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『魔王な使い魔と魔法少女の類』 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:06:02.13 ID:G2cDtrMo
重い物体は軽い物体よりも速く落下すると信じられていた。
 二千年の後にひょこっとガリレオが現れて「いや、違うし。変わんないから」と、『常識』をぶち壊していった。
 なんてこったい、と世界中がびっくりしたその事件から三百年ほど経って、今度はアインシュタインが出てきて「その考え方も正確じゃないですよー。まだ続きがありますよー」と、『常識』を蹂躙していった。
 こういう『常識』の上書きは、何も物理学の世界に限ったことではない。
 腐ったりんごからハエは生まれないし、水銀を飲んでも不老不死にはなれない。これらはみんなみんな、新しい『常識』に駆逐された『正しかった知識』だ。
 だからまあ、「ああ、今度の『常識』は比較的短命だったね」と。
 それが、『魔法の存在証明に成功した』というだけのことを大仰に熱っぽく語るアナウンサーを見た僕の感想である。

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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:07:09.74 ID:G2cDtrMo
 ――と、そのようなことを書いて提出した。
 再提出を命じられた。
 感想文で素直に感想を書いたら怒られるとは、なんとも理不尽な。
「そりゃあ、周り中お祭ムードなのに、ひとりだけ『僕は、君たちのような下等な生き物とは違うのだよ。ふふん』といわんばかりの文章を書けばねぇ」
 むぅ、にじみ出ていたのだろうか。
「出てた出てた」
 この僕の天才さ加減が。
「ごめん、前言撤回。これっぽっちも出てませんでした」
 失敬な。
 ひょい、と『独り言』の話し相手が肩をすくめた様子を感じ取れた。
「で、どうするの? 私はもう行きたいんだけど」
 それなら問題ない。
 ちゃんと、『まじめな学生風』の感想文も用意してある。
「……なんで、それを最初に出さなかったの?」
 おもしろくないだろ。
「瑞希はほんっとーに、長生きするよ……。きっと五百年くらい生きる」
 当然だ。男として生を受けた以上、世界のひとつやふたつ征服せずに[ピーーー]るわけがない。
「まったく、瑞希は阿呆なのか莫迦なのかさっぱりわからないよ」
「ふん、阿呆も莫迦もやれない人生になんて興味ないね」
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:08:02.79 ID:G2cDtrMo
 ドアを開ければ、教室にはリノひとりだけがいた。
 頭の中に直接伝わってくる声とは違う、耳に響く心地よさというものを感じられた。
「意外と楽しいかも知れないよ。市井のものとして、ごくごく平凡に一生を過ごすというのも」
 窓が開いている。
 カーテンは閉じられていない。
 夏らしい入道雲の影から真っ赤な夕日が差し込んでいた。
 相変わらずのうっとうしいくらい長い髪を風にはためかせ、リノは優しく微笑んだ。
「それこそ阿呆か莫迦だな。僕はやりたいようにやる。それだけだ」
「……世界征服なんて、してどうするのさ? 絶世の美女をはべらせて美食という美食を喰らい尽くしてやんごとない生活でもしたいの?」
「ははは、それも悪くない。悪くない――が、世界征服は目的のための手段じゃあない。それそのものが目的だ」
 リノがやれやれとため息を付く。
 わかりやすく。とても大げさに。
「こっちもあっちも丸ごと飲み込んで行く。そんなゲームだよ」
 だから。
 もちろん。
「――その過程で、国のひとつやふたつ作ることもあるかもね」
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:09:00.27 ID:G2cDtrMo
 リノがもう一度ため息を付いた。
 呆れたように、うれしそうな、どうしようもない莫迦を見る目で。
「手の空いている優秀な統治者がいると楽になるんだが……手伝ってくれるか?」
「……瑞希、こういうときばかり自由意志を尊重する『フリ』をするのは底意地が悪いと取られるよ?」
 底意地の悪さなんて知り尽くしてるだろうに。
「じゃあ、命令だ。リノ、僕の世界征服を手伝え。――できるだけ可愛い感じで」
 カチリ、と頭の中で鍵のかかる音が響いた。
 同じ音がリノにも聞こえたはずだ。
 それが、『契約』だから。
「はい、ご主人様♪ リノ、がんばりまぁすっ! ――って、何をやらせるかぁあああ!」
「あはははは! いい! それいいよ、リノ! 可愛過ぎる……ぷはははは!」
「わーらーうーなー!」
 こうして腕をぶんぶん振りたくって憤慨するリノを見ることだけはどうにもやめられそうにない。
「くうぅ……部下のクセに、どうして魔王である私に従わないかなぁっ!」
 んなこたぁ決まってる。
「僕は、リノの『ご主人様♪』だからね」
 今さっきの声色をまねた。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:09:38.00 ID:G2cDtrMo
「あぁ、神様……私は不幸です。恵まれな過ぎます。部下に」
 よよよ、と泣き崩れてみせるリノ。
「人望のなさを露見してるからなぁ」
「むぅー……ああいえばこういう……」
「僕の切り返しのうまさに感動したか」
「しないよっ!」
 ぶんぶん
「はっはっは」
「もう……」
「……」
 不意に、風が止む。
 同時に、会話も止まる。
 そのわずかな変化につられ、勢いを失った。
 リノの表情は次第に暗くなり、弱々しくなる。
「……本当に、いいの?」
 こういうときばっかり、素に戻って。
「さて、何のことやら」
 そらっとぼけて顔を背けた。
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:10:02.23 ID:G2cDtrMo
 ああ、こういうときすごく不便だ。
 顔を見ずとも顔を見せずとも相手が見えてしまうというのは。
 いいだろ、カッコ付けさせてくれよ。
 ツッコむなよ。いいな?
「ふふっ」
 笑うなよぉ……。
「ごめんね――ありがとう、ご主人様♪」
 ああ、こういうときすごく便利だ。
 顔を見ずとも顔を見せずとも相手が見えるということは。
 抱き付いてきたリノを背中に感じながら、僕は最高の笑顔を受け止めることができたのだから。

「さて、それじゃあいっちょう――」
「――かましてやりましょうか!」
 きっと、同じ表情で。
>>>
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:11:36.26 ID:G2cDtrMo
>>>>>
 世界の構成要素の九割方は『皮肉』である。
 人間が他人と接するときに用いる『礼節』は、それはそれはすばらしいものだ。
 かつての人類はうまく話し合う技術を持たなかった。
 それゆえに、『会話』を行えず腕力のみで『交渉』をしていさえした。
 だが、気に食わないからといってすぐ取っ組み合いのケンカに発展するのでは動物と変わらない。そこで人類は『会話』による『交渉』のために、腕っ節を使わないときのルールとして『礼節』を用いることを思いついたのだ。
 やがて法治国家ではむやみやたらな暴力は、それそのものが犯罪として処罰されるほどになった。平和万歳である。
 その代わりといってはなんだが、『皮肉』が発達した。ものすごい勢いで。
 世界の構成要素の九割方は『皮肉』である。

 1.
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:12:19.88 ID:G2cDtrMo
 ――と、そのようなことを思い玄関を見やった。
「朝霧さーん、お願いしますよー」
 ゴンゴン、と戸をたたく音。
 呼び鈴を使わないのはわざとなのか、非常にやかましい。
「朝霧さーん、三ヶ月だけでいいですからー」
 それはつまり、「最低三ヶ月は契約をしないと、今後も日曜日の朝に現れて貴様の惰眠を妨害するぞ」という意思表示ですかな?
「ほら、いまどき新聞も読んでないなんてひと、いませんよー。頭に入れておかないときっと会話に困りますってー」
 どれだけ僕は話題が貧困そうに見えるんですかい。
 まったく、めんどくさい話だ。
「まだどこの新聞も取ってないんでしょー? ウチのを頼みますよー」
 まだ取っていないのではない。
 取る気がそもそもないのだ。
 情報化社会が叫ばれインターネット全盛のこの時代、紙の媒体の情報に拘泥する必要はすでになくなっている。無論、情報を得る上ではいまだに権威のあるツールには違いないが――問題は、それが有料であるということだ。
 月々およそ三千円。
 マンションとは名ばかりの古アパートに住まうひとり暮らしの高校生に、特段の理由もなくその額面をひねり出せというのは酷なもの。
 で、あるからして――
「朝霧さーん、少しだけでいいですからお話しましょうよー。いるのはわかってるんですからー」
 ――現在、絶賛居留守中。
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:16:43.31 ID:G2cDtrMo
 騒々しい玄関を放置して、パソコンと向き合う。
 イヤホンをしてカチカチと、巡回サイトをぐるりと一周。
 どこも日記ばかりで大きな更新がなかったことを確認すると、時刻はちょうど午前七時四十分。
「うーん……じゃあ、また来ますね。朝霧さん」
 いつもどおりのタイミングで、新聞拡張員はそうつぶやいた。
「さて、と……」
 ぐい、と伸びをしてあくびをひとつ。
 ぽきぽき、と背骨が轟音を響かせた。
 ……だるい。
 あああ、ダメだ。日曜なのに早起きさせられて損したと思うとテンション下がる!
 よしよしよし、考え方を変えよう考え方を。日曜なのに早起きを強要されたといえば聞こえが悪いけれど、休日を目一杯使う機会を与えられたともいえるはずだ。おや、天気はどうだったろうか、晴れならばたまった洗濯物を一気に干せるな。
そうだ、寒くなってきたことだしそろそろ毛布君にもご出陣を願う時期だ。がんばれば、ふかふかほわほわのお日様のにおいのする毛布に包まって寝れるじゃないか。よしよし、わくわくしてきたぞ。
「よぉし! 手紙の確認、しかる後にさっさと朝ごはん!」
 さあ、楽しい楽しい休日の始まりだ――

 ――と、ドアを開けたら拡張員がまだいた。
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:17:17.19 ID:G2cDtrMo
「ふっふっふ、朝霧さ〜ん。お待ちしていましたよ〜」
 こっちはちっとも待ってないんですが。
「じっくりと当社の新聞を取ることの利点についてお話いたしますねぇ〜」
「や、今日はすぐ出かけないといけないんで、遠慮させてもらいます」
 じろ、と上から下まで見られた。
「その格好で、ですか? コンビニくらいでしたらお待ちいたしますよ」
 我が愛用のくまさん柄パジャマを愚弄するか、貴様。
「いえいえ、もちろん着替えますとも。あいにくと丸一日出ていることになりそうなので」
「そうですかぁ」
 にこにこ、と拡張員は微笑む。
「そうなんですよぉ」
 負けじとこちらもにこにこ、と笑んだ。

 その後、本当に出かけるのかどうかじーっと見守り続ける拡張員との無言の戦いが繰り広げられた。
>>
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:17:36.47 ID:G2cDtrMo
>>
 実にもったいない。
 休みとは家でゴロゴロするためにこそ存在するというのに、表に出るなど不経済極まりない。
 暖房? そんな軟弱なものは必要ない。人間、少しとはいえ熱を発している。室内に居続ければそれなりには暖かくなるものなのだ。
 それを思うと、寒空の下にいるということがどれだけのエネルギーを無駄遣いするかということを我々人類はじっくり考えるべきで――
「へっくし」
 ……止めよう。考えるだけエネルギーの無駄だ。
 持ちうる最大の防寒具であるところの薄っぺらなジャンパーを羽織って出てみれば、天気予報も嘘をついていた。
 洗濯日和の二重丸はどこへやら、天は半分以上が雲に覆われている。
 放っておけば雨すら降りかねない嫌な空模様だった。
「うーむ、多少はあったかいかと思ったんだけど、失敗か……」
 ちらり、と入り口にかけられた看板を見る。
 大森林公園。
 一周するのに歩いて五分とかからない上、申し訳程度に樹木が並んでいるだけのここにそのようなたいそうな名前を付けた人間は何者なのだろうか。気にならないけど気になる。
 まあ、公園としては小さくとも、周囲に大きな建物の影がない。団地都市としては貴重な日照権が大いに守られている土地である……が、
「寒い」
 期待したほどの強い日差しはなかった。
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:18:08.66 ID:G2cDtrMo
 海に程近く、新幹線はなくともそこそこ交通の便がよく、都心からもまあまあ遠くないそんな街。そこに建つ、住み慣れた――というには幾分付き合いの短いアパートから徒歩十分。駅とは反対側にある公園までわざわざ出向いたのは暖を期待したからだ。
 本来であれば文明の利器に頭を下げて暖房の利いた屋内へと避難をするところ。
 しかし、駅前でウィンドウショッピングとしゃれ込もうにも時刻は八時。さすがにシャッターが上がっていない。
 そこで、猫がよくひなたぼっこをしに来ると聞いた公園を訪れたのだ。
「猫の子一匹おりませんがな……」
 うわさは当てにならん。
 秋の空 毛皮を着たい 今日この頃
 もうちょっと煮詰めれば五百年くらい残りそうな一句が生まれそうな経験だ。うんうん。
 それにしても、ここはひとりでいるにはさみしすぎる。
 他人が見たらば、人目を嫌ってこそこそと逃げてきたように思うんじゃなかろうか。
「……このままブランコにでも座っていたら、完全にリストラお父さんだな」
 ためしに座ってみた。
 ひゅるり、と風が吹いた。
 腕を抱くようにしてさすった。
「とっても寒い」
 猫や野生のおじさんが生息していないのは、どうやら公園の大きさだけが理由ではなさそうだ。
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:19:34.33 ID:G2cDtrMo
 ここは風が冷たい。
 高台を横手に海を眺められるロケーション――といえば聞こえはいいが、その実は吹き降ろす山風にも吹き上げる海風にも見舞われる強風地帯だった。
「しかたないな、駅前で喫茶店でも――ん?」
 ブランコから立ち上がろうとしたら、変なものを見つけた。
 いや、むしろ正しいわけなのだが、それこそが異常であるものを発見したというべきか。
 ブレザーにミニスカート。それらの色は紺で、白の線が一本ぴしっと走っている。胸元には赤のネクタイ。靴下も靴も決められたとおりの逸脱していないもの。規定ギリギリあるいはそれを明らかに超えた改造品ばかり見ていたためだろう、妙に露出が足りない気がする。
 誰も覚えていない『本来そうあるべき』一文を思い出す。

 ――外出時は、学外の活動であっても制服を着用すること。

 その娘は、白鳳高校の制服に身を包んでいた。
「はて……?」
 大会か生徒会、もしくは呼び出しか。
 休日にまで制服を着るとなれば、理由はおおよそその三つに絞られる。
 さて、どれだろう。
 そのいずれにしてもここは目的地ではなく、さらに移動が必要なわけだが、
「この辺でいいかな」
 と、彼女は木陰に陣取った。
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:20:09.35 ID:G2cDtrMo
 そして、おもむろに手に持っていた紙袋からダンボールを取り出した。

 公園+ダンボール

 イコールの先にピンと来るものがひとつある方程式だ。
「まさか……」
 彼女はおぼつかない手付きで苦労しながらも、二分ほどでダンボール箱が組み上げた。
「できたー♪」
 あ、自分で拍手してる。
「……それで、これはどうやって住むのかな?」
 やっぱり住む気だった!
「うーん……」
 腕組みをし、首を傾げて考える。
 考える。
 考える。
 ものすごく考える。
 クワッと効果音が出そうなポーズを決め――
「――こうだっ!?」
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:20:56.40 ID:G2cDtrMo
 それは、直方体のダンボール箱の上部を開け、その中に座り込む――

 一言でいえば、捨て猫なスタイルだった。

「……君は誰かに拾われたいのか?」
「ひゃわぁあああっ!?」
 そこまで驚かれると傷付くんだけどなぁ。
「だ、だ、だ、誰っ!? わ、ワタシ、ニホンゴ、シャベレナイアルヨ!」
「いやそれ日本語だから」
 ぎぎぎ……ぺしょっ
「あああああっ!」
 彼女が飛び跳ねた拍子に、せっかく組み上がったダンボールハウスもどきはもろくも崩壊した。
「ああぁ……私のおうちがぁー……」
 力なくへたり込み、地べたに手を付いた。
「世界にはもう絶望以外ない……アル……」
 あるのかないのかどっちだ。

 ぐきゅうううっ

「……何、今の音?」
 答えることなく、彼女はもそもそと地面に横になった。それだけを見たならば行き倒れのような格好で。
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:22:49.63 ID:G2cDtrMo
「……それで?」
「おかなが空き過ぎた少女はもう動けません……」
 さいですか。
「おうちを組み立てなおす余力もないようです……」
 そうですか。
「極寒の地に放置すれば、きっと明日の朝刊をにぎわすことでしょう……。ダイイングメッセージは似顔絵付の豪華版……」
「豪華なのかなぁ」
 かなり疑問だ。
「そこのお優しいお方。力なく果てたびしょーじょにお恵みをー」
「とても元気に見えます」
 実際、そんなに衰弱しては見えない。
「何をおっしゃいますか、私はもう体力ゼロですよ。ううっ、くるしい〜」
 ぱたぱた、と手足を振ってわざとらしくデフォルメした苦しむフリ。
 なんだか、可愛らしくて笑ってしまった。
「……コンビニの菓子パンくらいしか買えないけどいいかな?」
「もちろん♪」
 元気だなぁ。
>>
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:23:17.42 ID:G2cDtrMo
>>
「おーい、こっちこっちー♪」
「はいはい」
 再建された捨て猫ハウスで彼女はぱたぱたと手を振っていた。
「ホントにコンビニくらいしかやってなかったから、大したものはないよ?」
 言いつつ、コンビニ袋から取り出す。
「いえいえ、食べるものがあるだけで大感謝です♪」
 両手でちょこんとビニールを持ち、包装をはがしてアンパンにかぶり付く。
「はあぁ……おいしいぃ……」
「よござんした」
 おかげでただでさえ軽い財布が羽の生えたようになってしまったけどね。
「どっこいしょ……っと」
 公園備え付けのベンチがあまり冷たくなっていなかったのは幸いだった。
 見上げると先ほどよりもさらに曇天具合が悪化していた。
 うーん、参るなぁ。
 降られるとさすがに屋外というわけにもいかない。しかし、それはすなわち懐に改心の一撃が加わるということ。なにとぞ降らないようお天道様にお願いするのみだ。
「うまいかー?」
「そりゃあ、もう!」
 よしよし、と頭をなでたくなるいいお返事で。
「はふぅ〜……ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした」
 人心地付いたか、彼女はほにゃーとした笑顔を見せた。すごく可愛い。小動物チックな意味合いで。
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:24:16.56 ID:G2cDtrMo
「パン一個で足りたの?」
「あはは……しばらく食べてなかったからか、もう胃が満杯です」
 それはまたなんというか。
「食生活って大事です。今度ばかりは実感しましたよ」
「だろうねぇ」
「『ぼんきゅっぱーん』ですらっとした長身が光る見事なモデル体型だったのですが、いやはやもったいないもったいないもったい……ない……。ううぅ……しくしく」
「そんな、自らさえ偽れない嘘を付かずとも」
 ひとまず『ぼんきゅっぱーん』はおいておくとして、それでも背が足りない。彼女は百五十センチほどだろうか、僕よりも頭ひとつは低く小さい。
「まあ、食生活どころか衣食住全滅なんですけどね」
 たはは……と、彼女は長い黒髪をかきあげた。
「んー……聞いていいかな?」
 その、衣食住全滅になった過程を。
「では、おもしろみのある答えとない答えがございますので、お選びくださいませませ」
 スカートの端をつまんで丁寧に一礼。おどけたしゃべりと対照的にぴしりと決められた。
 何を聞きたいかはわかっている、といってくれるのなら話は早い。
「じゃあ、おもしろみのない方で」
「おや、意外。君ならおもしろい方を選ぶと思ったのになー」
「僕と君の仲なのに……わかってもらえないとは悲しいよっ!」
 合わせて僕が舞台役者のように振ってみた。
「ぷっ……あはははは」
「お気に召したようでなによりでございますます」
 胸元に手を当ててうやうやしく一礼。彼女ほどじゃないにしてもそれなりには決まったと思う。
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:24:56.89 ID:G2cDtrMo
「まあ、端折っちゃうと本当におもしろみがないよ。着の身着のまま家出をした末路です、ハイ」
 なるほど。
「お疲れ様でした」
「いえいえ、ごちそうさまでした」
「それじゃあ、強く生きてください」
 しゅたっと手を上げ、回れ右。
「へいゆー。じゃすとあもーめんと、だ」
「ダメ」
 僕はノーといえる日本人です。
「まあまあ、まだ何も言ってないですし、聞くだけ聞いてよー」
「じゃ、聞くだけ」
「泊――」
「ダメ」
「早っ! 言い切ってないよっ!?」
「あいにくとひとり暮らしなもんでねぇ」
「家事なら手伝えるよっ!」
「いいえ、先立つものがさっぱりなんです」
 とほほ、と僕は肩をすくめた。
「いやいやぁ、一日あたりたった三食でこーんな可愛い女の子があなたの生活を潤してくれる。くうぅっ、お買い得っ!」
「間に合ってます」
「三ヶ月だけ! 三ヶ月だけ置いてもらえれば、洗剤六個サービスしちゃうよ!?」
「契約を迫る新聞屋かい!」
「あはははは」
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:26:16.34 ID:G2cDtrMo
 ひとしきり笑うと彼女は腕組みをして、
「やー、でも、実際難しいよ、契約ってものは……」
 しみじみと口にした。
「そうだなぁ……」
「うん……」
 契約。
 ああ、そのとおりだ。
 あんなもんは気軽にしていいことじゃない。
 下手にすれば大量の後悔に押し流されること請け合いだ。
 もっとも、気軽じゃなくても他の選択肢すべてがつぶされれば結ぶしかないときもあるわけだが……。あーもう、くそぅ。
 ゴホン、と咳払いをひとつ、ばね仕掛けの人形のように彼女は立ち上がった。
「あー、寒いっ! ね、ちょっとお留守番お願いしていい?」
「ダンボールが風で飛ばないように押さえてろ、と」
「おうちですー!」
 彼女はぱたぱた腕をばたつかせた。
「はいはい、行ってらっしゃいな」
「ありがと、すぐ戻ってくるからよろしくね」
「さっさと用を足したり引いたりして来るといい」
「直接的な物言いをするなー!」
 はっはっは。
>>
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:29:10.90 ID:G2cDtrMo
「ふぅ……」
 こういってはなんだが、助かった。
 沈みかけた空気を引き上げて、気分を変えるための時間までくれた。よく気の回る娘だ。
 深読みしすぎだろうか?
 過大評価に都合のいい結果を押し付けてしまっただけなのだろうか?
「……そういや、まだ名前も聞いてなかったな」
 パンをおごって、莫迦な話をして、個人的な事情を少しばかり教えてもらって、なんとなく前々からの知り合いのような気がしていたのは確かだ。
 こう……具体的に理由を言葉にすることは難しいのだが、話しやすい。妙に馬が合う。
 せいぜいが二十分足らずの短い――そこまで短かったのか、と時計を確認してしまったくらい短い――付き合いなのに。多少なら手助けをしてもいいと思えるほどに、だ。
「でも、絶対に家には上げられないな……」
 あれだけは、あれだけは……何が何でも他人に見られるわけにはいかん!
「うぉ……っと!」
 決意を新たにした瞬間、一段と強い風が吹いた。
 ダンボールハウスから紙片が舞い上がる。
「うわわわわ」
 あわてて追いかける。
 意思を持っているかのように右へ左へと逃げ回るそれをどうにか確保した。
「ん?」
 これは、契約の書類……?
 いつぞや見せられた新聞屋のそれとほぼ同じ形態。
 そういえば、さっき彼女と新聞契約について話してたっけか。
「……ふむ」
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:31:03.31 ID:G2cDtrMo
 まあ、なんだ。
 三ヶ月くらいなら……ね?
 その、ほら! 放っておくとまたあの拡張員は押しかけてくるじゃあないか。
 それなら、彼女を相手に契約してしまった方がまだすっきりするというかなんというか。
 ……安易に家出外泊を引き伸ばすようなことが正しいかどうかはわからないけれども――少しは喜んでくれるかもしれないし。
「期間は三ヶ月、契約者名は朝霧瑞希……っと」
「ダメぇえええ!」
「えっ――うわっ!?」
 後ろからの彼女の大声に、振り向きかけた瞬間だった。
 光。
 白い光。
 書類から放たれる光。
 圧倒的な光量が目を襲った。
「――っ!」
 幻想的なんて余裕はさっぱりない。
 目を焼こうとしているとしか思えない強すぎる明かり。
 視界どころか視覚すら機能しているのか怪しいくらいの圧力がかかっている。
「――ぅ……あ?」
 見える。
 見えている。
 見えてしまっている。
「り……の……?」
 この光の中でなぜか、彼女の姿だけがくっきりと目に映っていた。
 目を凝らさずとも大きな瞳のそのまた瞳孔の開き具合まで。
 回り込まずとも流れる髪の毛の一本一本まで視認できる。
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:37:23.17 ID:G2cDtrMo
「……きれい、だ」
 いや、違うだろ僕。何をのんきなことを言っているんだ。そんなマニアック過ぎる部分に見惚れたみたいなことを――ってそれでもなくて!
 がくん、と唐突に光の奔流は消え去った。
 同時に、全方位的から見ることができた彼女の姿も、元通り僕の当たり前の視覚範囲でのみでしか確認できなくなった。
「け、契約完了……?」
「な、なんだぁ、今の?」
「みみみ、見せて。契約書、見せて!」
 彼女は、半ばひったくるようにして書きたてほやほやのそれを手に取る。
 長々細々とした契約の文言をざっと、最後のページにある契約期間と契約者名までを一分足らずで読み終えた。
「ふ、ふふ……ふふふふふ……」
「え、えと、お嬢様? 笑い方が恐ろしゅうございますが……」
「なんてことすんのよー!」
 びゅん、とダンボール箱を振り回された。
「ま、待て待て待て、僕はその、君のために三ヶ月だけ新聞を取ろうと――」
「これは新聞の購読契約書じゃなーいっ!」
「じゃあ、これはいったい――」
「すとーっぷ!」
 言葉を強引にさえぎられた。
「ここから先、しゃべらないで!」
「へ?」
「しゃべるなぁあああ!」
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:37:47.61 ID:G2cDtrMo
「いやその、なんで? ――説明して」
 付け加えるように頼んだその言葉だけが、震えた。
 かちり、と何かがはまったような音が聞こえた。
 彼女の手の中にあった契約書が薄く輝き、
「ハイ、私があなた様のご命令を聞かなくてはならないからですっ!」
 彼女はこぼれ落ちそうなくらいのニコニコ笑顔になった。
「――どうして?」
「契約によって、私があなた様の使い魔になれたからです! ――ってあああああっ!」
 ニコニコタイム終了。
 えーっと……、
「なかなかハイセンスだった!」
「ギャグじゃなあああいっ!」
「なら――」
「すとぉーっぷ! 今度こそ完全停止要求! すとっぷおぶすとっぷ! 私にもプライバシーというものがあるの!」
「……わかった。任せるから説明してほしい」
 本当かどうかの判断は後に回そう。
 ――たぶん、本当なんだろうけど。ああ、なんでまた僕は厄介ごとを拾っちゃうかなぁ……。
「まずその前に、お願い」
 彼女は人差し指を立てた。
「黙秘権を認めてほしいの。話したくないこともあるから」
「了解。他は?」
 顔を赤らめて、おずおずと、
「え、えっちぃ命令はやめてね?」
「しない。誓おう」
 ほっと胸をなでおろした。
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:38:45.41 ID:G2cDtrMo
「――では、名乗ろう。私はリノである」
「……である?」
 なんで急に時代がかった口調に?
「そう、異世界――魔界の王たるもののひとり、魔王リノである!」
 ……一気にうさんくささが膨れ上がったな。
「不本意ながらも契約によって君とつながりが生まれた。なれば、私は魔王としてその庇護下にあるべきしもべを守る義務があろう!」
 使い魔やら魔界が存在するというトンデモ話をとりあえず鵜呑みにするとして、
「……リノが使い魔なら、リノがしもべなんじゃないのか?」
「ちっちっち、これは代償によってなされる対等な契約。だから、私は君のしもべではないのよ。そして、私は魔王! つまりえらい! よって、君がしもべなの!」
 なんだかものすごーく怪しい論理。
「代償って?」
「うぐっ」
 あ、痛いところなんだ。
「も、黙秘権を行使させてください……」
「ここでは却下。大事なことだから話して。――命令」
「ううぅ……」
 涙目になって縮こまって可愛いなぁ……って、変な趣味に目覚めてしまいそうだ。いかんいかん。
「……き」
「えっ?」
 よく聞き取れなかった。
「三食、おやつ付き……」
 ……は?
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:39:20.63 ID:G2cDtrMo
「お、おなかが空きすぎて、つい、その、そういう内容の契約書をちょっと作ってしまったの……。も、もちろん、使う気なんてなかったよっ!? ちっとも。ぜんぜん。まったく。本当に」
 感想。
「魔王やっすぅううう!」
「思っても口にするなぁあああ!」
「いやもう、そんな人類のまだ見ぬ境地に挑まれても」
「そこまで!? そこまでの無理難題なのっ!?」
 そりゃあもう。
「……と、ともかく! 君は私ののしもべなの! 魔王様の命令は絶対なのー!」
 もう完全に口調は元に戻っている。
「そういわれてもなぁ。――リノは僕のしもべである方がうれしいんじゃない?」
「ハイ、ご主人様。リノはご主人様のしもべであることが喜びですっ♪ ――って、言わすなぁあああ!」
「はっはっは」
 なんか、おもしろい。おもしろくていいのかは知らないけど。
「みっ!?」
 突然リノが震えた。
 何かと驚いたが、ぽつりぽつりと土にしみができればわかるというもの。
「あちゃー、ついに降り出したか……」
 まあ、長い話になりそうだし、
「行こう、続きは喫茶店で聞くよ」
「え、で、でもあの……わ、私には個人で使える予算があまり、その……」
 指先を合わせていじいじと。
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:39:38.50 ID:G2cDtrMo
「あーはいはい、僕がおごるからさ」
「ほ、本当っ!?」
 リノが、がばっと顔を上げた。
「あんまり高いものは無理だけどね」
「ほ、ほっとけーきは……注文して、いい……?」
「ホットケーキ? そのくらいならいいよ」
 ぱあっと咲いたような笑顔。
「うん、私はいいしもべに恵まれたよっ♪」
 本当に安いなぁ、魔王様。
「うん? 何か言った?」
「空耳だよ、きっと」
>>
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:40:00.18 ID:G2cDtrMo
>>
 公園からそう遠くなく、ついでにホットケーキがおいしいという喫茶店。『北ガラス』はそんな店なのだそうな。
「くぅ〜……このふわふわ感がおいしいっ♪」
 右手にフォーク、左手はこぼれるとでもいうのかほっぺたを押さえてリノは喜んだ。
「うーむ……確かに、これはうまいなぁ……」
 ふかふかの生地にとろりと溶けるバター、すっと塗られたハチミツ、アクセントに生クリームをトッピングした特製ホットケーキはすばらしく甘かった。
「部長のグルメマップに感謝だな、こりゃ……」
「部長さん?」
 器用にも鼻の頭にクリームを乗せたまま訊ねるリノ。
「ウチの部の。学校周辺で食べ歩くのが趣味なんだってさ」
「優雅な趣味だねぇ……」
「まったくだ。普通にそんな趣味を楽しもうと思ったらいくらお金があっても足りないよ」
 あー、紅茶もいい香りだ。
「ただ、部長はその辺、頭のいいことを考えてね」
「うん?」
「公然と部費で食べ歩きできるクラブを作ったんだよ」
「……不正じゃあないの?」
 鼻の頭が真剣な表情を台無しにしているけど、あえて指摘しない。
「さあね。部長がいうには合法で、先生方もグルメマップの愛用者がいるから問題ないんだってさ」
「ふぅん」
 あ、鼻をかいた。
 気が付いちゃった。残念。
「まあ、そうでなくとも、名義貸しの幽霊部員としては、部長のおみやげがある限りあえて弾劾しようとは思わないね」
 ずずず、と紅茶をすすった。
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:40:23.46 ID:G2cDtrMo
「さて、そろそろ詳しい話を聞かせてよ」
「うーん……どこから話したものかなぁ」
 時計は、まだ九時前。
「時間はあるから大枠からでいいよ」
「じゃあ、世界についてから話すね」
 本気で大きな枠だなぁ。
「こちらの世界とは別に、けれども非常に近しい場所にもうひとつ世界があるの。で、こちらの世界の言葉を借りて、その世界は『魔界』と称されている。これが前提」
 空になったカップをそっと置いた。
「数学的、また物理的な考察からその世界はやはり天体のひとつであり、『地球』と同じように宇宙に浮かんでいる球であるといわれている。でも、不可思議なことに『地球』と『魔界』は部分的につながっていたの」
「へぇ」
「そのつながりはとても小さく、とても細く、とても短い。だから、『魔法』という素地があればこそ『魔界』の住人にのみ知られているのよ」
「ほぉ」
「『地球』と『魔界』という対比は言葉として少し変なものだよね? ここで私が『魔界』と呼称しているものは、その世界での惑星のひとつなのだから惑星の名で呼ばれてしかるべきなんだけれど……それについては、文化的背景の問題へと踏み込まないといけないので割愛、と」
「はぁ」
「……ちゃんと聴いてる?」
 ものすごく眉根を寄せられた。
「興味がないわけじゃないけれど、結論から枝葉に広げる説明のしかたが好みかな」
「むぅ……」
 うなり、リノはフォークを置いた。
「私は魔王のひとり。ふとした事情から、こちらの世界で単身しばらく過ごすことにした。その準備の途中で君と出会い、契約を結んでしまった。これがここまでの流れね」
「うん。そのくらいなら、なんとなくわかってた」
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:40:53.15 ID:G2cDtrMo
「君が一番気になるところは、ここでの『契約』に関する部分だと思うけれど」
「だね」
 他は僕とかかわりのない――積極的にかかわろうとしなければかかわらずにすむかもしれない――ところだし。
「成立にいたるまでの歴史や経緯もこれまたごっそりと省略して、結論――つまり、私と君にかかる制約についてのみ話すよ?」
「よろしく」
「使い魔側にかかる制約は三つ。主人の命令の遵守、主人への虚偽報告の禁制、その他主人への反抗の禁止」
 まあ、そうだろう。
「主人側にかかる制約はひとつ。契約時の対価受け渡し遵守だけ」
「ずいぶんと主人側に都合のいいものなんだね」
 とてもじゃないが、対等とは思えない。
「たとえば、主人が契約時の対価に金銭を指定したとして、それ以上の額を使い魔の個人資産から引き出させることもできるんじゃないか?」
「できるねぇ」
 なんだそりゃ。
「使い魔側にうまみがぜんぜんないな……まるで、売られて行く奴隷の契約みたいだ」
「当たらずとも遠からず……かな」
「まあ細かくは訊かないよ。あまり話すとリノの不利が大きくなりすぎるだろうし」
 きょとんとしてリノは目をしばたかせた。
「その……なんだろう、私がいうことでもない気がするんだけど……いいの?」
「んー」
 紅茶を一口。
「特に奴隷が必要でもないし、ほしいとも思ってない。意味もなくうらみを買う趣味だって持ち合わせてないし、ね」
「瑞希さん……」
 リノの顔がほころんだところで、
「なにより、まだその言葉を鵜呑みにできるだけの信用がリノにないんだよねー♪」
 おー、笑顔が凍った凍った。
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:41:29.33 ID:G2cDtrMo
「『実はファンタジック美人局でした♪』というオチも考えうるし!」
「何その視聴率が取れそうにない深夜番組のような名前はー!」
「はっはっは」
 ……まあ、考えうるというだけで、リノがうそをついていないことはわかっている。
 前提となる知識について、僕がまったくの無知ではなかったから。
 でも、口には出さない。
 リノがおもしろいし。
「むぐぐ……」
「質問だけど、契約を守れなかったらどうなるんだ?」
 三度三度食わせておやつまで付けないといけないペットを飼う財力はないんだが。
「それはないよ」
「?」
「私があれほど無様に……もとい、素直に質問に答えてしまったように、君にも同様の強制力が働いているの。その力の大きさはふたりの魔翌力総量に比例するらしいけど――どちらにしても、ひとの身で抗うのはどだい不可能な代物だよ」
「つまり、僕は何があろうとリノに三食プラスおやつを出し続けてしまう、と」
「うん!」
 胸を張られた。
「やっぱりファンタジック美人局だった!」
「一食二食につられて身売りなどする気なんてなかったよっ!」
 一ヶ月なので、ざっと九十食だけどね。
「うーん……食費が倍ってのは怖いなぁ。何万円増えるんだろう」
「……何万円?」
 怪訝な顔でリノが見上げてきた。
「一食四百円としても九十食だと三万六千円になるでしょ?」
「君……もしかして、自炊はしてないの?」
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:42:05.97 ID:G2cDtrMo
「人類が摂取できるはずの食材を人類が摂取できない物体に料理することはできるぞ」
 焼けば炭ができて、蒸せば炭ができて、煮ても炭ができる。料理とは実に不思議だ。
「まったく……ちゃんと節約して料理すれば一ヶ月で三万円もかからないでしょうに」
「……一人分で?」
「二人分」
 一人分の食費よりも安い二人分の食費ってことですか!?
「これでも料理は得意なの。日本風な和洋中もこなせるよっ♪」
 おおぉ……後光が差している……。
「日本風というからには、カレーライスも……」
「かれーは水っぽいものよりも、どろっとした、ごはんにあわせて食べるものの方が好きですねぇ……ククク……」
「魔王様!」
「ふっふっふ、あがめるがいいのだー♪」
「アパートの庭に小屋を建てるので来てくださいっ!」
 おおっ、コケた。いいリアクションだ。
「私は犬かっ!?」
「捨てられ方は猫のようにも見えました」
「捨てられてたわけじゃなーいっ!」
 魔王ハウス。
「まあ、まじめにいうと……僕、ひとり暮らしなんだよね」
「うん?」
「つまり、リノが来ると、年頃の男女がひとつ屋根の下!」
「別に構わないよ」
 ぐっ……ちょっとはひるもうよ。
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:42:44.26 ID:G2cDtrMo
「証明としては物足りぬかもしれないけど――私はこういうこともできるからね」
 そういって、リノは自分の指を軽くなめると、紙ナプキンに何かを書いた。
 スティックシュガーの袋を開け、その紙ナプキンの一ヶ所に山を作り――
「燃えよ」
 ボッ
 紙ナプキンの端にリノが指を乗せると、砂糖が一瞬で燃え尽きた。
「これが『魔法』。君たちには使えない異形なるものの力――」
「コンロはあるよ?」
 おー、突っ伏した。
「ちっがぁあああう!」
 一瞬取り戻しかけた威厳はすこーんと吹っ飛んでいった。
「リノって、実はお笑い番組好きでしょ?」
「き、嫌いではないけど……って、そうじゃなくて! 私は『魔法』使えるの! もの燃やしたりもの凍らせたりできるの!」
「冷蔵庫もあるよ?」
「ちーがーうーのー!」
 あっはっは。
「と、ともかくね。私は強いの。君が何かしでかそうとしても逃げることは簡単なんだよ! だから、その点は気にせず、私をあったかいおうちに入れてくださいお外は想像以上に寒いんですお願いしますお頼みしますお願いします」
 後半なにやら本音が駄々漏れしていた気もするが、さて困った。
 うまい料理ができて、なおかつそのまま節約につなげられるというのはのどから手が出るほどほしい逸材。
 だが、家に上げると……ましてや、同居するとなると……バレる確率が……。
 ちゃらりらりらりら〜♪
 喫茶店らしく天井付近にすえられたTVから、特徴的な音楽が流れ始めた。
「え、もう『新感覚、嫌死刑魔法少女☆祈坂』の時間なの?」
「……好きなのか?」
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:43:12.31 ID:G2cDtrMo
「うん! 強いしカッコイイし、特に第三羽の『大変! 大怪我をしているわ。こうなったら……楽にしてあげるしか……』とためらいなく被害者を救済するシーンでの魔法少女祈坂の癒し系っぷりが大好き♪」
「……ほぉ」
 はた、とリノが我に返る。
「な、何かな、その目は? あ、アニメだからといって莫迦にするものじゃあないよ? 社会風刺であると同時にキャラクター性を確立し、それでいて深い心理描写、ハイスピード過ぎる戦闘シーンなど見所いっぱいなんだから!
 こ、子供向けではないよ! 一線を画した大人向けの本格派アニメなのっ!」
 いや、それはどうでもいいんだけど、
「『魔法』使えるのに、魔法少女好き……」
「魔法少女に限定するのはまだまだ日の浅いヒヨっこのすることですよ……。当然、私は魔女っ子も好きですね!」
 どう違うんだか。
「うーむ」
 むむむ……。
 料理+節約+魔法少女好き……。
「……変、かな?」
 上目遣いに、さみしそうにリノはつぶやいた。
「そんなことはないと思うよ。世の中、もっとすごい趣味の人だっていくらでもいるだろうし」
「ううん、君――瑞希さんにとって、の話」
 僕にとって……?
「『これ』はしょせん趣味だから、瑞希さんもある程度までの妥協ができるものだと思う。でも、使い魔と主人は切り離そうとして切り離せるものではないの。だから……」
「……だから?」
 ためらって、一拍。
「……無茶な命令だってできる状態で、これほどよくしてくれようとしているのには。原因はともかく、動機だって見ず知らずの私に、その……あの……えっと……だ、だから感謝、してるのっ!」
 おかしい文章のつなぎ方。
 顔を真っ赤にしてリノは叫んだ。
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:43:31.40 ID:G2cDtrMo
「……」
 はぁ……。
 僕も焼きが回ったかなぁ?
「ひとつ、約束」
「ん? 何?」
「僕の部屋には入らない。いい?」
「うん……お? おおぉ!? い、いいの!? 私も一緒に住んでいいのっ!?」
「覗いたら鶴になって空に帰っちゃうからそのつもりでね」
「大船に乗ったつもりで任せておいてっ! 何があろうとも守っちゃうよー♪」
 ホント、いい笑顔だわ。
 この顔にあと何回だまされるのか、今から怖いね。あはは。
>>
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:45:30.95 ID:G2cDtrMo
>>
 いや、色気のある展開を期待したわけじゃないけれどね?
 時刻はというとすっかりとっぷり暮れていてる午後七時。
 日曜日……日曜日だったのに……。
「ミズキは本当にお人よしだよねぇ」
 いたずら好きな子供を思わせる高い声がした。
「うっさい、棒」
「放っておけばいいのに、目の前で他人が困ってるとどうしても手を出しちゃう。普段、達観したような顔をしてるのにねぇ。くふふ」
「折るぞ?」
「あっ、ちょっ、痛い痛い痛い折れる折れる折れるハルちゃん折れちゃうべキっと割れちゃうポッキリいっちゃうやめてやめてやめてー」
 と、騒いでもリノは一言も発することはなかった。
「くぅ……」
「ぐっすり寝てるねぇ、ミズキ」
「まあ……疲れてるんだろうね。いつからかは知らないけど表にいたみたいだし」
「初めて訪れた男の部屋であっさり寝れるとは、情状を酌量しても大物だねぇ」
「僕もまさか寝てるとは思わなかったよ」
 家に帰ってきて、テーブルに倒れ込んでいる姿を見付けたときには何事かと思ったが。
「ねぇねぇ、それでさ、この娘は誰?」
「……僕はそれをこそ訊ねたかったんだけど」
「どういうこと?」
 棒なのに首を傾げるな。
「『魔王』って言ってた」
 さすがに意表を突かれたのか、ハルの息が止まる。息してるのか知らないけど。
「『魔王』ねぇ……前にもいったと思うけど、『魔界』の統一王は存在しないよ?」
「世界一信用しがたい棒の言葉を頼りにするのは不安だらけなんだけど、まあ、可能性としてありうるのは『魔界』のどこかの国の王かな、と思ったんだ」
「むー、知らないねぇ。ハルちゃんはそんなに王族に詳しいわけじゃないけれど、この娘がどこかの王様だった記憶はないみたい」
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:46:49.85 ID:G2cDtrMo
「となると、おかしい」
「何がおかしいの、ミズキ?」
「どうせバレることだからいっちゃうと、この娘と『契約』したんだ」
 しん、と静まった。
「おかしいよ、ミズキ。うん、それはおかしいよ」
「だよね」
「『契約』したのであれば、うそはつけない。これは絶対のルール。ということは、考えられるのは三通り、この娘の記憶能力がおかしいか、この娘の言語能力がおかしいか、この娘の判断能力がおかしいか」
「それは違う。少なくともその倍、いや、三倍の数までは確実にありうるよ」
 いやだから、棒なのに器用に首を傾げるな、と。
「『リノ』だけじゃなくて、『朝霧瑞希』や『ハル』がおかしいという可能性もあるということさ」
 つまり、僕がリノの言葉を記憶し損じた可能性。僕がリノの言葉を言語的に理解し損ねた可能性。僕が理解したリノ言葉を誤って判断した可能性。それと、ハルが僕へ説明したもろもろが同様に間違っていた可能性がある。だから、三倍だ。
「ああ、なるほど〜。ミズキは頭いいねぇ」
 ただ、状況証拠だけを並べるのであればリノが一番怪しいというのも事実だけれども。
「――でも、そこまで理解していて連れてきちゃった理由は?」
「料理ができるんだってさ。二人分作っても一人前を買うよりも安いらしい」
「ミズキ……」
 目があったら哀れみのそれで見つめてきそうな雰囲気をただよわせるな、棒。
「さすがに、お人よしが過ぎるよねぇ」
「別に……三ヶ月くらい、どうということはないよ」
 ため息をつきなさんな。
「この娘、服や髪がキレイだって気が付いてるよねぇ?」
 身なりのきれいな家出少女が、たまたま魔王でした。あはははは。
 ――ない。ないわ。
「……まあね」
「魔界から機界に来ることはたぶんまだできないと思ってたけど……技術革新でも起こったのかなぁ? ――その新しくてものすごーく高額を吹っかけられそうな技術を使えるって、すごいよねぇ?」
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:47:14.49 ID:G2cDtrMo
「……ああ、わかってる」
 ため息をついてしまった。
 リノには持ち物らしい持ち物もほとんど見当たらなかった。隠しているのか着の身着のままなのか。はて、どうなんだろう。
 奇妙すぎる情報が山積しているのに、さっぱりそれらがつながらない。にもかかわらず、それらは高い確率で正しい情報なのだという。なんだこりゃ。
「わかってるならいいよ、ハルちゃんはミズキの意思を尊重する」
「……ありがとう、ハル」
「わ、ミズキからハルちゃんの名前聞いたのかなり久しぶり! 明日は雪が降るかなぁ?」
「秋口とはいえさすがにまだ早いだろ。……けど、寒いのであれば暖めてやることはやぶさかではないね」
「えっ?」
「ちょうど、コーヒーを作りそこなった湧きたてのお湯が残ってるし……」
「み、ミズキ? えと、それを……ハルちゃんにどうするつもり――」
「煮沸消毒?」
 ちょっと違うかも。まあいいか。
「あ、ちょっ、熱い熱い熱い融ける融ける融けるハルちゃん融けちゃうドロっと崩れちゃうポロリといっちゃうやめてやめてやめてー」
 別に、照れ隠しではない。
「ミズキミズキミズキ、出撃出撃出撃だよっ! ほらもうすぐ出撃しないと熱い熱い熱いー」
「……このタイミングで?」
「一刻の猶予もないねぇ! うんっ!」
 じとーっ
「うわ、ミズキものっそいジト目だねぇ。でも急がないと!」
「……じゃあ、続きは後にしよう」
「するのっ!? 続きするのっ!?」
 当然です。
>>>>>
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:47:54.66 ID:G2cDtrMo
「重要なのはプリム部分なんだ。いいか、アサ。繰り返すが、メイドさんは記号であり、その象徴はプリム部分なんだ!」
 初夏で蒸し暑いというのに、鼎は昼間っから絶好調だなぁ。
「あのプリムのおかげで、我々はメイドさんにセーラー服を着せることができるようになった。スク水を着せることができるようになった。
いや、そればかりか十八キーンな場面においてもその役柄を見誤ることなく裸体を注視し得るようになったのだ。これは蒸気機関の発明よりも人類にとって意義がある!」
 心の底からどうでもいいことを第三帝国の総統ばりに演説できることは、人生において何かプラスになることがあるのだろうか。
 パンの最後のひとかけらを飲み込み、僕はくしゃくしゃとスマイリーなマークの付いた購買紙袋を丸めた。
「何なんだ、そのプリムってのは……?」
「プリムというのは、メイドさんが頭部に装着しているあのひらひらふりふりした夢と希望から生まれた物質のことだ。ホワイトプリム、ヘッドドレスなどと呼ばれることもあるな」
 夢と希望がそんな形態変化をするとは思わないけれど理解。アレはプリムって名前だったのか。
「で、何の話だっけ? 購買のメロンラスクはやっぱり存在しないって話だったよね?」
「んな話はしておらん。メイドさんはプリムを装着している限りメイドさんとして見ることができる。
であるからして、メイドさんはメイド服にのみ拘泥することなく他の衣装、ひいては他の立場を兼ね合わせることができるという、歴史的にも製紙技術の構築より意味のあることを話していたのだ!」
 知らんがな。
「一緒に学校に通いながらも『確かに同級生ですけれど、わたしはメイドですから♪』とオレから一歩下がってひかえる姿! セーラー服なのにメイド! 同級生なのにメイド!
 『これもお仕事です! さ、おとなしくお口を開けてくださいな。はい、あ〜ん♪』と恥ずかしがるオレに教室でお手製弁当をあ〜んしてくれる! さらには、プールの授業後――」
 鼎と友人であっていいのかどうか、そろそろ真剣に悩んでいいかも。
 僕はそんなことを思いながら聴覚から鼎の声をシャットアウトするべく教室を見回した。  昼休みも中ごろを過ぎただけあって、残っているクラスメイトの数はやや少ない。昼食を終えた彼らは、多くがそれぞれ友達との会話やゲームにいそしんでいる。
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:48:28.57 ID:G2cDtrMo
 教室に残らなかったクラスメイトの一部は校庭に見えた。教室居残り組と比べてやや行動的かつ運動的な彼らは、その大半がボールを使ったゲームに夢中のようだ。
 見上げれば空は青く、雲ひとつない。晴天。わずかに木々もそよいでいる。これで湿度と気温が高くさえなければ花丸を差し上げるところなのだが、いかんせん暦は七月。日本の四季から個人的に取り除いてほしいランキング一位の、夏だ。
「――というわけで、世界的な見地からしてもメイドさんは偉大なんだが……アサ、聞いてるか?」
「聞いてないよ」
 懇切丁寧かつ簡潔無比な返答をしてあげた。
「はぁ……まったく、アサは才能があるのにそんなことでどうするんだよ」
 何の才能だか。
「まあ、オレたちにはまだ時間がある。ひとまずはオレの話を聞き流しているだけでいい。それは絶対お前の力になる」
 ならんならん。
「こらこら、勝手にたそがれるな。しかたないな……アサよ、ひとつおいしい話をしてやろう」
「おいしい話?」
「そのとおり。これを見よ!」
 部活動許可申請書……?
「二学期までもつれ込んでしまうが、ようやく認可が下りたのだ」
「……それが、どうしておいしい話と関係あるの?」
「これが予算。この項目が活動内容だ」
 えーと、何々……、
「鼎」
「何かね、朝霧瑞希君?」
 ふんぞり返るな。
「ずいぶんと予算が多いね」
「生徒会に根回しをしたからな」
「それと、活動内容にある『現地での部員レクリエーション』って項目が気になるね」
「一部職員にも根回ししたからな」
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:49:03.19 ID:G2cDtrMo
 要するに、
「これって、部活動費で買い食いする部活ってことだよね?」
「そういう側面もあるかもしれんな」
 灰色な応え、ありがとう。
「部員が最低三名必要でな、名義だけでも貸そうという友人がいれば――たまにおいしい目が見れることは確かだろうな」
「わかった、幽霊部員だけどよろしく」
 入部届けください、と出した手を避けられた。
「その前に、メイド談義の続きに花を咲かせるとしようじゃないか、アサよ!」
「……初回はチョコ系で頼むよ?」
「了解だ、親友よ」
 よしよし、じゃあさっさと書いてしまうか。
 さらさらさらっと。
「はい」
「うむ、ご苦労。朝霧部員よ」
「ありがとうございます、斉藤部長」
 ……あの、なんでニヤリと笑いますか?

「これで、君も栄えある『正義部員』だ」

>>>
 2.
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:49:45.60 ID:G2cDtrMo

 ――と、そのような絶望的な過去の夢を見た。
「なんで正義部なんだ!」
 勢いよく起きた拍子に布団がめくれ上がった。
 ぼんやりする頭で右を見て、左を見た。僕の家だ。
「……ふぁあ」
 時計を確認すると午前六時。デジタルなそれは今日が木曜であることまで克明に知らせてくれる。余計な真似をしおってからに。
「んー……やっぱり敷布団くらいはほしいかなぁ?」
 タオルケットを敷いても、床はやっぱり硬いね。
「瑞希、おはよう。朝からすっとんきょうな声を上げて、どうかしたの?」
「エプロン」
 もとい、エプロン姿のリノだ。制服エプロンとはこしゃくな。
「うん? あ、朝ごはんはもうちょっと待ってね。もう少しでできあがるから座って待っていてよ」
「うん、わかった。ありがとう」
「ふふん、この魔王リノ様にたくさん感謝するがいいのだー♪」
「エプロン姿で家事をこなす『魔王様』に感謝です」
 あ、苦い顔になった。
「――リノ、朝は笑顔で行こうよ」
 かちり
「はいっ、ご主人様♪ リノ笑顔でがんばりまぁすっ――ってさせるなぁあああ!」
 はっはっは。
 契約の日から四日がすぎた。
 命令をすることにもすっかり慣れて、もっぱらリノと遊ぶ――というか、リノで遊ぶ――ためにしばしば用いている。すみません、おもしろいんです魔王様が。
 生活はずいぶんと楽になった。
 家事の何割かをリノが受け持ってくれたのもあるが、本当に食費が安くなったのだ。
 本当に、魔王様には大感謝です。
「まったくもう……瑞希がこんなに意地悪だとは思わなかったよ……」
「んー、でも、寝起きは機嫌のいい顔が見たいよね?」
「むぅ……なら――って、私は確か機嫌よく瑞希に挨拶したよっ! どういうこと!っ?」
 バレた。
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:50:08.08 ID:G2cDtrMo
「おはようリノ、今日もいい朝だね♪」
「ごまかすなー!」
 はっはっは。

「ごちそうさまでした」
「うん、おそまつさまでした」
 いうだけのことはあり、リノは本当に料理上手のようだった。
「どう? おいしかったかな?」
 と、訊く声も答えを確信し切った自信ありげなものだし。
「そうだね、うまかったよ」
「そうでしょうそうでしょう♪」
「今まで目玉焼きは、こげているか炭になっているか白身が透明なままのものしか食べたことなかったから、画期的だった」
「……瑞希、前も思ったけどそれはあまりに料理下手すぎるよ」
 うーん、否定できない。
「ところで瑞希、疑問なんだけど」
「ん? 何?」
「昨日も夕方から夜中までいったいどこに出かけてたの?」
 ……。
「二日連続で帰りが夜中は遅すぎると思うの」
 すみません、実は夜中から出かけてる日もあるんです。
「『出かける』の書き置きひとつだけだと不安になるよ」
「あー、バイトみたいなものだよ」
「バイト?」
「不定期だから突然いなくなるけれど、気にしないでね」
「変わったバイトをしてるねぇ……どういう職業なの?」
「ノーコメントでお願いします」
「わかった」
 物分りいいなぁ。
「もうひとつ訊きたいんだけど、瑞希はどこに通っているの?」
「僕? リノと同じ白鳳で、一年二組だよ」
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:50:44.88 ID:G2cDtrMo
 正しくは、リノの着ている制服と同じで、だ。
「へぇ、この制服って白鳳って学校のものなんだ……」
 ……すみません、そこからですか。
「学校、楽しい?」
「えーあー……うーん……チットモサッパリ、タノシクナイ、デスヨ?」
 おもしろいことなんてなにもありませんよ、はい。
「そうなの?」
「ええ、そうですとも。学校なんて勉強を詰め込むための機関にすぎません。
そもそも、教師だって社会人としての経験なく教師としていきなり大量の部下たる生徒を任される立場にあるわけですから人格形成においてそれが十分になされているとは限らないわけであるからしてですね」
「ふぅん」
 よし、興味がそれた!
「おおっと、じかんがきてしまった。やあ、そろそろぼくはがっこうにいそがないと、ちこくしちゃう。わあ、たいへん」
「あれ? 木曜日は早いの?」
「きっとそういうことです!」
「じゃあ、後片付けは私がしておくから、瑞希は行きなよ」
 うぐっ! な、なんか罪悪感が……。
「はい、お弁当。早めに帰ってきてよね?」
「承知した」
「荷物持ちがいると買い物が楽だし……フフフフフ」
「はめられたっ!?」
>>
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:51:12.63 ID:G2cDtrMo
 白鳳学院高等学校は偏差値の高い私立校だ。
 ただ、創立より間もない平成生まれの学校のためか、全国クラスの部活の育成には成功していないのが現状である。
 なお、ほどよく便の悪い立地は、歩くことで生徒の体力を養うためらしい。
 そんな白鳳高校の特徴のひとつが、木曜日の午後の授業時間枠をまるまる部活にあてていることだ。
 表向きには『健全にして強固な人間関係の育成を奨励し、また、勉学のみならずスポーツにも力を注ぐことができるよう配慮したためである』ということだが、生徒はおろか教師のひとりたりとも信じてはいないだろう。
 要するに、部活で成果がほしいのだ。願わくば、一般の生徒まで飛び火しないよう特待生諸君の奮起を期待する。
「朝霧部員、待ちたまえ」
 午前中の最後の授業が終了した直後に、呼び止められた。
「……何かな、鼎?」
「朝霧部員、今は部活の時間だ。オレのことはきちんと斉藤部長と呼びたまえ」
 メイド狂いは堂々と仁王立ちをしていた。僕の席の目の前で。
「正確にはまだ昼休みだよ、鼎。部活の時間は一時から」
「細かいことを気にしてはいかん。そんなことより朝霧部員。それは何なのだね?」
「……弁当だよ?」
 僕の机の上には弁当が広げられていた。
 錦糸卵が乗せられたご飯に、アスパラガスのベーコン巻き、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、おまけにプチトマトがちょこんと入っている。
「ずいぶんと美味にして豪勢なる弁当に見えるのだが、気のせいかね?」
「気のせい気のせい」
 はたはた、と手のひらを振ってやった。
「朝霧部員」
「なんですか、顔が近い斉藤部長」
「オレは朝霧部員の親友として中高を渡り歩いてきたつもりなのだが」
 腐れ縁ともいう。
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:51:40.67 ID:G2cDtrMo
「その経験知識からいわせてもらうと、朝霧部員の料理の腕は破滅的だ」
「きょうび、ゲームの女性キャラにも用いられそうにない寸評をありがとう」
「そして、朝霧部員はひとり暮らし。では、この弁当の正体は何だね?」
 リノが早起きして作ってくれました。
 晩ごはんの詰めなおしではなく、きちんと全部のおかずを作り直してくれるのでここ三日間はお弁当の中身が楽しみでした。ハイ。
 え? リノが誰かって?
 魔王陛下様ですよ。魔界の王様です。魔法も使えるんですよ。
「僕も成長するということさ」
 ――言えません。言いません。
「朝霧部員が成長……するのか?」
「いや、真剣に驚かれても」
「ふむ……まあいい、好意を持たれたのならば大切にしたまえ」
「へーい」
 あー、きんぴらごぼうがおいしい。
「さて、朝霧部員。ここからが本題だ」
「……食事時にメイドさんの話はやめてくれよぉ」
 少量なら健康にもいいのだが、鼎の提供するメイドさんの話題は明らかに過剰だ。おーばーどーずだ。致死量だ。
「いいや、オレはちゃんと『朝霧部員』と呼びかけているだろう。正義部の話だ」
 ぴた、とプチトマトをつかむハシが止まった。
「おおっとぉ! いやぁ、僕、音子姉に呼ばれてたんだ。やあ、ごめんごめん。それじゃあ、斉藤部長。また今度ー」
 食べかけの弁当をしまいこみ、ささっと脱出を試みた。
「では、姉さんに夕飯はいらないと伝えておいてくれたまえ。オレは本日中に片をつけるつもりなのでな」
 何の話やら。
>>
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:52:05.05 ID:G2cDtrMo
 首尾よく鼎の魔の手から逃れることはできたが、言い訳に使ったおかげで思わぬ用事が増えた。
 このままこそこそとエスケープするつもりだったのだが、いやはや世の中とはなかなかうまく行かないものだ。
「というわけで、音子姉をいぢめに来ました」
「えええええっ!?」
「音子姉さん、声が大きいです。他の先生方に迷惑ですよ」
「えっあっ、ご、ごめんなさいです?」
 職員室の面々はさして気にした様子もなく――むしろ、微笑ましげにこちらを見つめていた。
「鼎から伝言です。夕飯はいらないとのこと」
「あ、はぁい。わかりました。伝言ありがとうございます」
 ぺこ、と音子姉は頭を下げた。
「いい子だ」
 なでやすい位置にあったので、とりあえず頭をなでてみた。
「わーい……って、違いますよぉ! 先生の頭をなでちゃいけませーんっ!」
「まあ、いいじゃないですか。頭のひとつやふたつ」
「頭はひとつしかありませんっ!」
 この木村の姓を持つ女教師は、何の間違いか鼎の実の姉である。
 音子姉は眉目秀麗ですらりとした長身の持ち主だ。幼少より叩き込まれたという礼儀作法のおかげかその立ち居振る舞いは実に優雅で格好いい。武芸にも秀で、勉学についても文句の付けようがなかったという。
なんというか、女性にモテる女性を絵に描いたような傑物――なのだが、会話をすればこのとおり。実に困ったおひとなのだ。
 そんな人畜無害が羊の皮を被ったような女性は、一応のところ我がクラスの担任教師として君臨している。
「うぅ〜……いくら瑞希君が大人な先生にあこがれているからといっても、この対応はいただけません。減点です! ダメダメです!」
「むちむち頭脳が売りの大人先生ばんざーい」
「えっへん♪ ……頭脳?」
「無知無知ですよね?」
「え、ええ、もちろんです! 音子姉さんはお胸の立派なむちむちさんですよ!」
 そんな無知蒙昧な大平原。
>>
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:52:26.92 ID:G2cDtrMo
 職員室を出ると南熊さんがいた。
「……よーろれひー」
 片手を挙げられた。横文字の挨拶らしい。
「南熊さん、何してるの?」
「……すとーきんぐ」
 どろぼうチックに忍び足ポーズをされた。横文字の挨拶らしい。
「じゃ、がんばってください。僕はこれで!」
 しゅたっと手を挙げ、さわやかに歯を光らせて僕は立ち去ることを宣言した。
「……がんばる」

 うん、そんな気はしたけど付いてきた。

「えーと、南熊さん?」
「……何?」
 ちょこん、と首を傾げられた。
「なんだって今日は僕をストーキングなさってるのでございましょう?」
 聞かれるとは思っていなかったのか、目を瞬かせると、足を止め考え出した。
「……くーるさんだから」
「違う、それクールさん違う。たぶん不思議ちゃん!」
「……その解釈は受け入れがたい、かも」
 どっと疲れた。
 南熊英という自称クールさんがいる。
 ポニーテールが輝く同級生。細身の肢体が麗しい美人さんでもある。
 友人も多く、快活で話題豊富なムードメーカーとしてクラスでも注目されている人物。
 しかして、なぜか僕の前ではよくわからない言動を繰り返している。
「部活はいいの?」
「……問題は、ないこともない」
 あるんかい。
「……先送り」
 するな。
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:52:49.63 ID:G2cDtrMo
「部活があるんなら出た方がいいよ。いやまあ、ひとのことなんていえないけどさ」
 これからサボって帰るところだし。
「……朝霧は、部活しないの?」
「出てるよ。毎日のように部長さんが現れるから致し方なく、ともいうがね」
「……ごしゅうしょうさま」
 殺さないでー。
「と、それじゃあ僕は帰るよ。南熊さん、またね」
「……では、ご一緒しましょう」
 なぜに。
「えーと……付いてくるの?」
「……本日は、すとーきんぐをする予定なので」
 よくわからんひとだ。
「……部長さん」
「ん?」
「……部長さん、近い」
 指差す方向を見ると、鼎がいた。
「げっ」
「……逃げる?」
 つん、と軽くつつかれた。
「足止め頼める?」
「……そうやって、あなたは都合の悪い何もかもから逃げるのね」
 えっと……鼎の方に歩み出したから、了解ってこと……だよね?
 本当に、よくわからんひとだ。
>>
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:53:14.93 ID:G2cDtrMo
「ミズキミズキ」
「ん? 何かあった?」
 靴箱へと向かう途中の廊下。カバンの中からしたハルの声に、左右を確かめ、僕は訊ねた。
「あったことはあったんだけど……なんていうか、微妙な事件だよ」
「微妙?」
「ミズキが出なくてもおそらく収まるくらい。でも、出ることもできる。そういう感じだねぇ」
 そりゃまた微妙な。
「危険度は?」
「大したことないねぇ」
「緊急性は?」
「それほどでもないねぇ」
 そりゃまたものすごく微妙な。
「ミズキ、どうする?」
「うーん……」
 わざわざそうする機会を増やしたくはないけれど、話が早いのは確実にこっちだし。だけど、また遅れるとリノに勘繰られそうで怖いし。
「むむむ……」
「……むむむ教団へようこそー」
「南熊さん、なんですかその謎の宗教団体は……」
 あと、気配なく急に横に立たれるとびっくりするんですが。
「……なんだろう。教えて」
 たすけて魔王様、電波さんがいるよー。
「うむ、確かにその教団の正体は気になるところだな南熊部員」
 ぎぎぎ、と首を後ろに向けると鼎がいた。
「ええと……いろいろ疑問があるんだけど、とりあえずひとつ聞いていいかな?」
「オレは親友の頼みを無碍に断るほどケチではない。何なりと聞きたまえ」
「『南熊部員』って、誰?」
「そこにいる女生徒のことだが?」
「……南熊部員です」
 小さく右手を挙げていた。
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:53:37.13 ID:G2cDtrMo
「南熊さん南熊さん」
「……朝霧部員、何?」
 合わせなくていいから。
「これは一体全体どういうこと?」
「……足止めをしている」
 えー。
「では、行こうか朝霧部員。用事は済んだのだろう?」
「……ごぉごぉ」

 何かをとてつもなく間違った気がした。
>>
 文化研究会。
 通称、正義部。
 活動内容、地元食文化について探求するべくどうのこうの、あと歴史的観点から従僕の異文化について探求するべくぬったらべったら。
 あれやこれやと欺瞞だらけで生まれたそんな部である。
 部室棟という名前の隔離施設の一番奥まった場所にある我らが正義部の部室だが、それなりの広さが確保されている。本来、野球部やサッカー部といった大人数部活用だったのではないか、と踏んでいる。詮索はしない。聞いてもいいことなさそうだし。
 ただ、そのスペースの余裕と比べればいささか質素なのが備品だ。
 ホワイトボードひとつに長いテーブルがふたつ、あとはパイプイスが少々に戸棚がひとつだけ。
「さて、朝霧部員。君をここへ招いた理由はわかるかね?」
 腕組みをしてえらそうに腰掛ける鼎。パイプイスがワイングラスとペルシャ猫の似合う豪奢なイスに見えるから不思議だ。
「これは招くというより拉致したというべきじゃないかなぁ?」
「『彼女』の目撃情報から新たな事実が判明した」
 ……。
「何が判明したの?」
「『彼女』のおおよその生活範囲だ」
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:54:06.82 ID:G2cDtrMo
 ごほん、と鼎は咳払い。
「昨日、海道沿いで起きた事件に『彼女』は姿を見せた。この事件が以前のものと比較しても規模の小さいものであることは間違いないのだが――オレが目を付けたのは別の部分だ」
 鼎は地図を広げると、ホワイトボードに磁石で固定した。
「この事件の概要は、タクシーの運転手が乗客であった酔っ払いの男に暴行を受けそうになった、という些細なものである」
 珍しい部分はない。
「重要なのは、被害者が時刻を気にしていたという部分だ」
「時刻?」
「所用で電話をかける必要があり、急いでいた。まあ、所用というのは詐欺で、彼は危うくだまされるところだったからそちらに関しても『彼女』に救われている――が、これもまた余談だ。
ともかくそういうわけで、事件の発生時刻と『彼女』の到着時刻をきちんと記憶していたのだよ」
「……」
「事件発生時刻が午後十時三十七分。それに対し、『彼女』が現れた時刻は午後十時時四十二分。時間差は五分だ」
 ぽん、と鼎はマジックのふたを取った。
「同様に時刻がきちんとわかっている数件の事件について、事件発生から到着までの時間差と位置関係を代入していくと……」
 きゅーっと赤いマジックが地図を染めていく。
「この辺りが、『彼女』の『出動場所』ということになる」
 計算自体は単純。高校一年で習う数学のそれだった。
 ふたつ以上の発生時刻と到着時刻、それと『彼女』の直線速度を頭に入れさえすれば求めることができる。
「目撃情報からの『彼女』の外見年齢も加味して考えたまえ、『彼女』はどこにいたか」
「要するに……『彼女』の正体は白鳳の生徒である、と」
「正解だ」
 地図の赤は、白鳳学院高校の校舎を中心に大きな円を描いていた。
「これより我々『正義部』は、その総力をもって『彼女』の正体を暴きにかかる!」
 だん、と鼎はホワイトボードをたたいた。
「……やんややんや」
 南熊さん、拍手はいいから。
「それで、どうするの?」
「まず、もっとも地味な方策として、現在白鳳学院高校に所属する生徒全員の写真を入手した。これは集合写真をそろえるだけだったので容易であった」
 大型の封筒を取り出し、それをひっくり返す鼎。ざざざざざっと、中からは大量の集合写真が出てきた。
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:54:32.47 ID:G2cDtrMo
「斉藤部長」
「何かね、朝霧部員?」
「何、これ?」
「白鳳学院高校に所属する生徒全員の写真だ」
 とてつもなく嫌な予感がするんですけれど、
「それを、どうしろと?」
「『彼女』が誰なのかしらみつぶしに見て回るだけだ」
 くらっときた。
「一学年に何人いるんだっけ、この高校?」
「およそ三百人だな」
「冷静に考えようよ、鼎。九百人ってすごい数だよ?」
「付属中学の分はひとまず除いてあるから、女生徒に限定すればおよそ四百五十人だ。オレと朝霧部員のふたりで手分けをすれば一人頭二百二十五人。十分可能な数字だ」
 ぎゃー。
「な、南熊さん! 南熊さんは!?」
「……見たこと、ない」
「ということだ。『彼女』の顔を知るのは、オレと朝霧部員の二名のみ。何、今日中には帰れるさ」
 いーやぁー。
「なぐまさん、なぐまさん。なぐまんたすけて。なぐまん」
「……なぐまん」
 ほほを染めないでいいから。
「南熊部員、退路をふさぎたまえ」
「……なぐまん、了解」
 あああああん。
>>>
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:54:56.91 ID:G2cDtrMo
>>>
 自宅玄関である。
「むー」
 頭上でリノが膨れていた。
「瑞希、今何時だと思ってるの?」
 午後九時です。
「私、早く帰ってきてっていったよね? 朝、それしかいわなかったよね?」
 そうですね。
「どういうこと?」
 バイトじゃあないんです。
 こう、理不尽メイドニストに拉致られたといいますかなんといいますか。
「もう、知らないっ。あったかい晩ごはんなんてないよっ!」
 あー、冷めちゃった晩ごはんはあるんですね。ありがとうございます。
「お風呂はご飯食べてる間に沸かさないとぬるくて入ってられないからねーだっ!」
 憤懣やるかたなしといった様子でリノは居間へと引っ込んでいった。

 ……疲れすぎて声も出ません。

「ミズキって、結婚すると尻にしかれるタイプだと思う」
 棒さん、おじゃかましくてよ?

 家主を玄関に置き去りにしたまま、夜はふけていったのであった……。
>>>>>
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:55:26.25 ID:G2cDtrMo
>>>>>
 少しだけ優しい女の子がいた。

 電車内の三人がけのイスに座っていた。
 僕と彼女ともうひとり。同じ西三小の制服を着ているが、顔も名前も知らない男子。
 座席を探したら、たまたま空いていたのが僕と彼女の隣だったというだけだろう。
 僕たちが乗ってから四つ目の駅で、見える限りの座席が完全に埋まった。
 五つ目の駅で、三人のおじいさんが僕たちの座席に近いドアから乗り込んできた。
「よろしければ、どうぞ」
 彼女は立って、席を譲った。
 そうするだろうと思っていたので、彼女が席を立った時点で僕も立っていた。
 おじいさんたちは僕たちに礼を述べ、誰が座るかを譲り合い始めた。
「……どうぞ」
 と、そのとき、それまで僕の隣に座っていた男子が席を立ち、吊り革につかまった。
「ありがとう」
 その男子に、おじいさんたち三人は微笑んだ。

 たったそれだけのなんでもない出来事に、彼女はとてもうれしそうだった。
 そんな、少しだけ優しい女の子。

 3.
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:55:48.72 ID:G2cDtrMo

 ――と、そのような感傷的な記憶がよみがえった。
 別名を、走馬灯という何かじゃなかろうか。
「げほげほ……ヴぁー……」
 せきこんだ拍子に鼻水がてろん、と垂れた。
「へっひゅへっひゅ……」
 ちーん
「瑞希、生きてる?」
 ひょこっと土鍋リノが現れた。
「なんとか……げほげほ……」
 リノはベッドの横に木のイスを寄せると、そこに鍋敷きを置いた。
「とりあえず、おじやを作ってみたけれど……食べれるの?」
「うー……食べる。食べないと治らないし」
 じゃあ、とリノは持っていた土鍋をイスに乗せた。
「いたらきまへくしゅっ! ……ヴぁー」
 てろん
「食べる前に、体温計だよ。あと、はいコレ」
「はりはほう……」
 ちーん
 結局あの晩力尽きた僕は、そのまま朝を向かえ、見事に風邪を引いた。
 それも、ただの風邪ではなく弩風邪のようで。せきは出るわ、鼻水は出るわ、熱は高いわ、のどは痛いわ、関節は動かないわのオンパレード。
 おかげで、このとおりベッドにくくりつけられている現状である。
「あー……頭がぼーっとする……」
 ぴぴぴ、と電子音が聞こえた。
「鳴ったよ、瑞希」
「何がー……?」
「……大丈夫? 体温計だよ?」
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:56:13.96 ID:G2cDtrMo
 あー。
 うん、なんか判断力とか記憶力とかないです。やほぅ。
「んーと……三十九度ちょい、でした」
 やほぅ。
「……瑞希、私の記憶が正しければ、人間の平熱ってせいぜい三十八度弱までだよね?」
 いい記憶力です。ついでにいえば、僕の平熱はそれよりもさらに二度ほど低かったような気もしますね。
「インフルエンザかな? だとすると、やっぱり病院に行った方がいいよ、瑞希」
「我が家にそんなお金はあまりありませんっ!」
 おおぅ、叫んだら頭がくらくらする。
「瑞希、ダメ。ちゃんと治そうよ。ね?」
 いつになく真剣な表情ですね。
「……わかった。食べたら病院行くよー」
「よろしい♪ ごほうびに、おじやを食べさせて進ぜよう」
 慈悲深い魔王様じゃて。

 ……はて、何か大事なことを忘れているような?
>>
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:56:38.79 ID:G2cDtrMo
>>
「思い出した……」
 熱に浮かされて、リノを自分の部屋に上げてたよぉおおお。ふんぎゃー。
「あ、ミズキが壊れた」
 ナップサック、もといその中にいるハルが失敬なことをのたまった。
「ちゃうわい」
 病院からの帰り道。解熱剤が効いたのか、いまだに足元がおぼつかなくはあるもののどうにかこうにか思考力は戻ってきた気がする。
「あーあー、僕の安住の地がどんどん少なくなっていくなぁ」
「ミズキはそういう運命なんだよ、きっとねぇ」
 やな運命だな、オイ。
「それよりも、ミズキが見られたくないものって何だったのかな?」
 ん?
「そりゃ、ハルだよ」
「ハルちゃん?」
「もしもし、根本的なところを忘れてませんか? 君、しゃべる棒」
「間違ってないけどハルちゃん不満だなぁ、その分類は」
 お黙り。
「――というか、ハルは『魔法』の産物だろ?」
「間違ってないけどハルちゃん悲しいなぁ、その扱いは」
 海のそばの高台にたどり着いた。
 それはつまり家まで、このまま歩いてあと五分ほどということ。
「……リノってさ、悪いやつじゃないと思うんだ」
 はぁあ……と、ハルは盛大にため息をついた。
「ミズキ。それ、ダメ」
「何が?」
「あのね、ミズキの優しいところは『ヒト』としてすばらしいことだし、尊敬もするよ」
 でも、とハルは呼吸を切った。
「甘すぎるよ、ミズキは」
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:56:57.66 ID:G2cDtrMo
「もしもし、僕は何も結論らしきことは口にしていないんだが?」
 あ、首をすくめたな。わかる。わかるぞ、棒め!
「ミズキは、TVの向こう――ニュースに映ったどこかの国で、誰とも知らないひとが死んだらどう思う?」
 からからに渇いた、冷たい風が吹いた。
「どうとも思わない。そして、そのことを残酷にすら思わない。無感動に『そうなんだ』って一言感想を覚える程度」
「そうだよね、ミズキはそうだよねぇ」
 でもさ、と続けて、
「ミズキの手にほんの一億円ほどがあったら、同じ感想は出せないと思う」
「一億円とは、ずいぶんな大金だね。サラリーマンの生涯年収がざっと三億円前後っていわれているんだし、まあ十年やそこいらはのんびりと過ごせそうだ。うんうん」
「……」
 くしゃ、と並木の枯葉を踏んだ。
 茶色のそれが何枚も何枚も、この先に続く遊歩道いっぱいに敷き詰められている。
「ハルちゃんはね、ミズキが本当にそういうヒトだったら、どんなにか――いいなぁと思うよ?」
「……普通、逆じゃないか?」
 ハルは軽く笑った。
「じゃあ、ハルちゃんって何者さ?」
「棒」
 一秒のためらいもなく答えてあげました。
「にゃはは、いやあミズキはいいねぇ――んっ?」
「どうかしたのか?」
「なんでもないよ」
 ハルは応えた。
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:58:29.85 ID:G2cDtrMo
119 名前:ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw [] 投稿日:2009/03/23(月) 02:10:33.61 ID:hljwBVY0P
☆スレオチ時難民と転載したいひと向けの誘導等

http://mimikaki.blog.shinobi.jp/
ブログ、いろんな形式の過去作を置いてます。


転載をする場合には、このレスが含まれるようにしてください。
他は、特に偏った意図の編集がなければご自由に。
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:58:58.44 ID:G2cDtrMo
「……何かあったのか?」
「ないよ?」
 かさかさになった落ち葉を踏む足が止まった。
 なんだろうか、違和感を覚えて。
「……」
 何に。
 誰に。
 どんな。
「ほらほら、ミズキ。表でぼーっとしてるとまた症状が悪化するよ? また、魔王様に怒られちゃうよ?」
「あー……そうだな」
 ひとまず気にしないことにした。
>>
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:59:17.32 ID:G2cDtrMo
>>
「で、だ」
 僕は状況を整理すべくやや大きめに声を上げた。
「……こまんたれヴー」
 南熊さんが小さく右手を挙げた。はい、こんにちは。
「何かね、朝霧部員?」
 鼎はふんぞり返ったままあわてもしない。にくいこんちくしょうだ。
「なんで、君ら我が家にいるの?」
 小さなテーブルをぐるりと囲んで、三人はいた。三人が。
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 14:59:35.16 ID:G2cDtrMo
「それは当然、正義部の活動にかこつけた朝霧部員の見舞いに違いあるまい」
 ナチュラルに上座であぐらをかく鼎が、秘蔵のカステラを口に運んだ。
「……すとーきんぐ中」
 ちょこんと正座をしていた南熊さんがお茶をすする。てか、まだそれ続いてたんですね。
「リノさぁん、どーゆーことよぉ?」
 現場責任者ー。
「え、ええと……いつの間にかおふたりがいました」
 は?
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:29:06.90 ID:G2cDtrMo
「南熊部員が合鍵を持っていたのでな、勝手に上がらせてもらったまでだ」
 いやその、合鍵渡した記憶なんてないんですが。
「……合鍵」
「それ、合鍵と違う。ピッキングツール」
「……正義部員には必須の技能と、斉藤部長に教えられた」
 何を教えてるんだあんたは。
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:29:25.87 ID:G2cDtrMo
「それよりも朝霧部員、彼女は何者かね?」
「……リノはいとこだよ」
 ほう、と鼎は息を漏らす。
「白鳳学院高校の制服を身につけているようだが――何年何組か教えてもらえるだろうか?」
「あ、え、その――」
「今度転校してくるんだよ。たぶん、僕がいない間に着心地を試してたんだよ」
 言いよどみそうになったリノを押し退け、答えた。
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:29:37.81 ID:G2cDtrMo
「なるほど、筋は通っているようだね」
「……君はどこの査察だ、鼎」
 ずっ、と鼎は一息にお茶を飲み下し、
「では、本題である。南熊部員、例のものを」
「……了解」
 そう言うと、南熊さんはバッグから十数人の名前が連ねられた名簿を取り出した。
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:29:51.07 ID:G2cDtrMo
「昨日絞り込んだ『彼女』候補がこの面々であった」
 過去形、か。
「夜、オレはその十数人についてより多くの写真を集め、記憶と照合した。その結果――『彼女』は白鳳の生徒ではないことが判明した。それにより――」
「待った」
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:30:38.41 ID:G2cDtrMo
「何かね、朝霧部員?」
「僕は病人で、リノは部外者。わざわざ押しかけてまで話すようなことかな?」
「ふむ」
 と、コップを傾ける鼎。中身を飲み干していたことに気が付いて、そのままコップをテーブルに戻した。
「確かに、オレはあせっているのかもしれんな」
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:30:50.93 ID:G2cDtrMo
 だが、と鼎は座りを直し、
「朝霧部員の知恵を貸してほしいのだ。なんとしても、『彼女』の正体を突き止めるために」
 ……うーん。普通の事柄であれば手伝うんだけれどなぁ。
「頼む!」
「よ、よせよ。頭なんか下げるなって!」
「そういわれても、オレにできることはこれぐらいしか――」
「あのー……」
 リノが遠慮がちに手を挙げていた。
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:31:04.31 ID:G2cDtrMo
「話の腰を折ってごめんなさい。でも、『彼女』が誰のことなのか気になって……」
 わざとだ。
 いつかと同じに、空気を読んであえて話の腰を折りにいったのだろう。
「……斉藤部長、未来の部員に説明をするのは義務かと」
 と、南熊さんが助け舟を出港させた。
「ふむ……わかった、説明しよう。朝霧部員、TVを借りるぞ」
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:32:11.81 ID:G2cDtrMo
>>70差替え
「話の腰を折ってごめんなさい。でも、『彼女』が誰のことなのか気になって……」
 わざとだ。
 いつかと同じに、空気を読んであえて話の腰を折りにいったのだろう。
「……斉藤部長、未来の部員に説明をするのは義務かと」
 と、南熊さんが助け舟を出港させた。てか、部員は確定なんですか。
「ふむ……わかった、説明しよう。朝霧部員、TVを借りるぞ」
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:32:35.22 ID:G2cDtrMo
 鼎はチャンネルを地方局へと合わせた。
「地域民であれば『彼女』といえば誰のことかは通じるものだが、転校生であればしかたがないかもしれんな」
 昼下がり。全国ネットの民放であれば芸能人の恋愛劇でも追いかけている時間だが、この地方局に限定すればそうではない。
「区内限定魔法少女――名称不明。それが、『彼女』である」
 古ぼけたブラウン管には、限界まで引き伸ばされた魔法少女の写真が踊っていた。
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:33:01.61 ID:G2cDtrMo
☆補足
Q.区内っていうけど、どういう場所?

A.海が隣接し、大都市からそこそこ近い再開発ベッドタウンっぽいところ。モデルは千葉県美浜区付近。ばりばり埋め立ててます。
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:33:29.21 ID:G2cDtrMo
>>>>>
 少しだけ優しい女の子がいた。

 朝会った彼女はなぜか体操着だった。
 物静かな彼女にしても、それは明らかに落ち込んだ様子で座っていた。
 だから、僕はとりあえず彼女をくすぐった。
「あははははははははは」
 実に弱い。
「……いきなり何をするかな、君は?」
 落ち込んでいる様子だったから、と答えた。
「……やっぱり何を考えてるかわからない」
 何かあったのか、と訊ねると彼女は言葉少なに語り出した。
 登校途中、車に轢かれた仔猫がいた。
 車の通りの多い道で、それだけに大人たちはその死体を邪魔くさそうに見つめていた。
 彼女は、仔猫を拾い上げると、近くの公園に埋めた。
「わたしは無力だ」
 彼女は悲しそうにつぶやいた。
「ただあの場所から引き離し、埋めてあげることしかできなかった……」
「そんなことはないよ」
 僕は、彼女の髪をくしゃっとなでた。
「血まみれの仔猫を抱き上げて、公園に運んで埋める。それは簡単なことだけれども『誰もができること』じゃあないよ」
「普通の人間は損得を考えてしまう。その猫を拾い上げれば血が付くだろうし、埋めてやるとなれば穴を掘らなければならない」
「そんなの……大したことじゃない」
「少しばかりの時間や体力を惜しんで『それ』見て見ぬふりをするひとが多い中で、君だけが『仔猫』を見てやった。『それ』じゃなくて『仔猫』を。だから、十分なんだよ」

 たったそれだけの出来事に、彼女はちょっとだけ泣いた。
 そんな、少しだけ優しい女の子。
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:33:51.29 ID:G2cDtrMo

 4.

 ――と、そのような美しき思い出に浸った。
 浸っている。
 浸らざるを得ない。
 そのくらいに、魔王陛下のご不満は頂点に達していた。
「どうして、瑞希は私に『彼女』のこと教えてくれなかったのー!?」
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:35:07.84 ID:G2cDtrMo
 魔法少女好きとして譲れないものがあるようで、それはもうすばらしい怒りようでしたとさ。

 〜完〜



「瑞希、話聞いてるっ!?」
「はい」
 終われない。
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:35:26.56 ID:G2cDtrMo
 美浜区限定魔法少女こと『彼女』。
 二ヶ月前に突如として現れ、以来数十件の事件にかかわっているとされている。
 ここでいう『事件』とは、犯罪――刑事や民事で裁かれることのないもの――も含まれている。
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:35:44.01 ID:G2cDtrMo
さて、『彼女』が魔法少女として認識されているのには大きくわけて三つの理由がある。
 ――その一、格好が魔法少女。
 黒と黄を基調にした派手派手しいゴスロリちっくな衣装。そして、杖。
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:36:02.45 ID:G2cDtrMo
 ――その二、自称が魔法少女。
 自分の名前こそ言わないものの、魔法少女であると名乗りは上げている。
 ――その三、魔法を使う。
 これが問題なのだ。
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:36:20.70 ID:G2cDtrMo
 世界には『魔法』なんてものはないのだ。
 物理学者が延々と研究し続け探求し続ける先に輝いている『物理法則』こそがこの世の支配者であり絶対のはずなのだ。
 杖を振るった程度ですさまじい力を発生させたり、するどい氷を召喚したり、ましてや空なんて飛んではいけないものなのだ。なのだ。
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:36:37.79 ID:G2cDtrMo
 ただ、
「リアルまほーしょーじょー」
「じたばたしなさんな」
 リノが文句をいっているのは問題がまるで違うようであった。
 鼎の説明からその後、時刻はすっかりと夜になり鼎は退散した。「押しかけてすまなかった」と、珍しく殊勝なことまで述べていた。
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:36:53.62 ID:G2cDtrMo
 ――が、
「……なかなかの駄々っ子ぶり」
「何その盆栽の枝ぶりを褒めるような」
 なぜか南熊さんはまだいた。
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:37:11.43 ID:G2cDtrMo
「えーと、南熊さん。そろそろ午後も七時なんですが……」
「……大丈夫」
 何が。
「……おとまりセットはこのとおり」
「あの、男性のひとり暮らしに女性を止めるのはいささか問題があるのではないかと存じ上げる次第です」
「……ふたり」
 あー、リノいたね。そういえば。
「私のこと忘れてなかった……?」
「キノセイデスヨ?」
 ジト目はやめてください。心の奥底から真実が漏れてしまいそうです。
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:37:26.58 ID:G2cDtrMo
「えっとね、ほら、リノは僕のいとこだから家族みたいなもので」
「……親戚はときとして増える」
「宝くじでも当たったときに?」
「……他に、結婚したときなども」
 ええっとー……どういう意味でせうか?
「……つまりは、こういうこと」
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:37:43.25 ID:G2cDtrMo
 ぴとっと南熊さんがしだれかかってきた。
「ななな、南熊さんっ!?」
「……よかった」
「な、何がでございましょうか?」
 つい、と南熊さんは僕の顔へと手を伸ばしながら、
「……朝霧がいつもの態度ほど女慣れしてなくて」
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:38:01.44 ID:G2cDtrMo
 そして――
「ひとの家で何してるのよー!」
 べりっとリノに引き剥がされた。
「……愛撫?」
 違う。それはさすがに違う。
「ほら、瑞希は病人なんだから近くに寄らない寄らない。さっさと帰らないと狼が出て食べられちゃうわよ。かぷかぷって!」
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:38:18.83 ID:G2cDtrMo
「……送り狼になら、食べられてもいい」
 こちらを見られても困るのですが。
「ダメ! 瑞希は私の――ぶ、部下なんだからっ!」
「何このわかりやすいツンデレ!?」
「ツンデレじゃなーいっ!」
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:38:35.33 ID:G2cDtrMo
 意外と特定階層日本文化に精通してらっしゃいますね、魔王様。
「……親戚は、婚姻に口を挟むべきではないと思う」
「い、いとこは結婚できるんだよっ!?」
 あーた、そもそも本当はいとこじゃないでしょう。
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:38:50.14 ID:G2cDtrMo
「……世間体すら考えられないようでは、まだまだお子様」
「同い年でしょうがぁー!」
 あ、同い年だったんですか。
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:39:05.76 ID:G2cDtrMo
「だ、大体、なぐまんは口調が変わりすぎっ! 瑞希いないときと今とでぜんぜん違うよっ!?」
 なぐまん。
「……それは言わないお約束」
「してないよっ!?」
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:39:25.83 ID:G2cDtrMo
 じりじりと視線のぶつかるところで火花を生み出すふたり。
 先にそらしたのは南熊さんの方だった。
「……きょうのところはこのへんにしておいてやろう」
「帰れ帰れーっ!」
 どうでもいいけど塩まくな。もったいない。
>>
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:39:59.03 ID:G2cDtrMo
>>>
「あー……なんか、初めてハルに感謝したくなったよ」
 びゅうびゅうと風が吹きぬける。
 場所はビルの屋上。
 高層というほどではないにしても見下ろせば人間など豆粒のように感じられる、そのくらいの高さのビル。
「うーん、ミズキはもっと頻繁にハルちゃんに感謝してもいいと思うよ?」
 そうとしゃべるハルはいつもよりはるかに長さを増し、両手でつかんでもあまるほどのになっていた。
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:40:16.84 ID:G2cDtrMo
「バレたらまた何かいわれるんだろうなぁ」
 時刻は夜。
 すでに深夜営業を行う一部の店舗以外はすべてが明かりを落とした後である。
「バレたらって、病み上がりなのに表に出ていること? それとも――んっ!」
「来たか?」
 ハルは小さくうなづく。杖なのに。
「来たよ……うん。これは、ミズキでないと無理」
「上等っ!」
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:40:33.62 ID:G2cDtrMo
 僕は走りだした。
 普段の数倍、あるいは数十倍の速さ。知覚が追いつくギリギリ。二秒と経たず金網は目の前に。
 僕は跳んだ。
 二メートルはあるフェンスの上端を優々と越えて空へと身を躍らせる。
「ハル、第三十七『魔法』術式解放だ」
「了解っ!」
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:40:48.15 ID:G2cDtrMo
 どごん、と一瞬の猛加速。
 音速の壁を刹那にすっ飛ばし、なおもぐんぐん速度を上げる。
「くぅ〜……さすがにクるなぁ、このGは」
「ハルちゃんが防護していても限界はあるからねぇ」
 街に残ったわずかな光点は、線となっていた。
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:41:33.23 ID:G2cDtrMo
「ミズキは、これで部長さん対策万全だと思う?」
「どうだろうなぁ、速度を変えたところでそんなのはめくらましにしかならないし……」
 ただ、正体をつかむところまではいかないだろう、と確信はしている。
 なぜなら――
「ところで、ハル」
「何、ミズキ?」
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:41:44.48 ID:G2cDtrMo
「この姿はどうにかならないのかなぁ?」
「無理だよ。ハルちゃんは――主人を魔法少女にする杖、だもの」
 ひらひらゴスゴスのドレスにプリムをまとい、『魔法』を用いて敵と戦う可愛らしい女の子。しかしてその正体は、白鳳学院高校一年二組、朝霧瑞希。男子。
 あああああ、もう、絶望したいっ!
「まあまあミズキ、大丈夫だよ。女装だけど異性装じゃないし」
「何がどう大丈夫なんだよっ!?」
 叫ぶ声も高くて可愛らしいときているから困る。
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:41:57.50 ID:G2cDtrMo
「ハルちゃんを手放さない限りは『魔法』は継続するから、おしりだっておっぱいだってホンモノだよ?」
「だーかーらー、それのどこが大丈夫なのか、と聞いている」
 そりゃあ、とハルは笑った――気がする。
「もし、十八歳未満お断りな展開になっても、ハルちゃんを手放すだけで回避可能っ!」
「救いにならねぇえええええ」
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:42:15.05 ID:G2cDtrMo
 せめて……せめて、変身ヒーローだったら……っ!
 戦隊モノっぽい格好で、たったひとりでもいい。
 後ろ指差されて「ママー、なんであのレンジャーひとりなの?」とか言われても、「しっ、見ちゃいけません! 友達いないのが移るわよ!」とか言われても構わないですから!
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:42:29.73 ID:G2cDtrMo
「ミズキ、そろそろ現場。切り替えて」
「はぁあ……わかった!」
 橋があった。
 八百メートルを超える若葉第1号橋、若葉第2号橋にはさまれるようにして京葉線の線路が川を隔てて通っていた。
 ――おそらく、数分前まで。
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:42:55.53 ID:G2cDtrMo
「こりゃまた見事に……」
「切れてるねぇ」
 寸断。
 何が原因か、誰が原因か橋の一部が崩落していた。
「ハル、ダイヤは!?」
「あと三十秒!」
 三十秒後、もし気が付かなければ電車は川へと落ちることになる。
 気が付いてくれればよし。気が付かずとも、ブレーキシステムが間に合えばよし。それら一切が間に合わなかったら――
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:43:15.80 ID:G2cDtrMo
「来たっ!」
 貨物車があたりに響き渡るすさまじいブレーキ音を立てながら現れた。
 が、
「遅いっ!」
 明らかにブレーキの効きが弱い。
「ハル、第十八『魔法』術式――解放っ!」
「了解っ!」
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:43:31.28 ID:G2cDtrMo
 ああ、明日の一面飾っちゃうんだろうなぁ……と、僕はなんだか涙が出た。
>>>>>
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 15:57:33.36 ID:uo7yvbQo

乱立で予想外に早く落ちたな
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 16:00:44.33 ID:G2cDtrMo
む、速攻気付かれた
コピペだけ貼っていこうと思ってたのに
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 16:02:50.85 ID:uo7yvbQo
あ、すまん邪魔したか?
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 16:07:53.14 ID:G2cDtrMo
いや、まぁいいんじゃね
こっそりまとめ代わりを作ってただけだし
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 16:51:49.26 ID:uo7yvbQo
3日落ちも含めて落ちたの4度目位か?
まとめて読めて助かった
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:53:32.23 ID:G2cDtrMo
>>>>>
 少しだけ優しい女の子がいた。

 情操教育の一環という名目で、掬い上げたはいいが捨てるわけにもいかずかといって世話をするのも面倒がられた数匹が教室にはいた。掬ったのは担任だ。ろくでもない。
 ともかく水槽が後ろに置かれている。
 世話は日直の持ち回りということであったけれど、実際はそうでもない。
 エサやりはまだしも、水槽の掃除や水の交換などはしたがらないひとが多かった。
 いつの間にか、彼女が日直の手伝いを始め。
 いつの間にか、彼女がエサやり以外の金魚当番となっていた。
 今日も、昼休みに掃除をしそこなったから、と放課後にタワシを握る。
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:53:52.15 ID:G2cDtrMo
「まったく、ひとがいいというかなんというか……」
「何が?」
 わしわし、と水槽の内壁をこすりながら彼女が訊ねた。
「これだよ、これ」
 僕は水槽を指差した。
「よくまあ、押し付けられた掃除をがんばるもんだなって」
「忙しいって言っていたから……」
「言ってはいたな」
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:54:24.78 ID:G2cDtrMo
 都合よくクラスの九割が連続で忙しくなるものかは知らないけど。
「放っておかれたら、金魚もかわいそうだもの」
 金魚が憐憫の情を解するかものかはわからないけど。
「いずれにしても便利使いされているってのはどうにも気にくわない」
「……」
 わしわし、と彼女は洗い続ける。
「探偵よろしく張り付いて、時間があるという証拠でも握りたくなるよ」
「……」
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:55:56.44 ID:G2cDtrMo
 わしわしごしごし
 わしわしごしごし
「まったく、ほんっとにひとがいいよね」
「そう言いながら私を手伝ってる君も、十分ひとがいいんじゃないかな?」
 彼女はイタズラっぽく微笑んだ。
「……それを言うな」
 ごしごし、と。

 たったそれだけの、とても楽しい時間を共有した。
 そんな、少しだけ優しい女の子。

 僕はひとつだけ神様に祈った。

 5.
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:57:23.92 ID:G2cDtrMo

 ――と、そのような――
>>>>>
「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけれど聞いてくれる?」
「何……?」
「あんたさぁ、いっつも金魚の世話してんじゃん? アレ、あたしもやってたってことにしてくんない?」
「……?」
「ほら、内申とかセンコーのウケが良くなりそうじゃない? よろしくねー」
「じゃあ、今日からやろう。手伝ってくれるひとが増えてうれしいよ」
「……え、何? あたしがこんなに頼んでやってんのに、断るわけ!? ありえなくない?」
「……?」
「とぼけた顔してんじゃないわよ! あたしに、こんな詰まんないことやらせるつもりか、っていってんのよ!」
「えっ……?」
「あーもー、いいわよいいわよ。付き合ってらんない。ひとりでやってなさいよ、この金魚女! 偽善者!」


「悪い、遅れた!」
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:59:24.35 ID:G2cDtrMo
 自分の当番の掃除がなかなか終わらず、今日は水槽の手入れに彼女を待たせてしまった。
 走っては来たものの、予定よりも十五分も過ぎている。
「……」
 彼女は、すでに水槽を磨き始めていて、僕の言葉に返事もない。
「あー、ごめんごめん。そう膨れるなって」
「……」
 あははと笑い、ブラシを取って、砂利のコケを落とそうと――
「……どうした?」
「……別に」
 わしわし
「素直に言え。どうした?」
「……何も」
 わしわし
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 23:59:49.05 ID:G2cDtrMo
「訊き方が悪かった。何があった?」
「……ないよ」
 わしわし
 肩をつかんで、僕の方を向かせた。
「ウソはいらない。何が、あった?」
 ひとことひとことをゆっくり丁寧に口にした。
「……ぅ」
 口を開いて、でもうまく言葉にまとまらなくて、飲み込もうとする。
「何も――」
「――ないことはない」
「……」
「待つから。どんな些細なことでもいいから。聞かせてくれ」
「……」
 たっぷりと、秒針が二回りするくらいの時間を置いて、彼女は動き始めた。
「……わからない」
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:00:18.43 ID:/xLMXX2o
 次の言葉を待って、じっと、耳を傾けた。
 さらに十秒ほど間を空けて、続きが語られる。
「わからないの。本当に、どうしてなのかわからないけれど――悲しくて」
 だん、と強く彼女は床を踏み鳴らした。
「悲しいの!・他人がどう思っているかは、私にほとんど関係のないことなのに。とってもとっても、凄く凄く凄く悲しくて……。わかってもらえたと思ったの。同じように考えてくれるひとが、来たと思ったの。でも……違った。それが。本当は。わ、私は――」
 ぐすっと鼻に水音をさせて息を吸い、彼女は小さな声で。
 誰にも聞こえないようなか細い声で。
 静かに。
 優しく。
 ほんとうにほんとうにほんとうに、ちいさく。
 こころからのさけびを。

「わたしは、ぎぜんしゃなの……?」
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:00:56.18 ID:/xLMXX2o
 畜生。畜生。畜生畜生畜生畜生畜生!
 どうしてだ! どうして彼女は救われない!
 彼女こそ、彼女こそ救われてしかるべきじゃないのか!?
 何だ。
 何が彼女を苦しめる?
 なぜだ。
 なぜ彼女が苦しめられる?
 どうすれば。
 どうすれば彼女は――救われた!?

 もう答えはない。
 彼女は救われなかった。
 確かに。
 絶対に。
 その機会は僕の手の中にあったのに。
 彼女を救うことはできたに違いないのに。
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:08:07.72 ID:/xLMXX2o

 ――夢を、見た。
 はあはあと息を荒げていた。
 目が熱い。
 涙。
 枕までだくだくと伝う、涙。
 無力だった。
 どこまでも無力だった。
 幾度となく実感したが、あのときあの瞬間ほどそれを思ったことはなかった。
 小学生がどうにかできる範疇を大幅に超えていた。それは自分でも思う。
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:08:32.04 ID:/xLMXX2o
 だけれど。
 そうだったかもしれないけれど。
 もし、僕が彼女の本当の理解者であれたなら――
「瑞希……入っても、いい?」
 遠慮がちに、僕の部屋の戸がノックされた。
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:08:56.04 ID:/xLMXX2o
 落ち着くために深呼吸をひとつ。
 胸を押さえて声が震えないように気を付けながら、
「リノ……どうかした?」
 完璧ではなくともかなりうまく言えたと思う。
「あ、ううん。別に――えっと、な、なんでもないや。あはは」
「おいおい、大丈夫かぁ? 魔王様が怖い夢でも見たのでしたら、不肖わたくしめが添い寝つかまつりますが?」
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:09:32.99 ID:/xLMXX2o
 いける。うまくおどけられた!
「こ、怖い夢なんか見てないよっ!」
「となると、僕の貸し与えたうさぎさん柄パジャマが気に食わないと!?」
「あ、これは好き。うん、可愛いもの」
 よしよし、よくわかってらっしゃる。
「それじゃあリノ、早く寝よう。まだ午前三時じゃないか」
「そうだね、瑞希……。ごめんね、起こしちゃって」
「お気になさらず」
 おやすみ、とドア一枚隔てて僕とリノは別れた。
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:10:08.95 ID:/xLMXX2o

 まあ、わかっていたことだけれども、それでもなお精神的ダメージは大きかった。
「瑞希瑞希瑞希、すごいよすごいよ。ほらほら、一面にでかでかと載ってるよ!」
 あああん、リノさん言わないで。
「ええと……『本日未明、JR京葉線の橋の一部が崩落していることが確認された。橋を通過する予定であった貨物列車は幸い橋の直前で停車することができた。乗員に怪我はなかった』」
 それだけならどれほどいいことか。
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:13:46.52 ID:/xLMXX2o
「『彼らを救ったのは、ここ二ヶ月ほど前から出没するようになった魔法少女を名乗る女性であるとコメントがなされている。どのような方法を用いたかは定かではないが、貨物車両を強引に停車させることに成功したことは間違いないようである。
警察と鉄道関係者は、橋の崩落にも女性がかかわっているものとして――』」
 えええええ、犯罪者扱い!? しかも、橋の崩落にはかかわってないのに!
「むー」
 あ、また膨れてる。
「この新聞、ダメ! 次!」
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:14:16.14 ID:/xLMXX2o
 朝。リノはTVのニュースで魔法少女の大活躍――そう、大活躍だ! 大活躍ったら大活躍なの――を知るや否や家を飛び出し、全国紙から地方版、スポーツ新聞までずらりとそろえて帰ってきた。
「むー……こっちも『重要参考人として』ってごまかしてるけど、犯罪者扱いー!」
 くしゃくしゃぽい
 あの、リノさん……せめて買ってしまった以上は目を通すくらいはしたいんですけれど……。
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:15:01.85 ID:/xLMXX2o
「何っ!?」
 何も申しておりません。目が怖いです。
「がるるるる……」
 退化しないでください。
「あー、味噌汁がうまい……」
 現実逃避現実逃避。
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:15:54.05 ID:o0wKz/co
お疲れ様です
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 00:20:32.26 ID:NerrMawP
今日は落下速度が速いな
総員第一級保守体勢ー!
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 00:27:35.99 ID:tRycP.DO
こっちは保守不要だから基本放置でヨロ
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 00:29:23.21 ID:SLP0Fg2o
こっちは手を出さなくても落ちないからいいねぇ
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 00:30:15.75 ID:NerrMawP
って書く場所間違えたああああ!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:45:24.28 ID:/xLMXX2o
 にしても……、
「ホントに、来るの?」
「当然だよっ。何のために私がこの服を着ていると思ってるの?」
「いや、いつもどおりじゃ?」
 服はといえば、いつぞやから変わらず白鳳の制服。
 そういえば、なんで制服ばっかり何着も持っていたんだ? 謎すぎる……。
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:45:42.26 ID:/xLMXX2o
「部長さんも『彼女』についての詳しい資料を見せてくれるっていっていたし、楽しみ楽しみ♪」
「魔王様、ノリノリっすね……」
「そろそろ行こうか? もういいよね?」
「いやいやまだ早いから」
 現在時刻、六時十五分。
 ちなみに、遅刻ギリギリのラインは七時半である。
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:45:58.74 ID:/xLMXX2o
「それじゃ、僕はもう一眠りしてくるから――」
「ダメ」
「……理由を聞いても?」
「瑞希には、『嫌死刑魔法少女☆祈坂』の録画予約をしてもらわないと」
 本日は、再放送である。
「リーノー♪」
「なーにー♪」
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:46:19.91 ID:/xLMXX2o
 楽しそうだったので、『嫌死刑魔法少女☆祈坂』の決め台詞を十回ほど連呼してもらった。
「恥ずかしいこと命令しなーい!」
「やー、リノさんがあまりに幸せそうだったので、つい」
「何その悪魔的思考っ!?」
 魔王様のセリフとしてそれはいかがなものかと。
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:46:43.49 ID:/xLMXX2o
「ともかく、瑞希。録画予約お願いします」
「はいはい」
 リノはさっぱり録画ができなかった。
 ついでにいうと、パソコンも使えない。
 でも、電子レンジは使える。
 洗濯機もおっけー。
 要するに、軽度のよくいる機械オンチ。
 曰く、ボタンが十個以上あるものはミサイルの発射装置です。
 なお、TVのリモコン操作はできている。
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:46:56.88 ID:/xLMXX2o
「QP三分間クッキング……っと」
「違うよね!? それを録画してほしいって頼んでないよねっ!?」
「世界の株価トピックス……っと」
「気にならないよ!? 特に移動平均線とかKMラインとか気にならないよっ!?」
 お詳しいですね。
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:47:14.49 ID:/xLMXX2o
「しかし、なんでできないかなぁ、このくらいの操作」
 ぽちぽちとコードを入力するか、時間とチャンネルを指定すれば完了の単純操作。
 リノは特段頭が悪いわけではない。
 というか、どちらかといえば賢い方に含まれるだろうことはこの一週間ほどでわかっていた。
 それだけに、毎日毎日再放送の録画を僕に頼む理由が判然としない。
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 11:47:33.33 ID:/xLMXX2o
「それはその……な、なんとなくですよっ!」
 えー。
「ほ、ほら、魔王様的には部下を使う練習を怠ってはいけないと思うわけであのえっと」
「――決めポーズ十連発いってみようか」
 実に可愛かった。
「はうぅう……」
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:16:18.18 ID:/xLMXX2o
>>
 さて、どこからツッコんだものやら。
「やー、無事に転入手続き成功ー。よかったよかった。うんうん」
 職員室から出てきたリノはそのようにのたまった。
「さあ、喜びましょう。手と手を取り合って踊りましょう。世界は平和なのです!」
 次いで、このようにはしゃいでみせた。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:20:45.44 ID:/xLMXX2o
「……ねぇ、リノ。ひとつ聞いていいかな?」
「な、何かな、瑞希?」
 ひゅーひゅー、と鳴りもしない口笛を吹いた。
「リノと一緒に出てきた音子姉の目が、これでもかというくらいうつろだったのは気のせいかな?」
 空虚というか、ロボット的というか……。
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:29:24.75 ID:/xLMXX2o
「ま、『魔法』は使ってませんよ?」
「『魔法』じゃなきゃいいって問題でもありませんよ?」
「うっ……」
 なんだかなぁ。
「まあ、手段はいいとして……ちゃんと元に戻るの?」
 元々お脳がお花畑のひとだし、少しくらいならへんな言動をしてもバレそうにないけど。
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:37:20.91 ID:/xLMXX2o
「その点はご心配なく。五分もすれば受理した書類を普通の処理をした、と記憶整理されるだけです」
「それならいいか……」
 倫理的にはよくないんだろうけれど。
「思ったより早かったから時間が余ったな」
 まさかここまで反則をするとは思わなかったし。
「ですねぇ」
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:37:39.70 ID:/xLMXX2o
 授業開始時刻は八時半。他生徒への紹介があるだろうからホームルームには確実に出ないとまずいとして、それでも八時までに教室に着いていれば余裕のはずだ。
 そして、現在時刻は七時半。
「どうする? 気になるところがあれば今のうちに案内するよ。ひょっとしたら、先生たちも気を利かせて案内に時間を割いてくれるかもだけど」
「それなら――」
>>
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:43:52.69 ID:/xLMXX2o
>>
「思うのだが」
「何を?」
「こういうときの行動はパターンとして刷り込まれてるんじゃないかな、と」
 リノさん、目をぱちくりしなさんな。
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:45:42.35 ID:/xLMXX2o
「お気になさらず、存分に屋上をご堪能くださいまし」
「う、うん……?」
 よくわからないご様子の魔王陛下は放置するとして、
「考えてみると屋上なんて来るの初めてじゃないかな……?」
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 14:54:11.81 ID:/xLMXX2o
 白鳳学院高校は、屋上の一部を生徒に解放している。
 運動こそ禁止されているものの園芸や屋外で行う実験などに用いることができる施設である――とはいえ、廃棄直前で野ざらしにされた古い机やイスが散乱し、コケはびっしり生え放題。
おまけに、園芸部は部員がいなくて廃部寸前で、屋外実験をやるには手狭となんとも使い道が見当たらない施設でもある。
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:02:53.56 ID:/xLMXX2o
 手すりをしっかり握り、校舎の壁に付いた大時計を見下ろした。
 角度がないと読めないものかと思ったけれど、案外時刻がわかるものだな。
「にしても、ここも風が強くて寒いなぁ」
 公園もたいがいひどかったけれど、ここだって負けてない。
 秋の冷たい風がひゅうひゅう吹いている。
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:21:43.50 ID:/xLMXX2o
「瑞希、お待たせっ」
「もういいの?」
「確認したいことは確認できたから」
 ふーん。
「寒いから早く戻ろー」
「了解」
 異論はない。
>>
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:21:56.84 ID:/xLMXX2o
>>
「なあ、リノ」
「な、何かな?」
「五分って長いな」
「カップめんを作るときの三分はウラシマ効果を起こしてるとしか思えないよっ!」
 同意。
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:22:12.62 ID:/xLMXX2o
「で、だ」
「はい」
「まだ音子姉がほえほえしてるんだが、これはどういうこったい?」
「さ、さあ……?」
「ほえー……」
 時刻はすでに八時。しっかり立派に三十分経過である。
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:30:29.50 ID:/xLMXX2o
 なお、他の先生方はちゃんと元通りだった。
「極端に薬物耐性が低いのかなぁ、それともアルコール類を事前に呑んでいたとか……うーん」
 リノも原因がよくわからないようで、
「ま、まあどうにかなるよ!」
 アバウトな結論が出た。
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:30:48.78 ID:/xLMXX2o
「ならまあ……いいかぁ?」
「そーそー、人生ポジティブが一番なの!」
 うーん、さすが魔王様。いうことが深い。
「ほえー……」
>>
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:56:54.15 ID:/xLMXX2o
>>
 白鳳学院高校および付属中学は、それぞれ県を代表するくらいには入学偏差値が高い学校である。
 そういったいわゆる『進学校』というものの中には、転入をそもそも受け付けない学校も存在するのだ。
 大きな理由としては、三ヶ年もしくは六ヶ年でカリキュラムを調整しているために、一般の中高とは進度が明らかに違うことが挙げられる。
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 15:58:02.20 ID:/xLMXX2o
 それは表向きとして、教科書を買わせることは買わせるが、一切それを見ずに参考書と問題集のみで授業を進めること。本来は中高で教えない楽な解法や公式を授業すること。果ては受験に関係のない授業時間を削減することまで、平気で行われている。
 とはいえ、それらは学生にとって、『受験では』というくくりはあるがプラスに働く。
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 16:03:56.93 ID:/xLMXX2o
「えっくすってなに〜……」
 目がナルトよろしくぐるぐる回ってる。
「しっかりしろ、傷は浅いぞ! 衛生兵。衛生兵ー!」
「……あんこーるわっと」
 どうやら挨拶らしい。
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 16:05:11.78 ID:/xLMXX2o
しくじった
>>155の前に


 大学を除く学校というものが『いろいろなものを学ぶ』機関であることに目をつぶれば、すばらしい最適化であるのだが、ね。
 で、そんな過当競争の真っ只中にリノは自ら足を踏み入れてしまったわけだ。
 結果、
「瑞希ぃ〜……」
「わぁ、一時限でえらくやつれたな、リノ」
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 16:29:27.62 ID:/xLMXX2o
「なぐまんたすけてなぐまん。にゅーとんがおいかりなの。にゅーとん」
「……そう、アンコール朝を築き上げたのはアイザック・ニュートン」
 あからさまなウソだっ!
「そーなんだー。しらなかった、りのひとつかしこくなったよぉ」
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 16:30:45.11 ID:/xLMXX2o
 間違いなくお莫迦になってます。
「……他にも、メソポタミア文明に影響を与えたことでも有名」
「ほえー……大人な先生も知りませんでしたー……」
 ああっ、被害が拡大したっ!
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 16:31:00.04 ID:/xLMXX2o
「ううぅ……頭がぐわんぐわんするよぉ……」
 と、リノは頭を振るう。
「大人な先生も頭が痛いです……昨日呑みすぎたでしょうか?」
「音子姉、お酒呑めないでしょうに」
「ば、バラしちゃいけませんっ! 先生に美しい幻想を抱いている生徒さんたちのためにも、お姉ちゃんは大人でないといけないんですからっ!」
 それが無駄な努力であることは周知の事実である。
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 16:31:24.43 ID:/xLMXX2o
「……そういえば、今朝の木村先生は何か様子が違いましたね」
「あ、わかっちゃってましたか?」
 音子姉は数学教師なので、ホームルーム後そのまま一時限目の授業を行っていた。
「あ、あのその、それは――」
「……いつもより、凛々しい姿でした」
「そうなんですよぉ、いつもよりずっと頭がしゃっきりしてたんです♪」
 おおっ、リノがコケた。
「リノさ」
「何……?」
「実は昭和のお笑いの方が好きでしょ?」
「正解だよっ!」
 怒られた。
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 17:31:03.35 ID:/xLMXX2o
 しかし、この調子では困るな。
「リノは何か得意教科ないのか?」
「うーん……『普通の教科』なら大体何が出てきても問題ないはずなんだけれど……」
 ふむ。『普通』ね。
「じゃあ、日本史や世界史は?」
「ちょっと古いかもだけど、たぶん解けるよ」
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 17:31:16.48 ID:/xLMXX2o
 なるほど。
「現代文や古典は?」
「古典は……やや勉強不足だけど、現代文は得意」
 ほほう。
「文系科目は得意なのか」
「うん、英語もできるよ。ただ、聞き取りと発声はほとんどできないけれどね」
 ふむふむ。
「でも……理系科目は正直なところ、かなりひどいと思うの」
「了解。できるだけフォローするよ」
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 17:31:31.38 ID:/xLMXX2o
「……お任せを」
「うぉあっ!? な、南熊さん!?」
「……そこまで驚かれると、なぐまん悲しい」
 え、え、えっ? 僕が悪いの?
「……それはさておき、りのぽん」
「何、なぐまん?」
 りのぽんってなんだ。ポン酢の一種か?
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 17:31:54.16 ID:/xLMXX2o
「……朝霧は、ほぼすべての科目で百五十位」
 学年あたり三百人のど真ん中だ。
「……なぐまんは、五十位」
「師匠っ!」
 ああっ、裏切り者ぉ!
「……弟子は、大事にする」
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 17:32:20.36 ID:/xLMXX2o
 なんだか奇妙な関係が生まれた。
>>
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:19:39.71 ID:/xLMXX2o
>>
 たぶん、いったとおりなのだろうと思っていたが、それにしてもリノは科目による得意不得意が激しかった。
「あ、あいあむあすつーでんと……?」
 中破。
「ぶ、物理なんて……嫌いだよぉ……」
 撃沈。
「古くは『源義経・チンギスハーン同一人物説』、それ以後も織田信長や豊臣秀頼ら『死することになった英雄』は生き延びたとする説が非常に多く見られます。ですが、歴史的資料をかんがみるにこれらの確度はいずれも低く、実証性にかけるという見方が――」
 敵空母撃破。
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:20:29.23 ID:/xLMXX2o
 ともあれ、四時限目までを終えた。昼休みである。
「終わったー♪」
 リノさんや、せめて先生が消えてから叫ぼうや。あ、泣きながら走り去った。
「……どうなることかと思いましたが、日本史は本当に得意のようですね」
「それは確かに」
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:32:29.17 ID:/xLMXX2o
「あはは……ご心配おかけします」
 と、リノは照れくさそうに笑った。
 ところで、と南熊さんが話題を切り替える。
「……朝霧は、急がないとパンが売り切れるのでは?」
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:33:09.41 ID:/xLMXX2o
「ああ、構わないよ。今日は弁当だから」
 ぱちくり
「……お弁当と朝霧?」
 何かご不明な点が?
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:34:34.86 ID:/xLMXX2o
「朝霧部員、待ちたまえ」
 なんか現れた。
「大体想像は付くけれど、何の用?」
「お弁当についてだ」
 鼎さん鼎さん。かっこよくポーズを決めないでもらえますか?
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:40:33.36 ID:/xLMXX2o
「察しのとおり、リノに作ってもらったよ」
 やれやれ、といった風に鼎が首を振る。
「朝霧部員。気持ちはわからないでもないが、あまり『お手付き済み』のイメージをリノ君に付与するのはどうかと思うぞ」
 なんだそりゃ。
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:40:45.95 ID:/xLMXX2o
「ああも可愛いいとことなれば、本能が彼女をメイドさんに仕立てるべく囲い込みたくなるのはいかんともしがたいことだ」
「いや、そんな事実無根なことを言われても」
「だがしかし、所有権を主張するのはまずい」
 ひとの話も聞こうよ。
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 22:54:19.70 ID:SLP0Fg2o
転載さん乙です
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:55:18.29 ID:o0wKz/co
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 22:56:42.16 ID:/xLMXX2o
「要は、朝霧部員とリノ部員の関係のあり方だ。並列するのは構わない。仲がいいということだ。が、直列するのはいかん。これが固まってしまうと、誰しもがリノ部員との会話は朝霧部員を介さねばならなくなる。
それは、リノ部員の交友関係すらも朝霧部員がいなくては成り立たなくなってしまうということだ。――これは、よろしくないのだよ」
「弁当ひとつでそこまで話を飛躍させなくてもいいと思うけれど……?」
「極論であることは理解している。しかし、それまでの流れを聞いても依存度が低いとは思えなかったのでね。友人として『アサ』に忠告しておこうと思ったまで」
「覚えておくよ」
「それでこそ朝霧部員だ」
 ホント、腕組みの似合う男だよ、鼎は。
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:44:59.47 ID:/xLMXX2o
 確かに、知り合いだから、とリノと話しっぱなしだったのはまずかったな。
 転入生だっていうのに、みんな話しかけないのはそういうわけだったか……。
 なら、
「じゃ、僕は南熊さんと部室にいってくるよ」
 今からでもこうすれば――
「何を言っているのだね、朝霧部員? オレはリノ部員を回収に来たのだぞ?」

 え?

「ようこそ、『彼女』を追い詰める探求の世界へ。オレこと斉藤鼎がリノ部員をいざなおうではないか」
「『彼女』の資料が見られるんですかっ!?」
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:45:19.86 ID:/xLMXX2o
「うむ、一千点を数える資料を用意してある。きっとリノ部員も気に入ることだろう」

 え?

「瑞希、早く行こう、早くー!」
「……朝霧部員、遅い」

 えー。

>>
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:45:43.65 ID:/xLMXX2o
>>
「さて、リノ新部員にこれまでの調査結果をまず伝えるとしようではないか」
「よろしくお願いします、部長!」
 変わらずノリノリだが、これでいいのだろうか魔王様。
 僕の使い魔で、南熊さんの弟子で、鼎の部の部員。えらさが微塵も感じられない。
 なんとなくかわいそうになったので、心の中で手を合わせておく。あーめん。
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:46:12.74 ID:/xLMXX2o
「リノ部員。『彼女』の正体がなぜわからないか。その理由に思い当たるものはあるかね?」
「うーん……目撃証言が足りないから?」
「不正解だ。『彼女』がかかわった事件は現在までに八十六件。いずれも『彼女』自身からの発表ではなく目撃証言によってわかったものだ」
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:50:52.01 ID:/xLMXX2o
 実際には、関係のない事件が二件。関係はあるけれど発覚していない事件が他に十二件あるのだが。
「『彼女』の身元を示すようなものが、装飾品に見当たらないから?」
「それもひとつだ。もっとも、決定打にはなりかねるがね」
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:52:14.96 ID:/xLMXX2o
>>180
96回も魔女っ娘やってるのか…
すっかり板についてそうだな
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/25(水) 23:55:59.56 ID:/xLMXX2o
 きゅう、と頭を抱えて小さくなるリノ。
「ひとつヒントをあげよう。今朝の新聞でもTVでもいい、もしくは過去の地方版を参考にしても構わない。『彼女』の写真について、共通の特徴があることに気が付かないかね?」
「共通点……?」
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 00:27:45.50 ID:HEbVEg2o
 ばらばらと広げられる写真と切り抜きの数々。
 そのいずれもが――
「――遠い」
 鼎はリノの答えに満足そうにうなづいた。
「そのとおりだ、リノ部員。これまで過去何度となく『彼女』の近接撮影は試みられた――が、いずれも失敗に終わっているのだよ」
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 00:28:58.66 ID:HEbVEg2o
「……斉藤部長、質問が」
 と、南熊さんが挙手をした。
「何かね、南熊部員?」
「……どうして、近接撮影は成功していないの?」
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 00:39:53.90 ID:HEbVEg2o
「極端な電波磁場障害が確認されたわけではないが、ある程度の歪みというべきそれは観測されている。そのため、デジタルカメラや携帯電話の付属カメラは一時的に周辺で使えなくなったと聞いている。
実際に、撮影に成功しているものは銀塩のフィルムしかないことからも正しい可能性は高いと見ていいだろう」
 だが、そういう科学に浸りきった理屈ではなく、と切って、
「オレもまだ信じきったわけではないが――あるいは『魔法』でも用いてるのかもしれんな」
 鼎はニヤリと笑った。
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 00:40:54.39 ID:HEbVEg2o
「では、『彼女』の写真が使えない。これによって、より多くの人物に『彼女』を見せることは難しくなった。しかし――目撃者はそれこそ百を大きく超える人数いる。それなのに『彼女』の特定が出来ないのはなぜだ?」
「う、うーんうーん……」
「……似顔絵やモンタージュなどは存在していないのですか?」
「ないな。ほとんどがあやふやなままで、『彼女』をもっとも特定する材料となる『顔』がさっぱりとわからないままだ。――リノ部員、この謎は解けるかね?」
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 00:54:36.90 ID:HEbVEg2o
 リノが白旗を揚げた。
「無理ですよぉ〜……」
「……事件の印象が強すぎて、『彼女』の顔を覚えることが小さなことになってしまったから?」
 ふむ、と鼎は息を吸った。
「なるほど、そういう発想もあるか……覚えておこう。お手柄だ、南熊部員」
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 00:56:50.64 ID:HEbVEg2o
「……では、斉藤部長なりの正解は?」
「リノ部員。これを見たまえ」
 あっ、またアレをやる気か。
「何ですか、この写真――って!?」
 そこには、黄金のちょんまげが輝くボディービルダーが写っていた。
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 01:13:30.20 ID:HEbVEg2o
 リノは、あまり目を合わせたくない状況と趣味がよくわからない人物をじっと見詰めた。
「さて、三十秒だ。その写真はテーブルに伏せてくれ」
「はい」
「では、だ。この集合写真の中に、写真の彼が混ざっている。どの人物か当ててくれたまえ」
 渡されたのは、同じようにボディービルをしているのか筋肉たっぷりな男性陣。
 ただし、全員がスーツ姿。
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 01:13:47.15 ID:HEbVEg2o
「あ、あれっ?」
 どんな顔をしていたのか思い出せないのだろう。
 僕も、黄金のちょんまげとボディービルの印象ばかりで、スーツ姿で並ばれるとぜんぜん区別が付かなかった。
「わかりませんでした……」
「……難しいですね」
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 01:14:03.95 ID:HEbVEg2o
 鼎は、満足そうに胸を張った。
「わかるかね、リノ部員。ほんの何秒前まで凝視していた相手であっても、『特徴』が強烈過ぎる場合には顔の印象が打ち消されてしまうのだよ」
 そして、『彼女』は『魔法少女の扮装』という大きすぎる特徴がある。
 服飾について答えることができた人物は多かれど、顔の特徴を仔細に覚えていた人物はいないのだ。
 ――たったひとりの例外を除いて。
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 01:14:25.35 ID:HEbVEg2o
「物事には例外というものがあるのだよ」
 芝居がかった動きでイスから立ち、ゆっくりと歩き始める鼎。
「南熊部員は、『記憶』というものについてどこまで知っているかね?」
「……ほとんどわかりません」
「リノ部員もかね?」
「はい……」
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 01:27:03.51 ID:HEbVEg2o
 ふむ、と一拍。
「脳の進化の歴史において、『記憶』というものもより複雑に物事を捉えられるよう変化してきている。たとえば、エピソード記憶に代表されるような物事の部位を記号的に捉える『記憶』は相当に新しい。
が、逆に手続き記憶に代表されるような行動のトレースを言語的ではなく捉える『記憶』はかなり古いものだ」
 相変わらず、演出大好きだなぁ。
「『映像記憶』という能力がある。人間の場合、幼児期から長くとも思春期ごろまでには失われるという『映像をそのままの形で記憶する力』のことである」
 どん、と鼎は一枚の似顔絵をたたきつけた。
「――稀ではあるが、訓練によってその能力を失わない。あるいは復活させることができるのだよ」
 そこには、鮮明に描き出された『彼女』の顔があった。
>>
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/26(木) 01:36:36.37 ID:zY6KylQo
転載乙
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 07:21:02.01 ID:hMtXesso
おつつ
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 16:22:11.88 ID:hMtXesso
VIPのほう落ちてる…
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/26(木) 20:04:12.54 ID:zY6KylQo
次スレどこ?
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/26(木) 20:05:58.72 ID:zY6KylQo
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1238052099/
自己解決しますた
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:42:06.33 ID:HEbVEg2o
 話の頭でインパクトを抑えてしまえばあとはもう鼎の独壇場だ。
「活動が確認されてわずか六十四日にして、実に百近い数の事件にかかわってきた『彼女』であるが、曜日も昼夜も問わずに出没していることがわかっている」
 ただし、と鼎は付け加えて、
「オレの知りうる範囲でだが、午前九時ごろから午後三時ごろまでは事件規模によらず姿を見せていない。そして、この時間帯は――白鳳学院の授業時間にぴたり符合している」
 まだ白鳳との関係性はゼロとは思わない、ということだろうか。
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:42:23.22 ID:HEbVEg2o
「……『彼女』は大きな事件だけにかかわろうとしている?」
 どうだろうな、と鼎は腕を組みなおした。
「確かに、規模の大きな事件にかかわろうとしている節はあるが――単純に人的被害や金銭的被害の大きさだけで選んでいるとも思えないのだよ」
「と、いうとどういうことでしょう、斉藤部長?」
「それについては、朝霧部員がすばらしい着眼点をもってオレに天啓を与えてくれた」
 別名、口が滑った。
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:42:43.27 ID:HEbVEg2o
「『彼女』はどうやら警察や消防や救急といった機関が十分容易に解決できるものについて、手を出さない方針を採っているらしい」
 できすぎた話ではあるが――
「――『彼女』が現れるのは、もう誰しもが『ダメだ』とあきらめかけたそのときなのだ」
「か、かっこいい……っ!」
 あー、リノが第三者の目にもわかりやすく感動してる。
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:43:09.84 ID:HEbVEg2o
「だがそれゆえに、『彼女』の目的はさっぱりとわからないままなのだよ」
「どういうことですかー?」
「難しい話じゃあない。たとえば、リノ部員が『彼女』の立場だとしたら、考えられる短期的な『目的』は何かね?」
「短期的……となると、困ったひとを救うこと……?」
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:43:29.23 ID:HEbVEg2o
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/26(木) 23:27:00.55 ID:qyB8oIOAP
 ふむ、と鼎は箱を開けたばかりの生チョコをつまむ。
「朝霧部員、リノ部員はなかなかいい子じゃないか。大事にしたまえよ」
 どういう意味だ。むしゃむしゃ。
「『彼女』は、かなり限定された地域でのみ活動している、ともいったはずだ。少し出向けばより大きな事件でより多くのより困った人々を救えるかもしれない――いや、確実に救えるだろうに、なぜかそれをしていない」
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:44:01.14 ID:HEbVEg2o
 むしゃむしゃ
「単純な売名行為と見るのもやはりおかしい。そうであるなら、むしろ公的機関が処理できる事件をこそマスコミの目をひきつけて処理すべきであり、またもっと大々的にキャンペーンを張るべきであろうと考えられる」
 ずずー……
「いかにも不徹底ではないかね? この世紀のヒロインは」
 お茶がおいしいなぁ。
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:45:28.61 ID:HEbVEg2o
「――まあ、そのミステリアスなところも『彼女』の魅力であるのだが」
 ぶごふっ!
「お茶を鼻から吹き出して遊ぶのは関心しないな、朝霧部員」
「ひょ、ひょういう……んんっ。どういう遊びをしてるんだ、僕はっ!?」
「ルールが知りたいとは思わないがね」
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 23:45:57.06 ID:HEbVEg2o
 しかし、この生チョコうまいな。どこの店のか調べておこう。
「ともかく、『彼女』の求める事件、またそれによる出動場所がまだよくわからない。そこで、オレは朝霧部員の知恵を借りようとした――というのがここまでの流れだ」
「なるほど……」
 いい迷惑です。
「朝霧部員、何かいい方法はないものかね?」
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 00:25:02.66 ID:/rDe5mgo
さて、なんと答えたものやら――


1.「ウーンワカラナイナァゴメンヨチカラニナレソウニナイヤ、アハハハハ」と笑ってごまかす
2.「逆に考えるんだ、『彼女』を探すんじゃない。『彼女』に探されるのを待つんだ!」とするどく説く
3.「あっ、UFO!」と窓の外を指す
4.「実は、僕が魔法少女の中の人だったんデスゾー」とチャレンジする
5.その他

http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1238052099/120
(即死あり)
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 00:27:43.22 ID:ejHGJmEo
>>207
それはわざと貼ってないんだがな
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 00:41:49.43 ID:/rDe5mgo
>>208
すまんな、まとめだけで見るとき超展開的に話が変わったら(安価5的な意味で)困るかなと思ってな
今後は自重します
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 00:48:52.70 ID:n13VD1go
ともあれ、転載乙
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 06:32:17.52 ID:EHjVTYDO
6時半
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 14:13:02.57 ID:ejHGJmEo
 えーと……
「あっ、UFOだ!」
 窓の外を指したが、誰も見なかった。
「……もへんじょ、だろ?」
 慰めてくれているらしいので泣かない。
「――というように、UFOだなんていきなり言われても誰も信じない。魔法少女や『魔法』もその類なのは、鼎もわかると思う」
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 14:13:32.08 ID:ejHGJmEo
「うむ。あと、部長と呼びたまえ、朝霧部員」
「詰まるところ、魔法少女は非常識なんだ。それこそお化けと同じ。都市伝説のような扱いしかされてこなかった。――そのため、『彼女』を追いかけるのは難しかった」
「では、何がどう変わったのだね?」
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:10:33.59 ID:ejHGJmEo
「ひとつは、『彼女』を追う人間が大幅に増えたことがある。それは、『彼女』の活動範囲はとても限定的になることを意味している」
「なぜだね?」
「ここまでの動きから、『彼女』は必要以上の露出を嫌っているがために、このような現れ方をしているのだろうと推測できる」
 実際、嫌ってるし。
「ならば、わざわざ大勢のマスコミが注目する中にわざわざ飛び込まなければならない事件は他者の解決をできる限り望むだろうからさ」
 また、
「それと同時に、公的機関もぽっと出の新参にばかりいい格好はさせないよう奮起することも想像は容易だ。つまり――」
「事件発生率はもちろん、『彼女』によらない解決率も大幅に改善される、ということかね?」
「そのとおり」
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:15:30.45 ID:ejHGJmEo
「では、ふたつ目は何かね?」
「『彼女』の現れ方と密接な関係があるよ」
 横から伸びてきたリノの手によって最後の生チョコがなくなった。
「『彼女』の行動は迅速な解決を旨としている。それも、警察や消防や救急よりも、だ。日本は、警察に連絡が入ってからどのくらいで駆けつけてきてくれるんだっけ?」
「レスポンスタイムのことかね? 全国平均で五分台だ」
 ちょこがたりない。ちょこ。ちょこちょこちょこ。
「仮に、鼎がこの辺り一体の通報をすべて受けられる立場だとして――ひとりで処理できる?」
「不可能だな」
 即答だった。
「じゃあ、警察無線をすべて傍受できるとしたら?」
 ふむ、と今度は一秒考えて、
「無理だな。それでもなお情報量が多すぎる」
「つまり、『まともな方法』を用いているのであれば、『彼女』には支援する組織が存在するということさ」
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:16:06.48 ID:ejHGJmEo
「確かに……警察と同等の情報力を得られたとしても、それを処理するメンバーがそろってこそ活用できるものだな」
 おお、なぐまん。このなまちょこをくれるのか? ありがとう、きみはかみだ。
「実際は、それ以上だ。橋の崩落が自作自演でないのなら、あれはおそらく鉄道関係者も事故の瞬間まで気が付いていなかったよ」
 何せ、ギリギリまでろくに減速されてなかったし。
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:16:28.60 ID:ejHGJmEo
「ということは、だ。『彼女』がこれから特に気を付けなければならないのは誤報。それも、悪意ある誤報だよ」
 大きな耳を持つものは、危険をいち早く知ることができる。
 だが、その耳は弱点でもある。
「きっと、警察やマスコミには『彼女』の正体を知っている、という電話が数十件は来ているね。断言するよ」
 八百七十五件が正解だよ、という小声が聞こえた。静かにおし。
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:16:58.18 ID:ejHGJmEo
「三つ目はあるかね?」
「あー……いや、ないよ。僕が今思い付くことはこのくらいまで」
 ――というわけでもないんだけど、そういうことにしておく。
「わかった、オレは朝霧部員の助言を基にもう少し考えてみるとする」
「がんばれー」
 でも、がんばるなー。
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:26:26.41 ID:ejHGJmEo
 鼎はどたばたと資料棚へと突撃しに行った。
「ほえー……」
「リノさんや、何、どこかで見たようなおまぬけ顔してらっしゃるんで?」
「瑞希って、頭よかったの?」
 なぜ語尾が疑問形。
「……朝霧は、頭いいよ?」
 だから、なぜ疑問符を付けるんだ?
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:35:38.94 ID:ejHGJmEo
「そうなんだー?」
 おーい。
「……世界には、不思議がまだまだ眠っているのである」
「世界の謎と同レベルですかい」
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:36:14.82 ID:ejHGJmEo
「……いいこいいこ」
「いやその、頭なでられても」
「……ごほうび」
 わ、生チョコだ。わーい。
「……いいこ」
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 15:39:59.83 ID:ejHGJmEo
 表面に降りかけられたココアパウダーからしてこれは質が違う。
 内部の湿度を保ちつつ、表面を滑らかに。しかし、食感とは歯ごたえのみにあらず、とばかりに舌先をくすぐるこの甘み。鼻孔をとろかすこの香り。
 何だ、何が入っている? 何をもってしてこの味わいを作り出したのだ――ぐえっ!
「瑞希、チョコなら私のをあげるよっ!」
 わ、生チョコだ。わーい。ネクタイ絞まってノド痛いけどわーい。
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 16:11:22.59 ID:ejHGJmEo
「うまうま」
 ココアパウダーから中へと前歯が突き刺さる。
 噛みわけたその瞬間からすでに唾液に侵食され、溶ける。
 なれども食感は失われず、歯ごたえは残る。
 奥歯へと転がすその間さえ溶け続けているというのに、なんということだろうか、しっかりと噛むことの悦びをたたえてい――もごもご
「はい、瑞希。おかわりだよっ!」
 してやったりという目で南熊さんを見るリノ。その手があったか、と目を見開く南熊さん。
 なんだかよくわからない攻防であ――もごもご
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 16:11:36.32 ID:ejHGJmEo
「ふっふっふ……どうやら私の勝ちのようですね」
 ちっちっち、と指を振る南熊さん。
「……リノ部員は、詰めが甘い」
「なっ、それは――っ!」
 お茶。
「あー、口の中が甘くなってるとお茶がうまいなー」
 ずずず……
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 16:12:08.13 ID:ejHGJmEo
「ま、まだだよっ! まだ、終わっちゃいないよっ!」
「……いいえ、ここでリノ部員は終わり」
 おせんべい。
「んー、しょっぱくて硬いものがうまいっ」
 ばりばり
「わ、私の……負けなの……?」
「……いいえ」
 手が差し伸べられた。
「……勝負が付かなかったのは、たたみかけようとしなかったリノ部員の優しさがゆえ」
「なぐまん……」
「……リノ部員」
 見詰め合い。両者ともに不適に笑い。そして、ぐっ、と硬く握手を交わした。
 美しい光景であるばりばり
>>
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:15:13.60 ID:ejHGJmEo
『部長視点』

>>
「む、朝霧部員はどうしたのだね?」
 オレがふと資料から顔を離すと、アサの姿はどこにもなかった。
「朝霧さんはしばらく前に……その、部室を出ましたよ」
 ふむ、南熊部員の様子からするにアサは本当にいないようだな。
「どこに行ったかはわかるかね?」
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:23:20.27 ID:ejHGJmEo
「と……と、と……その、えっと……」
 なぜか南熊部員が赤くなる。
「あーその、瑞希は化粧室に行きましたよ」
「なるほど。よくわかった、リノ部員」
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:23:37.17 ID:ejHGJmEo
 疑問がなくなったところで、再びファイルケースを開きなおす。
「でも、不思議だね」
「何がでしょうか、リノさん?」
「いやぁ、なぐまんのしゃべり方だよー」
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:25:43.80 ID:ejHGJmEo
 ……確かにそれは気になるところだな。
「へ、変でしょうか? ちゃんとした標準語のつもりなのですが……」
 身振り手振りに表情さえも『うろたえている』という情報のみを伝えている。
「ううん、変じゃないよ。今は」
「はうっ!」
 ふむ、打ちひしがれているな。
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:34:43.75 ID:ejHGJmEo
「ううぅ……どうしてあたしはこうなんでしょうか……」
「ああ、泣かない泣かない。ほら、お茶もおせんべいもまだたくさんあるよー」
「すみませ――あちゅっ!」
 と、淹れたてを飲もうとした南熊部員がそれをこぼした。
「わわわわわっ! す、すみませんすみませんすみませんっ!」
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:35:02.11 ID:ejHGJmEo
「まあまあ、落ち着いて落ち着いて。お茶なんて拭けばそれまでだから」
「お、お手伝いしまっ!」
 ふむ、急須が倒れたか。
「すみませーんっ!」
「大丈夫だからなぐまん、動かない。動くときっと被害が増えるから……」
「は、はいっ!」
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 21:20:00.75 ID:ejHGJmEo
 果たしてこれ以上被害が拡大しうるのだろうか。
 と、いかんいかん、少々刹那的な生き方と称して実験をしてみたくなってしまった。忘れよう。
「瑞希の前だとドジを踏まないのにねぇ」
「朝霧さんの前では、失敗しないように気を張っているのです……。けれども、朝霧さんも会話のテンポが遅くて聞き取りづらいと思っているでしょうね……」
「テンポ、だけ……?」
「え、と……も、もしや、何か他に変なところがありましたでしょうかっ!?」
「あ、う、ううん。ないよ。なかったよっ!?」
 何も変なところなどないというのに、南熊部員は気の回しすぎだな。
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 21:20:23.56 ID:ejHGJmEo
「そうでしょうか……。実は、緊張のあまり、後々会話を思い出せないことが多くて……」
「そ、そうなんだ」
「リノさんにも何か失礼なことを言っていないか不安で不安で……」
 リノ部員が空を仰いだ。何やら妙に透き通った視線で雲を追っているな。
「ウン、ダイジョウブ。ナグマン、フツウ」
「よかったです……」
 南熊部員はほっとしたように胸をなでおろした。
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 21:22:04.53 ID:ejHGJmEo
 実に美しい友情だ。
「ところで、朝霧部員が遅くはないかね?」
「いわれてみれば……瑞希、遅いですね」
「何かあったのでしょうか?」
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:08:49.16 ID:qZGGN6Ao
 む、しまったな。不用意に話題として持ち上げてしまったが、これは下手をするとアサの名誉を著しく傷付ける可能性がある。
 ここはひとまず、矛先の向きを変えるとしよう。
「先ほどの朝霧部員の話から、ひとつ思い付いたものがある」
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:10:09.01 ID:qZGGN6Ao
 ただし、
「実現しうるかは考えていなかったことだから、諸君らの意見を聞きたい」
 これでもつのはせいぜい十数分だろう。
 アサよ、早く帰ってくるのだぞ……。
>>

『部長視点』終了
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:10:23.53 ID:qZGGN6Ao
>>
 上空、およそ三百メートル。
「ハル、誤報の可能性は?」
「ないと思うよ」
 現在、落下中。
「本当に間違いない?」
「疑りぶかいなぁ、ミズキは」
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:32:37.62 ID:qZGGN6Ao
 頭を下に足を上に、目標地点へ向けてさらに加速。
「ハルちゃんは完全無欠じゃあないけれど、この身はこれでも『神代の魔術』のひとつ」
「――『神代の魔術』が完全無欠だという証拠は?」
 横手にかなりの距離でホバリングしていた報道ヘリを一気に追い抜いた。
「ないねぇ。だけど、ハルちゃんという『莫迦げた妄想』も、『魔法』でも科学でも魔界でも機界でも実現できないねぇ」
「そういうのは証明とはいわないよ」
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:36:20.37 ID:qZGGN6Ao
 すばやく体を逆転させ、足を地面へと向け――急制動。
「――っつ!」
「ミズキ!」
 止まれ。止まれ止まれ止まれ。止まれ止まれ止まれ止まれ止まれぇえええええ!
「くは――っ!」
「と、到着だねぇ……」
 路地裏に、すさまじい振動が轟音と共に伝わった。
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:36:31.94 ID:qZGGN6Ao
 全力でブレーキをかけたのだがやや目測を誤ったか、足裏に三センチほどコンクリートがめげている。
「な、なんだぁ、てめぇは!?」
 その場にいた数人の中で、一番不健康そうな――明らかに薬物のお世話になっていると思しき痩身の男が、ナイフをちらつかせながら叫んだ。
「ニュースくらい見とけ」
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:36:43.79 ID:qZGGN6Ao
 足に力をこめる。

 ハルが薄く光る。

 かちりと鳴った。

 コンクリートの地面を踏み抜かない程度に加減して、僕は突っ込んで行った。
 知覚できないほどの速さではない。姿くらい、目で捉えられただろう。
 だが――それでも人間くらいは超越しているに違いない。
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:37:14.64 ID:qZGGN6Ao
「ま、ゆっくり入院して、クスリも抜いてもらって来い」

 ぱっこぉおおおおおん

 男は路地裏のゴミ箱にホールインワンした。
「ミズキ、ナイスショット」
「どうも」
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:43:08.28 ID:qZGGN6Ao
 手元がナイフな親分がやられると、髪色がカラフルな子分どもは散り散りに逃げた。
 追うつもりはない。それをするのは警察の仕事だ。
 当然、これの事後処理もしてもらうつもりだが――
「ハル、毛布とか出せないか?」
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:43:55.11 ID:qZGGN6Ao
「そういう『魔法』は使えないねぇ」
「やっぱりか……」
「そこまで限定的な事態は、『神代の魔術』といえども想定されてないみたい」
 目の前には、服を切り裂かれ、半裸にされたまま気絶している女性がいた。
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:44:43.13 ID:qZGGN6Ao
「うーん……かといって、あのナイフ男の服を被せるのもなんだか気が引けるなぁ……」
「困ったねぇ」
 何があったかは一目でわかるだろう。集団による強姦だ。
 まったく、昼間っから何をして……いや、夜ならいいという意味ではないが。
「あそっか、ミズキ。あったよ、布」
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 00:45:04.46 ID:qZGGN6Ao
「お、どこどこ?」
「そこ」
 棒に「そこ」と言われても……わかるけどさ。
「……僕?」
 うん、とハルはうなづき……わかったんだよ!
「脱いで着せればいいと思うねぇ」
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:12:27.56 ID:qZGGN6Ao
「……あの、ハルさん?」
「何、ミズキ?」
 えっとね、
「僕ももういろいろとあきらめがついてきて、魔法少女でもまあいいかぁ的思考ができつつあったわけですがその――この服って、上から下まで合体してない?」
「ううん、コルセットで上下がつながっているだけだから、完全なワンピースタイプじゃあないねぇ」
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:14:52.38 ID:qZGGN6Ao
 おおっ。
「じゃあ、上着だけ脱いで着せればいいのか!」
「でも、ミズキ。脱げるの?」
 ……。
「ど、どういう構造になってんの、これ!?」
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:19:56.75 ID:qZGGN6Ao
「ハルちゃんは今、『言葉』の無力さを痛感しているよ」
「説明不能っ!?」
 ど、どうすればいいんだ!?
「あ、そうそう、そろそろ通報して三分。部長さんの話が本当なら、長く見積もってもあと三分くらいしか時間ないねぇ」
 えええええ、迅速対応っ!?
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:27:59.23 ID:qZGGN6Ao
 えっとあっとこの腰リボンがこうやって巻かれててその下にコルセットのヒモがあってそれをはずすと上下の――
「うっきゃあああああ」
「わ、ミズキが壊れた」
「ハル、僕は被害者の未来を大事にしたいと思っている」
「そうだねぇ」
「しかし、時と場合というものがあって、やむをえないこともある」
「そうだねぇ」
「というわけで、ゴミ箱ナイフ男から服を拝借――っ!?」
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:28:36.84 ID:qZGGN6Ao
 路地の表側に看板が見えた。
 そこにはこう書かれていた。
 ――究極中華料理☆弓弦
「服、どろどろだね」
 あんとエビが複雑に絡み合い、そこにイワツバメの巣のスープが加えられ絶妙なる風味をかもし出しています。服なのに。
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:29:10.52 ID:qZGGN6Ao
「うあああああああああ」
「ここでハルちゃんから朗報です」
「おおっ!」
「すばやく服を脱ぐ方法はないけれど、すばやく服を切る『魔法』なら使えます」
「うあああああああああ」
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 01:30:56.90 ID:qZGGN6Ao
 高速での急上昇、急降下。
 それらを人間が捉えることは非常に困難とされている。
 人間の目と脳がそもそも上下運動を認識するのに適していないというのもあるが、それ以上に『そんな動きをするものはいない』という『常識』がこれを認識するのを阻害している。
 現に、これまで日中の移動を撮影されたことは一度もない。
「だから大丈夫だから大丈夫だから大丈夫……」
「半裸で上空三千メートルを飛ぶ魔法少女って新しいねぇ」
「言うなぁあああああ」
 もう、泣きたかった……。
>>
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 02:44:48.66 ID:1SHOCp2o
転載さん乙
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 14:28:41.93 ID:qZGGN6Ao
>>
「おや、朝霧部員。ちょうどいいタイミングで戻ってきたな」
 と、鼎は鷹揚に僕を迎えた。
「ちょうどいい、って……何かあったのか?」
「たった今、『彼女』による事件解決の報が入ってきた」
 ……やたらと早いな。
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 14:29:03.70 ID:qZGGN6Ao
「婦女暴行ならびに強姦未遂。ついでに強盗未遂も入れておいて構わないだろう。ともかく、そういうチンピラ集団にとある女性が襲われた。
莫迦どもの人数は合計で七。ほとんどは逃げたようだがリーダー格の男が捕まっているため、残りが駆逐されるまでは時間の問題とみていいはずだ」
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 14:29:55.91 ID:qZGGN6Ao
「そりゃまたなんというか……」
「ひどい連中だよっ!」
 リノが憤慨していた。
「しかし、この警官だらけの体勢の中、よくまあそんな阿呆なことをしでかしたもんだね」
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 14:30:55.98 ID:qZGGN6Ao
「未確認情報だが――連中はハッパとコークで遊んでいたらしい。つまり、そういうことではないかね?」
 大麻にコカインねぇ。
「……斉藤部長、質問」
「む、何かね南熊部員?」
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 14:50:29.54 ID:qZGGN6Ao
「……厳戒態勢がしかれているのなら、『彼女』は事件現場からそう遠くまで移動できないのでは?」
 通報から間もないのであれば、急いで現場周辺を探せば見つかるかもしれない、ということだろう。そして、僕たちには『彼女』の正確な似顔絵がある。警察やマスコミに見つけられずとも僕たちであれば――と考えたか。
 だが、
「いいや、『彼女』はすでに現場を脱している。追っても無駄であろう」
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 14:58:22.85 ID:1SHOCp2o
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/28(土) 14:29:23.88 ID:A2uW+UrkP
>>519誤字

体勢じゃなくて態勢だった。
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:03:38.96 ID:qZGGN6Ao
「……?」
 南熊さんはわからない、といった風に首をかしげた。
「何、難しい推理の類ではない。似顔絵を描けたことからもわかる通り、オレは一度『彼女』を見ているというだけのことだ」
 アレはもう言い訳の仕様がないくらいの大失態だった……。
「『彼女』は空を飛ぶのだよ。ものすごい速度でね」
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:04:00.22 ID:qZGGN6Ao
「……それはまた」
 ふむ、とあごに手を当てる鼎。
「南熊部員は、魔法少女はまやかしだと思うかね? 『魔法』はすべてトリックにすぎないと考えているかね?」
「……ありていにいえば」
 そのとおり、と南熊さんは首肯した。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:04:13.80 ID:qZGGN6Ao
「確かに、『彼女』が『魔法』を使えると仮定するならば、それほど都合のいい力ではないようだ」
 少なくとも、物語に見るほど万能な超常現象ではないな、と切った。
「……なぜ?」
「単純な話だ。『魔法』に手段を飛び越えて『目的』を達成する力があるならば、すでに結果が出ているということ」
 と、説明するも南熊さんはさらにわからなくなった、と表情を渋く……したんだと思う。
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:04:26.94 ID:qZGGN6Ao
「『彼女』の目的を仮に『困っているひとをどうにかしたい』だとする。このとき、『彼女』が万能の力を持っていたならば、どこか密室ででも『魔法』をごにょごにょと唱えるだけでいい。
それだけで『困っているひと』の悩みはすべて解決される。そう、『困っているひと』の顔を見る必要さえないのだよ」
 だが、『彼女』はそれをしていない。
「要するに、『彼女』は現場に出向き相手と顔を突き合わせて杖を振るって――ようやく、『魔法』が使える程度ということ。決して万能無敵な力の類ではありえないということだ」
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:04:39.36 ID:qZGGN6Ao
「……なぐまん、理解した」
「まあ、オレはどちらでも構わんのだがね。『魔法』がホンモノであろうとニセモノであろうと」
「えっ?」
 と、リノが声を上げた。
「なら、どうして『彼女』を追っているの? ただの奇術師かもしれない――まっとうに考えるならばその方がよほど当たり前な『彼女』を」
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:04:51.44 ID:qZGGN6Ao
 ふっ、と鼎は小さく笑った。
「オレは『彼女』に助けられた。だから、もう一度会って礼を――話をしたいのだよ」
「……」
 何を考えて追っているのかと思ったら――
「鼎」
「何かね、朝霧部員?」
「僕も協力するよ。だから、きっと会える」
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:05:01.32 ID:qZGGN6Ao
 くくっ、と鼎は大きく笑った。
「期待していいかね、朝霧部員?」
「私も手伝うよっ!」
「……微力ながら」
 リノと南熊さんも手を挙げた。
「よろしい! ならば総員、『彼女』の出没データの洗い直しにかかれっ!」
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:05:17.95 ID:hk.ysUoo
転載乙
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 16:06:57.19 ID:1SHOCp2o
転載さん乙
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 16:09:11.76 ID:1SHOCp2o
次スレ
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1238223982/
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:22:25.76 ID:XacqfwDO
転載さん乙
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:00:21.04 ID:qZGGN6Ao
>>
 西日が空を真っ赤に染めていた。
「やー、楽しかったです♪」
「そりゃよかったね」
 ……よかったのかな? まあいいや。
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:00:35.93 ID:qZGGN6Ao
「皆さんいいひとばかりでとてもすごしやすかったですよー」
「普通だと思うけどね」
 帰り道、すでに鼎や南熊さんとは別れた後。平坦な道をリノとまっすぐに歩いている。
「そう思えるのは、きっと瑞希もいいひとだからですよっ♪」
「どうもあんがとさん」
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:00:51.66 ID:qZGGN6Ao
 僕はリノがいうような善人の類じゃあないけどね。
「でも、瑞希。『彼女』が見つかるあてでもあるんですか?」
「……どうしてそう思う?」
「わざわざファイルを借り出してますから」
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:01:10.63 ID:qZGGN6Ao
「まあ、ね。ひとつ気になることがあったのさ」
 嘘ですが。
「どんな、ですか?」
「『彼女』の活動場所にもパターン性があるように思えてね」
 というか、でっちあげます。
 こう「三の付く日はいつも海沿いに現れるからそこで見張ろう」とか「午後五時半には駅近くで目撃されている」とか、そういう偶然のパターンを読み取って、さも必然であるかのようにいおうかと。
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:01:23.83 ID:qZGGN6Ao
「じゃあ、私も会えるかもしれないんですねっ? わあ、寝られなくなりそう♪」
「ヒーローショーを楽しみにする子供ですかい」
「子供じゃありませーん!」
 いやいや、どう見てもそれでした。
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:01:49.31 ID:qZGGN6Ao
「あ、そうだ。瑞希、買い物に行きますよー」
「えー」
 疲れたから帰って寝たいんですが。
「誰かさんが遅くに帰ってきたり風邪引いたりしてたおかげで、もう冷蔵庫には何もないんですよっ!」
 ごめんなさい。
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:25:14.54 ID:qZGGN6Ao
「じゃあ、急ぎますよっ。そろそろタイムサービスが始まるんですから」
 所帯じみたなぁ、魔王様。
「はいはい、わかりましたよ――ん?」
 ハルが動いたような気がした。
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 17:26:21.29 ID:qZGGN6Ao
「……ハル、どうかしたのか?」
 リノにわからないよう、カバンを持ち帰るふりをして訊ねた。
「なんでもないよ、ミズキ」
「……この問答は、つい昨日もしなかったか?」
「あはは、ハルちゃんちょっと居眠りしちゃっただけだよ。うん」
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 20:19:48.35 ID:qZGGN6Ao
 ……。
「リノ、悪い。急用ができた」
「えっ?」
「ごめん!」
「ちょ、ちょっと、瑞希。どこ行くのー!?」
 僕はリノを置いて走り出した。

 公園。
 見晴らしがよく、寒い、あの大森林公園。
 ひとけはなく、誰かが近付けばすぐにわかる、そんな場所。
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 20:20:06.71 ID:qZGGN6Ao
 リノを置き去りにしたそこから走って三分と離れていないが、時間なんてかけてられない。
「あーあ、ミズキ、魔王様置いてけぼりだねぇ。かわいそうに――」
「ハル、何かあったんだろ?」
「……ないよ」
 言葉遊びには付き合っていられない。
 ハルが嘘をついている。それは何か。
「その言葉を丸々鵜呑みにできると思う?」
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 20:20:29.92 ID:qZGGN6Ao
「……『契約』に反するようなことはしていないねぇ」
「ハルっ!」
 カバンに突っ込んでいた左手を引き抜く。
 手には、握られた一本の短い棒があった。
 ハルという名の、『魔法』の杖がそこに。
「何を思い、何を隠そうとしたんだ?」
「……ミズキは、ハルちゃんが信用できない?」
 そんなことはない。
「いいや、信用してるし、信頼してる」
「じゃあ、ハルちゃんが問題ないよ、といっているんだからそれも信用してよ」
「それは――できない」
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 20:21:48.60 ID:qZGGN6Ao
>>282修正


「……『契約』に反するようなことはしていないねぇ」
「ハルっ!」
 カバンに突っ込んでいた左手を引き抜く。
 手には、握られた一本の短い棒があった。
 ハルという名の、『魔法』の杖がそこに。
「何を思い、何を隠そうとしたんだ?」
「……ミズキは、ハルちゃんが信用できない?」
 そんなことはない。
「いいや、信用してる」
「じゃあ、ハルちゃんが問題ないよ、といっているんだからそれも信用してよ」
「それは――できない」
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 20:59:47.42 ID:qZGGN6Ao
 なぜなら、
「ハルが何かを隠していると気が付くくらい、ものすごく信頼しているからだ」
「……どう違うのかなぁ?」
「ハルが制約を設けたのは、たぶん僕のためだったろうから」
 制約。
 美浜区限定魔法少女、それは――区外では一切の『魔法』が使えない魔法使い。
 変身は一日に二度まで、使える『魔法』の種類は百を越えるうちのわずか十七種。
 これらは、ハルとの『契約』の後に加えられた制約に起因するルール。
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 21:00:23.86 ID:qZGGN6Ao
「ハル、話してくれ。何かあるんだろう?」
「……知らないねぇ」
「……どうしても言いたくないのか?」
「……何のことかわからないねぇ」
 ごめん。
 本当に、ごめん。
「――命令だ、ハル。一時的に嘘をつく権利を剥奪した上で訊ねる、何があった? 答えろ」
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 21:02:57.64 ID:qZGGN6Ao
「ミズキ……」
 ハルが悲しそうな声を上げた。
 聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。
「早く!」
 だから、僕は声を荒げた。
「区外ギリギリ、およそ百二十メートルほどの位置でダンプカーと乗用車の衝突事故が発生。幸い、通行人を巻き込むことはなかったものの――乗用車側の運転手が車内に閉じ込められたまま多量の出血をしている。
救急車が到着したとしても、ダンプカーを引き離すための大型の道具が必要となるだろうと推測される」
 人死にがかかわる事故だ。
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 21:12:58.94 ID:qZGGN6Ao
「でも、ミズキが手を出さずとも解決する可能性はあるよ!」
「……行くぞ、ハル」
「ダメだよ、ミズキ。ハルちゃんは区外で『魔法』を使用させない」
「ハル、僕は命令したくない。変身だ、行くぞ」
「ミズキっ!」
「――命令だ、ハル。僕を変身させろ」
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 21:13:31.14 ID:qZGGN6Ao
 かちり、と足かせのはまるような音が聞こえた。
「第一『魔法』術式――解放」
 ハルを振るう。
 ばしゅう、と蒸気の噴出したように。
 辺りが真っ白に染まる。
 瞬間――ハルは三十センチもなかった姿から、一メートルを優に超える杖に変じる。
 僕の姿も、服から髪色から身長体重、果ては性別まで――丸ごと切り替わる。
 がりがりと削られるような不快感。
 ごりごりと噛み潰されるような悦楽。
 ざらざらになった砂のような自意識が。
 ばらばらになった部位を再構成させられ。
 ひどい――不協和音を奏でながら、変わる。
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 21:15:13.50 ID:qZGGN6Ao
「ごほっ……」
「ミズキっ!?」
 体が、というか、内臓が痛い。
 胃とか腸とかそういう慣れたものだけじゃなく、肺とか心臓とか、もっとわからない――肝臓とか膵臓だろうか――まで、しみるように痛む。
「大丈夫」
「ミズキ……」
「別に、日に三回くらい変身しても平気だよ。ハル」
 まだ、血反吐すら吐いていない。
 僕は、平気だ。
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:02:04.93 ID:qZGGN6Ao
「やめようよ、ミズキ! まだ、風邪だって治ってないんだよ!?」
 人死にがかかってる場面で、風邪なんて関係ないだろ。
「違うよ。違うよミズキ。ミズキはハルちゃんを手放せなかった。学校について、どの瞬間だってカバンの中にいるハルちゃんを握っていた。――そうしないと倒れてしまいそうなくらい体調が悪かったから!」
 治癒『魔法』があればよかったんだけどな。
「ミズキ!」
「ハル、命令だ。――第三十七『魔法』術式――解放」
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:02:24.16 ID:qZGGN6Ao
 ああ、頭痛がひどい。
 空だ。
 飛んでいる。
 空気が熱い。
 目的地はまだか。
 ああ、頭痛がひどい。
 ああ、ずつうがひどい。
「……ズキ! ミズキ!」
 はるがさけんでいる。
 なにをしようとしていたんだっけ。
「第十八『魔法』術式――解放」
 すさまじいあつりょく。
 げぇ、といえきをはいた。
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:02:38.15 ID:qZGGN6Ao
 こえがうるさい。うるさい。
 まわりに、ひとがいる。
 うるさい。うるさい。
 くるまが、あった。
「第五『魔法』術式――解放」
 がつん、とおとがした。
 なにかがはじけとんだ。
 なにがあったんだろう。
 ちがう。きっとちがう。
 ――僕は何をしたんだ。
「第五十一『魔法』術式――解放」
 ――僕は何ができたんだろう。
 ――僕は何をすべきだったんだろう。
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:02:54.62 ID:qZGGN6Ao
 ――僕は何ができたんだろう。
 ――僕は何をすべきだったんだろう。
「第三十七『魔法』術式――解放」
 ――僕は、何だ?
 そらが、くらい。
 ――莫迦じゃないのか?
 ちじょうが、くらい。
 ――ちくしょう。
 せかいじゅうが、くらい。
「第十八『魔法』術式――」

 なにも、みえない。

>>
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:03:12.35 ID:qZGGN6Ao
>>
「ミズキ! ミズキ! 返事をして、ミズキ!」
 ダメだ、ミズキは完全に意識を失っている。
 この格好のままじゃいけない。
 魔法少女の姿のままであれば、それだけでミズキは消耗する。
 普段であったなら――普段であったとしても、すさまじい消耗。
 なのに、ミズキはその変身を日に三度も行っている。むちゃくちゃだ。
 ミズキにわずかでも『魔翌力』があったなら、こんなことにはならないのに。
 ――いや、そんなことはどうだっていい。
 今、ミズキが変身を解除しないと――
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:04:10.16 ID:qZGGN6Ao
「ミズキ! 起きて! 『魔法』を使って! 変身を解除しないと――死んじゃうよぉ!」
「その話は、本当!?」
 高い、声がした。
>>>>>
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:14:02.79 ID:qZGGN6Ao
>>>>>
 男は注意深く観察していた。
 理由に意味を見出さないその男は、魔法少女という珍妙なものに対しても大勢多数の一般人と同じように査定を行った。
 その結果として、魔法少女が『魔法』を用いている可能性が高いと考えた。
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:52:57.37 ID:qZGGN6Ao
 機界において、『魔法』を使うことができる存在はほとんどいない。
 それは種族としてのホモ・サピエンスが『魔翌力』をあまり持たないことに起因すると考えられている。物理量として測定することが難しい『魔翌力』ではあるが、一説には三桁以上の差があるといわれていた。
 つまり、『魔法使い』は男の追う人間であるということ――そのはずだった。
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:53:23.77 ID:qZGGN6Ao
 だが、違った。
 魔法少女は男の見付けるべき人物ではなかった。
 かなり特殊な魔法具――『神代の魔術』のものと思われる杖を振るっていたが、そんなものについての命令は受けていなかった。
 ゆえに、男は苦悩した。
 時間も場所も間違ってはいない。
 多少遅れて己が現れたことはわかっていたが、それでもせいぜいが一ヶ月以内。
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:53:40.54 ID:qZGGN6Ao
 探索範囲を広げここを離れるべきか、それともこの場にとどまり魔法少女をエサに追う人物と接触することを期待するか。
 男は結論を出した。
 息を潜め、魔法少女を泳がせて観察をする、と。

 6.
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:53:59.76 ID:qZGGN6Ao

 目を開けると、見覚えのない天井があった。
 ついでに、何かが腕にぶっささっていたらしく、ぷらぷら揺れた。
 そんでもって、寝こけてるリノがいた。
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:54:16.67 ID:qZGGN6Ao
「ミズキ、起きたの……?」
 わ、莫迦。しゃべるな――
「――っ!?」
 声が、出ない?
「あ、ミズキはそのままでいいから、動かないで。ハルちゃんはナースコールでお医者さんを呼ぶよ」
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:54:33.33 ID:qZGGN6Ao
 待って、と体を起こそうとした――ら、ろくに力が入らなかった。
 ハルは器用に動いて、ボタンを押した。
 何が何やらわからない。
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:54:47.69 ID:qZGGN6Ao
 なんとか動く、首を回して状況を確認。
 ベッドに点滴に病気自慢のお年寄り。
 なるほど、ここは病院か。
 ということは、僕はここに担ぎこまれたわけで。はて、何をしていたんだっけか――
「けほっ」
 ……思い出した。
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:55:03.34 ID:qZGGN6Ao
「ミズキ……?」
 ごめん。
 僕は目で謝った。
「……うん」
 気にしないでいいよ、とは返せないけれど謝意は受け取るということだろう、ハルはうなづいた。……ホント、器用だなぁ。
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:55:27.77 ID:qZGGN6Ao
「ミズキがどこまで状況を覚えてるかわからないから、簡単に説明するよ?」
 頼む。
「現場に着いたミズキは、筋力強化をかけて事故車両を無理やり引き剥がした。そうしてから現場から離れ、もとの公園に戻った――んだけれど、ミズキは変身を解かずそのまま倒れちゃったの」
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:02:47.03 ID:qZGGN6Ao
 ……ちょっと待った。今、僕もとの姿だぞ?
「ミズキが意識してか意識せずかは知らないよ? でも、同じ場所に戻ったおかげで、この魔王様がハルちゃんを振るってくれた。だから、助かったんだねぇ」
 えーと……もしかして……。
「うん、全部バレた」
 ほんぎゃあああああ。
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:03:01.31 ID:qZGGN6Ao
「でも、彼女が来なかったらミズキはたぶん……まずかった」
 うぁー。
「『魔法』を使うに足りるだけの『魔翌力』の持ち主か、ハルちゃんと『契約』をしていないと、『神代の魔術』はどうやっても使えない」
 そりゃ、わかってるけどね?
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:03:17.11 ID:qZGGN6Ao
「しかたないよ、ミズキの命には代えられないもん」
 はぁ……さぞや、リノは幻滅しだろうなぁ。
「え? そんなことないよ?」
 ん?
「というか、むしろ――あ、おはようリノさん」
 げっ。
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:38:12.84 ID:qZGGN6Ao
「おはよー……」
 ごくり、と生唾を嚥下した。
「んにー……」
 リノは軽くノビをして――
「くぅ……」
 寝るなぁあああああ。
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:42:26.82 ID:qZGGN6Ao
 ああ、ツッコめないってこんなにストレスたまることなんだ。芸人さん万歳。
「まあ、しかたないよ。面会時間はもちろん、それ以外もずっと起きてたみたいだしねぇ」
 ……そう、なのか?
「ちゃんとお礼をいいなよ、ミズキ。じゃ、お医者さんが来るからまた後で」
>>
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:47:41.12 ID:qZGGN6Ao
>>
 診断が終わるころにはおおよそ体も動くようになっていた。
 なので、医師からはもう一日くらい入院していくことを勧められたが、強引に退院した。
 ええ、先立つものがさっぱりありませんので。
「えーと、ご心配おかけしました」
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:49:31.96 ID:qZGGN6Ao
「本当だよっ! 私たちがどれだけ心配したと思ってるの!?」
 つーん、とリノは怒ってみせた。
 半日以上意識がなかったようで、家に着いたときにはもう土曜日は半ばをすぎていた。
「ミズキはもっと反省してといいと思うねぇ」
 ハルも敵のようだ。
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:51:39.34 ID:qZGGN6Ao
「ところで、ハルさんや。今日は……何も問題は起きてないのか?」
「みーずーきーさーん♪」
「はっ、魔王様が地獄耳!」
 魔界と地獄は関係ないけれどさ。
「今日は、『寝て曜日』です! ベッドから一歩でも出たら許しませんからねっ!」
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:53:18.36 ID:qZGGN6Ao
「しゃらああああっぷ、です!」
 わーん、魔王様が問答無用だー。
「今日は幸い、大きな事故も事件も起きてないねぇ。これは本当だよ?」
 うーん……。
「ミズキ、昨日は事故現場に飛んでいって大活躍したよねぇ? あの姿はとっても多くのひとに見られてて、近接――とまではいかないけれど、近くの民家からハンディカメラで撮影した動画が残ってたの」
 うぇっ!?
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/29(日) 14:59:24.12 ID:RNnIwVIo
なんか半端に転載されてるな
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:39:07.60 ID:.Y3en5ko
「……なんとなく、便乗商売が非難される理由がわかった気がするよ」
 名乗り上げでミハマンはなぁ……。
 ほっとくと広告枠が生まれそう。背中に田中クリーニング店とか山本家具店とか付けられる。
「ミズキも、勝手な名称が付くのがいやなら名乗っちゃえばいいのにねぇ」
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:40:19.70 ID:.Y3en5ko
1つ抜けちまった…
>>316の前に

「おかげで魔法少女という存在について大幅に信憑性が高まって、ひとがごったかえして大混乱。副産物として事件らしい事件を起こせない状態になったことが影響しているみたい」
「そういう解決法はいやだなぁ……」
「ちなみに、町おこしもするみたいだねぇ。『美浜区魔法少女町』とか『魔法少女ミハマン』とかそういう話もチラホラ」
 ミハマンはいやぁああああ。
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:41:18.09 ID:.Y3en5ko
「僕が自分で決めた『魔法少女の名前』を高らかに叫ぶのはさすがに……抵抗があるというか抵抗しか残らないというか……」
 自爆テロのできるレジスタンスも真っ青なくらいの抵抗度です。
「では、『くるみん』で行きましょー♪」
 ……。
「え?」
 あの、リノさんいきなり何を?
「ですから、魔法少女の名前です。『魔法少女マジカル☆くるみん』で決定っ♪」
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:42:03.12 ID:.Y3en5ko
「なぜにどうしてほわい!?」
「瑞希じゃなくて、私が決めた名前なら抵抗はないですよね?」
 そうとったか。
「いやそのやっぱり名乗りを上げるということ自体が魔法少女としての自分をいったん認めることになるわけでして詰まるところそれによってもたらされる本性的な恥ずかしさを内包しうる名前にならざるを得ないのが魔法少女の名乗りではないかと思――」
「決定ですよー♪」
 ……あの、拒否権は?
「心配をかけさせるひとにはありませんっ!」
「ひ、卑怯な!」
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:42:17.71 ID:.Y3en5ko
「卑怯上等です! ふふふ……私の命名した魔法少女が世界の平和を守るために……ふふふふふ……」
 り、リノさん、その笑い方は怖いんですが。
「――でも、ほんっとうに心配したんですよ?」
 素に戻って、リノは悲しげな目をした。
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:42:31.52 ID:.Y3en5ko
「……悪かった」
「それじゃあさっきと変わってません。『私たちに心配をかけたこと』について謝ってもらってもダメなんです。『瑞希が自分の体を省みなかったこと』について反省してもらわないと」
「……すまない」
 でも、それをやめることはできない。
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:42:54.42 ID:.Y3en5ko
「どうして……ですか?」
 ……。
「機界には――特にこの国には優れた警察機構があって、たいていの事件は時間さえかければ解決されるんですよ?」
「ああ」
「瑞希が用いているのは、『神代の魔術』です。わかっていますか? 一国の軍隊を相手に正面から戦える――『武装』なんですよ?」
「ああ」
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:43:15.59 ID:.Y3en5ko
「この地域は平和じゃあないですか。十分に。敵なんていないじゃあないですか。ほとんど。ヒーローなんて――必要ないじゃないですか」
「ああ」
 わかってる。
 全部、わかってる。
「おかしいですよ、瑞希は……体も精神もすり減らすにいいだけすり減らして、名乗りさえ上げない。金銭を受け取らないどころか、名誉さえ受け取らない。……何がしたいんですか?」
 泣くなよ。
「泣いてませんっ!」
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:43:31.52 ID:.Y3en5ko
 よしよし、とリノの頭をなでてやる。
 まあ、ベッドの上からじゃあ格好も付かないけどさ。
「ハルちゃんもね、それは疑問だった。どうして、ミズキはそんなになってまで他人を救おうとするのか、が」
 ……。
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:44:07.79 ID:.Y3en5ko
「大した理由じゃない。僕の手がまだハルを握り締められるから。それだけだよ」
「そんなの理由でもなんでもないじゃないですかっ!」
 じゃあ、言い換えよう。
「目の前に、飢えて死にそうなひとがいた。そのときに、リノはパンを持っていた。――どうする?」
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:44:30.71 ID:.Y3en5ko
「……パンを差しあげます」
「でもハルちゃんは、自分が飢え死にしそうならあげない。ぱくぱく食べちゃうねぇ」
 リノは悔しそうに、ハルは補足して答えを述べた。
「僕は死んでいない。だから――もう少しはパンを分け与えることができると思うよ
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:45:01.01 ID:.Y3en5ko
 しん、と静まった。
「ミズキ」
「ん、何?」
「ハルちゃんは、『契約』の更新をやめるよ。――来週の日曜日、ハルちゃんは魔界に帰る」
 ハルは淡々とつぶやいた。
「……どうしても、か?」
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:45:21.15 ID:.Y3en5ko
 ミズキのせいじゃないよ、と。
「元々、機界の高校までの学習要領を叩き込むことができればいいつもりだったからねぇ。これでも予定以上長く居残ってたんだよぉ」
「……どういうことなの?」
 リノが口を挟んだ。
「ハルは、機界の勉強をしに――」
「ありていにいえば、スパイだよ。機界の科学の一端を盗みに来た、スパイ」
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:45:37.47 ID:.Y3en5ko
 機界とは、『機械』の世界。
 魔界とは、『魔法』の世界。
 物理法則を同じくするそのふたつは、科学技術や経済社会の構造に大きな差がある。
 確かに、『魔法』を利用することができるのは、実質的に魔界のみだ。
 しかし、ほとんど『魔法』を科学できていない。
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 15:49:10.87 ID:.Y3en5ko
 それは、『魔法』というものを体系だった区別をし、分析をし、応用をすることができていないということ。
 すなわち、魔界の『魔法科学』と『機械科学』の合算が、機界の『機械科学』に大きく劣るということなのだ。
 具体的には、『蒸気機関』の構築で手間取っている段階。機界と比べ、三百年は科学が遅れている。
「――だから、ニュートン力学や議会政治の基礎レベルの知識でも、かなり重宝するねぇ」
 ま、それ以外にも図書館やインターネットは利用しているけれどね、とハル。
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 16:20:08.37 ID:.Y3en5ko
「瑞希は……ハルさんにしていることがどういうことか、わかっているんですか?」
「技術供与かな」
「冗談はやめてくださいっ!」
 はぁ、と僕はため息をついた。
「特定の国家が高い科学技術を得た先にあるものは――戦争ですよ!?」
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 16:20:25.15 ID:.Y3en5ko
「ええ、飛んでいますよ。きっと十年二十年、ことによれば五十年百年の後の話です。でも――ありえる話です」
 冷戦の時代から、大国が小国に対し兵器の供与を行うことがたびたびあった。
 代理戦争。
 それまで銃器のひとつさえまともに作れなかった貧困国が、他者を蹂躙する力を得たとき。
 その力の矛先は、大国の指示のもと、敵対するものへと向いた。
 何年と続く紛争。
 何十年と続くテロ。
 これらは今もなお続く悪夢のような、現実である。
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 16:20:42.68 ID:.Y3en5ko
 ニトログリセリンという物質が存在する。
 これは、水素、窒素、炭素、酸素のたった四つのありふれた元素から作られるもので、爆発性を特徴に持つ。
 このニトログリセリンを加工したものが、いわゆるダイナマイトである。
 本来の用途はともかくとして、戦争でおびただしい数の人命を奪った兵器でもある。
 そして、ニトログリセリンの化学式や合成法は、高校の教科書やインターネットを検索すれば数分とかからずにわかってしまうことなのだ。
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 18:04:56.41 ID:.Y3en5ko
「……どこが力を得てもいけないんです。世界も国家もまだまだ未熟すぎるんです。そんな技術は持ち込んじゃいけないんですよ! わかってるんですかっ!?」
「でも――その知識で救われる命があるかもしれない」
 アルフレッド・ノーベル。
 ノーベル賞の提唱者にして、その賞金を管理するノーベル財団を自身の遺産によって作り上げた人物。
 そして、ダイナマイトの発明者。
 ――ダイナマイトは、当時大変危険だったトンネル工事を大幅に安全なものにした。
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 18:05:32.26 ID:.Y3en5ko
「……前も言ったけど、ミズキは優しすぎる。個人の見方が甘い、という意味だったけれど――それ以上にミズキは国家の見方が甘いよ。甘すぎるよ」
 ハル……。
「ハルちゃんはね、正直なところ『うまく言いくるめた』と思ってたよ? 正義感にかぶれた『お子様』を上手に誘導したと思ってたよ?」
 でも、
「おかしいと気付いたのはその日のうちだったよ。ねぇ、あの日、何回変身したか覚えてる?」
 確か、十三回。
「そのまま、ミズキはぶっ倒れたよねぇ?」
「それで――ハルが『制限を設ける代わりに、もっと強い力を使えるようにする』と提案したんだったな」
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 18:07:43.58 ID:.Y3en5ko
「そう、せっかくの『契約者』に死なれたら、ハルちゃんは任務を遂行できなくなっちゃうと思ったんだねぇ。――だけど、ものすごく変な感触が残った」
 だってさ、とハルは声を高くする。
「ただ正義感にかぶれただけのお子様が、本当に死に掛けてまで他人を守ろうとするとは思えなかったんだもの」
 そして、
「実際に、その違和感は大きくなっていった。ミズキは、ハルちゃんが想定していたよりもずっとずっと頭がよかった。世界を知っていた。社会をわかっていた。国を理解していた。――ハルちゃんの目論見がどこまでバレていないのか不安になるくらい、に」
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 18:07:58.98 ID:.Y3en5ko
 だからさ、
「ミズキは絶対に矛盾している。そのやり方で救える数人と吊り合わない行動をしていることは気付いているはず。ねぇ、ミズキ――」
 ――どうして、そんなにひとを救いたいの?
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/29(日) 18:14:16.48 ID:RNnIwVIo
転載さん乙
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 22:57:01.62 ID:.Y3en5ko
「……」
 ふたりが、僕を見ている。
 このふたりは、とても対称的だ。
 魔王を名乗るヒト。スパイを名乗るヒト。
 地位と名誉の頂点のような存在と、ときとしていることさえ認められない存在。
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:19:20.27 ID:.Y3en5ko
 どこの誰かもわからない怪しげな人間と、確かすぎ他国からの目を逃れるのに苦労する物。
 魔法少女という『正義』を愛するものと、国家という『実利』を崇拝するもの。
 明かすべき身元を明かさないひと。明かすべきでない身元を明かしたひと。
 たぶん、自分でもわかっていないのだろう。
 だが、ふたりは――期待している。
 理屈を吹き飛ばすような何かを。
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:25:54.28 ID:.Y3en5ko
 子供のように駄々をこねて。
 むずかり泣き喚いて。
 応えろという。
 期待に。
「誰かの手に、その力があったなら――気にしないよ」
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:27:01.48 ID:.Y3en5ko
 ふたりが期待しているのは、本当にわかりやすい、神のごとき――『正義の味方』の偶像。
 何も考えずに盲信できる、絶対的な理屈。絶対的な『ヒト』としての味方。上位種。崇拝すべきモノ。何と言い換えてもいい、つまりは――キリスト教の十字架のごとき、象徴。
「ただ、他人を救う力が僕の手元にやってきた。だから――『しかたなく正義の味方の真似事をやっているのさ』」
 ――僕は、救世主なんかじゃない。
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:27:50.30 ID:.Y3en5ko
「おかしいよ! そんな理屈なんかで他人を救うはずがないよっ!」
 ――違うといっている。
「そうだよ、ミズキ。その程度の想いの人間があんなことはできない!」
 ――押し付けるな。

 ボクニ、リソウヲ――オシツケルナ。

 イテホシイトキ、カミガアラワレナカッタカ?
 ソンナコト、ボクニハカンケイナイ。
 ボクダッテ、ソウダ。
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:28:14.12 ID:.Y3en5ko
 ――神は現れない。

 心が痛もうと。
 体が痛もうと。
 苦痛を叫ぼうと。
 悲痛に嘆こうと。
 彼は彼女は彼らかもしれないその――いけ好かない上位者は、現れない。
 世界に数千数万数十万数百万数千万数億数十億と散らばる悲劇。
 これまでもこれからも増え続けるだけで減りもしない惨劇。
 いるならば、その上位種は知っている。識っている。
 それらすべてを知覚する力を持ちながら。
 どうでもいいと、見殺しにしている。
 どうでもいいのだ。
 やつらは[ピーーー]といっているのだ。
 僕らなどどうでもいい。
 彼女なんて――どうでもいいと思われたのだ。
 神なんて――

 ――救ってはくれない!
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:28:30.89 ID:.Y3en5ko
 だから、力を持ったならば救いたいと願った。
 ボクニ、ちからを、ヨコセ。
 わかりやすい暴力を。
 わかりやすい権力を。
 姿を見るだけで声を聞くだけで、オモシロクナイ何物をも消し飛ばせる――絶対的な象徴を。
 それは――
 それほどの大事を――

 ――カミナンカニ、任せられる、ワケガナイ。
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:28:47.77 ID:.Y3en5ko
「……昔、救いたい友達がいたんだ」
 僕よりも、何倍も優しい。
 いいや、僕なんかじゃ比べるのもおこがましいくらい優しい、本当に優しい子が。
「何が違ったってわけじゃあない。頭の出来だって平凡だったし、運動ができたわけでもない。おもしろいことが言えもしなかったし、格好いい振る舞いも見られなかった」
 ――ただ、ほんの少しだけ、僕らよりも優しかっただけの女の子。
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:29:57.24 ID:.Y3en5ko
「その子が傷付いたとき、僕はそばにいた。何かあればその都度励ました。その子が変わらずに『その子』のままでいられるように」
 僕に彼女はまぶしすぎた。
 僕らと何も変わらないはずなのに、まったく別次元の生き物のようにまっさらだった。
 だから、彼女は変わるべきではないと思った。
 彼女と世間のどちらかが間違っているならば、絶対に世間が間違っていると確信できた。
 その想いは今でも変わらないし、たぶん変えられない。
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:30:28.28 ID:.Y3en5ko
「僕はその子を助けていたつもりだった。でも、実際には、単なる自己満足の範囲内だった。きっと、僕は彼女の負担の一部でしかなかったんだ」
 そして、
「その子が本当に心折れそうになったそのとき、僕は何もできなかった。僕なんかにさえ助けを求めたその子を――ちくしょう! 救うことができなかったんだ!」
 子供だったから、なんて、言い訳にもならない。
 彼女は僕と同い年。
 彼女だけが大人なわけはない。
 体だって心だって未成熟で未完全だった。
 ちくしょう、どうして僕はあんなに愚鈍だったんだ。
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:30:42.65 ID:.Y3en5ko
「――そんな理由でいいかい?」
 僕は、ニヤリと笑った。
 なぜかはしらないけれど、怖かったから。
「……本当の、話なの?」
「何が?」
 僕はそらっとぼけた。
 余裕だらけの皮肉な態度をとらないと、壊れそうだったから。
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:40:05.54 ID:.Y3en5ko
「……とにかく、ハルちゃんは来週の日曜日をもって、『契約』を満了し、そのまま帰らせてもらうよ」
「……ああ」
 決裂なのだろう。
 見限られたのだろう。
 誰かを救いたいのであれば、ここでハルの望む理想を体現してやればいい。そのように見せかけてやればよかった。
 でも――友人として、それはしたくなかった。
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 23:45:50.74 ID:.Y3en5ko
「疲れた。――僕は寝るよ。事件があったら起こしてくれ」
 悪でも正義でもなく。
 自己満足にさえ全力を出し切れない。
 そんな魔法少女にはふさわしい最期だと思った。
>>
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:07:03.83 ID:p31E8cQo
>>
 ――んだけど、
「えーと……南熊さん?」
「……何?」
「これは一体どういうことなんでしょう?」
「……緊縛ぷれい?」
「それなんか違う」
 なぜ僕はベッドにくくりつけられているのでしょうか?
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:07:46.00 ID:p31E8cQo
 一眠りをして、目が覚めると窓からは西日が差し込んでいた。
 少しばかり寝すぎたな、さて、少しは動くか――と思ったらベッドに完全固定されていた。
 んでもって、南熊さん。
「どうして南熊さんがここに……?」
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:16:02.02 ID:p31E8cQo
「……リノ部員から、電話があった」
 自分は少しでかけなくてはならないのだけれど、瑞希の様子が気になる。だから、しばらくお願いできないか、といわれたらしい。
「……だから、朝霧はなぐまんに身も心も任せておくといい」
「それもなんか違うから」
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:17:19.02 ID:p31E8cQo
「……とりあえず、朝霧にごはんを与えます」
「犬か猫ですかい」
 と、土鍋が現れた。
 うん、定番だね。
 でもさ、
「……あーん」
「いや、別に動けないわけじゃ」
「……あーん」
「あの、南熊さん僕は」
「……ふーふー?」
「いらないからいらないから」
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:17:55.66 ID:p31E8cQo
 ちなみに、たまごおじやである。
「……まずい?」
「普通、こういうときにはおいしいか、と聞くものでは?」
「……気に入らないなら、捨てる」
「うまいからやめてください」
「……本当?」
 ちょこん、と首をかしげる南熊さん。
「うん、ダシもよく出てるし好みの味だね」
「……おかわりがほしくば、わんとお言い?」
 えーと、喜ばれたんでしょうか?
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:22:43.85 ID:p31E8cQo
「しかし……むぐむぐ……南熊さん、よかったの?」
 レンゲに乗った一口を食べながら、訊ねた。
「……何が?」
「んー、花の女子高生が、せっかくの土曜日をただの知り合いの看病で潰しちゃうなんてさ」
 もぐもぐ
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:23:05.37 ID:p31E8cQo
「……ただの知り合いじゃ、ないよ」
「ああ、うん。そういう意味じゃないよ。南熊さんは大切な友達です。はい」
 あれっ? なぜ、不満げに?
「……あーん」
「あ、あーん」
 なんか、逆らわない方がいい気がした。
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:24:28.37 ID:p31E8cQo
「と、ところでさ!」
「……あーん」
「い、いただきます」
 もぐもぐ
「えっと、縄を解いていただけませんでしょうか?」
「……あーん」
 もぐもぐ
「と、トイレに行きたいなあって思うわけなんですがその」
 むぅ、と南熊さんは困ったようにうめいた。
「……さすがに、用意がない」
「何を用意する気だったのっ!?」

 解いてもらえました。
>>
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:25:50.97 ID:p31E8cQo
>>
 ハルもいなかった。
 持ち出した――というよりは、リノにくっついていったというのが真相なんだろうけれど、ともかくふたりとも家から消えていた。
「まあ、『契約』があるから帰ってくるだろう」
 リノとの『契約』がきちんと働いているならば、僕はリノに三食を与えなければならない。
 また、それと同時にリノは三食を受け取らなければならない。
 だから、心配せずとも晩になれば――
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:26:14.65 ID:p31E8cQo
「あっ」
 吊るしておいた制服を探る。
「やられた……」
 財布から野口さんがひとり失踪していた。
 これも僕の財産からであるから、それでもって外食をすれば『契約』は履行されていることになる。
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:26:30.53 ID:p31E8cQo
「……朝霧」
「わっ、南熊さん!?」
 いきなり現れるのどうにかしてください。
「……うろつくと、体が冷える」
「ご、ごもっとも」
「……病人は、寝てるべき」
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 11:27:28.32 ID:p31E8cQo
 連行された。
>>
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:30:22.54 ID:p31E8cQo
>>
 南熊さんはかたくなだった。
「そんなじっとしてないといけないほど体調悪くないから」
「……ダメ」
「じゃあせめて、居間でTVでも」
「……寝てて」
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:30:57.40 ID:p31E8cQo
「携帯ゲーム機くらいは」
「……熱、出る」
 問答無用すぎる。
「はあ……了解ですます、はい」
 とほほ。
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:31:09.35 ID:p31E8cQo
 ぼんやりと天井を見上げる。
 今度は見慣れた色とキズ。
 当たり前のものが当たり前のようにあることは意外なくらい落ち着くものだ、と思った。
 天井から下り、窓。カーテンによってさえぎられたそこを右に、タンス。そこから突き当たりへ、机。ぐるりと回って、ドアと本棚。
 何気なくハルを探している自分がいた。
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:31:21.41 ID:p31E8cQo
 いるはずないとわかっているのに、僕の中の何かが二ヶ月以上付き合ってきた『当たり前のように』そこにいる人物がいないことを認識できていなかったらしい。
「ふぅ……」
 ダメだなぁ。
 ハルは来週には帰るっていうのに。
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:31:34.99 ID:p31E8cQo
 ……変なやつだったよ。
 しゃべる棒。
 うるさい棒
 やかましい棒。
 んでもって――
 マイペースな棒。
 自分勝手な棒。
 気ままな棒。
 そして、
 冷静に物事を捉え人命に真剣でさりげない気遣いを忘れない――優しい、相棒。
「……朝霧?」
「うん、なんでもないよ……」
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:31:47.47 ID:p31E8cQo
「……嘘」
 腕を引かれ――
「な、南熊さんっ!?」
 ぎゅっと抱きしめられた。
 僕の頭を胸に押し付けるように、強く。
「あ、あの、これは一体その何をどういうえぅあうほぇ!?」
「……さみしそうだった」
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 14:40:45.01 ID:p31E8cQo
 あー。
 すみません、よこしまなこと考えました。
 思ったより大きな胸が顔に当たってるとか頭を抱く腕が細くてひんやりしているとかシャンプーかリンスか石鹸の香りにどきっとしたとか考えました。
「……朝霧は、がんばってる」
「何……を?」
 南熊さんは魔法少女の話なんて知らない。
 学校での僕はちゃらんぽらんとしているだけ。
 授業中は寝てるし、体育のゲームは早々に負けておく。
 体力を残しておきたいがためのその行動は、間違いなくだらけているだけに見えたはず。
 なのに――何を?
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 15:17:47.66 ID:p31E8cQo
「……知らない」
 首を横に振った姿がかろうじて見えた。
「……でも、きっと、朝霧はがんばってる」
 何の根拠もないけれど、わかる、と南熊さんはいった。
「なんだよ、それ……」
「……たぶん、なぐまんでは、ダメ」
 だけど、
「……なぐまんは、わかっている。知らないけど、わかっている」
 南熊さんは、僕の頭をそっとなで始めた。
「……朝霧はがんばっている。誰一人として認めないわけじゃない。……そのことだけは、覚えておいてほしい、かも」
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 15:25:14.72 ID:p31E8cQo
 どういう洞察力なんだろうな。
 あるいは、なんらか推理できてしまうようなボロを出してしまったかな。
 もしくは、もっと直感的な何か超自然的な――『魔法』さえ物理現象だってのに、それを信じるのはナンセンスかもしれないが――何かがあったのか。
 いい答えだ、と頭の中の冷静な部分がいった。
「ありがとう、南熊さん……」
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/30(月) 16:24:22.90 ID:ATUcHego
次スレたってる
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1238397443/
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:25:39.88 ID:p31E8cQo
>>
「いまさらだけどさ、南熊さんも災難だったね」
「……何が?」
 僕は声を高くして、話題を変えた。
 強引は承知だし、たぶん、わざとらしく聞こえたはず。
 でも、それでいい。
「ほら、いつだったか鼎のことを任せたら入部しちゃってたでしょ?」
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:26:31.65 ID:p31E8cQo
 こくり、と南熊さんはうなづいた。
「鼎のことだから強引な勧誘をしたと思ってさ……前からの部は大丈夫なの?」
 白鳳学院高校は特待生を呼び授業時間さえ潰すくらい部活動を奨励している学校であるが、野望あふれる校長率いる一派の行動はそれだけにとどまらなかった。
 部活動の参加により健全な精神が云々、協調性がどーたらこーたら、文武両道ずったらべっちゃら――というわけで、すべての生徒に部活動の参加を強制するにいたっている。
 なので、二学期になってから正義部――文化研究会に入部した南熊さんは、それまでに入っていた他のクラブがあるということになる。
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:36:45.25 ID:p31E8cQo
「……斉藤部長は、強引ではなかった」
「そうだったの?」
「……以前から、興味があった」
 そりゃあまた珍しいな。
「……それと、前の部は潰れていた」
 それはまた……珍しいな。
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:36:57.50 ID:p31E8cQo
「あれ? 一学期中に廃部になったのって」
「……写真愛好会」
 うっ! あ、あそこか……。
「ええとその……災難でしたね……」
「……気にしない」
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:37:40.32 ID:p31E8cQo
 写真愛好会は、部員五名の弱小部だった。
 人数としては愛好会から部へと昇格することもできるはずだったのだが、写真というものはお金がかかる。そして、写真愛好会は特に実績のない部であり、仮に昇格したとなれば予算を食いつぶすだけのお荷物になることが目に見えていた。
 そのため、経営者としての高校本体からも部活動の予算を取り仕切る生徒会からも疎まれる、と愛好会のままであることを、三代前の部長が選んだ――らしい。
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:37:50.51 ID:p31E8cQo
 そんな写真愛好会の、OBのひとりがちょっとした不祥事を起こした。
 OBといってもずっとずっと昔の平部員で、不祥事といっても酒に酔った勢いでのふとした乱闘騒ぎ程度の話。
 だのに、目ざとく聞きつけた何者かは写真愛好会に廃部を命じた。
 いつか、実績を勝ち取って部へと昇格することが悲願だった彼らの歴史は、こうしてあっけなく終わった。
「南熊さんは、写真好きなの?」
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:38:04.15 ID:p31E8cQo
「……朝霧は、嫌い?」
 んー、
「芸術としての写真はわからない。けれども、写真そのものは好きかな」
「……なぐまんも、芸術としての写真は、わからない。でも、楽しい一瞬を残してくれるものだから、好き」
 ちょっとだけ、南熊さんは笑った。
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:38:26.91 ID:p31E8cQo
「一瞬を残す、か……そういう考え方もあるんだなぁ」
「……朝霧は、違うの?」
「僕は過ぎ去るからいいもののを好んでたから」
「……過ぎ去るからいいもの?」
「音楽やお話、『一瞬』で切り取ってもそれだけでは意味の通じないもの。なんていうか、『連続』しているから先が楽しみになるんだ」
 南熊さんは深くうなづくと、笑みをもう少しだけ大きくした。
「……いいと思う」
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:38:45.44 ID:p31E8cQo
「ま、そういう『くりえーてぶ』な才能とやらにはさっぱり恵まれませんでしたがね」
 僕は肩をすくめた。
「……趣味でいいのなら、音楽は楽しみやすい、かも」
「音楽?」
「……楽器演奏」
 え?
「楽器ってすっごいちっちゃいころからやってないと身に付かない超特殊技能じゃないの?」
 数千人の中から選ばれた金持ちのみが受講をし、なおかつそのうちの百人に一人がようやく曲らしいものを奏でられるようになり、残りは全滅するんじゃないの?
「……それは、偏見」
 マジですか。
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:13:01.27 ID:p31E8cQo
「……楽器にもよるけれど、ピアノなら中高年が始める例も少なくないと聞く」
「ピアノって難しい楽器の筆頭では……?」
「……難しいというだけなら、トランペットやバイオリンなどは一音まともに鳴らすことができるようになるまでも、かなり長い」
「え、トランペットって吹けば鳴るものなんじゃ……?」
 ふるふる、と南熊さんは首を横に振る。
「管楽器は、大変」
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:15:17.20 ID:p31E8cQo
>>383差し替えー

「……楽器にもよるけれど、ピアノなら中高年が始める例も少なくないと聞く」
「ピアノって難しい楽器の筆頭では……?」
「……難しいというだけなら、トランペットやバイオリンなどは一音まともに鳴らすことができるようになるまでも、かなり長い」
「え、トランペットって吹けば鳴るものなんじゃ……?」
 ふるふる、と南熊さんは首を横に振る。
「……管楽器は、大変」
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:15:34.51 ID:p31E8cQo
 トランペットは金管楽器だけど、と注釈をして、
「……ピアノくらいなら、なぐまんも、教えられる」
「南熊さん、弾けるの?」
「……芸暦、じゅうさんねん」
 芸暦とはいわないだろう。
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:15:53.91 ID:p31E8cQo
「……意外?」
 にっこりと南熊さんは微笑んだ。
「一回聴いてみたいね」
 にやっと僕は不敵に笑った。
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:16:24.91 ID:p31E8cQo
「……がんばる」
 いつもより、ずいぶんと南熊さんがやわらかかった。
「そっかぁ……南熊さん、部活楽しいのかー」
「……朝霧は、楽しくないの?」
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:31:14.57 ID:p31E8cQo
「僕?」
 正義部が?
「んー……」
 うーん……。
 むむむむむ……。
「……そんなに難しい?」
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:31:36.66 ID:p31E8cQo
「だまされて入ったようなもんだからなぁ。第一印象はよくないね」
「……そうなの?」
「うん。『部費でお菓子食べる部を作ったから幽霊部員にならないか』っていうのが誘い文句だったし」
 部費の問題で廃部となった写真愛好会さんには申し訳ないのだが。
「部員だって鼎以外は全員幽霊部員。顔を合わせたこともないけど、三年生だっているみたい。で、部に集まるのは僕と鼎だけ。それなら、教室でだって雑談はできるし」
「……部活、という気がしない?」
「そう、それ」
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:45:09.39 ID:p31E8cQo
 駄弁っているだけなら、別に部活でなくとも構わないはず。
「……ひとつ、疑問が」
「何?」
「……『文化研究会』の申請を出したのは、一学期中と聞いている。これは、『彼女』の活動開始より早い」
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:45:35.04 ID:p31E8cQo
 ああ、
「本来は、ただのお菓子部になるはずだったんだけど、『彼女』が現れて鼎が大幅に活動方針を変更。おかげで、お菓子目当ての部員さえ寄り付かない魔窟ができあがりましたとさ。めでたしめでたし、ってわけ」
「……そこまでは、いい」
 うん?
「……気になったのは、斉藤部長がなぜ『彼女』にそれほど強い興味を抱いたか」
 む。
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:54:37.41 ID:p31E8cQo
「『彼女』に助けられたっていうから、それが原因じゃないのかな?」
「……うまくはいえないけど、何か違う気がする」
 はて、どういうことだろう。
「……さ、そろそろ朝霧は寝る」
「え、もう?」
「……話し込んで悪化なんて、へそがちゃをわかす」
 うまくはいえないけど、何か違う気がするよぉ?
>>
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:31:23.24 ID:yyaVLmEo
>>>>>
 棒がしゃべった。
 それが第一印象であり、第一声であった。
 とりあえず、繰り糸を捜し、自立用のコマが入っていないか耳を寄せてみた。
 はて、どういう仕組みなのか棒は器用に逃げ出した。
 なかなかよくできている。
 ひとまず捕まえて、構造を確かめるべく工具を持ち出した。
 すると、棒はなんかえらそうな長ったらしい名前を名乗り、えっへんとばかりに胸を張った。棒なのに。
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:31:46.07 ID:yyaVLmEo
 ともかく、態度が横柄で腹立たしかったので分解することにした。
 棒はようやく観念して態度を改めた。
 それでもなお、棒は自らは貴族であるとか王室に知り合いがいるとか軍閥にもかかわりを持つとかどうでもいいことをぺらぺらといっていたので、ハルと名付けた。
 本来の名前の二十分の一くらいに短縮されたそれのまま、結局僕は『契約』を結んだ。
 ハルと呼ばれるのをあれほど嫌がったくせに、棒はいつの間にか一人称を『ハルちゃん』にしていた。

 きっと、ハルは成長したんだ。
 僕を置いたまま……。

 7.
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:41:11.28 ID:yyaVLmEo

 ――と、そのような変化を認識した。
 さて、
「……くぅ」
 真横で南熊さんが寝ているこの状況は、僕がどのような変化を大人の階段すてっぷあっぷ?
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:41:58.41 ID:yyaVLmEo
 朝である。
 限りなく朝である。
 限りある朝なのかもしれない。
 違いと意味はわからないがそれはさておき世界は平和だ。うん。
「……すぅ」
 いますね。
 間違いなくいますね。
 時刻は午前七時。
 いつもなら新聞拡張員がやってきて表で大騒ぎを始める日曜午前七時。
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:47:45.03 ID:yyaVLmEo
 場所はベッド。
 より正確には同じ布団の中。本日は、ふくろうさん柄のパジャマである。
「……みゅ」
 何その小動物的な発言。可愛い。
 えっとそのあのまあうんはい。

 ――落ち着け、自分。

 そうだそうだすぐに落ち着かないといけないすぐに。
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 01:00:49.81 ID:yyaVLmEo
 何か間違いをしでかしたとしてそれについてどうにかこうにかえっさほいさとリカバリするのが大人なわけでああ大人の階段登ったとするとちょっと問題がというか待て我が家にはゴム用品というか近藤さんというか
が存在していなかった可能性が否定できないことを考えるに責任をどうやってとれば決まってるウェディングな結末を迎えていやいや結末はまだ先だ養うために就職を考えるのはいいとして学生のうちにとなると金銭的に心もとない
が学歴なんてものが社会に出るに当たって果たしてどれほどの意味を成すかわからないでもないこともないわけであるからして詰まるところ――
「ふゃ〜……朝霧さんだ〜……」
 はっ!?
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 01:02:00.59 ID:yyaVLmEo
「えへ〜、朝霧さん〜……♪」
 ええと……
 ええとええとええと……
 だれですか可愛い? このえがお可愛いたれながしの可愛いひと可愛い。
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 01:02:35.02 ID:yyaVLmEo
「朝霧さん、頭なでて〜……♪」
 よ、よしよしですぞ?
「えへ〜……♪」
 すりすりうにゅうにゅ
「みゅ〜……♪ ……ほひゃっ!?」
「うぉあっ!?」
 ばばばっと南熊さんが飛び退いた。
「そ、あ、は、の、っと! お、おは、おはよ、うご、ざいま、スっ!?」
「お、おはよう、南熊さん」
 声が裏返ってるとかそういう時限を超越した何かだった。
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 01:07:53.49 ID:yyaVLmEo
「あっ、あの、これはその、違うんです! べ、別に、その朝霧さんの寝込みを襲おうとかそういう刃傷沙汰ではなくて恋慕の末というか――い、いえっ! ち、違いましたっ!」
「ちょ、ちょっと、南熊さん。落ち着いて。話は聞くから」
「はっ、はいっ! が、がんばって言い訳しますじょ!」
「南熊さんストップ。どんどん言ってることがおかしくなってる」
「ま、任せてください! あたしの手にかかればどんな朝霧さんもイチコロ即死ですっ!」
 殺された。
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 01:39:02.77 ID:yyaVLmEo
「ちょっと待ったぁ! 瑞希は殺させないわよっ!」
 ばぁん、とドアを開け放ったのはリノ。
「だ、ダメです! リノぽんにはあげません! 朝霧さんはあたしが看取るんです!」
 死に掛けに転職。
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 01:39:25.47 ID:yyaVLmEo
「そんなことないのっ! 私が最期まで面倒みるんだからっ!」
 あの、リノさん、
「老後のケアは難しいんです! リノぽんには介護師資格をとる覚悟があるんでしょうかっ!」
 あの、南熊さん、
「デイケア事故なんて信じないよっ! ちゃんと愛情があればいいのっ!」
 おーい。
「朝霧さんは黙っててくださいっ!」
「瑞希は静かにしててよっ!」
 ひどいやひどいや。

 くすん。
>>
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:26:51.27 ID:yyaVLmEo
>>
「……なぐまん、深く反省」
 南熊さんが落ち着くまで、実に十五分を必要とした。
 ことの経緯はと聞くと、「気持ちよさそうに寝ている朝霧を見ていたら、つい」と。
 それで説明責任は果たせているのか著しく謎であるが、リノは「そういうことなら」となぜか引き下がった。わけわからん。
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:27:07.63 ID:yyaVLmEo
「まさか南熊さんが泊まっていくとは思ってなかったからなぁ……。ふとんの場所くらい、起こしてくれればよかったのに」
「むー……」
 あれっ? なんで、リノさんご機嫌ナナメ?
「えー……あ、そうだ。リノ」
「何よ?」
 つんっとしてる。まあいいんだけどさ。
「――お帰り」
「む、むぅ……た、ただいま……」
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:27:23.53 ID:yyaVLmEo
「ひとまず、朝ごはん食べよう。南熊さんも、食べていくよね?」
「……ごちそうに、なる」
 OKOK。
「でも、作るのは私なんだよね?」
 はっはっは。
「そういうお約束ですし」
「……リノぽんも、座っていていい、かも」
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:27:47.00 ID:yyaVLmEo
 およ?
「……朝霧家の台所は、なぐまんが、預かる」
 おおお。
「ちょ、ちょっと待ったぁ! なぐまん、それ、私の仕事ー!」
「……でも、リノぽんは、嫌そうだった」
「そ、そんなことないの! 私、料理大好きなのっ!」
「……発言を、ころころ変えては、政治家の始まり」
 現在調査中ですので前向きに善処します。
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:28:21.71 ID:yyaVLmEo
「むぅー……!」
「……しるぶぷれー」
 何この構図?
「えと、ふたりで一品ずつ作るというのはどうでしょうか、と愚考する次第であります」
「……安易な妥協は、政治家の始まり」
 また始まったっ!?
「ふふん、なぐまんは私に勝つ自信がないからそんなことを言うのね」
「……そんなことは、ない」
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:28:48.52 ID:yyaVLmEo
 でも、と目を伏せた南熊さん。
 次に目を開いたとき、そこには明らかな決意の色がうかがえた。
「……戦いが、避けられないというなら」
「いざ、尋常に勝負っ!」
 ……もしかして、火に油を注いじゃってた?
>>
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:29:22.95 ID:yyaVLmEo
>>
 ものにはふさわしい形というものがある。
 トゲトゲしたグリップのペンは使いにくいし、やわらかいバットは意味を成さない。
 同様にして、朝食には朝食にふさわしい質と量というものがある。
 さて、
「さあ、召し上がれ!」
「……食べて」
 このどどんと並べられた揚げ物と肉類の山に、僕の胃腸は勝てるのでしょうか。
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:29:38.28 ID:yyaVLmEo
「どう、おいしい?」
「……率直な感想を」
 からっとサクサク、薄いながらも衣の歯ごたえに思慮の感じられるてんぷら。
 じゅわっとジューシー、シンプルながらも味付けに工夫の見られるお肉。
「うまいです、はい。おふたりとも」
 実にすばらしい味わいである。
 ――三口ほどでおおよそ限界を迎えたが。
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 16:31:41.55 ID:yyaVLmEo
 揚げ物は好きです。大好きです。脂っこいもの最高です。
 肉類は好きです。大好きです。牛豚鳥に羊に馬なんでも来いです。
 だが、あえてどちらかというならば、お肉の方が――いや待てよ?
 ここで問題にされているのはどういう種類の料理かが好きか、ということではないはず。
 より好みの味を出すことが高得点につながるのではなく、より上手な料理をしてのけた方にこそ軍配が上がらなければならないということだ。
 ということは、勝敗の基準をもう一度見直さなくてはならな――
「ほら、ここのところ! 味がしっかりしみてておいしいよっ!」
「……ここのさくさくさは異常」
 もがもが
「一緒にご飯はどう? あ、スープもあるときっと違うはず!」
「……お味噌汁こそ至高」
 えええええ、一般的優柔不断イベントの回避をしようと頭を働かせたはずなんですよっ!?
「ほら、瑞希!」
「……もっと、食べる」
 いやあああ。

 ……しばらく、あさごはんはたべたくないかも。
>>
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:56:43.97 ID:yyaVLmEo
>>
「ところで……ハルは?」
 朝食の後、食器を片付けるリノにそっと話しかけた。
「何も大きな事件がなければ、お昼までには帰ってくるといっていたよ」
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:57:01.83 ID:yyaVLmEo
 え?
「ハル、今ひとりで動き回ってるのか?」
「うん」
 棒が一人歩き。
 ……大丈夫なのか? いろんな意味で。
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:57:12.51 ID:yyaVLmEo
「『ハルちゃんは、図書館で調べたいものを調べてくるねぇ。ミズキなんて知らないよーだ』だって」
「まあ、帰ってくるっていってるんなら――」
 ……どうやって調べるんだ? 棒なのに。
 疑問だ。ものすごく疑問だ。
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:57:40.86 ID:yyaVLmEo
「……朝霧は、まだうろつかないで寝ているべき」
「はいな」
 もう、大体治ったと思うんだけどなぁ。
>>
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:57:55.93 ID:yyaVLmEo
>>
「ハルちゃんはねぇ、本当にミズキに感謝しているよ」
 自分の考え方の根本は合理主義だ。
 目的に向かってよりよいルートをたどることこそが人生だと思っていたし、それを組織全体に拡張することも当たり前だった。
 だから、自ら望んで『神代の魔術』を受け入れた。
 国全体を見渡しても、自分ほどその役にふさわしいものはいないと思った。
 ゆえに、くだらない人間はいくらでも蹴落とした。
 平民のような出自さえ明らかにならないものは論外。
 貴族であっても名を金で買ったような成金は別種として。
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:58:11.61 ID:yyaVLmEo
 もっとも、そんな人間はほとんどいなかった。
 きちんと国を想い、国を憂えていたならばいくらでも志願はあったはずなのに。
 国はもはや腐っていた。国民はもはや腐っていた。
 彼らは必要ない。
 ――そのようにさえ思っていた。
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:58:22.03 ID:yyaVLmEo
「無自覚なんだろうねぇ」
 ミズキの行動は英雄的だった。
 そして、とてつもなく危なっかしかった。
 助けたくない。
 動きたくない。
 めんどくさい。
 誰かがやればいい――自分はいやだ。
 全部ミズキの言葉だ。
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:58:32.21 ID:yyaVLmEo
 自分ばっかりの労苦に不平不満をつぶやいて、
 魔法少女になんてなりたくないとぼやいて、
 だのに、誰も彼も救おうとしてしまう。
 ミズキ本人は認めようとしないけれど、ミズキは魔法少女だなんて可愛い姿になっても格好よかった。
「うん、格好よかった」
 そうと気付いてしまった瞬間に――自分の価値観は崩壊した。
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:58:44.48 ID:yyaVLmEo
 合理的じゃない行動に、なぜ見惚れたのか。
 論理的じゃない活動に、なぜ心奪われたのか。
 計算としてもおかしい。もっともっと何万何十万という人間を救う力はミズキにあった。
 ミズキはそれをしていない。自分に命令を下して、強制すればもっともっと多くの数を救済できた。
 確かに、ミズキのしたことはきめが細かい。ただ命を救うだけではなく、心に傷を負うような事件にもたくさん顔を出している。
 だが、一方でそれは絶対的な数の救済を見捨てたということに他ならない。
 ――なのに、間違っているとはどうしても思えなかった。
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:59:08.33 ID:yyaVLmEo
「ハルちゃんは、見切って選んでいたつもりだった」
 それが、ただ単に見たくないものを見ないように。聞きたくないものを聞かないように。知りたくないことを知らないようにしていただけだった、と思い知った。
 ミズキのしていたことは、数の上では愚かとしかいいようがない。
 あれほどの力があるのだ、適当な団体企業いいや国だっていい、脅してカネを出させたならば数なんて簡単に救えた。
 そのことに気付かないほどミズキは莫迦じゃあない。
 でも――それを考えてしまう自分ほど、ミズキは莫迦じゃあない。
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 17:59:34.12 ID:yyaVLmEo
「……ハルちゃんは、ミズキに会えてよかったと思ってる」
 だから、ミズキにはできないことを――

 ――きっと、ミズキに最も恨まれる形で実現しようと思う。

「ごめんねとは、いわないよ」


 場所は、図書館ではなかった。
>>>>>
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/31(火) 18:17:48.02 ID:sYqK/AUo
転載さん乙
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:42:09.00 ID:Hv.PKZso
>>>>>
 あ、はい。『魂』の仮説です。
 えっと、もうすでに数十の仮説が出ています。
 それで、その数十の仮説の八割は反証がなされ、残りの二割は有効な実験ができないという状態です。
 えと、その……この論文もまた同じような感じで、きっと否定される日が来ると思います。
 なので、気楽に行きましょー!
 ……や、やっぱりダメですか? はぁい、まじめにやります……。
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:42:27.25 ID:Hv.PKZso
 まずですね、我々が『魔法』を使うに当たって使用されている――と仮定しているもの――が『魔翌力』です。
 ええはい、すでに一個怪しげな要素が出てきてます。でも、これを土台にしないと話がまったく進まないので許してください。
 この『魔翌力』は、魔界での『音素』、機界でのエーテルなどと同じように、未確定の物理的な元素です。
 ご存知の通り、『音素』――つまり、音の素――は存在していません。音は、空気や水や石を振動させて伝わっています。
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:43:42.66 ID:Hv.PKZso
 エーテルは皆さんにはなじみがないものだと思うので、簡単にご説明いたします。これは、光を伝導させるさせる物質のことで、やはり実在が信じられていたものです。――いえまあ、これは受け売りなんですが。こっちじゃそんな高度な測定なんてできませんし。
 話を戻しますね。『音素』やエーテルは存在しない、という形で決着が付きました。
 が、『魔翌力』は存在する。とりあえず、それが前提です。測定されてませんし、おそらく我々の科学力では十年二十年では証明方法さえ思いつかないと思います。
 でもでも、存在するってことにしてください! 何度も言いますが、これがないと全滅なんですこの論文!
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:44:03.70 ID:Hv.PKZso
 ごほん! では、お話を続けます。
 我々の記憶や思考や動作をつかさどるのは、ずばり頭です。脳みそさんです。
 証明は……やっぱり受け売りです。機界ってすごいですよねぇ……。
 たとえば、アルコールを飲んだとします。
 このアルコールは、胃腸で吸収されてあれやこれやと化学反応をしたりさせられたりはするようですが、とりあえず脳みそさんにたどり着きます。そして、脳内で化学的に影響を及ぼすことで記憶や思考や動作の邪魔をしたり捻じ曲げたりします。
 経験ありますよね? いっつも物静かな人が、お酒を呑んだらよくしゃべってくれるようになったり。呑みすぎると足元がおぼつかなくなったり。
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:44:29.79 ID:Hv.PKZso
 これらはアルコールによって化学的に脳みそさんが変わってしまったから起きていることです。こっちでもこのくらいは実験できます。ふふん!
 ただ、記憶や思考や動作が生まれているのはどこなのか、という問題には明確な回答がないんです。
 これは機界でも一緒で、果たして脳細胞さんがたくさん集まるだけで『意思』は生まれるのか、という疑問が解消されていないのが現状です。
 ここで、思い切った解消を試みたのが――先生の『魂』仮説ばーじょん五なのです!
 はい、はくしゅ!
 お静かにお静かに。
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:44:55.34 ID:Hv.PKZso
 ごほん! ……けほけほ。つ、続きです。
 脳みそが最上位と考えると、不思議なわけですからさらに上位を考えて――問題を先送りしてしまおう、というのがこの『魂』仮説の本体です。
 記憶とか思考とか動作を物理的にわかりやすい形でつかさどるのは脳みそさん。その脳みそさんの上位に位置して、『魔翌力』を情報伝達物質に用いてコントロールしている存在を『魂』とする仮説です。
 ただ、問題はいくつも残っているんです。記憶とか動作とかは脳みそさんにきちんとした保存場所や管理場所があるという話ですし――

 ――ラク博士の『魂』仮説に関する講義より抜粋

 8.
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:45:41.59 ID:Hv.PKZso
 実際、体調は完璧になった。
 土日こそ半ば拘束される形となったが、翌日からは元通り魔法少女としても動き回れた。
 無理のない程度に、ハルとリノとはなあなあでうまくやりながら。
 そして木曜日、恒例の午後部活時間がやってきた。
「『魔法少女マジカル☆くるみん』の知名度は日に日に高まっている」
 鼎はそのように切り出した。
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:46:10.26 ID:Hv.PKZso
「大手メディアも大規模な捜索を開始し、また接触を試みようと官民問わず相当数の団体が名乗りを上げている。首相への質問で魔法少女が出るとは――いやはや、一週間足らずでなんとも愉快な世界になったものだ」
 聞き手は、僕とリノと南熊さん。要するに、実質的な正義部の面子だ。
「朝霧部員」
「はいはい、何ですか鼎さん?」
「我々はこれから各所に散らばり、『魔法少女マジカル☆くるみん』が現れるのを待つわけだが――この配置でいいのかね?」
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:46:56.71 ID:Hv.PKZso
 場所は校庭。
 僕らはこれから美浜区内の数ヶ所の駅付近に移動する。
「いいも何も、この部は鼎が魔法少……『彼女』に会うための部だろ? なら、一番確率の高いところに鼎がいるべきじゃあないか」
 あの後、僕は資料を無理に読んで『毎週木曜日には『彼女』が駅前に現れる』という、パターンをでっち上げた。
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:47:23.34 ID:Hv.PKZso
 どうせ日曜には現れなくなる魔法少女だ。それなら、鼎の言いたいことくらいは聞いてもいいだろう。
「……見付けたら連絡する」
「きっと会えますよっ!」
「ふむ……どうやら、オレはいい部員に恵まれたようである。では、諸君の健闘を祈るとしよう。解散!」
 礼を言われるなんてこそばゆくってたまらないけど、ね。
>>
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:57:30.55 ID:Hv.PKZso
>>
 駅には鼎だけがいる。
 だけ、というのは正確ではないな。
 いくらあまりひとけのない駅、ひとけのない時間帯とはいえゼロではない。駅員に売店の店員に付近の住民はいるのだ。
 だから、迷惑をかけることにはなるなぁ、と思う。が、
「……ハル、準備はいいか?」
「ハルちゃんはいつでもいいねぇ」
「上等!」
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 00:57:49.01 ID:Hv.PKZso
 場所は適当なビル――がなかったので、病院の屋上。
 視界をさえぎるという意味では高さに不満があるけれど、贅沢はいえない。
「第一『魔法』術式――解放っ!」
 魔法少女マジカル☆くるみん、まかり通るっ!
>>
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 01:06:42.31 ID:Hv.PKZso
>>
 いかにも、優雅に舞い降りた。
 十分余裕をもって減速をかけ、ついでにスカート部分が若干膨らむ程度に空気を含ませての着陸を心がけた。
 つま先から高台へと降り立ち、背筋はピンと張って小さい体を目一杯大きく見せるよう自然体で立つ。
 迷ったが、表情はやや険しく戦いに挑みに行くような雰囲気を意識し、演出をした。
 さあ、完璧だろう。
 鼎、君があこがれるに足りるかっこいいヒロイン様のご到着だ! 存分に、礼を言うといい。
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 01:08:39.94 ID:Hv.PKZso
「……」
 こちらには気付いているのだろうけれど、なかなか話しかけてこようとしないな……。
 しかたない、周囲をきょろきょろ、探し物してる振り探し物してる振り。
「……」
 あ、あれ?
 おかしいな、なんで話しかけてこないんだ? もしかして気付いていないのか?
 なら、
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:29:32.12 ID:Hv.PKZso
「第十六『魔法』術式――解放」
 ぱぁん、と光が弾ける。
 いやまあ、それだけの『魔法』なんだけどね。
 適当に首を傾げれば、適当に解釈して、適当に理由を付けてくれるだろう。
「……」
 なんで反応しないんじゃー!
 こっち見てるよな? 見てる。うん、しっかり見てる。
 どゆこと? なして? どげんとすればよかと?
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:29:51.64 ID:Hv.PKZso
 こ、こうなったらしかたない――
 すぅ、と僕は大きく息を吸い込んだ。
 落ち着け。落ち着いていけ。大丈夫、バレるはずない。変装じゃないんだ、身長まで削れてるんだからわかるはずない。よし行け、ほら行け、どっこい行け!
「君は……ひょっとして……」
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:31:53.07 ID:Hv.PKZso
 そう、ここで言葉を切る。ぶった切る!
 そしたら、こっちからは何も言わなくていい。
 意味合いとしては「あれぇ? 君の顔見覚えがあるような気がするんだけど、間違ってたら困るから記憶があったら教えてほしいな」だ! 日本語のあいまいさ万歳! 気遣い文化ブラボー! 言葉少なくてすむから最高です!
「お、オレっ……!」
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:32:08.01 ID:Hv.PKZso
 き、来たぁあああ。
 よかった、ホントよかった。
 バレてないバレてない。緊張です。緊張のあまりにしゃべれなかっただけの模様です!
「オレ、『魔法少女マジカル☆くるみん』さんに助けられた高校生です!」
 ぐはっ
 め、面と向かって『魔法少女マジカル☆くるみん』さん言われると、ダメージでかいな、オイ。
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:32:20.34 ID:Hv.PKZso
「あ、あのときはありがとうございましたっ!」
 がばっと頭を下げられた。
 ううぅ、こそばゆぅううううううううううううううい。
 他人の業績で褒められてる気分。すごい場違いな感じがぁあああ。
「そ、それでその、ほ、本当にオレ、感謝してるんですっ!」
 てか、口調違いすぎる。もちっと肩の力抜きなさいな。
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:32:33.11 ID:Hv.PKZso
「そう……ありがとうね」
 あああ、間違ったぁあああ。
 せっかくだから一言くらい応えておかなきゃと思って選んだ言葉が、「ありがとう」て!
 おかしいだろ、相手がお礼言ってるのにさらに「ありがとう」て!
 し、しかたない。笑え! 笑うんだ! にっこり微笑んでしまえばきっとごまかせる! ごまかせると信じるんだ僕!
「は、は、はいっ!」
 よぅしせーふせーふ。ごまかせたごまかせた。
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:32:45.13 ID:Hv.PKZso
「お、オレ、どうしても『魔法少女マジカル☆くるみん』さんに、お礼がしたくって、無理をして探し続けさせていただいてましたっ!」
「うん……うん……」
 ううぅ、いい言い回しが思いつかないぃ。
 こんな、縁側で相談を受けたのにゆっくりうなづくおばあちゃんみたいな応じ方でホントにいいんだろうか……。
「お礼……う、受け取ってもらえますかっ!?」
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:33:01.49 ID:Hv.PKZso
 ん?
 言葉だけじゃなくて、何かものも用意したのか?
 でも、そんな話は聞いてないし、何も持ってなかったような……。
 まあいいか、あんまり高価そうなものだったらお断りして、お茶菓子だったらいただいておこう。そのくらいは役得だ。
「喜んで」
 僕は、にっこりと微笑んだ。
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:34:07.54 ID:Hv.PKZso
 完璧! 主演女優賞モノの笑顔を作り上げたに違いない――

「じゃあ、オレ――魔王になりますっ!」

 ――その表情筋がびきぃっと音を立ててこわばった。
「……は?」
 ええーと、キキマチガイでしょうか? なんか、ものすごーく変な日本語が聞こえた気がしたんですが。
「オレ、立派な悪役になって、『魔法少女マジカル☆くるみん』さんに叩きのめされてみせますっ!」
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 09:35:47.56 ID:Hv.PKZso
 目、すっごくキラキラしてるんですが。
「あの、それはどうお礼なのでしょうか……?」
 本気でまったくわからないんですが。
「わかりやすい巨悪がいてこそ魔法少女は栄えるんです! だから、オレが『魔法少女マジカル☆くるみん』さんに立ちはだかってみせます!」
 うわぁあああ、本気だぁあああ。
「あっ! 『魔法少女マジカル☆くるみん』さん、どこへっ!?」
 いやぁあああ、その名前で叫ぶのはやめてぇえええ。
「待ってください、『魔法少女マジカル☆くるみん』さーん!」
 いーやーだー!

 僕は全力で、走り去った。
 かつてこれほどまでにわけのわかんない理由で涙する魔法少女もいなかったと思う。本気で。
>>
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 19:50:57.39 ID:r/nKeuco
スレ落ちたね
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 19:53:08.42 ID:r/nKeuco
スレ住人は>>1にひどいことをしたよね(´・ω・`)
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 20:03:39.43 ID:huiE0jIo
すまんかった
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 20:46:31.45 ID:zqSbZ9wP
とりあえずdatをくださいorz
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 20:48:19.08 ID:huiE0jIo
本スレ182以降誰か書きこんでた?
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 20:51:31.17 ID:zqSbZ9wP
私のログは154までしかない
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 20:55:39.55 ID:huiE0jIo
とりあえず182までの奴
http://www1.axfc.net/uploader/File/so/20653
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 21:10:16.90 ID:Hv.PKZso
そうか、携帯忘れて外出したまま落ちたのか…


それで、ここで終了なん?
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 21:16:30.25 ID:huiE0jIo
かもしれない
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 21:34:29.44 ID:Hv.PKZso
今見たら、1900から1分毎に3〜4スレ増えてるんだが…
ねた乱立か?
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 21:36:30.10 ID:zqSbZ9wP
ありがたい
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 22:35:26.68 ID:zqSbZ9wP
今回はさすがに「ネタ乱立だから〜」という理由で新しく立てるのはどうかと思うな
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 22:47:18.91 ID:3A5GECYo
いったい何があったんだ?
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:18:41.32 ID:Hv.PKZso
だな、確かに
463 :ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw :2009/04/02(木) 08:56:28.76 ID:HPHpbZco
|・ω・`)オチテタ
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 09:32:10.47 ID:LAtyra.o
ごめん
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 09:56:48.13 ID:UDn0FpYo
ごめんなさい・・・
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 10:36:39.67 ID:Cvb1tlAo
ごめんなさい(´・ω・`)
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 12:14:08.92 ID:KrIsskDO
ごめんなさい(´・ω・`)
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/02(木) 13:18:58.83 ID:d//LPcDO
謝るより続きを書かせる方法を考えるんだ
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/02(木) 18:27:02.74 ID:okttFtoP
書かせるためには何をすればいいと思うかね?
470 :ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw :2009/04/02(木) 18:53:53.98 ID:HPHpbZco
|゚д゚ )オモシロソウナナガレニナッテキタノデミマモル
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 19:04:39.44 ID:LAtyra.o
読むためだったら土下座も厭わないさ
m(_ _)m
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 19:50:03.75 ID:4YUJkfQo
正直ここで終わると思うと残念だしな
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 22:51:36.80 ID:xL5mW6AO
私、踊る!
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 22:59:58.95 ID:okttFtoP
>>473
よし、早速動画でうpだ
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:02:16.01 ID:18pdbYDO
重いだけなのか、誰もが諦めたのか判らんな
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:18:48.67 ID:LAtyra.o
諦めてなどいない
書いてもらうには何をすればいいのか…
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:20:59.54 ID:xL5mW6AO
誰も「配る」って言ってくれなかった辺り…
俺時代に乗り遅れたかな…(・ω・`)
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:29:14.16 ID:okttFtoP
ニュー速ならばともかく、見ている人数がごく小数に限られるパー速ではマイナーなネタは自殺行為だ
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:37:40.84 ID:xL5mW6AO
マイナーというか…古くはあるな
CMネタ…
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:40:20.01 ID:okttFtoP
CMネタは扱いが難しいな
名の知れた企業でも地方によっては放映していないCMもある
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:41:38.74 ID:LAtyra.o
分からない…
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 23:56:20.71 ID:xL5mW6AO
武富士の…ダンスのCM流してた頃だしな
そういえば相当前か…
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 00:03:57.09 ID:lJa7eFwP
時代に乗り遅れたってレベルじゃねぇぞ…ww
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 00:06:04.44 ID:yTP5PkAO
昭和のネタの方がしっくりくる俺(・ω・`)
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 00:07:24.35 ID:JKfBtSIo
武富士のCMなら覚えてるわ
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 00:16:49.50 ID:yTP5PkAO
私、踊る!→私、配る!→私、脅す!→私、取り立てる!
…でセットで覚えてた
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 01:30:41.88 ID:nfpCPy2o
ここまでテンプレ
そして、これからもテンプレ
いつまでも、そういつまでも……
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 06:54:43.43 ID:ONWfnQDO
至極冷静なツッコミ入れると、>>1が書いて転載が済んだら一度スレを落とした方が楽だったかもな
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 09:44:24.12 ID:uPG2DW2o
保守的にはなそうなんだろうけどな
それじゃ>>1が飽きる前につづき書かせる方法を考えるか
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/03(金) 10:14:53.13 ID:nv6J8gDO
>>488
君は……なにを言っているんだ……?
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 15:56:00.47 ID:nfpCPy2o
>>490
IDの語尾だけ見て、何自演してるんだろうって思っちゃった
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 16:26:22.75 ID:JKfBtSIo
どうしたら続きを書いてもらえるのか
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 17:47:42.23 ID:nfpCPy2o
どうせ引っ込みが付かなくなってるだけだろ
なんか行動起こせばすぐどうにかなりそう
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 19:52:45.56 ID:uPG2DW2o
>>493
それをどうどうといってしまうのもどうなのかww
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 20:26:47.03 ID:nfpCPy2o
>>494
そうじゃないと希望がないだろ
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 21:24:26.08 ID:lJa7eFwP
はっはっは、まだまだ青いな君たち
ミミさんの本当の恐ろしさを知らないようだ
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 21:46:46.08 ID:JKfBtSIo
本当の恐ろしさkwsk
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 22:12:10.67 ID:lJa7eFwP
この中で未来人スレの存在を知っているものはいるだろうか
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 22:37:41.83 ID:nfpCPy2o
>>498
kwwsk
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 23:19:22.99 ID:lJa7eFwP
一昔前、新ジャンル「未来人で宇宙人で超能力者で幽霊」というスレがあった。
スレタイを読むだけで物語を考えるのがしちめんどくさくなる様なこのスレは
>>1が立て逃げしたところをミミさんがのっとった形で物語の幕を開ける。
内容を詳しく知りたい者はググるといい。新ジャンルのまとめサイトにある程度まとめられているはずだ。

まとめサイトのログを見てわかると思うが、6月10日から同月の27日まで継続して連載した超大作である。
まださるさん規制が若干ゆるかったこともあり、文章の投下頻度は高く、魔王スレよりも住人は遥かに多かった。
3日ルール適用、多人数の保守の上、このスレは2週間以上生還した。2度の特別蘇生を経て。
私も毎日のように携帯電話で保守をしていた。友人と札幌の円山動物園に行ったときにも出先で保守をしていたことを覚えている。
しかし、物語が中盤を迎えた時それは起きてしまった。
スレが落ちたのだ。3日ルールでも鯖落ちでもなく、ただ単に保守をし損ねたことによって。
それは3度目の保守失敗だった。まさに今回の魔王スレと同じ回数である。
世界観も魔王スレとはまるで違い、謎が多く、即死の危険性も比較的高かった。
多くの住人がいくつもの謎を解き明かし、複線から垣間見えるその物語の真実を誰しもが待ち望んでいた。
だが、その物語の続きを紡ぐスレは二度と立つことはなかったのである。

未来人スレの結末は、ミミさんと近しいようなそうでもないような位置にいる気がしないでもない私でも知ることはできない。
否、結末を知ることはできようとも、続きを読むことは叶わないのだ…。
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 23:21:55.79 ID:lJa7eFwP
ってことで、生半可な覚悟じゃ魔王スレ復活できないよっていう。
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/04(土) 00:35:36.84 ID:iMKp5sDO
>>501


……まさかとは思うけど、一応聞いてみる。


もしかしてミミさん本人?

503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 00:36:53.57 ID:5NwCXDMP
いいえ違います。
絵描いてた人です。
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/04(土) 00:53:19.70 ID:iMKp5sDO
>>503


あ、違ったか。

これは失礼を。

505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 10:00:02.82 ID:5NwCXDMP
ミサイル発射まで1時間をきりました
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 13:16:38.46 ID:JrWFbpEo
発射はされなかったようで
助かった・・・・・・ww
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 14:27:31.60 ID:5NwCXDMP
自爆したっぽいね…
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 20:35:00.20 ID:Ax6CxNY0
いっそのこと、立てるだけ立ててみるっていうのも手か。
見捨てられたらそれまでだけど、何もしないよりはいいだろ
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 21:53:23.53 ID:5NwCXDMP
それはいかがなものかと
一人だけで二日間スレを保守し続けることができれば例外が生まれるやもしれんがね。
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 23:13:37.36 ID:zpBWdHgo
残り47分か
何も起きなかったな
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 00:01:37.67 ID:UTzgby.0
>>509
奇跡は起こるものではなく起こすものってことか
よし。規制解けたら一人で二日間保守に挑戦してみることにする
見捨てられる可能性は高いだろうけど、頑張る
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 00:05:14.50 ID:8zxOqs2o
>>511
がんばればかなうと信じておく
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 00:20:00.60 ID:9OcDGe.P
>>510
ミサイルが落ちるのは4日から8日の間
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 02:36:44.90 ID:urYtlKko
>>511
俺もできる限りはがんばるぞ
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 11:52:02.91 ID:9OcDGe.P
ミサイル飛んだー
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 11:59:58.94 ID:urYtlKko
なんかついさっき窓開けてたら
飛行機が飛ぶみたいな音が鳴ってたけど
ミサイルはどうゆうルートだったのか
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/05(日) 12:19:35.19 ID:urYtlKko
発射時間みたら11:30とかなので違うか・・・
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 12:46:27.52 ID:H3FofGco
規制解除キターーーーーーー!
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 13:40:23.61 ID:j.g3LU.o
パー速でも規制されるのか
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 15:22:14.38 ID:H3FofGco
>>5192chの書き込み規制解除された
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 17:45:37.74 ID:j.g3LU.o
>>520
あ、そっちか
おめでとう
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 19:03:09.61 ID:stW14Q.o
こっちもキター

いやったぁああああああああああああああああ

何書こっかなーww
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 00:02:42.16 ID:jBjEe0go
>>522がミミさんだったら鬼畜
524 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/07(火) 00:47:34.53 ID:rui1W1Eo
>>523
ですよねー


……てか、もうほとんど誰もいないでしょ?
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 00:50:41.67 ID:c4bGfEAO
(^ω^)ノシシシ
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 00:54:53.62 ID:4/Cgcj6o
ちゃんと見てるよ

まあ見てるだけで何もしてないけどもorz
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 00:55:53.15 ID:.5JxAwDO
毎日見てます。
528 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/07(火) 01:06:59.33 ID:rui1W1Eo
反応はやっ


半日くらいしてから1個だけレスが付く程度だと思ってたのにww
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 01:08:53.54 ID:c4bGfEAO
(;´・ω・)・・・全裸で待ってますので・・・
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 01:14:44.82 ID:4/Cgcj6o
wwktkしながらまってるんだぜ
531 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/07(火) 01:30:42.65 ID:rui1W1Eo
むぅ……

一切反応がなくて、きれいさっぱり諦めが付く予定だったんだけどなぁ
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 01:36:35.73 ID:jBjEe0go
全裸過ぎる
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 01:43:07.12 ID:rui1W1Eo
>>532
意味しかつたわらねえwwwwww
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 04:37:34.12 ID:cKE.8v.0
こっちにいたのかミミさん。
ニュー速しか見ないから気付かなかったぜ
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 04:40:06.31 ID:rui1W1Eo
>>538
さーせん


いろいろ改変して、最初っから書き直そうかなぁとも思ってるです
空気な魔王様が消えたり空気な魔王様がいなくなったり空気な魔王様がくーるさんに役職もって行かれたりするようなのを
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 04:42:12.67 ID:cKE.8v.0
>>535
なんでこんな時間にいるんだ。
よい子はおねんねの時間だぜ?

それとも俺と1Rやるかい?
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 08:36:06.14 ID:wl4EZdYo
1R・・・ごくり
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 10:33:38.56 ID:YVDnCbso
まぁPC起動の度にここは確認してるぞ
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 10:40:09.34 ID:SmogxkDO
一応見てはいるんだぜ
一日一回くらい
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 10:41:23.06 ID:jBjEe0go
なんだ、生存者まだいっぱいいるじゃないか
と言うか増えた気すらする
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 10:43:16.38 ID:c4bGfEAO
携帯の専ブラで更新チェックに入れていた俺に隙は無かった
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 10:58:00.78 ID:rui1W1Eo
7人……だと……?


え、読み手の総数って6人くらいじゃないの?
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:03:48.27 ID:YVDnCbso
>>542
もっと居ると思うぞ
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:07:50.61 ID:wl4EZdYo
けっこういるよなぁ
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:12:16.80 ID:rui1W1Eo
mjsk
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:17:47.49 ID:c4bGfEAO
wktkが止まらないのに読み終える訳が無いだろう
全裸で待k・・・
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:23:45.22 ID:rL/AOsSO
>>542
オイラだってwktkしてるんだぜ?
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:26:25.37 ID:rui1W1Eo
増えた!


んー……

ちょっとなぐまんをメインヒロインにすえて、行数をとる魔王様をさくっと消して書き直す計画があるのだが
ここまで読んできてのダメ出しをしてもらえるとうれしい

どれだけぶったたいても喜ぶので、お願いしますorz
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:27:42.21 ID:jBjEe0go
空気魔王様は消しちゃ駄目
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:36:20.14 ID:rui1W1Eo
そういわれても、空気魔王様を空気じゃなくするにはさらに分量が必要で、それをつぎ込むと枚数がものすごいことに……バランス悪ぅ!
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:43:01.71 ID:jBjEe0go
ゲーム化でルート分岐フラグですねわかります
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:45:22.32 ID:wl4EZdYo
ゲームになるの?wktk
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:46:16.65 ID:jBjEe0go
たとえリメイクしたとしてその投下も含めて結末に至るまで住人が保守し続けられるかどうかが問題だとは思わないかね?
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 11:48:51.71 ID:rui1W1Eo
>>551-552
ゲームは……せめて、絵師さんとスクリプタさんをそろえて来てくれww
独力でどうこうするのは不可能だww

>>553
その場合には、結末が見られないだけで私は何も困らない!ww
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:01:25.57 ID:YVDnCbso
>>554後半
それはそれで切ないものが…
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:05:51.27 ID:rui1W1Eo
大丈夫



おそらく読み手の十倍はダメージ受けてるから! 胃腸に!orz
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:10:49.44 ID:rui1W1Eo
まあ、冗談はとりあえずとして、できるだけダメ出しをお願いいたします。

ではでは。
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:25:50.20 ID:mY82YU2o
支援と言う名の書き込みてすつ
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:26:32.20 ID:mY82YU2o
お、規制解除っぽい
とりあえず続き楽しみにしてまー
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 12:34:20.98 ID:WIiD1UDO
ダメ出し

ストーリーが詰まらない
キャラが詰まらない
ネタが詰まらない

終了
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:39:14.91 ID:c4bGfEAO
ダメ出しが特に面白くない

終了
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 12:43:07.78 ID:WIiD1UDO
そうゆうなら納得いくダメ出しとやらを書いてみてほしいね
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 12:53:52.61 ID:KzNBF06o
それ以前に「そうゆう」じゃなく「そういう」が正しいって知ってる?
正しい日本語学んでからでかい口叩くといいお
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 12:59:03.23 ID:WIiD1UDO
>>1マンセーで要求されたダメ出しすらできませんかなるほど
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 13:08:00.22 ID:KzNBF06o
言い忘れていたがsageてから言うべきだ
ダメ出しにしろどこがどう悪いとも言わないでどう改善しろというんだww

ダメ出しの例として
ヒロインの性格やスキルに新鮮味が無いとか
何時の間に棒登場したんだとかそういうのが欲しいわけじゃないかねぇ?
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 14:01:43.98 ID:c4bGfEAO
【!】さわるな危険

つまりそういう事だ
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 14:27:58.93 ID:aXuSs2DO
メインヒロインの強力なスルーされスキルは新鮮でなおかつ考えさせられるものがある。
空気魔王と言われども、その存在はそこにあって然るべきもの。




空気だけに
568 :みみ [sage]:2009/04/07(火) 15:47:47.37 ID:EWfoqMU0
ダメ出しマダー?
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 16:40:06.51 ID:UMVHLu2o
全体的に面白いと思うが、

 魔法少女や棒、魔翌力等の登場の方法をわかりやすくしてほしい。
 
 メインヒロインはあくまでメインであって、なぐまんは噛ませ程度にしておくべきだった。

 瑞希の語り口調での物語進行は、とても面白い
 
 部長出過ぎ!

 分岐安価より前の段階でわかりやすいフラグがほしい。

以上感想でした。
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 16:48:41.38 ID:437jx3ko
俺がいない間にみみさんが来ていたようだ

死亡安価はもうちょっと遠くに投げて欲しかったり
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 17:32:13.94 ID:rui1W1Eo
今北産業

これおもしろいの?
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 17:34:14.95 ID:wl4EZdYo
面白いよ
ちょっと難解だけど
それもいい
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 17:34:40.23 ID:437jx3ko
ミミさんじゃないか
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 17:36:57.97 ID:wl4EZdYo
ああ・・・あえてなのにww
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 17:39:25.17 ID:437jx3ko
それはすまんかった
576 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/07(火) 18:12:09.67 ID:rui1W1Eo
なかなかうまく釣れないのぉww
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 18:22:44.99 ID:aXuSs2DO
これが噂のフィッシング詐欺もとい今北詐欺ですね
578 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/07(火) 18:45:46.38 ID:rui1W1Eo
>>577
半ば確信を持って聞こう!

eseさん?
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 20:40:42.92 ID:c4bGfEAO
〜そんなこんなで二時間程経過〜
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 21:23:55.14 ID:aXuSs2DO
>>578
なぜわかったと小一時間問いつめたい気がしないでもない
581 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/07(火) 23:28:20.60 ID:rui1W1Eo
>>580
文章のクセがeseさんだったというか……

脳内でCVがeseさんと同じだった
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 23:58:49.67 ID:cKE.8v.0
明日バイト初日だから俺は寝るぜ
ミミさんふんばれ
583 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 00:02:32.02 ID:B0cNRNAo
>>582
乙ー


ダメ出しは、していただけるとホントに助かります
なにかあればというか、なくてもひねり出す勢いでお願いいたしますorz
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 00:44:26.34 ID:Ip5eV/Io
私のCVってどんなだww
585 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 00:55:15.94 ID:B0cNRNAo
>>584
んー

別に、特定の声優さんじゃないんだが
私の脳内では大体みんなCV付いてる

ただ、繰り返すが特定の声優さんじゃないので「どんな声?」って聞かれても答えようがない
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 00:59:26.91 ID:Ip5eV/Io
>>585
周波数でヨロ
587 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 01:04:34.25 ID:B0cNRNAo
954MHzでお送りしております
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 02:36:22.11 ID:3.GdLYDO
スジャータ〜スジャータ〜♪ 褐色の恋人〜♪


スジャータが、午前二時をお知らせします。
589 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 02:44:52.78 ID:B0cNRNAo
文化放送、文化放送、J・O・Q・1242ニッポン放送です
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 02:53:49.35 ID:ZXKLa2AO
暇じゃーぃ

駄文。

話の構成がミズキと魔王様で話出来てる、と思ったので二、三回読み直してやっと棒が初期から在る事に気付きましたた、まる

棒についての最初の記述が少ないような気がす。
591 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 03:02:31.02 ID:B0cNRNAo
>>590
最初は隠してた部分もあったからねぇ……
ただ読みにくくなっただけでしたがorz


しかし、自分で書いておいてなんだが、『棒』ってすごいなww
『モブ』以来のかなりひどいあだ名だwwwwww
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/08(水) 08:23:13.60 ID:F/l7N2A0
>>591
声優が下手くそなんですね、わかります
593 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 12:55:28.36 ID:B0cNRNAo
ちょっと玉入れに行ってくる!

……私、無事に帰ってこれたら書き直すんだ
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 13:00:35.61 ID:a5U3vEEo
いってらっしゃいませ・・・

いつまでもお待ちしております
595 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 13:03:28.76 ID:B0cNRNAo
無事に帰ってきたいぃいい
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 13:09:21.86 ID:rOYzRv6o
いてらー
無事を祈ってるよ
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 13:17:00.37 ID:3.GdLYDO
こうしてまた新たなテポドンが作られるのであった。
598 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 16:20:28.26 ID:B0cNRNAo
3万2千円半島に送金してきたorz
599 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 16:22:29.48 ID:B0cNRNAo
……あ、プレス代完全に忘れてた


夏コミでは新刊出せなくなりました……っと
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 16:23:32.24 ID:Z2XAvrko
>>599
な、なんだってー!
601 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 16:27:31.57 ID:B0cNRNAo
ネタじゃなくてマジで忘れてたwwwwwwwwww

うわーどうしようww
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 16:29:26.53 ID:a5U3vEEo
うわーうわー・・・
603 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 16:30:44.46 ID:B0cNRNAo
アレだ

ギャンブルやって借金始めるひとって、きっとこういうのがきっかけなんだww
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 16:34:03.94 ID:Z2XAvrko
えーと・・・夏コミまでにアルバイトとか?
605 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 16:36:32.17 ID:B0cNRNAo
無理じゃないかな?

個人的な予定として。
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 16:40:03.04 ID:Z2XAvrko
これは・・・詰みなのか・・・
607 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 16:48:32.04 ID:B0cNRNAo
ん、んー……






詰みですねww
608 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 17:03:48.48 ID:B0cNRNAo
……ホントにまずいな

あ、一応、旧作の通販まだやってます
kwwskはこちらから
http://mimikaki.blog.shinobi.jp/Entry/345/
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 17:05:20.62 ID:CrBk8kDO
今会社帰りで玉入れに行く俺には不吉な流れ。
この流れは絵合わせか?
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 17:12:26.79 ID:3.GdLYDO
私も車買ったから出せる金なんて無いぞー♪
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 17:17:38.26 ID:3.GdLYDO
ミミさんへ

『へんげっ!』のあとに(黒歴史)を追加してください。私が死にます。
612 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 17:29:58.38 ID:B0cNRNAo
>>609
もうおうちでやんす

エヴァの新台入替があったんで、行ったらこれがまたよく回る
――のに、700回転を超えても何も当たらなかったという悲劇ww

回るもんだからやめるにやめられず、ずるずると傷口を広げてしまったぁーorz


>>610
いや、さすがにeseさんやらスタッフに金の無心をする気はあんまねえです

>>611
把握した。















正しく把握した。
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 17:32:58.81 ID:Z2XAvrko
>>612
文字がwwwwwwww

これは・・・見るようと保存用にもう1セット注文しろっていうミミさんの策略か・・・!
614 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 17:35:03.38 ID:B0cNRNAo
>>613
う、うーん……


そこまでするなら、せめてなんか書きたいなぁ
こう、実質上の献金用みたいな割高な小作品やら設定集の類なんかを


いや、要望ないんだろうけどww
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 17:41:31.85 ID:Z2XAvrko
なんか原稿料的な感じに・・・!
616 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 17:46:46.41 ID:B0cNRNAo
おもしろいものに対しての支援はうれしいけど、カネカネいうのは私自身キモいと思うからなぁ

いやまあ、同人の損益合計は十万単位のマイナスですけどねーww


何か「ちょっとお前、これ書け」的な依頼をいただけると矛盾がなくてうれしいです
617 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 17:59:50.89 ID:B0cNRNAo
うん、ウザかったな
読み返して思った。これはウザい

反省してくるorz
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 21:54:24.98 ID:6x/IFV6o
鬼だ! 鬼がいる!!。・゚・(ノД`)・゚・。
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 23:43:36.77 ID:CrBk8kDO
エヴァよりフルドラゲを打ちたい俺が登場。
今日はミミさまのおかげで諭吉一人ゲットです。
ありがとうございました。

ところでマオツカは再開しないの?
620 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 23:51:12.57 ID:B0cNRNAo
「なぜ修造?」と考えた私に何か一言


んー……何もなければ週末になぐまんヒロイン版で書き直そうかなぁと考えてたり

3回も落ちたスレには期待しない。しちゃいけないってばっちゃがいってた
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 23:57:45.68 ID:CrBk8kDO
ならば稲造!と答えてみる。

じゃあリノの出番は無しの方向かい?
622 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/08(水) 23:58:41.67 ID:B0cNRNAo
今のところは。

代わりじゃないけど新キャラは予定。
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 00:16:27.96 ID:0bLJooDO
そうかさよならリノ。

俺の可愛いロールパン子付き杖の娘が出てきて活躍してくれればいいですよっと。
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 00:16:49.65 ID:trI91qo0
いっそベッタベタなラブコメとか書いちゃえよ
625 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/09(木) 00:24:12.53 ID:2nAK66Yo
>>623
発想を逆転させて、瑞希をメインヒロインにしろということですね、わかります

>>624
そして、原型がなくなるわけですね、わかります


でも、べったべたなラブコメも書きたいなぁ……
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 00:33:53.35 ID:trI91qo0
>>625
アメーバのラブコメですね、わかります
627 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/09(木) 00:38:22.97 ID:2nAK66Yo
>>626
それは、べったべたのラブコメだなww
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 00:45:00.64 ID:trI91qo0
>>627
やがて一つになって核家族になるんだぜ
629 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/09(木) 00:51:05.80 ID:2nAK66Yo
>>627
誰うまww
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 00:51:35.02 ID:xnfk.sAO
             核家族
               __
             /    \
   _        / ▲ ▲ ヽ
 /´  ヽ、     |    ●   |       _
 |   ▲ |      |    ▲   |      /   ヽ
 |     ●     |       |     /▲    |
 |     ▲     |        |       ●    |
 |     |        |        |      ▲    |
 |     |  ‐=ニニ二二二二ニニ=‐.  |      |
 |     |   | | | | l      l | | | |   |    |
  `ー― '´  ∪ !_! `'ー---‐ '´ !_!.∪   'ー--‐'
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 00:56:12.63 ID:trI91qo0
>>629
自演乙

>>630
アメーバあぶねえwwwwww
632 : ◆8VM5xLK5jw [sage]:2009/04/09(木) 01:00:09.28 ID:2nAK66Yo
>>630
〜今日本は核家族の脅威にさらされています〜

とか、NHKが特集を組みそうだww
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 01:04:02.92 ID:trI91qo0
そんなことより腹筋しようぜ!
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 01:09:09.23 ID:20SLonYo
http://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp246542.jpg
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 01:14:50.10 ID:trI91qo0
>>634
何という健康的なアメーバ
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 01:17:47.65 ID:2nAK66Yo
腹筋どこだwwwwww
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 06:28:34.58 ID:HfYqZnEo
吹いたwwwwww
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 11:31:21.02 ID:2nAK66Yo
ああ、まずい

残りのお金で勝負したくなる
やっべ、中毒じみてるww

誰か、気をそらさせてくれ
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 11:34:07.26 ID:qbVKdpko
メインヒロインがメインヘロインに見えたんだ・・・orz
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 12:02:33.39 ID:km3gmwco
そのお金を持って銀行に突っ込んでくればいいんだよー
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 12:24:00.56 ID:0bLJooDO
>>638
この呪文を唱えると良いよ。
勝てない引けない回らない。
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 12:35:04.25 ID:2nAK66Yo
あばばばば


負けっぱなしでいられるか、とか考えちゃった
まずい。典型的な負けギャンブル狂パターンだww
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 12:52:55.36 ID:0bLJooDO
>>642
じゃあ今まで書いた黒歴史の続きを作ろうぜ。
それで身悶えしようぜ。
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 12:56:20.35 ID:2nAK66Yo
死 ねと申すか?
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 13:03:03.52 ID:0bLJooDO
>>642
この刺激に打ち勝つにはそれほどの苦行が必要なんだと。
それにしてもエヴァ4当たらんね。
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 13:05:46.97 ID:0bLJooDO
安価間違えた。
飯いってくる。
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 14:06:34.38 ID:4/4H4wDO
もう壱万円いってきた。

エヴァが見れないどころかシンクロすらなく二百回回って終了。
今月はお昼ご飯なしです。わーん。
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 14:23:26.76 ID:0bLJooDO
一万とか甘デジ金エバにするレベル。
さあ、今からでも遅くないから黒歴史を制作するんた。
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 14:32:22.78 ID:4/4H4wDO
黒歴史はやだ

書いてて楽しくないとこの間学んだし
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 14:35:05.00 ID:qbVKdpko
では白歴史を
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 14:40:52.14 ID:4/4H4wDO
それは大体公開中
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 14:45:50.40 ID:0bLJooDO
では血と粛正の赤歴史を創ろう!
653 : ◆8VM5xLK5jw :2009/04/09(木) 14:49:04.65 ID:kZB7FQA0
さて、腹いせにみみかきを閉鎖するか……
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 14:52:32.88 ID:qbVKdpko
( ゜д ゜)
655 : ◆8VM5xLK5jw :2009/04/09(木) 14:54:11.83 ID:kZB7FQA0
こっち見る暇があるなら適当にお題plz
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 14:57:23.44 ID:qbVKdpko
棒とアメーバのラブストーリー ・・・・・・とか
657 : ◆8VM5xLK5jw :2009/04/09(木) 15:00:46.82 ID:kZB7FQA0
どれだけ曲解しても奇妙な話にしかなりそうにないなww
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 15:03:00.50 ID:qbVKdpko
棒つきアイスと間違われて買われるんだ、多分ww
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 15:04:57.80 ID:4/4H4wDO
何も出てこないわW
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 15:15:02.52 ID:qbVKdpko
ひとがたスライムとか
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 15:16:12.90 ID:4/4H4wDO
なるほど
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 16:54:37.70 ID:5rLnaYDO
宇宙からやってきた知能を持つアメーバが人に寄生したものの、恋に落ちてしまってあんなことやこんなことになってしまったりなんかするお話。
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 17:35:14.13 ID:4/4H4wDO
おなかへった

ばかにつける薬、はやく開発してくださいw
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 18:52:13.29 ID:km3gmwco
その薬僕にもください・・・orz
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 18:54:59.23 ID:qbVKdpko
私にもください・・・orz
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 19:47:58.20 ID:2nAK66Yo
いうまでもないことだが、つけるのは私にです
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 19:49:31.85 ID:HfYqZnEo
俺も欲しい…
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 20:01:04.07 ID:2nAK66Yo
そういえば、

莫迦「莫迦を治す方法を思いついた!」
友人「その発言がすでに莫迦だけど、どんな?」
莫迦「私、科学者になって莫迦が治る薬を作るの!」
友人「莫迦は科学者になれないんじゃないかな?」
莫迦「ああっ! 盲点だった!」

みたいな話を書いたことがある。

実際、なれないかというとそうでもないんだけどさ。
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 20:57:36.16 ID:5rLnaYDO
そんな薬いらない
馬鹿だから人生楽しいんだ
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 00:44:03.47 ID:q.xbg2DO
さて昨日のエヴァ4で25/1kで最終-6K発でしたよっと。
結論現金投資でパチると死ぬ。

おいらはさらにバカになる薬を貰っていきますね。
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 03:00:02.29 ID:NX5FMNco
反省して、来年の4月まで玉入れ断ちをします
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 05:42:49.57 ID:NX5FMNco
最近、『説得』という言葉を見ると『誰得』に読めてしまう

何の病気かな?ww
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 09:49:27.45 ID:KKAZbn2o
2chとニコニコあたりの見すぎです。
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 09:50:40.62 ID:q.xbg2DO
最近『誰得』を見ると、『誰米』に見える俺は眼科行け。
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 10:16:54.95 ID:NX5FMNco
探し物は何ですか〜


すんげぇ見つけにくい
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 10:22:11.53 ID:lf8AkJMo
かばんの中も机の中もさがしましたかー
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 10:23:49.24 ID:NX5FMNco
まだまだ探す気は


ない
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 10:24:33.37 ID:NX5FMNco
でかけるですますが、


南熊さんに関して、なんか「こういうシーンが見たい」ってのがあれば教えてほしいですはい
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 10:33:05.46 ID:lf8AkJMo
ご家庭での普段の様子とか見たいかも・・・
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 12:18:25.71 ID:OmLnMZYo
家庭訪問かッ!
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 13:32:27.44 ID:z89bAac0
だー

6行300文字程度でどんな物語が書けるっちゅーんじゃ!

いや、書くんだけどさ。
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 13:52:06.35 ID:z89bAac0
すげぇ、書けたww

人間やる気になればできるもんだなwwwwww
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 14:13:49.36 ID:yXmPJsw0
なぐまんのファッションショーを絵で見たいよ絵師さん
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 15:25:07.10 ID:z89bAac0
見たいよ絵師さん
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 15:33:45.37 ID:z89bAac0
>最近読んだ小説、もしくは見た映画や演劇などで感動や共感をしたものを一つ挙げ、内容をわかりやすく紹介してください。

うん、最近映画見てないし小説はラノベしか読んでないww
厳密には違うけど、共感したものはねぇー
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 15:44:40.66 ID:z89bAac0
……いっそ、『とないぬ』に感動しました。

とか書いてしまおうか。楽だし。
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 17:10:55.65 ID:OmLnMZYo
「とないぬを書いて現実の辛さに涙し、良くも悪くも感動しました」とか
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 17:17:35.73 ID:Fyb6JkDO
郵便局閉まってる!
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 17:37:28.35 ID:OmLnMZYo
郵便局は俺が閉めた。
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 18:03:21.89 ID:Fyb6JkDO
お前かぁあああああ
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:06:35.95 ID:OmLnMZYo
出すだけならゆうゆう窓口ないの?
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:12:30.43 ID:NX5FMNco
ただいま

消印が問題なんだが
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:16:21.17 ID:OmLnMZYo
消印有効が今日?
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:18:32.34 ID:NX5FMNco
YES

4月10日消印有効
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:18:51.73 ID:lf8AkJMo
・・・(´・ω・`)
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:21:43.24 ID:OmLnMZYo
つまり…
アウト?
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:23:18.87 ID:NX5FMNco
あうとー
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:28:41.81 ID:OmLnMZYo
今からゆうゆう窓口に速達で出して明日の朝即提出、一か八かかけてみる! という荒業は?
むしろ郵便に限られたわけではない、なのでクロネコメール便で今すぐ! という荒業は!?
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 18:29:31.49 ID:2BaXRsDO
24時間やってる郵便局もあるよ〜


そこで、速達なりなんなりで出せば消印押してくれるよ。
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:45:50.71 ID:NX5FMNco
24時間はーたらっけまーすーかー
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 18:49:56.49 ID:NX5FMNco
ひとつだけいえることがある


『夏休みの宿題』にしちゃだめだ!
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 19:03:51.27 ID:OmLnMZYo
ってことでいってらっしゃい
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 22:44:22.04 ID:NX5FMNco
疲れた
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/10(金) 23:28:15.25 ID:4y1EN2AO
お疲れさまですー
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 00:14:21.19 ID:jDN0xMso
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1234361569/
アイシテ
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/11(土) 17:29:03.10 ID:BJKPgz.0
いったいどうなったのかね?
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 18:30:03.41 ID:jDN0xMso
んー

客寄せに、禁断の二次創作でもやるべきだろうか?
なんかアイディア求む
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 20:10:01.50 ID:jDN0xMso
乗っ取ったけどいまいちオモシロクナイ
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1239445380/
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 20:41:56.83 ID:jDN0xMso
もう落ちたー
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 22:46:06.82 ID:PKxVcUDO
でもなかなか面白かったよ。
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 23:47:43.92 ID:xDD8DuEo
ああ、なかなかだったな。
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/12(日) 00:21:04.87 ID:9SLO49s0
見たかったのに…
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/12(日) 01:53:49.12 ID:WwLYfJYo
>>712
ミミが賭けに負けたので

みみかきにうpが決まりました
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/12(日) 13:13:49.01 ID:3Kp/hADO
あれ、なに賭けてたっけ
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/12(日) 19:50:22.10 ID:WwLYfJYo
うpった

乗っ取りがいのあるスレはいねがー
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/13(月) 22:04:58.64 ID:/lCKf2Io
http://asadadada.hp.infoseek.co.jp/upfile/dorya0704.jpg
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/13(月) 22:07:08.55 ID:8zR5H8ko
>>716
あれ?
今さっきどっかのスレで見かけたものが……ww
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/13(月) 22:31:25.56 ID:7RAd1Ms0
昨日のスレ見るの忘れてたけどもう落ちちゃったの?
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/13(月) 22:35:45.35 ID:8zR5H8ko
落ちたな
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/13(月) 23:01:57.90 ID:WllteEko
>>717
奇遇だな、俺も全く同じものをどっかのスレで見かけたよ
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/14(火) 17:40:45.82 ID:wk86PkDO
VIPで「転校生」で検索するとミミが見つかるぞ
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/14(火) 18:47:47.03 ID:5a0GP2ko
見つけられた!
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/14(火) 20:58:56.19 ID:eJFRf.DO
まおつか再開マダー?
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/14(火) 21:34:17.00 ID:5a0GP2ko
私、このスレが大団円で終わったら読み手を引き連れてリメイクやるんだ……
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/14(火) 21:55:34.99 ID:fwatqIEo
>>724
俺はついていくぞ
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/15(水) 00:25:22.83 ID:w6ZPBDIo
>>725
ありがとー


しかし、わかりやすいスレタイと>>1を用意するだけでここまで伸びが違うかなぁ……
出来としてはまおつかのがいいと思うのに……いぢいぢ……
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/15(水) 08:40:41.54 ID:RyoWkuko
俺の場合SSはたいがい鍵括弧で検索してるから漏れる時がある・・・orz
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/16(木) 10:17:06.41 ID:lvxoZjko
あーもー


しくったわーorz

不覚
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 01:52:22.64 ID:.mvJJXIo
一応、お願いの類

今日、書き直しスレを立てる予定ですが、このスレへの誘導や過去ログの提示、ネタバレはおやめください

どうしても重複する部分が多くあるので、ご新規さんへの配慮をしていただくようどうかよろしくお願いいたします


ミミ
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 01:59:49.01 ID:G0IW4cEo
うほ!待ってました!
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 02:11:34.87 ID:.mvJJXIo
レスはええww
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 03:27:11.10 ID:G0IW4cEo
>>731
やだなぁただの偶然ですよぅww
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 06:51:14.62 ID:XJopx2Qo
把握したー
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 10:38:28.10 ID:.mvJJXIo
スレタイが思いつかん……orz

問題がすべて解決された状態やってこーいww
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 20:38:12.57 ID:.mvJJXIo
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1239968002/


後先なんてしらねえええええええええええええ
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 00:05:19.37 ID:YQIc56co
失敗しましたorz

今日こそは……今日こそは完璧なスレを立ててみせる!(そろそろ信頼が0
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 00:07:43.44 ID:7kBdqkAO
(ノ∀`)

君がっ泣くまでっROMるのをっやめないっ!!
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 00:21:26.66 ID:6/4GSooo
イインダヨー
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 07:35:16.24 ID:flySvIDO
スレ落ちたようだな
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 14:31:18.99 ID:Q0YM3z6o
見逃してしまったorz
前みたいに転載してない?
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 16:01:24.05 ID:QcfK4i.o
完全黒歴史宣言してたから無理じゃ中目黒
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 21:03:17.79 ID:VZgD36Qo
>>740
前作の転載してた本人はスレ見てなかったしな
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 21:30:52.09 ID:QcfK4i.o
マジでか
それは遺憾だな
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 23:28:36.48 ID:YQIc56co
あと2,30分で4枚あばばばば

おわんねええええ
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/18(土) 23:34:51.02 ID:7kBdqkAO
<●><●>

泣くまで見守り続けるze
泣いても見守るけど。
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 23:37:01.34 ID:YQIc56co
わーん
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 23:37:47.84 ID:6/4GSooo
|゚д゚ )ジー
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 23:39:12.88 ID:YQIc56co
鬼ーカニー悪魔ー
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 23:42:06.93 ID:7kBdqkAO
     *      *
  *  カニです  +
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/18(土) 23:47:50.48 ID:YQIc56co
だぁあああ


やっぱり行き当たりばったりなのは運命なのかぁあああwwwwww
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:00:26.65 ID:UYIg/6.o
同時刻に〜ワロタww
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:01:44.79 ID:UYIg/6.o
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240066848/
たてた
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:04:11.53 ID:UYIg/6.o
予定通りのものが書けますように……
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:15:51.13 ID:UYIg/6.o
こっちでぼんやりしたことを書いて、投下ペースを調整するZE
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:21:48.69 ID:k0mv/e6o
そしてこっちで規制されるわけですねわかります
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:27:18.70 ID:UYIg/6.o
へへん!



あっちで規制されたorz
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 00:42:56.69 ID:k0mv/e6o
馬鹿ああああああああああっ!
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 02:29:29.41 ID:UYIg/6.o
今夜の分おしまあああああああああああ


このスレの意義もようやくなくなってくれたな……たぶんww
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/19(日) 10:37:50.78 ID:5XgNbnA0
こっちは知ってる人だけが使う避難所みたいな感じかな
結局アルトネリコできなかったし
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 11:06:45.54 ID:UYIg/6.o
ですねぇ

こっちはさすがにネタバレ多いから誘導してほしくないし……
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 12:01:04.12 ID:POWY.f6o
保守しようとしたら
また規制されてたウツダシノウ
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 12:03:12.84 ID:Rk/IeQAO
携帯・PC共々規制されてる俺に隙は無かった
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 14:27:04.56 ID:UYIg/6.o
ぱねぇwwwwww
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/19(日) 16:22:22.24 ID:5XgNbnA0
おいスレ落ちたぞ
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 17:20:03.64 ID:UYIg/6.o
PC復活ぅううううって落ちてるwwwwww
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 18:14:46.67 ID:POWY.f6o
保守しようにも、携帯の中間鯖が重くて繋がらなかった…
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/19(日) 20:02:51.82 ID:tTq9Pcso
リメイク全然みれない・・
だれかdatもってない?
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 20:43:53.54 ID:k0mv/e6o
落ちたのか、やっちまったな諸君!
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 21:01:03.29 ID:k0mv/e6o
だが私はこう考えるわけだ。
私が所持しているdatファイルは10時23分の時点で途切れている。
その後にミミさんの『スレ落ち終了』の宣言がなかったとするならば
スレが落ちた時点で終了すると言う明確な宣言は一度も行われていない。
類似するものがあるとしても

75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/19(日) 02:54:09.01 ID:hgDB/q7y0
このまま落ちて終了かな!ww

の発言のみである。
なおかつ、今回のスレッドは『転校生』からの新規読者を交えたものであるため
『スレ落ち終了』のミミルールを認知していない者も多かったはずだ。
ゆえに私は、10時23分以降の書き込みに『スレ落ち終了』の宣言がない場合
再開することを要求する。
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 21:06:27.28 ID:UYIg/6.o


……そういえば、ルール言ってなかったな
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 21:31:15.51 ID:UYIg/6.o
んじゃ、24時ごろにまたスレ立て直す


ので、スレタイ募集ww

ははははは
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 21:40:50.32 ID:AQ9Dl/Eo
一応俺の持っているdatは13:38 >>117まである
その間にあったのは保守くらいだ

>>771
魔法処女の暇つぶし
スルー可
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/19(日) 21:48:41.99 ID:5XgNbnA0
安心しろ、15:50の>>128まであった。
PSPで携帯ブラウザで見てるとなぜか落ちた後もリロードできるのよね。

魔法少女とあの子とその子
なんかメインは3人っぽいし
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 21:53:22.48 ID:UYIg/6.o
一応、お願いというかリクエストというか

・『魔法少女』が含まれている
・スレタイなので、それだけでひとが興味をもつものが好ましい

です。
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/19(日) 22:19:25.33 ID:oi8F5wU0
ずっと「魔王」で検索してたぜ……
次からは魔法少女にするわ……
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 00:04:02.51 ID:d1BN1Kko
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240153308/
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 09:02:00.00 ID:H5hjboDO
9時保守の代わりに>>777貰ってゆく
人増えたし、もうタイマー保守要らないか
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 12:43:01.19 ID:1jl.dTco


全になる感覚、無になる感覚、すべてを知覚する感覚

腰の動きに合わせる様に、妹が甘い声を上げる。

数年前まではただの縦筋にしかすぎなかった妹のそこは、今や複雑な形態をな

あぅっ、あっ、ああっ違うもん、あっ私したくないよ、はぁうっ

すべての町からそこへ徒歩で駆けつけた。人々は彼らより先に着き,いっせいに彼の

来ると,すぐに汚れた霊に取りつかれた男が墓場から出て来て彼に出会った。 53 こ



した。

1517 紫の衣を彼にまとわせ,イバラの冠を編んで彼にかぶせた。 1518 彼にユダ
               
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 16:39:45.61 ID:bu10fRAo
た。 815 彼は彼らに命じて言った,このことを思いに留めなさい。すなわち,フ

俺が俺が真奈美を感じさせてるんだ



手のひらから伝わってくる感触は、今までに経験した事のないたまらない快感だった。

ああキスって気持ちいいんだなぁあ、俺、これがファーストキスじゃ

そうだっ俺はっしてるぞっ

前みたいに、気持ち良くなりたいんだろ?



ことができるものは何もないが,人から出て行くものが人を汚すのだ。 716 聞く耳

気持ちいいんだな
              
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 19:55:30.19 ID:tsYmUfAo
激しく擦れ合う肉と肉が快感を呼び起こしていく。
何にせよ家族が不幸になる事は確かだ。
1533 第六時になると闇が全土を覆い,第九時にまで及んだ。 1534 第九時に,イエ
司郎の興奮は最高潮に達した。
自分も服を脱いで裸になると、のしかかかっていく。
626 王は非常に残念に思ったが,自分の誓い,また祝宴の招待客のゆえに,彼女の言
を転がしておいた。 1547 マリア・マグダレネとヨセの母マリアは,イエスの横たえ
司郎は早くも射精しそうな高まりを覚えていた。
翔する。
はぁはぁと息を乱しながら否定する。
お兄ちゃんいいよぉっ私、わたしぃ、ああっお
                  
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 21:15:08.85 ID:CkO9ciA0
落ちた……
支援しようにも規制されてたんだよ!
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/20(月) 21:21:42.15 ID:MnQ8z0E0
アルトネリコやってたら気付いたら落ちてた…
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 21:33:53.83 ID:d1BN1Kko
だーwwwwww


アレか? 中途半端にレスすると落ちるのか?ww
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/20(月) 22:43:14.38 ID:4vhMbXco
神と娘は両者不可分の状態へと入った。超々トランス状態。神が踊っている。神
幼い頃、母に抱かれていた時の安堵感に似た感じがあった。
あっ、あっ、ああんっだめ、やっおにぃ、ああっ止めて、ああんっ
法院全体で協議をしてから,イエスを縛って連れ出し,ピラトに引き渡した。 152
妹を襲ってから忘れることのできなかったセックスの味。
             
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 00:21:35.86 ID:L.uBtFoo
この荒らしコピペ、パート内全体でやられてるのか
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 01:15:51.43 ID:XMSAPUso
>>726
するのがその者だ。それを捕まえて,しっかりと引いて行けと言って,彼らに合図
そう言いながら妹の秘所を指でさする。
612 彼らは出て行って,人々が悔い改めるために宣教した。 613 彼らは多くの悪霊
で、何かが胎動している。
ボンヤリとした声で妹が尋ねてくる。
             
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 01:21:35.35 ID:aZPz.Ooo
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240243880/
発見報告
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 02:48:33.61 ID:vDhyo02o


を転がしておいた。 1547 マリア・マグダレネとヨセの母マリアは,イエスの横たえ
時間とは都合のいいもので、あれほどあった後悔の念もすっかり無くなっている。

その間も乳房を揉むことをやめない。
邪であり、聖である、この星に潜む、太古よりの美獣神。
た。
遊したが、すぐに獣神のごつくも美しい御手に捕まえ
のある者は聞きなさい!
手の動きが早まった。
目の前で乱れる妹の姿が視覚的に刺激を与えてくる。
              
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 04:18:49.94 ID:X9bHHX.o
それからそうねぇ、お兄ちゃんのお小遣い、これから全部私に頂戴
気持ちいいんだな
あっ、あっ、ああんっだ、駄目だよぉ、やっこんな、あんっこんなのぉ、やぁんっ
噴乳と潮の暴噴――。だだ漏れる性液たち。飛び散る淫汁。精液の嵐。
どうしたらどうしたら
妹はつまらなそうに笑うと、少し考える様にしている。
王者の風情ふぜいが感触に有った。ごりごりしている。蠕動ぜんどうし
神の来訪と接近とともに、巫女の装束しょうぞくがビリビリ張り裂けた。神
               
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 05:43:44.37 ID:7zXnbTQo
>>733
金の御柱が生まれた。エロスの超メタルがうねくり狂
,眠っているのだ。
宇宙体と化した娘の体感に炸裂する連鎖反応の超感覚――知覚は、入ってくる。
その心はわたしから遠く離れている。
するとどうしたのだろう?といった感じで妹がこちらを向いた。
お前の気持ちも分かるけど父さんたちに話したら家族が不幸になるぞ
そう言って乳首に吸い付くと、舌でレロレロと転がす。
           
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 07:08:41.93 ID:R.z3lwEo


が海の上を歩いているのを見て,幽霊だと思い,叫び声を上げた。 650 というのは

あっ、あっ、ああっあんっ、あんっ、ああんっ

ホッと胸を撫で下ろし、妹に礼を述べる。

。また,二匹の魚をみんなの間で分けた。 642 みんなは食べて満ち足りた。 643
うおっこんなのっ止められるかぁっ出すぞっ俺は出すっ
           
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 08:32:04.62 ID:RvSNIgDO
0827を確認
あっちで九時までに次のレスがついたらタイマー終了
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 08:39:33.86 ID:EdSlvU.o
>>706
た方は,もし人が自分の父や母に,あなたがわたしから益をお受けになるものが
俺にしてもらいたがったくせにどうして俺だけがこんな酷い目に遭わなきゃいけないんだ?


ぬばたまっ!!ひんぐるみりはっ!!!ふんぐるみりはっ!!!
           
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 08:48:37.84 ID:RvSNIgDO
レス付いたな
タイマー終了

10分で保守とかアホくさくなったので保守自体も止めるか
誰か早朝保守頑張ってくれ
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 11:37:40.22 ID:aZPz.Ooo
タイマー保守乙
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 19:56:04.97 ID:5vKUOIoo
tes
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 22:36:52.50 ID:RvSNIgDO
あ、スレ建ったの今朝か…まあいいや
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/22(水) 20:03:40.32 ID:X6HTaYco
いなくなってみると空気魔王様の大事さがよくわかってくるZE!
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 00:31:10.21 ID:MCFkw1go
ついに空気魔王様の時代が戻ってきたな
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 19:30:24.90 ID:nbn/5Zwo
落ちたな
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 21:01:30.46 ID:YuEDqjo0
草薙スレのせいだしかたない
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 21:21:04.11 ID:2/vaas.o
それ朝の話だろ
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 01:44:21.10 ID:AbUOsMAo
久しぶりにスレがないな
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 19:51:54.66 ID:x.aL0sAO
スレ落ち終了っすか?
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 22:00:56.57 ID:KOuiIGc0
とりあえず、空気魔王様に期待していいんだよな?
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 00:00:33.53 ID:VUR8/IDO
>>804
ヒロイン交替宣言してたから本来は落とすはずのスレを保守してた感じだから大丈夫じゃない?
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 01:20:15.61 ID:pVRTXBUo
結局おまいら空気魔王様となぐまんどっちがよかった?
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 01:28:03.55 ID:gHZOSkAO
最初から見てるとやっぱリノたん一筋
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 01:31:13.58 ID:VUR8/IDO
空気のほうが好きだな。
でも棒娘のほうがもっと好きです。
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 02:55:03.88 ID:YQJb1YQo
俺はリノだなー
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 10:56:34.70 ID:O1M8i2.0
リノかな
なぐまんもいいけど、あれはサブだからこそ引き立つ感じ

ただ、リノはメインヒロインっていっていいの?
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 10:57:24.05 ID:YQJb1YQo
メインはバーロールパンだと思ってる
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:12:13.59 ID:VUR8/IDO
>>812
バーロー、ルパンということ春のコナンスペシャルですね。
わかります。
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:40:56.02 ID:pVRTXBUo
バーロールパンの語源だなww
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 18:44:39.54 ID:YQJb1YQo
あの絵にクソワロタのは俺だけじゃないはず
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 12:00:33.62 ID:Ae4z3wk0
立ってないなあ
ミミさん規制食らってたりしないよね?
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 13:26:37.96 ID:Pep92eso
>>816
規制は喰らってるけどp2は生きてるっぽい

再開というか再投下は、本日中ギリギリに間に合ったらいいなぁ……って感じです
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 13:28:12.74 ID:Pep92eso
それとは関係なく、なんかPCがやたらと重い
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 14:29:03.76 ID:Pep92eso
あーっはっはっはっはっはっはっははっはっは





マジでPC落ちたorz

保存してねぇえええええ
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 14:30:29.50 ID:V9vkJNQo
(; ・`д・´) な、なんだってー!! (`・д´・ ;)
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 14:33:55.33 ID:Pep92eso
なんか、一瞬だけブルーバックして、その次の瞬間には再起動が始まってた

こういうパターンは初めてなんだが、大丈夫……だよね?
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 16:40:50.30 ID:WAyYgmwo
>>821
一応ウイルスチェックしたほうがいいんじゃね?
ちょっと前にウイルス騒ぎおこってたし。
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 18:20:39.96 ID:Ae4z3wk0
>>821
大丈夫。前に使ってたPCが1時間に1回以上その落ち方してたけど、中のデータは全く問題なかったから

Wordならある程度まで保存していてくれるよ!
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 20:26:22.59 ID:Pep92eso
>>823
私は、秀丸っていうメモ帳の類使ってるんで残らないっぽいorz
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/26(日) 22:21:51.55 ID:946HcKco
本日中ギリギリなんて言ってるようじゃまた途中で保守スレになるんだろうな
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:22:41.22 ID:niWf1loo
すんまそん、間に合いませんでしたorz

水曜日を狙って余裕のある調整ができれば一番いいなあなどとほざきます
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:25:42.04 ID:p1OLvAAO
私待つわ 何時までも待つわ

こう過疎ってると何人ROMってるのか不安になるな
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:27:49.02 ID:niWf1loo
超ごめん(´・ω・`)

リカバリ無理でした
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:31:16.63 ID:p1OLvAAO
脳からリカバリするんだ
普通のリカバリに比べ転送速度は劣るし断片化はしてるがな
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:31:54.50 ID:niWf1loo
ただいまそれを実行中……
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:35:51.70 ID:p1OLvAAO
ある程度ファイルを消去して時間が経ってなければ割と良い状態で復元出来るらしいぞ!
焦ったりして脳内に他の情報がインスコされてなかったな・・・

・・・何故バックアップしなかたっww
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:38:08.87 ID:niWf1loo
だって、重かったは重かったけど、前触れもなく一瞬でぷつっといっちゃうんだもんwwwwww


あーもーわらえねーorz
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:39:13.09 ID:fOvm.I.o
だからあれほどこまめにCtrl+Sを押せと言うとるに
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:40:17.79 ID:niWf1loo
いっつもは結構こまめに上書きしてるんだけど、今回は改変だったからコピペしてそれを直しなおし……で終わらなかったからぁーorz
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:42:26.10 ID:p1OLvAAO
(ノ∀`)アチャー

まぁ三月末から服脱いで待ってるんだし、今更延びようとも俺はへっちゃらだ
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 00:43:25.29 ID:niWf1loo
マジごめん

何回もいうと謝意が薄れて聞こえるけど、本気でごめん
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 17:07:53.82 ID:Rh5at.Eo
そういや3月20日からやってるんだなぁ
読み直してこようかな
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/28(火) 20:19:31.08 ID:AF2jBDgo
すごく……PCがカリカリいってます……


何事もなければ明日の21時ごろにスレを建てたい

……冗談抜きでPC大丈夫なのか、これ?
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/28(火) 20:22:01.35 ID:oycmrAAO
メモリ取り替えてみたら?512M→2Gにしたらサクサク杉て吹いた
最近は結構値段下がってるみたいだし
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/28(火) 20:28:25.45 ID:AF2jBDgo
256MB→256MB2枚の512MB

に、去年の10月修理のついでに増強してみた


今はお金がないorz

半年やそこらでまた故障するのは勘弁してほしいんだけどなぁ
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 15:08:25.11 ID:KMytC8so
ふふふ……下から血が出るシーズンになってきたかorz


ホントよわっちいなぁ私
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 17:43:07.39 ID:gQJSYmYo
一体どんなシーズンですか・・・
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 17:50:31.37 ID:KMytC8so
毎年恒例、ストレスがあっさりと限界を超えるシーズンー♪


うわぁああ、一眠りがこんな時間にぃいいい
いーそーげー
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 18:07:34.05 ID:gQJSYmYo
体は大切にしましょう・・・
いろいろ大変でしょうけども
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 18:09:24.36 ID:KMytC8so
あっはっはww

これ以上大事にしたらきっと過保護だZE−
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 19:52:12.14 ID:KMytC8so
後1じかーん

あばばばばばばばばばばば
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:16:17.26 ID:8b7I82DO
無茶しやがって…


がんば
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:18:03.45 ID:KMytC8so
まだ空気魔王様が契約結ぶところで四苦八苦してるよぉおおお
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:24:20.19 ID:8b7I82DO
20レス分位ですね
わかりますん
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:30:24.09 ID:KMytC8so
そんなもんなのか……ページ数で見るとそこそこあるのになぁ
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:59:09.81 ID:KMytC8so
お時間です。

量少ないけどまあ……いっか。建ててこよう。
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:01:12.25 ID:8b7I82DO
いてらーノシ
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:04:11.38 ID:KMytC8so
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。


うぼぁー

21時15分ごろに再挑戦するか
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:06:05.79 ID:KMytC8so
あ、そだ

誰かスレタイ考えてくだしあ
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:09:59.60 ID:bAButRoo
魔王な使い魔と魔法少女の非日常
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:13:40.70 ID:KMytC8so
んじゃ、それでいってみる
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:17:55.38 ID:KMytC8so
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。

またか!

21時半に再チャレンジ。
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:26:12.17 ID:8b7I82DO
がんばれー

つーか今日人少ないな
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:31:27.85 ID:KMytC8so
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。

がー!

45分
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 21:47:28.56 ID:KMytC8so
ERROR!
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。
またの機会にどうぞ。。。

スレ立て規制回避

以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします (1)

ホスト


だぁああああ
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 22:00:03.05 ID:KMytC8so
私……これから5分粘ってもダメだったら明日の昼にでも持ってくんだ……
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 22:00:35.64 ID:bAButRoo
…ゴクリ(・д・`;)
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 22:09:35.26 ID:KMytC8so
故障……じゃあないよね、こんな限定的なのは?


遅くなっちゃったからあきらめるけど、なんかすっきりしないなぁ
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:09:05.86 ID:Vhr2r7oo
誰かいる?
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:14:01.97 ID:eEo3roDO
>>864
いるよ
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:14:21.80 ID:Vhr2r7oo
いるのかー
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:15:21.48 ID:MW/YxxIo
風呂あがりー
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:16:58.41 ID:Vhr2r7oo
リノが復活したら、音子姉と記者の存在意義が一気に薄くなったよ!
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:19:43.87 ID:eEo3roDO
今日はスレ建てれそうかい?
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:22:04.98 ID:Vhr2r7oo
うーん……

分量的には、現在文庫本で70ページ分くらい。二章に差し掛かったところ。


建てることはできるけど、このスレの住人だとあまり目新しい文章が見つからないかも……
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:27:57.80 ID:eEo3roDO
>>870
わかったー

まあ、いいと思った所で建ててよ。気長に待ってるから
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:28:00.02 ID:Vhr2r7oo
気合と根性の名の下に21時までに100ページ分以上に増やしてくる!
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:29:33.65 ID:MW/YxxIo
期待
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:29:48.46 ID:Vhr2r7oo
>>871
ありがたやありがたやorz


キャラの造形を一からやり直したから、細部『は』安定したと思う
別名:書き手しかわからない違い
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/30(木) 20:42:50.14 ID:7IKTvLAo
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:49:36.60 ID:Vhr2r7oo
豚インフルエンザ輸入キチャッター
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:56:20.86 ID:QBqiXcDO
そんな中今週はよく豚を食べる俺だった。
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 20:57:31.23 ID:Vhr2r7oo
現在80ページ分くらいー


豚肉自体は安全らしいけどねぇ
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:02:11.77 ID:Vhr2r7oo
ERROR!
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。
またの機会にどうぞ。。。

スレ立て規制回避

以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします (1)
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:03:08.65 ID:MW/YxxIo
残念…

いつまでも待ってやる!
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:03:16.79 ID:Vhr2r7oo
……また嫌な流れだ

まあいいや、文章増やす時間ができたと思えば
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:15:24.76 ID:Vhr2r7oo
ERROR!
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。
またの機会にどうぞ。。。



……携帯電話でスレって建てれるっけ?
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/30(木) 21:19:58.68 ID:7IKTvLAo
スレたててみようか?
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:22:06.75 ID:Vhr2r7oo
んー

お願いしてもいいでしょうか?


スレタイは……なんだったっけか?
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/30(木) 21:23:51.16 ID:7IKTvLAo
>>885でおk?
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/30(木) 21:24:31.60 ID:7IKTvLAo
間違えた
>>855 魔王な使い魔と魔法少女の非日常
 でおk?
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:25:07.34 ID:Vhr2r7oo
>>886
おkです
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/30(木) 21:26:37.25 ID:7IKTvLAo
でははりきってどうぞ

魔王な使い魔と魔法少女の非日常
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241094380/
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 21:29:52.99 ID:Vhr2r7oo
さんくすー
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:12:00.15 ID:Vhr2r7oo
うpだけで何分かかるんだこれ……ww
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:16:22.92 ID:Vhr2r7oo
うぉ!?

手持ちの漫画から商品管理カード(ICタグつきで、通報されるアレ)がwwwwwwwwwwwwwwww


ちゃんとお金払ったのに抜き取り忘れかww
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:18:31.74 ID:7IKTvLAo
タイ━━━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||━━━━ホ!!!
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:25:35.90 ID:Vhr2r7oo
うぇうぇうぇうぇうぇうぇうぇうぇうぇうぇうぇうぇwwwwwwwwwwwwww


だ、大丈夫だよね?
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:42:47.42 ID:Vhr2r7oo
さるさんくらた
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:45:44.49 ID:7IKTvLAo
プギャーしてやんよ
  ∧_∧
  ( ^Д^)=9m≡9m
  (m9 ≡m9=m9
  /   )  プギャプギャプギャプギャー
  ( / ̄∪
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 22:46:06.49 ID:Vhr2r7oo
(´・ω・`)ショボーン
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 23:05:46.07 ID:Vhr2r7oo
復帰


にしても、貼るの疲れてきたww
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 23:15:24.52 ID:Vhr2r7oo
前から疑問だったんだけど、同一IDで規制時間内の連続投稿ってどうやってるんだ?
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 23:20:04.01 ID:7IKTvLAo
Good-By_Monkey
http://info.2ch.net/wiki/index.php?cmd=read&page=Good-By_Monkey&word=%A4%B5%A4%EB
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 23:22:20.19 ID:Vhr2r7oo
またさるー
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/30(木) 23:46:32.86 ID:Vhr2r7oo
見事に「支援」以外のレスがないNE
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 00:14:20.51 ID:/UjT19Eo
あー疲れた……orz


投下量は、大体60kbくらいかなぁ?
文庫本80ページくらい。

で、ラノベなら挿絵とか云々で大体100ページ目あたりです。手元にあったらページをつまんでみてくださいww
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 00:29:12.49 ID:/UjT19Eo
さるさんまたくらったwwwwww
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 15:17:32.03 ID:Q0z.kMDO
落ちたのか
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 15:40:44.44 ID:65vzK.DO
落ちたね
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/01(金) 16:17:56.03 ID:EtJKmDU0
また落ちたのか
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/01(金) 16:24:48.90 ID:EtJKmDU0
誰かログ持ってたら立て直して張っておいたほうがいいんじゃないか?
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 17:50:18.02 ID:Q0z.kMDO
頭にホス、って書いた旗のAAから2〜3レスくらいまでのログしかないな
ついでに外出中だから動けん



いや、それ以前に規制かな…orz
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/01(金) 17:59:45.82 ID:hXajUwDO
今北スレは?
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 20:00:41.50 ID:hmFjC62o
>>909
>>904-906
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 20:10:50.61 ID:/UjT19Eo
スレがない……だと……?
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 20:28:53.38 ID:65vzK.DO
>>911
ドンマイ

昼間保守してようと思ってたけど気付いたら落ちてたスマソ
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 20:33:37.58 ID:6ik.io2o
>>888のログ

魔王な使い魔と魔法少女の非日常 -VIP Service DAT Converter-
http://dat.vip2ch.com/read.php?dat=01854
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 22:16:28.58 ID:/UjT19Eo
あーよく寝……まだ寝たい
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:04:32.71 ID:/UjT19Eo
復活したけどスレはない、あヨイショ


「そろそろゴールしたい」とか「ブログでやれ」とか思ったひと、正直にツッコミを入れなさい
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:14:07.02 ID:6ik.io2o
>>915
ヌルポ
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:15:02.14 ID:Q0z.kMDO
>>916
ガッ
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:17:00.51 ID:/UjT19Eo
>>915
ゴールしろ
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:25:38.02 ID:65vzK.DO
>>915
ゴールしろ
つーか先に進んでくれ
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:29:11.78 ID:/UjT19Eo
ジレンマ

・進みたい
→でもスレが落ちる
・ブログは?
→反応見れない。それならチラ裏でいいや
・というか、スレがあっても反応ないじゃん
→わーん


……あれ? すでに終わってる?
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:31:30.14 ID:/UjT19Eo
なんかこう、すっきりする方法を教えてください

完全に行き詰りましたorz
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:34:06.78 ID:MNLrMQAO
・・・・・・原点回帰?
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:34:24.26 ID:MJzR.Zko
いちいち貼らずにまとめサイトでも作っちまえば良いんじゃね?
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:42:48.05 ID:/UjT19Eo
基本的な問題はー

読み手にとってはウザったいことこの上ないだろうけれど、『ミミのモチベーション維持』だったりする


読み手がいてレスが付く
→ミミのテンションが上がる
→ミミがどんどん続きを投下する
→読み手からのレスも増える
→スレが盛り上がる

こういうのが一応、理想


でも、

レスがあまり付かない
→ミミのテンションが上がらない
→ていうか、読み手が少ない
→スレが落ちる
→ミミのテンションも落ちる


ものすごく書きたいんだけど、書く気がものすごく失せてきている
「どっちなのよ?」って訊かれても困るような心理状態


……小説の類って、やっぱVIPだと厳しいのかなぁ?
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:44:29.05 ID:65vzK.DO
全部書き終わってから投下すればいいじゃない。
このままじゃいつまでたっても終わらなさそうだし
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:47:12.44 ID:/UjT19Eo
>>925
それしかないのかなぁ……

書き手としては面白みに欠けるし進行速度遅いから大嫌いなんだが
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:55:05.92 ID:/UjT19Eo
基本コンセプトは「なんか書くから一緒に遊ぼうぜ!」です

状況を一発で打開する案は無理に近いと思いますが、ちょこっとした話でもいいので「スレでやったら楽しめそうなこと」を教えていただけると幸いです


では、続きを書きながらレスを待ちますー
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/01(金) 23:59:24.79 ID:/UjT19Eo
追記

作業量が増えることはあんまりいとわないので「ミミにこんな無茶やらせようぜ!」って感じでおkです


読み手を増やすためにスレ1個無駄にした私ですし……ふふふorz
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/02(土) 00:28:19.59 ID:Jafku9U0
>>924

>レスがあまり付かない

そりゃ、何度も繰り返し読んだ内容ばかりで話が先に進まないんだから、レスもつかないでしょうよww


大事なのは進めることだと思うよ?

ブログに1話ずつ乗せて、感想やお台を書いて貰う、じゃ駄目?
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/02(土) 00:38:48.48 ID:EC53qgMo
とりあえず、子供のような駄々をこねたことを皆様に深くお詫び申し上げますorz


>何度も繰り返し読んだ内容ばかり

ですよねーwwwwww


理屈はわかってるつもりなんだが、夏休み終盤に残った宿題状態で「わかっちゃいるけどやる気出ない」が(ry



書くよ! 書いてるよ!
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/02(土) 13:44:17.26 ID:6Py.iQDO
ひとつ言いたい




書き直し禁止。
932 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:11:36.94 ID:99mNpwAO
地球上からでてヶや^^
933 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:11:44.14 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや^^
934 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:11:47.91 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^
935 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:11:51.16 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^
936 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:11:55.91 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^

(´・ω・`)
937 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:09.73 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^

かゎぃそぅ・・・(´・ω・`)
938 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:14.27 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^

かゎぃそぅ・・・(´・ω・`)
939 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:25.62 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^

かゎぃそぅ・・・(´;ω;`)ブワッ
940 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:30.48 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^

かゎぃそぅ・・・(´;ω;`)ブワッ

941 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:34.76 ID:99mNpwAO
地球上からでてけや
^^

かゎぃそぅ・・・(´;ω;`)ブワッ


942 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:51.08 ID:99mNpwAO
友達出来てよかったな。 ガハハ
943 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:54.50 ID:99mNpwAO
友達出来てよかったな。 ガハハ
944 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:12:58.45 ID:99mNpwAO
友達出来てよかったな。 ガハハ

945 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:13:13.03 ID:99mNpwAO
要らない子ってナニwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)
946 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:13:18.74 ID:99mNpwAO
要らない子ってナニwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)
947 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:13:23.03 ID:99mNpwAO
要らない子ってナニwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

948 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:13:26.57 ID:99mNpwAO
要らない子ってナニwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)


949 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:13:35.45 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)


950 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:13:38.97 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



951 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:01.45 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)
952 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:04.74 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)
953 :要らない子 お前の存在 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:08.08 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

954 :要らない子 長門 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:15.28 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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955 :要らない子 長門 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:18.79 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



956 :要らない子 長門 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:24.57 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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957 :要らない子 長門 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:39.32 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)
958 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:48.24 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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959 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:51.61 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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960 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:54.59 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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961 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:14:57.86 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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962 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:01.13 ID:99mNpwAO
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ナニひとりで会話
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963 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:05.33 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

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964 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:08.66 ID:99mNpwAO
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ナニひとりで会話
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965 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:13.18 ID:99mNpwAO
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966 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:17.88 ID:99mNpwAO
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967 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:21.96 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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968 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:25.06 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

969 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:29.79 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)


970 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:34.78 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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971 :要らない子 長門有希 [sage]:2009/05/02(土) 14:15:39.17 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)




972 :要らない子 長門キュン [sage]:2009/05/02(土) 14:15:51.34 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)





973 :要らない子 長門キュン [sage]:2009/05/02(土) 14:15:55.95 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)




974 :要らない子 長門キュン [sage]:2009/05/02(土) 14:16:00.04 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



975 :要らない子 長門キュン [sage]:2009/05/02(土) 14:16:03.37 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)


976 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:14.42 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



ナニひとりで会話してんの?wwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)



977 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:17.74 ID:99mNpwAO
てナニひとりでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(*^_^*)

ナニひとりで会話
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978 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:20.88 ID:99mNpwAO
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979 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:24.00 ID:99mNpwAO
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980 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:28.57 ID:99mNpwAO
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981 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:31.76 ID:99mNpwAO
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982 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:34.81 ID:99mNpwAO
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983 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:38.06 ID:99mNpwAO
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984 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:41.50 ID:99mNpwAO
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985 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:44.40 ID:99mNpwAO
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986 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:47.57 ID:99mNpwAO
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987 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:51.05 ID:99mNpwAO
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988 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:54.47 ID:99mNpwAO
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989 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:16:59.92 ID:99mNpwAO
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990 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:04.65 ID:99mNpwAO
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991 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:09.88 ID:99mNpwAO
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992 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:14.26 ID:99mNpwAO
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993 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:21.99 ID:99mNpwAO
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994 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:25.54 ID:99mNpwAO
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995 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:28.95 ID:99mNpwAO
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996 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:32.27 ID:99mNpwAO
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997 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:36.29 ID:99mNpwAO
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998 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:39.58 ID:99mNpwAO
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999 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:42.90 ID:99mNpwAO
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1000 :要らない子 お前。 [sage]:2009/05/02(土) 14:17:46.53 ID:99mNpwAO
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1001 :1001 :Over 1000 Thread

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 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
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パー速@VIPService
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1000超えたのでHTML化の依頼をするでござるの巻
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1195554932/

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【VIP】そろそろ幼女の香りがする芳香剤がでてもいいはず【オナ禁避難所】 @ 2009/05/02(土) 14:12:41.79 ID:U9glljEo
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ここだけ魔砲世界 614年目の今 @ 2009/05/02(土) 14:01:16.28 ID:RpjlO2Mo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1241240476/

ガンダムバトル開催 ゾロ目でMS発掘 61機目 @ 2009/05/02(土) 13:46:58.12 ID:8vXJKSY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1241239618/

To LOVEる避難所 @ なすーん
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1241238857/

ひどいや兄さん!だけで1000をめざすスレ @ 2009/05/02(土) 13:21:44.78
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