!出来れば殺したくなんてない……」
???「ククク………殺す?殺せるのかいお前に。この私が……」
カツオ「………」
???「もうすぐ死ぬのに?」
カツオ「な…んだと…?」
461 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:40:40.38 ID:5Gj2kcAO
???「私は先程までタバコを吸っていた……」
???「お前がこの教室にいると知って、急いで飛び込んだ時にタバコはそこら辺に捨てたがね…」
???「だがタバコの火はまだ生きていたんだ……煙をたっぷり出しながらねェ」
カツオ「ま…まさか…」
???「今時の学校ってどの教室にも『スプリンクラー』が設置してあるんだねェ。私が通っていた頃はそんなもの無かったよ」
???「ガキの命守るためだかしらねぇが、無駄な事に税金使いやがってと当時は思ったが……今は感謝しないとなァ〜〜〜」
???「煙を感知した『スプリンクラー』は『ホット・チップ』を捕まえているテメーの頭上にあるッ!!」
???「ガキの命を守るための『冷たい水』が『ホット・チップ』の能力によって『熱湯』に変わりガキの命を奪うぜエェェェェェェェェ!!!!」
スプリンクラー「ギギギ……」
カツオ「やれやれだぜ」
462 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 21:44:21.96 ID:piXpsUAO
wwktk
463 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:46:23.98 ID:5Gj2kcAO
ドゴォォンッ!!
『エホォッ!!』
???「ぶほっ」
カツオの『スタンド』によってスプリンクラーに思い切り投げ付けられた『ホット・チップ』は、スプリンクラーにめり込み、上手い具合に蓋の役割を成していた。
カツオ「ホントだ、気絶してらぁ」
???「………」
カツオ「こいつ……用務員のオジサンッ!?……ヤバイ事になってるようだ…僕の知らない所で……」
464 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:51:04.45 ID:5Gj2kcAO
億泰「磯野」
カツオ「ビクゥ!!」
扉に立っていたの億泰先生であった。
カツオは突然の声に少しちびってしまった。
カツオ「お…億泰先生か……脅かさないでよ……」
股間の不愉快な暖かさに感づかれないようカツオは振る舞った。
億泰「わりィわりィ。……ソイツは?」
カツオ「あ………あの……その……これは………信じてもらえないかもしれないんですが……」
億泰「話してみ」
465 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:55:20.15 ID:5Gj2kcAO
カツオは話した。
ありのままの事実を。嘘偽りなく。
用務員のおじさんが襲ってきたこと。
『熱湯』の『噂』はこいつの仕業だったこと。
そして『スタンド』のこと……
こんな話、カツオは信じてもらえるとは思わなかった。自分だっていきなり聞かされたら信じないだろう。子供が悪事を隠すための嘘だと。
だが、億泰先生は、馬鹿にすることなく、呆れることなく、怒ることなく、真剣に、僕の話に耳を傾けていた。
466 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 21:59:47.25 ID:5Gj2kcAO
全てを話し終えたカツオは億泰先生の顔を見たあと、俯き、呟いた。
カツオ「……信じて……もらえないですよね……こんな話…」
億泰は腕を組んだまま、一言も発せず、カツオの話を聞いていた。
カツオがこれからの事を最悪な方向へと予想しながら億泰先生の言葉を待っていた。
億泰「見せてみろよ」
ただ一言、億泰先生はカツオに向かって言った。
カツオ「え……?」
億泰「『スタンド』をさ。お前の。俺に見せてくれよ」
467 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 22:03:46.58 ID:5Gj2kcAO
カツオ「………」
馬鹿にしているんだろうか?
出せっこないと思ってるから……
カツオ「……はい」
カツオはそう言うと、『スタンド』を出した。
用務員のおじさんが言っていた事を思い出す。
『スタンド』は誰にでも見えるものではない……?
もし、それが本当で億泰先生には見えなかったら……
億泰「良いスタンドじゃねえか!」
カツオ「!!」
468 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 22:11:03.38 ID:5Gj2kcAO
カツオ「………見えるんですか……?……『スタンド』が……?」
億泰「ったりめーだろォ〜〜〜、俺だって『スタンド使い』だもん」
カツオ「ええッ!?」
億泰「オメーよりスタンド使い歴は長いぜぇーーー!!なんたって高校生の頃からだもんな……アレ?確かそうだよなァ〜〜〜?兄貴に刺されてから……」
カツオ「さ…刺された?」
億泰「ああ、それはコッチの話ってやつよ!!詳しい事は明日話してやるよ………後の事は俺に任せろッ!もう遅い、ご両親も心配してるだろーから送ってってやるよ」
カツオ「あ、ありがとうございます」
億泰「いーってことよッ!!」
469 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 22:18:06.16 ID:5Gj2kcAO
〜億泰の車中〜
もう少しで家に帰れる……夢みたいだ。
二度と家には帰れないと思ってたけど………
しかし疲れた……
今日は色々ありすぎた。
『スタンド』?
一体これは何なのだろう。
そして僕は『スタンド』について詳しいはず…?
あの男が言ってた事……僕は……
明日億泰先生が話してくれる…
何が起きているのか、これからどうなるのか…
もうすぐ家に着く…
今日は疲れた……
用務員のおじさん
【ホット・チップ】
再起不能
スプリンクラー代、億泰負担
TO BE CONTINUED→→
470 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 22:23:16.07 ID:5Gj2kcAO
これまでのスタンド
【スタンド名】ホット・チップ
【本体】用務員のおじさん
【破壊力】―
【スピード】B
【射程距離】50〜100m
【持続力】C
【精密動作性】B
【能力】
「スタンドが触れた水を熱湯に変える」
「汗などの液体も熱くさせることが可能なよう」
471 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 22:25:21.09 ID:ioCZ3Ioo
乙だッ!
472 :
◆.LMqmG8Hlg
[saga]:2009/03/09(月) 22:26:26.36 ID:5Gj2kcAO
【スタンド名】???
【本体】磯野カツオ
【破壊力】A
【スピード】A
【射程距離】2〜3m
【持続力】B
【精密動作性】B
【能力】
不明
473 :
◆.LMqmG8Hlg
[#ちんちん]:2009/03/09(月) 22:28:34.97 ID:5Gj2kcAO
やっと最初の話終わったww
このペースじゃいつ終わるか……
しかしこんなんでも見ててくれる人には感謝過ぎてイッちゃう!!!
474 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/09(月) 22:32:11.84 ID:1fbhB4Yo
乙ッ!
475 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/09(月) 22:39:39.16 ID:hITpwvwo
ちゃんと見てるよーww
とことんイかせてやるぜ!wwww
476 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/09(月) 22:49:47.41 ID:1AvS5AIo
>>473
志村ー!!
メ欄! メ欄!!
477 :
◆Z62ETnTQww
:2009/03/09(月) 23:05:52.60 ID:5Gj2kcAO
ちょwwwwww
俺の恥ずかしいトリがばれてしまったじゃないかwwwwww
今度からこのトリで書くからよろしくww
478 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 23:28:11.36 ID:piXpsUAO
ちんちんワロタwwwwww
何故か書き込むとwwがひとつ増えてる
シールでも貼ってんのか
479 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/09(月) 23:30:24.90 ID:VakDIIoo
パー速というスタンドが持っている能力の一つだぜぇ〜〜〜〜
480 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 23:30:25.64 ID:piXpsUAO
『ひとつ』じゃあない……『二倍』だッ!!
wwが『二倍』になるッ……!!
新手のスタンド使い!?
481 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/09(月) 23:32:42.63 ID:piXpsUAO
>>479
サンクス
そうなのか
wwがダブルになるスタンドか
482 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/10(火) 23:39:08.09 ID:TotcXkSO
すげー面白いwwwwwwwwwwww
完結するまで常駐する事に決めたわ
483 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/10(火) 23:52:40.14 ID:44dNABYo
ここの1位に我らが作者様が1位取ったぞ
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1054194.html#more
484 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2009/03/11(水) 15:14:53.55 ID:OwC0Tuso
投票数ワロタwwww
でもすげええええ
485 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 20:40:02.58 ID:nWMC.kAO
皆様の応援、励ましのお便りのおかげで1位という素晴らしい名誉を頂く事が出来ました。ありがとうございます。
これからも天狗になることなく、皆様が楽しめる作品を提供出来るよう努めてまいりますのでよろしくお願い致します。
それでは再開だアァァーーーッ!!!!
486 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/11(水) 20:40:54.55 ID:2hPT2AAo
支援だァ
487 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 20:49:18.49 ID:nWMC.kAO
第二話「狼達の街」
【4月8日PM・8:40】
タラオ「なんだか知らないけどカツオ兄ちゃんからの臨時収入です〜♪
またカツオ兄ちゃんの後をついていくです〜♪」
夜は良い……
こんな小さい僕でも『王』になった気分がするから……です。
昼間は賑やかなこの通りも今じゃすっかり閑古鳥が鳴いてるです。
まるで僕だけがこの世界を闊歩しているかのようです。
488 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 20:57:53.55 ID:nWMC.kAO
タラオ「夜の風が気持ち良いですゥ〜〜」
風が優しく僕の髪をなびかせるです。
空にはキラキラと星が瞬いて、それを僕は見ていたんです。
考えながら。
タラオの心にはある不安があった。
それは誰しもが一度は…いや、一生考えるであろう事。
タラオ「……何で僕は生きているんですかね〜〜…」
タラオはこの歳にして既に『生きる』事について、悩み、考えていたのであるッ!
夜に浮かぶ『星』が消えるたびにタラオは思う!
タラオ「僕もお星様のようにいつ死ぬか分からないんですよね……」
489 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:04:09.73 ID:nWMC.kAO
この『時代』という抗えない『悪夢』が産んだタラオは、70年近く生きてきた老人のように、時々自分の『人生』について考えていた。
タラオは、この『悩み』を誰にも言った事は無い。
言う必要が無いし、言ったとしても自分の望む答えを教えてくれる人間など周りにはいないと思っていた。
タラオは考えるッ!
人から教わる事が出来ないなら自分で見つけるしかないとッ!
490 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:08:46.30 ID:nWMC.kAO
タラオ「あ……」
家の前にママがエプロン姿で立っているです。
みっともない姿で出ないでほしいですね。周りで自分のママがエプロン姿で突っ立ってたなんて冷やかされたらたまったもんじゃないです。
サザエ「………あッ!!タラちゃん!!!」
サザエはタラオを見つけると物凄い力で抱きしめた。
タラオ「く…苦しいです……」
サザエ「心配したのよッ!?ああ…良かった、無事で…!」
491 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/11(水) 21:10:00.59 ID:WQXWaI6o
支援
492 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:14:08.01 ID:nWMC.kAO
〜磯野家〜
限界でママと感動(笑)の再開を終えた僕は、ママの手に引かれ皆が待つ『ちゃぶ台の間』に行きましたです。
マスオ「タラちゃん!!良かったよォ〜〜、何事も無くて」
マスオはどうやら『ちゃぶ台の間』で座りもせず、タラオの帰りを待っていたようで、タラオの姿を見るとへなへなと座り込み、タラオの頭を撫でた。
タラオ「ごめんなさいです」
493 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:21:52.67 ID:nWMC.kAO
サザエ「本当に困った子ね……
『警察には伝えないでほしい』って書いた紙があったから、一人で犯人のアジトに乗り込んだのかと思ったわよ」
クシャクシャと、サザエはタラオが残した紙を手で丸めながら言った。
マスオ「タラちゃん、リッグスみたいだねぇ〜〜〜!!」
サザエ「あなたッ!!」
波平「ハッハッハッハッハ!!!マスオ君、タラちゃんは『リーサル・ウェポン』は古すぎるよ。
サザエも、タラちゃんが無事に帰ってきたんだから良いじゃないか」
マスオがサザエの一喝で落ち込んでいるのを、波平の乾いた笑いが吹き飛ばした。
494 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:25:27.94 ID:nWMC.kAO
タラオ「ジャックならわかるです♪
バーン!バーン!バーン!」
タラオは指で作った銃でマスオを撃った。
マスオ「ぐ、ぐえぇぇ〜〜〜〜!!!さすがリッグス…射撃の腕はピカイチだ……グフッ」
サザエ「あなたッッ!!!!」
波平「ハッハッハッハッハ!!!将来有望じゃのォタラちゃんは!」
495 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:29:16.76 ID:nWMC.kAO
ワカメ「ねえ、タラちゃん、こんな時間にどこに行ってたの?」
艶やかな天然パーマのワカメが、サザエとマスオのやり取りを気にせずタラオに聞いた。
タラオ「カツオ兄ちゃんと学校に行ってたです♪」
ワカメ「ええぇ!?」
マスオ「ちょ…ワカメちゃん、それ僕のセリフ…」
ワカメ「お兄ちゃんと何してたの??」
タラオ「追いかけっこしてたです♪」
496 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:32:46.40 ID:nWMC.kAO
サザエ「追いかけっこォ!?カツオったら…忘れ物したから取りに行くとか行ってたくせに遊んでるなんて…」
波平「アイツは本当に困ったやつじゃな!!!このワシの後を継ぐ者としての自覚が足りんッ!!」
マスオ「?」
タラオ「後を継ぐってなーんですか?」
波平「おっと…こっちの話じゃよ」
497 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:37:30.82 ID:nWMC.kAO
フネ「タラちゃん、お腹減ってるんじゃないのかい?」
タラオ「そういえばペコペコです♪」
フネ「そうかい、じゃあオニギリでもこしらえてあげようね」
フネはタラオに微笑みかけ、いそいそと台所に向かい、オニギリを作り始めた。
サザエ「それでカツオは?」
タラオ「まーだ遊んでるんじゃないですか」
サザエ「はあ……カツオったら…」
498 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:43:29.05 ID:nWMC.kAO
【PM・10:00】
オニギリを食べ終えたタラオは部屋に戻り、用意された布団に入っていた。
胃の中に溜まったオニギリがギュルギュルとタラオの腹を鳴らす。
タラオ「うー、お腹苦しくて寝れないです……」
波平「バッッカモーーーーン!!!!!」
玄関の方から聞こえてきたのは波平の怒号。
タラオ「やかましい親父です…」
タラオはいいキッカケだ、と布団を取っ払い、玄関に向かった。
499 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:46:53.91 ID:nWMC.kAO
波平「こんな遅くまで出歩いてからにッッ!!!」
タラオ「何事ですか…」
ひょい、と頭だけ覗かせ玄関を見ると、そこにはタコみたいに真っ赤になった波平に怒られているカツオと、
タラオ「(あれは…あの時の男です…)」
バツが悪そうにいる億泰であった。
500 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/11(水) 21:55:24.88 ID:nWMC.kAO
波平「何を考えているんだお前はッ!!!皆に心配かけおって!!」
カツオ「ごめんなさい…」
億泰「ま、まァまァ、おとうさん…カツオ君も反省してるようですし…」
止まる気配の無い波平の説教に、億泰が申し訳無さそうに言った。
波平「先生には関係ないことですッ!!!!」
億泰「は、ハイィィ〜〜〜!」
カツオ「(駄目だコリャ…)」
ピシャリ!と波平は億泰を一蹴し、再びカツオに説教を始めた。
この終わることが無いと思われた説教は40分程で一応の終息を迎え、
途中、ワカメは『眠いから』と自分の部屋に戻り、マスオは『会社の仕事があるから…』と逃げるようにいなくなり、億泰も『ペットのエサの時間なので…』と外に停めてあった車に戻った。
501 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/11(水) 23:36:39.76 ID:n2G9L1go
うお! 続きが書いてあるじゃないか!
502 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/13(金) 11:25:21.80 ID:R02n8UDO
次回作やってたのかwwwwww
503 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/13(金) 12:05:49.70 ID:zkfgZQAO
ジョジョエさん始まってたのかwwwwww
先生の作品がまた読めて嬉しいです!
504 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/13(金) 22:17:34.48 ID:RN8mMYQo
期待
505 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 22:47:47.53 ID:8hDqSwAO
〜億泰の車中〜
億泰「ふゥ〜〜……」
車に戻った億泰は、エンジンをかけ、教員を始めるにあたって、慣れない手つきで毎日締めているネクタイをけだるそうに緩めた。
億泰「学校戻って『後始末』しないとなァ〜〜。めんどくしェ〜〜〜」
ハンドルに手をかけ、シートベルトをしめようとした時、億泰はハッと気付いたようにポケットから携帯電話を取り出した。
506 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 22:56:15.44 ID:8hDqSwAO
億泰「そうだ……忘れるとこだったぜ」
押し慣れている感じで億泰は携帯の番号を押す。
億泰「…………」
とぅるるるるるるる
とぅるるるるるるる
億泰「!…あ、もしもし。…ハイ、ハイ……そうです」
億泰「やっぱり磯野は『スタンド使い』でしたよ」
億泰「……いえ、それはまだ何とも……」
億泰「わかりました。これからも磯野は注意して見張っておきますよ」
億泰「……ハイ…それじゃあ……」
億泰「承太郎さんも気ィつけて下さいよ…」
ピッ
億泰「…………」
億泰「二度と……二度とあんな事は起きさせねェ……!」
507 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:01:18.30 ID:8hDqSwAO
〜磯野家〜
薄暗い部屋の中、二人の男女が押し殺した声で会話をしている……
フネ「…お父さんったら…うっかりしすぎですよ」
波平「ムゥ……すまん」
フネ「サザエならまだしも……ワカメやカツオにタラちゃん、それにマスオさんがいる前であんな事を…」
波平「ああ、わかっている!!あやつらが知るにはまだ早過ぎる」
フネ「…………」
508 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/13(金) 23:01:29.30 ID:7c90bP.o
支援
509 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:05:19.39 ID:8hDqSwAO
波平「しかしカツオにはもう少ししっかりしてもらわんと困る!アイツはワシの後を継ぐ長男なんじゃからな…」
フネ「ええ……それに『今年』なんですからね……」
波平「………長かった……」
510 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/13(金) 23:07:59.10 ID:fQXaSfQo
sien
511 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:11:00.63 ID:8hDqSwAO
ギシ……
ギシ……
タラオ「ふわァ〜〜〜〜〜。です」
タラオ「オシッコしたいです」
タラオ「僕くらいの歳の子は『幽霊』とやらが恐くて一人でトイレに行けないようですけど僕はそんなことないです♪」
タラオ「………おや?です」
波平「…………」
フネ「…………」
タラオ「こんな遅くに電気も点けずなにやってるんですかね?」
タラオ「……はは〜ん、プロレスごっこですね?パパとママもたまにやるです」
タラオ「将来のために解説席横の特等席で技を学ぶですぅ♪」
512 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:16:53.34 ID:8hDqSwAO
波平「遂に……遂に……この時がやってきたのじゃ…」
フネ「………」
波平は掛け軸の前に行き、そっと掛け軸をめくった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
波平「我が磯野家に代々伝わる『矢』……」
波平「この時のために大切に守ってきた……」
波平「この時のために苦痛にも耐えてきた……」
波平が着物をずらすと、胸の辺りに小さな刺し傷があった…
フネ「子供達にも………」
波平「……………」
タラオ「掛け軸の裏にあんなものが隠されていたとはねぇ」
513 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:20:14.01 ID:8hDqSwAO
【4月9日】
〜磯野家〜
カツオ「行ってきます」
ワカメ「行ってきまぁ〜す」
マスオ「行ってきまーす」
波平「行ってくるよ」
サザエ「行ってらっしゃ〜〜い!」
フネ「行ってらっしゃいませ」
タラオ「行ってらっしゃいです♪」
514 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:30:30.11 ID:8hDqSwAO
サザエ「ふゥ!朝食の後片付けしないと!」
フネ「始めましょうか」
サザエ「…!」
サザエ「タラちゃぁん!!大人しくしてるよのォ!」
タラオ「分かってるです♪」
サザエ「そう!あー忙しいィ!」
サザエとフネはちゃぶ台の上に散乱した食器を持って台所へとかけていった。
タラオ「………」
タラオ「今のうちに『掛け軸』の裏に隠されていたモノをじいぃぃぃぃぃぃっくりと観賞させてもらうですゥ!!」
515 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:39:48.42 ID:8hDqSwAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
タラオが昨晩見た光景の通り、掛け軸の裏には古びた『矢』が置かれていた。
タラオ「こんなふうに隠してるってことはきっと『スゴイお宝』に違いないです!!」
タラオは『矢』を手にとる。
『矢』は所々、欠けていたり、黒ずんでいて、その、何と言うか、一言で言うとボロかったのだ。
タラオ「……けど僕にはゴミにしか見えないです」
『矢』は小さくかったが、タラオの手にはズシリと重たさが感じられた…
タラオ「……なんか不気味です」
タラオは視線を感じた。それは他でもない『矢』から…?
タラオの背中に言い知れぬ寒気が走った。
「タラちゃん!!!」
516 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:47:38.63 ID:8hDqSwAO
タラオ「ビクゥ!!」
タラオは慌てて『矢』を後ろ手に隠した。
サザエ「そんなところで何やってるの?」
タラオ「マ…ママですか……ちょっと散歩してたですよ」
タラオは安堵したッ!
もしフネに見られては『矢』で遊んでいた事がばれてしまうッ!こんなにも大事そうに隠していた代物だ。
それを勝手に触っていたと知ったらどうなるか……
それに…
サザエ「?そう。変な事しちゃだめよ」
タラオ「ハーイです」
タラオ「………」
タラオ「へへへ…です。この『矢』は古物商にでも売り払って小遣いの足しにするです」
517 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/13(金) 23:55:40.01 ID:8hDqSwAO
サザエ「あ、ちょっとどこ行くのタラちゃん!!?」
タラオ「諭吉さんに会いにいくんですッ!!」
サザエ「はあ??」
フネ「…………」
バンッ!
タラオは家を飛び出したッ!
『矢』を抱えてッ!
518 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/14(土) 00:03:03.42 ID:3O1.bcIo
wwktkwwktk
519 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/14(土) 00:09:29.39 ID:DEHltxso
タラヲ黒いなwwww
520 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/14(土) 00:16:22.48 ID:gOgQRIAo
このタラオは間違いなく線が太くなっている
521 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 21:29:31.75 ID:8ayQygAO
【4月9日AM・9:00】
友達と昨日みたテレビの話をしながら小学校に向かう小学生の集団も、
毎朝のヘドが出そうなほど窮屈な電車に会社に行くためにはしょうがないと駅に向かうサラリーマン達で賑わっていたこの道も、
9時を回ると早起きな年寄りの足音が聞こえるほど静かになる。
タラオ「……」
タラオ「僕はまだヤニも買えないようなガキだって事は分かっていますが、『矢』は『弓』が無いと意味が無いってことは知ってますゥ」
タラオが大事そうに抱えている『矢』は、タラオのピカピカの服とは正反対にとてつもなく古さを感じるものだった。
何百年も経っている。
そんな感じだった。
タラオ「まッ、僕にはどうでもいい事ですけどね〜〜〜〜」
タラオ「(だが僕はこれを『知って』いる……?脳裏をかすめちまうんだ…)」
522 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 21:33:26.67 ID:8ayQygAO
〜磯野家〜
サザエ「ったく、あの子ったらどこ行ったのかしらァ!」
サザエ「……?母さん?」
フネ「………」
フネ「………え?」
サザエ「どしたのボーッとして?」
フネ「あら…まだボケて無いわよ。何でもないわよ」
サザエ「そう……ならいいんだけど…」
サザエ「タラちゃん大丈夫かしら……」
フネ「すぐ見付かるわよ」
サザエ「?」
523 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 21:39:02.60 ID:8ayQygAO
掛け軸の間で『矢』が無くなっている事にフネは気付いた。
タラオがこんな何も無い部屋で何をしていたのか?
何を慌てて飛び出したのか?
答えは掛け軸をめくり、そこにあるはずのものが無くなっている事が全てを物語っていた。
フネ「なんてこと……ッ!あのガキャア………サザエにあれほど『掛け軸みたいなめくれそうなものはめくらせないように躾といて』と言ったのに……」
フネ「こんな事がお父さんに知られたら………」
524 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 21:42:55.76 ID:8ayQygAO
フネは着物の裾からポケベルを取り出した。
フネ「……フッ……時代は進んで携帯電話が今やこの日本の連絡ツールとしての天下をとっているが……」
フネ「あれほど足がつきやすい物もないわ……それに比べてポケベルは良い……」
525 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 21:48:19.68 ID:8ayQygAO
タラオ「でも、なんでこんな物を大事そうに保管してたんですかね〜〜〜?」
タラオ「『弓』も無いのに……まッ、僕にはどうでもいいですけどね〜〜〜〜」
タラオは上機嫌に鼻歌を歌いながら知り合いの古物商の家へと向かっていた。
なんでもソイツ(タラオと同い年)は家が代々古物商でこーゆうアンティークな物には目が無いらしい。
ブオォォォォォォ……
タラオ「?」
526 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 21:58:13.52 ID:8ayQygAO
タラオの後方、聞き覚えのある原付のエンジン音が聞こえたかと思うと、タラオの耳に、これまた聞き覚えのある声が聞こえた。
サブ「あッ、タラちゃんじゃない!」
原付を停め、ヘルメットを脱ぎながらサブ…三河屋はタラオに言った。
タラオ「サブ」
サブ「呼び捨て?……まぁ、その方が仲も深まるか!タラオ!どこいくんだい?」
タラオ「気安く呼ぶなです」
サブ「ぐッ……(我慢我慢、相手は子供だ……こんな時こそ得意の営業スマイル!)」
ニカァッ!
サブ「ハハハ!ごめんごめん、馴れ馴れしかったね!」
タラオ「何がおかしいんですか?僕は急いでるのでこれで…」
サブ「ちょ、まッ…(優しくしてりゃあつけあがりやがってエェェ〜〜〜〜)」
527 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 22:07:29.59 ID:8ayQygAO
タラオ「…無駄な時間費やしたです……あんなふうに人に愛想笑いふりまってペコペコして客掴もうとするヤツなんてキャバ嬢と変わらないです。僕はおしとやかなメガネを外したら実は美人タイプが好きなんです
サブ「タラちゃぁ〜〜〜〜ん!その大事そうに抱えてる『モノ』は何かなァ〜〜〜?」
タラオ「!?」
タラオ「こ、これは……『希望』ですよ!!」
サブ「『希望』…?」
タラオ「そ、そうです!!僕がこの胸に抱えてるのはいつだって未来への『希望』です!!」
タラオ「この世の中……殺人、学級崩壊、派遣切り、逆チョコ……僕みたいな弱いガキが生きて行くには辛過ぎる環境です……」
タラオ「でも、そんな世の中でも生きていく方法が一つだけあるんです!!!」
528 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 22:11:40.55 ID:8ayQygAO
タラオ「それは未来への『希望』を持つ事です!!!」
タラオ「僕はきっといつかは幸せな時代が来ると信じています……そして抱いているんです!!」
タラオ「いつだってこの胸に『希望』をッッ!!!」
タラオ「だから僕は進むです……この『希望』が示す未来へと…」
サブ「タラちゃん……」
サブ「ぺらぺらぺらぺらよくも回る口だよ感心したよけれど僕を騙すのだけは感心しないななぜならこの僕を怒らしてしまったんだからねタラちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」
529 :
◆Z62ETnTQww
[saga]:2009/03/14(土) 22:20:26.38 ID:8ayQygAO
サブは原付に乗ると、毎日の運転のおかげで身についたプロ級のドライビングテクであっという間にタラオの前につけ、
タラオの足を持ち上げたッ!
タラオ「な、何するですッ!離せですゥッ!!」
サブ「大人しくしろガキッ!大人を舐めた罰は大きいぜェ〜〜〜〜!!」
タラオ「あっ!!」
サブ「やはりッ!!ババアの言ったとおりだぜェ〜〜〜」
サブ「『矢』ッ!!」
タラオ「その薄汚い手を離すですゥ〜〜〜〜!!」
サブ「しつこいガキだッ!!離せコラァッ!!」
タラオ「こんな『金の成る木』を離すほどバカじゃないですウゥゥゥゥゥ!!」
サブ「なんて欲の皮の突っ張ったガキだッ!親の顔がみてやりたいッ!!」
530 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/15(日) 00:22:38.72 ID:TCYGCHYo
親の顔見たことあんだろサブwwwwwwww
リアル遭遇できず・・・
531 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/15(日) 10:53:04.65 ID:I8ho4hA0
期待
532 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/18(水) 00:32:38.45 ID:dylkLS6o
期待
533 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/19(木) 13:43:01.33 ID:mp5YHwAO
先生マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン
534 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/21(土) 22:56:03.10 ID:0dHGJNIo
期待
535 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/23(月) 12:12:39.53 ID:Lkg4UfA0
期待
536 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/23(月) 12:39:29.84 ID:s87sTJs0
タラオにいらつかない!
不思議!
537 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/24(火) 16:45:55.75 ID:/Arzp0go
期待
538 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/24(火) 16:55:31.88 ID:MBWfkY2o
期待ん
539 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/26(木) 19:58:10.44 ID:k6Pj9ng0
期待
540 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/28(土) 08:20:45.70 ID:Dlw3cYAO
( ゚∀゚)о彡°早く!早く!
541 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/03/30(月) 18:19:27.23 ID:VT9.DT20
先生マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン
542 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/04/02(木) 23:01:31.46 ID:VoWCbwAO
続きマダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
543 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/04/07(火) 13:37:45.33 ID:s/WIaqIo
まっだかなまっだかなー
544 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/09(木) 00:48:46.68 ID:sOAVVE6o
wwktk wwktk
545 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/09(木) 21:13:14.98 ID:E5.DWfMo
エタった
546 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/11(土) 23:37:51.13 ID:VVLfadUo
今vipでやってるのはここの作者じゃないの?
547 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/12(日) 00:36:35.63 ID:ifo8slko
>>546
俺のwktkを返せ
548 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/04/16(木) 13:20:18.08 ID:J52.bLko
まだまだまってるよ!
549 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/24(金) 17:48:58.41 ID:R32gQ/oo
パー速が荒らされてたけど
ここは荒らされなかったんだな
550 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[!蒼_res]:2009/04/26(日) 00:00:58.55 ID:DSWUn6Uo
中島「磯野から大麻のにおいがする…」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240597515/
551 :
♯いちいち
[saga]:2009/04/26(日) 22:20:35.46 ID:pauRaQAO
タラオ「こ…この……」
タラオ「離すDEATHッ!!」
バッ!
スルリとサブの剛腕から逃れることに成功したタラオ。
タラオ「アンタみたいな変態野郎は直ちに社会的制裁を受けるべきですゥ〜〜〜!それが世の常ってもんですゥ!!」
サブ「へぇ〜〜〜〜、タラちゃん難しい言葉を知ってるねェ。ふむ。ふむ。それでその『社会的制裁』ってのは一体なんだい?」
タラオ「ハッ!その余裕しゃくしゃくのマヌケ面が泣きっ面にサブに変わるのも時間の問題です!!」
サブ「!」
サブにも見える。タラオの自信の根拠が。
すぐそこを歩いているのは制服を身に纏った国家の従順な犬!法のしもべッ!
巡査「………」
パトロール中の警察官であったッ!!
タラオ「サブゥ……、終わりです」
552 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/26(日) 22:31:44.18 ID:pauRaQAO
サブ「おいおい……まさか……」
一瞬歪むサブの顔。
それに合わせてニヤリとタラオの口角が上がるッ!
タラオ「今の内にケツの穴をよく洗っておいたほうがいいですよ。豚箱では最低限のマナーですからね」
ダダッ!
そう言い残してタラオは巡査の元へと走り出したッ!
昨今、児童が誘拐されるという事件が多発している。タラオが大人の男に乱暴されたとなれば、警察もマスコミも黙ってはいないだろう。
サブ「待つんだッ!!」
タラオ「待ったないでーーーす♪(ククク……明日の朝刊が楽しみです♪)」
タラオ「お巡りさーーーーーん!!変態原付き男が僕の体をまさぐってきたでーーーす!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
サブ「タラちゃん……」
サブ「僕は『待て』って言ったからね…」
553 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/26(日) 22:31:53.48 ID:ZfoN/NYo
来た…ッ! そして鳥バレッ!!!
554 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/26(日) 22:37:40.41 ID:pauRaQAO
巡査「え?何だって?」
タラオ「だーかーらーDEATH!あそこにいる変態原付き男がいやらしい手つきで僕の体を…」
巡査「何……?」
タラオ「だから捕まえてください!そんでもって沢山テレビに映してください!二度と社会で幸せを得られないようにしてください!!」
巡査「よし、わかった……。君も大変だったね」
タラオ「全くデス!(これでサブも終わりですゥ〜〜)」
カチャ
巡査「今、楽にしてあげるからね…」
タラオ「えっ!?」
555 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/26(日) 22:45:11.56 ID:pauRaQAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
巡査「………」
タラオ「な……な…」
巡査「………」
タラオ「何で安全装置を外した拳銃を僕に向けてるですかァーーーーーーッッ!!?」
ドドドドドドドドド
巡査「ふゥ〜〜〜、ふゥ〜〜〜〜〜」
タラオ「拳銃はサブではなく僕を狙っている!!何をしてるんだコイツはァ!?」
巡査「ふゥ〜〜〜〜、ふゥ〜〜〜〜、落ち着け……訓練通りに……」
タラオ「僕がッ!!すべきことはッ!!冷静に状況を判断することでもなくッ!相手の思惑を探ることでもなくッ!
ただ『逃げる』だけですッ!!」
巡査「ふゥ〜〜〜〜、フッ!!!」
ズキュウウウウゥゥゥゥゥン!!
556 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/26(日) 22:50:22.85 ID:pauRaQAO
タラオ「あ…」
タラオ「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!です」
タラオ「そんな…撃たれた…本当に撃たれたですか…?」
銃弾が醜く肉をえぐった左腕を抑え、もがくタラオ。
タラオ「確かに僕は撃たれたらしいです…。しかし何故…」
タラオ「……い…痛いですゥゥ……」
557 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/26(日) 23:07:11.19 ID:pauRaQAO
サブ「可哀相なタラちゃん……」
サブの乾いた、そして心の底から愉しそうにあげる笑い声が朝の住宅街にこだまする。
タラオ「サブ……サブの野郎……あいつが何か吹き込んだですか…?」
タラオ「そんなことよりここから逃げないと……!」
巡査「どどどどどこへ行くんだァァァァァァァァァ!!!」
ズキュウウウウゥゥゥゥゥン!
ズキュウウウウゥゥゥゥゥン!
タラオ「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
558 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/26(日) 23:16:16.47 ID:pauRaQAO
ドドドドドドドドド
タラオ「何かがおかしいッ!!この『矢』と出会ってから!」
タラオ「人間とは恐ろしいものです…。死を覚悟しながらもこの『矢』を手放さない僕。子供の勘ですが…」
タラオ「この『矢』は僕が思っている以上に価値のあるものですッ!!サブの異常な程の執着……それで確信したです!」
タラオ「これこそが僕の求めていた感覚…ッ!」
タラオ「『スリル』!!」
タラオ「『ワンダフル』!!」
タラオ「『アブノーマル』ですうぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
559 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/27(月) 00:15:04.34 ID:6R52IHEo
乙
560 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/27(月) 00:30:07.18 ID:gu/vOnUo
乙だ!!
561 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/27(月) 07:43:20.78 ID:lz80/e6o
乙!
562 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/27(月) 22:29:25.34 ID:oqRXs2AO
ドドドドドドドドド
サブ「おやおやァーーー、タラちゃん、腕を撃たれちゃったかァ〜〜〜」
サブ「しょうがないかァ、タラちゃん、悪い子だもんねェ〜〜〜〜」
ニタァ〜
サブはねっとりとした笑みを顔に浮かべる。
道路に点々と続くタラオの血痕に沿って原付きを動かす。
サブ「この世の中は悪い子には厳しい!
それを身をもって味わうがいいさタラちゃんッ!!」
巡査「……………」
サブ「…おっと、僕もそろそろ行かないとね。この調子じゃあ楽に『矢』は手に入る。僕は高みの見物としゃれこもうか」
563 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/27(月) 22:36:48.28 ID:oqRXs2AO
タラオ「ハァーーッ、ハァーーッ」
その頃、タラオを傷付いた腕を庇いつつ、商店街へと足を踏み入れていた。
通行人「……ジロジロ」
通行人「ジィーー…」
タラオ「ジロジロこっち見てんじゃないですダボハゼ共ッ!!」
タラオ「チッ…確かにこのままじゃ人目につきすぎるです…」
タラオ「やはり一度家に帰って病院に行った方が……」
タラオ「……」
タラオ「だ め で す」
タラオ「そんなことしたら『矢』を取り上げられてしまいます。それなら死んだほうがマシです」
564 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/27(月) 22:45:25.55 ID:oqRXs2AO
主婦「…………」
タラオ「?」
思索を巡らせていたタラオは、自分に向かって近付いてくる生物を察知した。
それはどこにでもいる主婦。
スーパーの袋をぶら下げ、足には履き古したサンダル、髪はパーマがとれかかり化粧のノリも悪い。
タラオ「何ですか……?」
主婦「ジィーーーッッ」
タラオ「見世物じゃねェゾォーーーッ!!!今時のガキは腕から血ぐらい流すDEATHUUUUUUUU!!」
主婦「………」
主婦「キイィィィエエェェェェェェ!!!!!」
565 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/27(月) 23:03:04.74 ID:oqRXs2AO
刹那、振り下ろされる果物ナイフッ!
タラオは反射的に身をよじらせ、それをかわす!
タラオ「な……」
主婦「ヒーー、フーーッ」
タラオ「殺す気かァァァァーーーーーー!!??」
主婦「悪いやつには罰を与えなければ……罰を与えなければ…」
タラオ「シット……いかれてやがるです…」
566 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/27(月) 23:10:17.89 ID:oqRXs2AO
通行人「………」
通行人「………」
タラオ「…………」
タラオ「何をボサッと見てるですかァ〜〜〜〜。今ッ!コイツは僕に向かってナイフを振り下ろしたのですッ!!早くサツを呼ぶですゥーーーッ!」
タラオ「!?」
気づくと商店街に居た人々はタラオの周りへと集まっていた。
何かにとり憑かれたかのようにタラオを見つめ…
通行人「…………」
通行人「捕まえろ……悪いやつには罰を与えろ……」
通行人「そうだ…罰を……」
タラオ「バ……バカなァ〜〜〜〜ッ…僕が何をしたというのですかァ!?」
567 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/28(火) 00:07:10.52 ID:IeFR9NUo
正直帰ってくるとは思わなかったぜwwww
紫煙
568 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/28(火) 20:38:49.54 ID:z1OzAkAO
通行人「アンギャアアーーーー!!!」
小学生「死ねやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
老婆「お国のためにイィィィィィィィィ!!!!」
タラオ「な、何をするだァーーーッ!!」
何が何だか理解出来ないタラオに容赦無く襲い掛かる人々ッ!
タラオは背が低いことを生かし上手くすり抜けていたが、次々に群がる人、人、人。
タラオ「だ、だめです……『ふくらはぎ』がパンパンです…」
ブオォーーン…
タラオ「あッ!?」
タラオは半ば諦めかけていた。その時、一台のタクシーが通りかかったのだ!
569 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/28(火) 20:43:20.20 ID:z1OzAkAO
タラオ「HEYッ!HEYッ!タクシーッ!!」
タラオはタクシーに向かって必死に手を挙げ合図を送った。
キキィーッ
タラオ「よ、良かったです、停まった…」
タラオ「このタクシーは郊外ナンバーですッ!ここを通ったのも偶然に過ぎませんッ!サブと裏で話を合わせている可能性は低いです!!」
ドアが開いたのを確認したタラオは滑り込むようにタクシーに乗り込む。
570 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/28(火) 20:55:03.43 ID:z1OzAkAO
バタムッ!
タラオがシートに腰掛けるとドアが勢いよく閉まる。
タラオ「タクシーか……なかなかのパワーとスピードだ」
運転手「……ボクゥ、お金持ってるのォ〜〜〜?嫌だよォ、行くとこまで行って『すみません、お金無いです』は。温厚な僕でも怒っちゃうよ〜」
タラオ「ブツブツ言ってないでハンドルを握れ……!運転してもらおう…」
タラオはポケットからくしゃくしゃの一万円札をちらつかせた。
家を出るときにフネのサイフからくすねてきたのだ。
運転手「……今時の子供は金持ちですねぇ〜〜〜 」
571 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/28(火) 21:01:36.58 ID:z1OzAkAO
運転手「行き先はァ?」
タラオ「そうですね……とにかく遠くへ」
運転手「遠くねぇ…」
タラオ「早くするですッ!!!」
運転手「はいはい……」
オオォォォォ……
オオォォォォ……
運転手「!」
タラオ「しまったッ!!囲まれたッ!?」
572 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/28(火) 21:13:49.21 ID:z1OzAkAO
運転手「な、なんだコイツらはァーーッ!?」
通行人「オオォォォォ……」
タラオ「まるでラクーンシティですね……。運転手ッ!!早く車を発進させるですッ!!」
運転手「む、ムリに決まってんだろッ!!車道はこいつらで通れるスペースなんてありゃしねぇ!!」
タラオ「歩道が広いではないか……行け」
運転手「ほ、歩道〜〜〜!?それでも人は歩いているんだぞォ!!」
確かに車道よりは人口密度は低かったが、それでも歩道にはまばらに人の姿があった。
タラオ「関係ない。行け」
573 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/28(火) 21:14:27.41 ID:j7LwFSQo
kiteta
574 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/28(火) 21:17:22.29 ID:z1OzAkAO
通行人「オオォォォォ……」
遂にタクシーの周りを囲んでいた通行人はタクシーを揺らしはじめたッ!
グラグラ
運転手「洗車したばっかりなのだぞォーーーッ!!!」
タラオ「このままではアンタも死ぬです」
運転手「チ……チクショオォォォォォォ!!!!」
運転手がアクセスを踏み込むッ!
激しくエンジンが音を立て、車は飛び出すッ!
575 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/29(水) 08:54:13.57 ID:b59cZvUo
期待
576 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/29(水) 17:24:00.20 ID:7bjudQ2o
期待
577 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/29(水) 20:46:11.99 ID:b59cZvUo
期待ですぅ
578 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 12:39:09.24 ID:jMkMJIAO
通行人「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
人間の知恵と技術の詰まった夢の動く箱、自動車は恐ろしいパワーとスピードで通行人を薙ぎ倒した!
タラオ「1Hit!2Hit!3Hit!!いいです、このまま夢の連続100コンボを目指すですうぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
運転手「…………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
579 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/04/30(木) 14:21:33.60 ID:sFkyGu2o
お、きていたのか
580 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 18:40:20.06 ID:jMkMJIAO
運転手「…………」
タラオ「スピードが落ちているぞ。飛ばせ」
ギュイン!
ド ド ド ド ド ド ド ド ド
通行人「WAAAAAAAA!!!」
通行人「ギャーーース!!!」
タラオ「HAHAHAHAHA!!良いですッ!飛ばすですッ!気持ちがイイィ〜〜〜〜〜ですゥ!!」
運転手「クイッ」
タラオ「ハハハハハハハァーーー………ハーァ?」
運転手「………」
タラオは我が目を疑った。今自分が乗っている車が明らかに進路を変え、その巨体を電柱にぶつけようとしているのだ。
581 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 18:43:14.26 ID:jMkMJIAO
タラオ「き…」
タラオ「貴様何をやっているウゥゥゥゥゥ!?!?」
運転手「…お客さん、サービスですゥ〜〜〜。お代は結構ですのでェ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
サブ「ぶつかって死ねよ。タラオ…」
582 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 18:48:29.87 ID:jMkMJIAO
ドゴオォォォォン!!!!
サブ「終わったな……呆気ない」
サブ「『矢』は無事かな?…まあ報酬は前払いでタンマリ貰ってる。この金で海外にでも行かせてもらうぜ。
二度とクソみたいな三河屋の仕事をしないでいいと思うとスゲーッ爽やかな気分だぜ。新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーによォ〜〜〜〜〜〜ッ」
583 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 19:02:08.56 ID:jMkMJIAO
サブ「………」
プスプス…
タクシーは電柱にぶつかった衝撃で運転席はめちゃめちゃで既に原型は留めてなかった。
衝撃で開いたのだろうか、運転席のドアの隙間からぶらりと垂れた運転手の血まみれの腕が、
このタクシーだったものの中に生存者がいるという可能性を限りなく0にしていた…
サブ「………」
サブ「念には念を入れとくとするか。磯野家の血統は頭をかちわってもヘラヘラ生きてそうだからな。
死んだように見せかけてだましているかもしれん」
ドシュウゥゥゥン!
サブ「我がサブは常にパーフェクトであるッ!この『ソルジャー・ボーイ』で『それ』は揺るぎないものとなったッ!」
584 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/30(木) 19:03:25.44 ID:JlWEPQAo
支援
585 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/30(木) 19:18:15.01 ID:LWa8fmso
支援
586 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:07:44.60 ID:jMkMJIAO
ドドドドドドドドド
サブ「我が『ソルジャー・ボーイ』はァッ!!」
サブ「『敵』を発見すれば必ず仕留めるッ!!」
サブ「周りの人間達はソイツを『敵』として認識しッ!!盲目的にただ、ひたすらに、『敵』を追い詰めるッ!!」
サブ「命令は簡単なものしか遂行出来ないが、『敵』を始末するには充分ッ!」
サブ「これが『ソルジャー・ボーイ』の『能力』ウゥッ!!!」
サブ「ババアには感謝しないといけねぇな。あの『矢』で刺されたおかげで俺はパーフェクトになれた」
サブ「『ソルジャー・ボーイ』、タラオにパーフェクトなるとどめを……」
サブ「刺せ!!!」
587 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/04/30(木) 20:08:37.69 ID:47NJ4Aw0
大気
588 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:12:12.80 ID:jMkMJIAO
通行人「タラオォォォォォォォォ…」
通行人「タラオォォォォォォォォ…」
サブ「よし。忠実なる『兵士』達よ」
サブ「命令を遂行しろォーーーッッ!!」
通行人「キシャアアァァァァァァ!!!」
『ソルジャー・ボーイ』の『能力』によってサブの忠実なる兵士になってしまった通行人達は破壊されたタクシーに群がり!
通行人「オオォォォォ!」
ズル…
車内から血まみれのタラオを引きずりだしたッ!
589 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:20:31.63 ID:jMkMJIAO
タラオ「…………」
車内から道路に引きずりだされたタラオの肉体から命あるもの輝きを感じることは難しかった。
サブ「ふむ…」
サブ「タラオは完全に死んでいる」
サブ「念のため首をはねて確実なる安心という形にしておくか」
サブはタラオに近付き、『ソルジャー・ボーイ』の鍛えぬかれた手刀をタラオの首にかざした。
サブ「『ソルジャー・ボーイ』は純粋な肉体的能力は高水準だ。この手刀でお前の首は俺のリビングに飾られる事になる」
ブオォン!
『ソルジャー・ボーイ』の手刀は振り下ろされ、
ドシュオゥ!
ゴロ…
タラオの首を切断したッ!
590 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:24:32.89 ID:jMkMJIAO
ドドドドドドドドド
サブ「フ……任務完了」
サブ「……ヒ…」
サブ「ヒャハハハハハハハハハハ!!!」
サブ「やっちまったァ〜〜〜、遂に人を殺しちまったァ〜、案外なんてことないなァ♪」
サブは腹を抱えて笑った。
サブ「ヒャハハハハハハハハハハァーーーッ!ヒィーヒッヒッヒッ……苦しい…癖になりそうだぜェ〜〜〜〜♪」
591 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/30(木) 20:27:08.07 ID:JlWEPQAo
支援ぬ
592 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:28:56.09 ID:jMkMJIAO
サブ「お……そうだそうだ、あのクソガキの頭を戦利品として持って帰らないとな」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
サブ「………」
サブは口をポカンと開けて目の前のタラオを見た。
サブ「し…死体が……ねぇ……」
だがそこにタラオはいなかった。
それに加え、切断した首から噴き出した血液すらも無かったのだ。
593 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:32:57.93 ID:jMkMJIAO
サブは首を乱舞させ周囲にタラオがいないか捜した。
自分が操っている人間がタラオの死体を持っているんではないか。
その可能性も考えていたが周りの人間はただ棒のように立ちつくしているだけだった。
サブ「ど…どこだ!どこに消えたッ!どこに消えたのだァーーーッ!!」
タラオ「こっこでーす」
サブ「はっ!?」
594 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:38:38.28 ID:jMkMJIAO
ドドドドドドドドド
サブは声を頼りに後方を見たッ!
そこにいたのは紛れも無いタラオッ!
首をはねたはずのタラオッ!
確かに死んでいたはずのタラオッ!
だがそこに立っているタラオは多少服に血が滲む程度のいたって健常なタラオであった!
サブ「て、テメェ……テメェも『スタンド』を……!!」
タラオ「ふぅーん」
ドドドドドドドドド
タラオの横に、真っ黒なバットマンのような男が立っていた。
タラオ「『スタンド』って言うんですか、コレ」
595 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:46:11.24 ID:jMkMJIAO
サブ「ス、『スタンド』…!!」
タラオ「しこたまやってくれて……大事な服に穴があいたです」
サブ「(聞いてねぇぞ、タラオが『スタンド』持っているなんてよォーーー。……落ち着け…平常心だサブ……戦場では心を乱した者から死ぬ……素数を数えて落ち着くんだ…)」
タラオ「来週のサザエさんは」
サブ「!!」
タラオ「サブ、ミンチになって死ぬ。
サブ、粉みじんになって死ぬ。
サブ、頭をブッ飛ばされて死ぬ。
の三本です♪」
サブ「く…クソが…」
タラオ「どれがいいですか?」
サブ「決めたァーーーッ!!!答えは4!!お前が俺に殺されてハッピーエンドだあぁぁぁぁ!!!」
タラオ「やれやれです」
596 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:51:36.12 ID:jMkMJIAO
ガシィィッ!!
タラオは息を殺して近付いていた通行人二人に羽交い締めにされたッ!
サブ「連携攻撃だァーーーッ!!『ソルジャー・ボーイ』!!」
間髪入れずにサブはタラオに向かって走り出し、『ソルジャー・ボーイ』の剛腕をタラオの腹に食い込ませたッ!
サブ「今度こそ終わった!!!」
タラオ「僕はここですよー」
597 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 20:55:39.76 ID:jMkMJIAO
ドドドドドドドドド
サブ「タ、タラオが二人…?」
タラオ「僕は一人でーす」
気付くと『ソルジャー・ボーイ』の腕が貫通したタラオは消えていた。
サブ「リアルだった、腕に伝わる肉と血の感触はリアルだった…!」
タラオ「凄いですね〜、『スタンド』って。実に馴染むッ!!」
598 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 21:01:55.77 ID:jMkMJIAO
サブ「自分の偽物を作り出す『能力』かッ!!タラオッ!」
タラオ「違うですよ」
サブ「何がッ!」
タラオ「現れるのは紛れも無い僕自身ですぅ」
ドドドドドドドドド
タラオ「ホラ」
タラオ「こいつも僕で僕もこいつです」
現れたもう一人のタラオは『本物』のタラオと何を変わりなくサブに声をかけた。
599 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/30(木) 21:26:42.58 ID:BV6ufcAo
紫煙
600 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 21:36:52.04 ID:jMkMJIAO
サブは混乱するッ!
タラオが『スタンド』を土壇場で発現させたことに!
タラオが二人いることに!
そして現れたもう一人のタラオが『本物』のタラオと何一つ変わりなく言葉を交わし、笑っているのがサブの不安に拍車をかけたッ!
現れる『タラオ』は動くことは出来ないと思っていたのだッ!
601 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 22:51:30.09 ID:jMkMJIAO
タラオ「サブゥ〜、ヒドイ顔ですねぇ」
タラオ「今までよくもいたぶってくれましたね。そろそろ僕の番です♪」
二人のタラオがまるでステレオのように同じ事を喋る。
小悪魔のような笑顔も同じだ。
シュバァ!!
二人のタラオは同時にスタートを切り、ジグザグに入れ代わりながらサブ目掛けて走り出した!
タラオ「いっくでーす♪」
タラオ「殺っるでーす♪」
602 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 22:57:48.87 ID:jMkMJIAO
サブ「へ、兵士どもォーーーッ!!!タラオを止めろォォォォォォォォ!!!」
通行人「タラオ……」
通行人「二人いる…」
通行人「どっちがタラオ…」
サブ「どっちもタラオだァーーー!!!どっちもだ!!どっちも止めろォ!!」
通行人「どっちも…」
通行人「オオォォォォ!」
タラオ「所詮は」
タラオ「一般人」
タラオ「いなすのは」
タラオ「簡単です」
タラオは通行人の波状攻撃を気にも止めずにサブだけを見据えて走る!
603 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 23:03:22.30 ID:jMkMJIAO
シュッ!
シュッ!
小動物のようなチョコマカした、しかし素早い動きでサブを翻弄するタラオ達!
その距離1m!!
タラオ「一瞬です…僕が『スタンド』を発現し、サブがそれを認識した時、僕の『スタンド』はサブをミンチにした後です」
サブ「や、やめ……」
ドゴッ
タラオ「……!」
サブ「やっぱガキだよ、お前」
604 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/04/30(木) 23:22:14.23 ID:jMkMJIAO
サブ「大事そうに抱えているその『矢』……それはコピー出来なかったみたいだな。テメェの『矢』を離したくないという欲望が敗因だ」
サブは腕をゆっくりと引き抜く。
ズル…
タラオの服のしたから『矢』がこぼれ落ち、地面に落ちる前に消えた。
サブ「え?」
605 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 13:05:39.34 ID:maJxisAO
サブはゆっくりと、タラオの腹に貫通した『ソルジャー・ボーイ』の腕を引き抜いた。
ズルリィ…
サブ「例えテメェが自分自身を作り出す事が出来たとしても、自分自身を変えることは出来ないッ!そうだろッ!?」
サブ「その証拠にィ!テメェはッ!もう一人のタラオより服に染み込んでいる血液の量が多いッ!!
これから導き出せる答えはただ一つゥッ!!『タラオ』!テメェが本物だァッ!!!」
腹にポッカリと穴の開いたタラオはその場に膝をつき、
タラオ「あ……ああ…」
タラオ「引っ掛かったです」
フッ
消えてしまった。
サブ「…………」
606 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 13:06:55.88 ID:maJxisAO
ミスッたw
>>605
が本筋になります。
>>604
は忘れてやってくださいw
607 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/01(金) 13:08:48.13 ID:iU8873Yo
支援
マイペースでいいよ
608 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 13:16:10.78 ID:maJxisAO
タラオ「僕の『能力』は分身を作り出すことじゃあありません」
タラオ「5秒前までの僕を実体化させる『能力』ですゥ」
タラオ「今アンタが殺したタラオは、アンタに向かって僕が走り出す直前に生み出した5秒前の僕ですゥ」
サブ「じゃ、じゃあ服に染み込んだ血液の量が多かったのは何故だ…」
タラオ「まだわかんないですかね、過去の僕だって『血』ぐらい流しますよ。アンタがもう一人の僕の首をはねた時だって噴水みたいに血が出たでしょ?」
タラオ「そして何故僕達二人はジグザグに交差しながらアンタに向かったのか…まさかどっちが本物かわからなくするためだと思ってましたか?」
サブ「ち、違うのか」
タラオ「ハァーーー、そんなこと今時幼児でも考えませんよ」
タラオ「あの交差した瞬間、僕は『もう一人の僕』を傷つけたんです。死なない程度に」
サブ「なッ…」
609 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 13:21:47.41 ID:maJxisAO
タラオ「幸運な事に過去の僕は痛みを感じないようですね。まッ、やり過ぎたら消えてしまうですけどねェ〜〜」
タラオ「そうしてもう一人の僕は血を流す…僕より多くのね」
サブ「お、俺は罠にハマったというのか……こんなガキのッ!!」
タラオ「もしかしたら両方の僕に攻撃されてたら危なかったですけどね」
タラオ「しかし僕には自信があったッ!
アンタみたいにパーフェクトを好む男はあてずっぽうで攻撃することはない、自分の推理のパーフェクトさに溺れて攻撃してくると」
タラオ「間違った推理だとも知らないでねェェ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
610 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 13:30:52.14 ID:maJxisAO
サブ「お…俺はパーフェクトなんだ…」
サブ「パーフェクトに任務を遂行して報酬で海外に行って、ロスがいいな……カジノで更に金を増やして、キャメロン・ディアスとかアン・ハサウェイとかハリウッド女優を家に呼んで…
あ、あんなボロっちい原付きは海にでも棄ててよ…車を買うんだ、真っ赤なポルシェなんかがいいな…」
サブ「……そうだ、俺にはパーフェクトなビジョンがあるんだ、パーフェクトビジョンが…」
サブ「それをこんなガキにぶっこわされるなんてよォ…」
サブ「誰だって嫌だよなァーーーッ!!!俺だって嫌だァァァァァァァ!!!!『ソルジャー・ボー」
タラオ「それじゃああの世で夢を叶えるですゥゥゥゥゥタラタラタラタラタラタラタラタラタラタラタラァァァッシュ!!!!!」
611 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/01(金) 13:42:28.76 ID:pTnavqIo
タラタラwwwwwwwwww
612 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 13:45:32.28 ID:maJxisAO
サブ「ぐぼおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!」
ドサッ
タラオ「フゥーーーーーー」
タラオ「まだまだ人生も捨てたもんじゃないですね」
サブが死亡したことによって、『ソルジャー・ボーイ』の能力によって操られていた通行人達は正気を取り戻し、皆、思い思いに商店街の惨状に困惑し、恐怖した。
タラオ「そうですゥ、コイツにも名前をつけてあげないとです」
タラオは『スタンド』を観察し、今までの過去の記憶を絞り出し、総合的に考え、決めた。
タラオ「『ラスト・デイズ・オブ・エイプリル』にするです♪」
タラオ「真実なんて最期の日までわからないです。でも僕は『知る』です。『コイツ』を使ってッッ!!!!」
三河屋のサブ→『ソルジャー・ボーイ』
死亡
タラオ、スタンドに覚醒し、『ラスト・デイズ・オブ・エイプリル』と名付ける。
この後、ケガを治療するため文房具店に行く。
TO BE CONTINUED→→
613 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 14:16:02.85 ID:maJxisAO
〜これまでのスタンド〜
【スタンド名】ソルジャー・ボーイ
【本体】三河屋のサブ
【破壊力】A
【スピード】B
【射程距離】2m(能力は100m前後)
【持続力】B
【精密動作性】C
【能力】
「周囲の人間を操る(スタンド使いは操れない)」
「操られた人間は本体が指定した『敵』に向かって攻撃する」
「簡単な命令も聞ける」
614 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 14:22:44.05 ID:maJxisAO
【スタンド名】ラスト・デイズ・オブ・エイプリル
【本体】タラオ
【破壊力】B
【スピード】A
【射程距離】2m(能力は本体から半径1m)
【持続力】C
【精密動作性】B
【能力】
「本体の5秒前過去の自分自身を生み出す」
「生み出された自分自身はスタンド能力は使えない」
「自分自身は本体と同じように言葉を発し、笑い、血を流す。ただ本体の命令には絶対服従」
615 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/01(金) 14:25:57.38 ID:maJxisAO
ふゥ…まさか二話を終えることが出来たとは。
これもずっとまっていてくれた皆のおかげです。
616 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/01(金) 14:36:39.16 ID:gkdh4pQo
乙なんだぜ!!毎日まってたかいがあった……
617 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/01(金) 17:02:54.99 ID:2YLxqlko
乙
618 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/01(金) 20:45:26.62 ID:iU8873Yo
乙
619 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/01(金) 20:55:28.82 ID:nqZhKcso
乙
620 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/01(金) 22:30:14.91 ID:JRiJRQoo
乙!
621 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/02(土) 00:39:56.19 ID:ivUuliEo
乙!
第三話に期待
622 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/02(土) 02:36:50.88 ID:S3Vs4nwo
オツオツオツオツオツオツオツオツーッ!!
623 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/02(土) 10:08:36.76 ID:H72OH5Eo
乙
624 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/03(日) 10:48:54.07 ID:GiLTJ460
乙!
625 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/05(火) 23:38:32.62 ID:1bykPIAO
第三話「無垢な恐怖」
【4月9日PM13:30】
〜磯野家〜
フネ「約束の12:00も一時間以上過ぎた…」
朝の家事を一通り終えたフネは、居間でポケベル片手に渋い茶をすすっていた。
サブとタラオの激戦もつゆしらず…
いや、フネには全てがわかっているのかもしれない。そんな風に思わせることが出来るのはやはり年の功とでも言うのだろうか。
サザエ「タラちゃんったら…どこ行ったのかしら…」
大きな溜息をつくサザエ。
無理も無い。
サザエ「タイ子さんの所に電話してみるわ、母さん。もしかしたらお邪魔しているかもしれないし…」
626 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/06(水) 00:03:28.89 ID:5C08xoAO
サザエが小走りで廊下の黒電話の元へ行ったのをフネは目で追い、ちゃぶ台の上に置いてある茶を口に含んだ。
ズズゥ〜〜〜〜
フネ「『サブ』は殺られた……!そう考えて差し支えないだろう!」
フネ「タラオは今朝、掛け軸の裏から『矢』を盗み、逃亡している途中にサブに襲われ、その戦いの中『スタンド』に覚醒したッ!」
フネ「こうなることは予想出来たはずなのに…ッ!頭の片隅の記憶を重箱の隅を突くよーに記憶を思いおこせば予測は可能であった…ッ!私のミス…私の責任!!
こんなことで我が磯野家の永年の『夢』を台なしになどしてはならないッ!
私はどんな手を使ってでも…『矢』を取り戻さないといけない…」
フネ「タラオも………」
627 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/06(水) 00:34:50.26 ID:ZXgBAF2o
支援あげ
628 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/06(水) 00:39:55.53 ID:5C08xoAO
〜学校・カツオの教室〜
億泰「〜〜〜で、あるからにして……あれ?違ったかな…?あれェ、ここをこうしてこうなって…(クソォ〜〜〜いくつになっても教師になっても『算数』だけは苦手だぜェ〜〜〜)」
カツオ「…ふぁ〜〜あ」
給食、昼休みの後の授業ほど眠たくなるものはない。それ以上に億泰が教える算数の授業ってのも悪い(全くもってわかりづらい)。
カツオ「……」
……あの『事件』の後からカツオの頭の中にはいつも疑問が渦巻いていた。
『スタンド』とは、用務員が言っていた『言葉』の意味とは。
他にもカツオにはどうしても答えが気になる事がいくつもあったが、それも今日、全てハッキリすると思うと、このつまらない授業も何だか楽しく思えた。
629 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/06(水) 00:51:23.83 ID:5C08xoAO
朝、カツオはHRが終わった後に億泰に尋ねた。
カツオ「昨日言っていた…『全て話してやる』ってのは本当ですか?…本当なら教えてくださいッ!僕の頭じゃ全然整理出来なくて、どうにかなりそうなんですッ!!」
億泰「カツオ……あ、カツオって呼ばせてもらうぜ。そのほうが親近感?ってのが沸くだろォ?
その話なんだが、今は言えねェ。そんな早く済む話じゃあねえし、誰かに聞かれても面倒な話だしよ。
だから今日の放課後、校門で待ってろ。ゆっくり話してやるからよ……。
だからちゃんとマジメに授業受けるんだぜ?」
億泰はポン!とカツオの肩を叩き、陽気に通りすがる女教師に挨拶していなくなった。
630 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/06(水) 02:12:38.85 ID:5C08xoAO
中島「億泰先生ってどーにも、信用出来ないんだよねェーー、なんか胡散臭いっていうか、なんであんな人が教師になれたんだろ?
磯野、お前もそー思うだろ?」
カツオ「………」
中島「…磯野?」
カツオ「……アッ、中島……何か言ったかい?」
中島「やれやれだな……磯野、今日お前変だぞォ?昨日何かあったのかよ?」
カツオ「そ、そうかなァ〜〜〜〜、あんまり寝てないから眠いのかもな、ハ、ハハ」
カツオ「(オイッ!コラッ!しっかりしろ磯野カッツォ!!…駄目だ駄目だ、気付くとボーッと昨日の事を考えてしまってる自分がいる。
中島に話したって、はいそうですか、と信じられる話でもないし…貴重な友人を失いかねないからなァ〜〜〜。
ああァ〜〜〜〜〜放課後が待ち遠しいよォーーー!!)」
631 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/07(木) 22:56:26.33 ID:0gZkZsAO
いつまでも待ってるから完結だけはしてくれよ
632 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/07(木) 22:59:22.79 ID:O3A0t1co
>>631
え?
633 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/07(木) 23:31:33.99 ID:JOkhKCQo
まだカッツォ!
634 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/07(木) 23:32:04.16 ID:JOkhKCQo
まだカッツォ!
635 :
◆XEAenziT2k
:2009/05/08(金) 01:44:34.98 ID:BDg5eMAO
ごめんなさい、明日ってか今日投下するんで待っててね
636 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/08(金) 02:24:30.62 ID:MwJ1EIMo
>>631
書いた次の日に「いつまでも待ってる」とかどれだけ短気なんだよ
637 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/08(金) 20:05:18.86 ID:BDg5eMAO
花沢「磯野くんったら誰の事考えてるのかしら?……あっ、皆まで言うな。磯野くん、私にはわかるわよ。こんなに想われる私って罪なおん」
億泰「花沢ァ、うっせーぞ。廊下に立ってろォ!」
花沢「キィーーーー!!!今時そんなの流行らないわよォ!!」
ガラァ!ピシャ!
中島「(そう言って素直に出てく花沢さんってカワイイ……)」
中島「ハッ!」
中島「僕は何を血迷った事を考えてるんだ……磯野…スマン」
カツオ「……何が?」
億泰「花沢ァーーー、もう入っていいゾォ」
ガラァ!ピシャ!
花沢「廊下は冷えるわ」
……カツオは思っていた。何か、もう自分にはこんな普通な日常からは掛け離れた所にきてしまっているのではないか。
億泰はいつもどおり教師の職務をこなし、中島と花沢もいつもどおりにカツオに接している。
だがカツオはそんな『いつもどおり』を素直に受け止める事が出来ないでいた。
638 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/08(金) 20:13:38.40 ID:BDg5eMAO
カツオ「(なんだよ……僕…僕らしくない……必要以上に考えすぎなんだって…そりゃあ、普通の小学生は命を賭けた闘いなんて経験しないだろうけど…
僕は……どうした…?『恐怖』しているのか…?)」
ざわざわ…
億泰「りんごが五つありましてェ、腐ったりんごはその内二つありましたァ…」
中島「億泰先生、字きったねーなァー…」
花沢「なんだか眠くなってきちゃたわァ〜〜〜、昨日『おねだりマスカット』なんて見なきゃよかったわ…」
カツオ「………」
カツオ「(違う……)」
カツオ「(『ワクワク』しているのか…僕は……?)」
639 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/08(金) 20:42:48.86 ID:Zbbt6bso
支援
640 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/08(金) 20:58:18.74 ID:BDg5eMAO
ゾクゥ…!
『わくわく』
カツオがこの『気持ち』に初めて向き合ったこの瞬間、カツオに言い寄れぬ感覚が走った。
背筋が凍るような…体の内部でもう一人の自分が目覚めたような…
カツオは頭を掻きむしり、この雑念を消し去る努力を行う。
雑念などではないかもしれない。これがカツオの『真実』なのかもしれない。
カツオ「(有り得ないッ!有り得ないッ!断じてッ!!)」
カツオ「(何をふざけた事を思ってるんだ僕はッ!!この有り得ない理解しがたい状況を楽しんでいるなんてッ!)」
カツオ「(く、クソォ……僕は期待しているのか…?…放課後、億泰先生が話す内容に…!)」
中島「……おい」
中島「おい……磯野?」
カツオ「ハァ……ハァ…」
中島「お前やっぱり何かあったんだな…?」
カツオ「な、中島」
中島に全てを話したい。
話したらきっと自分のふざけた考えが間違ってると諭してくれる。
中島なら…
カツオ「中島……実は…」
641 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/08(金) 21:04:08.26 ID:BDg5eMAO
中島「…なんだ…?」
カツオ「…昨日……」
カツオが中島に全てを打ち明けようと口を開いたのを邪魔したのは、花沢花子の一言であった。
花沢「ねぇ、あれ…」
中島「え?」
カツオ「…?」
花沢の視線の先。
窓。
中島とカツオは数秒見つめ合った後、窓のすぐ近くに座っていたカツオが窓の外を覗き込んだ。
642 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/08(金) 21:12:13.41 ID:BDg5eMAO
カツオ「一体何だって言うんだ……」
窓の外に広がるのは校門までのだだっ広い地面。
そこに居たのは、この時間、この場所にいるのは到底考えられない人物だった。
カツオ「……あれは……」
カツオは目を細める。
カツオ「…イクラちゃん……?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜磯野家〜
サザエ「母さん」
フネ「……」
サザエ「今、タイ子さんの家に電話したら……イクラちゃんもいないらしいの…」
フネ「……そうかい」
フネ「(……『あの子』は駄目だった。私は早くタラオを見つけなければ…)
643 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/08(金) 21:24:30.25 ID:BDg5eMAO
カツオ「………」
カツオは中島と花沢を見る。
二人とも同じ顔をしている。
カツオはおそらく自分も同じ顔をしているのだろうとわかった。
何故イクラちゃんがここに?
遊びに来たのだろうか?一人で?
そしてカツオは再び窓の外を見る。
カツオ「……あ、あれ、いない…いなくなってる…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
『チャンスハ、6回』
『生キテ栄光ヲ掴ミ取ルカ、朽チテ滅ビルカ』
『チャンスハ、6回』
カツオ「こ…この声は…」
644 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 20:46:54.30 ID:7oN/CYAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
カツオは教室内に声の主の居場所を求めた。
だが視界に入ってくるのはいつもどおりの授業風景。
カツオは億泰を見る。
億泰は先ほどと同じように黒板の前に立ち、手に持った教科書の内容を喋っている。
カツオ「気付いてない…?僕の空耳か…?」
そう自分に言ったものの、『アレ』は空耳などではないとカツオは確信していた。
けれども、周りの人達も聞こえていない様子、ましてや億泰も何も聞いていないようだった。
カツオは『スタンド』の存在を疑っていた。
億泰は自分よりも大先輩の『スタンド使い』。
その億泰が何も反応を示さないのがカツオの確信に自信を無くさせていた。
645 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 21:00:43.65 ID:7oN/CYAO
カツオは中島に話しかける。
『声』の事ではなく、外に居た『イクラちゃん』についてだ。
カツオ「中島、いましがた見たイクラちゃん。どこに行ったんだろうな」
中島「はぁ?イクラちゃん?」
カツオ「……そうだよ。居ただろ?ポツンと。外に。そして消えた」
中島「…磯野ォ、イカレちまったのかよ?この言動はそう疑わざるをえないぜ」
カツオ「イカレてる……?このカツオがか…?」
花沢「そうねぇ。私から見ててもトチ狂ったとしか思えないわね。『犬』を『子供』と見間違えるなんて」
カツオ「……『犬』…だと…」
646 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 21:49:42.67 ID:7oN/CYAO
ドドドドドドドドドドド
カツオ「な、何言ってんだよ二人して……流石の僕でも『犬』と『イクラちゃん』を見間違える訳がないじゃないか…」
中島「だーーーかーーーらーーーッッ、外に居たのはどこにでもいそうな野暮ったい『犬』だよ」
カツオ「何言って…」
花沢「んのよ磯野くん。私が外に見つけたのは『犬』。そしてそれに子供のように喜んで食いついていたのは他でもないアナタじゃない」
カツオ「……そだ…」
中島「ったく、寝ぼけてたんじゃないのか」
カツオ「嘘だァァ!!!!」
647 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/09(土) 21:52:49.07 ID:C.bH6UDO
支援
648 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 22:21:11.18 ID:7oN/CYAO
中島「………」
花沢「………」
カツオ「………」
シィ……ン
カツオの怒鳴り声と共に静まり返る教室。
誰も彼もがカツオを見ている。
カツオ「あ……(や、やってしまった…つい、カッとなって大声を出してしまった……)」
中島「磯野…お前…」
カツオ「(……だって…そうだろ?僕が、間違ってる訳が無い。見たんだ。確かに。『イクラちゃん』を。
こんなに必死になることじゃあないけど!僕は『正しい』と『確信』しているッ!それをこんなふうに言われてたら誰だって不満を感じる。僕だって感じる)」
花沢「磯野くん…」
花沢「ちょっと、引くわ……」
カツオ「!?」
億泰「磯野ォ……うるせーぞ」
649 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/09(土) 22:27:20.77 ID:oWHdtvoo
紫煙
650 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 22:37:51.38 ID:7oN/CYAO
教室中からカツオに浴びせられる冷ややかな視線。
億泰「今授業中だぞ磯野ォ……」
カツオ「ご、ごめんなさい…」
億泰「……」
億泰は呆れたような、怒りに満ちたような顔でカツオを見ている。
カツオも億泰の顔をマトモに見れなかったが、期待してた。
億泰と自分は他の教師と教え子と違った繋がりがあった。
『スタンド』という繋がりが。
カツオは内心、億泰に仲間意識を感じていたし、他の皆より億泰に近いという優越感も持っていた。
だから今、この状況でも億泰はわかってくれるという期待があった。
億泰「磯野」
カツオ「ハ、ハイ!」
億泰「うっせぇから死んどけ」
シュッ
カツオ「え…?」
億泰がチョークを自分に投げた。
凄いスピードで。一瞬『スタンド』が見えた。おそらくそいつで投げたんだろう。
頭にチョークが刺さっていた。
暖かいものが顔を流れているのがわかる。
651 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/09(土) 22:39:54.52 ID:k84B/sIo
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
652 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 22:43:40.06 ID:7oN/CYAO
カツオの淡い期待は意外な形で裏切られた。
カツオの眉間に深くチョークが刺さっていたのだ。
他でもない、億泰のせいで。
カツオ「お…億泰……先生…?」
カツオの視界が霞む。
中島も花沢も無表情でカツオを見ている。
頭にチョークが刺さり、虚ろなカツオを興味が無いといった感じで見ていた。
この二人だけではない。教室にいる全員が、叫び声をあげるでもなく、心配するでもなく、黙ってカツオを見ていた。
億泰「……」
億泰「それじゃあ、授業の続きをやるゾォーーー」
ババッ!
億泰が黒板にむきかえると、カツオを見ていた人々も一斉に黒板に向き直った。
653 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/09(土) 22:50:25.03 ID:Q0WMVLwo
紫煙
これが第一の『チャンス』だったのか…?
654 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 22:51:49.87 ID:7oN/CYAO
カツオ「な……何が……」
カツオはゆらりとふらつき、椅子から崩れ落ちる。
それでも誰もカツオに見向きもしない。
カツオ「な……なんで………中島………」
中島「うるさいから話しかけないでくれよ」
カツオ「…………は……花沢さ……ん……」
花沢「うっさいわねー…」
カツオが声を、助けを求めようとも誰もそれに答えなかった。
ただひとり、床に倒れ、頭から流れる血を黙って肌で感じていた。
カツオ「いた……い………いたい……よぉ………」
教室内に響くカツオの声ともつかない声。
カツオ「い…やだ……こんなことで…………死ぬ………僕は……死ぬの……いや……だ……………」
655 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/09(土) 22:57:38.21 ID:7oN/CYAO
カツオ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ざわ… ざわ…
カツオ「ハァーーー、ハァーーー……」
カツオ「……あ…れ…?僕は……」
頭を隅々までカツオは触った。
そこに『チョーク』は無かった。
カツオ「ゆ…夢…?今のが……?」
カツオ「あ…」
中島「ジィーーーッ」
花沢「ジィーーーッ」
カツオ「あ……アハハ…」
中島「磯野……どうしたんだ…」
656 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/10(日) 01:34:07.11 ID:jLLw2.AO
フッ…と、カツオは安心からか、全身の力が抜ける。
カツオ「夢か、そうだよな、そうだよ、あんな事、あっていいはずがあないじゃないか…」
億泰「磯野ォー、夢なら静かに見ろよォー」
カツオ「すみません…」
どっ、と教室に笑いが響く。
良かった。皆が笑ってる。二度とあんな目はゴメンだ。
カツオ「でもいつの間に寝てたんだろ」
余りにもリアルな『夢』。
現実かどうかもわからないほどの。
カツオ「イクラちゃんも……『夢』だったのか?」
カツオ「なあ、中島。……外に居たのって…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
『チャンスハ、5回』
聞こえるのは、夢でも空耳でもない。
あの『声』
657 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/05/10(日) 01:41:36.16 ID:jLLw2.AO
カツオ「やっぱり……」
『生キテ栄光ヲ掴ミ取ルカ、朽チテ滅ビルカ』
『チャンスハ、5回』
カツオ「『空耳』なんかじゃあ無かった……ッ」
カツオは教室内を見る。
相変わらず声の主はいない。
カツオ「これはさっきの『夢』と関係があるのか?これは…」
カツオ「『スタンド』攻撃…?」
カツオは今度は教室内の人々を見る。
やはり『声』を聞いている者はいないようだった。
カツオ「(僕だけが聞こえている?『スタンド』だから?それじゃあ億泰先生には…!)」
カツオ「億泰先生ッ!!」
658 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/12(火) 09:17:50.17 ID:9BEgFwAO
続きが楽しみで仕方ない
659 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/14(木) 08:15:13.25 ID:VyCbrkAO
ちょwwwwwwwwww十死wwwwwwwwww
660 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/05/18(月) 02:46:26.34 ID:uC/1jUMo
スタンド能力にパクリ感が無いのがいいと思う
661 :
旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv
:2009/05/20(水) 16:03:14.79 ID:U7KYucAO
そしてそのスタンド能力を
上手く表現できてるのが素晴らしい
662 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/06/02(火) 21:57:55.09 ID:EBgSa2AO
億泰「…………」
カツオ「…………まさか…億泰先生にも……」
億泰は野生味溢れる眼光でカツオを捉えて離さない。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
億泰「あぁ…分かっている…」
カツオ「あぁッ!!やはり億泰先生はいざという時に頼りになるッ!そこに痺れる憧れるゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
億泰「『小便』……だな?」
カツオ「……は…?」
花沢「確かに磯野君はショーン・ペンに若干似ているわね」
中島「違うよ花沢さん。小便さ、小便」
花沢「あらァ!ソッチ?磯野君も大変ねぇ〜〜〜〜」
中島「飲んでやるッッ!!」
億泰「磯野、何も恥じる事はないゾ、だって、『生理現象』だもの」
カツオ「(こ、こいつらこの状況でイカれてやがるのかァーーーッ!?)」
カツオ「(最悪だ…億泰先生も頼りにならない。僕自身でこの最悪な状況を打破しなければならない…ッ)」
663 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/06/02(火) 22:33:55.63 ID:VVuS/2I0
わはははははははははははは…
教室内はカツオの小便ネタで盛り上がっている…
中島「みんなwwwwwwww離れろwww磯野が聖水を振りまくぞwwww」
花沢「ひゃあああああああああ」
カツオ「………………」
ドゴォッ!!!!
664 :
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[sage]:2009/06/02(火) 22:44:57.46 ID:DEuwyeco
久々に支援
665 :
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[sage]:2009/06/02(火) 23:05:34.37 ID:nHIeB2Eo
支援支援
666 :
旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv
[sage]:2009/06/03(水) 11:20:25.68 ID:g15e47Io
待っててよかった!!
667 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/06/03(水) 19:16:16.73 ID:MKOvcYAO
中島「………」
花沢「………」
億泰「………」
目の前にある原型を留めないほどに強力な力で歪められた机を、カツオは静寂の中、紳士的に横にずらす。
カツオ「僕はァ、頭が悪いからね……難しい事を頭で考えたってわかるわけがない。
だって『頭が悪い』から」
ドドドドドドドドドドドド
『…………』
カツオ「だから単純に、ごく単純に僕の『スタンド』でぶちのめせばいい……そう思ったんだ」
カツオは考えることをやめた。
668 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/06/03(水) 19:28:15.17 ID:MKOvcYAO
カツオ「さあ!!!!隠れてないで出てこいッッ!!僕は逃げも隠れも自害することもないゾォーーーーーーッッ!」
シィー………ン
花沢「い、磯野君…?」
中島「ど、どうしたんだよ?からかいすぎたのは謝るよ…」
カツオ「悪い、中島に花沢さん。僕は進まなければならないんだ」
カツオ「何も知らないで、訳も分からない内に死にたくないんだ」
カツオ「………卑怯者め……そうやって自分だけは高みの見物ってことかいッ!?」
669 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/06/04(木) 21:39:29.93 ID:HuOT2cAO
カツオはプロ野球中継を見ている親父がテレビに向かって無責任なヤジを飛ばすがのごとく、この未曾有な状況をもたらしている『者』に向かって叫んだ。
カツオ「(まずは『理解』しなければ…!この『状況』をッ!!)」
カリカリ……
カツオ「………?」
カリカリ……
カツオ「チョークが……一人でに黒板に……!」
670 :
◆XEAenziT2k
[saga]:2009/06/04(木) 21:49:15.90 ID:HuOT2cAO
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
カリカリ……
カツオ「こ…これは……ッ!」
『テイク6』
黒板に書かれた『テイク6』という文字。
カツオ「わかる…僕にはわかる……これが『スタンド』の名前か…!」
カツオ「そして自らの正体がばれるかもしれないというリスクを背負ってまで、わざわざこんなことをする……」
カツオ「それは単なる『馬鹿』か…」
カツオ「絶対的な『自信』か」
カツオ「僕はこの『状況』から抜け出せるのか…」
ドグシャアッ!!!
671 :
旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv
[sage]:2009/06/05(金) 19:13:08.22 ID:IXzVmTwo
おお!続きが降りてきとる!
672 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/06/11(木) 15:39:39.44 ID:HQeTCgAO
wwktkしながら待ってるよ
673 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/06/28(日) 07:14:58.99 ID:7Nc3W6AO
まとめからきました
のび太のを読んだのですがめちゃくちゃおもしろかったです
カツオ編も完結楽しみに待ってます
674 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/04(土) 11:39:52.28 ID:WQXO0gDO
カツオの最初の辺が見れない
675 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/07/25(土) 19:54:06.15 ID:WSPtSQ.0
結局未完成か…
676 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/08/02(日) 23:03:53.27 ID:5EAeHbM0
来ないのか…?
677 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/07(金) 15:10:09.95 ID:9NVTKtc0
かもーん
678 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2009/09/09(水) 18:09:15.55 ID:DQB0/gDO
かもー
679 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/10/12(月) 01:37:15.17 ID:iD4SAwUo
まだあるのかなー
680 :
今日のエレベーターのご様子:二人乗りはやめましょう
[sage]:2009/10/27(火) 04:13:16.91 ID:F4g2Mqko
214.95 KB
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