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【叶わぬならば、】能力者スレ【全てを零へ―。】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/11(水) 17:55:55.70 ID:Di09kGAe0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1376840197/
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/11(水) 18:03:13.66 ID:J4atT6Jro
>>1乙――ッ!
3 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/11(水) 18:13:51.65 ID:dvq7xCJF0
>>1乙ー
4 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/11(水) 18:17:58.33 ID:6Cox6q5P0
>>1
5 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/11(水) 18:46:03.91 ID:qsofjb4T0
>>1乙せざるを得ないッ!
6 :以下、新鯖からお送りいたします [!nasu_res]:2013/09/12(木) 01:39:01.40 ID:1IISeUlQ0
//上げときます
7 :以下、新鯖からお送りいたします [!nasu_res]:2013/09/12(木) 01:39:42.09 ID:1IISeUlQ0
テス
8 :以下、新鯖からお送りいたします [!nasu_res]:2013/09/12(木) 01:40:05.95 ID:1IISeUlQ0
テス
9 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 01:42:12.59 ID:LVpzKk8B0
前スレ>>994

【ベルに向けてジャンクちゃんの鉄拳が迫る】
【なにもしなければ、そのまま彼女の額に到達していただろう】

……ッ!
「堕天使の眼ーイービル・アイー」……!!

【彼女の目の前に、もう一度光の球が作り出される】
【それは先程のレーザーのそれとは比べられない程、何倍もの大きさがあった】

【それを向かってくる拳に向け発射する】
【二つがぶつかり、小規模な爆発が起こった】
【そこには何も残っていなかった、あの拳を消し去ってしまったのだ】

…ハァッ………ハアッ…………うッ!!

【撃ち終えた直後、ベルに異変が起こった】
【目の部分を必死に抑え苦しみだす、その手の隙間からは血が漏れている】
【攻撃の反動だろうか、攻撃手段がまだ残るならこれは最後のチャンスかも知れない】

【それは全てジャンクちゃんが決める事】

/次あたりで〆でしょうか
10 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 01:45:41.46 ID:cpnWuw1So
/>>1乙です


>>999

SCARLET≠チてのは……ナンだ?あァ、テメェらの正体が透けて見えたぜ
自警団よりも高潔で高圧な正義的精神性に加えて、そのツラ見りゃ分かる
お前ら、適当に自分が正しいと託つけて悪人を裁く≠フを楽しんでンだろ?

別に否定したって構わないぜ、俺が勝手にそう思うだけだからよォ
確かに強敵……いや、中々面倒な障害ってのは認めてやるよ
俺の片腕をふっ飛ばしたのはこの世界にたった二人だ。最も片方には千切られたんだが……

【――言葉を続けながら、相手を見下しながら、その右手からナイフを奪い取る】
【もっとも他人のナイフだ。片手でしか無いこともあり、直ぐさま振り下ろすことはなく】

……そんなことはどうでもいいか。取り敢えず殺してやるよ新顔
こんだけ負傷してんだ、生き恥晒して傷みに苦しむのを見るのは俺の趣味じゃねェ……。
喉か、それとも心臓でも一突きに?前者なら笑えよ、何もしねェなら後し、ッ……!

―――――……悪ィな、テメェの処分は後だ。

【まさに死の選択を迫るその前後。もう一人が――ソニアが、少女が不意を突いてかけ出した】
【それはリャザノフにとっては雲間から差す日光のような。或いは僥倖≠フ様な出来事の、始まり】

>>997

【少女が引力を利用して、一挙に距離を詰める。しかしそれはマインドに、だ】
【確かにマインドの頭蓋を撃ちぬかれでもすればベイゼも多大なダメージは負う、だが】
【死ぬようなことはない。動けない事は決してない。ならどうして――その瞬間がいけなかった】

(何がしたい……やけにでもなったか?いや、軍事訓練を叩きこまれたソニアが……?)
(それだけはない、まして何時までもガキじゃあ無いのは俺が一番知る所……!)

……鏡ッ!そうか、お前の能力ってのは相当に……ッ!
だが狙いは分かったぜ、今直ぐにソニアを止めろッ、ベギー<Bィィィ!!!

【僅かな迷いの隙に、彼女は硝子片を組み合わせる。そして出来上がるのは、鏡】
【それごと打ち砕かんと、両の腕に彼女をとらえんとしてマインドが前進しようとするが】

【――大腿≠撃ちぬかれていたのを忘れていた、というよりは、予想外に血が流れ過ぎたか】
【マインドとベイゼ自身の感覚がリンクしきっていないのか。どうにもその動きは思い通りには行かず】
【故に、一手遅れた。気付いた時には背後から、今度は引力を逆手に取った銃口が肩甲骨を砕いて突き立ち、そして―――】

>>ALL

【――――くぐもった銃声が、ベイゼの背後すぐで鳴り響いた。少しして、引き金を引いた少女が座り込み】
【少しのラグを置いて、べちゃりという血液の音を織り交ぜた、人の倒れる音がした】


【マインドが消える。ソレが持っていた大鎌は黒いピアスとなり、リャザノフに巻き付いていた鎌は白いピアスに変化し】
【いずれも前のめりに倒れこんだベイゼの耳朶へと収まって、それから数秒はとても静かであった】
【決着≠セ―――弾丸は引力のせいもあってか、ベイゼの肉体を貫通してこそいたが】

【果たして彼女がどれだけ強かろうと、たとえ六罪王でも――狙撃銃のゼロ距離射撃は、耐え切れない】
【リャザノフには、ベイゼの吐いた――そして傷口から霧のごとく散った血液が振りかかるかもしれない】

【足場にも彼女の流血は広がっていく。普通よりも濃いように見えるそれは、とどまる所を知らず】
【傷口がちょうど見えていなかったが、ベイゼの身体は呼吸による動きが極端に小さくなったように見え】
【浅い息と、それに混ざる吐血が、この場における敗者が誰であるかを語っていて―――……】


【――誰が裁定を下すわけでもない。けれども――二人の正義≠ェ場を征した事は、誰の目にも明白だった。】
11 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/12(木) 01:54:01.18 ID:rUeT2UtN0
>>前998

【回復までの数瞬――――攻撃も防衛も困難ならば、図り得るのは回避と“最善の”間合いの確保。】
【この隙が過ぎ去った末に、出来得る最良の位置取りを終えている必要がある。想定と次善策の算出を終え、それを行動に移さんと、】

(――――――……っ!)

【――――――した、瞬間にそれは起きる。】

【さらなる異変――――失われる視界と霧笛めいて響き渡る咆哮、白く染まった世界で剣士は一騎の姿を見失う。】
【その力は魔獣の魔獣たる所以であった。……自然界で、この短時間に発生する事は有り得まい。】
【既に腕の状態は一定の回復を見た。絶妙な一瞬を狙われたが、誘う様に声は響き続ける。】

【逡巡は程無くその内で終えて、】

(……征くしかない、か――――)

【その方向へと剣士は覚悟を決めた。一歩が、淀みを蹴る様に連続してゆく。】

【丁度槍を突き立て易い位置関係――――剣士の想定する高度に於いては―――――で霧を突き抜けんと疾走を選ぶだろう】
【敵に何らかの狙いのある事は分かっていた。だが、時を稼ぐ敵騎を捨て置ける程の猶予もなかった。】
【友軍の突入経路の確保と保全―――――……撤退する敵勢を追討するための、彼女の定めた彼女の役目。貫かんと再び駆けて】

【剣士の側にも策がある事は、足取りや辺りへの警戒から読めるだろうか。何れ、“奪われた”視界に囚われている事に違いはなかったのだが。】
12 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 01:54:21.86 ID:+22fL0Rfo
>>1乙ッ!!

>>992-993

【さて――攻撃は通らない。】
【しかしかといって、仲間二人の猛攻の手は収まってはいない、むしろ激しさを増す一方だ。】
【セリーナもこう、へばってなどいられない。―――叩きつけられた肉体を、アーマーの力で持ち上げ】
【なんとか、立ち上がれば周囲を確認する。―――ギアは花火のガトリング・ガン、そしてライラはなんと、近接での攻撃。】
【双方の攻撃が通る事があれば反射壁と思わしきあの"防御"は何れかに反応、必ず隙はできるはず――!】

(――両方とも"物理"で殴る攻撃・・・仮に防御壁を同時展開してどっちの攻撃も防げたとして)
(その瞬間だけでも"あの道化師"は一箇所に釘付けになる――・・・なら、そこにアタシの"一発"もぶち込める筈。)
(後はタイミングだ――・・・アイツが彼等の攻撃に"殴り返す"その瞬間を狙って、アタシの弾丸を)

(――ヤツ<ジェスター>の懐に、必ず届かせる・・・ッ!!)

>>966

【――ギア、そしてライラの連続攻撃の様子を、ティターンアーマーでしっかりと確認し、見逃さないよう捉えた。】
【集中攻撃、そして防御壁の展開と解除、そのタイミングさえつかめたならば――彼女の攻撃も届くか。】
【彼等の攻撃に一歩遅れるようにして、セリーナは立ち上がり、"弾"末魔のトリガーを、引いた――ッ!】


            ――――番犬吠々<ケルベロス・マグナム>ッ!!

【S.A.Aを腰元のガン・ベルトへとしまい、変わりに召還された新たなる重火器――巨大な三本のバレルを持つ】
【超大型マグナム・ピストルを構えて、セリーナは自身の周囲に現れた"蝶々"達目掛け】
【まずは標的をロック・オン――しかしこう数が多いと、一匹一匹を狙い撃ちにしている暇は無い。で、あれば――答えは簡単だ。】
【セリーナは呼び出したケルベロスをモチーフに精製された巨大なマグナムをリロード、シリンダーを回転させ】
【弾丸をセット、装填されるは"蝶々"達の外観から予想される氷の属性とは魔逆の、"爆炎"の属性をもった炸裂弾――!!】

―――鬱陶しいんだよ、アタシの周りをチラチラ飛び回るのは――・・・ッ!!

【ドウゥン、という強烈な射撃音、自身を囲うように展開する蝶々達の正面目掛け弾丸を発射、しかしこれでは小さい蝶には当たらないか】
【――だがそこからが違った、彼女は腰に仕舞っていたS.A.Aをなんと、ケルベロスに続いて超速の抜き撃ち、重ねがけで発射して】
【弾速の違いを利用し、ゆっくり飛ぶケルベロスの炸裂弾にS.A.Aの弾丸をぶつけ、誘爆を促し周囲へと爆風を、起こす――!】
【無論これでセリーナ自身も巻き込むように炎が展開、自分の炎によってダメージすら受けるが】
【しかし関係がなかった、アーマーで耐える、耐える、耐える―――ッ!!セリーナの体力が減って行く。】
【蝶々の氷を纏めて溶かすよう炎が展開された事で、蒸気が発生――これで一時的にだが、敵の視界からセリーナは"消える"だろう。】

【――そう、ここまでを計算し、セリーナは行動に出た。炎による爆発、蒸発によるカモフラージュ、そこに新たな攻撃を加えて】
【一撃をジェスターへと届かせる――できれば、その攻撃のタイミングを悟られないようにして。】
【水蒸気の中、彼等の攻撃に続き、防御壁を展開している頃だろうか――音と、火薬の匂いでそれを察知しながら】
【セリーナは追撃するように、ケルベロスによるニ発目の、爆撃――ッ!今度はお返しとばかりに、此方から"氷"の属性が付与された】
【強烈な炸裂弾を撃ち放って――これで三者による三つの同時攻撃、彼には届くか、届かないか―――!!】

/一回文章全部消えました・・・orz
すいません、大変お待たせしました
13 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 01:57:41.82 ID:QKbm31hCo
>>999 >>10

【本当ならばそのまま泥のように眠りたいほどに、全身が痛かった】
【零距離射撃はダメージの分、反動も大きい、少女の小さな身で、未発達の筋肉で】
【受けきるには――――――とても、足りないもので、あったから】

【RaumKrankheit≠杖のように、抱きかかえたなら、肩で呼吸する彼女の断片】
【紡ぐ声の色合いすらも、滲むその柔らかな旋律を揺らすだけだから】
【滴り落ちるその雫に、届かないだなんて思いたくなかった】

【足元に広がる血だまり、地面にくっついた彼女の純白の太ももを濡らしていく】
【感じる貴女の体温の成れの果て、それはとても、悲しい温もりで】
【首元で輝くロザリオが少し、褪せて見えるぐらいには】


っ……そうだ……リャザノ……フ……


【翼が羽ばたいた、もう動く気力も無いのだろう】
【ふわりと浮かび上がったなら、ベイゼを飛び越えて、そしてそのまま】
【血で濡れた足場へと身体から滑りこむかのよう、地面へと着地するのだろう】

【そこで再び座り込んで、リャザノフを心配そうに揺するだろう】
【RaumKrankheit≠抱きかかえながら、貴方に触れる右手は、ひどく弱々しくて】
【貴方と、そしてベイゼの無事を確認したなら、ほっと一息ついて……】


……これ以上は……無理、なの……ホントは、ベイゼ……捕まえたい、けど……
ごめんね、一緒に……逃げるぐらいしか……できない、や


【倒れているであろうリャザノフにそっと寄り添うよう、貴方を両の手でしっかりと握りしめることができたなら】
【彼女の背中の翼が大きく開かれる、先ほどよりも、大きく、それでいて荘厳に】
【血で濡れた硝子片は鮮血を光のプリズムの中に溶け込ませて】

【――――――できるのならば、貴方を抱きかかえて、そのまま飛翔するのだろう】
【ふらふらと危なっかしい飛行ではあったが、上の階まで飛んでいき、そして地上に出るはずだ】
【いずれにせよ彼女はこれ以上の戦闘は不可能で、これでその場を後にするのだろう】
14 :以下、新鯖からお送りいたします [!nasu_res]:2013/09/12(木) 02:12:53.79 ID:1IISeUlQ0
>>992

―――ッ!!

【ドゴッ!!っという重々しい音と共にライラの杖によって殴られたジェスターは後方へと吹き飛ぶ】
【腕でガードしたのかなんとか体勢は崩してはいないが頭部からは血が流れ、床へと滴り落ちる―――。】
【しかしジェスターは未だ笑っている………とはいえその笑みは今までの余裕を持った笑みではなく純粋な闘争本能による笑みだ。】
【ジェスターはむき出しの笑みを浮かべながらボロボロの左腕を差し出す】

まだまだ、この程度では幕は引けないよ魔法使い=c……ッ!

【ダメージは蓄積している、先ほどの魔翌力を纏った杖による打撃≠熬ハ用した………パズルのピースは埋まりつつある】
【だがそれでもナンバーズの上位に君臨するこの少年は倒れない、差し出した左腕から強烈な衝撃波が近距離からライラに向けて放たれるッ!】
【杖を振った後の懐を狙って………加えて防御されたとしても距離を話すことが出来るだろうと目論んでの事だ】

>>993

そういったチマチマした戦術は嫌いじゃないけどね………だけど―――。
それじゃあまだまだ、甘いッッ!!

【ジェスターの元へ殺到する花火、ギアボックスの狙い通りそれらは全てギアボックスへと反射する】
【花火が低威力だという事を知らないジェスターはほくそ笑むが、その裏ではギアボックスの狙い通りだ】
【だが、障壁だけがこの少年の脅威ではないのは分かっているだろう】

さぁて―――そんなにびしょ濡れで、雷≠ノ撃たれても知らないよ………?

                   『幻影蝶:黄』ッッ!

【ジェスターが指を鳴らせば今度現れるのはバチバチと電気を帯びながら輝く5体の蝶―――それはギアボックスの頭上へ羽ばたくと………】
【五つの電撃へと変化したッッ!現在ギアボックスの身体、そして周囲は水浸し状態………つまり電撃が落ちれば―――ッ!】

>>12

フフ―――それはいいけど君自身が自分の爆炎に飲まれては意味がないんじぁあない?
もしかしてさっきの攻撃で酔っ払っちゃった………?それじゃあ………―――ッ!?

【セリーナの周囲を飛び回っていた蝶たちは全て吹き飛ばされていくが、セリーナも自身が巻き起こした爆炎に飲まれていく】
【その様子を見てジェスターは油断したのか先ほどの余裕を含んだ笑みを浮かべてセリーナを見るが、その直後ッッ!!】
【蒸気を切り裂いてセリーナの炸裂団がジェスターへと直撃するッ!】

ガッハァッッ!!………まさかこの僕が………裏を………書かれるなんて、ね

【炸裂した氷の弾丸に全身を突き刺され、体中から出血しながらジェスターはついに膝をつく、三人の連携がついに道化師のまやかしを破った】
【ジェスターが発生させていた障壁の詳細は不明だが、何はともあれ勝敗は決した。】

>>ALL

【ジェスターが膝をつくのと同時に劇場内部の空間がひび割れていき、そしてガラスの割れるような音と共に空間が崩れ去る】
【辺りを見渡せば元いた格納庫と膝をつくジェスターの姿が目に映るだろう。】
【ジェスターは苦しそうに肩で息を吐きながら全員を見上げ、それから通路の手すりに捕まりながらゆっくりと立ち上がる。】

流石………だね、やはり数多の機関員、そして六罪王すら屠ってきた者たちが相手では分が悪いか。
降参だ―――この喜劇は僕の敗北によって幕を閉じた

【ジェスターは手すりにもたれかかりながらそう言って横目で三人を見つめる―――もはや戦意は見られない………これで終わりか。】

//次レスが締めとなります
15 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 02:15:00.70 ID:VpFFWvf6o
>>9

【爆発によって起きた土煙によって最後の一撃を放った両者の姿が包み隠される】
【目の隙間から血を流しているために姿を捉える事は難しいかもしれない】
【だが、いつまでたってもジャンクちゃんはベルに追撃を放ってこない、どうしたことか?】

【土煙が晴れた所でようやく彼女の姿が見えて来るが―――ようやく追撃がない理由がそれで理解できるだろう】
【ジャンクちゃんはベルが攻撃を終了し終ってから動かない事を確認した後、目の前でまるで次の攻撃を恐れる様子も見せないまま】
【今や6つくらいのパーツや細かい破片に別れた自分の右腕の残骸を残った左手で丁寧に拾い集め、自分のポケットの中にしまっていたのだ】

【最後に―――地面に落ちていた赤く光る『何かの欠片』を拾ったら、ようやくジャンクちゃんは口を開いた】


―――やめにいたしましょう、もはやこれ以上戦う理由はございませんデスヨー

今の貴女は隙だらけではございますが……ここで貴女を攻撃する事にメリットを感じることは出来ませんデスヨー
こうして右腕が大破してしまった以上、ここを超えても他の方の足手まといになるだけ
もはや戦いを続けても、お互い悪戯に傷つけあうのみ……よってワタシに取れる行動は『退却』以外にございません

すなわち、貴女の防衛戦は成功でございます……ですが、戦いがお嫌いならば
もうこういった事からは手を洗っていただきたい物デスヨー……今の貴女の姿は、見ていると非常に心苦しいのデスヨー……


【いつの間にかジャンクちゃんの表情は悲しそうな表情に変わっていた】
【自分の腕を破壊されたことを嘆いている以上に、苦しそうに目から血の涙を流すベルを見て痛ましく感じたらしい】
【右腕が大破した今、勝利を狙って戦闘続行してどうなる?この戦いは背後に守る人のいない争奪戦、己を削ってまで勝利に固執することは出来ない】


……後、エルフェスさんがせっかくくださった宝玉の欠片ですから、無くすわけにはいきませんデスヨー
Cypress$で破損した右腕を再チューンする時に"WILD"に埋め込んで頂いたもの、これが結構便利な品なのデスヨー

では、ワタシはこれにて失礼いたします―――再度会い見えるときは戦場でない事をお祈りいたします


【それだけ言い残すとジャンクちゃんは片手でロングスカートをつまみ、丁寧にお辞儀をし終った後】
【そのまま背を向けてその場から退却していくことだろう……】

【←To Be Continued...】

/では、これにて失礼いたしますー
/お疲れ様でした!
16 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 02:22:55.88 ID:mjDIpTH6o
>>10
>>13

【決着が、ついた】
【ソニアの“零距離狙撃”により、ベイゼが崩れ落ちる】
【体に巻きつく鎖はピアスに変化した――――マインドとは別の能力だろうか】
【拘束から解放されたリャザノフは、ベイゼと同じように床に倒れ込む】

はぁ、はぁ……

【もはやだれの血かも判別できぬほど鮮血で染まった床に伏しながら】
【近くに倒れるベイゼを睨み】

大義なんてどうでもいい……俺は只、能力を悪用するお前らが許せないだけ
ゲホッ……!

【先ほどの言葉に思うところがあったのか、届くかもわからない言葉を投げかけるが】
【途中でむせ、血を吐き出す】

【近付いてくるソニアの羽音。ごめんね、という謝罪】

謝ることなんて、げほっ、ないだろ……
な……む、無理しないでくれ

【そして、自分を抱きかかえて飛び立つソニアに少し驚き】
【逃げるという提案に、反対するでもなく従った】
【ソニアに助けてもらわなければほとんど動くこともできない状態ということもあるが】
【この少女の気持ちを無下にしてはいけない、そんな必死さが伝わってきたのも理由だ】

【今、最後の力を振り絞って、ベイゼにとどめを刺そうとすれば】
【こちらの命を捨てて相手の命も奪う――相討ちくらいにはできたかもしれない。しかし、それではこの少女はきっと傷つく】
【そんな気がしたから】

【ソニアに抱えられ飛翔する最中】

ありがとう……

【リャザノフは一言だけつぶやき、意識を失った】



/お疲れ様でした
/御二方、ありがとうございました!

17 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 02:31:01.16 ID:1UNW4bOQo
>>14
これが、僕なりの戦い方なんでね……
甘いのは、否定しない

(ライラさんと、セリーナさんの攻撃も通った……!!)

【『花火ランチャー』による障壁狙いは、無事に成功したようだ】
【跳ね返ってきた花火がギアを襲うが、その大半はギアから外れたところに着弾し、命中した部位も少し焦げかかっただけ】
【武器の命中精度の悪さと低威力が、かえって生きる形となった。しかし、所詮はおもちゃ屋の浅知恵か――】


熱……ハハ、水が少し渇いてちょうどいいくらい……!!?

雷――まずいっ!!!

【すでに、逃れるタイミングは過ぎていた。『花火ランチャー』での攻撃を優先し、体勢を整えずにいたギアは、逃れられなかった】
【輝く5体の蝶が、危うげに電気を放ちながら頭上へ羽ばたき、次の瞬間。ギアの身体を雷撃が駆け抜けた】

うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

【人形の身体といえど、そこに宿るのは人の魂。濡れた身に受ける電撃のダメージは凄まじい苦痛をもたらした】
【さらに、人形のほうも煙を発し、ところどころが崩れかかった。ジェスターの蝶5体分の電撃に、耐えきれるはずもなく】

【ギアは、濡れた床の上に倒れ伏した。作り出された舞台の上に、道化師と共に転がる人形】
【今宵の喜劇の終焉を、そこに見出すことができるだろうか】


く……あ……

【呻きつつ、頭を動かす。頼れる仲間たちとの連携攻撃のもたらした成果と、ジェスターの膝をつく姿が見える】
【どうにか意識は保っていたものの、もはや戦うことは出来ない】
【ひび割れ、崩れ去っていく劇場空間と、手すりに身を預けて立ち上がるジェスターを、その無機質な目で追うしか出来ない】

(終わった、か……)

【そこへ、ジェスターの敗北宣言。道化師の言葉を簡単に信じていいものか、とも思ったが】
【いずれにせよ、自分はこれ以上動けそうにない。震えるその身を起こそうとするだけで、精一杯だった】
18 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 02:41:13.10 ID:cpnWuw1So
>>13>>16

【彼らを止める者は無い。他の機関員も、兵士たちも、撤収したか他の戦場で奮戦してのだろう】
【暫しもすれば、施設に攻め入った者達の一部が彼ら二人を発見し、そして回収し】
【恐らくはそのまま病院送りとでもなるはずで、結果的に言えば――辛くも勝利、となる筈だ】

【それから、後のベイゼについては全く情報が出回ることが無かった】

【その理由としては戦闘中の爆発とエレベーターの崩落、そして最下層の石油が燃え広がり】
【最終的に足場のすべてが熱によって崩れ、フロア自体の調査が不可能となったためである】

【炎は三日三晩では沈下せず、結局1ヶ月近くもくすぶり続け】
【無論、調査を始めようにも全ては丸焦げ。撤退した痕跡も、死んだとしたならその骨も】
【何一つ残すこと無く、ベイゼ・べケンプフェンは忽然と姿を消した――全く以て、さっぱりと。】




  ……ええ、直接この目で確かめたわけではないですが、背後から狙撃銃で射撃されたとか
  そうですよ、零距離です。SCARLETとUT……要するに正義組織の二人はそのまま場を後にしたそうで

  『甘い』、ですか?そんな感想、一人で壁にでも向かって吐いてください。私は貴方の部下ではないのですから

  ……、…………まあ良いでしょう。それでは、こちらも継続して調査を続けさせて頂きます。
  既に一人……もう一人は有名ですからね、それに先日も派手に暴れていたようですよ
  まさか……あなたともあろう人がお気付きでは無いのですか、そう……貴方≠ニもあろう方が?

  ふふっ、冗談です。ではまた……ええ、私も外面だけは良いつもりなので
  大丈夫です、生きていたら私の方で不意を突けば良いだけですし、『もう一人』も……
  『アンジェル・ベルジュロン』も、彼女に比べれば子供ですから……はい、失礼します。

  ―――――――…………さあ、誰かが来る前に立ち去りましょうか。
  さようならベイゼ・べケンプフェン……リリアが現世に蒔いた種≠フ片割れさん……―――。

【後日―――施設に忍び込んだ者が居た。背は低く、髪や瞳は目立たぬ紺色で】
【その手首には、お洒落か御守か十字架を下げた―――酷く冷淡な顔付きの、メイドであったとか。】

/ちょっとだけ自己満足なおまけ付きですが、これにてこちらは〆ですっ
/お二人とも、夜遅くまで本当にありがとうございました&お疲れ様でしたー!
19 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 02:42:46.89 ID:QKbm31hCo
>>16>>18
/お二方お疲れ様でしたー!
20 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 02:59:35.00 ID:GzOR0Wzbo
>>14
【シンプルな打撃に成功すれば、ライラは薄く笑みを浮かべる】


「――――――……ッあぁ……!!!」


【だがその意味を言わぬまま、ライラの重い呻き声が聞こえるかもしれない。ジェスターの放った衝撃波は、確実にライラの身体を貫いた】

【それは、ライラが受けた攻撃の中でも1、2を争うダメージだった】
【実を言えば、あの帽子とマントには魔術が掛かっており、どんなに壊れても数時間後には元通りになり、無くしても戻ってくる】
【だが防御の魔術など掛かっておらず、回避でもしない限りは相手の攻撃は全て、ライラの身体で受けてきた】
【……それでも、単純な布の多さであのローブは役に立っていたのだろう。しかしそのローブは今、石油によって燃えている】

【つまりその衝撃波を、ライラはほぼ生身で受けたということで】
【弾けたように吹っ飛んで、床に無様に着地するライラ。上の衣服は破け、頭、腕、胸、至るところから衝撃波の影響か、出血している】

【その意識は、最後の最後に多大なダメージを負いつつもまだ完全に途切れてはおらず、朦朧としていた】


(僕の敗北……?)


【口から血を垂らし、グラグラと揺れる意識の中、何とか頭を起こして睨みつけるはジェスターの方向】
【その視線は、その言葉が本当かを見極めるために、彼が嘘を付いているのならば……最後の力を振り絞って、追撃を加えるために】
【どちらにしろ、次のワンアクションでライラは完全に動けなくなるだろう】

/す、すいません……軽く意識飛んでました……
21 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 02:59:38.03 ID:LVpzKk8B0
>>15

【彼女の声だけが聞こえる、視界はゼロ、少女には闇しか見えていない】

うぅ……うぅぅ………

【ジャンクちゃんの言葉は彼女の心に、ガラスの破片の様に突き刺さる】
【自分でもこんな事したい訳じゃない、普通の生活をしたい】
【だが彼女を機関の鎖が繋ぎ止める】

私は……、わたしは………

「何を迷っている?」

【ジャンクちゃんが消えた後、施設から一人の男が出てくる、その男は両足が義足だ】

「お前に、普通に生きるなど不可能だ」
「今まで、どれだけその手を赤く染めてきた?」

「そんなお前が居る事を許される場所など、此処以外の何処にも有りはしない」

【男は少女に軽く舌打ちをしてから】

「まあ良い、帰るぞ、ここにはもう撤退命令が下された」
「お前にはまだやってもらう仕事は山ほど有るのだからな」

【少女を片手で担ぎ、義足の男は研究所を後にした】

/お疲れ様でした!
22 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 03:23:23.67 ID:+22fL0Rfo
>>14

【――蒸気が弾道によって掻き消され、爆裂した零下の氷撃がジェスターの肉体に、届いた。】
【真っ直ぐな直進攻撃、しかし霧が晴れて姿を現したセリーナ自身はかなり損傷も激しく】
【傷ついたティターン・アーマーは度重なる攻撃と熱、爆風によって彼方此方が破損し】
【あえなく、セリーナはボロボロになった魔導鎧を脱ぎ去り、同時にそれによってパワーアシストが切れたことで】
【生身の腕力では到底保持出来なくなった"ケルベロス・マグナム"を足元へと放って】
【銃身から煙を噴き続ける其れを無視し、自身もアーマーによる支えが無くなった事でよろよろと、ぐらついてしまう。】

(――当然、っちゃあ当然だね。最初の衝撃波で軽くやられて、そっから足場の滅茶苦茶な機動に打ちのめされるし)
(その上よく冷えた蝶々と火炎攻撃をぶつけて半径4,5mの範囲で爆発――アーマーが頑強っていっても)
(これだけ連続してダメージを受けてたんなら話は別だ、それにしても――・・・)

―――・・・ッ、へぇ・・・!

あれだけ不愉快で、底知れないような笑みをたたえてた割りには、・・・っく、随分と引き際が良いじゃないかい?道化師さん。

でも、悪くない喜劇だったよ・・・!ただアンタはオチを演出し間違えたね、最初から言ってた筈だよ。

――喜劇は喜劇で、主役は"こっち"だ、ってね。さあ、降参するなら大人しく両手を挙げて、膝を突くんだ。

【フラフラ、と覚束ない足取りで、アーマーを脱ぎ去ったセリーナがジェスターへと近づいていく。】
【勿論、その手に握られているのは相棒である"弾"末魔の銃身。しっかりと、ふらつきながらも銃口だけは向けたまま】
【降参した、と手すりにもたれかかるジェスターに対し、警戒をしつつも"終わり"である事を確信し、歩み寄る。】

【――最も、それはもしかしたら油断だったのかもしれない。セリーナ自身はジェスターが大人しく降参したのだと踏んでいた――。】

>>17>>20

―――二人さん・・・ッ!よかった、なんとか生きてるみたいだね、こっちも・・・う、っく・・・!
なんとか、無事みたいだ・・・。ギア君、さっきはありがとう。

【――無事だったか。突撃したライラは勿論、ギアも最期の雷を受けている。一斉攻撃が功を成したから良かったものの】
【一歩間違えれば全員同時に劇は去れていた可能性すらも考えられる、そんな状態であった――とかく、満身創痍。】
【それでも、ライラが無理をしているのか、もうほぼ最後の力を振り絞っているであろう事は見抜いて】

――ライラ、君・・・っ!もう良い、後はアタシに任せて・・・!
君は休んだ方が身体の為じゃないかな、だって、もう――そんなに、ボロボロで・・・!

【以前の戦闘でも、互いにかなり傷ついたのは確かだが】
【それでも、今回のダメージは破格と言えた。これ以上、彼を無理に動かすのは危険ではないかと考えて】
【後処理は任せて、休んだ方が良いと声をかける。最も、避難するという最大の任務が残っているのだが。】

【――そしてそれはギアも同じだ。彼もまた、ジェスターの攻撃で動く事が出来なさそうだ。】
【つまり、自分も――かなりダメージを負ってはいるが、まだ動けるセリーナ自身が、彼を拘束するなり何なりする必要が在って】
【ゆっくりと、近づいていく。銃を構え、先程召還した"バジリスク・チェーン"で彼の身体を拘束すべく―――】


23 :以下、新鯖からお送りいたします [!nasu_res]:2013/09/12(木) 03:36:43.13 ID:1IISeUlQ0
>>17

ありゃりゃ………誰かそこの、ゴホッ………玩具屋さんに手を貸してあげなよ辛そうだよ…?
まぁ僕も手を貸して欲しいんだけどさ―――どうにもそういう訳にはいかなそうだしねぇ………?

【手すりに持たれながら口から流れ出てくる血液を拭いつつギアボックスへと視線を向けてそんな軽口を放つ】
【どうやらまだ軽口を言うだけの余力はあるようだがダメージからして戦闘は無理だろう―――。】

>>20

フフ………君との魔術比べはもう少し続けたかったけど………どうやら互いに限界みたいだね
その力―――敬服≠ノ値するよ………カノッサ機関ハンター殿=c?

【続いてライラの方を見るともはや戦意がないと言いたげに両手を挙げてそう言い放つ】
【ジェスターは称えるようなまなざしでライラを見つめ、そして一度目礼をする―――。】

>>22

いやいや、道化は道化らしく引き際を考えなければねぇ―――。
………やれやれ君たちにはかなわないよ………あぁちょっと待っておくれよ、今は手を上げるのも辛くてさ

【そんな風に言いながらジェスターは苦笑し肩を竦める………そしてセリーナが一歩近づいてきた事を確認すると…】
【手で制しながら一度ため息のようなものを吐いて、そしてもう一度セリーナを見て、そして―――】

>>ALL

フフ―――今回は僕の完敗ではあるけれど………予定通り≠フ時間稼ぎは終わったよ
それじゃあバイバーイ…。

【ジェスターはそんな事を口にしながら手すりに預けている体重を増していき………そして後転の要領で手すりの外へと体を投げ出す】
【その先に待つのは暗黒―――奈落、ジェスターはそのまま落下して消えていく………まさかこの後に及んで自殺したというのか………?】

【否、それは違った。】【ゴウンッッ!という何かが起動する音≠ェ奈落の底から響き渡り………そして、何かが格納庫の地下から浮上してくるッッ!】

【直後、下から浮上してきた何かはそのまま格納庫の通路も突き破る―――それは、黒い=c……ッ!】

空中戦艦ネビリム=\――このミクタム研究所で整備されていたモノさ
そもそもこの施設自体、これを建造するために作ったものだからね………ギリギリの段階で間に合った

【―――それは、とてつもなく巨大な黒い戦艦≠セった………この中央施設に匹敵する巨大さ―――恐らく全長500メートルはあるだろうか】
【下部に6対ののオールのような翼を携え―――正面には機関の紋章である逆五芒星≠ェ描かれている………巨大な空中戦艦】
【あまりにも途方もないそれは格納庫の壁を破壊しながら上へ上へと登っていく………凄まじい風圧が三人にも降りかかるだろう】
【そして、目の前まで来た空中戦艦へと視線を向ければ、戦艦のサイドにある外部通路に背を預けたジェスターの姿も目に入る】

【ジェスターは吐血しながらも不敵な笑みを三人へと向けると………懐から先ほどいじっていた端末を取り出す。】

≪施設内にいる全機関員及び協力者に告ぐ―――黒き箱舟≠フ起動は完了した………この施設は用済みだ、このまま破棄する
 残存兵力は各自撤退………自力での撤退が無理な場合は今から送る転送コードでネビリム≠フ船内へ転移しても構わない≫

≪繰り返す、この施設は破棄する………これより自爆装置を作動させる―――総員速やかに退避せよ………。≫

【ジェスターが端末を使ってそのような支持を全機関員へ出したのと同時に、戦艦ネビリムは格納庫の天井を突き破っていく】
【さらに―――地下からは何やら爆発音が聞こえ、下から熱風が吹きあげてくる………自爆装置を作動させたのは本当のようだ】
【最後にジェスターは三人を見下ろすと血だらけの身体で笑う。】

そんなわけだから君たちも早く脱出した方が身のためだよ………?

    それでは―――≪次の狂宴=竄烽ヌうかお楽しみください………フフ。

【ジェスターがそういった瞬間、空中戦艦ネビリム≠ヘ………黒い箱舟≠ヘ施設を貫いて夜空へと浮上し、消えていく】
【同時に施設の至るところで爆発音が響き渡り凄まじい振動が起こる―――ここも危険だ、すぐに退避し、自警団と合流しなければならないだろう】

【悪の芽は―――夜≠ノはびこる闇の芽はまだ消えてはいない………否、全てはこれから≠ネのかもしれない】

//これにてVSジェスターを締めさせて頂きます!長時間本当にありがとうございましたッ!
24 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 04:04:43.80 ID:1UNW4bOQo
>>22
い、え……こっちこそ、ありが、とうござい、ました……
セリー、ナさん、を信じて、よかった……

【電撃でまだ痺れる口で、途切れ途切れに言葉を返す。ところどころ焦げてはいるが、無事だ】
【全員、全身ズタボロだ。この場での激戦をそのまま物語る有り様】
【とはいえ、勝った。眼前の道化師は、どうやら本当に降伏するらしい、と判断する】


>>23
ハ……優しい、こと、言って、くれるじゃ、ない、か……グゥ……
悪い、けど、そっちに、手を貸す、余裕、は、ない、かな……

【半ば意地で、こちらも軽口を返して見せる。ダメージは明らかにこちらの方が大きいだろう】
【やはり、この場でこれ以上戦おうという意思は感じられない】

【そう、この場では=z


時間、稼ぎ、だと……?
な、お、おい!!

【思わず驚きの声が漏れる。どこまでも飄々とした態度を崩さないまま、彼はその身を空中に投げだした】
【まさか、自ら命を……? そんな考えは、直後に粉砕された】
【起動音。上昇音。その巨大な漆黒。格納庫の通路すら、たやすく破壊して】


――――!!!!!
空中戦艦ネビリム=c…ハハ、お前がこの場で踏ん張ってたのは、このため、か……
めちゃくちゃするよ、本当、に……

【もはや、乾いた笑いすら漏れる。あまりに、スケールが違いすぎた。全長500メートルの巨大空中戦艦】
【いつかの創世戦団の巨大要塞といい、ルルーメンに現れたあの巨大な飛行船といい、レギンという男はよほど巨大なものだ好きなのだろうか、などと】
【この一連の騒動の裏にいる、蛇へと思いを馳せることすら、した。そのくらい、常識からかけ離れた光景だった】

【そこから逃れるかのように、ギアの目はジェスターへと固定される。すでに戦艦の外部通路の上にその身を移して不敵に笑う少年】
【吐かれる言葉も、どこまでも楽しげに。自爆装置の作動。それを肯定するように、階下からの熱風】


う……御忠告、どうも。そうさせてもらうよ
次、か……そう何度も、好きには……させないぞ。ジェスター

【声を振り絞り、震える膝をどうにか立ち上がらせ、ギアは歩き出す】


セリーナ、さん……早く、脱出、を……
ライラ、さんも、連れて行かない、と……

【命がかかっているのだ、と必死に自分の身体、否、魂を叱咤しつつ。ギアはライラを担ぎあげようとする】
【そのまま、この場を去って自警団と合流すべく移動を始めるだろう】
【さらなる悪の伊吹を感じながら。今はただ、逃げるよりほかにすべはなかった。生き人形は、今回も生き延びたのだから――】


/締めのレスを投下して、こちらも失礼いたします。皆さま、お疲れさまでした!!
25 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 04:15:05.50 ID:+22fL0Rfo
>>23

―――・・・道化には道化の引き際、か。
けどどうしてだろうね?―――・・・く、っ・・・!いまいち、アンタが"降参"してるように見えないのは・・・ッ!
口調のせい?態度に余裕があるから?―――いいや、違うね。

(・・・此処に来て、この言葉。―――間違いない。何か、何かを持ってる・・・)
(奥の手がどんなものか知らないけど、とっとと捕まえないと次に何を仕掛けてくるのか―――・・・!)

・・・ジェスター。無駄な抵抗はよしな、アンタ、まだ"何か"を――――!?


【―――唐突な、轟音。セリーナの言葉は其処で、途切れた。】
【"予定通り"というジェスターの言葉と、その後に取った行動、更には地の底から響くような魔物の唸り声に阻まれて――。】
【何かが、足元から地響きを伴い"浮上"してくるのが感じられる。これは―――!?いや、それよりもジェスターは・・・】
【身投げをするような人物とは思えない。むしろあの笑みに感じられたのは"余裕"と"確信"だった。即ち】
【自分は確実に逃げられると言う"余裕"、そしてある意味ではこの作戦に"勝利した"という"確信"】
【それを体現するかのように、格納庫を占領するように浮かび上がったシルエットは、暴力的なまでの威圧感を誇る――戦艦、であった。】
【戦艦。それも超巨大な部類に入る、ド級の空中旗艦――この一機にどれほどの戦力が詰め込まれていると言うのか。】
【身を投げたジェスターを追うように手すりに飛びついていたセリーナも、下から吹き付ける強烈な烈風に思わず、後ずさりし】
【流石に"弾"末魔を構える事すらも出来ない――いや、構えたところで何になると言うのか。】
【ドラグーン・キャノンで砲撃を加えるか。残った一発のマグナムで傷を付けてみるか。ガトリングヒュドラで対地砲を破壊するか。】
【どれも決定打にはなりえない、その上相手はもはや此方を敵として認識すらしていない状況――追撃は、不可能だった。】
【こんなに強大な兵器に、抗う術などあるはずも無いのだから。】

(―――・・・うっそ、でしょ・・・!?こんなでっかいのが相手だなんて――流石にそりゃ、聞いてないって・・・。)
(―――でも、コレで納得が言った。確実な逃走手段がある上、ジェスターは"コイツ"の起動までの時間稼ぎが出来ればよかったんだ・・・!)
(だからあんなに滅茶苦茶な攻撃が出来たし、降参するって言ったあとも余裕の表情でいられた・・・ってワケか。)

・・・相変わらず、カノッサっていうのは派手好きな組織だね?アタシも派手さじゃ負けちゃいないけど――・・・今夜ばかりは、やられた気分だ。
――・・・ッ、"ネビリム"・・・その名前は忘れないさ、というより忘れられそうも無いよ、暫くはね。
こんなとんでもないモノ見せられたんじゃあ、こっちも黙っちゃいられないもん。

良いかい――――"ジェスター"ッ!!道化師さんよ、聞こえてるかいッ!!お船の上でようく聞きなッ!!
ちょっとくらいデカくて豪華なアヒルボートに乗ったくらいで、アタシ達に勝ったとは思わない方が身のためだよ!

船は船、空じゃなくて海にあるべき存在なんだ――必ず、"撃沈"させたげるから楽しみに待ってることだねッ!!

アンタが"新しい玩具"で何をしでかそうと・・・絶対に食い止めてみせる、だから楽しみにしておきな道化師・・・!

【――"次の狂宴"、という嫌な言葉を残し、戦艦は夜空へと消えていく。ボロボロの身体のまま、セリーナは風で舞い上がりそうなハットを押さえ】
【浮上していく戦艦目掛け大声で叫んだ。届くも、届かぬも関係なしに――必ず倒すとそう、告げる。】
【箱舟が絶望を詰め込み空を暗黒へと染めていく――格納庫に激震が走った。ここも自爆装置で爆破される、か。】

>>24

―――ギアッ!速いとこ退散しよう、自警団の輸送用トラックなんかが外にあるはずだッ!!
そこまでライラを――くっ、アタシも手伝うさねッ!

【再び鳴り響くサイレン、警告灯が基地内の異常事態を伝える。爆破まであと何分か――。】
【最早知った事ではない、セリーナはギアと共にライラを抱え、足を引きずりながら外へと逃げ出すだろう。】
【やがて自警団員と合流し、逃げ遅れた仲間たちと共に脱出を図る――この戦争の幕はこれで、下りるのだろうか。】
【否、戦争は終わってなどいない。むしろ激しさを増し、より強烈な戦火を感じさせながら――まだ、蹂躙し続けるのだろう。】

/お疲れ様でした!
26 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 09:57:21.38 ID:GzOR0Wzbo
>>22
「――――――俺、は……ッ!!」

【大丈夫だと言いかけた所で、身体を持ち上げる腕から力が抜ける】
【彼の障壁の規則性を見ぬく―――その代償として喰らったあの衝撃波はお世辞にも軽症では済まなかった】
【セリーナの言葉に答えるライラには、まだ闘志が残っていた。ジェスターを撃破するまで帰ることが出来ない。そんな炎が】
【―――だが、身体がもう殆ど動かないのも事実で】

>>23
「――――――ジェスタ……ァ……!」

【必死で喰らいつこうとするライラも、余力など全く残っておらず。ただ地面で呻き、憎らしげに彼を睨むのみ】
【……いや、ライラ『は』、だろうか。当のジェスターはギアに軽口を叩いているにしても、自分へと両手を上げるにしても、まだ何かがありそうな予感がして】
【考えて見れば、当然だった。No.9の実力者。ここらで、簡単に諦めることがあるのか、と】


「……嘘だろ……」

【あまりの衝撃に、体を蝕むダメージまでもが一時的に麻痺してしまったか。"黒き方舟"を見上げ、呆然と呟く】
【まさか、ナンバーズの戦闘さえも時間稼ぎだったなんて。ここが重点的に防衛され、最後まで落ちなかった理由というものも今ハッキリした】

【空中戦艦に乗り込むジェスターを睨みつける。確かに"ネビリム"は巨大だ。ライラの1人の力では全く歯が立たないだろうが】
【正義の力を結集させれば、この位、直ぐに破壊できる――――――その顔は睨むというよりも、挑戦的な笑みだった】

>>24-25
「すま……ね、ぇ……二人共……」

【2人に運ばれ、自警団へと合流していく。呻きながらも、その声は確りと二人の耳に届くだろうか】
【今回は、流石に情けなかった。敵の攻撃をまともに食らって戦闘不能になるなんて。ライラの言葉には、そういった意味合いも含まれていた】

【ブレる意識を横目に、ライラが考えるのは"夜"に、いや"世界"へと羽ばたく方舟―――機関はまだ終わっちゃいないと、身体に刻みこみながら】

/改めてお三方、お疲れ様でした。そして、途中で落ちてしまって本当に申し訳ない……
/長時間ありがとうございました!
27 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 19:54:50.00 ID:eKpqh8kbo
【櫻の国――花街】

【川沿いに長屋が軒を連ね、等間隔に吊り下がる赤提灯が水面に映る街並み】
【派手に着飾った遊女が客引きをする店が多く、次いで酒場と賭博場があり】
【その中でも街を見渡す位置にあって、一際目立つ赤一色の楼閣がひとつ】

【謳いは「料理と酒の場」――その割に内部は派手な赤い壁と、着飾った女達】
【客引きは強引であり、興味本位に立ち止れば忽ち袖を引っ張られるだろう程で】
【そんな普段から姦しい女郎達は何故か、今夜は一層浮かれている様子だった】

【女達の手で店に引っ張り込まれたなら「ついでだから」と連れられる席が最上階】
【街の明かりが良く見え、川辺からの風が入る赤い座敷には、先客らしき男がいた】

【肩で切り揃えた白い髪に、青藍色の燐光を零す黒彼岸花を挿した若い男】
【黒い紋羽織を着た古風な和服姿で、切れ長の目は深い葡萄色をしている】

……嗚呼喧しい、久々に帰って来たんに、酒もよう呑ませへんでこの騒ぎか
集っとらんでさっさと仕事せえな……ほら、新しい客が来たんちゃうか――?

って、何やついでって……あッちは見世物やあらへんゆうに、阿呆らし……

【窓際に座る男は片手に煙管、片腕に女が一人絡んでおり、傍にも数人が集っていて】
【来客へ気怠い視線を遣る――補足として、店に引っ張られる対象は男女の別なくである】
28 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 19:56:05.69 ID:eKpqh8kbo
【郊外――草原】

【淡い緑の地は周囲を森に囲まれ、仰げば泣きはらした様な曇天だけが見える空】
【その中央に、鎧を纏った精悍なケンタウロスの青年と、一人の少女が佇んでいた】

【長めの前髪で右目が隠れているが、隠れていない左は明るいグリーンの色合い】
【ローズブラウンの腰までの髪は緩く巻かれ、黒い小さなハットを斜めに被っており】
【黒いベルベット地に銀糸と薄桃で刺繍したディアンドル、同色の低い踵のシューズ】
【右手にのみ、黒のハードレザー製で強気なデザインの指貫グローブを付けている】

【少女は胸に人の腕程の昆虫の足を抱いたまま、酷く沈んだ様子だった】

……私の所為で、ヴァネッサも、ポーラも、いなくなっちゃったの
私が……もっとしっかり、してなかったからっ、二人とも……
ねえロナン、私、あなた達と一緒にいる資格、あるのかなっ――、

【隣に並んだケンタウロス――ロナンと呼ばれた彼は、問われても暫く押し黙っていた】
【だが、やがて鎧をがしゃりと言わせて手を伸ばすと、二三度少女の頭を雑に撫でる】
【武骨な手が髪を乱して載っていた帽子を落とし、困ったように少女はやっと微笑んだ】

/どちらかお好きな方でよろしければどうぞ
29 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 20:04:20.96 ID:rlYWF4mRo
>>27
「――あーもー、しゃーねーな、あいよあいよ。
ついてってやるから、そんなに引っ張んじゃねーっての、分かるかー?」

【きゃいきゃいと遊女の声が階下から上階へと近づいてくるのに混ざって、呑気そうかつ少し迷惑そうな声が続く】
【声の質は比較的若そうだが――どことなく、乾いている。そんな印象を与えかねない、独特なもの】
【手を引く遊女に連れられて、二階へと足を踏み入れるのは――一人の男だった】

【無精髭にボサボサの長い髪を後ろで括った20代前半頃の青年】
【顔の造作はそれほど悪くは無いのだが、無精髭や皺の寄ったシャツなどで少し老けて見える】
【服装は、革のライダースに履き古しのダメージ加工なんて洒落たもんじゃない単なるボロジーンズ】
【口にはシガリロ――細葉巻を咥え、紫煙をくゆらせる姿は、どことなく浮世離れした世捨て人の如き雰囲気を纏っていた】

「よう、兄ちゃん。賑やかだな」

【先客たる男を視界の内に認めると、黒に時折紅がよぎる瞳を細め、ひょいと適当に軽く挨拶】
【きょろきょろと店の中を見回し、何処に座ったものかと遊女に聞いて回る】
【行動を見れば分かる。この男、櫻の国に来るのも初めてならば、場末の酒場ばかりでそこそこ良い店など来たことなどなかったのだ】
30 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 20:21:13.05 ID:eKpqh8kbo
>>29

【腕を引かれ座らせられるだろう場所が所謂上座、やんやと料理が運ばれて行く】
【特に作法と言うものも無いが、値の張る店ではあるのだろう】
【女達は一様に華美であって、出す酒もそれなりの物ばかり――総じて相手の格好にはそぐわない場だった】

何や……客ゆうか、金持っとるんか、そッちは?
お前らも引っ張る相手はよう選ばんと、誰彼構わず手引いてどうすんねや……

【適当に浮浪者を引っ張って来たのだと思ったのか、現れた男を怪訝に見る様は】
【遊女達を窘めるようにそう言えば煙管の灰を落として、窓辺に肘を付き無遠慮に視線を投げる】
【――客と言うより店側の様な言葉だった。やたら遊女が集っているのが違和感ではあったのだが】

そッち、何処ぞの飯場におる日雇いか?
せやったら給金一月分じゃ足らんえ、此処は……飯と酒じゃあ返品も効かんしなぁ?

【馬鹿にしたような口調、その割にやたら話しかけて来るのは既に幾らか飲んでいるのか、機嫌が良いらしく】
31 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 20:33:32.03 ID:rlYWF4mRo
>>30
「おう、なんだ。こっちな、こっち行けばいいんだな?」

【困惑しつつも、男はひょこひょこと軽妙な足取りで上座へと移動していき、どっか、と席に付く】
【シガリロ――ロミオyジュリエッタ――の紫煙が漂わせる少し甘い香りは女性的で、浮浪者の如きこの男には全くそぐわないもの】
【貰った温かいおしぼりで手を拭くと、顔を拭いた後に首筋を拭き始めた。作法も何も有ったもんではない、入ってしまえば此方のものとばかりに自由に振舞う】

「その日暮らしっつー点じゃあ、確かに間違ってねぇわなー。ま、心配ご無用。
宵越しの金は持ちたくねぇもんでよ、むしろ一文無しになってからが本番ってもんだろ」

【相手の馬鹿にしたような口調を前にしても、激昂したり眉を潜めることは無く】
【へらへらとした危機感の無い、無害そうな笑顔を浮かべつつ、刹那主義にあふれる発言を垂れ流し】
【懐から取り出した皮財布――大分使い込まれている――から、十数枚の札をちらりと見せる】
【丁稚が下から、巨大なバックパックを男の隣に運んできて、少し息の切れた様子を見せると、おっとと咄嗟に立ち上がって】

「悪ぃーな、重かったろ?」

【そう言うと、バックパックを片手で持って、己の席の隣にどすんと置く】
【この男、慎重で言うと相手よりも数cm低いのだが、体重は恐らく相手より10kg以上重い】
【飯場の日雇いというよりかは、その外見なども相まって炭鉱労働者と言われたほうがいささか納得できた外見だったろう】

「いやー、なんだ。俺の出身国らしぃんだが、土踏むの初めてでよー。
皆愛想いいのなー、前の国なんざ、鉄格子の向こうから棒で酒とか飯押し出してきやがるんだぜ?」

【目の前に並ぶ酒や料理に目をキラキラさせつつ、手酌で酒を注ごうとすると、遊女が一足先に男のおちょこに酒を注ぐ】
【一口、おそるおそるおちょこに口をつけると、一瞬沈黙。こくりこくりと一人勝手に頭を縦に振り、何か納得したような、笑いを噛み殺す様な表情を浮かべていた】
32 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 20:51:00.43 ID:eKpqh8kbo
>>31

【煙管を置いて視線を遣る男は、相手が顔を拭き始めた辺りから不快げに眉を顰めていた】
【食えない様子であったのも快く思わなかったのだろう。愉快気であったのが幾らか押し黙る】

ふん……金はあるゆう事か、まあ、あッちはもう此処の花魁やないし構わへんけど……
――何やそッち、旅しとったんか? 偉いもん背負うて歩いとるんやな……見るだけで疲れるわ

【どうしても引っ掛かるだろう台詞をのたまった男の体型は178cm/68kg、ついでに言えば三十二歳になる】
【其処から鑑みれば相手は筋肉質な体型であるのだろう――それもまた、野蛮味の一つと取ったようだった】
【外見だけ見ればそう歳の変わらないように見える男は、高慢ちきな態度で再び煙管を手に取って煙を吐く】

櫻の出? ふぅん……何処にしろ泥の街よりはマシやろな、此処と泥しか知らんが。
……で、生まれ故郷の酒は美味いか? 随分分かったような顔してはるけどなぁ……

【何を笑っているのかと言いたげなジト目を相手に投げると、男も遊女に顎で示して酒を運ばせる】
【馬鹿にしたように一瞥、それから猪口を口に運んで――ほんの一口舐めるようにして、直ぐ煙管に戻る】
33 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 21:03:11.31 ID:rlYWF4mRo
>>32
【男の行動を見れば、少々教育と躾のなっていない、小市民的振る舞いであることは分かる】
【要するに――完全に、場にそぐわない存在。それでも飄々としている辺り、面の皮は随分と分厚いようだ】

「こんなもん背負って歩けるかってのー、いや山1つ2つ位ならいけるけどさー。
普通に単車だよ、単車。大分長く乗ってる、結構な相棒なんだけどなー、これがまた良い音ならすのよー」

【旅人である事を認め、人懐っこい様子を見せつつ、バイクについて熱く語る男】
【随分バイクと旅に入れ込んでいる様で、旅のよもやま話を語る度に、目がキラキラと輝いている】
【それでも、笑顔は満面とも微笑とも取れない曖昧な物で、それが僅かな不自然さを孕んでいた】

「……これが日本酒、櫻の国の酒……かー。……母方が櫻の出でな、父方は火の国だったんだが。
なんつーか、うん。口にあうってこういう事なんだな、って思ったよ。……うまいわ、これ」

【男の馬鹿にしたような言葉を聞いても、それに突っ込むことは無く。ただ単純に、感銘を覚えて素直な言葉を吐き出していた】
【普段の、酔えないのに飲む、無為な酒とは違う。なにか、どこか――己の中の空隙が満たされる様な、そんな味わい】
【良い酒である事もそうなのだろうが、己の中の残っている人間性が、きっとこれを美味しく感じさせてくれたのだろうと、嬉しく思う】
【料理をちょいちょいとつまみつつ、二合徳利を一本空にして。二本目のお銚子を頼む】

「へー、燗酒ってのもあんのなー。あったけー酒なんざエッグノッグぐらいしか飲んだことねーけど。
んじゃ、それで。なんか合うものも一緒に頼むわー、お願いー」

【遊女達の話を聞きつつ、感心しながら二本目のお銚子は冷ではなく、燗で頼み】
【すぅ、と深く深呼吸をすると、うだー、と口からなんとも気の抜ける声を漏らし】

「……お前さん、大分慣れてるっぽいなー。俺慣れねーよー、こういうの、すげーわ」

【そりゃ、安酒を出す場末の酒場ばかりを巡り続けてきたのだから、慣れないのは当然】
【細葉巻の二本目――いつの間にか火が付いている――を咥えつつ、すげーすげーと馬鹿っぽく連呼していた】
34 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:05:20.22 ID:LejtjPq8o
【路地裏】

【大通りの街灯やビルの窓の灯りが薄っすらと差し込む路地裏】
【伸びたオレンジの灯りは地面を這い。走る人ののシルエットが地面に映る】
【その直ぐ後にまた二人の人影が走り去っていく】
【そして、いくつかの銃声が連続して響き渡る】

【月影を落とす路地裏の水たまりを男が踏んで水面が揺れる】
【ビルの外壁を背につけて、丁字路で曲がり角を覗きこむスーツの男】
【その先に居る、二人の男が立ち去っていくのを見て、男は溜息をつく】

………おちおち酒も飲めないのかこの街は……賞金額でも上がったのか?

【黒いリボルバー拳銃を握った、右手の甲で、血の流れる額を拭った】
【男がかけているサングラスには片方のレンズに斜めに細い傷が入っている】
【よく見ればスーツは切れた跡や汚れがいくつか付いている】

さて…普通に外に出たら……不味いかな…クソったれ、バカスカ撃ちやがって…
余計な奴に聞きつけられたら面倒だろうさ………素人め…

【吐き捨てるように愚痴を言いつつ、ポケットから煙草のソフトケースを取り出して】
【一本くわえた後、ジッポライタで火をつけた。肺まで吸い込んでから煙を吐き出して】

ああ………疲れたな…

【水溜りを一歩避けてから、壁にもたれかかりながらその場にしゃがみこんだ】
【拳銃は依然として握りしめて。それは重厚に赤黒く、異様な雰囲気を放つ】
35 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:23:26.64 ID:Kv3QhY3Io
>>11

【霧の噴出は止み、間もなくして空気に流れ散っていく】
【疾走を始めたならば、その際に生じる風によって周囲の視界が開けていくだろう】
【距離は2m弱……否、騎獣が僅かに後退した事もあり3m半ほどであろうか】
【駆け始めたならば、薄切りの中すぐにでも右手に槍を構えた騎兵の姿を補足することが出来るだろう】
【霧に紛れていたのも数秒の間だけ】
【何事も無かったかのように戦闘は再開される事となるだろうか……】

【――姿を見たならば先程と違う点に気がつくであろうが】
【左手には槍ではなく、小型の操作端末のような物を持っており】
【右手に持つ長槍の周囲に蛍のような小さなポツポツとした光が踊っている】

【注視すべきは恐らく左手の端末】
【それが何であるかを予想することは……難しくない】

【戦闘開始時には騎士の背後に在り、八攫が射線上にガガルルを入れることで無力化した"ソレ"】
【しかしガガルルが突撃し、八攫の位置を追い抜く形になったことでその関係性は逆転する】
【つまり、八攫の後方には――自動銃座が未だ健在であった】

【ナックラヴィーが音を叩きだすことにより】
【注意を引き、後方の銃座が動く音や端末の操作音をかき消す】

【霧を撒くことにより、操作端末の存在を隠蔽し】
【寸前までガガルルの狙いを見せぬようにする】

【先ほどの行動の意味は、この攻勢に収束した】


前後の挟撃……凡百の将ならば戦を諦め武器を捨てるところだが
剣士八攫――貴殿ほどの猛将ならば、最期まで剣を離しはすまいな!!


【ガガルルは、左手操作端末のタッチパネルに指を押し込み位置情報を転送】
【自動銃座が機械音と共に稼働し、鈍い漆黒の口を八攫へと向ける】

【瞬間――タタタ……と軽快な音と共に火線が舞う】
【反応した銃座は二門。後方より無数の鉛玉がその身体を撃ち貫かんと迫って来ようとする】

【しかし距離にして20m超――自動照準などはなく、指定した位置に銃弾を放つという単純な命令を与えたに過ぎない】
【命中精度は極めて低く、棒立ちでもしていない限り当たらないような代物だ】
【そして、銃撃は一度きり。ガガルルは操作を終えた時点で端末を投げ捨てる】

【ガガルルとて、このような"玩具"でかの剣士を仕留められるなどと考えていない】
【狙いはあくまでも精神的な動揺と、後方からの奇襲へ"対処させる"ことだ】
【"常に背後を狙われている"と錯覚させる。成功したならばそれだけでも十分以上に価値がある】

【ガガルルは騎獣の背に両足で屈むようにして立ち】
【脇を締め引き絞る形で槍を構え、八攫を迎え撃たんと待ち受けている】
【彼我の距離は既に一足の間合いに近い。踏み込み、獲物を振るったならば届く距離だ】

【ガガルル側の八攫の持つ策に対する対処は薄い――】
【八攫の有する策によっては、ガガルルの小細工を打ち破り、勝敗を決することも可能であろうか】

【いずれにしても恐らく……今宵の戦の決着は、近い】
36 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:24:10.03 ID:4BnOW3650
【町外れの公園】

【今の公園は夜である】
【そんな夜だからか、誰も居ない】
【その公園に歩いてきた男が居る】
【金髪を少々伸ばし】
【白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして、左腕にはカノッサ機関所属の証である逆五芒星がある】
【その逆五芒星は見える人には見えるであろう】

 ふーむ、予算をどうするか

【男はそう、言う】
【男は研究者である、しかし一般構成員であるからか予算があまり下りないのだ】

 あー、新しいロボットのを作りたいのだがやはり平では無理があるか

【そう愚痴りながら男は公園のベンチに座る】
37 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:24:29.64 ID:eKpqh8kbo
>>33

……いけるんやないか阿呆、[ピーーー]。その足削ぎ落として死んでまえ馬鹿
あッちに突っ込ませるゆうんは相当やで……何者やそッち、新しい六罪王か何かか?

【毒気を抜かれると言うのだろうか、車の話など興味は無いのだが、こう語られると不思議と迫る物がある】
【男は見た目には五体満足――しかし、山を越えられるような足など比喩で無く持ち合わせていない】
【勿論、初見でそんな事が相手に分かるはずもないのだが。突っ込んだ言葉はやや低い声色だった】

はー……ほんに阿呆やな、だから花魁しとれば嫌でも慣れるわ。
つうかな、そッち慣れんゆう割に……いや、それは別にええわ、何か認めとうない

【相手の呑む様子が気に食わないのだろう――先もそうだが、ちびりちびりと猪口を口に運ぶ様は】
【男が酒にそう強い方でない事を如実に示しており、初めて飲んだという相手の前では些か立場がない】
【それでも微かに口許に笑みを浮かべれば、男は不意に片手を挙げ、周囲を軽く払う動作をした】

――……で、本題。

【その合図で、先まで騒いでいた遊女が嘘のように押し黙るとすうと引いていく】
【嫌な静寂の残る場で、剃刀のように鋭い視線がついと滑らされて相手を見据えた】

そッち……お前は、機関の追手か?

【凝った冗談、という訳ではなさそうだ。冷たく迫る表情はいやに真剣味を帯びていた】

【(リリアの件があって以降は落ち着いていたが、火種が残っている可能性もある)】
【(ならば一切油断は出来ない――それに、もし機関の人間ならば、話したい事も二三あった)】
38 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:26:58.97 ID:VF/Kifloo
>>34
//まだ大丈夫でしょうか?
39 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 21:28:04.71 ID:CItyQTut0
>>34

あー…うるせえ……
ったく…なんなんだよここ…
さっさと出ていくしかねーな…

【両耳に指を突っ込みながら、このように愚痴るのは】
【赤いオーバーコートが特徴的な、16歳ぐらいの少年】

【聞こえた銃声の音量から、まさにすぐそこで発砲された事が分かるのであるが…】
【少年は其れを聴いてもこの態度、であった】

【気怠そうにしながら、少年は路地を歩いて行く】
【…タバコの匂いがする。辺りをキョロキョロと見回してみると】
【暗くてよく見えなかったのであるが…壁に寄りかかりながら、しゃがんでいる男を見つける】
【先程の発砲、そしてそれは極めて近い所で起きている…2つの状況から、この男が撃たれたのではないか、と考えた少年】

【大きな声ではないが、男にはハッキリと聞こえる音量で、こう話しかける】

…お、おっさん。
さっきの音、おっさんの?大丈夫か?撃たれたか?
40 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:33:30.12 ID:LejtjPq8o
>>38 >>39
/おっと、この場合は先の方が優先となるのでしょうか?なれない状況に戸惑っております。
/私の方は少々ゆっくりにはなりますが複数でも大丈夫ですが…お二方はいかがでしょうか
41 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 21:36:58.98 ID:CItyQTut0
>>40

/あばばば…
/>>38の方にお任せ致します…!
/複数はちょっと…でしたら>>39は無しで…!
42 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:37:03.88 ID:VF/Kifloo
>>40
//いえいえ、>>39でいってしまってください
//なんというか、俺の事はお気になさらずー
43 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 21:38:00.88 ID:rlYWF4mRo
>>37
「あー、名前だけ聞いたこと有るぞ、六罪王。カノッサのあれだろ、なんかすげーあれ」

【男は事情通なのかなんなのか。一応六罪王やカノッサという言葉は知っている模様】
【しかしながら、それ以上語るでもなんでもなく、運ばれてきた燗酒を嬉しそうに注いでもらい、また口に含む】
【すいすいと吸い込まれるように、静かにだが着実に二合徳利はまた空になっていく】
【紫煙を吐き出し、燗酒を嗜み、外の喧騒に耳を傾ける。なにやらなんだか楽しくて、ついつい珍しく素で微笑みが零れ落ちた】

「何百キロも走ってると何処でも良いから休みてー時あってよ、適当な家転がりこんで泊めてーって言うんだけどさ。
そういう事やってるともう恥とか外聞ねーかんな。慣れねー程度で振る舞いが変わって貯まるかってのー」

【どうやら、本当に面の皮が厚い模様。そして、相手が花魁という話を改めて思い出し、男でもこういう仕事出来るんだなーと感心】
【感心しつつ、確かに己の巡ってきた街や国にはそういった人々も居た記憶を掘り起こし、なんとなく納得】
【ここの環境は、見てきたそこらへんよりは随分良さそうだが、相手にも何らかの事情があるのだろう。だが、男は踏み込みはしない】

【気がつけば引いていく遊女たち、変わる雰囲気】

【紫煙を輪にして宙に放り出し、鋭い視線はへらへらとした笑いと紅の過る暗色の瞳で受け止める】
【度胸が座っているのか何なのか、お猪口を運ぶペースも食事を口に運ぶペースも崩れることは無く】
【しかしながら、目の笑いだけが引込み、次第に炎を思わせる紅へと瞳の色は染まりつつ有った】

【――投げ込まれる問いかけ、己の所属について。機関の追手かという問い】

「――へ、違うけど?」

【即返されるのは、男の否認。きょとんとした顔をしつつ、重い葉巻の煙を吐き出し首をかしげる】
【なんとなく予測は突く。相手が機関を負われるだけの何らかの立場に有り、ここに隠遁していたかなにかだったのだろう】
【しかしながらこの男、善でもなければ悪でもない。ましてや組織など――、何かに縛られるのも、何かを得るのも好まない男が所属する筈は、無い】

「俺はなんでもねーよ、ただ昨日はバイト代貰って機関と喧嘩してたけどさ」

【そう言うと、男はライダースジャケットを脱ぎ捨て、全身包帯まみれの姿を見せることだろう】
【不思議なことに、全身包帯だらけだというのに痛そうな様子は無いし、血の気配も全く漂わせていなかった】
【瞳の紅と良い、この男はなんらかの能力者であることは間違いなかったろう】
44 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:46:42.74 ID:VF/Kifloo
>>41
//自分は>>42の通りなので……
//複数も難しいですし、遠慮なくお願いしますー
45 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:46:57.91 ID:LejtjPq8o
>>42
/すみません、ご配慮に感謝します。
/また機会がある時は是非よろしお願いします。

>>41
/今からレスを書きますので少々お待ちを…!
46 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 21:56:22.37 ID:CItyQTut0
>>45
/ぎゃふん…有難うございます…!
/横取りしてしまった感が…申し訳ないです…
/是非また、よろしくお願いします…!

>>46
/了解です!
47 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:00:50.75 ID:eKpqh8kbo
>>43

――……

【矢張り相手の返事には毒気を抜かれるものがあったが、値踏みするように幾分かの間を空ける】
【機関と対立している側だと聞けば僅かに視線を落とした。追われる側なら安堵する筈の場面で、】
【まるで迷うようにしていたのが何処か違和感であったのだが―― 何物をも語らず一つ溜息をつく】

……そうか、なら構わへんわ。 バイトで機関相手取るゆうんは可笑しい事やけど……
今の機関がそれだけ舐め腐られる程度やて分かった、それであッちの方は収穫にしとくわ

【ぱん、と手を叩くと、一旦身を引いた遊女達が座敷へと戻って何事も無いようにまた相手を囲み出す】
【男はその様子を視界に入れつつ、手近な女に何事か囁いた後に煙管を置くと、徐に立ち上がった】

奢りにしたるから好きなだけ呑んでいけ、そッちもそれでちゃらにせえな
さて、邪魔したな――あッちは月彗、生きとったらまた会うやろ……じゃあ、流浪人

【詰め寄った詫びの代わりという事らしい。高慢ちきな男もそれなりに律儀ではあったようだった】
【そうして適当な名乗りを残して座敷を後にするのだが、数人の遊女が惜しがって後に付いていく】

【――相手がそのまま飲んでいくなら聞かされるだろう話、女達は口喧しくさっきの男の事を話す】
【花街名うての男花魁だったとか、同性には至極どうでも良い事なのだが――酒と料理の味は保証出来る筈だ】

/この辺りで失礼します、乙でしたー!
48 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 22:04:36.57 ID:1RBWWuTp0
【路地裏――不法投棄の温床にされた空き地】
【建物と建物の隙間から辛うじて差す半月の明かりが様々を艶めかせれば】
【縦横無尽飛び散る光の筋がきらきらと煌いていた、見渡すだけでも多種多様な“忘れ物”】
【――がらりとひとつふたつ崩れる音が響いているのを、或いは誰かが聞きつけるのかも、しれなかった】

……――できた、

【はらりと舞う黄緑色を混ぜ込んだ桜色の燐光が舞う、魔力で出来たひとひらふたひら、夜の中を彩って、零す声】
【まるで鈴めいて透き通る声音は金属質の尾を引いて暗がりへと溶けていく、少女の高さで響かせて】

【――――ごしゃと今度こそ何かが致命的に崩れた音がした。そのおしまいへ水飛沫の音を添えて――】

【ひどく冥い色をした髪が腰ほどまでの長さ、高くひとつに結い上げたのは何の捻りもないポニーテール】
【黒色と血色のオッドアイがいろいろな色の光源で煌いて瞬く、ついと動かした顔の右の耳で宝玉の欠片をあしらったピアスが揺れ】
【赤色で刺繍の刻まれた黒布のワンピース、腰をリボンで絞ってから膨らませた裾が夜に溶け込むようにふわり揺らいで】
【羽織った薄手のケープが少しだけ長さのあるタイプのもの、スカートの膨らみを邪魔しない程度に身体に沿って、包んだきり】
【こんな場で足元踏み込むのがやたら重たそうに底の分厚いブーツだった、――足元の何か良く分からないモノを踏み抜いて】

――棄てられなきゃ毀されなかったのに、ね?

【――ふわと頬に添える手元と首元に包帯がくるり巻かれていた。やがてそろと伸びる指先は、耳元で煌くピアスへそっと触れて】
【大事なものにするように優しい指先は擽る仕草にも似て。さも上機嫌そうに紡ぐ声が、(いつもよりほんの少しだけ高かった)】

【――そんな少女の視線の先には誰かのひどく古錆びた銅像――だろうか、らしきモノがあるにはあるのだけれど】
【どうにも曖昧で釈然としないのは、まるで強い強い酸性でもぶちまけられたようにでろり融解して、人物部が折れていたから】
【淡く桜と黄緑の色素を溶かし込んだような色水がその現況であるらしい、彼女の足元で水溜りを作っては、残骸に断末魔めいた音を上げさせていて――】

――、やっぱりこれ……すごい、

【月白色の欠片――見えもしない方へと視線を揺らして、くすくす笑う声が、きっとひどく響いていた】
49 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:05:55.03 ID:LejtjPq8o
>>39

【煙草の煙を燻らせながら壁にもたれながら上を見上げる】
【半分の月に靄がかかっているのは煙草の煙か、目がおかしいのかはわからなかった】

くそ…赤マルねえからって…ラッキーストライク……買うんじゃなかったな

【そう、愚痴をこぼしていると、足音が聴こえてきた】
【アイツらが戻ってきやがったか嗅ぎつけた自警団か…どちらにせよ会いたくはない】
【男は手元のリボルバーに目をやって、親指で撃鉄を起こした】
【黒い金属は薄くエングレービングが施されている。男が撃鉄を起こすとそれらが朱く、赤黒く染まりだす】
【呪われたように不気味なその拳銃はバレルにNO HEAVENと文字が朱く浮かび上がらせた】

おっさんか……ニジュウクの俺はお前からしたらおっさんなら…随分とガキだな。15か?
いや…撃たれちゃいねえよ。そしたら返事をしないだろう?

【かけられた声はどうも若い。現れた赤いオーバーコートに軽く、笑いかけながら】
【ダルそうに腕を伸ばして、その黒いリボルバーの銃口を向ける】

まあ…そう、近づくな……ちょっと、俺も今……ピリッとしてるからよ…
ちょっと面倒なことになっててなあ…そこら中に敵がいるかもしれん

【酒と煙草に焼けた、しゃがれた若い男の声で返答する】
【暗がりの中、暗がりの影にいるこちらはそちらからはタバコの火以外は見辛いだろう】
【しかし男のサングラスの下の目は、相手の姿をこの暗がりの中、完全に捉えていた】
50 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 22:06:48.82 ID:wJiMWKQ0o
>>36
/まだいらっしゃったり?
51 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:07:41.25 ID:4BnOW3650
>>50
/いますよ
52 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 22:08:50.90 ID:rlYWF4mRo
>>47

「あー、なんだ。サンキュなー、ちゃらもちゃら。こんな良い店で酒も飯も奢りとか頭おかしくなっちまいそうだ」

【相手のおごるという言葉に、嬉しそうにするも、どこと無く複雑な表情を浮かべる男】
【相手が奢って話をなかった事にしたいという意図は良く分かるが、大金を奢られて変な繋がりを持つのは、好ましくなかった】
【どんな人間とも、天乃は基本的に袖振り合うだけの仲でいる事を意識する。ただ、この程度は恐らく袖振る程度。そう思うことにし、酒を追加で頼んだ】

「天乃司。――ま、適当にぶらついてんよ。いつか会うかもな、会わないかもしれねーけど」

【いつも通りを取り戻し、適当も適当な返しをこちらもして。何か大きな背景や過去や事情を背負っている相手の背景について、努めて考えないようにしつつ】
【背負う重たいものは、精々この大きなバックパックくらいにしておきたいところだと、思う】
【ひらひらと男は月彗を見送って、葉巻の煙を空間に向かって吐き出した】

「……金、使い損ねたなー……」

【使うために来たのに、なんか気がついたら普段来れない様な店で奢られていて】
【運が良いのか悪いのか。間違いなく良いのだが、過ぎたる金にはなんとなくの重みを感じて】
【その重みを忘れるためにも、酔いでこの事態を良いに変えて、男は宵の月を窓から見上げるのであった――】
/*お疲れ様でしたー!*/
53 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 22:14:43.15 ID:wJiMWKQ0o
>>51
/ではではー

>>36

【夜闇を一杯に広げた暗夜は、その僅かな隙間すらも見えないぐらいに】
【公園を塗り尽くすその色合いは、月明かりさえもかき消してしまうほどなのだろう】
【歩み寄る足取りの、輪郭すらも辿れないように――――――】


……夜の国≠フ一件で機関≠フ内部は大慌てだ
昨日の今日のことだから仕方ないとは言え……No.3≠ェやられた、との噂もあるが
少なくともこの辺りで油を売ってる暇は、普通の構成員なら無いと思うがな


【向ける言葉は、ただ単調な味気のない言葉なのだろう】
【無味無臭の言の葉、その刺々しい枠組みだけが、指先に突き刺さりそうなほどに】
【歪む声の色合いは、聴きやすいのではあろうが】

【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年】
【貴方へと近づいたなら、ベンチに座る貴方の前に立ち尽くすのだろう】

【見下ろす視線は冷たく、ポケットへと沈めた両手は僅かな乱れも見せず】
【顔ぐらいは見たことがあるかもしれない――――――No.4≠ニ呼ばれる彼の輪郭ぐらいは】
54 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:26:14.95 ID:CItyQTut0
>>49

…姿見えねーからっておっさんはマズかったな、悪い。

【先程銃声が響いていたとは思えない程、静まり返った路地裏】
【だからこそ気付く事がカチャ、という音と共に銃口がこちらに向いていることを。】
【男が撃たれていない事に一旦落ち着きはするものの、】
【次に考えるべき点はやはり、なぜ敵意が向けられているか、だろう】

…おいおい………あー、わかった。
俺が敵かもしれん、ってことか。
まあそこは大丈夫…いや、そんなこと言っても信じねーか。

【少年は一応手を挙げ、抵抗の意志がない事を示す】
【…が、その両手が仄かに光っていることに男は気づくだろうか】

【確かに少年は、この男に対して敵意もなければ、その動機もない。】
【あくまで「自衛」のために、自身の能力を行使しているのだが――――?】

55 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:29:24.84 ID:4BnOW3650
>>53

【男はその存在を写真くらいだが見たことはある】

 ああ私ですか、ええまあ油を売るというよりは気分転換ですかね
 そして――はじめましてNo.4
 私の名前はソロモンです以後お見知りおきお

【男は自分名前を名乗った】
【機関でも上位の存在を見ても】
【男――ソロモンは平然としていた】

 ええまあ、夜の国の件ですか
 たしか、空中戦艦でしたっけミクタム研究所から出てきたのは
 また、レギン様達が作ったのでしょうか

【ソロモンは昨日あったことを思い出す】
【空中戦艦がミクタム研究所から出てきた際の機関のごたごたっぷりも】
【そして、作った人物たちを思い浮かべながら】
 
 ……ああ、うらやましいなあんなの作れるなんて

【ソロモンはボソッとこのような言葉をつぶやいた】
56 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/12(木) 22:34:26.17 ID:deKrjcVQ0

【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】








【賑やかな街の一角にて】
【人々が楽しそうに談笑していたり、或いは買い物をして居るなんて場面】
【その間をくぐり抜けて、忙しなく動いているのは一人の少女】
【――――纏っている物から判断するに、何処かの学生であろうか】


「はい、と言う訳でUNITEDTRIGGERや自警団に対する感想を皆さんに聞いていきたいと思いまーす!
後はチャチャッと纏めてしまえば、立派なレポートになりますね!これにて課題完了!
……の筈だったのですが、世間は冷たいですねぇ」

【明るい茶色の髪。ハキハキとした口調は、活発な印象を与えることだろう】
【様々な人に感想を聞こうとしても、邪険に扱われるばかり】
【それでもめげずに続けてはみるけれど、どれだけ時間が経っても結果は同じ事】


「まぁー……後一週間もありますし、そう慌てる必要も無いでしょうが
一人くらいは聞いておきたいですよねー……」

【眉間に皺を寄せて、立った今断った人の背に向かって「イーっ」何てすれば、一人溜息】
【この時間に学生が出歩いていることも珍しいだろう。故、そのちょこまかと動く事も合わさって目立つ事か】
57 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 22:35:16.50 ID:wJiMWKQ0o
>>55

【視線が貴方を捉えるのだろう静かな双眸は鋭くも艶やかで】
【男とは思えないほどに白い素肌はおしろいのように柔らかな色合い】
【表情をそこに浮かべないまま、貴方を見下ろして】


ソロモンか……見た目からして研究所≠フ人間と判断できるが
気分転換、とは転換して何かできる人間が使う言葉だろう
いくら気分を変えようと、それを浪費するだけじゃ意味が無い


【少々厳しげに響くかもしれない、表情は何も浮かべないけど】
【白銀の髪が頬を撫でる、その彩りの溶ける綾が】
【静かに降り積もる、雪銀のように刻まれているのだろう】

【呟いた貴方の言葉、彼はソレを聞き逃さない】
【ふん、と口先で響かすその音律の成れの果て】
【睫毛が揺れるその軌跡が、美しく黒を落とす】


……なら作れば良いだろ、機関に所属している以上、それだけの技術は在るはずだ
発明は才能の代物だ、選ばれた者だけがたどり着ける境地でもある
――――――持っている力を使わない人間に、他者は興味など持たない


【吐き捨てるような言葉が貴方へと揺らめいたなら】
【夜風が一葉、大きく吹き荒れて――――――】
58 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:57:37.71 ID:LejtjPq8o
>>54

いや………まあ…それはいいよ。別に…慣れてるから
そんなにしゃがれてんのかな…俺の声は

【ハハッと少し、男は笑ってタバコをくわえる】
【まだ蒸し暑いのかそれとも別の訳か】
【汗と血が流れる額をリボルバーの握っていない手で拭った】
【額を切るとやたら血が出るから嫌いだ。男は手を振るって、跳ねる飛沫を見て思う】

ああ、悪いね…信じるほど出来たタマでもなけりゃバカでも無いからな…
……まあ…ナイフで軽く切られて、銃撃受けながら逃走劇したあとなんだ…察してくれ

【溜息とともに、煙草の煙を吐き出して】

……俺も、撃つ気なんてさらさら無いけど…さ。暫くはくたばる気もないんだよ
…何でもかんでも武力を使って拮抗すりゃあ安全ってわけでもないけどさ
まずは相手が冷静かどうか怒らせないように説得するのがネゴシエーションだ
映画のネゴシエーター見たことあるか?あれの受け売りだけどさ…

【銃を下げて、アスファルトの上にガランと捨てるように手から話すと】
【血で濡れた、手で煙草を摘んで、男はニヤけながら言った】

そうやって能力を用意してるのがマイナス1。隠そうとしてバレてるのがマイナス2、だ
俺が頭のイッた爆弾魔だったらもうスイッチを押してるぜ

【それを言うとまたダルそうに上を向いて細い空をみあげてみた】
【銃はおろしたものの、不用意に近づけばどうなるかはわからない】
59 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 22:58:52.68 ID:4BnOW3650
>>57

 確かに私は研究所の人間ですよ

【ソロモンはNo.4 の言葉をじっと聞き】

 ええ、確かに作ればいい
 ですがね、下りる予算が少ないのですよ
 やっぱり、ナンバーズくらいになればもっと予算をもらえるのでしょうかねえ

【ソロモンはNo.4にそのように言った】
【予算――研究などに必ず必要なものだ】

 ふーむ、やっぱり地道にこつこつと結果を出さなきゃいけませんねえ
 だとすると、やっぱり『アレ』をだしましょうか

【ソロモンの言った『アレ』とは設計中の鳥型ロボットである】
【偵察用にと言って研究所の偉い人に行って見ようかと思った】

【そのときの顔は少々挑戦的な笑みだった】
60 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 23:09:54.55 ID:wJiMWKQ0o
>>59

【瞬く雲間に滲む青い視線の残影、口元が僅かに濡れる】
【言葉を探した、貴方の心の真意を、推し量るかの如く】
【目の前の貴方への興味、それを悟られないぐらいには彼のポーカーフェイスは完璧なのだろう】


……くだらん、貴様への予算は即ち、機関の貴様への評価だ
それは期待とも言い換えられよう、それだけ期待されてないってこった
文句があるならコマチ≠ノでも直訴すればいい、門前払いだろうが、な


【視線を外へと逃がした、月を見上げるその横顔】
【ナンバーズ≠ニいう肩書を体現した存在にしては、柔な印象を与えるかもしれない】
【他者に対して厳しい言葉を投げかけるような、そんな、ただの無愛想な人間、と】

【夜空にはちらほらと星が見え始めて、宵闇の色合いを薄めていく】
【それはさながら目覚める前の、瞼の裏の闇の中みたいに】
【暁を待つには少し、遅い時間帯なのかもしれない】


……貴様の語るアレ≠ナも良い、ソロモン……
貴様は自分の実力に、どれほどの自信を持つ
貴様は自身の能力に、どれだけの確信を持つ

……俺は他者を信頼しない、殺戮も任務も全て一人で行えると自覚しているからだ
そんな俺を満足させることのできるような研究を、貴様ができるのか

俺に示してみせろ、俺が納得できたなら、その理論を実現しよう
機関≠フNo.4≠ノ不可能なんて存在しないのだから


【挑戦的な笑み、貴方の向けたその表情は、彼の興味を擽るのに十分で】
【ならばと問いかける口は、まるで青年の姿そのままに】
【貴方へと向き直ったなら視線を落としたまま、紡ぐのだろう】

【――――――つまりは兵器の開発に援助を申し出る】
【彼個人の援助だけでなく六罪王のコマチ≠通じて援助を交渉することもできるほどの権力】
【それを持ったまま、彼は問いかける、即ち、それほどの期待に応えられる力を、持っているのか、と】
61 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 23:17:50.34 ID:CItyQTut0
>>58

おー…マイナス2点。…バレちゃったかー…なんてな。これ見えんのかよー…。
【少年は挙げた手を下げながら、少し笑う】

ま、お前が撃つ気がねーように、俺もねーんだよな。
まああれだ、お前がその"爆弾魔"だった時の、いわゆる保険、ってやつだな。

分かった分かった。ほら、もう光ってねーだろ?

【少年は両手をグーとパーを作りながら、男に見せつける】
【確かに、少年の両手はもう光っていない事が確認できるだろう】

…今どんな敵相手にしてんのか知らねーけどよ。
そんなピリピリしてても、いいことねー気がする。
もうちょっとさ、肩の力、抜いたらどうなんだよ…?

【少年は近くの壁の方へと足を進め、ふーとため息をつきながら、それにもたれ掛かる】
【聞き方によっては苛立ちを覚える発言。男はこの言葉をどう受け取るのだろうか…?】

あ、俺さ、治癒魔法とかできちゃったりする。
何か怪我してるみてーだけどさ、治して欲しけりゃ5000な。……いや、冗談。

【少年は付け加えるようにこう言う】
【男と対象的に、少年には「余裕」が見て取れる。冗談を言えるのも、その証であろう。】
62 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/12(木) 23:34:19.16 ID:d9bBfpfJ0
>>35

【突き抜けた霧――――――未だ背後に薄く漂う、永き一瞬を喚んだもの。そして遂に訪れた魔獣と騎士との視認と同時、】

(―――――――……ッ!?)

【銃声―――――この距離で聞くのは今宵二度目となる、盲点となっていた“封じた”火鎗。驚愕が意識を染め上げるが、照準の緩さにも救われて】

【半歩剣士は前身した。そのまま後方に向けて幾度か剣を揮い、描かれる同数の斬弧が闇に迸る。】
【……ガガルルが体勢を保ちつつ剣士を狙うなら、弾丸の最終到達点は“今の”剣士の座標だ。地を叩くだけの鉛の細雨ならば、位置だけを見切れば其れで終いだろう、と、】
【もしも自分諸共に撃つ算段であれ、ある程度の傷は負うのだろうが―――剣戟は弾丸での致命を避ける程度には十分だろうか】
【問題は前方の騎士の未だ持つ槍だったが――――――】

…………是非もない、斬り抜けて斬り捨てて斬り通すだけの事―――――
滅びるだけの定めなど――――――刃(わたし)には夢の後で事足りるッ!

【仄かな煌めきを漂わせる槍/美しく幻想的なその光景、ガガルルの異能であろう事は理解する。だが―――――それで足を停める様な彷徨いは刃筋なく】
【踏み込み、“弾丸への対処によって隙を晒し”、接近する剣士の抱く策―――――】


【――――既に装填された必殺の一撃を、“撃たせる”事でそれは成立する。】
【刺突を受け易い体勢もあの疾走も、総てはその死への直線を迎え撃たんがため――――“刺突”以外の攻撃に対しては、その護りは薄霞ですら在り得る。】
【剣士の狙いさえ読めたなら、構えは既に終えようとも、異なる狙いへの移行も図り得る筈で】   
【間合いは槍から剣へと移るのか。接近する剣士を迎え撃たんと、研ぎ澄まされた片槍の一閃は襲うのか、】

【……訪れる結末は恐らくはこの一瞬に懸かっている。密度を増す大気の裂ける様は、凄絶な金気を以て均衡を生んだ。】
63 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/12(木) 23:39:14.09 ID:4BnOW3650
>>60

 さて、どうなんでしょうね
 自分の実力にはまあ、ある程度は自信を持っていますよ、確信についてもある程度としか、ね
 ですがまあ、期待されるのであれば、ある程度は答えて見せましょう
 ―――それが、機関に所属しているものの義務でもあるでしょう
 それに、――研究者としても技術者としてもどこまであの方達に追いつけるのか、そして追い越せるのかを、試してみたいとも思いますよ

【ソロモンはそのように感情をこめて言う】
【あの方達、つまりはレギンやウルヌバスなどのカノッサ機関所属の研究者、技術者のことだ】
【その人たちを追いつきそして追い越す、純粋な研究者や技術者として、だ】
【そして、その言葉と同時にさらに挑戦的な笑みを深くする】

 よかったら、私が言う『アレ』について興味がおありなら説明して見せましょうか
 もしかしたら、貴方の役に立つかもしれませんし、役に立たないかも知れませんが

【ソロモンはそのように提案する】
【ソロモンが、どれだけNo.4に期待に応えられる力を判定してもらう試金石でもある】
64 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/12(木) 23:47:34.33 ID:wJiMWKQ0o
>>63

【感情のこもった貴方の返事、その意味合いを辿るには少し拙いのだろう】
【無表情は変わらない、薄氷の仮面の下、映る景色は微かな残照にも似て】
【紡ぐ言葉の一片すらも、ただのブレにしか見えないけれども】


ある程度%嘯ヲるだけならば、貴様以外の研究者にでも頼めば良い
俺は貴様の答えが欲しい、貴様の返事を、貴様の言葉で伝えられるのを待つ
それが俺の期待に答えられるかは、知らないがな


【――――――笑みは無い、いつものように無表情を添えて】
【けれども僅かに、彼の仮面の下の表情が除けたかもしれない】
【ソレは決して、無味無臭の無表情なんかじゃなくて】

【降り積もる雪の溶けた後、その後から芽吹く蕾のよう】
【それは育つ前に枯れた花束みたいに、それでも咲きたいと願い続けて】
【静かに目を伏せるその一瞬すらも、溶けて見えなくなるかもしれないけど】


……俺の役に立たずとも、機関の役に立てばそれでいい
見せてもらおうか、貴様の――――――答えを


【紡ぐ言の葉の形が揃って、剪定された枝葉の欠片を導き出して】
【見つめる視線の後付には十分なぐらいには――――――】
65 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/13(金) 00:07:49.77 ID:0fUkU1KPo
>>62

(常人ならば意識を削られるところだが)
(やはり――この位階の使い手には虚仮威しにしかならなかったようだな!)

【八攫の行動は実に的確であった】
【惑わされることなく、弾道を読み切った上での迎撃】
【もし動揺し、疾駆する動きが"横に"逸れる事があったならば】
【その隙を貫かれ、この場に立つことすら出来ていなかった可能性が高い】
【ガガルルは、直線動作を貫いた八攫を見て策を"突破された"ものとして認識した】

【――ガガルルの用意する最後の手札は必殺の一撃】
【命中したならば、決闘をそのまま終わらせる切り札】
【八攫に如何なる思惑があろうとも、策が成功しようと失敗しようと、その一撃を放つことだけは変わりない】

【銃弾を弾き、刀の間合いに侵入しようとする八攫を紅の魔眼で認識すると】
【腕の筋肉を一際膨張させて腕を弓のように引き、ギチギチと力を込める】

【攻撃のタイミングは――剣の間合いに入る寸前】
【槍の利点、リーチを活かした先制攻撃だ】
【それは最短にして最速を奔る一撃――即ち"刺突"であった】

 
        猛り喰らえ――――"Wild Hunt"――――!!


【槍に灯る光が眩いばかりに輝きを増す】
【瞬間――引き絞られた腕が弾かれたように前方へと突き出され】
【空気を爆発させる音と、膨大な魔力を吐き出しながらガガルルはその一閃を繰り出した】

【系統・エンチャント/強化・放出】
【気紛れなる妖精達に呼びかけ力を借りる、妖精魔法】
【これはその中でも一際凶暴な一種を用いた攻撃である】

【例えるならば"レーザービーム"であろうか】
【神速の一撃が光を伴いながら一直線に八攫を穿ち貫こうとする】
【威力は当然であるが、その貫通力は更に馬鹿げている】
【八攫に向けて直線に放たれた光は、そのまま槍の延長線上を奔り】
【遥か後方の防衛拠点の壁をも貫き破壊せしめるであろう】
【まさに一撃必殺を想定した魔撃】
【放った直後に槍は破壊され、ガガルルの右腕に多大なダメージを残す決戦の一撃だ】

【しかし――如何に速かろうと、如何に強力であろうと】
【これは"八攫の想定した行動"に他ならない】
【この一撃を掻い潜れたならばその瞬間――恐らく、勝敗は決することになるだろう】
66 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 00:20:54.96 ID:K/tG6Skm0
>>64

 ははは、私の答えですか
 それでは―――応えて見せましょう
 ある程度とは言わずに、全力で応えて見せましょう
 義務とかそんなものではなくただ純粋にね
 ええ、これでも研究者や技術者の意地くらいありますよ
 ――――機関が私を期待するのであればその期待に全力で応じて見せましょう

【すなわち、これが答え】
【自分を期待するのならその期待に対し全力で応じ、その持っている力を全力でつかうだろう】
【そんな、答え】
【この答えがNo.4を納得させることができるのかはわからない】
【しかし、それでもソロモンはその笑みを引かせることはないだろう】
  
67 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/13(金) 00:21:13.09 ID:2RzIKIXko
>>61

まあな……目はいいんだよ。特に夜は…

【フクロウみたいだろと男は言って】

その保険がスイッチになることもあるんだ…偶には安全策なんか捨てようぜ
シリアルキラー相手にマッパで受け止めるぐらいじゃねえと…
ネゴシエイターには…なれないかな

【男はそちらの方を見ることもなく死にかけたような風にも見える】

【煙を吐き出して、短くなった吸い殻を横の水溜りに投げ捨てる】
【男は項垂れるように曲げた膝に腕を置いて、しゃがみながら】
【銃を拾っては、何もないただの汚れたビルの外壁に銃口を向けて】

……俺は今日を生きてる。明日がねえから今日に全力だ
その先が天国かそうじゃねえかは……わからないし、どうだっていい

……まあ、どうだっていいか……四六時中狙われてんだ、まあ…多少ピリつくのもしゃーない
まあ……。死んだら力なんて勝手に抜けちまうだろうし…いいんだよ。これで
俺にはこれしか出来ねえし。これでいいと思ってる…

【肩の力を抜いたところでどうなると言うんだろう男はそんな言葉もよぎったが答えなかった】
【気を抜いたら殺される。それは事実だ。男はそれほどの恨みを抱えている】
【そんな俺がいいコト何てあってもいいんだろうか…いや、つまり…】

…だったら、いっそ死んじまいたい

【男は口を開くのと同時に引き金を引く。辺りに閃光が光る。どこか血の臭いがするマズルフラッシュ】
【男の言葉は殆ど銃声にかき消された。壁に大きく銃痕が出来る】

ああ……マジで疲れたな………まあ、よし。やっと良くなった。
…貧血になるとさ…テンション下がるよな…マジで。

【ズルズルと壁によりかかりながら重い腰を上げる】
【リボルバーを軽く映画のスタントのように回して。男はジャケットの内側へと仕舞った】

サンキュー、ニィちゃん……やっと元気出てきたわ…まあオーケィ…オーライ
ま、肩の力なんて俺より抜けてる奴居いないだろう…29で定職就かずに銀行強盗してんだ
お陰で敵は自警団にヤクザにマフィアに…正義と金持ちは大体敵だぜ
俺みたいなおっさんになりたくなけりゃ勉強しろよ

【先ほどとは打って変わってハリのある嗄れ声で話す男】
【雰囲気も死に体の脱走兵から生まれ持っての遊び人という風に変わった】

怪我は…オーライ。大したことはないさ…それよか、そろそろ道に迷った自警団も来るだろう
余計な事に巻き込まれたくなかったら…ま。それは任せる

【捨てたばっかりだが男はまた煙草をとりだして、それに火をつけた】
【ジッポの火で照らされた男の顔は流れた血が生々しくこびり付いている】

じゃあな、その優しさがアダにならねえ程度に肩の力を抜くのは程々にな……

【煙をまき散らして、男はニヤけズラ。相手の言葉も待たぬまま何処かへと歩き出した…】
【後日、この辺りには『賞金首として手配中の銀行強盗団主犯「チンザノ・ロッソ」出没との噂あり。情報求む』】
【という触れ込みの張り紙がいたるところに貼られていたという】


/睡魔が肩を叩いてきましたのでこれにて失礼させて頂きたく、勝手ながら〆にさせて頂きました
/なんとかまとめて〆に持って行こうとしたので長くなってしまい強引な部分もあることをお詫びします
/またの機会ありましたらよろしくお願いします!それではお疲れ様でした
68 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/13(金) 00:29:09.78 ID:R1js940Ko
>>66

【――――――結局の所、彼との会話の中で貴方が笑みを絶やすことは無かった】
【それが毅然たる自信の現れか、はたまた道化の強がりかは分からない】
【けれども虚飾と呼ぶには、その笑みは力強い意志の具現であったのだろう】


……及第点だな、言葉だけなら信用しよう
だが、結局は結果だ、俺が求めるのも貴様が求めるのも、そして求められるのも
だからこそだ、貴様には俺の結果≠貸そう――――――


【ポケットの中から紙切れを取り出したなら、貴方の側に置くのだろう】
【メールアドレスか何かが記されたソレ、恐らくは彼の連絡先か】
【資金が必要なら連絡しろ、とのことであろう】

【再び距離をとって、空を見上げる彼】
【その横顔はどこまでも静かで、彫像のように無機質で】
【くるりと踵を返したなら、その細い背中を貴方へと向けるのだろう】


次に会う時は……少しは目に見える成果が出ていれば良いのだがな
――――――期待しないで、待っておこう


【去り際の言葉は、どこまでも素直じゃない言葉なのだろうか】
【ふわりと夜に紛れて揺れたなら、彼の背中の残照も消えて】
【あとに残るのはただ、彼という存在の名残だけなのだろうか――――――】


/この辺りでしょうか!お疲れ様でしたー
69 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 00:38:37.33 ID:K/tG6Skm0
>>68

【ソロモンはNo.4が去るところまで見て】

ふむ、まあ及第点をもらっえただけでも感謝しますよ

【そのように一人、ポツリとつぶやき】
【そして、ソロモンはNo.4の連絡先が書かれた紙切れをスーツのポケットに入れ】

 さて、No.4に期待されてもいるのです
 ならば―――全力で期待に応じなければなりませんね

【そして、ソロモンは公園からでていく】
【その期待に答え結果をだすためにも足早に歩いていく】

【後日、ソロモンは研究室に篭りきり設計図とにらめっこしながら新しく機関の役に立つロボットの開発を本格的に始めた】

/お疲れ様でした
70 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 00:39:06.46 ID:K/tG6Skm0
>>68

【ソロモンはNo.4が去るところまで見て】

ふむ、まあ及第点をもらっえただけでも感謝しますよ

【そのように一人、ポツリとつぶやき】
【そして、ソロモンはNo.4の連絡先が書かれた紙切れをスーツのポケットに入れ】

 さて、No.4に期待されてもいるのです
 ならば―――全力で期待に応じなければなりませんね

【そして、ソロモンは公園からでていく】
【その期待に答え結果をだすためにも足早に歩いていく】

【後日、ソロモンは研究室に篭りきり設計図とにらめっこしながら新しく機関の役に立つロボットの開発を本格的に始めた】

/お疲れ様でした
71 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 01:05:51.75 ID:1IYd0QFu0
>>67

…死んだら勝手に抜ける、か。
ま、そーだよな。力入れられんのは、生きてる間だけ―――

【少年はこう続けようとした刹那】
【夥しい轟音と共に、一瞬だけ辺りが明るくなった―――銃の発砲である】
【あまり見えなかった状況も、その一瞬だけ見る事が出来た。…男は額から、血を流している。】

【そもそもその銃口は何処に向けられていたのか…少年は知らない】
【少し慌てながら、辺りを見回しつつ、再び両手を光らせる】

【……が、一方男は続けて話し出す。この落ち着き様から、…理由は分からないが…男が発砲したのだと判断する】
【少年は落ち着きを取り戻し、男の話に集中する】

……は?…何やってんだよお前……銀行強盗…?って、おい。一般人は殺してねーだろうな。
…色んなトコ、敵に回し過ぎだろ…特にお前、組織に嫌われる…っつーのは、長生きできねーぞ。
ま、今日会ったことは黙っといてやる。自警団にも内緒にしてやるわ。
おし、お前の事おっさんって言ったヤツ、これでチャラな。

【呆れているのか、心配しているのか―――恐らく両方、なのだろう。】
【少年はさらに、こう続ける】

怪我はオーライ…って…今の銃で、見えたんだぜ、お前の顔。
そんな生き方してりゃ、そんな傷、普通かも知れねーけど…
ココに治せる奴が居るんだぜ…治してもらえよ…ま、これもまた、って奴か。
俺にはわかんねーけど…しょうがねーよな……。

―――って、行くのか。あー…今の銃声聞きつけて、そろそろ色んな奴が来る、よな。
…俺も行くか。色々聞かれたくねーしな…

…じゃ、気、つけろよ…

【男が立ち去るのを、"聞く"】
【その音は、少年が話しかけても止まる事は無かった訳だが…】
【少年が残した最後の優しさは、聞かずとも感じられたことだろう―――】

/いえいえ、強引だなんて…!
/お疲れ様でした!またお願いします…!
72 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/13(金) 01:06:07.44 ID:L6Pn9B3Z0
>>65

【踏み込む瞬間―――――誕生する妖精の閃光は神槍の如く、あらゆる闇を貫いて砕く。引き裂かれる様な躰中の痛みは、その余波で既に躰がひしゃげかけているのか。】
【常人にも狂人にも例外なく、脅威たる一条の暴虐は襲う筈で―――――】

【死は直ぐ傍に/だが停まらない/未だ朽ちぬ誇りゆえに停まれない、】





【……“ただ、彼女がこの瞬間の己より強大であるだけのことだ”。】
【想定を越えたならば臨界以上の心身の酷使を。己には越えられぬ窮地ならばより強き己を―――――――。】

【……そうして切り拓いて来た活路なら、死地に見出せる路は―――― ただ一筋でも十分だった。】


…………ッ、……――――――――!

【敢えて前身する様にして、撃ち放たれた刺突を右肩口に受ける。深く引き裂かれた躰が悲鳴を上げるが、意志力で噛み殺し灼ける脚で強引に踏み止まる。】
【一瞬のうちにごうと傷口を灼かれながらさらに前進――――――奔流に圧される右腕を後ろに引いて構え、吹き飛ばされた血肉を置き去りに踏み込み――――跳躍、】


【騎士の輝ける刺突に行き違うのは、寄る辺なく闇を舞う流麗の刺突だった】


【槍と太刀との間合いの差/一撃を受けつつ駆け抜けることで強引に埋める、】
【二槍と魔獣により織り成される鉄壁の布陣/土台を幾度か斬りつける事で後退と回避を封じ、初の本体への強襲によってこじ開ける、】
【……そこまでは狙い通りの戦術でも、想定を遥か上回る一撃に対するカウンターだ。望み通りの威力など望めず、精度と刀身の鋭利さに総てを賭けるしかない。】
【僅かでも剣筋が乱れたのなら、それで一瞬の突破力さえも激減して―――――】

【何れにせよこの攻防の末にガガルルが視るのは、コートを深く血に染めて、噴き上がる鮮血とともに降り立つ剣士の姿となるのだろう】
【それは今にも倒れ臥しそうに、力を使いきった様にぐらり、足許から全身が傾いで――――、】

―――――……っ……!

【遂に地に左膝を就く濃藍の姿。同時、びしゃり波打って地に降り注ぐ深紅――――既に戦う力を失った彼女に、騎士の審判を退ける術は存在しない】
【これ以上何を図られようとも、少女に打てる手はないのだろう。ただ、苦しげな呼吸だけが連続していた】
73 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 01:32:27.02 ID:0fUkU1KPo
>>72

【放たれた神速の光が止む】
【突き抜けた先で幾つかの防衛設備を破壊しつつ】
【"Wild Hunt"は約200mの距離を踏破した後尽き果てた】

【交錯は刹那――闇夜に舞う剣士と、光放つ騎士の武はぶつかり合い】
【今その決着は確かに成った】
【罅だらけになったガガルルの長槍が砕け、金属音と共に地に落ちる】
【小柄ながらも筋肉のついた右腕がダラリと下がりながらも】
【騎士――ガガルル・レシフィードは、八攫の姿を目で追った】

【ガガルルは、騎獣ナックラヴィーの上から】
【その姿を……】



            見事――――。



【……"勝者"の姿を目に焼き付けた後、鮮血と共に騎獣の背で膝をついた】
【まともに当たれば必滅の光の槍に臆することもなく】
【一点の勝機を目指し貫いたその技は、確かに騎士の戦闘能力を奪い取った】

【拠点を守る将は武器を失い、騎獣も機動力を奪われたことで無力化された】
【目的は達成された、後続部隊はこの防衛網を突破し侵入することが可能となるだろう】


クク……良いモノを見せて貰ったものだ……!
剣士八攫柊、一戦士として……貴殿のような武人と刃を交えられたこと光栄に思おう……!

【ガガルルは、鋭い牙を剥き出しにして低く小さく笑う】
【敗者でありながらその姿はどこか楽しげで、誇らしげにすら見えた】

また戦場で見えることがあるならば、更なる技の粋を期待させていただこうか
……次こそは、我が槍を貴殿に届かせて見せようぞ

《我らが城に帰れ》――"ナックラヴィー"
《我が元に馳せ参じよ》――"ブラックアニス"


【ガガルルが左手で虚空を薙ぎ払うと、そこを中心として輝く紋章が浮かぶ】
【瞬間、騎獣ナックラヴィーの身体が光の帯に飲み込まれるようにして消えていき】
【代わりに漆黒の影が戦場に姿を現した】

【それ翼長6mにもなる漆黒の大カラス】
【額から右目を通るようにして縦に大きな傷跡が刻まれており、紅色の左眼のみで世界を見ている】
【胸と頭部に皮の装甲を纏っており、両肩には小型のバリスタが取り付けられていた】

【ガガルルが騎鳥ブラックアニスの背に飛び乗ると】
【大鴉は巨大な翼を打ち振るい、自警団部隊に牽制のバリスタ砲を2射した後飛び立っていく】
【その後、宙に大きな黒い羽だけを残し、騎士ガガルルは夜闇の中へと消えていった】

【恐らくこれは、研究所が自爆を開始する数時間前の話】
【八攫がこの場から離脱する余裕も生まれることになるだろう】


【BattleX】
【ガガルル・レシフィードVS八攫 柊】
【勝者――八攫 柊】

/長時間お疲れ様でした!!
74 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 01:39:13.18 ID:0PWjMpTno
【深夜、路地裏と表をつなぐ境目のような小道にて】

……ええ、そろそろUTの拠点にも近い辺りに……はい?
あ、いえ……まさか『様子を見ろ』なんておっしゃるとは思わなかったので……。

……まあいいでしょう、分かりました。
しばらくは近場で見張ればよい、と……ではまた、次の電話は昼間にどうぞ。

【そこで一人、会話を繰り広げているのは背の低い女性であった】
【服装はロングスカートタイプのメイド服で、足下だけは編み上げブーツ】
【紺色の髪と瞳が示すように、その表情は冷淡で、どこか無機質。左手首の十字架は似合っていなかった】

【そんな彼女はプリペイド式の携帯を切ってポケットにしまうと】
【側に置いていた古いレザーのケースを持ち上げ、表通りへと歩き出した】

【さて、時は深夜──人通りは無いとでも思っているのか、左右の確認もしないその姿は】
【仮に誰かがそこを通りかかれば、ちょうど良い障害物となってしまうだろうし】
【或いは、深夜のメイドという組み合わせにひかれるモノも居るかもしれないが、果たして──?】

/時間が時間なので凍結必至ですが、よろしければ……
75 :以下、新鯖からお送りいたします [!nasu_res]:2013/09/13(金) 02:03:01.86 ID:lk1ZUmKb0

【―――そしてミクタム研究所″U略戦の翌日、自警団によって廃墟と化した研究所の調査が行われた】
【だが激しい戦闘の跡、さらに自爆装置によってほとんどの施設が瓦礫の下に埋もれてしまった為、ロクな成果は見られなかった】
【確かに最後の拠点はこうして消えた………だが最後に現れた戦艦空母ネビリム≠フ存在………未だ緊張の糸は………切れぬまま。】



【場面は変わり、ここは件の戦艦空母―――現在は夜の国の北部山岳地帯の遥か上空をゆっくりとした速度で飛行している】
【そんな中………艦の上部に存在している甲板にて夜空を眺め、黄昏ている人物が一人―――全身を包帯で包んだ赤毛の少年だ】

【ジェスター・M.M=c……ミクタム研究所での戦いで能力者の精鋭三人を相手取って立ち回った上位ナンバーズだ】
【とはいえ結果的には敗北―――かなりの重傷を負っており、治療を受けてなお未だ傷は完全には癒えていない。】
【風で赤髪と包帯を棚引かせているジェスターの背後にいつの間にか立っている人物がいる…。】

『夜風は傷口に触りますよ―――、昨夜の戦いは見事でした………流石、というべきでしょうか?』

………やぁ貴女か、ハハ………まさか貴女にそんな風に褒めてもらえるなんて、ラッキーだね全く―――。
これなら怪我をしたかいがあったってものさ。

【現れたのは甲冑とドレスを合わせたような格好に身を包んだ神秘的な雰囲気を放つ女性だ、その女性は透き通った声でそう言う】
【するとジェスターは微笑みながら振り向くとわざとらしく肩を竦めてそんな軽口を叩いて女性へと視線を返す。】

『ご冗談を―――ですがこれで彼≠フ計画も次の段階に入るという事ですか、この地にはさらなる試練が降りかかりますね
 貴方は今後の作戦にはどう関わっていくおつもりで………?』

僕は暫くは観測≠ゥな―――今回の事だってかなりイレギュラーな役目だったよ、もともと僕は戦闘が嫌いだし。
貴女も貴女で好きにするといいよ、全体の工程が終わるのはまだ少し時間はかかりそうだからね………。

『承知しております、もとより私の役目は此度の戦の―――なのですから。
 して、計画においてこの次はどちらで進めるおつもりで………?まずは彼≠ニの合流ですか』

そうだね、まずはレギン君と合流して………あとは少しばかり各地で実験と境界≠フ歪みを作り出して………。
そして―――ルルーメン≠舞台に最後の幕が上がるという訳さ―――フフ、この地の運命の行きつく先は………どこだろうね。

【深い悪意と、思惑と、そして運命を乗せて、漆黒の箱舟は夜空≠貫き進んでいく………深い闇の底へと。】

//これにて遅くなりましたが全体の〆とさせて頂きます!
//参加者の皆様は本当にありがとうございました、また機会があればよろしくお願いします!


76 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/13(金) 02:56:52.67 ID:GAp9Qq510
>>73


【魔獣の前脚、僅か数十センチその前方――――剣士が降下した地表の一点は、かの一騎の脅威の目と鼻の先だった。】

【刃が届いたのかすらも記憶に感覚がない。どくどくと血を流すその意識に訪れたのは、全霊の空白を補完する称讃の言葉、】



【上げた面。交錯する視線はゆるやかに交わす刀刃の様に、静寂に宝石のかち合う音を錯覚させれば】

……“次”があるのなら、何かを生む“二度目”の場所は戦場でしょうね。
その理由は違うのだと思うけど、躊躇いなくぶつかれる場所がいい―――――

【敵に対するものである微笑/剣士は、最後まで剣士としての言葉を紡ぐのだろう。少女ではなく、今宵に役目を背負った一人の戦士として―――。】

【ガガルルの挙げた戦果は確かなものだった。最後の一射に於いてなお、軍勢に一定の脅威を与えてゆく。】
【或いは一軍を圧倒し或いは応戦した分は確実に侵攻が遅れ、結果的に“剣士らの”側の部隊は大きく攻め手を鈍らせる事となる】
【騎士が黒き箱舟の飛翔に一役買った事実に間違いはなく―――――その点で、彼女は役目を果たしたと言えただろうか】




【飛び去る姿を視界に映し、知らず剣士は今宵を追想していた】
【憎悪でも敵意でもなく、ただ誇りと忠のまま闘争った武人。……“機関”のひとりの将兵として、“生きた”彼らを殲滅した騎士。】
【どこか不思議な感覚が剣士の胸にあった。ふわりと訪れる肢体の浮遊感は、けれど精神的なものでもない様で―――、】

【……それから医療班が訪れるまで、立ち上がるだけの力すら失せていたのはきっと別の話。】
【今宵それだけの傷を齎した猛者とならば、この世界で再戦の日が訪れることもあるのだから――――時は、この傷痕を浚って行く。】

/遅くまでお疲れ様でした……! ありがとうございましたっ!!
77 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 20:42:33.59 ID:4Kw/lJ/eo
【夜の公園】

【人気のない夜の公園のベンチ】
【古いベンチに座っている一人の女性の姿】
【ベンチと同じように古く、いまにも消えそうな街灯が女性の姿を照らしている】

【女性は、ベンチに座って新聞を読んでいる】
【暗躍する機関、力を持てあます能力者たち。 どちらを眺めても、明るいニュースはない】
【新聞を読む女性も――ニュースの内容と同じく、浮かない表情をしている】

【女性の足元では、毛先がボロボロの野良犬が気持ちよさそうに寝息を立てている】
【ベンチの上では、コンビニのビニール袋と未開封の缶チューハイが置かれている】

「なにもかも……うまくいかないわね」

【誰にでもなく――秋色にかわりつつある夜空へと、独り言を吐き出した】
78 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 21:10:57.43 ID:w8FzqFYmo
【一夜の喧騒を終えた静寂の包む世界。】


(ここが昨夜、襲撃された機関の研究所跡か――と言っても爆発してしまったが。)
(一部強者達によるゲリラ戦も展開されたようだな。)


それよりもまずは……。


【長身、それに伴ったバランスの良い体重、白銀の髪を七三分けにした男がいる。】
【舞台は先日制圧作戦が行われたミクタム研究所跡である。――もっとも、爆発により残骸が残るのみだが】
【それでも情報の残滓があるのなら――ただその一因のみでこの場に訪れた。】
【新聞記者としてではなく、情報屋として。】


残るのは瓦礫のみ、か…、何か見つかればいいが、
機関ほどの組織ならば小さくても価値がある。


【ふむ。一息入れるように口にすれば、瓦礫の山へと足を踏み入れるのだった。】
79 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/13(金) 21:10:59.86 ID:hETTVWDD0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

……カノッサ機関……中々、侮れないな、ぁ……
コーネリアスが死んでも、あんな化け物が……まだまだ、残ってるなんて……ぇ

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年が】
【寂しい雰囲気の漂う暗がりの公園で、ベンチに腰を下ろしながら、左手で右肩を押さえている】
【その表情には、どこか自嘲的なものが浮かんでいた】

果てしない存在って言うのは、分かってるつもりだったけど……あれは、実感させられたね……ぇ
それは、容易ならざる存在な訳だよ……あんなのが、ごろごろしてるなんて、ぇ……

【どっかりと、凭れかかる様に背もたれに身体を預けて空を見上げる青年】
【秋の風と共に流れてくる虫の声を背景に、密やかな星空が広がっていた】



【――――所変わって、風の国 繁華街】

――――抜け出してきちゃったけど、まぁいいのかしら?
別に逃げ出した訳じゃないし、結局は戻る訳だし、ねぇ……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、青色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【下卑た感じの人混みを避ける様に、道の端を何気なく歩いている】
【一見、場に不釣り合いな幼い容姿だが、酒の入った通行人を軽くあしらう様な、余裕に満ちた笑みを浮かべていて】

なんの縁か知らないけど『UNITED TRIGGER』で、ちょっと厄介になる事になっちゃったし……それでも、一応自分の足で調べないとねぇ?

【人混みを縫う様に、華やかな区画から抜け出そうとして歩いている少女】
【酒と喧騒が支配するこの場に置いて、少女の存在など、半ば埋もれている様なものの様で、道を往く人間はほとんど少女の事など、気にも留めていなかった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
80 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 21:15:22.84 ID:4Kw/lJ/eo
>>77
//すみません、やはり取り下げます
81 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/13(金) 21:53:17.97 ID:hETTVWDD0
/>>79取り消しでー
82 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 22:40:16.48 ID:K/tG6Skm0
【水の国 首都から少々離れた町】

【もはや空が暗く、少々首都から離れた町】
【その、首都から離れた町にある家から】
【一人の男と一体の人形が出てきた】
【男の格好は茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ】
【ベルトつきの裾の長いズボンをはいている】
【人形のほうは黒い仮面に黒い黒衣を纏っている】

 さて、これで依頼は完了
 あとは、死体処理だけでしょうね
 ……ま、その専門家に任せておきやすか

【男はそう言ってタバコの箱をポケットから取り出す】
【タバコの箱からタバコを取り出し口に挟む】
【そして、ライターも取り出し、タバコに火をつけ一服する】

 しかし、依頼が自分の暗殺を実行するやつらを殺してほしいですか
 ……どこの誰なんでしょうねえ、依頼人も水の国の要人だからこその暗殺か
 ………やはり、GIFTか•D.R.U.G.S.の二つでしょうか、
 カノッサ機関ってこともありえるが勢力が衰退中のカノッサにそんな余裕があるのかどうか
 ……はあ、やめだやめだ、こんなこと考えたって無駄なんですから

【男はそう言って家の階段に座り人形を送還する】
83 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/13(金) 23:12:48.38 ID:YWXW1UZR0
【森の中にひっそりと存在する、廃れた教会】
【蔦が絡んでいたり、僅かな亀裂が入っていたりと、まるで幽霊話の舞台ともなりそうな其処だが】
【――――中から響くのは、紛れもないアリア。果たして、その正体は幽霊か、或いはこの教会の主か】


【扉を開けたのならば、先ず視界に入るであろう割れたステンドグラス。継いで、説教台に立つ修道女だろうか】
【周囲に響くよく澄んだ旋律は、この修道女のものなのだろう】
【来訪者の姿に気付いた素振りも無く、一心に紡ぎ続けている様だけれど】


「――――――。
ふぅ……これで一通り、ですね……後は……」

【休む間もなく、次の行動へ移ろうとするが――――視界の隅に止まるであろう人の姿】
【その存在を認めたのならば、身体をその人物へと向けて】
【細められた瞳。警戒の為では無く、相手が誰であるかを知る為】
【やがて首を傾げたのならば、「休む場所をお求めでしょうか……?」なんて紡がれて】










【船も全て出航してしまった港。作業員が居る訳でも無く実に静かであるけれど】
【――――カツ、カツと響く足音。其れは何処か、幼さを連想させる位には小さく】
【やがて現れたのは、瘴気を纏う少女。紅いドレスを纏い、金色耀きを放つ髪を持った人外】


「綺麗ね。とっても綺麗
此処には月しかないのに、それでもとっても明るいのね」

【外見だけ見たならば、この時間帯に出歩くには大凡相応しくないであろう】
【だけれど――――少し離れていても感じ取れるような瘴気が、実に不快で】
【クスリ。一人笑えば水面へと手を伸ばし――――何かを掬い上げる動作を行ったならば、それに従うかのように僅かな面積の海面が持ち上がって】


「残念ね。船に乗ってみたかったけれど……とっても、残念
――――仕方ないから、お月様の下でお散歩でもしていようからしら
人魚姫も、もう寝てしまっているでしょうけど……お散歩、してみようかしら」

【何の躊躇も無く、其処に足の裏を着けたならば、まるで地面が延長しているかの如く浮くのだろう】
【水の上に立つ。なんて、非常識】
【人気が無い事――――そして、隠すことも無く放たれる瘴気。きっと、目立つには十分すぎる事か】
84 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 23:43:52.36 ID:8pxVK1jF0
>>83

………

【獣道すら存在しない、鬱蒼と茂った暗い森】
【足音をを立てながらその森を彷徨うのは、身長が180cm程も有る大きな男】
【その身形を言うなら、フードの付いた、飾り気のない茶色のローブ、だろうか】

……迷った、か。…こんな森にアテも無く入ったのは……愚か、であったな…。

【そんな愚痴を叩きながら、太陽の方向を見ながら、一歩、また一歩と、少しずつ足を進めていく】
【……数分経った頃、だろうか。遠くから美しい旋律が、僅かに聞こえて来る―――】

【男は思わずその音の鳴る方に目を移す】
【其処に広がっていたのは―――お世辞にも綺麗だ、とは言えない教会…】

【其処は、もう既に教会としての機能を果たしていない…と考えるのが普通であるが】
【その旋律が聞こえるのは、間違いなくその教会であって―――】

【助かった。男はそう確信する。考えるまでもなく、その方へ歩いていく】
【その足取りは、今までに無く軽やか、であった】


……突然済まない……少し、迷ってしまったみた―――………!?

【扉を開けた男。中の者に、道を尋ねようとしたのだが―――】
【まず最初に目に止まったのは、やはり割れたステンドグラスだろう】
【あまりの惨状に、男は思わず口を開けたまま、言葉を詰まらせてしまう】


//よろしくお願いします!
85 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/13(金) 23:44:39.80 ID:2RzIKIXko
【酒場】

【雑多な街の雑多な酒場。リニューアルと看板には銘打っているが】
【以前と変わらずに狭くゴチャゴチャと混雑していて店主も無愛想なままだ】
【これじゃあ直したというより戻しただろうとやって来る客達は口々に言う】

『どうした?やたらとツイてるじゃねえか』
【テーブルでポーカーに興じていた店の常連客の顎鬚のオヤジが、ストレートフラッシュを場に出した男に言う】

【ツバの広い黒いハットを目深に被った、黒い古い型のサングラスをかけた男だ】
【シングルの革のジャケットを着て、長い脚を窮屈そうに組んで座っている】

……最近ついてなくてよ…ツキの周りってのがあるだろ?……今日は勝てると思ったんだよ

【テーブルに肘をついたまま、ビールの空き缶に煙草の灰を落としてそう言った】

じゃあ…お次と行こう。…それともダーツにするか?なんだっていいぜ、今日はついてるんだからな

【テーブルの上の汚れた紙幣をかっさらって、男はニヤリと笑う】

『そりゃあいい。ま、俺たちは帰るんでな。たっぷり楽しめよ』
【オヤジと他のメンバーもバツの悪そうに席を立った】

チッ…アイツら…いつもは全部絞り上げるくせに…逃げるなら財布でも置いてけよ

【札をポケットに押し込んで、男は吐き捨てるように言うと】
【煙草をくわえて、テーブルのトランプたちをいそいそと片付け始めた】

【混雑したこの店も今開いたこのっテーブルなら直ぐに座れることだろう】
86 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 00:10:24.41 ID:AU5ZWzJe0
>>84

【扉が開かれ、中に注がれる銀の光。其れを受けて鋭く返すのは、また質の異なった女性の銀髪】
【場所が場所という事も合わさり、其れだけ見れば何処か近寄りがたい様にも思えるが――――】
【眩しそうに目を細くしながらも微笑を浮かべたならば、近寄る事であろう】
【霊でも無く、悪魔でも無い――――其れは、何と無く分かる事かもしれないけれど】


「道に…………ですか?
其れは大変でしたね……もし宜しければ、腰を掛けて疲れをお取りになって下さい」

【言葉を途切らせた事に対してふと疑問の表情を浮かべるも、別段問う事はせず】
【…………この女性からすれば、内装は無論見慣れた光景。だからこそ男性の其れに気付かないという事もあるのだけれど】
【小首を傾げたのは、長椅子に腰を掛ける事を促す意。警戒して休まないのも良いし、その言葉に従って腰を落ち着けても良いのだろう】
【何れにしたって、危険な事は何も無い筈で】


「えっと……それで、どちらに行かれ様としていたのでしょう?
お力になれるかは分かりませんが…………出来る限りの事は、させて頂きますね」

【クスリと小さく笑えば賛美歌を置き、ゴソゴソと取り出したのはこれまた古めかしい地図】
【果たして何年前の物か、其れすらも分からないけれど――――色々と手書きで書き足されている所を見れば、自分なりに加筆を加えていって居るのだろう】
【今一度何処へ行こうとしていたのか問うたならば、男性の答えを待って】

/宜しくお願いしますですよー!
87 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 00:14:51.60 ID:rOtMWIWCo
【深夜、路地裏と表をつなぐ境目のような小道にて】

……ええ、そろそろUTの拠点にも近い辺りに……はい?
あ、いえ……まさか『様子を見ろ』なんておっしゃるとは思わなかったので……。

……まあいいでしょう、分かりました。
しばらくは近場で見張ればよい、と……ではまた、次の電話は昼間にどうぞ。

【そこで一人、会話を繰り広げているのは背の低い女性であった】
【服装はロングスカートタイプのメイド服で、足下だけは編み上げブーツ】
【紺色の髪と瞳が示すように、その表情は冷淡で、どこか無機質。左手首の十字架は似合っていなかった】

【そんな彼女はプリペイド式の携帯を切ってポケットにしまうと】
【側に置いていた古いレザーのケースを持ち上げ、表通りへと歩き出した】

【さて、時は深夜──人通りは無いとでも思っているのか、左右の確認もしないその姿は】
【仮に誰かがそこを通りかかれば、ちょうど良い障害物となってしまうだろうし】
【或いは、深夜のメイドという組み合わせにひかれるモノも居るかもしれないが、果たして──?】

/使い回しですが、よろしければ……
88 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/14(土) 00:32:48.51 ID:DTMHCGwE0
>>87
まだよろしいでしょうか?
89 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 00:35:40.83 ID:g3xgffYbo
>>88
/ウェルカムですよ〜!
90 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 00:38:02.55 ID:bcI5uKXu0
>>86

―――こ、これは…?何故、こんな所に居るのだ…?

【この教会の"悲惨さ"を相[ピーーー]るかの様な、美しく、華麗な声。男へ向けられた優しい気遣い。】
【―――其れ等は、まさに一般にイメージする、修道女その物、だったのだが―――?】

【当然、男は違和感、を感じることだろう。】
【男が言葉を詰まらせたことに、彼女は疑問を呈したのだから。】

【男は頭の中を過った言葉を、そのまま口に出していく】
【その声は―――"比較的若い"男声、に聞こえることだろう】
【それを不思議に感じてそっとフードの中に目を移したなら―――】
【其処には整ってはいるが、幼さを持ち合わせた"少年"の顔があることだろう】


【少年は警戒の対象をその修道女、とすることはなかった】
【何か特別な事情が有るのだろう、と彼女の意のままに、簡単な会釈と共に腰を下ろす】

……私はあらゆる場所を点々としている、所謂"旅人"なのだ―――
…この森を出られれば良い、その道を教えて頂きたかった、が…

今聞きたいのは道、では無く貴方の事情、だ……差し障りが無いのなら、教えて欲しい。
もし私に出来る事があれば―――力になりたいと、思う……
91 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/14(土) 00:52:20.51 ID:DTMHCGwE0
>>89
あああああ
すみません、用が入ってしまいました
またいつかお相手願いたいです、すみません
92 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 01:02:27.90 ID:7xnys8kLo
>>91
/おっと、了解です。是非またの機会に!

/そしてこんな時間では有りますが、改めて >>87で募集ですー
93 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 01:04:11.04 ID:AU5ZWzJe0
>>90
「何故――――と言われましたら、そうですね…………
この様な場所でも、救いの場が在っても良いのではないでしょうか。――――そう、考えたからでしょうか」

【誰が訪れる訳でも無く、信者が居る訳でも無い。ましてや森の奥地。出来る筈も無い】
【其れでも尚この場に留まるのは、もしかしたら救いを求める人が居るかも知れないから。一人でも居たならば、見捨てる事なんて出来ないから】
【誰かに強いられている訳でも無く、飽くまで自発的。全ての人を救うなんて到底出来ないが、其れでも救える限りの人々は救いたいから】

【さて、視界を移してみたならば予想外。その背丈からなりなりの歳かと思いきや、その様な訳でも無く】
【ならば、何故この様な場所に居るのか――――腰を掛けた少年の横に、160丁度位の修道女が腰を掛けて】
【事情を聞くか、否か。僅かな間に迷いを見せたが…………言葉とする前に、少年から答えが紡がれて】


「旅人の方、でしたか――――ふふ、そうですね……旅をする方でしたら、一つの森に捕らわれている訳にはいきませんからね
この森を抜ける最短ルートは――――…………?」

【旅人。ならば、この場を抜けさせて早く旅を続けさせてあげよう】
【そんな考えの元、地図と睨めっこしていたならば、再び紡がれた少年の声】
【――――最初は、その意図が分からなかった。だが、それも後の言葉によって意味を解して】


「事情は…………特にありません。理由を言うなら、先程の言葉は私にとっての理由となります
――――ふふふ。誰かに無理矢理勤めさせられている訳では無く、私がそうしたいからとずっとこの場に居るのですよ
訪れる方なんて滅多に居ませんし、人恋しくなる時も多々ありますが――――それでも、時折訪れて下さる方々はみんな素晴らしい方達ですよ
その中には、私の大事な友人達も入っていますけれど
――――――お気遣い、有り難う御座います。力となって下さるならば、この森を出る前にちょっとだけ私とお話をして下さいませんか?」

【自ら孤独を求める質では無いのだろう。それでも人の為にこの森の奥地へと住み続ける】
【“友人”達と言える位には友達も居るのか、思い出せば小さく笑って見せて】
【――――気遣いには、感謝の言葉。そして紡がれるのは金銭でも修復作業でも無く…………ただ、話して欲しいと】
94 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 01:27:43.49 ID:bcI5uKXu0
>>93

……こんな森にも、救いの場が、あってもいい。か。
……そして私は今、其れに救われている…ということになるな。
…まさに、その通り、だな…、感謝する、助かった…

【その言葉遣いも、彼女が見せる仕草も、そしてこの教会に居る理由も。全て、初めに受けた印象と一致していて――――】
【この教会という存在に対する違和感は、完全に消え去ったことだろう】
【そもそも自分が今、実際に救われているのだから、彼女の発言を不審に思う事は有り得ないのであって】


【彼女は会話相手に成って欲しいと、少年に頼んだ】
【"こんな所にいて寂しくはないのか――?" 質問は、聞くまでもなく答えが出たようだ】
【その答えに、少年も、彼女に呼応するように微笑んで。】

…すまない。16の少年に頼める事があれば、既にやっている…だな。
変な事を申し出てしまった。悪い…。

…ふむ。私はこの宗教の信者では無いのだが…。
貴方がココに居て良い、というのなら居させてもらおう。

と言っても、世間話、というのだろうか…
その経験が、殆ど、無くてだな…。ど、どうすればいいのだろうか…

【会話をする、という頼みを快諾したものの、話題が無く困っているようで】
【ヒビの入った教会をキョロキョロ見ながら、彼女の返事を待っている】
95 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 01:48:55.27 ID:AU5ZWzJe0
>>94
「謝る事なんて、一つもありませんよ?
それに――――信者でなければ救わない、といった考えは少し違うかもしれませんね
皆、生きているのですから…………ならば、その全てに手を差し伸べましょう」

【文字通りのボロボロ加減。雨漏りしそうに無いのが、建物における唯一の幸運か】
【例え内装が酷くとも、清掃は怠らない。幾つか並べられた長椅子にだって埃は少しも無い。そして、備えられている聖書にだって、勿論の事】
【――――世間話の経験が殆ど無いとの言葉には、少し笑って見せたけど】


「…………それでは、私の方が貴方よりも一歳だけお姉さんなのですね
歳なんて、あって無い様な物かもしれませんけれど――――それでも、何だか少しだけ……ちょっぴりだけ、得意になってしまいますね」

【銀の双眸が細くなれば、自分の年齢を明かす事だろう】
【齢17――――幼いと見るか、妥当と考えるかは少年次第。この女性もまた、少女と例えて良い位の年齢】
【そんな人物が一人で此処を守っているというのだから、不思議な話】


「どうする必要もありませんよ。ただ、貴方の思ったことを口にすれば良いのです
例えば――――先程、私に事情を尋ねたように…………ですね
…………そう言えば、旅の方のお名前は何と言うのでしょう?」

【持ち出したのは、先程の事。難しい事を考えず、ただ思った事だけを言ってしまえば良い――――と】
【続けて紡がれるのは、少年の名を問う言葉。此処で会ったのも何かの縁。ずっと“貴方”では寂しいから】
【その言葉に名を返すのも、返さないのも自由だけれど】
96 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 02:12:23.18 ID:bcI5uKXu0
>>95

【1歳だけお姉さん、という台詞に思わず眼を大きく見開く】
【予想以上に、若かった。これが少年の感想だった。】
【―――しかしながら、それを口にしたなら、どうなるか分かった物ではない。】
【そ、そうなんですかと適当に相槌を打って誤魔化そうと、少年はそう考えた。】

おっと、まだ名乗っていなかったな…、ねこやま、という者だ。
呼び方は、貴方に任せよう。何とでも、呼んで欲しい。


思ったことを…か、ああ…そうか、私は旅人であった。
となれば、旅の話、をしなくては、だな…。


ある朝、水の国で雑誌を読んでいた……何気なくペラペラと捲っていると、「泥の街」、に関する記事を見つけたのだ。
無知を晒すのは些か恥ずかしいのだが…。私はその場所を知らなかった。
思わずその文章に目を通した―――短い言葉でその記事を要約するなら、「とにかく"酷い"場所である」、という事になるだろうか。
コレは単純に、編集者の悪意に過ぎない……と、最初は思ったのだが。

とにかく、自分の目で見ようと思ったのだ。…言い換えるなら、信じたくなかったのだ。
これはあくまで、一部を切り取ったものに過ぎない、と。

歩いていく内に、其れは打ち砕かれていった―――――つまり、その描写は、正しかった、のだ。
編集者の悪意と思えた、文章も写真も。泥の街を、そのまま表現した記事だった。
貧富の差、というものは存在しなかった。全てが「貧」だった。
具体的には言えない程。余りにも悲惨、で―――言葉を失ったのは、今でも強烈に印象に残っている。

行った所で、何が出来る、という訳ではなかったのだが…
罪滅ぼし、には成らないのだが…。近くの子どもに少々の金を渡して、早々に帰ってきた、
というのが最近の旅、になるな…。


……すまない、もっと明るい話題、が良かったな。

【世間話、という経験が本当に無いのだろうか。一般人なら"引く"であろう旅の話を、少年は披露した】
97 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 02:34:53.31 ID:AU5ZWzJe0
>>96
「――――いえ、明るいも暗いも関係ありませんよ
ねこやまがその様に思ったのでしたら、紛れも無くそれだってお話です
…………泥の街。行った事はありませんでしたが…………そんな場所だったのですね
貧富があっても悲劇を生みますし、無くても変わりはない――――何とも、悲しい事ではありますが」

【その話を聞いたって、態度を変える事は無い】
【だからといって聞き流していたかと言えばそうでも無く、しっかりの耳を通していた事だろう】
【この修道女からすれば、悲しい話。きっと、子供だって飢えている事だろう。其れを救えない事が歯がゆくて】


「金銭を施したことが善いか悪いか、其れは分かりませんが…………
それでも、ねこやまが善いと思って行った事ならば、其れは間違い無く善ですよ
幾らであろうと、救う事に変わりはないのですから」

【金銭を多く施したから偉いかと言われれば、答えは否。如何にその心を持っているかが大切であると、修道女は説き】
【ふ、と――――何かを思いだしたかの様に顔を上げる事だろう】
【やがては真剣な面持ちとなり、考えるかの様な其れへと至る】


「――――すみません、ねこやま
一つ、用事を思い出してしまいました
…………この森を抜けるにはこの道を真っ直ぐ行くと直ぐですよ
……また、何かありましたら何時でも訪れて下さいね」

【大事な用があると、少年に告げて】
【――――「カログリア」自分の名を告げたならば、お辞儀を一つして教会の奥へと立ち去る事だろう】
【一晩此処で明かしても良い。或いは、示された道を今から行くのも良い】
【…………どちらにしたって、その道に従えば直ぐに出られるのだから】

/眠気がきたのでこの辺りで失礼します……!
/お疲れ様でした!お相手有り難う御座いましたですよー!
98 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 03:10:25.32 ID:bcI5uKXu0
>>97

そう、であるか。
詰まらない話で済まない…、しかし有難う。言葉にしたお陰か、少しスッキリした。

【相手は修道女。一般の人、に比べれば幾分か合う話、だったのかもしれない】
【態度を変えること無く、少年の話を聞いてくれた少女に感謝した】

自分が正しい、と思うのなら其れは善…。
……ふむ。正しい、と思いながら渡したかどうかでさえ、怪しいのであるが…

……しかしそう言ってもらえると救われる…な、さすがは修道女、だな…

【少年は真剣な面持ちで、天を仰ぐ】
【少女が少年に説いた教えが、何かに引っかかったのだろう。】
【これからの自分の身の振り方を、もう一度考え直しているようで――――】


分かった。私も長居をさせて頂いたようだな。
そろそろ、此処を出る事にしよう…

道は…あっちを真っ直ぐ、か。
…また機会があれば、来る事にしよう。今日は有難う――――


【少女が立ち去るのを見送ると、少年も扉をゆっくりと開け、教会を出て行った】
【月明りを頼りに少女に指された方向を歩いてみると】
【何故迷えたのか、と思える位、森から抜け出すその道は短くて――――】
【出られた時には少女に感謝して。少年は流れる旅を続けていくのであった。】

/お疲れ様でした…!
/またよろしくお願いします!
99 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 12:57:03.37 ID:6asXrvhj0
【水の国 広場】

【夕時、人々が夕飯を何にしようかと考え、家に帰っていく】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

 いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

 まあ、私の商売がやりやすくなる
 というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

 さて、どうしましょうかね
 どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】

【男の名前はネームレス、武器商人】
【裏ではそこそこ有名である】
100 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 13:40:24.30 ID:jY8jBTm90
【自然公園――人工池の畔、】
【水鏡にそっくりと映し出された空の青、幾重に重なる波紋に日光は無数に乱されて】
【ばちゃんばちゃりと水面が叩かれてはあげる悲鳴めいた音が辺りに響いていた、――元凶は、その岸辺にあって】

そんなにがっつかなくたっていいのに――ほら、まだまだたくさん、あるよ?
……分かんないかなあ、まだいっぱいあるって言ってるの、…………お前は息、出来てるの、それ?

【――ちょんとその淵にしゃがみ込んでは水面に無造作に落としていく挙動、それなら何をしているかもすぐに分かるもの】
【ひとつかみを投下し終われば残骸みたいな屑までも落としてやってしばし様子見、ぽつと語りかけてもいるようで】
【鈴によく似た声音はきっと楽しそうに響いていた、緩やかに首を傾げてみればざらざと流れる髪を、そっと掬い上げて】

【夜みたいに冥い色をした髪は日光に艶めいて。降ろしただけのストレートヘアは、腰ほどの長さ】
【零れ落ちた分をそっと耳に掛ければ――露出する耳元、月白色した宝玉の欠片をあしらったピアスが一度煌いて】
【胸元にひとつ桜を模した刺繍を刻んだ黒地のパーカー、生成りのリボンを飾った真紅色のカットソーを覗かせて】
【ぎゅうとギャザーを寄せては膨らませた黒布のミニスカートと長いソックス、編み上げのロングブーツと】
【――緩く持ち上げて水面に示してみる透明な小袋、掴んでいる手にもまた、包帯がぐるり巻きついていた】

【狂喜乱舞の中で他の鯉の上に乗ってしまった個体にくすり笑いながら話し掛けて。やがて水面に飛び込むのを見れば笑みがひとつ】

――そんなにおなかが空いてるの? ……ほら、もっとあげるから。

【小袋のなかからざらぁと手にあけるのが暗い緑色をした小粒たち、ぱらぱらぱらとひとつふたつみっつ落としていく、】
【――傍を見ればまるで同じものがパラソルを立てた日陰の台の上に並べて置いてあって、「鯉のえさ」なんて、手書きの紙も】
【「ひとつ100」と直に書かれているのが招き猫を模った貯金箱、持ち上げたりすればじゃらとそれなりの音がするはず――】
101 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 16:19:23.85 ID:6asXrvhj0
【水の国 広場】

【夕時、人々が夕飯を何にしようかと考え、家に帰っていく】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

【ベンチに座っている男は電話をしているようだ】

 ええ、ええ、貴方達のお望みの品はきちんと送っておりますよ
 ええ、はい、ではこれからも武器商人ネームレスをごひいきに

【そう言って男―――ネームレスは電話を切り、ポケットに入れる】
【そして、買ってきた新聞を広げて見る】

いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

 まあ、私の商売がやりやすくなる
 というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

 さて、どうしましょうかね
 どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】
102 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 19:59:07.55 ID:Qps2FKhho
【団子屋・外にて】

【野点傘と緋毛氈の縁台に1人ゆったりと腰をかけ、団子を1つ口へと運ぶ。其れを噛み締めてゆっくりと頷き、団子が喉を通る】
【男の格好は団子屋の外装と調和して和服だった。袴に薄藍のインバネスに黒髪も顔つきも櫻の国を感じさせ、左腰には刀を佩いているため尚更だ】

……ふむ、醤油の香ばしい香りが口の中に広がり鼻から抜けていく……甘辛いたれも確りと染みていて、素朴で優しい味といえる
―――あまりこういうモノは口にはしていなかったが、中々に良いかも知れないな……

【満足そうな顔で勝手にグルメリポーター顔負けの台詞を唱えた後に抹茶をズズ、と啜り息を吐いた。「まったり」と言う言葉が最も似合う光景だった】
【湯呑みをことん、と横におけば、男は両腕を伸ばしその両手を縁台に付けて背を反らし身体を伸ばす】
【腰の刀も邪魔になって、茜色の鞘に包まれたその刀も湯呑みと一緒に横に置いた。見上げた夜空はいつもよりも美しく感じられた】

こういう時に緊急出動の電話が来たり何かしらのハプニングがあるものなのだが……そういうことは無いと祈りたい
―――はむ……うむ、ははひふはひはー(訳:やはり美味いな)

【絶賛している団子を奥歯で噛み締めながら、束の間の平穏に身を任せる。控えめに流れる夜風にインバネスが揺れ、右肩のワッペンが揺れる】
【緋色の鷹のデザイン、その上部にはSCARLETの文字が描かれており―――緊急出動という言葉からも、彼の所属と正義が其処に示されていた】


――――――――――――


【一方その頃酒場】

【店内は静かにアルコールの香りを漂わせていた。席はぽつぽつと埋まっており、客の入りは5割程度だろうか】
【木の温もりの感じられるウェスタン的な雰囲気は賑やかな酒場を連想させたが、中身を開けてみればそのイメージを裏切るかの如く落ち着いていて】
【その空間の中に溶け込んでいる一人―――カウンターの一番手前に腰掛けている青のソフト帽の、白シャツの上に灰色のジレを羽織る男】
【マスターと軽い会話を交わす男の姿から、そこそこの常連なのだろう。少しだけ顔を紅潮させながらも、伏せた紺碧の瞳はシリアスな雰囲気を思わせる】

……俺、つい受けちまったけどさ―――良かったのかな? いや、自信は無いわけじゃねーよ?
でもなぁ……俺、殆ど走れないって言っても過言じゃねーしよぉ……周りは俺を認めてくれるのか、とか足手まといに思われないのかな、とか
―――この『SCARLET』のワッペンは、俺には重すぎるのかも知れない……なーんて、弱気な発想出ちゃうんだよなァ

【カウンター越しのマスターに語りかけながら梅酒を煽る。グラスを持ち上げた右腕、動いた右肩には話に出てきた緋色の鷹のワッペンが張り付いていた】
【右足を上に組んでいたためにか、やや朱の滲んだ包帯の巻かれた右足首が見える。走れない―――そう語る男の根拠が、包帯の白にあるのだろう】

……『不殺』の意志は他人を危険に巻き込む。少なくとも、危険を増やす要素にはなっちまう……だから、本来は個人でやるべきだ
―――でもさ、あんだけ熱心にスカウトされたモンだから……俺の性分だと断れねェって
丁度俺が此処で飲んでた時に、いきなり扉が開いて「貴方をスカウトしに来た」ってよ―――

【暖色の照明が彼の首元の、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントを煌かせる】
【キラキラと輝く玉から発せられるは特殊な魔翌力、其れは「宝玉」―――コレ1つで戦争が起こる程の、貴重な品物】
【男はハァ、とアルコール分を多く含んだ溜息を吐けば、目線をチラリと動かない扉へと移す。小皿に盛られたフライドポテトを軽くつまんで口に咥える。】
【男の隣の席は、空いていた】

/どちらかお好きな方を選んでいただければ……(22時まで受け付けます)
103 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 21:05:09.12 ID:IecbfblGo
【風の国、海にほど近い小高い丘】
【その中でも一番高い所からは、近くにある港の都市がよく見えて】
【夜闇の中で、都市の灯は星よりも遥かに明るく煌めいている】

【ひゅう、と少し強い風が吹き、草木を騒めかせた】
【一人、丘から灯の群れを眺めていた女は、ゴシックドレスの裾を軽く抑えつつ空を仰いで】
【月の光に小さく煌めきを返すのは、首元で揺れる小さな銀の十字架】

―――これでやってみましょうか

【二つの緋色が細く笑みの形を作れば、その唇は浅く三日月を描く】

【頭の両横で二つに結った髪、ドレス、ニーハイブーツ。そのどれもが闇に紛れるように黒く】
【しかし指先から肘近くまでを包む手袋は対照的に、染み一つない純白で】

【人のいない夜の丘に一人佇む女の姿は、奇妙に見えるかもしれない】
【しかしそれは見る者がいれば、のこと。近くを通る者がいなければ変わったものとはなり得ないが】
104 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/14(土) 21:34:46.02 ID:DKCc3biMo
>>102

《へー、そうかそうか、平和が一番か》
《そうだろうなあ、平和が一番。そうでなくては正義は務まらんからなあ》

【真横、右舷の方向からだ。そんな声がバカにするように皮肉るように、明確に、団子を食べる男に対して吐かれたのは】
【大人を気取る少女のようなその声は、その声を持つ彼女は、まるで人形のような不気味な白さ】
【白い肌も白い長髪も白い服も、車椅子に座ったままの少女は紅い二つの眼以外はまるで作られたかのように真っ白で、男と同じ方向を眺めながら続ける】

《───平和とは、果たして何をもって平和なのか。正義も然りだ》
《私はそれが反対の存在と表裏一体なのだと思う、反対の物があるからこそ成り立つのだと》

【膝の上には厚い本、車椅子に取り付けられた台には湯呑が乗ったまま、しかし手を付けず静かに少女は語る】
【『いきなり何を語り出すのか───』と思うであろうその内容、しかし刹那、紅い眼がついと男に向けられて】

《では、平和の裏側でも見てみるとしようか?茶でも飲みながらな》

【パチン、少女が不穏な言葉と共に指を鳴らした瞬間、それは起きた】
【目の前の通りを歩く人間が一人、近くの人間を殴り付けた】
【意味もなく殴られた人間が蹲る、それを境に、今まで何事も無かったかのように歩いていた、生活していた人々が眼の色を変えて暴れ出す、争い出す】
【ただ意味もなく、意味もわからず、獣のように───暴動が起きた。ニヤニヤと笑う少女の指一つを切欠に】
105 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 21:41:19.96 ID:zgrNFp83o
>>103
/*まだおりますかー?
*/
106 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 21:43:40.66 ID:IecbfblGo
>>105
/いますよー
107 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 21:47:02.99 ID:6asXrvhj0
【水の国 広場】

【夕時、人々が夕飯を何にしようかと考え、家に帰っていく】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

【ベンチに座っている男は電話をしているようだ】

ええ、ええ、貴方達のお望みの品はきちんと送っておりますよ
ええ、はい、ではこれからも武器商人ネームレスをごひいきに

【そう言って男―――ネームレスは電話を切り、ポケットに入れる】
【そして、買ってきた新聞を広げて見る】

いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

まあ、私の商売がやりやすくなる
というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

さて、どうしましょうかね
どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】
108 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 21:52:28.49 ID:zgrNFp83o
>>103
【どっ、どっ、どっ】【脳髄を震わせる、低く高らかな轟音が――丘に駆け抜けた】
【音を引きつれて走るのは、一匹の鉄の馬。心臓となる鋼のエンジンは、燃料を飲みながら力強く動力を伝えていく】
【馬を駆る御者は、しばしエンジン音を引きずり回した後に、ようやく音響に終止符を撃つ】
【轟音が止み、続いたのは草を踏む足の音と、大きなあくびの音だった】

「――ふぁ……さっすがに、弾丸ツアー過ぎた、かねえ」

【ひとしきりあくびをすると、男は後頭部をぼりぼりと書きながら、バイクにチェーンをかける】
【そして、積んでいる荷物からテントや、その他野営道具を引きずり出すと、それを抱えていい場所を探し始めるのだが――】
【ふと辺りを見回していると、視界の端に人の姿。まさかこんな時間にこんな所に人がいるとは、そう思う】

「……あー、こんばんは?」

【生欠伸をしつつも、適当に会釈をして、挨拶をする青年】
【無精髭にボサボサの長い髪を後ろで括った20代前半頃の青年は、その雰囲気から数歳程老けて見えかねない】
【服装は単に履き古して穴の開いたジーンズに、同じく古臭い革のライダースというもので、如何にもみすぼらしい】
【気力の無さそうな顔だが、時折暗色の瞳には煌々とした光がよぎり、異様な気配を感じさせる――そんな男】

【女の足元をちらりちらりと確認している男の挙動はどうみても不審者そのもの】
【ちょうど女の足元がテントを張るには調度良さそうだったのだが、こんな時間にこんな所に居る人にどうしたものかと困惑していた】
109 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 22:03:51.18 ID:Qps2FKhho
>>104

……哲学は嫌いだな。結局思考を深めても、得る物は無く無駄に思える。―――殆どが考えこむ自分を知的であると酔っている輩では無いのだろうか
一人でやるには構わないが、俺をその無駄な行為に巻き込むのはよしてくれ。……折角の美味い団子が不味くなる

【―――チラ、と濡羽色の視線を彼女へと送る。彼女の態度、そして雰囲気―――其れに感じるは「不穏」。故に男は警戒を込めたのか冷たい声色で言葉を返し】
【置いたばかりの刀をまた腰に差し直した。抹茶を再度啜れば、先程よりも苦味がはっきりと口に中に広がった】

―――何を傲慢なことを……ッ―――!?
……貴様がやったのか……いや、貴様がやったとしか思えないなッ……―――クソッッ!!

【―――景色が一変した。平穏が一瞬にして霧散した。男は目を見開いたと思えば直ぐ様彼女に鋭い眼光を飛ばし、その嘲笑から彼女の仕業と確信する】
【男は彼女に刃を向け―――否、其れよりも男にはすべきことがあった。乱暴に立ち上がり刀を抜けば猛々しい色になって、奥にまで聞こえる大きな声で叫んだ】

―――<SCARLET>だッッ、自警団だぁあぁあッッ!! コレ以上暴れるのなら手錠を付けさせてもらうぞッッ!! 

【刀を握り締める右腕を天に掲げて所属をアピールし、この場を鎮めようとする。周りを突き刺すような視線で睨み付け、未だ暴れる輩が居るならば止めに入ろうとするだろう】
【―――とはいっても、勿論傷つける訳にはいかない。抜身の刃はあくまで見せかけだった。もし切っ先を向けるとすれば―――其れはこの暴動を生み出した彼女の筈だ】
110 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 22:14:11.33 ID:AwK20aHSo
>>108
【風の音を除けば極めて静かな丘に響くエンジンの音】
【しかし女は反応を見せる様子もなく、白い指先で顎の辺りを撫でて】

取り敢えず船の手配は必要になりますわね
人員の確保は当然の事として、他に用意しておくものは……

【ブツブツと独り言を言うその姿は恐らく、何事か思案しているのであろう】
【しかし、エンジン音に反応しなかったにも関わらず、足音を聞けば思案も止んで】

―――ええ、こんばんは
まさかこんな時間、こんな所で人にお会いするとは思いませんでしたわ

【体の向きは先程のまま、ただ首だけを捻って声と足音の主に向ける】
【笑みを浮かべてはいるがどこか暗く、冷たい、そんな表情で】
【視線は彼を向いているというのに彼を見てはいない、そんな感じを受けるかもしれない】

ですが、こんな所で何をなさるつもりですの?
少しばかり夜景が見える、ただそれだけの丘ですのに

【投げ掛けるのは一つの質問―ここで何をするのか、という】
【その事に関しては女自身も同じことなのだが―――】
111 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 22:15:04.56 ID:JuY6VSEeo
【酒場】

【雑多な街の雑多な酒場。リニューアルと看板には銘打っているが】
【以前と変わらずに狭くゴチャゴチャと混雑していて店主も無愛想なままだ】
【これじゃあ直したというより戻しただろうとやって来る客達は口々に言う】

『どうした?やたらとツイてるじゃねえか』
【テーブルでポーカーに興じていた店の常連客の顎鬚のオヤジが、ストレートフラッシュを場に出した男に言う】

【ツバの広い黒いハットを目深に被った、黒い古い型のサングラスをかけた男だ】
【シングルのレザージャケットを着て、長い脚を窮屈そうに組んで座っている】

……最近ついてなくてよ…ツキの周りってのがあるだろ?……今日は勝てると思ったんだよ

【テーブルに肘をついたまま、ビールの空き缶に煙草の灰を落として】
【酒と煙草にやけた若いしゃがれた声でそう言った】

じゃあ…お次と行こう。…それともダーツにするか?なんだっていいぜ、今日はついてるんだからな

【テーブルの上の汚れた紙幣をかっさらって、男はニヤリと笑う】

『そりゃあいい。ま、俺たちは帰るんでな。たっぷり楽しめよ』
【オヤジと他のメンバーもバツの悪そうに席を立った】

チッ…アイツら…いつもは全部絞り上げるくせに…逃げるなら財布でも置いてけよ

【札をポケットに押し込んで、男は吐き捨てるように言うと】
【煙草をくわえて、テーブルのトランプたちをいそいそと片付け始めた】

【混雑したこの店も今開いたこのっテーブルなら直ぐに座れることだろう】
         
112 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 22:21:39.91 ID:zgrNFp83o
>>110
【相手の笑み、それを受けて。男はへらりと気の抜ける笑いを浮かべる】
【目を細めて、如何にも怪しい相手をなんとなく見定めつつも、男は笑顔を崩すことはない】
【とは言え、その笑顔はどこと無く空虚。笑う理由もないのに笑っているからなのだろう】

「いや、そりゃ俺もそうだけどな。
俺みたいな見るからな不審者ならまだしもお前さんみたいな姉ちゃんが夜歩きとか世もまつだぜ?」

【いつも通りに、男は中身の入っていない、適当な言葉をつらつらと垂れ流していく】
【人の地雷を踏まないように、男の言葉は基本的に表面しかなぞらない】
【相手が何者か、旅人としては警戒は捨ててはならず。変に刺激したくないという思いもあった】

「単に今日の寝床に良さそうだなーって思ってさ、ちょいとここらにテント張ろうかとね」

【懐に抱えた野営道具をがしゃがしゃと言わせながら、男はなんてことのない理由を示す】
【確かにこの丘は静かで、バイクを早朝や夜に乗り入れてもそうそう迷惑を掛けることは無いだろう】
【旅人として、旅の恥は掻き捨てなどとは言わず、人に迷惑を掛けないようにするのは、面倒を避けるためにも大切だと思っていた】
113 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/14(土) 22:32:27.42 ID:DKCc3biMo
>>109

【───<SCARLET>】
【その名を聞いて、刀を持つ人間を見て、全く意に介さない人間などいるだろうか?ましてやそれが一般人なら】
【否、暴動を起こす人々はまるで男を意に介さず、寧ろ増えているような気もする。まるで『何かに操られているように───』】

《おー、かっこいー。私の犬にもこれくらいの潔さが欲しいな》

【パチパチパチ、と気の抜けた拍手。茶番劇を見ているかのような表情の少女は、煽るように呟く】

《…ああそうだ、一ついい事を教えてやろう》
《───何か『匂い』がしないか?》

【そう言って、少女は男が食べ残した団子を勝手に食らい、茶を啜る】
【喧騒と団子と抹茶の匂いに混じって、確かに漂う異質な香り───香辛料のようなスパイシーな香りがして、それは暴れる人間達から漂っている】
【いや、その香り───嗅いでいると自分まで戦闘意欲を駆られそうな香り───は、暴徒から漂うというよりは、暴徒に『纏わり付いている』ようで】

───オーガミよ、これで本当にいいんだろうな?私は遊びに余り付き合っている暇は無いのだが
《ああ、大丈夫さ、私に任せておけばいい。私に任せておけば、な》

【その声は、団子屋の奥からそいつが現れながら語られる】
【団子を食べながらで、少し行儀の悪い中性的な声色の持ち主は、オーガミと自らが読んだ少女の隣へ立ち止まる】
【その風貌を一言で表すなら、正に女騎士=Bドレス型の鎧に身を包み、青い髪が腰の辺りまで伸びている】
【腰には一振りの長剣、白い肌に輝く蒼眼がキリッとした顔付きで、その胸は平坦である】

《ついでにそこにいる侍もやってしまえ、奴は貴様の意思とは反する者だ》
…なに?よし、ならばやろう

【ぽい、と串をゴミ箱に入れてから、騎士は男に向かって近付いていき、すらりと剣を抜いた】
【刹那ふわりと漂う刺激臭、暴徒に纏わり付く香りが、今しがた立ち止まった騎士の周囲から発生した】

───我が名はミシェル・レネ!国を捨て、世を捨てた戦いに生きる騎士成!
貴公は櫻の戦士と見受ける!よく聞け!この争いは我が力による物に違いなし!
我が理想、理解されぬ事は承知の内!止めたくば私と戦え!

【よく通る、勇ましい声は、暴動の叫び声の中でも高らかに響いて】
【状況が違えば評価も変わっただろう、それ程までに真っ直ぐな視線を、顔の中心に合わせて立てた剣筋の奥から光らせた】
114 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 22:44:07.99 ID:AU5ZWzJe0

【――――虫の鳴き声だけが響く森。其処に、新たな音源が一つ】
【時折小枝を踏み折る音を交えながら森の中を進むのは、壮年の男】
【その身は法衣で包まれており、月明かりに照らし出された顔には大きな古傷】
【手にしているのは獣の首――であろうか】


「首だけ残して後は飛び散るなんて想像よかスゲェ力だなぁ……流石は邪神様だ
まぁ……応用は効きそうではあるな
何処まで力を引き出せるかは分からんが、そこらは適当にぶっ殺すなり蘇生させてみるなりで試してみりゃいいだろ」

【その首をマジマジを見つめた後に茂みの中へと放り投げてしまって】
【顎の無精髭を撫でながら何かを考える素振りを見せるけれど――――歩き続けで疲れたのか、やがては適当な切り株へと腰を落ち着けた】
【――――その位置、月の光が良く注がれる場所】
【銀の光に照らし出された身体は、大量の血で赤く染められていた】


「しっかしヒデェ臭いだ……
血も肉も全部俺に降り掛かってくるんだからたまったもんじゃねェな……
水も持って来ちゃいねェし……もう少ししたら適当に泉でも探してみるか」

【その言葉の通り、所々には落としきれなかったと思われる肉等も付着していたりして】
【――――思いの外、キツイ臭いが漂うことであろう】
【この場に訪れるのはその臭いを辿った者か、音に気付いた者か……或いは、只の偶然であろうか】








【人通りも無くなった街の中、コツリコツリと靴を鳴らしながら歩く姿が一つ】
【――――乱れなく着こなした軍服に、制帽。片目は眼帯で覆った少女が一人、歩いていて】
【腕に通された腕章は自警団の其れ。時折立ち止まっては、辺りを見回すけれど】


「…………異常なし、でありますね
ふひぃ〜……昨日は散々連れ回されて寝不足だから疲れたでありますよ……
っとと、ちゆ姉に聞かれたら不味いでありますね」

【眠たそうな眼をゴシゴシと擦り、再び歩き始めた】
【時折街灯に照らされるよく手入れのされた藍色の髪は、その光を鋭く反射させていて】
【……溜息を一つ吐けば、適当なベンチへと腰を下ろすことだろう】


「取り敢えず、今日の勤めは終了でありますね
…………帰ったら牛乳でも飲んで寝るでありますか」

【堅い表情には似合わない、大きな欠伸】
【続いて大きく背伸びをしたならば、もう一度辺りを見回して】
【立ち上がろうとしたその刹那――――脚が縺れて“ゴチン”なんて音が響き渡るだろうか】
【この街を訪れた者は、唯一の人影…………それも地面と熱烈キスをしている者の姿を見る筈で】
115 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/14(土) 22:44:47.99 ID:AFsa+O+n0
>>111

【リニューアル…強いて言うなら、"外見だけ"、整備したのだろうか】
【取り付けられて間もない、と思われる木製の新しい扉が、スッと開けられた】
【その扉の動きで、外の新鮮な空気が、店内の淀んだ其れと混り溶けて行く】

【開いている席は…とカツ、カツ、と音を立てながら】
【その店を訪れたのは、酒が飲めるのか、とさえ思える程の少年】
【外見の特徴を述べるなら、大変目立つ赤いオーバーコートに、黒いパンツ】
【そして何よりも光っているであろう、右手の薬指に填められた銀の指輪、と言う事になるだろうか。】

【店内をキョロキョロと見回り、開いている席を探す少年】
【其処まで良い店では無いはずだが―――?どうも見つから無い。意外と繁盛している、という事なのだろう】

【さて、この少年の目に止まったのは、矢張り常連達の間で行われている『ポーカー』】
【座る席も無いので、ゲームを観戦することにしたらしい。】
【少年は、近くの壁に凭れ掛かった。その壁は丁度男の背後。手札が見える位置に在った】


……お、ストレートフラッシュ、か。珍しい物…見たな。
んー……71000分の1、って所か…?


【男が、『ストレートフラッシュ』を出す。と同時に、少年はその確率を導き出す】
【独り言が聞こえたなら、少年の身形が与える印象とはかけ離れた、その明晰な頭脳に驚くだろうか】

【異常な程良い役を出した男と、勝負する気が失せるのは当然であって】
【席は空いた。少年は悩む事無くその席に座る】

【椅子を引き「マスター、ビール。」と慣れた言葉で酒を注文すると、男にこう話しかける】

…おい、今の、イカサマ、って奴か?
…あのな、そうそう出せるもんじゃねーよ。さっきの役。
疑ってる訳じゃねーけどさ…確率的に、な。
116 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 22:52:03.37 ID:ScfG3ItFo
>>112
【彼の笑みに混じる空虚さにも女は気付きはしない】
【いや、気にかける様子がないだけで気付いてはいるのかもしれないが】

私は考え事をしていただけですわ
物事を考える時には全体を俯瞰するのが良いですから
それに、不審者に襲われてもそのような相手に私が負ける訳ありませんもの

ああそれと、まつ、ではなくすえ、ですわね

【自らを“不審者”とした彼の言葉は肯定しないが否定もせず】
【己を見せぬ不気味な微笑みと掴みどころのない語りは、まるで自分を知られたくないかのようでもあって】
【その点では彼の言葉は女にとって好都合なものであっただろう】

あら、ここで寝られますの?
確かこの辺りは人喰い植物が―――ほら、後ろに

【彼の背後を指さしてそう言って】
【そして彼が振り返るとそこには巨大な禍々しい植物の化け物が…………いるわけもなく】
【もし引っ掛かったなら、至って真面目な顔で「こんな冗談に騙されるなんてどうなのでしょうね」などと言うのだろう】
【逆に引っ掛からなかったとしても、女が悔しがることはないのだろうが】
117 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/14(土) 22:57:59.12 ID:zgrNFp83o
>>116
/*申し訳ございません……、急激な体調不良でロールの継続が難しくなってしまいました。
そちらにロールを切っていただくか、凍結していただくかは一任しますが、多分今日はレスできないと思います、申し訳ございません*/
118 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 23:00:47.88 ID:JuY6VSEeo
>>115
//>>34で絡んで頂いた方でしょうか?
//もしそうならば私は同じキャラ、同じ中の人同士の絡みが連続してしまう事になるので
/固定化を避けるためにも今回は辞退させて頂いてよろしいでしょうか?すみません…
119 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/14(土) 23:02:15.24 ID:AFsa+O+n0
>>118
/げ、その通りです…!
/申し訳ありませんでした、それでは>>115は無し、という事でお願いします…!
120 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 23:09:29.13 ID:tywehS7Zo
>>117
/oh...それはお大事にしてください
/変に引っ張るのもあれですし少し話して帰った感じにしましょうか
121 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 23:10:27.25 ID:6asXrvhj0
/>>107を取り消します
122 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 23:11:17.95 ID:Qps2FKhho
>>113

【何時もなら丸く収まる筈なのだが暴動は治まる気配は無い。あれだけ大きな声を出したにも関わらず、視線すら此方に向くことはない】
【そのことに対する強烈な違和感に顔を顰めれば、耳に車椅子の彼女の言葉が入り込んできた。―――『匂い』?】
【―――鼻呼吸を意識してみれば、今まで流れていた茶葉や醤油の匂いとは明らかに異なっていた。穏やかな空気に、刺激的なモノが感じ取れる】
【……恐らく、これが正体。『彼等は何者かに操られている』―――のだろう】

―――貴様を殺せば落ち着くか……? あまり好きではないが、殺人は『苦手』ではない―――

【じわじわと男から沸き立つ静かな殺気は、鋭利さに加え老獪さを感じさせる。―――『深み』のある殺気、と言えばいいのだろうか】
【その殺意の刃が向いたのは、この暴動を愉しむ彼女の方へ。見開いた濡羽色の双眸に灯る、闘志の炎。裏腹に言葉には冷酷さが感じ取れるか】
【―――そしてその視線は微かに動く。奥から姿を現した女騎士=A恐らく車椅子の女の仲間と思われる彼女へと】
【そして相手の名乗りの後、男は静かに口を動かした。じわじわと広がっていた殺気、覇気がこの瞬間に急激に拡散される。びりびりとした何かが辺りを包む】

……何も知らない罪なき民を傷つける下衆共を許すわけにはいかない。本当ならば貴様等何ぞに名乗ることすら反吐が出るが、騎士となれば仕方ない
―――瑛月。……中邑瑛月。水の国自警団員にして現在はSCARLET所属……。折角の食事を邪魔した罪も相まって唯では済まさんッ……!!

【刀を立てて右手側に寄せ左足を前に出し、構える。言わば打撃フォームに似た其れは彼の流派唯刃流の攻撃の型】
【そして月光に輝く刃の名は御代櫻=B―――切った相手の異能(魔翌力・能力)を微量ながら削る特殊な得物。その刀を両手で握り―――そして身体が前へと倒れる】
【―――刹那、瑛月は間合いを詰めんと駆け出した。速度はそこそこ、決して疾いとは言い切れない。しかしその動きは妙だった】

―――せぁぁぁぁああッッ!!

【「地を蹴る」のではなく、「地を滑る」という表現が似合う走りだったから。正中線を微動だにさせること無く接近するその動きは奇妙で、気合の一声が威圧感をより増した】
【そのまま近づくことに成功すれば、男は袈裟に刀を振り下ろし、彼女の左肩を斬らんとする。―――迫力は感じられないが、恐ろしく静かで鋭い一閃】
123 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 23:11:55.45 ID:6asXrvhj0
【水の国 首都近郊】

【もはや空が暗く、少々首都から離れた町】
【その、首都から離れた町にある家から】
【一人の男と一体の人形が出てきた】
【男の格好は茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ】
【ベルトつきの裾の長いズボンをはいている】
【人形のほうは黒い仮面に黒い黒衣を纏っている】
【この男が出てきた家からは騒がしさなどが消えていた】
【この男が入っていくまでは騒がしかったのだが】

さて、これで依頼は完了
あとは、死体処理だけでしょうね
 ……ま、その専門家に任せておきやすか

【男はそう言ってタバコの箱をポケットから取り出す】
【タバコの箱からタバコを取り出し口に挟む】
【そして、ライターも取り出し、タバコに火をつけ一服する】

しかし、依頼が自分の暗殺を実行するやつらを殺してほしいですか
……どこの誰なんでしょうねえ、依頼人も水の国の要人だからこその暗殺か
………やはり、GIFTか•D.R.U.G.S.の二つでしょうか、
カノッサ機関ってこともありえるが勢力が衰退中のカノッサにそんな余裕があるのかどうか
……はあ、やめだやめだ、こんなこと考えたって無駄なんですから

【男はそう言って家の階段に座り人形を送還する】
124 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/14(土) 23:18:25.08 ID:JuY6VSEeo
>>119
//神経質な方でしてすみません。もうちょっと期間が空いていればよかったのですけれど…!
//またの機会によろしくお願いしますね!

//>>111は日が変わるぐらいまで募集してますので宜しければ
125 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/14(土) 23:36:59.90 ID:DKCc3biMo
>>122

───下衆に対して名をくれたくもなかろう。貴公の心受け、感謝する

【瑛月の名乗りを聞き受けたミシェルは、静かに目を閉じ粒やいた。自らの行いの在り方を客観的に自覚している】
【目を開き、覚悟と共に構える剣。両手で正中線に合わせるように構えた刃に、月の光が反射する】

一対一の剣の戦いとて、こちらも負けられぬ理由がある、力は余す所なく発揮させてもらう
…それが敬意だ

【鎧がガチャリと鳴って、しかし構えそのものは本当に静かにそこに留まる、守りを重視する戦い方】
【ふわりと漂う甘い香り、眠くなって力が抜けて来そうな心地の良い香り───今までミシェルが発していた香りが変わった】
【これがミシェルの能力、香りによる暗示を使い戦況を操る、華やかながら恐ろしい力】
【その香りは近付けば近付くだけ強くなり、香りに囚われてしまえば、脱力の暗示がじわじわと神経を蝕まんとする】

───くッ!早いなッ!

【甲高い金属音、瑛月の刀をミシェルが剣で受けた事を示す音だ】
【その早さに何とか対応出来たと表情で語るミシェルは、しかし素早く反撃にでる】
【剣の柄を右肩より上にくるように、上段で横にした敬意の半分より先で刀を受けたミシェルは、そのまま右側前方(瑛月から見て左腕側)へ回り込みながら剣を斜めにし、刀にかかる力を利用して位置を入れ替えながら刀の太刀筋を下へ滑り落とそうとする】
【それが叶えば瑛月の体制は崩れる筈だ、そこにミシェルは背中への剣の柄での殴り付け、それから続けての右からの真横切り払いを放つだろう】
126 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 00:03:12.74 ID:UznxuffFo
>>125

何故こんな事をしたッ……! 答えろッッ、ミシェルとやらッッ……!!
何も知らぬ民を操り傷つけ合わせるその行為に、何の意味があるっっ……答えろぉぉぉッッ!!

【唯の愉快犯には思えなかった。そんな振る舞いじゃあない。愉快犯に見えるのは車椅子の女の方だ、騎士のこの女ではない―――】
【―――じゃあ何故?深く思考する暇もない。怒りと殺気、覇気に、そしてその疑問を言葉にして斬撃に乗せる。だが、強く噛み締めて振り下ろそうとした瞬間―――】
【……身体に異変が起こった。彼の全ての動きは日々の鍛錬で身につけたもの、そこに適当はなく一動作一動作に技術が凝縮されている】
【―――だからこそ、より敏感に異変に気付く。突然の脱力は、明らかに相手によるモノで―――理由も先程の話にあったからか直ぐに香り≠セと分かった】

……香りで相手を操る―――正真正銘、貴様が先程の暴動を生み出したと言うことか……!
(飛び道具など無い俺には厄介過ぎる、あまり時間をかけるわけには―――)

【そう思った矢先、腕の感覚が急に薄まるような感覚に襲われた。偶々か狙ったのか、そのタイミングに合わせて彼女が仕掛ける】
【何時もなら難なく反応できると思われる攻撃、しかしその「異変」が彼のコンディションを底辺へと落とす。反応は遅れ。体勢は崩れ―――】

……っっ、っぐおぉぉッ―――!?

【背中に衝撃が奔る。更に体勢が前方へと傾いた所への背中を切りつける斬撃。イメージでは踏ん張って振り返り受け止める―――が、その通りに身体が動かない】
【甘い香りが筋肉を、脳を怠惰にさせる。致命傷は裂けたものの、インバネスコートの背に切り傷が奔った。そして、其れは朱く滲む】

―――〜〜〜ッッ!! っぐゥ……ッ!? ―――きさ……まぁぁッ!!

【その強烈な痛みが脳をやや覚ましたのか、何とか倒れること無く振り返って。しかしまっすぐ背を伸ばした状態が保てず、猫背になって肩で息をする】
【―――ハァ、ハァと吐息を漏らす彼の額から汗が落ちる。決して浅くはない斬撃、一発で多くの体力を削られたのだろう。―――ゆらり、と男は構えを変えた】

―――っぐ……不覚―――を取ったがッッ……!! 次はそうはいかん……っぞッッ……!!

【途切れ途切れの言葉を飛ばせば、右足を引き体を右斜めに向け刀を右脇に取り、剣先を後ろに下げて構えた。剣を半身で隠すことで、刀のリーチを把握させない利点を持つ】
【―――唯刃流、朱雀の構え。疲弊しながらも、その構えからは闘気が湯気のように沸き立っていた】
127 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 00:35:34.34 ID:zXbuOuiRo
>>126

【追撃はしない、深追いは禁物だ───と、教わったミシェルは、愚直なまでに体制を直し、再び同じように剣を構え直す】
【甘い香りによる怠惰を狙う戦法は、ミシェルの性格に合わないような狡猾な物だが、しかしそれが彼の能力であり、持てる力なのである】
【戦いにおいて容赦は不敬、今持てる力を全て出してこそ】

……いかにも、この我が力で人々の闘争心を引き出し、争いを生み出した
答えろと言うのなら答えよう瑛月殿、私には…いや、この世界には争いが必要だからだ

平和とは!争いあってこそ産まれる物、他国との戦い、世を脅かす悪、人を人と思わぬ外道!斯様なものどもは世界には悪性だが、だからこそなくてはならない物!
近方の争いの後にこそ平和は生まれ、遠方の争いを見て尊さを知る。争いを忘れた世界はただ腐り落ちるだけなのだ!
水は流れずに溜まったままでは淀んでしまう、澄み切った色を保つ為には激流を作らなくてはならない!

【瑛月の怒気を含んだ叫びに、一瞬自嘲するように目を閉じた後、覚悟と信念を眼差しと声に、高らかにそれを宣言する】
【争いがなくては世界は保てない、だから争いの火種を産んでいるのだと、まるで小を捨てて大を取る思考】
【だがしかし、ミシェルからすればそれが自らの信念で、それを成す為に外道にも堕ちる覚悟があった】

私は知った!争いを忘れた国の顛末を!私は見た!争いを忘れた国で錆びて行った剣共を!
失望と失意と無力、それだけが私を包んだのだ!しかし今!私には私の信念を貫く為の力と好機がある!
私は騎士として!有りたかった物として成れる好機があるなら!暗黒の茨とて掻き分けよう!

【ミシェルの声色に力が篭るのに応じて、ミシェルが纏う香りが切り替わる】
【それは自らが吸い込む為の香り、深呼吸と共に吸い込んだ香ばしい香りは、自らを鼓舞する物】

【続いて、剣に纏うは焦げ臭い硝煙の香り、嗅いでしまえば思い込みで熱を伴う不思議な香り】
【思い込みの度合いで以下様にも無効化は可能だ、だが逆に思い込みの度合いでその熱は強くもなる】
【ミシェルは瑛月に向けて突進した、構えを下段にし、剣を左腰側に下段に下げながら、一気に距離を詰める】
【接近はただの接近に終わらない、そのまま止まらず右肩の肩当てによるタックルを瑛月に放とうとするだろう】
【タックルを食らい体制を崩してしまえば、次の瞬間瑛月から見て右下からの切り上げが間髪入れず襲い掛かる】
128 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 01:05:22.87 ID:UznxuffFo
>>127

……断言しよう。それが今すべき事とは言えん……! 争いが無くなり、気の抜けた国―――成程、確かに滅びても不思議ではない。だがッッ……

―――今世界には、カノッサという共通の敵が居るッッ! GIFTという新たな敵も、他にも世界を脅かす組織などは存在するッッ!!
……GIFTの侵略を受けて、SCARLETは生まれた。―――各国が協力し、防衛するようになった。その象徴がこの右肩の証と言える
其れは各国があの組織を脅威をみなしている証拠……!! 貴様はしていることは唯命を奪うだけの無駄な行為だ……!!

【―――今は平和なのか? そういう問いかけでもあった。確かに先程まではまさに平和を切り取った光景だろう。だが―――この世界は、まだ争いが尽きない】
【でなければ、SCARLETなど生まれないのだから。この組織は世界各国が作った組織と言っても過言ではない。故に彼は言う】
【この世界は争いなど忘れてはいない。水の国の民は未だに、死んだ筈のユピテルの雷鳴の幻聴を聞く。恐怖は、世界から消えてはいない】
【―――彼女と彼は同じ誇り高き剣士なのかもしれない。だが対極であった。彼女が嘆く世界を、争いのない世界を生み出そうと奮闘するのが彼、自警団なのだから】

その間違った信念ごと―――断  ち  切  る  ッ  ッ  !  !
―――うぉぉぉおおおおッッ!!  ―――< 飛  燕 > ッ  ッ  ! !

【彼女が接近する前に、彼は目一杯息を吸い、夜の冷えた空気を肺に入れ込み―――止めた。息を止め、鼻から香りを取り込まないようにする】
【間合いに入り込むやいなや、彼は体を大きく前傾させ―――右足を踏み出し鞘の反りを返して下から抜き上げた。狙いは、彼女の右脚】
【低い位置から伸びる軌道は『視界の外から刃が飛んでくる』とも表現され―――銀の煌めきが、唸る】
129 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 01:35:10.91 ID:zXbuOuiRo
>>128

それこそがッッッ!!!

それこそが今の私の在るべき所!信念を勘違った狂者こそが!私の役目ッ!!
逢えて言おうッ!!世界は貴公のような者ばかりではないとッ!!寧ろ貴公のような人間こそが人々堕落させる要因たらしめんとッ!!
全ての人間が己を律しッ!争いを極身近にッ!恐怖を我が物としなければッ!世は真には変わらないッ!
それがッ!私が間違っているというならばッ!正して見せろッ!正義ッ!

【息を止めるという行為は、ミシェルに対しては非常に有効なのは言うまでもない。こうすれば能力は無効となるからだ】
【だとすれば今の状況で本当に重要となる、決着の要因となるのは、剣の腕前のみ】
【正義の為に必要悪ともなろう───真っ直ぐな視線で叫ぶミシェルは、しかし瑛月の動きから目を離さない】
【瑛月が動き出したのを見ると素早く行動を取り止め、突進したまま迎撃の流れを取ろうと───】

──────ッ!?

(剣筋が見えな───)

【映画のワンシーンのようにすれ違う二人、確かにミシェルも瑛月と同時に剣を振り抜いた…いや振り抜いた筈だ、既に剣は振り抜いた後にあるべき位置にある───それが当たったかはどうかとして】
【背中を瑛月に向けたまま、ピクリとも動かぬミシェル】

【車椅子の少女が茶を飲み干して湯呑を置いた瞬間、暴徒達が気を失い次々と倒れて行く】

───は、はは……私も…まだまだ…か……
もっと早く……貴公のような…人物と………出会って……いたら……

【鎧ごと大きく割かれた右脚から血飛沫を噴き出しながら、ミシェルが声を絞り出す、即死に繋がる致命傷ではないにしろ、これ程の傷ならば戦闘続行は不可能】
【しからばこれは無念の嘆き、剣を杖と地面に突き刺し、何とか体を支えるので精一杯だ】
【だが、その表情は何処か清々しそうな物で、嵐の後の静寂はすっきりとやってくる】




《あーあ、負けちゃった。まあいいか、コンテニューはまだ可能だしなあ?》
《何というか、まあそうだな、中邑瑛月様ともあろう方が『こんな奴』に負けてもガッカリだし》

【───だからこそ、続けて聞こえたそんな声が。わざとらしいまでに人の逆鱗を足裏で撫で上げる様な言葉が、よく通る】
【ニヤニヤと笑って、頬杖をつく表情が、やけに苛立たせる】
130 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 02:01:34.91 ID:UznxuffFo
>>129

―――っぐ、っ痛ッッ……!! この動きは背中に響き過ぎたか……ッッ!!

【急激に姿勢を低くし、腕が伸び上がる動きを繰り出す、其れが飛燕。故に負担も大きく、振り抜きながらも強烈な痛みが全身を回っていた】
【しかしその低い姿勢と大きな踏み出しは相手の攻撃を躱しやすい利点もある。丁度、その利点が現れた形となったようだった】
【―――激闘は制した。負った傷は背中の朱の線。二撃目は食らわずに済んだが、その傷は決して小さくはなかった】

……示したぞ、ミシェル―――。 そして俺はこれからも示し続ける……正義と、そして無能力者でも能力者を倒せると言う事を
……力無き人を護る―――其れが俺のすべき事。単純だが其れが俺の正義―――そして……

【荒い息の中で、ミシェルへの答えを返す。そして新たなる標的へと―――未だ保たれた鋭い眼光を向けた】
【―――頭に憤怒が猛然と沸き上がった。殺気は刀身に満ちて、寸毫微塵の隙も無いように見えた】
【ミシェルを侮辱するようなその表情に、これまでで一番大きな負の感情が湧き上がった。―――誇りを蔑ろにするようなその態度に、殺気が倍増した】
【―――唯、その想いについて行ける程の余力は無かった。一歩踏み出して、身体がガクンと崩れた。彼もミシェルと同じで、続行が不可能に思えた】

―――貴様っぁぁぁぁああッッッ!! ……許さ……っぐッッ!? ―――っく、そ……!!
131 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 02:34:36.65 ID:zXbuOuiRo
>>130

《おーおー怒りよる怒りよる、哲学者の卵が入ってれば即覚醒だったな今の》
《だが残念、私は機関の人間ではないからなあ、残念だ》

《『私はこう思って悪人に堕ちてます』とか、『私は過去にこんな事がありました』とかさあ、悪人として三流も良い所なんだよね》
《ま、戦争の火種作るならそれでいいか。その様子じゃそのうち私を裏切っても来そうだし、そっちも楽しみにしておこう》

【まるで彼女は別の次元から───それこそ漫画かアニメでも見ているかのように、つらつらと涼しい顔で言葉を並べて】
【敵も味方も関係無く、心を先割れスプーンで抉り取る様な言葉を吐きつけて、指を鳴らす】
【ミシェルの体が、青い光に包まれた───】

……剣が…鈍っていたか……情けない………
…瑛月殿……次会う時があれば…その時は……

【瑛月に向けて、悔しさを隠した表情で語りかけながら、ミシェルの姿は光りに呑まれて消える】
【恐らくは転移させられたのだろう、彼女によって───】

《次があれば───あるかな?あったらいいな、あればな》
《じゃあなんだ、中邑瑛月殿、よく頑張りましたおめでとー。レベルアップにまではいかなかったか?》
《そしてこれからも大神研究所をどうぞ御贔屓に…ああいや、やっぱいいわ。私達は機関とかの影に隠れてちょっかい出してこそだからな》

【何なのだ、この少女は───何もかもを馬鹿にしている、ふざけている、茶番じみている】
【コーネリアスのような風格も、レギンのような狡猾さも、リリアのような力強さも、何もかもそもそも目的すらも何も無いのに】
【ただそこにあるだけの歪そのもの、あるだけで周囲を気まぐれに蝕む悪性腫瘍が如く、存在する】

《あ、報酬とか欲しい?いらないよな、用意忘れたし》
《代わりにこれみせてやるから我慢しろよ、そんじゃガンバー》

【言うだけ言って、満足して転移していった少女がいた場所に、一つ残されたホログラムの画面】
【そこには、ニュース番組が緊急速報をやっているのが流れていた】

【───調度瑛月とミシェルが戦っている間、別の国でテロが起きたらしい】
【既にテロは鎮圧済、しかし大きくないとはいえ負傷者は多数、死者も出た】
【『平和の裏にある争い』それをそのまま伝えたかったのか、その真意は分からないが、ニュースが終わるとホログラムの画面は消える】

【この街で発生した暴徒達、しかし奇跡的にも死者はなかったらしい】
【瑛月の迅速な対応のお陰だ、と後で人々は言った───だが、もしかしたら、他にも理由はあったかもしれない】

/お疲れ様でした
132 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 03:04:37.55 ID:UznxuffFo
>>131

……吐き気を催す外道、完全なる悪―――貴様のような奴は……今までの人生でまだ両指が埋まる程会っていない……!!
―――この刃は……弱者を護ると共に……ッッ、貴様の様な邪悪を切り捨てる為にあるのだッッ……!!

【力を持つ殆どの悪人は何かしらの信念や理想が在るモノだ。亡くなった人物を挙げるなら、コーネリアスも、ユピテルも】
【―――その信念や思想が、人を踏みにじる行為に繋がっていた。……唯、コイツは違う。娯楽として―――人を傷つけている】
【……瑛月には彼女がそうだとしか思えなかった。あの表情は、あの言い様は―――愉快犯の、其れに近かった】

何れ……何れッッ!! 貴様に踏みにじられてきた人々の怒りをこの御代櫻≠フ一閃に乗せて―――貴様を……斬るッッ!!

―――ミシェル……コイツは―――!! 自分以外の全てを玩具≠ニして見ている……! 
お前がやられていても、ただ笑っている―――玩具が壊れた程度にしか、考えていない―――だから、こんな外道の下に就くなど……!!

【車椅子の女には突き刺すような殺意を、ミシェルには悲痛なメッセージを。だが、言い切る前にミシェルは青の光に消え―――】
【そして唖然としている間に、元凶も消える。―――残されたのは、胸糞悪い内容の動画だけだった】

―――クソッッ……!! ……クソォォォおおおおおッッ!!

【朱に濡れた地面を殴る。無音と化した夜に吼える。―――その叫びも、虚しいモノだった。……抹茶は、すっかり冷めてしまっていた】

/乙でしたー
133 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 11:31:18.64 ID:Zh6S0Dt20
【水の国 首都近郊】

【もはや空が暗く、少々首都から離れた町】
【その、首都から離れた町にある家から】
【一人の男と一体の人形が出てきた】
【男の格好は茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ】
【ベルトつきの裾の長いズボンをはいている】
【人形のほうは黒い仮面に黒い黒衣を纏っている】
【この男が出てきた家からは騒がしさなどが消えていた】
【この男が入っていくまでは騒がしかったのだが】

さて、これで依頼は完了
あとは、死体処理だけでしょうね
 ……ま、その専門家に任せておきやすか

【男はそう言ってタバコの箱をポケットから取り出す】
【タバコの箱からタバコを取り出し口に挟む】
【そして、ライターも取り出し、タバコに火をつけ一服する】

しかし、依頼が自分の暗殺を実行するやつらを殺してほしいですか
……どこの誰なんでしょうねえ、依頼人も水の国の要人だからこその暗殺か
………やはり、GIFTか•D.R.U.G.S.の二つでしょうか、
カノッサ機関ってこともありえるが勢力が衰退中のカノッサにそんな余裕があるのかどうか
……はあ、やめだやめだ、こんなこと考えたって無駄なんですから

【男はそう言って家の階段に座り人形を送還する】
134 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 14:14:59.65 ID:Zh6S0Dt20
>>133
取り消しで
135 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 15:22:25.24 ID:RsNCKtR40
【櫻の国―――街中】

【暦の上では『秋』と成ったのも頷ける程、出掛け易くなった、そんな昼下がり―――】

【風情のある町家が広がる道を、和服を着た人々が多く行き通う―――】
【或る色白の女性はフフッと口元に手を添え当てながら、世間話に微笑んで】
【また或る屈強そうな男性は、隣の友人の肩を組みながら、傍若無人に大笑いしながら歩いていた】
【とにかく平和で、賑やかな櫻の街中であった―――】

【―――と、思われたのだが。其処に、一つの"違和感"が在った―――それは、一人の少年の存在。】

【赤いオーバーコートに、ブラックパンツ。右手の薬指には、銀製の指輪―――そして特徴的な、銀色の髪に紅い眼―――】
【一目で、誰もが『観光客』だと認める、そんな少年の外見】
【確かに情緒的な空間には、些か不釣り合いな格好ではあるが…先程述べた"違和感"というのは、その少年の身形の事を指すのではない。】
【―――つまり、その"違和感"とは、"その少年の異様な行動"にあった。】

【口をパクパクと開いて、自身の腹に手を当てながら歩く姿。それはまさにゾンビの様で】
【当然通行人は、その少年を避けて通る。―――クスクスと、少年にも聞こえる大きさで嘲笑しながら。】
【もし其処に"善人"が居て…その少年を凝視したなら、「飯、飯…」と言っている事が分かるだろう】

【―――やがて少年は、通行人の邪魔にならない様、道の外側に行ってしゃがみ込む。……力尽きたのだろう】
【その少年の身形から、貧乏な、所謂"ストリート・チルドレン"では無いように見えるが―――?】

/どなたでも!よろしくお願いします〜!
136 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 15:29:25.55 ID:Zh6S0Dt20
【水の国 首都近郊】

【もはや空が暗く、少々首都から離れた町】
【その、首都から離れた町にある家から】
【一人の男と一体の人形が出てきた】
【男の格好は茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ】
【ベルトつきの裾の長いズボンをはいている】
【人形のほうは黒い仮面に黒い黒衣を纏っている】
【この男が出てきた家からは騒がしさなどが消えていた】
【この男が入っていくまでは騒がしかったのだが】

さて、これで依頼は完了
あとは、死体処理だけでしょうね
……ま、その専門家に任せておきやすか

【男はそう言ってタバコの箱をポケットから取り出す】
【タバコの箱からタバコを取り出し口に挟む】
【そして、ライターも取り出し、タバコに火をつけ一服する】

しかし、依頼が自分の暗殺を実行するやつらを殺してほしいですか
……どこの誰なんでしょうねえ、依頼人も水の国の要人だからこその暗殺か
………やはり、GIFTか•D.R.U.G.S.の二つでしょうか、
カノッサ機関ってこともありえるが勢力が衰退中のカノッサにそんな余裕があるのかどうか
……はあ、やめだやめだ、こんなこと考えたって無駄なんですから

【男はそう言って家の階段に座り人形を送還する】
【こんな夜に家の階段に座っている怪しくかつ目立つだろう】
137 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 18:05:46.42 ID:yn/D5tRoo
【夜の国――沼地の墓場】

【誰かの名が刻まれた墓碑の上に、置かれていた花束を押し退けて無遠慮に寝転がる人の姿があった】

――……涼しい

【低く掠れた声を零すのは、襟元に灰色のファーを巻き黒いベルベット地のローブを纏った、痩身で背の高い男】
【腰まで伸ばした紅茶色の髪に、数束の細く長い三つ編みをメッシュのように混ぜ込んでいる】
【冷たいオリーブの目は右が縮瞳、左が散瞳であり、極端な違いがオッドアイに酷似していた】
【ヒールの高いブーツを履き、長めの爪を紫色で塗り、時折覗く首筋や手首には包帯が巻かれている】
【左耳に月白色した宝玉を銀のウロボロスで囲んだピアス、左手薬指に指輪の様な黒蛇の痣があった】

【石の冷えた感覚が心地良いらしく、高い背故に草地に零れる足もそのままにして、男は目を閉じ本格的に寝入る様子だった】
【キリスト像と十字架に見下ろされても何も思うところは無いらしく――黒石製の石板、Lacieと刻まれた名が微かに見える】
138 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 21:05:50.07 ID:PWfkiVm7o
【とあるレストラン】


【窓際、表通りからも見える位置にその男は座っていた】
【襟元に羽根がついているくたびれた暗い赤色のロングコートを着ている男性】
【不健康そうな蒼白の肌、薄鈍色の髪は後ろに軽く流していて、その風体は胡乱の一言に尽きる】
【コートの肩には機関の使徒であることを示す逆五芒星≠、隠すこともなく誇示させていた】

【ぎし、と椅子に背をあずけて彼は満足そうに息を吐いた】
【それもそのはず、既に暴飲暴食の限りを尽くした後のようらしい】
【――それは目の前のテーブルに積み重ねられた何枚もの皿が物語っている】


……六罪王に出来た空白……まァ、空いたからと言ってカノッサが衰退することはねェだろうが
臨時として俺が納まるにも回数に限度がある。どうしたもんかねェ……


【その寛ぎっぷりたるや、まるでこのレストランを貸し切っているようで――】
【実際、ほとんどその状況に近かった。彼の異様な雰囲気に客が寄り付かず、もはや歩く営業妨害になっていたのである】
【まあ、ひとりで何人前もの量を食べたのだ。売上的には大差ないのかもしれないが、いい迷惑だった】
139 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 21:32:48.52 ID:ol9wNnXto
>>138
/*まだおりますかー?*/
140 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 21:34:50.09 ID:PWfkiVm7o
>>139
/yes!
141 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 21:39:20.72 ID:Zh6S0Dt20
【水の国 広場】

【夜そんな人が少なくなっている時間帯、一応電灯がついているが人がそうそういるわけがない】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

【ベンチに座っている男は電話をしているようだ】

ええ、ええ、貴方達のお望みの品はきちんと送っておりますよ
 ええ、はい、ではこれからも武器商人ネームレスをごひいきに

【そう言って男―――ネームレスは電話を切り、ポケットに入れる】
【そして、買ってきた新聞を広げて見る】

いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

まあ、私の商売がやりやすくなる
 というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

さて、どうしましょうかね
 どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】
【人が、ほとんど居ない時間帯において、黒尽くめのこの男が目立っている】
【もしくは、先ほどの話していた電話の声が聞こえたかもしれない
142 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 21:40:39.00 ID:S1OQa9P5o
【酒場】

【雑多な街の雑多な酒場。リニューアルと看板には銘打っているが】
【以前と変わらずに狭くゴチャゴチャと混雑していて店主も無愛想なままだ】
【これじゃあ直したというより戻しただろうとやって来る客達は口々に言う】

『どうした?やたらとツイてるじゃねえか』
【テーブルでポーカーに興じていた店の常連客の顎鬚のオヤジが、ストレートフラッシュを場に出した男に言う】

【ツバの広い黒いハットを目深に被った、黒い古い型のサングラスをかけた男だ】
【シングルのレザージャケットを着て、長い脚を窮屈そうに組んで座っている】

……最近ついてなくてよ…ツキの周りってのがあるだろ?……今日は勝てると思ったんだよ

【テーブルに肘をついたまま、ビールの空き缶に煙草の灰を落として】
【酒と煙草にやけた若いしゃがれた声でそう言った】

じゃあ…お次と行こう。…それともダーツにするか?なんだっていいぜ、今日はついてるんだからな

【テーブルの上の汚れた紙幣をかっさらって、男はニヤリと笑う】

『そりゃあいい。ま、俺たちは帰るんでな。たっぷり楽しめよ』
【オヤジと他のメンバーもバツの悪そうに席を立った】

チッ…アイツら…いつもは全部絞り上げるくせに…逃げるなら財布でも置いてけよ

【札をポケットに押し込んで、男は吐き捨てるように言うと】
【煙草をくわえて、テーブルのトランプたちをいそいそと片付け始めた】

【混雑したこの店も今開いたこのっテーブルなら直ぐに座れることだろう】
         

/リサイクル品ですがよろしければ…!
143 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/15(日) 21:43:24.02 ID:RsNCKtR40
//ちなみに>>135はまだ募集しております…よろしくお願い致しますです…
144 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 21:45:31.50 ID:ol9wNnXto
>>138
【そんな、異様な雰囲気に包まれていたレストランの入り口のベルが鳴り、一人の人影が迷い込む】
【かつんかつんと靴が床を踏み、ごきごきと首を鳴らしつつ、どさりと人影――青年はソファに座り込んだ】

「うっひゃ――、腹減ったあ……。
あ、ねーちゃん、適当にがっつりしたもん頼お願いねー、パンとか沢山気味で」

【ひらひらと手を振って、少し引き気味のウェイトレスに適当な注文をして】
【コップに注がれた水を一息に飲み干して、大きく息を吐き出すと、ようやく人心地ついた模様】
【おしぼりを広げると、手を拭き、顔を拭き、脇の下を拭き――と、やたらおっさん臭い挙動をし始めて】

【そんな青年は、恐らく20台前半頃】
【顔立ちは悪くはないが、無精髭や伸ばしっぱなしの長髪も相まって、世捨て人めいた印象は拭えない】
【服装はボロボロのジーンズに、年季の入った皮のライダースジャケット】
【料理が来るまでの一服とばかりに懐から煙草を取り出すと口に咥え、ライターを取り出そうとしたが――ライターが無い】

【ありゃー、と困った様子で後頭部をごりごりと書き、ふと視界に入った男の方向を振り向いて】
【へらへらと緊張感の無い、良く言えばフレンドリー、悪く言えば軽薄な笑顔で言葉を投げかけた】

「そこのにーちゃん、悪いけど火ィ持ってね――」

【と、そこまで口にしてから、逆五芒星のマークがようやく認識できて、一瞬顔が引きつった】
【即座にその引きつりを奥に隠して笑顔を浮かべ直すが、そこでようやく店内の様子に気がついた】
【――これはなにか不味い、面倒を避けるのが主義だというのに、あまりにもうっかりし過ぎだろう】
【男は心の中で、面倒なことになりませんように、と切実に祈るのだった】
145 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 21:55:01.99 ID:yn/D5tRoo
>>142

……お前が調子良いと怖いな、槍でも降りそうだ

【そんな軽口を吐いて、相手の隣の席に気安く座って来る男がいる】
【店員に一番良いワインを注文してから、相手の顔を見てにやりと笑った】

俺だよ、俺俺。口座に100万位振り込んでおいてくれないか?
なんてな。暫く振りだが生きてたか、ヒライ……だよな

【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、黒服姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

【グラサン越しだからか自信なさげに問うのは――毎度お馴染み、悦那で】

/よろしければお願いしますー
146 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 21:55:32.15 ID:UznxuffFo
【酒場】

【店内は静かにアルコールの香りを漂わせていた。席はぽつぽつと埋まっており、客の入りは5割程度だろうか】
【木の温もりの感じられるウェスタン的な雰囲気は賑やかな酒場を連想させたが、中身を開けてみればそのイメージを裏切るかの如く落ち着いていて】
【その空間の中に溶け込んでいる一人―――カウンターの一番手前に腰掛けている青のソフト帽の、白シャツの上に灰色のジレを羽織る男】
【マスターと軽い会話を交わす男の姿から、そこそこの常連なのだろう。少しだけ顔を紅潮させながらも、伏せた紺碧の瞳はシリアスな雰囲気を思わせる】

……俺、つい受けちまったけどさ―――良かったのかな? いや、自信は無いわけじゃねーよ?
でもなぁ……俺、殆ど走れないって言っても過言じゃねーしよぉ……周りは俺を認めてくれるのか、とか足手まといに思われないのかな、とか
―――この『SCARLET』のワッペンは、俺には重すぎるのかも知れない……なーんて、弱気な発想出ちゃうんだよなァ

【カウンター越しのマスターに語りかけながら梅酒を煽る。グラスを持ち上げた右腕、動いた右肩には話に出てきた緋色の鷹のワッペンが張り付いていた】
【右足を上に組んでいたためにか、やや朱の滲んだ包帯の巻かれた右足首が見える。走れない―――そう語る男の根拠が、包帯の白にあるのだろう】

……『不殺』の意志は他人を危険に巻き込む。少なくとも、危険を増やす要素にはなっちまう……だから、本来は個人でやるべきだ
―――でもさ、あんだけ熱心にスカウトされたモンだから……俺の性分だと断れねェって
丁度俺が此処で飲んでた時に、いきなり扉が開いて「貴方をスカウトしに来た」ってよ―――

【暖色の照明が彼の首元の、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントを煌かせる】
【キラキラと輝く玉から発せられるは特殊な魔翌力、其れは「宝玉」―――コレ1つで戦争が起こる程の、貴重な品物】
【男はハァ、とアルコール分を多く含んだ溜息を吐けば、目線をチラリと動かない扉へと移す。小皿に盛られたフライドポテトを軽くつまんで口に咥える。】
【男の隣の席は、空いていた】
147 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 22:03:43.05 ID:PWfkiVm7o
>>144

【警戒混じりのいらっしゃいませが聞こえてくるが】
【場所が場所なだけに当たり前の風景、特に彼は何も動きを見せないでいて】


あァ? 無ェよ。他をあた――


【男に気付く素振りを見せたのは、男が目の前に来てからのことだ】
【喧嘩腰、というわけではないのだが、相手をねじ伏せようとするような視線を向けて】
【男へと返答した瞬間に――今度は彼の顔が少しばかり引きつるだろう】


おい……そいつを俺の目の前からどけろ
さもないとお前の口ごともぎ取る。いいな? 忠告したぞ? 3、2、1――


【そいつ、というのは男が咥えている煙草のことだろうか】
【まるで拒絶反応のように相当な動揺ぶりを見せて、表情には焦りや、なぜか怒りも見て取れる】

【とにかく、早口で捲し立てると勝手にカウントダウンし始めるだろう】
【もし本当に面倒事を避けたいのならば、言う通りにしたほうがいいのかもしれない】
148 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 22:10:45.56 ID:rr1cDBZNo
>>143
//まだ大丈夫でしょうか?
149 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 22:11:38.45 ID:ol9wNnXto
>>147
【ねじ伏せようとする強い視線を前に、それを受け止めるのは暗色に時折炎のような紅が過る瞳】
【相手の暴力的目視力に対する男の眼光は、強くは無い。だが、何か芯を持っている様な独特なもので、折れる様子は無くて】
【しかしながら、次の瞬間の男のカウントダウンと、脅迫の様な言動を前にその芯は一瞬で無くなり果てて】

「知らねーけど分かったから! 物騒なカウントダウンやめてくんね!?」

【慌てて煙草を口から外し、くしゃくしゃの煙草の箱に強引に押し込んだ】
【臨時収入が有るため、タバコ代に困りはしないが、それでも貧乏性の抜け切らない男はため息をつく】
【折角吸えるものを吸えなくしてしまうのは、何とももったいない。そう思った】

「……なんなんだよー……」

【聞こえないように小さくそう呟き、ぼりぼりと後頭部を掻く青年】
【伸びっぱなしの無精髭を捻ると、悪かったと一言会釈して、そそくさと青年は去っていこうとする】
【と言っても、陣取った席は比較的近かったため、否が応でも互いに互いが視界に入ってしまうのだが……】
150 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/15(日) 22:13:57.76 ID:RsNCKtR40
>>148
/もちろんでございます!
151 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 22:21:20.52 ID:rr1cDBZNo
>>135
【一つの小柄な影が、力尽きた少年の元へと近寄る】
【犬である。汚れた毛先から、その犬が野良犬であることを推測することができるだろう】
【しゃがみ込んだ少年へと身を寄せる犬の瞳には――何か、少年に同情するような輝きがあった】

「なに……?」
【野良犬に続いて――まるで、犬に導かれてきたかのように一人の女性が現れる】
【高級そうなズボンとパンツを身に着けてその姿は、少年と同じく周囲の光景からは浮いていた】
【お土産物らしき袋を腕から下げたその姿は、間違いなく観光客そのもである】

「アンタ、大丈夫? なんか顔色が悪いけれど……」

【片膝を折って、女性は少年の傍に屈みこむ】
【足元の砂でズボンが汚れるが、そんなことを気にする様子は微塵も無い】

【その女性は、少なくともとも成人は迎えているだろうが推測できる】
152 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 22:27:10.19 ID:S1OQa9P5o
>>145

ウェイターがナイフ使いで…外じゃ銃弾が降った後なんだ
…槍ならまだ避けやすいだけ…大分、マシだな

【カードを整えてつつ話す。カードをテーブルの隅に寄せると】
【足元に置いておいたビールの缶を何本かテーブルに乗せて】

……悪いな。そこの口座はもしかしたら……口座、銀行ごとスッちまったかもな
…その言葉はそっくりそのまま返すさ……お互い直ぐに死ねるほど良い身分じゃないだろうよ

【指の間に火の点いた煙草を挟みながらビールの口を開ける】
【ビールを一口飲んで、言葉を続ける】

こんなカッコじゃあ……わからないか?今はスーツはオーダー中でな
こんなガタイだからさ……あわないんだよ、既成品のやつだと
……まあ、それにこのハットは似合わないだろうさ、スーツだとさ……

【ツバの広い黒いハットを軽く持ち上げると、額の所に包帯が適当にグルグルと巻かれている】
【それを隠すためなんだろう。ニヤリと笑うとまた深くかぶり直す】

/すみません遅くなりました よろしくお願いします
153 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 22:28:21.13 ID:IBj2G1kz0

【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】







【櫻の国。その、山の奥】
【妖怪が住んでいるという噂が流れている為、訪れる者も早々居ないけれど】
【隠された財宝の情報を得た者や、不運にも道に迷ってしまった者。力試しに訪れる者】
【――――確かに、その場を訪れる者達も居る筈で】


「…………ふぁ〜。平和だねぇ
いや、平和が悪いって訳じゃ無いんだけどさー……
ここら辺の人間は張り合いが無いから、奪われた場所だって直ぐに奪い返せるし、女の人だってみんな遠くに逃げちゃうしさ……」

【大樹の下。大きな欠伸をすれば、その背中を預ける妖怪が一匹】
【山伏の服。背中に生えるのは大きな翼。所謂、烏天狗であろうか】
【少女と間違えても可笑しくないその顔に、涙を浮かべていて】


「別に良いんだけどねー……でも、女の人が居なくなるのは嫌だなー……
別に攫ったりする訳じゃ無いけどさ。デートとか……ねぇ」

【ズリズリと下がっていく尻。やがては、地面へと着いて】
【もし、この場を訪れる者が居たならば、そんな気さくな妖怪の姿を目にすることになるだろうか】
【土を踏みしめる音が聞こえたならば、再び欠伸をしつつ、其方を見遣るけれど】
154 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/15(日) 22:30:58.32 ID:Zh6S0Dt20
/>>141を取り消します
155 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 22:31:37.21 ID:zXbuOuiRo
【水の国・港】
【夜の港と言えば、夜釣り、漣、そして闇取引───かはわからないが、夜の港で闇が蠢くのはありがちな事である】
【今夜も、複数人の黒服達が集まって、何やら向かい合って話し込んでいる】

…という事で、今回はこれくらいで……へぇ、毎度ありっと…
いやーしかしこんなに兵器を持ち込んで何を…あぁいやいや、別に詮索じゃあありやせんよ

【険しい表情で積荷を船に運ぶ黒服達に対して、たった一人で相手取る、飄々とした調子のいい口調で対応する男がいる】

【白黒ストライプ模様のスーツ、高そうな黒い革靴、黒いバンドを巻いた白い中折ハット】
【シマウマ柄のネクタイを巻き、葉巻を咥えた、お話の中に出て来るマフィアそのものといった出で立ちで】
【若そうな顔付きだが、目深に被った帽子で目から上は見えず、白と黒が混じった髪をポニーテールに纏めた男】

…ああそうだ旦那、旦那達の中に能力者はいますかい?
いやね、内の大将が面白いブツをくれやして───

【何処からどう見てもよろしくない取引現場───その手の立場の人間ならば、この場所で取引が行われると噂程度には知っているだろう】
【彼等はそれを知ってか知らずか、兵器の取引は未だ続く】
156 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 22:37:55.19 ID:PWfkiVm7o
>>149

【視界から煙草が消えると彼の表情も幾分か落ちつき】
【何様のつもりか「それでいい」と一言告げると、安心したかのように深くため息を吐いた】
【ちなみにこの時暴力沙汰にならなかったことにバイトの全員が安堵したのは言うまでもない】

【青年の背中を見送って、彼は腕を組んで再び寛ぎ始めた】
【やがて青年のテーブルに料理が運ばれてくるのだろう】
【多分サイコロステーキとビーフシチューとこれでもかと積まれたパンだ】

【ウェイトレスが引き視界に青年のみが映ると、彼はにやりと笑みを湛えつつ席を立つだろう】
【やがてゆっくりと青年の所まで来たならば、向かいのソファにどかっと腰かけるはずだ】


さっきはすまねェな。酒と煙草はどうにも苦手でよ
目の前にあるとおかしくなりそうになるんだよ

お前さんにもそういう受け入れられねェもんあるだろ?


【普段はあまりこういうことはないのだが―― 一瞬垣間見た強さのようなものに興味がわいたのだろうか】
【友人と接するような軽さで話しかけるだろう。青年にとってはいい迷惑かもだが、どうやらお構いなしだった】
157 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/15(日) 22:42:58.41 ID:RsNCKtR40
>>151

……わんこか。
……ハッ、お前、どういう眼してんだよ……いや…ま、そうだよな……


【何処から来たのか……野良犬が少年にすり寄ってくる。】
【少年を見る其の野良犬の眼は―――哀れみ、であった…のだが。】

【少年は溜息をつく。しかし其の眼も、案外納得できる物だと思ったらしく】
【野良犬の背中を擦りながら、少年はこの状況を鼻で笑った。】


ああ、大丈夫だ、平気………
……いや、2日間何も食ってねえ、っつーのは…大丈夫じゃねーよな……


【野良犬の次に、この少年に慈悲を与えたのは―――この少年とは対照的な、"お金持ち"そうな女性】
【その同情を一度は受け流そうとしたのだが、流石に持ち堪える事が出来ない、と判断したらしい。】
【取り敢えず少年は、今の状況を手短に話した。恥ずかしそうに後頭部をボリボリと掻く。】


財布―――どっか行っちまったみたいで。な。
―――ってお前、そんな体勢してたら砂ついちまう……だろ……?


【オーバーコートを着ながらにして、地面にしゃがみ込んでいる少年が言うのも可笑しな話ではあるが】
【女性の高級そうなズボンが、地面に接触している事を指摘する】
158 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 22:44:52.22 ID:Zh6S0Dt20
【とある公園】

 ふむ、実地試験をしてみたが
 ちゃんと目標達成したな

【そのように言う男がいる】
【白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【金髪を少々伸ばしている】
【そして左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見える人には見えるであろう】
【そして、男の肩には鳥がとまっている】

 あとは、量産できるようにしないとな
 まあ、きちんと結果を残せたかな

【男はそのようにつぶやいた】
【そして立ち尽くしたまま、考え事を始めてしまった】
【その姿はいおうなしに目立つであろう】
159 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 22:45:44.78 ID:ol9wNnXto
>>156
「おー、うまそ。ありがとね、ねーちゃん」

【運ばれてきた料理を見ると、先ほどまでの状況を忘れたように生気を取り戻し】
【ビーフシチューをひとさじ掬い、気品も糞も無い様な作法で、口にスプーンを持って行き、啜る】
【目が嬉しそうに細められ、無言でさじを進めていき、パンの山も静かにしかし着々と減っていく】
【その最中、視界の端に、なぜか――なぜか、もう面倒を回避したはずだったのに、面倒の元が来て】

「……」

【食事に忙しいふうを装うが、この手の輩はシカトをするとそれはそれで面倒なことになってしまう筈】
【そう思うと、さじを少しだけ止め、水を一口嚥下すると、つい、と顔を上げて口を開く】

「……俺はなんでもないよ。なんにも嫌いじゃないし、なんにも好きじゃあない。
酒も煙草もやりはするが――、それがなきゃどうしようもないわけでもない。……だから俺には、無いよ。そういうのはね」

【基本的に、男のスタンスは何も好きにならないし、何も嫌いにならないこと】
【そして、誰の味方にもならないし、誰の敵にもならない。また、誰の敵にもなるし、誰の味方にもなる】
【要するに――中立。どちらかによると、きっと大切なもの、譲れない何かが見つかってしまうだろうから】
【だから男は、努めて重荷を背負い込まないように生きてきた。それは一種、青年の人生哲学と言っても良いほどに】

【答えると目線を下にずらし、そのままシチューとパンとサイコロステーキを平らげる作業に男は戻る】
【背丈はそこそこ程度だが、身体はかなり筋肉質な青年。外見通り、中々食事を必要とする用だ】
160 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 22:48:28.27 ID:yn/D5tRoo
>>152

……また派手にやったのか?
気を付けろよ、お前は俺と違って……心臓が動いてるんだろう

【言葉にすれば馬鹿みたいだが、言っている男が“死人”だから出る言葉だ】
【生きている人間は些細な事で死んでいく。今までそれを何度も見てきた】
【――変にしみったれた空気にする訳でもなく、直後に男はにたりと笑った】

何だ、知っていたらついでに、お前のスーツも新調してやらない事も無かったのにな
聞いてくれよ、ちょっとガラにも無く良い事したお蔭で臨時収入さ……嗚呼、パクるなよ?
ついでに住処も新調してな、地下道の地べたから空調の壊れた事務所にランクアップさ

【銀行強盗相手に収入があったと話してくるカモもそうそういないだろう。酷く機嫌の良い様子だった】
【そして少しして、テーブルに少しばかり値の張る赤ワインのボトルと、グラスが二つ運ばれてくる】
【相手の前に片方を押しやると、悦那はボトルを手にして軽く持ち上げて見せる】

まあ実の所、お前がスれるような口座なんか元々持ってないんでな……
余り金を溜め込んでおくのは好きじゃないんだ、こうして使う方が有意義だろ?
これで綺麗にきっかりだな……適当に頼んだが赤は飲めるよな? 一杯やろうぜ、兄弟

【スーツ、住処、奢る酒――始めからその使い道は決めていたらしい】
【普段が無愛想なために全く笑みの似合わない顔で、ワインを相手のグラスに注ごうとし】
161 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 22:59:50.94 ID:rr1cDBZNo
>>157
【野良犬は、そのまま男に身体を寄せている】
【男が拒絶しない限り、ずっとそうしているだろう】

「全然、大丈夫じゃないじゃない。 
……ちょっと待ちなさいよ、何があったか分からないけれど……」
【手から下げていた袋の中身を調べる】
【しばらくたって袋の中から出てくるのは、土産物の団子である】
「どう……食べる?」
【女性は、パックごと少年の方へと押し付けるだろう】

「それ、本当? だとすれば、アンタ相当なドジね……」
【とげのある言葉を吐き出し、女性は短くため息を吐き出す】

「旅行に行くときは財布を二つに分けて、必要最低限のお金が入った予備を作っておくとか……。
もしも次の機会があるなら、そうするべきよ」
【それから、もう一度袋の中へと手を突っ込み「もっとなんか食べる?」と、少年に問いかける】

「砂――ああ、いいわよこれくらい。
 こうした方が楽じゃない? 膝を曲げてると疲れてしまうわ」
162 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 23:17:07.05 ID:S1OQa9P5o
>>160

…表の手配は大したことはないんだが……
裏の方の……ギャンクかマフィアか知らないけれど…まあ…その辺がな
…そろそろ新しいアイディアが必要だな…打つ手はやっているが…まあなんとも

……心臓なんか腹掻っ捌いて見たことも無いからなんとも言えないけれど
…まあ、暫く死ぬ予定もねえよ。…心持ちでなんとかなるもんだぜ、そんなことは
あとは…神の思し召しってやつかな

【生きているとか死んでいるとか心臓の鼓動なんてものはこの男にはそんなことで】
【自分の意志で生死をコントロールできるとでも言いたげな様子だ】

やめろよ、死んだ野郎におごってもらうほど俺も気取っちゃいないね
……良う分からんが儲かってるところは儲かるもんだな…
俺は儲け方はわからないからよ……儲け方より……使い方さ

【息のかかった税理士などからパクった帳簿の数字を眺めても儲け方は書いてはいない】
【煙草の煙を吐き出して、銀行強盗なんてものはそんなもんだよ。と付け足した】

最近はマフィアの倉庫も狙うからよ。そのうち狙うかもしれねえから…嫌なら看板に名前でも書いておきな

【出された、グラスを取ろうとしたが、赤ワインを見て。伸ばしたその手をくわえていた煙草へと持って行って】

……いや、飲めるっちゃあ飲めるんだけど……。なんつーか……ゲン担ぎ?…とかそういうやつでな
赤いモノは避けてんだよ。…ロッソなんて名乗っちゃあ居るが……まあ、アレは手配書が勝手につけたからな…
…赤い液体だとかそういうのは血のイメージがな。ワインなんてイエス・キリストの血液そのもんだろうよ
まあ…他にも色々訳はあるんだが…まあそれは………

【男は口ごもって、苦笑いを浮かべながら煙草を空き缶に押し込んで、ビールの缶を手にとって飲み干す】
163 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 23:17:48.43 ID:wRq/BrZJ0
>>153

おー本当にいやがったいやがった………妖怪≠トやつだよな?
良かった良かった、こんなド田舎まで送り込まれて本当にいなかったらたまったもんじゃないからな。

【土を強く踏みしめ、大樹の下でくつろぐ烏天狗の妖怪の元へと訪れたのは―――。】
【黒曜石のような長い漆黒の髪を赤いゴムで後ろで結っており、同じく漆黒の瞳、口元にメタルレッドカラーの煙管を咥えて】
【真っ赤な軍隊用のロングコートを着用して、その下には黒のインナー、黒いカーゴパンツに、同じく黒のコンバットブーツを履いており】
【身長も170台後半に突入していると思われる、どこか威圧感を放っている長身の女性】

【軽い調子の口調でそう言いながらゴキゴキと首を鳴らしながら烏天狗へと歩み寄っていく】

なぁ、お前だろ?このあたりで噂になってる妖怪って奴は―――?
まさか違うって事は………いやいやまぁ違ったとしても考えはあるんだけどよ、とりあえず確認だよ確認!

【煙管から煙を上げながら腰に手を当てて烏天狗へとぶっきらぼうに問いかけていく。】
【煙管から立ち込める煙の匂いとはまた別に、この女性からはどこか火薬≠フ臭いを感じるだろう。】
【さて、一応女性ではあるが………目的も分からないこの少し危険な気配のする女性に対して烏天狗はどう相対する?】
164 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 23:21:19.04 ID:PWfkiVm7o
>>159

【侮蔑、軽蔑、失望――男の目は、それらとは似て非なる色を宿した】
【ただ取るに足らない存在ならば、気に留めることすらしない。道端の小石と同じ】
【しかしそれに人の顔が付いていたなら、思わず拾い上げてしまうだろう。そんな感覚】


クソつまらねぇな。お前さんは欲を持たねェとでもいうのか?
人を踏みにじってでも叶えたい欲を、人間誰しもひとつは持ってるもんだ


【何にもならない生き方=\―それは、他の人生と比べると多少は楽なのかもしれない】
【深入りせず、適度に無関心を決める。寂しいが、しがらみにとらわれないことが強みでもあるのだろう】

【そんな姿に、男は心の底で少しばかり嫉妬を覚えた】
【なぜならその生き方は、男からすれば到底叶うものではなく最も遠いもの】
【えも言われぬ感情が吹き出した。心の中を、真っ黒い霧が埋めるように――】


もう一度訊くぞ――お前さんに欲はないのか?


【それは青年の意思を確認するための最後の問いかけなのかもしれない】
【瞳には先程までの暴力的な気配はなく――ただ答えを急かすような威圧だけを含んでいた】

/めっちゃ遅れました…ごめんなさい
165 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 23:30:53.43 ID:ol9wNnXto
>>164

「クソつまらねぇだろうよ、そりゃそうだ。……だけどな、俺は俺なりに、後悔したくないからこうしている。
お前さんがなんでか分かんねぇが欲に拘るように、俺にも俺の理由がある」

【無価値だ。男の人生の全ては、無価値である。何も残さず、何も残されない】
【ただそこに居て、ただそこから去っていくだけ、一期一会の旅人の生き方は、何も残さない生き方には丁度良かった】
【きっと己の人生もまた、ただ此処に生まれて、此処から去っていくだけなのだろう。それを望もう、青年はそう考えていた】
【己の中にある炎と向き合うその時まで、今の己が変わるその時までは――決してそれを変えはしないと、決めていた】

【食事を全て平らげた男は、目の前の相手の黒い感情と真っ向から向き合ってしまった。珍しく、目をそらすことは――できない】
【己の心の中でくすぶり続けている何か、己の力の答えを相手は持っているのだろうか、ふと疑問に思った】

「――ねぇよ。そんなもんできちまっても、全部焼きつくして灰にしちまう。
だったら、最初から最後まで何もない方がいい。……それが、一番楽だ」

【男は、答える。欲は無いのではなく、持つのが怖いと】
【欲を持つ事で、周りの全てが無くなってしまう事が怖いと】
【――青年は、相手の目を真っ向から見据えた。その目の色は、いつの間にか紅蓮を宿す縦長の虹彩へと変貌していて】

「……欲を抱いて――守りたいとか、欲しいとか。そう思って、だ。
そう思えば思うほど、守りたいものを殺しちまって、欲しいものをぶっ壊しちまうとしたら。
お前は自分の欲と――どう向き合う? 俺は答えた、アンタの問に。アンタも一回なら答える義理が有るはずだ」

【問いかけ――、欲によって、欲の対象を失うならば、その欲をどうするか】
【おそらくその質問の根源が――この男の欲に対するスタンスの原因となるものなのだろう】
166 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/15(日) 23:30:56.06 ID:RsNCKtR40
>>161

【おーよしよし、と満更でもない表情で少年は犬を撫でている】
【其れに呼応する様に、野良犬は目を細めながら、少年の膝下に寝転がった】

【淀んでいて、どこか虚ろだった少年の眼に光が走る】
【その眼が捉えたのは―――彷徨っている間に、何度も見た、『団子』であった】

【返事すらしないまま団子の入ったパックを受け取ると、】
【目にも留まらぬ速さで其れを開け、串を両手に取って食べ始めることだろう】
【その食い付く様は、まさに"獣に似た何か"ではあるのだが――――2日間断食なら、仕方の無い事なのかもしれない】

【4本入りだった其の団子のパックは、1,2分には空っぽになってしまい】
【ごちそーさま。と挨拶を済ませたなら、口元に食べカスを付けたまま、少年はニッと笑って】


……はー…生き返った………いやー…本当に助かった……
………って、パック全部食っちまった……悪いことした、な……。
…すまん……後で返す、から。……えっと…コレ、あるしな。


【呼吸をしない程必死だったのだろうか、少年の息は荒かった。】
【何本食べて良いか、を聞かないまま全部食べてしまった事を後悔して謝罪し】
【その代わりにコレ、と言いながら女性に見せつけたのは、銀製の指輪。】

【勘の良い人間なら分かるだろうか。――――つまり少年は、この指輪を質屋に入れようとしている、という事である】
【更に観察力に秀でている人間なら分かるだろうか―――この指輪には、魔翌力が込められていて―――もっと言うなら、衝撃を吸収する効果がある、という事に】
167 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 23:31:18.76 ID:ol9wNnXto
>>164
/*オキニセズー*/
168 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/15(日) 23:40:28.31 ID:yn/D5tRoo
>>162

――……成程、それならまあ……仕方ないな
そういう物は大事だからな、ないがしろにした日に限って厄介事が起きたりする
返品は……口空けたら効かないって? それなら弟にでも持っていくか……

【自分でも格好付けが過ぎたと思ったのだろう。鼻の頭を掻きつつワインに栓をした】
【それを適当に机の上に置いて、暫し所在無さげにしていたが、思い出したように店員を呼んだ】

軟炸子鶏……唐揚げと、あとハイボール。……と、灰皿

【一通り注文して懐を探ると、ボックスの箱を引っ張り出して煙草を咥え、燐寸で火を灯す】
【俗に親父が好むと言われる銘柄の一番軽い物――ロングであるのは金欠の性なのか】

賢い儲け方じゃ無いな、機関を追っ払って500万さ。命の保証が無かったのと、
目を付けられた事を考えれば安かったかも知れないが……そうだな、俺も使い方だと思う
タンス預金どころか腹巻の間に挟んでおくんだよ、札束を。刺されても厚みによっては無傷だ

【頼んだ酒が来て一口飲み込むと、唐揚げの方は手を伸ばそうとして何かに思い当たった顔をした】
【固形物は胃で発酵するから口に出来ない訳で――少しばかりバツの悪い顔をしたが、】
【相手を見て妙案の浮かんだように皿を押しやる。……ワインからだいぶ格下げしているが】
169 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/15(日) 23:43:45.32 ID:IBj2G1kz0
>>163
「ド田舎何て言い方は酷いなぁ〜…………
確かに妖怪が殆どだから人間達の場所みたいな……えっと……そうそう!きゃばくらぁ?……って言うのは無いけどさ
其れでも中々楽しいよ?美味しいお酒もあるし、みんな良い奴等ばっかりだし
…………まっ、それはそうとしてさ」

【何処か気の抜けるほどゆるりとした態度。例え威圧を向けられて居たとしても、きっとその様は変わらないのだろう】
【――――何で、キャバクラの例えが出たのか。それは、一人呟いていた言葉から分かろう。この、天狗の性格も気質も】
【歩み寄られようとも逃げる事は無く、中性的な顔に緩んだ笑みを浮かべるだけ。然れど、地に着けていた尻を上げたならば、女性へと向き直って】


「――――んーん?知らないなぁ…………拙(ぼく)が噂になってるなんて、初めて知ったよ
だから、君の言うその噂っていうのには興味あるかな
イケメン天狗!若いおなごをメロメロにする!!とか、この山には格好いい天狗が居るから近づくと骨抜きにされちゃう!!
……とか、そんな感じの噂かな?いや〜……参っちゃうなぁ…………あ、君も拙とデートしたくて来たなら、大歓迎だよ?あ、一緒に空の散歩でもしてみる?
今なら……そうだなぁ……ほっぺたにキスしてくれるだけで夜空の旅にご招待〜ってね」

【その“噂”を、自らは知らないと言って――――嘘か真かは分からないが、不用心にも女性に近づくことだろう】
【にへらと笑いながら並べるのは、勝手な憶測。こんな噂が流れてたら嬉しい……なんて虚しい願望】
【…………所謂イケメン、とは違う気もするけれど、其処を突っ込めば子供の様に頬を膨らませて怒るのだろう】

【――――そんな事はさておいて、その近づいた理由】
【無論、生粋の女好きとしての下心は有るのだろう。しかし、それ以上に火薬の匂いが気になったから】
【ただ噂を確かめに来たのか――――それとも、嘗ての者達の様に力試しに訪れたのか。後者であるならば…………態と先手を打たせ、至近距離で回避するという狙いも含まれて居る】
【さて、少なくともこの天狗から攻撃を仕掛けてくる事は無い。ただ、依然として緩んだ笑みを浮かべたまま、歩み寄るのみ】
【抵抗が無ければ目前で立ち止まった……かと思いきや、自分より遙かに高い女性を軽々と抱きかかえるであろうし、何か仕掛けてくるならば――――状況に応じて、変化する事であろう】
170 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/15(日) 23:51:54.46 ID:rr1cDBZNo
>>166

【少年の側で、野良犬は気持ちよさそうにしている】
【ただ、少年が美味しそうに団子を食べる姿には、少々羨ましそうな瞳をのぞかせていたり――】


「別にいいわよ、これくらい。……単に、当然のことをしただけだから。
 こんな道の端であんな顔をされてたら気分も良くないし、みんなにも迷惑でしょう?」

【袋の中からは、饅頭の箱も出てくる。「もっと食べてもいいわよ」と、女性は話す】
「どちらにしろ、これもあげるわ……今は食べなくても、後で食べられるでしょう」

「でも、悪いわね……飲み物が何もないわ、喉を詰まらせて死なれても困るし、なにか買ってきましょうか?」

「……………」

【瞳を細めた女性は、見せつけられた指輪の意味をよく噛み砕く】
【指輪のあった指の位置を確認すると――小さく、左右に首を振った】

「それは、止めておいた方が良いわ。
 こんな国の質屋だなんて、二束三文で足元を見られてしまっておしまいじゃない?」
【「もちろん、推測にすぎないけれどね」と、言葉を付け足す】
「それに――事情は分かるけれど、薬指の指輪は……売るもんじゃないわ」

「事情は知らないけれど、それは大事な物じゃないの?」
【特殊な能力を持って――見た目以上に、価値のあるものだと気付いているのか、細く結ばれた女性の瞳が指輪を見据えている】
171 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 00:06:44.44 ID:jYbwoVLF0
>>169

あーそいつは悪かったな………俺は生まれも育ちも草の根も生えないような戦地だからよぉ
イマイチそういう人情溢れる山中って言われても響かねーんだ………あぁあれか、住めばなんとかって奴だな!!

【天狗の言葉に対して申し訳なさそうに頭をぼりぼりと掻きながらぶっきらぼうに謝る。】
【どうやらこの女性は中々に単純≠ネ性格をしているようだ―――そして天狗がこちらに近づいてくるのを確認すると】

お前っていうよりこの辺りの妖怪ども全部か―――?
なんだっけか、土地を開発するのに鬱陶しいだとかなんだかとか言って依頼が来てよぉ………まぁご察しの通りって訳だ。

                     お前ら全部駆除≠オろってよ

【相手がこちらの目的を理解しつつあると読んだのか、女性はにんまりと犬歯を剥き出しにして凶暴な笑みを浮かべて】
【接近される前にに何か紅いスプレー缶のような物を自分たちの頭上へと放り投げ、同時に自分は後方へと大きくバックステップして】
【手元のの小型端末を用いて転送術式を発動―――身の丈程もある巨大な赤いブレードライフルをその手に構える】
【僅かな間で一瞬にして臨戦態勢を整えた。】

俺は傭兵団業/カルマ≠フ副団長モルドレッド・ガーベイン≠セッッ!!よろしくな天狗野郎ッッ!!
喰らいなッッ!!≪ローズ・スモーク=窿bッ!!

【名乗りながらそのブレードライフルから弾丸を発射し先ほど頭上に投げた赤い缶を打ち抜く、すると―――。】
【当然スプレー缶は破裂し、その内部から赤い粉末が天狗の元へと降り注ごうとするだろう、もしそれを被ってしまえば】
【強烈な催涙効果と、さらには呼吸器官などに激痛が走るだろう………もっとも赤い粉末が落ちるスピードは遅い、対処は容易だ】
172 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:08:22.90 ID:uuSg4VrXo
>>165

【後悔、またつまらない単語が出たと、彼は思ったのだろう】
【故に、目の前の存在を変えたいと思った。それが――善悪のどちらに基づくものかはさて置きの話だが】


くだらねェ質問だな。壊しちまったらまた手に入れりゃいいだけの話だろうが
どの道俺にはそれしかできねェんだ。なら何も考えずそれを繰り返す方が楽だろうよ


【男の答えはつまり、思考の放棄だった】
【それは生まれながらに我慢≠ニいう脳のリミットがないことを差し置いても、短絡的で、そして薄情だった】

【おそらく青年は何かの要因で欲したものを壊してしまうジレンマを抱えているのだろう】
【だから何も持たない孤独を選ぶ――それはある意味、己を犠牲とする心の強さ】

【壊してしまうから何も求めないのか、それとも】
【壊してしまったなら次を求めればいいだけなのか――どちらが正解かなんておそらくない】
【けれど男は、決して前者の生き方を認めようとはしないのだろう】


何にせよだ、お前の生き方は――人間のそれじゃねェよ


【何かを押し殺して生きることに意味などない、言いかえればそうなるのだろうか】
【謙虚に生きることもまた美徳であるというのに、まるで自分が全てのような言い草だった】
173 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:11:25.91 ID:2ISMD5WDo
>>168

俺の名前を知ってる奴はそんなもんだからロッソだとかビアンコだとか
よく勧められるんだけどさ…まあ、そういうことで

ああ……そういや……前にアンタのアニキだか弟だがに会ったな
まあ、アンタと一緒で……風変わりったな

【自分も言えた義理じゃないが、当人は気づいていないのかニヤけている】
【相手が煙草に火をつけたのを見て、自分も(さっきまで吸っていたが)吸おうと思いったって】

【ポケットから赤マルのソフトケースを取り出して、手首のスナップで一本箱から出して】
【それをくわえると、キズだらけのシルバーのジッポーで片手で覆う様に火をつけた】
【パチっとジッポのフタを締めると、赤マルとジッポをテーブルの上に投げ出して】

ほう…機関ねえ……俺も仕事の投資金が足りねえときに一回やったよ
糞寒いとこでさ…あんまり戦いが得意じゃないのに、そんときは運がなくてさ…凄腕のガンマンが相手で
…んで……疲れたから……そうだ、思い出した。…その後そいつとバックレたんだよな……向いてないことはするもんじゃない

【煙草を吸いながら、あまり都合のよくないことを思い出したのか】
【苦笑いをしながらしきりにハットのつばを触っている】

そういや…アレは…俺は…どっち側だったんだろう…まあ、いいか。似たようなもんだ
アノへんのドンパチはよう分からん。俺は新聞もすっ飛ばして読んでるぐらいだ

【そういって、目の前のつまみを一つ掴んで口に放り投げた】
【機関だとか正義だとか。そういうものも男にとっては酒の摘みにもならんということらしい】

【男は手を挙げて、店員にウイスキーを注文する】
【暫くして無愛想な店員が乱雑にビンと氷を置いていった】

174 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:21:49.97 ID:9zsgYhIqo
>>172
「……」

【相手の回答は――、青年に取って予想外のものだった。壊すか壊さないか、どちらかしか無いと思っていたから】
【あまりにも単純で、短絡的で、シンプルな答え。人間というよりも、獣や動物と言ったほうが適当だろう思考】
【ただ、それを正しいとは男は思わない。それを正しいと認めてしまえば、これまでの自分は何だったのかと思ってしまう】

【守ろうとしたからこそ、欲したからこそ。それらを求めず、それらから背を向け続けて生きてきた】
【その苦痛は大変なものであったし、その生き方に疑問を覚えたことも一度や二度ではなく、それでも心と身体を鎧という殻で包んで生きてきた】
【相手の在り方は、男に対して真っ向から正反対であり、だからこそ――奥で燻る何かが、火の粉を散らし始めた】

【右手に握るグラスになみなみと注がれていた水は――いつの間にか消失していた】
【透明なはずのグラスは、いつの間にか煌々と赤く輝き、ぶすぶすとテーブルを焦がしていた】
【男の紅の瞳は、相手を真っ向から見据え、紅の罅を右顔面に次第に生み出しつつ有った】

【漏れだす蜃気楼――爆発寸前の何か≠ヘ、相手の否定を持ってして暴発した】

「――取り消せ。俺は、俺は――まだ、人間だ。人間で、居たい」

【ばしゃり。相手の足元に放り捨てられたグラスは――水音を立てて地面に落下した】
【どろどろに溶解したグラスは、異様な程の熱を孕み――それが酸などではなく、単純な高熱によるものである事を如実に語る】
【伸ばした右腕を見てみれば、その腕にはびっしりとひび割れが浮かんでおり、隙間から炎の舌がちろちろと飛び出していた】

【左腕で罅を押さえつけ、人の形を失いつつ有る両目の虹彩で、相手を睨み】
【男は己の内側の何かを封じ込めるようにしながらも、理性を貫きながら、心を必死に保ち――口にする】

「撤回、しろ。俺はまだ――人間だ」

【ただ単純に、己が人間である事を、強く――宣言する】
【人から程遠い姿形で、人にあらざる生き方と言われても、これだけは譲れなかった――自分が人間であるという事だけは】
175 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/16(月) 00:22:29.74 ID:pk3pX3TR0
>>170

お、おう……有難うな……いや、…でもな……?

【少年は何かを言おうとしたのだが、其れを遮ったのは饅頭の登場】

【少し前に団子の串を、4本食べたとは言え、少年は"成長期"のお年頃。】
【「お、マジかー」と嬉しそうに受け取り、ビリビリと包装紙を破く事だろう。】


……飲み物?あー、いやいや、これ以上してもらう訳にはいかねーしな。
大体、饅頭なんかで喉詰まらせる奴、いるわ………ッ……!?


【またしても両手で饅頭を頬張りながら、少年は女性にこう断ろうとする。】

【…が。少年の"言葉"が途中で詰まったのを不思議に思い、目を落としたなら―――】
【其処には手を首に当てて、脚をバタバタと動かす少年が居ることだろう。】

【…数十秒経って、"原因"が少年の喉を通過する。】
【はー、と少年は一息。】

碌な事、言うもんじゃねーな……
……あれ。何の話してた……っけ……

…ああそうだ、指輪の事、だったな。
……良く分かったな。

…エスパーか、其れともアクセサリー屋か―――?

【何度か深呼吸をして落ち着きを取り戻す少年。】
【右手の薬指に眼を落とし、少年は、この指輪が大事である事を打ち明ける】

【言いながら、打ち明けてしまうと、今度は女性に、礼を返し辛くなる事に気づいたのだろう】
【取り敢えず状況を誤魔化すべく、冗談を言いながら少し笑ってみせた】
176 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:27:50.99 ID:QLVBF++10
>>171
「――――嗚呼、なる程ねぇ…………まぁ、拙からしてみれば何度も何度も拙達の場所を奪っても飽きない君達が“鬱陶しい”かな
…………鬱陶しいだけで、人間らしくて嫌いじゃあ無いけどね」

【降り注ごうとする粉塵を、避ける事は無い。起こした動作は、漆黒の翼を広げただけ】
【――――笑みの“質”が変わった事に、女性は気付くであろうか。ポリポリと頬を掻いたならば、数回その翼を“羽ばたかせる”】
【粉塵を自らの身体に注がない様にする事は勿論の事、その特性を利用して逆に女性へと浴びせようとする魂胆であろう】
【尤も、其れが普通の物と同じ性質であった場合の話。魔術的な処理等が施されて居たりすればただ自ら遠ざけるだけになるし、女性の身体能力や機転によっては避ける事だって可能】


「傭兵ってアレでしょ?お金を貰って、色々な仕事をする人達。何て言うのかなぁ…………手っ取り早く言っちゃえば、殺し屋かな?
…………中身が無いよねぇ。頼まれなきゃ殺せないし、仕事もしない。自分達の考えなんて、無い様にも思えるんだけど
――――良いさ。この場所を奪うなら止めるし、仲間達を傷付けるなら拙は君を嬲る。―――カルマ。因果応報みたいなものなのかな
……~威。もし聞こえていたなら、拙の名前を覚えておいてね。モルドレッド」

【粉塵の軌道を逸らした羽ばたき。推進力を己の背後へと向けたならば、その力を用いて一気にバックステップ分の差を埋めようとする事だろう】
【…………袂から取り出した札。一度振ればその手には六尺棒が握られて――――速度を維持したまま、女性の脇腹を打ち抜け様とする】
【天狗の力に、その速度。合わさったならば成人男性が振るうその力を優に越える破壊力だけれど…………その速さ故に、振るう軌道を変える事は難しい】
【傭兵稼業に勤めている者ならば、回避する事だって出来るであろうか】
177 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:29:04.69 ID:9zsgYhIqo
>>172
/*申し訳ございません! そろそろ眠気が来てしまっているので、もしよろしければ凍結お願いできませんでしょうか!*/
178 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/16(月) 00:34:58.58 ID:eeWRq7qpo
>>173

俺の上はいないはずだな……となると真ん中の弟か、順当にいけば
頭おかしかっただろう? たまにまともな事言うから怖いんだが……
良いんだ、血は繋がってないし、いざとなれば他人の振りが出来る

【一番下とは絶対に穏やかな話など出来る筈も無いと考えれば、浮かぶのは二番目だった】
【抜けていく甘い煙を吐き出して酷い溜息をつく永遠の三十四歳――死後五年、ではあるが】

【(赤マル買って来いと言われてラキストを突き出して、先輩にぶん殴られた覚えがあった)】
【(箱を眺めて思い出す、若い頃の下らない事――相手が持つのはどちらなのだろうか。未だに区別が付かない)】

……ん? ちょっと待て、敵とバックレたのか……? ……駆け落ちか?
まあ……俺も面倒な関わり方してるからな、なるべく避けてた筈だったんだが
前にいた……UTにな、遠回りにでも恩が返せればそれで良い。どうせ戻れない

【深く吸い込んで煙を吐く――ストレートで飲むのかなどと考えながら、横目で視線を遣った】
【酒も煙草も強い物は苦手だ、血は繋がらないがそんな弱みばかりが繋がっている兄弟の影が、】
【思わぬところで垣間見えて少し愉快だった。あいつは赤より白派だったか、などと考えを巡らせる】
179 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 00:38:45.41 ID:Q+rhSuzCo
>>175
「いくらなんでも、よくもまあそんなに食べるられるわね……」
【素晴らしいまでの食べっぷりに、呆れた表情で少年のことを見つめる】

【少年が開けた饅頭の箱から、女性も一つ饅頭を取り出す】
【それを半分に裂くと、片方は野良犬へと差し出して、もう残りの片方は自分で口にする】

「うぇ……甘い」
【眉間に皺をつくって、表情を歪める。女性の好みの味ではなかったようだ】


「そんなに食い意地を張るもんじゃないわよ……」
【一通り辺りを見渡すが、すぐそばに飲み物を譲ってもらえそうな場所は見当たらない】
【そのため、飲み物については保留をすることとなった】

「指輪については、ただの推測よ――どうやら、当たったらしいけれど。
 ……アンタぐらいの年頃なら、もうちょっと華美なアクセサリーをつけたがるものでしょう?
 そんな地味な指輪を好んでつけているってことは、何か特別な理由があるのではないか……そんな感じよ」

【笑ってみせた少年に、女性はむっつりとした表情で言葉を返す】

「ま、でもどんなアクセサリーかまでは分からないわ。 私は、アクセサリー屋さんにはなれないわね」

//時間的に、もう少ししたら落ちなければいけません……
//次辺りで打ち切らせてもらうか、もしくは凍結をさせてもらって良いでしょうか?
180 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 00:50:27.20 ID:uuSg4VrXo
>>174

【男は思考する。なるほど――これが枷の正体なのかと】
【これがこの男を人間から遠ざけるものなのかと】
【――そう、この男には前言撤回の意志などさらさらなかった】

【心に充満した黒い霧は――その姿を見ると同時に歪な笑みとなって表れた】
【ようやくこの瞬間に悪意を覗かせたのだ】


そうだな……そうだろう。誰だって人間でいたいよなァ? なら自分を抑えつけるな
欲しいと思えば手に入れればいい、壊してしまったならまた手に入れればいい
単純なこった


――欲を満たし続ければいいんだよ


【噴出する炎に全く臆することなく男は続ける。相手が姿形を変えようとも、その余裕を崩すことはない】
【そしてその身に業火を感じながら、ジャケットから何かを取り出した】
【見かけは何の変哲もない札だ。魔翌力とはまた違う、染み込んだ異能の力を感じるだろう】

【それを青年へと、見えるように翳して】


できねェってんなら手伝ってやる


【ピン、と指で弾いたなら青年の胴目掛けて飛ぶだろう】
【張り付けば――自分の衝動が膨らむような、内なる自分が湧きたつような感覚に襲われるだろう】
【欲貼り=Bそれが男の能力。対象の欲を引き出す力だ】

/了解です…遅くて申し訳ないです…
181 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 00:52:49.16 ID:jYbwoVLF0
>>176

まっお前ら妖怪と違って人間なんてのは増えまくってるからなぁ………世界中でこんな事が起こってやがるぜ
まぁお前の言うとおり強欲なのも人間の性って奴だ―――俺は別にそんな事どうだっていいけどな。

ッッと!!

【相手の言葉に対してブレードライフルを構えつつも面倒そうにこめかみを掻きながら律儀に返答していく】
【やはりこの女性、単純―――というよりは馬鹿≠フ類であろう、まさに暴力という手段しか使わない傭兵らしいと言えるが】
【そして相手が自分の放った粉末を吹き飛ばして自分へとぶつけようとしてきた事に対してはさらにバックステップすることで回避を試みる】
【が、完全には逃れきれなかったようで粉塵の向こう側でゴホゴホというせき込む声が聞こえる。】

ガッ!ゴホッ―――ったく訓練しても慣れねーなこいつは………あー痛てぇ。
ああそうさ………まぁどっちかといえば戦争屋≠チて言った方が正しいか、まぁどっちでもいいや
そうそう、俺らはただ金だけで動くなんの考えも思想もないただの戦闘狂い/バトルジャンキー≠セよ。

まっ好きなこと≠竄チて金になるんだから最高だけどなァッ!!

【さらに相手が接近してくる事に対してこちらもさらに後方へと下がるが、催涙粉を受けた状態ではやはり動きがイマイチだ】
【なんとか身をよじって六尺棒を回避しようとするが―――そのまま脇腹を撃たれ、ボキンッ!っという嫌な音と共に地面へと転がる】

ウガッッ!!………畜生、こいつは肋骨が一本………いや二本はイッたな………流石化け物、つえーなッ!
まぁ―――まだ動けんだけど―――なァッ!!

                    『レクイエム・シャウト』ッッ!!

【口から血の混じった唾を吐き捨てながら飛び跳ねるようにして起き上がり一度脇腹をさすって同時に脂汗を浮かべながら笑う】
【自身でも言ったようにこの女、やはり戦闘狂い/バトルジャンキー≠セ………戦いの快楽で痛みも麻痺しているのだろう】
【そのままブレードライフルを構えると天狗へ向けて銃弾を連射し、さらにおまけとばかりに銃身に小型ミサイルを取り付け、それを発射する】
【範囲、数、そして威力も増している攻撃だがダメージの為かそれほど精度は高くない。】
182 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:52:52.69 ID:9zsgYhIqo
>>180
/*いえいえお気にせず。クッキー作りつつだったので大丈夫ですよー。
では明日またよろしくお願いしますね。多分8時頃から出来ると思いますからー*/
183 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 00:57:36.20 ID:2ISMD5WDo
>>178

どうだっただろう…挨拶できればそれでいいと思うし
…俺あんま怒ったりとかしたことねえからわかんないんだよなあ
本当におかしい奴が見たけりゃ…もっと腐った飲み屋に行くといい

【グラスに氷を落として、注ごうと瓶を掴んだが】
【案外、ウイスキー自体も冷えていた事に気がついて】
【なら、面倒だと思ったのか、そのまま口をつけて一気にあおった】

俺、現地までジープで行ったから……どうせ同じ街に帰るんだろうからよ
まあ……乗ってく?的な感じで……まあ、そういうこともあるんじゃないの?

…ああ、そうそう…俺、UTにも行ってよ。…ほら、事務所あるだろ事務所
前に…なんだっけ…なんかまあ色々あってよ、川に落ちた時担ぎ込まれた先がそこで……あれだな彼処はダメだ

【瓶を置いたかと思うと、急に真剣な顔つきで(サングラスで殆どが隠れてはいるが)】
【酒と煙草にやけたしゃがれた声を低くして】

……BGMがな…よその有線に頼んでやがった…あれは駄目だ。曲選も悪い、内装にも合わない
あそこのネーチャンにも言ってやったんだがな……まともに取り合っちゃくれなかった
俺のを送ってやろうかと思ったが…あれじゃ手入れもしてくれないだろうし……

【どうやら半ばUTを酒場か何かと思っているフシがあるのかもしれない】
【そしてこの男はやたらとレコードについて煩い男だったらしい】
【だいたい、川に落ちたとか銀行強盗がそれをとっ捕まえるとこに行って無事なのかなどおかしな所も多い】
184 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/16(月) 01:03:45.37 ID:pk3pX3TR0
>>179

…甘すぎるか?じゃー、全部食ってやるよ。

【元からそうする積もりだったけど、とは言わないが】
【偶にほらよ、と犬にも食べさせながら、少年は饅頭に食らい付く】

……推測、か。
…あーコレはな、…いや、大したもんじゃねーよ…。

【と含みのある間を持たせて。隠し事は下手なのか、少年はまた誤魔化す様に笑う。】


…悪い。名前、聞いていいか?
俺は、ねこむら……っつーんだが……

【何としてでも、少年はこの礼を返したい、と思っているらしい】
【取り敢えず名前を聞き、後日―――という事なのだろうか】
【見た目や口調からは想像出来ない、少年の行動に"面白さ"さえ沸き起こるかも知れない】


【さて、今少年は、女性の名前を聞く前に、自らを名乗った】
【確かに名乗った、のだが。もしかすると、聞き取れないかも知れない。】
【というのも、前後のトーンとはかけ離れて小さな声で、呟いたのである。】
【少年は嫌がるであろうが―――聞き直す事も、可能であろう。】

【更に、少年に目をやると、顔を赤らめ、目線を逸らし、頭を掻いている―――】
【つまり、恥ずかしがっている事に気づく事が出来るだろう】

【―――この2つから推測出来るのは、唯一つ。自分の名前にコンプレックスがある、と言う事だ。】

【確かに、16歳の割りには大人っぽい、整った顔立ちに加え、赤いオーバーコートや銀の指輪。】
【『ねこ』という可愛らしい印象のある名前には不釣り合い、には思えるだろうが―――?】
【とにかく少年は其れに、"過剰に"反応している、のである。】

あー…くそ。俺のは覚えなくていいから。名前だ名前。
……ほら、今日のお礼、しねーと、だろ?

//はーい、私はどちらでも構いません!
//お任せしますよ〜!
185 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/16(月) 01:19:30.92 ID:eeWRq7qpo
>>183

挨拶か……出来たかなあいつ……無理だろうな……頭が毎日夜だから
って直呑みかよ、若いな……胃が。俺は見てるだけでクるな

【一気に呷る姿を見て眉を顰める。下品だとかそんな事ではなくて、ただ自分なら確実に咽るという話】
【相手の話は頸を捻りながら聞いていたが、UTの事となると少し表情が変わった】
【まして相手が真剣な顔をしただけに、こちらも構えて話を聞いていたのだが――】

……っ、ハハ……セリーナにそんな細かい事ケチ付けたって取り合わないだろうよ、そりゃあな
その前に良くしょっ引かれなかったな……大体川に落ちて担ぎ込まれるって、病院じゃあないんだから
本当に面白いなお前……BGMなんて、俺がいた頃には特に気が付きもしなかったな

【自分も歳の行った趣味だと思っていたが、相手もなかなかだったらしい】
【熱の籠った語りを無下にはしないが笑い飛ばして、懐かしい心地になる】
【彼女もそれなりに良い趣味をしていたと思ったのだが、上がいたという事か】

……そう言えばお前、どんな曲ならアレに合うって言うんだ?
俺はあのままでも良いと思う方だが、強いて言うなら……――

【――その後も続けるのは他愛ない話、飲まれなかったワインは件の弟に渡るのだろう】
【夜明けまで引っ張るような事も無い筈だ。何せ酒が回るのが早い、どうせ長くは持たないのだから】

/この辺りで失礼します、絡みありがとう御座いました
186 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 01:25:31.90 ID:Q+rhSuzCo
>>184
「食ってやるって……私への感謝が感じられない言葉よね」
【そう言って、眉の端を釣り上げてみせる】
【とはいえ、今のところ女性が何かをするような素振りは全くない】


「むら、ねこ……ですって?」
【はじめに、驚いたような表情を作る】
【人の名前にしては非常に特殊な名前で、その響きは何かの冗談であるかのように聞こえたからだ】

「そいつは……そうね、素敵な名前じゃないの」
【だが、それが嘘や冗談ではないと言うことが分かると――今度は、小さく微笑みを浮かべた】
【それは、相手を嘲ったり馬鹿にするようなものではない】
【あくまでも、あくまでもそれは純粋な微笑みである】

「ふふふ、でも……なにも、そこまで恥ずかしがるようなことはないじゃない」
【頬まで染めてしまい、よほど恥ずかしいらしい少年へと、フォローをするような言葉もしっかりと与える】
【――どういう道程があってそんな名前になったのか、興味もあるところだが、あまり深く触れて良い話題ではないようだ】

「私はね、ココっていうの。 ココ・ハリスン。
 お礼だなんて、別にいらないわよ……まあ、餓死なんてことにならないように、頑張りなさいよ」

【名前を名乗ってしまえば、一度少年へと背を向け――頭を掻きながら、振り返る】

「あげるわ、これ。 腹の足しにでもしなさいな」

【そう言って、少年へとお土産が入った袋を突き出す】
【「要らないなら、その野良犬にでも食わせなさい」と、ほとんど押し付けるような勢いである】
【袋の中身は、2、3個ほどの甘いお菓子類がつめられている】

「悪いけど、次の予定があるから……じゃあね。
 何度も言うけれど路頭で餓死とかするんじゃないわよ」
【踵を返して、女性は人並みの中へとその姿を消していった】

//それでは、これで失礼します
//今日はありがとうございました、お疲れ様でした。
//文章が遅かったり、まとわりが悪かったりした感触です……いろいろとすみませんでした
187 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 01:27:06.77 ID:QLVBF++10
>>181
「どうだって良いなんて言う割には、君だって十分強欲じゃ無いか――――
何人何十人…………それとももっと多く殺したのかは知らないし、それこそどうだって良い事だけどさ
妖怪より遙かに多そうな人間がどれ位死んだって構わないよ。けど…………拙等にも手を出すなら、話は別って事になるかな」

【天狗の動かす翼が、土埃を舞わせ小枝を流す。その中で浮かべる表情は最早笑みでは無く、ただ女性を見るだけの冷たい表情】
【――――構えられる獲物。攻撃方法は理解した。だが、其れを防げるかと問われれば…………幾ら素早い妖怪と言えども、天狗では銃弾の速さを超える事は出来ない】
【ましてや、離れた距離。引き金を引く事を阻止する程の速さなんて、無くて】
【神通力を自らの獲物に伝わせれば、鉄柱程の堅さへと強化させる事だろう。無論、女性の次の一手を防ぐために】


「その“好きな事”をして味わう痛みなんだから、文句は言わないでよ
――――お世辞に返す様だけど、一応拙だって一つ妖怪の頭を務めているからねぇ…………倒れちゃったらあのお酒好きの吟醸おにーさんに他のお酒をあげれないし、桜とのデートの約束だって出来ないし
…………だ、か、ら――――――ッ!!!」

【続く言葉は、火薬が炸裂する音で消される事だろう。炸裂音の合間合間に聞こえるのは、きっと天狗の叫び】
【自らを鼓舞する様な其れ。音速の弾丸達に、身体を貫かせない様にする為の事】
【――――全てとは言わずとも、致命と成り得る部位に着弾するであろう弾丸は弾き飛ばし、顔を抉ろうとする弾丸は“神通力”によって大きく軌道を逸らされる】
【…………四肢に埋まったり、貫いたりする物だって幾つかあるだろう。けれど、止める事は無い。否――止めれば更に被害を被る故に、止められない】
【さて、最後に付け加えられた小型のミサイルについてだが――――初めて、其処で“回避”を見せたのだろう】

【痛みの襲う身体。其れ一発だけならば何とか出来たのかもしれないけれど、今の状況では難しいから――――】
【背後で起きる爆風。小石等々が身体を削らんと襲ってくるけれど――――砂煙が収まった頃、上半身を纏っていた物が殆どなくなった状態で、天狗は立っていた】


「え、へへ…………随分と、派手に…………やってくれるね……?
拙等の居場所が、すこーし…………削られちゃった…………けどさ…………
ねえ、それ、何て言うんだっけ…………?五月蠅い音がするヤツ…………さ
…………鉄の小さな塊、沢山飛ばすんだよね……」

【――――黒かった双眸が、紅く光る。即ち、連続で打ち込まれる銃弾を防いでいた時――顔面に直撃する其れを逸らしていた時に見せた、神通力の前触れ】
【女性を直接攻撃できる術でも無いし、大きな干渉を起こせる様な物でも無い】
【ただ、攻撃方法は“理解した”から。……小石が集えば、一つの塊と化して】
【――――其れは、勢いよく放たれた。狙いは、トリガーを引く手。正確には、その甲】
【銃弾ほどの威力は無いにしたって、“当たれば”筋を痛めつけたり、骨折等は引き起こせるかもしれない――――が】
188 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 01:54:46.77 ID:jYbwoVLF0
>>187

そりゃそうだろうよッッ!俺みたいな殺戮しか能のない奴は自分が戦うだけの場≠ニ金≠ェあればいいんだよッ!
おうッッ!!てめーも自分の求める欲≠もっと出してこいッッ!そうした方がもっと戦いが愉しくなるぜハハハハハハッッ!

嫌だねッッ!!俺は一方的に破壊して踏みにじって喰らう事が好き≠ネんだよッッ!
ギリギリの命のやりとりも悪くはねーが、やっぱ命乞いする相手を蹂躙するのが一番だよなぁッッッ!?

【相手の言葉に対して咆哮のような笑い声を上げながら叫び、ブレードライフルを祝砲のように夜空へと連射する】
【やはりこのモルドレッドという女のようなタイプは戦闘が長引けば長引くほど興奮し、凶暴になっていく………まるで獣だ。】
【しかし興奮すればそれだけ集中力や繊細さは失われる―――相手が小石の塊をこちらへ放ってきている事に気が付いてはいなかった】
【ゴキンッッ!という鈍い音と共にトリガーを持つ右手に小石の塊は命中し、モルドレッドの顔は苦痛に歪む】

グアッッ!?………手前、手を………ッ!
やりやがったなてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!

                   燃え尽きろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!

【凄まじい痛み、そして何よりも手の甲の骨が砕けた事によって右手からブレードライフルの銃身が滑り落ちようと―――】
【だが腐っても歴戦の傭兵、最後の力を振り絞ってもう一度銃身を掴み、先ほどとは違う位置に存在するトリガーを引き抜く】
【そして先ほどまで弾丸を放っていた銃口の下から放たれるのは炎=Aつまり火炎放射器としての機能も存在しているのだ】
【このブレードライフル、かなりのカスタマイズがされているようだが………ともかく天狗に向かって火炎が凄まじい勢いで迫っていく】
【だがあくまで直線、対処は難しくはないだろうが―――。】

【それを放ち終えるとモルドレッドはブレードライフルを地面へと落とす、そしてガンッ!という音と共に大地へと突き刺さった。】
189 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/16(月) 02:07:38.05 ID:pk3pX3TR0
>>186

あーくそ…、どいつもこいつも……―――

【女性は予想通りの対応、だったらしい】
【少年は俯いて額に手を当て、歯軋りを鳴らす】

【少年にとっては、純粋に微笑まれるより、いっそ大笑いされた方が良い、と言わんばかりに】
【自分を救った恩人の前で言うべき台詞ではない言葉を発した】
【―――否、其れ程、少年はこの女性に親しみが持てている、と言う事なのだろう】

…おう。ココ・ハリスン、だな。
うし。次会ったら―――……

【少年の言葉を断ち切ったのは、またしても食べ物】
【思わず立ち上がって、少年は有難う、と返したが…どう見ても其れはお土産用。】
【確実に、礼は返すとは言え―――】

……これ、他の誰かにあげる奴じゃねーのか?…
…流石に、貰い過ぎだろ―…ってな。…あ、断りはしねーけど…―――

【少年の質問も虚しく、押し付けられてしまった。】
【今まで散々受け取っておいて、お腹が満たされたなら返すと言うのも、其れは其れでおかしい話。】
【ならば次に合った時に、という事にして受け取るのであった。】


…いや、もう…餓死はしねー…つもり、だな。財布2つ…これからは、そうする…。

……今日は、ありがとな……あ、ほらワンコも。

【少年の側に居た野良犬を持ち上げ、少年の手でお辞儀をさせる】
【やがて、人混みの中へ溶けていく。女性が立ち去った後で、少年は有る事に気づく】

【―――すっかり、懐いてしまった。】
【このままじゃあね、と立ち去るのも名残惜しく、かと言って、連れて帰る訳にも行かず―――】
【未だ賑わいを見せる通りの片隅で、今度は犬と眼を合わせ、一緒に悩む"違和感"が其処にあるのであった。】


//お疲れ様でした!
//私の方が低クオリティの癖に遅レスで……!
//今日は楽しかったです!是非、また宜しくお願い致します!
190 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 02:27:07.34 ID:QLVBF++10
>>188
「はっ……は。欲、かぁ…………よく煩悩まみれと言われる位にはあるけれど……さッ…………!!」

【命に別状は無い――――とは言えども、行動は確かに鈍くなっている。だからこそ、更に気を引き締めねばなるまい】
【欲との言葉には自嘲するかの如く薄く笑って、六尺棒を杖代わりに一瞬折れた膝を再び立たせ、体勢を元に戻すのだろう】
【…………神通力。確かに便利な力だが、それ故に発生する副作用も存在する】
【更には銃弾の速度にまで対応させていたのだ。フラリと揺れる身体を制して、今一度翼をはためかせる事だろう】


「拙の欲はデートしたりお酒飲んだりするだけだから、君達とはまた違った欲なんだよ
…………一方的な蹂躙だなんて、趣味が悪いなぁ……
拙は、さ。普通に話したり、遊んだりからかったりしてる方が好きかな…………まァ、一方的にしてみても良いんだけど」

【満身創痍な状態であっても、軽口。こんな場には似合わない言葉だが、だからこそこの天狗らしさでもあるか】
【――――命中。そして、求めていた結果。上手く行った事に対しては、素直に喜びの感情が生まれる…………生まれていた。それも、束の間の事】
【予想外なのは、その手で再び銃身を掴んだことだろう。まさか、此処までとは予想も付かず】
【逃げる隙は失われた。追い風を用いて粉塵と同じ様に炎を返そうとも考えたが、背後の爆発によるダメージがまだ残っている】
【ならば、どの様にして切り抜けるべきか――――――】


「…………燃え尽きる…………までは行かなかったね
燃える止まりかな……まあ、傷口はジクジクするし…………翼は焼かれるし…………」

【愚直なまでの直進。下がるわけでも無く、少しでも早くその炎の中から脱出する術】
【――――燃えさかる炎の中から出てきたのは、衣服を所々焦がし、未だ燻る煙を翼から出し続ける姿】
【…………無茶な行動。無理に筋肉を動かした傷口からは多くの血が流れ、身体だって焼かれているだろうに――――其れでも、女性の前に立って】


「…………此処はね、拙達が住める最後の場所なんだ
本当はもっと沢山あったんだよ?山とか森とか、もっと沢山、さ
…………ぜーんぶ君達にあげたから、後は此処だけ。他の妖怪達は分からないけど…………少なくとも、拙等はね
……別に殺す気は無いよ。これ以上燃やしたり削ったりしないで、此処から居なくなってくれれば別に後は何にもしないよ
手だって、片方貰ってるから、さ――――だけど、まだ続けるなら」

【普通ならば、逃げるなりしている所。けれど、仮にも頭であるから――――最後の住む場所を、渡すわけにはいかないから】
【だから逃げる事は無く、倒れる事もせずに女性の前に立ち続ける。朱も引いて、漆黒を取り戻した双眸。それでも、ずっと冷たくて】
【続けられる言葉は無い。然れど、握られた六尺棒がその意を伝える事だろうか――――続けるならば、無事に帰すつもりは無い、と】
191 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 02:43:44.68 ID:jYbwoVLF0
>>190

はっ!そんな欲でも自分が求めるなら良いんじゃねぇか………戦争ボケした俺には分からないが
まぁ―――それも結局は終わりだ、手前が死んじまったら………ッ!?

【激痛に震える右手を左手で抑えながら炎に飲まれる相手を笑いながら見てそんな事を言うが】
【相手が炎の中をその身を焦がしつつも突破したことに驚愕し、眼を見開きながら口をあんぐりと大きく開ける】
【数瞬後には我に返って敵意を込めて天狗を睨むが―――。】

………っち、流石に手が使えないんじゃ分が悪いな………手前の力を侮ってたみたいだな―――。
いや、背負う物の大きさか………一筋縄じゃいかない眼をしてやがる………ックク、分かったここは退くぜ

だがな―――結局は問題の先延ばしだ、また俺が、今度は仲間を引き連れてくるかもしれないし
また別の雇われた、俺なんかよりもさらに凶悪で山ごと消し飛ばそうとする奴が来るかもしれねぇ………。
そうした時にどうするか、何を捨てるか=c……ちゃんと考えておくんだな天狗野郎―――まぁだが………今回は負けだ

お前は違うだろうが………俺は愉しかったぜ………―――あばよッ!

【モルドレッドはあっさりと両手を上げて敗北を認めると、そのまま敵意を示さずゆっくりと大地に突き刺さったライフルを引き抜き】
【それを左手で担ぐとそのまま森の出口の方へと消えていく―――やはり単純だ。】
【だが引き際は心得ているようだ、このまま何もせずに森から立ち去っていくだろう―――。】
【残ったのは硝煙の臭いだけ………鈴虫の鳴き声が静まり返った夜の闇に響き渡っていた………。】

//この辺りでしょうか、長時間お疲れ様でした!
192 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 03:01:36.79 ID:QLVBF++10
>>191
「…………確かにそうだね。拙が死ねば終わり。そして、此処を奪われても終わり
人間よりも、もしかしたら厳しい条件の中で生きてるのかもしれない…………けど」

【だからこそ、楽しさは人間よりも大きく味わっている気がする――――なんて】
【…………敵意が無くなった事を示すその動作。ならば天狗も、また獲物を下げた】
【不意打ちされる可能性だとか、勿論考えなかった訳では無いが…………それでも、何となく信用できるような眼であったから】


「その時はその時さ。“かもしれない”って考えてたらほら、振られちゃうかもしれないって事で美人な人も軟派出来ないしさぁ〜
それに、君だっていきなり撃ってくるかもしれないでしょ?
だから拙はそんな事はなーんにも考えないで生きていくよ。気楽に気楽にってね
…………じゃーねー。帰り道で迷わないように気を付けてね〜」

【人懐っこいような笑みをもう一度浮かべたら、ゆるゆると手を振って】
【――――敵であっても手を振って見送るのだから、何となく脱力してしまう】
【女性の姿が完全に見えなくなった頃――――】


「…………何を捨てるか、なんてもう決まってるよ
そんな時がいつ来ても良い様に、遊んでるんだから――――さぁ
……お坊さん、力試しはまた今度にしようよ。拙ももうクタクタだから」

【一人呟く言葉。聞かせる相手なんて、居る筈も無い――――その筈だったのだけれど】
【不意に背後に現れた気配。溜息を吐きながら振り返って―――――】

/こちらこそ、お相手有り難う御座いましたー!
193 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 03:17:39.98 ID:2ISMD5WDo
>>185

若いかどうかは……考えもんだな。ニジュークだし…最近は何処行ったって
このナリと声はオッサンらしいからな。…若いやつには見分けなんて分かんないんだろうよ

【腕をすくめながら、軽く笑う】
【確かに思えば地獄のように飲んで二日酔いは地獄のようにやって来るが】
【胃が痛んだり記憶がぶっ飛んだりしたことは無かったように男は思えた】

そうだな……あのネーチャンは……何処ぞの国の天気のように四六時中コバルトブルーだ
……ん?ああ、どうもいい感じに俺らのシゴトを解釈してくれたみたいでね。ファンだっつーから軽くサインしてやったら
ちょっと銃口を突きつけられるぐらいですんださ……まあ、安いもんだ、麻薬王のドンにでも捕まったら
辺境の地でサディストにシバカれる一生になるところだからな

【煙草の煙を吐き出して、息を殺すように楽しげに笑っている】

ああ……まず、スピーカーを変えるね。見た目が合わないから…で、レコード
レコードじゃなきゃあ駄目なんだ…レコードだと鳴っていないところで鳴ってるあのノイズが……

【すっかり火をつけてしまったようで、音楽の話に入るまでは暫く掛かりそうだ】
【こればかりはいつもより3桁違いで話し続けることだろう】
【しかし、逃亡生活の彼は一体何処にそのレコードを収集してるのだろうか…】


/遅くまでありがとうございました。またの機会があればよろしくお願いします!
194 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 18:01:07.13 ID:9zsgYhIqo
>>180
「――違う。それは、間違ってる。
手に入れるそばから灰にしてたら、いつかこの世界は空っぽになっちまう。
……だったら、何時までも。ずっと、満たされる筈が無い。満たされない欲を、俺は何時まで満たし続ければ良い?」

【相手の言う言葉には、致命的な間隙が有る。――それは、際限が無いということ】
【手に入れるものを手に入れたそばから失っていき、それでも求め続けるとしたならば――】
【――何時か、欲しかったものは全部灰になってしまう、守りたかったものは全て灰になってしまう】

【違う。心の中の、破壊の欲望とは異なる、人の心が強く叫びを上げる】
【そうじゃない、俺が求めているのは。それ≠ナはない、認めない、そんな在り方は】
【男は、紅の瞳を殺意と破壊衝動にギラつかせながらも、理性と意志を総動員して、身体を意識で押さえつけ続け】

「……ッ、無用だ!」

【此方に飛来する、札。それを見た瞬間――男は理解する良くないもの≠セという事を】
【紅に染まりつつ有る視界で、一時的に身体を抑えるのを止め、右腕の紅蓮を噴射する】
【しかし、炎の勢いがあまりにも強かった故に――札に炎は掠めるだけで、飛来する札を一瞬で焼却するのは失敗】
【己の腹部に張り付くその札の感覚、ちりちりと焦げ付く札の熱に一瞬顔を顰め、直後襲い来る熱を吹き飛ばすさらなる熱に意識を焦がされた】

【腹部の札を中心に加速度的に全身に広がっていく、赤い光を漏らす罅】
【その罅から染み出すように何か、液体金属のようなものが漏出すると、全身を覆い隠す様に変形し始め】
【座っていたソファを灰燼に貸すと同時、紅の光は相手の目の前に現出した】

『――俺は、俺……ッは……! 人、人間、ニンゲンだ――ッ!!』

【拳を振り上げ、ぎしりぎしりと軋ませながら――男は、異形の姿で叫びを上げる】
【男の周囲の備品はその殆どが溶解し、灰燼と化して。周囲に火の手が広がりつつ有る】

【その炎の主は――銀と紅で彩られた、異形の騎士だった】
【四肢、胴体、顔面を覆い隠す、有機的なデザインの金属装甲。腕部と脚部、胸部には罅が浮かび、煌々と紅の光が漏れ出し続ける】
【フェイスガードの奥の顔面は、鋭い牙と紅の瞳を持つ人ならざるそれであり――誰がどう見ても化物と呼んでいい姿形】

【災害の如き火焔を従え、人ならざる姿で人を謳うその姿は――――ミーティア】
【相手を今にも殴りそうなほど、銀の殻の内側で爆発寸前の感情を抑え、化物はこの何の変哲もないレストランに現出した】

/*本日もよろしくお願いします!*/
195 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 18:50:37.16 ID:Gf55Qac30
【水の国 広場】

【夜そんな人が少なくなっている時間帯、一応電灯がついているが人がそうそういるわけがない】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

【ベンチに座っている男は電話をしているようだ】

 ええ、ええ、貴方達のお望みの品はきちんと送っておりますよ
 ええ、はい、ではこれからも武器商人ネームレスをごひいきに

【そう言って男―――ネームレスは電話を切り、ポケットに入れる】
【そして、買ってきた新聞を広げて見る】

 いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

 まあ、私の商売がやりやすくなる
 というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

 さて、どうしましょうかね
 どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】
【人が、ほとんど居ない時間帯において、黒尽くめのこの男が目立っている】
【もしくは、先ほどの話していた電話の声が聞こえたかもしれない】
196 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 19:48:45.97 ID:cjMl0WPYo
【酒場】

【店内は静かにアルコールの香りを漂わせていた。席はぽつぽつと埋まっており、客の入りは5割程度だろうか】
【木の温もりの感じられるウェスタン的な雰囲気は賑やかな酒場を連想させたが、中身を開けてみればそのイメージを裏切るかの如く落ち着いていて】
【その空間の中に溶け込んでいる一人―――カウンターの一番手前に腰掛けている青のソフト帽の、白シャツの上に灰色のジレを羽織る男】
【マスターと軽い会話を交わす男の姿から、そこそこの常連なのだろう。少しだけ顔を紅潮させながらも、伏せた紺碧の瞳はシリアスな雰囲気を思わせる】

……俺、つい受けちまったけどさ―――良かったのかな? いや、自信は無いわけじゃねーよ?
でもなぁ……俺、殆ど走れないって言っても過言じゃねーしよぉ……周りは俺を認めてくれるのか、とか足手まといに思われないのかな、とか
―――この『SCARLET』のワッペンは、俺には重すぎるのかも知れない……なーんて、弱気な発想出ちゃうんだよなァ

【カウンター越しのマスターに語りかけながら梅酒を煽る。グラスを持ち上げた右腕、動いた右肩には話に出てきた緋色の鷹のワッペンが張り付いていた】
【右足を上に組んでいたためにか、やや朱の滲んだ包帯の巻かれた右足首が見える。走れない―――そう語る男の根拠が、包帯の白にあるのだろう】

……『不殺』の意志は他人を危険に巻き込む。少なくとも、危険を増やす要素にはなっちまう……だから、本来は個人でやるべきだ
―――でもさ、あんだけ熱心にスカウトされたモンだから……俺の性分だと断れねェって
丁度俺が此処で飲んでた時に、いきなり扉が開いて「貴方をスカウトしに来た」ってよ―――

【暖色の照明が彼の首元の、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントを煌かせる】
【キラキラと輝く玉から発せられるは特殊な魔翌力、其れは「宝玉」―――コレ1つで戦争が起こる程の、貴重な品物】
【男はハァ、とアルコール分を多く含んだ溜息を吐けば、目線をチラリと動かない扉へと移す。小皿に盛られたフライドポテトを軽くつまんで口に咥える。】
【男の隣の席は、空いていた】


―――――――――――――――

【路地裏】

【ヒュンヒュン、と何かが風を切る音が響く。その音は段々と小さくなって、そして無音が薄暗いその場所を包んだ】
【否、それだけではない。血生臭い不吉な香りも路地裏を漂い、無音と相まって不気味さが増している―――静寂を打ち破ったのは、女の涙声だった】

うわぁぁぁんッ、本当に怖かったよぉ……というかビックリしたぁ……
いきなり後ろから掴まれるなんて―――無能力者の癖にアイリーンちゃんをビビらせるとは、許せないよッ! ……ね、ユーリ

「だかラ、殺しましタ。―――GIFTの宝≠罰当たり共が触ることなど許される訳がなイ。……どうせ私が裁かずとモ、神が裁いた筈ですガ」

【レンズの奥のエメラルドの瞳が潤んでいた事から、涙声の主は眼鏡の彼女だと推測できた。その後に続くは、別の声色】
【落ち着いた灰の眼光の持ち主は、灰色の格好に身を包み、口元までも灰色の布で覆い隠した灰ずくめの女性。言葉にもある通り、彼女が「殺した」のだ】
【額に暗視ゴーグルをつけたセンター分けの白の長髪の―――ユーリと呼ばれた彼女が。凶器は両手に握られたままだった】

……その武器久しぶりに見た。―――コレ、頭蓋骨イっちゃったのかな……もしくは首折れちったのカモ。ざまあみろって感じだけど!

「Tutelary≠フことですカ……? ―――私なんかの為ニ、Labが作って下さったのデ。強力な武器なのは当たり前でス」
「優花サマにもTempest≠ェあるじゃないですカ。護身用のLab特製武器ガ……」

あー、アレ苦手……疲れるんだもん。アイリーンちゃんは運動神経無いし、そもそもこんなもの無くてもユーリが守ってくれるじゃん

【Tutelary≠ニ呼ばれた凶器はトンファー、否ダブルトンファーというものだった。通常のトンファーが「ト」に近い形なら、此方は「H」に近い】
【持ち手の両端に打撃部の長い棒がついているトンファー、と言えば解るだろうか。両手の凶器、その右の打撃部先端からは赤い血が滴り落ちていた】

/お好きな方に絡んでもらえれば……
197 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:04:16.10 ID:Gf55Qac30
/>>195を取り消します
198 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:19:32.78 ID:Gf55Qac30
>>196
/まだいますか?
199 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/16(月) 20:22:58.69 ID:3PFR9zJHo
>>196

【彼女が濃密な死の匂いを嗅ぎ取ったのは、きっと偶然ではなかった。】
【腐臭や日常とは違う違和感を感じるのは、五感だけではない。「直感」――――とでもいえば分かりやすいだろうか。】
【そうでなくても、彼女にはとある理由から他者の死に敏感ではある。】

(……気が…)

【静寂の中で彼女は壁にピッタリと張り付き、呼吸を押し殺していた。】
【右手は柄に置かれている。一瞬の判断の誤りが即刻「死」に繋がるかもしれない状況の中で、自ずと五感は研ぎ澄まされた。】

【静寂が破れるのに時間はかからない。ちょうど二人の背後―――――――少し離れたところでことの成り行きを見守っていた彼女は】
【やがて、事態が収束したことをしる。ゆっくりと刀から手を離した。】

「……見かけた…失礼……っと。」

【というわけで、彼女は二人の目の前に姿を現した。】
【年齢、成人した直後くらいであろうか。まだ若い女性。黒の着流しに藍色の帯、その上に緋色の羽織を羽織っている。】
【腰には大小が――――――共に使い古された様子で帯びられていた。】

【その琥珀色の双眸で、彼女は死体を見る。それから、ゆっくりと生きている二人に視線を送った。】
200 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:28:00.35 ID:cjMl0WPYo
>>198
>>199
/今気づきましたが困った状況ですね……どうしましょうか?
201 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:30:49.76 ID:Gf55Qac30
>>200
/ああ、自分は無視していただいてかまいませんよ
202 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:31:55.81 ID:cjMl0WPYo
>>201
/すみません、また何時か絡んでいただければ……
203 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:32:44.49 ID:Gf55Qac30
>>202
/いえいえ、おきになさらずに
204 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/16(月) 20:40:30.24 ID:hf/2PrWio


【――ふと、手の中にあるくたびれた新聞紙の、日付を確認してみる。】
【そういえば、今日は休日だったか――そんな感想が漏れるほど、彼女の目の前は人で溢れ返っていた。】
【夜だと言うのに眠らない国々、人々もまた静まることを知らない。】
【この世界は忙しない。いつもどこかで何かが起きていて、落ち着いている暇も無い程だ。】
【人と人の造った文明とでごった返しになっている小さな街の片隅、彼女はそんな事を考えながら】
【丸めた新聞紙をホームレスのいる方へと投げ去り、露天商が安物のアクセサリーや味付けの濃いジャンクフードを売る街道の中を】
【ただ真っ直ぐに進みながら――突然、歩みを止めた。歩行者が"邪魔だ"という視線を送り彼女を避けるよう歩くが】
【彼女は表情を一切崩さず、どこかパンクな印象を与える黒いタンクトップの上、乱雑に羽織ったまるで似合っていない白衣のポケットから】
【"何か"の機械のような端末を取り出し、ようやっと口を開いた。】


―――てすてす、てす。
ふむ・・・どうやら今日は調子が良いらしい、おかしいな昨日は機能しなかったんだが――いや、今のはギャグではないぞ。
ともかく、録音環境も整った、映像に残す準備もオールオーケイ、なにより予想外に人間が多いのが素晴らしい
状況は完璧と言えるな、これから"実験"を開始する。今話している私の名は"サイファー"、実験に使用する機器は
このレコーダーを兼ねる多機能端末と網膜に搭載したコンタクトタイプのマイクロ・カメラに――そして私自身の"能力"、以上だ。
今回実験する内容は、私自身の能力がどこまでの多様性を持っているか、その範囲の調査だ。
所謂実践テストと呼んでも良い、第一段階から第二段階まで移行する間の腕鳴らしのような物と捉えてもらえれば在り難い。
尚能力使用の際には必ず状況と使用回数を録音し記録、音声データにも残すものとする。
後で録画だけ見ても何がなんだかサッパリ、では意味が無いからな。それでは実験開始――の前に、大事な情報が抜けていた。

実験も記録係も私"サイファー"が執り行い、被験者は―――"そこいらの町民"とする。

以上、改めて実験を開始する。まずは第一段階の能力を解放、周りの視線が気になるが・・・まあ、消し飛ぶ命だ。構うものか。


                        『 ―――"ショート・サーキット"  起動 』


【録音機と思わしき携帯端末から視線を移し、独り言をぶつぶつと――やや大きめの声で呟く彼女を怪しむ"通行人"達を見据える。】
【そう、"彼女"―――女性にしてはやや険しい表情と、低い声、汚れた使い古しの白衣に派手なタンクトップ、そして】
【其れらに反して美しいピンクのウェーブがかったロング・ヘアを持つ女は――ゆっくりと、片手を宙へと上げ、そして唱える。】

【彼女が何かの言葉を"発する"と、それがトリガー<引き金>となって周囲に異変が起こる】
【人で溢れかえる大通りに立ち止まり、手を上げて何かを呟く変人の女は周囲の目にどう、映ったのか――それをもう知る術は無い。】
【何故ならば、月夜に翳した彼女の腕が、急激に鋭い銀光に包まれた刹那――現れた怪しげな幾つかの"飛行物体"が】
【突如、猛スピードで回転を開始、円盤のようなボディを街頭の明かりに輝かせて――人々へと襲い掛かったのだ。】
【物体の胴、円盤状に配置されたエンジン・カッターのような鋭い刃物を猛回転させながら、"彼女"の周囲を旋回。】
【路地に集まっていた歩行者、露天商、浮浪者たちを次々に切り刻み、暴走するように飛び回った――!!】

―――第一段階はクリア、"能力"<ショート・サーキット>は正常に起動―――ファースト・ウェポンである"SUPER 8"での攻撃を開始。
この武装は高い機動性と優れた攻撃能力を併せ持つ万能兵器ではあるが、如何せん精度に問題が見られる。
狙った標的への正確な攻撃という点ではイマイチだな、しかし閉所での大量殺戮には持って来いの武器だ。
猫騙しの一撃としては十分と思われる、実験を継続――第二段階へと移行。

【――悲鳴、嗚咽、破壊音。夜店が切り裂かれ、胴体が弾け飛び、逃げ惑う人々。】
【唐突な"脅威"の出現に街道は阿鼻叫喚の騒ぎとなり、混乱の最中倒された出店の火が引火し、夜空を真紅に染め上げる。】
【なおも、女は無表情のまま逃げる人々へと攻撃対象を移し――更なる"実験"を施そうとする。】
【冷徹な襲撃者の胸元には―――GIFTの十字架が、光る】
205 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:49:40.30 ID:cjMl0WPYo
>>199

【白髪の女の瞳が細まり、小さく舌打ちをした。回していたトンファーから飛び散った血が顔についたとか、そんな理由ではなく―――】
【―――何者かの気配を嗅ぎとったから。唯の一般市民ではない。此方も直感だが、其れは間違いないと確信していた】
【……もう片方の眼鏡の女性は其れに気が付く様子もなく、しゃがみこんであらぬ方向に曲がった死体の頭をつんつん、と触っていた】

「優花サマ……下がってくださイ。―――来ますヨ……しかも、そこの雑魚とは違ウ」

―――ふぇっ、何が? 敵? 自警団? 

【白髪の女はずい、と眼鏡の女を護るように一歩踏み出し身構える。ダブルトンファーが再度ヒュンヒュン、と音を鳴らし回り始める】
【血を拭く暇もなく回したことで周りにはまだ固まっていない鮮血が飛び散るが、そんなことは彼女にとってどうでも良かった。後ろの女を護ることが最優先事項だから】
【―――そして、現れた人物が琥珀色の双眸を此方へと向けた】

「……見てましたカ?―――コレは防衛でス。先に仕掛けたのはあちらかラ……貴方も来るなら防衛≠ウせて貰いますガ」

……あ、アイリーンちゃんは被害者だからっ! しかも殺ったのはユーリだし! アイリーンちゃんは悪くないし!

「……薄情者」

【ユーリと呼ばれた灰ずくめの格好に身を包む白髪の女は攻撃的な視線を送り威嚇する。しかし自分から仕掛けることはしないようで、あくまで「防衛」】
【一方アイリーンと語る彼女は、小動物の様に敏感で不格好に後ろに飛び退けば、震えた喧しい声を上げる。……対照的な印象の二人であった】
206 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 20:54:57.05 ID:Gf55Qac30
>>204

 ううん、やれやれ人が寝ているというのに厄介な

【ベンチに横たわって寝ていた一人の男が目を覚ます】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見える人物には見えるであろう】
【この、騒ぎの中でも平然としているようだ】

 うん、どうやら襲撃にあったらしいな
 
【逃げ惑い悲鳴をあげる人たちを見てそう判断する】

 やれやれ、人がせっかく開発ロボットの性能試験をして休んでいたというのに

【男はそのようなこと言う】
【すると、一羽の鳥が男の肩にとまる】
【よくよく見れば、機械の部品が見えるのだが】

 ふむ、偵察を終えたようだな今すぐ偵察結果を見たいが
 こう騒がしくてはな、それにこのような騒ぎを起こした人物に興味もわくな
 行って見てみるか

【そうゆうと男はベンチからおり】
【この襲撃を起こした人物に近づいていく】 
207 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/16(月) 21:17:54.43 ID:hf/2PrWio
>>206

【―――しゅん、しゅん、しゅん。鋭い羽音が風を切り、その一寸後には刃が舞う。逃げ遅れた一人の足首を切り裂き】
【転倒した彼の背中を抉り、もがいたその隙に伸ばした腕を真っ二つにする――なんとも、残虐性のある兵器だ。】
【一太刀、一太刀の破壊力は強力と言えど刀のような長い刃を持つエモノでは無い、むしろ小型の刃で】
【何度も何度も傷つけゆっくりと絶命させるための兵装――エンジンカッターがグルグルと、標的を求め唸った。】

―――はて、決定力には欠ける、か。
悪くない武装なのだが矢張り"使い勝手"という部分での評価しか与えられんな、それと少々目に悪い。
いや、私自身は見慣れた光景なのでどうという事も無いが――そもそも相手は無能力者のゴミ共だ。
が、血飛沫が酷い・・・眼鏡かゴーグルを欲しくなるほどだな、何かそういう"ウェポン"は無かったか・・・。
ああ、白衣が紅衣になってしまうよ。まるで金の無いお化け屋敷の幽霊のようだ、汚らわしい事この上ないな。

速いところ第二段階へ―――ん?

【―――目に映るのは逃げ惑う人々と屠られる人々、そのどちらかであって】
【もしくは両方同時にこなす悲しい者も中にはいたが、まあつまるところ彼女の目の前には"被害者"―――】
【言葉を借りるなら"被験者"が正確だろう、そういった存在しかいなかったはずなのだが―――ふいに、視界に妙なものが飛び込んできた。】
【自分の方へと、真っ直ぐに歩んでくるのは同じように白衣を纏った不思議な風貌の男――。】
【いや、服装は格好などはどうでもよかった、問題はこの事態において彼女の方へと"進んでくる"その姿勢だ。】
【ありえない、といえた。余程の正義漢か、もしくは命知らずか。そんな輩がいるとは思えない。では何か。】
【彼女――"サイファー"と名乗る女には理解が出来なかった、その無謀な行為の意味と目的が。】

・・・おっと。変わった人間もいるものだな、まさかこんな煩わしい街道のベンチで居眠りとは余程のドMか―――いや、そうではない。
"何故、此方に向かってくる"のか――そこが重要だ、態々自分から切り刻まれに来るとは余程のドM―――・・・矢張りドMか。
そうに違いないな、しかし残念な事に私にそういった教養はないし、趣味も無い。人間の身体を弄繰り回すより
螺子とボルトを捻ってる方が百倍楽しくてね、生身と触れ合うのが苦手なんだ、そういうワケだからそこの君。


―――容易く近寄ろうとするな、誰であろうと私は接近を許さない。


【彼女が再び右手を翳し、迫り来る"男"の方へと指を向けると――暴れまわっていた8つもの円盤――"SUPER 8"のうち】
【半数である四つが男の方へと滅茶苦茶な起動で飛来するだろう、当然触れればエンジンカッターにより切り裂かれる事になる。】
【もっとも、正確性は無い。避けようと思えば避けられる攻撃であるし、一撃貰ったところで致命傷にもなりえないはずだ。】
【しかしそれは確実に"迎撃"のそれであり、つまりは女が――"近寄るならば殺す"と、そう言っている事にも等しく。】
【さらに言えば、彼女は翳した手とは別に、もう一方の手を握り締め、再び"何か"を呼び出そうとしていて――】
【近寄るにしても、回避するにしても、彼女の動向を探るつもりであれば行動を急ぐ事が最善となるだろう。】
【無論、全ての円盤を破壊してお前の負けだと説き伏せる事も可能だが――さて、男はどうでるか。】
208 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 21:22:17.91 ID:jlVTPWVj0
【街中――寂びれた児童公園】
【朧月の照らす静かな最中をきぱり照らす電灯の明るさが】
【足元にそっと添えられたベンチをひとつ照らしだしていたなら】

――……、――、

【――寄り掛かるを超えて突っ伏しては夢へ堕ちる姿がきっと夜の中にぽつんと浮き出されて】
【涼しくなってきた気温の中ですやと寝息を立てるのがひどく和やかだったという、けれど】

【暗闇の色をした髪、編み上げのハープアップで整えた腰の長さはぐちゃら、放り出されてとぐろを巻いて】
【本来なら艶めくはずの黒色と血色のオッドアイはそーっと閉じられたまま。畳んだ腕を枕に伏せられれば】
【――右の耳だけに付けたピアスが電灯の明かりに煌いていた、月白色した宝玉の欠片を嵌め込んだもの】
【黒を基調にしたワンピースはフリルやレースや刺繍で飾り立てて。ひらと羽織った黒布のケープがお布団のよう】
【たくさんのパニエを詰め込んでふうわりしたスカートから延びるレッグウォーマーで包んだ足、ストラップシューズの爪先が見えて】
【髪や襟に隠された首元や姫袖の柔らかさに隠された手元にぐるりと包帯が巻かれていた、左手の薬には指輪のような痣が刻まれて】
【そんな風にベンチをまるでひとつ占領して寝こけるのが少女だった、きっとそれなりに明るいだろうことなんて無視しつくして】

――、……う、ぁー……、

【それでも。ぎゅうと頭抱えるようにして唸る声があれば、どうやら眠りも浅い――というよりか、そろそろ起き出しそうな雰囲気】
【ふわと伸ばした手がもふとスカートの山に潜り込む、もぞもぞと採掘を繰り返して、何か探すような仕草の連続は】

――あれ、……時計――、? ……時計……?

【どうやら顔も上げないままに時計を探しているようだった、ただそれは見つからなくて当然とも】
【だって鎖ごと解けて懐中時計は地面に落ちているのだから。第三者からしてみれば、ひどく簡単な答えだけれど】
【――本人にしてみれば精一杯に疑問系じみた声をぽつぽつ零すばかり、(それでも起き上がろうとしなかったとか、そんな余談)】
209 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 21:33:20.70 ID:Gf55Qac30
>>207

ほう、どのような仕組みになっているのだねその円盤は

【男は女が操った円盤に興味をもった】
【どうやって操り、どのように動いているのかを】
【しかし、防御くらいはしないといけない】
【男は肩に居る鳥を飛ばせ、魔方陣が書いてある紙を取り出す】

 さて、さすがに痛いのはごめんだね、防がせてもらうとしよう

【そして、男は魔方陣が書かれている紙を地面に置き、手を当てる】
【すると、地面にある塗装されていた鉄が男を守るように壁を作る】

 ああそれと、一つだけ言っておくが私はMではないぞ
 私は研究者だよお嬢さん
210 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 21:53:45.50 ID:uuSg4VrXo
>>194

きひ、安心しろ、空っぽになんぞなりゃしねェよ
そんな簡単に無くなっちまうなら今頃カノッサが覇権を握っているだろうしな
だから死ぬまで満たし続けろ。その方が――楽ってもんだ

【それに、何を求めるのかにもよるのだろう。失わせる訳にはいかない、かけがえのないものも沢山ある】
【だが彼はその事実を差し引いてもなお、世界が空になることはないと言いきった】
【長年にわたってカノッサという巨悪が破壊や略奪を繰り返しても、世界が一定の平和を保っているように】

【仮に空っぽになってしまったとしても、それまで求め続ける方が楽な人生なのかもしれない】
【あれこれ考えて生きずに済む――そんな諦観めいた感情が、僅かばかり最後に混じっていて】


違うな。お前は人間じゃねェよ――全てにおいてな


【焼け焦げる空気を感じる中、彼は刻一刻と変貌を遂げていく青年に狂喜していた】
【天を衝くような咆哮、迸る殺意と憤怒の全てが、男にとっては愉悦となっていた】
【自分と同じ道に少しでも引きずり込むことに――快感を感じていた】

【全てにおいて、とは無欲に生きることに加えて今の$ツ年の姿形も指しているのだろう】
【どこまでも、青年を認める気はないようだ】

/遅くなりました…お願いします!
211 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 22:13:18.89 ID:9zsgYhIqo
>>210
『違う……! くそ……逃げろお前らァ!!』

【一般人なら、触れただけで皮膚が焼け焦げるだろう手を振り回し、頭を抱えて咆哮を響かせる男】
【蜃気楼の向こうの銀紅の騎士は、キッチンで怯えたようにしているウェイトレスを向き、残る理性を総動員して逃げるように言葉を投げ】
【去っていく周囲の人々を確認すると、男は地面を踏みしめ、両拳を無理やり押さえ込みながら――、紅の双眸の輝きをフェイスガードから漏らし、声を漏らす】

『ああそうだ! 化物だ! 悪いか、化物が人間らしく生きて死にたいと思うことが!
――――触れれば燃やして、叫べばく砕く。そんな生き様しか出来ない化物が、人に触れて生きていけるか!?
そうするしかねぇんだよ……ッ、てめェがそうして自分勝手に振舞っている様にな……!』

【男は、認めたくない言葉を、口にした。激昂に沿って、装甲の罅から漏れだす熱量が増加していく】
【男の中の感情が激化すればするほど、それを燃料として男の力は増していく】
【全てを焼きつくす激情の炎――それが、フレアだ】

『……ッぐ……ぅぅ』

【外へと飛び出そうとする炎を内側に抑えこむ事で、自分の肉や精神が焼け焦げていく】
【その苦痛は想像を絶するものだが、この期に及んで、青年はまだ戦おうとはしていなかった】
【だというのに、隙間から吹き出す炎は辺りを焼き焦がし、焦土と化していく】
【その力。確かに正気のままであれば、忌避を覚え、周りから距離を取ろうとするだろう力である事は間違いない】

【だがきっと、それでも相手は言うのだろう。自分以外はどうでもよい、と言ったことを】

(……自分の為に、後悔しないように、今日を生きるって決めてたのによ。
…………人間らしく生きるのが後悔しない道と思っていた、だが――本当に、そうなのか。
………………俺は……)

【紅蓮の中でのか細い人間の思考を巡らせて、青年は高熱の吐息を吐き出して】
【心の中で一瞬芽生えた望みは、腹部に有る焼け焦げた札によって、増幅される】
【――人を遠ざけて生きてきたが、人に近づいてみたいという、人恋しさ。孤独で醸成された、欲望】

『――カノッサとやらは、裏切るかも知れない奴でも。所属して良いのか』

【どうせ、一度敵対した相手だ。焼かれようが知ったことか。普段ならば考えつかない発想が思い浮かんだ】
【ひび割れから黒い煤が広がっていき、銀色の騎士は次第に、暗色の黒騎士へと変貌しつつ有った――】
212 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 22:38:01.16 ID:QLVBF++10

【森の中にひっそりと存在する、廃れた教会】
【とても教会の主なんて居なさそうな程にボロボロであるが、中から響くのは確かに誰かが紡いでいる賛美歌】
【澄んだ声で続けられる其れは、幻聴でも無く――――確かに、女性の声によって詠唱されるもの】
【疑問に思って古めかしい扉を開けたならば…………丁度、その声の主も詠唱を終えた頃だろう】

【キョトンとした表情。それも、最初だけだけれど】
【扉をノックして開いたにせよいきなり開いたにせよ、修道女は警戒の色を浮かべる事は無く】


「こんばんは――――雨も無く、雲も無く、良い夜ですね…………
何か御用事があって、こちらを訪れたのでしょうか?
もし、そうなのでしたら――――出来る限り、お力になりますよ」

【差し込む月の光は、修道女を照らし出し】
【故に、眩しくて来訪者の姿は見えていないのだろう。目を細くすれば、小首を傾げるけれど】
【こんな森の中の廃れた教会を訪れる者なんて、希。何らかの理由で此処の存在を知っているか――――或いは、迷って訪れたかのどちらかであろう】






【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【――――其処の中にはにて、車椅子に乗った少女が一人】
【汚れを知らない様な真っ白の髪。額には角を生やし、纏う物は入院患者の其れであって】
【…………膝の上で抱えている物。よく見れば、其れは鳩】


「全く、お前はドジなのです
翼を折ったら飛べないのですよ。もっと気を付けて飛ぶべきなのです」

【ポッキリと折れてしまった翼。鳴き声は何処か悲しそうにも聞こえるが、其れを抱える少女は気にした様子も無く】
【――――言ったって分からないだろうに、鳩に向かってドジだの馬鹿だの】
【……それも過ぎれば、じぃと見下ろして。やがてはその両手に、聖の魔力が集う事だろう】


「…………ほら、さっさと行くといいのです
お前は飛べるのだから、もっと沢山の物を見てくると良いのですよ
こんな所に居たって、つまらないだけなのです」

【魔力が消え去る頃、折れた翼は元通りになっていて】
【――――治癒の魔術。包んでいた手を離したならば、鳩も一度鳴いただけで何処かへと飛び立つ事だろう】
【この少女にしては、珍しく口元が緩んでいる様にも思えるけれど…………そんなのは、余談】
【この中庭には一人しか居ないのだから、ふと目を通しただけでも目立つ光景であったが――――】
213 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/16(月) 22:43:28.84 ID:hf/2PrWio
>>209

【―――飛来する"SUPER 8"、直線的ではない軌道を描き、縦横無尽に舞うそのカッターの刃先が】
【男の懐に飛び込むか、そう思われた瞬間―――男の操る"地面"の塗装が変化した"防壁"により、防がれる】
【鋭いカッターも鉄の壁に身を打ちつけてはどうしようもない、幾体かの円盤はそのまま刃を折られて沈黙】
【ギリギリで回避するという事も出来ず、男の方へと向かった4つは撃墜するか、もしくは刃先を失った。】
【―――これで残るは四つの円盤となるが、それらは依然として"サイファー"の周囲を護るようにして旋回を続けた。】

―――・・・なんと。質問に質問を返すようで悪いが、君の方こそ"どうなってるんだ"、その防壁は。
私の"SUPER 8"に関しては至極単純、軍隊の開発している無人小型飛行兵器の設計図からヒントを得た"模作"だよ。
ただしあちらとは違って超高性能の"制御装置"をつんである、故に私の命令をきちんと聞いてくれるというワケだ。
従順な兵器と言うのは一種の理想形だ、そう思わないか?勿論、クセの強い物も嫌いではないがね。

―――丁度、"コイツ"のような、ね。


                 『ショート・サーキット第二段階―――"MEN IN BLACK"』

【三度、彼女が翳した手が"銀"の光に包まれ――鋭い発光、稲光のような衝撃とともに】
【空間内に新たなる兵装を出現させる、その手に握られた未知なる兵装は――"銃器"か。】
【シルバーのフレーム、片手では持てない様な巨体、銃身の真ん中に配置されたエネルギー循環機構】
【無機質であるがどこか神秘的な印象を与える不可思議な"銃器"は―――あっという間に充填・カートリッジをセットされ】

―――ほう、研究者か。それでは私に近い存在という事だな、それで合点が言った。
つまりは、私の操る武具に興味がわいた、と。そういう事だろう?だが残念だな、君は何も知らずに此処で朽ちるんだ。
何故なら―――私は私の研究を誰かに教えるつもりなど、毛頭無いからさ。

・・・唸れ、第二段階の重砲撃"MIB"・・・その威力を、見せ付けろッ!!

【"サイファー"は両手で腰溜めに重火器を構え、ターゲット―――即ち"機関の研究者"へと銃口を向けて、ロックオン。】
【なんの躊躇も無くトリガーを引き、弾丸を発射―――否、放たれるのは強烈なまでの"レーザー"光線だ。】
【紅い光の弾丸が光線となり、夜店の数々を爆発的な光で照らす―――さて、防護壁で防ぎ切れるのか。】
【反撃が無ければ、彼女は何度も何度もトリガーを引く筈だ、仮に一撃を耐え切ったとしても―――!】

【―――もっとも、レーザー銃といえど無反動の兵器ではないようで。発射時になんらかの衝撃があるのか】
【恐らくは機構が作動する為に起こるリコイルショックと思われる何かが彼女の弾道を狂わせる。】
【撃った直後にふら、と後方へよろめく動作を防護壁越しに見たのならば、理解できる筈だ。】

【―――兵器は強力、しかし同時に彼女は非力で、射撃も得意の範疇ではない、と。】

/大変遅くなりました、すいません。
214 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 22:56:48.28 ID:uuSg4VrXo
>>211

【ここまで激しい怒りに身を包んでもなお、他を気にかけることができる――】
【壊したくないという意志の表れか、その言動はきっと、青年の強さの体現でもあるのだろう】


結構なことじゃねェか。人間らしく生きるこたァ間違ってねェよ
壊すことしかできないから何だって? 生きてェんだろ? なら壊しちまっても仕方ない≠謔ネ
そうするしかねェならそうしろ。その欲望に浸かったなら俺は――お前さんを否定しねェ


【結局はそこに落ちつくのだ――自分以外はどうでもよい、自分が満たされればそれいいと】
【どこまでも自分勝手で、性質が悪い。ただ己の欲望のみに従うことを正義とする下劣だ】

【炎が辺りを焦がし、普通ならば退避しなければ灰になってもおかしくはない】
【だが衣服が燃えようと指先が爛れようと、男はそこから動かないのだろう】
【理由はシンプルだ。もう少しで見られるかもしれないのだから】


【 ――この青年が、欲望に溺れる様を 】


きひっ、はははははッ!! 問題ない、派手に暴れない限りはなァ
その判断は間違っちゃいねェだろう。カノッサは、少なくとも俺は他の欲望を否定しない
お前さんがあるべき姿で留まれる場所だ――


【その問いかけは、青年の意志が塗り替えられたと証明するには十分だった】
【人を守護するべき騎士が、その身を黒く染める。心の片隅へと捨て置いた誘惑に堕ちてゆく】

【――男は<<それを/そこで>>歓迎するのだろう。引きずり込まれる瞬間を】
215 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 23:08:11.30 ID:9zsgYhIqo
>>214
『そう、か』

【相手の肯定を前に、青年は静かに頭を振り、思考を巡らせる】
【たっぷり数秒、青年は悩み、悩む。善悪どちらにも依らぬと決めた己が、悪に寄って良いのか】
【だが、最初から灰燼に帰す事を覚悟の上ならば――灰にする事を恐れる理由もありはしない】

((――――悪い事に使ったら、めっ!でありますよ?))

【心の中でふと思い浮かんだ、自警団の少女の言葉。欲に飲み込まれかける己の心に、一瞬楔となって存在感を主張した】
【だが、その楔に心は軋みをあげながら、己の目的の為に、軋む心を従えて、黒騎士は一歩前に進むことを選択した】

(――だが、俺は。……答えが欲しい。俺が俺である意義を、俺の力の目的を。
善悪じゃない……。死ぬまでに何時か、俺の答えを見つけられること――それができれば)

【顔を上げ、フェイスガードを開き化物の顔を晒した状態で】
【紅蓮の双眸をギラつかせながら、黒騎士は相手に右手を差し出した】

『俺は俺のしたいようにする。――ただ、したい事と被る限りは、力を貸す。
俺は強いぞ。ただ、上手く使わねぇとお前ら自身が灰になっちまうが』

【――全身の罅が収束していき、男の体内へと黒い装甲が収束していく】
【丁度それは、腹部の符が焼き尽くされるのと同じタイミングで】
【火焔の中に佇む青年は、人間の様な姿をしたまま――紅の瞳を細めて、醜く――人間のように笑うのだった】
216 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 23:09:21.02 ID:Gf55Qac30
>>213

 なに、私のこれは魔術研究をしていた際の副産物さ
 たしかに従順な兵器も一種の理想形だ、

【男はそのように言う】
【そして、男は新たなる兵器が彼女の手に握られると】

 ほお、空間転移かねそれとも別の方法かね、いやはや面白い
 ふむ、私と近しいか、技術者かなまあどちらでもいいがね

【男はレーザー光線がこちらに来てもあくまで冷静だった】
【そして、さらに何枚かの魔方陣が書かれた紙を取り出し】

 ふむ、レーザー光線を防ぐのは少々骨だが仕方あるまい

【そして、男は紙に魔翌力を溜め込ませ、地面におく】
【すると、さっきの防壁に加え、さらに大量の防壁が現れ男を守る】
【それぞれ土と鉄の防壁である】
【さらに、新たな紙を取り出し、地面にあてさらに手を当てる】
【紙が当たったその鉄がやじりのように鋭くなり女へと一直線で向かって行く】
【狙ったのは女が持つ銃器だが当たるのだろうか】
   
217 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 23:34:14.22 ID:uuSg4VrXo
>>215

【差し出された右手に、男はにやりと口角を釣り上げて視線を向けた】
【そして前へ身体を傾けて、同じように手を伸ばし、握手を交わすだろう】


きひ、それもまた一興。己の欲の結果なら咎めやしねェよ
歓迎するぜ――ようこそカノッサ機関へ


【――それが青年にとって果たして正解なのかはわからない】
【だけど、いくら間違っていようと自由は自由。縛られていないのならば、いつか本当の自分に気付くこともあるはずだ】


とりあえずだ、自己紹介でもしようじゃねェか
俺はアヴァリティア・ヘッジホッグ。アヴァリとでも呼べ。きひ

                【 ただ、それは―― 】


……友好の印に、さっきの札をくれてやるよ
どう使うかはお前さん次第だ

          【 戻れなくなってしまった場合≠除くのだが 】


【アヴァリは懐から先程の札を取り出すと、青年に渡そうとするだろう】
【欲望の札――力を欲するなら力を、知性を欲するなら知性を、使用者が求めるならばあらゆる形で札の力は宿る】
【強力だがその存在は、いざという時に青年を欲望の淵へと誘う可能性を秘めている】
218 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/16(月) 23:34:42.70 ID:hf/2PrWio
>>216

【―――放たれた光弾による砲撃、紅い閃光が男の方角へと一直線に駆け抜ける、が―――しかし。】
【再びの防護壁、しかも先程にも増して幾数もの"壁"が地面からせり出て、レーザーを阻害した。】
【一体幾つまで壁を呼び出せるのか、しかしこうなれば此方からの攻撃で相手を痛めつけるのは至難の業。】
【どうしたものか―――少なくとも、根気と精神力に頼るようなやり方だけは、彼女の選択肢に入らなかった。】

―――・・・"魔術"の研究・・・だと。
なるほど、何かと思えば研究者とは名ばかりな、只のオカルト信仰者とはな。
悪いが私は"魔法"やら"呪い"やら"神の力"やら、胡散臭くて非論理的な物が大嫌いでね―――と。
"GIFT"に属する私が"神"を否定するのも可笑しな話だな、確かに私のこの力は授かり物だ。

ただ―――・・・授かった力をどう操るか、どう進化させるか、そこから先は受け手が決めるべき事だと
私は思っているのだが、な。まあ、くだらない会話はここまでにしよう。
厄介な事にレコーダーをONにしたままなのでね、あまりこういう会話を記録に残しておきたくないんだ。


ところで―――あくまで私が言った従順さとは、"ひとつの理想形"であって
―――言う事を聞かないじゃじゃ馬も、それはそれで悪くない物だと思っている事を、口添えさせて貰うよ、ミスター?

【―――遂に反撃に出た男の生み出した"矢"が、直線上を襲い来る。】
【旋回していた残り四つの"SUPER 8"がそれを上手い具合に弾き飛ばす―――という、事も無い。】
【彼等の動きは精密性を欠く、そこまで上手に迎撃などできよう物も無い。よって、槍は彼女の肩口―――上部を貫き、貫通する。】
【前述の通り、彼女は非力だ。更に言えば、人間以上の身体能力は持ちえない。猛速で飛来する其れを回避する術など、ハナから無いのだ。】
【しかしなんとか、放たれたそれを視認したとき殆ど反射的にではあるが、身体を捻ったのが幸いし―――心臓を射抜かれることだけは、逃れ】
【先程自身が切り刻んだ人間の返り血とは違う、自らの肉体が生成する血液によって白衣がまたも、紅く染まった―――。】
【"う、くぅ―――!"という呻き声が漏れるも、血を吐く代わりに彼女は"SUPER 8"に別種の指令を出していた、其れは―――、】

―――何をしでかすか使用者にも分からない武器だ、相対している君にも分かる筈が無い、だろう・・・ッ!!

【上空へと夜空を駆けた円盤郡が、丁度"く"の字を描く様にして急降下、つまりは―――防護壁を乗り越えるような滅茶苦茶な軌道で】
【上空から回り込むようにして、壁の向こうにいる男を切り裂かんと襲い掛かるだろう。最も、それにしても矢張り正確性は無い。】
【だがそこへ、更なる追撃として"彼女"<サイファー>による二度目の銃撃が加わった、防護壁を破壊せんとレーザーが放たれる。】
【正面への防御を疎かにすれば三度、砲撃が正面から遅い繰るだろう。しかしそちらに気を向けすぎれば、上空からの円盤にも身を晒す】
【二つの兵装による同時攻撃、片方は正面、もう片方は上空より、男を倒すべく襲い掛かる―――ッ!】

(しかし―――"魔術"か。)
(カルトの類いは苦手分野だ、研究する気も分析する気もさらさらないが―――驚異的な力では、ある。)
(この男、一体そもそも何を研究し、何を目的として動いているんだ・・・?)
(まあ、"能力"のテスト相手としては申し分ない、もう少し遊ばせて貰うが―――・・・くっ。)

(―――・・・久しぶりに、"痛い"と思ったよ。あの頃を思い出させてくれるじゃあないか、研究者君。)
219 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 23:38:22.57 ID:UCa6d5E5o
>>212

【それは教会の扉を叩く音。声が聞こえていたからか、些か控えめ】
【しかしながら立ち入った者の態度は畏まると云うよりは堂々としたそれであった】

【”彼“が見事に着こなすのは白地に黒い縁取りの燕尾服。ただし腰から下はまた違い】
【膝あたりまでは膨らみを持ったズボンを身に付け、その下はロングのブーツで覆っている】
【言い表すなら櫻の国の『武者』がするような、動きやすいものだった】

失礼、道に迷ったところを偶然ここに行き着いたのだが
……もしや祈りの邪魔をしたか──いや、何でもない。
確かに良い夜だ。私好みの、少し肌寒い風などは特に良い

【浅黒い肌にプラチナブロンドの髪、整えた髭に低い声】
【壮年の彼はさながらどこかの紳士か貴族のようだが、従者が居るわけでもない】

【やがてちら、と修道女を見やると後ろ手に扉を閉めて、改めて相手に向き直り】

まあ、そういうわけだ。従って教会にも貴女にも格別の用は無い
……が、しばらく席を借りたい。知人に電話がしたいのだよ
その知人が以前言っていたのだ──『人里から離れ、かつ古ぼけた教会の修道女と親しい』、と。

中々こういう場所は無いものだ。もしかすると、と思ったのでね
そういう理由で少し……そう、五分ばかり席を借りたいのだが……?

【胸元から取り出すのは黒い携帯。電話するにはうってつけだろうが】
【そもそもこの場所、電波が通じているのか。否だとして、気付けないはずもないのだが】

【またおかしいのはその知人。僅かに小馬鹿にしたような言い回しだが、親しいのだという】
【それが此処の主とのことかは分からないが──あぁそう、最も強い違和感は彼の腰元──】
【そこにベルトで括られた見紛う事なき”魔剣“であった。平然としてそれを下げ】
【あまつさえ修道女自身に借地を頼むという圧倒的な違和感を、彼は纏っていた】

【──とはいえ、立ち振る舞いは丁重だ。すべての判断はまだ、早計か】

/まだいらっしゃいますかー?
220 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/16(月) 23:44:39.61 ID:9zsgYhIqo
>>217
【手を握り。なんとなく、背筋に怖気が走り――その手を振り払いたくなる】
【何も背負わないように生きてきた己が、ついに何かを背負ってしまった事が、恐ろしい】
【手を軽く上下に振り、青年はそそくさと手を外して、一歩後ろに下がった】

「天乃司、好きに呼んでいい。俺も好きに呼ぶ」

【そっけない返答は、人と当り障りのない距離を取り続けてきたがゆえのもの】
【もし此処を居場所と定めることが出来たのならば、遠すぎず近すぎない距離から、変わることが出来るのだろうか】
【善悪よりも、そこに淡い希望を抱きながら。男は一歩ずつ、己の足元の泥沼に足を踏み入れつつ有った】

「使いたくない、けどな。……まあいい、もらえるものは貰う主義だし」

【差し出された札。思えば、この札によって己の力は暴走させられた】
【己の中で渦巻く欲望、己の本性。理性と同居する暴力性を、先ほど自分は改めて確認した】
【この札を使いたくない。そう強く思いながら、青年は懐へとその札を仕舞いこんで】

(――人でいられる間に。俺は……)

【懐から煙草を取り出そうとするが、相手の前で煙草を吸う危険性を思い出し】
【踵を返して、男は歩き出し、思い出したように立ち止まり、近くの紙ナプキンにペンで何かを書きつける】
【書いた内容を確認すると、また振り向くこと無く歩き出し、店のガラスへと手を翳し、爆風で粉砕しながら店を後にしていく】

「珍しく、煙草が吸いたい≠チて思った。アンタの前だと吸えねーからな。
それ、連絡先だから。……なんかありゃ勝手に連絡すれば良い。暇なら出るよ」

【そんな、どうしたい、などという男に有るまじき発言をして】
【ひらひらと後ろ手に手を降り、通りに止めたバイクに跨ると、煙草を取り出し指先からの火焔で火を付けて】
【その後には、エンジン音を引き連れて男は走り去っていくのであった――――】

/*お疲れ様でしたー! お付き合いいただきましてありがとうございました!*/
221 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 23:50:02.02 ID:f0oUkLYto
【今荒城の夜半の月。変わらぬ光誰がためぞ。】
【垣に残るはただ葛。松に歌ふはただ嵐。】

【荒れ果てた、朽ち果てた、打ち棄てられた、櫻の国の城跡で、彼は指先で、手の平で、玉状の物を弄んでいた。】
【白色に、幾つかの赤い線が奔り、また一部を黒色が円形を形作るそれを、月明かりに翳して弄んでいた。】
【彼の右眼は、天上の月を仰ぐ様に、上方を向いたまま、意思の無い様にピクリとも動かなかった。】
【着込んだフライトジャケットの背中には、混沌の使者の証明、カノッサ機関の『逆五芒星』が施されていて。】
【右足から先は木製の義足に置き換えられていて、その様すら、禍々しさの一つとして感じさせられた。】
【右手には、血に塗れた長尺の大刀を握り締め、その球体を弄ぶ様は、正に暴虐を尽くす彼等に相応しい様だった。】

『ッ、はァッ、ァあ!!あ、あ、グッ!!』

「―――――静かにしろ。」

【彼の前には、右眼から止め処なく血を溢れさせる男が一人、蹲っていた。】
【傍らには、恐らく由緒の正しい物なのだろう、黒塗りの太刀が、剥き出しに、呆然とするように其処に倒れていた。】
【彼が弄んでいた物は、彼の眼球で。羨むように、ゆっくりと左手が包み込み、それを思い切り握り潰した。】
【その蹲る男は、その音を聞く事も叶わぬまま、空っぽの眼孔から溢れ続ける血を、押しとどめようとでもしているのか。】
【無論、彼の理不尽極まりない言葉など、聞く余地も無かったのだろう、押し[ピーーー]事も無いままに、湧き出る声を吐き出し続け。】

「―――――黙れっちゅーただろうが!」

【その顔を、彼の左足、編み上げ靴の先が捉え、その顔を勢いよく跳ね上げて、彼を昏倒させた。】
【いや、昏倒で済んだだろうか。他人よりも幾許か力の強い彼のそれは、一切の手加減は加えられておらず。】
【兎にも角にも意識を手放した彼に、済々とした様子で深く息を吐くと、イカれた右目に合わせる様に、今度こそしかと天上を見上げる。】

「全く風情が無ぇ奴だ―――折角の嵐の跡、静かに涼んでみりん。」

【櫻の国の、片田舎の激しい訛りを隠さずにそう彼へと言って、抜き放たれていた大太刀を、血を振り落として腰に納めた。】
【此処は地元の人間ならば、案外と知られている場所だ。】
【ただ単に涼みに来るだろうか。それとも迷い込むだろうか。それとも、もっと物騒な目的か、もっと間の抜けた理由か。】
【誰かが足を踏み入れれば、遅かれ早かれ、彼の姿を視界に認める事だろう。】
222 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 23:57:53.62 ID:uuSg4VrXo
>>220

【ガラスを破壊し、去っていく天乃を見送ると、深く椅子に背を預けた】
【異常な高温を帯びていた空気が風によって循環し、冷やされてゆく】
【コートと髪を靡かせながら、その何とも言えぬ心地よさをしばし堪能して】


邪禍とかいうやつも、あいつはあいつでおもしれェ奴だったが――楽しみが増えた
きひ、あいつはどう変わってくれるのかねェ


【機嫌がよさそうに笑みを湛えたまま、しばらくしてアヴァリは席を立つ】
【代金を払う必要もなくなって、入口から堂々と外に出れば】

【どこかへと姿を消すのだろう――】

/お疲れ様でしたっ!
223 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/16(月) 23:58:59.80 ID:Gf55Qac30
>>218

 誤解しないでほしいが、私は科学研究者であり魔道研究者ということだよ
 第一神が存在しているなどもうとう信じてもいないしね

【男はそのように言う】
【そして、男は不意に空に飛んでいる鳥を見た】

(ふむ、よく記録しているかな
 まあ、記録しているのならこの兵器を詳しく研究できる)

【男はそう思い、少々笑みをこぼす】
【すると、二つの兵器の同時攻撃が迫る】

 …レーザーだけでも回避できるか

【男はそう言うと、レーザーの回避コースへ入る】
【しかし、そこへ円盤が男の胴体を浅くきり付けていった】
 
 ぐ…、だがこの程度問題はない

【そして男は新たな紙を取り出す】
【そして、彼女がいる方向へと手を向ける】
【そして、魔方陣が光、その魔方陣から炎が生まれる】
【そしてその炎は女へと一直線に向かう】
【炎はあくまで一直線なため回避はある程度可能だろうがはたして】
224 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 00:01:16.76 ID:ShmTTIrn0
>>219
【さて、扉を開けたならば――或いは、男性が扉の前に立ったときから――感じていたのは、人とはまた異なった存在】
【聖剣であろうと魔剣であろうと、聖職者ならば敏感に察知するというモノ。然れど構えないのはこの修道女の気質を現していようか】
【警戒は、無い。小さな微笑みを浮かべたならば、来訪者を見遣って】


「いえ――――丁度、終わった所ですから、お気に為さらなくても大丈夫ですよ
確かに肌寒いのは、丁度良いかもしれませんが…………ふふ、風邪を引いてしまえば元も子もありません
宜しければ、中へお入りになりませんか?」

【誘いの言葉が終わる頃と、男性が扉を閉める頃とは、きっと同じ】
【この森を歩くには似つかわしくない姿には疑問を感じるも――――其れは、口を割って漏れ出す事が無いのだろう】
【失礼だから、というのもあるけれど、何か理由が有る。との可能性を強く考えたから】
【銀色の髪。月光を鋭く反射させていたけれど、雲が立ちこめたならばその光も失せて】


「ええ――――そう言う事でしたら、ご遠慮なさらずにどうぞ
携帯……ええっと……電波、と言うのですか……?其れが通じているかは、分かりませんが……
それにしても…………知人、ですか…………その様な事を言うとなれば……ん〜……?」

【男性の申し出には、快諾。気兼ねなく腰を掛け、5分と言わずに用事が済むまで居ても良い、と】
【――――その旨を告げたならば次には自分の思考に沈む事だろう】
【古びている事は自覚しているが故、怒りが無い。然れど、その様な言い方をするとなれば…………】
【頬に指を添え、考える事数秒。思い浮かぶのは、二人。巫女か、メイドか】
【「むぅ〜……」何て唸りと共に考える様は、事情を知らない者が見たならばその言い方に怒っている様にも思える――――が】
【いずれにしても、“電話”の邪魔に成り得るのは確か】
【――――さて、そして電波の話。“普通の携帯”ならば、届かない。けれど、それ以外であるならば簡単に通話も出来るし、何より通話しようとも修道女自身が機械に詳しくは無いので不信感も抱かない】
【……会話次第では、分からないけれど】


/居りましたー!
/宜しくお願いしますですよー!
225 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 00:28:14.14 ID:stzQtNI2o
>>224

【恐らくは――試してでもいたのだろうか。あからさまに魔剣を見せる事は無かったが】
【それを持つことに修道女が気付き、寛容に帯刀と持ち込みを許し、言及すらせず】
【その上で立ち入りを認めた相手へと小さく口角を上げてみせて】

……では、お言葉に甘えて邪魔しよう。風邪は引かない体質だが
頼み誘われて否と答えるほどの変人ではないのでね。

しかし、良い修道女殿のようだ。『彼女』の評価は正しいらしい
よければ『彼女』とも話すかね、無論私(わたくし)の後で、だが
ともかくだ……先ずは繋がらないことには、元も子もないから―――。

【――電波は繋がらないはずだ。ところが、黒い携帯のコールボタンを彼が押すと】
【プルルル...≠ニいう音が漏れて聞こえ始め、男は平然と長椅子に腰を下ろす】

  ……あぁ、私だ。用事?いや、そういった類の理由でかけたのではない
  『迷った』のだ、そう……こちら≠ノ来る途中で、いくらか誤差が出たらしい

  フッ……なら帰れとはあいも変わらず口が悪い。
  そう邪険にすることもないだろう、貴様の親友殿の前≠セというのに 
  ……そうとも。後生大事に手首に付けているアレを呉れたという修道女だが……?

  いや……いや、なにも。今は、そうだな……何か、唸っているようだ。
  何?今から来る?馬鹿を言え、仕事は伝えたはずなのだが……従者が逆らうとでも―――。

【やがて聞こえ始めるのはそんな会話。片一方の言葉が聞こえはしないものの】
【ギリギリ分かるのは相手が女性らしいということくらい。ヒント≠ヘ、いくつか在る】
【もっとも紳士風の男は脚を組んで―――のんびりと、修道女を眺めて居るのだが】

/やった!ということでよろしくお願いしますです〜
226 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/17(火) 00:31:13.33 ID:HeI1sBp4o
>>223

―――おや、"魔導研究者"等という聞いたこともなければ、聞きたいとも思えないような単語を発する割には
神の存在は信じないと?これまた、奇妙な輩だな君は。もっとも、学術を得意とする者ならば一度は神の存在を疑うのは確かだろう。
だが―――何れ君も知るときが来る筈だ。

世の中には"仕組み"があり、その仕組みを生み出している"神"は確かに、存在すると。
ま、存在しているのが宇宙なのか、はたまた異世界なのか、それとも精神空間の中なのかは定かではないが・・・。
それに、その方が面白そうだとは思わないかい?"魔導"等という存在があるんだ、悪魔や天使がいてくれた方が―――
余程、世界は上手く廻りそうじゃないか。

【―――問題は二つ、円盤の稼働時間に限界が来ていること、そして"MIB"のレーザーカートリッジにも弾数があるという事だ。】
【光線銃といえど無限に撃ち続けられるような物ではない、バレルの消耗、エネルギーの不足、精密機械の疲労具合等―――】
【明確に"使用回数"が設けられているようなもの、撃てるとしても精々がもう2発程度と考えて良い筈だ。】
【現に、"MIB"の巨大な銃身からは黒色の煙が上がり始めているのが見えるだろう―――所謂、オーバーヒートだ。】
【そうして更に言えば、元々荒い起動でしか動けなかった"円盤"の動きも、より激しさを増していて】
【これもつまるところ、制御回路を消耗しているが故の故障であって、どれもこれも長期戦には向かないものばかりだ―――。】

(・・・もって2発の"MEN IN BLACK"、もはやアテには出来ない"SUPER 8"、となれば―――新たな武器が、必要か。)
(第二段階の武装を二つ同時に召還するのはこれが初の試みとなるが、止むを得ん。実験には想定外がつきものだ。)
(気がかりなのは―――上空をブンブンと蝿の様に飛びまわっているあの"鳥"か。しかしまあ、構わん。)

―――見たければ、見るが良いさ。そうして私の技術力がどれだけのモノか知り、絶望するが良い。
君に真似が出来るのならば面白い、その時は受けて立とうじゃないか。ま―――その前に、君は此処で倒れるが、ね。

君もせっかちだな、休む暇すら与えてくれないとは。だがまあ、其れで良い。
次は炎か、面白い。何でも出来るようだがその"紙ッぺら"―――後何枚、あるのかな?

【ゴウ、という音と共に直線上を向かい来る"魔導"の火炎。無論、それを回避する術は重ね重ね、"サイファー"に存在しない。】
【しかし、であればまた別の何か―――回避ではなく防御する為の"装備"は、存在している筈であって】


                 『ショート・サーキット第二段階 ――――"INDEPENDENCE DAY"』

【"ウォン"―――という、無機質な機械音が響き、次の瞬間―――"MIB"を構えた右手とは別に】
【翳された左手が"銀"の光に包まれた直後、現れた蒼翠の輝きが、炎を"防いだ"―――!!】
【輝いた左腕、そこに装着された"ガントレット"のような新たな武装の名は"ID4"―――バリア・ウェポンだ。】
【ガントレットから発せられた蒼と翠の輝きがシールドとなり、全面にバリアを展開、彼女を炎から護る。】
【最も、直撃こそ間逃れたものの熱によるダメージを完全に防ぐことは出来ない。白衣の裾が焦げ】
【彼女の傷ついた肩もまた、高熱によりじりじりと熱を帯びて―――痛ましい光景となるだろう。】

【しかしこれで勝負はイーブンとなった、今度は彼女が大きく、この戦闘で初めて"前に"出て】
【シールドを展開したガントレットである"ID4"を振るい、なんとフラフラと浮いていた"SUPER 8"を打突―――!!】
【これにより凄まじい勢いで反発された円盤は男へと向かうだろう、丁度バットで打たれたボールの様に鋭く、素早く―――!】

【―――しかし、彼女は武装を呼び出すときに必ず"銀"の輝きを灯していた事に気付くだろうか。】
【腕から発せられる不思議な"銀光"、その正体は高解像度の映像技術であればわかるだろう】
【其れは微粒子レベルまで小型化された超微小の機械郡である―――つまりは、"ナノマシン"と呼ばれるものだ。】
【彼女は其れを自らの体内で生成、そして放出しているという事を記しておく――。】

227 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 00:52:59.23 ID:ShmTTIrn0
>>225
【もし、の話――――“偶然”魔剣が床に落ちたり、或いはその柄に手を触れたりしたならば修道女自身からあらぬ気配。“魔族”と同質の其れを、一瞬ばかり感じ取れるかもしない】
【…………それでも敵意が皆無なのは変わらないし、そもそも本人が気付いていない――――どちらにしたって、もし、の話。IFだから、そんな事は無かった話が存在していても、当然の事】

「如何に身体が丈夫であっても、油断は禁物ですよ。その油断が大病の元に成り得る事だってあるのですから――――ね?
――修道女に良いも悪いも有りませんよ。救うのが、私達の仕事ですから
それに…………え――…………?」

【ピンと立てた人差し指。まるで、お説教でもするかの様な其れではあるが、小さく微笑んでいる表情からは本気では無いと直ぐに分かるであろう】
【続く言葉には、修道女には善し悪しなんて存在しない。――――本当に世の中がそうであったならば、良いのだけれど。そう信じて疑わぬ者の言葉】
【「それに」を頭にもう少し続けようとするが…………話してみるか、と言われれば言葉に窮した事だろう。何処か困った様な素振りさえも見せていたのだが】


【――――男性が話を進めるに従い、分かりやすい程に修道女の表情がパッと明るくなる事だろう】
【もし尻尾が生えていたならば、パタパタと振ってる程に、あからさま】
【……貧乏。ましてや、携帯なんて使った事が無い。用途は分かっていても、機能等々は全く分からない。だから――――】


「あのー……エリーですか?エリーなのですか?」

【のんびりと眺めていたならば、今までの変化にも容易に気付くだろうし――――何よりも、更に慌ただしくなった様が見れるだろうか】
【もしかしたら、男性の言葉に重なる様に修道女の声が交じるかもしれないし、交じらないかもしれない】
【問うのは携帯の向こう側では無く、男性自身。修道女とはまた異なった、17の少女の姿を覗かせて】

【考えてみれば――――“こちら”に来るのに“迷った”。何だか、引っ掛かる言葉】
【魔剣を身に付けている所かしても、その身なりからしても。迷おうにも街中ならば分かるが、この森の中】
【――――気付いていようとも、少しずつ探っていくのかも知れないが…………修道女からすれば、今はそれ所では無いのか】
【パタパタ、パタパタと実に慌ただしく、言ってしまえば滑稽】
228 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 00:54:02.01 ID:8dzw/HKr0
>>226

 魔道を研究しているからといって神を信じるているとはかぎらないよ
 さて、結局のところ世の中の仕組みとは何かな、ではその神は人間とも解釈できるよ
 はてさて、どうかな悪魔や天使がいたところで世界はうまく回るのかな
 ぎゃくに停滞をもたらすのではないかね

【男はそのように言う】
【結局のところ男にとって神という存在はただの偶像に過ぎないのだ】
【そして女がシールドを出したのを見ると】

 ほう、また出てくるか、おもしろいものだな

【男は興味ぶかそうに言う】
【やはり、一回鹵獲してみるのもいいかもしれないとも思いつつ】

 なに、心配しなくてもまだあると思うよ

【男はそう言うが紙が少なくなっているのも事実だ】
【ならばあの手しかないと思っていたとき】
【すさまじい勢いでくる円盤が男へ向かってきた】
【男は何と回避を試みるものの、脇を思いっきり抉っていった】

 ぐが……!、なかなかやるじゃないか

【男は何とか立ちあがる】

(ぐ…やはり痛いな、だが相手もそろそろ限界のはずならば)

【男は何かを決心し、3,4枚の紙をばら撒く】
【事前に魔翌力をいれていたため、地面に触れたとたんに地面の鉄や土がやじりのように鋭くなり、女のほうへと向かった】
【そのバリアーなら防げるだろうが】

【しかし2、3枚になった土と鉄を変化させる紙だ】
  
229 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 01:13:42.27 ID:stzQtNI2o
>>227

  ―――が逆らうとでも……、…?……あぁいや、少し様子が変わったようだ
  先ほどまではあまり機嫌が良いようにも見えなかったが
  どうも今は餌を前にした犬のような――失敬、あくまで今のは『例え』だが……

  ……まあとにかく、嬉しそうだ。エリー=c…エリザベス・カーライル=H
  私の前では剥れた飼い猫のような態度だというのに、温度差が悲しいモノだな

  …、……いいや。私が単純な意味でも『方向音痴』なのは知ってのとおりだ
  好きにしろ、エリー…冗談だ。あぁそれと少し待て、ご友人が君と話したいと―――さあ、シスター。

【薄手のシルクで作られた手袋に持った黒い携帯。旧来型のそれを】
【紳士風の、異風な男は相手との話しを勝手に切る形で修道女に差し出した】

【使用用途は、おそらく会話だけなのだろう。使い込まれてはいるがきれいなもので】
【差し出したならば男は俄に彼女から離れ、教会内をゆっくりと歩いて見学し始めるだろう】
【一方で携帯の通話口からは文句を言う声が漏れてもいて――それはこんな具合だった】

  『――しもし、ストム卿?人の話を聞かずに話題を変えるのはいい加減にして下さいませ。
   次に同じことをした時は契約内容をこちらから一方的に……、…?
   ……もしもし、ストム卿―ストム・エア様=A聞いていらっしゃられるのでしょうね―――?』

【紛うことなきあの声だった。些か怒りの色が見えてはいたが、尚も能面じみた抑揚の無い声】
【そして相手を僅かに詰るような口調――ストム卿、というらしい彼も名は云っていたはずだ】

【――さて、また視点を彼に戻すと、彼はその右手を魔剣の柄に置くようにして天井を見ていた】
【それが自然な姿勢なのだろう。実に威風堂々とした立ち姿には、僅かの揺らぎも見て取れない】
【まさか、『気付いていない』というワケもないはずだが―――今は、電話に集中出来るだろう】
230 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/17(火) 01:25:40.17 ID:HeI1sBp4o

>>228

フン―――・・・"魔導"等というまやかしにも似た学術にもならん学術を研究している割に
言う事だけは立派じゃあないか、確かに筋は通っているな・・・そうだ、神は人間とも考えられる。
だが―――残念な事に"私の会社"は、人間を人間として認めていなくてね。


"能力者"でなければ、人は人として認められることすらない。
"能力者"でなければ、人が人として生きていく事すら許されない。

"能力者"でなければ、全ては家畜も同然、塵にも等しい存在の彼等の中に―――神など、いよう筈も無い。

仮に、"人"の中に神がいるとするのならば・・・それはきっと、"能力者"だけに許された権限だ。

世の仕組みを知りたいか?ならば教えてやる。能力者が無能力者を支配し、穢れた無能共を制するギミック、つまり

―――我々GIFTこそが、世の中の仕組みそのものだ。神たり得る存在は―――我らの中にこそ、在り。


停滞?笑わせる。世界はこれから新化の一途を辿るんだよ、足かせとなる劣等種を根絶することで、な。

【更に、追撃とばかりに彼女は辛らつな言葉を投げかけながら―――"ID4"を振り回し、"SUPER 8"を吹き飛ばす。】
【残り三つとなった円盤を全て、端から打ち返して、男の方へと弾く、弾く、弾く―――!!】
【もっとも、それだけの作業が彼女にとっては重労働だ、既に息は上がっており、更に言えば】
【武装の発現を繰り返した事で能力による体力の消耗も見られ、これ以上の長期戦は不可能と判断する。】
【しかし、何故だろう―――彼女は上述の言葉を吐き出すとき、妙に表情が乱れていた。】

【まるで―――言いたくない事を無理矢理言っているような、そんな気すらもしてくるだろうか。もっとも、良く見ていれば、の話だが。】

【だが―――其処まで行動して、"サイファー"には油断があった、彼が一斉攻撃に出るという選択肢を取ったのが予想外だったのだ。】
【撤退するだろうと、舐めきった態度で彼を見据えていた彼女は、まさかの能力"連続使用"で反撃に出た彼に意を突かれる。】
【無数の鏃となって襲い来るそれらの攻撃に対し、彼女はバリアを翳すも―――間に合わない。】
【幾本もの攻撃が彼女の肉体を貫き、血管を破り、赤色をばら撒かせて―――それでも尚、何とか彼女は片手で構えた"MIB"を、持ち上げて】

くっ―――そッ・・・!!まだ、そんな力が―――ッ!!おの、れぇ・・・ッ!!

【―――砲撃、三度凄まじい破壊力の光線が男へと向かうだろう。もっとも、其れよりも前に鏃と衝突し、それらを滅した事で】
【威力は相当に弱まっている、だがこれで波状攻撃は迎撃できたが―――もはや、これまでだろう。】
【彼女の装備していた"武装"がたちまち、粒子状になり銀光を発して消失―――というより、彼女に吸い込まれていった―――・・・?】
【謎を残しつつ、彼女は端末の録音機能を素早く、OFFにし―――路地裏へと駆け込むようにし、姿を消すだろう。】
【勿論、後を追う事も可能だ、だが仮に路地裏に駆け込んだところで―――彼女の姿は、もう無いはず。】
【後には少量の微粒子の波紋と、血液が垂れているだけだ。】


(―――チィッ・・・!なかなかどうして、手強い相手だったじゃないか・・・。)
(いや、それよりも私自身の技量に問題がある、まだこの力をまるで使いこなせていない・・・ッ!)
(クソッ・・・クソッ、クソッ、クソッ!!―――・・・研究所へ、戻るか。)

【謎を残し―――GIFTを名乗る女は、消失した。また新たな脅威を、予感させながら。】

/と、こんなところで撤退させてもらいます!お付き合いいただき、ありがとうございましたー!
231 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 01:35:10.70 ID:8dzw/HKr0
>>230

【男は彼女の逃げるところまでを見た】
【そして、彼女が表情を乱れさせていたところも見た】

 逃げたか、くだらないな
 能力者が無能力者を支配するか本当にくだらない
 結局のところそれはあらたなる悲劇の引き金になるかもしれないというのに

【男はそういったそして鳥を自分の肩へと戻させ】

 ふむ、十分に記録は取れたか
 まあ、思わぬ収穫をしたな、さて彼女の兵器のトリックを見破れるかな

【そう言って男はこの場所に背を向け歩く】
【自分の場所に帰るのだろう】

(ふむ、しかし彼女があの台詞をいっていたさいの表情が浮かなかったが
 もしかしたらいやいややらされているのかもな)

【男はそのようなことを考えつつ帰っていった】

/こちらこそお疲れ様でした
232 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 01:42:08.12 ID:ShmTTIrn0
>>229
【携帯を受け取ったならば、嬉しそうに感謝の言葉を述べて】
【――――が、耳に当ててみれば契約等々の分からない言葉。三度、繰り返された其れは男性の名で間違いは無かろう】
【複雑な手順さえ必要無ければ、機械音痴であっても話す事位は出来るのだけれど…………携帯の向こう。女性の耳に届くのは、男性の受け答えでは無く、一つ間を置いた呼吸】
【……何を理由に、それは不明だが、怒りを含んでいる事は分かる。言葉に出さずとも、“らしい”な、なんて考えれば――――フ、と笑いが零れて】


「えっと…………エリー、ですか?お久しぶりですね
私、私です。カログリアです。あのー…………すみません、ストムでは無く……あ、教会に訪れた方の名ですよね?
とても律儀な方に見えますし、優しい方ですが…………その、無理を言って貸して頂いて……まだ何かの相談の中でしたら、直ぐにお返ししますが……」

【――――やはり、返されたのは女性の声。顔は見えずとも、何処か苦笑を浮かべて居る様にも思えるか】
【自分の名を告げ…………恐らく、男性の其れだと思われる名を反芻して】
【男性に対する擁護の言葉も織り交ぜたならば、その言葉から未だ男性との会話が終わっていなかったと考えたのだろう】
【離れる声は、取り敢えず携帯を返そうとしている事を示唆しているか――――】



【男性が見るであろう教会の内装。割れたステンドグラスやら、欠けた長椅子やら】
【どうにも神を讃える場所に思えないが、確かに修道女は存在している。騙している様にも見えず、本当に修復する資金が無いだけであろう】
【その証拠として修道女以外に読む者が居なさそうな聖書だって少しの埃も積もっていないし、床にだって外から吹き込んだ土以外に何も落ちていない】
【――――熱心な教徒。だけれど、こんな辺鄙な場所に一人だけ】

【そして…………修道女は、確かに友人との会話に夢中になっていた筈。そう、それこそ少しだけ男性の存在を忘れてしまう位に】
【視線だって向けて居ない――――だが、まるで野生動物の本能を思わせるかのような悪魔の“気配”】
【その元は、確かに修道女。…………見ても、携帯を両手で持って向こうの女性に声を届かせようとしているだけ】
【柄から手を離せば気配も消えるが――――そのまま添え続けていたならば、明確なモノへと昇華する事だろう】
【警告を思わせるかのように割れたステンドグラスが小さく鳴ったり、男性の付近に有る聖書が不自然にパラパラと捲れたり――――怪奇現象。けれど、身を傷付ける様な実害は無い】
233 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 02:09:10.05 ID:stzQtNI2o
>>232

  『っ……か、カログリア様…。成る程、結局話しも聞かずにあの方は……
   いえ、それより……、…お久しぶりですね。携帯は返さなくても構いません
   どうせ用件は暇つぶしとか、迷子になったから迎えに来いとか
   そういう程度の事ですので。……人物も、褒められた者ではないと言っておきますよ。』

【僅かに狼狽、そして仮面を被る様に声を澄ます――確かに、この妙な感じ】
【あのメイドに違いあるまい。そして彼女は携帯を返す必要は無い、と――】
【――良ければ少し話でもしたいと、暗に思いながら返事をして】

  『ふぅ……こういった電話は久しくしていなかったので何を話そうかと思いましたが
   まずどうやら、カログリア様がご健勝のようで何よりです。

   一応さきに言っておきますと、私も近頃は危ない橋を渡ることもなく
   怪我も病気もしておりませんので……というより、一時は反対の立場に居たのです
   例の風の国の塔……アレの跡地で、訳あってボランティアを……――――。』

【と、エリザベスは以前とは違っていくらか柔らかい物腰で言葉を紡ぎ始めた】

【あの巨塔ATLASが消えた後、草原地帯で暫くボランティアをしていたこと】
【多額の借金も今はなく、怪我や病気もなく、そこそこ自由に暮らしていること】
【――とにかく、色々。変わったこと、変わらないこと、色々と自分から§bし始めたのだった】



(……確かに、宗教施設としては半ば破綻している。人が集うわけでも無いらしい)
(唯一この場を教会足らしめているのは、偏にあの修道女の信仰心故、か)
(人里離れたこの廃墟のような家屋で、若い彼女が悪意≠宿して信心…、……ほう。)

【ストム卿――彼はのんびりと建物の内部を眺め、古ぼけた梁や、割れた硝子や、椅子を見て】
【一度、修道女に左の掌を見せて返すのを制する――つまり話していて構わないと伝え】

【怪異が怒ったのはその直後。しかしながら、卿がそれに一声でも上げたかといえば】
【答えはNO≠セった。柄から手を離すこともなく、ガラスを、聖書を見遣り】

そんな子供騙しが私に通じると本気で思っているのかね、なら無駄というものだ
言いたいことが在るのなら、そう……聖書の文字だ。インクを濃くでもして、言葉にしたまえ
もっとも君が神や聖人の文言に手を加えるという不徳を為すほどのモノかどうか、分かったものでもないがね?

【とても小さな――誰かがこちらに注意を払わねば聞き取るのも難しい声量で、そう言って】
【怖気づくなどという単語は彼の辞書に存在しないのだろう。聖書を手に取り、ページを開く】
【適当に開けたその一説。単語を切り取れば、意志を伝えることくらいはさぞ容易――出来れば、だが】
234 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 02:49:39.39 ID:ShmTTIrn0
>>233
【友人も――――エリザベスも忙しい身である事は理解しているつもりだった。そして、多忙に追われる理由も】
【故に、仕事の話ならば早く換わる事が親切であろう。そんな事を思っていた時の事】
【この修道女がその意を汲んだのかは定かでは無いが、少なくとも一人漏らす笑みに偽りは無かった】


「…………そうですか?私から見れば、とても良い方に思えるのですが
――――改めて、お久しぶりですね、エリー。“何時も通り”で何よりです」

【男性に声を掛けるべく紡ごうとした言葉を消して、変わりとして女性へと向ける言葉】
【何が何時も通りであるか明確には言わないが…………まぁ、エリザベス自身が己の僅かな狼狽に気付いていれば、その指摘であると直ぐに分かる事か】
【…………電話越しの話は、余りした事が無いから。専ら懺悔やら迷い込んだ人との話は、面と向かってして居た為に話したくともどう切り出せば良いのか分からない】
【ちょっと違い。然れど、修道女にしてみれば大きな違い。少しだけ、考え込んでいたけれど――――】


「……心配していたのですよ?その風の国の事だって、ただ新聞に目を通す事しか出来ませんでしたし――――何よりもエリー。貴女は無茶をする性格なのですから
でも…………ふふ。その言葉を聞いて安心しました。強がっている様でも無いですし、信用しても良さそうですね」

【ボランティアとの言葉。以前の女性では無縁とも思えたから、驚きを隠せない声を聞かせて】
【借金完済については、自分の事の様に喜んでいただろう。理由は勿論、これで無茶をする事が無くなるだろうと考えて居たから】
【――――考えて居ただけで無く、「もう無茶はしないで下さいね?」とキチンと釘も刺すのだが】
【聞いた言葉は全てこの修道女にとって喜ばしい事――――な、筈。だから、其れ等の言葉には全て嬉しそうに返すし、相槌も打つ】


「…………貴女の声を聞けて、安心しましたよ。エリー
もし良ければ、今度教会を訪れて下さいな。お祝い……何て事は出来ませんけれど…………それでも、直接お話をしたいですから
あ…………後、家族も“一匹”だけ増えたのですよ?」

【何時か暇があれば、訪れて欲しい。紛う事なき、友人に向ける言葉】
【――――家族が増えたとは言うけれど、“匹”と言う事から人間で無い事は分かろうか】
【……言ってしまえば、魔獣の子供。正体は明かさないけれど、それでも語る口調は楽しげで】




【男性の持つ聖書――旧約聖書の一頁――のインクが滲み、やがては聖書の一節とは異なった文字を連ね始める】
【最初は、ただぼやけていただけ。其れでも少し経てば、丁寧にも朱色へと変わって】


『本当に言ったかも分からん文字に手を加えるだけで不徳とは随分と面白い物言いだ
これからお前の行く先々の便所紙に聖書の一節を記してやろうか?
お前の右手でその紙を持ち、ケツを拭けば完全な不徳の称号を貰えるかもな』

【嘲笑うかの様にページが勝手に捲られたならば、次は新約】
【奇しくも、其処は黙示録。全ての文字が川に流されるかの様に消え失せて―――――やはり、朱色の文字が浮かび始めた】


『まァ、そんな事はどうだって良い
そんな“汚い”剣を引っ提げて此処に何の用だいオジサンよ
電話なら何処でも出来るだろ?ましてや、何処でも電波が通じそうな便利なケータイがあればよォ
何で態々此処に来た?そんな汚い剣を引っ提げて』

【指しているのは、間違い無く魔剣の事だろう】
【修道女――――は、未だ男性の動きには気付いていない】
【聖書を介して訊ねるのは、此処を訪れた意味。電波が通じるならば、森の中でも良かったであろう――――そんな文字】
235 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 03:30:37.88 ID:stzQtNI2o
>>234

『……それは、どうも。私も、きっとカログリア様は心配しているだろうと思いました
 ですから今度お尋ねする際は、その思いを裏切っていない証拠をお見せしましょう。

 まあ、それというのも以前に頂いたロザリオですが……
 暫くの時が経つ内に傷なども増えまして、それを見れば全てお察しただけるかと。』

【――そう、あのロザリオ。実のところ肌身離さず持っているのだが、それは言わない】
【恐らく恥ずかしいからだろうが、そうそう傷が増えるようなものでもないし】
【わざわざ口にしてしまうだけでも、かなり大事にしているのがバレてしまうだろうか】

【そしてエリザベスの言った言葉の意味合いは、その傷に戦いの物はない、ということ】
【勿論、見ない限りは分からないが―――言うだけあって、信頼には足る。とにかく、そうなのだ】

『借金については……正直申し上げれば、一時はどうしたことかと思いました
 今までの生活はそれを軸に回っていましたからね。ですから、一度身を落としたのです。
 中々味のある毎日でしたよ、ボランティアと云うのは……それも是非、お話しましょう

 ……一匹≠ナすか?ペットと言うよりは……あぁ、ええ、家族≠ナしたね
 ではその御家族にも顔出しをしなければなりませんし、時間を見つけてそちらに……
 ……要らぬ気遣いかもしれませんが、何か食材なども持って、是非……。』

【言葉だけ捉えればどこか冷淡で、どこか事務的。けれども内実は全く違う】
【それはカログリアならば尚更よく分かるはずであって、言葉の重みも感じるはずだ】

【いずれ必ず彼女は来るだろう、という確信すら得るはず――そして、彼女からの信頼も感じる筈だ】
【でなければ顔を出すのに食材≠ニいう話題は出てこないだろうから】
【――いや、皮肉としても機能はしているが。それでも、感じるものが在るはずだった】



我が魔剣――コンクエスト≠『汚い』とはよくも言ってくれたものだ
少なからず尊崇の対象には、偶像≠ノはなる聖人にも劣る非形物風情が、な。

さて、目的か……ある日、忠実な猟犬が他所で首輪をはめて帰ってきた
他者に懐くはずもないのだがさてどうしたのか、まず誰が首輪なぞをはめ得るのか。

……知識欲というのは恐ろしいものだと思わないかね?
ソレが食指を伸ばし始めると、思わず迷って森に転移してしまうこともある
さらに偶然、教会があったのなら……人たるもの、森林よりも人工物が好きなのだ

それで……君は何≠ゥね。悪魔か、妖魔か、もっとざっくばらんに魔族≠ニ呼ぶか
或いは聖書の誰かの名を使っても構わない。私は宗教とは学問だと考えているのでな

【飼い犬、首輪――二人の明るさが際立つのなら、こちらはその影だ】
【間の言葉に眉根を動かすこともない。そも、魔剣を持って平然としているのは人間と呼べるのか】
【分からない、全く以て分からない――分かるのは、知りたかった≠ニいう答えだけであって】

/すみません、そろそろ眠気が……凍結などは可能でしょうか?
236 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 03:36:25.05 ID:ShmTTIrn0
/こちらも危うかったので有り難いであります……!
/凍結の方、勿論大丈夫でありますよ!
/自分の方は基本10時半以降でしたら空いているかと思いますので、ご都合の良い時にお呼び頂ければ……!
237 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 03:39:00.48 ID:stzQtNI2o
/でしたら明日の夜にでも舞台裏の方で呼びかけさせていただきますねっ!
/では、今夜はこれにて!一旦お疲れ様でしたー!
238 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 03:53:57.37 ID:ShmTTIrn0
/了解でありますよー!
/お疲れ様でありました!
239 :王琴 牟(ワンイン ムゥ) [sage]:2013/09/17(火) 20:05:10.84 ID:16cSK/nYo
座布団のような帽子。
小柄な体躯に美しいというより愛らしい見姿。
腕を組んで世界を見下ろすその姿に貫禄はまったくなし。

せっかくの仙人なのに…。

「ふん、リーベングイズ(日本鬼子)め。
 姐様をたぶらかし、岩に封印するとは許せん。
 癪に触る土地だが中原こそが世界の中心。
 そうであることをここの阿呆共に教えてやる。」

 仙女は如意羽衣と言われる伝説の宝具のコピーを取り出し老婆の姿に化ける。

「まずはこの国に馴染もう。ここに根を這ってから大姐様の墓をさがすか。」
240 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 20:30:58.39 ID:dQUubSiKo
【公園】
【今宵は日頃に比べ、夏の熱気が台風で吹き飛ばされたように冷たく心地いい風が吹いている】
【日が沈んだ後も雲一つないすっきりとした空には、代わりに満月を近くに迎え、日に日に輝きを増す月が空に浮かんでいる、そんな夜】

【人気のない公園のベンチに一人だけ―――ちょこんと座りながら、自分の右手を近くでじっと観察している少女がいた】


―――……新調した右腕の可動に一切の支障なし……明日から喫茶店のお仕事に戻って大丈夫そうデスヨー
また右腕を破壊してしまいましたからね、従業員の方々に大分無理をさせてしまったかもしれませんね……


【その少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【右手首を左手で掴んで、右の五指をグーパーグーパーさせて関節の調子を確認した後、安堵の表情を浮かべる彼女は】
【ベンチの背もたれにもたれかかり、ふと何の気もなく空に浮かんでいる月を見ながら呟いた】


ここの所激戦続きでしたからね、負傷の数が増えてしまうのは致し方ない事ですけれども……
うーん、一度本格的に我が身をオーバーホールに出してしまうのも考えてみた方がいいかもしれないのデスヨー……

あー、でもそしたらまたお仕事ためてしまうかもしれないデスヨー、従業員募集のチラシでも出すべきでしょうか


【でもなー、と少々困った顔を浮かべながら少女はエプロンのポケットからドライバーなどの工具を取り出すと】
【再び少女は自分の右手首の駆動をメンテナンスしようと、ドライバーの先端を手首に当てカチャカチャ金属音を立て始めた】

【傍から見ると結構、奇妙な光景に見えるかもしれない】
241 :>>239 [sage]:2013/09/17(火) 20:37:06.39 ID:16cSK/nYo
>>240
一人の老婆が近づいてくる。
「おや、義肢かい。
 どれどれ、出来はまぁまぁかねぇ。」

やけに馴れ馴れしいばあさんである。
「自己修復機能が古いか未発達か…
 …ん?あんたの身体はひょっとして…。」
242 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/17(火) 20:40:48.71 ID:wlTbrkbb0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――昼の国 繁華街】

……ったく……酒に飲まれるだけじゃ飽き足らず、殴り合いたぁな……俺の酒盛りの邪魔をすんじゃねぇ……!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【とある酒場の入り口から、外へと数人の酔っぱらいを蹴りだしている】
【――――夜の無いこの国でも、酒を口にして賑やかに騒ぐ習慣はやはりあるようだが、それでも彼らは度が過ぎた様で】
【蹴り出されてフラフラになった酔っ払いたちは、起き上がる事すら軽々に出来ない様だった】

手に余る様だったら、警察でも呼んで、拾ってもらってくれや……あいつらにはおあつらえむきの仕事だろうからよぉ……
……あぁそうだ、ついでにもう一杯くれねぇか? しょうがねぇから飲み直すからよ

【トントンと、手に持った棍で自分の肩を軽くタップしながら、店内へと引き返して行く居丈夫】
【事もなげに店員に注文を伝える辺り、まだ飲もうと言うのだろう】



【――――所変わって、風の国 商店街】

ごめんなさい……ここら辺の事、良く分からなかったので……
{……大丈夫です。私も……ちょっと時間が空いただけだから……}

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女と】

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】

【手にビニール製の買い物袋をぶら下げて、並んで歩いている】
【オッドアイの少女が手にする方には、主に惣菜などの加工食品が、オレンジ色の髪の少女が手にする方には、生活雑貨などが詰め込まれていた】

【オッドアイの少女の身からは、尋常ならざる量の魔翌力が感じ取れるかもしれない】

{……自分の世界に帰るって言うのは、大変な事だとは思うけど……頑張ってください……}
あ……ありがとうございます……!
……そうだ、せっかくだから晩御飯、一緒に食べませんか?
{……私なら、良いですけど……}

【連れ立って歩いている様子は、仲が良い友達同士にも見えるかもしれないが、当人たちの態度はどこかぎこちない】
【それでも、どこかホッとした様子で、2人の少女は夜道を歩いていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
243 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 20:55:43.45 ID:16cSK/nYo
>>242
【そう、そんな時の流れの中で彼女は昼の国の中で注文した麺料理を睨む少女】

「お腹空かない…食べられない。運動不足な。
 なんか…最近は研究生活ばかりで身体を動かしてないな。」

 座布団のような大きな帽子をかぶった愛らしい少女は呟いた。

「警察?冗談じゃないネ。
 来る前にあれ(>>242)と遊んでみたいネ。」

【少女は酔っぱらいに絡みに行った。
 絡むために酒を自分自身もしこたま入れて。】

「おい、お前。近所迷惑だぞ。
 これ以上暴れるならわたしが相手になるが覚悟ヨロシ?」
244 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 20:56:01.53 ID:dQUubSiKo
>>241

【しばらくぶつぶつ呟きながら調整を続けていた後に、ふと、気配を感じ取る】
【視線を向けるとこの辺では見かけない老婆がこちらに近付いて来るのを感じていた】


……はい?あ、ええ……お気遣いの必要はございませんデスヨー
近頃荒事が多くって、破損するペースがだんだん多くなってまいりましたので……でも、気遣っていただき
ありがとうございますデスヨー、おばあさま


【ちょこん、と立ち上がると彼女はドライバーをしまい、ロングスカートを摘んで礼儀正しく老婆にお辞儀をする】
【姿勢や身のこなしからも長年積み重ねたその技術を感じさせる―――小柄ながら、非常にできる侍女のオーラは感じるかもしれない】

【しかし、次にこちらに向けてかけられた言葉を聞くと、ちょっと驚いた様子で目を開きながらも】
【すぐに笑みを戻して、左手を胸に当てながら自己紹介を始める】


ええ、もしかして気付かれてしまいましたか?察しの通りワタシは自動人形デスヨー
『財団W』グループ系列店、喫茶『フルメタルジャケット』にて店長を務めております、ジャンクちゃんと申しますデスヨー


【今後ともよろしくお願いいたします、と改めて頭を下げ挨拶を返してくるジャンクちゃんという侍女の少女】
【その正体を隠す様子もなく、堂々と自ら自分の出自を名乗ってきた】

/どうも、初めての絡みですか?
/当スレでは地の文は【】で囲んで表記した方がいいかもしれないです
245 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/17(火) 20:58:34.65 ID:5LbQe1Yfo
>>243
/死ね
246 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 21:04:18.47 ID:16cSK/nYo
>>244
「そうかい、自分の身体は自分で管理するしかないからねぇ。」
【なるほど、身体を使える人物なのか。】
【そんな人物がここまで義肢まみれになるのはなぜなのだろう。】

「つまりは…オートマトン…?!」
【西洋技術もここまで進んでいたか。】

「あたしゃ…あたしゃ、あんたに興味わいたから晒すかね。」

 如意羽衣の効果を解いてもとの少女らしい姿に戻る。

「あたしはオウイン=ムゥ。あんた面白いな。
 特にあんたは気に入ったから見せるね。
 わたしはオウイン=ムゥ。」

【愛らしい小柄で華奢で赤毛の女の子が目の前に現れた。】
247 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/17(火) 21:06:01.74 ID:wlTbrkbb0
/……>>242取り消しで
248 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 21:28:47.15 ID:dQUubSiKo
>>246

【ずいぶん久々に自分の正体を見て、驚いた人間の反応を見た―――最後に見せたのは誰だっただろうか】
【そんな他愛もない事を考えながら、彼女は照れくさそうに頬をかきながら言葉を返す】


ええ、まあ……分類としては戦闘用の侍女式自動人形となります、全パーツを機械で構成して
おりますから、人形と言うよりは自立機動ロボットの方が合っているかもしれませんが……

興味を持っていただけるのはワタシ個人としても非常に嬉しく思いま……あら?


【ふと、目の前の老婆が意を決したように羽衣を外すのを見て、ジャンクちゃんはようやく大きく表情を変えた】
【今まで老婆と思っていた目の前の人物が、羽衣の何らかの効果を解除すると、見た目自分と同じくらいの少女の姿に若返った……】
【小柄と言っても、侍女の少女も非常に小柄―――目線はジャンクちゃんの方が下になるかもしれない】


ま、まあ……一体どうした事でしょうか
おばあさまと思ったら……本当は非常にお若い方だったようデスヨー、おばあさんの姿だったのはそちらの装備の力デスヨー?
ひとまず、よろしくお願いいたしますデスヨー、オウインさん


【正直に答えたから彼女も正直な態度で応える事にしたのか、それとも最初から驚かせるつもりだったのか】
【ともあれ自分の行いが気に入られたらしい、素直にお褒めの言葉を受け取ろうと再び可憐な笑顔を赤毛の少女に向ける】
249 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 21:33:07.80 ID:16cSK/nYo
>>248
【オウイン=ムウが自分の正体を晒した理由は一つ】
「この辺りの糞みたいな人間じゃないならあんたは信用していいです。
 それにしても…あんたは良い身体してるですね。ムラムラします。
 なんかアレですよ。ミサイルとか出てくるようにしてみたいです。」
250 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 21:51:18.06 ID:dQUubSiKo
>>249

え、ええ……どうもありがとうございますデスヨー……

(変わった方デスヨー、しかし口ぶりからすると人間嫌いな方なのでしょうか
ロボットだったからたまたま正体を見てしまったのでしょうか)


【オウインと名乗るこの少女―――名前の響き自体もあまり聞き慣れない、遠くの地方からの出身なのだろうか】
【たまたま自分が人間ではなかったから正体を明かしてくれたのだろうか】
【変装して外を出歩く程の人間嫌いに会うのもこれが初めてではないが、やはり扱いには戸惑いそうだ】


えっと、その……ミサイルデスヨー?
改造の必要はございません、対空攻撃翌用のミサイルでしたらすでに三発、体内に装填しておりますデスヨー
必要とあらば容赦なく撃ちますので、お披露目はその時になると思われますデスヨー


【なんとまあ、もう彼女の体内にはすでにミサイルが装填されているらしい】
【非常に用意がいいと言うか、制作者が非常にロマンに理解のある人物だったのやもしれない……】

【当の本人はやや困った様子でモジモジしている―――やはり一目見まわした程度ではすぐに人形と見破るのは難しい】
251 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 21:57:50.32 ID:16cSK/nYo
>>250
「三発ですか。…う〜ん。これ以上ミサイルを増やしたら体重が増えるネ。
 これは女の子的に大問題ですネ〜無重量なミサイルが作りたいデース!」

【落ち着きなく歩き回る】

「困ったサイボーグですね。」
 目の前の人物が人形だとは見破れずにサイボーグだと思い込んでいるようだ。
 だから…。

「まあ、ご飯でも食べながらあなたの身体を弄る計画を立てましょう。」
 そんな事を言ってのける。
252 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 22:00:31.18 ID:8dzw/HKr0
【水の国 広場】

【夜そんな人が少なくなっている時間帯、一応電灯がついているが人がそうそういるわけがない】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

【ベンチに座っている男は電話をしているようだ】

ええ、ええ、貴方達のお望みの品はきちんと送っておりますよ
ええ、はい、ではこれからも武器商人ネームレスをごひいきに

【そう言って男―――ネームレスは電話を切り、ポケットに入れる】
【そして、買ってきた新聞を広げて見る】

いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

まあ、私の商売がやりやすくなる
というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

さて、どうしましょうかね
 どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】
【人が、ほとんど居ない時間帯において、黒尽くめのこの男が目立っている】
【もしくは、先ほどの話していた電話の声が聞こえたかもしれない】
253 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 22:11:26.61 ID:dQUubSiKo
>>251

いやー、無重量なミサイルなんてあっても……火力を削いでしまう結果に
なってしまうのならばワタシとしては……どうせ普段ロケットパンチ飛ばしてますし
ミサイルなんて本当に対空戦でしか使用しないのデスヨー

……まあ、堂々と体重計に乗っても恥ずかしくない重量のロボットになれる事にこした事はございませんが
ある程度重量がないとむしろ戦闘用自動人形的に頼りがいを感じられなくなったらそれはそれで困りますデスヨー……


【女の子としては減ることが出来れば嬉しい物の、自動人形としてはむしろ増やしたいというジレンマ】
【機動力より耐久性に重点を置く思考回路の持ち主なのだろうか、可能ならもっと重装甲になりたいと考えているらしい】

【そんな中、ご飯と言うキーワードと、身体をいじる計画というキーワードに反応しながら】


いえ、お気持ちはありがたいですが、ワタシは"WILD"の手入れがございますので
新しい新規の改造は特に必要といたしません、うかつに知らないところで改造を受けたら
メンテに手がかかってしまうかもしれませんし

でも、ご飯を食べると言う希望はお答えできます!オウインさん、お弁当でよろしければおあがりください!


【侍女なのは見た目だけではないのか、なんと彼女は手作りのお弁当を持参しているらしい】
【どうでしょうか?と訪ねながらジャンクちゃんはおもむろにエプロンからランチョンマットを取り出して地べたに敷き始める】
254 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 22:20:56.64 ID:16cSK/nYo
>>253
「ふむ、他所の把式場の仕事には手をだせませんですよ。
 所でお弁当とは何でしょう?なにか料理っぽいですが。
 というか、どこから見てもそれはご飯じゃないですか。」
【目を輝かせてそのお弁当を眺める。】
「これ、これ!これを食ってもいいのか?
 恩恩怨怨の世界では恩は返さなければいけないネ。
 WILDが良いって言ったら、核爆発爆縮ビーム砲火尖槍をつけてあげるよ!」
255 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 22:40:51.44 ID:dQUubSiKo
>>254

【ランチョンマットを引き終わった後、ジャンクちゃんははベンチの上に置いてあった荷物に手をかける】
【そこには風呂敷に包まれた四角い箱―――見た感じ高級そうなお弁当用の重箱が入っていたのだ】


ええ、仕事場に持参するご飯の事デスヨー
本当はいつも通り"WILD"に差し上げるつもりの物だったのですが、生憎おなかを壊して食欲がないので
今日は別の誰かに渡してほしいと言われていたのデスヨー

……あれほどパピコ食べ過ぎないでくださいって言ったのに……情けない


【主の醜態を思い出しながら、呆れ顔をにじませるジャンクちゃんだが特に気にする事もなく】
【風呂敷を解くとそのまま重箱の蓋を開きはじめる】

【中に入っていたのは楕円型の―――幼児のこぶし大ほどの大きさのおにぎりに、タルタルソースのかかったエビフライ】
【小さく切り分けられた卵焼きに里芋の煮転がし、プチトマト、そして重箱の三分の一を大きなトンカツが切り分けられて並んでいる】
【内容は極めてオーソドックスな品だ、ほとんどが一般家庭の夕食に並びそうなレパートリーかもしれない】


お口に合えば幸いでございますデスヨー、どうぞご賞味くださいませ
それと核爆発は割と大真面目におやめくださいませ、今のご時世その手の武装を使用するのは
冗談でも口にしてはいけませんよ


【最後に一点苦言だけ残しておきながら、彼女は快く赤毛の少女にお弁当を振る舞うだろう】
256 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 22:47:20.95 ID:16cSK/nYo
>>255
「核爆発は冗談ですが、重水素があれば結構簡単にできるですネ。
 あと、指向性があるから権威的な連中は文句いってこないですアル。

 でも今日はゆっくり、美味しいご飯が食べたいですヨ。
 ところで、あなた、名前、何ですか?
 あなたが嫌じゃないなら友達になるですよ。」
257 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 22:57:58.28 ID:dQUubSiKo
>>256

いえ、その……そういう問題ではなく、倫理的にどうかと……というお話で


【もしかして根本的に人の話を聞かないタイプの人間だろうか】
【そうだとするとこれから倫理的な問題を一から十まで言い聞かせようとしてもまるで聞き耳を持ってくれないかもしれない】

【うーん、と少し考え込み始めてしまう、すでに自身の名前すら聞き流されてしまったらしい】


……えっと、先ほどおっしゃいました通り、ジャンクちゃんとお呼びくださいませ
ヘンな名前かもしれませんが、作られたときにはすでにそういう名前でしたので……

お口に合わない、と言うのならこのお弁当は片付けて、当初の予定通りゴウさんにでもお分けしますが……


【少し残念そうな顔をしながら、ジャンクちゃんはす、と再びお弁当の蓋を閉めようとしてしまう】
【止めなければ、風呂敷に仕舞って手元で丁寧に運び始めるだろう】
258 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:06:52.98 ID:16cSK/nYo
>>257
【強引に弁当箱をかっさらう】

「あっはっは!使わなかったら問題ないね。
 倫理なんてお友達にしか通用しないから無問題ネ!」

【出されたお弁当を散らかし、がっつきながら、笑って答える】

「美味しいね!でも食べさせたい人がいるか。」
 悩み悩んで。
「半分おかずをもらうね!美味しいよ!自身もて!」
259 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:13:15.61 ID:qZZn87mF0
【夜の国―――海中都市=z

【夜の国沿岸………その海中には巨大なパイプ状の建造物が存在している―――。】
【内部はコロニーのようになっており普通の近代都市と変わらない光景が広がっており人口の川など自然も存在している】
【このような施設が作られたのは海中の化石燃料を採掘するプラントの為であり住んでいる人々もそうした企業関係者が多い】
【海中都市≠ヨと入るには沿岸部からの大型エレベーターや海中道路を経由して向かわなければならないが貿易関係など多くの人々が行きかう】
【その中の一角、大きな噴水のある公園のベンチで腰かけながらラインアーク財団製の新型ノートPCを操作している人物が一人。】

ここにきての新型兵器の運用………そして各地で起こっている小規模な龍脈の歪み………そしてそれの中心源。
これまでの襲撃と繋がってはいるが―――そんな事をしてなんの利益になると言うのだ………いや、アレにそういった憶測は無用か。

そして―――あちら≠ナもきな臭い動きが出ている………っち、あまりにも規模が広すぎる。

【PCを操作しながら舌打ちと同時に苦々しい表情へと変化する人物………それは】
【黒曜石のように黒く、艶のある長い漆黒の髪をポニーテールにしており澄みきった碧の瞳を持つ中性的な顔立ち】
【黒のスーツに白いシャツ、藍色のネクタイ、黒い手袋に黒の革靴、そして漆黒のロングコート型の軍服を着ており】
【身長は170の後半あたりだろうか、右眼に桜の花弁≠フ紋章が入った眼帯をしている長身の女性だ。】

【よほど熱中しているのか女性は周囲が全く見えていないようで、何か仕掛けるにしても簡単に行えることだろう】
260 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 23:14:58.68 ID:ShmTTIrn0
>>235
「……待っていますよ。勿論、その証拠も、ですが……貴女の無事な姿を見せて貰えたのなら、それが何よりの証拠となりますから
――――ですが……まだ、持って居てくれたのですね
いえ、別にからかっている訳では無いのですか…………純粋に、嬉しくて」

【以前の傷が癒えているならば、幸い。そして又、何時かその姿を見せてくれれば、其れが何よりの証拠となるから、なんて紡いで】
【――――エリザベスの言葉に耳を傾け、言葉を返すまでには少しの間】
【まだ、持って居た。そんなニュアンスにも聞こえてしまいそうな言葉を慌てて訂正して、それを発した意味を付け加えるのだろう】

【差し出した物。大切に扱ってくれているならば、やはり嬉しくなるというもの】
【それが友人ともなれば、尚のこと。借金が無くなったならば――――少しでも、僅かでも効果は有ったのだと思ってみたくて】


「エリーのお話、とても楽しみにしていますからね?
ボランティア活動の事も、それ以外の事も…………ふふ、兎に角エリーと直接お話出来ることを、楽しみして居ます

…………寄付ならば、喜んでお受け取り致しますね。あの子も、きっと喜ぶでしょうから
……きっと、あの子もエリーならば直ぐに懐きますよ。では…………くれぐれも、身体には気を付けて下さいね?
また大怪我をして訪れたなら――――治した後、針千本を飲ませてしまいますからね」

【食材に関しては、どの様に受け取ったかは分からないが――――見える筈も無いのに携帯の向こう側で頷き少し強がったように返して】
【少なからず、エリザベスの友人を名告る事が出来ると自負はしている。だから、その内だって理解したならば】
【――――念を押すことは無い。強いて書くならば、訪れる事に対してでは無く、怪我をしないように。その点だけを強く語って】
【……その後、何事も無ければ通話も終わる頃か】
【もしそうであったならば、携帯を返すべく振り向いた時と、悪魔が聖書に綴った文字が失せるのとは、同時】





『違いねェ、違いねェ。俺はあそこでお前の従者やらと楽しくお話してる女の身体を借りなけりゃ姿を見せる事が出来ねェし、喋る事も出来ねェ
気がつけばあの女の身体ン中だ。好きに歩く事も出来やしねェ』

【それが文字では無く言葉ならば、自身を嘲笑するかの様な笑いを漏らしていた事だろう】
【ユラユラと揺れる文字はやがて崩壊して、今度は福音へとページが捲られる】


『マモンだかが首輪所か枷まで嵌めてたんじゃなかったか?
前に何処ぞのメイド女がよ、血ぃだーらだーら垂らして来た時は苦労したんだぜ?彼処でお話してる馬鹿が俺様の力を勝手に使いやがった所為でこっちまで流血沙汰だ
で、話を聞いてみれば従者だが何だかで爺さんがあのメイド女の主人って所か?それとも、また別か
何にしても、面白い偶然もあったもんだな。それとな、知識が欲しけりゃ命を引き替えにしてアスモデウスでも呼べば叫びたくなるくらい頭に詰めて貰えるぜ?』

『昔会ったガキの姿をした悪魔の言葉を借りれば、俺は俺と言う名の現象。正確には悪魔でもねェし魔物でも無い。ついでに名前も無い
まァ、あの身体に閉じ込められる前までは手っ取り早く悪魔と名乗ってたけどな
で、だ。本当に偶然訪れただけであの女に危害を加える気で来た訳じゃないなら、俺達も楽しくお話してようじゃあないか
尤も、その引っ提げた剣を使って殺しに来たとか腕を一本千切りに来たなら、女の身体を使って楽しい楽しい殺し合いが始まるだけだがな』

【魔剣を提げた者であろうと、無警戒。それどころか、招き入れる位に警戒心が薄い。ましてやこんな場所ともなれば盗賊も出るだろうし、路地裏に住まう者達だってウロウロとする可能性も有る】
【更には魔獣等々――――危険な存在など、幾らでも挙げる事が出来そうな位には危ない場所】
【それでも過ごせているのは、暗にこの悪魔の存在であろうか。普段ならば見捨てるであろう人物でも、その肉体が同化されているならば話は別】
【修道女が気付かない間にその意識を奪い、危険因子を刈り取ってきた。今宵は、男性に問うのであろう。狩られるべき存在か、否か】

/っと、宜しくお願いしますですよー!
261 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:21:54.86 ID:dQUubSiKo
>>258

……こういう時振り向く事を覚えなければ待つのは身の破滅、そんな事を
ワタシに教えてくださったのはいったい誰だったでしょうか……デスヨー


【全く気にする様子もないので、時間がかかりそうなら諦めて置けとは己の主にも言われている】
【本人の希望としては、極力説き伏せたいと言うのが本音ではあるが……やむを得まい】


というか、日ごろからこのお弁当を食べている方が今日に限って
おなかを壊しているだけなのですけれどね、デスヨー

とはいえ、このワタシが食べる事が出来るわけでもないので、どなたかに差し上げなくては
ならなかった物なのデスヨー、美味しくいただけたなら結構です……あっ、もうこんな時間


【立ち上がり、ロングスカートを摘んで再びお辞儀を返した後、時計に目をやる】
【気が付けばもう大分遅い時間出会ったことに気が付いたようだ】
262 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:27:23.51 ID:16cSK/nYo
>>261
「美味しいよ!」

【それが彼女から彼女へ届けられた言葉】

「ありがとうね。
 もしも縁あればわたしはあなたを助けてあげるよ。
 こんなに良い食事をくれたあなたには借りを返さないと!」
263 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/17(火) 23:32:48.64 ID:UCKZNxdx0
>>259
/すみませんー、お手合わせ頂きたいのですが、
/予約されてる方でしょうか…?
264 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:39:32.57 ID:qZZn87mF0
>>263
//予約ではないですよーどうぞどうぞ
265 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/17(火) 23:42:07.17 ID:UCKZNxdx0
>>264
/すみません!それではよろしくお願いします…!
266 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:42:33.29 ID:dQUubSiKo
>>262

【風呂敷にお弁当箱を詰めた後、彼女は背を向けて正門から立ち去ろうとしている】
【その途中、最後の言葉を受けた後で彼女は振り向くと、彼女は少し困ったように笑いながら】


……どうもありがとうございました、いずれ何かの縁がありました時、このワタシや"WILD"も
大いに困った事態に陥った時にでも助けていただければ幸いでございますデスヨー


【最後に、それだけ告げた後ジャンクちゃんはその後は脇目も振らず、かちゃん、かちゃんと機械の足音を鳴らしながらその場から去って行った】
【←To Be Continued...】

/今日はこの辺で失礼させていただきます
/それでは、お疲れ様でしたー
267 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/17(火) 23:47:20.15 ID:16cSK/nYo
>>266
「美味しいよ!
 美味しいって事は良いとか悪い味が分かることだね。」

【頷きながらムゥは答えた】

「うん。また、この美味しいご飯を食べたいな!」

//お疲れ様でした。
268 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 23:49:32.47 ID:x1NjgziK0
【街中――寂びれた児童公園】
【朧月の照らす静かな最中をきぱり照らす電灯の明るさが】
【足元にそっと添えられたベンチをひとつ照らしだしていたなら】

――……、――、

【――寄り掛かるを超えて突っ伏しては夢へ堕ちる姿がきっと夜の中にぽつんと浮き出されて】
【涼しくなってきた気温の中ですやと寝息を立てるのがひどく和やかだったという、けれど】

【暗闇の色をした髪、編み上げのハープアップで整えた腰の長さはぐちゃら、放り出されてとぐろを巻いて】
【本来なら艶めくはずの黒色と血色のオッドアイはそーっと閉じられたまま。畳んだ腕を枕に伏せられれば】
【――右の耳だけに付けたピアスが電灯の明かりに煌いていた、月白色した宝玉の欠片を嵌め込んだもの】
【黒を基調にしたワンピースはフリルやレースや刺繍で飾り立てて。ひらと羽織った黒布のケープがお布団のよう】
【たくさんのパニエを詰め込んでふうわりしたスカートから延びるレッグウォーマーで包んだ足、ストラップシューズの爪先が見えて】
【髪や襟に隠された首元や姫袖の柔らかさに隠された手元にぐるりと包帯が巻かれていた、左手の薬には指輪のような痣が刻まれて】
【そんな風にベンチをまるでひとつ占領して寝こけるのが少女だった、きっとそれなりに明るいだろうことなんて無視しつくして】

――、……う、ぁー……、

【それでも。ぎゅうと頭抱えるようにして唸る声があれば、どうやら眠りも浅い――というよりか、そろそろ起き出しそうな雰囲気】
【ふわと伸ばした手がもふとスカートの山に潜り込む、もぞもぞと採掘を繰り返して、何か探すような仕草の連続は】

――あれ、……時計――、? ……えっと……?

【どうやら顔も上げないままに時計を探しているようだった、ただそれは見つからなくて当然とも】
【だって鎖ごと解けて懐中時計は地面に落ちているのだから。第三者からしてみれば、ひどく簡単な答えだけれど】
【――本人にしてみれば精一杯に疑問系じみた声をぽつぽつ零すばかり、(それでも起き上がろうとしなかったとか、そんな余談)】
269 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/17(火) 23:58:21.57 ID:9FcZQXueo
>>260

  『からかっていないことなど……分かります。私の知る限りでは
   カログリア様にそういった下衆なセンスは有りませんからね
   ……それに、私は物持ちが良いのです。質素倹約には慣れ親しんでおりますので。

   それでは……ええ、ご満足頂けるかは分かりませんが、お話しは勿論。
   私も件の家族に会えることを楽しみにしております……どうぞ今のまま、お元気で…――。』

【ほんの僅かな音が電話口から漏れだした。吐息のようにも思えたが、或いは】
【それは小さな小さな、誰も見ていないからこそ現れた笑みのようなものだったのかも知れず】

【やがて幾つか別れの言葉を交わして、些か名残惜しそうに思える程度の間を置き】
【エリザベスと、そしてカログリアを繋ぐ不可思議な電波の糸は途絶えることとなる】
【ストムに関してはやや時間が巻き戻り―――魔≠フ印する言葉に、冥い微笑が漏れる】



―――成程、それはさぞ面倒だろう。かといって、宿主を殺しては元も子もない
取り憑こうにもそうそう上手くは行かず、こうして僻地で好みもしない時を無為に過ごしている訳だな?

あぁ、それと……マモンか。アレに関しては少々、話がややこしくなるが
私からすればメイド――エリザベスに更なる力を与える為の賭けだったに過ぎない。
悪魔を利用≠ニまでは言わないが、其処から得られる力は何かと入り用でな

……さて、話しを戻そう。首輪はつまり、あのシスターが与えたロザリオに他ならん
元より人付き合いを好まず、私もそれを薦めてこなかったメイドが……人から貰い物だ

【『となれば気にもなるだろう』――そう言うストムの表情は、読めない。意志が滲んでいなかった】
【知識欲と言うよりは興味≠ナ、何かしらの目的があって。それくらいしか伝わらない】
【更に話が進み、流血沙汰という件になると『それは済まなかった』と苦笑を見せ】

いや、な。薄々気付いているだろうが、私は純粋なこの世界の住人、というやつではない
だから先遣で送ったメイドの非礼は知りもしない……アレは要らぬことは喋らないからな。
とはいえ、詫びてはおこう。……しかしそうか、彼女は理解して君の力を利用している、と

……ふむ。私としては、今ここで彼女を君もろとも抹消する理由が全く無い
それにその事がアレにバレては何かと面倒だ……、……よし、取り決めをしようではないか

君は私のメイドがシスターに会いに来るその日まで、可能であればその邪魔をしない。
加えて私のちょっとした素性も漏らさないこと。見返りとして、私が君に何かを贈ろう
私自身の能力と……コンクエスト≠ナ可能なことであれば、ある程度の範囲で、だが。

――――やりとりに気付かれても面白く無い。返事は早々にしてくれたまえ―――……。

【返事≠見るか見ないか――修道女が振り向く辺りで、ストムは聖書を閉じて元に戻す】
【そして携帯を受取に向かえばにこりと笑いかけて、『どうだったかね?』と問いかけるだろう】

【さて、壮年の彼は――ストム・エアは、肝心の能力≠ノ付いては語らなかった】
【そこに俺≠ェ付け入るか、それとも『冗談だった』と見て無視を決め込むかは自由だ】
【――けれども。超然とした、それも異世界の住人――ストムが無能だとは、思えないはずで】

/よろしくです〜!
270 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/18(水) 00:00:22.65 ID:ZwbMKR800
>>259

【夜の国、海中都市――――公園にて。】

【『公園』と言う割に、黄色い声を上げてはしゃぐ子どもは居らず、】
【見当たるのは、全員ありきたりなスーツに身を包んだビジネスマン達――――】

【休み時間なのだろうか。彼らは皆、"お弁当"を楽しんで居る様で】
【その公園の雰囲気は、意外にも明るい物であった】

【そんな場所に、不自然な人物が一人。】
【その特徴を述べるなら、身長180cm程の、飾り気の無い茶色のローブを見に纏った男、と言う事になるだろう。】

【身形が不自然ならば、その行動も、不自然であって】
【少し歩いては、キョロキョロと辺りを見回して――――さらに又歩いては、と繰り返す男。】
【其の服装も相待って、所謂"不審者"には見えるのだが―――?】

【――――当の本人は、公園の、予想以上の混み具合に驚いている、のである。】
【少しベンチに座って休憩を、と思っていたのだが……中々見つかる事は無いのであった】

【……そう思った刹那。1人、軍服を着た女性が座っているのだが――――男が座るには、十分な隙間、が在った】
【男は思わず其方の方へ足早に歩き――――こう、話し掛ける事だろう。】

……済まない、隣…座っても、良いだろうか…?
271 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 00:11:35.41 ID:ZsfpM+Zd0
>>270

【女性は端末の操作に熱中しているようで、男がギリギリまで接近するまで気が付いておらず】
【声をかけられた瞬間ハッと顔を見上げると共に一瞬、ほんの一瞬であるが身構えるように体を強張らせたが】
【相手がただ自分の脇の空いているスペースに座りたいだけだと分かり、直ぐに警戒を解いた】
【そして自分の座る位置をさらにもう少し狭め、男が座るに十分なスペースを確保する。】

あ、ああどうぞ―――すまない集中していたものでな、気を悪くしないでくれ。
………この辺りの企業の関係者か………?あー別に無理して答える必要はないから気にしないでくれ。

【申し訳なさそうに苦笑しながらノートPCを閉じて、手を差し出すようにして相手に座るように促す】
【そして和やかな雰囲気にしたいのか、なんともテンプレな、当たり障りのないような世間話を男へと振る―――】
272 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 00:12:51.48 ID:xEnJGdy+o
>>268


「―――君が探しているのは、この地面に落ちて薄汚れてしまった懐中時計かい?」


【唐突に。少女の死角からその声はしてくるのだが、それにしても可怪しいなと彼女に思われるかもしれない】
【何故なら。夜に、しかも人通りのない静まり返った公園で、全くの足音が無かったのだから】
【まるで其処へ突然現れたような。―――つまる所、その青年の出現方法はそれで間違いが無かった】

【街灯に照らされ、彼女が視認するであろう姿は、白髪を首まで伸ばした青年】
【服装は、なんてことのないスーツ。……だがその配色といえば、襟から、袖から、革靴に至るまで、総てが白色のそれである】
【ワンポイントなのか、首に掛けられたアクセサリは様々な色が混じったモノなのだが】
【そして顔には、金属フレームのメガネ。其処から見える目は―――にこやかな笑顔だ。好青年。そういった印象だろうか】


【カツリと革靴の硬質的な音がして、その青年はいつの間にか地面に落ちていた懐中時計を手の内へと招き、そして彼女へと差し出していた】
【不審に思われるだろうか。いきなりやって来て、そしていきなり時計を差し出しているのだから】
【しかしその顔の表面に、悪意は見えないだろう。実際青年の内側にも、彼女が手を伸ばしたら自分の手を引っ込めてやろうとか、そんな意地悪な思いなどは無くて】


「―――……フフ」


【かと言って、何となしに笑うその青年の中身は、純粋な好意ではないのだけれども】


/新キャラでよろしくお願いいたします……。
273 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/18(水) 00:27:09.83 ID:ZwbMKR800
>>271

ああ、有難う……――――少し、疲れていてな……
【男は苦笑しながら軽く一瞥し、音を立てぬ様、ゆっくりと腰を下ろす】

【もしこの瞬間、この男の顔を見たなら、ある"違和感"を感じる事になるのかもしれない】

【と言うのも、この男の顔立ちと言うのは……端的に述べるなら、『大人っぽい』である】
【当然、『大人っぽい』という形容詞は、『子ども』に使われる物であって――――】
【つまり、この男は、身長の高い『少年』なのである。】

【此れに合点が行ったなら、其の少年の声も。】
【『そう言われて見れば、嗄れの無い若々しい声だ』何て事にもなるのかも知れない――――】

……私は……そうだな、『旅人』という表現が、最も適当だろう。
あらゆる国を旅していて――――この夜の国も、旅の途中、と言う訳だ。
旅、と言うからには殆どが徒歩で――――先程疲れている、と言ったのも、其の為、であるな…。

【男は、丸で其れだけタイムスリップしたのか、と思えてしまう程古そうな水筒を、懐から取り出しては一口煽って。】
【簡潔では有るが、自身の経緯について、語った様だ】

……無知を晒す様で、大変恥ずかしいのではあるが…
…其の服は…軍服に見える。其方は、軍人、なのだろうか……?

274 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 00:32:04.40 ID:0q0ObqPq0
>>272

【――くうふと呻きとも吐息とも取れない声が漏れる、顔を少しだけ持ち上げた諦めは、】
【投げられた声に僅かに背中が反れる、肩が跳ねる、そんな仕草の中に埋もれて、今度こそ顔が持ち上がるなら】

……――ぁ、――りがとう、

【差し出されたものを見とめてそれがそうなのだと理解すれば。紡ごうとした声は、けれど掠れて一度は聞こえなくなるもの】
【調子を整えるような間が瞬きするぐらいの時間横たわって、ようやく紡げば、腰元を弄っていた手がそちらへ伸ばされる】
【同時に身体を起こしたりをしながら――じゃらり鎖を鳴かせてそのまま受け取るのだろう、そうして文字盤へと、視線を、】
【――ぞろりと好き勝手乱れた髪を手直ししながら現在時刻を理解すればちいさく欠伸をひとつ噛み殺すのだろう、足りない風で】

【(足音があまりに唐突だったとしても。半分以上眠りかけていた意識は十分すぎるぐらいに聞き流していた)】

【土に濁ってしまった外見を服の裾で拭っていく、細かく細かく気にするのは、大事なものなのかと思わせるには十分なぐらいに】
【――少しだけ眠たげに霞んだ瞳はきゅと磨く手元へと落ちていた。そんなのが持ち上がるのはさらに数秒後のこと】

…………、……何か、付いてる?

【彼の笑う声に今更気付いたように丸い瞳をぱちくりさせるのだろう、先に噛み殺した欠伸の涙に常より煌きを増しながら】
【ぺたりと頬に触れた左手が何らかの痕跡を探すように這いずる、薬指に浮かす誓う宣言のような黒蛇の痣を余計に目立たせて】
【(――寧ろその枕にされていた両腕の方に跡がついていたりしたのだけれど。ベンチの木と隙間の形、くっきり浮かばせるものが)】

あ――、――こんばんは、

【触れた限りの顔に異常は窺えなかった。実際いたずら書きのようなものもないなら、素の色の顔がそこにあって】
【不思議がるような表情でそっと首を傾げる――そうしてやっと気付いたかのように挨拶を紡ぐのだろう、いくらか目も醒めたよう】
275 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 00:41:29.59 ID:ZsfpM+Zd0
>>273

ほう、旅人か―――それはまた随分と悪いタイミングでこの国に来てしまったな………。
成程………確かに徒歩で旅するのは非常に良いことだが、今は様々な交通機関が発達しているのだ、それを利用するのもよかろう

しかし随分と若い≠謔、だが………何か事情があって旅をしているのか?

【苦々しいような、悲しむようなそんな顔をしながら現在のこの国の現状を語り………一度コロニー内に作られた仮初の空を見上げる】
【そして相手が見かけと声とは不相応な落ち着きと言動をしていることから何か問題でも抱えているのかと心配し、そう言葉をかける】
【相手が自分の服装について質問すると微笑みながらコートの裾をつまんで見せる】

あぁこれか………いや、私は軍人ではないよ―――今は所謂無職≠ノ近いな………ハハ。
この服は依然ある組織≠ノ所属していた時の物でな、まぁ軍隊ではないが武力を扱う組織だ。

今もこうして着ているのは戦士≠ニしての覚悟を忘れないためさ………なんだ、軍に興味でもあるのか?

【そう少し恥じるように答えながらコートを摩る………よく見ればところどころに戦いの傷のようなものも見える】
【そして今度は少年に向けて、質問を送る―――軍服に興味を示すという事は軍にも少なからず興味はあるだろうと考えて】
276 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 00:43:51.63 ID:5PpbLYR80
>>269
『そりゃそうだろうな。魔剣の気配を間近で感じても平気で居られる人間なんて、よっぽどの聖人か魂を売った馬鹿か、鈍感な野郎だけだ
ましてや、好き好んで迷い込んで来る奴なんざ早々居る筈もねェ
あの女が6にも満たない内から、ずっと閉じ込められてるからな。しかも捨て子となりゃ、生きる為に何でもしようとするだろうよ
なら、その過程で俺の存在に気付いても可笑しくはねェ。尤も、糞神父が居なけりゃ今頃好き勝手出来たんだがな』

【男性の正体を、どの程度まで掴んでいるのか。――――少なからず、純粋な人間で無い事位まで】
【魔剣の存在にいち早く気付いたのは修道女…………では無く、この悪魔】
【最初は魔剣に対してコンタクトを取ろうとしてみたのだが、どうもこの男性が支配していると見れば、先程の怪奇現象を引き起こしたのだろう】


『自分の犬の首に、勝手に首輪を嵌められた気分はどうだい、爺さん
・・・。ああ、どうと言う訳でも無いな。其れを知りたがりに来たんだったか?
しっかし、マモンも甘いなァ。俺だったら無茶な条件を付けて美味しい汁だけ啜り続けてるぜ?
あの女の身体を通じて話を聞いていれば、お前の従者とやらはしっかりと仕事を果たすようじゃあないか
なら、人間達の魂数万を条件として、全て喰らい続けてるけどなァ』

【それが悪魔の本心かは、分からない。けれども人間からしてみれば、たまったものでは無い】
【――――向こう二人の会話も終わりを告げようとしている。“肉体”を通して感じたなら、丁度男性の提案が聞こえた】
【掌の上に乗っている聖書。まるで、笑っているかのように震えて】


『悪魔と取引しようなんざ、良い性格してるじゃねェか
例えお前が悪魔であっても天使であっても、取引を持ちかけてきたのはお前の方だ
見返りは簡単だ。俺を自由にしろ
と言いたい所だが、生憎面倒な術式を掛けられているからそれこそ神か術者本人じゃなけりゃ出来そうにねェ
だが、一日位なら出来るだろ?“ストム”爺さんよ。安心しろよ。しっかりと約束は守ってやる
元々あの女の身体じゃ全く力を出せねェから面倒事を起こす気も無いけどな』

【求めた見返りは簡潔明瞭。一日だけ、修道女の肉体から解き放て――――と】
【悪魔。一度取引をしたならば、しっかりとその条件を遂行する事だろう。然れど、悪魔を閉じ込めた術は司教であろうと骨が折れそうな位には複雑】
【――――尤も、それは人間基準。人間を凌駕する力があれば、完全には無理でも数時間から一日位は何とか出来るだろうか】


「…………エリーと話したのは……。エリザベスと話したのはとても久しぶりでしたので…………でも、元気そうで良かったです
とても嬉しくて、ついつい長くお話してしまいましたが…………」

【手渡しながらお礼の言葉を述べて、心底嬉しそうに語る事だろう】
【――――久しぶりに友人の声を聞けたのだ。親しい相手となれば、男性に語っている間にも口元が綻んでいて】
【……それでも、長い間話して居た事は自覚していたから、口元の笑みを消せば何処か申し訳なさそうに謝るけれど】


「それで、ストム…………でしたか。貴方にお礼するのも可笑しな事なのかもしれませんが……それでも、有り難う御座います
……ふふ、エリーはあの様に言っていましたが…………コホン。兎に角、悪い方には見えない貴方が、エリーの主であって良かったです
―――……?ストムも、聖書を読むのですか?」

【何だか見当違いな感謝の言葉だが、其れが素直な気持ちの表れなのだろう】
【謝罪とはまた異なった意味で頭を下げたなら――――聖書を戻すところが、映ってしまって】
【上流階級の人間が読んだって、可笑しな事は無い。ただ、訊ねただけ。微笑を浮かべ、そして小首を傾げて】
【――――此処の聖書が他人に取られる事が無かったから嬉しい。なんて事は、修道女の心の内だけに秘められた事】
277 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 01:00:15.66 ID:xEnJGdy+o
>>274

【彼女の小さな感謝には、礼には及ばないよと、言葉と合わせて変わらないその笑顔を返したつもりなのか】
【その懐中時計の文字盤を彼女が見れば、青年も釣られたようにポケットを何やらゴソゴソと漁り、出てきたのは折りたたみ式のケータイか】
【パカリと開けて薄明るいバックライトとともに時刻を確認すれば、ふむ、と何かを納得したかのように小さく頷いた】

【懐中時計といえば、やはりレトロなイメージが付き纏う。そして、思い出の品、とかいう側面も】
【例に漏れず彼女はその細い指で一生懸命に汚れを拭き取り、青年にやはりそういった気持ちを抱かせる】
【珍しい事ではないし、其処に驚くようなことはないのだけれども】


「いや。付いているといえば腕に施された木目の跡かな。そんな物付けて何が面白いんだという感じだね。
 あと気になると言えば……その指の跡とか?」

【一々癪に障る言い方かもしれない。実際そうである。そして、それが青年独特の喋り方である】
【だけれども、ただ相手をムカつかせる言葉遣いをしているだけではない。彼女の薬指の黒い痣を、青年は確りと視認していた】
【単に強く指輪を押し付けられてできたものではないだろう―――簡単に、青年はそうとだけ予測を立てた】


「こんばんは。今夜は良い月夜で気温もさほど高くもないし低くもないけども。
 君のような、何時何処で誰に襲われても仕方ないような弱々しい外見の女の子が、こんな公園に居てはいけないと思うんだけど」


【どうかな? なんて、冗談半分に彼女へと問いかけると、自分はベンチではなく、その肘掛けに腰を下ろす】
【明るい月を見上げながら、表情は依然笑っていて。もしかして笑顔が青年のデフォルトなのだろうかと彼女に疑問を抱かせるには十分のはずで】
【その言葉遣いもそのままに、青年は一度だけ、くしゃりと自分の髪を掻いた】
278 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 01:11:14.26 ID:Y9RHaGxdo
>>276

悪魔というのは話が早くて実に助かる。……そう、私はそういう存在≠セとも
もっとも、外見や察知できる程度の魔力は人間とそう変わらないが。

それとあの従者は仕事こそこなすが、色々と欠損の多いただの人間だ
或いは、人間の魂数万と言われればそれも十分にやり果せるだろう
恐らくは5年か、10年程で――……、それほど、誰かに縛られねば生きて行けないのだよ

アレは強い自己を持っているつもりだが、心の奥底は他者に束縛≠ウれたがっている
その異常を自覚できないことも、コミュニケーションに欠けるのも
物事を遂行するためならば全てを犠牲にするのも、人間という生き物としては欠点だ
便利であると同時に、些か扱いづらい。それが修道女一人に揺らがされては、相応に困る―――。

【――あくまでもストム卿の態度は紳士的。丁寧に携帯を受け取れば、それをしまい】
【スッと背を伸ばした姿勢で右手を魔剣の柄に置いて、鈍い黄の瞳をカログリアに向け】

真っ当に良好な関係ではない、とはいえ……エリザベスとは長い仲。
普段は人と接したがるようなふりを見せない彼女が、恥ずかしげもなく『友人』という貴女だ
遠慮や礼など言う必要は無いとも。むしろ、こちらが感謝したい、礼を言おう。

……聖書は、実に興味深い読み物だ。人によってそれを読み、得る感想は全く異なる
神や聖人の言葉を有りのままに受け入れる者、自らに教誨として刻む者
絵空事だと思う者もいれば、学術として研究に耽るものも居る。

私はどちらかと言えば、神という存在はあまり信じていないが……
それでも、否定はしない。聖書を読むのは知的好奇心を埋めるため、とでもお答えしよう。

あぁそれでシスター、少し聞きたいことがあるのだが……――――。

【――教会に鋭く風を斬る音が走る。ストムが逆手で魔剣を抜き、勢いをそのままに】
【カログリアの胴を斜めに裂いて、そこで魔剣が彼女の身体に取り入ろうとするだろう】

【成功したならば修道女は意識を失い――内部の悪魔へと、湧き上がるような魔力が送られる】
【枷となる彼女の意識を取り払い、魔剣によって自立するだけの力を与えるわけである】
【あとは、悪魔次第。抜け出せるかどうかはそちら≠フ行動に全てが委ねられるのだ】

【やがて、五分か十分か――暫くしてから、ストムは魔剣を引いて鞘に戻す】
【不思議とカログリアの身に傷は無く、服が乱れることもなく、全く持って元通り】

                 
        ――――《再生-replay-》―……。


【後は彼女を椅子に座らせ、上の言葉を呟きながら指をぱちんと鳴らしてみせた】
【そうすれば、映像を巻き戻してストムが質問をする場面≠ゥら意識が繋がることになるだろう】
【間の事――魔剣を抜いたことは、覚えていないはずだ。椅子に座っている違和感が在るかも知れないが――】


【―――それと、これはあくまでも『魔剣が彼女を捉えたなら』の話であって】
【もしそうならなかったなら、展開は全く異なるが――さて、どうなることか。】

/時間の事もありますしかなり強引にまとめちゃいましたが
/もし問題がありそうなら言って下さいませ!直ぐに修正致しますのでっ
279 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 01:12:52.69 ID:ZwbMKR800
>>275

……勿論、歩いて行ける場所では無い時は、
其の様な乗り物を、使わせて貰ってはいるが…

歩ける時は、歩く。と言うのが、私の旅の"決まり"なのだ…
"強がり"とも"意地"とも言える、のだが――――

【徒歩はルールなのだと、女性に伝える。其の理由は、女性が聞いた、事情、にあるようで――――】

若い……矢張り、分かってしまう、のか。今年で16になる。
……まだ子ども、だ…。


事情か――――そうだな。私には其の……所謂、『師匠』に当たる人物が居って…色んな物を見て来いと、出されてしまったのだ…
…先程の決まりと言ったのも……師匠、直々の"お達し"、と言う訳だ……

【少年は、軍服の裾がパタパタと動くのに気を取られ、思わず其の方を向く】
【確かに其の軍服には、至る所に傷があるが――――丁寧に、大事に使っている、という印象を受けるのであった】

戦士としての覚悟……凄まじい過去が、あるのだな…
私も何時か、其の様な心意気を持ちたい物だ……感服する。

…私か。軍、と言うのは良く分からないのだが――――
正しい行いの為に武力を行使する、そう言う集団なら……
入れて貰うのも、良いかも知れない――――

否、私の実力では、まだ入る事すら、出来ない、であろうな……

【軍に興味が有るのか、と言う質問には明確に回答出来なかったものの、】
【悪ではなく正義の組織、には少し興味がある様で、このように言及した】
【しかし自分の強さ、には否定的な態度を取って、少し悲しそうな表情を見せる事だろう。】

280 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 01:25:32.15 ID:0q0ObqPq0
>>277

【凡そ綺麗になったらしい懐中時計はすると飾りみたいに浅いポケットへと滑り込ませる】
【そんな様子を見ていれば。眠ってしまった間にそろり抜け出して落ちてしまったのも、まあ納得できるようで】
【大切にはしているようだったけれど、何か深い強い思い出があるのかといえば――少しだけ、怪しいのかもしれない】

……――ぅわ、消えるかな……、消えるよね? 大丈夫、――
――これ? これは面白くもないし変でもないの、……お父さんにもらったんだから。おそろいなのよ?

【――言われて初めて向けた視線と嫌そうに呻く声、さも「面白くない」と言うよな視線が向けられたことだろう】
【幸いというべきか腕本体は包帯のせいで窺えないのだけれど、掌なんかにはもうくっきりと浮かんでしまっていて】
【ごしごしと掌同士擦ってみたりしても一瞬白くなったように見えなくなるだけ、やがて尋ねられたなら、諦めたように吐息ひとつ】
【木目はおもしろくて変なものであるとひどく遠まわしに認めながら、それでもそれにばっかりは真面目な風で告げるのだろう】
【(左手の薬指に嵌める指輪の意味。きっと誰だって知っているようなこと、ただそれが痣で出来ていたなら――?)】

そんなひとたち……、わたしがどろどろに溶かしてあげる、負けないもの、
だってちゃんと帰らないといけないんだから――どこかになんて、行かないし、行く理由もないから。

……――それ、に。……さっきまで、明るかった、はず……

【すやと惰眠を貪ろうなんて思った理由は至極単純、そんな自信になりえるナニカを持ちえるから、であるらしい】
【耳元で煌く宝玉の欠片だってきっとそのうちのひとつなのだろう、気安く手に入るよなものでもないはずだし――】
【――そっと手が目元を拭う。ちいさな欠伸の残滓を連れ去れば、もうそこには惰眠の足跡も見つからないぐらいの平常】

【きっぱりと言い切った言葉。――ほんの少し後に付け足されたのは声量の落ちたもの、さて、どれだけ眠っていたのやら】

痛くならない? ――隅っこならいいよ、座っても。

【寸前の言葉による気恥ずかしさを誤魔化すように尋ねる声、彼を少しだけ見上げるようにして、また首を傾げた】
【――彼の腰掛けたのとは逆の方に居る。じりと余計に隅っこによる動作があれば、その言葉を裏打ちするよう】
281 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 01:34:03.99 ID:5PpbLYR80
>>278
「いえ…………寧ろ、私の方が感謝するべきなのです
ストムももう既に察しているかもしれませんが…………この様な場所に在る教会です。訪れる方なんて、一握り
…………ましてもう一度訪れる方なんて、一撮み程にしか居ません。そんな中で、エリーは親しくして下さるのですから

――――咎める事も、諭す事もしませんよ。貴方の言うとおり、人によって神に対する気持ちは異なるのが常なのですか
しかし…………聞きたいこと、ですか?私で答えられる事でしたら、何でも―――――…………」

【目視は出来なかったのだろう。何をされたのかも分からぬままに、膝を着いて】
【――――倒れる事は無い。代わりとして、その身体に訪れる変化】
【腕は細くなり、まるで皮だけが張り付いたかの様。じわりじわりと教会内部に悪意が淀み始めれば、やっと修道女――――悪魔の顔が持ち上がる】

【山羊、とでも例えようか。正確には山羊の髑髏。眼孔の奥には紅い光が見えて――――だけど、暗い】
【多くは語る事は無い。聖書を介して十分に話したのだし――――何よりも無限に動けるわけでは無い。久しぶりの自分の身体、一分一秒も惜しい】
【地の底から響くような低い笑いだけを残して、やがては悪意も何も、全て消え失せる事だろう】
【――――今宵悪魔がどの様な事を人間に及ぼすのか、其れは分からないけれど】


「あ……れ……?…………すみません、気付かない内に…………貧血でも起こしてしまったのでしょうか?
それで、ストム…………何の、お話でしたか…………?」

【覚醒した意識。さて、気がつけば椅子の上。友人を話をして、切って――――それから、何があっただろうか】
【…………思い出せない。だけれど、思い出せないならば重要な事でも無かったのだろう】
【パチパチと目を瞬かせ、男性を見遣るけれど】
【――――契約は果たした。そして、幸いにも修道女は貧血を起こしたと思い込んでいる】
【身体を労る振りをしてそのまま立ち去る事も、それ以外の展開へと持って行く事も今ならば容易】

/いえいえ、寧ろ感謝なのであります!
282 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 01:34:11.22 ID:ZsfpM+Zd0
>>279

ふむ強がり≠ゥ―――、まぁ若いときはそういった確固たるモノを持っているのも悪くはなかろう
16………やはり若いな………とはいえこの世界では君と同じ年代で既に戦士として戦っている者も大勢いる
だから若いからと言ってそれが弱さ≠ノ直結している訳ではないと思うが。

【相手の意地や年齢、そうしたモノをしっかりと眼を合わせて聞きながら頷き、顎に手を当ててふーむと一度唸る】
【少年の言葉に真摯に向き合い、そうして上で助言を出来ればと思っているようだがどうにも口下手らしい】
【そして相手の師匠≠ニいう言葉に興味を示したように横目を向ける。】

ほう………その師匠≠ニいうのは何の師匠なのだ…?武術か何かか―――?
ああいや、私も少し剣術≠嗜んでいてな………少し興味が湧いただけさ………。

何、戦士としては私は半人前だ………一時は道に迷い、自身の目的を見失って彷徨っていたようなものだ
今は色んな意味で自由≠セからいいがな―――。

【そんな事を言いながら微笑み、感慨にふけるようにもう一度作り物の空を見上げてふぅと一度息を吐く―――。】

ふむ、それならば自警団≠ニいう組織があるぞ、そこは常に人員不足に悩んでいるから
希望すれば入隊できるだろう………何、世界中を旅するほどの体力があるんだ、きっと君なら出来るさ。
なんならその上位組織であるSCARLET(スカーレット)に募集してみるのもいいかもしれないぞ

基本的に世界中で共通の機関だからどの国からでも応募することは出来るだろうしそれなりに能力があれば採用される
もしくは………UNITED TRIGGERという個人組織も今は活躍中だ………ここは個人組織であるからメンバーにコンタクトを取る必要があるが。

もし君にその意志≠ェあるなら応募してみてはどうだ?良い経験になると思うが………。

そういえばまだ名前を聞いていなかったな、私は斬華=c……斬華=D=ゲトリクス≠セ………。

【この世界における正義、公安の組織について簡単に説明すると少年の肩に手を置こうとしながらそう語りかける】
【力の籠った眼差しで少年に公安組織への入隊を勧め、自分の名を名乗り、握手をしようと右手を差し出すだろう―――】
283 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 01:45:50.80 ID:Y9RHaGxdo
>>281

【異形の悪魔――山羊を模したようなそれが姿を見せると、視線はそちらに向かったが】
【『速く行き給え』と目配せを飛ばした以外に、言葉を交わすことはやはり無い】

【――魔剣コンクエストが与えた魔力は、現在から換算してほぼ25時間分】
【その間は余程の魔術でも行使しない限り、動くに苦労はしないはず】
【そして、やがて修道女が意識をしっかりと℃謔阮゚したのなら―――】

……あぁ、よかった。急だったので驚いたが、貧血らしいなら、まあ…。
先ほどの電話でのやりとりで少し聞こえた程度だが……食事は摂っているのかね?
私もさほど財が在るわけではないが、今度彼女に良い料理でも持たせよう

さて、それはそれとして……質問は、大したことではないのだ、シスター。
君が何故この境遇に於いても尚神を信じるのか=\――純粋に興味がある。

【まるで好い人≠フように振る舞って、自然と質問に話しを持っていく】
【他愛のない話題だ。知識欲が云々とでも言えば、質問の理由も容易にごまかせる】
【ある意味ではその辺り、役者のよう――そして、質問の答えが帰ってきたのなら】

【ストム・エアは、静かに頷いて。そして満足気に小さくちいさく口角を動かし、教会の外に向かうだろう】
【方向音痴だ≠ネんて言ってはいたけれど、その後ろ姿は実に堂々として、迷いがない】
【魔剣のオーラだけは、暗い跡を引いていたけれども―――静かな別れには、似合いの空気だ】
284 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 01:59:03.33 ID:xEnJGdy+o
>>280

「……」

【彼女は多分、青年と幾らかお喋りをした後に寝るか、また何処かへと歩いていくのだろう】
【寝るのなら勿論のこと、歩いて行くのにさえ、その懐中時計がするりとポケットから地面に落ちてしまう可能性は否めない】
【……然しながら、青年はそれを指摘することはない。笑顔でやり過ごすだけ。きっとこの少女は、同じ事を何度もしているのだろうから】

「へぇ、お父さんに。そりゃまた奇っ怪な……いや、喜ばしい事だね。
 ―――親から大事にされるというのは、本当に大事なことだから。愛情……またそれ以上の感情も芽生えるくらいにはね」

【青年には、左手の薬指に嵌める指輪が何を意味するか知っている位の知識は有ったらしく、お決まりの悪口を言いかけた所で言葉を変えた】
【しかし、それが痣で出来ていることの意味を正確に理解しているのか。……少なくとも、青年が話している親子間の関係は、青年が頑なに守る持論である】
【『それ以上の感情』がどのような感情のことを言っているのかは、彼女がどんな人間なのかで変わってくるはず】


「怖いね。もしかして、君『も』能力者かい? こんないたいけな子にまで能力を与えるなんて、世界はどうかしてるとしか考えられないな。
 ―――ま、それを君が有効に使っているようなら、話は変わってくるんだけども」

【青年が目に認めるのは、彼女の耳のピアス。キラリと輝くのは、どうやら、普通の宝石ではないらしく】
【案外あっさりと――しかも、自分から――自分が能力者であることを明かしつつ、もう一度耳のそれを見るために、クイと眼鏡のフレームを指で押し上げた】


【ありがとうと、彼女の寸前の小さくなった言葉に触れずにあけてもらったベンチに座り込むのは、青年の小さな優しさ故か】
【やがて青年は尋ねるだろう。喉が渇かないかい? と。長時間彼女が眠っていたならそうかもしれないかなと、適当に考えついただけの、その単なる質問】

【彼女の質問に対する反応に対して、青年は動かない。彼女が頷けば2つ、頷かなければ1つ。青年の手の内に突如小さめの水のペットボトルが現れる】
【飲むことを望めば、そのまま差し出すだろう。普通の、何処にでも売っている水が入ったペットボトル。混じりけのないそれ】
285 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 02:14:32.48 ID:ZwbMKR800
>>282

……済まない、説明が不十分、であったな。
私の"師匠"からは、……格闘技を学んだ――――否、其れだけでは無いのだが……
今でも、16になった今でも……まだ、足下にさえ及ばない。肉体面でも、精神面でも。
……兎に角、雲の上の様な……そんな存在、なのだ……

【久しく会っていないであろう師匠を思い出すが如く、天を仰ぎ見る】
【口調はともかく、その声は丸で、何かを自慢するような――――得意気な子どもの様に聞こえた事であろう】

【さらに少年は、尊敬、と同時に、その師匠の弟子である事に、誇りを持っている。】
【だからこその、喜びに満ちた表情。――――その顔を見たなら、何と思うのだろうか】


自警団に、SCARLET、そしてUNITED TRIGGER……
この世界には、本当に、沢山の人が、"善い力"を持っているのだな……

自分が力になれるかどうか――――些か不安では有るが、
もし、機会があれば……だな。入れて貰おうと、思っている。

本当に、沢山の事を教えてくれたな……有難う。
私は、ねこもと、と言う者だ…

【と、差し出された手を取り、握手を交わす】
【温かく、強い手。きっと、様々な所で色々な経験を積んだ方なのだろうと、少年は思う】

……す、すまない。
仕事の途中……であっただろう。……邪魔、であったな。
……しかし、その……楽しかった………

……私はそろそろ行く事にしよう……
今日は、有難う……!又会う時、その時まで…!

【少年は思い出した様に自身の無礼を謝罪し、別れを切り出す】
【取り繕う事無く発せられたその感謝は、女性の胸にもきっと届くに違いない。】

【女性の返事に関わらず、少年はベンチから勢い良く立ち上がって】
【女性の方をくるりと回り、深々と礼をしたなら】
【ビジネスマンの中へ、足早に歩いて行き――――やがて、消えて行く事だろう】

//すみません、睡魔が肩を叩いて来たのでこの辺で……!
//不安定なキャラで、しかも遅レス…本当に申し訳なかったです…是非また、お願いしますね!
286 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 02:20:12.10 ID:5PpbLYR80
>>283
「キチンと食べていますよ?
恥ずかしながら、量は然程…………ですけれど
それでも、生きていくには十分な程の量です。食べる事が出来ない方も居るのですから…………とても、恵まれている方ですよ」

【一応、言葉に偽りは無い。三食摂っている――――メニューは、言わずもがなであるが】
【だからこそ、“良い食事”には反応して。言葉では遠慮するけれど、先程の様子は誤魔化しようが無い】
【堅いパン。水。其れと、具の無いスープ。…………それ以外で在るならば、この修道女にとっては全てが良い食事に思えてしまう位には貧しい生活】
【――――持ってきたならば、嘸かし喜ぶかもしれないけれど…………その話は、置いておき】

【問われた事。何人かに聞かれ、その都度答えは一つだけ】
【揺るがない信念とでも例えようか、意固地とも違う、願い事】


「全ての人が、救われるべきであるから――――でしょうか
生きる価値の無い方なんて居ません。そして、全ての方々に救われる権利はあるべきです
…………ふふ。この境遇に、とは言いますが……私が自ら飛び込んだ事です。後悔も悲しみもありませんよ
そして、この境遇であっても、素敵な方々にも会えるのですから――――やはり、神は存在するのではないでしょうか」

【男性の問い掛けには、疑問も浮かばない。時折寂しくなる時もあるけれど、そんな日は今までの事を思い返して乗り切れる】
【空腹だって食べれない者達に比べれば恵まれているのだし、命が在るから腹も減る。そんな事にだって感謝して】
【――――男性が扉に手を掛けたならば、「ストム」と短く呼び止めて】


「――――また、何時でも訪れて下さいね
迷ったときでも、それ以外の時で在っても。決して拒む事はしませんし――――寧ろ、是非とも来て頂きたい位ですから
…………嗚呼、それと。エリーに……エリザベスに、“笑えるのですね”……なんて事、伝えておいて下さい」

【その言葉、果たしてどの程度まで届いていたのかは分からないけれど】
【――――最後の言葉は、友人に伝えて欲しいと。最期の最後で見せたのは、修道女とは異なる一面。友人をからかう只の17歳】
【振り向いて頷きでもしたならば満足そうな微笑みを浮かべ、さよならの代わりにお辞儀を一つ】
【――――そうして扉が閉ざされたなら、もう今宵は賛美歌も聞こえない事だろう】



【翌日。男性が、もしも新聞に目を通していたならば】
【一つの街――――それも、神を信仰する街が突如として血に塗られたとの一面記事を目の当たりにするか】
【と言うのも、其処に住まう者達が突如として互いに互いを殺し合い、それが発展して街一つ分の殺戮へと変わった】
【悪魔だとかまやかしだとか、地獄に行くだとか救われぬだとか――――生存者達は、そんな言葉を漏らしていたなんて情報も添えて】
【果たして、其れが件の悪魔と関係しているのか今となっては分からない事であるが…………何れにしたって、その街には何らかの悪意は存在していたのだろう】


/この辺りでしょうか……!
/二日間、お相手有り難う御座いましたですよー!
287 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 02:27:16.14 ID:ZsfpM+Zd0
>>285

成程な………だがそうした目標≠ェあるのならば、君は道に迷わないで進めるだろう。
そうかねこもと=\――フフ、変わった名だな。

【相手の名乗りに微笑んで、しっかりと握手し一度力強く頷いてから手を放す………それはどこか晴れ晴れとしたような】
【ねこもとと会うまでは大分苛立っていたようだが、どうやら少年との会話を経て気が解れたらしい。】
【そして席を立って歩いていくねこもとを優しい瞳で見つめる。】

ふふ、気にするな………こうして人の助力が出来たなら何より幸いだよ。
ああ、ぜひまた―――次はもっと君の師匠の話や旅の話を聞かせてくれよ………!

【そう言いながら手を振って、ねこもとが見えなくなると満足げに微笑んで最後にもう一度空を眺めた―――。】

//お疲れ様でしたありがとうございました!
288 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 02:32:20.64 ID:0q0ObqPq0
>>284

【彼が指摘しないならば何も現状なんて変わらない、いつかまた落とすかもしれない未来は、いまだ見えなくて】
【最悪は音で気付けるだろうなんてそんな余裕がどこかにあることはまあ確かだと、それは余談なのだけれど――】

お父さんは“いろんなもの”をたくさん、わたしにくれるの。だからわたしも、いーっぱい、あげるの。

【くすと笑う声は鈴の音を転がしたように軽やかに夜に紡がれて、闇夜の中にほどけては消えていく】
【涼しくはなっても寒くはないなら、吐息は無色のまま、言葉のかたちを微かにだって見せてくれないまま】
【――けれど、誰かを想って伏せる眼の色は知ってさえいれば簡単な感情、血筋としてじゃない、異性としての、?】

【右の指先で愛しいものにするように撫でていた、やがてその先端はついと手の甲を伝って手首へ触れて】
【くるり包帯の巻かれた向こう側に、彼からは見えない場所に、まだ何かがあるとでも言う風に】
【――けれどそれ以上は言い出す風ではなかった。尋ねたら教えてくれるのだろうか、それも曖昧なまま、彼に委ねられる】

有効って……分かんない。わたしがわたしで居るために、ぜったい、必要なものだから。

……こうじゃなかったらわたしは今ここに居ないよ、でもね、――違うのなんて、絶対に、あり得ないの。
だって――何もかも全部全部ひっくるめて、わたしだよ、……お父さんの所有物(モノ)の、鈴音(リンネ)なの。

【彼“も”そうなのだと告げられる、けれど対して驚くでもないなら、やはりこの世界の人間か】
【ベンチに両腕をついて足を投げ出すのはひどく平和な仕草、緩やかに持ち上げては落とす「こつん」とした音がよく響く】
【視線は彼ではなくそんな足の爪先の方を見つめて、追いかけて、見つめて――ぽつと返していくのは、そんな言葉たち】
【――有効活用以外はあり得ないとでも一蹴するような言葉と態度、差し込むべき隙間も見当たらないぐらいの信用、信仰とも言えるほど】
【最後にもう一度こーんと夜によく響く音で踵を地面に落としこむ、そしてようやく彼に向けた視線、ひどく真っ直ぐに見つめただろうか】

【混ぜ込まれたのは彼女の名前だろうか、鈴の音色で話す少女の名がそうなのだとしたら、よく体を表していた】

少しだけ、乾いてるけど……、……――、ありが、とう、

【――明るい頃から眠っていたらしい。声の掠れは寝起きとしてみても、喉が渇いていたっておかしくないだけの時間】
【実際喉が渇いているのだと訴えた、くすんと咳払いするように鳴らしてみる喉、そっと触れて――包帯まみれをそっとなぞる】
【けれどいざ差し出されてみれば途切れる言葉、成分すら見透かそうとするようにペットボトルを見つめる瞳、きっと怪しむ色合い】
【それでも受け取るのはやっぱりやめたと言えないようでもある、――受け取ったなら、やっぱりじぃと視線でも落とすのだろうか】
289 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 03:11:51.73 ID:xEnJGdy+o
>>288

「良い親子愛だと僕は思うよ。……いや、ただの愛かな? 親子の関係なんて、君とお父さんの間には関係無いようだ」

 ―――その関係が壊れるのは、僕には惜しいね」

【因みに、この青年は彼女とその父の間に存在する感情など――誰かとの間に生まれるわけでもないし――持ち合わせていないのだけれど】
【知識で理解する。そういう感情もあると、青年は知っていた。だけど、体験したことはない】
【だから、それが社会一般的に歪んだ事実であろうと、青年はそのままの事を美しいと褒め称えた】
【……間を置いて発せられた言葉は、そのままの意味を飲み込めば理解出来るものだけれど】

「……じゃ、その包帯の下に有るのも、君のお父さんがくれた物かい?」

【彼女にとっては無意識的な行動だろうが、いやに目についたのは撫でる仕草】
【左手薬指については、もう聞くまでもない。だけどその先に有った包帯までもが、青年には『貰った物』のように思えて】
【コレも何となく、質問を彼女へと投げかける。答えてくれるかはともかくとして】

【成る程と、彼女の言葉で彼女とその父の関係に確信を得た青年は、その目をわずかに細めた】
【確信と言っても、それは彼女の総ての事柄に対する1%にも満たないのだろうが、それはともかくとして】
【リンネ。漢字に当てはめる事も容易だった。もしそうだとしたらよく出来た名前だなと、思わず青年は肩を竦める】


「――――――……よく冷えてるよ。鈴音ちゃん、で良かったかい?
 ……あぁ、僕の名前は「エイト」と呼んでくれれば良いよ。君とは違った意味で、名が体を表してると自賛するね」

【一緒に出てきた2つのペットボトル。片方が安全であればもう片方も安全だろう】
【正直そんな物はあてにならないし、今のように青年が手に残ったペットボトルの栓を開けて飲んでも、何の証拠にも成らないけれども】
【このままだと彼女は一生飲まないんじゃないかと、そう青年は錯覚した。……青年の目に悪意はない。そしてペットボトルの水も、普通の水だった】

【初対面の人間を名前で呼ぶ様にはフレンドリーな彼は、エイトと名乗る。それは、単なる数字でしかなかった】


/すいません……眠気のため、凍結してもらっていいでしょうか?
/ダメならば適当に話して別れたことにしてくださっても……。
290 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 03:16:32.24 ID:0q0ObqPq0
>>289
/凍結で大丈夫ですよー、今日は用事もないはずなので好きな時間に呼んでいただけたら、と
/お返事はこの後に返しておきますね、ひとまずお疲れ様でしたー
291 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 04:22:14.11 ID:0q0ObqPq0
>>289

【ひるりと冷えた風が一陣吹きぬけていく、夏の気配を押し流すように、空間をそっと満たして】
【風はそっと彼女の髪を揺らして顔へと被せていく、黒髪の帳の向こう側、むずがるように歪める顔が透けた】
【やがて見えないお手本線をなぞるようについと撫でる指先が顔に落ちたものを攫ってそっと耳に掛けるのだろう】

……毀れないよ、だって、わたしだけのお父さんだから。

【髪と肌のきぱり対照的な色合い、髪は純粋に黒くて、肌は純粋に白くて、そうと微笑む色だけが薄ら紅い】
【たったひとつ揺らがないものとして突き立てた関係性だけをそのままに周りの総てが歪んでいた、躊躇わないのは】
【そもそも血縁関係がないということだって関連してくるのかもしれない、そう呼ぶだけの他人と言ってしまえば、】
【けれど違うと言い切れるのは例えば薬指、包帯の下、それ以外。間違いだってふたりで通じ合える所有痕(モノ)があるから】

…………――うん、

【――それは出会ったばかりの彼にだって分かるのだろう、湛える感情はあまりにも色濃く鮮やかに咲き誇るように】
【手首をぎゅっと握り締める、たったそれだけの動作にだって溢れて、内に篭もる量なんてものは追いかけられないぐらい】
【しあわせですかなんて聞く必要なんてないぐらいに笑ってみせるのだろう、それこそ恋する女の子なんて言ってしまうのが手っ取り早いほど】

【(造形で言えば幼いといえる顔付きだった、表情だって、それによく似合うものが多くって)】
【(そんな最中に浮かべる異彩、大人びたものは少しだけ臆病な色を混ぜ込んで、それでも、きっとよく似合っていた)】

エイト? エイトって言うの……そう、分かった。
――そうだよ、わたし、鈴音。

【――はじめの頃よりもずっとずっと態度が軟化しているようだった、実際彼へと向ける視線などは緩やかになったし、仕草も自然に】
【会話をしたことで大丈夫なひとだと認識したのもあるのだろう、そして、何よりも、彼は彼女にとっての大切を否定しなかった】
【ふわふわとしたスカート、足と足の間に挟むようにしたペットボトルを両手でそっと支えて肯定する、やはりそれが彼女の名前だと】

……――おいしい、

【そうしているうちに警戒だってほどけてしまう、彼がその水を飲んだことだって、そっと後押しをするようなら】
【未開封特有の蓋の硬さを捻じり切って口元に運ぶ、喉を堕ちていく過程すら分かるぐらいの冷たさ、数口分流しこむのは】
【――やっぱり喉が渇いていたらしかった、蓋を閉めながら嬉しそうに笑いかけて、「ありがとう」をもうひとつ付け足すだろう】

ねえ、――能力って、嫌いなの?

【一息ついたという風にふわぁとした吐息を零す、最後の一押しとばかりに蓋を捻じ込んで、ぎゅうと閉じ込めて】
【そうしながらに尋ねるのは――あまり良い感情を持っていないように思えた、それは彼女だけの錯覚かもしれないけれど】
【有効活用していないと答えたならばどんな顔をしたのだろう。片隅に少しだけ考えて、緩く首を傾げて、髪が揺れた】

【(彼の仕草によっては「無理に聞きたいわけじゃないの」なんて少しばかし慌てたように付け足される。そんな、余談)】
292 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 11:48:43.52 ID:xEnJGdy+o
>>291

【それでいい、とまた青年は笑う。彼女の父と彼女の間の繋がりが断ち切れるものでないと、もう既に分かっているから】
【メガネを押し上げれば、彼女のその一言にも手首を握るその仕草にも、恋の風景が溢れていることに気づいて】
【そういう事なんだな、なんて適当に考える。善くも悪くも、彼女は今、笑っていられる状況なんだろう】

【それを、青年が邪魔する権利は無かった。―――少なくとも、今は】

「ま、僕の名前は本名じゃないけどね。長いし、こっちの方が『分かりやすい』。
 鈴音ちゃんのその名前も分かりやすいけども。それも、お父さんがくれた物なのかい?」

【青年は―――特段、彼女の素性を暴きたいわけでは無かった。ただ、知りたいだけ】
【真夜中、初秋の公園で出会った不思議な少女のことを。『父』を恋い慕う、善悪問わず純粋な彼女を】
【だから自然にそんな疑問を出たのだろう、自分が偽名であることと共に、彼女にとって大切な一つであろう物の由来を問うた、それが】

【そりゃ良かった、と、小さいペットボトルだからかあっという間に中身を空にしてしまった青年は】
【手の平へとペットボトルを乗せ―――瞬間それは消失する。消えるその一瞬、淡く光る粒子がペットボトルの周りを漂ったことが、彼女に分かっただろうか】

【そして投げかけられたその問は、青年を刺激するようなそれではなかった。最初と変わらない笑顔で、それは理解し得るだろうか】

「―――いや、能力自体は嫌いじゃない。むしろ喜んで、僕は能力を使ってるね。
 ……ま、嫌いなのは能力を最大限使わない奴さ。それがどんな方角に向かっていても、ね」

【先ほどの言葉は皮肉だったのだろう。ドロドロに溶かすなんて、こんな少女には似合わない発言だったから】
【もし彼女が能力を活用していなかったならば、態度をも変わっていたかもしれない。その時彼女を見たのは、アリを見る人の目だっただろうが】
【今現在、そんなことはない。彼女は、嫌いな分類の人間に入らなかったのだろう】

/大幅に寝過ごしました! すいませんでした!
/何時でも切ってくださって大丈夫ですので、今日もよろしくお願い致します!
293 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 12:32:38.91 ID:xwPWjZSw0
【とある広場】

【夜そんな人が少なくなっている時間帯、一応電灯がついているが人がそうそういるわけがない】
【そんな、時間にベンチに座っている人物が居る】
【黒い中折れ帽に黒いスーツに黒いネクタイ、黒いコート】
【黒髪でショートカットである】
【そして、隣にはアタッシェケースを置いている】

【ベンチに座っている男は電話をしているようだ】

ええ、ええ、貴方達のお望みの品はきちんと送っておりますよ
ええ、はい、ではこれからも武器商人ネームレスをごひいきに

【そう言って男―――ネームレスは電話を切り、ポケットに入れる】
【そして、買ってきた新聞を広げて見る】

いやあ、カノッサ機関があんな派手なものを持っているとは

【男は新聞を見て、言った】
【その新聞には夜の国の出来事が書いてあった】

まあ、私の商売がやりやすくなる
というてんでは、ありがたいのですがね

【男はそのように言い新聞をおりたたみアタッシェケースにしまう】

さて、どうしましょうかね
どこに武器を売り込もうか
 
【悩ましげにしかし面白そうな笑みを浮かべる】
【人が、ほとんど居ない時間帯において、黒尽くめのこの男が目立っている】
【もしくは、先ほどの話していた電話の声が聞こえたかもしれない】
294 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 20:07:15.51 ID:ZRPMpvHjo
【夜の国――沼地の墓場】

【誰かの名が刻まれた墓碑の上に、置かれていた花束を押し退けて無遠慮に寝転がる人の姿があった】

――……涼しい

【低く掠れた声を零すのは、襟元に灰色のファーを巻き黒いベルベット地のローブを纏った、痩身で背の高い男】
【腰まで伸ばした紅茶色の髪に、数束の細く長い三つ編みをメッシュのように混ぜ込んでいる】
【冷たいオリーブの目は右が縮瞳、左が散瞳であり、極端な違いがオッドアイに酷似していた】
【ヒールの高いブーツを履き、長めの爪を紫色で塗り、時折覗く首筋や手首には包帯が巻かれている】
【左耳に月白色した宝玉を銀のウロボロスで囲んだピアス、左手薬指に指輪の様な黒蛇の痣があった】

【石の冷えた感覚が心地良いらしく、高い背故に草地に零れる足もそのままにして、男は目を閉じ本格的に寝入る様子だった】
【キリスト像と十字架に見下ろされても何も思うところは無いらしく――黒石製の石板、Lacieと刻まれた名が微かに見える】
295 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 20:11:35.48 ID:xwPWjZSw0
/>>293はまだ募集中です
296 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 20:22:18.27 ID:ZRPMpvHjo
>>293

――……こんばんは

【電話の内容を聞いていたのだろう。相手に歩み寄る人影があった】
【紅茶色の長い髪、左右で瞳孔の開き幅が違うオリーブ色の目をして】
【何処か魔法使いを思わせる、黒いローブを纏う男性――で、ある】

……武器商人、と聞こえてしまってね
盗み聞きをするつもりはありませんでしたが……

【視線はアタッシェケースをなぞり、次に品定めするように相手を見据える】
【口ぶりからして“商品”を求めているのは確かであって――さて、どう応対するか】

/よろしければお願いします……!
297 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 20:28:47.14 ID:xwPWjZSw0
>>296

おや、ええ私は武器商人ですよ

【ネームレスは歩み寄って来た男性に対して言った】
【ネームレスは男性の口ぶりに武器を求めてきたのを察した】

 さて、その口ぶりからすると商品を求めてきたようですね
 ああ、自己紹介をしておきましょう、私はネームレスです

【ネームレスは帽子をとりお辞儀をする】

/こちらこそよろしくお願いします 
298 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 20:34:12.67 ID:ZRPMpvHjo
>>297

これは御丁寧に……ネームレス、ですね
私は、セシルと。どうぞ宜しく

【柔和さならば、相手とも引けを取らないだろうか】
【行儀よく見せる微笑みは目が冷えている以外に何ら欠点を持たなかった】

早速ですがね、何かお勧めの“品”はありますか?
品さえ良ければ値段に糸目は付けませんので……ね

【羽振りの良い言葉――台詞だけ取れば上客、とも言える訳だが】
【特に品の指定はしなかった。武器商人という相手の一押しの物を知りたいようで】
299 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 20:40:27.43 ID:0q0ObqPq0
>>292

【そのひとはこの現場に居なくて、居ないのに。渡した所有痕(もの)だけでこんなにも笑わせて】
【けれど特に濃く笑ってみせたのは彼の言葉や仕草にも影響されてだろう、否定されることをひどく嫌う性質】
【紡がれる言葉が否定形ではない、邪魔をするようなものでもない、それなら。――きっと今の彼女の敵にはならないから】

……エイトがその名前で覚えて欲しいって名乗るなら、わたしはそれで、ちゃんと覚えるよ。
わたし“も”――、……ううん、名前は違う蛇(ひと)に貰ったの。でもね、もう、喋らないから、

【ひどく平和めいた和やかさを浮かべたきりだった、偽名であるという言葉、あまりにも何もなしに受け入れる】
【その後に何か言おうとした風に思えたけれど――少しだけ寂しげに瞳を伏せる、ふらり首を振って紡ぐのは】
【音だけで聞くならば大した違和感もなく流れていくものなのだろう、ついと右へ寄った視線は何かを見つめるようにして】
【――それは誰かを回想する仕草にも見えた、けれど同時に見えもしないピアスを気にした仕草でもあった、別の意味】

名前で呼んでもらうとね、……ちゃんとわたしのことを見てくれてるんだ、って。安心するの――

【やがて数秒後に戻った視線はそのままするり落ちて手元を、ペットボトルへと向けられる】
【普段の声と比べればいくらか低くて小さな声音は少しばかし聞き取りづらいだろうか、そのお終いだってぼんやりと】
【くると回し開けたペットボトルと流水とで口を塞いでしまうのだから。そもそもが独り言のように聞こえた、はずだ】

【――変わらない表情は見慣れつつあるもの、その色合いも変わらないなら、少しだけ安堵したように見えた】
【嫌いなのは能力を使わない奴だと言う、それなら自分が当てはまることはないのだと認識ひとつ、心中で固めて】

……――わたしが、そういうひとだったら、どうしてたのかな。

【容量のほとんどを飲みつくしてしまったのを、けれどきちんと蓋をして膝の上に戻す、そんな性格】
【中に透明な水玉模様を作っている様を外から眺めて撫でて、ふと尋ねてみたのは安全圏ゆえの余裕だろうか】
【それでも窺うように向けてみた視線は比較的真面目な色をしているようだった、好奇心もあるのだろうけれど】

【もしも違っていたならば何かを否定されたりしたのだろうか、――あり得ないもしもを考えて、少しだけ落ち込む表情】
【真正面からきちんと答えてやるのも、誤魔化すように答えてやるのも、問い掛けの結果は何もかもが彼次第だった】

/大変大変遅れまして申し訳無いです……
300 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 20:47:43.75 ID:xwPWjZSw0
>>298

 ふむ、お勧めの品ですか
 特には、なんせ自分はお客様が欲している武器を売りますので
 
【ネームレスはそう言う】
【お客が求めるものを売る、基本的にはそのような信条だ】
【ある程度、強く言えば最高級の品を出すだろうが】

 ふむ、とりあえずどのような品がほしいか言ってみてください
 その範囲内のお勧めの品ならすすめられるかもしれません 
301 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 20:51:53.93 ID:ZRPMpvHjo
>>300

……成程ね、それでは“刀”を。
元々持っていたものを友人に預けてしまったから……

【魔術師風である割には珍しい注文だろうか】
【品を指定した男は、片手を目の高さに挙げた】
【黄緑色の燐光が掌に結集し――何かを呼び出そうとしていて】
302 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:03:50.42 ID:xwPWjZSw0
>>301

 ふむ、刀ですか
 ……少々お待ちください

【そう言ってネームレスはアタッシェケースを開き】
【中からさまざまな商品が書かれた用紙をとりだす】
【そしてそこから刀の用紙を取り出した】

 さて、どのような刀が
 ……ん、何をしようとしているので

【ネームレスはセシルが不思議な動作をしてそのように聞いた】
303 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 21:09:21.08 ID:ZRPMpvHjo
>>302

【燐光が一際強く瞬くと、その手には何かの詰まった袋があった】
【セシルはその中身を空いた手に広げ――中は全てが金貨だった】

これだけあれば十分か、と……足りなければ、もう幾らか
どのような刀か、ですか? そうですね、では、魔術の使用に適した物を

【動作の理由を見せ、相手の問いにも答えて】
【ネームレスの取り出した商品の書かれた用紙を興味深げに見る】
304 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:12:53.46 ID:nlTBonivo
【酒場】

【店内は静かにアルコールの香りを漂わせていた。席はぽつぽつと埋まっており、客の入りは5割程度だろうか】
【木の温もりの感じられるウェスタン的な雰囲気は賑やかな酒場を連想させたが、中身を開けてみればそのイメージを裏切るかの如く落ち着いていて】
【その空間の中に溶け込んでいる一人―――カウンターの一番手前に腰掛けている青のソフト帽の、白シャツの上に灰色のジレを羽織る男】
【マスターと軽い会話を交わす男の姿から、そこそこの常連なのだろう。少しだけ顔を紅潮させながらも、伏せた紺碧の瞳はシリアスな雰囲気を思わせる】

……俺、つい受けちまったけどさ―――良かったのかな? いや、自信は無いわけじゃねーよ?
でもなぁ……俺、殆ど走れないって言っても過言じゃねーしよぉ……周りは俺を認めてくれるのか、とか足手まといに思われないのかな、とか
―――この『SCARLET』のワッペンは、俺には重すぎるのかも知れない……なーんて、弱気な発想出ちゃうんだよなァ

【カウンター越しのマスターに語りかけながら梅酒を煽る。グラスを持ち上げた右腕、動いた右肩には話に出てきた緋色の鷹のワッペンが張り付いていた】
【右足を上に組んでいたためにか、やや朱の滲んだ包帯の巻かれた右足首が見える。走れない―――そう語る男の根拠が、包帯の白にあるのだろう】

……『不殺』の意志は他人を危険に巻き込む。少なくとも、危険を増やす要素にはなっちまう……だから、本来は個人でやるべきだ
―――でもさ、あんだけ熱心にスカウトされたモンだから……俺の性分だと断れねェって
丁度俺が此処で飲んでた時に、いきなり扉が開いて「貴方をスカウトしに来た」ってよ―――

【暖色の照明が彼の首元の、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントを煌かせる】
【キラキラと輝く玉から発せられるは特殊な魔翌力、其れは「宝玉」―――コレ1つで戦争が起こる程の、貴重な品物】
【男はハァ、とアルコール分を多く含んだ溜息を吐けば、目線をチラリと動かない扉へと移す。小皿に盛られたフライドポテトを軽くつまんで口に咥える。】
【男の隣の席は、空いていた】


―――――――――――――――


【路地裏】

【ヒュンヒュン、と何かが風を切る音が響く。その音は段々と小さくなって、そして無音が薄暗いその場所を包んだ】
【否、それだけではない。血生臭い不吉な香りも路地裏を漂い、無音と相まって不気味さが増している―――静寂を打ち破ったのは、女の涙声だった】

うわぁぁぁんッ、本当に怖かったよぉ……というかビックリしたぁ……
いきなり後ろから掴まれるなんて―――無能力者の癖にアイリーンちゃんをビビらせるとは、許せないよッ! ……ね、ユーリ

「だかラ、殺しましタ。―――GIFTの宝≠罰当たり共が触ることなど許される訳がなイ。……どうせ私が裁かずとモ、神が裁いた筈ですガ」

【レンズの奥のエメラルドの瞳が潤んでいた事から、涙声の主は眼鏡の彼女だと推測できた。その後に続くは、別の声色】
【落ち着いた灰の眼光の持ち主は、灰色の格好に身を包み、口元までも灰色の布で覆い隠した灰ずくめの女性。言葉にもある通り、彼女が「殺した」のだ】
【額に暗視ゴーグルをつけたセンター分けの白の長髪の―――ユーリと呼ばれた彼女が。凶器は両手に握られたままだった】

……その武器久しぶりに見た。―――コレ、頭蓋骨イっちゃったのかな……もしくは首折れちったのカモ。ざまあみろって感じだけど!

「Tutelary≠フことですカ……? ―――私なんかの為ニ、Labが作って下さったのデ。強力な武器なのは当たり前でス」
「優花サマにもTempest≠ェあるじゃないですカ。護身用のLab特製武器ガ……」

あー、アレ苦手……疲れるんだもん。アイリーンちゃんは運動神経無いし、そもそもこんなもの無くてもユーリが守ってくれるじゃん

【Tutelary≠ニ呼ばれた凶器はトンファー、否ダブルトンファーというものだった。通常のトンファーが「ト」に近い形なら、此方は「H」に近い】
【持ち手の両端に打撃部の長い棒がついているトンファー、と言えば解るだろうか。両手の凶器、その右の打撃部先端からは赤い血が滴り落ちていた】

/どちらかお好きな方と絡んで貰えれば……
305 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 21:20:58.62 ID:aZm59najo
>>304
【二人の少女が路地裏で言葉を交わす中、足音がこつこつと近づいてくる】
【足音と一緒に近づいてくるのは――、なにやら美味しそうな匂い――肉だろうか】

「んはむっ、うめーッス!」

【馬鹿っぽい口調でそんな感想を漏らしながら、その声の主は曲がり角から裏通りに飛び出すのは、一人の女性】
【プラチナブロンドの髪をボブカットにし、エメラルドグリーンの瞳を嬉しそうに細めている】
【服装はピンク色のウィンドブレーカーに、ホットパンツ、スニーカーという極めてカジュアルな物】
【串をそこら辺にポイ捨てしつつ、ふと前を向く。そして、視界には――死体】
【きょとんとした顔。そして、辺りを見回し、視界に映る二人の少女を見ると、露骨に嫌そうな顔をした】

「あー、こんばんはッス……? どしたんスかコレ……?」

【それでも一応は同僚だ。無視をするのもアレだろうと、焼き鳥の匂いを纏ったまま二人に近づいていく】
【死体を指さしつつ、うげー、と小さくつぶやき、女はなぜ殺したのか挨拶がてらに聞いてみた】
306 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:23:13.60 ID:xwPWjZSw0
>>303

 はあ、なるほど金貨を取り出したのですか
 ふむ、ではこのようなものはどうでしょうか

【ネームレスは刀の用紙の中から赤丸をして】
【セシルに見せた】

 名前を〔百泊〕なんでも魔術行為を増幅効果があるらしいですよ

【ネームレスはそのように説明する】
307 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 21:25:59.90 ID:6COPtUzeo


ああ、良い……良い……ッ。


【そこに敷かれていたのは四畳の畳だった。その上にちゃぶ台が置かれていた】
【置かれた湯呑みが湯気を立てるその光景は櫻の国が舞台のドラマを1シーン切り離した様で】

【ここが、── 路地裏=@である事が。癒やしの空間を異様な光景へと変化させ】

あ゛あぁぁぁあよ〜〜〜〜〜い〜〜〜〜っ。


【その上でマタタビを喰らった猫の如く恍惚の表情で気持よさそうに寝転がっているのが、】
【漆黒のスーツを着こなし星柄のモノクロのマントを羽織る白い革手袋を付けた洋風の格好をした黒髪の男だという事が】
【場違いな光景の上に場違いを置いて、異様な光景というよりはもはや異常と言えるレベルに引き上げていた】

直接櫻に買いに行った甲斐がありましたねぇ。
やっぱり日本人≠ニ言ったら畳ですねぇぁ〜〜〜〜。


【台の傍らに置かれたシルクハットの上で鋼色の翼の奇妙な雀が真夜中にチュンチュンと囀る。この空間──】
【もう一度言うが、十分な広さを持たない路地裏≠ナある。通る余裕はギリギリ畳の横が空いているくらいか────】
【ニッポン≠ニいうこの世界の人間にとって親しみの無い国の出身を関わりを持たずして通り抜ける事は極めて困難と言えるだろう…………】

308 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 21:29:27.63 ID:ZRPMpvHjo
>>306

“百泊”……? ほう、それはそれは……
丁度良い品ですね、私の理想にも一致する物だ

【丸の付けられた刀を見て、顎に手を当て納得したように頷いた】
【それから相手へと――視線を極力合わせないようにして問う】

“魔術行為の増幅”、その他に……何か、注意すべき点などは?
あっても扱いようで何とかなるのであれば、構いませんがね

【ほぼ買う気でいるようで、金貨の袋をじゃらつかせながらも】
【何か、その刀に関する注意点などがあれば聞きたい、という事らしい】
【(出来れば刀の特徴なども。何もなければ、こちらで大体を決めてしまうけれど)】
309 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/18(水) 21:37:47.37 ID:mG+opQk/0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――夜の国 公園】

……気を抜くべきじゃ、なかったかな、ぁ……?
昔の事が、こんな形で思い出されるなんて……ぇ

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年が】
【ベンチに腰掛け、どこか陰鬱な表情を浮かべながら、クロワッサンの包みを開いて乱雑に齧っている】
【だが、何かを思いついた風で、一部を千切って足元に撒くと、小さなリスが一匹、こそこそと現われてパンのかけらに齧りついた】

……やっぱり、昔を偲ぶのは……無しにした方が良いな……ぁ
どうせ、悲しくなる……だけだからな、ぁ……

【リスはそれなりに人慣れしているらしく、青年が手を差し伸べると、ちょろちょろとその手を駆け昇ってしまう】
【肩に止まったリスに、なおクロワッサンの一部を千切って差し出しながら、青年の表情になお一層の陰が差した】



【――――所変わって、水の国 路地裏】

……クズ共め……自分たちの愚かさを、少しは噛みしめるんだ……そうやってのたうちまわり、這いつくばりながらね……!

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【怒りの表情で、足元に倒れ伏し苦しげに身を捩じらせる数人の男たちを見下ろしている】
【その背後には、怯えた様子の少女が1人立ち尽くしていて――――どうやら、襲われた所を青年が止めに入ったと言う様な状況らしい】

……とりあえず、安全な場所まで送って行こうか……?
「い、いえ……もう大丈夫です……! ありがとうございました……!」
……そうか、じゃあ道中気をつけて…………
――――どうやら、どちらかと言うと手前の方が、怯えさせてしまったらしいね……

【興味を無くしたように青年は少女へと向き直るが、少女は礼を述べつつも、まるで逃げる様にその場から走り去ってしまう】
【その背中を、青年は苦笑しつつ見送っていた。足元の暴漢達には、もう興味もないと言った様子で】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
310 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:38:35.90 ID:xwPWjZSw0
>>308

そうですねえ、ではこの用紙を詳しくご覧ください

【そしてネームレスは百泊が書かれた用紙をセシルに渡す】
【その用紙には百泊の詳しい概要が書かれているだろう】

 ああそれとお値段ですがこのように
 とはいえ、金貨なら事足りるでしょうが

【そう言いネームレスはメモ帳を取り出し百泊の値段を見せた】
【セシルがもっている金貨ならこの刀の代金は払えるだろう】
311 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:41:05.74 ID:nlTBonivo
>>305
【白髪の女の瞳が細まり、小さく舌打ちをした。回していたトンファーから飛び散った血が顔についたとか、そんな理由ではなく―――】
【―――何者かの気配を嗅ぎとったから。否、気配より先に香ばしい匂いが鼻腔をくすぐった】
【……もう片方の眼鏡の女性も気が付いたようだ。気配―――ではなく、美味しそうな匂いには】

ん、いい匂いしない? てかさ、びっくりしてカロリー消費しちゃった、なんか食べにいこーよ!

「その前に優花サマ……下がってくださイ。―――来ますヨ……」

―――ふぇっ、何が? 敵? 自警団? 

【白髪の女はずい、と眼鏡の女を護るように一歩踏み出し身構える。ダブルトンファーが再度ヒュンヒュン、と音を鳴らし回り始める】
【血を拭く暇もなく回したことで周りにはまだ固まっていない鮮血が飛び散るが、そんなことは彼女にとってどうでも良かった。後ろの女を護ることが最優先事項だから】
【―――そして、現れた人物が眼鏡の彼女と同じエメラルドの双眸を此方へと向ければ】

「……防衛ですヨ。先に仕掛けたのはあちらかラ……なのデ、声を上げたり通報とかはしないでくださイ。……するならするデ、覚悟してもらいますガ」

……あ、アイリーンちゃんは被害者だからっ! しかも殺ったのはユーリだし! アイリーンちゃんは悪くないし! 通報するならこの人だけにして!

「……薄情者」

【ユーリと呼ばれた灰ずくめの格好に身を包む白髪の女は、攻撃的な視線を送り威嚇しながら相手の質問に応える。相手が同僚だとは気付いていない】
【一方アイリーンと語る彼女は、小動物の様に敏感で不格好に後ろに飛び退けば震えた喧しい声を上げた。……対照的な印象の二人であった】
312 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 21:43:07.03 ID:ZRPMpvHjo
>>310

【紙を受け取って吟味する時間が数分程あってから、一つ頷いた】
【お眼鏡に叶った、という事らしく――相手の示した値段を見て】

……それならば、この中身で足りるでしょうが
それで……刀の、“現物”は見せて頂けないので?

【流石に現品を見ないでは金貨を渡す訳にはいかない】
【説明だけならば、どんなゴミでも素晴らしく謳えるだろう】
【やや疑念を抱いた視線が相手の喉元へと据えられる】
313 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/18(水) 21:46:34.20 ID:RGCOtMBeo
>>307

【い草の香りはまるでフィルターをかけたかのように空気を清涼にして】
【煎ったばかりの抹茶が如く深い味わいを、その香りの中に溶かしているのだろう】
【寝転がっている貴方の耳に、1つ2つと流れる白拍子をたどれたのなら】

【――――――それが少女のものだ、って気づくぐらいには軽い音だから】


ねぇ!貴方、今さっき……確かに日本≠チて言ったよね!
ううん、言った、絶対に――――――日本人って、確かに……っ!!


【もし貴方がそのまま寝転がっていたなら、その男性らしい抱擁感のある胸へと】
【羽毛のように軽い、一葉の花弁が如き感触を、えられるかもしれない】
【視線を前に向けたなら、寝転がった貴方の上、押し倒すように少女の視線が、近づいているかもしれないから】

【貴方の顔の両側に華奢な両の掌をついて、ツインテールにした髪の毛先が筆先のように揺れる】
【パッチリと開いた大きな瞳は、真剣味の溢れる眼差しで、真っ直ぐ貴方を見つめているのだろう】
【できるのならば、貴方の胸の上にちょこんと腰掛けて、彼女の姿が在る#、だ】

【――――――もし拒否されたならば、その落ち着かない様子を保ったまま、少し呆然と貴方の前に立ち尽くすのだろう】
【日本=\―――――普通の人間ならば、聞きなれないその言葉を口にした彼女は――――――】

【ゴールデンブロンドの華やかな長い髪を蒼の細いリボンでツインテールにした】
【美しいスカイブルーの瞳をした華奢な体格でやや膨らみかけた胸のスリムな少女】
【ピアニストのように細い指先は綺麗に切り揃えられた爪先の淡い桃色を強調して】

【白鍵のように澄んだ肩を露出するように水色を基調としたゴシック調のキャミソールに】
【かぼちゃパンツに近い白いドロワーズをスカート代わりに纏って】
【白いレースのニーソックスと合わせる形で青いサンダルを履いている】
【両腕の肘より少し上の辺りに黒いレースのアームレットを結んでいた】
314 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:47:34.65 ID:AQGQ+0Q9o
数値化や目標設定は原則というか基本
競合が近いならなおさら
315 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:49:24.13 ID:AQGQ+0Q9o
誤爆なの!!
316 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 21:51:50.67 ID:aZm59najo
>>311
【ユーリの構えに対して、女の構えは自然体そのもの。それどころか、敵意すら感じさせることは無い】
【鮮血が頬に飛び散り、一瞬露骨に嫌そうな顔をして。己が同僚と気づかれていない事に、ため息】
【これが格差社会。下っ端なんてこんなもんスよーと心の中で人生紙風船にかぶりを振って】
【両手を上げて敵意が無いことを示しつつ、ユーリの方を向き、誤解を解くために説明を】

「――あーっと、やるならッスね。そのーやるんスけどー、できれば穏やかに終わらせたいんスけど……。
というかあの、アイリーン様ッスよね。私、一応コレでもGIFTなんで……あの、武器仕舞って欲しいんスけど……?」

【困ったような表情をしつつ、ごそごそとホットパンツのポケットを漁り、キーホルダーに括りつけたGIFTのロゴの入ったIDタグを見せる女】
【相手が能力者だという事で、女はIDを見せた後は媚びへつらう様に揉み手をして、へへへ、と三下のような引きつった笑顔を浮かべ、腰を折る】
【下から見上げるようにして、女は秒間数十回も夢ではない洗練された揉み手をしつつも、死体と周囲の状態を確認】

「あーっと。アイリーン様が良いと言うなら、こっちの方でコレ片付けとくっスけどー、良いッスか?」

【頬の鮮血を拭いつつ、ゴテゴテにデコレーションしたスマートフォンを取り出し、戦闘兵の連絡回線に接続しようとうする女】
【下っ端の戦闘兵ではあるが、これでも戦闘兵の中では小隊を纏める位の立ち位置では有る】
【下っ端の自分よりも下の下っ端を顎でこき使う事に関して、女はまったくもって躊躇うことはない】
【アイリーンが許可すれば、即座に部下に連絡をして、死体の回収と痕跡の除去を命ずる事だろう】

【守護者のように警戒を顕にするユーリと、やかましく幼い印象のアイリーンの二人に対して、此方の与える印象は紛れも無く平凡】
【頭が緩そうではあるが、何処にいてもおかしくない、唯の21歳の女性でしか無かった】
317 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:52:25.13 ID:xEnJGdy+o
>>299

「あぁ―――本名を名乗る時が来たら、それはそれで覚えてもらいたいけど、今はね。
 ……ふーん、違うヒト、か。そのヒトも、相当名前のセンスが有るみたいだ」

(――自分『も』、ね)

【そう言った彼の笑みは、先ほどと少し違っていた。とは言っても、少女が気付くかどうか。この、僅かな死の香り】
【何れ、青年の本名は明かされるのだろう。彼女だけにではない。多分、世界中に。悪の徒として。……然しその話も、今ではどうでもいい事に過ぎなかった】
【言い淀んだ彼女の言葉は、明らかに何かを隠していて。見つめるのは、ピアスだろうか】
【片耳にしか無い飾りは、何か特別な意味が込められていると青年に思わせるには十分な材料。茶化すことで、それは会話の中に沈んでいくのだが】

【貰った物は大事にしないと。ある意味、名前は最も大きな貰い物。彼女のそれは満更分からないものではなくて】
【うんうんと頷くのは、言葉に出さずしてその感情を理解していると、彼女に思わせるためで有るのだろう】

「――――――何もしないよ。あぁ、そういう人かと話を進めるだけさ。
 ま、話が終わった時に君がどんな事になっているのかは、流石の秀才児である僕にも検討がつかないけど?」

【事実を話す、然しその詳細は、当の本人でも分からないという。オマケに、自分の事を秀才と呼ぶ始末だ】
【その口ぶりは最初のそのにこやかな物とは違う。隠しているつもりなのだろうか。彼女には、多分気づかれてしまう】
【透明の水に黒い色水を差していくような、ジワジワと濁っていく、その感情が】



「……さてと、僕はそろそろ行くよ。
 それじゃあ鈴音ちゃん、くれぐれも、風邪を引かないようにね」

【終わりも唐突。そんな言葉一言で静かに立ち上がった青年は、最後に彼女へと静かに笑いかける】
【そして、もう革靴の足音も、青年の声も、何もかもが無くなっていた。消失。あくまで唐突、突如として青年はこの場から居なくなる】
【彼女が青年へと謎を残していったように、恐らく青年も彼女へと、何かしら疑問を残していったのだろう】

/これ以上長引かせてしまうと悪いので、ここで〆させてもらいます
/ロールありがとうございました、そしておつかれさまでした!
318 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 21:59:49.98 ID:Yt04b42y0
>>309


余韻に浸っているところ申し訳ないのだけれど………これどかしてくれないかしら、魔術師≠ウん。

【ふと気が付けば路地裏の奥から現れ、倒れた暴漢達を指で指しながらそう話しかけてくる人物がいる】
【肩にかからない程度の毛先が丸まった栗色の髪に同じ色をした眠たげな瞳、何処かの量販店で見た事のあるような安物の紺のスラックスを履いて】
【白のカッターシャツ、そしてその上に襟元にG.I.N≠フ刺繍の入った白衣を羽織る研究者のような格好をした20代前半と思われる女性】
【通行の邪魔なのよ≠ニ付けたした女性は倒れている男たちを跨ぐ事すら億劫だと言いたげな瞳で欠伸をする】

しかし………こんな何の足しにもならない事を良くするわね―――両方とも
まぁどういった思考で行っているかはよくわかるけど………男って………いや人間≠ト面倒な生き物よね

【そう、青年に語りかけるようではなく独り言のように空を見上げてぽつりぽつりと小声で言いながらもう一度青年を見る】
【早く退けてくれ=c……女性の眼はそう言っている。】
319 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 22:01:30.87 ID:xwPWjZSw0
>>312

 現物ですか
 ふむ、そうですねえ。

【ネームレスは少々思考した】
【そして、考え付きセシルに言った】

 ふむ、ではこうしましょう
 また、後日またここに来てください
 そうすれば現物をお持ちできるでしょう

【ネームレスはそう提案した】
 
320 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/18(水) 22:05:28.28 ID:ZRPMpvHjo
>>319

……そうですか。了解致しました
期待して待っていますよ……“武器商人”さん

【後日、と言われればこの場で話す事ももう無いだろう】
【日時が指定されればその通りの刻にセシルは訪れる筈で】
【品さえ間違いなく確認できたなら、支払われる額は指定より多目であった】

/この辺りでしょうか、お疲れ様でした!
321 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 22:11:30.56 ID:6COPtUzeo
>>313

【少女が近づいてくるのならば、真っ先に反応するのは何時だって彼だった】
【鋼色翼を持った雀は、羽ばたきながら、チュンチュンと囀り来訪者の存在を主に知らせる────】

たまりませんなぁ〜〜〜〜〜……。おーほぅ。おおおおほぉおおおおおおおおっ!!


【のであるのだが、聞いちゃいないよ。よくもまあ、こんな空間でここまでくつろげるというものである】

【故に、向こう側≠フ世界に飛び立っていた彼の精神が戻り】
【来訪者である彼女の存在に気づいたのは、物理的な干渉が起きたその瞬間であった】

【故に、鬼気迫る勢いで向かってきた彼女の質問の最初の返答は────】

────んぐッふ!ホエェッ!!


【いや、──彼に降りかかったソレ≠ェ重いとかではなく】
【全く意識の無い箇所の攻撃というものはキツいアレがあるというか】


【何はともあれ、来訪者に気づく彼であったが。彼の引きつった表情の両サイドには彼女の腕があり】
【上半身は乗っ取られ、完全に、身動きを取る事を許されぬ状態の彼は蛇に睨まれた蛙の様に冷や汗を流して固まった彼だったが】

【再び、雀がチュンチュンと鳴くと。どういう訳か状況を理解出来たらしく。囁く様な小さな声でようやく返事を返す】


え、あ〜〜その…………はい、すいません。言ったような、気がします。

322 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/18(水) 22:15:10.87 ID:mG+opQk/0
>>318

……なんで今日は、こんな所で何人も人に会うのか……

【背後から掛かる声に、青年はため息と共に振り返る。ハットを軽く右手で押さえ、整えながら】

……残念だがそれは無理だよ……こいつら向こう1週間ほど、目が効かない様に潰してある……
遠慮なんかする事はない。踏みつぶして歩くなり、蹴散らして歩けばいいじゃないか……?
そうすれば、勝手に這いつくばって、道を開けるだろうよ……こんな奴等にこれ以上干渉するなんて、労力の無駄さ

【どかせと言われて、下らないと言う様にハッと短い溜息を吐きながら応える青年】
【どうやら、見た目通りに魔術の類を用いて、視力を一時的に奪っているらしい。視界が効かない故に、暴漢達は這いつくばっているのだろう】
【これ以上、こんな連中とは関わりたくない――――そんな態度が、青年の言葉には表われていた】

……足しになる事しかしたくないなら、機械にでもなれば良い
生き物は、単なるシステムなんかじゃない……当たり前の事だろう?

【殊更に、足元の連中を無視するように、その場に背を向けながら、女性の呟きに対して青年は言葉を向ける】
【自分に対する当てつけも、その言葉に含まれている事を感じ取ったのだろう。いささか辛らつな言葉でそれを返した】
323 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 22:15:31.49 ID:nlTBonivo
>>316

「……同じGIFT所属……でしたカ。その、失礼しましタ」

【タグをおずおずと見れば、ようやくトンファーの風を切る音が止んで。若干申し訳無さそうに灰色の両眼を伏せ、武器をがしゃこん、と折り畳んで袖に隠した】
【礼をされたら礼を返すのと同じように、此方も首にかかったタグのネックレスを服の中から出す。コレでお互いに、所属を証明したことになった】

ふぃー、焦った〜ぁ…… お仲間さんで良かった……―――てかアイリーンちゃんの事知ってるんだね。……やっぱり有名人なのかな、美少女として……!

「―――いや、優花サマGIFTの宝とか隠れて言われてるからだト。……スカウト専門の能力を持っている位は、周りに知られている可能性モ」

えーそっち……? あ、呼ぶ時はアイリーン様じゃなくてアイリーンちゃんでお願い、コレ命令だよ? ……ユーリは例外だけど、もう直してくれないし

【女が彼女の名前を呼べば、安堵の表情と共に今度は眼鏡の彼女がユーリの前にずい、と身体を出す。首元の金十字が揺れる】
【―――相手が仲間、しかも立場が低いことを読み取ればまずすることは決まっている。呼び方の訂正であった】
【女が彼女の名前を知っていたのは、アイリーンがGIFT内で特殊な立ち位置におり有名だったから―――なのだろうか?それとも女が上司の名前を多く暗記していたのだろうか】
【能力者でも完全に補助向きの能力を持つ人物は非常に少ない。が、アイリーンはその一人だった。護衛がいるのも、能力が戦闘に向いていないからだった】

え、いいのー? お願いお願い! だって死体臭いじゃん! 其れが無能力者のとか、余計に臭うし……

【女の気遣いに、アイリーンは小さな驚きと喜びが混じった顔を見せて、「良い」ということを告げた。その際に無能力者を差別する言葉があったが、其れは自然と出たもの】
【ユーリも無能力者、女も無能力者。その前で言ったからといって煽っているわけでも何でも無く、そのような差別がアカデミアの生活により自然なことになっていたのだった】
324 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 22:17:15.48 ID:0q0ObqPq0
>>317

【今はと紡がれるお預けの言葉、少しだけ残念そうなものを浮かべてはみれど、どうやら本気でもない】
【きちんと理解した上で浮かべてみたものなのだろう、すぐに失せては、ぱたんと足元で小さく音を鳴らす】

そうしたら……そうしたら、ちゃんと、覚えるよ。
わたしだったら、覚えて欲しいから――……覚えてて、欲しいから。

【――結局。彼の笑みの色合いが変わったことに気付いたような素振りは見えなかったことだろう】
【元は闇に紛れて生きていた類。けれど闇の隣だって戻る場所を見つけた今では、少しだけ、視界が濁る】
【自分に向けられるものでなかったというのもきっと原因のひとつなら、ほんの少しも表情を曇らせずに、言い切った】

……良かった、

【その後に変わる表情だってまるで違う意味合いのものだ。自分の名前を褒めてもらったみたいに、嬉しくて】

【――微かに濁った視界にだって、何かの不思議を感じた気がした。始めはひどく微かに、気のせいかと思うほどでも】
【ふわと綿のように広がっていく色水のような――ようやく気づき出しては瞬く瞳の、きょとんとした丸さ】

――……そっか、?

【それが何かを探ろうとしてみればどうにもおざなりになってしまった返答、もしかしたら彼へ気付かせることになるだろうか】
【けれど今すぐに何か言うわけでもない、今すぐに何かしてやろうと思うわけでもない、(こちらの害にさえならなければ)】
【自称秀才という辺りには「そっかぁ……」ともう一度同じ言葉が繰り返されるけれど、なにか、篭めた意味は違うように思えた】


【唐突に別れを告げられる、瞬きひとつ分だけ考えて返したのは、「またね」の言葉】
【そうして姿も掻き消えるなら、――後に残るのは夜の静寂と、濁った水の不透明さ、あの感情は何だったろうかと】
【考えようとして首を傾げたのとあわせるようなタイミングでふあと欠伸が零れ落ちる、――ぐしと眼を擦れば】
【少なくとも明るい頃から眠っていたはずなのにいまだに眠たいらしい、誰も居ない場に響く「かえろ、」と声ひとつ】

【――世界から脱落するように姿が掻き消える、偶然にも彼と似通った風に消えた姿は、ただ、黄緑色のきらめきを一筋残して】

/急用入ってしまってすいませんでした……おつかれさまです、ありがとうございました!
325 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 22:19:37.07 ID:xwPWjZSw0
>>320

ええ、期待は裏切りませんよ

【ネームレスはそのように言い】
【ネームレスは武器商人だだからこそ期待を裏切らないだろう】
【必ず期待通りの品を持ってくるだろう】

/お疲れ様でした
326 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/18(水) 22:23:19.28 ID:RGCOtMBeo
>>321

【かぽーんと擬音を一つ、指先でなぞったなら】
【貴方の、断末魔にも似た声色を彼女の小さな耳が聞き取ったようで】
【瞼をぱちくり、呼吸をさせてみたら、きょろきょろと周囲を見渡して彼女は自分の状態に気づくのだろう】

【紅花がその紅い色素を積雪の上に溢すが如く】
【透き通った素肌の乳白色が、桃色の色彩を輝かせるのだろう】
【赤面、自分のしでかしたこと≠ノ対して疑問を呈するような悪い子ではないようだ】


わっ……あっ……ご、ごめんなさい!その、私、動揺してて……えっと
う、うん……謝ってもさ、済むことじゃないってゆうのも、わかるけどね
あの、ホントにごめんね……痛い、よね、分かるよ


【慌てて彼女は両手を離して、ばっと飛び退くように一歩下がるのだろう】
【……慌てすぎて、貴方の太ももを踏みそうになるのはご愛嬌、一瞬バランスを崩しかけたけども】
【キャミソールの布間から零れるドロワーズの色合い、足取りは軽くバレエ選手のように体勢を元に戻す】

【柔らかな痛みが抜けたなら、少しは彼女の言葉も正当性を持てるのだろうか】
【ごめんなさい、と頭を下げる様子、小さな頭が揺れる度に長い髪のツインテールがひらひらと舞って】
【漸く顔を上げたなら、その意志の強そうなスカイブルーの瞳を貴方へと注ぐ】


――――――それで、日本って……やっぱり日本≠フ事だよね
どうして、貴方が日本のコト、知ってるのかしら
ここは日本とか、そういうのとか、無い世界なんじゃ、ないの


【長い睫毛がスカイブルーの水面を揺らす、凛とした表情が彼女の輪郭を強調して】
【一転して真面目な調子に戻るけども、足元の畳は未だ揺れ動かなくて】
【多分きっと、そういうものよりもずっと、彼女にとって気になることが、あるんだろうから】

【滅裂な言葉の尻を一つ一つつなげたなら、パズルが形を為して】
【そうしたなら漸く、彼女の辿るソプラノの旋律の淡やかさにきづけるかもしれない】
【それはまるで清流が如く、耳溶けの淡い心地よさを靡かせていて】
327 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 22:27:20.05 ID:Yt04b42y0
>>322

あら、達者な容姿をして随分とえげつない事をするのね………。
いやよ踏みつけてもし暴れだしたりしたらそれこそ面倒じゃない、か弱い乙女には無理ね。

―――そんな嫌そうな顔をしてまで、さっきの行いをする価値はあったのかしら………?

【青年の説明に対して耳を傾けながら倒れている暴漢の顔をまじまじと眺めて興味深そうに息を吐く】
【こんな場面に出くわして冷静な辺りまるでか弱い∴象は抱かれないがそんな事を言ってトントンとつま先で暴漢をつつく】
【青年が嫌悪感を露わにすると、眼を向けて肩を竦めながら相手へと問いかける。】

確かに、全人類機械化とか………もし可能ならばそれはそれで良いかもしれないわね
プログラム通りに動くなら少なくとも………こんなくだらない事象#ュ生しないだろうしね。

【まぁ退屈そうだけど≠ニ最後に付けたしながら青年の言葉をまともに受けて考え込むような仕草をする】
【どうにも普通の考え方を持っていないようだ、この女性は………服装を見るにどこかの研究員のようではあるが】
328 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 22:32:07.40 ID:aZm59najo
>>323
「いやいやー、気にしないで良いッスよー。どーせ下っ端スからねー」

【プライドや自尊心など欠片もないのか、怒る様子も見せずにひらひらと手を振って気にしないとアピール】
【ヘラヘラとした笑いはいかにも『無害ですよー、危険じゃないですよー』と声高に宣言しているようで】

「一応これでも事情通で通ってるんスよー、伊達に斥候とかやってねーッスからねー。
あっ、当然ながら私なんて木っ端なんで、アイリーン様に比べるとお役立ち度も天と地の差っすけど!」

【あっはっはー、と軽い事極まりない笑顔を浮かべつつ名前を知っている事についての軽い説明。そして自分を下げて相手を上げることを忘れない】
【相手に見下されても決して怒ること無く、あえて自分で自分を貶めて目上を褒め続ける様は小物そのもの】
【絶えまない揉み手と絶えまなく下げられる頭と、目尻の下がったへらへらした笑いの安定度は、長年の修練の果てに身につけたものだった】
【そして、情報収集や暗躍を主に担当している女は、ある程度ながらGIFT内部の情報も周りの戦闘兵に比べて多く持ち合わせていた】
【特に、そこそこ有名な人物の顔と名前位ならば頭に突っ込んでいた為、すぐに同僚である事を看破できたよう】

「でも私チョー下っ端なんでー、やっぱり様づけした方が良いと思うんスけどー……。
えーっと、でも、アイリーン様に命令されちゃ断れないんで……、じゃあアイリーンちゃんで……」

【一瞬表情を引き攣らせる。基本的に強気にへつらい弱きにふんぞり返るのが女のスタイル】
【自分より目上のアイリーン相手には、もう靴を舐めることすら厭わない所存であったのだが、そう言われて大弱り】
【目上に対して、様づけ以外で呼ぶことが先ずなかった為、その分を補うように揉み手が加速した】

「じゃーしっかり片付けておくッスよー。無能力者だってのに、能力者様に迷惑掛けるなんざカスっすよねー。
ホント、どーしよーもないッスよ! あ、あと私コジマッスー。下っ端の戦闘兵共の中じゃちょびっと偉い、偉い木っ端下っ端なんでよろしくッス!」

「あー? 寝てた、非番? 知るかボケナスッス。さっさと出てこいっての、3秒な。分かったか?
おう、カスはカスでも私のが2倍はまともなカスだからな? 命令絶対、返事は一回、言われて直ぐ来いオーケー?
はい、はいはいはいはいー、うんうんうんうん、時間外手当? でねーよ、だってお前非番だろ? 仕事の日じゃないんだから金なんて出ねーっての、知らねーって」

【アイリーンの言葉に、高速揉み手とお辞儀をしつつ、全力で同意をしつつ、死体に唾を吐き捨てる】
【プライドは折る為に有って、腰は曲げるために有って、手は揉み手をする為に有って、口はおべっかを吐く為にある】
【そして、即座にその場で部下を呼びつけるが、その瞬間口調が豹変。一方的に言葉を投げかけまくった後に、一方的に電話をぶち切った】
329 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/18(水) 22:40:38.29 ID:mG+opQk/0
>>327

……人は見た目には依らないさ……どんな見かけの人間だって、何をするか分からない……

【自分の容姿の事には、余り触れてもらいたくないと言った様子の青年】
【自分のした事が「えげつない」と言う感想を持たれる事に付いては、特に気にはしていないようだが――――それよりも、容姿の事に言及するのを優先したのだろう】

……黙ってる方が業腹だったからやったまでさ……あの子1人を助ける為なら、こいつら全員殺してやっても良かった……
でも、それこそあの子の前でそんな事をしても良くないと思ったから……1週間、暗闇の中で反省するチャンスを与えてやったまでさ……

【どうも青年は、「少女を助けたい」と言うよりも「少女を脅かす暴漢達を叩きのめしたい」と言う欲求を抱いていたようで】
【もし、少女の怯えた様子がなければ、この路地裏の事だ――――命を以って償わせる事も、躊躇はしなかったのだと青年は言う】
【――――つま先で小突かれた暴漢は、それを嫌がる様に身を丸める。まだ起き上がれそうもないが、少なくとも身体は退かされた】

…………っ?
……手前がこう言うのもなんだけど……随分突飛な考えを持ってる様だな……
けど、人間は人間以上にはなれない……生物のプログラム化なんて、無駄な事だね……

【背を向けていた青年だったが、女性の言葉に思わず振り返る】
【何か、特殊な思想を抱いているらしい事がその言葉から読めて、そこに興味を抱いたらしい】
【向き直った青年は、あえてその言葉に水を向けてみる。こういう場合、否定から入った方が、相手の本心を引き出し易いものなのだ】
330 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 22:47:33.64 ID:6COPtUzeo
>>326


【彼女がその身を引いたなら、寝転がっていた上体を起こすや、ちゃぶ台の上にあった湯呑みに入る緑色≠フ茶を一気に飲み干し】
【ふう、と息を吐いて気を落ち着かせると雀が乗っかっていたシルクハットを手に取り被る。上の雀は急いで飛んで彼の肩に乗る】

【すると、彼の鋭く尖った黒い瞳は、目覚めたかのように、輝きを取り戻し。彼の表情を一変させた】

────いやぁ。コチラこそ失礼致しました!私としたことがどうかしていました。いくらくつろいでいたとは言え、女性に対してあの反応!
駄目ですよねぇ。シルクハットの似合いすぎる一、紳士として、そう紳士として、むしろ礼を言うべき役得というものですよ。いやぁ、申し訳ない。いえ、──ありがとうございます!!


【頭を下げる彼女に対して、彼も勢い良く頭を下げ返す。そうだね、しんしとしてだめだよね。しんしとして】
【動揺してまともに喋れなかった彼だったが。一連の動作が終わるや、一変していらない言葉までペラペラと喋り出す男──】

【改めて、彼に問い掛けられた質問に対して、彼は髪をかきあげる格好を付けた無駄な動作をするや、畳に立ち上がり(もちろん靴は履いていない)】

──ええ、その通り。私は日本を知っている。しかしながら、貴女の言う、日本≠ェ私の知る日本≠ニ同じものとは限りませんが。
いや、周りくどい言い方は意味が無いですよね。ええ、知っている。私は日本≠知っている!味噌!シャチホコ!エビフライ!何故なら住んでいたから!

更に言うなら、生まれたから!──ええ、存在しない。この世界に日本≠ヘありません。──私は、異なる世界からこの世界に降り立った異世界人≠ナあるからするですして。


【バァーン!と両手を広げ、まるで用意してあるセリフを読み上げる様に一気に言い切った】
【その日本≠ナも極一部の地域に住む人間が親しみを持つであろう食物や飾りは日本人の証明のつもりだろうか……】

【その鋭い瞳で彼女の下から上までの舐める様に見ると自分を棚に上げて日本人≠ナは無い様だが、と感想を持つが】
【そんな質問をする彼女がどういった存在なのか、なんとなくの予想をつけるが、あえて返答返しはせず、彼女の返答を待つ】


331 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 22:56:52.66 ID:Yt04b42y0
>>329

それは全く同意ね、今の時代は戦場で子供を見るのもおかしくはないしねぇ………。
むしろ容姿や身なりが綺麗な人間ほどエゴの塊のようで警戒してしまうわ。

成程、それなら無事あなたの欲求は満たせたというわけね………なら多少なりとも意味はあるのでしょうね
まだ自分を綺麗に見せたい≠ニいう意志が残っているならまともと言えるわねヒーロー≠ウん?

【相手の言葉を聞いてゆっくりと頷きながら状況を分析するように顎に右手を当ててぶつぶつと呟いている】
【この女性、相手と会話しているのかしていないのか曖昧である………やはり研究で室内に籠っているとこのように愛想がなくなるのか】
【振り向いた青年の顔を、眠たげな瞳が見つめ返した―――。】

そうかしら?今の時代に不可能な事などほぼないと思うのだけれど―――。
様々な分野の技術は既に神の領域≠フ近くまで来ている………貴方の使う、実際には見てはいないけど魔術≠セって
そうした技術的進歩の中で得たものでしょう………?あぁところで貴方はどんな魔術≠使うのかしら?差支えなければ教えて頂きたいわね。

【依然として気だるげな瞳………だがその言葉には先ほどより少し熱が籠っている、確かに昨今の技術の進歩は凄まじいものであるといえよう】
【そしてこのままその進歩を続ければいつかは神の領域≠ノ………それは先ほど言った人間のプログラム化という事も可能にするかもしれない】
【とはいえ、現代の技術ではまだそれは夢語りと言えるだろうが―――っとそこで女性は青年の格好から魔術≠扱う者と推測し】
【どうやら興味を持ったのか、そんな事を質問してきた。】
332 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/18(水) 23:01:38.58 ID:RGCOtMBeo
>>330

【ゴールデンブロンドの前髪が揺れた、その奥の細い眉が訝しむような表情を見せて】
【蛇足とも言える言葉に少々ひいた≠ニでも言うべきか、けれども、それを言葉にだすことはせず】
【でもそれを飲み込むことなんてできなくて、ため息一つ零したなら視界の端に映るのはその雀】

【貴方の視界の片隅に映るのだろう、彼女の淡い蒼の瞳が、少しだけそこに射止められていた事に】


……いやさ、そう、私も悪かったってか……私が一方的に悪いから我慢するけど
女の子に対する言葉じゃないよね、それ、ってか紳士なら余計言わないし
それに、そのシルクハットそんなに似合ってないよ、スーツはまぁ、似合ってるけどさ

――――――これでブサイクだったら、帰ってるとこよ、ホントに、もぅ


【最後の言葉は付け足したかのよう、小さく口の中で膨らんで、消えて】
【彼女の吐息に混じるが如く、ソプラノはくしゃくしゃと纏められて風と一つになって】
【夜風に乗るその旋律は、貴方の飲んだお茶と同じくらい、喉にすーっと流れこむみたいに】

【彼女は、と言えば頭を抱えるように右手を額に当てて、指先に絡みつく髪の感触を確かめる】
【見上げる彼女の視線の先、胡散臭さは確かにあるものの、そこに嫌な気はしないようで】
【珍妙な格好であって、奇怪にも思えたけど、不思議と親しみやすくもあった】


……――――――っ……そう、そうなの……ね
うん、でもさ、私個人の感覚から言ったら、オジサンは……あんまり日本人には見えないかな
それと異世界人≠ノも――――――見えないの

だって私も異世界人≠ナ日本人=c…まあ正確には純粋な日本人ってワケじゃないけどさ、だから
ねぇ、オジサン、やっぱりここって、別の場所……なの?


【金色の髪の少女の言の葉、少し刺のある言い方かもしれない、芝居がかった言葉回しでもあるから】
【日本人に見えないとは、その格好や、或いは、どこか余裕を持ったユーモラスな言葉が故に】
【そして貴方の異世界人≠ニの紹介に被せるように、彼女自身もその言葉を返すのだろう】

【見上げる彼女の視線が大きくなるだろう、一歩貴方へと近づいたなら、少女の淡い香りが鼻孔を擽るかもしれない】
【日本人離れしたそのゴールデンブロンドの美しい髪と、整った顔たち、瞳の色合いはまるで宝石のよう】
【でも彼女の言の葉は、桜色に染まった、確かなイントネーションであって】

【――――――その言の葉が揺れた、不安げな音律が、その色合いを褪せさせるかの、ように】
【大きな瞳は不安をひた隠しにして、それでも零れ落ちるみたい、で】
333 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 23:07:07.86 ID:nlTBonivo
>>328

……ほら、ね! ね!? アイリーンちゃんの凄さがGIFT内でも話題になってるって!? 聞いた聞いたユーリ!? 
あれですよ、GIFTの秘蔵っ子牧嶋アイリーン優花ですよ! ってことでこれだけ凄いならさ、「休日増やさないと仕事しないぞ」って脅してさ―――

「やめさなイ、阿呆で有名な優花サマ。というかそんな事まで言ってないですヨ……」

【コジマが彼女を褒めたのなら、レンズの奥のエメラルドの瞳が輝き出し、彼女は両手をぶんぶんと振りながらその興奮を隣のユーリに伝える】
【アイリーンが怠惰に塗れた提案と共に意地悪な笑顔を浮かべれば、其れを咎めんとユーリはパシッと頭を叩く。所謂ツッコミだ】
【……この光景、コジマからはどう見えるか。上下関係に何よりも敏感に見える彼女が、立場が下のユーリが上のアイリーンに暴力を振るったのだ】

〜〜ッ、いった〜〜いッッ! ねぇねぇコジマちゃん、今のヒドいっしょー! 仮にも上司で護衛対象なのにパシッ、だよ!
この暴力真面目女に何とか言ってやってよホントぉ! コジマちゃんはちゃーんとアイリーン『ちゃん』って呼んでくれるからねー、出来た部下なのにねェ!

【かなり軽い力で叩いた為に痛みは無いが、アイリーンは下手くそな演技の後に日頃の文句をここぞとばかりにぶつける】
【従順な女と、立場が下の癖に自分に厳しいユーリ。隣の彼女にコジマを見習って欲しい―――と、そのような意図の伝わるジト目をユーリに送った】
【アイリーンはコジマを高く評価していた。そもそも他の戦闘兵と会うことが稀で、ふんぞり返る機会なんて無かった彼女を立ててくれる為気持ち良かった。だが―――】

……―――だ〜〜〜〜めッッ!! 時間外手当が出ないとか鬼畜だよ! 下衆の極みだよ! 地獄の鬼すら反吐吐く所業だよ、コジマちゃん酷いよ!!
アイリーンちゃんもね、上の人の……校長先生とかの荒い扱いに枕を濡らしながら頑張ってるんだよ! 給料少ないし、プライベートはユーリがいるからないし……

「……あの、コジマサン。―――優花サマは結構『これ』に五月蝿いというカ……待遇に不満持ってる御方なのデ、そういう内容の話ハ……」

【コジマが部下に吐き捨てた時間外手当のくだりでアイリーンは精一杯のNOを突き付けた。くわっと顔つきが変わり、頬は膨れ上がっている】
【―――給料面に不満を持っているアイリーンからすれば、コジマの部下が可哀想でならなかった。部下が無能力者とかどうかと言う事は、そこには全く関係なしで】

【……ユーリは頭に左手を乗せて「あちゃー」というリアクションをしながら、コジマに控えめな声色で彼女の『傾向』を告げた。どうやらタブーに触れたらしい】
334 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 23:23:51.06 ID:aZm59najo
>>333
「えーっと、あの。そのっスね? 能力者様にそんな口聞いちゃアレじゃないっすか? ああああぁあ……」

【口答えをするどころか、突っ込みとばかりにアイリーンの頭を叩くユーリを見て、愕然とする女】
【精神の平衡を保つためなのかなんなのか、揉み手の速度と回数が加速度的に増幅していく】
【自分が悪いわけでもないのに青ざめた顔で頭をペコペコ下げ始め、すいませんすいませんと小声でつぶやき続けていた】

「まあ、私はその――……なんて言えば良いンスかね? そのー、アカデミー入って速攻でゲザってくスタイル確率したんでアレっスけどー。
多分、ユーリはユーリなりに考えて叩いたんじゃないスかね? いや、私の勝手な予想なんで、もうアイリーンちゃんが白と言ったら白で黒つったら黒なんすけどね?
ただー、そうッスねーもうちょっと環境はまともにして欲しいっというかー、死にたくないってのに続々と私を死地に放り込むのはやめて欲しいッス、ガチで」

【アイリーンから、不満たらたらの言葉を投げかけられると同時に、少し褒めてもらえたことにちょっとドヤ顔をしたくなって】
【後で帰ったら部下たちに自慢でもして、部下いびりしつつ低姿勢のストレスでも発散しようか。そう思いつつ、曲げ続けている腰の痛みを少し感じて来る】
【このスタイル、続けていくと将来腰の曲がったおばあちゃんになっちゃうなーとどうでもよいことを考えつつも、アイリーンとユーリのこの組織に有るまじき関係性に意識を向け】
【恐らく、能力者無能力者と異なる繋がりを持っているのだろうと、己の中で結論付けて納得することにした】
【そして、ユーリをかばうような発言をしつつ、アイリーンを上げるのは忘れず、さり気なく上に対する不満を、理解ある上司のようであるアイリーンに嘆願。仕事を選べない下っ端の悲哀である】

「あばばば、申し訳ないッス! あとであいつらには確り休出の申請出させとくんで!
でも、これでも私部下には人気なんスよー? 待遇ゴミカスでも取り敢えずついてきゃ死なずに帰ってこれるって感じなんでー!」

【怒るアイリーンの様子を見て、これはまずったとばかりに顔を青ざめさせて、速攻で前言撤回するコジマ】
【この場で土下座しろ、足を舐めろと言われたら厭わないレベルの謙り。許してくださいなんでもしますから! なノリである】
【しかし、一応ながら言い訳をする事も忘れない。下っ端の間では、そこそこコジマの評価は悪くないのである】
【まあ、その評価は人格者とか個人の戦闘力というよりは、単純に部隊の死亡率の低さという実利的な点に限るのだが】

「……あざっす、ッスー。気をつけるッスよ。今度なんか奢るッス」

【小声で教えてくれたことに礼を言いつつ、食事でも奢ることを約束して】
【頭を下げつつ、ちらちら上目遣いでコジマはアイリーンの様子を確認するのだった】
335 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/18(水) 23:25:19.82 ID:mG+opQk/0
>>331

…………っ
……馬鹿にしているのか?

【一瞬、青年の表情に苛立ちが走り、じっと女性を睨みつける】
【自分の行いを、独善であると揶揄されたようで――――恐らく、実際に揶揄されているのだろう――――捨て置けなかった】
【こういう形で、やっている事に茶々を入れられるのは、初対面である事も手伝って、不躾な行為に感ぜられる】
【苛立ちが表われてか、その表情が強張りつつあった】

――――力に溺れた人間の典型的な症状だな……
技術だけで森羅万象を全て操る事など、出来はしない……それを弁えるのが、最先端を往く人間と言うものだろうに……
それを言うなら魔術だってそうさ……この世界のシステムに干渉する事は出来ても、それを書き換える事など出来ない……
そんな事、魔術師にとっては共通の常識だよ……絶対のラインは、超える事の出来ない、侵すべからざる領域だ……

【女性の言葉に、思わず失笑に似た色が浮かぶ青年の表情】
【真っ当な神経を持っている者なら――――少なくとも青年の中の基準では、だが――――それは科学の傲慢と考えるだろう】
【自分の畑で出来る事と出来ない事、それを弁えているのが「本当の専門家」だと青年は指摘する】
【いうなれば――――それが出来ていない女性は二流だと、遠回しに嘲笑しているのだろう】

…………スーレル(光)・エル(集積)・ジー(安定)・ルー(レベル1)……『マジックライト』……

【これまでのやり取りで、青年は女性に対してあまり良い感情を抱いていない。その質問にも、一瞬気だるげ表情を見せて】
【しかし、左手の杖をかざすと、青年は魔術のスペルと思しき単語の連なりを詠唱して】
【その場に、明るく輝く光の球体を生み出した。中空に浮かび、周囲を照らす光は、路地裏の一角を明るく照らし出す】

……主に簡略化された、ツールとしての魔術の様なものさ……別に、それほどの高等な力じゃない
……でも、日常程度の問題を解決するには、この程度で十分……魔力が扱える人間ならね……
……力を持った言葉……スペルを、一定の法則で紡げばいい……それだけの簡単な形式さ……

【魔術的に知識を持っているとは思えない、科学者然とした女性に、あまり詳しい事を説明する気はないのだろう】
【本当に簡単な説明を口頭で伝える青年。それでも、先ほどの『実演』と合わせれば、触りはそれなりに伝えた事になる】
【――――暴漢に対して魔術を使った事もあり、あまり魔力を無駄遣いしたくなかったのだろう】
336 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/18(水) 23:44:22.30 ID:6COPtUzeo
>>332


────おっと、失礼。見ての通りシルクハットの似合う。奇術師(マジシャン)≠やっているものでしてね……。
ここぞという時の嘘を通すために、自分にも、他人にも、正直に生きていましてね。


【ああ、やっぱり。シルクハットはシルクハットでも紳士ではなかった。彼が詐欺師ではないという事から、ここぞという時の嘘とはおそらく手品の事であろう】
【欲望に忠実なのと正直なのは違う気がするが。雀がため息を吐いて少女に謝罪する様にお辞儀するのを見れば】
【日常茶飯事な出来事なのだろうと予測できる……】

【シルクハットを抑えて左目を隠す決めポーズをとってニヤリと微笑むと】

─────見えませんか?それはどうも。ふふ、褒め言葉として受け取りましょう。
あそこには色んな人が居ましたしね、ここにシルクハットの似合うナイスガイが居るのなら、
美しい金の髪を持った日本人が居ても可笑しくはがッ──────オジ……ッ。


【引いた彼女もため息も意に介さないペチャクチャと軽快に話していた男だったが】
【────聞き覚えの無い言葉が耳を貫いたのに気が付いた時】
【出会い頭に彼女に抑えこまれた時の様に、冷や汗を出してフリーズした】

【何かを抑えこむ様に、自分の顔に仮面を掛ける様に自分の顔を左手で覆い掴むと軽快さの欠片もない途切れ途切れな喋り方で一先ずの返事を返していく】

あ……ぁ。えぇ、そう。……私は異世界人≠名乗るが……私はこちらの世界を異世界≠ニ呼ぶ……。似ている所はある、が、絶対的に違っている。
少なくとも、私の知る日本≠ノは……異能を力を操る人間も、竜も、悪魔も、異形の怪物も──探したが、居なかった、存在を確認できなかった。

貴女の目の前に居る……この私以外はね……。


【少なくとも、彼が日本≠ナ暮らしていた時はこの世界の様に能力者や怪物をハッキリと認識する事は出来なかった】
【──この世界に住んでいれば違いは明白。探さずとも嫌でも世間を脅かす能力者の存在は耳に飛んでくる】
【言い切った彼は少し寂しそうな声色だった。彼の世界≠ノは能力者は居なかった。仲間は、──居なかったのだ】

【全てを言い切ると、より一層。自分の顔を掴む力が強くなり。鋭い目がジトっとした恨みがましい表情に次第に変化していく】

それと……私はまだ24だ!断じてオジサン≠カゃあねェ!四捨五入してもまだギリギリ20だし!精神的にも若い気分が消えてないし!年を食ったつもりも無い!
いいか!俺≠ヘ……いや、私は…・…「リロード・ザ・マジシャン」だ、です。お兄さんと呼べとは言わん、言いません……「リロード」、「リロードさん」、「リロードくん」でお願いします。


【オジサン<bッ!!その魔法の言葉は彼の取り繕っていたキャラクターという名のペルソナを一撃で粉砕する破壊力があった!】
【体力を一気に削りとり、俺>氛氛氛汨fの彼を一瞬、むき出しにさせた!ソレほどの言葉である!気軽に使ってはいけない!!】


//それではまた明日よろしくお願いします。
337 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 23:49:00.51 ID:nlTBonivo
>>334

「……これはしなければならないことでス。この暴走列車を無視すれバ……GIFTは滅びまス。……マジデス」
「―――この事ハ特別ニ許されているのデ。……力尽くでも止めなければ大変な事ニなりまス」

【灰色の眼光を鋭くしながら彼女は息をフー……と静かに吐く。少しの間をおいて呟いたのは、『この行為は必要である』という内容】
【能力者と言えたかが小娘、戦闘能力も無い者が……とは思うかもしれないが、見開いた瞳は嘘には見えない筈だ】
【その理由を語らんとユーリの口が開く。アイリーンが彼女の送ったジト目を十倍返しだと言わんばかりの眼光で睨みつけた。アイリーンはびくっと震えた】

「……自警団にGIFTの情報をばらした阿呆は誰でしたかネ? 優花サマ?」
「ユピテルサマが実は総司令官ではなかったことやアカデミアの存在すらも教えたらしいですネ……戦闘兵ならバレたら処刑ですけどネ」
「―――コレを上に伝えましょうカ? ……減給―――アリマス……ヨ?」

【このように上司に脅しをかけられるのも、『許可』をもらっている為。アカデミア時代から問題児だったが、その能力の特異性故に卒業できたのだが―――】
【一人で泳がせるとどう見ても危なかった。戦闘面でも、他の面でもだ。口の軽さはヘリウム級とか、そう言われる彼女にはお目付け役が必要だったのだ】

うう……減給コワい……。 う、うん。……部下さんには優しくね。 ユーリみたいに厳しくしてるとさ、何時か皺が―――っひぃッ、ごめんなさいッッ
……生きて帰れることは良い事だよ。アイリーンちゃんは戦場言ったことない温い子だからわかんないけど……大事にされてるし、そこだけは

【ユーリが拳を振りかざすフェイントをかませば、彼女はしゃがんで頭を抱える。 ユーリは無言でちらりと目線を送れば、直ぐに元に戻る】
【その後いじけた様に小さな声に変わって、その言い訳を受け入れる。―――だが、そのすごさはイマイチ実感できていない。理由は自身が語った通りだ】

―――ご飯はいいよ、寧ろ奢る側ー。 一応アイリーンちゃんにもプライドがあってですね、部下に奢られるってのは許さないんだよね!
……でもユーリにはおごってあーげない! へっへーん!

「―――減給……」

【奢るのは此方だ、と微かなプライドが顔を出す。しゅんとした顔が戻ったと思えば、すぐ調子に乗って―――また、沈む】
338 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/18(水) 23:57:47.99 ID:Yt04b42y0
>>335

馬鹿になんてしていない、むしろ賞賛しているのよ。
貴方の行いは社会的に見れば殆どの人間が正当だと認めるだろうし、私も正しい行いだと思っている

ただ、正しい行い≠してなおかつ綺麗な自分≠保ちたいようだから、そう表現しただけよ
貴方は間違っていない………だけど綺麗なままでいようとすればいつかは溝にはまるかも………というだけ。

【私の価値観で言わせればだけど≠ニ最後に付けたして肩を竦めてため息をつき、伏し目がちに相手を見つめる】
【何か心当たりのあるような………まるで自分の経験を踏まえていっているようなそんな口ぶりである】

やれやれ、どうにも私は魔術師とは相性が悪いみたい………昔会った協会≠フ人間にも嘲笑われたもの
まぁ技術≠ヘあくまで事象を繋ぐ回路としてしか使用は出来ない、技術自体では何も出来ないというのは同意するわ
残念だけど、私はそこが弁えられない底辺の人間だからこうした場所≠ナ燻っているわけよ―――。

だけど現にその境界を越えうるモノや力が出てきているのも事実―――まぁ無能の戯言と取ってもらって構わないわ。

【何か思い出すようにそう顎に手を当てながら空を見上げてそう呟くと一度苦笑して肩を竦めて相手を見つめる】
【襟の刺繍を摩りながら相手が行っている魔術を興味深そうに眺めるとふむ、と一度息を吐く。】

随分律儀なのね、嫌悪している人間にもちゃんと教えてくれるなんて………ご説明ありがとう。
成程、やはり触媒が違うだけで式≠組んでやるのは同じなのね―――もっと自由自在なものだと思っていたわ

でも便利なモノね………科学では別々の道具が必要な事も杖一本で可能なのだから。
まぁ、魔術≠ノは魔術なりの制約があるから使う人間も限られているのだろうけどね。

【興味深そうに杖を様々な角度から眺めながらそう言い、腕を組んでため息を吐きながらそのような事を口にする】
339 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/19(木) 00:03:40.11 ID:jlyTpbJ0o
>>337
「ああ……、成る程ッス。……でも、能力持ってるってだけでどんな人だとしても、私は尊敬ものッスよ。
ユーリだって、能力者様のアイリーンちゃんの護衛なんて任されるくらいだから多分凄いんでしょうしねー。
……もーちょっと、なんかなんかなれば良いんスけどね」

【二人のやりとりや、ユーリから語られるエピソードから、納得の様子を見せるコジマ】
【しかしながら、コジマはそれでもアイリーンに媚びる様子をやめることは無く、下から目線をやめる事もない】
【基本的に自己評価の低い――アカデミーの環境と生い立ちで育てられた――コジマは、外見上の快活さからは想像もつかない鬱屈した劣等感が渦巻いている】
【最後の呟きは小さいながらも、複雑な感情が多分に含まれていた】

「死んだら全て終わりッスから。死ぬのだけは、死んでもごめん――ッスよ。死にたくないんス、絶対に。
だから、どんな所に送り込まれても生きのびなきゃならんッスよ。……まあ、生き延びると評価上がってもっとキツイ所放り込まれるんスけど」

【少しだけ、おべっかや媚びへつらいの仮面が外れ、生死に異様に拘る彼女の素が顔を出す】
【瞳に浮かぶのは、死というものに対する恐怖と、死に挑む強い意志。死に挑み、超えれば超えるほどより深い死地に放り込まれる】
【その中で、勝利する事どころか、生存して何度でも帰ってくる事の困難さ、アイリーンには理解できずとも、ユーリには分かるだろう】
【斥候の職務は、情報を手に入れ帰ってくる℃磨B生存に対する欲は、彼女の生存率に直結していた】

「……あ、ちょっと静かにして欲しいっス。すいませんッス。多分、これの仲間じゃないッスかね?」

【二人の漫才に唐突にストップをかけ、目を細めるコジマ。目を瞑って、小さく言葉を呟いた直後】
【極々小さい音で、足音が聞こえてくるのが分かるだろう。話の内容は、〜が戻ってこない、可笑しいといった様子の言葉】
【人数は3名程で、がらがらと何かを引きずっているような音がする。角材や鉄パイプなどの類だろうか】

「一人も四人も、変わらないッスよね。どうせ片付けんの連中ッスし」

【やって良いッスか? とアイリーンに確認しつつ、ウィンドブレーカーの中に手を突っ込みもぞもぞする女】
【手を引き抜くと同時、その手には一対の手斧が握られており、鈍い光を街灯から照り返していた】
【野蛮極まりない斧の二刀流は、へらへら三下のような振る舞いをする女には、余り似合わないイメージのものだった】
340 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/19(木) 00:25:45.07 ID:yD+0Onv80
>>338

…………ッ!?
……すまない、どうも間違った受け取り方をしていた様だよ……
……その事、手前も思い悩む事がある……汚れる事に、躊躇はないつもりだけど……な

【女性の言葉に、思わず虚をつかれた様な表情を見せる青年。やっている事を、最後まで正しいと肯定できるかと言えば――――青年も、矛盾を思い悩む事もある】
【全てを正しく、などと言う生き方が出来るとは思わない。だが、自分の中にさえもその矛盾を見る事はどうも耐え難い】
【なら、自分に背かない生き方とは何か――――その事は、折を見て顔を覗かせる、青年にとっての難題でもあった】
【それを指摘されれば、青年も素直に頷く他ない。女性の言葉は、真意を知れば身につまされるものだった】

……魔術は、世界の真理を知る道に通じる……だからこそ、だろうね……
魔術を知れば、まずそれを思い知らされるんだ……世界の、絶対のルールと言うものを……
そこにぶつかって苦悩する魔術師も多い……人ならざるものの力を借りようとも、その存在もまた、この世界のルールに則した存在でしかないからね……

【――――全てがそうだとは言わないが、魔術師は物質とはまた異なった尺度で、この世界の在り方を捉える】
【その時、人間の限界や世界の絶対性と言うものに、嫌が応にも気付かされる事が多いのだろう】
【様々な事象を操る魔術師でさえも、むしろだからこそ、限界のある道具であると言う認識を、強く持っているのかもしれない】

…………それは世界の歪みだよ。そう言うものが実在する事は否定しない……
でも、魔術で言えば黒魔術、科学で言えばマッドサイエンティスト……どちらにせよ、『禁忌』である事には変わりないだろうね……
本来、あって良いものじゃないし、それを手を出せば、何が起こるか分からない……人間が、必要を超えて殺し合う様に……

【そうした産物は、世界の奇形児とも言うべき存在だと、青年は主張する】
【そうした存在は、何かのきっかけで、何かしらの『反動』をもたらす。それが、滅びの道に繋がるだろうと――――青年は、ある種の危機感を抱いていた】
【本質的に、あってはならない存在――――恐らくは魔術師としての見地から、青年はそれを警告したのだろう】

……以前、通用しなかった例えだけど、今なら通じてくれると思う……
魔術といえど、結局はプログラミングの様なものさ……手前の行使したこれは、もっと言えばコンストラクションツールの様なもの……
結果を導くための、工程に過ぎない……高等な魔術になれば、それこそプログラミングの様に、思いのままに様々な結果を生み出す事が出来るだろう……
……数学と哲学が正反対でありながら、根底で共通項を持っている様に、魔術と科学も、正反対の技術に見えながら、構成要素の違いを除くと、体系は似ているものだよ……

【以前にこの例えを用いた時は、相手が機械に疎かった事もあり、ほとんど理解されなかったが、女性なら分かってもらえると考えたのだろう】
【魔術とプログラミングに、先ほどの魔術をコンストラクションツールに例えてみせる青年】
【更に言えば、そうした『例え』が使えるほどに、魔術と科学は実は似ているのだとも】
【魔力と言う霊的エネルギーに根底を置いている魔術は、物理現象に根底を置く科学とは、全く相いれないはずの存在なのだが】
【形や性質は、例えとしての言い換えが通用するほどに、本質の部分で似た形を持っているのだろう】

……さて、悪いけど、手前はそろそろ失礼するよ……流石に、そろそろ休む時間だ……

【魔術の説明を終えると、青年は杖を戻して再び背を向ける】
【もしも女性が呼びとめなければ、そのまま立ち去ろうと言うのだろう】
341 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 00:27:17.86 ID:4Sz8iDsqo
>>339

「……凄イ、という言葉は能力者の方に―――『GIFTメンバー』に使ってくださイ。私は使い捨ての人形みたいなモノなのデ」
「―――イヤ、私達無能力者ハ……でしょうかネ、コジマサン」

【褒める言葉を受けるが、反応はアイリーンとは全く違った。まぁアイリーンが異端なので、当たり前と言ったらそうなのだが】
【―――発した言葉は、無能力者である自分を下に置いた言葉。『GIFTメンバー』という言葉には、ユーリ達戦闘兵は含まれていない】
【……つまり、本物のGIFTの一員には決してなれないということ。所詮使い捨て―――そういう意味も、あるのかも知れない】
【ユーリはコジマの呟きを見逃さずに、すかさず返した。その言葉はユーリにだけではなく、アイリーンにも向けられていて】

「そういう気持ちは大事にするべきでス……が、私は死を恐れていませン。 死んでも優花サマを護ル……其れが『盾』としての使命でス」
「―――死んでもきっと、天国ですかラ。そう教わった筈ですよネ? ……神の意思に従い、能力者の為に生きれば。神は私達選ばれなかった者にモ……」
「――――――見返りヲ授かル。……つまり、天国に行ける権利。―――教官が違ウ筈なので少々内容が異なるかも知れませんガ、近いことは聞いていると思いまス」

【―――凛として言い切った。GIFTとしての教えを、曇りなき灰色の双眸で。……死は恐くない。コジマとは真逆の事をユーリは言った】
【コジマの性格はまさに斥候向きと言えるだろうが、同様に―――ユーリは、護衛の仕事に向いていたのだろう】

「……ム―――。……さすが生存欲の強い貴方ですネ。 今やっと気付きましタ」

―――え? なになに? ねーねーおなかへったんだけどコジマちゃんも一緒にさ―――……キャッ!?

【コジマの言葉に従い耳を済ませれば―――確かに聞こえた。直ぐ様アイリーンを担ぎ上げれば、少し下がって自分の後ろにトン、と置く】
【『盾』としての仕事を果さんと体勢を整えればトンファーをまた出すが―――コジマの声に反応し視線を送れば、コクリと頭を動かした】

「―――ありがたいでス。 私は『盾』の仕事を全うさせて貰いますガ……ピンチなら勝手に参戦しまス」
342 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 00:48:25.51 ID:eJUWbcDN0
>>340

ああ、別に気にしていないわよ………それに、綺麗でありたい≠ニ思う事は悪いことではないでしょう
ようはそれを続けられるだけの力≠ェあるか―――私は甘さを貫くだけの力≠ヘなかった………。

でも惨めに醜く裏社会に染まって生きている………貴方はそうならないと良いわね。

【髪を人差し指に巻きながらそう相手に言って、自分を蔑むような言葉と共に路地裏の壁をゆっくりと摩る】
【路地裏などに出没する時点でまともな研究者ではないのだろうが、その淀んだ瞳からその規模を測ることは出来ない】

結局は世界の修正力に飲み込まれる………か、確かにそれは一理あるわね。
今の狂った世ではそうした禁忌≠犯す人間の数なんて限りがないわ………もしかしたら私もその一人かもしれないわよ?
そうした無数の特異点≠ェ徐々に大きくなっていけば―――いつかは現在の理を破壊するかも、しれない

まぁその先に待っているものなど破壊≠ナしかないでしょうけどね。

【だが破壊≠もたらすからこそそうした力を求める歪んだ心の持ち主がこの世界にはいるのもまた事実である】
【結局は全て世界という箱庭で起こりうる事だが―――。】

ふむ、成程ね………原理と工程=c…これは中々良い話が聞けたわ………今後の研究にも役立ちそうね。

あらそう―――まぁちょうど私も戻らなくてはいけない時間ね、ありがとう………これで私のエゴも一歩進む。
私は吉崎詩穂=c……「G.I.N」という軍事企業の研究部門に所属しているから、何かあったら訪ねてきて頂戴。

もっとも…軍事企業なんて貴方のような人間には嫌な場所でしょうけど―――私は私のエゴ≠貫くわ
貴方もその正しい行い≠ニいう一種のエゴを力の続く限り貫けばいいわ………その先で、どんな形≠ゥはともかく

また―――会うかもしれないから………。

【それだけ言うと暴漢達を容赦なく踏みつけて行き、そのまま大通りの方へと消えていくだろう―――。】
【最後の言葉は………どこか含みがあったが………月明かりが注ぐ路地裏は既に静寂に包まれていた。】

//この辺りでしょうか、お疲れ様でした!
343 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/19(木) 01:04:49.95 ID:yD+0Onv80
>>342

……手前から言えば、力があっても同じ事だけどね……越えられない壁は、あるんだ……どうしても、届かなかったものは……

【ふと、己の過去を思い出す青年。望んで、焦がれて、遂に叶わなかった思い】
【それを遂げられるだけの力は、既に持っている。しかし、失われたそれを取り戻す事は、どんな力をもってしても叶わない】
【結局、人はそうして過去を悔んでいくものなのかもしれない――――女性と同じ様に、青年も己の過去に後悔を残していた】

……それは、いずれ分かる……そして、その時には……とかく、誰かが滅ぶだけだね……
手前がそうかもしれないし、君がそうかもしれない……あるいは、手前がその業に手を染めるかもしれない……先の事は、分からないよ……

【今の世界が狂っている事は、青年にも異論はない。人の心も、生き方も、大きく捻じ曲げられている現状は、見なくても感じられる】
【そして、それを成す世界のパワーバランスも、異常と言う他ない状況だ】
【それがいずれ、世界の在り方そのものを壊す事も、もしかしたら否定し切れない事なのかもしれない】

吉崎、詩穂……か…………手前はアルク、アルク=ワードナール……
……いや、そこまで綺麗事を言うつもりはないよ……軍事と言う概念も、必要だから存在するものさ……
ただ手前は、他者を必要なく、正当性なく虐げる存在を、許さないだけだ……

【女性――――詩穂の名乗りを受けて、自分も名乗り返す青年――――アルク】
【別に正義を標榜する訳ではないと告げながら、ただ他人を虐げる存在だからこそ、足元の暴漢達を叩き伏せたのだと口にして】

…………?
……まぁ、確かに……また会う事になるのかもしれないね…………それも、あるいは穏やかじゃない形で…………

【含みのある言葉――――最後に向けられたその言葉に、思わず立ち止まるアルク】
【しかし、エゴを貫くと言うその言葉を考えた時――――何か、一般に受け入れ難い道を歩んでいるのだろうとアタリをつけて】
【それなら、今後どうなるか分からないのも無べなるかなと、フッと苦笑を見せる】
【――――そのまま、アルクも夜の雑踏の中へと消えていった】

/乙でしたー!
344 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/19(木) 16:09:14.27 ID:A5REBMWgo
>>336

【クスリ、と綻ぶ彼女の横顔、口元にそっと右の手を当てて優雅さを含んだ微笑み】
【それは良く出来た戯曲のよう、饒舌に語る貴方とそれに対するレスポンスを返す雀と】
【滑稽でもあって、それでいてとても知的なセンスを感じさせるそのやり取り】

【零れた微笑みの意味合いもまた、嘲笑とは違う感覚なのだろう】


マジシャンってそれはまた凄い職業ね、でもなんだか納得できるかも
その雀さんも貴方の奇術の一つかしら、可愛らしい雀さん


【交錯する視線の距離が近づいたなら、彼女の手がそっと伸びるのだろう】
【白鷺のような指先が貴方の視線の片隅を濡らすと、貴方の肩にのった雀へと落ちる】
【そしてその頭をスリスリと撫でようとしながら、少女らしい微笑みをそこに揺らすのだろうか】

【貴方の顔の近くへと伸びる彼女の指は、絹糸のように滑らかな線で】
【手入れの行き届いた爪先は、彼女のケアの丁寧さを感じさせるよう】
【――――――だとすれば、此方に来てまだ日が浅いとのことを想像できるかもしれない】


……ううん、私はそうは思わないわ……こんな、汚らしい髪の毛――――――
ん、どうしたのオジサン、なんか調子悪そうに見えるけど……ってえっ!?


【貴方の言葉に対して彼女が返したのは、ちょっとした否定の言葉なのだろう】
【乳白色の頬に僅かな陰りを潜ませて、長い前髪の奥にその歪を滴らせる】
【スカイブルーに曇天が混じったなら、それは長く続かず、雲間から覗く月光が貴方の言葉に反応した】

【――――――何事か、と思った、ひょっとしたら気分を害させたのかもしれない、と】
【そっと横に添えていた左手がぎゅっと握りしめられるかのように、少しだけ、怯えた色合いを見せた】
【返す口調は先ほどと比べれば柔らかく聞こえるかもしれない、ソレが彼女の本当の姿みたいに】


ふぇ……ぁ、なぁんだ、そんなコトだったんだ、オジサ……いやいや、お兄さんってば、意外とそういうの気にするんだ
若干女々しいよね、そういうの、私からみたら24も立派なミドルエイジみたいなもんだし、8つも上だしね
でも嫌いじゃないよ、さっきのお兄さんのホントの姿、今のもそれなりには素敵だけどね

私はカノン、カノン=ストラトヴァリウス=初音、名前でわかると思うけど4分の1だけ日本人
日本に居た時は初音カノン、って言ってたけど、普通にカノンでいいよ
でさ、さっきの話だけど――――――


【スカイブルーがぱちくりともう一度瞬きしたなら、右手で胸を撫で下ろすのだろう】
【一つ毒舌を交えながらも、後に残るのは彼女らしい爽やかな芳香なのだろうか】
【カノンと名乗った彼女は、よろしくね、と言いたげに両手を後ろに回して微笑み一つ】

【――――――でも、その微笑みは直ぐに真面目な表情へと代わって】


――――――異能≠チて、どういうこと?
意味は分かるわ、でもそれは言葉そのものの意味でしか無いの
貴方がそんな、口からでまかせ言ったりするような人じゃないっていうのは、分かってるつもりだから


【真っ直ぐに見上げるスカイブルーの色合い、双眸が捉えるのは奇術師の確かな実像】
【強い意志を感じさせる瞳は彼女という存在を確かづける証明でもあるのだろう】
345 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/19(木) 20:00:50.57 ID:f0wJIMpyo
>>344

【さらなる衝撃を受けた様な表情でリロードは絶句した】

は、はち…………つも年上。


【少女、いやカノンが自己申告した年齢と自分の年齢との差に時の流れを感じざるを得ない】
【苦虫を噛む様な表情で夏も終わりだというのに先程から汗をだらだらと流すばかりである】

あ、いや、彼は……その、マジシャンでいうところの白い鳩……的なものというか。


【伸ばされた手に対して、頭を擦り付ける様に鋼色の翼の雀は返してくる】
【相棒が気持ちよさそうに目を細めて撫でられている横で主人は呆然としていたが】

(8歳、目の前のこの女性、いや少女が8歳も歳下…………。気分的には20くらいだったのに一気に老けこんだ気分だ、いや…………)

8歳年上?なに、8で割ればまだ2と3ですよ!!フっ────何を動揺していたのやら。


【何かに閃いた様な表情をすると、指先を額にあて、「やれやれ」と首を振って持ち直した。何が解決したのだろうか】
【そして、掌を広げた右手で空気を薙ぐ様に「ヒュパッ」と風を切る。何かを投げ捨てたかのような動作。そう、この話は終わりにシヨウ、ソウシヨウ】

【──言い逃げというヤツだ!】

……はて?


【真剣な表情の彼女に対して、間の抜けた様な表情と言葉が返ってきた。彼女の質問の意図に一瞬気付かなかった】
【自分で異界人と言ってはいるが、過ごした年月こそ向こうが上だが彼女の漏らした感想と同じように内も外もこの世界に馴染み過ぎていた】
【しかし、少し考えたら分かるものだった。ああ。と頷く。最初に見せた日本人≠ニいう言葉への過剰反応やこの世界に対する初々しさ、】
【雀の鋼色に対する物珍しそうな対応。察しの悪い彼もここでようやく、彼女がこの世界に来て間もない事に気が付いた様だ】

成る程、成る程。こうしている間にも、世の中は続々参戦中という事ですか。嬉しくなりますねぇ…………?おっと、失礼。
カノンさん。こちら≠ノ来てどれくらい経ちましたでしょうか。──異能≠ニは……。こういう奴ですよ。


【リロードは左手に付けられた革手袋の親指を噛み、するりと左手を露出させる────】

あ、ちなみに今の脱ぎ方はファンサービスです!好きですよね!女性ってこういうの!


【何を言っているのだろうか。それはともかく。再びしゃがみながらちゃぶ台の上の湯呑みを拾い上げ、傍らに置いた】
【そして、すうっと。視線を集める様に人差し指を立てて、ゆっくりとちゃぶ台に向ける。手品師のするミスディレクションの様な動作に見えるが…・…】

異能=c…まあ、特殊能力です。色々ありますが──私の場合、こんな感じですね。


【指をタクトの様に振り。ワン。ツー。スリー。そして、パチンと左指をを鳴らした、次の瞬間。ガコン。とちゃぶ台の上に出現し、置かれたのはもう一つのちゃぶ台であった】
【手品の様にシーツを被せてとかではなく、何処から取り出したというのではなく。いきなり現れた≠フだ。これが能力──彼の異能≠フ証明だろうか】


…………。

【しかし、この証明に納得のいかない表情の者が居た。リロード本人だった。これでは唯の手品ではないか?】
【首を捻ってう〜ん。と唸ると、閃いた様な表情で再び、パチン、と鳴らすと、ちゃぶ台がガコンと更にその上に追加される】

【パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン】
【ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン】

【鳴らす度に積み上げられていくちゃぶ台。それを遮る者が居なければこのタワーの高さは留まる事を知らぬだろう】

346 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/19(木) 20:21:59.46 ID:jlyTpbJ0o
>>341
「……ま、そういうもんスよ。しゃーないとは思ってるんスけどね。
それでも私は、死にたくないんスよ。今カスみたいな立ち位置でも、あの時あのままだったらもっとカスだったし。
だから、カスよりマシなカスに慣れたってンなら、せめてこのカスみてーな人生、楽しみたいじゃねーッスか」

【自分が小さい存在、弱い存在、能力者に全てが劣る存在である事を、コジマは一つとして認めないはずは無い】
【だが、それらを認めた上で、そんな環境やそんな現状を、まだマシと言い切り、楽しみたいと言ってのける】
【その精神的図太さはかなりのものであるだろうし、それがきっとコジマをここまで生き延びさせてきた】
【使い捨てである事は、相手と同じくコジマも理解している。だが、使い捨てなりの有意義な人生を――それが、コジマの考えだった】

「……ぶっちゃけ、死にかけて生きて帰って死地に放り込まれて死にかけて戻ってきて殺されかけてってもう糞中の糞みたいな人生ッスけどね。
でも――私は、死後の世界なんざクソ食らえだと思ってるンす。今を食いつないで、今を楽しんで、今を生きるために私はここに居るンすよ。
見返りが有るかなんて、死んでからじゃないとわかんないッス。次もまた人間に生まれるかなんて、次はまともな生まれが出来るかなんて。
それこそきっと――神様だって保証してくれないッス。いい人が皆天国行ってたら、きっと天国は人口爆発ッスから」

【コジマは、真っ直ぐ過ぎて疑うことを知らないユーリの態度に、そら恐ろしさと羨望を感じる】
【自分は、とてもではないがそのように全てを信じることなんて出来やしない。何時だって裏切られ続けてきたから】
【神様だって、自分を裏切った。知っている――だから、自分と自分の五感で感じられる物以外、コジマは信じない】
【お調子者で、馬鹿に見えるがコジマはその実――リアリスト中のリアリストだ】

「んじゃ、これ終わったら皆でご飯行くッスかねー。コジマ特製B級グルメマップは完璧ッスから。
――ってなわけで、ユーリ。アイリーンちゃん任せたッス」

【壁を反響する音響に耳を傾け、歩いてくる方向、距離を逆算していく】
【右腕のグローブの手首部分からおもり付きのワイヤーが射出。ビル壁のポールに巻きつき、巻取りを始める】
【重心移動を行いながらスイングする動きで壁面を駆け上がるコジマ。巻取りの上へと引く力を上手く活かした、壁面移動だ】

「よ、っ」

【糸を緩め、手元に錘を戻すと同時に、コジマは空中へ】
【交差点の真上の空中に身体を投げ出すのと、男たちの一団が現れるのは――ほぼ同時】

「ほっ」

【両手の斧を振りかぶって、男たちの集団のど真ん中に着地するコジマ。吹き出す二人分の鮮血】
【落下の勢いをそのまま振り下ろしに活かして、3人の男の内二人の脳天をかち割ったようだ】
【話している最中、目の前の二人が死体になり呆然としている男に、右腕を軽く振りぬけば】

『ナ――!?』

「とぉ」

【生首が地面に転がり、縦に裂かれた男の死体が二つと首なし死体がもう一つ。所要時間は3秒程度か】
【特段速い訳でも、特段強い訳でも、特段凄い技を使ったわけでもない。ただ、当然のようにコジマは殺しただけだ】
【血まみれのウィンドブレーカーを脱ぎ捨てると、斧の血を振り払い、腰のベルトに斧をしまい込む】

「――なんか、アレっすね。ホルモン焼き旨い店有るンすよ、どっすか? あともうちょいで回収組来るっぽいッス」

【にかり、と媚を売る様な、慣れきった笑顔を浮かべ、死体を見下ろしながら、女はスイッチを切り替え晩ご飯の話し】
【死体に蹴りを入れて道の端へと退かすと、携帯をワンコールし、ワン切り】
【路地裏に近づいてくるエンジン音を目を細めて確認した】

/*本日もよろしくお願いします!*/
347 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 20:37:46.20 ID:eWszU2tx0
【とある路地裏】

【夜の裏路地に二回の乾いた音が響く】
【それと同時に二つの人影が地面に倒れる】
【地面に倒れた人影からは血が大量にあふれ、血だまりになっていた】

 はあ、やれやれこうなると処理が大変ですぜ

【そこにぼやきながら一人の男と人形がふらりとあらわれる】
【茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ、ベルトつきの裾の長いズボン、髪は黒く少々長い】
【そして、人形は黒い仮面に黒衣を纏っている】

 ふむ、まあ専門のがくるからなあ
 始末したと報告はしたが

【そう言って男はタバコ取り出し火をつけ吸う】

 ふう、しかしこんなことを考えたのはどこの組織でしょうねえ
 要人暗殺、まあある程度は予想つきますが、ね
 ……ちょっと見てみましょうかね

【そして男はその死体を少々調べてみることにした】

【銃声、その音を聞きこえ、人がここに来るかもしれない】
【死体がありそれを調べる男、確実に怪しまれるだろう】
348 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/19(木) 20:51:36.12 ID:yD+0Onv80
【――――時は絶えず流れ続け、その流れの中に人間たちは生きている】
【そして、その『物語』もまた、同じ時の中で紡がれてゆく物である――――】



【――――風の国 繁華街】

……大人が寄ってたかって、子供1人を脅かすって、どういう事ですか……!
そんな下卑た様子でいたら、あなたたちが悪くないなんて、思えません……!

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【壁を背にし、数人の男に周囲を取り囲まれながら、毅然とした表情で対峙している】
【その背中には、衣服がところどころ乱れた、怯える少女を庇う様に隠して】

一方的に悪い事をしようとしてるのは、そっちでしょう!
……そんな事、見過ごす事は出来ません……!
「(……黙ってて、大丈夫なのかよ……?)」
<(この程度、本気になれば余裕でしょ? ま、心理的にブレーキ掛かっちゃうかもしれないけど……本当に危なくなってからでも、遅くはないわよぉ……)>

【キッと表情を引き締めて男たちを睨みつけている少女だが、握り締めた手が微かに震え、怯えている様子が出てしまっている】
【それを察しているのか、取り囲んでいる男たちは、下卑た嘲笑を浮かべたまま、少女を取り囲んでいる輪を説こうとはしなかった】



【――――所変わって、水の国 オフィス街】

……今さら焦っても遅いと言うのに、暢気なものですね……
気付けなかった時点で、あなたたちの負けですよ……

【こげ茶色の無地のスーツとスラックスを着込み、首元にはダークグリーンのネクタイを締めている】
【さっぱりした短めの暗い茶髪に、切れ長の目元にすっと引き締まった鼻梁が映える】
【全体的に細身の印象がありながら、どこか所作に重々しさの目立つ、身長170cm前後の青年が】
【右手に大きなケースを携えながら、呆れた様な笑みを浮かべて、人通りの少ない道を歩いている】
【――――その後方1kmほどのビルでは、なにやら騒ぎが起こっているが、青年はそれに興味を抱いている様子もなかった】

これであの会社はご破算ですかね……まぁ、我々と利害対立を起こした時点で、そうなる事は決まっていたとでも思ってもらいましょう……
……お前たちでは、我々の影を掴む事も出来ない……

【左手に通信端末を取り出し、どこかへと連絡を入れながら、青年は嘲笑を浮かべていた】
【騒ぎを聞きつけたらしい警察の車両とすれ違いながらも、青年はそれにすら反応する事もなく、ただ歩き続けていく】



【――――同じ時間に、異なる場所で時を過ごしている2人の戦士】
【果たして彼らのうち、どちらの『物語』に変化が訪れるのだろうか?】
349 :以下、新鯖からお送りいたします [saga]:2013/09/19(木) 21:14:47.68 ID:8AsOP9U8o
>>345

【変拍子だな、と彼女は心の中で貴方の言葉を聞きながら、そんな事を考えていた】
【誰にも属さない自分だけの調べ、それを己で雄々しく奏でていく様子】
【ある種自分勝手で我侭ともとれるその性格を、彼女はとても好意的に受け取っているようで】

【一人で慌て一人で納得する貴方の様子を、表面上はしらーっとした感じで】
【でも内心、微笑みの色合いを滲ませながら、見ていたのだが――――――】
【続く貴方の言葉に現実に引き戻された、その意味合いが確かに刻まれる】


経った≠ネんて言葉は相応しくないわ過ごした≠チて言葉で表すなら
12時間とちょっと、半日ってところかしら……
今は少し落ち着いてるけど……来た当初はホントに、もう見れたもんじゃなくて……

……うん、落ち着いた状態で貴方と会えたこと、それは神様に感謝してるわ、それ以外は呪殺したいくらいだけど


【きっと貴方の予想よりもずっと、短い期間を彼女は提示するのだろう】
【それこそついさっき此方に来たなんて言葉が相応しいぐらいに】
【組まれた両腕、慄然と立ち尽くすその彼女の静かな佇まいはきっと――――――】

【少なくとも、精神的には、とても強い少女だ、という印象を与えるかもしれない】
【神様へと文句を一つ零したなら、貴方の異能≠ノついての言葉へと傾く】
【そんな彼女だったのだけれども……】


……言わなきゃカッコ良いのにね、アンタもそう思うでしょ


【ジト目、スカイブルーが揺らめいたなら、紺色よりも深い空を描き出すように】
【彼女の言葉通りなのだろう、一瞬を切り取った貴方のシルエットは、比類するものの無いぐらいにクールな一枚絵】
【元の素材が良いからこそ輝く景色を、自らの言葉で少し汚していた】

【言葉の向く先は雀へと、声をかけていた、が】


――――――!!っ……ぇ……すご……っ……
って、ストップ!ストップストップストーップ!!だめ!それ以上危ないよ!!


【両手を前に出してわーっと振るのだろう、予想の数倍以上の光景】
【言葉が消えるというよりかは言葉が乱されるかのように】
【慌てる彼女の様子は、大人びた様子が消えた、少女のママ】
350 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 21:18:39.16 ID:FyzmiQ5no
>>347
//まだ大丈夫ですか?
351 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/19(木) 21:20:01.27 ID:eWszU2tx0
>>350
/大丈夫ですよ
352 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 21:27:42.94 ID:4Sz8iDsqo
>>346

「―――確かに我々戦闘員の地位は低いでス。ゴミの様に扱われることも少なくはなイ……」
「……こんな事を今の私が言うべきではないのでしょうガ、確かに其れは事実でス。ですが文句は言えませン……本来なら、殺されてもおかしくはなイ」
「―――駆逐されるべき存在、無能力者の我々が生きていられるだけありがたイ……私はそう考えていまス」
「確かに真実は分かりませんガ、そう教えられ周りの仲間もその信条の元死んでいきましタ。……私は仲間と同じように死にたイ」

その―――……大変だね、無能力者は

【アイリーンの護衛に就いてからは感じることはほぼ無くなっていたが、本来戦闘兵の扱いは彼女の言う通り酷いモノだった】
【アカデミアで15歳を迎えた日からの地獄の日々を、一瞬足りとも忘れた覚えはない―――お前達は屑だ、選ばれなかった者だと非人道的に扱われた事を】
【……それでも、まだマシ。彼女は真顔でそう言い切る。……GIFTが襲い滅ぼさんとしているのは無能力者。自分達もそうなのだから「生」が与えられているだけマシだと】

【選ばれた者のアイリーンは、ユーリの後ろで気まずそうに言葉を吐いた。自分が無能力者なら、目覚めなかったなら―――GIFTの為に尽くせたのだろうか?】
【―――いや、出来ない。……何故、ユーリは出来るのか? 何故コジマはその扱いに耐えるのか、耐えられるのか? ……護られながら、そのような疑問が浮かんだ】
【……思考がまとまらない間にも、3つの命が簡単に潰えた。肉を裂く音だけがアイリーンの耳に残った】

「優花サマを護る必要も無い雑魚でしたネ、安心しましタ。―――……ホルモン、大好きでス。マルチョウが一番好きでス……優花サマ、行きましょうカ」

ん? ……あー、うん。コジマちゃんありがとね、今日はおごったげる。……能力者は無能力者よりも、お金貰ってるし。

【ユーリの反応は平凡だった。彼女の動きには驚くこともなく、戦闘員の動きという感じだった為だ。彼女はホルモンに反応し目を輝かせると、アイリーンに視線を送る】
【アイリーンの反応も珍しく薄い。……何かを考えるような目の動きだった】
353 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 21:27:47.18 ID:FyzmiQ5no
>>347

【暗い路地の中に、小さな金色の光が灯る】
【光っているのは、獣の目だ――黒く薄汚れた野良犬が、路地の角から、死体を調べる男の様子を観察していた】

【入り組んだ路地の中から、血の臭いを嗅ぎ付けてこの場所までやってきたらしい】
【ただ男のことを警戒しているらしく、それ以上は男に近づこうとしない】

【犬の登場とほとんど同時に、アスファルトの音が響き渡る――人が駆ける音だ】
【その音は徐々に、男の方へと近づいていく】


【その足音は男のすぐそばで、野良犬の方でとまる】
【その人影は、その野良犬が導いたかのように正確に男の元へとやってきた】
【足音の正体である――一人の女性が現れる】
【薄暗い路地の雰囲気には似合わない、質の良さそうな黒のズボンと白のシャツを身に着けている】
【ゆっくりと視線を男の方へと向け、低い言葉で話し出す】

「それで……アンタは、何をしているのかしら。
 返答次第では……よろしくない事態になるけれど?」
【長い距離を走ってきたのか、呼吸が荒く、言葉は途切れ途切れになる】
【細められた瞳は、男を鋭く見据えている】

【女性の足下にいた野良犬も、牙を向き出しにしながら、死体を調べる男を威嚇している】
【よろしくない事態になる――そう、語る女性の左腕には1mほどの長さがある剣が、鞘に納められた状態で握られていた】
354 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 21:41:22.78 ID:eWszU2tx0
>>353

 はあ、まったくあっしも運が悪い

【男は女に言葉をかけられそうつぶやく】
【そして男は死体の調べの途中で立ち女のいる方向へ向く】

 あっしですかい、まあ色々とね
 さて、お嬢さんのほうこそ誰ですかい
 まあ、よろしくないことになっても対処できますよ

【そう言って男は隣にある人形を動かす】
【もし彼女が犬や剣できてもいいように警戒体制をとらせているようだ】
【その人形には右腕に剣を持ち、左腕には銃が内臓されている】
【もっとも内蔵されているため銃があるとはきずきにくいだろう】
【そして男はなおもタバコを吸っている】
355 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/19(木) 21:46:30.71 ID:yD+0Onv80
/>>348取り消しでー
356 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/19(木) 21:49:19.58 ID:pfU2dOns0
【街外れ――草原の中、すずきばかりが群生する場所】
【十五夜のまぁるいお月様を遮るもの何もないなら、黄金の穂はいっそう煌いて】
【涼しげに風の吹きぬけるたびにしゃらしゃらとした音が一面に響き渡る、雲ひとつもない空を見上げて】
【――街明かりも遠い場所。それならば、無数に煌く星のひとつひとつまでもが、きっとよく見えた】

ふわぁ……、……――

【――誘われるように現れた影がぽつんとひとつ、そんな光景に洩らす声は高く紡がれて】
【涼しい風に躍る髪も、服の裾も、長く揺れるなら――どうやら性別までも辿るのは、きっと難しくない】

【腰ほどまでの真っ黒色をした髪、右の毛束だけをいくらか編んだかたちで夜風に任せて】
【月明かりの色で艶めく瞳は左が黒で右が血色のオッドアイ、お月様みたいにまぁるいかたち、瞬かせ】
【右の耳にだけ付けたピアスが月光で煌いていた、月白色――宝玉の欠片を蛇が抱くようなデザインのもの】
【ボタンで留めるタイプのワンピース、黒に近い灰色をして。黒のリボンで絞った袖口、ひぃらり揺らす】
【膝丈のロングブーツは底もヒールもが厚くて高いもの、さくり草の葉を踏み潰す音を鳴らして、ふと立ち止まれば】

――きれい……、あ、

【首や手には包帯がぐると巻かれていて、左手の薬指には指輪めいた痣が浮いていて。そっと腰を折って背を屈めれば、】
【そっとすすきの穂に手を伸ばして優しげに撫でるようにしながら笑う声、――どうやら、少女であるらしかった】

彼岸花、

【――何かを見つけたようにしゃがみ込む視線の先、真っ赤に咲き誇る花の色、すすきの黄金に映えて】
【確かによく見ればぽつぽつと群生する鮮やかな緋色は秋らしさを精一杯に詰め込んだような場を鮮やかに彩る】
357 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 21:57:02.41 ID:FyzmiQ5no
>>354
「誤魔化さないで、真面目に聞いているのよ」
【今の状況で『色々とね』と、有耶無耶な回答をされて満足ができるわけが無く】
【ハッキリと答えろと質問を重ねる女性の声には、苛立ちが混じり始めた】

「……動くんじゃないわよ!」
【微かに後ずさった足が砂を踏みしめ、渇いた音が路地に響く】
【右の腕が剣の柄へと伸ばされて、すぐにでも抜剣できる状態だ】

「なに、その態度……つまりは、正直に答えられないような悪いことをしたってことでいいの?」
【相手の正体は闇に隠れたままで、状況への弁明があるわけでもない】
【剣で武装をした人形を向けられたということは――相手には戦闘の意志があるということなのだろう】

「私が誰かなんてことよりも、アンタが何者かを押し言えて欲しいのだけれど――まあ、良いわ。
 私は……ただの一市民よ? だからまあ、良い人ぶって人殺しの相手をする義務なんてないの」
【女性の視線が、たばこへと向けれられる。 有毒らしい煙を、不愉快そうに睨みつけた】
「悪人の味方をする義務も、ないけれどね……」
358 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:05:08.65 ID:cnNfTGHTo
【オフィス街】


【――同じような四角いビルが立ち並ぶその地域に、異変が起こった】
【どろ、と沼の水をまぜ返すような音をたてながら、突如として液体がビルを包み始めたのである】

【液体はどうやら上から垂れてきているらしく、玄関口にいた人々を飲み込んでじわじわと広がり続けている】
【直接的な害はないようだが、その音からも推測できる通り、かなりの粘性を持っているようだとわかるだろう】
【それによって一部の人々が閉じ込められたような状態になっており――放っておけば窒息は確実だ】


……あァ、創ったはいいが止められん
こりゃどうすっかねェ、きひ


【液体の発生源であろう屋上には――ひとつの影があった】
【襟元に羽根がついているくたびれた暗い赤色のロングコートを着ている男性】
【不健康そうな蒼白の肌、薄鈍色の髪は後ろに軽く流していて、その風体は胡乱の一言に尽きる】
【コートの肩には機関の使徒であることを示す逆五芒星≠隠すことなく誇示していた】

【彼の足元は魔法陣が敷かれてあって、そこから液体を湧かせている】
【どうやら、この男が元凶と見てよさそうだった】


【もし、この異変を止めようと屋上に現れる者がいれば、その者は注意しなければならない】
【足首まで、とはいかないが屋上には液体が張ってあるのだ】
【空を滑走でもできない限りは、少々動きが制限されるだろう】
359 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:19:24.68 ID:eWszU2tx0
>>357

(……そういや前にただの一市民とか行って刀をぶん回してきたお嬢さんがいたっけか)

【男は前にこんなことがあったなと思い出しうんうんとうなずく】

 うん、ま、そうですねこの死体を調べていたとでも
 あっしとしてはお嬢さんがただの一般市民としては見れませんが
 
【男は気楽そうに言う、しかしこの女性と犬の行動には警戒をしている】
【そして、タバコを自分でもっている灰皿に押し付けてその灰皿にいれる】

 んで、これで納得してもらえましたか
 
【男はそのように言うしかし相手がこれで納得するとは思っていないが】

 
360 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/19(木) 22:29:38.46 ID:jlyTpbJ0o
>>352
「うーっす、ちーっす、ちゃーっす。てな訳でホトケさん三人増えちゃったから残り頼むわー。
うん。うん、あいあいあいー、勝手に持ってけー」

【ワゴンが路地に乗り付け、そこから黒服たちが数人降り、袋に手慣れた動作で死体を押し込んでいく】
【下っ端の中でも特に下っ端の下っ端とは言えど練度は高く、また彼女の隊である故か、ゆるい雰囲気を醸し出しつつも、やるべき事は確りとやる】
【ワゴンに死体を4つ押し込むと、黒服たちはアイリーンに向かって敬礼をし、車に乗り込んでいって】

「ごくろーさん、アレだ。後で残業代請求かけといてー、私の分もな」

【運転席の窓越しに、運転の下っ端に命令をしつつ、車の中に煙草の箱を放り捨てる】
【まだ封が解かれていない様で、おまけにとジッポライターも放り込み】
【後ろ手に部下に手を振りつつ、コジマはまた二人の元に戻っていき】

「んふふー! 奢りとかチョー嬉しいッス!
奢りは強要しないッスけど、厚かましいんでご厚意には甘えまくるッスよー!」

【アイリーンの悩みとは全く縁の無さそうな、脳天気極まりない笑顔と発言で】
【先程まで人殺しをしていたとは思えない様子で、こっちこっちと手招きして二人を導くことだろう】

/*お待たせしましたー! 食事で雑談か、ここらで解散、どっちがよろしいですかねー?*/
361 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:36:56.46 ID:FyzmiQ5no
>>359
「なに一人で頷いてるのよ……気色悪いわね」
【上品な衣服とは裏腹に、女性は非常に口が悪い】

「死体を見つけたのなら、自警団あたりにでも通報するのが普通じゃない?
 それが……そこまで落ち着いた仕草で、死体を調べてますだなんて、異常よ」
【男の方から視線を一度外し、野良犬の方へ顔を向ける】
【そうして数秒間、野良犬とのアイコンタクトを続けた。 その姿は、まるで犬と話し合っているかのようだろう】
「まさか、貴方が正義の機関か何かってことは、ないでしょう?」

「まあ……しっかりと言えば、好奇心と正義感に満ち溢れた善良なる一市民ってところかしら」
【気楽そうな調子の男とは対照的に、女性のほうは非常に不愉快そうである】
「悪人とかを捕まえて、その賞金とかで生活をしているわ……別に、隠すことじゃないから教えておくけれどね」

「けれど、はぁ……なんかアンタと話していたらやる気が削がれてしまったわ、最悪よ」
【飄々とした男の態度に、どういうことか飲み込まれてしまったらしく、いつの間にか殺気立っていた気配もどこかへ消えてしまった】
「ねぇ……なんでそいつら殺したの? 私利私欲のために殺したとか、そういう私にやる気がでそうな下種な理由はないの?」
362 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:40:48.21 ID:FyzmiQ5no
話の感触もそうですが、自分の方が今日はあまり遅くまでは居られないという事情もあって、非戦闘な空気を作ってしまいましたが……
登場の仕方とかを見てると、高野の人のほうでは戦闘が希望だったのかなと今更に思いまして……もしそうだとしたら、申し訳がないです
363 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:44:52.76 ID:FyzmiQ5no
>>362
//ひゃああああああああああああああああ……
//雑談に投下するつもりの文章を誤爆してしまいました……すみませんすみませんorz
364 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:48:40.94 ID:eWszU2tx0
>>361

ん、まあなんせ死体は見慣れていますからね

【男はそのように言う】
【男のやっていることには死体を見るの毎日のようなものだからだ】

 まさか、あっしが正義の味方に思えますかい
 
 さて、あっしがこの人たちを殺した理由ですか

【男は言うべきか言わざるべきか一瞬考え】

 ま、そうですねえ
 依頼といったほうがいいですかね
 なんせ、あっしは傭兵兼殺し屋ですから

【男は自分の正体をあっさりばらしたのだ】
【自分が殺したことを断定しているのだ、その断定はカマかもしれないが】
365 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:56:39.50 ID:4Sz8iDsqo
>>360

「―――……お疲れ様デス」

……お、お疲れちゃんです……!!

【敬礼に敬礼を返す。ユーリは控えめに、アイリーンはそんな彼女を見て、遅れながらも見よう見まねに】
【―――彼等も日々戦場に駆り出されているのか……などと、敬礼ポーズのままで思考を深める】
【先程の彼女の怒りが響いたのか、きっちりコジマは残業代請求をかけるらしい。うんうん、と満足そうに頭を上下させて】

よしよし、ちゃーんと給料は請求しないとね。……折角命を懸けて働いてるんだから
―――……アイリーンちゃんもうお腹減りすぎて餓死しちゃーう! ご飯行こッ、ごーはーん!

「勿論優花サマのおごりデ、ですネ。では行きましょう―――……お店のマルチョウ掻っ攫うつもりでス」

【―――少しだけ表情に憂いを帯びたかと思えば、直ぐに其れをかき消すような元気な表情が戻って来る】
【ユーリは彼女の心境の変化を感じ取りながらも、口には出さなかった。無知な彼女が無能力者の苦悩を知る機会に巡り会えたことを、少しばかりか嬉しく思う】
【―――アイリーンは子供だ。さながら彼女を正すユーリは教師、といった所か。ユーリは口元を隠す布のしたで笑みを見せた、柔らかい笑みだった】

【―――2人は同時に、同じ足を踏み出した】

/伸びてもアレなんで、ここで占めるのが一番しっくりくると思います。なのでこれで〆ということでお願いします!
/ロールありがとうございました、お疲れ様でした!
366 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/19(木) 23:02:38.49 ID:jlyTpbJ0o
>>365
「うっひひー、今日はホッピーじゃなくてプレモル行っちゃうよー!」

【にやにやとほんとうに嬉しそうに、ちょっとした贅沢に心を踊らせて】
【ぴょんぴょことスキップして、3人は夜の街に消えていく……】

/*お疲れ様でしたー!*/
367 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 23:18:38.55 ID:FyzmiQ5no
>>364
「私の失言ね、天地がひっくり返ってもアンタは悪人にしか見えないわ」
【雰囲気、態度、行動……どれをとっても、この男は怪しすぎるだろう】

「殺し屋……また、嫌な職業をしているものね」
【警察機関はもちろん、恨みをかって復讐をされることもあるだろう、危険な商売】
【少なくとも、この女性にはそういう印象がある】
「でも、変ね人ね。 普通そういうこと正直に話す?」


「殺し屋だとか悪人だとかをひっ捕らえて、時には命を奪って……それで報酬をもらっている私だって似たようなものじゃない」
【自分も、似たような存在だという感覚が女性の中にある】
【だから、相手が殺し屋だと分かってもなお、敵対することに迷いがあるのだ】
368 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 23:32:56.03 ID:eWszU2tx0
>>367

 ま、たしかにあっしは悪人でしょうねえ
 金のためにこんなことをしているんですから

【女性の返答に対し男はそのように言う】
 
 たしかに、いやな職業だですが、ま、色々とあったで勘弁してくだせえよ
 まあ、そこはあっしの気分ってことで

【男は女の疑問に対してそのように言う】
【そこまで、殺し屋を話すことにこだわっていない】

 さてね、あんたのほうはまだましなほうですよ
 なんせ、あっしは依頼があれば女子供だろうと[ピーーー]んですから

【男はそこまで言う、自分の道に生きてきた道には後悔はない】
【なんせ、自分で選んだ道なのだから】

 んじゃ、そろそろあっしはこれで

【そして男は女に背を向ける、ここから去るのだろう】 
【しかし、男はきずいたように女がいるほうへ向き】
 
 あ、そうそう
 そろそろ、その死体を回収する人材たちがくるから、早くここから離れたほうが言いと思いやすよ
 なんせ、そいつらはお嬢さんがその死体のところにいると自警団とかに通報しやすからね

【そして、男はこの路地裏から歩いて去ってゆく】
【男の人形も男についていった】

【数分もすれば死体を回収するやつらが来るであろう】

/強引ですがここで〆ますね
/お付き合いありがとうございました 
369 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 23:44:29.63 ID:FyzmiQ5no
>>368
「今日のただの気まぐれだし……正義を振りかざす連中に、私みたいなのはほとんどいないわ。
 長い事そういう仕事をしているなら、私に言われなくても分かっているでしょうけれどね」

【はぁ……と、深いため息を漏らす】

「せいぜい、長生きしなさいよ。
 言っても無駄でしょうけれど、できることなら足を洗いなさいな」


「忠告を有難う。 でも私は大丈夫よ、それよりも自分の身の安全を気にしなさい」

//お疲れ様でした、ありがとうございました
370 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/20(金) 20:39:04.30 ID:AnlKcu/Io
【路地裏――今宵、此処に限っては死体が転がっている、ということはない】
【転がっているのは猿轡を噛まされた上に両手を後ろ手に縛られた、数名の若い男女】

【そして彼らを取り巻き、時折顔だの腹だのを蹴り殴り――暴行を振るう男がこれまた数人】
【さしずめ、何かのグループの抗争にケリが付いた所といったところであろうか】
【勝ったのが誰かは言うまでもない。少しして、其処に新たな顔触れが現れて】

……あぁ、その辺にして事務所に連れてけ。殺すんじゃないぞ
ガキどもが何処からクスリを手に入れて、何処に金を送っているのか吐かせるんだ

全く……『スペーツィエ』が、D.R.U.G.S.≠ェ少し静かな間に困ったもんだな
大方どこぞのチンピラどもが質の悪いのを売りさばいてるんだろうが……
……、…。手の開いてるこっちで、ちょいとは示威でもしないとマズいかね?

【彼――スーツにスラックス、中折れ帽という服装に、夜だというのにサングラスをかけ】
【金の腕時計に金の指輪と、典型的過ぎる程のマフィア≠ナある彼が指示すると】
【男たちはそれぞれが簀巻きにされた若者を担ぎ、ぞろぞろと路地裏の闇に消えていく】


【そうして残るのが、壮年の彼ただ一人。格好に加えて、蓄えた顎鬚がそれ≠轤オい】
【ふと、黒い手袋をした左手でタバコを取り出し、火を点ける――僅かに広まるその香りは】
【或いは彼の部下たちの行動は―――月の大きなこの夜に、何者かを引き寄せるかも知れなかった】
371 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/20(金) 22:13:08.53 ID:OnueYgLx0
【どこかの廃墟】

【廃墟、ビルや家そのほか廃棄されたものがある】
【そして、その廃墟に一人の男が立っていた】
【金髪を少々伸ばし 白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして、左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見えるものなら見えるだろう】
【右腕にはブレスレットがある】
【そして肩には一羽の鳥がとまっている】
【よく見れば機械部品が見えるだろう】

 ふむ、ここならテストにうってつけか

【そう言う男、どうやら何かのテストにやって来たようだ】

 さて、さっそくだがはじめるとしよう
 
       『メインモード―――イーグル』

【男がそう言うと、男の後方から長く大きな2つ大砲が空間から出てきた】
【その大砲は男の周囲に浮翌遊しているようだ】

 ふむ、だすのは成功か
 そして、浮翌遊システムも順調に稼動しているか
 次の動作のテストをしよう

       『サブモード―――ブロック』

【男がそ言うと、その2つの大砲が分裂し4つになる】
【その4つになった大砲はやはり男の周囲を浮翌遊している】

 うむ、ちゃんと動くようだな
 では次は射撃テストを行おう 

【そう言うと、男は4つの大砲に指示をだし、目標に決めたものに向け攻撃指示をする】
【4つの大砲はマシンガンのように目標に対して攻撃をし、見事に命中させた】

 うむ、では最終試験だ

【そう言うと男は再び大砲を合体させ、ビルの目標に大砲を向ける】

 では、最終試験を始めるか
 チャージ開始

【そう言うと大砲の砲部分が光ってり、そしてまんかいまでくると】
【レーザビームを発射した】
【そしてそのレーザービームはビルにぶち込まれ、そのビルを倒壊させた】
【しかしそのレーザービームを撃つとその大砲は動かなくなり、そのまま空間に回収された】

 ふむ、やはりレーザービームは最終手段になりそうですね
 しかし、撃つと整備が必要になるのは勘弁してほしいな

【男はそうぶつぶつ言う】

【今のビルの倒壊音はものすごい轟音である】
【もしかしたらこの音が聞こえて廃墟に人が来るかもしれない】   
372 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/20(金) 22:23:40.58 ID:oDGUPKlDo
【水の国――繁華街】

―――ええ…ええ……ではいかように。…失礼します

【スマートフォンを耳に当て、開放感に浮かれたダウンタウンの人混みの中を】
【左手の革のブリーフケースでかき分けるように駆け足で歩いている】

【男はブラウンの髪に整髪料を撫で付けて性格を表すようにしっかりと固めている】
【青い瞳に角ばった鷲鼻、痩せた白い肌に堀の深い顔立ちはもう一段固い印象を与える】
【ロング丈の上着のスーツを着ていて、ネクタイは印象の良い爽やかなブルーで】
【その結び目の上に金属で出来た鉄十字のペンダントのようなものをぶら下げている】
【それと上着の襟にには――『G.I.N』というバッジがその身の所属を表していた】

……ああ、私だ。こんな夜にすまない。…ああ、その件だ
あの分の資金はいつもの様に……ということにしろという話だ
さあな……私もただの中間管理職さ…おまけに若いと何も言えん
では…事務処理は任せる、遅滞なく頼む

【男がいるのはG.I.Nの本社ビルの近くの道だ】
【男は電話を受けると直ぐに別のところへとかけ直していた】
【電話しながら手帳のページに目が行っていて、前を見ていない】

やれやれ…資金調達課ってのは雑務は全部やれって意味か
研究部も…『錬金術』は存在しないってことを知っていただきたい…
いや…あるのかな……?…『この世界』では…
373 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 20:02:47.43 ID:zUxQQZr30
【どこかの廃墟】

【廃墟、ビルや家そのほか廃棄されたものがある】
【そして、その廃墟に一人の男が立っていた】
【金髪を少々伸ばし 白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして、左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見えるものなら見えるだろう】
【右腕にはブレスレットがある】
【そして肩には一羽の鳥がとまっている】
【よく見れば機械部品が見えるだろう】

ふむ、ここならテストにうってつけか

【そう言う男、どうやら何かのテストにやって来たようだ】

さて、さっそくだがはじめるとしよう
 
       『メインモード―――イーグル』

【男がそう言うと、男の後方から長く大きな2つ大砲が空間から出てきた】
【その大砲は男の周囲に浮翌翌翌遊しているようだ】

ふむ、だすのは成功か
 そして、浮翌翌翌遊システムも順調に稼動しているか
 次の動作のテストをしよう

       『サブモード―――ブロック』

【男がそ言うと、その2つの大砲が分裂し4つになる】
【その4つになった大砲はやはり男の周囲を浮翌翌翌遊している】

うむ、ちゃんと動くようだな
 では次は射撃テストを行おう 

【そう言うと、男は4つの大砲に指示をだし、目標に決めたものに向け攻撃指示をする】
【4つの大砲はマシンガンのように目標に対して攻撃をし、見事に命中させた】

うむ、では最終試験だ

【そう言うと男は再び大砲を合体させ、ビルの目標に大砲を向ける】

では、最終試験を始めるか
 チャージ開始

【そう言うと大砲の砲部分が光ってり、そしてまんかいまでくると】
【レーザビームを発射した】
【そしてそのレーザービームはビルにぶち込まれ、そのビルを倒壊させた】
【しかしそのレーザービームを撃つとその大砲は動かなくなり、そのまま空間に回収された】

ふむ、やはりレーザービームは最終手段になりそうですね
 しかし、撃つと整備が必要になるのは勘弁してほしいな

【男はそうぶつぶつ言う】

【今のビルの倒壊音はものすごい轟音である】
【もしかしたらこの音が聞こえて廃墟に人が来るかもしれない】
【もっとも、この廃墟に人がいるとは思えないが―――】   
374 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/21(土) 21:12:44.92 ID:3XL4cA3R0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――雷の国 郊外】

「……治るの、大分、かかっちゃったね」
仕方ないわ、あれだけの戦いだったんだから……私はまだ良い方よ
<…………>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【交通量の少ない道路の路肩に止まった、トレーラーの荷台の上に腰を下ろして、空を見上げている】
【高温多湿の気候が良く表われている、どんよりとした曇り空だった】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

「……殺さない為の、戦いなんて、あるのかな……」
……少なくとも、私たちにはないわよそんなもの……!
勝つ事は、相手を打ち負かす事……それは即ち、殺す事……! ……その為に、私たちは生きてるんだからね……!
<…………>

【少年はじっと自分の手に視線を注ぎ、東洋系の少女は瞳に激情を走らせ、赤髪の少女はおずおずと自分の腹部に手をあてがう】
【トレーラーの荷台と言う、おかしな場にさえいなければ、それは単なる少年少女の思索に暮れる姿にも映ったのだろう】



【――――所変わって、水の国 繁華街】

【――――突如として、賑わいを見せていた路地で、大きな爆発が起こる。文字通り火のついた様なパニックに陥った人々が逃げ惑い――――】

「……他愛もありませんわね……酒気も濃いから、良く燃える……」
いいじゃねぇかよ……こう言うのは派手に行くに限るぜ……!

【爆心地に近いと思われる場所に、2つの影が堂々と待ちかまえていた】

【灰色のセーターの上から、黒のごつい厚手のベストを装着し、両腰に金属製と思われる黒塗りのトンファーをぶら下げている】
【さらさらした短めの銀髪と、やや不格好なレベルで大きいサングラスが印象的な】
【どこか威嚇的で近寄りがたい雰囲気を宿している、身長180cm前後の青年と】

【白を基調とした修道服でほぼその全身を覆い隠し、ケープの付いた帽子の中に、明るい空色の髪が覗く】
【手には、頭部に幾つかの小さな鈴と、銀でメッキされたと思しき翼の装飾が施されている細長い杖を携えている】
【豊満と表現されるだろう胸部が目立つ、身長160cm前後の女性】

【爆発に巻き込まれ、身体を打ちつけて起き上がれない男や、火に捲かれて暴れ狂う女などを、2人は無感動に流し見する】

……初動をしくじったせいで、『GIFT』が甘く見られてちゃあ困るんだからよ……ここらで一発、派手に行こうじゃねぇか……!
「えぇ……この世に生きていくべきは誰なのか、今一度示すとしましょう……! 命を掴みたいのなら、『GIFT』の庇護に頭を垂れなさい――――!」

【腰に下げていたトンファーを取り出して構える青年と、その手に携えた杖をシャンと鳴らして翳す女性】
【酔いと語らいで賑わっていたはずの繁華街は今、2人の下手人によって地獄の様相を呈していた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
375 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/21(土) 21:49:00.60 ID:w5L75aHl0
【川のほとり――彼岸花の咲き乱れる土手、その斜面】
【十五夜も終わったお月様、それでも眩い月光は辺りへ注いで】
【夜だってことを忘れさせるぐらいに明るい中、彼岸花の紅はきっとよく映えた】

【――彼岸花の群生の中にぽつんと座り込む影、黒髪の揺れて広がる様は間違えすぎた花の咲くようでも、僅かあって】
【そっと伸ばした手が傍に佇んで咲く一輪に降れる、――ひどく呆気なく手折って、もっと傍で見たがったように】

いいな、彼岸花――……庭に植えたら、毎年咲いてくれるの?

【茎から滴る有毒の汁は地面に落とされて落とされて残骸すら窺えない草むらへと消えていく】
【色を忘れたような白さで花を包むようにしながら向ける視線は言葉通りに欲しがる色合い、鈴の音の声がよく響き】

……でも気に食わなきゃ逃げちゃうんでしょう、お日様のない場所は嫌い?
逃げるのも大変だよ、――ずーっとずーっと、お日様の出る場所まで、逃げないと、ね

【――純粋に黒で塗ったような髪、腰ほどまでの長さは赤いリボンと一緒に編みこまれた三つ編み。牡丹の飾りを載せて】
【黒と赤色をしたまん丸の瞳はオッドアイ、右の耳だけに付けたピアスは月白色の宝玉の欠片をあしらったもので――】
【和袖のショートコートが黒色、下に着るワンピースは真紅を基調にしたもの。赤黒市松模様のリボンで腰元を結わえて】
【まるで子供の飾り帯みたいに結んだ蝶々の尾が膝ぐらいまで延びていた、足元はひどくヒールの高い細いショートブーツ】
【首や腕にはぐるぐると真っ白の包帯が巻かれていて――左手の薬指、誓ったように嵌められた黒蛇の痣の輪が肌によく映え】

今度お花屋さんに行こうかな、おまえたちはここに居ればいいよ、来年また来るから。

【そうっと――その花へと口寄せる、自ら手折った一輪へと話し掛けるようにしながら、】

…………匂いはないんだ?

【――なんてぽつりと呟くのはひどく平和めいた声音だったというけれど】
【少しでも遠くから見れば少女が彼岸花を進んで喰おうとしているように見えかねない、余談】
376 :以下、新鯖からお送りいたします [saga sage]:2013/09/21(土) 21:59:37.49 ID:3XL4cA3R0
/>>374取り消しでー
377 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 22:05:12.82 ID:JzoUaFEpo
【風の国、港湾都市リマニア】
【賑やかに人々の営みが繰り広げられる一方で、現在は自警団などが兵器を運搬する姿も見られる】
【そんな街の一角にある花屋に見えるのは、店主の女が若い女へ色鮮やかな花束を渡す、そんな有り触れた光景】

「こんなに毎日来るなんて、あんたは本当に花が好きなんだねえ……あい、持ってきな!」

いつも有難う、また来ますわね

【ニコリと穏やかな笑みを返し、若い女は店を出る】
【頭の両横で二つに結んだ髪、ゴシックドレス、サイハイブーツの全ては黒く】
【対して肘の辺りまでを包む手袋は染み一つない純白で】
【そして胸元に抱えた花束の少し上、小さく光るのは銀の十字架】

【通りに面した店の前を通れば、様々な人が女に声をかけて】
【その一つ一つににこやかに返事を返す様子は、街の一員であるかのよう】

【―――しかし、人気のない裏通りに入った途端、女の表情は険しいものに変貌する】

……作戦の為とは言え、下等な者達と対等に関わるだなんてとんだ苦行ですわ……
ですが、これなら初手は計画通り打てるでしょうし、これまで我慢した甲斐がありましたわ……!

【もし、現在のこの街の状況を知る者がこの言葉を聞けば、ピンと来るかもしれない――】

【数日前に為された、“GIFT”による襲撃翌予告に】
378 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 22:31:05.45 ID:zUxQQZr30
/>>373はまだ募集中です
379 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 22:31:32.15 ID:LbV+w9Sfo
【水の国――繁華街】

―――ええ…ええ……ではいかように。…失礼します

【スマートフォンを耳に当て、開放感に浮かれたダウンタウンの人混みの中を】
【左手の革のブリーフケースでかき分けるように駆け足で歩いている】

【男はブラウンの髪に整髪料を撫で付けて性格を表すようにしっかりと固めている】
【青い瞳に角ばった鷲鼻、痩せた白い肌に堀の深い顔立ちはもう一段固い印象を与える】
【ロング丈の上着のスーツを着ていて、ネクタイは印象の良い爽やかなブルーで】
【その結び目の上に金属で出来た鉄十字のペンダントのようなものをぶら下げている】
【それと上着の襟にには――『G.I.N』というバッジがその身の所属を表していた】

……ああ、私だ。こんな夜にすまない。…ああ、その件だ
あの分の資金はいつもの様に……ということにしろという話だ
さあな……私もただの中間管理職さ…おまけに若いと何も言えん
では…事務処理は任せる、遅滞なく頼む

【交差点をわたって、男がいるのは数々の本社ビルが立ち並ぶ通り】
【中でもG.I.Nの本社ビルの近くの道だ】
【休日にはしゃいだ夜にはこのようなビジネスライクな場所は人通りは少ない】

【男は電話を受けると直ぐに別のところへとかけ直していた】
【電話をしながらカバンの金具を外して、クリップで止められた紙束をを取り出した】

やれやれ…資金調達課ってのは雑務は全部やれって意味か
研究部も…『錬金術』は存在しないってことを知っていただきたい…
いや…あるのかな?…さあどうだろう…『この世界』では…

【電話を切って、ため息混じりに愚痴をこぼして、プリントをめくっている】
【その時、地面を這う風が舞い上がり、プリントが一枚手からするりと抜ける】
【男は咄嗟に手を伸ばしたが、スッとせせら笑うように飛んで――――】
380 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 22:43:13.93 ID:/M8/bRbPo
【街中・大通り】

―――ったく……こういうことなんでメンバーにやらせるかねぇ……
ポスター貼りには嫌な思い出しかねぇんだけどさ―――

【大量の紙を小脇に抱えて、男は愚痴と溜息を吐いた。白シャツ×灰色のジレ×ジーンズのシンプルな格好に身を包んで、青のソフト帽が印象的だった】
【壁に背中を預ける男の横には、1枚の張り紙。緋色の鷹の紋章はSCARLET―――国・自警団・警察などから集められた精鋭による正義組織のマークで】
【その紋章と同じモノが、男の白シャツの右肩に貼り付けられていた。彼もSCARLETの一員だという証拠である】

<正義の志を持つ強者、募集!>……ねぇ。けっこうシンプルなんだな……で、後は給与とか仕事内容とか書いてある―――と
―――このポスターを残り20枚……ってしんど。 ま、小遣い稼ぎみたいなモノか。……右足首の通院費やべぇし

【ポスターの見出しを声に出してみる。下の給料を見てみたが、中々に好待遇だと思った。……いや、仕事内容を考えれば妥当かとすぐに改めたが】
【紺碧の視線を残りの20枚に落とせば、眉間に皺が寄って明らかに嫌な顔を浮かべる。貼る作業だけが面倒臭いわけではなかった】
【……偶に「許可は取ったのか」と問い詰めてくる連中がいて、その度に「自警団や警察も関わってるから取ってるに決まってる」と言う。これが面倒なのだ】

つーかよぉ、こんなポスター貼らなきゃいけねぇ程メンバー足りてないっての? ……あー、確か俺もスカウトして良いんだよな?
えーとどれどれ、そこら辺ポスターには書いてなかったっけ……

【首をぐい、と前に出してポスターに急激に顔を近づけ、ジロジロとお目当ての文を探す。その首の動きに合わせてペンダントが揺れた】
【銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントなのだが、その玉からは異質な魔翌力が漂っていた。―――この魔翌力は、宝玉の其れだった】

【もしこんな彼に出会いがあるとすれば、その人物はは宝玉の危険な香りに釣られてきたのだろうか。それともSCARLETに興味を持ったか、もしくは―――】
【……ただ彼が気になった暇人か、または「許可を取ったのか」と注意してくる正義感の強い人物か。大通り故に、出会いは少なくないが……】
381 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/21(土) 22:47:00.27 ID:E+U/chXg0
>>377

―――独り言なら、小さな声で言わねーとなぁー?

【人通りの少ない路地裏に佇む少年が、一人。】
【壁に凭れ掛かって、其の右足を壁にピタリとくっつけながら。少年は女にも聞こえる程の、大きな"独り言"を呟く。】

【銀色の髪に紅い目。派手な赤色のオーバーコートにブラックパンツ。右手の薬指には銀の指輪…】
【地味で汚い裏通りとは相反する少年の身形―――は、矢張りその少年が目立つ原因となっている事だろう。】
【少年の見た目と声から推測するに―――其の年齢は、およそ16歳、と言った所であろうか。】


下等民族―――とか。
"自分の方が優れている"なんて言っちゃってる時点で、矛盾してね?
…ほら、"争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない"って、よく言うじゃん…?

【時折、腹に手を当てて前屈みになりながら、クスクスと笑いを見せつつ、少年はさらに"独り言"を続ける。】
【明らかに"危険な女"に向けられた口調、トーンは、怯えるどころか、"馬鹿にしている"様で】
【―――勿論、少年も其のつもりで言っている、のであるが。】

【少年は一通り呟き終わると、はぁ…と溜息を付きながら、その場にしゃがみ込む。】
【左手で、銀色に輝く髪をクシャクシャと掻きながら、】
【右手に携えていた緑色のガラス製の瓶を口に当てては一口、二口煽って。】
【―――喉を通過したなら、『プハーッ』なんて息を吐き出して…其の姿は丸で"酔っぱらいのおっさん"の様、にも見える事だろう】
【…注意して其の瓶に貼られているラベルを見たなら、其の地域では有名な、お酒の銘柄が読み取れる。】


―――しかもな。

【一呼吸おいて、更に少年の口からは言葉が発せられる。】


"今の言葉"。ああ、あと、"今の状況"。この2つから考えると、だな―――
…お前、結構ヤバい奴なんじゃねーの?テロリスト…みたいな。

【先程までとは打って変わって、其の口調に嘲る様子は伺えず―――】
【寧ろ其の逆、下手すれば"警戒心"までもが読み取れるかもしれない。】
【然しながら一貫して聞き取れるのは、明らかな敵意。さて女は、この少年をどう感じるのだろうか―――?】

/おねがいします!
382 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 22:58:06.58 ID:A+WzK/Hqo
>>380
「SCARLET――ねぇ……」
【ポスターに顔を近づけている男の背後に、一人の女性が現れた】
【女性は、男が背中越しに張られたばかりのポスターに視線を向けている】

「今時、正義の志だなんて……もうちょっとマシなフレーズは無かったの?」
【女性は、張られたばかりのポスターと男の方を、黒い縁の眼鏡越しに訝しそうに見つめている】
【質の良さそうな黒いズボンに、同じく質が良さそうな黒のブラウス。 胸元には、首から下げられた銀の指輪が輝いている】

「危険な仕事なんでしょう。、もうちょっと、待遇を良くしてあげたら?」
【男が悪くないと考えた給料についても、女性は苦言を漏らす】
【その様子は、どうもそのポスターについて気に入っていない様子であった】
383 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/21(土) 23:02:48.45 ID:Zu5dGlHt0
【数多くの魔物が出る――――そんな噂話が立つ森の中】
【夜となっては更に人が寄りつく筈も無く、時折聞こえる獣の遠吠えや魔物の唸りだけがこの場に響いていた】
【――――その最中、聞こえたのは“轟”の音。間も無く朱い光が、一角を照らして】


「…………お腹空いた…………また、アレ……食べたい」

【見れば、一匹の魔物が焼け爛れた姿で転がっている事だろう】
【その側で立つのは、一人の少女。髪も紅く、双眸も紅く。纏っているのはブカブカの制服であって】
【――――大凡人間とは思えない程の魔力を秘めている事は、直ぐに分かるであろうか。知識があるならば、“精霊”と呼ばれる存在である事も】
【襲ってきた魔物には一瞥をする事も無く、細い指を用いて湿った土へと何かを綴り始める】


「…………でも、人間が沢山居る所は五月蠅いから嫌い
…………うーん……でも、食べたい……」

【やがて描かれたのは、下手くそな文字。櫻の者ならば、辛うじて“朱璃”と読み取る事が出来るであろうか】
【――――自らが書き出した文字をじっと見つめ、やがては満足したかの様に一度頷いてみせる】
【さて――――この場を訪れるのは迷い人か、それともその魔力に惹き付けられた者か】
【何れにせよ、この時間に少女が一人だけで居るという事。そして、その傍らにはその通りの獣が捨てられているという事】
【――――一体、何を思うか】







【――――ちょっと遅いお祭りの会場。チョコバナナや林檎飴等、実に多くの露店が並ぶ其処】
【その中の一つに、油揚げを売る露店があるのだが……その店を、遠くから眺めている人物が一人】
【巫女装束を纏っていて、表情は何処か困っている様にも思える少女】
【…………敏感な者であれば、僅かに漂う妖狐の気配にも気づけるかもしれないけれど】


「…………油揚げ……さん…………食べたいけど、想ったよりも高いです……
でも、守女達は……身体に悪いから……駄目と言いますし……
えっと……だけど…………食べたい……です……」

【一歩踏み出せば、一歩下がる。そんな事の繰り返し】
【お金が無いから――――というのも理由の一つだけれど、それ以上に人見知りだからというのが大きくて】
【時折決心したかのように袴を握ってはみるけれど、やはり店に近づくことは出来ず】
【――――そんな事がずっと繰り広げられていれば、嫌でも目立つであろうか】
384 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 23:14:40.01 ID:iKKp/uWIo
>>381

【喧騒から離れた裏通りに響く少年の声】
【しかし女はそちらを見もせず、ただ指先で花を弄りながら言葉を返す】

争い……?何を勘違いしてますの?
―――確かに、争いというものはお互いがやり合うからこそ成り立つものですから、貴方の仰る事は正しいのでしょう

【馬鹿にしたように紡がれる少年の言葉、それを一度は肯定して】
【然れど続ける言葉はその自分の発言も含めて少年の主張を否定するもので】

で、す、が、私達が行うのは“剪定”であって争いなどではありませんの
神に選ばれた能力者が、選ばれなかった下等な身でありながら世間にのさばる者達を、神の意思に背く者達を裁くだけですわ

【自分達が行うのはただ一方的なものだと、そしてそれを“剪定”“神の意思”と称する姿は自信に満ちたもの】
【それからくるりと顔を向け、鮮やかな緋色の瞳を少年に向ける】
【その表情は笑みであり、しかし無感情にも見えて】

ふふ、私はただ世界をより良い方向へ運ぼうとしているだけの、至って善良な人間ですわよ?
寧ろ私にはこんな所でお酒を飲んでる貴方の方が“ヤバイ”人に見えますわ

【少年とは対照的に、女の様子には緊張感など欠片もなく】
【ただ笑み声で、花を弄ったまま、少年に対している】
【それ故に、女の感情はひどく読み難い】
385 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 23:23:49.99 ID:/M8/bRbPo
>>382

……バーカ、正義に流行りもクソもないっつーの。
後さ、ネーミングは俺が決めたワケじゃないんだからさ―――そこに書いてある連作先に問い合わせてみりゃどーよ?
「なんでそんなネーミングなんですか?」ってな

【男はむっとした顔で答えた。確かに自分が決めたわけでは無かったが、このシンプルな言葉選びは気に入っていたからで】
【彼女にポスターをよく見てもらう為に無駄に大股に一歩右にズレると、振り返って紺碧の視線を彼女へと合わせる】
【振り返って揺れるは、首にかかるペンダント。デザインである銀の籠に砂色の光る玉が、鈍く光を放つ】

【彼女が気に入っていない様子で言葉を飛ばせば、男は煙草を取り出しながら「うーん」と唸り考えながら言葉を飛ばす】

俺スカウト組だからさ、んなこと言われてもアレなんだけどさ……ま、こんなモンじゃねーの?
……自警団員も危険だったりするし、危険な仕事なんて沢山あるだろ? ―――ま、見方はそいつの自信によって変わるとしか言えねぇかな……
……自信が無いから、これっぽっちじゃ足りねぇって言うんだろ、多分。

【―――男の入団理由の一つには、待遇が妥当だと思ったからと言うものもあった。ただ其れはとても小さな理由】
【彼によれば「文句を言う奴は自身の無いヤツ」ということらしく、それはつまり男がある程度の自信を持っているという事とも取れる】
【男は片手で煙草を1本箱から取り出せば、口に加える。片方は塞がっているので、いちいち煙草を仕舞ってから尻ポケットからライタを取り出し、煙草に火を灯した】

―――……ッフー。 ―――ま、正直本当に入って欲しいのはさ……
お金とかあんまり考慮してない、其処に書いてあるように「正義の志」を持った連中なんだと思うぜ?

【煙を吐けば、指を指すように彼女へと煙草を向けて。微笑と共に男は言葉を飛ばす】
386 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 23:35:56.18 ID:7lHjDmTko
【路地裏――今宵、此処に限っては死体が転がっている、ということはない】
【転がっているのは猿轡を噛まされた上に両手を後ろ手に縛られた、数名の若い男女】

【そして彼らを取り巻き、時折顔だの腹だのを蹴り殴り――暴行を振るう男がこれまた数人】
【さしずめ、何かのグループの抗争にケリが付いた所といったところであろうか】
【勝ったのが誰かは言うまでもない。少しして、其処に新たな顔触れが現れて】

……あぁ、その辺にして事務所に連れてけ。[ピーーー]んじゃないぞ
ガキどもが何処からクスリを手に入れて、何処に金を送っているのか吐かせるんだ

全く……『スペーツィエ』が、D.R.U.G.S.≠ェ少し静かな間に困ったもんだな
大方どこぞのチンピラどもが質の悪いのを売りさばいてるんだろうが……
……、…。手の開いてるこっちで、ちょいとは示威でもしないとマズいかね?

【彼――スーツにスラックス、中折れ帽という服装に、夜だというのにサングラスをかけ】
【金の腕時計に金の指輪と、典型的過ぎる程のマフィア≠ナある彼が指示すると】
【男たちはそれぞれが簀巻きにされた若者を担ぎ、ぞろぞろと路地裏の闇に消えていく】


【そうして残るのが、壮年の彼ただ一人。格好に加えて、蓄えた顎鬚がそれ≠轤オい】
【ふと、黒い手袋をした左手でタバコを取り出し、火を点ける――僅かに広まるその香りは】
【或いは彼の部下たちの行動は―――月の大きなこの夜に、何者かを引き寄せるかも知れなかった】

/再利用ですが、よろしければっ!
387 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:39:58.42 ID:3bqQrhFP0
>>383

―――、物音を聞きつけて駆けつけてみれば………これは何事だ?
てっきり奴ら≠ゥと思ったが………どうやら違うようだな―――。

【朽ち果てた獣と異常な魔翌力を放つ少女の元へ、雑木林をかき分ける音と共にそんな声が響き渡る。】
【その音の元へと視線を向ければ―――小柄な人影が近づいてくるのがうっすらとだが見えてくるだろう―――。】
【そして、月の光に照らされて接近してくる人物の姿が露わになる………。】

そこの少女………ここで何をしている―――ここは君のような子供が入る場所では………。
いや、違うな―――お前、ヒト≠ナはないな………?何者だ………、人語は分かるか?分かるならば答えろ。

【全身を漆黒の装甲服で覆っており、所々に隠密用の道具も伺え、肩には翼の生えた西洋剣≠フエンブレムがデカールされている】
【頭部は漆黒のマスクで全体を覆っており、6つの複眼暗視スコープが赤く光る小柄な体格をした、陰≠フ気配を纏った人物】
【少女が放つ気配を感じ取ったようで、警戒しながら腰に装着された紅い双剣へとゆっくりと手をかける。】

【地面に書かれた文字からコミュニケーションを取ることが可能だと推測したようで警戒しつつも相手へ語りかける】
388 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/21(土) 23:47:49.42 ID:E+U/chXg0
>>381

―――お。ちなみに今の、全部"ハッタリ"。
流石に不確定要素、多すぎたんだが…其の反応は当たってるっぽいな。
つまり、お前は"GIFT"―――のメンバー、そういう事か。

【"勘"が当たっていた事に、少し喜ぶ少年。】
【しかし其の勘は、必ずしも良い結果であったとは限らず―――】
【つまり女は、"GIFT"のメンバーであった。直接そう、とは言わなかったが】
【特に象徴的な"神の意志"―――という台詞から、容易に推測が出来たのだった。】


…で?何、"剪定"?
はー…"人殺し"を、そこまで綺麗に言えるかぁ。
どっからそんな考え方、出てくんだろーな。マジで。

んー…ま、5万歩譲って、"能力者は神に選ばれた"っつー事は正しい、としてもだな。
その"剪定"しろ、とか。そこまで言ってねーと思うけどな。神さんは。
考え過ぎなんじゃねーの?あー、"自意識過剰"、って奴。まさにそれ。

…後になってな、自分達がやってる事、見つめ直して…後悔しても知らねーよ?
『ハッ、あたし…何てことをっ!』とか。――って、分かんねーからやってんのか。

【―――先程の女の独り言、とは丸で別人の様な優雅な口調。】
【少年は、一先ず其処に違和感を感じたのだが―――其れを口には出さなかった。】
【今、女は感情を隠している。この事を指摘すると、どう豹変するか…知れた物では無かった為である。】

【さて、『宗教ってこえーなー…』という呟きが聞こえたかどうかは別にして、】
【少年から発せられた言葉は、矢張り女を挑発する物。】


あー。そうかもな。俺も、結構ヤバい奴、だろーな。
いやーでもな。お前の方が、って思うわ。
剪定とか神とか、ペラペラ言っちゃうのは結構キテるんじゃね…―――?
389 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/21(土) 23:48:54.05 ID:E+U/chXg0
/げ、安価ミスです!
/>>388>>381ではなく>384さん宛でございます!失礼しました・・・!
390 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/21(土) 23:52:18.45 ID:A+WzK/Hqo
>>385
「じゃあ、アンタ……ここで記されている正義って、何のコト? 悪党を撃ち払うこと、正義だというのかしら」
【ポスターに記された内容について確認していた女性の視線が、言葉を放った男の方へと移動した】
【正義とは何か――正確な答えなど存在しない問題だろう】
【そうと知りながらも、男へ問いかける女性の瞳は、正義という言葉へと訝しげに向けられたものとは違って、真剣なものになっていた】

「貴方に文句を吐き出しても仕方がないというのは……まあ、そうねぇ」
【鼻からため息を吐き出す。 どういうつもりなのか、視線はポスターに記された連絡先に集中している】
【その連絡先を、暗記しようとしている様子であった】

「スカウト……あんまり盛況していないんじゃない?
 自警団もそうだし、最近はUNITED TRIGGERなんてのも大頭してきて……こういう機関に入る人も、組織を選ぶでしょうから」
【自身が無いという言葉にはムッとした様子で、口を開いて反論をするような素振りを見せたが、結局は言葉を飲み込んで何も話さない】
「魅力的な正義の機関が複数あったら、こういう点で選ばれたりするんじゃないの?
 UTの方は私兵の分、出来高によっては待遇も良さそうだし……」

「念のため言っておくけれど、アンタの組織に文句をつけたいんじゃないわよ。
 そういう点、どう思っているのか正直なところが知りたいただけ……口が悪いのは、謝れって言えば、謝るわ」

「志……ねぇ」
【男が微笑を浮かべると――女性の方は、やりにくそうにそっぽを向いてしまう】
391 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/21(土) 23:56:24.67 ID:Zu5dGlHt0
>>387
【その場には、きっと幾つもの“異常”が存在している事だろう】
【幼子が一人、此処に居ること。人の力とは思えない何かによって、獣が殺されている事。大きな魔力が、この場を漂っている事】
【挙げてみようものならば、幾らだって挙げる事が出来る。そして――――その“異常”を生み出していた本人が、声の向けられた方向へとゆっくりと顔を上げる事だろう】
【…………朱色の双眸を丸くして、その人物を見遣る。微かに辺りの気温が上昇したのは、気のせいであろうか】


「――――違うよ。わたしは、人間じゃないもん
……でも、わたしが誰なのかは、分からない」

【自分が何者かは分からない。どうにも可笑しな言葉ではあるが……少なからず、人外であるという事だけは己でも解している様で】
【その姿が珍しく映ったのだろう――――丸い瞳が細くなれば、まるで野生動物の如く観察】
【――――主に向けられる先は、自分とはまた異なった朱を持つ、暗視スコープ。じーっと見るだけ見て……その視線は、再び足元へと戻された】
【少なくとも今は、急に襲ってくるなんて事は無さそうだが――――】


「…………シュリ。わたしの、名前。いっさがくれたの。良い名前でしょ
あなたも、人間じゃ無いの?」

【描いていた文字を更に濃くするかの様に、何度かその溝の上に指を走らせて】
【口にしたのは、また別な人物の名であろう。くれた、となれば……今まで無名であったか、或いは――――】
【ふ、と思い出した様に上げた顔。小首を傾げて問うのは、相手の存在】
392 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 00:10:07.01 ID:RvUUtOya0
>>391

【ひとまずはコミュニケーションが取れる事が分かり、安堵したような息を吐く音が聞こえる】
【しかし未だ警戒はしているのか双剣には手をかけたままの状態である―――。】

ならば何だ………?人でないというなら魔族≠ゥ………いやこの気配は………霊=c。
………精霊≠ゥ…?しかしそれだとしたら随分と幼い∴象を受けるが―――生まれたての土地精霊≠ゥ?

なぜ分からない………?いつからここにいる?

【何か特殊な技巧を持っているのか、暗視スコープ越しに相手をまじまじと見つめてその姿から推測していく】
【そして相手が自身の詳細も分からないと答えると一度警戒の色を増してさらに追加で質問を投げかける―――。】
【無機質な赤いスコープの奥まで見抜かれるような相手の視線にじっとりと掌に汗が滲む。】

シュリか………私はシェラーゼという者だ―――。
残念だが私は人間だ、まぁ一般人とは異なる存在………異能者≠ニ呼ばれる類だがな。

そのいっさ≠ニいうのは誰だ?

【相手の名乗りにこちらも名を名乗りながら一度頷いて、自身の素性………能力者≠ナあることも明かす】
【そして新たに現れた別の人物の名前に対して反応し、そう問いかける。】
393 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 00:21:05.73 ID:yiKt9Muao
>>388

【女の第一の反応、それは一つの溜息であった】

―――だから何だと言うんですの?
私がGIFTメンバーであったから何がどうなると?
貴方がそれを知ったところで今更どうこうなる話ではありませんのよ?

【鼻で笑い、放つ言葉はどこまでも余裕を湛えたもの】
【少年の得意そうな様が可笑しく見えたのであろう、口の端ににやりと笑みが浮かんだ】

ふっ―――自意識過剰?たった今神の御心を勝手な物差しで推し量った貴方がそれを言いますの?
第一、神が我々を選んだ事を認めたなら何故、神が我々に能力を与えた理由を考えませんの?

――後悔するのは貴方の方ですわ
死の間際になって神に背いた事を悔い、懸命に神に許しを乞うことになりますわ

【ここで女の口調に関してだが―――起伏はあれど、普段から割とこんなものである】
【まあ、激昴した場合どうなのかは定かではないが……】

【ふっ、と軽く鼻で笑って挑発を受け流し、くるりと身を少年の方へと向ける】
【それから花の香りを楽しむように、花束を顔前に持ち上げて】

私は私の考えや信念をお話しただけですわ
それを理解できないから“変”と断じるなんてひどい方ですのね?

【少し眉を下げ、少しばかり芝居じみた調子で言う様子は、それこそ挑発めいているかもしれない】
394 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 00:25:35.99 ID:quh2uvJno
>>390

んー、正義の内容は問わず、兎に角カノッサやGIFTとかの悪から市民を護る……って行動に繋がってさえいればいいんじゃねーの?
だから「何のコト?」って聞かれたら……俺の回答はアレだ。―――「アンタで考えろ」……かな? 

―――俺は一応不殺を信条としてるんだけどさ、勿論SCARLETの中には「脅威と感じた奴は直ぐに殺す」ってのもいる。ま、そんなもん。
……正義とは―――?って問いほど回答のない糞問題なんてありゃしねーよ。どの答えにも穴があるってことさ

【「そんな質問は野暮だ」と遠回しに彼女に伝えれば、気怠そうに男は煙を吐く。自分が思う正義は有るが、ポスターの正義をそういうのは勝手だろう】
【悪党を撃ち払うこと、正義なのか―――との彼女の質問だが、「男の正義」はそうではなかった。どちらかと言えば、「悪から市民を護ることが正義」】
【ポスターの、SCARLET全体の正義とはなんだろうか―――否、そんなものは無いのかもしれない。彼が言う通り、行動が防衛に繋がってさえいればいいのかも知れない】

……UTと人材奪い合いなんてしようとは思ってないだろ。 俺はUTに入ってる奴はSCARLETに入ってると見てもいいと思ってるんだけどさ、勝手ながら。
―――だってやること同じじゃん。 何というか、国が作ったUTがSCARLET……みたいな。 ―――ま、俺がこういう仕事させられてるってのは盛況してないんだろーよ

……つーかマジで言う気か?なんで「正義の志」なんて言葉を選んだんですかって……

【冗談で言った言葉だが、彼女は連絡先を凝視していた。その光景に男はギョッとしながらも、口が回って出てくるは「問題ない」という言葉。そこまで焦ってはいないらしく】
【―――付け加えるように、今やらされているこの仕事への愚痴が溢れる。目線が一瞬、小脇に抱えた20枚の其れへと移った】

いやいや、こっちも一部出来高だぜ? 後は国がやってる分保険とかもしっかりしてるし―――んだよ、なんでそこポスターに書いてねぇんだよ欠陥だろ……
UTの待遇は良く知らねぇから何とも言えないんだけどな―――あーあ、一度UTの大将サンに会ってみたいもんだなぁ。

―――いや、別に文句言っても問題ないぜ? 俺だって文句言いてぇもん、こんな雑用やってくれねぇかって言うからよぉ……
……つーかさ、アンタは何だ、入ろうって気があんのか? ―――結構細かく聞くじゃんよ?

【彼女の言葉に「いやいや」と咄嗟に反論し、ポスターを見ながら説明しようとするが―――そのポスターに、説明しようとしていた箇所はなく】
【男の眉間にシワが寄ると、小さくやりきれないような声で不満が漏れた。SCARLETを彼女に説明している自分だが、そういうことは彼女は興味を持っている―――】
【……と見てもいいのではないか。疑問を含んだ紺碧がポスターから彼女へと向いて、その真相を尋ねた】
395 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 00:28:54.98 ID:2RLxc8xj0
>>392
「また、せーれーって言うんだね。人間は私を見ると、絶対せーれーって言うから嫌い
…………今日だけ、此処に居たの。ずっとつまんなかったから、お散歩
人間も居ないし、五月蠅いのもなーんにも居ないから……お散歩」

【更に投げかけられた問いに対しては、ただの暇潰しで訪れただけと返して】
【――――少女の言葉からは、己の存在が精霊である事自体認識をしていない様にも思える】
【若干不機嫌めいた表情になったのは、言葉通り。見る者見る者全てが精霊と言って――――少女が、その言葉の意味を知らないから】
【学だって、恐らくは無いのだろう。まるで人間の子供の様にも見える外見だからこそ、違和感だって抱かせるかもしれない】
【……ただの散歩で獣を焼き殺す事なんて、普通ならばあるまじき事なのだが】


「わたしの友達…………うん、友達
人間とよーかいと一緒になってるって言ってた。わたしは、よく分かんないけど……でも、他の人間みたいに五月蠅くないの
…………シェラーゼは、五月蠅い人間?」

【友達と言いかけて――――自身に確かめる様に暫し思考すれば、頷いた後に改めて友人であると告げるのだろう】
【聞けば、その友人も純粋な人間とは異なるらしいが…………まあ、この少女に詳しく問うた所で明確な答えが返って来る事も無いであろう】

【さて――――今までの会話とは全く関係のなさそうな、少女の言葉。五月蠅い人間であるか、否か】
【先程の言葉を思い出してみれば、まるで“五月蠅い”事を嫌っている様にも思えるが…………言葉次第では、この場面が一気に変わる事だって有り得るのだろう】
396 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 00:38:55.37 ID:RvUUtOya0
>>395

君が放っている気配は精霊特有のソレだからな―――、何だ嫌なのか?
成程な………つまりはこ辺りに住んでいるという事だな………?ところでその獣はどうした

【相手が精霊と呼ばれる事を嫌っていると言うと、少し驚いたような身振りをしてから問いかける】
【さらに右手で斃れた獣を指さしながら「君がやったのか?」と質問する―――。】
【未だ左手は腰に回したまま………幾分か解かれたが警戒心は消えていない。】

そうか、友達か………その人物は半妖≠ネのか?
―――さてな、自分でそれを断言することはできないが………一応は隠密≠セ、必要以上に音は出すまい。

何故煩い物が嫌いなのだ―――?

【相手の言葉からその人物が半妖≠ナあると仮定して問いかけるが、そんな事をこの少女に問いかけても意味はないと考え】
【話題を切り替え、相手の質問に答える―――。】
397 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/22(日) 00:49:02.68 ID:phEAxvFY0
>>393

あー…、はいはい。
…ちょっと言い過ぎたか? わりーわりー。

【少年は少なからず、女の言葉に"憤り"を読み取った。間違っている、かも知れないが。】
【となれば、すべき事は謝罪なのだが…。殆ど棒読みに近い態度で、少年は謝る。】
【そして更に、言い過ぎた"理由"について、少年は述べていく――――】


"GIFT"―――マジ、何考えてんのか意味分かんねーし、でも別に考えたくもねーし。
メンバーに聞くのが一番はえー、ってことに気がついたんだよな。

―――ほら、ちょっとキツめで言った方が、ペラペラ喋るかな―ってな。
今まで言ったのは、全部…じゃねーけど、殆ど本音じゃねーから。
知らねー所を偏見に任せてあーだこーだ言うほど、馬鹿じゃねーってこと。そこんとこよろしくな。

【要は『利用した』、と言う事らしい。】
【なってない謝罪を一通り言い尽くした所で、少年は再び酒を煽る。】

【――――女のある台詞に、思わず口角が釣り上がる。】
【鼻からフフッと息を漏らしたなら、女と同じ様に笑みを浮かべて――――】


死ぬ間際?―――あー、それは違うな。"ユピテル"だっけ、流石にあいつには敵わね―けど。
俺、それなり…いや結構強いしな。いわゆる天才って奴。

……あ、殺されたくねーから言うけど。俺もお前らと同じ、"能力者"な。
まーだからって、"GIFT"に入ろうとは思わねーけどな。根本的な考え方がちげーんだよ。
398 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 01:00:10.71 ID:7hwRp/Emo
>>394
「市民を守る……ねぇ」
【もしもこのポスターに記されている『正義』という言葉が、市民を守るという意味合いを持つのならば……】
【――読み替えると 『市民を守る志』 となるだろうか?――言葉を聞いた女性は、難しそうな表情のままで頷く】
「まあ……答えとしては良いところね。 分かったわ」
 
「不殺――まあ貴方の信条について、私が言えることも言うべきこともないでしょう。
 殺人が善か、悪かなんてのは……それこそ、糞問題というやつでしょうし」

【男の「勿論SCARLETの中には「脅威と感じた奴は直ぐに[ピーーー]」ってのもいる。ま、そんなもん」とい言葉と、その調子に興味を惹かれた様子で】
【何か不思議なモノを見るような、今まで見せていない表情を浮かべた】
「貴方のその調子だと……脅威と感じた奴は直ぐに[ピーーー]っているのも、また認めているように聞こえるわ。
 貴方の様な不殺主義の人って、自身の不殺信条を絶対敵に正しいと思っている人ばかりだと思っているのだけれど…。」


「それじゃあ、なんでアンタはSCARLETに居るの? 
 あなたのその考え方じゃ、どちらを選んでも同じと言うことでしょう。
【どちらも同じとはいえ、いま男はSCARLETに所属している……SCARLETとUTと、一体どこが違うというのか】

「べ、別にそれだけじゃ無いわよ……ただ連絡先を覚えておいたら、色々と役に立つでしょうが」
【本気か? と問いかけられて、女性は妙に起源を悪くしてしまった】
「……それに、何よ。 どこで私が何をしようと、私の勝手でしょう。 アンタにどうこう言われる筋合いはないわ」

「出来高とか、保険とか……正義がどうとかよりも、まずはそういうことをまず書いておくべきじゃないの、コレ?
 あとほら……現役組員のコメント集とか、近年の活動状況とかも書いてあげればどうなのよ。 そういうのよくあるじゃない」

「入ろうかどうか……どうかな、興味はあるけれどね。
 果たして、求められている『正義の志』が、私にもあるのか。……それを確認するためには、まずは正義の志が何かを、ハッキリとさせる必要があるでしょう?」
【入る気があるかどうかまでは、ハッキリとしない。だが、組織に興味があるということは認めている】
399 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 01:00:24.44 ID:2RLxc8xj0
>>396
「住んでる場所なんて、何処にも無いよ。前は、お家の中に入れられてたけど――――もう、そこだって無いもん
…………五月蠅かったから、壊しただけ
五月蠅いし、邪魔で…………言っても、何処にも行かなかったんだもん」

【五月蠅ければ、どうなるのか。…………その答えが、哀れな骸であろう】
【未だに燻り続けるりは、少女の持つ魔力――――火力を示しているかの様で】
【何を以て五月蠅いとするのか。何を基準に“壊す”のか。気ままな少女は、明確な其れ等を設ける事は無い】
【虫の居所が悪ければ些細な理由で殺すし、壊す。異能も無く、力も無い人間であったらある意味では自然の驚異とも思えるが――――】


「…………はんよー、も知らない。ただ、多分…………友達、なだけ
――――五月蠅いのは嫌。眠れないもん。それに、五月蠅いのは直ぐ壊れちゃうから、一緒に遊べないから
……少し遊ぼうとしただけで壊れるから、嫌」

【五月蠅いのを嫌う理由。其処には答えなんて有りはしないのか。何となく嫌い。何となく、苛とする】
【そんな理由を告げ、だから嫌いだと言い放って】
【――――“遊ぶ”とは、言わずもがな。この獣の様に殺され人間……或いは更に無残な死を迎えた人間だって、数多く居るのだろう】
400 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 01:15:51.12 ID:RvUUtOya0
>>399

成程な………これではまるで災害≠セな、どうやら封印≠ウれていたようだがそれも頷ける
そのような理由で生命を屠るか………幼さとは恐ろしいものだ、それも力≠持っているなら尚更な

自分が受け入れたいものだけ受け入れていては君の世界≠ヘ五月蠅い音に苛まれるだけだ。

【力の使い方もしらず、世界も知らず、何も知らずにただ強大な力のみを持って生れ出た精霊の少女】
【その境遇を憐れむようにそう呟くと、相手に語りかえるように、諭すように受け入れる℃魔教えようとするだろう】
【とはいえ幼い少女にその言葉が届く可能性は少ないが。】

その友達は君の力≠ノついて何か言っていたか?

(―――人には人の、精霊には精霊の理がある………それを踏み越えれば互いに不利益しか及ばない。
ならばこのまま閉じた世界≠ナ生きていくしかないのだろうか―――。)

残念だが、人間は君とは遊べない=c……いや、君と遊べる生物などいない≠フかもしれないな
それでも遊びたいなら―――君がその力≠コントロールするしかないな。

【相手の主張、そしてその強大すぎる力を認識し………残酷だがもっとも有効だと思える術を心の内に考える】
【そして少女に向けて再び諭すように語りかける。】
401 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 01:22:46.56 ID:v7TAS29Vo
>>397

はあ……面倒な方ですわね……
ハッキリ言いますと貴方の様な方は嫌いですわ、私

【怒りを見せる訳でもなければ、嫌悪を見せる訳でもなく】
【言っている内容とは裏腹に、ただ淡々と言葉を紡ぐ】

―――まあ、私の話したことは公にしている事や私の私的な考えばかりですから構いませんわ

……ですが、それで出会したのが私だったのは貴方にとって不幸だったかもしれませんわね
何やらGIFTにはよく話をなさる方がいらっしゃるようですから……

【言って思い出すのは少し前に会った仲間のこと】
【自分ではなく彼女に会っていたなら、もっと情報を聞けたかもしれないな、と】

【それから、両手で抱えるようにしていた花束を右手に持ち直して】

……よくその口で自意識過剰だなんて言えましたわね
しかし――あの方に敵わない、ということなら死ぬ間際、というのを否定するのはおかしくありませんかしら


―――我々の邪魔さえしなければ、私は殺しはしませんわ……他の方はわかりませんが
とにかくまあ、死にたくないなら早くこの街を離れることですわね
もう間もなく、私の作戦が始動しますから

【告げる言葉は忠告】
【近々行われるであろうGIFTによる襲撃を知っているなら、この言葉の意味もわかるだろう】

【そしてそこまで言ったなら、続けて『そろそろ準備に入るので帰りますがまだ何かありますか?』と問うだろう】
402 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 01:31:26.85 ID:quh2uvJno
>>398

……人の正義は否定しないさ、其れが「罪なき命を守る」という行動にに繋がってさえすれば。
―――正しいと思っている……訳じゃない。寧ろ矛盾だらけだとは思ってるし、周りからはボロクソ否定食らってるんだよな……
―――でも、俺には不殺しか貫けない。矛盾だらけだけど俺は不殺を貫くしか出来ない……ま、いろいろあんだよ

【「誰一人も殺さずには、一人すら救えない」―――不殺を語る度に、そんなことを言われて胸に突き刺さる】
【不殺が抱える問題は少なくない。周りを危険に巻き込み、自分にも多くのリスクを伴う。相手より数段上の実力が無ければ、相手を殺さずに無力化出来ない】
【―――それでも、矛盾していても男は貫く。憂いを帯びた表情を僅かに落とせば、「いろいろある」とお茶を濁した】

【問題は変わって、何故UTではなくSCARLETを選んだか。―――理由は単純だった。男は淡々とした口調で答えた】

……そら、熱心にスカウトされたからだよ。 貴方の力が必要だ、最初にスカウトするのは貴方だと決めていた、とか。
―――ま、嘘かも知れないけど俺にはそいつの言葉・表情が本物に見えたんだよ。 ……因みに、OKサイン出してから給料について知ったね。

【フフン、と鼻を鳴らして微笑みを浮かべれば大きく煙を吐き出す。給料について後から知ったらしいが、つまりそれは男が金銭面を度外視していた証拠】
【自分もまた、「正義の志」を持った存在―――そうであるとも取れるだろう】

―――フフッ、そーっすねぇ。レディの腹を探るなーんて、少々マナーに欠けてたかもなァ。
ホントこのポスター欠陥だぜ、でもさ―――これ貼らなくて良い理由になるよな? よーっし、んなもん要らね! あ、ポスター直せって言っておくから。

【彼女の機嫌を損ねたことを男は感じ取れば、申し訳ない顔をする―――訳でもなく。逆にイタズラっぽいニヤニヤを浮かべて紺碧の双眸を細める】
【―――そして彼女から溢れるは、「興味はある」と言うもの。その言葉を聞けば、一瞬笑顔を見せるも直ぐに厳しい真剣な表情になって問う―――】

ふーん、興味あるなら言っておくけど、カノッサやGIFTを相手にする覚悟―――お有りで?
403 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 01:33:01.57 ID:2RLxc8xj0
>>400
【諭す言葉――――確かに、それは耳に入っている筈。筈…………だが、きっと中身の半分も理解出来ていない事だろう】
【不意に辺りが熱気に包まれる――――かと思えば、少女に起きた変化。背には、翼を象った炎を生やして】
【羽ばたきする度に地面を焦がすけれど、火傷を負わせる程の熱量は無いのだろう。元より、敵意は抱いていないから――――というのも関係しては居るのだが】


「…………多分、何にも言ってないと思う
知らない。居ないなら、居なくてもいいもん。人間は嫌いだから、別にどうだっていい
死んじゃっても、全部居なくなっても――――どうだって、いいもん。わたしはわたし。せーれーでも人間でも無いから」

【友人と呼べる人物は、今の所一人だけ。…………この少女の性格を考えれば、仕方ない気もするが】
【諭そうとした言葉の意味を、理解しようとしていない訳では無い。だが、余りにも長い間関わりなんて無かったから】
【物事の中心は、自分。その自分が周りに合わせる事など、有り得る筈が無い――――そんな我が儘】
【今一度羽ばたかせて熱風を起こしたかと思えば、少女の姿は上空へと移動している事だろう】
【少しの間だけ、上から見下ろしていたが――――やがて、その姿は当てもなく彷徨う為に何処かへと飛翔していった】

/眠気が出てきたので、申し訳ないですがこの辺りで失礼します……!
/お疲れ様でした!お相手、有り難う御座いましたですよー!
404 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 01:45:44.92 ID:RvUUtOya0
>>403

………しかしそれではその友人≠焜b!?

【言いかけた所で少女が炎で創られた翼で飛翔し、吹き荒れる熱風に思わずマスクで覆った顔を腕で庇う】
【そして徐々に飛翔していく少女を追うことも出来ず、ただ茫然と立ち尽くし夜空へと消えていくのを見送る】
【そして完全に見えなくなった頃………一度頭を垂れて首を振る。】

やはり私の言葉では何も響かない………か、確かに私自身も他人にどうこう言う身分でもないしな
だが―――いつか彼女に正しい道を示せる人が現れれば良いのだけれど―――。

さて、とんだ道草を食ってしまったな………私は私の道を進もう。

【それだけ言うと焼き払われた獣を簡単に埋葬すると、来た道を引き返してその場を去っていった―――。】

//お疲れ様でした!
405 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 02:01:11.01 ID:7hwRp/Emo
>>402
「事情は知らないけれど……アンタみたいな人、なんというか……」
【言葉に困った様子で、女性は額を掻く。 しばらく悩んで、言葉を続ける】
「立派だと思うわよ……だから、まあ……矛盾が合っても良いんじゃない。
 そういう考え方で割り切るのは、難しいことだと思うし……」
【言いたいことがまとまらないらしく、中途半端なところで言葉を打ち切り、そっぽをむいてしまう】

「胡散臭いスカウトね……おだてられて乗せられたんじゃないの?
 それに、報酬とか待遇とかを考えないでサインをしてしまっただんて、呆れた……けれど、アンタみたいな奴が町の平和を守っているっていうなら、安心かもしれないわね

【フフンと鼻を鳴らす男のことを、女性は呆れた表情で眺める】
【それでも女性は、男へと好意的な印象を持ち始めているらしく、徐々に言葉の調子が解れていると感じられることだろう】

「前言撤回ね。 こんな仕事に不真面目な男に、私の平和を任せていただなんて」
【ポスターを破棄しようとする男性を見て、呆れると通り越して軽蔑的な感情が現れ始める】
【折角崩れてきた言葉も、元の調子に戻ってしまうことだろう】

「そんなもの……私が、覚悟なんてするような見える?」
【そう言って、女性は首を左右に振る】
「私の正義があるとしたら……覚悟だなんて、そんな激しい言葉が似合うものじゃない。
 もちろん、そういう悪の組織達と戦う必要性は感じているけれど……無理のない、自分の力の範囲で誰かの役に立てたらいい。 そんな風に考えている私じゃ、失格かしら?」
406 :以下、新鯖からお送りいたします [sage ]:2013/09/22(日) 02:02:51.18 ID:phEAxvFY0
>>401

だろーな。こんな性格してて『好き!』とか言われるわけねーよ。
ぶっちゃげ、こんな見た目しといて、意外と計算高いな、とか思っただろ。

【何時の間にか自虐していた少年。それに気づいたのか、フッと鼻で笑う】
【然しながら、其の笑いも直ぐに消えて―――】

あー…まじかー…くそが。
なんつーか、お前余計な事、ペラペラ話すタイプじゃねーもんな…?
他当たるべきだった、か。 …ま、もう時間ねーけど。

【ビニールが擦れる音が聞こえる。思わず其の方を見ると、女の手には花束が。】
【此れから始まるのは、GIFTによる襲撃―――にしては、少し不自然な荷物であった。】
【しかし其れを聞いた所で、何に成る訳でもない、と感じたのか。その疑問を口にはしなかった。】


…そいつが死んだ今、お前ら、結構ピンチなんじゃね、って事。
流石にあのレベルがゴロゴロ居る程すげー組織じゃねーだろ?

…それに、アイツと俺は"相性が悪い"んだよな。―――いや、コレは言い訳か。

うっわ、やっぱ襲撃すんのかよ。お前んとこ、最近よーやるな。
でも俺、お前らの邪魔するつもりで、ココ来たんだよな。
俺は死ぬ予定ねーし、目の前で一般人殺させる予定もねーし。って所か。

【GIFTが予告を送ってから、襲撃をしなかった事は無かった―――】
【今回もするのだろうと、大方予想してはいたが。女の忠告に、矢張り少々狼狽える】
【女が襲撃を予告したなら、少年はそれを阻止をするつもりである事を躊躇う様子無く伝える】


ういうい、襲撃の準備か。……ま、せいぜい頑張りなよ。
あー、俺もそろそろ用意するか。このまま酒飲んでるのはやべーよな。


―――あ、利用して悪かったな、お詫びはしねーけど。

【と、一言付け加えたなら、少年は持っていた酒をグイッと飲み干して。】
【女の返事を聞かずに、街の明るい方へと歩き、やがて消えていく事だろう。】
【少年は途中で、振り返らないまま手を降ったのだが。女は気づいたのだろうか―――?】

/それではこの辺でしょうか!
/お疲れ様でしたー!またお願いします!
407 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 02:33:18.90 ID:quh2uvJno
>>405

話だけ聞きゃ胡散臭いだろーよ。ま、でもそいつ一応知り合いだし……正義バカだよ、俺と同じで。
―――同類なら、信頼しなきゃな? ……安心―――は、どうだろうねェ。 俺一人でやってるわけでもねぇし、覚悟のないへっぴり腰の自警団員もいるぜ?

……ああ、冗談だって冗談……! 一応この仕事も金もらえるんだから、文句言いながらもやるってんだよ―――
―――アンタさ、冗談通じないよな……もうちょいユーモアを磨けっつーの!

【態度を一瞬にして入れ替えた彼女に、焦った表情で言葉を継ぎ足す。冗談だ―――というのは本当である】
【本気で破棄しようとして結局破棄できずにブツブツ言いながらやるタイプ。彼はズルしようとしても出来ない男だった】
【男は煙を含んだ溜息を零せば、彼女の答えを聞いてしばしの間黙り込んだ。「覚悟はあるのか―――」という彼の問いに対しての、答え】

――――――因みにさ、ポスターに書いてある通りな……SCARLETメンバーは自由にスカウト出来るんだ。
……別に中途半端なヤツをスカウトしてもいい。結局後悔するのはその中途半端なヤツだし。運良く生きて帰ってきたとしても、碌な仕事してなけりゃ得るモノは無いしな
「自分の力の範囲で誰かの役に立てたらいい」―――俺はいいと思うぜ? 唯、其れはカノッサやGIFTの前でも折れずにいられるか……其れを聞いてると言ってもいい

後は―――実力。 ……それはアンタに自信があるか否か。……条件厳しいか? でもUTでも変わんねぇと思うけどな……
―――ま、ゆっくり考えてそこの連絡先に電話するも良し。―――別に今スカウトしてもいいぜ、ハハッ

……俺コイツ貼らないと駄目だし、もうすぐ行くけど―――

【失格かしら?―――その問いに対し男は首を振った。その覚悟が、巨悪を前にしてでも折れなければ良い―――後は、精神についてくる身体】
【つまり、実力。……基本的にスカウトする際には模擬戦などで実力を図る必要があるが、男は模擬戦を極端に嫌う】
【どんな理由であれ、他人を傷つけることは避ける主義だった。男は面倒臭そうに小脇に抱えた其れに目を落とすと、もうすぐ此処を去ることを彼女に告げた】
408 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 02:36:00.61 ID:GZTwMs/Mo
>>406

さあ、誰がどれくらいのレベルなのかなんてわかりませんから何とも言えませんわね

あら、邪魔しますの?それなら死ぬ覚悟はしておいてくださいね?

【死ぬ気はないという少年に対し吐く言葉は、それに反するようではあるが、実際の所はどうなのであろうか】
【闘いにおける覚悟―――その重さは如何程のものであるべきなのか】

そちらこそ、頑張って足掻いてくださいね?
まあ、足掻いたところで無意味なことですが

【す、と花束を宙へ放り投げ、しかし右手にリボンは握られて】
【束ねていたリボンを失った花束はバラバラに宙を舞って】
【そしてその中に一輪、いつの間にか現れた彼岸花も混じっていて―――】

全ては神の意思のままに……

【瞬間、彼岸花を起点に花に炎が広がって】
【そして女は踵を返し、通りの奥へと歩き出す】
【その足取りには迷いもなく、そして女が振り返る事もなかった】



/お疲れ様でしたー
409 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 02:52:51.76 ID:7hwRp/Emo
>>407
「でも……実力とかは置いといて、アンタみたいな奴がしっかりとやっているってだけで、その組織が信頼できるのよ。
 正義バカが身を置く組織なんて、それこそ正義バカの塊ぐらいでしょう?」

「あ……アンタの冗談が、下手くそで分かりにくいのが悪いんでしょうが!」
【男の言葉がよほど気に触れたのか、ふん……と、鼻を鳴らすと、不機嫌そうに腕を組んで壁によりかかった】
「……悪かったわね、ユーモアのセンスが無くて」
【そのまま女性はブツブツと文句を吐き出して、横目で男へと鋭い視線を送りつける】

「……あくまで、興味があるというだけ。
 具体的に加入しようだなんてまだ考えていし、加入した自分の姿も全く想像できないわ」
【はあ……と、大きなため息を吐き出す。物憂げに、空の方を見上げる】
「馬鹿にするんじゃないわ、試験だか何だか知らないけれど、楽勝よ、楽勝。 
 ……たぶんね、やってみないと分からないけれど」

「ああ、仕事の邪魔をして悪かったわね。
 ……そのポスター、一つ貰っていい? 部屋に飾っておくわ」


/すいません、/ちょっと眠気がキツくなってきてしまいました……話の流れ的に、次ぐらいで〆でしょうか?
410 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/22(日) 03:06:18.66 ID:quh2uvJno
>>409

―――ま、ご察しの通り……バカ連中も俺を含めているようで―――って眼が怖いんですが……
そう睨まなくてもいいじゃんよ、ユーモアの件は悪かったって……

【鋭利な視線にびくっと身体を反応させれば、視線をあさっての方向に反らして煙を吐いた】
【丁度煙草を1本まるまる吸った様で、咥えたままジレのポケットから吸殻入れを取り出し、煙草をそこに押し込み、寄りかかっていた壁を離れた】

―――ん、興味を持ってもらえるだけありがたいさ。なんせUT様と違ってこちとら人気ないんでねーっと。
……アンタにこれ渡して、残り19枚。 ちゃーんとしっかり貼るからさ……―――あ、一応名前言っておくか、もしかしたら仲間になるかもだし

えー、俺はロウ。マーシャル・T・ロウっての。―――あ、名前で検索するの禁止な? ってことで俺行くわ―――良い答え……待ってるぜ

【小脇に抱えた其れから1枚引き抜き、彼女に渡すと男は足早にそこから立ち去るだろう。名前を言い返すくらいの時間はあるだろうが】
【―――因みに、男の名前で検索すれば、サジェストで「青義同盟」と言う言葉が出てきて。―――どうやら、過去に正義組織を作っていたらしい】
【……それは不殺を押し付けるモノであったが、反発や怪我があり組織は解散。―――押し付けるとあるが、先程の彼は「人の正義を否定しない」と言っていて―――】
【―――その真相ははつまり、彼が濁した「いろいろ」に詰まっているのだろう。その場所に残ったのは、煙草の残り香と欠陥のポスターだけだった。】

/ありがとうございましたー!
411 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 03:20:47.28 ID:7hwRp/Emo
>>410
「…………………」
【鋭い視線のまま、語る言葉は何も無し】
【深く、深く根に持つタイプらしく、男の謝罪も耳に届いていないようだ】

「ロウ……ね、まあ一応覚えておくわ。
 私はココ、ココ・ハリスン。……でもまあ、別に覚えなくてもいいわよ」
【女性は無言でマーシャル・T・ロウと言う名前を何度も噛みしめる】
【――調べるな。 と、言われれば何が何でも調べようとする、そんな性格なのだ】

「それじゃあ、まあ……頑張ってね、お仕事」
【ロウの背中を、ココはその場で見送った】
412 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/22(日) 03:21:05.84 ID:7hwRp/Emo
>>410
//ありがとうございましたー
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(茨城県) [saga]:2013/09/22(日) 18:59:39.69 ID:JGHys+jzo
【郊外――草原】

【淡い緑の地は周囲を森に囲まれ、仰げば泣きはらした様な曇天だけが見える空】
【その中央に、鎧を纏った精悍なケンタウロスの青年と、一人の少女が佇んでいた】

【長めの前髪で右目が隠れているが、隠れていない左は明るいグリーンの色合い】
【ローズブラウンの腰までの髪は緩く巻かれ、黒い小さなハットを斜めに被っており】
【黒いベルベット地に銀糸と薄桃で刺繍したディアンドル、同色の低い踵のシューズ】
【右手にのみ、黒のハードレザー製で強気なデザインの指貫グローブを付けている】

【少女は胸に人の腕程の昆虫の足を抱いたまま、酷く沈んだ様子だった】

……私の所為で、ヴァネッサも、ポーラも、いなくなっちゃったの
私が……もっとしっかり、してなかったからっ、二人とも……
ねえロナン、私、あなた達と一緒にいる資格、あるのかなっ――、

【隣に並んだケンタウロス――ロナンと呼ばれた彼は、問われても暫く押し黙っていた】
【だが、やがて鎧をがしゃりと言わせて手を伸ばすと、二三度少女の頭を雑に撫でる】
【武骨な手が髪を乱して載っていた帽子を落とし、困ったように少女はやっと微笑んだ】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/22(日) 20:01:29.48 ID:vuSVOBGTo
【風の国、港湾都市リマニア】

【リマニアは貿易船や客船、更には大型漁船までもが出入りするリマニア港を中心に発展した都市】
【いつもなら多くの人で賑わっている街なのだが、現在はただの一人も民間人は見えない】
【その代わり、とでも言うべきか、街の至る所で姿を見かけるのは武装した兵士たち―――】
【彼らはSCARLETや自警団に所属する者達】
【“GIFT”からの襲撃翌予告に対し、防衛の任に就いているのだ】

《こちら陸側部隊、防衛ラインの配備完了!》

《“こちら都市内部隊、避難誘導は大方片付いた!手の空いた者から配置に就く!”》

『よォーしお前らァ!こっちも負けてらんねェ!とっとと準備終わらせちまうぞ!!』

【街のシンボルでもある港もまた、防衛のポイントとなっていた】
【数日前より近海で目撃されている不審船が接近して来た際、それを撃沈する為である】

【隊長格と思われる体格のいい男が大きく檄を飛ばせば、作業を進めていた者達も様々に声を返して】
【『自分達が街を守る』――そんな士気の高さを感じられるような、そんな光景】

――ハハッ、相変わらず隊長殿は元気がいいな

「纏める人があんな感じの方が燃えるからな、ありがてえことだよ」

【トップに立つ者が士気を高めれば、それは全体に広がり】
【結果として部隊全体の勢いを増す事に繋がっていく】
【そして準備も終盤に差し掛かった、そんな時であった】

それは違いねえ、俺らも頑張らねえと―――ん?どうしたんだ、あんた
あー、避難するのが遅れちまったのか?それなら案内してやっからちょっと待ってな!



/続きます
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/22(日) 20:04:19.42 ID:HJ2f9szLo
【リマニアセントラルタワー】
【その名の通り、リマニアの中心部に聳えたつ巨大なビルのその中に、防衛本部はあった】

では皆さん、作戦を開始したら先程の指示通りにお願いしますね?

【他より一段高くなった辺り、置かれたテーブルの前に立った初老の男が告げる】
【対するは、今回の防衛の為に外部より雇入れた勇敢な戦士達】

【彼らと主力部隊の一部は、こうして本部で、最も戦力が必要となるポイントにすぐに向かえるよう待機しているのだ】

【陸側、都市内の両部隊は配置を完了したとの報告があり、残るは港側の報告を待つのみ】


【しかし】


【その港側からの通信が知らせたのは――――破壊の始まりであった】


《こ、こちら港側部隊……!い……急ぎ応援を……!》
《敵一名により……部隊は壊滅状態……!お、応援を……お願いします!》
《何とかしないと……あの船が!》

何だと!?敵の詳細はわからんのか!?

《は、はい!て、敵は若い女―――――――》

【襲撃者について聞こうとした途端、港側からの通信が途絶えた】
【それが意味すること、それは恐らく“完全な壊滅”で】

【突如として知らされた敵の襲撃】
【どの部隊からも敵の接近は報告されていない―――ならば初めから“中にいた”という事か】

ええい、近くの部隊は港へ急行しろ!本部からの増援が到着するまでの時間稼ぎで―――

《「こちら陸側部隊、敵兵団を視認!このままこちらへ来るものと思われます!」》

《『こちら都市内部隊!GIFTの物と思われる航空機が多数低空より接近中!空からの襲撃翌来ます!』》

くっ―――!何と言うことだ!
……仕方あるまい、戦力を分ける!これから言う指示に沿って迎撃に当たってくれ!

【港への襲撃を合図としたように、次々と現れる襲撃者の影】
【それが陸だけではなく空からも襲い来れば、港に戦力を集中させる訳にもいかず―――】

【結果として街の至る所で、戦闘が繰り広げられることとなる】


/これよりイベント開始です!
/vs主催の方は次のレスにお願いします!
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 20:05:38.40 ID:0MvtTdqpo
    【港湾都市リマニア 美味い物通り】
【普段は夜もなお騒がしく観光客や地元民が闊歩している、美味いもの通り】
【シックな石畳やレンガ造りの建物の群れは、観光客を呼び込む為の景観保護条例によって保たれている物】
【通りは広く、平時は様々な屋台や露天が道に展開されている筈だが、今宵は違う】

【通りを占拠するのは、どう見ても一般人にしか見えない様な、此処が勝手な格好をしている一団だ】
【しかし、彼らの服装を良く確認してみれば、服やアクセサリーなどに、十字架を象った紋章――GIFTを表すシンボルが見える筈】
【20人程の彼らの手には、短銃や刀剣、ナイフ、ハンマーなど様々な自由な武器が有り、彼らが堅気ではない事を示す】
【せわしなく動きながら、何かを設置したり、一部の者は店舗の窓を破壊し、金銭を略奪したりしている】
【すでに都市防衛の兵士たちは殆どが殺害され、死屍累々の有り様。爆風や銃声によって、此処を守護する人々の命は失われていく】
【どう見ても暴徒の一団ではあるが、その中心部には――僅かながらまともに統制が取れている者達も居た】
【それは、港へと続く道を塞ぐように存在している、3台程のトラックの上に居た。その中心は双眼鏡を持つ一人の女】

「……略奪すんのも良いけど、本職忘れんなよテメーらー。
あと、奪った分の一割はいつも通り私によこすよーに、それさえ守れば仕事始まるまで好きにしてていいから。
逃げ遅れたガキとか居たら猿ぐつわかましてトラックに積み込んどいてー、んでもってそれ以外は皆殺しで。
んでー、一応此処が港までの最短ルートな訳だから――人が来たら取り敢えずブチ殺し。おーけー?」

【統制の中心である女は、GIFTのマークの入った黒色のウィンドブレーカーを羽織っていた】
【金色のボブカットをゴムで適当にまとめ、前髪を邪魔にならないようにヘアピンでとめていく】
【つま先が少し分厚いデザインのスニーカーを踏みしめるようにして調子を確認し、軽く屈伸】
【首を回し骨を鳴らして、しばし伸び。伸びを戻して大きく欠伸】

「うーっし、仕込みは上々。てめーら、いつも通りにやれよ、分かってんな?
今日は特別手当も出るし、時間外手当も出るし、負傷手当も出る! よーするに、怪我したら金が貰えるって事だ!
だから、死なない程度に戦って、死にそうになったらさっさと逃げて手当貰って、戦った感出しとこうな!
あ、当然殺せそうなら殺すけど、そこは間違えんなよ? んじゃ――ホワイトナイト様でも待っていますかね……っと」

【好き勝手に略奪、拉致を行うGIFTの面々――下っ端の中の下っ端、消耗品の戦闘兵に死ぬなと言う数奇な女】
【だが、兵士たちはそれに対して当然という様な表情、分かっていると言う反応を返す。他のGIFT戦闘兵達と比べても空気が違う】

/*バイト数飛び出したので分割しますね*/
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 20:06:06.08 ID:0MvtTdqpo
【右手を大きく点に掲げ、皆の視線を集めて。女は怠そうな表情を、歪かつ卑屈に少し歪め、笑い】

「……てめーら! 武器は構えたけど心構えはとーぜん決まってねぇな!? 死にたくねーよな!? でも金は欲しいよな!?」

【手を掲げ、皆の視線を集める女は皆に向かって唐突に、よく響く声を張ってそんな事を言う。激励の言葉では無かった】
【士気を上げるような発言ではなく、等身大に――恐怖し、緊張している事を確認していく言葉】
【その声を受ければ、戦闘兵達は思い思いに声を上げ、武器を掲げ、引きつった笑顔を浮かべてみせる】

「――っし、私も一緒だ。ぶっちゃけ帰りたい。でも、帰る訳にはいかねー。
ま、あれだ。最後まで付き合えとは言わねーから、付き合えるところまでは付き合ってくれ」

【互いの弱みを理解し、互いにそれを否定せずに肯定しあう、弱者の繋がり合い】
【強いのか弱いのか全く分からない、独特の絆。近くの兵士たちは武器をぶつけ合い、互いの意志を確認する】
【すでにトラックにはかなりの金品が積み込まれている為、このまま逃走してもそこそこの稼ぎにはなる】
【だが、引けない立場と引けない理由が彼らには有る――だから、死なずに帰る為に、殺して奪う】

「状況、開始――――っ」

【掲げられた手が――振り下ろされた】
【兵士たちは即座に立ち位置を調整し、近接武器を持つものは先に出て、銃器を持つものはトラックの近くに陣取った】
【前衛13名。後衛は――リーダー1名、他7名。武器は様々、最新式から旧式まで自由そのもの】
【兵士の面々は、案外緊張してはいない。皆、表情には僅かな緊張と、この作戦を終えた後の希望がある】

【使い捨ての部隊――GARBAGE。GIFTに於いて素行や能力のそれほど高くない無能力者が送られる、最終集積場】
【だがこの部隊には一つの特徴がある。罰則や始末書が一番多く、任務達成率が低い反面――生存率が一番高いということ】
【それ故、彼らはあらゆる戦場に送り込まれてきた。実戦経験だけならば、あらゆる部隊にも勝る。それだけが、彼らの強み】
【――強くはない。だが彼らは――意地汚く、そして粘り強い。弱者の意地が、落ちこぼれの群れが――敵を待ち構えていた】

/*ねこやまさんよろしくお願いしますー*/
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/22(日) 20:06:15.05 ID:HJ2f9szLo
【リマニア港、港の広場】
【今そこにあるのは貿易の荷物でもなければ旅行客の姿でもなく、そして防衛の戦士達の姿でもなく】




【ただ――――――花畑であった】




【色とりどりの鮮やかな花が咲き乱れ、所々には茨の塊も見える】
【それはとても美しく、穏やかな光景――――遠くから見れば、の話だが】

【花々は倒れ伏した人間の体から伸びており、茨の中には苦悶の表情を浮かべた男の姿がある】
【近付けば見えてくるそれは、謂わば―――地獄絵図】
【そしてその近く、様々に散らばった防衛部隊の資材の中にただ一人、女がいた】

この程度でしたら、戦闘員に任せても良かったかもしれませんわね……
しかし、先程の通信の様子ではまだ増援がある筈なのですが……まだ来られないのでしょうか?

【純白の手袋に包まれた指の中には、一つの通信機】
【一つ強い風が吹けば、それを放して女はゴシックドレスの裾を軽く押さえ】
【そして地に落下した小さな機械を、黒いサイハイブーツの踵でグシャリと踏み潰して】

―――そろそろあちらの“剪定”も始まる頃でしょうか

【女はその顔に楽しそうな笑みを浮かべ、そして呟く】
【その首元で小さな銀十字が月の光を反射して微かに煌めいて―――】

【さて、今女は海を背に立っている―――故に、ここに来る者があれば女の前方から、ということになろう】
【そして女の後方、少し離れた海上には黒い船影が見えるだろうか】



/ではロウさんの方よろしくお願いしますー
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/22(日) 20:18:30.40 ID:k+A4l5Vjo
【風の国 トレーディングストリート】
【リマニアに運び込まれた舶来品の多くはこの巨大な一大商店街に卸される】
【普段は多くの人々でごった返すこのアーケード街もこの日だけは閑散としていた】

【日中、港町に降り注ぐ陽光を遮蔽する為に天井部に設けられた屋根だが、今は月光をも遮り、このストリート全体に不快な影を落としていた】
【採光用に屋根の中央部に一直線上に開けられた吹き抜けは、唯一、光をストリートに齎し、闇の中で一筋に輝く道を幻想的に作り出している】

【そんな“月光の道”の中央に人影、ひとつ】
【深い紫色の色無地着物を着た人間だ。顔は狐面で覆っており、果たしてその者が男なのか女なのか、あるいは風貌すらも定かではない】
【その者の名は“ナバリ”と言った。腰にはひとつ、独特の機構を携えた刀を据え、ただ何も言わずそこに立っていた】
【まるで誰かを待っているかのように】

【そしてここを訪れた者に、ナバリはこう言うだろう】

――――“地走り”のナバリと申す。櫻よりこの地に馳せ参じた。
……―――― その首、貰い受ける。

【そうつぶやくと、腰に据えた刀を緩慢な動きで抜く】
【その刀は片刃のみならず、切っ先から反対側の中腹までに刃が伸びている、謂わば両刃、異形の刀であった】
【また、柄の部分にも何かしらの細工がしてあることを一見して察せられるだろう】

【そしてこの者、いわゆるGIFT所属の者とは違う雰囲気である】
【GIFTに雇われた者か、はたまた、偶然この場に居合わせた狂人か】


/高野正和さん、よろしくお願いします。
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/22(日) 20:28:42.33 ID:omiOQKcZ0
>>419

【閑散としたそのストリートに一人の男と道化師風の人形がきた】
【その男は茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ】
【ベルトつきの裾の長いズボンをはいている】
【その男はタバコを吸っていた】

 やれやれ、こんなところに
 自分から名乗ってくれるとは

【男はそのように言った】
【そしてナバリの刀に注意する】

 さて、あんたが雇われたそれとも正規構成員か
 まあ、どちらでもいいや
 んじゃ、はじめやしょうや

【そして男は人形〔トリガー〕を操るり、両手をナバリに向けさせ】
【両腕の内臓銃をぶちかました】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/22(日) 20:30:38.15 ID:quh2uvJno
>>415

―――おい、俺は港に向かってるけど問題ねーな!? じゃあ切るぜ、そっちも頑張れよ……!
……まーた意表突いて来たのかよ敵さんは……! くっそ、俺右足首怪我してっから足おっせーんだよォッ!

【男は乱暴に電話を切り、白シャツの上に着込んでいる灰のジレのポケットへと携帯を突っ込んだ】
【右脚を庇うような拙い走りながら、伝う汗と噛み締めた表情がその懸命さを示している。―――この角を曲がれば、港の広場が見える】
【段々と濃くなっていく不穏な空気と香りに嫌な予感を感じながらも、右脚に負担がかからないように大回りに角を曲がって、飛び込んできたのは―――】
【……潮風に揺れる花々。自然とイメージされていた光景とは明らかに異なった眼前の現実に、男の紺碧の瞳がこれでもかという程に見開いた】

―――……ッッ、此処さ……港町じゃ無かったのかよ……? 何でこんなコトになってんだッッ……!?
……人から生えてやがる。んなもんどう見ても能力者―――で、其れがアンタかい……

                          ―――闘いの格好じゃないんじゃねーの、嬢ちゃん

【キョロキョロとこの異様な光景を見回す。チャラチャラとペンダントが音を立てて揺れ、月光をペンダントの玉が反射する】
【同時に、その玉から漏れるは怪しげな魔力―――この魔力、宝玉なのだが。男の紺碧が海を背に立つ女へと注ぎ込まれれば、その魔力に男の闘気が混じり出して】
【被っている青のソフト帽をちょいと上げながら、男はゆっくりと両手を上げた。―――凄味のある声色を飛ばしつつ、小さく男は呟く―――】

……<Flame&Flost>

【突如、男の両手に具現化される銃。右手に朱、左手に蒼の其れを握り締めると両の銃口を彼女へと向けた。 力強い眼光が、彼女へと注がれていた】

/お願いしますー
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/22(日) 20:42:50.90 ID:phEAxvFY0
>>416

【風の国―――リマニア美味い物通り にて】

【近くには港が有る為か、特に"海産物"を使った料理の店が多く並ぶ大通り。】
【観光者用のパンフレットにも、1,2を争う程の大きな見出しが当てられる位、有名な場所である。】

【此処を訪れるのは観光者だけではない。地元の市民達も、日常的に利用するのだ。だからこそ、昼夜問わず賑わいを見せる】
【特に夜は、最も多く人が通る時間帯だろう。然しながら今日だけは違っていて―――】

【静かで、動く物と言えば、風に棚引かれたポスターぐらいであった。】
【丸で其の光景は、時が止まった様に見えた事だろう】

【―――然し、長い間停止していた時も、何れは動き出す。其の"原因"は、1人の少年であった。】

【少し短めの、艶のある黒髪に、黒曜石の様に澄んで居て深みのある黒色の眼。】
【半袖に捲っている、グレーのフード付きパーカーに、ごげ茶色のバギーパンツ、】
【更に黒縁のメガネをかけていて―――背中には、黒色の革製ミニショルダーバッグ。】


…あーあ。見事に閉まってもーとるな…って、当たり前かー…
はー、何やねんもう…看板見るだけで腹減ってくるわー…また今度来よ…。

【色鮮やかな魚が描かれた看板に目移りしながら、少年は其の大通りの真ん中を歩く。】
【時折、後頭部を掻いては愚痴を零して。数分程続いた事だろう。】

【―――やがて少年の動きはピタッと止まる。―――70m程先であろうか。"目標"を発見したのだ。】
【運が良い事に、相手とは背後を取るといった位置に居た少年。それ故、その"目標"をゆっくり見定める事が出来た。】


……アカン、ちょっと多いんちゃう…?
いや、弱いやつほど群がるゆーけど……ここからやと10人位見えるな…。

……ま、とは言えこのままにはでけへんわな。
おっしゃ、ちょっと行ったるか―――?

【独り言にしては大きな声で、少年は気合を入れ直したなら、其の"目標"向かってダッシュ。】
【完成されたフォームである為か、其の速さは尋常な物ではなく……要した時間は数秒、といった所だろうか。】


おーいお前ら―!何やってんのか知らへんけど、そろそろ止めーやー!
ほらほら、ヒーロー様のお出ましやでー!

【少年は其の"目標"の中心に向かって、臆する事無く怒鳴り声を上げる。】
【其の特徴的な口調は、きっと印象的な叫び声として聞こえた事だろう。】

/こちらこそよろしくお願いします!
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/22(日) 20:51:50.11 ID:k+A4l5Vjo
>>420

【“地走り”とは、いにしえの櫻の国で、狩人の境地に達した"つわもの"どもを指す言葉であった】
【彼らは時代と共に狩りの対象を変えてきた。即ち、“獣”から“人”へ。“狩猟”から“暗殺”へ】
【そして当然の如く、生業をスムーズに行うために、人が用いる"文明の力"の対処策も発達している】
【弓から始まり、現代の最も強力かつ一般的な武器。それは銃であるが、しかし地走りたる彼らにはそんな物は通用しない】
【このナバリとて、例外ではなかった】


【真っ直ぐに飛来する弾丸を正確に捉え、携えた刃で切り払う】
【刀を振るっては、また返し、逆刃にて捉える……。その特異な形状、“両刃”を余すことなく利用し、攻撃を捌く】
【恐らく、このナバリに対しては、真正面から正直に撃つ弾丸など、意味を成さないだろう】

【自身に放たれた弾丸を全て撃ち落としたナバリは、狐の眼で正面の男を見捉え、再び刀を構えた】

――――壹の刃、“一太刀振るえば、吹き荒ぶ旋風”……。切り裂け、“飃”。

【刀が緑色に発光する。恐らくは、刀に仕込まれた機構に因るものか】
【ナバリが大きく踏み込みながら空を斬ると、刀身から“巨大な飛ぶ刃”が放たれるだろう】
【それは真空を以て空を裂く"鎌鼬"。凝縮された刃は空気でありながらも、目で朧気にその形を捉えることが出来るだろう】

【鎌鼬は横一文字に放たれ、男を切り裂こうとする。非常に横に広い範囲の攻撃、回避は困難を極めるか】
【しかし、真空の刃といえどその性質上、物を裂けるのは一度のみ。何かで遮ってしまえば、肉体が裂かれることはない】
【また、この刃は男に向けて放たれたモノだ。低空を飛び、胴を斬らんと疾る。もし男に翼が生えていたなら、上方向に避ける事も可能だろう】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 20:57:06.90 ID:0MvtTdqpo
>>422
「――やっとお出ましッスか。んじゃ、こっちも歓迎の祝砲でお返ししてやるッスかねー」

【トラックの上に陣取り、双眼鏡で道の先を確認していた女もまた、相手とほぼ同時に相手を認識していた】
【もきゅもきゅとチョコバーを頬張りながら、ぼそぼそと言葉を呟く女の姿は、とてもではないが鉄火場には似合わない】
【隣の女性兵士に目配せして、女は指をぱちんと鳴らす。その直後】

「――――悪ィッスねー! それ無理だから死んでくれッス――!」

【チョコバーの包装を投げ捨てながら、声を張り上げて相手の怒鳴り声に返答を返す女】
【その返答が終わった瞬間――辺りは、唐突に業火と轟音――爆轟に包まれていく】
【――路面が爆砕し相手の背後から爆風が迫っていく。先ほどから兵士たちが行っていた行動は――トラップの設置】
【強くない。故に、戦力を埋めるために仕込みをし、策を弄し、不意打ちを狙う。ここは戦場、それは常套手段としておかしくない】

【巻き上がり迫り来る爆風と瓦礫の驟雨。それらに合わせて、前衛の兵士たちは臨戦態勢へと移行】
【武器をそれぞれ構え、それぞれの死角を補い、互いが互いの命を守る様に構えを取る】
【前衛の30m後ろ。トラック辺りに陣取る後衛部隊は小銃を構え、何時でも不意の事態に対応できるようにする】

【練度はそれほど高くない。なぜなら彼らには才能が無く、適性が無く、能力が無いから】
【だが、その分彼らは油断をしない。己が劣っている事を理解している故に――加減をしない】

「……窮鼠猫を噛む。悪いけど普段から追い詰められてるッスからね。
なりふりかまってる暇なんざ――ないんスよ。さー、今日生きて帰るために奮発してビール買っちゃったんス!
さっさと死んで私に晩酌をさせろッス――! あと手当の為にも!」

【双眼鏡を構え、粉塵の奥を注意深く観察する為に、赤外線モードへとモード変更】
【何とも言えない俗っぽい理由だが、この部隊の連中は大半がこの調子。だからこそ落ちこぼれなのだが】
【前衛はじりじりと後ろに下がり、何が飛び出してきても対応できるように腰を落として、剣やナイフ、槍を構え。盾を持つ3名は少し前に出た】

(……単騎で来る以上、自信が有るということ。ならばこの程度で死ぬはずがない=B
私ならワンチャン死んでるかもだけど、多分能力者だし、多分強い。動き見りゃわかるし。
――仕込みはまだ幾つか。ああ…………死にたくねーなー。帰りてぇ……)

【食い入るように瓦礫と粉塵の向こうを見据え、思考を巡らせる女は――最悪を考え続け、最悪の対する対応を試行し続ける】
【徹底的なネガティブは、しかしながら、臆病すぎるがゆえに高い防御性を部隊に齎している】
【自由な気風の部隊はしかし――どこまでも、堅牢で堅実な部隊であった】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/22(日) 21:02:31.50 ID:+1BpMpKeo
>>421

―――ようこそ、お待ちしておりましたわ
ええ、これは全て私が神より賜った能力によるもの……神に背く哀れな命を美しい花に昇華させるなんて、素敵でしょう?

【広場に現れた男を見れば、女は平然と言い放つ。そこに悪びれる様子など微塵もなく】
【両手の指を胸の前で絡め、小さく首を傾げたその姿からは、女が本気で言っているのだ、と推測できるか】

あら、貴方も能力者ですのね?
それなら一度だけ、忠告させていただきますわ―――

邪魔をすれば殺します。死にたくなければ大人しくしていてくださいませ

【『能力者であれば、邪魔をしない限り殺しはしない』というのが女の考え】
【それは“能力者至上主義”を掲げる組織の一員としては、極めて自然なものなのかもしれない】
【しかし裏返せば、『無能力者は邪魔をしなくても殺める』ということであって……】

【そこへもう一人、新たな戦士が現れる】
【ガシャリガシャリと金属音を立てて走り来るのは、ぼんやりと光を放つ双剣を持った少女で】

「くっ―――何よこれ……!私がもっと早く着いてたら……!」
「……って、あんたは仲間……SCARLETの側よね?じゃあやったのはあっちの女……!」

【赤を基調としたドレスに甲冑を組み合わせたような、所謂鎧ドレスを身に纏い】
【銀のポニーテールを揺らして周囲を見回せば、ソフト帽の男へ声をかける】

【右手に長剣、左手に短剣を握った少女はどう見ても剣士で】
【その点では、銃を扱うのであろう男との相性は悪くないのかもしれない】

あら、もう一人いらしたんですのね
……まあいいですわ、一先ず、下のこれ、邪魔ですわね

【そう言って女が軽く腕を振るうと、多数の花の内、緋色の彼岸花が炎に姿を変える】
【その炎はすぐに消えるのだが、足元に広がっていた植物達は、その根本の人体諸共、消え失せることだろう】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/22(日) 21:07:30.62 ID:omiOQKcZ0
>>423

おいおい、そんなんありかよ

【少々驚きを混じらせながら男は言った】
【そして、男は相手が真空の刃を放ってきた】

 やれやれ、とんだびっくり刀だ
 まあ、おとなしく切り裂かれる気はありやせん、よ

【そう言うと男は遮るものを探し見つける】
【その見つけたのは自転車がある】
【そしてその自転車を〔トリガー〕に真空の刃の向かって投げさせた】
【そして男は〔トリガー〕をまた操る】
【すると、肩らったへんが開き一つの銃が出てきた】
【その銃は対物ライフルと言われている】

 さて、いくらその刀があろうとも
 こいつを抑えられますか、と

【そう言うと、男は〔トリガー〕をナバリの側面に動かす】
【そして、その側面から対物ライフルを発射した】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/22(日) 21:27:15.98 ID:quh2uvJno
>>425

……誰にも目の前の人命を奪う権利なんか無い―――それが神であっても、だ
アンタ等GIFTが崇める神が―――殺人を、人命を軽々しく見るんなら……

―――俺はその「神」ってのに唾吐き捨ててやるってんだコラァッッ!!

【散らされた命に、何の感情も持たない眼前の女への怒りが、咆哮となり―――其れが右人差し指の動きと同調する。トリガーが引かれ、轟音が鳴り響いた】
【―――真っ直ぐな弾丸。唯真っ直ぐに、最短距離で彼女の土手っ腹を撃ちぬかんと空を裂いて鉛球が飛ぶ】
【あまりにもわかりやすい軌道故に、相当な油断がない限り対処可能だろう。―――彼女が、GIFTの精鋭ならば】

【―――ピリピリとした空気に入り込んでくる何かを、耳より先に肌で感じとった。戦闘モードとなり研ぎ澄まされた感性が、直ぐに彼を振り返らせる】

―――ッッ……仲間か。右肩見ろ……SCARLETだよ。気をつけろよ、この異様な光景も―――アイツらしい
……絶対捕えて―――アイツのその腐った思想、俺が叩き直してやんだ……!! 

【仲間と分かれば、直ぐに視線を敵へと戻す。―――場面が場面なのか、男は鋭い顔つきの中で手短に言葉を飛ばした】
【彼がアピールした右肩には、緋色の鷹。つまりSCARLETだという証拠が、そこに在った】
【―――血に混じった空気が、突然生温いものになった。熱気がゆっくりと此方へと迫っていく。簡単に出した焔が、命の入れ物を焼き消していった】

―――ッッ、炎使いなのか……? この野郎、『邪魔』なんて言葉使いやがって―――!!

【周りを埋め尽くす無数の花、そして突然の発火―――未だその正体が掴めない能力に多少の警戒を見せながらも、彼女の態度に男は目を吊り上げた】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/22(日) 21:33:21.15 ID:phEAxvFY0
>>424

【女の張り上げた声の後に聞こえたのは、大きな爆発音。】
【奇襲―――であった。少年は思わず耳を塞いでは、体勢を低く取り、当たりをキョロキョロと見回す。】
【―――近くにトラックがある。"方向に注意すれば"爆風を遮るには十分、安全であった。】
【何とか爆風自体は避けられた様だった。フーっと安堵の溜息と共に、少年はその場にしゃがみ込む。】
【この一連の動きを見ていたのなら、"何度も経験している程、熟れた物だ"という印象を与えるのかもしれない。】

【……然しながら、"トラップ"の威力は其れだけでは無かった。】
【即ち、玉砕した路面の一部が宙を舞い―――やがて降り注ぐ。】
【小さな破片ならともかく、大きな物に関しては、十分な殺傷能力が在った。】
【今度は運が悪かったのか。其の大きな破片が―――丸で狙っているかの様に、少年の身体に向かって行く。】

【爆風に巻き込まれずに済んで、一旦安心した為か、予想外の出来事だった為か。兎に角、其れに対する反応が遅れてしまい―――】
【グレー一色だったパーカーに、鮮やかな紅色の滲み。―――左肩に被弾したのだった。】

【『やっちまった。』なんて言いたげな表情をする少年。】
【然しながら、少年にとっては其処まで気にする程の傷でもない、と判断したのか。】

【黒縁のメガネを外して、背中のショルダーバッグに無造作に入れ込んでは立ち上がり、】
【少年は一歩、また一歩と、"其の方"へ向かってゆっくりと歩み出す。】

【粉塵の中、音に敏感な者なら、有る"違和感"に気づく事になるだろう。】
【―――其れは、丸で甲冑を着た戦士が其処を歩いているかの様な、ガチャ、ガチャという金属音。】
【更に観察力に長けた者なら、勘付く事が出来るはずだ―――其の音は、少年の足音のタイミングと一致している、という事に。】


やるやんおまえらー!
ほら、俺、ここ、怪我したでー!
でも、もう加減せえへんからなー!

【左肩をクイッと上げて見せびらかす。其れを見たなら、血の滲みからも左肩を負傷した事が分かるだろう。】

【少年は叫んだ後、改めて状況を見直す。―――其処は比喩ではない、地獄であった。】
【既に息絶えていると思われる、倒れた兵士達。見るも無残な、荒らされた店の数々―――】
【"GIFT"と刻まれたアクセサリーを身につけた男達の手には、恐らく略奪品。】
【無能力者の一掃と聞いていたが―――どうやらこの男達は、"略奪"も1つの目的としているらしい。】

あー!アカンこと、いっぱいやっとるなおまえらー!!
ほら、何かウマそうなもん手に持ってるお前、…そうお前!
何か腹立つし、お前からや!かかってこいやー!!
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/22(日) 21:38:36.76 ID:k+A4l5Vjo
>>426

――――無論

【狐面が怪しげな音を立てる。先ほどからの超人的な動きは、この狐面によって齎された物だろう】
【人は古来から道具を用いてきた。そしてそれは、文明の進展と共に、驚異的なスピードで発展していった】
【“地走り”とて例外ではなかった。寧ろ、技術立国たる櫻の国出身の彼らのほうが、世界的な技術水準よりも何倍も上を行っていた】

【ナバリの狐面は最新鋭のサイバネティクス技術を用いた一種の補助ゴーグルだ】
【数ある搭載機能の内の一つ、そしてこれこそまさに“文明に対抗する為の策”】
【高速動体逆転認識機構。“Kinetics Acceleration Machine”=KAMとも呼ばれるこの技術は現代における主力兵装、銃の無力化に成功した最も有名な技術である】
【即ち、高速で移動する物体ほど遅く認識出来る技術である。KAMで得た情報をシナプスに変換し、瞬時にニューロン網に伝達することで凄まじい動体視力を発揮することが出来るのだ】

無用に断つ必要も無し。

【そう言いつつ、ナバリは身を翻し、銃弾をすんでのところで避ける。AMライフルの様に速い弾丸ほどナバリにとっては遅く見える。故に避けることは容易く】
【翻した体は、そのままくるりと一回転し、再び男の方に体を向ける。そうして、回転のエネルギーを殺さずに、男に向かって肉薄する】

――――貮の刃、“刃の舞にて金糸を喚起せしめん”……。篭絡せよ、“綵”。

【またもや刀がその発する色を変える。次に発した光は、桃色の光】
【と、同時に鍔から4本の糸が射出される。金色に染められたその糸は男をまさしく篭絡しようと迫るだろう】
【金糸自体の強度はそれほど強くはない。ナイフ程度の刃物で容易く切れるだろうが、しかし、この闇の中である】
【月光に映える金色が、距離に関係なく等しく輝く為、交差し、旋回する糸は幻惑の様に男の距離感を狂わせるだろう】
【果たしてこれを見切ることは出来るだろうか】

【あるいは、見切れたとしても、見切れなかったとしても】
【ナバリはそのままの速度で未だ肉薄を続けている】
【姿勢を低くし、刀を中段に構え間合いを詰めるだろう】

【そして、金糸が男を絡め取ろうが、出来まいが、ナバリは男を両断せんと刀を振るうだろう】
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/09/22(日) 21:41:51.41 ID:QBbzN4Xmo
【沼地――打ち捨てられた墓場】

――……争い、か

【静まり返った墓標の群れの中で、低く呟いた声があった】
【それは闇色のローブを纏った男性と思しき人影だった】
【目深に被ったフードから紅茶色の長髪が溢れている】

【人影は背を折ってしゃがみ込むと、足元の墓碑を指でなぞる】
【紫に塗った長い爪先から下の掌は包帯で巻かれ、それは腕の方まで続いているようだった】
【怪我とは異なって、それでいて飾りであるはずもない――何かを隠すような其れ】

【墓場には、冷ややかな温度はあっても沼の水を揺らす風はない】
【月明かりさえ雲に隠れた夜には、何処までも生きたものの気配がなかった】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 21:49:22.86 ID:0MvtTdqpo
>>428
「あっちゃー……、この程度な訳か。成る程、鎧でも中に着てたか、身体の硬質化の類ッスかねー。
……ああもう、やだやだ。やだやだ、面倒は本当嫌いなんスよ――、あんた面倒な奴じゃないッスかホントやめてくれないッスかねー」

【粉塵から這い出してくるのは――人一人分の大きさの熱量と、金属質な足音】
【現れた青年の負傷を見て、女は眉間に皺を寄せて、露骨にため息を吐き出した】
【先ほどの動きの練度の高さと良い、相手は間違いなく素人ではない。此方の練度も低くはないが、高くはない】
【さらに此方は皆揃って無能力者。能力が有るという事は、ジョーカーを持つか持たざるかの差】
【相手とは違い――無能力者はどこまでも現実的に、常識の中で足掻き、生き抜くしか無い】
【面倒だ。心の底からそう思い、その面倒を如何に面倒ではなく終わらせるか、女は思考を巡らせて】

「――知るかッスよ。だって怪我したくないモン」

「……前方部隊に通達。多分お前らじゃ敵わねー。この中じゃ多分私くらいだろ、まともにあいて出来んの。
一応本気で殺しに行って無理と判断したらバックアップ連れてさっさと逃げろ。ただ、仕込みの起動はこっちから言うから、それだけ頼むわ、以上」

【宣戦布告されたリーダー格の女、コジマ。相手の挑発を前に、馬鹿にした様な表情を浮かべる】
【小さくピンマイクから全体に命令を下し、兵士たちは頷くこと無く、しかし死地を超えた連携で互いに確認を示す】
【中指を立てて舌をんべーと出して、トラックの上に陣取ったまま、二つ目のチョコバーの包装を解く】
【ざくりとウエハース生地を噛みちぎり、もふもふと咀嚼している最中、兵士たちが動き出す】

{ああ糞、面倒だけど死んでくれや!}
<――死にたくないから先に死んでくれね!? 頼むからよォ!>
『金持ってなさそうだし、さっさと片付けちまうか!』

【盾を持つ3名は、健脚かつ体格の大きい者達。彼らが一斉に前方に駆け出す】
【全面を完全に覆う巨大な強化ポリカーボネートの盾による、シールドバッシュ】
【盾で叩き潰しながら、そのまま地面に押し倒し体勢を崩そうとする意図が有る】

【同時に、後方部隊達が、相手の足元や胴体を狙って6発の凶弾を撃ち放つ】
【これは牽制。この銃弾に対応させる事で、盾への対応を疎かにさせ、そのまま引き倒す補助とする為の策】
【そして、武器を持つ残りの10人は散開し、盾持ちの横をカバーするように走りだす】
【銃弾を防げば盾に引き倒され、盾と銃弾を避ければ両サイドからは5人ずつの兵士。隙のない布陣だった】

(……さて、これで対応されるならさっさと逃さねーと、査定が下がってウチの売りが無くなっちまう)

【目を細めて、相手の実力を見定めんと注意深く観察する。強いのは分かっているが、何を使い、何を得意とし、何を苦手とするか】
【それを知ってからようやくスタート。まだこの女は実力を見せていない。知っているのと知らないとでは、戦いは雲泥の差となる】
【情報で差を産み、地理で差を産み、数で差を産み――それでようやく、届く。それが、彼女だ】
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/22(日) 22:00:01.75 ID:omiOQKcZ0
>>429

 ははは、普通に回避しちまうのかよ

【男は対物ライフルを回避したナバリに驚きいた】
【そして、笑いもまたこみ上げてきた】

 たく、やっかいな

【男は悪態をつく】
【しかし、悪態をついたところでナバリを止めることはできない】
【そして、糸が発射され男は回避できたものの〔トリガー〕に絡みつく】

 だー、畜生!
 こんなもんまで持ってきやがって

【男はさらに悪態をつく】
【そのとき、ナバリが一気に迫り、男を両断しようと刀を振るい、男は回避行動をとる】
【そして、その刀に切りつけられたが幸いにも回避がまにあい脇を浅く切りつけられた程度だった】
【そして男は〔トリガー〕の後方へと走って移動した】
【そして、さらに走りながら自動式拳銃をとりだし、ぶちかます】
【牽制ぐらいにはなると思っている】 
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/22(日) 22:02:35.87 ID:l6ixBnrdo
>>427

芸術家が自分の作った作品を壊しても、他者がどうこういう権利はないでしょう?
それと同じですわ―――人は皆、神のお作りになられた作品ですもの

【咆哮、轟音、放たれる弾丸―――】
【それに対して女がとった行動は――――――なかった】

【女は何もしていない。しかし、女の腕から弾道上に的確に、無数の蔦が伸び、弾丸の勢いを喰らっていく】
【“ただの蔦”では防ぎきることなど到底不可能なはずだが、実際に弾丸は勢いを無くし】
【蔦の消滅と同時、地面へと落下していく】

「成程ね、SCARLET側どころかSCARLETの人間だったのね」
「ええ……流石にこれは気分最悪だものね……!」

【のんびりと話していられる状況でないことは少女もよくわかっている】
【故に、返す言葉も手短に済ませ、蒼の瞳で女を鋭く睨みつける】

「GIFTだか何だか知らないけど!私も邪魔させてもらうわ!」

はぁ……天に唾を吐けば己に降る、ということをお教えする必要があるようですわね
ですが先ずは、貴方方の力を見せていただきましょう―――!

【小さく吼えて少女が走り出せば、女は両の手をすっ、と前に突き出す】
【すると、女の前方の地面から、太く大きな茨が二本、“現れ”て】
【それは地面に根差しているようではあるのだが、地面が割砕かれる様子は見られない】

まさか、こんな小手調べ程度では死にませんわよね?

【女がクスクスと笑い声を上げるのとほぼ同時、二本の茨は二人の戦士へ振り下ろされる】
【固く、重い一撃ではあるが、真っ直ぐな軌道は極めて単純】
【足に傷を抱えた男でも、避けるのは難しくないだろう】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/22(日) 22:18:32.21 ID:phEAxvFY0
>>431

あー!!べーってしたなべーって!!
お前、覚えとけよ!!後でボッコボコのギッタンギッタンやからな!!

【と、言い終えた刹那。一発の銃声が聞こえた。相手とは距離が有る為、銃弾が此方に来るまでにはラグがある。】

【今度は運が良かったのか。先ほどの爆発で外れたのであろう、金属製の看板が近くに落ちていた。】
【最初の銃弾を、身体を地面に付ける事で回避すると、よいしょよいしょと匍匐前進で進み、其れを手にとった。】
【少年は其の看板を詳細に分析する。――――身を守るには丁度良い硬さ、大きさ、であった。】
【となれば、其れを丸で盾の様にして、身を守り――――、残り5発の銃弾に関しては、難なく避ける事が出来た。】

【銃弾の為に遅れはしたものの、一瞬で状況を把握する。】
【大型の盾を持った男3人、両サイドには5人の兵士。思わず其の"最高の布陣"に『おー…』と呟く。】

【然しながら少年は、その盾の男に突っ込んでいく事を考えた。】
【更なる銃弾を考えたのか、少年も"最強の盾"を手にとって】
【手と足、首ををポキポキと言わせて柔軟を済ませると、一気に其の距離を縮める――――】

【走りながら3人の中でも一番ひ弱そうな男を見定め――――盾に、蹴りを入れる。】
【流石に、盾を壊す事は不可能だった。となれば、其の蹴りの衝撃を利用して、男のバランスを崩す。】
【コレが少年の目的であり――――現状を打破する上で、"最適解"であった。】

【蹴りを入れた場所は、高さ1,8mといった所。少年の身長よりも高い其のハイキックは"美しさ"さえ感じられる事だろう】
【更に其れは、普通のハイキックではない。少年の足は今、謂わば"鉄"に成っているのだから――――】


…どや?盾は、壊れへんかったけど。結構、効いたんちゃう?
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/22(日) 22:29:06.64 ID:quh2uvJno
>>433

―――命とモノは違う……! 神がいたとして、ソイツがどんな理由で能力を俺に寄越したのかは知らねぇが―――
俺はこの能力を『人々を護る為』に使うッッ!! 神なんて見たこともないヤツに従う気は無ぇッ、俺は護りたいという俺の信念の為にこの力を振るうんだよッッ!!

【激しい言葉の中弾丸が彼女へと飛来したのだが―――避けるどころか、全く動かないまま止められてしまった】
【彼女が神から授かった力が、男の弾丸を食い止めて落ちる。蔦の壁―――成程、銃を使う彼にとっては厄介な代物だ】
【―――彼女に届かない自分の怒りに、男から自然に舌打ちが漏れる。苛立ちの中で、戦闘頭脳をフル回転させる―――が、今度は彼女が攻撃の匂いを醸し出す】

【炎か、蔓での攻撃か―――意識をジーンズに隠れている右足首、包帯の巻かれた其れにへと一瞬落とす】
【素早い攻撃には対応できそうにもない、つまり主な選択肢は迎撃―――グリップをギュッと強く握り身構えれば、茨が鞭のようにしなり上から襲いかかる】

―――ッッ!(地面から出て―――来たのか? 隆起が見られない……!)

【確かに俊敏性は無いが、彼は豊富な経験から「予測」に優れている。どう来るかさえ見えていれば―――ある程度ならば回避も可能だった】
【出来るだけ足首を直角に保ったまま、左膝を外側に抜くように身体を倒しこみ左側へと回避を試みる。彼の右側から物凄い風圧が感じられた】
【―――回避は成功、そうなれば攻撃に転じるがセオリー。だが、単純な攻撃では先程の壁に防がれてしまう―――ならば】
【……轟音が2発、続けざまに響く。先程と狙いは変わらないが、異なる点はまず2発だということ。そして―――今回は能力が弾丸に篭っている】

―――植物なら燃えんだろ……!!

【先に撃たれた右の銃弾、ハイスピードで見抜けるかは解らないが朱く輝いている。そしてこの銃弾、物を燃やす『灼熱弾』―――つまり、蔦の壁を燃やして突破しようと言うのだ】
【そして突破した所を、通常の弾丸が炎の中から飛び出して彼女の腹を射抜く―――そういうイメージが咄嗟に頭の中に浮かんで、そして実行に移したのだ】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/22(日) 22:30:36.59 ID:k+A4l5Vjo
>>432

【振りぬき様に若干の手応えを感じたが、真に捉えた心地ではなかった。躱されたのだ】
【もっとも、真正面から斬りに行ったのだ。そう易易と斬られたりはしないだろう。少なくとも、この場に居る様な人間ならば】

――――だが、逃がさん。

【狐面の奥からくぐもった声を発すると、走る男に追従するように走り寄り、追撃を仕掛けようとする】
【だが、それがかえって裏目に出た。深追いはするな、と言うセリフはよく聞くが、まさにその通りで】
【今、ナバリと男の間合いは、ナバリが追撃を仕掛けんとしていたため、それ程開いてはいない。その状態からの発砲である】
【いくらKAMによる補正が働いたとしても、至近距離から放たれた弾丸に瞬時に反応できるほど強化されるわけではない】

ムッ――――!!

【しかし、反応できない、と言えど、少しは足掻いて見せるのが当然であり】
【複数発放たれた弾丸の内、数発は切り落とす事ができた。しかし、取り逃した1発は脇腹に直撃してしまったのだ】
【深い紫色の着物が黒紅色に染まっていく。が、ナバリは未だ平然としており―それが装ったものなのかは判らないが―依然として、刀を構えつつ突進する】

所詮、鉄砲を撃つしか出来ぬか……。
――――ならば、雑兵どもと差異は無し。故に情けは無用、このナバリ、本気で行かせてもらう。

【肉薄しつつも、中段から上段の構えに移行する。一見防御を捨てた構えに見えるが、その実は研ぎ澄まされた集中力を帯びた超防御特化の構えである】
【また、KAMによる補正下では、攻撃や捌きに転じる際、刀を振り下ろすだけでそれらを行えるゆえ、臨機応変かつ最速の構えでもある】

――――參の刃、“汝が刻みしは冷厳なる凍傷”……。凍てつけ、“熄”。

【刀が青色に発光する。と同時に、まるで刀身がドライアイスになったかのように、白煙を吹き出す】
【離れていても感じられるかもしれない。刀身から発せられる強烈な冷気に】

【ナバリはこちらに銃を向けている男に対し大きく踏み込む】
【その瞬間、脇腹に受けた銃創からじわりと血が滲みだす】

【ナバリが振るうは冷気の刃。その刃が刻むは刀傷ならぬ凍傷。直撃すれば、即死は免れても大きな傷になるだろう】
【あるいは、運が悪ければ例えば体の部位が時間とともに腐り落ちてしまうかもしれない】
【しかし、男がこちらへ銃を向けていた分、ナバリは男よりも速く男に接敵出来た】
【既に男は刀の間合い内だ。どう凌ぐか】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 22:32:56.13 ID:0MvtTdqpo
(――はあ、面倒。場の状況を上手く使って回避できる訳だな――厄介厄介。
まあ防がれるのは織り込み済み。だったら何処まで、相手の実力を引き出す事が出来るか――そこが大切)

【相手が状況に対応していけばいくほど、此方は相手の行動から相手の思考を読み取っていくことが出来る】
【こういうときにこうしたのだから、こういうときにはこうする可能性が高い。――そういった思考の試行を、後ろに位置する女はひたすらに続ける】
【身体能力は恐らく相手が上。速度だけはギリギリ追いつけるかと言ったところだが、膂力では間違いなく追いつかない】
【ならばどうするか。今のうちに部下を使って出来るだけ相手を削り、此方の有利へと状況を持っていく】

【地味だ。――地味だが、地味故に大きく失敗する事も無く、確実な成果をそれは発揮する】
【女の視線の先では、相手の蹴りを食らって後ろに吹き飛んでいく盾持ちが居た】
【硬い衝撃音は、足に金属質の何かを仕込んでいる事は間違いなく、骨や内蔵ならいとも容易く傷つけることが出来る事も理解】

『う、ぉお……!?』

【転がりながら吹き飛んでいく兵士を見て、即座に周りの兵士たちは行動を開始した】
【武器を抱えながら、全力で転身し――後ろに引いていくのだ】
【倒れた兵士も、盾を拾い上げると頭から血を流しながら全力で逃げ出していく】
【通常ではありえない行動だが――この部隊では、GARBAGEでは――それが許される、なぜならリーダーの方針だから】

「――やれやれ」

【トラックから飛び降り、地面にふわりと着地する女は、後頭部を掻いて他の兵士たちとすれ違いざまに目配せ】
【兵士から拳銃を受け取ると、ベルトの間に挟み込み――、腰のホルスターから一対の斧を引き抜いた】
【その直後、女の後ろに位置していたトラックは一斉に発進――部隊は女を残して、完全に撤収を開始した】

「今回任務は港への侵入者の妨害と、無能力者の殲滅と、有望者の拉致って訳でさ――。
あとやってねー仕事は、侵入者の妨害――要するに、アンタをブチ倒す訳って訳ッス。
ってなわけで、任務成功手当の為に――ちょっくら死んでくれないッスかね? あと、来るなら手加減して欲しいッス。弱いんで」

【トラックの後塵を浴びながら、引きつった笑顔――卑屈で、傲慢で、劣等感にまみれた顔を浮かべる女】
【腰を落として斧を構える姿は――他の兵士とは頭ひとつ以上抜きん出た練度を感じさせるもの】
【減らず口を叩いてはいるが、仮にも隊長。下っ端とは言えど、無能力者とは言えど――クズの中ではマシなクズだった】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 22:33:21.91 ID:0MvtTdqpo
/*>>437>>434宛です申し訳ないッ*/
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 22:40:53.42 ID:2RLxc8xj0
【人通りも無くなった街の中、コツリコツリと靴を鳴らしながら歩く姿が一つ】
【――――乱れなく着こなした軍服に、制帽。片目は眼帯で覆った少女が一人、歩いていて】
【腕に通された腕章は自警団の其れ。時折立ち止まっては、辺りを見回すけれど】


「…………異常なし、でありますね
ふひぃ〜……昨日は散々連れ回されて寝不足だから疲れたでありますよ……
っとと、ちゆ姉に聞かれたら不味いでありますね」

【眠たそうな眼をゴシゴシと擦り、再び歩き始めた】
【時折街灯に照らされるよく手入れのされた藍色の髪は、その光を鋭く反射させていて】
【……溜息を一つ吐けば、適当なベンチへと腰を下ろすことだろう】


「取り敢えず、今日の勤めは終了でありますね
…………帰ったら牛乳でも飲んで寝るでありますか」

【堅い表情には似合わない、大きな欠伸】
【続いて大きく背伸びをしたならば、もう一度辺りを見回して】
【立ち上がろうとしたその刹那――――脚が縺れて“ゴチン”なんて音が響き渡るだろうか】
【この街を訪れた者は、唯一の人影…………それも地面と熱烈キスをしている者の姿を見る筈で】








【木々の隙間から月の光が差し込む森の中】
【何時もならば、野鳥が鳴いているのだけれど、不思議と今宵は風に揺らされる葉の音しか聞こえず】
【――――けれど、漂うのは異質な気配。妖気、だろうか】
【其れを辿ったのならば、やがては開けた場所へと出る筈で】


「ふむ……もう、秋かや
ついこの前までは暑かったと思いきや……。まぁ、けれど……秋には秋の良さがあるという物
それに……うむ。秋には芋、かの」

【切り株に腰を掛けているのは、一人の少女】
【着物を纏い、その帯には二振りの刀が提げられていて】
【妖気は勿論の事、月明かりを鋭く反射させる銀の髪はこの森の中では嘸かし目立つ事だろう】


「――――どれ、櫻の地に一度戻るかの
果たして、顔見知りが居るかは分からぬが……」

【地面に届かない脚を宙でぶらりぶらりと遊ばせて】
【――――物思いに耽るかの様な、独り言】
【だけれど、新たな人物がこの場に着たことを悟れば、そちらへと視線を向けるのだろう】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/22(日) 22:55:09.62 ID:omiOQKcZ0
>>436

はあ、あんたの土俵に付き合っている暇はねえ!!

【男はそのように叫ぶ】
【正直言って何発かが当たったのは奇跡だと男は思っている】

 やっぱ、そいつも無敵のシステムってわけじゃあなさそうだ

【そのように言っているとナバリの刀から白煙が噴出すのを見た】
【そして、その強烈な冷機を走りながら感じた】

(もう何でもありだな)

【男がそう達観しかけていたしかし敵は待ってはくれない】
【男の足は鍛えているため早いだが今は敵のほうがすばやい】
【さらに銃を向けていた分さらに遅くなっていた】

(回避はまにあわねえか
 なら!)

【男は何かを決意し一旦止まりそしてナバリが振るった刀を、思いっきり体に受けた】
【直撃ではなかったものの相当にダメージが入った】

(ぐが、さすがに痛いな
 だが、これで隙はできたはずだ)

【そして、この後はナバリの腕か服を力強くつかみにいく】
【そしてつかむのが成功したら、〔トリガー〕を操り対物ライフルをナバリに向かって発射させるであろう〕
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/22(日) 23:06:01.05 ID:sFkyqd5bo
【とある埠頭】

【錆びたコンテナヤード、古びた倉庫、よどんだ潮風】
【対岸に見える貨物船や工場の灯りはとてもとても美しい】
【夜景スポットとしてここに見に来る奴なんて居ない。マフィアとか悪党とかそれ以下とかしか来やしない】
【けれどもそんな奴らが仮初の安らぎを得れるのはこんな場所なんだろうか】

【廃棄されて山積みのコンテナ群の中のひとつは少し新しくて、扉が開いている】
【そのコンテナの前にはロングノーズの古い青いクルマが停まっている】

【カーラジオからは今、繰り広げられているであろう事件の速報が嘘か真か】
【入り乱れた情報がアナウンサーが機械的に発信している】

………………。

【男はニュースの感想の代わりにくわえた煙草の煙を吐いた】
【クルマのトランクにアタッシェケース。それのダイアルを合わせて金具を開くと札束が詰まっている】

【眼と耳が隠れるぐらい伸びた黒髪。夜と同じくらい黒い髪】
【縦ラインの入った黒いモッズスーツ、白いシャツ、黒いネクタイ】
【手足が長くやせた体躯は実寸よりも余計にその身長を高く見せていた】

【男は強盗で、手配犯で賞金首だ。事件に応援に行っていない自警団やハンターは男を追ってくるだろうか】
【だがフリーランスで金はある。悪党の側も男を探してここにたどり着くかもしれない】
【或いは………】

【男は車内の時計を見た。11時だ。もうすぐ日が変わる】
【口のあいたコロナの瓶を手にとって、それを夜景にかざす】
【黄色の泡にオレンジの光が交じる】
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/22(日) 23:09:07.81 ID:phEAxvFY0
>>437

【転がっていく兵士を見ても、表情少しも変える事が無かった。寧ろ『当たり前だ』何て言いたげな少年。】
【と言うのも、少年は最初に、"ウマそうなもん食ってるヤツ"を倒すと宣言した。】
【男が吹っ飛んだのは、言ってみればステージ1クリア、でしかない、と言う事。】
【少年の目標は悪魔で、その女と対峙する事にあった。】

【――――さて、囲まれた状況が打破された所で、次にどうしようかと考える少年。】

(こいつら3人は、蹴っただけで吹っ飛ぶぐらいやし、"無能力者"の可能性が高いやろーな。)
(じゃあ、適当にしとけばええとして…、後は他の奴ら。どう片付けよかなー…銃弾、結構厄介やし…?)
(――――うん。まあ、あの女は一番"臭い"し。そいつに注意しながら、銃持ってる奴から順に…がええかな。)

【兵士が吹っ飛び終わる迄に、少年はこう思考した。】
【――――然しながら、其の作戦は実行に移す前に無駄に終わる。】
【兵士が全員トラックに乗り、撤退したのだ。――――一名を除いて。】
【その一名と言うのが、少年の最終目標である、例の女であった。】

【女がトラックからスタッと飛び降りる様子を見ながら】
【少年は女の言葉にこう声を張り上げ、返事する。】


――――いやいや、お前らの任務とか、興味無いんやけど。でもええとこあるやん。チョコバー女。
このまま続けたら、仲間死にそーやし、帰らせた、っちゅうことやろ?
かっこええなー…、でも俺、殺されるつもりとか無いんやけどな…?

――――あ、でも、俺の今の動き見て、それでもこっち来る言う事は、結構強いっちゅうことやん。
おっしゃ、いっちょやったろかー!

【少年は斧を構える、其の女の佇まいを凝視する。】
【少なくとも今までの奴等とは異なって、かなりの経験を積んできている、と言う事を悟る。】
【が、其れ故。何処か余裕を見せていた少年の表情は少し強張った物になり、】
【"本気"で女に臨もうと、少年は考える事になる。】

【背伸びをしては、そのまま身体を右に、左に倒して、矢張り柔軟を施す少年。】
【一通り其れも済ませると、女に向けて『かかってこい』と言う意味のジェスチャーをする事だろう。】
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/22(日) 23:10:13.94 ID:TP9RWvU90
>>439
【木の葉が夜風に吹かれてカサカサと音を奏でる……いつもならここに虫の鳴く涼やかな音も聞こえる筈なのだが】
【鳥も虫も黙りこくってしまったのか、妙な静けさが辺りを支配する森の中。この「異変」に気付くものが一人―――】

(……この先、嫌ーに静かね……動物たちが何かを避けてるのかしら……
 ちょっと肌寒いのは気のせい……だといいけど……)

【トレッキングパンツに桜色のウェアといつもの出で立ちで、鳶色の髪を秋風になびかせた一人の女性が呟く。】
【普段から森の中を歩く彼女にとって森の「異変」を感じ取るのはたやすく、故に異変の怒っている場所が何処かも大体分かった。】
【この先……何かは分からないけれど、何かがある。それを動物たちは避けている……。いったい何があるのだろうか?】
【自然学者として確かめない訳にはいかない。……変なものに出会ってしまったらどうしようと一抹の不安も抱えてはいるが。】

(よ……よし!ちょっとだけ、ちょっとだけ覗こう……!)

【本能的な恐怖心より好奇心が優ってしまった彼女は、意を決して茂みの中から顔をのぞかせ、そこに在る「何か」を見ようとする……が。】

「―――あっ!」

【あろうことか茂みに隠れていた弦に足を取られ、躓いてしまった。ガサガサと大きな音を立てて彼女の下敷きとなった草木が音を立てる。】
【何とも間抜けな不注意でしたたかに体を打った彼女は、数秒痛がる素振りを見せた後ようやく体を起こす。……ちょっと擦り剥いた。】

(イテテ……この歳にもなって擦り剥いちゃうとは……カッコワルイ。)

【まるで小学生のような怪我の仕方に少し自分が情けなる彼女。……そういえば躓いて転んだのなんていつ以来だろう。】
【妙な事で少し感慨に浸っているが……彼女が立てたこの大きな音は、こんな静かな森の中じゃあきっと目立っただろう。】
【そして、盛大に転んだところを見られたとなれば――――彼女はきっと顔を真っ赤にするに違いない。】

//まだいらっしゃいますかー?
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/22(日) 23:14:29.15 ID:C+eA0tm4o
>>435

【振り下ろされる茨、一つは男にかわされて】
【もう一方はどうなったか、というと―――】

「――当たらないわよこの程度!」

【ザクリ――少女の長剣が茨の側面に一本の傷を作れば、その軌道をなぞるように炎が走る】
【少女の持つ、宝玉の欠片の力による炎が、茨を燃やしていくのだ】

……流石にさっきの方たちよりは戦えるようですわね
ですが、神より授かった力を以て神に逆らうなど、何と愚かなことでしょう……!

【勢いを変えず走り寄る少女、そして迫る二つの弾丸を目前にしても調子を変えず】
【残った茨をぐるりと旋回させ、少女を薙ぎ払おうとすると同時、弾丸に向けた右手から再度蔦が現れて―――】

なっ――――――!

【当然、茨同様に燃やされる】
【しかし後続の弾丸が突き刺さる瞬間、女の身が急に引っ張られるように飛んでいく】
【女の右手側、少女がいたのと反対の方向へ向かったその姿を見れば、そのカラクリも一目瞭然】
【街灯から伸びた植物の蔓が女の体を引き寄せていたのだ】

くっ―――!危ないところで―――――!

「まだ安心するには早いわよ!」

【しかしそこへ、少女が跳躍しながら、回避を兼ねての斬撃を放つ】
【結果としては、斬撃は女の左腕を掠め、小さいながらも傷を作った】
【そして、女の脇腹にも傷は出来ていて―――】
【これは恐らく、命中こそしなかったが、弾丸が掠めたものであろう】

ふふふふ……まさか私が傷を負わされるとは思いませんでしたわ……
いいですわ、ちゃんとお相手致しましょう

【蔓から身を解放した女は静かに両手を持ち上げていく】
【それがちょうど二人の胸ほどの高さまで届いたその時、開いた女の掌の上に細い棒状の“何か”が現れる】

行きなさい、“宿木矢ミスティルティン”

【女の言葉と共に射出されたそれは、細く鋭い宿木の枝】
【能力により生み出されたそれは硬く、肉を貫く事は容易いであろう】

【しかし、問題なのは“刺さった後”である】
【もし刺さったのなら、突き刺さっている部分から周囲に短い枝が伸び、内側から苛む事となるのだ】
【ただしそれは“刺さった”場合のこと。掠めるだけではただの矢と同じ程度のものだ】

【ただ、射出した速度はかなり速いものである、ということは付け加えておこう】
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 23:23:40.82 ID:0MvtTdqpo
「――あー、それ? だってあれッスからねー。ぶっちゃけあいつら雑魚いし。
まあ私も大分弱いんスけど――でも、弱い中じゃ、強いっスから。あいつらに比べりゃ、ね」

【頬をぽりぽりと掻きながら、身も蓋もない事を言う女】
【戦闘兵の中にも強い者は居る。地獄の鍛錬を乗り越えた彼らは無能力者とは言え、往々にして高い戦力を誇る】
【並みの特殊部隊では相手にならない連中の中で――唯の兵士£度でしかない彼らが落ちこぼれるのは当然というもの】
【その落ちこぼれ達をまとめあげた、落ちこぼれの中で頭ひとつ飛び出した落ちこぼれが――コジマだ】

【相手が体勢を整えたのに対して、此方の体勢は極めて自然体】
【自然体故に、どのような行動も出来るし、どのような攻撃も出来るような構え】
【――打ち込みづらさを感じさせる、防性の構えであった】
【そして、相手が気合を入れ、此方にジェスチャーを送った次の瞬間――――】

「じゃ、さっさと死んでくれッス。面倒なんで」

【コジマは斧を持つ手に力を込めて――両の腕を虚空を抱きしめるような異様な動作で動かした】
【直後――風切り音が相手の両側から、極々小さく聞こえてくる筈だ】
【極小のワイヤー、先端に錘を付けたそれを、コジマは予め伸ばしておいた=\―これも、仕込み】
【斧を持ち、爆発を最初に起こしもう仕込みは無いと思わせた上で――斧ではない攻撃での挟撃】

【――極細のワイヤーは、触れるだけで肉を引き裂きながら骨に食い込み拘束しようとする】
【錘による遠心力で加速し、相手の両脇から上半身と下半身を狙ってワイヤーは迫っていく】
【しかし――コジマは汚い。恐らく、これを超えたところで他の布陣が待っている事は間違いないだろう】
【回避をするとしても、した後≠フ事を考えるべきであるかも知れない。が、その思考が行動にラグを産む事もある】
【仕掛けがあろうがなかろうが、可能性を生み出した時点で――コジマにとっては、一つの塵を積み上げたことと同義】

【塵を積み上げ――能力者という山を、壁を越える。いつだってそうしてきて――今もそうするだけだ】

(――避ければ上等。避けなきゃ――――死ね!)

【目を細め、優れた動体視力で、相手の行動を、一挙一動を見逃さぬように女は戦闘に思考を没入させていく】
【――ここからが、本番だ】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 23:24:13.18 ID:0MvtTdqpo
/*またミスった……!>>445>>442宛ですごめんなさいー!*/
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/22(日) 23:33:11.67 ID:k+A4l5Vjo
>>440

【ナバリにとってその行動は予想外だった】
【覚悟を決めて、斬られに来たか。否、この場に居るような人間がそこまで意志薄弱な訳がない】
【ならば何故か、それは攻勢に転じるため】

【斬撃による被害を最小限に受け止め、更にナバリを拘束した上で仕留める……よくある話だ】
【そして男は実際その通りに行動した。男はナバリが刀を振った隙にナバリを捕まえようと手を伸ばしてきた】
【しかし、回避は困難を極めた。何故ならば上段構えからの切り払いは、刀に大きな慣性がかかり、すぐには次の行動に移れなくなる】
【まして、今回は走りながらであったから尚更である】

くっ!?

【半ば強引に腕を掴まれる。これだけの斬撃を受けておきながら、未だコレほどまでの力を出せるというのだから恐ろしい】
【少なくともこの場にいるには相応しい人間であることが察せられる】

【そして向けられるAMライフルの銃口。いくらKAMをオーバークロックで稼働させたとしても、この距離からこれを対処することは不可能だ】
【回避も防御も出来ない。しかし、当然ながらこのまま撃ちぬかれるワケにはいかない。ならばどうするか?――――“妨害”だ】

……ッッ――――!篭絡せよッ、“綵”!!

【先ほど見せた物と同じく、刀身が桃色に輝き、金色の糸が鍔から飛び出す】
【しかし、先ほどが4本だったのに対し、今回は半分の2本しか射出されず、このギミックを最大限に活かすには何らかの条件が必要な事が伺える】

【飛び出た2本の金糸が狙うは男ではなく、自身に向けられているAMライフルだ】
【糸は篭絡するという目的を達するために一種のワイヤーショットの様な仕様になっている】
【即ち、目的物に絡まればそれを締め上げる為に金糸を刀の方向に少し巻くのだ】

【つまり、もし金糸がナバリの思惑通りAMライフルに当たれば、銃口はナバリから逸らされ、たとえ発射しても直撃は免れることになるだろう】

【そしてナバリも守るだけではない。もし撃ちぬかれたとしても、刺し違えるくらいの覚悟はあった】
【男がどちらの腕を掴んだにせよ、もう片方の腕はフリーだ】
【その腕を振り上げ、男の顔を殴ろうとする。が、ただ殴るだけではない】
【着物の奥に仕込んでいた―現代における地走りは暗殺を生業とする為―暗器を光らせ、男の首筋に突き刺そうとするだろう】

【男がナバリを拘束している、ということは、男も身動きが取れないということだ】

【あるいは、男がナバリを解放すれば、この凶刃から免れる手立てはいくらでも存在しうるだろう】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/22(日) 23:35:20.48 ID:2RLxc8xj0
>>443
【腰に提げた刀に手を添えることも無く、さて何が出るのやらと眺めていたが――――】
【…………予想外。獣でも無く、同じ妖でも無く。人間――――其処までは良かったのだけれど、まさか転んだ人間と対面する事になろうとは】
【パチパチと二度三度目を瞬かせたものの、袖で口元を隠すように小さく笑ったならば、そちらへと歩み寄る事だろう】


「…………ふむ。何か何かが出るかと思えば…………くふ。まさかお主の様な者が現れるとはの
何を好き好んでこの様な場所まで訪れたのかは分からぬが、おなご一人で来ることは感心せぬぞ?
此処には獣も居るし、夜盗だって息を潜めていないとも限らぬ。まぁ…………我はその様な輩達とは異なるのじゃがの」

【手でも差し伸べて文字通り手助けしようかと考えたけれど、一人で起きる事が出来ると知れば、その手を引いて】
【代わりに、うっすらと血の滲むであろう患部へと視線を移す事だろう】
【その外見に合わない口調で説教の様な事を語れば、小さく笑って】
【――――自分は其れ等とは異なり危険な存在では無いと言うのだろう。信じるか信じないかは、女性次第であるけれど】


「アレだけ“派手”に転んだのじゃ。痛みが無い――――と言えば、嘘になるじゃろうて
…………虚勢を張ったとしても我は譲らぬがの
少しばかり、其処で脚を休ませるが良かろ。――――そうじゃな、序でにこの場を訪れた理由でも問うて暇を潰すとするかの」

【赤面しようとも気にせず、或いは態とそうさせるかのように指摘して】
【示すのは、先程まで己が座っていた所。女性の身長ならば、丁度良い腰掛けと為るであろうか】

【妖忌感じ取れずとも、敏感に異変を察知できるならばきっと分かる筈。その原因は、目前の少女にあるのだ――――と】
【尤も、当の本人からは敵意を感じる事は無いであろうし、それ所が微笑を浮かべて語りかける有様】
【信じるも信じないも、女性の自由。武具があるならば異変に攻撃を仕掛けたって、それとは逆に従ってみるのだって良くて】

/居りますよー!宜しくお願いしますですよ!
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/22(日) 23:41:53.36 ID:quh2uvJno
>>444

【灼熱弾が弾に群がる蔓を燃やし、その間をもう1発がすり抜けていく。イメージ通りの動きだったが、弾丸が腹部にヒットするには至らない】
【―――其れでも、もう一人の仲間による追撃が成功する。この攻撃が敵の意識を引いた―――そのことだけでも価値がある、ということ】
【……炎による攻撃は、仲間の彼女も繰り出し茨を凌いだ。つまり「炎」はそれだけ有効だという証拠―――光明が、見えてきた】

―――愚かでも何とでも言えよ……俺は誰かに褒められたくて人々守ってんじゃねーんだよタコが!
あくまで俺の信念を貫くための行動ッッ! 他人の評価なんぞ知るかってんだッッ!!
そして俺の信念を貫くために―――テメェ等見たいなクソ外道共をひっ捕らえなきゃならんのよ……!

―――おい、行くぞ剣の嬢ちゃん……俺が後衛、アンタが前衛―――銃と剣のコンビなら、其れがセオリーだろ?

【トントン、と右踵を地面に打ち鳴らし足首の状態を確認しながら、自分達を「愚かな存在」とみなす敵に言葉を吐きかける】
【紺碧の瞳に純粋な正義の炎を灯し、漲った闘気が辺りを包む。ボソリと仲間の彼女に呟けば、銃をくるくると回した後―――照準を敵に合わせた】
【今後のプランは、灼熱弾を中心に組み立てれば大丈夫―――そう思っていたのだが、敵が具現化したのは―――槍、と捉えても良いような枝】

【接近戦を挑んでくるのか―――などと思考を深めている中、其れは突然高速で飛来する―――】

―――ッッ、矢かよッッ……!? 
―――っぐぅッ!? ク……ソがぁぁッ……!!

【予測も出来ず、そして何より疾い。彼の緩慢な動きでは、其れを回避するのは不可能。迎撃も―――間に合わず、細く尖った枝が彼の右脛に突き刺さった】
【―――鋭い痛みが全身を奔り男は蹌踉めく。そして―――追い打ちのように、別の痛みが襲いかかってきた。刺さった箇所からの、異なる痛み】
【直ぐ様抜こうとするが―――】

―――〜〜〜〜っ痛ゥッッ……!! 何……だよコレぇッ! 抜け―――ねェしよぉぉッ……!!

【短い枝が内部で伸びている為に中々抜けない。抜こうとすると、痛みが更に増して手に力が入らなくなってしまう。明らかに増していく痛みに、右膝が地面をついた】 
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/22(日) 23:50:23.20 ID:omiOQKcZ0
>>447

【確かにナバリの思惑は成功した、だが男が取ったのはAMライフルを撃つことではなかった】

 はは、忘れてんのかい
 もう一方の武器があることをよう!!

【そう、腕に内蔵されている銃である】
【AMライフルに比べれば威力は落ちるであろう】
【しかし、両腕では発射できなかった】
【なぜか、それは相手の片腕がフリーであることであった】
【そのフリーのほうから暗器があるのが見えた】

 相打ちはごめんなんでな!!

【そうして男はこちらもフリーな片腕を使いその暗器を防ぐ】
【その片腕にはダメージがはいる、動かせるには動かせるが体のダメージもありうまく動かせないだろう】
【しかし、もう片方の腕を動かしナバリに手を向かわせる】
【そして、その片腕の内臓銃が発射される】
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/22(日) 23:50:39.43 ID:phEAxvFY0
>>445

【そもそも少年は、最後に残ったこの女こそが"能力者"だと理解していた。】
【"能力者"と言うのは、実際に行うまで、"どんな攻撃方法を取るのかが分からない"、という恐怖が存在する。】
【この女は、"無能力者"――――である様だが。最早、"能力者"である場合と、対処方法は同じだった。】
【『細心の注意を払う』――――少年だけでなく、誰もが其れしか出来ないのである。】

【女が異様な行動を取ったなら、其れは少年に対する攻撃の合図、と言う事。】
【"どんな攻撃"をしたのか――――其れを理解する所から、少年は始める。】

【左右から聞こえる、微かな音――――特徴的な音である為に、感じ取る事が出来た。これは"風ではない"と。】
【となれば、コレが少年への攻撃の正体に違う筈が無かった。】

【眼で其れが"細い糸のような何か"である事を確認すると、】
【其の軌道を予測した。"錘"が先端に付いている為に、其れは容易だった事だろう。】

【少年は2,3回、連続でバク転をする事で、女との距離を取りつつ、軌道の範囲外へと移動した。】
【注意深く見ていたなら、其のバク転は、危なげの無い綺麗なフォームである事が分かるのかも知れない。】
【ワイヤーが自分の前を通る事を確認すると、女に話しかける。】


――――何か、よう分からんけど。凄い技、使ってくるんやなー。
こわいなーあんた。今までの奴と全然ちゃうやん。
あ、でも、結構、面白いかも知れへん。今まで、普通の戦いしか、やってへんからなぁ…。

【少年は後頭部を掻きながら、少し笑って見せる。】
【『次何してくるんやろー…』と小さく呟いた事は、注意深い観察から読み取れただろうか。】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 00:04:56.69 ID:ToxQpbyMo
>>451
【相手が危なげなく己の攻撃を回避したことなど――予想通りにすぎない】
【前へのバク転と同時に――女の手は振り上げられ、袖口から飛び出すのは一対のダガー】
【腕が高速でブレ――、相手の足元と相手の脳天めがけてダガーがそれぞれ飛翔していく】

【転がり際の隙と、立ち上がりの隙の双方を狙う――堅実な攻撃】
【相手が立ち上がり、言葉を紡ぎだす最中に、すでに女はそこまでの行動を開始していたのだ】
【言動から見える呑気さややる気の無さに反して女の戦闘スタイルは速攻型】

「――話す暇が有るッスかね――!?」

【しゅるる、と何かを巻き戻すような音。振り下ろした手を振る独特の動き】
【ワイヤーが再度相手を挟むように移動し――唐突に軌道を変え、変速しながら斜めになぎ払うように相手に迫りゆく】
【相手が回避しようとすれば、その瞬間に高速でワイヤーは巻き戻されていくはずだ】
【遠心力によって弧を描くワイヤーの軌道は先ほどよりも複雑怪奇なもの――目的は斬撃ではない、錘による打撃だ】

【足元に落としておいた斧を蹴りあげて、動作の中間地点に斧を配置すると、操作をしながら難なく斧を掴みとる】
【見ていれば分かるだろうが、女のワイヤーの動きは攻撃を当てる意図も当然あるが、それよりも行動範囲を限定する目的が強い】
【要するにこれは女からの挑戦状――真正面からさっさと掛かって来い――そんな誘いだ】

【女の戦い方は、武術ではない。――殺人術。それも、師の無いまま戦場で鍛錬された活きた技】
【どの世界にも、どの流派にも存在していない――言うなればコジマ流の戦闘術】
【普通の戦いと縁が無かったコジマだからこそ身に付けることが出来た、コジマの唯一、コジマらしいと言える力】

「凄いとか凄くないじゃないッス――殺せるか、そうじゃないかッスよ――――ッ!! 死ねェ!」

【それを持ってしても、コジマはGIFTでは正規メンバーにすらなれない人間】
【その劣等感は技を磨き、磨き――そして、鋭くしていった。能力者を殺した経験は少ないが――生き残った経験は大量】
【対能力者相手でも、女はためらわない、戸惑わない。――女の瞳は、相手を真っ直ぐに挑み、能力者への鬱屈とした感情を秘めていた】

/*明日バイトなので、1時過ぎたら凍結お願いするかと思われます!*/
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/23(月) 00:19:50.10 ID:NrUA4I/3o
>>449

「分かってるわ、あんたは派手に動けないみたいだし、そうするのが一番いいでしょ」
「それと―――私の名前はゼリシュよ」

【今一度、双の剣を交叉させるように構え、少女――ゼリシュは男に返す】
【互いの協力無くして勝てる相手ではないと、ここまでで少女は既に理解している】
【それ故に、例え確かな意味があるものでなくとも、自らの名を名乗った】

「―――ぁあッ!!何……よ、これ……!……!中、刺さって……!」

【しかしその直後、宿木の矢が飛来する】
【咄嗟に剣で防ごうとするも―――左腕に命中。走る激痛にこちらも膝をついて】
【腕の内部では枝が肉に食い込んで激痛を与え、これでは左腕は役に立たないかもしれない】

外道……?ああ、貴方方からすればそうなのかもしれませんわね
ですが、貴方のそれが“信念”なら、私の行動も私の“信念”によるものですわ

神に選ばれた我々能力者が、選ばれざる下等な無能力者を支配することこそが神の意思である―――とね

【そして矢が命中したのを見届けると、待っていたように女が口を開く】
【語られる彼女の信念――それはGIFTの掲げる理念と共通したもので】

ふふふ、神に背く者はそうして膝をついているのがお似合いですわ……!
さて……どのような裁きがよろしいですか?花を咲かせましょうか?それとも灰すら残さず燃やして差し上げましょうか?それとも―――

【膝をつく男を見下ろすようにして言葉を続ける女】
【しかしその一方で、ゆらりと少女が立ち上がっていた】
【左に持っていた短剣を右の長剣に交叉させて連結、一振の十字剣として右の手に握り締めて】
【二人とも大きくダメージを受けてしまった以上、一気に決める道を選んだのであろう】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 00:20:37.92 ID:j6PJ7p9H0
>>448
【久し振りに転んだことで感慨に浸るのは良いが……痛い。傷がジンジンと響く。もう大人だから泣かないとは言え、痛いものは痛い。】
【いくら森の中とはいえ大人気無く泣き出すわけにもいかず、グッと痛みをこらえていると……誰かが歩み寄ってきた。】
【この足音は、四足歩行の動物ではない、人の足音だ。近くに誰かいるのだろうか?もしそうだとすれば奇遇というか何というか。】
【これは予想外。妙な空気を感じ取ってはいたが……まさか人がいるとは。―――ちなみに、現時点で彼女は近付く誰かを妖怪とは思っていない。】

(……どなたかしら……?)

【暗い森の中、その足音の主を見定めようと顔を上げると―――そこに立っていたのは少女。それも、自分のような森歩きの為のフル装備ではなく、和服。】
【彼女の纏う不思議な雰囲気は、霊感などが無い彼女も感じ取っていた。あの妙な空気の原因は彼女にあると確信できるほどに。】
【何故かは知らないが、明らかに彼女の周りだけ纏っている空気が違う。どういう事かは知らないが、空気が変わっている。】

【その妙な少女は自分に話しかけて来た。……口調から察するに、危害を加えるような意図はないという事は分かる。】
【彼女は夜盗だの獣だのがいるかもしれないと言っていたが……実はそんなこと織り込み済み。10年も仕事で森歩きをしているのだから、それぐらいは分かっている。】

「……私だってこれが仕事です!そんなことぐらい分かって……ッ!」

【分かっているから大丈夫だ、と言おうとした矢先に傷がまた痛みだした。参った、これは結構痛い……擦り剥いただけと嘗めていたが、立っているのが少し辛い。】
【少し困っている所に、少女がもう一声掛けてきた。―――「転んだのだろう、無理はするな」と。―――転んだところ、やっぱり見られていたか……】
【まさか、こんな森の中で転んだところを誰かに見られるとは……偶然とはいえ、恥ずかしいものがある。しかも相手は少女。……面目丸つぶれだ。】
【……まあ、一部始終を見られたなら今更虚勢を張ることも無いだろう。勧められるがままに切り株へ腰を下ろさせてもらうことにした。】

「……ゴホン、えーっと……その、まあ……ありがとう。もう、全部見られたんですよね……まあいいか……
 私はね、自然学者なんです。こうやって森や山を歩いては動植物の観察をして、記録するのが研究の一環というか……
 ヘヘヘ、さっき言ってた獣や夜盗なんてもう何回も出会ったんですよ!でも、私だって強いんです!襲い掛かって来ても返り討ちにしちゃうんですから!」

【ちょっと自慢げに自分の事について話し始める彼女。先程の泣きそうな顔もどこへやら、研究の話になるととても楽しそうな少女のような顔をする。】
【まるで初めて旅行に行って未知の物を見た少女のように、声は弾み目は輝く。……歳不相応なほどに。】

「ここに来きたのも、フィールドワークの一環です!ふっふっふ……森は生き物の宝庫です!
 私、こんな研究をもう10年ほど続けてるんですよー!」

【ここに来たのも研究の内。「こんな所に女子一人で」と言っていたが、彼女にとってはこれが10年来続けている生活の一部なのだ。】
【よって、獣や不審人物の撃退方法だって分かっている。……怪我をしている今は対応できるかどうかは分からないけれど。】

【粗方の事を喋り終えると、次に気になるのは眼前の少女の事。こんな遅くに森の中、しかも和服……気になる点は山盛りあるのだが】
【とりあえずは自己紹介でもしてもらおう。コミュニケーションの基本だし……】

「えーっと、あなたは?どうしてここにいるの?――――ハッ!もしかして、私と同じ森好き!?生き物好き!?」

【若干興奮しながらも、少女の素性を訊ねる。……敵意が無いのは見れば明らかだろう。】

//遅くなって申し訳ありません!所要で少しばかり席を外してました……
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/23(月) 00:24:18.19 ID:HXOLYDxAo
>>450

チッ……!

【失念していた、というよりは男のフェイクが上手かったか、あるいは咄嗟の判断が功を奏した結果であろう】
【だがナバリにも未だ手はあった】

【宙に浮く人形から放たれた弾丸はKAMの作用により避けるのは能わないまでも、軌道を読むくらいの判断時間はあった】
【そしてナバリが取った行動は、回避ではなく、防御。自ら頭部を銃弾に晒すように突き出す】
【そう、ナバリは顔につけている狐面―実際には補助ゴーグル―で銃弾を受け止めようとしたのだ】
【この狐面は謂わば櫻の国の最新鋭技術の結晶。内蔵銃程度の口径ならば、防ぐことも可能だ。むしろ、そうでなくては、とてもではないが銃器への対抗策とは呼べまい】

【と同時に、ナバリは密接状態にある男を思い切り蹴飛ばそうとする】
【こちらもやはり最新鋭サイバネティクス技術により、見た目以上に威力のある蹴りだ。そして密接状態である以上、避けるのは困難なのは明白で】

【もし蹴りが成功し、拘束が解けたならば、ナバリはすぐさま刀を構え、男に対して一撃を見舞おうとするだろう】
【しかし直接斬る一撃ではない。というのも……】

切り裂け、“飃”ッ!!

【ナバリが刀を振るうと、最初ほどではないにせよ人体に斬撃を加えられる程の鎌鼬が発生する】
【そして蹴りによって態勢が崩されている状態ならば、極至近距離ということもあって対処も難しいか】
【また、これは飛ぶ斬撃である。つまり後ろに逃げても当たってしまう。男の咄嗟の判断力が試されるが……】


【ナバリは完全に男を殺すつもりでいる。寧ろ、普通の人間ならば既に死んでいる程の傷は与えているのだ】
【すぐに逃げないと生きては帰れないだろう。尤も、逃げた所で逃げおおせられるかは定かではないが】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/23(月) 00:35:10.60 ID:g6i0bIT+0
>>452

【放たれた2本のダガー。当然、避けられるのは1本だけだった。】
【少年にとって、『足』が使い物にならない、という事は、其れは敗北、つまり死を意味する。】
【それ故、少年が守ったのは、頭ではなく足、であった。】

【然しながら、頭にダガーを刺さると言う事も、当然ながら死を意味する。】
【では何をしたのか。――――少年は躊躇うこと無く右腕で頭を覆ったのだ。】
【長袖のパーカーが、重力によって少し捲れる。腕に金属がはめ込まれている様には、見えないだろう。】
【然しながら、カキン、という高い金属音と共に、ダガーが地面に落ちていく。】
【少年の能力の、大方の予測はつくだろう。少なくとも腕と足を、"鉄"にする事が出来る、と言う事だ。】

あぁああああっぁあああッ!!!いてーよ!!!アカンやつやこれ!!!
あーもう、許さん。許さへんでー。覚悟しーや…!


【ワイヤーによって狭められた少年の行動範囲。】
【其処から導き出される、『真正面から掛かって来い』という誘い。】
【少年には、有難い物だっただろう。コジマの戦法は、避ける事しか出来なかった為、である。】

【流石に、勢い良く投げられたダガーは痛いらしい。少年は徐ろに右腕の当たった部分を痛がる。】
【そして女を睨み――――少年は一気に近づく事だろう。】

【少年は女の一歩手前で飛躍し――――助走の勢いのまま、身体を回転させ、女に目掛けて蹴りを入れる】
【其の高さは丁度、女の首元の当たりにある、が助走が在ったために、回避は容易いだろう。】

/了解でございます!
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 00:43:39.42 ID:ZSbk4L8R0
>>455

【放たれた銃弾は狐面で受け止めた】
【その狐面が壊れたかどうかはわからないが】

(ちい、どうする!!)

【男は思考していた、すべての思考をふりしぼり】
【考え考え考え考え、そして考えぬいた結論は!】

(しかたねえ、なら蹴りの直撃を受けにいこうかい!!)

【そして、男はつかんでいる手を離し、わざと蹴りの直撃を受けた】
【その蹴りのより男は一気に吹っ飛ばされる】
【さらに男は蹴りの直撃の前に〔トリガー〕を動かし自分の落ちる地点へと行かせる】
【男は地面に衝突したが】
【そして斬撃は〔トリガー〕がちょうど盾になるような場所にいたため直撃した】
【だが、直撃したとはいえ動かせる部分はあるそれは紛れもないAMライフルである】

 おら、当たるかどうかはわかんねえが全弾もってけ!!

【そして、AMライフルの銃弾全弾発射する】

【これでももしナバリが回避し突っ込んでくるのなら】
【武装パージをおこない、貴公子姿の〔スカイ〕が至近距離に迫ったところで魔剣の斬撃をくらわせるだろう
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/09/23(月) 00:50:49.27 ID:5TqzNcKM0
>>454
「確かにお主は解しているじゃろうの。その身なりも、恐らくはこの様な場を歩く事に特化した物とも思えるのじゃが――――さて、ならば…………
くふ。森では足元に注意すべきという事を忘れておった様じゃの」

【そんな事は理解して居るといった言葉に対して返すのは、意地悪な言葉。森の中、根や腐葉土に気を付けるべきではないだろうか――――なんて事】
【腰を落ち着かせたならば満足そうに頷いて、自分は土の上へと腰を下ろした】
【鮮やかな色合いを持つ其れ。買えば高いのだろうけれど、汚れたって気にする事は無く】
【――――問うた、先の答え。小首を傾げて待っていたなら、答えは紡がれて】


「礼は要らぬ。しかし…………うむ。近寄り、転ぶところまでを全てとしても良いのならば、見たのじゃよ
その……なんじゃ。ひぃーるどわぁーく?とやらも感心ではあるのじゃが…………その先を言わずも、分かるかの
兎も角、腕にも自信がある様じゃ…………杞憂であったの。すまぬ」

【フィールドワーク。聞いた事の無い響きは、自然と語尾に疑問符を付けさせる】
【今一度注意しようとするが…………キャリア十年と聞いて、その言葉も止められた。代わりに、謝罪の言葉が口から出されて】
【続いて重ねられたのは、自分への問い。学者――――それも櫻の国とは異なる者が信じるかは分からないが、取り敢えずは答えてみようかと思案して】


「なに、櫻の国へ帰郷する所じゃったのじゃ。此処数ヶ月…………或いはそれ以上の間、脚を運んではいなかったからの
学者よ――――お主の言う事は、強ち間違いでも無い。我は森を好いていて、同時に生物も好いておる。けれど、それは我が生き物では無いが故にじゃ
…………うむぅ……生き物では無いと言えば語弊があるのじゃが…………櫻の国の妖怪は知っておるじゃろうか?」

【その様に苦笑を漏らして応えながらも、更には自身の事を伝えようとして、言葉につまる】
【果たして、どの様に伝えたものか。己の正体は一振りの刀であるけれど、同時に今はこうして生が与えられている存在】
【細い指先が頬に添えられれば、考え込むかのように俯いて】


「其れには、物に宿る妖もいるのじゃよ。壷であっても鏡であっても、関係無く意識を持ち、自在に動き回るのじゃ
――――その内の、“刀”が我じゃよ。自然学者とやら
童守と名付けられた刀。それが妖へと昇華した姿が、今お主の目の前で座っている我じゃ」

【妖怪の概念を理解して居たかは不明だけれど。ダメ元で、己の存在、そして名を告げた】
【“童守”と銘を与えられた刀。其れが妖怪へと変わった存在が、自分なのだと】

/いえいえ、お気になさらず!
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/23(月) 00:51:06.11 ID:R1CtT6kwo
>>453

……あちゃー、見抜かれてたか。 
―――俺はロウ……詳細は引っ捕らえた後にしておくぜ、ゼリシュ

【お互い先程出会ったばかり、だがコンビネーションを発揮しなければ恵まれた能力の彼女には勝てない―――】
【一瞬だけ紺碧の瞳を彼女へと送って、何とか1+1を2ではなく3にも4にもしていかなければ。そう思っていた矢先の攻撃が2人を苦しめる結果となって】

―――グゥッ……テメェの信念は……全く関係ない他人を傷つける最低の信念だよ……!
そんな信念が―――正義の心に、信念に……勝てると、思うな……よ……ッッ……!!

(さっきの攻撃―――蔓を燃やすまではOK、でも弾丸が相手の蔓を使った移動に間に合わなかった……それでも掠る位は可能……)

【意識を点滅させる程の激痛に唇を噛み締めて耐えながら、震えた声と砥いだ後の刃の様な眼光をぶつける】
【だが、右脚に力は入らず―――今のままでは先程の茨の振り下ろしさえ回避できない状態だった】
【状況は優勢から一点、一気に絶体絶命へと追い詰められたのだが―――必死に瞳は、勝ち筋を探す。……刹那、ペンダントから不思議な魔力が匂った】

                    ―――うぉぉおおおおおおッッ!!――― 弾丸憑依Icarus<bッ!!

【直後、銃声2発。右の弾丸は朱く輝いており、即ち「灼熱弾」。蔓でガードしたとしても、其れを無効化する「火力」がある】
【狙いは先ほどと同じ―――なら、良くても掠り、悪ければ先程1度見られている為にか完全に見切られる可能性がある―――】
【―――が、この男は全く同じ攻撃を続ける程単純ではない。最初はどちらも通常、前は右からの弾丸に能力、なら―――今回は、両方に細工をしてある】

【そう、遅れて飛び出した2発目。左の弾丸は軌道を見るに地面に衝突しかねないのだが―――衝突直前で伸び上がり、急激に加速する】
【もし蔓を右の弾丸で燃やすことに成功すれば、丁度軌道変化が炎によって隠され―――加速した弾丸が彼女の右足を狙うだろう】
【先程とは違う角度、そして速度からの弾丸―――これが男の「工夫」だった。切羽詰まって同じ攻撃を繰り出した―――ように思わせて、実は違う】

【自身の能力による灼熱弾、宝玉の力を借りて繰り出した伸び上がる弾丸―――男の持つ力を全て使った、決死の技だった】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 00:51:24.10 ID:ToxQpbyMo
>>456

「知るかッス……! おとなしく死なないから痛いンスよ!」

【自分勝手にも程がある叫びを上げつつも、己の誘いに応じて此方に迫り来る相手を見て、ほくそ笑む】
【両手には斧。かなり堅牢かつ、重心をコジマ専用に調整されたオーダーメイドの逸品】
【加速し、跳躍し――助走の果てに此方に蹴りを入れる相手。その強さは先ほどすでに観察していた】
【相手の接近と丁度のタイミング。両手首のワイヤー射出機構に錘の先端が収納。ワイヤーは完全に手元に戻ってきた】
【右腕の斧を守りの為に跳ね上げ――左腕を横に伸ばし――、守りの体勢を取る女】

(力じゃ負ける――だったら、受け止めずに吹き飛んでやりゃあ良いッ!)

【相手の蹴りが斧の身を蹴り飛ばした瞬間――女が全力で横に飛び――左腕からワイヤーを射出】
【電柱にワイヤーを巻き付け、瞬間ワイヤーの巻取りを開始。女は空中に舞い上がり、高速で相手の間合いから離脱していく】
【その瞬間――通りの左へと移動する女の逆――通りの右の建築物で、ちかりと光が輝いた】

「A-34番。起爆しろ!」

【直後横のレンガ造りの建物の内部が爆発し、瓦礫とガラスを散弾として通りを横薙ぎに駆け抜ける】
【女の離脱は一瞬間に合わず、大量のガラスと瓦礫が身体を掠め、衣服はずたずたに引き裂け、頬に深いキズを負う】
【自分もろともの命知らずの自爆攻撃――に見えるが、女は不思議とこの行動で死ぬ予感は感じていなかった】
【己の死への嗅覚に対して、コジマは絶対の自信を持つ。死の危険を感じない限りは、どんな負傷をしてもコジマは死に瀕する事は無かった】
【故の、コンマ数秒での仕込みの起爆。能力を何一つ持たずとも――戦略と仕込みと誘いで、コジマは渡り合う積りだった】

(――ちょいと傷が予想以上。……近接じゃどうしても不利。
だったら――、最後の手。これが無理なら、逃げるっきゃ無いけど。なんとか、誘いをかければ……!)

【相手の防御力を越え、能力を乗り越える為の――策】
【相手は経験豊富で、臨機応変に行動できる人間。そして、肉体の金属化で素の防御力も高い】
【死角から攻撃したところで、有効打を与えられる気はしない。――ならば、精神的死角を狙えば良い】
【どうすれば、相手を倒せるか。そして、どうすれば生きて戻れるか――コジマは、考える。……考える】
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/23(月) 01:13:59.23 ID:HXOLYDxAo
>>457

【狐面で銃弾を受け止めたが、そこはそれ、流石櫻の国の技術である】
【しかし、男は再びAMライフルを発砲。しかし、KAMは健在である故に、見切ることは容易い】
【ナバリは飛来する銃弾を悉く躱し、再びその場で刀を振るう】

【先ほどと同じ飛ぶ斬撃である。しかも今度は二連撃で放つ。何も一度しか出せない訳ではない】

【確実に殺す気なのだ。寄らずとも殺せる武器はある。余計なリスクは負う必要はない、というのがナバリの考えだった】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 01:25:25.75 ID:ZSbk4L8R0
>>461

 硬すぎんじゃねえの

【狐の仮面の硬さに男は達観した様子でぼやいた】

 死ぬ気はないんで
 武装パージっと

【男はそう言った、余裕を見せているようだが限界は近い】
【そして、武装をパージし〔スカイ〕が出る】

 やれやれ、また斬撃ですか
 ですがまあ、こいつは特別せいですぜ

【そう言って飛んでくる斬撃を魔剣でことごとく受け止める】
【魔剣は硬い非常に硬い、そのためあの斬撃で折れはしない】
【そのうち、男はやっと立った、体はぼろぼろだがまだ動けるだろう】

【男は近づくきはない、しかし遠距離武装も男が持っている自動式拳銃しかない】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 01:32:10.07 ID:j6PJ7p9H0
>>458
「――――!……そ、その……それは言いっこなしで、お願いします……」

【返す言葉も無い。いくら暗い夜道とは言え足元不注意なんて、我ながら恥ずかしいミスだ。いくら好奇心が逸っても、足元を見ないようじゃあいけない。】
【森や山では安全が第一なのだから……今回は転倒で済んだが、これが崖なら死んでいたかもしれない。苦笑いを浮かべつつ油断大敵を肝に銘じておくことにした……】
【さて、少女は地面に腰を下ろした。こうして座って森の中で誰かと話をするとは……何というかその、奇妙な感じだ。普段のフィールドワーク中は大抵一人なのだが。】

【話は少女の事へと移ろい行く。……この話が本題と言ってもいいかもしれない。彼女の持つ雰囲気。そしてこの森の中という場におよそ不相応な、和服。気になることは満載だ。】
【興味の赴くままに質問すると、彼女は自らが此処に居た訳を話してくれた。……彼女の話によると、櫻の国へと帰る途中ということらしい。】

「そうですか、櫻の国に……一人で旅するのは大変でしょう?私だって困ることがあるのに……」 

【ここから櫻の国へ、少女一人で旅するのはなかなか大変だろう。駆け出しのころの自分なんて裏山の調査ですら悲鳴を上げていたというのに……】
【少し情けない昔の自分の境遇を少女に重ねて旅路の労を慮りつつ、話は進む……】

「……え?あなた『も』、妖怪……?ええ、妖怪は知っていますよ。でも、あなたも妖怪なんて……」

【……少女の発した言葉に驚愕の反応を示す。が、その反応の仕方が少しおかしい。まるで妖怪自体は出会ったことのあるような反応の仕方だ。】
【―――その少女の話によると、少女は刀の妖怪ということだ。そういえば、和服に刀を提げていたが……そういうことだったのか。】

【実は、彼女も妖怪には思い当たる節があるのだ……】

「……そうですか、妖怪ですか……
 実はですね……私、妖怪の知り合いがいるんですよ!そう、あなたと同じような櫻の国出身の!彼女は狼の妖怪だったかな……
 これであなたにも出会ったから、お知り合いの妖怪が二人も!なんだか不思議な感じです!
 ふふふ、私の知らない世界はまだまだいっぱいあるんですねー……わくわくしちゃいます!」

【信じられないほどの偶然だが、妖怪の概念を理解するどころかすでに妖怪のお知り合いが居た彼女。故に目の前の存在を受け入れることも、そう難しいことではなかった。】
【ニコニコと笑いながら少女改め童守の言葉に応じる姿は、およそ妖怪に出会った人物の対応ではない……というか、単に仲良くなろうとしている人の姿そのものだ。】

「そっかー……普通の女の子に見えるけど、刀って事は私よりもずいぶん年上さんなんですねー……変な感じです!
 刀の持ち主さんは、誰なんでしょうねー……」

【すっかり(少なくとも彼女の方は)心を許して打ち解けている様子。妖怪についてある程度以上の理解を示す彼女の事を、どう思うのだろうか……】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/23(月) 01:42:21.86 ID:Z1KUrN1no
>>459

ふん……何とでも言えば良いですわ
いくら喚いたところで、あなたの正義とやらが私の信念に勝ることなどないのですから
現に今、こうして貴方が口を開くことができているのは、私が終わらせる前に話をしているからでしょう?

【男の、ロウの言葉を鼻で笑い、そして口の端に笑みを浮かべる女】
【その口調はどこか楽しげであり、相手を追い詰めたこの状況を楽しんでいるようで】
【それから、ふ、と視線を横に逸らせば、そこには十字剣を大上段に構えて走り来る少女の姿】

「覚悟しなさい……!“リヒト・シュベーアト・フランメ”!!」

【瞬間、光の魔翌力が剣を包み、長大な光剣を作り出す】
【更に光剣の表面を走るように広がった炎が、その刃を包む】

「届け―――!」

【殆ど右腕一本で繰り出すそれは、少女の持つ最大の攻撃で】
【それを今、男の攻撃に合わせて大上段から振り下ろした】

【炎を纏う斬撃を、植物で防ぐなど不可能なこと】
【しかし避けようとすれば今度は弾丸がある】
【故にこれで終わり――――とはいかなかった】

咲きなさい、《黒紫の焔尾》

【瞬間、最初の茨や二人に突き立った宿木など、具現していた植物の全てが消えた】
【そして、少女の剣の軌道から右の弾丸の軌道までを横切るように、弧を描くように彼岸花が空中に現れて】
【その花弁は黒く、実際の彼岸花としてはまず見ない色なのだが】
【更に次の瞬間、それらの彼岸花が黒い焔に形を変え、女を守る壁となった】

ぐぅっ……!何……!

【光の剣も炎の弾丸も受け止めて、焔の壁は消えていく】
【しかし左の弾丸、跳ね上がった一撃だけはそのまま女の右の太ももを撃ち抜いた】

くっ…………!私にここまでさせるなんて、貴方達が初めてですわ……!

…………ふふ……仕方ありませんわね……頑張ったご褒美として今回神に背いた罪は不問として差し上げましょう。もう十分時間は稼げましたしね
で、す、が、撤退の邪魔をされては困るのでお二人には倒れていていただきましょうか―――

《百禍繚乱―迷宵唄》

【突如、女を中心に、濃い魔翌力が一面に広がる】
【それは咲き乱れる白い彼岸花となり、そして闇の奔流となって二人を襲う】
【奔流に飲まれても傷を負うことはないが、脱力感、虚無感、倦怠感などが全身を襲うだろう】
【それは女の言葉通り、撤退の邪魔をさせない為のものである】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/23(月) 01:42:56.19 ID:HXOLYDxAo
>>462

お前はやり過ぎた。だから必ずここで、その首を落とす。

【そう言いながら刀を構え直す】

――――肆の刃、“夢幻の一閃を以て幽鬼を断たん”……。霞め、“朧”。

【新たに何かを唱えると、今度は刀から発光が消えた】

いざ、参る。

【そのまま男の方にまっすぐ走って行く。しかし、精神は研ぎ澄まして】
【例え遠距離攻撃をしてもKAMがある限り避けることは容易い。なれば、男は手に持った剣で近接戦闘を行うしかないだろう】

【そしてナバリは間合いまで近づくと男に刀を振り下ろす。朧、と呼ばれたその状態はいったいどんな状態なのかは、未だ定かではない】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/09/23(月) 01:55:59.37 ID:5TqzNcKM0
>>463
「お主がそう望むのであれば、これ以上は言わぬ事にしようかの
尤も、我はもう少し語りたかったのじゃがの」

【残念じゃ残念じゃ――――そう語る事こそすれ、それ以上言及することも無く】
【一通りからかって満足したのか、小さく息を吐いていたのも束の間】
【――――他の妖怪に出会っているとの言葉が耳に入ったならば、「ほう」の声と共に片眉を吊り上げて】


「そう苦労する事でも無いのじゃよ。況してや、我は好んで一人での旅を続けて居る
苦労があったとしても、それは楽しみじゃ。3つの桁に入ってから数える事をとうに止めた事。多少の事では弱音を吐かぬが…………
さて、我の他にまた別の妖怪とも会っているとな?
ふむ…………狼となれば、物の怪か変化の部類じゃろうか…………まあ、それは直に聞かねば分からぬ事じゃの」

【苦労する事も旅の楽しみ。年齢故の達観もあるだろうし、元よりお気楽な性格だからという事もある】
【生きてきた中で味わった苦労は、少なくともこの九十九からすれば良き思い出となっているのだろう】
【――――そして、妖怪の話。実に、興味深そうに】
【櫻の国の外で会うことがあまり無いからこそ、余計に興味が沸くのであろう。ふむと頷けば、何時か探してみようかなんて考えて】


「――――お主の祖父母よりも長く生きているであろう我であっても、知らぬ事ばかりじゃ。同じ地であっても、翌日には全く別な顔を見せる事も珍しくはないからの
……くふ。流石は学者殿じゃな。我であれば、疲れる所じゃが」

【知識を沢山詰め込むことは、最早疲れてしまうだけ。だけれど、探求心満ちあふれる女性にとっては、それも楽しみなのであろう】
【鞘を支え代わりに使えば、今までの事を振り返ったりしてみるけれど】


「そうじゃなぁ…………九十九。その通りの時を過ごさねば、成れぬ。今までに経過した時を数える事は止めはしたがの
人の指が何本在れば数えきれるのやら…………む?
我に所有者は居らぬのじゃよ。我は自身で考え、動くからの
気ままに所有者を探し、気ままに辺りを旅する一妖怪じゃ
それに、の。見つからずとも、エルフェスの――――知人の場所に置いて貰う約束をしているので、そう心配もして居らぬのじゃ」

【所有者と言われれば、居ないと返し】
【――――探すつもりが無い訳でも無いが、真面目に探す程でも無い】
【今後の事は一応は約束されている故に、そして命が宿っているが故に】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 01:56:10.59 ID:ZSbk4L8R0
>>465

たく、近づいてくるかよ

【男はそう言い自分が持っていた魔剣を〔スカイ〕に手渡す】

(さて、どこまで防げるよ)

【そう言って男は〔スカイ〕を操りナバリの刀と衝突させる】
【そして、つばぜり合いがおきる】
【朧とはなにかはわからないが迎撃するしかないだろう】

(接近してくれたとはいえ、タイミングが大事か)
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/23(月) 01:59:02.87 ID:R1CtT6kwo
>>464

もし……テメェ、が……能力者じゃなかったら……素直に能力者様の為に死ねるの……か、よ……! っぐうっ……!!
お前が、偶々……力を持っていた、から―――唯その、強い……っぐ……力を振るい……弱者を虐げて悦に浸ってる……!! 違うっ、か……!?

【全身を内側から蝕んでいく痛みが、彼の言葉を途切れ途切れにさせる。満身創痍の中、精神はまだ死んではいない―――のだが】

―――軌道が、下から……弧を描いていた分……黒い焔を回避できた―――って訳か……っぐ、クソ……痛みが増すばかりだぜ……!!

【全身から湧き出る汗が脛に突き刺さった矢の重大さを示す。ギリギリの所で意識を保っており、少しでも気を抜けば気絶しそうな程であった】
【必死に唇を噛むあまり、赤い血が口から溢れる。がくがくと震える右足は機能せず―――彼女に銃弾を当てても尚状況は劣勢だった】
【攻め続けるしか無い―――そう考えて男が再度照準を彼女に合わせたのだが、その彼女の周りを怪しげな魔力が包んでいて―――】

―――っ……ざ……けん―――な……―――。

【―――その奔流が、彼を飲み込み、その意識を暗闇に還した。―――つまる所の、気絶というモノだった】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/23(月) 02:03:44.43 ID:HXOLYDxAo
>>467

【ナバリの刀と魔剣がぶつかる】
【そこでつばぜり合いが起きるかと思われた】
【しかし、刀は魔剣をすり抜け、ナバリは魔剣とその人形を無視して男に肉薄する】

朧とは非実体の刃也。
故に触れることは能わず、また何物をも斬ることは出来ない。

【そして男を確実に仕留めることの出来る距離まで近づくと朧を解除し、実体剣に戻してから男の胴体を両断しようと刀を振るった】
【迎撃がスカされて、一切動揺しない人間などこの世に存在するだろうか。もしこの実体剣を躱されたら、ナバリが対峙してる男はとんでもない大物ということになるが】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 02:15:54.14 ID:ZSbk4L8R0
>>469

(んな、すり抜けた)

【確かに男は動揺した】
【しかしそれとは別に男の体が勝手に動く】
【そして、ぎりぎりで両断は回避できたしかし、代償もある】
【その代償は――片腕だった】
【確かに回避したしかし、男の片腕に思いっきり刀が食い込み】
【そして――片腕が切断された】

 ぐがああああああ!

【しかし、このダメージのおかげか、思考が完全に現実へと戻った】
【気絶しそうな痛みをもってしてもそれをぎりぎりのところまで耐え】

 接近…してくれ…てありがとよっっ!!

【のこった方の腕で自動式拳銃を撃つ】
【ここまで接近したのだから回避はむずかしいと思われるが】

【そして、この弾を撃つとそのまま男は気絶するだろう】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/23(月) 02:25:29.32 ID:HXOLYDxAo
>>470

【ドンと一発、ナバリの横腹に銃弾が打ち込まれる】
【流石に痛いが、しかし、目の前には片腕を落とされても暫くは平気な男がいるのだ】
【この程度で怯んでいてはならない。一瞬の油断が命取りなのである】

気絶した、か……。

【いくら屈強な男だといえど、これほどまでに切り刻まれていては、当然だろう】
【寧ろ、気絶するだけで済んでいる分、凄まじい体力の持ち主だ】

【対してナバリが受けた傷は銃創2つのみ。とは言えど、気絶するほどでないにせよ、軽傷とは言いがたい傷だ】

――――その首、貰い受けると宣言したはずだ。

【気絶した男の首に刀をあてがう。もしこのままなにもないのであれば、ナバリはその首を掻き斬るだろう】
【地走りとはとどのつまり、そういった人間のことを指すのだ】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 02:34:36.25 ID:ZSbk4L8R0
>>471

【彼は目の前の男にしか注意しか要っていなかったそれはつまり】
【人形がいることを忘れていた】
【そしてその人形ではあるが】
【彼に操られなければ動かない人形と思っているのだろう】
【―――だがそれは間違いである】

【ある程度の自立機能を〔スカイ〕は持っていた】
【男から操られなくなった場合もしくは生命に危機が及んだ場合】
【〔スカイ〕は動く、そして魔剣の能力は使われてはいないつまりはそういうことである】

【そして、〔スカイ〕は魔剣を思いっきり振りかぶる】
【すると、強力な斬撃をおこす】
【その斬撃は強力である、回避も不可能ではないが】

【そして、その斬撃に対処しているうちに〔スカイ〕は男――高野を回収して撤退をする】
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 02:38:00.94 ID:j6PJ7p9H0
>>466
【自分も大変な思いをした体験があるから、きっとこの少女の姿をした妖怪もそれなりに旅路の苦労はしているとは思ったが……】
【……どうやらそんなことは無いようだ。それもそうか―――何せ、経験値が自分とは比べ物にならないのだから。】
【きっと苦労も数え切れないほど経験して、もう苦労とも思わないのだろうななんて、自分が到底たどり着けそうにも無い境地に思いを馳せる。】

【話が妖怪の事になると、俄に食いついてきた。……やっぱり妖怪は妖怪の事を気になるのだろうか。】
【自分の知っている妖怪のことをちょっとだけ話してみると、本当に興味深そうに聞いてくれた。いつかあの銀尾の妖怪にも今日の事を話そうか―――】

「―――私、自然が大好きなんです。ええもう、自然バカってぐらいに……まあ、自然バカじゃなきゃこんな森の奥まで一人で入ったりはしませんよね……へへへ
 真っ直ぐに伸びた雑草を上から見た事って、ありますか?葉っぱが本当に幾何学的に並んでるんですよ!……こんな他愛も無いことに感動するのが、学者です。
 まあ他の人から見れば、非生産的だなんてよく言われますけど……止められないです!」

【流石なんて褒めてもらうと、嬉しくなって饒舌になる。理解して貰えるかは分からないが、自然に対する愛と情熱を思うままに口に出してみた。】
【もう数えきれないほどの経験を積んだ妖怪にとって、知識は必要ないのかもしれない……未熟な彼女だからこそ、何かを知るのが楽しいと思えるのかもしれない。】



「九十九……ひゃー……気が遠くなります……
 きっと99年後の私なんてとっくに灰になって骨だけになってますよ……
 ……不思議ですね、99年後もきっと―――あなたはそのままなんでしょう?
 生きる限り生き物は成長し、老化し……死んでいきます。今私の目の前にいるのは、そういった物を無視した存在なんですね……」

【99年後に思いを馳せる。……きっと自分は生きてはいまい。娘も生きているかどうか……そんな未来でも、きっと目の前の妖怪は居続けるのだろう。】

「……不思議です。やはりこの世界は不思議に満ちています。……きっと世界中の不思議を解明するのに人の一生は短すぎます。
 ……そう考えると、ちょっとだけ永い命が羨ましくもなります……研究者として。
 志半ばで逝った研究者を、私は何人も知っています。……私も、解明できなかった不思議を残して死ぬのかも。」

【彼女は少しだけ寂しそうな顔をする。命があと100年長ければ、きっともっと沢山の不思議に出会えると思うと……】


「―――まあ、人は人生の長さが決まっているからこそ為せる事もあります!それはそれでいいのかもしれません!」

【寂しい顔はすぐに元の笑顔に戻る。人生は長けりゃいいってもんじゃない。】
 



「へえ、あなたも知人がいるんですか……なら大丈夫、なんですね。
 放浪の旅という訳じゃなくて良かったです!」

【所有者云々の質問は、身元を心配しての事だったらしい。心配することは無いと分かって、彼女はにっこりと微笑んだ。】



【―――話し込んでいると、もうかなりの時間が過ぎてしまった。気が付けばもう夜も更ける……】
【いくら相手が妖怪とはいえ、このまま話し続ける訳にも行かないだろう……】

「……さて……今日はもう、ここに泊っちゃいますか!
 テント、用意します!……あ、ついでですし、泊まっていきます?」

【テント設営の準備に取り掛かりつつ、妖怪に泊まって行くかどうか尋ねてみる。……妖怪相手にこんな事を尋ねるのも不思議だ。】
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/23(月) 02:38:17.75 ID:73R8LaKXo
>>468

選ばれ、授かったからこその“私”ですわ……
選ばれていなかったのなら、それは“私”ではない別の人間……ですからそんな質問に意味などありませんの

人間とは争いあう生き物……ならば人間が平和を作り出す方法は絶対的な力による支配以外にありませんわ
―――私はただ平和に花を愛でたいだけ。
ただ、その過程に無能力者に対する“剪定”がある、というだけですわ

【つらつらと並べられる言葉達。その真偽は定かではなく】
【今ここで確かな事は、女の考えを変えるのは到底無理だろう、という事だけ】

【渦巻く闇の奔流が消えれば、残ったのは倒れ伏す二人の戦士と、街灯に寄り掛かる一人の女だけ】
【女は時折顔を顰め、右脚を庇う素振りを見せる】

【少しすれば一隻の船が着港し、女はそれに乗り込んでいく】

くっ…………まさか私とした事が脚を撃ち抜かれるだなんて……撤退しますわ、合図を!

【船内にいた者に声を掛ければ、一度、二度と大きく汽笛が鳴り響く】
【その音こそが撤退の合図であったようで、街の中に散らばっていたGIFTの者達はそれぞれ引き上げていくだろう】




【それから暫く後のこと】

「い、生きてる……?」

【気絶し、倒れているロウを覗き込んで声を掛けるのはゼリシュ】
【出血している左腕を抑え、表情には疲れが見える】

「GIFTの連中は帰って行ったそうよ。それと……もうすぐ外からの救援部隊が来る、らしいわ」
「それじゃろくに歩けないでしょ?場所は伝えてあるから到着を待ちましょう」

【ロウが気が付けば、そんな事を告げるだろう】
【流石に声にも元気はなく、こちらもまた倒れそうではあるが、気丈に振舞おうとしているようで】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/09/23(月) 02:38:39.27 ID:HXOLYDxAo
>>472

【動かないと思っていた人形が動き出し、魔剣から斬撃を発した】
【それをいち早く察知したからぎりぎりで回避は出来たものの、その隙に男には逃げられてしまった】

ちっ、逃したか……

【だがその場に落ちていた男の片腕を拾い上げていうと】

だが片腕は落とした。次会うときは必ず殺る。

【そう言ってナバリは夜の闇に消えていくだろう】
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/23(月) 02:40:22.55 ID:g6i0bIT+0
>>460

【蹴った時の衝撃で回転が止まり、やがてスタッと地面に手を当てながら着地する少年。】
【蹴った時の感触は、残念ながら人間ではなく、"物"であった。】
【攻撃は避けられた。とすれば、すべき事は女の行動を確認する事に有った。少年は其の方へ目を移す】

【――――女は宙を飛んでいた。】
【思わず『すげーな…』と呟きながら、その移動する様をボーッと見る。】
【数秒経って、『あ、これ、さっきのワイヤー使ってんのか…』と気づく。】
【少年は其の時、女は"逃げたのだ"と考えた。其れ故、体勢は無防備な物であっただろう。】

【―――その刹那、少年の近く、右に在ったレンガ造の建物が爆発する。】
【『爆発好きやなー…』なんて思っている暇は無かった。】
【先程の爆発と違って、爆心地が少年に極めて近かった為である。回避する時間すら与えられなかったのだ。】

【建物内部での爆発によって、少年に襲い掛かったのは、強引に押し出された、外壁の煉瓦とガラス―――】
【前回の爆発の様に、近くに都合の良い物は無いのであった。】

【辺りを蔓延していた熱が冷め始めた頃、少年の居る位置に煉瓦の平らな山が積み上がっていく。】
【少年は其の瓦礫に埋もれて死んだ、或いは、瓦礫で頭等を打って死んだ。】
【兎に角、その光景を見たなら、"倒した"と理解するのが普通だろう。】

【然し、爆発間際まで、其の少年を注意深く見ていたなら、】
【埋もれる直前、少年がどんな行動を取ったのか、知っている筈だ。】

【先程、投げられたダガーから、頭を守った様に。】
【少年は、瓦礫が降って来る直前、しゃがみ込んでは、縮こまって、両腕を身体を守る様に覆ったのだ。】
【もし無防備のままその爆発を食らっていたなら、素の防御力が有るとはいえ、生きている保証は無かった。】
【……"咄嗟の判断"が功を奏した結果である。――即ち、少年は生きていた。】

/続きます〜
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage ]:2013/09/23(月) 02:44:19.55 ID:g6i0bIT+0
>>460

【―――暫く動く事の無かった瓦礫の山から、一つの煉瓦が心地良い音を立てて転がり落ちていく。】
【二つ、三つ…と其の数は段々増えていき―――】
【やがて其の中心から、グレーのパーカーを纏った腕が一本、出てくる事だろう。】

【身体の一部が外気に触れたなら、其の後は早かった。】
【其の腕は、少年が脱出する為の道を作り出して、】
【十分な広さが出来たなら、やがて『ほっ』と言いながら瓦礫の山から、少年が顔を出す。】

【女が全身に負傷したのなら、其れは少年も同じだった。否、当然、少年の方が、酷い負傷であるが。】
【煉瓦の色が移ってしまった為に、斑模様になったグレーのパーカーは、ある意味、其の悲惨さを伝える事になる。】
【腕、足、そして頭は能力により無事であったものの、頬と耳の切り傷。今回が原因ではないが、左肩の傷。そして背中全体の打撲―――】
【其れ等は、一般の人間なら、身体を動かす事すらままならないで有ろう程の負傷であった。】


……あー、もう爆破せえへんって思ってたんやけどなー。いやーびっくりびっくり。
何か、もうここら辺のもん、全部爆発するんちゃうかーって思ってまうわなー…はははっはっはっは……
俺や無かったら、死んでたんやろーけどな。ほら俺、結構ヤバいとこからも、生き抜いてきたし。
あ、でも今、結構死にかけかも知れへんなー。死にかけランキングで言うとナンバー3くらいかー。あ、2かも…?

【顔も含めて汚れた少年は背伸びをしながら言う。体全身がポキポキと音を発する。――背中の電流が走る様な痛みは、表情に出さずに。】
【流石に先程までの元気は無いものの、女へ向けて放たれた言葉は明るい物であった。】
【勿論、この言葉のトーンは取り繕った物。とにかく少年は今、かなりの無理をしている。】
【其の無理を悟られない様、笑ってみせたり、或いは自分の経歴を少し語ってみたりして――】


【良く良く考えれば、女が取った攻撃方法は、全て、少年も賞賛する程、"小賢しい技"であった。】
【斧を持っていて、恰も近接戦を得意として居そうに思えるこの女は、普通に戦う事を知らない、と言う事になるのだ。】

【少なくとも現時点では、そう考えるのが妥当だろう。少年も、当然其の様に考えた。】
【それなら。―――毒には毒を。予想外には、予想外を。である。】
【少年は歩きにくい瓦礫の山を降り、先程投げられたダガーを手に取って―――ワイヤー目掛けて振りかざし、投擲。】
【其の目的は勿論、ワイヤーを切る事にあった。―――チャンスは2回もある。1つでも切れたなら、ワイヤーとしての能力は半減どころでは済まないだろう。】

/ここまででお願いしますー!
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage !nasu_res]:2013/09/23(月) 02:51:39.66 ID:2NhimZvyo
【リマニアの街に、汽笛が鳴り響く】
【それを合図に襲撃者達は撤退を開始し、リマニアの長い夜は終わりを告げる】

【多数の犠牲を出す事とはなったが、戦士達の活躍もあって最悪の事態だけは避けることができた】
【強大なGIFTに対してそれは大きな成果であり、今回の事で政府を責める声は大きくなかった】

【だが、前回の襲撃以降影を潜めていたGIFTによるこの大規模な襲撃は、世界に恐怖を与える事となる】
【『まだ恐怖は終わらないのだ』と…………】




/凍結、となっているものもあるようですが、取り敢えずイベント全体の〆とさせていただきますー
/お付き合いいただきありがとうございました!
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/23(月) 03:01:27.09 ID:R1CtT6kwo
>>474

【―――鈍い痛みを右足に感じながらも、不愉快な目覚めを迎える。何故俺は倒れているのか―――と、一瞬そんな思考に陥った】
【……直ぐに理由を思い出せば、眼の色が変わったように飛び起き立ち上がろうとするも、右足に力は入らない為にバランスを崩し床に転がる】
【再度仰向けになり見上げた夜空に、あの女の嘲笑が映し出されて―――湧き上がるは憤怒。あの女へのモノだけではない。捕えられなかった自分も怒りの対象だった】

―――……っ……クソぉぉッッ!!

【隣に一緒に戦った彼女がいることは解ってはいたのだが、その怒りを抑えるなど出来やしなかった。虚しい咆哮が、無人の港広場に響き渡る】
【少々の静寂の後、虚ろに染まった紺碧の視線は彼女の左腕―――朱く染まったその部分に止まり】

……こんだけ声出るんだから生きてるよ。アンタも怪我してんだろーが、俺よりは……軽症って所か?
―――最後のアレ……。アンタも気絶したって訳か……?

【力感の感じさせない抜けた声が、小さく動いた口から発せられた。強く記憶に残っているのは、最後の敵の技―――】
【確かにあの技の前の時点でかなり形勢は不利だったが、銃を操る両腕と頭脳と両眼さえ機能すればなんとかなると思っていた。しかし、この有り様である】
【GIFTが帰った―――と聞いて、恐らく自分が放った彼女の右足を貫く銃弾が、彼女のコレ以上の虐殺行為を防いだのだろうと思った。だが其処に嬉しさや安堵感など無い】

―――ああ、サンキューな…… ―――生きているだけマシ……か

【今思えば何で生きているのだろう。―――敢えて殺さなかったのか? 殺す価値も無いと思われたのか―――? そんな思考が頭に絡みついて、生の嬉しさを実感できず】
【只々心に残った悔しさや情けなさに、身体を僅かに震えさせるだけだった。―――其れでも、彼女は気丈に振る舞おうとしている。……強い子だと思った】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/23(月) 03:01:59.86 ID:R1CtT6kwo
>>474
/あ、自分もこれで〆です。ありがとうございましたー!
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/09/23(月) 03:03:07.68 ID:5TqzNcKM0
>>473
「生産的だとかなんて事は、二の次に考えると良かろうて
好きな物を好きと言え、そして周りを気にせずに出来る者こそが真に強い者と言えるじゃろ
生憎、我には学が無い故にその意味合いは分からぬ。じゃが…………少なくとも、お主が喜んでいる事位は理解して居るつもりじゃよ」

【自然を理解する事はなく、けれど感じていた九十九にとってはその言葉は分からない事】
【それでも、自然を好いている事に変わりはないから――――理解出来ずとも、その心の内は理解出来ている】


「物足りない位が丁度良かろうて。周りは変わっても己は変わらぬ、要は時の流れから弾かれた存在が我じゃよ
親しければ、それだけ悲しくもなる。長ければ、それだけ多くの事も体験する。じゃから、多少の苦労は――――の
…………人は皆、平等に老いて行く。それにの、お主等人間は継ぐ事が出来るじゃろうて
お主が死ぬのならば子に継ぎ、その子も死ぬならばまた継いで行く――――人の歴史は、そうして紡がれてきたのじゃろう?」

【くつり、小さな笑みを作って見せれば、立ち上がって】
【遠くの空が微かに明るんできた事を確認すれば、目を細くする事だろう】
【――――多少の苦労は、楽しみ。死別に比べたら、何て事は無い】
【旅をして、出会って、時が経ち、死ぬ。長寿なら何度も経験する事だけど、やはり慣れることはないから】
【かぶりを振って暗い思考を追い出して、今一度微笑を向ける事だろうか】


「何れにせよ、放浪の旅である事に変わりはないのじゃよ。我を創った者も死に、我を握った者達とも別れ――――特に、目的も無い旅じゃ
…………すまぬが、我はこのまま脚を櫻へと向けさせてもらうのじゃよ。獣に喰われぬ様に――――否
再び転ばぬ様に、気を付けるとよかろ」

【誘いを辞退すれば、そのまま踵を返して】
【後ろでを振って別れを告げたなら――――不意に、一陣の風が森の中を駆け抜ける事だろう】
【枝や葉の揺れる音に交じる、子供の笑い声。其れが止んだ頃には、九十九の姿も消えていたそうな――――】

/ここら辺りで失礼させて頂きます!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!お休みなさいませっ!
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 03:21:30.67 ID:j6PJ7p9H0
>>481
【尚もテントの用意を続ける彼女は、きっと誘いは断られると分かっていながらも泊まって行かないかと聞いてみた。】
【分かっていながら聞いた理由は一つ……もっと自分の知らない世界を知れるかもしれないという一点。】
【……まあ案の定、誘いは断られてしまったのだが……それでも、今日の不思議な出会いは忘れないだろう。】

「……継ぐ、か……衣織に継ぎ、衣織の子にも継ぎ……そっか、人間にはその手がありました。
 きっと衣織……私の娘も私を継いでくれると思います。
 あの子も私に似て好奇心が旺盛ですから……自然学者でないとしても、何らかの形できっと不思議を追ってくれるでしょう!
 ふふふ……そう思うと、気が楽になりました!」

【先ほどのさびしそうな顔は消え、彼女は優しい笑顔を湛えていた。……きっと、娘は分かっている。そんな期待を寄せて……】
【―――もうそろそろお別れのようだ。きっとあの刀の妖怪はこれからも旅を続ける。もしかしたらずっと先、自分を継いだ者がまたばったり出会うかもしれない。】
【「その時は宜しくお願いしますね―――」そんな事を呟きつつ、手を振って別れを告げる刀の妖怪を見送る。】
【サッと一陣の風が吹くと、其処にはもう影も形も無くなっていた――――】

//こちらこそ、お疲れ様でした!お付き合い有難う御座いました!
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 03:21:49.34 ID:j6PJ7p9H0
>>481
【尚もテントの用意を続ける彼女は、きっと誘いは断られると分かっていながらも泊まって行かないかと聞いてみた。】
【分かっていながら聞いた理由は一つ……もっと自分の知らない世界を知れるかもしれないという一点。】
【……まあ案の定、誘いは断られてしまったのだが……それでも、今日の不思議な出会いは忘れないだろう。】

「……継ぐ、か……衣織に継ぎ、衣織の子にも継ぎ……そっか、人間にはその手がありました。
 きっと衣織……私の娘も私を継いでくれると思います。
 あの子も私に似て好奇心が旺盛ですから……自然学者でないとしても、何らかの形できっと不思議を追ってくれるでしょう!
 ふふふ……そう思うと、気が楽になりました!」

【先ほどのさびしそうな顔は消え、彼女は優しい笑顔を湛えていた。……きっと、娘は分かっている。そんな期待を寄せて……】
【―――もうそろそろお別れのようだ。きっとあの刀の妖怪はこれからも旅を続ける。もしかしたらずっと先、自分を継いだ者がまたばったり出会うかもしれない。】
【「その時は宜しくお願いしますね―――」そんな事を呟きつつ、手を振って別れを告げる刀の妖怪を見送る。】
【サッと一陣の風が吹くと、其処にはもう影も形も無くなっていた――――】

//こちらこそ、お疲れ様でした!お付き合い有難う御座いました!
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/23(月) 03:26:05.24 ID:dTelo7GCo
>>479

「うわあぁ!……び、びっくりした……」

【突然彼が起き上がり大声を出したことに驚き、少女までも大きな声を出す】
【静まり返った街からは、いつものような喧騒は一切聞こえて来ず】

「え?あ、ああ……これね」
「あんたみたいに無理矢理抜こうとしなかった分いくらかマシで済んだみたいだわ」

「……途中までは、意識があったと思うんだけど……何だか急に体中怠くなって、力が入らなくなった事くらいしか……」

【話していて戦っていた時の事を思い出したのか、苦虫を噛み潰したような表情が浮かぶ】
【普段はクールぶっているのだが、結局は一人の少女であり、何の躊躇いもなく人を殺める女への怒りも感じている】
【しかし感情を表に出すのは苦手なタイプであるが為、冷淡にも見えるかもしれない】

「ええ……私もあんたもこうして生きてる」
「次に会った時、殺しておけばよかった、って思わせられるようにすればいいのよ……今度こそあいつを止めて、ね」

【生かされた理由――頑張ったご褒美などと女は言っていたが、その意味するところは定かではない】
【だが、自分達は生きているのだから次があると、そう言って、少女は小さく笑って見せた――――】


/お疲れ様でしたー!
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 20:16:46.41 ID:jUJjMcwDo
【廃ビル――屋上】

【夜景も映える澄んだ夜風の時節、蛍族に取っては住みやすい涼しさの中】
【遠くで明滅する赤色灯、手元で煙草の火が微かに葉の燃える音を鳴らす】

……案外、500万ってのも早く消えていくものだな。そういう風に使ったんだが
おかげで住処も服も新調出来たし……あとは、付き合い用に少し稼いでおくか

【落下防止の柵に肘をついて、煌々と輝く街の明かりを眺める人影がある】
【それは右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、黒服姿の若い男だった】
【適当に切った癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

何をやるかな……面倒だな……弟にせびるってのもあるのか……
今までの分はあのワインでチャラに……ならないな、5本分でもないと

【両切りの煙草を葉を吸わない程度に深く吸い込んで、ゆっくりと煙を吐く】
【管理の放棄された物件は三階までの階段を封鎖する物も無く――】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 20:30:40.34 ID:jUJjMcwDo
/>>485は約束です
487 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/23(月) 20:55:26.16 ID:JCugmNm80
>>485

【曖昧に欠けてしまった月の明かり、不思議と降り注ぐ音のするような錯覚の中で】
【紫煙色がふらりゆらり微かな風にすらかたちを崩して昇って行く、きっとずっと天の上まで】
【涼しくなりだした秋色の季節には似合う光景と言えるのだろう、――かつんと混ざりこんだ硬質の音が、異質】

【――少し前のことだ、下のほうで二人分の若い女の声がした。ちょうど別れを告げる声がもしかしたら聞こえたことだろう】
【視線を落としたりしていたらその姿だって見つけられた。黒い髪色と眩いグリーンアップル色の双眸、闇に融けそうな黒尽くめ】
【キャンディらしきを口に含んでは即座に噛み潰すのを少なくとも三度ほど繰り返す頃にはその姿も見えなくなって、静寂、――違う】
【彼にも覚えのあるだろう鈴の音色とよく似た声は、ただ、歩いて行ったほうと違うなら。階下でする足音、きっと予想も付くし、】

……――あ、

【気付いていなかったらしい声がひどく平和に夜を揺らした、ふらりと見せた姿は、隠しもせずにきちんと答え合わせできる鮮明さ】
【初めからずいぶんと丸い瞳が余計にいくらか丸くなって、――誰かが居たことに驚いたのだろう、やがてすぐに落ち着いていく】
【その代わりに浮かべつつあるのが不快感を窺わせるようなものだった、空にくゆる紫煙を見て、彼を見て、紫煙を、――視線の抗議】

【――綺麗に黒色をした腰までの髪はきちんと編んだ三つ編み、露出した耳元には右だけ月白色の宝玉をあしらったピアスを付けて】
【黒に赤糸でたくさんの刺繍を施したコルセットワンピース、羽織った和袖の黒いコートには赤い花のコサージュが飾られ】
【スカートの裾とぎりぎり重ならない丈のソックスが飾り気のないもの、編み上げのロングブーツは底の厚さとヒールの高さを両立したもので】
【細こい首や手首や腕までにびっしりと包帯が巻かれていた、――怪我人の割りには動きに濁りもなく、健全に見えたというけれど】

――スカート覗いたひと、

【背後を振り向いてやったなら、投げられるきちんとした言葉のひとつめがこれなのだろう、誰との関係性よりも先】
【その誰かに聞かせたならどうなるのだろう言葉を平然と吐くのは、ただ、そんなにねちねちと責め立てる声音ではなかった】

こんばんは、ちゃんと渡したよ。

【――スカートを持ち上げて落としてひらり舞わせるのは挨拶のつもりだろうか、先の言葉を思えばからかっているようでもある】
【前に頼まれたお使いはちゃんと出来たと報告するのは半年以上越し、(そもそもアレを“ちゃんと”と言えるのだろうか?)】
【にこりと笑ってみせるのはひどく平和じみた色合いだ、そういえば名を教えていなかったけれど――きっと知っているだろうから】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 21:19:05.22 ID:jUJjMcwDo
>>487

【階下で聞こえた声に視線を落とせば、どうやら若い女性ばかりが二人らしい】
【「こんな時間に若い娘が」と一瞬必要ともされないだろう気掛かりを感じたものの、】
【気掛かりの要因に自分も含まれうると気が付いて押し黙る――じりと煙草が鳴いて】

【万が一にも怪しまれぬよう視線を外して、男は素知らぬ顔で遠くを見ていたのだが】
【登って来る足音には流石に他人の振りも出来ず耳をすませていた、結果聞こえた声は】

ん……あれ、お前……―― 熱っ、やべ……

【知らぬ間に短くなっていた火が指先を焦がして、慌てたように足許に煙草を落とす】
【残り香は幾らかあるが煙は消され、視線があるので次に手を伸ばす事も無かった】
【格好が付かないといった様子でその指先を振った後、髪を二、三度撫で付ける】

……あー、だからアレは覗いた訳じゃない。間違ってもあいつの前で言うなよそれ……
幾つかの要素が偶然に重なって不可抗力で見えただけだ。お子様の趣味は無いんでな

【流石にその呼ばれは自警団モノ(近頃ではSCARLETとも言うのだろうか)で否定するが】
【誰かが聞けば迷う事無く頸を落とすだろう。落とした所で屁理屈を言えるのがこの男だけど】

――……そうか、それはご苦労。

駄賃になるかは分からないが、あいつに良いワインを送っておいたから……
……未成年だった、か? ばれない様に一緒に飲めよ、ええと……お嬢

【名前は知っているのだが、どうも呼び方に迷うらしく(呼ばれ方にはまだ思い当たらない)】
【顔が顔だけに呼び方が不穏だとか、そんな要素もあるのだが――どうでも良い余談で】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/23(月) 21:25:13.18 ID:D0dgCn7f0
【水の国、路地裏】


【―――雨が降る。絶え間ない滴の音色を響かせ、波間を揺れる様にひとの微睡みを誘う。】
【瞬間の静穏に身を置く様 細い影が、ひとつ、】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】


【廃墟で急降りの雨を凌ぐのは、そんな形容の出来る人影だった】


【空には光明を引き裂いて垂れ込める灰色の雲。その僅かな裂け目から覗く星が、今、遠く見えぬその全景を思わせて】


(……時は待ってはくれない、か。けれど、もしも願うなら―――)


【ゆらり、またひとの嘗ての棲家に灯が揺らめいた。カンテラは置いた床面に佇んだまま、壊れて失せたドアに光を置いた。】
【光を映して不思議な暖色に沈む橡色。物思いに耽る様、それは、淡く―――。】
【けれどひと時の夢路なのだろう。踏み入る誰かが居たのなら。きっとそれだけで―――― 物語はまた一つ、見知らぬ頁をまためくって】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 21:25:53.47 ID:ZSbk4L8R0
【自然公園――広場】

【夜の涼しい風が吹く】
【季節はもう秋になっている】
【そんな、公園でのんびりとベンチに座っている男が一人】
【白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【金髪を少々伸ばしている】
【腕にはブレスレットをしている】
【通常のものより一回り大きいが】
【そして左腕にはカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見える人には見えるだろう】

 ふーむ、今度はGIFTが襲撃を起こしたか

【男は新聞を読みながらそうつぶやく】
【少々の興味はあるがそれ以上はいかない】

 大変だろうな国と自警団とSCARLETは

【男はそのようにつぶやきながら新聞をしまう】
【もし、この広場に来たものはこの男が見えるだろう】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/23(月) 21:45:47.40 ID:gkAJbKcV0
>>489

――――篠突くばかりの豪雨とは言わないけれど……流石にもう、雨が冷たく身に沁みる季節になってきたかな、ぁ……
……まぁ、構いはしないさ……ぁ。いつだって、同じ事…………

【雨に濡れるのを気に留める様子も見せずに、フラフラと人目を避ける様に路地裏へと足を踏み入れる、1つの影があった】
【おぼつかない、まるで幽鬼の様なその振る舞いは、しかし同時に奇妙な存在感を感じさせて】
【やがて、雨の砕けて立ち込める靄の中に、その姿はハッキリと映ってきた】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年】

【寒さを感じているとも思えない、極めてマイペースな歩調で、青年は髪を濡らし、ワイシャツを濡らし、歩き続ける】

…………ッ?

【そうしてフラフラと歩みを続ける青年だが、やがて廃墟から漏れる光を認めたのか、訝しげな表情と共に立ち止まる】
【雨の中、自らの身を顧みる事もなく、ただじっと視線だけを注ぎ続けて】
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 21:48:36.49 ID:ToxQpbyMo
>>476,477
「――やった……、いや。やってないッス……!
死体見なきゃ、目の前で死んでなきゃ――それは、死んでないのと一緒ッスよ」

【建物の窓から、崩れていく建築物を見定める――瓦礫に飲み込まれていく相手も見えていた】
【だが、瓦礫の群れに飲み込まれた如きで、人は確実に死ぬわけではない】
【あの状況。己であれば大怪我をしたとしても、死ぬことはない。あの頑丈さと臨機応変が有るならば、ここで死ぬ筈は無い】
【咄嗟に腕で急所を護るような動作をしたのもそうだ。恐らくだが――死んでいない。死への敏感な嗅覚は、そう命を嗅ぎとった】

【女はベルトからなにかを取り出し、建築物の奥へと引っ込んでいく】
【相手が丁度起き上がり、瓦礫から這い出すとの同じタイミングで、女は窓際へと戻って】
【立ち上がり際に、此方に向けてダガーを投げ放ちワイヤーを引き裂こうとする相手】
【咄嗟にワイヤーを巻き取ろうとするが、巻取りが間に合わず錘と鏃が衝突、あさっての方向へダガーが弾かれ】
【頬を掠めて刃が駆け抜け、赤い花を右頬に咲かせた。その刃を前に――女は驚いた様子すら見せない。最初から怪我で済むのがわかっていた様な不審さだ】

「ワイヤーの一本。くれてやるッス……、もー面倒ッス。
ここまで来いよ。武人として意地ってもんがあるだろ? 近接で相手してやる。
……下っ端のカス野郎でも――一般人一人膾におろすにゃ十二分ッスよ――!」

【錘を失ったワイヤーは、どう考えてももう移動に使用する事は出来ない】
【少なくとも、これで右腕を用いてのジャンプ移動は出来ないということ】
【だが、ここにきて女は口にした。――斧を用いての一騎打ちを】

【中指を立てて、片手の斧を振って相手を挑発】
【そのまま部屋の奥に引っ込んで――相手がここへとやってくるのを待とうとする】
【もし、相手が誘いにのって部屋に行こうとすれば――その部屋は、パン屋の真上のアパートである事が分かる】
【ドアを蹴破るなりして中に侵入したのならば――入り口には無数に張り巡らされた寸断されたワイヤーの群れ】
【一騎打ちとは言った。だが――小細工をしないとは一言も言っていない】

「鬼さんこちら、手の鳴る方へ――ッス!」

【部屋は質素な2LDK。女の声はキッチンの方面から聞こえてくる】
【キッチンを通り抜けると水場が集中しているのか、奥にはバスルームが有るのが分かる筈だ】
【キッチンからバスルームへの戸は閉まっており――足元には5,6つのワイヤーのトラップが張り巡らされていた】
【四肢を鋼鉄にすれば、その足元のワイヤーは無効化することが出来るはずだ】
493 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/23(月) 21:56:39.04 ID:JCugmNm80
>>488

【――ぽて、落ちた煙草の音と、地面に広がる熱模様の輪っか、なんとなーくじとりとした視線は気まずいだろうか】
【言葉をあてるなら「恰好悪い」とかそんな風に思っていそうな――それでも嫌な臭いが薄れていくなら、表情も元へ】
【嫌煙なのだろうと窺えた。普通の人間よりもちょっぴりだけ鼻が利くのは目に見えない性質、きっと分からないことだけれど】

……お子様じゃないもの、

【声音だって軽いものだった、態度だって。それなら別に気にしていない風なのは】
【そもそもあの日隠すものを穿いていたというのがあるのだろう、それだって恥らうべきだろう事案でも】
【本を思い切り頭にクリティカルさせてしまったことを思えばある程度ぐらいには申し訳ないのだし、それで相殺、と、】
【――するつもりだったらしいのが、お子様という言葉にぴくり反応を返していた、伏せた瞳は確かに子供みたいな色で瞬いて】

二十歳!

【さらに追い討ちみたいに未成年と間違われたなら。というよりそれは嘘ではないはずなのだけれど――訂正の声がひとつ投げられた】
【見た目で言えば精々高校生ぐらいだろう、それだって発達の足りない薄ぺらさは、いくらか下にも見えかねないぐらいだし】
【むきになったように訂正してくるのだって二十年生きたような厚さが足りない、大人から見れば二十歳も子供だとか、言うけれど】
【それにしたっていくらか幼く見えて――八つ、十六、二十歳、中身と見た目と過ごした年数、言い張るべき年齢がばらける異常を抱いて】

……だって赤いのは渋いんでしょう、渋いのも酸っぱいのも苦いのも嫌い。
甘いのがいい――ジュースみたいなのがいい。でもそんなのご飯に合わないから、いや。

【――そもそも良い悪いなど関係がないようだった。味の時点で既にお手上げ気味なお子様舌は】
【赤も白も全否定するようでもある。いっそ葡萄ジュースでも買ってやったほうがいいんじゃないかと思うぐらいには】
【甘いのが好き。それこそジュースみたいなのが好き。でも食事に合わないから嫌だ、なんて――ひどく我侭な言葉ばかりが連なるのは】
【寸前のやり取りの少しだけ拗ねたようなのを引き摺ってもいるのだろう、――それでもまるで嘘なんて吐いていなかったけれど】

【食事以外で飲むならばそれこそ甘いの一択だ。勧められたら飲む、誘われたら飲む、けれど、潰れるぐらいまで飲んだことがない】
【元々体質的に強いらしかった、それが味を嫌って少ししか飲まないのだから、まあそれは当然とも言えるのだろうか――なんて、】
【(それでも甘いのを用意してやったりしたなら――いくらも違ったのだろうけれど。ただ、飲み慣れていないのは変わらなくて)】

鈴音、

【半年越しの今更に名乗るのはつまり名で呼べという意味合いだろう、きちんと名乗りあわなかった過去があるなら】
【何か促すような態度で黙り込んだ間があった。――そちらをどう呼べばいいのかを尋ねる間、こつかつと足音がいくつか】
【拒まれないようなら柵のほうまで歩くのだろう、転落防止に身体を預けるようにして――ふわと、柔らかなスカートが一度翻った】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 22:19:12.76 ID:jUJjMcwDo
>>493

……二十歳? じゃあさっきの姉ちゃんと同じ位、なのか?
いや……それはなあ……だとしたら、その先は見込めないな……

【歳よりは矢張り幼く見えて、視線が胸の辺りを彷徨う――暗に言っているのは、】
【先程見たもう一人の方と比較した上で、冷静に分析してしまうのが癖とも言えた】
【ご愁傷様とも言いたげな顔は二、三発殴っても構わないだろう、失礼極まりない】

お前も駄目か……何だ、近頃は赤は流行らないのか? 時代が悪かったな
次は御希望通りに……そうだな、香だけ甘いウイスキー辺りが良いか

【(父親はそれこそ嗜む程度しか飲まない、と言うより、きっと付きあわせたなら)】
【(彼女にとってみれば物足りないものになるのだろう――潰れるのは割と早い)】

【――名乗られて「嗚呼そう言えば」と思い出すのが今更の事、少しだけ考えて】

悦那。三十四歳プラス五年、お前の父親の兄貴、つまりは伯父に当たる訳だが
そうか、そうだよな……名前でも良いし叔父さんでも良い、好きに呼んでくれ。

【覚悟は出来てると言いたげな投げ遣りさは諦めや許容に近い、否定も出来ない】
【叔父の方はそう呼ばれるのをいたく嫌ったが――こちらは別に、構わないだろう】
【近くまで来たのをちらと見遣る、赤黒は最近の流行なのかなどとぼんやり考えて】

で、お前は……鈴音は、仲良くやってるのか。あいつとは

【言うに事欠いて発した台詞は下世話でしか無いのだが――手持無沙汰に頭を掻いて】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/23(月) 22:40:55.85 ID:5fFIdlPP0
>>492

…お。ご命中ーやな。あんな小さいもん……よう当てたな俺。
さすが天才や、なんでも出来るなほんま……。

あいつ、流石にもう飛ばへんやろ。いや、怪しいわ…何してくるか分からへんもんな…


………

【背中の痛みに耐えながら全力で投げたナイフは、見事ワイヤーに当たり、無効化する事に成功した。】
【然し、ソレは女がもう飛ばない事を指す訳では無かった。――――ただ一本、ワイヤーを破壊したという事。】
【目の前で空を飛んだ人間が居るのだから、最早何が起きても不思議ではないのだった。】
【とすれば、女は次どんな行動を取るのか、を予測してみる。――――当然、少年の頭では不可能であった。】

【少年があれやこれやと思考を続けている頃、女が"ここまで来い"と誘う。】
【"ここ"と言うのは、狭いアパート。少年が圧倒的に有利な地形であった。】
【今までの女の行動が"小賢しい"物であっただけに、――――極めて、怪しい。】
【そう疑わざるを得なかった。少年は既に…其の余裕を失っているのだから。】


ここまで来いよーて言うても……いややー、行きたくないわー。
…うん。絶対、何か仕込んどるやろ……時間あったし。

あーもう。こっから石投げつけたら気絶とかせえへんかいな……はー…
選択肢、無いんやもんな。あ、このまま逃げるのもアリやけどな。

【と、少年は独り言、否、愚痴を零して――――】

おっしゃー!ついにやる気になったんやなー!
もう、変なことすんなよー!行ってやるから、そこで待っとけよー!!


【続けて女に向かってこう叫ぶ。】
【叫び終わると同時に、少年はパン屋の裏口まで歩き、勢い良くドアを開ける。】
【建物の中を確認する。上へと通じる階段には、何も仕込まれていない事が分かると、ドタドタと足音を立てながら登っていく。】

【先程女が居た部屋の、扉の前に到着。――――『おじゃましまーす』と言いながら、少年はそっと扉を開ける。】
【…案の定、部屋の中にはワイヤーが。至る所に張ってあった。】
【然し、丸で"アスレチック"の様なこの部屋は、難なく通り抜けられた事だろう。―――何故なら其れに、少年は"慣れて"いたから。】

【狭かったアパートは、奥に進むに従って更に狭くなって――――】
【女の声は聞こえたものの、リビングにも、或いはキッチンも見当たらなかった。】
【とすれば、可能性が最も高いのは―――目の前の扉の向こう、だった。】

【足元のワイヤーを諸共せず、少年は扉を開ける。カギが掛かっているなら、ドアを蹴り飛ばす事だろう――――】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 22:42:11.09 ID:ToxQpbyMo
>>495
/*申し訳ございません。確認なのですが、キッチンの足元のワイヤーは触れた≠ナしょうか?*/
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/23(月) 22:42:41.82 ID:D0dgCn7f0
>>491

(…………■■は、もう、私には……――――――)

【雨に交じるひとつの靴音、鎖の擦れ合う僅かな音色。そして、聞き覚えのある声に紡がれる言葉―――】
【ふと向けた視線に映るシルエットは、記憶に見たあの人影の様で】

(っ、……―――――?)

……シャッテン?   

そう……やっぱり貴方だった。そんな所にいたら濡れっ放しよ?
……貴方は……見た目よりは丈夫みたいだし、風邪も平気なのかも知れないけれど。

【完全に思索に没入していたのだろう、理解すれば、不意を打たれた様な顔をして】
【けれど直後―――まるで何かを悟った様に、安堵めいた微笑みを浮かべた】

【少女は一歩足を進める。よく見える様に、互いが互いを見失わぬ様に。】
【結果として彼女も多少雨に濡れるのだが―――――少しだけ、それも可笑しむ様に口を開くだろう】



……もう、あれから一月になるのかしらね。
早いものね……思えば、貴方とは本当にあっという間だった。

【――――「入って」。】

【彼が寄るなら入り口からは身を退けて、カンテラの光とシャッテンの道を空けた。続く言葉は穏やかなもの。】
【時は停まらない。……密度が高ければ高いほどに、きっと惜しむ間もなく過ぎ去ってゆく。】

【――――この夜が何を齎すのか、“この先”に待つことを想起しないには彼女は現実を見過ぎていて。】

【けれどこの時、ずぶ濡れの彼が、さらに濡れる様にそこにいた――――】
【“今”、自然体の彼女にはそれだけだった。……この時を、始まる夜を、慈しむ様に刻み込んでゆく。】



/すみません、気付くのまで遅れましたっ……orz……
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 22:44:06.52 ID:x2eC7e0+0

【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】









【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【――――其処の中にはにて、車椅子に乗った少女が一人】
【汚れを知らない様な真っ白の髪。額には角を生やし、纏う物は入院患者の其れであって】
【…………膝の上で抱えている物。よく見れば、其れは鳩】


「全く、お前はドジなのです
翼を折ったら飛べないのですよ。もっと気を付けて飛ぶべきなのです」

【ポッキリと折れてしまった翼。鳴き声は何処か悲しそうにも聞こえるが、其れを抱える少女は気にした様子も無く】
【――――言ったって分からないだろうに、鳩に向かってドジだの馬鹿だの】
【……それも過ぎれば、じぃと見下ろして。やがてはその両手に、聖の魔力が集う事だろう】


「…………ほら、さっさと行くといいのです
お前は飛べるのだから、もっと沢山の物を見てくると良いのですよ
こんな所に居たって、つまらないだけなのです」

【魔力が消え去る頃、折れた翼は元通りになっていて】
【――――治癒の魔術。包んでいた手を離したならば、鳩も一度鳴いただけで何処かへと飛び立つ事だろう】
【この少女にしては、珍しく口元が緩んでいる様にも思えるけれど…………そんなのは、余談】
【この中庭には一人しか居ないのだから、ふと目を通しただけでも目立つ光景であったが――――】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/23(月) 22:48:23.25 ID:5fFIdlPP0
>>496
/そうですね、何かこう蹴り潰した感じでお願いします!
500 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/23(月) 22:50:20.55 ID:JCugmNm80
>>494

【――はく、と。黙り込んでしまった間に呼吸の音が混ざり込む、その視線にも気付いて伏せる眼は】
【そのまま足元の古びた灰色に穴でも開けてやろうかとでも思うよな攻撃性を孕む、(実際出来てしまうのだけれど)】
【気にしていたらしいのだと気付くのは容易いだろう、――胸元のふわついた誤魔化すような服、着ている今なら特に】

……音々ちゃんはいいの、前からああなんだからいいの、関係ないのっ、

【前から――というならちいさい頃からの馴染みだろうか、過去を通り過ぎた和やかさは仲良しの雰囲気そのものであって、】
【出来ることなら地団駄でも踏みたそうな態度だった、どうしようもない現実と羨望と嫉妬と諦めやらが混在して、】
【機能性よりも見た目を重視したらしいコートの和袖、ぎりと握る指先がきっと怒っているらしい震えを示したなら】

――――お父さんよりちいさいくせに!

【――おんなじように身体の特徴で返すのが尚更子供じみた報復だ、大雑把な目視で判断した結果の反撃ひとつ】
【家ですら靴を履いて暮らすならそちらの印象ばっかりが強い、――でも、たぶん、合っているだろうと強気な思考】
【「お父さんに言ってやる」だなんてひどく物騒にも取れる呟きが聞こえた気がした、丸い視線が睨むの色合いで添えられて】

【それでもひたすら沈黙の中煮え立つタイプよりは扱いやすいだろうか、目で見てその度合いを察しやすいのは】
【今までの会話からですら察することの出来る子度染みた態度も思えばご機嫌を取るのはあんまり難しくないように思えて】
【けれど、まあ。怒ってぷいと帰ってしまうほどではないらしい、――精々が激おこぐらいだろうか、胸元を隠すように手を置いた】

【――真っ白の肌と、真っ黒の髪と服。右目の赤とコサージュの赤だけが、ひどく浮き立つように目立つ三色構成】
【コサージュを放り投げて右を閉じるウインクでもすれば綺麗にモノクロになってしまいそうなのは、生き物らしからぬ違和感でもあるが】
【半年前の時点で既に全うではないと割れている、それなら――そんなに違和感には、ならないのかもしれない、けれど】

…………、

【ぞろりと不機嫌な視線が伯父へと寄せられる、柵へ身体を預けた横顔なら、オッドアイもただの一色でしかなくて】
【隠し込むようにと胸の辺りにあった手がそうと首筋を撫でる、包帯の一層一層を爪先の感覚で数えるようにしながら】
【左の側を見せているなら薬指のそれだってよく目立っていた、――やがて重さに落ちた袖、見えた手首に巻きつく包帯の群れは】

【――分かるでしょうとでも言うようだった。(そしてその態度は、無理やり振るわれた暴力ではないと、言外に告げて、)】

してる

【首筋、最後の一層が爪に引っ掛けられて捲れ上がる、下の素肌が覗く、――当然、そこにある鬱血の痕までが】
【前も同じようなことを聞かれた気がした。どうしてそんなに気にするのとでも思ったような視線がようやく真正面から向けば】
【さも髪の毛が重たいという風の仕草で首が傾げられる、繰り糸の切れたような挙動は、ただ、癖でしかなかったのだが】

【(そこにおかしさなんて見出せていないようだった。もうなにもかもが、染められたあと)】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 22:50:39.31 ID:ZSbk4L8R0
/>>490を取り消します
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 22:58:55.17 ID:ToxQpbyMo
>>495
(……あからさまに仕込んで仕込んで仕込み尽くす。
これでもかってくらい、今のうちに仕込んでおいて、いくらなんでもこれ以上は無いと思わせる。
その思考の隙、間隙が――最大の仕込み。心に罠を仕込んでやるよ……!)

【青年が扉を開けたならば、びりぃ、と紙を引き裂く様な高い音が響いたのが分かる】
【直後、辺りに撒き散らされるのは――小麦粉による煙幕。下のパン屋からかっぱらった代物】
【また、入り口の近くのワイヤーを蹴り潰した故、落ちてくるのはそれだけではない、天井から落下するもう一つは――火のついた煙草】
【粉塵爆発と言う程ではないが、煙幕に火が燃え移り――キッチンは一時的に高熱に支配され、視界は紅に飲み込まれるはずだ】
【これが最後の罠。誰が見てもそう思うことだろう――、実際ワイヤーの長さから、切断されたワイヤーのトラップへの流用はこれが限界なのは間違いない】

【火焔の煙幕は逆巻き、キッチンとバスルームを飲み込んでいき――】
【ドアが開いたコンマ数秒の後に、バスルームから飛び出すのは鈍く光る刃。――白刃が横薙ぎに駆け抜けた】
【刃の主は一人の女。――口元には予め布を巻いておき、炎を吸い込み肺を焼かないように対処済み】
【目を護るようにゴーグルを付けた女は、肌を焼け焦げさせながら、迷いなく火焔から飛び出した】

「――シィッ!」

【壁を蹴り、天井すれすれへと跳躍してから、天井を蹴り飛ばしての脳天唐竹割り】
【ワイヤーが無くとも、この狭い空間であれば健脚を活かした三次元的挙動は十二分に可能】
【重力による加速、天井蹴りによる追加速、体重による足りない一撃の重みの追加】
【――ここまで仕込みに仕込んで、疑いの種を撒いて撒いて撒き尽くして】

【此処に来ての、正面からの全力攻撃――正々堂々と言う、卑怯で小賢しい女から通常出ない故の――正面という死角≠ゥらの攻撃】

【そして、女のここまでの温存は――一流には決してなれない己の一撃を一流にまともに叩きこむ為の、布石】
【残したすべての力を此処で使い果たさんと、空中でエビぞりになった身体のばねは跳ね――斧は頭上から十字に相手を引き裂かんとする】

「キィィィイェ――――――ッ!!」

【此処に来て、初めての咆哮。その瞳に有るのは――死する事への恐怖と、その恐怖が生み出す異様な力】
【火焔を纏い、己を死地に追い込むことで全力以上を引き出したその姿は――間違いなく火事場の馬鹿力と言えよう】
【刃は分厚く、そしてもろもろの要因で十二分に重い。――この一撃が、最後の衝突となるだろうか】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/23(月) 23:01:04.32 ID:rn/3tg8Eo
【とある埠頭】

【錆びたコンテナヤード、古びた倉庫、よどんだ潮風】
【対岸に見える貨物船や工場の灯りはとてもとても美しい】
【夜景スポットとしてここに見に来る奴なんて居ない。マフィアとか悪党とかそれ以下とかしか来やしない】
【けれどもそんな奴らが仮初の安らぎを得れるのはこんな場所なんだろうか】

【廃棄されて山積みのコンテナ群の中のひとつは少し新しくて、扉が開いている】
【そのコンテナの前にはロングノーズの古い青いクルマが停まっている】

【カーラジオからは昨夜の事件の続報が…嘘か真か】
【楽しめるようニーズに脚色された情報がアナウンサーが機械的に発信している】

………………。

【男はニュースの感想の代わりにくわえた煙草の煙を吐いた】
【クルマのトランクにアタッシェケース。それのダイアルを合わせて金具を開くと札束が詰まっている】

【眼と耳が隠れるぐらい伸びた黒髪。夜と同じくらい黒い古い型のサングラス】
【縦ラインの入った黒いモッズスーツ、白いシャツ、黒いネクタイ】
【手足が長くやせた体躯は実寸よりも余計にその身長を高く見せていた】

【男は強盗で、手配犯で賞金首だ。事件に応援に行っていない自警団やハンターは男を追ってくるだろうか】
【だがフリーランスで金はある。悪党の側も男を探してここにたどり着くかもしれない】
【或いは………】

【男は車内の時計を見た。11時だ。そしてもうすぐ日が変わる】
【口のあいたコロナの瓶を手にとって、それを夜景にかざす】
【黄色の泡にオレンジの光が揺れて沢山光る】
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/23(月) 23:01:14.83 ID:gkAJbKcV0
>>497

…………ッ、柊……君だったのか……ぁ!?

【じっと廃墟の入り口に視線を注いでいた青年――――シャッテンは、そこから顔を覗かせた人物を認めるや、驚きに目を見張った】
【かつて盟約の下、同じ戦場に立ち、同じ敵を頂いて戦った少女――――八攫の姿をそこに見たからである】
【雨を避けるためとはいえ、八攫がこの様な廃墟に身を隠していたと言うのは、シャッテンにとっても意外だったのだろう】

……そうか、ぁ……一月、か……ぁ
あの戦いが、そんなに前の事だったんだね、ぇ…………なんだか、そんな気がしないよ……ぉ

【盟約の為に、同じく怒りを抱いていた敵――――コーネリアスと戦う戦場に立ち、そして共に勝利したあの戦いは、既に過去の事だった】
【八攫の言葉に、今さらのようにシャッテンはそれを思い出す。様々な思いが錯綜したあの時の出来事は、まだ強く意識の中に根付いていたのだろう】
【記憶の鮮烈さが、シャッテンに過ぎ去った時間の感覚を狂わせていたらしく、やけに遠い目をして答えた】

…………じゃあ、失礼するよ…………ぉ

【道を譲られて、シャッテンは軽く首をすぼめながら、廃墟の入口へと入り込んでいく】
【雨を避ける様に屋根の下に踏み入っていったシャッテン。その前髪から、雨の雫はピタッと床に零れた】

――――だけど、君が無事で本当に良かったよ……柊……
お陰で、あの戦いを生き残って、約束を果たす事が出来た…………

【カンテラのぼんやりした明りの中で、シャッテンは八攫を見つめながら小さくため息をつく】
【コーネリアスとの決戦は、死闘と言う言葉の相応しい、峻烈な戦いだった。事によっては、命を落としていてもおかしくはないくらいの――――】
【実際、シャッテンも重傷を負ったし、もう1人の仲間――――その時居合わせた仲間は、肉体を失う結果となっている】
【だが、その中にあって、シャッテンは回復を果たし、八攫もこうしてピンピンしている。その事を、シャッテンは安堵している様だった】

【――――だが、同時に彼らには、1つの岐路の迫っている。少なくともシャッテンはそれを、しっかりと認識しているのだろう】
【『約束は果たされた』――――コーネリアスとの決着はつき、彼らの盟約の目的も、果たされたのだ】
【その時、シャッテンと八攫が交わしていた約束の成就は――――2人の決着】
【本来なら敵同士でもあるシャッテンと八攫は、コーネリアスを倒すまで、互いの決着を先延ばしにする事、そしてその間、休戦する事を約束としていたのだ】
【――――その事を、恐らくは胸中で思っているのだろう。不吉な輝きを見せているはずのシャッテンの瞳は、やけに達眼した、遠い目のままで八攫を見つめていた】

/お気になさらずにー
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/23(月) 23:10:16.02 ID:R1CtT6kwo
>>498

―――そんなつまらない所に1羽の鳩が戻ってきちゃいましたよ……ってね

【彼女しかいない筈の中庭に響く男の声。―――もし彼女が視線をその声のした方向に送れば、其処に居たのは蒼のソフト帽を被った男で】
【……以前一度会話をしたことがあったのだが、覚えているだろうか。彼の格好は前と変わらず、白シャツ×灰色のジレ×ジーンズ。宝玉のペンダントも前と変わらない】
【―――だが、右脇に松葉杖を挟んでいることと、以前は足首に巻かれていた包帯の範囲がふくらはぎ付近にまで広がっていたことだけは前回と異なっていた】

【男は慣れない手つきで松葉杖を操りながら、何とかベンチまで辿り着きどさりと座り込む。その動作だけでも、苦労の見える様子だった】

―――……よう。 治癒魔術を使えるとは、流石だな
つーかさ、俺には厳しいのに鳩には優しいんだ……

【先程の彼女の姿はどうやら見ていたようで、その優しさが男にもはっきりと感じられた。空いた左手を上げて、彼女に飛ばすは軽い挨拶】
【挨拶に添えられた笑顔には何処か憂いが見え―――心の底からの自然な笑顔ではなく、作り物の表情であることははっきりと解る下手くそなものだった】

―――あ……残念ながら、その足の犯人だっけ―――まだ遭遇してねぇ。 一応前よりは行動範囲広くなったから、悪人と出会う機会はかなり増えたんだが―――

【行動範囲が広くなった―――と語るが、その理由が右肩に張り付いていた。緋色の鷹のワッペンは、SCARLETの其れ。―――つまり彼が、そのメンバーである証拠だった】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/23(月) 23:21:30.13 ID:jUJjMcwDo
>>500

――……大変失礼致しました、俺が悪う御座いました。

【こうなれば理屈では敵わない、早々と両手を上げて降参のポーズを取る】
【182cmの背であっても確かに父親たる彼の普段の姿と比較すれば10cmは低い】

【靴さえなければ然程、と言い掛けて飲み込めたのは、】
【少なくとも――まともさでは、自分が上だと判断しての事だった】

【(愛していると言いながら傷を付けて首を絞めて悦ぶような)】
【(それだけは、どうしても理解が及ばない――関係も見えた痕も何もかも、異常だ)】

そう、か……いや、それなら良い。前にも同じ事を聞いたな、悪かった
お前がそれで良いなら俺は何も言わないさ……これからも幸せに、な

あいつに宜しく言っておいてくれ、あと、金貸してくれって……じゃあな

【もうこれ以上は確認しても同じ事だと判断すれば追及はせず、納得と言うよりも諦めて】
【悦那は柵から背を離し階段の方へと歩き出す――伝言をどうするかは、彼女次第だった】

【(余談。伝えたならば彼は盛大に溜息をついて、構わなくて良いなどと言うだろう)】
【(理由は簡単――貸した金、自警団に捕まった際の保釈金、全て数えれば〆て500万程)】
【(その殆どを兄特権で踏み倒しているのだから尚の事。そんな話を、聴ける筈で――)】

/すみません、ヤニと酒が回って来て上手く書けないのでこの辺りで……
/付き合って貰っておいて申し訳ないです。ありがとう御座いました!
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 23:32:57.58 ID:x2eC7e0+0
>>505
「――――折角自由になったのに、態々戻ってくるなんてきっとその鳩の頭は壊れているのです
普通ならばそのまま何処かへと行くはずなのですよ」

【けほん、と咳払いをして調子を整えるが――――今更遅い。自らの顔に手を添えて横へと引き延ばせば、其処には何時もの無愛想な表情が浮かんでいて】
【その足取りだというのに、見事な三白眼を駆使して睨み付ける事だろう。素直で無い……と言って良いのかは不明だが、コレが何時もの少女の態度】
【ふんとそっぽを向きはするものの、横へと送る視線はしっかりと青年がベンチに座る事が出来るか否かを見届けていて】


「…………ユニコーンの角は万病を治す薬にもなるという逸話が伝えられて居るのです。私が使えるのはとうぜんの事なのです
それに、鳩は私よりもか弱い動物なのです。ロウ、お前が私よりもか弱い生き物ならば、考えてやらない事も無いですが――――そんな事、ある筈も無いのです」

【だからと言ってこの少女の角がその薬へと化すのかと問われれば、答えは否】
【――――突っ込みに対しては更に厳しい口調を交えて、罵倒とは言わずとも皮肉に感じる事が出来る位の言葉を贈り】


「自分を変えようと下手な笑いを身に付けるつもりなら、止めた方がお前の為なのですよ
……それで、その脚はどうしたのです?事故でも起こしたのか、それともドジでもしたか分からないですが、私の目が狂っていなければ以前よりも大量に巻かれている様ですが
どうやら、其れを見る限りニートを止める事が出来た様ですから、それに関係しているのです?」

【以前の職が職。人の取り繕う感情を見抜く事位ならば、ある程度出来る。故、男性のその笑みを指摘して】
【続ける言葉は、その脚について。勘違いで無ければ、その包帯の浸食も大きく為っている為に、言葉を掛けたのだろう】
【――――細い指が、そのワッペンと怪我の程の関係性を問い質すように、指し示すが】
【……病院。更にはこんな性格だから世間には疎い。だから、SCARLETの存在もこの少女の耳には届いていないのだろうか】


「ああ……後。別に元より期待している訳でも無いですし、ロウに頼んだ訳でも無いのです
……………ん?私、ロウに話して居たですか?」

【白髪を風に遊ばせて、涼しげな表情で応えるが――――疑問の声と共に、向いて】
【男性にとって幸か不幸かは分からないけれど、今日は周りに少女以上に毒舌を吐く従者も居ないようだが――――】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/23(月) 23:34:18.21 ID:5fFIdlPP0
>>502

【少年の視界が白い粉に侵食されたのは、扉を開けた直後の事。】
【頭上からの小麦粉に驚いたと同時に、思わず息を吸いこんでしまう。】
【少年の身体に入り込んだのは、無論、空気だけでは無かった―――少年は咽返る。】

【身体を前屈みにして咳をしている間に、少年は2つの違和感に気づいた。】
【1つは、耳が、背中が、全身が熱いという事。】
【もう1つは―――女の姿が見当たらないという事、だった。】

【狭い空間での戦いに於いて、最も避けるべき事態が起きたのである。】
【"咽返っている"という隙を、これ以上作る訳にはいかなかった。】
【少年は口を手で抑え、強引にでも呼吸を止めようとする事だろう。】


【―――小麦粉の量は、尋常では無かった。兎に角、視界が悪い。】
【更に、部屋中に充満している、全身が焼ける様な熱。】
【圧倒的に不利な状況から考えて、少年が女を発見出来なかったのも、無理は無いのであった。】

【さて、眼が頼りにならないのなら、残るのは耳しかなかった。】
【――壁を蹴る音。空気が引き裂かれる音。この2つの音が導いたのは、女の"行動"。】
【――そして、女の咆哮。この声が導いたのは、女の"位置"。】

【最早此れらは、長い間培ってきた、少年の"勘の世界"以外の、何物でも無かった。】
【少年は無意識の内に、体勢整え――軸足を外側にズラし――其の白刃の真ん中を、捉えるが如く、ハイキックを繰り出す―――】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 23:52:15.20 ID:ToxQpbyMo
>>508
(殺る……ッ! これで殺れなきゃ……さっさと帰るけど! 体痛いし!)

【相手の頭上で斧を振りかぶりつつ、相手を殺す場合と、殺せなかった場合を考える】
【どこまでも打算的、どこまでも臆病――それがコジマという女のスタイル】
【逆巻く炎の熱に身体を焼かれながら、白刃は迫る】

「な……んだ……と!?」

【ここまで仕込んで、仕込んでなお――相手は食らいついてみせた】
【金属と金属のぶつかり合う、甲高い音響。脳髄を痺れさせる、不快な音量】
【ぎしぎしと軋みを上げ一瞬拮抗したそれは、白刃の横を滑るようにして伸び――女の土手っ腹を抉り込んだ】

「が――ァ……!」

【内臓をかき回される苦痛。鳩尾近くの肋骨が粉砕する半端ではない激痛に、視界がチカチカと点滅する】
【胃が激痛で暴れ回り、胃液が駆け上り、口の端から飛び出し――表情が歪み、天井に女の背は叩きつけられ】
【そのまま、女は重力に従って落下し――床に叩きつけられる】
【地面をのたうち、うめき声とびちゃりびちゃりと何かを吐き出す水音が相手の背後から響く。完膚なきまでに、綺麗に蹴りが入っていた】

「……ぐ……ッ、やだ……ッ。
おげ……ッ、うぐ……ォ……死にたくない――――ッ!!」

【だが、その直後。蹴りを食らい、肋骨を二本粉砕された女は――あろうことか、立ち上がってみせた】
【がくがくと振るえる足を引きずりながら、必死に相手に背を向けて、涙と鼻水と吐瀉物に塗れた無様極まりない顔をぐしゃぐしゃに歪めて】
【一歩目を踏み出してみせれば――堰を切るようにして一歩は加速していく。普通ならば動けない。だが、動く】
【相手を殺す為には全力を出せないが――自分が生き残る為ならば限界をたやすく超えてみせるのがこの女】

【迷うこと無く窓まで駆け抜け、女はぼろぼろの身体で窓から身を投げ出し――――地面に叩きつけられることはなかった】
【どさり、と言うクッション音。女は――下に予め陣取っていたトラックの上のマットに着地していた】
【副官によって応急処置を受けながら、勝ち誇った様子で戦闘の敗者は無様な叫びを響き渡らせる】

「……勝ちだ……ッ! 悪いがお前に勝つのが――私の目的じゃあ……無い…………ッ!!
テメェら――任務完了――撤収……だ…………ッ!」

【女の目的は――ここから先に敵を通さないことであって、敵の殺害ではない】
【丁度先ほど、作戦の終了が通達された時点で、女の目的は如何にして相手を撒くかに決定していた】
【相手の健脚から如何にして逃げるか――その為に、生き残るために、自分の身体をここまで犠牲にしてみせた】
【最終的に生き残ってさえ居れば、四肢がなくなろうが五感を失おうが関係ない。どうなろうと、生きたい、生き残りたい女の欲望】

「は……ッ、はははははははは――――! もうてめーの相手は御免だ! 二度とやってやるかよ!
っしゃー! 生き残った! 活きたぞ! 負けたけど勝った! 祝杯だこのヤローが!!」

【高笑いを引き連れて、エンジン音は去っていく】
【――残ったのは、無数の瓦礫と火焔の群れ。……戦いには負けたが、任務は達成することが出来た】
【弱者の意地は、敗北してなお卑屈に高らかに――笑い声を残していったのだった】

【――コジマ敗北。任務完了、達成】
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/23(月) 23:52:36.10 ID:ToxQpbyMo
>>508
/*お疲れさでしたー!*/
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/24(火) 00:03:28.15 ID:c7NLbITto
>>507

……そりゃ理由も無く戻ってくる訳じゃねぇさ
此処のつまんなさはチェリ以上に解ってるっつーの……

【変わらないキツイ言葉に苦笑いを浮かべながら、ゆっくりと右足を動かして足を組む。刺激を右足に与えないように、非常に慎重な動きで組んでいた】
【そして深く被ったソフト帽を更に深く被り、何かとスムーズさを失っている表情を隠す。ソフト帽の下から僅かに見える紺碧の視線は、怪我の箇所に】
【―――語る必要も無いが、コレが戻ってきた理由である。右足首は元々だが―――右脹脛の傷は、先日に受けたもの】

【……男は彼女をチェリと呼んだ。だが、彼女がその名をロウに伝えた過去はない。―――従者から聞いたのだが、その時は気絶をしていたのだから】

―――相変わらずの攻撃性だな……普通病院いたら丸くなるものなんだけどなぁ。
俺もそうだったんだが寧ろ前回より切れ味良い気がするんだけど―――気のせいか……?
―――あ、前回はその悪かったな……その、ブランコの件

【じっと此方へと突き刺さる視線に、飛んでくる皮肉。―――ああ、以前もいろいろ言われてたなぁと自然と思い出させる】
【前回―――そういえば、ブランコとかしてたなぁなどと思ったのだが、今の自分では、右足では其れすらも出来ない。―――そして前回の失態も、思い出した】

【その件でもどきっとしたのだが、其れよりもチェリに見ぬかれたコトの方が大きく彼の心臓を跳ねさせた。……そんなに下手な笑いだったのだろうか】

……その通りさ。 GIFT……そのメンバーとの戦闘があったんだが―――捕まえることが出来なかった。
被害の増大は止めることは出来たが……俺、気絶してた。……殺されても可笑しくない状況で。 その―――まぁ……

―――悔しいんだよ……!

【彼は俯けば、深く被ったソフト帽も相まって完全に彼女からは表情は隠れた状態になる。―――だが、表情など見なくても容易に想像できるものだろう】
【―――無念が、悔しさが、自分への怒りが入り混じった声色だった。GIFTが何か彼女は知らない可能性もあるが、感情だけは伝わるか】

……あ。 ―――まぁ、従者さんに。

【俯いたまま、小声で呟く。―――明らかに抜けた声の「あ」は、完全にその事を忘れていたことを示すモノだった】
512 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/24(火) 00:11:30.71 ID:I4Dn3Rod0
>>506

【分かりやすいぐらいの降参のポーズ、してくれたとなれば、少しぐらいは気も晴れるらしい】
【それでもいくらか不機嫌の残滓を漂わせながらもとげとげとした態度はとりあえずましになるだろうか】
【なにやら勝ったような目はしていても結局何ひとつが彼女の手柄ではなかったりする、虎の威をかる何とやら?】

【(始めの頃は怖がって苦しくて泣いていたはずだった、いつの日からか泣くことが少なくなって、なくなった、)】
【(潤んだ瞳で見つめはすれど今となっては違う意味合い、うれしそうにわらった口元は、いつの日からだったか)】
【(声も出せないはずなのに喉を微かに震わせて「もっと」と強請る、両手でして欲しいと乞うのは、異常なのに)】
【(そう歪められたことすらも気付けていないようだった。低酸素への、苦しさへの、その行為への、深い深い深い依存に)】
【(人間とは違う身体だから。低酸素から来る脳のバグなんて、魔力次第ですぐに治ってしまう、最適だと言えた)】

なんで……、……。

【――何もわかっていないから、彼のその態度の意味だって、わかることなんてできなかった】
【その言いかたはまるでこんなにも満ちるのに否定されているよう、上っ面だけで理解してくれたふりのような、】
【これ以上はないぐらいにしあわせで、しあわせなはずなのに、どうして、と。不思議がる声が総てだった】

【不機嫌と不思議がるものと、そんな表情同士を混ぜ合わせた表情と視線がその背中を見送るだろうか、】
【分かったとも何も言わないまま口を噤んで何か考える風だったのが、――本当に最後の刹那に開いて、】

それ以外なんてありえないの

【しあわせ以外がどうして存在するのかと未来を決定付けているようだった、(だから不意に対応できなくなるのに)】
【言ってしまえばたとえ振り向いたところで見られるのは服やスカートの夜風に揺れる様だけ。三つ編みは重たく身体に沿って】


【――帰宅すれば真っ先に抱きつこうとするのだろう、自分よりもずっと大きな胸元に、顔を埋めるようにして】
【名指しで伯父にいぢめられたのだと告げ口、それでも深刻に傷を負った風でもない軽さ、ちょっとした仕返しみたいに】
【一応伯父から頼まれた言伝も伝えるのだけれど、順番が順番だから――言ってしまえば、何もなかったように甘えるだけ】

【彼の携帯端末のほうにメールが一通。差出人はあの黒猫からで、内容はふたりの会ったことさえ知らなければ普通】
【季節の変わり目だからと彼や彼女の身体を気遣うふり。まるでしばらく会っていないように、先ほどなんてなかったように】

【(――包帯の巻きかたが変わっていた。外でほどく意味は特にないのに、彼女が巻きなおしたようになっていた)】
【(文字だけの連絡は気楽でいい、感情を騙るなんて容易いことだから、――気付いてしまったことなんて、絵文字の中に隠した)】

/おつかれさまでした!
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/24(火) 00:19:12.80 ID:TRTAFl9m0
>>504

【驚いたのはきっと同じで。……けれど先に見つけた彼女の方が、少しばかり“いつもの”自分だった。そんな落ち着きで衝撃を受け止めて】
【一月前――――“そんな気がしない”、言われてみれば彼女もまたそんな感覚だった。口を開けば、口にする】


同感ね……本当にそんな気がしない。目を瞑れば、今直ぐにでも浮かんで来るもの。

……うん……ありがとう。同じ言葉を返したい……だけどそれは貴方にこそ、相応しいと私は思う。
あんな巨人を一人で倒して、コーネリアスに報いたことの方が凄いわよ。
本当に……生きて、あの夜を越えられてよかった。

【「二人とも、ね」。互いの無事を噛み締める様に言葉を添えて、少女は、想う様にくすりと目を瞑る。】
【彼と、ギア・ボックスという青年との共闘が彼女の命を留めた、と――――】

【それは……真の敵ならぬ“敵”同士の結束という必然の齎す、奇跡の様なものなのだろう。……この胸に流れる、初邂逅の日からの一つの物語の煌めきも。】


戦って、分かり合って、共闘して――――
……貴方と重ねられたそんな縁は、私にはかけがえの無い私の“一部”だった。
ずっと……忘れる事はないと思う――――――……もしも私が砕け散っても、どんな結末を迎えたとしても。


【……“いつか、終わると分かっていても”――――】
【それでも輝く日々を彼女は願って、そして記憶に焼きつけた。】
【血を流す心に蓋をして。……感じるままに、心躍らせて全霊で駆け抜けたのだ。】

【―――――いつか覚めるもの。……抱いたまま、独り歩み続けるもの。】
【それは夢に似ていたのかも知れない―――――けれど、彼にはどの様なものだったのだろう?】  

【どんな答えだって彼女は構わなかった。……想いたくて、けれど言葉で問い質すことは出来なかった。】

【この先にあるのは絆の決着―――――冷たい刃と血の交わす、修羅と修羅との全霊の契約。】
【降り注ぐ驟雨の音色も消えて。ただ彼の存在を、歩み出すふたり分の足音だけを、少女は意識せんとするのだろう】


/この流れで申し訳ないのですが、急に眠気が来てしまってます…orz…
/明日は9時前後には来られると思うのですが、其方はどうでしょうか?
/其方さえよろしければ、一区切りしてから、思いっきりノりたいと思うのですが…っ
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/24(火) 00:22:29.80 ID:ncrsa17h0
>>513
/了解です。明日はちょっとどうなるかは分かりませんが、少なくとも来る事は出来ると思います
/もし不味かったら、置きレスの方ででもお付き合いいただければと思います
/では、今の内に返しておきますので、今日の所はおやすみなさいー!
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/24(火) 00:28:22.93 ID:TRTAFl9m0
>>514
/ありがとうございます…! 置きレス等の可能性も了解です、それでは一旦お疲れ様でしたー!
/シャッテンさんとの決着は凄く大事にしたかったり、だからこそスピードを…って思ったりなのですが、お付き合い頂けて本当に感謝です。それでは今夜はおやすみなさいっ、ありがとうございますー!
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 00:29:47.56 ID:mM32BeYi0
>>511
【返された言葉に対してはフンと鼻を鳴らし、同意とも取れる様な、或いは足蹴にして居るとも取れる様な態度を見せて】
【――――もう、鳩はとっくの昔にいなくなってしまったけど。空白を誤魔化すように、その先へと視線を向け】


「知らないのです。そう思うなら、お前に後ろめたい事が山になる程積まれているからなのですよ
私は本当の事しか言わないのですから、其れが刺さるならきっとお前の感情の問題なのです
――――別に、お前が気を利かせてやった事なのです。元々私を突き落とす為にしていたなら、きっと次には自分の細切れに為った身体を見る事になるですが…………
ロウは、そのつもりでやった訳ではない事くらいは、分かっているのです」

【自分は分かっていない。要約すればそれだけで終わってしまいそうな言葉にガサを増やし、棘を付け。出来上がった言葉を放り投げれば、もしかしたらまたもや青年に突き刺さるかもしれない】
【――――けれど、謝罪については、その必要は無いと述べて】
【中身は、最初に語ったように偽りの無い事。自分の事を考えて行ってくれて、その結果に生じてしまった事に対する怒りなんて物は沸かない……なんて事】


「――――馬鹿なのですね。お前も、要らない言葉を漏らすミールも」

【掌大に作られた光の“塊”。月光を吸収すれば、それなりの質量を持ち――――非力な少女の力であっても、投擲すれば殴る事に同等する衝撃を与えられる】
【垂れられた頭に対して、其れは投げられて。さて、目深く被った今、其れを避ける事は出来るだろうか】
【――――当たったとしても、怪我は無い。ただ、痛いだけなのだけれど】


「私だって、この脚が動いていた頃は沢山悔しい思いをしていたのです。負けても、勝っても、同じ事なのです
悔しいからと言って悔いているだけでは、何にも為らないのです。あの様にしておけば良かったと考えても、今の結果は変わらないのです
もしてや、私よりも長く生きているロウであれば、その事をしらない筈がないのですよ?」

【キィ――――と、車椅子を漕ぐ音。頭を上げていたならば、ベンチへと近づく少女の姿が映るだろうか】
【…………従者に対して、然程怒りを見せた様子も無い。元より気にしていないのか、それとも強がりか】
【青年の正面へと車椅子を止めたならば、その双眸がじっと向けられる筈で】


「まだ生きているから、悔しいとも思えるのです
…………それで、ロウ。お前はどうしたいのですか
今すぐにでも探りたいならば、少しは協力してやるのです。力を付けたくても、同じ事です
…………完治とは言わずとも、お前の脚は私と違って動く筈なのですよ。此処でメソメソしてるなら、邪魔にならない様に私は食堂にでもいって甘い物でも食べてくるのです
負けたお前は、どうしたいのですか」

【暗に、直ぐにでも動けるようになりたいならば“治癒”を行ってやる――――そう、伝えている様】
【無論、先程は鳩という小型故に直ぐに治すことが出来たが、相手が人間となれば直ぐに完治へ持って行く事は難しい】
【けれど――――動くくらいまで癒やすことならば、出来ない事も無い。後遺症を治せずとも、負ったばかりの怪我ならばある程度癒やすことが出来る】
【銀の双眸は、逸らされる事が無い。答えを待つ間、ただ向けられるだけ】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/24(火) 00:54:53.17 ID:ceFWDb0e0
>>509

【―――少年の、"今日の勘"はすこぶる冴えていた。】


【辺りに響いたのは、矢張り甲高い金属音。】
【即ち、少年の右足が捉えたのは、女自身ではなく、女の持つ刃であった。】

【"勝利"という言葉が少年の頭を過る。此の攻撃さえ避けられたなら、敗北の要因は見つからなかった。】
【高く上がった右足を下ろそうとすると、少年はバランスを崩し、ドタン、と音を立てその場に倒れる。】
【少し間があって、同じ音がもう1つ。その原因は、当然、女。】

【倒れながらにして、少年は女ののたうち回る様子を見る。】
【『必死過ぎるやろ…』なんて思ったなら、思わず吹き出した事だろう。】
【そして其の瞬間、先程微かに過った"勝利"という文字は、確信へと変化するのだった。】


【立ち上がって、藻掻く女に近づき、最後、"4発目の蹴り"を入れる事は容易い。余りにも容易かった。】
【然しながら、少年は傍観していた。女が立ち上がって、窓から飛び降り、逃げて行く様を。】
【少年は女の姿が見え無くなったのなら、ふー、と安堵の溜息を吐き、ゆっくりと其の眼を閉じていく事だろう。】


【―――"過剰な防衛は、正義ではない"。少年の信念は、極めて甘い、甘い物であった。】


【窓の奥では『ブロロ…』と大型車の唸るようなエンジン音が鳴り響き、やがて消えていく。】
【眠りかけていた少年も、其の音をきっかけにハッと気づいた様に目を見開き、右腕を床につけて、ガタガタの身体を起こす。】
【―――幸い、"ボヤ"で済む様だ。生まれたばかりの仔馬のような足でバスルームへ行き、風呂桶を取ってきては】
【燻る火の元へ、一つ一つ丁寧に、バシャバシャと冷水をかけていく。―――案外、用心深い性格の様で。】

【其れも一通り終わったなら、今度は近くのソファーにそっと寝転がる。】
【戦いの果て、である。疲れて居るのも無理は無かった。】
【少年はやがて、微睡みの世界に引き込まれていくのだった。―――勿論、体勢はうつ伏せで。】

/お疲れ様でした〜!
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/24(火) 01:00:15.61 ID:c7NLbITto
>>516

……そんなモンかなぁ。

【ベンチの背に持たれたまま軽く背を反らして身体を伸ばせば、ボソリと納得していないような言葉を零す】
【自分の後ろめたいことを、脳内で数える。―――まぁ確かに、山になるほどあったのだが】
【ブランコの件は、どうやら怒っていない様で。てっきり嫌という程の罵倒が激流の様に襲いかかるものだと思っていたが、そんなことはなく】

―――っ痛ゥッ! なんだよもう……

【安堵の表情を帽子に隠す中で浮かべていたのだが、それが隙になったのかそもそも視界が帽子に隠れていた為かクリーンヒットして】
【その後直ぐに顔を上げ帽子を脱ぎ、隣に置く。丸くなった紺碧が2つ彼女へと向いた】

【―――年下の子の説教が始まり、ロウは当たった箇所を擦りながら耳を傾ける】

……結局やることは変わんねぇよ。―――前も、その前も、更にその前も……いじけたり凹んだりしながらも、俺には戦うことしか出来ねぇんだよ
―――前も言ったっけ……俺病院に2年間居たんだけどよ……何が一番辛いってさ……暇―――なんかじゃなくてさ

……俺が「護られる側」にいるってことが、マジで耐えられなかった。どんだけ辛いことがあっても、俺はそっち側にいたい―――
―――だから今、マジで辛いんだ……直ぐに治したい。その気持ちも勿論ある。でも一番は―――俺を気絶させたアイツを捕まえて、信念を証明したい。

無能力者を虐殺するGIFTの糞野郎共に、そして俺自身にも。 ……勝たないと証明できない。貫けない―――だから、次は勝つ。捕まえる……!!

【初めて瞳に意志の煌めきが現れた。その紺碧は彼女の銀から反れることはなく―――感じられるは不屈。否、不死身の意志と言った方が適切だろうか】
【何度も折れかけ、何度も壁にぶつかるのだが―――また立ち上がる。それがマーシャル・T・ロウと言う男なのだ】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/24(火) 01:01:14.28 ID:ncrsa17h0
>>513

……フフ……あれは偶然さ、ぁ…………君の方こそむしろ、コーネリアス本人を相手取っていただろう……ぅ?
……アレの齎す力は、相当なものだった……その場で上手く立ちまわれたのは、君だからこそ、だよ……ぉ
……恐らく、立場が逆だったら、ああはいかなかったろう……ぅ

【――――炎の巨人を一撃で撃滅出来たのは、本当に偶然の産物だった。放った魔力が偶然コアを捉えたと言う、それだけの話だったのだから】
【もしも選択を間違えていたら、あるいは立場が変わっていれば。シャッテンは、生きてこの場に居る事もなかったのかもしれない】
【本来、牽制や攪乱にこそ戦いの基盤を置くシャッテンにとって、あの戦いは勝手が効かないものでもあったのだ】
【もっとも、敵の死角を突く事や、正面からの力押しの方法も、ない訳ではないのだが……】

……同じ様に思うよ、柊…………あの戦いは、そしてその為に結んだ約定は、人間の光そのものだったと、僕は思うから……っ
……守れたんだ。僕らはあの男から……侵されざる真実を……ッ

【勝ち取ったのは、単に勝利や命だけではない。何よりシャッテンが勝ち取りたかった、人間の命の尊さ。それを得る事が出来た】
【その為には、人の光が獣の理想に勝る事を証明しなければならなかった。もっと言えば――――シャッテンも八攫も、未来を勝ち取らなければならなかった】
【――――2人共に生き残れたのは、正に最上の結末だったと、シャッテンはそう信じているのだろう】

――――柊……良いんだ、もう良いんだよ……ぉ
…………そんな仮定は、もうしなくていい…………もう、必要ないのさ…………

【終わりを確かめる様な八攫の言葉に、シャッテンはどこか酷薄な笑みを浮かべて、ゆっくりと首を振る】
【――――ひどく、安らかだった。その瞳も、言葉も、身に纏う雰囲気も。まるで、誰かを祝福する様な優しささえ感じさせて】



――――――――っう、ぐぁハっ……!!



【――――その、直後だった。呻き声と共に、シャッテンの身体が奇妙に折れたのは】
【さらに、その直後だった。シャッテンの腹がざっくりと割れて、ベタっと大きな血の雫が、床を汚したのは】
【シャッテンの腹が、大きく深く、斬り付けられていた。その傷を抱え込むようにして、シャッテンの身体がくずおれ、床に四つん這いになる】

……しゅ、柊……っ…………覚えて、いるだろう……ッ?
……君の理想とする世界では、僕の……っ、命が輝けない……ッ! 僕の理想の……世界では…………君の命が、ぁ……輝けない……ッ
だから……だか、ら……決着を……つけなきゃならない…………そう、言ったぁ……ッ! ……そうだろ……?

【無理して持ちあげているシャッテンの顔が、苦痛に歪んでいる。まるで洗いたての洗濯物を物干しざおに通している様に、水滴の代わりの血が、腹からピタピタと溢れてくる】
【その中でシャッテンは、途切れ途切れの言葉を口に唱える。まるで、魂でも込めるかのように】

……で、でも……でも……ッ! 僕には…………できない…………君の命を、手にかける事、なんて…………絶対に、出来ない……ッ!
君には…………生きてて、欲しいんだ…………君の、命が! 失われるなんて…………この世界の……損失だ……不幸、なんだ……!
た……例え、僕が死ぬ事に……なろうとも……だ……ッ!

【――――シャッテンにとって。その絆は、夢の様な儚いものなどでは、断じてなかったのだろう。それは、命の輝きそのものだった】
【八攫の見せた命の輝き――――それは、シャッテンにとって、何物にも覆い尽くされずに光を放つ、宝の様なものだったのかもしれない】
【だからこそ――――生きていて欲しいと願った。決着が必要なら、自分の命をさえ投げ出してしまうほどに。自分の命以上に、シャッテンは八攫を大事に思う様になっていた】
【そしてそのために、シャッテンは躊躇いなく自らの腹を、闇の刃で切り裂いた。例え自分が死ぬ事になろうとも、八攫には、未来を掴んで欲しいから――――】
【それが、人間の輝き――――ひいては世界の為になるのだと、信じていたから】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 01:23:54.17 ID:mM32BeYi0
>>518
「闘う事しか能のないお前が此処に居れば、腐って病院の染みになるだけなのです
世の中には力の無い者達が沢山居るのですから、其れこそお前は此処で座っているのでは無く、さっさとマグロの様に泳いでくるべきなのです
脚を止めたなら、其処で死ぬと考えるべきなのですよ」

【満足げに頷いたのは、その言葉を聞くことが出来たからか。――――それとも、綺麗にぶつける事が出来たからか】
【恐らくは後者で間違いは無いのだろうけど、其れを問い質そうとしたならばギャンギャンと騒ぐ事に間違いは無いのだろう】
【ふ、と短く息を吐けばその手に光を宿して】


「まっ…………暇潰し程度には付き合ってやるのです。掴まえる事を直接手助けする事は出来ないですが、間接的に手伝うことは出来るのですよ
守る側がずっと此処にいたのでは、それだけでも何人かは命を落とすのです
…………それと、私がお前達人間に力を使ってやる事なんか早々無い事なのです。多大なる感謝を示すと良いのですよ」

【避ける事が無ければ、その手が患部へと翳される】
【熱間。痺れ。様々な事を感じる事になろうが、その中に不快な物は余り含まれてはいないだろう】
【――――十数秒、そんな事を続けた後の事。きっと、脚を地面に着けて歩くことが出来る程には回復しているだろうか】
【個人差はある為に、或いはそれ以上の結果が生じるかもしれないし、期待通りの効果もないかもしれない。謂わば、一種の目安】
【どちらにせよ、松葉杖を不要とする位には治癒をしている事だろう】


「…………ほら、其処で飛んだり跳ねたりして子供の様に喜びを体現すると良いのです
そして、無理にでも探し出して勝てば良いのです。そうすれば、お前も証明の一つが出来るのですよ」

【コレで尊大な態度さえ無ければ、感謝の気持ちも湧くかもしれないが】
【目前に居るであろう少女は、胸を反らせて威張るばかり。確かに力はあるのかもしれないが、これでは有り難みも半減してしまうもの】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/24(火) 01:52:18.47 ID:c7NLbITto
>>520

―――おうッ。……ありがとな、チェリ。
俺なんかよりもよっほど大人だぜ、ったくよ……

【受け取った言葉をゆっくりと噛み締めて、少々の静寂の後に告げるは感謝】
【―――付属品には、自然な微笑み。憂いを帯びた表情の影は最早其処には無い。彼女が手から光を出せば、一瞬ぎょっとして】
【―――先程の「協力」と言う言葉の意味を理解していなかったが、ようやく分かったらしく。少し申し訳なさそうながらも、右足を差し出した】

―――……マジで済まない。 恩に着るぜ……ホント
恩返しは結果で示すしか無い―――絶対に俺は護ってみせる。……俺の手が届く範囲は、全て。
……『アリス』の件も、もし出会ったのなら、絶対に―――

【温かい感覚が患部を包む。その間も男が並べるは感謝の言葉。1つじゃ足りなかったから。瞳の紺碧は深まり、自分に言い聞かせるような言葉を放って】

【そんなことをしている間にも、足の違和感は消える。脹脛に受けたはずの矢―――内部すらも破壊する激痛を齎した筈の傷が、すっかり消えたようで】
【其れでも足首の古傷が治ることは無いのだが、以前の状態へと戻れたことは確かだった。トントン、と右足で地面を踏み鳴らし状態を確かめ、笑顔が見えた】
【飛んだり跳ねたり―――は出来ない。何故ならこの脹脛の怪我を負う前でもそんなことは出来なかったから】

……其れはちょっと厳しいけどな。でもマジで治った……凄いな、チェリは。
―――ああ。勿論……マグロの様に泳いでくるぜ……―――今度此処に来る時は、出来れば患者じゃない状態で。なんかケーキでも持ってってやんよ!
後はミールによろしく言っといてくれよな!

【男は2本の足で立ち上がり、隣に置いた帽子をくしゃりと乱暴に掴み、深く被り直す。―――遠くで自分を呼ぶ受付の声がしたが、もう必要ない】
【すっかり役目を無くした松葉杖を担ぎあげて、男はこの場を去ろうと背中を向ける。最後に何かを告げるなら、このタイミングだろうが―――】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 02:14:53.65 ID:mM32BeYi0
>>521
「お前に期待はしていないのです。私は私のあるがままを受け入れるだけなのですよ
――――でも、少しは…………ほんの少しだけは、期待しておいてやるのですよ
アリスの事も、お前が守る事の出来る、全ての事も…………少しだけ、です」

【少しだけと念を何度も押してしまうのは、やはり子供】
【逆に期待していますと告げている様なもの。まあ、それでも――――やっぱり期待していないと偽りの言葉を吐くのだが】
【その顔には微笑を浮かべていた事だろう。小生意気な澄まし顔では無く――――やはり、自分の力で人が治るのは、嬉しい事だから】
【だから、そんな笑みがひっそりと漏れ出る】


「…………その言い方だと、疑っていた様にも思えるのですよ
兎も角、さっさと出て行くと良いのです。お前が此処に居ると、騒がしくて鳥も寄ってこなくなるのです
嗚呼、後はケーキでは無くクレープに…………いや、ケーキとクレープの両方を持ってくるのです!
恩を示すなら、それ位の事は当然なのですよ!」

【背を向け、自分の顔を見られる事も無いと分かれば】
【微笑から、笑顔へと変わって。最期の最後まで有無を言わせぬ口調で我が儘を言い放てば、小さく手を振って見送る事だろう】
【その背も、この場から完全に見えなくなった頃――――】


『チェリ、随分と機嫌が良さそうに見える。と、言ってみる
…………何か良いことがあったのか。と、問うてみる』

【屋上から降り立つ、純白の翼を持った従者。見慣れぬ表情を見たら、小首を傾げるが】
【――――その顔には、青年にぶつけた其れと同じ塊が投げられて】


「お前は余計な事を言いすぎなのです
ただ…………良いこと、は有ったのですよ。あの馬鹿も…………ロウも頑張っている様なのです
何時か、私も歩けるようになれば自分の脚で様々な場所を訪れ、昔と同じ様に――――
…………ほら、ミール。早く病室に帰るのですよ。そろそろ、あの子も来る時間なのです」

【言葉を切った理由。それは、少女の心の内にだけ秘められた事】
【――――繕った様に、今一度尊大な態度を従者に向かって取れば、指示を出して】
【何故ぶつけられたのか、何故ご機嫌だったのか。心中を察する能力に乏しい従者には、結局分からず――――】

/この辺りでしょうか!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!お休みなさいませっ!
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/24(火) 02:31:02.95 ID:c7NLbITto
>>522

【背中に降りかかった声には、親指をぐっと突き立て何も語らずに示す。そのまま、右足首に痛みが響かないギリギリの速度で中庭を飛び出し】
【廊下を駆け―――「ロウさん」と呼んだ受付をも無視して振り切り外に出た。視界をとっぷりと満たす、月光を交えた夜の闇】
【……いつもより感じられるは、冷えて澄み切った夜の空気。其れを限界まで肺に取り込み、そして一気に吐き出した】

―――ッハァ……。 ―――ッふふふ……―――コレは絶対に言っちゃダメだな……いや、ミールには言うべきだろうけど

【凛とした表情で見上げるは月。―――そして何故か、急にくつくつと笑いが漏れ出した。思い出し笑いだ。何を思い出したのかと言うと―――】
【……出口、そのガラスに移ったチェリの手を振る姿。きっと見えていないだろうと思ったのか、油断した表情―――自分には見せないだろうモノが】
【直接では無いものの、男の双眸には染み付いていて―――そして、止まった足が再度動き出す】

……あーんな顔されたらさ、そりゃ頑張らないわけにはいかないよな……―――!!
期待しとけよ、お嬢様……!!

                            【怪我を感じさせない力強い歩きで、男は夜の街を行く】

/ありがとうございましたー!
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 20:01:48.89 ID:DOvtF5vdo
【――路地裏――】
【昼なお暗く、夜はなお暗き細い道。そこに佇むのは、一人の女だった】
【ピンク色のウィンドブレーカーのフードを被り、下はホットパンツにスニーカーという軽装】
【足にはびっしりと包帯が巻かれており、所々血が滲んでいる様子が散見される】
【足元に転がっていたのは、浮浪者の死体。脳天が引き裂かれており、そのまま即死しただろう事は想像に難くない】

「……逃げな、泣く前に生きるこった」

【死体を蹴り飛ばし転がせば、その下に組み敷かれていたのは――ストリートチルドレンの少女】
【引き裂かれた服や、痣の浮かぶ皮膚は痛々しく、顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃで】
【そんな少女を、フードの女は見下ろして、右手を振れば――少女の目の前にからん、と落ちるのは一本のナイフ】
【声を漏らして後ろに後ずさる少女の目を、フードの奥の双眸は射抜いていた】

「くれてやる」

【少女はその言葉を聞くやいなや、素早い動作でナイフを懐に抱え込み、一目散に走り去っていった】
【その背中を見送って――見えなくなってから、鼻で笑う声を漏らした】
【一瞬足元がフラつき、女は壁に背中を預ける。……少し息が荒い、どうも大分調子が悪いようで】

「うっかりかっぱらっちまったなあ。悪い癖だ。
……勝手に逃げちまうのも、悪い癖だな」

【ごそごそとウインドブレーカーのポケットを漁り、取り出したのは一つのアンプルと、注射キット】
【INFINITY――GIFTにおいて、非常に多用されている、能力を発現させる薬剤である】
【極々僅かな単位量を幼少時に投与されるのだが、それが丁度女の手には有った。一本飲めば間違いなく死亡するである分量】
【そんな代物と注射キットなど――自殺志願者の安楽死道具にしか見えないことだろう】
【そのアンプルを手に持ち――月のあかりに透かしながら、ぼんやりと佇み、一言ぽつり】

「あああ……、悔しいなあ、もう。
幾ら弱いつっても……多少自信は有ったんだけどな……やっぱり能力者サマにゃー勝てねーか。そりゃそうだわな。
……でも、勝ちてーなあ……。柄じゃねーのに、でも能力者サマじゃねーからなあ……しゃーねーわなあ」

【背中を預けたまま、ずずずと地面に崩れ落ちて】
【そのまま、冷たいコンクリートに臀部の熱を奪われながら、女は膝を抱える】
【女の両手のグローブ、その右手側には――GIFTのエンブレムが、刻まれていた】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 20:29:51.12 ID:lr5d5mF6o
>>524
//今からでも大丈夫ですか?
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 20:30:30.48 ID:DOvtF5vdo
>>525
/*うおっと、寝そうでした。大丈夫ですよー*/
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 20:34:17.77 ID:lr5d5mF6o
>>524
【壁と壁の距離が近り路地裏では、もの音がよく響いて聞こえる】
【暗闇に響くのは、小さな足音。 それは地面に崩れた人物の方へと徐々に近づいていた】
【音の方へと視線を向けたならば、ジャージに身を包んだ少女の姿が確認できることだろう】

【上着のジッパーは一番上まで閉じられており、衿に首が包まれている。下着は短パンで、白い足元が覗いていた】
【ラインの色は銀色で、胸元には有名メーカーのエンブレムが取り付けられた、ごく普通の運動着である】

【遮られることが無ければ少女は、崩れた女の目の前まで歩き、そこで口を開く】
【もしも何か抵抗があっても、同じセリフを吐き出すことだろう】

「……手負いなのか」

【壁に崩れたまま立ち上がれない女性に向かって、女性はそう問いかける】
【手に握られた薬品、続いて腕に取り付けられたグローブを確認するように、少女の視線が動く】

【続いて、女の足元へと視線を動かし――負傷をしているらしい足元の傷を見つけると、少女は不安そうな表情を浮かべる】

「助け……必要か?」


//すみません、よろしくお願いします
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 20:44:46.71 ID:DOvtF5vdo
>>527
【足音。響いたその音を聞けば、女はフードを少し動かし、音の方へと目線をずらす】
【フード越しに見えたのは、ジャージ姿の少女の姿】
【死体が隣に転がっている上に、こんな路地裏で蹲っている女に近づくなんて、奇特極まりないと思う】
【相手の問いかけに、僅かの間】

「見りゃ分かるじゃないッスか」

【そっけなく、ぶっきらぼうに。平時であれば、顔や態度に張り付かせた愛想の良さがあるが、今はその余裕が無い】
【大量の痛み止めによってごまかしているが、処置が終わってからまだ数時間の肉体だ】
【痛みは薄れているとはいえど、じくじくとした不快な感覚は体の芯に気持ち悪い感覚を落としたまま】
【そして、相手の問いかけに対して。女の返答は、ふらつきながらも立ち上がることで示される】

「……痛み止めは効いてるッスよ。……ちょいと眠くてウトウトしてただけっス」

【フードがずれて外れ、顔にも包帯やガーゼだらけである姿を晒し】
【エメラルドカラーの淀んだ瞳――手負いの獣のような剣呑な目線を、相手に向けて】
【そこでようやく気がついたように、左手で右手の甲を隠し、バツの悪そうな表情を包帯越しに浮かべる】

「何も聞かないんスか」

【己のグローブや、薬品。そこまで見られて、された問いかけは手負いかどうかの確認と手助けの確認】
【相手が善人ならば、つい先日世間を騒がせた集団のメンバー――正規メンバーではないが――など、即確保か通報ものだ】
【相手が信用できるとはとても思えないし、相手が何を意図してその発言をしたのか、全く理解できなかった】
【純粋な善意や好意からそのような行動が出来るなどと言った思考は、最初からこの女には存在していないのだ】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 21:04:08.20 ID:lr5d5mF6o
>>528
【少女は、相手の表情を見据える】
【真実を捕えようとする真っ直ぐな視線は、痛々しい女の包帯やガーゼの跡に触れると、不安げに揺れている】

「……分からないから、聞いたんだ」

【ぶっきらぼうに返される女の言葉へと、少女は小さな声で答える】
【『会話をするだけの元気はある』と、いうことがとりあえず分かれば、短く瞳を閉じて不安げな瞳を隠す】

「痛み止めが、必要な状態……か」

【ふらふらと危なげに立ち上がる女の姿を見れば、少女の瞳には隠そうとしていた不安そうな色が蘇る】
【相手の女性が両腕のグローブを隠す姿は、見逃すことなく確認をしている】

「それじゃあ、まずその死体はなんなんだ?」

【自分の問いかけには答えが無く、逆に質問が無いのか? と促される】
【それならばと言わんばかりに、少女は質問の内容をまったく別の物へと変えた】
【その問いを投げかけて――少女の瞳は、いつの間にか獣のような鋭利な物へと変化していて……】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 21:16:19.50 ID:DOvtF5vdo
>>529
「……気まぐれッスよ。……唯の気まぐれっす。
目障りで――、なんかムカついたんで。掃除してやった。それだけッスよ」

【女は、素直ではなく。いかにも悪者であるような――実際に悪人ではあるのだが――表情を浮かべ】
【ウィンドブレーカの内側に手を突っ込み――中から二振りの手斧を引き出してみせた】
【なんとなく――自分が気まぐれとは言えど、人のために動いたことを認めたくなくて。強がりのように、目を眇めた】
【胃が一瞬のたうち、胃液が喉元まで上がってくるが、眉一つ動かすこと無く、喉をごくりと動かしてせり上がった胃液を飲み下す】

「で――いかにもお人好しっぽい、アンタは――どうするんスか?
悪人の私を殺すッスか? それとも、警察軍隊自警団かUNITED TRIGGERか、はたまたSCARLETにでも通報ッスか?」

【斧をぎりりと握りしめ――最悪のコンディションの中で、女は再度の問いかけ】
【手負いの獣は、気の立った表情を浮かべ、重心を落として体勢をすでに臨戦態勢へと移り変わらせていた】
【なお。死体を良く見てみれば、その死体のズボンが脱ぎかけだったことや、男の死体の下には引き裂かれた布が有ることが確認できる】
【それを隠すように一歩動き、重心を整えて。最悪の体調で――、目の前の少女を睨みつける】

【コジマは、自分を悪人だと認識している。なにせ、人は殺すし誘拐するし物は奪うし残業代を不当に請求する】
【そして、そんな自分は恐らくろくな死に方をしないだろうことも分かっているし、だからこそ死ぬのが怖くてたまらない】
【しかし、だからといってコジマは己が悪人であることだけは――否定したくなかった】
【己のなした悪をなかったコトにする事は、ある意味で普通の悪党≠ナあるコジマだからこそ――自己の正当化など、できようがないのだ】
【故に、コジマは自分が不利になろうと、自分が悪人であることだけは決して偽らない。それが不利の原因になろうとも――だ】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 21:26:00.39 ID:lr5d5mF6o
>>530
//すみません……もうちょっとだけお返事に時間がかかりそうです。
//もう少しだけ、お時間を下さいorz
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 21:28:15.04 ID:DOvtF5vdo
>>531
/*全然気にしてないので大丈夫ですよーう、慌てずにのんびりやってくださいね*/
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 21:53:26.74 ID:lr5d5mF6o
>>530
【始めは黙っていた少女も、女の言葉を最後までまたずに叫び声をあげる】

「やはり、GIFTの能力者か……っ!」
【グローブの文字が見えた時点からの推測が……女の言葉を受けて、確信へと変化する】

【相手の正体が分かれば、相手に相応であろう感情をむき出しにして、女へと答える】
【正義感、拒絶感、敵意……それからこの少女には感情には、大きな憎しみのようなものが混じっている】

【二つの斧という、人を[ピーーー]ための道具――そして刃物より危険な凶器である殺意を女が見せつけられれば、少女も相手を威嚇するように量の腕で構えをつくる】
【あげられた量の腕に隙は少なく、何かの格闘技の構えでかつ訓練のされたものだということが分かるだろう】
【そうして、硬く握られ突き出された少女の両腕からは赤い炎が噴き出しはじめた】
【それはまるで、少女の高まった感情が炎として具現化したかのようであった】


【だが、女と向き合って戦う意志を見せていた少女は――ふと、少女は大きく吐息を吐き出して】
【それと同時に身体から力が抜いてしまう。 あれほどむき出しにしていた感情も、異能の炎が消えるのと一緒に、どこかへ消えてしまった】

「……悪の能力者なんて、みんな居なくなれば良い」
【通報するのか? と問いかける女へと。 直接的な答えにはならない言葉を続ける】
「いや……私が、お前らみたいなやつみな消してやる。 絶対にだ! 
 ……だけれど、悪人が嫌いで気に入らないからって好き勝手に傷つけて[ピーーー]んじゃ、お前が気まぐれで、ムカついたから人を[ピーーー]ってるのと同じだ!!」
【言葉を、吐き出す。 硬く噛みしめれた唇は彼女の苦悩の深さをそのまま表している】
「……手負いの奴なんかを相手にするだなんて、そんな卑怯なことができるか!」
【少女は違う、自分は悪人ではないのだと】
【だから、余計なことにこだわる――悪人にとってみればそれは、きわめてくだらないことなのだろうけれど】

【少女は、時折横目で死体を確認する】
【――その状態から推測できる事情に、気がついているかどうかは分からない】
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 22:09:39.93 ID:DOvtF5vdo
>>533
「――能力者サマ<bスか……。だけども、GIFTの敵だって言うならよォ……。
やるしかねーんだよ、殺るしかねーだろ。……それが、下っ端の下っ端で、カスで塵芥みてーな私の存在意義なんだから……!」

【目の前で敵意を顕とし――、構えを取って炎を吹き出した少女を見て、諦観したような表情を浮かべる】
【その瞳にある感情は――怒り、哀しみ、恐怖?否、どれでもない――劣等感、それが全て】
【異様なまでの羨望と、異様なまでの嫉妬。殺意とはまた異なる、粘性な感情の発露は――殺意よりもより生々しい】

「……死にたくないッスねえ……、死んじまうかもしんないッスけど」

【普段ならばいざしらず、今宵であれば女は流石に死ぬかもしれない】
【ふつふつと己の背中を這い上がっていく感覚、彼女特有の――死の予感】
【死線をくぐり抜けてきたからこそ、死の匂いという物には敏感すぎるほどに敏感で――故に、目の前の相手には恐れを感じた】
【昨夜の戦いにおける、皮膚の熱を思い出す――。己の皮膚が焼け焦げていく、生々しい感覚。包帯の下の皮膚がじくじくと痛みを蘇らせていた】

「卑怯で上等、クズで上等、最低最悪大歓迎。……私は、殺すのは良いけど殺されるのはまっぴらごめんなんスよ。
で? 手負いの私に正義の味方サマの能力者サマはどーしてくれるんッスかねー? 金でも積めば見逃してくれるッスか? 見逃してくれるなら財布ごとくれてやるッスけど」

【女は、卑怯なことが出来るかとの――くだらない拘り≠前に――嘲笑を返す】
【ある意味では、この女もまた悪党である事≠ノくだらない拘りを持っているのだが、それは気にしない】
【そして、ごそごそと財布を取り出して、札を十数枚財布から飛び出させて、ひらひらと振ってみせる】
【――どこまで馬鹿にしているのか。女の行動は、不利だというのに徹底して悪人の様であった】

(面倒な奴に見つかったなあオイ。……足はやばいし、あたまぐらぐらだし、ゲロ吐きそうだし)

「……っぷ、っげ……」

【ふらつきながら立つ女は、おもむろにえずき、血の混ざる胃液を地面に吐き捨てて】
【憔悴した表情で、強がるように笑い――斧を構えていた】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 22:39:34.16 ID:8H9lTzo6o
【路地裏】

【大通りの灯りも入らない入り組んだ先、排気口のぬるい空気は不快感を充満させる】
【それに引き寄せられるのはヒトに追いやられた動物だけではない】
【人間たちの中の下の連中。”ドブネズミ”達も屯しているのだ】
【だが、そんな所にのさばる奴らを放っておく程、世界も甘くはない】
【ここら一体も都市部らしく委任された自警団が警備を巡らせている】

――――だぁーーかぁーーらあ………大人だからわかるよねえ?
間違っちゃったらぁーー………一言、言うこと、あるよね???ん??

【懐中電灯の灯りが漏れる。その光源を追っていくと声が聞こえてくる】
【そこには自警団腕章を付けた2人と見るからにチンピラか不良の輩が4人】
【だが、チンピラの3人は汚れた地面に無残な姿で倒れていた】
【自警団員の1人も生きてはいるが満身創痍で地面に倒れて小さく呻いている】

老若男女、ヒトだってネズミだってオケラだって生きてんだよぉーー??わかってるぅ?
そういう命をさあーー……粗末にしちゃあーーイケないと思うんだよねえー???ユーノウ??

【辺りは血が銃痕が巻き散らかっている】

【残りの1人の自警団員は顔中アザだらけ血だらけで怯えきった表情で壁際に立たされて】
【1人の不良は顔を顔に近づけて挑発するように言っていた】

【金髪に染めた髪をワックスでトゲのようなモヒカンをつくっている派手な男】
【クタクタのTシャツの上に安そうな革ジャンを着ている。ジーンズにスニーカー】
【町中にいる若いチンピラや不良と同じような風貌でジャンキーよろしく痩せている】
【足元には派手なペイントのスケートボードが置かれ、左手にはボロボロの野球バットを握っている】

アンタの折れた両腕はー……半年ぐらいで治るだろ??でもイッちまったらあ……………治んねえだろお??

……はい、じゃあ、言ってみようか??チンピラの皆さん、ゴミ扱いして撃ち殺してゴメンナサイって

【男はそう言うと、ガタガタ震える自警団員の顎にバッドの先をピタリと付けた】

……今、どっちが『正義』か……わかってるよな???あ??あ??
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 22:44:49.37 ID:lr5d5mF6o
>>534
「能力者は――選ばれた者なんかじゃない。 
 他の人よりも、ほんの少しだけ運が良かっただけの……ただの、人間だ」
【能力者という存在を特別なものだと考えているらしい女へと、静かに語るのは少女が思い】
【それは――自分と相手との境遇の違いが壁となって、絶対に伝わることはないのだろうけれど】
「その幸運は、自分のものだけじゃない……。
 幸運で手に入れた力は、力の無い物へと分けて与えるべきものだ」

「お前の存在意義など、私は知らん……」
【少女の瞳が、女の姿から背けられる――】
【女が向ける瞳に浮かんだ感情が、少女には受け止められるものではなくて……】
【そして、今にも崩れそうな身体のまま立ち上がる女の姿が見ていられないものであった】

「そんな身体では……下手をすると、私を[ピーーー]前に死ぬぞ」
【敵であり、武器を向けられて、先ほどは激しい憎しみの感情を向けた相手だ】
【そんなことは、少女自身も理解している――けれど、今の少女が傷だらけの女へと向けている視線は、傷に呻く人をいたわる瞳、そのものであった】

「おかしい……お前は、おかしいよ。
 死にたくないって言う癖に、今にも死にそうな身体のまま、馬鹿な意地を見せて……まるで、死にたいみたいだ」
【今の状態でも本気で自分に勝利するつもりなのか――いいや、そうは思わない】
【そうなると、今の女が少女へと見せている行動は……少女には、どうしても理解できないものである】

「何が、お前はその男の何が……何がそんなにムカついたんだ?」
【血を吐き出した女へと、反射的に歩み寄ろうとするが、構えた斧を向けられて引き下がる】
「それで、死にたいっていうなら……すぐに望みどおりにしてやるのに……
 だけど死にたくないって……お前は一体、なんなんだ」
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 22:49:20.39 ID:0ktlzf3Go
>>535
【突然良くわからない攻撃の意思がそこに現れる。】
【まるで無数の戦車砲をつきつけられているような感覚。】
【おおよそ、普通に戦士であり、普通に勘の良いものならば寒気もしようが…。】

うっぷ…何してるネ。そういうの気持ち悪いネ。
やめるネ。悪党!!鬼子!!豚野郎!!

【そこに口を押さえて青ざめた顔の少女が立っている。】
【頭に座布団のような帽子と布をふんだんに使った着衣。】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 22:58:39.04 ID:DOvtF5vdo
>>536
「……ハん。死に関しちゃ、私はあんたより詳しいよ。
同期は殆ど、能力者サマの為の消耗品になって、神様を信じて死んでった。
一番出来が悪くて、一番素行の悪い私だけ唯一最後まで生きて、いま此処にいる。
匂いとかで分かるんだよ――死ぬ感覚ってのが。今は、多分。死なない――そう、嗅ぎ取ってるから」

「だから――薄っぺらい同情とか、そういうどうでもいいもん向けてくるんじゃねえよ……!
不愉快だ、ムカつく。最悪だ……最低だぜ? 別に私ゃアンタを殺したいわけじゃない――ただ私らしく$カきていたいだけだ」

【敵意を向けるのか、心配するのか。煮え切らない相手の態度に、苛つきを隠さない女】
【相手の善意を――薄っぺらいと即座に一刀両断して。ぽつりぽつりと、己の境遇を零していた】
【普段ならば話すことも無いだろうが、朦朧とした思考は、茫洋と言葉を意図せず吐き出させてしまっている】

「……は、理由なんざ…………! オイ、ガキ」

【壁に身体を預けながら、理由をそのまま言わずに話を断ち切ろうとするが、直後表情が変わる】
【困惑と、僅かな哀しみと――怒り。女の視線の先には、敗れた服から痛々しいほどに白い肌をのぞかせる少女が居た】
【よく見れば、少女の服の生地と、女の足元の死体の掴んでいる布が一緒であったことがわかるかも知れない】
【少女はがたがたと震えながらナイフを構え――女ではなく、能力を持つ煮え切らない少女を睨みつけていた】

「……言ったろーが。生きろって。
それがてめーの命の使い道か。よく考えろ、ゴミカス――私にそんな価値は無いぞ。
てめーと殆ど変わらねぇし、助けたところで金もやらねーし飯もやらねーよ。だから、帰れ。回れ右」

【転じて、憔悴した様子の女は、相手越しに少女と会話する】
【先ほどの悪党然とした振る舞いとは違い――ぶっきらぼうながらも、少女の命を思う様子を見せていた】
【強い瞳で少女を睨みつけると、少女は怖気づき。右腕を振りぬき――少女の頬に銀色の何かが駆け抜け】

「……殺すぞ? 死にたがりなら殺してやるよ」

【凄んでみせる女。少女の頬からは、赤い血が流れ出る】
【しゅると空気を引き裂く音と共に女の手元に戻るのは――ワイヤー】
【異様な練度で振るわれたワイヤーは、並の人間ではまず見切ることの叶わないものだった】

【悲鳴を上げて少女は逃げ出し。女は歪な笑いを浮かべて、膝を笑わせながら嘔吐感をこらえていた】
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/24(火) 23:04:38.58 ID:ceFWDb0e0
>>535

【街灯が存在しない為に、其の気味悪さが一層増している―――路地裏にて。】

カツ―――カツ―――カツ―――

【静けさが、辺りを支配している為だろうか。】
【此方へ向かって来る何かの"足音"はハッキリとして聞こえ―――次第に大きくなっていく事だろう。】

【漂う濁った空気に誘われてやって来たのは、一人の少年。】
【派手な赤いオーバーコートに、黒色のパンツ。右手の薬指には、飾り気のない銀の指輪。】
【更には艶のある銀色の髪に、惹き込まれそうな紅い眼。―――少年は此の様な特徴をしていた。】

おー…派手にやるなぁ……にーちゃん。
止めはしねーけどよ…ほどほどにしとけよ……?


【少年は、全部で6人の姿を発見する。】
【その内の2人。対峙している―――と言うより、"ネコ"と"ネズミ"の様な状況だろうか。】
【其の"ネコ"―――此の少年が言えた口では無いが、"いかにも不良"らしい青年に向かって話しかける。】

【話し終えると、少年は一人ひとりに近づいてはしゃがみ込み、其の生命が繋がっているかどうかを確認していく―――】
【不良3人は、既に息絶えていた……が、最後の一人、自警団員には未だ息がある事を確認する。】
【『お、』と呟いたなら、団員の全身を隈なく観察し、最も傷が深いであろう場所にそっと手を当てがう。】

……お、って言っちまったけど……これ、結構やべーな……
イケるか―――?……いや、コイツの、体力次第、か。

【勘の良い人間なら気づく事が出来るだろう。少年は今、其の団員に"治癒魔法"を施しているのだ。】

/お願いします!
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 23:14:51.13 ID:0ktlzf3Go
>>539
あう…あう…あう…
【言葉につまる座布団帽子の少女はそこにあらわれた少年を見ると彼にも警戒しはじめた。】
【魔術、仙術、陰陽術等々の奇跡を起こせるものにはよく見える印字のようなもの。】
【丸に'番'のその印はよく映画なんかでみるミサイルのロックオンマークに似ている。】

 ほどほど…?止めない…?
 止めなきゃダメデショ!人殺し始まる、これイケナイ!
 殺してでも止める宜しいか?理解できたアルか?

【一匹の毒持ちのネズミが少年に吠える。】

 もうすでに程々なんて終わってるネ。人が死んでるヨ!

【しかししばらくすると、印が少年の前からは消える。】
【自警団員を助けようとしている様子を見て信用したらしい。】

// なるほど、挨拶が遅れました。お二方、ともによろしくお願いします。
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 23:15:48.46 ID:8H9lTzo6o
>>537 >>539
/2人も声をかけて頂き嬉しく思っていますが
/複数での絡みは大丈夫でしょうか。当方は大丈夫かと…!
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/24(火) 23:17:24.68 ID:lOpQJ9Vx0
>>519

……お互い……譲れないものだったものね。
ひとりの怪物よりふたりは強い。幾つもの光が結びあって、みんなが、誰かの譲れない希望を繋ぐ――――

……大事なことを、貴方からはたくさん教わった気がする。
分かり合えないなんて事はないのね。人が人でいる限りは、きっと……―――。

【護ろうとしてきた“大切なもの”。それぞれ言葉は違えども、共有する確かな価値観はあって】
【彼はひとの光と其れを呼んだ。……聞いて、少女は。希望とは、そんな絆の生むものかも知れないと小さく笑った。】


【そして覚悟を決めたのだろう。けれど青年の声が、穏やかに―――舞う淡雪の様にその総てを留めて】
【刹那上がる血飛沫と苦悶の声。……氷の解ける様に目を見開く。】

――――――……な……!? シャッテン―――――!?


【――――駆け寄ろうとする柊だったが、上げる面に足が停まる。……彼が、そうまでして伝えたい言葉があるのだと悟ったのだ。】
【そして終わりまでを聞き届ける。怯えの様に顔を顰め、けれど一言も発することなく――――、】
【……俯いて……ごく短い思索が始まり、終わる。……今一度上げた面は、熱に揺れる様に瞳を震わせて、】


……殺せ、ないわよ……貴方の死なんて望めない、想いは同じだって言ったでしょう……!

運命なんてどうでもいい。ぶつかり合うことが必要なら、ただ私が強くあればよかっただけ、なのに……ッ……
叶うなら……生きて、戦い続けて欲しかった。

……貴方の願いを護るためなら、何度だって戦って欲しかった……ッ!


【――――― なんて甘い夢物語。一度の戦いすら五分であろうのに。】
【敬意として全霊で戦って。その果てで“もしも”生きて、明日へと二人歩み出せたなら――――、】

【……縋ろうとしたのは、そんな一縷の希望。幾度でも繰り返して護りたかった、戦いの繋ぎ通す幾千夜の夢だった。】

【けれど彼の選ぶ決断は、残酷なくらいに確かな路で――――】



【……夢など、入り込む隙間もなかった。いつか少女を滅ぼす路を、彼はその命で静かに閉ざす。】

【……其れを見過ごすしかないのか? また、失うのか。自問自答よりなおも早く、少女は、今度こそ一歩を踏み込んで――――― 彼の傍らへと膝をつき】
【白く輝く角――― 癒しの力を持つ一角獣の角。彼から受け取ったその宝を懐から取り出すと、掴んだまま、彼に伸ばす右手で近づけようと、】

(――――…………ぁ、)

【―――――した、瞬間のことだった。彼女を戦いへと導いた記憶が、煌めきの様に奔流する。】

【……何より重んじた自身の“答え”を、少女のため、共に戦い抜くシレーナの夜まで先延ばしにしてくれたシャッテン。】
【彼女の願う明日のために、無二の命までも捧げた彼、】

……っ……ぅ、……く……ッ、……うぅっ……!

【其れを、その輝きを踏み躙るのか。何もかも懸けた彼の覚悟を、自分ひとりの願いのために水泡に帰すのか―――――?】
【一瞬の躊躇いが、震えのように、少女の右腕に隙を生み出して】

【……もしもその先の自由が叶うなら。少女は、一角獣の角を中てることで、彼の命を留めようとする。】
【理屈じゃなく消してしまえない光―――――何もかも擲ってでも救いたいそれを、今度こそこの胸から零さないために。】


/大変遅くなりました……っ……
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 23:18:03.83 ID:0ktlzf3Go
>>541
// わたしは大丈夫です。
// >>539さんはいかがですか?
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/24(火) 23:18:49.51 ID:ceFWDb0e0
>>540
>>541
//申し訳ない…!気付かずに投下してしまいました…!
//えっと、ぜひ複数、でお願いしたく…!
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 23:20:35.83 ID:0ktlzf3Go
>>544
// こちらこそよろしくお願いします。
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/24(火) 23:30:13.99 ID:lr5d5mF6o
>>538
「そんな、感覚なんかで……そんな根拠のない物でどうするというのだ」

「能力者だから――違う、それに限った話じゃなくて……力で、弱いやつを虐める連中だとか、争いを好む連中だとかは大っ嫌いだし、そういう連中を倒すために、私は能力を扱う」
【イラついた様子で様々な言葉を吐き出す女性とは、正面から瞳を合わせることも出来ない】
「今のお前が相手だと……拳が握れないんだ、理由を説明だなんてできない、けれど――」

【続く言葉を語る前に、現れた少女へと視線を奪われる】
【握られたナイフは震え、感情も大きく震えている――けれど、何かの弾みがあれば本気で握った武器を振るうだろう】
【そんな感情が、確かに感じて取れた】

【少女の服装、行動、死体の状態、行われる会話――それらを繋げてしまえば、この場で何が起こっていたのか推測をするのは難しくない】
【駆け巡る思考に――少女は、ただ立ち尽くすことしか出来ない】

【上の空のうちに女と少女の会話は進んで、いつの間にか少女は居なくなっていた】
【遠ざかる悲鳴の声で、現実の世界へと引き戻される】

「今のを見せられて、それで同情を全くするなという方が難しいだろう……」
【深く、長く瞳を閉じると、少女はゆっくりと踵を返してしまう。 斧を構えたままの女性に背中を見せるわけだが、微塵も切りつけられるとは考えてない。】
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 23:33:12.41 ID:mM32BeYi0
【人通りも無くなった街の中、コツリコツリと靴を鳴らしながら歩く姿が一つ】
【――――乱れなく着こなした軍服に、制帽。片目は眼帯で覆った少女が一人、歩いていて】
【腕に通された腕章は自警団の其れ。時折立ち止まっては、辺りを見回すけれど】


「…………異常なし、でありますね
ふひぃ〜……昨日は散々連れ回されて寝不足だから疲れたでありますよ……
っとと、ちゆ姉に聞かれたら不味いでありますね」

【眠たそうな眼をゴシゴシと擦り、再び歩き始めた】
【時折街灯に照らされるよく手入れのされた藍色の髪は、その光を鋭く反射させていて】
【……溜息を一つ吐けば、適当なベンチへと腰を下ろすことだろう】


「取り敢えず、今日の勤めは終了でありますね
…………帰ったら牛乳でも飲んで寝るでありますか」

【堅い表情には似合わない、大きな欠伸】
【続いて大きく背伸びをしたならば、もう一度辺りを見回して】
【立ち上がろうとしたその刹那――――脚が縺れて“ゴチン”なんて音が響き渡るだろうか】
【この街を訪れた者は、唯一の人影…………それも地面と熱烈キスをしている者の姿を見る筈で】







【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】
【パリパリと食べながら、お腹が空いた何て言うが――――手に提げている袋には、大量の中華まんの飽き袋があったりするのは、余談だろうか】

/長時間は難しいと思われますが、もし宜しければー!
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/24(火) 23:35:54.09 ID:DOvtF5vdo
>>546
「――カスに同情なんざ、過ぎたもんだろーが。要らねーよ、私がしてきた事は、私が一番知ってんだから。
……殺らねーのは、単純に死にたくねーからだ。万全で会ったら――覚えておきな、嬢ちゃん」

【去っていく少女の背を見送り、後ろからぽつぽつとこぼされる言葉は、なんとも言えない感情を孕んでいき】
【ため息をつきながら、女もまた踵を返して足を引き摺るようにして歩いていく】
【痛みも不快感も拭えず、なんとも言えない心の淀みを抱えたまま――女は夜の街に消えていくのだった】

/*お疲れさまでしたー!*/
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/24(火) 23:42:05.73 ID:8H9lTzo6o
>>537

【男は自警団員にバットを向けたまま声の方に首を向ける】
【ダルそうに、何処かぶっ飛んだ目で。ニヤリと笑って】

オジョーちゃん。オジョーちゃん?何が気持ち悪いかなんてソレは自分の判断なんだぜー??
つ ま り …それをーヒトに押し付けんのはー…良くないってのをー…知ったほうがいいんじゃねえの??

【男は戦車砲が向けられている状況はレアケースだと思って楽しくなる性分だ】
【それに、常用している安い”ヤク”はそんな思考をかき消して勘を鋭く鋭く鋭くさせて】
【一斉発射で飛んできた砲弾に飛び乗って全ての兵器を破壊させるイメージが頭を掻きめぐる】
【爆発爆発爆発!!世界が平和になる平和の光だ!!俺が神だ!平和賞を総ナメだ!】

さーーーーーて、そんなオジョーちゃんに問題です。
ヒトを3人殺したヤツとぉ…ヒトを2人ぶん殴ったヤツ……どッちがより悪者だ???????シンキンスタートッ!!

【男はそれを言い終わると、また眼光で刺し[ピーーー]かのように、怯えた自警団員に向き直る】


>>539

触らぬ神に祟り無し?つまりはああああああドンタッチゴッド!!俺は神だ!??神じゃねーって…これノリツッコミね?マジやべえ

【ひとしきり叫んだら、ヘッヘッヘヘヘっと真顔で笑って】

おうおうおうおうおうおう、ヘイ、ボーイ。ヘイヘイヘイ!!……まーーーーーーなんだっていいや……
なんだ、それ。それ。能力か?能力。能力で直してんのか?まあよしじゃあそうだなわかった……いや、まーそうだ
あーーーーーーーーっっとおーーーーー……なんか、ダリィな、部外者2人も居て。飽きたわ。冷めた。きょーざめ…・チョーザメ??
んで、だからこのバカ2人連れてけ、自警団のバカのとことか病院とかテキトーに。お小遣いとか出るかもよ??

【怯えて震える自警団員は一瞬、顔に安堵の表情が浮かんだ】
【死ななくていい、もう助かったんだ………だがそれも一瞬】

それじゃーーーーグッバイアディオスグラシアスさ よ な らああああホーーーーームランっっとおおおお!!!

【男は片手で振り上げたバットを、棍棒のように自警団員の腹に打つ】
【自警団員は苦悶の表情でその場に倒れた】

まーーーーーーーー……死なねえよ、加減しまくったし。
まーーーーーーーーーー半年?集中治療室でよろしくやんな

【男はつまらなそうに肩にバットをのせて、凄惨な現場を眺めた】


/遅くなってすみません!よろしくお願いします!
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/24(火) 23:56:54.82 ID:ncrsa17h0
>>542

……もう、僕は……君とは、到底戦え……なかったよ…………!
君の気高さ……に、傷でも、ぅッ……つけてしまえば…………永遠に……自分を……許せなく、なったろうから……!
……君の命が、僕より……なにより、尊かった……ぁ、っ……! ……だから……君に向ける、刃なんて……っ、っ……!

【痛みが、急速に、そして絶え間なく肉体を突き上げる。雨に濡れていた身体はそれに留まらず、ジワリと嫌な汗を滲ませる】
【シャッテンには、八攫の言葉がどこか遠く聞こえていた。痛みに感覚が狂えば、眩暈や耳鳴りが強くなる。それが、言葉を遠ざけて】
【それでも、シャッテンはハッキリと告げる。八攫の見せた気高き魂、その命の尊さは、もう文字通りの「かけがえのないもの」になっていたのだと言う事を】
【――――八攫は、決着をさえも背負おうとした。しかしシャッテンは、それを自ら閉ざしてしまう事で、八攫を守ろうとした】
【それは、あるいはシャッテンが以前に口にしていた「死に続ける事の無い様に」と言う、ある種の優しさだったのかもしれない】

柊……っ、柊……!
君なら……ぁ、信じられる……よ……! 人の世を、より良く導いてくれる……光を、もたらしてくれるって……!
僕には……と、っ……到底、救えない様な……誰かを、救って、ぐぁ……! ……救ってくれるって……ね……ッ!

【側に近づいてくる八攫の姿は、シャッテンからは良く見えなかった。故に、彼女が何をしようとしているのかも、分からない】
【もし、平常無事なシャッテンであれば、それをハッキリと拒絶しただろう。「そんな下らない事に使い潰さないで、意義ある形で役立ててくれ」とでも言って】
【――――その瞳が見ていたのは、かつて救えなかった仲間たち、あるいは最愛の恋人だったのかもしれない】

…………人間、の……人間の……命の為、なんだ…………!
大事なものの為に、生きて……大事なものの為に、死ぬ…………っ、が……ぁッ
……人が、人である限り…………その心だけは、消える事は……ない……よ

【かつて、刃を収めて盟約を交わした時の様に、シャッテンはそう口にする】
【人間だからこそできる事。かけがえの無さ――――それこそが『尊さ』と言うもので。人間としての尊さの為に、シャッテンは自らの命を縮めようとしている】
【八攫を生かし、自分の命も全うする。その為の手段こそが、この自刃だったのだろう。シャッテンが、自分なりに出した最適解――――】

……柊……我がままを言う、ようだけど……最期に、聞いてくれない……か……っ、ぐ……ッ
死に行くものの、最期の頼みを――――――――ッな、っ……柊、何を…………ッ!!

【締め上げられるような痛みと苦しさの中、シャッテンは何かを言い残そうとする。八攫の事を信じている様に】
【だが――――その時になってようやく気が付いた。八攫の手に、かつて送った『ユニコーンの角』が握り締められている事。それを確かに向けられている事に】
【突きたてられた『ユニコーンの角』が、まるで溶ける様にシャッテンの身体に吸い込まれていく】
【時を置かずして、その腹部をざっくりと――――内蔵にまで達していてもおかしくなかった様な大きな傷が、みるみるうちに塞がっていった】
【流れ出た血液でさえも、癒されていくように――――苦痛の表情が緩んでいく】

――――――――柊…………
…………何よりまず、聞かせて欲しい…………君には、もっと救いたい、本当にこの『角』で、いざという時に守りたい誰かが、いたんじゃないのかい……ッ?

【腹部の傷も痛みも消えて、シャッテンは四つん這いになった姿勢のまま、八攫に顔を向ける】
【何故使ったのか――――その事は、もう聞くまでもない。聞かずとも、シャッテンはなんとなく察する事は出来た】
【ただ――――それは後悔する事になるのではないか。怒りや呆れよりも、まずシャッテンはその事が気がかりになったのだろう】
【貴重な癒しの力を使ってしまうのが、今、自分に対してで、本当に良かったのかと――――】

/すみません、こちらもこちらで盛大に遅れ……orz
/明日に伸ばしてしまっても、構いませんでしょうか……? 明日早めにお返しさせてもらうと思うので……
/今日はちょっと疲れが出てる様なので……
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/24(火) 23:57:08.43 ID:ceFWDb0e0
>>540

おいおい、何言ってんだよ―――
じゃあお前、俺らは"何の為に"あいつを止めるんだ……?
……ちげーだろ。恐らくあいつは、"もう止まらねーよ"。―――余程の事がない限り、な。

【少女の存在に気づいていたのか、気づいていなかったのか。】
【何れにせよ、少年は横目でチラリと見ると、乾いた息を漏らし、呆れた様な笑いを見せる。】

……当然だ。1人が死にかけてんだからな。程々、は随分前、の話だな。
―――状況を、よく考えろ。アイツはバット。そして自警団は、拳銃。
で、不良3人は銃弾で死んでるんだぜ―――? 

『何故、"形勢が逆転した"のか。』

……もう分かっただろ。アイツは、其処でくたばってるアイツ等とはちげーってことだよ。

こまけーとこはちげーかも知れねーけど……おおよそ、こんなもんだろ―――

【不良、自警団員の所有物、其の位置関係に、不良達の死因。】
【此の場で集める事が出来る、ありとあらゆる情報を駆使し、其れ等を極めて論理的に組み立てていく―――】

【勿論、此の結論を導く上で、不確定要素が十分に存在していた。事実とは、少々違う部分も在るかも知れない。】
【然しながら、少年は断言した。】
【"大筋"―――即ち、最後の不良は、只者では無い、と言う事―――は間違っていない、と。】

俺がアイツを止めねー様に、お前の事も止めるつもりはねーよ。
気が向かねー限り、加勢する事もねーから。……何方にせよ、今は治療に忙しいからな。


>>549

―――おい。本気で言ってんのか。
今、俺はオメーの"尻拭い"してやってんの。"尻拭い"。……流石に、意味は、分かるよな?

ヤンキーの世界にはねーのかよ、恩義―――『此の借りは必ず返す!』っつー奴。
俺は今、お前に借り作ってんの。……いや、それはもうどうでもいい。

…そんな事より。街中……最悪、国中に指名手配、されたくねーなら。
このまま、出頭しろ、っつー事。……あー。しねーだろうな。……そうだし。

【少年は『馬鹿そうだし。』と言った。勿論、男に聞こえる音量では無い。】
【既に此の男が、それなりの"強さ"―――下手すると、能力者である事を察知していた。】
【火に油を注ぐ様な行動を、取るはずは無いのであった。】

兎に角、だな…―――っておい。
分かってねーな。仕事、増やすなっつーの。治癒魔法は、専門じゃねーの。
コイツのにも、其れなりに時間がかかんの……あ、終わった、か。

…あーくそ。ソイツは、まだ平気だった…んだぜ。
今のはいてーだろー……あ、お前のバットの振り方、今見たけど。
結構"やってる"、だろ。様になってた。……褒めることじゃねーけど。
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/25(水) 00:06:55.97 ID:1HV33z2W0
>>550
/了解です……! 無理にお付き合い頂いてすみませんっ、返しておくので、今夜はお休みになって頂ければ……!
/いろいろと本当に感謝です……! それでは、一旦お疲れ様でしたー!!
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 00:07:12.44 ID:zQbPzoANo
>>549
【目を見て戦慄を覚える。仙道に錬丹術あり。】
【それは薬学の先端を目指し人の不老不死の妙薬を造る学問。】
【そしてその薬学を学習してきた中で見覚えのあるジャンキーの目。】

 本物の個人主義は儒教家と道教徒の専売特許ですダヨ!
 お前みたいなキンピラ(チンピラと言いたいらしい。)のはただの自分勝手ネ!

【こいつは何かしでかす。予想の斜め上の行動に出る。】
【はっきりとわかっている事が1つだけある。】
【男は自分か警備団員に害を成す行為にでる。】
【必ずではないが十中八九といった所か。】

 番天印、フェイド・アウト。霧露乾坤網(ムロケンコンモウ)ウェイクアップ…。
 決まっているね!7京7兆7億7万人傷つけるより一人[ピーーー]のが重いネ!

【水が走り自警団員の鼻腔から侵入し内臓の中を充満する。】

>> それじゃーーーーグッバイアディオスグラシアスさ よ な らああああホーーーーームランっっとおおおお!!!
>> 【男は片手で振り上げたバットを、棍棒のように自警団員の腹に打つ】
>> 【自警団員は苦悶の表情でその場に倒れた】

【その苦悶の表情は間に合っても、間に合わなくても警備団員の顔に浮かんだだろう。】
【王琴牟の霧露乾坤網は警備団員の内臓を内側から内圧でガード、打ち身で終わらせようとする。】
【狙いは良いが、やり方はえげつない。まあ、そういう娘なのだろう。】
【この人を打たせて傷つかせるものか。】

>>551
落ち着いて見るアル!
開いた瞳孔、緩んだ表情、大行事過ぎる台詞回し!
あれは薬物中毒者の顔です、症状でますだヨ!
保護して監禁して徹底的な治療が必要アル!!

【対極的な考え方だ。】
【なぜ事が起こったのかではなく、今の自分に目の前の男にもなにが出来るのか。】
【目の前の少女はどうやらよくいる少女っぽいおばさんでもお婆さんでもないらしい。】
【これはかえって面倒くさい。この現場にいたのはそんな子供だった。】


【さて、霧露乾坤網の内側からのバットへの抵抗はどのくらい効いたのだろう。】

554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/25(水) 00:09:19.28 ID:jIerL8XU0
>>552
/すみません、ありがとうございます……!
/では、お先に失礼します
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 00:31:45.71 ID:PQwwvKzwo
>>551

マジマジ、大マジ。俺は何時でもエヴリシングで本気で生きてるからね?
”尻拭い”?……ああだったらサッサと俺のケツでも舐めろよ
つーーかさああ??何??マジなに?さっさとこのバカ連れてけって言ったっしょ??
いきなり来てさあ尻拭い??俺頼んだっけ??つーかだったら頼めよ、ボーイ。『ケツ拭わせて下さい』って????

あーうっぜ。マジウッゼ。何々なになに何様???俺が?お前に?借り???はい、バカ。大馬鹿
だったらさあ俺を一発ぶん殴ってさあ黙らせてから言えってなにそれ?何ですかぁ?????アーーハァン??
つうーーーーーかあ、俺が今作ってやってんだろ??借り。あーーーだっる。じゃあはいはい。オーライ。満額借りてやっからさっさとしろ

【バットを振るったまま、力を込めたまま。表情はダルそうなまま】
【そうやって汚らしい言葉をろくでもない口調で口汚く言った】

だかららぁ俺はあーコロシはしねーし。遠くからぶっ放してぶっ[ピーーー]真似はしねーし
殴って後悔させまくっってんだよ??教えてやってんだよこの世は何もねえって
タマシイ燃やして生きてっか???後悔すんなよ明日はねえぜ全力フルスロットルだぜ???
サイッコオオオオオオオオオオオの一日にしたいぜえええええええええええええええ????!!!!

>>553

で………で……オジョーちゃんゴメンネ。今ちょっと後回しにしちゃってさあ……
まあ、で何だったっけ………忘れたわ。じゃあ、いっかいっかオーライオーライ

よぉーーし……じゃーあー俺とお嬢ちゃんの理念はこの事象だけはシンクロしてるってことなわけよ
『人殺しは良く無い』良くないねー……誰だってさあ。死にたくないんだよ????
二束三文欲しさにで痛みもなく、バンバンバンバン俺のオトモダチ、撃ち殺しちゃう自警団員さんってどうなんだろう??
俺もぉーーー悪者百万人をーーー撃ち殺しゃあーーー正義の使者な訳ぇ????

【男は少女が見えなくても、目の前の自警団員に向かってニヤけた顔を近づけて笑う】
【その振りかぶったバットはジャンキーの細腕の片腕の割りには重い】
【というより、メジャーリーガーが試合で振った時ぐらいの威力が、雑にブツケられただろう】

おおおおお???アレアレアレアレ、オジョーちゃんが見えないなあーーー………
ッベ、ヤッベー。またバッドトリップだ。変なもん見えちまった。ヤッベー、やっべー
今日もう寝たほうがいいかもなぁーダッりーし

【少女の事はヤクによる悪い幻覚だと思ったんだろう】
【男はバッドはヒットしたことに満足して、バッドを降ろしてブツブツ言っている】
【何か反撃をするなら今がチャンスだろう】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/25(水) 00:49:24.84 ID:k1hSzXVL0
>>553

【不自然なアクセントとトーン、そして語尾。】
【其処から広がって行く、少女に対する、"不信感"―――最も、純粋に"怪しい"少女。】
【もしかすると、"不思議な"という形容詞の方が適した表現かも知れない、のだが。】

【少年は先程、今相対している男を"只者では無い"と言ってみたが、】
【よく考えてみると、此の少女もある意味、"只者では無い"のであって】
【そんな事に気づいたなら、少年は再び、少し笑ってみせる事だろう。】


あー…はいはい。
ま、やってるかも知れねーけど。あの感じは。
―――薬って、止められるもんじゃねー気がすんだよな。
人間の、生理的欲求が、1つ増えるっつー事だろ。"徹底的な治療"で治せるもんか…?

―――いや、論点はそこじゃねーな。
……とにかく、俺は見てるだけ、だからな。
アイツと1発やるみてーだけどよ。死にかけになっても知らねーからな。
多分アイツ、かなりつえーよ。それなりの覚悟は、しとけよ…?

【―――警告、である。】
【最も、少年はこの少女の"実力"を知らない。……其れを踏まえての、であった。】
【拳銃を持った2人の男を、軽々とねじ伏せる、と言う事は、尋常では無いのだ。】

>>555

―――ハッ、何だお前、そういう趣味してんのか?
舐めて欲しいなら、やってもいいぜ?………『お願いします!舐めさせてください!』ってか?

【男の変化する口調を他所に、少年は余裕そうな表情。】
【其れは寧ろ、此の様な冗談を言える程で―――言い終えた瞬間、大声で笑う事だろう。】
【何より可笑しかったのは、この青年が其の意味を矢張り知らなかった、という事。】
【わざわざ念を押したのは、言ってみれば"バカにしていた"のだが―――本当に、知らなかったとは。】

おもしれー……お前みたいな人生も、案外悪くねーかもな。
薬ヤッて、酒のんで、人ボコボコ殴って、やりたい事だけやって……
あー…、やっぱダメだ。俺はこのままでいいわ。

ほら、ソイツも治療してやるから、其処、どけよ。……散々な眼にあってんな。流石に同情するわ。

つーわけで。あの子とやんのは、もうちょっと離れたところで頼むわ。

【と、男の側に横たわる自警団へ近づいては、此のように男に注文をつける。】
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 01:02:10.31 ID:zQbPzoANo
>>555
 うぐ!

【そうだったのか。襲われている男が自警団か何かの所属者。】
【しかし、そんな手合いは目の前にいるような人物に対して自業自得を超えた罪科を与えかねない。】
【人は時に掟の違反者や法の罪人に対して超過的な罰則を与えようとする。人は素面の段階で狂っている。】
【なるほどなるほど、目の前にいる狂人風の男はさっきまでそこの警備団員に襲われていたのだろう。】

 それでも、そいつは人間だろ?お前と同じ人間だろ?
 それを殺して良い道理はどこにもありえないアル、これヨロシ?
 お前も人間だから、殺さないネ。その人も人間だから、殺させないネ!
 如意棍棒、ウェイク・アップ。

【少女は男の前で構える。】

 お前は捕獲じゃなくて保護する。捕獲じゃなくて救出するネ!
 持っている仙宝で!!

【拙く構える少女の手の中に棍が現れる。】

 武術の未熟は武器で補える。それ、戦場兵法の常識アル。
 槍術紛いの棒術で少女は男に襲いかかる。まずは振りおろしだ。

>>556
【同じ不信感ではあってもこちらの少年に対する感情は信頼の欠如に緩和した。】

 ふん、邪魔にはならなそうな!
 薬の辞めさせ方なんて本当はないけれど、その辺はカウンセリングとかでガンバね!
 やらなきゃもう一度やりたいなんてシャブでも思わないのが人間の構造アルよ。
 ドーパミンとエンドフィンが…話が脱線するから無しね。とにかく辞めさせる!!

【警告は受け取った。はっきり言って重い警告だ。】
【自分は仙宝を造る修行に偏っていた文系の仙人だ。】
【正直に白状したい。自分は弱いんだ。助けて欲しいんだ】
【しかしここは誰かに頼っていい段階じゃない。】

 人間、仙人に生意気な口を利くものなじゃないですネ♪
 伸縮自在の棍を構えて"今の敵"を叩いて叩いて躾けてやるですヨ!
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 01:32:58.53 ID:PQwwvKzwo
>>556

ああそうそうそうそう……俺ゲイ。オマエもゲイ。この世の人間皆ゲイだクソヤロウ

【中指立てて、舌を挑発するように出して笑った】
【そして急変して叫んで、叫んで】

だったらやってみろやボケ!!スカしてんじゃねえぞ????ああ???
食らいついって必死にやってみろよ地獄みたいにロクでもねえ世界で這って生きろよ
てめーーーーーはスカしてかっこつけて終わりの人生でっ最高なんだろおおおおおおおおお??
憐れな奴に同情してる俺っってカッコイーんだろおおお????
そんな奴に同情されるような生き方してねええええんだよ!!俺はああ!!!
生きて行きて生きて生きて生きて生きて生きてんだよ俺はああああああああああ!!!!!!!!!

AHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!
俺をおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお殺せえええええええええええええええ!!!!!!!

【叫びながら笑いながら、ガンガンとアスファルトにバットを打ちつける】
【自らのシャツを引っ張りながら何度も何度も自分の頭を壁に打ちつける】
【ついに発狂したように悶えながら、血を流しながら】

>>557

【男はピタッと殴るのも動くのも叫ぶのもやめて息を荒らげて、目はうつろで】

…………だったら人殺しのそのバカ共を裁け……って……
あのよお……イカれたチンピラがよお……シリアルキラああああああーーーー―って訳でもねーーんだよ
そーいったさああ………思い込みはあらためよーーーか???オジョーちゃん。

【首をグラグラ回しながら、ブツブツ言っていた】

俺は俺だ俺は俺だ……バカにすんじゃねえええぞ………ああ??……クソ
俺はドコにも行かねえよ……ドコにも俺は俺だ俺は………
あああああ……俺を殺せや、殺せボケ震わせよおおおおぜファックアップジャストファック…


【ブツブツブツブツと目をうつろに言っている男】
【だが、迫る棒術は、その怪力を秘めたバットをグンと振り払って弾いた】

………ダルい…帰る

【頭から血を流した男は、スイッチが全て切れたようにつぶやいて】
【足元に落ちている、派手なカラーリングのスケートボードに片足を乗せて】
【その怪力と同じように秘められたポテンシャルがあるのか】
【数回のキックで相当なスピードになって、ドコかへと去っていった】


/これからというところですが、そろそろ明日のこともありますし 
/長引くことになってはご迷惑かと思われますので勝手ながらこの辺りで私は締めとさせていただきます
/遅くまでお付き合いいありがとうございました。
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 01:40:35.83 ID:zQbPzoANo
>>558
死んじゃダメ!
死んじゃそれダメ!!
死んじゃそれはダメ!!!
いつあんたを人殺し呼ばわりしたか!!
死んだ奴裁く暇があれば生きてるあんたを治療するネ!
裁くのはどこかの暇な閑職にまかせてあたしに見させろ!

【捕縛しようと何かの宝珠を投げるが逃げられる。】

逃げられた…馬鹿を馬鹿にしてなにが悪いか!
お前は馬鹿ネ!馬鹿アル!大馬鹿者アルね!!
だから馬鹿につける座薬をケツの穴からブチ込んでやるネ!!

// お相手ありがとうございました。
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/25(水) 02:04:40.56 ID:k1hSzXVL0
>>557

カウンセリング、か。信用できねー言葉、だな。
話すだけで直るなら、最初からしねーだろ。いや、そのカウンセリング、全く知らねーんだけど。

ドーパミン、エンドルフィン……有名な脳内麻薬物質…
…って、ああお前、その道のにんげ……

【少年は思わず言葉を詰まらせる。理由は当然、少女は"仙人"と名乗ったからだ。】
【流石に、であった。…が、少年は常に"公平で中立な"見方を心掛ける。偏見だけで物事を見ないという事。】
【唯一つ、仙人に繋がっている物が在るとするなら、其れは少女の口調であった。】
【即ち、完全に否定しきった訳では無い、という事。】
【最も、此れは悪魔で、少年が持つ"仙人"のイメージ、に当てはめただけに過ぎないが。】

ああ、仙人か。悪かったな。
仙人がどういう奴か知らねーけど。
俺は勝手に、仙人はつえー奴だって思ってるから。
つーわけで、期待は、裏切るなよ?……仙人様?―――

【言いながら思わず吹き出しそうになる少年。】
【酒に酔っているのか、期限が良いのか。些か"悪ノリ"が過ぎる様で―――】


【少年は先程から、何方の味方でも無い、という意思表示をしているが、】
【自警団の治療に当たっているという事からも理解できる通り、強いて言うなら、"少女の味方"であった。】

【少女が眼の色を変えて―――其れを白状したなら、】
【少年も、動かない訳では無いのであった。】

561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/25(水) 02:11:15.27 ID:k1hSzXVL0
>>558

おー、ノリツッコミ、っつーんだっけ。
ヤンキーにも、出来るんだな。……やっぱおもしれーわ。

【男がノッてくれた事に、少し面白がっては】
【男が発狂した後も、矢張り少年は涼しい顔をして】

おいおい。同情されるような生き方してねー!って、叫んでる時点で、ゲームオーバー。だな。
心理学者じゃねーけど。普通なら、ちょっとキレるか無視するくれーだろうが。

同情される様な生き方してるって、本当は分かってんだろ?
その現実を逃避したいが為に、そうやって叫んでみたり、頭ぶつけてみたり……

本当、おもしれーやつだわ。芸人とか、向いてんじゃねーの?
ほら、テレビの前で、応援してやるよ―――

その傷は、自分で直せよ。誰かにヤラれたならともかく、自分で作った傷は直すつもりねーからな。

【時には真面目な調子で、時には冗談っぽく。】
【此の抑揚は、矢張り少年の余裕を物語っていた。】

【もしかすると、この言葉は男の心を抉り取る物だったかも知れない。】
【然しながら、『少し言い過ぎたか…?』なんて事は微塵も考え無かった。】
【寧ろ、『これくらいで丁度いい』とさえ思った事だろう。―――少年の思いは届いただろうか。】

>>ALL

【男は、その正体が良く分からないまま去って行った。】
【『逃げられちゃったなぁー…?』なんて面白そうな顔を少女に見せたのは、言うまでもない。】

【やがて少年は其の治療を終える。】

―――もう痛くねーだろ。一応腹擦って確認しとけ。

あ、歩けはするだろーけどよ。
傷、塞いだだけだからな。病院はいけよ。

……後、コイツはおめーより、もっとやべーから。
―――チッ、右肩、貸してやるよ。歩けるおめーも、介抱しろ。

【辛うじて歩ける団員と、意識が朦朧としている団員。2人を連れて帰られる人間は、少年しか居なかった。】
【其れを察したのだろう。少年は自警団員に助けを申し出る。】
【少女には、別れ際に手を挙げるだけの、簡単な挨拶で済ませる事だろう。】

【月明かりに照らされていたのは、全身を負傷した男を挟んで、同僚であろう男と、赤いオーバーコートの少年。】
【何ともシュールな光景……であった。人を救おうとする医学に精通している"仙人"は】
【愚痴を零しながらも、案外"まとも"な行動を取っていた少年の"後ろ姿"を、どんな思いで見ていたのだろうか―――?】

/お疲れ様でした〜!
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 02:15:50.20 ID:zQbPzoANo
>>560
仙道に行き導師として数人を導き、そして号も得ましたネ。
わたしは寿命を最近克服した新米の仙人ですよ。
でもそれが何かしましたか。

…無力です。これが仙人を名乗って良いのでしょうか。
彼には逃げられましたです。外国語も辺に訛ってるデスね。
文も武も中途半端なわたしは本当に仙人なのでしょうか。
【伝説の存在のなんと儚いことよ。】
【目の前に居るのは異能力者っぽい普通の女の子だった。】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/25(水) 05:40:51.82 ID:1HV33z2W0
>>550


【――――――光がこころを貫いてゆく。胸のどこかを熱くする戦友の言葉が、穴を穿つ様になにかを流れさせて已まない。】

(……こんなにも、認めてくれていたんだ。そして……それが、彼の“道”。……だけど……、―――――)

(……それで目の前で失われるものが、どれだけ貴いと思っているの……ッ……!?)

【……救えると、青年は少女に伝えていた。彼が自刃してまで守ろうとした、彼女の命にあると言う輝きの価値。】
【“人が、人でいる限り”。守るべきもののために、光を灯して歩み続けてゆけるんだ、と―――】
【けれど青年の願った“始まり”の終わりを、少女は彼からの白き力で押し止める。……上がる声も、かき消される最期も今は捨て置いた。】

……はぁっ、はぁっ……っ、……ッ……――――――。

【息が震えていた。青年の腹部の傷が癒えてゆくのを見届けて、其れは漸く収まりを得て】
【事態の危急さが薄らぐにつれて、意識は少しずつ冷静さを取り戻してゆく。安堵する様に目を瞑り、けれど残酷に過ぎた過去が浮かんでいった】

【既に大切なものを奪われた彼。……少女には、どうにも出来ない過去の事。“生きる”事を強いるのは、為すべき救いだったのか―――?】
【……正しいのかなど分からなかった。けれど彼の挺身を見過ごすのは、今宵の彼女には不可能だった。】
【“それは理屈ではなく”、けれどただの衝動とは違っていて―――やがて、自分のなかに答えを捜し、見出すのだろう】


本当に大切な人、か……、……思い浮かべるのはどんな夜にだって自然と出来る。
……魂だって惜しくないし、何を失っても守り抜きたい……。そんな人が……確かに今の私にはいるわ。

だけど、ね。それで貴方を見捨ててしまったら……どうしようもない位、私のこの魂は腐り果てる。

……それは……もう、この瞬間を生きる私じゃないの。
この意志は“護る”ための武器として必要だし、あなたや、あの人たちが命懸けで護ろうとしたものを、自分の手で貶めてしまうことは出来なかった――――
こんな言い方で伝わるかしら。……だから私は後悔はしないし、する様な事態に陥る心算もない。

二度と私の大切なものを、誰に奪わせたりなんてしない――――

【守り抜くこと。何一つ、誰一人失わないこと。それが……唯一つ信じる、少女の求める明日のかたちだった。】
【……譬え無為に終わっても。少女の命と心を留めてくれた、“大切なもの”たちに報いることが彼女の真実であり、たった一つの輝きなのだと―――。】
【そのために生きて、その生き方のために灯を懸けるのだろう。彼がひとの輝きを願い、“人間”の在り方で彼女を護ろうとした様に。】
【……八攫柊という人間は。結局、そんな風に生きずにはいられないのだろう。】
【愚かでも、救いの様に “関われる” 瞬間の一つ一つを戦って―――――。】

……それは貴方に対しても同じ話よ?
シャッテン=シュティンゲル―――私から仲間(シャッテン)を奪ったり傷つけたいのなら、先ずは私の屍を越えて行くのね。

【「出来るのなら、の話になるけど」。いつになく自信めかした言葉で紡いでみても、少女の微笑みは年相応。】
【頬に残るなにかの跡は、今更言うまでもない類で。だからこそ、その表情は花のようにきっと 開いて――、】
【迷いも躊躇いも既にないのだと、その平穏が伝えるだろうか。ふっと笑う橡色の瞳は、もう闇など一顧だにしない。】

【叶うなら青年を仰向けにせんと促して、傷の様子を確かめようとする。……恐らくは命は保つのだろうが、それでも確実を期する様に。……其れで、彼の命を重んじる様に。】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/09/25(水) 19:49:49.04 ID:jIerL8XU0
>>563

(……こんな命が、彼女の光を守れるのなら……悔いはない……!
それが、人の命の在り方を守る事だから、ね……柊の前では、僕の命もクズ同然だ……!)

【どこまでも、己の生き方に――――全てを失うことで手に入れた『使命』に、彼は忠実だったのだろう】
【それを果たす為なら、自分の命だっていらない。自己と言うものに対する執着が、ほとんど失われていた】
【やはりそれは、『尊厳の価値』と言う、大きなものに対する使命感――――狂気を孕んだ感動をこそ、優先しようとしていたからなのかもしれない】

……話には、聞いていたけど…………本当に大した治癒力だ…………
『魔海』の内外で商売が成り立つって言うのも、良く分かる……っ

【腹部をさすりながら、シャッテンは四つん這いの姿勢からどっかりと床に腰を下ろす】
【座り込んで腹部をさするも、そこには傷跡さえもほとんど残っていなかった。ただ、経緯を見なければ全く不自然に映る、血の汚れだけがそこには残っていて】
【『ユニコーンの角』の強力な治癒能力を、こういう形で実感するとは、終ぞ思っていなかったのだろう】

――――だったら、アレは必要だったはずだ……ッ!
こんな空虚な命なんかより、君にはもっと――――――――ッ……?

【どれほど守りたい人なのか、八攫の言葉を聞いていれば自然に理解できる。それを差し置いてまで自分に『ユニコーンの角』を使った事を咎めようとするが】
【そこに続く言葉に、今一度口を噤んで耳を傾ける】

…………どこまでも、君が君である為には、ああするしかなかったって事か……
確かに、それは僕の望む所でもある……そう言われてしまえば、もう僕には何も言えないよ……

【その生き方に、疑問を差しはさんでしまう事――――それは、生き方を曇らせてしまう要因になりうる】
【それだけは避けたかったと言う八攫の言葉に、シャッテンは気の抜けた様な笑みを浮かべる事しか出来なかった】
【彼女の生き方、その意志――――そうしたものにこそ、輝きを見出しているからこそ、それは尊重したい】
【となれば、自分に対して施された延命は、実は自分にとっても大事だった――――自らの行為が、ほとんど『無駄』であったと気付かされ、自分に対して皮肉に思ったのだろう】

――――今、分かったよ…………どうも僕には、それは出来そうにない…………
さっき言った通りだ……僕は、君の屍を越えてまで行こうとは思わない……僕の手で君を傷つけたり、討つ事なんて…………もう、叶わない事なんだから…………
……気づくのが、少し遅かったのかもしれないね…………

【――――シャッテンに対しての八攫と同じ様に、いつの間にか八攫にとってのシャッテンも、「かけがえのないもの」として見られていたのだと、ハッキリ理解した】
【彼女は死ぬまで、その意志を曲げたりはしないだろう。そうなったからには――――自らの意志を通す為に、彼女を手にかけなくてはならない】
【しかし、それはそれこそシャッテンの望まない事だった。もう自分では、いかなる形であれ、八攫の想いを曲げる事は出来ないだろうと】

――――君の本当の想いも、命の真価も……僕には見えてなかった…………
僕にとっての、君に及ばない程度でしかないこんな命にも、君は価値を見出した…………
…………もう、僕には何も見えないのかもしれないな…………ただ1つ、残された意味でさえも、進退極まった…………
……今の僕に出来る事は…………――――――――いや、それは傲慢かな…………

【促されるままに仰向けに横たわり、血だけを残して傷の癒えた腹部を晒しながら、シャッテンは遠い目で天井を見上げる】
【――――シャッテンが自覚する、自分の命の意味。『価値無き命』を戮する事で、『価値有る命』を守る事】
【それは、『知る限りで最も価値ある命』の価値を、貶める行為に他ならなかった】
【何もかもを失って、それでも歩み続けてきた意味が、静かに音を立てて崩れていく――――そんな脱力感が、いつしかシャッテンの身体を包んで】
【ポツリと、言いかけたその言葉を、シャッテンは静かに首を振って打ち消し、喉の奥へと飲み込む。なんとなく、口にしてはならない言葉の様な気がしたから】

【――――「今の僕にできる事は、柊の為に生きる事だけなのかもしれない」――――それが彼女の生きる意味を、守る事になるのなら、と】

/あまり早めでもありませんでしたが、返しておきますー。今日もよろしくお願いしますー!
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/25(水) 20:17:17.65 ID:DmoUBbRro
【街中・とある掲示板の前】

『大会』……実際に見たことはないが、強者共が腕を競うアレかの
どれ、「賞品賞金は多種多様」…ほお、宣伝も出来るとはまた珍しい催しじゃな

……まあ、儂としては同時開催の『ワールド・グルメ・フェス』の方が……っと。

【“ビリッ”──様々な広告が張られた掲示板から、一枚の紙が破り取られる】
【それは公開されたばかりの、水の国で行われる一大イベントの宣伝紙で】

【そして剥がしたのは──狼と人を併せたような、獣人の女性だ】
【服はハーレムパンツとタンクトップを組み合わせたような、ひどく身軽なもの】
【アクセサリーなのか薄い羽衣と両手足に鉄の輪を填めている意外、持ち物は見当たらず】

(しかしそうか、大会か……もしも優勝すればさぞかし楽しいだろうのう…)
(そうなれば、恐らくはワールドなんとかの料理も食べ放題に違いないし……)

……一丁気を張るべきところ。そんな気も、ううむ……。

【獣的特徴──銀色の毛並みに覆われたその耳をくるりと動かし、唸りつつ】
【長さ二メートルにもなろうかという、これまた銀の毛並みが柔らかそうな尻尾を小さく揺するこの人物は】

【どうやら察するに、手元の広告を見て早くもその出場やらを悩んでいるらしい】

【──最も、それはあくまでも獣人の女性の都合。周りから見ると、彼女は嫌でも目立っており】
【その立派な尻尾もあって、見事に掲示の前を。そして、道の一方を塞いでしまっているのだが──。】
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/09/25(水) 20:27:39.29 ID:6lXjVz1Ro
>>565



おやおや。これはこれは……。


【その獣人に近づいてくるのは、長身にして体格の良い男だ。】
【銀髪を七三分けにして黒のスーツを看にまとっている。】

【彼の瞳は――好奇心の色を孕んでいて。】
【無論獣人という奇異な存在そのものに対するものでもあるが、】
【彼女の手に持つ大会の広告――つまりは、この特別な存在が行事の主役になろうとしているということ。】

【話題性は抜群、というのが彼の真意だった。】


今晩はお嬢さん?


【一先ずは、声をかけるところから始めよう。】
【片手に持つのは、メモ帳と筆ペン】


567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/25(水) 20:48:31.94 ID:P1Sx+i93o
>>566

──…………うん?

【かけられた声に反応して、ただ少し遅れて女性はくるりと振り返る】
【そして上から下まで相手を澄んだ瞳で眺めたなら】
【チラシを持ったまま両腕を組み、尻尾を揺らして】

まあ、こんばんはだのう。
……それで、何か用かや?儂は『コレ』のことで忙しいのじゃが……

【コレ、とはもちろん大会の広告。彼女の場合は、むしろ──】
【同時期に開催される『ワールドグルメフェス』に興味があるようにも思えたが。】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/09/25(水) 21:02:52.26 ID:6lXjVz1Ro
>>567


――、私、新聞記者のユリストと申します。
行事に出場なさるんですか?
ええと、獣人のお嬢さん?


【対象は恐らく理性がある生き物ならある程度出れる行事。】
【それでも出場者の多くは通常の人間である行事だろう。】
【その中で獣人が出場するという話題性――】

【彼が何気なく発した「獣人のお嬢さん」という台詞から意図は読み取れるだろう。】
【その際、もしかしたら不愉快な思いをしてしまうかもしれない。】
【無論ジェンダー的なことを進言するつもりはないが、意気込み等を聞かせてほしいというのが彼の本心。】

【この際、どの行事に出場するかは問わない。】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/25(水) 21:19:20.78 ID:9KVwTdudo
>>568
……おぉ、文屋だったか!
成程なるほど、てっきり儂が何かしたのかと思うたわ

それで……大会かや?簡潔に答えると、答えは『そう』じゃ
もっとも本来の目当てはワールド……ええと、美味しい料理なのだがな?
優勝すれば、まず食べ放題は間違いないと思ってな

【男の問いに眉根を寛がせ、ふとチラシを見易いように差し出した】
【開催される二つの行事、そして獣人が特に待ち望むのは──まあ、そういうことらしい】

【ところで『獣人のお嬢さん』という呼び方だが、当人は気にする様子を微塵も見せず】

おっと、すまんの。名乗り遅れたが儂の名は長尾銀狼という。
見ての通り、尾の長い銀色の……そうそう、これも忘れてはならんかや

儂はの、ユリストとやら。櫻の国出身のいわゆる妖怪なのじゃよ
だから獣人というのは仮の姿、呼ぶなら妖怪のお嬢さんが嬉しいのう

【──思えば、この季節。夜ともなると肌寒いのに彼女は肩や腹部の肌を晒し】
【だというのに、寒がる様子もない。とにかく、単なる獣人ではないらしく】
【同時にかなり、人に対しても対応が慣れている。質問があるのなら今聞くのが良いかもしれない】
570 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/25(水) 21:39:35.16 ID:SKf0nDAv0
【街外れ――寂れた裏道】
【しとりしとり降り続いていた雨が止んで少しだけ経過した時間、】
【空一面に拡がっていた暗幕のような雲はばらばらに毀れ、その隙間からは月明かり】
【ちかちかと酔っ払ったように点滅する街灯の下に、ひとかげがひとつ、ずーっと、立っていた】

…………――、

【――夜空よりも冥い色合いをした髪、桜を模したバレッタで留めたハーフアップは腰ほどの長さ】
【黒色と血色のオッドアイはきっと空にあるだろう半月よりも伏せられて、宝玉をあしらったピアスは右の片っ方だけ】
【フードの付いたケープの下には金糸で細かく柄を刻んだ黒基調のワンピース、首や腕にはぎりぎりと包帯が巻きついて】
【足を包むタイツからヒールの高い編み上げのショートブーツまでの総てが黒色の黒尽くめ、その姿を隠しこむのは】
【いつからか差したきりの黒無地の傘、身体に釣り合わぬ大きさは男物であることだけを如実に示して、ぽつりと】
【街灯の明らみから隠れるようにそっと立つのが大人になりきれない造形、上から下まで全部が少女のパーツ】

――どう、しようかな。

【人形みたいに佇んでいたのがようやく動いたと思えば「止んでる」と今更ながら気付いた声がふわり零れて】
【雨傘についた宝石みたいな雫を揺らし揺らし落としては、綺麗に綺麗に綺麗に整えながら、傘を巻き巻き】

――――、

【ずうっと何か考え込んでいたらしいのを溜息の仕草ではーっと吐き出して、ようやく周囲に廻らす視線】
【固まった足をぱたぱた動かすのは至極普通の仕草でもそれまでと纏う気配がおかしなもの、(人間と違う気配がした)】
【――誰かの目に付いていたって、きっときっとおかしくはないと言えた】
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/09/25(水) 21:42:24.67 ID:6lXjVz1Ro
>>569



おっと、これはこれは――
妖怪さんでしたか。


【個人的には、妖怪とは即ち神聖なものという解釈ができる。】
【獣人とは違う、特別な何か――、少し神妙な面持ちになってしまう。】
【幼子のように、食い意地を張っているような言動を見せられても尚、である。】


其では取材させていただきます。
妖怪のお嬢様――ではなく、長尾銀狼さん。
優勝を視野に入れて、しかしそれもついでのように語る辺り――
相当な自信がおありのようですが――


【などと尋ねてバカらしく思えてきてしまう。】
【――詰まる所相手は妖怪なのだ。畏怖の対象であり、敬虔の対象である。強者なのは先ず間違いない。】
【少し質問のスタンスを変えてみた。】


――仮の姿とおっしゃられた貴女の本当の姿は、それほど自負できるものなんですかねぇ?
食い意地を張る辺り、少々子供っぽさも感じる――


【――あるいは挑発的に聞こえるかもしれない。】
【駆け出した子供が無謀な夢を語るようなものではないか? という意味に捉えられるかも――。】
【彼女の妖怪たるアイデンティティーを刺激しなければ良いが――。】
【結果として戦闘に発展してもそれはそれでかまわない、と思っているようだが。】
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 21:54:57.26 ID:lw38HdZd0
>>570

 ふむ、雨が止んだか

【その寂れた裏路地に一人の男が歩いてきた】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【腕には通常のよりも一回り大きいブレスレッドがある】
【そして左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見える人には見えるだろう】

 しかし、またふってきそうなだな

【男はそうぶつぶつ言う】
【そして男はあたりを見渡す】
【すると、男は一人の少女を見つける】
【男はなぜ少女がここにいるのか興味がわいたのか話しかける】

 ふむ、このような場所に何をしているのかな?
 お嬢さん
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/09/25(水) 22:02:11.63 ID:6lXjVz1Ro
>>569
/バスタイムなので返事遅れます
なるべく急ぎますんでっ
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/25(水) 22:05:35.37 ID:nd8N8+llo
>>571

うむ、狼が長年生きて妖怪となったのよ。猫又≠フようなものじゃな
ま、要するに人でないというだけ。格段偉いわけでも無いしのう……

……優勝についての自信か?それはまあ、無ければ出場せんわな
儂は力や強力な獲物こそ持っておらんがそこそこにヤレると自負しておるよ
全ては相手次第、あわよくばと……―――ほっほぉーう?

【と、語る姿はユリストが感じたように何処か幼子の様な所がある】
【それが元来の性格なのか、ホラ吹きなのか。銀狼は何を思ってかニヤリと笑い――】

【――直後、記者が瞬きをした一瞬で銀狼は真の姿≠ノ戻っていた】
【それは、犬がする『お座り』の姿勢でも体高1,5mにもなる大型の孤狼に他ならず】
【白雪にも似る白銀の体毛がふわりと風に揺れて、彼の鼻腔を擽るだろう】

“……それで、何だったかのう。子供っぽいとか、自負がどうとか聞こえた気もしたが”
“まさか齢120を超える儂がそんなはずはあるまい。うむ、そうに決まっておるちや”

“と、なれば……ユリストとやら?言いたいことが有るならもう一度言ってくれぬかや……?”

【その体高よりも長い銀色の尾を自在に動かし、その毛先で記者を擽ろうとすれば】
【『笑った』のか――グルル、という低い声がその喉から静かに響く】
【気付けば周囲の観衆は見てみぬふり。大きな銀狼は改めてひどく目立っていた】
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/25(水) 22:06:23.77 ID:nd8N8+llo
>>573
/おっと了解です、どうぞ気にせずごゆっくり!
/それと伝え忘れましたがPCに以降致しましたー
576 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/25(水) 22:11:45.18 ID:SKf0nDAv0
>>572

【――きゅう、と。包帯の巻かれた掌がきっちりとしっかりと傘を押さえ込んで締め上げた音】
【その後に誰も居ないと見てはぶんと降って最後のちっぽけな雫までもを払い落とす、黒を害するのを嫌うように】
【やがてそれなりに満足いく風に綺麗になったのだろう、服越しでも細いのが分かる手首へとそっと掛けた】

……――かんがえごとを

【首を数度鳴らすようにして動かす、その都度長い髪は留められた部分から徐々に揺れて、跳ねて】
【その毛先が街灯の明かりに煌いて微かに茶色い色素の欠片を見せていた、塊へ戻れば鴉の羽色のようでも】

【まるで蛇のように丸い瞳が一度瞬いて言葉を考えるよな間が少し。視線と共に向けられる声音は、】
【まるで鈴の音を鳴らしたような音をしていた、緩く後引く残滓のような余韻は、金属質めいた風で夜へ揺らぎ】

あとは……雨宿りをしてたの。

【――傘を持ちながらに雨宿りというのもおかしな話だろう、もうひとりふたり詰め込んでも平気そうな大きな傘】
【左手首に掛けたのをゆらゆらと弄びながら視線が雨雲の残る空へと移ろう、欠片をひとつひとつ数えるように視線が動いて】
【(左手の薬指に不思議なものがあった。まるで永遠を誓う指輪のように嵌まるのは、ただ、蛇のかたちをした痣)】

それだけ、

【ぱちともう一度瞬く、ちょうど背面にあった街灯へと身体を預けてみるけれど、数秒でぱっと離れるのは】
【そうして背中を気にする素振りを見せるのは、つまり街灯を濡らしていた水でも染み込んでしまったらしいと見えた】
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 22:30:05.40 ID:lw38HdZd0
>>576

【男は少女の回答を聞き】

(ふむ、考え事か、まあこのような年ならば考え事の一つや二つでてくるか)

【男はそのようにして思い、少々空を見上げ、また少女に視線を戻す】

 雨宿りか、傘をもっているのにか
 変わっているな

【男はそのように穏やかに言った】
【別段呆れるようでもなく馬鹿にしているようでもなかった】
【そして、少女が街灯に背を預け数秒で離れ背中を気にする素振りを見せるとクスッと笑う】
【少々面白かったのだろう、その笑みは少女に見えるかもしれない】

【そして、男は左手の指をチラッと見、その薬指に不思議なものがあるのに気がつく】
【そして男はその薬指をじっときずかれないように見ているがその視線に少女が気がつくかもしれない】
578 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/25(水) 22:39:49.89 ID:SKf0nDAv0
>>577

【わざわざ傘を持って出たならば雨を予期していたか、最中だったのか、どちらにしても】
【その真っ最中にきちんと濡れないように差した後に突っ立っては黙り込んでいたようだし、実際、そうなら】
【彼の言葉はそれ以上ないぐらいにきっと合っているのだろう、変人だとか、そう決めてしまうのがきっと手っ取り早い】

でも……、……お前たちみたいな奴等に言われるほどは変わってないと、思うの。

【――左手を見られていることを気付いているようだった、もう一方の手で件を隠すのはそれが好ましくないらしい】
【掌の一部まで巻かれた包帯を指先がそっと摘んで引く、まるで包帯を薬指までやって隠してしまおうと思うような仕草】
【けれど出来ないらしいと気付けばそれも止められる、ただ一度笑われたことへと不満みたいな顔を浮かべれば、】

――――何しに来たの、何か用? わたしからお前たちへの用事は現状なにひとつ微塵ひとつぶもないの。

【つんと向けた視線は彼がそうしたように彼女もそうする、彼の左腕を見つめて、そこに浮かぶものに気付いていた】
【気付かれていることは先の言葉の時点で辿ることも出来たのかもしれない、そのときから既に“やつら”なんて、】

お前たちのことなんて大ッ嫌い、でもそれぐらい、分かってるでしょう?

【――言葉にはなんら間違いも嘘もなく、ただ、見境なしに咬み付いてくるほどの狂犬ではないらしい、と】
【濡れない程度に背後を街灯の聳え立つだけの明るい冷たい硬さに預けこむ、手首に掛けた傘の位置を調整する、総て】
【声から態度からそれこそ毛の先から爪の先までがひとつのこらず警戒を示していた、向けるのは敵意で、まだ、殺意じゃない】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/09/25(水) 22:45:28.51 ID:6lXjVz1Ro
>>574



【気づけば目の前には、真の彼女がいた。】
【それは所謂意地に近いが、子供の見せる其とは断じて違う。】

【『強者たる所以。我を突き通す意地。己に対する絶対的な信。』】


【"フフ"と微笑みこぼせば、冷や汗浮かべつつ瞳を閉じた。】
【やれやれ、といった感じ――それは虚勢とも写るかもしれないが――首を振って。】
【しかし一瞬だが、『ビビっ』たのも、紛れもない事実で。】


なんでもありませんよ。大変なご無礼をいたしました。


【ゆっくりと瞳をあける。冷や汗を浮かべながらも、依然として薄く笑みを浮かべて。】


/ただいまです!
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/25(水) 22:47:44.80 ID:q8kIMKd30

【櫻の国――――ひっそりと静まりかえった城下町】
【そこを徘徊するのは一匹の妖怪であって】
【山伏の服装に、腰に提げたのは天狗の面と一振りの太刀】
【手には六尺棒を持っているのだが――――何よりも目を引くのは、背中に生える漆黒の翼か】
【烏天狗と呼ばれる一妖怪。少女と間違われても可笑しくない少年は、今宵酒を片手に、気ままに散歩をして】


「ここもすっかり寂しくなっちゃったねぇー……
昔は妖怪も人間も一緒に住んでた筈なんだけど」

【もう、ずっと昔の事。人間と妖怪が此処で仲良く暮らしていた時の事】
【その時の光景を思い浮かべれば、ハハハ――――と小さく笑って】
【――――やがて吐くのは溜息。ポリポリと頭を?けば、その場で立ち止まって酒を呷り】


「昔は……ねぇ。拙(ぼく)がもっと小さかった頃の話だからもうあんまり覚えてないけど
――――楽しかった……かなぁ」

【そんな呟きも、やがては闇夜の中へと溶け込んでいってしまって】
【ポツンと取り残された様にも見える子供の姿】
【けれども、纏う妖気は完全に人とは異なった種族という事を感じ取らせて】
【さて――――その妖気を辿って現れる物好きは居るのだろうか】








【賑やかな街の一角にて】
【人々が楽しそうに談笑していたり、或いは買い物をして居るなんて場面】
【その間をくぐり抜けて、忙しなく動いているのは一人の少女】
【――――纏っている物から判断するに、何処かの学生であろうか】


「はい、と言う訳でUNITEDTRIGGERや自警団に対する感想を皆さんに聞いていきたいと思いまーす!
後はチャチャッと纏めてしまえば、立派なレポートになりますね!これにて課題完了!
……の筈だったのですが、世間は冷たいですねぇ」

【明るい茶色の髪。ハキハキとした口調は、活発な印象を与えることだろう】
【様々な人に感想を聞こうとしても、邪険に扱われるばかり】
【それでもめげずに続けてはみるけれど、どれだけ時間が経っても結果は同じ事】


「まぁー……後一週間もありますし、そう慌てる必要も無いでしょうが
一人くらいは聞いておきたいですよねー……」

【眉間に皺を寄せて、立った今断った人の背に向かって「イーっ」何てすれば、一人溜息】
【この時間に学生が出歩いていることも珍しいだろう。故、そのちょこまかと動く事も合わさって目立つ事か】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/25(水) 22:55:56.13 ID:nd8N8+llo
>>579

“ふむ、そうかや。ならばよしじゃ、街中でこの格好はちと目立ちすぎるしの……”

【スゥ、と目を細めて、牙が除く口角が上がる。あからさまな笑みだった】
【けれどもそれは脅しでもなんでもなく、単純に愉快を表したもの】
【相手を恫喝するつもりも無し。また瞬きする間に、元の女性の姿に戻っていて】

ふぅ……二ツ脚と四ツ脚を行き来すると疲れるのう
それでじゃユリストや、まだなにか質問やらはあるのかえ?

有るならば分かる範囲では答えようと思うし、無ければ儂は腹が減った
故に、何処かで飯でも頂こうかと思うのじゃが……
……言うておくが、飯となれば儂を繋ぎ止めることは出来やせんぞ?

【改めて質問はあるか、無ければご飯を食べに行ってしまうが、と伝える】
【其処に奢れとかついて来いとか、そういうニュアンスは感じられない】
【つまりは、別れるかどうかを選べということだが―――さて。】

/おかえりなさーい!
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 23:02:05.04 ID:lw38HdZd0
>>578

 ふむ、確かに君たちは私たちより変わっていないだろうね

【男は少女が言っていることは理解している】
【カノッサ機関は世界から嫌われているものだから】

 用といえば何もないよ
 第一ここにいるのは私個人だ君に手出ししようとは考えてもいないよ
 何しにきたかと答えればそうだな、散歩かな

【男はそう言う風に言う】
【男にとっては彼女と戦う理由がないといううより男の本業は研究なのだから】
【それに、今はアイデアのまとめとかいろいろと気分転換したいとも思っていたりする】

 ま、われわれが嫌われていることぐらい先刻承知だ
 というより、嫌ら割れていないと思っているものはほとんどいないと思うが

【男はそのように言う】
【そして、少女が敵意を向けていることがわかるが男は敵意を向けていない】

 私は君とも戦おうとも思ってはいないのだがね 
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/09/25(水) 23:04:49.36 ID:6lXjVz1Ro
>>581


いえ、ここらでオイトマさせていただきましょう。
――食い意地だけは子供のようですね、やはり……。


【紺色のポケットチーフを取り出せば自分の額を拭い、】
【メモ帳と筆ペンをしまえば、上記発して――。】
【無論、最後の文は極力聞こえないように。】

【例え聞こえたとしても一々取り上げて食って掛かるような器ではないだろう――。】


――今回のことは、大会が始まるまでは載せないことにしますのでご安心を。
それでは、失礼します。


【出場者の情報は始まってもいないのに載せるべきではないだろう。】
【彼はそれだけ言って、踵を返すのだった――。】


/お疲れさまでした!
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/09/25(水) 23:18:26.72 ID:k1hSzXVL0
【星の国――――ブラックマーケットにて】

【高度な情報技術により、最も近代化に成功した場所、星の国―――】
【其の中枢部に位置する"シティエリア"には、兎に角、超高層ビルが"群生"していて。】
【其れは、唯一つ、他国と変わらない"空"が、最早見られない程であった。】

【"街"が凄ければ、"市民"も凄まじく―――】
【国中に幾つも存在する繁華街は、其れは真夜中であっても、勢いが留まる事を知らない様子で】
【眠らない都市―――なんて表現は、此の国の為に在ったのかも知れない、と思える程。】


【豪華絢爛な場所が存在するなら、当然其の逆―――所謂、"スラム街"も存在した。】
【今回舞台となるのは、其の街の中心部に位置する、"ブラックマーケット"。】
【薬物、拳銃、火薬類、化学物質―――ありとあらゆる法外な商品が、其処では売られていた。】


【其処ら中に並べられている違法商品を、ブラブラと歩きながら、何やら見定めている少年が、一人。】
【黒がかった赤色のオーバーコート、ブラックパンツに身を包み。右手の薬指には銀の指輪、】
【更に、艶のある髪は銀色で、眼は惹き込まれそうな程深い赤色…という事は、特徴的だろうか。】

【特に此処は、"ブラックマーケット"である。店主や客は、フードを被る等して目立たぬ様、工夫している事を考えれば―――】
【少年の服装は、何処か浮いている、のだった。其れに加え、16歳程であろう年齢も相まって、一層目立つ事になるであろう。】


【―――かなりの時間、少年は其処を歩いているが……探している物は、中々見つから無いらしい。】
【尋常では無く広いこの市場。何処かに、きっと、置いてあると思っている様だが―――?】

/12時まで募集〜と言う事でお願い致しますー!
585 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/25(水) 23:19:02.03 ID:SKf0nDAv0
>>582

【目に掛からない長さであるはずの前髪を指先がぢりぢりと弄ぶ、その毛先を視線は追いかけるようでも】
【気は真っ直ぐ真っ直ぐ彼へと向けられたまま、少しでも変な動きをしやしないかと監視するように、一秒たりとも】
【見逃してはしまわないようにと気にしていると分かるだろう、とげとげと向けるのは、ただ、どうしようもないぐらいに普通】

個人だなんて安全の証明になんてならないの、こんな場所――探せばアブないヒトなんて棄てても余る。
……だからわたしが安全かっていくら自称したって安全の証明になんてならないの、わたしね、わたしはね、

わたしたちのコト邪魔するヒトタチはみんなみんな水溜りに溶かして流して腐らせたいぐらいにイライラするから。

【――ふらと動かした左手は警戒の中で、ただ、攻撃に転ずるようなものではなく、揺れた傘が地面を擦る】
【浅い水溜りをばしゃと石突が引っ掻いて水飛沫を夜に散らす、街灯に照らされきらきらと煌くのが、刹那の夜を彩った】

【ひと通りの少ない場所だ。がらりとした通りはただ空気の澱むような不思議な気配を纏って、常に血生臭い気がする】
【建物と建物の間で誰かが潜んでいるような気配がする、どこか遠くから下種染みた声の聞こえる気がする、全部錯覚でも】
【ひとのめのないところはこんな世界だもの、必然的に危なくなりがちで、――ふわと笑って見せた普通が異常だった】

ならそこらへんでそれ以外になんて話しかけないほうがいいの、その瞬間クビがオチたってわたしは知らない。

【ゆらと首が傾げられる、長い髪がさらと絡まるのと解けるのを繰り返しながら流れていく、真っ黒色が】
【首筋の白すぎる白をいやになるぐらいに目立たせて。そこにぐるぐる絡まる包帯もまたよく目立つ、また異常】

……だからわたしたちの邪魔なんてしないでね、伝えておいてって言ったの気のせいだったかな――まあいいや。
生きてたかったら“わたし”と“お父さん”にだけ関わるなって皆に言っておいてよ、ねえ、……うん、冗談。

そーんなことして喧嘩売ったみたいに思われるの嫌だもの……、……でもね、降りかかる火の粉はね、潰すから。

【かろりと靴の高い高いヒールが石畳を緩やかに擦る、ぱしぱしと水溜りの潰される音がする、そっと腰に手を添えて】
【左手の指先で頬へ触れながら――傘が重さにずりずりと肘の辺りまで落ちながら、迷いもなく真っ直ぐに伝えていくのは】
【条件有の宣戦布告であることに間違いはなくて。ただ、それで敵視されるのも嫌だという我侭もあって、脅し染みて留まる】
【――“わたし”はわたし、この少女でいいだろう。だったら“お父さん”とやらは誰なのか、そのスイッチはどんなかたちをしているのか】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/25(水) 23:19:23.50 ID:nd8N8+llo
>>583

く、フフッ……食欲は何より勝る儂の強欲だからのう
自然に湧いてくるソレくらい、子供同然に楽しめねばもったいないというものじゃ

【ひくり、と耳が動いた。小さな言葉はしっかりと聞こえていたらしい】
【しかし男の想像通りそれを咎めるほどに狭量な銀狼でもなかったし】
【可笑しそうにちいさく笑うと、踵を返して去っていく彼に手を振り】

うむ!街を歩けば他の参加希望者も居るじゃろうし
お主も仕事に励むのじゃよー。ではのっ、ユリスト!

【そう言って見送ると、また手元のチラシに目を落とすのであった】

/お疲れ様でした〜!
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/25(水) 23:50:31.83 ID:lw38HdZd0
>>585

 まあ、個人でなんて安全証明にはならないという発言は正しいだろう
 すくなくとも私は君のコトを邪魔しないだろう、まあ所詮は一個人の発言だがね

【男はそう言う、監視されていても自分のペースは崩さずに】

 なに、私だってそこらへんの区別はついているさ
 まあ、その前に襲ってくるのが落ちだろうが

【男はそのように言う】
【ある程度は自分の実力には自信があるような発言だ】

 ふむ、それを聞いたものは別段機関に伝えるような内容でもないと思ったのではないかな
 さてね、喧嘩を売るといっても機関は君一人はどうでもいいだろう、なんせ君は機関の脅威にはなってないのだから

 そろそろ戻るかな、ではなお嬢さん

【そう言って男は少女から視線をはずし、そのまま来た道を引き返す】
【帰るのだろう自分の場所に】

/ここで〆ますね
/お疲れ様でした 
588 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/26(木) 00:12:56.65 ID:/bSA4FAj0
>>587

【瞳を細めるようにしていた、笑ったように見せる表情は、薬にも毒にもならないような色合いでも】
【その裏側で滾るのは毒物で、それも劇物で、総て溶かし尽くしてしまう害悪だというのは、自ら言いもしない】
【大嫌いで絶対的に敵な奴等に気安く教えてやる情報ではないと知って――いや、もう、知られているのか、これは】

あっそう、分かってるんならいいの。わたしがそういうひとじゃなくて、良かったね、

【――さも恩でも売るような声だった。命を助けてやったのだと高らかに宣言するようでもあるのかもしれない】
【一度にこりと強く濃く笑ってみせるけれど、言葉よりも語るという目が、目元だけが、――ぞっとするほど褪めていた】

……だからこれからお前たち次第で脅威になってやるって言ってんの、お前ら次第でならないでおいてやるって言ってんの。
わたしたちに、わたしのお父さんに、関わらなきゃ譲歩しまくって赦してあげるわって言ってるの、分からないかな……。

嫌だけど――わたしまでなら赦してあげる、でもそこから先は何もかも悔やんでも認めないし、赦さないし、――あと、

【自分の持つ力をひどくひどく信じ込んでいるようだった、或いはそれは信仰とも呼ぶことが出来るのかもしれない】
【――機関のDBでも掘り返せば彼女らしきを見つけ出せた。過去に、何度も、少なくとも二度は、(悪意の卵を、)】
【褪めきった瞳は刃みたいに鋭く冴えて、蛇みたいな丸さは冬空の下のようにすっかりと温度を失って、ただ、睨む】
【金属質をした鈴の音の声だって凡そ生き物らしい暖かさを失って零すのはじわじわと人外特有の気配、毀れた螺子の】

…………わたしさあ、白衣着てる男ってなるべく苦しんで無様に穢く惨めに何もかも後悔しながら馬鹿馬鹿しく死んで欲しいわけ。

【最後に一文今までのいつよりも何よりも褪めるのは眼前の彼に何の関係性もないただの私怨、機関にすら関係のないこと】
【初めからずうっと何かしらのスイッチが踏まれていたのだろう、それは彼は何も悪くない、ただの八つ当たりみたいなもの】
【不愉快がふたつ重なってしまっていた、――はじめからずっと悪かった言葉は彼の知らないことでも、不条理に暴言を投げた理由】

【タイミングとすれば彼が背中を向けた頃合だろう、けれど振り返ったとして襲い掛かってくるでもない、ただただ背中を向けて、】
【――ばさんとせっかく整えた傘が開かれる音がする、そっと差せば背中すら最早窺えず、初めと同じようなぽつりと同じ佇みかた】

………………――

【ただひたすらにどこまでも今この手の中にあるしあわせだけ奪われたくなかった、奪われてはいけなかった、だから、】
【――いやなことを少しだけ思い出した。翻る白衣の裾が目蓋の裏の暗黒に焼きついて、焼きついて、焦げ付いて、】

【いつの間にかその姿が闇夜に溶け込むように消え果ていた。ただ微かに黄緑色のきらめきを虚空に残して、何もかもが消えていた】

/おつかれさまでした!
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/09/26(木) 20:42:33.74 ID:OnPcnhgT0
>>564

【シャッテンの様子から回復を知り、先ずは一つ安堵を確かなものとする。交わす言葉は、やがては同じ所へと到達した様で―――、】

…………ほんの少しだけ、ね。

だけど……ありがとう。上手く言葉には出来ないけれど、心から―――

【“理解”、彼の言葉をそう受け取った。彼の想い、その上での結論なればこその感謝だった。】

【そして床面に座り込んで痕を確かめる。……改めて凄まじい効能を実感したが、彼の命のためならばと胸の内で小さく頷いた。】
【指先が、彼の万全を想う様に腹に置かれるのだが―――それで終いだ。掌も離し、そのまま会話の体勢に移るだろう】

【シャッテンの言葉はどこか失意に聞こえて。……けれど、返す橡色は柔らかな色合いで言葉を返す。】

……“及ばない”命なんかじゃない。
その一夜の輝きだけで、私の一生分以上に鮮烈なものが“どこか”に残った――――

この生き方とも関係なくそう思う。
だから、ね。
…………何も見えない、なんて言い方はやめて。

私には見えなかったものが見えたから、貴方は私を守ろうとしてくれたんでしょう?
自分にはないものが貴方にはあるから、その価値をも失えなかった――――

……傲慢というのなら私こそだし、言いかけたのを聞いてみたい思いもある。
まぁ……気が乗らないならそれまででいいけど。

【軽口めいて続ける其れは“仲間として”。彼の価値は、未だ失われてなどいないのだと。】
【気遣う様な口調ではない。そっけない言葉は、籠めた想いより、“最悪じゃない”現実を伝えようとする。】

【ただ、あまりにも惜しいと思ったのだ。……彼が、彼女の感じた壮烈な光に気付かないでいる事は。】
【粛清者としてのシャッテン―――彼を疾走させた魂の叫び、喪失を越えて守ろうとした“なにか”。悲劇を愛する価値観など無くとも、心打たれるのは、人の心理で】
【或いは戦士としての共感ゆえに。……少女は、踏み出す一歩を決断する。】

(……本当に……ずるい言い方になるわね。だけど、その分を“生きる”覚悟は決めた――――)

【ぎゅ、と握り込んだ掌は少しだけ揺れていた。】
【示された覚悟は彼女の魂に焼きついている。最早二度とその歩みは滞らず、 臥すだけの安息をも救いとしない。】
【生き抜く覚悟――――人の世を護り通すこと。それが、彼女がシャッテンから受け取った輝きへの、返礼と為す“道”だった】


/すみません、昨夜からちょっと担ぎ込まれてました…orz…そろそろ終盤も良い所ですが、改めてよろしくお願いしますー!
/流石にこれ以上拘束しても忍びないので、〆か置きレスに移行して頂ければっ……!
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/26(木) 21:38:15.27 ID:ilPbrCp/0
/>>584を同じく12時まで募集致します!よろしくお願いします〜
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/26(木) 21:48:11.98 ID:ej7YTKfn0
【街――裏路地】

 うーむ、やはり情報を集めるのも一苦労だ

【一人の男が壁に背をあずけながらでそうつぶやく】
【黒のショートヘアに服装はパーカにジーンズを穿いている】

 しかし、もうすぐで情報があつまる
 依頼人の依頼は完遂できるな

【男はそのようにつぶやいていた】
【しかしながらその男はまるで周囲を警戒していない】
【そして、その男に何名かの不良たちが向かってくる】
【男はまだその不良たちにきずいてはいない】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/26(木) 22:30:19.59 ID:vI1QVhkU0
>>591
//まだいらっしゃいますー?
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/26(木) 22:32:10.58 ID:ej7YTKfn0
>>592
/一応、凍結するかもしれませんが
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/26(木) 22:34:41.24 ID:vI1QVhkU0
>>593
//了解です!ではしばしお待ち下さい!
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/26(木) 22:53:02.96 ID:vI1QVhkU0
>>591
(……ここ、どこかナ……近道かと思ったのニ……)

【地図を片手に少女が歩く。……どうも自分が歩いている道に確証が無いらしく頼りなさげな足取り。】
【前髪を切り揃えたショートカットの黒い髪、やや小柄で華奢な体格、ややタレ目で茶色い瞳。身体的特徴は何ら普通の少女と変わらない。】
【ただ……恐らくこの辺りでは珍しいであろう、チャイナドレスに似たような燕の模様をあしらった緑色のワンピースを着ている。】
【そして何より……彼女に会えば背中に負っている鉄製の大きな箱が目を引くだろう。なにせ、「薬」と大きく書かれているのだから。】

【そんな彼女は、眉間にしわを寄せながら地図を見て、それからキョロキョロと辺りを見回して。……小首を傾げてまた困ったように地図を見る。】

(……道を聞くしかないのかナ……うう、弱ったヨ………)

【とにかく人は……人はどこにいるんだろう。道を聞こうにも人が見当たらなければ……】
【相変わらず頼りなさげな足取りで、人の影を探して路地裏を彷徨う。……そして、ようやく見つけた人っぽい姿。】
【何人かいる……よし、これなら訊ける!彼女は嬉々としてその集団に道を聞こうとしたが……】

……
(この人たち、アレだよネ……いわゆる「ナラズモノ」だよネ……)

【「すみません」と喉から声が出かかった瞬間、その人達の格好が目に入る。……これは、関わってはいけないタイプの人間だ。】
【ここは知らぬふりを決め込んでそそくさとここから退場しよう……そう決めた次の瞬間。】

……アッ!
(向こう、人が居るネ……大丈夫カナ……)

【―――少し先にも見えた、もう一人の姿。このままだと不良に鉢合わせする気がするが、向こうの人は気づいていないようだ……】
【此処はどうするべきか……不良に気付かれずに向こうに連中が向っていることを伝える方法は無いのか……】
【オロオロと考えているうちに、どんどんと不良と向こうの人に距離は縮まって行く……】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/26(木) 22:56:27.63 ID:KStz+r9R0

【夜であっても、人混みで溢れかえる街の中――――その広場で、騒ぎが生じていた】
【男達の罵声に、囃し立てる様な野次馬達の声。その中心に居るのは、自警団の腕章を通した少女と、柄の悪い悪漢達】
【最早飛び交う言葉が多すぎて、一つ一つを聞き取る事は出来ないけれど――――軍服を乱れなく着こなし、制帽を被った少女は眉一つ動かさず涼しい表情で】
【それが、男達の癪に触れたのだろう。殴りかかろうとした、その時であった】


「……再三警告はした筈で有りますよ。此処で騒ぎを起こさないように、と
それにも関わらず人々を殴り倒す等をして――――更には、自警団にも手を出そうとするでありますか
…………少し、痛い思いをしなければ分からない様でありますね」

【眼帯に隠されているが故、隻眼。藍色の瞳を細くすれば、それと同じ色の髪が鋭く宙を舞って】
【――――一瞬の出来事。殴りかかった者は投げ飛ばされ、背を強かに打つ】
【続いた者の喉に手刀を打ち放ち、羽交い締めにしようとした者の鼻を裏拳が打ち抜く】
【命に別状は無い…………とは言え、痛みは強烈。少なくとも、数時間はまともに動けないほどの激痛】


「さて……ほら、みんなも解散するでありますよ
早く此処から離れるであります。そうでもしないと、伸びている人達の二の舞になってしまうであります」

【腰に提げている軍刀に触れる事も無く、事は収まり】
【――――言葉通りに次第に野次馬達も散って行く事だろう。今ならば、容易く少女に近づく事が出来る】
【先程の争いを見て興味を持った者か、野次馬を見て興味を抱いた者か…………将又、別な理由であるかは不明だけれど】






【ずっと昔に、廃墟と化した屋敷――――今宵其処に現れた、一つの存在】
【扉を開ければ直ぐの所に見える広い客室に、其れは一人座っていて】
【紅いドレスを纏い、金色耀きを放つ髪を持った少女。放つのは気配では無く瘴気故に、よく目立つ事か】
【――――止まっていた屋敷の時が、微かに流れ始めて】


「…………ふぅん。思っていたよりも、綺麗な所ね
主が自分で雇っていた人達も家族もみーんな殺してしまったと聞いてきたから、もっと紅く染まっていると思ったのに
そうでも、無いのね。あんまり楽しくないわ。楽しくない」

【何故、こんな屋敷が廃墟となってしまったのか。それは、曰く付き故に】
【ある日狂人と化した主人が、屋敷に住む者全てを皆殺しにしたと伝えられて居るが故に、誰も寄りつかない】
【――――鼠すらも住まないとなれば、やはりただ不吉だからという理由でも無いのだろう。実際に、何人もの人々が霊を目撃しただのと騒いでいる】
【ならば、何故少女が一人でこんな場所に居る事が出来るのか。――――魔族。即ち、悪魔と呼ばれる其れだから】


「死んだ事に気付かない人達も、ずっと殺され続ける人達も居るみたいだけど――――でも、つまらないのね
どうせもう幽霊だもの。そんなのを見たって、楽しく無いのよ?」

【取り憑かんと、一つの霊魂が少女へ近づいたが――――触れる事も出来ずに…………否、正しくは触れた瞬間に、低級故その瘴気によって存在を掻き消されてしまう】
【そんな様を見ても、気にした様子は無い。アンティークなカップに紅茶を注ぎ、一人でお茶会を楽しんでいるだけ】
【…………流れる瘴気は、当然屋敷外へも漂っていて。さて、疑問に思って訪れる者が居たとしても、可笑しくは無い事か】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/26(木) 23:08:30.77 ID:ej7YTKfn0
>>595

 ん、なんだい

【男はやっと自分に近づいてくる不良たちに気がついた】
【が、もはや不良たちは男が逃げることのできないように包囲してきた】

 はあ、いったいなんのようだい
 金がほしい?
 残念だが今は手持ちがなくてね

【男はそう言う、警戒はしているようだが】
【すると不良の一人が、男につかみかかるが、男がつかみかかられる前に思いっきりつかもうとした不良の顔面を頭突きした】

 あいにくと今君たちにかまっている暇はないんだよ

【男はそう言うが不良たちはそんな言葉お構いなしに男に殴りかかってくる】
【そのため男も応戦し乱闘状態になった】

【男や不良たちはまだ少女にきずいていないようだ】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/26(木) 23:24:41.60 ID:vI1QVhkU0
>>597
(ど、どうしよう……アア、とうとう絡まれちゃったヨ!)

【オロオロとしている内に、向こうにいた人はとうとう不良に絡まれた。……ああ、自分が止めておけばこんな事にはならなかったのに。】
【でも、止めに行ったところであんなに大勢の男を自分で相手にすることは出来ないし……どうしようもない。どうしようもないけど……】
【身の安全と正義感・良心のジレンマに悶々としつつ、やっぱり彼女は動くことが出来ない。動く勇気を出せずにただ見守っていると……】

(ああ!おっぱじまっタ!あんなにいっぱいの男が一人ニ……!……どうすル!?黙って見てル!?)

【このまま静観していれば、恐らく自分は大丈夫だろう。……しかし、多対一では向こうにいた男もそのうち袋叩きにされるかもしれない!】

【どうする!?行くのか、行かないのか!?………ええい、ままよ!このまま見ていては良心が廃る!】
【恐怖心を振り払い、一世一代の勇気を振り絞って――――彼女は、一目散に不良たちの元へと駆け出した!】

――――すみませン!!

【若干、いや、かなりひきつった声が路地裏に響き渡る。恐らく乱闘中でも工事中でも聞こえるほどの大きな声が。】
【ちょっぴり震えつつ、それでもはっきりと言葉を続ける。……必死だ。】

あの……一人相手に沢山でなんテ……その、ひ、卑怯でス!今すぐその男の人から離れなさイ!

【正に震え声という表現がぴったりの声だった。しかし、その声は不良共の注意を惹きつけるには十分だった筈―――】
【――――きっと、不良共に隙が出来ている。】
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/26(木) 23:47:11.31 ID:ej7YTKfn0
>>598

【その少女の声に一人の不良が声のほうに向き、思いっきり男のキックを股間にくらう】
【そのため、不良はその場で股間を押さえて倒れこむ】
【ちょうどその不良が最後だったのだろう、ほかの不良たちも気絶している】

 ふう、久しぶりに殴りあったな
 ん、君は?

【そして、男は少女がここにいることにきずく】
【どうやら、乱闘に全力をだしており、少女の声は聞こえていなかったようだ】
【男は少女には何の警戒もしていない、不良の仲間ではないと判断したのだろう】
【そして、男の体は殴りあとが見られる】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 00:08:21.29 ID:gB1EVMbr0
>>599
(言っちゃった……言っちゃったよ……とうとう自分から火の中に飛び込んじゃったよ……うぅ)

【必死に声を出した結果、当然と言えば当然だが不良がこちらを向いた。……何とか目を合わすまいと目線を逸らし続ける。】
【目を合わせたが最後、こっちに襲い掛かってくるかもしれない……ああ、どうして声を出してしまったのだろう……】 
【若干の後悔と恐怖を抱きつつ、不良が向かってこないか様子見――――しかし、一閃。男の蹴りが当たってはいけない所に当たる。】
【不良とて男だ。男ならば誰しも持つ急所に渾身の一撃を喰らっては一溜りもあるまい……。果たしてもんどりうって悶えている。】

【……あ、動かなくなった。……痛かったろうなぁ。】

【最後の不良が倒れこむと、殴り合っていた男がこちらに気付いたようだ。彼は不良ではなさそう。】
【ようやく冷汗が滝のように出るほど緊張していた彼女は警戒心を解く。――もし不良が向って来たら、何もされていないのに気絶していたかも。】
【……よく見れば、男には無数の打撲や傷がある。無理もあるまい、あんなに多数を相手にして無傷な訳がないだろう。】
【男は平気そうにしているが、きっと痛いはずだ。……薬師として、放っておくわけにはいくまい。】

あ、あノ!えーっと……大丈夫でしたカ!?そこでずっと見てたんですガ……その、痛いところはないですカ!?
ワタシ、いい薬もってまス!えっと、手当、出来まス!

【男の方へと駆け寄ると、背負っていた鉄製の箱を下ろしつつ、男に訊ねる。痛いところは無いか、傷は無いか――――】
【あれだけ殴りあっていたのだ。きっと痣だって出来ているし掠り傷もあるはず―――塗り薬と湿布なら、沢山持ち合わせている。】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/27(金) 00:20:24.75 ID:GPRyPgfK0
>>600

つあっと、すまないならその言葉に甘えよう

【そうして、男は壁によりかかり地面に座る】
【どうやら、おとなしく手当てを受けるようだ】

 はあ、まったくあのような不良にからまれるなど今日は不幸だ

【男はそうつぶやく】
【そして、男は少女がかけよってくるのを見、傷がある部分を見せる】
【その顔は少々苦い表情をしていた】

/すいません、眠気がきてしまいまして凍結させてもらいますね
/明日は6時くらいにこれます
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 00:26:19.19 ID:gB1EVMbr0
>>601
//了解です!では、6時ぐらいまでにはレス返しておきますので! 今日はお疲れ様でした!
603 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/27(金) 18:14:29.02 ID:UAMnf6nh0
【街中――子供も消えた児童公園】
【薄く赤色から紫へ移ろって、様々な色合いを混ぜながら最後に青く蒼く染まる空の色】
【世界中がくすんでいくように暗く変わっていく最中、――ひとつ煌と明るい自販機の傍で、】

――――さ、むい……

【ぽちとボタンが押された音だけが明るく軽く、がごんと落ち込んだのはどうやら缶類のよう】
【やがて引っ張り出されるのはやっぱり金属的に艶めく缶、――あたたかいココアのそれだった】

【――染まる空の複雑な色合いで艶めく黒髪、腰ぐらいまでの長さは前髪に留めた髪飾りだけが華やかで】
【黒色と血色のオッドアイは手元に落ちたきり。右の耳にだけ付けたピアスは月白色で煌く宝玉の欠片をあしらったもの】
【包帯をぐるぐる巻いた首筋に付けた飾りの首輪、黒無地のシャツは淵を薔薇を縫い取ったレースで飾り立てて】
【レースアップを模した袖の拡がるアームカバー、左薬指へと痣が蛇のように指輪のように巻きついていたのを】
【ぜーんぶ包み込むようなケープは少しだけ長いもの、ふわふわと段であしらったフリルのミニスカートまでを隠しこんで】
【膝上までの長いレッグカバー、ちょっぴり覗くつま先の丸さと底の高い高いらしいことだけが、窺える、少女】

ずっと春でいいのに……暑くなくて寒くなくて涼しくて暖かい気温が続けばいいのに……!

【――空けた缶へ口をつけてするすると飲んでいく甘さ、ふわと暖かな吐息を零した直後に零していく愚痴色の言葉】
【鈴の音のような声を響かせてはだいぶ無理難題ばかりを言っているようだった、手を温めるように缶をぎゅうと握り締めて】
【言葉以上に寒がったように身体を縮めているのは少々気の早いよな仕草、本番を生き抜けないんじゃないか、なんて】

【――少し前からこの自販機の前を微動だにもしてなかった。悩んでいる風だったときはまだいいとして、今は、】
【ちりぢりと微かに人間と違った気配を零しながら、居るかもしれない誰かをひたすらに通せんぼしていた】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 18:42:41.10 ID:MkRkS7QZ0
>>601
はーい、了解でス!……っと、こりゃまた痛そうですネー……痣だらけじゃないですカ……

【不良共を撃退したとはいえ、この男性もそれなりに手傷を負っている。……無理もない。あんな大勢を無傷で切り抜けるなんて、拳法の達人でもない限り不可能だ。】
【痛がっている部分を見れば、そこかしこに出来ている青痣や生傷。見ているこっちが痛くなってくる程だ……。】
【何か彼に対して出来ることと言えば―――薬しかない。幸い薬に関してはお手の物だ。打撲や擦り傷なら何とかできる……はず。】

打撲数か所に擦り傷ネ……ヨシ、ちょいと待ってテ!打ち身にはもってこいの薬だってあるんだかラ!
――――ふム。傷は多いけど体が弱いわけじゃないネ。……なら、あれで大丈夫カナ?
えーっと、痛み止めはー……あった、桂皮と丁子ネ!腫れ止めは大黄と樸そくっト……

【意気揚々と背負っていた鉄箱から何やら木の皮や粉末を取り出す。調剤する手つきは妙なほどに手馴れていて、薬の扱いを熟知していることが伺い知れる。】
【―――普通打撲なら塗り薬や湿布だろう。しかし、彼女は今先程の粉末やらを……この場で煎じている。】

……川骨と甘草と……ヨシ、これを湯といっしょに飲んデ!

【――数分で出来た薬は、何と生薬を煎じた湯。漉し終えると、さあさあ飲んでと湯呑みに入った湯を差し出す。】
【少し苦いが、まあそこは「良薬口に苦し」ということで我慢して頂きたい。……効果はてきめんだろうから。きっと三日もすれば傷みも取れるはず。】

【同時に一応湿布も貼り付けておく。……漢方は即効性ではないから、とりあえず痛みを止めるその場しのぎのものではあるが。】


【湯を飲ませながら、そっと男の表情を伺う。苦みの方は大丈夫だろうか。……これが子供なら、凄く嫌がるんだよなぁ……】

ど、どうですカ?……まあ、美味しい物ではないんですけド。……美味しい薬なんて、都合の良い物は無いんでス。
お団子みたいな薬、作れたらなァ……

【最近子供でも飲めるような薬を試作しているのだが、なかなか上手くいかない。……ハァと溜め息をつき、思わず愚痴が少しこぼれる。】

……苦い薬と甘い薬なら、あなたはどっちがいいですカ?

//すみません、お待たせしました!
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/27(金) 19:35:23.36 ID:GPRyPgfK0
>>604

どちらと言われれば……まあどちらでもいけるよ

【男はそう言う】
【基本的に薬の味は気にしないのだ】

 ああ、それと気になっていたんだが
 なぜ君はこの裏路地に?

【男は少女に対してそのように聞いた】
【彼女のような少女が来るような場所ではないと思っているようだ】

/いえいえ、今日もよろしくお願いします
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 20:02:21.25 ID:MkRkS7QZ0
>>605
そうですカ、どちらでもいいですカ……ふぅ、大人だったらこうやってどちらでもいいって言ってくれるんですけド……
……子供だと、泣いちゃうんですよネ……ハァ……

【苦い薬は、その味のせいで子供が嫌う。効果は折り紙付きなのだが、如何せん飲むのを拒否されては自分はお手上げなのだ。】
【こんなふうに小さな子供も「どっちでもいい」なんて落ち着いて言ってくれればなぁ……無理な話か。】
【そのうち子供でも笑って飲める薬を作りたいなぁ……完成にはまだ遠いけど出来たら病気の子供も喜ぶだろうなぁと、この一心でいろいろ試作している次第だ。】
【――――病気が治った人達の笑顔が見たくて薬を作っているんだから。】


……よシ、これで大体の処置は終わったかナ?……痛みも1日置けばかなり引くと思いまス!まあ1週間は無理しないで下さいネ!

【最後の湿布を張り終えると、およそ少女の物とは思えないような優しい笑顔で痛みの事、安静にすることを伝える。……年端もいかぬ少女が、まるで熟練した医師のよう。】
【傷に対する処置もほとんど終わった所で、男性は彼女に話しかけて来た。なぜこんな所にいるのか……確かにその疑問は最もだ。】
【こんな人気の少ない裏路地に少女一人で歩いては、何があるか分かった物ではない。先程のような不良だってうろついている訳だし。】
【―――理由は一つ。迷っただけだ。気が付いたら迷い込んでいた、それだけ。地図まで用意して歩いていたはずなのだが……】
【丁度いい、ついでだからこの人に道を聞くことにしよう。彼がここらへんに詳しい人であることを祈りたい……】

あ、えーっト……目的地はココ、なんですけド……
……その、地図に書いてる道の通りに歩いていたはずが、何故かこんなところに来ちゃっテ……途方に暮れてたんでス。
で、さっきアナタとあそこに倒れてる人タチを見つけテ……道を聞こうと思たら喧嘩が始まっちゃっテ……
……あのー……ココ、ドッチに行けば着きますカ?

【困ったように道に迷ったことを男に告げると、恐る恐る地図を差し出して目的地をそっと指差す。目的地はどうやら赤い文字で研究所と書かれた地点らしい……】
【……指差した地点は現在地から遠く離れているようだ。どうやらこの少女は見当違いの道を来たらしい。男が道を知っていたなら幸いなのだが……】
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/27(金) 20:38:59.41 ID:GPRyPgfK0
>>606

 ああ、わかった無理をしないでおくよ

【その少女のちゅうこくをよく聞くようだ】
【そして、少女が裏路地にきた理由を聞き】

 ああ、なるほど迷っちゃたのか
 ふむ、ここか……ああ知っているよ、そうだな案内してあげようか
 なに、治療してくれたれいだ

【そして、男立ち上がりはそのように提案した】

 そうだ名前を言っていなかったな、自分の名前は天野公示だ
 よろしくたのむ
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 21:08:07.93 ID:MkRkS7QZ0
>>607
うン、それでいいでス!安静にしてりゃ二日もすれば傷みも取れてるでしょウ!……なにせ、ワタシの薬は効果抜群ですかラ!

【―――うム。素直に無理をしないと言ってくれた。そう、怪我は安静が一番の良薬なのだ。薬は人間の治癒力の補助に過ぎない。】
【無理をすれば治るものも治らない。案外その事に気付かない人が多いのだが、じっとしてりゃ軽いケガなら誰だって治る。】
【……例外もあるにはあるが。】

【さて、本題は道だ。何とかして研究所に辿り着ければ良いのだが……如何せん地図があるのに道が分からない程の方向音痴では、道を間違うのも仕方ない。】
【彼が道を知らなければ、また右も左も分からない道を彷徨い続けることになる……さあ、彼は道を知っているのか!?若干不安を抱きつつ恐る恐る聞いてみたところ―――】

【彼女の顔がパアッと明るくなった。よかった、彼は道を知っていた!しかも案内までしてくれるとは!感謝しきりの様子で彼女はペコペコとお辞儀。】
【これでようやく、彷徨わずに済む!……なんか、無駄に長い旅だった気がする。】

――――良かったァ!ホント、アリガトウございまス!もう、ドッチに行ったらいいのか分からなくっテ……
いやァ、案内までして下さるなんテ……何トお礼を言えばいいカ……!

【もう完全に悩みがなくなった様子で、ニコニコと笑顔を浮かべる少女。……余程これ以上道に迷わずに済むのが嬉しいらしい。】
【彼女は明るい笑顔のまま、くるりと男の方へと向き直る。案内までしてくれる人に名乗らないのは失礼というものだ。】

えーっト、ワタシは黄春燕でス!春の燕ネ!……もう秋ですけド!えへへ……というわけで早速行きまショー!案内よろしくでス!

【案内よろしくなんて言っておきながら、スキップして早く行こうなんて言いながら急かす。……まるでこれからお出掛けに行く小学生の少女のようだ。】
【……背中には先程の薬の入った大きな鉄の箱を負っている。こんなものを背負ってスキップ出来る少女なんて、いるのだろうか……。】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 21:32:45.24 ID:FXr1r+Fno
【高架下】

【澄んだ水面に一滴黒色を滴らせればそうなるだろう曇天の空が嗚咽を零し始めたのが数刻前、】
【一向に止む気配の見えないまま空は暗み沈み、果てには本格的に夜になってしまったのが今になる】
【抜け出せないままでいる事も濡れている事も全て放棄したと見える、三十代と思しき背高の男性が其処にいた】

【紅茶色の肩に触れない長さで揃えたソバージュの髪を片側だけ掛けて見せた左耳に、】
【澄んだ水の気配を抱く“月白色の宝玉”を銀のウロボロスが囲んだ形状のピアスを付けている】
【左右で瞳孔の大きさが異なるオリーブ色の気だるげな目を透かすダークブラウンのメガネを掛け、】
【灰色と黒色の細いストライプのスーツを纏い――左手薬指には“黒蛇の痣”が指輪のように巻き付いていた】

【傍には一振りの刀が立て掛けられていた。儀式用であるのか、それは魔術の気配を色濃く漂わせている】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/27(金) 21:35:36.08 ID:GPRyPgfK0
>>608

 ふむ、スキップはしないほうがいいと思うぞ
 その重さでは転ぶぞ

【天野は苦笑しつつもそう言った】
【ほんとうに元気な子だなと思いつつ】

【そして、天野は燕を案内する】

 ふむ、君は薬師なのかね
 見事な手際でもあったし

【天野は燕のさっきの薬のことを思い出しこう聞いた】
【このような少女があの手際をもっていることに感心していたようだ】

【そして、そうこうしているうちに研究所についた】

 ここだね君の目的地は
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 21:54:53.86 ID:KZbJe4jbo
【天下一武闘会運営事務所】

…えーと、参加希望なんだが…ああ、そうだ
プロフィール?…不詳とかできない?全部、出来ない?そこをなんとかさあ

【大会が近付くこの頃、名誉や金やはたまた違うか、様々な思惑で大会に参加する人間が増える】
【くる物拒まず…である筈だが、やはり困り者はいるものだ】
【別に暴れたり怒鳴ったりではないが、この希望者には対応する者も思わず苦笑いを浮かべていた】
【全てが不詳、名前も年齢も産まれた国も仕事も、全てを隠したいと頼み込むのは、その男】

…頼むよ、何とか!そこを何とか!

…名前?やっぱり名前くらいはないと駄目?リングネームでもいい?

【黒いスーツと革靴に身を包み、ベルトに刀を挿した男の姿は確かに戦闘の心得はありそうだが、如何せん地味───ある部分を除けば】
【獣の頭蓋骨が散りばめられた模様のネクタイと、頭を包む、狼を模したルチャ・マスクが彼の異様度を限界まで跳ねあげている】
【おまけに、マスクの上から眼帯で右目を隠しているのだから、もう怪しさゲージ振り切り状態だ】

『仮面闘士オオカミ』……違うな…『ウルフマスク』…地味だな…
…あ、これだ!

『マスク・ド・ガロウ』!マスク・ド・ガロウでどうだ!?これ行けるだろ!?
プロフィール不詳の男、マスク・ド・ガロウ!これで参加だ!

【…どうやら、一時間近いゴリ押しの効果は、良い方向に転がりそうである】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/27(金) 22:33:37.52 ID:MkRkS7QZ0
>>610
大丈夫でース!これぐらいで転ぶほどワタシはヤワじゃありませン!ヘヘヘー!

【尚もノリノリでピョンピョンと先を行く。……燕というよりまるで雀のようだ。そう言えば小さいところも雀そっくりな気がする……】
【きっと怪我をした体でついて行くのは大変だろうが、そこは我慢してほしい。多分、今の彼女の頭の中は目的地にたどり着ける喜びで一杯だから……】

【セミショートに切った髪を右に左にと揺らしながら、春燕は小気味よく歩き続ける。その姿は少女その物で、先程の手慣れた医師のような表情が嘘のよう。】
【時たまくるりと後ろを振り向いては「早ク早クー!」なんて言って彼を急かして、また歩く。】

【そんな風に歩いていると、思い出したように天野が口を開いた。なにか感心したように先程の薬のことについて聞いてくる……感心されて悪い気はしない。】
【というわけで薬のことについて聞かれると、春燕は嬉しそうに笑って言葉を返す。なんだかテストでいい点を取って褒められた少女のような表情。】

へへへ、そうなんですヨー!漢方の事ならお任せあレ、薬師春燕とはワタシのことヨ!なんちゃッテ、へへへ♪
大方の怪我や病気なら治せますヨ!少なくとも二日三日は掛かりますけド……バッチリ治りまス!
漢方ってのは即効性の現代医療とは毛色が違うんでス!……そのせいで現代の医学者に「あんなものは医療ではない」なんて言われたこともあるんですけド……
でも、大丈夫!ワタシの治療は適当なんかじゃりませんかラ!

【嬉しそうに漢方の知識を話す春燕。きっと漢方の話は研究所に着くまで続いただろう。……天野さん、小難しい話に付き合って頂きありがとうございます。】


【さて、ようやく研究所に着いた。……研究所と看板は出ているものの、まあ……どう見ても民家なのだが。】
【看板には「神谷自然科学研究所」と書いてある。見た目は民家でも研究所であることは確からしい。】

はい、ここでス!あー、やっと辿り着きましタ!ホント、何とお礼を言えばいいカ……ありがとうございましタ!
薬代は結構でス!何せここまで案内していただいたのデ……

【研究所の玄関先に着くと、改めて深々と頭を下げて礼を言う。何せ独りではここには辿り着けなかっただろうし、しっかり礼を言って然るべきだ。】
【頭を上げてもう一度「今日は本当にありがとうございましタ!」と一言告げると、少女は研究所の中へと消えて行った……】

//こんな所でしょうか!お付き合いいただきありがとうございました!
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/27(金) 22:39:00.44 ID:GPRyPgfK0
>>612

うん、まあ今度は道に迷わないようにね

【天野は燕が研究所に入っていくのを見てから自分も帰る】

 やれやれ、依頼は終えてあるし
 ゆっくりと家で休むか

【天野はそう言って家に帰った】
【今日あった少女のことを忘れないようにしておこうとも思った】

/お疲れ様ですた
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/27(金) 22:52:22.32 ID:DfjRuf7d0

【参拝客も居なくなってしまった、廃れた神社】
【だけれど、今宵ばかりは不思議と二つの気配があって】
【一人は、その身なりから考えるに巫女であろうか。もう一人は――――さて、確かに存在はしているのだけれど、まるで存在感が薄い少年】
【巫女とは言え、纏うのは妖気。狐の耳と尾が生えている所を見ると、妖狐の部類で在ろう】


「――――ええ。きっとお母さんもお父さんも待っていますから
大丈夫ですよ。何にも、怖い事なんてありませんから……もう、行ってあげましょう?」

『――――。――――?』


【何か言葉を発してはいるのだろうけれど、其れが明確な言葉になる事は無く】
【だけれど、巫女には聞こえているのだろう。少年が口を動かす度に頷いて、微笑んで】
【その手を優しく握ったならば、澄んだ声で祝詞が紡がれ始めるのだろう】
【――――やがて、少年が白い薄らいで消えたかと思えば、天へと上っていって】


「…………長い間、よく一人で頑張りましたね。きっと、お母さんも褒めてくれますよね……
……えっと……私も、そろそろお姉ちゃんを探しに……ひゃっ?!」

【其れが完全に消えてしまうまで、優しげな微笑みで見送り】
【――――気配が自分の物だけになったならば、ポツリと漏らした呟き】
【自分の姉を探すために、その場を後にしようと踵を返したならば――――不運にも、石畳の歪みに躓いて、ビタン!なんて音】
【……先程の様子から一転。果たして、その一連の流れを見ていた者が居るならば、どの様に見えるだろうか】







【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】
【パリパリと食べながら、お腹が空いた何て言うが――――手に提げている袋には、大量の中華まんの飽き袋があったりするのは、余談だろうか】
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/27(金) 23:19:34.75 ID:n/C1h1clo
【酒場】

【傾いてかけられた店の看板。チープがクールだと週末でごった返す店内】
【店内の人々は皆、同じようなポスターに釘付けで話題は一つだ】
【水の国の武道会―――誰が出るんだ、誰が勝つんだ。雑誌片手に語り合う】
【だが……人々の本当の興味はその”オッズ”。どんなものも此処ではギャンブルだ】

……そんなもの賭けたってしょうが無いだろうよ

【そんな店内で一人、ダーツに向かっている男がそうやって毒づいた】
【立ち飲みの丸いテーブルに缶ビールが数本と灰皿、マルボロの箱、ジッポーライタ】
【肘をテーブルにもたれかけながらダーツの矢を弄ぶ】

『ニィちゃんが賭けたら何だって外れるからなぁ。そう僻むなよ』

【馴染みの店主に茶化された男は苦笑いをして、掛けているサングラスを軽く直した】
【革のテーラードジャケット、黒いシャツ、首から下げた聖母マリアを模したシルバーのネックレス】
【やたら痩せていてやたら背の高く見た目も黒く、雰囲気も陰っているため、店内では少し浮いていた】

【男は煙草を手にとって、一本くわえては火を付けた。そして、ダーツの矢を構える】

……そーいうもんは自分で掴むもんだろう?

【投げたダーツの矢は的を射抜くが…大した点数ではなかった】
616 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/28(土) 00:55:41.69 ID:DqL0AkTT0
【街外れ――いつかに放棄された工事現場】
【風の吹くたびに掛けられたシートがばたばたと戦慄く、風のすり抜ける音がして】
【骨組みだけの身体は下から見上げればその隙間に低く紅い蜜柑形をした下弦の月を抱き締めて】

【本来ならば誰も居ないはずの場所、――けれど、組まれたきりで錆び付いた足場に、ひとかげがひとつ】
【見ようによっては今すぐにも崩れそうな細いパイプの上に危なげなく腰掛けて――ふらりと、宙に足を揺らしていた】

【――お月様の逆光に染められた髪は元よりの漆黒色、腰ほどの髪は風に煽られるたびに不定形のようにかたちを変え】
【黒色と血色のオッドアイが夜にきっと煌いていた、右の耳だけに付けた月白色の石を嵌めたピアスもきらりして】
【黒無地のシャツは刺繍入りのレースで飾り立てられたもの、段フリルのミニスカートも、またレースでふわふわと飾られる、のだが】
【その上に羽織ったケープ、マントと呼ぶには頼りないのが総て隠しこんでいる、時折風の子を孕んでは堕として、繰り返し】
【膝の上まであるレッグカバーに隠したのは底の厚い爪先の丸いブーツ、それもまた黒いなら、色素をどこかに忘れて来たような】
【――チョーカーを嵌めた首元やアームカバーをした手元にぐるぐると包帯が巻かれているようだった。そんな、少女】

…………、――

【伏せた目元はフェンスの向こう側、煌々と照らす街灯ばかりが賑やかな通りを眺めているらしい、石畳でも数えるよな挙動をして】
【辺り一帯をぐるりと取り囲む緑色のフェンス。本来ならば誰も通さないはずなのは、ただ、一角を誰かの手によって崩されていた】
【まるで強い酸性か何かぶちまけてやったように素敵に穴が開いていて。けれど今更通りぬけるなら何も害さず邪魔もせず、】

【――ざわと風に乗って靡くものがあった。人間と少しだけ違った気配と、微かに宝玉の気配と。どちらもが、この少女から】
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 01:24:02.43 ID:5eISwOzZ0
>>616

【荒廃した工事現場―――にて】

【すっかり暗くなってしまって、月だけが頼りとなった、そんな時間帯の出来事。】

【遠くには街明かりが。市街地からはそう遠くない、取り残された工事現場。】
【時折吹く風が、其の乾いた廃墟を通り抜けると、何故か異様な音に聞こえて―――】

【其れを面白いと感じて、やって来たかどうかは分からないが、】
【月明かりに照らされて―――其処に一つの影がフワッと浮かび上がった。】

【暗色の長袖のカーディガンに白いシャツ、ブラウンのカーゴパンツ。腰には小さなポーチ。】
【街に行って探せば、2,3人は会えそうな程、至ってありふれた服装。】
【ところが髪と目は特徴的で。紺に近い紫の艷やかな髪に、何処か凛としていて透き通った真っ黒な目。】

【こんな外見をした少年が―――工事現場の最も高い場所、壊れたアンテナの先っぽの上に片足で立って。】
【真っ直ぐな目で、月をじっと、じーっと見つめていた。】

【―――遮る物が無いまま当たる風は、予想以上に冷たいらしくて。】
【無意識の内に身体全身がブルっと震えた所で、少年は帰ろうとし、音を立てる事無くアンテナから飛んで、着地。】

【近くの階段の方へ歩き、降りて。もう一つ降りようとした所で見つけたのは―――】

【コンクリート、鉄筋が剥き出しになった場所。誰も居ないと、誰もが思う場所。】
【この暗い場所、本来なら見間違いだ、と考える。然しこの少年、やけに自信のある声で―――】


ん……?そこ、だれかいるよねー?おーい、だいじょうぶかなー?
618 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/28(土) 01:42:16.79 ID:DqL0AkTT0
>>617

【突っ立つだけの骨組みと、組まれただけの足場と、襤褸布のようなシートと】
【敷地内に散らばる錆び付いた工具だけがその場の総てだった、完成などするわけのない時間の止まった場所で】
【真新しい建物の匂いを誰かが嗅ぐことすら叶わないこの場所で、――ぽつぽつと異彩がふたつ、あったなら、】

……――ごきげんよう、

【――わざわざフェンスを溶かしてからの不法侵入は音など立てないもの、ならば気付かれていないのも仕方ないか】
【けれどこちらからは気付いていたようなのは、例えば驚いたような態度が薄いことから、或いは探れたのかもしれない】

【ふらと振り返る首の動きに合わせたように風が一陣吹きぬける、本来真っ白い肌をした顔を黒色が刹那覆い隠して】
【はらはらと風が散らしていくごとに顔が少しずつ見えていく、――存外幼い顔付きをした少女だった、まぁるい瞳】
【まるで蛇のように艶めいた丸い瞳ばかりがいやに目立つ、そっと瞳を細めて、乱れた黒髪をかき上げる仕草、混ぜ込んで】

こんなところから堕ちたって何ともならないの、お父さんの腕に抱きとめてもらうんだから。

【ひとの腕ほどしかないようなパイプの上、だった。いっそう強い風が吹き抜ければ堕ちてしまいかねないような、場所】
【それでもまるで平気とばかりに笑う声が鈴の音のように響く、それでも一応パイプをぎゅと掴んだ指先があって】
【そっと垂らした足の片方を持ち上げてみる、そんな仕草を混ぜ込んだってぶれない身体は、つまり、慣れているらしい】
【(――そんなことを言えど少年と少女以外の影などないようだった、何か別の事象でも指して言った言葉なのか】

……煙?

【――悪戯っぽく細めた瞳がからかう色合いに染まる、浮かべた笑みは薄っぺらにお月様に照らし出されて】
【馬鹿かと尋ねないのはそれでも良心だろうか、高いところが好きなのかと問うのは、(ひとのことなんて言えないけれど)】
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 02:04:39.17 ID:5eISwOzZ0
>>618

カツ、カツ、カツ―――

【音が鳴る様な物と言えば、其れは矢張り風ぐらいであって】
【辺りは静寂が支配していた。だからこそ響き渡る、少年の僅かな足音―――】


えー、えーっと……こんばんは、……えっと、お父さんの腕……?

【『よく考えたら、あんな所、"普通の子"なら掴まろうとさえ思わないよなー…‥』なんて思いながら。】
【危なげなく其の体勢を維持できている事からも、少年は安心して見ていられる事が出来た様で。】

【近くには、丁度対になる様にむき出しになったパイプ。】
【2m程の高さは在ったものの、それを『よっ』と言いながら掴まっては、身体をクルッと一回転させて其処に座る。】


え、煙…?
……ああ、それって、"馬鹿と煙はー"ってやつ?
あははっ、そーかもしれないね。俺は、結構、バカだなーって言われる、かも。

【ふと少年はキョロキョロと辺りを見回してみる。】
【至る所に、不良がスプレーで書いたであろう落書きが、視界に入る。】
【其れを見ると、新しい建物の筈なのに、何故か、古びた雰囲気を感じ取って―――】

【『錆びてはいるけど…之を"寂び"とは言わないかなぁ…』何てダジャレを思いついては】
【パイプをギシギシと震わせては、一人でクスクスと笑っている事だろう。】

【何やら思い出した様に、少年は腰につけたポーチをガサゴソと漁り出す。】
【『おっ』と嬉しそうに取り出したのは、お饅頭より少し大きい位の、謎の食べ物。】

あ、あの。
これ、けっこう、おいしいけど、たべる?
620 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/28(土) 02:41:28.05 ID:DqL0AkTT0
>>619

【たくさん張り巡らされた足場はまるで人工の蜘蛛の巣のよう、ひどく古錆びた蜘蛛の巣、住まうよなふたり】
【それでも一応身体を支えるように掴んだ手元が生き物染みた温かみを持つ、人間じゃないくせにそのふりをする擬態の中】

教えてあげない……――。 ひみつ、

【鈴をころりころ転がすような音で笑う、言葉のお終いは風に攫われて溶けていく、乱れる髪をそっと指先が捕まえて】
【その左手にある誓った指輪を模したような痣は――何か答えに導くような気がするのに、何かが明確におかしい気がした】
【口では確かに“お父さん”と言ったのに。そこに宿す色合いが、染める色合いが、(親子愛と呼ぶものを孕みながら明確に違え)】

……要らない、さっき食べてきたの。

【――なにかおかしさを確かに無視して紡ぐ言葉は確かに拒絶を示す、ふらと揺らす首は】
【それが本当なのか違うのかはさて置いて受け取るつもりは微塵もないらしい、向けた視線を一度逸らしてしまえばそれまで】
【ふらと揺らした足がパイプのひとつを蹴っ飛ばす、――こーんとどこまでも反響して響いていく音が、夜にひとつ彩りを増やして】

…………、――冬なんて来なければいいのに。

【身体に纏わりつくような薄手のケープの布地を寄せる、ひとつ吐息を吐いてみるのは何かを確認するように】
【続けるように呟くのを見ればどうやら色合いでも確認していたらしいと手繰れるだろうか、伏せた瞳はどこか不機嫌めいて】
【いっそう身体をちいさく縮こめるならばどうやら寒いらしかった。――それなら降りようとは、どうにも、思わないらしいけれど】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 03:06:16.18 ID:5eISwOzZ0
>>620

えーっ、おいしいのに……
まぁ、食べてきたなら仕方ないよね。うん、仕方ない……か……

【拒絶されてしまった。美味しくなさそう、という意見では無かっただけ、まだマシだっただろうか。】

【包みを開けて、少年が一口齧ったのは、"兵糧丸"という食べ物。】
【周りにコーティングされたきな粉がほんのり甘くて、蕎麦と胡麻の香りが口いっぱいに広がる。】
【噛めば噛むほど、どんどんモチモチしていく食感が癖になる、なんて言っている様だが―――】


【少年は、時折『うんうん、』だとか『やっぱ美味しー!』なんて呟きながら】
【其れを両手に持って、一口、また一口、と。かぶり付く其の勢いは、留まる事を知らない様で、】
【丁度野球ボール大の兵糧丸2つ、ペロッと食べてしまった。】


―――寒い?
えっと……ちょっとまってね。………ほいっ。

【少年は羽織っていたカーディガンを脱いで、今度は必要かどうかを聞かないまま、少女に向けてポイっと投げた。】
【其れは仮に少女が受け取れなかったとしても、丁度膝の当たりに掛かる様、正確に。】

【然しながら少女を襲った秋の風は、少年にも同じ効果をもたらした様で】
【丸で共鳴するかの様に、少年も身体を縮こませた。】

うーん。このままだと、俺も寒いからねー……『変身っ!』

【突然何を言い出すのか、なんて思い少年の方を見たなら】
【其処には"丸で忍者の格好をした何者か"が居る事になる。―――最も、彼は本物なのだが。】

【少女に、『冬なんて』と言わしめた風が、少年の真っ赤なロングマフラーをパタパタと靡かせる。】
【今度は吹き付ける風を諸共せず、寧ろ『ほら、カッコ良いでしょ?』と、少年はマフラーを見せびらかしている様だが―――?】
622 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/09/28(土) 03:44:01.08 ID:DqL0AkTT0
>>621

【――おいしいのに、なんて。言われて、目の前で食べられて、ただ子供みたいにころと意見を変えたりはしないまま】
【時折視線が向いていたことだろう、手持ち無沙汰とでも言うような色合いで。別に行儀など口出ししだすでもないなら】
【そのまま放ってやるのがきっと吉。言葉も意味も何もないままに首を傾げた、風の凪ぐ間にはらりと髪を揺らがせて】

いいの、……もうすぐ帰るから、いいの。

【脱いでいる時点から既に拒否の姿勢だった、その最中には既に要らないというよな声が放たれていて】
【それでも投げるというなら。悪戯風が笑うようにしながら攫っていく――ということもない、ただ、狙い通りにたどり着くのを】
【どうにも困ったような視線が追いかける、どこかへ行ってしまわないように指先で押さえて捕まえて、そっと摘み上げれば】
【――傍のパイプに着せるように被せるのは。返そうとして押し問答になるのを嫌うものでも、本人を前にしてはどうなのだろう】
【(きっとひとによっては失礼にも見えるだろう、そもそも受け取ってしまったのだしと甘んじるような態度が、まるでなくて)】

【告げたのは確かに時間を思えばおかしくもないことだ。昇るのが遅かった月だって、もうだいぶ高いところまで来ていたなら】
【時計がなくたって大体の時刻は察せられる。少なくとも――少年少女の出歩くよな時間でないことだけが、きっと確かで】

……なあに、棺桶でも引っ張るの? 向日葵はもう枯れちゃったと思うな、

【――忍者。ニンジャ。櫻生まれの文化なら、それに有名なものなら、知らないわけでもないもの、ただ、】
【忍ぶべき人種であると記憶していた。それなら真っ赤に真っ赤に咲き誇るのはひどく場違いに思えて、瞬く間】
【やがて首を傾げながらに呟いてみるのは、――まあそんなに気にするべきでもないのだろう、当人だって、投げっぱなし】

【パイプへと持ち上げて乗せた足がごうんと遠くまで反響を響かせる、ひょいと立ち上がった刹那、風に煽られて刹那振れる身体は】
【ただきちんと別の金物を手が捕まえて無事。底とヒールの狭間を足場に引っ掛けて、寧ろ座っているときよりも安定感を見せたなら】

眠たいから帰る……、ばいばい、次は――、

【先に予告したとは言え。実際の行動に移すのが少々急に思えた、視線はふらりと月明かりに照らされる赤茶色の土を見下ろして】

――地面の上で。

【――最後に一度風に押されたのは仕草をいくらか勢い付ける、バランスを崩したように足場から宙へ身を躍らせるのは、】
【まるで事故的落下のようであって、ただ、怯えたように変わる表情だけがない。さも当然のように浮かべるのは、まあ、当然か】

【長い髪がぞろぞろと風に煽られては何か掴まるものを探すように暴れる、スカートの布地が翻って、ただ、何が見えるでもない】
【ただひたすら落下軌道に桜色した魔力の煌きを敷き並べ、それがグラデーションのように徐々に黄緑色の含有量を増やしていき、】
【最後に一度黄緑色が弾けるようにしてその姿が消えていた。落下とは真逆に立ち上る黄緑色の燐光だけを空中へ置き去りにして】
【軌跡へ残された桜色が花弁のように散り落ちていく、その最中で黄緑色の残滓を連れ去って、ふたつの色を風がどこかへ攫っていって、】
【――最後に残したものなんて。パイプに引っ掛けて行ったカーディガンのかたちだけ、はじめからだれもいなかったような、沈黙で】

【(平然としているようでその実やはり気を張っていた、いざ落ちたってこうしてどうにかする手段があったとは言え、)】
【(眠たいからと切り上げたのはそんな事情もあったのだろう、それなら次回は地上をと指定するのだって、まあ、分かりやすかった)】

/すいませんやっぱり眠たいので……おつかれさまでした
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 04:25:58.77 ID:5eISwOzZ0
>>622

【―――又、断られてしまった。少年は、純粋に後悔する。】
【少年の善意は、彼女にとっては不要だったのだろう。或いは、だろうか。】
【兎に角、少女の意図は読み取れないままだった。その上2度も拒絶されてしまえば、しょんぼりするのは当たり前であって。】
【彼女の傍に掛けられたカーディガンを見ながら、少年は少しずり下がった口元のマフラーを元に戻す。】

【少女が『帰る』と言ったなら、少し落ち込んだ少年も、それなりの挨拶で返して】

……あ、うん。じゃーまたね!
えっと、ごめんね、その……いろいろ、気を使わせちゃった、みたいで……

【考えている事が良く分からない。もしかすると、嫌われているのかも知れない。】
【だとすれば、真っ先に取るべき行動は謝罪だった。押し付けて申し訳ない、と。】


【やがて少女は帰って行く、其の様子を見ながら何度かヒヤッとして、思わず腰に備えてある縄に何度か手が掛かったが】
【一度たりとも変わる事無い其の表情を見、『アレもあの子なんだろう、』と苦笑い。】


【―――厄介な場所に、残されたカーディガン。】


【自分から動くのも何故か億劫になって、彼女に使いそうになった縄を、今度はカーディガンの為に。】
【丸で釣りの様に引っ掛けて、クイッと取る姿は御手の物。】
【一人で『変身っ!』と虚しく叫んでは、急いで其の獲物を羽織る。】


【あの少女さえ居なければ、このコンクリートの塊に、人の姿は無いはずだった。】
【する事は無くなった、とすれば、やがて少年も、薄くなった月明かりに照らされながら、再び闇の中へと消えて行くのだろう。】

/お疲れ様でした〜ありがとうでしたー!
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 21:32:01.19 ID:e6tbZyO0o
【櫻の国――旅籠から離れてしばらくした草原に、足音と金属音、人の吐息が混ざり合う】

【月の元、煌めき躍るは二つの白刃。双刃は双輪を画き、弧月の元弧月の複製を生み出し続ける】
【その音響の。その煌めきの大本は――一人の侍と、一人の少女。どちらも手に握るのは、刃】
【しかし、その様相は随分と違う。一方の侍は、冷たく輝く一振りの名刀。幾度も血を吸い続けてきた剣は怪しい美しさを感じさせ】
【一方は――紅。血と炎を押し固めたような、紅すぎるほどに赤い刀身、柄まで赤いそれは蜃気楼を纏いその姿を揺らめかせた】

【斬り合いは何時から続いていたのか。上半身にサラシだけを纏った袴の少女の皮膚には、ギリギリ致命傷を避けた負傷が幾数も見え】
【それは少女だけではなく、相手もそうで。侍もまた、焼け焦げた服と肉の焼ける不快な匂いを振りまきながらも必死に戦いを続けている】
【互いに互いの視線を交わし、死線を躱してきたこの衝突――死合】

「……ッァ……!」/「……ッぐ……!」

【ひときわ高い音。互いにつばぜり合いによって傷が痛み、互いに表情が歪む】
【一時の拮抗は本当に一瞬で。刃と刃の触れ合いは即座に離れ――距離を取って、再度の衝突へ加速した】
【右と左から駆け、東と西の位置取りが中央へと迫りゆく。そして、中央で交錯するべく、加速は加速する】

「ッハ! ッハハハハッハァ――――――ッ!!」/「う、オオオオオオオォオォォッ!!」

【衝突の様は対照的。童女の様に無邪気に、気狂いの様に高らかに笑い駆ける少女/相手の総てを刈り取らんと獣の雄叫びで疾駆する侍】
【互いに磁極が惹かれ合う様の如くに加速し、加速し加速し――衝突】
【次には金属音は続かない。響いたのは――水音だ】

「――――楽しかった、掛け値なしに。また何時か、地獄で会おうか」

【脇腹を半ばまで裂かれ脊柱を両断されたまま立ち尽くす男/男の背後で刀を振りぬき嬉しそうに微笑む女】
【女の姿がブレ――立ち尽くす男の首から上のシルエットが失われ、重い何かが地面に堕ちた】

【残心/残身】

【肉塊となって落ちる男。――血臭、死臭を運ぶ秋の風に、椛の紅がざわりと揺れた】
【――月下笑うのは一人の鬼】
【返り血と自分の血に塗れ、振り乱された紅の髪を更に紅に染め上げて】
【紅蓮の剣を何かに捧げるかのように掲げ持ち――砕け散らせた。椛の葉となって、散って消えた】
【月明かりを浴びて輝くのは――一対の黄金の角。起伏の少ない身体を軋ませながら、赤い鬼は近くの岩へと背を預けて】
【月を見上げながら――しばしの微睡みに落ちていった――――】
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/28(土) 21:55:37.04 ID:BtOyKSmdo
>>624

……―――真逆の剣だ。
―――ああ、敗れた男と君ではなく……俺の剣と、という話だ

【落ち着いた声色は、彼女の意識を妨げるのかも知れない。彼女が微睡んでいることは、背中側に立っていたせいか彼には解らない】
【瞼が落ちていることがはっきりと解っていたのなら声はかけなかったのだが、結果的に彼女の邪魔をすることになってしまって】
【―――ゆらりと現れた男、実は最後の一閃、死合をその濡羽色の双眸に刻み込んでおり。そしてその勝者の剣に何かを感じて―――言葉を飛ばした様で】

―――人ではないな。……その角を見て言ったのでは無く、剣を見て言ったのだ。
……人間に出来る剣ではない。少なくとも、俺とは違う。動きも、剣気も―――

【秋風に羽織った薄藍のインバネスを、袴が揺れる。左腰に佩いた茜色の鞘に納まる刀を見れば―――否、発言や彼の雰囲気で明らかだが、彼も侍】
【―――落ち着いた、熟練の老兵の様な雰囲気を醸し出す彼は黒髪を軽く掻き上げて、彼女の反応を待った。全く動かなければ、その内微睡んでいることに気付くだろうが】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 22:05:36.05 ID:e6tbZyO0o
>>625
【こくりこくりと船を漕いでいた少女は、後ろから聞こえた声も近づく気配にも動じる様子は無い】
【気がついては居るが、すぐさまに斬りかかられる様子は無かったため、殺気も敵意も戦意も表に出す事は無い】
【相手の言葉を聞いてから一秒、ゆるやかな動きで女は立ち上がり、振り向いた】

「……ああ――、君の気は私とは全く違うようだな。
こんばんは。どうも今日は美味しそうな戦いが出来る人とよく出会うみたいだ」

【振り向いた少女は、欠伸を漏らしつつも、先ほどまでの印象とは異なる涼やかな表情と笑いで言葉に答え】
【しかしながら、最後に浮かべた犬歯をむき出しにする笑みは――どこか狂犬めいていたのは間違いない】
【背から両腕にまとわりついている、紅の文様は本物の炎かのように時折揺らめいた】
【炎の舌の向く先は、目の前の侍。この文様の動きは、少女の心の動きに呼応しているのだろうか】

「これでも私は元人間なんだけどな。……まあ、お祖父様の剣も大概だったし――人の剣じゃない事には同意しておこう。
でも、君も大分変な技を使うように見えるがな。足の置き方とか、重心の在り方。ちょっと面白いぞ?」

【相手に人ではないと言われてなお、朗らかに肯定してみせる少女】
【恐らく少女が戦う理由は、本能的なもので。性格だけで見れば比較的に善良なものなのは間違いないだろう】
【それでも本能は素直。嗅覚は、相手の様から漂う異様を即座に嗅ぎつけ、女の笑みを濃く深くしていった】
【試すように殺気を一閃。これに呼応して迫るようなら戦いを挑み、これに気づいて受け流すなら戦わず、そも気づかぬなら旅籠まで送り届ける事だろう】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/09/28(土) 22:26:10.07 ID:50S6Kif7o
33 名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! sage 2013/09/28(土) 22:21:53.45 ID:BDWqjG5p0
ラギが本気で気持ち悪いって愚痴
自分はGIFTありきでキャラ量産してたよな?
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/28(土) 22:39:10.77 ID:BtOyKSmdo
>>626

……剣を交える気は無い。―――理由も無ければ、そちらは連戦。
―――第一、俺の剣は「護る為の剣」だ。……見た限りでは、君のはそういう剣とは違うだろう?

【その笑みに秘めた攻撃的なモノは感じ取れたが、返す言葉は其れを受け流すような内容。興味は有るが、交えるつもりは無い】
【―――刀を抜く時の理由としては、興味というのは不適切。彼にとって左腰の其れは、自分と人を護る為だけに存在するのだから】
【……それに痛いのは嫌いだ。彼女と剣を交えたとして―――どちらかが勝つなど想像は出来ないが、大怪我することだけは容易に想像できる】

―――……良くお前の歩き方は幽霊だとか、気持ち悪いとかは言われるよ。まあ、これも弱者の知恵……
俺には君の様な化物染みた身体能力なんて無いからな……工夫をしなければ生き残れない。

なんというか、人間の身体の未知の可能性を活かした剣……と言えば大層立派に聞こえるかも知れないな?
―――だから、全く違うと感じたのだろう。人ではない君の剣と、人の可能性を追求した俺の剣……フフッ、俺なんかよりもよっぽど面白い剣を持っている癖によく言うよ

【彼女の剣は彼女にしか出来ない剣だ。自分の剣とは違う。確かに今では自分だけの持つ剣技だが―――努力次第で誰でも取得可能だ。その努力も、並大抵ではないが】
【彼女の剣は、努力でもたどり着けないものがある―――と男は感じた。故に極微量の憧れを、微かに心に抱えていた】
【―――静寂を中を貫くは、殺気。……男は一瞬濡羽色の双眸を鋭く細めたが、ぶらりと下げた両手が剣に触れることは無い。……その後、ゆっくりと笑みを形成して―――】

フッ……これは俺が悪いのかも知れないな。戦う気が無いとは言いながら俺の剣は、俺の剣はと自分語りしかしていない―――
実際君がどう思ったのかは知らないが、もし興味を持ってくれた故に放ったモノが其れなら申し訳ない……

―――其れでも、戦うことは出来ない。戦うなら今度の大会にしてくれ。……一応俺は、その大会の解説を任されているのでな

【小さく笑いを零しながら、自虐的な事を述べる。殺気に応答することは無いが、代わりに告げたのは「大会でしろ」という言葉】
【第3回水の国天下一武道会―――彼はどうやら、解説役らしい】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 22:46:17.87 ID:5eISwOzZ0
【星の国――――ブラックマーケットにて】

【高度な情報技術により、最も近代化に成功した場所、星の国―――】
【其の中枢部に位置する"シティエリア"には、兎に角、超高層ビルが"群生"していて。】
【其れは、他国と変わらない唯一つの"空"が、見られない程。兎に角発展した国、であった。】

【"街"が凄ければ、"市民"も凄まじく―――】
【国中に幾つも存在する繁華街は、其れは真夜中であっても、勢いが留まる事を知らず、】
【眠らない都市―――なんて表現は、此の国の為に在ったのかも知れない、と思える程。】


【繁栄を誇る場所が存在するなら、当然其の逆―――所謂、"スラム街"も存在した。】
【今回舞台となるのは、其の街の中心部に位置する、"ブラックマーケット"。】
【薬物、拳銃、火薬類、化学物質―――ありとあらゆる法外な商品が、其処では売られていた。】


…………―――

【―――其処ら中に並べられている違法商品を、ブラブラと歩きながら。何やら物を見定めている少年が、一人。】
【黒みがかった赤色のオーバーコート、ブラックパンツに身を包み。右手の薬指には銀の指輪、】
【更に、艶のある髪は銀色で、眼は惹き込まれそうな程深い赤色…という事は、特徴的だろうか。】

【特に此処は、"ブラックマーケット"である。店主や客は、フードを被る等して目立たぬ様、工夫している事を考えれば―――】
【少年の服装は、何処か浮いている、のだった。其れに加え、16歳程であろう年齢も相まって、一層目立つ事になる。】


【―――かなりの時間、少年は其処を歩いているが……探している物は、中々見つから無いらしい。】
【尋常では無く広いこの市場。何処かに、きっと、置いてあると思っている様だが―――?】

630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 22:58:37.70 ID:e6tbZyO0o
>>628
「はは、理性的だな。難しいことを考えるのは得意じゃない私としては、ちょっとびっくりだ。
――私の剣は『斬る為の剣』。善悪も無いし、理由も要らない。――戦うのに必要な理由なんて、そんな大層なものでもないだろう?」
面白そうだったから、気分が良かったから、気分が悪かったから、詰まらなかったから、好きだから、嫌いだから――そうしたいから。
君には大層な理由が必要だろうけど、私にはそれくらいで十分なんだよ」

【石の影に隠しておいた大きな背嚢を開き、中から大きな水筒を取り出す女】
【水筒の口を開いて、頭から勢い良くふりかけ、全身の血を落としていく。白い肌を滑り落ちる水滴、水滴は赤く染まりながらも女の紅を本来の紅に戻していく】
【目を僅かに細めながら意識を集中していると、数分もしない内に女の着ている服からは水気が失われていくことだろう】

「はは。人間の可能性とは案外凄いものだし、技って物は本来強者の為のものじゃなくて弱者のもの。
死ぬ前のお祖父様の剣なんて、人間だけと未だに勝てる気なんてしないしな。可能性と言う点じゃ人妖に差なんてないだろ?
だから謙遜の必要なんて無い。――君の技は尋常ではない。だからこそ、この身を刻まれてみたかったけど」

【朗らかに笑いながら、人間愛を説くかのように、人間の可能性について語っていく女】
【強くなるという意志が有り、努力を続ける限り人にも妖怪にも限界など有りはしない、可能性は無限である】
【女はそう思うからこそ――人でも妖怪でも男でも女でも老年でも青年でも壮年でも少年でも平等に、剣を交えたがる】
【邪気の欠片もない――純粋に殺意と戦意だけの殺気。悪意の無いその殺意は不思議なほどに澄み切っていた】

【そして、その殺意を受けてなお――反応しても呼応し警戒はしない相手を見て、少女は笑う】
【ここで乗ってこないのならば、もう戦うつもりは無いとばかりに。表情からは険が抜け、殺気も即座になりを潜めた】
【戦闘狂ではあっても抜身の刀ではない様で、収めるべき鞘を持ったバトルジャンキーが、この剣姫/剣鬼の様だった】

「戦いたがらない相手と切り結ぶのは楽しくない。楽しくないからやらない。したいのは死合であって、殺人じゃないからさ。
……そうか。大会の解説な――、ならば大会が終わった後に挑ませてもらおうか。
そちらは此方の剣を知り、此方はそちらの剣を知らない。――うん、十二分。万全も万全の状態だな?」

【少女は背嚢からおにぎりを取り出して、石の上に座り込んでモグモグとおにぎりを頬張り始めて】
【戦いたがらない相手とは戦わないという少女独自のルールを説明しつつ、おかかの味に舌鼓を打った】
【相手が水の国の大会の実況である事を理解した後に、こちらが参加者である事を語り、その上で終了後に挑むと宣言する】
【此方の手の内を晒した状態で相手の技の分からぬ死合。不利であるのは間違いないのにそれでも嬉々として挑むのは、苦戦すらも楽しめるから】
【むしろ、欲しいのは勝利でも敗北でもなくて――死闘だからこそ。強者との戦いは望むところで、不利もちょっとしたスパイス程度でしかなかった】

【歪に見えてどこまでも真っ直ぐな少女の様は、異様なまでに戦闘に固執する狂人の有り様】

【だがそんな狂人じみた少女は今、鼻歌を歌いながらおにぎりを大口開けて頬張って、麦茶を左手で探っているのだった】

「おふっ……! んぐぐぐぐ……!」

【そして喉におにぎりを詰まらせる。目を白黒させながら、なぜか残りのおにぎりを口の中に押し込んで、頭をぶんぶんと振り回す】
【長い角が風切り音を響かせながら空を割いている。手をばたばたと動かしている辺り、どうやら飲み物を探しているようだ】
/*明日朝からバイトなので、12時過ぎには凍結お願いするかと思いますー*/
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/28(土) 23:09:55.03 ID:REXxy3XF0

【人通りも疎らとなり始めた待ちの一角――――】
【櫻の国の支店なのか、「ゆ」と書かれた暖簾の前で佇む人物が一人】
【軍服を一切の乱れなく纏い、制帽を被った少女。自警団の腕章を腕に通している様からは堅物の印象を見て取れるけれど】
【…………今宵は、その表情を悩ましげに歪ませていて】


「困ったでありますね……既にもうお金的には厳しい状況でありますが……
で、でも。今日は人一倍頑張ったので自分へのご褒美という考えもあるであります…………」

【藍色の瞳。決心したように上げたならば、暖簾へ手を掛けて――――】
【やはり、一歩下がる。そんな状況が、先程からずっと続けている有様】
【道行く人は珍しそうに見ていたり、遠くから眺めていたりするが…………本人は、その事なんて知る由も無く】


「…………一度の入浴代で、外食一つ食べる事が出来るであります
私だけならまだしも、ちゆ姉も一緒となれば確実に足りない金額であります…………
だけど、今日くらいは…………」

【まるで、難問に挑む刑事。眉間に皺を寄せれば、一歩進んだり一歩退いたり】
【――――最近は、夏の気候も去ってしまい、冷え込んできている】
【ならば、この銭湯に訪れる者が居たって、不思議では無い話】








【普段ならば、僅かな月明かりも差し込む事が無い森の奥地――――けれど、今日ばかりは赤々と照らされていて】
【ポツリポツリと降る雨。同時に感じるであろう、魔力の塊。人が纏うような其れでは無く、まるで魔力だけが其処に存在している様な違和感】
【疑問に思って覗いたならば――――きっと、一人の少女が視界には映るであろう】
【ブカブカな学生服の上だけを纏い、裸足の脚は土で汚れた少女。まるで、人間の子供の様にも思えるが…………漂う気配は、確実に異なっていて】


「雨は、冷たいから嫌い。…………暖かい雨が降ればいいのに」

【朱色の髪を雨に濡らし、その手指も泥で汚していて】
【まるで野生に生きる獣の様な姿。時折天を仰げば、木の葉の隙間から滴る雨粒に、顔を顰めて】
【不規則に響くのは、ジュウジュウといった音。その場を照らす炎の中に落ちて、一瞬で蒸発する音】


「…………眠い。此処なら…………寝れるかな…………」

【重力に負けるかのように、閉じたり開いたりする瞼】
【それでも額や頭に雨粒が落ちたなら不快そうに掌で拭ったり何てして】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/28(土) 23:42:08.62 ID:BtOyKSmdo
>>630

……だろうな。見ていたら解ったよ。でなければあんな笑みを浮かべながら死合など出来ないさ……
―――で、それも人ではない君の特徴かな? ……気候を考えると、少々乾くのが早すぎる気がするのだが。

【腕組みをして完全に戦闘態勢からは遠い形になりながらも、先程の笑みで和らいだ目付きは少し鋭くなり―――遅れて、その現象を言及する言葉】
【―――少しの静寂が流れ、二人の間を乾いた風が通る。草原が靡くと同じように、黒髪が、袴が、インバネスが横に流れる】

……確かにそうだが、その間の壁は、優位は―――相当なモノ。人と人妖……君は人妖なのか。まぁ、その差も大きければ―――
それと同じように、人の間でも。―――無能力者と能力者の差、それも大きい。俺が足掻いて身につけてきた技でも、埋めきれるか怪しい程の差だよ……

其れでももっと足掻いて埋めるしか、無いのだが―――後、幾ら欲しがっても見せるわけにはいかないぞ?
恐らくそれ程大したものでは無いし、如何せん地味だ。所詮人、しかも俺には腕力も脚力も優れていないのでな……あるのは「技」くらいさ

【可能性は無限、確かにそうなのだが―――「強者側」に属するであろう彼女が言っても、というのが正直な感想だった】
【だが話に出てきた「祖父」……人間でありながら、確実に彼女の上を行くらしいが―――……どれ程の猛者なのだろうか】
【色々な武を吸収し、技術を練り込んできて生まれた彼の「武」でも、知らない世界がある。死んでしまってもう居ないようだが、その人物への興味は深かった】
【―――彼女と共に、男も笑みを浮かべる。剣を振るう時に感じたモノとは違った。彼女はただの戦闘狂―――というわけではないらしい。ならば余計に強いだろう、と感じた】

【―――その後に発した彼女の言葉。男は一瞬身体をぴくりとさせ、そして―――笑い声を草原に響かせる】

……ックックック―――ふふふ……そうか、そう来たか……成程。確かにそうだ……そう来られたら勝ち目がない。
―――嗚呼、見せるしかないじゃあないか……

【軽く額に左手を当てて笑い出せば、男は左手を鞘に、右手を柄に添えて―――】

              << ふっ―――!! >>

【―――短く鋭く声が漏れたと思えば、いつの間にか茜色の鞘が銀が抜かれていた】
【一切右手が動いておらず、まるで鞘がいつの間にか透明になって消えたような錯覚に陥りそうな程で。右手ではない、体捌きによる全身で刀を抜いた】
【体軸、体幹、膝の抜き―――浮身、更に背骨と両足の位置関係などの要素が重なって可能になった居合―――速いのだが、それは剣速ではない】
【脳は一部分の動きには敏感に反応するが全体の運動には悠長―――それによる認識の遅れと、技そのもののキレ】
【更に最高速度が抜いた直後に来ることで―――更に体感速度は増す。剣速では確かに彼女に劣るだろう。しかし工夫とキレが、其れをカバーする】

【刀身が動かない、鞘だけが後ろに消えるという異例の抜刀―――これが弱者の、彼の足掻いた末に会得した技の1つだった】

                    ―――……「一刀正伝唯刃流 幽牙 」

【ボソリと零した言葉、しかし彼女に視線を送ると何故か喉を詰まらせていた―――男は、無言で其れを凝視していた】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/28(土) 23:53:49.39 ID:sVnY9bBZo
【とある酒場】

【オープンテラスもあるその店は本日、店員総出の立食パーティーの最中だった】
【店のオープン何十周年記念だとか、そういう理由で開かれた宴は、しかしたけなわ】
【騒ぐ者よりも談笑する者が多い中で一人だけ、通りに面した二階手摺り付近に男が居た】

【格好は一言で言えばマフィア。クリーム色のスーツ、ハット、金のアクセサリーにサングラス】
【手元には琥珀色の液体が注がれたグラスと、それからもう一方の手には一枚の広告があり】

んー……大会、ね。まあ俺や他のファミリーも直接関わる立場じゃないか
といっても、祭りと聞いて立ちん坊ってのも何となく気に障る……

……トトカルチョでもやるか。なぁ──っと!

【ふと彼がボヤいたその折、一陣の冷風が手元の広告を奪い取る】
【水の国で開催されるソレのチラシは風に運ばれて、やがて大通りのどこかに運ばれるだろう】
【もし──この時間に人が居て、それを拾うなりしたのなら】

【『おーい!』という壮年の、恐らくはマフィアであろう彼が声をかけるはず、だが──?】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 00:03:11.62 ID:qMvF+U5/o
>>631

…雨よ!

また雨よ!ふざけんじゃないわよ!!

【甲高い声、とてもとても場の雰囲気には似合わない怒気を含んだ、少女らしき大声だ】
【白刃が闇を切り裂くように、雨音を斬り裂き吹き飛ばす様な声が、木々の隙間から響いて来た】

何よもう!なんでこんな日に森なのよ!?有り得ないわ!こういうのはワタクシじゃなくて黒犬の仕事よ!!
ていうかここ何処よ!?迷った?迷った訳がないわ!ワタクシが迷子な訳がないわ!?

【独り言───のようである、少なくとも誰かと会話しているようではない】
【だが、その声量は只管に大きく、キンキンと耳に響いてくるような声だ】

あ!明かりよ!明かりが見えるわ!

【そして、その一言で彼女がその場に気付いた事を知らせる証ともなる】
【草木を掻き分けた足音が近付いて来て、ついに茂みを掻き分けてそれは現れた】

【しましまニーソックスを履いた、ミニスカートのメイド服に月の様に黄色い縦ロール髪、フリルのついた黒いカチューシャを付けた、黄金色の眼をした少女】
【背中には長い銃身の先端に青白い斧の刃が付いた大型ライフルを背負っている】

【炎の向こうに見えるのはそんな姿、きょとんとした表情で、そこにいた少女を見つめて───すぐに怒り顔になる】

…って、ガキンチョじゃないの!!これじゃ帰り道も聞けないわよ!!

【───随分自分勝手なようだ】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/09/29(日) 00:07:58.98 ID:II5WaIxQo
>>633

【料理の匂いにつられてか、店の前の通りをぶらぶらと歩く人影があった】
【下はデニム生地のホットパンツ、上は薄い緑のシャツ、足には運動靴という服装に】
【嘘か真か、背中に伸びる黒猫のしっぽ。そして頭には黒い猫耳がちょこんと生えていて】
【銀色の短髪にアーモンド型の大きな黒い瞳を持った、そんな少女だ】


お腹すいたにゃ。晩御飯どうしよ――ぶべっ


【風が吹いたかと思うと、突然視界がブラックアウトした】
【何かがへばり付いたと理解すると、それを顔から剥がして】
【そして聞こえてきた声、おそらくこちらを見ているのだろう。ならば状況を把握したようで】


よいしょ


【とんとん、と軽く地面を踏むと跳躍――羽が落ちるようにすっと手すりに着地すると、そのチラシを男に差し出すだろう】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 00:15:41.90 ID:XXno9zOuo
>>632
「あー、これは人間だった頃の形質もちょっとあってな。人をやめた時に、少し変質したみたいだが――。
まあ、要するに体温が高い。それだけだよ」

【赤い少女は服が乾いたのをぺたぺたと自分の身体を触って確認して】
【相手にその現象の謎を聞かれれば、ゴツゴツと節くれだち、厚いながらもしなやかな皮膚を持つ右手を差し出した】
【手を握ってみれば、その手の与える温度が、冬の暖炉の様な心も温める優しい熱である事を感じることだろう】

【相手が最初は見せぬと言っていたものを見せてくれると、パニック状態の少女の耳に飛び込んできて】
【直後少女は動きを止め、喉を詰まらせたままだというのに、目をまんまるに開いたまま――一挙一動を見逃さぬように相手を見据えていた】
【石の上に鎮座しながら少女が観たのは、異様とも言える速度。通常の速度ではない、理合の塊によって構成された、技速と言える物】
【風切り音が駆け抜け、抜刀が起こった次の瞬間――少女はようやく、喉に詰まったおにぎりを飲み込むことが出来た】

「――んぐご……ッ。ほっふ……!」

【一瞬咳き込みつつも、少女の瞳には先ほどの異様な動作は焼き付けられていて、記憶には完全にその技が刻まれていた】
【戦いたい。殺しあいたい、あの一閃を肉に刻まれたい、骨に叩きこまれたい。そして、お返しに己の全力をぶつけたい】
【ざわりと身体から妖気が沸き起こり――通常の食事では満たされない食欲――何よりも贅沢な食事の欲が、湧いてきてしまう】

「良いもの。見せてもらったよ」

【妖気を身体から漏れ出させながらも、朗らかに笑む少女。ゆらりと少女は立ち上がり――男と自分の間合いの外まで歩いていく】
【良いものを見せてもらった礼として、先の戦いで用いることの無かった技を見せようと思った】
【漏れだす妖気を発散するにも丁度良い口実であったし、これ以上甘美な匂いを漂わされていては、挑まない自身は無かったから】

「――――――コォ…………っ」

【少女は両足を自然に置き、両手を自然にぶらりと下ろす。――無手構え。どうとでも動ける、無限の可能性を体現する構え】
【目を細め、息を深く吸い込み――、全身の妖気を躰の内に圧縮し、内燃させ――爆発的に増幅する殺意戦意を妖気闘気として解き放つ】
【突如。躰が急速に前傾。そのまま地面に倒れこむのではないかと思う程の、異様な沈み込み。ある意味、狩りへと赴く獣にも酷似したそれ】
【沈み込みながら――膝が曲がっていき、全身が押しつぶされていく撥条の如くに折りたたまれていく】
【滑らかに展開されるここまでの動作は、速いが滑らか故に、ゆっくりと優雅にすら見える様】

【直後】

「――――シャァァアアアアアア――――――――――ァッ!!」

【限界まで圧縮された撥条が、爆発する。業火が燃え上がり――0だった静の速度は一瞬で100の動へ、全速力へと変転した】
【限界までの溜めから、その溜めの総てを一瞬で爆発させる事での超加速。――全身に火焔を纏って、夜闇の草原には紅の線が一本引かれる】
【両手で握りしめるは一振りの紅の刃――腰の入った低空の諸手突き】

【仮想敵との接近の瞬間、腕の溜めが解き放たれ更なる伸びを女の突きは見せ――切っ先の紅蓮が草原の草を焦がして灰に変えた】

 「妖剣鬼姫紅刃――――――」

                「 ――――   火 車 突 き  =@―――― 」

                                               「――――――完了」

【相手の理合とは全く異なる理合。こうすれば強いという、正道に正道を重ねた、直線の剣技】
【動作を見れば分かるが、溜めからの一瞬での爆発。それが女の剣技の特徴。来ると分かっていようがなんだろうが、そのまま叩き潰す力強い有り様】
【手元の紅剣を椛へと返しながらくるりと振り返り、犬歯をむき出しに童女の様に笑って見せて】

「私の名前は花城火燐! 流派は我流――鬼姫紅刃。祖父は花鳥風月流戦闘術創始者、花城六輝だ!
大会にて会おう! そして、その後のお楽しみも楽しみにしてるからなー! じゃーなー! 約束だからなー!」

【勝手に名乗りを上げて、勝手に約束を交わしたことにして】
【女は背嚢を背負うと、高笑いをしながら歩き去っていくのであった――――】

/*明日バイトで、どうやらそちらも忙しいようですのでこれにて! お疲れ様でしたー!*/
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 00:19:36.20 ID:yMx5kZUj0
>>634
【突如賑やかになった事に対して、つい反射的に身体が動き】
【手の甲で眼を擦ったならば、次には大きな欠伸。その間にも、自分に対して言葉が飛んできていたのだが――――】
【やっと、遅れて不機嫌な表情を見せた。ガキンチョ扱いや、その他に対してでは無く――――この場に踏み込んできた者の声の大きさに対して、だ】


「…………五月蠅い。わたしが、今から寝ようとしてたのに…………五月蠅い。喋らないで」

【私有地でも無いのに、喋るなと。この少女も、大概身勝手な様だ】
【三白眼。その場を包む純粋な“炎”の魔力の事もあり、凄んだ様は中々に迫力のある――――筈なのだが、見た目は少女。それも、人と掛け離れている様な外見でも無い】
【漂う魔力さえ失せていたならば、ただ睡眠の邪魔をされて不機嫌になった“人間”の子供にも思えるけれど】


「それと、わたしはガキンチョって名前じゃ無いもん
シュリって名前があるの。そんな変な格好をしてる人間に、変な名前で呼ばれたくない」

【丈に合わない学生服を纏っている者が、他人に向かって変な格好なんて言うのは可笑しな事】
【然れど、その可笑しな事を平然を行うのがこの少女もとい精霊】
【――――炎は、間違い無くこの少女が生み出していた物だろう】
【心なしか、雨が降っているにも関わらずこの場は炎とはまた異なった暖かさに包まれている気もするが――――】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/29(日) 00:22:53.71 ID:VggLS8G1o
>>635

……おっと、こりゃ嫌な深夜の目覚ましだ
悪気はなかったんだが、一つ詫びて……ん?

【風に舞うチラシが夜道を歩く少女の顔へ──チラシの持ち主として、些かいたたまれない気持ちになる】
【故に『すまんね君』と声をかけながら、男はテラスに備え付けの階段を降りる】

【──いや、降りようとした。そうする前に、そうする必要が無くなったのだが】

あー……えぇ、と……、…。

──どうもお嬢さん!星を肴にしていたら風に悪戯されたようでね?
いや悪気はなかったんだ、ただまあ……良い気分じゃないはずだ
なにせ、夜道を歩いてたらチラシが顔に飛んでくるなんて……最悪だ!そうだろう?

で、だ……何かお詫びがしたいんだがどうかね。無論、出来る範囲でだが?

【どうやらこの老体のマフィア、そこそこの変人らしいが、礼儀は正しかった】

【猫のような──本当に猫なのかもしれないが、少女にハットを整えながら声をかけ】
【チラシを受け取りながら、今の彼女には渡りに船であろう申し出をした】
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/09/29(日) 00:35:23.50 ID:FSHudtdPo
>>636

【灰の匂いが鼻をつき、神速の突きが濡羽色の双眸に深く残れば思わず唾を飲み込んだ】
【―――凄いという感情よりも、コレほどまでに自分と離れた剣技がこのレベルに達することが出来るのか、というコトに対しての驚嘆】
【溜めという動作は、基本的に唯刃流では好まれない。その溜めを唯刃流では技を発する時の無駄な時間、「予備動作」とみなすからだ】

【工夫など―――と上から叩き潰すような、そんな剣技だと感じた。だから、自分とは真逆。―――そんな剣に、勝ちたい】
【護る剣故に抜くことは出来ないが、そのような熱い感情も心の奥底には確かにあった】

……―――ド派手だな。出来ない……自分には、出来ないさ。
大会か……俺も、出るかもしれない。 ―――偶には自分も、意志に任せて剣を振ろうと思えてきたよ。

―――俺は中邑瑛月……UNITED TRIGGER、そしてSCARLETメンバー。今回の大会解説担当にして……
―――流派は一刀正伝唯刃流……無能力者が能力者を打ち倒す為の剣。君の活躍を楽しみにしているよ……そして交えることになったとしたら、それも。

【慣れた所作で刀を仕舞えば、武者震い。―――自分の中に沸き立つ衝動。弱者の剣で強者を倒したいという欲望。本来は護る剣が持ってはならない感情を、必死で抑える】
【闘気を仄かに纏いながら、孤独になった男はしばしの間立ち尽くしていた】

/お疲れ様でした!
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/09/29(日) 00:41:29.72 ID:II5WaIxQo
>>638

【チラシを渡したなら少女は、手すりに足をつけたまましゃがむのだろう】
【いわゆるヤンキー座り。落ちないようにか前で手すりを掴んでいるものの、はしたないと思われても仕方ない】
【男は間違いなく堅気の人間ではないだろうが、ちっとも恐れてはいない様子で】


にゃはっ、じゃあお言葉に甘えちゃおうかにゃ
丁度お腹すいてたんだにゃ。何かおいしいものでいいよ!


【ただチラシが飛んできただけ――たいして機嫌など損ねてなかったが】
【老人の申し出にぴこんとしっぽを揺らせば、願ったり叶ったりといった様子で笑みを浮かべるのだろう】
【やがて手すりから降りれば老人の手を引いて急かそうとする始末で、遠慮というものがちょっと無いようだった】


いっぱい人がいるけど何? パーティ中だったのかにゃ?


【水の国の武道大会――老人がもしそれに興味を持っていて、前回、前々回を観戦していたなら】
【この少女のことを見たことがあるかもしれない】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 00:44:17.35 ID:qMvF+U5/o
>>637

へっ……!!?

【出会い頭にカウンターの罵声、しかも相手が子供だと思っていただけにそのダメージは大きい】
【ビクッと体を震わせ顔を蒼くし、わなわなと震え出すのは怒りの印】

だぁぁぁぁぁれが変な格好よ!下素っ裸のアンタに言われたかないわ!!
靴も履かないで汚いし!何あんた!?野生児気取りなの!?
大体ね!ワタクシにもちゃんとした名前があるの!セレーネって名前が!アンタの名前より何万倍も優雅で可憐な響きだわ!!

【…見た目はそこまで大人ではない、寧ろ子供っぽい方だが、精神までも遥かに子供っぽい。シュリとは別ベクトルに子供じみている】
【額に青筋浮かべて、腕を腰にやったり指差したり腕を組んだり。小さな体を髪を揺らしながら一杯に動かして、セレーネは怒りを吐き付けた】

全く!ていうかこんな場所で火なんて炊くんじゃないわよ!火事になったらどー責任とんのよ!?
魔翌力もだだ漏れ!!少しは抑えなさいよ少しは!!

【ギャンギャン文句を言いつつ、茂みから出て来てゴミを払いつつ、炎にあたってちゃっかり暖を取る】
【実際の所、寒さなんてデータとしてしかわからないが、気分的には暖かいから】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/29(日) 00:53:53.67 ID:Xnl5FLzIo
>>640

美味しいもの、か……あぁそう、ちょうどパーティーの途中でね
開店40周年記念に、身内だけ呼び集めて飲食し放題なのさ
俺も昔なじみで呼ばれたんだが流石にこの時間ともなるとキツくてね?

……ま、そんなワケさ。取り敢えず降りたら、とと……あぁ、好きに選べばいい
和洋中に体に悪い油物に、ナッツやら酒やら……店の奢りだ、食べなきゃ損さ

【男は相手を、猫の様に飄々とした気質の少女――として扱うことに決めたらしい】
【老齢――と言っても40そこそこだろうか。声は若々しく、彼はテーブルへと案内する】

【本会場は店内なのだろうが、このテラスにも様々な料理が並べられているのだ】
【場所が場所だからどれも少し冷えてしまっているが、それでも美味い】
【或いは飲み物が必要なら、彼が店員に頼むことになるだろう】

それにしても……ふむ。君のことを何処かで見たような、そうでないような……。
……良ければ、名前は?どうも歳を取ると物を正確に思い出せないもんでね

【さて、問題は其処だ。大会というキーワード、そしてやや曖昧な記憶】
【食べるのを邪魔はしないけれども、男からすれば気になるのだろう】
【自分から名乗るより先に問いかけて――舌を潤すように、手のグラスを傾ける】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 00:59:15.34 ID:yMx5kZUj0
>>641
【返された言葉の嵐は、果たしてどの程度まで耳に入っていたのだろうか】
【――――恐らく、半分も耳の中を通っては居ない。相槌も無く、そしてただぼーっとしているだけなのだから、言い返した方としては屈辱とも取れるかもしれないその行動】
【……それも、己の名について――――否、比較された時には、明らかな怒りの視線を向けて】


「――――るさい…………変な格好をしてたら、やっぱり名前も変
セレーネなんて、まるで犬みたい。わたしの名前……名前を馬鹿にしたら、直ぐにでも壊すから」

【馬鹿にしたとは、また少し異なるかもしれないが――――少女は、貶されたと取ったか】
【その名に、どの様な思いがあるのかは分からない。そして、その名に抱く感情も分からない】
【ただ、分かる事。其れは、セレーネに向かって右手を向けたこと】
【…………握手。なんて展開は無いらしい。そして、次に何が起きるのか。幾らかの死線を乗り越えた者ならば、容易に反応できる事ではあるが】


「…………五月蠅い。セレーネは五月蠅いから、嫌い。五月蠅い人間は、全部嫌い
……まだ騒ぐなら、壊すよ?」

【近づく事に、不快な表情を見せない。炎で身体を温めようとも、同じ事。だが――――】
【一瞬ばかり魔力がその掌に集まったかと思えば、一本の矢へと形を変える事だろう】
【今は、射貫く気は無い。仮に反応できなかったとしても、セレーネから大きく逸れて、その後ろの木へと突き刺さる】
【かすり傷一つ無くたって、その“警告”とも思える熱を感じ取る事が出来たかもしれないけれど】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/09/29(日) 01:19:24.86 ID:II5WaIxQo
>>642

へー、そりゃいいタイミングで来れたにゃ

【冷めていても料理は料理――ぐぅぅ、と腹を鳴らせば皿を取って】
【誰だコイツの視線を向けられても意に介さず、料理を持ってくるのだろう】
【……ちなみに持ってきたのはスペアリブだ】

【手が汚れることもお構いなしに摘まむと、大きく口を開けて頬張るのだろう】
【もぐもぐ咀嚼する様子はどう見たって子供っぽい。でもかなり満足気で】


……ん? あたいはシルバーキャットって名前にゃ。銀猫でもいいよ

おじさんは水の国の大会に興味があるのかにゃ?
あたいを見たことがあるならきっとそこにゃ。2回出てるからね


【「ま、負けちゃったんだけどにゃ」と続ければ、既にスペアリブを数個平らげた後で】
【ソースのついた手を、それこそ毛づくろいする猫のようにぺろりと舐めて】
【さすがにそれだけじゃいけないと思ったらしく、おしぼりで手を拭き始めるだろう】

【どうやら彼女は大会出場者らしい。大きく名を残せていないのは初戦やそこらで敗退したからか】
【それでも記憶に残っているならば、思いだすことは可能だろう】
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 01:22:06.82 ID:qMvF+U5/o
>>643

───ってちょっと聞いてんのアンタ!?人の話は最後まで……

…い、犬ぅ!?

【やっぱり怒る、当然だ、怒りをこんなにぶつけているのに相手はどこ吹く風、元来怒りやすい彼女は更に怒りの炎を燃やす】
【しかし、犬と言われれば仰け反りながら、面食らったように言葉を繰り返した】
【セレーネにとってこれはショックであった。普段から人(特定の一人)を犬扱いしているだけに、自分が犬呼ばわりをくらうのは非常にショックだった】
【固まった彼女の肩がプルプルと震え、顔が赤く染まって行く───まるで、火に掛けたヤカンのように】

ムキィィィィィィィィィ!!アンタ人の事言えないじゃないの!!
…って、何やってんのよアンタ!?ふ、ふん!脅しのつもり!?悪いけどワタクシだってそんなもの見慣れて───

【人の事を言えないのはどっちだろうか、少なくとも始まりは彼女だ】
【向けられた炎の矢を見て、『撃つ訳がない』と謎の自信、だが外れる】
【言葉の途中で木に矢が突き立った音が響き、ビデオを一時停止したようにセレーネは固まる。次の瞬間、ゆっくりと背中の銃を右手に取って】

───どぅおらァァッ!!

【その余りにも巨大な銃を片手で発砲、セレーネ自身を反動で押し出しながら放たれた黄金の魔弾は、シュリを大きくそれて向こうの木へ】
【着弾の威力が桁違いだ、大きく幹を穿ち、その更に向こうまで貫通していく】
【警告の、お返し】

/申し訳ありません、風呂に入ってきます
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/29(日) 01:32:51.32 ID:Xnl5FLzIo
>>644

いや全くその通り!折角の料理も残っちゃただの生ゴミだ
それだけ美味しそうに食べくれるなら、素材の奴も満足だろうな

……シルバーキャット、シルバー……、…あぁ!
そうか、あの……いやすまなかった、優勝者なんかは流石に覚えているんだが
参加者全員となると中々、でね。今回は出場するのかね?

【スペアリブ――その素材は高級なものだ。肉は柔らかく、味付けも素晴らしい】
【そして、その食事の様子を楽しげに眺めながらマフィアの男性は得心がいったようで】
【何度か自分で勝手に頷きながら、三度目の正直は無いのかと尋ねかけ】

私かね。まあ興味はある、だがこの歳にもなると連戦はあまり好ましくなくてね
元来、戦いはあまり得意じゃないのもあって参戦は見送りだ

ただ、別の形で関わろうかと……例えばそう、商売とか。
何せ国規模で行われる行事だ、一時的とはいえ人がたくさん集まるだろう?
私や他の仲間はそういう時が稼ぎどきでね。選手様々だよ、全く

……おっと、申し遅れたね。私はビスク……ビスク・フランコ≠セ、よろしく

【裏の世界の人間が商売というと、やはり――そんな後ろめたさは見えなかったが】
【それは、彼がそういう世界に馴染みすぎているからにすぎない】

【水が黒く染まれば目立つものだが、元から黒ければ気づかないのと同じ事】
【もっとも、そんな事は選手側であるシルバーキャットには関係のないことだし】
【彼がふと差し出した、口当たりがさっぱりとしたライムジュースの方が魅力的な事かも知れないが】
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 01:44:01.40 ID:yMx5kZUj0
>>645
「五月蠅い。セレーネ犬。何回も、何回も言っても分からないなら、犬
…………脅し?違うよ。他の人間と同じ様に、セレーネを壊すの。真っ白な身体になって、動けなくなるまで」

【壊すと言うよりは、燃やす。さて、この少女の腕力がどれ程かは不明であるが、少なくともその魔力からして魔術は優れていると考えられるだろう】
【…………とは言え、戦術なんて物は無い。それ故に動きが単純】
【矢を象った炎が突き立った木は、パチパチと音を立てて燃え始めて。火事となるか――――否。不思議と、其れは辺りへと飛び火する事が無い】
【つまりは、それも少女の力であろうか】

【犬呼ばわりに対して予想以上の反応を見せた事が面白かったのだろう】
【その後も何度か犬と呼ぶが――――音速を超えた弾丸が放たれたら、無邪気な笑みも固まって】
【…………その笑みは、また異なった意味合いを持つのだろう。まるで、楽しそうな玩具を見つけたと言わんばかりに】


「へぇ…………面白そうなの、持ってるんだね
偶に、人間が持ってるの見るけど…………セレーネのは、初めて
…………ねえ。それ“も”、痛いの?」

【怯む訳でも無い。怯える訳でも無い。逆に、溢れんばかりの好奇心】
【まるでその他の銃器には撃たれた事がある様な言葉を発したならば、近寄る事だろう】
【武術の心得も無ければ、警戒も無い。本当に、野生児の様な姿、行動】
【撃たれた事があるならば、痛みも知っているだろう。それでも尚、ゆっくりと近づく】
【寄られないようにもう一度撃つも良し、そのまま成り行きに任せるも良し。全ては、セレーネ次第であって】

/了解ですよー!ごゆっくりどうぞ!
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 01:59:02.90 ID:qMvF+U5/o
>>647

【刹那、不気味な程に静まり返る。さっきまであんなにうるさかったセレーネも口を開かなくなり、火がパチパチと燃える音と雨音だけ】
【シュリの足は、止まらざるを得なくなるだろう。セレーネがその銃口をシュリに突き付けている、或いは、シュリの胸にピッタリと押し付けているか、それはシュリの歩いた距離による】

犬、犬ってうっさいのよ、ガキンチョ
今のは警告よ、それ以上何かしたら撃つわ

痛いとか痛くないとか、そういうレベルじゃなく、死ぬわよ

【まだムッとした感じは残っている、しかし既にその表情は、今までのギャグじみた怒り顔とは違っていた】
【ツンとした黄金の瞳が二つ、シュリの眼を見つめて。静かな脅しが、森に響く】

【脅しなんて物じゃない、今のを見ればそれが事実だと分かるだろう。まともにくらえば人の身等、簡単に粉微塵にしてしまう】

/ただいま帰りました
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/09/29(日) 02:04:28.92 ID:II5WaIxQo
>>646

【うまいうまいと食べ進め、すぐに皿は骨だけになった】
【素材が高級なものだとは露知らず、その味に満面の笑みを湛えたまま次の料理を求めて席を立つのだろう】
【しばらくすると唐翌揚げやウインナー等のオードブルを適当に取って戻ってくるはずだ】


――するよ。あたいは諦めが悪いからね
今度は優勝してみせるにゃ


【そう語る銀猫の目は―― 一瞬、鋭い闘志を湛えていた】
【いくら諦めが悪いといっても、さすがに出場するには限度というものがある】
【密かに彼女は、今回で最後にする決意をしていた】

【その覚悟は表情からも読み取れるかもしれない】
【この時ばかりは食を進める手を止めて、男の目を真っ直ぐに捉えていた】


なーんだ、じゃああたいとは会わなさそうだにゃ

フランコさんは屋台とか売店とかを出す人……なのか、にゃ?
残念だけどあたいはもう買いに行かないにゃ。今回は他の人も試合も見たいからね


【――宿った闘志も消え失せれば、持ってきた料理に手をつけ始めるのだろう】
【妙に言い淀んだ言葉は、フランコの風貌を見てのことだ。きっと、普通の商売をしているようには見えなかったのだろう】
【それでも怪しまなかったのは、彼女に裏の知識がなかったから。だから、余計な追及はしなかった】

【それよりも差し出されたジュースの方に心を奪われて、受け取ると心底おいしそうに飲むのだろう】
【濃い味の後のそれはまた格別だった】
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 02:19:17.51 ID:yMx5kZUj0
>>648
【薄い胸。学生服の上に付けられた、銃口】
【――――小さな歩みは止まる…………止められる。それは物理的にであって、銃が無ければその小さな腕が細首を握るか、或いは四肢を折り砕こうとしていた事だろう】
【まるで言葉の通じない獣。精霊と呼ばれる存在は、確かにセレーネの前に立っていて】


「死んじゃうんだ。それでバーンってされると
…………人間が作るのって、全部面白いね。食べ物も、そういうのも」

【クツリ、笑みを作る口元。爛々と輝く紅い双眸。轟と唸るのは握った掌から漏れる焔】
【――――辺りを赤々と照らし出すにも関わらず、精霊の肌には少しの火傷も認める事が出来ない】
【危険を察知して引き金を引くか引かないか、それは分からない。だが、何れにしても其れよりも一瞬早く動く事だろう】
【横への回避。それも、人間とは比べものに成らない俊敏性】


「じゃあ、止めた。ばーんってされちゃうと、いっさの約束も守れなくなるもん
えっと…………指切りげんまんってしたから、嘘吐いたら沢山針飲むんでしょ?
だから、やだ」

【ゆらり、と夜空を背に焔の漏れる拳を突きだした】
【脅しに対しては、無邪気な――――無邪気すぎる笑みを向けて】
【コロコロと変わりやすい表情。精霊と言えども長くは生きていないのか、或いは元よりこんな性格なのか】
【空いた距離。追撃をしようとしたならば、応えるかのように右手の焔が放たれるのだが――――】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/09/29(日) 02:24:25.40 ID:Xnl5FLzIo
>>649

【真っ直ぐで、そして真剣なシルバーキャットの視線をビスクは受け止める】
【夜間のサングラス越し――理由は有るのだろうが――確りと受け止めたのは分かるはず】
【そして彼は、ニヤリと笑う。整えつつも蓄えた顎鬚が僅かに拡がり】

それなら、シルバーキャット……俺その言葉を信じて応援しよう
勿論個人的にでしか無いし、援助なんてのも出来ないが……

……ここで出会ったのも何かの縁に違いないさ
風が導いた、なんて言うとそこらの軟派な連中が口にするようで気分が悪いが
俺は結構、そういうのは信じる質でね…ま、頑張りなよ。

【そんな責任も何もない応援の言葉を告げると、またグラスの中身を一口】
【夜風を浴びながら、戦いに臨む少女の食事風景を眺めるのに戻り】

だろうね。というか、まあ……察しは付いてるだろうが、会っちゃマズい職さ
大丈夫、悪いことって言っても他人に迷惑は賭けないつもりさ
普通に屋台をやることもある、例えば焼きそばとかを若い連中に……

……って、そんなのどうでもいいか。好きに食い、好きに飲んでくれ
ソレが俺から君への唯一できる応援だ、とでも思ってさ――。

【――その後、少女が胃袋を満たすまでビスクは特に何をするでもなく、時折酒を呷り】
【やがてシルバーキャットが満足したのなら、『気をつけて』と気楽に見送ることになるだろう】
【次にその姿を見るのが、或いは表彰台の上でなら――なんて、思いながら。】

/っと少し強引なのですが、明日昼から仕事なのでこの辺りで……!
/それでは、お疲れ様でした&深夜にありがとうございましたー!
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 02:35:51.86 ID:qMvF+U5/o
>>650

【───轟。と炎が灯った時、セレーネは引鉄に掛ける指の力を強くした】
【と言っても撃った訳ではない、引き切らないが、警戒を強めただけだ】

───ッ!?

【獣───まるで獣が見せるのに近い瞬発力、驚き引鉄を引き損ねた、狙撃手にはあってはならない失態だ】
【素早く横飛びし、シュリと距離を離しながら再び銃口を向ける、今度こそ───】

…アンタ、もしかして人間じゃないのかしら?
ワタクシと同じアンドロイド…?どこ研産まれよどこ研

【※どこ研:どこの研究所】
【ここでようやく、セレーネはシュリが純粋な人間でないと気付いた、シュリの台詞から聞き取った】
【セレーネ自身も事実純粋な人間ではないが、シュリとはまた違う、本人は似たような物だと考えたようだが】

にしても!本当にわっけわかんないわアンタ!!いきなり攻撃して来たり!かと思えばやめたり!ユージューフダンよユージューフダン!!
そーゆーのを『電波』って言うのよ!この電波!!

【空いた左手でシュリを指差しながら、さっきの調子を取り戻して怒り吠える】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/09/29(日) 02:44:33.79 ID:II5WaIxQo
>>651

【その言葉を聞くと銀猫はにひ、と笑うのだろう】
【誰かから応援されるなんて滅多にないことだ】
【特別な何かがなくたって、彼女にとっては十分に嬉しいことだった】


にゃは、そこまで言われると張り切っちゃうにゃ!


【無邪気にそう言うと、引き続き彼女は料理を食べる】
【きっとフランコの言う商売にも口を挟まないのだろう】
【迷惑をかけないのなら彼女の関与すべきことではなかった】


【――やがてたらふく食べた彼女はこれ以上ないほどに幸せな顔で】
【「ごちそうさまでした」と手を合わせると、じゃあねと言い残して去るのだろう】


【次に彼女を見る時は、果たして――】


/はーい、お疲れ様でした!
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 02:47:53.46 ID:yMx5kZUj0
>>652
「…………人間なんかじゃ無いよ。だってわたし、人間嫌いだもん」

【人間が嫌いだから、人間じゃ無い。何とも奇妙な言い様】
【――――右腕には焔を宿したままだけれど、攻撃する素振りは無い】


「知らない。人間がせーれーって言ってるけど、そのせーれーだって分からないもん
…………あんどういぃど?なに、それ。人間の、新しい名前?」

【アンドロイド。初めて聞く言葉なれば、発音も危うく】
【せーれー――――精霊。果たしてセレーネに縁がある存在かは分からないけれど、少しでも聞いた事があるならば、何と無く解する事も出来ようか】
【少なくとも、少女は炎を司る一精霊。故、大体の人間よりは其れを操る力に関しては長けている】
【…………優柔不断やら電波やら、また初めて聞く言葉には、ぶぅと頬を膨らませて】


「違うもん。わたし、シュリって名前だもん
ゆうじゅうふだんとか、でんぱぁって名前じゃ無いもん
…………だから、言葉が分からないからセレーネ犬」

【ぼそっと最後に付けられた言葉。恐らくは、セレーネが一番反応していた言葉】
【繰り返すように犬と呟いたならば、にやりと笑って】
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 03:04:45.82 ID:qMvF+U5/o
>>654

人間嫌いだなんて、アンタ自分が人間みたいな形してる癖によく言えるわね
精霊なら精霊らしく、背中に綺麗な羽でも生やしてパタパタ飛んでなさいよ

【恐らく、彼女は精霊と妖精を勘違いしている。つまり精霊というのがどういう定義に成り立つのかは分かっていないらしい】
【しかし、自分では的を射た事を言ったと完全に思い込み得意顔、ウザいくらいの】

アンドロイドよ、ア・ン・ド・ロ・イ・ド!
人間が作った凄ーい存在の事よ!ワタクシみたいなね!

【無い胸に手を当て、自画自賛。シュリにはきっと、こう説明されても訳がわからないだろうけど】

だから犬って呼ぶんじゃないわよ!犬はワタクシじゃないわ!黒犬の方がよっぽど犬よ!!
…わかったわ、ワタクシは大人だから、アンタをしっかりシュリって読んでやるわよ
代わりに、アンタはワタクシの事を『セレーネ様』と呼びなさい!さあ呼びなさい!様付けで!!

【やっぱり犬と呼ばれれば怒る、近くにもっと犬呼ばわりが相応しい奴がいるから尚更───余談だが、どこかである男がこの瞬間にクシャミをした】
【だがしかし彼女もそこまで馬鹿ではない、一歩引く作戦を思い付いた】
【踏ん反り返ってそう言うのは、取り引きにしてはなんだかおかしいが過ぎる物だ。そもそもメイドの格好なのに偉ぶりたいのはどうなのかと、普通なら突っ込まれるが】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 03:19:16.50 ID:yMx5kZUj0
>>655
「人間が作ったの?…………じゃあ、嫌い」

【人間が作った物=人間。ならば、嫌い。何とも単純な思考である】
【面と向かって嫌いと言える位には神経が図太い…………と言うよりか、人の感情を考える事が出来ない】
【やがては、その背に翼が生える事だろう。正確には、翼を象った炎】
【一度羽ばたきをしたら、辺りには熱風が吹き抜けて】


「セレーネサンマ?…………分かった。犬じゃ無くて、サンマって言えばいいの?
あ、ん、ど、ろ、い、どってよく分からないけど…………人間みたいなのに、変なの」

【獣臭から、何だか生臭さへと変わった様な気もするけど】
【それはさて置き、やはりメイドの存在も知らないのか、突っ込みは無い。けれど、逆に突っ込まれそうな事を多々言葉にして】
【人間みたいな癖にとは、この少女が言える事でも無いけれど――――】


「セレーネサンマって、大人じゃなくて子供でしょ?だって、わたしとあんまり変わらないもん
…………目、覚めちゃったからお散歩してくる。じゃあね、セレーネサンマ
次会ったら、それ、もっと見せてね?」

【結局、“様”の誤解を解くことは出来ないのだろう】
【雨が身体に当たろうとも構わず、その身を宙に浮かせ――――一瞥したなら、何処かへと向けて飛翔する】
【綺麗な翼とは言えないが…………それでも、暗い空の中、一筋の朱が裂くように進む光景は何処か幻想的でもあっただろうか】

/時間も良い感じになってきたので、この辺りで失礼させて頂きます!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!お休みなさいませっ!
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 03:33:24.50 ID:qMvF+U5/o
>>656

…アンタ、それわざと言ってる?いやわざとでも天然でもどっちでもいいわ…
『サンマ』じゃなくて『様』よ『様』!!何よその生臭そうな名前は!!
大体アンタ…ってちょっと待ちなさい!どこ行くのよ!?

【そりゃそうだ、当然怒る。肩を震わせ第三波、わざとにしてもそうでないにしてもその呼び方を喜ぶ筈もない】
【しかし話を無視されて、シュリの背中に炎の翼が宿ると、これからシュリがどうするか予測し慌て出す】

ちょ、無視すんな!サンマじゃな……

【だがもう止められない、シュリは天高く舞い上がり空を駆けて行く。撃ち落とすという選択肢も見失う位に優先すべきはその言葉】

ワタクシはサンマじゃないわよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

【…叫びを聞いた他の人間に、果たして意味が飲み込めた者はいたのだろうか】

/お疲れ様でした
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 12:07:44.85 ID:swA/PNPOo
【とある、神社の前】
【建てられた鳥居の奥には無数の石段が積み上げられており、ずっと奥の方に神を祀る社の存在が見て取れる】
【形はしっかりとのこっているものの、長く生えた草や汚れた場所が目立って、少々整備の不良が目立つ】

「……っ」
【石段の下に、汗をいっぱいに浮かべた運動着姿の少女の姿がある】
【荒くなった呼吸を静めるように、ペットボトルのお茶を口に含む】

【身体の鍛え方にも科学的な方法やら色々なものが見つかって、旧世代の化石のようなトレーニング方になってしまった階段上り】
【そんな長く辛い訓練を、少女は長い間つづけていた様子だ】
【一旦身体を休めているが、しばらくすればまた石段を上るつもりのようだ】

【そんな姿を、純粋に珍しいと思う人々は少なくはないだろう】
【もしくは、人気のない場所で一人身体を動かす少女に、特殊な興味を抱く人でもいるだろうか】
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 12:36:38.35 ID:ouA6Ew3z0
>>658


【何処かの国、古びた神社にて―――】

【聞こえて来る物と言えば、石段を覆う様にして茂る木々が、風に煽られて擦れる音位、だろうか。】
【休日の昼下がり。子供が一人や二人、遊んでいても可怪しく無い此の時間帯―――】
【何故か、人間が発する様な物音は聞こえず、寧ろひっそりと静まり返って居て。】


【一ヶ月前と比較すれば、随分と過ごし易くなった気温も相まって。】
【ヒューッと吹いた心地よい風が、永遠に続く様な石段を、鳥居を、そして聖なる祠を通って、貫いて行く。】

【艶の有る銀色の髪に、惹き込まれそうな紅い眼。】
【黒みがかった赤色のオーバーコートに、真っ黒なパンツ、右手には銀の指輪―――】
【見た目から察する年齢は、16歳程。とすれば、"荒れた少年"と称すべきであろうか。】

【此処に辿り着く人が、そもそも滅多に居ないのだろうか。】
【入り口付近に比べると石段の歪みが少ない頂上―――の、一段下に、少年がポツンと座わって居た。】


【遠く、遠く先に、少女が石段を駆け上がってくるのが見える。】
【珍しい、何て思いながら―――少年は昼食であろう、パックに入った焼きそばをズルズルと啜っている。】

/お願いします!
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 12:53:53.20 ID:swA/PNPOo
//すみません、いま確認をしたのでこれからお返事を書きます。
//それから、ちょっとお返事に長めの時間をもらうことになってしまうかもしれませんが……すみませんです。
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 12:55:47.05 ID:ouA6Ew3z0
//お気になさらず〜のんびりまったりでやりましょ〜
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 13:05:06.72 ID:swA/PNPOo
>>659
【短い休憩を打ち切り、少女は再び長い長い石段を上り始めた】
【一段も踏み外すことのない方法で、歩みを一つ一つ踏み重ねていくその方法は、速さをのばすためのものでなく、身体を鍛えることが主な目的でもない】
【身体を極限まで苛め抜くことで精神を鍛えようとするような、そんな訓練である】

【時々、頬の辺りを吹き抜けていく冷やりとした風邪だけを頼りにして、熱い身体を引きずりながら頂点へと昇っていく】
【――すると、いつの間にやってきたのだろうか、そこには一人の人影があった】
【滅多に人と出会うことのない場所であったこともあって、頂上を前に少女の速度は落ちていく】

【予想外の出来事に集中が切れてしまい、最後の数段を歩いて登ることになった】
【過激な装飾らしいものが所々に見られる少年は、あまり神社という場所には釣り合わない容姿といえるだろう】
【凝視をすると失礼になるだろうと考え、ハッキリと視線を合わせることはしないが、時々少年の姿を確認しようとしている】

【荒い荒い呼吸を静めながら、少年の方へと少女は登っていく】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 13:32:21.04 ID:ouA6Ew3z0
>>662

【身体を真っ赤にさせながら階段を昇る少女を他所に、『んーうまいうまい、』と焼きそばを食べ続ける少年。】
【大盛りに入っていた焼きそばも、パックから3分の2が消えてしまっていた頃、】
【どんな身形をしているのかが分かる程、少女の影は大きく、ハッキリした物になって―――】


……お、おつかれさん。
大変やったなー、俺も此処までくんの、結構きつかったわ。

【とチラッと少女の疲労を見ると、挨拶を適当に、再び割り箸を手に取って、】


……ここ、案外、キレーな景色見れんだよ。後ちょっと、まあ適当に頑張りなよ……
…あ、こんなトコで頑張ってるっつ―事は、ここらへんの人か。なら知ってる、よな。

【少年の眼に写ったのは、閑静な住宅街の奥に、忽然と広がる、"海"であった。】
【夏程では無いが―――燦燦と注ぐ光に反射して輝く其れは、矢張り見事なものであった。】


……でもよー、筋トレっつーか、体力付けたいんなら。もっといい方法あんだけどなー…?
階段登って…っつーのも、悪くはねーんだけどよ。それより良いのが有るなら、普通そうするだろ…?

ほら、現に…こんななげ―階段、誰も上がってこね―じゃん―――?

【と一息で言い終えたなら、再び焼きそばを啜り始める事だろう。】
【途中で気づいた様に箸を止めて、『あ、俺は筋トレで登ったわけじゃねーから、』なんて付け加えて。】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 13:59:55.53 ID:swA/PNPOo
>>663
【少年に言葉を投げかけれた少女は石段の頂点で足を止め、少年の方へと振り返った】
【それから、腰元から下げていたタオルを手に取ると、それで額の汗を拭きとる】

「わざわざ……こんなところまできて……弁当か……?」

【常識的な基準で判断をすれば、その少女は少年から年齢が一つ、大目に見積もっても二つ歳上といったところだ】
【少女自信もここまで上ることの大変さは理解しているようで、わざわざ苦労をしてまでこんな場所で弁当を食べている少年へ不思議そうな視線を送っている】

「これでも、涼しくなって……かなり……楽になってきた……」

【何度も何度も言葉が途切れるのは、息が完全にあがってしまっているからである】
【一度言葉を打ち切ると、小さく口を開いた荒い呼吸を繰り替えす】
【いかにも運動が得意そうなこの少女が、バテバテになるような運動を繰り返しているらしい】

【しばらく深呼吸を繰り返して、少し落ち着いてから言葉を続ける】

「……景色? ああ、確かに今時は珍しいかもれないな」

【少年の言葉に促されるように、遠くへと視線を向ける少女】
【その様子は、いかにもその景色に見慣れているといったものである】

「もっと効率の良い方法は……確かにあるだろう。
 けれど、ずっと続けてきたことだ。今更止めようとは思わない」
【そんな風に、石段を上る理由を説明する。 深く考えて定めた目的などは無い様子だ】
「習慣……こうしていると、いろいろと落ち着くんだ。 それに、ここを走るのは楽しい」

「お前こそ……景色が良いというだけで、ここに?」
【切れ長で鋭く、人を近寄せがたい雰囲気とは裏腹に、口数の多い少女である】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 14:22:46.35 ID:ouA6Ew3z0
>>664

ん、ああ…そうだな。昼飯食ってんな。―――あ。

【ハッと気づかされた様にパックを膝元に置き、少年は傍に置いていたビニール袋を漁る。】
【取り出したのは、矢張り碧い、純透明なガラス製のボトル―――其のキャップを親指でキュッと、慣れた手つきで開けたなら、】
【グビグビっと一口、二口、一気に煽って。プハーッと息を吐き出す姿は、丸で酔っ払いのおっさんであった。】

【其のボトルを見たなら、若しかすると、其のボトルの配色、形状だけでも分かるかも知れない。】
【其の中身に入っている液体は―――地元で軍を抜いて有名な、"お酒"である、と言う事に。】

【少年の顔を歪ませて映る碧い瓶を、角度を変えて眺めながら、】
【『…いやー、焼きそばにこの景色、んで"コイツ"。たまんねー……!』と喜んでは、キャップを閉めないまま其れを傍に置いた。】

【『最近アタリばっか引いてんなー…』なんて少し笑って呟きながら、】
【今開放された両手は、後ろに傾いた少年の身体を支える様に地面をついて。】
【首をゆっくりと回している時に目に入った、雲ひとつ無い空は、輝く海に優るとも劣らず、矢張り透き通って美しい物であった。】

【素晴らしいと言わざるを得ない景色に、『おー…』と感動する中、少年は少女の話に耳を傾ける。】
【其の内容は、正に想像を絶する努力振りを表現した物で―――】


―――は?あのくそあちー時も、ずっとやってんのかよ……
いや、普通にすげーよ…、……マジで。

あー…、慣れっちまった、って奴か。そりゃ、今から変えよーとは、思わねーよなぁー……
それに、そう言う場合は変えねー方がいいんだろーな……習慣がねー俺には、分かんねーけど。

【一切の皮肉を交えず、少年は感嘆の表情を見せる事だろう。】

【一部の人間に取って、"習慣"は、最も落ち着かせる物なのだと言う事を、少年は理解していた。】
【だからこそ、であったのかも知れ無い。少年は『あーなるほど、』と直ぐに納得するのだった。】


…俺か。そうだな。
ほら、『あそこ登ったら、結構いい景色なんじゃねーかなー』、ってなってな―――?

【初めに合った時は"苦労した"なんて言ったが、其の様子は見て取れるだろうか。】
【答えは、"NO"であった。時間が経っているとは言え、疲れた振る舞いは微塵も見せない事だろう。】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 14:51:13.33 ID:swA/PNPOo
>>665
「不思議な奴だとは思っていたが……昼間から酒か?」

【未成年らしい少年がお酒を飲むことにどうこういうことはない】
【ただ、その堂々とした飲みっぷりには、少女は呆れた表情を浮かべた】

「む……なかなか、良い香りのヤツだな」

【鼻は良いらしく、臭いで酒だと言うことを確信する】
【微かに瞳の色を変えたのは――少年と同じく、少女もお酒を愛するものなのかもしれない】

「いいや、流石に毎日ずっとはやっていないぞ。 ここは……最近だと時々だ」
【疲労の色が濃い少女だがまだ走り続けるつもりらしく、少しずつ身体の調子を調整している】
「何をするか悩んだ時だとか、特に予定のない時間だとか……そういうときには、ここしかない」

「誰でも、そのつもりになればできることだ……大したことじゃない」
【感嘆の表情を浮かべられれば、困ってしまったような表情を浮かべて】
【短く吐息を吐き出すと、再び視線を海の方へと向けた】

「いいや、私は変えようと……時々、思うんだ。
 お前が言った通りに、いまさらこんな事は変だって、私も思うよ」

【非効率的な行いだと、少年も少女も理解しているようなことである】
【一般の人からすれば、奇妙な姿に写っているのかもしれない】

「だけど、変えられない。 ……悪い薬みたいなもので、忘れたいこととかある時に、走れるって場所は便利なんだ。
 走るだけならどこでも良いのだけれど、その時にはここしか考えられない……なんて、おかしいよな」

【過酷な運動の連続で重そうな脚を、少女は何度も揉み解す】

「変えない方が良い……か、ありがとう」

「まあ、山になっていて遠目にも目立つか……」

【盛り上がった山の頂点に立てられた神社は、街の中でも結構めだつ】
【どうしてこの場所だけが盛り上がっているのかということには、なんとかという神と神がどうこうしたという伝説が残っているのだが――それは、今は関係のない事で】
【しかし、街の中央部かな離れた場所にあるこの神社の周辺は、いわゆる田舎な街並みで、若い人から人気は無い】

「それで、良く登ろうと思ったな。 
 普通の人であれば、ふもとから見上げただけで諦めて帰るぞ」
【運動不足が叫ばれる現代では、こんなところを上ろうというのは体力自慢ぐらいだ】
【そのせいで人が寄り付かず、この神社はすっかりと廃れてしまっている】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 15:18:24.15 ID:ouA6Ew3z0
>>666

昼だろーが夜だろ―が、飲める内に、……若い内に、飲んどかねーとな。
……って、バレちまったか。これやるから、オフレコな。

【少年はビニール袋をガサゴソと漁ると、】
【今度はビール缶を取り出したと同時に、ホイッと少女に向かって、山なりに投げる。】
【缶を投げたのは、少女の運動神経が良さそうである事を見越しての行動だった。】
【勿論、昼から酒、と呆れた表情の少女故、飲まない可能性もあるのだが。】


……あー……

【―――単刀直入に言えば、此の階段を昇ること位、少年に取っては楽々、なのであった。】
【然し其れを自慢した所で、少女を落胆させる可能性があった―――】
【或いは別の方法を使ったのだ、なんて言うにしても、此処には階段しかない―――】

【上手い説明が、言い訳が、見つからないのだった。】
【少年は後頭部をボリボリと掻いて、困った表情を見せる。】


い、いや……そ、その、トレーニングも兼ねて、ってやつ。
ほら、ある程度、身体、鍛えとかねーとな。うん。

【刹那、森がガヤガヤと騒ぎ立て、ざわつき始める。―――ビュウ、と少し強い風が吹いたのだ。】
【少年の銀色の髪を時折輝かせながら、少し派手なオーバーコートをパタつかせながら―――通り抜いて行く。】
【少年は目を閉じて、其れを全身に感じていた。其の口角が上がっていた事から読み取れるが、心地良い風だったらしい。】
【―――否、其れ以上に、"助かった"なんて思っていたのかもしれない。】

【やがて風が止めば、少年は目を開く。…膝下に置いてあるパックが邪魔らしく思ったのだろう、】
【箸を手に取って、かき込む様に焼きそばを啜る。半人前程合った其れも、2,3分の内に食べきってしまった。】

【更に碧いボトルを手にとって、グビっと一口。適度に冷えた液体が、少年の喉、そして食道を通過していき―――】
【矢張りプハーッと、威勢良く息を吐き出す事だろう。】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 15:36:53.43 ID:swA/PNPOo
>>667
「……ん?」
【少年が投げつけた缶を、簡単そうに受け取ってそのラベルを受け取る】

「良いのか……ありがとうな」
【まだ冷たさの残るビール缶を、額へと押し付ける】
【熱くなった身体が休息に冷えていくあの感触は――一度でも体験したことがあれば、説明は不要だろう】

「――感謝をしているが……運動中の身にアルコール、しかも炭酸か? 酷いではないか」
【与えられた飲み物ののセンスに、悪態を吐き出す。 微かに笑みを浮かべた様子が、その言葉が本気の文句ではないことを表している】
【それから、ジャージのポケットへと缶を突っ込んでしまう】

「鍛えておく……か? 普段から、鍛えているのではないのか?」
【この長い石段を上ったというのに、汗一つ流していなかった。 それだけ、身体を動かすことになれていると勝手に思い込んでいた様子である】
「……なんだ、今日は風が強いな」
【強い風に、少女の黒いショートの髪が揺れる】
【そんな風が吹き抜けていく間に、今までの話題は少女の中どうでもよいものへと変化してしまい、それ以上の深い追及が及ぶことは無い】

「お前のそれ、変わった格好だよな。
 初めて見た時は、嫌な奴か……危ないやつかと思ったぞ」
【飲酒のルールを守らなかったり、真っ当ではないのだろうが……少女は、相手の本質は悪人ではないと考えているようだった】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 15:59:47.42 ID:ouA6Ew3z0
>>668

…っえ、酒飲んで運動ってやべーのかよ。
俺はむしろ、酔ってる時の方が快調なんだよな。……今考えたら俺、結構やべーな…。

【引き攣った笑いを見せて。ビニール袋を漁りながら、『もうコレしか残ってねーんだよー』と少女の微笑に答える。】

…これか。コレはアレだ、お下がりって奴だ。大分、ボロボロになっちまったけどなー……。
最初は、ダボダボだったんだけどなー……今は丁度良いくらいか、デカくなったな俺。

【と少年。大切そうに撫でる其のコートは、少し色褪せて来ているものの、大事に扱われている…のだが。】
【服に関して素人であろうとも、其れを見て取ることはきっと出来るはずだ。】


…ああ、あと、コイツは、好きで付けてる訳じゃね―んだよ。ほら、何の飾りもねーだろ?
コレ、魔力が籠もっててな、実際に効く"お守り"って奴だな。

ああ、俺、結構ヤベー仕事してんの。で、こう言うの付けとかねーと、やべー事になるんだよな。

【"ヤバい仕事"。其の詳細を語る事は無かったが、聞かれたなら、少年は快く答える事だろう。】
【右手の薬指に填めている、銀製の指輪については、この様に説明する。】
【他に珍しい点は無いか…と自分の身体をあちこち見てみるが、特に見つからないらしい。】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 16:19:24.30 ID:swA/PNPOo
>>669
「微量な飲酒ならば、身体が好調になることがあるだろうが……。
 それにどう考えても、炭酸は駄目だろう。 折角だから、今夜にでもいただくけどな」

【炭酸飲料を飲んだ後に全力で疾走をするとどうなるか、説明が必要だろうか】

「酔っている時の方が好調だと、勘違いをしているとか? 
 アルコールが入っていないと神経が麻痺して不調になる……一種の、依存症が考えられるかもしれないぞ」
【少々深刻そうな表情で話すあたり、男の事を心配しているようだ】

「よほど……大切な物なのか。 普通、衣服をこんなにボロボロになるまで使い込んだりしないだろう?」
【少年の言葉からも、コートとの付き合いが長いことが推測できる】
「格好いいコートじゃないか、似合っているぞ」

「魔具……か? そういう類の物は、よく分からな」
【少年の言葉の後に、銀の指輪へと注視してみるが……普通の指輪との違いは見つけられなかった】

「やばい仕事……か。 信じられないな、こんな辺鄙な場所で弁当を食べているヤツの仕事だなんて」
【言葉と同じように、表情にも驚いた様子が浮かんでいる】
「その髪とか、目とか……色は地毛か?」  
【赤い目の銀色の髪……飾っていないものならば、生まれたころからよく目立ったのではないかと】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 16:45:00.73 ID:ouA6Ew3z0
>>670

なんつーか。酔ってる間、魔力の溜まりが、全くちげーんだよなー……

あー…軽い中毒かも知れねーな。
いや、2週間位酒飲めねー時も、我慢出来たしな。大丈夫だろ……

【中毒、と云う言葉に反応する。―――若しかすると、と言った表情をするが、】
【次に発せられた言葉は、其れを否定する内容だった。】
【丸で自分に信じこませるかの様、少年は、うんうん、と呟く。】


あんまり詳しくは言えねーけど、バカやらかしてる連中を、ボコボコにする仕事だな。
馬鹿力、って言うくれーだからよ。あいつら、力だけはつえーんだよなー……

【フッと鼻で笑う。―――少年が話した仕事の内容は、大体読み取れる事だろう。】
【其の規模は問わず、"悪"を蹴散らす仕事。当然、中には"能力者"と相対した経験も有るのだ。】

ああ、ああ……
わざわざ、髪の色は変えねーよ。勿論、この目も。
赤い目の奴は、居ねーことはねーんだけどよ……同じ髪色の奴は、全員染めてんだよな。
………何なんだろうな。

【―――灯台下暗し、恐らく、最も変わっている部分を見過ごしていた。】
【自分の髪を親指と人差指で少し捻りながら、少年は自分の髪と眼の色について話す。】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/09/29(日) 17:03:03.33 ID:swA/PNPOo
>>671
「まあ、酒はほどほどにな。 私なんかに言われたくはないだろうが」
【否定する少年に、不安をあおるようなことも出来ず、無難な答えを見せる】
「酔ったまま戦闘というのは、私からは危なっかしいものにしか見えんがな」

「それがやばい仕事か? ……まあ、詳しくは触れない方が良いのだろう」
【具体的な名前をかたらない辺り、深い事情があるのだと考えて追及はしない】
「よくは分からないが……気をつけろよ」

「わざわざと言うが、好んで派手な髪をしたがる連中は多いではないか……私には気持ちが分からないが」
【黒のショートの髪に飾りっ気は無く、運動をするのに邪魔にならなければ良いといった感じである】
「髪を弄る気持ちは分からんが……お前は、何も変じゃないぞ。それは保証できる」

「さて……道草を食い過ぎたな」

【軽く身体を伸ばすと、全身を揺らしてから再び足を動かし始める】

「こんな高いところまでわざわざ来たんだ、奥の社はもうみたか? 
 まだ見ていないなら、見ていったらどうだ。 別に派手なところではないが……結構、綺麗なところだぞ」

【最後にそう言葉を残すと、少女は再び石段を下りはじめる。 次に上ってくるまではどれほどの時間がかかるだろうか】
【踏み外してしまうと一気に落ちてしまうし、勢いもついてしまいやすいため、むしろ下りの方が危険ともいえる】
【石畳を下りていく少女の足並みは、始めはゆるりとしたものであったが、徐々に早くなっていき、その背中をあっという間に遠くなってしまうだろう】

//時間なので、そろそろ落ちます
//今日はありがとうございました、お疲れ様でした
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 17:48:29.34 ID:ouA6Ew3z0
>>672

……おう、程々にするわ……止められはしねーけど……

【少し声のトーンを落としたのは、何処か思い当たる節があるのだろう。】
【思わず無意識の内に、少年はボトルのキャップ手にとって、其れを閉めるのだった。】
【焼きそばのパックと共に、ビニール袋に詰め込んでは、】

―――奥の杜か。まだここ、続きあんだな。
うし、お前がもう行くなら、俺も行ってみるかー……

っておい。……ここまで急だったかー?……あーくそ。降りんのめんどくせー……
気、つけろよー。……いや、俺も、だな。

【と立ち上がっては、少女、元意、石段に近づく。】
【陽が落ちかけた頃だった。辺りには街灯が無い故、其の道は極めて暗いのだ。】
【永い階段を見て、急だと感じたのは、其の為なのだろう。と、少年は考えた所で】

じゃ、俺も行くか。またなー……

【と別れの挨拶を切り出す。其れだけでは味気無いと判断したのか、振り返らないままに右手を振って見せた。】
【少女の足並みが、初めゆっくりとした物なら、少年の其れは、初めから早いのであった。】
【スタスタと歩いて神社の奥へと進む影は、少女と同じスピードで小さくなっていくのであろう。】

【―――途中の道で、運動中の彼女に、少年はビールの缶を渡してしまった事に気づく。】
【飲まないのなら、300mlとは言え、重りが付いてしまうのだ。少女にとって、此の階段は楽な物ではない。】
【然し今更気づいた所で、どうする事も出来無いのであった。『わりー事したなー…、』と乾いた溜息を漏らした事だろう。】

/お疲れ様でした〜!楽しかったですー!是非またお願いします!

674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/29(日) 19:45:53.31 ID:qMvF+U5/o
/てす
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 21:31:43.47 ID:0dlzdk6P0
【とある病院――屋上】

【屋上そこに男が一人たたずんでいた】
【髪は少々長い】
【本来であれば茶色いコートに白く袖の長いワイシャツ、ベルトつきの裾の長いズボンつけていたが今は病人服を着ている】
【そして、片腕がない】

 やれやれ、やっぱり片腕がないと不便でさあ

【男はそのように言う】
【とある戦闘で片腕をなくしていた】

 はてさて、これからどうしましょうかね
 ……義手をつけるのもありですがねえ、足を洗うのも手ですがなあ

【男はぶつくさと独り言を言う】

【この、屋上にきたのならこの男が見えるはずである】  
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/29(日) 21:32:08.76 ID:jQVGUz1Co
【夜の町、人影もまばらになった通りにて】

あー、はい、こっちは別に異常なしです
え?ああはいはい、じゃあこのまま帰っていいんすね、わかりましたー、っと

【携帯端末を片手に話をするのは、黒の軍服を着た一人の男】
【同じく黒の制帽の下には男性にしては少し長めの金髪。それを首の後ろ側に一つに纏めて】
【胸元には輝くバッジ―自警団の身分ゎ示す証―が見えるか】

【話が終わったのか端末をポケットにしまえば、一つ伸びをして歩き始める】

ふう……今日は面倒な仕事もなくてよかったぜ……
パトロールばっかり、ってのも面倒は面倒だが、暴動起きるよりはマシってもんだな、うん

【言葉の内容からして、業務が終わってこれから帰ろうというところのよう】
【無論、自警団という仕事柄、不審な人物や危険な光景を見掛ければそちらへ向かうだろうし】
【何か声を掛けられれば足を止めて応対することだろう】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/29(日) 22:08:14.42 ID:GDnbqdye0
>>675
【とある総合病院―――屋上にて。】

【市内でもトップクラスの病院ともあって、其の屋上には、遮る物が何も無かった。見えるのは只々、光を放つ街の風景。】
【時折其処をビュウっと吹き抜ける、乾いた突風は、】
【1ヶ月前に比べると、随分下がった気温も相まって、寧ろ寒さすら感じられる程であろうか。】


―――キュイィィ……

【風とは全く異質の音―――即ち、金属が擦れ合う様な音が、辺りに響き渡る。】
【此の男なら、1度経験している故、何の音か直ぐに理解できるだろう。音の正体は、古びたドアの蝶番に在った。】

【音の正体が分かったのなら、次は誰が其れを鳴らしたのか。】

【艶やかな黒髪に、透き通った黒い目。グレーの長袖のパーカーに、裾の広い茶色のバギーパンツ。】
【背中に背負うタイプのショルダーバッグに、顔の頬には、少し大きめの絆創膏。】
【右腕の一部分が、大袈裟に包帯でグルグル巻きにされていた。つまり、右腕だけは半袖になる様、捲っている事になる。】

【こんな身形をした、16歳程の少年が、其の犯人だった様だ。少年は屋上へ、ゆっくりと足を踏み入れる。】

【病院の何処か無機質な空気から開放されたからであろうか。】
【背伸びをしながら、スゥーッと大気を肺いっぱいに取り込むと、其れを一気に吐き出した。】

【其れも終われば、柵ギリギリまで近づいては、其れに腕をかけ、人々の生活を俯瞰して。】
【時折左手の、甘めの缶コーヒーをチビチビと飲みながら、少年はボーっとしていた。】

【まだ、男が居る事には気づいていない様子である。】

/お願いします!
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 22:09:47.57 ID:qL7dNcDy0
「……はぁ、困ったなぁ、困ったなぁ」

(路地裏を歩く少年の格好は、その場所にしては異質な物だった)
(上下が白いスーツのような服装は、夜の町には眩しく感じられた)
(辺りに散らばる肉片とか、異臭とか、悪臭とか、そういう物全てを間違いなく視界に入れている筈なのに)
(その表情は思案のソレ、顎に手を当て周囲をうろつき、同じ言葉をただ呟くだけ)

「こんな危ない匂いがするのに、何で誰もこないんだろう?」
「ほら来るんじゃないの、変な人とか、組織の人とか、組織の人とか、正義の人とか、無関係な人とか」

(誰もいない、その空間で誰かにその様子を見せるように顔を上げる)
(辺りを見回しこれとか、これとかといって肉片を説明するように動く)
(それは舞台上に立つ役者のようで、やや説明的な言い回し、観客はいないのだが)

「できれば、組織の人とか、組織の人とか、無関係な人とか、正義の人とかがいいけれども、どうかなあ、来ないかなあ」

(飛散した血はまだ乾いておらず、僅か前の事だとわかる)
(それを嗅ぎつけてくる自分みたいな人間がいるなら、他にもいると考えての行動だろう)
(おちつきなくうろうろうろうろ、段々とその動きがはやくなり、その度に耳につけた銀の十字架のピアスが揺れる)

/まだキャラクター象だけですので、戦闘はできませんが、それでもよければ
/カノッサ機関の所属している設定なので、それ関連で来ていただいても構いません、というか誰でもおっけーです
/http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14029/1366453403/301 が設定です、一応置いておきます
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 22:23:36.80 ID:0dlzdk6P0
>>677

 ん

【男は屋上の扉がひらいた音を聞いた】
【そして一人の少年が入ってきたことにも気がついた】
【男は少年を少々観察し】

 ふーん、あんたもここへ気分転換でも

【男は少年に話しかけた】
【ただの興味で】

/よろしくお願いします
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 22:35:46.07 ID:iHhpkZ5lo
【酒場】

【傾いてかけられた店の看板。落ち着いたウッド調の内装でオレンジの照明の店内】
【安酒か薄めた酒しかなくて、ここのフィッシュアンドチップスは『本場の味』との評判だ】
【マスターはテレビに夢中で、ウェイトレスの愛想はサービスには無いらしい】
【そんな店でも人が途切れないのは24時間年中無休でだらだら開いているからと】
【変わった立地のため普通じゃない奴らが普通に居ることができるから…】

【店内の人々は皆、同じようなポスターに釘付けで話題は一つだ】
【水の国の武道会―――誰が出るんだ、誰が勝つんだ。雑誌片手に語り合う】
【だが……人々の本当の興味はその”オッズ”。どんなものも此処ではギャンブルだ】

……そんなもの賭けたってしょうが無いだろうよ

【そんな店内で一人、ダーツに向かっている男がそうやって毒づいた】
【立ち飲みの丸いテーブルに缶ビールが数本と灰皿、マルボロの箱、ジッポーライタ】
【肘をテーブルにもたれかけながらダーツの矢を弄ぶ】

『ニィちゃんが賭けたら何だって外れるからなぁ。そう僻むなよ』

【馴染みの店主に茶化された男は苦笑いをして、掛けているサングラスを軽く直した】
【革のテーラードジャケット、黒いシャツ、首から下げた聖母マリアを模したシルバーのネックレス】
【やたら痩せていてやたら背の高く見た目も黒く、雰囲気も陰っているため、店内では少し浮いていた】

【男は煙草を手にとって、一本くわえて火を付けた。そして、ダーツの矢を構える】

……そーいうもんは自分で掴むもんだろう?

【投げたダーツの矢は的を射抜くが…大した点数ではなかった】
【バツが悪そうに、煙草を指に挟んで、口から煙を細く長く吐き出して】

……マスター、ドラマが終わったんならさっさとフィッシュアンドチップスを揚げてくれよ
…頼んでから30分も経ってんだから……少しはサービスも付けてな

【緑の瓶のビールを掴んで、ゴクリと飲んで一息つくと】
【気を紛らわすためにカウンターの先に投げやりな声を投げつけた】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/29(日) 22:43:29.14 ID:GDnbqdye0
>>679

……んあっ!?

【自分の世界―――元意、何か物思いに耽っていたのだろう。】
【少年は突然話しかけられた故に驚き、ビクッと肩を強ばらせ、変な声を出す。】

【両腕を柵にぶら下げてしまった為に、其の体勢を戻す事が面倒になったのだろう。】
【無礼な行動と受け取られるかも知れ無いが、少年は頭だけ男の方を向けた。】

【少年の目に映ったのは、一人の男性の姿。最も、声だけで成人した男、だという事は分かっていたのだが。】
【病院の屋上である事から、清潔で真っ白な患者衣を着ている事は兎も角、】
【片方の袖先から、在るべき手首と手が無い事に関しては、此の男の特徴として認識するだろう。】


気分転換―――んー、せやな。気分転換や。
この病院、案外大きいし、屋上行ったら眺めええんちゃうかーって、思ってな。

案の定、結構ええ景色やな。風も心地ええし。
気分転換には最高やなー……ってな。

【この付近では珍しいであろう口調、方言と共に、少年は男の質問に答える。】

……で、にーちゃんは、何処が悪いん?

あ、すまん。気、悪くせぇへんといてや。
当たり前やけど、答えとー無いんやったら、黙っといてな。

【矢張り男の片腕の行方が気になるのであった。思わず言及してしまう。】
【勿論、元から無かった、という線も無い訳では無いが、】
【男の佇まいは、何処か不自然で―――重心がズレた事に、未だ適応出来ていないような、そんな感じがしたのだ。】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 22:50:04.87 ID:0dlzdk6P0
>>681

 あっしのどこが悪いか
 まあ、見てわかるように片腕が、ね

【男はそう言ってその喪失している片腕のほうに手を数秒当て】
【そして、手を離した】
【気を悪くはしていないようだ】

 まあ、とある戦闘でな
 片腕を切られて、喪失しちまったのさ

【男は片腕を喪失した理由を話した】
【別段、何もないように】

 まあ、まだなれないがね
 
 それで、お前さんはどんな理由でここに

【そして男は少年に質問をした】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/09/29(日) 23:06:29.39 ID:Tw+NFBky0
>>680

【酒場の隅の席に座っていた人影が、男がダーツを投げるとほぼ同時に立ち上がる】
【その人影は男にゆっくりと近づく】

【脚まで隠れる程の大きめのポンチョで身体を覆い、頭には黒い、ソンブレロという帽子を深く被っている】
【顔は影になってよく見えないが、ロボットの様な薄く光る目だけが少しばかり目立つ、体格からして男だろうか】
【男の隣まで近づけば、先程、男が言った言葉に対して返してくる】

その通りだな、勝ちは自分で掴むものだ
ところで、お前は武道会に興味はあるのか?

【そのロボットの様な人物は、逆に男に聞き返す】
【その人物はテーブルに置いてあったダーツの矢を、的に向けて投げる】
【しっかり百点に刺さった、その人物の投げ方から見てずいぶんと馴れているのだろう】

/1時頃凍結するかもですが
/よろしければ!
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/29(日) 23:06:44.74 ID:yMx5kZUj0

【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】







【その街のシンボルでもある時計台の下】
【やたらと香ばしい匂いを漂わせる袋を手にした女が、一人佇んでいて】
【纏っている物は所謂巫女装束。手にしているのは――――揚げたてのポテトチップスか】


「さて、今日も特に問題無く一日が過ぎていきますね
――――いえ、時間が過ぎれば過ぎるほどコレの風味も落ちてしまうので困ったものです」

【恐らくは自警団の一人。そして恐らくは見回り中――――の筈なのだが】
【真面目な装いをしながらもその手はひっきりなしにポテチを掴めば口の中に放り込んで】
【……機関等の事もあり、緊迫した状況の中でここまで奔放な者もあまり居ないのでは無いだろうか】
【果たして仕事一徹な者が見たら何と思うのだろう】


「――――後はこのまま何事も無く勤務時間が過ぎていけば良いのですが」

【パリっとまた一枚囓る音】
【近くを通り過ぎる者達の中には白い視線を送る者も居るが、そんなのは何処吹く風で】
【――――人々から送られる視線。そしてその匂いの事もあって近くを通りかかった者の興味を自然と惹くだろう】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/29(日) 23:10:15.06 ID:GDnbqdye0
>>682

あー……
って、にーちゃん戦闘って……あ、其処は俺と同じやけど……
何か他人事の様にゆーてるけどやな、
片腕無いって、結構アカン事やで………

戦闘で、なんやろ。襲撃に遭ったんやなくて。戦っとるんなら、尚更アカンで。
たぶん、今まで出来た事の半分以上、でけへんくなると思ってええと思うわ。

【何処か違和感のある男の振る舞いは、矢張り切断された腕に在った。】

【腕を切断される程の争いという事は、余程、であって】
【恐らく生死を賭けた戦いだったのだろう。】
【目の前の其処から命からがら抜けだした、或いは勝った、と少年は推測する。】

【其れを他人事の様に振る舞う男に、少年は起こる様な、呆れる様な調子で男に詰め寄る。】
【当然、其の言葉は、今の推測に基づいた物であった。】

あ、普通は自分から言うのがマナーやったな。すまん。
俺は、"これ"と………"これ"やな。
どっちも、大した傷やないし、病院までイカンでもええかなーと思ったけどな。
念には念を入れて、ってところやな。

【少年は離す途中で、絆創膏の貼ってある左頬を指差し、】
【包帯でグルグル巻きにされた右腕を強調する様に、目の前に付き出した。】
【素人目にも分かるだろう、少年が言う通り、確かに2つの傷は、其処まで酷い物では無かった。】

【―――少年は自分の傷について話しながら、ある事にハッと気づく。】
【其れは、『この男と、自分の傷ついたタイミングは同じではないか』という物であった。】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 23:17:48.69 ID:0dlzdk6P0
>>685

 他人事のようにね
 まあ、一応考えているんですけどねえ
 自分の片腕の代わりってやつを

【男はそう言った、そしてのこった片腕で頭をかいた】

 ふーん、あんまりひどいきずじゃあねえなあ
 よかったじゃないですか、あっしのようにならなくて

【男はそのように言った】
【そこまでひどい傷を見て】

 まあ、生死の境を迷いかけましたがね
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/29(日) 23:36:39.43 ID:GDnbqdye0
>>686

片腕の代わり……考えとる……?

……ああ、そーゆーやつか。大分、分かってきたわー。
あれやろ、色んなもん作って、そいつで戦っとった、っちゅうやつやろ。

そんなら、義腕ぐらい、余裕やもんな。
あー…だから、そんな感じなんかー……

【一応、辻褄が全て合うのだ。憶測の域を脱しない論理では在ったが、少年はこう返してみるのだった。】
【然しながら、此れが正しいとすれば、少年は先程の発想に拍車をかける事になる。】

【"善"か、それとも"悪"か―――其の区別は付かないが、】
【少なくとも目の前の男は、前回の"襲撃"で負傷した人物であると言う推論―――其の真偽は、果たして。】


俺はほら、結構鍛えとる……っちゅうか、こういう、小さい怪我は慣れとるからな。
……まあ、"こっち"は、ナイフを投げられた時に出来た傷、なんやけど。

【鍛えている、という言葉に反応して少年の顕になった右腕を見たなら、】
【細いながらも靭やかな筋肉が付いているという事に気づけるだろう。】

【少年は面白半分に、自分が能力者である事を匂わせる様な発言をして見せた。】
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 23:42:33.28 ID:iHhpkZ5lo
>>683

【煙草をくわえながら、ジャケットのポケットを漁って】
【しわくちゃの紙幣と交換で雑に盛りつけられたフィッシュアンドチップスの皿を受け取る】
【べたついた油の感じ、疎らな味付けを大量のケチャップでもごまかしたような味だ】
【何のサービスもないポテトを軽くつまんで、テーブルの上に皿を置いた】

……無いね……全く。どうだって構わないさ…どうだって…
…あー言うもんを軽く出来レースに思うぐらいには性格は曲がってるさ

【若い男の声は酒と煙草にやけて少ししゃがれていて】
【灰皿にくわえていた煙草を乗っけると、ビールとケチャップで】
【大して味もない白身のフライにかじりついて腹に押し込める】

【サングラスの下の目は中心に突き刺さったダーツの矢をチラリと見て】
【この不思議な旅人のような人物に食事をしながらぶっきらぼうに話す】

……俺はアンタみたいな”アミーゴ”を持ってた覚えは無いんだがな…どっかの酒場であったか?
酒の席のことはどうも忘れやすくてね…潰れるまで飲むからなんだけれどさ…

まあ…それはいいか、アミーゴじゃないなら…なんってんだ?俺はこんなナリだがマフィアでも無いぜ
マフィアのスカウトも武道会のスカウトもひっくるめて断る……

【ビールを飲んで、白身のフライから相手のロボットのような目に男のサングラスの目線も移る】

…ここは酒場だ。アンタも”アミーゴ”ならアルコールを入れな。マスターも喜ぶぜ?

【頬にシワを作って、ニイっと口元を笑わせて、そう言った】
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/29(日) 23:47:51.09 ID:0dlzdk6P0
>>687

 まあ、そうだな義腕だよ
 うん、あっているなお前さん

【少年の予想は大当たりといってもいいだろう】
【この男は義腕くらいならあっさり買える金を持っているのだ】

 しっかしお前さんはその傷をどこで
 あっしの場合は風の国の襲撃ですがね

【男は少年の予想をしらずに言う】
【別段話したところでなんの痛手もないと判断したのだろう】

 ふーん、なかなか鍛えてやすねえ
 なら、ナイフで切りつけられてもある程度は大丈夫でしょうねえ
 まあ、何らかの能力である程度軽減したかもしれませんが

【男は少年が能力者であると匂わせる様な発言を見逃さなかった】
【そこで、発言におりまぜて聞いてみることにした】

 あ、そういや水の国で大会があるらしいぞ
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/30(月) 00:07:52.85 ID:9MN0VRpw0
>>689

そ、そうなんや……
俺は、別の…、そこら辺の"路地裏"でチンピラに絡まれた時に、やな。
2,3人はおったかなー……大変やったわー…。

【―――少年の推測は正しかった。……全く以て、当たって欲しくない推論だったのだが。】

【残った未解決問題は、『此の男が"善"か、"悪"か』―――極めてシンプルであった。】

【"悪"の可能性も含んだ目の前の男に、『自分も其処に居た』なんて言えるはずも無く、】
【だとすれば、適当に誤魔化して置くのが吉、であった。】

【例え此の男が"悪"の人間であっても、そして今、少年に極めて有利な状況であったとしても。】
【必要以上の戦闘はしたく無い、というのが少年の本音であった。】


ほら、さっき、鍛えとる、ゆうたやろ。
切りつけられたんやけど、すんでの所でかわしたんや。
やから、傷は、浅かったんやで。ええやろー。

【少年は誤魔化す、兎に角、誤魔化すのだった。】
【鍛えているから、回避できた。其の為、浅い傷で済んだ。】
【其の状況を詳しく述べていない故、恐らく不自然に聞こえる事は無いのだろう。】
【勿論、『その時の様子を詳しく、』なんて踏み込まれたのなら、少し困った表情を見せる事になるが。】

【少々の疑いの眼差しで目の間の男を見る少年。当然、能力については、触れなかった。】


大会かー。出てもええんやけど、俺、そこら辺のチンピラに、ギリギリ勝てるぐらいやし。
ま、見学やろなー。………にーちゃんは出るん?

【悪魔で、格闘技を習っているだけの"只の少年"である様に演じる。】
【―――然しながら、取り繕えるのは、当然、言葉だけであった。】
【其の立ち振舞を凝視し、"只者では無い"と結論づける事は、十分に可能である。】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 00:12:56.29 ID:3eeNNweb0
>>678
/まだいるので、宜しければ相手してやってください…
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/30(月) 00:15:39.53 ID:D6YXw7Wj0
>>690

ふーん、ま、そういうただの少年ってことにしておこうか

【男はそう言った、少年が能力者であろうと別段気にしておく必要はないと思ったのだろう】

 大会には見学か
 ま、あっしは片腕がね、義腕にするけども慣れるまでが大変だから見学だよ

【それも当然だ、いきなり大会に出てもいいところもないだろう】
【第一そんなにでるきもないし有名になる気もない】

 んじゃ、そろそろ部屋に戻るとしやしょうか
 そういや名前をきいていなかったなあ
 あっしの名前は高野正和だ

【そう言って名前を聞いていく】

【そして名前を聞いた後に男は屋上を後にし部屋へと戻っていくだろう】

/ここら辺で閉めますね
/お疲れ様でした
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/09/30(月) 00:27:54.97 ID:sM4Juj7I0
>>688

【男が返した答えに、驚く様子も無く】
【フライをかじり、ビールを飲む男が今度はロボットのような男に質問する】

アミーゴか、これはまあ、とある都合上着ているだけではあるが俺自身もなかなか気に入っていてねェ

俺も会った事は無いと思うな、勿論同じ酒場に居合わせた事もあったかもしれんが
少なくとも、顔を合わせた事は無いだろう
そして先程の言葉だが、出来レースだと思うのなら参加してみれば良いではないか
ま、俺は別にスカウトを頼まれた訳ではないのだがな

【そして男が何か注文しろと遠回しに言えば】

確かに、酒場なら酒を頼むのが通りというもの
ならばウイスキーを一本頼もうか、つまみは無くても構わない

【マスターに注文を頼めば、再び男に視線を向けて】

だが、それよりももっと良いと思う酒のつまみがあるのだが、どうかね?

【そう言いポンチョから取り出したのは、一枚の金貨】

コインの裏か表、どっちかに賭けるのは?

【そしてコインをこれまた機械の様な指で弾けば、テーブルに手で叩きつける】
【手の下のコインは表】

当てたら何か奢ってやらん訳でもないぞ?
俺はこういう単純な賭けが好きでな
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 00:32:04.89 ID:uggnxaN2o
>>678
/まだおりますか?
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 00:35:32.33 ID:3eeNNweb0
>>694
/はい、いますよ! 書いた通り戦闘はできそうにないですけれども
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/30(月) 00:43:17.42 ID:9MN0VRpw0
>>692

どっちも、見学勢やな。
まあ、またあったら、そん時はよろしゅう。


【正直言って、答えたく無い質問を受けてしまった。】
【"偽名"を操るのも一つの手だった―――のだが。嘘はやがて、身を滅ぼす事に繋がる】
【とすれば、本名を伝える―――否、其れこそ"偽名"に聞こえる名前なのだが―――】


名前は、"ねこやま"って言うんやけど、まあ別に、覚えんでええと思うで。
……俺はもうちょい、此処におるわ。ほな、さいならー……やな。

【自分の名を教えたのなら、男は病室へと足を進める事だろう。】
【少年は、もう少し風に当たっていく、とだけ伝えるのだった。】

【相手が其のつもりだったかどうかは別に、少年は出来る限り、抗争に発展さすまいと努力した。】
【其の努力は、何とか実った様だが―――。其れなら少年には、新たな課題が発生する。】
【自分が取った行動は"最適"だったのかという事。】
【常に、最善手を指し続ける。―――此れが少年の、目標であり、理想であった。】

【―――時折吹き抜ける強い風に靡いては、時折反射して輝きを放つ、少年の黒髪。】
【そんな事は他所に、月明かりに照らされた、一つの悩む影が、暫くの間其処に映し出されるのだった。】

/お疲れ様でしたー!
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 00:44:59.75 ID:uggnxaN2o
>>678

そりゃあおまい、こんなもん見飽きた光景だからでござるであるよ

【───闇に答えるは腑抜けた声、のんびりとした口調の割に、言葉選びはシンプルに毒々しく】
【しかし辺りを見舞わせどその姿は何処にもなく、刹那『じゃらり』と鎖の音色が、天上の方より鳴り響く】

【上を見ればそれはいた、少年の真上に逆様に、糸にぶら下がる蜘蛛か吊られた刑死者が如く宙にいて、見上げた体制で少年を見下ろす】
【彼女の脚を縛り、支えるのは自転車のチェーン、建物上方に横這いに渡されたそれから更に一本チェーンを繋げ、曲芸のようにぶら下がっている】

悲しいけど、マンネリなのよねでござる
正義の味方も相手する悪人を選ぶ時代、あーやだやだ

【いつからそこにいたのだろうか、だとしてもその体制に苦は無いのか。疑問は尽き無いが、彼女は平然として話を続けている】

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る、白いニット帽に黒いゴーグルを被せた様は髑髏を被ったようにも見えて、オーバーニーソックスと黄色・黒の縞模様スニーカーがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/30(月) 00:56:00.46 ID:jMBUpDJGo
>>693

【相手の飄々としたような態度…喩えるならばロボットの様な】
【というよりか見た目中身ともどもロボットのような雰囲気に少し不思議な感じがして】
【サングラスの男は一瞬だけ、目尻がぴくりと動いたがサングラスでそれは悟られることはないだろう】

……ああ、そうかい……それは残念…友達は少ないけど顔見知りは多くてね
アンタみたいなヤツも居たような居ないような……まあ、それはいいか

いや…俺はいい。出来レースの方が観客はエンタテイメントして楽しめるかもしれんだろうよ
そうじゃないにしても……まあ、実際そうじゃないんだろうけどさ。どちらにせよ…
ダービーみたいに金がかけられてヤジやら歓声やら浴びるのは俺は好きじゃない

【それを言うとケチャップの味しかしないフライドポテトに目線を戻した】
【味なんかあったもんじゃないがこれが一番マシな食いもんだと男は思っている】

賭けか…ギャンブルは三番目ぐらいに好きだ。酒のつまみというより、酒の代わりだ
当たるとか当たらないとか……そういうんじゃないんだよな……

……よし…じゃあ……………”表”に…俺の命でも賭けようか

【テーブルのコイン…その上の手を見ていた男はそうつぶやいたが】
【ニッと笑いながら男の顔の方を向いて 指先をパチンと鳴らす】

いや、やめておこう。俺のセンスは外れやすいんだ。だから、逆に張る
……だから”裏”……裏にマルボロの残りを賭ける。8本はある。さあ…開きな

【自信有りげに灰皿の煙草をつまんで、吸って。そのコインの運命をジッと見つめて待っている】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 01:00:13.88 ID:3eeNNweb0
>>697
(異様な光景の前では、全てが正しく、全てが間違い)
(そこに合ってるとか、合ってないとか、そんな物は無くなってしまう)
(だから、その腑抜けた声も、奇怪をトッピングすれば、良いスパイスになるのだろう)

「ああ、すばらしい、すばらしいよ、すっごくいい、今のお姉さん、凄く良い」

(少年はそう感じていた、驚きに声をあげるより、感嘆の声を先にあげる)
(いつから居たとか、何処まで見てたとか、そういう事が)
(そういう、意味の分からない、ただただ疑問である事が増えた、それが純粋に嬉しかった)
(爛々と目を輝かせ、鈍く光り、音で存在を示す鎖を見て、凄い、凄いと囃し立てるかのように呟き続ける)

「えっと、まず、いいかな、凄く聞きたいことが多くなっちゃって」
「ああ、違う、違う、そうじゃないそうじゃない、まず自己紹介? うん、そう、自己紹介からだよね」

「なんていっても、僕はコレ、とかソレ、でよんでもらって構わないからいいとして、ああ、うん、お前とかでいいよ、今の僕の事なんてどうでもいいから」
「僕は悪役みたいな物をやらせてもらってる、みたいなのっていうのは、実感が無いから」
「うん、だからここに来た先輩とか、大先輩とかに、できればご教授願おうかなって……違う、そうじゃない、ごめんごめん、僕の事はどうだっていいんだって」

(自らの趣味を嬉嬉として語る、その時の興奮っぷりに似ていた)
(話す事が煮詰まっていないのか、舌が追いつかないのか、ただ饒舌に、それでいて歯切れの悪い自らに慌てて、その様子にもう一度慌てる)

「ごめん、お姉さん、少し興奮しちゃって、その、聞きたいこととか、話したいこととかいっぱいあるんだよ」
「だから、それをまとめるから、少し、時間を頂戴」
「そうだ、お姉さん、名前教えてよ、別にお姉さんって呼んでもいいんだけれどさ、ああ、いや名前は別にいいや」
「それより、お姉さんは悪人でいいのかな、それとも、まさかの正義の味方?」

(口を閉じると息を吸い、はいて、深呼吸を繰り返す)
(この動作の間に教えて欲しい、という事なのだろう)
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 01:19:55.11 ID:uggnxaN2o
>>699

おうこらナンパする前にまず驚けよ。
近頃の奴らは無駄に肝が据わってるから嫌でござるね〜

【(≡ω≡)←こんな顔になって、彼女は間延びした声で不満を語る、とは言っても感情は入っておらず、冗談めいてはいるが】
【嬉しそうな様子の少年を、何処か珍獣を見る様に眺めた彼女は、突然切れたチェーンにも驚かずにくるりと宙返りして着地する】
【ぐちゃっと踏んだ血肉に「うわ」と声を漏らすもやはり冗談めいていて、何処か演技臭くキャラ作りっぽい】

おー少年、時に落ち着け、キョドるとキモいぞ
出会っていきなり名前を聞くなんて見上げたナンパ根性でござるな、チャラ男かおまいは
まあいいや、わっちの名前は荒邦 黒炉、クロと呼ぶがいいでござる

【何に興奮しているのか、クロには全くもって理解不能であったが、とりあえず少年が面白そうな何かであるとは思った】
【だから素直に名前も教えてやるし、暫くはおとなしく話を聞いてやろうとも思った】

どっちかっつーと悪の味方かな?どーせなら面白い方の味方でいたいんだけどぬ〜
ま、悪人っつっても?真っ白キョドり丸君みたいに街を肉片で汚したりはしないけどにゃ〜

【語尾が安定しないのは、きっとふざけている証拠だ、何処から何処までが嘘か本当か分かったものじゃない】
【しかし、とはいえ正義の味方ならばこの状況でこんな反応をする事はまずないだろうが】
【そんな事よりも、『好きに呼べ』と言った結果とんでもない事になっているのが気掛かりだ】

/申し訳ありません、風呂に入ってきます
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 01:38:22.78 ID:3eeNNweb0
>>700
「ナンパ? そうかな、違うよ、違う」
「ああ、そう思われちゃったのかな、ごめんね、そんなつもりなかったんだよ」

(間延びした、簡単に言えばふざけた様子だったからか、それを冗談半分と受け取り)
(軽く流し、すぐさま話題を動かすために再度口を開ける)

「肝なんか据わってないよ、驚いてる、驚いてる」
「でもね、驚くとか、そんなのよりお姉さんが凄かったから、そっちに気がいっちゃったんだよ」
「ほら、あるでしょ、声もでないとか、言葉で表現できないとか、僕の語彙が少ないだけかもしれないけれどさ」
「ともかくお姉さんの、そのすっごい異質な様子がね、とっても不思議だったんだ、だからそれに嬉しくなっちゃってさ」

(少年の興味の対象は、疑問である)
(何故そうなるのか、そしてそれに納得したい、納得せずとも答えを知りたい)
(だから、目の前の女性が不思議の塊だったから、驚く暇もなく、興味が出てきて、嬉しくなってしまった)

「ああ、ごめんね、うん、自分でも少し気持ち悪いなって思ってたんだ」
「そうだよね、こんなに迫られたら怖いよね……すぅー……はぁー……」

(大きく、汚れきった空間の息を吸い、そして吐いて)
(深呼吸を繰り返し、凡そ十回)

「それじゃあ、クロお姉さんだね、よろしく、お姉さん」
「まずは、これ僕がやったんじゃないんだよ、僕が来たら既にこうなっててさ」
「だから、その匂いを嗅ぎつけて変な人がこないかなって思ってたんだよ」
「そうしたらさ、クロお姉さんみたいなすっごく良い人が来てくれたんだよね!」

「それとも、お姉さんはさ、僕がこのままネオンだらけの妖しい場所に行こうっていったら、ついてくるの?」

(しかし、やはり喋る、ただ歯切れの悪さは消えているし、言葉もゆっくりで、落ち着いているように見える)
(少しきわどいジョークまで飛ばしてくるのだから深呼吸の効果はあったのだろう)

「キョドり丸かぁ、あはは、それ面白いね」
「いや、やっぱり僕の呼び名とかどうでもいいや、その通りだし」
「ちょっとね、聞きたいことが多すぎて、いっぱい聞くことになっちゃうかもしれないけど許してね」
「まず一つね、街をって事はさ、やっぱりこういう事するのかな?」
「ほら、組織があるでしょ、カノッサ機関、とか、GIFT、とか」
「クロお姉さんはそっちの人なのかな?」

(笑い方に演技のような物は感じられず、純粋に面白いと思っているのが解る)
(ただ、それも少し前の話、真っ先に聞きたかった事柄)
(というより、ここに来た人間がどんな物であれ、真っ先に聞こうと思っていた事だ)

/はい、いってらっしゃいませ!
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/09/30(月) 01:50:22.90 ID:sM4Juj7I0
>>698

【男が選ぶは"裏"、そしてゆっくりと機械の様な男は手を開く】
【その手の下のコインは"表"、裏では無かった】

残念、外しちまったなァ
賭けは常に運との勝負、だがそれを掴めるかは常に自分との問題だな

【そして差し出されたタバコを手に取れば】

ま、外しちまったんならしょうがない、貰うのもまた礼儀というものだ
だが一本はお前に返しておく、7本なら幸運のナンバーになるだろう?
それにしても改めなければ勝てただろうに、もっと自信を持ったらどうだ?

裏の裏は"表"、裏の裏の裏は"裏"、そんなものあてにせずに次から自分の直感で決めれば良い

【一頻り喋り終えれば、運ばれてきたウイスキーをグラスに注ぎ一杯、飲み干す、飲む時も帽子の影で見えない様にしながら】
【飲み終えれば席から立ち上がり】

さてィ、そろそろ帰る時間かなァ
タバコは有り難く使わせてもらうよ、久々の出会い、楽しませて貰った

【ポンチョの中からウイスキー代を取り出し、マスターへと渡す】
【男の前にはまだ半分ほど余ったウイスキーが置いてある】
【残ったそれを飲むかは当然、男次第】

/キリが良かったのでこのあたりで!
/お疲れさまでした!
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 02:03:36.51 ID:uggnxaN2o
>>701

異質かぁ?こんなにぷりちーなのに?
わっちごときで異質なんか言ってたら、その他の濃〜い面子共は異常になるぜ
うっくっくっく、わっちはまだまともな方さ、話が通じるんだもの

【喉を鳴らして、イタズラっぽく嗤って語る。曰く自分はまだ異質ではない方だと】
【この世界、彼女以上に異常な感情を持つ悪人は五万といる。その全てを彼女は知っている訳ではないが、知っている内で自称は出来る】

へーそう、第一発見者を装う犯人まんまのコメントでござるな
まあ、オマイがやろうとやらなかろうとどうでもいいんでござるよわっちには
わっちは面白そうならそれで、キョドり丸が大人の階段を登りたいなら場合に寄っては付いて行ってやってもいい所存

【恥じらいや驚きもなく、冗談には斜め上の答えで返す。何も気にしていないというよりは『全てどうでもいい』といった感じで】
【つまる所彼女は少年がなんであろうと、何をしようと、ただ煽ってからかって、そうして愉しむだけなのだ】
【勝ち負けとか、善悪とか、自分と他人とか、全てがどうでもよくて】

さあ?んなもんその組織の奴に聞けや
わっちはどっちでもないっちよ、機関でもGIFTでもない。大神研究所の所属って事に一応なるのかな
あ、知らなくてもいいよ別に、余り目立つ組織じゃないし。機関とかじゃなくてがっかりした顔見せてもいいでござるよ

ああ、そうそう、機関かどうかは知らんけどこういう事する奴はよくいるよ
お陰で路地裏血生臭せーのなんの、馬鹿の一つ覚えかあいつら

/お待たせしました
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 02:21:14.76 ID:3eeNNweb0
>>703
「やだなあ、見た目が不細工だったら異質でもなんでもないんだよ」
「可愛い人、かっこいい人、そんな何処にいっても誰かの目を引くような人が何かをする」
「そういう事が異質なんじゃあないか」

(少年も会話が通じないような人がいる事は知っていた)
(知っている、というよりはまあいるだろう、という曖昧な考えだったのだが)
(やはりそのようで)

「嗚呼、やっぱりかー、いるんだー、やっぱりいるのかあ」
「うん、あいたいなあ、あいたいなあ、ああでも、痛いのはいやだなあ」

(少年も異常に属する部類の人間のようだ、演技がかったように復唱して、手振りまでつける)

「こういうときってさ、何でいえば信じてもらえるんだろうね」
「これも不思議に思ってることの一つでさ、どうすればいいのかなーって、よくわからないんだ」
「ええ、いいの? 冗談? 本気?」

(口元を手で覆い、目を僅かに細めてその冗談に乗ってかかる)
(まだ15だか、16だか、そんな少年からすればそれは嬉しい提案だろう、だからたとえ冗談でも本気にしたくて)

「――ああ、でもちょっとまって」
「ちょっとそれよりも重要な事できちゃった、うん、後回しになるかも」

(ふと、黒炉の様子を見てその顔を止め、真顔になって)
(ちょっとまってと言った台詞には今までの演技がかかったような物がなく、真剣そのもので)
(あごに手をあて何やら考えはじめる)

「いやね、あえないんだよ、なんでかなあ」
「だからここでまってたんだけど、まあいいや、クロお姉さん来てくれたし」

(そして、一旦その構えを解いて話に耳を傾ける)
(またしても声の幅が上がる)

「うん、知らなかった、だからね、嬉しいんだよ、そんな物もあるんだね」
「凄いなあ、他にもあるんだ! 嬉しいなあ、嬉しいなあ」

(知らなかった、だから嬉しい、そりゃ、確かにがっかりするところもあったけれど)
(クロお姉さんとあえたし、疑問が増えてプラスだよね! とでもいいたげに、ある意味人生が楽しそうにも思えるほど、前向きともとらえられるか)

「ああ、そうだろうね、いっぱいいるよね、だって、皆普通じゃないもんね」
「違うよ、正常じゃないって意味じゃないんだ、こういう事できる力を持ってる人がさ、多いからね」
「そうだよね、だってさ、気軽にやってみたかったことが、できる能力だもんね」
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 02:48:43.24 ID:uggnxaN2o
>>704

…お前、少し喋りすぎだ
よく喋るのはわっちだけでいいわ、いやマジで

ま、何だ、話をまず纏めろやキョドり丸
大人の階段なのかわっちの身分なのかオマイの知りたい事はなんだっていいからとりあえず三行で纏めないとキレるぞ
自分ばかり楽しそうに喋りやがって、三流ホストかてめーは

【そろそろ、喋り倒しの少年にもうんざりしてきたらしい。表情や声色は変わらずとも言葉に毒が濃くなってくる】
【この間、彼女が少年に対して分かった事は、異常を求めるこの少年がとても異常な事。自分以上に遥かに異常だ】
【だからこそ、構っていて面白いのであるが、元来長い話は聞かない彼女に少年の会話は少しレベルが高かったようだ】

でさー、どうしてオマイは悪人を探してる訳?悪役のやり方がわかんないから?
やり方もわかんねーのに悪役とか自称すんの?それっておかしくね?

【続いてこちらのターン、質問を返して少年からの情報を引き出し、見定める】
【後頭部で両手を組み、あっちへこっちへ歩きながら、少年をぐるりと回って観察しながら】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 03:00:57.78 ID:3eeNNweb0
>>705
「三行かぁ、うん、仕方ないね、確かに喋りすぎたみたいだからね」
「じゃあちょっとまってよ、まとめるからさ」

(その毒が当たり前とでもいう風に、少年は依然として、何ら変わりなくお喋りだった)
(既に全身に毒が回って、だからこそ異常で、そんな物じゃ相殺しきれないのかもしれない)
(言われた通りちょっと≠ルんのちょっと≠フ時間の後、口を開いた少年の顔からは笑顔が消えていた)

「えっとさ、何でそんな芝居がかってるのかな」
「クロお姉さんってさ、脱力系って訳じゃないよね、興味がない、みたいな」
「だったらそうしてればいいのに、何で変に構えるのかな、教えてくれないかな?」

(例えば、誰かに見せているかのような、舞台役者のような腕のそぶりとか、一々歩き回る様子もなければ)
(先程まで見せていた興奮の色も褪せ、そこにあるのは探求者としての少年)
(双眸は今度は黒炉へと向かう、本当は聞きたい事が色々あったのだが)
(それを絞って一つにしたのだ、だから答えてくれると嬉しいのだが、と自然に答えを求める様子が体に現れたのか、一歩距離を詰める)

「ああそうだね、おかしいよね、その言葉だけだと僕が何いってるかわからないよね」
「だったらそこからはじめたいんだけれど、ああごめん、また少し長話になるところだった」

(確かにその通りだよね、と続けて言葉を放てばガラリと一遍、何処か気の抜けた、異質なお喋りの少年に戻る)
(またしても長々と語り倒そうとして言葉を紡ぎ)

「えっとさ、少し長くなるかもしれないけど、いい?」
「できるだけ短くするからさ、その、三行って訳にはいかないけどさ」
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 03:15:44.55 ID:uggnxaN2o
>>706

───。

【『何故芝居じみているのか』なんて聞かれれば、沈黙が帰って来る。ただの沈黙ではなく、何かを含んだ沈黙】
【少年をぐるりと周り、背中を向けたクロが振り向いた時、僅かな隙間に垣間見せた目付きはこれまでとは違っていた】
【冷たく、鈍く、濁った眼───すぐにそれは、見間違いだったかのように消える】

馬鹿だなー、世界に興味が無い系少女なんて何百番煎じだっつー話だよ
飽き飽きするだろそーゆー設定、だからつまんねーと思ってもヘラヘラしてやってんだよ
何かよく言うだろ?世界を変えるのは自分だーとかさ、だからヘラヘラ笑って面白い事探してんだけど

【脚を大きく振り子のように動かしながら振り向き、人形じみて演技臭い】
【別に何かを隠すわけでもない、隠す理由も無い、そう思ったから、思ったままに答えるだけ】
【本当なら、何もかも全てが全部須らく、つまらなくて無価値で無意味で無味無臭の無造作な無機質に見えているのだけど、そこに無理矢理色を見出す】

……ま、いいさ、話してみろよ、お前の事を
もしかしたら好感度上がるかもよ?『変な奴』から『面白い奴』くらいには

708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 03:36:46.63 ID:3eeNNweb0
>>707
「それが答え、なのかな」
「今の僕には教えられないっていうのが、答えなのかな」
「やっぱり凄いよ、すっごく、異質で、綺麗」

(冷たく濁った眼、それが虚構だったかのように、まるで眼の悪戯であったかのように)
(一瞬の内に跡形もなく消え去る、だけれど、それはとても嘘では片付かないし)
(少なくとも、少年は片付けたくなかった、だけど、聞かない)
(謎は謎のままのほうがいい、なんていう言葉もあるけど、少年はそれが大嫌いで大好きだった)
(謎をとっておけば、後に楽しめるから、でも、謎のままがいいとは絶対に思わない)


「例えばさあ、例えばなんだけれど
何の趣味も見つからない、ただ呆然と生きるだけの毎日を送っている人がいたとするよね」

「その人がさ、趣味を見つけたら、楽しいって思える物を見つけたなら、それに没頭しても仕方ないよね?」

「例えば、それが人殺しだとか、強姦だとか、でもさ」

「だぁって、君達にとって当たり前の楽しみが、その人にとってはそれだったってだけなんだから」

「言いたい事はわかるよ? まずいよね、こんなイカれた趣味を持ってる人を放っておくなんてさあ、おかしいよね?」

「だから止めるよね? 罪を負ってもらうよね? 二度とそんな事できないようにするよね?」

「でもさ、それってその人を殺すことに等しいんじゃないかなって、世論はこういうでしょ、それでもキチガイとか、そういう括りで終わらせるでしょ?」

「人の命が軽くないからそうやって助けたのに、結局殺しちゃったんだよ、おかしいよね」

「でも仕方ないよね、それが常識なんだからさって……考えた時にさ、思ったんだよ、常識ってなんだよって」

「それはさ、人が人である為の最低限の何かとか、そういうのであるのはわかるんだけどさ」

「ほら、常識に縛られる人だっているでしょ、したいことだっていっぱいあるでしょ?」

「さっきの話に戻すとさ、もし殺された親族の人がいたらさ、殺したくなるでしょ? 滅茶苦茶にしたいでしょ?」

「でもそんな人も常識に縛られるんだ、常識に助けられて縛られるんだ」

「しかもさ、この世界はそれで終わらないんだよ、お姉さんみたいに、そういう事ができる人もいるじゃない?」

「だからさ、ナイフを持つ勇気がなくても、引き金を引く勇気がなくても、ちょっと、ほんのちょっとだけ敵意を向けたら、ヤっちゃう事もあるでしょ?」

「僕はさ、そんな人の――そういう人の背中を、少し押してあげたいんだよ」

「その時の結果が見たいんだ、そういう、綺麗事とか抜きにした、自分の為に全力で自分の為に何かをする結果がね、見たいの」

「――これって、悪でしょ? 変でしょ? だって、この常識は、こう作られてるんだから」

(一通り語り終わった少年は、ふぅ、と息を吐いて調子を整えて)

「どうかなあ、これ、あんまり人にいうつもりなかったから」
「うん、何処か変だし、矛盾してるような気もするけど、クロお姉さんなら、僕の言いたい事、少しでいいからわかってくれるかな?」
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 03:56:42.57 ID:uggnxaN2o
>>708

知りてーなら好感度上げてフラグ立てな、わっちは軽い女じゃないでござるよ
…ま、語ったら死ぬけど、黒歴史だし

【何がそんなに気に入ったのかが分からない、ただ頭に浮かんだままに言っただけなのに、ただそれだけなのに】
【よくわからないが、よくわからないならわからないままそれでいい、知ろうとするのは面倒だ】
【知らなければ良かった事もあるなんて、嫌と言う程に自覚した。もうそんなヘマで悲しみたくはない】

───……うん、まあなんつーか…いいんじゃないの?別に
要はお前、キチガイを野に放ちたいキチガイだろ?別にまあ、いいんじゃねーの?
つーかうちの大将、そーゆーの好きそう。きっと応援するわあいつなら

【きっと、まともな人間なら到底賛同はしないだろう。思考する人間なら粗を探すだろう。悪どい人間なら更に唆すだろう】
【でも彼女はどれでもない、全て聞いた上で、聞き取った上で、賛同はせずとも肯定した】

つまりあれだべ?ラスボスのNo.2的な、真の黒幕みたいなポジションが好きなタイプ?
いいんじゃねーの?常識の綱切りまくってやれば、面白そうじゃん
背中押して崖から突き飛ばす勢いでやってみろよ

…で、ござる

【最後に、付け加えた語尾が、彼女のキャラ作りが一周して戻ってきたのだと証明する】
【その中に果たして素の感情はあったのだろうか、とはいえ常に面白い物を見るような表情ではあるが】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 04:09:30.69 ID:3eeNNweb0
>>709
「猟奇的な終わりしかないの? いやだなあ、僕は長生きしたいのに」
「うーん、手っ取り早くそれだけ教えてくれないかなあ、どうすればいいかなあ」

(対照的だろうか、知ろうとする、何処までも深く知ろうとする)
(わからないが嫌いで、結果が大好き、過程が見たい、納得が欲しい)

「いやだなあ、別にそういうつもりじゃないんだって」
「別に唆してへんな事したいんじゃないんだよ、結果がみたいだけだから」

「そうじゃないかなあ、ただやりたい事全部やれたならどうなったっていいし」
「でもさ、こういう事したいなら、少なくとも今のままじゃダメだよね」
「だからさ、悪役をやってる人に教えてもらって、今よりも悪役になりたかったんだけれど、さ」

(一端の機関員如きが、それをかなえることは不可能だと、それは本人が知っていた)
(だからこそ悩ませている、どうすればやりたい事ができるのか)
(まず、こんな口先だけの人間から、行動を起こす人にならなければならない、と異常な状況で、前向きだった)

「それで、さ、今考えてるんだよね、どうすればその、崖から突き飛ばす勢いでできるかってさ」
「例えばさ、クロお姉さんがさ、どうしたらほんの少しでいいから、もう少しでいいからさっきみたいな表情してくれるのかなって」

(矢張りキャラを作っている、本当の感情とか、そういうのがあるなら、多分全部どうでもいい部分なんだろう)
(この人の本性一つ引っ張り出せずに、そういう事ができるのかなあ、とか)
(それとも、一番難しいことなのかなあ、とか)
(ただ、一番なのは、そういうの関係なしに、疑問を解消したいという事だけれど)
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 04:34:50.24 ID:uggnxaN2o
>>710

さあね、わっちにゃあオマイのやりたい事のアドバイスはできんでござるよ
わっちは誰かの背中なんか押したくはない、押すとすりゃそいつが今にも落ちそうな時だけでござる
それに、悪役は悪役でもわっちは中立寄りの所謂小物でござるし、それなら適任はもっといるでござるよ

だがまあ、一つ言うなら───
なりたいやりたいってずっと燻ってるよか、やってみた方がいいでござるよ
未熟で失敗したならそれを踏み台にすればいい…スポ根漫画じゃよくある話だろ?

【───矛盾。自分で他人の背中は押さないと言っておきながら、『やってみろ』と少年に言う】
【らしくないくらいに熱血じみた言葉だが、だとしたらこれもキャラ作りなのだろう】
【いくつもいくつも、言動にすら仮面を着けて、本心は少しも明かさない───存外、本心の方がつまらないだろうが】

そりゃお前、あれだよ、結婚詐欺師の手口でさ
話を親身に聞いてるふりして、地味〜に行かせたい方向に押し出すんだよ。んでタイミングでドーンってな
そういう事、わっちの本心を聞きたいならやっぱり好感度上げなきゃな

…ま、表情だけならいつでも見せてやれるけど?

【本心を引き出したいなんて、そんなものが一朝一夕で出来る物である訳がない。能力を使わないなら地道にやるしかないのだから】
【だから、ふざけた比喩のような好感度も、あながち間違いでは無い筈】
【冷めた表情を作りながら、彼女はそう言った】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 04:58:06.10 ID:3eeNNweb0
>>711
「勿論やるさ、ここで地団駄踏んでるだけなのもいやだからさ」
「でもさ、クロお姉さんは結局どうなの? 背中を押してくれてるの? 肯定するだけなの?」

(僅か前の会話を思い出し、結局どっちなの、と首を傾げて黒炉に尋ねる)
(まともな返答何て帰ってこないのは承知なのだが、また疑問がわいてしまった)
(結局どうでもいいって事なのか、矛盾しないと、駄目なのか)
(ああ、駄目だ、好感度上げないと、そんな使命感にも似た感情が、少年の中で芽生える)

「そうだなぁ、じゃあ生きてたら」
「もう少し、もう少し色んな物を見て来て、それでも僕が生きてたら」
「そうしたらさ、少しはクロお姉さんも、僕の疑問の答えを、見せてくれる?」

(冷めた、さっき見た一瞬の眼に似合いそうな表情を見て、ああ、それだ、それ、と思わず呟く)

「いや、その時は無理矢理でも見る、なのかな?」
「そっちの方が悪役っぽいし?」

(本心がつまらない、とか、やっぱり少年には関係なかった)
(その仮面で何故覆うのか、が気になって、その理由が知りたいのだ)
(その結果が、見たいのだ、ただ、その見た目相応に、結果を急ぎすぎるってだけで)

「ごめんね、クロお姉さん、もうそろそろ眠くなっちゃってさ、僕帰らないと」
「このままここにいて眠ったりしたら、僕ミンチになるか補導されちゃうし」

(その言葉が嘘でないのを示すようにあくびをして、空いた口に手を当てる)
(暢気な、やはり異様な空間に会わない程日常的で、やはり異質な奇怪な状況、それを常と思っているからこそ、やはり異常)

「じゃあね、クロお姉さん、すっごく楽しかったよ」
「お姉さんの楽しかそうな表情が、嘘じゃなければ、いいんだけれど」

(そういい路地裏から街頭の方へと足を動かし、一度すら振り向かない)
(振り向いたら、また気になって、眠れなくなるから、理由はとても、子供っぽい)

/すみません、眠くなってしまって、少々強引ですがこうやってきらせてください……
/とても楽しかったです! 少し無理矢理な、そちらに配慮が足りない場面もあったと思いますが、大丈夫だったでしょうか?
/なんであれ、ロールに付き合ってくださりありがとうございました!
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/09/30(月) 05:07:33.16 ID:uggnxaN2o
>>712

押して欲しいなら押してやるし、肯定してほしいならしてやるさ
わっちは空気の読める優しい女だから、人の顔みて望む物をくれてやるよ

───うっくっく…愉快な奴だなキョドり丸…

【そういえば、ここはこんなに血生臭かった。すっかり忘れていたが、思い出せば途端にそれらが主張しだす】
【去って行く少年を眺めながら、にたりゆるりと笑って呟いて、踵を返せば溜息一つ】

…あーあ……

このつまんねー世界をちょっとでも面白くすんなら、少しは好感度上げてやるか

【誰にも見せない、本気の素顔、本音の一旦。視聴者サービスとばかりに呟いた】
【そして、チェーンがジャラジャラと鳴って。その姿はどこにもいない】

/お疲れ様でした
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/09/30(月) 20:50:02.13 ID:7s8tsIvNo
【高架下】

【澄んだ水面に一滴黒色を滴らせればそうなるだろう曇天の空が嗚咽を零し始めたのが数刻前、】
【一向に止む気配の見えないまま空は暗み沈み、果てには本格的に夜になってしまったのが今になる】
【抜け出せないままでいる事も濡れている事も全て放棄したと見える、三十代と思しき背高の男性が其処にいた】

【紅茶色の肩に触れない長さで揃えたソバージュの髪を片側だけ掛けて見せた左耳に、】
【澄んだ水の気配を抱く“月白色の宝玉”を銀のウロボロスが囲んだ形状のピアスを付けている】
【左右で瞳孔の大きさが異なるオリーブ色の気だるげな目を透かすダークブラウンのメガネを掛け、】
【灰色と黒色の細いストライプのスーツを纏い――左手薬指には“黒蛇の痣”が指輪のように巻き付いていた】

夏日星……、――

【コンクリートの壁に背を預け両腕を組んで、横目に曇る夜空を眺めて男は何事か呟いていたがすぐに興味の失せたように視線は落ちる】
【傍には一振りの刀が立て掛けられていた。儀式用であるのか、それは魔術の気配を色濃く漂わせている】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/30(月) 21:34:12.34 ID:D6YXw7Wj0
【とある街――広場】

【街の人々が思い思いの日常をすごしている】
【そこにこの場に非常に不釣り合いな格好をしている存在がいる】
【甲冑をして顔に面頬をつけている、男であろうか】
【そんな存在であるからか人目をつけるには十分で】

 ……ここにいるはずではあるが

【そんなことを甲冑姿の男は言う】
【そして少々周りを見渡し】
【周りの人間がひそひそと話す】

 ……見つけた

【甲冑姿の男がそう言うと、歩いていく目指す先には男が一人】
【そして甲冑姿の男はその男に向かって刀をとりだし、その男を―――切った】
【切りつけられた男は血をふきだし倒れたあの傷であれば死んだであろう】
【誰かが悲鳴をあげその場から大量の人間が逃げ出す】
【甲冑姿の男はそこに立ち尽くしたままだ】

【そしてその広場から離れた先】

 ……目立つところで[ピーーー]なといっておいたはずなのだが、花嵐

【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見える人物には見えるだろう】

【そんな男が壁に背をあずけながらつぶやいた】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/30(月) 22:23:51.16 ID:9MN0VRpw0
【水の国、繁華街―――とある喫茶店にて】


【柔らかな光を放つ間接照明がポツポツと置かれた、薄暗い店内。】
【扉を開けた瞬間に広がる、深く焙煎された珈琲豆の香りは、矢張り震えた心を和ませるのであって。】
【落ち着いた色のジャズが仄かに流れ聞こえては、コーヒーカップが立てる乾いた音と談笑の中に溶けていった。】

【窓に隔てられた街の喧騒とは、別世界の様な空間。】
【マスターの小奇麗な身形に加え、凛々しい口髭は、何処か"大人のお洒落"を演出していた。】

【熟れた手つきで拵えるふっくらもちもちのパンケーキは、此の店の看板メニューで、】
【『水の国の美食家達は、皆絶賛するスイーツ』なんて、雑誌に書かれているらしく―――】


【―――そんな甘い匂いに誘われて、やって来た少年が、一人。】


【何かがプリントされた白いシャツに暗色の長袖のカーディガンを羽織って、】
【ブラウンのカーゴパンツを履いて、腰にはポーチをつけて。】
【紺色に程近い紫色の艶やかな髪に、凛として透き通った黒色の眼は、およそ16歳位。】
【然しながら、160cm前後の身長に加え、未だあどけなさの残る顔立ちは、】
【其れを認めさせ無い可能性を、十分に孕んでいるのだった。】

【―――少年は扉を開けると深呼吸して。すたすたと店内を歩き、カウンター席の端に座った。】
【そして差し出されたメニューを受け取らないまま、マスターに"待望の品"を注文する。】
【メニューを引っ込め、フフッと微笑んでは、近くのコンロに火を点けるマスター。】

【混雑している訳でも、閑散としている訳でも無いと言った状態の店内。】
【暇になった少年はポーチからメモ帳と小型の筆ペンを取り出しては、何やら熱心に手を動かしている。】
【其の隣の席は―――どうやら、開いている様だ。】

717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 22:51:37.62 ID:qZcdElAv0

【夜であっても、人混みで溢れかえる街の中――――その広場で、騒ぎが生じていた】
【男達の罵声に、囃し立てる様な野次馬達の声。その中心に居るのは、自警団の腕章を通した少女と、柄の悪い悪漢達】
【最早飛び交う言葉が多すぎて、一つ一つを聞き取る事は出来ないけれど――――軍服を乱れなく着こなし、制帽を被った少女は眉一つ動かさず涼しい表情で】
【それが、男達の癪に触れたのだろう。殴りかかろうとした、その時であった】


「……再三警告はした筈で有りますよ。此処で騒ぎを起こさないように、と
それにも関わらず人々を殴り倒す等をして――――更には、自警団にも手を出そうとするでありますか
…………少し、痛い思いをしなければ分からない様でありますね」

【眼帯に隠されているが故、隻眼。藍色の瞳を細くすれば、それと同じ色の髪が鋭く宙を舞って】
【――――一瞬の出来事。殴りかかった者は投げ飛ばされ、背を強かに打つ】
【続いた者の喉に手刀を打ち放ち、羽交い締めにしようとした者の鼻を裏拳が打ち抜く】
【命に別状は無い…………とは言え、痛みは強烈。少なくとも、数時間はまともに動けないほどの激痛】


「さて……ほら、みんなも解散するでありますよ
早く此処から離れるであります。そうでもしないと、伸びている人達の二の舞になってしまうであります」

【腰に提げている軍刀に触れる事も無く、事は収まり】
【――――言葉通りに次第に野次馬達も散って行く事だろう。今ならば、容易く少女に近づく事が出来る】
【先程の争いを見て興味を持った者か、野次馬を見て興味を抱いた者か…………将又、別な理由であるかは不明だけれど】






【ずっと昔に、廃墟と化した屋敷――――今宵其処に現れた、一つの存在】
【扉を開ければ直ぐの所に見える広い客室に、其れは一人座っていて】
【紅いドレスを纏い、金色耀きを放つ髪を持った少女。放つのは気配では無く瘴気故に、よく目立つ事か】
【――――止まっていた屋敷の時が、微かに流れ始めて】


「…………ふぅん。思っていたよりも、綺麗な所ね
主が自分で雇っていた人達も家族もみーんな殺してしまったと聞いてきたから、もっと紅く染まっていると思ったのに
そうでも、無いのね。あんまり楽しくないわ。楽しくない」

【何故、こんな屋敷が廃墟となってしまったのか。それは、曰く付き故に】
【ある日狂人と化した主人が、屋敷に住む者全てを皆殺しにしたと伝えられて居るが故に、誰も寄りつかない】
【――――鼠すらも住まないとなれば、やはりただ不吉だからという理由でも無いのだろう。実際に、何人もの人々が霊を目撃しただのと騒いでいる】
【ならば、何故少女が一人でこんな場所に居る事が出来るのか。――――魔族。即ち、悪魔と呼ばれる其れだから】


「死んだ事に気付かない人達も、ずっと殺され続ける人達も居るみたいだけど――――でも、つまらないのね
どうせもう幽霊だもの。そんなのを見たって、楽しく無いのよ?」

【取り憑かんと、一つの霊魂が少女へ近づいたが――――触れる事も出来ずに…………否、正しくは触れた瞬間に、低級故その瘴気によって存在を掻き消されてしまう】
【そんな様を見ても、気にした様子は無い。アンティークなカップに紅茶を注ぎ、一人でお茶会を楽しんでいるだけ】
【…………流れる瘴気は、当然屋敷外へも漂っていて。さて、疑問に思って訪れる者が居たとしても、可笑しくは無い事か】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/30(月) 23:00:05.17 ID:XcjmtWqdo
>>716

【外の世界とはまるごと切り離されたかのように静かな喫茶店】
【店内に流れるBGMに溶け込む、控えめに開かれた扉の音】
【半ば閉じかけた目をこすりながら、猫背でまるで酔っているかのような足取りで】
【おおよそ十代半ばほどと見える、濃いクリーム色のブレザーの襟をだらしなく歪ませた少女は――――――気だるい】

【気の抜けた小さな欠伸とともに、来店する】

(………いい匂い)

【そんな彼女が吸い寄せられるようにふらふら向かうのは、少年の座っているカウンターから一つ開いた席】
【いたって緩慢な動作で椅子をひき、かなり緩慢な動作で腰を下ろすと】
【メニューを敷いた上に組んだ腕をのせ、そこにもぞもぞと顎をうずめる】

【すん、すん、と鼻を震わせ。目線だけをマスターに、正確には匂いの元であるコンロへと向け】
【宣伝なぞ読んではいなかったため、ただ、単なる気まぐれ。もしくはメニューを見ればオススメ、と書いてあったかもしれないが】
【ともかく、少年と同じく世間には絶賛されているらしいスイーツを注文した】

いい雰囲気だねぇ……。

ねむぅく、なってくるなぁ。

【赤みを帯びたブロンズの髪は、ふんわりとボリュームがあり。寝癖なのか毛先が大きく丸まっている】
【比較的白目の肌に、タレ目。人目を気にした様子なく、特に意味もない独り言をこぼしながら】
【頭だけを動かして少年のメモらしき動作をぼんやり眺めている様は、なにやら羊のようだ】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/09/30(月) 23:03:00.29 ID:D6YXw7Wj0
/>>715はまだ募集中です
/途中で凍結するかもしれませんが
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 23:17:11.89 ID:3eeNNweb0
「えっとさあ、初めてとか、初めてじゃないとか、そういうの重要じゃあないんだって」
「どうせいれたらおしまいだって、男何てそういうのよりヤらせてくれるかどうか、とかそっちの方が好きなんだから」

(大通りをやや反れた場所にある路地裏の、ある一角から聞こえる声)
(宥める少年のような声と、啜り泣く女性の声、会話内容はなんとも下卑じみた物だが)
(しかも、よりによってその声は隠す気もなく、聞こうと耳を傾ければ簡単に聞き取れる程に大きい)

「だからそんな泣かなくても、あっ――」

(少年の言葉が聞こえるより先に、飛び出すのは女性、服ははだけ、化粧は落ち、何いやらよごれまで見える)
(乱暴にあったのは明白で、ここで話をこじらせるのが――この少年は、無関係だという事だ)

「はぁー、駄目だなぁ、駄目だなぁ、女の子一人慰められないんじゃ」
「これじゃあクロお姉さんに顔向けできないなあ、実力不足だよなぁ」

(既に襲われた後の女性に、言葉を投げかけただけなのだ、しかし、その様子からまるで実行犯はこの少年のようで)
(そう思われても仕方ない、しかも逃げた方向からすれば、ここに正義感のある人間や、ひねくれものがくる確率も高く)
(それでも、少年は顎に手を当て俯き、どうしようかと思案するのみ)

「困ったなぁ、困ったなぁ……」

/http://www53.atwiki.jp/nrks/pages/579.html こちらのキャラはこれです!
/一応カノッサ機関員です
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/30(月) 23:18:29.84 ID:tA07FDvgo
>>717

へぇーこれまた見事な腕っ節じゃないの、お嬢さん
力だけで勝負したら負けるかもしんねえな、こりゃ

【広場から散っていく人々の中、少女の方を向き、腕を組んで立っているのは一人の男】
【こちらも黒い軍服を着て、斜めに被った制帽からは長めの金髪が覗いて】
【胸元に光るバッヂは夜の国の自警団の証で―――】
【恐らくはこの男も自警団員。たまたま居合わせたのか騒ぎを聞いて来たのかは定かではないが】

で、俺もこのまま此処にいると伸されちまうのかい?お嬢さん

【おどけたような口調でそう言って小さく頭を傾ければ、首の後ろ側で一つに纏めた髪が揺れる】
【僅かながらも着崩した服装や言葉遣いからは、所謂『チャラ男』のような印象を受ける、かもしれない】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/09/30(月) 23:22:53.07 ID:9MN0VRpw0
>>718

【常々聞き居ておった、噂の茶屋に入ったで御座る。】
【"ぱんけえき"と云ふ名の食べ物を注文したので御座るが、】
【"ふらいぱん"から立ち込める香り、いと良き物で御座った。】

【―――少年は素早く、かつ大胆に。流れるような筆捌きで此の様に綴った。】
【其の手の動きが、只者では無いと言う事に関しては、素人目からでも分かるであろう。】

【まずは一通り、メモを取ったなら、筆ペンのキャップをしっかりと閉め、】
【メモ帳と共に、再びポーチに無造作に入れて。】

【再び暇になった少年。何か面白い物は無いかと、キョロキョロと見回してみる。】
【机も椅子も、床も天井も―――全てがレトロ調に統一された店内。】
【其の時代に生きていなくとも、何処か"懐かしさ"が感じられるのは、何故だろうか―――なんて、少し考えて。】

【そして終点、最後に少年の目に映ったのが、此方を見ている少女。】
【ボーっとしたタレ目。此れから焼き上がるパンケーキに、眼の色を光らせている少年とは対照的だった。】


あ、こ、こんばんは……
えっと、あなたも、雑誌みて、来たのかな?

【少し距離は在ったが、此方を見られていては、話しかける他、仕方が無かった。】
【此処がある程度有名なお店である事を前提に、少年はこう話しかける。】

【―――1人2枚、計4枚のパンケーキが出来上がる迄、もう少し時間がかかる様だ。】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/09/30(月) 23:35:11.28 ID:/Qzm7ALTo
>>720

【宵月の欠片、滲ます月夜の項垂れたような一滴の灯が伸びて】
【静かに佇む貴方の輪郭を、まるで彫り物のように浮かび上がらせるのだろう】
【纐纈模様の月明かりに導かれて近づく人影の形を、ハッキリと響かせた】


……お兄さん、今のね……今のお姉さん、どうしたの
ボロボロで、泣いてたの――――――さっきのお姉さん……

もしかして、お兄さんの、仕業なの?


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女が足音を奏でて】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【両手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】

【細い眉の形が歪む、嫌悪感にも似た表情は薄雪草が如く儚いけれども】
【それでも確かな意思を孕んだマリンブルーの瞳が、貴方をじぃと眺めるのだろう】
【言葉は静かで、ソプラノは異国風味の拙いトーンだけれども】

【かける言の葉の意味合いはきっと、辿られるぐらいには正確だろう】


/凍結前提ですがそれでもよければ!
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 23:36:03.33 ID:qZcdElAv0
>>721
【自警団の仕事も果たし、因縁をつけてきた者も打ち倒し】
【そして野次馬も去ったとなれば、残るはただ一つ。もう一度巡回に戻るだけ――――の、筈だった】
【然れど投げかけられた言葉に対して立ち止まらない訳にもいかず、ピタリと脚を止めたならばそちらへと視線を送って】


「何も力だけで勝ち負けが決まる世界に身を置いていなかっただけであります
…………それで、でありますが」

【容姿を確認したならば、小さな溜息。クルリと踵を返して、身体ごとそちらへと向けるであろう】
【腰に手を当てたならば、じぃっと着崩したその姿を見遣って】


「貴方がその服を何処かから奪い、慌てて着て今に至る…………という事でしたら、同じく此処で伸びて貰うでありますよ
けれど…………本当に夜の国の自警団ならば、そうでありますね…………
まず、身だしなみから整える事を勧めるであります。少なからず自警団と名乗るならば、それ相応の着こなしをするべきだと思うであります」

【向けられるのは、隻眼の瞳。容易に批難の感情を読み取る事が出来る位に顔を顰めたならば、カツカツと近寄って】
【「此処とか、此処とか」と細かく指摘する様は――――人によっては、実に迷惑】
【例えそんな事を言ったって、少女はムスッとした様子で更に指摘をするのだろうけれど】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/30(月) 23:48:02.91 ID:XcjmtWqdo
>>722

【少女はいまいち視力が良くないため、ぼんやりと歪んで内容を把握できないメモの内容に特に興味を示している様子もなく】
【ただ、少年の手の異質な動き。というよりかはある種達観したものであると感じ取ったようで】
【へぇー………、とか。おそらく感嘆したのであろう言葉を、口の端から煙のように漏れ出させると】

【活力のある少年の目に、少女の――怠惰にまみれた視線を合わせた】

雑誌、はぁ……みてないね〜。

【不安定のイントネーションに、一言一言の間の空間も異様に長い】
【地面から少し浮かして、ぷらぷらと揺らしている足も、時計の振り子のようにゆったり】

ふぅーん、雑誌に、載ってたんだ、このお店。
……どーりで。

とぉっても、いい匂いだと…思った。

【ちらちら、と匂いの元へ落ち着き無く視線が向かうのは、パンケーキが焼けるのを彼女も待ちわびている証拠】
【ふ、と顔をしかめて右手でお腹を抑えれば、きゅるるる、と腹の虫がなった】
【羞恥心からか空腹からかはともかく少女は組んだ腕の中へ顔を伏せると、くぐもった声】

さいきん、どこも物騒だからねぇ…。

大きな核シェルター買うのも、高くて無理だし。
こーいう、お店がさぁ。

あると…落ち、着、く、よ……ねっ!?

【語尾がさらに遅く、まるで寝言のように途切れ途切れになる】
【つまり眠いのだ。再び飛び上がるように顔を上げたのは、少なくともパンケーキを食べるまでは眠ってしまう気は本人にはなかったからである】

きみも、物騒なことにならないと……いいけどね。

726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/09/30(月) 23:48:53.20 ID:3eeNNweb0
>>723
「……え?」

(その時、少年はやっと気づいたのだ)
(例えば誰かが通報したら、自分が不味い、とか)
(そうじゃなくても、誰から見てもどうみても、犯人が少年にしか見えないとか)
(極めつけは、異質な真っ白いスーツ服)
(そして駄目押しといわんばかりに、ここにきたのは女性で、しかも少年とあまり変わりない歳の、純粋な少女)

「えっと、僕じゃないっていって、信じてもらえるのかな」
「いやね、それによっては僕のする行動とか、話す言葉とかが全部違ってしまうんだ、至って真剣な疑問≠セよ」
「ああごめんね、捲し立てるみたいになっちゃってさ、誰からも結構なおしゃべりっていわれちゃってさ、どうにもこういう状況でそれは止まらなくてさ」

(必死と捉えるか、余裕と捉えるか、怪しさのステータスに+されるのか)
(その声音はゆったりとした物で、声も落ち着いている、それでいて言葉は次々と連鎖していくかのように紡がれていく)

「そうだね、僕じゃないっていって信じてもらえるには、何をすればいいんだろう」

(その双眸は少女を捉えていたのに、すぐさま顔をうつむかせ、固定する)
(顎に手を当てる様子は傍から見ても思考中、それが簡単に分かる物で)
(少女がかけた言葉の意味はしっかりと伝わって、少年は打開しようとしているのだが)
(それにして落ち着いているというか、何処か楽しんでいるかのようにも見えれば、焦っているようにも見える)
(どれが少年か、全て少年なのか、路地裏の異様な雰囲気も合わせれば、やはり不気味という答えが出てしまうだろうか)

「とりあえず否定しておくよ、僕じゃない、断じて僕じゃない」

/大丈夫ですよ! それではお願いします!
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/09/30(月) 23:57:57.26 ID:/Qzm7ALTo
>>726

【貴方の言葉の真意を汲み取るにはきっと、情報が少なすぎるから】
【饒舌に語るその言葉は、狂言回しのようにも思えるぐらいには】
【――――――ただ少しだけ、困るのは彼女はそういう人は慣れてなくて】


わっ……わ、早い……の、喋るの、もう少し、ゆっくり喋って欲しい、の
えっとね、うんと……お兄さんじゃ、ないって、そう言ってるの、ね


【少女の表情が崩れた、困ったように雪銀に紅が滲んだなら、銀雪を告げる暁のように】
【両手でバイオリンケースをぶら下げたまま、うん、うんと頷きながら言葉を返して】
【漸く返したのは貴方が語り終えてから、少ししたあとなのだろう】

【プラチナブロンドの髪が乱れた、頬に溶ける柔らかな髪筋の音律】
【えっとね、と重ねた言葉の綾を少しだけでも汲み取って貰えるようにと】
【小さな頬に表情を写したまま、沈黙が僅かに響くのだろう】


うん、信じるよ、ソニア――――――お兄さんが、やってないって、言ってるもん
お兄さんはね、優しい人……なの、困ってるお姉さんを、助けてあげた人
間違ってる、かな、ソニアはね、そう信じてるよ


【――――――頬がほころんで、花弁のように可憐な微笑みがそこに写し込まれて】
【溶ける長い睫毛の端、白い頬に滲んだなら、白磁のような素肌を強調するのだろう】
【屈託のないとの言葉がこれ以上ないくらいにふさわしい、無垢な笑顔で】

【その言葉の芯から、彼女は貴方の言葉を信じると、返すのだろう】
【お人好し=\―――――或いは世間知らず≠サの辺りの形容詞が彼女に相応しくて】
【それでも良いって言っちゃうぐらいに、その微笑みに害はなかった】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/09/30(月) 23:59:44.38 ID:2fcISc3No
>>724
【向けられる視線、微かに聞こえた溜息】
【いい印象を持たれていないということは、察するに難くなく】

ああそうかい、いやでも俺も力よりテクニック派でな?
とは言っても力がないってわけじゃあなくって……ってこの話は別にいいか

【じっと見られている事に気付けば、腕を組んだまま目を細め、こちらもまじまじと少女を眺めて】
【自分とは反対にきっちりと着た軍服に、『真面目なんだろうな』なんて感想も得たが、口には出さず】

おいおい、疑ってんのか?これでも水の国でGIFTとやり合ったんだぞ!?

ああそれと今日は俺はオフだから自警団名乗ってはいないぜ?
あと、別に仕事中もこんな着方してるわけじゃねーよ。ほら、オフの日まで気張ってたんじゃ疲れちまうだろ?

【厳しい言葉を受けても、軽く肩を竦めて受け流す、そんな様子はやはりふざけているかのよう】
【ぶつけられる様々な指摘も全て、『オフだから』で済ませようとするが―――果たして】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/10/01(火) 00:08:17.63 ID:0ZnI+1VO0
>>725

おお、運が良いねー!
このお店、とーっても有名な所で……うん、雑誌は持ってきてないんだけど……

ぜったい、ぜったい美味しいよ!もちろん、パンケーキ、注文したんだよね!?

【少年から発せられたのは、未だ声変わりが済んでいない、澄んでいて高い子どもの声。】
【其れ故、大きく言った訳では無いが、マスターにも聞こえた事だろう。】


物騒……そうだね、最近は特に…なんだっけ、"GIFT"だっけ?
よく分からないんだけど、そんな感じの所が、暴れてるみたいだねー…

シェルター…そ、そこまでしなくても…。ほら、目立たない国行けばさ…
あー…うーん…それも、あんまり意味が無いのかなー…

【この近辺をつい最近襲撃した組織の名に自信が無い、と言うのは可怪しな話だ、なんて思ったなら、】
【少年の発言は、何処か他人事の様に聞こえる物だったかも知れない。】
【とすれば、其の推測は当たっていた。少年は俗世間とは離れて生活を送っている―――今日の様な日を除いて。】


【―――そんな時。『お待たせしました、』とマスターの渋い声。】
【差し出された更に乗っているのは、見事な迄に真ん丸で、少し日焼けしたお月様。】
【写真で見るよりも膨らみが在って、パンケーキの熱で溶けかかったバターは、正に筆舌に尽くし難い光景―――】

【コトン、という心地良い音を立てながら、目の前に皿が置かれて。】
【会話中だった少女の事は忘れ、まずはゆっくりと、出来たてならではの"湯気"を少年は楽しむのだった。】

【フォークを使ってバターを満遍なく行き渡らせ、シロップを一周させた所で、入刀式。少年は目を瞑って……】
【―――分かる。―――否、分から無い。パンケーキの感覚が、何処にも無いのだ。】
【然し次に鳴るのは、皿とナイフが接触したという印。―――即ち、切れていたのだった。】

【『おほー…』と其の柔らかさに感嘆の溜息を漏らしては、一口頬張って。……『只々、美味しい』】
【其の味、そして少年の表情を、最早描写する必要は無いのだった。】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 00:12:58.21 ID:cLOjULyD0
>>728
「GIFTと闘ったから疑いが晴れるという訳でも無いであります
第一私は夜の国はあまり理解して居ないであります。ならば、そこに所属する自警団員の事を知らないのも道理でありますよ」

【怪しむ様な視線は消える事無く、かといって敵意を抱いている訳でも無い】
【つまる所、本当に自警団かどうかを疑っているだけなのだが――――それでも、やはりあまり良い気分はしないであろう視線】
【文字通りつま先から頭のてっぺんまで見れば、今度は頭の天辺からつま先へと視線を巡らせて】


「…………むぅ
で、でも。自警団のバッヂを付けているならば、例え休みの日であってももっとシャキッとするべきであります!
第一、何故態々休みの日なのにこの様な騒ぎの場所に訪れたのでありますか」

【予想外の言葉。なる程、ならばその身だしなみも納得――――出来なかった様だ。この少女に限っては】
【反論と言うよりも、負け惜しみ。最初に唇を尖らせて言葉を探ったのが、何よりも証左】
【自警団たる者、身だしなみは勿論の事その他の事をキチンとせねばならない――――それが、この少女が抱く像なのだろう】
【やがて問うのは、何故わざわざこの様な場所まで来たのかという事】
【ただの野次馬か、或いは又別な目的があったのか――――其れを探る為の投げかけ】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 00:19:34.50 ID:57csZEaF0
>>727
「困ったなぁ、またか、いや、ごめんね、ゆっくり……ああ、まずい」

(またしても喋り方にケチをつけられてしまった、謝ろうとしていつもの癖でまた捲し立てようとして)
(途中で気づき、どうしたものかと考え、軽く呼吸を吐いて少しの沈黙の後に)

「ああ、ごめんね、僕はよくおしゃべりっていわれちゃってさ」

(とりあえず分割する事にした)
(先ほどよりもゆっくりを心がけて、暫くしゃべったらまた時間を開ける)

「そう、僕じゃないんだよ、ああよかった、正直駄目かなって思ったんだ」

(これが男性なら、お金を貸すから見逃してやるよ、とか、もし勘違いされたままだとしても、こちらの気持ちを理解して)
(何かしらの下衆じみた方法であれ助かる道がいくらでもあると思っていたのだが)
(女の子と来たものだ、理解されず一方的、と思ったがそうでもないようだ)

「優しい、かあ、助けてあげた、かあ」
「その方がいいかなあ、どうしようか」

(薄汚れた空間に、少女、ソニアといったか、彼女の純白さは異質だった)
(ソニアの立っている場所にだけ、まるで別のスポットライトが当てられているようで、雪でも降っているようだ)
(儚そうだ、触ったら溶けてしまいそうだ、とても脆い、そう見える)
(だが、少年は考えていた、先ほど自らに向けていた眼は儚いだけのソレだろうかと)
(そう、アンバランスだった、やはり、何処かおかしい、住む世界が違うとか、何というか、紛れ込んでしまったとか)
(とりあえず、今は優しい少年という事にしておこうと思った)

「ソニア、であってるかな、ソニアちゃん、さん? どうだろう、僕の方が年上なのかな、年下なのかな」
「ああ、僕の事は適当でいいよ、僕の事なんて、今はどうだっていいんだからさ」

(ほんの少しだけ、口の動きが早くなった)
(興味の対象を見つけ、興奮せざるを得ないからか、しかし、その興味というのは、そういう、雄的な意味ではなく)

「どうして、僕の所にきたのかな?」
「もし僕がその、変な人、さっきの女の人を泣かせた人だったらどうするつもりだったのかな」
「もしかして、警察とか、自警団、とか?」

(その儚い勇気は何処からくるのか)
(その崩れそうな、だけれど自らをちゃんと残そうとする白雪の、存在、そのものについての興味≠セ)
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 00:29:08.78 ID:pECl9dgao
>>729

【苦味混じりに甘ったるいシロップと、パンケーキの焼けた香りが混じり合う】
【鼻腔から安々と入り込んで、遠慮なく食欲を刺激する、これも一種のアヤウイ匂い】

【もう一度辛抱できなくなった腹の虫が騒ぎ鳴き出すその前に、一口】
【少年への質問の答えをのんびり考えていた際に、目的のそれが運ばれてきたため必然、回答は後回しになってしまった】

あぁ…!

おいしぃぃ…

【綿菓子すら彷彿とさせるふわふわな舌触り。それでいて口の中を確かな満足感で埋め尽くしてくれる柔らかな食感】
【頬から溶け落ちて、そのまま全身メイプルシロップになってしまいそうなほどとろっとろな表情になった少女は】
【両頬を手のひらで抑えて小さく震え、語彙力もなにもない感想を述べたあと】

【自身のペースを崩さず、しかし彼女にしては異例なほどの速度で一枚目を食べ終えてしまった】

んー……もーシェルターとかどぉでもいいや〜

【甘くて美味しいものの魔翌力にかかればこのザマ】
【どのみちそこまで本気で話していたことでもないのだろう。”GIFT”というワードには少し眉をヒクつかせる程度に、反応をしめした】

いやだね〜。
むやみにたっくさん人を傷つけるなぁんて、あとから面倒事しかついてこないのに。

まぁ、利益とかあるなら、別かも、しれないけど。
あんまり、難しい事わかんないし、な…。

きみはいい人か、悪い人、って言ったら……いい人そう、だし

【あまりに実感のなさげな少年の違和感には勘づいたのか、しかし言及することはなく】
【他愛のない、どこか軸のずらした質問を投げかける程度で済ませる】
【――――それもそうだ。今は残り一枚のパンケーキを何より楽しむことが大切なのであり】

【間違ってもしんみりとした話や、ぴりぴりとした話になるのは、ちょっとばかりごめんだった】

733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 00:30:31.31 ID:hg1mNfHko
>>731

【優しい人だな、と思った、彼女の身勝手な都合に合わせてくれたから】
【此方の言葉は難しくて、一つ一つの言の葉に数えきれない芳香が含まれていて】
【だからこそ、一片一片を静かに嗅ぎ取る彼女には、中々どうしても、理解できないところもあったから】


どうして……ダメって、思ってたの?
自分じゃない、悪いことしてない、それならね、そう言えば良いと、思うの
――――――間違ってる、かな、ソニアの言ってること


【返す言葉は、貴方にとっては、否、常識的に考えればおかしな言葉なのであろう】
【それこそまるでお伽噺のよう、微睡みの中で、浮かぶ薄暗い夢のなかみたいに】
【儚いとの表現がぴったしの彼女は、言葉の意味すらも不可解に思えるだろうか】

【貴方の口の動きが早くなったら、少し目を回しそうになって、バイオリンケースを握ったまま】
【両手をばっと前に出して、ストップ、だなんて淡い言葉を響かせる】
【うんしょ、と少し俯き加減に言葉の意味を飲み込んで、えっと、と少ししてから紡ぎだす】


それならね、怒ってたの、悪いことする人、許さないの
――――――UNITED TRIGGER≠サれがね、ソニアの今の……宿り木なの
せーぎのみかた、ソニアの今の、お仕事なの


【その言葉は貴方に対してどのような意味合いを持つのか、彼女は知らなくて】
【誇らしげに響くだろう、微笑む目尻は、大きなマリンブルーの瞳の残照を照らして】
【白雪が滲む新雪の路上に、何者にも染まらぬ白だけを塗りたくった】

【貴方が機関≠フ所属だとは夢にも思っていなくて、ただのお話上手な少年としか認識していない】
【それが気を許すことにつながって、彼女の無防備な無垢さを曝け出す所以なのだろう】
【――――――でもきっと彼女は、それが間違ってない、とは思っている】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 00:37:51.56 ID:PDwDMj8Wo
>>730

まあ確かに、自警団員だ、って証明にはならないだろうけどよ、少なくとも悪人にゃならないだろ?
で、悪人じゃない人間が自警団員の服を奪う理由もないし、俺は自警団だ、ってそういう事だ

【立てた人差し指で宙を指しながら言うその表情は、まさに得意気と言うべきもの】
【この主張で彼女が納得してくれるかどうかもわからないのにこの様子、ともすれば滑稽と言えよう】

ああ、夜の国っつっても、俺がいるのは支部だしなぁ
ま、俺だってお嬢さんのこと知らないわけだし、それは極めて自然なことだが……だからって疑う事ねえだろぉ!?

【一人でうんうんと頷いていたかと思えば急に嘆くような声をあげて】
【こんな人間を見れば、本当に自警団員なのか怪しむのは至極当然な事であろう】

ハッハッハ、真面目にやるときゃきっちりやって、気ィ抜く時はしっかり抜くってのが俺のスタイルだからな!

それに、バッヂ付けてりゃオフの時に目の前で何か起きても動きやすいだろ?
現に今は、ブラブラいろんな店眺めてたら何かこっちが騒がしいから来てみた、ってわけだし
ま、介入するまでもなくお嬢さんが始末しちまったけどな!

【言葉を返すまでの僅かな間を見逃さず、またも得意気に笑い、語り始める男】
【話を纏めると、オフの日でもバッヂを身に付けていること、オフの日はしっかりだらけること】
【そして今日はだらけて散策していたらたまたま騒ぎに出会したということ、である】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/10/01(火) 00:42:03.22 ID:0ZnI+1VO0
>>732

【恐らく、生まれてきた中で、最も美味しいスイーツを目の前にした少年。】
【其の勢いが治まるはずもなく―――ほんの、4,5分の内に完食してしまう事だろう。】

【僅かなシロップだけが残る皿を見ながら、少年は思う。】
【『―――もっと、ゆっくり、食べればよかった…』と。其れは子供らしい後悔だった。】
【然し満腹度から考えても、もう1度頼む余裕は無かった。せめても、と少年は余韻に浸る。】

はー美味しかったー……"The best"だったよー……


―――俺かな?えーっと…いい人か悪い人かで言ったら、いい人だろうけど…
いい人か悪い人か、それとも中間の人か、で言ったら、中間の人になるだろうねー…。

うーん、やってる仕事、全部が全部、良い奴って訳じゃないからさー……
ホントは、良い奴ばっかり!にしたいんだけどねー…人生、"コレ"みたいに甘くないんだよー……

【と、少年は背凭れに凭れ掛かって、大きく背伸びをする。】
【其れも終わればふーっと息を大きく吐いて。右手で冷たいグラスを取っては、一口グビッと飲む。】

【含みを残した少年の"仕事"に関する発言は、少女の胸にどう響くのだろうか―――】
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 00:45:03.16 ID:57csZEaF0
>>733
「君みたいな優しい子はそんないないから、さ」
「間違ってないけど、間違ってるよ、すっごく」

(人としてどれだけ崇高な事か、その瞳には何の曇りもない)
(しかし、悲しいかな、自らを基準に考えてる、そう、それが当然だと思っているのだ)
(価値観の相違、その少年の大好きな疑問≠フ一つ、そう、また出会えた)

「ああ、ここって素晴らしいね、うん、すっごいよ」
「おっと、ごめんね、ちょっと嬉しくなっちゃってさ、君みたいな子にあえて、さ」

(笑いを押し殺そうとしたけれど、結局駄目だった)
(何て愉快なのだろう、そう、破綻した人間しかいない)
(常識と世論から外れ、異端の人間、それがどれだけ聖人であろうとも、だ)

「――UNITED TRIGGER――」

(まさに、駄目押しのもう一撃だった)
(それだけじゃないのだ、明確な正義を掲げた人が、現れた)
(ただ、流石にこらえた、先ほどストップ、のサインが飛んできたばかりなのだ)
(今抑えられなかったら、更に酷くなりそうだから)

「凄いなあ、正義の味方なんて」
「そんな大義、僕は持てないからさ、どうしてそういう事ができるのかな、ねぇ」

「教えてよ」

(そういう意味では、少年もある意味で純粋だろうか)
(ただ純粋に、一点を見て、ひたむきに夢を追い求める探求者)
(真っ黒な灰に浸かってしまったかのように、白雪とは比べるべくもない程、濁っていて)
(だからって、火山灰なんて言える程の物でもない、対象的だろうか)
(何処までも純粋に綺麗なのと、何処までも純粋に、真っ黒)
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 00:49:52.97 ID:cLOjULyD0
>>734
「同時に、悪人では無いという証拠にもならないであります
でも、まあ…………今回は信じてあげるでありますよ」

【得意げな表情に対してか、又別な理由を得てか…………さてはて、不明であるけれど】
【何処か恩着せがましい台詞を吐いたならば、口元を隠しながらもクスリと小さく笑って】


「人を見たら泥棒と思えと教えられたであります
…………そんな事より、此処の仕事は終わったでありますよ
さあ、私に会ったのが運の尽きであります。今度はお店の所へ行くであります」

【さらりと酷い事を言ってしまうが、言った本人は気にした様子も無く】
【仕事が終わった――――つまり、揉め事は解決した。故に、また新しい火種が生じないように巡回をする必要がある】
【…………袖を引っ張れば、歩き出して。例え休日であろうと、青年を連れ回すつもりなのであろう。謂わば、休日勤務である】
【有無を言わせぬ口調。鋭い視線。自警団とはなんたるか、弛んだ青年に叩き込む…………つもり。だったのだが】


「…………良いでありますか。先ず自警団ならば常日頃から周りの事に気を配り――――…………」

【歩みながら、喧しい委員長よろしくお説教】
【――――ふと、視線を外せば視界に映るのは「わたあめ」と書かれた露店】
【ピタリと止まる脚。そして、青年そっちのけで向けられた視線。なんともまあ、分かりやすい】
【先程までとくとくと語っていたのにこの有様では、さてどの様に映るか】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 00:54:20.87 ID:hg1mNfHko
>>736

【ゾクリ、と背筋に寒気が奔った、それはまるで氷柱が如く響く冷たさで】
【目の前の少年の姿が、まるでその存在以上に――――――黒く、見えた】
【本能的に察したその気配、目の前の少年からは想像も、つかなくて】


……知らないの、大義とか、そういうの、ソニア……分かんないの
でもね、でも……嫌なの、何も、悪いことしてない人が、傷つくの、悲しむの……
だからね、護るの――――――それだけの、事なの


【俯き加減の言葉、貴方の雰囲気に気圧されて、押し負けたかのように下を向いたから】
【紡ぐ言葉は弱々しくも、本心から出た、言葉なのであろう】
【それはどこまでも、寓話であって童話であって、どこまでも真っ直ぐな音律】

【揺れる残照の傾きも知らない、淫らな言葉ですらも綾のように】
【顔をあげたなら前髪が頬を濡らした、大きな瞳が見つめる先の、貴方の姿を捉えて】
【だから、って返す言葉の意味合いを、そっと分かって欲しかった】


……痛いこととか、苦しいこととか、そういうの……色んな目に、あったの
だからね、そんなこと、誰にも経験して、欲しくないの――――――
それがね、ソニアの、戦う理由、ソニアが、戦える理由だから


【瞼を閉じたなら、長い睫毛が白雪の素肌に溶けていく】
【光沢にも似た月明かりの溶けた先、長い髪の爪先がクッションに満ちて】
【次に瞼を開いたなら、貴方をじぃ、とマリンブルーの双眸が捉える】

【悲しげではかなげで、それでいて静かな表情は】
【白いろを一杯に溶かした筆洗のように、無限の色合いを滲ませていた】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 01:00:54.41 ID:pECl9dgao
>>735

そうだねぇ…

甘かったら良かったのにさぁ…

【人生うまくいくことばかりじゃない。むしろ上手くいく方が少ない】
【ましてや基本物事に対しての意欲が薄いのなら、なおさら。食べていた蕩ける程美味しいはずのパンケーキがちょっとばかり苦くなる】

【少年より数分遅れてパンケーキを完食すると、口の周りについたシロップを拭き取った】

……難しいよねぇ。

でも。
自分からいい人、って言い切れない君は、やっぱりいい人なんだと。
そう私は思うなぁ…。

【その言葉は、少年に向けられているようでいて。視線はマスターをこえて、さらにどこか遠くへ】
【ぼんやりとしたうわの空ながらに、思うところがあったのだろうか】

私はぁ、いい人か悪い人かで言ったら――――――……。

【言いかけた言葉を、水と一緒に喉の奥へ流し込む】
【おかしなところに流れ込んだのか、数回むせ返ると、いたって緩慢な動作で、立ち上がる】
【本当は、もう少しゆっくり。言い換えればその場で昼寝でもしていくつもりだったのだが】

【最後にひとつだけ質問をして、そさくさとその場をあとにしてしまうことに決めた】

ねぇ、きみの仕事って――

何かな。

【少女の口調は、一般的なペースとイントネーションを取り戻す。――彼女なりの真剣味の出し方だ】

740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 01:11:56.84 ID:57csZEaF0
>>738
「違うよ、自分以外の何かの為に頑張れるっていうのはね、それだけで凄いんだよ」
「なら、わからないほうがいいかな、我武者羅の方が、それっぽいからさ」

(正に御伽話だった)
(誰も傷ついてほしくない、つけたくない、その通りだ、そんな世界が素晴らしいのだ)
(でもできない、何故か? そう出来てるから、世界はそうなってるのだ、絶対に常識は通用しない)
(でも、何処に至って常識に縛られる、プラスだろうが、マイナスだろうが、規格外っていうのは、必ず怯えの対象になる)
(じゃあ、目の前の、規格外に、純粋な子はどうだろうか)

「でもさ、ああ、単純な疑問なんだ、別に責めるつもりとか、そういう事じゃないから、聞いてほしいな」
「戦うって事は、結局誰かを傷つけるんじゃないのかな」
「誰にもっていうのは、結構難しい、というか、できないのかもしれない、ってくらいだと思うんだけど、どうなのかな」

(悲しげ、儚げ、触ればそこから溶けて崩れてしまいそう)
(その口ぶりは戦いたくないようだった、多分、傷つく誰かを見たくないのだろう)
(自らのせいで、だ、なら少しは理解しているのではないだろうか)

「それって、夢なのかな?」
「追えない夢、ただただ、こうあったらいいなっていうだけの物」
「それとも、目標? 途方もないかもしれないけど、追い求めたい、目標?」

(少年の探究心を、満たそうとすればするほど、その根っこが見えてくる)
(黒い、純粋な、黒だからこそ、絶対に、絶対に染まらない、絶対的な意思)
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 01:13:31.77 ID:hg1mNfHko
>>740
/ごめんなさい!そろそろ時間なので一端切らせていただきたいです!
/返事は置きレスの方に返しますのでよろしくお願いしますー
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 01:15:34.55 ID:7BEeGj+uo
>>737

へいへい、そりゃーありがとーごぜえますー、っと
……人を見たら泥棒と……って、それでいいのか、人生それでいいのか!?

【やはりオーバーかつ上下の激しいテンションであるが、彼女が笑ったのを耳ざとく聞き取れば】
【ほんの一瞬、ニヤリと、したり顔を見せたりもする】
【感情を隠しているわけでもないのに、移り変わりが速くて思考を読みにくいような、そんな男である】

―――っておいおい、何するんだよ……って……ははーん、なるほどねえ

【不意に袖を引かれ、バランスを崩して転びそうになりながらも何とか体勢を戻して】
【そうすれば両の眼が捉えるのは言葉も半ばに足を止めた少女と一軒の露店】
【数秒もすれば何か勘づいたように片手で顎を撫で、その顔ににやりと笑みが浮かぶ】

自警団員様はお仕事中だけどわたあめが食べたいと、そういうわけだな、なるほどなるほど
欲しいんなら買ってやろうか?まだ懐は暖かいからな!

【前言撤回、お返しとばかりにつつき始める思考回路はまるで小学生】
【“まだ”と言う辺り、恐らくは件の対GIFTの戦闘に参加した際の報酬の事を言っているのだろう】

【さて、ここで欲しいと言えば実際にこの男はわたあめを買うだろうが、少女の答えは如何なるものか】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2013/10/01(火) 01:20:22.11 ID:0ZnI+1VO0
>>739

あはは……ごめんね、美味しいもの、食べてる間に、
こんな事言っちゃうなんて、……その、良くなかったよね。

【湿り気を振り払うが如く、少年は謝罪の色を見せる。】
【『気遣いが出来なくて、申し訳なかった、』と。】


えへへ、そうかなー……
でも、ホントに、……たまーに、だけど。
そういう仕事、入ってきちゃうからさー…。

【『言い人だ、』と言われて嫌がる人間は、……そうそう居ないだろう。】
【少年もそうだった。照れ臭そうに、右手で後頭部を少し掻く。】
【間接照明の淡い光に照らされた紫色の髪は、時折輝きを見せた事だろう。】

……し、仕事……
えっと、えーっと……

【突然、少女のトーンが変わったからか、其れ共、其処を追求されると思っていなかったのか。】
【両方、だろう。少年は徐ろに、狼狽する様子を見せて―――】

言っても、信じないだろうけど……
篠丸流、40代目"最高"師範―――いわゆる、忍者、だよ。

【意外にも、アッサリと打ち明ける。少女の、先程とは色を変えた目をじっと見ながら―――】
【一般的に考えて、信じろと言う方が無理な話だろうか。…其の辺りは少女に任せる事になる。】
【若し仮に、少女に知識が有ったのなら。一応、辻褄の合う話ではある事に気づく事になる。】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 01:20:46.10 ID:57csZEaF0
>>741
/はい、わかりました! それではそちらでの返事まってますね!
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/01(火) 01:24:09.42 ID:0ZnI+1VO0
/げ、最後の文、コピーミスです…
/×【若し仮に、少女に知識が有ったのなら。一応、辻褄の合う話ではある事に気づく事になる。】
/○【若し仮に、少女に知識が有ったのなら。一応、辻褄の合う話ではある、と認識出来るはずだ。】
/そのままでも読めるとは思いますが一応念の為…!
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 01:26:57.40 ID:cLOjULyD0
>>742
「別に良いのでありますよ。と、兎に角自警団とは…………
な、何を言っているでありますか!私は勤務中であります!
ましてや、綿飴など子供っぽい物など欲しくは…………」

【欲しい。素直に、とても欲しい――――と、言える筈も無く】
【ツンとした様子で言い退けようとするが、表情が誤魔化し切れてはおらず】
【時折向ける視線。何よりも、欲しくは無いと言いながらその場から動けないのは人一倍欲しがっている証拠である】
【…………奢ってやるとの言葉を無視して、渋々と財布を開いて見れば】


「…………そう言えば、ちゆ姉に食べ物を食べさせた後だったであります……
ぐ…………ぐぅ…………」

【鬩ぎ合う食欲とプライド。言わずもがな、食欲が優勢になりつつあり】
【けれどもこの少女、負けず嫌い。故に、口が裂けても「奢って下さい」と言える筈も無く】
【弱冠17歳。涙を浮かべながらキッと睨む図の完成である】
【このまま行けば、いじける事も容易に想像出来るだろうか――――】
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 01:37:12.51 ID:pECl9dgao
>>743

ぶはっ。

【余りに想像と違った、想像以上の答えに少女は思わず吹き出した】
【先程水を飲み損なって咳き込んだばかりなのに、数分と待たずに再び呼吸が困難な状態に陥るとは】
【――パンケーキが胃から戻ってこなかっただけ、運が良かったのかもしれない】

忍者、ねぇ。
ほんとにいたんだ……。

いや、ごめん。ごめん。信じてないわけじゃないけど、おかしくってさぁ…

【笑いを必死に押し殺し、一旦息を落ち着けたあと。元の覇気どころか生気すら感じられない目から、浮かんだ涙を手の甲で拭って】
【猫背のままよたよたと、レジへと歩き出す】

私は、かきな。果物の柿に、後は名前でよく使う奈、ね。

じゃぁね―――”最高”師範の、忍者くん。
今度会ったら、忍術でも、見せてよ……

【下手に勘ぐった自分が、なによりおかしい。なるほど忍者なら、確かに中間あたりなわけだ】
【少女は再度こみ上げてくる笑いをなんとか噛み殺しながら、逃げるように店内をあとにするのだった】

//では、そろそろこのへんで〆にさせていただきます。おつでした!
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/01(火) 01:52:46.91 ID:0ZnI+1VO0
>>747

あ、ああ……笑われた……

だから、言いたくなかったのに……もう。
……まあ、いいけど。真顔でへーそーなんだーとかそれはすごいねーとか、
言われるよりは、……うん、まだましかな。

【ある意味予想通りでも在ったのだ。『自分は忍者だ、』なんて発言して】
【笑わずに居られるはずが無かった。立場が逆だったなら、恐らく少年も笑っていた事だろう。】


えっと、俺は、ねこまる…たぶん、調べたら直ぐ…あ、出てこないか……
うーん。まあ、また今度、すごーい忍術を見せてあげる、ってことにしよう。うん、そうしよう。

【笑いながら泣きながら、咽ながら。何かと忙しい少女を他所に、適当な自己紹介を済ませて。】
【未だ椅子に座っていた少年は、矢張り、少しショボくれた顔をしながら、再び何かをメモり出す。】


【"ないふ"にて切らるる其の感じ、全く無う御座った。】
【何故か。それ程、柔らかきと云う事で御座る。】
【ふわふわと、蕩けるが如き舌触り。】
【香りのみにて御座らぬ、悉く。この世の物にては御座らぬ。】

【作る手立てを以下に記して置くで御座る。】
【其れ故、其方にても、拵える事、所望致す所存で御座る。】


【と、此処迄書いて、筆を止めて。ゆっくりと立ち上がって会計を済ませたなら、】
【マスターへの挨拶も適当に、異世界を繋ぐ扉を、音を立てぬ様、ゆっくりと開けて。】
【再び、ザワついた街の喧騒の中に、姿を消して行くのだろう。】

/お疲れ様ですー!楽しかったです〜!
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 02:01:50.61 ID:1hnUYacxo
>>746

ほうほう、子供っぽいか、そうだよな、わたあめなんて子供っぽいよなぁ
でも俺は好きだぜ、わたあめ。あれ食うとガキの頃を思い―――痛ッ

【ニヤニヤと笑いながら『子供っぽい』という言葉を肯定する辺り、意地の悪さが見える】

【そしてわたあめへの欲求を隠しきれない少女を尻目に話し始めた瞬間のこと】
【不意にこめかみを指で押さえ、言葉が途切れて】
【その様子からするに、頭痛が走ったと見える】

【しかしそれもすぐに治まったようで、また元の態度に戻るのにそう時間は掛からず】
【はは、と笑いながら内ポケットから財布を取り出し、露店の方へと向かっていく】

仕方ない、大人な俺がお嬢ちゃんにわたあめをあげようじゃないか
俺が勝手にあげた、って事なら問題ないだろ?

【そう言えば返事も待たずに二つほど購入してしまって】
【店主からそれを受け取ればその一つを差し出してもう一方を食べようとする―――のだが】
【ふ、と一瞬、その視線が一本の路地の入口に止まる】
【それからちらりと時計を見れば、もう一方も少女に差し出して】

あ、悪い!この後約束あるんだった!食べてる時間ないからこっちもやるよ!
あー……えっと、俺の名前はディハート・グリムジャック。それでお嬢さんの名前は?

……ってもう行かなきゃならねえから、じゃあな!

【慌しく名乗りを済ませ、少女の名前を聞けば男は駆け足で去っていくだろう】
【そして入っていくのは先程の路地。しかし、もし後を追ったとしてもその姿を捉える事はできないだろう】
【然れど、ひょっとすると男が入った直後に路地から漏れた怪しい光だけは、見えるかもしれない】

【謎の頭痛に、奇妙な去り際の様子。少しの謎とわたあめを残し、男は去って行った】



/ここらで〆ということで!
/お疲れ様でした!
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 02:17:12.06 ID:cLOjULyD0
>>749
「――――?頭痛、でありますか?
あまり無理をしない方が――――は、話を聞くでありますよ…………」

【自然的に起こる頭痛とは思えないタイミング。何処か引っかかり、取り敢えずは休ませようとするけれど】
【止める前に露店へと行ってしまえば、無理に後を追うわけにもいかなくて】
【――――結果。その場で待つ事に】

【差し出されたならば拒む事も無く、素直に受け取るが…………】
【やはり、不満そうな表情は隠される事が無くて】


「確かにそれならば問題は無いでありますが…………
何だか、納得がいかないでありますね
……取り敢えず、礼は言っておくであります」

【ぶっきらぼうに「有り難うであります」と言えば、一口柔らかな其れを頬張り】
【不満の表情が、小さな笑みへと変わるのに然程時間を要する事も無い。やはり、子供】
【黙々と食べていた所に差し出されたもう片方。頭上に疑問符を浮かべながらも受け取れば、青年も慌ただしくなって】


「オラークル・スティンガーであります
ディハートも随分と騒がしいでありますね。足元に気を付けて帰ると――――?」

【約束があるならば、止める訳にもいかない】
【適当な言葉と共に自分の名を投げるが――――それが青年に届いたのかは、不明だけれど】
【背を見送っていた時、その光を目にしたが…………】
【小首を傾げ、確かめようとするもその時に新たな問題が起きてしまって】
【結局は、確かめに行くことが出来なかったそうな】

/了解です!お疲れ様でした―!
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/01(火) 17:08:37.65 ID:UwOFIWpY0
【とある街――広場】

【街の人々が思い思いの日常をすごしている】
【そこにこの場に非常に不釣り合いな格好をしている存在がいる】
【甲冑をして顔に面頬をつけている、男であろうか】
【そんな存在であるからか人目をつけるには十分で】

……ここにいるはずではあるが

【そんなことを甲冑姿の男は言う】
【そして少々周りを見渡し】
【周りの人間がひそひそと話す】

 ……見つけた

【甲冑姿の男がそう言うと、歩いていく目指す先には男が一人】
【そして甲冑姿の男はその男に向かって刀をとりだし、その男を―――切った】
【切りつけられた男は血をふきだし倒れたあの傷であれば死んだであろう】
【誰かが悲鳴をあげその場から大量の人間が逃げ出す】
【甲冑姿の男はそこに立ち尽くしたままだ】

【そしてその広場から離れた先】

 ……目立つところで[ピーーー]なといっておいたはずなのだが、花嵐

【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕にカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見える人物には見えるだろう】

【そんな男が壁に背をあずけながらつぶやいた】
【携帯端末を持って、操作しているようだ】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/01(火) 19:27:25.84 ID:KbDOAonAo
【街中・とある仕立て屋】
【営業時間を過ぎたその古名店から大通りへと、扉を開けてふらりと女性が歩み出る】

【身に纏うのは上等なミンクのファーコート。少し季節に早いように思えるが】
【ご丁寧にロシア帽まで被った姿は様になる。ただ、目元は赤い髪で隠れて見えず】
【ふらふらとピンヒールで歩き出す様子を見ると、尋常の客ではなかったようで】

『あっれぇー、お姉さんいい服着てんねぇ!見かけない顔だけどここらの人ぉ〜?』
『そんな金余ってるならさぁ、俺らと遊ばなぁい?大丈夫だって、大人しくしてれば──あ?』

【──時はまさに『繁華』だ。目立つ彼女に、こうして絡む輩が数人居たのだが】
【女性は相手を一別するや、声も返さずに右腕で相手を振り払い、そのままふらふらとどこかへ向かっていく】

『……オイこら待てよクソアマぁ!ちょっと高いモン着てるからって──』
『いい気になってんじゃねぇぞコラァ──!!!』

【若者がそれに逆上するのもまま見られる光景か。彼らの一人が拳を振り上げ】
【女性を背後から、それも後頭部を狙って殴りかかろうとするのを、通行人は見て見ぬ振り】
【それは恐らく、女性の左袖──そこからあるはずのモノが覗いていないのも少なからず関係があるようで】

【──対する女性は、逃げる余裕もないのかふらつくばかり。武器のたぐいも見当たらない、が──?】
753 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/01(火) 20:20:30.44 ID:S3h54s4V0
>>752

【瞬きするこの一瞬だけできっと振るわれるのだろう拳、ちらほらとなおさら視線の逸れだす気配がした】
【足早になるだけ遠くまで行こうとするひとの足音も、顔ごと背けられる視線も、何もかもが日常に近い範疇なら】
【――どぐ、と。現場で迸るいかにも痛そうな音と、衝撃と、倒れこむ音と。それもまた、きっと日常と言えた】

……邪魔なの、

【誰かを殴ろうとした刹那に意識の外の角度から蹴っ飛ばされた人間が居ればきっとそんな声を洩らすだろう、声へ】
【上から重ねられる声は至って高く少女の声音、けれど耳に付くなら、どうにも鈴の音みたいに、金属質に響く】
【細い癖にかなりの力で蹴飛ばしたらしい暴れ馬染みた挙動、持ち上げていた足を戻せば「こつん」とヒールの音、】
【(見れば細く高いヒールの靴を履いているようだった。それだったら、ただの蹴りよりもいくらか凶悪なそれ)】

退いてて。

【――正義的な思惑で行ったことではないようだった、実際。彼らが塞いでしまっていた小道から表した姿は】
【そういった類の奴らを問答無用で生ゴミ以下だと定めているよな視線で以って彼らを眺めるのだろう、まぁるい瞳】

【暗く冥く非人道の巣窟である路地裏の闇みたいに真っ黒な髪だった、腰ぐらいまでの長さをそのまま下ろして】
【黒色と血色のオッドアイがどこか蛇を連想させる風。右にだけ付けたピアスの、月白色した宝玉の欠片が時折煌き】
【裏地に赤チェックをあしらった黒パーカーの中身がリボンを縫いつけたカットソー、白地に赤いのを目立たせて】
【くすんだピンク色のスカートは段々にあしらったフリルに沿わせてレースを飾ったもの、長いソックスで素足を隠した先、】
【件の靴が紐で編み上げたショートブーツ、ふらり揺れる人物とは違って、ひどくそれに慣れているらしいと窺えた】

……――溶けたくなかったらそのままどっか行って。

【ちょんと被ったキャスケットの唾を気にして弄くるのはひどく平穏染みた仕草なのに、言葉の重みだけがいやに違うもの】
【首や手の露出する場所に包帯を巻いているのに気付けば怪我人のようにも見えるのかもしれない、それに】
【女性らしさを表すにはずっと細い身体はどうしたって華奢でしかない、命知らずの餌がもう一匹にも、見えた?】

【(少しも怯えるよな可愛らしさを見せなかった。帽子から頬に下りた手の指先がついと真っ白ななだらかさを撫で落ちて)】
【(その仕草が薬指に浮かばす久遠を誓う指輪を模したような黒蛇の痣を余計に目立たせる、人間と違った気配を引き連れて)】

/まだいらっしゃいましたらー
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/01(火) 20:46:14.11 ID:UwOFIWpY0
/>>751はまだ募集中です
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/01(火) 20:52:15.12 ID:IMSH1caeo
>>753

【鈍い音の後に、拳を固めたままの男が硬い路面に倒れこむ】
【訳も分からず彼を助けに向かう数人の連れ、と――視線を向けるコートの女性】
【その女性はともかく、若者たちは一般人。故に威勢よく少女に向き直ったが――】

『――んだテメェはよォ!?誰に喧嘩売ったと思っ、て……ぁ…?』
『ぁ、いや……な、なんでもねぇよ……な?な?だ、だからその……っ!』

『オぉイ手伝えっ!ズラかんぞ、クソがっ……!!』

【それこそ蛇に睨まれた蛙のように射竦められて、少女からは目を離し】
【ゾクリと背筋に冷たいものを感じながら、倒れこんだ彼を仲間内で引きずって】

【やがて回りの羞恥の視線すら気にする余裕もなしに、どこか人混みへと消えた】
【ソレを見て、まさか関わろうという聴衆は無い。人の協調性とは凄まじいもので】
【周りの人々はその全てが、まるで何事も無かったかのように歩み始める】

【残ったのはファーコートの彼女。見ればどうも、ふらついていたのはヒールのせいでは無いらしく】
【緊張からというより歩くだけで負担だというように息を切らし、頬を紅潮させていて】

お、ま……貴女、少し…待ってもらえ、ない……?
何かお礼をしたいの…、……その、貴方が良ければ……。

【目は髪と、それから深く被ったロシア帽で見えない。けれども、視線は少女に向け】
【隻腕で胸を押さえながらも、絞りだすようなか細い声で確かにそう言った】
【その折、僅かに耳のピアスが揺れる。黒と白の双対が触れ合って、不思議な金属音と奏でる】

【――提案は、無論少女の選択次第ではあるけれども――些かならず、魅力的なはず】
【何故なら彼女の服装は言うまでもなく最高級品で、立ち居振る舞いは何処か洗練されている】
【食べ物、或いは別のもの――そういう類なら、普通以上≠フ期待は出来るが―――。】

/遅くなりましたが居りました、よろしくです〜!
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/01(火) 20:59:26.94 ID:OUfPHryH0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 草原】

「……≪No.3≫が、音信不通……?」
……夜の国が落とされた、先の戦いから……連絡がつかなくなってるらしいよ……
おじいちゃんが、難しい顔をしてた……流石に、心配してるみたいね
……頼まれてた装備の、経過が順調だから連絡を、って時に、気付いたみたいで……
<…………>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【星の明かりが綺麗な草原に立ちつくし、人気がないにも拘らず、声を潜めて言葉を交わしている】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

「……戦況が、あまり芳しく、ないよね……」
……まさか≪No.3≫が、負けてしまうなんて事は……ないとは思うけど……
ちょっと……先が不安なのは確かにそうね……このまま負けるなんて事、あっていいはずはないわ……!

【生えている草から、さらさらと言う音を纏って、風が軽やかに駆け抜けていく】
【その軽やかさとは裏腹に、3人の表情は重く沈みこんでいた】



【――――所変わって、水の国 繁華街】

愚かしい……人が人の世を人の果てに食いつくすなんて……!
所詮、選ばれざる者は……この程度と言う事なのかもしれませんわね……

【白を基調とした修道服でほぼその全身を覆い隠し、ケープの付いた帽子の中に、明るい空色の髪が覗く】
【手には、頭部に幾つかの小さな鈴と、銀でメッキされたと思しき翼の装飾が施されている細長い杖を携えている】
【豊満と表現されるだろう胸部が目立つ、身長160cm前後の女性が】
【どこか苛立ちを孕んだ表情で、足早に道を進んでいく】
【――――その背後には、突如身体から火を噴きだし、火だるまになって悶絶する3人の人影があり、それを目の当たりにした通行人たちが、半ばパニックに陥っていた】
【それを女性は、殊更に無視するように歩調を速める】

全く、何をしているのでしょう……『GIFT』もそうですが、この民衆も……!
所詮、対岸の火事とでも思っているのなら……いずれその命、天は見逃しませんわ……

【ある者は逃げ、ある者は火元へ駆け寄り、ある者は脱いだ衣服で火だるまになった人を押さえこみ、鎮火しようとする】
【そのパニックの中、1人だけ怜悧さを保つ様に、女性は己の歩調を崩す事なく歩き続けていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/01(火) 21:25:43.68 ID:vsicEpJ6o
>>756

――……なあ、そこの餓鬼共。

【見晴らしの良い草原であるのだから、その出現は声より先に気付けたはずだった】
【ほんの一陣風が吹き抜けて、声がした。見れば姿があった――その順序の矛盾、世の条理をすり抜けた様に】

今、言うとった話……詳しく聞かせえな、

【人影が二歩、三歩と歩み寄るそのごとに、薄くぼやけていた輪郭がはっきりと色を持つ】
【足許の草花が揺れる――踏まれた様子がまるでなかった。視覚的には確実に踏みつけているはずであるのに】

……≪No.3≫が、どないなったって?

【幽体めいたそれの正体は、肩で切り揃えた白い髪に青藍色の燐光を零す黒彼岸花を挿した若い男だった】
【黒い紋羽織を着た古風な和服姿で、切れ長の目は深い葡萄色をしている――データは恐らく持っているはずだ、】

【月彗――ガイスト=リリアが過去に追討令を出した、かつての≪No.2≫の事を】

/よろしければ、お願いします!
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/01(火) 21:31:13.57 ID:UwOFIWpY0
/>>751を取り消します
759 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/01(火) 21:42:00.63 ID:S3h54s4V0
>>755

【少し前を思えばずいぶんと冷たくなった風が夜の中を抜けていく、道中様々なものを弄んでは揺らして】
【帽子に押さえ付けられた黒髪も。ふわり拡がっては翻る、――その様がまるで鎌首を擡げる蛇に似ているようにも見えた】

……ばいばい。

【――邪魔しなければ赦してやるのだとでも告げるような瞳はつまり邪魔すれば、という意味合いを同時に孕んでもいて】
【彼らが素直に逃げることを選んでくれるなら嗤いながら追いかけるような類の貞操なしでもないらしい、ひどく平和に見送るのは】
【たった数十秒前に微塵の欠片ほどの躊躇いもなく人間を蹴っ飛ばしたようには見えないぐらいに和やかだったという、余談】

【誰かが取り違えてしまったように色の異なる一対が辺りを見渡した、とうに日常へ戻りきった光景に、ほんの微かに瞳を細めたなら】
【まるで初めから終点をそこだと定めていたようにぴったりと女性の元で視線が留まるのだろう、ふらと傾げた首の挙動、瞬きひとつ】
【そしてその瞳がまぁるく変わるなら、――そこでようやく女性のおかしな挙動に、不調を抱くのだろう仕草に、気付いたみたいに】

……――いいよ、わたし、そこがいい。

【――正義的な志で動いていないというのは今までの短時間でだって気付けることだろう、それなら、何を言うでもないまま】
【けれど紡ぐのが何かを裏で考えながらであるようにふわついたもので、陶器で作ったように白く細い指先が示すのは、最寄のカフェ】
【至極普通に親しみやすい価格帯と時折見かける名前、なんてことなくチェーン展開されている店。尋ねるように首を傾げれば、】

やっぱり嫌だとか言い出すなら、それならわたしに付き合ってもらう。 いいよね、助けてあげたの。
……病人みたいなの放っておいて倒れられたりしたら嫌だもの、そんなに忙しくも、ないんだし――……。

【つらりと続けていくのはつまりどちらにせよどこかへ行こうと誘うように紡がれていくのだろう、違いなど支払い主程度しか見出せず】
【恩を売るように繋げるのだって断る道を絶つようにも見えた、――心配していると取っていいのだろうか、この態度は?】
【曖昧な距離間を近づけることを許されるならば手の届くような距離で立ち止まる、百六十に靴をプラスした身長、女性へと眼を向けて、】

/すいません気付くの遅れました……よろしくお願いします
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/01(火) 21:43:45.25 ID:OUfPHryH0
>>757

<……ッ!?>
誰だ……ッ!

【1人沈黙を守り続けていた赤髪の少女が、最初にその異変に気づく】
【それほど間をおかずに、聞こえてくる声に残る2人も反応を返した。ただでさえ人気のない場所柄、その気配は嫌でも目立つ】

「……それが、一体、なんだって……?
……誰とも、知れない、相手に……情報を、明かす、はずはない……!」
――――ッ、いや……待ちなさい
「……え?」
……誰とも知れない、と言う訳じゃないみたいよ…………その姿、確か伝聞に聞いてるわ……

【声を掛けてきた男――――月彗の言葉に、最初に真っ向から反発したのは、3人組の中の少年だった】
【濁り切った炭団の様な瞳にも、そこそこに警戒の色を浮かべて言葉で牽制をかけるが】
【そこに待ったをかけたのが、一行を率いているらしい東洋系の少女だった。何歩か歩を進めて、前面に立つ】

…………元≪No.2≫……裏切り者に裏切られた、もう一方の裏切り者……確かそう聞いてるけど?

【間接的に伝え聞く情報でしか触れていない為、詳しい事は知らないのだが、それでもこの少女は月彗の正体に感づいたのだろう】
【――――機関を、己の目的のために利用しようとした、かつての六罪王の1人。それと衝突して機関を去った、元≪No.2≫】
【立場としてどう扱うべきか、非常に悩ましい存在と感ぜられたのだろう。悩む様に眉間に皺を寄せて】

……それを聞いて、一体どうするつもりなのかしら?
敵か味方か、今はどうか知らないけど……少なくともあんたは部外者……そう易々と情報を明かす理由なんてないわよ……?

【少なくとも、東洋系の少女は立場に慎重にならざるを得なかった】
【月彗が、どう考え、どう行動するのか。それは重要な問題かつ、今現在では見通しのつかない事なのだ】
【大した情報ではないとはいえ、そんな相手に迂闊に情報を提供する訳にはいかない――――まず、東洋系の少女は月彗のスタンスを確かめようとする】
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/01(火) 21:50:20.66 ID:UwOFIWpY0
【とある街――裏路地】

【その場所には何人かの切られた死体がある】
【その死体は自警団員の死体であろうか】

『………』

【そしてそこには甲冑をして顔に面頬をつけている男であろう人物がいる】
【この男が自警団員を切り殺したのだろう】
【そして男が刀をふり血を落として刀を鞘に戻す】
【するともう一人の男がそこにいる】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕には通常のよりも一回り大きいブレスレットとカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見ええる人物には見えるだろう】

 やりすぎだぞ、花嵐
『あなた様に手を出しきたので』
 ……まあ、データをとることができたのはいい収穫であったが

【花嵐とは甲冑姿の男のことであろう】

【この路地裏に死体、さらにカノッサ機関の構成員と思われる人物】
【そんな路地裏、血の匂いが匂う】
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/01(火) 21:58:33.49 ID:vsicEpJ6o
>>760

【返答を聞いて不愉快げに鼻を鳴らした男は、それでも殺気を立てるような行為はしなかった】
【非常に理にかなった彼女の応対に得心した部分があったのだろう。ほんの微かに笑みさえした】

敵になったろうとは思わへんけれど。味方したろうとも思わへんな、今は……
どうせあッちも自分の為に其処(機関)にいたんやし、リリアと何にも変わらへんのやから――

――……まあ流石に、牛耳ったろとまでは思わへんけれど。誰しも腹に一つ二つ抱えとるもんやろ?

【なお迷わせるような口振りは余計に少女を惑わせるつもりか、酷く愉しげであったのだが】
【再度相手の言葉を咀嚼する間があった――斜め下に落とした視線、それは或いは“好機”となりうる隙】

しかし……どうする、か……そうやな―― また何処かでくたばりかけとるんなら、

【 「        」 ―― 風が吹き抜けて、最後の言葉が飛ばされる。手掛かりは尚も嗤う表情だけ】
【胡散臭さなら間違いなく警戒モノ、立場のふらふらしたこの男を見定めるのは――まさしく、相手に委ねられた】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/01(火) 22:02:28.53 ID:IMSH1caeo
>>759

【粗暴な若者たちが逃げ去り、弱気な市民たちが無視を決め込み】
【空間に残るのはわずかに二人。そして互いの興味の対象が重なれば、女性は首を縦に振る】

【あまり余裕のあるものではなかったが、僅かに口元には満足気な微笑】
【それから近寄ると分かるのは、背はコートの女性の方が10cm程度高い、ということ】
【最も具合が悪いのか怪我でもしているのか猫背気味だから、結局目線は変わらずで】

いえ……いえ、まさか…。その程度でいいのなら、其処にしましょう
食べ物なら一番わかり易い形でお返しも出来るし……っ。

……ふぅ。病人、ではないけれど……似たようなものかしらね、これじゃ

【発作が収まるように、ゆっくりと息を整える。ややもすれば、コートの女性はスラリと背を伸ばし】
【数十万は下らないだろう早めの冬着をしゃらりと揺らしながら指定の店へと歩き出す】

【――先にも述べたが、彼女には左手が無い。コートの袖も重たげに揺れるだけであり】
【故に、少女の手を唯一使える右手で取ろうとすることも無かったのだが】
【店へ向かうほんのちょっとの道すがら、申し出を是非お受けするとばかりに手招きし】

【やがて店へ付いたなら、彼女は上座を譲って、帽子も取らず】
【ただ『なんでもどうぞ』とメニューを少女へ差し出すこととなるだろう】
【いやに――親切というか、なんというか。奇異な人物なのは、言うまでもなかったが】
【声色や仕草、均整のとれた―瞳は露わではない―顔付きといい、どこかの令嬢のようでもあった】

/いえいえとんでもない、お気になさらずです〜
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 22:07:48.41 ID:57csZEaF0
「はぁ、困ったなあ、どうしてかなぁ、どうしてかなあ」

(少年≠ヘ落胆していた)
(それは自らがいる路地裏が、酷く異臭がするとか、見るに堪えない物が散乱しているとか、そういう事ではなかった)
(だからといって些細な、白い服が汚れるとか、そういう類でも無かった)
(簡単にいえば、自分自身への落胆だ)
(声音も幾分かトーンが落ち、溜息はいつもより溜めが長ければ、息を吐き出す時間も長い)

「期待しすぎたのかなぁ、そうなのかなぁ……」

(変な人と合う事、正義の味方と会う事、悪役の人、特に、組織の人)
(第一目標に掲げていたソレの二つは、僅かな日にちの間に終わり、彼に興奮をもたらし、有益な物を与えた)
(そして、そんな何の迷いもない気分の中で、また同じように路地裏へと足を運ぶ)
(死臭漂う、まだ生暖かい、人がいたという結果が残る場所)
(誰かがいったように、毎日誰かが、こういう場所で不可解な死を遂げている)
(だから、それに集う人がいると少年は思っていて、事実二人の人間が集まってきたのだが)

「偶然だったのかなぁ、違うのかなあ、どうすればいいのかなあ」

(誰に聴かせるでもないのに、声を発する)
(独り言とするには、声量が大きく、大げさに声にも感情を乗せる、まるで舞台役者のようだ)
(もうそろそろ、新鮮な血の匂いが無くなる頃だった)
(人のいる気配所か、生き物すら少年以外いないという程、静寂な空間)
(空を切る風の音がなければ、現世と離された空間なのではないかと、思える程)
(平穏とは程遠い世界で、少年はそれでも、なんだかんだと愚痴をいいながらも
(平穏から、たとえ片足でもいいから離れた、浮いている人間を待ち続けていた)
(15,16の少年には、まだ往生際がよくないようだ)

/http://www53.atwiki.jp/nrks/pages/579.html 一応、こちらのキャラクターです
/ただ立ち寄るだけでも勝手に話はじめるので、よかったらっ
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/01(火) 22:13:47.03 ID:OUfPHryH0
>>762

……未来の勝利者となるべきが、誰なのか……あんたにも分かってるんじゃない?

【どうともしないと言う言葉は、恐らく月彗の本心なのだろう。しかしそれは、どこか東洋系の少女には引っ掛かるものを感じさせたようだった】
【――――誰に付くべきか。それは恐らく、損得を考えるなら自分たちの戦列に加わるのが賢明だと言う、仄めかしなのだろう】
【敵対する行動を取らないと言うのなら構わないが、単に野辺にいるのも考えものだと、そう言いたいのだろう】

……確かにそうね。自分の目的を機関に重ね合わせて……そんなのは珍しくないんじゃない?
……わざわざ言うつもりはないけど、私だってそうだしね……その為に、人間を捨てた様なものだし?

【――――鋼鉄の腕をひらひらさせながら、肩をすくめてみせる東洋系の少女】
【その肉体は、生のままではなく、人の手が入っている。それは、少女自身が望んだ事なのだろう】
【自ら望んで機関に居るのなら、機関の目的とはまた別な、個人としての目的があると言うのは、東洋系の少女としても頷ける話だった】
【それが、機関に真っ向から敵対するものじゃない限り、むざむざ掘り起こす必要もないのだろう】

――――夜の国。この前、そこで戦端があったでしょ?
……連絡がつかないのはあれ以降…………もし姿を探す気があるんなら、夜の国に顔を出してみるのね……

【――――真意が見えない月彗に対して、東洋系の少女は最終的に、吹っ切った様にあっさりとそれを口にする】
【と言っても、持っている情報は基本的にそれだけだ。消息が途絶える直前の状態――――小さいが、確かに跡を辿れる情報】

(……今は、どうも事態が硬直してる…………良くも悪くも、何かのきっかけがあれば……それも変わるかも……
ベイゼさんがどうなったか……そこが知れるだけでも『動き』のきっかけにはなるはず……!
…………また、『UNITED TRIGGER』に捉えられた、なんて事がなければ良いんだけどねぇ……)

【そこには、東洋系の少女なりの、密かな企みがあった】
【状況が動き出す、きっかけになれば――――この小さな波紋が、やがて大きなうねりになれば、チャンスが生まれるのではないかと言うもの】
【ピンチもチャンスも、紙一重――――要は、それをどう活かし、どう乗りこなすかなのだ】
【仮に状況が動かなくとも、月彗1人に情報が漏れる程度、大した痛手になるとも思えなかった】
【そして仮に、それをきっかけにして何かが大きく変わるのなら――――今度こそ、自分たちが勝者への道に至る】
【そんな計算を頭に入れて、東洋系の少女は≪No.3≫の行方と言う情報を、月彗に渡したのだ】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 22:22:12.24 ID:4WW6kPgw0
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/net/1380209308/198n-
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 22:22:27.15 ID:4WW6kPgw0
175 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/10/01(火) 19:44:27.99 ID:BZ4T83fpi
院長は違う意味で面白いがな

雑談のID:X2r9.HAQ0がいちいち嫌味で腹立つわ
新手の荒らしか?あやベンみたいな物言いだな
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 22:23:02.74 ID:4WW6kPgw0
152 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/10/01(火) 02:25:58.24 ID:kGbNZzEL0
ラギと個人は似ているものがある

気持ち悪さと自分語り
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/10/01(火) 22:23:42.76 ID:4WW6kPgw0
155 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/10/01(火) 07:45:35.13 ID:VQsJhwwe0
【】の代わりに()使ってる奴何なの
770 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/01(火) 22:24:23.62 ID:S3h54s4V0
>>763

【傍に寄れば当然のように身長の差にも気がつく、けれどそれで態度を変えたりするということもない】
【先の彼らへ向けた視線を思えばまるで別人のようだった、向ける丸さは、きっとひとらしい情めいた温度を持って、】

病人でも、……怪我人でも一緒でしょう、大人しく家で寝てればいいのに、――。

【ふらつくようなら手でも貸すだろうか。玩具みたいにか細いのはひどく不安を誘う見た目でも、脆く崩れるよなことも当然ない】
【あんまりに重さを掛けてやれば当然潰れてしまうように揺らぐけれど。そうでもないなら、店まで誘う程度なら容易く出来るはず】
【――受け入れないというならば無理強いするでもない。ただ、転んでしまわないようにと気を向けているような気配が、確かにあった】

【(言葉のお仕舞が少しだけ呆れるような色合いだった、それでいて、安らぐ場のないことも考えにあるような、不思議な抑揚)】
【(ついと伏せた瞳が確かに左腕を捉えて、ただ、今は適期でないと思ったかのように見過ごす。大丈夫かと尋ねるように、首を傾げて)】

【――からりと可愛らしいベルが店内へと来店を告げて、やってきた店員へとふたりだと告げて、案内されて、】
【はじめは通路へ近い側へと女性を誘導しようとしたことだろう。座りやすいようにとするのは、年頃の優しさを持つようにも見えるけれど】
【人間と違った気配が。若者達を蹴っ飛ばした表情が。確かにそこで違和感として歪みとして存在して、――何かが、明確に、違えていた】

わたし……、……冷たいココアがいいな、

【結局は譲られるままに座った位置、差し出されたメニューをなんてことなく素直に受け取って、目を通す、数秒間】
【ふたつみっつの候補で悩んでいるような気配があった。けれど、やがて紡ぎだすまでに掛けた時間はそれでほどでもなく】
【そうして決めてしまえば最低限だけにするつもりらしい、そちらへ向きを正した後、メニューを返すようにすることだろう】

【受け取ったなら。案内と一緒に置いていかれた水のコップへと手を伸ばす、するりと引き寄せて】
【中身とじわり浮き出した水滴が光を滅茶苦茶に散らすのを観察するようにしてから口へ運ぶ、そっと唇を潤すように飲んで】
【一息ついた、――その視線が、大丈夫なのかという意味合いでその顔色を窺うようにして、左の肩口へ移ったのは、容易く確認できたこと】
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 22:33:08.09 ID:cLOjULyD0
【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】







【櫻の国――――打ち捨てられた家。その、縁側】
【夜という時間も合わさって普段ならば誰も居ないであろう其処に在るのは、一つの気配。所謂、妖気】
【見れば、地味な着物を纏い、腰には二振りの刀を提げた少女の姿があって】


「ふむ…………誰も居らぬ所に座敷童が居るとは、珍しい事もあったものじゃな
くふ――或いは、人の居る場所に住まうのが疲れたのかや
何れにせよ、我は邪魔をするつもりは無い。ゆっくり休んでいると良かろ」

【石畳に草履の底を擦らせるかのように、脚をブラブラとふるその姿】
【腰程までに伸ばされた銀の髪は月光を鋭く反射させていて――――右手には、酒の注がれた猪口】
【見た目だけならば、まだ到底酒を飲めるような歳でも無かろうに―――――豪快に、グイと煽って】


「久しぶりの帰郷じゃ
天狗の輩にも会い、あの一族にも会い…………まあ、悪くは無かったかの
…………さて、次はどうしたものかや」

【コトン、と隣に置けば、丸い月を見上げる事だろう】
【満月の夜。散歩するには、丁度良い明るさ。ならばその月光、妖気に誘われる者だって居るだろうか】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/01(火) 22:36:56.76 ID:vsicEpJ6o
>>765

――…………

【すうと静寂になる間があった――確かに今の立場は寄る辺も無く、脆弱性を抱えたままだ】
【身の振り方を賢く考えるのであれば。結局黙りこくったまま、月彗は何をも答える事はなかった】

【鋼の腕を見遣る視線は、その造形をなぞる様に(或いは少女に対して不適切な、)観察をしていく】
【人間を捨てているとの発言が無ければ、一見すれば気が付かなかったその体の機構を知ろうとするように】
【情欲とは明らかに違う、“改造された人体”であるらしいその存在。ならば背後にそれを叶えうる技術者がいて、】

【――求めていた事を彼女が吐露した事にさえ、反応を返すまで明らかなラグがあった】

…………夜の国、か。分かった

【No.3の現状について先程まで何も知らなかったのだから、僅かであろうと手掛かりが無いよりずっと良い】
【言葉短かに月彗はそう返すと、先までの問答から一つ区切りをつけるように、片手を緩慢に持ち上げる】

……もう一つ。お前達を“そう”したのは、勿論機関の者やろうな?
“人間を捨てた”ゆう事は……健常の状態から手を施されたゆう事か、なぁ。
或いは身体の欠損部位に増強の為の施術を受けた、とか……嗚呼別に、答える義務はないが。

【捲くし立てるような問いは最後に余裕を見せたようにしてこそいるが、明らかに興味本位のみではない】
【考えようによってはこれも一つの情報――人体改造について、月彗が情報を集めねばならない状況にある事だ】
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/01(火) 22:38:45.87 ID:vsicEpJ6o
/>>772の【情欲とは明らかに違う、〜 を【情欲とは明らかに違う視線、〜 と訂正します
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/01(火) 22:42:02.35 ID:IMSH1caeo
>>770

それはまあ、そうなのだけれど……、…あ、はは……っ。

【乾いた笑い――ソレは嘘を隠すのが下手な、傷病で気の弱った女性の本音】
【まさに『安らぐ場所がない』という言葉を示していて、ソレがまた奇妙】

【高級な、それこそ仕立てたばかりにも思える毛皮のコートを着こみ】
【救われたとはいえ初めてであった少女になんでもというようにお礼をする余裕もあり】
【しかし、安らぐ場所はない。追われているのでもないだろうが――凡俗の身分でもないのだろう】

【そんな奇妙さを抱えているからこそ、俄に沸き立った少女との小さな縁がありがたい】
【幼さに潜む意外な狂気に、見かけとは吊り合わない指輪のような痣も然り】
【落ち着いたにしても、余程重傷なのだろう――ふらりと揺れた折、少しだけ身を預ける場面もあった】

【そんなこともあり、店内に入れば快適な温度と少女のぬるま湯のような気遣いで】
【結局それに押されて言われるがままに座り、ようやくとばかりに息を整える】
【そして注文はマスカットティー。二人分のオーダーを受け付けた店員が下がると、口を開き】

……さっきは、ありがとう。偶然だったのかもしれないけど……助かったのは事実だし
ここ、奢るのと……今の言葉で、悪いんだけどお礼、ね?

…、……これ=Hこっちは……色々とあって、不便だけど大事じゃないの
問題は胸の怪我の方。ちょっと歩くと、息が上がっちゃって…、あんな調子に。
『色々あった』から服とかもなくて、ホテルに泊まるにしても、出歩かないといけなくて

それで、外出してたんだけど……貴女は、小道でお散歩≠ナも……?

【ふと感じる腕への視線。右手を其処にやると分かるのは、殆ど根本まで足りていないと言うこと】
【しかし抑えても苦しげに見えないのは言葉が真である証拠】

【――そういえば、声は尚もか細いまま。それを聞いていれば肺の患いが事実だと分かるはず】
【それからちょっとした事情を話せば、求めるのは自然と相手の事に移り変わり】
【あんな時間にどうしてあんな場所から――という真っ当な疑問を、意味深長そうに尋ねかけた】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/01(火) 22:55:35.41 ID:OUfPHryH0
>>772

…………?

【自分をじっと見ている月彗の視線に気づいたのだろう。東洋系の少女は訝しげに腕を下げて月彗を見つめ返す】
【何か、今までの話の流れとは違う何かに、月彗が興味を抱いているらしいと言う事は分かった】
【だが、それは何なのか――――流石に人の心を読む事など出来ない少女には、断定しかねた】

……何を考え込んでるのか知らないけど、まぁ、精々気をつける事ね……
何か、途方もない何かがあるらしいって事を、小耳にはさんだ事もあるから、ね……

【――――六罪王レギンが、何かの計画を進めていた夜の国】
【その断片しか、東洋系の少女は知らなかったが――――無論、その上に立つ上司も然り――――しかし、それが想像を絶するものであると言う事は分かる】
【流石にそれについてまで、滔々と明かすつもりはなく。軽く触れながら警句を告げておくに止めた】

…………?
……それが、どうしたっての?

【――――何か、調子を乱していたのはその事が絡んでいるのか】
【それが分かってなお、東洋系の少女は月彗の唐突な、抑えきれないといった風な問いに、戸惑いを見せた】
【先ほどの話とは、全く途絶したない様にも関わらず――――むしろ、先ほどよりも重視している様な印象が、そこには感じ取れた】

…………そんな機関内部の重要事、それこそあんたに話す理由なんてないわよ
組織の技術構造の流れでも、突き止めようとしてる様にも取れるわよ、その言葉……
――――まぁ、言うなら……私たちは『勝つ』ためにこう『在る』って事ね……
人間をチューンするのもデチューンするのも、全部機関の勝利のためよ……
<……エヘヘ>

【流石にこの問いに対しては、明確な答えを用意する訳にもいかない。機関の中――――と言うより、自分たちにとっては、非常に重要な情報なのだから】
【それを、敵とも味方とも言えない月彗に、むざむざ話してしまうのは、危険度が高すぎるのだ】
【それでも、東洋系の少女はわずかに答えの一端を、言葉の中に滲ませる】
【――――「『勝つ』ためにこう『在る』」。それはポジティブに、意識的・能動的に改造を受けた事を匂わせて】
【同時に、側に立っていた赤髪の少女の頭を、その鋼鉄の手で撫でてみせた】
【明らかに、東洋系の少女よりも赤髪の少女の方が、体格も年齢も上なのだが。しかし撫でられた赤髪の少女は、はにかんだような笑みを浮かべて】
【――――その中にあって、赤髪の少女の口元は、まるで獲物に食らいつかんとする獣の様に歪んでいた】
【理性の働いていない様子が、そこから見てとれるだろう。それこそが、人間の『デチューン』にあたる存在】
【様々な形で、少女たちの背後の存在は、人間の形をいじくりまわしている事。それだけはハッキリと分かるだろう】
776 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/01(火) 23:14:34.85 ID:S3h54s4V0
>>774

【ひどい傷や重い病を背負えば誰だって大なり小なり気弱にもなるだろう、元を知らなくたって、きっと】
【また細めた瞳に浮かべる感情が曖昧にぼやける、何か考えているようにも何にも考えていないようにも、見えたのかも】

【(どこにも帰れない、どこにも帰る場所のない、辛さとか、苦しさとか、寂しさとか、全部、知っているつもりなら)】
【(薄れはすれど消えない記憶が刹那に過ぎって、――ふと浮かんでしまうのは同情めいたもの。そっと、隠したつもりだった)】

【三十六度五分の体温。低くも高くもないのは、今この場にある危うくも思える様々な生温さのなか、きっとこれも含まれた】


【――口中を冷たい水で冷やす、からり氷の回ってぶつかる音と、遠くにレモンの潜む気配と、ことんと机へコップを戻して】
【きっと視線を辿られたのだとその言葉に気付けば今更ながら気まずげに逸れた、くるりと巻かれた紙ナプキンを無意味に眺め】

……いいの、ただ邪魔だったからやっただけだから、――……むね? 胸にも怪我、してるの?

【ていた、のが。怪我は腕だけでないどころか、寧ろそっちは見た目以上に辛くないらしいこと、知ればついと戻される】
【そうして探るように確かめるように向けた視線があることだろう、或いは男のするような変な意味で向けるのとは違う、それは、】
【――きっと今度こそ明確に心配の色をしていた、アバウトにそろえた前髪の向こう側、同じ色をした眉の顰められる動きがあって】

そう、――お散歩、してたの。表歩くの、……あんまり好きじゃないから、

【確かに彼女の出てきた小道は一般人たちの忌避する場所への導入だった、けれど傷ひとつ何の乱れもなく現れたのは、】
【初っ端に知らない人間にケンカキックを喰らわすような思考回路からしてもまあ分かることと言えただろう、脅しの言葉にしても、】

【(そういえば。黒と赤のオッドアイで。“溶かす”異能の持ち主。その条件の一致、もしかしたらどこかで、覚えがあるかもしれない)】

…………病院とか、行かなくて、いいの? そうでなくても、どこか、

【――少女個人としては病院が嫌いで、大嫌いで、病院だけは行きたくないぐらい、だったけれど】
【世間一般の人間たちはきっとある程度信頼しているのだろうとは思っていた、それだったなら、水をもう一口流した後に】
【(わたしなら行かないけど)とでも言うような声音でありながらもそう尋ねるのだろう、コップに残る唇の後を指でそっと拭いながら】

【(頼る場所はないのかと。はじめよりも考えるのが深くなっているようだった、ただの気紛れじみた心配から、もっと深くまで、)】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/01(火) 23:15:10.79 ID:57csZEaF0
>>764
/まだ募集中ですので、宜しければっ
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/01(火) 23:19:52.20 ID:vsicEpJ6o
>>775

……『勝つ』為、か。それなら例えばの話やけれど――、いや、分かり切っとるな
先天性の不具者を、技術と時間を掛けてやって戦闘可能領域までチューンする……
そんな行為に意味は無い、きっとそう言うやろ? そッちらをそうした奴は。

【目の前にいる“完成品”たる少女達と、彼女の言葉からそう結論付けると】
【顎に手を当て何かを思案していたような月彗は――やがて興味の失せた様に軽く左右へ頸を振る】

そうやな……もしあッちが、≪No.3≫を捕捉して無事にそッちらに引き渡したとしたら。
その施術を施した“技術者”――そいつに会う権利位は、取り付けられるやろ?

【つまりは取引、という事だが。裏を返せば矢張りこの男はそこまでしてでも“人体改造”の技術を求めているという事】
【否、ここまで来れば推測も付けられるだろうか。真に求めているのは、改造と言うよりも“整形回復”】

【(真っ当に生まれなかった人間を、真っ当な人にする為の、それ)】

――……、時間か

【月彗の姿に、まるで映像のブレのように一瞬揺らぎが混じり、青藍色の燐光が微かに零れては消える】
【いずれにせよこれ以上の猶予はないようで――是なり非なり、解答を聞き受ければすぐに、その気配は消失するはずだ】

【青い蛍のような光のみを微かに散らして、後に残るのは彼女達と、元あった草原の静寂のみであった】

/巻きになりましたがこの辺りで……お疲れ様でした!
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/10/01(火) 23:25:39.26 ID:kYS95DYU0
【夜の国=\――廃トンネル】

【首都ルルーメンから少し離れた郊外には古びた廃トンネルが存在する。】
【元は鉱山と繋いで鉱物資源を運搬するためのものだったようで、内部はかなり広く創られており】
【天井を支えていたと思われる鉄骨の残骸のようなものがまるで生き物の骨のように辺りに転がっているのが見える】
【支えを失った天井は一部が崩れ落ちて、その隙間からは月光が差し込んでどこか神秘的な雰囲気を醸し出している。】

【そんな幽霊でも出そうな場所に規則正しい足音が響き渡る、噂をすれば幽霊か?いやどうやら違う………この足音の主はまだ生きている=z

やれやれ………まさかこんな場所まで来る羽目になるなんてね―――本当にこの辺りに残党が潜んでいるのかな
まぁあともうひと踏ん張りって所だから頑張るとしようかな………。

              しかし―――この天井、崩れたりしないよね………?

【その人物とは―――。】
【若干ウェーブの効いた肩ほどまで伸びる透き通るような碧の髪にグレーのスーツ、その下に黒のベストと白のドレスシャツを着て】
【黒いネクタイを巻いており、下はグレーのスラックスに黒い革靴、肩からはシルクのストールが垂れている】
【腰に巻かれた黒のベルトには、白いガンホルダーが二つ装着されている、どこか神秘的な雰囲気を纏った、漆黒の瞳を持つ長身の青年】

【青年は時折月光の差し込む天井を見上げては―――少し頬を引き攣らせて苦笑しながら歩いている。】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/01(火) 23:32:42.94 ID:OUfPHryH0
>>778

…………ッ
さあ……なんて言うかしらね、私には分からないわよ……気分で、なにもかも滅茶苦茶にしちゃう人間だし……

【一瞬言い淀みながらも、どうとでも取れる回答を向ける東洋系の少女】
【実際、彼女らの『改造』の責任者は、本当に何もかもを気分次第で進める気のある人物で、もし興味をひければ、月彗の望む事も難しくはないのだろう】
【だが、それ故に答えに詰まったと言う訳ではないのだ――――この時、東洋系の少女の脳裏には、1人の人間の存在が掠めていた】

(……あの負け犬……ブラックハートに、同じ……?
……アイツは、元からどうしようもない身体を、だからこそ強く改造させられた…………
――――なら、私は、アイツを軽々超えられるくらいじゃなきゃ意味がない……!)

【「先天性の不具者」――――正に、自分たちの前身と言うべき存在は、その言葉通りの存在だったのだ】
【もっとも、それには特殊な事情が絡んでいる故に、かなりのレアケースと言う事が出来るのだが】
【その存在を忌み嫌っている少女は、その事が頭にかすめたことで、思わず言葉のペースを乱していたのだった】

…………そう来る、か…………分かったわ。それくらいの事なら、確かに造作もない事だから
……でも、覚悟くらいはしておきなさいよ……あの人に会うのは、それだけ危険な事でもあるからね?

【≪No.3≫を焦点にした取引。確かにそれは相互の利益を満たす条件だ】
【そう持ち出されば、断る理由もない。東洋系の少女はそれに頷いて了承を返して】
【ただし――――彼女らの『上』に顔を見せる事は、それ単体で相応の危険を伴う事であると、警告を最後に付けたした】

――――ッ?
「……消えた……ッ!?」
<!?>

【そうして、月彗の消える姿を見送る3人。何が起こったのか、ほとんど把握できなかった】
【確かなのは、先ほどまで会話をしていた相手が、もうそこにはいないと言う事だけだ】

……意味が分からない奴だったわね…………
「……大丈夫、かな……あいつ……」
まぁ、大丈夫だとは思うわよ? ……自分に正直って言うのかしら、ああいうタイプは、向こうの思いに沿ってやれば、まずそこから外れる事はないし……
わざわざ取引したがってるなら、それをぶち壊す様な行動には、出ないでしょ……?

【取り残された3人も、それぞれ思い思いにその場を後にしながら、尚も言葉を交わし続ける】
【風だけが、そこにあった暗い言葉の羅列を、見送っていた】

/乙でしたー!
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/01(火) 23:33:14.73 ID:IMSH1caeo
>>776

……そう、でも良かった。あのままだったらと思うとゾッとするから

それと……怪我は…ええ、胸に。肺とか、心臓とか、ちょっとずつね
座ったり寝たりしてる分にはいいんだけど、歩いたりすると苦しくて。
本当は貴女の言うように病院だとか、頼れる場所に行ければいいんだけど……

……バチが当たった、っていうのかな。親兄弟とか、友達とか、居なくて。
知り合いは居るけど……ちょっとこの状態だと、会うのも辛いから
それに、病院は個人的に嫌いで…、……。……あの白い天井とか、あんまりね

【苦笑――なのだろうか。どこか諦観のような者が覗く笑みを、僅かに滲ませ】
【喉を癒やすように冷たい水を少しずつ飲めば、其の折に注文した物がテーブルに届く】

【マスカットティーと、アイスココア。前者を受け取った彼女は、右手でカップを持ち】
【紅茶味がかった半透明な水面を眺めて、其処に移る自分の姿を見る】
【やはり浮かぶのは同じ笑み。―――此処に至って、ただの令嬢という線は消えただろう】

お散歩、か…。私も好きよ、夜中の人通りが無い、静かな街を歩くのとか。
今もこんな身体じゃなければ……なんて思うけど、ちょっと無理かな

……今回のお散歩では、何か面白いものは見つけられたのかしら?

【どこか儚げ。少女の心配、気遣いのようなもの――気付いているのかは分からない】
【けれども静かに言葉を紡ぐ姿は先程よりも余程楽しげであって】
【どこか、こうして静かにお茶を飲みながら談笑するのに憧れていたかのようだった】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/01(火) 23:47:56.24 ID:0ZnI+1VO0
>>764,777

【路地裏―――】

【多くの人々が行き通い賑わう繁華街に潜む、たった一本の細い道。】
【通り抜ける風だけは、誰からも認識される事が無い其れにも優しく接する様だが、】
【―――路地裏は、薄情だった。人の気配で温まった風は、其の温度を失い、やがて溶けて行く。】
【色んな意味で、冷えた空間。そんな場所に迷い込んだ、一人の少年が居た。】

カツ―――、カツ―――、カツ―――、

【光差す隙間から、入り組んだ暗い路地裏へ。】
【聞こえて来るのは、のったりとした足音。】

【黒みがかった赤色のオーバーコート、ブラックパンツに身を包んで。右手の薬指には銀の指輪、】
【更に、艶のある髪は銀色で、眼は惹き込まれそうな程深い紅色…という事は、特徴的だろうか。】

【音の正体は、こんな身形をした16歳程の少年であった。】

【―――子供には、何故か『同級生だ、』と分かる"能力"を持っている物だ。】
【大人らしい顔立ちに、変わった髪色をしている少年であっても、"何となく"理解出来る事だろう。】


―――、…………

【暗くて詳細迄は分からないが。見てはイケない物を、見てしまった。】
【『最近、良くこういう奴に巻き込まれんなぁ……』なんて言いたげな顔をしては、クルッと方向を変えて。】
【そーっと、立ち去ろうとするだろう。】

/まだ居らっしゃるかな!?よろしければお願いします!
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/01(火) 23:48:40.75 ID:0ZnI+1VO0
>>764,777

【路地裏―――】

【多くの人々が行き通い賑わう繁華街に潜む、たった一本の細い道。】
【通り抜ける風だけは、誰からも認識される事が無い其れにも優しく接する様だが、】
【―――路地裏は、薄情だった。人の気配で温まった風は、其の温度を失い、やがて溶けて行く。】
【色んな意味で、冷えた空間。そんな場所に迷い込んだ、一人の少年が居た。】

カツ―――、カツ―――、カツ―――、

【光差す隙間から、入り組んだ暗い路地裏へ。】
【聞こえて来るのは、のったりとした足音。】

【黒みがかった赤色のオーバーコート、ブラックパンツに身を包んで。右手の薬指には銀の指輪、】
【更に、艶のある髪は銀色で、眼は惹き込まれそうな程深い紅色…という事は、特徴的だろうか。】

【音の正体は、こんな身形をした16歳程の少年であった。】

【―――子供には、何故か『同級生だ、』と分かる"能力"を持っている物だ。】
【大人らしい顔立ちに、変わった髪色をしている少年であっても、"何となく"理解出来る事だろう。】


―――、…………

【暗くて詳細迄は分からないが。見てはイケない物を、見てしまった。】
【『最近、良くこういう奴に巻き込まれんなぁ……』なんて言いたげな顔をしては、クルッと方向を変えて。】
【そーっと、立ち去ろうとするだろう。】

/まだ居らっしゃるかな!?よろしければお願いします!
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/02(水) 00:05:05.42 ID:H4w0cZ5n0
>>783
「ああ、よかった、よかった、うん、やっぱりここには誰かしら来るんだね、よかったよ」
「にしても、そうか、僕だけじゃないのか、君もそういう星の生まれなんだね」

(銀色の髪をしている少年が入ってくると同時、間髪入れずに口を開く)
(しかし、こちらを見て背中を向けられれば、銀髪の少年へ向けて歩き出す)

「ああまってよ、僕がやった訳じゃない、っていっても信じてもらえるかどうかわからないけど」
「君が何もしなければ僕も何もしないよ、だから少し僕の話に付き合ってくれればいいんだ」

(肩に手を置いて、ね? と首を傾げて笑みを向ける)
(やや愛想良く感じられる笑顔は逆に不気味で、耳にかけた十字架のピアスが揺れる)

「だってさ、君も僕と同じだろう?」
「ああ、いや、お喋りって訳じゃないんだ、普通じゃないんだろう?」
「だからさ、聞きたい事があるんだよね」

/はい、大丈夫ですよ!
785 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/02(水) 00:11:31.33 ID:92w4iJFo0
>>781

【そのままだったら――どうなっていたのだろう、少なくとも、こんな平和な場にはなり得ないはず、だけれど】
【例えば彼らが道を塞いでいなかったら。例えばそこで引き返してしまう気紛れを起こしていたら、どうなっていたかって、】
【――きっと様々なことが違っていて、言葉を交わすことすらなくて、ただ、その可能性は抓まれて枯れてしまった過去】

そう、……そうなの。 ……――あいつらは嫌い、だって、***********――

【分かっていながらに拒否されるなら、言えることなんてもうなくなってしまうようで、ちいさく否定しない声を紡ぐだけ】
【机の下で足と足の狭間に埋めた手の微かな挙動は肩口に漂わせるだけで、明確な何のかたちも持たないまま、ちろり店員を見る】
【それでいて病院が嫌いだと聞けばふと変わる気配、それはきっと同意を示して、何らかの理由らしきを唇へと音へ乗せるのだけれど】
【おしまいが店員の声に重なってしまって聞こえなかった、言葉の動きもちいさく曖昧なものなら、何もかもが曖昧に掻き消されて】

【(どこか場所を用意すると言ってみるのも、うちに来るかと誘ってみるのも、どちらもが思いつきめいた思考なら、)】
【(確約できない以上口に出すべきではないように思えて。特に後者に至っては、自ら認めきれるものではなくて、どうしようもない)】

【――そっと摘み上げた銀色のスプーンを指先で弄ぶように揺らす、やがてぐしゃらと生クリームに突っ込むのは、怪獣みたいに】

……腕のない怪我人を見つけたの。

【綺麗にぐるぐる巻かれた生クリーム、格子状に掛けられたチョコレートソース、何もかもがぐちゃぐちゃに蹂躙されて、廃墟のよう】
【けれど甘たるいのとぐちゃぐちゃなのを両方抱くのはカップの中だけではないのだろう、きっとその惨状は彼女にも似ていて】
【視線を落として、変わりにカップを持ち上げて、するりと微かに飲み込んで。――唇についた生クリームを紅い舌でそっと拭ったなら】

――――腕の、“かたち”ぐらいならなんとかできる、かも。
……治したりするのは出来ないの、ただ、“ひとの手みたいに”

【――そっと持ちかけてみれば視線が窺うようにそちらへ動く、それは「どうかな」と尋ねるようでもあって、微かに】
【怖がりの子供みたいな不安色を宿してもいて、瞬きがひとつ、(傾げられる首は癖だろうか、少しばかし、多い気がする)】
【どうにも女性本人よりも何か悲観的にものを見ている気がした、それでも楽しそうなのだと気付けば、真似するように笑ってみせた】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/02(水) 00:25:50.76 ID:iHh+wpbF0
>>784

【遠くから"犯人"の声が聞こえたなら、『あー……』、と露骨に面倒臭そうに立ち止まって。】
【肩を触れられた時にはチッ、と小さく舌打ちする。】
【触れられた事にで無く、話しかけられた事に、であった。】
【……が、此の少年にとっては、どちらで在っても関係無い様であった。】


……はいはい、誰も『僕がやったんだ!』とか言わねーよ。
どうせ、あいつは死んでんだろ。死んでる奴は、直せねーし……ほら、大人しく、捕まっとけ、な?

……お前、今、自分が何言ったのか、分かってんのか……?
初対面の人間に向かって、『普通じゃねーんだろ?』って。……頭おかしいんじゃねーの。

【気怠そうに肩に乗せられた手を振り払って、再びクルッと少年の方を向く。】
【少しばかり、敵意を見せる其の声から発せられた内容は、矢張り厳しい物。】


―――ま、俺の事はどうでもいい。ほら、適当に話してみろ。

【少年"荒れた"見た目に反して、意外と冷静な判断が取れる様で。】
【こういうタイプの人間は、下手に逃げるとやたら追いかけて来る。】
【―――だから適当に話させて、適当にあしらえばいいと。少年は、悪魔で最短ルートを選んだ。】

787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/02(水) 00:31:13.27 ID:PDh66DxIo
>>785

――――……、……?いま、なんて…――、…いえ、なんでもないわ。

……折角注文したんだもの。美味しい内に頂きましょうか
私、マスカットティーなんて久しぶり、どんな味だったかしら?

【味、香り、全ては所詮チェーン店のレベル。けれども言葉によれば久しいらしく】
【カップを傾けた後の表情は明るい。格好はともあれ、薄幸そうな笑みを浮かべ】

【そんな時、不意に行われるスプーンでの小さな蹂躙に目を惹かれる】
【食べ方は人それぞれ――とはいえ、なんとなしに勿体無いなと呟いて】
【もし左腕があったなら手を口元にやっただろう。不意を突いた言葉だったらしく、はにかんだ】

【かたり、とカップをソーサーに置けば、耳に入るのは少女の声】
【しかしそれは明らかに自分に向けたものではない。店員も既に近くには居ない】

治すなんて、別に……でも、その…、……。……出来る≠フ……?

【――では、誰に?そう思った矢先であった。少女からの申し出があったのは】
【腕の形ぐらいは何とか出来る=\―腕のないものにとって、これ以上ない吉報だ】
【元より完全な治癒など求めていない。もう、その段階はとうに過ぎていたから】

【だから、一縷の望みとか藁をも掴む気持ちというか――それに近い感情が】
【女性の「出来るのか」という言葉には凝縮されて、じんわりと滲み出していた】
【もしも可能だと云うのなら、直ぐ様そうしてはもらえないかと頼みそうな程に濃く、強く】
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/02(水) 00:38:21.12 ID:H4w0cZ5n0
>>786
「ああ、やっぱりそれが普通の反応だよねえ、うん、この前の子が良い子すぎたんだよね」
「こうなると信じてもらえないからなあ、どうすればいいんだろうね」

(舌打ちは聞こえていないのか、それとも気にしていないのか)
(面倒くさそうに表情を帰る銀髪の少年の顔とか、そういうのは最早視界に入っていないのじゃないかと思える程で)
(銀髪の少年が振り向くと、そこには視線を地面へと映し、うーん、と唸り何やら考えている)

「こんな所、普通の人がこれる訳ないからね」
「ほら、普通の人生を歩んでない人は到底これないような、そんな雰囲気だったと思うんだけれど」
「それとも、普通なのかな、だったら、素質があると思うよ」

(少年から発せられる声は、愉快な物をふくんでいて、敵意など微塵もなく)
(いうなれば談笑を楽しむ人と何ら大差ない、流石にここまでくれば君悪さも感じてしまうだろうか)

「あー、ごめん、ごめん、ちょっと喋りすぎちゃってさ」
「うん、君を飽きさせるような内容じゃないって思ってるからさ、そんな怖そうな顔しないでよ」
「それで、まず違うんだよ、君の事が重要なんだ、どうでもいい訳がないだろう?」

「それこそ、僕の方なんてどうでもいいんだ、コレとか、ソレとか、好きに呼べばいいのさ」
「僕が聞きたいのは君の事だよ、例えば名前とか、何をしてるのかとか、さ」

(常人からすれば、聞いた所で何の意味があるのかという位の些細な事)
(それでも、そんな事を聞く時の少年の眼は爛々と純粋に輝き、さも楽しそうなのだ)
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/02(水) 01:01:38.46 ID:iHh+wpbF0
>>788

あー………

【右手で後頭部を掻きながら、少し俯いては左右に頭を振って。】
【想像以上に、"面倒臭い"少年だった。―――恐らく、最も、である。】

【此の少年が適当にペラペラ話す、其れを聞き流すだけ、だと思っていたのだ。】
【確かに、"ある程度付き合ってから立ち去る"という判断を取った。此れが最善手なのだと。】
【然しながら、『自分の事を話せ』という指示。此れには限界を超えてしまった様で―――】


なまえはねこむらしゅみはきんとれとばくはつまほうてきとうにばいとしてさけのんでせいかつしてます

―――じゃ、またな。……いや、もう会いたくねーわ……

【一息で呪文の様に。一気に吐き出したなら、先程と同じ様に、軸足で身体をクルッと回転させて。】
【振り返らないまま右手で手を振ると歩き出す―――と見せかけ、ダッシュ。否、逃走である。】

【完成されたフォームから織り成される其の速度は凄まじい物で、】
【"普通の人間"は疎か、"それなりのアスリート"ですら、】
【追いつくどころか、其の差は広がるばかり、と言った所であろうか。】

【少々入り組んだ路地裏。『何とか撒ける、』と考えている様だが―――?】
790 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/02(水) 01:04:27.02 ID:92w4iJFo0
>>787

【何か。放っておいたら鬱々と沈んでいきそうな気配があった、少なからず何かを抱くらしいのは、】
【ただ目の前で彼女が嬉しそうにしているなら、思考の渦に落ちる前に気付ける、隅っこに引っかかって、舞い戻って、】

【(自分の事情を重ねてしまった同情に、温度差に、やっと気付いた。なぜだかきょとんとする刹那は素の色で浮かべられて)】
【(女性の仕草を真似るようにしてしんと冷えたココアを改めて飲み込む、じんわり拡がる甘さ、おいしくて、笑ったなら)】
【(今まで見せたどれよりも素直に感情を表したものだと分かるだろう、子供ぽいけれど、それが彼女の素らしいことも)】

……かたちだけなら出来る、けど。――ずっとそのままとか、元の腕みたいにとかは、……あんまり、

【――ここに来てようやくテンションが落ち着いてきたのは、甘く甘く大好きな味に癒されたから、だけではなくって】
【女性の態度や仕草、きっと楽しんでくれている現状と、不快じゃない生温さと、――そんなのに、影響されたに違いない】
【先ほどのひとくちでだいぶ量を減らしたカップを戻しながらに視線を伏せるのは、完璧は無理だと言う後ろめたさにもきっと似る】

だから。……見た目を誤魔化すぐらいだと思ってもらったほうが、きっと。

【それはつまり何にもないよりはいいんじゃないかとそんな提案なのだろう、空っぽの袖の揺れるのが、ひどく寂しく思えたから】
【縋られる藁は出来ると頷きなからも少々頼りない、けれど、――机の上にわざと出した右の掌、じぃわりと溢れるような桜色は】
【どこか澄んだ水を思わせる気配を纏う魔力、端々に混ざり込む黄緑色も魔力でも、なぜだか他者の匂いを感じさせて――いや、】

【それよりも。証明するように作られていくもののほうが気になるだろうか、まるで種の発芽からを早送りで眺めるような、いま】
【ただ実際と大きく異なる経過、掌の桜色から生え出ていくのは、遠く島国の名にもなっている植物、つまりが桜の枝の一振りだった】
【枝の微かな模様や風合いまでも再現してみせた、蕾の今にも開きそうな暖かさを、花にそっと沿う花脈の整ったさまを、葉のきっぱりした淵を、総て、】
【半年は通り過ぎた今この場に呼び出して、――作業を終えれば、そっとそちらへと押しやるのだろう、色さえ揃えば抜群の仕上がりを、】

【(――細かさで言えば本物と比べることも出来たかもしれない。ただ、桜色と黄緑色しか持たないのは、明確に現実との差異であって)】
【(薄らぼんやりと燐光を纏うのも、また、現実と違うところ。見られてしまえば明確に偽だと気付かれるだろうことは、確かだった)】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/02(水) 01:13:01.90 ID:H4w0cZ5n0
>>789
「へぇ、ねこむら、くん? さん? かな、僕と同い年なのかな、年下なのかな、どっちだろう」
「って、あ、ちょっとー……」

(気づけば、銀髪の少年は距離を開け、その差を埋められるだけの能力を少年はもっておらず)
(もっといえば、逃げる相手を無理して追う気もないので、それを呆然と眺めて)

「うーん、本当にただの人だったのかなあ、どうだったんだろう」

(なおも、思案するようにうん、うんと唸るのだった)

/すいません、追わないキャラですし、追いつけないので、ここで切りますね
/絡みありがとうございました!
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/02(水) 01:27:50.78 ID:PDh66DxIo
>>790

そんな、元通りなんて……出来たら嬉しいけど、無理なものは無理だし……
……それに、見た目だけでも。そこに在る≠フなら、私はそれで満足…。

だって……袖が揺れてるのって、なんだか不格好だし
今日みたいに、変な因縁付けられちゃったりもするし……
だから、ええと…、……――うん。お願い、ぁ……あ、の…名前は?

【対面する少女の深い内面を推し量れるほど、コートの女性に余裕は無かった】
【そもそもの気力も、左腕に付いての事で持ち切りで――それでも、やはり】
【無意識の笑みが彼女を留められたならそれでよし。もう、話題は腕の事一色に染まっていて】

【ふとした折、そういえばとばかりに互いの名前を伝え合っていなかったことに気付く】
【だいぶ深い所まで話したと云うのに――まして既に、少女は魔力を練り始めているのが見て取れる】

私の名前は……、…名前はアナスタシア。昔の偉い人の名前。
でも、そんな風には慣れなかったからあんまり好きじゃない……なんて、ね

……っ、すごい…。これは、貴女の能力……?
ううん、そんなことよりも……この枝は、魔力で出来ているとして…。

【だから少し簡略的にだったが自分の名を先に告げて、次には押しやられた枝葉を取った】
【桜は知っている。だがこれは――魔力によるものは初めてで】

【故に、幾つかの質問をした。『枯れないのか』『蕾は開くのか』『どう扱えばいいか』――etc】
【右手一本で枝に触れる様子は、まるで国宝にでも触れているかのように丁重で】
【しかし質問する声のトーンは高く――期待が否が応でも高まるのを押さえられない様子だった】

/すみません、そろそろ眠気が……凍結などは出来ますでしょうか?
793 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/02(水) 01:36:08.33 ID:92w4iJFo0
>>792
/凍結了解しました、明日でしたら急用さえ入らなければ一日待機していられるかと思います、
/返信はこの後しておきますので、お先にひとまずおつかれさまでしたーっ
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/02(水) 01:38:28.33 ID:iHh+wpbF0
>>791

―――、……

【2,3分走った所だろうか、少年は加速させた足を、少しずつ緩めていった。】
【追いかけて来る足音は―――聞こえ無い。どうやら、此処まで来る事は無い様で。】
【案外、簡単に。振り切った様だ、と少年は判断する。】

【―――残ったのは、少しばかりの罪悪感。】
【『いや、あいつがわりーんだ。あの面倒臭さは、―――……』なんて自分を正当化させて見るものの、】
【矢張り、完全に消し去る事は出来ず。歩く速度さえ遅くなったのは、そういう事なのだろうか。】


【どうやら此の少年は、例の少年に、勝って、そして負けたらしい。】
【『次、会った時は、もうちっと。付き合ってやるか―――』と。歩いている内に、そう思考を転換させた所で、】
【少年は少しだけ口角を上げて。喧騒が渦巻く光の中へと、足早に消えて行くのだった―――】

/有難うございましたー!
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/02(水) 01:41:44.62 ID:PDh66DxIo
>>793
/助かります、ありがとうございますで……明日は恐らくは夜20時過ぎには来れるかと。
/何はともあれ、一旦お疲れ様でしたー!
796 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/02(水) 17:06:29.59 ID:92w4iJFo0
>>792

【差し出した枝葉の触れられるのを見ていた、まるで緊張したように。弟子が始めての作品を師匠に見せるよな、顔で】
【かさりと伝わる重さはひどく本物と似通い、瑞々しさすら感じられるほど。けれど、そこにはいのちの残滓すら存在しない違和】
【蕾や花ばかりがせめて正常に近い色を保っていた、淡く淡く黄緑色を孕んだ全体像から、はらり剥離するように燐光が散っていく】

【――本当は。出来る限りを限界まで尽くせば、もっと本物みたいなものが、造れるのかもしれないと】
【ふらり過ぎる思考、ぎゅうと掌を握って開いて、視線を伏せる――(けれど、それをするにはいろいろが足りないから)】

【(例えばそれが深く深く見えない糸で繋がる父親だったなら。“する”し、“出来た”だろう、とは、)】
【(精密に維持しようとすればするほどに距離が必要になる。一緒に住むだけでは足りないぐらい、――だから、黙り込んだ)】

……――、あ……、鈴の音って書いて、りんね、

【そうと思考を巡らせていたならば反応が少しだけ遅れていた、驚いたような瞬きをひとつだけ挟み込んだ返答は】
【告げられた女性の名をくぐもる口中で呼びなおすことで理解したという返答へと返られる、――どこかの言葉で単語である気がして】
【考えようとした挙動は、ただ、女性がその意味合いを教えてくれたなら、それで記憶される、固定される、ゆえに思考は紡がれず】

昔はこんなに出来なかったんだよ、……最近からなの。いろいろ、あったし――……

【直接的ではないけれど確かに肯定なのだろう、それが自らの異能だとして、ただ、――ここまでは最近のことだという】
【いかにも気弱げに指先を弄びながらに付け足した理由を細かく説明するつもりまではないらしい、右の指先が左手の痣に触れた、】
【――それから尋ねられた事柄へとひとつひとつ返答していくのがあるのだろう、けれど自分言語を公用語へ翻訳していく作業】
【どうしても苦手であるようだった、そんなのを見れば分かるだろうか、技術的よりも感覚的に繰っているらしいこと】

【枯れないけれど寿命的にいつかは毀れてしまうのだと言う、破損してもかたちは修復される、ただ、それだけいのちは早まって】
【彼女の魔力でも混ぜ込んでやれば緩やかに延命できる、会えさえすればそのときにもっときちんとした修復も出来る、】
【けれど他者のものだけでは限度があって。その場合なら最終的にほつれて毀れてしまうだろうと予測的ではあるけれど、付け足した】

【蕾に対しては何ら思ったことがあっての造形でもなかったらしい、微かに驚いた表情の後、女性次第だと告げるだろう】
【彼女の魔力操作の練度次第では手の内で満開まで導くことや、枝や葉をぞろぞろと動かしてみることだって不可能なんかではなく】
【けれどどうしたって技術次第になってしまう、上手く動かせさえすれば、日常生活ぐらいならば容易くこなしていけるだろうけれど――】

【どう――というのには微かに首を傾げていた、よく考えたことがありませんでしたという心中を多分に示して、教えてくれて、】
【特に言及することもないだろうというのが結局の結論であるらしかった、ただ魔力吸収だけは、と思い出したように告げて】

それはあげる、けど……――そうやって造るの、人間の、うで。

【――見本についてはそんな扱いだ。要らないならこちらで処分するからと言いたげに向ける視線、対して重要とも思っていない顔】
【それをいろいろと弄くってみたなら。とりあえずかたちだけならば十分本物に似せられるだろうことは伝わったはずで、その他】
【告げていった事柄たちにも、特に女性への害なりえるものはないように思えた。――或いは彼女の居場所を把握したくもなるが】

【そしてその手の中と同じような工程を以ってして用意するのだとして言葉を〆る、――残された僅かのココアを最後に飲み干して】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/02(水) 17:18:17.37 ID:oVGxY07S0
【とある街――裏路地】

【その場所には何人かの切られた死体がある】
【その死体は自警団員の死体であろうか】

『………』

【そしてそこには甲冑をして顔に面頬をつけている男であろう人物がいる】
【この男が自警団員を切り殺したのだろう】
【そして男が刀をふり血を落として刀を鞘に戻す】
【するともう一人の男がそこにいる】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕には通常のよりも一回り大きいブレスレットとカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見ええる人物には見えるだろう】

少々やりすぎだぞ、花嵐
『あなた様に手を出しきたので』
……まあ、データをとることができたのはいい収穫であったが

【花嵐とは甲冑姿の男のことであろう】

【この路地裏に死体、さらにカノッサ機関の構成員と思われる人物】
【そんな路地裏、血の匂いが匂う】
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/02(水) 20:08:44.14 ID:oVGxY07S0
/>>797はまだ募集中です
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/02(水) 22:16:00.93 ID:mecZwyy9o
【酒場】

【店内は静かにアルコールの香りを漂わせていた。席はぽつぽつと埋まっており、客の入りは5割程度だろうか】
【木の温もりの感じられるウェスタン的な雰囲気は賑やかな酒場を連想させたが、中身を開けてみればそのイメージを裏切るかの如く落ち着いていて】
【その空間の中に溶け込んでいる一人―――カウンターの一番手前に腰掛けている青のソフト帽の、白シャツの上に灰色のジレを羽織る男】
【マスターと軽い会話を交わす男の姿から、そこそこの常連なのだろう。少しだけ顔を紅潮させながらも、伏せた紺碧の瞳はシリアスな雰囲気を思わせる】

……俺、つい受けちまったけどさ―――良かったのかな? いや、自信は無いわけじゃねーよ?
でもなぁ……俺、殆ど走れないって言っても過言じゃねーしよぉ……周りは俺を認めてくれるのか、とか足手まといに思われないのかな、とか
―――この『SCARLET』のワッペンは、俺には重すぎるのかも知れない……なーんて、弱気な発想出ちゃうんだよなァ

【カウンター越しのマスターに語りかけながら梅酒を煽る。グラスを持ち上げた右腕、動いた右肩には話に出てきた緋色の鷹のワッペンが張り付いていた】
【右足を上に組んでいたためにか、やや朱の滲んだ包帯の巻かれた右足首が見える。走れない―――そう語る男の根拠が、包帯の白にあるのだろう】

……『不殺』の意志は他人を危険に巻き込む。少なくとも、危険を増やす要素にはなっちまう……だから、本来は個人でやるべきだ
―――でもさ、あんだけ熱心にスカウトされたモンだから……俺の性分だと断れねェって
丁度俺が此処で飲んでた時に、いきなり扉が開いて「貴方をスカウトしに来た」ってよ―――

【暖色の照明が彼の首元の、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントを煌かせる】
【キラキラと輝く玉から発せられるは特殊な魔力、其れは「宝玉」。コレ1つで戦争が起こる程の、貴重な品物。酒臭い空気に混じってその危険な香りが舞う】
【男はハァ、とアルコール分を多く含んだ溜息を吐けば、目線をチラリと動かない扉へと移す。小皿に盛られたフライドポテトを軽くつまんで口に咥える。】
【男の隣の席は、空いており―――立て付けの悪いドアからはすきま風が漏れ、芳醇な宝玉の魔力が其処から漏れていた】


――――――――――――――――-


【公園】

【その男は座っていた。公園で座ると言えばベンチだろうが、彼は地べたに腰を下ろしている。……しかも、木の目の前で】
【ただ座っているのとは違うようで、袴に薄藍のインバネスの格好、左腰に佩く緋色の鞘に包まれた刀、柄に添えられた右手を見れば】
【……その胡座に近い座りが『座構え』、居合の構えであることが解る人もいるだろう。だが、良く彼の姿を見て欲しい―――『彼は木の目の前で座っている』】

【―――このままの位置なら、刀を抜こうと右手を伸び切れば柄が木に当たるのだ。そして見た目には、『公園の木』を斬ろうとしている様にも見える】
【……公共の、公園の木を斬っていいのだろうか?】

―――抜かずに抜く……すると消える……―――ッフッッ!!

【抜かずに抜く=\――矛盾している様に聞こえる意味不明な言葉も、彼にとっては大きな意味を示していた】
【微かな風に黒髪が揺れる。ひたと閉じられた両眼がカッと見開けば、小さく鋭く息を吐く音と共に腰を僅かに上げ足を入れ替え、刃の銀色が姿を現した】

【―――しかし、其れはとても奇妙な抜刀で】

……―――上手く「抜けた」な……

【ボソリと呟く男、確かに刀は抜けて鋭い刃を露わにしていた。しかしながら刀身は、右腕が伸びきり柄が当たった位置から全く動いていなかったのだ】
【……木も、一切切れていない。まるでいつの間にか、『鞘が透明になって消えてしまったかのような』錯覚。だが確かに鞘は抜かれていた】

【そしてその抜刀は、恐ろしい程静かで―――疾かった。……抜かずに、抜く。その言葉の意味が刹那の抜刀に隠されていて―――】


/どちらか好きな方に絡んで貰えれば……
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/02(水) 22:17:01.21 ID:SvGxoBX9o
>>796

【枝葉の脈、花の蕾、それらの凹凸に肌触り―――全てが、まるで本物で】
【確かに腕≠ニして考えれば不格好かも知れなかったが、心躍る技術の結晶なのもまた事実】
【全てを確かめた頃には自然と表情が綻んで、一つこくりと頷いた】

そう、最近から……色々在るのはお互い様なのね、鈴音。

……とりあえず、この素敵な贈り物は頂くわ
無いよりマシ……いえ、もしかしたら普通の腕よりも良い物かも
魔力の扱いは得意じゃないけど、いい練習だと思うし……。

【そう言って、アナスタシアは仮の腕ともなりうる黄緑色の枝葉を引き寄せて】
【彼女がそうしたように、マスカットティーの残りを飲み干した】

【自身が投げかけた幾つかの質問に関しての答えは――上々、以上のもの】
【魔力による維持や修復、それらを行わずにいればいずれは枯れてしまうこと】
【蕾のこと、扱いに慣れれば普通の手と同様に扱えるようになることを踏まえ】

【『ありがとう』――と、まだ見本でこそあったが――礼をするのも欠かさず】

……完璧、というか、至れり尽くせり、っていうのかしら……?
正直言って、ここまでの物とは……その、それでなんだけど

……、…造ってもらうのを、お願いしても……?

【言葉数が少ないのは純粋な感情の昂ぶりからか、或いは感動のせいだろうか】
【元からあった腕を失い、それを補う技術が存在して――】

【――しかもそれを、提供してもらえる。まさか、アナスタシアが拒絶するはずもない】
【右手は乗り出した身体を抑えるようにテーブルの端を掴んでいたが】
【その白い手が赤らむ程度には力が入っているのが見て取れて】

【故に、彼女の思いの強さも計り知れようというもの。どこか、堕ちた鳥が新たな翼を得るのにも似ていた】
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/02(水) 22:23:11.39 ID:oVGxY07S0
/>>797はまだ募集中です
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/02(水) 22:32:07.54 ID:V+uQagmI0
【何時もならば、静寂が支配しているであろう森の一角――――】
【太陽も月光も刺さない其処。ゆらゆらと揺らめくのは人魂の様な炎で、ピンと立てた指先に其れを宿して森の中を歩くのは、少女と女性の丁度中間の年頃の女】
【黒いローブと、とんがり帽子。所謂、典型的な魔女の姿で】


「ほんっっと、何処に行ったんだろ
幾ら僕の主だからといって、好き勝手されたらたまったモンじゃないさ
隙があったらあの頭をポカッと一発…………」

【愚痴グチぐち――――】
【件の“主”が居ない事を良い事に、連ねる言葉は不満の数々】
【……けれども、その主に勝てないのは理解して居るのだろう。だからこそ漏れる溜息】
【無理だよなぁ――何て呟けば、夜空へと顔を上げて】

【――――視界を遮るのは、一羽のフクロウ。まるで女に問うかの様に、クイッと首を傾げれば】


「お前、僕の主が何処に行ったか知らないか?
――――……そうか。知らないなら、いい。…………役立たず
……にゃっ?!こ、コラ!小便を引っ掛けようとするなァ!!」

【女の言葉を解したのか、ホー。と一声返す程度だったけれど】
【ボソリと呟かれた言葉は、流石に癪に障ったのだろう。バサバサと飛び立てば、まるで蝉のようにみみっちい攻撃】

【――一方の女。まさかの不意打ちに驚けば、帽子の隙間からピンと猫の耳を立たせて】
【焦げ茶色で、癖のあるロングヘア。其れに掛からないようにと、慌てて帽子を深く被るけど】
【静かな森――――騒がしい声は、よく通った事だろう】







【櫻の国――――ひっそりと静まりかえった城下町】
【そこを徘徊するのは一匹の妖怪であって】
【山伏の服装に、腰に提げたのは天狗の面と一振りの太刀】
【手には六尺棒を持っているのだが――――何よりも目を引くのは、背中に生える漆黒の翼か】
【烏天狗と呼ばれる一妖怪。少女と間違われても可笑しくない少年は、今宵酒を片手に、気ままに散歩をして】


「ここもすっかり寂しくなっちゃったねぇー……
昔は妖怪も人間も一緒に住んでた筈なんだけど」

【もう、ずっと昔の事。人間と妖怪が此処で仲良く暮らしていた時の事】
【その時の光景を思い浮かべれば、ハハハ――――と小さく笑って】
【――――やがて吐くのは溜息。ポリポリと頭を?けば、その場で立ち止まって酒を呷り】


「昔は……ねぇ。拙(ぼく)がもっと小さかった頃の話だからもうあんまり覚えてないけど
――――楽しかった……かなぁ」

【そんな呟きも、やがては闇夜の中へと溶け込んでいってしまって】
【ポツンと取り残された様にも見える子供の姿】
【けれども、纏う妖気は完全に人とは異なった種族という事を感じ取らせて】
【さて――――その妖気を辿って現れる物好きは居るのだろうか】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/02(水) 22:56:17.25 ID:iHh+wpbF0
>>799

【とある酒場にて】

【外観から見受けられる、賑やかそうな印象に反して、随分と落ち着いた店内。】
【"落ち着いた"という形容詞からは、来ている客層も、ある程度想像出来るのであって、】
【酒場、と言うよりは寧ろBARに近い、そんな印象を抱かせるお店なのかも知れ無い。】

【―――突如、蝶番の模様が少しだけ特徴的な木製の扉が、勢い良く開かれる。】
【生じた風は、外の冷たく新鮮な空気と、店内の淀んだ其れとをかき混ぜ、溶かしていき―――】

【犯人は、小さな少年であった。】

【暗色の長袖のカーディガンに白いシャツ、そしてブラウンのカーゴパンツ。腰には小さなポーチを携えて。】
【酒場を出て数分探せば、此の少年と同じ格好をした人が見つかりそうな程、至ってありふれた身形。】
【更に、紺に近い紫の艷やかな髪に、何処か凛としていて透き通った真っ黒な目。―――髪色だけは、特徴的かも知れない。】


【キョロキョロと店内を見回して。予想外の落ち着き具合には、矢張り驚いた事だろう。】
【"宝玉"が持つ魔力に、惹き寄せられたのだろうか。数ある空席の中から、迷う事無く選んだ席は―――】


マスター!ミルク!あ、ホットミルクとか、あるかな?……

【会話中であるにも関わらず発せられた注文は、少年の外見に見合った"お子様"な物。】
【声変わりの済んでいない高い声で頼んだ後、席をスーッと引いて。】

【少年は数秒の沈黙の後、『……あ、』と自身の過失に気づく事になる。】
【『ごめんなさい…』なんて言いたげな顔しては、隣の男の方をじっと見つめている様だが―――?】

/まだ居らっしゃるかなー…よろしければお願いします!
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/02(水) 23:22:44.01 ID:mecZwyy9o
>>803

【バン、という音が酒場に響けば、男の右半身に外部の冷えた空気が染み渡る。静寂を脅かす音に身体が驚いたのか、フライドポテトが喉を通り抜ける】
【男は咳き込めば梅酒を飲み込んで、喉に残った噛み切られていないフライドポテトの嫌な感触を直ぐ様流し込んだ。その後、目を丸くして首を右に捻る】

ゴホッゴフォッ……!! ……ッ、っふぅ……。 ―――ったく、何事だよ……?

【―――首を向けた先に居たのは少年。大人の居場所であるこの場から見ればかなりの浮いた存在】
【目を丸くしたまま彼に紺碧の視線を送っていたが、頼んだものも子供相応。―――もしかして見た目だけが子供なのかとも思ったのだが、恐らく中身も子供なのだろう】
【男は肩を竦めてマスターの方に視線を送る。マスターは何も言わずに優しい笑顔を少年に浮かべて、ホットミルクの準備を開始させた】
【此処が名前通りの「酒場」ならやけに強面の男が少年を小馬鹿にするようなことを言うのだろうが、「BAR」に近い此処ではそんな野蛮な連中もいない】
【多くが少しの驚きを含んだ視線を少年に注ぎこみはするのだが、言葉をかけることもなく直ぐに視線を戻しアルコールを口に運ぶのだ】

……でさ、マスター。俺今度の仕事はあれよ、大会の警護アーンド解説だってよ……。
そっちもそっちでプレッシャーかかるんだけど―――……ん? 

【ソフト帽の彼も最初は驚きのリアクションを見せたのだが直ぐにマスターとの会話に戻ったようで、一定のリズムでフライドポテトをつまみ酒を運ぶ】
【しかしながら何か違和感を感じると思えば、真横から視線が突き刺さっている様で。一瞬チラリと目線を送ってそれを確かめれば、男は息を吐き】

あー……どうかしたか少年? 間違えてこの店にでも入ったのか? まぁ、少年くらいの年齢になると冒険ってものが必要になってくるからな……

【身体を少年の方へと向けて、その真意を尋ねることにした。身体を向けたことで、首元のペンダントが揺れる。宝玉の芳醇な魔力の香りが、揺れと同時に広がる】

/いますよー!
805 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/02(水) 23:23:34.40 ID:92w4iJFo0
>>800

……――でも、わたし、そう言うことはしたことないの、……腕とか、ひとに、作るなんて、……

だから――……、……ううん、がんばる、ね。

【それは或いは“自分のためなら”と取られることだってあるのかもしれない、期待されれば萎縮してしまいがちな弱気の声で】
【顔が熱いような冷たいような気がしてじわと汗ばむのだって分かるぐらい、けれどそんな不安は服の中にそっと隠し込む】
【そうして首をふらと揺らせば弱いのも不安なのも振り払おうとする、――やがて宣言してみせた声は、ただ、先よりも強く】

【(それでも。実際に初めてのことではある、何かしらの予想外がある可能性なんて零じゃない、ただ、それがあるとは限らない)】

【桜色と黄緑色だけで構成された桜の枝葉。枯れたり腐ったりしないのは造花と似て、ただ、それとはいろいろが少しずつ違う】
【当然水も要らないならちょっとだけ気楽なインテリアぐらいにはなるのだろうか、まあ――譲った以上、総てが彼女に任せられた】
【どうしてやっても自由だし構いやしないだろう、作り出した本人は目の前で要らないというような顔を、していたのだし――】

……分かった、

【――本当ならばその道の、義手専門の技師でも紹介するのが正しかったのだろう、ただ、彼女は教えるべきを知らなかった】
【自らの手の内にはそれをどうにか出来るだろう異能があって、少しだけ不安でも、――それが不可能じゃないって、知っていた】

【(能力を上手く扱えなかった過去があった。技術の足りないわけでなく、何かにかかりきりで精一杯だったという意味合いで)】
【(人間とはどこか違った気配を纏っていた。“こんなに人間のかたちをしているのに”、なにか、違うモノであるという気配が)】
【(悪意の卵をふたつ胎内に宿していた。どちらもが心や存在を食い荒らして、歪めて、――ただ皮肉に異能を上手く扱わせた)】
【(その結果として今がある。細かくまで緻密に模倣出来る繊細さは慣れから、他者に向け得るだけの余裕は歪みから、)】

【――そっと頷いてから立ち上がる、膝の上に乗せていたキャスケットを椅子の上へちょんとしっかり置いて、】
【かつんとした足音が店内へ溶けていく途中でBGMに紛れて消えていった、やがては女性の傍へと立つのだろう、】

えっと……あの、ごめん、――ちょっとだけ、だから。

【そうしてからおろと動かす視線は何事か。両手は曖昧な位置で往生して迷う、ぼそりと告げた言葉は何らかに謝罪して、】
【ゆっくりとではある。拒絶するならば当然取りやめる仕草が「抱きつこうとする」ことだった。断られないようなら、】
【――ぎゅうとその身体を抱き締めるのだろう。決して傷に障らぬようにと優しく優しくする、その頃には、既に黙り込んでいた】

【どちらにせよ肩口に顔や手を寄せる仕草だけは変わらない。コートの内側、周りに見せないようにと意識をもぐりこませながら】
【そこ自体は少女の頭や身体で見づらいけれど。やがてじわと溢れ集まりだす桜色の薄ら明るい煌きだけは、きっとよく目立つはず】
【空中にあふれ出しては糸みたいに紡がれて、まるで刺繍を刻むようにうでのかたちを描いていく、ゆっくりと、けれど確実に、】
【――血管や神経や骨までもを大雑把ながらに再現しているようだった。やがて右腕を見せてと願うなら、違和を限りなく無くすように】

【(もしも抱き付くことを許していたなら、姿勢的によく見えるものがあった。右耳にだけ付けたピアス、月白色の石が煌いて)】
【(それが宝玉の欠片であるのだと気付くのは難しくないのかもしれない、――そうでないなら、甘く甘く髪の香りがきっと溢れて)】

【時間としては数分ばかしのことになる。話し掛けても何も返らないのは退屈だろうか、それとも、クリスマスの朝を待つ子供みたいに?】
【――ようやく終えたらしく離す身体が疲れたようにふらついたように見えた、それでも女性へと向けてみせたのはちいさな笑みで、】
【ほんの少しの不安を匂わせながら首を傾げる、「――どう?」と尋ねるように。そして女性が自らの肩へと視線を向けたなら、】

【きちんと――見せてもらった右手を手本にしたのは、きっと彼女の身体に浮かないもの。柔らかにひとはだの質感までも真似しながら】
【やはり桜色の色合いが違和感となってしまうだろうか、残念ながら付随しない暖かさも、また、そうなり得て】
【――ただ見た目だけで言えばやはりひとのうでの様をきちんと成していた、稼動具合は――彼女次第だけれど、どうだろう?】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/02(水) 23:52:27.73 ID:iHh+wpbF0
>>804

あ、あの……勝手に、注文しちゃった……んです、けど……
その…お、おはなし中、だったのかなーって……後から気づいて、それで……

【経緯を知らない人間が、この少年の言葉を聞いたのなら、】
【『どんな事をしたのだろう、』なんて思う程。少年は小さく震えていた。】

【其の原因の一つに、少年の鋭い観察眼があった。】
【まず男が少年に移した目線は、優しく温かみのある物であった。然し―――】
【何処と無く、深刻な面持ちを残した男の目を、其の余韻を、少年は確かに読み取ったのだった。】

【―――ホットミルクが出来上がる。】
【そんなに強ばら無くても良い、と言いたげなタイミング。運んで来たのは、矢張りマスターだった。】

【ゴツゴツとして、厚く広いマスターの手から差し出されたマグカップ。】
【其れを受け取ったのは、少しばかり傷の痕の目立つ、靭やかな少年の手。】

【一旦其れをテーブルに置く。両手を合わせて『いただきます…』と随分と元気の無い声で呟いたなら、】
【其れだけで温かみを感じられる陶器を、両手で確かに手に取って。ソーっと、ソーっと傾けていく。】

―――っ!

【…あんなに、慎重になって居たにも関わらず。幸い手からマグカップを離す事は無かったが、】
【どうやら舌の先を火傷した様で。立て続けに起きた2度の悲劇に、しょぼくれた顔を見せる。】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/03(木) 00:16:35.66 ID:n4Vlf5Ozo
>>805

【少女の覚悟、自らの言葉に対する承知の決意――それに、首を縦に振り】
【其処から先はアナスタシアには何も出来ない。魔術の心得も、そういう技術も】

…………、……ぁ、えっと…、………。

【――ましてや、少女をいたわったりするような事は、なんだか烏滸がましいことのように思えたから】
【だから身体を楽にして、鈴音がその傍に立ち、優しく抱きつこうとしても】
【彼女は拒絶することもなく。幸いにして傷にも触れず、静かに呼吸を続けていた】

【やがて湧き上がるのは絶妙な違和感。腕が紡がれるという、非現実的な感覚】
【得も言われぬソレを口にすることはなかったが、ただ少しだけくすぐったいように感じて】

【そして、同じように少しだけ――その身を捩れば、コートのファーが少女を撫ぜるかもしれない】
【濃厚な毛皮の香り。そこに交じる、香水か何かの匂いが交じり合い、鼻腔を擽り】
【一方でアナスタシアもまた、至近の彼女の甘い香が同じようにその嗅覚を恣にして】
【視覚では――恐らくソレが宝玉のかけらだということを、彼女は理解したのだろう】

【赤髪の奥で煌めく瞳が、物珍しげにピアスの装飾を眺めていた】
【そんな静けさが経つのはあっという間で、早数分。気付いた時には、袖が膨らんでいる】

【――先ずは、指。第一、第二の関節を曲げ、手首を回し、下腕を通って肘へ】
【一々記すのも面倒なほどのその過程は、たった三秒ほどのこと――動いた≠フだ】
【色は確かに櫻のそれで、人肌ではない。温度を感じないのも、文句を言えなくもない点だ】

けれど……ふふっ、綺麗……っ。
きっとこんな素敵な左手なんて、世界で私だけしか持っていないわね……?

……ねえ鈴音、この腕もやっぱり、その……放っておくと、枯れてしまうのかしら
そうなのだとしたら、だけど…、……また時々、こうして会えない?
直すついでにお茶を飲んで、お話して、つまり、えっと……お友達、みたいに……?

【左腕――元通りではないけれども、それに近くて、満足のいく手を頭にやり】
【目深に被っていたロシア帽をその手に取った。顕になるのは、ペンキに似た白い瞳】

【白は好まれる事の多い色。しかしアルビノがそうであるように、必ずしも好かれる訳ではない】
【ある種では、異様――そんな瞳を見せたのは、彼女への信頼を表したからに、他ならず】
【問いかけるのはそれこそ童女の様に控えめな申し出。明確に大人なのに、心は未成熟らしかった】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/03(木) 00:23:51.58 ID:hHy0vPRHo
>>806

ああなんだ……んなことか。別にただの自分語りだしよォ、マスターの反応がどうであれ俺がしゃべってるだけで構わねぇのさ
しかもあの人、作業中もしっかり話聞いてるし問題無いぜ? でさ、んなことよりも俺が気になるのは―――

―――どうして震えてるんだ、あれか? 寒いのかもしくは何かあったのか。 
震えてることは関係ないにしろ、ここに来たことには理由がある……違うか?

【弱々しく漏れた言葉に、男はフッと軽い笑みを浮かべる。少年の注文に男がストレスを溜めるということは勿論無い。寧ろ心配し過ぎなのではないかと思う程だ】
【萎縮した態度を解くべく柔かい態度を試みるが、紺碧の瞳に止まったのは少年の震え。アルコールの入っている彼は疑問は反射で聞いてしまうのだが】
【―――尋ねた所に少年の元に届くホットミルク。まぁ聞くのは少年がこれを飲んでからにしようと言う事だろうか、少しの間梅酒を煽り沈黙を作り出した】

【静かに息を吐き落ち着けば、ゆっくりと喉に梅酒を染み渡らせる。身体が火照る感覚に今一度大きな息を吐けば。隣で小さな声が響いて】
【―――どうやら火傷したようである。男が浮かべるは苦笑、その表情のまま男はやや冷えたフライドポテトを口に運んだ】
809 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/03(木) 00:44:47.28 ID:FSIpT0fA0
>>807

【月白色の宝玉の欠片を、まるで大事なもののように抱きとめる装飾。銀で模ったそれは、いわゆるウロボロスなんて呼ぶもので】
【あんまりに大きいものでもない、ついと髪の一本が絡むように引っかかっていたのがなぜだか初々しい気のして、微笑ましいよう】
【(右にだけするというのは何らかの意味があるようだった、半分きりの宝玉の欠片、――まるで誰かと半分にしたように?)】

【――少しだけ顔色が悪くなっているようだった、体調の悪いと言うよりかは疲れたというべき蒼白で、それでも安堵したように笑う】
【ただでさえ真白の肌色が冴えるのは今すぐ倒れてしまいそうな危うさと隣り合わせに見える、ただ、きちり自分の足で立てていたなら】
【彼女の様子を窺うようにしてそっと傍に佇んだまま、そうと机についた指の細さが、さっきよりかいくらもか細く見えた、気がした】

……良かった。

【それでも認めてもらう風に言ってもらえれば、安堵はいくらも色濃く変わる。細めた瞳を縁取る黒さ、赤い唇から覗く歯列の白さ、】
【さらさらと揺れる黒髪の先までもが安堵や嬉しさで染められているようだった、全身へ薄らとした不可視のヴェールを纏って】

ぁ――、うん、きっと、毀れちゃうと思うの。 それは……、ごめん、なさい、……、

【――最初に期限があるのだろうことは告げていた。それだって、いざ改めて聞かれてしまえば、喜色も褪めて、しゅんとした顔】
【つぃと落ちる視線の高さはひどく分かりやすいなら、表情が顔に出やすい性質だとももう知れているだろうか、――でも、】

……――、もちろん、

【その後に続く女性の言葉。ぱぁと戻っていく表情は、やっぱり分かりやすくて。当然悩む意味も理由もないなら、頷くのだろう】
【お友達だと言うには少しだけ不思議な関係性のようにも思えた、けれど、こんな世界だもの。そんなかたちがあっても、きっとおかしくない――と、】

わたしに出来ることなら、させてね、……。

【――露になった瞳へときちんと視線を揃える、驚くでもなければ忌避するでもない、ただただ、さも普通だと言う風に受け入れて】
【虹彩異色症(オッドアイ)だって自然界ではあまりあることでもない、いっそ――こちらの方が病的であるのだろう、まるく瞬いた】
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/03(木) 00:52:47.70 ID:/EfSmTvS0
>>808

【腰に携えてたポーチから、折りたたまれた小さな和紙をいそいそと取り出す。】
【其れを慎重に開くと、其処には緑色の粉末が少し入っていて。】

【指先でちょん、と付けては、患部に触れる様に塗って。】
【暫く経って少年が見せるのは、正に苦汁を舐めた様な顔つき。此れで3度目だろうか。】

【"良薬口に苦し"なんて諺が有る位で、其の効き目は案外良いらしく、『うん、もう大丈夫そう、』と呟いては、】
【幾分か冷めたホットミルクを手に取って。―――今度は、何事も無く飲み込めた様で。】


【まず口に含んだ瞬間広がるのは、仄かな蜂蜜の香り。】
【高級な牛乳だけが持つ独特の甘みは、やがて少年の口角を上げて。】
【柔らかな暖かさを残したミルクは、少年の身体に染み渡って行き―――】

【『はぁー…』と恍惚の表情。此の店に入って、初めて見せた笑顔だった。】


―――え、えっと……す、すみません……良く、分からないです……
何か、気づいたら、この店に入ってて……気づいたら、この席に座ってました……

【所謂、"第六感"という物であった。自覚を介さない感覚である故、少年には此の問いに答える事は出来無い。】
【震えているのも―――『この人怖そう、』なんて幼稚な理由だけでは無いはずだった。】
【"武者震い"。何か途轍もない物を目の前にした時に発する、潜在的な震え。其れが、最も主要な理由であるのだが―――】


【男の首元に下げられて居るペンダントに、目が留まる。】
【瞬間、少年は無表情になり、硬直する。丸で其れは、少年だけ時間が止まったかの様で―――】

【然しながら、自分が何故其れに釘付けになったのか、が分からない少年。】
【『気のせい、いや、疲れてるんだろうなー…‥』なんて思っては、苦笑いを見せている様だ。】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/03(木) 01:01:34.60 ID:n4Vlf5Ozo
>>809

【――半分に、恐らくはわけあってそうなったのだろう宝玉の欠片、と】
【それから彼女の指にあった蛇の痣。指輪にも思えたそれが、ふと交わり】
【なんとなく、将来を誓い合った人でもいるのかという思考がアナスタシアの脳裏に浮かぶ】

【だが、それだけだ。口にする理由もなければ、事情を知るわけでもない】
【それよりも少女に笑いかけ、しゅんとすれば首をゆっくりと横に振るだけで】

大丈夫。こんな素敵な腕を貰って、貴女を咎める理由がないもの
ただ……少し残念。本当のお花みたいに、『散るからこそ美しい』のかしら?

……それと、ありがとう。私ね鈴音、さっき少しだけ嘘を吐いたの
私の本当の名前は『アナスタシア・ケストナー』……それが本名。
普段、人に名前を言わないから……赦してくれるかしら?

【少しいたずらに微笑むその姿は、まるで言葉のとおりになるはずだと】
【信じて疑わない少女のようで、やがて彼女はロシア帽を最初と同じようにかぶり直し】

【鈴音が他になにか――商品でも、行動でも、求めるものがないのなら】
【当初の約束通りに、店員を呼んで。そしてふと取り出したクレジットカードで支払いを済ませ】
【何事も無いのであればそのまま店外へ――些か冷える夜の街に、出ることになるだろう】
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/03(木) 01:26:27.80 ID:hHy0vPRHo
>>810

【じっくりと待った後に少年が零した答え。と言っても返答にはなっていないのではあるが】
【なんとなく、いつの間にか―――などと、まるでこの行為に自身の感情など無く、何かに吸い寄せられたかのようだと言わんばかり】
【男はしばし固まった後、「はぁ」と微妙なリアクションをするしかなかった】

……は、はぁ。なんか怖いなそれ……
潜在意識が此処に少年を連れてきた―――のかねぇ? あんまりそういう話は得意じゃあ無いが……

【顎に手を置いて考えこむ仕草をする彼は怪訝な顔で少年に視線を送ったのだが、少年の視線は自分のやや下首元付近に伸びていた】
【その視線をゆっくりと追えば、終点にあったモノはペンダント。銀の籠に閉じ込められた玉が怪しく砂色に輝く。その煌きが少年を引き寄せた―――】
【―――「成程、十分に有り得る」と男も苦笑する。この玉、宝玉。自分では10%以下も引き出せていないが、それでも尚強力な魔力を発する其れ】

ククッ、悪いのは俺の方って訳か……ああスマン、このペンダント―――実は凄く危ない代物でさ
恐らく、というかほぼ間違いなく―――コイツの魔力が少年を引き寄せたんだろうな……流石宝玉ってことか

【ペンダントを軽く握り締めながら、もう片方の手でグラスを掴み残りの梅酒を飲み干す。ダン、と音を立ててグラスを置けば濡れた口を拭う】
【手の中からも宝玉の光が淡く漏れて、魔力の匂いを醸し出す。其れ等がアルコール特有の香りと混じって、不思議なモノが鼻腔を刺激する】
813 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/03(木) 01:38:48.78 ID:FSIpT0fA0
>>811

【片っ方だけのピアス、金属の変わりに痣で嵌めた指輪、――向こう側に透ける“だれか”】
【何かが歪んでいるようにも見えたのかもしれない、けれど、彼女が言いさえしなければ、こちらから言いもしない】
【会話同士のほんの隙間に堕ちてしまえばそれぎりの些細なひずみ、にこりと笑って見せた顔の裏に隠れて、おしまい】

……、……わたし、わたし、……、――ううん、何にも、気にしてない。

……だから、また今度、会おう? 近いうちに、……。

【――そのはずだった。今更しょんぼりしてみせることなんてないはずで、ないはずだったのに】
【彼女の真名を改めて名乗られた時に、さっと――何かが帳のように掛かったように見えた。ひとつ、ふたつ、瞬いて】
【言葉をごろごろと口中で転がすのが何度とある。やがてどうしようもなく諦めたように頭を揺らせば、気にしないで、と、】
【何かをひどく気にしながらに口にするのだから――けれど、続けた言葉に嘘があるようではない。純にそれを願っていた】

【(――結局。少女は苗字と呼ぶべきを名乗らなかった。名乗るためのものがないのだから、名乗れないというのが正しいか)】
【(血縁上の親のものを使うのは違う。気紛れに取り替えつつ名乗ったものも違う。きちんとしたものが欲しくて、――希求、)】

【やがて立ち去るというならば椅子に置いたキャスケット帽を回収してぐうとかぶりこむ、黒髪が押さえつけられて、大人しくなり】
【女性と店員とに別途でごちそうさまでしたと告げる幕間があった、その頃には何か落ち込んだ風も大方は晴れる、曇りのち晴れ】

今度はわたしが、払うね?

【――糸のように細い三日月が天のいただきに浮かんでいた、鋭い様はひんやりとした夜にとてもよく似合う気がして】
【既に次回は約束してあるのだから予定ひとつ混ぜ込んだっていいだろうと予約する、今度は――なんて、少しだけ気が早いけれど】
【生温い空気に馴染んだ身体では少しだけ驚いたように縮こめた、寒がるように胸元まで服の布地を寄せて、ふと、】

――、アナスタシア、大丈夫かな、傷……? ……どこか行くなら、送ろうか、

【しばらくは座って会話するだけだった、彼女自身それならとも言っていた、なら、これからは、?】
【立ってしまえば生まれる身長差、始めの頃によく見せていた心配色を混ぜ込んで見つめるのだろう、首を傾げれば】
【やっぱり心配らしいのだと見えた、窺うようにしながら進言してみせる、その結果は当然、女性へと委ねられて――】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/03(木) 01:50:21.79 ID:/EfSmTvS0
>>812

ひ、ひー……怖い、ですね……
あ、でも俺、何か、そういうとこ、あるので……

【返した言葉は又、漠然とした物であった。本当に、仕方が無い話のだが……】
【震えを止めるが如く、残ったホットミルクに手を付ける。】
【然しながら其の暖かさは、永続する物ではない。飲んだ所で、震えは止まる事が無かった。】


―――あ、ああー……そういうことですか……それ、宝玉だったんですねー……
うーん……魔力、にも敏感になってきたのかなー……いやーこまったこまった……

【男の話に、何となく納得がいったという表情を見せる。】
【と同時に発せられたのは、含みのある発言。追求したなら、少年は快く答える事だろう。】

【―――然しながら、少年の話に、"違和感"は感じるだろうか。】
【少年の口振りは、『宝玉』なんて見慣れている、と言わんばかりの其れであった。】
【そもそも、通りすがりの少年が宝玉と言う単語を知っている事自体、可怪しい話なのかも知れ無い。】
【―――最も、魔力に釣られてやって来た、と判明した時点で、この少年は普通では無いのだが。】

【少年は納得した所で、最早冷えてしまったホットミルクを飲み干す。】
【男の真似をしたのだろう。ダン、とマグカップを木製のテーブルに叩きつけては、】
【牛乳で湿った唇を、そっと拭うのだった。少々の微笑みを見せながら。】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/03(木) 02:05:21.60 ID:n4Vlf5Ozo
>>813

【僅かに落ち込む少女の様子――それに、その真にアナスタシアは気付かない】
【名前の全てを伝えなかったことが不快だったのかもしれない=z

【その程度に思って、ちょっとだけ申し訳なさそうに笑いかけただけ】
【返ってくる答えは――悪くない。気にしで欲しいと言われるなら、そうするのが良い】
【アナスタシアの認識はその程度で、苗字が、姓がというところまでは気付けなかった】

【――冷たい夜の風が弱く吹いた。靡く肩ほどの赤髪を、新たな左手で手櫛をかけて】

……ええ。それじゃあそのまた次は、私が払うことにしておくわね
なんなら、毎回新しいお店でも探しましょうか
ケーキを食べたり、お食事したり、さっきみたいにお茶を飲んだり。

きっと楽しい筈……傷?ぁ、ええ、大丈夫よ鈴音
『気が巡る』っていうのかしら。この手が出来てから、少し調子が良いくらい

【お陰様で散歩も出来そうだわ、なんて伝えて、両手を胸の前で重ねて見せた】
【その色は違っていたが、右手は大事そうに櫻のソレを掴んでいて】
【アナスタシアの胸の傷。どれほどのものかは分からないにしろ、顔色は決して悪く無い】

……、…それじゃあ、ホテルに戻ろうかな。
見送りは嬉しいけど大丈夫。なんだか久しぶりに、夜の街を歩きたい気分なの

それより貴女こそ……風邪なんて引いて、寝込んだりしないでね……?
そうなったら困るのは貴女一人だけ、じゃあないんだから……っ。

【月を見上げ、鈴音を見て。この時刻、この冷え込み、そして月光という三条件】
【全てが黒いコートを着たアナスタシアの為に誂えたような、良い夜で】
【当人も気分よく、寒がった少女をからかうように、そして気遣う言葉を向ければ――】

【――それで、お別れ。ニ、三の言葉を交わしたなら、やがて彼女は歩き出し】
【最初とは全く違う軽やかな足取りで、街の闇へとその姿を溶かして行った】

/この辺りでしょうか、お疲れ様でしたー!
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/03(木) 02:07:25.02 ID:hHy0vPRHo
>>814

……宝玉とのご対面は、初めてじゃなさそうに見えたんだが?
―――ま、そもそも魔力に釣られるって所からして普通の少年じゃあないわな……

【深く被ったソフト帽をちょいと上げ若干眉を潜めれば、男は少年の慣れたような発言から感じた感想を率直に告げる】
【宝玉は稀少だ。コレまでに持っている人物にもあったことはあるが、其れでも宝玉の「欠片」に過ぎない】
【宝玉をまるまる、欠片でも半分でもない完璧な状態で保持していることはかなり稀であることは理解していた。何度も言われたことであったから】

【宝玉に反応を示した人物も少なくはないが、其れにしても少年は薄い方で。其れ故に、何か少年が宝玉を知っているかのような感覚が微かにした】

……魔力にも敏感になってきた―――ねぇ。 ……なぁ少年、こういう酒の場ってのは多自分を明らかにするところなんだが……
―――少年には何があって、何をしているのか。 それをちょっくら、そろそろ帰る前に教えてもらえないかィ?

【残り少ないフライドポテトをつまみながら、温い息を吐いて懐疑の視線を突き刺す。新たに酒を注文しないことから、コレを食べ終われば帰るつもりらしく】
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/03(木) 02:32:03.54 ID:/EfSmTvS0
>>816

ま、まあ……見るだけなら、結構あるかな……
ほら俺、そういう仕事、してるからさ……うん。
……あ、でも、完全体、というか……そのままの奴は、数えるくらいしか無いかな……

【泳ぐ視線。最後に付け足された言葉は、フォローと言わんばかりの台詞。】
【―――最も、フォローには成ってないのだが。】
【狼狽えを隠そうと、再びマグカップに手を付けた所で、もう飲みきった事を思い出して。】

【『あちゃー…』と苦笑い。懐疑的な視線もあってか、もう誤魔化しきれ無い、と判断したのだろう。】


え、えっと、篠丸流の、忍者、やってます…
一応その、最高師範ってやつで、それで結構な仕事、やらせてもらってて…
それで、そういう宝玉とかも、よく見る機会があって……

忍者、というからには、その……罠とか、そういうの、避けられるように、ってことで、
第六感というか…超感覚というか。そういう部分が、こう、無駄に発達してて…
その潜在的な部分が、ついに魔力まで来た、と言う感じ…ですね……

【今までの中で、強いて言うなら。靭やかで少々の傷の痕が有る"手"と、】
【ポーチから取り出した"和紙"が其れっぽい、だろうか。少年は自らの正体を明かした。】

【少年は言葉を選びながら、一つ一つ、丁寧に話していく。】
【自分が忍者である、なんて話をしても笑われ無い為に、尽力している様だが―――?】
818 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/03(木) 02:44:39.38 ID:FSIpT0fA0
>>815

【――気付けなかった。彼女へ与えてしまった勘違い、申し訳なさげな笑みだって、帳を越せば意味合いが違って見えたから】
【嗚呼と思うと同時に今すぐ白状してしまいたくもなる、結局言い出せない沈黙の後、「また今度」としたのは、丸投げだろうか】
【(それは自ら稼いだものではないけれど)今度は自分が奢ることになった店で、暖かいお茶でも飲みながら、――きっと、】

だったら、……その次はわたし。次の次も、……約束だよ、また、会うの。
それなら行ったことのないお店がいくつかあるから……、お父さんが甘いもの苦手だから、一緒に行きたいんだけど、

……そっかぁ。

【そうして重ねていく言葉は、それだけまた会いたいという気持ちを見せていく。それなら彼女とのずれも、致命的にはなりづらいだろうか?】
【不快と思った相手と何度も何度も会いたがる性質ではない。気持ちの顔に出やすい性質を思えば、それは尚更強固に思えて】
【行ってみたい店がいくつかあるのだという。そこに一緒に行ってみようと誘う、――それはきっとひどくひどく平和な響き】
【――調子がいいぐらいだと聞けば今度こそ明確に安堵したように吐息が零れた。それでも「何かあったら言ってね」と付け足して】

そう? ……それなら、いいの。 でも、……気をつけてね?
――――アナスタシアも。風邪引かないようにして? 変な奴らにも、遭わないように……。

【断られた、なら。首を傾げながらでもきちんと意見を尊重する、無理繰りにだってついていくようなことは、なくて】
【言われた言葉を受けた上で同じ意味合いを返して――先を思ってか別な言葉も付け足す、そうと首を傾げることをしながら】

……――またね。

【ぽつぽつと交わした最後の数言。再会を願うのがやはり大事だと言う風に告げた言葉、背中をぎりぎりまでも見送って、】
【――ふらりと身体が揺れた。今しがた出た店の壁に手を突いて吐く息がひどく疲労の色、心なしか足は震えてすら見えた錯覚】
【(一部とは言えひとの身体を。体内という自分の庭以外の場所で。模倣した疲れ、生半可では足りないぐらいに、蝕んでいた)】

【その身体を一度包むようにきらりと躍った黄緑色の燐光、瞬くよりもずっと早く消えた身体は、遠く遠く常夜へと沈んで――】

【(――その後のこと。倒れこむようにして眠りについて、起きた頃には、じわと拡がる気だるさと熱っぽさ、)】
【(言われたばかりなのに微熱だって出してしまったのはそれでもひどく平和的な余談――だった)】

/おつかれさまでした!
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/03(木) 03:07:23.81 ID:hHy0vPRHo
>>817

いや、少年が何の仕事をしているかはわかんねーけどさ。……つか仕事をしてんのかよ、その年で
―――つーかよ、すげーなオイ……宝玉によく関わる仕事なんざ、危険しかねーだろよ

……そのわりには、ドジっぽいというか

【紺碧の瞳を大きく見開き、表情に示すは驚きの色。しかしながらその驚嘆も、少年の狼狽えで冷めれば発言の信ぴょう性が怪しくなり】
【瞳が今度は細まったかと思えば疑惑の視線を彼に突き刺した。モグモグとふやけたフライドポテトを咀嚼しながらも、彼の瞳の内側を探るように目線を送る】
【その後彼が白状したかのようなリアクションをして言葉を漏らすが、其れも正直な所信じ難い所があった】
【……まず、忍者が身分を明らかにするものだろうか?とそこから疑問が浮かんで。証拠として示された手を見れば努力の証拠などが見えたが、其れでも100%とはいかなかった】

……はぁ。―――まぁ忍者なのね。流派……は俺櫻の国生まれじゃないし知らんけれども、それの最高師範……ねェ。
……それでも宝玉の魔力を嗅ぎ分けて此処まで来たんだから、忍者というのは納得するけどさ

【どうやら「最高師範」という言葉を怪しく思っているようだった。残りのポテトを口にかきこみ飲み込めば、腕を組んでうーんと唸る】
【―――男は笑いはしなかったが、疑いの感情は多く含んでいた。其れでも彼は身分を証してくれたことだから、取り敢えず自分も、と男は咳払いをして―――】

えー、少年の其れは正直な所信じ切れないが、兎に角俺もある程度は情報を言っておかなきゃフェアじゃねぇ。
SCARLET所属に今回の大会―――あ、あれな?水の国天下一武道会。あれの解説役もやることになってるロウってのだ。もしかしたら選手もあり得るかもな?

……マーシャル・T・ロウ。こんな飲んだくれの野郎が解説ってのも信じがたいが、まぁこれは本当なんで。
―――本当に忍者のサイコウシハン?だっけ? そうなら大会とか出て実力発揮して欲しいが―――忍者も忙しそうだからな。……よく仕事内容わからんけれども

【自己紹介を告げながら、男は立ち上がり尻ポケットの財布を取り出す。多少ふらついた足取りながらも、マスターに代金を払えばソフト帽を深く被り直し】
【―――ひらひら、と軽く手を振りながら軋んだ扉を開けて店から姿を消した。また店内に冷たい夜風が侵入する。それも直ぐに、アルコールの混じった温い空気に負けるが】

あー、解ってるだろうけど宝玉は危険だぜ? ―――魔力の高い悪党に渡れば街一個潰されちまうから……な

【自分はSCARLETだと男は告げた。テロを食い止め、大会を護る盾の役目を果たす防衛組織。集められたメンバーはそれぞれ高い実力を持っているのだが―――】
【―――そんな様子は一切見せずに、ただの酒を嗜む一市民にしか見えない男は酒場からすっと姿を消してしまったのであった】

/時間が時間ですのでこの辺で! お疲れ様でしたー!
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2013/10/03(木) 03:50:04.42 ID:/EfSmTvS0
>>819

へへへー……
でも、働いてる感覚は、何処にも無いかなー…
みんなが学校行ってるみたいな、そんな感じで…


【疑われる、というのは此の少年にとって有難い物であった。】
【結論が出ないまま、思考の渦の中に其れ等を巻き込んでいって。】
【やがて其のまま飲み込まれて、―――消えていけば良い、なんて。】
【笑われる事も無ければ、明確に覚えられる事も無い。ある意味、理想的な結末だった。】

【―――ムキになって証明しようと思えば、】
【其れこそ、その場で技を見せたり、或いは機密情報を耳打ちしてみたり―――幾らでも出来るのだった。】
【其れをしなかったのは、初めからある程度諦めていたから、というのも在ったのだろう。】

【たった1つだけ、忍者になって後悔した事を挙げるとすれば、】
【其れが、コレであった。自分の仕事を打ち明けた時に流れる、異様な雰囲気。今回は、疑惑の視線であったが。】

【『最高師範は言わない方が良いのかなー…、』と学習しては、男の話に耳を傾けて。】


水の国の大会……見学か、あるいはグルメフェスタの方か……何方にせよ、出るつもりは、今のところは無い、かな……
おお、解説役………!俺には、一生勤まりそうにない……ぜひ、頑張って下さい、ね!

【『実は大会の裏で活躍するんです、』なんて言えるはずも無く】
【男の誘いを断る形となったが、その分気持ちばかりの応援をして見せて。】


【立ち去る男が振る手に合わせて、少年も振り返す。】
【まだ立ち上がる様子を見せないのは、もう少しだけ、浮いた存在であろうとする意思の表れなのだろう。】

/お疲れ様でしたー!
821 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/03(木) 19:48:12.41 ID:FSIpT0fA0
【街中――子供の消えた児童公園、】
【たった数時間前までは子供の居たろう場所は、けれど、今となってはどこかの虫の音も聞こえるほどに】
【刃みたいに細い月明かりと、街灯の真白さと、影という影も消し飛ばされた中に、ふわりと混ざり込む気配があった】

……あのね、キミたちはサービス業なのだよ、分かるかい。
私たちが気紛れに触りたいときにだけかわいくゴロニャンすればいいだけであって――

――――痛い、ちょっと待て、痛い、ッ

【――ぽつんとひとつ置かれた古い古いベンチ。腰掛けているのは少女らしきが一人でも、なにやら話し掛けるように聞こえて】
【話し掛けられているのはいかにも自分だと言う風に存在をあたりに知らせる声はニィニィと甲高いもの、まるで何かねだるように】
【ぴんと立った尻尾はにょっきりと夜に生え出る、ふわふわの柔らかな毛は1本1本が銀色に煌いて――ちいさな、ねこが、】
【(ぎしぎしと鳴るほどに古いベンチに腰掛けた少女の胸元、ロッククライミングみたいに、ひたすらよじ登っている光景)】

【――淡く金色に透けるような髪は時折ピンク色の混ぜ込まれる不思議な色合い、毛先に向かうに従って、くるりと癖を持って】
【つんとつった眼は勿忘草の花の色、けれど鋭い造形は自らの胸元に注がれて、困ったように揺らいで――むうと拗ねた顔】
【オフホワイトのワンピースは足の大半までを隠し込む長さ、蒼く花のステッチが彩って、たくさんの布地がふわふわと】
【した上から包み込むのが生成り色のマント。レースと刺繍で飾り立てたもの、ベンチの上にぐるぐると寄せ集められて】
【足元は申し訳程度にヒールの高いパンプス、白さに浮かない程度の赤、そっと色合い、増やして】

っ――、……ほら、大人しくしてれば膝ぐらいなら貸してやるのだから。
気が向いたときだけかわいい顔をしていればいいのだよ、分かるかい?

【子猫特有の細く鋭い爪を無理やり引き剥がした音。そっと膝に乗せて、喉元を掻いてやって、言い聞かせる仕草は】
【それでいて嫌いじゃないらしいと気付かせるには十分なぐらいに緩い音階、撫で付けながらベンチに除けて置いた本を手にとって、】

……――ああもう、ほら、本が読めないじゃないか、……

【――当然大人しくしているわけもないロッククライミングの再開によってまた本が戻される、そんな、無限ループがそこにあった】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 22:07:03.78 ID:sl5zII7W0
【ずっと昔に、廃墟と化した屋敷――――今宵其処に現れた、一つの存在】
【扉を開ければ直ぐの所に見える広い客室に、其れは一人座っていて】
【紅いドレスを纏い、金色耀きを放つ髪を持った少女。放つのは気配では無く瘴気故に、よく目立つ事か】
【――――止まっていた屋敷の時が、微かに流れ始めて】


「…………ふぅん。思っていたよりも、綺麗な所ね
主が自分で雇っていた人達も家族もみーんな殺してしまったと聞いてきたから、もっと紅く染まっていると思ったのに
そうでも、無いのね。あんまり楽しくないわ。楽しくない」

【何故、こんな屋敷が廃墟となってしまったのか。それは、曰く付き故に】
【ある日狂人と化した主人が、屋敷に住む者全てを皆殺しにしたと伝えられて居るが故に、誰も寄りつかない】
【――――鼠すらも住まないとなれば、やはりただ不吉だからという理由でも無いのだろう。実際に、何人もの人々が霊を目撃しただのと騒いでいる】
【ならば、何故少女が一人でこんな場所に居る事が出来るのか。――――魔族。即ち、悪魔と呼ばれる其れだから】


「死んだ事に気付かない人達も、ずっと殺され続ける人達も居るみたいだけど――――でも、つまらないのね
どうせもう幽霊だもの。そんなのを見たって、楽しく無いのよ?」

【取り憑かんと、一つの霊魂が少女へ近づいたが――――触れる事も出来ずに…………否、正しくは触れた瞬間に、低級故その瘴気によって存在を掻き消されてしまう】
【そんな様を見ても、気にした様子は無い。アンティークなカップに紅茶を注ぎ、一人でお茶会を楽しんでいるだけ】
【…………流れる瘴気は、当然屋敷外へも漂っていて。さて、疑問に思って訪れる者が居たとしても、可笑しくは無い事か】









【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 22:19:24.75 ID:MhXv3zw1o
>>822
【流れていく瘴気を乱す気配――、堂々とした晴れやかな真紅の妖気が屋敷を満たす瘴気に混ざりこむ】
【近づいていく気配、増していく存在感。存在感は己の存在を秘匿することすら無く――堂々と屋敷に近づいていく】
【轟音。戸を何度も叩く。衝撃音が続き続き、そして続いた果てに――更なる大音量が屋敷を劈いた】

「すまないッ! 今夜一晩宿を貸していただきたいのだが――ここに主は居るだろうか!?
というか疲れたから入るぞ! 入ってから確認させてもらうぞ! 失礼っ!」

【屋敷の戸を、微振動させる程の良く通る声――少しハスキーな女性の声】
【口調こそ割りとしっかりしていたのだが、発言の内容を良く聞けば強引極まりない】
【扉の隙間から漏れだす妖気に誘われて、死霊達が戸に集まっていくが、次の瞬間】

「ああもう五月蝿い、邪魔だぞ」

【と、恐らく外で霊魂にまとわりつかれていたであろう女の苛立ち混じりに声が聞こえ――戸が爆散した】
【戸に近づいていた死霊達はもれなく戸と一緒に灰燼と化して吹き飛んでいって】
【吹き飛んだ戸の原因たる紅の波濤の奥から現れたのは――歪を含む一つの人影】

「お邪魔するぞー? 戸の分は死霊退治の必要経費と思ってくれ。
――っと、君がここの主かな? 随分良い匂いをしているようだが」

【炭となった戸を踏み散らしながら、腹を抑えて屋敷に歩みこんでいく――鬼】
【膝ほどまで有る紅蓮の長髪と、上半身を申し訳程度に覆うサラシ、下はダメージジーンズと下駄というよくわからない格好】
【露出された上半身の肌にはびっしりと炎を思わせる文様、そして頭から伸びる一対の黄金の角が、彼女が人ではない証左だった】

【中に入って即座に視界に入った少女に、紅の女は人懐っこそうに笑いかけて】
【お茶会のお茶やお菓子を物欲しげに眺め――】

【ぐ ぉ お ぉ ん】

【――言葉が要らない要求を、堂々と響かせるのであった】

/*凍結に鳴るかもですがそれでもよろしければ!*/
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 22:40:06.81 ID:sl5zII7W0
>>823
【カチャリ――――ティーカップを置いたならば、丸くした瞳を向ける事だろう】
【呆れた訳でも無く、かといって驚いた訳でも無く。何とも不思議な視線。…………まあ、言ってしまえば興味を抱いた故の其れなのだが】
【五月蠅いとの言葉にはクツリと笑い、もう一度ティーカップを手にしたのならば、緩い紅茶を喉に流すのだろう】


「――――いえ、私はここの主でも無ければ仕えている訳でも無いのよ。だから、貴女が壊したって、咎めないの。素敵でしょ?
……それにしても、ふふ。五月蠅いだなんて、貴女が言えそうでも無いわね。騒がしいのね、小人達がみんなで歌ってる時よりも、もっと五月蠅いのね
でも、嫌いじゃ無いわよ?お話って、そういう所から作られるんだもの」

【主でも無く従者でも無く、けれど此処で堂々と紅茶を啜る姿】
【さて、妖気と瘴気とが混ざるこの空間。純粋な所謂人間と呼ばれる種族が居たならば重怠さを感じるだろうけれど…………この場にいる二人ならば、問題も無いであろう】
【チラリと視線を向けて容姿を確認する事こそするが、だからといって警戒心を見せる訳でも無く】


「酷いのね。折角死んだ後もお話を紡いでいた人達を、殺してしまうなんて
それでも、私は人間達が使うようなお金を持っていないし、仮に持って居ても使う必要なんて無いのだけれど
…………あら、凄いお腹の音。本当に虫でも飼っているのかしら、かしら?
疲れているのなら、座りなさいな。ここの主はきっと首を括ったままでしょうし、だったら椅子だって誰かに座って貰わなきゃ可哀想よ
代わり者同士、お話ししましょう?私がお茶会に呼ばれる、その時まで」

【そして、二度目の命を散らされた霊達に一瞥する訳でも無く】
【それでいて酷い何て言うのだから、その様も中々に滑稽であろう】

【腹の音を聞き、視線に気付いたならば――――小さな手で、招いて】
【好きなところに座れと言葉無く伝えたならば、パチリと指を鳴らすことだろう】
【…………数秒の時間を要する事も無く、虚空から現れたのは焼きたてのクッキーが盛られた皿】
【ふわりと女性の元まで漂ったならば、遅れて紅茶の注がれたカップも隣へと着くけれど】
【――――瘴気を漂わせる女性から差し出された品。手に取るも取らないも、女性の自由であって】

/少し作業をしつつですが……宜しくお願いしますですよー!
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 22:54:53.92 ID:MhXv3zw1o
>>824
「ああ、さっきから人じゃない気配がしてたから主かと思って叫んでたんだがね。
お叱りを受けないというなら、なにより。五月蝿いのは性分だから勘弁してくれると有難い」

【ニコニコと、夜だというの真昼のような輝かしい笑顔を浮かべている女からは敵意や戦意や悪意というものは欠片も感じられない】
【妖怪とは夜の種族であり、妖気もまた陰気に属する種の力だが――女の性格や性質は、むしろ正逆、妖気を纏えど陽気な様だった】
【当然ながら、女もまた少女と種族は違えど、人ではなく。この瘴気にまみれた場であっても、心や体を蝕まれることすら無い】
【それどころか、息を吸って吐けば、躰の中に力が充足していく感覚すら感じられて、要するに居心地が良かった】

「死人に口無し。死んでいるのならば文句を言わずにあの世に往くのが道理。
――死ねば終わりなんだから、死んだあとも未練タラタラにこの世に残られても困ってしまうさ」

【少女のそんな心にもないような発言に対して、女が返すのは死霊に対して厳しい発言】
【近寄ってきた人魂をデコピンで粉砕しつつ、辺りを浮遊する死霊達を鬱陶しそうに見据えていて。時折紅蓮の瞳がぎらりと輝けば、死霊は距離を取っていく】
【鬼である女の死生観は、基本的にシンプルなもの。死んだら終わりで、死んだら負け。敗者の文句は聞き入れられるものではないのだから、おとなしく死んでおけ】
【非常に勝手極まりないが、それは女自身にも適用されるもの。女は、自分の負けに納得しないことも無いし、己の敗北故の死を受け入れられないことがない】
【ここに居る死霊達とは違い。この鬼は、死んでも未練を残してこの世に残る事は、先ず無いと言えるだろう。そんな女だ】

「あっはは、悪いな。じゃあご相伴に預からせてもらう、失礼するよ」

【少女がテーブルの上にお茶会セットを召喚したのを、一瞬興味深そうに見るも、迷いなく女は相手の正面に座る】
【言動の総てが、豪快かつエキセントリックではあるのだが、立ち居振る舞いを見ていれば、存外に動作は流麗で、気品の有るものだという事が示される】
【静かに椅子に躰を預けると、ぺこりと一礼してティーカップを手に取り、香りを楽しむ】
【一口紅茶を口に含み、風味を楽しんだ後に嚥下。潤った口元へと右手でクッキーを運び、さくりと咀嚼】
【甘みが口に広がったところで紅茶をまた含み、最後に残ったクッキーを頬張って】

「……んむ、美味しいな。いやはは、まさかこんな所まで来てお茶会が出来るとは思わなかったよ」

【朗らかに笑いながら、謎のお菓子とお茶を楽しむ鬼が一匹】
【基本的に付き合いの良いタイプであるため、聞かれれば大抵答えるし、話題には事欠かないことだろう】

/*了解ですー! 明日5時おきなので1時頃には凍結お願いすることになると思います*/
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 23:14:53.12 ID:sl5zII7W0
>>825
「確かに死ねば其処で終わりもしれないわね。だから、死ぬ前に何かを残せたら、それは楽しいのでしょうね
…………死ぬなんて、私には分からない事だけど
いえ、死に切るという事が、私には分からない事だけれど」

【死が分からない。生きていれば、当然の事。けれど、少女の発する其れは、全く異なった意味合い】
【――――少女に、死の概念が存在しないから。否、性格に記すならば確かに“死”はあっても、その先の消滅が無い】
【首をもがれようと、同じ作りの其れが再生するし、心臓を抜かれようと、血は身体を巡っている。何度も体験しているからこそ、言える事】
【…………だからといって、その事が目前の女性に伝わる訳では無いのだが――――少なからず、引っかかりを覚える言葉ではあろうか】


「ええ。ウサギ達に焼かせているもの。美味しいはずよ。きっと、美味しいはず
お茶会だって、色々な所であるのよ。地獄にだって魔界にだって――――だから、此処で開かれていても可笑しくは無いの
…………其れで、貴女は何故此処に来たの?」

【咀嚼したクッキーに紅茶。毒は入っていないし、魔術を掛けられている訳でも無い】
【美味しいとの言葉を聞けば気を良くしたのか、朱の双眸が細められて】
【魔界であろうと開かれている。だから、此処で開かれていたって可笑しくは無いだろう。――――何とも、頷きがたい説明ではあったが】
【本人はそんな事はを気にする由も無く、更に言葉を連ねる事だろう】


「ただの迷子かしら。それとも、知り合い――――という訳でも無さそうね。さっきのお話、聞いていたもの
やっぱり迷子なのかしら。ねえ、鬼さんオーガさん。教えてくれないかしら。何故、貴女は此処に来たの?」

【女性は、己を鬼と名乗っていない――――が。その特徴的な角を見て判断したのか、女性を“鬼”と呼び】
【問うたのは、此処へ訪れたその目的。幽霊屋敷と囁かれる此処へ訪れた、その理由】
【目的も無く歩いていたら偶然この館を見つけたのか――――それとも、また別な理由を持って訪れたか】
【最初の話を聞く限りでは、宿を求めていた様だけれど…………幼さの残る顔に意地悪そうな笑みを浮かべた其れは、きっと確信犯】
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 23:18:36.52 ID:11IleCgl0
「ねえ、こういうときって、どうすればいいのかな、ああごめん、ずっと話してばかりだったね、もうそろそろ話を聞きたいかな、って」
「あっそうだ、ごめんなさい、こんななれなれしい口調で、怒らせ、ました?」

(閑古鳥でも泣いていそうな、真昼とは醸し出す雰囲気の違う公園には、二人の人がいた)
(一人は、色の濁り、擦り切れた後が所々に見える服を着た、所謂浮浪者のようなもので)
(もう片方は白いスーツに似た服に、黒い髪、背丈や声の高さ、幼さの残る顔から表現するには少年≠ニ呼ぶのが適切のようだ)

「何でそんな、ここにはお酒もありますし、ああこれ買うの大変だったんですよ、何てったって僕未成年ですから、せっかくですし先にどうやって買ったか、から話しましょうか?」
「といってもそんなに難しい事じゃ、あ、ちょっと、ちょっとー!」

(表情を伺えば、愉快に話す少年と、顔をおびえさせる浮浪者の男、どうにも、一人でに話を進める少年に恐怖を覚えたようで)
(それにも気にせず話を進めていた少年に我慢の限界で、走って逃げていく)
(少年が呼び止めるように声をかけ手を伸ばすも、それも無意味で気づけば視界の外)
(近くを通りかかった人からは、必死に公園から逃げる浮浪者の奇妙な姿が見えるだろうか)

「あー、駄目だ、駄目だ、どうすればいいんだろう」
「なんだろう、まだ一歩も前に進めていない気がする、これじゃあクロお姉さんとあわせる顔もないっていうか」
「なんっていうか、こんなんじゃお仲間さんにあった時も、あきれられても仕方ないっていうか」

(誰もいない空間で呟く、傍らにはワンカップ、どうにも常識の欠片はあるようで、それが尚更恐怖を煽ったのか)

「綺麗な月が出てたから、今日はうまくいくって思ったんだけど、僕は文学的じゃあないのかなぁ」

(もし、慌てた様子の浮浪者を気になったりとか)
(独り言を呟く妖しい服装の少年を見たりして、興味が出たのなら、近づいてみるのもいいかもしれない)
(それだけで、少年は勝手に話しはじめるのだから)

/http://www53.atwiki.jp/nrks/pages/579.html こちらのキャラです
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 23:32:16.10 ID:MhXv3zw1o
>>826
「死ねるから殺し合いが楽しいんだ! たまに死なないまま永遠に斬り合いたいという輩が居るがね。
終りがあるから、終わりに向かって全力を出すことが出来る、そう思うんだ。私は。
――君は、死なない類の生き物かもしれないがね。普通の生き物は、一度しか死ねない≠フさ。
さらに、死ぬなんて予行演習すらできないんだから、もう一発で最高の死に様見せるには全力で生き抜くしか無いわけでさ。
死に急ぐ事は生き急ぐ事で、生き急ぐ事は死に急ぐ事。――必死になるのは楽しいんだ、なりふり構っていられないと尚更だけどさ」

【少女の死が分からないという発言、少女から感じられるどこか浮世離れした雰囲気】
【そこからなんとなく――死なないまたは、死んでも生き返る様な化物なのだろうと理解する】
【その上で、死ぬことと生きることの意義を、少し通常ではありえない論理で楽しそうに語っていく女は、おおらかなのだろう】
【相手と違い、一度しか死ねない身。一度死んだら終わりだからこそ、その一度を成功に終わらせたい】
【最高の死に様を演ずる為に必要なのは最高の生き様であるというのが女の人生哲学であり、女の行動理念】

「お茶会と言ったら昔も腹ペコだった時に、路地裏でお茶会誘われたことが有ったな――。
大分前だが、あの娘との殺し合いも――とても甘美な時間だった。お茶菓子も好きだが、やっぱり命のやり取りが一番のご馳走でね」

【かつてもよくわからない場所でお茶会に招かれた経験があり、それを懐かしそうに思い出す女】
【お茶菓子とクッキーを平らげていきつつも、食事で満たされない魔的な食欲が鎌首をもたげて】
【虹彩を紅蓮に煌めかせながら、少し紅潮した顔でバトルジャンキーである事を口にした】
【とはいえ、死合の欲を抑えられないほどあやかしとして未成熟ではない女は、暫くすると先ほどまでと同じ穏やかな微笑みを顔に称えることだろう】

「――ふぅむ。どうしてか、と今更問われれば答えるにも困るんだがなあ。
強いて言えば、ここからなにか危険な気配がしたから面白そうで来たのと、道に迷ったからって所だろうね。
といっても、目的地なんて無いからそもそも迷いようが無いんだけどな!
あと、私は花城火燐。見れば分かる通り鬼なんだが――昔は人間だったんだ。お嬢さんの名前、有るなら聞いても良いかな?」

【案の定というか何なのか。興味本位と迷子の間の子で、わざわざ面倒事に首を突っ込みに来たらしい】
【ただ、その面倒事に首を突っ込みたがる性分が無い限り、ここで少女と出会うことも無かったのだから、結果は上々というもの】
【少女に鬼と種族で呼ばれたことから、女は己の名を語り――少女に向けて笑いかけつつ、名前を問うたのだった】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/03(木) 23:56:19.70 ID:sl5zII7W0
>>828
「そうねぇ…………死なないというよりは、死ねないといった方が正しいのかもしれないわ
鬼さん、私は貴女が羨ましいのよ?死のうと思えば死ねて、後はそのまま。だから、羨ましいのよ?
何回も何回も起きて、ずうっと同じ世界に縛られている事が無いんだもの
…………必死も必要無ければ、全力も要らない。ねえ…………不死っていうのも、つまらないわよね」

【女性の力説だって、恐らくは右から左に抜けていくだけ】
【不死故に、死を望む。だが、それが叶えられる事は無い。人間には不死を望むのに、其れを得た者が真逆の願いを抱くなんてなんて滑稽な事か】
【――――羨ましいとは、世辞では無い。果たしてどれ程生きてきたのかは分からないが、少なからず生きる事に飽きたといえる位には歩みを続けている】
【死に魅力を感じている所は、恐らくは同じ。それでも、其処に居たる過程は、大きく異なっているだろうか】


「とっても美味しそうなご馳走ね?味わってみたいけど、私には其処に至までのドレスコードが無いの
精々、お店の外で見て、指を咥えて帰るだけ」

【言葉を句切り、紅茶を注ぐ音。先程まで騒がしかった霊達は何処へやら、今は二人分の声しかこの場には響かない】
【――――時折思い出した様に霊が近づこうとするも、結果は言わずもがな。だから、更に近寄らなくもなり】
【…………其れを良しとするか悪しとするかは、人の考え方次第】


「態々危険な場所に行くなんて、面白いのね。何があるのか分からないのに――――いえ、火燐は分かっているからこそ来たのだったわね
なら、やっぱり面白い人。…………お泊まりだったら、好きなだけしていくと良いわよ。どうせ、誰も居ない所なのだもの
探せば地図だってあるし、部屋だって使い放題。…………ね。楽しそうでしょう?」

【自らが危険な気配と言われれば気を悪くするでも無く、寧ろクスクスと笑って】
【――――辺りへと、視線を巡らせた。埃を被ったシャンデリアに、蜘蛛の巣が張られた天井の角】
【流石に捨てられてからの年期を感じられるが…………それでも、豪勢な場所である事に変わりはない】


「――――私?
アリス。その三文字が、私の名前。不思議の国でも鏡の国でも、アリス。…………ウサギともイカレてる帽子屋さんとも、お友達
そして…………貴女の、元の種族。人間達には悪魔とも呼ばれるわね。通り名なんて、持ってはいないけれど」

【注ぎ足した紅茶も飲み終えたなら、微笑を返しながらも静かに口は開かれて】
【先ず告げるのは、たった三文字。其れが己の名で在って、其れより先にも後にも余計な文字は着かず】
【――――続けたのは、種族。人間達には悪魔と呼ばれる存在であると告げて】
【…………危険な気配を感じたとは、強ち外れとも言えないのだろう。然れど、攻撃的な様子は見せず】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/04(金) 00:12:04.46 ID:Z+jxFRdDo
>>829
【女は少女の言葉を聞いて、腕を組みながら目を細めて――暫く考えこむ様子】
【足りない頭で、死ねない悲哀、死ねない辛さについて考えていくが、死なない存在ではない故に全く分からなかった】
【でも一つだけわかるのは、死なない≠フは良いかもしれないが死ねない≠フは嫌だという事】
【そして、少女が死を望むような言動をするのならば――と、そこまで考えて女は満面の笑みを浮かべて顔を上げた】

「そうか――…………。あ、そうだ。
だったらアレだな。要するに、君を完全に殺せるようになれば君もご馳走が食べられるという訳だな?
うん。――まだ私は未熟で、多分君を殺しきることは出来ないだろうが――それは今の話なわけでさ。
いつかきっと、いや必ず。絶対に絶対、私は君を殺せるようになる。
――――だからさ、私が君を殺せるようになったら、君は私と殺しあってくれるかい?
きっと君と殺しあうのはすっごい楽しいだろうし。これでもさーびす精神?は旺盛なんだ、きっと満足してくれるだろうさ」

【女の発言は、何も知らない人が聞けば、何処からどう考えてもサイコパスか気狂いの様相】
【だが、満面の笑顔でそんな事を口走る女の感情は、殺意すら存在しておらず、善意や無邪気さのみで構成されていて】
【確実に殺しきれる力を身につけた時に殺してやる、と朗らかな殺害予告を相手に向けて宣言して、紅茶を啜る女】
【善悪の線引に意味を見出していない女にとって、正しいか間違っているかなど些細なことにすぎない】
【女がそうしたいと思ったならば、女はそうするだけだ――それが社会的に受け入れられないことであっても、当然の様に】

「アリス、ありす……うん、良い名だな。なんというか、なんだ? 語彙があんまり無いからアレなんだけど、可憐な感じだ!
別に悪魔だろうとなんだろうと、君は悪魔って名前じゃなくてアリスなんだから、割りとどうでも良いんだけど。
――ま、よろしく頼む。ちょっと眠くなってきたから、私は適当に寝床を探してくるよ」

【少女の名前を口の中でころころと転がしつつ、素直に相手を褒める言動をして】
【悪魔だからどうこう、人ではないからどうこうなど意味が無いと言ったうえで、右手を差し出して握手を求め】
【手を握られたとしてもそうでなかったとしても、欠伸をしながら立ち上がって髪を適当に手櫛で整え】

「一文無しだから大したお礼も出来ないけど――ちょっとした贈り物だ。好きに使ってくれ」

【離へ続く廊下へと歩みつつ――思い出したように振り返って、右手がブレた】
【次の瞬間、テーブルのど真ん中に突き立っていたのは――、椛を象った意匠を持つ、一本の簪】
【紅蓮一色に染め上げられたその簪は、振れてみれば真冬の暖炉のようにほんのりと暖かく、穏やかな妖気を放出していたのだった】
【女は笑みつつひらひらと手を振って、こんどこそ離れの方へと歩み去っていくのだった】

/*ちょっと眠いので、今回はこれにて! またこんどよろしくお願いしますねー!*/
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/04(金) 18:37:52.77 ID:jkYY5ns8o
【路地裏】

「くそっ、やってくれたなっ!」 【ゲシッゲシッ】

…………

『テメェーのせいでせっかくの取引が台無しじゃあねェか!』 【ガッシボカ】

…………

{抵抗もできねェほど弱っちい癖に俺達に手ェ出してくんじゃあねェ!} 【ボギャァ】

【無抵抗で数人の男に蹴る殴るなどの暴力を受けている者――】
【それは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男だった】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

「……っち、誰かきた、ずらかるぞッ!」 『{アイアイサー}』

【男たちは、誰かが来たのを察知すれば、脚早々と何処かに去っていき】
【残されたのは、ボコボコになった彼のみだった】

…………
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 18:39:57.34 ID:1WTOmHYq0
【とある街――裏路地】

【その場所には何人かの切られた死体がある】
【その死体は自警団員の死体であろうか】

『………』

【そしてそこには甲冑をして顔に面頬をつけている男であろう人物がいる】
【この男が自警団員を切り殺したのだろう】
【そして男が刀をふり血を落として刀を鞘に戻す】
【するともう一人の男がそこにいる】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕には通常のよりも一回り大きいブレスレットとカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見ええる人物には見えるだろう】

少々やりすぎだぞ、花嵐
『あなた様に手を出しきたので』
……まあ、データをとることができたのはいい収穫であったが

【花嵐とは甲冑姿の男のことであろう】

【この路地裏に死体、さらにカノッサ機関の構成員と思われる人物、怪しくうつる】
【そんな路地裏、血の匂いが匂う】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/04(金) 19:37:45.59 ID:jkYY5ns8o
>>831
/すみません、でかけるので一旦取り消します
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 19:42:14.95 ID:EWuAafBdo
【とある川に沿って、土手が緩やかな曲線を描いて続いていた】
【道幅は狭く手入れはされていなくて、アスファルトのすぐ隣からは草花が生い茂っている】


(すっかり涼しくなりましたね……)


【その上を、ひとつの影がゆっくりと歩いていた】
【パールブルーの長髪に同色の瞳、腰に大きな青いリボンをつけた、青みがかった白いワンピースを身に纏い】
【動きやすそうなサンダルと小さなひまわりの飾りがアクセントの麦わら帽を着用した、温厚そうな顔つきの少女だ】

【夏も終わり、陽も徐々に沈むのが早くなってくる季節】
【過ごしやすくなった気温の中、肩にショルダーバッグをかけてゆるりと散歩をしているようだった】


【前から人がやってきた。そんなに珍しいことでもない】
【端へ寄って軽く会釈をしてすれ違い、そのまま数歩進んだところで――】
【彼女の身にちょっとした異変が起こるだろう】


(わ、わ――っ!?)


【急に彼女のシルエットが大きく傾いた。そして彼女はそのまま、河川敷側へと倒れて転がってゆく】
【一回二回と転がって、草に埋もれて止まる少女――傍から見ればそれはとても滑稽な光景かもしれない】
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 20:07:32.70 ID:1WTOmHYq0
/>>832はまだ募集中です
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/04(金) 20:11:08.55 ID:+p+ab/gjo
>>834
//まだ大丈夫でしょうか?
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 20:15:50.41 ID:EWuAafBdo
>>836
//まだまだ大丈夫です!
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 20:16:23.07 ID:sw8dufV/0
>>834
(―――夕日、綺麗だネ♪いつもこれぐらい涼しいと、過ごしやすいのにナー……)

【――コツ、コツ、と彼女の向かいを歩く、もう一人の少女らしい人影。歩く方向は正反対だが、きっとこちらの少女も散歩だろう。】
【コツ、コツ、足音は彼女の方へと向かって行って―――一瞬止まったかと思うと、その人影は大きな声を上げる。】
【足音が止まった瞬間起こった出来事。―――向かいを歩いていた彼女が、河川敷へと転がり落ちて行ったのだ。】

「アァ!!大丈夫ですカ!?動かないで、ジッとしててくださイ!……」

【薄暗い日暮れの路地に、少女の高い声がこだまする。日も傾いて暗い路地にはいささか似合わない、可愛らしい声。】
【前髪を切り揃えたショートカットの黒い髪、やや小柄で華奢な体格、ややタレ目で茶色い瞳。身体的特徴は何ら普通の少女と変わらない。】
【ただ、恐らくこの辺りでは珍しいであろう、チャイナドレスに似たような燕の模様をあしらった緑色のワンピースを着ている。】
【背には鉄でできた大きな箱。少女が持ち歩くには重いであろうサイズだが、特に重そうなそぶりは見せない。】

【そんな少女は、転がり落ちた彼女の所へ駆けて行く。鉄製の箱を背負ってよく走れるものだ……】
【やがて間もなく彼女の前に到着。背負っていた箱を下ろすと、おもむろに蓋を開けて何かクリーム状の物が入った入れ物を取り出す。】
【箱からは保健室の饐えたような匂いが漂う。傷や痛みで嗅覚までやられていなかったら、その箱の中身の正体に気付くかもしれない。】

「傷ハ!?痛いところハ!?すぐ痛み止めを処方しまス!」

【声色からも表情からも、転がり落ちた彼女を心配していることが伺える。見ず知らずの人物ではある筈だが。】
【――ちなみに、薄暗い上に遠目から転がり落ちるのを見ていたので、彼女は動けるのか、傷の程度はどれぐらいなのか、全く把握はしていない。】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 20:17:20.97 ID:sw8dufV/0
>>838
//あ!先約さんがいましたか!失礼しました!では取り消しという事で……
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/04(金) 20:22:51.87 ID:+p+ab/gjo
>>839
//あらら、いえいえ……俺の事は気にしないでください。
//こちらは確認をとっただけで、まだ文章は組み立ててなかったりということもありますし……
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 20:22:54.82 ID:EWuAafBdo
>>836>>839
//…どうしましょうか(汗
//折角絡み文書いてくださったので無碍にしたくないのですが…
//>>836の方さえよければ複数ロールでもおkですが、どうしますか?
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 20:30:15.28 ID:sw8dufV/0
>>841
//こちらはなんでも大丈夫です!
//……元はと言うとリロードして確認しなかった自分が悪いですし(汗)
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/04(金) 20:32:09.56 ID:+p+ab/gjo
>>841>>842
//ごめんなさいっす、ちょっと俺の方が複数は辛い感じです
//ホント、こう、マジで俺の事はお気になさらず……次の機会があれば、そのときは宜しくお願いします
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 20:42:43.58 ID:4rMeDpDuo
【通り沿いのレストラン】

【街の郊外。大通りに面した大きな駐車場のあるレストラン】
【古臭くも派手なネオン看板。横長の建物に合わせた大きな窓】
【そこからアンティークな香りのする店内の様子が見えている】

【横長のカウンターにそって並んだ丸イス。窓際の4人がけのボックス席】
【二十年は前のゲーム機の筐体が店の壁に並んでいて、ジュークボックスは壊れたまま】
【それは正式に言えば『ダイナー』という種類の店らしい】

【一昔前は街に向かう車やバイクが立ち寄る人気店だったらしいが】
【上をハイウェイが街から外まで高架で繋いでしまってからは完全に取り残されてしまって】
【雰囲気にカブれたヤツか迷子か、高速使う金は無いけどついハンバーガーを食べてしまったやつか】
【大手を振って外を歩けない指名手配犯だとかスーパースターとかがコッソリお忍びのコーラフロートを楽しむか】
【そんな客が偶に来るぐらいで閑古鳥も出て行ってしまったような寂れた店である】

【そんな店先の駐車場に1台、古い型の白のストライプが入った青いスポーツカーが停まっている】
【開いたウインドウから車内のステレオの音が漏れている】

―――Raindrops keep falling on my head
and just like the guy whose feet are too.......

【ボンネットが開いていて、辺りに工具らしいものが散らばっていて、店の灯りを頼りに何かしらの作業の跡が見られる】
【作業の音…というより蹴っ飛ばしているような音がするため誰かがその後ろの方に居るようだ】

ったく……ホンモノなのかパチモンなのかよくわかんないヤツだなこのクルマは…
ホンモノにしては安すぎる割にニセモンより走るけど純正パーツが付かねえんだよな

【アスファルトの上にどっかり座り込んで煙草をふかしている黒いスーツ姿の男】
【細身のスーツで白いシャツ、黒いネクタイと葬式帰りかと思われそうだが引き出物の袋はなく】
【彼の身に付ける10ホールの黒いブーツとこれまた黒いレンズのサングラスがそのイメージを消し飛ばす】

まあ、蹴っ飛ばしゃあハマったから良しとして…適当に何か食うかな…
………ここも大してうまくなさそうだけど……

【頭をワシャワシャと掻いて、立ち上がるときに店内をチラッと見る】
【ついもらした悪口を店主にでも聴かれたら…。もちろん杞憂。聴こえるわけがない】

【目線を逸らして、アスファルトを見ながら煙草の煙を吐き出すと煙草をくわえる】
【窓に腕を突っ込んで、ステレオのツマミをねじってオフにする】

まあ、それが俺は好きだけどね………あー…っと…レンチどこやったっけ…

【ボンネットを閉めて、ドライバーなんかトランクに投げ入れながらクルマの辺りをウロウロとしている】
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 20:44:16.94 ID:EWuAafBdo
>>840
//ではすみません、またの機会に絡んでください…!

>>838

【河川敷へと続く斜面も、土手と同様に草が所狭しと高く生えている】
【それでも、落ちていった彼女の姿は見えるだろう。鉄の箱も、少々不安定だが降ろすことができるはずで】


(いたた……)


【ドジったなぁ、なんて考えながら、ぼんやりと少女は空を眺めていた】
【やがて慌てるような可愛らしい声が聞こえてきて―― 一連の動作を、倒れたままじっと見つめるのだろう】
【ふと漂ったにおいを嗅いだなら薬と判断して、感謝の言葉などなどを伝えようとバッグに手を伸ばす】


(――あ、)


【……のだが、転んだ時に手から離れてしまったらしい】
【これでは話せない=Bとりあえず上体を起こそうとして、顔をしかめた】
【反射的に伸びる手は、足首の方へと向かった。どうやら、足首を痛めたらしい】
846 :以下、新鯖からお送りいたします [sage saga]:2013/10/04(金) 20:45:33.04 ID:LTYD9P7S0
【街中――子供の消えた児童公園、】
【たった数時間前までは子供の居たろう場所は、けれど、今となってはどこかで鳴く虫の音も聞こえるほどに】
【今にも掻き消えそうにか細い月明かりと、真っ白の電灯の明かりと、明るさの中に真っ黒な影がいくつも散らされて】

……あのね、キミたちはサービス業なのだよ、分かるかい。
私たちが気紛れに触りたいときにだけかわいくゴロニャンすればいいだけであって――

――――ちょッ、こら、痛いからッ……!

【――ぽつんとひとつ置かれた古い古いベンチ。腰掛けているのは少女らしきが一人でも、なにやら話し掛けるように聞こえて】
【話し掛けられているのはいかにも自分だと言う風に存在をあたりに知らせる声はニィニィと甲高いもの、まるで何かねだるように】
【ぴんと立った尻尾はにょっきりと夜に生え出る、ふわふわの柔らかな毛は1本1本が銀色に煌いて――ちいさな、ねこが、】
【(ぎしぎしと鳴るほどに古いベンチに腰掛けた少女の胸元、ロッククライミングみたいに、ひたすらよじ登っている光景)】

【――淡く金色に透けるような髪は時折ピンク色の混ぜ込まれる不思議な色合い、毛先に向かうに従って、くるりと癖を持って】
【つんとつった眼は勿忘草の花の色、けれど鋭い造形は自らの胸元に注がれて、困ったように揺らいで――むうと拗ねた顔】
【オフホワイトのワンピースは足の大半までを隠し込む長さ、蒼く花のステッチが彩って、たくさんの布地がふわふわと】
【した上から包み込むのが生成り色のマント。レースと刺繍で飾り立てたもの、ベンチの上にぐるぐると寄せ集められて】
【足元は申し訳程度にヒールの高いパンプス、白さに浮かない程度の赤、そっと色合い、増やして】

っ――、……ほら、大人しくしてれば膝ぐらいなら貸してやるのだから。
気が向いたときだけかわいくにゃーんなんて鳴けばいいのだよ、分かるかい、キミ。

【子猫特有の細く鋭い爪を無理やり引き剥がした音。そっと膝に乗せて、喉元を掻いてやって、言い聞かせる仕草は】
【それでいて嫌いじゃないらしいと気付かせるには十分なぐらいに緩い音階、撫で付けながらベンチに除けて置いた本を手にとって――】

……ああ、もう、ほら。本が読めないじゃあないか、大人しくせんかね……――

【――大人しくするわけのない遊び盛り。手を離した即座に再開される子猫の遊びに曝されて、】
【だからって振り払ったりするわけでもない無限ループ、少しだけ呆れたような声が、そっと夜へ響いていた】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 20:55:23.69 ID:1WTOmHYq0
【とある街――裏路地】

【その場所には何人かの切られた死体がある】
【その死体は自警団員の死体であろうか】

『………』

【そしてそこには甲冑をして顔に面頬をつけている男であろう人物がいる】
【この男が自警団員を切り殺したのだろう】
【そして男が刀をふり血を落として刀を鞘に戻す】
【するともう一人の男がそこにいる】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕には通常のよりも一回り大きいブレスレットとカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見ええる人物には見えるだろう】

少々やりすぎだぞ、花嵐
『あなた様に手を出しきたので』
……まあ、データをとることができたのはいい収穫であったが

【花嵐とは甲冑姿の男のことであろう】

【この路地裏に死体、さらにカノッサ機関の構成員と思われる人物、怪しくうつる】
【そんな路地裏、血の匂いが匂う】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/04(金) 21:06:58.59 ID:+p+ab/gjo
>>844

「レンチ……その、陰の辺りに隠れているぞ」
【反対側から歩いてきた少女が、偶然にも男の呟く声を拾ったらしい】
【人差し指で、タイヤ陰になってちょうど見えにくい位置に置かれていたレンチのことを指差した】

【男に言葉を投げかけるのは、青いジャージに身を包んだ少女】
【長い事使い古されているらしいその衣服は、袖や襟元の部分がボロボロになっており、少々目立つ】
【それとは対照的に、黒いスニーカーは新品らしく、泥汚れの一つも見当たらずにピカピカに輝いていた】

【2、3度ほど周囲を見渡すと、その場から立ち去ろうとする足を止めて、少女は男の方へと歩みの方向を変えた】

「……壊れたのか?」
【男の行動と、周囲の状況から推測したのかそんな問いかけを投げつける】
【近頃は冷たい風が吹き付ける夜空の下、車と向かい合う男の方へ興味を示した少女の声は、相手の事を気遣うような声であった】


//少々時間に制限がありますが……よろしければ。
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 21:13:57.16 ID:sw8dufV/0
>>845
【背の高い草に足を取られつつも、程なくして転げ落ちた彼女の方へと辿り着き、箱から薬を取り出す】
【倒れたままなものだから、気でも失ったのかと心配していたが……良かった、幸いにも大怪我ではなさそうだ】
【彼女はゆっくり起き上がろうとしたが―――ビクッと顔をしかめると、足首に手を伸ばす。捻挫か!】

「大丈夫!?動かないデ、今手当てするかラ!足首が痛いのネ!?……ちょっと触るヨ、ゴメンネ!」

【落ち着かせるように声を掛けると、そっと痛めたであろう足首を掌で包む。】
【その手つきは少女の年齢にそぐわぬ、まるで転んだ子供を手当てする母親のような優しい手つきだった】
【ほんのり温くて柔らかい掌、患部を刺激しない絶妙な「手当て」。触れた瞬間で患部の腫れ具合や熱を察知、大まかな怪我の情報を頭の中に入れる】
【きっと転んだ拍子に捻ったのだろう。足首が熱くなっている……靭帯は傷ついているか?骨は大丈夫か?そんなことを瞬時に判断する】

(――幸い靭帯は大丈夫ネ。これならワタシの塗り薬と湿布で何とかなるカナ。……良かっタ、酷い捻挫じゃなくテ。)

「ちょっとじっとしててネ。あんまり酷くはないヨ!――――」

【怪我は酷くない旨を笑顔で伝える。怪我を診た自分が笑顔になることで、少しでも安心してくれればいいのだが】
【そして笑顔のまま手をもう一度患部の方へ。先程の塗り薬を足首にゆっくりと塗る。あくまで痛みを刺激しないようにゆっくりゆっくり……】
【そして上からそっと湿布を張り氷嚢を当てて、添え木で患部を固定。これで大まかな処置は大丈夫か―――】

「フゥ、もう大丈夫カナ?そのままじっとしてテ!……大変な目に遭ったネー……痛みは大丈夫?」

【ニコッと笑うと、処置後の痛みを訊く。――――まさか「話せない」とは、まだ彼女は気づいていない―――】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 21:39:22.92 ID:EWuAafBdo
>>849

【――手当てを受けて、彼女はどこか懐かしい感覚になっていた】
【病院で医師から受けるそれとは違う、もっとこう、思いやりのある治療だった】
【周りの風景は保健室じゃなくて河川敷だけど、まるで幼少の頃に戻った感じすらした】

【とはいえ、ここまで本格的な治療を施してくれるとは思ってもいなかった】
【治療が終わり、痛みの有無を訊かれると、今度こそ彼女は起き上がるだろう】
【そして、少女へと向き直るとふるふると顔を振ってみせる。どうやら痛みはなくなったようだった】


【それから座った状態のまま、ぺこりとお辞儀をして、申し訳なさそうに手を合わせるだろう】
【感謝なのかお願いなのか――とにかく、ジェスチャーで何かを伝えようとし始める】

【手を動かして空に四角を作ったり、肩にかける動作をしたり】
【きょろきょろと頭を動かしたり――どうやらバッグを探して欲しいようだった】
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 21:48:09.28 ID:4rMeDpDuo
>>848

ん…?………ああ、これか…

【煙草を指で挟んで辺りをウロウロとしていると声をかけられた】
【正確には当人に声をかけられたとは微妙に違っていはいるがまあ、良しとしよう】

【男はやたら背が高く、手足が長い。腰を曲げてニュイっとタイヤの足元でレンチを拾う動作は】
【なにかSFのロボットがプログラムで動いているかのような不思議な感じがする】
【第一、明かりがあるとはいえ夜に黒のサングラスをかけて暗がりのレンチを見つけることが出来るとは】
【普通の人間では目を瞑っているのと同じようなことなの、男は極自然にやってのけた】

【拾い上げたレンチを、ポイっとトランクルームに投げ入れる。大きな音が立ったが気にしない様子】
【愛車だとか言う事もモノを大事に扱うというポリシーも感じられない】
【片手で勢い良くトランクを締めると、男は少女の問いかけに答える】

…逆…かな。…壊れたけど、治った。……でも、また直ぐに壊れると思う
このクルマ。カタコトの変なオヤジから格安で買ったからさあ…チグハグなんだよ。きっと

【指で煙草を摘むようにして、吸い込むと先が赤く光る】
【もったいぶったように、長く煙を吐き出して】

……で、君はミートパイでも食べに来たの?……この店、味はイケてるかな
…雰囲気から見た感じは…賞味期限切れって感じだけど


/ちょっと離れてて遅くなりました!すみません
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 21:48:16.03 ID:EWuAafBdo
/>>850追記します…
/【バッグは草で見え辛いが、立って見渡せばすぐ近くに落ちていることだろう】
/を最後に入れてください。申し訳ありません…
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 22:08:54.26 ID:sw8dufV/0
>>850
【処置は終わり、痛みの有無を訊く―――良かった、大丈夫みたい。安心したようにふっと微笑む】
【捻挫は何よりもまず圧迫・冷却・安静を優先する。この処置だけで痛みはかなり引いたりする】
【とはいえ、無理をして歩こうとしたら元の木阿弥。治りも遅くなる。怪我に無理は禁物なのだ】
【「なるべく動かないようにしてネ!」と一言加えると、彼女はもう大丈夫というように笑った】

【―――すると少女はペコリと頭を下げて、それから何か身振り手振りで必死に伝えようとして来る】
【勿論彼女は手話などは心得ていない。でも身振りから何を伝えようとしているのかはだいたい分かる。……たぶん】

(―――えーっト、肩に掛けル、四角イ、……アァ、そう言えばカバン持ってたネ。)
(キョロキョロ?えっト……どこに行ったか分からなイ、ってことでいいのかナ?)

「カバンがなくなったって事でいいのかナ?……分かっタ、探してくるヨ!その足じゃあ探し回るのは無理だもんネ!
 大丈夫、すぐ見つけるカラ!エヘヘ、こう見えてワタシ夜目が効くんダヨ!」

【任せて、とでも言うようにニッと笑うと、またまた例の鉄製の箱から懐中電灯を取り出す】
【……どうやら箱の中は薬だけじゃないらしい。かなり大きいサイズなのも、そのためか……】

【「ジッとしててネ!」と念を押すように声を掛けると、草っ原の中を彼方此方と探り始める】
【落ちた地点、今彼女がいる地点から考えて、そう遠くには行くまい。根気よく探せばあるはず……】

(あ!何かあるヨ!……ナンダ、野球ボールカ…… こっちハ?……雑誌ネ……)
(……ゴミ、チョット多いネ。マッタク、最近の人は軽々しく物をそこらに捨てるんだかラ……)

【頭の中で自分が最近の人であることを棚に上げて愚痴をこぼしつつ、尚も捜索を続ける。ガサガサと草の根分けて根気よく……】
【――――そして、探し始めて数十分。ついに―――】




「――――あっタ!あったヨ!!」



【すっかり日も暮れた河川敷に、一際目立つ声が響く。先程の心配そうな声とは違い、今度は嬉しそうな声が弾む】
【きっと彼女の物であろう鞄をまるで聖火リレーのトーチみたいに高々と掲げて、嬉しそうに彼女の元へと跳ねるように掛けて行く】

「コレでいいかナ!?エヘヘ……やっと見つけたネ!イヤー、長い間待たせてゴメンネ!」

【他人の物のはずなのに、まるで自分の事のように喜ぶ少女。これがこの少女の性格なのだろうか……】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 22:12:47.78 ID:sw8dufV/0
>>853
//最後に追加です!申し訳ないです!
【実はすぐ近くにあったという事には、気付いていない。……うん、気付かない方が幸せな事もあるだろう】
【恐らく「近くにあったよ」なんて言われたら、少女は塩もみされたホウレンソウのように萎びてしまうに違いないから……】
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/04(金) 22:17:53.13 ID:+p+ab/gjo
>>851

【少女の方も女性にしても身長の高いほうで、小柄な成人男性ほどある】
【にもかかわらず男との身長差は非常に大きく、空が見えるほどに大きく首を曲げ、男の顔を見上げる必要があった】

【長身の男の動きの一つ一つが、なにか不思議なものに見えてしまう】
【変というものではないが――得体の知れない違和感に、少女は小さく瞳を釣り上げた】

「お前ぐらいの身長があると、こういう大きな車でなければ乗れないものか?」
【少女は、男の乗っているスポーツカーに興味を見せる】
【前から後ろへと動き回る視線の動きは不規則で、車には詳しくなさそうだ】

「とりあえず治ったのならば……まあ、大丈夫か」
【問題が無いというような事を話す男の様子を確認して、少女は短く息を漏らす】
【ついさっき出会ったばかりの少女だが、男の境遇を心配していた様子であった】
「変な人物から、格安で……相手が悪かったのかもしれないな」

「……ここの店は、私も初めてだ。この辺りに来たのも偶然のことだ」
【首を捻って、閑散としている店内を外から覗き込む素振りをする】
「だから、私も味は知らないのだ。 すまんな」

「ただ……私もお前と同じような印象を抱いたからだな。
 イマイチ、店の中に入るつもりにはなれなかった」
【賞味期限切れ。 と、例える男に同意するように頷いてみせる】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 22:34:01.09 ID:EWuAafBdo
>>853

【――少女がバッグを探しはじめてから数分が立つと、申し訳なさがこみ上げてきた】
【予備のペンも転んだ拍子にポケットから落ちたようだった。メモ帳ならあるが、それだけではどうしようもない】

【動くこともできないし、じっと少女を待つことにした】
【静かな秋の夜。川の流れる音が、どこか遠くから聞こえてくるように感じられる】
【彼女はボーっとその音を聞き流しながら、暗闇の中で動く少女の影を目で追うのだろう】


【やがて明るい声が響き渡ったなら、彼女も表情を明るくさせるだろう】
【申し訳なさそうに何度もお辞儀して受け取れば、いかにも大事そうに抱えて】
【そして、中からスケッチブックとペンを取り出した。ぺらりと捲ると、そこに何かを書きこんでゆく】


『ほんっとうに助かりました。ありがとうございます!
 えと、最後にひとつだけお願いをしてもいいでしょうか。……できれば肩を貸してください。
 土手に腰掛けたいので……。』


【ものの数秒もしないうちに書き終えると、それを少女へと示すのだろう】
【辺りは暗いが、特殊なペンにより文字が光っていて読むには困らないはずだ】
【少女がもし承諾してくれたなら、手を伸ばすだろう】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 22:45:17.09 ID:4rMeDpDuo
>>855

よく見てみなよ。…エンジンルームがテーブルぐらいあって、トランクルームは冷蔵庫ぐらいある
それなのに…車内はこんなに狭い。…シートも固いし、ラジオの電波は木星から受信してるんじゃないかってぐらい悪い
じゃあなんで乗ってるかってっつったら……カッコイイから……なんだよねえ……バカみたいだろ?…よく言われる

【男が歩くとブーツのラバーソールがゴツゴツとアスファルトを鳴らす】
【クルマのルーフを軽く指の先で叩いて、少年の様な理由が浮かんだ自分の台詞で】
【男は自嘲気味にに笑った】

でもまあ、変な契約書とか書かなくていいしさ…ああいうオッサンの方が楽なんだよ
ジーンズやブーツは履きつぶすもんだろ?…クルマも一緒。乗りつぶすもんだから…俺はこれでいいかなって
でもまあー……壊れんのは嫌だけどさ

【ポケットに両手を入れて、寒そうに方をこわばらせながら男は】

ああ…そうなんだ。…いや、こんなところで飯食うやつなんて地元の人間ぐらいしかいないんだろうなあ
…って思ってたからさ……。でも、まあ……不味いにも色々あるわけだイイ不味いもある。
チープってのはクールなんだ。……こんなクルマに乗ってる奴が言うんだから説得力あるだろ?

【男はわざとらしく笑う】
【そして車内に取り付けられた灰皿に腕を伸ばして、吸っていた煙草を入れた】

じゃあ、まあ…2,30年前のハンバーガーでも食べようか
…1人で入るのは結構、勇気がいるところだったから安心したよ

【もう既に一緒にがっかりする仲間に含まれているようだ。だがまあ奢ってはくれそうだ】
【男はフラッと何気ない感じで歩き出して、店内に入っていった】

【席についてやって来るハンバーガーはよくも悪くも期待を裏切らないだろう】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/04(金) 22:47:29.64 ID:hhCwlpDp0
【人気の無い山中――――その、更に少し奥】
【ゴツゴツとした岩に囲まれた其処だけれど、もくもくと白い煙が立ち上っていて】
【謂わば、秘湯。普段ならば動物達しか浸かる事の無いであろう場所だが、今宵は珍しく煙に浮かぶ人影があって】
【――――途切れ途切れに見えるのは、女性の体型であろうか】


「…………久しぶりのお休み……ですね……
でも、本当に…………大丈夫なのでしょうか…………他の妖怪さん達が…………本家を襲っていたら…………」

【ゆっくりと、湯に浸かるのは一人の少女。几帳面に畳まれた巫女装束が岩に置かれている事から、その職を察せ様】
【純粋な人間では無い様で、頭部に生えているのは狐の耳。水面から覗くのは、狐の尾】
【――――そして、漂うのは妖狐の気であって】
【ただっ広い温泉に、一人だけ。何とも贅沢な時】


「…………いえ…………皆さんを信頼…………しなきゃいけませんね
それに……妖怪さん達だって……………みんな悪い訳では…………」

【自分を納得させるかのように呟けば、ブクブクと顔半分を沈め】
【――――暫し、沈黙。誰が居る訳でも無いのにハの字に曲げられた眉。そしておどおどとした口調での独り言は、何と無く少女の性格が知れる事か】
【確かに山の奥にはあるけれど…………踏み入ったならば、湯煙の事もあってその場が珍しく映り、興味を惹かせるだろうか】











【人通りも疎らとなり始めた待ちの一角――――】
【櫻の国の支店なのか、「ゆ」と書かれた暖簾の前で佇む人物が一人】
【軍服を一切の乱れなく纏い、制帽を被った少女。自警団の腕章を腕に通している様からは堅物の印象を見て取れるけれど】
【…………今宵は、その表情を悩ましげに歪ませていて】


「困ったでありますね……既にもうお金的には厳しい状況でありますが……
で、でも。今日は人一倍頑張ったので自分へのご褒美という考えもあるであります…………」

【藍色の瞳。決心したように上げたならば、暖簾へ手を掛けて――――】
【やはり、一歩下がる。そんな状況が、先程からずっと続けている有様】
【道行く人は珍しそうに見ていたり、遠くから眺めていたりするが…………本人は、その事なんて知る由も無く】


「…………一度の入浴代で、外食一つ食べる事が出来るであります
私だけならまだしも、ちゆ姉も一緒となれば確実に足りない金額であります…………
だけど、今日くらいは…………」

【まるで、難問に挑む刑事。眉間に皺を寄せれば、一歩進んだり一歩退いたり】
【――――最近は、夏の気候も去ってしまい、冷え込んできている】
【ならば、この銭湯に訪れる者が居たって、不思議では無い話】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/04(金) 22:56:21.01 ID:sw8dufV/0
>>856
【近くにあったなんて事もつゆ知らず探し回って、ようやく鞄を見つけて一人で充実感に浸る彼女】
【河川敷の上から見れば、額に掛けているのに気付かずに眼鏡を探し回っている人のようなシュールな絵面が見えただろう】
【割と、いや、かなり徒労だったことは気付かない。……多分気づかない方が良い。人生知らない方が良い事もある】

【カバンを彼女に手渡すと、――――本当に感謝しているのだろう、何度も何度もお礼をされた】
【初めて見せた彼女の明るい表情に、こちらも嬉しくなる。こんな顔を見りゃ、苦労して見つけた甲斐があったというものだ】
【大事に大事に抱え込むカバン。ああ、そんなに大事なものだったのか……それならば尚一層見つかって良かった】

【そんな風に嬉しく思っていると、その横で彼女はスケッチブックとペンを取り出し何かを書き込んでいった。どうやら筆談のようだ】
【不思議な事に、文字が光って見える。世の中には珍しいペンもあるものだなぁと感心しつつ文面を読むと―――】

「――――モチロン、肩を貸すネ!何なら土手なんて言わずに帰りまで付き合うヨ!大丈夫、ワタシは問題ないカラ!
 こんな所であったのも何かの縁だろうカラ……えへへ、大袈裟カナ?サ、行こウ!」

【まさに「快諾」という言葉が似合うような勢いで、笑顔で頷く。問題が無ければ少女は手を取り肩を組むだろう】
【そうしてゆっくりゆっくり土手まで上ると―――】

「お家はドッチかナ?遠くなきゃいいんだけどネー!サ、ゆっくり行こうカ!」

【当然のように帰路に付いて行こうとする。勿論迷惑なら断られても仕方ないが―――】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/04(金) 23:18:42.94 ID:+p+ab/gjo
>>857

【「よく見て」と促されて、少女は車の中を覗き込む】
【窓越しに見える車の内装――確かに車内のスペースは、車の大きさの割に合っていないように思えた】

「……うむ」
【男の身長と車の内装をそれぞれ再確認――これでは、大柄な男性には窮屈だろう】
【シートの硬さや音質の悪さを語る男性に対し、少女はどこか同情的な調子で頷いて見せた】 

「別に、それが馬鹿だとは思わん

【自嘲的な表情と、純真な子供のような答え】
【なにか思う所があったのか、少女は急に真面目な表情になって、男の価値観を肯定して見せる】

「お前がそれで満足をしているならば、私がどうこう言うべきではないのだろう……。
 だが、やはり……正規のショップで購入をしたほうが、良いのではないか?」
【「すぐまた壊れる」と話していたことから、車の調子がおかしくなるのは一度や二度の事ではないのだろう】
「そもそもに、足を痛めしまうような靴ならば、履き潰すまで使うこともできない」

「……まだ何も。悪い店だとは決まっていないだろう」
【不味いの良し悪しを語るその姿は、食べる前から美味しくないものだと決めつけているものだと感じられる】

「こんな立地の悪い場所でも、今日この日まで残っているのだから……何か、良いところがあるのかもしれん」
【そう男に反論をする少女だが、彼女自身も入店を渋っていたこともあって、説得力は弱いかもしれない】

「わ、私がか? ……いや、まあ構わないが」
【男に連れ添って、店内へと足を運ぶ】
【良い意味で、全てが予想通りな店内であったわけで……】


//すみません、このような微妙なところですが……時間になってしまいました。
//この後適当に会話を重ねて、分かれたということでお願いできますか?
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/04(金) 23:30:35.70 ID:EWuAafBdo
>>859

【ゆっくりと普段の何倍もの時間をかけて上る】
【ふと見れば土手に少し抉れているところがあった】
【どうやらそこに足を踏み入れて転んだらしい。ドジっぽい自分が少し情けなくなった】

【さて、上りきったなら、とりあえず腰掛けようと――そう思っていたのだけれど】
【少女の方はというと、自分をこのまま家まで送り届けようという気に満ち溢れていて】
【自宅まで少し距離があった。さすがに負い目を感じて断ろうと、また彼女は頭を振るだろう】
【真下を指差して、「ここでいい」と伝えようとする。もし伝わったならば、スケッチブックを取り出して】


『ありがたいのですが……さすがにそこまでして頂くのは申し訳ないので……。
 少しすれば歩けるようになると思うので、それまで少し、お時間を頂けますか?』


【また文字を書いたなら、少女に見せようとするだろう】
【控えめに微笑む様子からすると、すっかり痛みはなくなったようだ】

【読み終えたタイミングを見計らって、彼女は土手に座るだろう】
【ぺらと乾いた音を鳴らしてスケッチブックのページを捲った】


『そうだ、お名前教えていただいてもいいですか?
 私はホプス・ブライト。ブライトとお呼びくださいっ。』


【さっと書いたのは軽い自己紹介。そして、少女の名を問うのだろう】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/04(金) 23:34:10.11 ID:asgCF9oL0
>>858

【街角―――とある銭湯前】


【―――すっかり秋になってしまった。時折街を吹き抜ける風は、涼しさを通り越し、寧ろ寒く感じられる程で。】
【街をじっくり観察すると、セーターを着ている人もチラホラ増えだした、なんて気づけるはずだ。】

【そんな時分、身体を温めてくれる物は、矢張り恋しくなるのであって。】
【とある少年が、街角をいそいそと歩く。右手には、小さめの木製の風呂桶。其の中に、タオルが入っていた。】
【持ち物だけで、何処に行くのか、は分かってしまう事だろう。―――勿論、銭湯であった。】

【少年はスッと角を曲がる。其の少し先には、例の銭湯が在った。】
【街から離れる程、人通りは一段と少なくなる。その分、"男"と"女"と書かれた、暖簾は見栄えがするのだった。】
【銭湯のシンボルが少年の目に留まると、何だかホッとした気分になって。―――然し其れも束の間、】
【何やら其れよりも目立つ"物"が、遠く、遠くではあるが見える―――否、其れは"人物"であった。】

【近づくにつれ、其の正体が段々顕になって。どうやら、軍服を着た少女。自警団の腕章は、とても様になっていた。】
【ブツブツと何かを漏らしている。聞こえない程小さな音量では在ったが、其の唇の動きで、何を言っているかを読み取った様で。】


……話は、聞かせてもらったでござるよ!……えっと、その、助太刀いたすでござるよ!  

―――……あ、いや、聞こえたんじゃ、無いか……

【声変わりが済んでいない、子供らしい高い声が辺りに響き渡る。】

【紺色の羽織に、青味がかった白色の帯。裸足に少し大きめの下駄を履いて。】
【艶やかな紫の髪に、凛として透き通った、真っ黒な眼。】
【無様な登場を仕掛けたのは、こんな身形をした―――16歳程の少年であった。】

【カタカタと、木が出す独特の音を奏でながら。少年は、軍服の少女の方へ小走りで近づいて行く。】

/まだいらっしゃるかなー…よろしくお願いします!
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/04(金) 23:38:20.30 ID:7yCJ10x60
「ねえ、こういうときって、どうすればいいのかな、ああごめん、ずっと話してばかりだったね、もうそろそろ話を聞きたいかな、って」
「あっそうだ、ごめんなさい、こんななれなれしい口調で、怒らせ、ました?」

(閑古鳥でも泣いていそうな、真昼とは醸し出す雰囲気の違う公園には、二人の人がいた)
(一人は、色の濁り、擦り切れた後が所々に見える服を着た、所謂浮浪者のようなもので)
(もう片方は白いスーツに似た服に、黒い髪、背丈や声の高さ、幼さの残る顔から表現するには少年≠ニ呼ぶのが適切のようだ)

「何でそんな、ここにはお酒もありますし、ああこれ買うの大変だったんですよ、何てったって僕未成年ですから、せっかくですし先にどうやって買ったか、から話しましょうか?」
「といってもそんなに難しい事じゃ、あ、ちょっと、ちょっとー!」

(表情を伺えば、愉快に話す少年と、顔をおびえさせる浮浪者の男、どうにも、一人でに話を進める少年に恐怖を覚えたようで)
(それにも気にせず話を進めていた少年に我慢の限界で、走って逃げていく)
(少年が呼び止めるように声をかけ手を伸ばすも、それも無意味で気づけば視界の外)
(近くを通りかかった人からは、必死に公園から逃げる浮浪者の奇妙な姿が見えるだろうか)

「あー、駄目だ、駄目だ、どうすればいいんだろう」
「なんだろう、まだ一歩も前に進めていない気がする、これじゃあクロお姉さんとあわせる顔もないっていうか」
「なんっていうか、こんなんじゃお仲間さんにあった時も、あきれられても仕方ないっていうか」

(誰もいない空間で呟く、傍らにはワンカップ、どうにも常識の欠片はあるようで、それが尚更恐怖を煽ったのか)

「綺麗な月が出てたから、今日はうまくいくって思ったんだけど、僕は文学的じゃあないのかなぁ」

(もし、慌てた様子の浮浪者を気になったりとか)
(独り言を呟く妖しい服装の少年を見たりして、興味が出たのなら、近づいてみるのもいいかもしれない)
(それだけで、少年は勝手に話しはじめるのだから)


/http://www53.atwiki.jp/nrks/pages/579.html こちらのキャラです
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/04(金) 23:49:33.57 ID:4rMeDpDuo
>>860

……そーかい。…別にバカでも良かったんだけどさ

【自分の髪の毛をワシャワシャと掻いて、両手をオーバーに広げて肩をすくめる】
【まさかそんなにもまじめに肯定してくれるとは思ってもなかったんだろう】
【バツが悪いのか気恥ずかしいのか。振り返らず店へと歩いていく】


【窓際の4人がけのボックス席に、男はコーラの瓶を片手に座り】
【安っぽいトレーにハンバーガーとポテトが乗せられて居るのもテーブルに置いた】
【赤い合革のシートはテカテカしているがすわり心地は中々良かった】

…カタコトのおっさんからオンボロのクルマを買って、こんなダイナーで
わけもわからずハンバーガーを食ってるような奴が……正規のディーラーで
最新型のクルマをローンで買えると思うかい?…まあ……つまり…そういうことさ

だからったって、俺はスニーカーを履く気は無い……高いブーツも…

【男はそう言ってハンバーガーにかぶりつく。味の描写はあえてかかないことにしよう】
【男は暫くだまって、咀嚼していた】

……そうだな…店の雰囲気にマッチしている味だ。タイムマシンでやってきたって感じだ
んで…ワイルドが……ワイルドがなんが…なんかで……バイソンが踊ってるようなしないような…
……ポテトのケチャップもスプラッタ映画並にかかってていいじゃないか

【サングラスの下の目はチラチラと店主の方を気にかけながら感想を述べる】
【”本場”の味のフィッシュアンドチップスが好物な男であるため非常に満足そうではあった】

…で、そっちはどう?


/了解しました。ではこの辺で!
/お付き合いただきありがとうございました!またの機会ありましたらよろしくお願いします!
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 00:02:00.92 ID:nZCyAj7G0
>>862
【眉間に出来た皺は、少女の感情を容易く読み取らせる】
【一般の人々からすれば、そう時間を掛けて悩む必要も無い程度の金額。然れど、所得の低い者からすれば、下手をしなくても死活問題】
【故に、たっぷりと――――それこそ、怪訝な表情を向けられたって分からない位に真剣な面持ちとなるのだろう】


「…………しかし一度の入浴でご飯を食べることが出来ると考えれば、やっぱりそう悩む必要も無いでありますね
今日は泉を探すなり同期の方のお風呂を借りるなりして、この銭湯はまた今度――――む?」

【決意。結局は、入らなくても良いと。自らに言い聞かせる様な言葉を吐けば、これまた決意が揺るがないようにと拳を握って】
【――――声が耳に入ったのは、その時である。頭上に疑問符を浮かべつつも、一つだけの瞳を向けたならば更に疑問符が増えて】
【じっと向けられた藍色の瞳。不快な気分にはさせないだろうけれど、脆弱であったならば其れだけで硬直する程には強い色合い】

「私の耳が定かであったならば、助太刀――――と聞こえたのでありますが」

【まるで尋問。近くまで歩み寄るその時を待って、声が聞こえる範囲まで近づいた時の第一声が其れ】
【――――訝しむ様な視線は隠す事は無く、それでいて少年が投げかけた言葉を反芻するのだろう】
【……余談ではあるけれど、少女は17歳。向けて居る視線故に、年齢を錯覚させるかもしれないけれど】


「そして、私の目も定かであるならば、私と貴方とは別々な暖簾を潜るべきだと思うのであります
…………漬け込んで他の方々を覗こうとするやましい考えを抱いているなら、直ぐにでも拘束出来るでありますよ」

【反応を許す間も無く、言葉を重ねて】
【性別は、恐らく逆。ならば、目的は――――邪推。視線の意味は今度はじっとりとした物へと移り変わり、其れこそ見つめられている所のみの湿度が増しているかと思うほど】
【小首を傾げて問うたのは、助太刀の意味であろう。きっと、少年は純粋な気持ちで言ったのかも知れないけれど――――職業柄、その考えが浮かんで】

/あまり長い時間は出来ないかと思いますが、宜しくお願いしますですよー!
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/05(土) 00:02:54.45 ID:p7uOH0J10
>>861
【ゆっくりゆっくりと足を気に掛けながら登る。いくら時間をかけたっていい、無理をして余計に痛めるよりも。】
【肩を持ち、体重を支え、足元をよく見て―――しばらく経って、ようやく登り切った。もう転ばなければいいが……】

【登り切った後も少女は付いて行くつもりだった。無理をさせるのはいけないし、実の事を言うと―――もうちょっと話をしたかったり】
【しかし、どうやら彼女はここでいいらしい。 ちょっと残念そうにするも、無理に付いて行くのも迷惑な話だし仕方ないか】

「……そう、ここでいいのネ。分かっタ、無理しないでネ……」

【というわけで彼女を土手で下ろす。あくまでゆっくりと、気遣いは忘れない】
【声のトーンが心なしか先程より明るくないことに気付くだろうか。……すぐに気持ちが表面に出る分かりやすい性格らしい】

【すると、またまた彼女はスケッチブックを取り出しておもむろに何か書き出して見せてきた】
【そこに書かれていた文字を見るや否や、またまたパアッと表情が明るくなる。返す返す分かりやすい人間のようだ……】

「少しなんて言わずニ、時間ならいくらでもあるヨ!マッタク、遠慮なんてしなくていいんだかラ!」

【まだしばらくお話が出来ると分かると、元気になって声も弾む。そんなに話が出来るのが嬉しいのだろうか……】
【少なくとも彼女の気が済むまで一緒にいるつもりらしい。隣に座ると、寄り添うような形でスケッチブックに書き込む彼女を覗き込む】

「ブライト、ネ!えへへ、覚えたヨ!もう絶対忘れないんだカラ!
 ワタシはネー…黄 春燕(ファン チュンイェン)ダヨ、春の燕ネ! 「つばめ」でも「春燕」でも「黄さん」でも、好きに呼んでいいヨ!」

【「絶対忘れない」と言い放ち笑って見せる春燕の表情は、もう完全に友達と喋る少女の顔そのものだった】
【友達になるならば、こちらの名前も覚えて貰わねば。春燕は親しげな表情のまま、ここぞとばかりに自己紹介をする】
【余談だが、春燕は「つばめちゃん」と呼ばれるのが気に入っているらしい―――】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 00:24:49.23 ID:CKEdrpTI0
>>865

えー……っと……その、うん。怪しい人、だったよね……違うんだ、その……

【―――行動する前に、良く考えれば、分かる事だった。】
【"御座る"なんて、昔の言葉を使いながら、近づいてくる少年。】
【近づかれる側からしてみれば、其れは何処からどう見ても、不審者以外の何者でも無いのであって、】
【更に相手は、自警団員。少女の警戒の範疇に少年が収まったのは、至極当然の事だった。】

【無様な登場が、こんな所に響くだなんて、思いもしなかったのだろうか。】
【少年は、徐ろに狼狽えた様子を見せつつ―――"ふざけた"事を謝罪するのだった。】
【加えて、『自分は怪しい者では無いのだ、』という主張もしたい様で。】


えっと、あの、そういうのじゃなくって……
俺、遠くからでも、唇の動きを見れば、何言ってるか分かるんだ……
さっき、お金がない……って呟いてたでしょ?だから、その……
……その、助太刀をしよう、って……思って、言ったんだ。

【"女湯を覗く"なんて言葉を聞いた瞬間、顔を真っ赤にした様だったが、直ぐに調子を取り戻して。】
【少年は懐に2,3回、ポンポンと手を当てると、中を弄って。】
【何やら家紋の模様が付いた布製の財布を取り出すと、手早く紐を解き、】
【少年が抜き取ったのは、銭湯は勿論、お風呂上がりのコーヒー牛乳まで、十分に買える程のお金。】
【『いつも、おつかれさまです!』と言いながら、少女の手首を取り、お札を掌に押し付けた。】


……あ、これ、賄賂、になっちゃうのかな……
違うんだ、ただ、日ごろの感謝の気持ちと、自分への"ご褒美"は絶対に無いとね、っていう……

ああもう……変な事、しなくちゃ良かった……!

【渡した後に気づいた。"此の場を金で誤魔化そうとしている"と思われるのでは無いか、と。】
【先回りして其れを否定したが、少女の眼にはどう映ったのだろうか―――?】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 00:32:39.72 ID:9UgL/h3Mo
>>866

【沈んだり喜んだり――表情がコロコロと変わって、何だか忙しい少女だ】
【でも一緒にいると楽しいタイプの人でもある。大人しい自分には出せない一面】
【そのあまりあるような活力は、ちょっと羨ましかったりもする】


『異国の方でしょうか、不思議な響きです。では「つばめさん」と呼ばせて頂きますねっ。
 治療して頂いて本当にありがとうございました。

 つばめさんはお医者さんなのですか? 手際がすごく慣れているような気がしたのですが……。』


【「ちゃん」ではなく「さん」ではあるが、どうやら少女のことを「つばめ」と呼ぶことにしたらしい】
【やはり彼女のことで興味があるのは医療に関してだ】
【その手際は迅速で無駄がなく、誰が見てもその道に精通していると思えるものだっただろう】

【そういう知識を身につける機会がたまたまあった可能性もあるけれど――】
【背負った鉄の箱、それに入れて持ち歩いていた湿布や薬を見た限り、そうとしか思えなかった】
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 00:44:32.89 ID:nZCyAj7G0
>>867
「…………読唇術でありますか。ちゆ姉も――――いえ、私の上司に当たる人も心得ては居るでありますが……
あの距離から読み取るなんて、すごいでありますね
ですが、それとこれは別であります。そんな事を言って近づいていたら――――な、何をするでありますか?」

【あの距離から読み取ったとなれば、素直に讃頌に値する事】
【――――然れどその主張も虚しく、説教の様な小言をタラタラと流そうとしていて】
【掴まれた手首。敵意が無いとなれば払う事も無く、関節を窮める訳でも無く】

【間も無く感じるのは掌の違和感。細い指で包んでみたならば、その言葉の意味と共に行動の意味も解して】
【……呆れた様な溜息を吐くけれど、その表情を見れば悪い意味合いで吐かれた其れでは無いと直ぐに分かる事か】


「…………ならば、賄賂では無く“感謝の気持ち”として受け取らせて頂くでありますよ
それとも、“助太刀”として受け取った方が良かったでありますか?」

【ふと口角を和らげたならば、まるでからかいの言葉】
【感謝の気持ちよりも、少年の目的としていた助太刀として捉えようか――――なんて、人によっては意地悪にも聞こえるかもしれないけれど】
【藍色の隻眼の色合いも緩めれば、貰ったお金を財布の中へと仕舞って】


「兎にも角にも、疑って申し訳無い事をしたでありますね
つい先日、覗き犯を捕まえたばかりでありますから、少し警戒をしていたのでありますよ
――――それは?」

【疑った事に対する謝罪と、そこに至った経緯の簡単な説明】
【最初こそ悪びれた様子を見せていたけれど、直ぐに上機嫌な様子へと変わり――――そして、財布の家紋へと視線が移った】
【櫻の国出身…………更に言えば、この世界に迷い込んでまだ短い故に、家紋の存在を知らなくて】
【だから、より一層興味深そうな視線が向けられていた事だろうか】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 01:11:10.87 ID:CKEdrpTI0
>>869

……え、あ、えっと。ど、どっちでも……!
……い、いや、どっちも! うん、感謝と助太刀、どっちもで!

【少年に向けられた視線は、先程とは比べられ無い程、柔らかな物となった。】
【其れに少年も気づいたのだろう、必死に弁明する様子は、これ以上見せなかった。】

【からかわれながらも、拒む事無く少年の"好意"を受け入れて貰えた事に感謝し、】
【先程とは、意味の異なる慌て振りを少女に見せるのだった。】


ああ、覗き犯かー……気持ちは、分からなくもな……いやいや、ダメだダメだ。
そんな、不届き者は、此の手で成敗してくれるわ―……わっはっはっはー……

―――えっと。あ、コレか。コレはねー……お洒落でしょ。
もしかしたら、どこかで見たこと、あるかもーだよ……

【此の少年には、少し浮かれた性格が有るようで。】
【今まで警戒されていた少女に対して、誤魔化す様に笑って見せた。】

【其れも終われば、少女に家紋が良く見える様財布を立てて。】
【少年は続けてこの様に解説する。】

えっと、これ、菖蒲っていう植物がモチーフになってて。
このまるーくなってるのが茎の部分で、左にあるのが、菖蒲の花だねー…

って、適当に言われても、いまいち分かんないよね……
まあ、こう言う家紋が有るんだーって事は、知ってて損はないかもー……へへへっ!

【少し傷の痕が目立つ指先で、指し示しながら説明していく。】
【―――最後に残した含みのある発言は、自警団の立場を利用して追及する事も出来るだろう。】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/05(土) 01:12:18.27 ID:p7uOH0J10
>>868
【自らを名乗り、自己紹介。自分の名前も覚えて貰えたら、それはもう一番嬉しい事だ。】
【覚えてもらうには、自分の事を知ってもらう事が一番!友達になれたらもっと良い。だって、友達のことを忘れたりはしないから―――】
【それに、友達がいたら寂しくない。……年相応な部分もあるらしく、春燕は寂しがりだったりする。】

【話は自分の事へと移ろい行く。名前を訊いたら分かると思うが、この少女は遠い異国から来たようだ】
【話し方も親しげではあるが少しカタコト気味だし、服装もあまり見かけないものだ。察するのは容易だろう。】

「つばめさんネ!ウンウン、それでいいヨ!
 ……そうネー、ワタシはここの生まれじゃないヨ!もっとずっと遠い所で生まれたノ。……昔の話であんまり記憶も無いケド。
 でも、お国の違いなんてどこ吹く風ネ!言葉の壁も独学で乗り越えテ、こうして色々話が出来るようになったヨ!
 色んな人と話が出来るなら、色んな人と友達になれるなら、言葉だっていくらでも覚えられるカラ!」

【話がしたいからと言う理由で言葉をマスターするあたり、少女は見かけによらず努力家のようだ。】
【こうして仲良くなろうとして一緒に話をするのも、実は努力の賜物らしい。】

「だからサ、ブライトもトモダチになっテ欲しいなーッテ……イイ?」

【そしてさりげなく友達になって欲しいと言ってみる。捻挫を直して鞄を探してちょっと話をして……ついでに友達になってくれたらとっても嬉しい】


【そんな寂しがりの少女がちょっと前に見せた治療技術に興味を持ったらしく、医者かと訊いてきた。】

「えっとネ、正確には医者と言うより薬師かナ?漢方薬ならお任せあれダヨ!
 まア、捻挫ぐらいの軽い応急手当なら一通り出来るんだけどネー♪」

【正確には彼女は薬師。漢方薬を専門とする治療が得意な旅の薬売りがこの少女の正体だ。】
【背負っている鉄の箱も商売道具。中に入っている薬を調合して、患者に一番効く薬を出すのが彼女のウリだ。】
【自分の身の上話を終えると、今度はブライトの話を聞く番だ。春燕も相手の事を知りたい。】

「ねェ、ブライトは何をしてるノ?良かったら教えて欲しいナー……ダメ?」

//すみません、ちょっと眠気がヤバくなってきまして、中の人は日本人なのに日本語が怪しくなってきました……
//そちらが明日のイベントに出られないなら、明日(今日?)に凍結をお願いしたいのですが……
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 01:20:42.30 ID:9UgL/h3Mo
>>871
/了解です!明日はお昼に用事があって夜は大会に参加予定なので無理ですね…
/日曜日以降か置きレスのどちらかになりますが…どっちにしますか?
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/05(土) 01:24:32.97 ID:p7uOH0J10
>>872
//では申し訳ないですが置きレスに移行して頂ければ!
//少なくとも毎日18時以降は基本的に返せますので、いつでもどうぞ!
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 01:27:10.03 ID:9UgL/h3Mo
>>873
/わかりました。ありがとうございます。置きレスの方にお返ししますね!
/ではでは一旦お疲れ様でしたっ
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 01:33:01.86 ID:nZCyAj7G0
>>870
「…………手錠と縄。どっちの方が良いか選ばせてあげる事くらいは出来るでありますよ
行き着く先は、全く以て選ばせる気など無いでありますが
そもそも、男性が女性浴場に入ろうなど不埒にも程があるであります。桶で叩き殺されたって文句は言えないでありますよ」

【じろっと先程と同じ視線が蘇ったならば、釘を刺すような一言】
【――――と言うよりか、紛れも無い脅し。冗談にも思えない口調なのだから、尚更怖い】
【それも先程の小言よりも短ければ、ある程度信頼されていると捉えても良いのかも知れないけれど】


「菖蒲…………でありますか?
植物には疎いので、あまりよく分からないでありますが…………」

【言葉に偽りは無く、少女は植物について然程知識は持たない】
【だから、植物の名を告げられても今一理解しがたいが――――それでも、やはり家紋には何か惹かれる物がある】
【首を捻ったり、近づいたり遠ざかったり。説明を聞けば何処か納得するも、尚見続けていたり】


「…………それにしても、中々に家紋とは興味深いのでありますね
ただ有るだけで、特別な意味は持たないのでありますか?」

【子供の様に、質問を投げかけて】
【確かに、家紋は美しく見える。然れど、その意味は何なのだろうか――――と】
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 01:58:02.70 ID:CKEdrpTI0
>>875

―――えーっとね……

そもそも菖蒲って、情熱とかー信頼とかー優しい心とかー忍耐とかー…
結構、色んな意味が有るんだよねー。あ、あと、俺の髪色とも似てるし。

…で、さっき言った丸くなって一周してる茎は、"循環"を意味してたりー……
菖蒲の花を、少し左に描いたのはー……"ハート"を意識してたり…‥

他にも、細かいとこに、色んな意味、持たせてるんだけど、
全部、俺たちの"仕事"に関係するように、考えてあるみたいだよー。カッコイイよねー!

【自分の家紋の説明となると、やけに饒舌になる少年。】
【何処か誇らしげに話す様子は、きっと見て取れた事だろう。】

【一通り話し終えると、何も話す事が思いつか無くなってしまった様で。】
【『うーん……』と少し困った顔を見せる事だろう。】

【―――刹那、ビューッと音を立てて少し強い風が、狭い街角を吹き抜けて行く。】
【散り撒かれた落ち葉が風に煽られては高く飛び、やがて一点に収束する。】
【其の姿は丸で小さな竜巻だった。少年は、『おー……』と感心した顔つきで其の様子をぼうっと見ていた。】

【―――其の風で、一気に冷えたのだろう。身体がブルっと震えては、】
【『そうだ、お風呂に入りに来たんだった、』と思い出して。少年は口を開いて、】

あ、じゃあ、俺はそろそろ、お風呂、入ってくるよ!
お風呂あがりに、コーヒー牛乳、ぜったいのむんだよ!飲まないとたいほだからね!たいほ!

【と言いながら、女湯に入る…素振りをしては、振り返って笑って見せて。】
【"男"と書かれた紺色の暖簾をクグッたなら、其の姿はやがて、湯けむりの中に消えてしまうのだろう。】

/こんな感じで!有難うございました〜!
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 02:13:52.41 ID:nZCyAj7G0
>>876
「――――私には、何だか難しい話でありますね。だけど、聞いていて楽しいのでありますよ
格好いい…………と言うよりも、何処か美しく思えるでありますが…………」

【仕事との言葉には引っかかりを感じるも、其処を問い詰めるには時間が少なく】
【少年の性格から考えれば、治安を乱すような危ない職では無いと勝手に思い至ったのか――――問うとも無く】

【流石に女湯の暖簾に手を掛けようとしたならば咳払いを一つするけれど、実力行使に出る事は無い】
【微笑を浮かべて見送れば――――また、この場に一人】


「珈琲牛乳でありますか…………そういえば、随分と飲んでいなかったでありますね
ちゆ姉に見つかる前に早く行くと―――――
あ、あれ。駄目でありますよ。コレは私が好意で頂いた物で…………あ゛ー…………」

【独り言を言い終える前に、巫女装束を纏った女性が近づき、その襟首を掴む】
【――――悲しげな悲鳴を残しながら、同じく暖簾を潜って消えていく様は…………何とも、哀愁の漂うものであったそうな】

/はいな、お疲れ様でありました!
/お休みなさいませですよー!
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 12:00:47.15 ID:svqb9DHM0
【とある街――裏路地】

【夜、ほとんどの人が寝ていたり遊んでいたりするそんな時間】
【その場所には何人かの切られた死体がある】
【その死体は自警団員の死体であろうか】

『………』

【そしてそこには甲冑をして顔に面頬をつけている男であろう人物がいる】
【この男が自警団員を切り殺したのだろう】
【そして男が刀をふり血を落として刀を鞘に戻す】
【するともう一人の男がそこにいる】
【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕には通常のよりも一回り大きいブレスレットとカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見ええる人物には見えるだろう】

少々やりすぎだぞ、花嵐
『あなた様に手を出しきたので』
……まあ、データをとることができたのはいい収穫であったが

【花嵐とは甲冑姿の男のことであろう】

【血が匂う路地裏、そしてここにいる二人は目立つであろう】
【そしてもしここに人が来るのであればここにある死体とそこに立つ二人組みを怪しむのであろう】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/05(土) 14:44:17.34 ID:pPGBlIa8o
>>831
/6時頃まで再募集
/イベント/始まったら置きレススレでの進行になると思います
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 14:50:37.60 ID:svqb9DHM0
/>>878はまだ募集中です
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 16:59:02.48 ID:svqb9DHM0
/>>878を取り消します
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 17:06:20.37 ID:svqb9DHM0
【水の国――大会会場にて】

 ふむ、今日が大会の日だったな

【一人の男がぶらりと水の国の大会会場へと立ち寄った】
【黒のショートヘア】
【服装はパーカにジーンズを穿いている】
【そんな男が大会会場に来た】
【別段、怪しい様子はないようだが】

 やっぱり、見てみるのも一興かな
 どんな実力者がいるか、見てみたいしな

【そんな、ふうにつぶやき】
【しかし、あたりを見渡して】

 やばい、チケット売り場はどこだ

【どうやら迷ってしまったようだ】
【あたりを見渡しうろちょろする男、確実に目立つ】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga !red_res]:2013/10/05(土) 20:03:37.47 ID:2B0DCp6ho


【今の季節が秋だということを忘れさせる熱気だった。スタジアム周辺は歩行者天国、色とりどりの屋台の屋根が首都をカラフルに染める】
【カラフルと言えば、群衆の中に紛れている自警団―――今回の警備には相当の人員を割いているらしいが、その制服も色々な種類があって】
【それはつまり各国自警団員がこの水の国に集まっていることを意味していた。各国の協力が大会を、そしてWGFを支えているということだった】

【誰もが口の中を幸福で満たし、心地良い騒ぎが街を包むが―――その「ざわめき」の中心は決してこの歩行者天国ではなく屋内、フルーソスタジアム】
【―――丁度その会場内が揺れた。溢れんばかりの観客が囲む、殺風景な正方形のフィールドに運ばれたのは―――今回の賞品】

【金の小瓶が煌く、女神の滴。中身の滴は、どんな傷も癒すと言われている】
【淡く輝く、記憶の欠片。一見唯のピンクの水晶の欠片に見えるが、人の記憶を一部甦らせるらしい】
【中央に置かれたボウリング玉に見えるモノがマギタイト。それも最高品質。魔術師にしてみれば、喉から手が出る程の物かもしれない】
【眩しいほどの光をちらつかせるは、守護ペンダント。凄い勢いで今時の女子達がスマートフォンで写真を撮っていることから人気が窺える】

【怪訝な視線を送られている、一枚のオブラート。コレは忘却オブラートといい、過去を消去するモノらしい】
【漆が塗られているためか照明に反射して輝くは、酔いどれ神の瓢箪と呼ばれるモノ。何でも中に水を入れると絶品の酒に変わるようで】
【金属の巨大な塊2つ―――金と銀の鈍い光を発する其れはウィザーズクロムとナイツクロム。切れ味と魔力伝導率両方に優れる希少金属であり】
【その隣にも金属の塊があるのだが、此方の輝きは先程のものとはまた違って美しい。この銀色は櫻の希少金属の銀鋼しか出せないモノである】
【次に出てきた重厚な常磐色の籠手は、通称「暴風の籠手」。風を起こすこの籠手には、多くの魔力が込められているのだろう】

【最後に遅れて現れるは、どでかいボード2枚。大きく「10,000,000」と描かれたそれは、前回と同じ1000万の賞金】
【もう1枚は「番組&CM出演権」と書かれていた。1時間のインタビュー生放送と、1ヶ月限定の出演CM配信―――目立ちたがり屋には、これ程のチャンスは無い】
【全ての賞品が中央に並べられると、アナウンスが熱気の中に響いて―――大地が揺れる程の歓声に包まれたのなら】

              『それでは第3回ィッッ、水の国天下一武道会……開会式を始めますッッ!!』

【―――世界が注目する石畳のフィールドに刻むは己の信念か、圧倒的な強さか。最強を決める大会―――第3回水の国天下一武道会、ここに開幕】

/大会開始文になります! 
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 20:32:07.02 ID:zoCKFT2+o
【フルーソスタジアム 闘技フィールド上】

【数多の歓声が響き渡る大会会場】
【石畳によって造られた30m四方のフィールドの、中央から数m離れた位置】
【そこに今宵試合を行う選手の一人が存在した】


「ククク……遂にこの時が来たのだ!」
「この大会で優勝をもぎ取れば、私の野望は大きく前進する」


【そこに立っている人物は、巨躯を持つ男であった】
【身長の頃約2m。黒く分厚いコートで筋肉質な体を覆い】
【太い両腕には長さ80cmほどの棍棒をそれぞれ1本ずつ握りしめている】
【顔立ちは人形めいて無表情。死んだ魚のような目をしており、鼻下から口までを布のようなもので隠していた】

【特徴的な点は、肩口から生えた"漫画のフキダシ"のような形状をしたボード】
【先ほどの台詞は声として発されておらず】
【ボード上で黒い文字が虫のようにうぞうぞと蠢いて変化し、前後両面に表示されているものであった】


「どこの誰かは知らんが、私の秘術の前では等しく小物なのだ」
「悪いがせいぜい、私の踏み台になって貰うとしようか」


【大男――シーナは上から目線の大口を叩き】
【右手の棍棒で自身の肩をトントンと叩く仕草を見せながら】
【対面にいるであろう選手に視線を向ける】

【フルーソスタジアム、秋の大会】
【第一試合が今、ここに始まろうとしていた】


/佳乃の方、よろしくお願いします!
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 20:48:58.48 ID:rQy1xguNo
>>884

【普段はただ殺風景な石畳の矩形も、今宵ばかりは歓声を吸って熱を帯びていた】
【第3回・水の国闘技大会――――熱気に覆われた一回戦会場の中央で、目を閉じて立ち竦む姿がある】
【背丈は平均的だが、白い肌とうっすら紅に染まった頬、枝垂れるように長い睫毛が特徴的な、女子高生らしき少女】
【こんな所に来てまで、黒いブレザーにチェック柄のプリーツスカート、赤いネクタイという学生服に身を包んでいるのは、何かの意図か】
【漆で染めたように艶めく黒髪は、日に焼けてほんの少し赤紫色を差していて】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に揃えられた髪型をしている】

…………ようやく。ようやく、ここに立てたわね…………。

【右手に持つのは、少女の矮躯にはおよそ釣り合わぬ六尺ほどの長さの薙刀】
【浅い反りと波打つ刃紋、散りばめられた金剛石の破片が輝く玉鋼製の刀身――――】
【赤い縄による意匠と金箔で描かれた紋様を持つ柄で構成される、それは美しい武器だった】
【それを握り締めて俯く少女の顔は、無愛想ながらもどこか楽しげで。噛みしめるように、呟く】
【幼少の頃より武≠ニいうものを重んじてきた彼女にとって、強者と刃を交えられるこの大会は、何よりも心躍る舞台】
【自らがまだ若く、未熟なことはわかっていて。だからこそ、彼女は全力をぶつけてみたかった】

…………あなたが、シーナね。
いいわ。私の全力を以て、その余裕――――叩き斬ってあげる。

【そうして、少女――――幸徳井佳乃は、その奇妙な巨躯の男と対面するのだった】
【字面として投げつけられる挑発に、普段から無愛想な佳乃にしては珍しく、楽しげに口元をつり上げて】
【身体を半身に、腰を少し落とし。両手で構えた薙刀を突き出して、臨戦態勢をとるのだろう】
【そのまま、しばしの沈黙を経て】

――――はぁッ!!

【流れる時が、やがて開戦の狼煙を告げたのならば――――】
【迫力漲る速度で男へ接近し、その両膝を薙ぎ払わんとする少女の強烈な斬撃が、戦いの火蓋を切って落とすのだろう】
【攻撃自体は単純。若々しい闘気に満ちた突進に気圧されることでもなければ、回避はそう難しくない】
【それをわかっていての、牽制の一撃。次に相手はどのように仕掛けてくるのかと、佳乃は内心でそれを待ちわびていた】

/シーナの方、よろしくお願いします!
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/05(土) 20:53:33.06 ID:ygVEOS9po
【障害物一つ無い、正方形の石畳のみが敷かれた無骨なフィールド。むせ返るほどの歓声と熱気】
【大勢の前に晒されて、祭りの参加者として見世物となることにそれほど乗り気ではなかったはずなのに】
【常時ぼんやりと心を覆い続ける怠惰と睡魔の影から、わずかな高翌揚感が顔を出す】

【手や足が小刻みに震えて、ボリュームのある赤みを帯びたブロンズの髪から覗く色の白い顔には、頬の筋肉の不自然な硬直が】

――へ……へ、へへ

う、うわぁ…

【想定外の緊張に襲われて、この熱狂した空気に流され気分を昂める。なんとも平凡な自分自身に耐えられず苦笑いをこぼすと】
【少女は担いでいた彼女自身の身長ほどある金槌の頭を石畳の上へ乗せ、二、三度、身振りのない深呼吸をした】

【襟をだらしなく崩し、濃いクリーム色のブレザーに、紺色のスカート。覇気の感じられないタレ目。力の抜けた肩】
【身長や体格からして十代半ばほどの少女には大概不釣合いにも思えるが、プラスチックに赤と桃色の塗料をぶちまけた様なガラの】
【全体の三分の一程を占める巨大な頭の側面にはやたら曲線じみた字体で”M”と藍色のインクで描かれている――――このハンマーこそが、彼女の武器】

い、いやぁ…
なん…ていうか、思ったより、盛り上がるんだね
天下一ってだけは、あるなぁ

まいったな。気軽に参加するものじゃぁ、なかった。かな

【これいといって訛りは見当たらないが、非常にスローペースで、イントネーションと言葉の区切りがおかしな口調】
【羊のように毛先の丸まった髪をかきながら、そろそろ舞台に上がってくるであろう対戦相手の方に目をやって、肩を落とすと】
【なんとも目的や意欲性を感じられない台詞を口の端からぼそぼそと煙のように吐き出す】
【どれだけ愚痴ろうと、まさか今更ここから逃げ出そう、なんて気にはなれない。スタジアムの時計を既に開始時刻目前を示している】

【気を引き締めよう。無理のない程度に】
【ごくり、と息を飲み終えると、ようやく女はげんなりと伏せていた顔を上げた】

まぁ、いいや

それじゃよろしくね。対戦相手さん。死なない程度に、お互い頑張ろぉ
あ、よかったら、先手はどうぞ

【少女が両手で柄を引っ張ると、ハンマーの頭が持ち上がり。それは緩慢な動作で再び右肩へと担がれる】
【そして、その動作を終えた今―――――この試合は始まるのだ】

【彼女は性格上、基本面倒を好まない。いくら慣れた武器とはいえそれなりの質量のあるそれを構えるのは、必要となる試合開始直前と決めていたから】

//フォンチュンの方。よろしくお願いします!
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 21:04:28.19 ID:9UgL/h3Mo
【水の国天下一武道会――会場】


【最強を決める戦い。全世界が注目する初戦の火蓋が、まもなく切られようとしていた】
【ここから各々の戦いは始まる。刹那に散るか、栄光を掴むかは全て己の力量次第――】

【フィールドへ繋がる扉はまだ閉ざされている。その内側に、銀色のそいつはいた】
【扉越しでも十分過ぎるほどの熱気を感じながら、開幕を待ちわびるように彼女は笑みを作る】
【ガチャン――と、やがて扉が開いたなら、一度拳を合わせ気合を入れ直し】


――にゃはっ


【これまでと同じように疾走。そして跳躍】
【人の背丈の何倍もの高さに跳び上がると、くるりと回転を決めてフィールドへと着地した】
【真っ直ぐに身体を伸ばすと同時、拳を高らかに天へと突き出して、彼女は名乗りを上げるだろう】


あたいがシルバーキャット――銀猫だ!!!


【堂々と佇むのは猫の特徴を持った少女だった】
【下はデニム生地のホットパンツ、上は薄い緑のシャツ、足には運動靴という服装に】
【嘘か真か、背中に伸びる黒猫のしっぽ。そして頭には黒い猫耳がちょこんと生えていて】
【銀色の短髪にアーモンド型の大きな黒い瞳を持った――そんな風貌だ】

【武器は持ち合わせていない。それどころか完全なる生身。己の肉体ひとつで闘うつもりか】
【――さあ、あとは相手の入場を待つだけ。両者が揃ったなら、程なくしてゴングは鳴らされるはずだ】

/ということでねこやまさんの人よろしくお願いします!!
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 21:10:43.91 ID:zoCKFT2+o
>>885

「ふん、よかろう――この身体、斬れるものならばやってみるがいいのだ!」

【試合開始のゴングが鳴る】
【それと同時に佳乃の瞬足の踏み込み】
【直撃したならばそれこそ、足など容易に斬り飛ばしてしまうであろう初撃に対し】
【シーナは、ザリ……と床を強く踏みしめながら応えた】

【瞬間、シーナの足元の"フィールド"が変化する】
【足裏を中心とした半径約20cm程度が石から砂へと姿を変え】
【砂は激流の如き勢いで"流れ始める"】

【それによって起こる結果は、鈍重な見た目に似合わぬ高速移動】
【移動に合わせて床は砂の道へと変化を続け、通り過ぎれば石へと戻っていく】
【足を一切運動させずに滑るようにして行われる奇怪な動作は、例えるならば"ホバー移動"であろうか】

【斬撃に対して、シーナは後方へと身体を滑らせることで】
【コートの端を斬らせながらも回避に成功した】


「ククク……どんどん手札を見せてみるがいい」
「この場にいる以上、ただの武器術使いというわけではあるまい」

「稀代の魔術師シーナ様に対して、出し惜しみなど考えんことだ」


【回避動作の直後に、シーナは両手の棍棒をガチン!と打ち合わせた】
【瞬間、地面を伝いフィールドに魔翌力が流れ込んでいく】

【佳乃の左右の床が半径30cm程度の砂地へと変化する】
【そして、砂は腕のように姿を変えて佳乃の足を掴もうと襲いかかるだろう】
【もしこの行動が成功した場合、その場に拘束されてしまう可能性がある】

【腕の強度は軽石程度。速度も然程ではないが、力は成人男性程度である】
【反応が遅れなければ回避は難しくなく、破壊することも可能であろうか】
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 21:13:15.80 ID:DLMwHf+Eo
>>886

【歓声が溢れかえる広大な闘技場、冷たい石畳の上に立つ少女】
【彼女の向かい側から、対戦相手が姿を現した】

――危なかった、もう少しで締め切りになるところだった。

【少し癖のついた、炎のような澄んだ緋色のショートカット、ガーネット色に輝く瞳】
【薄灰色の丈の大きいやや薄手のトレンチコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いている】
【首には竜をかたどったペンダントを提げていて、額に傷があるのか包帯を巻いている】
【背中には、魔翌力を帯びた「竜の翼」と思われるものが生えている】
【そんな格好をした、14、5歳程に見える少年だ】

さて、せっかく参加するんだ、どうせなら上を目指さないとな。

【深呼吸をし、ぐるぐると肩をほぐす。戦闘準備は万端】

こちらこそ、よろしく。
それじゃ、行くよ!

【石畳を蹴り、半ば滑空するように少女のもとへ疾走】
【その勢いのまま、抉りこむように拳を突きこむ】

【――試合の火蓋が、今切って落とされた――】

/こちらこそよろしくお願いします!
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/05(土) 21:25:17.00 ID:2B0DCp6ho

【―――この感情は何時ぶりなのだろうか。命を懸け常に悪と火花を散らしてきた彼にとって、闘いに「楽しみ」という正の感情を抱くことなど久しくなく】
【故に今、男は心の中から沸き立つこのマグマのような熱い感情に何処か懐かしさも感じていた。―――通常とは違う気持ちで望む闘いに、少々の緊張と大きな期待が交じり合って】
【……その最高のモチベーションの中、男はフィールドへの扉の前に立つ。右足首には決して治らない傷。今回程入念にテーピングを固めた事は無いだろう】
【―――素早く走ることの出来ない脚。強く踏ん張ることの出来ない脚。このハンデを背負いながらも、男は激戦を乗り越えてきた―――技術と、知恵。そして少しの宝玉の力を借りて】

―――っふぅ……。 ―――……。 ―――っっしゃぁぁぁっ、行くぞこのヤロォォォおおッッ!!

【小さく息を吐き、身だしなみを整える。蒼のソフト帽を被り直し、白シャツを伸ばす。そしてその上に着た灰色のジレのボタンを確りと止める。ジーンズに隠れた右足首のテーピングの確認も怠ることはない】
【大きく息を吸い込み肺に沢山の空気を取り込んで―――そしてドアを開けた後の、咆哮。気合充分、覇気充分の男の叫びが無機質な石畳のフィールドに響き渡った】

【見開いた紺碧の双眸は深い色をしており、その奥で爛爛と熱き魂の焔を煌かせて。口元は微笑みを保ちながら、男はゆっくりと指定の位置へと脚を進める】
【首からぶら下げられた銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントが揺れる。その玉から発せされる特殊な魔力を感じ取れたなら、其れが異質なモノ―――更に勘が良ければ「宝玉」であると解るだろうか】
【白シャツの右肩部分には、緋色の鷹。今回の大会ではスカウトも熱意を注いでいるらしい「SCARLET」の一員だと言う事を示す紋章。戦う者の表情のまま、男の両手に具現化するは拳銃】

―――……「SCARLET」所属、マーシャル・T・ロウ。 戦うことしか出来ない俺が、こうやって人々を盛り上げることが出来る。
大会ってモンは、なんて良いものなんだろう……そうは思わないかィ。 ―――……ま、よろしく

【本当ならば、悪以外には向けることのない銃。それでもこの銃が人々を感動させられるのならば―――今回は、良しとしようと自分に言い聞かせた】
【両手が伸びて、右手には朱、左手には蒼の拳銃の銃口が対戦相手に向く。骨にまで響き渡るような歓声に喜びを抱きながら、男は自分の名前を告げた】
【彼から醸しだされる闘気―――何というか、じわりじわりと広がるそれには老獪さが滲み出ていて。一筋縄ではいかない相手だということを、何も言わずとも伝わりそうな程。―――そして、ゴングが鳴る】

/ヘケメトの方お願いします!
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/05(土) 21:25:49.63 ID:gLXTWQqeo
【フルーソスタジアム中央、バトルフィールド】

【集まった観衆は大いに盛り上がり、観客席からの声はフィールド上で混ざり合い、ただの音と化している】
【そんな周囲の様子とは対照的に、フィールドの上に佇む少女は至って落ち着いた様子で】

賞品欲しさに参加したはいいけど……こんな大勢に見られてると変な感じかするわね……
ま、今は我慢の時ね。勝って“アレ”を手に入れる、それまでの辛抱よ

【ドレスと甲冑の間のような、所謂鎧ドレスを身に纏い、尾の様な銀髪を揺らす少女】
【彼女―ゼリシュはフィールドの端から数歩程の所に立ち、右手の長剣を地に突き刺す】
【そして左手に持った短剣をクルクルと手の中で弄びつつ、鋭い蒼の瞳を細めて】

……ところで、あんたは何の為にこの大会に参加したわけ?
名誉?お金?賞品?それともただ、戦いたいだけとか?
―――ま、何でもいいけど

【相手となる彼に投げ掛ける質問―――特に意味は無かったようだが】

【ただ、そんな事を言いながらも彼女は突き刺したままの長剣を引き摺るようにして】
【ずるずると彼女から見て左の方へ、床に傷を刻みながら歩いていく】
【そして端まで行けば、石畳の中を切り進んでも尚傷一つ付いていない長剣を引き抜いて】
【それから再び彼の方を向きつつ元居た位置へと歩いていく】

さてと、今見た通りこの剣はよく切れるわ。けっこう痛いと思うから覚悟しなさいよ?
って、こんな大会に参加してるんだから言うまでもなかったかしら?

【刃からほのかな光の魔翌力を滲ませる双の剣を構え、彼女はニヤリと笑った―――】




/狂死郎の方宜しくお願いしますー!
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/05(土) 21:28:59.12 ID:2B0DCp6ho
>>890修正

【―――この感情は何時ぶりなのだろうか。命を懸け常に悪と火花を散らしてきた彼にとって、闘いに「楽しみ」という正の感情を抱くことなど久しくなく】
【故に今、男は心の中から沸き立つこのマグマのような熱い感情に何処か懐かしさも感じていた】
【―――通常とは違う気持ちで望む闘いに、少々の緊張と大きな期待が交じり合って】
【……その最高のモチベーションの中、男はフィールドへの扉の前に立つ。右足首には決して治らない傷。今回程入念にテーピングを固めた事は無いだろう】
【―――素早く走ることの出来ない脚。強く踏ん張ることの出来ない脚。このハンデを背負いながらも、男は激戦を乗り越えてきた】
【―――技術と、知恵。そして少しの宝玉の力を借りて】

―――っふぅ……。 ―――……。 ―――っっしゃぁぁぁっ、行くぞこのヤロォォォおおッッ!!

【小さく息を吐き、身だしなみを整える。蒼のソフト帽を被り直し、白シャツを伸ばす。そしてその上に着た灰色のジレのボタンを確りと止める】
【ジーンズに隠れた右足首のテーピングの確認も怠ることはない】
【大きく息を吸い込み肺に沢山の空気を取り込んで―――そしてドアを開けた後の、咆哮】
【気合充分、覇気充分の男の叫びが無機質な石畳のフィールドに響き渡った】

【見開いた紺碧の双眸は深い色をしており、その奥で爛爛と熱き魂の焔を煌かせて。口元は微笑みを保ちながら、男はゆっくりと指定の位置へと脚を進める】
【首からぶら下げられた銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントが揺れる】
【その玉から発せされる特殊な魔力を感じ取れたなら、其れが異質なモノ―――更に勘が良ければ「宝玉」であると解るだろうか】
【白シャツの右肩部分には、緋色の鷹。今回の大会ではスカウトも熱意を注いでいるらしい「SCARLET」の一員だと言う事を示す紋章】
【戦う者の表情のまま、男の両手に具現化するは拳銃】

―――……「SCARLET」所属、マーシャル・T・ロウ。 戦うことしか出来ない俺が、こうやって人々を盛り上げることが出来る。
大会ってモンは、なんて良いものなんだろう……そうは思わないかィ。 ―――……ま、よろしく

【本当ならば、悪以外には向けることのない銃。それでもこの銃が人々を感動させられるのならば―――今回は、良しとしようと自分に言い聞かせた】
【両手が伸びて、右手には朱、左手には蒼の拳銃の銃口が対戦相手に向く。骨にまで響き渡るような歓声に喜びを抱きながら、男は自分の名前を告げた】
【彼から醸しだされる闘気―――何というか、じわりじわりと広がるそれには老獪さが滲み出ていて】
【一筋縄ではいかない相手だということを、何も言わずとも伝わりそうな程。―――そして、ゴングが鳴る】

/ヘケメトの方お願いします!
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 21:38:55.59 ID:rQy1xguNo
>>888

土使い…………!

【振り切った薙刀に、しかし手応えはなく】
【地面を溶かしながら移動しているかのような奇っ怪な動作に、佳乃は思わずそう呟いた】
【見た目に反した機動力に、佳乃の思考は自らの足だけであれを捉えるのは難しいと判断し】
【その直後、自らの周囲のフィールドの異変にも感づく。彼女がとる行動は――――】

――――ッ!

【――――それがどうしたと言わんばかりの、猪突猛進な疾駆だった】
【風を突き破るような全力疾走。それで砂の腕を置き去りにすると同時、シーナへと追い縋ろうとする】
【無茶な突進で不意をつき、それで接近に成功したのなら、佳乃は薙刀を大きく構えて】
【それで放たれるのが先程と同じ横一閃の斬撃なら、シーナの滑るような移動法で回避することは簡単だが――――】
【その瞬間、佳乃の身体から何か神聖≠ネ光が薙刀に注ぎ込まれるのがわかるだろうか】

白刃龍紋流・壱の太刀――――『一矢』!

【そうして、シーナの胴体を横に一閃するよう振り切った薙刀から、その軌道に沿って真横に一メートル程の光の刃が形成される】
【邪を払い生を護る、聖なる神の力。神気≠ニ呼ばれる力で作られた、飛翔する斬撃】
【薙刀自体の斬撃が回避されたとしても、高速で飛ぶ斬撃がシーナを追撃する。二段構えの攻撃というわけだ】

【――――さて、佳乃の扱う"神気"は、斬撃によるダメージに加え、相手によって二種類の追加効果を発揮する性質を持つ】
【妖怪や悪魔、ゾンビや吸血鬼などの妖魔に対しては浄化=Aそれ以外の普通の生物には治癒≠フ効果が発動し】
【浄化≠フ場合、斬撃による怪我に加え、激痛を伴う『火傷のような追加ダメージ』がその部位を襲い】
【治癒≠フ場合、斬撃による怪我の程度自体は変わらないが、その怪我による痛みが戦闘終了まで幾分か軽減される】
【また、相手が無機物であるならば、これらの効果はどちらも発揮されず終わるだろう】
【シーナにとって有利な効果か、はたまた不利な効果か、それとも何の効果もないか。それらはシーナの正体次第だ】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/05(土) 21:39:25.62 ID:pPGBlIa8o
>>890

【入場口から聞こえてくる重く早い足音は、やがて姿を成す】
【それは、ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

「ヒャッハー、戦いだァーッ!!」

【……それが、勢い良く入場口から出て来たと思えば】
【まずは勢い良く跳躍しつつ、空中で軌道を変えて壁に貼り付き、そのまま三角飛び】
【ゴングも鳴らされていない間にロウの方へ跳んでいった……が、空中で無数の棘を背中に生やし――滑空】
【上空を通るものの衝突はせず、そのまま相手側の入場口まで勢い良く飛んでいき、また三角飛びをすれば】
【再び自分の方の入場口までとんぼ返り。――そして、何事もなかったかのように、しかし翼はそのままにフィールドの前に降り立つ】

「準備運動完了ッ! よろしく頼む……っぜェーッ」

【さて、これだけ勢いが良ければさぞかし威勢も良いのだろう――と思いきや】
【ロウの持つ二丁の銃を今更眼にすれば、あからさまにこわばった顔――喩えるならば、ライオンを目の前にしたシマウマの様な、そんな表情を見せる】

「……俺、銃とかそォーいうの苦手っというか怖いというかなんというかよォー」
「いや、普通のやつだって怖いだろうけどよォ〜、そォーいうのとは違うんだよ、"ぶつぶつ"が出そうなんだよ、だからとにかく駄目なんだ駄目!」

【しかし、マイナスだった表情はすぐさまプラスにへと変わる。理由は勿論――】

「だァーがッ!」
「それ以上に俺は"バトル"がだァーい好きだッ!」 「と、いうわけで、さっさとやるぞかかってこォォーーいッ!」

【がしっ、がしっ、と、両拳を叩きつけてやる気を思う存分アピールし】
【そして、彼はゴングがなるやいなや、我先にとフィールド内へ脚を踏み入れたのであった――】
【さて、勿論只者ではない上、明らかに"近距離タイプです"という主張をする見た目――どう立ち向かうか】

/ヘケメトです、よろしくお願いいたします
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 21:40:14.13 ID:CKEdrpTI0
>>887

【水の国、第3回天下一武道会―――予選、第1回戦。】

【"最も強いヤツは誰か―――"】
【至って明快な問いに決着を付ける大会が、今始まろうとしていた。】

【そんな事は他所に、待機室で水分補給と言いながら、少し冷えたスポーツドリンクをチューチュー吸いつつ、】
【フカフカの椅子に深く座って。全世界が注目する大会の予選とは思えない程、のんびりとしている姿が、一人。】
【丸で緊張感の無い少年が、此れから始まる予選の選手なのだった―――】

【―――やがて、左右の屈強そうな男によって開かれたのは、ヤケに大きく立派な扉。】
【唸る様な低い音と、蝶番の軋む音を立てながら、少年の眼にゆっくり、ゆっくりと光が差し込み―――】


……うっわ、こんなに、人、おんのかいな……なんか、戦いづらいなー……
まあ、大体、分かってたんやけど……実際に見たらー、ってやつやなー……

【右、左をチラリチラリと見て。緊張しながらも、少年はフィールドの中央へトボトボと歩く。】

【新調したのであろう真っ白な綿製の道着を着て、腰に締められているのは、真っ黒な帯。】
【少し短い黒髪に、黒曜石の様に透き通った黒い目。―――最も、今の目線は随分と泳いでいる事になるが。】

【―――白と黒のコントラストが映える。シンプルで居て、洗練された其の身形は、】
【少年のスリムで有りながらしっかりと筋肉の付いた、靭やかな身体つきを一層引き立たせるのだった。】


【さて、既に待ち構えていたのは、猫耳にシッポが目立つ少女―――】
【其の姿に少々苦笑いを見せたが、其れも一瞬の出来事。真っ直ぐな眼を少女に向けたなら、】
【右腕を前に突き出し掌を空に向けて。指先をクイクイッと挙げるジェスチャー。】
【―――『かかって来い、』という意味なのだろう。少年は腰を少し低く据え、相手の出方を待っている様だ。】

/本日はよろしくお願いします!
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/05(土) 21:45:50.38 ID:ygVEOS9po
>>889

【壇上へ上がってきた対戦相手は、少女より若干年下だろうか。どこか幼さの見える少年だった】
【短めの赤髪にぎらつく瞳。額の包帯。そしてなにより背中に生やした対の翼が目に焼きつく】
【もしや竜人種か。しかしそれを問いかける間もなく、少年は行動を開始した】

【それもそうだ。少女は確かに相手に先手を譲った。しかもそれに加えて試合はとっくに始まっている】

…うぎっ!?

【ぐん、と一気に距離が縮まる。気づけば少年は既に腕を突き出す動作に入っており】
【とっさにハンマーを振り上げたが、いささか反応が遅れたためか迎撃に振り下ろすには間に合わない】
【口篭ったような、悲鳴。少年の拳は強引に身体をねじり、なんとか直撃を避けようとした少女の脇腹をかするように抉った】
【冗談でも笑えないほどのにぶい衝撃が全身を駆ける。なるほど、年相応の筋力ではない。鈍器にいっさいひるまず肉弾戦を挑んでくるだけはある】

【少女は歯を食いしばった】

【武器は既に上へと持ち上げられている。痛みに負けて両手を離しさえしなければいい】
【足を前に踏み出して、すれ違いに一撃を貰ったフォンチュンへなんとか狙いを定め】
【後は少し力を加えてベクトルを変えてやれば、振り上げたハンマーは日光をうるさく照り返しながら、彼女の全体重とおのが質量をのせて】
【場の大気を押しのけながら】

おぉ…

か、

えぇぇええ―――し。

だぁあぁぁあっ

【パンクした自転車のように気合を感じない少女の、ネジの抜けた叫び声もどきと同時に】
【重力任せに―――少年の胴体へと叩き落とされる!】


【片足を軸として、相手の拳の衝突する位置をずらす、瞬時的な回避運動の後、すぐに取り掛かった攻撃のため、地盤は十分ではない】
【しかし、彼女の持つハンマーの長所はなによりその質量】
【それが直撃すれば、どういった威力の衝撃を生むのか。想像は容易だろう】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 21:57:54.08 ID:vnVO1dsjo
>>891
【少女の笑みに答えるかのように、相対する男もまたニヤリと笑みを返す】
【20歳前後といった年頃のその男、表情といい仕草といいどこか不敵な印象を受けるだろうか】

僕が大会に参加した理由?そうだね……ま、君と同じく賞品狙いさ
それから後は自分の実力がどれほどのものかを試したいって考えもないことはないかな?

【彼は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】
【少女から見て対角線上、対称になるようにフィールドの端から数歩の場所に立っている】

【彼が手にするのは陰陽一対の双剣、左手の白剣を盾代わりに伏せ、右手の黒剣の切っ先を少女へと向けている】
【奇妙なのはこの双剣、何故か左右の長さが全くの同一なのである】

――――へぇ、いい切れ味じゃないの。
この場所では意味がないだろうけど……

【それに重ねて奇妙なのはこの青年、どこからどう見ても人間であることに代わりはないのだが】
【何故か“妖気”とも呼ばれる魔族が持つものに近い魔翌力が感じ取れるのだ】

それに比べて僕の剣は切れないぜ?それはもう全くといって良いほどに。
けれども試合に勝つのに切れ味なんて必要ないのさ。見ておきなよ……

【そう言って青年は陰陽の双剣に魔翌力を込め、青い光のようなものを纏わりつかせる】
【これが青年曰く“安全装置”、その切れ味を極限にまで鈍らせる】

それでは始めようか?
玉藻狂死郎――――推して参る!!

【次の瞬間、青年――――狂死郎は少女に向かって駆け出すと、右の黒剣を大きく振りかぶって】
【そのまま全力の力を込め、少女の腹部を狙い、距離を詰めながら投擲を行う】
【縦方向への回転を行いながら少女に迫る黒剣は、彼の言うとおり切れ味は殆どない】
【その代わり、全ての切れ味が命中時の衝撃へと変換され、まともに当たれば後方へと吹き飛ばされてしまうだろう】

【同時に黒剣を手放して右手側のコートの袖からは1枚の札が顔を覗かせ、追撃の頃合を見ている】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 21:59:48.20 ID:9UgL/h3Mo
>>895

【向かいの扉が開く――やがて現れたひとりの少年】
【緊張しているのだろうか、少し覇気がないように見える】
【そんなことでは力を完全に出しきることはできない。初戦は難なく突破できるかと、銀猫は思った】


ねこやまさん……って聞いてたからあたいと同じ猫っぽい人かと思ったら違うんだね
でも何か親近感が湧くにゃ。手加減はしないけどね!


【ひとりごとのように言ったすぐ後にゴングは鳴った】
【先手はきっとねこやまが取れただろう。けれど、彼は動かなかった】
【そればかりか不敵にも――】


へぇ――楽しくなりそうだにゃ
じゃあ遠慮なく行かせてもらうよッ!


【その動作が――余裕の表れが、彼女の闘志に火を付けた。難なく突破などとはもう考えなかった】
【歯を剥き出しにしてにっと笑うと、彼女は地面を蹴って距離を縮めようとするだろう】
【準備運動は済ませてある。最初っから全力。羽のように軽い身体は、凄まじいスピードでねこやまへと迫るはずだ】

【拳が届く範囲まで近づけたなら、勢いはそのままにボディーブローを放つはずだ】
【小手調べの要素が強いが、速度のついた拳は結構な威力を持つ。甘く見ると痛い一撃をもらうことになるだろう】
【しかしそのせいでカウンターを狙いやすくなっているのも事実。真っ直ぐ過ぎる攻撃は、それなりの隙がある】
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/10/05(土) 22:03:25.37 ID:0Ih9Wbf60
【水の国天下一武道会 フィールド上】

【石畳で作られた30平方メートルのそのフィールドの上に、一つの人影】
【普段はポンチョで身体を覆っているが、今日はなにも身に付けていないが、裸ではなく】
【その身体はロボットに良く似ていて、無機質なそのボディは灰色の装甲で覆われている】
【唯一、顔はソンブレロという帽子で隠していたが】

さてェ、大会とはなかなか良い空気だ
昔を思い出す………

【その機械が歓声で聞こえない様な声で呟けば、頭の帽子をフィールドの外へと投げる】
【帽子の下にあった顔が現れれば、これまた機械のような顔で】
【目はライトの様、口や鼻、耳らしきものは付いていない】

【察しが良ければ、これが人型マインドだと分かるだろうか】
【だが、本体はどこにも見当たらない、何故ならマインド自体が本体だからである】

良し、対戦相手よ、何処からでも来るが良い
フハ!フハハ!

【ロボットのイメージではない渋い声の後に、独特な高笑いが響く】

/ゴールドマンです、銀狼の方、よろしくお願いします!
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 22:04:09.82 ID:zoCKFT2+o
>>893

「ほう、臆せず攻める判断は正解といったところなのだ」
「しかし、馬鹿の一つ覚えの攻撃など、私に通用はせ――」

【砂の腕は、佳乃の行動によって空振り】
【そのままフィールドに"潜るようにして"姿を消していく】

【佳乃の突進は不意を付いたものではなかったが】
【慢心か否か、シーナは即座に範囲外に離脱することなく】
【斬撃の軌道ギリギリを取るようにして右手方向に滑り込もうとし】
【横合いから棍棒で殴打することを目的として動くが】


「――むぅっ!?」


【薙刀から放たれた追撃の光の刃がシーナの計算を狂わせた】
【光の刃は大男の胸板を大きく切り裂き、攻撃動作がズレて空を切る】
【シーナは歪な軌道を取りながら、佳乃の左方を高速で通り過ぎ】
【3m程度の距離を置いて反転した】

【手応えはある。恐らく常人であれば戦闘に大きく支障が出る当たりであった】
【しかし、佳乃は違和感に気づくだろうか】
【フィールドには本来飛び散っているはずの"血"が無く】
【ポツポツと砂の塊のようなものが散らばっている】

【そして、シーナの胸板にはコートを切り裂き筋肉まで達した傷があるが】
【そこからも流血はなく、まるで石像を刳り貫いたかのような非生物的な疵痕が在った】
【治癒、あるいは浄化の効果があったかどうかは、見た目には判断が難しい】

【見た目とは違い幼さを感じさせる口調】
【出血をしない奇妙な体】

【地属性の使い手――それに対する知識があればその正体に気付くこともできるだろうか】
【目の前にいる"大男"は、地属性としてはポピュラーともいえる存在であった】


「なるほど、見事な技と褒めてやるのだ」
「しかしこの身を沈めるにはまだまだ浅い」

「今度はこっちから行くのだ――さあ、次の手品を見せてみるがよい!」


【シーナは、棍棒を振りかぶりながら前方に向けて高速移動を開始する】
【もしシーナが佳乃から1.2mほどの位置まで到達した場合】
【佳乃から見て左方へと鋭くルートを変更し】
【佳乃を中心とした時計周りを取りながら変速軌道で攻撃を行うだろう】

【行動が成立した場合、シーナは佳乃の左肩を棍棒で打ち据えようとする】
【"シーナ"は見た目通りに高い膂力を持つ、直撃した場合相応のダメージを負う可能性がある】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/05(土) 22:06:18.40 ID:2B0DCp6ho
>>894

―――……!

【奇妙でありながらも身軽な躍動を見せて向かってきた相手には、一瞬眉を顰めるも手足が動くことは無かった】
【空中を進む彼の背中に起こった変化。そしてそれと同時に軌道も変化し―――ロウに衝突することもなく、彼を飛び越えて】
【―――後に、その人物は戻ってきて指定の場所に脚を止める。……成程、そういう能力か―――と男は笑った。苦笑いだ】

何だよ勘弁してくれよ……ごっつい割にはええし、棘……は痛そうだし。俺は痛いのマジ無理なんだよ、注射とかも怖くてさ……
―――お? アンタは銃が嫌いってわけか? 

(近距離に持ってかれると危ねぇが……空中で軌道を返る―――となると機動力も持ち合わせている……怪我無しには帰れないのは確定)
(第一無傷で帰ろうなんて激甘なコトは思っちゃいねぇけどな……!)

【冗談っぽく男は言いのけて肩を竦めるが、相手の顔色を伺ってみるとその反応が以外だったようで】
【少し悪戯な笑みを浮かべて銃を1回転、くるりと回す。そんな少々のトークの間にも、脳内は現在から勝利の道筋を描こうとしていた】
【悟られない程度に、軽い観察。自分とは異なり理論というより本能で戦うタイプだろうか―――などと、感じ取った事からの相手を描き出す】
【その中でも最もインパクトがあったのは―――】

―――ああ、戦闘狂……ってヤツね。その方がやりやすい……! ―――何せ、一番相手にしてるタイプなんだからなッッ!!

【やる気マンマンだと言う事。そういう感情を利用したファイトはコレまでに経験がある―――故に、唯一のプラス要素だろうか】
【―――そして鳴り響くゴング。彼のポジショニングは中央よりやや後ろ。距離を取りながらもリングアウトをケアできる位置取り】

【相手から目を離すこと無くゆっくりと移動しながらも、右の拳銃から1発弾丸を放つ。響く轟音、狙いは―――前進する相手の右脛】
【直線的な軌道は猛者ならば躱すことは難しくないだろうが―――弾丸を意識できなければ多少困難だろうか】
【ガンガン攻めてくるだろうとの読みから、1歩前に出た脚を撃ち抜かんと弾丸が空を裂いて襲いかかる―――!!】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 22:16:31.39 ID:CKEdrpTI0
>>898

んー。あ、泣いたら、ねこっぽいってよう言われるでー。
……うーん、俺が負けたら、泣いてやるわ。せやから、頑張って勝ちやー!

【初手を譲った少年は、矢張り余裕を崩さない。其れ所か、少女を少しおちょくって見せて―――】
【ニンマリと笑った顔は、彼女の火の着いた闘志に、油を注ぐ結果となっただろうか。】

【少女は一歩を踏み込む。避けられるギリギリのタイミングまで、少年は身体の動きを止めていた―――】
【其間、相手の走法を、其の際の腕から指先にかけての動きを、ジックリと観察して。】
【"其の時"が来たなら、左足を後ろへズラす事で身体の向きを変えて。丸で闘牛士の様にヒラッと躱すのだった。】

【と、同時に少年は身体を後ろへと反らし―――足で"空"を蹴り―――!】
【身体の重力を吸収した腕は、寧ろ其れをバネにして―――少女が元いた場所へ、2,3回と"バク転"を披露した。】
【結果的に、少年と少女の間には、試合が開始された時と同じ距離の間合いが出来る事となった。】


……っとと、けっこう、速いなあ。何か、動きは、其処まで、変わらへんやん。ああ、だから"面白く"なりそうなんか。
―――ほな、じゃあ次は、こっちからいくでー!ちゃんと、避けてやー!

【右足を踏み込んだ瞬間、少年の身体には速度が帯びて―――曲線を描きながら間合いを一気に詰めていく……!】
【少女から5m程離れた所で跳躍。軸がブレる事無く身体は回転し―――突き出た右足は、少女の"首"をピッタリ捉えていて―――!】
【石畳上の、"トリプルアクセル"―――足を踏み出してから捉えるまで。其れは一瞬の出来事であったが―――】
【此れは悪魔で、少年にとって"挨拶"に過ぎない。助走が在った事も含めて、少女の身体能力なら、回避は容易である筈だ。】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 22:19:32.61 ID:DLMwHf+Eo
>>896

(ちょっと逸れたか)
(でも、幸先いいぞ)

【拳はクリーンヒットとはならなかったが、少女のリアクションから無視できぬダメージを与えたことはわかった】
【悪くない、このまま押し切れば――】

【しかし、残念ながらそこまで上手く事は運ばない】

【高く掲げられた巨大な鈍器が、少年を見据えた】

……うわ、危な――

【残った勢いのままに前方へ飛び込み、ハンマーを回避する】
【しかし、先ほどの攻撃を成功させたほんの少しの慢心からか、回避が遅れ】

――つぅっ!

【飛び込んだ瞬間、ハンマーの頭が、少年の足に食らいついた】
【幸い石畳にたたきつけられる寸前に脱出したが、足に受けた打撃はかなり痛い】

く、う……

【足に力が入らない。立ち上がろうとし、膝をつきかける】
【しかし、ここで倒れるほど彼はやわじゃない】

【翼を広げ、身体を持ち上げる。痛む足を心の中で叱責し、地に足をつける】

……まだ、だよ。
まだ一撃。まだやれる……!

【足と翼の力で地を蹴り、拳を少女の顔面に叩き込む】

【先ほどの一撃のおかげで、勢いはやや弱い。回避は不可能ではない】
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/05(土) 22:26:04.06 ID:btmK4cA/o
>>899

……ちくと騒がしすぎるのう、この会場は
盛り上がるのは分かるがもうちいっとばかし落ちついて…──

──ま、無理というものか。内心儂も楽しみじゃ
誰が、どのように、そして何故この銀狼と争うのか……
世界中の飯もそうじゃが、人は心躍る事をよう考えつくものよ

【相手の彼──ゴールドマンが入場するのを、『観客席から』眺める獣人が居た】
【其は狼。長めの髪にひょこりと動く獣の耳、なにより特徴的な2mもの長い尻尾】
【その全てが白銀に染まった彼女は、ひどく薄手の格好をしていた】

【上は肩も腹部も露出したタンクトップに透けた羽衣。下は動きやすそうなハーレムパンツ】
【手足首にはアクセサリーなのか鉄輪をはめていたが、他に持ち物は一つもなく】

さてさて、あれが今宵の相手かの。人ではないが、同族でもない
何か特別な存在、とでも言ったところだが……

……今、言うたのう。どこからでも来い、と……?ふふっ

【──直後、その半人半獣は完全な獣と化した。白銀の、尾の長い大狼へ】
【どよめく場内、そして其れを尻後目に観客席より、ゴールドマンの背後より】

【彼女は、獣は飛びかかる。不意打ちだ──が、爪は剥き出しにはなっておらず】
【もしも奇襲が成功したのなら、狼はその自慢の尻尾で相手の後頭部をピシャリと打ち】
【そのまま頭上を飛び越して、挑発的に蒼い瞳を向けるだろう、波乱の幕開け、という奴だ】


【────尚、一応補足しておくと騒ぎに気付いて避けることは可能だし】
【そうなれば、挑発的な視線は悔しそうなそれへと変わる、ということは伝えておこう】

/よろしくお願いしますっ!
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga ]:2013/10/05(土) 22:29:11.14 ID:gLXTWQqeo
>>897

確かに、殺しちゃいけないから切れ味は無駄、かもしれないわねえ……
だけど、生憎こっちは切れ味の加減は出来ないから―――死なないように頑張って頂戴

【切れ味を落とした彼の刃―――対照的にこちらは素の切れ味のまま】
【とはいえ、殺そうと意気込んで来たわけでもないが】

えらく真っ直ぐ来たわね……と言ってもまだ小手調べってとこでしょうけど……!

【彼女の持つ短剣には加護の力がある。身体に触れている間、所有者の身体能力を向上させる力が】
【それは腕力や敏捷性だけでなく、視力などにも影響して――】

【ガキン―――と音が響き、黒剣が高く後方、リング外へと跳ね上げられる】
【少女が回転に合わせるように逆手に持ち替えた短剣をぶつけ、軌道を逸らしたのだ】

ああそうだ、言い忘れてたんだけど―――

【そのまま長剣を左腰の辺りに構え、向かって来た彼に対して踏み込みながら逆袈裟に切り上げを放つ】
【刃が纏う光の魔力が、微かながらも光の軌跡を刻み、そして―――】

火も出るから気をつけた方がいいわよ?

【刹那の後、その軌跡をなぞるように炎が走る】
【それは宝玉の力、欠片ではあるが長剣の内部に取り込んだ宝玉の魔力である】

【尚も短剣は体の近く、防御に備えたままで】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 22:30:31.04 ID:rQy1xguNo
>>900

【放たれた光の刃の手応えを、佳乃は感じるが――――】
【飛び散ったのは、血ではなく砂塊。治癒≠熈浄化≠焉Aその効果は感じられず】
【相手の種族によって効果を変える攻撃は、言い換えれば相手の種族をはかる攻撃だ。佳乃はその結果にしばし頭を巡らせ】

土製の、動く無機物…………。
――――ゴーレム、というやつかしら?

【そう詳しい知識があるわけではないが、手元にある情報をまとめて、推測を口にする】
【それが正しいのであれば、この巨躯を操作している者がいる可能性が高い。では、果たしてどこいるのか?】
【単純に考えれば――――】

…………くっ…………!

【思考はいったん、そこで中断される。摩擦を感じさせない、滑るような高速機動――――その本領が、佳乃の頭の中で警鐘として鳴り響く】
【迫ってきた巨躯は、唐突に左へ方向転換。その速度に変則的な軌道が合わさり、佳乃はまんまとそれに惑わされて】
【咄嗟に構えた薙刀で、棍棒の一撃を受け止めるが、その対応はやはり遅れてしまった】
【振り遅れた分完全には防げず、薙刀伝いに肩へ伝わる衝撃が、痛みとして佳乃を蝕む】

――――発<b!

【力負けした今の体勢では反撃に転じられない、と踏んだ佳乃は、後方へ飛び退いて距離を取ろうとし】
【その途中――――左の太腿に取り付けられたホルスターから、いわゆる棒手裏剣と呼ばれるものを引き抜く】
【柄の部分に和紙の札のようなものが巻き付けられたそれを、佳乃はシーナの右肩めがけて投擲するだろう】
【火符≠ニいう特殊な札が巻き付いた棒手裏剣は、何かにぶつかれば起爆して小爆発を起こす。シーナに当たったなら、その部位の土を削ぐだろうか】
【もちろん、そもそも当たりもしないのなら何の意味もない。回避が最も有効な手段だ】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/05(土) 22:33:14.22 ID:pPGBlIa8o
>>901

「そォーなんだよォ〜、よくわかんねェーけれど銃怖ェーんだよ」
「特に"眼"に向けられた日には、もォー、……わけわかんねェーや」

【ここやで、トントン――と、"右目"の下の方を指で数回軽く叩きつつ、茶化すように言いつつも――】

「……だけどよォー、わりと簡単なかわし方くれェーは知ってるぜェーッ!!」

【怖いからこそ警戒する、――常に"銃口"がどの方向を向いているか、それを観察しており】
【引き金が引かれようとする寸前に、その方向と軌跡を予測しつつ跳躍】
【おそらく本人的にはあまり深く考えてはいない、ただ"経験上"こうすれば良いだろう――という本能的な面も少なからずあるだろうか】

「ヒャッハァーッ!」 「あんたは多分近づかれたくないタイプっぽいし、そして俺は離れたくないタイプだァーッ!」
「つッ、まッ、りッ!」 「……近づかせろォォオオーーーーいッ!」

【そして、行動はまあまあ予想通りだろう、跳躍中に、ロウの銃に向けてそれぞれ2本の棘――】
【速度も強度も大したことはない、当たっても人ならば数mm刺さる程度のそれを飛ばしつつ】
【着地すれば、彼に向けてガンダッシュ。】 【もし、接近に成功すれば――】

「この翼は滑空にしか使えねェーわけじゃあねェーぞッ!」
「くらえェーッ!」 「ニードルウィング……ブロォォーーウッ!」

【右腕に、右翼を纏わせる――いわゆるハーピーの様な状態にすれば】
【その右腕を、ロウの胴の高さを、ロウから見て左から右へ薙ぐようにして振るうだろう】
【棘の向きはある程度の調整が効くようで、この時は逆向き。つまり、先端はロウに向いている】
【おそらくは、おろし金なんて比ではないだろうか……下手に当たらないほうが良さそうなのは言うまでもないが、範囲は広め】

【そして、この行動は、何かしらの妨害――攻撃などによって、接近ごと防ぐことが可能だ】

【なお、いずれの棘も、強度は大したことはない。撃ち抜けば容易く砕けてバラバラと落ちるだろう】
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 22:35:07.74 ID:gpT0cPhM0
「ねえ、こういうときって、どうすればいいのかな、ああごめん、ずっと話してばかりだったね、もうそろそろ話を聞きたいかな、って」
「あっそうだ、ごめんなさい、こんななれなれしい口調で、怒らせ、ました?」

(閑古鳥でも泣いていそうな、真昼とは醸し出す雰囲気の違う公園には、二人の人がいた)
(一人は、色の濁り、擦り切れた後が所々に見える服を着た、所謂浮浪者のようなもので)
(もう片方は白いスーツに似た服に、黒い髪、背丈や声の高さ、幼さの残る顔から表現するには少年≠ニ呼ぶのが適切のようだ)

「何でそんな、ここにはお酒もありますし、ああこれ買うの大変だったんですよ、何てったって僕未成年ですから、せっかくですし先にどうやって買ったか、から話しましょうか?」
「といってもそんなに難しい事じゃ、あ、ちょっと、ちょっとー!」

(表情を伺えば、愉快に話す少年と、顔をおびえさせる浮浪者の男、どうにも、一人でに話を進める少年に恐怖を覚えたようで)
(それにも気にせず話を進めていた少年に我慢の限界で、走って逃げていく)
(少年が呼び止めるように声をかけ手を伸ばすも、それも無意味で気づけば視界の外)
(近くを通りかかった人からは、必死に公園から逃げる浮浪者の奇妙な姿が見えるだろうか)

「あー、駄目だ、駄目だ、どうすればいいんだろう」
「なんだろう、まだ一歩も前に進めていない気がする、これじゃあクロお姉さんとあわせる顔もないっていうか」
「なんっていうか、こんなんじゃお仲間さんにあった時も、あきれられても仕方ないっていうか」

(誰もいない空間で呟く、傍らにはワンカップ、どうにも常識の欠片はあるようで、それが尚更恐怖を煽ったのか)

「綺麗な月が出てたから、今日はうまくいくって思ったんだけど、僕は文学的じゃあないのかなぁ」

(もし、慌てた様子の浮浪者を気になったりとか)
(独り言を呟く妖しい服装の少年を見たりして、興味が出たのなら、近づいてみるのもいいかもしれない)
(それだけで、少年は勝手に話しはじめるのだから)

/http://www53.atwiki.jp/nrks/pages/579.html こちらのキャラです
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/05(土) 22:42:06.54 ID:8LKPa4eJ0
【――――水の国 第3回天下一武道会 会場】

【突如、1回戦第7試合の対戦フィールドに、どこからともなく暗闇が立ち込める】
【10m先も見通せない様な濃い闇に包まれて、観客は漠然とした不安を感じてか、さざなみの様なざわめきを発していた】
【だが――――暗闇が発生したのと同じように、そのフィールドの中心から、突如闇を切り裂く光が閃いて、立ち込めていた暗雲を吹き飛ばす】

――――へへっ、前回初戦負けって事で、舐められちゃあ嫌だからよぉ……!
助かったぜ、セコンドにお前がついてくれてよぉ……このパフォーマンスで魔力を消耗するなんて、無駄も良い所だからなぁ……!
「……だったら最初からパフォーマンスなんてしなければ良いんだよ……?
この為にわざわざ手前を巻き込んだいのかい?」
いやいや、威勢を良くしてなきゃ、前回の負けは払拭し切れねぇだろうからな……!
それに……入賞すれば儲けは折半だって言ったろ? 俺らの良い宣伝にもなるしよ……それに、舞台装置じゃねぇんだ……セコンドとして、真面目にアテにしてるんだからよぉ?
「……そうかい。なら、手前も善処させてもらうよ……」

【暗雲を払った光の、発生源と思われる場所には、2人の人影が立っていた】

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫】

【そして、そのセコンドと思われる、似た服装の、中性的な整った容姿をしている、身長160cm前後の青年】

【フィールドに居丈夫だけが残り、青年はすぐさま身をひるがえして、フィールドの外へと飛び出す】
【この一種の演出は、恐らくセコンドである青年の方が担当したのだろう。魔術師然としたコートとハットが、今起きた現象を裏打ちする】

……さあ、見かけ倒しになるつもりはねぇぜ!?
例え負けるとしても『熱く』だ! しょっぱい様は見せねぇから、お前らも楽しめよなぁッ!!

【フィールドに残った居丈夫――――レグルスは、周囲を囲む観客席に向かって声を張り上げながら、両手に構えた棍を振り回す】
【――――前大会、1回戦で敗れはしたものの、魔術と体術を共に駆使してパワフルな戦闘を披露した、豪快な『魔法戦士』】
【その前回の結果を払拭しようと、相棒を引き込んだパフォーマンスすら披露し、再びこの舞台へと帰ってきたのだ】

【――――目指すのは、勿論の勝利】

/レグルスです。よろしくお願いしますー!
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 22:45:46.44 ID:9UgL/h3Mo
>>902

カッチーン

【さすがに単純すぎる攻撃だったのは自覚していた。まあ、それが自分らしい戦い方なのだけれど】
【でも、受けることも反撃することもなく――避けて距離を取られた=z
【なるほど、機動力は互角か。でもそれよりも、挑発するような笑みよりも何よりも】

【ただ避け――様子を見られたことが癪に障った】


あったま来たにゃ。マジ泣きしても知らないからねッ


【それは力量の差と余裕を銀猫に見せつけるには十分過ぎたのだろう】
【飄々としたねこやまの態度が余計にそれを感じさせるものだから】
【油の染みた導火線に火を点けたみたいに、一気に彼女のボルテージが頂点に近づいた】


言われないでも!!


【振り返ると、加速したねこやまの身体をしっかり目で追ってゆく】
【加速、跳躍、回転――なんだか戦法まで自分と同じだ。なおさら負けるわけにはいかない】
【速さに加えて遠心力のついたそれはかなり凶悪な威力を誇るのだろう】
【だけど銀猫も負けじと軌道を読み身体を沈めて、宣言された通り回避。風を切る音が頭上から聞こえた】

【――回避したなら、次は自分の番だ。眼に鋭利な光が宿る。狩る者の眼だ】
【その眼が見据えるのは、やはりねこやまの腹部。まずは動きを止める魂胆か】
【曲げた足を伸ばして勢いをつけ振りかぶったなら、思いきりそこ拳を打ち込もうとするはずだ】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 22:48:42.05 ID:zoCKFT2+o
>>906

「苦し紛れの攻撃など、物の数でもないのだ!」

【シーナは飛来する火符に対して、右腕を振るうことで対処する】
【棍棒による迎撃。手裏剣に向けて思い切り叩きつけて弾こうとする】

【瞬間――起爆。発生した小爆発は、棍棒を中程から砕き】
【シーナの大柄な身体を揺るがせ動きを止める】

【身体に対するダメージは薄いものの】
【片腕の武器を奪い、離脱するだけの時間を稼ぐことには成功した】
【シーナは折れ砕けた右手の棍棒を投げ捨てると】
【左手の棍棒に右手を添えて両手持ちにシフトした】


「ククク……私を相手に鬼ごっこは挑まんことだ」
「すぐにでも貴様の身体に手を届かせてしまうから――の!」


【シーナは再び佳乃に向けて疾走を始める】
【今度は先程と違い軌道を変えない正面からの攻撃となる】

【走行を妨げる物がなかった場合、シーナは棍棒を佳乃の胸目掛けて突き出す】
【行動が成立した場合――異常な点が一点発生する】
【攻撃の瞬間、シーナの腕が15cm程度伸びる】
【近接武器の使い手の間合いの感覚を狂わせる技術の一つだ】

【小細工のようなものだが、引っかかってしまった場合】
【攻撃を受けてしまう可能性が高まってしまうだろうか】

【また、疾走の途中で遠距離攻撃などで阻止を行った場合】
【上記の棍棒を突き出す攻撃は行われない】
【火符への対処の影響で、佳乃が体勢を立て直し行動するには十分な時間がある】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 22:54:25.50 ID:svqb9DHM0
>>908

【公園、あわてて逃げ出してくる男と肩が当たる】
【当たったといってもこけるものではない】

 ふむ、何だねいったいあんなにあわてて
『……』

【そして当たったほうの男性はそうぼやき、甲冑をして顔に面頬をつけている男はだまっている】

 いったい何があったんだろうねえ
 見に行ってみるのも一興だね
 もしものときはたのむよ花嵐
『……御意』

【金髪を少々伸ばし白衣を羽織り、白衣の下にスーツを着ている】
【そして左腕には通常のよりも一回り大きいブレスレットとカノッサ機関の逆五芒星がある】
【見ええる人物には見えるだろう】
【その男そう言い、隣の甲冑をきた男、花嵐に向かって話しかける

【そして男は浮浪者が逃げてきた公園に入るだろう】
【入ったら少年と目が合うかもしれない】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/05(土) 22:55:58.65 ID:ygVEOS9po
>>903

【カウンター気味に叩きつけたハンマーは、フォンチュンの脚部へ衝撃を奪われてなお。石畳と衝突し激しい轟音を吐き出す】
【着部の石はわずかにかけた程度、レキを飛ばすまでには至らなかった。その分、その場を離脱した少年の脚部にダメージを与えたことは、確からしく】
【何より、呻く少年の苦渋の表情がそれを証明する。が、余裕をかましている場合ではない】

【少年を見る限り、どうやら、諦めてくれる気はまだ一切ないらしい。拳がこちらへたどり着く前に、体勢だけでも整えておく必要がある】
【まだ、お互いに初撃を分け合った程度。試合は始まったばかりだ。こちらとしても負けてやる気はない】

よい、しょっ

と――――っとぉ……!


【なんとか持ち上げたハンマーを、少女の頭とターンと同時に再度飛びかかってくる少年の拳との間に割り込ませて。かち合わせる】
【大質量の鈍器での一撃は威力において申し分ないが、なににしろ小回りに疎い】
【攻撃後の隙も大きく、少年の速度が落ちていても回避は不可。武器を盾にしての防御がやっとだったのだ】

【ハンマーを通じての衝撃に、先ほどとは異なる、腕から全身へ伝わるビリビリと痺れるような感覚】
【ハンマーと少女を含めての重力ごといくらか背後にずり下げられる】
【吹っ飛ばされはせずに、なんとか攻撃可能圏内に踏みとどまれたのは少年の勢いダウンからか】
【ともあれ、こちらにも幾らか貰ったダメージがある。相手が痛みに苦しんでいるうち反撃に出ない手はない】

顔面とは、容赦ないねぇ。
まぁ、私が言えたことじゃぁ、ないけどさ。

まだまだいくよぉっ…!

【大ぶりの一撃が功をそうした今、後はこちらがヘマをするのを避けつつさらに体力を削り取る】
【少女は自分の身体へ巻きつけるようにハンマーの柄を後方に引っ張り、振り下ろすときと同様足を踏み出すと、それを横薙ぎに振るった】

【自身の体重と重力が乗りにくい、筋力に頼った攻撃方法】
【威力ダウンこそはあるが、横薙ぎには隙の少なさと、次への繋ぎやすさがある】
【少年へと向けられたハンマーの側面には、試合開始前には無かった、”2”という数字が浮かび上がっていることに気づくだろうか】
【これは、もう片面の曲線的に描かれた”M”の文字と同じく藍色のインクで描かれており】
【これが何らかを意味していることは明らかだ。しかし、今のところハンマーの外装にそれ以外の変化はなく無論少女にも変化がある様子はない】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/05(土) 22:57:39.93 ID:2B0DCp6ho
>>907

流石に食らっちゃくれないってワケか―――ま、タイプうんぬんもご名答さ。 だから―――
……―――こっちも近づかせたくは無いんだよぉぉぉッッ!!

【跳躍による回避―――その動きを見るからに、撃ってからと言うよりかはある程度の予測の元に動いたのだろう】
【……知っている。理論ではなく、恐らく経験と本能から。―――となれば厄介。なんせ自分はガンマン、銃を躱され近づかれてしまえば―――】
【銃の強みが一切無くなってしまうしまい、更に彼の怪我による機動力の無さがその状況を覆すことを困難とする】
【―――故に、此方も近づかれまいと全力だ。未だトリガーが引かれていない左銃から、轟音が放たれた】

唯の銃使いって訳じゃねェ。―――俺はアンタにこの闘いで1つのコトを教えてやるつもりだ
―――闘いは脊髄で、本能でやるモンじゃない。詰将棋のように地味ながらも、知略を張り巡らせる―――その行為の上に、勝利があるってことをなァッ!!

【空を割く弾丸は青の煌きを放ちながら―――自身の正面、その地面へと衝突する。周りから見ればミスショットに見えるだろうが、この男が弾丸を外すわけもなく】
【―――石畳に蒼の弾丸がぶち当たれば、そこから生まれるは氷の壁―――其れに棘が突き刺さり、彼を護る盾としての役目を果たした】

【そしてこの半透明の氷の盾、ヘケメトの接近を妨げる障害物にもなりながら視界を妨げることも出来る】
【ヘケメトからロウが見えない場合は、ロウからもヘケメトの姿は見えないのだが。だが其れも考慮してロウは盾から3歩程後ろに下がった位置で待った】
【もし盾を避けて回りこんできたのなら、この位置ならば恐らく銃の方が速い、という予測。コレ以上下がると盾の意味が薄れてしまうので、この距離が限界】

【もしヘケメトが「しゃらくせぇ」などと氷の壁(盾)ごとニードルウイングブロウで壊そうとしたのなら―――】
【此方の盾も強度はあまり自身が無いため、棘と同じく容易く砕けるだろうか。だがその場合、お互いの視界を砕けて舞った氷の礫が邪魔をする】
【そうなった場合は、どちらが優勢だろうか―――いや、ある程度の距離を埋められる訳だ。恐らく場はヘケメトに傾く】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 23:03:06.38 ID:nZCyAj7G0
>>909
【人々の熱気、歓声――――その中を歩む姿が、もう一つ】
【紅白色の其れ。所謂巫女装束と呼ばれる物を纏い、フィールドへと歩む姿はその場にそぐわない様な気もするけれど】
【能面の様――――とはまでは行かずとも、涼しげな表情の女性は、何処か浮いた存在】
【音も無く、余計に揺れる物も無く。少なくとも、女性の獲物はその外見からは見る事が出来ない。ともなれば、徒手か――――或いは、術を用いるのか】


「…………今の物は魔術と呼ばれる其れでしょうか。櫻の国に長く居た為、法力や五行程度しか見掛けませでしたが…………
なる程。中々に興味深いのですね」

【さて、今入場してきたばかりの様にも思えるけれど、ポツリと漏らした感想は予想に反して大分前からスタンバイしていた事を伝える】
【――――特殊な出演も無く、観客達に愛想を振りまくわけでも無く】
【傍から見れば、愛想の悪い人物。空気の読めない人物。然れど少しでも女性――――ちゆりと呼ばれる女を知っている者が居たならば、“らしい”なんて言いながら笑うのだろう】
【足首を覆うくらいに長い緋色の袴。一見すれば邪魔とも思えるが…………脚捌きを隠すには、必要不可欠な其れ】


「トーナメント表を見て、私の相手がレグルスと呼ばれる方であると知りましたが…………貴方で間違いは無いでしょうか」

【観客に向けての言葉。終えたならば、差し込むかの様な言葉の確認】
【180cmに対峙するは、160cm。まるで、大人と子供。それでも尻込みした姿を見せないのは、今までの場数と女性自体の気質を伝える様でもあって】
【ザリ――――と、草履がフィールドを擦る音。同時、自らの懐に手を入れたが故に生じる布の擦れる音】
【立ち会いと同じ。呼吸が合ったならばその時を試合の合図として―――――巫女は、動く】


「貴方にも負けられない理由があるのでしょうが、其れは私も同じ事です
…………先手必勝。と言った所でしょうか」

【後ろに跳躍したかと思えば、3枚の札がレグルスに向けられて飛ばされる事だろう】
【先手必勝の言葉に偽りは無く、何事も無ければこの通り女性から攻撃を仕掛ける事になるが――――】
【その札自体には、衝撃を与えるだけでダメージ源となる呪術は施されて居ない。何しろ、目的は取り敢えずは距離を作る事にあるのだから】
【――――とは言え、吹き飛ばされた後に床等に身体をぶつけてしまえば、分からないが…………少なくとも、体格も良ければ当たってもそう派手には飛ばされないであろう】

/宜しくお願いしますですよー!
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/10/05(土) 23:03:41.12 ID:0Ih9Wbf60
>>904

フハッ………!

【背後からの不意打ち、ゴールドマンの後頭部に衝撃が広がる】
【食らう直前まで高笑いを続けていた彼は、普通の人間なら舌を噛んでいたであろう】
【地面にガシャンと倒れるもすぐに立ち上がり、いや、正確には身体が浮翌遊し、ダルマの様に起きあがる】

……まさか観客席から襲ってくるとは、正式な大会とはいえ油断は禁物だったな
ほう……お前が対戦相手か、なかなか面白い力だな

【フワリと地面から5cmほど浮翌遊しながら、ゴールドマンは戦いに関しては関係の無さそうな質問を獣へと問いかける】

さて、お前は巨万の富が欲しいか?ん?
欲しければくれてやるぞ
フハハハハ!

【またもや高笑いをしたかと思うと、彼女の頭上に突如巨万の富、大量の金塊が生み出される】
【これがゴールドマンの能力、名前通りに金を生み出す】
【突如として現れた大量の金塊だが、動かなければそのまま落下し、彼女の身体全体に降り注ぐ】
【だが落下速度が速い訳ではない、少しダッシュすれば避けるのも容易だ】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/10/05(土) 23:04:25.29 ID:vnVO1dsjo
>>905

――――へぇ、巧く“凌いだ”じゃないか。
そうでなくちゃあ面白みがないけど!!

【投擲した黒剣を弾かれるも、それは想定内と言ったところか、狂死郎は不敵な笑みを崩さずに】
【何か秘策が有るとでも言うのか、そのままの勢いで少女の刃の届く距離まで詰め寄ると】
【放たれた切り上げを防ぐために防御に備えた白剣を振るおうとする】

パリィ!!パリィパリィ!!
甘く見てもらっちゃあ困る!!

【そして切り上げを弾くものの、後から軌跡をなぞるように走る炎に飲まれてしまう――――かのように思われたが】
【狂死郎の振るった白剣に炎が触れた瞬間、それは“弾かれて”あらぬ方向へと飛んでいった】
【本来干渉し得ぬ魔力の塊に干渉できる――――これが彼の双剣の持つ能力の一つなのだろう】

【反撃とばかりに狂死郎はコートの袖に隠していた札を手のひらへと移し、そのまま右腕を少女に向かって大きく突き出すと】

そして――――「呪相・爆導策」ッ!!

【札に渾身の魔力を込め、自らを巻き込みながら手元に大きな爆発を引き起こす】
【それは対人用であり、自爆の危険性も低いように熱も破片も生み出さない安全装置が作動しているものの】
【爆風の衝撃だけは本物、当然狂死郎は背後に大きく吹き飛ばされるだろう】
【しかし、彼から近づいた以上、吹き飛ばされてもリングアウトにはまだ余裕がある】
【一方の少女の背後は危険水準か、まともに食らってしまえば勝負が決まる恐れもある】

【さらに、狂死郎の打った布石はこれだけではない】
【少女が弾き飛ばした黒剣はまだ“生きている”――――最初からそのような魔術が込められていたのだろう】
【彼の手に持つ白剣に向かって縦回転を続けながらブーメランのように吸い寄せられている】
【このままの軌道であれば、少女の背中から命中し、狂死郎の飛ばされた方向へと吹き飛ばされることになるだろう】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 23:10:17.77 ID:CKEdrpTI0
>>910

【"音"が聞こえる程、素早く回転していた少年の右足は、やがて其の速度を失い、屈む様にスタッと着地する。】
【其の際、バランスを崩さぬ様、右手の指先を地面に添えて。】
【跳躍している間とは打って変わって。着地の瞬間に聞こえるのは、パサッと道着が擦れる、極々小さな音位か。】

【だからこそ、気付く事が出来た。―――振り被る際に発生した風を切る僅かな音を、少年は見逃す事無く聞き取り、】
【相手が追い打ちを仕掛けて居ると判断。どの部位を狙っているか迄は分から無かったが―――】


―――………

【地面に付いていた右足を軸に、今度は左足で。言葉を発する所か、少女の顔を見ないまま素早く1回転。】
【少女が来ているであろう方向は、其の速度が最高になる様に円を描いて―――!】
【狙ったのは、少女の足。其れは丸で縄に引っ掛けて転ばせる様な物で―――】
【視野が広ければ―――或いは、ボルテージが頂点に近づいていても尚、注意力が散漫になっていないのなら―――!】

【回避するには、ジャンプするだけで良い。此の少女では無くとも、誰にでも出来る事のはずだ。】
【然しながら此の技の真髄は、"避けられるか"では無く、攻撃されている事に"気づけるか"にあった。―――猫の少女は、果たして。】

【さて、少女が"縄跳び"に成功したなら、少年は少女の攻撃を徐ろに受ける事になる。】
【然しながら、俯いたまま、慌てる事無く其れを繰り出した事を考えると、】
【何となく、其の辺りも織り込み済みの様にも見えるが―――?】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 23:11:39.41 ID:gpT0cPhM0
>>912
「ん? ああ、そうか、さっきの人のせいか」

(空へ視線を向けつつ、足音から近づいてくる人影を理解し、理由を探り)
(それが偶然じゃなく、自らの行動が理由だとわかると、口元を僅かに緩める)
(神様がいるなら、僕には少し優しいみたいだ、なんて夢を見ているような発言をして)
(首を動かし、公園に来た人と会話でもしようと思った所)

「は、ははは――ははっ、は――」
「ああ、うん、そうだね、優しいんだね、これを見ている人がいるなら」

(腕に見える紋章に眼を鋭くし、乾いた笑いが漏れ、足が勝手に動いてしまう)
(所謂走り歩きとでもいう程に、その足の動きは不自然に早く、顔からは隠し切れない嬉嬉としたソレが浮かび)
(眼に篭るゆがんだ情熱を除けば、それはとても少年らしさが見える事だろう)

「はじめまして、ああ、ごめんなさい、敬語のほうがいいですよね、はい」
「えっと、その、長々と話すと、僕自身がじれったくて、単刀直入に聞きます、その紋章は、カノッサ機関の……」
「ああ、違いますからね? 敵じゃないです、僕もまだナンバーを貰ってないだけで、構成員なんです、だから、その話が、したくて」

(その二人の目の前まで立ち、相手の事も気にせずに言葉を捲し立てる少年)
(その少年の様子は言葉の切れの悪さ、慌てたよう物言いから少しは判断できるかもしれない)
(声に乗るのは歓喜の感情、喋る言葉すらまとまらず、ただ感情で動き、手ぶりも何故かつけ、落ち着かない様子)
(奇妙。 その一言くらいの感情は、どれだけ狂っていたとしても浮かぶだろうか)
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/05(土) 23:20:11.86 ID:pPGBlIa8o
>>914

「ヘェーケッケッケッケェーッ!」
「なァーんかよくわかんねェーけどよ、細けェこと考えんのは嫌いだからよォ〜……」
「とりあえず、このまま、こォーして、近づいて……ぶん殴るッ!」
『(……私が指示しないと猪突猛進そのものですからね…………)』

【銃口の位置から、自分にはおそらく当たらないだろうか――と踏んで】
【しかし、それは棘を防ぐためのものだった、飛ばした棘は容易に氷壁に防がれる】
【……勿論、そんなことはお構いなし。おそらくは壁の後ろに居るのだろうと思って、そのまま突撃続行】
【が、そうなると勿論氷壁が邪魔となる、邪魔だったらどうするか――となると】

「……氷の壁くれェ、前に相手したことがあるッ!」
「こォーんなモン、あァーしてこォーして……こォーだァーッ!」 「うおおおッ! あんたごとぶっ飛ばしてやるぜェェーーーッ!!!」

【その体勢は、喩えるならばアメフト選手。――つまりは"タックル"である】
【棘の強度的に、壁を破壊しようとすれば棘も多く折れるだろう、しかし棘を生成するより維持している方がまだ楽である】
【故に、左半身を前にし、しかし左翼はあまり前にならないようにしたタックルで氷壁におもいっきり突っ込んでくるッ!】
【そう、彼はタックルによってロウと氷壁をまとめて吹っ飛ばそうとしているのだ】

『(ちょっと、ヘケメト!)』 『(ただのタックルでまとめるには距離が少々空き気味ですので……遅かったですか……)』

【だが……ヘケメトにとって誤算だったのは、"氷壁の真後ろにロウがいなかった"ことである】
【もしそれがわかっていれば、タックルの終点位置はもっと奥だったしやり方も違っていた、しかし今回はただのタックルである】
【氷壁の手前で左脚を軸に繰り出したそれは、三歩ほど後ろに下がっているならば、当たるとしてもかする程度だろう】

【その為、タックルで氷壁を強引に突破した後は、格好の獲物――だろうか】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/05(土) 23:20:51.54 ID:svqb9DHM0
>>919

【男は少年が目の前に来て言葉をまくし立てる少年】
【男は別段気にしなかったが花嵐は軽く警戒態勢をとった】

 ああいいよ花嵐、この少年も自分の同士と言っている
『……信用にはなりません、第一構成員ならばカノッサの証があるはずです』
 と、いうわけだ見せてくれないかな君が私たち、カノッサの証をね

【男はそう要求する】
【そして、少年が見せたのならば花嵐は警戒を解かないだろうが男は取るであろう】

 ふむ、では何かねその話したいこととは

【そして男はそう聞いてくるであろう、花嵐は無言で少年を警戒し続けるであろう】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 23:21:53.30 ID:rQy1xguNo
>>911

【火符≠フ発動によってシーナが体勢を崩したのを見た佳乃は、再び半身に薙刀を突き出した構えを取り、体勢を立て直すだろう】
【悔しいが、シーナの言うとおり苦し紛れの一撃だった。それが武器を砕くまでの成果を上げたのは、佳乃にとって僥倖だ】
【息を整え、次の手を思索する佳乃だったが――――シーナが棍棒を両手に構えて疾走してきたのを見て、小さく笑って】

…………そうね。私も、鬼ごっこみたいな戦いを続ける気はないわ。
だから…………真正面から、ぶつかり合うとしましょう――――!

【疾走に対し佳乃が行ったのも、また疾走。特に策があるわけでもない、意趣返しのような対応だ】
【佳乃の直情的な部分が生み出した、紛れもない失策。シーナが先程のようにを方向転換していたならば、それは単なる無謀に過ぎず】
【しかしそうはならなかったことで、それは佳乃の望む真っ向からの正面衝突と相成るのだろう】
【薙刀を小脇に引き絞るようにして構え、地を舐めるような疾走。やがて、両者の体は肉薄し――――】

ぐ――――ッ!

【…………真っ向勝負しか頭になかった佳乃に、突如として伸びる腕の暗器じみた攻撃を予期できる筈もない】
【反射的に体の向きだけは反らしたものの、伸び上がる強打の威力を、果たして殺せたかどうか。骨を軋ます衝撃が、佳乃を打ち据える】
【決して小さくない痛手だ。それでもなお――――ほとんど反射的に、佳乃は右手で薙刀を勢いよく突き出していた】

肆の太刀――――『四散』ッ!

【シーナの体の中心に突き立てる筈だった刺突は棍棒の攻撃によって逸れ、右の脇腹へと向かっていって】
【それが突き刺さるか刺さらないかに関わらず、薙刀の刀身から神気≠フ光が迸る。巻き起こるは、先程の火符∴ネ上の大爆発――――】
【『四散』は、神気≠フ爆発を発生させる奥義だ。実際の爆発と違って熱こそ無いが、伝わる衝撃と大音声は本物と変わらない】
【もし薙刀が右脇腹へ狙い通り滑り込んでいた場合、加えて零距離での炸裂となる。ここまで佳乃が行った攻撃の中では、間違いなく最大威力】
【負ったダメージは小さくないが、変わりに繰り出した痛打――――果たして、届くか】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/05(土) 23:22:32.65 ID:+SYfXBuio
>>916

【ニヤリと狼が笑ったように見え――瞬きするほどの間に、獣人の姿へ】
【あくまでもパフォーマンスとしての奇襲。ゴールドマンへのダメージは限りなく薄い】

【だが一方で、銀狼という参加者がどのような存在かはこれで周知されたはず】
【人と獣の姿を行き来する――そう、触れ込みにはこうあった。『妖怪』だと】
【そして人の姿に戻ったなら、彼女は俄にオーラの様な物を発し―――】

【――長い尻尾の数が、三本増えて四本へ。恐らくは彼女の能力だろう】

ふふっ、お主がどこからでも来い、などと言うておったのでの
言葉に甘えて、その通りにしたというだけの事よ。慢心はいかんのう?

ま、それはさておきじゃ。儂の名は長尾銀狼……因果な組み合わせよな
一応言うておくが儂は負ける気は…、……巨万の富、とな
それは確かに魅力的じゃのう、まして、あぁ……これ程ならば――。

【改めての自己紹介からの戦闘続行。ふと上を見れば、紛うことなき黄金の輝き】
【どうやら押しつぶそうということらしい――そうさ悟るやいなや、銀狼は駈け出して】

―――悪いのうっ、儂は金や名誉には一切合切興味が持てんちや!
故にこの金塊も要らぬッ!今儂が望むのは、お主の黒星なのよ――ッ!!

【ただの人間より余程早いその脚で進み、金塊を難なく避け、進む先はゴールドマンの居る所】
【ある程度の距離まで近付いたなら地面を蹴って飛び上がり、慣性のままに直進し】
【所謂飛び蹴り≠――ゴールドマンの胸部目掛けて、叩き込もうとするだろう】

【銀狼の体重は軽いが、慣性と体重、足の鉄輪の重さを全て乗せた一撃故にその威力は高く】
【同時に、彼女が重心移動や速さに特化した技量戦士である、というのも分かるはずだ】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/05(土) 23:26:14.56 ID:8LKPa4eJ0
>>915

……ほぅ、あの服装……確か櫻の……随分と面白そうな奴に当たったじゃねぇか……!

【改めて棍を構え直し、その場にスタンバイしていたレグルスは、フィールドへと足を踏み入れる対戦相手の姿を認めて、興味深げに表情を変える】
【櫻の国の土着信仰の、祈祷者の姿だったはず――――レグルスの知識は、そうした答えを用意する】
【と言う事は、相手は術を駆使するタイプの戦士か。実際に戦端が開かれる前に、ある程度のアタリをつけていく】

――――おぅ! 俺がレグルス=バーナルドだ……そう言うお前は、天鬼ちゆり、だな……?

【ガン、と棍を地面に撃ちつけながら、答える】
【魔術師の姿をしているが、相当な居丈夫だ。がっしりとした重層的な体格は、むしろ肉体派の戦士を想わせる】
【そして実際、手にしている棍は、まともに撃ちつけられれば相当な打撃を与える事になるだろうと思わせる、金属製の武器】
【間違いなく、接近戦に置いては相応に秀でている人物である事は、想像に難くない】

……そりゃそうだろうな? この大勢の前で、ただ負けるだけならまだしも、無様に負ける事があれば、相当な赤っ恥だろうからよぉ……
それに……こちとら生活の為、死活問題なんだぜ! 軽々に負けてやれねぇってのは、お互い様よ!!

【両足を少しずつ開いて、スタンスを作っていくレグルス。既に臨戦態勢と言ったところか】
【――――前回の戦いがそうであったように、今回もレグルスの目的は賞金。あるいは自らの魔術の披露による宣伝】
【生活の糧を、魔術を用いた万の仕事に求めている以上、かなり即物的な理由でレグルスはここに居るのだろう】

――――っ、来やがった!!

【そうして待ちかまえていたレグルスに向けて、3発の札が放たれる】
【咄嗟に棍を強く握りしめると、飛来する順に札を棍で叩き落とす――――初撃を横に払い、次弾を上へと逸らし、三手を地へと叩き伏せる】
【返って来る手ごたえは、とても札とは思えない重い物。手に、早くも軽い痺れを感じながらも、レグルスは口元だけで笑んで見せた】
【その場での迎撃のため、ちゆりに距離を空けられてしまったが、流れる様な動作で3発の札を制する姿は、立派な棒術と言えるレベルである事を示すだろう】

――――悪ぃが、距離を取ってもワンサイドレンジとはいかねぇぜ! 離れた距離は、俺のテリトリーでもある!
――――バル(火)・フェン(飛翔)・イム(怒り)・ビン(レベル2)……『マジックボム』!!

【両手で握っていた棍から左手を外して、それを真っすぐに、交代するちゆりへと向けながら、レグルスは奇妙な単語の連なりを口にする】
【それは、魔術スペルの詠唱――――やがて、その手に火球が形勢されると、ちゆり目掛けて発射される】
【どこかに着弾すれば、爆発・炸裂して二次被害を生み出す、攻撃用の火球投射。距離を取ろうとするちゆりを追撃する恰好だ】
【――――先ほどの棒術もそうだが、この魔術も、単なるハッタリでは済まされない。中途半端ではない『両刀使い』なのだろう】
【とは言え、今回は込められた魔力の量はさほどでもない。何らかの手段で防御するか、あるいは大きく回避すれば、炸裂の余波からも逃れきる事は不可能ではないだろう】

【残存魔力 15/17】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/05(土) 23:35:19.07 ID:9UgL/h3Mo
>>918

【銀猫が次の攻撃に移るまでの間に、それは行われたのだろう】
【大振りの攻撃から次の攻撃の布石へと繋げるコンボ――隙のない脅威的な動きだ】


なっ――


【その策に銀猫はまんまとはまり、拳を打ち出そうとしたままがくんと尻餅をついた】
【もちろん気付けなかった訳ではない。もう少し時間があったなら攻撃と同時にかわせていた】
【間に合わなかったのは――単純にねこやまの動きに彼女が追いつかなかったからだ】


やっば……


【無防備な状態を晒す彼女は、しかし動こうとしなかった】
【下手に動こうとすればまず間違いなくそこを狙われると判断した】
【だから次のねこやまの動きに合わせて、彼女は動くのだろう】

【冷や汗が伝った。眼は彼の一挙一動を観察し、手はあらゆる方向へと身体を動かせるよう地面を支え】
【足は軽く折りたたまれたまま反撃の機会を狙っていた――全身のありとあらゆる末端部分が神経を尖らせていた】
【相当な緊張感が身体中にまとわりつく。しばしの空白の中、彼女は呼吸も忘れてねこやまの動きを窺うのだろう】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/05(土) 23:38:51.27 ID:DLMwHf+Eo
>>913

【渾身の一撃は、ハンマーに阻まれた。衝撃が自分に跳ね返り、びりびりと腕が痺れる】

――くっ!

【足の痛みはまだ続く。踏ん張りが利かず、勢いのまま少しよろめく】

【その隙を、少女のハンマーが的確に貫いた】

が、はっ――!!

【受けとめることも避けることもできず、少年の身体が宙に浮き、石畳に叩きつけられる】
【わき腹が鋭く痛む。骨がやられたのだろうか】

――まだ、まだだ……!

【立ち上がろうと四つんばいの姿勢になるが、そこから上半身を持ち上げることができない】
【しかし少年は、その姿勢のまま少女を睨み付ける。まるで、それが『本来の姿』であるかのように】

【四肢に、熱い何かが走る】
【肩から手首にかけて魔翌力が纏わりつき、紅い鱗や甲殻が皮膚を突き破っていく】
【両足も同様だ。それに加え、足が猛禽類を彷彿とさせるものへ変形してゆく】

うおおおおおあああああアアアアアアアァァァァァァァァァ――ッ!!

【咆哮をあげ、『前脚』で地面を蹴り、少女の腹部を切り裂こうと翼爪を振るう】
【爪はガラスの破片程度に鋭い。渾身の力で腹部を抉られれば、鋭い刃より却ってダメージが大きいかもしれない】
【しかし少年のダメージが回復したわけではない。この一撃を耐えれば勝機はある】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga ]:2013/10/05(土) 23:38:56.69 ID:wjfaDRVfo
>>917

炎を弾くってあんたねえ……!
まあそんなやつが居てもおかしくはない、け、ど!

【弾かれる斬撃と炎、突き出される腕と札】
【一瞬、短剣を用いての防御を考えて動こうとするが、何やら“爆”だとか聞こえて】
【爆発ならば短剣で防ぐなど無謀なこと、しかし避けるにも時間がない、ならばどうするか―――】

間に合え…………!!

【切り上げを“弾かれた”事がここで幸いする。本来ならそのまま上に向かっていた勢いが削がれていたからだ】
【一気に長剣を引き寄せ、石畳目掛けて振り下ろしたのは爆発が起こったのとほぼ同時、そして直撃―――】

【しかし、爆風は彼女を場外まで運ぶ事ができなかった】
【爆風の中、石畳に突き刺した長剣を握り締め、自らをフィールドに繋ぎ止めたのである】

ふう…………あぶないあぶな痛ぁっ―――!

【一時安心したのも束の間、今度は背後からの黒剣】
【その衝撃に思わず右手を放しそうになるが、ギリギリのところで長剣を抜き、前方へ転がる】
【ただし、真っ直ぐ彼の方へ行きはしない。右側、彼から見れば左の方へ軌道をずらし、そして立ち上がる】

ああ……なるほどねぇ……さっきの剣ね……何かわからないけどむかついてきたわ……
……“auflodern”

【ぼそりと一言呟けば、床面スレスレまで下ろした長剣の刃が炎を纏い、石畳を焦がす】
【そこから緩く弧を描いて彼へ接近、彼からすれば左前方からやって来る形になるか】
【そして間合いを詰めれば、彼女からして右側から横一文字に、長剣の切り払いを放つ】

【無論、炎を弾いた白剣であればこの斬撃を受けることも難くないだろう】
【もし白剣で受けたのであれば、彼女はそこを軸にして、体を彼の横へと移動させるだろう】
【しかしそれは彼とフィールド端との間。何故わざわざ危険な側にまわるのかは定かではないが】

【ただし、白剣で受けなかったのであれば、この移動は行われない】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 23:41:48.75 ID:gpT0cPhM0
>>921
「証? まさか、ただの一端の構成員の僕がそんな物持てる訳ないじゃないですか」
「でも、ないと信用されないのか、どうしようかな、どうしようか」
「ああ、別に僕は話さえ聞いてもらえればそれでいいので」

(警戒を解こうとしない花嵐に対しても、仕方が無いと捉えそれ以上の転機を望もうともしない)
(それよりも話を聞いてくれる事を望んでいる、周りが見えていないのか、手段を選ばないのか)

「えっと、僕は野望があってこの機関に入らせて貰ったんですけれども」
「後、知り合いの好感度? だか? をあげる、とか……まあ、それはいいか、僕の事は、今はどうでもいいし」

「えっと、それで、悪役≠ノなりたいんですけれど、どうすればなれるのかなって」
「もっといえば、どうすればカノッサ機関で地位をあげられるのかなって……」

(漠然とした内容の全ては伝わらないだろう、曖昧に、微妙に、それでいて間違いを孕んでも何もおかしくない)
(その野望も、この少年の言う通り一端の構成員ならば少し危険身すら感じる程で、しかし、その可能性を考慮していないのか)
(承知の上なのか、今までの抜けているような少年の行動からは、前者なのだろうけれども)
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/05(土) 23:43:34.79 ID:2B0DCp6ho
>>920

【盾の右側左側どちらから飛び出しても直ぐ様対応できるように両腕を伸ばし銃を向けた状態で身構える】
【―――強く地を蹴る音が鮮明に耳に届き、小さく息を吐いて『対応』しようとする。―――さて、相手が選んだ選択は?】
【……正面突破―――!!】

【氷が大きな音を上げて一斉に弾ける。100kg超えの体重がスピードに乗ってタックルしてきたのだ、その衝撃は測り知れず】
【―――爆裂した氷の破片が、何個か彼の身体を傷つけて朱を滲ませる事になる。脇腹、右膝、左太ももから血が流れ出す】
【……そんな軽症よりも問題は、視界が氷によって見えにくいことだ。其れは相手も同じだろうが、タックル後の隙を考えると攻め時は此方】

―――っっっぐ……!! どんな威力だよテメェの其れはよぉッッ〜〜〜!!
(……破片の勢いが尋常じゃねぇ……!! 食らったらアバラ何本かイくだろ……!!)

【タックルは直接当たっていないこと、そして隙を相手が見せていることは此方のプラス要素。しかし破片が視界を奪う中での銃撃は至難】
【―――だから彼は顔を下げた。其れならば視界は隠れることはない。しかしその状態からは相手が見えない―――のだが。この男に其れは関係ない】

……でもよ、俺には『十八番』があるんだよぉぉぉおッッ!!

【―――彼の十八番、『跳弾』。脚を3歩下げ、下を向いて破片が視界を奪うのを避けながら地面に向かって発砲】
【タックルを放った後素早く軌道を変えるのは困難。故に相手の位置は予測できる】
【その予測した場所を、跳弾で直接見ずに射抜ける―――其れが彼、マーシャル・T・ロウの跳弾技術。鍛え上げてきた『技』だ】
【右の銃から地面に放たれた其れは石畳の隣接する所の僅かな隙間に入れば、甲高い金属音を上げて跳弾、低い弾道へと変わり彼の右足を狙う】

【―――狙いは先程と変わらず脚。スピードもパワーも劣るが、銃を考えるとリーチは優っている。そして自分のウィークポイントである機動力の無さを考えれば】
【相手の機動力を奪う事が勝利へのプロセスである―――との思考故の選択。スペックが劣るなら戦略で埋める。コレがロウの『戦闘』なのだ―――】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/05(土) 23:45:19.94 ID:zoCKFT2+o
>>922

「ぬっ――――!!」

【薙刀によるカウンター攻撃】
【如何に変則的な高機動が可能なシーナとはいえ】
【このタイミング、この距離での回避は不可能に近い】

【出来たことは僅かに身体を移動させ脇腹を貫かれることを防ぐだけ】
【放たれた刺突は脇腹の"肉"を大幅に抉り――炸裂】
【シーナの巨躯は大きく揺れて、勢いのまま佳乃と擦れ違い】
【フィールド後方へと流れていった後、ドサリと倒れ伏した】

【"人間であったならば"致命傷にもなりかねない大ダメージ】
【それを受けたシーナは……】


「ふぅむ、この辺りが限界か」
「やはり操作性にまだ少し、課題が残っているな」


【――身体が文字通り"崩れ落ちた"】
【体表から人間のような色が失せ砂の塊へと変わりその場に散らばった】
【今の一撃で勝敗は決したか?――否、佳乃は恐らく予想出来ているだろう】

【この"大男"を操っている人物はどこにいたのか】
【リングアウトのルールがある以上、外から操るという可能性は消える】
【ならば答えは簡単だ。"本体は中に潜んでいる"】

【砂の塊から、小さな影が身軽な動作で飛び出し着地した】
【身長の頃140cm程度であろうか】
【純白のローブに身を包み、フードを深く被って鼻下から上を隠している】
【手には大きな何かが詰まった袋のようなものを携え】
【肩口からは先ほどの"大男"同様に、漫画のフキダシのようなボードが生えており】
【黒い文字――よく見れば色砂であろうか――が言葉を代弁すべく蠢いていた】


「――見事、と言いたいところだがここからが本番なのだ!」
「私の砂人形を砕いだだけでも賞賛に値するが」

「こうなった私が先程よりも御し易いと思ったならば」
「今の内に考えを改めておくことを勧めておくのだ!」


【小柄な人物――シーナの周囲約1mが砂地のように変化する】
【深さは膝下程度であろうか。踏み込む場合、多少ながら動きづらくなる可能性がある】
【それ以上に、砂使いの陣地と化したそのフィールドは異様な魔力を放っており】
【無策で踏み入った場合の危険さを察することが出来るであろうか】

【硬い外装を破壊した以上、恐らく大きな攻撃を通すことが出来たならば勝利することは難しくない】
【距離は約3m少々、小さな砂の魔術師を如何なる手を以て打倒するだろうか】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 23:50:14.42 ID:CKEdrpTI0
>>925

【左足―――足首に程近いスネの辺りに何かを蹴った感触が在った。紛れも無く、其れは少女なのだろう。】
【近くで聞こえるドサッ、と言う鈍い音を聞いたのなら、少年は其れを確信へと変えて―――、】
【右手の指先にクイッと力を込めて。ゆっくりと、上体を起こした事だろう。】


あー……ちょっと、しょっぱなから、飛ばし過ぎたわー……まあ、ええか。"大会"、やしなー。


【右足を浮かせてはブルブルと振って、左足も同じ様に施して。其れが2,3セット終われば、】
【次に首を右、左に倒した後、大きく円を描く様に、ゆっくりと回していって。】
【―――どうやら、準備体操を行っている様子。回しているのは、"其れだけでは無い"様だが―――。】


【此迄の少年の動きの中で一貫している物を挙げるならば、其れは常に少女を細部まで観察している事になる。】
【そもそも少年は、目の前に対峙している此の少女が、能力者であると見ているのだ。】
【―――何時、"使ってくる"か分からない。集中力を切らす事は敗北に繋がる、というのが一つ。】

【加えて、もう一つ。―――其れは、相手の"癖"探し。】
【余裕振ってみた時の反応。走る際の腕の振り方。殴る、蹴る際の重心の動き方。そして其後の対応―――。】
【観察する事で手に入る、ありとあらゆる情報を統合して、―――少年は、相手の"癖"を導き出しているのだった。】

【無論、癖の算出には、時間が必要であった。追い打ちを掛ける事無く、柔軟を施しているのは、そう言う事なのだろう。】
【―――否、寧ろ、其れ程、"癖を知る事"は戦いにおいて、最優先事項であると考えている様で。】


って、こわー……なんなん其の眼。……え、ほんまこわいわ……もう、睨まんどいて……。
ほら、何もせぇへんから、立ってええで。………しゃーないな、ちょっと距離、開けてやるわ。
―――あ、本気出してないんやったら、ちゃんと、出してな。折角の、大会やしなー!


【少年は、後ろを少し振り返って自分の位置を再確認すると、其れに見合った適当な場所まで移動する。】
【距離を取る事で、追い打ちを掛けるつもりが無い事を証明しようとしているらしい。】
【―――最も、次に投げ掛けられた言葉は。受け取り方によっては、極めて挑発的な発言にも成り得るだろうが。】
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/05(土) 23:52:35.88 ID:nZCyAj7G0
>>924
【全てを弾き終えた頃、丁度小さな砂煙と共に三点着地を終えていて】
【――――札が全て弾かれるけれど、必要な距離は得る事が出来た。筋肉も薄い分、その杖の一撃一撃が常人よりも更に大きく影響すると考えた為の策】
【あまり感情の籠もっていなかった表情に僅かな驚きが現れた事を見れば、其れは素直な賞賛であったのだろう】
【……レグルス相手には、追撃の間が無い。ならば、この時間を防御に費やそうと思考を巡らせ】


「…………其れは、お互い様です。魔術師という存在は、遠距離をも得意とすると聞いていましたから
――ですが、櫻の国も負けては居ません。…………火克水……いえ、“土”」

【櫻の国の五行。それぞれに相克関係があり、相生関係があるといった考え方】
【――――今回水を用いて火を克さなかったのは、その火力故であろう。そして土を用いたのは、火元を断つ為。…………魔術で生み出された其れに、火元の存在があるかは歩から無いけれど】
【それでも、炎に対して土を掛け、鎮火させる事を目的とした術】

【――――着地の時という事もあり、全ての被害を避けられる訳では無い。けれど、印によって生み出した土に着弾させた事もあり、直撃するよりもダメージを抑える事は出来たであろうか】
【焦げる臭い。土を焦がす物と、衣服を焦がす物と――――顔を庇い、腕を焼いた物】
【…………然れど、レグルスと同じ様に何らかの目的を持ち、自らこの大会へと志願した者。呻きは喉の奥で止め、代わりにギリッと奥歯を噛み締めて】


「死活問題であれば、確かにそう易々とやられる訳にもいきませんね…………けれど
それは私も同じ事。正確に言うならば、死活とまではいきませんが…………それでも、匹敵するほどには、強い意味を持つ事
ええ、それ故に――――互いに、全力で挑みましょう…………土生金」

【土は金を作る。――――新たな札はレグルス本人では無く、自らが鎮火の為に作った土へと向けられて】
【…………付着。数秒の間も無く、土が盛り上がり始めたかと思えば――――今度は、レグルスへと向けられて飛翔する幾つかの鉱石の塊】
【殺害は禁止というルールの下、刃となって襲いかかる事は無い。然れど、被弾したならば痛手を負わせるには十分】
【銃弾ほどの威力は無いにしても――――鈍器で殴られた程度の威力は見せる事か】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/06(日) 00:00:08.90 ID:ZQ/iMS3f0
>>928

【証を持ってはいない、そう聞いても男はそうかとしおもっていなかった】
【花嵐は警戒を強めたが】

 悪役にねえ、なら正義の味方を試してみたりしてみてはどうかな
 まあ、外道な行為をとればまあ、悪役ではないただのゴミカスだが
 とはいえその外道行為にもなにかしらの意思とかもっていたらただの外道ではないかな

【男はそのように言う、最後らった変は少々疑問系だが】

 ふむ、地位を上げたいかなら、何かカノッサの大規模戦闘や貢献でもすればいいのではないかな
 まあ、がんばれ

【男は地位上げたいという少年にたいしてこういった】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 00:11:55.27 ID:p2Wjf1xS0
>>933
「試す? えっと、どういう風に、でしょうか」
「その、ただ意味もなく人を殺したりとか、そういうのとは違う気がして」
「なんていえばいいんでしょうか、えっと、その」

(思案して顔をうつむかせたかと思えば今度は顔を上げ、次には顎に手を当てうんうんとうなる)
(外道な行為、というのはこういう考えでいいのか、もしやもっと違う事をいっているのではないかと)
(認識のズレがないかを考えつつ)

「大規模戦闘? なんていうのも、あるんですか」
「ああ、そうだ、名前、名前、名前を聞いてもいいですか?」
「できれば、ナンバーとかがあるならば、それも聞きたいのですけれども」

(際限ない泉のように湧き出る疑問を納得させていくには、一つの疑問だけには時間をかけられない)
(何よりも向こうにも都合があるかもしれない、そう考えると聞ける事は聞こうと、まず一番最初に聞くべきだった事を問う)
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/10/06(日) 00:13:07.75 ID:/8nWrbND0
>>923

ほう、なかなか反応は良いな
長尾銀狼……対戦表で見た時は何も思わなかったが、やはり攻撃を見ればある程度分かる
強いのだろう?富ではなく目の前の勝利を選ぶあたりが流石だ

【彼女の膝蹴りがゴールドマンへと迫る、強さは本物、そう彼は再度確信する】
【此処は真剣勝負の場、ゴールドマンは全力で彼女のそれに答える】

ヌヴゥゥン!

【ゴールドマンの頭上から、大量のコインの滝が流れ落ちる、その滝は彼を守る様に壁になるだろう】
【膝蹴りの速度を殺そうとし、地面に落ちたコインは男の周囲の足場を悪くするだろう】
【だが男はその場に浮かぶ事が出来る、つまり戦闘の障害になるのは長尾銀狼、彼女だけになる】
【うまく威力を殺し切れたなら、カウンターで逆に彼女の胸部を殴りにかかるだろう】

【その拳は特別速いわけではないが、遅いわけでもない、しかし威力は申し分無い】

【だが、威力を殺せないまま彼女の攻撃がゴールドマンに貫通するかも知れないし、カウンターを凌ぐ手も、もしかすれば有るかも知れない】

/遅れてしまいました、すみません
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/06(日) 00:13:25.66 ID:dfj/WQkyo
>>926

【金槌を強く握った両の手のひらで、相手の身体にぶち当て、骨を震わせ、肉を凹ませ、押しのけた明らかな手応えを感じ取る】
【振り下ろしの時とは違う、今度は直撃だ。少年が石畳に跳ね、うつ伏せに伏したタイミングでハンマーを担ぎなおす】

【勝利条件は相手の気絶、もしくはリングアウト。戦闘続行が不能なら、降参を促して石畳から降りてもらえばいい】
【しかし、少女はハンマーを再度振り上げの態勢で構えていた。攻撃の手を緩めようとする、判断を選べなかった】
【理由は簡単だ―――――少女は確かに恐れていたのである】

【二度もこの質量の打撃を食らってなお朽ちないその闘志と鋭い眼光】
【少女の顔が引きつっていたのは、もはや歓声と熱気からの緊張ではなく、わずか目を離すことすら許されそうにない】
【その気迫―――――――そして咆哮!!】

【こちらが圧倒的有利なはずなのに、残り一撃決めれば、確実に勝利を掴めるはずなのに】

あっれぇ…………

お、おかしい。なんで、こんなに…

【手足は震える。逃げ出したい。目が泳ぐ。あの鋭い爪で腹部を切り裂かれるヴィジョンが明確に浮かび上がる】
【眼前で肉体を変形させた少年は。少女の瞳に】




【―――――赤い鱗を身に纏う、二翼を持つ巨龍としか映らなかった】



                 ”BOMB”



【向かい打つ気力すら奪われた少女が選んだ選択は、強制離脱】
【少年が彼女に到達するその一瞬前、彼女の一言と同時に、足元へと叩きつけられたハンマーは側面に書かれた”2”を”0”へと映り変えさせると】
【耳を劈く爆音。着床地点から、小規模な爆発を生み出す!】
【本来相手に叩きつけた際使用されるはずのそれは、至近距離で使えば少女の体一つを小さく吹き飛ばすには十分すぎるほど】
【少年の前足の軌道からはそれた上空へと打ち上げられる。そしてその衝撃は少年へも渡るはずだ】

【少女は爆破の衝撃、落下の開始を悟る浮翌遊感と、多大な恐怖の余韻で手放しそうになる意識をなんとか身にとどめながら】
【追撃がこないことをひたすら祈っていた。ハンマーは爆発を生み出した後地面に突き刺さったまま。今の彼女は身一つ】
【空中で身動きなど取れやしない。そもそも、着地後動けるかもわからない。所為、最後の一手だったのである】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/06(日) 00:13:36.52 ID:JC4U7klao
>>930

はっ、はっ、はっ――――。

【今度こそ確実に、手応えありだ。佳乃はそう確信していて】
【胸を抑え、苦悶の表情で荒い呼吸を吐く。襲い来る鈍痛を凌ぎながら、佳乃が振り返れば】
【やはり、という落胆と、同じぐらいの高翌揚。巨躯の男は跡形もなく土へ還り、そこには本来の対戦者がいた】
【白いローブの、小柄な人影。見た目だけなら侮ってしまいそうだが、吹き出しに浮かび上がる大言壮語に、佳乃は小さくほくそ笑む】
【外装を破壊した時点で、相手は無傷。こちらは肩と胸部に痛打を受けている。状況は有利とは言えない】
【故に、佳乃は】

ふ…………。面白く、なってきたわね。
あなたこそ、白刃龍紋流の奥義――――まだまだ味わっていきなさい!

【しゃらん、と薙刀を突きつけて。その優雅な動作とは裏腹に、子供じみた挑発をぶつける。それは心底、楽しそうに――――】
【それと同時、佳乃はぐるり、と体を大きく回転させると、薙刀に神気≠ェ充填されて】
【大きく振ら切られる薙刀。放たれるは、白刃龍紋流壱の太刀・『一矢』。先程も見せた技だ】
【ただ今回は勢いを付けた分、最初に放った物よりもより巨大で、かつ速い。光の刃は、シーナの胴体へ向けて飛翔するだろう】
【それは当たりさえすれば脅威だが、シーナなら十分回避できる範囲の攻撃。決め≠フ一撃ではない】
【それに気づいたなら――――神気≠フ聖なる光を追うように、胸ポケットから一枚の符≠取り出して何かを行っている佳乃にも気づけるだろう】
【それは、次の一手への布石か。今のところ、佳乃が直接シーナの砂の陣地へ踏み込む様子はないが――――】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/06(日) 00:14:20.36 ID:iqzmDzJ20
>>932

(……ま、向こうからすりゃそうだよなぁ……あの様子じゃ、下手すりゃ一撃でダウンだ……となると、撃ち合いになるか……!)

【体格の問題は如何ともし難い。ただでさえ男と女だ。その上、ちゆりはどうも肉体派とは言い難い】
【となれば、直接攻撃を避ける方向に動くのは、単に戦闘スタイルの問題だけでもないのだろう。空いた距離を、改めて計る様にレグルスは一瞬の思索を経て】

……そこ行くと、俺はイレギュラーだな……距離なんざ関係ねぇ……全部のレンジが俺のレンジだ!

【元々肉体派からの転向組であるレグルスは、接近戦も遠距離戦も、共にこなす事が出来る】
【どちらが主でも従でもない――――本来なら、魔術師である以上、魔術が優先すべきなのかもしれないが――――距離を選ばず戦える。ある意味で、それがレグルス最大の強みだ】
【虚勢に近いものがあるが、ちゆりを精神的に優位に立たせないための言葉だったのだろう】

…………チッ、四大元素の概念は、向こうの術にも組み込まれてるのか……?

【土を用いた防御――――上手い策だろう。『マジックボム』を相殺されて、レグルスの表情が曇る】
【――――『五行』の概念とは違い、レグルスの用いる魔術は『火・水・風・土』の四大元素を根底に置いている】
【即ち、扱える現象の範疇と言い換えても良い。根底の選択肢が多いと言う事は、カバーしている範囲も相応に広いと言う事を意味する】
【そこに不利が生じるのではないかと、レグルスは懸念を感じたのだろう】
【――――実際には、レグルスの四大元素は、それを組み合わせることで更に4つの力を生み出す事が出来るのだが】

……なら、精々全力でぶつからねぇとな!!
俺らも、客連中も、それを望んでるんだからよ!!

【今この場は、2人の戦いを大勢の観客が楽しんでいる。その中にあって、レグルスもちゆりも、共に胸に抱く目的のために戦っている】
【その為に、2人は全力を尽くす。それをまた、観客たちは見たがっている。ならば、する事は1つだ】
【――――結果の如何に関わらず、全力で戦う事。それこそが思いを貫く手段でもあり、目的を達成する為の近道であり、観客を喜ばせる最善手なのだ】

ッ!!
(あの札……あそこから何らかの霊的エネルギーが、他者に影響を与えるって事か……!)

【鉱石の弾丸が形成され、飛来してくるのを見ながら、レグルスはちゆりの戦闘スタイルを推定する】
【恐らく、周囲に存在する物を利用する事で戦っているのが、今の状態なのだろう。だが同時に、自身にも何らかの力を秘めているはず】
【――――今は、それだけしは分からなかった。それ以上の考察を、弾丸は強制的に中断させる】

ぐっ……ぉあッ……ッ

【再び棍を用いて防御しようと試みたものの、流石に数が多すぎて対処しきれずに、2発が身体に入る】
【その内1発は胸部に。もう1発は左太ももに。思いきり殴りつけられた様な痛みが走った。思わず右足に体重の重心を移す】
【まだ気にかけるほどのダメージではないだろうが、動きに支障が出るかもしれない、嫌な喰らい方をしてしまった】

……目には目を、歯には歯を……石には石を……って事にさせてもらうぜ!
――――オー(土)・サン(拡散)・イム(怒り)・ビン(レベル2)……『メテオストーム』!!

【やられたら、やり返す――――幼稚な発想の様ではあるが、相手に余り手の内を見せたくない時には、それなりに有効な戦術でもある】
【レグルスは再びスペルを構成させると、地面から、巨大な岩塊が2つ、抉りとられて宙へと持ちあがり――――それが炸裂し、ちゆり目掛けて破片が降り注ぐ】
【形や大きさの様々な、石の弾丸を雨と降らせる、精密さよりも範囲を薙ぎ払う事に重点を置いた一撃だ】

【残存魔力 13/17】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/10/06(日) 00:16:32.77 ID:2/kvNpZAo
>>929

「――ちィッ、この感触……真後ろにいねェーじゃあねェーかッ!」
「アウ、そォー言う事は早く……」 『(さっき言いましたよ……)』

【見えなくとも、感触でわかる――タックルが捉えたのは、氷壁のみだったことくらいは】
【言うまでもなく、生身で氷壁を壊せば、自身の身体にも破片は刺さるし傷つく――が、大して意には介していない】
【タックル後の体勢を立て直すべく、右足を前に出してブレーキをかけていると】

「ヘケケケ、俺のパワーはいっつも有り余ってんだよ、だから今度こそニードルウィングでブロウしてや……るゥッ!?」

【――放たれるのは、彼の十八番である"跳弾"】
【タックル後の隙を的確に、位置予測も的確に放たれたそれは、綺麗にヘケメトの脚を穿つ】
【自前の鎧――もとい筋肉によって、通常の人間に比べるといささかダメージの通りが悪いか、しかし機動力を奪うには十分である】

「いっつゥ……あんた、どこからどォーやってえェーっと……タマ飛ばして来やがった!?」
「だけど、俺の脚を撃つっていうのは結構良い判断だぜェー、動きづれェーし拳に力が入りにくくなるからなァー」
「ヘケケッ、まァー……このくらいじゃあ俺はぶっ倒れねェーけどな!」

『(その状態で無理に接近しようとしないでください、例えば――、――)』

【バッ、とウィンドブレーカーを脱ぎ捨てれば、けたたましく叫びつつ地面をおもいっきりぶん殴る】
【すると、その正面から棘――30cm程で、強度は前述通りのそれが無数に生えてきて】
【その棘の束が、ロウを突き刺そうと迸るッ!】 【速度は人が走る位の二倍くらいだが――】
【なお、もし当たったとしても、そこまで深々とは刺さらず、致命傷にはなり難い】

「――喰らいな、ニードルライナー!」 「ヘケケケ、俺は肉体だけじゃあねェ……棘と気合もあるッ!」

【本命は、接近。】
【右脚の銃痕から止めどなく流れる血、さすがに先ほどまでの勢いで走るのは無理というもの】
【故に、ニードルライナーを利用して、接近をしやすくしようとしているのだ】

【ニードルライナーがどう対処されようと、彼は左脚を中心に、しかし右脚になるべく負担を掛けずに――】
【見た目的には左脚による片足連続跳びなのだが、それによって接近を試みるだろう】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/06(日) 00:22:22.50 ID:ZQ/iMS3f0
>>934

 うんすまない、私も知らないんだ
 うんすまないな本当に
 まあ自然にやっていればいいんじゃないか

【男はそんなことを言う】
【そして隣では花嵐が男をあきれたように見ているが男は無視した】

 ふむ、私の名前かい
 そうだなソロモンというよ、そして隣にいるのが私が作ったアンドロイド花嵐さ
 そして研究所所属だよろしく頼むよ

【男はそう答えた、花嵐のことは仲間だからいいかと明かしたのだろう】

 で、君の名前何かな
 まあ、名乗りたくないならなのらなくていいが

【そしてソロモンは少年に対してこう返す】

 うん、大規模戦闘とかね、ほらミクタム研究所防衛線とかあったじゃないか
 まあ、調べてみればわかるよ
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/10/06(日) 00:23:44.79 ID:TYS+1bQno
>>927

ウヘァ!!――――分かってはいたけど自爆って大変だね。

【爆風に吹き飛ばされながらも狂死郎は空中で体勢を立て直し、着地の寸前に白剣を地面へと突き刺す】
【そして着地と同時に少女へと命中し、その役目を終えた黒剣が白剣へと引き寄せられ、彼の手元に納まる】
【ゆっくりと態勢を整えた、狂死郎の目前に立つは未だ健在の少女の姿】

いい感じにダメージは与えられたみたいだけど……自爆と引き換えじゃ釣り合わないか。
――――来なよ……!!どう対処するのか見物だね。

【――――防御手段がある以上、炎を纏った斬撃は彼に対して有効打には成り得ないはず】
【にもかかわらず、再び炎を纏った剣を手に突進する少女の姿は、何らかの策を想起せざるを得ない】

(素直に回避するのも良いが……受けて裏を掻くのも悪くはないか)

【それでも狂死郎はあえて防御の構えを取った白剣で切り払いを受け止め、少女が自らの側面へと移動するのを受け入れる】
【フィールド端を背にするのは自殺行為に等しいが、彼女も馬鹿ではない、何か考えがあってのことだろう】
【そう確信した狂死郎は彼女へと向き直り、攻撃態勢を取る】

血迷ったのか!?(と、言いつつ……)

【そして少女の腹部へと向かい、勝利を導く黒剣の突きを放つ――――しかし、それはフェイント】
【狂死郎の黒剣は少女の眼前で静止し、代わりに右の膝蹴りが腹部へと放たれる――――だがこれも、命中する以前に静止する】
【彼の本命は膝の裏に仕込んだ札、膝蹴りが静止した瞬間に発動し、少女を吹き飛ばさんと衝撃波が放たれる】
【同時に狂死郎の体は反動でフィールドの中央へと向かって吹き飛んでいった】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/06(日) 00:33:45.90 ID:PLB3JZ+Qo
>>935

さあて!強いかどうかは儂自らが選ぶことではないのでのう
だが、褒められて悪い気はせぬ。……ちィ、金≠ゥ……!!

【相手に攻撃で再接近――したその折、唐突に降り注ぐのは金貨の滝】
【雨すらも凌ぐその勢いに、さしもの一撃も威力を減退され】
【なんとか相手に触れる程度までは行くがダメージは皆無。銀狼は咄嗟に交代し】

【直後、放たれるのはゴールドマンの反撃。胸部を狙ったそれは―――】

―――甘いのう!速さ鋭さ柔軟さ、これが儂の戦いの全てじゃよ!
それをそう安々と打ち破られては型なしというやつでな――喰らえィ、黄金=I

【――当たらない。銀狼は金貨の滝に圧されるがまま、両手足を地に付けたのだ】
【まさしくその姿は獣のようで、身を打つ重みに歪んだ笑みを浮かべていた】

【そして更に、反撃――四脚を使って足下の滑りを軽減し、金貨の滝の中を駆け】
【撹乱するように動きまわった数秒後、ゴールドマンの右後ろから爪で肩口を斬りつけようとするだろう】
【だがそこに色合いが出る。金貨の雨、銀の狼――移動の軌跡は、見きれない事もない】

/いえいえー!ただ明日朝が少し早いのでそろそろ凍結したいのですがよろしいでしょうか?
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/10/06(日) 00:33:49.33 ID:mNK+pxWto
>>937

「その程度で、私の領域を超えられると思わんことなのだ!」

【迫り来る光の刃、先程以上に強力となった其れに対して】
【シーナは口元を小さく吊り上げながら指を一つパチンと鳴らした】

【砂の領域、その前面が急速に盛り上がり何かの形を作る】
【それは例えるならば砂の"鮫"であろうか】
【高さ2mはあろう砂鮫は人でも丸呑みに出来そうな大口を開けると】
【光の刃をバクリと"呑み込んで"、地面へと沈んでいった】

【生身の人間が相手だったならば】
【そのまま地中に連れ込まれていただろう迎撃手段】
【また、強力な光の刃を呑み込むほどの練度は驚異と映るだろうか】

【だが、領域――結界の類を作っているためか】
【先程のような高速移動は行う様子がない】
【領域内では強力な術を行使することが可能ではあるが】
【シーナはその場に縫い止められており、領域から離れた場合術は弱体化する】
【強力な術にはそれだけ制限があり、弱点が存在するのだ】


「フハハハ!小賢しい手品など、私の術の前には無力なのだ!」
「動かぬならば、そこで朽ち果てるがいい!!」


【シーナは空中目掛けて小さな石を4つ放り投げる】
【石――ゴーレムコアを中心として、領域から膨大な量の砂が舞い上がり】
【コアを包んで何かを形作っていく】

【ゴーレムクリエイト。シーナが最も得意とする地の魔術】
【それによって空中に4羽の砂の"鷹"が生成される】
【妨害がなかった場合、4羽の鷹の内2羽が鋭く尖った爪を向けて滑空攻撃を仕掛ける事になる】
【ナイフのように尖った爪は、滑空の勢いもあって相応の威力を誇り】
【直線的ではあるものの速度もある】

【しかし即席のゴーレムであるが故に持続時間、強度ともに低く】
【一度の攻撃を行った後は砂に戻り消えていく】

【――シーナは自分の術に余程の自信があるのか、佳乃の行動に大きな注意を払っていない】
【この慢心も、シーナという術師の幼さであり弱点の一つである】
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 00:44:24.15 ID:Ap/dFf8no
>>939

―――っフー……。どうやって……ってアンタが見た通りだよ。ま、礫が邪魔ではっきり見えなかったんじゃねーの?
オイオイ、つーか頑丈過ぎやしねぇかよ……思ったより半分くらいしか効いてねぇんだけど

(アイツの言動―――誰かと話してるような……? 何だ何だ、二重人格か……?)

【額に滲む汗を拭ってはまた構え、そしてゆっくりと右後ろへと歩きながら―――最初のポジショニング、中央やや後ろを保とうとする】
【「そういうことは早く」という言動に何やら違和感を感じながらも、その点について深く熟考している暇はない。さてどうしようかと戦略を練るロウに―――】
【距離を離させはしないと言う事だろうか、ヘケメトがアクションを起こした。地面を思い切りぶん殴り、轟音と共にフィールドがやや揺れる】

【―――刹那、無数の棘がロウへと飛来していく。リーチでは勝ると思っていたが、其れでも完全に勝っているとは言い切れないのかも知れない】
【棘を放つ手段は1つではない。恐らくコレ以外にもあるのでは―――と豊富なバリエーションを連想させる行動。そして、其れは意表をつく行動となり―――】

―――っ!? ざけんなッ、テメェ近づけなくても充分つええじゃねーかよぉおおおおッッ!!
〜〜〜〜〜っ痛ゥッ……!! こ……んの……野郎ぉッ……!

【銃撃による迎撃は不可能と判断、身体を捻り躱そうとするが―――その脚では、意識に行動がついていかない】
【右太ももを鋭く深く削り、決して少なくはない量の朱が流れる。身体を電流の如く奔る痛みが、更に彼の動きを止める】
【―――その間に接近は可能だろう。しかし跳弾を得意とするだけあってロウの視野はかなり広い。意識では彼の接近に対応しようとしている】

【恐らく照準を合わせるのとほぼ同時に、相手は接近し終えるだろうか―――兎に角言えることは、今の間合いはヘケメトの間合いだということ……!!】
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/10/06(日) 00:44:38.05 ID:/8nWrbND0
>>942
はい、わかりました
では返しておくので休まれても結構ですよ、では再開は明日の夜8時頃で良いのでしょうか
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 00:46:14.03 ID:LvIuJL2Yo
>>931

【――何もしてこない=Bあれだけ隙だらけの姿を晒したというのに】
【ねこやまが準備体操を始めて、彼女は目を丸くさせるのだろう。そして呆然とそれを見つめた】

【観察するには十分な時間があったことだろう】
【それに彼女の行動パターンは非常にわかりやすい。癖を把握するのは容易かったはずだ】


え? うん、本気ね、本気。もちろんだにゃ――って


【体術を中心とした戦闘スタイル。ばかみたいに真っ直ぐな攻撃】
【距離を詰め、接近戦ではカウンターを主とした切り返しを得意としていた】
【もっとも、その持ち味もねこやまには通用しなかったけれど】

【それからもうひとつ、これがこの戦いで最も色濃く出た彼女の性質――】


    ――――あたいは最初っから本気だヴォケエエエ!!!


【そう、彼女はすぐヒートアップするクチである、ということ】
【売られた喧嘩は買う。特にこのような場では手を抜かれること≠サれ自体が気に障る】
【まるで心を猫じゃらしか何かでくすぐられているよう。言動の一つひとつが神経を逆撫でした】

【わなわなと拳を震わせながら、距離を取るねこやまを見つめるのだろう】
【彼の動きが止まり構えたなら、カッと目を見開いて――次の瞬間にはもう、彼女の姿はそこになかった】

必殺―――

【タタンと地面を蹴る音が響く。加速したなら次に跳躍――それもほとんど走ってるのと変わらないくらい、低く低く】
【着地地点を思いきり踏みしめたなら、彼女は拳を振りかぶるだろう】
【前進すること≠サの全てを乗せた拳は、刹那を壊す力を宿す!】


   銀猫こめっとぱ――――――んちッッ!!!


【技名のセンスはさておくとしても、その威力は侮れない】
【加速からの踏み込みで生まれた力を利用した彼女の拳は、衝撃波すら纏うはずだ】
【狙いは真っ直ぐ、ねこやまの身体の中心。まさに神速ともいえる速度だが、ねこやまならあるいはかわしきれるか】
【これだけの大振り、もはや防御や後のことなど無視している。もしもかわしたなら相当な隙になるはずだ】

【ここまで銀猫は能力らしい能力を見せていない。能力者ではないのだろうか】
【少なくとも過去二回の大会では能力を使った記録はないようだが――】

/超絶遅れました…スミマセン
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 00:47:38.03 ID:FFs1dYbP0
>>938
「四大元素、とは私には分からない概念ですが――――それ故に、私と貴方も対等な条件です
…………なる程。どうしてこの様な事を見に来る物好きが居るのかと思いましたが…………何となく、その気持ちも分かる様な気がします」

【対して女性は、四大元素の概念を知らない。果たして、五行の知識でどの程度まで太刀打ちできるか――――】
【否、ただ其れで考えて居ただけでは、レグルス程の者には通じないであろう。その証拠として、水では無く土という考えに至ったのだから】
【殺しは無いとは言え、争いを好き好んで見物する観客達。今までは何故その様な事をと考えて居たのだが――――今までの術と魔術とのやり取りを通して、何となく理解出来た様な気がする】

【被弾の確認。然れど、追い打ちは行わない。いや、行うことが出来ないと記した方が適切か】
【その漆黒の双眸は被弾位置をしっかりと確認していたけれど、同時にレグルスの動きも見ていたから】
【これを機に一気に攻め込もうとすれば、確実に手痛い反撃を受ける事になる。だから――――ゆっくりと、隙を伺っているのだろう】
【その最中の事。巨石が宙へと浮いたならば、策を練るが――――】


「…………では私は更に雷を。そして、氷塊をとして、貴方が真似を出来ない手段を見つけていきましょう
……レグルス。今まで何体もの妖怪を倒して、勿論人間も相手にしてきましたが、その行為がこの様に楽しいと思うなんて――――――」

【岩。裂くか、砕くか。いや、或いは脚に風を纏わせ駆け抜けるか――――?】
【次の瞬間に響くであろう轟音には、その考えに至ったのが間違いであったと知る】
【当初は岩二つを投げられる物だと考えて居たが、今この刹那にも向かってくるのは実に数の多い石つぶて】
【…………札で叩き落とすか。その数の多さから考えて、其れは不可能。ならば――――】

【身体を抉らないであろう其れ等はそのまま受け、裂く物や一つで大きな痛手を負ってしまいそうな石の弾丸は“受け流す”】
【…………この巫女も、また近接が出来ないという訳でも無さそうだ。全ては不可能だとしても、その岩々の力を流し、確実に下へと叩き付けている】
【――妖怪や人間との戦闘。その言葉から察する事が出来るのは、この女性もまた多くの死線を越えてきたという事】

【レグルスの考えて居たであろうちゆりの戦闘スタイル。そして、自身が持っている力の一端】
【打撃の力こそそう無いが、己の力が無くとも相手の威力を返せる体術。謂わば、カウンター】
【――――小さな嵐が去った後、其処に立つのは紅白の其れを所々茶色に染めた巫女】
【如何に受け流すとはいえ、全てに対して行える訳でも無い。頬が斬れていたり、腕には痣が出来ていたり】
【……其れ等は、確実なダメージとなっていた事だろう。それでも尚、戦意が失せた様子を見せず】


「――――――とても、久しぶりですよ。レグルス
ですから、私の目的は勿論の事…………この戦い自体も、存分に味わいましょう」

【再び札。記された文字は曼陀羅の様であって読めないが――――突如発光したかと思えば、光輝く矢が飛んでいく事だろう】
【弦を引く手間も無いその攻撃。放たれている矢は、破魔矢と呼ばれる其れ】
【――――急所を狙わずとも、脚の甲。そして左の太腿へと放たれた。無論、機動力を削ぐために】
【構えから射出までのラグを考えれば、先程のダメージも馬鹿には出来ない位に募っているのだろう。避ける事が難しいとは言い難いけれど】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 00:51:42.61 ID:p2Wjf1xS0
>>940
「そうか、うん、そうだよな」
「答えがそんな簡単にでたら面白くないしね、そうだよね」
「うん、ありがとうございます、自由に、やらせてもらいます」

(曖昧な答えを言われても、そうだよね、そうだよねと何処か楽しげに笑うのみで)
(むしろ声に含まれた喜びの感情は多くなったのではないか、という位だ)

「ソロモンさん、うん、わかった、そっちが花嵐、さん……一応、よろしくね?」

(未だに警戒をしている花嵐に対し、一応挨拶をしておく)
(少年は仲良くしたいのだが、まあ、この少年の態度なら仕方ないか)

「僕の事はどうだっていいんですよ、コレとか、ソレとか、適当な呼び方で」
「だから名乗りたくないっていうよりは、名乗らなくてもいいかな、って所なんです」

(調べればわかるといわれ、真っ先に浮かんだのが図書館)
(明日はこうしようとか、なんだとか、そういう予定を立てつつ)

「ああ、まだ聞きたい事があるんです、ソロモン、さんって、どんな目的で機関に入ったのでしょうか?」
「えと、大分自由な思想の人が多いって聞いたから、どうなのかな、って」
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/06(日) 00:52:15.87 ID:fVWCtaWuo
>>936

【翼の一撃は空を掻いた。肉を裂く感覚は伝わらず、代わりに感じたのは轟音と熱風と衝撃波】

ぐぁ、はッ――!

【少年の身体が宙を舞う。しかしまだ倒れるわけにはいかない】
【翼で体制を整え、ゆっくりと地面に降り立つ】


【足が石畳に着く。続いて膝。上半身がいっぺんに床に触れる】

ぐ、うぅ……

【腕を石畳につき、上半身を持ち上げる。肘が折れ、べしゃりと潰れる】

――まだだ……

まだ……戦え……

【消え入りそうな声でつぶやくが、もう身体が動かない。肉体的ダメージと手足の疲労が、少年の身体を縛り付ける】
【ゆっくりと瞼が落ちる。目を開く気力すら、もう彼には残っていない】

【第3回水の国天下一武道会 1回戦第1試合】
【勝者〜柿奈】



【ちなみにこれは余談だが、少年の手足がもとに戻る気配はない】
【それはまるで、その異形が本来の姿であるようだった】

/お疲れ様でした、ありがとうございました!
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/06(日) 01:00:45.29 ID:ZQ/iMS3f0
>>948

 私が機関に入った目的か
 そうだなあ、まあ、研究資金が必要だったからかな
 私の研究は表ざたになったら大変なことになるかもしれない研究をしているのだし

【目的を聞かれソロモンはそう答える】
【ふざけてみなくちゃんと少々真剣に】

 うむ、そうだなあ
 まあ、自分は機関に忠誠を誓っている人物に遭遇したが
 いろいろであろう

【ソロモンは曖昧に答える】
【ぶっちゃけどんな思想を盛っていようとどうでもよさそうに】

 ふむ、そうだなそろそろ帰ろうかな
 ちょうどいい時間だし
 帰らせてもらうよ、ではね少年
『………』

【そう言ってソロモンは花嵐をつれて帰る】
【そして花嵐は少年を一瞥した後にソロモンについていった】

/ここで閉めますね
/お疲れ様でした
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/06(日) 01:05:18.28 ID:JC4U7klao
>>943

【『一矢』が砂の鮫≠ノ呑み込まれる光景を目の当たりにして、佳乃は突撃しなかった自らの判断を心中で賞賛した】
【あんな領域に丸腰で近づけば、確実に無事では済まない。ここは遠距離から、堅実に攻めるべきか】
【…………そんなのは面白くない、と。佳乃の思考は、そんな幼稚な判断でそれを却下する】
【戦いにおける幼さで言うのなら、両者に大きな違いはないのかもしれなかった】

目には目を…………よ。
白刃龍紋流、陸の太刀――――『六花招来』!

【佳乃は操≠ニいう漢字が描かれた符に神気≠込め、空中に貼り付けたそれに勢いよく薙刀を突き刺して】
【その符を中心として多量の神気≠ェ集合していき――――光の中から現れたのは、長躯に巨大な角を持つ雄鹿だった】
【同じように動物を作り出して見せた佳乃だが、その雄鹿を構成するのは土ではなく、聖なる力。櫻の国で、それは式紙と呼ばれるモノだ】
【佳乃を背に乗せた雄鹿が勢いよく走り出すのと、シーナの作り出した鷹の二羽が襲いかかるのがほぼ同時――――】

これで………………押し通るッ!!

【走る鹿の背で、佳乃は薙刀を振りかざし――――左腕に裂傷を負いながらも、二羽の猛禽を突破する】
【そうして雄鹿は一気に距離を詰め、大きな角をシーナへ向けて突っ込んでいくだろう】
【勢いを付けた突進は、かなりの威力だ。加えて雄鹿の脚力があれば、砂の領域を無理矢理踏み越えることも可能だろうか】
【もっともこの鹿自体にはそれほど強度はないため、先程の砂の鮫≠使えば迎撃は用意だが…………】
【――――その背に乗ったままの佳乃が、このまま何もしないわけがない】
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 01:08:21.17 ID:O/KZ/XPP0
>>946

あ、おこった。……わっかりやすいなー……
挑発されてまんまとひっかか……―――ッ!?


【今迄見せた少女の"性格"―――どうやら、挑発すれば、直ぐに乗っかってしまう様で。】
【そして少女の"言葉"。其れは、『これから攻撃しますよー、』なんて言っている様な物であって。】
【当然、少年も此の2つを重々承知していた。にも関わらず言葉が詰まったのは―――、】


【―――"必殺"という言葉は、伊達では無かった。という事なのだろう。】


【初めて"余裕"で無い表情を見せる少年。―――少女に、其れは気づいただろうか。】

【今までの余裕は、謂わばハッタリであった。相手の"癖"を読み取る為に取り繕った物。】
【実際には、其処まで余裕が有る訳ではない。寧ろ、案外"ギリギリ"な戦いを強いられていて―――。】


【神速と云う名にふさわしい彼女の動きを完全に捉えきる事が出来ず、】
【―――其れは、何とか回避できたと言う位。代償として、先程の少女と同じ様に尻餅を付いてしまった。】

【更に、『アカン、』と思ったのも少女と同じ。唯一つ違うとすれば、】
【其れを声にも、顔にも出さなかった―――と言う事だろうか。】


【少年は腕を使って少しずつずり下がりながら距離を取っているが、当然其れは微々たる物。】
【大振りの攻撃をスカしたとは言え、尻餅を付いた少年に追い打ちを掛けられない、なんて事は無い筈であって。】

【―――其間、少年は此処まで激昂しても尚、"能力者"らしい技を見せない事からも、】
【彼女は"非能力者"である可能性を、少しずつ考え始めている様だ。】

/お気になさらずー!ゆったりまったりやりましょう!
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/10/06(日) 01:09:12.39 ID:2/kvNpZAo
>>944

「見えてた気がするけれどあんまりよくわからねェーぜ、ヘェーケッケックェッケェーッ!!」
「――――それにだ、右脚一本くれェーで止まってたらバトルなんて出来ねェーッ」
「右脚が駄目なら左脚、左脚が駄目なら腕、腕も駄目なら頭、頭が駄目なら……ヘケケ、さすがの俺でもそれは駄目だ!」


「そして、その手に持ってるモン――うゥゥおおおりゃァァアアーーーーッ!!」 「そんな物騒なモンはこォーだ、こォーしてやるッ!」

【接近に成功すれば、振るうのは右手によるチョップ。】 【棘などが全く生えていない、素の状態のそれである】
【やはり銃器の類に対する苦手意識――というか、アレルギーというか、そういったモノは戦闘中でも抜けないようで】
【自分の方の棘も十分物騒――なんてことは一切のお構いなし。】
【――手の振るう先は、銃を構えたロウの手、正確には銃そのもの。軌道は、斜め上から振り落とす形となるだろうか】

「こォォーーだァァアアーーーーーッ!!!」 「手の骨ごと砕けやがれッ!」
「骨だけ後で治してやるッ!」 『(……私の仕事を増やさないでください)』

【その手に、体重はあまり乗っていない――もしかしなくとも、脚のダメージの影響だろう】
【だが、油断は禁物。腕だけの力でも、一般的な成人男性に勝る位のパワーがあるのだ――さすがに銃を砕く程ではないが……】
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/10/06(日) 01:10:36.62 ID:PLB3JZ+Qo
>>945
/ありがとうございます。そうですね、再開はそのぐらいの時刻になるかと
/何はともあれ、今日はこの辺りで。一旦、お疲れ様でした〜
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga ]:2013/10/06(日) 01:11:40.13 ID:XvL7ax0co
>>941

剣士やってる分、人よりタフにはなってんのよ……!
大変だってわかっててこんな事するなんて、全く気が知れないわ!

【放つ切り払いは白剣により受けられ彼の側面へと回り込んで、開始時と向きが入れ替わった形になる】
【一先ずここまでは狙い通り―――内心でそう考えている内に、次の攻撃は繰り出されていて】

血迷う?ふん、今にわかるわよ―――ッ!

【突き込まれる黒剣に体が反応し、短剣を振り上げるもその攻撃はフェイク】
【―次に来るのは……膝蹴り。しかし自分が舞台端を背にした今ならば、先ほどのものか―】
【刹那の思考、一度爆発を目にしている上にこの状況、狙いは爆発だ、と予想】

【果たしてこの読みは当たりではあるのだが、右の長剣は体の左側、左の短剣は顔の前】
【これでは先ほどのような対応は出来ない―――ならばこのまま飛ばされるしかないのか?】

んぅ―――――――!!

【結果として、予想外な光景がそこに生じていた】
【――――短剣の柄をくわえた剣士の少女が、黒づくめの男の脚を掴んで一緒に吹っ飛んでいる――――】

【順を追って説明すると、まず、顔の前にあった短剣を口にくわえて左手を空にした】
【そしてそうしている間に繰り出されていた膝蹴りに対し、空いた左手を伸ばし】
【爆発が起きた瞬間に右脚向けて飛び込むようにして左腕で抱え込みにいったのだ】

【無論、爆発に飛び込むのだからダメージは決して小さくない】
【しかし場外負けは回避した上、位置取りも一気に中央へ戻せる。それだけでも十分といえよう】

くぅ……は、歯が折れるかと思った……
ああもう……体中痛いし……

【勢いを得ると空中で手を放し、転がるように着地して身を起こし】
【再び短剣を左手に戻し、彼の方へ向き直る】

さて、と、そろそろ一気にいくけど――剣士相手に接近戦なんてやめた方がいいと思うわよ?

【少しふらつきながらも立ち上がり、彼も立ち上がれば真っ直ぐに走り出す】
【そして今度は炎を纏わぬままの長剣の横薙ぎを彼から見て右から左へと】
【更に続けて左手の短剣による突きを繰り出す】
【真っ直ぐ、正面から。押し込むように、そして畳み掛けるように】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/10/06(日) 01:14:58.60 ID:dfj/WQkyo
>>949

【べしゃり、という鈍く骨に響く音。翼を持たない少女は背中から石畳へ叩きつけられる】
【嗚咽がこみ上げ、内蔵ごとそっくりそのまま吐き出しそうになり。口を抑える】

【少女がなんとか上半身を起き上がらせられたのは、フォンチュンが意識を失った後】
【異形と化した腕。疲労とダメージが蓄積しようと戦闘にかじりつく闘志。彼が気絶する前残した言葉は不思議と少女の耳に染み込んでいた】
【彼女は逃げを選んで、その結果勝利を得たはずなのに】
【試合終了の合図の後、役員の肩をかりつつ石畳を降り。ハンマーの柄の跡がついた手を開いてみても】
【勝利を得た実感はそこにはなかった。それでも、敗北ではない】

あ、は…は。


【石畳に残された武器が回収されたのを見て、どこか安堵しつつ。渇いた笑いをこぼす】
【いくら後味の悪かろうと、それを気に病むほど少女は馬鹿正直ではない】
【―――――それこそ面倒くさいのだ。勝ったという事実は確か。それでいい】


い、いやぁ。
幸先不安、すぎるでしょ……

ねぇ…


【余分なものは気負ず、気怠く怠惰に緩慢に。少女は自分自身にそう言い聞かせるようにして】
【背後に伏せる少年の気配から、その闘志を思い出さないよう、逃げるよう歩を速めながら】
【あまりに想定外だった一試合目を、気安く冗談で締めくくった】


//こちらこそお疲れさまでした!
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/06(日) 01:18:54.18 ID:iqzmDzJ20
>>947

……なるほど、異国の技とは考えさせられるもんだぜ……!

【互いに、互いの手の内が見えない。今はそれどころではないが、こうした危急の時でなければ、レグルスもそこに興味を惹かれていたかもしれない】
【多彩な術を扱えると言う事。その事実だけを今は胸に留めておいて】

――――いつだって全力ってのは、見てて清々しいもんだぜ……!

【本来、そこに余計な言葉を差し挟むべきではなかったのかもしれないが、一言レグルスはそう叫ぶ】
【プロフェッショナリズムが内包する、完成された美しさ。それは、何にも代えがたい人の美しさを呼び覚ます】
【――――猟奇趣味でも残虐趣味でも、暴力趣味でもない。皆が見たがっているのは、その美しさなのだろうと】

……猿真似は、そう言う限界が来るから、いつまでもって訳にはいかねぇんだよな……!
良いぜ……そっちを窺う様なやり方は、いい加減変えてかねぇとな!

【ブラフが混じっているのかもしれないが、どうやらちゆりも相当な広範囲に術の覚えがあるようで、いささか苦笑しながらレグルスは応える】
【そうして突破口を探られるのなら、むしろいつまでもそこに付き合っているのが危険だ。レグルスは、次の一打をもう一度模索する】

っ、あの動きは……!
(……やべぇ、見誤ってたぜ……あれは、場馴れしている奴の動きだ……!
……ぶつかり合いがからっきしって訳でも、どうやらなさそうだ…………すっかり、外見に騙されかかってた……!)

【『メテオストーム』に期待される効果は、ダメージのムラなどはともかく、散弾の如き礫で確かなダメージを与える事にある】
【逆に言うなら、その嵐の中を効果的に回避すると言うのは、そう簡単な芸ではないはずなのだが】
【ちゆりは、礫の大小を見極める様に、痛手となりそうな礫を確実に回避していく。それは、ある程度以上に戦いをこなしていなければ出来ない動きだ】
【――――術者としての姿。どこか静けさを湛えた佇まい。接近戦を極力避けようとした動き】
【そこから、自然にレグルスは、そうした機動をちゆりが行う可能性を、頭の中から排除してしまっていた】
【故に――――それを見せつけられては、レグルスも思わず言葉を失ってしまったのだろう】

――――へっ、そりゃどうも……こっちとしても久しぶりだぜ……!
殺し合いとかじゃなく、こういうさっぱりしたぶつかり合いが出来るのはなぁ……その意味じゃ、感謝するぜ……!

【機関との戦端に足を踏み入れた事もあり、そしてその度に危険に身を晒してきた】
【無論、誰かの為に戦う事はレグルスも吝かではないし、そう簡単に敗北して死を迎えるつもりもなく。実際に今まで生き残っている】
【とは言え。そうした力は、時に絆を結ぶ鎹になる事もあると言う事を、レグルスは知っていて。そうした『戦い』が久しく遠ざかっている事に、寂しさを感じてもいた】
【――――それを払拭してくれる相手を、今こうして頂いている事は、レグルスにとっても喜ばしい事だったのだろう】

なら、たっぷり披露させてもらうぜ……俺の術、底はそこまで浅くはねぇぞ……!
――――バルオー(命)・エル(拡散)・リク(反転)・ビン(レベル2)……『ポイズンミスト』!
――――レル(風)・ジャン(放射)・ビン(レベル2)……『ジャイアントブレス』!!

【札を用意するちゆりの姿を見て、レグルスは次の一手を決定する。そうして紡がれる、2つの術式のスペル――――】
【まず、くすんだピンク色の霧が、周囲に散布され、そこに、レグルスの腕から強風がちゆりに向けて吹かれる】
【――――ピンク色の霧が、風に乗ってちゆりへと吹きつけられる恰好だ。そしてその性質は『命』の『反転』。即ち『毒』】
【その霧に包まれてしまうと、緩慢に体力を消耗する事になるだろう】

……っぐ……、そろそろ、不味いな……!

【同時に。吹かれる強風は、飛来する矢の軌道を狂わせる狙いもあったのだろう。ピンポイントに狙われるのなら、狂わせれば逸らす事が出来る】
【だが、それこそ小さいターゲットである足の甲への矢は外れたが、太ももを狙った矢は曲がりきらず、掠める形でレグルスの足を斬りつける】
【じわり――――レグルスに、焦りと苦痛から汗が滲み始めていた】

/すみません、そろそろ限界です……持ち越しさせてもらってもよろしいですか?
/明日、続きが出来るかはちょっと怪しいものがありますが、その時には連絡させてもらうので……
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 01:22:15.96 ID:FFs1dYbP0
>>957
/はい、勿論大丈夫ですよー
/あまり無理をなさらず、可能な時にお呼び頂けたら幸いであります!
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/06(日) 01:26:03.83 ID:mNK+pxWto
>>951

「ほう!創造物で私に挑むとはいい度胸なのだ!」
「その無謀、しかと叩き潰してくれる!」

【攻撃を仕掛けた2羽の砂鷹は、その場で崩れフィールドに転がる】
【佳乃の突撃は互いの距離を確かに縮め】
【砂の領域にあと一歩と近づいた位置で、領域に変化が訪れた】

【それは最初に生み出した砂の腕とは違い、人間離れして巨大な拳】
【シーナの前面には先程のサメではなく巨人の腕が生成された】

【腕は岩のような拳を人間離れした力で突き出し、式神を破壊しようとするだろう】
【直線的ではあるが威力は見た目通りに高く、強度も同サイズの岩に匹敵する】

【だが、砂の拳は佳乃を狙った攻撃ではなく式神を狙ったものである】
【素早く離脱したならば巻き添えを食らう可能性も低く】
【また、巨大な腕に砂の領域の多くを使っているため】
【即座に新たに砂鮫などを出す事は出来ない】

【佳乃の行動を通すには絶好の機会であろうか】
【しかし、フードから覗く口元には不敵な気配が刻まれたままだ】


【シーナはパチン!と指を一つ鳴らす】
【"頭上に残った二羽の鷹"が構成を変え、剣のような形状を取った】

【シーナが備えるは砂の領域とゴーレムによる二段構えの迎撃】
【砂の魔術師に攻撃を届かせるには、それを退ける決定的な一手が必要となる】
【シーナの耐久力は見た目通りに脆弱だ】
【もし攻撃を届かせることはそのまま勝利に直結する可能性も高く】
【また――慢心ゆえに"想定外"の事態に恐ろしく弱いという欠点も持つ】

【決着は――恐らく近い】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/10/06(日) 01:27:31.13 ID:iqzmDzJ20
>>958
/ありがとうございます……明日、早いうちから可能なようであれば、その事も連絡させてもらいますので
/では、今夜はおやすみなさいー!
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 01:28:18.87 ID:LvIuJL2Yo
>>952

【外した――が、反撃もない】
【技を撃ち終わり、気持ち的にはストップしているのだが、まだ身体は前へと進もうとしていた】
【少しずつではあれども、彼女との距離を稼ぐことができるだろう】

【少し間を置いて体勢を立て直したならば、ぐるんと腕を回した】
【フーッと息を吐く様は、まさしく激昂した猫のようで】


……手を抜いたのがあんたの首を絞めたんだにゃ
悪いけどあたいは手を抜かないよ。あたいは勝たなきゃいけないんだ

――誰よりも、強くあるために


【ここまでの戦い、お互いに決定打を入れれていないどころか、まだ攻撃が一度も当たっていない】
【実力は拮抗していた。ならばどちらかが被弾したその時が、勝負の分かれ目となるのだろう】


降参しないなら気絶させるか吹っ飛ばすにゃ
ゆっくり考える暇もあげないけどね――ッ


【ねこやまへと向き直ったなら、再び距離を詰めようとするだろう】
【彼の真横まで来たならば、その顔面をすくいあげるようにアッパーカットをお見舞いしようとするはずだ】
【手加減や容赦など一切ない。全力のアッパー。威力は言わずもがな、鋭く凶悪だ】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 01:31:19.01 ID:Ap/dFf8no
>>953

(迫られたッッ……!! どうするッ、この脚で……!! どうする、どう躱す……!?)

【思考を纏める暇もなく、ヘケメトの右手が接近する。―――鋼の肉体を持つヘケメトが近くに寄れば、その威圧感は物凄く】
【身長は自分と変わらない筈なのに、自分よりも大きく見える程だった。真っ直ぐ過ぎる程の覇気が、肌にビリビリと感じられる】
【脚を射抜いても尚スピードは相手の方が上。自分の肉体は先程の痛みもあり意識に大きく遅れて動く】
【―――元々動体視力には優れているためイメージに対する肉体の遅れは大きいのだが、今はそのラグが更に増していた。つまり、見えているのに避けられない】

【―――……否、例外がある。相手の狙う場所によれば。銃そのものを狙ったのなら―――銃は能力なので意識で消すことが可能だ……!!】

―――……残念ながらその作戦……『裏目』だッッ!!

【―――左銃を狙ったその手刀は確かに正しい軌道を描いた。しかしながら彼の手から銃が『弾き出される』ことは無かった。何故なら『消えた』のだから】
【……相手の収穫は彼の左手から銃を消したことにある。そして再度具現化するには多少の時間が必要だ。しかし突然消えた銃いより手刀は回避し】
【そして残りの右銃のトリガーを引くくらいの時間が生まれた―――という訳だ。絶体絶命の状態から生まれた、一筋の光】

……右足で効かないなら……? ―――そう、左脚を撃ち抜くまでだよぉぉぉおおッ!!

【近距離ならば、わざわざ銃口の角度の読みを気にするまでもない、最短距離で射抜く―――との判断より、右銃が唸り弾丸が左脚を襲う】
【撃ち終えた瞬間、傷の浅い左脚で地面を蹴り必死に後退を試みるが―――果たしてこの後退はうまくいくだろうか、唸る弾丸の行方は……?】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/06(日) 01:47:57.91 ID:JC4U7klao
>>959

白刃龍紋流、襲打=\―――!

【襲い来たのが鮫ではなく腕だったのは、佳乃にとって間違いなく予想外だった】
【それでも佳乃が被害を受けずに腕を回避できたのは、鮫にせよ腕にせよ、とる行動が同じだったからだ】
【巨人の腕を見咎めた瞬間、奥義の名を叫びながら、佳乃は大きく跳躍する。雄鹿の大きな角は、予定通り踏み台としてこの上なく機能して】
【一瞬の後、あえなく破壊されて神気≠ヨと戻る式紙。それを背後に感じながら、空中で薙刀を構える】
【跳躍はシーナに直接飛びかかるものではなく、シーナと周囲のフィールドを大きく飛び越すような軌道を描いて】
【その刹那の時間、跳躍の頂点。自らの真下にシーナが来た、その瞬間。佳乃は――――仕掛ける】

――――『一閃大火』ッ!!

【薙刀ごと自らも回転し、空中で大きく円を描きながら放たれたのは、巨大な光の刃だ】
【見た目は、先程から使っていたものと同じ。だがここで油断してしまえば、それは致命的かもしれない】
【襲(かさ)ねて打つ、というその名の通り、この奥義は既にシーナも見た『一矢』と『四散』の効果を併せ持っている】
【着弾した瞬間、ゴーレムの外殻を引き剥がした『四散』と同じ強力な爆発を巻き起こす―――そういう技だ】
【この上なく強烈な、渾身の攻撃。直撃したならば、その矮躯から意識を奪えるだろうか】

【…………だが、しかし】
【技を放った直後の佳乃は、空中という防御も回避もままならない場所にいる――――】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 01:49:17.16 ID:O/KZ/XPP0
>>961

【此の彼女の動き、特に無防備な体勢を晒した状態でも、慌てる事無く動かなかった、と言うのは、】
【極めて特徴的だった。緊急時に於いて"は"、冷静な対応が取る事が出来る―――。】
【表向きでは『ほー……』と関心している素振りだけを見せていたが。】
【此れが相手の"癖"の一つとして少年の頭の中に刻み込まれた事は、言うまでも無い。】

【―――厄介な相手。勝負というのは、力が強けれさえすれば勝てる物では無い。】
【其れに加え、優良な"判断力"が有ってこそである。―――寧ろ、後者の方が重要なのかも知れ無い。】


【―――少女は、少年と全く異なる戦い方を見せていた。】
【追い打ちを掛けられる状況なら、迷う事無く掛けに行く。今までの観察から、其れは当然の事だと思えた。】

【然し。少年の"手を抜く"という行為は、単に相手を挑発する為だけの物では無かった。】
【即ち、"自分の技量"を隠す為。そして、此処一番と云う所で其れを遺憾無く発揮する為―――!】

【今が其時であった。少年は瞬時に"能力を発動させ"―――、】
【凄まじい勢いで上昇するアッパーカットを、右腕で防ぎ。瞬間に立ち上がりながら繰り出すのは、】
【―――"回転が加わった上段回し蹴り"―――所謂、ハイキックであった。】


【今迄、1度も見せる事の無かった、ねこやまの能力。―――其れは、腕と足の金属化であった。】
【其の証拠は、アッパーを防いだ際に発した音に顕れている。辺りに鳴り響いたのは、―――只々、乾いた金属音。】
 
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 01:57:47.00 ID:TYS+1bQno
>>955

突っ込んでくるかッ!!それは流石に予想外!!

【場外負けを避けるためとはいえ、ダメージ覚悟で突っ込んでくるのは流石に想定外だったらしく】
【右足を抱え込まれた狂死郎は驚愕の表情を浮かべたまま後方へと吹き飛び、そのまま少女と離れるように転がりながら着地する】

――――見たところ結構ダメージが大きいようだけど、随分と余裕じゃないの。

【先程の自爆のダメージは有る筈だが、それを感じさせない素早さで立ち上がり、態勢を整える】
【これまでの戦いからして、彼は術師であるようだが、その肉体は貧弱とはかけ離れて強靭である】
【一貫して余裕の表情を浮かべ続けているのは彼の方とも言えるか】

そして、一気に決めるのは此方の番だ……そろそろ出し惜しみは終わりにするとしよう!!

【構えた狂死郎に向かって放たれる横薙ぎと突きの連続攻撃】
【彼はそれを白剣・黒剣双方を防御に回すことで対処する】
【長剣の横薙ぎは白剣で受け止め、短剣による突きは後退しつつ黒剣で防ぐ】

【しかし少女の勢いに気圧されたのか、狂死郎は少しずつ後退を余儀なくされてしまった】
【被っていたトレードマークのカンカン帽も剣戟の勢いで脱げ落ち、寂しげに地面に横たわる】
【そうした攻防がじりじりと続く間に、とうとうフィールドの端まで追い詰められてしまう】

成程……通常であれば千日手だけど、今は此方が音をあげるまで攻めれば良し、という訳か。
だが、これ以上やらせる訳にはいかないよ!!食らえ!!

【これまで守勢に甘んじていた狂死郎は追い詰められ、ついに無謀な反撃に転じざるを得なくなる】
【――――かと思われたが、何故か彼は横っ飛びに回避の動作をとり、体勢を大きく崩してしまう】

【ここまで追い詰められて相手の目の前で体勢を崩すのは自殺行為だが、それに疑問を持つ間も無く】
【少女の背中へと向かって“何者か”が蹴りを放ち、フィールドから叩き落そうとするだろう】
【もしも少女が“襲撃者”の姿を目撃できたなら、それは狂死郎と全く同じ姿の分身で】
【同時に狂死郎の頭から落ちたカンカン帽がいつの間にか無くなっていることに気が付くはずだ】

/ぬぐぐ……そろそろ限界です。凍結したいのですがよろしいでしょうか?
/明日の夜ならば大丈夫ですが……
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga ]:2013/10/06(日) 02:00:33.17 ID:rDt02hY9o
>>965
/了解ですー
/ではまた明日ということで!
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/10/06(日) 02:01:41.78 ID:/8nWrbND0
>>942

【ゴールドマンのカウンターは外れ、そこには確かに隙が出来た】
【銀狼が金の滝の中を駆け回り、やがて右側の背後から爪が伸びる】

【確かに、その爪は何かを切り裂いた】
【だが切り裂いたのは本体ではなく】

見事だ……なかなか危なかったぞ……
フフ、フハハ!

【ゴールドマンはそのボディを金で覆っていた、いわば金のプロテクター】
【銀狼の爪は厚さ5cmはあろうそのプロテクターを裂いただけに留まった、つまり本体には届いていない】
【この技は彼にとっては最後の防御壁であった、攻撃されるまでの僅かな時間、とっさの判断でその身体に金の鎧を纏わせたのだ】
【強度は当然金と同じ、金属の中では柔らかい方だが、ある程度の攻撃を防ぐ鎧にはなる】

今度はこちらだッ!ハァァッ!!

【銀狼の周囲に金の壁を作り出し、その上から4m程の巨大な金塊を落とす】
【それは彼女を押し潰さんとするだろう】
【周囲の壁を破ればその巨大な金からは逃れられる、金の壁はそこまで厚い訳ではない。だが当たってしまえば身体に被さりリタイヤへと追い込む技である】

【しかしこの攻撃は、避けられれば確実に隙が生じる技であった】
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 02:02:32.51 ID:p2Wjf1xS0
>>950
「ああ、そうか、そういう人もいるのか」
「本当に機関って途方もないんだね、うん、凄いや、楽しみだなあ」

「僕はね、いや、僕の事はいいか」
「同じような物だし、ソロモンさんかあは、自分のやりたい事っていうのが見えるよ」
「ちゃんと意思をもっていて、さ、僕ももうちょっと、はっきり見えればいいんだけれどね」

「うん、ありがとうね、ソロモンさん」
「……いや、楽しかったなあ、うん、楽しかった」
「一歩、近づけたかなあ……」

(去りゆくソロモンを眺めた後、ひとりの空間で満足そうに呟き)
(そのまま自らも公園を後にした)
(明日もやる事ができた、なら明日もいい事が起こる筈、なんていやに前向きな考え方をしつつ)

/ごめんなさい、こんなに返事が遅くなってしまって
/ありがとうございました、お疲れ様ですっ!
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/06(日) 02:08:33.81 ID:mNK+pxWto
>>963

「ククク……それは少しばかり悪手ではないかの?」
「――――"想定内"、なのだ」


【頭上からの強力な一撃、"そこに何もなかった"ならば】
【相当な脅威としてシーナを襲い、あるいはその場で試合は決していただろう】
【しかし、シーナの頭上には剣の形をした2つのゴーレムが残っている】

【剣のゴーレムは、刃を交差させるようにしてシーナを守る盾となる】
【シーナの頭上で膨大な力を含む光の刃と衝突し――爆散】
【剣のゴーレムは粉々に粉砕され、その破片がシーナへと降り注いだ】

【幸いであったのが"着弾した瞬間"発動するものであったことだ】
【もし"斬撃"や"貫通力"に特化したものであったならば】
【ゴーレムの護りを貫き、シーナまで到達していた可能性がある】

【爆発の衝撃はシーナまで伝わり、小さな身体を揺さぶるが】
【歯を噛み締め、砂で足元を固定しながらその場に留まり】
【揺れる頭と軋む身体を堪えながら、手に持った袋を振り上げた】


「ぐ……くっ……さて……一手二手先は想定してあるか剣士よ!」
「ここで手詰まりならば――私が勝利を頂くのだ!」


【シーナは袋……中に砂の詰まった"砂袋"を解放する】
【中に入っているのは最初搭乗していたゴーレムと同様に"力を籠めた"砂】
【袋の口から多量の砂が飛び出し、佳乃へと向かっていく】

【砂は空中で猪の頭のような形状へと変化し】
【高速で突進――佳乃の体を吹き飛ばそうと行動するだろう】
【動きは直線的であるが、その分勢いがあり威力は高い】
【行動が制限される空中ではあるが、これに対処することが出来たならば】
【身を守るゴーレムが既になく、勝利を確信し油断している砂の魔術師を打倒することも難しくない】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/10/06(日) 02:12:54.06 ID:2/kvNpZAo
>>962

「……くそォゥッ、その銃はあれか、あァーいうあれかッ!」 『(……"具現化系能力"、ですね)』
「そォーだよ、具現化系なんとかって奴!」 「だったらまだ大丈夫だ、いける」

【すかしたチョップが得たモノは、相手の銃を"一時的に消した"ことだろうか】
【銃が能力によって生まれたものだと……今更気がつけば、苦手意識が和らいで】
【しかし、だからといって何かが変わるわけでもなく――】

「……ちィッ、その距離でぶっ放されちゃア……うおおおッ!!」

【銃弾を回避するべく、片脚のみの力で跳躍。しかし速度が足りず……】
【丁度脚と足の境目辺りだろうか、その辺りに命中】 【血飛沫が宙を舞って――相手の後退をある程度許す】

「ぐゥゥ……だがさっきも言った通りだッ!」 「俺は両脚にダメージを負った、そんくらいでへたばるアホじゃあねェッ!」
『(頭の方はもう色々と手遅れですよね)』 「頭は今は関係ねェーッ!!」

【そして着地に失敗、するかと思えば……空中で素早く体勢を変え、両手を先に地面に付きそれをバネに軽く再跳躍】
【それでもって、両足と右手を地面に付く形の、しゃがんだ態勢の着地をする】

「気ィィ……合だァァアアーーーーーッ!!」

【その後、両腕を広げつつ暑苦しく叫んだかと思えば――両足の出血が一瞬増し、その後最初よりはやや減るだろう】
【もし弾が足の中に残っていれば、それを血ごと排出する】

「――修理費は俺は持たねェーぜェーーッ!!」

【叫ぶ勢いのまま、右手に棘を生やし、更に暑苦しいもの――"気合"を纏えば――おもいっきり、地面をぶん殴る】
【先程と同じく"ニードルライナー"でもするのだろうか、否、違う】

【――棘と気合、そして元々のパワーの相乗効果で……なんと、石畳を砕いたのだッ!】
【気合の衝撃で吹っ飛ぶ破片の向かう先は、ロウの方―― 一つ一つの破片自体はそこまで威力はない】

【ただ、一つ――その中では特に大きな破片をヘケメトが"左手で"拾い上げ】
【それを、思いっきりロウの腹部めがけてぶん投げたものに関しては、あまり当たらないほうがよいだろうか】
【大きい、と言っても5cmに満たない程度なのだが――】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 02:25:17.70 ID:LvIuJL2Yo
>>964

――!?

【拳が止まった。まるで盾を殴りつけたような衝撃が腕や骨を伝った】
【狂いなく、当たったと確信していた攻撃。もしかわされることがあっても、体勢からして受け止められるはずがない】


いっ、た――って、うわッ


【それは、ねこやまのことを無能力者だと思っていたからこそ生じた可能性】
【しかし彼は能力者だった。すぐにそれを理解することはできなかったが――】
【響いた金属音が能力によるものだと気付くにはそう時間はかからなかった】

【動揺によって生まれた空白を縫うように、いつの間にか立ちあがっていたねこやまのハイキックが迫る】
【ほとんど本能的にそれを察知すると上半身を後ろに曲げて倒し、いわゆるバク転の要領でそれをかわすだろう】
【どうやら猫っぽいのは外見だけではないらしい】


切り札って感じかにゃ。でも勝つのはあたいだよ!


【しかし完全にかわしきれてはいなかったらしく、銀猫の鼻からドロリと血が伝った】
【軽くそれを手で拭うと、彼女はすぐさま接近を試みるだろう】
【ギリギリ射程内に入ったなら、ふっ、と短く息を吐き出して】


いくよ――ナインスタブ<b!!


【―― 一閃九撃。刹那の間に九つの拳を繰りだすだろう】
【今までの攻撃が打撃によって身体の内部へとダメージを与える技だとしたら、これは表面を削ぐ技】
【威力こそ高くはないが――くらったなら鞭か何かで叩いたような乾いた音と共に、浅い裂傷を刻むかもしれない】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 02:40:57.63 ID:Ap/dFf8no
>>970

【回避には成功、銃弾も命中したのだが―――それでも此方が完全有利かと言えばNO。寧ろ不利とも言えるかもしれない】
【……一番大きいことは、左の銃が無いことだ。一定時間経つまで具現化不可であり、つまり右銃1丁で捌かなければならない】
【―――更に思い切り左脚で後ろに跳んだのが不味かったのか、左脚一本では着地にバランスを取れず、右脚を地面につける―――が】

……っぐ……!! くっそ……よりによって繊細な方を痛めちまったぜ……!!
―――つーかアンタ、何と話してんだよ……!? 脳内のもう一人の自分か、何かテレパシーとかで誰かと会話してんのかァ!?
―――っと、痛ゥッ……うぉおおッッ……!!

【直後、全身を強張らせる程の痛みが駆け巡り―――転倒、尻もちをつく形となる。それ程までに痛めており、機動力は奪われていたのだ―――】
【其れでも諦める訳にはいかない。直ぐ様右の銃を構えて睨む瞳の色は深く鋭く―――そして激しく煌いて。そしてその眼光と同時に匂い出す、怪しげな魔力】

【その魔力の正体は「宝玉」。首から下げられたペンダントの玉が淡い光を放っているのが証拠で―――苦しい表情の中に、微かな笑みが見えた】
【僅かに口角が上がっただけだが、その表情の裏には何万回も砥いだ刃の様な恐ろしい鋭さが隠されていて―――】

……気合充分、アンタ男だぜ……でもな……!! 「大人の男」の闘いをするには気合だけじゃ不十分……!!
自分の頭で苦悩し、工夫し、予想し……戦況を変化させる様な……知性が足りねぇってんだぁぁぁぁッッ!!

                                 <<―――弾丸憑依Slap=I!>>

【尻もちをついた状態のまま右銃から弾丸を撃ち抜く。―――向かった先はヘケメト自身、ということは破片にも向かうことになる】
【破片を無視した訳ではない、寧ろ―――『破片を捌きつつ相手を撃ち抜く』という攻防一体の技。強力故に一回限りの秘技―――!!】

【―――宝玉の魔力が込められた弾丸。その変化は撃ち放たれた瞬間に現れる。……銃弾の側面から、半透明な片腕が生えたのだ】
【銃弾の軌道は真っ直ぐ―――だが、その片腕がはたくような動作をして破片の多くを撃ち落とし消えれば―――弾丸がヘケメトの腹部へと飛来する】
【それでも全ての破片を撃ち落とせた訳ではない。はたききれなかった破片がロウの右肩右腕に、脇腹に浅く突き刺さる】
【そして遅れて放たれたヘケメトの投擲にも対応できず―――腹部へと其れが突き刺さった。ロウが呻き声を上げ、上半身がぐらつく】

【震えながら左膝を立てて相手を睨むその目は死んではいないが、右脚の傷は重く、立って歩くことの不可能さを悟らせるだろう】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/06(日) 02:43:36.69 ID:JC4U7klao
>>969

――――ッ!!

【直撃しさえすれば強力な一撃は、やはり直撃しさえしなければ強力ではない】
【貫通力に秀でた一撃も、確かに彼女は持っていた。しかしそれには一定の溜め時間が必要であるため、今回は使えなかったのだ】
【悪手=\―――確かにその通り。仕留め損ねた少女は、ただ仕留められるのみ】
【…………しかし。佳乃の瞳は、ただ仕留められる気はないとばかりに、爛々と輝いていた】

参の太刀――――『三衣』!

【空中で発動したのは、神気≠体に纏わせて結界を作る防御の奥義】
【しかしそれも、完全ではない。襲打≠ニいう強力な技を使った反動で、膜が薄くなってしまっていた】
【結果――――佳乃の体は、猛烈な衝撃とともに砂の猪に突き上げられ、大きく吹き飛ばされる】
【どしゃ、という音は、彼女が受け身もとれず墜落したことを示していて】
【そちらを覗き見れば、上半身だけをかろうじて起き上がらせてそちらを睨む佳乃と目が合うかもしれない】
【怪我の度合いを見れば、明らかに佳乃の負けだ。しかし――――浮かんでいるのは、意地の悪い笑顔だった】

――――教えてあげる。白刃龍紋流の極意は、その汎用性にあるの。
あなたはその力を、手品と侮ったけれど。私の剣は――――窮地でこそ、輝く。

【遠隔攻撃に神気の爆発、式紙、それに結界――――佳乃の言うとおり、白刃龍紋流には多くの場面に対応できる技がある】
【咄嗟の窮地に、最後の一手を用意できる。それこそが、彼女が自らを委ねる流派の特色】
【それをシーナが事実と受け取るか、ハッタリと受け取るか。それはどちらでも構わない。この会話は、時間稼ぎだ】
【もしもシーナが佳乃に気を取られれば――――その頭上から落下してくるモノを見逃してしまうかもしれない】
【それが佳乃の、最後の一手】

――――発<b!

【左の太腿に付けていたホルスターを――――彼女は吹き飛ばされながら、外していた】
【そこにある符≠フ巻かれた棒手裏剣。その内、先ほど使った火符≠ニ雷撃を発する雷符≠ェ、佳乃の印によって一斉に起爆する――――!】
【符≠ニいう、薙刀でもなければ神気≠ナもない、剣士としてではなく退魔師としての力が、最後に牙を剥く】
【万が一襲打≠ナ仕留めきれなかった時の、本当に最後の一手。これが終われば――――大怪我を負った佳乃に次の手はない】
【炎と雷に彩られた、即席の爆弾――――人一人ぐらいなら容易く打倒しうるそれを、シーナは防ぎきれるか】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 02:49:48.13 ID:O/KZ/XPP0
>>971

おー……今の、避けられる奴、なかなかおらへんと思うで。
でも、俺にはまだ、其の切り札、残ってるんやでー。切り札1つ見つけた言うても、そんなの何にもならへんでー!

【能力を使う事無く戦い―――、恰も非能力者だという事を伺わせる時分まで持ってきた所で、】
【能力を発動させて。想定とは余りにかけ離れた音に狼狽えた瞬間を、ハイキックが捉える。】
【一瞬の間に構築した少年の作戦は―――完璧だった。否、完璧の筈だった。】

【其れを凌駕したのは―――どうやら、シルバーキャットの"本能"。】
【とすれば、ねこやまも理詰めの戦いは切り捨てて。もう一つの切り札、其れは少年の"本能"に在った。】

【目には目を、歯には歯を、本能には本能を。】
【作戦が失敗した今、少年は"本気で"戦いに挑む事になる。】


【ナインスタブと称した少女の連撃。少年は両手をクロスさせると―――全身を守る防御の体勢を取って。】
【軽い攻撃に見えた其れは、綿製の道着が千切れる程、鋭い物で―――少年は押されていた。】
【其れでも少年は、攻撃を受ける手段を取った。其れは次のカウンターに繋げ易いという理由以外、何物でも無かった。】

【『1、2、3…』と心のなかで暗唱して。9まで辿り着いたなら、バッと両手を振り解いて。狙ったのは右フック。】
【その際少年は、腕を一瞬だけ止め、タイミングをズラすという工夫を取った。】
【―――果たして、此の変則的な動きに付いていけるのだろうか。】
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/10/06(日) 03:07:52.84 ID:mNK+pxWto
>>973

「ふん、苦し紛れによく吠えるのだ!」
「白旗を上げて降参するがよい、私も怪我人にムチを打つ趣味はないのでな!」


【ニヤリと不敵な笑みを見せながら、シーナは勝利を確信していた】
【相手の大技を破り、反撃の一手で吹き飛ばした】
【最早倒れ伏した相手に打つ手はない――そう、考えていた】


「むぅ――――!」


【背筋に氷を入れられたかのような感覚をシーナは覚えた】
【森で住んでいる時に何度も経験した"悪寒"】
【未熟だった過去に、熊や魔物に背後を狙われた時のような】


「――貴様、謀りおったな!」


【シーナは周囲の領域を操作しドーム状の砂の結界を生み出そうとする】
【佳乃の言葉は時間稼ぎであり、最後の一手を通すための策】
【それを察し、直撃する寸前になって"ようやく"放った結界は……】

【瞬間。シーナの頭上で爆発が起こる】
【会話に費やした数瞬が決定的な隙となり、結界は"半ば"で間に合わない】
【ほんの刹那の差であっただろう。恐らくただ落としただけでは成らなかった】
【言葉でシーナの気を引き、注意を逸したことが功をなしたのだ】

【熟練の魔術師であったならば、油断せず最後まで手を緩めなかっただろう】
【しかし才能があり、挫折を知らなかった幼い魔術師は】
【最後の一手で選択を誤り、致命的な隙を見せる結果となった】


ぐ、ぐぬぬ……くそ……私の、天才魔術師シーナ様の野望がこんなところで……
あ、ありえぬ……むぎゅう……


【残ったのは、ボードが壊れ焦げだらけのローブとなり倒れるシーナの姿】
【ここで初めて、幼さの残る己の声で何かを言い残すとその場でペタンと気を失った】
【砂の領域や猪のゴーレムは力を失い、元の石畳のフィールドへと戻っていく】

【砂術師シーナの胸に秘めた野望、ここに墜つ】
【こうして初日の試合は、終わりを告げるのであった……】

【第一試合・勝者――幸徳井佳乃】

/深夜遅くまで、お疲れ様でしたー!
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/10/06(日) 03:14:10.72 ID:2/kvNpZAo
>>972

「誰と話してるって……決まってんだろォ、観客席に居るアウとだぜェーッ!」

【……と、言われてもその相手を見ている暇なんてあるわけはなく、後日にしか事実確認は取れないだろう】


「破片が……ッ」

【今までとは違う魔力を感じる、――その弾から生える腕が破片の大半をはたき落としたならば】
【ヘケメトは、小さく歯ぎしりをするのだろう】 【"これが隠しダマって奴かッ!"】

【――さて、回避するには脚のダメージが重い、かと言って完全に防ぐ手段などない】
【幾ら眼が追いついていたとしても、それに身体がついていかなければ見えていないのと同じだ】
【そういえば、様子を見る限りだと相手の機動力は彼よりも悪いのだろうか、――"よくわからないけれど"】

「俺がアホなのは否定しねェー、もう言われ慣れたぜェー」
「……けどよ、そんな俺にだって難しいやつ知ってることはちょっとくれェあんだぜ――!」


「うゥゥおおおおァアアーーッ!! ――――"剛よく柔を断つ"ッ!」


【――そして、"肉を切らせて骨を断つ"】
【両腕の力を中心に、少しだけ脚の力を借りつつ、気合というなのエネルギー的モノを籠めて――跳躍ッ!】
【無論、弾丸の回避のためではなく、むしろモロに腹部に命中している】 【また、高さもそれ程高いわけではない】
【……が、一度跳躍してしまえば前方への運動エネルギーが生まれる、そう彼は――――】

【このまま、ロウに向けて体当たりをかますつもりなのだ――ッ!】

【着地時に受け身をとる、なんて事はおそらくしない】 【もししようとしたとしても、うまく出来ずに失敗する】
【自ら弾丸に当たりに行く様な行動をとっておいて、平気なわけは勿論ないのだ】

【この状況はピンチかもしれない、しかし切り抜けられれば逆にチャンスとなるはずだ――!】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 03:20:33.30 ID:LvIuJL2Yo
>>974

なら今まで余裕を見せられた分、それを全部引きずり出してやるにゃ!

【――ナインスタブ≠ヘ銀猫がひとつ前に放った必殺技の次に、彼女が誇る技だった】
【そのスピードに追いつく者はそうそういないと思っていたのだが、どうやらそれは甘かったらしい】
【ぎり、となかなか有効打が入らなくて歯噛みする。スタミナには自信がない。銀猫は長期戦を苦手としていた】


くっ――!?


【隙はあまりなかったとはいえ、カウンターのチャンスを与えるほどにはあった】
【構えられた腕に反射的に反応し、腕で防御しようとする】
【――だがそれがフェイントだと気付いた時には遅かった】
【ねこやまの右フックは防御をすり抜け、銀猫の顔面を捉えた】


……にゃは、ようやく楽しくなってきたにゃ


【ぐらり、と身体が揺れる。その一撃だけでは流石に倒れなかったが、初めて入った有効打――】
【踏ん張った足に力を込めたなら拳を前へ――お返しとばかりに顔面へと叩きこもうとする】
【しかしこれは囮だ。当たれば恩の字、本命はそのあとの左フックにあった】
【右へと身体をねじり、遠心力をつけた一撃。狙いはねこやまの横腹だろう】

【それは彼女らしくない戦法かもしれなかった】
【わざわざ本命を左にしたのは、金属化させた腕を殴った右腕に十分な力を込められないから――】
【つまり、彼女の右腕は少しの間使い物にならない。初撃が当たったとしても、拍子抜けな威力だと感じるだろう】
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/10/06(日) 03:40:53.31 ID:JC4U7klao
>>975

【魔術師の作り出す砂の流れ、そして爆音と雷鳴。それらが順繰りに、佳乃の耳朶を叩いた】
【奥義を破られたという事実は、戦況的にも心境的にも大きなものだ。故に、これ以上はあり得ない】
【それでも彼女を最後まで勝利に拘らせたのは、単純。自分の流派を手品と評するシーナの上から目線の性格が、鼻に付いたから】
【…………それがいわゆる同族嫌悪というものであることに、当人は最後まで気づかなかった】

…………あなたは、確かに強かった。
けれど、相手が悪かった…………それだけよ。

【音が止んで、シーナが倒れたのを確認して。佳乃は、最後にそんな勝ち誇った言葉を返す】
【ボロボロの体を見れば、一目で強がりだとわかる台詞。自信過剰という意味では、やはり似たもの同士かもしれなくて】
【混濁する意識の中、佳乃はしばし迷った後、シーナへと近づいていく。そして、わざわざ気絶しているのを確認してから】

天才魔術師かどうかは、知らないけれど。
…………楽しかった、わ…………。

【――――幸徳井佳乃は、素直になれない勝利と共に、そこで意識を失う】
【取り落とした薙刀の、からぁん、という乾いた音が、試合終了を告げる最後の鐘となった――――】

/こんな遅くまでお疲れさまでした! 楽しませて頂きましたよー!
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 03:44:12.44 ID:O/KZ/XPP0
>>977

【ハァ、ハァ、と。僅かでは有るが少年の息が上がりつつ有る事に気づく事が出来るだろうか。】
【―――そう、少年も長期戦は苦手、或いは休憩出来る時間が必要だった。】

【"彼女らしくない"動き―――策士策に溺れる、と言った所だろうか。】
【真っ直ぐで読み取り易かった彼女の動きは、何時の間にか変貌を遂げていた。】
【フェイント、囮なんて、想像もしなかったのだろう。顔面へのパンチは兎も角―――】
【問題は其の後の左フックにあった。余りに唐突な攻撃に、僅かばかりの反応しか出来ず、】
【―――効果としては、何とか真ん中を逸らせた、と言う事位か。】

【少女の遠心力が作用した左フックは、確実に少年の腹を捉え―――其の威力に少年は吹っ飛ぶ。】
【石畳の上をズズーッと滑って。其の勢いを止めるべく背後に遣られた少年の手は、リングの縁に引っかかった。】
【リングアウトも敗北になる事を思い出しては、横腹を抑えながら立ち上がって。】
【ある程度動いても、大丈夫な様にスタスタとリングの真ん中の方へ移動する。】

【正に殴り合いであった―――此れ以上無く観客が沸いたのは、最早言うまでも無い。】


……やるなあ、ここ、いまめっちゃいたいんやけど。うん、ふつうにいたいわ。
うーん、どうしよかなー……

【突然フウっと吹いた風で、少年の道着がパタパタと音を立てる。黒帯は其れに呼応するかのように靡いて。】
【道着が独りでに動いている故、少年は気づいた。―――少し、道着がはだけて来ている。】
【一旦帯を軽く解き、道着をピシッと張り直しては、もう一度帯の両端を持ってギュッギュッと引っ張って。】
【一連の動作は、ヤケに手際が良かった。―――否、至極当然、だろうか。】

【ある程度、呼吸も落ち着かせて。少年は彼女の出方を伺っている様だ。】
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 03:46:40.50 ID:Ap/dFf8no
>>976

……「剛よく柔を断つ」―――か。 んな言葉ァ、初耳だぜぇぇぇぇッッ!!
正しい言葉は……―――「柔よく剛を制す」……否、コレだッッ!!

<<―――銃よく剛を制すッッ!!>>

【此処に来ての跳躍―――その力、そして銃弾を身に浴びる覚悟。……その勇敢さと気合には『漢』をひしひしと感じる―――】
【こんなに苦しいのに、何故こんなにも燃えるのだろうか。何故自分は吼えながらも笑えているのか。……コレが闘いの楽しさなのか】
【―――極限状態の中に熱き心を見出し、そしてロウは彼の覚悟のタックルを迎撃せんと構えた】

【―――新しく具現化した、左の青い銃も一緒に】

俺らしくテクニカルに渋く決めるッッ……!! ―――行っけェェェェェエェェェェェエエエエッッッ!!

―――<<  氷  柱  シ  ョ  ッ  ト  >>ォオォォオオオオッッ!!!!

【銃弾で撃ち抜いたとしても、タックルは止まらない。一度跳躍したのだがら、落ちていく運動を銃弾の大きさで止められるわけがない】
【―――ならどうするか?……今までの経験、戦略―――自分の持っている技術全てに可能性は無いかを考えた結果―――今できる範囲ではコレしか無かった】
【左の青い銃口が向く。―――その先は、地面。……ならばやることは見えてきただろう―――!!】
【そして朱の銃口は相手へと向いて。そしてまず、蒼の銃口から魂の弾丸が発射される……!!】

―――魔力全開の氷の盾ッッ!! コレが―――俺のチェックメイト……!!

【全てはコレをヘケメトのタックルが打ち砕けるか。……あちらは低い跳躍ながらも重い鋼の肉体が乗った渾身のタックル】
【―――此方は満身創痍の中だが持てる魔力を全て込めた蒼の氷結弾―――が地面に命中したことで創りだされた分厚い氷の盾】

【コレが勝敗の分かれ目だろう。―――砕いた場合朱の銃から放たれた弾丸がヘケメトを捉えるだろうが―――タックルに合わせて巨大な氷の礫も食らう】
【そうなった場合ロウに勝ち目はなくそこで試合終了だろう。しかし氷の盾がヘケメトを止めたのなら―――盾に阻まれて地面に落ちた後に氷柱目掛け弾丸が飛ぶ】
【超至近距離で氷の礫が砕け、ヘケメトを襲う―――それはつまり、試合終了のゴングを鳴らすことは容易な一撃である】

【―――さぁ、勝利の女神はどちらに微笑むのか。ヘケメトの剛がロウの柔―――いや、銃を破るか……!?】
【―――それともロウの戦略がヘケメトの気合と勢いを上回るか……!?】
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 04:07:30.02 ID:LvIuJL2Yo
>>979

【ようやくこの手が確かな手ごたえを感じた】
【距離が開いて余裕ができたからか、彼女も一度大きく深呼吸をするだろう】
【おそらく、それなりに距離は開いているはずだ。ここから先はまともに戦えば殴り合いになるのは必至】

【――そうなるのなら最後にひとつ、銀猫は試してみたいことがあった】


ストップだにゃ。あ、降参するわけじゃないよ。いいタイミングだと思っただけにゃ
まだあたいはねこやまさんの能力を破ってないにゃ。だから――


あたいはあたいの最大の技でそれを打ち破りたい
――受けて立つかにゃ?


【最大の技――それはあのこめっとぱんち≠フことだろう】
【そう、彼女はふと思ってしまったのだ】

【彼女の真っ直ぐな性格が現れた、攻撃一辺倒の必殺技と】
【ねこやまの能力、すなわち金属化が持つ防御力――そのどちらが強いのか、と】


【もしねこやまがこの勝負を受けるのならば、彼女は金属化させた腕を胸の前で重ねるよう促すだろう】
【受けなければ、それもよし。銀猫はまたこれまでと同じように構え直すが――】
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 04:14:47.54 ID:Ap/dFf8no
/作られていなかったので次スレ作りました-

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1381000413/
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 04:19:50.75 ID:O/KZ/XPP0
>>981

―――あ、其れええやん。受けて立つでー。
ほら、何時でも掛かってきてええよ。

【神速―――少年の目を以ってしても、完全に捉える事が出来なかった、"こめっとぱんち"。】
【自分の腕だけで、其れは耐えられるのか―――興味が無い話では無かった。】

【少年は彼女に従う旨を話すと、腰を低く据え、先程と同じ様に腕をクロスさせて。】
【この試合でも何度か見せた、防御の姿勢をとる。―――準備は、出来た様だ。】

【歓声と応援、野次で一杯だった観客席は、一気に静まり返って。】
【ザワザワとした―――尋常では無い緊張感が、会場を包み込んでいた―――!】


/申し訳ない、ちょっと睡魔ががが……もう言葉が出てこないのです……!
/唐突ですが、先にお休みさせていただきたく……!

/お昼ごろには返せると思います、それでは……!
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 04:26:13.63 ID:LvIuJL2Yo
>>983
/りょ、了解です。実は自分も限界だったり…
/自分も今日は予定がないので起きれればお返しします
/では一旦お疲れ様です。おやすみなさいませ…!
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/10/06(日) 04:43:15.67 ID:2/kvNpZAo
>>980

「……ッ、この勢いで壁をぶち破れってかァーッ」

【再び己を遮るのは氷壁。先程のタックルと違って脚の力が乗っていない上に、明らかに分厚い】
【このままでは、目の前にあるそれを壊すには勢い等が足りるかどうか――】

【――彼の棘の両翼が勢い良く振るわれれば……上昇】

【……壁が壊せないかもしれない、ならば乗り越えれば良いだけだッ!】


『(――その翼で翔ぶのは、あなたには無理です)』 『(棘や気合でどうにかしてください)』

【が、その翼は偽りのもの。あくまでも、それらしく作り出しただけな"カタチ"に過ぎぬ存在】
【ちょっとした滑空くらいは、ちょっとした飛翔くらいなら、腕の力を利用すればもっと、……出来るかもしれないのだが――】
【この距離、この高さ、この勢いで――氷壁を超えられるほどの高度へ行ける、あるいは当たらないように横に逸れられる、そんな性能はない】

「くそッ、……アウの力が無ければ、俺は"天使"のように軽々と翔べねェんだった……ッ!」
「そォーだ、"レッドニードル"なら氷なんかより断然硬ェはずだッ」

【――結果は結局、氷壁とのガチンコ対決。】 【乗せるは、自身の重量。】
【また、翼による回避が効かないとわかれば、氷との接着面だろう周囲に"赤い棘"を生やし】
【その棘で氷壁に穴を開け、更にその状態で身体を固定。みしり、と音がする】
【このまま壁に負荷をかけて壊してしまえば、行けるはずだ、氷ごと押し潰す――そう考えているのだろうか】

【しかし、――そんな悠長なことをしている暇はどこにもない、結局は隙に違いはないのだ】
【氷壁を無理矢理突破するよりも早く、弾丸は氷壁を砕き、礫は丸腰のヘケメトを襲う】
【身体を支えていた氷が無くなれば、勿論地面に落ちる】 【――血溜まりである、そこへ、だ】


「……い、いた……m……め、……眼が…………」
「うゥ……く……また、くらいのはいやだ……、うゥ、ぐゥウ……こr、……s……てやる…………」

【息を切らせつつぷるぷるとしながら、身体を起こす――かなり身体が丈夫なようで、出血・ダメージは重いもののまだ意識はあるようだ】
【礫の一部が眼の辺りにでも当たったのだろうか、明らかに他の場所のほうが大きなダメージを負っているのに】
【それにも関わらず、左眼だけを押さえながら何やらぶつぶつと呟いていて、しかしロウへ攻撃する様子はなく】
【だが、放出される"怒り"と"恐怖"の入り混じった感情は、肌でもなんとなく感じられるほどで――】

【……負けだとか、そういった言葉は自ら発しないはずだ、しかし様子的にはおそらく勝ったも同然だろう――!】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 04:59:10.86 ID:Ap/dFf8no
>>985

……っはァッ、ハァッ……!! てめッ……!! どんだけ……ッ! しぶとい……んだよ……!!
―――こっちはもう……下半身動かねぇっつーのによ……ソレ食らってまだ、意識持つかよ……!!

【魔力をフル投入した氷の壁だけならやられていた―――確りと予防の右銃を出しておいて良かった、と痛みの中で僅かな安堵】
【―――其れでも、まだ決まらないことへの驚愕は確かにあった。こっちは意識を保つだけでも一苦労なのに】
【もう氷の弾丸も、宝玉の魔力を銃弾に変換することさえも出来ない。正真正銘唯のガンマンになったのだ。】
【残された魔力は、僅かに銃を維持できる分だけ。其れ以外をすべて注ぎ込んだのは、コレで決めるという自信があったからなのだが】

……でも、コレで本当のチェックメイトだ……! アンタの魂のタックルが俺に届くことは無かったのがその証……
―――俺は脚は動かねぇが、銃を持った手は動く。……つまり、トリガーを引ける

―――おいおい、此処に来てそんなオーラ出すなよ……負の感情を此処に来て出しちゃあおしまいだぜ……?

【地面に落ち、震える彼の背後に見えるは負の感情。―――覇気や気合とは違う】
【そんな感情が渦巻く彼に、ロウは銃を突き付けた。……まだやるかい?という意志確認をするかのように】
【突き付ける腕も、ぷるぷると震えていた。それ程までに彼も限界が来ていたということだろうが―――】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/10/06(日) 05:15:16.09 ID:2/kvNpZAo
>>986

「……る、…………ァ……」
「、、、 、、、 、、、 、、、 、、、 、、、 、、、 、、、 、、、――」

【…………駄目だ、全くもって会話にならない】
【ただ、その場でぷるぷると震えている、ぶつぶつ呟いている、それだけ――】
【それと何故か、放つ言葉が、今までと違って明らかに別の場所の言葉である】


    「――ブリドン、」


               「――ヨーヘルミィト」


【いきなりすっと、今まで何事もなかったかのように立ち上がれば――明らかな殺意を籠めて振るわれる、"赫い"棘の拳。】
【もっとも、それが届く寸前でぶっ倒れて――次こそは、明確な形で、戦いを終わらせられるのだろう】

/特に最後の方gdってしまってすみません、遅くまでありがとうございました!
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/10/06(日) 05:29:36.86 ID:Ap/dFf8no
>>987

――――――!!

【振るわれる拳―――同時に響く轟音。……ロウも拳に合わせて発砲したのだ】
【しかしながら、構えた左銃から放たれたその弾丸も当たることは無かったが。―――外したのは、彼の照準がずれたからではない】
【幾ら満身創痍でも、1mmのズレが狂わせる跳弾を実践レベルに昇華する技術を持つ男だ。ハズレたのは、相手の拳も空を切ったからだ】

……―――最後の最後にそりゃねーぜ。……終わるならスッキリ行きたかったんだが―――って、まぁ観客には……わから……ないか……

【―――その拳が後数cm伸びていれば、自分の顔面を捉える軌道であれば弾丸は棘に命中していただろう】
【角度をつけて当てていたであろうことから、パンチの軌道を逸らしていた―――と思われる。あくまで予想なので、実際当たる軌道だったらどうなっていたかは闇の中】

【後味の悪い終わりに少しもやもやが募るも、終わったことで一気に琴線がキレた。つまり集中が潰えた瞬間に、意識も―――ヘケメトに遅れて失った】
【―――よってロウの勝ちとなるわけだが、勝敗を分けたのはやはり最後の氷の壁とタックルのぶつかり合いだろう】
【破られそうになった場合に備えて右銃という追撃を隠していたロウが、僅かにヘケメトの激流のような勢いを上回った―――と、新聞にはそう書いてあったらしかった】

【勝者 マーシャル・T・ロウ 】

/ありがとうございました……!!
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 14:14:43.89 ID:LvIuJL2Yo
>>983

【ねこやまが応じれば――銀猫はにやりと笑みを浮かべるのだろう】
【今までの戦いとは違う回避無しの力の衝突。これを超えてこそ胸を張って次へ進めるというものだ】


にゃはっ、そうこなくっちゃね!


【地面があることを確かめるように、彼女はその場で数度の軽いジャンプをした】
【それからぐるりと回したのは右腕――痺れは残っているはずだが、それをほぐすように】
【多少壊れていようが全力を出すにはやはり利き腕しかない】

【それらが終わると銀猫は構え直して、すっとねこやまを見据えるはずだ】


いくよ――――必殺=I!


【合図と共に彼女は駆けだした。先程と同じく、地面を蹴り急加速、そして跳躍】
【待ち構えるねこやまへと接近し、靴が軋むくらいに強く着地点を踏み込んだ】
【振りかぶられた腕は前進する力の全てを受け――周囲の大気すらも飲み込まんばかりの勢いで唸る!】


        銀猫こめっとぱ―――――――んちッッ!!!


【まるで大砲のごとく、クロスされた腕の中心へと拳は放たれるだろう】
【ダメージが残っているせいで、先程のように強い衝撃波は生まれなかったが】
【それでも人ひとりを吹き飛ばすくらいの威力は十分にあるはずだ】

【 破れるか、否か―― 】

/お返ししておきますっ。もうしばしお付き合いくださいませ!
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 14:48:21.90 ID:O/KZ/XPP0
>>989

【"銀猫こめっとぱんち"―――其れは少年のド真ん中、腕と腕の交差点を捉えた。】
【体勢を崩す事は無かったが―――背中が引っ張り込まれる様な、強烈なベクトルが少年を襲い―――!】
【ズズズーッと石と素足の擦れる音を立てながら、勢い良く少年は後ろ、後ろへと下がっていく―――!】
【其の勢いは、恐らく数十mにも及び―――悠々と、"リングアウト"を狙える程であった。】

【『マズい……!』直感的に察した少年は、後ろ向きに突き刺さるベクトルを―――】
【回転の方向に"変換"する事を試みる。―――即ち、少年は再び、空を蹴り上げ―――!】
【其後、何度もバランスを崩しそうになりながらも、空中で身体を一回転、2回転させて―――!】


【着地した場所は―――フィールドの縁。"ギリギリ"では在ったが―――耐えられたらしく。】


【足が地面に付いた瞬間、少年は肩からドサッと倒れる。先程迄とは全く異質な着地だった。】
【―――両腕から、活力が全く見られない。其れからはきっと、】
【例え素人目であったとしても、"もう使い物にならない"のだという事が理解できる筈だ。】

【身体に取り込まれる酸素に呼応するかの様に、少年は肩を、全身を動かす。】
【―――"リングアウト"を防ぐのが、精一杯だったという事なのだろう。】
【然し、荒ぶる呼吸を他所に、何故か顔だけは、ニンマリと笑って見せていて―――。】

【―――さて、試合中一度も見せる事の無かった"本物の笑顔"。少女の眼には、どう映ったのだろうか―――?】

/はいー!よろしくお願いします!
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 15:37:44.42 ID:LvIuJL2Yo
>>990

【金属音が響き、銀猫は拳を突き出した状態のまま硬直していた】
【そこから流れるのは血か――高硬度の物質を殴りつけた代償、皮が弾け、骨まで粉砕されて】
【けれど彼女はそれを全く気にしていなかった。それよりも今はねこやまがどうなったかだけが気になった】

【結果は――何とも言い難い。使えなくなった腕の数で言うならば、こちらの勝利か】


た、タフすぎだにゃ……。でも、勝負あったんじゃないかにゃ?
……さすがに……っ、ねこやまさんもその腕じゃ戦えないでしょ


【銀猫の方もかなりの疲労が溜まっているようだった】
【肉体的なダメージがあまりないとはいえ、長期戦の中三度も大技を使用したのだ――それは当然のことと言えた】
【呼吸の音は数m離れていても聞こえそうなほどに大きく、頭の中で何度も反響している】

【ねこやまの笑顔が見えた――彼女にはどう映ったのだろう】
【勝ち誇ったように見えたのか、それともまだやれるという意志表示に見えたのか――】
【何れにせよ彼女も声を出すことなく、にっと笑みを返すのだろう】


でも、まだ闘いは終わってないよ
今日のためにいっぱい修行したんだ。いくよ――ッ!


【そう言い放つと、ねこやまが立ち上がろうが立ち上がるまいがダッシュを仕掛ける】
【そして彼を蹴り飛ばそうと試みるだろう。ここはリング端――今はそれが勝利へと繋がる最善手か】

/めっちゃ遅れました…orz
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 15:54:37.42 ID:O/KZ/XPP0
>>991

【―――ハァ、ハァ、と肩で呼吸を取る少年。】
【腕をなるべく使う事無く、ゆっくり、ゆっくりと立ち上がった。】
【其のヨタヨタとした佇まいは、丸で生まれたての仔馬の様で―――。】

【此の光景を見た会場の誰もが、同じ感情を抱いていたのだろう。】
【嘲笑する観客は、誰一人として居らず―――其れどころか寧ろ―――、】
【観客席から広がったのは、両者の健闘を称える、労いの拍手と歓声―――其れは、会場をも包み込んで。】


―――………!


【―――鋭い目線とは対照的に、少年の腕は、ぐったりとしていて。其処にも、精気は見られない。】
【然し、"足"は、果たしてどうだろうか―――?】

【今の状況を考えると―――"リングアウトを狙う事"が、最適解である。当然、彼女もそうするのだろう。】
【ふっ飛ばされた為に、両者には距離が在った。其れ故、時間的な余裕は少々存在していて。】

【彼女が走って来る間に―――軸足をズズッと少し外側にズラして。ゆっくりと右足を上げて―――!】
【少女の蹴りに応じた技は、矢張り蹴りだった。相殺を狙うが如く繰り出された其れは―――】
【勿論、硬化が施されていた。丸で鈍器で殴られるかの様な、そんな感覚さえ有る事だろう―――!】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 16:16:30.60 ID:LvIuJL2Yo
>>992

【やはり、まだ動くか――しかしこちらも止まる訳にはいかない】
【互いの蹴りが交錯した直後、銀猫の表情が苦痛を湛えた】
【硬化に対しこちらは生身だ。受けるダメージはこちらが遥かに上だろう】


……つ、りゃああぁッ!!


【すぐに体勢を立て直すと、間髪入れずに左足での蹴りを繰りだすだろう】
【上体を少し後ろへと反らせば避けられるであろう、やや高めの蹴りだ】

【かわされる可能性も高いが――問題はそこから。もしかわされれば、銀猫はその場で一回転するだろう】
【空を切って伸ばされた腕が、大砲を打ち出すために曲がり獲物を定める――】
【次に向き直った瞬間、ねこやまの顔面へと渾身の左ストレートが放たれるだろう】

【蹴りと拳のコンビネーションアタック――冷静に見極めれば、対処は可能か】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/10/06(日) 16:22:56.16 ID:2/kvNpZAo
【路地裏】

「…………」

【壁によりかかりぼんやりとしているそれは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男だった】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

「……こr、…………なら、………………いい…………」

【何があったのかは不明だが、とにかくボコボコで、眼には生気のせの字すら伺えぬ程】

「でも……wるい、…………ろさn…………………てns…………、、やr…………ない…………」

【不気味なほどにひたすら何かをブツブツ呟いており、どくどくと流れる血を止めようともしていないそれは】
【――"精神が病んでいる"としか言い様がない、そんな状態】

/10時頃には落ちますので、それ以降は持ち越しか置きレスになります
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 16:47:02.67 ID:O/KZ/XPP0
>>993

【金属製と同等の足を喰らったにも関わらず―――彼女は体勢を崩す事無く立ち上がって居た。】
【其れどころか、隙さえ見せる事無く繰り出されたのは―――左足の蹴り―――!】


【少年は身体を後ろへと逸らす―――と同時に少女の腕の動きを横目で確認する。】
【其の前兆であろう振る舞いは、恐らく顔面へのストレートであった。】
【今の体勢から考えて、次に取る行動は矢張り、バク転―――!】

【然し"こめっとぱんち"を喰らった少年は今、腕に力を込める事が出来ない。】
【着地の際に指先を使うのがバク転―――当然、其の行動は取れなかった。】


【だとすれば―――頭だけでも動かし、何とか回避するしか無い。】
【彼女の左フックに対し、少年の頭を右にズラして―――然し其れだけでは、当然不十分であって。】
【左頬に切れ目が走る―――重力に従って滴り舞い散るのは、透き通った鮮血―――!】


―――………


【想像以上に、傷は深く―――拭っても拭っても、其れは溢れ出てきて―――、】
【低く屈むように取られている体勢、そして一定のリズムを刻みながら揺れ動く少年の身体は、】
【矢張り、少年の残存した体力を物語っていた事だろう。】


【―――此れ以上、長々と続けるには限界であった。】
【スッと能力の発動を止めて。少女の元へ踏み込んで行く―――。】
【硬化を止めた故に、先程の物とは比べ物にならない程、素早く繰り出されたのは―――】
【少女の首を捉えた、上段回し蹴り。後の回避や防御、挙句の果てには着地さえも、】
【一切考えずに繰り出された其れは、攻撃に特化した―――"キレのある"なんて表現では収まらない程の物。】


【此の攻撃を回避した、或いは受けきったなら、残るのは無防備に倒れこんでいる少年。】
【抵抗の意思すら見られない其れは、少女の勝利を暗示する以外の何物でもない。】

【―――勝利の女神が微笑みをもたらすのは、"少女"か、其れ共、"少年"か―――!?】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/10/06(日) 17:17:13.93 ID:Pm0M2p0do
>>994

…チッ!血だらけの奴が居ると思ったら死にかけの搾りかすかよ!

【ボロボロの男に近づき悪態をつきながら歩いてくる男がいる】
【男は黒いローブを深々とかぶり顔を隠している】
【両耳には特徴的な逆十字架のピアスをつけており、身長は170センチ程であろう】
【服装から武器等は持っていない様に伺える】

つまんねぇ…あぁつまんねぇ!

【男は踵を返して吐き捨てる様に言葉を出しボロボロの男を再度見る】

あぁ…精神もイっちまってもうダメだなこいつ…クソが!ハズレ捕まされたぜ!

【ローブで表情は見られないが口調から男がイラついている事がわかる】

/遅くなりまして申し訳ありません。
/まだいますか?
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/10/06(日) 17:21:02.96 ID:LvIuJL2Yo
>>995

【両腕を潰され、リング端という窮地に立たされてもまだあのコンボを避けきれる目】
【まるで次々と形を変えるスライムを殴っているかのようだ】
【時にぽっかりと穴を開け、時に硬化し脅威を払う――心底恐ろしい】

【だが、徐々に攻撃が当たるようになってきた】
【決着は近いか――そう、頭に思い浮かべた刹那だった】


――か、っは……ッ


【一瞬、何かが真っ直ぐに空を断ったのはわかった】
【けれど剣閃のごとき回し蹴りに反応することができず、首へのクリーンヒットを許した】

【視界が揺れて、暗転した。地震と停電と人身事故がいっぺんに起こったような凄まじい衝撃だった】
【彼女の細い首がメキメキと変な音を立て、足は地面から離れて身体が傾いてゆく――】


う、あああああああああッ!!


【しかし彼女は――最後の気力を振り絞って雄叫びをあげるだろう】
【瞳はまだ諦めていない。それどころかより一層闘志を強くさせて】
【ガァン!と加減のない力で地面を捉え、極限まで傾いていた身体をなんとか倒れることなく留めた】

【歯を食いしばって足に力を込め――彼女は立ちあがるだろう】
【踏みとどまるので精いっぱいだったのか、ゆらゆらと身体が揺れいているが、それでもねこやまへと向き直って】


【 ――静かにファイティングポーズを取るだろう 】
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/10/06(日) 17:26:33.22 ID:4Sdbpfwgo
>>994

「……おい、そこのお前」
【その男の状態は、普通の人であれば、避けて通りたがるような怪奇なものであった】
【よっぽどの物好きは、そうでなければお人よしすぎるその少女は、男の元へと歩いていく】

「大丈夫とは……言えない、な」
【出血をしているにもかかわらず、うわ言の様な言葉を吐き出して歩き続ける男の様子は、少女から見ても不気味な物であった】
【――場所が場所であるため、薬漬けになった浮浪物とか、精神が狂ってしまった男だということも考えられる……】
【だが、身に着けている衣服は酷く劣化をしている訳でもなく……結論は出せない――】

「お前、私のことが分かるか?」
【男の側で、言葉を投げかける】
【自分の事を認識しているのであれば、手を施すことができるかもしれない】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 17:45:33.22 ID:O/KZ/XPP0
【―――勝利の女神が微笑んだのは、どうやら、"少女"の方だった様だ。】


【―――倒れている少年の左頬から、ドクドクと留まる事無く溢れ出す其れは、丸で生き物の様だった。】
【少年の頬をゆっくりと伝って。やがて石畳の上に同心円状に広がっていき―――。】


あーっはっははは……首に蹴り、まともに喰らって気絶せぇへんって、いや、そもそも、倒れへんって……
どーいう事やねん……ほんま、人間ちゃうやろ……いやーわかったわかった、ギブギブ……俺の、負けや。


【少年が繰り出したハイキックは、正に渾身の一打であった。】
【にも関わらず、少女は気を失うどころか、倒れる姿さえ見せなかったのだ―――此れは、勝てない。】

【少年のギブアップ宣言と共に、試合終了のゴングが会場全体に響き渡る。】
【と同時に、担当であろう係員が透かさず少年の元へ走り寄り―――】
【まだ意識がある事を一通り確認したなら、近くで控えていた者に合図。担架を持って来させ、】
【少年の身体は、フワッと持ち上がり―――やがて、会場の奥へと姿を消す事だろう。】


【其の際に、再び此れ以上無い拍手が沸き起こった事は―――最早、言うまでも無いだろうか。】


【―――九連撃によって擦り切れた袖に、真っ赤な斑模様となってしまった左肩。】
【こんな状態になったボロボロの道着は、クリーニングに出せば何とかなる、と言う物では無かった。】
【―――否、あれ程の戦いの中、絶えず少年を守り続けたのだ。至極当然の事なのだろう。】

【『この道着、新調したばっかりなんやけど……』と声にならない声で呟いては、】
【少年の身体を心配そうな目で見ていた、近くの係員を笑わせて見せて。】
【敗北しても尚、人を笑わせられる程、精神的な余裕が、少年にはあった―――。】

【少女が勝ったら泣き顔見せる。初めに交わした約束を思い出したのは、其れから少し経ってからの事。】
【『ちょっと悪いことしたなー……』なんて言いたげな顔をしては少し笑って。】

【彼女は―――強い。其れも当然、"二面的な"意味合いで―――】
【だからこそ、もう一度拳を交えたい。そして次こそは、と思考させた所で、少年は瞼を閉じるだった。】


【第三回天下一武道会、第一回戦 勝者―――シルバーキャット=z


/おつかれさまでした〜!ぜひまた、お願いします!
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/10/06(日) 17:46:28.26 ID:O/KZ/XPP0
/埋めついでに!
/>>999>>997さん宛です!大変失礼しましたー!
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
服をきたら上下反対だった @ 2013/10/06(日) 17:45:11.67 ID:0jusgqatO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1381049111/

キュアエコー「えーいっえんのともだっち、プリキュア…」 @ 2013/10/06(日) 17:40:15.89 ID:Vl3Un+0AO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381048815/

【Fate】アースセル「真なる聖杯を手に入れろ」【安価とコンマで聖杯戦争】 @ 2013/10/06(日) 17:31:06.78 ID:t5TaMBD0o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381048266/

戦国の虎始めてみた @ 2013/10/06(日) 17:30:28.81 ID:+ed8LXSq0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1381048228/

続・とある根性の旧約再編 @ 2013/10/06(日) 17:09:10.95 ID:5+L9SYlDO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381046950/

エレン「みんなキャラが違う」 @ 2013/10/06(日) 17:06:11.98 ID:F8HiKngg0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381046771/

【姉を】冬は祭になるのか【見守る】 10 @ 2013/10/06(日) 16:55:21.64 ID:JyotSxhgo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1381046121/

照「虎姫前夜」淡「みんなの旅行記っ!」 @ 2013/10/06(日) 16:04:03.88 ID:6UJTZvIs0
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