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【異世界】ここだけ世界の境界線★9【歓迎】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/25(水) 00:00:31.24 ID:m2Hi/vm80
【新世界へようこそ!】
ここは様々な世界が融合して出来た世界。ここの住人は親しみを込めてこの世界を『新世界』と呼んでいます。
この世界にはオーバーテクノロジーから魔術まで何でも存在します。超能力や宇宙艦隊もあれば大魔王の領地も、
獣人の集落や神の軍勢すら勢揃いの『なんでもあり』の世界。それが新世界なのです。
あなたはこの世界の新たな住人となり、先駆者や新入り、そして異世界の住人達と関わってゆくことになります。

【ゲートについて】
この世界には『ゲート』と呼ばれている様々な世界同士を繋げる空間があります。
時にそれは魔界へ、時にそれは天界へ、時にそれはダンジョンへ、繋がっている先は様々です。
稀にそこから『厄災』なるものが流れ着き、それがこちら側の世界を荒らす事もしばしば……
その度に貴方達『能力者』はその能力を最大限に行使して『厄災』を元の場所へと送り返したり倒したり……
この世界の様々な事がこの『ゲート』を切っ掛けにして起こります。

【来訪者について】
この『新世界』はその性質上、別世界からの『来訪者』がやってくることもあります。
彼らの来る世界は様々な世界。時には人間や獣人。時には悪魔や妖怪。そして時には異星人すら『来訪者』として現れることすらあるのです。
『来訪者』はこの世界に来る過程で新たな『能力』を得る事も、そして自分が持っていた能力を引き続き使うことも出来ます。
しかしあまりにも強大な『能力』は『ゲート』の力によりその効力を失ってしまうこととなるでしょう。
次の『来訪者』はあなたかもしれません……

◇ここは自分だけの『能力』を手に入れ、様々な能力者と戦闘、交流するスレです。
◇オリキャラは勿論、様々ななりきりスレのキャラも参加する事が可能なスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力など、相手に勝利の余地を与えない設定は避けましょう。最強設定は御法度です。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

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☆次スレッドを立てるまで>>980からは減速推奨(重複を回避するため)

★避難所★
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20393/

★wiki★
http://www60.atwiki.jp/kyoukaisen/

※前スレ
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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
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ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
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今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
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誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
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A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
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真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
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愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
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2 :おんも [sage]:2015/03/26(木) 20:42:45.99 ID:3frCIuHk0
>>1乙ですっ
3 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/26(木) 22:06:07.07 ID:UL5phuIi0
【サイバーシティ スプロール】
メガコーポの同士の企業紛争 それがどんな形で手打ちとなったのかなんて 下の者にはわからない
だが戦いは終わり 封鎖は解かれ 通りに人が戻ってきた

あと一週間もしないうちにここいらはまた喧噪を取り戻すだろう

「いやぁ〜 食料が尽きる前に終わってよかったよ」
そういって食料品や日用品を山ほど抱えてセーフハウスに戻ってくるアキレス

―――ギ・・・ギィ!!
ベティも袋を背にのせられ えっちらおっちら階段を上ってきた

時間にして五日 セーフハウスを棄てて別の場所に移るかどうかの瀬戸際だった
とにかく セーフハウスも失わず 誰一人欠けずに紛争をしのげたのは僥倖と言っていいだろう
4 :澪【獣化】 :2015/03/26(木) 22:17:19.35 ID:cwV3DIuXO
>>3
「……巻き込まれなくて、よかった……」

アキレスの後ろ、同様に荷物を抱えてセーフハウスに足を踏み入れる澪。
なんだかんだと外界の抗争から身を隠し続けていたが、ようやく表に出て一安心。
こうして再び日の光を浴びることができたという事実に、安堵の吐息を禁じ得なかった。

「……もう、いっぱい食べていいよね……?」

ちなみにこの五日間、意外と澪の食事量はそう多くなかったりする。
むしろ少食の部類で済んだのは、事前の食いだめがあったため。
限られた食料の中、終わりの見えない籠城でがっつく程遠慮なしではないのだ。
5 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/26(木) 22:27:10.19 ID:UL5phuIi0
>>4
「今日はもう一回買い出しに行かなきゃだめだなぁ・・・いや その前にビズしなきゃダメかな?」
―――ギィ♪

食い倒れ宣言に微妙な顔 ベティもいっぱい食べられると聞いて嬉しそうにしている

「まぁいいさ とりあえずささやかなパーリーといこうか」
取り出した瓶ビール 澪は何を飲むのでしょうか?

テーブルに敷き詰めるご馳走(プラントの合成食料であるが)
ピザ ローストチキン チャイニーズのデリバリー 串焼きがずらり ほかにもでき合いの食い物が テーブルの足が折れんばかりに敷き詰められる

「そいじゃ 生還を祝して カンパーイ」
―――ギィ!!
6 :澪【獣化】 :2015/03/26(木) 22:38:44.32 ID:cwV3DIuXO
>>5
禁欲から解き放たれた反動は大きいのだ、アキレスの微妙そうな顔などどこ吹く風。
鼻歌交じりに支度を調えれば、アキレスと同じもののビールを取り出す。
並べられた久しぶりのご馳走に手を出したくなるのをぐっと我慢。

「…乾杯っ…」
「…じゃあ、さっそく…」

瓶を掲げて打ち鳴らす、チンと心地よい音が食卓に響いた。
一気に呷ってふうと一息、久方ぶりのアルコールが身に沁みる。
そのまま口早に食前の挨拶を呟けば、出来合いの品々に手を伸ばした。
7 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/26(木) 22:44:24.76 ID:UL5phuIi0
>>6
「えっ?」

澪がビールを持ったことに少なからず衝撃を受ける
まさかアルコールを嗜むとは思いませんでした

とにかく乾杯は終わり ビールを呷る

「ングッ・・・ングッ・・・ングッ・・・ぷはー ・・・あれ?」
ぐいぐいビールを飲んで 顔を料理に向けたら なんか一部がすでに消えていたのに呆然とする

「あぁえと・・・スゴイネー」
すべて食べられたら困ると フライドチキンを確保しようとするだろう
8 :澪【獣化】 [sage]:2015/03/26(木) 22:56:22.69 ID:cwV3DIuXO
>>7
「…えっ…」

アキレスが衝撃を受けると同時、こちらもやや目を見開いてオウム返し。
なにを驚かれているのか分かっていないのか、瓶を片手にううむと首を捻る。
こう見えても普通の人間よりは遥かに生きているのだ、法的にはなんの問題もない。
見た目だけでは大分おかしな光景になるのは当然かもしれないが。

「……今のうちに、食べておかないと……」
「……むっ……」

しばらく食べていなかったのだ、そして次いつ食糧難が訪れるとも分からない。
ならばとここでとにかく胃袋を満たす腹づもりなのだ。
確保されたものを口惜しげに見やるが、そこで止まる澪ではない。すぐさま他のものに狙いを定める。
そこには遠慮もなにもない、ちょっとした鬼畜である。
9 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/26(木) 23:07:32.06 ID:UL5phuIi0
>>8
「モシャモシャ・・・」
模造品とはいえ かなりいい仕事をしているものを厳選して買ってきたのだ
クリスピーな衣を噛み破れば あふれ出てくる甘い油がたまらない

何せ籠城の後半になれば おいしいものは食べつくし カロリーバーで飢えを凌ぐ状態だったのだ
ここでご馳走をすべて持っていかれるわけにはいかない

澪の視線を注意深く探り 彼女が何を狙っているのかを見極める

(ここは・・・無難にフライドポテト・・・と見せかけて!!)
狙ったのは ポテトの隣にあるピザ その一切れを奪わんと手を伸ばした
10 :澪【獣化】 :2015/03/26(木) 23:17:42.81 ID:cwV3DIuXO
>>9
その日食べるものにも困るような状況から脱した直後なのだ、胃が膨れればなんでもいい。
普段こそ合成食材を敬遠していたが、今だけはこれ以上ないほどのご馳走のように思えた。
だからこそ、狙っていたものを奪われるのがまたいつも以上に気になるわけで。

「……あっ……」

タッチの差でアキレスに持っていかれれば、小さく呟いて一時停止。
そのまま別の一切れに手をつけると思いきや、勢いよく掴んだのはまだ半分以上が残っているビール瓶。
ぐっと呷り、最後の一滴まで残さず飲み干して見せた。
11 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/03/26(木) 23:33:32.71 ID:3frCIuHk0
>>9-10
「……ただいまーっとっ」
「お、やってるねやってるねー」

セーフハウスの扉を開けてやって来る七八
両手には甘味が満載された袋が握られている
買物が思いの外時間が掛かり、ふたりに先に始めておいて欲しいと連絡したのが30分程前か

「いやごめんごめん、いいの選んでたら時間掛かっちゃってさぁ……」
「って、あれっ? 随分減ってるね……?」
「ま、ちょっとシャワー借りるから残しといてねー?」

スプロールでは珍しい和菓子の類を仕入れていたらしい、羊羹やどら焼きなんかがどっさりである
新たな食料を投下、そしてシャワールームへと直行
アキレスと澪、そしてベティ達の食欲を侮っているが故の無謀であった

//食べ物だけ投下して行きまするw
12 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/26(木) 23:33:38.25 ID:UL5phuIi0
>>10
「あ ビール!?」
すでに何かが間違っているようにも見えるパーティ
ピザを食べている間にビールを持っていかれてしまいました

「おのれ・・・やるな澪タン・・・」
顎を拭い 好戦的な視線を向ける

「なら・・・これでどうだ!!」
そういって手を伸ばしたのはピクルスの瓶

・・・そろそろ口直しが欲しかったらしい
13 :澪【獣化】 :2015/03/26(木) 23:46:21.45 ID:cwV3DIuXO
>>11
「……お帰り…先に始めてるよ……」

戻ってきた七八には声こそかけるものの、そちらに視線がいくことはない。
吸い寄せられるのは手に持っているもの、袋から漂う甘いには敏感なのだ。
七八の念押しにはあからさまに目を逸らす。ある意味ではっきりした答えとも言える。
即ちそれは、食欲の大勝利だ。

>>12
「……アキレスこそ……」

すっかり軽くなった瓶を除け、アキレスの視線にこちらも悪どい笑みで答える。
これで酔っ払ってはいないから久しぶりのご馳走とは恐ろしい。人をここまで変えてしまうのだから。
まったく変わらない顔色でざっとテーブルを見回す。もちろんそれは獲物を定める目だ。

「……それならこれだっ……!」

対抗して手に取るのはタレがよく絡んだ焼き鳥、串だけになるまでにそう時間はかからなかった。
とにもかくにも求めるのは肉、口直しなど必要がないのである。
14 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/26(木) 23:58:56.27 ID:UL5phuIi0
>>11
「オカエリ― 遅いぞー」
やっとやってきた四五六に手を振る

「あぁ とっておくからさっさと浴びてらっしゃい」
そう告げるアキレスの顔は胡散臭いレベルで笑顔 きっとその子t場は 嘘

>>13
「ほぅ…そう来たか!!」
ピリリと辛いピクルスをポリポリかじりながら笑みを浮かべる
確かに澪にとっては口直しが必要でないのかもしれない あっという間に串が山を成す

「ということは・・・これでどうだ!!」
今度はチャイニーズのデリバリーより エビチリに手を伸ばす
殻さの中にエビの甘味が自己主張する逸品を確保せんとするだろう
15 :澪【獣化】 [sage]:2015/03/27(金) 00:08:32.05 ID:xyhsbca9O
>>14
ぽいっと串を空いた皿に放り捨て、さてお次はとテーブルから目を離さず身構える。
アキレスが狙った先は今まで澪目線で意識のいってなかったテリトリー。
辛味と甘味がいい塩梅で混じり合っているそれを見送って、どこか悔しそうに握り拳を作った。

「……っ…負けないっ……」

もはやこれは食べた量の話ではない。他者からすれば果てしなくどうでもいいプライドの問題だ。
ならばよりいいものを取ってやろうと、また新たな食べ物に手を伸ばす。
この争いはテーブルの上の品々がすっかりなくなり、七八が持ってきた甘味が尽きるまで続いたとか。

//日も変わったのでこの辺りでっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
16 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/27(金) 00:12:46.89 ID:hTHavsQz0
そして四五六がシャワーから戻ってきたとき 最後のどら焼きが喰われた後であった
激怒した四五六をなだめるために 満腹かかえて買い出しに行く羽目になったとさ
17 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/27(金) 22:43:26.03 ID:hTHavsQz0
【とある世界の荒野のハイウェイ】

「あっちぃ・・・」
―――ギィ!!

360°を見渡せど あるのは茶色い岩と 地平線まで続くハイウェイ そして抜けるように青い空
飛ばされた先は そんな世界何もない世界でした

とりあえずスケッチブックにヒッチハイクの旨を書き記したものの 通りがかる車は皆無
途中見えた看板には この先ガススタンド300kmの文字

「のどか湧いた・・・おなかすいた・・・もう歩くのやだ」
グチりながら歩き続ける
18 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/27(金) 22:48:30.28 ID:3gXyoZRBo
>>17

そんな荒野のど真ん中、遠くの方にプレハブ小屋のような建物が見える。
果たして、暑さが魅せる蜃気楼か本物か…

近づいてみると、なにかの店のようだ
19 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/27(金) 22:50:45.02 ID:XZ0RQhH90
>>17-18
「300kmって事はぁっ」
「頑張って走れば1時間くらいで着きますかねぇっ……」

隣を歩くニアも項垂れてぜぇぜぇと荒い呼吸
その能力で空腹や乾きを凌ぐ事は出来ても、この状況が根本的にどうなる訳ではない

「……って、あ、あれ……?」

そこでふ、と少し先に建物を発見
目をゴシゴシと擦り再度確認、どうやら本物らしい

「……入って、みますっ……?」

アキレスとベティに問い掛けてみた
無論やや警戒が働いているが故だ
20 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/27(金) 22:55:40.12 ID:hTHavsQz0
>>18-19
「そうだな 問題はF1でもない限り 時速300q/hは出せないということだ」
ぐったりと2人と一匹 並んでトボトボ歩いていると なんかプレハブが見えるではないか

「えっと…夢じゃないよね?」
試しにニアのほっぺたをつねってみようと手を伸ばす

「t・・・とりあえずここで無視してもいいことは何もない 最悪日差しを避けつつ休憩できるかもしれない
 行ってみるしかない」

念のためリボルバーの弾を確認し 特殊警棒をいつでも出せるようにしながら プレハブのドアをゆっくりと開けようとする
21 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/27(金) 22:58:33.80 ID:3gXyoZRBo
>>19
西部劇に出てくるような両開きのドアの上には、『喫茶 オールド・フィリス』と書かれたボロボロの看板がかけられている。
どうやら喫茶店のようだが、中は薄暗く、詳細には見ることが出来ない。
しかし、耳をそばだてると微かに音楽が聞こえてくる。どうやら、レコードがかかっているようだ。
その音楽はどこか古臭く、まるでその空間だけタイムスリップしているような感覚がするだろう。

>>20
ドアをゆっくりと開けると、そこには”寂れた”という言葉がピッタリの、バーカウンターとテーブル席が2つほどしか無いこじんまりとした店内が広がっていた。

「おや、まさか客が来るとはね。いらっしゃい」

そのカウンターの奥には、グラスを磨いている初老の男性がにこやかに佇んでいた。
22 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/27(金) 23:03:19.66 ID:XZ0RQhH90
>>20-21
「あ痛たっ」
「……ひゅめひゃひゃいっひぇんひぇ……いひゃいっ」

理不尽に抓られて伸びる頬
ともかく中に入ってみるとのアキレスに同意し、腰に帯びた片手剣……月光を右手に携えて続く

「……ありゃ?」
「ど、どうも、こんにちはってんですっ……」

そして建物の中に入れば予想とは少し異なる風体
もっとこう、殺伐めいた空気を覚悟していたニアにしてみればやや拍子抜けである
ともかく剣を鞘に仕舞い、一礼
褐色の肌にアッシュグレイのショート、赤い双眼の少女
服装はマオカラー調のシャツにチノを併せ、空色のスカーフを巻いた至って普通のものである
23 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/27(金) 23:11:27.68 ID:hTHavsQz0
>>21-22
「よし 夢じゃないな」
ナチュラルに他人のホホを抓り 何事もなく手を離した

とにかく用心しながら中に入ると そこには妙にちっさな さびれた喫茶店
しかもこのご時世にレコードを使用しているのだ きっと店主の趣味だろうと片付ける

「いや 客商売するにはどう見ても立地悪すぎじゃね?」
店主の言葉にはしっかりツッコミを入れ とりあえず席に着く

「えぇと・・・ここ 本当に喫茶店? え マジで???」
きょろきょろとあたりを見渡す 確かに腹が減った喉が渇いたとブツクサ文句を言っていたが こんな幸運合っていいのだろうか?
逆に心配になってきたらしく 店主に質問する
24 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/27(金) 23:15:11.44 ID:3gXyoZRBo
>>22
「こんな荒野のど真ん中で、美しい娘さんに会えるとはねぇ。」

そういった男は、年は60代くらいだろうか、砂漠の真ん中には似つかないタキシードのような服を着ていて、さながらバーのマスター、といったところか。
彼は、白髪交じりの頭を撫で付けながら、磨いていたグラスを後ろにあった戸棚に仕舞い、水で満たしたグラスを二人に差し出した。

「さあ、どうぞお好きな席へ」

その喫茶店は、客は一人も居なかったので、どこに座ってもいいようだ。

>>23
「ええ、もちろん、正真正銘の喫茶店ですよ」

男は、水のグラスを差し出しながら応える。
レコードは、落ち着いたジャズの音色を奏でていた。

「確かに、ここではお客様は来ないかもしれませんねえ。しかし、あなた方のようなお客様が来てくださった」

店主は少し嬉しそうな顔で、アキレスの顔をみた。

「ご注文は何になさいますか?メニューをどうぞ」

差し出されたメニューは、年季が入っておりボロボロだが、様々な料理や飲み物があるようだ。
25 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/27(金) 23:23:03.98 ID:XZ0RQhH90
>>23-24
「むぅっ」

抓られた頬を摩りながらご入店である

「……いやぁ、ニアとしては砂漠の真ん中にこんなお店がある方が……」

ビックリである、そりゃそうだ
ともあれアキレスと同じく席に着いて水を受け取れば一口、美味しい
渇いた砂地がそうするように、体に水分が浸透して行く感覚に小さく震える

「えぇとぉっ、注文……」
「ニアはっ、暖かいコーヒーがいいかなっ……?」

体を労わるには、暖かい飲物をゆっくりやるのが一番だと考えていた
実にスタンダートな注文である
因みにコーヒーに種類があるとしたら、お店のブレンドをと頼むであろう
26 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/27(金) 23:32:33.42 ID:hTHavsQz0
>>24
水の入ったコップを一息に呷る
冷たい水が喉を下りてゆく感覚が心地いい

「客は来ないが俺らみたいな客・・・? あんた一体何を言ってるんだ?」
怪訝そうな顔をするが なんとなく当たりがつく ひょっとしたら越境者のことを言っているのか?

とりあえずメニューを見よう 色々と揃えてくれているのはありがたい

「チーズ・マカロニとパンケーキ それと・・・コーラを頼む」
ニアとは対照的に 己の欲望のままに注文を取った

>>25
「ニアタンニアタン」
こっそり耳打ち

「ひょっとしたら個々の店主 只者じゃないかもしれない」
この男が自分たちを越境者だと気付いているかもしれない旨を伝えようとする

「いやぁしかし助かっちゃったなぁ こんなところで喫茶店とであうなんてー」
そして誤魔化すように棒読みセリフを言ってのけた
27 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/27(金) 23:39:26.44 ID:3gXyoZRBo
>>25
「コーヒーですな、少々お待ちを」

店主は、コーヒー豆が入った容器から豆を取り出し、コーヒーミルで豆を挽く。
豆が挽かれるごとに、微かにいい香りが漂ってくる。
挽き終わるとサイフォンを準備し、挽き豆と湯を入れた。
もう少しで出来上がりそうだ。

>>26
「チーズ・マカロニとパンケーキ、コーラですな、お待ちを」

冷蔵庫を開け、瓶コーラを取り出す。それはキンキンに冷えており、取り出した途端から瓶には水滴が滴り落ちていた。
店主はそれを拭き取り、テーブルに置く。火照った体に効きそうだ。
続いてキッチンに向かい、材料と鍋を取り出して慣れた手つきで調理を始める。

「それで、君たちはどうしてこんなところへ?何もないでしょう」

店主は二人に尋ねた。
28 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/27(金) 23:42:27.51 ID:XZ0RQhH90
>>26
「……なるほどっ」
「それならこんな所にお店構えてるのもなんとなくっ……」

納得というかなんというか
プレハブ式の簡易な組み立ての店は移動の為とも思える
越境関連については現時点では判断し兼ねている様子

>>27
「おぉー……」

ていぱきとした店主の動きに感嘆
見惚れて口が開きっ放しである

「……そりゃ、まぁ……」
「……何言いますかっ、迷子的な……?」

その問い掛けには言い淀み、アキレスに助けを求めるように目線を向けている
29 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/27(金) 23:59:52.04 ID:hTHavsQz0
>>27
「え? あぁいや なんていうかその・・・アハハハハハハハハ」
痛いところを突かれる 何せと漁れてkチアなんて あまり大きな声で言えるわけもなし

「あ そうそう ちょっと車がガス欠起こしてちょっと先のガススタまで行かなきゃならなくてさアハハハハ」
と言い訳を一つ そしてコーラの瓶を口にねじ込んでだんまりを決め込む ああ・・・はじける炭酸がおいしい

だがそんな言い訳を掻き消す存在が姿を現す

―――ギィ!!
背中を登ってきた巨大サソリのベティが 店主に向けて 何か頂戴とハサミを振り上げたのだ
ちなみにこの世界のサソリはベティほどに大きくはならないのだ

>>28
「一体どこまでさらしていいのかわかりかねる またカノッサの息がかかってると・・・」
自分は前にカノッサに襲われたことがある ニアもまたカノッサに拉致されたことがあっただろう

「どうすっかね? あまりことを荒げると せっかくの飯が遠のいちまうが・・・」
ヒソヒソと
30 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/28(土) 00:06:35.39 ID:m/uDYQWLo
>>28
「迷子…なるほどねえ。はは、ここにいらっしゃるお客さんは迷子の人が多くてねえ」

微笑しながら、コーヒーをカップに注ぎ、それをニアの目の前に置く。
湯気がゆらりと立ち上り、香りが鼻腔をくすぐる。

「さあどうぞ、お待たせしました。」

レコードは、ジャズから静かなバラードに変わった。

>>29
「そうでしたか、しかし、ここから一番近いガソリンスタンドでも300キロは離れているでしょう」

さぞ、大変でしたねえと言わんばかりの目を向け、出来上がった料理を皿に盛りつける。

「さあ、お待たせしました、チーズマカロニ――」

でございますと言いかけた途端、巨大なサソリが店に乱入してきた。
それを見た男の行動は速く、皿を置くやいなや、カウンターの下に置いてある護身用(というには少し大きすぎる)ショットガンを構え、初弾を装填する。
すぐにでも撃ちそうな体制だ。
31 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 00:12:13.17 ID:ZaunMIZ+0
>>29
「そりゃ、まぁっ……」
「でもっ、もしカノッサだのなんだのだとしたら……」

果たしてこんなところでのんびりと喫茶店など営むだろうか?
少なくともニアの知る中での件の組織は、もっと容赦のないモノだ

>>30
「あはは……というか、迷子以外に来るってんですかっ……?」

やや後ろめたい故の乾笑
だが嘘を言っている訳ではないのだ、事実迷子なのだから

「んっ……美味しそうっ」
「頂きまー……」

と、バラードが流れ始めたちょうどそのタイミングで事態は急変を迎える

>>29-30
「わぁ!? す、ストップ!」

慌てて飛び出し、店主とサソリのベティの合間射線軸上にカットイン
防御用の装備はないが、咄嗟の行動なので仕方ない
32 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 00:21:32.62 ID:v/jVSFpF0
>>30-31
「あはははは・・・ なんでここに喫茶店があったのは圧倒的僥倖っすわ」
冷汗たらしながらの乾いた笑み なんとか誤魔化せたようだ

だが残念なことにベティの乱入で事態は急展開を告げる

「OK OKマテ 時に落ち着けって!!」
ガタリと椅子から立ち上がり 両手を前に出して店主を落ち着かせようとする
ニアと一緒に射線にカットインする形だ

「これは・・・アレだ ペットだ ペット ペットNGかここ? だったらすぐに出てくだから待って」
―――ギィ!!

ベティはアキレスの慌てぶりなどどこ吹く風 おかかすいたとハサミを振り上げていた
33 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/28(土) 00:24:46.72 ID:m/uDYQWLo
>>31
「君たちは一体何者だね?」

店主の声は落ち着いてはいるが、ドスの利いた、腹の底に突き刺さるようなものだった。
身長も高く、190はあるだろうか。今まで気付かなかったが、初老の男性にしてはとにかくガタイがいい。

「たまに来るのだよ、こんな寂れた喫茶店にも強盗という輩がね…君たちもそういった輩かね?」

先ほどまでの柔和な雰囲気から一転、この店主は客人だった彼らをかなり警戒していいるようだ。

>>32

「……」

しばらく沈黙し、鋭い視線を二人に向けていたが、サソリが襲ってこないのを見て、銃を持っていた手の力を少しゆるめた。

「ペット…?このサソリかね?」

しかし、到底信じられないのか、まだ警戒をしたままだ。
レコードは曲が終わり、空転を続けている。

34 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 00:30:18.15 ID:ZaunMIZ+0
>>32-33
「あはは……、ま、まぁなんといいますかっ……」
「少なくとも強盗じゃないってんですよっ?」

店主に銃を突き付けられれば両手の平を見せ、顔の高さに上げて小さくホールドアップ
腰に剣を帯びてはいるが、今使う事はないようだ

「……えーと、あ、アキレス……?」

どうしましょ、とそのままの体勢から苦笑混じりに
銃口との対面は数知れずとも、この距離で散弾となると矢張り色々と厳しいモノがある
少なくともニアからすればアドバンテージを取られている格好となっているのだ
35 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 00:38:08.94 ID:v/jVSFpF0
>>33-34
とりあえずはとどまってくれた だがどこまでかはわからない
なので一つペットであることを証明して見せましょう

「ベティ 財布とって」
―――ギィ!!

アキレスの背中を下りて 傍らに放り投げておいたリュックに向かうと ハサミでジッパーを器用に開き 中を漁って
―――ギィ!!

見つけたようです アキレスの財布をハサミで掲げている

「・・・これで証明になった?」
またアキレスの背中に上って アキレスに財布を差し出すが アキレスはホールドアップ中なので受け取ることができません
36 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/28(土) 00:46:28.23 ID:m/uDYQWLo
>>34
「……」

ニアの腰にある剣も一瞥する。どうやら、武装している状態での説得は無理のようだ。
威圧的な態度で、睨む。

>>35
「ふうむ……」

その芸当を見て、少し驚いたように目を見開く。
もう少しで説得できそうだ。
銃を少し下げ、2人と1匹を見る。

「本当にペットなのだね…?」

銃は持っているが、構えるのはやめた。

「君たち、漂流者かね?」
37 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 00:54:06.34 ID:ZaunMIZ+0
>>35-36
「あはは、ベティ偉い偉いっ……」

最早下手な犬より賢いであろうそのサソリの行動を見ればこんな状況なのに自然、笑みが零れてしまう

「……これはっ、ぱぱの形見ですっ」
「……ニア・シューペリオリティ、お察しの通りだと思いますってんです」
「ニア達は、越境者って呼んでますけどっ……」

店主の睥睨が自らの帯びる剣に至るのを察し、しかしそれを放棄する事は決してしない
やがて銃を下ろすのを確認、名乗って境界線世界を旅する存在であると肯定
最も呼び名が少々異なるようだが、問題となる程ではないだろう

//すみませんが寝落ち警報…これにて抜けます
//ニアはNPC扱いでその場に居るだけ的な感じでお願いします
//ではすみません、お疲れ様でしたっ
38 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 01:02:38.40 ID:v/jVSFpF0
>>36
―――ギィ!!
「ちょっと ベティ重い・・・」

いつまでたっても財布を受け取ってくれないので ホールドアップした腕に上って財布を握らせようとしている
が 自らの重量のことを考えてない

「おぅいえーす ベティイスペットOK?」
―――ギィ!!

ベティもどうだすごいだろーとハサミを振り上げる

「あぁそうだ 俺らはその漂流者だ だからもういいだろ? 腕下すぞ?」
と確認をとり 了承が取れる前に腕を下してしまう

「アキレスだ あんたそんなことを聞いてくるなんて そっちも漂流者ってやつか?」
腕を振って乳酸を逃がしながら質問し

「あと・・・ここペットNG?」
さっきの質問を繰り返す
39 :バイブル[喫茶店] [sage]:2015/03/28(土) 01:08:47.96 ID:m/uDYQWLo
>>38>>39
「そうか…やはり、君たちも漂流者、いや、越境者か」

銃をおろし、カウンターの上に置く。

「私と同じ境遇だというなら、大歓迎だよ。もちろん、ペットもね」

どうやらこの店主、いや、店主だけでなくこの店自体も越境してきているらしい。
よく考えてみると、店の裏に大型のトラックが停めてあったはずだった。
あれで移動させていると考えると、この粗末な作りの店も合点がいく。

「すまなかったね、銃なんか向けてしまって。お詫びに、お茶でも淹れよう」

彼は、銃をしまうと、越境者達に紅茶と料理を振る舞った。

「私は、ラトランド・バイブル・モートン。バイブルと呼んでくれ」
40 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 01:17:02.61 ID:v/jVSFpF0
>>39
「なるほどな・・・」
やはり睨んだ通り越境者であった

「いや ベティを初めて見たんなら正常なリアクションさ よろしくバイブル
 あぁそうそう こいつにピザパンを上げて頂戴」

―――ギィ!!
ピザパン 大好物である 嬉しそうにハサミを振り上げた

そして喫茶店で腹を満たす一行であったとさ

//そろそろノシでお願いします
41 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 22:26:40.25 ID:v/jVSFpF0
【何かの加工工場】
事の始まりは前スレ>972より

薄気味悪い何か得体のしれない肉塊を作っている?工場に転移してしまった一行
従業員と思われるアンデッドの目を掻い潜り 出口を目指す

「えーっと こっからAラインへと向かえば搬入口があって Cラインへと向かえば 作った何かの搬出口があるってか ここはちょうど中間地点なわけだ」
壁に打ち付けられた案内板を見ながらつぶやく

「で? どっちにするよ たぶん何度的にはどっこいどっこいだと思うぜ?」
と同行者に質問した
42 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 22:31:58.09 ID:ZaunMIZ+0
>>41
「うーん……」
「搬出側のが少しはマシな気がしませんっ?」

少し悩んで唸り、結果としての答えはこれである
搬入口は流れに逆らう事になるが、逆ならばそれもまた反転
単純な思考ではあるものの、心理的傾向からすれば至るのはしかりではあるのだ
月光の柄を握りながらロイへと視線を向ける
43 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 22:52:03.54 ID:v/jVSFpF0
>>42
「そうかね? んじゃまぁCラインか」
案内板に基づき 道を急ぐ

道中 従業員には出会わず 問題なくCらいんまでたどり着いた

【場面転換 Cライン】
コンベアの上をラベルが貼られていない缶詰が流れていく そのけたたましい音のなか 例のアンデッド従業員が濁った眼で検品作業を行っている

「さぁて 例の搬出口ってのは・・・あったぞ アレだ」
物陰に隠れながら指さした先 箱詰めされた缶詰をパレットにのせ ハンドトラックで運んでいるアンデッド
その先にトラックが止まっており 外界につながっているのが見て取れる

「さすがに段ボールに隠れてってのはむりだなぁ 段ボールの規格は決まってるみたいだし 俺はおろかニアでも入れそうにない」
それに搬出口には多数のゾンビが屯しており 目を掻い潜ってというのも難しい

「最後は強行突破になりそうだな 用意はいいか?」
念のため 確認をとる
44 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 22:58:03.03 ID:ZaunMIZ+0
>>43
「えぇっ、Cラインですねっ」

頷き走りCラインへ

「うえっ……や、やっぱりいますねっ……」

アンデッドを発見、悍ましい見た目に辟易である
ともかくしかし出口は遠い、発見されずに行くのは至難の技だろう

「……分かりましたっ、大丈夫ですよっ」

月光を引き抜き触腕1本を生やし戦闘準備万端
強行突破の姿勢である
45 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 23:10:00.85 ID:v/jVSFpF0
>>44
「おk とりあえず陽動ぐらいは仕掛けようか」
コンベアの下を探ってみると スピードチェーン(自転車のチェーンに使われているやつ)でコンベアが駆動しているようだ
サーベルを抜き チェーンをたたき切ってから移動を開始 しばらくしないうちに

―――ビィィィィィィィィィ!!!!
鼓膜をたたく甲高いトラブル警報 周囲のアンデッドがわらわらとトラブル箇所に群がる

「よし こっちだ!!」
その隙をついて走り出す ラインの途中のアンデッドは躱したが 出口のゾンビはこちらに気付いたようだ
のろのろと近場の工具掛けに群がり 工具を持って迎撃態勢をとっている
46 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 23:18:12.80 ID:ZaunMIZ+0
>>45
「おおっ?」
「……ナイスってんですっ!」

ロイの陽動が功を奏し、アンデッド達がわらわらと集まって行く様子を見て
ただ耳を劈く警報音に少しびっくりはしたが

「は、はいっ、待ってっ……!」
「……っ!」

結果、一瞬遅れてロイに着いて走り出す
そしてアンデッド達が武器ともいえぬ雑多な得物を手に取る様を目撃
1本のタイドメイカーを思い切り、ぶぅんと振り抜き薙ぎ払わんと狙う
47 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 23:29:28.18 ID:v/jVSFpF0
>>46
横薙ぎの一撃は三匹のアンデッドを薙ぎ払った
だが打撃に耐性があるのか 緩慢だが立ち上がってくるアンデッド

「どっせい!!」
だがそのうちの一匹の首を ロイのサーベルが切り飛ばした

「対アンデッドの基本は首狩りだ!! 連中は痛みじゃ抑えられんぞ!!」
ロイのアドバイスが飛ぶ その間に一匹のアンデッドがパイプレンチを振り上げ ニアに襲い掛かる
48 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 23:33:37.79 ID:ZaunMIZ+0
>>47
「えっ!?」
「く、首っ……!?」

了解しましたと反芻、狙いを変えてタイドメイカーで顔面狙い
レンチを振り上げたアンデッドの一撃を月光で防ぎバックステップ
なんなら巻き付け引っこ抜く勢いで触腕を振るう
月光を振るうのは何となく憚られている模様、今は中距離戦闘を主眼としているらしい

49 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/28(土) 23:47:11.74 ID:v/jVSFpF0
>>48
ガキンと火花が散る
バックステップを踏んだニアがアンデッドの首に触手を巻き付け引っ張る グチャリと嫌な音が響き 首がねじ切れる

「お前結構えぐいのな・・・」
その姿にロイはドン引きだ

「あまり時間はかけられんな・・・急ぐぞ!!」
見れば後方 トラブル警報にひっかかったアンデッドがこちらに気付き 接近してくるのが見える

「せっかくだ トラックを失敬しよう!!」
もう一匹の首にサーベルを突き刺しながら提案する

見ればトラックから降りてきた運転手(こちらもアンデッド)が素手のまま ニアに襲い掛かってくるではないか
50 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/28(土) 23:54:41.89 ID:ZaunMIZ+0
>>49
「だ、だってぇっ……」

剣でやるよりアレな結果になってしまったのは不可抗力である
まぁどうなるかくらい考えろと言えなくもないが
アンデッドの体液に塗れたタイドメイカーを分離、新しく細身のモノを1本生やす

「は、はいっ!」
「……うわぁっ!?」

ロイに続き、ただ工場を駆け抜ける
そしてトラックへ辿りつけば強襲を受けた
咄嗟の反応として触腕を振るえるのは、それが四肢と同じように極めてナチュラルに神経接続された生体兵器故だ
本来近距離ではやや分が悪いが、それでも細身のそれは素早く獰猛にアンデッドの顔面へと打突を繰り出した
続き僅かに遅れて月光の刺突が煌めく
51 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/29(日) 00:03:21.61 ID:OQYkKsLd0
>>50
まるでジャブのようにけん制の触手がアンデッドの突進を押しとどめ 月光が喉を貫く 脊椎を損傷したアンデッドは動きを止めた
そしてロイのフロントキックが追いすがるアンデッドを弾き飛ばし トラックに飛び乗る キーは刺さったまま

セルを回せばエンジンが始動する

「のれ!! ずらかるぞ!!」
二台か助手席か どちらかにニアが乗ればアクセルを踏み込むだろう
52 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/29(日) 00:06:16.33 ID:K71SraFb0
>>51
「は、はいっ!」

慌てて飛び乗るは無論助手席
荷台もなくはないが、ただやはり一刻も早い安寧が欲しかったのだ
それを得るには無論、誰かの隣と言うのは前提条件に等しい

「お願いしますっ!」

後ろをちらり、アンデッドの追撃やなんなら潜伏がないかを確認
53 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/29(日) 00:14:12.99 ID:OQYkKsLd0
>>52
アクセルを踏み込み アンデッドの追撃をかわす
ニアが後部座席をチェックするが そこに映画おなじみの潜伏ゾンビはいなかった様子

「ふぃ…なんとか脱出したが いったいなんの工場だったんだ?」
鈍色の空 人の気配感じぬ閑散とした通りを トラックで疾走しながらつぶやいた

//んではそろそろ〆で お疲れ様でした
54 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/29(日) 00:20:14.64 ID:K71SraFb0
>>53
「ほっ……いないってんですねっ」

お馴染みの潜伏がないと分かれば今度こそ深い安堵
トラックの中の空気を循環させるように窓を開く

「うーん、何だったんでしょうっ……?」
「取り敢えず、ろくでもなさそうな気がしますねぇっ……」

辟易した風に首を横に振る
曇天の下、ただひたすらに続く道を見つめていた

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
55 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage saga]:2015/03/29(日) 22:45:35.82 ID:hQ4acGW50
「ちっ!」

舌打ち混じりに顔を顰め、ディープメイカーを唸らせる
それは全く同質の存在を打ち払い、次なる打突でその主を吹き飛ばした
壁面に赤黒い染みを残し、膝をつき崩れる人影
ギャラエ亡き後、形骸化した命令を実行するアラズァヘッド3体に襲われていたのだ
中期型1と後期型2の編成、両方とも半機の優れた身体能力を持ち
後期型は更にタェンティースの月光を模造した大型ブレード『ブルームーン』を持っている
たった今その数は2に減ったが、しかし両方ともが後期型
武器、異能は全く同じ
それを操るハード面は極めて不利で、ソフト面は優勢だ
だがそんなモノは砂上の楼閣、風が吹けばサラサラと崩れ去る優位性に過ぎない

「……くそっ、とっくに死んでんだぞ……?」

命令を下す人間が既にこの世にいない、だがそんなモノは兵器には関係ない
与えられた命令が全てなのだから
アラズがジリジリと下がる分を詰める2体のアラズァヘッド
中世風の世界、石畳の裏路地、藍色のそらをくり抜いたような満月が輝いていた

56 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/29(日) 22:54:42.32 ID:OQYkKsLd0
>>55
遠くに聞こえた剣戟の音
何事かと近づいてみれば そこには似たような容姿の少女が物騒なじゃれ合いをしているところ

マフラーがなければ見分けがつかなかっただろう アラズだ
「ん〜・・・手助けしてやるかね」

背のハルバートを握り 駆けだす
「イヤッフゥ!!」
小さく跳躍 マフラーをしていない1人の喉めがけ ハルバートの刺突を繰り出した
57 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/03/29(日) 23:03:27.37 ID:hQ4acGW50
>>56
「あっ、お前っ……!」

突然の乱入者、その姿を見まごうはずがない
自身が自身であると理解する発端の相手の1人、ロイなのだから

『っ、危なっ……!』

喉元を穿ち掛けた一閃、だがそれは咄嗟のブルームーンでの防御に依り防がれる
軌道を変えた程度にしか成功しなかった結果、ハルバートはアラズァヘッドの右肩を貫いた
返しの刃、ディープメイカー2本を発生させそして打突を繰り出すアラズァヘッド
アラズはもう一体との交戦に入った模様
58 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/29(日) 23:14:28.83 ID:OQYkKsLd0
>>57
「やっほ〜 女の子同士がくんずほぐれつしてるなんてけしからん 俺も混ぜて★」
好戦的な笑みとは裏腹に緊張感のない軽口をたたき 援護に来たことを告げる

そして喉を狙った一撃は防御の末 相手の右肩に突き刺さる
だがそれに臆することなkう相手の攻撃が飛んできた

刺さった穂先をひっこむ気 バックステップを踏みつつ穂先で触手の横っ腹を打って軌道を変える

「さぁて ああいうのと戦うのは初めてだな・・・さてどう攻めるか…?」
油断なくハルバートを構えながら触手と 相手の全体を見据え 出方をうかがう
59 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/03/29(日) 23:21:45.97 ID:hQ4acGW50
>>58
「組んず解れつしてんのはコレだけど……なっ!」

ディープメイカー同士の衝突
能力出力は変わらない、あとはこの後どう動くかの違いであり、
そしてそれはアラズァヘッドに比べ実戦経験が上回るアラズにやや有利に働く事柄のひとつだ

『なんなんだか……』
『……全く!!』

肩の傷口から細いコードが幾重にも顔を覗かせて犇き合い、塞ぐ
血ともオイルともつかぬ液体の流出はそれで止まった
腰溜めの体勢、ディープメイカーを爆発的に増産しながらの面的飽和打突
8本の触腕はロイの周辺の空間ごとを削り制圧するように破壊的脈動を湛えつつ加速して迫る
60 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/29(日) 23:36:16.21 ID:OQYkKsLd0
>>59
「音だけ聞いてりゃ卑猥なんだがね」
何とも壮観な光景である

「そういやニアタンもそのぐらいはやってたな!!」

八本の触手を同時に繰り出す 憶測であるが ニアの中でも最上位に位置する減少
確かニアはこの後触手を使って浮き上がり 攻撃を見せたが この少女は触手をフルに使った攻撃をする模様

「範囲攻撃たぁいい判断だ 惜しむべくは・・・ッ!!」
感情を高ぶらせ 闘志に火をつける 体から発せられる 炎より紅き紅蓮の闘志

その闘志を左手に収束 そして圧縮 手のひらに小さな星が瞬いた

「こちらのカードを知らないことだ!! 列破掌!!」

その左手を前方に突き出しながら闘志を解放 その瞬間 闘志の奔流が前方へと溢れ出す
ロイの技の中で上位に位置する 熱衝撃波による面制圧 それを触手の面制圧にぶち当てた
61 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/03/29(日) 23:47:27.14 ID:hQ4acGW50
>>60
「寝ボケる余裕があんなら上等だっ!」

死合いの中でハイになりつつあるのだろう、大声での返答
触腕同士の鬩ぎ合いの後に素早く、アラズは踏み込み対峙するアラズァヘッドとの彼我の距離を詰める事を成功させていた
ブルームーンを構えての突撃体勢までを一度にこなしつつ

『随分煩い2人組……なっ!?』

闘志と触腕の衝突
可視性を帯びたエネルギーの奔流に対して、
異能でありながら極めて現物的存在であるディープメイカーは焼かれ弾かれそしてその主は伝わる衝撃にタタラを踏んだ
そのリカバリとしてブルームーンでの交戦にシフト出来ないのは経験値の希薄さ故
ディープメイカーに傾向した戦闘スタイルの思考ユニットは、多大な隙を曝しながらもその制御を取り戻す事を優先した
刹那、本体はガラ空きである
つまり、そう、絶好のチャンス
62 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/29(日) 23:58:21.15 ID:OQYkKsLd0
>>61
「あぁそうかい じゃあ静かにしよう」
触手を吹き飛ばした後 相手は武器も構えず触手を立て直そうとしている

「相手をなぁ!!」
致命的な隙だ ハルバートを振り上げる

「どっせい!!」
そして 斧刃を脳髄に食い込ませんと 大上段からの振り下ろしを仕掛けた
63 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/03/30(月) 00:07:22.79 ID:aLWM9UU30
>>62
『あっ……』

咄嗟に己の判断の致命的失敗を察する
そして同時にそれがこの個体の巡らせた最期の思考となった
SLASH、頭蓋から胸元までに斬線が走り崩れて落ちる

「……ふぅ」
「……助かった、一応礼は言っとくよ。 私独りでもよゆーだったけどな」

それとほぼ同時、ブルームーンが胸元に突き刺さった遺体を蹴飛ばして引き抜き返り血を拭いながら片頬を釣り上げるアラズ
付け足した一言は強がりだ、だが彼女らしさの表れでもある

//ありがとうございました、これで〆でお願いしますっ
//あと撃破したアラズァヘッドの使ってたブレード、ブルームーン回収とかもオッケーですので是非ご自由にですっ
64 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/30(月) 00:11:21.32 ID:YuC01AGx0
>>63
「まぁ おせっかいってやつよ 気にしなさんな」
斧刃を引っこ抜き ブンほ振って血糊を振り落す

「さってと・・・」
斃した相手の武器を見やる 中々いい武器ではないか

「・・・もらっていくか」
ブルームーンを回収した

//んではおつかれさまー
65 :ベティ >215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/31(火) 22:33:25.30 ID:wp4li9S/0
【学園世界】
とある世界で得意のグラフィティの大会が開かれ
そこで格の違いを思い知らされたアキレス

あの時のグラフィティが自分の総身であるならば 自分の才能だけで登れる階段なんてたかが知れている

一から基本を学びなおす必要があった そんな時にこの学園世界はまさに渡りに船と言える
この世界にとどまるアキレスは ただひたすら美術の授業を選び続けた

そして今日もデッサンの何たるかを学んでいる

―――ギィ・・・
とまぁ前置きが長くなったが 最近その美術に打ち込んでいて 碌にかまってくれないベティにとっては退屈な話だ
一緒にいても忙しそうだし 校内を1人(?)探検していた

さて 遊んでくれる知り合いがいないか きょろきょろと
66 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/31(火) 22:38:57.84 ID:9tkryKIo0
>>65
「なんだってんですかぁ、ここっ……」

一般女生徒の制服にスカーフ、更には腰に月光
なんとも珍妙な姿であるが仕方ない、この世界にやって来た当初からそうなのだから

「……んっ?」
「あれ、ベティ?」

今だ上手く状況が飲み込めないのは、ニアが生まれてこの方学校施設に通った事が一切ないためである
全くもって勝手の分からないままふらふらと徘徊、途中で知り合いに良く似た大蠍の姿を発見
ひらりと手を振って挨拶、本人(?)確認の為に近寄って屈んでみる
67 :ベティ >215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/31(火) 22:47:13.42 ID:wp4li9S/0
>>66
―――ギィ!!
ベティがニアの姿を見つけたとき どこかベティの目がキラキラしているように見えるだろう まるで目当ての人物がを見つけたかのように

―――ギィ!! ギィ!!
ダッシュでニアに近づき ニアがかがむと

―――ギィ!!
背負っていた木の棒をハサミで差し出した
遊んでほしいのだが・・・はたして通じる稼働亜kは不明である
68 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/31(火) 22:59:21.74 ID:9tkryKIo0
>>67
「あ、やっぱベティでしたってんですねっ」
「……独り(?)ですかっ?」

珍しいなぁと周囲を見渡す
常に傍にいるはずの人物を探しているのだ

「もしかして、はぐれてたりっ……?」
「……んっ?」

流れで無論受け取る木の棒
さてこれで何をするのだろう、何をして欲しいのだろう
唸り首を傾げてマジマジと棒とベティを見比べて

「……ん?」

何と無くベティの目の前に突き出してクルクルと円を数度描いてみる
トンボが目を回すアレに近い
69 :ベティ >215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/31(火) 23:13:34.52 ID:wp4li9S/0
>>68
―――ギィ!!
一人かと言われて 怒ったようにハサミを振り上げる
どちらかといえば拗ねているわけだが

そしてニアが木の棒をクルクルと回し始めれば

―――g・・・ギィ!! ギィギィ♪
嬉々としてその棒を捕まえようとハサミを動かす

【そしてしばしの時間が経過する】

―――ギィ★
満足したようにハサミを振り上げるベティ

「ベティー? どこだー?」
そこにアキレスがベティを探して姿を現す

―――ギィ!!
だがいつもならアキレスの元に向かうベティがニアの元を離れず
もっと遊んでとせがんでいる
70 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/31(火) 23:21:33.47 ID:9tkryKIo0
>>69
「ふふっ、目ぇ回ってませんっ?」

自分でやっておきながら、それでも思わず笑みが零れるのを禁じ得ない
仲間としての触れ合いが多かった中で、そういえばこうやって遊ぶ(?)のはどれくらいぶりだろうと馳せる
ニアの知るサソリの基準で考えれば非常に賢い、それでもやはり遊び盛りな年齢なのだなぁと改めて実感

「……あ、おーい、アキレスーっ」
「えぇっ? ど、どうしたってんですかっ……?」

と、ベティを呼ぶ声に反応して返事
しかしせがむような仕草を見せるベティに困った様に首を傾げ、ひょいと持ち上げてじーっと見詰めてみる
71 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/31(火) 23:30:35.20 ID:wp4li9S/0
>>70
―――ギィ!!
ニアの目の前でハサミを振り上げるベティ
アキレスへの攻撃を庇った後だろう 見覚えのない傷が甲殻に刻まれているが 間違いなくベティである

「あ ここにいたかベティ 探したよ」
やってきたアキレスがベティを受け取る が

―――ギィ!! ギィ!!
ベティは嫌がるように身をよじり アキレスの手から離れ

―――ギィ!!
アキレスに威嚇して見せる

「あぁ嫌われちったか」
そんなアキレスは困ったように笑い

「悪かったねニアタン 最近自分のことに没頭しすぎててベティのことを構ってあげないから拗ねちゃったみたい」
状況説明する
72 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/03/31(火) 23:35:28.34 ID:9tkryKIo0
>>71
「……むむぅ?」
「あ、そういうっ……」

苦笑ひとつ、納得の仕草
なるほど、構って欲しくて校内を散策していたというわけか
まぁその理由が分からない訳ではない
精神年齢でいえば多分、アキレスよりもベティに近いニアなのだ

「アキレスは、えぇとっ、お勉強ですかっ?」
「……でしたら、もうしばらくニアと遊びませんっ?」
「アキレスも、その方が集中出来るってもんじゃないですっ?」

再度、威嚇を振り上げているベティの元で屈んで問い掛ける
アキレスにも上目遣い気味になったが、提案してみた
73 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/03/31(火) 23:52:19.09 ID:wp4li9S/0
>>72
「おれ? あぁまぁちょっといろいろあって絵の勉強中」
ポリポリと頭を掻くが

「え? まぁ今は休み時間・・・だけど…」
いつもなら休み時間でもスケッチブックに向かい合っていたが

―――ギィ!!
ニアの隣で威嚇をしているベティ

最近意識してはいなかったが ベティはまだ赤子なのだ 遊びたい盛りだろうし
自分は親のようなものでもある そう思うと絵に没頭しすぎている今の現状はひどく身勝手に思えてきた

「そう・・・だな ちょっと気晴らしに運動するか」
―――ギィ?

グッグッと伸びをするアキレスに ベティがハサミを下す
そしてニアから木の棒をもらい ベティのハサミに近づける

「・・・・・・・」
――――・・・・・・ギィ!!

互いに無言 緊張の一瞬 ベティがハサミを動かした瞬間アキレスが棒をひょいと持ち上げた

「へっへーん 俺の勝ち〜★」
―――ギィギィ!!

得意げのアキレスと 悔しそうなベティ

「ほらニアタンもやってみ」

こうしてニアとアキレスとベティは暫しあいだ戯れるのであった

//そろそろノシで
74 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/01(水) 00:00:02.18 ID:qJeYrJkC0
>>73
「絵のっ?」

反芻してしまったのは、アキレスのグラフティの腕を知っているからだ
正直、今更勉学が必要なレベルではないとニアは考えていた
それ程までに少なくとも、アキレスの絵を買っているし何より好きなのだから

「……運動も、大切ですものねっ」
「よぉし、負けませんよぉっ?」

ニヤリと歯を見せて笑って参加表明
幸いここは学校施設、運動する場も唸る程に存在する
外は春、風が心地良く吹く桜日和
これはなかなか、いい汗をかくことになりそうだ

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
75 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/02(木) 22:01:45.39 ID:e7IHoRY+0
【ヒノモト世界】
春である そう 春である
このころになるとやれ花粉だなんだと騒ぐ輩もいるが やはり騒ぐのなら楽しい方がいい
なら何で騒ぐか もちろん 桜である

一心不乱に咲き乱れる桜の花びら 普段いがみ合う人と妖 この日ばかりはそれも無粋と言わんばかりに 人魔入り乱れての酒宴が開催されていた
あちこちから運ばれてくる馳走も 酒も尽きる気配がなく サムライもローニンも ニンジャもノウミンも 妖怪も何もかもが心行くまで飲み食いしていた

「んぐっ んぐっ んぐっ・・・ぷは〜っ!! おらどうしたぁ!! まだまだいけるぞ〜!!」
その中に混じって南蛮人アキレスもまた なみなみ注がれた杯を干す 辺りから歓声が巻き起こった
76 :澪【獣化】 [sage]:2015/04/02(木) 22:14:25.39 ID:FkeRtniv0
>>75
うららかな日差しの下、空を彩るのは待ち望んだ季節に花を開いた淡紅色の桜。
ひらりひらりと僅かながら舞い落ちる花弁は風に流され、何処へと運ばれていく。
そんな春の風物詩を前にしながらも、まったく目にもくれない者がここに一人。

「……おかわりっ……」

空になった杯に次をせがむ、それなりに飲んでいるというのに顔色は変わりやしない。
同時並行で並ぶご馳走にも手を出しているのだから、花より団子とはよくも言ったものだ。

「……ところで、なんでこんなに盛り上がってるの……?」
77 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/02(木) 22:18:01.91 ID:jvpDyowK0
>>75-76
「みんな良く飲むねぇ……」

苦々しくしかし喧騒に心地良く酔って盃を呷る
清流の如き滑らかさの上等な酒が喉を熱くしながら落ちていくのを感じた
故郷の世界では飲酒に制限はない、だがそこまで強くなくて嗜む程度である七八は酒よりもこの空気感を好んだ

「や、お2人さん、いい日和だね」

朱色の酒盃に半分程残った透明な酒に、桜花弁ひとひら
学があれば一句詠むところだけどなと内心苦笑しつつ、アキレスと澪の元へ
78 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/02(木) 22:24:57.84 ID:e7IHoRY+0
>>76
アキレスと澪の杯に徳利の酒が注がれる
「そんなもん・・・アレだ アレ」

若干酒が回ってきたアキレスが言葉を探る が 出てきたのは

「桜が咲いたからだ!!」
多分間違ってはいない

天狗「さぁさぐぐいと飲んだ飲んだ!!」
なみなみと注がれた杯 あちらこちらから聞こえてくる一気コール リアルでやったらいけないよ!!
79 :澪【獣化】 :2015/04/02(木) 22:35:36.97 ID:FkeRtniv0
>>77
「……ん……」

食事の場では手を軽く上げるのも惜しい、目を合わせて挨拶の意。
食べ終えた器をまた隣に積む、既にそこは軽い山となっていた。
普通ならば満腹となっていてもおかしくない量だが気にしてはいけない。

「……七八も、ご馳走食べに……?」

春を飾る桜木など二の次、というか澪の場合食事につられての参加だ。
趣旨がどこかズレているが、きっとそれは世界間の文化の違いなのだ。

>>78
「……ふーん……?」

なるほど、と首を捻っているがおそらくまったく理解していない。
例えどんなに美しい花が咲いていようと、重要なのは食べられるか食べられないかなのだから。
重くなった杯に満ちた酒をしばらく見つめ、一気コールに促されて口をつける。
そのまま呷る、ごくごくと喉を鳴らして飲むこと十数秒。

「……ふうっ……」

見事全てを飲み干す、何度目か空になった杯を下ろして口元を手の甲で拭った。
80 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/02(木) 22:45:34.41 ID:e7IHoRY+0
>>77
一つ目小僧「ねぇちゃんオデン喰ってかねぇか? うんめぇぞ?」
鬼「とってきたばかりの鴨を網焼きにしたで 喰ってけ喰ってけ!!」

酒宴の席を屋台がぐるりと取り囲み 漂う湯気はどれも美味そうの一言

アキレス「おぅ四五六タンげんきぃ? このライスワインおいしいねぇ」
顔の赤いアキレスが上機嫌に杯を掲げ

―――ギィ!!
オデンに舌鼓を打つベティは元気よくハサミを振り上げた

>>79
結局のところ桜が咲いているのはそれほど関係がないのだ
一番重要なのは 酒の席を設えるだけの理由があれば それが桜でなくてもいいのだ

アキレスも元気よく杯を干すが それはまだ三杯目 澪には届かない

おばちゃん「酒ばっか飲んでると体にわるいよ ほら巻き寿司作ったからお食べ」
と 気を回したおばちゃんが重箱を差し出す

他にも屋台から漏れてくる匂いはまさしくうまそうだし この空間は澪にとって天国といえよう
81 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/02(木) 22:48:28.81 ID:jvpDyowK0
>>79
「いや、ご馳走ってより……花見でしょ?」

ふ、とそらを仰望
桜の花にトリミングされた限りないブルー
絶好の群青、花見日和である

「……えぇと、澪は大食い大会でもしてるの?」

しかし言ってはみたが参加者が他にいる訳でもない
ただ単純に大食なのだ、いやそれは知ってはいたつもりだがここまでとは思わなかった

「ふふっ、見てて清々しいね」

コールに併せた飲みっぷり、そして食べっぷり
飲み食いされる側もきっと冥利に尽きるだろうなんて思うのは間違いではないだろう
ちびりと酒をひとくち、近くに腰掛ける

>>78
「……乾杯。 ん、もうすっかり出来上がってるね」

全くの素面な七八、盃をひょいと掲げる
余り強くない酒を、チビチビと進めているためにまだ変化がないのだ
先程勧められたおでんと鴨肉を盛り合わせた皿を持ってアキレスと澪の近くに座る

「あなたは……もちろん飲まないよね?」

と、おでんを突つく(?)ベティの飲酒状況が気になるらしく訪ねてみた
82 :澪【獣化】 [sage]:2015/04/02(木) 23:00:34.06 ID:FkeRtniv0
>>80
「……ん、ありがと……」

おばちゃんの気遣いも素直に受け取る、というより一番に近い食べ物を選んでいるだけなのだが。
ちなみに屋台には未だ手を出していない、生憎ながら持ち合わせがないのだ。
それでも漂ういい匂いはこちらまで届く、ちらちら見ているあたり多少は気にかかっているらしい。
頬張りながらふと周囲を見る、目に入る人や魔は皆笑顔。ただの食事ではきっとこんな光景は見られないだろう。

「……たまには、こういうのもいいのかもね……」

なぜこうして満開の桜の下で集まるのか、その理由が本当になんとなくだが分かったような気がした。
とはいっても本人は相変わらず食べ物を口に運び続けているから締まらないのだが。

>>81
「……そうらしいね……」
「……いや、違うけど……?」

まさかの推量である。澪にとって重要なのは視覚でなく味覚なのだ。
目がいくのは花ではない、次に食べるものを見定めるばかり。
ただし大食い大会には否定、本人は一応そんなつもりはないし参加したこともない。
いつも通りのつもりなのだが、なるほど確かに他者から見ればそう映るのかもしれないが。

「……七八も、もっと飲んだら……?」

過去何度も人に酒を勧めては痛い目にあっているのだが、もうころっと忘れているのか。
隣に腰かけた七八に差し出すのは、どこかから回ってきたらしき並々と満ち満ちた杯。
どうぞどうぞとどこか強引、断られれば渋々と引き下がるのだろうが。
83 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/02(木) 23:01:50.64 ID:f6HP/4fDo

「と、まあ、どうやら花を見るという風習らしいが…正直、よくわからん」

 このような目出度い場で奇妙に浮いてしまっているのはイムカ・グリムナー。
 人類が遥か宇宙まで生存域を拡大させた遠未来出身の政治将校である。

【さもありなん。そもそも花を愛でるという感覚そのものが枯渇してしまって久しい世界の出身である】

「この桃色の花びらか?これが何か縁起がいいのか?」
「イエスマム、古代時代のニッポンの風習らしいです」
「風習?ますますよくわからん」

 ちなみにイムカも一応は郷に入れば何とやらという言葉は知っている。
 だからか、この場に併せて着物を着ている。真っ赤な生地に金色の飾り刺繍。
 翡翠の玉をあしらった銀の簪が金糸の髪を艶やかに彩る。そして、豊満なバストは自己主張を欠かさない。

【しかして、浮かないようにしているつもりのイムカではあったが所詮はつもりに過ぎない】

>>79-81

 越境者一同に向かってやってくる怪しい一団あり。
 全員が顔にメンポを装着しており――

【ソフトモヒカンにメンポのいかつい漢達4人が30枚重ねの巨大な紫色座布団を持ち上げている】

「えっさほいさ」
「えっさほいさ」

 その頂上で腕を組んでやたらデカイ杯を片手で抱えて下界と桜の木を見やるはイムカ。
 そして、座布団の周囲では大きなノボリが幾つも立てられて、
 天下無双 剛力無比 大武辺者、賽印流ニンポなど、明らかに花見とカブキ者を間違えた痕跡。

「派手にやればいいと言われてやってみたが…だまされた気がしなくもない」

 誰がだましたかは知らぬ。きっとどこぞのヘタレあたりだろう。

「よ、師匠に澪」

 そして、シュタっとご挨拶。
84 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/02(木) 23:15:23.61 ID:e7IHoRY+0
>>81
「まぁね〜うはははは」
朗らかな笑いは酩酊の証し

―――ギィ!!
辺りに杯が落ちているわけでもなく ハサミを振り上げる様子に変化も見られない
どうやらアキレスが飲ませてくれなかったらしい

そしてベティは四五六に対し ゴボウ巻きをハサミで差し出す
おすそ分けらしいのだが 四五六もまたオデンを持っていることまでは配慮が回ってない様子

>>82
やはり皆がわらって飯を食い 酒を飲むのはいいことだ
そしてベティが近づいてくると

―――ギィ!!
ハサミで持ったオデンの大根を差し出してくる
おすそ分けだって よかったね

そして場を風が柔らかく通り抜ければ舞い散る花吹雪 澪の盃に花びらが一枚浮かんだ

>>83
「いよっ!! 待ってました!!!!」
満を持して登場するは いつもいい意味で期待を裏切らない純朴軍人イムカ
え? 欺瞞?? あってるじゃん【力説】

自分の吹聴を信じてくれたらしいイムカに感動を禁じえません

そんなイムカに差し出されるのは セキトリもかくやな盃が差し出され 凄い量の酒が注がれる
おそらく一升は入っているだろう

「一気!!一気!!一気!!」
はやし立てるアキレス
85 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/02(木) 23:19:35.98 ID:jvpDyowK0
>>82
「あっ、はい……」

まぁそうだろうなぁと笑いながら
だが色気より食い気、花より団子
古来よりこんな言葉があったのだから、きっといつの時代や背景を問わずにそういう事なのだろう
かく言う七八自身、花を嗜むよりは今は受け取った鴨肉の味の方が気になってはいるのだから

「……ん、、どうもありがと」

ワンテンポあって受け取り、先程までのモノを一気に煽る
くぅ、と唸って澪から渡された盃をちびりとやった
賑わいの席、勧められるモノを断る程不粋な真似を四五六の家は教えていない

>>83
「やぁイムカ、元気そうだね」

至って平静に返せたのは正に、長き旅路を共にしていた時間がさせた業である
そうでなければこのツッコミ所満載の登場にこの酒が回り始めた頭が追いつかなかったのは必死だ

「……その幟のさ、ニンポってのは直しといてよ」
「あとその人達誰?」

正しくはこう、と何処からか取り出した筆で紙に忍法と書いて見せる(割と達筆)
続いて気になるのはソフトモヒカンメンポマッチョメンズ
チラリと視線を送りながら問い掛けてみた

>>84
「いい事だね、こういう席では」

多分自制してしまう自身よりずっと、こういった場を楽しんでいるし何より相応しいのだと確信
矢張り外すべきところで羽目を外す事が出来るというのは美徳なのだから

「……ふふ、ありがと」
「んじゃあ…これ、どう?」

牛蒡巻きを差し出されれば笑顔で受け取る
そして自身の皿に乗っていた大根を勧めてみる
酒に関してはそりゃそうだと納得、聞けばまだ子供らしいのだから
親の、成虫の姿を見たことがない七八としてはどの位まで育つのかは上手く想像すら出来ないが
86 :澪【獣化】 :2015/04/02(木) 23:30:58.54 ID:FkeRtniv0
>>83
「……なんか違う……」

その団体様を一目見て、心の内に秘めるはずが思わず漏れた小さな呟き。
花弁を乗せるつむじ風にさらわれて、誰にも聞こえず消えていったと信じたい。
澪だって花見自体は初めての体験だが、それでもその場の空気に合う合わないくらいは分かる。
そしてこれは確実に後者、暫し手を止め目を見開いていたがまあいいかと食事を再開。

「……や、イムカ……」
「……なんか…目立ってるね……」

座布団タワーを見上げて一言、よくもまあこの上でバランスを取れるものだと。
他にもお供の者達などツッコミどころは多いがもう気にしないことにした。
酒の場なのだから細かい所を気にするなど無粋なことはしないのだ。

>>84
「……ありがと、ベティ……」

ふわりと微笑んでおすそ分けを受け取る、お礼に巻き寿司を差し出した。
おでん特有の熱さに苦戦しながらも、その程度で食欲が失せるはずがない。
柔らかな風に流される花弁が、揺れた焦茶の髪に混ざって通り抜けた。
ひらりと迷い込んだ淡いそれをじっと見つめ、真顔でアキレスへと問いかける。

「……桜って、そのままでもおいしいと思う……?」

>>85
酒を呷ってもなんともない様子の七八を見て、ほっと肩を撫で下ろす。
口にした途端べろんべろんになるほど酒に弱くはなかったことに対する安堵が漏れた。
痛い目に合ったのを忘れていないのにまた勧めるのはまあ、場の空気に合わせてだ。

「……酒、結構飲めるんだね……」

倣って酒を一口、喋る時以外常にもぐもぐしているのはきっと気のせい。
87 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/02(木) 23:40:49.90 ID:f6HP/4fDo
>>86

「ああ、エリートは花見の場においてはこういう事を率先して行うものだとアキレスに聞いた。
 と、なれば、私も後塵にはいするわけにはいかぬと思ったわけだが」

 しかして、イムカも別に空気が読めないわけではない。
 無表情ながらも微妙な目つきで周囲を見やりながら、

「だが…何故か違和感を禁じえん。やはり、些か急ごしらえゆえ無理があったのだろうか?」

 明らかにだまされています。そして側のアキレスのテンションを見れば、
 犯人がダレであるかは一目瞭然であろう。

>>85

「元気なのは当然だ。将校たるものコンディションの維持は欠かすべきではない」

 何とも微妙にずれた言葉で返答するイムカ。
 やっている事の奇矯さとのギャップが酷くていっそ滑稽めいているかもしれなかったが。
 と、ここで何やら突っ込みが入る。ノボリについてだ。が、ここでイムカも頭上に?マーク。

「何故だ?ニンジャといえばニンポだろう」

 首を傾げるイムカ。おお、これはフィクションに毒された西洋人の如き反応である。
 ここでマッチョ集団の一人がイムカに耳打ち。どうやら間違いを正しているところらしい。

「解った。すまなかったな」

 そう、西洋人みたくイムカの発想はカートゥーンなニンジャのニンポに毒されたいたのだ!

「これでよし、だな」

【素直な謝罪と共に賽印流ニンポ=ィ賽印流ジツ≠ノ書き換えられるノボリ】
 【なお、忍法と七八が示した直後、イムカとマッチョメンズは互いに何の暗号だ?≠ニ首を傾げました】

「ヘイ、我々は元はフリーのはぐれニンジャです」
「山賊に身をやつしていたトコロ、イロイロありまして」
「今では一同、拳で空を駆け、光をバシバシ放って妖怪ぶっ飛ばす賽印流を収めんとボスに忠誠を――」

【なんかイムカ、この世界でいろいろやらかしたらしい痕跡】


>>84

「おい、やはり何かがおかしくないか?
 こうした方が私でも溶け込めると貴様が言うからやってみたが…」

 うぬぬ、と唸りながら周囲を改めて見る。
 指を指す子供に何かイケナイ物見るような視線もあちこちから。
 中には花からこちらに視線を移してゲラ笑いする者もいれば、胸をやたら注視する不心得者まで存在と来た。

「本当ーーーーーに、これでいいのだよな?」

 再度念押し。無表情な顔が心なしが赤いのは恥ずかしいからなのか酒の影響なのか。
 敵意には敏感であるが、こういった事には全く慣れていないのがダメダメであった。
 だまされたと確信できる敵意が周囲にもアキレスにもないのだからしょうがない。

「ヘイ」

 アキレスからマッチョ軍団を経由した差し出された盃。
 桜の花びらが落ちて風流を彩る。イムカは士気高揚の手本か?と思いながらそれを持つ。

「ふむ、挑戦は受けて立とう」
88 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/02(木) 23:52:01.86 ID:e7IHoRY+0
>>85
―――ギィ♪
澪とのトレードを加え ゴボウ巻きをイケニエに大根と巻き寿司を手に入れたこととなった
どうやら得をしたと考えたらしく ちょろいもんだぜと言わんばかりにハサミを振り上げる

ちなみに成虫となるには数十年の月日を有する はたして成虫を見れるかどうか?

そしてアキレスは

アキレス「おぅい!! ここに賽印流ニンポの師匠がおられるぞ!!」
周囲の皆にいらんことを吹聴するのに忙しいようする

>>86
―――ギィ♪
巻き寿司を口に運ぶベティ 気に入ったようで 嬉しそうである

アキレス「多分おいしくないと思う」
断言する と隣のおじさんが

おじさん「お嬢ちゃん 桜の花びらは塩漬けにすると 桜湯ってのにできるんだぜ わはははははは」
語るだけ語って 笑ってどこかに行ってしまった

あと桜の塩漬けはアンパンなんかの付け合わせにされることもあるそうな

アキレス「あぁそうそう 桜は燻製に使われることもあるらしいぜ」
とりあえずそのまま食べるのには適さないことは通じただろうか?

>>87
「いいんです(断言)」
サムズアップ だが酔っぱらっている

送り狼しようとする不埒な輩が モヒカン共にお持ち帰りされている中

「それじゃいくぜぇ!!」
先に盃を干すアキレス ただし四杯目であり 酒豪というほどでもないアキレス
そのペースは少々遅い
89 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/02(木) 23:57:40.50 ID:jvpDyowK0
>>86
「まぁ……そりゃ、少しはね?」

こほん、と咳払い
苦手ではないが得意でもない、そんな所である
ただ折角の席の空気を汚すほどに弱くはない模様
もう少し勧めると色々変化があるだろう

「あー、あなた程じゃないからね?」

しかし本当に良く飲み食べる
改めて空になった皿山を見て脱帽して笑った

>>87
「ふぅん?」
「それは精神的に元気でいないとダメって意味?」

出会いの当初、肉体的には元気万全とは決して言えなかったであろうイムカに意地悪い笑みを浮かべつつ
ある意味実に不謹慎なからかいではあるが、賑わいの席無礼講失礼

「……ん、おっけ、ほとんど変わってないね」
「つか何でコレ読めないのに賽印流まで流暢に書いてるし」

ニンポ→ジツでも納得いかない様子の匠
思わず封印していたツッコミを入れてしまう、仕方ない
コレでニンポ、コレがジツ、とそれぞれ忍法と術と書いて見せるがまぁ納得を得れるとは思っていない
そういう世界なのだから、腐心しだ風に見せるのもまた楽し

「……あ、それ賽印流の流派のひとつだよ」
「もちろん師範はイムカね」

とは、少し額を抑えてからの事である

>>88
「おっ」
「なかなかの交渉上手だね?」

結果としてプラスに傾いたのであろうその交換の様子を見て微笑む
最初の出会いからすれば実に愛らしく思えるベティ、その頭を撫でようと手を伸ばした
多分蟲の世界で成虫を見る事がいつかきっとあるだろう、越境者としての立場がそうさせるはずだ

「ってコラっ! 何言ってるのっ!」

ハッと気がつきアキレスを制止しようと声を荒げる
だが半ば諦観混じり、また何より過ぎたるは祝いの席で不粋なのだから
90 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/03(金) 00:07:32.20 ID:30plLnBMo
>>88

「ん、自信満々だな。ならばこれでいいのか」

 イムカは不本意ながらもしぶしぶ納得したような。
 ちなみに不埒な連中をぽいっちょしているマッチョ(ゲニンニンジャ)達は、
 困惑気味なイムカの様子とアキレスを見比べてから、

【密かにアキレスに向かってサムズアップと良い笑みを向けた】
 【こやつ等、ボスが騙されているのを承知で黙ってやがるのである。見上げた忠誠心だ()】

「ゴッゴッゴッゴッゴ…ふう、良い酒だな」

 早くも4杯目に突入。バケモノ染みたペースである。
 白い肌に少し紅がさし始め、とても艶やかな印象を――ぶっちゃけ格好も相まってせくすぃなアレを帯び始める。

「どうしたアキレス。男児たるもの、そのような温い心意気でいいのか?」

 さらには挑発めいたものまで欠かさない。自尊心をくすぐるであります!

>>89

「ん…参ったな。君には少々不甲斐ない姿を見せすぎたようだ」

 ぬう、と七八の言葉に少しバツが悪そうなイムカ。
 ノブレス・オブリージュそのままな生き方をしているイムカとしては、
 失態を見せてしまったのは、不覚であるらしい。七八はいぢわるである!

【そうして始まる七八のお習字講座。イムカは漢字とカタカナを見比べて】

「せ、世界の修正力が働いていないのだろう。うん」

 と、ジツの文字の上に七八の書いた「術」という字が書いた紙を貼って誤魔化した。
 一応、これで賽印流 「術」 体裁が整った事を祈る。

「なるほど、流派の一つ!」
「奥が深い」「流石はグランドマスター!」

 七八に降り注ぐソンケイのまなざし!

【変な称号が与えられつつあった!!】
91 :澪【獣化】 :2015/04/03(金) 00:08:49.35 ID:MXZVnwCrO
>>87
「……へえ……?」

エリートなにそれな状態だが、とにかく盛り上げ役に徹しようとしていたのは伝わったらしい。
終いにはなるほど花見とはそういうものなのかと無理矢理納得する始末。
また間違った知識が増えたが如何せん初めてなのだから仕方がない。

「……こう、座布団の数が足りないんじゃない……?」

周囲の反応、そしてイムカの疑念に本気で考えて提案してみる。
無論イムカが騙されているなど露ほどにも思っていない。
隣の犯人をちらりと見やるがいつもそんな感じのテンションのような気がしてきた。

>>88
おいしそうに貪るベティの頭を軽く撫で、片手でまた杯を傾ける。泳ぐ花弁がどこか愉快だった。
おじさんのうんちくを聞いてふうむと唸るが、その調理法を取ることはおそらくないだろう。
澪にとって料理とは、とにかく焦げないように火にかけるだけなのだから。

「……そっか……」

残念ながらそのままでは食べられないことを知り、しかしそう悲壮な感じではないのはやはり花見の雰囲気故か。
食べるのがもったいないとは思わないが、わざわざ摘み取るのもきっと無粋なのだろう。

>>89
「……極端に弱くないだけいい……」

強すぎるのも問題だが、弱くなくて困ることはない。きっと酒とはそういうものだ。
一気を勧めようとしないのも、ここから更に変貌するのを好まない故だ。

「……まあ…食べられる時に、食べておかないと……」

目を逸らし、また空になった器を積んで頭を掻く。
基本的に持ち金は0、食料のほとんどを狩猟で得る生活を続けているのだ。
当然長時間なにも食べられないことも多いし、そのためにこうした機会の食いだめは欠かせない。
それでもどこか気恥ずかしい、どこか濁った語尾を酒を呷って誤魔化した。
92 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/03(金) 00:14:49.31 ID:8fgyneWu0
>>89>>91
―――ギィギィ♪

2人にナデナデされて上機嫌のベティちゃんでしたとさ まる

>>90
アキレス「おにょれ 負けられん!!」
そんな挑発にまんまと乗せられたアキレス君 五杯目の盃に口をつける

「んぐっ!! んぐっ!! んぐっ!! ぷっは〜!!」
そして見事に飲み干し

「きゅう@@」
目を回してひっくり返ってしまった しょせん酒豪に届かぬ酒飲み むしろよく飲んだ方であろう

―――ギィ・・・
そんなアキレスにあきれ顔のベティでしたとさ まる
93 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/03(金) 00:17:23.98 ID:30plLnBMo
>>91

 ナムアミダブツ!澪もイムカと同レベルの世間知らずであったのだろうか!
 明らかに明々後日の方向にすっ飛んだ提案を噛ます獣っ娘と、
 それを疑いもせずに、

「なるほど、攻めの姿勢が不足していたか。思えば私は守勢の方が得意ゆえそれが出たか」

 あっさりと聞き入れてしまう政治将校!変な化学反応が齎した悲劇であった!

「座布団を持てい!」
「イエス、マム」

 妙にニヤニヤした顔つきのマッチョメンズ数人があくせくと座布団を下から追加してゆく!
 これで座布団は驚愕の40枚に突入だ。

【なお、拍手が巻き起こる。ウケたようだ。よきかなよきかな】

「ん…アタリなのか?まあ、反応は悪くない。飴をやろう」

 天高くより、澪に飴がポイっちょされる。いちこ味。

「しかし…花を愛でるのか、食事をするのか、どっちが主目的かよくわからん光景ではあるな」
94 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/03(金) 00:20:48.22 ID:kF9g1n/+0
>>90
「いいんじゃない、別に」
「張ってばっかじゃ糸はすぐ切れちゃうよ」
「たまには緩める事も必要、ってね」

とはイムカの実年齢を知らぬが故に言えたセリフ
例え数百年張り詰めようとも切れぬ強靭な鋼の糸が存在している事に、まだ七八は気が付いてはいない
精々少し上程度の友人に対する気さくさである

「うーん……まぁ、いいでしょこれで」
「……しまったこれ完全に墓穴じゃん」

上から貼られた術の文字にまぁまぁと腕を組んで頷いた
だがしかし得る事になってしまった称号と眼差しに対しては苦笑だ

>>91
「あぁ、そりゃね……」

一応これでも忍者、スパイなのだ
潜入先で酒の席に出る事だってある
その鍛錬のお陰で微量では変化が少ないのだろう、まだまだ仄かに桜色に頬が染まる程度

「サバイバルだねぇ、もう……」

かくんと肩を落としながら笑う
その生存力は美徳なモノだと内心

「でもまぁ、少し見習うべきかな、いただきまーす」

余り進んでいなかった食が、食べっぷりに感化されて再動
鴨肉を一口、実に美味しい

>>92
「ふふっ、可愛い……」
「っと、ありゃ、お友達はダウンしちゃったねぇ」

ベティを撫でながら微笑みひとつ
そして倒れるアキレスを示し、ベティに苦笑を向けた

95 :澪【獣化】 :2015/04/03(金) 00:34:27.85 ID:MXZVnwCrO
>>92
なんとも機嫌のよさそうなベティに、こちらもつられて笑みを零してしまう。
水代わりとばかりに酒で喉を鳴らし、ふと隣を見ればいつの間にやら酒にやられたアキレス。

「……あーあ……」

心配というより呆れ、思わず漏れる苦笑が聞かれなかったのは幸いなのだろう。

>>93
「…おおっ…すごい…」

一応は和風世界出身のはずがこんな発想になるとは誰が予想しただろうか。
更にその背を伸ばす座布団タワーを見上げる、首が少々痛いが目立つこと間違いなしだ。
周囲の反応からしてどうやら好印象、どうだと言わんばかりに受け取った飴を口に放った。

「……えっ……」

しかし次のイムカの言葉には一瞬の硬直、驚愕に目を見開いた。
何を言っているのか分からないという顔、食べる手も止めてしまうのだから余程衝撃だったのか。
というか澪の場合、桜には目もくれず只管ご馳走を貪っているあたりお察しである。

>>94
「……そうかな……?」

うむむと首を傾げる、幼少よりそれしか生き方を知らなかったがためだ。
人の生計の立て方は知識にあっても、こう長く生きてからでは己に当てはめることも難しくなってしまった。
だからといって安定した収入が羨ましいかといえば、またそれは別の話なのだが。

「……こっちと、こっちもおいしい……」

遅ればせながら食欲がやってきたらしい七八に気がつけば、ずずっとどこかから大皿を引き寄せる。
桜餅やらサラダやら、それぞれがご馳走には違いないのだが如何せんその量も多い。
ちなみに取り皿はなぜかない、まるっと食べるだろうという自身の物差しに合わせた勝手な予想からだ。
96 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/03(金) 00:40:35.56 ID:30plLnBMo
>>95

「ふむ、私のバランス感覚も捨てたものではない」

 ぐーらぐらと不安定そうな超高層座布団の上でもしっかり姿勢をたもつイムカ。
 常の無表情であっても解るであろうドヤ顔である。

「………」

 しかして、メシ優先なのか花見優先なのか疑問視したところで、
 この澪の反応。ここでイムカは一瞬だけ眼をそらしてから、

「あー…こ、子供はよく食べてナンボだ」

 と、フォローにならんフォローをするのであった!

>>94

 澪に騙されてさらに高くなった座布団の上でイムカは考え込み、
 そして、七八のビミョーなる苦笑に何か気付いたことがあるらしく、

「すまない。どうも私のテクノロジーと賽印流を混同してしまったようで」

 素直に謝罪!誤解を広めるのは本位ではないのである!

「ところで君は何時になったら私にニンジャビームを教えてくれるのだ?」

 そして、当の本人が完璧に誤解しているのは治る見込みなし!

【ちゃんちゃん!】
97 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/03(金) 00:43:45.31 ID:kF9g1n/+0
>>95
「ふふ、そうだよ」
「でもそういうのもいいなぁ、しがらみがなくって」

家系という鎖に束縛され羽撃く事が叶わなかった過去を持つ身として素直に微笑む
羨望の眼差しは細まり、陽光を前にする仕草によく似ていた
影であるこの身を思い出してしまう、賑わいの席で相応しくないとすぐに振り払うが

「ありが、と……う……」
「……うん、頑張る」

礼が途中で詰まり、だが受け取れば両頬を叩いて気合入魂
すらっとした体躯は細い、食も同様だ
なかなかヘヴィな戦いになるなと内心、サラダを頬張り始めた

>>96
「あはは……ど、どーも……」
「って、だ、か、らぁっ!」

随分と高いところに移動したイムカに何となくの会釈
しかし結局根本は変わらないのだなぁと、どこか安心しながらも入れるツッコミは桜の元の喧騒に混ざる


//ありがとうございました、これにてっ
//お疲れ様でしたー
98 :澪【獣化】 :2015/04/03(金) 01:01:19.03 ID:knPygYB40
>>96
すごいすごいとドヤ顔でも素直に感動するのだから困ったもの。
もはやこの場では二人だけの世界でもうやっていけるんじゃないか。

「……え…なに……?」
「……子供じゃないし……」

澪にとっての優先事項は確定的、しかしそれを他人に押しつけるほどきっと傲慢ではない。
ただそちらに思考が傾きやすいだけで、だからこそイムカの問いにも多大なるショックを受けたのだが。
目を逸らされれば戸惑いに瞳が揺れる。だが飛び出した言葉には途端拗ねるように。
確かにイムカよりは年下だろうとも、そこらの人間よりは長い時を生きているのだ。
なんだか納得のいかないフォローに唇を尖らせる。その間も咀嚼を続けているのだからなんとも説得力がないのだが。

>>97
「…ふーん…?…そういうものなのかな…」

人の世のしがらみを知らない澪に、七八の過去の重石を知るのは難しい。
ふうむと首を傾げて視線から逃げるよう目を逸らす。
向けられた羨望の眼差しは、なぜかどこかいたたまれなかった。

「……ん…どうぞ……」

詰まったお礼の言葉が意味するものに気がつくこともなく、ちょっとだけ偉そうにずずいと勧める。
別に澪が用意したわけではないがまあそこは酒の席だ。
七八の細い身体に入る量を考慮していないのだが、悲しいかなそこに悪意はない。
これからの苦戦を予想するわけもなくふと空と桜木を見上げる。
蒼を彩る淡い紅が風に揺れる、流れて消えゆく花弁に思いを馳せた。

//お疲れ様でしたー
//ありがとうございましたっ
99 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 20:27:19.32 ID:dDKgOhdXO
雪の花が咲いている
魔法的現象が往往にして罷り通る世界にあって、この花は長い冬の終わりを告げる春の使者の様なモノだ
雪の花、とは何も抽象的な物言いではない
文字通り、花弁が雪の結晶の集合体なのだ
余所の世界で桜がそうであるように、この時期のみの儚い絶景として人々に親しまれていた

「冷たいけど、綺麗だってんですねぇっ」

ニアはそらを仰ぎ降りしきる目の細かい雪の花弁が舞い散るのを顔に受けていた
髪やまつ毛に積もり微妙な熱に当てられて直ぐに溶けて消える
ニアの知る限りの植物学で考えれば全く不可解な雪の花ではあるが、群青のそらの下一面を銀色に染める様はそんな不粋な思考を放棄するに充分な力を秘めていた
道行く人々、また路肩に座り込み酒盛りする集団
動物混じりの亜人達も自然に溶け込むここは、中性に近い科学力に魔法が加わった世界か
ワイシャツにチノと少々浮く格好であったニアだが、特にトラブルに巻き込まれる事もなく景色に見入っていた
100 :帆村深雪 ◆rF8einrntM :2015/04/03(金) 21:01:14.05 ID:MkJI+aMmO
>>99
黒髪の少女――深雪もまた、その雪花舞う世界に居た。
何処か和の雰囲気が漂うが故情景に、邦人の彼女は割とマッチしているように思われる。

「不思議なものね、ボクもこんなの見たことないなぁ……」

雪の花、何とも不思議な見た目、そして感触。
他の世界では、まず類がないような代物だろう。
白銀のそれに覆われた天を見上げる深雪。
時々顔に貼り付き、溶け出す花を袖で拭いながら、ゆっくりと歩いていた。
やがて彼女は、ニアのいる方へと近づいていくであろう――――
101 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 21:09:00.69 ID:y8wB9/hW0
>>100
「んっ? あれっ、」
「やっほー深雪っ、久し振りってんですねっ」

さて賑やかな集団の喧騒を微笑ましく思いながらも雪花降り続く中を歩いていたニア
正面よりやって来る、白銀に映える黒髪の少女を赤眼に捉えた
見憶えのある顔である、手を振って小走りながらに挨拶

「変わったお花ですよねっ、綺麗ですけどっ」

髪に積もった花弁を払いながら笑い掛け、上空を仰いだ
102 :帆村深雪 ◆rF8einrntM :2015/04/03(金) 21:22:55.14 ID:MkJI+aMmO
>>101
「む、久しぶりね、ニア……元気だった?」

しばらく並木道を歩けば賑やかな雑音に混じって、自分を呼ぶ聞き覚えがある声がした。
上を見ていた視線がその方角へ、声の主を捉えようと向ける。
それが知り合いだと分かれば、深雪もそちらへと足を動した。

「本当に不思議よね、春なのに雪が降ってるみたい……」

もう一度上の方を見る深雪。数秒もすれば、顔を再びニアの方へと戻した。
ふと自らの掌を広げる。そうすればすぐに、彼女の掌に1つの花びらが捉えられる。
……が、少女の体温でそれは儚くもすぐに溶け去るのだった。
103 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 21:34:13.33 ID:y8wB9/hW0
>>102
「えぇっ、もちろんですよっ」
「深雪こそ、お元気でしたかっ?」

越境者同士、時間軸のズレすら存在する間柄である
だがそれでも深雪とニアの間の体感時間にはそれ程の差異はなかったのだろうか、そこまでの変化は少なくともニアにはない
相変わらず子供地味た表情の変化であり、仕草所作の類だ

「暖かいのに雪が降ってて、不思議な感じってんですよねっ」
「……あ、これ食べませんっ?」

この世界の雪のお花見に付き物だと言われて買った小さなパウンドケーキをひとつ差し出す
酒盛りもあるにはあるが、何方かと言えば歩きながら楽しむ風潮が多いらしく片手で気楽に食べられるこういったモノが重宝されている模様
オレンジのピールが練り込まれた香り付きのケーキである
104 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/03(金) 21:48:43.97 ID:MkJI+aMmO
>>103
「うん、見ての通り」
「お互い元気で何より……って感じねえ」

一応、此方も特に変わった様子もなく、至って元気そう。
時間軸のズレ――ほんの数ヶ月後に、数千年後の同じ世界に転移した、などという話もある。
深雪にも特に大きく変わった、という箇所は見られない。

「花が溶けないっていうのも不思議よね……暖かいのに」
「あ、もちろん。……ありがとう」

それじゃあ……と、ニアの好意に甘えてパウンドケーキを頂くことに。
受け取れば、早速味を確かめる為にひとかじり。お味は如何に?
105 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 21:54:56.92 ID:y8wB9/hW0
>>104
「全くってんですねぇ」

満面の笑みで頷きながら互いの壮健を改めて再認
旧知の仲の相手が見知らぬ世界で倒れるなんて事をニアは想像もしたくなかった

「うーん、そもそもなんで雪の花なんてっ……」
「……ん、早速頂きましょうっ……美味しいっ」

現実的な目線で見れば実に不合理な雪の花
だがそういった物差しでは測れない何かがきっとあるのだろう
ニアも自身の分のケーキを手に取り歩きながらにぱくり
ふわりとした薄甘い生地にオレンジの仄かな酸味
ロケーションという絶好の調味料も加わり、ニアは絶品と断ずる
106 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/03(金) 22:12:28.43 ID:MkJI+aMmO
>>105
「む……――」
「――、美味しい」

美味いものを食べれば、自然に機嫌も良くなるもの。
口の中の物が無くなれば、深雪は満足げな顔で言う。
甘味と酸味が絶妙にマッチング、非常に美味なものに仕上がっている。

「何で雪なんだろうねぇ……すごく綺麗だけど」
「これが本当の桜吹雪っていうのかな……はむっ」

美味いと分かればもう一口。再び口をもぐもぐと――――
107 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 22:21:03.46 ID:y8wB9/hW0
>>106
「ですねぇっ、もっと買っておけば……」
「って、あっ、あそこに売ってるみたいってんですねっ」

小さく薄いパウンドケーキ、あっという間に完食である
少し物足りなかったなぁと苦笑を浮かべるも、だが直ぐに目敏く物売りを見つければ嬉々として報告
流石花見の付き物、彼方此方で売っているらしい

「あ、上手いっ」
「なるほど桜吹雪っ……」

実に文字通りの表現にふむふむと頷いて納得の仕草
風が踊るたびに舞う花弁、正に雪花吹雪の絶景である
108 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/03(金) 22:34:27.65 ID:MkJI+aMmO
>>107
「本当、そんな感じよね……ここでしか味わえない」

辺り一面に舞う白銀の吹雪。
陽に照らされては煌めく様子は形容しがたい美しさ。
現実でいうお花見のように、この世界でも、この僅かな期間でしか見られないと思えば、2人は非常に運が良いものだ。

「折角くれたのだし、ボクも買おうかな……?」

ニアに報告され、その物売りが歩いている様子を見れば、深雪は財布を取り出した。
中には少なくとも、ケーキぐらいなら買える程度の金は入っている。
109 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 22:40:27.98 ID:y8wB9/hW0
>>108
雪の花の時期は短い
文字通りの結晶なのだ、持って数日短ければ数時間の芸術
きらきらと銀舞うそらは、明日にも普段の平静を取り戻しているだろう

「じゃあ、2つお願いしますってんですっ」

早速物売りに注文、手渡されたケーキを受け取る
深雪にも同じように差し出されるだろう
先程のモノより少し厚みがある
どうやら手作り故に店や、物売りによってレシピが微妙に異なるらしい
だが大まかな味はよく似ている
つまり例外なく美味しいのだ
110 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/03(金) 22:55:54.91 ID:MkJI+aMmO
>>109
ニアは物売りを呼び止め、2つくださいと言う。
深雪も財布から自らの分の代金を取り出し、手渡した。
やがて、物売りは彼女に商品を差し出すのである。

「それじゃあ早速……」
「……うん、やっぱり美味しいねこれ」

特に大きさとか、その辺りを気にするようなことは無く。
とにかく、買えば早速封を開けて頂いた。味は変わらず。
111 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/04/03(金) 23:02:29.64 ID:y8wB9/hW0
>>110
「えぇ、いい景色と美味しいモノって素敵ですよねぇっ」
「もう少し、散歩して行きましょうっ」

早速ケーキを囓りご満悦
道行く人々と同じ部類の笑顔だ、即ち充足感
魔法的な花の短い、冬の終わりを告げる乱舞
また次のこの時期にも是非再来したいなぁと、気紛れな越境の神に願う
そして深雪への提案、まだ帰るには早い時間だ
日が暮れるまでこうしていたいと思うのは、風情溢れる人間的感覚がそうさせているためである
魔法的現象が往往にして罷り通るこの世界、群青の下
雪の花が咲いている

//ここら辺で〆でいいでしょうかっ?
//ありがとうございました、また宜しくお願いしますっ
112 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/03(金) 23:16:37.07 ID:MkJI+aMmO
>>111
「ふむ……花より団子、とかいうの?ケーキだけど」
「そうね、ボクも賛成。もう少し散歩しよう?」

時間はまだまだたっぷりある。結局、この輝く吹雪の中2人は散策でもすることに。
いつ越境するかも分からないし、またこの世界に来れるかすら怪しい。
しっかり、この絶景を網膜に焼き付けておかなければ、と。

//それでは〆にします、お疲れ様です
113 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/05(日) 22:59:25.25 ID:NspSM9CYO
春になっても未だに雪積もる街。既に夜遅く、澄んだ空には無数の美しい星。
立ち並ぶレンガ組みの建物からは明かりが消え、まるで廃墟のように静まり返る。

そんな街中にいくつか転がる金属製のゴミ箱。
そのうちの1つから聞こえる、内側から叩くような音。
既に街に人影が無い故、それに気づく人は無いようだが――――
114 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/05(日) 23:07:03.08 ID:4A8acvXo0
>>113
「うひー、寒いなぁもうっ……」
「……んっ?」

越境し宿の宛も出来ぬままに、いつの間にか藍色の帳が下りて久しい
野宿も止むなしと冷たい吐息、即座に白く凍てついて溶ける
と、聞こえる謎の金属音
はて何事かと立ち止まり周囲を確認、ゴミ箱発見

「……?」
「……何か、入ってる……?」

取り敢えず近寄り、逃げ腰ながら様子を見ようと観察してみる
115 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/05(日) 23:15:24.11 ID:NspSM9CYO
>>113
不定期的にバンバン、バンバンという音を立てるゴミ箱。
そのうちに大きく傾き、そのままゴミ箱は音を立てて横倒しになってしまう。
中に何か――というか、誰かが入っている様子。

近づけば分かるだろうが、どうやらゴミ箱はカラス除けか何かの為に、蓋をロックできるタイプであるらしい。
開けるか否かは七八次第であるが――左右についた留め具をバチンと外せば、簡単に蓋を取れるだろう。
116 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/05(日) 23:18:43.93 ID:4A8acvXo0
>>115
「あ、これ多分……って、うわぁっ!?」
「……びっくりしたなぁ……はいはい、今開けたげるから静かにしてね?」

近所迷惑だよー、と月並みながらに屈み込んで留め具をパチリ
仮に中から凶悪な魔物が飛び出して来て襲われでも堪らない、ばっとフタを外してそのまま一歩バックステップ

「……こんばんは、お話が通じるお相手さん?」

半ばそうであって欲しいとの期待もある
一応の挨拶、愛用の忍者刀の柄を握った
117 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/05(日) 23:29:35.19 ID:NspSM9CYO
留め具を外す七八。
2つめを外せば蓋は自然に外れ、地面へと落ちた。

「――――っ、はぁ、やっと出れた……」
「目が覚めたらこんな所に入ってるなんて……ありがとう」

中から姿を表すは――1人の小柄な少女。身長は150cmあるか無いか程度。
――それでもゴミ箱はかなりキツかった様子。
ずっと同じ姿勢だったらしく、少しふらつきながら深雪は立ち上がった。
118 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/05(日) 23:35:29.03 ID:4A8acvXo0
>>117
「おっ、話が出来るみたいでよかったよ、あと無事みたいだしね」

対するは菖蒲色の、顔以外の肌の露出が極めて少ない忍装束に身を包んだ少女である
後ろで一つに束ねられた黒髪は長く、背は深雪よりやや高い程度
現代の世界に伝わる、ステレオタイプな忍者そのモノと言った風貌
ともあれゴミ箱から這い出る相手が無事だと、更に警戒したような悪辣な存在ではないと知れば緊張の糸を緩めた

「えーと、夢遊病のお方?」
119 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/05(日) 23:45:33.92 ID:NspSM9CYO
>>118
「うん、何とか……あと夢遊病ではないはずよ……」
「というよりここ……やっぱり寝てる間に越境≠オたのかなボク……」

辺りを見回す深雪の視界に映るは、昨日のそれとは全く別の世界。彼女は越境者≠ネる者である様子で。
越境は割と慣れてきた――が、流石にゴミ箱の中に転移とは、そうそう無いであろう。
中身が空で良かったと心に思う。生ゴミでも入ってたら溜まったものではなかった。

「そういえば……ここについて何か知ってる?」

此処は見たところ特に変哲もない、中世的な街並みの近代世界。
――だが、相手の少女はそれに似合うとは言えない忍装束。
あまり期待していないが、一応聞くだけ聞いてみる。
120 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/05(日) 23:57:38.76 ID:4A8acvXo0
>>119
「……あ、越境者?」
「しかも寝てる間とは……なんともご愁傷様だぁ」

苦笑ながらに同情
言外に即ち、その言葉に理解がある立場であると告げている
更に越境の境遇に対しても同様である事から、七八自身同じ立ち位置なのだとそれも同義

「うぅん、私もまぁお察しの通りご同輩ってやつでさ」
「……宿探してたんだけど、いつの間にかこんな時間になっちゃってね……」

頬を掻きながら眉を顰める
余りいい場面ではないのだ、危険度の分からぬ地で屋根や壁のない場所で寝るなど言語道断

「最悪どっか木の上で夜明かすかなーなんて思ってたとこで、見付けたってわけ」
「……あ、私四五六 七八」

よろしくね、と名乗ってからどうしたものかと思案顔
さて果たして無事に朝を迎えられるのか
残雪に星明かりが瞬き、静かに銀色に輝いていた

//そろそろ眠気がっ…すみませぬ
//半端ですがこんなところで落ちまする、お付き合いありがとうでしたっ
121 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/06(月) 20:50:07.13 ID:wBQ3ZYPs0
"WhenI get home, I shall write a book about this place. If I… If I ever do get home.""
 (――家に帰ったらこの場所について本を書くつもりよ ――もし家に着けたらだけど)

剣と魔法の世界で竜と対峙したかと思えば、超科学文明が支配する中で異星人を撃退する…
曖昧で不確定なゲートを潜る者達にとって「普通の世界」というのは、実感が湧きにくいだろう

が、今回のは少々変わり種に感じるかもしれない
たくさんのゲートをくぐっていれば、1つや2つ「変わり種」を踏む、今回のように

「― わっ、ここ崖だわ!気をつけて!」

貴方の前を歩いていた、メルヘンチックな外見をした金髪の少女が足を止める
つい先程、この世界で出くわした来訪者
名前はアリス・リンドリー

見渡す限りの青い空に、一面の草原と健やかな空気、そして森が生い茂る山々
豊かな自然に恵まれた、すごしやすく荒事のない穏やかな世界といえるだろう


―― その全てが立方体のブロックで構成されていなければの話だが
まるでビデオゲームのCGの様なブロックで構成された世界、土も草も木も全てチープな外見のブロックだ

そして目の前には、唐突に現れた峡谷
当然、崖の部分も全て土色の立方体である。
122 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/06(月) 20:58:22.89 ID:X0Y/5heN0
>>121
「わお、正に垂直落下」

ひょいと身を乗り出して岸壁の彼方を見やればひゅうと口笛
高所を嫌わず、むしろ好む七八としてはこういった分かり易い崖はいい
ただまぁ、何というか矢張りこの風景だとか世界を構築する要素はどうにも慣れはしなかった

「これさー、このブロックみたいなの持ち上げたりして移動させられそうだよね?」

こんこん、と手近な、多分大地の隆起を模したのであろう出っ張りを爪先でノック
よいしょと掴み持ち上げてみようと力を入れる

123 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/06(月) 21:20:56.61 ID:wBQ3ZYPs0

>>122

乗り出した先に映るのは、遥か底の冷たい石ブロック。
普通ならば、パラパラと土がこぼれ「ヒュウ」と風が吹くものだが、立方体の世界にその様な事は無い。

「仮に落ちても、ニンジャ(Ninja)なら簡単に登ってこれるでしょうけど
 私には無理だわ、だって穴には何時も落ちっぱなしなんですもの!」

カナリアの様な声を響かせ、腰に手を当て同じく覗き込むアリス
先程から事あるごとに「ニンジャ(NINJA)」と口にしているが
それもそのはず、四五六と出会った第一声は 「ニンジャ(NINJA)だわ!」
…何か良からぬ期待を持たれているようだ。

「 わぁ!NINJAはやっぱり頭の回転が早いのね!分裂するから頭もたくさんあるのかしら?」

ノックした際の感触は土そのもの。
セパレートティーの様に、茶色の土に緑色の草と綺麗に分かれている。
力を加えて持ち上げてみると 「ぽこん」 と音を立てて外れる
重量も感じない、スポンジのように軽やかである。
124 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/06(月) 21:28:59.10 ID:X0Y/5heN0
>>123
「穴に落ちっ放し?」
「……転落人生って事?」

ひとは見掛けに依らないなぁと失礼ながら崖から目線を動かして、改めて同行人をまじまじと観察
因みに七八、その細身の体躯を包むは菖蒲色の、顔以外露出がほぼ存在しない忍装束
濡羽色の流髪は後頭部の辺りで一括りに纏められて腰まで落ちる
帯にはしっかりと忍者刀や道具入れが提げられており、まぁなんだ、どう見ても忍者なのである

「だーかーらー、増えないしビームも撃たないしカエルも召喚しませんっての」
「……うわっ、軽っ」
「……へいパースっ」

とは言え忍者≠ニンジャの布教には心血を注ぎ続けているが
そして土ブロックをひとつ入手
想像と明らかに異なる重量感、違和しか覚えぬ質量感
何を思ったのかそれをアリスに投げ渡そうと放ってみる
この奇妙な感覚を共有する為の、無神経めいただが受け取ったとすれば確実な手段ではある
125 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/06(月) 21:49:50.42 ID:wBQ3ZYPs0
>>124

「―そ、私は他の女の子とは違うのよ。」
「あ、でも落ちてる最中に拾ったマーマレードは美味しかったわ、ほんとよ?」

大きな水色の瞳と、長い金色の睫毛をぱちくりとさせながら、押し問答のような返事。
そもそも四五六にマーマレードという単語に馴染みがあるのか、まずはそこから。

ニンジャやNINJAでもない 「忍(しのび)」 とは対照的なアリスの格好
アーガイル (トランプのダイヤ柄) の 柄が入り厚手のエプロンドレス
襟やふんわりと広がったスカートの裾にはたっぷりのレースと、極めつけに小さな革のシルクハットに大きなリボン
こちらはどうみても、絵本の住人である。少なくとも 「忍ぶ」 事とは無縁であろう
背中に背負った派手な金装飾のクロスボウも、うん忍べない。

「 私しってるのよ!相手を見ただけで敵を倒せる…なんていったかしら、そう! カラテ・オブ・バジリスク って!」

―――――

「 さぁ!どんどん渡して頂戴!橋を作るのよ!」

違和感にも慣れてきた所だろうか
四五六がブロックを掘り返し、アリスが受け取って向こう岸まで渡れる橋を作る。
どういうわけか、ブロック同士でつなげてしまえば支柱がなかろうと道になるようで、今はその作業の真っ最中。
現在、崖のちょうど中頃だろうか。風は無いものの足がすくむ気持ちなるが…

「London Bridge is broken down,(ロンドン橋が 落ちた♪)
Broken down, broken down.(落ちた♪落ちた♪)
London Bridge is broken down,(ロンドン橋が 落ちた♪)
My fair lady.(さぁどうしましょう♪)」

当の本人はブロックを組みながら、物騒な歌を歌ってノリノリの作業中
向こう岸まで、あと少し。
126 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/06(月) 22:03:16.82 ID:X0Y/5heN0
>>125
「うん知ってる」

とは他の女の子では、という言葉に対しての極めてレスポンスに優れた直感的ツッコミに近い返答と頷きである
彼女と出会ってから短い期間で混じ合わせた会話の、数々の言葉の遣り取りの中で感じる気配
言葉が通じているようで通じていないようでありながら、だが表皮を取り除き根本を覗き込まれているような
何処か、そう、並外れた感覚としてこちらの心理が見透かされている風を七八は微かな無意識下で怖気として捉えていた

「……急転直下マーマレード……?」
「なんだそりゃ?」

ふと口遊んだ単語の語呂が良かった
しかし次には意味が分からないよと苦笑を向ける
尚カタカナ語に弱いという訳ではない模様

「カラテの力って凄い」
「……いやいや、それ空手の意味なくない?」

越境の先々、ツッコミ役として立ち回る事が多いなぁと自嘲
最もそれが不快に思えた事は、ついに一度もないけれど

−−−−−

「うわぁめっちゃダウンって歌ってる……」

引き攣った笑いを浮かべつつも次々に土色の正方形を千切っては投げる千切っては投げる
正直これで完成した橋を、両手放しで喜び勇んで渡る程の勇気を七八は持ち合わせては決していないのではあるが
127 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/06(月) 22:24:11.50 ID:wBQ3ZYPs0
>>126
//次のレスで〆という形でお願いします

例えるなら、隙間に流れ込んでくる水流のような気持ち
そんな奇妙な感触が、四五六の顔に浮かんだのだろう。
薄く紅の乗った、形の良い小さな唇をポカンと開けて 「どうしたの?」 といった表情のアリスがこちらを向いている

「 あら?マーマレードしらないの?まずビターオレンジをね―― 」
違う、そうじゃない。

― ― ―

彼女の唄も何週目だろうか
人によっては、やかましいカナリアの囀りだと感じるかもしれない
お構いなしに囀りながら、振り向いて一言

「 さぁ、カラテ!この土ブロックで最後よ!」

もはや名前を覚えているのか、定かではない。
ニコニコしながら四五六から受け取ったブロックを、向こう岸のブロックへ繋げ…

「 やったぁーっ!これで向こうへ渡れるわよ カラテ!」

その場で危なっかしく、ぴょんぴょん跳ねながら向こう岸までかけるアリス
何より、これで向こう岸まで渡れる―――はずだったのだが

「 London Bridge is broken dow――(ロンドン橋が 落ち)」

ボコンッ!という派手な音と共に、ちょうど我々が立っている土ブロックの橋が崩れ落ちる
何が原因だったかはわからない、跳ねまわったからか、それとも土の掘り出し方が悪かったのか
―― 崖まであと少しというところで、彼女らのロンドン橋が落ちた。
128 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/06(月) 22:41:46.93 ID:X0Y/5heN0
>>127
「……んや、こちら事」

小さくかぶりを振って薄い笑みを浮かべる
奇妙な同行人ではあるが、少なくとも害意を感じる事はないし何よりあぁ見えて理知的(失礼)に思える
ならば今は染み入る水脈を気にする時ではない
多少の水濡れならばきっと、会話の中の陽光で乾き尽くしてしまうだろうから

−−−−−

「ワーイヤッター」
「……誰がカラテよ、というか原型無いし」

肩を落として苦笑、元気良くツッコむのにはやや精神力を使い過ぎだ
さてぴょんこら跳ね回るアリスとは対照的、ロープを張って辿りながらの慎重な踏破となる七八

「……っ、マズっ……って、嘘ぉっ!?」

来たる崩落、自由落下の寒気、咄嗟手繰るロープを強く引く
それと全くの時間差無き所作でアリスへ向けて持ち手部分にワイヤーの張られた苦無を投擲
刺突を目指したモノではなく、その体に巻き付けるように投げたモノだ
目的は無論、宙吊りにしての落下阻止
狙いは精密、だがタイミングとしてやや、一手遅れた感は否めない
本懐を遂げるかはたまたそうではないかの命運を別つモノは多分、受け手の運次第と言ったところであろうか

//次のそちらのレスで、という事でしょうか?
//勘違いでしたらすみませんっ
129 :アリス・リンドリー [sage]:2015/04/06(月) 22:55:10.89 ID:wBQ3ZYPs0
>>128

―――狙いは精確、しかし出遅れたクナイは空を切り、向かい側の崖へ
せめて崖に刺されば良いものを、それすらも望めず底へ落ちる。

そして何の運命のイタズラか ―― ブチン ――― と、嫌な音
たまたま傷んでいたのか、それとも手持ちの刃物が触れていたのか
保険に掛けておいたロープが虚しく千切れ、四五六も谷底へ吸い込まれる事になる

視界が暗くなる中、最後に見たのは絹の様な金髪を揺らしながら落ちるアリス

否、もう一つ 見たものではないが、聞いたものがある
頭に浮かんだ水脈を思わせる水流音。

―― それが二人をどのように導くのか、それはまた別の機会に。

「――行く手になにか問題があるのなら飛び越せばいい。風に乗ってね。まぁ、乗れるとは限らないが。」
                                        "にやにやした顔の猫""
130 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/06(月) 23:09:57.99 ID:4Gldpu/LO
>>129
「……最ッッッ悪ッッッ!!」

口を滑ることの葉、これが最期の雄叫びかと思うと世の中に怨恨を持ちて残る亡霊達の気持ちが始めて理解出来た
ここで落ちて果てる為に、それだけの為だけに修練を積み続け足掻き様々な出逢いを重ねて生きて来たのか
全くとしての行き場のない憤怒が、彼女を悪辣に変えてしまうのを阻んだのは視界の端に煌めく黄金色のウェーブ
溶け入るが如き闇の中、一筋の光明蜘蛛糸めいて希望の綴り字を見出すのに潤沢たらしめるそれに手を伸ばしたのは無意識の所作

「……風に?」
「全くそんな、御伽噺じゃあるまいし」

ニヤついた猫の、脳裏に焼き付いた幻影を一笑に伏してただ胸に金色の少女を抱き何処までも落ちる
大きく息を吸い込み、精神を集中、対衝撃体勢
来るべき、来なくてはいけない水面への衝突に供えた

//これで〆でしょうか?ありがとうございましたっ
131 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/07(火) 21:26:41.28 ID:2RjcTDj20
"A Rope and Net Would Be Handy. and A Circus Career. Your Limbs and Imagination will have to suffice ""
(ロープとネットがあればな。あとは全力で走る。手足と想像力をフルに使え。)


「――― ゴロ ――― シゴロ ―――シゴロ!! 」


 ぼんやりとした意識の中で、水流の音の中に少女のソプラノが響く。
 頭上に見えるのは、黒い布を切り裂いたような隙間に見える、あまりにも遠い青空。
 ここは水脈が露出した峡谷の底、全てがブロックで構築された世界の。


「――シゴロ!しっかりして!わたしよ!」

 水脈のほとりで、不安げに四五路に呼びかけるアリス。
 爛漫だった面影は薄れ、白磁の様な白い肌は不安や水を浴びたせいもあり、青白い。
 そう、二人は峡谷から落ち、そのまま地下に流されてもおかしくなかったのだが…
 
 なんの運命のいたずらか、最後に放ったクナイは空を切ったものの
 そのまま川の畔に突き刺さり、それが命綱となったらしい。
 なにはともあれ、地下水にさらわれ地底に真っ逆さまというコースは避けられたわけだ。
132 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/07(火) 21:35:02.45 ID:6czRhdc60
>>131
「……、」
「……!? って、あぁ……やっほ、お互い生きてて何よりだよ……」

闇に沈む意識の奥底、誰かの呼び声が聞こえる
それだけで、ただそれだけで体は咄嗟に反応を示した
素早く跳び起き抜刀、戦闘態勢へとシフト
少しして覚醒、苦笑混じりに納刀、体が疲労とダメージから揺らぐ

「……高いね、私どれ位オチてた?」

遥か高み、崩れた『ロンドン橋』を朧に影として仰ぐ
崖達にトリミングされたそらの色から気絶していた時間を図ろうともしたが、難しい
取り敢えず濡れたままではマズイ、火を起こそうと道具入れを漁る
133 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/07(火) 21:50:58.46 ID:2RjcTDj20
>>132

 起き上がった四五路を見て
 濡れた絹糸の様な金髪が張り付いた肌が、あたたかみを取り戻す

 「 シゴロ!!!あぁよかったわ!このまま起き上がらなかったらどうしようかと思っていたわ!」
 
 揺らいだ体に思わず抱きつくアリス。
 濡れた髪からは、水にとけだした柑橘類の香料がほのかに香る。

 「…さぁ?本当に長い時間落ちてた様に感じたわ。
  1時間?ううん、一晩寝て過ごせるぐらい、とにかく長い時間よ!」

 濡れた服と体で冷たい抱擁を終えた後、手持ちの懐中時計を確認する。
 時間は午後13時、ブロックを組んでいた時は12時ぐらいを指していたので、約1時間程気を失っていたことになる

 遥か高みの『ロンドン橋』は、視界の端に面影らしきブロックが見られるだけで、ほぼ跡形もない
 この様子ではブロックも水流に流されたか。
 
  ― ― ―

 「 ええと、私も何かあったかしら?そう!たしかマッチがあったはずだわ!」
 
 アリスも手持ちの小さな鞄を漁る。
 どうやら空間魔法の効果があるようで、ランプやチェス駒セット等いろいろなものが出てくるが…

 「 あったわ!マッチ! 」

 数枚の金貨や、おそらくはジュースの空き瓶。様々な物を発掘していく中
 おめでとう、ぐしょ濡れになったマッチが発見された。

 ―― 不思議な鞄とはいえ、そこまで便利な物ではなかったようだ
134 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/07(火) 22:08:34.72 ID:6czRhdc60
>>133
「うわっ!?」
「1時間も? ……そっか、さんきゅ」

フワリと抱きしめられる感触にたじろぎ、半歩後退る
触れる体、滴る水滴が冷たく更なる覚醒を促した
ぼんやりと霞掛かった脳内に、強い風が吹くように
ともあれどうにも気恥ずかしいのは事実である、軽く手で押すようにしてその体を離そうと試みる



「何が入ってんのさそれ……」
「……ま、そりゃそうなるよね」

様々なアイテムの類、そしてぐっしょりと濡れたマッチを見て苦笑
七八の道具も殆どびしょ濡れ、火薬を使用した忍具は大半が使用不可能であろう

「えーと、……あったあった、これだ」

整理整頓とは無縁な道具入れから以前越境した、スプロールと呼ばれる世界で入手した細い火縄と瓶詰めの赤い砂を取り出した
この火縄はどんな所でも燃える不思議な火を灯し、赤い砂はその着火剤だ
砂で火縄を擦り、点火
か細い橙色の灯火が周囲を仄かに照らし出す
適当な木材(ブロック)をへし折り、簡易な焚き火の完成である
135 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/07(火) 22:29:42.11 ID:2RjcTDj20
>>134

 たじろく四五六をお構いなしに、ハグを堪能した後

 次々に出てくる、様々な品々
 ホーローの小さなポットにティーカップと、ティーバックの紅茶は、まだ道理が通っているが
 しかしながら、長方形の木材に柄をつけたようなアレは何だ
 もし記憶が正しければ、クリケットというスポーツに使われるバットだ。
 何故、そんなものを持っているのだ。

 「―― あ、ビスケットもあったわ。食べる?」
 
 さらに、小さなビスケットの缶を取り出す。
 幸いにも水に濡れている様子はない、お茶会でも始めるつもりだろうか。

  ― ― ― ― ― ―

 「 火をおこせる物は色々見たけど、これは便利ねぇ〜 」

 全てがブロック状の世界では、水も例外なく不定形なブロック状ではあったが
 ポットで掬うと、見慣れた液体の水となったので、焚き火の上にくべ
 キャミソール一枚のまま、湯が沸騰するのを待つ。

 「 厚手の服だから、乾くのに時間がかかりそうだわ、そのぶんシゴロは早く乾きそうね 」

 石のブロックの上に座りながら、向かい側の四五六へと笑顔を向ける。
 象牙細工のように白く華奢で端正な足が、ランプの光に柔らかく包まれる。
136 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/07(火) 22:42:46.15 ID:6czRhdc60
>>135
「いやいや待って、その鞄どうなってんの?」

密着状態から解放されれば態とらしく咳払い
こうでもしないと自分自身、困惑から脱する事が難しいのだ
そして続き目の前で出てくるわ出てくるわ様々な品々の数々
というか鞄の質量を超えているような気すらする、というかしているはずだ

「あ、どーも……」
「……羊羹食べる?」

流れでつい素直にビスケットを1枚受け取り、真空パックされた保存食用の羊羹を差し出してみる

−−−−−

「でしょ? 結構したんだよ」

何だかんだでそれなりに値の張るアイテムである
ただその分効果は素晴らしい
そしてそう言った道具をケチるような事を、七八は決してする事はない
水が飲用に形を変化させるのを見れば一安心
しばらくは飢えや乾きに喘ぐ心配はなさそうだ

「そりゃ、そういう為の服だからね」
「……地味だけど」

対して七八、装束を着たままである
これは羞恥心からではなく、賽印流の技で編まれた衣服は極めて高度な速乾性や耐久性を併せ持つ品である為だ
ただ付け足すように漏らした一言が、七八の年相応な本音である
菖蒲色の染物は闇に溶ける為のモノ
アリスの美しく煌びやかな衣装に対する憧憬は、苦々しい笑みと共に零れ出る
オレンジの光に照らし出される互いの存在は、七八にはどうも両極端だと自嘲気味に感じられた
137 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/07(火) 22:59:43.51 ID:2RjcTDj20
>>136
//このレスで〆ましょう〜

 「 わたしにもわからないわ!けど不思議と重くないしたくさん入るのよ! 」

 「 ロンドン橋 」 を作っていた時のような、爛々とした瞳が見つめ返す。
 


 ― ― ― ― ―

 ポットから白い蒸気が漏れ始め、ふつふつと音を立てる。
 手慣れた手つきで焚き火からおろし、懐中時計で時間を確認しながらティーバックの紅茶を2つ放り込んだ。

 「 わたしも似たような奴を買ったことがあったわ
   たしか丸い缶みたいな形をしていて、ピンを外して投げると一気に燃えるの。けど私も燃えそうになっちゃったわ 」 
 
 えへへと笑いながら、受け取った羊羹を食べる。

 「 けれど、高いものをこんな場面で使ってしまってよかったのかしら?
   私だったら、すこし渋ってしまう気もするわ。 」

 羊羹を食べ終わり、アイテムを使うことに対して疑問を口にするアリス。
 自分の趣味嗜好を優先し、重視するアリス。
 忍びとしての責務や技能を発揮することに優先する四五六

 服についてもそうだが、二人の価値観はあらゆる意味で対局であろう。
138 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/07(火) 23:12:03.79 ID:6czRhdc60
>>137
「その鞄、魔法具なんだね……便利そう」

石ブロックを背に、膝を抱えて地べたに座る
アリスの顔を見上げる格好となるが、この方が落ち着くのだ
多分椅子やソファより座布団や茣蓙を好む習慣がそうさせるのだろう

「へぇ……」
「……それさ、燃えるっていうより……」

爆発じゃない? と苦笑
頭に浮かんだのは殺傷力の高い爆弾だ
アリスの性格を考慮して多分間違ってはいないだろう

「もちろん」
「使う為に持ってるんだから、渋って機会を逃したらその道具も寂しいっしょ」

親指に付着した羊羹の甘味をぺろり
ひとにはそれぞれ独特の思想や思考、術があるのだ
それを再認識し、同時に自分にない部分を切望
だけれどもきっとそれは人間の心理が引き起こす生理現象とも思しき感覚なのだとも
度重なる越境を重ねた七八、嫉妬ですら共存出来る強かさを身に付けつつある

「……ま、ともかく今は」
「少し休もう……色々疲れた」

目の前の、少し奇妙なだが非常に七八の興味を刺激する少女に微笑んで告げる
四角い水が流れる川岸、焚火の爆ぜ音と2人の少女の話し声はなかなかに途切れない

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
139 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/08(水) 22:07:40.23 ID:PkPrd1m1o
【メトロナンデ?】

 大破壊と呼ばれる何かにより高度文明の命脈が絶たれた世界。
 その世界の旧地下鉄(メトロ)は地上の世紀末世界とはまた異なる脅威と危険に満ちている。
 高度テクノロジーが行使した破壊は正に完璧といえるもので、
 物質世界のみならず浄罪界、集合的無意識界すらズタズタに引き裂いてしまったのだ。

 −−−−−−−−−−

「だからまあ、怪異現象はあってしかるべきとも危険度が段違いとも承知はしていた。
 いや、しているつもりだったが…」

 ここはメトロの深部。本線を外れた亀裂より潜入した未踏区画であった。
 イムカ・グリムナーはテクノロジーを求め、また、サイフを落っことして路銀がヤバくなったこともあり、
 このスカベンジに望んだのではあったが…。

【そう、地下である。しかし眼前の光景たるや…】

 まず、空がある。夜空だ。真っ赤な月が浮かんでいる。星はそれ以外に存在しない黒い空だ。
 さらに今、ここはゴシック調の広大な都市だ。もう一度、確認する。ここは旧地下鉄の横穴のはずだ。

「長く生きすぎてついに正気を失ったか?と疑いたくもなるな。平静を保てている自信があまりない」

 無表情にプラチナブロンドの髪に指先を流しながら、紫色の瞳で周囲を見やる。
 建物はどれも暗く、黒く、しかし気配はある。が、人の気配か?と問われると断言はできない。 

【奇怪な空間(世界)に迷い込んだシチュ】
140 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2015/04/08(水) 22:18:40.47 ID:GnozL6B10
>>139
鮮血望月
ぽっかりとそらに、穴が穿たれたようだ
それは深層心理、本能的に畏怖を感じさせる

「さっきまで、地下に居たはずなんですよね?」
「……狂ってるのだとしてもわたしひとりじゃないって、少し安心です」

くすり、と微笑み青銀の瞳を細める
余裕ある風に装えるのは、今ここに独りではないからだ
他者との繋がり、エニシのもたらす力に対し崇拝にも等しい感覚を抱く半人ならではの保理性術
イムエトのロープはそろそろあやゆい、体内に備蓄した魔力粘土は底をつきかけていた

「お気を付けて、ナニカ……」

居ます、と言い切る事が出来なかった
判断し切れない、曖昧な情報をこの場で広言する事が憚られたのだ
赤刃を構えた左腕、金色の魔力粒子がキラキラと残光を帯びて螺旋を描いている
141 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/08(水) 22:24:45.76 ID:Uq76kIup0
>>139

 指先で触れた髪の先に、金糸の様な髪を揺らしながら
 真紅の月を指さし、はしゃぎ回る少女が二人の視界に映る。

 「 この間、淹れすぎた紅茶があんな色をしていたわ、ミルクはどこかしら? 」
 
 荒廃したメトロには相応しくなかった、メルヘンチックな服装だったが
 この場にきて一変、姿形と共にゴシック建築の都市と調和を生み出している。
 その少女の名は、アリス・リンドリー。

 「 わたしもそう思うわ。でも実を言うとね、素敵な人たちはみんな正気を失っているのよ。 」

 赤い月とは対照的な、水色の瞳がぱちくりと見つめる。
 好奇心旺盛な態度は崩さないが、手に持つのは弦の張られていない、金装飾の派手なクロスボウ。
 
 "その彫刻(エングレーブ)は何の戦術的優位性(タクティカル・アドバンテージ)もない。実用と観賞用は違う""

 とでも言ってしまいたい見事な装飾だが、いまこの場では妙な調和をみせる。
142 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/08(水) 22:34:19.49 ID:PkPrd1m1o
>>140-141

「皆で狂えば怖くは無いってのは勘弁願いたいな。ゾッとする」

 自己に絶対の自信を持つイムカとしては、
 タェンティースやアリスの心境は理解できないところがあり、こういう台詞となる。
 これは生き方と個性の問題であろう。

「ああ、何かいるな。気配はある。が、判然としないな。何だ」

 イムカの台詞がこのような覚束ないモノになっているのは理由がある。
 気配はある。それこそ周囲に幾らでも。しかし、それはどれも霞のように朧なのだ。

【赤い月が地上を照らす。脈動のようにドグンと一度揺れる】

 瞬間、赤い月の光が強まり、それまでカタチすらなかった気配の感触が変わる。
 越境者達の周囲にユラリ、ユラリと這い寄る輪郭達が視える。
 月に照らされ、かろうじて赤い輪郭が見える人のカタチをギリギリ保っている黒い輪郭達。

【敵意は無い。数も現在はそれほど多くは無い】
 【→それらは手を伸ばしてこちらに近づいている。まるで光に集う蟲のように。灯りを求める迷子のように】
143 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2015/04/08(水) 22:43:49.03 ID:GnozL6B10
>>141-142
「紅茶? ……むむ……」

なんだかんだで喉が渇いた
極度の緊張状態が続いているのだから仕方ない
のんびりと、ラジオを聴き流しながら熱い紅茶が飲みたい
全くダメだ、と小さくかぶりを振った
まだ弛緩させる訳にはいかない、この緊迫のヴァイオリンの弦を

「……狂気、狂人、どれも嫌な響きです」
「さて、では一体アレらは何なんでしょうね……見えてます?」

怖気と共に半歩、身を引いて構える
影法師めいてゆらゆらり、此方へ這い寄る暗黒達
直ぐにイムカとアリスのふたりの前に躍り出て、アクラレームの赤刃を振りかざして威嚇目的にせんと
万一彼等(?)の手が此方に触れるまでに近寄れば、慈悲容赦なく断絶を試みるだろう
144 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/08(水) 22:55:07.02 ID:PkPrd1m1o
>>143

「―――」

 タェンティースの威嚇など意にも介さずに影は触手めいた手を伸ばす。
 そして、彼女の想定通り、触れる位置までその手が触れる直前、赤き刃が振り下ろされた!

【殆ど抵抗も無く、切った感触も無く、液体に刃を走らせたような手ごたえ。そして――】

 刃と通して僅かに接触したタェンティースと朧の影。
 一瞬、僅かな一瞬であったが、何かがイメージとしてタェンティースの生体脳に流れ込む!

【越境の光、ゲートを潜った感触!周囲は…宇宙!即座に血液が沸騰し唐突なる終焉】
 【その世界に無い知識を話した。魔女裁判。火刑。世界から放逐され異端として裁かれた】

 呼吸が不可能となり、真空空間で全身が爆裂する理不尽。あまりに無慈悲なる死
 炎が全身を包み眼球を爆ぜさせるイメージ。罵声を浴びせ興奮に悦する民衆。
 怨念、悔しみ、悲しみ、帰りたい、何故こんな目に。

【→タェンティースに流れる僅かな、ほんの一瞬のイメージ】
 【→公式もなくただ解答のみがタェンティースに示される。これらの影…全て越境者であると】
145 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/08(水) 22:57:02.65 ID:Uq76kIup0
>>142

 「 もう1つ秘密を知っているのよ、わからない物が全て恐ろしいものとは限ら―― 」

 狂気・狂人、そういった単語に怪訝な表情を浮かべる二人を察し
 声をかけた時、月の鼓動が一致した。
 反射的に振り向いた先には、靄のような黒い輪郭

 「 限らないないのよよ、よ。 うん、そうよ 」

 振り向くと同時に、ソックスに包まれたと柔らかな内腿が、かたかた震え始めると
 気がつけば無意識にクロスボウを構えて

 「 な、ななな、な、ななによ 紅茶の湯気みたいなクセしてぇ!! 」

 弦の張られていない部分に、まばゆい青白い光が灯り
 魔法のボルトがフレームに生成される

 "だれかがアリスを静止しなければ、そのまま滅茶苦茶に発砲するだろう、当たるかどうかは別として""
146 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/08(水) 23:05:15.55 ID:PkPrd1m1o
>>145

「………」

 イムカは困った。意外と繊細というかヘタれなところが見えた同道者に。
 無闇やたらと発砲させるのもどうかである。そも、タェンティースが前に出ている。

「手首を固定していないと当たるものもあたらん。
 流石に私も流れ弾で死ぬのは嫌だ」

 無表情なままにずずいとアリスの頭を掴んでとめようとするイムカ。
 攻撃をしかけたタェンティースの反応もある。ここで暴走されるのは何かと拙いと判断。

「理論と実践には一光年の差があるな。お嬢さん」

 抑揚のない声のままでイムカはそう言うのであった。
147 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2015/04/08(水) 23:11:07.36 ID:GnozL6B10
>>144
「っ!?」

右腕が咄嗟、頭を抑える仕草を取るのを拒む事が出来なかった
右の手首よりメトロまで繋がっていたイムエトは途絶、くたりとそこで落ちる
思考ユニット、フルパワーで稼働
有機脳での理解が不能な処理の大半を受け持ち、エラーを吐き出す吐き出す吐き出す
エラーをエラーとして認識出来る分、有機脳より幾分も優れているのだ

「……成れの果て、ですか……、それもそうだ」
「……っ、ぅ……」

全く不思議である
むしろ何故今まで気が付かなかった?
越境先の環境に、生存保障など決してないのだ
抗う事すら不可能な突然の死、今この身に訪れたとて何ら不自然はない
回転速度を上げた思考ユニットだが、燻る煙はその攻防に対しての不利を雄弁に告げていた

>>145
「うわっ!? あ、危なっ……!」
「……、」

乱射、その内の一射が脇を掠める
思わず声が出て、だがその自らの声は何より雄弁に己の理性を物語った
影に、闇の意思に呑まれ掛けた半人は結果としてその偶発的とも言える青白い閃光に救われたのだ

>>144-145
「……生憎、」

お門違いですよ、と青銀の双眼で影達を睥睨
生者を妬むのはそうでないモノの本能なのだろうか?
だとすれば傍迷惑もいい所だ
左腕に魔力を集中、黄金色の粒子が数を増して螺旋の軌跡は速度を速めて行く

「……イムカ様、アリス様!」
「これは越境損じた亡者の残留思念です!」

今だ頭は痛む、オーバーヒート寸前の思考ユニットは回転を緩める事が出来ない
だが叫ぶ事くらいは、辛うじて可能だ
148 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/08(水) 23:18:46.10 ID:Uq76kIup0

>>146

 「 ふあぁっ!?目が見えなくなったわ!? 」

 高い重心に目線とずれた照準、まるでギターを構えるような格好で撃とうとした所を
 頭を掴まれた結果、前髪が目を覆い、パニックを起こして手をじたばたと降り始める。
 帝国軍人基準からみれば、即刻ベースキャンプに送り返されるか、貴重な資源を浪費したとして処罰されるコースだろう。

 「 と、トライする事に損害はないわ…ううん、撃っちゃダメって事はわかってたのよ
   自分でも良いアドバイスだと知っていたわ、けど私はいつもそれに従わないだけなの。 」

>>147

 かすめた青白い魔法の閃光が、地面のタイルに突き刺さると、ガラスのように砕け散る。

 「 ざ、残留思念?それってつまり記憶ってこと? 
   ええと、でも私の記憶は勝手に動き出したりはしないわ!?えっとそれって…!?」

 現状、彼女はクロスボウを構えつつも、イムカに静止されている状態
 混乱状態の言葉をしゃべるのみで精一杯だ。
149 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/08(水) 23:31:50.74 ID:PkPrd1m1o
>>147-148

「越境者だと?」

 イムカは周囲の影を見て、そしてこの世界、この状況の異様さを改めて認識する。
 現状の把握。推論を構築せんとする。何も解らぬままに状況に押し潰されるのは御免だ。
 集合的無意識界が破壊された世界。そこに現出した越境者の成れの果てが蠢く場所。

「ッツ」

 ズキンと鈍い頭痛がイムカを襲い、彼女は片手で頭を抑える。
 越境者に群がる越境者の成れの果て。タェンティースの言うとおり、
 死した者に迷い込んだ生者は灯篭のようであろう。

【イムカには最善への希求≠ェあり、生命危機時、無意識的にそれが直感や偶然という形で発動状態となる】

「拙いな。この異様な空間。下手をすればカタチ造ったのは私達自身かもしれん」

 異様な空間。なによりもここには現実感が酷く欠けているのだ。まるで夢をみているような。悪夢だが。

「なんとなくであるが、むしろ君の領分か?」

 確信は無い。ただ、浮世離れして、今はヘタれているアリスに
 なんとなく状況と存在が近いと直感しただけだ。

「どういう経緯を経たかは解らないが、接触した彼女(タェンティース)の言葉が事実なら、
 ここは理不尽に消えた越境者の怨念だか何だかの吹き溜まりだ。
 それ自体には本来カタチは無かったのだろうさ。澱みは澱みに過ぎない」

 しかし、である。その澱み。ただあるだけの粘土のようなそれに、
 明確なイメージを与えてしまう近しい存在。生きた越境者がそこに踏み込んだ場合、何が起こる。何が起こった?

「メトロの本線から外れて入った時。下手をするとこの空間が出来たのはつい数分前かもしれん。そこで…だ」

 イムカは粒子短銃を引き抜きながら、タェンティースをアリスに目配せする。
 赤い月がまた一度ドクンと脈動した。影の輪郭は先程の数十倍ほど増え、100を越える影が彼女達を取り囲んでいる。

「タェンティース。接触時どんなヴィジョンを押し付けられた?
 イメージによっては数回浴びればたぶん気が狂うな」

 じりじりと這いずる影。おそらく、もう一回、赤い月が脈動すれば、
 それはいよいよ影で構成された津波の如き質量となるだろう。抗う術はない。

「この世界を形作っているのはおそらく私達自身だ。どうする?どうすれば切り抜けられる?」
150 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/08(水) 23:47:33.14 ID:GnozL6B10
>>148
「分かりません! 多分オカルト、ゴーストの類です!」
「……あと、正体がそれだとすれば私は何も出来ません!」

ここが重要である
半人はそもそも異能性を帯びてはいるが本来対人兵器の試作型
オカルト現象相手に立ち回る事は全くの不得手なのだ
その武器には逆ルーン文字が刻印され、ソーサリーパワーを発揮するのだがこれもどうやら影達には対用しない

実際、お手上げ状態だ

イムカの言葉にあるように、縋る事しか出来はしない

>>149
「えぇ、数、目的は不明」
「……ですがどうにも、良くはないですねコンディションとしては」

赤刃の斬閃は刃が色を落としたかのように歪み、だが影達に通じている気配はない
ならばと残り少ないイムエトを散弾のように射出、影に直接ぶつけようと
半人の中で数少ない、魔翌力そのものを帯びた現象手段である

「……イムカ様、仰られている意味が不明です」

悪夢を形作る、具現化するナニカ別種の存在
それが越境者達の脳内を暴き、澱みへと誘っているのだろうか
半人に、その思考ユニットを現象の処理に傾向している今はその真意を解する事は困難である

>>148-149
「彼等の押し付けて来たのは……無念だとか、理不尽……」
「ネガティブなイメージの塊です、理不尽を凝縮したような!」
「爆発、炎……?」
「そんな光景が、多かった……?」

徐々に徐々に、押しては返す波は白い飛沫を纏い始めていた
それは全てを攫い尽くす高波へと成長を果たすのに、時間はそうそう長くはないだろう

「……わたしにはこの場を切り抜ける術が思い付きません、すみません」

それでも決して、背を向けふたりの後ろへの遁走を選択する事は、絶対にない
151 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/08(水) 23:55:50.36 ID:Uq76kIup0
>>149
>>150

 「 ええっと…つまり、みんな迷ってるんだわ。
   そうよ!道を間違えて踏み外してしまったの、そして私達も道を間違えかけているのよ! 」

 ほんとうに、ただなんとなくであるが
 "領分""という単語、そしてタェンティースの叫びで本能的に理解できたのだろう。
 目の前の靄は、何らかの理由で吹き溜まった怨念。
 そして、自分たち自身の恐怖そのものであるという事
 
 「 怖いと感じるから、余計に怖いと感じるのよ…そうよ! 」

 何を思ったか、クロスボウを下げ目の前の靄ににじり寄るアリス
 当然ながら、囲まれる事になるだろう。
 しかし、怯む様子を魅せず目の前の幻影に目を合わせて

 「 なによ!紅茶の靄の癖して! さっさと消えちゃえばいいんんだわ いい加減お茶の時間にさせて頂戴!! 」

 おもいっきり叫んだ。
152 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/09(木) 00:12:23.81 ID:DIDXxUtmo
>>150-151

「炎の爆裂。連想できるのは理不尽な死と苦痛といったところか。
 参ったな。最悪の想定そのままだ」

 抗いきれぬ終焉。苦痛も憤怒もたっぷりときた。
 つまるところそれをまだ生きている存在に叩きつけようとしているのだろう。
 タェンティースの情報からも類推は容易である。一斉にそんなものを捻じ込まれれば脳が破壊される。

「酷いファルスだ」

 銃を撃てば散る影。しかし、不定形なるそれは崩れても徐々に輪郭を取り戻しやがては再生してしまう。
 イムカの銃とてカタチある存在を破壊するためのものだ。このような存在との対峙は想定していない。

【ここでアリスが銃を下げてむしろ影達の側に立った。そして大声の叫び。抗おうとする叫び】

 ここで影達は僅かにひるんだ。アリスに向かって手を伸ばさない。
 そして、顔らしき部位を上に向ける。赤い月に。待っているのだ。
 己達の存在感が生者たちの意志力を上回る瞬間を。

【→しかし、これは大きなヒントであった。責めあぐねている。生者達の意思とこの空間は密接にリンクしている】

「……タェンティース。君は自分自身の意識のカットは出来るか?電源オフみたいな形で」

 唐突にそのような事を口にするイムカ。近寄るそばから影を打ちながら、
 片手でコンバットベルトのポーチをまさぐり、幾つかの薬品を乱暴に引き抜いているところだ。

「賭けだ。形を造っているのは私達だ。アリスが大声で虚勢…失礼、気勢を発しただけでも反応があった。
 私達がコイツラに行動させる輪郭を与えているんだ。言いたい事はわかるか?」

 イムカの提案はリスクももちろん大きい。
 この策は当然、彼女達は一切の抵抗力の喪失を意味する。
 もし、不確定要素の何か。全く別の要素がこの世界を形作っていたら、敗北と死が確定する。

「アリス、上手くいけば勲章物だ。失敗すればいくらでも恨め」

 イムカは薬品をいつでも首筋に撃ち込めるよう構える。

「この策に乗るか?全員が意識を手放さなければ意味が無い。
 これ以上、強化されて手遅れになるまえに決断せねばならん」

 これは厳しい試練であり、困難である。
 状態として、今はまだ、抵抗する体力も気力も、武器も術もある。
 それを一切合財、このタイミングで手放し、一か八かの己の実力とは無関係な領域の賭けに出ようというのだから。
153 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/09(木) 00:27:22.40 ID:TU+S1Vub0
>>151
「紅茶の……?」
「……ふふっ、全く」

気丈なモノだ、とこんな絶対的絶望の気配漂う中で零れる苦笑
それは光明である
影達の、越境者達の心境との密接なリンクが推測される中で
こころを強く持てる、余裕が生まれると言う事は極めて重畳なのだ
現実として、半人の思考ユニットはオーバーヒートを止めて正常な働きを取り戻し掛けている

>>152
「意識の?」
「勿論可能です、再起動の時間設定だって出来ますよ」

目覚まし時計より精密なその機能を、ひととしての睡眠を好む半人が使う機会は余りないが

「……成る程、了解しました」
「万一失敗の場合は、そうですね……その際に考えましょう」
「タイミングは委ねます、いつでもどうぞ」

博打である
それも文字通りいのちを張った大博打
だがそれでも、従う事を選択するのは何故だろう
今迄そうだったようにそうするのだ、そして来るべきこれからも必ず
それ以外の理由は半人には不要だった、信頼すべき相手の策に対して乗じるのには

>>151-152
「アリス様、イムカ様は……」
「……何というんでしょうね、少なくともわたしはイムカ様を信頼しています」
「だから従います、アリス様も、是非……」

わたしが言えた義理ではありませんが、と気恥ずかしそうに
なんとも偉そうな物言いになった、と内心
後できちんと謝罪しないとだ、とその思考はナチュラルに続く
己がここで終わる事を、一切考慮していない思考だ
それは全幅の信頼が成せる技、恐怖など微塵もありはしない

イムカのタイミングに併せ、半人はその思考を途絶させ闇の湖の底に意識を沈める
再びの浮上を確信しながら、一度の眠りに着くのだ
154 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/09(木) 00:30:42.51 ID:RKB25j7d0

>>152

 遠い未来の終焉、その遺産による超人であるイムカ
 魔法と科学が融合した半人半魔であるタェンティース、純粋な戦闘能力で見れば、すさまじいものだろう。
 抵抗する体力と気力、そして何より鍛えぬかれた武器と術を持っている。
 対してアリスは貧弱だ。抵抗する胆力もなければ、武器も術も未熟。
 もっているのは、好奇心と純粋さのみ。

 「 …なんていうか赤い粘土に見えてきたわ、なんかこねれそうね 」

 生と死の間によってすり減ってしまったであろう二人には、おそらくは無い物を持っている。
 戦う力が未熟だからこそ、武器や技を失ってしまうことに躊躇がないのだ。
 戦えないのなら、戦わなければ良い。

 「 えい。 」

 アリスに手を伸ばさない靄に、逆にアリスが手を伸ばす。
 その手つきは、パイ生地をこねる様な感覚で――

「 あら、意外と気持ち良い感触してるわ、これ 」

 ひょっとしたら、彼女にも正気を失わせるような意識が流れ込んでくるかもしれない
 彼女は少女だ、もしそうならばすぐにでも泣き叫び発狂するだろう。
 しかし、恐れること無く、粘土細工のように触る。

「  Rabbit, rabbit, rabbit pie! (ウサギの ウサギの ウサギのパイ♪ )
  Come, my ladies, com and buy! ( 是非買っといで 奥方たち♪ )
  Else your babies they will cry. ( でないと赤ん坊が泣き止まないよ♪ ) 」

 笑顔で、歌を口ずさみながら。
 カナリアの囀りが周囲に響き始める。
155 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/09(木) 00:32:02.32 ID:RKB25j7d0
//ごめんなさい、RP読み違えてました!
156 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/09(木) 00:33:03.73 ID:RKB25j7d0
//すぐに書き直します〜;;
157 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/09(木) 00:40:34.26 ID:RKB25j7d0
//失礼しました、こちらのRPで適応お願いします

>>152
>>153

 「 勲章?どうしよう鞄につければ良いのかしら? 」
 
 "勲章物だ""と聞いて、目の前の幻影から目を離し
 それをどこへつければ良いのか、きょろきょろと体を見回す。

 「 つまり…寝るのね!? 」

 薬品を構えるイムカには意味がよくわかっていないようであったが
 タェンティースの雰囲気を見て、そう読み取った。
 恐怖や不安を感じたらどうするか、怒りや嫌なことがあった時はどうするか
 ――― 寝るのが一番だ。

 「 ちょっとまって枕が入っていたわ!ええっとどこだったかしら、あったわ!! 」

 空間魔法のかかった鞄をあさり、白いレースにつつまれた枕を取り出すアリス。
 その場に座り込み、すぐにでも横になれる体制へ

 「 さぁ!いつでも準備OKよ!こんなにはしゃいでても
   わたしすぐに眠れるのよ、ほんとよ? 」

 戦闘技術に乏しいアリスは、そもそも失うカードが少ない。
 いつでも準備万端のようだ。
158 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/09(木) 00:49:47.43 ID:DIDXxUtmo
>>153-157

「寝覚めが良さそうでなによりだ。薬品の眠りは酷いぞ。
 起きたとき鼻腔に酷い臭いを感じるんだ。アレはどうにも慣れん」

 そうしながらアリスを見る。どうやらあちらは大丈夫なようだ。
 自分達のやらねばならぬ事と無関係に動き、全く異なる反応を見せている。

「…マイマクラ?いいセンスだな。本当に寝るようにな?
 大人を困らせない寝つきがいい子ほどお菓子を多くもらえるんだ」

 タェンティースを横目に嘆息しながら、アリスの方に声を投げかける。
 危機的状況にこの冗談みたいな少女。緊迫している自分の緊張が滑稽めいて感じた。

「無粋な大人は素直じゃない方法で寝る事にする。。
 まあ、起きられたらすぐに周囲警戒。ミュータントの餌になっていない事を祈ろう。
 それじゃあ、おやすみ」

 影が群がる。手を伸ばす。月の赤い光が強まる。次の脈動はすぐだろう。
 注射器の中身を撃ち込む。即座に意識は遠く深く落ちてゆく。

【→各々が意識を手放せば、世界が滲み、撓んで、そして消えていく】
 【→恨みがましそうに群がる輪郭達。その輪郭も崩れていく。何を餌食にしようとしたのかも、もう思い出せない】
【→朧なカタチを得たそれは、カタチを失い、再びただの仄暗い澱みとなって沈んでいった】 

 −−−−−−−−−−−−

【荒廃世界ウェイストランド:旧地下鉄(メトロ)】

 本線跡に三人の探索者が倒れている。
 彼女達はこの世界ではさして珍しくも無い死体のお仲間なのだろうか?

「―――」

 否、呼吸している。意識を手放しているだけだ。
 もっとも、メトロで眠りこけるなど、ストーカーやレンジャー達から見れば、
 正に自殺志願者か狂人の所業そのものであったろうが。

「………」

 ぱちくりと目をあけるイムカ。側にはミスリル聖水が弱弱しい光を発して、
 かろうじて、照明の代わりを果たしている。

【そして…全員に大量のネズミが群がっている!なんたるバツゲーム!】

 【→判定:身体中がネズミ臭い!ふぁっく!】
159 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/09(木) 00:55:50.11 ID:TU+S1Vub0
>>157
「……それ、もうひとつありません?」

枕を示して軽口めいて
だがそれには割と本音も混じる
半人は寝具をこの上なく好むのだ
最も、最愛の現象たる夢現の合間に漂う微睡を堪能する事は今回は出来なさそうだが

>>157-158
「……では、お休みなさい」

家族に対してそうするように
気軽でありながら大切な1日の終わりを締め括る挨拶
これをするからこそ、明日が来るのだ
そして言える

「……おはよう、ございます」


何気に一丁前に低血圧、いつもよりほんのりの機嫌悪そうな口調
だが目覚めを迎えられた今、こころよりの安堵と再会への感謝に満ち溢れていた

「現時刻、天気……エラー……」
「気温は……って、ひゃぁぁっぁ痛っ!?」

ぼんやりとしていた視界がハッキリとしてきた矢先、目の前で首を傾げるネズミと御対面
思わず跳び起き、後頭部を強かに壁に強打し蹲るのであった
生故の、至福の痛み、獣臭

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
160 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/09(木) 01:03:22.04 ID:RKB25j7d0

>>158->>159

 「 おやすみなさい!…ふふっ夢の中で夢の世界に出発だなんて変な話だわ。 」
  
 
 ― ― ― ― ―


 冷たく、汚れたメトロの床の上で寝言をつぶやく少女

 「 Ra..bb.it, ra..bb..it, ra..bbit pie... うん? 」

 なにより寝心地が悪いし、体中を這いまわるような感触に目がさめる。
 なんだかとっても怖い夢を見たようなと思い、状態を起こすと

 「 ――――!!!!!!!!!!!!!!!!」

 残念、兎ではなく鼠だった。
 金属製の目覚ましよりうるさい絶叫に、眠気と鼠たちが吹き飛ばされるのは
 また別のお話。

//お疲れ様でした〜申し訳ない。
161 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/09(木) 01:12:55.79 ID:DIDXxUtmo
>>159

「あー…おはよう」

 ネズミを頭に乗っけながら、鼻の奥に感じる薬品臭がわずらわしく。
 しかし、どうにか賭けに勝ったようであると嘆息し、タェンティースにご挨拶。
 しかして、彼女は起き立てからとても元気だ。さすが半人(違う)

「生き延びたか。離れろネズミども。とって食うぞ」

 珍妙な脅しをしながら身体を揺らしてネズミを離す。
 なお、ネズミの肉は病原菌に気をつければ結構美味らしいです。

「爽快な目覚めとは行かないか…全く、上手くはいかんものだ」

 そう言って、イムカは自嘲めいた嘆息をつくのであった。

>>160

「それにしても――」

 横目で見る。大絶叫。メトロゆえとても響く。端的に言えばやっかましい。
 鼓膜も強化されていてよかった。超人類(スーパーヒューマン)万歳。

「はあ、緊張の余韻もなにもあったものじゃあないな」

 言いながらイムカは己の手に絡むペンダントを見た。拾った覚えは無い。
 それは金のチェーンと大粒のルビーで出来た見事な装飾品であった。
 特にその大粒のルビーはまるで赤い月を連想させるようで――

「…テクノロジー?いや、これは拾ってはいけないものだな」

 そういうと、イムカはそのルビーを天井近くまで放り投げて、
 BLAM!銃声と共にそれを粉微塵に砕くのであった。

【危険度は極めて高く、見返りの稼ぎは極僅か。そのように一行は今回の奇妙なスカベンジを終えるのだった】


162 :アキレスベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/09(木) 22:30:26.78 ID:lwPSsE5V0
【とある森林】
アキレス「うわぁ・・・」
―――ギィ・・・

ついて早々 ガスマスクを装着したアキレスは絶句した
ベティもまたこの惨状に絶句するしかなかった

黄色く煙る視界 これはすべてこの森の木から発せらる花粉なのだ

事の発端は越境者がお世話になっている掲示板の仕事 森の中で何者かがよからぬことをやっている というひどく曖昧な内容の仕事である
ラジオのスイッチを入れてみると この一帯で非常事態宣言が出されており 原因不明の花粉の大量発生がどうにかなるまで極力外出を避ける旨が叫ばれていた

「一体何をどうしたらこんなになるんだよ・・・」
視界が1mもないような黄色い吹雪の中 手探りで森の中を進みながらつぶやく
163 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光 [sage]:2015/04/09(木) 22:37:02.96 ID:7tZIcH5e0
>>162
「……これ、ベタベタしますってんですねぇっ……」

気持ち悪い、とイエローに染まった衣服を払う
大切にしている旅の想い出のスカーフはとっくにカバンの奥底に仕舞い込んだ

「しかもなんか……ヘクチッ!」
「鼻がムズムズ……うぅ、ニアもこれ……」

アキレスに倣いレンタル品のガスマスク装着
こーほーこーほーとどこかで聞いたような呼吸音を響かせながら手探り状態

「ベティは、コーホー、大丈夫だって、コーホー、んですかぁっ? コーホー」

164 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/09(木) 22:47:04.49 ID:lwPSsE5V0
>>163
―――ギィ!!
ベティが元気いっぱいにハサミを振り上げる
大丈夫だって うらやましいね

「目標はコーホー この奥コーホー にいるらしいコーホー んだけどコーホ-」
なにせ周りは花粉花粉これまた花粉で全く見通しが悪いときたもんだ

しばし当てもなくさまよっていると どこからか声が聞こえてきた

???「ぶえくしっ!! いっきし!! ふふははははっぐしゅ!! よくsっしき ここnッッぐふっ!! きtッッ!!!!」
ズビビーと思い切り鼻をすすり 真っ赤な目でこちらを睨むローブ姿の男

???「お前らgっ!! ごごにっっグハッ!! お願い助kッッ!!」
アキレス「・・・・・・」

すでに死に体のローブの男が助けを乞うてきた コマンド?
165 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光 [sage]:2015/04/09(木) 22:52:39.72 ID:7tZIcH5e0
>>164
「むむぅ、そういえば砂の中に潜れるんですものね……」

微粒子という点では花粉の方が目が細かいだろうが、しかし砂塵の中を生きるサソリが粉にヤられるなんてあり得る事ではない
羨ましい限りだとガスマスク越しに羨望
因みにコーホー音省略

「んっ?」
「え、えーと……お前が、原因だってんですかっ……?」

どうも様子がおかしいが、助けを求めているのならばスルーともいかない
というかそもそもこんな花粉舞う中に好き好んで入る人間なんて少ないだろう
そしてその少ない中の解決側をアキレスとニアが担っているとすれば、そう出ない側の人間だと推察するには易しい
遠巻きに注察しつつ、尋ねて見ることに
166 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/09(木) 23:07:21.66 ID:lwPSsE5V0
>>165
???「ふふふははhッグジュ!! そのtッッグジュ!! このおrッッグジュ!!」
アキレス「とりあえず・・・マスク使う?」

【しばらくお待ちください】

ローブの男
「うぅ・・・実は私のせいなんです・・・」
ガスマスクをかぶり コーホー言いながら白状するローブの男

ローブの男
「私 駆け出しの魔法使いでして 暇を見つけちゃ人気のない場所で鍛錬にいそしんでるんです
 今回はブースト系の魔法を特訓してたんですが 何をどう間違ったのか辺りの花粉がブーストされちゃって・・・」

アキレス「んでこうなったと・・・」

ローブの男
「魔法を解除しようにも なんかブーストした花粉が変な怨霊取り込んでモンスター化しちゃうし。。。私は花粉症になるし・・・
 お願いです 助けてください・・・!!」

そんなことをしていると 辺りの花粉が薄れてきた いや 一か所に収束したのだ
収束した花粉は人の形をつくり 凶悪そうな顔が現れる

花粉の怨霊
「憎い・・・この世が憎い・・・みんな花粉症になってしまえばいいんだ・・・!!!!」
そう言うと 怨霊は花粉の腕を伸ばし 一行のガスマスクをはぎ取ろうとしてくる!!
167 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光 [sage]:2015/04/09(木) 23:12:50.05 ID:7tZIcH5e0
>>166
「……ほんっと、何をどう間違ったってんですかぁっ……」

かくんと項垂れ溜息
幾ら何でもブーストし過ぎである
ガスマスクにローブの男を、同じくガラス越しの赤眼で呆れ気味に睥睨

「……んっ?」
「っと、なるほど、あれがっ……!」

しかし元凶は判明したのだ、ならばそれを取り除けばいい
無数の杉の木を伐採し尽くすよりはマシな状態かもしれないなと内心苦笑

「それは困るってんですねっ!」

花粉症ともなれば越境先で困る事必死である
ならばここは何としても負けられない
タイドメイカー1本を生やし月光を引き抜き、花粉の腕を触腕で払い落とさんと狙う
168 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/09(木) 23:26:55.37 ID:lwPSsE5V0
>>167
ローブの男
「うぅ・・・ごめんなさい」
先ほどまでの 花粉症と戦いながらも高飛車な態度をとっていたのとは同一人物と思えないほどの腰の低さ
ニアの睨みに平謝りで対応するローブの男

そしてニアの触手と怨霊の花粉がぶつかり合い 衝撃で花粉の腕が破裂して辺りに花粉をまき散らす

花粉
「憎い・・・私が花粉症で化粧がズルベタになったからって幻滅してフェードアウトしたあの男が憎い・・・!!」

アキレス「あの・・・俺ら関係n」
ツッコミを入れようとしたアキレスとニアに 花粉の怨霊が花粉玉を放つ
結構な速度でもって飛翔する花粉玉は 喰らえばかなりの衝撃を叩き付けるだろう
169 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光 [sage]:2015/04/09(木) 23:33:53.37 ID:7tZIcH5e0
>>168
「もうっ、謝るのなら誰にだって……」
「……いいですからっ、手伝って下さいってんですよっ」

魔導師だというならこの場に於ける立派な戦力になるだろう
過ぎた事を責めるより、事態の沈静化に助力を請う事にしたのだ

「っ、そっか、粉の塊なんですってんですものねっ……」
「いやそんな明らかに八つ当た……りぃっ!?」

正面より迫る花粉弾
月光で防がんと構えるが、衝撃に弾かれて後方木の幹に背を強かに打ち付けた
あわやマスクが外れそうになるのを抑える余裕があったのは重畳だ

「……こ、このぉっ!」

ズキズキ痛む背、タイドメイカーを振るい地面を叩く
その反動を持ってして飛翔、怨霊に向かい月光で斬り掛からんと迫る
170 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/10(金) 00:10:28.71 ID:wSnVV5Ja0
>>169
ローブの男
「それが・・・今魔翌力をしこたま花粉にとられて魔法が使えないんだす・・・」

なんとも使えない話である
そsにて花粉玉がニアに激突 どうにかマスクを落とさずに済んだ

そしてニアが宙を舞い切り掛かる

頭頂部からつま先まで 一等者とに切り伏せられた怨霊

花粉の怨霊
「ぎゃあああああああああああああ!!」
身の毛もよだつ叫びと共に花粉は飛び散り 戦いは終わった

アキレス「いやはや とんでもないのがいたもんだな」
怨霊だった花粉を気味悪そうに見るアキレスでしたとさ

//ノシ
171 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光 [sage]:2015/04/10(金) 00:18:17.26 ID:Awhlwv3b0
>>170
「まったくもうっ……」
「今度は杉の木のない所で練習するってんですよっ」

きん、と澄音
月光を鞘に仕舞う所作に付随するその音は、静まった森に清らかに響く
花粉が落ち着けばぷはぁとマスクを取って一呼吸
ともあれ一件落着か、すっきり深呼吸をしたいところだがそれはまだ、どうにも憚られた

//お疲れさまでしたっ、ありがとうでした
172 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/10(金) 17:50:25.29 ID:Awhlwv3b0
地の果てに臨む大空の彼方、天翔る陽の使者達と夜の下僕共が終わりなき闘争を繰り広げる世界
常春、初夏めいた昼が続く天使の領空下
対して悪辣の永劫の夜が明けぬ悪魔の支配下
空の勢力図は拮抗してはいるが、それでもしかし日々刻々と変わり行く
この世界の中心は、大地ではなくそらにあった

【昼と夜の連歌の世界、夜側】

悪魔達の影響の下、そらは混沌の黒に染まり鮮血色の月がぽっかりと浮かぶ
木立は枯れ往き、草花は死に絶え、動物達は息を潜めてただその最期がせめて安寧に訪れる事だけを祈っていた

「あーもー、陰気なとこだなぁ……」

周囲を照らすのは真紅の月光、それとただぼんやりと浮かぶ霊魂の寒々しい光
それと悪鬼を怖れた何者かが焚いた忌むべきモノの篝火
あとは七八の持つ松明であるが、これは先の篝火の火を失敬したものだ

「……?」
「……何か、」

いる? と半歩身を引いて松明を前方に翳す
周囲に幾つか、確実に気配が存在している
警戒の糸を張り巡らせ、苦無数本を抜いて構え邂逅を待った
173 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 18:23:00.88 ID:O4mKF+nw0
陰気的な、闇を象徴したかの様な、暗い世界。
微かな光を視界の中心に収め佇む対局的純白の衣を纏った少女。
淡桃の髪がゆらゆらりと、夜風に遊ばれ月光を乱反射する。
銀の双眸は憂鬱に霞み、記憶の欠落を辿っていた脳は思考を停止させていく。
そこへ

「っ!?」

鼓膜を震わせる声音、明らかに動物が動く音、そして若干の温もりを放ち輝く松明の明かりに、少女は大きく反応を示した。
どれをとっても頭を抱えしゃがみ込むには十二分にすぎる事態、眼球移動で視界に収めた明らかな人影は、なにかを、握り構えている様子だ。

「お、襲わないで……くだ、さい!」

ふるふると力なく震えながら、振り絞った意思表示。
しかし、思った以上に声量がない。
それほどオビエテイルノダロウカ、静かに向いた銀の双眸はすでに涙でぐしゃぐしゃである。

「わ、私は……人間、です、はい」

はっきりしているのは、この人物はやろうと思えばすぐに、自分を傷つけてしまえる。
それだけである。
174 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 18:24:14.89 ID:O4mKF+nw0
安価忘れ、>>172当て。遅れてすみません
175 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/04/10(金) 18:39:14.77 ID:mxPFkHezO
>>173
後頭部で括った黒髪、全身を包む顔以外露出のほぼ存在しない菖蒲色の忍装束
両の因子は宵闇が跋扈するこの世界に於いて極めて、七八の姿を溶け込ませていた
ただまぁ爛々たる光源を手にしているのだ
その隠匿効果は今は微細なモノだろう

「……ありゃ?」

目の前の、年の頃自分と同じかそれ以下の怯える少女を見れば拍子抜けである
もっとおどろおどろしい悪辣の出現を予感していたためだ

「ニンゲンさんか、大丈夫、なら襲わないよ」
「……ただ、立ってくれた方が嬉しいかな」
「それにあなたもその方が安全だと思うよ」

七八の警戒のアンテナは未だ仕舞われていない
先に察した気配、その内のひとつは全くの無害であろう目の前の少女であった
だがしかし、他にも幾つかがこの周囲に存在しているのだ

「……何かまだ居る、気をつけて」

鋭く周囲を睥睨しつつ呼び掛ける七八自身、その怖気にも似た気配の出処が分からずにいる
シンにもし魔法や、それに準ずる不可思議な力に対する探知能力を備えていた場合
暗峠の中にひとつ、這い回る不浄めいたそれを発見する事が出来るだろう
木や鉄くず、真鍮などを組み合わせた人工物が魔力を帯びて蠢いているのだ
176 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 19:03:16.26 ID:O4mKF+nw0
>>175
少女、シンには天性的至高能力が備わっていて、息切れや視力低下とも無縁というもの、それは暗闇の中の物体の微弱な輪郭を見極めること事態容易。
だが、とはいえどやはり発言通り基礎はヒト。限界もそれらに準じている故、特別な力は保持していない。
なにが言いたいのかというと、その“魔翌力駆動の人工物”には一切気づかないでいた。

「は、はい……」

安堵の吐息が口をつく、目に溜めた涙を拭い、立って……また座り込む。
その後、また七八を見れば屈み腰になり、また座り込むを繰り返し……。

「こ、腰が退けて……立てない……」

額に汗を浮かばせながら、その場にどしりと倒れ込んでしまう。
その間にも例の人工物は這い回っているはず、少女の“異質”を知らない七八からすれば危機感を覚え出す頃合だろうか。
それさえにも気づかない少女は、別の意味で危機感を覚えていたが、それは置いておくとして、はてさてどうする。
七八からすれば少女はただのヒトである、人工物に襲われる、その結末は回避したいだろうが……と。

「あ、立てた……」

すっくと立ち上がる少女、まさに土壇場。
さすがに感づいたのだろう、ゆっくりとした所作で七八に近く。
177 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/04/10(金) 19:16:45.53 ID:Awhlwv3b0
>>176
「嘘でしょちょっと……!」
「……もう、ビックリさせないでよっ」

立ち上がれない様子の少女を前に思わず口をつく言葉
だが何とかその憂いが消えれば、既に徘徊者との邂逅は不可避な程にまで距離が無くなっていた
ぎしぎしと、木と鉄を組み合わせたベッドが軋むようなしかしそれより遥かに邪と畏怖を孕む駆動音が近い

「……友好的には、どうにも見えないなぁ……」
「走れる?」

薄ぼんやりと露わになる輪郭
それは人型を辛うじて保った、木や鉄屑を組み合わせた骨組みであった

何か動物の革を、衣服或いは皮膚の様に身に纏っている
頭部の部分には、少なくとも七八が見た事のない類人猿動物の頭骨が上下逆向きに突き立てられていた
窪んだ眼球部に埋め込まれた銀色のコイン、果たして何をこれが表すのかは不明
ただそれで2人の越境者を確かに『一瞥』
手足を使った歩法、ナックルウォークでゆっくりと距離を詰めて来る

七八は苦無を構えつつ、シンに逃走可能な状態かを問う
この手のオカルトモンスターを相手に、余り有効な手段を持たないが故だ
178 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 20:00:04.28 ID:O4mKF+nw0
>>177
不穏感、この世界よりもずっと暗い不安感。
その出所はおもむろに姿を晒し、頭蓋骨を逆さまにしたような頭部が向けられる。
顔と呼ばれる物はない、窪み全体が眼球を思わせる気味の悪い寄せ集めのゴーレム。
悪寒が走るのと、問いかけは一寸の差。応と無言で頷く。戦闘経験はないが、それが害なす物であることは容易に知れた。

「走れます……でも、でも」

言葉を濁すのは、限界を知るが故か。
ここで走れば少なからずは安心できよう、しかし追われればその差は、十数秒ともないうちに積められる。
どちらにせよ足を引っ張るのではないか……と。

「痛いのは、嫌だけど……大丈夫……だから」

落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け……

「私のことは気にしないで、今は、アレを倒すことだけ……考えてください」

双眸が七八を捉えた。震えた声音には微かに決意が皆間みえて。
小さな少女は最悪の結果を回避するためにと、己が最良だと思う方法が逃げないという選択だった。
ただしそれは、傍観していると言っているのと同義であるが。
179 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/04/10(金) 20:31:38.37 ID:Awhlwv3b0
>>178
「た、倒す?」
「……うーん、まぁ、手がない訳じゃないんだけどね」

松明を持たぬ方の手で腰に帯びた荷物入れを漁る
取り出したのは星爆竹、オカルト性を帯びた存在を一定時間現実に固着させる魔法具だ
早い話が、これで照らせば霊魂的存在をも斬れるようになるのである

「ま、逃げる準備と心構えはよろしく」

爆竹の着火紐を引き抜き投擲、同時にシンに向けて苦笑
七八は異能を持たない
その戦闘力は異能保持者とは比べるまでもないモノだ
身に付けた数多の術も、戦闘よりもそれを避けて確実に生き延びる為の面が大きい
だのに戦闘という手段を選ぶのは、少女の決意に対しての同調が故

「それとちょっとは手伝ってよね、これ持ってて」

手渡そうとするのは松明
忌むべきモノの篝火から得た炎には、微かではあるが抗魔の力が宿る
尚その一手前、ノーモーションのままで苦無を数本飛翔させていた七八

爆竹が点火、星明かりが生まれて骨組みの魔物の全容を照らす
カカシめいたそれは苦無数本を体に突き刺されたじろぎ、だが2人に向けて鋭利な釘を射出して来た
180 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 21:38:56.41 ID:O4mKF+nw0
>>179
特別な人間ではない少女からして、目で追えない物は全て異端的だ。
例えばその爆竹、少女にとってはその爆竹により不確定を確定させていたとしてもそれ自体が異能として認識できる。
数本の苦無が刺さる光景を認識できた瞬間、不気味としか形容できない全貌が見て取れた時、途方もない恐怖を感じた。

「……ひっ!」

持ってと手渡された松明、それに一瞬驚き目を白黒させた。
事態を飲み込めば手渡した人物を再認識する、記憶に該当する人物であるため数分前とはにつかぬ早さで冷静に戻る。
あたふたしながらも手伝ってといわれた真意を考えていた、そこへ

「ッ」

鋭い痛みが喉から駆けて、脳を伝わり全身に巡る。
血液が沸騰している、そんな錯覚を覚えるほど身体が熱い。

「……! ゼ、はッ」

異物が音もなく抜け落ちる。喉からは本来考えられない極少の血液が飛び散ったのみで、そこには傷一つない。
確かに刺さった釘には、まだ暖かい血が付着しているが、そこに刺さった跡、穴は見受けられなかった。
苦痛に表情が歪み、大量の汗を流していることから、刺さったことで間違いはないはずだ。
181 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/10(金) 21:51:56.11 ID:cFy8dUYQO
>>180
「大丈、夫……だよね!?」
「……っ!?」

呼び掛ける七八、その声は途中途切れて顔を顰める
肩を掠めた釘が装束を切り裂いて鮮血の痕跡を残していたのだ

カカシは苦無を身に受けながらも痛覚なく素早く稼働する
屈み込んで力を込めるように四つ脚、一気に飛翔
七八は忍者刀で受け止めるが、カカシの右腕は鋸と思しくギリギリと火花を散らして鍔迫り合い

「……、やばっ、……!」

七八は非力だ
力押しで及ぶはずもなく、膝を着いて押されている
カカシは今は七八に完全に集中、シンに対しては意識を外している様子
182 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 22:45:48.35 ID:O4mKF+nw0
>>181
軽い吐き気と酩酊、酔いつぶれた後の頭の痛さに似た鈍痛。
ぎりっとらしくない歯ぎしりをして痛みに耐え続け、汗を拭う。
もし自分が一部を除いて人間とは違う異種だったならどうなっていたかなど想像に難くない。

「……! ぁッ」

ヤバい、焦燥に刈られる光景、目線の先には鍔迫り合う両者。
力の差は目でみて瞭然だ、恐らくは保たないだろう。
だが、気を向いているのは少女の方ではない様子、しかし一歩踏み出す勇気がない。
ましてや七八よりも非力なのだ、あんなものどうやれば……

「も、燃やせる……かな」

そうだ、この松明。これがもしかしたら……
一か八か、少女は松明を掲げ、駆ける。お世辞とも早くない速度で。
そして、松明の灯火を着火させんと、えいやと突き出す。

/遅くなりすみません
183 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/10(金) 22:54:18.43 ID:Awhlwv3b0
>>182
「……っ、」

顔が歪み、鋸の刃が、死がすぐ目の前にそこにある
次の一手を思案するがダメだ、思い付くはずもない
だがここで、文字通りの光明が射した

『…………!?』
「あっ……!?」
「っと、っと!?」

炎上、革と木と機械油に塗れたカカシは良く燃える
更に篝火の抗魔の力が効果的
鍔迫り合いから引いて無闇矢鱈に鋸を振り回し消火せんと暴れる
七八は小さなバックステップ、頬や肩をデタラメな刃が切り裂いた
それは無論、シンにも刃向かうはずだ
184 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [sage]:2015/04/10(金) 23:15:36.28 ID:O4mKF+nw0
>>183
松明の灯火は効果的だったらしく、七八は死を回避できている。
ただし相当な神経を使った少女に蓄積された疲労は限界といったところだろう。
二、四、六。不規則に分厚い音が重なり、同時に鈍重な鉄が肩や腕、或いは袈裟を斬り裂いていく。

想像を絶する痛覚に、意識自体が飛びそうになる。
一瞬視界がフェードアウトするが、その身体からは血液は流れでない。
若干飛び散った後には、嘘のように無傷な身体が残るだけで傷跡なるものが見あたらないのだ。
決して死なぬ不死の治癒、絶頂の力……とでもいうべきか、神の力と言い表すべきか。

「ッ……ぁっ、い、いた、痛いッ! ァ! いたッ……」

倦怠した身体では無慈悲な刃からの退路は見いだせなく。
切り刻まれて、徐々に赤が増える。
身を悶えさせ、痛みにひたすら耐えていく。今はそれが、そうすることしかできないのだ。
185 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/10(金) 23:22:12.71 ID:Awhlwv3b0
>>184
「あっ、危なっ……!」
「っ、こ、このォッ!」

燃えながらに鮮血舞う舞踏会、振り乱す刃はタクトめいて軌跡を描く
小柄な体を引き裂く鋸の刃に明確な殺意はない
ただそれだけで凶悪なまでの攻撃翌力を誇るのだ

七八はシンの、消え行く傷跡を見る事迄は叶わない
そこまでの余裕が一切にないのだ
一歩、踏み込みながらの斬撃を振るう七八
鋸を掻い潜りながらの一閃は確かに煌き、カカシの胴体を引き裂く
だがまだ、それでもカカシは行動を停止する事はない
シンの手に輝く松明の灯火
それがこの歪んだいのちを屠る手段なのだ
シンのすぐ近く、倒れたカカシが仰向けに夜のそらを仰ぐ
着火の好機、絶好のチャンス
186 : シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [saga sage]:2015/04/11(土) 15:31:26.74 ID:GZ/iOpSM0
>>185
痛みに悲鳴を揚げる身体、正反対に傷はなく、ぐったりと倒れるだけの肉体。
ときおりピクリと身体を震わせるのみで、それ以上の反応は示さない。
空気の震えと同時に、形あるものが倒れる音、涙越しに姿が映る。

「……は――、ひぐッ!――」

「ッあ……はぁ――はぁ――……」

想像以上の痛みと疲労、だがそう、身体は動く。
が身体を引きずるようにして起き上がらせ、三角座り。
ちらと後方を一瞥すれば、恐怖に張り付けられた気分が全身を縛る――が、七八の姿を見る。
随分と疲労しているようで、心底危うい状態だなと少女は思案した、握りしめた松明の揺らぎは燃やせと囁くように。
もう一度、今一度一瞥する。これは好機だ、駄目にするかしないかは少女の行動次第……といったところか。

「あ、争いなんて、戦いなんて――ほかの誰かが痛い目を見て、得られるものはなにも……」

「――ッ」

そろりとおどおどした動作で這い寄る。
腕を伸ばし、松明の灯火を向ければ、逡巡するため硬直する。
最後に至った結論は、直接近づくのはちょっと抵抗心があるためにと、投擲する。
ほいっと、手から離れた松明が、カカシへと徐々に距離を詰めていき――。

187 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/04/11(土) 19:35:24.42 ID:FBqBWo1aO
>>186
『………!?!?』

ボウッ!
宙を舞った松明の火は弧を描き藍色の空に螺旋を描いてやがて落ちる
瞬時に小爆発的着火、カカシを形作る油や革がそれをさせたのだ
ビクリと四肢を跳ね上げてもがき、だがそれも一瞬の事
直ぐに抗魔の紅蓮に焼かれ、ぐずぐずと燻る炭化を迎えた

「……少なくとも、今得られるモノ、得られたモノは……」

ふぅ、とその場に座り込む七八
聖炎の斬新が夕焼けめいたオレンジ色に頬を照らす

「わたしの命、かな……助かったよ、さんきゅー」
「……、と、さて……ともかくここは危なそうだ、さっさと逃げよう」
「わたし七八、宜しくね」

数カ所を鋸に刻まれ血を流しながらも、無事生き延びる事が叶ったのだ
上々である、取り敢えずの今を考えれば
ふと現状を再認識したのか徐に立ち上がり、名乗りそしてここよりの離脱を提案
周囲には未だ亡霊達が揺ら揺らと彷徨い、遠くでは殺戮に飢えた獣の遠吠えが響く
人里を探さなければこのままではまた直ぐにでも今の様な怪物に襲われてもおかしくないのだ
昼と夜の連歌の世界、明星は姿を見せる事は無い

//遅れましたがこれで〆させて下さいっ
//ロールありがとうございました、お疲れ様でしたっ
188 :シン・リンカーラスト=アブソリュート [絶頂] [saga sage]:2015/04/12(日) 04:00:19.56 ID:McMOEou/0
>>187
炎上を目撃、肌を撫でる熱に声にならない悲鳴を揚げて倒れ込む。
煌々とはいかない明るい軌跡が収束していけば、ひとまずの危機は脱せたのだろう、微々たる悪寒がなくなった。
起き上がれば七八の座る姿が映る。カカシはといえば、跡形を残していない。

「……こんな形は、助けたなんて……いえないです」

争いを忌み嫌う理由、今はまだ触れないが、少女には確かに許容できない記憶がある。
故に、こんな形で助かる命も、故に許すことができない。唇をキュッと結び、眉をしかめて、非力な自分を一瞥した。

「……シン、です」

頷いて腰を上げる。なにはともあれ七八の言うことは、正しい。
時間がたてば七八のことは思い出せなくなる。だがそれまでは、少なくとも頼りなる“協力者”だ。
離脱の提案に了承し、七八の背に隠れるようにして離脱を試みたようで、一枚の日記には七八と別れるまでが事細かに記されていた。


/お疲れさまでした
/長くお待たせしてすみません
189 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/12(日) 23:15:47.33 ID:n/xx9DFV0
”Twinkle, twinkle, little Lizard. How I wonder what you are!
 (きらきら光る、お空のトカゲ  あなたは一体何者なの?)


「 ――― どこかへ行った? 」

 
 ここは剣と魔法が栄える、ファンタジーとでもいうべきの世界線。
 古めかしい石造りのアーチや装飾が映える大きな古城。
 とうに捨てられたのだろう、長い年月によってところどころ、劣化や風化が見られる。
 しかし、こういった場所にはお宝が隠されているのが物語のお約束であるが――


「 はぁ〜びっくりしたわ、まさかこのお城にまだ住んでいらっしゃる方がいるだなんて 」

 柱の後ろに隠れながら、大きく息をつくアリス。
 どういうわけか、この古城には大型のワイバーンが住み着いているらしく
 我々は、先ほど追い掛け回されたばかりである。

 先ほど、ようやく撒いたものの

 ――バサ ――バサ ――バサ

 はるか上空で、風を押しのけるような羽ばたき音が聞こえる
 いずれにせよ、油断は許さない状態だ
190 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/12(日) 23:29:12.81 ID:7+DTdVg7O
>>189
「ううん、まだいると思う……」

少し顔を出して様子見――そして、声を潜めてアリスに状況を伝える深雪。
未だに、風を起こす音が上空から聞こえる……故に、今ここで動けば再び先程のような目に遭いかねないだろう、と。

「本当にびっくり……言葉が通じるような相手では無いけど」

幾ら何でも、言葉を話したり理解できる竜など一握りであろう、という深雪の考え。
まあ、実際に彼の者と交渉、ということはまず無理だろう。

――ひとまず、ここで打開策を練らなければならない。奴に再び見つかる前に。
191 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/12(日) 23:49:48.54 ID:n/xx9DFV0
>>190

 先端は赤いものの、黒真珠のごとく輝く深雪の黒髪とは対照的な
 金装飾の様な髪を揺らしながら、同じく少し顔をだして様子見をみる

 「 王様だけしか居ないのかしら?ああ、けれど女王様かもしれないわね。
   二人で謝っても許してくださらないわね、きっと。 だって”がおー””としか言わなかったもの 」

 太陽光でキラキラと鱗を光らせながら、やや遠くにそびえ立つ塔に降り立つワイバーン
 黄土色の地肌に黒曜石のように輝く鱗、口からは灼熱の炎が漏れ
 首の回りには、これまた黒光りするたてがみの様な棘
 まるでライオンのようである


 「 ミユキ、ここは危ないわ
   招待状は持ってないけれど、一先ずお城に避難しましょ。」

 
 ここはちょうど城の中庭にあたる部分なのだろう、我々の正面にはち居館である大きな屋敷が見える…のだが

 ―――グルルル

 ちょうどワイバーンの目線がこちらを向いている、おそらく目は良い。体を出せばすぐに飛びかかってきそうな…
 どうやら、植木や柱に隠れて進むしかなさそうだ。
 打開策にしても、かなり危険。
192 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/13(月) 00:07:12.78 ID:AV5hZ2ZtO
>>191
「――――立派な城ね……あそこなら隠れられるかな」

ふと、視線を古城の方へ向ける――立派なものだ。かつての栄華が想像できる。
少なくとも、今はそんなものに見とれているような状況ではないが。

「うん、そうね……あそこならまだ安全そうだし」
「……でも見つからないように動かないと」

危険は伴うも、このまま日が暮れて怖い目に遭うよりは幾分かマシ。
――故に、深雪もアリスの意見には賛成である様子だ。

不幸中の幸いか、2人ともかなり小柄な部類に入る背丈。
何や彼や、隠れられる場所はそれなりにある――……かもしれない。
193 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/13(月) 00:15:25.34 ID:vFLGMSe90
>>192
 ―― かくして、対照的な二人の少女の冒険が始まった。

 「 さっ いくきましょミユキ。」

 姿勢を低くして、中腰の体勢で植木に紛れるアリス。
 これからどうなるのか、それはわからないが…少なくともスリルのある旅にはなるだろう。
 笑い話になるのか、それとも飛竜の腹に収まってしまうかは、今はまだわからない。


194 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/13(月) 21:07:31.75 ID:AV5hZ2ZtO
>>193
下手したら飛竜のおやつである。それだけは勘弁、といったところ。
ただただ、見つからないことを祈るばかりである。

「うん、見つからないように行かないと……」

アリスを追うように、深雪も慎重に、息を潜めて城への道を進んで行く。
――――時折、奴の佇む塔の方を植木やら茂みやらの隙間から覗きながら。
195 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/13(月) 22:27:43.01 ID:8r+I2ezi0
遠くのそら、廻る雲は慈雨の到来を告げる
限りなく透明に近い青の下、緑風が吹き抜け鳥が歌い花が踊る
昼と夜の連歌の世界、天使達の守護のたもと、果てなき初夏の続く昼側

「……なんっつーか、なんもねぇなぁここ……」

活気に溢れた町を行くアラズ
腰に帯びたブレードは、鎧と剣と盾を纏う冒険者が闊歩するこの世界ではさしたる異常性を見せはしない
どちらかと言えばマオカラー調のシャツとチノの方が珍しい仕立であると認識されるか

アラズの呟きに反して町は様々なモノが雑多と存在している
だがしかし、アラズの好奇をそそる刺激的な事柄が無いのだ
それはつまり、暴力だったり非道だったり……悪辣な感情の空虚さの実感である
獣人や、耳の尖ったエルフ、背の低いドワーフやホビットまでが人間社会に溶け込み共存に成功しているのだ
その楽園の中に殺伐性は一先ずは見えない

平穏を退屈と感じるアラズは肩を落としながらに中央道を歩く
左右にはオープンカフェめいた飲食店や、様々な食材を扱う八百屋果物屋肉屋魚屋なんでもござれ
そしてその奥、町の中心たる大教会までへと繋がっている
196 :澪【獣化】 :2015/04/13(月) 22:41:59.95 ID:ScbtctgAO
>>195
「……平和ってことじゃない……?」

その隣、並ぶようにして歩くのは普段と同じく黒のパーカーを羽織る澪。
昼の象徴たる陽光がやたらと眩しくて金の目を細める。
路地に伸びて奔る影法師はある意味では調和と穏和の表れか。
時折すれ違う、純粋なヒトではない彼らを束の間目で追ってすぐさま逸らす。
幾度となく目にしても、やはり他種族が共に寄り添って生きる様を見るのはどうにも慣れない。
だからだろう、被るフードを外す気にはどうしてもなれないのは。

「……で、どこ行く……?」

立ち並ぶ店に目を走らせ、その賑わいに平和の享受を垣間見る。
澪は争いを好む訳ではない、安穏とした通りに足取りもつい軽くなる。
なにをしようかと周囲を見回し、同行者へと今後を問うた。
197 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/13(月) 22:55:02.30 ID:8r+I2ezi0
>>196
「その平和っつーのが気に食わねぇ」
「なんっつーかなぁ、もっとこう、殺伐としてこそ生きてるっつーか……」

身振り手振り付きで説明を試みるが、こんな所でオリジナルの悪癖が出て上手くいかない
つまりアラズはニアのせいで説明が下手なのだ、少なくとも本人が嫌になる程には

「……あぁ?」
「あー、そうだなぁ、取り敢えず疲れたしあそこ入ろうぜ」

ともあれ普段はスプロールの裏路地でストリートギャングやヨタモノに紛れケミカルドラッグを嗜んでいるようなアラズにしてみれば、この世界は少々眩し過ぎるらしい
何処にと尋ねられ全く考えずに歩いてましたと本音を言えるはずもなく、ふと視界中央に鎮座する教会を指差した
澪の是非を問わず足速に踏み込むアラズ

大きな木製の扉は解放されており、中には数人が祈祷を捧げている様子が見える
そして更にその奥、神父であろう人物の背後には虹色の天使
否、陽光に輝くそれは大きなステンドグラスだ
七色のステンドグラス、美しくも勇ましい剣を携えた天使が描かれている

『……おや』
『旅のお方ですか、お嬢様方』

優し気な声で、早老の神父が2人に微笑み掛ける
198 :澪【獣化】 [sage]:2015/04/13(月) 23:17:04.58 ID:ScbtctgAO
>>197
「……なんとなく、分かるけど……」
「……私は、もっと自然が多い方が……」

澪とて伊達に世界を渡り続けてはいない、それなりに多くの人と触れ合ってきた。
その中には確かに平和を嫌い、悪辣に身を投じるのを生の喜びとする者もいた。
拙い説明に合点がいったように頷くが、そこに肯定の意はない。
生のための闘争は厭わないが、無用の相剋を好みはしないのだ。
それよりも澪が好くのはこうした栄えた街よりも、人の手の加えられていない自然の世界。
貨幣の概念すらもない、原始的な在り方を主観とする澪もまた相当な変わり者に位置するのだが。

「……えー…あそこ……?」
「……って…ちょっと……」

答えと共に示された先を一瞥、渋るように僅かに首を傾げて視線をアラズに向ける。
しかし残念ながら抗議の暇はない、さっさと扉をくぐる背を追って豪奢な建物の中へと。
神聖であり信仰の集う場での澪の足取りは重い、先程までよりも遅々とした歩みでアラズの半歩後ろを歩く。
外とはまた違う、ステンドグラスに染められた陽の光から逃れるように目を逸らした。

「……えっと…まあ……」
「……ここって、どういう……?」

話しかけられれば小さく肩を震わせ、それでも頷いてどうにか答えを返す。
本能的に苦手なのだ、神聖なモノやそれを信仰するモノ達が。
逃げるようにして建物内を見回し、少し落ち着いたのか今度はまっすぐと神父を見据えた。
199 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/13(月) 23:31:18.01 ID:8r+I2ezi0
>>198
「……充分多くね?」

とはアラズの好むスプロールと比べての一言である
あの世界と比べれば大半の世界は緑溢れる自然体となるであろう
因みにこの昼と夜の世界、町中はそれなりに発達しており中世ヨーロッパの風を漂わせている
石と木、そして鉄鋼が調和した町並み

澪の震えも梅雨知らず、おぉ、と荘厳な構造に溜息のアラズ
この辺りの造形に明るい訳ではないが、感受性として目を惹かれないはずもない

「……すげぇなぁ……」
「……?」

最もその、澪の不穏な様子に気が付けないまでに鈍感では無かったようでもあるが
それでも己の選択の失敗を悟るには、まだ未熟

『ここはご覧の通り、万人に開かれた教会です』
『太陽の天使様と、それとかの天使様が人々に与えたもうた聖火』
『私達はその守護のお陰で、日々の恵みに感謝し笑い合う事が出来るのです』
『……お嬢様方も、感謝や、旅のご無事をお祈りなさいませんか?』

ステンドグラスと、そしてその手前に灯されたシャンデリア風のロウソクの群れを示しつつ神父
アラズはそれを聞いているのかいないのか、澪に向ける表情には疑問

「……どした、具合でもよくねぇのか?」

そして小声で問い掛ける
200 :澪【獣化】 [sage]:2015/04/13(月) 23:51:36.63 ID:ScbtctgAO
>>199
神を崇め讃えるための場所は、少々澪との相性が悪かった。
気性や思想の問題ではない、生物としての本能による嫌悪がそこには存在していた。
自分から問いながらも、神父の演説の意味を解する事はない。
耳には届いているというのに、面白いように言葉が通り抜ける。
とはいえあからさまに表情に出しはしない、ただ僅かに顔が引き攣っているのだが。
適当な相槌を返しながら、知らずアラズのシャツの裾を縋るように掴んでいた。
振り向いたアラズと目を合わせる、金と赤の視線が七色の光を弾いた。

「……いや…そういうんじゃなくて……」
「……ちょっと、こういう場所が苦手なだけ……」

アラズに合わせて声を潜める、疑念の顔に向けるのは苦い笑み。
最もそれは、心配かけまいと作った急拵えの仮面なのだが。
201 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/14(火) 00:04:20.00 ID:dQCfR+Ga0
>>200
ステンドグラスの前に粛々と揺れる聖火
もしも澪に、神聖なる破邪の力を探知する感覚があるとすればそれから感じ取れるであろう
最も微弱なモノであり、更に言えばこの世界の悪辣に対しての破滅の力であり即座にその身に危険はないであろうが

「……なんだ、早く言えっての」
「サンキューおっさん、んじゃ、そー言ー事でっ」

『えぇ、いつでもいらっしゃって下さい』
『天使様は貴方方を見守っていらっしゃいますよ』

苦笑と、その奥底に隠せれた本心の残滓を見て取れば即座に、来た時の様に決断は早い
澪の手を取り踵を返し、神父に告げて神聖達とお別れだ

「……大丈夫か?」
「あー、そ、そしたら何か食おうぜ? 腹減ったし……」

な? と晴天の下で少し慌てた様子のアラズ
どうにも澪に嫌な思いをさせてしまったか、と不安な様子
奢るからさなんて気安く言いながら適当な飲食店を指差してみる

//時間的にそろそろ〆でいいでしょうか?
//ありがとうございましたっ、お疲れ様ですっ
202 :澪【獣化】 [sage]:2015/04/14(火) 00:26:37.15 ID:7k0kOmYpO
>>201
邪を寄せ付けない聖火が澪の身体に影響を及ぼすことはない。
ただねっとりと纏わりつくような不快感と嫌悪感のみを齎し、されど一笑に付すのは些か難しい。
意識から追い出そうとしても底にこびりつく、例えるならば死の恐怖に近い。
だからこそ、少々荒っぽいアラズの手が今はなによりの救いに見えた。
それこそ教会で崇められている、どことも知れぬカミサマよりは。

「……ぁ…その……」
「……おじゃましましたっ……」

手を引かれるままに扉へと向かい、真なる陽光の元に出でる前に神父へと振り返る。
会釈、そして挨拶だけを軽く済ませれば扉をくぐり、荘厳な教会に背を向けた。
内部よりは眩しい通り、それでも陽の光は安心感を与えてくれる。
ふう、と解放された喜びに小さく一息をついた。

「……大丈夫…ありがとね……」
「…いいの…?じゃあ、あれ…」

目を細めて小さく微笑む、表情を覆い包むものはなにもない。
機嫌を損ねた様子はない、どちらかといえばアラズに気を使わせた事を気に病んでいる模様。
しかし奢るとの一言を聞けば一転、急にいきいきと目を輝かせる。
示された飲食店に、今度は澪から手を引いて意気揚々と歩を進める。
信心の集う聖なる教会に、振り返ることは二度となかった。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたーっ
203 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 12:51:33.59 ID:RVauH8p40
「暑い…というより熱いぃ…」

【よたよたヨロヨロ陽炎の中を歩く影】
【活火山の火口付近であり、薄い空気と身を焦がす熱波が生命の存在を拒む】
【好き好んでこんな所にいる訳でもなく、ただ越境先が運悪くこの近くであったらしい】

「…なんか聞こえるし…早く涼しいところに…」

【グレイシャルの魔法で小さな氷塊を作り出すも直ぐに溶けて消えてしまう】
【火口に滾るマグマから蠢く様な音が響く】
【一刻も早くこの場からの離脱を試みてはいるが、ゴツゴツとした火山岩に阻まれてなかなか難しい】
【そんな姿を嘲笑うかの様に、鈍色の空に稲妻が走る】
204 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 13:23:44.40 ID:tb4JCXqwo
>>203
【鈍色の空を切り裂いた稲妻が火口に吸い込まれ、一際大きな轟音が熱した空気を揺らせばそれが合図となったかのように口を開けるゲート】
【そこから現れた黒い少女は稲妻を纏い、天の御使いの如くに仰々しい登場は予期せぬ越境であった為か】

な、なぁにここ……? あっつぅい……。

【火口からふらふらと飛び出す黒い影はまるで生き絶える寸前の羽虫のよう】
【肌を焼くような熱風を嫌い周囲をキョロキョロと見回すと、視界に入った一つの影】
【それなりの距離があり、はっきりと特徴までは確認できないが、どうやらヒトである事は間違いなさそうだ】

ねぇちょっと……アナタここのヒトぉ?
どうにかならないのぉ、これ……。

【無論どうにかできるわけもないが、土着のモノであればこの暑さを凌ぐ知識位は持っているのではないかという希望的観測】
【その希望はすぐに砕かれることになるのだが、ふらふらと空中よりビィに接近していくアグラーヤは未だそれを知らず】
205 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 13:38:28.70 ID:RVauH8p40
>>204
「ひゃっ!?」

【越境時に引き起こされる現象、それを客観視する機会はまだ少ない】
【今回も瞬時にそうであると見抜けず、何事かと慌てて身構える必要があった】

「…ひ、人…!?
 ど、どうにかって言われても…」

【神秘的な超常現象の申し子がやって来たのだろうかなんて考えるも一瞬】
【暑がっている様子から違いそうだと判断
ただやっぱり急な事で驚きは大きい】

「氷とか水、出すくらいしか…」

【若干の怯え混じり言い辛そうに】
【未だ火口に満ちる溶岩より聞こえる呻き声に似た音は消えていない】
206 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 13:58:52.84 ID:tb4JCXqwo
>>205
その格好、貴女も越境者って訳ねぇ……。

【ビィの格好明らかにこの環境に適応したものではない。それが確認できると着地した瞬間にがっくりと肩を落としため息ひとつ】
【しかし過酷な環境に身を置くこの状況、ひとりよりかは幾分マシかと顔を上げればビィの表情は何とも頼りなさそうなものである】

……別に怯えなくてもいいわぁ、とって食ったりはしないから。
私も貴女と同じ越境者、同じ幸か不幸か同じ境遇よぉ。
それにしても……さっきからなんなのよぉ耳障りなこの音は……?
火山では普通なのぉ、コレ?

【自分を警戒してか怯えるビィを宥めると、灼熱の火口へと視線をやった】
207 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 14:12:04.77 ID:RVauH8p40
>>206
「は、はいっ…」

【色素のない肌は白く、瞳も薄い赤が輝くのみ】
【何処か学校指定のブレザーを着ている恐らく学生であったのだろうビィ】

「ごめんなさいそれも…た、ただ、なんか嫌な感じだから早めにここから…
 …ひぇっ!?」

【離脱しよう、と提案するより前に】
【突然の横揺れと地鳴り、波打つマグマの表面】
【ボコボコと気泡が一層激しく湧いて、間違いなく何かが起ころうとしている】
【振動に驚いて尻餅をつくビィ、慌てて立ち上がろうとするが足が縺れてしまっていた】
208 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 14:33:39.79 ID:tb4JCXqwo
>>207
最悪のタイミングね……。
噴火だとしたらここは火口に近すぎるわぁ、さっさと逃げるわよぉ……ってちょっとぉ!?

【火口にやっていた視線をすかさずビィに移す。咄嗟の退避の合図のつもりであったのだがなんと彼女はその場に尻餅】
【越境して現れた場所が同じだっただけで特に絆もない。見捨ててひとりで飛んで逃げても良かったはずだが】

こんなところで座っていたらお尻が真っ赤になっちゃうわよぉ、このお馬鹿!

【しかめ面に舌打ちひとつ。直様ビィの元へと駆け寄り、拒否されなければその腕を掴み立ち上がる補助をするだろう】
【しかしなにぶんアグラーヤも非力である。格好良く片手でひょい、とはいかず両手で掴み思い切り引っ張るだろうが決してビィが重たい訳ではない】
【因みにアグラーヤの右腕は義手であるが、何か特殊な材質でできているらしいので熱伝導で火傷ということはないと思われる】
209 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 14:43:25.85 ID:RVauH8p40
>>208
「ご、ごめんなさ…いっ…」

【ぐいと腕を引かれ何とか立ち上がる】
【途中、その右腕の違和感に気付いたらしいが今はそれを問い掛ける場合ではない】
【フラリと一瞬よろけ、それでも無事持ち直せば背後の火口を確認】

「…な、何か…! 逃げましょう!」

【相変わらず地鳴りは収まる事はない、むしろその勢いを増している】
【どうやら噴火ではない、何か極めて異質な存在がマグマの中で蠢いているのだ】
【起き上がらせて貰った流れで掴んだアグラーヤの腕を引いて駆け出し、逃走を測る】
【直後、火口の中から赤銅色の皮膚を持つ巨大蛇…溶岩のワームが勢い良く飛び出した!】
210 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 15:03:34.26 ID:tb4JCXqwo
>>209
わわ……!?
ちょっ……待っ……!

【アグラーヤの腕を引き駆け出すビィ。戸惑いつつも必死に両足を回転させる】
【息をらしながらも背後からのしかかる不穏なプレッシャーに火口をちらり見やれば、猛るマグマとともに飛び出した巨大なワームが鎌首をもたげていた】

なんなのよぉ、アレはっ!?
噴火よりよっぽどタチが悪いじゃない……!!

【ビィに引かれるがままに必死に走るがなにぶんこの地形の悪さ、それに加えてアグラーヤ自身の身体能力の低さ】
【そこから導かれる答えはいたって簡潔、そして必定であった】

ふきゃっ!?

【まるで人の足を絡め取る為に存在するのかというほど手頃な大きさの岩に躓き、情けない悲鳴と共に前のめりに突っ伏すアグラーヤ】
【溶岩のワームがこちらふたりに対して敵対的な行動をとろうというのであれば格好の隙である】
211 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 15:16:11.46 ID:RVauH8p40
>>210
【自明の理として、己のテリトリーに侵入してきた存在を駆除もしくは捕食する為に溶岩のワームは蠢く】
【その体長は10mを越すだろう、溶岩の飛沫を散らしながら2人へと迫る】

「あっ!?」

【ビィが自分の判断の過ちに気が付いたのは、事態が展開を迎えた少し後だ】
【決定的に、致命的に遅れてしまった事は事実だが、しかし挽回する為に足掻く事が出来ない訳ではない】

「…す、ステイシスっ!!」

【その為の手段を、赤銅色の死神へと向けて水流として放つ】
【内擁する熱により瞬時に蒸発するも、一部は残りへばり付いて動きを阻害し始めた】
【鬱陶しそうに体を振り払い落とそうとするワーム】

「大丈夫ですかっ!?」

【ほぼ無理やりにらアグラーヤの手を取り引き起こそうと】
【それが叶えば再び逃走を始めようとするだろう】
【この時には既に、ワームは自由を取り戻して2人に向けて溶岩の体液を吐き出している頃だ】
212 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 16:15:05.59 ID:tb4JCXqwo
>>211
……本当にお馬鹿さんねぇ。
私に構わないでさっさと逃げちゃえばいいのに。

【ビィに引き起こされ、再び走り出すと悪態を吐く】
【しかし紡いだ言の葉とは裏腹にその表情はどこか嬉しげであった】
【ビィの一手はアグラーヤを引き起こす時間を稼いだが、同時にワームへも自由を与えており、逃走を再開したふたりに灼熱の体液が迫る】

火口付近の岩って大体ドロドロの溶岩が固まったものよねぇ……? だったら!

【磁力操作。地底の金属を含んだ溶岩石の操作はアグラーヤにとってそれほど難しいものではない】
【地面から形を変えてせり上がる岩石はワームの吐き出した体液からふたりを守る壁にならんと聳え立つ】

やっぱり逃げるのはヤメよぉ!
こんなでこぼこな場所で走って逃げるよりはあいつを黙らせたほうが早いのでなくて?
電気が効くかはわからないけどぉ……!

【岩石の壁がワームの体液を防ぎ、一瞬でも猶予が生まれたのならば、アグラーヤは走るのを止めてワームに相対するだろう】
【そしてワームへ翳された黒き右腕が蒼白の光を纏えばその刹那、雷撃の槍がワームへと迸る】

/すみません、電話きてしまいお待たせしました
213 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 16:24:55.65 ID:RVauH8p40
>>212
「で、出来る訳ないじゃないですかそんな事っ!
 …ひえぇぇっ!?」

【アグラーヤが立ち上がれば僅かな安堵、足を痛めたりの様子はなさそうだ】
【続き飛散する溶岩、防ぐ為にそり立つ岩石の壁】
【余りに異次元な光景に素っ頓狂な悲鳴を挙げるビィであるが、守られ結果は無事だった】

「だ、黙らせるって、倒すんですかぁ!?」

【あれを!?なんて思わずワームを2度見】
【そんな合間にアグラーヤはそれと相対、雷撃を放つ】

【低い唸り声、絶叫の咆哮】
【体の一部を雷槍に貫かれ、灼熱の血液を撒き散らすワーム】

「…あぁもうっ!ウォッシュ!!」

【意を決して踏み出し、頭部目掛けて強力な水流を放つ】
【ワームは衝撃にたじろぎ、水蒸気がその視界を覆う】
【雷と水の2段攻撃を浴び、デタラメに暴れる長大な体躯】
【一挙一動のたび、岩石が礫となって飛び散り2人へと襲い掛かって来る】
214 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 16:25:23.73 ID:RVauH8p40
>>212
/大丈夫です、お気になさらずー
215 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 16:48:15.13 ID:tb4JCXqwo
>>213
アレだって生き物なんだから叩けばその内黙るでしょぉ?

【雷撃に次いで放たれた水流がワームを捉え、赤熱の世界に白煙が立ち昇る】
【確かな手応え、ワームの暴れ方から確かなダメージが伺えるが】
【その巨大な体躯は意図したものでなくとも小さきものには脅威となり得るのだ】

ふぅん、できるじゃないのぉ。
……!? 危なっ……!!

【ふたりに飛来する岩石群。直撃しそうなもののみを磁力操作で跳ね除け、無数の電流を放ち粉砕する】
「この程度のものであれば防御することは容易い。それがふたり分であっても体力が続く限りは】
【しかしふたりの防御をまかないながら攻撃に転じることはアグラーヤであっても不可能だ】
【加えてこの環境、体力集中力がそれだけ保たせられるか】

アイツの攻撃は私が受けるから……その隙に貴女が叩きなさい!
もしくは……!

【ビィに向けられる真紅の双眸と一方的な指示は語気も強く、状況の切迫が伝わるだろう】
【次いでアグラーヤが睨むは上空の黒雲】
【豊富に帯電したあの雲もやりようによっては全てを貫く槍となろう】
216 :ビィ【青魔法】 [sage saga]:2015/04/14(火) 16:59:06.95 ID:RVauH8p40
>>215
「た、助かりますっ…!」

【目の前で爆ぜ、逸らされ、いなされる岩石片の数々】
【ワームは相変わらずうねり、凶暴に暴れ回っている】
【接近は不可能だろう、しかし2人共が遠距離手段を備えているのは不幸中の幸いと言えた】

「え、えぇと…逆の方がっ…
 私が防ぎますから、攻撃を…!」

「…グレイシャル!あと…エア!」

【逡巡、結論は攻守の逆転】
【元々ビィの魔法はどちらかと言えば防衛や妨害に優れているのだ】
【それを証明する様にふたつの魔法を唱えれば、焦熱の溶岩地帯に分厚い巨大な氷の岩壁が出現】
【更にカマイタチを纏う乱流が吹き荒れ、ワームが飛ばす火山弾を弾く】

【ワームの頭部周辺の水蒸気の霧は消え掛かっている】
【しかしまだ、もう少しだけの間は確かに存在し視界を覆っているのも事実】
【短い、それでも与えられた猶予は雷音と共に過ぎ行く】
217 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 17:34:48.16 ID:tb4JCXqwo
>>216
……なら、やらせてもらうわよぉ。
言っておくけど初体験だからぁ、責任なんて知らないわぁ!

【ビィに向けて微かに微笑むと、無責任な言葉を吐き捨てるように飛翔、稲妻を奔らせる鈍色の雲に突撃していった】
【ワームの視界が晴れるのも時間の問題だ。それにビィの防御壁が展開している間にケリをつけなければ】
【巻き添えを食らわせることはあってはならない。責任なんて知らないと言いつつも時間に猶予がないことは承知していた】

あっは、想像以上のエネルギーねぇ。モタついてたらこっちが千切れちゃうわぁ……!
これを私が帯電できれば……! 持ちなさいよぉ、私の身体と……。
あぁもう! 名前聞くの忘れたわぁ!!

【空気中から充電するように雷雲から電力を奪っていく。しかしそのエネルギー量は静電気の比ではない】
【悲鳴をあげる肉体を精神力で押さえ込み、ショートしない事を祈りながら充電を続ける】
【やがて雷雲はその暴力的な色を失い、内側から晴れ瓦解していく。その中心に姿を置くのはすでにボロボロとなったアグラーヤであった】

待たせたかしらぁ?
これでダメならもう知らないわぁ! 貴女がどうにかしなさぁい!!

【左腕を天高く掲げ、そして静かに降り下ろすとアグラーヤの周囲の空間が爆ぜたように電流が溢れ出す】
【迸る落雷にも似た崩雷は、眼下のワームを穿たんとする裁きの鎚か】
218 :ビィ【青魔法】 [sage saga]:2015/04/14(火) 17:50:15.27 ID:RVauH8p40
>>217
【雷鳴を纏い曇天を引き裂き降臨するその白い少女】
【グレイシャルの氷壁と、エアの嵐の壁に守られつつビィはただその圧倒的な存在感に惹かれていた】

「…うひゃぁっ!?」

【そんな合間に想像より早くワームの尾が迫り、ふたつの壁を容易く破壊し暴れる】
【なんとか弾き飛ばされるのは回避したが、危機的状況に変わりはない】

「い、いっけぇぇぇぇ!!!」

【思わず咆哮、ホワイトアウト】
【直前、稲妻の奔流がワームの体躯を覆い尽くしたのを確かに見た】

−−−−−

「…うわぁ、すっごいですねこれ…」

【身体中の煤を払い落としながら、横たわるワームの丸焼きを目を丸くして見ていた】
【マグマの中に住まうはずのその体を、アグラーヤの雷は焼き尽くしたのだ】
【雲は吹き飛ばされ、よく晴れた晴天が辺りを照らす】

【さてアグラーヤはどうなったのだろうか】
【それを確認すべく周囲を見渡し、発見次第駆け寄りお礼】
【ともあれ一難は退けたのだ、あとはのんびり下山すればいい】
219 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 18:21:47.16 ID:tb4JCXqwo
>>218
【それほど遠くない場所で少女の声が聞こえる。それなりに元気そうなことからどうやら間に合ったらしいことがわかる】
【アグラーヤはといえば地面に仰向けに横たわり晴天を仰いでいた】
【当然ながら衣服含め身体はボロボロだ。こちらに駆け寄るビィの姿を確認すればゆっくりと起き上がる】
【背中がヒリヒリするのは寝そべった大地の熱で火傷しているのだろう。鏡で確認することに恐怖を覚えながらもビィと顔を合わせた】

ふん、もっと有り難がりなさぁい?
私がいなければ貴女今頃ワームのお腹の中よぉ。
ま、まぁ……貴女も少しは役に立ってたと思うし……?
なんていうか……そ、その……。あり、がと……。

【ビィに礼の言葉を伝えられると思わず赤面、毒を吐きつつも小さな声で返礼を紡いだ】
【そして気恥ずかしくなったのかすぐにその場から飛び立とうとするも】

あ、あら……ショートしてる……?

【つまり自力、自らの足での下山を余儀なくされたということである】
【大きなため息とともにがっくりと肩を落とすアグラーヤ。しかしふと何かを思い出したように顔を上げビィを見、ぷいと背けて歩き出した】

アグラーヤ、私の名前。
先に言ってあげたんだからさっさと教えなさいよぉ……!

【どうにも馴れ合いというかこのような状況は気恥ずかしいらしく、面と向かっての自己紹介は苦手のようだ】
【上からの物言いなのは生来の性格によるものもあるのだが、ことこの瞬間においては照れ隠しの意味合いが強い】
220 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/14(火) 18:35:49.53 ID:RVauH8p40
>>219
「はい、助かりました…
 本当に、ありがとうございます」

【対して全くの素直さを持って大きく頭を下げるビィ】
【こちらはお陰でほとんどの怪我はなく、魔翌力を大きく使ったのみで元気な状態である】
【改めてワームの亡骸をチラリ、黒焦げの今見ても恐ろしい風貌である】

「い、いえ、私なんて何にも…と、とにかくお互いに無事だったんですし…」

「…あ、あれ?
 アグラーヤさん…あ、待って、私…えっと…ビィって呼んで下さい」

【アグラーヤからの感謝に照れ臭そうにだが満更でもない風ににへらにへらしていたが、気が付けば彼女は名乗りもう背中しか見えない】
【慌てて駆け寄りながら名を…無くした記憶の溝を埋める為の仮初めの物ではあるが…告げた】

「あ、怪我…治しましょうか?」

【足場の悪い岩道をひょいひょいと下る途中、回復魔法の使用の是非を問う】
【標高はそれ程高くない山だったらしい、太陽が頂点を示す頃には下山は完了するだろう】

/ここらで落ちます、ありがとうございました。お疲れ様でした、またよろしくお願いします!
221 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/14(火) 18:59:23.59 ID:tb4JCXqwo
>>220
じゃ、お願いするわぁ……ビィ?

【丁度今晩どういう体勢で眠ろうかと考えていたところ】
【これで憂のひとつはこの空のように晴れたということだ】
【しかしもうひとつ、捨て置けないものがある】

お願いついでにもうひとつ、山を下りたらこの服を新調したいんだけど……。
どうせ貴女暇そうだし勿論付き合ってくれるわよねぇ、ビィ?

【全く知らない世界。ひとりよりもふたりの方が色々と捗るのは明らかだ】
【足場の悪い斜面、多少難儀しそうな下山ルートであるがそれほど苦はないだろう】
【例え今この時間だけの関係だったとしても、確かにひとりではないのだから】
【もし次にどこか別の世界で出会ったとしても、立場が変わっていたとしても、同じ太陽が照らしてくれる事を願った】

/お疲れ様でしたー! こちらこそありがとうございましたっまたよろしくですぅ!
222 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/15(水) 22:07:59.78 ID:0mJ437woo
【サイバー世界:スプロール】

 デッカー…企業領域における治安維持権限を委託された組織・あるいはそれに属するエージェントの総称。
 インペリアルエンジニアリンク…イムカ・グリムナーが所属する銀河帝国のスプロール世界における出向組織。

 −−−−−−−−−

「20時間前、ワカミヤという企業連のエージェントが消息を絶った」

 カチグミハイウェイを全速で駆ける一台のクルマ。
 否、それをただのクルマと呼ぶのは恐らくは適切ではないだろう。
 威容を誇る鋼鉄のボディに地面をしっかりと捉える無限軌道。
 そして、その力強いパワーを余すことなく示すエンジン音。

【鎧われし鉄拳(アーマードフィスト)…K型兵員輸送戦闘車。イムカ・グリムナ−の愛車(?)である】

「この拉致をやらかした連中は反社会組織G・U。
 すでに多数のランナーがこの一件に足を突っ込んでいるようだが、
 現在のところ死傷者数のカウント増加にしか役に立っていない」

 車両は猛スピードで急カーブを曲がる。
 しかし、遠未来の慣性制御システムにより車内に強力な遠心力が襲い掛かることはない。

「このまま推移すれば企業が抹殺部隊を送りつけるのも時間の問題だ。
 エージェントの脳内素子のプロテクトが破られる前に何もかも灰に…とな。
 連中は手加減も遠慮も知らん。スプラップ区画ごと丸ごとだ。千人以上が死ぬ」

 強化ガラスに重金属酸性雨が降り注ぐ。黒い雨。相変わらずの不景気な天候。

「その前に解決させろ。デッカーとして。クライアントはそう仰せだ。何か質問は?」
223 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/15(水) 22:16:39.00 ID:QEgTaeHA0
>>222
「せんせー おやつはバナナに入りますか?」
姿勢を正し ビシリと手を真上に上げ 紡ぐ言葉は的外れ

「冗談はさておき 予想される敵勢力の規模を教えてくれ どうせヨタモノ狩りしてるトリップカチグミなんぞとは練度も装備もダンチなんだろ?」
打って変わり 姿勢を崩し 武器の点検をしながら 常識的な質問をする
224 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/15(水) 22:28:25.66 ID:0mJ437woo
>>223

「却下だ。栄養補助食品としてバナナはやや耐久度に問題がある。
 ウェストパックの中でつぶれてみろ。目も当てられん」

 ロイの糞戯けた言葉にも至極真面目に返答するイムカである。
 バナナはどうやらオヤツとしてどころか所持も認められないらしい。

「携行食品としてはカロリーメイトのココア味とエネルギーグリス(水の味しかしない完全栄養食)を支給する」

 味に意を解さぬイムカは極限状態における食事のありがたさをまるで理解していないのだ。
 むしろ、カロリーメイトがあるだけでも有情と言えるだろう。

「まず予測される敵装備だが大したことはないぞ?精々がブラックマーケットで手に入る小火器だ。
 脅威となるのはサイキックを使うのが数人混じっているくらいか。むしろ…」

 中空にホロ・ディスプレイが表示される。
 個人火器ではなく、分散配置された固定重火器。これがかなり念入りな火線を形成している。
 レーザー砲まで複数装備しているため、世界修正力を受けているK型兵員輸送戦闘車にとっても危険だ。

「施設そのものがより厄介だな。さっきもビーグルで突っ込んだランナー達が
 蜂の巣になってスクラップの仲間入りをしたよ。正面から突っ込むのは得策ではない」

 装甲車がカーブする。この先、ヘリポート。

「空中からのラベリング降下で一気に突入。派手に行くのがいいと思う。
 降下自体は経験があるのだったな。君なら問題はないだろう」

 そして、照明に照らされる一機のヘリが見えてきた。
 装甲に鎧われた高機動重武装の頼もしい姿。ボディに刻まれたCAPCOMの六文字がキラリと光る。

「――手配は済ませてある。さあ、乗れ」
225 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/15(水) 22:36:54.62 ID:QEgTaeHA0
>>224
「せんせー 個人的にはフルーツ味も捨てがたいです」
正直 完全栄養食があるのにカ○リーメイトもつけてくれるあたり イムカの食事に対する意識も若干改されたとみるべきか?

「なんでそんなトンデモ施設をとられたんだ阿呆共は・・・ったく やりますか やりましょうとも やらいでか?」
両のホホをピシャリと打ち 気合十分 ヘリポートに向かい

「あ ガスの元栓閉めたか確認してないや ちょっと確認してくる」
踵を返し 逃げようとする

――――しばらくお待ちください

「いやだー!! アレには乗りたくない― 俺の第六感(メタ情報)があれに乗るなと絶叫している―!!」
無理やり押し込まれるロイの図
226 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/15(水) 22:47:22.32 ID:0mJ437woo
>>225

「何で時折あんな風に絶叫するヤツがいるんだ?」

 イムカは頭上に?マークを点灯させる。
 周囲のスタッフもロイの様子にただただ首をかしげながら彼を押し込むばかりであった。
 ヘリはロイを載せたところで力強く飛び立つ。重武装により空からの支援は万全の状態。
 誰もが作戦の成功を確信する頼もしさであった。

【ピコーン(フラグ】

 −−−−−−−−−−−−

【戦闘詳報】

 デッカー権限により事件解決のため突入を開始。
 同日、武装ヘリが敵の対空ロケット砲の直撃を受けて墜落。
 全ての欺瞞機器を突破して命中したことからサイキックによる誘導があったと思われる。

 乗員は寸でで空中脱出を果たしたエージェント以外全員死亡。

 −−−−−−−−−−−−

≪そういうわけだ。当初予定していた空からの支援は全てがアウトだ。
 当初の正面作戦は変更。スニーキングミッションに移行する≫

 地面のドロをさらに穢す重金属酸性雨が降り注ぐ中、
 通信機(これが無い世界にとっては実際便利な技術だ)から、
 イムカの抑揚の無い声が漏れる。俗に言うプランBというヤツだ。

≪幸いに遮蔽物も多く、身を隠すのには不自由しないだろう≫

【→高高度よりの緊急脱出。現在のロイの状態は?】
227 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/15(水) 23:00:31.54 ID:QEgTaeHA0
>>226
《[ピーーー]ね》
仏頂面で通信を返す 嗚呼 このみょうちきりんな念話装置の扱いにもだいぶん慣れたものだ

ヘリが叩き落されたとき すんでのところでドアを蹴破り空中に飛び出した その際落下傘なる装置を忘れてきたがご心配なく
月閃歩行 空中を蹴って飛び跳ねる虎の子の技で無事に地面へとただいま

そして今は遮蔽物に身を隠し 辺りの警戒を行っている 前述のとおり 虎の子を失ったが五体満足 作戦行動に支障なし

「とりあえず 目標は工作員の救助だったっけ? んじゃまぁ行きますか」
抜き足差し足忍び足 周囲に気を配りつつ目的地を目指します
228 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/15(水) 23:13:04.50 ID:0mJ437woo
>>227

≪ああ、すまんな。無理をさせる≫

 全く悪びれてなさそうな声(抑揚が無さ過ぎて感情が読めない)で謝罪を口にするイムカ。
 どうやら負担を強いているという自覚はあるらしい。

【→それでも無理をさせねば区画が貧民ごと焼かれるのだ。撤退は許可できなかった】

 もっとも、まさかのヘリ墜落ではあったが、一応、僥倖めいたモノも無いわけではなかった。
 ロイの着地地点は相手が形成した火砲列の内側。すなわち、突入そのものは半分達成したといえる。 
 流石は信頼と実績のカプコンヘリである。ただでは転ばなかったようだ(ボー

 −−−−−−−−−−−

 ロイが接近を続けると隠れるのにちょうどいい瓦礫。
 そして側にはアサルトライフルで武装した兵士2人が哨戒を続けている。
 サーチライトは注意深く動き回り、ロイの位置の近辺も定期的に照らしだす。
 ともすればその圧倒的な光量で行動不能にせしめんとするかのようだ。

【→敵兵の数人は分隊を組んでヘリの墜落地点に急行している。
 現在、一時的にではあるが敵の数が減少しているとも言える】

≪ビーコンの反応があった。奥の建物にワカミヤは囚われている≫

 ロックリート製の四角い建物はロイから哨戒網を抜けて程近い位置である。
 堅牢で、おそらくは空爆にも耐えそうな巨大な巌のようだと形容すべきか?

【重金属酸性雨が足音を誤魔化してくれるだろう】
 【→ちなみにロイの現在の武装は?
  (ある程度はスニーキングスーツやら拳銃やらの近代機器を持ち込める(携行でき扱える範囲だが】
229 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/15(水) 23:27:46.96 ID:QEgTaeHA0
>>228
《あぁそうだな 無理でもしなきゃやってられん》
注意深く辺りを見回し 光が来るようならば余裕をもって瓦礫に身を隠す

なお今回は長柄のハルバートはオミットし 代わりにとある出来事で手に入れたアラズァヘッドの所有するブルームーンを携帯している
あとは特に変更なし 銃火器すら持っていない

「いっちょやってみっか・・・」
歩哨の頭の動き ライトがこちらを照らすタイミング それらを注意深く観察し 両方が瓦礫から遠ざかるタイミングで飛び出し 建物を目指す

歩哨に手を出さない 数的に不利であるし 首尾よく斃せても隠しきれるかが不明
さらに雨が足音を消してくれるのなら 無理に倒さなくても大丈夫だろうと判断した
230 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/15(水) 23:34:46.74 ID:0mJ437woo
>>229

 しとどと酸性雨が降り注ぐ中、ロイは交戦を可能な限り避けて、
 建物の入り口近くまで接近することに成功した。

【→建物入り口付近】

「………」

 一名の歩哨が建物の入り口で銃を構えながら張り付いている。
 ここの見張りを命じられたいるだろう。現在のところ離れる様子は無い。

【それでもずっと待てば交代のタイミングで隙が生まれるかもしれなかったが、
 何時間後になるか不明な上に、時間をかけすぎれば区画ごと焼却処分である】

 建物に進入行は他になし。入り口はただ一つである。

【→入り口付近は開けた場所であり、遮蔽物も殆ど無い】
 【→敵の装備はアサルトライフル、ナイフ、通信機(判定(観察):定期連絡の周期は5分に1回】
231 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/15(水) 23:37:23.00 ID:xiWnBei20

 >>194

 大きな木製の扉が、音を立てて閉じる。
 古城の居館の室内は、埃が積もってはいるものの広大な空間が広がっている
 中央には螺旋階段、その間の道には錆びついた儀礼鎧や調度品が立ち並ぶ。
 過去には数々の客人が招かれたのだろう、その頃の輝きはとうに消え失せているが。


 「ふわっ、埃っぽいわ…ここの”王様”はお掃除が苦手なのね。」

 
 埃の中に輝く金髪を揺らしながら、室内を見回す少女。
 名前はアリス・リンドリー。

 つい先程、庭先から隠れて進んだためか、いたるところに葉や草が張り付いている。
 仕方あるまい、招待状も持たずに踏み入れた事に、此処の城主はカンカンである。

 ライオンのようなワイバーン、その風を押しのけるような羽ばたきが今も聞こえるのだ。
 主の目を盗んで、この居館に辿り着いた二人であるが…深雪はもとより
 アリスの隠密性はひどいものだったと、もし深雪が常識的な感情を備えていたのなら
 なんど肝を冷やしたことか…と感じるだろう。
232 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/15(水) 23:43:55.77 ID:QEgTaeHA0
>>230
さて 入り口の歩哨を発見 しばらく観察していると 通信のタイミングは5分と判明

(通信に五分・・・異常を察知して人が集まってを含めても10分はないな)
それまでに工作員とやらを救出せねば スニーキングは終了 ドンパチしながらの逃避行になってしまうということだ

「まぁ・・・できるだけやってみますかね・・・」
歩哨の顔が向こうに逸れている間に瓦礫の陰から躍り出る ブルームーンを抜く

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速で接近 歩哨の胸を切っ先で貫こうとする
233 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/15(水) 23:55:08.22 ID:VoF9u5dxO
>>231
「本当、埃っぽい……」

バタンと閉じる大きな扉。2人は数十年――はたまた、数百年ぶりの来客であろう。
長年誰も掃除をしていなかった故に積もっただろう埃が、扉の起こす風圧で舞い上がる。
外部と此処とが分断されるのと同時に、深雪の全身を駆け巡る緊張感が一気に解けた気がした。

「はぁ……アリス、もう少し静かにしてって……」

深雪は草木にまみれたアリスの方を向く。ふと、自分も彼女と同じ状況でないかと思い、ぱっぱと自らの服を手で払う。
――幾度も、飛竜が怪訝な目つきで此方を向いた様子を深雪は見ていた。実際、ずっと背筋が凍りそうであった。
とはいえ、主≠ノ見つからずに入れたのは幸い。結果オーライ……といったところか。
234 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/15(水) 23:57:59.42 ID:0mJ437woo
>>232

 肉体の輪郭をぶらし、高速で動くロイ。
 周囲の雨音が一瞬消えて、そしてすぐに復活する。

【結果だけが残る。胸を貫かれ、絶息する歩哨という結果だけが】
 【→定連絡の直後を狙ったというカタチとなり、定期連絡リミットは5分となる】

 当然ながら、歩哨の体をまさぐれば、すぐにカードキーが見つかるだろう。
 それをスリットに差し込めば、堅牢なドアは開く。

【→ハイテックの産物であるが、ロイもいい加減この手の鍵は学んでいるだろうか?】
 【→苦手なままの場合、イムカのレクチャーが入るため時間ロスが発生】

 −−−−−−−−−

【建物内】

「…遅かったじゃないか」

 酷い拷問を受けたのだろう。身体中で無事な箇所が見当たらないボロボロの男が、
 潜入するロイを見るや、掠れた声を向けた。これが救助目標のワカミヤであろう。

【実際、肉体的拷問も精神のプロテクトを緩くして、脳内素子のデータを吸い出すには有効な手段だ】

 特に痛ましい箇所は足である。左足。膝より先が無い。無理矢理焼かれて止血された痕跡が見て取れた。
 これは当然ながら哀れむだけで済む問題ではない。自立歩行など当然ままならない。

【これだけでも状況は非常に悪い。そう考えてよかった。が、今回のロイにブッダはかなり皮肉な状況を用意していたらしい】

「………」「………」「………」

 ワカミヤが捉えられている牢屋。ロイの武器ならば鉄格子を切断するのは造作もないだろう。
 そして、牢屋は一つではなかった。向かいにもう一つの牢屋。そこには、子供が大量に押し込められていた。

「………」「………」「………」

 子供達にロイに対する怯えの色は瞳にだけあった。しかし、誰も声をあげたりはしない。
 無表情だ。戦場に慣れている者であれば、この表情には見覚えがあるだろう。
 奪いつくされ、精神を鈍化させねば生きていけなくなった子供の表情である。

【子供達は牢屋の隙間からロイに手を伸ばす。手には小さな宝石の欠片や記憶素子。
 このスクラップで従順で逆らう心配の無い人即として過酷な重労働に付かされている子供達。
 この所作は明白である。命乞いだ。ロイに対しての――】
235 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/16(木) 00:13:06.75 ID:W7GuT95n0
>>234
「・・・よし」

上手くいった 歩哨には悪いがここで寝ててもらおう 永遠に
さて例の薄っぺらい鍵を手に入れ 使い方は学べど まだ慣れてないのか ぎこちない手つきでスリットにキーを通す
一度裏表を間違えたのはご愛嬌

「とりあえず文句は捕まった過去の自分に言ってくれ しくじったのが悪いんだ」
剣で鉄格子を叩き切る がそのお向かいさん

手を伸ばし ネガティブしか覚えがなさそうな顔でこちらを見る目
そのうつろな顔は 嫌でも何があったかを思い起こすわけで

「・・・・・・」
彼らの目を見る この子供の救助は予定に入ってない 工作員を連れていけば仕事は終わり それだけだ それだけだが

(昔 上官殿に言われたな 俺は優秀だが 軍人としては心が暖か過ぎる だから士官学校に推薦はできない・・・と)
心の中で自嘲の笑み だが表の表情には出さず あくまでも冷徹に 子供たちに切っ先を向ける

「その薄汚ねぇ手をひっこめな 餓鬼ども」
そう忠告してから

「・・・ッ!!」
子供たちの鉄格子を叩き切る

「いいか 出会っちまった以上チャンスはやる だが生存率は多く見積もっても一割以下 それでもいいならついてこい!!」
工作員を担ぎ上げ ついてきた子供がいるのなら それを先導するように進む

《イムカ 予定外の荷物が増えた 工作員を助けたいなら足を用意しろ》
そしてイムカに通信を入れるのも忘れない
236 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/16(木) 00:13:42.97 ID:4e8CHvKf0
>>233


 「――わっ!この鎧すごいわ、綺麗な彫こk――!」

 もう少し静かにして ―― そう言った途端に、ぴょんぴょん跳ねながらこれである
 本人もすぐに気がついたのか、両手で口を覆う。

 「 まぁっごめんなさい!私ったら!…あらっ? 」
 
 再度、カナリアの様なソプラノが飛び出した後、大きく反響する「まぁっごめんなさい」
 再び口を覆うが、出て行った声は間に合わず…

 先ほどもそうだった…頭隠し尻隠さず、その逆もあった
 あとは髪と服が茨に引っかかり、わーきゃー騒いでいたり、数えればキリがない
 "主"に見つからなかったのは、ほぼ奇跡と言えるであろうと同時に
 おそらく深雪の中に、2つの解決すべき難題が浮かぶはずだ…
 
 1つは言うまでもない、この古城の主からいかにして逃れるか
 2つめ、目の前の(おそらくは)イギリス人

 埃っぽい中で跳ねまわったので、再度が舞う。
 居館も久しぶりの来客で喜んでいるのか、舞い上がった埃が窓から入った光でキラキラと輝く。
 来客とはといっても、城には似つかわしくないお転婆なのが一人混ざっているが…

 しかし、アリスが興味を示していた、儀礼用の鎧は確かに見事な彫刻だ
 手入れがされず、錆びついてはいるものの金装飾の部分は当時の輝きを未だに保っている。

 ―― もし、『 灼 熱 極 地 』 が熱源を読み取る能力も兼ね備えているのなら、かすかに熱源を感じる ――

 「 それにしても、綺麗ねぇ〜 どなたが作ったのかしら? 」

 ふらふらと他の鎧に近づくアリス、同じく熱源アリ。

237 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/16(木) 00:25:24.00 ID:pR/4zPapo
>>235

「………」「………」「………」

 鉄格子を切られた子供達はやはり無表情なままにロイについていく。
 瞳にだけ怯え。おそらくロイが口にした僅かな生存可能性など耳に入っていまい。
 付いて来いと言われたからついていく。骨の髄まで従属を叩き込まれた名残だ。

「アンタ、大馬鹿だな…」

 ロイのお節介に対して、ワカミヤは皮肉交じりの、
 しかし侮蔑の色の無い言葉を向けた。

「ロッカー…ガキ共の耐重金属コートがある。あけてやってくれ」

 そして、ロイの行動にこの工作員もまた同意した。
 イムカとの通信が繋がる。

≪対象の救助には成功したか?よくやった。が、潜入よりも戻るほうが難しい…なんだと?≫

 ロイの余計な荷物が増えた。と、言う言葉にイムカは察するところがあったらしい。
 そして、こうなった場合、イムカが出す決断は――

「…ああ、対象を確保した以上、何とかしてやる。そうすれば勝算はあるのだろうな?」

 無謀な賭けにはイムカも乗る。しかし僅かにも勝算が無い戦いであれば話は別である。
 言外にそう含んでいた。そして、一度、溜め息をつくと、

≪伍長、貴様がなんで伍長だったのか私にも合点がいったよ。下士官がお似合いだ。馬鹿め≫

 イムカにしては珍しく、本当に、珍しく苦笑交じりの笑みを浮かべているのだろうなと、
 そう察することの出来る声色でロイにそう告げるのであった。

//では12時も回ってますので〆といたしましょうず(レスして終わりでもここで終わりでもおkよー
238 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/16(木) 00:33:09.18 ID:m/8fsGW9O
>>236
「はぁ………………」

城内を縦横無尽に跳ね回り、その度に埃を巻き上げるアリス。
深雪が少し注意しても、舌の根の乾かぬうちにこの様である。何とも落ち着きが無い。
対照的?な性格である彼女はそれを暫くの間、溜息をつきながら見ていた。

「そんなにはしゃぐような物でも無いでしょ……」

深雪は鎧が立ち並ぶ方に歩いて行く。目的は当然、アリスを止める為。
流石にそんな僅かな熱源を感知……とまでは流石に行かなかった様子。
239 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/16(木) 00:35:47.77 ID:W7GuT95n0
>>237
「そう思うか?」
どっこいせとワカミヤを持ち上げ

「俺もそう思う★」
ニヤリと笑って見せた

「オイ餓鬼ども 急いでレインコートを着ろ 外に出るぞ」
ロッカーを開ければ そこには小さなレインコート

「あまりバカっていうなよ 下士官としちゃ優秀だったんだぜ 俺」

そして 想定外の荷物が増えたことで脱出が遅れ 潜入がばれ 壮絶な脱出劇が繰り広げられた
その途中で死んだ子供も少なくないし 助かった子供たちがこの先 明るい未来を迎えられるかと言われれば返答に困る

ひょっとしたら あの施設にいた方がマシな者も出てくるだろう
ならなぜ助けたのか? それは自己満足であり 偽善であり 軍人にあるまじき 内なる声に耳を傾けたからであった

//んではお疲れ様でした
240 :アリス・リンドリー [saga]:2015/04/16(木) 00:41:07.63 ID:4e8CHvKf0
>>238

 「 けど、この辺の彫刻とかすごく細かいわ 」

 鎧に指差しながら、深雪に振り向くアリス。
 大きな水色の瞳をくりくりとさせ、喜んでいる様子だ。
 
 目を大きくさせるのは深雪も同じだろう、アリスが目を離した鎧が――
 誰も入っていないはずの錆びた鎧が、金属音を響かせながら動き出し
 波打った刃を持つ両手剣を天高く構え
 いまにも、アリスの腕に振り下ろそうとしているのだから。

 「― ― あら?」

 金属音に気がついたアリスが鎧に目線を向けるも、すでに剣は振り下ろされる直前
 武器を構えていないアリスでは、対処は間に合わない――
 ――だが離れて見ていた深雪なら確実に、間に合う。
 能力を使うなり、もしくは蹴りとばしてもいいだろう。

//と、ここで〆です。此処で終わりでもレス返しで終わりでも大丈夫です。(鎧は確定で倒してOKです 中身は空)
241 :アラズァヘッド後期型 E.ブルームーン [sage]:2015/04/17(金) 22:12:52.52 ID:l2pdKew00
【スプロール、重金属雨の夜】

貪婪な悪魔の宝石箱めいたネオンライトが闇を照らす
光化学スモッグ雲から落ちる毒雨は止む気配を一向に見せない
専用の防具、或いは越境の理に守られぬモノは打たれれば即座に命を奪われてしまうだろう
そんな中を出歩く人間は少ないし、何よりこの工業地帯の倉庫群にはそもそもひと気がないのだ

「……っ、このっ……!」

そんな中、バトルアーマーに身を包んだ半機型のアラズァヘッドは苦戦を強いられていた
相手はニンジャだ、同じく科学アーマーで全身を覆ったニンジャ1人
異能性を持たぬはずの敵に、オリジナルより練成されたはずのディープメイカーが当たらない
また1本、シュリ・ダガーの投擲に触腕が斬り落とされた

242 :アラズァヘッド後期型 E.ブルームーン [sage]:2015/04/17(金) 22:37:19.36 ID:l2pdKew00
//導入を変えますので5分お待ち下さいっ
243 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン.対重金属アーマー [sage]:2015/04/17(金) 22:39:39.09 ID:l2pdKew00
【スプロール、重金属雨の夜】

貪婪な悪魔の宝石箱めいたネオンライトが闇を照らす
光化学スモッグ雲から落ちる毒雨は止む気配を一向に見せない
専用の防具、或いは越境の理に守られぬモノは打たれれば即座に命を奪われてしまうだろう
そんな中を出歩く人間は少ないし、何よりこの工業地帯の倉庫群にはそもそもひと気がないのだ

「……っ、このっ……!」

対重金属アーマーに身を包んだアラズはたじろいでいた
相手はニンジャだ、同じく科学アーマーで全身を覆ったニンジャ1人
異能性を持たぬはずの敵に、オリジナルより練成されたはずのディープメイカーが当たらない
また1本、シュリ・ダガーの投擲に触腕が斬り落とされた

「……ちょこまかとしゃらくせぇ野郎だなぁっ!」

サイバネ強化されたボディで機敏に、鋭く軌道を描くニンジャ
ディープメイカーとの相性は非常に悪いと言えるだろう
244 :アリスメア【至高の夢】 [sage saga]:2015/04/17(金) 22:40:19.65 ID:S9GRhOnpo
>>241
【重金属雨降りしきる混濁の闇の中】
【色数多の妖光から逃げてきたのかボロボロの傘を差し歩く少女がひとり】
【その傘が本来の役目を果たせているのかはわからないが、少女の抱えるぬいぐるみは濡れていない】

……音。何の音? 雨に混じった他の音、わからないけれど。

【雨音に混じる異音。その元へと辿り着けば特殊な格好をした人間が戦っていた】
【それを見ても特に驚くでも無く、別段変わった反応を見せなかった少女だが、一方が繰り出した触腕が切り落とされたのを見るとふいに動き出す】

困っているのねアナタ。でも大丈夫、私が助けてあげるから。

【穴の空いた傘。虚ろな瞳が覗いていたそこから突如荊が伸びる】
【その矛先は攻勢のニンジャ。触腕を切り落とすほどの斬れ味を見せたダガーだ】
【これが奇襲でないならば対処は容易いのだろうが果たして】
245 :アリスメア【至高の夢】 [sage saga]:2015/04/17(金) 22:43:35.91 ID:S9GRhOnpo
/おとと、でもこのままでおねがします
246 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン.対重金属アーマー [sage]:2015/04/17(金) 22:55:25.72 ID:l2pdKew00
>>244-245
「……な、なんだお前っ……!?」

突然の乱入は少女だ、この世界には絶対に存在しないであろう風を帯びた少女
その体から、眼孔から伸びる荊
それは狙い寸分無く飛翔するシュリ・ダガーを払い落としディープメイカーを救う

『……ムッ!』
『セヤァッ!!』

ニンジャ、アリスメアを睥睨、敵性判断
飛び退く動作と同時にシュリ・ダガー5本を投擲
三つ叉の刃、空と雨粒を斬り裂いて迫る
目視よりこの間僅か2秒!

//ご迷惑おかけしましたっ

247 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/17(金) 23:03:14.98 ID:ry4ZslBP0
>>246
きっかけは些細なこと
とあるビズで多量の子供を保護したこと

彼らが気になってチョイチョイ孤児院に顔を出していたこと
その帰りだったこと

ちょっと近道にと普段通らない道を通りがかったこと
そしたら戦闘音が聞こえてきたので様子を見に行ったこと

「アラズ・・・だったか? ・・・参ったな 知らん仲じゃないし」
この世界のニンジャは相手にするのが面倒くさい
なるべくなら敵に回したくなかったが 知り合いが攻撃されてるのではそうも言ってられない

「・・・ッ」
無言で抜いたのは いつぞや手に入れた ブルームーン
それをニンジャめがけ 思い切り投擲した
248 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン.対重金属アーマー [sage]:2015/04/17(金) 23:09:04.01 ID:l2pdKew00
>>247
『っ!……またもっ!?』
『ムゥッ、小賢しいっ!』

ニンジャからすれば全くの幸運であった
シュリ・ダガーをアリスメアに向けて投擲する挙動に後退が含まれていた為、スレスレでブルームーンの奇襲から実際身を守ったのだ

「……ロイっ……!?」
『てヤァァッ!!』

アラズにしてみれば更なる増援、それも己が正体を詳細に知る数少ない相手である
思わず名を呼び、それとニンジャがその強化された脚力で道路標識を蹴り飛ばしロイへと飛散させるのはほぼ同時であった

249 :アリスメア【至高の夢】 [sage saga]:2015/04/17(金) 23:18:33.78 ID:S9GRhOnpo
>>246
【飛来する5本のダガーに対して、自身の全身を隠すように開いた傘を前面に突き出すアリスメア】
【しかし所詮は傘だ、視覚効果以外に防御性能が期待できるわけもなく易々と全弾が傘を貫いた】
【アリスメアは動かず、そのまま水音とともに崩れ落ちるかと思われたが】

ふふ、人の物ってすぐ欲しくなっちゃうの。
そんな私は悪い子かしら? でもこれはいらないの、形が怖いもの。

【次の瞬間、アリスメアに突き刺さったかに思われたダガーが今度は内側から傘を破りニンジャへと向かう】
【傘のせいでニンジャからは見えないだろうがキャッチしたものを投げ返した訳ではない。アリスメアにそんな芸当は不可能だ】
【磁力操作をテレキネシスのように使いダガーを捕獲し反発力で発射したのだ】
250 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/17(金) 23:29:02.25 ID:ry4ZslBP0
>>248-249
知り合いのほかにもう1人いるがそっちはとりあえず無視 こちらに敵を向けてきていませんし

飛んできた標識に対し 背中のハンマーを振るい迎撃標識を壁に叩き付ける

「呪うなら知り合いを襲った自分を呪ってくれよっ!!」
けん制のために腰のサーベルを抜き これまた投擲 ハンマーを両手で握り 接近を試みる
251 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン.対重金属アーマー [sage]:2015/04/17(金) 23:35:01.73 ID:l2pdKew00
>>249
『……ヌッ!?』
『くっ……!』

右前腕部よりアドバンスカーボン・ヌンチャク分離、装備
一閃! アワヤでシュリ・ダガーを叩き落とすニンジャ
だが全てをそうする事は叶わない
元よりインプラントされた演算装置が反撃として無数のパターンを予測した中に、このケースが存在していなかったのだ

『アヤカシの術師でゴザルかっ……!?』
『……なればっ!』

右胸に突き刺さったシュリを左手で即座に抜いた
その所作と同時に放つは雨の中に光る爆竹である
傘の下に潜り込んで至近、連続し輝くそれで視界を眩ませつつシュリ・ダガーの一撃を的中させようと狙ったのだ

>>250
『チィッ……!』

必殺の牽制として放った標識はいとも簡単に呆気なく無力化された
更にサーベルが迫り、後に続く大本命のハンマーを構えたロイ
対してニンジャ、左手でシュリを投げ、右手にはヌンチャクを構えた格好であり態勢が悪い
咄嗟サーベルを上体を横に逸らして回避、ヌンチャクをロイの足元目掛けて投擲
ニンジャのインプラントされた演算装置は不利を悟り時間稼ぎを目的としたのだ

>>249-250
2人の援護の元にあり、しかしアラズは攻勢に出れない
理由は体に突き刺さったシュリ・ダガーの数々であり、荒い呼吸で壁に持たれる格好となっている
252 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/17(金) 23:54:29.54 ID:ry4ZslBP0
>>251
「オイオイ余裕がないなぁニンジャさんよ? それじゃニンジャの名は返上せねばならんなぁ!!」
口元に不敵な笑みを浮かべながらなおも接近 だがアラズの様子が大分ヤバいので早くケリをつけねば

足元を狙う投擲 当たれば鎖が巻き付き動きが阻害されるだろう
ならばと両手で構えたハンマーを前方に振り下ろす

それによりヌンチャクがハンマーに当たる もう一度持ち上げるのはタイムロスになるためにハンマーはその場に放置
武器ならまだある 今度は腰のスクラマサクスを抜き放ち なおも接近 接近がかなえば刺突による一撃を見舞うだろう
253 :アリスメア【至高の夢】 [sage saga]:2015/04/17(金) 23:57:31.20 ID:S9GRhOnpo
>>252
あら? あらあらあら?
アナタはだぁれ? どうして私の邪魔をするの?
あの方を助けて差し上げるのは私なのに……。
ふふふ、それもそうね。ズルいものね、2対1では。

【何を思ったのかアリスメア。傘を投げ捨てると、ニンジャへと接近を試みるロイに対して右手を翳す】
【その掌にバチっと音を立てて紫電が奔れば、そこから繰り出されたのは電撃だ】
【タメ時間はほとんど無い、直撃しようと一瞬硬直する程度のはずだ】

あははっ、これで2対2でしょう?
仲間外れは良くないわっ!

【傘を投げ捨てたことで露わになったその表情】
【この状況においては実に気味の悪い、金色の瞳を見開き満面の笑みを貼り付けていた】

>>251
【アリスメアの意識はロイへとふらり】
【傘を投げ捨てたことで爆竹が死角に入ることはなくなったが、そもそも投げつけられた事に気づいていない】

きゃっ……!?

【突然の閃光に上がる悲鳴、次いで鋭い痛みが肩口に突き刺さる】
【何が起こったかわからない、といった表情をニンジャへと向けるもすぐに感づいたように笑顔を見せる】

ふふ、大丈夫よアナタ。私がちゃぁんと守ってあげるから。

【不可解すぎる行動。ニンジャと敵対したかと思えば急に掌を返したのだ】
【心理戦を仕掛けているようにも見えないだろう。その異常性にニンジャの対応は】
254 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン.対重金属アーマー [sage]:2015/04/18(土) 00:13:51.03 ID:g+XB+Se90
>>252
『何ィッ!? ……ぐっ!!』

ヌンチャクを、全くの予想外の方法で防ぐロイの姿が迫る
それはほぼ勢いを削ぐ事も叶わずにいた為、刺突はニンジャの心臓近くを穿つ格好となった
横薙ぎにされるより素早く、鮮血の軌跡を描きつつも咄嗟バックステップを踏み刃から逃れられたのは重畳だ

>>253
『……っ、ぬぅ……??』

胸から血を溢れさせつつも逡巡、事態の理解に脳を及ぼさんとしているが上手くはいかぬ模様

『……不要! 女子供に守られる賽印流ではゴザらぬっ!』

故に返答は、ニンジャの彼としての本能的な判断に委ねられた結果となった
守られるより、独力で切り抜ける事を選んだのだ

>>252-253
『……くっ、この場は……っ!』

アーマー各所のハッチ展開、エンマク・ディスチャージャー作動
烏賊墨色の、電波欺瞞性能を持つ粘り着くような黒煙が噴射され周囲の闇を一層深く濃く染めていく

ニンジャの逃走術であろう事は明らかだ、煙の晴れる数秒の後にはニンジャの姿は消えているはずである

「……くそ、なんだってんだよ、あのクソニンジャ野郎……」
「……お、おい、お前等……怪我人放って何やってやが、る……」

毒雨に打たれながらビル壁に持たれていたアラズであるが、遂に尻餅を付く格好となった
脚元の、汚泥水溜りに澱む朱色の量から失血性の虚弱であろう
255 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 00:22:08.42 ID:hHaRGajU0
>>253-254
ニンジャの胸を抉る が浅い
逃げるニンジャに追撃を・・・

その一撃を察知できたのは 女がこちらに語り掛けてくる言葉
明らかに歓迎していない 注意を女の方にも向けていると こちらに手をかざしているではないか

「ッぐう!!?」
反応する前に紫電が体を這い回った 一瞬の痺れと痛み

「てめぇ・・・!!」
怒りの形相を女に向ける が事態は混迷というに値する

アラズは失血で気を失いかけているし あの女はよくわからんがこちらを敵視している
おまけに不意打ちで電撃してくる相手を許すほどやさしい性格をしていないのだ

女と切った張ったしていればアラズが死ぬ 女に一撃を与えられないのは腹が立つが この女がアラズを助ける という言葉を信じるほかない

「・・・・・・」
油断なくスクラマサクスの切っ先を向けつつ辺りに散らばった装備をかき集め この場を離れようとする
追撃が来たら? その時考えよう
256 :アリスメア【至高の夢】 [sage saga]:2015/04/18(土) 00:40:16.86 ID:zOGKYDqNo
>>254
>>255
あら? 折角お友達ができると思いましたのにぃー……。
うーん、残念ですけど無理強いは良くないもの。

【ニンジャにが黒い霧に包まれてゆく中、特に何をすることもなく残念そうに呟く】
【周囲に満ちる深い闇の中、輝く金色の双眸は既にアラズを見つめていた】

それに……お友達ならこっちにもいるもの。
ふふふ、やだ怖いわ。
怖いわ怖いわ怖いわ。そんなに敵意を向けられるのは私怖いわ。

【霧の晴れた後ニンジャの姿はもうここにはない】
【またも貼り付けたような笑顔でロイの敵意をかわすとアラズを一瞥】
【すると顔から笑顔は消え去り、まるで興味を失ったようにそっぽをむいてしまう】

……でももう壊れてしまいそう。
壊れてしまったらお友達になれないもの、いらないわ。

【未だ張り詰めたロイへ再び視線を戻すとにこりと微笑み軽く手を振り背を向ける】
【アリスメアが自ずと振り返る事は無いだろう。ロイの眼に映るその背は実に無防備に見えるはずで、事実攻撃を加えられても反応はできないだろう】
257 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 00:46:25.07 ID:hHaRGajU0
>>256
気味が悪い まるで支離滅裂ではないか
おまけにアラズへの興味が薄れたのか その場に捨て置いてどこぞへ去ろうとしている

「気でも触れたか? 、末恐ろしい・・・」
あの女への怒りは消え失せ 背中にうすら寒い感情を覚える あまり関わらない方がよさそうだ

「チッ・・・おいアラズ ちゃんと生きてるか?」
とにかく今はアラズの身が心配だ 肩を貸し 信頼のおける闇医者のところに運ぶだろう

//ではこれにてノシ おつかれーしたー
258 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン.対重金属アーマー [sage]:2015/04/18(土) 00:50:10.46 ID:g+XB+Se90
>>255
>>257
「悪りぃ、な、助かっ、た、ぜ……」
「……多分、な……」

アラズの、彼女らしからぬ感謝の言葉
衰弱した体は精神までも蝕み、アラズを普段よりも弱気にしおらしく変えていたのだ

矛を納めたその理由を察する事が出来ぬまでに、頭がボヤけていれば逆に良かったと考える
そうであれば彼に対しての大きな恩を自覚する事はなかったのだから

しかし現実として否であるが故、次の再会時には美味い酒でも奢る必要があるなとこんな状況下で内心苦笑
その為にも、今ここで朽ち果てる訳にはいかない

肩に担がれ、血痕を残して医者の元へと運ばれる事になった

>>256
「……誰が、壊れるって……?」
「はなっから、壊れてるような……口振りしやがって……」

言葉面と裏腹に、脂汗とそして苦笑が浮かぶ
ニンジャの攻撃の盾となった恩人なのだ、感謝以外の感情を持ち得るのは憚られる
だがしかし突如としてロイへと牙を剥いた事実や、一瞬だけ見せた笑顔からの表情の変化
極めて不安定な爆弾を前にしたような怖気を抱き、その背を見送る


//これで〆でお願いしますっ
//色々すみませんでした…猛反省っ
//また宜しくお願いします、お疲れ様でしたっ
259 :アリスメア【至高の夢】 [sage saga]:2015/04/18(土) 01:19:17.37 ID:zOGKYDqNo
>>257
>>258
【ふたりに背を向けその場を去った後、特に行く宛てもなく毒雨に打たれながら街を彷徨う】
【重金属の雨を浴びる肌は徐々に醜く爛れてゆくが、そんなことは気にならぬのか満足げな表情で闇天を仰ぐ 】
【眼球を打つ水滴が視界の妖光をぼやかせ、世界を気味悪く染め上げる中弛む口元】

どうして彼は怒っていたのかしら?
きっと本物の人間だからでしょう。それがわからない私はまだ本物にはなれないのだわ。
でも彼の敵意を受けた時、少し胸が痛かった……。
ふふふ、これが人間の感情かしら。あぁ、嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しいわ。
……もっと感情が欲しいわ。数多の感情を受ければきっと……!

【自身に向けられた感情、その根本の理由はわからない】
【理解できぬまま求め続けるのだろう。それが一方的であろうとも】
【彼女にはそれしかできないのだから。届かぬと知ることもなく、壊れてしまうその日まで】
【いつわりの希望を宿したその瞳、雨により歪んだ世界はこれまでよりも綺麗に見えた】

/どもありがとございましたっ
/お疲れ様でした
260 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 21:55:29.23 ID:hHaRGajU0
【とある中世ファンタジー世界】

石造りの町から近すぎず さりとて遠すぎることもない 古き森と清き小川のすぐ近くの平地
地面には柔らかな芝が自生しており 転げ回っても痛手は少ない 更に森からは手ごろな大きさの木材も比較的容易に手に入るほか 日陰という恩恵ももたらしてくれる

小川は魚や小さなカニが戯れる清流 そのまま飲んでも腹を下すことはないだろう

つまりここは 絶好のトレーニングスペースである

「・・・・・・・・・・」
そんな場所にこの男はいた とある切っ掛けにより新しい武器を手に入れた ブルームーンと呼ばれる青い剣
手に入れた武器を自らの手足とするためにここ数日 この場に寝泊まりし鍛錬を続けていた

(切れ味はいい 薄刃で肉を切り裂く剣だ・・・ならば使い方は・・・!!)
目の前には腕ほどの太さの枝 振りかぶる 

「・・・・こうだ!!」
振り下ろす その時留意すべき点は 引きながら切ること 一閃は枝をさしたる抵抗もなく二つに断ってみせた

「・・・うん」
ブルームーンを見る 刃こぼれもしていない 満足のいく一手に頷いた

さて そんな鍛錬にうってつけな平地 他に誰かが己を磨かんとしているだろうか?
261 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/18(土) 22:06:55.22 ID:g+XB+Se90
>>260
「……意外っちゃ失礼だけどさ」

上下逆さまになった視界に捉えるロイの姿
ひょいと一転、小さく跳び上がり両脚の膝でぶら下がっていた木の枝に着地

「真面目なんだね、朴念仁タイプじゃないからてっきり……」

やや高い位置から見下ろす格好となった七八
苦笑で続きを誤魔化してはいるが、まぁちょっぴり無礼な感じの事になってしまうのだろう

「組手的な鍛錬は、予定に入ってたり? ……よっと」

ひらりと、梟の羽撃き程も音を漏らさぬ着地
手には愛用の忍者刀が握られていた
修練の虫という訳ではないが、だが熱心なそれを見ておきながら燃え上がるモノがない程にドライでもない
早い話、ロイの熱気に当てられたのだろう

「ひとつさ、稽古つけてよ」

頼む立場とは思えない不敵な笑み
小刀を構えて対峙、風が草叢を揺らして小川に波を立てた
262 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 22:22:10.51 ID:hHaRGajU0
>>261
「あぁ失礼なやっちゃな」
姿勢を崩し 軽くジト目を送る

「これでも軍属の出なもんでな 締めるところはちゃんと締めるさ」
さて 組手と言われれば快諾 そろそろ実践的な動きに入ってもいい頃だ

「本身を使うがガチになるなよ?」
長柄など 他の武器はオミット 握る武器はブルームンのみ

軽く腰を落とし 体は半身 切っ先は相手の中心線へ向け準備万端

「それじゃやるか」
その言葉が 戦いのゴングとなった
263 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/18(土) 22:31:43.47 ID:g+XB+Se90
>>262
「……素直なのが売りなのさ」

ジト目には無論お得意の苦笑
誤魔化す事には長けているつもりだ、そうでなければ受け流す事にも

「へぇ、そうだったんだ? どーりで……」

何度かの戦闘を共にした中でその剣筋や体捌きを見たが、
改めて観察したそれは長い研磨製錬の末の宝玉だと理解した
これでも忍者の家系の末端である、それ位は読み取れる

「勿論っ」
「……宜しくね」

低い低い姿勢での突進、風切り音のみで草は鳴かない
数歩を駆け抜けた際に左右へと重心を揺らす
狙いを一定に絞らせぬ為の、特有の走法
一気に、ロイから見て右に弧を描き回り込みを狙いつつ小刀の峰での打撃を放たんと振るう
264 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 22:45:01.88 ID:hHaRGajU0
>>263
「あぁ 子供は素直がいちばんだ」
その苦笑にはあきれたような笑みで返した

さて戦闘である 動きを見ればなるほど ニンジャというのは厄介な戦い方をする
揺れることで初動を隠し一気に切りつけてくる

「フン・・・ッ!!」

腕を小さく振りかぶり 斜め上から四五六の剣を狙って斜め下へと振り下ろす
上から剣を叩き 軌道をずらして一撃を回避

「セイッ!!」
すぐさま手首を返し 四五六の胸辺りを狙い 峰打ちの一撃を右から左へ一文字に振りぬこうとする
265 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/18(土) 22:54:06.04 ID:g+XB+Se90
>>264
「子供扱いするなしっ!」
「……っ、くっ……!」

がきん、牧歌的風景に響く金属音
蒼月が弓張の軌跡を描き紫夜嵐を阻む
咄嗟同調、握る力を緩めて体ごと衝撃に持って行かれるのを防いだ
それと同時に体を逸らせば打撃を躱し……切れない、左上腕に鈍い痛み

「……てぇっ!!」

当然手放してしまった小刀
代わって反撃を振るうのは下段水面回し蹴り
草を刈りつつ地を這う蛇の如き勢いで迫る
266 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 23:12:38.47 ID:hHaRGajU0
>>265
攻撃があたる が浅い ゆえに即座な対応を許してしまう
正確にこちらの足を捉える水面切り こらえるか? いやこらえて止まる一撃じゃない

スパンと小気味よい音と共に払われる片足 重心が崩れ 体が地面へと落ちる
なのでこの場は崩れた体を正すことに全力を注ぐ

体を丸め 払われなかった足で地面を蹴り勢いをつけて後回
尻 腰 背中 後頭部と地面と接する場所を変えながら距離をとり 腕の力を使って立ち上がる

「流石に体術は見事の一言だな やるじゃない」
更にバックステップで距離を開け 仕切り直しは図る
267 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/18(土) 23:24:46.59 ID:g+XB+Se90
>>266
「……マジっ?」

思わず引き攣った笑いが浮かんでしまうのを禁じ得ない
それは強者との邂逅に於ける、闘争本能がさせる所作だ
相対して始めて感じる、歴戦の勇士の一挙一動

「お褒めに預かり光栄だね」
「……でもまぁ、」

蹴り抜いた格好から同じく飛び退く
いつの間にやら手には忍者刀が再び握られていた

「……負けるつもりなんてこれっぽっちもっ!!」

左腕が痺れる、しばらくは少なくともこの戦闘中は使い物にならないだろう
元より持久力では不利は明らか、ならば短期決戦に尚更賭ける必要があった

再度、先程と同じ重心を揺らす走法で駆ける
が、所々で実際に左右に小さなステップを入れている
その割直進の速度がほとんど落ちていないのは修練の成せる技だ

「……て、ヤァァァァァっっ!!!」

そのスピードを維持したまま駆け抜け、
すれ違い様に速度を乗せた峰打ちの一閃を煌めかせんと振るう
遅れて風が追従、草花がこうべを垂れる
268 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/18(土) 23:43:33.90 ID:hHaRGajU0
>>267
「そりゃそうだよな!!」
負けるつもりで挑むのは阿呆のすること やるからにゃ勝たねば

刀を握る手に注目 先ほど撃った個所から ダメージを受けたのは左腕
どうやら腕一本封じたのだろうと推測

そして四五六が接近してくる いや その姿が微妙にぶれる
今は判断がつかぬが何かの術でこちらんお視界と思考を惑わしているのだろう

ならばこちらも一つ 術をもって対抗しよう それも虎の子のヤツを

最接近 疾走 刃の煌めきを大きく跳躍して回避 次の瞬間

「月閃歩行!!」
それは 空気を蹴るという非常識な空中移動法

放物線も重力も 一切を超越した軌道で四五六へと接近 ブルームーンは 使わない
体当たり・・・というか のしかかるように 上から四五六を強襲する
269 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/18(土) 23:51:46.16 ID:g+XB+Se90
>>268
「……えっ!?」
「……ひゃぁっ!!」

数多の異能者と戦い生き延びている七八は、それでも無能力者の人間である
ただ普通と異なるのは、生き残る為の術や戦闘術、ある種命運の類に恵まれている点だ
何が言いたいのかといえば、即ち七八はロイのその常軌を逸した機動に対応し切れなかった

邂逅、すれ違い、手応えはない
咄嗟振り返り反撃に備える、だが既に一手遅い
ロイの、回避から反撃へのアクセスは七八が想定出来る範囲を遥かに超えた速度で行われたのだ

「……」
「……むぅ、マイリマシタ……」

押し倒された格好となり、下敷きで降参を告げる
少しの後、衝撃に舞った忍者刀が草原に突き刺さってさくりと小気味よい音を立てた

//こんな感じで〆でいいでしょうかっ
//お相手ありがとうございました、また宜しくお願いしますっ
270 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/19(日) 23:19:28.78 ID:30w/koIZo
【近未来世界:スプロール】

 現在、このスプロールではちょっとしたウワサがランナーやヨタモノの間で囁かれている。
 曰く、とある天才科学者の遺産データベースが流出。
 それは実際、手に入れれば多額のマネーを呼び込む芳醇な香りを放っていると。

 −−−−−−−−−

【インペリアル・エンジニアリンク…(デッカー権限付与企業)】

 イムカ・グリムナーの所属するこの企業(実際はスプロールにおける銀河帝国出向機関)は、
 イムカ自身の越境者に対する人脈なり何かなりがあることもあったり、
 デッカー(刑事)権限があるため、ある種の社会的正義(モラル重視)を重点におく事もあったりで、
 それなりに越境者のスプロールにおける仕事斡旋屋の側面を持つに到っている。

「と、まあ、そんなアホなウワサが流れているわけなんだが」

 そしてここはそんなインペリアルエンジニアリンク所有のコンテナハウス。
 殺風景なコンテナハウスの内部に遠未来のホログラフ技術をかぶせる≠アとで、
 高級ホテルのような内装から、ニッポンの旅館のような風情まで好きなときに内装を変えられる、
 実際に評判のよろしい落ち着き先として機能する。なお、イムカを手伝えば宿泊費はタダだ。

【くぐもった声が水音と共に耳に届くだろう。実際、今、イムカはシャワー中】
 【→現在の内装はグランドホテルの一室。テーブルにはデータモジュールやらカロリースティックやらサケやらスシやら】
271 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/19(日) 23:29:45.69 ID:vyvB1+LmO
>>270
「全くもって、なんと言いますか……」
「……ただ、イムカ様からその手の話を拝聴すると言う事は」

その信憑性に欠ける噂話を苦笑で迎える半人
だがしかし、今それを話す彼女の口は酒場で飲んだくれている初老達の与太とは比べ物にならない程に半人に事情的リアルを感じさせるのだ
即ち、その少なくとも半人には信憑性を感じぬ風の噂は、既に何らかの厄介ごとに発展しているのであろう

以前イムカにより与えられた権限と、それとセーフハウスを持つ半人
スプロールでの滞在時に困ることはだいぶ減り、客引きくらいなモノだ
科学的な配合の賜物たろう寿司をフォークで突き刺し、口に運ぶ

「……うーん、どうなんです? 実際」

272 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/19(日) 23:32:59.15 ID:ZBelYzLLO
>>270
何度目かも分からないこのスプロールへの越境――……そして、何だかんだあってこの女と再会したのである。
黒髪の少女――深雪は、高級ホテルのように煌びやかな室内のベッドにでも腰掛けていた。

「何と言うのか、ちょっと怪しいけど……」
「……どれぐらい信じられる情報なの?」

シャワー室の方へと顔を向け、中にいるイムカへと言葉を返した。
深雪は半信半疑といった所。とんだデマ、という可能性も否定できない。
おまけに此処はスプロール。情報の渦の中には嘘が五万と蔓延しているであろう――という深雪の考え。
彼女の中での信憑性はグッと下がるものだ。
273 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/19(日) 23:49:28.85 ID:30w/koIZo
>>271-272

 実際、タェンティースが食しているのは、
 合成魚粉末に魚介エキスを加えたニューフードでありケミカルな代物ではある。
 が、それでも舌はアレだが健康志向なイムカが出すものなだけに栄養価は比較的高い。

【洋風なホテルの一室にスシとサケというのは奇妙な組み合わせではあったが】
 【→そもスシをフォークで食べる半人というのも組み合わせとしてはシュール】

 また、深雪がこしかけるベッドは身体が適度に沈み、包まれるようなフカフカ。
 まさに高級素材然としているが、実際はこれはホログラフィが作り出す虚像に過ぎない。

【固定化可能なホログラフ。この技術は現在、スプロールにも本来は存在しない】
 【→イムカの故郷(終焉の遠未来)の技術なのだ】


「ああ、情報の精度か?、んっ…」

 水音が止んでから少し時間を置くとガチャリとシャワー室の扉が開く。
 白磁の肌はやや赤みを帯び、濡れた金色の髪が部屋の照明を反射して光沢を放つ。
 そして、バスローブに包まれたバストは豊満であった。
 モデルであると言われれば信じてしまいそうな、ようするにいつものイムカだ。

「カネの匂いがどうとかいうアウトローの主張はともかく、
 実際に分散化した情報を辿ると、な。ただの与太話と割り切るには少しアブナイ気配もするんだ」

 コップに冷凍庫から取り出したスピリタスをなみなみと注ぎ、ライムを搾るイムカ。
 そのアルコール度数は殺人的であった。

【イムカがコムリンク(端末デバイス)を弄ると、このウワサ話≠ノ関しての情報ウィンドウが大量に出現する】
 【→大概が不発。精々が外れの腹立ち紛れに放火、何故か銀行襲撃という頭を抱えたくなる事例に発展しているくらいだが】

 しかし、で、ある。精査していくうちに何処かの段階でかならずぶつかる壁。情報封鎖の痕跡。
 そこをまた辿り、また途切れ、あるいは別の情報を情報が矛盾したり、ループしたり、

【自然発生的な与太話にしては、やや作為的な痕跡が出来ているとイムカのチェックリスト】
 【→そしてどうも最終的にはウロボロスのエンブレム。カノッサの気配が見え隠れ】
274 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/20(月) 00:01:22.68 ID:w3iR/s0E0
>>272-273
「……どう考えても、怪しいですしねぇ」

咀嚼を終えて飲み込み、深雪の言葉に頷いた
科学的合成物質の味、だが舌ももう慣れている

バスローブに身を包む艶姿、思わずしばし見惚れ慌てて視線をスシに落とす
グリーンティ風味の熱いナニカを啜る、苦いだけのしかし確実に栄養価の高い味

「……ふむ」
「……研磨して、一定の鋭さに尖った部分だけを削ぎ落としてるような……」
「スライスされた剣山を見ている気分です」

天然自然では起こり得ないであろう奇怪なループ、或いは誂われた終着点
これらをこうして俯瞰的に眺めればなるほど疑わぬ訳にはいかないだろう
ただし主観で気が付けるかと言われれば微妙だ、そんな絶妙なさじ加減

「……蛇、ですかこれ?」

やがて姿見せる蛇、朧げに浮かぶ幻影
だが半人がその真に気付くのは、まだの様子
275 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/20(月) 00:08:32.66 ID:yym3L2i7O
>>273>>274
ふぅ、と溜息をつきながら、深雪は仰向けにベッドへと身を預け――
しばらくしてイムカが端末を弄り始める様子を見れば、身体を起こし、動き出した。
ついでにタェンティースがつまんでいた寿司を1つ頂こうと手を伸ばす。

「……なら、ある程度の信頼性は……」
「それで、イムカさんは……信じてるの?」

ややこしい。彼方で何ぞ言われていれるかと思えば、此方ではそれと真逆のことが言われる。
イムカ程に情報関連に長けているとは言えない深雪は、画面を流れて行く文字をぼうっと読んでいた。
――しかし、出鱈目にしてはよく出来ている……という気もまあ、しないことはない。
276 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/20(月) 00:32:12.03 ID:JgTLuHj5o
>>274

 タェンティースが啜っているのは合成マッチャである。もちろん栄養価を重点。
 なお、イムカは所謂ファーストフードはあまり好まないらしい。
 味はどうでもいいが栄養価的に非常によくないというのがその理由だとか。

【これを人間味が乏しいと見るか、ある意味でとてもわかりやすい人間味というかは評価が分かれる】

「カノッサ・テクノロジー社のエンブレムだ。メガコーポの…君はたしかコネがあるんだったか?」

 スピリタスで舌と唇を湿らせながら、タェンティースに視線を移すイムカ。
 そういえば、半人の新機能と武装にはかの企業が関わっていたのだったかと改めて思い出す。

>>275

 手を伸ばして食べたマグロスシは一応は深雪のよく知るマグロの味である。
 が、あくまでネタはマグロ肉ではなくケミカルな魚介ペーストだ。
 この世界にあってはオーガニックフードは高級品・嗜好品の類である。

【→合成品が横行。それでも比較的グレードがマシなものを口にできるだけマシともいえる】

「信頼性…はともかく、自然発生ではないのは確かなのだろうさ。関わるべきか否かは見えていないがね」

 −−−−−−−

>>274-275

「ただ、どうも最近、カノッサがある研究肌の人材を失ったのは事実らしい」

 これも段変化された情報をかき集めてかろうじてカタチに出来たに過ぎない代物であったが、
 何でも、カノッサ機関に広く流通した汎用クローン兵器の開発者が消息を絶ったとか。

「この情報と与太話が奇妙にくっ付いている。本当に謎めいた何かが存在するのかあるいは虚構かは別問題として、
 実際に裏社会にこのハンパな情報が拡散しているのは事象として存在する」

 何かの第一人者が死亡した。それは事実なのだろう。
 カノッサが内的にその事実に対して何らかの動きをしているのも確かなのだろう。
 しかし、中途半端に拡散してしまったその情報により、関係・無関係問わず何かしらの混乱の火種になりかねない。

「誤解しないようにだが、少なくともこの世界ではカノッサは秘密結社でもなければ悪の組織でもない。
 清濁併せ持った面はあるが、特に否定すべき存在とも思わん。迎合する気はないがね」

 この企業支配の世界においては勧善懲悪は無く、己の置き所、バランスを定めるのはそれなりに難しかったりする。

「しかし、この与太話で生まれるであろう影響はあるいは別の災禍を呼び込みかねない。火種の匂いがする。
 中途半端に事実とくっ付いている。経験上、こういうケースは危険だ」

 そう言って、中空に浮かぶホロディスプレイをひとまずは消す。
 今回は所謂、デッカー協力者達への注意喚起と備えを促すための話といったところか。
 カノッサが動いている。それに関わるかどうかは別として、デッカーとしては派生する事件の匂いこそが厄介である。

「ま、仕事の話はこんなところだ。さて、次はプライベートの話でもするか。(ゴソゴソ
 それじゃあ、深雪の恋バナから言ってみるか」

 イムカは女性同士の話題百選という珍奇な本(軍隊生活が長すぎてこういうのに磨耗しているのを少し気にしているらしい)を取り出し、
 唐突に唐突な話題転換をかますのであった。無表情・平坦な声でこんな事をいうのだからアレである。アレ。
 なかなか仕事や任務以外の会話というのは彼女にはまだハードルが高いようであった。

【ちゃんちゃん】
277 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/20(月) 00:47:24.34 ID:w3iR/s0E0
>>275-276
「……どうぞ、美味しいですよ、この赤っぽいナニカとか」

深雪の所作の意味に気付けば、スッと皿ごと押して差し出す
ぶっちゃけほとんど食わずとも活動に支障はないのだ、半人としては
ただ残された人間性が、食事や睡眠といった本来機器にあるべきではないトリミングされるべき無駄を好むが故の行動

尚イムカに対して人間味の希薄さは感じてはいない
極論栄養を摂取する為だけならばやり方は幾らでも存在する
だのに食料として、それもひとが慣れ親しんだ姿形を摂る
それだけで充分だろう、それの放棄に至らぬと判断する理由としては

「……ん、えぇ、まぁ……」
「前回の調整と、今回の改良はカノッサで行って貰いましたから……」

割と多くの越境者がカノッサと敵対或いは対峙する中で、半人は実際微妙な関係性にあった
この世界のそれが悪辣だけの存在でない事に感謝である

「あー……」
「半端に目立つ事で、『目立つべき事が起きた』事だけが認知されてしまう……?」
「その事柄の危険性は二の次にされ易い、ですよね」

虚実は虚実だけであるべきなのだ、本来それが望ましい
だがしかしそうでない場合、危険な真実を覗き見てしまう輩が出て来てしまう可能性だって充分にある
厄介事が起きていると半人は認知していたが、その実はこれから更なる厄介事が起こり得る可能性にあると言った段階なのだろう

「……微力ながら、いつでもお手伝いしますよ」
「……お声掛け下さい」

「さて、次は……ん?」
「……恋バナ、ですか……ふむ、実に興味深い是非ともお聞かせ願います深雪様」

イムカの話題転換は、事態が切迫した中で異なる事情から現在を接合し解説へと繋げる事が多い……と、少なくとも半人は理解していた
だがこの場合はやや違う、半人的にも実に興味を唆られる転換である
ずいっと身を乗り出して興味津々、深雪に爛々とした瞳を向けて待つ

//ありがとうございます、お疲れ様でしたっ お休みなさいませっ
278 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/20(月) 22:48:42.19 ID:JgTLuHj5o
【サイバースシ】

 −−−−−−−−−−−

 サイバー世界スプロールにとって、魔法という分野は、
 制御が困難で厄介であるが有用なのは確かな技術、という位置付けである。
 実際に企業はこの分野に対する研究に着手しているし(時折酷い暴走事故を引き起こすが)
 各宗教もこの比較的新しい(フィクションの産物ではなくなったという意味で)概念に対して、
 様々な見解と姿勢を示している。

【街頭アンケート】

 ・あれは自然に反する行いだ。奇跡は神の分野であり人が手を出すべきではない。
 ・魔法とは天からの恵みです。それは恐れるべきものではなく受け入れるべきものなのです。
 ・正直言って頭痛のタネだ。犯罪にからみゃ一気に厄介事一直線だ。
 ・とてもクール。使えりゃそれだけでいい仕事につけるんだ。

【要約すれば、胡散臭がられながらも社会に認知されてはいるといったところか】

 −−−−−−−−−−−

「と、まあ、私が知る限り、サイバー世界スプロールでの魔法の立ち位置はこんなところか」

 そう言いながら、紫色の瞳を向けるのはイムカ・グリムナー。
 この世界ではフィクサーやらデッカーやらと一定以上の社会的地位を築いている越境者だ。
 冷淡な印象に反して中々面倒見がいいというかお節介な面もあるのか、
 よくこの世界に流れ着いた別の越境者にアクセスしては、情報提供やら仕事の斡旋。
 時にはセーフハウスの貸し出しなども行っていたりする。
279 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/20(月) 23:00:09.97 ID:QUaPw3BjO
>>278
「はぁ〜〜〜…勉強になります」

【過去数度だけ顔を合わせただけのビィを保護し、更にこの世界の立ち位置までをレクチャーしてくれるイムカ】
【机に向かいぽけーっと口を開けっ放しの上の薄赤い瞳に宿るのは感心と感謝】

「でもその場合、やっぱり所構わず使うのは止めておいた方が良さそう…?
 企業とか宗教とか…頭が痛くなりそうですし」

【否定的な派閥連中に目を付けられれば間違いなく厄介事の種になるだろう】
【他の世界より更に慎重な運用が必要になりそうだと眉を顰めた】

「あ、魔法ではない他の能力なんかも同じような扱いなんですか?」

【女学生の着るブレザーの制服で、キチンと座り質問する様子】
【ここだけを見れば学校のワンシーンと間違うばかりの光景だ】
280 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/20(月) 23:16:31.51 ID:JgTLuHj5o
>>279

「君の言うところ構わずの範囲にもよるな。おっと」
≪0001010101≫

 イムカのセリフの最中にサーボスカルがフヨフヨと浮かびながら近づいてくる。
 人間の頭蓋骨に電子機器を接続した倫理的には冒涜的とすら言えるドローンであるが、
 イムカの世界では一定以上の功績をあげた故人が死後も皇帝陛下に奉仕している≠ニして
 それなりに尊重されていると言うのだから、中々に世界を隔てた価値観の違いは大きいという証左だ。

【サーボスカルは細いマニュピレイター(機械式の腕)を動かしてイムカとビィの側にカップを設置。紅茶を注ぐ】

「まあ、街中で魔法を常時使うというのはオススメしないのは確かだな。
 ん…君に連想しやすいイメージなら、街中でロングソードを抜き身で持っているのはアブナイだろう?」

 ある意味で刀剣以上に一般的には不気味な能力と思われているため、
 イムカの説明も正確には正しいとも言い難いが、そこは理解のための簡略化でもある。

「まあ能力とか魔法は企業では知られているし、ビズ(仕事)で用いてもいるだろうから、
 よほど希少性が高いか、危険に過ぎる代物でもない限りは、仕事やトラブルで使用するのは問題ない。
 ESP(超能力、サイキック)と、魔法(マジック、ソーサリー)の境界なんて曖昧なものだからな」

 全くの認知なしのゼロならばそれこそ使用すら危険ということになる場合もあるが
 そこは一応、中途半端に認知されているだけに、懐は深いほうかもしれなかった。

「まあ、私の世界の場合は半強制的に生贄コースだ。流れたのがここでよかったな」

 イムカの世界はどうやら魔法に対しては酷く無慈悲らしい。

【イムカの格好は所謂ビジネススーツの姿。なんとなくビィの格好と比較すると女教師と女生徒みたいな雰囲気になってしまう】

「君の魔法は確か…」

 青魔法…参考文献になんかのゲームの解説書をデータベースから引っ張り出す。

「あおまほう…相手から受けた魔法をコピー。目からビームを撃ったり、臭い息を吐いたり、ミサイルを…」

 イムカの参考文献は何やらろくでもないようである。
 言葉しながら、だんだんイムカのビィを見る目がアレになっていく。アレに。
281 :ビィ【青魔法】 [sage saga]:2015/04/20(月) 23:33:43.41 ID:QUaPw3BjO
>>280
「うわぁっ!?
 …び、びっくりしました…」

【心音を確かめる様に手を当て、目を丸くして浮遊骸骨を見ている】
【ビィの世界の常識では計り知れない法則の元で奉公を行うその骸は、やはりなかなか慣れが難しい】
【紅茶が注がれればおずおずと頭を下げて感謝を告げる】

「そうですね、アブナイと思います…気をつけないと
 確かに、越境者のみんなの使う能力も、魔法もどう違うのかって言われると微妙…ですもんね」

【イムカの世界がどんな所かは気になるが、言葉を聞いて顔をひきつらせた】
【能力と魔法の境界線は曖昧だが、カテゴライズする必要があれば出来ない物ではないのだろう】
【イムカの世界は多分、そうする様な世界なのだと納得して小さく震えた】

「はい、青魔法です…
 って、なんですかそのビックリ人間!?」

【紅茶を頂きながら肯定、しかし慌てて身振り手振り付きの否定】
【参考書ではなくフィクションの解説書な所に悪意か天然を感じた】

「わ、私の世界での古代魔法の一つです
 現代魔法とのイクサで負けて、絶滅しかけた魔法技術でして…」

【今は最低限の術師を残し「保護」されているのだと言う】
【サブカルチャー並みの扱いを受け、去勢されそれでも歴史の観念から生かされ続ける廃れた魔法】
282 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/20(月) 23:50:40.87 ID:JgTLuHj5o
>>281

≪000111010101≫

 コポコポと耳障りの良い音と共に紅茶を注ぐサーボスカル。
 ミルクをトポトポと加えて舌にまろやかな風味にする。
 なお、イムカのカップには何もしない。どうせこの主人に細かい味の差などわからん。

【ビィの感謝にやや前傾姿勢になって反応したのち、ふよふよと奥に戻っていった】

「まあ、変な脅かし方をしてしまったが、結局のところは力の行使は常識の範囲でやればいいというくらいだ」

 と言っても、越境者は越境者と惹かれあう上に、
 トラブルにも巻き込まれがち。果たして力さえ使わなければ平穏無事に過ごせるかというと疑問符。
 なにより、スプロール自体も治安は大変によろしくない。

「ん?ビックリ人間ではないのか?目からビームを見せて貰いたかったのだが」

 参考書がフィクションの解説書になってしまっているのは悪意というよりは、
 イムカ自身の魔法への不理解がボロを見せたといったところ&単なる天然のあわせ技であった。

【こんな事を真顔で言うのだからイムカも大概に抜けたところがある。
 が、次の現代魔法云々には興味を惹かれたようで】

「ん…ああ、ソーサリーにも色んな体系があるんだったか。
 君のは所謂、淘汰されてしまった分野というわけか」

 歯に衣着せぬ言い様である。ここはイムカのある意味で率直(傲慢と読み替えてもいい)な面だ。
 直裁に過ぎて、配慮が足りないところがある。エリート然とした振る舞いの欠点だ。

「君自身がその古い魔法を体得しているのは、その保護の一環なのか?」
283 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/21(火) 00:08:03.51 ID:etVhnSUyO
>>282
「ど、どうも…」

【山桃色へと染め上げられた紅茶、お辞儀っぽく揺れるスカル】
【意外と気配り上手な面にたじろぎつつミルクティーを啜る】

「常識ですかぁ…自信ないなぁ」

【記憶の喪失の影響は色濃く、まだ過去の自分を思い出せない面が多い】
【しかし断片的に水泡として浮き上がるかつては、何というか常識外れだった気がする】

「…撃ちたいですけどね?撃てるなら」

【少し思えば悪意の可能性は排除出来た】
【そも、そんな事をする人物がここまでの世話を焼いてくれるはずがないのだから】
【かっちりとしたスーツの割りに天然気味だ、とひっそりとほくそ笑む】

「はい、なんって言うんでしょう…一種の伝統芸能みたいな?
 効率も、実用性も、汎用性も現代魔法の方が優れているんですけど…
 多分、技術の発展にその他の無駄事は必要じゃないですか
 色んな技術が犇きあって、他の技術文化と競争してこそ昇華されるって言うか…
 現代魔法の発展の為に残された「無駄」な物なのかなって」

【ビィ自身としても専攻している魔法に対しての自覚はあるらしい】
【率直な物言いに不満はなく、逆の心地すら感じていた】

「はい、多分そうだったと思います
 …あんまり覚えてないんですけどね」

【少し、哀色の笑顔】
284 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/21(火) 00:21:44.66 ID:AAXfXJlGo
>>283

「ああ、ビームを撃つのはロマンだからな。
 私もニンポ(忍法)を中途半端に学んだものだが、
 未だに師匠(マスター)はニンジャビームを教えてくれん」

 もちろんだが、イムカは真顔だ。真剣である。
 本棚を見れば難しそうな本に混じって忍法帳シリーズやら何やらもある。
 俗に言うところの西洋人がニンジャに対するアレな憧れそのまんま。

「伝統か。なるほど、そういうのは一度命脈が途切れると復古させるのが大変だ。
 いつ、主流分野に応用できるかわからないし、ましてやソーサリーなどというファジーなものなら尚更か」

 しかして、彼女の言葉は何処か曖昧。記憶の断絶の痕跡が見て取れる。
 イムカは少し考える。彼女自身、とある爆発事故で脳に損傷を負い、記憶の幾つかが散逸されてしまった。
 脳細胞を修復しても、記憶は戻らない。ゆえに知識と記録でそれを埋めたが、主観での感得が失われたことに代わりはない。

「…まあ、難しい話はこれくらいにしておくか。クッキーでも焼いてやろう。
 私は舌に自信は無いが、作り方のトレースは完璧だと自負している」

 唐突な話題転換。解りやすすぎるくらいに不自然な気遣い。どうやらこのような機微は苦手らしい。
 なお、舌が馬鹿なイムカであるが、作り方を通完璧に再現するのは得意。実は地味にメシマズではない。
 ちなみに食べた人間が持つ感想の多くが、不味くはないが機械が作ったみたいで味に感動が無いとか。

【→このようにあからさまに配慮が下手糞な自分に嘆息を密かにつきながらキッチンに向かうイムカでありました】


//ではコレニテー
285 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/21(火) 00:24:30.27 ID:AAXfXJlGo
>>284
// しかして、彼女の言葉は何処か曖昧。記憶の断絶の痕跡が見て取れる。
// ↑ここの「彼女」はビィを差したもんです。わかりにくくてサマソ
286 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/04/21(火) 00:34:20.97 ID:etVhnSUyO
>>284-285
「忍法を?ニンジャビーム…憧れますねそれ」

【同意して頷くビィ、この件に対してのツッコミはこの場には不在の様だ】
【どうやら忍者に対しての感覚はイムカ寄りな、NINJYA寄りな様子】

「えぇ、だから術師を絶やさない様にでも増やさない様に…
 面倒な事しますよね、お陰で現代魔法はからっきしなんですよ私」

【古代魔法その物が、カテゴリとして不出来な役畜みたいな物だ】
【来るかもしれないその時の為に、使役する】
【ビィの世界での現代魔法の覇権の絶対さと隆盛の凄まじさの鱗片が覗く】

「お手伝いさせて下さい、こう見えて料理は得意なんです私」

【気遣いをさせてしまったと失敗を悟る】
【それだけに、イムカの優しさだとかその表現が苦手な不器用さを改めて察した】
【あえてそれに従い、だけどただ受けるだけでは心苦しい】
【言うだけあってビィの料理技術はなかなかだ】
【2人で作ればきっと、より楽しく美味しい物が出来ると信じて疑わないビィであった】

//お疲れ様でした、ありがとうございました
287 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/21(火) 20:52:37.85 ID:JKB6C1D+0
【スプロール、束の間の雨のない夜】

藍灰色の光化学スモッグが月や星を覆い尽くして久しい
ネオンライトのコロナ放電音が響く
技術の絶頂世界、スプロール

七八は人目とひと気を避け、外套に身を包み込んで工業地帯の倉庫群に身を寄せていた
サーヴァイター達が無言で意思疎通を行いながら黙々と作業する中を、見つからぬように移動するのは困難ではない

「……」

ふ、と立ち止まり、落ちていた小さな刃物を拾い上げる
三つ叉の刃、科学を持ってして改良されているがその基本構造はよく見知ったモノと変化はない

「……兄様……?」

忍びとして最も忌むべき、避けるべき感情が飛沫を纏う波濤めいて七八の心臓を揺さぶった
288 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/21(火) 22:50:39.27 ID:AAXfXJlGo
>>287

「………」

 忌々しそうに天上を見上げる柴犬が一匹。ウルリックである。
 ウルリックが生を受けた惑星の自然環境は過酷かつ無慈悲であったが、
 ここのような自然そのものが冒涜的に穢されているような場所ではなかった。

【スモッグに穢れた空気。そして人々の生すら不純に満ちている。馴れない。それが率直な感想であった】

 そして故郷を連想させるサーヴァイターに対しての感慨もない。
 彼等は技術奉仕者はいわば人間以下の奴隷である。
 重犯罪者であったり、試練に失敗した熱狂者の成れの果てであったりと出自は様々だが、
 ウルリックにしてみれば、肉で出来た工業機械という以上ではなかった。

「わう?」

 だからだろう。穢れた自然と木石の如き奉仕者ばかりの風景に混じって、
 生気に満ちた少女は正に暗闇の中の灯篭めいて、酷く目立って見えたのは。

(知らぬ顔でもないか。我ながら酔狂に過ぎるが)

 ウルリックは地面の小さなパイプを口で咥えると、ポイっと首を振ってそれを投げる。
 カランカラン、と大きな音が周囲に響き、同時に、まるでそれを追いかけてきたかのように

「わんわん!」

 早足で駆けて七八にわざと見つかるようにして吠える。
 そのまま、自分で落としたパイプを口に咥えてから、七八を見て首をかしげた。

(ふっふっふ、どう見ても完璧に自然な犬の登場に仕方ではないか。拙者の演技力もなかなか)

 内心で妙な自画自賛をしながらであったが。
289 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/21(火) 23:04:26.80 ID:JKB6C1D+0
>>288
異音、サーヴァイター達の労働が立てるモノとは違う極めて近い場所でのそれに反応
振り向く所作と苦無を構え投擲までをほぼ同時にこなし、しかし直前で振り抜きかけた手は止まる

「……っ、……っ危なぁ……」

くるくると苦無を手のひらで持手遊んで溜息に似た吐息
犬だ、柴犬、見知った顔の越境犬

「……びっくりさせないでよねぇ……」

騒音に周囲を警戒、サーヴァイターに気付かれた様子はない
柴犬というのは何というか、常々笑顔に見える
故郷の忍犬も、この犬種は何処か愛嬌溢れるモノばかりだった
首を傾げる柴犬を前に屈み込み、手を伸ばし撫でようとするのは自然な事だ

「……ご主人様が近くにいるの?」

飛んできたパイプをチラリ、誰が投げたのやらとまたキョロキョロと辺りを見回した
290 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/21(火) 23:11:04.45 ID:AAXfXJlGo
>>289

「わうわう」

 ぶるぶるぶると首を振る柴犬。明らかに言葉が通じているっぽい。
 所詮は獣。演技力を過大評価しても結構ボロが出ている。

【実際、周囲のこの柴犬の主らしき気配は無い】
 【→しかして越境者ならぬ越境犬。色んな世界で出くわすが逞しく世界間移動をしているようで】

「わんわん」

 七八に撫でられるのはさせるがままといった感じ。特に止める理由もない。
 毛はふさふさでとても手触りが良いだろう。同時にここでもウルリックの擬態のボロが出ていたりもする。

【→そう、ふさふさなのである。重金属酸性雨が降り注ぐこの場において、全く濡れていない】

「…わーう?」

 ふと、ウルリックの視線が七八が拾って、手に持っているであろう三つ叉の手裏剣に注がれる。
 興味がある、といかにも解り易い目線でアイコンタクトである。
291 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/21(火) 23:23:49.04 ID:JKB6C1D+0
>>290
「……そっか」

完全に疎通が取れているであろう言葉の遣り取り
何、不思議はない、本来言語が異なるはずの世界で通じているのだから
越境の修正力に依るモノだろうと納得

「あー、でも……理解出来るってのは凄いよね」

ワシャワシャゴシゴシ、左手が質のいい毛並みを撫で回す
汚れが少ない綺麗な、そしてドライな体躯

「……ん? これ?」
「そこで拾ったんだ、それでちょっとねぇ……」

科学の結晶たるシュリ・ダガー、本来は賽印流の秘伝製鉄で造られるモノだ

「……多分、ってか確実に……身内なんだよね」

そしてその特異な形は流派の奥義を持ってして扱えるのであり、知り得る使い手は少ない
想起するモノ特有の、懐古の表を綻ばせて苦笑

「言葉、通じてるよね?」

これで独り言だったら虚しいよ、と続く
292 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/21(火) 23:33:07.08 ID:AAXfXJlGo
>>291

「わうー?」

 七八が視線をシュリ・ダガーに移すと、
 ウルリックもそれを追いかけるように彼女とシュリ・ダガーに交互に視線を移した。
 奇怪な形状の武器である。ウルリックの世界で異星族(ゼノ)とされるエルフの武器に似ていた。
 単分子構造シュリケン弾体を射出するシュリケン・ウェポンは実際多くの人類が餌食となっている。

(身内か。しかしてこの娘はテクノロジー重点の世界出身の匂いは無い。
 兄妹そろって世界移動者?なんとも因果なモノだ)

 そのように考えているうちに言葉が通じているか?と質問される。
 ここで実際に通じている悲しさか。思わず、

「わん!」

 と、頷いてしまう。これはウカツ!バレバレだ!しかし、ややお間抜けなところを見せながらも、
 視線は鋭く、シュリ・ダガーとやらに向けている。ロストテクノロジーめいた製鉄技術を再現して造られたダガー。
 実際に高い攻撃力を有しているのだろうと思える。サイボーグや無人兵器が闊歩する世界。
 並大抵の投擲武器(あるいは使い手)では、装甲に弾かれてしまうのがオチだろう。
293 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/21(火) 23:46:41.58 ID:JKB6C1D+0
>>292
「通じてるなら良かった、賢そうだもんねお前」

注視する視線、思考する表情、反応する吠声
全てが一定以上、高い水準の知恵があってこそ成せる所作だ
多分間違いなく、言葉が通じるより更に進んだコミュニケーションが期待出来るはず

「……しっかしまぁ、兄様がねぇ……」
「あ、多分これここで使ったの兄様だと思うんだけどね?」
「……ただ、気になるのがこの鉄……」

なんだよこれ、とシュリの腹を指で弾く
硬質な高音、鈴鳴りめいて響く
七八には未知の素材、スプロールの科学鉄鋼で造られていた

「……私、七八」
「お前、名前は?」

返答を期待する、と言うよりは何か名前が刻まれたモノの提示を促すといった具合で尋ねてみる
294 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/22(水) 00:04:42.42 ID:J2wvyyBgo
>>293

「わふわふわふ」

 柴犬特有のとてもいい笑顔になっているウルリック。
 賢いという正当な評価≠ノ満足しているようであった。
 言葉を変えれば調子に乗っており、おだてにも弱い。

【しかして、耳は注意深く七八のニイサマという単語を聞き漏らさない】
 【そして七八が金属を弾いた音響でシュリ・ダガーがスプロール製のタングステン合金製あたりだと察する】
  【→もっとも、音の調子の若干の違いはその未知なる製法とやらによるものだろうとも考えたが】

「わーう?」

 七八という名前を聞いてサイキックと外科的手術により強化された脳裏に記録。
 そして戦士として名を問われれば答えねばならない。クイッと、樽をくっ付けた自分の首輪を示す。
 金属のプレートにナノ単位で描かれた数々の栄光ある征戦(クルセイド)の記述と共に大きく【Ulrik】と刻まれていた。
 
【ウルリックにとってこの名は誇りそのものである】

「わう…?」

 そうしてからも、シュリ・ダガーへの興味は尽きない。
 そしてここはちょうど良いことに工場地帯で、色々な材料が積み重なっている。
 その中にビーグルボディ用の廃棄装甲(リサイクル用か?)があるのを見つける。

「わうわう」

 そして、七八に目線と吠え声で、そのシュリ・ダガーとやらを投げてみてくれな仕草。
 ここで利用される装甲は実際それなりに頑丈。鋭さと粘性(硬いばかりでは脆い)にも興味があった。
 実施というのは、ただ分析に成分がどうとか探るよりよほど雄弁であろう。
295 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/22(水) 00:18:41.57 ID:beDN9i4O0
>>294
「う……、る、りっく?」
「ウルリックか、よろしくね」

軍用犬なのか、と刻印された数多の戦乱の記録を見て思う
だがそれより大切なのはその名であり、知る事でただそれだけで距離が縮まった風に感じてしまう
若さ、即ち青さが齎した感覚に自嘲しながらも見せる笑顔は翳り無し
柴犬顔のウルリックの頭頂を再度、撫でようと手を伸ばした

「……ん?」
「投げろって? 私に?」
「んー……まぁ、見真似位なら……」

七八の普段用いる手裏剣は賽印独自の、だが通常体と似た十字手裏剣である
口伝のみで伝えられた奥義たる三つ叉を投擲する術は心得ていない
だがまぁやって出来ない事もなかろうと腰を落として身構える
兄の修練を盗み見た経験を、記憶を想起

「……いよっ!!」

飛翔、回転する刃
遠心力を孕み風を斬り裂き、そして装甲に弾かれて落ちる
激突の残響が直ぐに止んだ

「……」
「……ま、まぁ、ちゃんとした使い方知らないし?」

言い訳混じりに歩き、シュリを回収、振り返って苦笑
尚シュリ・ダガーは折れておらず、また刃こぼれもない
反面廃材装甲には微細な傷跡
296 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/22(水) 00:31:42.58 ID:J2wvyyBgo
>>295

「わん!」

 名前を呼ばれるとすぐに反応。名は重要だ。
 己を定め、己であることを認識するのにこれ以上のツールはない。
 と、ウルリックはそう考えていた。

【そうして期待を込めたまなざしで七八の投擲モーションを見ていたのだが】

 ミジュク!期待とは裏腹にあえなく装甲に弾かれて落ちてしまった。
 ウルリックは地面に落ちたシュリ・ダガーと拾おうとしている七八を見比べて、

【後ろ足で自分の首をカキカキし始めた!あからさまにダメ出しなモーション!無慈悲!】

(しかしまあ、丈夫であることと、使い手ならばかなりの精度と威力を示せるというのは解った。
 それにしても不可思議な技術であることよ。ニンジャだったか?この娘の兄か。何者であろうな)

「わう!」

 ウルリックはぴょんと跳ねると、タタタッと駆けて資材の上へと飛び跳ねてゆく。
 そうして、うずyたかく積みあがった資材の頂上まで来たところで頭を七八に向けてから
 一回吠えると、そのままぴょんと向こう側に飛び降りて去っていった。

//12時も回っているしここまで!オタッシャデー!
297 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/22(水) 00:42:28.14 ID:beDN9i4O0
>>296
「……だ、だからっ、私の普段使ってる奴ならこのくらいっ……!」
「って、あっ……」

言葉より激しくプライドを抉るその後脚での仕草
慌てて取り繕うが時既に時間切れ、挨拶地味た声を上げてひょいと跳んで行ってしまう

「……もう、またねっ、今度はちゃんとかっこいいとこ見せるからねっ!」
「はぁ……」

果たして届いたであろうか悲痛めいた叫び、サーヴァイター達に聞こえてしまったかもしれない
溜息と共にこの場を離れ、道中矢張り三つ叉の刃に視線を落とす

「……兄様」

本来ならば郷で頭領として衆を率いてるはずだ
しかしその姿は無く、辛うじて痕跡だけがここにある
蜃気楼を求む様に遠間を見詰めて、忍びは独りスプロールの夜に溶けた

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
298 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/22(水) 22:52:19.53 ID:1GAHQf9P0
>>270
【とあるファンタジー世界】

酒場というのは冒険者たちの飯の種を工面してくれる場所でもある
コルクボードには大通りの掃除からネズミの駆除 グレードが上がるとモンスターの退治など 危険を孕むものもちらほら

だが最近はちと異様な雰囲気が漂っている

積極的に張り出されるのは やれどこぞの遺跡を探索メンバーの募集が主
それも提示される金額は普段の倍は日常茶飯事

冒険者たちは降ってわいたバブルに喜びながらも 訝しんでいた
ジョッキを片手に冒険者同士 肩を寄せてかわされる情報交換

漏れ出てくる言葉をつなぎ合わせれば 一つの憶測

―――とある賢者の遺産が発見された・・・と


「モグモグモグ」
この町は倭国の影響を受けているのか オーガニックなスメシに新鮮なマグロをのっけたスシを食べながら辺りの噂に耳を傾け

「なーんか聞いたことがあるような・・・ないような・・・」
首をかしげるアキレスと

―――ギィ♪
噂話などどこ吹く風 スシを堪能するベティである
299 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/22(水) 22:57:08.97 ID:1GAHQf9P0
名前が違う!!
300 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/22(水) 23:06:00.75 ID:J2wvyyBgo
>>298

 バターン!!

 大げさな音が酒場に響く。目を向ければ口から寝ゲロ(ヒデエ)を垂れ流しながら、
 茹で蛸のように顔を真っ赤にして潰れた筋肉隆々の男。
 そして、それを無表情に睥睨するコーカソイドの美女だ。

「口ほどにもない。何が勝ったらベッドまで運んでやる、だ。軟弱者め」

 樽型グラスになみなみと注がれたぶどう酒を水か何かのように飲み干す。
 テーブルにバラかまれた賭け金という名の銀貨を引き寄せ路銀ゲットなるはイムカ・グリムナーであった。

【世界移動で早々に手持ちの貨幣トークンがゴミにも劣る価値となり、
 こうやって男の下心に付け込んで路銀ゲットをせねばならぬ世知辛さ(テクノロジーが未発達だと急激に金運が落ちる)】

「ふう、待たせたな。アキレス。情報の収集はしたか?」

 銀貨を革袋に入れながら、アキレスの席に移動するイムカ。
 そして聞く分には何かマネーの香りがする案件が持ち上がっているようであったが?

「遺跡の探索?何とも胡散臭い話もあったものだな。
 STC(標準規格テンプレート)なり、テータコーデックスなりでも発掘されたのか?」

 イムカはどうにもこういう世界の価値基準を未開・未文明のモノと侮っているフシがある。
301 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/22(水) 23:19:19.95 ID:1GAHQf9P0
>>300
「お疲れイムカタン 酒ばっかだと胃が荒れるよ?」
とオーガニック・スシの乗ったゲタを差し出した

「ちょっと辺りに耳を傾けて手に入れた程度だけどね まぁ座ってよ」
要点を書きだしたスケッチブックをイムカに見せる

「お宝が賢者の遺産ってのは明確なんだけどさ どうにもそれがどこの遺跡にあるのかが分かってなくて
 冒険者ギルドやらデカい徒党やら金持ちやらが関連のありそうな遺跡を片っ端から絨毯爆撃してるんだって」

「んでこっからがミソ その情報が出てきた時期とある出来事の時期がほぼ同じなんだ
 ・・・スプロール起こってる とある天才科学者の遺産データベースの流出」

いつものお気楽表情を消し 眉間に皺を寄せている

「しかも深く探りを入れた情報やが相次いで姿を消している噂も流れてる 偶然と片付けられる?」
302 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/22(水) 23:35:58.30 ID:JEgAITt60
>>300-301
「……上手くいかないように出来てるモノだねぇ」

頬を掻きながらアキレスとイムカ、ベティの卓に戻るのはこの世界での一般的な服装に身を包んだ七八
彼女は忍びであり、ニンジャではない
つまり人心に潜入しての調査や探索を得意としていた
その分野に普段の忍者装束は、足枷となるだけである

「ただいま、結果報告ー」
「……アキレスのとほとんど同じっ、遺産はあるよ! でも何処かは知らない分からない」
「ついでに、その遺産が何なのかも詳細不明と来た……」

苦笑、オレンジジュースを煽る

「でも逆に考えると、ここって情報統制なんかイメージ沸かない場所(世界)じゃない?」
「なのに情報が行き止まりに、しかもどの情報屋の仕入れも同じ所で止まるのって……なんか変な話だよね」

推憶だけどさ、と卓に突っ伏してお手上げの格好
七八としての情報の入手は、袋小路に迷い込んでこれ以上は望めなそうだ

303 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/22(水) 23:36:04.32 ID:J2wvyyBgo
>>301

「私の内臓器官は遺伝子技術により強化されている。問題無い」

 至極真面目にある意味でのズルを自白をしながら、
 差し出されたオーガニックスシを口の放り込む。スシはニ○ジャにとっての完全栄養食と聞く。
 イムカも生魚を食すのに特に抵抗は無かった。

【そのままアキレスの隣の席に座る。何であんなヘタレそうな男に?と周囲が怪訝な目を向けたとか向けなかったとか】

「聞いているだけでも酷い情報精度だな?冒険も結構だがそんなのでよく動く気になる」

 賭け金と一緒にせしめたコンペートーをペティにポイっと投げつつも、
 アキレスの集めた情報に耳を傾けるイムカ。
 なお、ホロクロークによりこの世界にあわせた衣服を再現している。違和感は無いはずだ。

「さて、世界の断絶を無視して拡散する情報という仮説に基づくならば、
 情報の根元がカノッサ機関だからな。中途半端な情報が連中から洩れて変質し続けている可能性はありえる」

 しかして、イムカもここで少し考える。
 このような事をしてカノッサ機関にメリットはあるのか?それともこれは連中にとっても
 制御不能な状態にまで陥ってしまっているのか?だ。

「情報だけが独り歩きしている印象が拭えんな。情報屋が行方不明?
 隠したいのか、拡散させたいのか…それとも既に失敗してしまったのか。地雷めいているな」
304 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/22(水) 23:41:50.26 ID:JEgAITt60
//七八(>>302)はイムカさんの行動(>>303)の後に戻ってきた感じで補完願いますっ
305 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/22(水) 23:44:12.46 ID:J2wvyyBgo
>>302

「ん、ああ七八。戻ったのか。えっと、彼女に…このしょこらーで?を一つ」

 ここはイムカは彼女なりのお節介で七八の労をねぎらおうとしたのだろう。
 しかし…ナムサン!ここでは原材料がとんでもない価格の貴重品だったらしく、
 それこそ目玉が物理的に飛びでかねないお値段だったのだ!!

【イムカの酒比べの至近の3/4が本人の自覚無く吹っ飛ぶことが確定した瞬間である】
 【→酒場の主人は半ばネタでメニューに入れたモノが売れたのを見て大興奮だ!】

 七八のテーブルに店の取っておきの意匠皿に乗せられた、 
 縞模様のファンタジー的スイーツが運ばれてくる。

(おい、あれって確か金より貴重なモン使っているって)
(値段わかってんのかね?それとも成金か?)
306 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/22(水) 23:50:18.46 ID:1GAHQf9P0
>>302
「お疲れ四五六タン スシ食べる?」
マグロのスシを勧める

「やっぱりか・・・風の噂ならそれこそ星の数ほど上がってきてるんだけどね」
スケッチブックを捲ると その噂がずらりと書き込まれている

>>303
―――ギィ♪
イムカからもたらされたコンペートーに齧りつく

「まぁね でもそれを言ったらスプロールも似たような感じじゃない?」
ランナーが金の匂いにつられて行動して 不発に終わって自暴自棄らしいじゃないですか

「キャリアーとして 運ぶ『モノ』の詳細とクライアントの素性を探ったり 第三者に話すのは死に値する反則だから詳しくは言わないけど
 スプロールじゃ今 キャリアーのへの以来が急増している それと同じぐらいキャリアー潰しも横行していたりするんだよね」

キャリアーをつぶしてまで情報を得ようとする輩が多い それを今回の一件と結びつけるのは簡単であろう

「俺はあくまでもここでささやかれている情報を拾ったり 四五六タンの話をまとめたりしているだけだから何とも言えないな
 んでどうするよ? 世界をまたいでいるとなると そうとうデカいヤマってぇことになるぜ?」

この男はカノッサの意図的な流布はないと読んでいるらしい

「まぁ・・・ブツが何かは全く分からないけどね ひょっとしたらほかの世界にも似たような話が上がってきてるんじゃない?」
307 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/22(水) 23:58:23.85 ID:JEgAITt60
>>305
「え、あ、いいの? ありがと……」
「……ってなんか凄いの来たんですけど……」

七八としては、原材料の希少性感覚は希薄になりがちであったと言わざるを得ない
数多の越境経験が、その感覚を鈍らせるのに充分な味覚の発達を促したのだ

>>306
「ん、ありがと……この後貰うよ」

故郷を懐かしむ味である、寿司
それを頂きたいのは無論だが、今はショコラが目の前に鎮座している
食べ合わせとしては奇妙なモノだが、そこはまぁ気にしない

>>305-306
「なんだろうね、アキレスの推測が正しければ……」

事態自体が越境している、実に奇異的現象である
果たしてこれに人為的な、作為的な意図が含まれているとすれば

「……何処かが、流してるか、それとも」

イムカの言う通り目的が不明瞭だ

「……えーと、独りで頂くのもなんだし、皆で食べない?」

目の前のショコラのファンタジーにしてファンシー、
乙女チックな見てくれに気後れしつつ2人と1匹にも勧めてみる
308 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/23(木) 00:09:48.06 ID:fxgaHz/+o
>>306

「スプロールの方は情報伝達速度もこちらの比じゃないものある。
 それでいて与太話を真に受ける輩が多いのはさほど変わらんのだから、
 取り締まる側としてはいい迷惑だがな」

 一攫千金に大枚はたいて収穫なし。
 いい感じにキマったドラッグと脳内で反応して犯罪に走る。
 話している方も頭痛がしてくるレベルの状況である。さすがマッポーの世だ。

「まあ、君の言うところも理解できる。フレッシュな情報を得るには運び屋を締め上げるのも一つの手だ。
 運び屋殺しの多くは自己責任として処理される。刑罰になるのは極稀だ」

 運び屋に人権無し!酷い話だが企業が法を支配する世界ではこうもなる。
 企業の暗闘にあっては、スニーカーオンライン(ネットワークを介さない情報伝達の隠語)は遂行か死か。だ。

「カノッサでその科学者…か?その死がそれなりに大きな影響を広げていて、
 なおかつ、その情報が散逸してしまっている…か。だとすれば…」

 イムカは少し考えてから言葉を選んで、

「当面は私が警戒するのはあくまで波及する影響のほうだな。
 現状、根幹に首を突っ込むメリットはさほど見えん。その割りにリスクばかりが高そうだ。
 君はどうだ?好奇心に任せて突っ込んでみるか?それも一つの道ではある」


>>307

「ん、君が言うなら食べてみるか」

 フォークですくってモグり。無表情なまま、もっきゅもっきゅ。

【酸味、甘み、苦味の全てが調和し、そして口の中でほろほろと溶ける感触、舌触りが絶品である】
 【→が、しかし】

「ん、まあ、お菓子だな。甘苦い」

 ナムサン!イムカはそのような細かい味の機微などさっぱり意に介さない!
 まるで小学生のようなひでえ感想に留まる。ゆえに味から値段などとても連想できない!
309 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/23(木) 00:19:00.54 ID:zDFEiaR30
>>307-308
「あ んまそう」
―――ギィ!!ギィ!!

運ばれてきたチョコに興味を示すアキレスと それを聞いてさっそくクレクレ催促をするベティ

拒否もなく一口ずついただきます

「モグモグ・・・プードル野郎(フランスの事)のショコラティエにも引けを取らないいい腕だな プードル共のショコラ喰ったことないけど」
―――ギィ♪

皮肉って見せるアキレスと 満面の笑み(?)を浮かべるベティでした

「今までは情報がその世界で限定されていたけど 俺が知る限りじゃ初めてだよ 情報が世界をまたいだのは」
そしてイムカは警戒にとどまるとして 自分は?

「俺としてはこの騒ぎが一刻も早く収まってくれることを祈るよ
 さっきも言ったけど キャリアー狩りが横行しすぎてアップアップなんだ
 仲間もほとんど死んだか引退 俺が古参扱いされてるんだから異質だよ」

確かに能力者の運び屋として重宝されてはいたが 今回の一件である

「解決してくれるならだれでもいい 仲間が死ぬのはつらいし それを回収してこいと無茶ブリされるのも疲れた」
ハァ と溜息ひとつ
310 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/04/23(木) 00:26:17.83 ID:kNTpWBwL0
>>308-309
「……メチャメチャ美味しい」
「これ、幾らくらいするの……?」

七八もまぁ、2人と似たような感想だ
ただしかし味覚という意味では多分、イムカより多少は理解が及ぶであろう
少なくともこの手の込み様から、値段を気にする素振りが見える程には
その点一番素直に皮肉無く味わっているのはベティであろう

「うーん、世界で起きた事柄が他の世界にも影響する……かぁ」

世界間を波紋めいて、とある事情が伝播する
七八にしては今ひとつピンと来ないが、越境自体に理解がまだ及んでいないのだ

「……その科学者? いい迷惑だね」
「とんだ遺産残してくれて……」

はぁ、と溜息
得体の知れない情報の為に多勢が死んでいる
忍としては割り切らねばならぬ事情を、だがそこまで七八はドライにはなり切れない

ショコラをフォークで弄り、一口を運んだ
一握りで奴隷の命と同価値があると言われた木の実の、希少な味が拡がった

//ここら辺で失礼しますっ、ありがとうございましたっ
311 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/23(木) 00:27:00.77 ID:fxgaHz/+o
>>309

「デッカーとしての立場では君を保護することはできんぞ?
 権限をメガコーポに与えられている立場である以上、
 君を確保した場合、最悪、君を売るよう強制されるかもしれん」

 つまりイムカとしても帝国出向機関の立場とアキレスを天秤にかけた場合は前者を選ぶということ。
 もっとも、このような忠告を事前にしている事自体が、かなりのお節介であるとも言えたが。
 いつもながら、イムカは妙に遠まわしである。素直でない。あるいは自覚がない。

「仕事が辛いなら、君のアートと称したラクガキを自重するといい。
 それなりに金のかかる塗料を用いて非生産的行為を行うのから足を洗うことだ」

 相変わらず、イムカのアキレスに対するアートの評価は手厳しいのである。
 無理解と軍人的効率性、エリート意識が絡んだ芸術を意に介さぬ批評であった。
312 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/23(木) 00:28:40.77 ID:fxgaHz/+o
>>310

「ん、気に入ったのなら注文して正解だったか」

 なお、イムカの無表情が引きつる5分前である。
 とても高いお値段に、どうしたものかと硬直を強いられることになるのだ。
 ショッギョムッジョ!
313 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/23(木) 00:34:08.18 ID:zDFEiaR30
>>310
「まったくだ 死ぬならHDDを粉砕してから[ピーーー]ってんだちくせう」
プンプンと怒ったように言うのであった

>>311-312
「いらないよ そういうのはキャリアーになるときに諦めた」

「でもありがとう 忠告してくれて」
そんな無自覚おせっかいに笑みで応えた

そしてひきつった顔という激レアなものが見れた それに対して満面の笑みで

「貸してあげよっか?wwwwwwwwwwwwww」
そう提案する
314 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/23(木) 00:39:42.98 ID:fxgaHz/+o
>>313

「???」

 イムカは見捨てると忠告したことで何故礼を言われたのが解らなかったらしい。
 この辺は本人が無自覚ゆえの齟齬なのだろう。が、

「何の罠だ?いや、陰謀なのか」

 ナムサン!稼いだばかりの路銀が早くもレッドゾーンに突入である。
 見栄を張るのはエリートの性であるが、このようなブザマな展開が待っているとは!

(………)

 そして、隣の男のこの糞ウザイ笑顔である。
 イムカは無表情なままに拳を握りこんで、

「イヤーッ!!」

 まるで神話のニンジャの如き理不尽!
 拳を顔面にメシャッと思いっきり撃ち込むのであった!

【ちゃんちゃん】
315 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/23(木) 00:43:44.52 ID:zDFEiaR30
>>314
「 」
一生に一度あるかないか イムカをからかうという愚行は
顔面パンチというしっぺ返しで幕を閉じたのであった

―――ギィ!!
そして最後にベティが なにをするだーと 抗議するようにハサミを振り上げたという・・・・・
316 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/23(木) 23:01:12.24 ID:zDFEiaR30
【止まり木同盟の宿】
とある町にポツンとたたずむ やや古びたゲストハウス

地元の住民は大した観光資源もないのにバックパッカー用の宿があることを不思議に思っているだろう
しかも宿の情報誌にも掲載されず ネットにもヒットしない なのに割と客が入っており 長く続いていることも 宿の不思議さに拍車をかけている

その正体は止まり木同盟の宿 越境者たちが相互援助のために作られた 一時の安堵を得られる場所 主人はかつての越境者であることから 客に対する理解も高い

「う〜っす 越境者ですけどあいてます?」
今日もその宿に越境者が現れた 

―――ギィ!!
巨大なサソリを連れた白人の若者 もちろん部屋はあいている 荷物を部屋に預け 宿のリビングに顔を出してみる
さて 越境者仲間がいたりするだろうか?
317 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/23(木) 23:23:17.40 ID:/hv+yxk7o
>>316
【時間にして1時間ほど前だろうか、アキレスよりも先にこの宿に辿り着いたアグラーヤ】
【特に何もする事もなく、ただ時間を持て余していることを嫌った彼女はリビングへとふらり】
【ソファへと腰掛けぼーっと窓から景色を見ていると、気の利く主人から紅茶のサービス】

……まぁまぁね。

【紅茶にだけはうるさいアグラーヤも、主人の心配りとその暖かさに思わず表情が弛む】
【ソーサーにカップを置けば静かに響く陶器の音色。と同時にアグラーヤの視界に飛び込む男性の姿】
【当然だが見知った顔ではない。真紅の隻眼でちらりと一瞥、連れの巨大サソリはまだ見えていないよう】
318 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/23(木) 23:33:43.60 ID:zDFEiaR30
>>317
「どもーっす」
軽い挨拶 こちらも容姿を確認
エルフという 彼的に珍しい種族を見たという事実からか 少しジロジロとみてしまった

―――ギィ!!そしてエルフの足元でハサミを振り上げ あいさつをするベティ

「・・・・」
表の自販機で適当にコーヒーを買い 少し離れた席に座って飲み始める
が 片耳でアイパッチすら装着している どこか痛々しいエルフをチラチラと盗み見してしまう
319 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/23(木) 23:54:18.45 ID:/hv+yxk7o
>>318
……。

【見知らぬヒトからの軽い挨拶。聞いた話によればこの施設は越境者の為のものらしい】
【利用者はこういう距離感なのかと思いつつも無言でぺこりと軽い会釈を返す】
【慣れない環境に内心では多少緊張している。しかしそれを隠すように再び窓の外へ視線を移すが】

……なぁに?
貴方、さっきからジロジロと……そんなにエルフが珍しい? 不愉快だわぁ。

【感じる視線にイライラが募り、遂には無愛想に口を開く】
【そっぽを向けていた顔をアキレスへと向ければ、実に不機嫌そうな表情が見て取れるだろう】
【しかしそんな彼女の顔はハサミを振り上げる大きなサソリを見て一瞬で変化した】

わぁっ!? な、なんでサソリ……?
どこから入ってきたのかしらぁ……まぁいいわ、ちょうどお腹も減ってるし。

【アグラーヤは見かけによらずかなりサバイバルな生き方をしてきている】
【故にサソリは彼女にとって格好のエサ。それにこの大きさは今夜の食事の心配もしなくて済む程である】
【警戒」させないようにそっと手を伸ばし尾を鷲掴みしようと】
320 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/24(金) 00:04:21.16 ID:f6uuBzzY0
>>319
しまった 無遠慮に視線を向けすぎた

「あぁいや その・・・アレだ 俺のいた世界はエルフっていなかったからつい・・・アハハ」
誤魔化すように乾いた笑いを浮かべ 後頭部をポリポリ掻く

だがこのエルフがベティをこわがらないのはいい むしろ好都合である
であるが まさか捕食しようとしてくるのはまさに予想外であった

―――ギィ!?
尻尾を捕まえようとしてくるエルフに驚き テーブルの下に隠れるベティと

「あ ちょ まって!? ベティは俺の相棒だから!!」
必死にエルフを止めようとするアキレスであった

ベティはテーブルの下をすり抜け アキレスの足を登って背中に到達する
321 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/24(金) 00:25:16.57 ID:TK9YzGyHo
>>320
ベティっていうの? この子。
サソリが相棒ねぇ……ま、非常食にもなるし悪くないのかしら。

【ベティへと伸ばしていた手を残念そうに引っ込めると、そのままカップを持ち上げ口元へ】
【成る程、相棒というだけあって随分とこの男に懐いているらしい】
【背中に大きなさそりをしがみつけているアキレスの姿に口に含んだ紅茶を吹き出しそうになるがそこは堪える】

……エルフが珍しいねぇ。
そういうリアクション久しぶりだからちょっと新鮮かも。
貴方は人間……よねぇ?

【種族以前にジロジロ見られる要素はてんこ盛りなのだがそこには無頓着なようで】
【一目でそれとわかる明らかな義手義足も隠すことなくそのままである】
322 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/24(金) 00:32:51.82 ID:f6uuBzzY0
>>321
「いや 非常食じゃないから」

―――ギィ!?
「だから違うって言ってんだろ!!」

即座に否定するが ベティの悲痛な叫びが上がったりします

「そう? エルフがいない世界ってのも珍しくないぜ」
そういってソファに腰掛ける ベティはアキレスのそばを離れず 座ったアキレスの膝の上に陣取った

「俺はアキレス んでこいつはベティ さっきはじろじろ見てすまなかった」
と頭をさげるアキレスと

―――ギィ!!
やんのかこらー とけんか腰のベティであったとさ

//では宣言通りノシ お疲れ様でした
323 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/24(金) 01:06:18.35 ID:TK9YzGyHo
>>322
言われてみれば確かにそうねぇ。
人間がいない世界はまだ見たことが無いけれど。

【ソファへ腰掛けたアキレスを見てくすりと笑う】
【何やら少し含んだ言葉と表情であるがそれを口に出す程拙くはない】

久しぶりのことで少し苛ついただけ。別に気にしてないわぁ、慣れてるから。
私はアグラーヤ。何かむず痒いわねぇ……こういうの。
えっと、アキレスに……あらぁ?

【嫌われちゃった、とベティの威嚇に薄く笑うが】
【慣れない自己紹介に気恥ずかしいのか白い頬に薄っすらと赤みが差していた】

/どもありがとうござましたですっ
324 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/24(金) 21:44:49.37 ID:xbxb6mW5o
【サイバー世界:スプロール】

 暗鬱とした重金属雲が空を灰色に染めるメガロシティ。
 その猥雑な都市内で威容を放つカチグミ企業からなる超高層ビル。
 普段であればここで様々な暗黒商業契約が結ばれ、水が下に流れるように、
 搾取・中抜きが繰り返された案件が被支配階層に下りてくる。そのシステムめいた根拠地であったろうが。

 −−−−−−−−−−−−−

【デッカー:現場検証】

「酷いな」

 イムカ・グリムナーは彼女にしては珍しく、眉をひそめるといった表情を作った。
 ここはカチグミ企業のオフィスだった″qwビルの一角である。
 死体など見飽きているくらいに見ているイムカをしてこう言わしめる状況とは?

【→まず、ビルの上層一画がまるごと吹き飛んでいるのである】
 【→それもビル内部で巨大な爆弾を破裂させたかのように内から外に向かって爆裂が広がっている】
【→実際に地上に降り注いだガラスなどでまきぞえを喰らった多数の死傷者が出ている】

 が、それだけなら無情な話ではあるがさして珍しくはない。
 反体制のアウトローのテロルなり愉快犯の所業という線も十分にありえた。が、
 今回の現場はいつにも増して特異なのだ。

【ビル内部の遺体。全てが人間の形をしたゼリー状の物体と成り果てている】
 【→一瞬の出来事であったのだろう。会議室でそれぞれミーティングを行っていたサラリマン達】
 【→デスクで仕事をしている最中の姿がそのままゼリーマンとなって固まっている】
 【→多数の上層区画が同様の有様であり、犠牲者数はゆうに2000人を越える】

「肉体組成は…スポンジ化してゼリー状に成り果てた。と、いったところか。
 もちろん、ゼリー状になった時点で絶命。蘇生は不可能だ」

 周囲の状況をコムリンク等で記録していくイムカ。
 これもデッカー(治安維持権限委託企業所属)の仕事だ。

【→何か探索スキルめいたモノを持っていたら提示してくだしい】
325 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2015/04/24(金) 21:58:32.15 ID:ou77jJiA0
>>324
「……面妖、といいますか……うーん……」

イムカの傍、曲げた指に顎を乗せて唸る半人
爆破事件だ、現場を知らねば単なる
だが中を覗けば深淵めいて、非現実的光景がそこには拡がっている

「スポンジ、ゼリー化……」
「そうは言いますが、通常の爆弾などでこのような芸当が出来るモノでしょうか……?」

スプロールの技術を持ってすれば可能なのかも分からない
だが半人の知識としては少なくとも持ち得ぬ事であり、問い掛ける

イムカが周囲のデータ入力を完了させつついる中、異能性を求めて視界モードを切り替える
対異能探査モード、オン

「魔法……イムカ様の言う、ソーサリーやオカルト」
「或いは異能の可能性も、あるのではないでしょうか……?」

異能性の、或いはその残滓を目視出来るその視野は広くはない
カノッサの技術で最適化されてはいたが、元来のシステムが既に旧式化しているためだ

「……今にも動き出しそう……」

ゼリー状の、生きたまま絶命した彼等に微かな怖気
326 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/24(金) 22:14:15.72 ID:xbxb6mW5o
>>325

「どこぞの能力者がヤンチャをした…なら話もまだ単純なんだがな」

 イムカはテーブルの上でゼリー化したオーガーニックフルツを指で掬った。
 口に入れると、不味い味が口に広がるが、この辺はイムカ的にはどうでもいい。

【→異能探査の結果:ある種の転移粒子(空間移動(テレポーテーション/空間跳躍)の際に残る残留物)が検出】
 【→異能のカテゴリで当てはめるならテクノロジー由来である。オカルトではない】

「内的な爆圧が発生した。にしても、遺体がこうなる説明にはならん。奇妙だな」

 タェンティースはゼリーマンが動き出しそうだとやや怖気気味であるが、
 実際には動き出すことはない。完全に肉体がゼリー化した時点でそれらは物言わぬ物体と成り果てている。

【ここでポーンとイムカのコムリンクに音が鳴る】

「んっ?この爆発?発生当時の録画データが届いた。見てみようか」
327 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/24(金) 22:23:48.18 ID:ou77jJiA0
>>326
「ヤンチャにしては、度が過ぎますね」

お仕置きが必要だと俯き小さくかぶりを振った
横目でイムカが指にゼリーを付着させている様子をチラリ、真似をするには勇気が足りない

「……ん、反応有り」
「矢張り何か……異能の関わりがあるみたい……?」

当然といえば当然か、事態が事態なのだから
まばたきを数度、空間を凝視するように仄かに揺らめくチャフめいた残滓を追った
最も、その行動から転移先を確認するなどといった芸当が出来るはずもないのだが

「えぇ、少なくともわたしはこの様なモノは初めて目にしました」
「録画……お願いします」

ゼリーマンの、ゲル化した瞳と青銀を併せてしまった
イムカの誘いにこれ幸いと小走りで駆け寄り、すぐ側に位置取る
328 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/24(金) 22:38:17.15 ID:xbxb6mW5o
>>327

「異能か。ロクなものではないな。衝動的な大量殺人?怨恨の線もありえるか?」

 イムカは手持ちの情報のみでまずは憶測をあげていく。
 もっとも、これも録画データを見るまでであったが。

【中空にホログラムディスプレイが投影される】
 【→最初はノイズ交じりで。そしてすぐに最適化されてクリアな映像となる】

 画面上に映っているのは昼時の超高層オフィスビル。
 まさか数分後にこのような惨劇が起こるなど誰一人として想像していなかったに違いない。
 そして、これから起こる事はイムカの予測をも超えていた。

【一瞬、画面が揺れる。同時にビル周囲に起こる放電現象】
 【→次の瞬間、ビル内部から突然に真っ黒な円柱形巨大構造物が生えた】

 サーボスカルが構造物をデータ照会。
 世界線3.00021515に該当アリ。異世界の巨大研究ラボ。スプロールとは別の世界の代物。

【次の瞬間、その構造物は分子結合を維持できずに内的爆縮が発生】
 【→飲み込んだ建物内部の有機物を原子分解させながら、超衝撃波を周囲にばら撒いた】
【→出現した構造物は塵ひとつ残さずに消滅。後には抉られ、中途半端に分解された現場だけが残った】

「…境界線移動現象?」

 イムカが呟く。しかしこれはかなりおかしい。
 色々な境界線移動のルールから逸脱しているのだ。
 世界修正力、質量限界を無視。なにより完全に失敗している。
329 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/24(金) 22:47:03.88 ID:ou77jJiA0
>>328
「越境に似た兆候も見て取れますし……何とも微妙ですね」

お手上げだ、と言わんばかりにジェスチャー
機械的な、デジタル判断を下すのみのはずの思考ユニットは何とも曖昧な答えを導き出した
即ち、よく分からない、だ

「……どれどれ……」
「……ふぅむ……」

境界線移動現象、越境だと断ずるには半人には知識と機転が足りない
映像からしても、そういった事柄よりも
「巨大な構造物型爆弾を発生させる異能保持者」
によるテロめいた可能性の確率を高く持っている
だがサーボスカルのデータは冷静だ

「これが越境だとしたら……」
「……たまたま今回起きただけ? それとも……」

境界線間隔間の揺らぎが不安定になり掛けているのではないか
突拍子もない可能性と発想ではあるが、思わず周囲を警戒するくらいには半人に不安を与えている
330 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/24(金) 23:00:46.24 ID:xbxb6mW5o
>>329

「越境現象にしても規模が大きすぎる。
 それに君が解析した転送残留物。私達がゲートを越える際には
 そのようなモノは検出されない」

 そのように考えていたところで、複数の気配がこの現場に接近している反応が出る。
 KEEPOUTのホロゲートを張り巡らせてはいたが、より強い権限を有するパス≠ノ
 あっさりと突破されてしまった。

【数秒後には黒服の男が数人。そしてそれに混じってサイバーサングラスをつけた少女がズカズカと現場に入ってくる】
 【→タェンティースにもその少女に見覚えはあるだろう。カノッサ・テクノロジー社保安警察のクローン兵:α-12だった】

「ドーモ、デッカーのミナサン。C.T.S.S.クローントルーパーα-12です」

 イムカ以上に無機質めいて、イムカとタェンティースにアイサツをするα-12。
 容姿こそ、イムカの知人であるたこたこ星人≠ニ類似しているが、その性質は全くの別物である。
 そして次に続く言葉は実に悪びれもせず、

「捜査権限は現時点より全て我が社に引き継がれました。デッカーの皆さんお疲れ様です。
 もう、撤収して結構ですよ。後は我々が対処を行いますので」

 その言葉と同時に投影されていた録画データが突然にクラッシュ。
 ただの砂嵐の映像となる。もちろん、データ修復は不可能だ。
331 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/24(金) 23:07:33.42 ID:ou77jJiA0
>>330
「なるほど、それも確かに」
「……ではやはり、越境の……って、あっ……」

頷き堂々巡りになり掛けている思考をそれでも巡らせる途中、乱入者あり
それも複雑な関係の相手である、深く会釈

「どうも、その節はお世話に……」
「……捜査権限って、えっ?」
「カノッサコーポに? でも、わたし達も正規の捜査じゃ……?」

有無を言わさぬ内に粛々と実行されて行く引継の数々
以前イムカに与えられたデッカー補佐としての立場というモノを強く利用した覚えはないが、それでもかなりの権力を誇っていた
スプロールでの活動が飛躍的にやり易くなったのはそのお陰なのだから
後ろ盾を無くした人間ならではの不安そうな表情で、イムカに視線を送る
332 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/24(金) 23:19:35.64 ID:xbxb6mW5o
>>331

 ナムサン!実際横暴な捜査権のヨコドリ!
 しかし、メガコーポ群が支配するこのスプロールにあっては、
 メガコーポの意向はデッカー権限をも優先するのだ。

【ここが国家ではなく企業が全てを支配している証左といえよう】

「…タェンティース。そういうわけだ。私達は捜査権を失った。撤収しよう」

 イムカはタェンティースに視線を移してから、α-12を一瞥すると、
 そのままにビルを出るつもりのようである。

「山本君1号=サン。アナタもオタッシャです。あまり反応が鈍いとまどからポイッチョしますよ?」

 α-12はサイバーサングラス越しでも解る何となく眠たそうな目をタェンティースに向けてから、
 ディープメイカーをにゅるんと一本出す。シュッ!シュ!と投擲モーションを一二回。あからさまに脅迫なのだ!
333 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/24(金) 23:24:06.06 ID:ou77jJiA0
>>332
「……畏まりました」

正直、デッカーとしての立場を主張するつもりはない
普段から熱心に活動している訳ではなく、ただ権限を最大限に使用しそして要請や事件に出会えばその場その場で対応しているだけなのだから
要するに別段拘る程熱心ではないのだ、デッカーとして半人は
だが渋々と言うその仕草は、越境関係の事柄を目の当たりにして引き下がらなければならない現実故

「窓からでは、余り行儀がいいとは言えませんから……ちゃんと歩いて出て行きます」

戦闘のつもりはないし、したとしてもいい目は見えない
イムカの後を追ってそのまま、ビルから脱する事だろう
334 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/24(金) 23:36:45.50 ID:xbxb6mW5o
>>333

「………」

 そのままイムカの運転する装甲車(ハイウェイを堂々と装甲車で走る!)で帰路に着いている二人。
 しばらくはイムカは無言であったのだが、唐突にわざとらしく溜め息をつくと、

「やられたな」
≪0001111101010101≫

 一言。普通に考えれば捜査権の横取りをさす言葉なのだが、
 この言葉と共にサーボスカルがグルングルンとタェンティースの顔の直前で、
 グルングルンと横回転。荒ぶりはじめる(なお、スカルは人間の頭蓋骨使用!コワイ!)

【しかし、同時に、である。サーボスカル、イムカのコムリンク、車内UNIX、タェンティースの端末に、
 大量のデータが無遠慮に受信されてくるのを示すメッセージが届く】

「ああ、やられた。この一件、カノッサ絡みだ。それも下手をすると、いや、しなくても…」

 データの発信者は不明。が、おおよそアタリは付けられるだろう。
 そこには新機軸境界線転送技術∞世界の『番』探求:副産物∞極めて不安定∞実際凍結∞低レベルな試み≠ネど
 閲覧すればげんなりするくらいに不穏な単語に事欠かない。

【そうしてイムカはわざとらしく溜め息】

「私が引かない事も織り込み済みというところか?これ以降は我々が担当します…欺瞞もいいところだな」

 疑惑のままに探られるよりも、取り込む方を選んだということだろう。カノッサは。
 データをざっくばらんに説明すると、どうも世界の『番』だか『軸』だかを探求していたある学者にまつわる事件らしい。
 当の本人はすでに死亡しているみたいだが。
335 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/24(金) 23:49:52.78 ID:ou77jJiA0
>>334
ネオンが間延びして見える光景、半人はこの景色を嫌ってはいなかった
元来ひとの手で造られた存在なのだ、天然自然よりも此方の夜景の方が何方かと言えば落ち着く

「えっ?」
「……うわ、な、何ですか、どうしました……?」
「……ん……?」

〜デストローイ♪ デストローイ♪〜

目の前で竜巻めいて回転する頭蓋骨
そりゃ驚くなという方が無理がある
と、デッカーの職務と共に与えられたデバイスに着信
何処かの世界の女性ヴォーカルの何ともアレな歌声が響く

「……あぁ、そういう……」

思わず苦笑、してやられたとそういう事か
手当たり次第に調べられるよりは、情報を与えておいて一定の制御下に置いた方が得策だと
そう踏んだのかと当たりを付けた

「カノッサ、世界のツガイ、軸……ですか」
「……なんともまぁ、さっぱりな話ですね……」

デバイスを操作しつつ眉間に皺を寄せる
しかしここまでの情報の入手は大きく、価値があったのは事実
しばし唸り液晶パネルと睨めっこ、過ぎ行く夜景を見るのも忘れている
336 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/25(土) 00:10:53.75 ID:LIQ/MjXFo
>>335

≪000111010101≫

 回転し疲れた(ドローンが?)のか、タェンティースの頭の上に、
 ヌタッと着地するサーボスカル。反重力制御が効いているのかけっこう軽い。

【そうして鳴り響く着信音。イムカはチェックシートにぽんこつ;音楽的趣味理解しがたし≠ニ密かに記録した】

「気に入らん。私はそんな単純な性格か?」

 平坦な声で言うイムカである。
 しかし、なんというかこういうのには色々理由つけて首突っ込みそう。
 その通りでは?と空気を読まないツッコミがこないことを祈る。

「見たところ境界線世界についての研究のようだな。
 世界には他世界に影響を与える標準世界が存在する?読んでもよくわからんな」

 イムカも学者畑ではない。何やら数字やらグラフやらがあるが、理解できるところは少ない。
 この資料にしてもあくまで触り程度であり、詳細かつ正確な最新データではそもそもありえない。
 また、今回の事件において、この説は発端であっても根源ではない。

【なお、この学者≠ェクローン開発にも携わっていたことは記述されていない】
 【→あくまで必要かつなレベルの限定的情報を提示したに過ぎないのだろう】

「それなりに副産物となる事象もあったようだが、これだな。境界線転送の限界=v

 現状、世界移動は多くの制約の元に発生している。
 世界修正力などその最たるモノ。もしそれを無視できたとしたら、それがもたらす力は計り知れない。もっとも…

「…早々に凍結されたらしい。この学者とやらもすぐに見切りをつけたようだ。使い物にならないと」

 実際にこの技術が成功を収めたかは言うまでもあるまい。
 物質転送、分解、ゼリーマン化。全く以って無益。ただ混乱のみが生じた。

「…なるほど、遺産とはよくいったものだな。捨てたゴミも遺産と言えば遺産だ。
 何処の馬鹿が拾って始めた?ロクなことにならん」

 いつかのイムカの懸念があった。
 ある学者の死。権力空洞化。大なり小なり洩れたであろう研究データ。
337 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/25(土) 00:25:54.51 ID:2RSy0Xwt0
>>336
「……その通……って、ち、ちょっと……っ?」

あわや全くもって危険なツッコミを入れる直前の事だ
サーボスカルが頭頂部に着地、意外と収まりがいいのだが半人としては少々おっかない
イムカの、平坦な表情の仮面の裏の人間性を、半人は少しだけ垣間見ているのだ
そしてその経験は、この事態に対しての彼女の取るであろう方向性を察するに余りあるモノでもあった

「ふぅん……」
「……そんな、風が吹けば桶屋が、みたいな事が……?」

世界間での繋がりなど、意識した事もなければ考えた事もなかった
そしてつまりそれは、少なくとも半人に取って仮説を実体験出来る体験を世界は与えていないという事になる
今ひとつピンと来ない、荒唐無稽な話だ

「え? あぁ、修正力とかの……」

しかし次の、副産物と称する事には理解が及ぶ
半人自体、世界に依っては生身の体を得たりと経験に準ずる事が多い故だ

「……それを試す、試した輩がいると……?」
「そして今回のアレは、失敗例……?」

一体何をどこから持ち込もうとしていたのやら

「……そうだ、あの映像の際の……えぇと、」
「世界線3.00021515、でしたっけ?」

それは一体どんな場所であったのか
サーボスカルにその記憶が残っているかは不明だが、訪ねてみる事に
338 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/25(土) 00:41:04.17 ID:LIQ/MjXFo
>>337

「正直、この推論とやらに関しては何ともいえんよ。
 学者にとっては生涯を賭す事業であったかもしれんが、
 私には興味深いという以上の評価はできんしな」

 この世界間のつながりの解明はどこまで進んでいたのかはイムカには解らない。
 おそらくは志半ばで倒れたのだろうが。学者という人種にも無念とかそういうのはあるのだろうか。と、ふと思った。

「…ああ、すまない。考え事をしていた」

 イムカはタェンティースの問いに遅れて反応するとサーボスカルのデータを照会。
 世界線3.00021515の情報を表示する。

「大きな塔を上に上に建て続けている世界だ。ざっくばらんに言うとな。
 月をも構造体として取り込んで、なおも増殖し続けている塔。テクノロジーも異質だな」

 そこらの高層ビルなどとはスケールが違う。どこまでもどこまでも伸び続けている塔。
 それはかつて神の国を目指し落雷に崩れた塔の再現か?否、もはやそのようなレベルではない。

「空という概念も失われている。私が探索した当時は人間は結局発見できなかったよ。
 現実と電子ネットワークの境がかなり曖昧で…危険度も相応といったところだ」

 かなり奇妙な世界であると今は理解すればいいだろう。
 そして、そこに下手人が存在する可能性が高い。

(たまたま、アタリを付けられる情報を私が持っていた。か。
 こういう展開を期待してのコンタクトか?カノッサは…)

「さて、未完成かつ危険度の高い代物ではあるが、希少なテクノロジーであることには変わりないな。
 ゲート座標の指定には時間がかかるが…やってみるかな」

 そう呟いて、イムカは装甲車の出力を上げてハイウェイを疾駆するのであった。
 ある科学者の遺産…否、望まず流出したガラクタが齎す混乱はどう推移するのであろうか?

【伏線はこれにて。オタッシャデーノシ】
339 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/04/26(日) 13:27:57.70 ID:EFUXCS9xo
文明レベルは現代の能力者がいるような世界
そこに奇妙な扉があった
扉の場所は河原の橋の下の壁にありさらに不可思議なことに昨日まではそこには何も無かったのだ
中には何もないように思えるが扉から肉のいい匂いがする
扉に掛けられた看板には「肉料理屋カロー」と書かれている

──店内
そこは外見通りこじんまりとしていてカウンター席しか無く席は2席・3席・2席とその度にテーブルが曲がり座った場合の体の向きが変わる
ような配置になっている。テーブルは外周が木、内周が鉄板であり目の前の鉄板で肉を焼く店だという事が分かる

「不法占拠で通報されていないことを切に願う……」

そしてテーブルに囲まれた部分で店主であるアフレイ・レッドが内心ビクビクしながら客を待っていた
340 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/04/26(日) 14:25:58.17 ID:EFUXCS9xo
>>339
絡む方がいらっしゃらないので取り下げます
341 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/26(日) 23:07:29.66 ID:2jhOnfMBo
【ファンタジースシ】

 −−−−−−−−−−

 この世界は所謂中世ファンタジーのイメージそのままな世界である。
 モンスターがはびこり、剣と魔法による力の論理が世の規範そのものであり、
 また、多種多様な種族と文化が入り混じる華やかな可能性に満ちた世界だ。

「―――」

 そして、ウルリックも奇妙な居心地の良さを覚えていた。
 多少の奇矯な行動を取っても、そういう事もあるのだろう≠ニ納得される程度に懐が深く、
 自然も適度に豊か。テレパスで会話するのも相手を選べば特にトラブルを招く事も無い。

「―――」

 だから、であろうか。それとも単純に気質の問題であろうか。
 現在の状況に、突然の理不尽に怒りを覚えているのは――

 −−−−−−−−
【事件より15分前――】

「わう!」
「あ、アホ犬。何しやがる!!」

 手を上げて大声で叫ぶ八百屋と、積まれた樽からポロリと毀れたリンゴを、
 これぞチャンスと見てか口に咥えて猛ダッシュするワンコが一匹。

(んっふっふ、戦士たるもの。好機を見逃さぬ抜け目無さが肝要よ)

 やっている事のスケールのアレ具合など気にも留めずに、
 何やら自分の戦士的なモノを誇っているウルリックである。
 これが、ある惑星では守護動物(トーテム)に数えられている種族なのだから世も末である。

【わんこは赤くジューシーなリンゴを口に咥えてダッシュで逃走!】
342 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/26(日) 23:16:54.60 ID:A555TkTA0
>>341
そんなアングリー柴犬の頭めがけ 物陰から出てきた何者かが棒切れが振り下ろしました

「何やってんだアホ犬」
そこにいたのは いつぞや肉を(強制的に)ご馳走した目つきの悪い男

そして棒切れスマッシュの成否にかかわらず棒切れを担ぎ

「略奪することは蛮族のすることだって おかーさんに習わなかったかアホ犬」
アホ犬に語り掛けます 以前の出来事から 人の言葉を理解していると断定 そのつもりで話しかけている
343 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/26(日) 23:23:58.56 ID:A555TkTA0
相変わらず名前が違う!!
344 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/26(日) 23:31:45.43 ID:2jhOnfMBo
>>342

「わうん!?」

 ウルリック一生の不覚(大抵こういうのは一度では済まない)
 柴犬の頭部にゴン!っと一撃が入る。なんたる狡猾なアンブッシュか!

【ころりんちょとリンゴを取り落としてしまう。ああ、せっかくの戦利品が】

「ヴヴヴヴヴ…」

 半眼になってこの卑劣者を睨んでいたウルリックであったが、
 何やら蛮族がどうとか言い始めたので戦士の誇りにかけて反論せねばなるまい。

「わんわんわん!」
≪戦士とはそういうモノだ。生まれた時より斧を持ち、筋骨を鍛え、戦いに明け暮れ、
 身の丈を越える怪物を殺し、誠に強い戦士が略奪品と女を手中にする≫

 実際の声を出しているわけではない。ロイの鼓膜に届くのは吠え声だけだろう。
 だが、何故か言っている言葉が理解できる。テレパスをそういう風に調整したウルリック。
 こういうところで妙なボロを出したのも戦士論の話になったからであろうか。

【実のところロイのいう蛮族めいた価値観そのままかもしれないが、
 正にウルリックが生を受けた惑星はそれこそが規範であり全てであったのだ】
345 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/26(日) 23:42:05.80 ID:A555TkTA0
>>344
だがこの男は生粋のファンタジー畑の生れである
犬の言うことが理解できていて それを若干不思議に思うも そんな犬もいるだろうと結論付けて深入りしない
これも一種の思考停止なのだろう

「だが戦士が略奪していいのは強い相手へだけであり 略奪できるのは強い相手が戦う意思を見せたときだけだ
 戦いこそ名誉を手に入れるチャンスであり 負ければすべてを失う あぁ真理だ」
トントンと木の枝で肩を叩きながら言う

「ならば聞こう お前がリンゴを手に入れた店主は強き者か? 己の身を賭して戦いを挑むに値する敵か?
 もしも弱者を相手に略奪を働けば名誉は泥にまみれる 戦士の名は泥に汚れ荒くれ者と文字を変える」

「言え あの店主は誠の『戦士』か?」

言っていることはカッコイイ・・・のかもしれない
だが犬に説法しているこの状況はカッコイイと言い難いだろう
346 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/27(月) 00:00:51.62 ID:on6QHsYeo
>>345

「わうわう」
≪弱きことは罪らしい。我が星の人間の赤子は生後、すぐに斧を握れねば海に捨てられる習わしだ≫

 どうやら絶対的に価値観が違うらしい。もっとも、ウルリックの言葉もどこか受け売りっぽく、
 彼自身が微妙に納得しかねているニュアンスも含まれていたが。
 が、ここで何やらヘフンと頭を下ろして、落ちたリンゴをひょいと再度咥えた。

「わうん!」
≪が、これは店主の弱さがどうではなく、我が慧眼ゆえの戦利品よ。一切後ろ暗いところは無し!≫

 むっふっふ、と何かドヤ顔っぽい顔つきのウルリック。
 さらにウルリックが声を出していないのがいけない。近所のおばちゃん達が
 ロイを見て先程からひそひそ話!可愛そうな目で見ている人も居るのではなかろうか!!

(全く、リンゴ一つ食うのにえらく手間が…)

 さて、ようやく真っ赤なリンゴを食べられる。と、口をあーんと明けようとしていた時だった。
 再度、この時の事を思い返して述解する。居心地は悪くなかった。
 リンゴ泥棒も、この目つきの悪い男との冗談交じりの問答も。

【だから、この突然の理不尽に怒りを覚える資格はあるはずだ】

 どのような戦士であろうと、どのような魔術師であろうと、
 それが起こることは予期できなかったに違いない。
 街の動物も鳥も、自然災害であれば、何時の間にか姿を消すくらいに鋭敏な感覚を有す者共すら、
 その直前まで全くの無警戒で、そこに在ったのであろうから。

「?」

 突然であった。城塞都市の中央部にその威容を見せ付ける城。
 ファンタジーめいた世界らしく、建築物としても周囲の家屋より一際大きな城で、
 街のシンボルとして、住人は日々の感謝と共に見上げていたという。

【ヴン!とこの世界に似つかわしくないノイズめいた音と共に、
 その城に突然円柱形の黒い構造物、巨大な物体が生えるように出現した】

(…三鷹第3ラボ?)

【この時ばかりはウルリックも不覚ながら一瞬、思考を停止させてしまい
 ただ、巨大な黒い円柱にこれ見よがしに刻まれた文字を読んでいた】
347 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/27(月) 00:10:21.33 ID:FH6i5wiY0
>>346
まぁ価値観が違うのは仕方がない 今まで世界を渡ってきて常識が通じないことなんて幾度もあった
だが自信満々に非がないと言われればジト目になり

「犯罪犬」
一言つぶやいた 周囲のオバチャンの視線にもめげず もう一度枝を振り下ろしてやろうかと思った矢先
振ってわいたノイズに驚き 辺りを見回す

「なん・・・? なんだありゃ!?」
城に円柱が生えている それも特大なヤツが
辺りの住人の反応を見る もしも日常茶飯事であれば住人が驚くことはないだろう

次に円柱をつぶさに観察するだろう
348 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/27(月) 00:21:59.87 ID:on6QHsYeo
>>347

「わうん」
≪人間の勝手につくったルールなぞ知らん≫

【ロイのつぶやきにもこのような反応であった。が、】

「――!?」

 が、我を取り戻した瞬間には、即座にその雷狼としての、
 永遠の戦士としての、機敏な直感が反応した。理屈は無い。勘が告げる。

【実際に事象として出現した今ならば直感も働くというもの】

(アレは危険なモノだ!そして、ここは今、死地と化した!)

 ウルリックの身体が雷撃を放ち、全身とその周囲の空間が大きく乱れ、ノイズが発生する。
 それは体長3メートルを優に越える非常識なまでに巨大なサイズの雷狼へとその姿を変じる。

【ロイにはどう映ったろうか?突然、街中にモンスターが出現?
 その本性を露にして人を襲うつもり?この体躯の狼が街中で暴れれば只では済まない?】

「ガァッ!!」

 手近な子供2名の襟首を口で掴む。巨大な腕は壮年の女性3人をすくいあげ、
 無理矢理に背中に乗せた。尻尾を曲げて数人巻き込めたが数を確認する暇は無し。

【全て一瞬、変化より2秒と経っていない】
 【→そうしている間にもその黒い円柱は膨張していく。まるで破裂寸前の爆弾のように】

 ウルリックもロイも知る由もなかった。
 これが昨今、境界線を脅かす謎の転移現象で、そうして出現したものが一体何を引き起こすかなど。
 ただ、ウルリックは危険であると叫ぶ本能に従い、出来うる限りの手を尽くしただけだ。

「小僧ッ!!」

 ロイに向けられたのは一言だけ。余裕が最早無かった。
 黒い円柱は内部より光を放ち、内的爆縮を引き起こす。
 半ば同化した城は一瞬で粉微塵に砕け散り、衝撃波がそれを中心に一気に周囲に――

【ウルリックは猛然と駆け始めた!背中では爆風で砕け散る家屋!
 舗装された路はめくれ上がり、人々は衝撃力に骨と肉を剥がされ、弾き飛ばされる!】

「―――」

【サイキックによる障壁を展開し、己が口に、尾に、背に在る生命への負担を軽減させながら、
 まだ無事な屋根を、壁を、路を猛スピードで駆ける灰色の影!】
349 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/27(月) 00:34:57.43 ID:FH6i5wiY0
>>348
「・・・・・」
憮然とした表情 ワレ説得ニ失敗セリ
それよりも円柱が膨らみ始めたとき この男の勘も警鐘を鳴らした

なんか目の前の犯罪犬が変化し 辺りの人間を背中に乗せているが
敵意ぐらい察知できる この化け物から敵意の一切が感じられない

故にスルーした たとえ阿呆みたいな巨躯を持つ狼となり あまつさえ言葉すら発しようと

「―――――ッ!!」
犯罪犬の言葉に返事をする暇もなかった 反転し 小さな跳躍

「月閃歩行!!」
空を蹴り 大きく飛翔 次の瞬間とんでもない衝撃が迫るのを感じながら
犯罪犬のそばを付かず離れず逃げ続ける
350 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/27(月) 00:43:46.84 ID:on6QHsYeo
>>349

「グウウッ!?」

 大きく跳躍。それでも目に映るのは吹き飛ばされた多数の瓦礫と、
 嫌がおうにも鼻に届く、血煙と化した犠牲者に臭い。

【駆けるなか、眼下にはまだ無事だった人々も、その営みもあった。
 が、それらを掬い取る術はウルリックには無い。その巨大なはずの腕が今はあまりにも小さすぎた】

 爆圧と轟音。吹き荒ぶ衝撃波をついに背中に受けた時には、
 爆心より遠方への退避に成功しており、バランスを若干崩しての着地にウルリックは成功していた。

「バウッ!!」

 放心する救助者を下ろすと同時に即座に柴犬の姿に擬態すると、
 無事な建物の屋上にその身を躍らせた。

【→被害は惨憺たるモノであった。城塞都市の中心から外周までの1/3がクレーターとなって丸々消滅している】
 【→運よく外周部に住んで被害を免れた人々も今は放心状態だ。まだ理解が追いついていないのだろう】

「…小僧、こういう世界ではこういうのは珍しくないのか?」

 おそらくは側にいるであろうロイに対して、半ば答えがわかっているであろう質問を投げかける柴犬。

「拙者は戦士だ。そして貴様の言うとおり略奪者でもある。自然の摂理だ。が…」

 大地を抉るクレーター、飛び散る残骸。今、まさに空からボトボトと落ちてくる人間だったものの残骸。

「これは戦でもなければ誉れでもない。何が起こっている」

 忌々しく被害を睨むウルリック。
351 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/27(月) 01:03:53.70 ID:FH6i5wiY0
>>350
この男も眼下の光景を見て歯噛みしていた
今すぐにでも下に降りて 見ず知らずの人々を助けたい だがそれも叶わず ただ逃げるか はたまた死ぬか

「ンゲッグ!!?」
そして退避完了 同じく着地に失敗し こちらはゴロゴロと地面を転がる
あの犯罪犬は柴犬の姿に変わると 近場の屋上に上ったので 自分も後を追って壁を登る

「どっこいせっと・・・あの現象か? 間違いなく珍しい・・・どころか 歴史上初めてといってもいいかもしれん
 日常茶飯事なら対抗手段が取られるだろうし それがなきゃこんなデカい都なんてできない 都市国家に分裂して被害を縮小したりするだろうさ」

尻ポケットからスキットルを取り出し 中身の酒を呷る

「なにせ情報が少なすぎる いや待てよ? もしかして・・・」
顎をひねり 情報を引きずり出す

「ここ最近境界をまたいで同じ情報が飛び交っていたりする
 あの爆発がこの世界特有の現象でないのなら 境界をまたいで起きた現象の可能性だってある
 だとしたら・・・アレが例の賢者の遺産ってことか?」

とにかく原因については憶測だが これでこの都がどうなるかは予想できる

城のど真ん中で起きた変異と爆発 威力からいってまず王族一同生き残りがいる可能性は極めて低い
それこそ 鹿狩りにでも出ているか 血を分けた兄弟が教会やらに押し込まれているか そのレベルの可能性

「一体何が目的でアレをやらかしたのか・・・そもそもアレをやらかした人物がいるかわからんが・・・」
爆心地の方を睨む目には怒りの色

「分からんが・・・メチャ許せんよな・・・」
352 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/04/27(月) 01:14:53.95 ID:on6QHsYeo
>>351

「賢者?これが賢者とやらの仕業か?拙者はどうやら言葉の理解を大きく訂正せねばならんらしい」

 やるせない義憤。ウルリックの現在の感情を言葉にするならそんなところだろう。
 略奪の理論を説くウルリックであるが、根っ子はまた別の価値観が多分にあるようだ。

「境界を跨いでか。だとすればロクなモノではないな…そうなると、お嬢も動くか?」

 ウルリックはふとそのような事を呟く。

「ここは混乱が酷くなるだろうな。小僧、付いて来い。まだ助けられる生命もあるかもしれん」

 言いながらウルリックはストンと屋根から地面に着地し、ロイの方を振り向く。
 そのまま、中心部まで戻るつもりのようだ。その嗅覚を頼りに、災厄に対しあまりにもささやかな抵抗をせんと。

【→この災害に対してこの世界の冒険者ギルド、魔術師ギルドはあらゆる調査を行う】
 【→強大な魔術師の仕業?魔物の仕業?魔王の仕業?魔術実験の失敗?】
【→しかして、結局、何一つ確証を得られぬままに爪痕を残したまま終わることになる】

 この事象は、この破壊は、越境者でなければ理解も、そして収束させることもままならないのだから。

//ではコノヘンデー
353 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/27(月) 01:23:32.32 ID:FH6i5wiY0
>>352
「賢者ってのは賢い者って意味だからな 言葉の響き的に善人っぽいが その実そこに善悪の基準はない」

そして柴犬に続いて屋根を降り 爆心地へと向かう 助けられる命があるならば 助けるに越したことはない
ジョジョにあたりの人が状況を飲み込み 悲しみや怒りや恐怖が伝染する中をかき分け 前へ進む

「一度 賢者の遺産について越境仲間から情報を仕入れておいた方がいいな・・・」
隠して 事態の収束にまた1人の戦士が加わった

//おつかれっしたー
354 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/27(月) 21:57:21.52 ID:B0sfvMnA0
【とある世界、ショップモール】

半人は珍しく浮かれ気分でモールを歩いていた
普段指を咥えて眺めるだけのウィンドウ群に手が届く故だ
ちょっとした事で入った臨時収入はそれなりに大きい、さてどうしたモノかとマネキンの纏う衣服をチラリ

「……あ、これは流石に……」

ゼロの桁がふたつ程、半人の予測を上回る代物であった
軒下のワゴン、赤い値札の付いたそれに大人しく目を移してひとつ
その中から取り出そうと手を伸ばした
355 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/27(月) 22:11:09.69 ID:fUze9Iha0
>>354
「…………」

数多人々で賑わうとある世界の繁華街。ショーウィンドウを覗き込む傍の半人の姿を横眼で見つつ浮かぬ顔の青年ひとり。
臨時収入とは勿論この男のことだ。
チャコールのドレスシャツに光る金のネックレス、グレーのジーンズと革靴。面相を隠すためのサングラス。
私服の元上級曹長は現在絶賛脱走中。普段しないような派手な格好を選んだのは面が割れるのはマズいと考えての判断だ。

「…………」
「え?…あ、あぁ……うん…別に我慢しなくても良いんだぜ…?」

つい10分ほど前までこの男の生活は普段通りとさほど変わらぬものであった。
異変の始まりは今朝のことだ。ハングオーバーの頭痛に喘ぎながらベッド起き上がり端末を開いたその時、見知らぬ番号からの着信履歴とメッセージ
はてさて今日は出掛ける予定なんて入れていただろうか?昨晩アキレスと呑み交わしてからの記憶が曖昧である。
そしていざ来てみればこの始末である。待ち合わせ相手の顔を見てジョシュアはさぞかし肝を冷やしたであろう。

(…一体何なんだ…どうしてこうなった…?)

思い出せジョシュア。何があったジョシュア。額から尋常ではない量の汗を流しながら答え次第では生命に関わる問題の原因を必死に探す。
ちなみにこの男、タェンティースには自分の正体がバレていないという想定でここに立っている。
356 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/27(月) 22:24:06.89 ID:B0sfvMnA0
>>355
「……そうですか?」

ふ、と手に持ったテロテロな、縫製の悪い安物の……即ちいつも半人が買う様な……衣服をワゴンに戻す
薄い笑みを浮かべ、何処ぞのマフィアかストリートギャングめいたジョシュアに横目でチラリ

「豪気ですね、まぁその位の甲斐性がなければ」

それなりのグレードのブランド店だ、普段半人が立ち入る事が出来ないような
無遠慮に潜る自動ドアのなんとも心地よい事か

「……酔った勢いでわたしに声を掛けたりはしないでしょうし」

酒は抜けましたか、と目を合わせる事もなく
店員を呼び止めマネキンの纏っていた一式を確保
どうやらそう言った方向性に定めた様子

「ですよね、ジョシュア様?」

尚半人は文字通り半分は機械である
そしてその無機的な部位は、他人の簡素な変装を見抜くには充分な機能を保持しているのだ
357 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/27(月) 22:29:16.15 ID:FH6i5wiY0
>>354-355
1:まずタェンティースに買い物の約束を取り付けます

2:ジョシュアを飲みに誘います

3:ジョシュアのブラッディマリー(ウォッカのトマトジュース割り)にスピリタスを仕込みます

4:へべれけになったジョシュアに買い物の約束を取り付けた後 最寄りのモーテルにぶち込みます(宿泊代金はアキレスが支払いました)

5:タェンティースに急用ができたことを伝え 代役が向かうと連絡します

6:2人をダイナミック★エンカウントさせます

7:遠くでニマニマしつつ見守ります

「やっぱり仲直りって大事だよね★」
モールの二階 オープンカフェにて 帽子を目深にかぶり サングラスで顔を隠したアキレスが眼科のやり取りをほほえましく見守り

―――ギィ♪
付け合わせのピザパンに舌鼓を打つベティでしたとさ

//出番これだけにつき 失礼
358 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/27(月) 22:43:51.79 ID:fUze9Iha0
>>356 >>357
「…………」

ピクリ、タェンティースの口をついて出てきた言葉に眉を動かすジョシュア。心なしかその無表情顔も少し引きつっているような
そしてさらに続けられる言葉。タェンティースが一言一言紡ぐごとに噴き出す脂汗、顔色はみるみる蒼くなってゆく。
ずぞぞぞと轟音を立てながら物凄い勢いでスムージーを啜る。しかし事態は何も好転せず、「酒」というワードが飛び出てきた途端、「ぐっ」と変な声を上げて半分むせかける。
ナンノコトカナ?と無理矢理作った笑顔を向けるも逆効果、ゴミを見るような目付きと失笑を喰らってしまった。

「げっふァッッ!!!」

はたしてタェンティースの口より自身の名が発せられたその瞬間、びくりと跳ね上がる身体と心臓。気道に飛び込むスムージー。
壮絶にむせながら取り落としたスムージーを拾おうとして蹴り飛ばす。無残に散乱する薄桃色の流動体。
ようやくカップを拾い上げればズレたサングラスを直しもせずにタェンティースを指差してわなわなと肩を震わせる。

「…な、な、な…タェンティ……テメェっ……ハナっから分かって…」

顔面蒼白、ガタガタ震えながらの問い掛けである。そうだ、そういえば昨日こんな事があったような…
確か完璧に酔いつぶれたあと、偶然見かけた紺碧の髪の少女と白銀の髪の女性の二人組
うっかり酒の勢いに任せその二人組にノリでナンパを仕掛けたのだった。そしてその片割れがタェンティースであると…
うんそうだ。そうに違いないと途切れ途切れの記憶の欠片を半マインドコントロール的な妄想補完で紡ぎ合わせて結論付ける。
アキレスの仲直り工作には微塵も気付く気配などない。仮にタェンティースがそれを知っていてカマをかけていたとしてもだ!
359 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/27(月) 22:57:07.40 ID:B0sfvMnA0
>>357-358
「うわぁっ!?」

そらを舞って虹を創るスムージー、幻想的な光景である
余りの反応の良さに思わず声が漏れて半歩身を引く、この辺りの初動は鍛えられた戦闘勘のお陰だ

「……ま、これを機に学習なさるといいのではないですか」

そして更に言えば、酒の入らぬ素面の状態でアキレスのこの心遣いに気が付けぬ程に鈍感でもなかった
一応その真意を汲んで、この場は様々な鉾を納める事に決めている
だからと言ってまぁ、言葉のそれまでが上手い事行くかは微妙なところではあるが

「サングラス掛けた位で、誤魔化せると思われていたとは心外ですね」
「……イムカ様に報告しますよ?」

ともかく今は、アキレスの設けてくれたこの貴重な会合を半人なりに愉しむとしよう
普段眩しさに目を覆ってしまうような高級な衣服の数々
あれもこれもと指差しお買い上げありがとうございます
360 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/27(月) 23:09:36.15 ID:on6QHsYeo
【先ず戦闘に至った経緯についてであるが不幸な行き違いであろう】

 スプロールは言わずと知れた大犯罪都市だ。
 ゆえにヨタモノの小競り合いもギャングの殺し合いも頻繁。
 企業による制御の名の下に大捕り物が実施される場合も多い。

【だから、突然に発生した小競り合いに巻き込まれて、
 火の粉を払っているうちに誤解と脅威性だけが跳ね上がって認定されて、
 ワケのわからぬような状況に陥ることも無いこともないのだろう】

 −−−−−−−−

「こちらはデッカーだ!貴様は完全包囲下にある!
 そして貴様には黙秘権がある!つまり、そのままおっ死ねということだ」

 廃墟と化したビルが連なる放棄地区にて、
 拡声器から、投降(というより死刑通告か?)を促すダミ声が響き渡る。
 眼下には機銃装備のドローンが複数接地され、射殺の時を待ちわびている。

【先ず、誤解ないように言えば、現在包囲されている越境者には非は全く無い。
 冒頭部で示された通り、ただ突如起こったトラブルで襲い掛かる火の粉を払っただけだ】
【もし、事情聴取と調査はキチンとなされれば、拘禁も前科も付かず、もしかしたら金一封すらもらえたかもしれない】

 が、問題は現れたの地区担当のデッカー(治安維持権限を持つ企業群の総称)であった。
 凶悪犯殺害ポイント(溜まると様々な便宜やボーナスがあるとか)の取得のみを重点に、
 ロクに調査も行わず、殺してから凶悪犯に仕立てるという最悪のメゾットを行う気マンマンだったのである!

【何たる卑劣!これもサイバーパンクにおける超汚職の一側面であろうか!】
 
361 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/27(月) 23:10:43.12 ID:fUze9Iha0
>>359
「チィッ…!…バレてんなら紳士的な態度を貫く理由も無えッ……この場でブッころ」
「ちょっと待ってくれイヤください頼むそれだけはご勘弁を」

スムージーのカップを握り潰せば消化、残りカスをゴミ箱へと乱雑に投げ捨てればジョシュアもタェンティースを追い高級衣料店へと足を踏み入れる。
本人的にはサングラスで正体を隠し通せなかったことが最もショックが大きかったようだが
しかし既に正体がバレているのであればもはや遠慮も、また意表を突くために紳士的に接近する由も無い。
同じく飛び退いて抜刀の構え、何時でもタェンティースを切り捨てられるように身がm即座に財布を開くのであった。

「クソ……大事に着ろよ…!?もし売っぱらってあのクソ女の肥やしにしてみろ、お前ら全員纏めて牛のクソ溜めに…」

ブツクサと呪詛を吐き捨てながらも素直に会計。店員を睨み殺さんばかりの形相で支払いを終えれば半ば無理矢理タェンティースの腕を引っ張って衣料店を後にするのだ。
店の外まで来ればタェンティースに服の山盛り入った紙袋を投げ付けて自分はさっさと退散しようとする。

「買い物は終わりだ、さぁ帰るぞ。オラッ、荷物持ちやがれッ」
362 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/27(月) 23:19:15.75 ID:B0sfvMnA0
>>361
「素直で宜しい、人間素直が一番ですからね」

口元を隠した笑み
それは確かにこの場に楽しさを見出してしまった事に対する気恥ずかしさが取らせた所作なのだが、
半人自身それに気が付くにはやや未熟
ジョシュアのお財布頼りに買いに買った衣服の数々、それなりなお値段になるだろう

「もちろん」
「……物持ちはいいんですよ、わたし」

お会計の様子を覗き込み、レジに表示された合算に目を見開きつつも平静を装う
ぐいっと腕を引かれご退店、ありがとうございました
店員に渡された荷物を更に半人に押し付けるジョシュア
むぅと唸りつつも受け取って右手に

「……少し喉が乾きました」
「あぁ、丁度いい所にコーヒー屋さん……」

如何にもなわざとらしい反応で有名チェーン系列のカフェを示す
363 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/27(月) 23:33:44.61 ID:fUze9Iha0
>>362
「へッ、どうだかなぁ…?俺と戦うたびに腕吹っ飛ばしてるようなヤツがよ…」
「それ着て戦うんじゃねーぞ?」

物持ちがいいと自負するタェンティース。しかしジョシュアはそれを鼻で笑い急に元気を取り戻した。
ネオでの一件とリベルタスでの再会、その二つの戦いにおける結果がこの状況におけるジョシュアの唯一のアドバンテージにして心の拠り所となっている
そしてまた、ジョシュアの小物臭を醸し出す要因にも…

「っ……くぅ……」

そんな得意顔のジョシュアであったが、全く気にも留めないタェンティースの態度、さらに追加のオーダーを耳にし再びその表情は生気を失う。

「まァコーヒーくらい痛くもカユくもねーさ、このジョシュア様のおサイフにとっちゃな…」
「……あのイタリアマフィア野郎を思い出すな、この喫茶店のメニュー」

カウンター前のメニューを見上げふと見覚えのある文字列。呪文のようなその商品名に僅かに顔を顰める。
そして余裕を見せるその台詞はどこか自分に言い聞かせているように聞こえるのは気のせいであろうか?
そんなジョシュアは一番安いアイスのブレンドを注文。やはり先程の一撃がそこそこ効いているらしい
364 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/27(月) 23:37:44.29 ID:jRuewknto
>>360
【廃ビルの一室】
【小さな火の粉を払ったまでは良かったのだが、面倒を嫌ってそそくさとその場から逃げ出したのが不味かった】
【気付けば追われる身となり廃ビルに身を隠している有様だ。ガラスの無い窓から眼下を見下ろせば武装したデッカーと呼ばれる者どもがビルを包囲】
【あの場で面倒がらずに説明をしていればこうはならなかったか。彼らに聞く耳があればの話であるが】
【ふぅ、と溜め息し窓から身を乗り出すとそのままデッカー達の眼前へと降り立つ】

こういった面倒は嫌いなのだが……。
仕方あるまい、私の蒔いた種でもある……怨んでくれて構わない。

【無感情に呟くと純白のマントを翻し同時に抜剣。顕となった漆黒のバトルスーツが赤い刀身に照らされる】
【こうなってしまってはもう平和的解決は望めない。極端ではあるが全てを無かった事にするのが最善と判断したアンジェの刃に迷いは無く】
【敵の装備にもよるが治安維持目的の携行火器程度であれば無能力者が何人いようと物の数ではない】
【不測の何かが起きなければそれほど苦も無く全員を黙らせるだろう】
365 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/27(月) 23:42:51.41 ID:B0sfvMnA0
>>363
「……」
「……留意します」

しまったと押し黙る
痛い所を突かれてやっと絞り出した一言だ
戦歴を鑑みれば大きな態度を取れないはずなのは至極当然なのだから

「では、わたしは……えぇと、」
「……これを」

お洒落めいたオーダーを読み上げるのが憚られたのか、それとも元々よく分かっていないのか
割と無難なラテ系を注文、小さながま口を取り出した

「……えぇ、持ち帰りで」

貧相な見掛けのそれからは矢張り大した金額が出て来る事はない
だがしかしジョシュアの分と含めた支払いを済ませてしまう

「……これでおあいこ、貸し借り無しです」

小悪魔地味た笑みを向け、受け取ったブレンドを差し出す半人
366 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/27(月) 23:52:42.67 ID:on6QHsYeo
>>364

 実のところ彼女が面倒がらずにその場に留まったならば、
 勝手な理由をつけて拘禁、最悪はゲスな男にその身体を狙われていたかもしれないので、
 強いていうならばトラブルに巻き込まれた場所こそ悪かったという割と頭の痛い状況であった。

「な!?」

 そして汚職デッカーは、当然ながらドローンさえ居れば確保可能と高をくくっていた無能。
 ドローンは降り立ったエヴァに反応し、銃弾を放つが、反応速度が彼女の動きに追いつけず、
 ただ、その剣閃が煌く度に、その機体を二等分、あるいはそれ以上に分割されるのみ。

「ヒィイイイッ!!」

 そして、ドローンを全て始末した段階で、半狂乱になった汚職デッカーはエヴァに向けて、
 ライトピストルを撃つ。が、意志も銃口も定まらぬ射撃など、的が止まっていても当たるわけがない。

【当然の仕儀として、ブザマな銃撃を行う汚職デッカーに剣を振り上げた。その時――!】

「イヤーッ!!」

 突然である。横手より割って入ったシャウトと共に、
 寸断される直前であった汚職デッカーに黒い影が割って入り、
 その腹部を抉るような蹴りが放たれ、彼をその剣域の外に押し出したのだ!

【かばわれた汚職デッカーは内臓を複数破裂させ、血反吐を吐きながら壁に叩きつけられた!ブザマ!】

「随分と暴れたものだ。これはまた酷い被害だ」

 エヴァの眼前に広がるのはたなびくプラチナブロンドの長い髪と、そこから覗く紫色の瞳。
 耳に響くはドローン数機とデッカー一名という痛ましい犠牲を告げる澄んだ声音であった。

【瞬間、乱入から数秒も経たぬうちに決断的な行動に出る影――イムカ・グリムナー。
 身を思い切り低くして、片腕を地面に付け、そのまま回転、薙ぐようにエヴァのこめかみを狙って鋭いキックを放った】
367 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/28(火) 00:06:58.86 ID:LZrhZ7Wd0
>>365
「…な、なんだお前……急にしおらしくなりやがって……」

過去の戦歴について問いただした途端に口ごもるタェンティースの反応を見てジョシュアは少し奇妙がる。
それもそうだろう。ジョシュアの予想ではどうせあれやこれやの言い訳と共に高慢な態度を取ってみせるだろうと踏んでいたからだ。
タェンティースの見せる意外な一面にしどろもどろになるジョシュア。
彼はまだタェンティースが外見不相応に純粋な精神の持ち主であるとは全くもって知っていないのである。
それにもっとも"近しい存在"を守護すると自ら誓っておきながら。

「……………」

そしてタェンティースが取り出したものに意外そうな反応を見せ、ただ口をぽかんと開けてその行動を見守っていた。
一体どういうつもりなのだろうか?今更の申し訳なさにせめてコーヒー代くらいは払う気分になったか?と。
そして差し出されたコーヒーとその無垢な笑みに少しだけ硬直し、やがて我に帰ったように捨て台詞を吐いた。

「あと100杯は奢って貰わないと釣り合わないな」などと吐き捨てながらもそれを受け取りされど浮かない表情。
素直にありがとうが言えない反抗期の子供のようなもどかしそうな表情を浮かべ、やがて無言に耐えかねたのか、それとも何か言わんとして押し殺したのか

「……っ…バーカ、……バーカ!…ほらっ、次行くぞっ!?」

これまでひたむきに敵意を向け続けてきた怨敵相手に何も言えなくなってしまい、ついには稚児のような暴言で照れ隠し?を始める始末。
まったくもって今日は初めから終わりまでこいつに翻弄されっぱなしだ、とジョシュアはウンザリした気分で、
それでいてどこか奇妙な心地良さ。納得のいかない、正体のわからないふわふわとした感情を抱いていた。

再びタェンティースの手を引いて店から出る。今度は先程よりも優しく、それでもまだ乱暴ではあるが、
それでも自分から進んで「次」の提案をするようになっただけ。その分だけ親交が深まったと言えるのだろうか?
ジョシュアの心の中に渦巻く感情を知ることはジョシュアを含め誰にも出来ることではないが、ただ一つの確かなことは、
この日ジョシュアのクレジットカードはめでたく$12,000の限度額を超過したということだった。

//時間も時間ですのでここらで締めましょうか
//ありがとうございました〜
368 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/28(火) 00:13:49.63 ID:AXJn5gvto
>>366
くっ……!?

【突然の乱入者を暫し静観、しかしそれを打ち破るイムカの蹴脚に反応を余儀なくされる】
【咄嗟に上体を逸らしながら足裏にエネルギーを収束させ解放。発生した浮力はアンジェの身体を数メートル後退させたところで着地】

心外だな、そのデッカー1名とやらはお前が蹴り飛ばしたように見えたが?
……まぁいい、こういう事ならば私も不慣れではない。
369 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/28(火) 00:18:13.86 ID:mqNVvDqH0
>>367
「ば、バカとはなんですか、折角奢ってあげてるのにっ」
「わたしの思考ユニットは有機脳の性能をフルに発揮する事で、あなたより余程……!」

ムキになって反論する辺り、ご自慢の思考ユニットの性能とやらは測るべし
最も戦闘面におけるサポート重点を主眼に作られているのだ
日常生活ではひととほぼ変わりなどない
空気を一変させる為に、一心地付くためにラテを一口
熱い、唇を火傷した

「次?」
「……え、えぇ、望むところですとも」
「では次は、あの店に……」

次があるとは考えていなかった半人
それもまさかジョシュアからそれを口にされるとは尚の事
やや呆気に取られて引っ張られ、だが歩幅を合わせて歩き始める
当初はアキレスの心遣いに対する答えだけのため
だが今は違う、それだけではないだろう
しかしその真なる意味を深考し、理解してしまうのは何と無く癪に障る
あえて分からぬフリで、愚者を演じて己を騙しこの場は乗り切ろう
そして繋がれた手の、温かい感触に身を委ねればいいのだ

まぁ、なんというか、悪い気はしないな

半人は半人自身を無理矢理納得させ、本心ではこのひと時を小気味良く感じていた

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
370 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/28(火) 00:25:54.42 ID:7yO6M5mio
>>368

「―――!!」

 蹴りを放った時に生じた回転力をそのままにイムカは残った腕を大きく前に突き出す。
 そこにあるは一丁の銃!このスプロールにも存在せぬ高度なテクノロジーで鋳造された、
 異星人との戦いにあけくれる絶望的世界の標準兵装!

≪ブラスターモード:エリミネーター/スプラッシュレイ≫

 BLAM!緑色の閃光が銃口から放たれると、
 巨大な翡翠の光は一瞬停止、その直後、8の閃光に分裂!

【それぞれが意志を持ったかのようにジグザグの軌道を描きながら疾駆!】
 【→後方着地直後のエヴァに向かって飛んでいく】

 ここからエヴァに読み取れる傾向としては、この乱入者は極めて決断的であるということだろう。

「コラテラル・ダメージ(副次的な被害)だよ」

 そして、ブラスターレーザーの迫るノイズ音に混じってイムカは先のエヴァのセリフへの返答をした。
371 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/28(火) 00:26:08.40 ID:AXJn5gvto
>>368
くっ……!?

【突然の乱入者を暫し静観、しかしそれを打ち破るイムカの蹴脚に反応を余儀なくされる】
【咄嗟に上体を逸らしながら足裏にエネルギーを収束させ解放。発生した浮力はアンジェの身体を数メートル後退させたところで着地】

心外だな、そのデッカー1名とやらはお前が蹴り飛ばしたように見えたが?
……まぁいい、こういう事ならば私も不慣れではない
そちらの都合は汲めないが立ち塞がるのならやらせてもらう。

【擦り切れたこめかみから伝う血を親指で拭うと、背面から推進剤のようにエネルギーを噴出させてイムカへと駆ける】
【接近が叶えばくるりと回転しマントで自身の身体を隠すように目くらまし】
【その勢いのまま繰り出されるのは赤熱の刀身ではなく下段からのアッパーカットだ】
【状況はいまいち掴めてはいないが、デッカーの仲間ではないと踏んだのか殴打による攻撃】
【しかしイムカの顎先を狙うその拳には、衝撃力を高めるように赤黒いエネルギーが纏わり付いている】

/すみませんみsりました

372 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/28(火) 00:28:01.60 ID:7yO6M5mio
>>371
//先に返レスおわっちまっているだよー;
373 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/28(火) 00:30:43.51 ID:AXJn5gvto
>>370
/失礼いたしましたそのままれすしますー!
374 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/28(火) 00:54:42.87 ID:AXJn5gvto
>>370
この光……!? 越境者!!

【着地と同時に迫る閃光、その軌道に完全回避は不可能であると判断】
【背面から赤黒いエネルギーを噴出させイムカへ向かって一直線に駆ける】
【点を狙った射撃であれば幾つかはすれ違いやり過ごせるだろう。それが叶わぬ直撃弾はロンギヌスを発振させ迎え討つ】
【色彩は違えど高エネルギー同士の衝突に闇夜を照らすスパークの光と、弾ける音が空気を震わせる】

こんな所で出逢えるとはな……! 私の悪運も捨てたものではない!
お前が何を背負い私に牙を剥くのかはわからない。いや、そんなものは私にとってどうでもいいんだ……!
さぁ、見せてくれよ……共に死線を越えて、その先にあるモノを!!
私たちが世界を越えてまで戦う、その意味を!!

【翡翠の光を斬り裂き向かうは越境者イムカの喉元】
【先のスパークで乱れた刀身がアンジェの昂ぶる情念を吸い取ったかの如く大きく膨れ上がり】
【接近が叶えば地面を抉り、溶断しながらその体を斬り裂かんと振り上げられる】

375 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/28(火) 01:13:21.89 ID:7yO6M5mio
>>374

(何を背負い?)

 体勢を立て直しながら、イムカは眼前の女が放った言葉にやや首をかしげた。
 表情というモノを感じさせぬ人形のような顔ではあったが、
 別に思考すらも人形めいて無機質というわけではない。

(…背負うというかデッカー応援要請があったから来ただけだが。う
 身柄確保しないことにはどうにもならないのもある。うむ、返答するならば…)

 考えと纏めて一言。

「職務だ」

 絶望的に言葉が足りない!
 そして、そのままに己に伸びる斬撃。即座に対応せねばならぬところだ。

【至近距離!イムカは左手を背後にやり、右手を前に出す独特の構え】
 【喉首に伸びる刀身!そして、エヴァにも伝わるだろう一瞬の抵抗――!】

 イムカの周囲が僅かに放電し、何かが一瞬だけその剣筋を鈍らせた。
 これは彼女が周囲に展開している偏向(リフラクター)フィールドによるものだ。
 斬撃などの格闘攻撃には脆く、一撃でエネルギーを使い果たし消滅したが、
 その剣筋より紙一重で己が身を反らせるには十分すぎる余地を生み出した!

【→イムカはあえて前に踏む込み、エヴァの刃の内側にその身をねじ込む】

「セッ!!」

 最小限の動き。ガントレットに鎧われた裏拳をエヴァの頭部に向けて振り下ろす。
 足の踏む込みと腰の動き、肘の動きを連動させた一撃だ。
 が、これは攻撃であると同時に布石でもある!

【エヴァの視界一杯に拳を見せて、意識をそちらに向けさせると共に、
 背中に隠した左手、そこに構えたクナイダートを指の力のみで上に向かい投擲する】

 エヴァの視界には拳とイムカ自身が死角となり、上に放たれたクナイは視認できない。
 そしてクナイは一定以上の高度に達すると、エヴァの反撃予測ポイントに向けて落下する。
 忍術の要素を含んだ影術の一種である。

【賽印流:雨垂れ;
 狙いはエヴァの首と肩の付け根。技の性質上威力には乏しいが
 腕の動きを鈍らせれば大きなアドバンテージになると踏んでの攻撃だろう】
376 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/28(火) 02:02:54.37 ID:AXJn5gvto
>>375
【視界を覆い尽くすガントレットによる裏拳。しかしイムカがそうしたようにアンジェも引くことはしない】
【少しでも衝撃を殺さんと額にエネルギーを展開、肘を起点に振り下ろされる拳に頭突きを繰り出す】
【何の対応もせずに裏拳を受け入れていれば恐らくはそのまま昏倒、膝をつく事は免れなかっただろう】
【額は割れ、そこから流れ出た鮮血がアンジェの顔面に川をひけば、心なしか緩んだ口角を伝う血を舌でぺろり】

……私は己を過大評価することはないが、客観的に見てそれなりに驚異的ではあるはずだ。
それでも尚、与えられた責に背を向けぬとは……忠誠か、誇りか? どちらにせよお前のような奴は嫌いじゃないよ。
そして……! お前のような奴がいる戦場こそが私の心を駆り立てる!

【イムカは既に懐。クロスレンジにおいて剣を握り直しての斬撃は悪手】
【なればと繰り出すのは空いている手で拳を握りしめての殴打】
【赤黒いエネルギーを纏ったボディブローは通常のそれよりも強力なことは明白】

ぐぅ……!? これはクナイ……!?
やはり楽しませてくれる!

【ボディブローの成否に拘らず落下したクナイはアンジェの首の付け根に突き刺さる】
【視覚外からの予測不能な攻撃にアンジェの対応は後手にならざるを得ない】
【イムカがボディブローをいなし直ぐ様の追撃を加えるのであれば見事に隙を突く形となり対象の身柄拘束という職務を全うできるはずだ】
【しかしボディブローを受けてイムカも隙を晒しているならば、アンジェは其処を突くように三発のエネルギー弾を発射】
【それを目くらましとし背面からエネルギーを噴出し、高速で回り込みながら斬りかかるだろう】
377 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/28(火) 02:23:58.74 ID:7yO6M5mio
>>376

「――!!」

 クロスレンジ下では行動が限定されるのはイムカも同様。
 人間の身体の中でも最も硬い頭蓋骨。そしてう拳の打点を殺された。
 あれでは威力が乗らない。即応を優先し、パワーアシストを切っていたのもある。

【ゆえに相手の反撃が追撃速度を上回るのは明白】

 赤黒い奇妙なエネルギーを纏う拳。が、イムカは攻撃モーションの最中により反応できる状況ではない。
 ゆえに息を止めて腹に力を入れる。必要なのは覚悟だ。来るべき苦痛に耐える心構え。
 あとは装着している外殻(カラパス)アーマーの強度次第――

【ズン!と拳が腹部装甲に突き刺さる。装甲を貫通するショック!
 耐衝撃ジェルが沸騰し、装甲の排出口より僅かに洩れる!】

「グウッ!」

 そのままイムカの身体はノックバック!
 ブザマに倒れ伏す事を拒否し、足を地面に滑らせ、ギリギリのバランスを保つ。

【後退するイムカのブーツが摩擦熱により地面に火花を刻んでいく!】

「…痛、なるほど、闘争愛好者か中毒者の類か」

 どうにか踏みとどまると、プッと口に溜まった血液を地面に吐き、口唇を指で拭った。
 さて、それでは次に構築すべきタクティクスは―― 

「………」

 が、ここで一瞬、イムカは眉根を潜める。
 エヴァの放ったエネルギー弾をブラスターで正確に射抜きながらも、
 次に接近するエヴァに対しては、先程まで見せていた敵意が殆どなくなっている。

「お楽しみのところを悪いが、戦う理由がなくなった」

 斬りかかろうとするエヴァに対して、イムカは両腕を組んで無防備な体勢となった。
 明らかに無抵抗といった風情である。これで斬りかかる程度なら、
 自身が相手を買いかぶりすぎた結果だろうといわんばかりに。

「君にかかった嫌疑の裏が全て取れた。そこの下種が随分とデッカー権限を悪用していたようだ。
 逮捕する相手は君ではない。それどころかデッカーとしては謝罪せねばならんくらいだ」

 先程、ブザマに倒れてからそのままの状態のデッカーに侮蔑を向けながら、
 イムカは、現れてから全く変わらぬ無表情と平坦な声音でそう口にするのだった。
378 :エヴァ=アンジェ【高騎士女〈ジャンヌダルク〉】E.ロンギヌス [sage saga]:2015/04/28(火) 03:30:39.76 ID:AXJn5gvto
>>377
【イムカのブラスターから放たれた光弾はエネルギー弾の全てを正確に射抜き、炸裂するスパークが虚空を照らす】
【その隙にと側面から斬りかかるアンジェであったが、対象からの敵意消失。それに加えて両腕を組み無防備を晒すという状況】
【しかしアンジェは止まらない。維持した速度と勢いでイムカに接敵、遂には彼我の距離は完全に詰まり必殺の間合い】
【しかし手に持つロンギヌスの刃は既に消失しており、そのままイムカとすれ違えば少し距離を取り着地、振り返れば無表情を彼女に向けた】

……私としては関係ないのだがな。
お前と戦う理由がなくとも、戦いの果てに理由があるのだから。
まぁ、それは私の見ているものであってお前にはお前の都合がある……か。
どちらにせよ無抵抗の相手は斬れんさ。勝敗に拘るタチじゃないし殺して喜ぶ変態でもない。

【バトルスーツを隠すように純白のマントを翻し羽織れば、再びイムカへと背を向けその場から立ち去ろうと歩み出す】
【無表情とはいえ無感情のロボットではない。その声色からは落胆の色が伺える】
【エヴァ=アンジェにとって越境者とは好敵手であるのだ。己が求める答えに辿り着くための】
【イムカほどの手練れが相手とあらば見ることができたかも知れないそれをお預けとされれば感情の起伏はある】

闘争愛好者か中毒者……フフ。そうであるかもしれないしそうでないかもしれない。
わからないんだ、自分のことは。だからこそ求めるのかもしれない……自分の居場所に。
いや……私の場合逃げているだけかな。

【イムカの言葉に笑みを零すと独り言のようにぼそぼそと呟く】
【誰に問うでもない、答えもない。自嘲するような言葉は傷口を撫でる風に攫われ消えた】

私はエヴァ=アンジェ。
ニンジャデッカー、また逢えることを楽しみにしてるよ。立場がどうであれ、な。

【首元に刺さったクナイを引き抜くと、ロンギヌスと同じように腰のアタッチメントへ装着】
【もしかすればこのようなものが再び互いを同じ戦場に引き合わせる事があるのかもしれない】
【そんなロマンチシズムを感じながらもガラではないと思考の果てへと追いやり、この世界での日銭の稼ぎ方を考え始めるのであった】
379 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/28(火) 20:43:36.68 ID:AXJn5gvt0
【自由世界リベルタス】

【様々な文明や種族が入り混じる自由世界だが、主に近未来文明の様相を呈する街並み】
【既に陽は落ち、街の光が夜を照らす。華やかな繁華街はこの世界に暮らすモノたちの豊かさの象徴か】
【しかしひとつ路地を入ればそこはまるで別世界。偽りの象徴の影は貧困と暴力が支配する対の顔】

【煌びやかなショーウィンドウや散財を煽るコマーシャルを垂れ流す街頭モニタ。それらには目もくれず雑踏を進むの黒衣の女】
【義手義足白髪隻眼という出で立ちは偽りの光の中において明らかに異質。まるで在るべき場所へと帰らんと迷いなく路地へ入りその姿を闇と同化させていく】
【それに続くように闇へと誘われるのは4人組の男。見るからに粗野、下卑た笑みを浮かべながら光の無い瞳には獲物のみが映る】

「今夜はアレだな」
「あの耳みたろ? ちっとキズモノみてぇだがあの色は恐らくアルビノ、金になるぜ」
「エルフか! 久し振りにわくわくしてきたぜぇ」

【ぼそぼそと何やら内輪話。その声量からあまり他人に聞かれたくない内容であるのだろうが、例え聞こえていたとしても彼らの風貌を見れば諌める者など居ないだろう】
【各々が凶器の確認でもしているのかポケット弄れば、そのまま足早にひとりまたひとりと路地へと消えていく】
【最後のひとりが振り返り、周囲をきょろきょろと確認。このようなことに手慣れているのか、それなりの用心深さは持ち合わせているらしく、他の視線が無いことを確認すればそのまま先へと続いた】
380 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/28(火) 21:02:04.97 ID:EzF3q2nx0
>>379
半人は馴染みの、よく見知った街をひとり歩いていた
越境を体験してからこっち、独り旅は慣れたモノだがしかし帰るべき場所が明確だというのは安心出来る
スプロールのセーフハウスもそういった意味では好ましいのだが、だが故郷の世界はそれだけで違うモノだ

〜デストローイ♪デストローイ♪〜

雑踏の中、街頭モニタから女性ヴォーカルのクリアな声が聴こえる
だが半人の優れた聴覚はそれらとは別の物事を確かに捉えていた

「……」

自然、歩調は速まり道行く人々の群れを掻き分けるように進む
そして連れ立った最後の一人が路地へと消えてから少しだけ遅れて、小走りに身を影に落とす

「……こんばんは、いい夜ですね」

あからさまなやくざ者に対して何とも呑気に
スカーフの様に巻いた黒い布がひらり、ビル風に棚引いた
381 :アグラーヤ [sage]:2015/04/28(火) 21:38:13.52 ID:AXJn5gvt0
>>380
【ヤクザ者の背中に掛けられる言の葉は実に呑気な声色で、しかしそれに対する返答はなく声の主に振り返ることもない】
【それを不思議に思うだろうか。答えを望むとも望まぬとも、彼自身が示すだろう。その身を以て】

【どさり】

【光届かぬ暗路地に響くのはヒトの崩れ落ちる音。糸に吊るされた人形が唐突にその糸を切断されたようにその場に力無く落ちた】
【背面からでは分からなかっただろうが、地に伏した男の横顔を覗けば何かに焼かれたかの如くにその皮膚は黒く焼け焦げている】
【視線を前方へと移せば同じように煙を上げて横たわるヒトであったものがみっつ。服装から断ずれば先に路地へと消えた男たちで間違いはないだろう】

またやっちゃったわぁ……。
お札が黒焦げで使い物にならないじゃないのぉ……!

【ぱっと見ではそれら以外に人影はかくにんできない。しかしよく目を凝らせば暗闇の中黒焦げの亡骸を弄る黒い影ひとつ】
【何やらぶつくさと呟きながら亡骸のポケットから抜き取ったものがその手に光る】
【僅かな月明かりを反射させ鈍く輝く銀色は多少煤けてはいるが恐らく銀貨。状況的に死体漁りか、或いはこの状況を作り出した被疑者であろう】
382 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/28(火) 21:57:05.89 ID:EzF3q2nx0
>>381
「……」
「もう、やり過ぎだよ、アグラーヤ……」

無機質に有機的な輝きを宿す瞳は、暗がりの中確りと光景を捉える
それに依って引き起こされるのは苦笑だ
焦げ臭く煙漂う遺体を踏み付けぬよう注意しつつ歩く

「……もっとこう、気絶させる位ならお札も無事だと思うんだけど……?」

野良猫の様な日々、その中で矢張り無闇な殺生を行って欲しくは余りない
そんな切望もやや混じらないとは言えない口調
まぁ根本としては因果応報の精神が根付いている為、そこまで言及するモノでもないが

「あ、ねぇ、これこれ」
「色々あって、結構稼いで来たんだよ」

行く先々の世界で様々な稼ぎ、ビズを行いそれなりの金額を確保していたらしい
その成果を手のひらの上の金貨や宝石の数々として報告

尚、彼我における主観的体感時間のズレの有無は不明だが半人としてはこの世界から離れて数週間程であるようだ
久々ではあるが、そこまでの時間は経過していない
383 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/28(火) 22:51:17.94 ID:7yO6M5mio
【インペリアル・エンジニアリンク】

 今日も今日とてこのスプロールのとある企業はデスマーチ状態。
 先ず、イムカ・グリムナーは基本的に眠らない(比喩ではなく物理的に)体質な上に、
 従業員の多くが部分機械化された奉仕者(サーヴァイター)である。

「我々は労働の終わらぬ勇者の道(レジェント・ロード)を歩み続けるのだ!」

 ダメ押しには将校としてのカリスマ性を超悪用した暗黒ブリーフィングによる、
 雇われ社員(主に越境者)に対しての自我研修メゾッド!
 頭がみょんみょんして前後不覚な状態で、さらに仕事を叩き込まれるのだった!

【だからこそ――】

「…息抜きに一日休暇にするか?」

 と、ワーカホリックで皇帝陛下への奉仕のためなら24時間を36時間にしてみせる状態なイムカが、
 このような事をつぶやいたのは周囲にはどう映ったろうか?

【幻?蜃気楼?脳内麻薬が出過ぎた?実は4月1日だったりするのか?】
384 :アグラーヤ [sage]:2015/04/28(火) 22:53:36.32 ID:SvCyO60zO
>>382
【ふと掛けられた声に亡骸を弄る手が止まる。聞き慣れた声、しかし届かなかったその声】
【唐突に現れた現実にアグラーヤの思考は停止。求め続けた己の名は鼓膜を揺らし心に届く】
【震える掌から零れ落ちた銀貨はコンクリートに跳ね返り小気味良い音を響かせると、アグラーヤは無意識に止めていた呼吸を再開させた】

たぇん……てぃーす……?
どうして……どうして、こんな所で……?

【落とした銀貨を拾い上げることなくふらりと立ち上がると、覚束ない足取りで己が名を呼ぶモノへと近づいて行く】
【儚い月明かりの下、ようやくはっきりと確認できたそのモノの風貌はあの日のまま、何ら変わっていない記憶の中のタェンティースその人】

【かちゃ……かちゃり】

【果たして自分は変わってしまった。黒で染められた片腕片脚、歩く度に耳につく金属音はそれが仮初めのものであることを主張して】
【タェンティースに向けられる真紅はその数をひとつ減らしている。身長も僅かばかり伸びているはずだ、変わらない筈の彼女は少し縮んで見える】

何が……どうなってるの……?
わからない、わからないわ……。

【輝く金貨玉石を見てもアグラーヤに喜びはない。タェンティースの知っている彼女であればきっとしたり顔で憎たらしい褒め言葉のひとつも飛ばした筈である】
【しかしアグラーヤの顔に笑みは無い。待ち望んだ再会に喜びの感情が無いわけではないのだが、唐突に訪れた現実に思考回路は完全にパンクしていた】
【見開かれた真紅から零れ落ちる大粒の雫は駆け足に頬を伝うと足元のコンクリートへと吸い込まれていく。何度も響く小さな水音は止む気配なく、己が泣いているのだということも理解できずに】

馬鹿……。
生きてるなら生きてるって、ちゃんと言いなさいよぉ……このお馬鹿ぁ……!

【それでも絞り出す己が言の葉。泣く事で感情を伝える赤子ではないのだから、ようやく聞こえた声に応えなければまたその手から届かぬ場所へと消えてしまう気がしたから】
【涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃに歪めながらも不器用に笑ってみせる。追い求めたモノは記憶の中のまま。それを否定することなど誰ができようか】
【タェンティースにとって目の前アグラーヤの姿と溢れ出した感情は理解出来ぬものであろう。世界を繋ぐ境界線の悪戯か、アグラーヤは10年を失った】
【しかしタェンティースがそれを知り得ぬのであればそれでいいのだ。過ぎ去った時の流れなど重要ではない。今目の前にある結果に、アグラーヤは前に進むことができるのだから】
385 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/28(火) 23:11:31.11 ID:LZrhZ7Wd0
>>383
「Zzz……」

真顔の絶えない職場、完璧なマインドコントロール下に於かれ感情を失った越境者たちの中に紛れ込む見知った顔の男。
腕を組み、イムカの顔を涼しい表情で眺めながらもう何度も聞かされたであろうブリーフィングをベテランの余裕を持って流し聞きしている…のではなく、ただ単に目を開けたまま居眠りをぶっこいているだけだ
基本的に越境先においてその日暮らしであるジョシュアは高給の業務に有り付けるのならばどのような手段も選ばない。
恐らくここに集う血気盛んな他の越境者たちも同様の心構えであっただろう。そんな熱意と野心を見事に擽られこの男はまたもやフィッシングされたのだ。
あまりにも過酷な環境(おそらく本業よりも)に曝された為にこの仕事に就いてから目を開けたまま眠ることを覚えた次第である。

「はっ……!?休暇だと!?」

しかし休暇の2文字には敏感に反応し飛び起きる。
どうやらこの男の聴覚は楽な方向に関しては驚くべき精度のカクテルパーティ効果を誇っているらしい。
386 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/28(火) 23:15:59.95 ID:wz049L+iO
>>383
――――かのような、ハードと言うのも烏滸がましい程の、余りにも過酷過ぎるスケジュール。
体力的には其処らの女の子+α程度の深雪、耐えられる筈もなく早速音を上げているのであった。
こうでもしない限り、物を食らうことすらままならないであろう。スプロールとは厳しいものだ。
……実際、いつカロウシしても可笑しくはない。彼女が深雪≠ナあるから尚更。

「……え、息抜き?」

――――そんなこんなで、深雪が限界を感じて来た頃の、唐突なイムカの提案。
此のスプロールにおける息抜き≠ニは一体全体なんなのか。
……まさか、息抜き(死)などという馬鹿げた、慈悲の無いものではあるまい。
折角なので、そしてこのまま息抜き≠ネどせずにぶっ通しで働けば間違いなく死ねる故――提案には乗ることに。
387 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/28(火) 23:20:45.26 ID:EzF3q2nx0
>>384
「どうしてって、……?」
「そりゃあ、如何にもな連中を引き連れてこんな所に入ってくから……」

罰の悪そうな表を浮かべて頬を掻いた
多分その一挙一動は追憶の中のモノとなんら変化はないであろう
内部構造的には様々な変化を遂げているが、外見でいえば殆どの変化は半人に起こっていないのだから

「……その傷、あの時の?」
「わたしも正直、あんまり覚えてはないんだけど……」

月に煌めく白磁色の肌の面積が少し減っている彼女の困惑が、再会に依って引き起こされているとは未だ気が付けず、アグラーヤの身に起きた事柄に想いを馳せる
あの戦闘の記憶は矢張り、半人の優れた容量を持つ記録ユニットにさえ残されていないのだ

「……生きて、」
「……生きてるよ、わたし。 あなたを遺して死ぬ訳がない」

だが漸く、今頃になって彼女との合間に生まれた空虚を察する
越境の神は無慈悲にも、死臭すら漂わせる程の時の差異で持ってしてふたりを別ったのだ
かつて他の世界でニア・シューペリオリティと再会した際に、彼我の時間軸のズレを知った
普段は差して意識もしないその知識を、本棚の隅から引っ張り出したのだ

「……背と髪、少し伸びた?」

真近で見る、半人からすれば数週間振りの彼女に変化は大きい
だがその根本は彼女なのだ、なんら変わりはない
そう思うと泣いて、そして強がる所作が懐かしく思える
自然と手が伸び、その頭頂を撫でようとゆっくりと動く
かつて大破した際、残った数少ない部位である左手で
388 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/28(火) 23:27:52.24 ID:7yO6M5mio
>>385

「おはよう、ジョシュア二等兵。随分と体力の温存が上手くなったな」

 反応したジョシュアに対してのこの無慈悲な第一声。
 バレテーラ?ナンデ?ジョシュアの側をサーボスカルが軽やかに通過した。
 コイツの仕業であり。覚醒状態を読み取ることなど造作も無し!

【イムカは特に咎めるような雰囲気も無く何時も通りである】

「ああ、休暇だ。おっと、貴様の席は今からこっちだ」

 正座にちょうどよさそうな畳一枚分のスペース。
 そこの床には△△△△の突起が生えた座りにくそうな石の敷物が用意され、
 さらにふくらはぎの上に乗せるための重そうな石板も準備されている。イシダキ・メゾット!

「座れ」

 ショギョムッジョ!

>>386

「ああ、おかげで大分片付いたのもあるしな。
 それに私とて学習はするんだ。ここは軍隊ではないし、私の世界の流儀ばかり押し付けるわけにもいかない」

 つい先ほど、ジョシュアに無慈悲なイシダシ刑を申し付けた口でコレである。
 ひょっとして、結構いい性格しているのでは?と思っていけない。真面目キャラのつもりなのだ。本人は。

「交流のあるヤクザ・クランから幾つかあみゅーずめんと何とやらのチケットを貰ってもいるんだ。
 私には遊びだのあみゅーずだのイマイチよくわからんが君達ならば楽しみ方も知っているのだろう?」

 ここでヤクザと交流とシレっと出るところがまたアレではあったが、
 とにもかくにも息抜き(物理)では無い様子であった。

「いや、もっと仕事(ビズ)をしたいのならば私も無理強いはしないが?」

 きっと、本気で言っているイムカ。
389 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/28(火) 23:50:06.14 ID:wz049L+iO
>>388
「あみゅーず……本当?」
「……よく分からないけど、楽しめたらいいなぁ」

イムカが言うにアミューズメント――遊園地やらゲームセンターの類だろう。深雪の推測で合っていれば。
此処において、パアッと気晴らしできる数少ないであろう機会。どうして逃すものか。
ヤクザ何とかという単語が僅かに気にかかるが、これ以上激しい仕事よりは多分マシ。多分。

「え、それだけはちょっと本当に……」

……当然、働けという事に対してはお断り。
これ以上の労働ではいろいろな意味で死ねる故に。
390 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/29(水) 00:02:51.22 ID:QwivCUK1o
>>389

「ああ、私もよくわからんが君達が楽しめればそれでいい」

 微妙にアレなフラグが立っている状態であったが、とにもかくにも休暇が決まった!
 イムカは時計を確認すると、

「それじゃあ今日はもう切り上げだな。
 タンクベット睡眠をとった後に息抜きに出かけるとしよう」

 タンクベット睡眠=3時間寝れば9時間分の睡眠が取れるというベット。
 よい発明に見えるかもしれないが、実際はサラリマンを限界まで働かせるために生み出された
 悪魔の発明のひとつと数えてよい。



【休暇風景…あみゅーずめんと相撲リーグ】

 スプロールでも相撲は大変人気のスポーツである。
 神事としての側面を持ちサイバネティック、バイオテクノロジーを一切排したこのリーグは、
 若者からお年寄りにまで幅広い年齢層に受け入れられている。

【実際鍛え上げられた肉体の戦い。テクノロジーによる肉体改造など割って入る余地はないのだ!】

「マス席?とやらは取れた。しかし半裸でマワシ?何とも奇矯な格好だな」

 遊びに来たというに何故かビジネススーツ…という大方の予想を裏切り、
 横縞のシャツに黒のジャケットというかなりラフな格好のイムカは
 顎に手をあてて首をひねっているところであった。

【ドヒョウでは、ウミノヤマが栓抜きを取り出してニシノウミを殴打。
 しかし、ニシノウミは頭部出血にも闘志を萎えさせず、
 必殺のジャーマンスープレックスをキメているところだ】

「まあ、中々見ごたえはある」

 イムカの率直な論評である。
 勝敗が決し、水着を着た美女達が次の取り組み表を掲げているところだ。
391 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/04/29(水) 00:17:07.97 ID:JGbKi+G5O
>>380
疲れ果てた深雪はベッドに入れば即座に寝付く。このまま3時間程度ぐっすりと……

【――そして約3時間が経過する。移動過程などはキンクリ】

――結果的に、相撲リーグとやらが行われている場に来たのだった。
スプロールにも相撲はあるのか。深雪にとっては少し意外で、驚くものであった。

「うん、色々と凄い……」
「でもこれって――……相撲?」

が、いざ観戦するとなれば……頭の上に見えない疑問符が浮かんでいるような、何とも言えない顔つき。
相撲に栓抜きなど使うだろうか?相撲でジャーマンスープレックスなどをぶちかますだろうか?
――――ともあれ、深雪の知る相撲≠ニはとても掛け離れたそれであった。
彼女にとっては見応えのあるものであろう。いろいろな意味で。
392 :アグラーヤ [sage]:2015/04/29(水) 00:19:33.81 ID:MQraHwp00
>>387
【あの時、タェンティースの言葉にアグラーヤは無言で首を横へ振る。全く同じ、過ぎ去りし一夜の夢の如く思い出せぬ記憶】
【全てに決着をつけるべく臨んだあの夜。勝敗の行方も掴み取った未来も何もかもが曖昧で、思い出そうとすれば黒い靄が邪魔をする】
【だが確実なことは片脚と片眼を失っているという事と、僅かに、しかし確かに内から感じるドス黒い脈動。それが何かは未だ知ることはないが】
【アグラーヤをあの夜に縛り続けた鎖は今解き放たれた。かつて呪われし運命、漆黒の意志に塗れた少女に差し伸べられた手のひらによって再び】

ん……今だけは、許してあげる……。

【まるで母の温もりに身を預ける幼子の様に、優しく頭を撫でられればそっと瞼を閉じ、安堵の表情を浮かべ微笑む】
【その顔はまるで少女の様に幼く無垢なものであるが、どこかで照れを感じるているのだろう。普段通り振舞おうとする強がりが口をついて零れる】
【変わっていないのだ、タェンティースと同じ様に。例え外見がどれ程の変化を遂げていようともその内面は変わらない。数週間前のアグラーヤそのままに】
【しかしかと言って成長していない訳ではない。タェンティースに知る由は無いのだろうが、アグラーヤも越境者として数多世界を流れてきたのだから】

ふん……。
アナタが縮んだだけよぉ……何処かの関節のバネでもヘタれてるんじゃなぁい?
髪は……そうねぇ、試しに切ってみようかしらぁ。バッサリと。

【エルフの寿命は長い。10年程度では身体的な老化が起こらないのは事実であるが、背が伸びている事を指摘されるとまるで自分だけが老け込んでしまったかのように感じられて少々不機嫌を露わに】
【そしてすかさず反撃とばかりに憎まれ口を叩く。もっともハイテクの塊であるタェンティースの駆動部にヘタれるようなバネなどが使われているハズはないのだが、機械に疎い故の限界である】
【指摘されて初めて気にした毛先を弄りながら、憑き物が落ちた様にすっきりとした表情で髪を見る】
【手櫛でとかし、長さを測るように髪を毛先から持ち上げながらどれ程切ってみようかと考え始めた頃、遠く響くサイレンの音が聞こえ始めた】
393 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/04/29(水) 00:34:51.56 ID:QwivCUK1o
>>391

 こうして神聖なるお相撲を見終わった後は
 コートボール(バスケットボールに似た古代アステカのスポーツ)を
 見に行こうかと相談したものだったが、リサーチの途中でこの競技は
 負けたチームのキャプテンが神に生贄に捧げられると知り断念した。

「スポーツというのは大変なんだな」

 イムカは率直な感想を深雪に向けた。
 なお、オスモウチョコや力士手形、湯のみなどをどっさり抱えていたりする。

「じゃあ夜は、高級クラブ?とやらか?何だこの目玉の大きい絵は?」

 ヤクザクランがイムカに渡したこのクラブの紹介状、
 実はジャパニメーション愛好家向けのクラブだったのだが、イムカは特に気にも留めなかった。
 別名、コスプレグラブ!

 −−−−−−−−−−

「…私は何をやっているのだ」

 カクテルを飲みながら憮然とした表情。
 何故かアオザイを身につけ、目元には仮面舞踏会みたくなマスクをさせられた。
 そして周囲の男衆は、「ハハーッ!○○○ジョ様」とワケのわからんことを言ってドゲザしてくる。

【しかも、ここの会員はいわゆる社会的地位がヒッジョーにでかいカチグミ連中がちらほら。なんなのだ】

「深雪、これはアレか?私はハメられたのか?」

 無表情なままのイムカ。だがよく見るがいい。微妙に顔が赤い。
 実際、少し羞恥心的なアレがあったのだ。開きなおれば楽になるというに!
 ナブアミダブツ!

//では12時も回っているのでこの辺にしときましょっか
394 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/04/29(水) 00:45:04.02 ID:4Jv1/Eaj0
>>392
「……ありがと、嬉しい」

憎まれ口に対して、真っ直ぐ純に応じる
アグラーヤが独り体感した時の永さを、半人は察した
我が身に当てはめて考えれば、それは到底耐え切れないモノである
だからこその、常と同じ態度、安心をして貰う為のそれだ

「……間接とか、新調したばっかりだよ?」

色素の感じられぬ、光を湛える髪を撫でながらに苦笑
バッサリカットの言に対しては勿体無いなぁと唇を尖らせた

「ふふっ、どんな髪型でも似合うと思うけどね」
「……ん、通報された……?」

警察機関の接近を風に乗る音に聞き、ふむと唸る
こんな月の忘れ物めいた路地裏での出来事だ、目撃されている可能性は低い
しかし折角の再会にこれ以上の無粋の介入を許すのはどうしても憚られた

「取り敢えず、行こっか」
「まだ部屋……っていうか、あの宿残ってるかな?」

この世界での時間の経過がどの様に進んでいるかは分からない
依ってかつて3人が拠点にしていたルームがどうなっているのか、無論知る由もなく

ただまぁ、何だってきっと出来る
そんな子供地味た全能感が湧き出すのは多分、在るべき場所に己が身が有る為であろう

「……お待たせ、ごめんね。 ただいま」

余りにも永き幾星霜、馳せれば自然謝罪の言葉
だが笑みは浮かび、手を取り合う為に伸びる腕
夜の自由の国は眠らない、街燈の列がくっきり二列に並んでいる
ふたりの越境者は駆け抜けるだろう、帰るべき場所へと向かって

//この辺りで〆な感じでお願いしますっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
395 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/04/29(水) 16:57:29.71 ID:dZGRlTcXo
【モンスターと狩人の世界】

そこは大自然に囲まれた世界だ。
その世界には花形が2ついる
1つはモンスター。その強大さは他の生物の追随を許さなず大自然を我が物顔で歩く。
もう1つはハンター。そのモンスターを狩る者達だ
その2つは激しい戦いを繰り広げハンターの華々しい武勇伝は人々の人口に膾炙する。


「え〜ただいま出張中 肉料理屋カローだよ〜
今日のおすすめは今日退治された大魔獣馬の肉だよ〜
馬刺しやユッケ、どんぶりにして食べると美味しいよ〜」

しかしこの男──アフレイ・レッドには関係なかった
越境者であるアフレイ・レッドがこの世界で何をしているか。答えは簡単である
いつものように肉料理屋をしていた。
ただいつもと違うのはハンターが集う酒場の一角を借りてそこで肉料理をしていたのだ。

「なお素材持ち込みも可だよ〜その場合は材料費がかからないから
安いよ〜強いモンスターの肉なら武勇も上がるよ〜」

大きな声で呼び込みをかける。
ちなみに狩人というのは自分が狩ったモンスターの装備を使いたがり
さらにそれがアイデンティティになっていたりする
つまりどういうことかというと狩人の姿というのは一目見て分かるのだ。
396 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/04/29(水) 18:14:26.70 ID:dZGRlTcXo
>>395
/絡みがないので取り消します
397 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/04/30(木) 18:05:55.27 ID:V0TIR+Ugo
【モンスターと狩人の世界】

そこは大自然に囲まれた世界だ。
その世界には花形が2ついる
1つはモンスター。その強大さは他の生物の追随を許さなず大自然を我が物顔で歩く。
もう1つはハンター。そのモンスターを狩る者達だ
その2つは激しい戦いを繰り広げハンターの華々しい武勇伝は人々の人口に膾炙する。


「え〜ただいま出張中 肉料理屋カローだよ〜
今日のおすすめは今日退治された大魔獣馬の肉だよ〜
馬刺しやユッケ、どんぶりにして食べると美味しいよ〜」

しかしこの男──アフレイ・レッドには関係なかった
越境者であるアフレイ・レッドがこの世界で何をしているか。答えは簡単である
いつものように肉料理屋をしていた。
ただいつもと違うのはハンターが集う酒場の一角を借りてそこで肉料理をしていたのだ。

「なお素材持ち込みも可だよ〜その場合は材料費がかからないから
安いよ〜強いモンスターの肉なら武勇も上がるよ〜」

大きな声で呼び込みをかける
398 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/04/30(木) 18:57:10.12 ID:V0TIR+Ugo
>>397
/取り消します
399 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/30(木) 21:22:24.75 ID:kAxku8BA0
再創生の地、自由世界リベルタス。
いまや廃墟と化したビル群が広がり、空にはただただ暗雲が暗く塒を巻きながら渦巻くこの世界を訪れるものは少ない。また知るものもだ。
旧繁華街の高層ビル群の中でもひときわ存在感を放つ高級ホテルの最上階にはひっそりと名も無き墓標が佇んでいた。
床に突き立つ墓標は異能で乱雑に溶接された鉄棒製の十字架。つい最近作られたものだ。
元々は立派な剣が堂々と突き刺さっていたものだが、とある騒動のせいで引き抜かれ持ち去られてしまった。

暗く、暗く、陰鬱なそらに時折轟く雷鳴と閃光。それがホテルの最上階を明るく照らせば墓標の前に浮かび上がる影。
それは墓標の造り手であり、また墓標の盗人でもある。そしてこの墓標の主の部下でもあった男だ。
上官の墓標の前に座り込み、ただ何もすることなく時を過ごす。特に何かが得られる訳でもない。しかし最近は仲間とも会わずにこればかりだ。

やがて、というよりはようやく腰を上げ、墓標に背を向けてエレベーターへと歩みだすジョシュア。現在の彼はほぼ丸腰である。
身を守るものは自らの肉体とかりそめの異能、そして己を取り巻く月光だけだ。乏しくなった装備を補う為にアーマリーへと足を運ぶつもりなのだ。
乾いた血で赤茶けた色に染まるカーペット。ひっくり返った食器を踏み砕き、煤と誇りだけが積もり重なった廊下へと扉を開け放ち進む。
しかし廊下へと踏み出て一歩。ジョシュアは異変に気付いた。エレベーターのランプが点いているのだ。つまり乗っている。自分以外の誰かが。
一歩、二歩、ジョシュアは部屋の中へと下がり、身構えることはなくとも警戒の色を露わにした視線でエレベーターのドアを注視する。

中の人物がただの通りすがり、敵意のない人物であった場合に備え威圧しないように棒立ちのままで身構えることはしないが、それでも何時でも始動が掛けられるように全身の神経を張り詰めさせたままでいる。
11階、12階、13階…エレベーターは真っ直ぐ最上階を目指して昇り、何の妨害もされずに最上階へとたどり着いた。
到着を示すアナウンスと共にゆっくりと開くドア。その中から出てくるものが何であるかをジョシュアは棒立ちのままでじっと待った。

轟く雷鳴、再創生の名残である輝きを失った巨大な水晶の結晶が雷光を反射して光る。
400 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 21:30:25.59 ID:n5Ml+fr10
【スプロールサシミ】
ロイ「んでビズってのはなんだ?」

メガコーポの社員 それも重役となればカチグミ間違いなし アッパークラスご用達のマンションの一室を訪れたのは 仕事でやってきた目つきの悪い男

カチグミ「ハーイ ちょっと困ったことになりましてぇん あ どうぞ食べてくださいな」
満面過ぎてちょっと胡散臭い笑顔の中年男は そういってメチャ高価なオーガニック・サシミを一行に振舞う

カチグミ「私の持ってる土地に薄汚いヨタモノが屯してましてぇん ちょっと行ってきて追っ払ってほしいのでぇす」

ロイ「・・・だったらマッポでも使えばよかろうもん?
カチグミ「いやいや あいつら面倒くさいことはスルーですねん こっちもやってられまへんわー」

とりあえず仕事となれば指定された場所まで向かうことになるだろう
401 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 21:38:33.31 ID:udrpTf6R0
>>400
ふぅん、ロイの隣希薄な反応を示すアラズ
そのこころはつまり、大切なのは何処で誰を[ピーーー]か、なのだ
少なくともいい身分ではないはずの自身にも、仕事が降りて来る事となった経緯ではない

「……ともかくさ」
「そのヨタモノ連中ヤればいい訳だな?」

オーガニック・マグロトロ・フィレサシミ2切れを一口
それを運んだフォークの先端でカチグミを示す

「報酬はさっき言ってた通りなんだろうな、支払いになってケチるなよ?」

格好付けた矢先、ワサビが染みて少し噎せた
→この場ではこれ以上は特にアクションなく、移動へ
402 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 21:51:09.30 ID:n5Ml+fr10
>>401
カチグミ「はぁーい そりゃもうぞんぶん3・7・5・6・4にしちゃってプリーズセンキュー」

ロイ「まぁいいや 喰ったら行くか」
そういってサシミをおいしくいただき

ロイ「お子様にワサビは早かったんじゃないかwwwwwwwwwwww」
と茶化しながらカチグミ・アパートを後にした

カチグミ「はぁーいよろしくお願いしまーす」
そんな2人の出て行ったあと カチグミはニヤリと笑って見せる

カチグミ「もう会うことはナイデショーガネー・・・」

【とある廃墟】
重金属汚染を受けた雨の中を 特性のレインコートに身を包んだ2人が歩く
見えてきたのは 撃ち捨てられた廃墟

ロイ「確かにヨタモノにはうってつけの物件だが・・・なんかあやしいな あのオッサンがこんな廃墟欲しがるかね?」
辺りを警戒しながら廃墟を進む
403 :アグラーヤ [sage]:2015/04/30(木) 22:01:53.03 ID:+dh2FPdP0
>>399
【自由世界リベルタス】

【かつて己が望む世界と、譲れない願いが力となった場所。決戦場となった高層ビルは既に朽ちてしまっているが、そこで生まれた想いは朽ち果てることはない】
【元々はこの世界の住人であり此処で行われた決戦の当事者でもあるアグラーヤ。既に越境者となり久しいが、運命の悪戯か越境の神の采配か】
【自身の呪われた因果を断ち切った地。希望を抱く事を赦された地。自身の進むべき道を照らされた地。そして自らの手によってひとつの幸福に終焉を与えた地でもある】
【アグラーヤの手によりこの地で生涯を終えた男。アグラーヤに新たな世界を示した男。真の意味で勇者であったその男にアグラーヤは感謝し、尊敬の念を抱く】
【今の自分があるのは彼が見せてくれた暖かい光と無限の父性を直に感じる事ができたから、彼との決戦が無ければアグラーヤは未だ世界を憎み、絶望を振りまく事を望み続けたのだろう】
【新しい自分の生まれた地。第二の故郷とも言えるこの地を再び訪れたのは何故だろうか。どれだけ理屈で考えようとしても明確なものは出てこない。しかし迷いなく、何かに導かれるようにその足は原点であり終点を目指す】

【忘れる筈もない記憶。目指す地は最上階だ。飛んでいけば早いのだろうが、アグラーヤはそれをしなかった。望郷の念にでもかられたのか、かつて辿った道程のままに慣れないエレベーターに乗り込み上へ】
【その地に誰かいる事など想定している筈もなく、当然警戒などはしていない。エレベーターのドアが開けば、伏せていた隻眼を進むべき前へと向ける】

……!
………だぁれ、貴方……?

【全くの想定外だ、ここで他の人間に出くわす事など。ただの迷い人であれば特に関係もないのであるが、アグラーヤは開口一番に問うた】
【勿論知っている人間ではない。普段人と会うのが珍しい場所であったとしても、自らはなしかけることなどはしない。しかしこの瞬間、意識をする前に口は動いていた】
【目の前の男、他人である筈だ。しかし彼を視界に捉えた瞬間から心に掛かる靄は何であろうか。冷たく、重い。まるで心を沈めていってしまうかのような黒い、靄】
【アグラーヤの記憶の彼方に仕舞われて、自らではその引き出しを開けることが出来なくなっていたとしても、深層記憶は明確に記憶しているのだ。自らがその生命を刈り取った男の事を】
404 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 22:03:58.17 ID:udrpTf6R0
>>402
「う、うるせぇっ!」
「……た、体調が悪かったんだ、普段だったらあれぐらいっ……!」

まだヒリヒリと口内を焼く痛み
仄かに涙ぐんだ眼での反論は説得力に欠ける

やがて辿り着く目的地
アラズがスプロールを好む理由のひとつとして、この独特の毒の長雨がある
栄華を極める人知の世界に於いて、退廃的な気配を纏い滅びの足音めいた旋律を奏でるこの雨が、アラズにはとても心地良く落ち着いた

「……」
「……まぁ、持ち家にネズミが湧いたら住んで無くとも掃除したくなるだろ」

軽口を交わしているつもりだが言葉の端々には鉛地味た重々しい楔が垂れる
ロイに比べれば遥かに短く、そして及ばない実戦経験
その貧弱ともいえる乏しき勘ですら、奇妙な気配をヒシヒシと感じるのだ
ブルームーンを抜き身、ロイのバックを固める布陣で周囲を警戒しつつ進む
405 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 22:19:03.70 ID:n5Ml+fr10
>>404
「はいはいwwwwwwww」
反論するアラズを軽くあしらう

そして敷地内を進むが

「おっかしぃなぁ 人の気配がしない・・・これはいよいよもってハメられたか?」
そんなこんなしていると アラズの胸に細く 赤い光が照射される

【赤い光は特に痛み等を発生させてはいない その正体はレーザーポインター】

次の瞬間 アラズとロイに向けて 機銃の掃射が放たれる
続いて現れたのは 元はライオンだろうか? たてがみを持つ猛獣に 金属の鎧を縫い付けた 悪趣味なキメラ 背中には機銃と大型ブレードが取り付けられ
その爪は金属の輝きを発する

―――――ガァァァァァァアアアアァァァ!!

雨降る廃墟に 猛獣の雄たけびがこだました
406 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/04/30(木) 22:25:00.29 ID:kAxku8BA0
>>403
「……っ……なっ…ぁ…」

ぐぐぐ、と視界が黒く歪む。跳ね上がるように鼓動が早くなり、自分の息がみるみる荒くなってゆくのが自分でもわかった。
ジョシュアは今幻影を観ている。自分を食らいつくさんと迫る黒い太陽の、その輪環から放たれる漆黒の雷光を。
ほんの一瞬だけ大きく息を吸い込み、気付けばジョシュアの身体は前に駆け出していた。
それは本人ですら止める事など出来ないほどに、極めて反射的反応であった。

「…あ…ぐ、……ラァヤァアアァアァアアッッ!!!」

いつか来たるであろうその時には冷徹な怒りを以って仇を切り捨てると誓っていた筈だ。しかしその時がいざ来てしまえば理性など脆いものであった。
我を忘れ、叫び、そして丸腰のままに飛び掛かるジョシュア。しかしその手には突如として青い焔のような光が迸り、やがて見覚えのある形へと変貌を遂げてゆく。
無限を象った一振りの大剣、やや黄金がかった鈍く輝く刃を持ち、貫いたものの魂を解き放つ聖剣。
かつてのような神性はその剣から感じられないが、それでもその姿形は紛れもなくあの男の聖剣そのものであった。

ゆうに両手剣サイズの聖剣を片手で軽々と振るうジョシュア。
右手に月光を、そして左手には胸元から小振りな短剣を取り出して逆手に構え、真上からアグラーヤに斬りかかる。
避けるか、受けるか。雷光や得物で受けた場合はジョシュアはそのまま鍔迫り合いへと移行させるだろう。
また脆弱な人間のものとは違い、悪魔を取り込んだ赤く燃える肉体は月光から伝道する多少の雷撃程度ならば肉体が焼けても即座に修復してしまう。
407 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 22:28:09.61 ID:udrpTf6R0
>>405
「信じてねぇだろ……」
「……ん? っ!?」

じっとりとした抗議の目線
それは直後、胸を照らす灼熱色の光に遮られる
対するアラズの反応は素早い、即座に身を翻し殺傷の奔流から逃れる

「……っ、てぇっなクソ……」
「てめーか、やりやがって……」

しかし全てから身を護る事に成功した訳ではない
右下腹部を掠めて穿ち、肉を抉りながら通り抜けた一発に顔を顰めて睥睨

「……依頼主様のお頼みだよなぁ、皆殺しってさぁっ!!」

ディープメイカー5本展開、内1本で地面を叩いて加速跳躍
残る4本でキメラの頭部を狙い飽和打突を繰り出した
408 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 22:44:25.09 ID:n5Ml+fr10
>>407
「信じていませんが何か?」

視線をしれーっとやり過ごす
そして掃射をうまく掻い潜り 目の前の怪物と 辺りを見回す
先ほどまで気付かなかったが 辺りにはカメラがズラリ

「よーしビンゴだ あのクソッタレ 俺らがあいつに殺されるのを見て酒でもしゃれ込もうってぇつもりだな?」
ハルバートを握りしめ 笑みを作る

「あぁ皆殺しだ キルゼムオールだ 根切りだ やるぞ!!」
触手による打撃を放つアラズであったが 怪物はバックステップと共に背中の大型ブレードを振り回し 触手の悉くを切り払った

続いてロイが突撃 穂先を突き出すが これも怪物が大型ブレードを振るって受け止め つばぜり合いに

そしてアラズに機銃を向け 射撃を繰り出した
409 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 22:58:10.24 ID:udrpTf6R0
>>408
「……なんとなく知ってたわっ!」
「ちっ、あの×××野郎いい趣味してやがるっ!!」

最早向けていられる余裕もないジト目での抗議は後だ
今は風雲急を告げる事態を、目の前の怪物を打ち倒さなければならない

「……ちっ」
「オーケー、怪物君の公開殺戮ショーにしてやるぜ!」

切り払いで短く姿を変えた触腕をパージ、水音
射撃に対してはブルームーンの腹を盾変わりに構える
その格好のまま新たな触腕4本発生
それらで持ってして廃墟の壁や柱の残骸を掴み、吸盤で張り付き素早く機動
腹部の傷から鮮血が迸り、毒雨に混ざり赤い軌跡を宙に描く

「……テェェッッ!!!」

勢いをつけて直線飛翔
ロイにブレードが向いている内に近接を狙い、ブルームーンでの斬撃を見舞わんと振るった
410 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 23:08:33.06 ID:n5Ml+fr10
>>409
曳光弾の輝く軌跡がアラズを追いかける だがアラズを捉えることはできなかった

「よそ見してんじゃねぇ!!」
その隙にハルバートから手を放し 虚を突くように懐に潜り込み ブルームーンを抜くと同時に前足へと振るう
怪物はサイドステップでそれを回避するが それはアラズの方に身をひるがえす結果となった

アラズのブルームーンが怪物の腹から腰にかけてを大きく切り払う が怪物はひるむも戦意を失ってはいない

――――ガァァァァァァァ!!

その叫びは怒りか 悲鳴か アラズに向けて金属の爪を振り下ろす
411 :アグラーヤ [sage saga]:2015/04/30(木) 23:11:49.84 ID:+dh2FPdP0
>>406
【貴方は誰。その問いに答えは無く、見る見ると膨れ上がる殺気と共にやがて男はアグラーヤに向かって駆けた】
【圧倒的殺意と怨恨。この時点でアグラーヤにそれを理解する術はないが、彼にとっては当然とも言える感情だ。比喩では無く、彼の全てをアグラーヤは奪い去ったのだから】
【突然のことにアグラーヤ一瞬困惑するも、剥き出しの敵意に直ぐに身構える。悠長に説明を求めていようものなら絶対的な死に瞬く間に喰らい尽くされてしまう事を理解したのだ】

なっ……なによコイツ……!?

【自らに向けられる一方的な殺意。理不尽とも言える彼の衝動はアグラーヤに理解出来ぬもの。しかし突如として彼の手に出現した見覚えのある長剣、そしてこの場所】
【記憶の海、その海溝へと沈んでいた記憶が少しづつ浮き上がり、その箱を閉ざした重い鎖が次第に緩むにつれてあの日の記憶がアグラーヤの脳内でフラッシュバックを繰り返す】
【依然として心を黒い靄に蝕まれながらも、目前に迫る死はどうにかせねばならない。ふたつの刃を構え真上から迫る彼を真紅の隻眼で睨み付けると、アグラーヤの体内から膨れ上がるように紫電が迸る】
【己の肉体からの直接放電。それを義手である黒い右腕に収束させると、防御するように掲げ迫る刃を受け止める。最上階の廊下で弾けるスパークに、ふたりの身体は眩く照らしあげられた】

こ、このぉ……!
いきなり……っ、頭おかしいんじゃないのぉ……!?

【鍔迫り合いとなるも、ふたりの膂力の差は明らかだ。電気の力を借りているとは言え、じりじりとジョシュアに押され始める】
【必死にその場で踏ん張ろうと歯をくいしばると、スパーク光に照らし出されたジョシュアの顔をアグラーヤの瞳が捉え、その瞬間眠る記憶の鍵全てが解き放たれた】
【あの日あの時、殺意としたたかさを剥き出しにしたアグラーヤに対して、大切な存在を守るために引き金を引いた男。そしてアグラーヤによってその未来を閉ざされた男】
【あの時とは印象がだいぶ変わってしまってはいるが、猛り激昂を浮かべる顔自体はあの日のまま間違いはない】

……思い出したわぁ……! 貴方あの時、私に殺された兵士……!!
どうしてこんなところにっ……!?

【刃を流れ電流は伝わっている筈だが、全くダメージとはなっていないようだが、因縁の記憶からかこれ以上電流の威力を高める事は躊躇われる】
【確かにあの日、自分はこの男の全てを奪ったのだ。恨まれる、殺される理由としては充分なものをもっているのだから】
412 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 23:21:03.30 ID:udrpTf6R0
>>410
「へっ、落ち着いてやりゃあ大した事っ……!」
「……んげっ!?」

水面に泳ぐ偽りの月、それは輪郭を暈し影を増やす
二月の煌めきは怪物を捉え、その身を抉る
ニヤリと片頬を釣り上げて愉悦、肉を斬る感触に味わうモノだ
もう一太刀と踏み込み、だが途端にそれを失策だと察する

通常ならば生き物、傷付けばそれに対するアクションがある
そしてそれを考慮した、即ち怪物が怯む前提での攻撃の継続を選択したのだ
だが現実は異なり、合金鋭爪で出迎えられる結果となった

「……ぐっっ……!?」

咄嗟ブルームーンで爪を防ぐ
しかしアラズに取ってしてみればそれだけで、冗談めいた圧倒的重量と衝撃をその身に受ける事になるのだ
ディープメイカーを使い体を支えているが、このままであればこの鍔迫り合いは早々に片方がくしゃりと押し潰されて終わるだろう
413 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 23:31:38.59 ID:n5Ml+fr10
>>412
その怪物は巨大である 多少の力自慢でも簡単に押しつぶすことができただろう
触手という恩恵を得られたアラズは 短時間なれどもそれに対抗することができた

「どっせい!!」

故にロイからの援護を受けることができた
穂先を脇腹に突き刺す 怪物が悲鳴を上げて飛び退く

―――グルルルルルルルル・・・
喉の奥でうなりをあげ 機銃をこちらに向けると またも掃射

だが3〜4発撃ったところで弾が切れる
普段なら最初の一撃で殺戮できるだけのスペックを持っていた

よってこの怪物は次第に持久力を落とし 瞬発力を上げていた
故に長期戦に持ち込まれたところで すでに怪物の敗北は決まっていた

???「や・・・ヤメッ・・・!!」
どこかに設置されたスピーカーから何か聞こえてきた気がしたが 気のせいなのでどうぞ気にせずどうぞ
414 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 23:38:40.93 ID:udrpTf6R0
>>413
「……また借りが出来ちまったか、くそっ」

言葉とは裏腹、表情は悪辣に笑んでいた
銃弾が殺意を纏い、背後の廃墟を穿って行く
雨音に混じる破壊のノイズ

「……恩の借りついでだ、トドメも貰う……ぜっ!!」

全触腕で跳ぶように一気に迫り、そして回転
遠心力を付随させたブルームーンでの大振り一閃!
スピーカーの悲痛っぽい叫びはあれだ、多分聞こえなかった
415 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage saga]:2015/04/30(木) 23:46:41.22 ID:kAxku8BA0
>>411
「よォ…5年ぶりだなァ、アグラーヤァ…俺の事は忘れちまったッてか…!?」

バチバチと紫電舞い散る鍔迫り合い、青と紫の火花、そして真紅の火の粉が踊り狂う死の嵐の中心でジョシュアとアグラーヤは踊る。
力ではジョシュアが圧倒的に勝っている。上から押しつぶすようにして力を掛け、アグラーヤの体制が崩れた所で素早い短剣の一撃でその喉を掻き切ろうという算段なのだろうが
それでもやはり紫電によるダメージは少なくない。無視できるようなものではないのだ。焼け付く痛みに脂汗を浮かべ、やがて鍔迫り合いを崩そうと焦り始める。

「おォっとォ、ようやく思い出してくれたみてェだな…まぁ無理もない…あの時、お前にとって俺は虫ケラとなんら変わりねェ存在だっただろうよ…」

そしてアグラーヤの一言にジョシュアは意外そうな表情を見せた。てっきり自分のことなどまるで覚えていないと思っていたが。
それほど印象に残る最期だったか?それともやはり記憶に残る理由は自分ではなく"隊長"に起因しているのか
いずれにせよ自分の事を覚えているのならば好都合だ。殺す理由を説明する手間が省けるとジョシュアは再びアグラーヤを睨み付ける
あの頃は自分は小さく、弱かった。
あの頃は自分は脆く、何も守れなかった。
あの頃は自分は若く、後先を見ずに敵へと走り、そしてその所為で仲間を…

「だが今は…違ェ……!!」

しかしそれらを振り払うようにジョシュアは両腕に力を込め、アグラーヤを弾き飛ばすように剣を押し出し、バックステップで距離を取る。
燃え上がる身体は、黒煙を噴き上げながら焼け爛れた皮膚が修復されてゆく。
怒りが湧いて、湧いて、湧き出して止まらない。ただ復讐と底知れぬ怒りに取り憑かれたジョシュアのその形相は5年前のそれとは大きく違っていたが
それでもやはりこの場所で、こうしてアグラーヤに牙を剥き出しにして挑み続ける姿は間違いなく5年前の、アグラーヤにとっては10年前のあの兵士そのものであった。
先ずはこの男を倒さぬ限りはアグラーヤは永遠にその命を狙われる羽目になるだろう。
たとえその憎悪の理由が思い込みと誤解からなっているとしても、それでもジョシュアは止まらない。
両腕を振り上げ、左手の短剣をアグラーヤへと向けて吼える。かつての月光のような青い輝きがその短剣にはなみなみ湛えられている。

「どォした、これで終わりじゃないんだろ!?ビビってないで本気で来いよ…あの時みたいになァ…!」
「こっちァこの剣で…このエクソダスでお前の心臓を抉り取るまでは…絶対に死ねねェんだよォ!!」

否、ここまで這いずり回り、地面の血溜りを啜ってでも生き抜いてきた理由としてそれを持つ限りは永遠に止まることが出来ないのだ。
自らが生きる理由のほぼ全てはこの日の為にあった。凄まじい憎悪の矛先を、彼女の黒雷にも等しくドス黒い感情をアグラーヤに向け、ジョシュアは歪に頬を釣り上げた。
今まで誰にも見せたことのない表情、今まさに、ジョシュアの生きる理由が果たされようとしている瞬間であった。
416 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/04/30(木) 23:48:51.22 ID:n5Ml+fr10
>>414
ロイ「お子ちゃまのお守りは疲れるZE★」
にっこり笑って軽口一つ

そうしているうちに勝負はついた
遠心力をぞんぶんに乗せたアラズの一閃は怪物の首にめり込み 延髄を切り裂き 頭と体を泣き別れにして通り過ぎた
一拍おいて鮮血がドバッと溢れる


???「ああああああいあいあいあいあいうううううううう・・・・・・え゛・・・?」
何やら意味不明な言葉を発しているスピーカー

ロイ「さぁて・・・ヨタモノもぶち殺したし? 報酬でももらいに行こうか」
最高にいい笑顔をアラズに向ける

ロイ「あぁなんか強敵と戦って気が立ってるなぁ これは難癖つけられたらカチグミでもボッコにしてしまいそうだなぁ(棒」
この場にはアラズしかいないというのに まるで誰かに言い聞かせるような口調である

そしてこの廃墟を後にするだろう
417 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/04/30(木) 23:57:52.84 ID:udrpTf6R0
>>416
「……うっせ、ばーか」

返す言葉のそのチョイスすらお子様である
ブルームーンを肩に担ぎ、返り血にレインコートを汚して笑うその姿は悪辣めいてはいるが

「……そうだなぁ、疲れた疲れたぁ」
「ま、出る時確認もきちーんとしたしな、報酬に期待出来そうだなぁこりゃあ!」

正に三文芝居、にんまりを湛えた表は悪戯っ子地味て、だがカチグミの彼に取っては二人組の悪魔であろう
応急的に止血、傷口を抑えて報酬にあり付きに戻るのであった
418 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/01(金) 00:04:41.00 ID:KAuC4MBE0
>>417
「よし 戻ろう!」
そしてカチグミ・アパートに戻った2人は 真っ青な顔のカチグミからたんまりと報酬を受け取るのであった

//では〆
419 :アグラーヤ [sage saga]:2015/05/01(金) 00:54:01.29 ID:0Y8F42rg0
>>415
【ジョシュア・アーリントン。彼は紛れもなく被害者だ。アグラーヤによって運命の歯車の全てを狂わされた男がこの瞬間の為にどれ程の辛酸を舐め続けてきたのか想像すらできるものではない】
【ここで散った彼の大切な人の遺志、アグラーヤと酌み交わした約束がどんなものであろうと彼に与えられた結果は何も変わらないのだ】
【アグラーヤは迷っていた。自分とてこの先やるべき事はある。それは自分の為ではない。自分が守るべき人たちの、大切な人たちの為にここで誓い、願い、約束した世界】

【希望に満ちた世界が欲しい】

【変わらぬ愛を希める世界。人の優しさを望める世界。自分を絶望の呪縛から解き放った人たちが望んだモノ。変わらぬ優しい希望に満ちた世界の為に生きると決めた】
【その願いの為ならば、大切な人の為ならば、何時だって命を投げる覚悟は出来ている。彼らが望んだ美しい世界、そんな世界に人々の絶望を背負いこんだ自分が生きる場所などない事はわかっているのだから】
【そしてかつての自分と同じように絶望に縛り付けられたモノ。前へと進む事が赦されず、過去という永遠に変わらぬ闇に縛り付けられたモノ。今アグラーヤと相対している彼をこの場所に縛り付けたのは他ならぬ自分】
【彼を縛る絶望の鎖を断ち切ることが出来るのはアグラーヤの死のみである。彼がそれで前へと進めるのであれば、未来へと希望を抱く事ができるのであれば】

あは……それが私の罪だものぉ。世界に絶望を願った罪。
だから貴方の絶望も全て私が受け止めてあげる。
いいわぁ……殺しなさいよぉ。貴方に殺されるのであれば、文句の言いようもないものぉ。

【ジョシュアに後方へ弾き飛ばされ、片膝をつくもゆっくりと立ち上がりながら。纏っていた電流は消え、その表情は全てを受け入れたようにすっきりとしたものである】
【アグラーヤは悟り、受け入れたのだ。彼の願い、怨嗟、絶望を。彼がここで復讐を果たすことで、自身が望む世界のひとつとなれるのであれば自分の死は必要なことであると】
【ここで、この場所で朽ちる事に一片の不満もない。遣り残したことは山程あるが、探し求めていた大切なヒトに逢うこともできた。死にきれぬ程の後悔もない】

できればごめんなさいで済ましたいんだけどぉ、そういう訳にはいかなそうねぇ……。
でも、黙って殺される訳にはいかないわぁ……。
貴方と同じように、私だってこの場所に縛られているのだから。
ただ違うのは、私を縛るのは大切なヒトとの約束……。
それは未来を築く、光ある希望……! !
それを果たす為、守るために……私は貴方と戦うわぁ……。
もう一度殺されるのが嫌なら、頑張って私を殺すことねぇ……!?

【潜めていた電流が再びアグラーヤの身体から溢れ出す。暴れ狂う無数の蛇のような蒼白の電撃は雷鳴と共に天井、床、壁を焼きその爪痕を刻みつけてゆく】
【やがて充実した電流が、ジョシュアに向かって掲げた右腕に収束すれば、耳を劈く雷鳴と共に炸裂する光。それと同時に真っ直ぐに放たれる雷撃の光槍】
【常人がまともに受ければ間違い無く即死であろう。しかし先の放電にも耐えたジョシュアのタフネスと回復力は人の域を遙かに凌駕したものだ。直撃したとて生命に関わる威力ではない】
【そしてここで同じ剣でを振るったあの男であれば、造作もなくその刃で、空気を破りながら迫り来る雷撃を斬り捨てることだろう】
420 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/05/01(金) 17:38:28.29 ID:JEvfVLclo
【モンスターと狩人の世界】

そこは大自然に囲まれた世界だ。
その世界には花形が2ついる
1つはモンスター。その強大さは他の生物の追随を許さなず大自然を我が物顔で歩く。
もう1つはハンター。そのモンスターを狩る者達だ
その2つは激しい戦いを繰り広げハンターの華々しい武勇伝は人々の人口に膾炙する。


「え〜ただいま出張中 肉料理屋カローだよ〜
今日のおすすめは今日退治された大魔獣馬の肉だよ〜
馬刺しやユッケ、どんぶりにして食べると美味しいよ〜」

しかしこの男──アフレイ・レッドには関係なかった
越境者であるアフレイ・レッドがこの世界で何をしているか。答えは簡単である
いつものように肉料理屋をしていた。
ただいつもと違うのはハンターが集う酒場の一角を借りてそこで肉料理をしていたのだ。

「なお素材持ち込みも可だよ〜その場合は材料費がかからないから
安いよ〜強いモンスターの肉なら武勇も上がるよ〜」

大きな声で呼び込みをかける

ちなみにこの世界の狩人は自分が狩ったモンスターの素材で出来た装備を着る。
しかし最近そうした慣習にとらわれない狩人達が出没しているという噂をアフレイは耳にしていた

(もしかして同属に出会えるかもしれないな……一回、その狩人にあってみたいもんだ)

そう思いながら声を上げる

「ちなみに今なら秘蔵の卵をサービスするよ〜」

秘蔵の卵とは彼が異世界で手に入れたコカトリスの卵なのだがそれは内緒
421 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/05/01(金) 17:52:38.33 ID:4BYlM0IH0
>>420
ニアにしてみればこの世界は、それなりに当たりな方であった
本能のままに生きる自然達と、そして抗う人々
明確なルール、大原則に則って更に過大解釈した風な活力に満ちた世界を心地良く思う

「ただまぁ、問題はご飯が美味しいかって事だってんですよねぇっ」
「……ん、お肉料理っ」

しかして言葉の通り、気になるのは風土による食性の問題
例え世界としてよくても、食べ物がゲテモノでは滞在には厳しい
そんな事を思い取り敢えず酒場らしい建物に入った矢先、漂ってくる匂いに呼び込みの掛声
惹かれてふらふら歩み寄る

「……こんにちはってんです、オススメが頂きたいんですがぁ、お金はこれのどれか使えますかっ?」

間延びした声
差し出す小さな手のひらに乗るのは宝石、金粒、はたまた別世界の金銀銅貨
その持ち主は褐色の肌にアッシュグレイのショート、赤い双眼の少女
服装はマオカラー調のシャツにチノを併せ、空色のスカーフを巻いた至って普通のものである
とはいえ『この世界での普通』に当てはめればどう見えるかは不明瞭だが
ついでに言えば腰に携える一振りの西洋剣が、微妙に浮いている印象か
422 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/05/01(金) 18:04:42.98 ID:JEvfVLclo
>>421

「……量にもよりますね。貴方は具体的にはどれだけ食べるつもりでしょう?
グラム?それともキロ単位?それによって金か銀か銅かに変わりますね
なんて言ったってここの住人はキロ単位で食べる人もいらっしゃいますから」

アフレイは目の前の少女の差し出した物を見て分かった。
彼女は自分と同じ越境者なのだと。なぜならここに彼女が出したような
硬貨は存在しないからだ。それに武器だって狩人が持っているような武器ではない
対人用の武器である。それを持つのがこんな少女というのが不自然すぎるのだ

(嬉しいな……こんなところで同属に出会えるなんて)

アフレイは嬉しい気持ちを抑えながらも接客をする
ちなみに未知の硬貨の反応からアフレイが越境者と少女が分かることも出来るだろう
423 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/05/01(金) 18:14:38.70 ID:4BYlM0IH0
>>422
「え、えぇとぉっ……」
「……あれの10分の1くらいでぇっ……」

と、指差して示す先には特大盛りのお肉の塊にかぶり付く屈強なる狩人の姿
対するニアは食量としては極めてふつーであり、そんなに食べられるはずもない

「……あー、あとぉっ、」
「お前っ、ここの住人じゃないってんですかぁっ?」

金銭に対する柔軟な反応、そして何よりその言葉尻
『ここの住人』と客観的な物言いがニアの感覚に触れたのだろう、嫌に小声で尋ねて見ることに
最も酒場の喧騒の中、この会話に気を取られるモノがいるとは思えないが
424 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/05/01(金) 18:24:57.97 ID:JEvfVLclo
>>423
「なるほど……少食──いや貴方にとっては普通でしたか
まあいじわるはこの辺にしておきましょう
そうです──私は越境者。境界を越えし者
貴方と同じですよ。後ここの住人というのはこの場所の住人という
意味も含みますがその反応からして越境者で間違いないのでしょう?」

ふふっと柔らかな意地悪い笑みを浮かべる
ちょっとしたいたずら心がわいたので少しからかったのだ

「ああ、後それなら銅貨で結構ですよ。ただ換金する必要が
あるので通常よりは換金代がかさみますが……まあ微々たるものです
大魔獣馬のお肉を何で召し上がります?馬刺し・ユッケ・どんぶりがお勧めですが……
ああ食べて害があるということは少なくとも私にはありませんでしたからご安心を」
425 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/05/01(金) 18:33:11.68 ID:oDcU9pAu0
>>424
「大食いの世界だってんですかねぇ、ここぉっ……」

とは苦笑混じりの反応だ
なるほど周囲を見れば普通のはずの食欲すら貧相に思えてならない
決して上品とは言えない、しかし活気と喧騒に溢れ野蛮と表せる食卓は何とも生に満ち溢れたエネルギッシュな光景である

「そうでしたかっ、お金の件とか含めて助かりますねぇっ」

越境者が店側の場合、通貨にある程度の寛大さがある事が多い
ニアにしてみれば願ったりな事態なのだ

「ありがとうってんです、えぇとぉ」
「……じゃあっ、生とあと少し火を通したのもあると嬉しいなぁって……」

生食の風習をニアは持たない
若干の抵抗もあるが同じ位の興味もある模様
426 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/05/01(金) 18:44:20.18 ID:JEvfVLclo
>>425
(この様子からして生食の文化がない所出身か……
火を通したもの──ステーキにするか?
肉厚だしイケるだろうがしかし生の馬刺しとステーキというのもな……
一応コテコテしているわけではないから合わないわけではないと思うが……)

あれこれと思案した結果──

「では半生の料理であるタタキのどんぶりなどいかがでしょう?
少々注文と違いますがさっと火が通してあってそれでいて
中まで焼けているわけではない絶妙な焼き加減はいいと思うのですが……
ちなみに甘さのある玉ねぎと秘蔵の卵──今日売れなかったら捨てようと思っている
卵なんですがそれらと醤油が肉とあいますよ。まあ卵はコカトリスの卵なんで嫌でしたら
普通の鶏の卵にしますが」

少々、興奮した様子で喋る。だがしかしそれは料理への愛情の裏返しでもある
427 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/05/01(金) 18:49:49.05 ID:oDcU9pAu0
>>426
「タタキっ」
「……おー、それいいですねぇっ……」

鸚鵡返しに反芻、そして熱っぽい解説に味を想像し生唾を呑み込んだ
卵も正直コカトリスがどの様なモノかが思い浮かばず曖昧に、しかしそちらでいいと肯定

「では、それをお願いしますってんですっ」

出張店から直ぐの卓の椅子に陣取り、期待を込めた満面の笑みで見詰める
調理の様子などにもどうやら興味があるようで
428 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/05/01(金) 18:56:59.23 ID:JEvfVLclo
>>427
「では……」

鉄板に触れ能力を使い温度を上げる。程よい温度になれば油をひく。
油の音がなる。そしてキロ単位はある馬肉の塊を少女の目の前で切り分け
手頃なサイズにする。

「さっきの大きな馬肉の塊の状態のまま調理して
お出しすることもあるのですよ。ここでは」

調理しながらも少女と話をするのを忘れない

/すいません。急用で40分程離席しなければならなくなりました……
早く帰れるかもしれませんがご迷惑をお掛けします……
続けるか凍結するかはそちらにお願いします
申し訳ございません
429 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/05/01(金) 19:06:38.11 ID:oDcU9pAu0
>>428
「おぉー……」

興味津々を絵に描いた様な風体で覗き込み、口は半分開いたままだ

「そうだってんでしょうねぇ……」
「流石にニアはそんなに食べれませんってんですよぉっ……」
「……あ、ニア・シューペリオリティ」
「お前はっ?」

苦笑、そして思い付いた様に名乗り尋ねる
越境仲間とあらばきっとまた別の世界でも出会うだろう
やがて来たる再会の為に、名前を知っておくのは吝かでは決してない

//ではすみませんが取り敢えず此方からのレスはこれで〆させて下さい
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
//また宜しくお願いしまするっ
430 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/01(金) 19:23:07.70 ID:mmOhIDZS0
>>419
「……あ…?」

後ろに跳んで距離を取ったジョシュア、両手の剣を交差させるように構えアグラーヤの出方を伺っていたが、そこでジョシュアはアグラーヤの予想外の反応を目にし面食らってしまう。
ふっと消え去る紫電、抵抗をやめたアグラーヤ。その表情は諦めというよりも悟りだどこか清々しさまで感じられる。
ぽかんと口を開けてその言葉を聞いていたジョシュアであったが、ふと込み上げる怒りの感情を再び認め、遮るようにその口を開いた。

「違ェ……違う、違う!!オレはそんなもの求めちゃいない!」
「俺はお前をぶっ潰して、痛め付けて!!悶えて苦しんで泣き叫んで!!最後の最後に"アイツ"の名前を呼びながら死ぬお前の姿が見たいんだ…!」

獣の吼え声にも似た叫び。まるで怒号のような喚き散らすような声で呪詛をぶつけるもその声色は次第に変わってゆき、終いには切なげな叫びへと変貌していた。
そのままジョシュアは切なげな声色、今にも泣き出しそうな表情でアグラーヤへと訴え掛ける。
しかしその瞳は憎しみに燃え、心の奥底で渦巻いているのはやはりドス黒い負の感情だ。

「お前に俺の絶望が受け止められるもんか…!!お前に俺の絶望が判るってのかァ!?」
「俺の…俺にとっての絶望はニアを失う事だけだ…!アイツは俺にとって妹同然…家族みてェなもんなんだ…」

エクソダスを振り回し、月光の鋒をアグラーヤの顔面へと差し向け、そして彼女の言葉を怒りと悪意で踏みにじる。
ジョシュアは救いなど必要としていない。目には目を。救いではなく絶望をそっくりそのまま送り返すことことがジョシュアの望むものだ。
自分に、そしてニアにこれほどの苦痛を与えたものを生かしておくことは、そして自らの手以外のもので殺めることなど絶対に許さない。
自分の手で苦しめて、責め抜いて、絶望させながらくびり[ピーーー]その時までジョシュアの怒りは収まることを知らないのだ。

「オレはニアから笑顔を奪ったお前を許さねェ…5年前、ニアと再会した時…あいつがどんな顔してたと思う?」
「昔の話をするたびにあんな顔をするニアなんて…もう見たくねぇんだよ…!!」
431 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/01(金) 19:23:38.48 ID:mmOhIDZS0
「お前を殺しても何も戻って来ないのは知ってる…それでも俺がお前をズタズタに切り刻もうとする理由はな…お前らに殺された仲間達の分のツケがあるからだ…!」
「俺ァ知ってんだぞ…ラヴレスも…エルミスも!!へクスのみんなもお前らが殺したんだろ…!?」

へクスの壊滅についてはアグラーヤの直接の過失ではない。しかしそれでもジョシュアはその責任はアグラーヤにあると決め付けていた。
それはジョシュアの知る人物の中にそれを為し得ることの出来る存在がアグラーヤを於いてそれ以外に存在しないからだ。
『彼女(アイツ)ならやり遂げてもおかしくない』と。半ばこじつけのような思い込みと虚構の復讐心が今までジョシュアの生きる糧となっていたのだ。
実際アグラーヤが基地の最奥まで侵入し、それを撃退しようとして基地から吹き飛ばされ、戻ってきてみればそこが完全に壊滅状態に陥ってしまっていればそう思ってしまうのも仕方がないのかもしれないが

「ニアだけじゃねェ…俺たちは全員でひとつ…家族(ファミリー)だった…」
「だから、だから家族の仇は家族であるオレが討たなきゃならねェ…だから俺は……お前を[ピーーー]…!!」
「いずれは…お前の大好きな"タェンティース"もなァ……!」

ジョシュアは憎しみを込めてアグラーヤを睥睨し、彼女はまるでそれに呼応するかのように再び紫電を纏い迸らせる。
それを見てジョシュアはエクソダスを胸の鞘に収めた。月光の柄を両手で握り、そして腰を落として構えた。月光での一撃の攻撃翌力を最大まで引き上げたのだ。
彼の両手は徐々に赤熱し、それはやがて渦巻く焔を纏って炎上する。常人ならざる力がジョシュアに宿り、ジョシュアの決意に応えるように月光が青い輝きを放つ。
聖剣に宿る神性の力と、蒼光走るその聖剣を構え怨敵へと駆ける悪魔付きの青年。ジョシュアの呼びかけに応じるように月光の輝きは爆発的に増した。

「お前の口から未来とか希望だなんて言葉が聞けるたァなァ!お笑いだぜッッ!!」「チカラ貸しやがれッッ!!月光ォォォッッ!!!」

「……つ……ぐッッ…!?」

しかし現実とはかくも残酷なものか
結果として月光は神性を発揮することはなく、またジョシュアの斬撃は迫る雷光を切り裂くことは叶わず、ただ空を切り裂くのみに終わっていた。
神性の蒼光もすっかりそのなりを潜め、いつのまにか月光の輝きは完全に消え去ってしまっていたのだ。
所詮ジョシュアは純血の"聖人"ではない。ルカの血を持たぬ彼には月光やエクソダスはとうてい扱えるような代物ではなかったという事か──

アグラーヤの放った電流がジョシュアの右肩へ着弾し爆ぜる。大きくノックバックするジョシュアの身体
だがそれは一つだけではない。次々とジョシュアの身体に当たっては弾けジョシュアの皮膚と肉を焼き焦がしてゆく。
そしてジョシュアが大きく体制を崩したその一瞬、雷撃の槍がジョシュア目掛けて放たれ、迸った。
強烈な電流と電圧の打撃により視界が霞み、しかしその端に捉えた破滅的威力の雷光の槍。
呪詛めいた何かを口から吐き捨てるもアグラーヤに対して何か反撃することも叶わず、槍はそのままジョシュアを思い切り穿ち、貫いたのだ。
432 :アフレイ・レッド ◆OynS5qhTP. [sage]:2015/05/01(金) 19:38:01.30 ID:JEvfVLclo
>>429

「私はアフレイ・レッド。アフレイと読んでもらって構いません」

そして切り分けた馬肉を鉄板で表面だけ焦がす。
その後、馬肉を鉄板から取り出し触れ能力で冷まし余熱を取る。
さらに繊細な能力捌きで馬肉を上手い具合に冷やせば
後は用意してあったご飯をどんぶりに入れ馬肉を上に載せ
玉ねぎとかいわれ大根をトッピングし卵を割る。
醤油をかけて完成だ

「はい、どうぞ」

そう言って料理を持っていく。
その後、しばらくして少女と別れた

(またどこかで会えるといいですね)

そう願いながら

/本当申し訳ないです。こちらのロールもこれで〆です
/ありがとうございました。またよろしくお願いします
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(和歌山県) [saga sage]:2015/05/01(金) 21:21:43.41 ID:7IBgty380
現代に最も近い近代世界のとある街、とある一角。
小洒落た喫茶店のテーブル席を窓際で陣取る小さな人影。
どこかをみているわけではなく、ひたすらボーっとしながら、窓の外に視線をやっていた。
アイスティーの注がれたグラスにつく水滴から、入店してからそこまで時が経っていないことが伺える。

「……昨日、なにしてたかな……」

放念の吐息の後、間を空けて飛び出すセリフ。
か細い呟きであるが、この時間帯に客は少ないので、少し響く。
今は午前7時丁度……客が少ないのも納得がいくと言うものだ。
テーブルの上に開かれたノート、手に握ったシャープペンシル。少し目立つだろうか。
434 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 21:22:33.62 ID:7IBgty380
現代に最も近い近代世界のとある街、とある一角。
小洒落た喫茶店のテーブル席を窓際で陣取る小さな人影。
どこかをみているわけではなく、ひたすらボーっとしながら、窓の外に視線をやっていた。
アイスティーの注がれたグラスにつく水滴から、入店してからそこまで時が経っていないことが伺える。

「……昨日、なにしてたかな……」

放念の吐息の後、間を空けて飛び出すセリフ。
か細い呟きであるが、この時間帯に客は少ないので、少し響く。
今は午前7時丁度……客が少ないのも納得がいくと言うものだ。
テーブルの上に開かれたノート、手に握ったシャープペンシル。少し目立つだろうか。
435 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 21:28:21.72 ID:oDcU9pAu0
>>433-434
この世界の場合、忍ぶ為の装束は非常に目立つ
依ってなんとか衣服を現調達、適当に菖蒲色のスウェット上下に身を包んだ七八
何処で買ったのやら背中に意味不明な英語がプリントされた安物である
まぁモンペめいた装束よりはマシだろう

「あ、シンじゃん、お久ー」

やっほうと軽く右手を上げ、以前夜の世界でカカシを退治した仲間へと挨拶
相席いい? なんて尋ねながらも体は既に対面の椅子に腰掛けている
436 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/01(金) 21:34:54.86 ID:KAuC4MBE0
>>434-435
―――ギィ!!
「ハイハイ慌てないの」

アキレスの前を歩き せかすようにハサミを振り上げるサソリと それを嗜める白人の男
朝ごはんを食べようと 朝早くからやっている喫茶店にやってきた・・・のだが

「あ 四五六タンじゃn・・・」
見知った顔に声をかけようとして 少し硬直

「四五六タン・・・そういう趣味があったの?」
若干引き気味なアキレスの視線は スゥエットの英文に注がれていた
437 :アグラーヤ [sage]:2015/05/01(金) 21:41:33.39 ID:0Y8F42rg0
>>430
【ジョシュアの言い放つ言の葉のひとつひとつが鋭い刃物となってアグラーヤの心を貫く。普段であれば悪辣に笑い飛ばし、向けられた感情を力でもって踏み躙るところであるが】
【それをせぬのは、出来ぬのはやはりジョシュアに対する罪悪感。彼をこのような絶望の化身へと、悲哀の復讐者へと変えてしまったのは紛れもなく自分自身であるのだから】
【アグラーヤはジョシュアの感情をただ黙って受け続けた。その魂の叫びはまるでかつての己を鏡に映したようであり、否憤怒のみで言えばそれとは比べものにならぬ程だ】
【ただ悲痛な表情を浮かべるだけで、彼に対し何も言えぬアグラーヤ。慰めの言葉も、それを言う資格も自分には存在し得ないとわかっているから。彼の口から、『彼女』の名前が出るまでは】

……そうねぇ。私は貴方にそこまで恨まれても当然の存在だわぁ……。
そのヘクスとやらも……ラヴレスもっ……!! 私が居なければきっとまだ笑っていられたんでしょうよ。

【ラヴレスの事を想い出せばアグラーヤの言葉が詰まる。彼女も大切な存在のひとりであったし、その死について自分に何も非がない訳ではないのだから】
【当然直接的な原因ではないが、自身が招いた漆黒の意思がやがて彼女を喰らったのだ。ラヴレスの生命を奪ったモノに対して復讐心を抱くと同時に、自分さえ居なければという感情も同時に湧き上がった】
【しかし何時迄も哀しみを引きずっては生きられない。大切な存在はラヴレスだけではないのだから。どれだけ願おうともヒトは過去に向かっては生きられないのだから】
【哀しみを背負いながらも生きること。そしてその連鎖を断ち切り、大切な存在に哀しみや絶望を背負わせないこと。その為に生きると誓ったのだ。己が身をどれだけ闇に堕とそうとも】

だけど私は聖人君子じゃなければ当然正義の味方でもないわぁ……!
全ての人を救うことなんて出来はしないし、そんなことしようとも思わない……。
ただ私の眼に映るヒトだけは……! アンタがあの子を……タェンティースを[ピーーー]っていうのであれば……そんな事はさせはしない!!

【アグラーヤの放った雷槍はジョシュアの身体を吹き飛ばし、そして穿った。肉の焼け焦げた臭いと煙が立ち込める廊下を、ジョシュアへ向かってゆっくりと進むアグラーヤ】
【その表情には笑みも、涙もない。浮かぶのはひたすらの空虚のみ。生まれた絶望は全て自分が引き受けると、覚悟を決めてはいたがこれ程に重いとは】
【ジョシュアへと近付くにつれアグラーヤの纏う電流が次第に漆黒へと染まりゆく。その輝きは、ジョシュアが抱くはずだった未来への光を塗り潰した黒い太陽の輝き】
【この地において彼とその仲間たちの全てを奪い去った堕天の煌めきが一歩、また一歩とジョシュアへと迫る。再び彼の望みと、その絶望を奪う為に】

……形は同じだけど、あの時とはまるで別物ねぇその月光は。
その剣の力が、あの時の『彼』の意思を汲んだものであったのなら……アンタには無理よ。
マウトヘッドが……ニアがアンタに辛い顔を見せる理由がわからないような奴にはねぇ……!
昔の話をするたびにですって……? あの子が辛いのはアンタの魂がまだ、あの日のこの場所に縛られているからじゃなくって……!?

………。
ま、いいわぁ。こんな事、私が言えた事じゃないものぉ。
私がそれだけの事をした事はわかっているし、恨んでくれて構わないわぁ。
勝手だけど、アンタはここに永遠に縛られてなさぁい? 絶望は全部、私が喰らってあげるから……。
あの世で逢ったら、思う存分殺されてあげる。

【やがてアグラーヤを纏う黒き電流はその背へと収束していき、遂には漆黒の翼を形取る。広げられた双翼は周囲の壁面を音を立てて破壊し尽くし、翼から枝のように奔るか細い電流すらも凶悪な破壊力を見せる】
【あの日全てを終わらせた黒き双翼は、時を越えて再びこの場所で広げられたのだ。ビルの壁を突き破り曇天を覆い尽くす堕天の羽ばたき】
【全てを包み込み、全てを終わらせるべく広げられた翼はゆっくりとジョシュアを抱き込むように閉じられてゆく。かつてひとつの物語に終止符をうった終焉の抱擁が、今再びジョシュアへと迫る】
438 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 21:47:29.33 ID:7IBgty380
>>435-436
どこかで聞いた気がする声、記憶にはない。
一瞥、そして、硬直するのは、自分の名前を言い当てられた上に相席までされたからだ。
とはいえ若干のおびえは見せど、ノートを漁りさえすれば、数刻の内に何か理解したのだろう。

「ど、どうぞ……七八さん」

日記に記された内容から、知り合いと判断し、記された名前とともに承諾と挨拶をまじわす。
以前の服装とはどうやら違うらしいが、そこまでは追求する暇はなかった。
というのも

「……いッ!?」

入店者の前方を行くサソリが視界に入ったからだ。
即座に椅子の上で三角に座り、頭を低く手は頭上にセット。

「ッ、ッッ!」

恐怖から小刻みに身体を震わせて、涙を浮かべながらどうしようもなくおびえ続ける。
その視線の先には、サソリしか映っていない模様だ。
439 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 21:53:35.43 ID:oDcU9pAu0
>>436
「えっ? あぁ、アキレス」
「……待って、え? これ?」

やぁと背凭れ越しに振り返り挨拶
しかし引き攣り気味のアキレスの表情にたじろぎ尋ねてみる
なんせ文の内容など気にせずに赤い値札が付いたものを適当に買ったのだから仕方ない
因みに意味は凡そ読み上げられない程の頭の悪そうな単語が並べられている

>>438
「ん? あれ、忘れちゃった?」
「……なんか暗いとこでヘンテコなカカシみたいなの倒したの、覚えてないかな?」

しまった空気を悪くしてしまったかと苦笑
ともあれ記憶の泥中から引っ張り上げて貰う為に、あの世界での出来事を軽く話してみる

「あ、あとあのサソリは友達だから大丈夫だよ」

ベティを恐る様子に一応、軽く説明しておく事に
440 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/01(金) 22:03:19.80 ID:KAuC4MBE0
>>438
入店しようとすると 四五六が相席しようとした少女が異様な怖がり方をする 視線から察するに

(イカンこの子 蟲がダメな子か!?)
中型犬ぐらいの大きさのサソリがいれば誰だって怖がるだろうが そこは感覚がマヒしているのだろう

「ベティちょっとコッチコイ!!」
―――ギィ?

慌ててベティを呼び寄せる ベティは疑問符を浮かべるが 声の必死さを察したのか 素直にアキレスの背中に上った

「アハハハハごめんね驚かせて こいつそんな悪い蟲じゃないからちゃんと視界の外にいるようにするからごめんねあははははは・・・」
乾いた笑いで平謝り

「あれ四五六タンの知り合い? 俺アキレスって言うの四五六タンのダチでよぉアハハハハハハごめんねあははははははは・・・」
自己紹介しつつも平謝り

>>439
「いや・・・うん 人それぞれだよねウン 俺は四五六タンのこと応援してるからね ウン」
どこか生暖かい視線 頭の悪い単語は羅列となって とんでもない一文になっている様子

「あぁ・・・うん この話題はやめよう その子どちら様?」
と紹介を希望している様子

「マスター こっちにモーニング と・・・ピザパンある?」
そして自然な感じで相席しようとする!!
441 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 22:19:38.53 ID:oDcU9pAu0
>>440
「……着替えてこよっかなぁ……もうっ」

周囲をキョロキョロ、知れば気になってしまうモノだ
普段の装束のモンペ姿のがマシだったのかと内心頭を抱えている

「あ、う、うん……」
「えぇとね、シンって、前に真っ暗な世界で助けて貰ったんだ」

ね、とシンに微笑み掛けるが対する反応は微妙かもしれない
相席には別段気にせず、というかそもそも七八自身やや強引に座った身である

442 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 22:23:18.88 ID:7IBgty380
>>439-440
察してくれたことで多少は増しになった動機。
ただ、体制を戻す気はないらしく、さらにいえばアキレスと名乗る男は初対面。
やはり抱く感情は恐怖であり、平謝りさえまともには耳にしていない様子だ。
まあそれでも、多少の落ち着きを取り戻した様だが。

「……ごめんなさい、あまり……よく覚えてません」

結果として記憶を引き上げる事は出来ないでいたが、酷く霞んだ映像は残っているようだ。
唯一の希望、『日記』に目を通しながら、一応出来事の確認をしてみる。
照合性は100%、つまりは、そういうことなのだろう。
適当に話しを合わせるように心掛けの意気込み、取りあえずは感謝の言葉を述べて……

「……ッ」

自然と相席したアキレスを視界に映した刹那、また身体を丸める。
そう、何度も言うが彼は初対面なのである。これは仕方のないことなのだ。

「さ、サソリ……友達?」

アイスティーを口に含み、最後の補足を聞き返す。
あんな獰猛そうなサソリが友達なんて、些か有り得た話しではないと、そう思ったからだ。
443 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 22:27:45.28 ID:7IBgty380
>>442
ね、と相づちされるも、やはり反応は微妙の一言。

を付け足しでっ
444 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 22:33:36.97 ID:oDcU9pAu0
>>442
「ま、まぁまぁ、いろいろあるもんねぇ越境してると……」

軽く苦笑めいているが、その様子から何処か剥離性をぼんやりと察して小首を傾げた
先程から読んでいる本(日記)に目を通す所作などは極めて正常なのではあるが、纏う空気感が微細ながら妙

「あ、あと彼ね」
「見掛けはアレだけど、そんなに悪い奴じゃないよ、安心してくれていいと思う」

安心させる為の説明ではあるが無論最小限
アキレス自身が越境者である事や、その他突っ込んだ事情には触れずにいる
445 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/01(金) 22:38:13.24 ID:KAuC4MBE0
>>441-444
「あぁ大丈夫大丈夫 きっと理解してくれる人はいるから きっと多分メイビー」
そして紹介を受けて

「なるほどシンちゃんか 俺はアキレス 流浪のグラフィティ・アーティストさ どうぞよろしく
 そしてこいつがサソリのベティ ほら挨拶」

背中越しにベティに言うと 肩越しに 遠慮がちに姿を現し

―――ギィ!!
ハサミを振り上げた

「確かに 初めて見るとびっくりするだろうけど 見た程危険じゃないから安心して」
―――ギィギィ!!

などと説明している間も おなかがすいたと 肩をハサミでとんとん叩いているベティ

「つぅか四五六タン 見かけがアレってちょっと酷くなーい? 俺のどこがアレだって言うのさ?」
と口をとがらせて抗議する
446 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 22:51:23.84 ID:oDcU9pAu0
>>445
「理解されたらマズイよね多分」

苦笑だ
そりゃそうだと思わせる程の単語が並んでいるのだ、仕方ない

「え、そりゃ、まぁ……その、ねぇ?」
「あ、やば、注文してなかった……」
「えぇと、お茶? あ、じゃあアイスティー……」

笑って誤魔化すの術を使った!
因みに見てくれだけで言えば今の七八も結構なモノである
ふ、と態とらしく慌てて注文
実際ウェイターの視線があるようで、水だけで過ごすのは正直気分がよくない



447 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 22:53:56.75 ID:7IBgty380
>>444-445
「……はい、いろいろと」

未だ暗い表情だが、小さな声で肯定。
少女の周りの空気が妙なのは、複雑な生涯故か、その身故、か……判明はしないだろう。
悪い奴じゃない、その言われように抗議するアキレス、その構図は斬新。
滅多に笑わないシンさえも、少し口角を上げ、音を漏らすほどだ。
どうやら少し慣れたのか、アキレスに対する挙動は幾分もましとなっている。
ただまあ、サソリだけはどうも馴染めずにいるらしい。

「あ、アキレスさん……平気、なんですか? その……ベティというサソリ……」

そう言いながら、よくみれば高速で何かを記す少女。
今この瞬間から、日記はページを増やしだし、次の再会に備えているのだ。

「七八さん、いい、服のチョイス……ですね」

服に対する褒めは単純にそう思ったからだが、アキレスが七八に向けていた先の会話を含めると、あたかもそのおかしさに便乗した様にも取れるだろう。
ただし、シンからすれば本当に悪気はない、何気ない会話の糸口である。
448 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 23:00:34.56 ID:oDcU9pAu0
>>447
「ぐっ……そ、そう……かな……?」

呷った水を噴き出しそうになり一瞬、しかし詰まってなんとか笑顔
皮肉めいたモノと捉えるのは簡単だが、それでもシンがそういった穿った物言いをするかと言えば印象としては真逆である

「あはは、ありがと……そこの店で安かったよ……」

窓越しに示すのは雑多としたチェーン系列大型量販店
ペンギンだかなんだか良くわからないマスコットキャラクターが目を惹く看板が掲げられていた

「……うーん、ところでさぁ」
「……前に私と会った事、ほとんど覚えてなかったり?」

言葉面としてはそうではないが、咎める口調ではない
単純な問い掛けとして尋ねられたそれは、越境の際に記憶に何らかの影響があるのではないかと踏んだ為だ
七八自身、越境の回数は少ない方ではあるがそれでもそれに対する様々な仮説に出会ってきた
その中のひとつに、今のシンの状況が当てはまっているのではと疑問
最も真相には遠く、だが表面的には微妙に捉えた格好となってはいるが
449 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/01(金) 23:08:25.95 ID:KAuC4MBE0
>>446
「ソンナコトナイヨー」
目逸らし

「なんだまだ注文してなかったのか? 俺のはもう来ちゃったよ」
ウェイターがトーストとゆで卵 そしてコーヒーを持ってきた ついでにベティにピザパンも

―――ギィ!!ギィ!!
さっそく地面に降りてクレクレ催促しているベティのためにピザパンを進呈しました

「しかしまぁ絵面だけ見れば俺ハーレムだな 役一名アレだけどww」
と英文に視線を向け 意趣返ししてみるテスト

>>447
―――ギィ♪
平気かどうかと問われたベティは素知らぬ顔 幸せそうにピザパンを細かくちぎって口に運んでいる

「あぁ 見かけによらず頭もいいんだぜ?」
コンコンとゆで卵の殻を割りながら応える 割った殻はベティに進呈 そちらもおいしく頂いたそうな

「ちなみに今9歳 大体三桁年数まで生きる んで最大で5mほどの大きさになるんだって」
さて想像してみよう まるでゴジラか何かかと見まごうばかりに大きなサソリの姿を
450 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 23:25:04.01 ID:7IBgty380
>>448-449
外は相変わらず忙しそうである。
混雑は好きじゃない、言われた店に視線を合わせながらも、行くことはないだろうと思案する。

「……はい、ほとんどとかではなく、全くと言った方が正しいです……」

七八の興味か探求心からか、問われる問に返答は肯定。
しかもそれは、理解できる範囲であるかは把握できない領域の解答、なにも覚えていない、それはどう反応されるのか。
理由はシン自身理解している、説明を求められたなら、躊躇いの後に話し始めるはずだ。

「3桁……ちょっと早い寿命、ですね……」

その巨体は想像しないが、思わず口をつく言葉は耳を疑うだろう。
3桁年数を早い寿命と言うなんて、さもおかしすぎるのだし。
451 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/01(金) 23:33:42.78 ID:oDcU9pAu0
>>449
「とっても分かりやすい反応ありがとうっ」

肩を落として脱力した乾笑

「いやぁ、なんかタイミング逃しちゃって……あ、来た来た」

既存の製品をグラスに移しただけか、それとも作り置きか幸いアイスティーは素早くやって来た模様
からんと氷が鳴って、店内に流れるジャズに乗って溶けた

「絵面だけって何よ、絵面だけってぇ」
「……上だけでも変えようかなぁ……」

じっとり抗議の目線
尚上着を脱いだとしてもスウェットのパンツのおけつ部分にもアレな単語が散りばめられて隙のないデザインである

>>450
何と無く予測が出来ていたから、心構えがあったから大きな声での反応は抑えられた
平静を装って、ふぅんと数度頷いて見せる

「やっぱりそうなんだぁ……」

追求の気持ちがない訳ではないが、七八は学者ではない
自然と続く言葉に事態の説明がない限り、話し辛いのかなぁと感じて人心を無視してまでの更なる質問はアイスティーと共に呑み込む

「……大変だね」

ただ一言、励ます為に微笑み掛ける事しか出来ない無力さを痛感

452 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/01(金) 23:41:34.33 ID:KAuC4MBE0
>>450-451
「まぁまぁ 生きてりゃいいことあるって」
慰めてるんだかよくわからないことをいい 四五六の肩をポンポンと叩こうとする

と なにやらシンと四五六の間に不穏な空気?
四五六の話では共闘したらしいのだが それを覚えてないらしい

それにベティの寿命を短いと 当たり前のように言ってのけるあたり

「あぁ・・・えと アレか シンちゃんって・・・エルフ?」
の割には耳はとがってませんがね

とここでシンの足元に動く影  ピザパンを食べ終えたベティがシンの足元に来て

―――ギィ!!
ハサミで差し出すのは柄付きの飴玉 チュッパチャップス
ベティ的仲良くしようの合図である
453 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/01(金) 23:58:27.45 ID:7IBgty380
>>451-452
話し辛くはないけれど、説明下手ではないけれど、やはり話しにくい事である。
ただ、曖昧な優しさは時に刃物となる、いっそ話してしまえば楽だったのかと思った。
とはいえ、別段支障がない以上、これ以上の探りは愚問だ。後は気ままになるようになるだろう。
知りたくなれば、聞いてくるだろうし。

「大変……うん、覚えられないのは、確かに大変……」

深く頷き、ありがとうと述べ、もう一つの質問に耳を傾ける。
少女は人間、それは確かであるものの、

「エルフとか、じゃないです……“人より死なない”だけで……」

それがどの程度のものなのかはアキレス、七八にとっては不明。
不意に足元から音がした、視線を下にやればシンは飛び跳ねる。
しかし挟まれている好意の印を見れば、黙ってそれを受け取った。

「……ありがとう」

飴、サソリが渡した飴、遅れて実感が沸く、感謝の言葉は少し苦笑い。
454 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/02(土) 00:03:41.38 ID:V+ROBD470
>>452
「あぁ、そんなレベルなんだこれ」

とはまぁ大袈裟に捉える場の空気故
しかし本心でも結構恥ずかしいらしく、さっきからプリント部を隠すように皺を寄せたりして無駄な努力を重ねている
肩に置かれる手の感覚、惨めな自分を際立たせた

>>453
「そっかぁ……そうだよねぇ」
「ま、覚えてたら覚えておいてよ、私あの時は助けられたんだからさ」

ありがとうね、と改めての一礼
弓張の月めいて笑い掛ける

>>452-453
「……ちょっともう、やっぱこれ脱ごうっ……」

と、上着の裾を掴みグイッと脱ぎ去る
人目を幅からずの行動となったが、どうやら今の格好よりはマシだと判断したのか
まぁ気温もそこそこ、それ自体に不自然さはそこまでないだろう

現れたのは紺地のTシャツ、でもやっぱりこっちにもアレな英字が印刷されていましたとさ

//この辺でお先に撤退っ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
455 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/02(土) 00:09:43.13 ID:uyhMT4uX0
>>453
「人より・・・死なない?」
いまいちイメージがつかない 不老不死ならもっとストレートに言うだろうし 何か問題でもあるのだろうか?

とりあえずベティの仲良し大作戦は失敗にならなかったようで

―――ギィ♪
お礼を言われて嬉しそうなベティでした

そしてTシャツになる四五六であったが そのTシャツも英文が刻まれており

「・・・・・・・・・・」
やはり暖かい視線を送るアキレスでしたとさ

//ノシ
456 :シン・リンカーラスト=アブソリュート[絶頂] [saga sage]:2015/05/02(土) 04:09:49.66 ID:UucTmncF0
>>454-455
「……はい」

礼をされるようなことをした記憶は欠片もないが、日記に記されたその世界での出来事では確かに助けた形となっている。
苦笑、ともに筆を進め、記憶代わりの日記へ情報を書き記していく。
今は午前7時23分、未だ客足は少ないのだ、見られることはないだろう上着の脱衣。
なぜか……顔を覆うのだった。

「……っ」

アキレスの返しにこくんと相づち。
不老不死、とはいかない模擬的な体質能力を上手く説明する暇はないようで。
サソリを恐るると一瞥しながら、やはり筆を進めていくのだった。

余談だが、それからしばらく後にして、シンはこの世界を渡っていったそうな。

//ロールありがとうございました
457 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/02(土) 21:05:01.24 ID:7ROegzCy0
>>437
「ゲホッ……!ゴホッゴホッ……!、ゴボッ…ハァ……ぶッ…!!」

仰向けに倒れたままピクリともしないジョシュアだったが、その胸の上下だけが未だ彼の生存示していた。
雷光の槍に胸部を穿たれ、真っ黒に焦げて煙を上げるジョシュアの胸板。電撃のショックで心臓が完全に停止しなかったことが唯一の幸運だった。
だが心臓と共に肺もまた機能を破壊され、ジョシュアは激しく咳き込んで煤と共に凄まじい量の血を吐く。
二、三度転倒し、仰向けの状態からようやく起き上がって跪いた体制になれば彼の胸の焼け跡は先程のように外周から少しづつ治癒し始めていた。
が、そこでアグラーヤはジョシュアの異変に気付くであろうか?
明らかに治癒の速度が序盤よりも遅く滞り、というよりそのうちほとんど治癒は止まってしまっていたのだ。
度重なる能力仕様と無茶な治癒による完全なるガス欠。ジョシュアが中々立ち上がれないでいるのはそのためだ。

「はは……くはっ……!…げほッげほッ…ゴホッ!…そうかよ、そういうことかよ…」
「正義は勝つ。悪は滅びるってか………冗談じゃねェぞ……ッッッ!!」

自虐と半ば自暴自棄の笑い声を上げ、月光を杖によろよろと立ち上がったジョシュアであったが、やがて失望したように薄ら笑みを浮かべて小さな声で月光の名を呟く。
そして呼び声に頑に応えることのない聖剣に対し苛立ちをつのらせ突如として豹変。悲痛な叫びと共に思い切り床に叩きつける。がらんという金属音と共に転がる無限の刃。

「たとえ…例えなァ……たとえお前が正義気取りでも…お前の過去は決して変わらねェ…!!たとえ俺が悪に堕ちようと…お前…だけは……げふッ…!」
「必ず……[ピーーー]…!隊長のために……!!」

運に見捨てられ、異能に見捨てられ。そしてついには月光にまで愛想を尽かされた自分の境遇。まるで可笑しいと皮肉な笑みで嘲笑するジョシュア。
復讐を誓ううちに自分は下等な、ちっぽけな悪へと堕ちた。それでも恨みを晴らすことだけを、無念を晴らすことだけを考えて生きてきたのだ。
一方アグラーヤはダグラスとの接触を期に光への道を歩み始めた。かつての破滅への一本道から自らの力で抜け出したのだ。そしてその道を代わりに歩み始めたのはジョシュアだった。
しかしアグラーヤは正義の味方を気取るつもりはないとジョシュアの言葉を一刀のもとに斬り捨てたのだ。
ジョシュアは懸念と疑念を露わにし、絶望を受け入れると断言したアグラーヤの言葉を偽善でなくて何のつもりだと問い掛けた。

「…あァ…?正義の味方じゃなければお前は一体何のつもりだ…?」
「知ったような口を…げほッ、…聞くんじゃねぇ。お前にニアの何が分かる…?」
458 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage saga]:2015/05/02(土) 21:05:44.29 ID:7ROegzCy0
それに対する答えは言葉ではなくアグラーヤの行動にあった。タェンティースへの害意をジョシュアが示した途端、彼女は今まで躊躇していたものを完全に捨て去ったのだ。
その雷光は蒼白から漆黒へと姿を変え、はじめてジョシュアに対する明確な殺意がアグラーヤに芽生えたのだ。
しかし今までのアグラーヤのような敵意と悪意に満ちた殺意ではない。むしろジョシュアを永劫に続く苦しみから解放するためのような、言うなれば慈愛に等しい殺意。

「……あァ…こいつが例の…隊長を殺った技か…予想よりも……嫌な色してんなぁ…?」
(そして予想よりもデケェ…流石に……ここまでか…)

ずず、ず。轟音を立てて立ち昇る漆黒の電流。屋根すら突き破りばさりと一度それが羽ばたけば、
暗雲に包まれたリベルタスの空、その雲の渦の中心にぽっかりと虚な穴が穿たれ、そこから冷徹なる後光を地上へと落とす蒼い月。
唸りをあげて迫る黒翼に背筋が凍りつく。表情はへらへらと薄ら笑みを浮かべたままであったが、内心はそうではなかった。
アグラーヤが実際洒落にならないレベルの破壊力を有する能力者であり、自分の異能はとうてい彼女に敵うレベルに達していない
その証拠をむざむざと見せ付けられた気分だった。戦慄とともにプライドを傷つけられたような、そして何よりもジョシュアは彼女が恐ろしかった。
自傷していたとはいえ"聖人"の生命を一撃のもとに刈り取った存在だ。やはり自分の手に負えるような代物ではなかったのか──
悔しさにジョシュアは歯ぎしりし、それでいて身体は頑として動かないでいる。何も出来ないという事実がなおジョシュアの精神を蝕んだ。

「………クソ、ちくしょう…ッ……結局…指一本触れられなかったじゃねェか……ッ」

ただひとつ、ジョシュアの心のうちにはどうしても成し遂げられなかったことへの悔恨の念だけが深く根付いていた。
勝てないとしてもせめて腕の一本や二本でも斬り飛ばしてやりたかったものだが、まさかここまでの実力差があるとは、と。
すぐ眼前にまで迫った終焉の抱擁を眼にして初めて「死」の実感がふつふつと湧き上がり、初めて感じる恐怖と焦燥。心拍数が跳ね上がる。
深く息を吸い込んで眼を閉じ、想うのは戦友のこと、ニアのこと、亡き上官のこと。そしてなにより境界を越えて出会った掛け替えのない仲間たちのこと。
ふうと息を吐けば臆病な胸を無理矢理押さえつけ、覚悟を決めたような顔つきで眼を見開く。
ジョシュアの瞳に最後に映ったのは視界を覆う眩しき「黒」とまるで愛おしいひとを抱き締めるかのように両腕を広げる可憐な、そして恐ろしき少女の影であった。
459 :アグラーヤ [sage saga]:2015/05/03(日) 00:53:53.42 ID:AamjfM130
>>457
「……ごめんなさい」

最早ジョシュアに何も言うべきことは無い。否、言うべきではないのだ。どのような理由を述べたところで彼にとってアグラーヤの言葉は全て詭弁にしかならないだろうから。
家族を滅ぼした怨敵の言葉など、例えジョシュアでなくても聞き入れはしないだろう。それが分かっているから、アグラーヤは一言謝罪の言葉を発するのみ。
無論赦しを請うものではない。受け容れられないものであることも知っている。それでも尚口から零れた言の葉は、ジョシュアだけに向けられたものではないのだから。

「ごめんなさい、マウトヘッドのお父様……。私はまた、貴方の娘の笑顔を奪うわ」
「あは……おっかしぃ……。散々綺麗事抜かしておいて、結局は何かを奪う事でしか他のモノを守る事が出来ないんだもの」
「やっぱり貴方の見立ては間違っていたんじゃなくってぇ…? だって私はこんなにも弱いんだから……」
「まぁ……いいわぁ。どうせ私はもう汚れてしまっているのだし、あの子たちと共に笑える世界なんて望んでないしねぇ」

恐らくジョシュアにはアグラーヤが何を言っているのか理解できないだろう。いまこの世界に生きる誰に宛てたものでもない、過去への独白。
かつてここで交わした約束。といってもただ思念を汲み取っただけなのであるが、アグラーヤは自身のやり方でそれを成し遂げようとする。
例え己が手をどれ程黒く染めようとも、自身の手が届かぬ場所で生きる人たちに光さえあれば。大切な人がその光の中で笑えるのであれば。
自身に道を示してくれた人々が望んだ世界。その世界に自分の居場所など必要無いのだ。故にどんな絶望でも背負おう。それをエゴと罵られようと、どれ程黒く染まろうと。
結局本当に正義の味方などというものとは似ても似つかぬものなのだ。ジョシュアの想いを汲みながらも、それを悲痛と感じながらも力でもって無に帰さんとするのだから。

「さよなら。過去に縛られた、もうひとりの私」
460 :アグラーヤ [sage saga]:2015/05/03(日) 00:54:42.42 ID:AamjfM130
空を喰らう黒翼はビルの壁面を轟音と共に砕きながら、黒く禍々しい暴力は止む事のない雷鳴を纏いてジョシュアを包みこんでゆく。その圧倒的威力とは裏腹にヒトを罪から守る天使の抱擁の如くに優しい動きで。
ジョシュアは絶対的な死を目の前に何を見ているのだろうか。迫り来る双翼に目を見開こうとも視界を支配するのは永遠の黒。
吹き荒ぶ漆翼の奔流の中、あの日の記憶がアグラーヤの脳裏に蘇る。マウトヘッドの笑顔、泣き顔。そして全てを赦し、アグラーヤへと託した『彼』の笑顔。
あるはずがない。最早あるはずのない『彼』の無限の父性、その温もりがアグラーヤの内に触れ心を撫でる。忘れるはずもない。かつて感じたものと相違無いこの優しさは。
思えば。思えば何故『彼』はあの時敵であった筈のアグラーヤに託したのだろうか。『彼』を殺した後、タェンティースへ害を及ぼす可能性のあるマウトヘッドをアグラーヤが始末する事も大いに考えられた筈だ。
信じたのだろうか。あの局面において、自身を殺すであろう者の事を。自身の最も大切な存在を傷付けた者のことを。自身と、その娘が望んだ世界の為に。

「あは、馬っ鹿みたぁい……」
「信じることで誰かが救われるんなら、誰も苦労なんてしないじゃないのぉ」
「でも、私もそんな馬鹿になっちゃったみたいねぇ」

事実、信じることで救われたモノがいる。信頼を受けることで見てきた世界ががらりと変わったモノがいる。他者を信じる。そんな絵に描いたような綺麗事でも救われたのだ、アグラーヤは。
少しふてくされたように、それでいてどこか自嘲するようにくすりと笑うと、その瞬間辺りを埋め尽くしていた黒翼はジョシュアを消滅させる寸前で消え失せ。
後に残ったのはめちゃくちゃに破壊された高層ビルの最上階と、そこに佇むふたつの人影。ジョシュアとアグラーヤ、片方はかなりの傷を受けてはいるが間違いなくふたりとも生きている。

「………」
「やめたわぁ」
「好きにしたら? このまま過去に縛り付けられながら私を殺す為だけに生きるのも貴方の勝手」
「本当にタェンティースに手を出すって言うのなら、私が今度こそ殺してあげる。貴方の過去諸共ねぇ?」

先程までの事が嘘のような静寂がふたりを包み、アグラーヤは無表情を浮かべながら真紅の隻眼でジョシュアへと視線を向け淡々と言の葉を綴る。
アグラーヤを纏っていた力も激情も殺意も今は全てが消えた。自身の選択に呆れながらもそれ程後悔はしていないことに内心驚きながら、破壊された天井から見上げる空。
ジョシュアの怨嗟がこれで少しでも削がれるなどという夢見事は全く思いもしないが、多少は信じてみようと思ったのだ。ヒトの感情というものを。かつて自分にそうしてくれた人たちのように。
461 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage saga]:2015/05/04(月) 20:56:29.13 ID:82zIOmHI0
>>459
迫る漆黒の前に成すすべなく、ただ立ち尽くしたままで死を待つジョシュア。戦意の喪失により月光は青い粒子となって消失する。
ジョシュアの瞳に最後に映ったのは視界を覆う眩しき「黒」とまるで愛おしいひとを抱き締めるかのように両腕を広げる可憐な、そして恐ろしき少女の影であった。

「……あァ、クソ…もっとマトモな人生…送っとくんだった…」
「(……悪ィニア…こりゃあマジで今度こそサヨナラかもしれねぇ……)」

しかし

それがジョシュアの生命の終わりをもたらすことはなかった。一体何が起こったのかはジョシュア本人にもわからない。
耳を劈くような音を立てて崩れる漆黒の翼。崩壊した雷光のかけらがジョシュアに向けて吹き付け、まるで黒い羽根のよう曇天の夜空に舞い散る。
ジョシュアは衝撃波で弾かれるようにして吹き飛ばされ、もはや天井も何もないこの最上階に僅かに残った防弾ガラスの分厚い壁に打ち付けられた。

叩きつけられた反動で僅かに跳ね返って、そして重力に負け落下。足首から折れ、膝をついて、そして前のめりに倒れる。
倒れゆくそのスローモーションの世界の中で頬を掠めて舞い踊る黒羽根。半ば意識を失いかけながらもそれを目で追っていたジョシュアであったが、
黒羽根が視界の端に消えたと同時にコンクリートへ側頭部を打ち付け、視界は完全にブラックアウトした。
ぐしゃりと水っぽい音を立ててジョシュアが倒れればひらひらと彼を覆うように降り積もり、僅かな火花と燐光を散らして消えてゆく。

意識を失い昏倒するジョシュアは目を半分見開いたまま口から赤黒い液体を垂れ流していた。
ひどく内臓を損傷したようで、時折自らの血で窒息しかけては苦しそうに身体を跳ねさせむせる。
いつ死ぬかも分からない非常に危険な状態。まさに死の瀬戸際にある彼であったが、しかしまだその命の灯火は消えていない。
彼の全身からじりじりと立ち昇る火の粉が彼の傷を癒し、ジョシュアは夜明けまでにはようやく動けるほどまでの回復を遂げているだろう。
蒼白の月が顔を覗かせる空を見上げるアグラーヤの背中を見つめるかのように、そして僅かに意識を失ったはずのジョシュアはその手のひらを握り締めるのであった。
そして、その光景を遠くから見つめる傍観者がひとり。

『……やはりまだ時期尚早だったか、それにしても…しばらく見ないうちに見違えたものだな』
『ジョシュア…アグラーヤ…君らはきっと俺を恨むだろうが……だが痕跡を残す訳にはいかない』

高級ホテルから少し離れた電波塔の頂上、その先端にもたれかかるようにして佇むストライプスーツの男。
深い紫色の長髪を持ち、スーツ、腕時計、革靴、指輪などすべてが高級品から構成されているその身なりはこの荒れ果てた世界とは不相応なものだ。
短くなった紙巻煙草を指でぴんと弾いて捨て、向かいに見えるジョシュア達のホテル目掛けて人差し指で丸く円を描いた。
ず、と轟音が廃墟群に響けば次の瞬間にはホテルの横腹、その中心に寸分狂わぬ完璧な円が空虚な穴となって現れていた。
最上階のアグラーヤ達にもこの揺れは伝わり、ビルの寿命がそう長くはないことを伝えるだろう。
おそらく夜明け頃、ジョシュアとアグラーヤ双方の撤退が完了する頃にはこのホテルは跡形もなく中央から崩壊する筈だ。

『……まぁ、今はここから君らの成功を祈ることにしよう。…そのうち……また会うかもしれないからな』

もたれていたアンテナから反動をつけて直立へと戻り、前髪をかきあげて静かに笑う男。
別れの挨拶を済ませればその足元には先程と同じようにマンホールほどの空虚な穴が現れ、男はそこから下層へと向かって落下してゆく。
電波塔の赤いランプに照らされていた人影は小さな点となり、やがてはそれも見えなくなる。
後にはだれも、なにも残らない。この日の戦いの記憶はジョシュアとアグラーヤ、この二者の記憶の中だけに留められ、そしてまた誰にも伝えられることのない戦いとなったのであった。
462 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/04(月) 21:02:13.61 ID:82zIOmHI0
//それじゃあこのシチュはこれくらいで〆で、連日ありがとうございましたー
463 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/05/04(月) 23:11:18.85 ID:x1/NoEdRo
【時は戦国、嵐の時代――】

「ふぅむ・・・」

 この世界に併せた、塩問屋の豪商っぽい格好をしているのはヨブ・バロウズ。
 スプロールにおいてはカノッサテクノロジー社CEOという重要な立場にいるものだ。
 で、今、見晴らしのよさげな丘で何をしているかというと、

「暑い。シャクシャク」

 蝉こそまだ鳴いていないが、現在この国は初夏とは思えぬ暑さ。
 太陽は暴君の如く空に君臨し、高温多湿なこの世界では夏の不快度指数はマッハである。
 ゆえに暑気払いの西瓜が実に美味なのである。

【パラソルを立てて、水を一杯に張った桶には沢山の西瓜】
 【単眼鏡で何やら丘下のイクサを見物しながら手元の西瓜に塩をパッパ】

 悪の組織の幹部とは思えぬくらいに色々エンジョイしてやがるとか思ってはいけない。
 たぶん、様々な深慮遠謀があるのだ。たぶん。
464 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/04(月) 23:19:40.71 ID:0Q+vlRAX0
>>463
「あっついなぁ……もう!」

沈め太陽、と何ともあれな呪詛である
ダラダラと流れる汗が止まらない真夏日、これで5月だというのだから驚きだ
のんびり歩いていた所で突然戦に巻き込まれ、あわや逃げて丘にやって来たのが現在

「……っと、先客か……」

腰に帯びた忍者刀の柄を握り警戒態勢
じりりと下がってパラソルの元でエンジョイなうな相手を睥睨

「えーと、厄介なお方?」

丘の上、草を踏み締める音
合戦のノイズが響く
465 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/05/04(月) 23:31:42.10 ID:x1/NoEdRo
>>464

 じーっ・・・

 コソーリとやって来たニンジャを三ツ首の蛇が観察している。
 これはヨブ・バロウズの使い魔(ファミリア)である。
 ゆえに彼の命令があれば躊躇無く殺害を実行するし、命令無くば決して手は出さない。

「しゃくしゃくしゃく。んっ・・・」

 くるりと振り向くと真紅の髪の壮年と呼ぶには若すぎ、青年と呼ぶには年経ている、
 そのような容貌が見えることだろう。彼はおもむろに七八に向かって手を伸ばして、

「君もどうだね?西瓜。この暑さだ」

 丸々とした黒と緑のコントラストが鮮やかな球体を差し出すのだった。
 何というか敵意とか警戒に水を差すような、そういう空気を壊すためのような一手である。

【同時に周囲の薄っすらとした気配も――】
【実のところ、幾つもの銃口が七八を捉えているし、害意有りと認識されればC.T.S.S.のエージェントが即座に割って入る】

 ちなみにこの世界ではスイカも塩も中々の貴重品。つまりブルジョア!おおがねもち!
466 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/04(月) 23:43:06.05 ID:0Q+vlRAX0
>>465
「うわっ!? な、何っ!?」

六つの瞳に見詰められ、慌てて飛び退く仕草
明確な殺意を察知出来ずにこんな対応となった

「……いや、えっ? スイカ?」
「……あ、そ、そう? どーも……」

いやでも丸々一個を受け取るのも何かなぁなんて思いながらもしかし柄から手を離す事はしない
無論それは周辺の気配を微々たる怖気として感じたから故であり、ぐるりと睥睨

「ねぇ、ところでここで何してるの?」

そして視線を男性へと戻して尋ねる
謎が多過ぎるのだ現状、戦を見ながらスイカを食べてしかも周りには謎の気配が沢山と来た
質問としては至極普通のモノだろう
467 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/05/04(月) 23:52:49.47 ID:x1/NoEdRo
>>466

「何をしているかと問われればイクサ見物という奴だね。私の場合は娯楽目的だ。
 ほら、他にも・・・あちらの丘を見たまえ」

 西瓜片手にバロウズが示した方向には、農民達の群れが見える。
 戦口者として戦場の様子を面白おかしく話すことを生業にする者から、
 イクサの雌雄が決した後に鎧兜を剥ぐ落ち武者狩りを狙っている者まで目的は様々である。

「無論、君の同業者もより巧妙に隠れてイクサの様子を見ているはずだ」

 それはニンジャも同様である。仕える主家に大きなイクサなどの経緯や結果を報告し、
 センゴクにおける立ち回りの材料として提供する。諜報の重要性は何時の時代でも大きなウェイトを占める。

【イクサ見物を娯楽にするのが趣味が悪いと糾弾するのは容易かもしれない。
 が、人間というものはイクサを娯楽に出来る人種である。先進国がメディアや映画を通じて戦場という遠い世界を垣間見るように】
【同時に塩問屋の旦那の娯楽にしては、やや目敏すぎる印象があるかもしれないが】

「で、まあ、今回のイクサは特異かつ見ごたえがあるものでね」

//何が特異なのかはまた後でー
468 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/04(月) 23:59:32.66 ID:0Q+vlRAX0
>>467
「娯楽ぅ?」

従って視線を動かして目を細めた
戦闘に参加するモノではなく、決して違う存在が確認出来た
スカベンジャー連中か、と腕を組む
この時には既に柄から手を離してしまっていた

「ふぅん……まぁ、確かに人間模様を見るには向いてるだろうけどさ」

スポーツ娯楽としての戦乱は、決して七八としても珍しく思わない
それはそうだろう、人の根源に闘争というモノはしがみ付いているのだから
最もこの場合、目の前の男性は少々例外に当たりそうな雰囲気を醸し出してはいたが

「特異?」
「……えーと、戦況が、とかそういう?」

勿論気が付かない、その特異性という存在には
469 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/05/05(火) 00:20:18.10 ID:6HdDMUPCo
>>468

//ナムアムダブツ!勿体つけてしまったせいで七八の観察力がザンネンなことに;

「…君はひょっとして天然さんという奴なのだろうが」

 バロウズが少しだけビミョーな表情になる。
 さて、イクサ場に目を映して見よう。実際に異質なのである。何故ならば――

【戦国武者同士のイクサではないのだ。
 片方は典型的な戦国武者であるが、問題はもう片方。何と重火器を持ち、戦車を持ち込んでいる!
 この世界に存在する兵力ではありえないテクノロジー!】

「世界修正力も時にいい加減なようでね。あの連中が現れたのは一ヶ月程前。
 越境者…というよりは偶発的な世界転移に近いね。己たちのテクノロジーが実際に高度だと認識し、
 周囲の村々から略奪。虐殺。まあ、やりたい放題をし始めるまで時間はかからなかったようだ」

 テクノロジーレベルは20世紀後半程度。実際にこれはかなり兵器のレベルが発達している。
 同時に浅はかさも垣間見えるだろう。その優位は石油と弾丸などの物資を欠乏した瞬間に大幅に劣化するもので、
 にもかかわらず、それを欲望のままに振るっているのだから。

【世界修正力という言葉をあっさりと口にする。どうもある程度素性がバレてもてもよいと考えているようだ】
 【同時に七八が現地民でこの言葉の羅列が理解できなくともそれはそれで楽しみようがあるとも】
【→少なくとも今回のイクサの経緯は読めるだろう。妙な兵器を持つ不埒の輩にこの地を収めるダイミョが討伐に乗り出したのだと】

(まあ、実際はカノッサの仕業なのだがね)

 これは実のところカノッサ機関の実験である。
 ある世界の部隊を丸々別世界に移動させるという現象実験。成功率は0.5%程度。実用化には程遠い。
 が、実際に稀に上手くいったのが今回の例だ。バロウズは関与こそしていないが関心を持ち、こうして物見湯算に赴いたというわけだ。

【カノッサ機関の欲望と探求は尽きず。といったところか】

「まあ、兵器の質は明らかだ。これは早々に勝負が着くかな?」

 もう一度、単眼鏡を覗くバロウズ。普通に考えればそうなのである。
 現代兵器vs弓矢に馬。通常であれば勝負にもならない。

 が、ここはヒノモトの国なわけで。リアルな戦国時代というより戦国ファンタジーなわけで。んで、ニンジャもいるわけで。
470 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/05(火) 00:32:36.07 ID:3WSxGq0O0
>>469
「わぉ、戦国なんちゃら隊?」

立ち登る消炎、爆破の砂煙から姿を表すのは近代兵器群の軍隊兵
大砲の爆音の古今を聞き分ける術を、七八は未だ持たずにいる
故に煙に巻かれて姿を見せなかった軍隊を目視するまで気が付かなかったのは摂理なのだ、うん摂理

「……あぁ、これはちょっと流石になぁ……」
「私はパス、あんまり好みじゃない」

苦笑、手をひらひら泳がせて首を振る
拮抗した戦況に於ける闘争と、一方的な虐殺では矢張り人間的感情として受ける印象は大きく異なるのだ

一歩下がり、ヨブを視界に留めたままに戦場からは外す
あとは聞こえる音だけだ、判明してから察すれば明確な重火器の発砲音

「……で、あなたは……てか、あなたも、越境者な訳だ?」

越境の理の、修正力との強引な剥離
話題に聞いた事はある、しかし現実に見るのは慣れはしない

471 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/05/05(火) 00:49:45.71 ID:6HdDMUPCo
>>470

「ふーむ。まあ、テクノロジーの力を笠に着れば――」

 −−−−−−−−−−−
【戦場にて】

「イヤーッ!!」

 ニンジャ達が一斉に放った手裏剣は連続して襲い掛かる突撃銃の銃弾を
 事も無げに切り裂き、あるいは弾き返しながら現代兵のボディアーマーの股間と両目を貫いていく!
 鎧袖一触、まるで紙のように引き裂かれていく現代兵達!!

「チェストトオオオオオッ!!」

 ならば戦車は!?戦場の主役!20世紀の戦争の形態を大きく変えた兵器!
 騎馬武者の斬馬刀で中の乗員ごと切断されています。本当にありがとうございました。

「リンピオトーシャーカイジンリツツアィツェン!」

 無線を用いた複合的な兵の運用は?呪術で無線妨害されていてモノの役に立たず!

【現代兵器を持ち込んだ不埒の輩の戦線は崩壊!既に追撃戦/撤退戦に移行!まさに一方的!】

 −−−−−−−−−−−−−

「…エート、テクノロジー…あー、ごほん」

 これにはバロウズも思わず咳払いである。なるほど、このニンジャのお嬢さんの言ったとおりだ。
 常の舞台役者のようなスマイルもどことなく引きつったモノにしながら、

「君の言うとおりだったね。これでは一方的すぎる」

 そう言いながら、バロウズはテクノロジーを持ち込む事が勝利を約束するわけではない≠ニ
 改めて記憶することにした。これは実際に見に着てよかったというかニンジャもムシャもスゴイだった。

「ああ、私も越境者?みたいなモノだね。この世界は実に文化が特異で楽しい。
 まあ、今日は楽しい以外のモノもたっぷり見られたわけだがね」

 同時にこの言葉からある程度類推できる事があるだろう。
 完全にとは行かないかもしれないが、任意で越境現象先を選択できる技術を保有しているフシがある発言。
 これは七八の知己であるイムカ・グリムナーも同様であるが、ある程度♂z境を制御する技術が何処かで確立されているようだ。
472 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/05(火) 01:05:25.97 ID:3WSxGq0O0
>>471
「でしょ?」
「あんまりほら、なんっていうか……」
「牛の屠殺を見て喜ぶのがマニアック呼ばわりされるみたいな……?」

「……ああもう! 煩いっ!!」

思わず戦場に向けて三歩ズンズンと推し進み叫ぶ
それは七八の認めたくない部類の忍者達の勝鬨に溶け入り、役目を果たす事が出来ぬままに消えた
どうやら七八の思う戦場とはまるで真逆な展開になってはいるモノの、虐殺には変わりない
しかもやっぱり居るのが忍んでない忍び

「……ん、そっか」
「楽しいモノ以外?」

戦晴れのそらを背負い、振り向き様に数度小さく頷く
無論その思考は疑問点に達した、越境先の選定と言う未知の技術の保持に
それは今の七八にしてみれば筆舌に尽くし難い程に焦がれる技術だ
スプロールに感じた身内の気配を、一刻も早く戻り探りたいところであった

「……色々、詳しそうだね」

しかしなんとも、極めて紳士的な一挙一動のこの男性
一筋縄ではいかないオーラを、上物の仕立ての豪族めいた衣服と共に纏っている

473 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/05/05(火) 01:19:53.24 ID:6HdDMUPCo
>>472

 ニンジャが忍ぶわけないだろ!(断言) と言わんばかりの有様で終わる。
 早速、この結果を知らせんと、斥候ニンジャは去り、戦談者は貴重な紙で様子を書きとめ、
 落ち武者狩りの農民達は戦場を漁る機械をギラついた目で測るのであった。

「シャクシャクシャク。楽しいモノ以外…まあ、私も一応はテクノロジー信奉者でね。
 自分の、何というか、ある種の信仰がぐらついている真っ最中といったところだね」

 余裕そうな口調でそんな事を口にするバロウズ。
 何というか、言葉とは裏腹に自分の予測が覆されたことを楽しそうにしているように見えるかもしれない。
 しかして、眼下ではそのようなイクサがされているが、空は関係なしに流れており、太陽は相変わらず糞暑い熱気を放つ。

【存外に天も地も人の営みなど無関心なのかもしれない】

「ふーむ、詳しそう…か。私としてはそれでもわからない事ばかりだよ。
 こう見えても、ちょっとしたおえらいさん≠ニいうものでね。色々なことが耳に入るのだよ。ニンジャのお嬢さん」

 そこまで言うと、ふと、七八の手を見て、

「ところで食べないのかね?お嬢さん」

 と、その手にあるであろう丸々とした西瓜を指差すのであったとさ。

//んでは今日はコノヘンデー!
474 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/05(火) 21:10:20.61 ID:qtK5yqAG0
【スプロール とあるBAR】
オーガニックの一枚板でできたカウンター マスターは客に対する詮索は皆無で与えられた仕事を完璧にこなすプロフェッショナル 流れる音楽はジュークボックスの静かでムーディなジャズ
どこから仕入れたか 多種多様な酒と肴 その分料金は高めだが ここで騒ぐ無粋な輩はいない 合法も非合法も関係ない ここは金を持つ者達の緩衝地帯なのだ

「なんかよく分からないけど金ピンチなんだろ? 今日は俺がおごってやるさ ・・・この世界じゃ俺 小金持ちだから(ボソッ」
この世界で非合法な情報の運び屋をやっているアキレスは 友人を労うためにこのバーへと誘ったのだ

「俺はモヒート んでコイツ(ベティ)にスライスサラミを そっちはなににするよ?」
自分の注文を済ませ 友人に質問する
475 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/05(火) 21:26:03.43 ID:GIsQ7MrG0
>>474
ここはスプロールの小洒落たバー、重金属酸性雨が窓を叩く音と氷の溶けて崩れる音、客の微かなざわめきと心地良いジャズの演奏意外には何も聞こえぬ静かな空間だ。
サソリを引き連れた運び屋…もとい流浪のアーティスト、アキレスと肩を並べるのはギプスに覆われた左腕を首から提げるジョシュアだ。
ここ最近は何かと女絡みの不運続きである。たまにはこうやって男同士で過ごす時間というのも悪くないものだ。

「悪りィな……クレジットさえ凍結されてなきゃこんな事には…」
「……ミント・ジュレップ。洒落た酒は飲めない」

「………タェンティースの散財力に」

ジョシュアが頼むのはアキレスと似たように爽やかめのカクテル、暑い日にぴったりのミント・ジュレップ。
隠れ家に帰ればウイスキーの瓶が転がっているような人種にはぴったりのアメリカン・スタイルのカクテルだ。
カクテルが出されるや否やグラスを持ち上げ、嫌味満タンのセリフと共に掲げ、それを一気に飲み干した。

「……バーボン」
476 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/05(火) 21:39:25.37 ID:qtK5yqAG0
>>475
「気にすんなよ 小金持ちだけど この世界じゃあまりおおっぴらに散財できないからさ」
実際非合法な輩を成敗()しようとする正義のヒーロー()が鬱陶しいので 基本的にセーフハウスにいるか 逃げ回りやすい屋台街にいるか このBARにいるか
オフの日の行動パターンはほぼ決まっていた

「チアース」
苦笑しながら乾杯 チンと心地よい音が響いた

―――ギィ♪
「その腕どうしたよ? また何かと戦ってたり? でも確かお前食い物があれば怪我なんてすぐ直るんじゃなかったっけr?」

サラミに舌鼓を打つベティをよそにモヒートを呷る そしてギプスに覆われた腕に視線を向けながら質問する

アキレス「いい奴出してちょうだい」
バーテン「氷は?」

ジョシュアの注文にアキレスが補足し バーテンはオンザロックにするか聞いてくる
477 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/05(火) 21:55:15.49 ID:GIsQ7MrG0
>>476
「……あぁ、頼む」

アキレスの言葉を聞いて氷を入れるかどうかしばらく悩んだ様子のジョシュアであったが、やがて素直にバーテンに氷を頼む。
今度は一気に飲み干すようなことはなく、というより出来ないのだ。案外下戸であるジョシュアだが、バーにはこの雰囲気を求めて良く足を運ぶ。
アキレスにギプスを見つめられれば少しだけ顔をしかめ、それからよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに勿体ぶって話し始める。

「……実はな…結構前に吹っ飛んだんだ、左腕。すぐに再生しなかったから傷口が塞がっちまって…」

それで義体用の義手を付けていること、左腕を元に戻すには軍に戻らなければならないこと。
そしてジョシュアのうちに宿る大罪、"暴食のベルゼブブ"のせいで余命数ヶ月を宣告された際に大罪の王へと直接話をつける為に軍の機密を握ったまま病院を抜け出したこと。
さらにそのお陰でIASCから口封じの為に血眼で探されていることをアキレスに伝える。ジョシュアの義手はなかなか複雑な事情が絡み合って生まれた産物のようだった。

「……んで、そこをタェンティースのツレにぶっ飛ばされて…こうなった」

極めつけには再生不能な義手を破壊され実質片腕での生活を余儀なくされていることも伝え、はぁと大きく溜息を吐いた。
478 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/05(火) 22:14:20.08 ID:qtK5yqAG0
>>477
氷山の如き氷がバーボンに溶けてモヤを作り グラスの中で傾き カランと音を立てる

アキレスはモヒートを干すと今度はマティーニを頼んだ

「そんなことあったっけ? 例の全身タイツの時はまだ自前の腕だったよな?」
以前のジョシュアはアキレス曰く 全身タイツだったらしい

そしてジョシュアの近況を聞くと軽く絶句する 自分はアートを施したり いろんな世界を冒険している間 ジョシュアはとんでもない修羅場をくぐっていたのだ

「えと・・・その・・・なんだ 俺は・・・ジョッシュがそんなことになってるなんて思わなくってよ・・・その・・・」
大変だった 言葉にするのは簡単だろう だがその言葉が出なかった あまりに壮絶で 理解できなかったが故

「よくわかんないけどよ さっさと全部片付けちまおうぜ そんな厄介ごと 必要なら俺の力でも金でもなんでもよ いくらでも貸してやっからよ だからよ
 また戻ろうぜ 俺がグラフィティ書いて お前が追いかけてくる あの時みたいによ」

ニッカリと笑って背中をポンポンと叩いた

「しかしティースタンのツレで そんな凶暴なことをやらかすのって誰さ? アラズ・・・はそんなことするタイプじゃないしなぁ
 あとよ 義手だったらこのスプロールでもそこそこ高性能なの見つかる筈だぜ? いい職人紹介しようか?」
479 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/05(火) 22:32:21.04 ID:GIsQ7MrG0
>>478
「あぁ、あの……"防弾全身タイツ"な」

バーボンをちびちびと飲みながらアキレスの話に耳を傾けるジョシュア。例のアサルトアーマーの事を言っているのだろう。
確かにゴムのボディスーツに装甲を貼り付けただけの、捉えようによっては装甲全身タイツである。
その頃の右手はまだ生身のものだ。というよりその頃はこうして大罪にも犯されていなかった。健全な肉体そのものだ。

「……はっ…こうやってお前に愚痴タレれてるだけで俺は十分だっての…」
「…言っとくが俺が漏らしそうになってるヤツだけはもう描くなよ。アレ商業区に描かれると結構恥ずかしいんだからな」

妙にしみったれた空気をジョシュアは払拭し、少しだけしょんぼりとしたアキレスにへらへらと笑いかける。
別に同情が欲しい訳じゃない。ただこうして滅多に話せないようなことを吐き出して、そうしていつか笑い話にでも出来たらいいと、
それに応えるように底抜けに明るい笑みを浮かべるアキレスに一安心、しかし念の為グラフィティの程度にはクギを刺しておいた。

「…俺がもう5年追ってるヤツだ。境界線を渡ることになった元凶っていうか…ニアの親父の仇っていうか…」
「ボッコボコだよ。指一本触れられなかった……もっと…力が必要だ。今のままじゃアイツには勝てない」
「ま、新しい義手もその一歩ってワケだ」

どうやらジョシュアと"タェンティースのツレ"の間には複数人を巻き込んだ並々ならぬ関係が敷かれているようだった。
依然ならばその名を口に出すだけで激昂するほどの感情の昂りを見せていたであろうジョシュアだが、不思議と今はそんな気分にはならなかった。
酒とジャズで感傷的になっているのか、それとも隣に居てくれる友人のお陰か、ひょっとすると両方あるのかもしれない。
今求めるものは新しい力だ。どれだけ強力な武器を持っていても、それを振るう力が無ければ持ち腐れという訳だ。
480 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/05(火) 22:42:31.58 ID:stoYWAsl0
>>138

 薄暗い洞窟の中をランプの光が照らし、二人の少女が歩く。
 1人は、西洋の童話から飛び出した様な外見の金髪の少女
 もう片方は、対照的に東洋の忍びの格好の様な黒髪の少女
 年齢はどちらも10代半ば…

 「“Where are you going, my pretty maid.  (どちらへお出かけ おじょうさん♪)
  “I’m going a-adventure, sir,” she said. (冒険をしに行きますの♪) 」

 童謡(マザーグース)を口ずさみながら、先頭を進むその子の名はアリス・リンドリー
 本来洞窟というのは、湿気が高くジメジメしており、年頃の少女なら不愉快な表情を見せそうなものだが
 ここはブロックで構築された世界、暗闇であることを除けば、洞窟内とは思えないほど湿気は低く
 散歩をするような感覚で、非常に上機嫌だ。

481 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/05(火) 22:52:38.03 ID:EmNu4AlH0
>>480
「あーもー、あんまりハシャぐと転びますよーっと……」

正反、対する七八は疲れ切った様子で肩を落として歩く
角ばった岩壁を照らす橙色の視界は頼りない、万一存在するかもしれない敵対者に対しては視界だけで視る訳にはいかない
依って周辺に警戒の糸を張り巡らせる七八としては、精神を石臼で摩耗させられるが如き窮屈感の中の探索となるわけだ

「……さっさとお天道様を仰ぎたいよ、もー……」

一際大きなため息、しかし表に張り付くは苦笑
こんな道中だと言うのに辟を覚えないのは、前を行くドレス姿の少女の存在が大きいのだろう

「ねぇ、なんか見えたー?」

退屈潰し半分、期待半分
その背に呼び掛けて、周囲をぐるりと探ってみた
482 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/05(火) 22:54:05.34 ID:qtK5yqAG0
>>479
「そうかよ なら好きなだけクダを巻いてくんな今日はオールナイトで付き合ってやんよ」
ジョシュアの笑顔にしょんぼり顔を一転させ 笑顔を作る

―――ギィ!!
そして足元でサラミを食べていたベティがアキレスの背中を登ってきて
ジョシュアにスライスサラミを一枚差し出した 彼女なりの気遣いだろう

「ソンナノカイタッケー」
だがグラフィティの話になると一転 とぼけた顔で天井を見上げる

確かトイレの壁に人の行列を描き その最後尾で股間を抑えてステップ踏んでるジョシュアを描いたんだっけ
今度は【特殊部隊 活躍中】とでも称して 子守に悪戦苦闘しているジョシュアでも書いてやろうと心に決めるのであった

「境界跨ぎの切っ掛けで・・・ニアタンの親の仇で・・・ティースタンのツレ・・・あれ? ティースタンとニアタンは姉妹なんだから・・・うん?」
多少アルコールの回った頭でもはっきりとわかる 何かおかしい

「つまりニアタンの親の仇=ティースタンの親の仇なわけで・・・ティースタンにはそのことを隠しているのか?」

今の情報だけで導ける可能性としてはその辺だろう そしてジョシュアの決意と 力への渇望
少し考えてみる 手に入れられる力・・・

「・・・なぁ ロイのおっさん知ってるだろ? あの人手から炎出せるの知ってる?」
ジョシュアは覚えているだろうか? 闘技場? だかで戦ったとき ロイが烈破掌と称し 手から炎のようなものを噴射していたのを

「あのオッサンさ 故郷で道場みたいなの開いてたんだって そんで例の炎 教えてたんだとよ ・・・できるかどうかわからないけど 相談してみたら?」
483 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/05(火) 23:23:34.93 ID:stoYWAsl0
>>481
 
 「"May I go with you, my pretty maid♪ ――― ""(ご一緒してもよろしいですか♪――) 
  大丈夫よ、だって石ころなんてないでしょ…ってわわわっ! 」

 パニエとフリルによって膨らんだ、分厚いスカートを"ふわりとさせながら
 1回転して振り向くが、足をもつれさせて体制を崩す。
 蜘蛛の糸で綱渡りするような、緊張感の四五六は正反対に
 蝶のように飛び回る姿は、こちらまで気抜けしてしまいそうだ。
 
 「…そうねぇ、ランプの中に太陽が入っていればいいのだけれど」
 
 太陽と比べると、あまりにも貧弱すぎる光、残念ながら陽の光を拝むのはまだまだ先のようだ。
 実は先ほど、川岸から石のブロックを積み上げて崖を登る提案もあったのだが
 石のブロックが予想以上に重く、取り外すのも困難であった。

 「 いいえ、なにも見えないわ、まっくらよ? 」

 いけどもいけどもねずみ色のブロックが転がる、薄暗い空間。
 が、ここで四五六の緊張の糸に反応が触れた。

 【周辺に、動く人らしきものあり、非常に微弱なのでアリスが気がつくのは不可能】
484 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/05(火) 23:34:53.63 ID:EmNu4AlH0
>>483
「……何にもないところで転ぶような器用なドジしないでよ? 全く……」

照らされる表情は相変わらずの苦笑
一切の毒気を抜き去るような彼女に、ある種の陽光めいた錯覚を起こし目を細めてはいるが

「ランプの中に?」
「冗談、ランプの中にいるのは精霊でしょ? やたらいい声した」

燐光が反射する艶やかな石の中、響く声と足音
遥か遠方までが全くの同様であり、独りきりであったとしたら精神を更なる消耗しつつの道のりとなっていただろう

「だよねぇ、私も……」
「……、……アリス」

呼び掛ける声は1オクターブ低い
それと同時既に忍者刀を抜刀、逆手には苦無数本を持ちアリスの間近、気配の元凶の方角に向けて鋭く構えていた
485 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/05(火) 23:55:20.34 ID:stoYWAsl0
>>484

 「あら?ランプの中にいるのは魔人って聞いたことがあるわ。
  私知ってるのよ、体がすごく大きくて星が4つなのに こーげきりょく?が1800もあるって…
  けれどシゴロ、星が4つで こーげきりょく が1800って何の謎かけかしら?」

  と、話しながら、どんどん歩くペースを早めていくアリス。
  普通の洞窟ならば足場の悪さからこうもいかないが、ブロック状であるが故にそれを許してしまう
  四五六とは、やや距離が開いてしまっている状態だ
  距離を詰めなければ…そう思った時と警戒を始めたのは同時

 「 きゃあっ!シゴロくすぐったいわ、肩を触るのはやめて頂d―― 」

  やや前にいるアリスが、笑いながら声をあげてランプを照らすと――

 『ヴぁー…』

  そこにいたのは、両手でアリスに掴みかかる、気が抜けるような声をだすゾンビ
  否、ゾンビとはいってもまるでレゴブロックの人形のような単純な外見に
  おそらくは顔と腕であろう部分が、緑色であるだけである。
  
 『ヴぁー…』『ヴぁー…』『ヴぁー…』

  腑抜けた声と共に、四五六の左右と背後からゾンビが現れる。
  正面には掴まれかけているアリス、現在囲まれている状態だ!
486 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/06(水) 00:05:24.79 ID:80vlHk4Y0
>>485
「……色々入るんだね、ランプ」

太陽から魔人まで
改めてその利便性に、七八は小首を傾げた
その動作が、平凡な日常にありふれた一個の仕草が距離を殺さなければと七八が判断する迄をほんの少し、やや遅らせた

「待て、私はここ、触ってない!」

叫びながら、野原を這い回る蛇が如く駆ける
それはつまりアリスに触れている何かを目視するよりもずっと、眼球より脳に電気信号として情報が伝わるよりも疾風い
声の反響が己の耳に伝わる前にアリスの元へと迫り、ゾンビらしき存在に向けて肩での体当たりと同時に刺突を狙う
剣撃を振るい効果が薄い可能性を視野に入れ、己が体躯を質量武器として取り敢えずアリスとそれの距離を離さんとしているようだ
487 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/06(水) 00:25:51.62 ID:Dw2/Xd/d0
>>486

 「―― きゃあああああああああああああああああ!!」

 四五六が叫び突進するのと、アリスが悲鳴をあげたのはほぼ同時。
 アリスの側のブロック状のゾンビへ向けて質量を伴った一撃
 しかし、肉を断ち切った様な感触とは違った感触
 まるで硬いスポンジに刃物を通したかのような…?どちらかといえば気持ちのよい感触。

 『――ヴぁッ!』

 吹き飛ばされたゾンビは、一瞬赤く点滅しながら倒れ
 煙を出しながら、透明になって消えていった(ご丁寧にも煙も小さなブロック状だ)
 
 「も、ももももももモンスター!!!!ってあら!?シゴロ!?」

 恐怖の少女にランプを振り回しながら、目の前にいる四五六に気がつくアリス。
 幸いにも触れられた部分が腐食したり、怪我をしている様子はない。

 『ヴぁー…』『ヴぁー…』『ヴぁー…』

 のこり3体のゾンビが、アリスと四五六の背後から向かってくる!
 が、歩く速度はあまり早くなくチープな外見もあいまってあまり恐怖感がない。
488 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/06(水) 00:38:04.03 ID:80vlHk4Y0
>>487
「……柔らかっ……?」

穿ち、そして突き飛ばすその奇妙な感覚が思わず口から滑り出る
柔軟なような、しかし形を保つ強度を持った面妖さ

ともあれレッドアウト、ゾンビ一体後退場
その珍妙な光景を見て七八は、己としても馬鹿馬鹿しいと思える程の怖気を覚えた
この世界での死は、即ちブロック状の煙として姿を変える事になるのでは?
ぞわりと涌いた錯覚を振り払い、キョトン名を呼ぶアリスに、そしてゾンビの群れに視線を移した

「……走れる? 走れるよね」

アリスに問い掛けながら取り出したのは爆竹、それは無論ただの火薬の集合体ではない
七八が未知との邂逅を機に、流派の奥義を参考に創り出したマジックアイテムであるこの星爆竹
炸裂時の閃光に照らされた、現実世界との剥離性を持つ存在を強引に固着させる力が宿っている
だがこの場合、その効力に頼るよりはどうやら強烈な閃光と煙、ノイズに依りゾンビの感覚器官を潰し逃走をと狙っているらしい

【星爆竹→幽体等の実体のない存在を固着させる魔法具
    効果は現実世界からの拒絶性に準ずる。無論爆竹としての効果も有り】

「……目閉じて耳塞いで!」

叫ぶや否や忍者刀の峰の鑢部の摩擦で爆竹に着火、投擲そして逃走体勢
直後に破裂音と立ち昇るスモーク、断続的閃光の嵐
凪がやって来る前にアリスの腕を掴み、この場よりの離脱を計るだろう
489 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/06(水) 00:56:51.54 ID:Dw2/Xd/d0
>>488
「ありがとうシゴロ!助かったわ…って、わわわっ!たくさん来てるわっ!」

 珍妙な感触に、一瞬だけ放心している四五六に抱きつこうとするが
 ゾンビが背後から向かってきていることに気が付き、急いで背中のボウガンを構えようとするが。
 
「えっ?たたかわないの?―――」
 
 爆竹を取り出した時点で、全てを察しすぐに逃げる体制のアリス。
 実際、ゾンビの体躯は少女である四五六とアリスと比べると大きく
 とぼけた外見といえども、ある種の恐怖感を感じるのは当然と言える。

「はいっ!塞いだわっ!」

 ご丁寧にも目をぎゅっと閉じて耳を塞ぎ、大きな声で叫ぶアリス。
 と、同時に眩しい閃光と炸裂音が洞窟内に響き渡る!!―――
 
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 二人は走った、とにかく走った。
 そしてどれくらい走り回っただろうか、ブロック状といえど足場は多少悪く
 途中で転倒するなど、足を滑らす等のアクシデントが多々あったが
 それらを祝福するような、陽光が二人を照らす。

 「…でぐちだわ」

 地上に向かう、斜め上にブロックが積まれた斜面。
 でこぼこしていて、出来損ないの階段の様だが、確かに地上への道が二人の眼前に広がっていた

 「やった!やったわ!出口よ!シゴロ!!」

 モジャモジャの髪とほつれた服のままシゴロに抱きつき
 ハグと頬にキスの嵐をしながら、その場でピョンピョンと跳ねるアリス

 尚、途中で転倒やスリップ等のアクシデントはすべてアリスが起こしたものである。
490 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/06(水) 09:09:53.14 ID:jUKI1/1l0
>>482
「……何だって!?あの女とニアがしま………いや、姉妹でもあるのか…?」
「あー…ニアの親父は養父なんだ。タェンティースはその時もう独り立ちしててな…」

背中から肩まで登ったベティをひょいと持ち上げ、サラミを受け取ればご褒美とばかりにその甲羅を撫でてやる。
サラミを口に咥えたままベティの甲羅を撫でていたジョシュアであったが、アキレスの口から飛び出てきた言葉に物凄い速度で振り向いた。
しかしあの二人の境遇を考えればやはり姉妹とも言えるのだろうか。ややこしい誤解を防ぐ為に取り敢えずもう少しだけ補足しておく。

「あぁ、一緒に"仕事"したことがある…いい腕だったぜ」
「なるほど、炎か…確かに俺の生命エネルギーと相性良さそうだ…あとは俺に異能の才能があるかだな…この能力は借り物だし…」

アキレスの口からロイの名前が出た事に少し驚いたが、そういえばこの二人は別世界での旅路の途中に出会ったことがあるらしい。
平行世界の中東を踏破した3年にも及ぶ世界紀行。ジョシュアも似たような体験をしたが、正直嫌な思い出しか残っていなかった。
少し考えて、そしてうんと頷けば決まりだ。寿命が尽きないうちにロイと再会し異能の力を学ぶ。
腕を直した後にやるべきことがようやく決まった。ジョシュアは自らの掌を見つめ、ふっと力を込めて突き出してみる。当然何も起こらない。
今のジョシュアに異能の力、というより才能は皆無だ。しかし鍛錬によってその力を引き出せば今よりも強くなれるだろう。例えば腕から火を噴いたり。
少なくともジョシュアの制御下から脱線しつつある現在のベルゼブブ単体で挑むかよりはいくらか確実に勝利に近い道であろう。

「……そうだな、やってみよう。ひょっとしたら俺もお前みたいにオー○タルド○ップが使えるようになるかも…」

ちなみにこの後、アキレスがグラフィティを描いている間試しに街の監視装置の中継機を吸収した所、
身体がテッカテカの青色に発光し戻れなくなり、一晩中アキレスに指をさされつつ爆笑されたらしい。

//すみません遅くなりました〜。これにて〆で宜しくお願いします
491 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/07(木) 22:23:38.98 ID:W0XsTe6+0
「……Attention! Welcome to Csm.Josh's "grill the turkey 101"!(気を付け!!ジョッシュ曹長のお料理教室へようこそ!)」

唐突に始まった謎のコーナー、白い海兵隊Tシャツとネイビーのカーゴ、くまさんの刺繍の入ったピンクのエプロンに身を包んだジョシュアはなんともまぁ張り切った表情で
どの層に需要のあるものなのかは分からないがこの手慣れた感じからして幾度となく開催してきたのであろう。
清潔感のある白いタイルで覆われた厨房にジョシュアの良く通る声が響き渡る。

「今日は毎日湿ったカップヌードルばかりでウンザリしている貴様らに海兵隊式家庭料理をみっちりと叩き込んでやる!」
「……と、言いたい所だが…」

何時もならばズラリと並ぶ海兵隊の坊主頭に叱咤と怒号を浴びせていたであろうジョシュアであったが、ふとそこで調子を変える。
ぽりぽりと頭を掻いて小さな溜息。それもそのはず、本日この厨房の中にはジョシュアを含めたったの3人しか存在していないのだ。
浮かない顔で目の前の2人へ閑古鳥の現状を語る。

「…生憎今は軍を抜け出して誰とも連絡が取れない状態でな。そんな訳で今回の講座の生徒はお前ら2人ぽっちって訳だ」
「そんな訳で今日はジョッシュお兄さんが腹ペコなお前らに好きなモン食わせてやる!さぁ何が食べたい?言ってみろ!!」

生徒もロクに居ないのに堅苦しくしたってしょうがないし、どうせなら楽しい方がいいよね!
そんな感じで半ばヤケクソの上級曹長殿であった
492 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/07(木) 22:28:52.23 ID:9+KSTg0Fo
>>491

「栄養カプセルと水」

 ひゅーっと室内なのに何故か一陣のわびしい風が吹いた気がした。
 常通りに自信満々といった風情で腕を組みながら無表情なのはイムカ・グリムナーである。
 なお、格好は白のシャツに黒色のスラックス。そこにひよこのプリントがされたエプロンである。

「………」

 ネタで言っているわけではない。イムカはまんま真顔である。
 なお、どう考えて生徒としては最悪の人選である。本当にありがとうございました。

「栄養カプセルと水」

 聞き逃したのだろうか?と割りとマジで思ったんだろうなあである。
 真顔でもう一度、ジョシュアに無慈悲な注文をする。
493 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/07(木) 22:34:14.03 ID:1tsM5mZp0
>>491-492
「あ、じ、じゃあ、美味いパスタが食いたいなー……」

イムカが巻き起こした侘風に咄嗟、ガラにもないと自覚しつつの当たり障りの無いリクエスト
マオカラーシャツにチノ、蛸さんマークのエプロン姿のアラズ

ちらちらとジョシュアとイムカの合間を往復する赤瞳
全くもってこの場に居合わせた越境の不条理を呪う
しかしまぁ現に今ここにいる身としては、色々と空気を読む事になっていた

494 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/07(木) 22:38:17.39 ID:9+KSTg0Fo
>>493

(なんでカノッサのクローン兵がいるんだ?)

 と、アラズの方をチラリと見やるイムカ。
 巡り合わせであろうか。アラズに対する知識はイムカには殆ど無い。
 ゆえに、C.T.S..S.クローントルーパーあたりか?と若干誤解をしていたりする。

「てっきり、君はたこ焼きをリクエストするかと思った」

 どうしてもニア系統のシリーズを見るとタコから離れられないイムカである。
495 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/07(木) 22:43:51.83 ID:1tsM5mZp0
>>494
「あのなぁ……」

かくんと肩を落として双紫に目線で応じる
即座立ち直り後ろ気味に重心移動、逆猫背で腰に手を当てた

「誰かさんのヘンテコなリクエストよりはいいだろーがよ……」

因みにアラズとして用意していた本来のリクエストは少し違ったらしい
ただそれであるとボケ(天然非天然問わず)が重なりジョシュアが余りにも不憫であろうと判断した故先の注文となったのだ
496 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/07(木) 22:52:19.23 ID:W0XsTe6+0
>>492-493
「ありません、コミッサー」

真顔で答えるイムカに同じく真顔で返すジョシュア。ソイレント辺りをリクエストされるかと予想していたがそれ以上に無機的な物をブチ込まれるとは。
しかしこれほどの付き合いともなれば特に同様の色も見せずにさらりと返せる程の耐性が身につくものだ。
我ながら恐ろしい程の順応性の高さだとジョシュアは内心思いつつ、再びイムカに答えを仰ぐが

「ありません」

やはり帰ってくるのは同じ反応だった。

「コミッサー、家庭料理教室で栄養カプセルを精製しようとするのは良くない……あくまでも家庭料理の範疇に留めておくことに料理の美学が…」

なんだかんだ分かりきっていた事だが、それでもやはり色々と言いたいことはある為ぐちぐちとイムカに説教垂れるジョシュア。
あくまで効率的側面ではなく文化的側面に基づいた料理のチョイスこそ最も機能的で美しい食風景を生み出すのだなんだとイムカを説得していればおずおずと延びる小さな手。
遠慮がちな視線と珍しく小さな、消え入りそうな声で提案するアラズ。自慢の肺活量が泣いている。

「……OKだ。パスタ……そうだな…」
「カルボナーラ…は流石に食い飽きたか。もう少し趣向を凝らした奴にしてみよう…」

アラズの提案をむぅと唸りつつ呑み、まだ何か言いたげな表情のままイムカから離れるジョシュア。
コキコキと首を鳴らして軽く準備運動。早速材料を取りに行こうとした所でふと何か思い出したように顔を上げた。

「さて、今日はっと……あぁそうだ、コンロが不調な為本日はスペシャルゲストを招いてある……カマン!!」

パンパンと二度手を叩き奥の扉を見つめる。いつの間にやら助っ人を呼んでおいたらしい
497 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/07(木) 23:03:41.24 ID:9+KSTg0Fo
>>495

(口調が大分他と違うな。思考の並列化に不備でもあるのか?)

 内心、アラズの特異性にやや疑問を持ちながらも、
 いつものように表情には一切出ないイムカである。

「ヘンテコ?」

 イムカはやや考え込んでから…そのまましばらく硬直するのだった。

【何が変だったのか、わりとガチで考え込んでいるらしい】

>>496

【その後、何やらお説教をされてそれを真面目に聞いているイムカ】

 今日は上司と部下ではなく(本来から違うとか言ってはいけない)、
 センセイと生徒なのである。イムカとて、ちゃんと訓示を聞くくらいの節度はある。

「文化と言われてもな。まあ、趣旨は理解した。
 効率度外視で栄養摂取を行う料理行為だな。私もそれくらいは解る」

 何か珍妙な会話になっているがとりあえずは成立した模様。

≪000111010101≫

 なお、イムカの傍らに居るサーボスカルは何かコック帽被って、
 マニュピレイターに取り付けられたドリルやノコギリを回転させて準備万端といった感じ。
 調理器具と思えばいいのだろうか?しかし、コイツに頼って料理教室は成立するのだろうか。主にイムカの。
498 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/07(木) 23:04:21.97 ID:5E0y8bKLO
>>496
部屋の何処かにあるであろう扉が開き――――

「……はぁ、はぁ」
「遅かっ……た……?」

――――飛び入りでやって来た、ジョシュア曰く助っ人こと黒髪の少女、深雪。
普段はこんなことのない筈の彼女が、やたらと息を切らせている。余程急いでいたのか。
……しかし、時間は超ギリギリセーフだった模様。ジョシュアが扉を叩いてすぐに、彼女は入って来たのだから。
とはいえ、1人増えても人数は4人……閑古鳥の鳴きっぷりは相変わらず。

「ごめんなさい……用意にちょっと手こずって」

さて、深雪は三角巾、そしてエプロンを提げている。
――――多分、彼女の能力こそがコンロ代わりにでもなるのであろう。
499 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/07(木) 23:08:45.43 ID:1tsM5mZp0
>>496
「お、おぅ、まぁ……内容はなんでも任せる……」

さて何とか料理教室の体をなしたかと一安心
あくまで料理を食べたいのであって栄養補給をしたいのではないのだ
ついでにいえば科学教室の授業を受けたい訳でも決して

「さて、そしたら出来たら呼んでくれよなー……」

尚一応エプロンは身に付けてはいるが自分で作ろうという気はさらさらなかったりする
要するにただ飯に釣られてやって来たという訳だ
適当な隅っこに腰掛けてのんびり待とうと、ゆっくり歩き出した

>>497
「……天然かよお前……」

面と向かって天然呼ばわりである
硬直するイムカに苦笑しつつ首を傾げてみせた

>>498
「……?」

はて、とやって来た少女に目線で応じる
ニアと見た目の同じ、しかし内面の全く異なるアラズ
学校給食めいた出で立ちの深雪に無遠慮な疑問の赤眼を向けている
500 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/07(木) 23:20:45.31 ID:W0XsTe6+0
>>497
「もう一つ言うとこれはコミッサーの刃物下手を克服するための試金石でもあるんです」
「だからスカル。お前は手ェ出すなよ…」

どうやらジョシュアはこの期にイムカの刃物下手をいくらかマシに改善しようとしているらしい。エグザイルを渡した身としては当然なのかもしれない。
色々と準備万端なサーボスカルに睨みを利かせ、どすんとキャベツを一玉まな板の上に置いた。

「…とりあえずまずはキャベツからやってみましょうか。ザクっと二つに切って下さい。春キャベツなのでザクっとイケる筈ですよザクっと」

はいと包丁を手渡してまずはキャベツを二つに切らせようと。
いくら刃物が苦手であろうと柔らかな春キャベツを両断出来ぬ訳はとタカをくくるジョシュアであるが…

>>498
「いや、大丈夫だ…それにしても……今日の講座はなんとまぁ……」

男臭くないな、とジョシュアは厨房を見渡しながら呟いた。海兵頭が一人も居ない。
むしろ逆にいい匂いでもしそうな女の子空間に一人ぽつんと立っているジョシュアがミスマッチな程だ。

「……そーだな…したら、コンロに火ィ点けといてくれ。ガスは出るんだがどうも点火装置がイカれてるらしい」

早速ヤル気満々の深雪に火をつけてくれと指示、指差した先には既に水の張った大きな鍋が用意されている筈だ。
ガス栓を捻り点火スイッチを押し込めばシューっという音と共にガスの揺らめきが見える。が、点火装置から火花が散る音がしない。

>>499
「待てゴラ」

さっさと退散しようとするアラズの襟を引っつかんで引き寄せる。働かざるもの食うべからずだ。

「お前も作るんだよォお前もォ……材料にすっぞ…!?」

急遽イカスミパスタにしてやろうかと脅しをかけつつアラズをコンロの前へと押し込む。沸騰するまで見とけと命令
何のためのエプロンだとこれまた説教垂れつつ手元の塩ビンを手に取り、ふと中身が無いことに気付いた。
もしその事を察してジョシュアに塩を持っていったのならばそれ相応に褒めてもらえるかもしれない。
そしてサボりの交渉のチャンスも
501 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/07(木) 23:22:29.26 ID:9+KSTg0Fo
>>498

「………」

 イムカは深雪をじーっと見てから、

「これだな」

 炎を纏ったゆきだるまという何だかよくわからないワッペンを取り出すと、
 ペタリと深雪の特徴のなさげなエプロンに貼り付けようとする。

【時々、イムカはよくわからない行動にでる】

>>499

「天然?まったく、君にまで出所不明の欺瞞情報が流れているのか」

 イムカは無表情なまま、小さく嘆息をついた。
 どうも敵性存在による撹乱情報の根はかなり深いようだと核心する。

「それはまったくの誤解だ。私は真面目で面白みの無い人間だからな。
 これでも敵が多い身の上。敵対企業か個人かわからんが情報戦に長けた何者かの陰謀だ」

 話が何故かえらく剣呑な方向にすっとんでいるが、
 もちろん、この言はニンジャ陰謀論並に信憑性はゼロである。
502 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/07(木) 23:24:47.90 ID:1tsM5mZp0
>>500
「んぐえっ」
「い、いってぇな、犬じゃねーんだぞっ!」

ぐいぃと引き寄せられれば無論抗議
しかし有無を言わせぬ様相に渋々従う事になる

「……こんなの、暇過ぎて寝そうだ……」
「あ? 塩? ……あー、あるぞこれ」

ほい、と差し出す岩塩の小瓶
用意周到にしていた訳ではなく、ただ何と無くケミカルなオクスリめいて見えて先程手に取ったモノだ

サボり交渉までとは頭が回らず、取り敢えず手渡してみる
503 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/07(木) 23:29:34.87 ID:1tsM5mZp0
>>501
「……やっぱ天然じゃねーか」

全くもって説得力の欠片もない理論である
そもそも敵対勢力が、あいつ天然だなんて流布するメリットがあるのだろうかいやない

504 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/07(木) 23:31:54.78 ID:9+KSTg0Fo
>>500

「むう…克服と聞いては挑戦せぬわけにもな」

 無様な逃げ腰の態度などジョシュアの前で晒すわけにはいかぬと、
 上官的、貴族的なプライドを刺激されたイムカは包丁を握る。

≪0001111010101≫

 なお、サーボスカルはこの扱いに断固抗議の意志を示すためか、
 グルングルンと荒ぶる横回転を始めた。まあ、無視してよい。

【イムカは包丁の刃をキャベツに当てる。ちょうど真っ二つになる位置に真っ直ぐに】

「ジョシュア。私とてこれくらいは出来るぞ」

 ミシミシ、ギチギチ、ブチブチブチブチ…
 キャベツの繊維が力任せに押し潰される音≠ェ響く。

「ぬ…抵抗が。だが、これしきは想定内だ」

 イムカは呼吸をし、力を思いっきり入れる。
 二つの心臓が高い出力を発揮し、血を全身に行き渡らせ活力を生み出す。

「イヤーッ!!」

 シャウト一閃!バキバキブチブチと音を鳴らして、キャベツが真っ二つに寸断(not切断)された!
 断面は酷い有様であるが、とりあえずクリア!ミッションコンプリート!

「どうだ」

 得意げにドヤッ!
505 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/07(木) 23:35:50.15 ID:5E0y8bKLO
>>499-501
「これ、何?……雪だるま?」

ペタリと、深雪のエプロンのど真ん中に貼り付けられる雪だるまらしきワッペン。
無地に近い彼女のエプロン、そのよく分からないワッペンは無駄に目立つ。

……しかし、何処でこんなものを仕入れているのであろう。そして、何故イムカがそんなものを持っているのであろう。
少なくとも、深雪はこんなものが売っているのを見たことがないが……


「……うん、なら良かった」
「ちょっとエプロンが見つからなくてね……」

――――そして探し回って見つけた挙句、今に至るのだ。
息の調子もそろそろ落ち着いてきた。大丈夫だ、というジョシュアの一言には少し安堵した様子の深雪である。

「うん、はいはい、点くかな……」

ジョシュアが指し示すはガスの出るコンロ。そーっと右手を近づけ――

「ちょっと怖いけど――――それっ」

――30cm程度の距離から指先から小さな熱球を放った。下手に引火して、爆発しなければいいが。
506 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/07(木) 23:47:46.94 ID:9+KSTg0Fo
>>503>>505

 順調そうな二人を横目にイムカは再度自分の仕事を確認する。
 目の前には見事に真っ二つ(間違いではない)になったキャベツ。

【ジョシュアセンセイのリクエストを完璧にこなしたであろう結果がそこにある】

「ふむ、現在は各々順調だな」

 任務の順調な推移にイムカもいたく満足であります。
507 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/07(木) 23:50:01.49 ID:W0XsTe6+0
>>502
「おぉ、気が利くじゃねーか……よしよし、珍しくいい子だなアラズ…」

ジョシュアにほいと塩を差し出すアラズ。ジョシュアは嬉々としてそれを受け取り、お返しとばかりにアラズの頭を撫でる。
やはり扱いは犬のそれに等しい。ジョシュアはアラズへパスタ束を渡し、沸騰したらこれを入れろと伝えた。

「……ところで…コレさっきポケットから出て来たような気がしたんだが…」

ふとそこで何か引っかかったような顔をするジョシュア。
微かな紅を帯びた紛れもないアンデス岩塩の結晶であるが、アラズがコレを至極ナチュラルにポケットから出したような気がしたのだ
ほんの僅かに不安に思ってアラズへと問い詰める。

>>504
「……!?キャベツが……くの字に…!?」

今まで様々な境界線を旅して来たジョシュア。そんな流石のジョシュアであってもキャベツが「折れ」る光景は初めて見た。
刃を当てている筈なのに何故か包丁の峰で切ったような抵抗を見せるキャベツ、さらにイムカ渾身の押し込みによりブチブチと音を立てて引き千切れてゆくキャベツ。
そしてその様子を唖然と見ているジョシュア。つい先ほどまで新品であった包丁はキャベツを一度斬っただけの筈なのに早くも刃こぼれしていた。
渾身のドヤ顔を浮かべているイムカだが、そんな彼女に厳しい現実を突きつけてしまうのは酷だとジョシュアは沈黙を選んだようだった。

「……こ、コミッサー…手を添えても…?」

もはや包丁は使い物にならない。大量の汗を掻きながら恐る恐る代わりのエクソダスをイムカに握らせるジョシュア。
もしも彼女が拒まなければその手を添えて半分に引きちぎれたキャベツをさらに半分に、さくりと小気味良い感触と共に両断するだろう。
普段モノを綺麗に切り分けることとは無縁なイムカからすれば新鮮な感触かもしれない。

>>505
「…よし、点火成功……あとは…」

深雪の放った火球にガスが引火し、ぽんと小さな爆発音を立ててほんの少し火柱が立つ。が、それほど大した大きさではない。
鍋に火がかけられればジョシュアはアラズから受け取った岩塩を振った。

「……深雪、クリームソース作れるか?」

次にジョシュアは深雪にソース作りの命を課した。パスタの味の決め手の一つとなる重要なものだ。
もしも作り方が分からないのならば牛乳、バター、薄力粉、その他調味料色々を鍋にかけて煮込めばいいと伝える。
それを伝えればジョシュアはフライパンにオリーブオイルを敷き、厚切りにしたベーコンとアスパラガスを炒め始める。
……どうもジョシュア自身ベルゼブブを使えば点火に差し支えは無かったようだ。
それでも敢えて成否を決める要素を深雪に頼んだのはやはり生徒の見せ場を作ってやる為であろうか?
508 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/07(木) 23:55:54.06 ID:1tsM5mZp0
>>506
「……」

横目で粉砕されたキャベツであった物体をちらり
手には包丁が握られているが果たしてどう扱ったのであろうかと疑問である

>>507
「あのな」

仏頂面で撫でられているアラズ
アッシュグレイの髪がわしゃわしゃとシェイクされる
手渡された乾麺を手に沸騰までを退屈そうに見ていたが

「……あ?」
「あー、いや、まぁ、なんだ」
「こういう場合を考えて、備えあらばーって言うだろ?」

シドロモドロな釈明
目が泳いでいる所からまぁそういう事なのだと察するのは容易であろう
お湯がグラグラと沸いている
509 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 00:03:08.18 ID:D8kjf186o
>>507

「どうした、ジョシュア?」

 イムカはジョシュアの動揺の理由にまったく心当たりもなく、
 一体何を狼狽しているのかと、疑問に思いながらも黙ることにした。

【今日の彼はセンセイだ。他のスタッフへのインストラクションもあり多忙なのだろうと思った】

「手を添えるくらいかまわんぞ」

 と、言うわけでエクソダスを握らされたイムカ。きっとよく解っていない。
 少し体温の低い白い手にジョシュアの手が添えられる。 

「んっ…そうだな。君は今はセンセイで、私は教えを受けている」

 ストン!と、包丁が落ちる。真っ二つ。流石に刃物下手はジョシュアを巻き込みはしなかったようだ。
 この辺、ある意味で不条理な呪いみたいなもんじゃね?的な疑惑もあるが。

「ジョシュア、君は生徒を役職名で呼ぶ習慣があるのか?それなら私も先生と言った方が…
 ん、何だか慣れない感触だな。ああ、切れた。何で、皆、こんなにすんなりできるのだろうな」

 首を傾げるイムカ。白に近い金色の髪が仄かな柑橘の香りを残した。
 刃物が不得手な自覚はしっかりあるイムカである。しばらくエクソダスの刃をジーっと見て、

「…はぁ」

 と、小さく溜め息をついたそうな。
510 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/08(金) 00:05:13.37 ID:lH1MF4eG0
>>508
「そうかそうか、成る程……ジョッシュお兄さんよぉく分かったよ」

にこやかにアラズを見下ろすジョシュア。しかしどうにも目が笑っていない。
というよりも人を見る目ではない。見るからに怒りのような感情を感じる視線であった。

「……あ。」
「お湯…沸いてるぞ。入れてくれ」

しかしそんな視線もグラグラ沸騰するまで鍋の水泡に奪われ、アラズにパスタを入れてくれと指示するジョシュア。
ついでに菜箸を渡して麺の加減を確かめるように伝えた。

「頃合いかなって思ったらなったらこの箸で。もう食えるなって思ったら火止めといてくれ」

511 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/08(金) 00:07:29.01 ID:/zvjFh5VO
>>506>>507
「料理は昔手伝ったこともあるから……多分作れるはず」

一応、料理経験は少なからずあるという深雪。いわゆるメシマズではないはずだ、多分。
念のために作り方を聞けば、与えられた材料調味料諸々を鍋へと入れて行く。

「――――……」
「……これで良し、と」

――――暫く時は経ち、鍋の中には人数分のクリームソースが。
どうやら完成した様子であり、深雪はスプーンか何かでソース少し掬えば味見をした。
512 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 00:13:12.54 ID:D8kjf186o
>>511

「………」

 なんかイムカがじーっと深雪を見ています。
 そして、何やら小さな本を取り出して、もう一度、深雪を見ます。

「おかしい。こういうソツなく出来ますよー的な人物に限って、
 実はメシマズという属性があるという話だったが…」

 イムカが手に持つ小さな本。『おにゃのこ属性大全』。
 どこぞのヘタレがイムカの事務所に忘れてきた本を暇つぶしに読んで影響されたらしい。

【スゴク、シツレイ!】
【むしろ、こんな有様なのにメシマズではないというイムカのほうがどうであろうか?とか思ってはいけない】
513 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/08(金) 00:13:16.71 ID:fmN3PbiA0
>>510
「は、はは……な、なんだよ、もっとこう、和やかにいこうぜ……?」

な、と嗜めるがまぁ上手く行きはしないだろう
ともあれ沸騰、助かったと安堵

「、おぅ、お安い御用だ」
「……ふーん、そんなもんか」

もっとなんと言うか、タイマーを使ったりと色々と面倒そうなイメージを料理には持っていた
だがしかし結構なぁなぁな感じで大丈夫らしく此方にもほっと一息

ふつふつぐらぐら、揺れて踊る麺と睨めっこ数分
案外いい塩梅に引き揚げて完了、この辺は料理上手なニアの追憶かそれなりなモノである
514 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/08(金) 00:28:10.74 ID:lH1MF4eG0
>>509
「……切れた」

すとん、と呆気ないまでに軽やかにキャベツを両断するエクソダス。
ジョシュアの悪い予感が的中し真っ二つに折れたエクソダスの破片が足元に転がらなかったのは幸運だった。
ジョシュアの不安と緊張の元が取れた所で調子を取り戻したジョシュアはそのままざくざくとキャベツを一口大の大きさまでカットしてゆく。

「イムカ………、と呼び捨てにするのは…どうも慣れないもので」

初めの一言から空いた微妙な間。実はイムカを呼び捨てにしようとしてやはり諦めたのはここだけの秘密である。
1/4程刻んだキャベツを鍋に入れ、大きな塊を少しだけイムカの為に残しておく。イムカから離れる際に少しだけ名残惜しく思ったのもまた秘密だ。

「俺がやった通りに力を掛けてやればいいんですよ。ほら…俺が手を添えてた時を思い出して」
「そいつはサラダにでもしましょう」

そんな溜息をつくイムカを見てジョシュアは少しだけくすりと微笑む。
フライパンの中の具材を躍らせながらイムカの為に残したキャベツの塊を指して再び挑戦を促した。

>>511 >>512
「お、出来たか……どれ」
「……深雪の優秀さに涙が出るな」

やがて出来上がるクリームソース。時を同じくしてパスタが茹で上がった。
深雪に便乗してスプーンで味見。深雪の手のかからなさを他の二人にも見習って欲しいものだと少し泣きたくなったジョシュア。
コンロの火を消し、鍋を持ってアラズに湯切りしたパスタ受けさせる。

「……どこぞの不良娘とは違って…クスリにも手を出したりしないしな…」

ニヤニヤしながらアラズから受け取ったパスタをフライパンへ加え、
春キャベツ、ベーコン、アスパラガス…そしてクリームソースを投入、熱しながらパスタに絡めて出来上がりだ。
人数分皿に盛り付け、パセリとバジル。熟したオリーブのスライスを振りかけて差し出した。

「さぁ出来たぞ……ちょっぴり豪華な晩餐にしよう」

ようやく出来上がった料理に今にも飛びつきたくなる程に腹はぺこぺこだ。ジョシュアはエプロンを投げ捨て、人数分のフォークを配って水を汲む。
たかがパスタを作るだけのはずがとんでもない疲労感だ。ジョシュアは乱暴にパイプ椅子を展開しどっかと深く腰掛ける。
しかし悪い気はしない。むしろこれくらい慌ただしい方がいつもの教室よりも楽しい気がするとジョシュアは一人微笑む。

これで全員の絆が深まるのなら、そしてこの世界から美味しいパスタより栄養カプセルを好む人間が一人でも減るのなら……お安い御用だ。

//んではこのシチュはそろそろ〆で〜、お疲れ様でしたん
515 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 00:37:23.17 ID:D8kjf186o
>>514

「小気味いいものだな。こういうのは」

 慣れない感触と言ってはいたが、何だかんだでスパスパとキャベツを切る感触をイムカも楽しんでいる模様。
 また、手の動きというものに限定すれば実は型はちゃんと出来ていたりする。

「うむ、随分とシャイなんだな。解ったよ。私も無理強いをする気はない」

 ここで微妙に子ども扱いするところが、ある意味でイムカの駄目なところかもしれない。
 気遣いの方向性に所謂男女の機微めいたものが全く伴っていないのだ。

「ああ、後は任せとけ」

 ミシ、ブチブチ、ギシギシ、ブチ

 キャベツ丸々一玉を押し潰すのとは違い、薄くなった葉を潰すのは、
 まだ、かろうじてマシな結果で済んだそうな。あとはエクソダスが刃こぼれしなかったことを祈ろう。
 プチトマトで彩りを良くしてサラダは完成だ。

【切るのが終わったら、イムカはマヨネーズベースと紫蘇をベースにしたソースをそれぞれつくる】
 【→どっかの本で書いてあったレシピを完全再現。こういうのは下手ではない】
 【→食べてみると何故か既製品のソースを食べているような心地になるだろうが(味に感動が無い】
516 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/08(金) 00:40:16.42 ID:fmN3PbiA0
>>514
「待て待て待て待て失礼じゃね?」

あたかも自分達が手のかかる子の様な不当な扱いに猛抗議
しかしドラッグ関連で責められればぐぅの音も出ない

「お、やっと出来たかっ」
「んじゃ、ま、頂きますか」

着座、手を合わせて一礼
一応この辺りの無礼はない模様

ドタバタ料理教室の、完成した品々は心地良い味がした
まるで不思議と、普段は辟易するような騒がしさが今は全く苦にならなかった

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
517 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 21:31:32.50 ID:fmN3PbiA0
七八が先ず気が付いたのは、自身が一定の振動を受けているという事だった
目蓋を開くのに思ったよりずっとの力を要する、熟睡から目覚める朝の様に

「……、全く、今度は何よこれ……」

越境に巻き込まれ始めてからこの方、歪な覚醒にはそれなりに慣れている
だがそれだとしても思わず苦笑を浮かべてしまうのは

「船、かな……?」

それもただの船ではない
木製の船内、客室と思しきこの部屋には一目で高級そうな家具や絨毯
今目覚めたここだって、ふかふかと寝心地の良いクイーンサイズのベッドの上だ

「……?」

はめ殺しの丸窓のカーテンを開き、外の様子をちらり
漆黒、星がない曇天の夜

「……いい予感は、あんまりしないかなぁ……」

後頭部を掻きながら、武具の確認をしてしまうのはひしひしと感じる異様な空気感故
夜だ、丑三つ時、しかしこの静けさはなんだ
耳に痛い程の静寂、微かな波音と軋む船体の音だけが混ざる

装備は全て無事なようだ、ドアノブをゆっくりと捻り真鍮のランプの照らす薄暗い廊下へ
ごくりと息を呑む

「……部屋に閉じ籠ってた方が、懸命かな……?」
「!? って、マジ?」

後ろ手にドアを閉じ、思案
不気味な気配に引き返そうとするも、いくらノブを捻ってもドアが開かない

「……あーもー……荷物持って来といてよかったよかったぁ……」

半泣きで抜刀、小刀を構えながらゆっくりと進む
左右に客間の扉、果ては闇に呑まれて延々と続く怪物の口めいた廊下
恐らく客船、それも結構な規模の
帆船だろう、決して近代的なモノではないと思えた
518 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 21:51:50.49 ID:D8kjf186o
「―――」

 むくりと起きる。イムカ的には一週間ぶりの惰眠をむさぼっていたのだが、
 周囲をぐるり。何か揺れている室内である。
 クイーンサイズのベッドに、高級そうな設えの客室。

(………?)

 おかしいのである。このようなホログラム内装にした覚えはない。
 また、寝ている間に越境したか、それとも拉致でもされたか?

【時計を確認。ウシミツアワー。波の音がすることから船内?】

「装備は…あるにはあるが物足りないな」

 装備を確認。枕元に置いていた粒子短銃のみ。
 オプショナルウェポンは全て無い。そして格好も下着にシャツを着ただけという。
 他の装備はどうやら持ち込めなかった模様。

【とりあえずベッドから身を起こし、窓を見やる。曇天の空。慣れっこではある】
 【→そして、出入り口を確認。ドアノブに手をかける】

>>517

 ガチャリ。おっかなビックリ進んでいた七八の目の前でたぶんドアは開く。
 そうすると、下着に白のシャツというやや破廉恥というか属性染みた格好の女性が出てきて、

「………」

 紫色の瞳がニンジャな顔見知りをバッチリ捉えて、

「…やあ、取り込み中だったか。それじゃあオヤスミ」

 何か武器抜いている七八を見て、何を考えたのかドアを閉めようとします。
519 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 21:58:37.91 ID:fmN3PbiA0
幾つかの客間のノブに手を伸ばしてみるが、ドアは全てが不動
理解出来ない焦燥感のみがじんわりと、紙に落ちた墨汁が如くに広がっていく

>>518
咄嗟反応、脳から伝わる電気信号より素早く体は動く
即ち先手必勝、忍者刀で斬り掛からんと身を低く距離を詰め……と、停止

「っ!?」
「……って、い、イム……なんて格好してんのさ」
「あ、待った待った、ストップストォォップ!」

ハローグッバイ状態のイムカを静止せんと手を伸ばした
自分はどうやら部屋に戻る事が出来ない
ならばイムカの部屋にてこの不気味な夜をやり過ごせばいいのだと判断した模様
520 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 22:04:06.43 ID:D8kjf186o
>>519

「ん?私に用があるのか?」

 話があるならば応じねばならぬのが貴族の務め。
 それに七八はニンジャのセンセイだ。閉める門戸は無い。

【ちゃんと話を聞くためにドアを開けて、七八を方を向いて、ドアを閉める】
 【開けっ放しにしないところが育ちの良さを(ry】

「で、どういう用件だ。ん、ドアが開かない?自動ロック。キーカードは?」

 ち〜ん
521 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 22:10:35.74 ID:fmN3PbiA0
>>520
「あっ」

無情にも閉ざされる扉、安寧の室内はかも儚し
かっくりと肩を落としてしかし直ぐに復帰

「……私も分かんないんだけど、開かないんだよね」
「剣でも傷一つ付かないんだ」

木製のドアだ、破壊は容易に見える
だが魔翌力的防御が働いているらしくそれは不可能

「……で、そんな感じで閉め出されてこうしてるって訳……」

参ったな、と後頭部を掻く七八
その背後、仄暗い廊下の向こうに青白い亡霊の顔が浮かんで消える
522 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 22:17:43.99 ID:D8kjf186o
>>521

「なるほど、大変だな」

 腕を組んで頷くイムカであるが、いつも通りなので焦っているかどうか不明。
 とりあえず全く空かないドアに呆れてはいるようだ。

「とんでもなく立て付けが悪くて無駄に丈夫とはな。
 客船にしても欠陥もいいところだ。カチグミクルーズでこれはセプクものだぞ。
 それより服は無いのか?余人に晒すには些か恥を覚える格好だ」

 何やら見当外れなクレームをつけたのちに、七八の背後に――

「………」

 青白い亡霊の顔を確認。一度、考えてから、

「オバケ?」

 七八の背後を指差す。もちろん消えてしまったので誰も居ないが。
523 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 22:28:52.73 ID:fmN3PbiA0
>>522
「えっ!?」

素早く振り返り後方確認
しかし見えない、ただ闇が続くだけ
こう言った場合通常であれば何を馬鹿なと笑い飛ばす所であるが、その話相手が話相手なのだ
極めて信憑性は高く、またその存在はこのいやぁな雰囲気に実際良く似合っている

「……あ、あのさ、」
「取り敢えず……廊下に居るのはやめない……?」

広い所への移動を提案
しばし進む途中、矢張りチラホラと、船員だったり貴族めいた衣服の男女だったりはたまた連行中の奴隷だったり
多種多様な亡霊の影が散らついて両者の視界に入るだろう
一貫して此方をボンヤリと空虚な眼差しで見詰めそして消えて行くだけなのではあるが

「あー……なんか、こう……」
「手ぇ出してくる分かりやすいゾンビとかのが、ある意味マシかも……」

その度に心臓に悪い刺激を受けて辟易
ダンスホールに辿り着く頃には焦燥し切っている七八

→ダンスホール

広く絢爛豪華なホール
無論誰もいない、各所のランプと天井のシャンデリアが周囲を、廊下よりは明るく照らす
幾つも並べられている丸テーブル
そこにセットされた肉料理達は冷え切っていた

「……あ」
「ね、ねぇ、あれ……」

指差す先、クロークには様々な衣装が架けられている
ほとんどが中世時代の、裕福層が着るようなモノである
幾つかアレなモノもまた、存在しているようだが

524 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 22:40:57.83 ID:D8kjf186o
>>523

「青白いぼやーっとした顔がだな…ああ、わかった」

 詳細を話そうとしたところで先に進もうと促され、それに従うことにするイムカ。
 奇妙な雰囲気のある屋内である。ここはオカルトめいた存在のテリトリーなのだろうか。

【進んでいくと、亡霊めいた存在が次々に現れては消えていく。特に危害は加えられていないようだが】

(ミスリル聖水が手元に無いのは痛いな。まあ、いざとなれば彼女のニンジャビームがあるか)

 動じず無表情という感じだが内面はまたロクでもない事を考えていたりするイムカであった。
 しかし、七八の様子から見ると、そうでもないようで――

「ゾンビと違って直接的が害意となって襲い掛かってくるわけではない分マシとも言えるな。
 それにゴーストの類だったとして、それが何だというのだ。現世はあくまで生者の意志が優先されてしかるべきだ」

 どうやら独特の哲学めいたモノを持っているらしく動じないイムカ。
 一応、七八を励ますための言葉であるが、台詞のチョイスがややずれてもいた。

【→ダンスホールへ】

「服だな。ちょうどいい。多少は見られる格好をせねばな」

 イムカはとりあえず紳士服をチョイスすることにした。
 ビラビラとしたドレスはパーツ数も多く、着るにも一々手間がかかる。

【イムカは紳士服もそれなりに似合う。ただし、自己主張の激しい胸のおかげで男装とはいかない】
【とりあえず、衣装を失敬することにするとして――】

「七八。料理の鮮度とシャンデリアの蝋燭の状態を確認してくれ。
 我々の常識的な物理法則に則っているのか、この船自体が時を止めてしまっているのかくらいは解るかもしれない」
525 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 22:57:04.28 ID:fmN3PbiA0
>>524
「そりゃ、そうだけどさぁ……」
「心臓に悪いよ、小心者なんだから私」

どうやら励ましてくれているのだろうか
察して向けるは非力な苦笑
しかし冗談を言うくらいの元気はまだ存在した、いやこの場に於ける他者の存在がそうさせてくれた
この空間に独り切りであれば今頃精神をやられてしまっているであろうなと自嘲
少なくとも今はそう思えるだけの余裕がある

「……似合うね、ズルい」

その着替え後を見ての反応である
褒めておいてその後即座に姑息呼ばわりである、実際色々とズルい

「ん、あぁ……」
「……シャンデリアの蝋燭はちゃんと燃えてるみたい」
「料理は……冷めてはいるけど、腐ってはないかな、食べる気はしないけど」

頭上を仰ぎ、そして皿に並ぶ品の匂いを嗅いだ

「時間が止まってるって事はなさそう……かな?」
「……っと、嫌な予感っ……」

唇に指を当てて唸る
続いてカタカタと微弱振動音
波濤に揺られたのではない、波は凪いでいる
テーブル達が自然と身震いするように動いているのだ、やがてそれらは宙にふわり浮かび上がり乱舞
明確に此方を狙い飛翔する事はない、だが数が多く多方向から迫るそれらに激突の可能性は決して少なくはない

「い、イムカ!」
「出よう、あっちに出口が……痛っ!」

現に七八は背後から飛来したテーブルの足に後頭部を打ち据えられて転がり、何とか起き上がる始末
先程の廊下から来た扉の丁度対角線上、重そうな装飾扉が口を開いていた
【廊下からやって来た際のドアは開かないと記載漏れ】

数十のテーブルの舞乱れるダンスホールを駆け抜ければ、デッキへと上がる階段
その先には大きな甲板が広がっているだろう
甲板にも無論ひと気はなく、ただただ静寂
因みに船は矢張り帆船、6本の巨大マストを擁する巨大な船だ
526 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 23:12:29.01 ID:D8kjf186o
>>525

「褒めるのか誹るのかどちらかにして欲しいものだが」

 一体、七八は何を言っているのだ?といった反応のイムカである。
 たぶん、イムカはこういう微妙な機微を理解することはない。

【七八の報告を聞く。とりあえず船そのものの物理法則は現在は正常】
 【→しかし、オカルト要素が入ると何処までそれが保たれるか知れたものではなかったが】

 ここで早速の物理法則の崩壊。
 モノが乱舞し、正にダンスホールに相応しい様相を呈する。

「ポルターガイスト現象か。定番ではあるな」

 しかし、悠長にはしていられないだろう。鋭いナイフやフォーク。重量のあるテーブルにイス。
 当たり所とパワー次第では深刻な傷を受ける可能性は十分にありえるのだ。

「イヤーッ!!」

 己の側に無遠慮に飛んできたイスを掌打で破砕させながら、
 七八の背後を守るカタチで追随してダンスホールを脱出。

「大丈夫か?頭部の損傷は場合によっては致命になる」

 階段から甲板へ到る途上、可能であれば簡易的に七八の負傷を確認しておく。
 後に静寂に包まれた甲板に到着するだろうが、特別な感慨は特に無い。

「自然に浮かんでいるだけなのか、何処かに向かっているのか。はたまた海上の牢獄なのか」

527 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 23:20:05.38 ID:fmN3PbiA0
>>526
「痛いけど、なんとか……っ」

摩る手に微かに付着する真紅
どうやら軽く切ってしまったようだ
逆にそれ以上になる心配はなさそうだが

「……進んでる、のかな?」
「うわっ、いつの間に……」

辺りの風景に変化がなさ過ぎてそれが不安になる
しかし頬を切る風の感覚は確かな前進を伝えてくれるだろう

ふと周囲を見れば数多の亡霊達
一様に皆進む先を見据えてただそこに存在している
薄気味悪そうにしながらイムカの影に隠れる七八
やがて漆黒の水平線の彼方に現れる金色の灯火
灯台の光だと判断するのに、七八は時間を要する

どうやら船はそこへ、恐らくは港へ向かっている模様
528 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 23:28:49.15 ID:D8kjf186o
>>527

「本来は綺麗なガーゼと包帯がいるが、贅沢はいえんか」

 シャツの袖を引きちぎり、器用に即席の包帯とガーゼをつくる。
 消毒するための器具が何も無かったため――まてよ?

「七八、傷に効く薬草なりニンジャギアの持ち合わせはあるか?
 僅かな出血とはいえ、そのままにするのはあまり好ましくない」

【応急処置に関して、装備をほぼ持ち込めなかった自分と異なり、
 色々と持ち合わせのありそうな七八に聞いてみてからの処置をする】

 −−−−−−−−

「…不景気なことだ」

 甲板に到着後、数多の亡霊達が現れる。
 しかし、これまで通り、特にこちらに危害を加えるつもりは無いようだ。
 そも、先程のポルターガイストにしてもこちらを狙ったにしては狙いが乱雑に過ぎた感触もあった。

「ふむ」

 灯台の光があり、そこに向かう幽霊船といったところか?
 となると、下手するとアノヨ行き?それならば中々に洒落が聞いているが。

【七八を背に隠しながらも、少し考え込んでから亡霊の中でも船員、特に舵取りか船長めいた人間が居ないか確認】

「おい、これは何処に向かっているんだ?」

 とりあえず亡霊に対してコミュニケーションを図ろうとするイムカ。
 どんな心臓をしているか?心臓が二つあります。
529 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/08(金) 23:42:31.93 ID:fmN3PbiA0
>>528
「……あっ」

イムカの問い掛けに、ぽん、と平手を拳で叩いて間の抜けた感じに口を開く
数々の忍道具の入ったポーチをごそごそと漁り、お饅頭と羊羹と苦無と星爆竹の後に漸く薬草を煎じた塗り薬の小瓶を取り出す

「ど、動転してたんだって、仕方ないでしょ……?」

責め立てられるよりも素早く言い訳
実際こういった環境は苦手なのだ、仕方ないね
手当を受ける身となれば無論断る意味はまるでない


「え、ちょっとマジで……?」
『……』

いかにも海の男な、恰幅のいい船員亡霊が目に付くだろう
ドン引きの七八、しかし話し掛けたところで返事がない

「……聞こえてないのかな……?」
「……あ」

焦れる程の合間の後、ギョロリと船員の亡霊の虚ろな瞳が蠢く
2人を睥睨、無言のまま無表情に、マリオネットめいて右腕を釣り上げる
開かれた指先、その示す先は港

『……あそこで、』
『あの街の死者を、迎える』
『違うのなら、降りろ』

相変わらず無表情、口も動く事はない
脳内に直接叩き込まれる様な声が、低く低く響いた
530 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/08(金) 23:56:22.25 ID:D8kjf186o
>>529

「…ポーチの中身は整理すべきだぞ」

 とりあえず素早い言い訳を華麗にスルーして、
 塗り薬を傷口に塗布。即席ガーゼを敷いて、これまた即席包帯で縛る。
 ニンジャ鉢巻みたいになって意外と格好は付くようである。

「よし、こんなところだ。それじゃあ進もう」

 お饅頭を口に放り込んでから、七八と一緒に甲板へ。

 −−−−−−−−−−

「マジで?と言われても、情報が不足しているんだ。致し方ないだろう」

 真贋はともかく反応があれば何かしら進展すると踏んでいるのだ。
 もちろん、無反応の可能性も少なくは無かったが、試さずに諦めるのは愚であると考える。

「………」

 亡霊たちのたどたどしい言葉を聞いてから少し考え込んで、

「七八、どうやら私達はとんだ場違いもいいところ。いや、密航者だったようだ。
 問答無用で海に放り出されなかっただけマシだったのかな」

 死者を連れてゆく船。途中下車が可能ならばまだ運がいいのだろうきっと。
 イムカは亡霊に対して、礼の仕草を取ると、

「感謝を。貴方達の航海が平穏に過ぎんことを」

 感謝を告げてから、再び灯台の方を見る。
 死者が乗る。この航海は安息を求める死者だけのモノだ。
 部外者は即刻退場しなければならないのだろう。
531 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/09(土) 00:15:05.45 ID:rPl/NX+00
>>530
「あ痛たたっ……ありがと」
「……仕方ないじゃん、荷物が多過ぎてさ……」

ハチマキっぽいそれを軽く摩り一礼
唇を尖らせて抗議、同じく饅頭を一口で食べる
因みに薄皮の漉餡である、これは七八の好みだ


「あー……」
「そうみたい……だね……?」

なんとも釈然としないがしかし会話が成立してしまったのだから仕方ない
自分だったら絶対に試さなかった、いや試せなかった事なのだ
平然とやってのけて更に幽霊にお辞儀まで
正に同行人がイムカであって助かったとの瞬間である
これがもし以前出会ったニアなんかだとしたらきっと海を泳いで脱出なんて事になっていただろう

『……』

亡霊は霧氷、張り付いた仮面の様な表のまましかし瞼を落として小さな小さな会釈の所作

やがて船は夜の港へ辿り着く
桟橋には幽体の行列、皆が死に海を孕むモノ達である
彼等の乗船を見守った少し後、船員の亡霊に促されて下船

「……幽霊船って、もっとオンボロなイメージだったけど……」

改めてその船体を見れば、闇も手伝い端までが見えぬ程の巨大な帆船である
音もなく出航して行く幽霊船、振り返れば眠る港町
どうやら普通の、人々の営みの行われる街のようだ

「……うひー、怖かったぁ……」
「ありがとね、助かったよ……」

船を見送ればどっと疲れが出た、その場にへたり込んで開放感に溢れた笑み
尚、イムカの着る紳士服のポケットには輝く銀貨が一枚
この世界での、古銭に辺り相当の価値のあるシロモノである
換金すればかなりの額になるだろう、それこそ豪華で贅沢な船旅が送れる程の

//こんな感じで〆させてくださいっ
//お付き合いありがとうございましたっ
532 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 22:08:10.92 ID:36Dj8Yd8o
【ビンジョウスシ】

 −−−−−−−−−−−−

【荒野】

「わう…」

 荒野を彷徨い幾星霜…とはいかぬまでも、
 緑の気配の見えぬ不毛の地を数日間もあてもなく進むというの精神的な消耗も激しい。
 食料もゾンビー工場産の肉の缶詰は激しく嫌な予感しかしない。

【ぶっちゃけ心身の消耗が激しくなるが道理。無目的なのかさらに疲労に拍車をかける】

「わう?」

 そしてウルリックはと言えば、焚き火から少し離れて夜番と称してのお散歩中。
 しかし、実のところ気が滅入っている。ドロドロのホウレン草が詰まった缶詰に飽きた。
 何か違うものが食べたい。そう思っていたのだが。何か見つけた。

【何か地面にへばりついたような血の色をした粘菌。そこからキノコが生えている。
 匂いを嗅ぐとなにやらバニラの香り。うむ、すっごく怪しい】

「わんわん!」

 この柴犬はどうしたかというと、幾つかのキノコをむしりとり、口にくわえてテッテケテー。
 同行者の人間達に振舞ってやろうとダッシュで帰ってきます。

【房が白と赤の縞模様というデンジャラスな色合いのキノコをワンコが持って帰ります】
 【→糞みたいな野菜の缶詰と僅かな飲料水に飽きてきた人たちにはイイモノぢゃね?】
533 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 22:16:07.60 ID:iR7I65Nf0
>>532
「……カップ麺でもいいから食べたいなぁ……」

色味の無い荒野を歩いてしばし、焚火に照らされながらに膝を抱えてため息ひとつ
普段余分な程に持ち歩いている甘味も、もうほとんどが底を突いていた
味に餓えている、舌が踊るような鮮烈な味に

「……ん?」
「うわ、何それすっごいね、食べると大っきくなりそうな色合い……」

如何にも毒キノコですと主張しているようなそれを見て目を丸くした
しかしキノコ、久しく口にしていないフレッシュな食物

「え、もしかしてそれ食べれるの?」

ウルリックが言葉が分かると知って以来、普通に話掛けている七八
今回もそう、そのキノコが食用だと知って持ってきてくれたのかと僅かな期待
534 :アキレスベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/10(日) 22:17:11.32 ID:oI1vqaJf0
>>532
―――ギィ!!
「お前はいいよな・・・」

さて ベティはもともと不毛の大地の出身であり 他の生物を捕食して生きてきた
なのでこのような不毛な大地でも そこで暮らす小さな昆虫などを捕まえて喰うという習性があった

なので今はアキレスからの施しがなくても生きていけるのだ

もっとも アキレスのサラミはそこをついてしまい 当のアキレスはホウレンソウのペーストをげんなりしながら食べている状態

「なんだワン公・・・・」
何やら持ってきた様子 それを見たアキレス君 硬直

「食べると大きくなるのかな?」
率直な感想
535 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 22:23:51.84 ID:36Dj8Yd8o
>>533-534

「わう…わう〜?」

 食べられるの?と七八に聞かれたところで思いっきり首を傾げるウルリック。
 毒ではないような気がする。が本当にそれだけしかわからないといった風情。

【ここで考える。かよわいニンジャのお嬢さんにこれを食べさせるような外道行為は憚られる】
 【かといって自分で食べるのもヤダ!何かすっげえ変な粘菌から生えていたし】

「…わうわう!」

 柴犬特有のすっげえイイ笑顔をアキレスに向けながら、
 キノコを彼の足元にポトリと落とす。

【食えや。ネタ担当などというじゃあくな意志はまったくございません】
 【もちろん、そこのサソリ君が食べてもええんやで。毒や無いで】
536 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/10(日) 22:28:20.36 ID:oI1vqaJf0
>>535
「・・・食えと?」

すっげぇ嫌そうな顔をする すっげぇいい笑顔がとても頭にきます
渋々キノコを取り 回りの反応を見る・・・が

―――ギィ?
ここに味方は居ませんでした ベティすらも食べないの? と言わんばかりにハサミを振り上げている

「・・・・・・」
嗚呼・・・バニラの匂いと見た目がなんともアンバランス 覚悟を決めましょう

「えぇいままよ!!」
ガツガツガツ と一気食い ゴクリと飲み下し腹を抑えて体の調子の変化に備える
はて この行動が吉と出るか凶と出るか?
537 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 22:28:57.65 ID:iR7I65Nf0
>>535
「分からないんだっ……」

苦笑ながらにズッコケるようなリアクション
まぁひとと犬とじゃそもそも食性が違うしなんて思いもしつつ躊躇
流石に未知のキノコを、舌が痩けたからと言って喜んで食べるなんて蛮勇だ

「……アキレス、食べるの……?」

腕を組み唸っていたが、赤白キノコを追って動く目線はアキレスの元へ
538 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 22:31:13.97 ID:iR7I65Nf0
>>536
「……うわっ、一気にいったね……?」

道具入れを漁り、丸薬を数個準備
無論それらは腹下しなどに効果のあるモノであり、気休め程度ではあるが毒消しでもあった
即効性の毒は多くはないがそれでも自然と体は動く

「……大丈夫?」
539 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 22:35:04.19 ID:36Dj8Yd8o
>>576-537

 路を切り開く勇気ある者というべきか、愚者の愚者による愚行というべきか
 かなり評価に困ることではあるがアキレスはこの怪しいキノコを食べました。

【バニラの香りがするキノコです。味はなんかバニラクリームを頬張ったかのような甘みが口に広がる】
 【シャコシャコとした食感とこのクリーミーな甘みである。中々に相性が良い味】
【生のまま食べてもいいし、焼いても焼きマシュマロめいた味が楽しめそうであろう】

「わう?」

 アキレスを見ながら首を傾げるウルリック。
 もちろん、彼の反応をじーっと伺っているのだ。のだ。

【アキレスの自覚症状…めまい、はきけ、ふくつう、などのヤバ気な作用は一切無し。現時点では】
【ベティと七八から見た状況…アキレスの様子に不穏なところは全く無し。精々、頭からポンと二つキノコが生えてきたくらい】
540 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/10(日) 22:45:39.53 ID:oI1vqaJf0
>>539
「・・・・・・」
硬直 その表情は 戸惑いと 疑問 しばし時間経過

「・・・だい・・・・・・・・じょうぶ・・・・か?」
訝しげながらも無害と判断 その瞬間ポンと頭にキノコが生える

「何だ旨いじゃないか 心配して損したよ★」
笑顔でもう一つキノコを拝借 枝にキノコを刺し たき火であぶる なんとも美味そうな香りがしてきた

―――ギィ!!ギィ!!
そしてベティが必死な声で鳴く が

「なんだよー 欲しいのか?」
残念 真意はアキレスに届かない
541 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 22:47:06.58 ID:iR7I65Nf0
>>539
>>540
「……大丈夫ならいいんだけど……」
「味はどうだった? 美味しかった?」

取り敢えず無事らしいアキレスにほっと一息
続き矢張り気になっていた味の質問
万一に備えたお薬達は出番無くて済みそうである、何よりだ

「大丈夫なら私も食べればよかっ……」
「……」
「……えっと、確認するけど、本当に大丈夫……?」

むむうと頬を掻いて無いものねだり
しかしアキレスにチラリと向けた目線が二度見の格好となり注視、ガン見
頭上のそのキノコを見たまんま、真顔で尋ねる
542 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 22:53:42.61 ID:36Dj8Yd8o
>>540-541

(どう判断すればいいのだ?シリアスな危機か、それともただのスカムか)

 アキレスに起こった症状に関してウルリックもどう判断したものか考えあぐねた。
 冬虫夏草めいて脳を侵食された感じには見えない。
 特に栄養を掻っ攫われたわけでもなさげ。皮膚や瞳孔、意識にもさして変化は無し。

【精々、頭がバニラ臭くなっているというくらいか】
 【→実際、美味らしい(アキレス談】

 アキレスがマシュマロめいてこの珍妙キノコを枝に刺して火であぶると、
 ベティや七八にも濃厚なあまーい香りが漂ってきた。

【実際、甘味どころかマトモな食事にも窮乏する状況で甘い香り!殺人的魅惑】

 なお、アキレスの頭から生えた二つのキノコはむっくむくと成長を続け、
 アキレスが先程食べたのと同サイズくらいに大きくなったところで成長を止めた。

(わうー…)

 頭にキノコが生えるだけ?何かリスクはないのか?と考えるウルリック。
 さあ、頭にキノコが生える。それ以外には特にデメリットもなし。
 何かやばいことありそうか考えよう。(注;多分ベティが一番リスク無い
543 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/10(日) 23:00:50.78 ID:oI1vqaJf0
>>541
「これ? 蝶★美味いぜ 最近甘い物食べてないんだろ?」
と ごく自然にキノコを四五六に差し出す

「どうしたんだよ急に・・・大丈夫だって 特に体に変調もきたしてないし」
頭上に変調をきたしていますが それを気にしている様子もなし なぜなら人間 自分の頭上は見れないのだ!!

>>542
「モグ・・・アチチ・・・モグモグ 嗚呼・・・美味い」
幸せそうに焼きキノコを頬張るアキレス

―――ギィ!!ギィ!!
ベティはウルリックにどうしよう!! とテンパったようにハサミを振り上げている

そして十分に育ったキノコはアキレスの頭からポロリと外れて ウルリックの持ってきたキノコと混ざる

「もういっこ食べようかなー・・・あれ? 増えてね?」
キノコに手を伸ばし 数が合わないことに気付く はたしてこのキノコはどうしたのだろう?

「まぁいっか」
だが深くは考えない キノコを取り あぶりだした
544 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 23:04:41.12 ID:iR7I65Nf0
>>542-543
「えっと、いや、そのっ……」
「あ、ありがと……」

漂い始めるあまーい香り
無論本能が反応せざるを得ない状況、ただ理性がそれを押し留める
いったいどんな理論で育ったのだろうスクスクと成長を果たしたキノコはいい塩梅の大きさに
受け取ったキノコなんかより余程気が気でない、美味しそうに食べ続けるアキレスを、というかアキレスの頭を見ている

「……抜いたら、血が出るとかないよね……?」
「……って、うわぁっ!?」

そーっと手を伸ばし、頭のキノコの片割れを抜いてみようとするがその瞬間
前置きなくキノコ、ぽろりと落下、思わず大声を挙げて飛び退く

545 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 23:11:01.95 ID:36Dj8Yd8o
>>543

「わうわう」

 ベティと会話を交わしながらも、魅惑の香りはひっじょーに胃袋を刺激するわけで。
 そして、現在、すっごく甘みには飢えているわけで。

【なにより目の前の男はすっげえ美味そうに食べているわけで】

(毒ではない。危険のある気配もない。よし、拙者は自身の戦士としての勘を信じる)

 欲望に完全敗北を喫した事に対する理論武装を用意し、
 口から出るよだれも露に、キノコを一つかぶりついた。

【七八の目の前でもっしゃもっしゃと食べる】

「わん!」

 デリーシャスな味わいに満足げな吠え声を発する。
 次の瞬間には背中と頭にポン!とキノコが生えてきたが。

「わうん!」

 娘よ!本当に美味。それに身体に変調全く無し!とアッピールするウルリック。
 そして、アキレスと同様に体から自然に成長したキノコがポロリと落ちた。

【そして、キノコが生えた部分には500円玉くらいのツンツルテンの皮膚が見えた。あれ?毛どこいった?】
【ハッとなってアキレス君のキノコが抜けた箇所を見てみれば、たぶん、オウ、じーザす】
【もしかしたら、ベティは全てを察するかもしれない!自分はノーリスクやんけ!と】
546 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 23:11:44.32 ID:36Dj8Yd8o
>>545
// >>544へのレスも含んでおりますです
547 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/10(日) 23:20:06.94 ID:oI1vqaJf0
>>544-545
「一体なんの話をしてるんだよ・・・」
四五六に怪訝な表情をして見せる その間もモグモグとキノコを食べる

「ほら 遠慮してっと全部喰っちまうぞ?」

そしてウルリックと会話しているベティ とウルリックがキノコを食べ始めたので
―――ギィ♪

ベティも食べ始めました すると頭上に育つキノコ

「?!」
これにはアキレスも驚きだ ベティにキノコが生えた ということは

「もしかして・・・俺にも・・・?」
恐る恐る頭を触ってみる と やっぱりあった

「・・・・・・・・」
ウルリックと四五六に視線を送る これどうしよう・・・と言わんばかりに
548 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 23:24:49.89 ID:iR7I65Nf0
>>545
>>547
「うっ……」

アキレスに続きウルリックまで、ついに欲望の奔流に身を任せる事となった
確かにそうだ、毒はなさそうでしかも味は甘く美味しいのだという
手渡された赤白の、実に目出度い色合いのそれと見詰めあって逡巡
ウルリックのアピールも手伝いゴクリと生唾を呑み込む
しかし皆の惨事を見ればなかなか食指は動かない

「……」

アキレスの疑問に無言、素早く数度頷いて肯定
ついでに言うとウルリックの毛並みにポッカリと空いた空虚に目線を移して諦観の笑み

「まぁ、その、えっと……」
「……萎れるまで、そのままにしておく……とか……?」
549 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 23:31:14.34 ID:36Dj8Yd8o
>>547-548

(わう?)

 この時点で既にもっしゃもっしゃと口いっぱいに沢山のキノコを放り込んでいたウルリック。
 頬袋をつくって実に幸せそうであります。

【そして、よーやくフリーズしたアキレスを目と目を合わせるウルリック】

 ポポポポーン!といぢきたなく食べまくったせいか全身からキノコが生えてきた!アキレスの目の前で。
 そしてむっくむくと成長して、どさどさどさーっとやっぱり彼の見ている前でキノコは落ちた。

【ツンツルテン柴犬。すっげえ格好悪い。というか不気味ちっく】

「…わう?   わうーーーーーーんッ!!」

 ウルリック絶叫である。同時にベティに生えたキノコはころりんちょと落ちるが、
 ベティの甲殻には別段変化は無い。毛がないもんね。仕方ないね。

【同時にアキレスは気付くだろう!自分も結構な量を食べているわけで、
 たぶん、頭の上にはそれなりの量にキノコができているわけで…oh!shit!】
【ちなみにキノコは成長した自重で抜けているため、手で押さえれば勝手には抜けません。はい】
【ところで七八さん。まだ食べないのですか?生命に関わる毒ではないことは確定しましたよ?】

「わうーーーーーーーんッ!」

 全てを呪うが如き絶叫の咆哮を放ち続けるウルリック。仕方ないね。
 と、ここで唐突にウルリックの動きが一瞬停止して、なんかブルブルと震え始めたぞ!
550 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/10(日) 23:40:35.47 ID:oI1vqaJf0
>>548
「・・・・・・・・・・・・」
涙目である やっと自らの頭が大変なことになっている(禿的な)ことに気付いたようです

「・・・・・・・・・・・・・」
その涙目なままキノコを握りしめ

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
四五六ににじり寄る

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そしtげ手に持ったキノコを口の中にねじりこもうとしてくる!!

>>549
「・・・・・・・お」
涙目のまま ようやっと声を絞り出す

「お前があんなもん持ってくるのがいけないんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! おまえのせいでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
なんというやつあたり すべての責任をウルリックに擦り付けようとする

―――ギィ♪
そんな中 ベティはキノコに舌鼓 何せキノコは無尽蔵に生えてくるのだ そして毛がないベティにハゲを心配する必要はない
周りの阿鼻叫喚など気にせず ただキノコを貪り食っていた
551 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/10(日) 23:49:15.26 ID:iR7I65Nf0
>>549-550
「……」

絶句、つんつるてん柴犬と適度に抜けたアキレスを前に絶句
ポロリと手から落ちるキノコ、誘惑に負けて食べなくて本当に良かったと心から思う

「……まぁ、何……」
「元気出しなって……えっ?」
「……んぐむっ!?」

アキレスに慰めの言葉、しかしどうにも様子がおかしいのを察する
忍者としての反応が、即ち退避がやや遅れた
生物的反射に依って顔を背けるが間に合わなかった悲劇、欠片が口にダイブそして広がる芳醇な蕩ける甘み
吐き出そうにも抗う事が出来ない、飲み込みたいのだこの味を



「……あーもー! どうすんのさーこれぇー!!」

座り込んで頭を、というか生えて来た一本のキノコを抑えながら大泣きである
しかしどう見ても間の抜けた絵面なのは勿論であった
552 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/10(日) 23:57:37.95 ID:36Dj8Yd8o
>>550-551

 まあ、頭のキノコを押さえるよりも七八の仲間入りを優先したので、
 当然、頭のキノコを自重で次々落ちるわけで、
 そうなると当然、沢山お毛毛が抜けるわけで、ツルッパゲ待ったなしなワケで。

【ナムアミダブツ!】

「わうわうわう?」

 しばらくブルブルブルと震えていたウルリック。そして、唐突にそれは起きた!

【もさっ!っとイキナリ全身からちくちくと産毛が生えた!やったね!】
【アキレスの方は?同じく少しではあるがじんわり産毛が生えてきている。成長速度はかなり早いぞ】

「わ、わう!わう!」

 地面に転がって自身の状態を大慌てで確認するウルリック。
 どこかにハゲホール、もしくはキノコが残っていないのか入念に調査する必要があったのだ!

【閑話休題】−−−−−−

「わう!」

 もっしゃもっしゃとベティと共にキノコを再びもぐもぐしているウルリック。
 考察と結果は以下の通りである!

 ・甘くて美味しいバニラ味のキノコ
 ・食べると頭部にキノコが倍数生える
 ・キノコは成長して自重でころりんちょと抜ける
 ・その際、お毛毛が持っていかれる
 ・完全に毛根が死滅するわけではなく、人間なら一晩でお毛毛は元通り!

(ふむ、何とも奇妙なシロモノではあるが実質はほぼ無害か。人間でも一晩程度で元通りとはな)

【つまり、拙者はナイスな手柄!と結論付けるのであった】

 さて、犬畜生(本当は誇り高い狼じゃなかったっけ?)なウルリックや暢気サソリはベティは置いておこう。
 リスクは示された。一晩ツルッハゲる。しかし、荒野の旅では希少な甘味。実際めちゃ美味い。
 それに見ているのは仲間だけだ。もっとも仲間だからこそ一晩ツルッパゲる自分を見られるのはどうか?でもあるが。

【甘味である。どろどろホウレンソウの缶詰よりはるかに美味。ペーストとは違い食感があるのもいい】
【耐えねばならぬのは一つだけ。一晩のツルッパゲ!これはある種のプライド&羞恥心との戦いである】

「わうわう!」

 ウルリックは自分の手柄と言わんばかりに再びアキレスと七八にキノコを示す。
 焚き火であぶられたキノコもマシュマロのようにふんわーりとあまーい香り。
 すっきりとした甘さでくどくなく、後引く味わい。 欲望に身を委ねるか否か!選択権は君達にある!
553 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/11(月) 00:06:24.72 ID:5tfSYTOf0
>>551
「一蓮托生 いい言葉だと思わないかね?」
何ともヤケクソな笑みを浮かべる

「これで四五六タンも仲間だね!!」
ニッコリ

>>552
などとやっていると いきなりウルリックの体から毛がモサッと生えてくる

「おおおおおおおおおちおちおちkkkkkkkk」
明らかに落ち着いてない感じでウルリックの体をまさぐり ハゲやらキノコやらが残ってないかの確認を手伝う

【すったもんだがありまして】

どうやら自分の頭にも産毛が生えてきている 色々と結論が出て

「モシャモシャモシャ」
一切の躊躇いを棄て 満面の笑みを浮かべながらキノコを頬張る 一晩のツルッパゲ? 慣れれば苦ではありません

「よくやったワン公 お手柄だぞ」
―――ギィ♪

「これは持って行って しばらくの間食料にしよう そしてジョッシュにも食べさせてあげよう★」
食料事情 改善 よきかなよきかな 
554 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/11(月) 00:11:33.37 ID:O27XoQDd0
>>552-553
「……むっ? んっ!?」

涙目でウルリックとアキレスのハゲ部から生える産毛を捉える
しかしなんだ、その後の無事が判明したからと言えど矢張り年頃の娘としてはハゲは辛い、ハゲは



「……」

頭頂部、10円玉大の地肌部ひとつ、産毛がチクリ
焚火から少し離れた位置、頭巾を被って膝を抱えていじける姿
あまーい香りが鼻腔を擽る、先に詰め込まれた際の味が想起される
ゴクリと生唾、ペースト野菜は涙の味がした

//これにて落ちまするっ
//ありがとうございましたっ
555 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/05/11(月) 00:12:53.90 ID:cCB84GH/o
>>553

 だが、ザンネン。そうは問屋が卸さず次の日にはこの不思議キノコは全て枯れてしまう運命であった。
 中々うまくいかないもので、ここでなまじ贅沢な甘味を堪能してしまったから、
 集落に付くまでのホウレンソウ缶詰生活は過酷さを増すことになったのでありましたとさ。

【ロイとの合流までの間ってシチュだからね。仕方ないね】

>>554

 このわびしい状況に関しては一言だけ残して〆とする。

【ナムアミダブツ!】

//ではこれにてシチュ終了でででー
556 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/11(月) 22:37:59.10 ID:cCB84GH/o
【前回までのあらすじ!】

 皇帝の聖言を嘯く浮遊髑髏の群れが空に広がり、
 熱核兵器による大量虐殺のパルスが精神を焼くとある惑星にて、
 越境者タェンティースは銀河を支配する帝国の尖兵を退け、
 どうにか僅かな生き残りが住まう居住区へと退避することに成功。

「そこでポンコツメカの多円=サンは偶然にも私と出会うことになったのでした まる」

 ガスマスク越しに緊張感の欠片もない声が響く、
 ソレスタル・ビーイングの如くあらすじに強制介入したのは、
 C.T.S.S.クローントルーパーα-12である。

【もっともこんなのでも出くわしただけマシと言えるかもしれない】
【→わずかに落ち延びたこの惑星の住人達は確実に迫る死に対しおびえるか、皇帝陛下の慈悲をすがる言葉を呟くばかり】

 正直、クローンとはいえ、一定以上の生気と正気を保つ存在は貴重かもしれない。
 それが例え、己に奇妙な心象を与える存在だとしてもだ。

//かなーり前にやった終焉の遠未来シチュの続き(覚えてなくてもどうとでも出来るようにしますた
557 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/11(月) 22:49:01.52 ID:iiqg1YZ8O
>>556
「誰に対する、説明口調なんです?」

あとポンコツとはなんですか、とツッコミも忘れない
しかしまぁ、他者と話せるというのはそれだけで救いだ
繋がりを、エニシを求める半人としてそれは掛け替えのないよすがとなっているのだから

「……それにしても、全く……」

周囲をぐるり、居住区の住民達に目線を送る
恐慌状態を超えた先の、人間が行き着く絶望を体現したような彼等の様子に思わず顔を顰めてしまった

「なんというか、嫌な……陰鬱な感じですね」

ガスマスク姿の相方に少し、近寄って歩く
558 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/11(月) 22:59:08.32 ID:cCB84GH/o
>>557

「それはトーゼンと言えます。とα-12はポンコツな多円=サンに適切な回答をします」

 背中にヨイショっと背負った微妙にレトロチックな何かの機械。
 鋼鉄機材のランドセルめいたそれから生えたパラボラアンテナぽいのがぐるぐる回っている
 昭和特撮世代めいた珍妙極まるシロモノだ。

「ちなみにコレはカノッサ機関の大発明:情報解析一番星君グレートです。
 外観も超スリリングです。ネーミングにもセンスが伺えます。現在、絶賛情報収集中です」

 何故か可視化された黄色い電波をみょんみょん発進する情報解析一番b(ry
 こんなのでこの陰鬱な状況の原因を解析できてスゴイと褒めるのか、
 カノッサ機関の科学者って実はアホばっかかと頭痛を覚えるのかはタェンティース次第である。

【クローンの思考教育絶対失敗してやがるとか思ってはいけない】

「アナタの改造プランにもあったんですよ?情報収集型」

【想像してみよう。レトロなアンテナを頭から生やして電波を送受信する自分の姿を】
559 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/11(月) 23:09:47.48 ID:iiqg1YZ8O
>>558
「……あのですね、そこまでロールアウト時期が大幅に違うわけでは……」

つまり性能的面でそこまでの差がある訳ではないとの主張
しかし兵器然とした性能差は歴然である、なんせ半人は試作品、それも兵器性を重視したモノではないのだから

「……情報解析……はい?」

なんですって? と思わず聞き返すのは自然な事だろう
更にその風体、自身の修復を同じ機関が行ったとなれば全くもって不安しかない

「やめて下さい、悪夢です」
「……それで、その、何か解析出来ました?」
560 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/11(月) 23:23:41.82 ID:cCB84GH/o
>>559

「ちなみにプランが通った場合、改造後のネームはタェンティース・一番星君グレートが最有力候補でした」

 絶望的状況というのに何故こんなスカム会話になるのであろうか。
 周囲の絶望感とこの兵器共との空気の温度差は絶望的であった。

「………」

 しかし、こんな漫才をしているというのに周囲は無反応。
 もう感情をあらかた焼き尽くされたのか、余裕が無いのか。たぶんその両方。

「はあ…」

 何とも無関心と同情が複雑に入り混じった溜め息を一度つくと、

「ええ、概ね。どうもこの惑星の偉い人。帝国への租税を納めなかったみたいです」

 α-12は情報解析一番星(ryで収集した情報をタェンティースに話し始めた。
 この世界を支配する銀河帝国は、銀河を舞台とした大戦争の真っ最中で、
 各領土惑星は、その規模の応じた租税を帝国国軍兵士の供給という形で義務付けられている。

「ところがどうもこの銀河帝国というモノの官僚機構は肥大化しすぎて硬直しきっているみたいですね。
 500くらい前のデータから租税を計算して、この惑星に要求してきたみたいです。
 長い戦乱と異星種(ゼノ)が重なってとっくに人口の大半を死地に送り出してしまった後なのに」

 とっくに人口は生存の最小限程度まで落ちていた。
 ここで旧いデータのままに大量の人員の要求が下された。
 当然払えない。そうしたら何が起こったか?惑星総督は速やかに極刑に処せられ、
 また、諸惑星に対する規律を維持するという名目の下、銀河帝国は見せしめとして惑星浄化に踏み切った。

「圧政と無能の見本市みたいな状況です。正直、どうやってここから逃げ出したものかα-12は頭を抱えます」
561 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/11(月) 23:36:56.73 ID:iiqg1YZ8O
>>560
「……とても素敵なお名前ですね、残念でなりません」

頭を抱えながら全く感情の伴わない空返事
兵器達の方が生の人間よりも余程豊かな会話を行っているなんたる皮肉である

「なるほど……聞けば聞くほど」

最悪にして絶望的状況である
データでしか見ていない、というかデータすら見る気がないのだろう

「……誰かから情報を得る……のはここでは難しそうですし……」

困ったモノだ、お手上げに近い
しかしここでぼうっとしていたとしても先の様に敵に見付かる可能性も充分にある
一先ずここより更に、確実な安全が確保出来る場所を探すのが最優先か、と半人は唸った
562 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/11(月) 23:51:02.40 ID:cCB84GH/o
>>561

「綺羅星の如き英雄達と汚泥の如き無能達が混在する世界。
 ある意味で興味深くはありますが。なるほど、ホント詰む寸前ですね。この世界」

 情報解析一番星君(ryから様々なホロディスプレイが投影されていく。
 この惑星はあくまで辺境として処理されている。そして、各地で熱核兵器を使用する粛清軍は全く容赦が無い。
 なにせ、最も大量にあって最も容易に使い潰しが利く資源が人命と看做されている。

【この惑星をそれこそペンペン草の一つも生えぬ程に蹂躙しつくす気であろう】

「そうデスね。ここにいたら最期は核兵器で焼かれそうです」

 パパパパと色々なデータが流れている。無作為に情報を集めているっぽい。
 何かどっかで見た豊満な胸の人のデータも一瞬流れたが内乱幇助とか異端告発とか
 粛清候補とか物騒なキーワードばかりだった。

(あ、意外と人気ないのデスね)

 そして、パパパパと流し続けていた情報に一つヒットがあった。

「…多円=サン。この惑星で生き残れる可能性はほぼゼロです。
 ちょっと危険ですが、帝国の前線基地を見つけました」

 さらに表示が変わる。様々な宇宙揚陸艦。兵士を幾人も運用できる巨大サイズから、
 精々、乗員2〜3人くらいが限度の小さいモノまで。

「パクって逃げましょう」

 α-12の微妙にやる気が見られない声音から発せられる無茶振り作戦。
 もっと、穏便な手段があったら提案してほしい的ではある。
563 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/12(火) 00:01:10.54 ID:Kp/A504FO
>>562
「天と地より、遥かに遠く感じますね両者の合間は」

英雄と称される戦士達は間違いなく、月よりも高みに存在している
反面地べたを這い回る資源扱いの多くの人々からは、その影すら朧げであろう

「……最悪ですよそれ……んっ?」

一瞬チラリと、豊満な彼女の顔がチラつくがしかし即座にそれは情報の海に流れ去った
だがそれに孕まれた嫌な単語と予兆だけは、どうしても拭い去る事が叶わなかったのだ

「それしかないなら、やりますか……」

小型の船を奪取、そしてこの星からの脱出
スケールの大きな話になったものだ、と苦笑
無茶な作戦にも、凡そ慣れてきた結果である
564 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/12(火) 00:07:59.90 ID:Yap74wiZo
>>563

「賛成多数により本作戦が可決されました。パチパチパチ」

 すっごいローテンションでやる気のない拍手をするα-12。
 戦力としては極めてアレであるが、まあ…

「ちょうどいいデコイもあるしなんとかなるでしょう」
(心強い味方がいてくれてα-12はとてもやる気満点です)

 と、どっかのやる夫みたいな建前本音逆転現象をやらかしつつ、
 作戦の成功への戦意を燃やすのであった。

//ではココマデー!
565 :アグラーヤ [sage]:2015/05/12(火) 23:23:46.45 ID:e5wdDfJE0
【近未来世界】

既に夜も更けているというのにこの街は未だ眠りを知らず。
夜空を彩る星々は街のネオンの灯にその席を奪われ、街頭のホロスクリーンは様々なコマーシャルを垂れ流し人々の興を煽る。
そんな大通りの一画に集う人々。愉しげなホロスクリーンには目もくれぬ人垣の中心には白いダークエルフがひとり。

「……はぁ、やっぱりやるんじゃなかったわぁ」
「この人間の数はさすがにストレスよぉ……」

何故かメイド服に身を包んだ彼女の手にはメイドカフェなるものの料金案内の書かれた看板が握られている。
どうやらこの時代にもニッチな分野への需要はあるようで、しかしそれを見慣れぬ人々は物珍しさから携帯端末に映像記録として保存し、インプラント化した人間は視覚映像と端末を同期したりしている。
当人はといえばすっかり疲弊してうんざりといった表情。着替えて立っているだけでいいと言われたのだろう、日銭を稼ぐ為に飛びついた事を後悔していた。

願うのは知り合いに会う事なく終えること。まぁ最悪顔見知りにあった場合のプランを考えてはいるのだが。
566 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/05/12(火) 23:31:41.32 ID:b5hz/xjBO
>>565
「うぅ、ここなんかギラギラしてて落ち着かない…」

【未来都市のネオンは夜を奪う、ビィはその光景が苦手だった】
【記憶の片隅に存在する己の世界の、もっとも賑やかな繁華街ですら精神を磨耗していたのだ】
【その数十、数百も発達したこの街に適応できるわけもなく】

「…あれ、人だかり…
 何かやってるのかな?」

【とはいえ持ち前の好奇心を抑える事は難しい】
【ダークエルフのメイド姿に群がる人々の後ろからひょいと跳ねて見てみる】

「…え」

【そしてそれが2人の意外な再会となった】
【人を掻き分けてご対面、会釈をぺこり】

「…あ、あの、この前はどうも…
 …た、たはは…覚えてます…?」

【何と声をかけていいものか、プランもなく出てきてしまって戸惑いが少し】
【とりあえず当たり障りないように苦笑、ワームの強襲から守ってくれた恩人に再度頭を下げる】
567 :アグラーヤ [sage]:2015/05/12(火) 23:50:18.34 ID:e5wdDfJE0
>>566
「び、ビィ……? 」
「あ……あは、しばらくねぇ……。できればこんな再会はしたくなかったわぁ……」

人集りからひょいと顔を出したのは以前別の世界で生きる為に共闘した相手。
襲い来るワームを退けた後ボロボロとなった衣服の新調に付き合ってもらった仲でもある。
いわば戦友といっても過言ではない相手だ、そんな彼女にこのような格好を見られては出てくるのは乾いた笑いのみ。

「あ、貴女も元々この世界の人間じゃないわよねぇ……?」
「お金に困っているのなら、私が面倒見てあげるけどぉ……!」

アグラーヤのこの状況でのこの提案。多少思考が回ればどのような結果を迎えるのかは明白であるが。
望んだ形では決してないが、ここでのビィの登場は正に光明。アグラーヤにとって正に藁をも掴む思いであった。
568 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/05/12(火) 23:58:17.22 ID:b5hz/xjBO
>>567
「…タイミング、悪くてすみません…」

【苦々しく笑いつつも目線を少し逸らした】
【少しの間を共にした程度の仲ではあるが、その密度は濃いものであったのだ】
【この様な格好での仕事を喜々としてするようなタイプではないと判断が付くくらいにはなっている】

「え、はい…そりゃまぁ…。本当ですか?
 それなら是非、お願いしたいんですが…」

【聞けばビィは泊まる場所以前に朝から何も食べれていないのだと言う】
【越境の修正力は何故か、彼女の持つ中身の乏しいお財布に恩恵を与えなかったのだ】
【渡りに船とはこの事、とはいえアグラーヤがそのままの意味で助けてくれるのだと甘い勘違いもあるが】
569 :アグラーヤ [sage]:2015/05/13(水) 00:23:59.23 ID:CBiAqiQl0
>>568
「あは、素直な子は嫌いじゃないわぁ」
「じゃあちょっとここで待ってなさぁい……」

ビィの色良い返事にしめたと笑い、それを気取られる前に足早に店内へと引っ込んで行く。
それから間も無く、再びビィの前に姿を見せたアグラーヤの後ろには店主らしきイカツイ男性の姿が。
店主は容姿を見定めるようにじろりとビィを一瞥。そしてすぐさま親指を立ててサムズアップすると、ビィに向かって手招き。
そのまま付いていけば新たな客引きメイドの出来上がりである。

因みにビィが着替えて外に出てきた時、そこにアグラーヤの姿は既にないだろう。
程の良い身代わりにされたと気付いた時、果たして彼女はこの仕事にひとりでどのように挑むのだろうか。
現金を握り締め足早に宿を探すアグラーヤにとって、そんな事は知ったことではなかった。

「ビィ……また助けられたわぁ。ま、恨むのならこんな再会を選んだ自分の運命を恨みなさぁい」

さらに言えばアグラーヤはこの日の日当をしっかり受け取っている。その上で代役を立てたということは……。
まぁ、店主の機嫌が悪くなければ賄いくらいにはありつけるだろう。
この一件が自分と、ビィの記憶から風化するまではアグラーヤは三度の再会を望むことはしないだろう。

/これで〆ますねぃ
/ありがとござましたっ
570 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/05/13(水) 00:31:28.19 ID:wIg+Qj8uO
>>569
「はい、ご迷惑をおかけします…
 …あ、お帰りなさ…いっ!?」

【なんの疑いもなくその背を見送ってしばらく】
【戻って来たのは大男である、怖い】
【反抗する気も起きずおずおずと着いて行って着替え、その辺りで全てを察した】

「…もうっ! 覚えてて下さいねっ!」

【看板を掲げた白磁器色の肌のメイド、夜の街に虚しく吠える】
【やはりビィは、この街が余り好きにはなれなかった】

/ありがとうございました、お疲れ様でした!
571 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/13(水) 22:31:30.16 ID:bWIwpwMS0
【仮想闘技場『Competition Server』】
一行が飛ばされてきた世界は精神の身が通ることを許される電脳の世界 この世界はたとえ死しても0と1に分解され 生身は一切の痛手を受けない
故に越境者たちの間でこう呼ばれていた 仮想闘技場 と

「さて ここに飛ばされてくるのも久々だな」
ファンタジー世界の出身者であるこの男も かつてはここの常連であった

今回の戦いはチーム戦ということで これから流れてくる越境者と共に戦うということであった

ごつごつとした岩が並ぶ不毛の大地の先には すでに対戦相手が 戦いの時を今や遅しと待ち構えていた
572 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/13(水) 22:40:12.32 ID:Cf9x1s+A0
>>571
「……何ここ」

小首を傾げつつ装束の襟元を直す仕草に転送の残滓ノイズが走る
直ぐに収まって固着、安定化してこの世界に馴染む

「チーム戦、って聞いたけど……」
「私と、貴方と、もう1人?」

相手サイドを睥睨、警戒
見通しが良過ぎる、今一つ力を発揮するには工夫が必要だなぁと判断

「……ま、味方としてよろしくね」

苦く笑いつつも抜刀、左手には苦無を数本
戦闘準備は完了である
573 :アグラーヤ [sage]:2015/05/13(水) 22:50:28.70 ID:CBiAqiQl0
>>571
>>572
仮想闘技場。
アグラーヤにとっては余り良い思い出はない。しかしそれもかつて居た世界での話、興奮した本体が漏電を起こしリタイアなんて事は無いと信じたい。
本来この様な世俗的な事には全く興味を示さないアグラーヤだが、全ては日銭の為である。

「ふぅん。中々本格的ねぇ」

岩肌の露出した不毛の地。既に対戦相手はこちらを敵と認識し身構えている。
チーム戦と聞いてはいたがアグラーヤにとってやる事は変わらない。向かってくる敵を殲滅するのみである。元々チームプレイを好む性格でもない。
当然チームメイトの情報など把握しておらず、ちらり一瞥するだけであった。

「冴えない連中ねぇ、敵も味方も」
「ま、私の邪魔しないのであれば空気で構わないわぁ」

腕を組みふてくされた表情で相対する敵を睨む。
七八とは全く逆の思考であるが、敵チームの練度によってはこの差異が致命的となりうるのかもしれない。
574 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/13(水) 23:00:08.32 ID:bWIwpwMS0
>>572
「仮想闘技場 まぁなんというか ここで死んでもリアルじゃ死なねぇ便利な場所さ 死の恐怖も [ピーーー]恐怖も学びたい放題ってぇわけよ
 久しいな四五六 あともう一人は遅れているようだが」

そう言ってあいさつしたのは いつぞやの目つきの悪い男

岩はところによって身を隠すこともできそうなほどに大きなものも交じっているものとする

>>573
「もう一人は協調性のない厨二病か 危なくなったら助けを呼べよ 絹を引き裂くような悲鳴でなお嬢ちゃん」
息をするように見下してくる女性 ならば遠慮する必要はないとこき下ろす


>>全員対象
ロイ「それじゃやるかね」
ハルバートを構え 歩を進める 相手側も試合開始とばかりに獲物を構えて移動を開始した
敵はこちらと同じ三人 

1人はロイと同じ槍を構え
もう一人は目に見えるか否か 
日の光に煌めく鋼線の先に小さな分銅を下げた物を手から垂らし

最後の1人は炎を纏うロングソードを抜き放った

ロイ「さて 誰が誰を殴ろうかい? 俺はあまりものでいいや」
575 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/13(水) 23:09:07.93 ID:Cf9x1s+A0
>>573-574
「やぁ、ロイ」
「今度は組んでの実戦演習って訳だね」

以前の模擬戦は記憶に新しい
だが今度は味方なのだ、何時もの事だが頼もしい限りである

「……ま、私はサポート役になるかなぁこの場合……」

撹乱しつつの援護、つまり己の本領を発揮する事になりそうだと周囲の状況から

「そっちの長耳の子も、宜しくね」
「……仮想とはいえ、死にたくないから私」

さてチーム内仲良くスキンシップを終えた所で戦闘開始
一人一殺ではない軌道を描き、荒野を蛇の様に駆け岩と岩の合間を抜ける

「……いよっ!」

先ず狙うは槍手の、その足元
機動力を削ぎ敵の攻めの足並みをズラし、数的優位の獲得を目論んで遠距離から苦無数本を投擲
576 :アグラーヤ [sage]:2015/05/13(水) 23:22:45.76 ID:CBiAqiQl0
>>574
「あは、悲鳴をあげれば助けてくれるのぉ? 優しいのねぇ」
「でも私は助けてあげないわぁ、だって貴方の目つき怖いんだものぉ?」

ロイの毒舌を意地悪い笑みを浮かべて受け流す。
トゲトゲした雰囲気であるが、互いに余裕が見え隠れ。仲間割れとはならぬだろう。

>>575
「あっそぉ。じゃ、精々頑張れはぁ?」

七八の挨拶に右腕の義手をひらひらと返す。
別に馴れ合う必要は無い。チームといえど、仮想現実といえど、ここは紛れも無い戦場なのだから。

「じゃ、私はあの変な武器持ってる奴でいいわぁ」
「全員相手にしたって構わないんだけどぉ……っ!」

強気な言葉は己に対する自信故だ。
少し過剰なところはあるが、それが彼女の強味でもある。
言い終えるが先かのタイミング、アグラーヤの額が蒼白に輝いたかと思えば刹那に弾ける。
分銅付きの鋼線を構える相手に紫電が一つ伸びた。
577 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/13(水) 23:22:59.22 ID:bWIwpwMS0
>>575
「そゆこと 実践は相手をkillところまでが実践DEATH」
さて 四五六がサポートに撤するのなら 前に出るのは自分でしょう

岩の間を潜り抜け クナイをランサーに投擲 地に突き刺さるクナイに驚きの表情で踏鞴を踏むランサー そこにロイが突っ込んだ
ランサーはロイの一撃をいなし つばぜり合いの体制へ

だが隠れて状況を見渡す四五六は違和感を覚えるだろう ふと目を離したほんの僅かな隙 次の瞬間 分銅を持った男が忽然と姿を消した

荒野を縫うように進む四五六の視界の端 幽かに走る影 次の瞬間 眼球ほどもない分銅が四五六の顔めがけて飛んでくる
眼光鋭い 分銅の男もまた影の合間に身を溶かし 一行の足並みを乱そうとしていたのだが 四五六の存在に気付き 目標を変えた
578 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/13(水) 23:29:26.82 ID:bWIwpwMS0
>>576
「ハッ!! お前ほどじゃねぇよ」
たたき合いは早々に終了し 戦いの時迫る

アグラーヤの能力が発動し 紫電が空をかける 分銅の男へと雷の手が伸びるが

分銅の男「・・・・・」
眼光鋭い分銅の男はスルリと近場の岩の陰へと身を隠す 雷が岩を穿ち 岩が崩れるも その陰に分銅の男はいない

多少岩が乱立してはいるが 基本的には荒野である なのに分銅の男は忽然と姿を消した

炎の剣の男「よそ見は厳禁だぜ!!」
アグラーヤが能力を放った隙を突き 炎の剣の男はアグラーヤへと強襲 両手で構えた炎の剣を振り下ろした
579 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/13(水) 23:35:28.74 ID:Cf9x1s+A0
>>576-578
「……ぐっ……!?」

視界から外れた事で強い違和感として捉え、その存在を確認する所作を行った、行えた
その判断が刹那の後に助けたのだ、七八の身を

顔を背けて躱す分銅、左の瞼の上の皮膚を削り取りながら通過して行く
顔から首、首から背中、腰、そして足
回転を掛けてその場で全身を捻り、射出する様に放つ苦無一本
回避と寸分たがわぬ間隔で反撃に移る、賽印流の基本戦術である

「……闇討ちなんて、卑怯な真似するじゃない!」

着地、自身の策を皮肉りながら分銅の男へ向けて再度の苦無投擲、数は三本
ロイと鍔迫り合う槍手にも、と行きたい所だがその余裕は今はなかった
580 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/13(水) 23:50:54.68 ID:bWIwpwMS0
>>579
とっさの判断で回避に成功し 即座に反撃に出る四五六に多少の驚きを見せつつも
クナイを見てから体を屈めて回避

【判定 怪我:瞼の上の皮は薄く 出血しやすい個所である 場合によっては垂れてきた血が目に流れ 視界を阻害する可能性がある】
【これは拭うなどの対抗手段により回避することが可能である】

続く三本のクナイを 岩の陰に隠れてやり過ごす

靴に綿でも詰めているのだろう 絶えず動き回っているはずなのに足音を立てず
気配も最大限抑えることでおぼろにしか気取ること叶わず

かといって突飛な身体能力や 饒舌な舌も持ち合わせていない

四五六と相対するその男は 巷に溢れるNINJAではない 忍者だ

そして岩陰から飛び出すと同時 分銅を四五六の足めがけて投擲

分銅の男「・・・・・」
だがそれは囮の行動 本命は隠すように最小限の動きで囮に隠すように放たれた 刃渡り30mmもない小さなスローイングダガー 四五六の胸部めがけて投擲した
581 :アグラーヤ [sage]:2015/05/13(水) 23:51:20.81 ID:CBiAqiQl0
>>578
「っ……!? チッ……ちょこまかと……!」

崩れ去った岩陰に分銅男の姿は無く、急ぎ周囲に視線を泳がすも他に身を隠せそうな物も無い。
不審に思いながら更に視野を広げて捜索を続けようとした瞬間、それを妨害するのは炎の剣戟だ。

「くっ……!? いきなりなんてぇ……紳士じゃない、わねぇっ!!」

迫る脅威に即座に反応。しかしそれを回避できる程の身体能力は無い。
咄嗟に掲げた仮初めの右腕で炎剣を受け止めると、荒野に不似合いな金属音が空気を揺らす。
しかし両の腕で構えての剣戟は、ただでさえ非力なアグラーヤをその場に釘付けにするには十分で、その刃を振り払うことなど不可能だ。
明確な膂力の差に大地と膝が口付けしようとするのを必死に堪えながら、唯一自由を得ている左腕に電流を収束させる。

「暑苦しいわねぇ……!」
「涼し気な風穴、開けてあげるわぁ!」

至近距離、アグラーヤの左掌から放たれるのは雷撃の槍。その威力はあらゆる物を穿ち、焼き尽くす。
しかしその威力故に溜め時間は発生している。至近といえど、左腕に収束する光を察すれば回避行動は不可能ではない。
582 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/14(木) 00:01:07.69 ID:TgjjNwj+0
>>581
炎の剣の男「そりゃそうさ!! 紳士じゃないんでね!!」
ガチガチと剣と腕とがぶつかり合う
腕が金属製であったことは驚きだったが 女の膂力ならば御せると 体重をかける

が左腕に雷を纏っているのが見えれば 安全の為にいったん後退 次の瞬間雷の槍が炎の剣の男へと向かう
そのまま喰らえば致命傷 だが

炎の剣の男「甘く見るなよ!!」
槍に対し 炎の剣を真正面からぶつける 放電現象と炎がまき散らされ 炎の剣の男が歯を食いしばる

炎の剣の男「んんんんん・・・・・・っだらっしゃぁぁぁぁああああ!!!」
剣を振りぬき 雷の槍を叩き切った 槍はしばし辺りに放電していたが やがて虚空に消えた

炎の剣の男「もっと・・・熱くなれよぉぉぉぉおおおお!!!ってか!?」
炎の煌めき棚引かせ 距離を開けたアグラーヤに再度切りかかる
583 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/14(木) 00:02:18.26 ID:CMUtqpY90
>>580
「……っ……!」

七八の長所として、自信過剰に見えてしかしその実自身はまだ力不足だと自覚している面がある
つまり相対する相手の実力を認め、己より高みに存在するのだと認識する事になんら抵抗がないのだ
この場合もそう

「……危なっ……!」

血の垂れる傷口の治療を行おうとした矢先、飛来する分銅、あやゆく回避
道具袋に手を入れて薬と包帯を探し、この状況で応急処置を? 否、叶うはずもない
ならばと長めの前髪を傷に当てがって、細い毛質の束に染み込ませる
それは即座に固まって張り付き、簡易の血止めとなった

そして同時、それを行う程の隙を与える分銅の一撃がブラフである事に思考の網は辿り着いた

「……痛ぁっ!?」

だがまぁ完全回避に至るかと言えば別問題である
直撃を防いだだけで良しとしよう、左腕に突き刺さるダガーを即座に引き抜いて投げ捨てその血を絞る

「さっきっからもう……やってくれんなぁ!」

その血の、最初の一滴が未だ地面へと落ちて行く差中
野ネズミ程の足音も立てずに駆け出して分銅男との距離を縮めんとする
途中取り出し投げるは星爆竹、魔法道具であるが通常の爆竹と同じく煙と音と閃光を放つ事も無論可能だ
それによって分銅男を撹乱、叶えば近接での忍者刀一閃を狙っている
584 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/14(木) 00:17:57.11 ID:TgjjNwj+0
>>583
ランサー「オラッ!!」
ロイ「チッ!?」

ランサーの穂先をすんでのところで鎧の右腕で逸らし 後退して相対する
両者の穂先の間を疾走する影2つ

陰から影へ 光から闇へ 聞こえてくる音もなく ただ風のいがその存在が通り抜けた証しを残す

分銅の男は時折 ワイヤーを岩の間に通して即興の罠とし 四五六の接近を阻もうとする

が四五六の投擲する竹筒 分銅の男は用心し これを分銅で迎撃
だがその瞬間爆竹は炸裂し 辺りに爆音と閃光をまき散らした

分銅の男「!!?」
それに驚き 歩が緩み 四五六が接近する

刀が煌めく 分銅の男が寸での処でワイヤーを刀の軌道に割り込ませる

ワイヤーは一瞬刀を押しとどめ あっけなく両断された
が その一瞬の間を食らって分銅の男が刀を避ける

分銅の男「・・・やる・・・ッ!!」
短くなった分銅を四五六の顔に投げつけると同時 握ったスローイングダガーで 四五六の頸動脈を狙った一撃を繰り出そうとする
585 :アグラーヤ [sage]:2015/05/14(木) 00:25:26.64 ID:ZBQzfYvR0
>>582
「……! うるっさいわねぇ!!」
「なんなのこいつぅ、気持ち悪い……けど……!」

嘗めてはかかれぬ、と心で歯軋り。まさか自慢の雷槍を叩き斬られるとは成る程、世界は広い。
再びに斬りかかろうと彼我の距離を詰める炎剣男。先の攻防からも明白だが近接戦は圧倒的不利だ。
しかしアグラーヤは自らの腰にぶら下げる得物、黒針に手を掛けるといやらしい笑みを貼り付けながらすらりと引き抜き構えてみせる。
一目見て素人とわかる構え。しかしそれをするアグラーヤの表情に映るのは自信の色だ。

「私ってばお馬鹿さぁん……。どうしても相手の土俵で勝ちたくなっちゃうのよねぇ?」
「だから、剣で勝負してあげるわぁ」

ふらふらと揺れる黒く細身の刀身には、右腕を流れ、次第に蒼白の電流が纏われていく。
炎剣男がそのままアグラーヤへと斬りかかれば、その刃に合わせるように、右腕のみで構える黒針をぶつけるだろう。
当然技術、単純な膂力どちらも男に敵うはずはなく、構えた剣の重量から簡単に弾き返されてしまうはずだ。

アグラーヤの自信に溢れた表情と、剣を構える素人のそれ。
そのギャップに不審感を覚え、斬りかかる事を是としないのであれば見事アグラーヤの策は看破されることとなる。
586 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/14(木) 00:28:41.98 ID:CMUtqpY90
>>584
「いっ……!?」
「……そっちこそっ……!」

キン、カキン
高い金属音が二度響く
分銅と、それとダガーを刀で寸でで防いだ際のノイズだ
彼我の距離は近い、そして最早苦無の残数がほぼ尽きた七八にこの機を逃す事は考えられなかった

「……このっ!!」

膝蹴り、そして刀柄尻での顔面殴打の連携を狙って唸らせる
体格、そして筋力の差は明確
自ら臨んだはずの距離での戦闘ですら、速攻を仕掛けなければならない程に切迫していたのだ
587 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/14(木) 00:43:17.04 ID:TgjjNwj+0
>>586
ダガーの一撃はもはや苦し紛れともいえる一撃だった
分銅を打ち落とされ ダガーも防がれた

その隙をついた膝が胴に突き刺さり 刀の柄尻が顔面にめり込んだ

意識を失い ドサリと倒れ伏す分銅の男
よく見れば西洋式のスローイングダガーや糸のように細いワイヤーを使った分銅
身に着ける装束も端々に強化プラスチックの装甲を張り付けている

機械の身体能力に頼らぬ 確かな忍 だが彼が活躍している世界は 四五六の世よりも後の時代のようだ

【無力化につき トドメの描写はおんもさんに一任 確定描写でおkです】

さて 四五六から見えるのは 互角の戦いを繰り広げているロイとランサー そして不利な戦いを強いられているアグラーヤと 炎の剣の男

>>585
炎の剣の男「おらどうしたぁ!!」

アグラーヤの策に訝しげることなく切りかかる炎の剣の男
先ほど雷の槍を切り裂いて見せたこの男であるが その行動は剣自体の能力ありきの行動である

炎を纏いしその剣は 切りつけると同意にその傷を焼く能力があるほか ある程度の魔術的異能の力に抗う性質があり
雷の異能に抗っている間に 男の技術によって槍を切り裂いたのだ

そして男は多少雷を剣に纏ったところで剣がその力に抗ってくれる その間にアグラーヤを倒してしまえばいいと考えたのだ
588 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/14(木) 22:10:02.70 ID:8rOF7xm+0
ここは賑わいが絶えない、活気と英気に満ちた世界。
その世界の大都市の、とある一角に軒並みを連ねる小さな店の集合体。
寂れてしまったシャッター街の、唯一開いている店の中に、件の少女は座っていた。
クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート、どこかのだれかのソックリさんである。

「ま…ずいわ、なによこれ」

そんな怒号。

「これ反吐かなんかでしょ、間違っても口にするべき食べ物じゃあないわ!」

そんな罵り、

「私の口にこんな物が入ったなんて…信じらんないわ」

そんな、文句を列ねながら、少女は店の扉を乱雑に開け放つ。
耳をつんざく音を揚げた扉は、どこかに吹き飛んでしまった。

「悔やみなさい、貴方方の腕の低俗差に
そのせいでこのお店も…こうよ」

振り返り、壁を叩く。
嫌な音を挙げ、次の瞬間には店主すらも巻き込んで、倒壊。
満足気に一瞥すれば、少女は一歩足を踏みだし…立ち止まった。
理由は単純である。みられていたからだ、第三者に今の出来事を、確かにみられていた気がしたからだ。
589 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/14(木) 22:10:13.02 ID:8rOF7xm+0
ここは賑わいが絶えない、活気と英気に満ちた世界。
その世界の大都市の、とある一角に軒並みを連ねる小さな店の集合体。
寂れてしまったシャッター街の、唯一開いている店の中に、件の少女は座っていた。
クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート、どこかのだれかのソックリさんである。

「ま…ずいわ、なによこれ」

そんな怒号。

「これ反吐かなんかでしょ、間違っても口にするべき食べ物じゃあないわ!」

そんな罵り、

「私の口にこんな物が入ったなんて…信じらんないわ」

そんな、文句を列ねながら、少女は店の扉を乱雑に開け放つ。
耳をつんざく音を揚げた扉は、どこかに吹き飛んでしまった。

「悔やみなさい、貴方方の腕の低俗差に
そのせいでこのお店も…こうよ」

振り返り、壁を叩く。
嫌な音を挙げ、次の瞬間には店主すらも巻き込んで、倒壊。
満足気に一瞥すれば、少女は一歩足を踏みだし…立ち止まった。
理由は単純である。みられていたからだ、第三者に今の出来事を、確かにみられていた気がしたからだ。
590 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/14(木) 22:10:17.82 ID:CMUtqpY90
>>587
「さて……と」

二人は上手くやっているだろうか
自身の心に突き立てた白刃は、忍びとしての決意と覚悟の証だ
鋭く、敵の心臓に突き刺さるモノの冷たさが自らに返って来ているような錯覚
恐らくデジタル分解されて行くであろう分銅男

「……っと、やばそうだな……」

炎の剣を振るう男に向けて数少ない苦無を投擲
チラリとアグラーヤの不利を察し、支援に向けて動いた様だ
591 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/14(木) 22:18:40.97 ID:CMUtqpY90
>>588-589
「……痛、たたた……」
「欠陥住宅ですか、それとも……」

倒壊した店の瓦礫を掻き分けて顔を出す半人
埃まみれにはなっているがしかし重篤な怪我はない模様
地震もないのに突然の崩落か、いやだがこの場合別の可能性も考えられる
微かに感じた異能の気配、それと意味あり気な呟きを残した少女

「……あの、脚が挟まっているんです」
「すみませんが引き出して貰えませんか?」

全く痛みを感じさせぬ、無機物めいた口調で問い掛ける
目の前の少女が警戒に値する人物であり、その試金石としての呼び掛けなのだ
単体での脱出も無論、不可能ではない
592 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [saga sage]:2015/05/14(木) 22:34:10.73 ID:8rOF7xm+0
>>591
見られた、という感覚に間違いはない。
倒壊した瓦礫から声を掛けてきたこの人物…この人物こそが恐らく目撃者なのだろう。
そうだ、そうに違いないと決断するのにはあまり時間はいらなかった。
だが、この言葉は助けを求めているのだろうか…少女は軽く顎を上げながらそちらをみやる。

「……あら、お間抜けさん。そこにはまって抜けられないの?」

その顔を捉えた双眸は、笑っていない。
寧ろ警戒をしているような…対して、金の双眸は満悦であるが。

「引き出してあげてもいいわよ?
でも私にメリットがなに一つないし、オマケに機嫌が悪いの。残念だけど、答えはノーよ」

意地悪な笑みを零す。
そしてそれは、この不幸を嘲笑っているような、どちらにせよ友好的ではないのは確かだ。

「というかなんでそんなとこにいるわけかしら
隠れん坊でもしていたの? それとも、さっきの倒壊に、巻き込まれでもしたの?」

なんて、ヤケに嫌味な口調でそんなことを言ってくる。
勿論原因は少女、クラリスである。なぜここにこのような姿を晒しているのかは、理解している。
その上での問いであった。
593 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/14(木) 22:43:48.89 ID:CMUtqpY90
>>592
「そうですか、それは残念です……よいしょっ!」

両手を瓦礫に着けてその腕力だけで体を浮かせる
派手な騒音を立てて巨大な瓦礫が飛散、粉砕
実に強引な方法で脱出完了

「ふむ、愚問ですね」
「貴女の言う、間違っても口にするべき食べ物を頂いていましたところ倒壊に巻き込まれましてね」

ジーンズについた埃を払いながら
一挙一動の度に腰に帯びたブレードと、それと膝下までを覆うメカニカルな脚甲が金属音を立てる

「……さて、この倒壊」
「いったい何事でしょうね、急な事で驚きまして誰一人救出する事が叶いませんでした」

言葉尻、後半の部分は低く威嚇めいた格好となる
瓦礫の山から飛び降り、少女の元へと歩み寄った
594 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/14(木) 23:04:07.28 ID:8rOF7xm+0
>>593
眉根を上げて肩をすくめる動作、ついでに拍手を数回行えば、少し警戒の色が金色に過る。
明らかな身長差、体格差でありながら、その容姿を睨める様に観察し、見下す様な恰好を取る…が、首が疲れるので止めた。
瓦礫の山をあんな腕だけでなんとかしたこの眼前の女性、もはや鍛えているだけの一般人というわけではないだろう、ならば必然とその人物像は判明する。
大方こいつは能力者かなにかだろうと推測をした…まあ、その見込みは大方外れていたのだが。

「まあ、そうでしたの。貴方もあの犬の餌を食していたのですか」

「それでどうでした? やっぱりあんな物が店の看板メニューだなんて許せませんわよねぇ……貴方もそうは思わない?」

いちいち目につくこの武装、敢えて見せられているのか、なにかのコスプレなのかは今のところはわからない。
まあ仮にそれが本物の殺傷能力を持っていたにせよ、驚異にはなりえないのだから、あまり気にしなくてもいいか、と、少女は歩み寄る女性へと視線を向けた。

「救出? あら、可笑しいですね。助けるに値する価値のある下僕なんていませんでしたよ?」

「そんなガラクタはゴミなんです、わざわざ助ける必要は、ないんじゃなくて?」

そう言って女性の双眸を見つめる。
ジッと、ひたすら、なにかを探る様な視線を向けるが、それもなにを思ったのかすぐに止め、倒壊した瓦礫の山に視線を戻した。
595 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/14(木) 23:13:10.23 ID:hph5znXoO
>>594
「……普通に、頂戴しておりましたが……?」

同意を求められるようではあるが、しかし半人としては肯定はしない
だがまぁ特段別格に美味しかった記憶もないので、まぁ普通だったのだろう
ただ一ついえるのは、それは理不尽にいのちを奪う理由には決して届かないというだけだ

「……、貴女!」

それでも目の前の少女は、半人のそんな思惑とは全く異質な主張を持った
それを認める事は出来ず、熱っぽく体を駆け巡った一瞬の怒りは
払い除けるような仕草での手の甲による平手打ちとして少女へと向けられた
しかし現時点では少女がどのよう存在かを図り兼ねている
仮に命中したとしても威力は大したモノではない
596 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage saga]:2015/05/14(木) 23:31:34.86 ID:8rOF7xm+0
>>595
パキィン、と。
そんな甲高い音が、出るはずもない異質な音が、この見窄らしいシャッター街に響く。
その後、軽蔑するかの様な、嘲笑っているかのような、興醒めしたと言わんばかりの表情が少女の顔を染めて。

「なんですか……今の、貴方も価値のない劣等と同種だというのです?」

そんな冷ややかな、心無い言葉を載せて、少女は眼前の女性へと、腕を指を向ける。
簡潔に言えば、激情した平手打ちは本来当たるべき物であったが、それは反射し、当たらなかった。
いや、反射というのも間違っているだろう、その平手打ちは拒絶され、打ち出した本人に返る軌道を描いたのだ。
それは偽りの神の力、アブソリュートの能力の効果であるが、こんな情報では恐らくこの解には辿り着けないだろうし、なにより事は一瞬の出来事であるため、認識自体が困難である。

「そうであれば、貴方も私には指一本触れる事は許されない。それは理なのだから、ね」

クイッと、少女のその指が女性の顎を捉えたのなら、その顎を持ち上げ、グッと顔を近づけてそう囁く様に発するだろう。
あまりにも甘美で優美なその仕草は、少女をなお一層恐ろしく見えるように錯覚を覚えさせる。
597 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/14(木) 23:43:03.57 ID:hph5znXoO
>>596
「なっ……!?」

万一相対するこの少女に異能性が存在すれば、躱される或いは防がれる事など想定済みであった
だというのに目を見開いてしまったのはその拒絶という特異な現象故
宙を舞った右手はゆらり微かに漂い、やがて所在なく下ろされる格好となった

「……っ、あ、貴女は……」

間違いない、異能保持者としてカテゴライズすべき相手だ
顎を引かれ、身長差から見下ろす形となっているが優劣は真逆
ぎりりと歯を噛み締めるが反撃に出るには不利的過ぎる

「……劣等も、優勢も、ございません」
「わたしは、わたしです……!」

だが精神としての敗北を認めるにはまだ至らず
その証明として強がる事が出来た、紡ぐ言葉に託す事が出来た
598 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage saga]:2015/05/15(金) 00:07:39.34 ID:pL+Xtekh0
>>597
「私? 価値のない劣等に名乗る名前なんてないけれど、そうね……」

その不可視の壁は自分以外を拒絶、自分の世界を侵略する事を拒絶する。
特異の中の特異点、特別の中の格別、従える物は正しく、全ての理であるのだ。
眼前の女性が圧倒されるのも無理はない、そしてクラリスの様な異能を体験するのはこれが初めてだろうか、それとも少女の魔生に飲まれたのか、どちらにせよペースは少女にあった。

「……へぇ、わたしはわたし、かぁ。いかしたこというじゃないの貴方、気に入ったわ」

「でも間違ってるわ。劣等も、優勢も、あるもの。私が絶対、私があると証明できるもの、だから貴方がどれだけ強がってもこれが覆される事はないわ、決してね」

そのまま身を乗り出して耳元でそう囁いて見せるのを最後に、少女は手を離し、二歩後退する。
そして指先を顎の下に当て、優越な表情を浮かべると、さらにこう続けた。

「私には指一本触れる事は許されない、立場が違う、生きる世界が違う、格が違うのだから、当然でしょう? この言葉を覆せない貴方方は、だから劣等、私よりも弱くて価値がない、だから、劣等なのよ?」

間違っている? と問うかのように首を、傾げさせ、演説か劇を演じるような、口調でもって述べる。
その際の少女の表情には、哄笑が微かに覗いていた。

「でも貴方は特別、貴方はとても面白いわ。だから私も少しだけ名乗ってあげる、いい? よくその耳に、脳裏に焼き付けておきなさい。私の名前は、クラリスよ」

にたりと、笑って。
599 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2015/05/15(金) 00:27:16.50 ID:6dNXKZalO
>>598
「……畏れ、いります」

務めて冷静に、平静に
こころの凪はとうの昔に破られ、波濤は白い飛沫を撒き散らしている
だがそれを露顕させるには憚られる
更に突け入る隙を与える事を、半人は拒んだ

「……、」

劇的な、芝居めいた所作に眼差しは揺れる
それは何処か追憶の果ての存在を目しているような、それでいて眼前の少女の挙動を見逃すまいと警戒心を働かせているような
マルチに物事を働かせるのは、そう苦手ではない

「わたしは、……いえ」
「クラリス様、ですね、わたしはタェンティース」

何か紡ぎかけ、俯いて止まる
名前を反芻、自然と名乗る形、無論恭しくだが嫌味っぽさのない一礼も添えて

遠間より響くサイレンの音、警察組織の到着が近いのだろう
ハッと気が付いた半人はしばし逡巡、だが踵を返せば振り返る

「……では多分、また、何処かで何時か」

彼女が越境者であると確立された訳ではない
ただその纏う超常的な気配は来るべき再邂逅の予兆として轟々と運命風に靡いていた
半人は駆け、そして跳び、この場に留まる事での厄介ごとへの連座を未然に防いだ

//ここら辺で〆させて下さいっ
//ロールありがとうございました、また宜しくお願いしますっ
600 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sagesaga]:2015/05/15(金) 01:14:58.81 ID:pL+Xtekh0
>>599
名乗り合い、運命が合致する感覚。
また会う事を決定されたような宿命とも取れかねない風の臭い。
絶対の自信が緩んでしまう、そんな錯覚を覚えさせる、いや覚えてしまう不思議な感覚。
下等の中の優勢として認識したせいか、はたまた別の理由か……なんの因果か、クラリスは再会を望んだ、絶対への足掻きをみたいと、そう思った。
故、

「ええ、運命が私と貴方を結ぶなら、いずれ会えるわ」

「その時は、足掻いて見せなさい、もう一度、しっかと、私へと」

しばらくすれば、そこには瓦礫と埋もれた残骸のみが残った死地と成り果てる。
世界は、偽りの神を拒絶しようとゲートを拓いく。

//こちらこそありがとうございますっ、また是非ご一緒したいです^ ^
601 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/15(金) 21:41:41.08 ID:0nj79GfO0
スプロールの雨夜
星明りと月影を奪った光化学スモッグから降りしきる毒滴、ネオンライトの貪婪な光を孕んで落ちる
七八はこの景色が好きではなかったが、それでも再度この世界に渡って来たと知れば速やかに行動を開始した

目的は無論、その鱗片を掴んだ兄の存在の確信を求める事でありそしてそれは何日かの滞在で確固たるモノへと変わる
しかし手掛かりの全てはそこで潰えた

「……まぁ、そりゃそんな簡単に見つかっちゃ商売上がったりだけどさぁ……」

番傘を打つ雨音
街を行く中、かコん、と瓶を足先で蹴り飛ばす
それは用法、用量を守らず飲むと麻薬的効果を齎すシャカリキドリンクの空き瓶である
雨の中、綺麗な放物線を描いて

『痛テェッ!?』
『ザッケンナコラー!!』

「げっ、やばっ……!」

どう見てもヤクザな御仁方の中心人物の後頭部にクリーンヒット、角刈りヘアーにコブが浮かぶ
5人程の取り巻きを従え即座に振り返り、七八に向けて殺到開始
慌てて逃げ出す七八、どよめき立つ周囲の喧騒
602 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage saga]:2015/05/15(金) 21:58:42.97 ID:pL+Xtekh0
>>601
酷く鼻をつく健康的ではないだろう悪臭、この世界における約8割が毒ではなかろうかと錯覚できるくらいに酷いものである。
とは言えなれればどうというものでもないだろうに、ここにきて早1週間の少女は、未だ馴染めずにいた。
……というより、寧ろこんな世界の理に怒っている次第だ。

「いつまでこんな世界に私を滞在させるつもりかしら、もうとうに我慢の限界よ?」

少女にとってこんな環境は正に下等、そろそろ見窄らしい環境に世界を壊す気になりそうであった。
と、悩ましいやら悔しいやら憎らしいやらが混じる表情が、ある騒ぎを聞きつき少しだけ緩む。
心境としてはあー、またか程度だが、この世界では子供も襲われたりするので少し気がかりである。
らしくはないが、優勢の玉子である子供に危害は加えられない、純粋無垢な子供が可哀想だ……ということで、

「きてはみたけれど、なによこれ……最悪」

その喧騒の中に混じり、金色が逃げる女性の背中を見つけた。
それを認識して、なお飛び出す言葉には失意が含まれている。
一応これはヤクザと逃げる女性に対して発した言葉だが……気づいてくれるだろうか。
603 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/15(金) 22:05:55.60 ID:BjhF0D610
>>601

スプロールの蒸し暑い夜。だれもが雨を歓迎する訳ではないが、逆にそうでない人物もいる。
この男、ジョシュア・アーリントンは有毒の酸性雨の中、雨具も付けずにぼうっと立ち尽くしていた。
その肌は所々消し炭のように黒く、また時折デジタルなラインを描いて赤黒い光が走っている。

重金属酸性雨のカーテンは生体に極めて重篤な症状を齎すものであるが、人外の者にとっては必ずしもそうとは限らない。
例えばベルゼブブ。金属を好むナノマシン群生大は降りしきる黒雨に喜び勇んで沸き立ち、ジョシュアの皮膚を黒く斑目に染め上げているのだ。

「……うるっせェなぁ…クソ…! ナニやってんだあいつら…!?」

突然出来上がる喧騒にイライラ顔で舌打つジョシュア。今日の彼はなんだかとても虫の居所が悪いようだった。
バックホルスターから50口径のリボルバーを抜き放ち、指を引っ掛けてクルクルと回転させながら喧騒へと近づく。
右手、左手、お手玉のように軽々とガンプレイしつつその中心を覗き込み、どうやら"マジモン"の小競り合いであると確認出来れば人混みを掻き分けて狭間へと躍り出た。

「オラお前等、喧嘩はそこまでだ。解散しな……」
「さもねぇとその汚ねェケツ穴ァ半インチまで拡張するコトになるぜ……」

クルクルと回転させていたリボルバーをキャッチ、到底拳銃弾とは思えない大きさの真鍮の塊をシリンダーへ3つ挿入して装填した。
リボルバーをヤクザ達へと向け、そして次に七八へと向ける。撃鉄は降り、その指は引き金に掛かっていた
604 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/15(金) 22:14:40.60 ID:0nj79GfO0
>>602
「あっ! シンっ!」

逃走中、人混みの中に見知った顔を発見
それはかつて数度出会った越境仲間、シンのモノである
これ幸いとばかりに巻き込んでいくスタイル、万一戦闘になれば単身よりはふたり、仲間は多い方がいい

「見ての通り追われててさっ、傘入れてあげるから一緒に逃げてよ!」

一時停止、その場で足踏み
ひょい、と番傘を差し出してその庇護の元に少女を招き入れれば手を取り走り出さんとする
だがその行動は直前、果たせぬままに終わった
突然の介入者の、ギラつく銃口に依って

>>603
「うわっ!?」
「……も、もっとヤバそうなのが……っ」
『ヒィィっ!?』

ホールドアップ、傘は手放さないが
それはヤクザ達も同じだ、無力めいた少女を相手取るつもりがやって来たのはどう見ても強化人間
チャカは所持しているがそれを向ける、或いは抜くよりずっと早く彼の装填は完了していたのだ

『……ご、』
『ゴメンナサイっ!!』

スタコラとヤクザ、遁走、呆気ないモノである

>>602-603
「うひー、助かったぁ……」
「サンキュージョシュア、あとシンもごめんねー……」

ほっと胸を撫で下ろし、ふたりに向けて苦笑を見せる
605 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/15(金) 22:30:18.67 ID:BjhF0D610
>>604 >>602
「……ったく、あっけねェな…所詮はゴロツキかよ…」

遁走するヤクザの集団を見送りつつノールックでリボルバーの銃口をホールドアップ状態の七八の脇腹にグリ
ヤクザが視界から消えれば舌打ちと共にグリリ。そうして両手と共に傘を上げた少女の方へと振り向いて初めて見知った顔に気付いたのだ。

「…………お?」
「大食い…じゃなくて………し、七…八……!?」

さっとジョシュアの顔から血の気が引いた。顔色が悪いのは元々であるが(白と黒のマダラでしかも赤線入り)
それにしても雨に打たれた箇所だけが一瞬黒く染まるジョシュアの要望はとてもグロテスクというか、若干キモくすらある。
こんな怪人状態の男にフザケたサイズの銃を突きつけられれば誰だって逃げたくなる筈だ
七八と、そしてもうひとり見知らぬ少女の存在を認めればジョシュアはベルゼブブを引っ込める。
彼の肌全体が漆黒に染まりその瞳は朱へ、その後顔の中心からぼろぼろと鱗でも剥がれるように元の肌色へと戻っていった。
606 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage saga]:2015/05/15(金) 22:33:47.72 ID:pL+Xtekh0
>>603-604
「なっ、なによ貴方!? 傘? いらないわよっ」

逃げる女性の背中が反対を向き、こちらに顔が向けられるや否や。
有無言わせぬ言動と行動に、さすがの絶対もどうすればいいのか把握しきれなくなり、結果傘の下に"見知らぬ者"と並ぶことになった。
呆気に取られてしまった、事態の成り行きがもはや理解不能領域である。眉根を歪め、暫く女性の顔をこれまたらしくない表情で傍観……と、

また変わった奴があらわれたものだから、持ち前の優越な雰囲気は何処へやら。
すっかり二人のペースに飲まれ、我に帰った時には喧騒は済んでいる始末である。
しまったという顔、同時に真隣の女性の自分への呼称に不信感を抱く、シン……とは、自分の名前では、なかったからだ。

「な、なによ貴方、いきなり私を傘の下に引きづり混んで、あろうことか馴れ馴れしく……ッ」

身震いと、焦りやら恥ずかしいやらが混じった表情で女性に一喝。
そしてその怒りに近い感情の矛先は、喧騒を収めた件の男性にも向けられた。

「貴方もそこでボサッと突っ立ってないでなんとかしたらどうです!?」

「私、今とっても大変なんですよ?」

完全に何時もの精神状態を崩された八つ当たりは、少女を知る者なら別人であると断言出来るだろう程に平常心ではない。
苦笑の表情に対しても気づいていない様子で、というより話し事態聞いてはいないようだった。
607 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/15(金) 22:42:56.52 ID:0nj79GfO0
>>605
「……痛い痛い痛いっ」
「もうっ! 痕になったらどうしてくれんのさっ!」

大食いとの不名誉な呼称に噛み付くよりは、感じた痛みに文句を付けるのが先だ
ついでに言えば若干の怖気もある、銃に覚える本能的なモノである

「……っていうか、なんか大丈夫?」
「凄いことになってるよ?」

ゼブラか、或いはスイカめいたカラーリングに雨化粧を施すその風貌に改めて驚愕
無遠慮にツッコミひとつ、納銃の所作にこっそり安堵

>>606
「わたたっ……!?」
「ま、まぁまぁ落ち着いて……」

取って食いはしないんだからさ、と宥める仕草
まるで稚児に対する扱いではあるが、七八自身まだ十と五、六歳
それ自体が不慣れであり、決して侮ったり侮蔑的な想が込められている訳ではない

「また覚えてないのかな?」
「……ほら、七八、忘れちゃった?」

態度に相当の変化があるようだが、これも記憶障害の弊害であろうか?
何とも都合のいい思考ではあるが、そう至って傘の中笑みを浮かべる

>>605-606
「……と、ともかく立ち話もなんだし……」
「止まり木の部屋が近くにあるよ、寄ってかない?」

提案するのは、越境仲間達の憩いの場である止まり木同盟の一室への避難である
成る程確かに喧騒は収まったとは言え先のヤクザ騒動はそれなりのモノであり、マッポ達が駆け付けたりヤクザクランが報復に来たとしても可笑しくはない
受け入れられれば移動、路地裏の目立たぬビルの一角に存在する同盟の部屋へと向かうだろう
608 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/15(金) 22:45:10.48 ID:BjhF0D610
>>606
「"なんとか"っつったってよォ……」

ポリポリとジョシュアは申し訳なさそうな顔つきで頭を掻く。
それはとりあえず物凄くご機嫌斜めな目の前の少女に対しかけてやる言葉が見つからないからだ。
何もしてやる事が出来ないためにこうして不動を保っているのである。

「その傘からおたく引っぺがしてこの致死量の酸性雨の中にブチ込めって?そいつは無理な話ってヤツだぜ…?」

怒りの原因も分からなければ矛先が此方に向いた理由も分からない。わからない事だらけの状況であったが、ふと。
彼女も怒りの理由の片鱗が今この状況にある気がして、ジョシュアはクラリスを諭してみることにした。
この天候は防護服を着ていなければマトモな人間が生きていけるような空間ではないからだ。ジョシュアのような"マトモでない"例外を除いて。

「七八のダチなら尚更だ。俺みたいに金属が食えなきゃそこで仲良く相合傘でもしてるんだな…」

しかし何故だろう。この男、諭しているはずなのだがどこかムカつくモノの言い方である。
体質なんだ。七八のツッコミにやれやれといった表情で答え、この鉄臭いストリートを後にした。
609 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/15(金) 22:53:19.23 ID:BjhF0D610
>>607
「ふぃぃ……先にシャワー使ってもいいか?」

場面は変わって止まり木の家、ただ一人びしょ濡れのジョシュアは服の水分をベルゼブブに吸わせ、冷えた身体をシャワーで温めようと小走りで浴室に向かうが

「……ってそうだその前に…七八。お前あんな場所で何してやがッた?アソコはお前みたいなのがウロついていいような場所じゃないぜ…」

ふと立ち止まって振り返り、七八へ先程の小競り合い。その事の顛末を訪ねた。
スプロール自体それほど治安の良い場所ではない。それをさも目的ありげに彷徨うかのような七八の様子にジョシュアは疑問符を浮かべていた。
「たまたまだ」と言われればそれまでだが、それでもジョシュアはどうも小さな違和感を感じ取っていたらしい。
普段リスクを避ける性格の七八が、どうしてこうも危険を冒してまでこの世界の危険区域を放浪するのか
610 :アグラーヤ [sage]:2015/05/15(金) 22:57:11.80 ID:2QPAMLNB0
>>587
「……っ!!」

互いの剣戟が衝突し、ぶつかり合った炎と雷が火花を散らしふたりの顔を照らす。
しかし鍔迫り合いになることはない。剣の勝負であれば、既に抜いた時点で決していたのだから。
炎剣の力によりて男に電撃によるダメージはない。逆にアグラーヤは細剣を弾き飛ばされ、炎剣男の必殺の間合いにて無防備を晒す事となった。しかし。

「しまっ………!?」
「………なんちゃってぇ、捕まえたわよぉ? お馬鹿さぁん!」

炎剣男がアグラーヤのトドメへと動けば、その瞳に映るはずだ。義手の接続部から溢れ出る禍々しき黒が。
次の瞬間、仮初めの右腕は一瞬のうちに吹き飛び、代えて迸るのは漆黒の電流。
肩口から噴出するように猛る黒雷は異形の右腕を形作り、凶暴な顎の如き黒腕は遍くを食らいつくさんと炎剣男へ迫る。
真紅の隻眼を見開き歪んだ笑みを浮かべるアグラーヤの視界の端には飛来する苦無。
七八の援護のそれはアグラーヤにとって追い風となるか否か。
611 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/15(金) 23:05:42.09 ID:pL+Xtekh0
>>607-608
キッとした目つきで騒ぎを起こしていた少女であるが、主犯に宥められムッと不貞腐れる。
それに、言い回しがいちいちふつふつと殺意を湧かせる男性の言葉に……ついに黙った。

なんだか納得がいかない、凄く納得がいかない。
子供をあしらう様な言い回し、片や感に触る言い回し、これに挟まれたとあっては話す気力そのものが殺がれてしまった気もする。
話を真面に聞いていなかったために、女性のなにやら気になる言葉自体も朧げにしか把握していない。ただ成り行きに任せることにし、件のなんちゃら同盟の部屋へと足を踏み込んだ。


「で、七八っていったかしら?」

ソファにどっかと座り込み、小生意気な態度で女性を呼ぶ。
足を組み、見下す体制を作り、反応が返ってくるのを待つ。

「それと、そこの殿方? あの雨ってそんなに有害ですの?」

男性にそう聞いたのは、その当時全く話を聞いていなかったためで、深い意味は秘めていない。
ただ、双方を眺める金色は既に上の地位を行ったと言わんばかりの雰囲気を醸し出しており、少し場の空気を不快にしているのだが。
612 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/15(金) 23:12:20.04 ID:0nj79GfO0
>>608-609
「ふぅん、レディ達より先に?」

止まり木同盟の室内
オフィスビルの一室ではあるが、その分広くまたシャワールームも完備されている
寝具は簡単なマットレスが数枚のみだが、このスプロールに於いて安全な寝床というモノは何物にも代え難い存在だ、充分重畳と言えよう
シャワーの申し出に皮肉めいた笑みを浮かべつつ、だが濡れた面積でいえば彼我は比べ物にならないのだ、無論快諾

「……ん、いやね、ちょっと知り合い探しててさ」

まぁ、後で話すよと続く

「早く浴びて来なよ、そこにいられたら着替えられないでしょ?」

>>611
「ん? うん、そうだよ」
「……あのさ、えーっと……ごめんなさい、……」

さてここでようやく落ち着いて顔合わせである
改めてシン(?)と向き合えば感じる違和感
顔というものは、作りは同じだろうと別人であらば大なり小なり差異は出るものだ
越境仲間のニア・シューペリオリティとアラズも、顔自体は同じだが今となっては見分けも付くほど
それは何から来るのだろう? そう、性格である
正しくはひとの中身が、気の持ち方が生じさせる表情
顔の作りと、そして表情が調和して始めて個人はその個人としての主張性を持つのだ
そう七八は考えており、更に忍びの技術としてそれらを見抜く術は通常よりやや高い

「……不躾だけど、お名前は……?」

早い話、気が付いたのだ
あれ? 人違いじゃね? と
613 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/15(金) 23:32:46.26 ID:BjhF0D610
>>611
「ジョシュアだ。あぁ、浴びたら死ぬとは聞かされてるな…事実この街にゃ死体がゴロゴロだ」

名乗り、そして彼女の問いに簡潔に答える。その表情は微かな笑み。
全く聞いてなかったのかとは思ったが腹を立てるようなことでも空気を害するようなことでも、ジョシュアにとってはそうではなかったらしい。
しかしふと何か思い出したように顔を上げるとクラリスの方をニヤニヤ顔で見つめ

「……アンタ、誰かに似てると思ったよ…ウチの上司だ。動作一つ一つが偉そうでムカつくぜ」
「でもまぁ…カオが可愛けりゃ愛嬌もあっていいか……んじゃァ俺はお先に失礼…っと」

またまた殺意を募らせるようなことを口走るジョシュア。無意識だから余計にタチが悪い。
クラリスの不遜な態度がジョシュアある知り合いの生き写しに見えた為につい口をついて出た一言だ。
彼女の返答を待つ前にジョシュアは立ち上がり、びしっと指で敬礼してシャツを脱ぎ脱衣場へと入っていってしまう。

>>612
「七八、抱っこしていいか?」

両手を広げて満面の笑みのジョシュア。いくらか吸収したとはいえその服の表面には未だ残留重金属がたっぷりである。
つまりは言外に「入らせろ」の要求。七八の快諾を受ければひらひらと手を振りながら脱衣所へと向かう。

「なんだお前らも着替えんのか……じゃあ俺もここに居ようかな…イヤ嘘だって、クナイ投げようとすんの止めろ」

その途中うっかり垂れ流した冗談のせいで命を落としかけたりもしたが

「服洗ってグリードで乾かすから、ちと遅くなっちまうかもしれねェ……事の顛末は上がってからゆっくり聞かせてくれや」
「んじゃ後は女の子同士で仲良くやりな。着替え終わったら言ってくれ。それまで出ねェから」

脱衣所の衣類カゴの中にポイポイ拳銃とナイフを放り込み、エクソダスだけは身に付けたまま浴室へと向かう上半身裸のジョシュア。
指を二本揃えてビシッと。アデューの一言と共にガラガラピシャリと木製の扉が閉まった。

//時間的に一足先に抜けさせて頂きまする。雑くてすみません…
//お二方ロールありがとうございましたっ
614 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/15(金) 23:40:39.27 ID:pL+Xtekh0
>>612
淡桃の髪色に、身体の各細部までもが鏡写しの様に同一という、あたかも双子を疑われても不思議ではない少女は、眼前の女性、七八を金色の双眸で認識した。
オリジナル、もとい七八の言うシンとは確かに奇跡的なまで似ているが、その表情、態度、性格、体躯の差を考慮すればやはり違う人物であることがわかる。
七八の思う通り、顔や形が同じでも性格が違えば差異は自ずと出てくるものだ。それによくみれば、服装の色は正反対であるし銀の双眸は金色に輝いている、逡巡は必要ではないだろう。

「……あら、名前? どうして名乗らないといけないの? と言いたいところだけど、先に名乗られているし、色々聞きたいことを聞く上で私を示す呼称がないと不便ね」
「いいわ、ただし一度しか言わないからよく聞いておくことね? 私はクラリス、クラリス・ウェル・アルカードよ」

肩口を擽る髪を優雅な動作で掻き揚げれば、どこかあやす様な調子で持って名を名乗る。
下等だと断定するのはどうやら話を聞き出した後にするらしく、今宵のクラリスは何処か話し易い。
615 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/15(金) 23:53:20.03 ID:pL+Xtekh0
>>613
「浴びたら死ぬの? ハ、これだから下等どもは」
「まず私は雨に、濡れた事もないのよ? ジョシュアっていったかしら? あんなの死ぬほどじゃないと思うのは私だけ? それとも私だからかしら」

微かな笑みを見下しながら、返ってきた返答にそんな事を返す。
相変わらずの皮肉がまだ印象に残っているらしく、あたかも子供をしつけるような感じでそんなことをいっていた矢先のことだ。

「ハ? ジョシュアみたいな殿方の上司と一緒にしないでくださる? 貴方達とは住む世界が違う私を、同じように扱うのは止めなさい?」
「ちょっと、聞いてるの? 私の話はまだ終わってないわ、ここに戻りなさい」

少し口角を上げ、指の関節を鳴らしながら、敬礼するジョシュアの首を掴もうと指を伸ばす。
が、身長の差にさがありすぎたので、前のめりに転げる。その間にジョシュアは脱衣所にいってしまったものだから、悔しいと言わんばかりに浴室を睨んだ。

クラリスは結果、判断する暇もなくジョシュアに出し抜かれたのである。

//ロールありがとうございましたっ
616 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/15(金) 23:54:41.40 ID:0nj79GfO0
>>613
「はいはい、ノーサンキューノーサンキュー、どうぞごゆっくり……」

半歩身を引いて苦笑、ひらひらと手を振ってお見送りである
最もその手、次の瞬間には全くの手品めいて苦無が握られてはいたが

「あぁもう、サッサと入るっ! って、ここで脱ぐなってのぉ……」

やれやれと、顔には我が子の仕草に呆れる母親の笑みが湛えられた
この辺りの免疫力は忍び故、実際大したモノではある

//お疲れ様でしたっ、また宜しくですっ

>>614
「……えーと、クラリスね」
「ごめん、人違いしてたよ……友達に似ててさぁ……」

ぽりぽりと頬を掻きながらの謝罪、実際悪びれては余りない
もしかして姉妹がいる? なんて尋ねる所からシンとの関連性に対する興味がある様だ


>>613-614
ジョシュアがシャワーから戻ればクラリスに勧め、受け入れられれば自身は最後に、そうでなければ直様熱いシャワーを浴びる
鏡に映った人物はその仮面を剥がれ、何処までも弱々しく消え入りそうな表情を浮かべていた

だがそれも独りの時だけだ、着替えを終えてリビングへと戻る時には七八は七八らしく綽々とした風を身に纏っている

「……ま、早い話身内を探しててさ」
「兄さ……あ、兄貴、なんだよ、この辺りにいるらしくって……」

どうも、七八の家の跡取りたる長男、つまり七八の兄が行方を眩ましているらしい
そしてこのスプロールで手掛かりを見付け、探していた所あんな騒動を起こしてしまったのだと言う

「これ、ウチの特製の手裏剣なんだけどさ」

懐から出して示すはひとつの短刀
三枚の刃を持つダガーだ、スプロールの、恐らくはタングステン合金で造られている

「……口伝の奥義でさ、使い手が兄貴しかいないんだよこれ」

はぁ、と息をついて一呼吸
ともあれクラリスに向き直り、関係ない事に巻き込んでごめんね、と疲労の混じる笑みを向けた
617 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート[絶対災厄] [sage saga]:2015/05/16(土) 00:32:56.93 ID:PuFmYrUh0
>>616
瞳を細めて目の前の七八を見下していたが(身長的に見上げる形である)、謝罪を耳にしてふと軽く笑みを浮かばせる。
姉妹がいるかと問われて、ふと自身の家族のことを考えてみたが、該当する記憶はどうやら引き出しにはないようだったので、なんと答えればいいのか思案。

「その、シンって子がどんな子かは私にはわからないけど、少なくとも私に姉妹なんて理は存在しないわ」

考えた末に、独白するような調子でそうとだけ述べる。
それからまた暫くの逡巡を交え、こう続けた。

「でも、私のベースはそのシンって子じゃないかしら? 私自身の身体は繋がりを持ってないはずだけどね」

そうとだけ言えば、勧められた様に従いクラリスは脱衣所へと足を踏み入れる。
シンの特異体質の疑似能力を得ているクラリスである、どれだけ否定しようと関係性は存在し、名前にアブソリュートが付いている以上、それは絶対の事実となるのだ。
シンの謎多き部分を解明する手立てとなりうる可能性も捨て切れるものではないだろう。


「……七八の兄方が?」

話を聞いてそう言ったのは、意外にもクラリスだった。
当然クラリスはジョシュアも七八も下と見ているが、敵という関係ではない以上、部下を気遣う上司の様な対応となる。
ここに七八の兄方がいると聞けば、多少は気になるものなのだ。とはいえやはり心から気になっているというわけではないようで、そんな第一声をあげながらもその顔は興味無さげだ。

「七八はその兄方を探しているの? もしかしてというか私の勝手な憶測だけれど、疲労しているのはそういうこと?」

向けられた笑みはやはり疲労と混播に満ちているものだ。
人なんてどうであっても関係ないが、その悲痛な笑みはどこか記憶にない悲しい感情を沸き起こさせてくる。
我ながらしくないなと思うが、今日のクラリスは少し機嫌がいいのだ、ここまで他人に同情に近い感覚を覚えるのは、らしくないこととはいえ考えられないことではない。
暫くの沈黙、それを介してクラリスは七八の顔を見据える。
そして、

「なにかあればこの私に特別に頼ることを許してやる」
「もし事態が下等どもによる大惨事だったら、この私が拒絶してあげる。七八のために、特別に、ね」

それはどこか生意気な、されど上からの物言いである。
だが、クラリスにしては珍しく心配した、だからこその発言であり、だからこその敢えての気遣いなのである、形はどうあれ。

「私は寝るわ。おやすみ七八」

そうとだけ言えばとっとっと退散、といった調子で寝床を漁るのだった。


//ロールありがとうございましたっ、またよろしくお願いしますっ
618 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/16(土) 00:49:34.12 ID:s/K8Rlh30
>>617
「ベース? あぁ、そういう……」

なんかごめん、と今度はやや気落ちが混ざるしっかりとした謝罪だ
出生に関するタブーに、気安く触れてしまったかと失敗を悟る
そのまま見送る格好となった、シャワールームへ進むその小さな背中を

クローン体、もしくはそれに準ずる存在か
ニア達生体兵器の実在を事前に周知していたため、有る程度のあたりを付ける事くらいは出来た
最もそれが真実がどうかは別として


「……まぁ、そういう事……」
「自慢じゃないけど、私と違って兄貴は優秀でさ」
「この手裏剣だって、普段なら見付けられるだなんて考えられない」

即ち、探す事に疲れ切っていたのだ
存在の確認が早々に取れたのは重畳だ、だが逆にそこで足踏みしてしまっている現状が辛く思えてしまう

「……ありがとクラリス、嬉しいよ」

金色と交差する、黒い眼差し
すっと筆跡めいて細まり、笑みとして変化する
血眼になりただひたすら捜索を続けていた、余裕の一切の存在しない日々に訪れた久方振りの安らぎ
忘れ掛けていた、落とし掛けていたモノをあやゆく拾い上げる事が出来たのだと思う

「ん、私も寝る……」
「ジョシュアも、ありがとね……」

おやすみ、その挨拶は降りしきる雨の音に混ざった
寝室のカーテンを微かに指先で捲り上げる
貪婪なネオンライト、コロナ放電は続きスプロールの夜を毒々しく彩っている

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
619 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/16(土) 22:53:06.81 ID:5VObnA5vO
スプロール、止まり木同盟の部屋
裏路地の目立たぬ一角のビル、その階層ひとつを丸々使ったここはそれなりに広い
そしてその中で、恐らく過去に鍛錬に熱心な越境者が残したのであろう手造りの簡素なドージョーめいた一室があった

「……ま、消音にもなってるみたいだし、ここなら……ね」

七八はゆっくりと呼吸を行い、静かに抜刀
空想の中幻影の使徒を生み出してそれらと対峙、剣舞を開始
外は雨だ、重金属を含む毒雨
畳を摺り足で軌道する七八、窓からマッポのビーグルのサイレン光が射し込んでは何処かへ消えていく
620 :セラ [sage]:2015/05/16(土) 22:59:20.29 ID:HoC6a6Zwo
「へー、手慣れたもんじゃない。」

いつの間にか毒々しいネオンの光を背に、七八へと影が伸びていた。

何時からそこにいたのか……。

窓枠に座るは一人の女。スプロールの技術力から見れば古風にほどがあるビスチェドレスを
身に着け、腰には二振りのレイピアが鈍い光を放っていた。以前、どこぞの世界で出会ったことのある
冒険者だ。

「変な感じのする雨から逃げた先で
 面白い物を見られたわ。これも私の日ごろの行いのたまものってやつかしら。」
621 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/16(土) 23:14:00.57 ID:5VObnA5vO
>>620
「……むっ」

声に振り返り、少し目を見開いた
こう見えて七八、忍びの修行を終えている
それだというのにセラの気配をその瞬間まで察する事が叶わなかったのだ

「それは何よりだね」
「……これ以上は、木戸銭貰うよ?」

ただ見はご法度、とクスリ笑む
やや不敵なそれには挑発的なモノが含まれているのが明確だ

「そんな日頃の行いのいいあなたさ……」
「それ、飾りじゃないよね?」

一丁どうよ、短い忍者刀を金鳴しながらセラのレイピアに視線を向ける
無論、修練に付き合わないかとの誘いである
622 :セラ [sage]:2015/05/16(土) 23:30:50.67 ID:HoC6a6Zwo
>>621

「ん、お誘いを受けたからには――。」

まるで獲物を見つけた猫の様に、セラの瞳がギラリと光を帯びた。
同時に、それの身のこなしと変わらぬ程しなやかな動きで道場内へと降りると、
二刀を抜き、ひゅいんと手首で回して。

「東洋ではドージョーに入る時に靴を脱ぐと聞いたけれど、
 私は西洋人だからいいわよね、これで。」

かつ、かつと。ロングブーツが道場の床を叩き…。

――ガッ!!

一層、硬質な音と共に、セラの姿がブレた!早い!
623 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/16(土) 23:37:01.11 ID:5VObnA5vO
>>622
「畳に素足ってのはいいもんだよ?」

とは言え咎める口振りではない
風習の違いなど当然理解している、強要する程見識狭い性格ではないのだ

「……!!」

窓から射し込むサイレンの赤光が2人を照らして、直ぐに薄闇に戻る
雨音、ネオンライトのコロナ放電音、硬く鋭い始動音
全く同時、野ネズミ程の足跡もなく駆け出す七八
速さはやや負けている、勝るのは素足が生み出す俊敏な軌道
影が重なる刹那、峰打ちに刀を振るいセラのその腹を打たんと狙う
624 :セラ [sage]:2015/05/17(日) 00:05:15.63 ID:mgfq3A4Do
>>623

ひゅん、と七八の刀が空を切った。
それもそのはず、交差する一瞬前にセラは体を空中で折りたたむ様にして、
宙を舞っていたからだ。

その体勢から放たれるは蹴り。

プロレス技のドロップキックにも似た両足をそろえた顔面狙いの蹴りだ。
625 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/17(日) 00:09:54.49 ID:tefS3XBf0
>>624
「……ウソでしょべぶふっ!?」

目の前に広がるブーツの底の光景に苦笑
次の瞬間には痛烈にそれが突き刺さるのは自然
痛みに支配されるより速く、同じく体術で上蹴りを放ち空に浮くセラのその体を狙えたのは鍛錬の賜物である

「んぎゃっ!?」
「あ、痛たたぁっ……鼻血ぃ……」

後頭部から落ちて畳に打つ、これがコンクリであればなんて想像はしたくない
ふらつく頭を支えながら上半身を起こせばたらり、両鼻から滴るドス黒い血
626 :セラ [sage]:2015/05/17(日) 00:40:29.70 ID:mgfq3A4Do
>>625

「私にそういう目線を向けるからそうなるのよ。」

――ちゃき。

七八の眼前にレイピアの切っ先が向けられる。
セラは私が上である、とでもいいたげな視線を浴びせながら仁王立ちする。
627 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/17(日) 00:48:29.04 ID:tefS3XBf0
>>626
「あはは……もう、参ったなぁ……」

ゴシゴシ、と袖で鼻を拭った
菖蒲色の装束は血を目立たせる事なく包み込む
向けられた切っ先にたじろぐ事なく立ち上がり、納刀、両手を上げて降参の体勢

「……スカート履いて蹴りしてくるとは思わなかったよ、意表突けていいね」

どさ、とお尻からその場に座り込んでまた見上げる格好
思った以上にフラつきが大きく、立っているのを不安に思ったのだろう
628 :セラ [sage]:2015/05/17(日) 00:57:11.26 ID:mgfq3A4Do
>>627

二刀のレイピアをクロスさせるように腰のベルトにひっかけると、
ふん、とすましたように鼻を鳴らす。

「はしたないとでもいうおつもり?」

側に座り込むと、未だ垂れる七八の鼻血を
自身の持っていたハンカチでぬぐった。

「多少はしたなかろうと、勝ちは勝ちでしょう?」

629 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/17(日) 01:02:22.46 ID:tefS3XBf0
>>628
「まさか、感心してんだって」

ありがと、と鼻を撫でながら
ただでさえ低い鼻がまた、なんて苦笑しながらでもある

「……ただ、まぁ……非常手段にしといた方がいいかもね」

ひらり、とセラのスカートの裾を摘まんで泳がせた
一応正式に挑んだ模擬戦であり、呆気なく敗北に終わってしまった事に対して悔しくない訳がないわけで
せめてもの抵抗か、それとも本心からの言葉なのか
ともあれうっとおしく危険な雨は続く、まだまだ修練の時間はありそうだ

//すみませんがこの辺りで〆させて下さいなっ
//ありがとうございました、また宜しくお願いしますですよー
630 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 21:20:45.45 ID:0JzAxroB0
【スプロール】
さて とある越境者が使い手であり とある軍人によって熱い風評被害を受けているものがある
それは賽印流忍術である

間違ったニポン流は知る人ぞ知るムーブメントを引き起こし 単分子カッターをスリケンっぽく作れば瞬く間に売り切れ
最近じゃナイフ形よりもニンジャ・ソードの方が売上が伸びている(もちろん ニンジャ・ソードはナイフの三倍近い値段を吹っかけているのに)

まぁそんな状態であれば 周りの迷惑なんぞ気にもかけない不届きものもいるわけで・・・


チンピラ「フハハハー 我こそは賽印流ニンポの使い手!! スリケン=ジツ イヤーッ!」

今日もまた どこぞの勘違いした輩が集団でマケグミの連中を下手な手裏剣の投擲で惨殺している光景
辺りの人影はまばらで レインコートの中 顔をうつむいて歩くのみである

631 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/18(月) 21:32:52.06 ID:LSRVoTXZ0
>>630
「……あぁ、もう!」

飛翔する刃の悉くを、番傘の柄で叩き落とす
傘部分が修正力によりスプロールの毒雨に耐えうるようになってはいるが、それ以外の強度で見れば無論単なる傘である
それを巧みに操り、手裏剣の腹を打ち据えて勢いを殺したのだ

「……広まるのはいいんだけどさぁ……」
「勝手されるのはマジ迷惑なんだよねぇ……」

雨音に混ざる澄んだ金属音
忍者刀を抜き放ち、構えた証である
静かな怒気は、和紙に垂らした墨汁めいて周囲に放たれ己が流派の名を貶める輩に対して並々ならぬ殺意として現れた

632 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 21:46:27.45 ID:0JzAxroB0
>>631
怒りは尤もであろう
とったこともない弟子が非道の行いを繰り広げ 下手すりゃスプロールでの賽印流忍術の評価は地に落ちることは必須

だが勘違いした自称グランド=ニンジャには関係のないことである

チンピラ「ヌヌッ ヤニヤツ!?」
コメディがかった(本人は大まじめ)仕草で印を結びながら後ずさる

チンピラ「我がスリケンを弾くとは・・・まさしく ニンジャ」

恐れるどころか このチンピラ むしろ嬉しそうである
ここでニンジャ対決となり 相手を倒せば自分のニンジャとしてのランクもアップすることだろう

そうすれば回りのゲ=ニン連中からソンケイを集めること間違いなし

辺りの自称ニンジャ共は単分子のニンジャ=ソードを抜き 臨戦態勢である


さて 四五六の視界 自称ニンジャの奥で 四五六以外に狙いを定めた自称ニンジャがスリケンを通行人に放った
そのままなら直撃 凄惨な光景が広がる・・・はずが

その通行人は突如 解けるように姿を消す そして その通行人を見失った自称ニンジャの顎を 小さな分銅が粉砕 音もなく制圧している
633 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/18(月) 21:53:35.37 ID:pOK+ZqPAO
>>632
傘を高く投げ捨て、その軌跡が頂点を示すより素早く、梟の羽撃き程も音を立てずに一気駆け出した
視界の端、奇怪な光景が目に入るがそれより今は目の前の相手に集中しなければならない
一刻も早いこの×××男の制圧が、それだけ周囲への被害を減らすのだから

「……セェェッッ!!」

後退る分を含めて三歩、僅か三歩で追い縋り加速の勢いを付随させた全霊での峰打ちの一閃を唸らせる

634 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 22:10:38.18 ID:0JzAxroB0
>>633
チンピラ1「おごぉ!!?」
ニンジャ・ソードを構え 迎撃する気満々だったチンピラであったが 動きは大したことないし 隙だらけ
峰打ちが顔面のど真ん中を叩き 鼻がひしゃげて血が迸る

チンピラ2「やりおる・・・ ならばカラテだ!! ワッショイ!!」
チンピラ3「ワッショイヂッ!?」
そして2人のチンピラが手刀で接近してくるが 建物の陰で蠢く何者かが投擲したスローイング・ダガーがチンピラ3膝に突き刺さり転倒する

四五六と同じ苦フクロウの羽音すらも立てぬ何者かが 四五六のさらに影でチンピラ達を追い詰めていく
635 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/18(月) 22:16:32.67 ID:LSRVoTXZ0
>>634
迫る新手を睥睨しつつ天に掲げた左手は落下してきた傘を掴み取る

「……!?」
「……誰かは知らないけど……」

助かる、と短く小さく告げた
体はとうに迎撃のための所作を執り行っているのだ
刀を持ちながらに苦無1本を足目掛けて投擲、一気に詰め寄り手刀を構える腕を破砕せんと峰打ちを振るう
途中、確かに存在する何者かの気配に注意が行くことは防ぎきれないが
636 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 22:16:39.53 ID:0JzAxroB0
>>590
心臓に切っ先を突き立てると 男の姿は0と1に分解されて消えていった
そしてクナイを投擲

ランサー「うぉ!?」
ロイ「隙あり!!」

偶然にもランサーのすぐそばを飛翔したクナイにランサーは驚き
値千金のチャンスを得たロイが躍りかかる

>>610
ガツンとアグラーヤの剣を叩き落した男は その勢いでアグラーヤを仕留めようとする
だがアグラーヤはそれを誘い都市 必殺の一手を放つ

まるで巨人の如き剛腕は男を飲み込まんと迫るが

炎の剣の男「ッハッハッハッハァァアアアア!!!! いいねいいねぇぇぇぇえええええ!!!!」
むしろ男は嬉々としてそれを見やる そして剣を一層強く握りしめ

炎の剣の男「こい!! ヴルカン!!」
その叫びをもって 巨大な炎がほとばしり 腕の形を成す そしていっそうの光と高熱があたりを包み込んだ

衝突する炎と雷 優劣は?

五分

このまま根性比べに移行しようとする中 きっかけは小さなクナイだった

炎の剣の男「イッツゥ・・・!! ッ!?」
肌に浅く突き立ったクナイ 大した傷じゃない 本来なら苦も無く動き回れる

問題なのは その一撃に意識を向けたこと 一瞬でも集中を研ぎらせたこと
そのわずかな隙が炎を鈍らせ 炎が雷を飲み込んでいく

男は必死に立て直そうとするも 一度傾いた天秤をもとに戻すだけの力量はなく

炎の剣の男「!!!!!!」
始終暑苦しい笑みと余裕を見せていた男は この日初めて恐怖に顔をひきつらせながら 雷に飲み込まれていった
あとには焦げた岩がポツンと佇むのみ

>全員対象
ロイ「んだらぁ!!」
ランサー「!!!!」

最後に残ったランサー 四五六のクナイによって見せた隙をロイが押し込み 最後は胸に穂先を突き刺されてこと切れた

ロイ「ふぃ・・・しかし 俺が最後か こりゃみじめだ」
2人が予想以上にすばやく敵を倒したことに驚き ハルバートを担いで悔しがった

こうして電脳世界での戦いは 一行の物となった・・・・・

//んではこのシチュはこれにて終了 お疲れ様でした
637 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 22:38:02.03 ID:0JzAxroB0
>>635
チンピラ2「ウワワワッ!?」
足元のクナイに慌てふためき 無様を晒す そんな状態で峰打ちを躱すこと できるはずもなく

ゴキリと骨が折れる感触を覚えつつ 通り過ぎた

チンピラ3「ンギャッ!!」
そして 転倒したインピラ3は 後頭部に飛んできた分銅があたり その場に昏倒した

チンピラ4「ヒ・・・・・ヒィィィィィ!!?」
仲間が少女にバタバタとなぎ倒されている 後ろを見れば いつの間にか仲間もすっかり倒されている

完全に肝を潰したチンピラがわき目もふらず 傍に止めてあったエアー・プラットフォーム(立ち乗りで飛行するプラットフォーム 速度は速くない)
に乗り込み 上空に飛び立った そのプラットフォームに何者かのスローイングダガーが飛翔するも 間一髪で逃げられてしまった

???「・・・・逃げられたか」
ここで初めて チンピラ以外の 渋く落ち着きのある声が聞こえ 四五六のすぐ右手の陰から1人の男が姿を現す

四五六には見覚えがあるだろう

先日 電脳世界で相対した 鎖分銅とスローイングダガーを駆使して戦う 名も知らぬニンジャならぬ忍者である

???「覚悟もなしに忍びを語るか・・・少し痛い目を見てもらうか・・・ついてこい」
自己紹介も 相手の意思も関係ない と言わんばかりに告げ 陰へと身を躍らせる

四五六はこの男を追いかける?
638 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/18(月) 22:44:54.17 ID:LSRVoTXZ0
>>637
「……ん」
「まぁ、もう騙りをする気はないだろうけど……」

多分もう、通常の精神力ならば忍者を名乗る事は出来はしないだろう
だがしかし今迄の行いが清算されたかといえば別だし、流派の名を貶められた七八の怒りが鎮まったかといえばもっと否だ
納刀、澄んだ清流が如き金属音

「……言われなくとも、ってね」

有無を言わせぬ様子の、再会の忍者
肯定に頷いて淀んだ水溜りの跳泥だけを残して追従し、駆ける
639 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 23:04:58.86 ID:0JzAxroB0
>>638
男「・・・・」
陰から蔭へ その足音すら雨の中に消し 2つの風が夜道をかける

通行人たちはすぐそばを駆け抜ける影に気付くことすらない 時折勘のいい輩が 僅かな風に首をかしげるのみ

男は時代背景による多少の装備の性能差はありつつも 四五六の持ち得るスキルと(練度は別として)ほとんど変わらないことがわかるだろう


―――しばし 追走劇の果て

男「来たか・・・」
四階建てのビルの屋上 数分の待機ののち 頭上を例のプラットフォームが通りがかろうとしている
乗っているチンピラはひどく狼狽し 辺りをせわしなく観察して忍者が追いかけていないか確認をとっているが 残念なことに 真下にいるターゲットにまるで気付く様子はない

男「・・・・・・・」
男は袖口のリールから分銅付きの鋼線を伸ばし 少し振り回して投擲 プラットフォームの僅かな出っ張りに鋼線を絡ませると

男「・・・・ッ」
それを思い切り引っ張った プラットフォームはバランスを崩し チンピラがあわや落ちそうになる

男「やれ・・・ッ」
【四五六に判定:ニセニンジャ死すべし 慈悲はない クナイを頭なり 胸なりに放てばそれで終わる】
【四五六に判定:ニセニンジャに慈悲あり クナイを足に放ったり そこらへんの小石を投げつけて警告とせよ 『次はない』と】
640 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/18(月) 23:14:58.36 ID:LSRVoTXZ0
>>639
雑多とした人混み、ネオンの照らす街の下を丸で百合野原を駆けるように征く
改めてあの日敵対した男の背を観察、実力を推察
運に恵まれていた事実を再認識した


「……ひー、疲れたぁ……」
「ん、あれか……」

はたはたと手で顔を仰ぐ仕草
蒸し暑さに汗はあるが、言葉と裏腹息は上がっていない
そして空飛ぶ足場を確認、目が細まる

「りょーかいっと!」

投擲したのは苦無、狙いを定めたのは男の足である
生かしておく必要があるのだ、語り部として不届き者を
その名を騙る事がどれ程の代償を必要とするのかを、恐怖を持ってして

641 : ◆T/233Moei6 [saga]:2015/05/18(月) 23:31:41.09 ID:Om9dK/vNo
>>639-640

 まあ、実際のトコロの話、サムライやニンジャはスプロールの如きサイバー世界では
 一定以上の需要があるのは事実なのである。

【サイバネティクスにより人間の諸機能の拡張が比較的容易になったことは、
 伝説や活劇に存在したミステリアス、オリエンタルな存在への接近を意味する】

 さらに覚醒事変により世界のあり方が大幅に変わったことも影響したのだろう。
 サイバーに身を固める人種はいつしか自らをサムライと名乗るようになったし、
 そして歴史の影に存在するニンジャ達の技術もネットワークを通じ、いつしかアングラ世界で拡散。
 ミステリアスなリアルニンジャからサイバネを用いた近未来ニンジャまで、
 様々なカタチのニンジャが都市の暗闘に参戦するようになった。

 −−−−−−−−−−−

【賽印流ニンポ!】

 だから、まあ、このような電子ノボリが棚引くニンジャサークルの集まりやら、
 「賽」という字を焼印したおまんじゅうを売っていたりするくらいは大目に見てもらいたいものなのである。

「最新の技術を持って我々が製造したニンジャウェアはどうだ。
 スニーキングスーツで培った技術がふんだんに――」

 そして腕を組んでなんかセールスかましている場違いなビジネススーツを着た
 なんか胸が豊満な人にも手心を加えてもらいたいところなのだ。

【なお、セールスをしながらもニンジャグッズが山と入った紙袋を腕からさげていたりする】
【まるでコミケ帰りだ!!】

//追跡中の風景めいたシーン描写
642 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 23:33:14.03 ID:0JzAxroB0
>>640
チンピラは突然のバランス欠如の理由がわからなかった バランサーがいかれたかとすら思ったが

チンピラ「ギャッ!! ・・・・・・ッッッッ!!???!!?!!?!!?」
足に痛みが走る 見ればそこには確かにクナイが突き刺さっている

次の瞬間 男が鋼線を切ってチンピラを自由にし 陰に隠れる

真っ青な顔で辺りを見渡すが そこにはいるはずのニンジャがいない いないのだ

チンピラ「・・・・・・・ぃ・・・・・・いぎゃぁぁぁぁぁぁああはああああああああああ!!!!????殺されるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

半狂乱となったチンピラがパラシュートを背にプラットフォームを棄てて飛び降りた
そして薄暗い路地裏に消えていく

男「・・・・・・」
そして男は新しい分銅を鋼線に結わきながら その様子を見ていた
この男にとって 四五六がチンピラをどうしようがどうでもよかった為か なるほどそっちかとでも言いたげな顔であった

男「・・・朧(おぼろ)の里で新月と呼ばれていた 女 名はあるか?」
このニンジャが屯す世界で 本物の忍者に会えた為か 男は名を明かす

だが朧の里 その名を四五六は聞いたことがないだろう
彼もまた 遍く平行世界で 四五六の知らない世界の闇を生きる忍びなのだろう
643 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/18(月) 23:40:19.79 ID:LSRVoTXZ0
>>641
道中幾つかの的(電子ノボリ)に苦無を命中させた気がするし、気が付けばおまんじゅーを頬ばってもいた
全くもって不可解な現象である、今度著作権を行使し幾らかマージンを貰わなければなるまい

>>642
「新月ね、どーも」
「四五六 七八、賽印流、って……まぁ、なぁんか変な風に有名になっちゃっててさ……」

参ったね、と苦笑
後頭部を掻きながら番傘をくるくると回す

「ともかく助かったよ、サンキュー」

食べる? と礼のつもりなのだろう
道中で失礼した賽の焼印の押されたおまんじゅーを差し出した
644 : ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/18(月) 23:52:57.02 ID:0JzAxroB0
>>643
乗り手のいなくなったプラットフォームがくるくると回転しながら近くの建物に衝突し 爆発する

新月「・・・・・」
四五六の名乗りを聞き 数度頷く だが差し出された饅頭には手を出さない まだ手渡された食い物を頬張るほど信頼はしていない か?

<賽印ニンポー!!
だがそんな二人の耳に聞こえてくる 先ほどとは異なるグループからの声

新月「・・・はぁ」
始終表情を崩さない新月が 心底癒そうに溜息をつくと

新月「いくか・・・」
ビルから身を躍らせた


【そして数日後】
アキレス「なになに? 巷で賽印ニンポを名乗るニンジャを片っ端からKILLしていくニンジャスレイヤー現る? 何それ怖い」
情報の運び屋をやっている最中 道端に落ちていたジャーナルを読むアキレス

アキレス「あとで四五六タンにも教えてあげなきゃな・・・知り合いが死んだら目覚めが悪い 行くぞベティ」
―――ギィ!!

ジャーナルを投げ捨て 背中のベティに一声かけて路地に消える

新月「・・・・・」
その姿を伺う影がいたとかいなかったとか・・・・・

//んでは〆
645 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/19(火) 00:02:50.83 ID:+Ru69NY/0
>>644
「……用心深いねぇ……?」

心底驚いた様子で目を見張る
どうやら七八としては、そういった意味での警戒は相当希薄なレベルでしか存在しないらしい
手を付けられなかったおまんじゅーをぱくり、一口で食べる

「……はぁ」
「何? 付き合ってくれんの?」
「……サンキュ、助かるよ……」

同じく辟易した様子でビルからの跳躍
大きなネオン看板に、ふたつの影が焼き付いて消える
スプロールのニンジャ退治の夜は、始まったばかりだ

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
646 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/19(火) 23:04:55.96 ID:dLjglwmno
>>645

「と、まあ心無いニンジャ狩りに会ったとかデッカー通報するアホ共が後を絶たないわけだが」

 事情聴取!すなわち、ニンジャを駆る忍者(誤植にあらず)という物騒な一団を
 治安組織としてはしっかりマーク。いわゆる御用御用というヤツだ。
 ちなみに通報者の殆どは私設拘禁所に直送コースさせていただいた。

「私とて多忙な身なのだ。このようなスカムな件はとっとと終わらせたいというのが正直ではある」

 今だ片手にはニンジャコンベンションで購入したニンジャグッズがたっぷり入った紙袋を抱えており、
 多忙という意味を辞書で調べなおしたくなる有様かもしれないが、まあコレはコレ。ソレはソレだ。

「自衛のためにヨタモノをどうこうするなんぞ日常茶飯事だが実際、件数が多いのが目に留まったというところだ。
 アレか?アメコミヒーローみたく何かの積極的自衛精神でも目覚めたのか君は?」
647 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/19(火) 23:15:14.72 ID:F+T0qaVk0
>>646
「違うんですよ刑事さん、この手が、この手が勝手に」
「……なぁんて、手が勝手に動くわけなんてないってのにねぇ」

けらけらと笑ってカツ丼ある? なんて問い掛ける七八
実際それは事情聴取のマストアイテムである

「……自衛って訳じゃない、かな?」
「あぁでも大きな意味では自衛に入るのか、難しいとこだね……」

何の用事で多忙なのやら、と思わなくはないがしかし鉄仮面の裏に垣間見る愛嬌が今も随分と覗いているので野暮なツッコミはなしだ

「アメコミよりはジャパンマンガだよ私」
「……って言うか、通報して来た奴等にあった共通点とか分かってやってるよねこれ……?」

即ち、賽印流を騙る不届きモノを相手にしていた事実を、イムカ側としてもとっくに周知なのではないかとだ
実際成敗したら輩は少なくとも、もれなくニンジャ被れの犯罪者集団なのだから
648 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/19(火) 23:26:35.13 ID:dLjglwmno
>>647

「神経系がド派手にイカレているか、サイバネアームがバグっているかすればありえるかもな」

 言いながら長さ3センチ程の円柱形の紙容器を持ってくるイムカ。
 その両端を思いっきり引っ張ると円柱の長さは15センチほどになり、さらには湯気を発し始めた。

【その円柱上の紙容器の蓋を開けると、中にはホカホカのご飯に玉子とカツが乗せられた、所謂カツ丼である】

「ジャパンマンガか。多くが文化遺産登録されているジャンルだな。
 当時の心無い政治屋によってマンガ完全廃絶政策が施行されるまではそれは良かったそうだ」

 何かこの世界のジャパンマンガが歩んだ悲惨な歴史を垣間見せつつ、

「何となく私が察しているということと、関係者から調書を取るというのでは、
 色々と説得力やら何やらが変わってくるのだよ。形式というのは必要ではあるがバカらしくもあるな」

 緑茶をビーカーからコップに注ぎながらのイムカの言。
649 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/19(火) 23:35:40.85 ID:F+T0qaVk0
>>648
「……推理サスペンスってジャンルさ、ここ(スプロール)だと廃れてるよね多分……」

人情も何もあったもんじゃない、そもそも人命の軽さが致命的である
手際の良いカツ丼の仕上げにおおっ、と目を丸くした
最も予想していたモノとは矢張り多少異なるが、贅沢は言っていられない

「あぁ、そうなんだ、じゃあここじゃほとんど読めないんだね」
「ああいうのってさ、そうやって過保護にしたらダメだよねぇ」
「やっぱこう、社会に後ろめたい風に……しっかりしたカルチャーと相反する場所にいるって無自覚に自覚してるからこそ……ん、案外美味しい」

恐らく合成タンパク質等の科学カツ丼なのだろうがそれでも味は気に入った模様
マイ箸を器用に扱い喋くりながらに力説

「なるほどね……そりゃ大変だ」
「……ま、お察しの通りいつの間にか増えてたらしい門下生が問題起こしててね」
「師範代としては懲らしめない訳にはいかないっしょ?」

はぁ、と溜息
笑い話風に、ジョーダンめいた風にしてはいるが、内心は相当に疲弊しているのだ
探し人たる兄も見つからずの内にまた問題が起こってしまい、しかもそれがかなりの大問題なのだから仕方ない
650 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/19(火) 23:47:15.82 ID:dLjglwmno
>>649

「推理なんぞあまりいらんからな。監視タグに警備カメラにドローンに。
 検挙率が低いのは犯罪が氾濫しきっているのとそれに反比例した官警のやる気の無さゆえだ」

 当然、こんな世界では推理サスペンスなど逸るわけも無く、
 刑事モノで人気なのは、自然とバイオレンス&ゴアなものに集中する。

【緑茶を飲みながらそんな話。実際、イムカは七八をタイーホする気はゼロである】
【単に件数が多かった自警活動に対するナラワシと悪徳デッカーからの保護といったところか】

「ふむ、大変だな君も。しかし何時の間にか増えたか。珍妙な話だな。…何だその目は?」

 ちなみに壁に埋め込まれたディスプレイでは何かの番組が流れている。
 所謂、警察24時めいた番組。この世界では概ねデッカー組織の宣伝活動の一貫か。

【イムカにとっては賽印流の珍妙な拡散の原因と思われるのは心外である!】
651 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/19(火) 23:55:34.11 ID:F+T0qaVk0
>>650
「もっとこうさ、熱血敏腕刑事の人情ドラマとか……」

全くもって、七八自身がスプロールの刑事に抱くイメージとは真逆なモノだ
言いかけて途中諦めて頬を掻いてしばし、カツ丼を突つく作業を再開する

「……いや、なんだって……」
「だって、その……イムカ、わりかし原因じゃない?」

少なくとも七八は声高に流派を名乗る事はしない
そして自身の知る限り、この世界にいるであろう兄もそうだ
仮に知らぬ合間に流派の忍びが越境者となっていたとしても、結果は多分同じだろう
壁の映像に、やや気まずそうな視線を送ってからイムカの反応を盗み見るようにしてチラ見

652 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/20(水) 00:07:20.51 ID:PHJx9X69o
>>651

「原因といわれてもな」

 心当たりはあんまり無いと確信しているイムカである。
 個人的な趣味でニンジャコンベンションに足を運んだりニンジャウェアを売ったりはするが、
 別に大々的に広めたつもりは無いし、通常であれば賽印流なんぞそれ?で終わるレベル。

【心当たりなどないイムカは考え込んでいる】

 ちなみに七八が気まずそうに見ているデッカー24時は何かイムカを映している。
 担当地域の治安がかなり改善されているのと、イムカ自身の容姿も相まって何か人気コーナーできていた。

≪イヤーッ!!≫

 画像内のイムカは犯罪組織のアジトに装甲車で突っ込んで大立ち回りしていた。
 クナイダートを投げたり、大の男を5メートル近く吹っ飛ばしたり、んで、

≪これが賽印流だ≫

 決め台詞。クナイを使ったときはよく言うらしい。師匠(センセイ)への敬意を込めているとのこと。
 これは正に先程イムカがいったようなアメコミヒーローめいてもいた。

「……まあ私も濡れ衣を着せられては困るし、調査をしてみようと思うが」

 現実のイムカはとりあえず七八が被害を被っているという現状に対して協力を惜しまぬつもりらしい。

 
653 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/20(水) 00:17:10.55 ID:BtlOdN+c0
>>652
「え、そ、そうなの?」
「……いやでもさ、事あるごとに割と……」

カツ丼を平らげてお茶を啜る
そういえば、ここ最近マトモな食事を摂っていなかったと今更になって思い出した
久々に飲むグリーンティ、五臓六腑に沁み渡る

「……ん、イムカじゃん」
「へー、主役? やるねぇ……」
「……っておぉーいっ!?」

バッチリしっかりビシッと名乗るイムカの姿
何処ぞのアクション映画の主役より余程決まっているだろう、ヒロイニックな見てくれは人気爆発間違いなしなのだ
そしてその彼女が番組で名乗る流派、流行らない筈がないだろう

「あのさぁもう……兄貴に暴露たら私が怒られちゃうよぉ……」

半ベソでかくんと項垂れる七八
デカデカと映し出される豊満な部分
この風評被害を消し去るのは、なかなか骨が折れそうだと認識したのであった

//落ちますっ。ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
654 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/21(木) 22:56:12.08 ID:64tMt0Vdo
【とあるファンタジーな世界(?)】

「まったく、テクノロジーが欲しくなる。明朗なテクノロジーが」

 ここはとある世界の街道。文明レベルは中世期に近い。
 自然は豊かを通り越して不気味で、森の奥は人ならざるモノの領域とされる。
 無遠慮な科学の光が神秘と不思議を人々の精神から駆逐しきっていない。そのような世界だ。

【イムカ・グリムナーが肩膝を降ろして見やるは散乱した馬車の破片】
【腹部や目玉など美味そうな部位をこそぎとられた馬】
【そして、酸鼻極まる損壊の複数の遺体だ。女子供にも容赦なし。見慣れぬ者ならば光景と死臭により嘔吐は免れぬ】

「………」

 しかし、そのような光景にもイムカ自身は眉一つ動かさずに観察を続ける。
 地面に広がる粘着質の液体。それに張り付くように落ちていた羽を指で掬い取る。

「…私たちが追いかけている目標。その仕業というのは濃厚だな。
 しかし、この世界では遺伝子追跡装置は使えん。難儀なものだな」

 つまるところ、世界修正力によって様々なテクノロジーが封じられているための
 イムカの先程の愚痴というわけである。

【モンスターハント:こういう世界ではそれなりの需要と多大な危険を孕んだ仕事(ビズ)である】
655 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/21(木) 23:03:28.40 ID:eAaN/hyJ0
>>654
「人間 物が豊かになると心が荒むものさ つまりちょっと不便なぐらいがちょうどいいのだぁ」
そんな中世な世界になじみまくっているのは目つきの悪い中年男性

「あ〜らら こりゃひどいこって さっさと駆逐してやらにゃ夜も眠れんぜ」
イムカの隣で粘液を覗き込みながらいってやる はて? このような粘液を出すモンスターは居たかと記憶を探る

「まぁこれも一つ訓練だと思ってさ たまにゃあテクノロジーなしで操作してみようぜぇ」
656 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/21(木) 23:19:42.44 ID:64tMt0Vdo
>>655

「? テクノロジーが豊かでも私は自分が心豊かだと自負しているが?」

 イムカはその仮面めいた無表情なままに真顔で言葉した。
 ハッキリいえば、時折イムカが話す遠未来の状況を思えば説得力は皆無である。

「この粘着質は胃液だな。消化器が未発達なのだろう。歪な進化だ。
 何度か吐いて、また食べて。そうして少しずつ砕きながら胃に収めたのだろうさ」

 何を胃に収めたのか具体的にはあえて告げなかった。
 イムカとて一応は死者に対するアレの持ち合わせが無いわけではない。

「ハーピーだな。何処に飛んでいったか解るか?
 伍長はこの手の世界の出身なのだろう?こういう世界らしくマホウ≠ネどを使うとかしないのか?」
657 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/21(木) 23:30:53.39 ID:eAaN/hyJ0
>>656
「あぁうん ソウダネー」
とっても心が籠ってない同意

「なるほどハーピーか アレは老いた森か滝の縁 それか高い山に住んでいるから・・・」
その条件でヒットしそうな場所を見定めてみようとするが 何か言われたので

「フッ・・・魔法なんてあるわけないじゃないか ファンタジーやメルヘンじゃあるまいし」
どこか達観したような笑み

魔法の発動が壊滅的にヘタクソで結局一つも覚えられなかったのは 口が裂けても言えない騎乗秘密なのDA!!

「さぁてさっさとぶちのめしちまうべ あまり放置していいモンスターじゃないんでな
658 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/21(木) 23:46:58.33 ID:64tMt0Vdo
>>657

「いや、ここはそのファンタジーやメルヘンめいている世界だと思うが?」

 何をもったいぶっているのだと、一方面においては妙に察しの悪いところがあるイムカである。
 七八がニンジャビームを見せてくれないし、ロイは魔法を見せてくれないときた。
 企業秘密めいたこの事象に関して首を傾げるばかりである。

「まあ、貴様の知識は実際役に立つ。その線で行ってみようか」

 しかしマホウの代替として十分有用な知識を有しているのならば問題は無し。
 実際、手段なり知識なりは活用できるかどうかのほうがはるかに重要だと考える。

【イムカの格好は動きやすい旅人風の服装に草色の外套という特に特徴の無い衣装だ】
 【→もっともこれらは全てホログラムを被せた偽装ではあったが】

 −−−−−−−−−

【滝の縁】

 水源から辿り、到着した場所で一行はハーピーの巣を発見した。
 もっとも、親鳥は留守のようで、巣にはハーピーの雛と大きな卵が数個という状態だったが。

「………」

 イムカは無表情に雛を粒子短銃で撃ちぬき、卵を踏み潰しながら、

「これで親鳥は戻って早々に私たちに怒り心頭だ。逃げられる心配もほぼ無くなれば手間も省ける」

 無慈悲な所業。実際にそうなのだろう。
 が、イムカはこういうところでは容赦は無い。ハーピーの外見的特長。
 人間と類似した特徴が多い、その雛を虐殺するにしても、引き金を引く指に澱みはなかった。

【むろん、必要ゆえの行動であり人間側の事情を最優先しているがゆえ。ましてや愉悦など】

「…こういう世界も牧歌的なだけ、では済まないものだな。実際に」
659 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/21(木) 23:59:22.80 ID:eAaN/hyJ0
>>658
「フ フ フ ・・・」
イムカが何を言っても笑みを返すのみ 嗚呼ロイ・ゴールドマンは悲しみに囚われている
ダバーっと目から滝のような涙

―――場面転換

「おk 古来よりハーピー駆除のセオリーっすな」
ハーピーは自らの子供には無類の愛情を注ぎ それらに危害を加えるもの全般に容赦がない
だから逃げられないように巣の卵を先に狙うのだ

「まぁ・・・こんなところに巣を作っちまった親を恨んでくれ もっと老いた森の奥なら大きくなれたのかもしれないからな」
人に害を加えるのなら 人はそれらを駆除するのだ

「どんな世界だってそうだろ? スプロールだって便利なだけじゃないじゃん」
そう言いながらハルバートを構え 来る親御さんとの戦いに備える
660 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/22(金) 00:07:40.73 ID:JGeT+Yfao
>>659

「どんな世界でもか。そういう事だ。進歩しているのかどうなのか。
 規模が際限なく大きくなっていくだけなのかもな」

 イムカとロイの耳を劈く超音波めいた叫びが木霊する。
 空から巨大な鳥?否、ハーピーが来襲!
 案の定、怒り浸透なのだろう。鍵爪で捉えた人間を握りつぶし地面にぶちまけると、
 こちらに向かって急降下を開始した!

【BLAM!粒子短銃が火を噴く!が、ハーピーは降下の軌跡を変化させ閃光を回避!】

「SYAAAAAAAAAA!!」

 急降下機関銃射撃の如く、鋭い速度を維持しながらその鍵爪を引っ掛けるようにロイとイムカに向ける。
 実際、体躯からのパワーと鍵爪の鋭さから類推される威力は相当なものであり、
 人間の肉体など、造作も無く千切り飛ばすであろう!

【イムカは射撃牽制をしながら横っ飛び回避!一方のロイは?】
661 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/22(金) 00:17:05.07 ID:79/22gnF0
>>660
「どんなに世界が変わろうと こればっかりは変わらんね っとおいでなすった」
おそらく かわいいわが子に食べさせるための人間だったのだろう

怒り心頭なのはよくわかるが そのために命を喰われた人間の怒りは・・・いやよそう 堂々巡りにしかならない

「仕事 そう仕事だ 悪いが死んでくれ!!」
光線銃を避けた手腕は評価する そしてイムカが回避するなか  自分は足に力を込め

「月閃歩行!!」
小さな跳躍大きな飛翔 宙を蹴り空を舞う

そのまま鉤爪を回避しながら ハルバートの穂先をのど元に突き刺してやろうとするだろう
662 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/22(金) 00:28:07.24 ID:JGeT+Yfao
>>661

「GYAAAAAA!!」

 ロイのハルバートの穂先が見事にハーピーの喉首を捉え、
 鋭い先端がその肉を抉り、貫通した蒼銀を露出させる。

【こういうものだ。決してハーピーが極端に弱かったわけではない。
 殺し合いとはそれこそドラゴンやジャイアントのような規格外でない限りは、
 機を得た方がそのまま短期で勝敗を確定させてしまうのも珍しくないのである】

 そのまま、目や鼻腔から血液を噴出させて地面に落下するハーピー。
 探索と異なり、実戦は実に素早い手際で終わることとなった。

 −−−−−−−−−−−−−−−−

 ギシギシブチブチと嫌な音を響かせてもぎ取られたハーピーの首を
 ロープを使って馬に括り付けるイムカ。
 ハント完了の証明にはこういった生々しい証拠が不可欠となる。

【狩りとは生々しくブルタルなモノである。コンピューターゲームの勇者のように簡略化されるわけではない】
 【→ゆえにモンスターハントはヤクザな商売であり、必要とされつつも多くの偏見と共に忌み嫌われる仕事(ビズ)でもあった】

「さて、固定完了だ。持ってかえって報酬を受け取るとしよう」

 地面に血をこぼしながら恨みがましい表情の生首。これをカネに換えるのだから、
 なるほど、ヤクザな商売という意味では間違いではないであろう。
663 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/22(金) 00:35:31.82 ID:79/22gnF0
>>662
「・・・よし」
ハーピーの体をクッションにし 安全に地面へとただいま
ズルリとハルバートを抜き 張り付いた体液を振り落す

「さらば戦士よ 遥か高きあの世へは 霊峰グングリットを目印に登っていけ」
そして子の仇を打つべく命を散らしたハーピーに哀悼の言葉を紡ぐと その首をはぎ取ろうとする

―――――場面転換

「そうだな こんな美人さんと一緒だとよからぬ気を起こしそうだ」
恨みでゆがんだ生首を見て肩をすくめる 馬も迷惑そうだが これも仕事と思ってあきらめてmラ王

さぁ 凱旋だ

//んでは予告通りノシ
664 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/05/22(金) 20:20:30.47 ID:po/0Uqqs0
「な……!」
「……なんだってんですかぁさっきからぁっ!!」

忌々し気な叫び声は激しく打ち付ける雨音に溶けて消えた
明らかな憎悪の念に応える様に飛来する三つ又の、紅葉の葉めいたダガーの嵐
タイドメイカーと相性が悪い
最もニアは知り得ぬ事だが、それは摂理的な事柄であるのだ

「……あぁもう、最悪だってんですっ……!」
「あだっ……!?」

スプロールの闇を切り裂くシュリ・ダガー
遁走、背を触腕で守りながらに駆けるニア
ダガーが掠め、皮膚を裂いて血を纏い通過して行った
退廃の街を歩く人々も、何事かとこの騒動に意識を奪われていく
665 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/22(金) 22:10:54.64 ID:68OR36IAo
【陰鬱なる魔力の風が吹き荒ぶファンタジースシ】

 燃料機関――
 いわゆるエンジン等が発達していない中世期レベルの世界にあっては、
 主流となる移動手段はやはり馬であろう。
 人間の徒歩などより遥かに早く、またスタミナ、積載量を考えても優れた点は多い。

「それでだな。私の世界では惑星毎に科学力にも隔たりがあることが少なくない。
 そういう訳で、士官学校では乗馬も必須項目になっていたのだよ」

 イムカが話す世界は中々にシュールな内容であることも多い。
 空には宇宙戦艦が星々の海に漕ぎ出そうという時に、地上では科学の意味の多くを失って、
 それこそ良くて蒸気機関、悪ければそれこそ中世期のような暮らしを営む人々がいることも珍しくなかったのだという。

「ゆえに科学を占有する惑星総督などは、市井の人々には神話の存在とされていたりもしたりな」

 なお、現在の場所は雪国に位置する場所であり、
 イムカの服装も毛皮を多様したモノとなっている。
 ファッションとしての洗練さにはやや欠けるが防寒機能としては十分といった感じだ。

【イムカが駆る馬は大きな鼻から蒸気めいた息を吹き上げながら早足で歩いている】
666 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/22(金) 22:23:35.35 ID:po/0Uqqs0
>>665
「まー士官様って馬似合うもんね、古来からの習わし的な?」

科学が発達し、テクノロジーの恩恵を授かった世界
例えそうであれ、精神の支柱であり軍旗が如く象徴的な存在たる士官にはきっと、旧然としただが確固たる風習が朽ちる事なく脈々と受け継がれるはずだ
少なくとも七八が知る内はそうであり、多分イムカにもそれが当てはまるのだと自然理解に及んだ
最もそれが実用的技術であったとはなかなかにイメージし辛い面もあるようだが
バギーを乗り回す技術には直面しすれど、数多の惑星間支配にまで至る世界には足を踏み入れた事が今の所はないのだ

「……おっとっと、……」

馬術には心得があるが、得意という訳ではないらしい
既に数度の落馬の危機を回避している七八は、いつもの菖蒲色の装束の上に防寒着
イムカの馬に追従しつつ、えっちらおっちら進ませていた
667 :アグラーヤ [sage]:2015/05/22(金) 22:34:41.43 ID:UdN8pMuS0
>>665
「やぁねぇ、この寒いの。見渡す限り白いんじゃあ自分が何処にいるか見失いそうよぉ」

厚手の黒い外套を身に纏い、すっぽりと頭を覆ったフードからは赤い隻眼が覗き白い息が漏れる。
アグラーヤの生まれ故郷、ダークエルフの里においても馬は移動手段として重宝されていた故、彼女自身の乗馬の技術はそれなりである。
もっとも本人に運動能力的なセンスが皆無な為、士官学校で訓練を積んだイムカと比べると多少辿々しくはあるが。

「ねぇイムカ……、科学だの惑星だの私にはちっともピンとこない単語なのだけどぉ」
「要するに同じ時代であっても擁する文明には隔たりがあるってことでしょぉ? そんなに不思議なことかしらぁ」

理解した様に話すが、イムカの言う隔たりとアグラーヤの思う隔たりとはとんでもない差があるのだが。
それを理解できるほどアグラーヤは科学に触れていない。精々建築物や移動手段が違う程度にしか捉えてはいないのだ。
そう、馬で移動するか自動車で移動するか。その程度の隔たりであるとの認識だ。
久しぶりに跨った馬の手綱をしっかりと握り、存外上手く乗れていることに自画自賛を覚えながらイムカに並走させる。
668 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/22(金) 22:49:09.28 ID:68OR36IAo
>>666

「馬とは優美な生き物だ。確かに習わしの側面も否定はできんな。
 大半はあくまで後進惑星(フェーラル・ワールド)に対する擬装の面も大きかったが」

 銀河を舞台にした領土は広大すぎ、また支配と宗教の都合もあったのだという。
 もっとも遠未来における騎馬部隊は大抵がコンバットドラッグによる強化。
 あるいはもっと根源的な遺伝子操作、サイバー化も珍しくはなかったが。

「打ち所が悪いとそれなりに良くない。注意しろ」

 どうにも危なっかしい七八の乗馬に合わせて速度は緩やかめである。

>>667

「中々に君のジョークは難易度が高いな。心配しなくてもその紅い瞳はよく見えるさ」

 それこそウサギめいて、とは続けないイムカである。
 僅かに振っている粉雪が一行の足跡を徐々に雪いでゆくのはある意味で中々に風情もあった。

「文明の隔たりか。確かに不思議ではないが、言い換えればそれが支配の肝でもあったな。
 テクノロジーの差はそのまま支配力の差とも置き換えられる。万民に触れさせるモノでもないしな」

 イムカにとって自由と平等という価値観はどこか遠い世界の概念である。
 支配と圧政が彼女にとって当たり前だったのだから言葉も自然とこのようになる。

 −−−−−−−−−−

【そうして、馬にまたがり雪の大地を歩いていく一行はやがて街道から逸れて――】

「ここだな」

 羊皮紙の地図を広げながら目の前の分厚い氷塊を見比べる。
 よく見ればその氷塊の向こう側に何やら内部の洞穴めいた通路が続いているのが見える。
 今回の目的はいわゆる異世界のテクノロジー収集のための遺跡探索。イムカにとっての聖務でもある。

≪000111101010101≫

 イムカの傍らのサーボスカルが入り口を塞ぐ氷塊をスキャニング。
 この世界に来てから諸機能の多くを世界修正力に封じられているらしいが、
 まだまだ、使える機能はそれなりに残っているらしい。

「…自然の氷ではない。か。オカルト≠ェ混じっているという奴か。
 さて、拳で打ち砕くことも考えたが、もっといい手段はあるかな?」

 強力な硬度の氷塊をどうにか退かしたいといったシチュエーションだ。
 イムカ的には拳でぶっ壊す提案をしているが、もっと穏便かつスマートに出来るなら、それに越したことは無い。
669 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/05/22(金) 22:58:59.25 ID:po/0Uqqs0
>>667-668
「いやぁ、悪いねぇこの子なかなかじゃじゃ馬でさぁ……」

自然とイムカとアグラーヤの後を追う格好となる七八
恐らくは、間違いなく行軍の足を引っ張っているのであろう現状
言葉より心境としては軽くはないが、かと言って無理に速度を上げればそれだけ危険も増していく
万一実際に落馬なんてしてしまえば、今より余程2人に迷惑を掛けてしまうのだ
故に七八として出来る事は、無理せず可能な限り迅速に、そして蟠りを捨てるだけ



「ふぅん、魔法の氷って事?」
「私は……そうだねぇ、火薬で発破掛けるか、星爆竹……?」

しかしどちらも火力としては心許ない
火薬は一応黒色火薬ではあるが量が少ないし、星爆竹に到っては強固な魔法効果を分解するまでの魔力を秘めている訳ではないのだ
ちらり、とアグラーヤに視線を向けてみる
670 :アグラーヤ [sage]:2015/05/22(金) 23:22:12.31 ID:UdN8pMuS0
>>668-669
「支配、ね。多種族にみないその支配欲が人間の進化成長の一因かしら」
「くだらないっていうのが正直だけどぉ、それをもたず外界との接触を絶ち、自らの世界の中に閉じ籠り閉塞していくエルフたちはもっとくだらなぁい」

エルフでありながらそれを嫌い憎む。かと言って人間の世界に身をやつしているわけでもない。
一般的なエルフがそうであるように、種として人間を見下しているわけでもない。
アグラーヤにとって自身という個が絶対なのだ。故に彼女にとって支配や政などは興味のあるものではなかった。
しかし多くの人間たちに触れることによってその考え方を理解している今、イムカのそれを否定することなどはできないのである。

「ふぅん……、氷塊ねぇ。あまり氷とかは得意じゃないのだけれど……」
「時間をくれるのならお淑やかにできるけどぉ? 下品でいいのならすぐにでも」

得意ではない、というのは氷が絶縁体であり自身の力と相性が良くないことを知っているからだ。
それ故の提案。電熱で溶かすことも可能であるがそれなりの時間は必要だろう。アグラーヤのいう下品なやり方とは電撃の衝撃翌力で無理矢理に破壊することである。
当然周囲に及ぼす被害は考慮しないことになる。しかしオカルトめいた、ということは通常の氷とはどこか違うのであろう。それがどのような影響を及ぼすのかはアグラーヤには知り得ないが。
七八からの視線を感じれば小さく舌打ち、面白くなさそうに馬を降りた。
671 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/22(金) 23:31:32.35 ID:68OR36IAo
>>669

「火薬か。氷に穴を幾つか開けて同時起爆すれば亀裂を入れられるかもな。
 削るのに少し手間取りそうではあるが、堅実な手段ではある」

 イムカが言葉するのと同時に七八の隣で、サーボスカルがガシャコンと
 ドリルが生えたマニュピレイターを伸ばしていた。色々と便利ギミックが多いドローンである。
 が、やはり魔法要素がある分、時間がかかりそうな手段ではあった。

「…七八は火薬の準備を。湿らないように油紙に包んだり、そこは任せる」

>>670

「………」

 アグラーヤはどうにも自身の種族を嫌悪しているのだとは容易に察せられる。
 が、それにいちいち踏み込むほどにはイムカの無遠慮ではなかった。

「よし、まあ大体が固まったかな?アグラーヤ、電気エネルギーの熱で氷塊の各所に穴を開けてくれ。
 そこに七八の火薬をつめてドカン!で行こう。ドリルよりはよほど早く住みそうだ」

 後はアグラーヤが電気エネルギーを一点の収束するというのに
 どれほど長けているかで準備時間が変動するだろうが、攻略の公算が見えた以上は
 遅かれ早かれ突破は可能だったといったところだろう。

 −−−−−−−−−−−−−−−

【氷塊が砕け、奥へと進む事が可能になった一行】

 一見して、文明のレベルという意味ではイムカが求めるものがある世界だろうか?
 という疑問はあるかもしれない。何せここは中世期に近い世界であるのだから。しかし――

「それが中々に侮れんのだよ。こういう世界には時に何だ?
 古代文明と称した、妙に高度だったり、異質に過ぎたりするモノが出たりしてな。
 データコーデックスの収集という意味では中々に侮り難いのだよ」

 とのことである。
 なお、遺跡の中には当然光源などないため、イムカは片手にミスリル聖水を持ち、
 純白の破邪の光で視界を照らし出していた。

【そうして奥へ奥へと進んでいくと――】

「なるほど。古代文明…というか――」

 幾つかの隠し部屋が擬装罠、幻視などを越えた先に一行を待ち受けていたものとは…!

【見よ!壁一面に描かれた昔を今に伝える絵を!
 氷を割って進む不可思議な船とそれに乗った多くの奴隷、そして勇猛な氷界の海賊王達。
 それらを飲み込まんとする巨大タコのクラーケン!
 さらにはその上界で神の如く君臨するメンポを付けたニンジャ存在!】

 イムカは保存棚に存在する本を一冊とって速読。

「氷の手裏剣を生み出す…氷遁の術か。居るか?七八、アグラーヤ?」

 とんだトンチキ遺跡だ!
672 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/05/22(金) 23:40:57.51 ID:po/0Uqqs0
>>670-671
「何にせよ、馬には少し離れてて貰わないとだね」

雪崩の心配はないかな、と周囲を確認したならば火薬の準備
多少湿気ったとしても発破に問題のない性能ではあるが、成る程確かにと油紙に包んでおいた
アグラーヤの稲妻の穿った穴に詰め込み爆発、突破を完了させた



「あー……過ぎた科学が魔法に似るように、魔法の発達って科学みたいになる……的な?」
「超古代の浮かぶ城とか、魔力式の機械兵とか」

松明の灯火を頼りに遺跡を進む
矢張り先と同じく、一同の殿を歩く格好となっている

「……。」
「……いらない」

やがて辿り着く壁画の間、周囲を見渡して絶句
イムカの手に取る古代書物、満面の笑みで首を横に振った
673 :アグラーヤ [sage]:2015/05/22(金) 23:52:24.99 ID:UdN8pMuS0
>>671
「犬じゃあるまいし、呼ばれなくたって迷子になったりはしないわよぉ」
「光源を持ってるのは貴女なんだから近くに居るにきまってるじゃなぁい」
「もっともさっき馬に振り落とされそうになってた変な格好の子は知らないけどぉ?」

憎まれ口のひとつでも叩かないと口が開けないのだろうか。
イムカや七八がそれを気にするような性格でなかったことは幸運と言える。
光源の確保は自身が放電すれば済む話なのであるが、なにぶん未踏の地だ。少しでも力は温存しておきたいものである。

「……なぁにこれ?」
「イムカ、貴女の求めていたものってこれ? 私には何が何だかさっぱりわからないのだけどぉ……」
「因みにそのヘンテコな本もいらない。今更他の力に頼る必要なんて無いしぃ」

光に照らされたものはアグラーヤの、というか一同の想像の斜め上をいくものだったのだろう。
ひとつ大きなため息をつけば、何か金になりそうなものはないか辺りを物色し始める。

674 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/23(土) 00:02:20.26 ID:5IQNvyhDo
>>672

「妙な学説もあるからな。錬金術が科学に行くか魔道に行くかで、
 その後の在り様が大きく変わるとか何とか。まあ、学者の言う事だ。私にも正直あまりわからん」

 と、ままここまでは一定以上の節度を保った会話が出来ていたはずなのであるが、
 絵画を見た瞬間、何か神秘とか色々素っ飛んだ。

「い、一応はデータコーデックスの一種ではある。
 が、正直、帝国府もさほど価値はみいださなさそうだな」

 イムカはそう言うと、どういうわけか文面データはサーボスカルの重要層に保存。
 さらに何故か書物自体はものすごーく大事そうにステイシスフィールドに保管するのであった。

【これも任務ゆえ。決してニンジャフリークの血が騒いだわけではないと明言するところだ】

「…すごいな。忍者」

 そして、なんとなく微妙な優しみで七八の肩をポンと叩くのであった。


>>672-673

 トンチキな絵画や書物を別とすれば、中にあるお宝めいたものといえば、
 解けない氷という奇妙な物質であったことだろう。それも熱に対する耐性もそれなりに高い。

「…宇宙船の船体ボディにも使用が可能なレベルだな。
 これは中々に貴重な物質ではある。魔法素材としてもかなり研究しがいのある材料じゃないか?」

 ヘタをすると同サイズの宝石よりも貴重かもしれないその氷は、
 ひとつところに大切に保管されていた。もしかしたら絵画の海賊のお宝だったかもしれない。

「データコーデックスとしても貴重品だな。成果としては十分だ。
 ちゃんと皆で分けられる量もあるし、探索はここまでにしておこうか」

 先ほどのトンチキはとりあえず忘却の彼方に追いやって、
 一行はそれなりに珍しい物質の入手に成功するのであった。

【解けない氷を手に入れた!】

//ではこれにてーノシ
675 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/05/23(土) 00:11:51.46 ID:csHYBecl0
>>673
「ちょっと、変な格好ってあなたも似たようなもんじゃない」

ばっちり聞こえていたらしく後方より不満気な声
気に障る程ではないが、礼儀としてのツッコミは忘れない模様

>>674
「結局進化と同じ、枝分かれして戻れない訳ね」
「……あぁ、でも魔法と科学の融合世界ってのも何度か……」

そも、スプロールにもオカルトの名のもとに超常現象は存在している
ちょうどほら、そこに描かれたニンジャとかそういうの

「……ビーム撃つよ?」

慈愛の手、どっぷり疲れた感じの七八
取り敢えず周囲の壁画を破壊し尽くしたい所だが、しかし文明の歴に対しての敬意がないはずもない
探索を終えれば頭を抱えながらも一同と共に遺跡を後にするだろう
白化粧の一面、かつて存在したであろうニンジャに思いを馳せればその活躍に漏れる白溜息

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
676 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 00:31:52.12 ID:SQh9OlGl0
【ヒノモト世界】

ざんばら髪を結いもせず
肩に担いだ仕込み杖
紺の着流し身に纏い
とある酒場に入る男

夜の帳が落ちた宿場町の酒場 
そこそこ賑わっているらしく 店員が注文の品をもって辺りを忙しそうに駆け回っている

「卵焼き・・・と清酒」
そう注文する

さて 席は埋まった 次に来る客は相席になりそうだが はたして・・・?
677 :アグラーヤ [sage]:2015/05/23(土) 00:35:28.72 ID:UiZm7JZx0
>>674
「宇宙船って言われてもよくわからないけどぉ……まぁ確かに溶けない氷は珍しいわぁ」
「研究なんてそんな小難しい……お金にならない事私がするわけないじゃなぁい」
「ま、手ぶらで帰るのもなんだからこれは貰っておくけどぉ……」

手にした氷を外套の中のポーチにごそごそと仕舞えばひとまず納得といったところ。
この壁画や先程のトンチキな本も歴史的には価値のあるものなのかもしれないが、今を生きるアグラーヤにとってそんな大昔の事などに興味は持てないのであった。

>>675
「……あっは、いい度胸ねぇ貴女」
「この間は状況的にチームだったけどただそれだけ。この銀世界で灼けるほどに熱くしてあげるぅ……って、あぁ!?」
「ちょ、ちょっと待ちなさぁい……!!」

ついの今まで和やかであった空気が七八の一言により一瞬で張り詰める。
黒いフードから見え隠れするアグラーヤの表情が歪な笑みを貼り付ければ、ぱりぱりと嫌な音を立てて彼女の纏う空間が帯電してゆく。
しかしその瞬間、発生した電磁波を嫌ったのだろう、待たせていた馬が突如暴れ始め何処かへと走り去ってしまう。しかも何故かアグラーヤの馬だけ。

そして帰路、不貞腐れたように頬を膨らませながらイムカの馬に相乗りするアグラーヤであった。

/ありがとうございますたぁ
678 :??? / 朔 [sage]:2015/05/23(土) 00:48:58.55 ID:GAkr5yDCo
>>676

「ねぇ、おまえ」

そう無遠慮も声を掛けてきたのは、金髪の女性。背は165.0abと言ったところだろうか。
長い髪はまるで光を放つかのように明るく、その整った表情も煌めくような笑顔が張り付いている。
服装は、黒いロングスカートに白のシャツ。見た感じは、かなり若々しく見える。

「朔と会ったんでしょ?」

そんな笑顔も、朔の名前を出した途端に影が差した。

「それで、朔って今はどんな物を食べて――――……っ」

その女性は何かを尋ねようとして、そんな時に誰かの存在に気づいたのか入り口を睨み付け、
何を尋ねるのでもなく、何を語ることもなく、そそくさとその場を後にした。

少し遅れてやってきたのは、いつぞやの少年。
朔、と言っただろうか。しかし会ったのはかなり前の出来事だから、覚えているのかどうか。

「ああ」

朔は覚えていた。

「鈴虫さん、ですね。お久しぶりです」

ぺこり、と頭を下げる。
そのついでに、今は席が一杯のようですから相席よろしいですか? と首をかしげて尋ねたりも。
679 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 01:01:37.41 ID:SQh9OlGl0
>>678
「・・・あ?」
酒と肴を待っている間に話しかけられた 商売女にしては奇妙ないでたち
この世界は黒髪黒目の人間が多い ならばこの女 越境者か?

などと考えを巡らせているが

「朔? 朔ってd お おい・・・んだよ」
その名前は覚えていなかった それに真意を問いただそうにも さっさと消えてしまうし
しばし女の消えた後を見ていたが 今度は別方向から声をかけられた

名前は覚えてないが 人そのものは覚えている 確か公園で帯を切った小僧だ

「いつぞやの童か 席が空いてないなら仕方あるまい」
などと言っていると酒と卵焼きがやってきた

「なんだ また切られにやってきたか?」
徳利の酒をお猪口に移しながらそう問うた
680 : [sage]:2015/05/23(土) 01:09:02.15 ID:GAkr5yDCo
>>679

「次はボクが斬るんですから、お互い様ですよ」

挑発には挑発で返しつつ、とにもかくにも席に座る。
とりあえず氷の浮かぶ水が運ばれ、それを飲んで喉を潤しつつ、何気もなく窓の外を見る。
遠目に金髪の女性が見えた、気がした。そう言えば義姉さんも金髪だったなぁ、とふと思い出した。

でもまぁ、こんな場所に義姉さんがいるはずもなく、目線を鈴虫さんの方へを向ける。
正直に言えば、余りお腹は空いていない。でも小腹に少し入れたい感じ。

「酒の飲み過ぎは身体に毒ですよ」

義姉さんもお酒が好きだったな、なんて思い出しつつ。

「酔いつぶれたって、ボクは介抱なんぞしませんからね。義姉さんのおかげで、慣れてますけど」

ついでに、ホットミルクと適当な甘い物を注文する。
ホットミルクってオイシイよね。馬鹿にしたら承知しないんだからね。
681 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 01:23:35.57 ID:SQh9OlGl0
>>680
「はっ 行ってろ」
ぐいとお猪口を飲み干せば 喉を滑る心地よさ
中々いい酒を持ってるじゃないか

「そういう忠告はな 一端の酒飲みになってから言うんだな」
大根おろしに醤油を垂らし 切り分け口に運べばアツツと口の中で転がす

「お前の世話にはなんねぇよ しっかし義姉ねぇ」
陶器の湯呑みでやってきたホットミルク だがこの世界は中世日本が舞台であり 洋菓子なんてものはないので 甘いものは饅頭択一でございます

「さっき女が 俺が誰ぞとあっただろうと聞いてきたな はて名は何だったか・・・童 お前の知り合いか?」
お猪口でもう一杯酒を飲み干しながら質問してみた
682 : [sage]:2015/05/23(土) 01:35:42.84 ID:GAkr5yDCo
>>681

と、陶器……これで、ホットミルクを飲めって言うのか。
いやまぁ、飲めるけど。思った以上にこの世界が古くさくて少しビックリしたというか、なんというか。
しかも饅頭ですか。漉し餡であることを願うしかない、かな。

「知り合い?」

饅頭は漉し餡だった。良かった、粒あんだったら戦争になるところだったよ。
てか、知り合い?

「なんでボクの知り合いがこんな世界に来てる、っての? いるとしても、もう少し進んだ世界ですよ」

女、ねぇ。もしかしたら義姉さんかも知れないし、一応は詳細を聞いておこうかな。
とりあえず饅頭を頬張って。

「ふぉれふぇ、ふぉのひゅ……んっ」

口の中の物を、ミルクで流し入れてから。

「っぷは……で、その女の人って、明るく笑ってましたか?」

会った女性が義姉さんかどうか判断するのに、この程度の質問で事足りる。
あんな明るい笑みを浮かべることのできる女性は、義姉さん以外に僕は知らない。
683 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 01:45:28.92 ID:SQh9OlGl0
>>682
「てめぇの都合なんか知るか おぅねぇちゃん お新香」
従業員に追加で注文をし 卵焼きをもう一口

「そりゃおめぇ・・・っんく 周りを見てみろよ 黒髪黒目ばかりで金髪だぞ お前みたいな・・・なぁ」
途中で卵焼きを飲み下し 言葉をつづける 

「あぁ 能天気な笑み浮かべったな 誰ぞの名前を上げたら曇ってたが」
天井を見上げ 記憶を漁って物を言う

「さぁてなんてぇ名前だったか・・・忘れたな」
684 : [sage]:2015/05/23(土) 01:55:04.53 ID:GAkr5yDCo
>>683

そう言えばそうか、周りを見ても黒目黒髪。ボクのような色つきの髪は、とても物珍しい。
ついついいつもの癖で、金髪は物珍しくないはずだったから無視しちゃったけれど……。

「まさ、か」

良い予感と嫌な予感が、同時に沸き起こる。
義姉さんは、ここにいてこの人と話してた? それも、僕が来るちょっと前に?
じゃあなんで、義姉さんはボクから逃げるの?

そう思い立ってからの動きは、必要以上に速かった。
きっと義姉さんは実際にここにいて、鈴虫さんと話していたのだろう。もはや予感は確信に変わっていた。
だとすると、のんびり話している暇なんてない。追いかければ、きっと間に合う。

「義姉さんがいたのなら早く言ってよ!!」

持てる物を手に持ち、慌てて席を立ったと思えばすごい勢いでその場を後にする。
もちろん、料金は支払っていない。立て替えといて下さいな。
685 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 02:06:53.50 ID:SQh9OlGl0
>>684
「ん? どうした童」
何やら考えている様子の童に声をかけるのと同時 席を立って駆けだす朔

「あ!! おい!!」
その背中に叫ぶも こちらの言葉が聞こえてない とでも言うように行ってしまった
あとに残されたのは 呆然とする鈴虫と お新香を持ってきた従業員

「・・・焼酎」
子ども扱いが嫌いなくせに甘味を頬張ったり 後先考えずに行動したりと 中々に奔放な朔に頭痛を覚える
とにかく今は 強い酒が飲みたくなった

//〆
686 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 23:13:28.43 ID:SQh9OlGl0
「で またここか・・・」
げんなりとあたりを見回すアキレスと

―――ギィ!!
やんのかこらー といきり立つサソリのベティ

さて ここはどこかというと

【フォールンニャンパイア】
久々にきた猫だらけな世界 辺りは広い広いはらっぱ 空にはこどもの落書きの如きぐるぐる太陽

はらっぱのお昼寝権争奪の 血で血を洗う戦争(威嚇のみ)は夜からということで 黒猫も 白猫も茶虎も みんなで仲良くお昼寝中

「こんだけ広いんだから みんなで仲良くすりゃいいのに…」
涼しい風が サーっと草をなでていく中 途方に暮れて立ち尽くすのであった
687 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/23(土) 23:25:43.15 ID:5IQNvyhDo

 ドルン!ドルルン!!

 このようなスーパー平和な光景に突如響き渡る場違いなまでの重低音エキゾースト!
 そこを見上げれば最高時速900キロは出せそうなモンスターバイクと、
 それに跨り、金糸の髪をひるがえすイムカ・グリムナー。

【平和な世界にもっとも殺伐とした世界からの訪問者が乱入だ!!】

「…血で血を洗う戦争がある世界と聞いて準備してきたのだが?」

 ヘヴィバイクに搭載された高速弾体加速装置二門が所在なさげに紫電を放つ。
 しかし、周りでは何か空は頭が悪くなりそうな太陽が昇っているし、
 地面には猫が広がっているし――

「……状況を説明しろ」

 ジャキン!と粒子短銃の銃口をアキレスに向けながら無機質な声で問うイムカ。
 半ば八つ当たりめいていると感じるならば気のせいであろう。

【みんなで仲良くとはたぶんもっとも離れた人物である。どう取りさばく!?】
688 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/23(土) 23:37:51.87 ID:SQh9OlGl0
>>687
(アカン)
その音が聞こえたとき 今の状況にもっとも似つかわしくないあの軍人が現れたことを本能で察した
視線を向ければ 嗚呼そこには完全武装のイムカ だが銃口を向けられるのは予想GUY

―――ギィ!!
「s・・・サー!! 昼の間は一時休戦!! みんな仲良くお昼寝TIMEですサー!!」
なぜかクソを垂れる前にサーをつけながらの報告です ベティもハサミで敬礼している

そして猫たちが集まってきて イムカの足に首筋をこすりつけたり バイクに乗っかって丸まったりしている

更に遅れて世界の修正力が働いたのか 紫電を放つ高速弾体加速装置が放電現象を収め
バイクもプスンプスンとガス欠したかのようにエンジンが止まってしまった!!
しかも粒子短銃のエネルギーがすごい勢いでなくなっていく!!

【世界の修正力:この世界にガチ武器はご法度でございます】
イムカの頭の中にメタな物言いが響いたという・・・
689 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/23(土) 23:49:14.64 ID:5IQNvyhDo
>>688

「仲良くお昼寝だと?何をたわけたことを…」

 そう言っている間にも、何か武装のエネルギーが悉く無くなっていくわ、
 色々ヤヴァイ技術てんこ盛りエンジンは理論上ありえないガス欠起こすわ、
 後ろ腰の墳弾短銃の封印が数段階強化されるわ――

「…場違いなところに来てしまったか」

 ようやく現状を認識して銃を降ろすイムカ。
 もっとも、エネルギーが無くなった以上はモノの役にも立たないが。

【そうしている内にヘヴィバイクやイムカに猫どもが寄ってきているが?】

「よせ、私のバイクも私も君達のような者が近づいていいわけがない。足に擦り寄るな。踏み潰すぞ」

 威嚇しているかのような言動とは裏腹になんだか動けなくなっている感のあるイムカである。
 ひょっとして、無警戒な動物とかにまったく耐性がない?

「…アキレス、ベティ。コイツラを剥がせ。今すぐにだ。力加減が解らず蹴飛ばしてしまうかもしれんからな」

 要約するとどうすりゃいいかわからんから助けろである。が、貴族様的には情けない言い回しは許されません。

 
690 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/24(日) 00:05:42.69 ID:n3jG4RBI0
>>689
そうこうしている間にも バイクのシートで箱座りしてウトウトしだす黒猫や
バイクの日陰にたむろする白猫

さらにイムカの服に爪をひっかけて登ろうとしている茶虎猫すらもいる
動けないことをいいことに 新しいおもちゃと化している

「え? あぁうんちょっと待ってね」
そして武装が悉く使えなくなっているのをいいことにアキレスのターンktkr

―――ピピッ カシャッ
なんと猫まみれのイムカを某スマホで激写 それをジョシュアに転送しようとしている!!

―――ギィ!! ギィ!!
だがベティはお利口さんのようで ハサミをふりふり猫を追い払おうとしている
691 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/24(日) 00:21:08.29 ID:gBK0gz2uo
>>690

「まったく…聞き分けのない子達だ」

 多くの生ある存在を蹂躙しつづけてきたヘヴィバイクも我が身も、
 まったくもって動物達の警戒を促す材料にはならなかったようだ。
 野生のカンとやらは何処に行った?野生のカンとやらは。

「こら、将校の軍服にみだりに触れるな。相手の度量によっては射殺されることも…おい」

 アキレスが何かやろうとしているのを目ざとく捉え、
 コンバットベルトからクナイを引き抜き…

(修正力…刃側でなければただの金属製の物質ではあるか)

【後部の輪を向けて手首のスナップだけでスマホに向かって正確に投擲した!】
 【なお、イムカは遺伝子改造により素の膂力も結構あったりする】

「ああ、ベティご苦労」
≪00111010101≫

 どうにか歩ける状態にまでなったところでサーボスカルに指示。
 スカルはステイシス圧縮フィールドを解凍。内部に保管されていた
 スモークサーモンを地面にポトポトと落としていく。

【さて、イムカ的には単純なお礼のつもりだったろうが、猫むらがるこの場において燻製鮭の投入は?】

「………」

 そしてイムカはといえばベティが切り開いてくれた道(誇張アリ)を堂々と歩み、
 たわけた事をしでかしたアキレスに向かって無表情に、かつ無慈悲に向かっていく。

【ガントレットに包まれた拳をこれ見よがしに握り締めている!コワイ!】
692 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/24(日) 00:35:31.29 ID:n3jG4RBI0
>>691
ガス欠やらエネルギー切れやらで脅威にもなってないので野生の勘も安全と判断したのだろう
だが単純な金属製品は残ったようだ

―――――シャッ!! パギ

「あ」
今まさに送信ボタンを押したその瞬間 イムカのクナイがアキレスのスマホを叩き割った

―――g
猫1「NYAAAAAAAAAAAA!!!!」
猫2「GRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!!」
猫3「フンギャロジョババ!!!!」

ベティが喜び勇んでそれを回収しようとし
辺りの猫が我先にと殺到する さぁイムカとアキレスの間には 守るものがなくなりました

「あ・・・アハハハハハハハハハイムカタン冗談だアハハハハハハハハハいやそんなアハハハハハハハハハ」
ジリジリと 乾いた笑みを浮かべながら後ずさる が 足元の小石に躓き しりもちをつく

「アハハハハハハハハハ・・・」
それでもじりじりと逃げるアキレス どうぞお好きにやっちゃってください★ミ
693 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/24(日) 00:51:32.22 ID:gBK0gz2uo
>>692

「…はぁ。スカル、食料を全部吐き出せ。乱を誘発させにきたわけではない」

 サーボスカルは溜め息をつくイムカの指示にしたがい、
 砕いたクッキーやらミルクやら干し肉やらを次々に放出。
 野生ならば、十分な量さえあれば争いはすまいという考えだ。

【イムカとて無用な争いは好まない。そしてお仕置きは大切である】

「さて、そういえば曹長も君には似たような事をされたと聞いている。
 上官としては仇を取ってやることもやぶさかではない。そうだな、関節技でいくか」

 そして、実に無慈悲な声音で、

「間接が外れたら嵌めなおしてまた外す。遠慮は無用だ。
 が、私も鬼ではない。ベティから君への減刑の嘆願があれば考慮もしてやろう」

 さあ、アキレスが日ごろベティと培ったユウジョウが試される時がきた。

「…スカル!ベティにおにぎりを渡しておけ。三角形で大きくてオーガニックの海苔で巻いた奴だ」

 そして、政治とは根回しと適切な賄賂(プレゼント)が欠かせないのである。

【結果どうなる?知らん】
694 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/24(日) 00:58:48.37 ID:n3jG4RBI0
>>693
【そんなこんなで】
はらっぱの一角で多量の猫が入り乱れてお食事会が開催されたそうな
たくさんごはんがうれしいなっと 猫たちは皆目を細めてよろこんだそうな

だがここに喜んでいられるような状況じゃない輩が一人

「b・・・ベティ? たすk」
引き攣り笑顔で懇願する が

―――ギィギィ♪
ベティはおにぎりに夢中で気付いていない よって減刑の懇願もなし

「ベティィィィィィィ!?」
流石ベティ お約束もばっちりだ!! ということで


「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!!!」
原っぱに 男の悲鳴がこだました・・・・・


//ちゃんちゃん
695 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/24(日) 22:03:33.43 ID:6kfKpQp40
>>489
すっかり草臥れた装束はしかし、通常の衣服よりずっと頑強である
劣化はともあれ破れもほつれも一所もないのが、その証明だ
後ろでひとつに括っている髪は彼方此方が跳ねてなかなかに酷い有様ではあるが

「出口だね……あ、あぁ、ちょっと……!?」
「す、ストップ! 行こ、さっさと出よっ!」

疲れ切った反応で、しかしアリスの全身を使った嬉々たる所作にたじろぐ
この手の感情表現を七八は話でしか知らないし、出会った事すらないのだ
成されるがまましばし、途中で気恥ずかしくなって手で制して崩れ掛けた階段らしき段差を登る
久々の陽光を求めて、風を感じながら
696 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/24(日) 22:37:41.54 ID:oO0Vuwx90
>>695

 「そうよっ!私達また陽の目を見ることができるのよっ!」

 たじろぐ四五六をお構いなし、おそらくは嬉しさのあまりに気がついていないのだろう
 頬にキス&ハグを続けるが
 手で制され体を離した時、その顔から笑顔が消えた。
 
 そこまで傷つけてしまう事をしてしまっただろうか?
 にこやかに微笑んでいた口元は小さく空き
 きらきらと輝いていた瞳は、徐々に大きく見開かれる

 否、彼女は嫌悪感を微塵も感じていない―――これは驚愕の表情だ!

 「―――シゴロ!うしろよっ!」 『ヴぁー』

 先ほど振り切ったものと同じ、チープなゾンビが、四五六の真後ろから近づいてくる!
 疲労故の気の緩みからか、それとも気恥ずかしさ故の油断か!
 "此処"にも一匹いた事に気が付かなかった!
697 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/24(日) 22:47:26.66 ID:6kfKpQp40
>>696
「全く、お日様が恋しいね……」
「……んっ?」

苦々しく笑み、そして静寂とアリスの表情の硬化に気が付いた
その大きな空色の瞳に映る澱んだ影ひとつ
それが何かと思考を巡らせるより素早く体躯は稼働する、それが常ならば

「……っ、こ、のォっ……!!」

しかし今は関節の磨り減ったからくりめいて体が重い、脊髄反射に追い付かない
更に七八の思考はアリスをこの危険から遠ざける為に突き飛ばす事が優先されたのだ
ゾンビの攻撃手段は例えば牙や、爪であろうか
そうだとすればそれらを回避する事は叶わなかった、逆手を差し出し盾にするより他にいのちを守る術が間に合わないのだ
顔を顰めながら咄嗟、順手で構えた忍者刀で振り払うように薙いだ
698 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/24(日) 22:58:12.38 ID:oO0Vuwx90
>>697

 「 あぶなっ―――きゃぁっ!? 」

 叫ぶのと同時に突き飛ばされるアリス
 背後にまとわりつこうとするゾンビに、そのまま振りぬいた忍者刀は、鮮やかに空を切り
 それどころか、盾として差し出した左手すらすり抜ける

 『瞬歩』でも使ったのか!?それにしても反応が良すぎる。
 まるで何かに引っ張られたかの様にしゃがんだゾンビは、鮮やかに四五六に―――

 『ヴぁー…』

 ―――襲い掛かれない、四五六の足元に首だけ露出しており、さらし首のようになっている
 
 影のせいでよく見えなかったが、四五六の背後やアリスの側
 いたるところに穴が開いている、深さはまちまちだが、中には落とし穴の様な深さのものもある。

 『ヴぁー…』

 落とし穴の様な深さのものが、たまたまそばに開いており
 四五六に近づいたゾンビは、そのまま落下して一撃をかわす形となり。
 現在、目の前でさらし首状態になっているわけである。

 「はい、シゴロ。」

 可愛らしい声がかかると、その辺から引っこ抜いた土ブロックを四五六に手渡すアリス。
 死者は"埋葬"して土に還っていただくのが一番だ。

699 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/24(日) 23:14:34.45 ID:6kfKpQp40
>>698
「なっ……!?」
「……んっ?」

瞬間移動めいた刹那の消失、残像すら残さぬそれに目を見張る
七八の動体視力は常人としては極めて最上に等しい部類まで達しており、それで影すら掴めぬ軌道を目にすれば驚愕も必然なのだ
慌てて左右そして背後の順に目線を動かし、やがて呑気な声に気が付いた

「……あ、どーも……」

納刀、アリスからブロックを受け取りゾンビの頭上にドスン
西洋式の葬式はこんな感じだったかと思い出す

「あー……ごめん、」

突き飛ばしちゃった、と伏せ目がちでアリスを盗み見るように
多分、その着ている大切そうな衣服を更に汚してしまった事に対して負い目があるのだろう
ほぼ無頓着でいられる自分とは違うのだろうと、気を遣ってしまうのは仕方ない事
700 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/24(日) 23:27:58.75 ID:oO0Vuwx90
>>698

 "Mr.Cube Zombie R.I.P( 立方体ゾンビさん此処に眠る )"
         〜 ジュースの空き瓶と、鞄に入っていた一輪の枯れたラベンダーを添えて 〜


 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 『いいのよっぜんぜん気にしてないわっ!ありがとうシゴロ!』
 その言葉を聞いた後、陽の光を目指していくつのブロックを駆け上がっただろうか
 何度もアリス(のみ)が滑り落ちそうになったが、それでも尚地上へと向かう二人。
 そして―――

 「でられたぁーっ!」

 再び二人を包み込む、チープな世界の空と太陽。
 心地よい風の1つも吹いていないが、広がる一面の緑(の草ブロック)と
 遠くに見える所々が角張った山々は、不思議と二人を祝福しているように見える。

 「シゴロみてっ!『扉(ゲート)』があるわっ!」

 神殿の門でももしたのだろうか…?
 数からして10個ほどだろうか、白いブロックで作られたそれは門というより"枠""である
 しかし枠の内側には幾何学模様がうごめく不可思議な空間
 それは、越境者達になじみの深い異空間『ゲート』
 そのポータル空間が作られている。
 世界線によって姿形は異なるが、少なくともこの世界感ではこの様な姿で存在している。

 「 これで、この世界ともお別れかしら…?どうしましょう? 」

 "ゲート""の枠へ立ち、四五六とポータルを見比べながら首を傾げるアリス。
 彼女のいった"どうしましょう""には、この世界を離れることだけでは無い
 四五六とは世界線がずれてしまい、次も同じ世界線に立てるとは限らないのだ。
 
701 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/24(日) 23:45:16.96 ID:6kfKpQp40
>>700
「雑っ」
「……ま、まぁ、大切なのは気持ちだね、うん……」

一応略式の念仏を短く唱える
果たしてあれが本当に死人なのかどうかは、今一つ理解出来ないが


「出られたぁーっ!!」

清風には及ばず、されど蒼空のたもと
2人の少女はこの不可思議な世界に祝福を受けた
聖句などない、しかし数多のことの葉よりも雄弁な……いや何処か滑稽な天然自然の賛美
アリスの手を取ってはしゃぎしばし、ふとキャラじゃないのを自覚してこほんと咳払いひとつ

「……ん、本当だ、渡りに船だねこりゃ」
「あー……、そっか」

世界の合間の捻れた境界の及ぼした奇跡めいた2人の邂逅
それが果たしてこの先にも続くかは分からないのだ、少なくとも七八には確信はない

「……でも、私……」
「私は、行くよ、ちょっと馬鹿兄貴探さないといけないからさ……」

苦笑の仮面は自然に被れたはずだ
短くはない合間、苦楽を共にした自信と真逆の少女
彼女との離別が訪れるのを、避けたいのは本音である
だがしかし、七八は赴かねばならない
人類の技術の絶頂期たるあの退廃の世界に、そらを奪われた重金属雨降りしきるスプロールの夜に

「……ま、もし離れたとしてもすぐにまた会える」

こころからの本音は背を向けて、ゲートの蠢きの先の世界を見据えるかの様にしながら
多分今、面と向かって言えば感情が必要以上に出てしまうだろうと判断した為である

「……行こ、アリス」

それでも少し振り返り、手を差し伸べる事が出来たのは重畳だ
湿っぽくなくて、それでいて無感情でもない
何処かふわふわとした空気を纏う彼女との、短い冒険の終わりと再会の為の少しの別れには相応しいだろうと何と無く思えた

702 :アリス・リンドリー [sage]:2015/05/25(月) 00:15:12.87 ID:jwFTOpCk0
//これにておしまいです!ありがとうございました!

>>701

 「 ――シゴロ! 」

 手をとって踊りながらはしゃいでいたアリスが立ち止まり
 宝石のような瞳が見つめる。

 「 ありがとう!貴方がいなかったら私ほんとうに危なかったと思うわ! 」

 出会いもあれば別れもある。
 特に世界をまたぐ越境者というは面倒だ、次にいつ会えるかも分からない。
 世界によっては時間の流れすら異なるのだから。

 「…そうね、私もロンドンに一度もどらなくちゃ… 」

 笑顔といえば笑顔だが、どこかさみしげな微笑みで返す。
 アリスが、どういった生い立ちなのか判らないが"兄を探す""という言葉に重たいものを感じたのだろう
 彼女には微笑みで返すことしか出来なかった、下手なことを言うよりそれが良いと思ったから。

 「 そうね、行きましょっ!ふふっ手を繋いだまま入れば一緒の所へ行けるかもしれないわっ! 」

 差し出された手を取り、"ゲート""へと飛び込む
 童話みたいな少女と忍びの少女のちょっとした冒険―――

 " Every adventure requires a first step. Trite, but true, even here”""
 (どんな冒険にも最初の一歩が必要だ。陳腐な言い方だが、けだし名言だね。) 〜 にやにやした猫 〜

 体が包まれる、次なる世界の空間へと
 ――――片手に握っていたはずの柔らかな肌の感触が、ふっと消えた。

703 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/25(月) 00:21:08.27 ID:DA7J/1YM0
>>702
一瞬の閃光、浮翌遊感、この感覚は何度経験しても慣れない
目を開けば夜の雨、耳鳴りが止めばネオンライトのコロナ放電音が煩い
屋根があって助かった、と脳がこの世界を即座に判断して安堵をつかせる

「……さて、」

行きますか、と呟いて、まだ温もりの残る掌を見た
ぐー、ぱー、ぐー、ぱー
数度繰り返して苦笑、もうあの賑やかさが恋しい
スプロールの夜、独りの少女は闇に紛れた

//ありがとうございましたっ
//楽しくやらせて頂きました、また宜しくお願いしますーですよっ
704 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/25(月) 21:46:10.97 ID:He1WOPBro
【とある酒場――】

 そこは知る人ぞ知る…というよりは極めて限定された人種のみが知りえる酒場であった。
 一応は客商売的な一面もあるのであろう。やや西部劇を模したような、
 いい意味で洗練されきっていない雰囲気を演出した店内は中々どうして洒落っ気が利いている。

【表看板にはただGNとだけ刻まれている。そのような店】

「まったく、いったいどういうカラクリで越境者の見分けをつけている。
 しがない一般ピープルである私にくらいは教えてくれてもバチは当たらんぞ?」
「………」

 そんな会話(というにはやや一方通行ではあるが)をマスターとしているのは、
 自称一般ピープルはイムカ・グリムナーである。
 なお、彼女の自己評価と周囲の評価が一致するか否かは別としよう。

「あと、一応知人が来ているはずなのだが…」

 ぐるうりと店内に目線を一周させる。
705 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/25(月) 22:05:13.97 ID:9axEUrRJ0
>>704

ヴィンテージの内装にほんのりウイスキーの酒気。ここは戦いに明け暮れるものたちの安らぎの場。
客のざわめきとジャズの生演奏がほどよく賑やかさを醸し出す酒場で、イムカはカウンター席に腰掛けマスターへと質問責め。
口髭がシブい壮年のマスターはイムカの問い掛けにも口を割らず、「誰にも言えない"仕掛け"があるんでさぁ」とだけグラスを拭きながら呟いた。

「……ギデオンズの店は好きなんです。クラシック・アメリカンスタイルって感じで…」

そんな中、イムカの隣の席の椅子を引く男の腕。ストライプのドレスシャツを着込んだブロンドの男はイムカの隣に腰掛けるとその帽子を取った。
待ち人たるジョシュアだ。シャツは微かに濡れ、帽子には梅雨が付いている。そしてジーンズには微かな切り傷
「まぁあのオッサンの趣味は理解出来ないんすけどね」と続け、マスターにスコッチのロックを注文
だがまぁ、たまにはアイリッシュも悪くはないと最初の一杯を飲み干した。

「すみません、待たせちゃいましたね。少し足止めを食っちゃいまして」

706 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/25(月) 22:21:57.52 ID:He1WOPBro
>>705

「仕掛けか。客観的に見て大人しいほうの私も認識されているのだから大したものだよ」

 それはひょっとしてギャグで言っているのか?と問われそうなことを言うイムカは至極真顔である。
 バーボンのロックで唇を湿らせながら溜め息。と、ここで待ち人来るって奴のようだ。

「クラシックだか何だかは正直なところよく解らんよ。
 私に解るのは見つければ便利なところ、というくらいさ」

 そんなイムカの服装はスプロールでは一般的なビジネススーツ姿。
 ジョシュアと並ぶといまいち浮いてしまっている感じは否めないかもしれない。

「ああ、別に待ってはいない。時間通りだ。さて、では本題に入るか」

 そう言うと、懐をごそごそと探り、ガラスのような透明の瓶をカウンターテーブルに置く。
 美しい装飾がされた瓶の中には銀色の輝く水銀めいた液体が入っている。
 よく見れば、その液体金属自体が仄かに輝いてもいた。

「記憶検索で解ったのだが…これは君からの贈呈品だったようだな。…すまない。短剣がこうなってしまった」

 アナヤ!この液体金属は何と、かつてのジョシュアの剣。エグザイルの成れの果てであった!
707 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/25(月) 22:35:36.57 ID:9axEUrRJo
>>706
「いや、それはちょっと…」

イムカの自信満々なノーマル発言。バーのマスターと共に苦笑を浮かべながらキッパリと二人で否定。

「…………?」

さて装飾のあしらわれた瓶をことん、と置きイムカがつらつらと発したその内容は至ってシンプル。
しかしあまりにも唐突な小瓶の登場と想像を絶する小瓶の中身にジョシュアは状況を理解出来なかったようだ。
笑みを浮かべたまま理解不能の眼差し、空になったスコッチのグラスを手に持ったまま再び発言を促した。

「え、え?すんません。もう一度…」

仄かに蒼い輝きを放つ白銀の液体は確かにどこかで見たことのある色をしている。しかしそれは紛れもなく液体。ミスリルは固形であり常温で液体ではない。
脳がそれを受け入れられずに、というより受け入れていたとしてもジョシュアの意識が拒否していたのだろう

「」

狼狽しつつ再び聞き返すが答えは同じ
残酷な真実をもう一度聞き届ければ硬直したまま動かなくなってしまった。
尤もその原因は他でもないジョシュアにあるのであったのだが…
708 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/25(月) 22:43:59.75 ID:He1WOPBro
>>707

「貴様等は人をどういう目で見ているのだ。
 マスター、包帯と消毒、ガーゼを出せ。酒以外にも出せるのだろう」

 貨幣トークンを数枚、カウンターに置く。
 スプロールの通貨であるが、このGNでは支払い方法として認められているだろうか?

【一応、スプロールは比較的境界線接続の接続先が多岐にわたる中継点めいた世界の一つではあるが】

「…もう一度だと。構わんぞ。この液体金属はエグザイルだ。ほら、言ってやったぞ」

 そして、もう一度と問うジョシュアに実に正直に答えるイムカ。
 こういうところでは素直というか融通が利いていないというかである。

「大丈夫か?まあ、最初か砕けた金属片だったんだがな。
 ある世界でミスリルの鞭と混じってこうなった。君にとっては大切なナイフだったというのにな」
709 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/25(月) 22:55:41.66 ID:9axEUrRJo
>>708
『……あいよ。一体何に使うんです?』

『おや、おたくさんスプロールの出ですかい…最近はやたらにそっちの通貨が強くてねぇ…嫌になっちまいますよ』
『境界線FXなんて挑戦するもんじゃありやせんね…』

四の五の言いつつもせっせと医療品を用意しイムカへと手渡すマスター。
スプロールの通貨はGNでも取り扱っているようで、まさに目の前のイムカとバロウズが活躍するせいでマスターは痛い目を見たらしかった。

「あー、うん……OK。ようやく処理が追い付きました……」

一方のジョシュアはようやくものが言える程までに立ち直ったようで、ふるふると頭を振るって暫しの沈黙
ぽりぽりと頭を掻けば肘をついたまま両手の指を顎の前で組んでイムカを見つめ

「つまり…飲めばいいんですね…?」

いや、やっぱり立ち直ってない。よく見れば眼の焦点も合ってないし妙な脂汗をかきまくっている
理由の一つはイムカへのプレゼントが完璧に消失したこと。(しかも自分の手で知らず知らずのうちに破壊した)
さらにもう一つは言いつけだ。エクソダスの送り主の遺書に"壊したら許さん"と書付けられていたのを思い出したのだ。
710 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/25(月) 23:06:25.90 ID:He1WOPBro
>>709

「境界線現象も貴様等にとってはビジネスに過ぎないということか?
 商魂逞しいと感心もするが、同質量くらいに呆れた話だ」

 マスターから包帯と消毒、ガーゼを受け取り、
 そして、ショックからかトンチンカンな事を言っているジョシュアを
 虫を見るような目で見ながら、

「なに腕で台形作りながらバカな事を言っている。
 まったく、そんな有様ではその話は後だ。それよりも…ズボンを脱げ」

 ご存知の通りイムカは時折言葉が足りません。
 よく考えれば、治療道具をマスターに準備させて、
 そして、ジョシュアの負傷を確認した上での言葉と解るでしょう。

【ところが動揺するジョシュアに突然ズボンを脱げではなんのこっちゃであった】
711 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/25(月) 23:28:55.08 ID:9axEUrRJo
>>710
『へっへ……!あっしが信用するのは銃と金。この二つだけですよ…』

にやりと不敵に笑むマスター。金と銃だけは自分を裏切ることはない。とイムカに豪語してみせる
なんというか、この店の店長はみな典型的な昔気質のアメリカ人らしい性格なのだろうか?
そもそもGNの創設者たるジェイソン・ギデオンズ自身が金と酒と銃さえあれば他は何も要らないという方針なのでスタッフのパーソナリティを予想するのに苦労はしなさそうだ。

「What the ...!」
「...jeez fuckin' christ...んな訳ねェだろ……アホか」

ズボンを降ろせとの命令(オーダー)。ジョシュアが真っ先に思い浮かべたのは海兵隊の新兵に先輩兵卒が決まってさせる洗礼のダンスだ。
方法は多岐に渡るがジョシュアの場合ズボンをズリ下ろして腰をくねらせその動きで持ちあげる。そんな感じだった。
だが今ここでイムカがそれを要求して何の得になるというのだ。冷静に考えろとジョシュアは頭を冷やし再度思考。

「……コミッサー、流石にここじゃマズいっすよ…?」
「もっと人眼を避けられる所じゃないと捕まッちまいますって…」

更に深刻な方向へと転換したようだ
712 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/25(月) 23:41:46.23 ID:He1WOPBro
>>711

「……君のユニークな発想には時折、深刻な頭痛を覚えるな」

 イムカは頭を抱えながら、もう片方も手で拳を握りこんで――

【閑話休題】

 −−−−−−−−

「まあ、そういうわけだ。沁みるぞ」

 ジーンズに残る切り傷についてイムカは特に何も聞かなかった。
 ジョシュアはいわば脱走兵に近く(そう追い込んだ事にイムカは未だに罪悪感を抱えている)、
 さらにその生き方の性質からいつ何時に負傷に見舞われるかわかったものではない。

【ガーゼを当てて、包帯をしっかりと巻く。ジョシュアの能力からして実際は不要かもしれないが、
 能力で治癒力を促進するというのは、明らかに不自然かつ代償を求めそうな行為にも思えたのだ】

「これでよし、だ。さて、先程の続きだが君から受け取ったらしいミスリルがご覧の有様だ。
 私としては君にとって大切なモノだということもあり、出来ればこの液体状態はどうにかしたい」

 現在のこのミスリル聖水はエグザイルと聖鞭ヴァンパイアキラーが混じっており、
 破邪光を放つ一種のマジックアイテムと化している。が、言ってしまえば変質しきってしまったという意味でもある。

「この不可思議金属について君の知る情報が欲しい。
 ニアの月光に反応したり、いちいち妙な現象が起こりすぎる。
 不安定なシロモノというのはあまり性にも合わないしな」
713 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/26(火) 00:09:16.74 ID:T3N6w0umo
「……ッ………」

消毒液含んだ脱脂綿を当てられれば苦痛に顔を歪める。まるで子供のような反応だが、実際に傷口を見てみればその理由も納得がいく
ジョシュアの切り傷は服の上からの見た目よりも深く、そして傷口はズタズタに引き裂かれていた。
鋭利な刃物ではこの傷口は造れない。威力と貫通力の高いライフル弾によるものだ。それの意味する所は…つまり、そういうことだ。
しかしジョシュアはイムカに対して何の怨みも、負の感情も抱いてはいなかった。それだけは真実である。
むしろ巻き込み、記憶を奪ってしまった罪悪感というものがジョシュアにもあったのだ。

「そいつは俺の古巣の隊長の遺品なんです。優越(シューペリア)……それが隊長の、コードネームでした」

ジョシュアは腰のホルスターからエクソダスを抜き、イムカに見せ付けてから聖水の隣へと置いた。
ぞわり、と波打つような共鳴。互いに淡く蒼い光を放ち、それは波紋を描くように互いの表面を広がり、端に到達すれば消える
ジョシュアはあまり過去の事を話したがらない。IASCに流れ着く前のことだ。ジョシュアもかつては現代に生きる人間であった。
慎重に、言葉を選びながらイムカへエクソダスの来歴を伝え、それでいて自分の過去には触れない言い回しを選んだ。

「それで、その…隊長はどうも越境者だったみたいなんですよ。俺やニア達よりも前の世代の…」
「隊長の遺品の中にはエリュシオン文字で書かれた手紙が数通あって…どうもエリュシオンの人間だったみたいです」
「エリュシオンに行けば…何か分かるかもしれません……ついでに…エリュシオンも救っちゃいましょう」

先程とはうって変わってジョシュアは真剣な目付きでイムカを見据える。
エリュシオン。ジョシュアの生まれ故郷ではないにしろ、多数の因縁を残した地だ。
今現在もジョシュアの命を貪りつつある暴食のベルゼブブ。それを撲滅するためにも大罪の住処へと足を踏み入れなければならない。
ふぅと息を吐けば視線を落とし、迫る戦いの時に微かに鼓動を早め、そしてまだ見ぬ大罪のとの邂逅に覚悟を決めるのであった。
714 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/26(火) 00:19:34.04 ID:dp2woapqo
>>713

(…案の定か。まあ後は彼の回復力だろう。肉は削られているが骨と血管は無事だ)

 イムカは手早く処置を済ませて、本題に移ることにした。
 鏡写しの罪悪感を見せ合っても、それは生産性の無い事に思えたのだ。
 溺れれれば却って楽になるかもしれないが、そのようなのは御免被る。

「上官の遺品か。そういえばエグソダス。何時の間にか取り戻せていたのだな」

 いつぞや、縁の深い武器ならばいつか手元に戻るとジョシュアに話をしたが、
 その通りとなったようだ。中々にいい縁が出来ている。素直にそう思えた。
 ここでジョシュアが言葉を選んで話をしている事に察しが着いたが、
 イムカとて無遠慮に踏み込む真似はしなかった。

「エリュシオン…か。余所の世界など知ったことではないが、
 まあ、部下が因縁を清算しようと言うのだ。ついで、で手伝ってやっても構わんよ」

 刃と惹かれあうミスリル聖水を懐にしまうと、ジョシュアのグラスに自分のグラスを合わせるのであった。
715 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/26(火) 22:17:06.92 ID:dp2woapqo
【ある世界腺での戦いが終わったのち――】

 スプロールのカノッサ・テクノロジー社に一つの保管カプセルが緊急で持ち込まれた。
 その内部に入っているのは悲惨極まりない状態にまで破壊され尽していた機体。
 それも、有機と無機が結合した半人であった。

【正直、その状態は悲惨を極めていたといっていいだろう】
【生存限界以上の損傷を負い、通常ならば有機脳のセーフモードすら働かずそのまま自我領域の消失】
【すなわち死亡していたであろう損傷。こうしてギリギリのままに持ち込めたこと事態が奇跡に等しい】

「機能完全停止(死)寸前。随分と酷い有様ですね。で、我々にどうしろと?」

 褐色銀髪の何処かタェンティースと似た容姿にも見えないことも無い、
 サイバーサングラスの女性(と呼ぶには少女に近いが)が問う。

【持ち込まれた半人の身体データの多くをこの企業が保有しているのは事実だ】
【→そしてこの状態で下手な闇サイバネ技師に持ち込んだら最悪そのままトドメになりかねないことも】
716 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/26(火) 22:27:59.16 ID:RCS6VFS50
>>715
「……どうしろって、えーっと……」

ちら、とカプセルの小窓に目線を送る
兄を探す道中の副産物として再会した半人
今は眠るようにしているソレが、遺言が如くに告げた一言がここへの運搬であったのだ
七八としては過去の越境経験の中で知り合った顔である、見捨てておくにも後味が悪い為に従う形と相成ったのだ

「なんかこう、治して貰えるんじゃないの……?」

ニア・シューペリオリティに似た顔の少女におずおずと問い掛ける
ぶっちゃけ今回の件には完全巻き込まれ型での参入であり、知識がないのが現実なのだ
717 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/26(火) 22:37:56.60 ID:dp2woapqo
>>716

「? 我々は企業デス。ニンジャフリーク=サン。
 ニンジャコンベンションでもタダでニンジャグッズを配るわけではないでしょう」

 なんかサングラス越しにも解るすっげえ眠たげな目。
 やる気があるのかないのかビミョーなところである。

「つまりマネーです。マネー。このポンコツ=サンの身体は特注のオーダーメイドです。
 マネーあるのみです。払えますか、アナタ」

 親指と中指でちゃりーんのポーズを決めるα-12。
 何か隠しているっぽい気もするが?
718 :アグラーヤ [sage]:2015/05/26(火) 22:38:20.66 ID:CY7vpMPJ0
>>715
「言葉にしないとわからない? 治せって言ってるのよぉ」
(マウトヘッド……? とも少し違うみたい。他にもいたのねぇ)

イムカのツテを使いどうにか辿り着いた場所はなんとも居心地の悪いことか。
しかし文句などは言っていられない。望みをかけてやってきたのだから。
応対する少女はタェンティースやニアと明らかに似過ぎていたが、それなりに彼女らの経緯は知っていた為そこを掘り下げる事はしない。

「ここなら簡単に治せるって聞いてるわぁ?」
「それに貴女がいるんだもの、できませんなんて聞かないわよぉ」

実際そんなことは誰からも聞いていない。背後に何かを匂わせただけである。
そしてタェンティースやニア、その関係性を理解している事を暗に示した。
719 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/26(火) 22:45:27.07 ID:dp2woapqo
>>718

「直せ、と言っているのは解ります。が、我々とて慈善事業ではありません」

 もう一度、カプセルの中身を見やる。
 実際、このカノッサ・テクノロジー社はタェンティースと関わっている。
 が、実のところ、それはCEOの一存…道楽めいた行動によるところも大きい。

【企業テンプレートに則るならば実際にここで是というには色々ハードルがあったりするのだ】

「簡単というと誤弊ですね。生命を繋げる可能性が最も高いのは我が企業というだけです。
 この破壊具合で何故、自我消失に到っていないか不思議でなりません」

 アグラーヤにしてみれば、いかにも機械的な回答に苛立つかもしれない。
 そも、α-12は工業製品の色合いが強いクローントルーパーである。
 言ってしまえば融通はあまり利かない。

「それともアナタ、マネーは出せるのですか?他人のロボットに対して。
 MBT(主力戦車)級を越す価格帯デスヨ?」
720 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/26(火) 22:49:14.35 ID:yTvG2ea/O
>>717-718
「マネーって、お金かぁ……」
「まぁない事ぁないけど、足りないよね……?」

お財布を取り出して中身を確認、一般人に相応しい一般的な金額が入っているだけである
尚フリーク呼ばわりには最早気が付かないレベルにまで扱いの乱雑さに順応しているらしい

「……貴方は貴方で落ち着けって……」
「っていうか、お金ある?」

モノを頼む態度ではないであろうアグラーヤを宥めるように、そして手持ち金の確認
何はともあれしかしこの企業の少女、逆説金さえあれば修繕が叶うと言っているようなモノなのだから

「あー、」
「レアなマテリアルとかじゃダメ?」

スプロールの技術からすればレアに入るのだろうか、ともあれ溶けない氷の塊を取り出して差し出してみる事に
以前氷河の探索の際に入手し、参加者で分け合ったモノである
721 :アグラーヤ [sage]:2015/05/26(火) 23:10:28.69 ID:CY7vpMPJ0
>>719
「コレはロボットじゃないの。貴女みたいなのと一緒にするんじゃないわぁ」

苛立ちをぶつける様に傍のカプセルに義手をぶつければ、ドンと無機質な音が響く。
アグラーヤにとってまどろっこしい機械的な解答よりも、友人をロボット呼ばわりされた事が腹立たしかったようだ。
カプセルの小窓から覗く友の顔を一瞥すれば、そのまま滑るように隻眼を少女へと向け睨みつける。

「お金なんて無いわぁ」
「でもできるんでしょう? ならやりなさいよぉ、貴女の姉妹みたいなものじゃなぁい」

金は無いがやれ。滅茶苦茶であるがこれがアグラーヤである。
基本的に相手方の意見などは尊重しないし聞かないのだ。

>>720
「そんなもの持ってるわけないじゃなぁい」
「それに私はいつだって冷静よぉ? こういうのは下手に出た方が負けなの」

取り引きの舞台にすら立てていないのだが、しれっと冷静に言ってのける。
七八の呆れ顔にもきっとこたえることはないのだろう。根本的にヒトとは噛み合わないのだ。

「あ、それでいいのなら私も持ってるわぁ」
「確かまだ売ってなかったはず……」

七八の言葉にふと思い出したようにポーチを漁れば、そこから出てきたのは綺麗な氷状の物質。
以前どこかを探索した時に金目の物はないかと手に入れたものである。未だ換金されていなかったことは奇跡に近い。
722 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/26(火) 23:26:22.70 ID:dp2woapqo
>>720

「貧乏人…(ボソ」

 お財布を取り出すという行為そのものにα-12には
 実に冷酷かつ無機質な声で呟いたものだ。何故か口角がつりあがってもいたが。

【ハッキリ言って、眼前の七八のスケールのズレ具合に愉悦を覚えていやがります】

「飼い犬のしつけはちゃんとするべきです。…氷結樹デスか。いいものを持っていますね」

 七八から溶けない氷を受け取ると、サイバーサングラスによるスキャニングを行う。
 これはカノッサ・コーポレーションのデータベースへのアクセスにより、
 組成や純度。適正価格までも自動で吐き出す。この世界では既に目利きという技能は陳腐化しつつあった。

「高い純度デス。異世界のモノですね。これだけでは正直足りませんがそれでも貴重な品です。
 ゆえにα-12はニンジャに問います。アナタ達がポンコツ=サンにそこまでする理由はなんですか?
 ユウジョウ?アワレミ?セイギ?それとも強迫観念デスカ?」

 七八がこうもあっさり希少マテリアルを差し出す動機に興味を引かれたようであった。
 お人よしにしては度が過ぎる。しかしそこまで深い仲とも思えない、と。

>>721

「私もポンコツ=サンも兵器であることに違いはありません。規格が異なるだけです」

 アグラーヤとα-12の話は平行線である。
 彼女が持っているであろうタェンティースに対する友愛の情がそもそもない。前提が違う。
 ゆえに認識もおのずと異なる。かみ合わないのだ。

「姉妹というのも異なります。我々はαシリーズとして分岐し、既に関連性は希薄になっています」

 マウトヘッド…クローン兵器の系譜にも時を経て様々な変化が起こっているのだろう。
 シリーズとして分岐し、世界によって現地改修が行われ、時に途切れ、時に継続され、
 性能を求めた試作機として、量産性を高めた能力強化仕様として、あるいは生産性と効率を重視した工業製品として。

【アグラーヤからすればどうだろう。友人と同じ顔の兵器群が一人歩きし、枝分かれし続けているということでもあった】

 −−−−−−−−−−−
>>720-721

「…これで三つ目デス。貴重なマテリアルを惜しげもなく。α-12は正直理解に苦しみます」

 アグラーヤから受け取ると、α-12はこれで三つ目といった。
 まあ、そこは深く詮索するところではないだろう。
 何にせよ、これで完全修復には到底足りないまでも生命を繋ぐという意味ではクリアした。

「では、出資者であるアナタ達に仮ボディを選んでもらいましょう。
 すぐにエネルギー規格の合うボディを取り付けないと脳と自我がアブナイですからね」

 そう言うと、α-12はホロカタログを中空より出現させてテーブルに広げる。
 そして、唐突に営業トークを始めるのだ!

「このクマーさんボディは一番人気です。ファンシーです。
 他にはクルマ型も人気です。こう、ポンコツ=サンの頭部を天頂部に乗せて完成。スピードと一体デス。
 もしくは、頭部に補助手足をくっつけて、一時的に夢の一頭身ボディ。
 あるいは、もっと親しみやすい三頭身ボディなど色々と夢を見るチャンスかと」

【怒涛の営業トーク。そして察せられるかもしれない。
 緊急蘇生のために必要なのか、単純にかこつけて遊ぼうとしているのか微妙なラインであると!】
723 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/26(火) 23:35:47.18 ID:yTvG2ea/O
>>721
「……なんかもう……ま、まぁ」

そういう考えもなくはないし、どうやら今回の商談相手は重畳、そういった事に対してはそこまでナイーブではないようだ
しかしまぁなんとも、改めて苦労しそうな性格だなぁと苦笑である

「あ、まだ持ってたんだ?」

横目で同じモノを取り出したエルフを意外そうな眼差しを隠そうともせずに
短い付き合いで金銭的に相当アレな感じだと理解に及んでおり、売買に使えそうなコレをまだ持っていたのが七八的には不思議なのである
それでも文句などあろうはずはない、もしこれに価値が認められた場合は嬉しい誤算になるのだ

>>722
「……忍者は金に無頓着なのさ」

えむびーてぃなるモノの価値はとうに理解に達しはしないが、多分七八がこれまでの人生で得た金額を天秤に乗せても軽過ぎる程の額なのだろう
そもそも人間大サイズの兵器に掛ける単価としては大砲が精一杯の七八の世界とでは、色々と異なり過ぎるのだ

「ん? んー……」
「いい夢見れるように、かな?」

最もそれは、差し出した氷の価値や修繕に掛かる費用の桁を知らぬが故に余裕ぶっていられる仕草であった
知らぬがホトケという奴にも近い

>>721-722
「みっつ、ね……」

苦笑、その出処を確認するような真似はしなかった

「あー、じゃあこの力士ボディでパワフルに……」
「……じゃなかった、取り敢えずふつーのないの……?」

カタログを捲りながら物珍しそうに
でぶっちょのしかし完璧なマッスルのボディ最新型『ニシノウミモデル』を見付ければ指差し、だがカプセルの方面から謎の怖気を察して鳥肌

724 :アグラーヤ [sage]:2015/05/27(水) 00:05:27.96 ID:lQ5N3EO40
>>722
「そぉ。貴女とこの子が大した関係じゃないんならそれはそれでいいわぁ」
「貴女たちを一括りに見る気もないし、顔が同じだけの他人に興味も無いものぉ」

アグラーヤとて目の前の彼女らの背景は知らぬところでは無い。しかしその行先、現在進行で歩む道程などはどうでもいいことであった。
アグラーヤが特別な感情で見ているのはタェンティースとマウトヘッド……ニアだけなのだから。これは人間には無い価値観かもしれない、あくまで自身と関連を持つ個にしか興味はないのである。
しかしそれは彼女らを兵器としては見ていないということでもある。如何に量産されたトルーパーであろうと、それぞれを独立した個と捉えているが故の見識。

「無くちゃつまらないモノってあるでしょぉ?」
「それを手放したくないって思う事って、言葉も理解できない獣でもあるんじゃなぁい?」

正直言えばそれだけではない。もっと多量の感情に依るところなのだが、自ずからそれを口に出す事はあるはずも無い。
人一倍照れやすく、人一倍捻くれているのだ。例え誰が相手だろうと内面を吐露する事は無いだろう。己が理性の保たれているうちは。

>>723
「……なによぉ、その目つきは。嫌な子ねぇ」
「大した金額にならなそうだからすっかり忘れてたわぁ」
「それにしてもいいのぉ? 貴女。それ売り払ってもっとマトモな格好したほうがいいんじゃなぁい?」

七八から向けられた眼差しにじとりと睨みつけるように返せば、不貞腐れたように顔を背ける。
そして仕返しとばかりに意地悪く笑えば、身に纏う忍者装束という独特なそれを馬鹿にするように吐き捨てた。
実際七八がそうしてしまえばこの場で困るのはアグラーヤなのであるが。

>>722-723
「……ふぅん」

みっつ、と聞けば当然思い浮かぶのは彼女のこと。
ここを教えられた時に何も言わなかったことが少々面白くないのか、しかし感謝の気持ちが無いわけでもない。
故にその部分には触れず、細く息を吐くだけであった。

「あっは……、良さそうなのがいっぱいあるじゃなぁい!」
「これなんて特にいいわぁ。ねぇ? これにしなさいよぉ?」

アグラーヤの指差したカタログのページ、そこにでかでかと描かれていたのは最早いつの時代の産物かも定かではないブリキのボディ。
当然背中にはご丁寧にゼンマイまでついている。どこまで本気かはわからないが、今アグラーヤははち切れんばかりの満面の笑みである。
725 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/27(水) 00:18:21.53 ID:N86FTcqxo
>>722

「いい夢、デスカ」

 夢見が悪い。そのような後味の悪さを回避するほうが、
 マテリアルを差し出すことよりも優先順位が上。このニンジャはそういう価値観を持っているらしい。
 と、α-12は認識をした。

「アナタのような人種がいるという事は圧縮知育で学んではいましたが、
 実際にその不合理性を目の当たりにすると驚きを禁じえませんね」

【圧縮知育――
 αシリーズの実年齢は幼い。が、精神的成長と教育を促すために特殊な擬似空間で十数年分の学習を行っている。
 これはデータ化された人格や知識を即席で埋め込んだとてトルーパーとして使い物にはならないという思想から来ている】

>>724

「………」

 しばらくはアグラーヤの言葉を黙って聞いていたα-12。
 そして、彼女の言動や言い回しから思うところがあったようだ。
 すなわち!ぼそりと呟く一言。

「ツンデレ乙」

 意外とユーモア精神が垣間見えるところであった。
 言われたほうはたまったものではないかもしれなかったが。

726 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/27(水) 00:18:41.09 ID:N86FTcqxo
 −−−−−−−−−−

>>723-724

「ええ、ありますよ?オスモウボディ。それもニシノウミモデルとは実にオメが高い」

 なぜか眠そうな顔とミスマッチな手をもみ合わせるような動作をしながら言ってのけるα-12。
 ふつーのは無いの?とか後に付けた言葉は完全にスルー!

「今のアナタのオーダーはバッチリ記録媒体に残しました。
 後で、多円=サンにも見てもらうとしましょう。それはもうジックリシッポリと」

【ALAS!愉悦チャンスを見逃さないα-12に面白材料を与えてしまった七八のウカツ!】

「そしてブリキゼンマイボディもいいデスね。つんえるふ=サン。
 私は初めて多円=サンのユウジョウの幅広さに愉悦…げふん、感心を持ちました」

 そしてそして、アグラーヤも明らかに状況を楽しむモードに入ったようだ。
 こうなるとブレーキ役は?もはや、そんなものは死んだわ!

【こうして、それなりの時間をオスモウにするかブリキ大王にするか討論が行われたという】

 −−−−−−−−−

【○時間後!!】

「と、言うわけでアナタはユウジョウのおかげで、またもや生きながらえたわけです。
 さあ、α-12の前でユウジョウの抱擁なる感動シーンを繰り広げるなら今です」

 ジーコジーコと背中のネジギミックが麗しく(高電力自己発電機構)、
 お手手のUの字(マジックハンド+擬似磁力制御で多くのモノをつかめる)が
 昔ながらのレトロチックを余すところ無く演出。色合いはつや消しの銀色。耐酸性雨塗装である。

【稼動は一見カクカクにみえて実際滑らか。稼動部も多く座ったりするのに不便ナシ!】
【カノッサ趣味人向けレトロロボットシリーズの最新型ボディが仮ボディになっているのだ!!】

「オスモウにするかブリキ大王にするか。実に難しいところでした。限られた時間で我々の技術の高さが証明――」

 何かのたまっていやがるが、果たしてタェンティースの耳には入っているかは疑問である。

【ちな!今の時点では借金のさらなる追加な無い!ユウジョウに乾杯!】
727 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/27(水) 00:29:29.62 ID:vdL6EG8g0
>>724
「それはまぁ、お互い様じゃない?」

くすり、と逆鱗に触れに行く格好である
しかしまぁ流石にこの場で、暴れる程の激昂はないと、出来る場面ではないと踏んでいるが故である
そういった意味では実に嫌らしい意地悪だ

>>724-726
「ってちょっとぉ!!」

思わずアグラーヤに迅速なツッコミ一閃
数多の世界で結果としてツッコミの役割を果たす事が多かったその技術は非常に高く、また鋭い
因みにほぼ同時、半人の眠るカプセルから何やらさめざめとした感覚が波紋めいて広がった。 気がする

さてそして数時間

『……』

達観地味た笑みを浮かべているのはブリキングさながらの新型ボディに身を包んだ半人である
慈愛、優しみ、悟り、それら全てを総括した正に聖母の笑み
そのまま3人を準々に見据え、細まっていた空色の瞳をカッと見開いた

『……タェンティース……ビィィィーーームッ!!』

瞳からの渦巻く双状怪光線、眩い閃光、続き激しい衝撃と熱波
爆炎の晴れぬ内に半人は、足裏ジェットを吹かしてスプロールの夜空に消えて行った
毒雨のノイズに、稼働音と泣き声が響いていたとさ

//この辺りで落ちますっ、ありがとうございましたっ
728 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/27(水) 00:37:48.45 ID:N86FTcqxo
>>727

「グワーッ!」

 タェンティースビームの光の奔流に呑まれて吹き飛ぶα-12。
 その髪はレトロに相応しくアフロヘアーになったそうな まる

【その後、帰ってきたバロウズがクローントルーパーの知育に関して
 激しい頭痛に襲われながらもタェンティースのボディの再構築を命じたのは言うまでもない】
729 :アグラーヤ [sage]:2015/05/27(水) 00:57:46.41 ID:lQ5N3EO40
>>725-726
「ぐっ……!?」
「つ、ツンデレってなぁに? 私そういう俗語に疎いからわからないわぁ……!」

一瞬表情が引きつったあと、白い顔はみるみるに紅潮。遂には尖り耳まで真っ赤に染まった。
明らかに知っている。しかしここで無様に喚き散らし、必死に否定でもしようものなら余計にα-12を調子に乗らせることになるであろうと察し知らんぷりをかます。
無理に笑ってみせる口角がぴくぴくと痙攣を起こしているのと、微かに何処からか漏電を起こしているのは気のせいではない。

そして誰がつんえるふと珍しくもお約束のツッコミを入れながら愉しく? 進められた他人事の討論会。
それが終われば数時間の後、遂に姿を見せたその結果にアグラーヤはお腹を抱えて笑い転げたのであった。

>>727
「貴女やっぱりいい度胸してるわぁ」

ふたりの間に少々剣呑な空気が張り詰めたかと思えばそれと一瞬、七八の鋭いツッコミを皮切りに一気に和やかな悪ノリ会場へ。
カプセルから感じた意思は三人に届くことは無く、否恐らくは力付くで無視を決め込まれたのが正解か。

「あは、タェンティースぅ……、ぷぷ、おはよぉ」
「寝覚めはあまりよくないかしらぁ? だってそれじゃ、寝返りもうてないものねぇ……ぷっ、あははっ!」
「もうだめぇ……! 勘弁しなさいよぉ……!! あははは……はっ!?」

最後に見たものは光り輝くナニカ、アグラーヤの高笑いは爆炎の中に消えた。
立ち込める白煙が晴れた頃、そこにタェンティース・ブリキの姿は無く、残されたのは前時代的なドリフヘアーの三人のみ。
この後アグラーヤがタェンティースのご機嫌をとることに苦心したのは言うまでもない。そして七八にとってはとんだとばっちりであった。

/ありがとうございましたーっ
730 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/27(水) 23:01:06.25 ID:tV0oWoNMo
「…いやー昨日はマジで面白ェもん見ちまった…勢い余ってつい激写しちまったが…」
「後でアキレスにでも送ってやるか…へへっ」

天然の大理石のように白く、古代遺跡のように統率の取れたビル群。街並みには発電用メガソーラーと集光タワーが立ち並び、燦々と降り注ぐ陽射しがランドマークの戦艦ごと街を明るく照らす。
そんな近未来のボストン近郊、藍と白の街並みの一角。そよ風そよぐ人工林道の小脇でご機嫌な様子でぶらつく青年の姿。
昨夜独自ルートで入手した体育座りでシクシク啜り泣く図太い胴体のタェンティースの写真。何度見ても腹を抱えて笑い転げたくなる出来だ。
怨敵がヘコむ姿を見るのは実に心地の良い物だ。

「…ん゛……!?」

携帯ホロ端末をパカ。メールアプリを開いて越境者仲間に手当たり次第に送信しようとした矢先、ジョシュアの動きは止まる。
アキレスからの新着メッセージに気が付いてしまったのだ。そして添付されている核兵器級の画像ファイルにも…
そんな経緯で硬直し、すっかり路上で立ち止まって固まってしまったジョシュアに能力者たちはバッタリといった感じで出くわすだろう。
顎を撫でながら携帯端末を見つめるストライプのドレスシャツの青年はサングラスで顔を隠してはいるが紛れも無いジョシュアである。
731 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/27(水) 23:08:57.00 ID:AE17qOI5O
>>730
この世界は大抵、迷う事なく済んでいい
中央に聳える巨大戦艦を目指せば殆どの場面でなんとでもなるのだから
呑気に構えて歩いていれば、やはり、ほら

「……よぉ、何してんだアホ面しやがって」

立ち尽くすジョシュアに声を掛けるのは、薄空色のアオザイブラウスに白いチノ、真紅のスカーフを纏うアラズである
腰に帯びたブルームーン、それを含めてもニアのシルエットに良く似ている
全くの無遠慮に端末の画像をヒョイと覗き込むようにしてみる
732 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/27(水) 23:16:33.12 ID:ih4H43XKO
>>730
「……ジョシュア?」

そんなジョシュアの耳に入るであろう、恐らく聞き覚えのある声。
声の方を向けば、黒髪に蒼い瞳の少女――深雪が視界に映るだろうか。
変装をしていたか否かはさておき、深雪は一瞬でこの男の正体を見破った様子。

「そんな所で何してるの……?」

偶然にも此処に越境した深雪は、折角という訳で此処の観光をしていたのである。
地図アプリを開いた携帯端末を片手に、気の向くままに白亜の迷路を彷徨く最中であったのだ。
733 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/27(水) 23:34:12.00 ID:tV0oWoNMo
>>731 >>732
「うぉっと、見破られただとっ…!?」

その名を呼ばれれば驚いた様子を見せて振り返り、ここで名前を呼んじゃダメだと焦りつつ深雪を静止するが
深雪以外の越境者にも即看破される有様のこの変装、正直誰にでもバレバレである。

「おぉっとダメだ!こいつを見ていいのは俺だけなんだからな…!」

深雪が探りを入れ、アラズが端末を覗き込もうとすればジョシュアは端末をひょいと取り上げ画面をホームへ
ポチポチと色々弄ってその画像をダウンロード、ピクチャフォルダへと仕舞ってしまった。

「代わりにコレ見せてやるよ。ほら、ガラクタェンティース(Taintiscrap)だ」

ホレ代わりにと深雪とアラズには昨夜激写した衝撃的体型のタェンティースの姿を。
胴体をブリキの塊に変貌させた彼女が路地裏で目を真っ赤に腫らして泣きじゃくっている画像である。
ジョシュアとタェンティースの関係を知らぬ者から見ればドン引きレベルのゲスの極みな行動であった。

そこでふと画面を覗き込むアラズの姿形は非常にニアに似たものであり
そういえばあの事故以来ニアとは一度も会っていないなと思い出すジョシュア、少しだけあの小さなシルエットが恋しく思えた

「それにしても偶然だな。なんだ、二人でほっつき歩いてたのか…?」
734 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/27(水) 23:41:11.30 ID:AE17qOI5O
>>732-733
「あぁ?」
「なんだそりゃ……」
「……って、くくっ、おいおいなんだこれっ?」

咄嗟に画面を隠されてしまい不貞腐れた風に溜息
しかし次なる、寸胴に磨きの掛かった半人の姿を見れば即座に噴き出す
そのまま愉悦の笑みでケラケラと、小悪魔めいて笑った

「んや、こいつ(深雪)とも偶然だよ偶然」
「お前こそ、んなちゃちい変装で隠れてるつもりか?」

顎で深雪を示しつつ、な? と同意を求める仕草
視線をジョシュアに戻し、そして足元から頭頂までを再度確認
全くもって隠れる気が感じられない、どう見てもジョシュアである

735 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/27(水) 23:50:58.63 ID:ih4H43XKO
>>733
「うん、何となく雰囲気で」

果たして、サングラスを掛けた程度で変装と言えるものなのか。
仮に変装だとしても、彼を知る者ならば、万人が今の状態のジョシュアを「ジョシュア」と言うであろう。多分、それぐらいのレベルの変装。

「んぷっ……な、何これ」

ジョシュアが見せる画面に映るは、いつぞやに何度か出会った半人のあられもない姿。
2、3秒程度それをまじまじと見れば――画面から目を逸らし、口を片手で抑え込み、深雪は黙り込む。
しかし、明らかに心の底から湧き出す笑いの感情を抑え込んでいることは明らか。

「ううん、そんなことないよ……ただの偶然偶然」

などと言いながら、一瞬、視線をアラズの方へと向ける。
やがて、それはジョシュアの方へと戻るが。
736 :ア??ス>178 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/27(水) 23:59:06.75 ID:3FIYP5cT0
>>735
そんな時 帆村の携帯にメールが届いた
そこにはジョシュアの・・・・・?

はたして これは誰からのメールなのか
737 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/05/28(木) 00:12:18.61 ID:GWkv1CUOo
>>734 >>735
「何でだよッ…!ムービースターだって帽子とグラサンだけで十分バレないだろっ!?」

フラットピットとかジョーズクルーニーとか色々例を挙げて熱弁するジョシュアであったが、ムービースターも変装レベルが低いことに代わりはない。

「はっ…まさか帽子がねェとダメなのか…!?」
「いやでも…コレ(ソフトモヒカン)が俺のアイデンティティだ。潰すワケにァ…」

変装のクォリティが低いという課題点を突きつけられれば一人迷走。
色々ゴチャゴチャと独り言がうるさい男である。
最終的に色々顔を覆うものを着用すればいいという結論に至ったようだ。しかしどうもキナ臭い匂いがする…

「ってやべェッ…MP(憲兵)だ…!悪りィが俺はここらでずらかるぜッ…またな…!」

やがて遠くからアーマーに身を包んだ兵士がやってくるのを見ればヤバいと即退散。その際になんと不幸なことかジョシュアは携帯端末を落としていってしまったようだ
これを見れば先程ジョシュアが何をマジマジを見つめているのかがきっと分かる筈だ…

そして「From Achilles」と題されたフォルダの中にはなんとこの場にいる全員の恥ずかしい写真が!(内容は各自にお任せ)
最新のファイルは猫まみれのイムカのものだ。ジョシュアはそれに「ほおずき」と名前をつけて保存していた。
しかしそれはジョシュアとて例外ではなく、時を同じくして全員の端末に笑顔でピースする大罪の少女、ニキの姿とコマネチやらムーンウォークをキレッキレの動きでかますジョシュアの写真と動画が届くだろう…

なおこの日の翌日からボストンではドレスシャツにフルフェイスヘルを着用した不審者がちょくちょく見かけられるようになったという
738 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/28(木) 00:14:41.10 ID:o1lkb2fMO
>>736
「……メール?」

その時、深雪の携帯端末から着信音が鳴った。
このタイミングで誰からだろうと、端末を弄り始める――
739 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/05/28(木) 00:22:02.45 ID:0H8pA/Qb0
>>735-737
「……ムービースターって、お前いつからスターになったんだ?」

ちゃんと身を隠すのなら覆面でも被れよな、と苦笑
髪型がアイデンティティとは初耳である、まぁしかし確かに言われて見れば納得ともいえよう

「っと、熱心な憲兵様か……」
「……じゃーな、捕まるなよー」

ジョシュアの背を見送ればひらひらと手を振った
やる気無さげな所作ではあるが、その言葉は本音である

「……あのアホ、携帯落としてきやがった……」
「……っ、……」

全く悪びれもせずに中身を確認、自身の小っ恥ずかしい画像を早速消去し深雪へと投げ渡す

「おい、あのアホに返しといてやれよ」

深雪に呼び掛ければ身を翻し、憲兵の方へとゆっくりと歩いて行った
途中ずるり、細身のディープメイカーが発現
ひと暴れして時間稼ぎと言ったところであろう

ポケットの中で携帯端末が震える、今はまだその中身を見る事はしなかった

//すみませんがこれでっ
//ありがとうございました、お休みなさいませーノシ
740 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/28(木) 00:38:23.91 ID:o1lkb2fMO
>>737>>739
「……!!」
(こんな写真いつの間に……)

アラズから投げ渡された端末の画面には、偶然にも深雪のど恥ずかしい写真がでかでかと映っていた。
色白な頬を紅潮させ、画面を隠すように覗き込みつつ、その画像をさっさと消してしまったのである。
なお、深雪の携帯が鳴るのは一連の事件(?)から少し後の話だった。

「はぁ、今度会った時に返しとかないと……」

2つの端末を手に持ち、溜息をひとつ。いずれ出会った時にでも、端末は返されるだろう。
そして、再び深雪は観光へと戻った。仮にそのフルフェイスの不審者に出会ったとしても、やはり一瞬で正体は見破られるはず。
741 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 21:08:57.84 ID:nTOGkTJq0
【スプロール 屋台街】
不景気な重金属汚染雨が降り続ける世界スプロール
カチグミとは無縁の路地に強化コーティング仕様の天幕が立ち並ぶ屋台街がある

工場から仕入れたプラント製の食物が並び 料理人の勇ましい口上と旨そうな匂いが立ち上る屋台街

―――ギィギィ!!
「分かったからズボンを離してくれ 歩きにくいんだ」

そんな中を 目を爛々と輝かせたサソリを連れて歩くのは この世界で情報の運び屋をやっているアーティスト
飯を食いに来たらしいが やはり食い物だらけのこの一角は ベティにとって夢の国のようで あちこち目移りしては これ食べたいとアキレスにねだっている

さて そんな屋台街に知り合いは来ているだろうか?
742 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 21:19:35.65 ID:Fa7kG1Fx0
>>741
スプロールパンクス達の珍妙な出で立ちの中に於いて、猫人たる奇怪な姿は特段別に目立つモノではなかった
そういった意味ではこの世界は安心である、少なくとも亜人として狩られる心配はないのだから
まぁそれ以上の厄介事が多いのにはこの際目を瞑るとしよう

「……んー……」

獣人特有の、ひとより優れた嗅覚の鼻を鳴らしながら道を行く
やはりどうにもケミカルな、人工めいたフレーバーが気になるモノが多いのだ
彼女の出身世界は自然との調和を絵に書いたような魔法世界、そう言った事柄には人一倍敏感なのだ

「ただ、まぁ……」

妥協する事を覚えなければならないし、本人としてもそのつもりだった
何となく嫌だなーと言った感覚優先で飢えるのは正に愚の骨頂である

「……む……」
「これは、なんとも新鮮そうな食材だ、何処の店から逃げて来たんだ?」

ベティを発見、屈んで覗き込み悪戯っぽく微笑む
743 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 21:29:06.01 ID:nTOGkTJq0
>>742
「おや? やぁイリータンg」
―――ギィ!?

道の向こうからやってくるイリーに挨拶しようとするも イリーはベティに悪戯を仕掛ける
夢の時間はもろくも崩れ去り 目の前には獰猛なる捕食者(ベティ並感)

―――ギィ!! ギィ!!
「ちょま ベティ重・・・」
慌ててアキレスの足から背中によじ登り 頭の上まで上ると

―――ギィ!!
アキレスの頭の上から やんのかこらー とイリーを威嚇する

「まったく・・・イリータン勘弁してよ・・・こうなると大変なんだから なぁベティおもーい」
グラグラと頭を揺らすも ベティは絶妙な重心移動で振り落されないようにしながら威嚇を続けている
744 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 21:35:57.97 ID:Fa7kG1Fx0
>>743
「ふふ、悪い悪い」

くすりと笑んで悪びれてなさそうな態度
しかし一応脅かしてしまった責任は取るつもりらしく、ベティに、縦長のスリットの入った眼差しを向ける

「……冗談だ、冗談。 お詫びに何か奢るよ、何が食べたい?」

ぐるりと周囲、食べ物屋を見渡せばベティにその決定権を委ねた
合成タンパクではあろうがそれでも味は一級の肉や魚、完全無菌工場で生産された気味が悪い程に綺麗で形揃った果物野菜達
そしてその他よく分からない雑多とした食べ物

「あー……サソリっていうとやっぱり、肉がいいのかな?」

サソリの食性に疎く、取り敢えず当て勘
軒先で巨大な肉の塊を棒に刺してぐるぐると焼いている店を指して
745 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 21:48:34.06 ID:nTOGkTJq0
>>744
「おもーい ベティおもーい」
―――ギィギィ♪

なおも頭を動かしているが ベティにはそれすらも面白いようで イリーの冗談はすっかり忘れてバランスゲームに興じていたが
目の前の人間(?)が何か食べさせてくれるらしい

―――ギィ♪
ならばここには用はない とでも言わんばかりにいそいそとアキレスから降りて屋台街を先導する
確かに 普通サソリと言えばほかの生物を襲って食べる いわゆる肉食だと思うだろう だが

―――ギィ!!
店主「へいらっしゃい 何にしましょう?」
一件の店で立ち止まりハサミを振り上げる その店はオニギリを打っている店だった

「ああ・・・最近イムカタンにおいしいオニギリもらって味を占めたらしい ちょっと前までピザパンが大好物だったのにね」
陳列しているオニギリは シーチキンや梅干しなどの定番から朧昆布や肉巻きなどの変わり種 更にジャムやチョコレートなどのマニアックなものまでいろいろと並んでいた

「まぁ・・・オニギリならなんでもいい・・・と思う」
―――ギィギィ!!

ベティは急かすようにハサミを振り上げている
746 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 21:59:55.73 ID:Fa7kG1Fx0
>>745
「……いいコンビネーションだなぁ」

くすくすと、曲げた指で口元を覆って零れ出る笑み
そしてズンズンと、まるですっかりこの道の覇者めいて征くベティ
その揺れる尻尾を目印に追従

「……え」
「あ、あぁ、そう、なのか……」

さて到着した店は意外過ぎるセレクション
同じ世界出身のムガがよく食べているインスタントフード、オニギリである
ふむむと唸り理由に納得、メニューを見て更に深みにハマる

「随分あるなぁ……」
「あー、じゃあ店主、これと、これと……あとそれかな」

取り敢えずベティとアキレス、そして自身に一つずつと思ってそれぞれ指差して購入
ベティには矢張り肉の印象が抜け切らないのか肉巻き、あとアキレスと自分の分として選んだのは王道のシーチキンとなんとチョコレート

「……アキレスさん、どっちがいい?」

そして両手にオニギリを持ち振り向けば真顔で尋ねる
そもそもオニギリ文化に詳しくなく、塩っぱいモノがあるのなら甘いモノも普通なのだろうと判断してしまったが故だ
パンや、クレープなどと同じ感覚なのだろう
747 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 22:09:31.03 ID:nTOGkTJq0
>>746
「イリータンが冗談飛ばさなきゃこうならなかったんだけどね」
笑うイリーにジト目を送る

そして差し出された肉巻きおにぎりを地面に置けば

―――ギィギィ♪
待ってましたと言わんばかりにハサミで細かくちぎって口に運ぶベティ

―――ギィ♪
おいしいみたいです よかったね

そしてイリーが差し出す2つのオニギリ どっちがいいと聞くイリーに

「ふっ・・・イリータン その道はすでに通った道DA!!」
過去に痛い目を見たのだろう 薄く笑い 迷うことなくシーチキンを受け取るアキレス

「さぁ さっさと食べちまおうか」
とオニギリを頬張った イリーのリアクションを見逃すまいとチラ見しながら
748 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 22:17:18.21 ID:Fa7kG1Fx0
>>747
「ま、まぁなんだ、細かい事は気にするな」

ジト目に敢えて応じる事はせず、明後日を向きながら苦笑

「ん、気に入って貰えたか」
「よかったよかった……」

御機嫌な様子に一安心、胸を撫で下ろす
しかしサソリがオニギリかぁと珍しそうな様子も半分程度なのは否めない

「よし、じゃあ私はチョコレートと……」
「好きなんだ、甘いの」
「じゃあ頂くとしようか」
「……、……」

頂きます、と軽く手を合わせて早速ぱくり
お米部分にじんわりと染みたチョコレート
カカオと砂糖が塩っぱいお米と織り成すハーモニー、包み込むは海苔の磯臭さ
無論美味しい訳はなく、うっと動きが停止

「……、……」

食べながら咳払いめいて口を閉じたまま噎せる、苦しい
無警戒に食べたモノがこのレベルの破壊力を持っているというのは、想像以上の殺傷力を誇るというモノだ
アキレスの期待を裏切らない、実に素直な反応である
749 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 22:34:58.30 ID:nTOGkTJq0
>>748
「ベティの足って尖ってるから 肌が露出しているところを掴まれると痛いのよ?」
明後日の方向に視線を向けるイリーにジト目を続行

―――ギィギィ♪
「あぁ たっぷり召し上がれ」

喜びのベティをしり目にシーチキンおにぎりを頂く 適度な塩気と油が米に染みて中々に美味
そしてイリーがオニギリに齧り付けば

「・・・・・・・・・・・ww」

最高にうざい笑みを向けてくる なおこの男が食べたことのある甘味オニギリは ブドウのジャムでした
嗚呼・・・お仲間が増えるのはいいことだ・・・

「お茶飲む?」
だがさすがに居た堪れなくなったのか 渋味の効いた緑茶のペットボトルをおにぎり屋から購入 イリーに差し出した
うざい笑みのまま
750 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 22:42:20.15 ID:Fa7kG1Fx0
>>749
そう、な、なんて他人事めいてクールに応対していられたのは過去の事
今は俯きげふげふと噎せつつ口を開かないようにしかし口内の物体を早くどうにかしないとならないという決定的矛盾に直面していた
飲み込めばいいなんて簡単に言ってはならない

「……!」

アキレスがお茶を差し出せば素早く頷いて手を伸ばす
一気に呷って口の中を洗い流し、ぷはぁと大きな息をつくだろう
如何にも小馬鹿にしたような笑みに対する反応は、この状況では後回しである
751 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 22:44:51.25 ID:Fa7kG1Fx0
//>>750に追記で…すみません

「ぷはぁ、し、死ぬかと思った……」

ぜぇぜぇと肩で息をしつつ、涙目をアキレスに向ける
瞳孔が縦に細い、猫特有の瞳が細まった

「……その反応、知ってて黙っていたな……?」

くそぅ、としかしオニギリを捨てる事は出来ない
食物を無駄にする事は、動禅の教えの根底に対しての謀反なのだ
752 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 22:54:23.13 ID:nTOGkTJq0
>>750-751
「知ってて黙っていましたが 何か?」
あっさり即答 継続する笑み

必死にお茶で飲み下す様は 過去の自分を見ているようでとても心地いい

「だーいじょーぶだって 死にゃしねぇってwwwwwwwwww」
ナハハハハと笑いながらシーチキンおにぎりをパクパク

さて イリーの手にあるチョコおにぎり 完食するには少々酷なもの
しかし捨てないのは見上げた根性と言えるだろう そんなイリーに救いの手が差しのべられた

―――ギィ!!
いつの間にか肉巻きおにぎりを食べ終えたベティがイリーのシーパンのすそをハサミで引っ張る

「あぁイリータン ベティがもっと食べたいだって」
その手のチョコおにぎりを 手放すか 否か それはイリーの判断にかかっている
753 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 23:02:10.72 ID:Fa7kG1Fx0
>>752
「くっ……、な、なんでもない!」

素直に認められてしまえばそれ以上の追求は憚られる
何にせよ買って、そして食べたのは自分なのだから
責任転嫁など出来ようはずがない

「そりゃ死にはしないだろうが……」
「……ん?」

ふ、と足元のベティに目線を落とす
まだまだ食べれそうな感じに逡巡、チョコオニギリを一欠片千切って差し出してみる

「これ、食べれる……?」

無理はするなよ、と付け足しながらの行動となった
754 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 23:10:32.58 ID:nTOGkTJq0
>>753
「ふはははは どうだ参ったか」

両手を腰へ そしてどこかで聞き覚えのあるセリフを吐く
相手の反論を先に潰す 名付けて先出しカウンターとでもいうべきか

―――ギィ!!
チョコソースを纏った米をハサミで受け取り さっそく口に運ぶ

―――ギィギィ♪
流石昆虫 味覚には少々疎いようで カロリー満点のチョコはお気に召した様子

―――ギィ!!
もっともっと とせがむようにハサミを振り上げた

755 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 23:14:40.52 ID:Fa7kG1Fx0
>>754
「ぐぬぅ……」

文字通りぐぬぬと唸って言葉に詰まる
見事術中にハマった格好となった

「……ん、た、食べれるの?」
「なら……押し付けるみたいで悪いけど……」

自身が囓った周囲以外を千切りベティに差し出す
微かな破片となった残りは気合で食べるらしい、ほぼお茶で流し込む様にしてだが

「……うぅ、ご、ごちそうさま……」

しばらくオニギリはいらないな、と項垂れる猫人であった
756 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/28(木) 23:27:54.56 ID:nTOGkTJq0
>>755
―――ギィギィ♪
おにぎりを受け取り おいしそうに口へと運ぶベティ オニギリはあっという間になくなると

―――ギィ!!
満足そうにハサミを振り上げ アキレスの背中にしがみつき

―――Zzz・・・
眠ってしまった 食べたらすぐに寝る まだまだお子様ということだ

「いやぁいいものが見れた★ あ 写真撮ってないや」
どうでもいいことでグヌヌと悔しがる亜k利エスでしたとさ ちゃんちゃん

//んではそろそろネタも切れてきたのでこれにてノシ お疲れ様でした
757 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2015/05/28(木) 23:33:38.04 ID:Fa7kG1Fx0
>>756
「……む……」

寝る子は育つと言うが、まさにその通りだと納得
最も呑気に可愛いなぁなんて思えるのは、成長し切った巨大な個体を見た事がない故ではあるが

「あ、あのな……」

写真なんて撮られていたら恥ずかしくて[ピーーー]る
ともあれスプロールの、珍しく平和な一幕はこれにて一先ずの終わりを告げた
天蓋に反響する雨粒の音が、喧騒の中に響いていた

//ありがとうございました、お疲れ様でした
758 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 20:42:56.24 ID:2HQ8p7TLo
【スプロール 露店の立ち並ぶ一角】

さして広くもない通りに、あまり身なりの良くない人々が、思い思いに店を開いている。
食料を売る店、衣料を売る店、あるいは武器、あるいは宝飾品……。
人の往来はまばらで、店主たちもさほど熱を入れて商売をしている様子はない。

その中、食料を扱う屋台の一つ。
店主がうろんな眼差しで見つめる先には、一人の少年がはんぺんの様な合成食料を手にしていた。

同年代の少年たちに比べ、やや背は高め。
ニット帽の下に覗く黒目はどこか陰気で、串に刺さったはんぺんを、事務的に口へ運んでいる。

「兄ちゃん、不景気な顔を済んのは勝手だが……よそ行っちゃくれねえか」

店主の当然と言えば当然の言い分に、少年はゆっくりと視線を店主へと移した。

「ん……迷惑?」

そりゃ迷惑だから苦言を呈したのだ。
店主は苦り切った表情で少年を見つめ返す。

どことなく気まずい雰囲気が流れる中……そんなところに首を突っ込む物好きがいるだろうか。
759 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/29(金) 20:57:19.03 ID:sWbHs9q10
>>758
番傘で、降り頻る重金属性の毒雨を防ぐ
越境の際に働く修正力に依り、大半の越境者はこの世界の雨に対しては一定の抵抗力を持つのだがしかし気分の問題は別なのだ
ふ、と何処か剣呑めいた雰囲気を察すれば燭台に誘われる羽虫の様に近付いていく

「おっちゃん、私にもひとつ下さいな」

ふぅと一息付きながら少年の隣に立つ少女
長い黒髪を後頭部で一括りに纏めて肩甲骨辺りまで伸ばしている
着ている衣服は菖蒲色のモンペ風の、一見奇妙な忍装束、露出は手と顔以外の一切がない

「……何か食べる時はさ、もー少し美味しそうにするといいよー?」

ここじゃ難しいかもしれないけど、と苦笑
腰に提げた忍者刀が甲高い金属音を立てて揺れる
760 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/29(金) 21:03:01.20 ID:xik/7dP70
>>758-759
「そのとぅーり」
四五六のそのまた隣に立ったのは 金髪碧眼の白人男性 こちらは袖を捲った長そでシャツとジーンズ スニーカーとリュックといったいでたち

―――ギィ!!
そしてその足元には中型犬ほどの大きさのサソリがハサミを振り上げていた

「おっちゃん 俺2つね」
店主に注文をすると

「くっそ陰湿な雨が降り続いているが この雨は止むことがない ここでは止まない雨はないという名言は通用しないのDA!!」
ビシッとサムズアップしながら青年に話しかける
761 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 21:09:54.81 ID:2HQ8p7TLo
>>759
「……あいよ」

また変な客が来た、と言わんばかりの表情で店主が並べた一枚のはんぺんを手に取って渡してくる。
いや、はんぺんの様な見た目をしているだけではんぺんではないのだろうが、口にしてみれば、やはりそれは塩味のついた味気ないはんぺんだ。
ほどよく温かくはあるが、それがなんの慰めになろうか。

少年はもぐもぐと口を動かしながら、少女をその陰気な目で見つめる。

「おいしそうな顔……? こう?」

そう少女に問いかけながら、気持ち程度、ミリ単位の角度で口角を釣り上げて見せる。
だがそうしてみると、少年はどことなく愛嬌のある顔つきになる。目元が陰気なだけに、意外な印象を受けるかもしれない。
そして上げた口角を元に戻して、小さな声で呟くように言う。

「でも、難しい。嘘つくの、よくないよ」

なんとも主語目的語にかけた台詞だが、要するにおいしくないものを食べておいしい顔をするのは出来ない、と言いたいようだが……伝わるだろうか。
当然のように店主には伝わらなかったようで、憮然とした顔で「おかしなガキだ」とつぶやいている。

「……おいしい?」

自分の分をひとまず全て胃に収めた少年は、店先を去らず、同じものを食べる少女にそう問いかけてくるだろう。
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/05/29(金) 21:15:17.93 ID:2HQ8p7TLo
>>760
「……あいよ」

変な客が追加された、と言わんばかりの表情で店主がそちらにも二つの合成食料を差し出す。
やっぱり味は塩味のついただけのはんぺんだ。

「……さそり」

少年はまた新たにやってきた男に目を……向ける前に、奇妙な鳴き声を上げるサソリを見てつぶやいた。
そしてすぐに男の方へと目を向けると。

「ん……アキラがきてから、ずっと止まない。不思議」

サムズアップへはノーリアクション。
男の口上に、納得した、と言わんばかりの声音で小さくうなずいて見せた。

そしてやはり、男にも同じことを聞く。

「……おいしい?」
763 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/29(金) 21:19:52.13 ID:sWbHs9q10
>>761
「うーん、まぁ、ぎり合格かな?」

苦笑を浮かべつつおっちゃんからはんぺんを受け取り一口
なるほどと表情そのままに小さく数度頷いてから隣の少年へと視線を向けた

「……同感。 ただ、たまにはそういう事も大切ってね」

決して美味しくはない、だが栄養価は実際高いのだろう
この世界に於ける食性の基本的な原則として、味よりも機能性を重視する傾向が強いのだ

「……ま、言うならふつーかな?」

味に対して、店主に聞こえてもいい程度の声に出すのはそんな感想
スプロールでの普通の食事、即ち美味しくはないと言った所である
無論目の前の少年が越境者であるとは気が付いていないが故、その辺りは誤魔化してはいるが

>>760
「あ、やっほーアキレス」

それにベティも、と足元に視線を落としてから会釈、挨拶
随分とテンションが高いなぁと笑い、はんぺん的な物体をお先に一口二口
決して味はよくはないらしく、複雑な表情で咀嚼している
764 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/29(金) 21:30:09.99 ID:xik/7dP70
>>762
「ヘーイサーンキュー」
クレジットを支払い 一つを地面に置く それをサソリはハサミで口に運んでいる

「・・・・・そういうもんだ この世界じゃ雨が止むのは一年のうち数日がいいとこ
 あと重金属汚染されてるから雨濡れは厳禁だ 下手すりゃ24時間以内に重金属汚染で死ぬことになる」

サムズアップについてはどうでもいい だがこの世界にいて雨の存在を不思議がるのはおかしい この世界の住人ならそれこそ 常識レベルのことなのだ
だからこの世界の雨について説明し

「あんたこの世界の住人じゃないだろう? どうだ?」
一応確認も取りましょう

そして最後においしいかと聞かれれば

―――ギィ♪
足元のサソリが嬉しそうにハサミを振り上げる
おいしいってさ よかったね

>>763
「YAHOO」
―――ギィ!!

挨拶を返す

「いやぁこの辺なら上等な部類に入ると思うよこれ そっちのシチュー喰ったことあるか? どこのプラントで作った食材使ってるかわかったもんじゃないが
 お世辞言っても酔っ払いのゲ○にしか思えないヒデェ味だぜ」

と一見の露店の大きなシチュー鍋を指さす

「この辺はヨタモノがわずかな金で腹いっぱいにする屋台街だからな 質より量なんだ 北に3ブロック向かった辺りに行けば 味にも注文つけるような比較的金を持ってるヨタモノご用達の屋台街があるぜ」
765 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 21:41:47.26 ID:2HQ8p7TLo
>>763-764

二者……いや、三者三様の答えに小さく首をかしげて見せたのち、また首の位置をすぐ元に戻す。
あまり納得のいった風ではなかったようだが、それを追及する気はないようだ。

「……よくわからない。アキラ、気が付いたらここにいた」
「傘持ってなかったら、あぶなかった?」

少ない言葉尻から正確に現状を言い抜いて見せた男に対して、陰気な目を落ち込ませてそう答える。

「アキラ、帰り道、わからない」

気落ちした大型犬を思わせるしぐさで、項垂れる少年へ、店主のガサツな声がかけられた。

「……おい兄ちゃん、食い終わったならこれ退けてくれ。うちの物だと思われたくねえからな」

そう言って店主が顎で指示したのは、屋台の横、壁に立て掛けられているなにやら剣呑な木製の棒だった。
全長はおそらく少年の身長よりも高い――二メートル近くはあるだろう。黒々とした表面には、なにやら複雑な紋様が刻み込まれている。

少年は無言でそれを背中に背負うと、店主に小さくごちそうさま、と言った。

「なんでもいいがお前ら、人の店の前に溜まるな。食い終わったら散れ」

不満げな表情の店主がそう言えば、少年はあっさりと踵を返し、すたすたとその場を離れていく。
……そして少しばかり離れた露店のない一角で立ち止まると、二人の方をじっと見返している。
766 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/29(金) 21:51:21.95 ID:DfqYSjBcO
>>764
「えぇ、これでぇ?」

不満タラタラな風ではあるが、まぁ納得は納得
酔っ払いのアレ的なモノを食べずに済んだだけでも感謝である

「ふーん……じゃあ、晩御飯はそっちにしよっかなー」

ここら辺はまだ詳しくないんだ、と七八
どうやら拠点から足を伸ばし、この辺りにやって来てたまたま出会ったらしい

>>765
「そうだねぇ、直浴びはあんまり良くないと思うよ」

雨に対してはそうだ、普通の人間ならば即お陀仏レベルの毒なのだから
だが越境の加護というのは不思議なモノで、様々なご都合主義的恩恵を与えてもくれる

「っと、はーいはいはい、ごちそーさまー」
「って、ち、ちょっと待ってよー」

追い払われるように店を出て、軒先からも追い出される格好となった
スタスタと去って行く少年の背を追って早足、番傘を開いて雨を防ぐ
そして見詰める瞳に同じように返せば、にこりと微笑みかけた

「……越境者なんだって?」
「私もだよ、七八、よろしくね」

しちは、と名乗り軽くウインク
忍者と言われて想像する性格より、ずっとアレな様子
767 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/29(金) 22:03:52.43 ID:xik/7dP70
>>765
「おいおい お客様なんだから丁重に扱ったってバチは当たんないだろ」
もっとも テイクアウト専門だとしたら店先に居座られるのは困るのだろう

―――ギィ!!
どうやらサソリも食べ終えたらしいし金も払った

「ごっそさん」
そう言ってフックにかけておいたレインコートを羽織る

「悪いが俺もお前の帰り道はわからんなぁ そもそも越境がどうやるのか いまだにわからないし」
店を出れば雨がレインコートを叩く こちらを見る少年の横に並んだ

「まぁ運が良ければ帰れるかもな それまで死なないように頑張るこった
 俺はアキレス 流浪のアーティスト そんでこっちがサソリのベティ んでお前さんは?」

―――ギィ!!
紹介に上がったサソリ ベティが少年にハサミを振り上げる
そしてアキレスは少年の名を聞きたがった

>>766
「そう これで あとはあっちの方にある肉ペーストも食える味だな ここいらは食べ歩きで割と網羅してるからな 代替の店はわかる」
肩をすくめて見せる

「北の屋台街に行くなら 牛肉のラーメンみたいな麺料理がお勧めだ あとチャイニーズなリゾットやダンプリング(肉まんのようなもの)もいけるぞ」
と グルメな会話をする

「しかし越境仲間も随分増えたなぁ」
768 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 22:15:29.09 ID:2HQ8p7TLo
>>766-767
やってきた二人に少しだけ口角を持ち上げて見せ、いよいよ本題とばかりに二人に問いを投げかけ始める。

「……えっきょうしゃ」

単語自体になじみがないのだろう、越境者と口にしながら、不思議そうに首をかしげるのみだが、二人の自己紹介には、小さく笑って自分を指差し、

「芦屋 明(あしや あきら)。七八、アキレス。よろしく」

そう自己紹介する。
そして、不安そうに眉根を寄せると、自分を指していた指を七八に向ける。

「……帰れない?」

自分と目の前の少女が同じだ、という台詞から、自分は家に帰る方法がわからないのだから、七八もまた家に帰れないのか、と聞いているのだろう。

「……? ……でも。アキレスと、七八と、ベティ、友達。二人とも、同じところから来た?」

だが、屋台の前で出会った時には、二人は明らかにお互いを見知った様子だったことを思い出したのだろう。
そこから、二人が同じ故郷から来たのか、と推察したようだ。

「……二人は、帰れたの?」

どことなくズレた推論を前提に、だがそれこそを一番知りたいのだろう。その陰気な黒目に真剣さをにじませて、そう問いかけてくる。
769 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/29(金) 22:24:38.47 ID:DfqYSjBcO
>>767
「ふむふむ……」

取り出したメモにボールペンでチェック
この世界での美味しいモノは貴重である、他の娯楽の大半はカルマに犯される事になるからだ

「……鮎の塩焼き食べたいなぁ……」

ふ、と思い出すのは故郷の味
スプロール風に言えばオーガニックに溢れた新鮮な味覚である

「ふふ、そうだね」
「止まり木の部屋も、ぎゅうぎゅう詰めになっちゃいそう」

くすりと笑んで同意、頷いて見せる

>>768
「そ、越境者」

何の因果か、世界を股に掛ける旅人の、一種の総称である

「アキラ、ね……ん?」
「……んー、まぁ、そうねぇ」

帰れない、と言うのにはその通りだと曖昧に頷く
一度故郷に帰還は果たしたのだが、再度また越境に巻き込まれてこうしているのだ

「あぁ、アキレス達とはなんだかんだで仲間だけど、出は別だよ」

背負う棒に目線を奪われ気味にではあるがの応対
帰れたのかという問い掛けにはまたも曖昧に笑って答えた

770 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/29(金) 22:32:55.37 ID:MIpERD8eo
【報告記録…C.T.S.S.クローントルーパー α-12】

 境界線世界も多くのゲートが集約され、来訪機会の多い中枢世界。
 可能性のみが顕在化し、結果が顕れ次第、朽ちるのを待つのみとなる可能性世界など、
 ある程度は研究も進み、区分されるようになってきた。

 越境者に関する研究もだが、様々な機関の探求が前進している証拠であろう。

 −−−−−−−−−−−

【荒廃世界:ウェイストランド】

 この世界は比較的理解にさほど知識を必要としない。イメージが楽だからだ。
 『少年と犬』なり『北斗の拳』なり『FALLOUT』なり、様々な題材で取り上げられいる印象そのものゆえに。
 そう、つまり、世紀末世界である。

「物資が窮乏し、人間の理性の箍が外れ、欲望が最大にまで開放された世界。
 肩パットを付けたモヒカンがバギーに乗って村落を強襲する。実に解りやすいです」

 蒸着されたブラックラバースーツに茶色のコートを羽織り、
 顔をガスマスクで覆っているのはα-12。カノッサ・テクノロジー社のクローントルーパーである。

【放射線交じりの砂埃が無遠慮に舞い散り、視界を茶色の染める】
【→地上の放射濃度はかなり高く、越境者が境界線移動でこの世界に来訪する際に
 ある程度の放射線耐性≠付与されていることは幸運であろう】

 空は赤黄色に染まり、赤すぎる太陽が天から大地を照らし出していた。

【黒尽くめのα-12が、この世界にしては比較的綺麗なカタチを保っている旧ホテル前で突っ立っているのは酷く目立つだろう】
771 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/29(金) 22:37:59.57 ID:xik/7dP70
>>768-769
「そう 越境者 よろしくなアッキーラ」
―――ギィ!!

お互いに挨拶を済ませた

「あぁ 頭に『並大抵のことじゃ』とつくがな 俺も 四五六タンも ベティも同じ世界じゃない・・・と思う」
断言しかけて ふと思いとどまる 四五六に顔を向けて

「ベティは巨大な蟲に人類が生存競争に負けた世界の生まれで 俺がその世界に迷い込んでからの付き合いなんだが・・・
 四五六タン 俺は西暦2020年のスペインのマドリードから来たんだが 四五六タンは何年のニポンから来たんだ?」

と首を傾げた そして明の方を向いて

「俺の知り合いが唱えた定理だ 『越境者同氏は惹かれあう』ってね よくわからないんだが こうやって越境者同士はどうにも同じ境遇になりやすいんだって
 だから俺の世界とも 四五六タンの世界とも違う場所で 俺たちはであったわけだ」

そして最後の言葉には

「俺は・・・ない それに帰ろうとも思わない」
自分の心を正直に言う

「俺の目標は 世界を跨ぐ至高のグラフィティ・アーティストだ だからいろんな世界を渡り歩いて インスピレーションを得たい だから帰らないし 帰りたくない」
772 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 22:48:55.16 ID:2HQ8p7TLo
>>769 >>771
「……そう」

望んでいたものとはかけ離れたその答えに、明は視線を地面に落とす。

「でも、初めて越境者、会えた。嬉しい」
「よくわからない言われて、困ってた」

その口ぶりからするに、同じようなことを既に他の人間に聞いてみたことがあるのだろう。
もっとも、彼の話し方からその意を汲み取ることはそれほど用意なことではない。
彼のコミュニケーションまずかったことも、回答を得られなかった要因であることも、想像することはたやすいだろう。

「アキラだけじゃ、なかったんだね」

……あるいは、越境自体がこれが最初のことではないのかもしれない。いやに実感のこもった安堵の言葉だった。

「……七八、どうしてる?」

その問いは、こうして越境者という境遇に身をやつして、何をしているのか、ということだろう。
アキレスはすでに口にした。彼は故郷に帰るつもりがないようだから、こうして新天地で新しいものを求めて暮らしているのだろう。

「アキラは、帰りたい」

では七八はどうか。彼女は帰りたいとも帰りたくないとも言わなかった。
帰りたい自分はどうすればよいのか。どうするのがよいのか。

その指針を求めての問いだった。
773 :宿禰 纏 >>381 [sage]:2015/05/29(金) 22:54:04.87 ID:5EsJn9fA0
>>770
「……あれ? ひゃっはーぽくない人間初めて見た」

旧ホテルから出てきたのは黒いパーカーに白のショートパンツ、黒いロングブーツの少女。
長い襟を立てて口元を隠しているのは空気が悪い故だろうが、何故かパーカーの肩にはトゲトゲの肩パットが装着されている。

「……何してんの? こんなとこで」
「あ、ここは譲らないから。纏の隠れ家だし」

α-12もかなり得意な格好をしているのだが、トゲトゲがついていないということはモヒカン一味ではないと判断したのだろう。
取り敢えず自分が一先ずの拠点としている旧ホテルを取られまいと先んじて念を押しておく。
因みに建物の中にはモヒカン共から奪った食料等が備蓄されていたりする。
774 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/29(金) 22:56:07.98 ID:DfqYSjBcO
>>771
「ん?」
「あぁ、私はニホンってとこじゃないよ」

んーと、と区切って続ける

「トウノクニの更に東……っていうのかな?」
「……ごめん、多分分からないよね」

短い説明は苦笑で終わった
七八の世界自体、越境関連で言えば『辺鄙な田舎』に当たるらしく世界の呼び名すら定着していない
同時にそれは七八の故郷付近での文明レベルのそこまでの発達の遅滞を匂わせる結果となってもいる

>>772
「え? 私?」

よかったよかった、なんて明の反応に頷いていた矢先に突如振られて自身を指差す

「私は……まぁ、ちょっと探し人がいてね」
「帰りたいは帰りたいけど、そいつの首根っこ引っ張って帰らないとだからさ」

ふ、と相変わらずの笑み
しかし今度のモノには何処か一抹の侘しさが混ざっていた
探し人とは実の兄であり、同じく越境にて行方不明となっている人物なのだ
無事かどうかも怪しい相手を、想起しつつの表情である

「帰りたい、か」
「まぁ……そうだよね」

しかし困った、気まぐれな越境の女神を前に何が出来る訳ではないのだ
775 :四条藍 [sage]:2015/05/29(金) 22:56:40.27 ID:64QHv5BPO
>>770

「フッ…………私は試されているようね」

茶色い視界に映る代わり映えのない世紀末風景を好奇心の支配する眼差しで眺める少女。
腰に二本の刀を帯びて背には一振りの太刀を背負う少女はこの世紀末世界でも御都合主義的な厨二思想を展開中。
無遠慮に舞う砂の所為でガサガサの短い髪の毛を手で弄りながら辺りを見回す。

「いいでしょう! この試練受けて立ちます!!
 だから……だから──────誰か私に食材の恵みをぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

ふぅ、と何かを覚悟した意味深風な溜息をついた少女は独りでに叫び出す。
周囲に人がいないと分かりきっている故に恥はなく声量も遠慮しらず。
そうして、覚悟の雄叫びをした少女────四条藍は勢い良く両手を挙げて天に恵みを求める。
後ろには何処かで出会ったαがいるとも知らずに。
776 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/29(金) 23:00:26.05 ID:MIpERD8eo
>>773

「カクレガ?と、いうことはコンラートファミリーの一員ですか」

 ホテルから出てきたモヒカンぢゃない少女を二つの円い赤レンズで捉えるα-12。
 声音は静かであるが無機質というよりは、何となくやる気に欠けるものに聞こえるかもしれない。

「ここに来た理由は単純です。このホテルの主のコンラート=サンを抹殺しようと思いまして」

 そう唐突に言いながら、この黒尽くめの少女は両手をパンと合わせると、

「ドーモ、C.T.S.S.クローントルーパーα-12です。ホテル内の敵性勢力を皆殺しに来ました」

 アイサツは大切だ。アカシックレコードにも書いてある。
777 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/29(金) 23:07:17.33 ID:MIpERD8eo
>>775

(物狂いでしょうか…)

 何かどっかでみたような人がいる。
 任務前にひっどい不確定要素が現れたものだ。放置というわけにもいかない。

「あー…ちょっといいデスか?」

 ちょいちょいと藍を手招き。どうやらお腹が減っているらしい。
 クローン兵器であるα-12にも慈悲という言葉は存在した。

「大声を出さないでくだサイ。酷く目立ちます。不都合です。
 餓死寸前デスか?ここの神はアテになりません」

 ここの神はアテにならない。そりゃそうだ。とんでもない災厄で文明がほぼ崩壊したというのに、
 ついに神は降臨せず、人類もその他の生物にも救いの手は差し伸べられなかったのだから。

「ここに綺麗な水があります。携帯糧食でよければ食料もあります」

 ポーチからパパっとチューブ付きの水と携帯糧食を取り出す。
 そして、それを藍の目の前にぶら下げながら、自分の足をずずいと前に出す。

「あげてもイイです。代わりに忠誠を誓ってくだサイ。足にキスするだけでイイです」

 クローン兵器であるα-12にも慈悲という言葉は存在した。←欺瞞・ドS

【人間としての尊厳を取るか!一時の快楽(満腹)に身を委ねるか!Q極の選択!】
778 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/29(金) 23:08:22.15 ID:xik/7dP70
>>772
「そっか・・・苦労したな」
そう言葉をかける笑みは優しい

「気休めにしかならないが・・・元の世界に帰れたって越境者は・・・噂の中では結構いたりする
 その方法までは支離滅裂なんで噂の域を出るようなのは早々見当たらないがな」

「四五六タンのようなニンジャなのもいるし 俺やアッキーラみたいに服装が似通っているのもいる
 こんなSF世界な奴だっているし 剣と魔法の世界の住人だっている 世界は一つ一つ独立しているようにみえて いろんな場所とリンクしているもんさ」

>>774
「あれ? じゃあ完全に俺の世界とも違うのか」
多少時代が違う程度と思っていたので驚きの表情を浮かべる

「トウノクニ・・・スマン 全く聞いたことがない たぶん俺は四五六タンの世界にも行ったことがないな」

「しかし首根っこ引っ張って連れて帰らないといけない人・・・あぁなるほど」
合点がいったように平手を拳でポンと叩く

「フィアンセか」
ニッコリ
779 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 23:16:22.76 ID:2HQ8p7TLo
>>774 >>778

「ん……わかった。頑張って見つける」

何がわかったのか、何を見つけるのか。
むろんそれは明確な帰るための方法がないことであり、それを見つけたいということだ。
すなわちそれが、彼のこの見知らぬ世界での指針であることを悟ったようだった。
まったくもって言葉足らずな少年であった。

「ふぃあんせ……七八の好きなひと?」

アキレスの言葉に、目を少しばかり見開くと、七八の方へと体ごと向き直る。
やおらその目に心配の色を浮かべて

「……見つける?」

見つけてあげようか?、と。
頓珍漢にもお節介を焼こうと言い出す。
780 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/05/29(金) 23:24:51.16 ID:DfqYSjBcO
>>778
「うん、そうだと思うよ」

ジョシュア達との会話の中で感じた鱗片
しかしそういえば七八自身がそういった事を話す切っ掛けは今まで遂になかったのだ

「だろうね、今まで行ったって人、会ったことないんだよ」

矢張り越境というのは不思議なモノで、数多の世界の中で選出されるのは何処か偏りがあるようにも思える
七八の故郷の世界は、その傾向から外れた枠組みの中のひとつなのだろう

>>778-779
「ふぃ……!? あ、兄貴だしっ!」

珍しく素直に、そのままの感情を露骨にして示す反応
手伝ってくれるとの申し出にはありがたいと渋りながらも頷いた
だがしかしそれは、発見までの道程はなかなかに一筋縄ではいかないらしい

「……ま、よろしく頼むよ……」

やや焦燥な笑みで
ともあれ仲間が出来たのは有難いし心強い

「……と、まぁ一先ず私先に止まり木の部屋に行くよ」
「アキレス、これ座標、この場所ね」

よかったら来てよ、と小型デバイスに止まり木同盟の部屋を表情して見せる
そして踵を返せば、またねと微笑んで振り向きそして雨の降り頻る人混みの中に消えて行った

//すみません、これにてお先に落ちますっ
//ありがとうございました、また宜しくお願いしますー
781 :宿禰 纏 >>381 [sage]:2015/05/29(金) 23:28:06.77 ID:5EsJn9fA0
>>775-776
「……こんらーと? なにそれ」
「良い隠れ家見つけたと思ったんだけど、そのコンラートさんって人のだったってことかな」

どうやら纏自身もここに辿り着いて浅いらしく、比較的状態の良いここを隠れ家としようと決めたばかりであったらしい。
残念そうに頭をかきながら、目の前のガスマスクが女性である事をその声から知った。

「……抹殺とは穏やかじゃないね。纏のことも[ピーーー]の?」
「やるならやる、けど……纏はコンラートさんの友達じゃないよ……あ、どーも」

反射的にぺこりと頭を下げて挨拶を返す。挨拶をされて無視するわけにはいかない。
よく見れば纏の背後には肩パットのもぎ取られたモヒカンが気絶している。きっと纏に倒されたコンラートファミリーの見張り的な奴だろう。
この状況からこの少女が彼らの味方では無いことがわかる筈だ。

「……あとさ、アレ君の友達? ちょっと変みたいだけど」

α-12の後方、何やら叫び声を上げるヒトを指差しながら呆れたような声で尋ねる。
782 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/05/29(金) 23:31:53.55 ID:xik/7dP70
>>779-780
「・・・? あぁ・・・頑張れ」
一体何を探すのか 個人的にはよく分からなかったが 明の決意に声援を送った

「そうさ 離れ離れになった想い人 忽然と姿を消したアンタの為 こうして世界をまたいで追いかけます
 あのひと〜♪ どうして〜♪ いるぅ〜かぁ〜しぃ〜らぁ〜♪」
噂を聞けば会いたくて♪ とコブシを利かせた熱唱で明の心配をよそに暴走しだす

「あ 違うの? そりゃ残念」
だが四五六の慌てた訂正に暴走は終了

「ちょ 俺この世界に個人で持ってるセーフハウスあるから止まり木の宿借りる必要ないんだけどな・・・行っちゃった」
呼び止めようにも さっさと人ごみに紛れてしまった四五六は すでに視界のどこにも姿はなく

「まぁいいや こんなクソッタレ雨が振る中で野宿なんて嫌にも程があんだろ
 こいよアッキーラ シャワーと暖かい寝床を紹介してやるから」
といって明を連れて街を歩き出すのであった

//では自分もこれにてノシ
783 :四条藍 [sage]:2015/05/29(金) 23:36:41.58 ID:gARn9XTv0
>>777
>>781
 数秒の沈黙。
 藍の悲痛な叫び声に神はレスポンスしないで少女を見捨てた。
 虚空に虚しく掲げられた両手を刺激する砂埃に苛立ちを感じた藍は溜め息を吐いて、手と共に肩を落とす。

「──────ひゃいッ!?」

 乾いた喉と痛みさえ覚える空腹を如何乗り越えるべきか思考を繰り返しては絶望。
 いよいよ人生も終局かと、我が人生に一片の悔いなしと覚悟を決めて劇画チックな顔つきを見せる藍。
 己の右腕を砂舞う天に突き上げようとした刹那、耳に入ってきた聞き覚えのある声に驚きながら反応。

「ふ、不都合とはなんですか!? それに仕方ないんですよ、貴女の言う通り餓死寸前なんですから!」

 走馬灯の様に脳裏を駆け巡るは死に掛けた思い出────餓死寸前の人間とは思えないハツラツな口調で必死に反論。
 手招きに釣られて速歩き且つαを指差しながらに近付く。
 神のアテがないとは予期せぬ不祥事。
 普遍的に見れば神の存在は曖昧だが、藍はそんな存在が大好き故に、神も悪魔も仏も魔王も世界に身を潜めていると思っている。
 神のいない、見捨てられた世界だったなんて、と独りでにお節介な同情。

「あぁっ! み、水! くっ、靴にキス……ッ……!!」

 衝突なαの慈悲に藍は目を見開く。
 水の代わりに提示されたドエスな要求に対して人権を賭けた壮大な葛藤が繰り広げられる。
 そして、藍が見出した答えは──────

「て、手の甲にキスで………………」

 ちょっとかっこいい忠誠の誓い方でした。
 本当は靴に唾でも垂らそうかと思っていたがそれで水をクシャポイされちゃうと困る故に──精一杯の妥協。
 靴にキスは如何しても嫌だったが、水は絶対に欲しい。そんな考えから生まれた甘い答えにαの反応は!?

「………………ねえ、あの人って貴女の友人?」

 プルプルと苦痛の表情を浮かべながらに横目でもう一人の人物を確認。
 先方と同様の質問を目の前のαへと投げつけた。
 同時に自身のみっともない姿を初見の人に見られるのは恥ずかしいと感じた藍は、すぐ様キリッと侍モードを醸し出し、背筋を伸ばした。






784 :芦屋 明 [sage saga]:2015/05/29(金) 23:41:21.46 ID:2HQ8p7TLo
>>780 >>782
「兄さん? ……わかった、見つける」
「ん……七八、またね」

協力の申し出に承諾を貰うと、何が嬉しいのか少しばかり笑って見せる。
そして、歩み去る七八に、その姿が雨の飛沫の向こうに消えるまで小さく手を振りつづけるだろう

手を振り終えると、アキレスの方へ向き直って

「ん……アキレスも、ありがとう」

アキレスに連れられるまま、そのあとを追って歩き出すのだった。

//おつかれさまでしたー
785 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/29(金) 23:44:41.59 ID:MIpERD8eo
>>781

「デス。ここから離れたところに大きな集落があるのデスが」

 α-12は遠くの方を指差しながら説明。
 そこはバリケードを築き、女子供をどうにか大人たちが護っている集落で、
 多くの悪意から未来を守ってきたのだという。

「で、そこの集落には実は不発弾がありましてね。ぶっちゃけ核なのですが。
 ここのコンラート=サンがギルドに依頼したそうなのですよ。その核を爆発させろって」

 α-12が語る内容は聞いているだけで頭痛を催すモノだ。
 ここのコンラートはファミリーを率いる老人であるが老境に入って脳が本格的にイカれたらしい。
 核爆発のキノコ雲をワイン飲みながら見たい。ただそれだけのために多くの未来を閉ざそうとしている。

(まあ、私としては慈善事業ではなく核爆発でロストテクノロジーの多くが四散しかねない方が問題ですが…)

 つとつととそのような事を考えながら、

「よーするに、ここに居る人たちにこれ以上生きていてもらうの不都合なのデス。
 雇われの発破人はα-12が処分しましたが、根っ子を絶たないと同じ事の繰り返しデス」

 そうして、纏とその近くに倒れていたモヒカンを見比べて、

「邪魔をしないなら、私がアナタを害す理由も存在しません」

 と、再びドーモと頭を下げた。

>>783

「…仕方ありません。手の甲で妥協しましょう」

 マスク越しからの伝わる優越の声を表情。
 明らかにこの展開を楽しいでいやがると確信するにゃ十分であった。

【なんたる慈悲深さ!餓死寸前の藍にご飯とお水をくれてやった。さあ、感謝しろ。場合によっては信仰しろ!】

 そうしていると、何やら友人・知人と二人に問われたので、

「藍=サンは先程下僕一号に。あの人は単なる通りすがりらしいです」

 それから、纏に語ったコンラートファミリーに関する内容を藍も聞くことになるだろう。

 −−−−−−−−−−−

>>781>>783

「と、いうわけで何時までもくっちゃべっているわけにはいきません」

 言いながら、両手にサブマシンガンを構えるα-12。
 やる気なさげな声音とは裏腹に暴れる気十分である。

「コンラート=サンの抹殺業務に入ります。では――」

 そして門を破ろうと…既に纏が何か門破りまではしていた。好都合。

「突入しようと思います。α-12はとても健気デス。きっと手伝ってくれる人もいるデショウ」

 チラ、チラ…

「きっと手伝ってくれる人も(ry」
786 :宿禰 纏 >>381 [sage]:2015/05/30(土) 00:13:12.32 ID:QlnVGePz0
>>783
「……えー、あのさ、もう遅いから。今更カッコつけても……纏、全部見てたし」
「……武士は食わねど高翌楊枝って、あれ嘘だね」

現実は非情である。纏の立つ場所からは事の一部始終がくるっとまるまるお見通しであった。
それ故急に背筋を張った藍の姿は纏にとって実に滑稽であり、その口元は微妙に笑っているのだがパーカーの襟に隠され見える事は無い。
とは言っても腹が減っては戦どころか生きてはゆけぬのが現実。藍の行為はそれ程恥ずべき事では無いのだが、そこにフォローを入れる程纏は饒舌でなかった。

>>785
「……へー、コンラートさん、中々良い趣味してるね」

α-12の話を聞く程に纏の瞳には影が差してゆく。
正義の味方を気取るつもりなどは毛頭無い。が、武を修めるモノとして理不尽な力程許せないものはない。
表情は全く変わらないが、その心には抑えきれぬモノが産声を上げ、巡る血潮が熱くなってゆくのがわかる。

>>783
>>785
「君の邪魔はしないけど、イカれた老害の道楽はちょっと邪魔したくなっちゃったかも」
「……手伝うよ。てか、手伝ってほしいならそう言えば」
「……一号も行くんでしょ、下僕なんだし」

下僕一号、もとい藍を一瞥すればα-12に続くようにホテル内へと進んでいく。
屋内であれば自身の本領が発揮できるとその歩みに迷いは無い。
少々無警戒にも思えるが自身の近接能力に絶対の自身がある故であろう。
787 :四条藍 [sage]:2015/05/30(土) 00:25:30.12 ID:nFBpb/KB0
>>785>>786

「う、うるさい! お腹空いてるから仕方ないんですよ!?」

 まさか最初から見られていたとは思わなんだ。
 顔を赤面させて力強く言い訳。
 緩む口元を袖で隠す纏だが、藍の経験上、此方の馬鹿姿を見て口を隠す人は大体笑われていると分かる。
 それ故に、藍は更に恥を感じてついには耳どころか首元まで赤くした。
 きっと今晩は枕に顔を埋めて足をバタバタさせるに違いないだろう。
 
「ファーストキスが手の甲かぁ……」

 億劫な表情で悲壮感漂う雰囲気を展開させながらαの手の甲に口付け。
 マスク越しからでも容易く分かる彼女の優越な表情に屈辱を感じる。
 一体なにが仕方ないのか、文句と不満が藍の自称純粋な魂を汚す、が────

「わぁぁぁ! ありがとうございます!
 流石アルファーさん! できる女!!」

 貰った食料を前に目を輝かせる。
 成る程、これが都合のいい女か。
 藍は獣が如き勢いで食料を空腹の胃に収めていく。
 成る程、これが肉食系女子か。
 この刹那のみ────慈悲として渡された食料をガッツク僅かな時の中のみ、藍はαを信仰する。→やったね、アルファちゃん。信者が増えるよ!

「誰が下僕一号ですか! あ、ご馳走様でした。おかげで明日も生きられます。
 それにしても、通りすがりで此処に漂流とは貴女もついてないんですね」

 全て飲み、全て食した藍は先程の信仰を抹消。
 αの雑な説明に突っ込みを入れた。
 通りすがりと紹介される纏をジロジロ見れば、藍は余計なお世話と一喝される様な一言を言い放つ。
 そんなふざけた話が済み、纏に話した内容同様の説明をαから聞くと藍は成る程と一言。
その後は足を屈伸させたりと、準備運動を開始した。
 世界を移動する存在ゆえに、この様な慈悲のない事象に巻き込まれることは覚悟していたし、一々それに慌てふためくとキリがないことも知っていた。

「へー、ケナゲナヒトハクツニキスサセヨウトスルンデスネー。スゴーイ、スゴーイ」

 白い眼差しでなんか言っているαを見る。
 突っ込みすら入れないのは呆れているからか、はたまた意味がないからかは分からない。
 とは言っても協力はするようで、藍は自身が腰に帯びていた刀を一本、手に取った。→【天楼華剣】

「いや、一号じゃありませんし下僕でもないですから!? 私の名前は四条藍です! 立派な剣士です!」

 ちゃっかり定着しつつある自身の立ち位置に危機感を感じた藍。
 此処で一度、立場を分からせた方がいいと考えると胸を張り声高らかに自己紹介。
 なお、張るほどの胸はない模様。

【愛刀を構えて二人の背中を追う】

 



788 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/30(土) 00:41:15.65 ID:rCBxmLioo
>>786

「ふむ、纏=サンですか。インプット」

 藍との会話中の名乗りで少女の名前を把握したα-12である。
 本名などうかはともかく、名前というのは重要なツールだ。認識するに越したことはなし。

「いい趣味ではありません。一般的には悪趣味といいマス」

 なお、纏の言にはバカ正直に解答するα-12であった。

>>787

「あ、あるふぁー=サン?私はα-12(アルファ・トゥエルヴ)デス。
 αだけではどのαか解りません」

 なんか名前について珍妙な事を言いつつも、
 何か、この人、犬みたいだなと思えたのでまあまあよし。

「では、一号=サン。一飯の恩という武士道メゾットに則ってついてきてくだサイ」

 −−−−−−−−−−−−
>>786-787

【突入フェイズ】

「アバーッ!!」

 モヒカンの頭部を弾丸が貫き、頭蓋骨の欠片と脳漿を壁にぶちまける。
 α-12は三次元的に壁を蹴り、天上を蹴り、あらゆる方向・角度から銃弾をお見舞いしているのだ!

「この糞アマどもがあ!!」

 しかし、ここはファミリーの根拠地!数が非常に多い!
 そして、連中にはモラルだの仲間意識だのは非常に曖昧だ。

「ブルウウウアアアアッ!!」
「アバーッ!!」

 激昂した体格の大きい筋肉デブがチェーンソーを振りかざし、
 一直線上のモヒカン達を真っ二つにしながら、纏に向かって突き進む。
 α-12のサブマシンガンの銃弾もチェーンソーで弾かれている始末だ!

【触れればバラバラになりかねないコンバットチェーンソーの一撃が、纏の胴体目掛けて振るわれる!!】

 藍に対しては尚更酷い。もはや室内であることも味方がいることも度外視されているのか、
 彼女に向かってフラググレネードを投擲しようとするモヒカンが居る始末だ!
 室内でそんなものを使われては酷いことになりかねない!!

【藍めがけてモヒカンが虎の子のグレネートを投擲しようとしている。その距離、タタミ8枚分!】
789 :宿禰 纏 >>381 [sage]:2015/05/30(土) 01:09:01.79 ID:QlnVGePz0
>>787
「……見ず知らずの纏に醜態を晒した君程じゃ、ない」

ついてないと言われすかさず返答。しかし実際のところ藍の言うようについてなかったのだろう。
ただでさえ面倒臭がりの纏がこのような事に巻込まれてしまったのだから。
だが事の成り行きを聞いて黙っていられる程、纏はお淑やかでもなければ臆病でもなかった。
感情のままに動く事を嘲笑する自分を認めながら、それでも込み上げる激情に進める足は止まらない。

「……四条、藍。纏は纏だよー。宿禰纏」

手早く自己紹介を済ませればα-12の後に続きモヒカン共の巣窟へと突入を開始する。
改めての自己紹介となったが、纏は一人称が自身の名前の為敢えての事は必要なかったようにも思えるが。
何にでも形式というものは必要であり重要なものだ。特に纏の生まれ育った世界に於いては。

>>788
「……うん、間違った。悪趣味であってる」

α-12の様な手合いには敢えての説明はより面倒な結果を招くと判断しての肯定。
何やら言い知れぬ敗北感を感じずにはいられないが、さらに立ち入れることが負けを意味するのは明らかである。

「……へー。なかなか動けるじゃん」

室内という限定的な空間を三次元的な機動で縦横無尽に駆けるα-12の動きを見て感心したように漏らす。
飛び散る肉片やら何やらに明らかに顔を顰めるが、そんな甘っちょろい人間染みた感性はこの場において不要。
やらなければやられる、それを物語るように筋肉[ピザ]の凶刃が纏へと迫る。

「……無駄なもんばっかりくっつけて、だから武器に頼んだよ……、遅いってーの」
「寝ててよ、出ないと……死ぬよ」

チェーンソー振り翳す男の肉体は纏にとって正に無駄の塊。分厚い筋肉と脂肪で小回りの効かなくなった相手の挙動を読むなど容易い事だ。
胴を薙ぎにきた凶刃を跳躍してやり過ごせば、そのまま筋肉[ピザ]の眉間へと膝蹴りをかます。
それでも彼が意識を保ち立っているのであれば、そのまま男の肩を足場とし華奢な脚をその太い首に巻き付けるだろう。
初撃で失神したのならばそれでよし、それでも立ち続けているのであれば巻き付けた脚に体重を掛け首を圧し折るつもりである。
出来れば殺したくはない故の二段構えであるが、この甘さが凶と出る事も有りうるか。
790 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/30(土) 01:19:04.72 ID:rCBxmLioo
>>789

「私は企業の尖兵です。これくらいは当然のスペックです」

 自信満々に言い放ちながら銃弾をばら撒くα-12。
 最近の企業というのは酷く物騒なスキルが出世に必要らしい。
 もっとも、正確に言えばα-12はカノッサ機関のクローン兵器であるが。

【火線が交錯し、濃密な死臭が漂いつつある旧ホテル内】

 ヴヴヴウウウンン!と猛悪なうなりをあげるチェーンソーの刃が空を切る。
 眉間をしたたかに打ち付ける膝蹴り。しかし、この筋肉デブの首と頭蓋骨を揺らすにはパワー不足であった。
 が、続けざまに首を締め付けられるも――

「ブルアアアアアッ!!ゴアアアアアッ!!」

 筋肉デブは汚らわしい泡を口から発しながらも、
 その筋肉に蓄えられたエネルギーのままに暴れ続ける!
 チェーンソーを振るい、位置的に届かないと見るや、壁に向かって駆け足。
 体重と勢いのままに纏を壁に激突!しかるのち踏み潰そうという魂胆であろう!!
791 :宿禰 纏 >>381 [sage saga]:2015/05/30(土) 01:46:39.04 ID:QlnVGePz0
>>790
「……纏の知ってる企業と、なんか違う」

この瞬間、殺し合いの只中というのに迷い無き声で紡がれる言葉。
ガスマスクをしている為その表情は伺えないが、恐らく声色と同じく自身に満ちたもので引き金を引いているのだろう。
いけないな、と自身の甘さに独り言ちる。人を殺める技術を持っていながら遣い手がそれを活かしきれぬ等愚の骨頂だ。

「……うわ、汚っ。って言ってる場合じゃ、ないね」
「ちょっと、煩い……ごめんね」

猛スピードで迫り来る壁。この勢いで激突すれば結果は明らかだ。振り落とされた所を踏み抜かれ殺されるだろう。
纏は掌を筋肉デブの頭にぺたりと置けば、首に絡めた脚に一層の力を込める。
がっちりと固定されほぼ一体となった纏の身体に、筋肉デブが猛烈な勢いで踏み抜く床からの衝撃が伝わってくる。
自身の力は非力でも、この男の体重から来る衝撃力をそのままプラスして利用しようという考えだ。

「……纏流、発勁掌」

伝える衝撃が逃げぬよう、自身の関節部分を氷華により凍結硬化させればそのまま筋肉デブの脳に直接叩き込む。
胴体などでは筋肉の鎧が邪魔して内部に届くまでに衝撃が分散してしまうだろうが、頭皮と頭蓋骨しか遮るものがない頭部に於いては強力な一撃になり得るものだ。
792 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/05/30(土) 01:54:11.57 ID:rCBxmLioo
>>791

「アババーッ!!」

 その効力は劇的であった!
 首の太さも頭蓋骨も意味は無く、脳に直接衝撃が叩きつけられたならば、
 脳が強力な衝撃で頭蓋骨の内壁に叩きつけられて<Oシャリと潰れたのだ。

【筋肉デブは白眼を向いて、鼻血と血涙を流すと、そのままドシーンと倒れた】

「クリア」

 手榴弾を投げようとしたモヒカンの口中を脊椎ごと打ち抜いたのを確認し、
 α-12は淡々とした口調で両手のサブマシンガンを再装填する。
 ふと、纏を見やる。先程の闘いはつぶさに見ていたらしい。

「…闘いの技量は誇るべきです。殺しの技量は誇るべきではありません。これは受け売りですが」

 そのまま、言葉を後には続けずに先に進むα-12であった。
 これ以上は長々と語るべきではないだろう。走狗たる兵を失い、裸の愚王と成り果てた老人が、
 そのカルマに相応しい最期を迎えた。ただ、その事実を以って締めとする。

//以上!乙かりーさまでありますノシ
793 :宿禰 纏 >>381 [sage]:2015/05/30(土) 02:24:56.40 ID:QlnVGePz0
>>792
「……ぁ、うっ」

崩れ落ちた筋肉[ピザ]の死に顔を見れば酸っぱいものが込み上げて来るのを感じ、そのまま我慢出来ずに床にぶちまけた。
結果死んだのでは無い、紛れも無く意思を持って殺したのだ。
これまで人を斃す技術を磨いてきた纏だが、その技術を以ってして実際に人を殺めたのはこれが初めてであった。
己の情けなさ、不甲斐なさに心に影が差し始めた時、α-12の言葉が耳に届く。

「……そーいうの、いいから。別に普通」
「でも、まぁ……あー、ありがと。てか待ってよ、纏も行くし」

自らの意思で事に参加し、そして人を殺めた。理由はどうであれそれは揺るぎなく存在する結果である。
なれば最後まで見届ける責任があるだろう。望まぬものであったとしても、生じた結果には須らく責任が付きまとうのだから。
迷い無く先へと進むα-12の背中をしっかりと見据えると、短く息吹し前へ進む一歩を踏み出した。

/おつかれーさまでした!
794 :ダニエル【コーディング】>>377-378 [saga]:2015/05/30(土) 23:13:18.02 ID:Fu+NMESX0
<魔法世界エリュシオン――――とある都市>

「……問題は山積みだなぁ。」

魔法世界エリュシオンの都市部にて、物々しい金属音を響かせながら甲冑姿が歩いている。
その名前はダニエル=フロッグハート。……新世界へと来てしまったいわゆる来訪者である。

ダニエルは自分の住んでいた世界から、ゲートによって突如、飛ばされてしまったのだ。
無論、この世界のことはもちろん、帰る方法すらも分からない。
現在はのんびりと情報収集しながら、この新世界にて何とか暮らしている。

そんなダニエルの情報収集も進展があり、ゲートのことなどについて情報を得ることができた。
これは大変、喜ばしいことなのだが、問題はまだ存在する。

「……ふぅ、ちょっと休憩しよう。」

歩きつかれたのか屋外にあるベンチに腰掛けると、水分補給のため甲冑の頭部……ではなく
お腹の部分にあるギミックを開く。

すると、そこからは人間ではなく、カエルの顔がのぞいていた。

そう。彼はここに来た際にカエルの姿に変貌してしまったのである。
つまり、ダニエルは元の世界に戻る前にまず、元の姿に戻らなければいけないのである。

傍目から見ると、甲冑のお腹の部分からカエルの顔が出ており、そこから水を飲んでいるという奇妙な光景だ。
周囲の人から注目を浴びるには十分すぎるほど、目立っている。
795 :48代目アフロキング・ボンバー>>382 [sage]:2015/05/30(土) 23:33:49.00 ID:euwBtzkuo
>>794
「ん…?」
エリュシオン…俺様はこの世界で、ベンチに座っている甲胄に声をかける。
色々な世界が繋がって出来ているんだ。色々な奴が居ても不思議じゃねぇ…
だが…

「騎士…には見えねぇな…」
俺様の目に写っているのは、甲胄姿の…カエルだ…
しかも、カエルは甲胄の腹の部分から顔を出してやがる…

「面白い鎧だな…流行りか?それ…」
カエルは言葉を放っている。
喋れるって事は、コミュニケーションも取れる筈だ。
俺様はこのカエルに質問を問いかけてみる。

【話しかけた男――】
【4、5cm程のアフロヘアーを持ち、髪を含めれば身長は2m程と言ったところか――】
【服装は革ジャン、背中に剣を背負っている】
796 :ダニエル【コーディング】>>377-378 [saga]:2015/05/30(土) 23:47:39.93 ID:Fu+NMESX0

「……うわぁ、でっかいなぁ。」

声を掛けられ、そちらを向く。大柄な男に喋りかけられて、第一印象はそんな感じである。
どこか間延びした声は、のんびりとした印象を与えるかもしれない。

「いやぁ、これはここで作ってもらった特注の甲冑だよ。
見て分かるように、ボクはカエルの姿でさ。

何があっても大丈夫な様に、こうしてこれを着て行動しているんだよ。
やっぱり、人型が多いみたいだから、人型でないと何かと不便だからねー。」

ぱしぱし、と自身の甲冑を甲冑の腰の辺りから突き出た小さく細い腕で示すように叩く。
おそらくは腰の辺りから出ているその腕が、ダニエル本人のものなのだろう。

つまり、甲冑についている腕はダミーである。


「……ところで、その……キミの頭も何かあったのかな?
……あ、もしかしてキミも来訪者とか越境者とか呼ばれている人?」

アフロを見たことがないのか物珍しげに、そのボリュームのある頭を眺めている。

そして、そんな頭を自分と同じような事情でそうなったと思い込んだらしく
アフロキングのことを自分と同じ来訪者の類だと思ったようだ。
797 :48代目アフロキング・ボンバー>>382 [sage]:2015/05/31(日) 00:02:03.37 ID:9KL+hlJPo
>>796
「頭…このアフロの事か?」
カエルが問いかけた質問…
それは俺様の髪型の事だ…
“何かあった”か…

「来房…越境…交差するのは“人”だけじゃねぇ…」
そう…この世界は別の世界にも繋がっている…
ゲートとか呼ばれる存在でな…
俺様はその先で…

「色々な世界を見て、俺様は“センス”ってのを学んだ。
 それが、アンタの言うこの“頭”だ…」
俺様は親指で自分の“頭”…そう、このアフロヘアーをさして見せる。
俺様は格好良いと思い、この髪型にしているだけだ…

「そして俺様は48代目アフロキング・ボンバー!!
 ボンバーとでも、呼んでくれ。」
俺様はカエルに対して名乗り上げる。
とは言っても、これを名乗るのは“来房者”になってからだがな…

「アンタは、事情があるみたいだな…この姿に…」
このカエルの口ぶりからすると、好きでこう言う格好をしている訳では無いらしい。
798 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/05/31(日) 00:14:12.83 ID:XovNIHFm0

「へぇ……かっこいいからかぁ。
でも、そんな頭はボクが居た世界じゃみたことないなぁ。

……んー、ボクの世界って遅れていたのかな……。」

格好良いということでその頭にしているということを聞いて
思い返すもののダニエルの中ではそのようなカッコいい髪型の人物にあったことがない。
彼も来訪者として、色んな世界があることを学び、時に自分達との違いに驚くことはしばしばある。

おそらく、アフロヘアもその一部となるのだろう。

「ボクの名前はダニエル=フロッグハート。……ええと、ボンバーさん、で良いのかな。」

何か変わったお名前だね、と付け加えつつ、自分も名乗りを上げた。


「そうなんだよ。ボクはこの世界に来たときに、こうしてカエルの姿になっちゃったんだ。
色々と話を聞いてきたけど、こういうことが起こるのは珍しいんだって!」

深刻そうな話であるが、自分のケースが珍しいということについて語る際にはどこか自慢げである。
のんびりしてそうな印象どおり、結構、図太いのかもしれない。
799 :48代目アフロキング・ボンバー>>382 [sage]:2015/05/31(日) 00:28:45.10 ID:9KL+hlJPo
>>798
「確かに、珍しいかもな…
 俺様も色々な奴を見てきたが…
 ダニエルみたいな奴は初めてだ…」
名前からしても、元々は人間なのか…
カエルになった…確かに、信じられない様な話だ…
だが…

「楽しんでいる様にも見えるな…」
ダニエルはその珍しさを自慢げに話している。
ポジティブな奴だ…

「そう、男に絶望は許されねぇ…
 男は常に楽しみを見出すモノさ…」
俺様はダニエルに敬意を込め、親指を立てる。

「気に入ったぜ…ダニエル、機会があれば、また会おう…」
俺様はそう言い残し、その場を立ち去る。

//落ちます。ありがとうございました。
800 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/05/31(日) 00:43:17.95 ID:XovNIHFm0

「まぁ、最初からカエルならまだしも世界を渡って変化させられたのは、そういないだろうね。
ふふふ、我ながらまるでおとぎ話のようだな、って思うよ。」

小さく笑うその姿は確かに楽しそうである。
無論、帰ることを諦めたわけでもないし、人間に戻りたい気持ちは十分にある。だが……。

「そうだね。だって、キミが言ったようにボクみたいな状況って中々ないからね。

人間としての生き方とカエルとしての生き方……ふふ、二倍って言うとちょっと頭が悪いけど。
……でも、こうして全く違う生を体験できるってすごいことなんじゃないかな?

――――――って、考えるようになったら、なんだか楽になったんだよ。」

最初からダニエルもこのような楽観さを持っていたわけではないようだ。
自分なりに色々と悩んだ末にたどり着いたのが、このような考え方なのである。

見方一つで人生は変わる、というがある意味、それを実践できたのがダニエルなのだろう。

「ボクもその頭のかっこよさについて、知りたくなったよ。
今度、会うときは、そのことについて教えてね。」

去っていく、アフロキングことボンバーさんを手を振って、見送ったとか。

//はーい。お付き合い下さってありがとうございました!
801 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/31(日) 22:49:22.29 ID:FBXqISW4o

 陰鬱なる曇天が広がるファンタジーの世界。
 長きに渡る戦乱で人心は荒廃を極め、相次ぐイクサにより溢れた血と死体は、
 屍鬼(グール)を人里に呼び込み、また、大気に溢れる死臭は魔物の狩猟本能を刺激する。
 さらに人類種と亜人種の敵意は最高潮に達し、本来、互いに助け合わねばならぬ危急の時であるはずが、
 互いに血で地を争うイクサの一部と成り果てるのみ。

【これだけでも十分に悲惨さは見て取れるだろう。が、ここにさらなる追い討ちがかかっていた】

 門より来たる者――

 それらはそう呼ばれていた。本来、この世界には存在しないはずの者達。
 その所業は清算を極めた。街一つ丸ごと消失した事件。突然の神隠し。
 その後、発見された大量の死体(それらは何らかの実験に使われた痕跡があったという)

【隣人がそれかもしれない。出自不明の旅人がそれかもしれない。
 様々な虚実定まらぬ噂は一人歩きし、疑心暗鬼を増幅させていった】

 −−−−−−−−−−−

【とある村落――】

「………」

 外套のフードを目深に被り、イムカ・グリムナーは馬を休めるため訪れた村を見やっていた。
 あちこちに大きな柱が立てられ、そこに括り付けられた多数の遺体。
 火刑により焼かれ、皮膚は炭化し、焼かれた筋肉の収縮により骨折しており、歪んだオブジェと化している。

【荒縄で首に括り付けられた札…魔の者と疑わし罪=z
 【→実際にそれ≠セったかどうかは問題ではないのだろう。疑われた時点で悲惨な拷問の後に火炙りだ】

(…懐かしくはあるな。おぞましいが)

 善悪定かならぬ童達はそれを棒で突っついていたりする。
 大人だ。眉をひそめる者も居れば、侮蔑の視線と共に唾を吐く者もいる。

【なお、イムカが密かに行った探査での結果ではこの火炙りにあった他称:魔の者≠スちは全て普通の人間である】
802 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/31(日) 23:04:21.74 ID:srU6qnKVO
>>801
少女が辿り着くは、磔にされ、焼かれ、朽ち果てた死体が彼方此方に転がる村。
――確かめる手段が無い故、僅かに疑われた時点で苦痛と死が確約される。
中世的な思想が引き起こした悲劇であろう。

「うぐっ……」
「それにしても、中々にひどい有様ね」

少し吐き気を催したように、深雪は自らの口を片手で軽く抑えた。
幾度目であろうか、彼女はこの世界でイムカに出会い、旅のお供めいた事をしていたのだった。
803 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/31(日) 23:21:29.14 ID:FBXqISW4o
>>802

「ある種の熱狂が必要なのだろうさ。希望を持つためにはな」

 抑圧と絶望への抗いからこのような所行が行われているとしたら
 ある意味、この悲惨で陰鬱な火刑も希望を見出すための手段といえなくもないかもしれない。
 もちろんそれはあまりに救い難い希望ではあるが。

【とにもかくにもいつまでも感傷に浸るわけにもいかない】
 【→より現実的な話として、水と食料、情報を得たりするなどやるべきことがあるのだ】

 −−−−−−−−−
【→酒場へ】

 酒場に訪れると、中にはいかにも傭兵くずれといった連中から、
 学者気取り、畑仕事を終えた村人などそれなりに盛況であった。

【イクサから逃げてきた者が一晩の宿を求めたりなど、戦争によってにぎわう場所というのは存在するものだ】

 それでも、イムカと深雪が入り口を潜ったときには、
 喧騒が一時的にシン…と静まり返る。新しい余所者の来訪。警戒心が見て取れる。

「(女連れ…しかもアッチはガキかよ)」
「(魔女の類じゃあないだろうな?)」
「(…かたっぽ。混ざり者じゃないか?チッ、酒が不味くなる)」
「(胸囲の格差社会…)」

 いぶかしむような目。降り注ぐ不振。
 これらを刺激し一定のラインを超えればおそらく刃を交えることになる。下手をすれば魔女扱いだ。

(混ざり者…この世界の人間は肉体改変している人間の区別がつくのか?)

【耳を澄ませば、周囲の呟きを聞き取れるだろう】

【行動:
 周囲の警戒を解くために店の全員に酒をおごるもよし。店主に情報は無いか聞くもよし。
 突発的に能力を使ってケンカ売るも…オススメはしない。基本、好きに行動すれば何か反応があります】
804 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/05/31(日) 23:25:07.52 ID:XovNIHFm0
>>802-803
「これは……中々の惨状だね。
ボクが居た世界でもここまでの光景は無かったなぁ。」

甲冑のシャッターめいたギミックを開け、カエルの顔を覗かせながら複雑な声色で述べる。
このカエルは元は人間だったが、新世界に来た際に変化してしまった来訪者だ。

名前をダニエル=フロッグハート。
今回は元の姿に戻り、元の世界に帰る手がかりを探すため、こうして合流したのである。

「……でも、そうだね――――そうだ、魔女狩り……なんかを思い出すね。これは。」

彼は元の世界では魔法戦士のようなことをしていたという。
新世界へと来た衝撃で記憶が薄らいでいるらしいが、本人曰くそうであるようだ。

そのためか、この光景にうろたえることはなく意外と平静を保っている。

「…………あ、待ってよー。」

のはずだが、そんな光景に深く考え込んでいたようで二人を見失いかけていたらしく
慌てて、二人を追い、二人から遅れて酒場へと入店した。

一応、警戒のためかシャッターめいたギミックを閉じた上で。
805 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/31(日) 23:33:44.66 ID:FBXqISW4o
>>804

 正直なところここにダニエルが加わっていたのはある意味で僥倖ではあった。
 女だけの二人組がこの荒廃した世界で旅をしている?
 その違和感が取り返しのつかないレベルにまで達するまえにある種の歯止めの役割を果たしていたのだから。

【に、してもその不自然なシルエットはやはり別方面での警戒心をもたらす可能性もあったが】

「ダニエル…身体のバランスは擬態には不自然にならないか?」

 一応、ダニエルの胴が妙に長くて脚が妙に短いバランスについての言及は先にあっただろう。
 彼が正体を顕わにしてもよいパターンの場合はそれも話のタネとなるが、
 こういった状況の場合はどう切り抜けるのであろうか?

【とにもかくにも如何にも女を連れた護衛兵という出で立ちのダニエル】

 卑しい目で、特に深雪を見ている連中への牽制にはなるであろうか。
 嘆かわしいことに世の中には歳若い女をかどわかし、売り飛ばすことを生業とする連中もいる。

【→どのような不振な連中とトラブルにならない程度に威嚇するかという技能も求められるだろう】
806 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/05/31(日) 23:40:33.30 ID:srU6qnKVO
>>803>>804
3人が入った途端に険悪な雰囲気が酒場を包む。先程の賑わいは何処へやら。
とはいえ、変に行動して辺りを刺激、表に点在した骸のようにはなりたくない。
途中、呟きや囁きの中に何やら変なことが聞こえたような気がするが、まあ気のせいということで。

「ねぇ……やっぱりボクたちってちょっと怪しまれてる?」

――などと、軽くイムカとダニエルに小声で囁く。
確かに異邦人である深雪の装束は、この世界のそれと掛け離れたもの。奇異な眼差しで見られるのもまあ、無理はないこと。
周囲の視線を僅かに気にしながらも、酒場の中を歩き進み、空席が無いかと時折キョロキョロと。

とりあえず深雪は空いている席を見つければ座るであろう。後はメニューめいたものを見るなりして、注文でも。
変に行動するよりも、平生通りに振る舞う。そうした方が周囲の雰囲気もマシになるであろうと深雪は考えたらしく。
807 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/05/31(日) 23:46:44.98 ID:XovNIHFm0
>>805
「その……最初はそういう目的じゃなかったから、しょうがないよ……。」

内緒話の様に耳元で囁きたい話題ではあるが、彼が囁くとなるとイムカに
自身のお腹の辺りに耳をつけてもらうことになる。

それは流石に光景として、異様になりすぎることはダニエル自身も分かっている。
そのため、擬態していることを周囲に気取られないように当たり障りのない表現で述べる。

ダニエルは甲冑について、語るときに人間基準の世界だから、このサイズにした≠ニ言うがそれは異なる。
実際は注文の際に自分がカエルであることを忘れていた≠セけなのだ。
つまり、前者の理由はダニエルの後付なのである。そのため、甲冑のシルエットはこんなにも異様なのだ。

とはいえ、ダニエルは護衛兵の様に診られてしまうのは仕方がない。
らしさ≠出すためか、遅れて入ってきてゆっくりと二人を庇うような位置に身を置こうと。

>>806
「…………だね。二人とも女性だから……なおさら、ね。」

甲冑の中からダニエルが同意を示す。
表情は見えないが、困っているのが容易に想像できる。

何せ、ただでさえ、異端のものに対して敏感になっていそうな場所である。
そんな場所にそれもこんな一団が堂々と酒場に立ち入っては怪しまれるのは当然だ。

なので、こちらは騎士の様に庇うような位置に身を置こうとする。
深雪が座るのであれば、奥側に座らせようと。
808 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/05/31(日) 23:58:29.65 ID:FBXqISW4o
>>806

「だから、格好くらいは変えたほうがいいと言ったのだがな」

 ちなみにイムカは草色の外套に旅人風の服をホログラムで投影している。
 ALAS!ここで深雪が普段の格好のままであるという事が明らかになり違和感がパネェことになった!

「すまないね、あんたら」

 店主らしき女主人が、三人の前に泡立つぬるいビールを陶器のジョッキに入れて置く。
 真水の質が悪い地方ではよく見られることだ。安酒は水分とカロリーの源。子供だって嗜んでいる。

「最近物騒な連中が多くてね。皆怖がってんのさ。しかし、そこの子は妙な格好だねぇ」
「ああ、都市の最新ファッションをまねているんだ。妙にマセてしまって手を焼いている」

 イムカはどうやら深雪の格好について誤魔化しているようであった。
 越境者も着替えられないわけではない。また一つの学びがあったということにしておこう。

【メニューは酢漬けのサラダとビール。リスシチューにすごく堅い黒パン。オーソドックスな食事だ】
【→もちろん、ミルクだの質のいい真水だのフルーツジュースといった軟派なモノは存在すらしない】

>>807

 全身を覆う甲冑…いわゆるプレートメイルはこういう世界では高級品に位置する。
 それこそ、そこらの村人では一生かかっても届かない装備であろう。

【実のところ多少の不恰好を誤魔化せるくらいの威圧効果は十分にあったのだ】

 人攫い共は目をそらし、それでも奥側の席の深雪の隙を伺っている。
 村人達は警戒しながらも、とりあえずは各々の話に戻り始めた。

【耳に入るのは何処何処のイクサで大勢死んだ事】
【亜人種の侵攻により土地を奪われた事。そして、それらに対して醸成されていく憎悪】
【またも神隠しで大勢が行方不明になっていること】
【混ざり者(イムカ)に対する侮蔑と警戒 ※イムカは遺伝子的に肉体改変をしている】

「やあ、兵隊さん。お嬢さんの護衛大変だったろう。いい稼ぎにでもなっているのかい?」

 こういう状況では女主人の気風のよさは一種の清涼剤であったろう。
 深雪と同じメニューがテーブルの前に並べられる。…さて、どうやって食べよう?

【メニューは酢漬けのサラダとビール。リスシチューにすごく堅い黒パン。オーソドックスな食事だ】
【→店内にはいまだにこちらをじーっと見ている連中は存在する!】
809 :帆村深雪 ◆rF8einrntM [sage saga]:2015/06/01(月) 00:18:06.94 ID:W8CHsE4ZO
>>808
「ううん、ボクこそ雰囲気悪くしてごめんなさい……」
奥の席から店主へと謝罪めいた口調で言う。彼女、こういう辺りに心配性な一面があったりするのだ。

「うん、そうよね、こんな変な服だったらやっぱり……」
「やっぱり着替えたくなってきた……ここを出たら服探さないと」

出された料理を、深雪は肩身を狭くしながらちびちびと食べる。どうも、この雰囲気に慣れない様子。
そして、自分があまりにも浮いている気がして。周りを見渡しても、当たり前だが自分のような服装人はいない。
ちょっとその辺りを後悔気味に、小さく溜め息をついた。

「……」
(のど渇くけど、これお酒よね……)

当然、見るからに未成年である深雪。幾ら異世界だからといって酒はダメである。
今の所は一切の手をビールに付けていない様子。しかし、あまりに喉が渇いたり、誰かに促されれば渋々と我慢して飲むかもしれないが。
810 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/01(月) 00:20:50.93 ID:22kco6+O0
>>808
「……いえ、お構いなく。
私は、私、ではなく――――こちらの主、たちに。

そのような、アル、コールも結構……お金は払い、ます。」

色々とゴシップレベルの人々の噂が耳に入ってくる。
とはいえ、あまり素の自分を出すことはまずいと思ったらしい。

そのため、同行者というよりも、まるでイムカと深雪を主とする騎士の様な振る舞いを始めた。
だが、慣れていないため、その口調は途切れ途切れである。

しかし、中身が全く見えない得体の知れない甲冑と言う意味では
ある種、このようなカタコトの喋り方の方が、それらしさを演出している。

ともあれ、この状態では食べられないため、自分は食べないと決めたらしく
イムカと深雪のほうにメニューを譲る。

当然、ビールもお預けだ。
811 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/01(月) 00:39:02.71 ID:whIOCl9to
>>809

「………」

 イムカは無言で深雪のビールをひったくって飲んでしまう。
 同時に、腰につけた皮袋…水筒を彼女に寄越した。

【イムカらしい何処か配慮が不完全なフォローである】

「路銀が足りないのだが、魔物退治の依頼とは無いか?」
「ああ、やっぱり狩人さんかい。目の色が違うからね」

 そして深雪を横目にイムカと女主人が話をしている。
 女主人は狩人≠ニ口にしたが、おそらく意味合いは深雪の世界とは多少異なると思われる。
 世界修正力による言語変換も完全に網羅しきれぬ不便な部分もあるということだろう。

>>810

「ああ、彼は遍歴騎士の類でね。インテリなのか他人の前で食事をするのにまだ慣れていないんだ」

 ここで少しだけイムカのフォローが入る。旅を始めたばかりの世慣れぬ遍歴騎士。
 そういう肩書きで誤魔化すことにしたようだ。女連れの護衛というのも如何にもらしいだろうということもあった。

「食料品を売ってくれ。野菜に果物。酒に香辛料。だ」

 実はイムカのほうこそ出身世界では貴族様そのものであったりするが、
 こういうのにはそれなりに慣れてしまっているらしい。

「まあ、次の食事まで我慢してくれ」

 そう言って、騎士さんのお腹の部分に声かけするのであった。

 −−−−−−−−−−−−−−

>>809-810

「さて、それじゃあ出ようか…」

 酒場を出る頃にはとりあえず警戒の色は多少は薄らいでいた。
 もちろん、最後までそれが払拭されることは無かったが。

「(魔物退治…やっぱし、狩人かよ)」
「(俺達にとっちゃ大差ねえよ。バケモノ同士、精々殺し合え)」
「(くそ、あっちの娘浚えねぇかなあ…)」
「(あの甲冑野郎邪魔なんだよ…)」

 とてもリラックスとは程遠い視線。それを潜り抜けて外界に出ても、
 やはり火刑跡の広がるところでは一息も覚束ないって奴で、

「近場で山賊の急襲にあって全滅したキャラバンがあったらしい。
 死体にグールが群がっているだろうからと、退治に懸賞金が出ている。向かおう」

 正直、闘いに赴くよりもこの村に長いするほうがよほど危険だ。と言外に告げるイムカ。
 繋いでいた馬にまたがり(こういう世界では馬は重要な移動手段であることはいうまでもない)、
 血生臭い村から血生臭い街道へと進んでいくのであった。

//ではココマデー
812 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/01(月) 00:58:34.41 ID:22kco6+O0

「…………。」

イムカの言葉に沈黙を是として答える。
風貌だけを見れば(甲冑の異様さは別として)完全に騎士である。

周囲の言葉を聞く限り、自分がバリケードになっているようでホっとしている。
どちらにしても、自分が良い牽制になっているのは嬉しい誤算である。
特に深雪が狙われているのは悟っているようで、それとなくそちらを気にしつつ。

「……ありがとう。」

女店主が席を離れた辺りで、小さくイムカに向けて礼を言った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「……そうだね。ボクもそう思うよ。」

あくまでも身長に周囲を窺いつつ、発言をする。
今、自分は二人のお供の騎士である。

中身がカエルだとバレるのは今はあまり好ましくない。

そして、イムカの言葉に秘められた意味を察知できたらしく、賛同する。
戦いの場に赴く方が安全、というのだから、この村の異常さが分かる。
まぁ、それほどの事情があったため、一概に納得できないわけではないのだが。

「じゃあ、行こう。」

自身もイムカに続き、この死の匂いがこびりついた村から脱出をしたとか。

//了解です、お疲れ様でしたー
813 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/01(月) 22:26:42.62 ID:St4HeQNT0
 陰鬱なる曇天が広がるファンタジーの世界。
 長きに渡る戦乱で人心は荒廃を極め、相次ぐイクサにより溢れた血と死体は、
 屍鬼(グール)を人里に呼び込み、また、大気に溢れる死臭は魔物の狩猟本能を刺激する。
 さらに人類種と亜人種の敵意は最高潮に達し、本来、互いに助け合わねばならぬ危急の時であるはずが、
 互いに血で地を争うイクサの一部と成り果てるのみ。

【前回までのあらすじ!!】
とある火あぶりが行られた村で仕事を受けた一行 内容は キャラバンの死体に群がるグールを殲滅してくること
人攫いたちの目を華麗に無視して仕事場所へと向かう 詳しくは>801〜を見てね!



その背を見送った後 席を立つ一行がいたのは 決して偶然ではなかった

【数時間後 街道沿い】
「とまぁこういうこともよくある話だよNE★ミ」

盾にしたキャラバンの荷馬車に矢が突き刺さる
一行はキャラバンの死体に群がるグールをサクっと殲滅することに成功した

あとはグールの耳でも鼻でも切り取って持ち帰れば仕事完了なのだが
颯爽とハゲタカかまそうとする傭兵崩れ数人の奇襲を受けたのだ

もっとも 傭兵崩れが狙っているのは報酬だけなのだろうか・・・? 
814 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 [sage]:2015/06/01(月) 22:35:50.47 ID:mYDtTTUL0
>>813
「……くそ、実に不愉快だ」

低い体勢に伏せながらの仏頂面
そもそもアンデッドの供養(駆逐)自体は吝かではない
だがその依頼のあった村落での顛末と、更にキャラバン隊の死者達をそのままにと言うのが猫人としては気に入らなかった
破戒動禅士とは言え、生を尊ぶ意は人数倍に高いのだから
そんなこんなとしている合間に強襲を受け、大きく息を吸っては倍の量を吐き出す

「多いな。 ロイさん、弓か銃は持っているか?」

遠距離武器や攻撃手段に乏しい猫人、敵の人数をざっと確認しつつロイへと尋ねる
このままでは、少なくとも自身のみではジリ貧が目に見えているのだ
815 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/01(月) 22:47:49.91 ID:St4HeQNT0
>>814
「残念だが矢も銃もない どこぞで傭兵になった世界で買ったんだが・・・別の世界に行くと消えてしまうんだ」
ヤレヤレと肩を竦め 懐から細い皮ひもを取り出す

「スリング(投石の道具)なら持ってる これで援護する」
足元のこぶし大の石を手にし 投石紐で振り回して投擲

1人の傭兵崩れの頭に命中し昏倒 そこに一瞬の隙が生まれた

「いまだ!! いけ!!」
816 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 [sage saga]:2015/06/01(月) 22:58:18.93 ID:mYDtTTUL0
>>815
「消える? そりゃまた難儀な」
「ふむ、いいのがあるな」

とはスリングを見ての感想
質量武器として、更に山なりの軌跡を描くスリングは銃や、更に弓とはまるで次元の異なる戦術が取れるのだ
更に弾丸は今この場面ではほぼ無尽蔵、頼れる事この上ない

「……!!」

爆発的に駆け出したその体、青白い闘気の焔に覆われている
スリングが命中した傭兵のひとりが倒れるその前に他の手近な傭兵に接敵、掌底撃を狙い放つ
闘気の焔に依り強化された一撃、鎧があろうとその衝撃波までの相殺は難儀である
817 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/01(月) 23:13:32.55 ID:St4HeQNT0
>>816
「その世界に戻れば いつの間にか戻ってくるんだがね」
世界の修正力というのは難しいものだ

「俺の故郷じゃマストアイテムさ 何せ石だらけの鉱山なもんで」

弓矢が止んだその瞬間 飛び出す猫人
鉄の胴当てに掌底を叩きこんだ

衝撃は鉄をすり抜け その中の本体に伝わり

傭兵崩れA「ぐへっ・・・」
今まで手入れしたことのない ひどい口臭を吐き散らかしながらぶっ倒れた

傭兵崩れB「クソ!! 亜人はヤっちまえ!!」
傭兵崩れC「生きて帰れるt」

ロイ「んだらぇ!!」
先行したイリーに気を取られた残りの傭兵崩れが剣を抜く
が 弓矢を放り出したことでロイが自由になり ウチ1人に切りかかった

傭兵崩れC「クソ亜人が!!」
敵意をむき出しにした傭兵崩れCがイリーに切りかかった
818 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 [sage]:2015/06/01(月) 23:19:57.64 ID:mYDtTTUL0
>>817
「っ……」

人を超越した嗅覚には少々堪える、その悪臭は
ともあれ次の攻撃に備えて振り返る、長い黒髪が追従して揺れる

「……助かる!」
「っ……! せぇっっ!!」

斬撃を錫杖で否す
受け止めるには体格と筋力に差があり過ぎるのだ
硬ではなく柔で対応しなければならない
そのまま高い位置へ向けてのハイキック一閃、青白い焔が尾を引いて唸る

819 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/01(月) 23:28:32.09 ID:22kco6+O0
>>817-818
そんな戦闘をしている最中、がっしゃんがっしゃんと金属音を響かせながら移動する影が一つ。
音は奇襲をした傭兵崩れたちの背後のほうからである。

「…………やっぱり。」

その姿は全身が甲冑に覆われた姿(中身はカエル)である。
このカエルは確か別働隊として動いていた中に居たはずのものだ。

戦火の音が聞こえたため、引き返してきたのかもしれない。
他の面々の姿が見えないため、恐らくはダニエル一人のみだ。

「……助太刀。」

とある事情で騎士風の立ち振る舞いをしていたため、若干それっぽい言動で。
腰から柄を一つ抜くと、それに白く輝くものを纏わせ始め、それをダミーの腕へと持たせた。

刀身の部分は刃、というよりは棒状になっており、打撃武器のようである。
820 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/01(月) 23:41:48.24 ID:St4HeQNT0
>>818-819
さして研がれていないなまくらだ その一撃は杖の表面を滑って地面に叩き付けられる

傭兵崩れC「ひぃぃ!!」
だがイリーのハイキックは無様に頭を抱えて逃げる

そうこうしているうちに別働隊 しかもあの厄介な鎧騎士が援軍に来てしまった

傭兵崩れC「ハッチ!! 2人相手じゃ無理だ!!」
たまらず味方に救援を呼びかけるが

傭兵崩れB「るせぇ!! こっちゃ手一杯なんだよ!!お前がこっちを手伝え!!」
剣とハルバートでつばぜり合いをしているために 逆に救援を呼びかける始末

傭兵崩れC「クソッタレ!! 誰だよ楽な仕事なんて言ったやつは!!」
それでも降参しないのか ナイフを抜いて2人に正対
まだ押し倒せば勝機があると思ったのだろう

ダニエルに破れかぶれの突進を仕掛ける 押し倒した隙に逃げようという魂胆である
821 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 [sage]:2015/06/01(月) 23:48:25.91 ID:mYDtTTUL0
>>819
「……!?」

数が増した、そしてそれが何方の数かを刹那逡巡
猫と人のハーフめいた風貌の流黒長髪の、性別からすると背の高い女性
出で立ちはシャツにジーンズとラフなモノであり、それは同時にこの世界では異質な、越境者である事を言外に告げている
ともあれその猫人は今回の件に途中参加であり、別働隊の存在を知らされてはいたがその人材配備までは未知であったのだ

「……感謝するよ、騎士さん」

棒剣を構えて迫るフルメイルの騎士にたじろぐが、その戦意が此方に向いていない事を察すれば傭兵の剣戟を否しながら告げる

>>820
「……っとっ……!?」

蹴り足が空を斬り、バランスを崩しそうになったのをなんとか凌ぐ
ともあれ数の有利も得た格好、敗因要素は少なそうだ
短剣一本で相対するその勢いは敵ながら天晴とも思う

>>819-820
「……[ピーーー]なよ、騎士さん」

無駄な殺生を忌み嫌う性分は、他人にもそれを強要させる
だが無論時と場合、そして彼我の実力差を鑑みた上での事だ
この場合、ダニエルと敵の傭兵の装備の差と、更に実力の差を感じての事であった
ダニエルを支援する形で位置取り、万一の場合に備える布陣に機動する
822 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/01(月) 23:53:21.92 ID:22kco6+O0
>>820
「…………。」

こちらに駆けて来る一人の姿を見て、コーティングで刀身を付加したカエルソードを構える。
こちらは普通のロングソードの様な刀身で相手はナイフ。

リーチの差からも、こちらが有利なのは明白だ。
しかし、ダニエルはCの言動に少々、気になる点が生まれてしまった。

そのため……。

「……よっ、と。」

その突進をいかにも迎撃しようとする体勢で対峙するも、衝突の直前に避けようと
横に動き、そのまま姿勢を低くすると、カエルソードを相手の足元に差し出した。

捕らえて情報を得ようと考えたのか、そのまま転ばせて拘束をするつもりだ。

>>821
「…………。」

その甲冑姿はイリーの姿を一瞥した。
しっかりと動いてはいるが、視線は頭部からは感じない。

もっと下の……おなかの方から視線が向けられているように感じる。
こちらはこちらで、イリーが敵でないことを判断できたようだ。


「…………。」

そして、傭兵Cが飛び込んでくる直前、その言葉を汲み取ったかのような
リアクションを小さく取った……様に見えた。

もっとも、その後でダニエルの中で疑問が生まれたため、どちらにしても
殺すことはおそらく無かったのだろう。
823 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/02(火) 00:05:08.73 ID:8ld9zxVE0
>>821-822
そういえばイリーは殺しを是としないのであった
それを思い出したロイは 胸に突き立てようとした穂先を寸前で思いとどめ

ロイ「ウッラァ!!」
柄で側頭部を痛打して昏倒させた

そして離脱を試みた傭兵崩れCであったが 鎧騎士はひょいと身を躱し その手に持った棒で傭兵崩れCを転倒させた

傭兵崩れC「んぎゃっ!! h・・・ヒィィ殺さないで・・・!!」
目の前には鎧騎士 傍らにはイリー 戦意喪失した男は命乞いを始めた
824 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 [sage]:2015/06/02(火) 00:09:27.39 ID:Xg7oV/uq0
>>822-823
「っと……お見事」

ロイと、そして騎士の見事な手際を前にして纏っていた闘気の焔を解いた
青白いそれは風に舞って四散して消える

「……取り敢えず、縛っとくか?」

キャラバンから縄を一本頂戴し、ぴんと張って威嚇地味て見せ付けながら歩み寄る
釣り目は細まって尻尾は揺ら揺らと揺らめいて、万一の逃走さえも許さない体勢であった
825 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/02(火) 00:20:03.67 ID:iAX6N7Wu0
>>823-824
「…………。」

無機質な甲冑が傭兵崩れの男を見下ろす。
その無機質さが与える威圧感はかなりのものである。

そして、縛ろうと提案したイリーの言葉を聞いて何かを思いついたらしい。
縄を持つ、イリーを静止させると男の両腕を掴む。

すると、甲冑の腕からにじみ出るようにして、白く輝くエネルギー体が男の手首に纏わり付く。
それは時間を置かずして、どんどん硬度を増していく。

それは簡易ではあるが、まるで手錠だ。


「…………どうして、狙い……狙った……んだ?
そして、誰が楽な仕事……と言った?」

そのまま、何故かカタコトな喋りで男に聴きたいことを尋ねる。

疑問は二つ。どうして、自分達を狙ったのか。
そして、誰が自分達を襲うことを指して、楽だと言ったのか。
仲間内だけでそのような話になったのなら、ともかくこれを指示した人物≠ェいるとすれば
また、対応が変わるからである。

ところで、この甲冑の喋り方はイリーはともかく、ロイからすれば、違和感があるだろう。

何せ、甲冑の中身はカエルで、どちらかと言えば、のんびりとした話し方だったからだ。
……何か事情があって、意図的に口調を変えているのだろうか。
826 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/02(火) 00:30:16.17 ID:8ld9zxVE0
>>824-825
ロイ「あぁ ダニエルがもうやっちまったがね」
能力でみるみるうちに手錠をかけられる傭兵崩れ 悲鳴やら懇願やらでひどい状態だ

傭兵崩れ「b・・・bべつにあんた等だから狙ったんじゃない 仲間内でグールを殲滅した直後を襲えば疲れてて勝てると思ったんだ
     おあつらえ向きに二手に分かれてくれたもんだから もう成功したようなもんだとも思った
     あとは男はぶっ殺して装備を質に流して 亜人は見せしめに火あぶりにして 女は散々ヤって人買いに売って グール退治の報酬ももらえば一石四鳥ってぇわけよ」

特に事件性のある事案ではなかったようだ ただ目先のエサに喰いついたら ぶっとい針を一緒に飲み込んでしまった それだけだ

ロイ「とりあえずこいつらも適当に突き出しておくか もっとも 絞首台が関の山だろうがな・・・」
そう言って飛んで火にいる夏の虫 グールと畜生働きを行った傭兵崩れ 2つ分の報酬をもらうこととなったのであった

//んではノシ
827 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 [sage]:2015/06/02(火) 00:37:11.46 ID:Xg7oV/uq0
>>825
「……!」

へぇ、と目を見張り改めてその兜の下の表情を見ようと試みる
だがしかしそれは叶わず、どうにも上手くいかないで終わる
それはそうだろう、兜の中にはそもそも何もないのだから
まぁ取り敢えず拘束は騎士の魔法(?)に依って完了した

「……」

ふむ、と指に顎を乗せて
カタコトめいた口調よりもなるほど、襲撃の理由なんかも知っておくべきなのだろう

>>826
「……はぁ、見下げた下衆だな」

頭を抱えて溜息、そうする他ない
ともあれこの先闇夜に怯え続ける必要は、一先ずはなさそうで一安心
絞首刑か、と何処となく呟いて頬を掻き、報酬を受け取りに戻ったのであった

//お疲れ様でした、お休みなさいませ
//ロールありがとうございました
828 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/02(火) 00:42:25.06 ID:iAX6N7Wu0
>>826-827
「…………そうか。」

特に感慨も無い様子でぽつりと呟いた。

あまり大きなことではなかったことに安堵のため息でも吐きたくなるが
まだ、真面目な騎士モードである。そんなことはできない。

「あとは……村人の裁量に、任せよう。」

自分達が殺すとか裁くなどはしない。
その辺りの判断は今から、戻った村で下して貰うようだ。

もっとも、自供の内容などから、傭兵くずれたちにとってあまり
喜ばしい判断は下されそうに無さそうではあるが。

こちらはこちらで2人に傭兵崩れたちを任せて、再び戻っていったとか。

//お二人ともありがとうございました!
829 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/06/02(火) 22:36:35.55 ID:WFHuKc5io
「…………」

近未来世界、ボストン郊外のジョシュアのセーフハウス…
窓をカーテンを閉め、完璧に闇に閉ざされたワンルームの個室。微かな灯りとなるのはこの部屋に不釣り合いな42型の液晶テレビ。
ジョシュアが軍から追われる身となった際に唯一自宅から持ち逃げしたものだ。ジョシュアのマンションは現在も24時間体制で監視下にある。
そして現在彼はその薄暗いセーフハウスのソファにて、死んだ魚のような目でテレビを見つめている。
テレビで放映されているのは日本から逆輸入されたニンジャ・カートゥーン。

『...コロスベシ』
『コロサレテェノカァ!?』
『コロスベシ...』
『...エ』
『イヤーッ!!』『グワーッ!!』

「ははっ…!この番組クソだな……!」
「どうやら…ジャパニメーションの良さは俺にはわからんらしい…チャンネル変えてもいいか?」

余りの出来(皮肉)に思わず笑いを零し、次の瞬間には真顔になるジョシュア。小脇に抱えたポップコーン・バケットに手を突っ込んでむしゃ。
リモコンを手に取って無慈悲にも液晶テレビへと向けた
830 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/02(火) 22:45:25.01 ID:irQMgO4qO
>>829
「おー……!」

さてそんなコミカルなほのぼのアニメを食い入るように見詰めているのはニアである
モニタを見る時は部屋を明るくして離れてみるべしだなんてお約束もなんのその、赤黒いニンジャの活躍を赤眼に映してはキラキラと輝かせていた
バケットに手を突っ込めば今し方減ったのの倍近い量を掴み取り一口、コーラでそれを流し込む

「えー!?」
「も、もうちょっと観ましょうってんですよぉっ……」

真隣りのジョシュアに対して、これからいい所じゃないかと抗議の声
リモコンを妨害せんと手を伸ばして電波の阻害を狙う
831 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/06/02(火) 23:09:34.53 ID:WFHuKc5io
>>830
「いや…野球中継にしよう」

今日はレンジャーズとレッドソックスの大事なだいじな試合がある。とリモコンのボタンをPi
ジョシュアにはニアに無い"身長"、そして"リーチ"という武器がある。それらを駆使した無慈悲なる攻撃にニアの希望を無視してチャンネルはあっけなく切り替わる
しかし画面に33-0という文字列が一瞬写ったかと思えば次の瞬間にはまた元のチャンネルへと戻っていた。
どうやら1回表にしてボロ負けしていたらしい。あまりの負けっぷりに小刻みに打ち震えるジョシュアの顔面も蒼白そのものだ。

「"オール・アイ・ウォント・イズ・ピル"でも見るか…」

別チャンネルへと切り替える前に精神安定剤たるポップコーンのバケットへと手を突っ込み、しかしその指はポップコーンに触れることはなかった。
ふとジョシュアがバケットを見下ろすともう底が見えている。マジかとばりばりポップコーンを貪るニアを引きつった笑みで眺めつつバケットを振ってポップコーンを均す。
そしてその瞬間、ジョシュアがポップコーンのバケットを両手で持ったその一瞬がリモコン奪取の唯一のチャンスである。
ジョシュアの脇からリモコンを抜き取ることに成功しなければ極めて陰鬱なるヤク中ムービーを2時間半に渡って見せつけられることとなるだろう
832 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/02(火) 23:11:20.72 ID:15hYdgO7o
【サイバー世界:スプロール】

 スプロールのメガロシティは端的に言っても人種の坩堝である。
 既に属する国や肌の色で区別を行う時代は過ぎ去り、
 人間かそれ以外、あるいは人間に近いかそれ以外という差異が出来上がった。

【人類史における転換期:覚醒事変移行、高度に発達したテクノロジー偏重の世界に突如神秘が復活したのだ】

 これは人類に様々な恩恵と、それと同等以上の災厄をもたらした。
 魔法一つをとっても世論は割れ、さらには人から人ならざるモノまで生まれ、
 あるいは発生したとなっては深刻な諸問題が起こらないわけが無いのである。

 −−−−−−−−

【デッカー権限委託企業:インペリアル・エンジニアリンク】

「サイバーヒューマン愛好戦線」

 イムカ・グリムナーが表示させるホロディスプレイに大仰なマークと、
 幾人かの危険サイボーグリストが並べ立てられている。

「人類は機械化による進化を享受するだのなんだのいう教義に加えて、
 亜人種の排斥を堂々と謳っている…まあ、端的にいえば思想団体だな」

 次に86バンチの地図が表示される。昨日、バイオテロにより壊滅的被害があった地域だ。
 もっと、ハッキリ言えば、亜人種達が多く住まう区域であった。

「死亡者:8,600名。ドワーフ、オーガ、エルフ、まあ、沢山だ。
 種族融和を唱えるヒューマンの団体組織もそこにあったのだが、一網打尽だな。
 犯行声明も行われており、神罰だの何だのとほざく動画の再生数はうなぎのぼりだ」

【86バンチの地図は一瞬で真っ赤に染まり、その周囲には大きな壁が設置され隔離状態にある】

 
833 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/02(火) 23:17:31.38 ID:irQMgO4qO
>>831
「えーっ!! あっ……」

静止はならず、ニンジャ達の活躍は暗転し即座にバッターのフルスイングの絵面に変わる
打球が丁度スタンドに放り込まれた所であり、大きく表示される数字の羅列

「……ありゃ?」

どうにも旨くない光景だったのだと即座に理解出来る
ともあれリモコンに対して意識が薄れた刹那、さっと容易に奪取が叶った
この辺りは数多の戦闘経験が、正にニアの兵器としての高い学習能力が活きた瞬間だと言えよう

「ふっふーんっ、貰いってんですっ」

早速チャンネル変更、再び画面はサイバーパンクな闇夜を映す
834 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/06/02(火) 23:28:53.25 ID:WFHuKc5io
>>833
「……クソ…半分切ってんな…」
「…………ん?」

ポップコーンの残量を確認、その最中にずるりと脇から抜け出る何かの感触。
ふとニアの方を向けば誇らしげな笑みを浮かべる彼女の手にはつい先程まで我が手中に有った忠実なるしもべの姿が。

「ハァ……まぁ、いいか……」

またこのカートゥーンを見る羽目になるのか、と溜息を吐くジョシュアであったが、
それでもこれだけでニアのご機嫌を取れるのならばお安い御用だと笑い混じりに独りごちる。
そして若干の沈黙。微妙な間を開けた空白ののち、ジョシュアは重い口を開いた。

「…なぁニア、ちょっといいか……?」

怒らないで聞いて欲しいんだが。と一言付け加え、ジョシュアはソファに大きくもたれかかり、天井を見上げて呟くように告げた。
昔からジョシュアがこういう時は大抵良くないことを話す前触れだ。それも怒らざるを得ない程の
835 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/02(火) 23:33:48.01 ID:208TKGB10
>>832
「……誰が死んだとか思想がどうのとか、どうでもいいわぁ」
「要するに、さっき映ったガラクタ共をジャンクにすればいいんでしょぉ?」

ディスプレイに表示されるものにも、イムカの解説にも大した興味は示さない。
報酬を受け取る為には何をすればいいのか、アグラーヤにとってそれ以外は重要ではなかった。

「端的にやるべき事だけよこしなさいよぉ」
「別にこの世界についてのお勉強しにきた訳ではないのだからぁ」

義手である右手をぐーぱーしつつその具合を確認。
本来作戦前のブリーフィングとは重要なものだ。情報の正確性が戦況を左右するのだから。
己に対する絶対の自信。そう言えば聞こえはいいが、力に対する過信はアグラーヤにとって明らかな欠点でもある。
当然そんな自己分析をするような性格でもなく、義手の感覚に満足すると退屈したようにイムカを一瞥した。
836 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/02(火) 23:34:09.72 ID:iAX6N7Wu0
>>832
「……ボクの世界にも似たような人たちは居たけど規模がぜんぜん違うね。」

高度なテクノロジーが蔓延る世界へとやってきたダニエルは少々、興奮気味であった。
彼の元々居た世界は魔法世界エリュシオンに近いものであり、ここまで発達した文明は見たことがなかったからである。

そのため、何気ない日常の品でさえも感心したような目で見たり、驚いたりするのだ。

そして、彼の元から居た世界にもそのような亜人種を差別するような運動はあったらしい。
彼は新世界に来てからカエルになったため、元は人間だ。

そのため、そのような運動の槍玉に上がることはなかったため、知っていたにせよ詳細は知らない。


「でも、こんなすごい世界なのに神とか何とかを信仰する人がいるんだね。
なんというかボクたちがこの世界を作ったー!≠ニか言う人のほうが現れそうなのに。」

なんとなく、その点は意外そうであった。
この便利で高度な文明と神と言う存在がダニエルにとってはいまいち結びつかなかったらしい。
837 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/02(火) 23:35:28.06 ID:irQMgO4qO
>>834
「へっへー、まだまだ修行が足りないってんですよっ」

ニアは実に単純に、目先の物事に反応を示す
つまり今はご機嫌だ、非常にこの上なく
コーラを呷り息を吐き出し再度赤眼に画面を映す

少しの合間
言葉なく、正しくは所々でニアの感嘆が入るが会話としては無言であった
物語は転がって、そして歌が流れるくらい
やや重苦しさを纏った、まるで乱流前に凪いだ水面の気配を察知し振り向く

「……どうしましたってんですっ?」

問い掛けはあえて、努めて明るく普段通りに
838 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/06/02(火) 23:51:09.88 ID:WFHuKc5io
>>837
「…いや、俺が境界を渡ってから…ずっと会えてなかったろ」

守るってあの日約束したのに。そうぽつりと呟き、思い出すのはジョシュアが死んだあの日のこと
あれからもう5年経つ。しかしあの瞬間の記憶は今も克明にジョシュアの中に息衝いている。
その言葉のひとつひとつが重く、そして申し訳なさ、謝罪の意を孕んだような声色であった。

「プリエステスに呼ばれて…エリュシオンで再会して…」
「んでエリュシオンの件も済んで、やっと平和になったワケだが…」

一夜限りの邂逅であったこれまでとは違い、ようやく生活に平穏を取り戻したかのように見えたここ数日
"七つの大罪"の全滅以降ジョシュアはただの一度も戦闘を経験していなかった。持ち前のPTSDもこれまでになくマシになったように思えた
しかしまだ全てが終わりではない。あと二つ、力尽き、命尽きるまでにやるべきことがある。
ニアにそれを告げるまでジョシュアには心を決める時間が必要だった。再び沈黙が空間を支配する。

「…………」
「………悪りィ、…また暫く…会えなくなるわ」

渇く唇。ぐいとコーラを飲み干し、テレビを見つめてようやく心を決め、途切れ途切れに呟いた。
839 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/02(火) 23:57:38.82 ID:15hYdgO7o
>>835

「ああ、それは現時点では無理だ」

 ところがアグラーヤの言はイムカによってあっさりと肩透かしを食ってしまう。
 次にアグラーヤの目の前で表示されたホロディスプレイがそれを語っていた。

【件のサイバーヒューマン愛好戦線はサイボーグ業界で大きなシェアを有する
 ジェイトマン重工という企業をスポンサーとしているのは公然の秘密であるのだ。
 そう、力ある企業こそが正義であり、法律であるこの世界において、である】

「裏に企業がいる。既に全てのデッカー権限委託企業に向けて捜査停止の通知が来ている。
 奴等を叩くには段取りがいる」

>>836

「テクノロジーが進むともっと酷くなるぞ。いや、別の話か」

 感情を交えぬ声音で淡々と語るイムカ。しかし、これを多くは告げなかった。
 都市規模の虐殺が、イムカの出身世界では惑星規模、聖系規模にまで拡大することになる。

【確かにこの世界はダニエルにとっては未知ばかりだろう】
【天を突く超高層ビル。目をくらませるかのようなホロディスプレイ。サイボーグ。バイオウェア】
【国家が形骸化し、全ては理性ある再分配という名目の元、企業が取って代わってしまった】

「こういう世界だからこそだよ。ダニエル。
 得体の知れぬカルト教義がはびこるには十分すぎる土壌があるからな」

 人間の身体機能の置換化、魔術という要素の流入、別種族の出生、社会のカオス化。

 −−−−−−−−−
>>835-836

「多数の死者をもたらし、現在隔離されているわけだが、
 このバイオテロ。使用されたモノが問題だ」

 次にディスプレイに映し出されたのは…半分機会にすげ変わった元生者。
 身体のあちこちに機械部品が露出し、その目は明らかに正気ではない。
 サイボーグ改造をされた?にしてはバイオテロ地域で態々そんな事をするのはおかしい。

「これは憶測だがガスに未知の技術が使われた可能性が高い。
 サイバーゾンビとでも呼ぼうか?現在、86バンチはアウトブレイクの真っ最中だ」

 つまるところ、新兵器(?)のお披露目と虐殺をかねて一挙両得?ときたものだ。

「スキャニングを行ったところ、サイバーゾンビは徐々に自壊を始めており、
 今から6時間後には完全消滅するとの予測が出ている。
 各メガコーポもこのプレゼンに対しての姿勢は現在半々だ」

 ジェイトマン重工の株価はこの事件を受けて急騰しており、
 展開が彼等の思惑通りに推移すれば、いよいよメガコーポに名を連ねることになるかもしれない。
840 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/03(水) 00:00:51.08 ID:tmJ1GGcS0
>>838
「むっ……」

ニアが最初の越境を果たしてから、体感時間として最も長くを占めるのは蟲の世界を駆け抜けたあの日々である
それは同時、4年足らずと言うニアの生後から鑑みても記憶の大半を埋めているのだ
確かにそこに、ジョシュアの姿がなかったのは事実
その後の再会もぽつりぽつり、海原に浮かぶ小島の様な短絡的で冷ややかな物事であった

「……そうですかっ……」

俯いて、唇を尖らせて、そして見据える

「……ま、まぁっ、事情ってモノがありますってんですしねっ」
「無事にまた会えるならっ、ニアはそれでいいってんですっ」

薄暗い室内、照らすテレビのライト
曇りがちの日の太陽の様に笑って見せる
841 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 00:07:55.86 ID:2kbsMDX10
>>839
「ああ、もしかして神の存在が曖昧になったからこそ、信じやすいってことなのかな。
それに何でもできるようになった時代だから、誰でも神になれる、って感じなんだろうね。

何だろう……こう、今よりも画期的なものを作ることが出来れば。」

あまり企業だの何だのという概念はダニエルには分からない。
分かって精々、キャラバンだの商会だのといった幾世代も前のスタイルだ。

こちらの服装だっていつもの甲冑姿である。この世界基準で行けば最早、骨董品だ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「バイオテロ……あ、ああ、なるほど毒ガスってことね。
……それに、すごいな。ゴーレムなんてメじゃない。」

聞きなれない単語に首を傾げたがガスと言う言葉に反応して何となく理解できたようだ。
そして、映し出されたそんな惨状に驚嘆する。

「……みんな、頭が良いのにどうしてだろうね。」

惨状を目の当たりにし、自分の世界からの進み具合に驚く一方で
どうして、こんなことが起こるのだろうと何気なく、零した。
842 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/03(水) 00:18:10.73 ID:d7QM5CDIo
>>841

「出来ることが多い分、欲望が開放されているからな。
 生命の価値を遵守する社会体制(タテマエ)が壊れれば、後は投売り一直線だよ。
 それを先進的テクノロジーでやるんだ。こうもなるさ」

 イムカはいつしか別の越境者に語った事がある。
 テクノロジーの発展に比べて人類が変われたことは結局、破壊できる規模を拡大させ続けただけだと。
 融和と相互理解による闘争の根絶はついに夢物語で終わった。

【もちろん、これはイムカの出身世界と、彼女が訪れた世界で数多くある事象であり、
 どこかには、全く別の発展を遂げた世界もあるかもしれない。とは付け加えておく】

 実のところシンプルではない。蛮行を働いた過激派集団の打倒という明快な目的が、
 企業と資本という要素が加わった事で一気に妖怪めいた怪奇さに変じてしまった。

「が、正直、こんなことをやるメガコーポが誕生するのは私は御免被る。
 メタヒューマンの大虐殺を是とする企業が一定以上の領土と巨大な権限を有すれば何が起こるか知れた物ではない」

 そう言ってから、紫色の瞳でダニエルを見る。

「私の目的はこの乱暴な陰謀をご破算にしてやる事なんだが、協力してもらえるか?」
843 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/03(水) 00:21:41.86 ID:KA0hzAuW0
>>839
「ふぅん、ますますもって気に食わないかんじねぇ。
気に入らないモノを叩くのに力以外のモノを必要とするのは」

この世界は初めてという訳ではないが、知り得る情報はそれ程多くなく、ただ限界まで文明が発達した世界程度のもの。
当然根幹を成す企業や、それらが世界規模的に与える影響、その力関係には明るくなかった。
しかしイムカが言っていることが理解出来ない程拙くはない。不満そうに舌打ちをひとつ鳴らせば、その背を椅子の背もたれに深く預ける。

「毒ガスねぇ……、私にとってはこの世界の空気自体毒ガスみたいに感じるけどぉ。
こんなジャンクなお人形沢山作って喜ぶ少女は誰かしらぁ」
「因みにこれやられた子たちって元々は生身? それともサイボーグ的なヒトが吸うとこうなっちゃうのかしらぁ?」

正直アグラーヤにとってイムカの話す単語単語がとても耳に新鮮なものである。
当然その裏に蠢く企業の利権などは窺い知ることも出来ず、ただひとつ気になることは半機の身体を持つ友人の事だ。
彼女に害を及ぼすものであれば、実体も見えぬ巨人を相手にしようとも胸中穏やかではいられぬと。
844 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 00:30:33.06 ID:2kbsMDX10

「そうなんだ。
……な、何だかボクたちの世界の未来を見ているようで複雑だなぁ。」

イムカの説明をフムフムと分からないなりに理解しようとしながら聞いている。

ただ、冷静に考えて自分達の世界も発展すれば、このようになってしまうのではないか、と。
そんな風に考えれば、ますます人事とは思えない状況であることを悟った。

「強いと疲れる≠チてボクの友達が昔、言ってたけどなんとなく分かる気がするな。
力があればあるほど、ボクたちの欲望も際限がなくなるんだね。」

自分なりに納得をし始めていたところでイムカの視線に気付き
自身の甲冑のシャッターめいたギミックを開け、顔を出した。

「うん。ボクに手伝えるなら、協力するよ。イムカさん。」

そして、イムカの方を見やりながら、頷いた。
カエルののっぺりとした顔であるため、締まらないが。
845 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 00:46:20.66 ID:2kbsMDX10
//あ、しまった。>>844>>842宛てです。すみません。
846 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】 [sage]:2015/06/03(水) 00:47:52.08 ID:AoQWpGSNo
>>840
「……アグラーヤを[ピーーー]」

唐突にジョシュアの口を突いて出てきたのはかつてジョシュアを殺した。そして同時にニアの父の仇である少女の名。
ジョシュアなりにこの数日間真剣に悩んだ結果なのだろう。芽吹きかけた赦しの芽を摘み、闘争への道を歩み出すのは。
ゆらぐ決意を無理矢理復讐へと向け、ジョシュアはアグラーヤと今一度対峙する事を選んだ。

「タェンティースもだ……ギャラエは死んだ。グリードも消えた。この二人を殺せば…俺の復讐は終わりだ」
「だが正面からじゃ勝てない…勝つには装備と、チカラと…策略が要る。」

「だから…明日軍に戻る。勿論ブチ込まれるだろうな…1日か…1週間か…1ヶ月か、それとも1年?」

力を得る為にジョシュアは軍へと出頭する事を選んだ。勿論処分は免れないであろうが、これだけは命に関わらない事を祈るばかりだ。
そしてそれら全てを吐き出せばジョシュアはふぅと浅い溜息。

「これを言っときたかったんだ…お前だけにな。ニア」
(……正直過ぎるっつーのは…時にクソみたいに厄介なモンだな…)

他の皆には言うんじゃないぞ。そう告げて宥めるようにニアの頭をわしわしと乱暴に撫で、その頭をぐっと引き寄せて脇腹にくっつけた。
まるで犬か何かのような扱いではあるが、それがジョシュアなりの寂しさを感じさせない為の最もフランクな愛情表現だったのだろう。
彼にとってニアはまるで妹のような存在であり、同時に守るべき対象だ。そういう意味では今宵の告白は要らぬ心配を抱かせるだけだったのかもしれないと心の中で少しだけ後悔したジョシュアであった。

//うわわすみません全然書けなくてこんな時間に…
//ロールありがとうございました。返信いりませんすみません…
847 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/03(水) 00:49:10.24 ID:d7QM5CDIo
>>843

「闘争に純粋さを求めるのはナンセンスだよ。そういう時代ならばまだともかくな」

 闘争の在り様も時代によって変質するということであろう。
 特に戦争経済という言葉すら生まれ、統制され、管理された戦争という、
 薄ら寒い標語が飛び出す世界では尚更である。

「人間のたんぱく質を変質させたり、大気中の重金属と反応させたり、
 元は完全にフレッシュな生身が殆どだったよ。…サイボーグ信仰カルトもよくやる」

 が、次に別のウィンドウ。その区画にいたサイボーグ達はどうなったか?であるが、

「光学望遠による映像解析ではサイボーグ達の症例は様々だ。
 全身機械化のサイボーグ達には実質無害。特に影響はないようだ。
 有機組織が残っているサイボーグについては有機組織が強制機械化。
 この場合は、脳が無事かどうかが生死の分かれ目だな」

 全身サイボーグは隔離壁の外で隔離が終わるのを待っているだけという安全圏。
 部分サイボーグは有機部品の侵食度と機械化率が生死を分ける。
 生身の存在は、全身を機械に侵食されつくして全滅。
 カルト教義の信仰が反映された犠牲者分布とも言える。

>>843-844

「ミッションの説明に入る。このガスは異世界の技術…ナノマシンが用いられている。
 ああ、はっきり言えば境界線現象の負の遺産だな。この世界はそういうのにも@ヘを入れているからな」

 しかし、制御は未熟なのだろう。自壊するゾンビは個体能力としても脆弱。
 この被害は乱暴に過ぎるし、メガコーポ全てが諸手をあげて賞賛していない理由でもある。
 ハッキリ言えば、この時点では機械化するとは言え、どこぞのバイオ兵器と大差は無い。

「我々の目的はこのナノマシンのオリジナル…この区画で使用されたガス発生容器を回収することだ。
 空気にふれたモノは変質・劣化をその瞬間から始めており、サンプルにならん。
 容器に入った完全な状態のナノマシンが要る」

 そして、その組成分を敵対メガコーポに情報提供する。
 後は、ワクチンが出来るなり企業パワーゲームが始まるなりして、
 不埒で傲慢な新参者は速やかに退場となるだろう。

「チャンスはガスの効果の半減期。そこからジェイトマン重工の回収部隊が動くまでの僅かな間だ」

 完全なカタチのサンプルの回収。それが結局この胸糞悪い舞台を演出した連中の破滅に直結する。

「今回の事件に重大な懸念を持つメガコーポ≠ニの協議は先程完了した。
 我々がこのサンプルを回収できた場合のみ、こちらの味方となってくれるようだ」

 イムカはイムカで既に政治的な交渉を終えたようだ。
 ゆえにデッカー権限が封じられた現在において動ける筋道が出来上がったらしい。

「以上、動くのは1時間後、ガスの半減期のギリギリのタイミング。
 全身サイボーグとの戦闘が予想される。準備をしておいてくれ」

//ではコレニテーノシ
848 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 01:06:06.73 ID:2kbsMDX10
>>847
「……オリジナルのナノマシンの奪取。
……なるほど、素早さと確実さが求められるわけ、か。」

正直なところ、自分がこの進んだ世界相手にどこまでいけるかは未知数である。

相手は脆弱とはいえ、機械と融合している点でダニエルは非常に苦戦を強いられることが予想される。
彼の能力であるコーティングは硬度を鋼並みに引き上げられるとは言え所詮は能力だ。
実際の現実として存在する機械を相手に取ったことなど無い。

下手をすれば、力負けをしてしまう可能性だってあるのだ。

「(サイボーグ、とはいえ生身≠フ部分はある。
……そこを突けば、なんとかなるかもしれない。)」

作戦の内容を告げられると、自身はどのようにして
この異世界のテクノロジーに立ち向かおうかと考えていたとか

//了解です。お二人ともありがとうございました!
849 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/03(水) 02:02:38.74 ID:KA0hzAuW0
>>847
「……そのメガコーポとやらの利権の駒になったみたいで気に食わないけどぉ。
ナノマシンのサンプルを回収できればこっちの勝ちってことねぇ? やることはシンプルでいいじゃなぁい」

背後に動く巨大な意思が少々気に入らない様子だが、単なる雇われである以上そこは口を出すところではない。
貰えるものが貰えるのであれば、後は求められた意向どおりに動くのみである。
ましてやイムカを介しての依頼。口には出さないが、ブリキングの一件に感謝していない訳ではないのだ。
ぐちぐちと捻くれた事を言うでもなく、彼女の指示通り状況開始への準備へと移る。

/すみません遅くなりましたがありがとうございました
850 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/06/03(水) 21:54:40.02 ID:tmJ1GGcS0
>>846
「……」

かつては殺す事を目指した姉の様な存在と、そして父殺しの友人
その名を聞いて無言、押し黙って俯いた
最早敵討の意はニアにはない
それは泣き寝入りや怺えているのでは決してない
ただ何か、それを果たしてニアが、自分自身がどうにかしてしまうのではないかとの漠然とした不安
それと多分、父がそれを望むのかとの身勝手な疑問故である

だが逆に、ジョシュアの復讐を容易に咎める事が出来ないモノだとも知っている
ニアがそうであるように、彼もまた彼なのだ、だからこそジョシュア自身の決めた道を歩く

「……また、」
「……またっ、一緒に遊びましょうってんですねっ?」

撫でられる心地良い感触に揺れ、約束、と指切り
ボストンの夕暮れ、斜陽が落ちる

//遅くなりましたがお疲れ様でした、また宜しくお願いしますー
851 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/03(水) 22:30:58.14 ID:d7QM5CDIo
【前回までのあらすじ!(意訳:テキトーな前提知識)】

 非人間族排斥の思想組織とその影で暗躍する暗黒コーポ!
 彼等は無遠慮にも異世界の技術ナノマシン≠用いた暗黒大虐殺宴会を敢行!
 亜人種の住まう区画がそのバイオテロ&新商品プレゼンテーションの舞台となった!

 件の暗黒コーポ:ジェイトマン重工の株価はいまやウナギライジング!
 思惑通りすすめば世界を牛耳るメガコーポに名を連ねることになるやもしれぬ!

 このような短慮な思惑を阻止せんと動き始めるイムカ・グリムナーと越境者達!
 隔離閉鎖された86バンチへ潜入!ジェイトマン重工の回収部隊を退けナノマシンのサンプルを回収するのだ!!

 −−−−−−−−−−−−−

「と、まあ、アニメーションちっくにブリーフィング画像を作ってみた」

 フライングカーゴ(空飛ぶ貨物庫)内でそれぞれに最後の状況確認を行うイムカ。
 ホロディスプレイには何かすっごく(無駄に)凝った3Dアニメがガンガン動いて、
 テンション高めの合成音が事のあらましを告げている。

【こんなスカムな事に労力を費やしたイムカは至極真顔であることを付け加えておく】

「現在、86バンチは封鎖されており、進入禁止区域扱いだ。
 諸君等に渡した認証タグは絶対に無くさないこと。任務に成功しても消毒処分で塵にされるのは嫌だろう。
 潜入は、高高度からの浸入鞘(イントルードポッド)による降下で行う。マトモに正面からというわけにもいかんからな」

 その言葉の通り、現在、黒い長方形の物体としか言いようのないこのフライングカーゴは、
 かなりの高高度を飛行している。地対空ミサイルもガトリングガンも射程外だ。

「潜入後、速やかにナノマシンが入ったポッドを回収。所定位置でフレアを焚けば迎えのヘリが来るという手はずだ。
 なお、何故か一部の強い要望により、今回はC○PCOMヘリではない。何が不満なのかサッパリだが仕方ない」

【最終暗黒ブリーフィング!】
852 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/03(水) 22:41:53.04 ID:3MzTDTX3O
>>851
「…?…??」

【ぐるぐると動くアニメーションに頭の整理を追いつけようと無駄な努力】
【街中でのソーサリーの使用が発端で捕縛され、特別恩赦で釈放後される為戦力として駆り出されたという次第】

「と、とりあえず…
 目標の物資を入手、でいいんですよね?」

【駆り出された先に顔見知りがいたのは幸運だ】
【それだけで、緊張感に支配されてはいるが少しはマシになるのだから】
【多分ヘリが墜落する事はないんだろうなーと何と無く察して3Dアニメの作戦内容を熟視】
853 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/03(水) 22:55:30.39 ID:d7QM5CDIo
>>852

【画面内では今、SDアニメーション化されたイムカが注意事項の再確認をしているところだ。
 もちろん、声の担当はイムカ本人である。無駄に凝っている】

「全く、君も妙な事に巻き込まれたものだな。まあ、ミッションの理解はそれでいい。
 妨害アリ、時間制限アリだけどね」

 街中でのソーサリー使用と捕獲。加えて身分不明瞭。これは実はかなりアブナイコースであった。
 下手なところに売り飛ばされる前にどうにか引き込めてよかったと密かに嘆息。
 流石に知人がホルマリン漬けやら機械に組み込まれるやらは御免であった。

「第一、どうして街中で使うハメになったりしたのやらだよ」
854 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 23:00:47.42 ID:2kbsMDX10
>>851
「わぁ、すごいなぁ……魔法石を使って投影する技術はあるけど
こんな、薄いものにこんな風に鮮明で立体感のある映像を出せるなんて。

イムカさんって随分、器用なんだね。」

今からミッションだというのに、割と呑気な様子でガンガン動く3Dアニメに
見とれていたのは全身を甲冑で覆ったいわゆる騎士姿である。

実際は中身はカエルである。彼はダニエル=フロッグハート。
来訪者であり、そのせいで人間からカエルに変化してしまったという越境現象の中でも特異な事例だ。

彼曰く自身の世界はエリュシオンに近いため、このような高度なテクノロジーが発達した世界は
見るもの全てが新鮮で、興奮を誘うものである。

「それに、こんな高い場所……訓練用の箒でもこんなところまで来れないなぁ。」
855 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/03(水) 23:04:39.53 ID:3MzTDTX3O
>>853
「変な人達に、追い掛けられまして…」

【それで、と苦々しく笑う】
【良くある話だ、自己防衛のつもりがとんだ引き金になってしまったのだ】
【後味の悪い結末にならずにいるのは極めて幸運が重なった結果なだけである】

「前にあれだけ注意して貰ったのに…
 すみません…」

【本物とSD、二人のイムカに順番き大きく頭を下げる】
856 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/03(水) 23:05:17.85 ID:KA0hzAuW0
>>851-852
「……貴女のセンス、緊張感も何も無いわねぇ」

普段アニメーションどころかテレビすらも見ないアグラーヤにとって中々に新鮮な映像であったのは事実であるが、事の背景とのギャップを感じれば少々呆れ顔。
さらにそれを作ったイムカの真顔を一瞥すれば溜息の一つも出るというものだ。

「まぁでも、すべきことははっきりと理解できたわぁ。
くだらない野心の為にくだらない事をした報いを受けさせにいきましょ」

変わらぬ平常心でヘリの窓から眼下に広がる景色を見やる。
状況へと向かう為の精神は無駄な感情を持たず、予想されるであろう戦闘に対しても電力の充電は万端だ。
機械類に疎いアグラーヤにとって不似合いな作戦、戦場であるが、必要の無い智識興味は省き降下のタイミングを待つ。
857 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/03(水) 23:12:08.16 ID:d7QM5CDIo

>>854

「これでもエリートだからな。これくらいは嗜みというものだ」

 エリートという定義のなんかが乱れた気がするが気のせいということにしておこう。
 そして、ダニエルが次に告げたことについては、

「箒…旧時代の清掃道具。…いかん、君が何を言っているのかサッパリわからない」

 さもありなんであった。文化が違う。

>>855

「まあ、トラブルというのは望まなくてもやってくるからな。この世界では尚更だ」

 実際、そうそう上手くはいかないということだろう。それはビィの咎ではない。

>>856

「頭に入りやすいようには作った」

 イムカ本人は至極真面目なのであった。

 −−−−−−−−−−

>>854-856

「それじゃあそろそろ目標ポイントだ。射出15分前」

 それを告げられると、各々はカーゴに設置された、真っ黒なボールペンみたいなポッドに入ることになる。
 これが、先程のブリーフィングで出てきた侵入鞘(イントルードポッド)だ。
 電波反射特性を目一杯抑えた外殻と人口筋肉からなるモノで、
 その内部に入ればさしずめ棺桶に閉じ込められた気分になるだろう。

「これに、入って、高高度から、一気に落下、だ。
 高高度降下低高度開傘(HELO)もあれはあれで味があるが、テクノロジーはもっと進んでいる」

 言い換えれば、こんな鞘に入れられて空中高くから砲弾のように打ち出される。
 イメージ的にはあまりよろしいものではないだろう。ぶっちゃけ特攻めいている。

≪カーゴ内減圧開始。降下5分前だ。あまり血圧をあげないようにな≫

 もうすぐ落下するという状況は非常に緊張とストレスを強いるものらしい。
 慣れていればそんなこともなくなっていくのだろうが。

≪5、4、3、2、1、射出開始。皇帝陛下の御加護を≫

【そして、越境者達は文字通り、高高度から撃ち出される=z
 【→ジェットコースターのあの浮遊感をさらに酷くした感触が全身を襲い掛かるだろう】
 【→軌道修正は鞘に取り付けられた小さなマッスルシリンダー製の安全翼で逐次行われる。テクノロジーの結晶だ】
858 :ビィ【青魔法】 [sage saga]:2015/06/03(水) 23:20:23.39 ID:3MzTDTX3O
【作戦の同行者を確認、顔見知りのイムカにアグラーヤと更に鎧に身を纏ったカエルの獣人】
【ビィ自身は記憶の喪失で忘れているが、獣人の存在は自然と受け入れられている】
【ぺこりと軽く会釈を交わして作戦前に自己紹介】
【名前はビィ、色素のない白磁の肌に赤い瞳】
【服装は女生徒のブレザー、こう見えて魔法使いである】

>>857
「…ありがとうございます」

【気休めかもしれないが、そういって貰えるだけで救われる】
【そんな単純なビィが生きるのにこの世界はやや難易度が高いのだろう】

【落下のカウントを聞きながらごくりと息を飲む】
【そして浮遊感、声にならぬ絶叫】
【絶叫マシン系のライドは未体験であり、そしてどうやら苦手だったらしい】
859 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 23:28:50.94 ID:2kbsMDX10
>>857
「……そのまま箒で空を飛ぶってことだよ。
ふふふ、もし、イムカさんがボクの世界に来たら教えてあげるよ。」

そんなことを言いながら、黒いポッドの中へと入っていく。
中からは珍しいのか、へぇとか感心するような声が響く。

だが、そんな珍しさも落下≠ニいう言葉で若干、飛んで行った。

「え?落下?……こ、このまま?……で、ご、5分前!?」

一気に話が進んでいき、混乱した様子を見せる。
大体、こんなものに入って、落下したらそもそも危ないのではないか。
空を飛ぶときはあくまで自分の意思で飛んできたため、このような飛ばされる行為には慣れていない。

血圧を上げないようにとか、言われても急には難しいのである。

「え、もう5分経った?……え、ちょ、早くな―――――――!?」

色々と整える暇も無く、勢いよく打ち出されてしまった。
ダニエルにとって、このジェットコースターのような浮遊感は初体験である。

「〜〜〜〜〜〜〜〜!」

胃がひっくり替えるかのような強烈な浮遊感がダニエルを襲い、ダニエルはダニエルで
ポッドの中で声にならない悲鳴を上げながら、つかめるところに必死で捕まっている。

恐らく、ほぼ一瞬の出来事だが、ダニエルにとってそれは、かなりの長時間の飛行にも感じた。
内臓の位置がしっかりして、地に足が着いた感覚が戻る頃には、もう着地の頃合だろう。

何にせよ、なんとかなった……つまりはうっかり嘔吐とかせずに済んだのである。
860 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/03(水) 23:31:28.57 ID:KA0hzAuW0
>>857
「……。
こ、これで降りるの……? 冗談きついわぁ……」

自身が身を預けるポッドの形状を見れば固まるアグラーヤ。
それもそうだろう、その形状はまるでライフルの弾丸。凄まじく貫通性能の高そうなそれを見て平常な降着をイメージできる筈もない。
それに加えてテクノロジー的な事はまったくわからないのが更にアグラーヤの不安を煽る。
半ば力ずくでポッドに押し込まれる形となったアグラーヤは珍しく狼狽えているのが明らかだ。
他の作戦参加者から見れば小心者が土壇場になって臆病風に吹かれた様に見えるかもしれないが、一度戦場を共にしたビィであればそんなこと思わぬと信じたいところだ。

「イムカ……? わ、私ひとりで飛べるからこんなのに乗らなくてもいいと思うのだけどぉ……?
だ、だから降ろして……っ嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

懇願虚しくポッドは投下された。既に賽は投げられているのだ、最早他の選択肢は無い。
というかもしポッドでなく生身で降下しようものなら迎撃システムでミンチになっていただろうが。
情けない悲鳴をあげながら加速度的に身体を襲うGに心が押し潰される。当然遊園地の類など行ったことがある筈もなく、このような感覚は初体験である。
861 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/03(水) 23:41:37.90 ID:d7QM5CDIo
>>858-860

 落下する侵入鞘たちは低高度で制動傘(ドラグシュート)を開き大きく減速。
 中の面々たちの足に大きく荷重がかかる。そして鞘が地面に横たわれば、
 すぐに面々は行動を開始しなければならない。時間は限られている。

【侵入に使用した侵入鞘は人口筋肉の自殺因子(アポトーシス)が起動し、
 見る見るうちに縮小化、構造体もボロボロに崩れて霧散することになるだろう】

 眼前に広がる光景は地獄である。半ば機械に侵食され、脳機能を停止させたサイバーゾンビの群れ。
 周囲の家屋がそれほど傷んでおらず、まだ生活観を残していたのが一層に悲惨さを演出している。

【サイバーゾンビの行動は様々で、ただ佇む者。脳に僅かに残った日常の残滓をトレースする者】
【または闘争本能と食欲のみが活性化されて凶暴なゾンビーと化している者だ】

 目標地点に向かう段階ではサイバーゾンビは大した脅威にはならないだろう。
 装甲は鉄より多少マシくらいで、魔術への耐性も無ければ動きも緩慢。
 足さえすくまなければどうとでもなるのだ。ゆえに速やかにナノマシン散布器…目標のオリジナルまで接近できるだろう。

 −−−−−−−−−−−
【ターゲット回収地点】

 ゆえにであろうか。ここでジェイドマン重工の回収部隊と接触するのは必然であったかもしれない。
 敵の目的は明らかに妨害要因のサーチ&デストロイ。証拠隠滅のためのサイボーグ部隊であった。


>>859

 ギィンギィン!火花散り、ダニエルとストリートサムライのソードとカタナが打ち合っている。
 世界修正力ゆえか構造強化されているダニエルのコーティングソードは敵の近未来金属製の武器に劣ってはない。
 ゆえに、装備の質はほぼ互角。勝てるかどうかは使い手次第だ。

「………」

 無機質なサイバーアイの単眼がダニエルを見据える。
 サーモグラフィで鎧の何処に本体があるかは見抜かれているだろう。

「――シッ!!」

 目にも留まらぬ三連突き!鎧胴体…カエルの顔を狙った高速連撃だ!!

【しかし、この前衛の敵に抜かれればサムライは後衛の味方にその刃と身体能力を振るうであろう!】

>>858>>860

 ドドドドドッドッ!!

 一方のビィとアグラーヤも同じく2体の敵との交戦を開始していた。
 敵はライフルを撃ち、遮蔽物に身を隠すという行動を繰り返している。
 だが、それは単調ではない。動きが素早く、訓練された動きなのである。

【アグラーヤとビィの意識を引こうという連射が左より行われている隙に――】

 ヒュッ!!

【軽い風切り音と共に右手より丸い球体が投擲されてくる。
 看過すればそれはアグラーヤとビィのちょうど足元に転がることになるであろう】
862 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/03(水) 23:53:14.27 ID:3MzTDTX3O
>>861
【サイバーゾンビ達の説明を予め受けていたのが幸いした】
【未知での邂逅であれば竦みたじろぐそれではあったが、覚悟が恐怖を僅かに上回り足は進む】
【魔翌力の消費を最小限に、目標地点まで辿り着いた】
【つまりは、戦闘開始だ】

−−−−

「…もうっ、話くらい聞いてくれたって…!」

【『グレイシャル』の氷解に身を隠しながら悲痛に叫ぶ】
【覗き穴部分を透明度の高い氷で構築し、敵の動きも注察出来る】
【弾丸に削られつつはあるがまだ持ちはする、安全だと言い聞かせていた】

「…!?
 『エア』!!」

【銃声に混じる何かに気が付き咄嗟に呪文を詠唱】
【空中を舞う投擲物に対し、ハリケーン並みの風圧を圧縮させた嵐の壁で防ごうと試みたのだ】
863 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/03(水) 23:59:39.90 ID:2kbsMDX10
>>861
若干、例の落下の余波が残っているが、時間が無い。
と、目的であるオリジナルのナノマシンを奪取するためにダニエルは駆けるのであった。

そんな最中に自身と同じ剣の使い手と交戦する羽目になったのである。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「……色々と不安だったけど、ボクの力も通用するみたいだ。」

打ち合い途中、距離が離れたところで息を整えながら、皮肉っぽく吐き出す。
通用はするが、圧倒は出来なかった、というわけである。

もちろん、相手にとってこんな言葉は何も意味はなさないのだが。

とはいえ、時代がいくつも違うというのに世界修正力で
ここまで引き上げられているのだから、喜ぶことはあれど嘆くことでは無い。


「(なるほど。こっちの本体はお見通しってことだね。……でも。)」

視線が向けられていることが分かったらしく、次の攻撃も予想が出来た。
そのため、自身の腕を振り上げながら、自身の目の前でコーティングを発動させる。

白い粘土状のエネルギー体が網の様に広がり、そのまま鉄ほどの硬度を得る。
即席の防御を敷いたわけだが、このままだと突破されてしまうのは明白だ。

「……視線で攻撃場所を教えるのは戦士として、まだまだだよ。」

コーティングによって作った防御が相手の攻撃を受けている最中に
振り上げさせておいたダミーの腕に持たせたカエルソードを上から思い切り、振り下ろそうと。

時間を掛けられないことは分かっているため、なるべく強力な攻撃方法を選んでいるようだ。
864 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/04(木) 00:03:20.37 ID:QGd1HYF1o
>>862

 投擲された物体はビィのエアによって弾き出され、
 彼女達の効果範囲の外で爆縮することになった。

【それは異様!投擲物が起動した瞬間、ビィが発生させたハリケーンの風圧もろとも吸い込まれて消えたのだ】

 ダッッダッ!!

 その余韻も過ぎさらぬままに敵サイボーグ兵は即座に前に出て接近。
 パパパパパッ!と軽い音と共にサブマシンガンによる牽制射撃と共に一気に肉薄する。

「―――!!」

 遮蔽物を、クレイシャルを乗り越えて、サバイバルナイフを抜き放つと、
 ビィの喉笛を掻き切らんと刃が襲い掛かった!
865 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/04(木) 00:06:26.29 ID:Oay3afZo0
>>861
肺の中の空気を出し切った頃、ポッドは漸く減速。
足にかかる荷重も最早意識の外、つまり放心状態である。
しかし着地の衝撃で直様我を取り戻し覚醒、目的をはっきりと意識が認識すればどうにか良い的となるのは避けられたようだ。

「……ちっ、予測はしていたけれど……大層な歓迎ねぇ。
ビィ! 下手するんじゃないわよぉ!? 私だっていつでも余裕とは限らないんだからぁ!」

建造物がほぼそのままに残っていたのは僥倖だ。ライフルの掃射など、この瞬間のみを考えればどうとでもできるが、目的は別のところにある。
それを完全に達成する為にできれば力は温存しておきたいところ。未だ完全な形を残す建築物は銃弾から身を隠すのに最適であった。
直ぐ近くに降下したビィへと声をかければ、この場面でどの程度力を避けるか思考を始めたその矢先。

「考える暇もくれないってわけねぇ……!
だったら、こっちも力で押させてもらうわぁ!」

自身の足元でバチッと光が弾ければ、放物線を描き飛来する球体に磁力操作を試みる。
もし対象が金属で構成されているのであれば、そのまま未だ銃弾を打ち出す射手へと向かわせるだろう。
それと同時、幾度もの死線を潜り抜けた状況判断が光る。球体を投瑯する事で火線の止んだ方を見やれば、その対象の位置を割り出そうとする。
それが有視界内に存在すれば、すかさず雷撃の槍を放つだろう。一般的な建造物程度の遮蔽物など意にも介さぬ一撃だ。
866 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/04(木) 00:14:57.41 ID:QGd1HYF1o

>>863

 互いに死力を尽くす場合、時に決着は一瞬!
 三連突きの一撃目が、ダニエルの展開したコーティング防壁を皹入れ、
 二撃目でコーティングそのものが崩壊し、砕け散る。突きの威力に耐え切れなかったのだ。

「―――!!」

 三撃目の突き。ちょうどダニエルのダミー腕が振り下ろすタイミング。
 刹那、生死を分ける一瞬。十分な膂力による振り下ろしと、高速の突きの交差!

【ギャリリイッ!という耳障りな音。鎧の装甲を貫くカタナ。飛び散る火花――(突きの位置、ダメージは任意】
【そして上段振り下ろしによって、頭部を真っ二つに斬られるサムライ。脳組織なり脳チップも損壊。即死!!】

 もし無事ならば、苦戦している仲間へのフォローが可能であろう。

>>865

 磁力波が展開され、銃弾があらぬ方向に逸れていく。
 流石に相手にそのままに返すにはスプロールの科学力による銃弾の貫通力が高すぎた。
 それでも電磁シールドめいた真似を自前で出来るというのは十分な利点ではあったが。

「――!?」

 雷撃の槍が放たれると同時にサイボーグ兵は側面に避けて回避。
 当たれば一撃必殺であるが、雷撃は攻撃兆候が比較的読まれやすいのが欠点でもある。

 ドッドッドドドッ!!

【カウンターでアグラーヤにアサルトライフルの斉射!
 さらに近接レンジに敵が一体踊りこみ、ビィへナイフを振るっている!】
867 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/04(木) 00:18:46.69 ID:Rq52hcnqO
>>864-865
【アグラーヤへの返事も儘ならぬ内に突入する状況】
【攻撃主体のアグラーヤと援護系のビィ、組み合わせでは悪くはないはずだがいかんせんまだ連携が深くはない】

「グラビティフィールド…!?」

【ビィは目の前の光景をそう理解した】
【空間圧縮性の魔法と、似た効力なのだ】

「きゃぁっ!…す、『ステイシス』っ!
 あと、あと…『ウォッシュ』!!」

【だがその解析は後回し、現在更なる危機が目下迫っているのだから】
【氷の壁を乗り越えやって来る尚冷たい殺意】
【ナイフの刃のぎらめきに鳥肌、体は自然と魔法を唱える】
【へばりついて激しく動きを阻害する水流が指先から放たれサイボーグ兵へとうねりをあげる】
【その命中の是非に問わず間髪入れずに更なる水流】
【こちらは純粋に、その勢いと対象を『洗い流す』効力を使っての水圧攻撃である】
868 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/04(木) 00:28:15.82 ID:dijMupRx0
>>866
「……ッ……!」

自身の得物を振り下ろし、相手は特に防御は無い。
……取った。そう思ったその時――――――。

シュッ、とダニエルの頬を火花と共に一閃が過ぎ去った。
深手に至らなかったのは本当に運が良いとしか思えない位置である。

頬のところがぱっくりと切れ、そこから出血が始まる。
熱い痛みと甲冑内から、漂う血の香りにダニエルも自身が負傷したことを悟ったようだ。

しかし、手を緩めている暇など無く、力を込め、そのまま押し込むようにして頭部に振り下ろす。
だが、頭部を切っているというのに、手ごたえはほぼ鉄の様であるため、なんとも不思議な感覚だ。

そのためか、いつも以上に振り下ろす手に力は入っている。
実際に切っているのはダミーの腕とはいえ、細かい力の調整は本体のダニエルが行わうのだ。


「……ふふ、ボクも運が良いなぁ。さて……。」

目の前のサムライが完全に機能を停止したのを見ると、一旦、甲冑の中に手をいれ
頬を伝う血を拭うと、苦戦する仲間の下へと向かった。
869 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/04(木) 00:34:32.90 ID:QGd1HYF1o
>>867-868

 サイボーグサムライを打倒し、仲間の下へと向かうダニエル。
 実際にこちらも鉄火場といった具合であった。

「――!!」

 ビィに襲い掛かるサバイバルナイフが煌くなか、へばりつく水が切断されながらも盾となる。
 次に敵ごと押し流そうとした水流攻撃はサブマシンガンの全力射撃によって互いの攻撃が互いを弾き、
 一種の均衡状態を生み出していた。

【が、このままではいずれナイフが自由になってしまう。間合いの有利が敵にある状況である】

 さらに、アグラーヤも銃撃の一斉射撃を受けている最中だ。
 ダニエルとしては、やや距離があることもあってソードの範囲外。
 接敵するにはまだ時間もかかる。ここからどう援護するかが腕の見せ所であろう。
870 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/04(木) 00:40:03.69 ID:Oay3afZo0
>>866-869
「ちぃっ……! この局面で出てくるだけあって、流石に雑魚じゃないってわけねぇ!
でも、それはこっちも同じ事よぉ!!」

剛毅に怒声をあげるがその実遮蔽物に身を隠し、敵の斉射をやり過ごすという現状。
アグラーヤはひとりで戦う事に慣れ過ぎた。それ故独力で状況を打破、完遂することを主眼において力配分を考えてしまう。
しかし今この場には目的を同じくする者がいる。仲間とは言えぬまでも同志といって差し支えないであろう存在が。
その思考に至った時、アグラーヤの中で選択肢の枝が広がってゆく。太い幹一本であった大樹が豊穣を告げたのだ。
自身がここで電池切れとなり行動不能となろうとも、きっと残るふたりが目的を達成するだろう。
ビィとは協働の経験がある故それなりに信頼は置ける。ダニエルは正直どのような輩なのかも全く分からないが、あのイムカが任せているのだ、信頼に足ることは間違いないのであろう。

「全力でいくわぁ……! 巻き添え食らっても知らないんだからぁ!!」

瞬間、アグラーヤの気力が高まり纏う電流が漆黒へと染まりゆく。
ただでさえ常人より遥かに能力の強化された機人が相手だ。ただの雷撃を放出するだけでは満足に仕留められまい。
しかし黒く染まったアグラーヤの雷はその意思により自由に形状を変える。そしてその思考性すらも。
腰にぶら下げられた新品同様の細剣、黒針を引き抜けば勢いよく地へと突き刺す。
そこへ流すのは黒き電流。流された黒雷はまるで意思を得たかのように指向性を持ち、斉射を続ける射手と、ビィへとナイフで切り掛かる一体へと地を這いながら襲い掛かる。
大地という緩和剤を通している為その威力の減衰は免れない。しかしそれが直撃すれば味方にとって渾身の好機を作り出すことも可能な筈だ。
871 :ビィ【青魔法】 [sage saga]:2015/06/04(木) 00:46:54.99 ID:Rq52hcnqO
>>869-870
「『グレイシャル』…!
 と、『エア』!!」

【敵が自由を取り戻すまでの微かな合間】
【拳大の小さな氷解を10足らずの数ではあるが作り出す】
【立て続けに空脈を操り、氷達を浮遊させればアグラーヤに銃を放つ敵へと一斉に放った!】
【散開、そして収束し飛来する氷解達!】

【だが反面、自身が相対する相手に対しての注意力が落ちている】
【銃弾と空圧が表皮を裂いた。 危機的状況、だがそこにアグラーヤの地を這う稲妻が走った】

「…『ウォッシュ』!!」

【刹那遅れて振り向いて、先程より更に勢いを増した水の奔流を見舞う】
872 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/04(木) 00:50:54.73 ID:dijMupRx0
>>869-871
「……っと、イムカさん以外はほとんどボクの世界と変わらない力を持つ人みたいだ。」

なんとか2人の近くへとたどり着いたダニエル。
しかし、ここでは剣を振るうには遠すぎるため、接近戦には持ち込めそうにない。

何より、アグラーヤがかなり力を行使しているため、下手に動くと巻き添えを食らいかねない。

そこで……ダニエルは刀身をフェンシングのような突きの姿勢を取ると
それをアグラーヤへと銃を向けるサイボーグ兵に向けた。

コーティングのエネルギー体を一気に刀身に流し込むことで、それまでにあった刀身を
矢の様にして、放つトリッキーな技である。
利点としては銃の様な発砲音が聞こえないため、隠密に優れる点だ。
欠点としては打った直後は刀身がなくなってしまうため、一瞬だが無防備になってしまうこと。


「……当たってくれよ。」

しかし、悩んでいる暇はない。ダニエルは刀身に思い切りエネルギーを流し込み
先程のサムライを切り伏せた刀身をアグラーヤに向けて攻撃する兵士にへと放つ。

矢としては大型の部類に入るため、当たれば軽い怪我ではすまないだろう。

そして、打った直後、その結果を見る前に刀身を生成しつつ
腰からもう一つの武装であるカエルガンを取り出した。
873 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/04(木) 01:03:22.62 ID:QGd1HYF1o
>>870-872

【アグラーヤの放った黒の雷撃が全方位に襲い掛かる】

 指向性を持たされた黒の雷撃は先ずビィに襲い掛かった敵に向かって疾駆する。
 氷塊を撃ち、敵からの注意がやや逸れた一瞬。敵は大きく踏むこむ。
 数瞬遅れた水流。ナイフの方が早い――が、しかし、

【ビィの術式は自然と地面を濡らしていた。それが布石である】
【アグラーヤの雷撃の伝導率を極めて高くしており、ゆえに高い威力を伴ったままの雷撃が敵を射抜いた】

「―――!?」

 そして、雷撃による麻痺と共に恐るべき水圧に弾き飛ばされる敵。
 電撃のショートを受けたところに大量の水である。耐電磁防御を貫通し、電流は脳に達した。即死である。

 −−−−−−

 一方のアグラーヤと対峙していた敵はビィより放たれた雹弾を回避。
 が、その隙にアグラーヤの黒雷の発動を許したカタチ。

(―――)

 しかし、恐るべき身のこなしで追従する雷撃を避けながら徐々に接近。
 ここで戦術として、爆縮手榴弾を投擲し、一気に逆転を狙おうとした。
 が、しかし、眼前の闘いのみに注意を向けて、後方警戒を怠ったのが明暗を別けた。

【ズン!と背中に突き刺さる斬撃!それはダニエルが放ったものであった!】
【その一撃は外殻アーマーを貫き、深手を与えた。そして、襲い掛かる黒の雷撃!】

 ダニエルが穿ったアーマーの亀裂部に殺到するアグラーヤの雷撃。
 内部より雷撃で焼かれ、どうなったかは推して知るべし!

 −−−−−−−−−−−

【抵抗をしりぞけた越境者達はナノマシン散布ポッドの回収に成功。ヘリにて撤退を果たした】
【時を同じくしてジェイドマン重工の株価は急激に暴落。しきたりを知らぬモノへメガコーポによる鉄槌が下った】
【その後、情報統制を解かれたバイオテロは大衆の目に晒され、事件に関わった多くの犯罪者はしかるべき報いを受けたという】

//以上、ここまで!オソマツ!
874 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/04(木) 01:28:26.70 ID:dijMupRx0
>>873

「…………ふぅ、当たったみたいだね。」

銃を取り出した後、自身が刀身を放ったほうを見るとしっかりと命中していた。
ふぅ、と安堵のため息を吐いたが握られた柄には新しい刀身が出来始めていた。

そして、アグラーヤの放った雷撃が見事に炸裂する様子に思わず、声が上がる。
そのすさまじい威力と閃光はそれほどのものであった。

「よし。とりあえずは合流しないとね。」

頬を伝う血をそのままに、まずは仲間の安否が心配だとばかりに
一度、敵の多くが退けられた戦場へと躍り出たとか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その後、全員の活躍もあって、無事に目的を達することに成功した。
傷は負ったものの、この世界での体験はダニエルにとっても貴重なものになったとか。
875 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/04(木) 01:37:02.14 ID:Oay3afZo0
>>873
「……ふん」

帰還するヘリの中、目的を達成する為とはいえふたりを頼った戦術をとった事に少々不満を覚えている様子。
しかしこれで報酬自体は約束されたのだから悪態をつきたげな口も紡がれ、鼻を通して息が漏れるのみ。
足を組み頬杖、狭いヘリ内で太々しい態度でビィとダニエル、両者へ順番に真紅を動かし少しでも自身を納得させる言い訳を考えているのだろう。
取り敢えずは三人とも治療が必要な程のダメージは負っていない。加えて状況の完遂とあれば重畳である。イムカにも借りを返す事ができたのだから。
背後にうごく目に見えぬ利権は知った事では無いが、その存在を知るが故に嫌でも不機嫌に拍車がかかる。
もっともアグラーヤが不貞腐れたように見えるのは彼女の行動と口にしていた事のみが理由ではないのだが。

「……哀れねぇ、本当。
敵討なんてつもりは毛頭無かったけど、この私が動いてあげたのだからそれくらいは有り難がりなさいよぉ」

ヘリの窓から見えるスプロールの混濁した空を隻眼に映しながら独り言ちるように呟いた。
他の存在を種族問わずに見下してはいるが、自身が亜人と括られるダークエルフであることは理解している。
口に出すのはそれらを意に介さず、理由の一端ともしないものであったが、やはり胸中に込み上げるものはあったのであろう。
事件の背景を含めて曇天が広がった心を晴らしたのは、大柄な鎧騎士だと思っていたダニエルの中身が、生々しいカエルであった事を帰還後に目撃した時であったとか。
876 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/06/04(木) 01:39:15.83 ID:Oay3afZo0
//お疲れ様でしたーぁ
877 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/04(木) 22:43:24.38 ID:hbo8iyCH0
【止まり木の宿】
郊外のコンテナが積み重なった一角 そこは越境者たちの憩いの場である止まり木同盟の宿が有するコンテナハウスであった

外は相変わらず景気の悪い重金属汚染雨が降りしきるなか アキレスは厨房で昼食を準備している そして・・・

―――ギィ・・・
リビングの一角で 巨大サソリのベティは静かに目の前の敵と相対していた
それはアキレス手製のパズル(スケッチブックに描いた絵を適当に切ったお手軽代物)

紙片を掴み 別の紙片の隣においてみる
・・・何か違う こんな絵柄じゃなかったはず

―――ギィ・・・
今度は別の紙片を置いてみる
・・・やっぱり違 いや角度が違うのかもしれない

アキレス「おーい 飯だぞー」
厨房でアキレスが読んでいる だが

―――ギィ・・・
角度を変えてみる
・・・こちらではないようだ


アキレスの声をガン無視してパズルに全神経を集中している
そんなある種異様な光景 この場にいるorこれから宿に来る友人はそれをどう見るか?
878 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/06/04(木) 22:51:47.58 ID:xbJmUTPA0
>>877
「……くくっ、うりうりっ」

リビング、椅子に腰掛けて細いディープメイカーを器用に操作
嫌味ったらしい笑いを浮かべて何ということでしょうベティが必死に解いているパズルの端っこの完成している部分を崩しているではないか
アキレスの食事の支度の最中、何を手伝う事もせずに暇潰し代わりにベティに絡んでいるのだ
戦闘兵器の残虐性の一面が存分に発揮されていると言って過言ではないだろう

「おっ、飯出来たー?」

アキレスの呼び掛けがあれば待ってましたと言わんばかりに反応
879 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔道】 [sage]:2015/06/04(木) 22:56:45.93 ID:cysFnDy+o
>>877

「…………」
『…………』

窓ガラスを雨が叩く音。宿の木製の机に顎を乗せ、ぐったりと机に伏せるミスカの姿。
本来ならばミスカもアキレスの隣、厨房に立つつもりだったのだが降りしきる重金属に当てられたか若干体調が悪い。
大人しくアキレスに夕飯を呼ばれることにした所存である。

「………うぅ……」

サソリの知能レベルを完全に超越しているその神秘的行為をただぼうっと見つめるミスカと、対して興味津々、ベティの甲羅の上から食い入るように見つめるカナリアのジョナ。
双方ともアキレスの呼び掛けに応じる事なく、じっとベティと共にパズルを凝視していた。
880 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/04(木) 23:08:26.88 ID:hbo8iyCH0
>>878
―――ギィ・・・
今度はこちらに変えてみよう
・・・うん こっちであっているはず

―――ギィ!!
よし 次だ と新たな紙片を掴んで

―――ギィ?
はて こんな絵柄だっただろうか?
何か違う気がする


アラズの非情なる妨害行為に気付かず 崩れた場所をせっせと直している

>>879
なお絵柄は無事にジョシュアへと転送された アキレス完全勝利の逸品 猫まみれイムカである

さて 一生懸命パズルを完成させようとしているベティをあざ笑うかのように崩していくアラズの細いディープメイカーが 2人には見えているだろうか?

>>全員対象
「あぁ飯だ つかミスカは兎も角アラズ お前は手伝え」
大皿2つを持ってきたアキレスがアラズにジト目を送る

一つは色鮮やかなグリーンサラダ もう一つは某ジブリでおなじみの肉団子パスタである
https://p.cdnanapi.com/r/2014/03/10/23/20140310234856_531dd0d8bb003.jpg

そして次は取り皿とフラスコのように底が広がったワイン瓶とグラスを用意 さぁ飯の準備が整いました

「ほ〜らベティ 飯にすんぞ〜」
―――ギィ・・・

そう呼びかけるも ベティは生返事を繰り返すばかり それほどまでに集中しているようだ
881 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/06/04(木) 23:16:02.33 ID:xbJmUTPA0
>>880
「ぷっ……はははっ、もうダメだっ」

思わず噴き出して、次には腹を抱えて笑う悪魔
猫に塗れたイムカの、果てしない完成までの道のりに抱腹絶倒というやつである

「あぁ? ゲストに手伝わせんのかよぉ……」

ミスカを示して贔屓だ贔屓だと不満タラタラ、しかし飯抜きの悲劇は味わいたくはない
やれやれと億劫そうに立ち上がりテーブルセットをお手伝い
一応、オリジナルであるニアにある程度のテーブルマナーの知識がある為その辺りは不備はない

「んー、んまそーだなっ」
「……おい、いつ迄やってんだよー」

やるじゃねぇかとアキレスに謎の上から目線
裏腹、席に付けば待ち惚けを食らう犬のように食事の開始を待っている
ベティに早く来る様に促す所作は、どうやら全員卓に揃って感謝を告げてからの食事がルール故なのだろう
882 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔道】 [sage]:2015/06/04(木) 23:27:20.66 ID:cysFnDy+o
>>880 >>881

「……もう、あんまり虐めちゃだめだからね…?」
「うわ、何…この絵柄…」

端っこの方でベティにイタズラして遊ぶアラズの意地悪さに肩を竦め、しかし同時に翻弄されるベティが可愛らしく思えて溢れる笑み
そういえば何の絵柄なのだろう?とパズルを覗き込み、そこには直立不動で腕を組むイムカとその身体中にまとわりつく猫がうじゃうじゃ。
ぱっと見何らかのエグいモンスターに見えたらしく、びくッと身体を震わせた。

「……あ、ごめんね…私も手伝うから…」

アキレスの声掛けには呼応せず、アラズへの二度目の忠告で自分の名を呼ばれればようやくはっとした様子でアキレスを見上げ
隣のアラズに申し訳なさそうな表情を見せればふぅと一息、徐に立ち上がると食事の支度をするべく厨房へと向かった
いつまで経ってもパズルに熱中するベティのジョナはこつこつと甲羅を突っついて止めさせようとしている。

「わぁ…美味しそう…!だけど…こんなに食べられるかな…?」

全員のグラスにワインを、アラズにのみ水を注いで食卓につき、テーブルに並ぶ料理を見て顔色を明るくし微笑む
食べ物を目の前にようやく元気が出てきたといった所だ。隣ではジョナがいまだにベティをつついていた。

883 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/04(木) 23:39:46.99 ID:hbo8iyCH0
>>881
「(贔屓しちゃ)いかんのか?」
まるで当然だといわんばかりに言ってのける

>>882
「あぁいや 調子悪いんなら無理しなくても」
だが飯を前に調子が戻ったのなら僥倖

>>全員対象
―――ギィ・・・ギィ!!

なおも夢中でパズルを解いていたベティだったが 背中のジョナが背中をつつくので 邪魔をするなと言わんばかりにハサミを振り上げ

―――ギィ?
いい匂いがすることにようやっと気付く
そういえば腹も減った

―――ギィ!!
アキレスの足元に移動し ズボンの裾を引っ張ってお腹すいたとアピール

「だからさっきから飯だって言ってんだろうが」
そんなマイペースベティにヤレヤレと頭を振りながら 別皿の肉団子を足元に置く

「それじゃ・・・」
短い祈りをささげ 食事を開始する

ワインは別世界から持ってきた いわゆるオーガニックなワインである
若くてフルーティーな赤ワインである

「しかしエシュリオンのヤツも終わって しばらくは平穏が待ってるのかな? もう疲れたよアレは」
パスタを取りながら困ったように笑う
884 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/06/04(木) 23:49:39.25 ID:xbJmUTPA0
>>882
「スキンシップって奴だよ、スキンシップ」

ケラケラと笑ってベティへの悪行をそう自己肯定
完全に悪戯っ子のそれである
そして自分のグラスにのみ注がれる水、意外そうに目を見開いてしかしその気遣いに悪い気はしない

>>883
「ぐっ……」

ぐうの音も出ないとはこの事である
そもそもサボっている自覚を持ち合わせているのだし、何より具合悪そうにしていたミスカが自主的に手伝いを始めたのだから良心の呵責は更に肥大

「……ちぇー……」
「まぁいいや、頂きまーす」

なんやかんや簡略的なお祈り、そして小皿に肉団子と麺をドッカリと移動

「あー、」
「なんか大変だったんだってな?」

エリュシオンでの一件は伝え聞いた以上の事は知らない
だがその内容の過酷さは想像に容易く、また事実はそれを超えた壮絶なモノであったのだ

「まぁ、なんか知らないけどお疲れだったな」

ご愁傷様、と皮肉めいて付け足したのは下手な照れ隠しである
純粋に褒め称え、労う事は憚られたのだろう
肉団子を半分齧り、咀嚼、美味い
885 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/04(木) 23:55:45.98 ID:dijMupRx0
<魔法世界エリュシオン――――とある森の中の湖>

「…………ふー、疲れたなぁ。」

とある森の中、湖の上にぷかぷかと浮かび休憩する影が一つ。
彼の名前はダニエル=フロッグハート。……いわゆるカエルの亜人である。

しかし、それは先天的なものではなく、この世界に来てから変化してしまったのである。
そう、ダニエルは来訪者であり、元の世界・元の姿に戻ることを目的としているのである。

今日も情報収集に勤しんでいたのだが、途中で疲れてしまったらしく、休憩中だ。

普段は人型の甲冑に身を包んでおり、一種の擬態となっているが、今回は甲冑を湖の辺に置き
その身一つで湖に仰向けに浮かんでいる。
886 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔道】 [sage]:2015/06/05(金) 00:02:23.87 ID:y5nXPuc/o
>>883

「大変だったけど…それでも世界を一つ救ったんだよ。それに…ふふ、守ってくれたでしょ?」
「ジョシュアさんも来れば良かったんだけど…今日は大事な用事が入ってたみたい…」

にこりと柔らかな微笑みをアキレスへと向け、それからありがとうと告げる。
少しだけ照れ臭い。
越境してから手に入れた携帯端末。それを使ってジョシュアにも誘いを送ってみたのだが、どうやら忙しいらしくこの場に姿を表すことはなかった。

「魔物もみんな大人しくなって…今は人間とも仲良くできてるみたいだよ。魔王が居なくなって…光と闇のバランスがとれたんだって」
「…それにしてもまさか大聖堂にあんなの書いちゃうなんてね…!女王様、お腹が痛くて3日は城から出られなかったんだよ?」

あれからエリュシオンはすっかり平穏を取り戻していた。
目立った闘争もなく、また戦争もない。お互いの大陸で均衡が続く極めて安定した世界情勢。
ここ最近で一番の大事件と言えば勇者一行の一員が大聖堂に巨大なラクガキを施し、女王の胃に致命的なダメージを与えた事くらいか

>>884
「…後で謝るんだよ…?」

悪気なしのその態度に呆れたような笑み。されどやはり余りとがめる気にはなれない。
ベティの背から飛び立ったジョナはミスカの隣に小さく盛られた生パスタをついばんだ。それを見てミスカもつられ一口。幸せそうな笑みを浮かべる。

「うぅん…!おいひぃ……♪」

フォークを持ったまま頬を抑えて蕩けそうな表情。幸せそうな笑みだ。体調不良なぞもはや何処かへと消え失せていた。

一方ミスカのグラスには少しだけワインが注がれていた。すっと飲み干し、軽く口を拭く。
風邪薬代わりとでも言ったところか、少量にも関わらずとろんと目は据わりほんの少しだけ頬が紅潮している。
ちなみに言うと、ミスカは物凄く酒に弱い!
887 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/05(金) 00:18:10.92 ID:rdlSdFjv0
>>884
「俺に口で勝とうなんざ100万年早いぜ」
勝ち誇った顔をする

なお パスタをドッカリ持っていくアラズに対し カリ城的攻防があったことは想像に難くない

「大変だったぜぇ まぁ大魔王にとどめを刺したのは俺だがな」
ヘヘンと鼻を高くする

だが実際のところ なんで自分がとひどく狼狽しており カッコよさの欠片もなかったという

「まぁ この勇者アキレス様にかかっちゃ 楽な仕事だったなぁ」
※頭蓋骨砕かれて半死人にもなりました

>>886
「あぁ きっと探し人でもできたんだろ?」

以前酒を飲み交わしたときに言っていた ジョシュアの部隊の仇アグラーヤ
あいさつ程度だが面識もある 知り合い同士が命を懸けてドンパチするのは嫌だが もしもその場所に遭遇したら?

きっと止めないし 場合によってはジョシュアに与すると思う

思考が暗い方向に傾きそうになったので ワインを干して気持ちを切り替える

「どうよ? 俺ってば料理も天s あぁえと・・・?」
一杯のワインで目が据わりだしたミスカに嫌な予感を覚える

―――ギィ♪
そんな事 知る由もないベティは肉団子に舌鼓だ
888 :宿禰 纏 >>380【氷菓】 [sage]:2015/06/05(金) 00:19:38.84 ID:e/MnWkSI0
>>885
「……やっぱ森って嫌い。気付くとけっこー汚れてるし」

ゲートをくぐり視界に広がったのは生い茂る木々。取り敢えず人の生活圏を目指して森を出ようと彷徨ったものの一行に人の気配すら見えず。
白いシャツの上に黒いパーカーを重ね、下はデニムのショートパンツのみという森を歩くには少々心許ない格好だ。
足元は土で汚れ歩き回った事による疲労感と、汗の滲んだ身体が気持ち悪くなってきたころ、開けた視界に湖が映る。

「……ちょっと休憩だなー。汗もかいたし……。
人の気配も無いし、汚い水じゃないかな……、っ!?」

水浴びでもするつもりなのだろう。辺りをきょろきょろと見廻し警戒。
そして水質を確認しようと湖の畔に近付いた瞬間纏の動きはぴたりと止まる。
その故は湖に浮かぶ先客であった。それも通常では考えられない程に大きなカエルである。
付け加えれば纏はカエルが大の苦手だ。指先程の大きさのアマガエルを相手にしたとしても顔面蒼白レベルである。
当然声を上げる事も出来ず、気持ち良さそうにプカプカと浮かぶ大カエル、ダニエルを凝視したまま固まってしまう。
889 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/06/05(金) 00:26:02.72 ID:VZtrpuYp0
>>886
「ま、気が向いたらなっ」

にししと歯を見せて笑う仕草、まぁ十中八九言葉だけであろう
叱り付けるようにすれば渋々従うではあろうが、取り敢えず現時点での確率はほぼ0だ

「……お前、飲むの?」

ミスカのグラスを彩る液体をちらり、疑問として尋ねる
それは彼女のアルコールに対する抵抗力を知っているが故であり、少しの驚愕を孕んでいた

>>887
「……なに、お前がっ?」

冗談だろ? と動きが止まる所で争奪戦に於いてそれが致命的な隙となる
結果、お目当てであった肉団子はアキレスに微笑んだ

「あ、ちくしょ……!」

唇を尖らせるも、元々アラズは食が細い
今ある以上に取れば残す羽目になっていたので、本人は知らぬが良い方向に転んだのであった

「……お前にやられる大魔王なんて、一気に想像し辛くなったなぁ……」

先程まで思い描いていた大魔王のおどろおどろしい姿は何となくイメージが変わる
無礼千万な態度ではあるが、まぁアレだ、仕方ないのだ
890 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 00:27:29.45 ID:C3ttSMJu0
>>888
「…………ん?」

気付いたのか仰向けのまま、視線だけでそちらに気付いたようだ。
すると、くるっと回転して自身を水の中へと。

そして、そのままあの独特なカエルのフォームで泳ぎ……。

「……っぷは!どうもー。」

宿禰の近くの辺りで水面から顔を出して、挨拶をする。
口調から、のんびりとした印象を受ける。

無論、宿禰がカエルが苦手という事実など知るわけもない。
人語を操り、コミュニケーションを取るカエルはソレが苦手な宿禰にどう映るであろうか。

もしかすれば、最悪のファーストコンタクトと言えるかもしれない。
891 :宿禰 纏 >>380【氷菓】 [sage]:2015/06/05(金) 00:42:33.85 ID:e/MnWkSI0
>>890
「……カエルが、喋っ……」

そこまで口にした所で纏の視界は暗転、意識は急速に微睡へと誘われていった。
どさり、と音を立ててその場に仰向けに倒れてしまう。それもそうだろう、苦手とは言え纏の知るその姿は手の平サイズ。悲鳴を上げたとも追い払う事に造作もない。
しかし今し方遭遇したソレは人間の子供サイズもあり、加えて人語を口にしたのだから。纏の脳は一気にオーバーロード、機能保全の為に強制的に意識がシャットダウンされたのだ。

「……うーん、カエル……カエルのお化けが……!」

どうやら悪夢でも見ているのだろう。譫言の様に呟く寝言からその内容を察するのは難しくない。
とは言え失神は一時的なもの、割とすぐに意識を回復させて起き上がるだろう。
果たしてその時ダニエルはどの様な格好をしているのだろうか。きっと彼の勘が冴えていれば鎧を身に纏っているだろう。
若しくは全てを察した上で意地悪にもそのままお出迎えするのかもしれないが。
892 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/05(金) 00:43:59.08 ID:rdlSdFjv0
>>889
「ふっ まだまだだな ってコノヤロ それじゃ俺が頼りないみたいじゃないか!!」

肉団子を確保してしたり顔
だが自分の手柄を完全否定されれば口を尖らせ抗議する

まぁ頼りないのは正解である

そんなこんなでスプロールの夜は更けていくのであった・・・
893 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2015/06/05(金) 00:48:12.43 ID:VZtrpuYp0
>>892
「ははは、ま、まぁなんだ、」
「……そ、ソンナコトナイヨ?」

明後日の方向を見やりながら、正しくは雨打つ窓に視線を送りながら片言の返答
幾度となくいのちを救って貰った相手に対する態度ではないのだが、印象がどうにもそうさせているらしい
窓を隔てて毒雨と悪意に満ちた世界、とはいえこの空間はこの上なく心地良い
空気に酔いしれながら、柄にもないなぁと自嘲するアラズであった

//この辺りで失礼します、お疲れ様でしたっ
//ありがとうございましたー
894 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 00:53:31.31 ID:C3ttSMJu0

「……え、っちょ……!」

気絶する前に宿禰が最後に見たのは倒れ行く自身を心配するように
駆け寄るカエルのオバケことダニエルの姿だったとか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「大丈夫、ですか?」

倒れている宿禰をしゃがみ込み、見下ろしていたのは甲冑の頭部であった。

正確にはお腹にあるシャッターのようなギミックの間から
倒れている宿禰の姿をじっと見ているのだが。

幸い、カエルのオバケなどという言葉をうわ言の様に呟いていたため
自身の姿が原因であることは容易に分かったらしい。

起き上がった宿禰からすれば、カエルのオバケを見て気絶したかと思いきや
次の瞬間に見ているのは甲冑の姿である……夢でも見ていたのだろうか?
895 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 00:54:59.26 ID:C3ttSMJu0
//>>894>>891宛てです。すみません。
896 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/06/05(金) 01:11:31.38 ID:e/MnWkSI0
>>894
「ぅ……、うーん……? ヨロイ?
……! かっ、カエルっ、カエルのお化けはぁっ……!?」

目を覚ました時、視界に居たのはカエルのお化け、ではなく厳つい甲冑姿。掛けられる声から中身は男性であろうか。
身を起こして座り直せば周囲をきょろきょろ、先程のカエルを探しているのだろう。そしてその姿が見えない事を確認すれば、頭をかきながら大丈夫と一言。
側に立つダニエルの甲冑姿、その頭部から足先まで視線を這わせれば敵意がない事がわかり一先ず安心し息をついた。

「……さっきさ、大っきいカエル、いたんだ。
ほんと、こんなの。見てない……?」

両腕を大きく広げて先程見たカエルの大きさを表現。目一杯に広げられた腕は明らかにオーバーアクション、一瞬の衝撃故か明らかに盛っている。
普通目が覚めた側に甲冑姿の男が立っていれば取り乱しそうなものであるが、それだけ先程見たモノが衝撃的だったのだろう。纏自身が少々普通ではないのもあるが。
そして今言葉を交わすその相手が先程見たカエル、ダニエルその人であるなどとは夢にも思わないのであった。
897 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 01:21:32.68 ID:C3ttSMJu0
>>896
「…………。」

本当は自分がそのカエルのオバケです、といいたい気持ちではあるが
まだ、落ち着いていない様子の宿禰にバラすと、もっと話がこじれると
判断したのか、とりあえずは黙っておくことにしたようだ。

「そんなに大き――――あ、あぁ、いや見てないよ。
ボクがここに来た時にはキミが言うようなカエルなんて居なかったなぁ。

ここに来た時にキミが倒れていたからね。疲れていたんじゃないかな?」

流石にオーバーじゃないか、と突っ込みの一言でも入れそうになったが堪える。
そんなカエルのオバケは最初からいなかったんだ、と。

自分のことを疲れたときに見る幻覚の様に言うのは、ちょっと悲しい。
ついでに、言葉に自分もついさっき来た、というニュアンスを込めた。

しかし、今喋っている声はさっきのカエルと同一なものなのだが
どこまで誤魔化しとおせるのだろうか。
898 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/06/05(金) 01:40:58.59 ID:e/MnWkSI0
>>897
「……?
幻覚……、そっか、纏疲れてたからなー……いやいや、でもあの声は……?
……幻聴? えー……、あれ、声?」

何やら言い掛けて口を噤んだダニエルを少し不審がるも、その説明に納得、しかけただけに留まった。
ダニエルの言に不安定な記憶を呼び戻す。浮かび上がる光景は意識が途切れる前に此方へと駆け寄るカエルの姿、そこまで思い出せれば後は芋づる式だ。
更に記憶を遡り邂逅時、纏はカエルの声を聞いている。幻覚は喋るものか、そんなことは今はどうでも良かった。
重要なのはその声だ。今こちらへと語りかける鎧男の声と、記憶されたカエルの声。纏の耳がおかしいか記憶が破綻していない限りは明らかに同一に思えてきたのだ。

「……あのさ、その兜、とってくんない? てか、鎧脱いで」

初対面の人間? 相手に大分に失礼な事だ。相手によっては服を脱げと言っている事と対して変わらないのだから。
しかしダニエルをじっと見つめる纏の瞳に迷いは無い。彼がそれを拒み返答に困ろうとも、纏はその場に立ち上がり彼の鎧に手を掛ける事だろう。
こうなってしまっては纏は頑固だ。上手く言葉巧みに躱そうとしても聞く耳などは一切持たない。
899 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 01:52:19.92 ID:C3ttSMJu0
>>898
「(……困ったな。今ここで取ったら、よりショックを与えそうだし。)」

兜だけをとった場合、そこには何もない。
おなかの部分に顔があるからだ。兜の部分はいえばハリボテである。

つまり、兜を取れば宿禰に対して首なしの騎士の姿を見せることになってしまう。
そうなれば、カエルの姿より、よっぽど刺激的だ。

下手をすればもう一度、気絶をさせかねない。


「……えー、うん……なら……分かったよ。」

そういうと観念したように甲冑姿が立ち上がる。立ち上がるとこの甲冑の異様さがわかる。
何せ足が異様に短く、そして胴が異様に長いのだ。カエルの姿に合わせているからだろう。
すると、おなかの部分にある明らかに怪しいシャッターの部分から音がする。

「……さっきみたいに気絶、しないでね?」

その言葉はもはや、自分がカエルだと認めたようなものだ。
シャッターが勢いよく開くと、そこには先ほどの湖に浮かんでたカエルの顔があった。
900 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/06/05(金) 02:25:20.92 ID:e/MnWkSI0
>>899
「……ん、さっき? 何で君が、それを知ってんの?」

立ち上がった甲冑姿は異様なものであった。明らかに人が身に付ける形状では無い。
その姿と彼の言葉に不信感を覚え訝しげな視線を送る。よく見れば甲冑には腹部の位置に不自然なシャッターが確認できた。喋る声がそこから聞こえてくるのは果たして気のせいであろうか。
纏の中で凡ゆる想定、妄想が思考回路を駆け巡る。真実を求める好奇心と、知らぬままでいた方がいいという理性。それらのせめぎ合いは好奇心が勝利したのだろう、纏はその場から動かなかった。

「……ひっ!? か、カエルのお化けっ……!
げ、幻覚じゃなかった。君はそのヨロイの中に居た人を、食べたの?」

それとも、と再び異様な形の甲冑、その全身に目をやれば特に気になるのはその足の短さ。
人が着れるものでは無いという事は元々このカエルのものであるのだろう。
邂逅とは違い色々と逡巡する時間は与えられていた為流石に意識は保てているようだ。
一瞬おかしな方向へと思考が伸びそうになるが、ダニエルの甲冑の形状。それが逆に纏の思考を冷静へと導いた。

「……驚いた。喋るカエルがいるなんて、やっぱり世界は広い。
まーでも、意思疎通が出来るんなら……そんなに気持ち悪くない、かな? そんなにね。
……さっきは気絶しちゃって悪かった。纏は宿禰纏、君はー?」

子供大の大きさで人語を解するカエル。その存在はあまりにも常識外れにぶっ飛んでいた故か、わかってしまえばそれ程拒否反応は示さなくなった。
軽い自己紹介を済ませれば、倒れていた所為でさらに汚れてしまったと徐に服を脱ぎそのまま湖で行水を始める。
現時点では纏にとってダニエルはあくまで喋るカエルである。警戒心や羞恥心など微塵も無い行動は彼が元々人間であった事を知らぬ故。
もし今後彼の境遇を聞くような事があれば、纏がどの様な反応を示すのかは火を見るよりも明らかであろう。

/この辺で失礼しますー
/絡みありがとうございましたっ!
901 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 02:42:35.44 ID:C3ttSMJu0
>>900
「そ、そんな物騒なことはしないよ……これはボクの体に合わせた甲冑なんだ。」

ぶんぶんと首を振るとそれに合わせて、甲冑もがしゃがしゃと騒がしい音を立て動く。
見せ掛けではなく甲冑はしっかりと存在しており、ダニエルもそれを身に付けている。

すなわち、幻覚や夢なんかではないのである。

「まぁ、驚くだろうね。ボクだってボクが居た世界ではそう見なかったもん。
普通に獣系の獣人ならよく見たけど、こういう両生類とかは中々、居なかったね。」

宿禰の言葉に納得した素振り。自身がカエルのクセに何を言う……と思ってしまうが
それは彼が元々、こんな姿ではなく人間だったからである。

だからこそ、ある意味で客観的な行動が取れるともいう。

「……い、一応、警戒を解いてもらえて助かるよ。気絶もしないしね。
宿禰さんだね?ボクの名前はダニエル=フロッグハートって言うんだよ。よろしくね。」

名前にフロッグ≠ニ入っているのは何の縁だろうか。
ともあれ、お互いが名乗りあった故に少しは警戒心が解けたようだ。


「それでね、ボクは実は……ありゃ、行っちゃった。」

そして、元は人間であることをカミングアウトしようと思えば、宿禰はさっさと行水に行ってしまう。
言うタイミングを完全に逃してしまった。

「(……まぁ、後でいいかな。)」

邪魔しては悪い、と宿禰を気遣ってとりあえずは行水が終わってから話すことに決めたようだ。
宿禰にとって見れば、ある意味、これは悪いことであっただろう。

ちなみに、目の前でいきなり女性が服を脱ぎだし、そのまま行水を始めたという実に目に毒な光景だが
ダニエルはそれに対して、何故か興奮だとか照れるだとか、そんな反応を一切見せなかったとか。

//了解です。お疲れ様でした!
902 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 22:59:19.27 ID:C3ttSMJu0
<魔法世界エリュシオン――――大図書館>

「越境現象……越境現象……。」

ここはエリュシオンに存在する大きな図書館。
様々な本はもちろんのこと、論文や新聞やといった資料の類まで揃う場所だ。
あまりに膨大であるため、フロアごとで種類などが区切られている。

そんな大図書館に来ているのは、カエルの体を甲冑で覆うダニエル=フロッグハートだ。
その甲冑は人間が着用するような形に見えるが、それは酷くアンバランスである。
しかし、このような人間の利用を主に考えられている施設を利用するときは非常に役に立つ。

そう、ダニエルでは取れない位置の本が取れるのだ。

だが、お目当ての本は見つかっていないらしく、ぶつぶつと呟きながら本を探している。
求めているのは越境現象やそれに関わる事象についての資料である。
903 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/05(金) 23:10:26.52 ID:VZtrpuYp0
>>902
「なんだかもうっ、頭が痛くなるってんですねぇっ……」

と、重さを増したような頭を抱えながら歩くのは浅黒い肌の女性
背は低く線も細い、また表情も併せて少女と断ずるに問題はなくしかし顔付きその物は女性的
マオカラーの桃色のシャツにチノ、そして空色のスカーフを纏う
腰に帯びた一振りの西洋剣が何処か不似合いな印象
何にせよ、エリュシオンの住民としては明らかに異質な、越境者であると見破るのは容易いであろう少女である

「……んっ?」

そんな彼女、ニア・シューペリオリティが何かに気がついて赤眼を向ける
その先にはアンバランスな鎧の姿、さてアレはなんだろうと歩み寄る

「……あ、中に人が入ってるってんですねっ?」

それにしては何も言うか……まぁ、何処か不自然な体格をしているなぁと首を傾げていた
904 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 23:24:29.25 ID:C3ttSMJu0

「…………越境者……いや、来訪者……。」

その間、こちらはずっとぶつぶつと呟きながら何事か探している。
その言葉はニアにとって耳慣れた言葉かもしれない。

すると、その気配を感じたのかそちらへ振り向いた。

「……ん?あぁ、いや中に入っているのは人じゃないかな。」

そういいながら、首を振る。
しかし、揺れているのは甲冑の首ではなく、体全体だ。

動きとして、非常に不自然である。
よく見れば、甲冑のおなかのところにこれまた怪しいシャッターの様なギミックが存在する。
905 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/05(金) 23:30:05.69 ID:VZtrpuYp0
>>904
「うわっ!?」

不自然な、そしてやや大仰な所作に思わず驚いてリアクション
ニアのそれも充分にオーバーなモノでもあるが、性格としての素なのである

「……ロボットってんですかね?」
「そのロボットがっ、どうしてまた越境の事をっ?」

しかし言葉として並べてみると納得もいく
本来、ロボット(実際は異なるが)はこの世界には存在しない
つまり彼は越境者なのだ、そしてそうであれば越境の仔細を調べている事になんら不思議はない

906 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 23:37:50.30 ID:C3ttSMJu0
>>905
「ロボット……あぁ、いえ、ああいうのでもないです。
ボクは……。」

ダニエルはロボットを見たことがある。
何せ、そのような世界にとある任務で行ったことがあるのだから。
しかし、そのようなものでもないと良い、シャッターの部分を開いていく。

「……カエルなんです。こっちに来た時にこんな姿になっちゃって。」

開いたところにあったのはのっぺりとしたカエルの顔だ。
分類するなら、亜人・獣人といったところだが、このカエルに人間の面影は全くない。

本当にその辺りにいるカエルが巨大化し二足歩行するようになった、といったビジュアルだ。
907 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/05(金) 23:43:37.21 ID:VZtrpuYp0
>>906
「カエルっ!?」

ぱかりと開いた先のカエル顔、無論驚かない訳がない
飛び退いて数瞬、歩み寄り覗き込んで目を丸くする
亜人の類は見て来たが、カエル亜人との邂逅は初めてなのだ

「……へぇー、そうなんですねぇっ……」
「……んっ?」
「あのぉ、こっち来た時ってっ、つまり……?」

元は別の姿であったのだろうか?
疑問として、だがちょっと尋ね辛そうな感じ
それもそうだろう、見てくれの問題はなかなかナイーブなモノとも限らないのだから
908 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/05(金) 23:52:02.14 ID:C3ttSMJu0

「うん。ボクはいわゆる来訪者とか越境者って言われている人で
今はこうして、ここに居るけど元は別の世界の住人だよ。

……で、この姿はさっきも言ったように、こっちに来た時にカエルになっちゃってね。
他の人曰く、越境現象中にこうして変化するのは珍しいらしいね。

まぁ、こんな姿だけど元は人間なんだ。……信じられないかもしれないけどね。」

まるでおとぎ話である。
ひょんなことから、この新世界に来訪してしまい気付いたらカエルの姿だったらしい。
とはいえ、完全なカエルではなく亜人となったのは実に幸運だっただろう。

だが、ダニエルの様子を見るにそれほど落ち込んでいるわけでは無さそうである。
ニアのナイーブかもしれないといった懸念は杞憂だったようだ。
909 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/06/06(土) 00:03:31.01 ID:fwJHYjuf0
>>908
「……あ、そ、そうなんだってんですねっ」
「確かに、格好が変わるのははじめて聞いた……はずってんですっ」

意外とあっけらかんと話す……とは言え表情の解読が微妙だが……様子に少し安心
そして腕を組んで唸り首を傾げた
少なくともニアはそうなのだ、越境に関して姿形の変化が伴う事例は未知であった
だがそれを疑う程に頑固ではない
未だ知れぬ越境に、不思議現象が起こった所で疑問はないのだから

「……で、越境関係の本を探してる、と……」
「ニアも越境者だってんですけどっ、そんな本までここに有るってんですかねぇっ……?」

そもそも越境自体、世界間で取扱は異なるが不明瞭な部分の方が遥かに大きい
それを纏めた本の存在はなかなかに難しいだろう

「あー、」
「……エリュシオンなら、召喚魔法なんかがそれに近いかもっ……?」

多分根底としては似た技術の応用か、或いは越境という大きな湖の上澄みだけをやっと利用した術なのかも分からない
ともあれ世界を跨ぐ移動術としては、共通点もなきにしもあらず
910 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/06(土) 00:12:02.60 ID:Si8MWxyj0
>>909
「んー、確かに越境現象についてちゃんと書かれた本はないね。
少しくらい手がかりでも……と思ったんだけど、難しそうだよ。

焦ってはないんだけど、たまには情報収集しないとね。
ボクの場合、元の世界に帰る前に元の姿に戻らないといけないしさ。」

ダニエルが普通の越境者・来訪者と違う点はここである。
そのため、普通よりも手間が掛かるのである。

普通の変化の魔法やそれに似た技術ならまだしも、ダニエルの場合は
越境現象に伴う姿の変化、である。それを元に戻すという方法は見つかり難いだろう。


「なるほど。
召喚魔法……いや、でも召喚は要するには呼び出す魔法だから
多分、この仕組みがわかっても、ボクが別の世界に行くことは難しいんじゃないかな?」

召喚魔法は契約に準じて、一時的に対象者に来てもらう魔法である。
故に自分から能動的に行くわけではないから、少し違うのではないか、と。
911 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/06/06(土) 00:28:17.54 ID:fwJHYjuf0
>>910
「あー……」

ナナメ上を、と言うより視線を泳がせて腕を組み数度小さく頷いた
確かにそうだ、姿の変化を解くのと更に元居た世界への帰還を果たす
それには召喚魔法では事足りないのは確かなのだから
ニアの故郷の世界リベルタスは、幸運な事に越境で渡る機会が多い
だがそうでない世界だとするならば、運否天賦の現象に身を任せるのは骨が折れそうだ

「……うーん、だとしたらぁ……」

以前このエリュシオンの、某国の女王に召喚された経歴がある
彼女ならば何かを知っているかも知れないが、立場が立場なのだからそう簡単に会いに行く事は難しいだろう
それに彼女の使用した術も、あくまでも召喚魔法にカテゴライズされるモノなのだろうから助けになるとは限らない

「……そうすると難しいですねぇっ……」
「ま、でもそんなに急いでないみたいですしぃっ……?」

急を要する場面ではなさそうなのが幸いだ
本と時間は唸る程にあるのだから、探せばいい

「本探すの位なら、お手伝いしますよっ」
「……あ、ニア。 ニア・シューペリオリティってんですっ」

宜しくお願いしますっ、と間延びした声で名乗り握手を求めて右手を差し出した
ただまぁ、目の前のダニエルの腕の位置は何処になるのかと少し、その手が揺れる事にもなるのだが

//すみませんがこの辺りで〆させて下さいっ
//ありがとうございました、また宜しくお願いしますー
912 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga sage]:2015/06/06(土) 00:40:55.12 ID:Si8MWxyj0
>>911
「うん。カエルになれて良いところもいくつかあったからね。
背が低かったり、初対面で怯えられたりする以外は悪くはないね。」

カエルになったものはしょうがないと、それを受け入れてなんとかやっているようだ。
カエルという見た目に違わず、呑気な一面があるのかもしれない。

少なくとも、パニックにならないだけ色々と都合が良い。

「うーん……それなら、ちょっとお願いしようかな。
ボクはダニエル=フロッグハートって言うんだ。よろしくね、ニアさん。」

手をどこに持っていこうかと悩むニアを見て、申し訳無さそうに苦笑すると
自ら歩み寄り、甲冑の腰の辺りから突き出ている腕を出して、その手を取ったとか。

//了解です!お疲れ様でした!
913 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/06(土) 22:26:27.46 ID:SYEIab7M0
【とある禿山】
空には雲一つない 何せ足元にあるのだから
辺りには草木一本もない だって標高が高いから

辺りに広がるのは 万年雪の白と 灰色の石と岩 そんな生命の伊吹感じぬ禿山にたたずむ目つきの悪い男は 辺りの光景にしばし ポカンと口を開けて呆然としていた
たっぷり時間をかけて口を閉じ 唇を舌で湿らせて

「おいおいおい・・・ここは ここは俺の故郷のグングリット山じゃねぇか」
そう 偶然にもこの男 ロイ・ゴールドマンは想定外の里帰りとなってしまったのだ

「だとしたら拙いな さっさと下りないと・・・」
そう言って下山道を探す どこか焦っているようにも見える
914 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/06(土) 22:36:23.66 ID:fwJHYjuf0
>>913
「……んっ?」
「何そんな焦ってる訳さっ?」

薄い空気に喘ぎながら、隣のロイへと尋ねてみる
どうにも様子がおかしい風に思えた、故郷への凱旋だと言うのに何処か焦燥に駆られているような

「マズイって……綺麗なとこじゃない」
「何か危険な生物でも住んでるの?」

雲海、一面仰望蒼天碧空
深呼吸ひとつ、風景がそうさせるのと同時薄い酸素を少しでも多く取り込もうとするが為である
915 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/06(土) 22:38:23.78 ID:EgfHR9zFo
>>913

「わうわう!(中々によいところではないか。故郷を思い出す)」

 雪に足跡をベターっとくっ付けてから離すというようなことをやっているウルリック。
 何の変哲もない柴犬である。怪しいところなんで全くない。

「わう?(それにしても貴様は何をあせっておるのだ?アレか。故郷ではとんだ犯罪者とかか?)」

 何となく挙動不審なロイの様子に柴犬はいぶかしんだ。
 首には相変わらずの樽付き首輪。樽の中は五臓六腑を燃え上がらせる酒が入っている。
916 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/06(土) 22:41:15.29 ID:EgfHR9zFo
>>915

 そして相変わらず何処にでも現れるわんころがいるのである。
 何やらロイに向かって時折吠えているが、
 もし、ロイがまるでこの犬と実際に会話しているようなアクションを起こしていたとしたら、

【七八はいよいよロイの正気を疑うべきであろうと地の文で警告しておくことにする】

「わふわふ」

 冷えた雪が気持ちいいのかウルリックは時折うつぶせになって、雪の上でゴロンゴロンしている。
 たしか正体は誇り高き狼のはずであるが気にしてはいけない。
917 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/06(土) 22:52:32.01 ID:SYEIab7M0
>>914-915
「あぁ 霊峰グングリット その雄大さは他に比べるものはなく 神々が住まう家であり
 死した魂はこのグングリットを目印に天へと昇っていくといわれている」

山の民故か すぐに下山ルートを見出し 移動を開始する

「故にグングリットは人間だけの山に非ず 人も モンスターも 石も金属も空気をも隔ることはない だが・・・」

しばらくしてズシンズシンと地響きが近づいてくる 低き唸り声も聞こえる

「人とモンスターの仲は水と油 それは変わらんのだよ!!」
ヌゥと出てきたのは 全身が灰色の肌に覆われ 全長3mの長身 突き出た太鼓腹の巨躯 手には人の身長よりも長大な石斧

「アレはオーガ 見ての通りの亜人で 石でも人でもなんでも喰っちまうモンスター・・・厄介なのに会っちまったなぁ」
心底嫌そうな顔をする中

オーガ「ゴアアアアアァァァアアアアアア!!!!」
雄たけびを上げて突進してくるオーガ
918 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/06(土) 23:00:38.11 ID:EgfHR9zFo
>>917

「わう?(…オグリン?)」

 まず、ウルリックは己が世界の亜人種と特徴的に似通っていたそれと誤解をした。
 が、しかし、ロイの続く言葉でそれが近しくも別種の存在であることを察した。

「(拙者の世界にはオグリンという連中がいてな。まあ、特徴は貴様が言ったのとほぼ変わらん。
 しかし、連中は宇宙時代に人類が環境適応によって変化した人種であったが…)」

 終焉の遠未来はファンタジックな世界と近しくも差異を持つかなり妙な世界観のようである。
 実際にエルフもオークもいる。殆どは完璧な敵対関係にあるが。

「わう!(で、どうするのだ?あの突き出た腹、並の金属など容易に弾き返してしまいそうだ)」

 ウルリックは鼻を鳴らして、一見弱点が露出しているように突き出た腹が、
 その実は非常に強力な筋肉の積層構造めいているのではないかと考えた。
919 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/06(土) 23:00:48.49 ID:fwJHYjuf0
>>916
実際の所ウルリックが念波の類を操り会話していたとしても何ら不思議には思わない程度にはその知識力を買っている七八
ゴロンゴロンと芋虫めいた挙動のその背を自然な所作でわしゃわしゃと撫でるのであった
地の文=サンの警告も何のその、いっそ普通に会話出来れば楽なのになぁとすら思っていたり

>>917
「ふぅん……?」
「……んんっ!?」

霊峰か、と納得しつつウルリックをわしゃわしゃ
が、その手は途中で凍りついて止まる
巨人との邂逅、その経験は多くはないのだ

「ち、ちちちちょっとぉ!」

何あれは、と大騒ぎ、しかし体は自然苦無を引き抜き投擲していた
数は3、狙いは顔面、勢いを削ぐのが目的である
920 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/06(土) 23:19:06.02 ID:SYEIab7M0
>>919
四五六の投擲したクナイは一直線に顔へと飛んでいく が

オーガ「あぁ〜ん」
巨体に見合った大口を開ければ クナイが口内に突き刺さった

オーガ「ボリボリボリ・・・ごあぁぁぁあああああああ!!!」
だが一切構うことなく咀嚼 飲み下し 改めて突進してくる

>>918
「ウチューってのがいまだよくわかってないが腹が弱点ってのは大間違いなのは大正解だ」
ハルバートを構えながらウルリックに応える

「あれは一見脂肪に見えるが その実100%が筋肉だ 口ん中に入ったら最後 腹筋の収縮で磨り潰され 強烈な胃液で溶かして吸収する
 気を付けろ あいつはマジでミスリルだって消化しちまうんだ!! ついでに言うと 本来は一匹に対し 兵卒5人でようやっと対処できるレベルの化け物だからな!!」

>>全員対象
「ヤツへの対処は すでにあいている穴を狙うこと そして体の末端を優先的に狙うこと 最後に固まって行動しないことだ 来るぞ!!」
十分に接近したオーガが 手に持った石斧を振り下ろしてくる

【警告:オーガの筋力は 『人のカテゴリーを大きく逸脱したレベルの怪力』である それ以下の筋力ではガードごと押しつぶされる】
921 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/06(土) 23:25:39.46 ID:r3bl0wmhO
>>920
「嘘でしょ!?」

なんと苦無を咀嚼、おやつが如くに飲み込んでしまったではないか
突撃の出足を挫く事が出来ずに態勢として悪い、不利な状況に陥る

「っ……!」
「り、了解っ……!」

振り下ろし、単純なしかし暴力的な質量攻撃
飛びのいて直撃こそは防いだモノの、だが飛散する礫飛沫に身を穿たれる結果になってしまう
着地、苦無投擲、よろめいた
体躯の末端、その武器を振るう指めがけて苦無が空を裂いて飛翔
922 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/06(土) 23:29:15.53 ID:EgfHR9zFo
>>920

「ガウッ!(まったくもって厄介な故郷もあったものだな!)」

 柴犬はその黒い瞳を黄金色に変じさせると、
 真正面から斧を振り上げるオーガに向かって突っ込む!

【小さい柴犬の体躯を活かして、振り下ろされる斧の間合いのさらに内側へ】

「ガウッ!ガウッ!!」

 そこから動きはさらに素早かった!
 オーガの膝を蹴りあがり、腹を蹴りあがり、一気に顔の前まで接近を狙い、

「―――!!」

 一瞬、ウルリックのその腕先が帯電する。僅かに白灰色の豪腕にヴィジョンがダブる。
 目を見開き、その腕を、爪を、多くの生物にとって急所となる眼球に突き入れるべく振り下ろした!

【なお、これでもウルリックはまだ自身が何の変哲もない柴犬であると完璧な演技をしていると思っている模様】
923 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/06(土) 23:46:32.33 ID:SYEIab7M0
ロイ「チッ!!」
大きく回り込むように移動し石斧の一撃を回避
ほかの2人も直撃は無いようだ

>>921-922
四五六が放ったクナイ それは石斧の一撃によって微妙に手元が狂う

オーガ「グォォ!!」
矮小な犬が体を駆け上ってくる それを片手で軽く払おうと片手を斧から離し

オーガ「がぁぁぁぁあ!!?」
その掌にクナイが刺さった

驚きのあまり一瞬手が止まり その隙にウルリックが眼球を抉った

オーガ「ゴァオオオオ!!」
だがオーガは痛みで止まらない すぐさまウルリックに攻撃しようとして

ロイ「ダァァッラアァアアアア!!」
後ろに回り込んだロイがアキレス腱に斧場を叩きこむ 多少バランスが崩れるも 一撃では断ち切れない

【ウルリックに平手のフルスイング(狙いは多少ぶれている 筋力は前述)が飛んでくる】
924 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/06(土) 23:56:34.98 ID:r3bl0wmhO
>>923
「っと、とっ……!」

揺らぐ大地、山岳地帯
どうやら多少の成果はあげた苦無だが、しかし以前として相変わらず油断はならない
ロイの切り掛かる足と逆足に向かい、抜刀
すれ違いざまに足の指先に刃を滑らせんと狙う
無論その後は全力離脱、命が幾らあっても足りるモノではない
苦無を引き抜き振り返り、そして続く援護射撃のための態勢を整えている
925 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/07(日) 00:02:55.51 ID:uET6tRoDo
>>923

「グゥ!?」

 眼球を抉った。が、浅い!そのまま脳幹を貫くという狙いは外れた。
 そのままのフルスィング。柴犬など、その一撃を相手にすれば風船のように潰れて赤いシミと化す。

【が、ここでロイのフォローが活きた。僅か、ほんの僅かであるが時間的猶予が生まれたのだ】

「グッ…――ガァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

 咆哮!大気を震わせるが如き咆哮を発するウルリック。
 全身から稲妻を放電し、茶色いフサフサの毛並みは白灰色の束ねられた鋼糸の如き剛毛へ。
 口は大きく裂け、鋭い歯は並みの金属などもろとも引き裂くであろう獣性を顕示する。

【体躯は見る見る間に膨れ上がり、全長3メートル以上、体重は優に1トンを軽く越える】

 巨大なオーガに負けず劣らずの、明らかに寸法を間違えたかのような――巨大な狼がその本性を顕わにする。

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 雷狼は稲妻をその身に帯びながら大きく吠えた。
 神代より狼の咆哮は邪悪を払ったという言い伝えがあるという、
 その大気すらも支配下に置くかのような剛声を。

【ズゥン!と、オーガの平手打ちとウルリックの横払いが接触!】

 衝突の瞬間、地面がひび割れ、炸裂音が鼓膜を容赦なく責め苛む。
 巨体 対 巨体。 豪腕 対 豪腕。技巧よりも純粋な力勝負こそが勝敗を決した旧き戦が如く。
926 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 00:19:36.43 ID:0+9SKKsW0
>>924-925
ご覧ください これがあの柴犬です

忍者刀を抜刀 切っ先で地面を引っ掻くような軌道で足の指を狙う四五六
鋭い波崎は指の先端をスパリと切り取り走り抜ける

その四五六の頭上でウルリックが変化を遂げた オーガに勝るとも劣らない巨躯へと変貌を遂げ
四五六はその腹の下を通り抜けた

そしてオーガが最も得意とする力勝負 全長も体重もほぼ同じ どっちに転ぶか分からぬ 運を天に任せた互角の勝負


・・・だったのだろう
オーガには2つ不利な点があった

ロイがアキレス腱を多少なりとも切り裂き 四五六が多少なりとも足先を切り取った そしてウルリックが眼球を抉った
たったそれだけ 本来なら大した損害もない攻撃

それがオーガを打ち負かした

ウルリックの一撃が平手を打ち払い その衝撃でオーガが転倒 ごろりごろりと巨体が坂を下ること数回 少し距離が離れた

【地面がひび割れるほどの衝撃により 地形効果発動!!】

ロイ「・・・・・・アカン」
耳をふさぎ 衝撃で鼓膜を傷めないようにしていたロイの顔が真っ青になる

――――――――・・・・・ゴ・・・・・・・ゴゴ・・・・・・
地面が小気味に震える 何か遠くで音が聞こえる

ロイ「k・・・こっちだ!! 岩肌に体を寄せろ!! 今すぐ!!」
言うが早いか 切り立った岩肌にへばりつくロイ

ロイ「雪崩だ・・・雪崩が起きるぞぉぉぉ!!」
その衝撃により 万年雪が滑り 頭上から圧倒的質量の雪が落ちてくる!!

【危険 雪崩:食い止めることは不可能とする】
927 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/07(日) 00:26:51.33 ID:XZoqUami0
>>925-926
「……えっ!?」
「か、怪獣大決戦……?」

不覚であった
振り返りそして抜き放ち、いざ投擲と構えた苦無をポロリと手離してしまったのだ
それだけの衝撃的光景が広がっていたのだから
だがそれにしても不覚であった
忍びとして凡ゆる事柄に、芯なる部分では揺らぐ事ない精神を保つべきであるこの身として

「……こりゃまた、銀心様って訳……?」

郷に伝わる神話の住民をその姿に見、苦笑
荒々しく猛るその雷影を、黒い瞳が輝いて映し込んでいた
無論境界線上の偶然であろう、神との肖似性
それでも理解しても尚、怒号と体は竦むモノである

「……おー……」
「……って、えぇっ!?」

オーガを打ち払った昂揚感も束の間、突発性の雪崩がアバランチ
当然打つ手などある訳がない、ただの忍者であり少女なのだから
ロイの直ぐ近くに駆け寄れば直様ロープを渡さんと投げる
更にウルリックに向けても同様だ
これで離れ離れになるのを、崩落に巻き込まれての離別を防ごうとの腹であろう
言われるがままに伏せ、そして大量の雪滑りが過ぎ行くのを待った
928 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/07(日) 00:33:23.11 ID:uET6tRoDo
>>926-927

「グゥウウ…」

 巨大な力同士の対決は雷狼に軍配が上がった。
 オーガが転げ落ちる際にウルリックが見せた渾身のドヤ顔!
 が、これも長続きはしなかった。ハッキリと言おう。やりすぎた。

【鋭い聴覚が雄弁に伝える雪が軋む音。乖離する音。連鎖する崩壊の音】

「…いかん」

 ウルリックの世界も太陽から惑星が逃げる期間≠ヘ氷と雪に覆われてる。
 ゆえにある意味でこの音は馴染み深くある。同時に大自然の巨大な質量の雄大なる力も、だ。

「おのれ、オーガめ。とんだ置き土産を残していったわ」

 明らかに責任の所在の半分くらいを何処か遠くへ追いやりながら、
 ウルリックは岩肌にその巨体を押し付けながら、七八の放り投げたロープを噛んだ。
 少なくとも己がこれを放さぬ限りは、小さな友人達が真っ逆さまに落ちるという事態は避けられるだろうか。

「ヤクザ戦士にニンジャの娘。後は精々…そうだな。拙者に祈れ。これでも守護動物(トーテム)なのでな。
 拙者自身にもうかがいしれぬご利益とやらがあるやもしれぬ」

 などと、危機的状況にも関わらず冗談口をたたきながら、雪崩が襲い掛かり、そして通り過ぎるのを待った。
929 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 00:46:25.04 ID:0+9SKKsW0
>>927-928
「あとで一発殴らせろ」
オーガにすべての責任を押し付けるウルリックにジト目を送るロイであった

そしてロープを鎧に巻き付け 両手で口を広く覆い酸素を確保
次の瞬間 目の前が真っ白に染まった・・・・・



―――場面転換 とある村

【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・】
子供「とうちゃーん 季節外れの雪崩が起きてるよー」
父親「さっきドデカイ音が鳴ってたけぇ きっとオーガの喧嘩でもおきたんだろうよぉ」

子供「大丈夫・・・だよね」
父親「音からして近場でね だけんども今日は家から出ちゃなんねぇぞ」

季節外れの雪崩 村の男たちはさして驚きもせず それでいて決して油断せず その音の行方に耳をそばだてたという


―――場面転換 ???
明るい さえぎる雲のない直射日光が顔の横半分に照り付ける はて 太陽とは真横になるものk

ロイ「ンギッ!? あだだだだ・・・」
横倒しになり 右半分を雪に埋もれた状態で意識を取り戻す 生き埋めにならなくて本当に良かった

ロイ「威力が思ったほど強くない・・・規模が小さかったか どこぞで硬い雪が止まって比較的柔らかい雪だけが落っこちてきたか・・・なんにせよ助かった」
どうにか右半分を掘り起し 立ち上がる

ロイ「さぁて・・・どこまで流されたかな?」

//これにてノシ
930 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 00:48:58.42 ID:0+9SKKsW0
>>929に補足

近場にオーガの姿はない 声も聞こえない

どうやらどこか遠くに流されらしい
931 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/07(日) 00:52:14.18 ID:uET6tRoDo
>>929

 大いなる自然の驚異過ぎ去りし後!
 ロイが目を覚ましたくらいのタイミングで行われていた光景とは!?

 ずもももももも…

 雪の一部が奇妙に盛り上がり続けて、

「わうん!」

 パッと頭に雪を乗せた柴犬が顔だけをちょこんと出す。
 そしてまた、モグラ叩きのごとく顔を引っ込めると、ずもももももも…

「わうん!」

 パッと頭をだす。というぶん殴りたくなるような暢気な遊びに興じているのであったとさ。
932 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 01:01:51.35 ID:0+9SKKsW0
>>931
そして鳴り響く第二ラウンドのゴング
ウルリックを一発ぶん殴ろうと ふわふわの新雪の上を駆けずり回るロイだったとさ

殴れたかって? それはまた別のお話
933 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/07(日) 22:42:37.12 ID:neUdLDpI0
<魔法世界エリュシオン――大図書館>

最近は図書館に来ることが多い、甲冑を纏ったカエルであるダニエル。
越境現象について、調べることはほぼ叶わないが新世界について理解できるからだ。

そんなわけで本をいくつかテーブルに重ね、読みふけっているわけである。
流石に文字が見え難いため、ギミックを解除しカエルの顔を出して本を読んでいる。
そのため、少しばかり奇異の目で見られたりするのだが、それは最早仕方がないのである。

そんなダニエルだが、新世界について調べれば調べるほど、ある思いが湧いてくる。

「……ボクの世界の人たちは今頃、どうしているんだろう。」

それは自分が居た世界についての思いである。
自分がいなくなったことで、家族や友達、知り合いはどうなっているのか。
どれほどの時間が経っていることになっているのかなど気になることは尽きない。

だが、ダニエルは一つ問題を抱えていた。

「ボクは元の世界でどんな人間だったんだろう?」

それは新世界に来た影響なのか、自分についての記憶が曖昧な点である。
一応、自分が魔法戦士……らしいということは記憶の片隅にあるが、他のことについてはかなり記憶が薄い。

現に、ダニエルは越境現象に巻き込まれた理由がわかっていない。
934 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/07(日) 22:59:59.17 ID:XZoqUami0
>>933
「不思議な事を気にするんだね、不思議なカエルさん」

椅子の背凭れに肘を乗せ、腰掛ける鎧姿に声を掛ける
菖蒲色の、全身を包む忍装束に後ろで束ねた長い黒髪
背の低い少女ではあるがその態度は馴れ馴れしい
それはどうやら目の前の鎧の人物(?)が越境者であると踏んだが故のモノのようだ
聞こえた言葉の端々と、不思議な風体から紐解いた答え

「……何、元々人間だったんだ?」

そのまま自然な流れで向かいの椅子に腰掛けてマジマジとカエルの顔を見詰める黒い瞳
935 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 23:05:14.04 ID:0+9SKKsW0
>>933
先の大戦の立役者(詳細はシタラバ:魔法世界エリュシオン『七罪の宴』ロールスレッド)である流浪のアーティストは 王族の住まう宮殿にドデカイアートを施した後
まだ足りないとでも言わんばかりに市井でグラフィティ(落書き)を行っていた

そんな彼であるがそこそこ勤勉でもある 美術・・・というか アートについてだけであるが

大図書館を訪れ 何か参考になればと美術本を探していると どこからか聞こえてくる言葉 それは越境者を連想させるに十分なものであり
フルプレートに身を包んだ騎士が越境者と結びつけるのはもっと容易だ

「そりゃ行ってみないとわかんないんじゃない?」
背後から声をかけたのは ファンタジー全開の世界でTシャツやらジーンズやらスニーカーやら 有体に言えば現代風の出で立ち
明らかに(服装的な意味で)場違いな白人男性

「さっきの言葉からして越境者でしょアンタ いったいn」
正面に回り込んで その腹の部分が開いていて 中に帰るがいたことに言葉を失う

「・・・・随分と個性的な顔立ちのようで」
936 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 23:06:43.48 ID:0+9SKKsW0
名前間違い
937 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/07(日) 23:14:26.18 ID:neUdLDpI0
>>934
「……うん。ボクはこことは違う世界の出身で、元々は人間だったよ。
でも、この世界に来たときに、この姿に変わっちゃってね。

ふふ、そういう現象は珍しいって聞いたけど本当なのかもね。」

そちらを振り向けば、兜がそちらを向くがそこには気配をまるで感じない。
あるのは甲冑の下側……ちょうどおなかの辺りで、そこからはのっぺりとしたカエルの顔が覗く。
なれなれしく、話しかけられたものの、あまりそういうことは気にしないらしく
四五六の疑問に対して、素直に答える。

「キミは……キミも珍しい格好をしているね。
ボクの世界だとそんな格好をした人はいなかったなぁ。」

四五六の格好を眺めて、そんなことをぽつりと零す。
いわゆる忍装束というものは、ダニエルにとっては珍しいようである。

>>935
「ふふふ、第一印象のインパクトだけはすごいからね。ボクは。
……んー、まぁ、人によっては怯えたり気味悪がられたりするから、そこは微妙かな。」

言葉を失うアキレスを見て、楽しそうに笑う。
おそらく、この姿になってから、何度と無く見てきたりアクションなのだろう。

「でも……そうだね。帰らないと分からないって言うのは当たりかもしれない。」

アキレスの言葉に納得したような素振りを見せる。
尤も、その元の世界に帰れないから、困っているというのも事実なのだが。
938 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/07(日) 23:20:30.17 ID:XZoqUami0
>>935-937
アキレスに短く、や、と手を振りながらの挨拶
ダニエルからすればこの2人が顔見知りであり、そして異風の出で立ちから越境者仲間なのだと推察するには容易であろう

「へぇ、格好まで変わるのは珍しい、と言うか初めてかも」

以前学校が次元を埋め尽くす世界に渡った際は服装が変化したのだが、根本的に見てくれが変わるとなれば未知である
やや不躾な程にマジマジと、そして終いにはカエルの顔部分に触れてみようとまでして手を伸ばす

「……ん? あ、あぁ、」
「に、忍者、だからね? 一応……」

ニンジャにあらず、忍者である
名乗る時にやや言い淀んだのは若干の気恥ずかしさが混ざる為だ
忍者ですと胸を張って言える程にまで時代錯誤した古い人間ではない
939 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 23:26:26.20 ID:0+9SKKsW0
>>937
「あ これ開閉式なんだ へぇ〜」
楽しそうに笑う鎧騎士の腹部のギミックに興味津々 止めなければギミックをいじってパカタンパカタンと開閉しようとするだろう

「うまり顔の部分はがらんどうか へぇ〜」
止めなければ兜の部分を外そうとするだろう


「あぁそうそう 俺はアキレス 流浪のアーティスト んで・・・」
椅子とテーブルを登って姿を現したのは 中型犬ほどの大きさのサソリ

「こいつがベティ 見ての通り巨大なサソリだけど 凶暴じゃないから怖がらないであげて」
―――ギィ!!

紹介に上がり ハサミを振り上げている

「なら話は早い 思い立ったが行動 迷わず行けよ 逝けばわかるさ!!」
若干漢字が間違っているようにも思えるが 気にしてはいけない

>>934>>938
「やぁ四五六タン 目当てのフィアンセ見っかった?」
挨拶を返す

「そういえばイムカタンが言ってたけど ニンジャって巻物咥えて巨大なカエル召喚するって本当?」
嗚呼ここにも忍者とニンジャの違いが判ってない輩が一人
940 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/07(日) 23:37:05.59 ID:neUdLDpI0
>>938
「……あ、何か拭く物を用意していたほうが良いよ。」

自身に触れようとする四五六に対して、一言釘を刺した。
触れてみれば、それは一般的なカエルの感触と同等のものである。

柔らかくひんやりとしており、少し湿っているのだ。
当然、触れれば手が少し濡れるため、先程の様な忠告をしたのだろう。

「……ん?……ニ、ン、……インジャ?……え、隠者?」

一度、忍者といいかけたが、一瞬考えるような間が空き、隠者と言い直した。
忍者といいかけた時、まるで初めて口にするかのような、たどたどしさがダニエルにはあった。

もしかすると、ダニエルは忍者というものをそもそも知らないのかもしれない。

>>939
「そうそウ、とイウかお腹カラ上は空……ってあまり激しく動かさないでよ。」

シャッターを開閉されて、声がはっきりしたり曇ったり……いい加減なところでそれを止めさせた。

そして、兜の中身はもちろん、空っぽだ。
この状態で腹部のシャッターを閉じれば、さながらデュラハンである。

「ボクはダニエル=フロッグハート。……へぇ、サソリなんて久々に見た気がするなぁ。
……んー、行動はしているんだけどね。色々と手がかりが掴めない……いや、掴みようがないんだよね。」

言いたいことは十分に分かるが、行動に移すことが困難なようだ。
ダニエルの言い回しから察するに、ちょっとした事情がありそうである。
941 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/07(日) 23:40:46.93 ID:qdN9ZoWSO
>>940
「んーー、ふわぁー。よく寝たー」

子供くらいの背丈の人物が大きく伸びをする
さっきまで机に突っ伏して寝ていたのである
彼はゆっくり本を読むようなガラではないため、図書館はもっぱら昼寝の場所としているのだ

「およ? あそこのあれ……鎧のカエル?」
一先ず帰ろうと思った矢先、図書館に不思議な物体を発見
それはどうやら二人の人と何事か話しているようだ

不思議な物を見たとあればじっとしている訳にはいかないとばかりに接近を開始
一先ずはカエルに話しかけてみた

「ねぇねぇ、なんの話しているの?」
942 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/07(日) 23:43:03.63 ID:XZoqUami0
>>939
「だーかーらぁっ!」

兄貴だってばぁ、と声をやや荒げての否定
ネタにしても少し強めの反応である

「……しませんっ、というか出来ませんっ!」

手からビームを期待されたり炎や水を操る事にされたり
仕舞いには召喚術まで扱えるようになっていたらしい、自身の流派は

>>940
「おー……」

ひんやりぬるぬる、不思議な感触
表面の体液(?)をなぞるようにして、やがて手を離す
片手に掴んでいた布切れで水気を拭き取りありがとと一礼

「ん? あー……」
「スパイ、っていうのかな? 偵察兵とか、斥候とか、そういう……」

忍者と名乗ればニンジャと返る
そんな反応ばかりでこのパターンははじめてだ
取り敢えず存知の言葉で説明を試みる
943 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/07(日) 23:52:21.22 ID:0+9SKKsW0
>>940
「へぇ〜」
蕪とをしげしげと見やったあと おもむろにそれを被ってみる

「うわ 視界最悪 これなら目出し棒の方がナンボかましだなぁ
 ・・・ん? なんか困りごと? よければ力貸そうか?」

何か問題があるのなら手伝おうと 事情の詳細を聞こうとする 兜を被ったまま

>>942
「冗談なのはわかってるって そんなムキになるなよ・・・あ」
兜ごしでも分かるかもしれない 彼のにやけた顔が

「そんなムキになるってことは・・・もしかしてブラk」
爆弾投下三秒前

>>941
「ん〜? 食事の時に好きな食い物は最初に喰うか最後に喰うかを議論していたところだ」
何やら子供が話しかけてきたが 越境者か分からない手前 越境のことを話すと変な目で見られるかもしれない

なので適当に誤魔化しなう
944 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/07(日) 23:57:37.03 ID:neUdLDpI0
>>941
「ん?……んー、何を話しているってことはないかなー。
世間話というか雑談と言うか。」

特にコレと言って話の主軸となる話題があるワケではなかったため
少し、考えた後そんな曖昧な言葉を返した。

「……ふふ、キミ、さっきまで寝ていたね?」

ルピンとは初対面で向こうから話しかけてきたというのに
先程、ルピンが図書館で眠っていた、ということが何故か分かるようだ。

「ここに涎の跡がついているよ。」

というのもルピンの口元辺りに涎の跡があったからである。

>>942
「あ、あぁー、アサシンかぁ!それで、そういう格好をしてるわけだね。
……へぇ、こっちのアサシンはこんな感じなのか。」

スパイやら偵察兵という言葉が出てきたのに、何故か暗殺者を意味するアサシンと言う
何故か物騒なほうの言い回しが、このカエルから飛び出した。

しかし、それはダニエルにとってかなりしっくりと行くものだったらしく納得している。
だが、同時に新世界のアサシン=四五六のような格好が一般的と言う語弊が生まれつつあった。

ちなみに甲冑にもちょっとした仕掛けが施されている。
それは水の魔法石が埋め込まれているため、カエルの肌と同じくひんやりしており少し湿っているのだ。

>>943
「そうだね。元の世界に帰りたいっていうのは言うまでも無いんだけど
その前に元の姿に戻りたいし……あと、自分の世界がどこだったかを思い出さないといけないんだ。」

困りごとと言うのはこのことのようだ。
普通の越境者・来訪者ならば、世界を渡るゲートを確保すれば問題は解決するだろう。

しかし、ダニエルに関しては姿が変えられているため、まずは元の姿に戻らなくてはならない。
そして、困ったことにダニエルは自分の世界がどこなのかを忘れているようだ。

つまり、ダニエルはおよそ三つの障害を乗り越えないと問題は解決しないのである。
945 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/08(月) 00:05:39.73 ID:zy0z32E40
>>941
「んっ?」
「あぁ、まぁ……日常会話的な?」

ふ、と声に顔を向ける
直感的に越境者であると、此方側であると予見するが確証はない
根拠としてはダニエルを見る瞳に、戸惑いよりも好奇が勝ると言った不確定な程度であるからだ

「……驚かないんだね?」

くすり、と笑みを浮かべながら
ダニエルの姿に多分、普通のエリュシオンの民ならばそうするであろう

>>943
「っ、な、投げるよっ!?」

上段に苦無を構えて
その答えは判明せず、察して測るべし

>>944
「アサシ……ま、まぁ、それもあるかも」
「そういう、色んな闇仕事の複合型、みたいな?」

顎を指に乗せて唸りながら
しかし確かに否定出来ないのだから困りモノであった

「……あ、それと私も越境者だからね」
「エリュシオンの……ここのアサシンはまた違うと思うよ?」

色々とアレな勘違いを未然に防ぐ為の防衛線を必死に張り出す
ただでさえ七八自身、手からビームを出したりヘリコプターを両断したりする超人的ニンジャと誤解されがちなのだから
甲冑の湿り気にひたひたの掌を当てながらの、独り舌攻防戦
946 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/08(月) 00:13:39.31 ID:H4qmaqrSO
>>943
「ふ〜ん。ボクの好きなものはホウレン草だよー」

なかなか的外れな返答をするルピンであった

>>944
「世間話かー……あれ、なんで寝てたって知ってるの?」

首をかしげ、

「……よだれ? ……あ、ほんとだ。言ってくれてありがとねー」

指摘された口元を指で拭ってその指を舐めてから服の裾で拭くルピン

「ねぇカエルの世間てどんなの? 沼の領地が狭いとか?」

そして少し興味があったことを聞いてみた

>>945
「いやー、探検してると喋るモンスターとか結構いるんだよねーこれが」

驚かないんだね、と問われ、それに返す
実は彼は元々結構胆が座っていたりするのだ

「ていうかおねーさん、それ忍者の格好でしょ? すごいねー」
947 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/08(月) 00:13:45.45 ID:ecDEicyD0
>>944-945
「マテマテマテ!! 時に落ち着けって!!」
慌てたようにダニエルの背に隠れる

「ビークール ビークールオーケー?」
とここでダニエルが抱える問題についての話が出てきて

「え 元は人間だったの?」
目を丸くする

「そっかー 色々と大変なのな ・・・あ」

少し考える ダニエルの問題をどう解決するか
とここで頭上に電球が灯った 四五六に視線を戻し

「四五六タン 童話の世界じゃカエルの王子様は女の子のキッスで元に戻るって言うらしいぜ」
さて なぜアキレスはこの話をしたのでしょうか?
948 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/08(月) 00:19:56.22 ID:ecDEicyD0
>>946
「そうか そりゃよかっ」
誤魔化せた と思ったら少年の言葉に違和感

「なんだ ボク忍者知ってるのか?」
この世界は西洋ファンタジーな世界 忍者なんて見たことがない それを知っているということは・・・?

「お前さんもしかして越境者?」
949 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/08(月) 00:20:59.47 ID:ecDEicyD0
>>497投下間違い

>>946
「そうか そりゃよかっ」
誤魔化せた と思ったら少年の言葉に違和感

「なんだ ボク忍者知ってるのか?」
この世界は西洋ファンタジーな世界 忍者なんて見たことがない それを知っているということは・・・?

「お前さんもしかして越境者?」
950 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/08(月) 00:24:22.72 ID:bpopFDUR0
>>945
「なるほどね。でも、あんまりそんな風に見えないなぁ。

ボクの世界のアサシンはもっとこう……目が鋭くて鷹みたいだったし
全体的に真っ黒で無愛想だった記憶があるからね。」

四五六みたいなフレンドリーな雰囲気を持った人は珍しい、と。
話を聞く限り、ダニエルはそんなアサシンと接触をしていたようだ。
なんというか妙な人脈である。……いや、この姿だからそう感じるだけかもしれないが。

「あ、そうなんだ。キミも越境者なんだね。
んー、こうして見ると誰かが言ってた越境者は引かれ合う≠チて言葉は本当なんだろうね。」

とりあえず、妙な誤解は防げた様子。
四五六が越境者と言うことを聞いて、そんな以前どこかで聞いたことを思い出して。

>>946
「ごめんね。残念だけど、ボクはカエルのことについて知らないんだ。
今はこんな姿だけど、元々は人間だからね。

…………カエルとの意思疎通も出来なかったし。」

ダニエルは元々は人間であり、この世界に越境してきた際に姿がカエルになったのである。
また、カエルになったからと言って、カエルと喋ることができるようになったわけでもないらしい。

ダニエルの口振りから察するに恐らく、話せるかどうか試したようだ。

>>947
「そう。こっちに来た時に姿が変わってね。珍しいケースで解決の方法もないらしいんだ。」

ないと言うよりは前例がないだけであろう。
それでも、元の世界に帰るという目的において十分すぎるほどの障害だ。

「へぇ、そうなんだ。でも、ボクが王子様ならそれで戻れたかもしれないけど
…………ボクは王子様じゃないしなぁ。」

童話の話に童話とはいえ、そんな解決法もあるのか、と妙なところで納得している。
しかし、一方で自分は王子様じゃないから、それは無理という判断を下した。

キスがどうとかという問題ではないらしい。
951 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/06/08(月) 00:31:18.04 ID:zy0z32E40
>>946
「探検家さんか」
「……あ、うん、そうだよ、忍者忍者っ」

益々怪しい、というのはこの少年が越境者であるとの確信に近付いた証である
この年頃で探検家、更にエリュシオンではまだ少なくとも自身が未知であった忍者に対する知識の保有
ほぼ確実であろう、なればつっけんどんにするのは憚られるのは至極自然

「君さ、この世界の人じゃないでしょ?」

>>947
全く、と唇を尖らせつつ苦無を仕舞う
普段ならば冗談めいて苦笑しつつの所作であろうがそうでないのは、色々と事情があるのだろうそう色々と

「……あのね」
「私のキス、高いよ?」

と、余裕が戻ったのか今度は片頬を釣り上げながら

>>950
「……ま、色々なタイプがいるって事でさ」

こめかみの辺りを人差し指で掻きながら苦笑
忍者として、アサシンとして
覚悟している程非情になり切れはしないし、己を滅する事もまたしかり

「そうそう、不思議とね」

惹かれて、そして邂逅するのだ
奇妙なエニシで越境者達は

>>946
>>950
「……七八、四五六 七八」
「宜しくね」

さて越境者達が集えば自己紹介
きっとまた此処でない何処かで再会を果たすのだろう
微笑み、前髪を小さく掻き上げあ

//すみませんがこの辺りで落ちますっ
//ありがとうございましたっ、また宜しくですーノシ
952 :ルピン【リトリトル】>>385 [sage]:2015/06/08(月) 00:36:53.52 ID:H4qmaqrSO
>>949>>951
「うん、忍者のこと教えてる学校があったしー」

「うん? えっきょうしゃ…この世界…ていうのはよく分かんないけど、とりあえずボクがいたところとは大分違うよねー」

アキレスと四五六から聞かれたことに、とても暢気に答えるルピン

>>950
「あ、ホントは人間なんだ? ふーん…」

明らかに興味が覚めましたという口調で言う彼
割と結構カエルに興味があったらしい

「ていうか聞いてると越境者っていうので話してる感じ?」

さっきから話していた三人の会話でなんとなく思ったことをなんとなく聞いた
953 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/08(月) 00:47:00.77 ID:ecDEicyD0
>>944
「だって記憶ないんじゃーん もしかしたらワンチャンあるかもよ?」
なおも食い下がる

「ん〜・・・俺はそういう変異? とかっての詳しくないからなぁ」
珍しいも何も知りません

「とりあえず原因から探ってみたら? 全部まとめて解決できないんだし
 結婚する前に自分自身がしている事を良く考えろ(約:急いては事を仕損じる)ってよく言うじゃない」

スペインのことわざである

「あとは・・・俺ならとりあえず行動するな 本読んでも分かんないことは分かんないし
 何か知ってる人を探すよ」

>>952
「あぁ そういえばマドリードにも学校があったな」
ニンジャの方のが

「何とも要領を得ないなオイ」

「そう 越境 俺らみんな同じように見えるか?」
アキレスは現代風
四五六は忍者
ダニエルは鎧騎士

皆見事に統一感がないのだ

「お前は? 何か・・・こう どう見ても同じ世界じゃねぇだろ!! みたいな体験したことがあるか?」
954 :ルピン【リトリトル】>>385 [sage]:2015/06/08(月) 00:57:26.54 ID:H4qmaqrSO
>>951
「四五六、七八。うん、ちはちゃんだねー。ボクは探検好きのルピンー。よろしくー」

忍装束の女の自己紹介に、あだ名にちゃん付けまで付けて返す。
それがルピンクオリティであった

>>953
「うーんちはちゃんみたいなのとカエルくんが着てる鎧みたいの着てる人は見たことあるけど、キミみたいなのは初めてかなー」

主観を大部分交えて答える少年

「とりあえず、景色が違うよねー」

相変わらず、少々ズレた返答である
955 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/08(月) 00:58:49.12 ID:bpopFDUR0
>>951
「だね。偏った見方をしちゃいけないね。」

うんうんと首を縦に振りながら、納得する。
偏った……というよりかは四五六は忍者であるため、違う職業で認識しなければならないのだが。

「ボクはダニエル=フロッグハート。よろしくね。
……いつか元の姿で自己紹介できるといいんだけどね……。」

ふぅ、と小さくため息を吐いて。
少なくともダニエルが元に戻るにはまだまだかかりそうである。

>>952
「図らずもそうなった感じだね。四五六さんとボクは越境者なんだ。
簡単に言えば、元々は別の世界にいたんだよ。」

自分と四五六がその越境者である、と。
とはいえ、越境者が揃ったのはたまたまである。越境者は引かれ合う≠ネんて言葉はあるらしいが。

「でも、キミも越境者……というかニンジャのことについて知っている時点で
ボクと同じ世界の人ではないよね。」

>>953
「うーん。そういうのってただのキスじゃダメなんじゃないかな?
そういう心持ちって魔力にも関係するしね。」

無闇やたらなキスじゃダメではないか、と。
というより、キスがオーケーだとしてもそんな相手は居ないのである。

「調べたら元の世界に戻る方法についてはなんとかなりそうなんだよね。
後は記憶を戻す方法と、元の姿に戻る方法、かな。

こればかりは知っている人もいなくてね……だから、こうしてここに来ているわけさ。」

ダニエルからすれば、ある程度、エリュシオンにてそのようなことをした後で
手がイマイチ見つからなかったため、図書館に来ているようだ。
956 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/08(月) 01:14:19.03 ID:H4qmaqrSO
>>955
「うん、なんかボクもその"えっきょうしゃ"ってやつみたいだねー。ボクは探検ができればそれでいいんだけど」

全く深刻そうな様子も見せず、暢気そうに言う少年
彼は本気でどうでもいいことと捉えているようだ

「なんか探検してたらここに来たんだよねー。なんか変なスイッチでも触ったかなー?」
957 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/06/08(月) 01:14:25.38 ID:ecDEicyD0
>>954
「・・・・あぁそう この話は忘れてくれ」

ダメだ 全く要領を得ない 言葉で判断は不可能だろう 
会うだけなら現地の人が越境者に会うとかでも可能だ

越境者じゃないかどうかは別の世界で会った時に判断しよう

>>955
「え? (元の世界に戻る方法が)どうにかなるの?」
つまり 狙った世界にピンポイント越境をかますということか?
今まで話に上がっても できたという人を見たことがないので驚きだった

「ん〜 まぁ頑張ってるのは分かるんだけどさ・・・」
どうやら知識を得ようと頑張ってるのは分かるし 自分はその辺のおつむは残念なのも分かる

「知ってる人がいないのに 本に載ってるん?」
誰かが知ってなきゃ そんな本は生まれない そう考えたのだ

「あまり一つのことに猛進してもいいことないよ 物事は柔軟に 幅広く取り入れなきゃ アートも同じさ」
兜を返して立ち上がる

「さぁて 頭使ったら知恵熱出ちった 外の空気でも吸ってくらぁ」
と 図書館を出て行ってしまった

//そろそろノシ
958 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/08(月) 01:27:44.98 ID:bpopFDUR0
>>956
「んー、ボクも突然、ゲートとかいうものに飲み込まれたから
キミもそうなんじゃないかな?

……正直なところ、ボクもよく分からないんだけどね。」

越境現象についてよく分かっていないダニエルが言ったところで
結局、話はわからない≠ニいうところへと辿りつく。

まして、相手が越境したかどうかすら分からないのならば、尚更に。

>>957
「うん。……あ、ボクがどうにかできるとかではなくて理論上は出来るって話ね?
限られた人しか使えないけど、そういう技術は現に存在しているってこと。

ボクの記憶とか姿に関しては全く分からないんだよね……。」

糸口として存在しているというだけであって、自分ができるとか使えるとか
そういう話ではないようだ。だが、希望が見えるという点では他の二点より勝っている。

「本もそうだけど、ここは雑誌や新聞が置いてあるからね。
ボクと似たような境遇の人とかいないかな、って。」

本は越境現象について知ることが出来ればいいな、という程度で調べていたらしい。
それとは別に雑誌や新聞によって、自分と似た者を探すことで手がかりを探しているようだ。

尤も、成果は特に見られないため、行動をしたほうがずっと良いのかもしれないが。

>>956>>957
「ボクもそろそろ行こうかな。
……あまり図書館で寝ていたら風邪を引くよ?」

アキレスが立ち去ってから、程なくして自身も席を立つ。
両手に持ってきた本を抱え、ルピンに一つ忠告を添えると自身も本を返しに行き、立ち去ったとか。

//すみません。私もこの辺りで失礼します。お疲れ様でした!
959 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/08(月) 01:36:39.99 ID:H4qmaqrSO
>>957-958
「うん、またねー二人共ー」

図書館を出ていく二人に、大きく手を振り見送る。

「さてと、ボクも行こうかなー。次はどこを探検するかなー」

二人を見送った後ルピンはそう言うと、同じ様に図書館を出た
次なる探検に出発するために

/*お三方、ありがとうございましたー*/
960 :アリス・リンドリー [sage]:2015/06/08(月) 21:21:37.88 ID:HM1TK7AH0


 「 わぁ――― 」

 朽ちかけた両開きの扉を、小柄な少女が開く。
 本来ならば重たいはずのそれは、経年によって非常に軽くなっていた。

 どこかの世界線、この世界に広がるのは一面の野っ原と
 朽ち果てた建物や都市、それを侵食する植物のみだ。
 この劇場も、昔は数々の人々を招き入れ、楽しませたのだろう
 しかし、きらびやかな思い出は、時の流れによって跡形もなく風化している。
 
 ここは廃墟ばかりの世界線の、どこかの都市、どこかの朽ち果てた劇場
 そこを探索する、絵本から飛び出してきたような格好をした金髪の少女
 名前はアリス・リンドリー

 「 むかしは綺麗だったのね、きっと。
   今じゃこんなに埃っぽくて…あぁ、ほら天井に穴も開いてるわ 」

 装飾を押しのけて、ぽっかりと開いた天井の穴は、青い空を映し出すのを後目(しりめ)に
 客席の合間をぬって、舞台へと歩みを進めるアリス

 「 ―― Lavender's blue♪ dilly dilly♪ lavender's green♪ 」
  (ラベンダーは青い ララ ラベンダーは緑)

 彼女はどこであろうと、マザーグース(伝承童話)を口ずさむ…いつもの癖だ。
 だれもいないはずの劇場に、アリスのハミングがさびしく響く。
961 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/06/08(月) 21:30:11.44 ID:xrX8QetiO

アリスの素朴なハミングに合わせて、小さな破裂音が二度三度と鳴り響いた。
――その音にアリスが驚愕する間もなく、その劇場は塗り替わっていく。
ぽっかりと空いた穴は消え失せ、色褪せた壁紙はかつての鮮やかな色彩を取戻し、割れた窓ガラスはたちまちに元通りに。
アリスの頭上から光が降り注ぐ――これはスポットライトだ。
なんということか、アリスは何らかの機械的ないしは魔術的機構を動かしてしまったのだろうか?
確かに、不思議な魔翌力の流れは存在することだが――アリスの驚きはどうあれ、変化は続いていく。
スポットライトがもう一つ灯れば、それに照らし出されたのは

「When I am king, dilly, dilly, you shall be queen♪」
(僕が王様なら ララ 君は女王さ)

――淡い若草色のドレスを着た、長いウェーブのかかった金髪の少女だった。
彼女はアリスの歌を続けながら、くるくると回って舞台の中央に躍り出る。
962 :アリス・リンドリー [sage]:2015/06/08(月) 21:51:51.17 ID:HM1TK7AH0
>>961

 (――とりあえず舞台にあがって見回してから、後の事は考えましょ)
 と、考えていた彼女であった
 何の気も無しに、いつもの鼻歌を口ずさみながら袖の階段から舞台へ

 すると、どうだろう
 なんだか破裂音がしたかと思えば、劇場はかつての輝きを取り戻し
 アリスにスポットライトすら当たっているではないか。
 それに気がついたのは、彼女が舞台にあがりきった時…

 「 ―― Who told you so... dilly♪ dilly♪ who told you so♪ 」
 (誰があなたに… ララ そういったの?)
 「 (いいいい、いったい何が起こったのかしら!?私ってオーディションも何も受けてないわよねっ!?
   って、いけない!台本台本はっ!?) 」

 中央には若草色のドレスを来た、浮翌遊感のある少女が目の前に飛び込んでくる
 演技じみた動きで、スカートの裾をつまみ片足を斜め後ろの内側に引く礼…いわゆるカーテシーと呼ばれる女性の礼を行う
 実際、アリスは非常に童謡しているが、舞台に上がってしまえば緊張がなくなるアレである。
963 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/08(月) 22:01:28.00 ID:xrX8QetiO
>>962

「Twas my own heart, dilly, dilly, that told me so♪」
(それは僕の ララ 心がいったのさ)

目の前の少女は揺らぐように存在感の濃淡を変えていく。
光に透けて見たり、血すら通う程濃く見せたり――と。
その不思議な少女は、優しく微笑んで同じように裾を摘まんで一礼する。

――再び、破裂音が響く。
その音によって、確かに出現していた立派な劇場は、元の廃墟にへと戻っていた。

「ごきげんよう。素敵なお客様」

「かつての夢の欠片。光のそのひとしずく。あなたが来たから私が見せた」

「私、嬉しいわ。あなたのような女の子に会えて、とても、ね」

ステージを蹴って、彼女は中空に浮かぶ。
彼女の周りを衛星のように取り囲み、回るのは自由意思すら危うい最下級の幽霊だ。
では、それらを率いる目の前の少女は何者か? 無論、上位の霊的存在である。
964 :アリス・リンドリー [sage]:2015/06/08(月) 22:24:21.91 ID:HM1TK7AH0
>>963


 「―― And ev'ry task you undertake♪ Becomes a piece of cake...ってあらっ?」
 (引き受けた用事がどれも♪ ケーキ一欠片に変わ...)

 Lavender's blue(ラベンダーは青い)というマザーグースの1節が終わる
 目の前の不思議な女の子は礼も返してくれたし、なんだか楽しくなってきた
 せっかくだしちょっと別の曲を歌ってみよう…と
 再び歌い出した途端、指が鳴る様な音と共に、色褪せた空間に引き戻される。

 「で」

 「 でたあああああああああ!?オ、オバケだわ!!
   わ、私の魂なんて美味しくないわよっ! 」

 ご丁寧に挨拶されたかと思えば、宙を漂い始める低級霊たち
 あれは知っている、幼少期に怪談話でさんざん聞かされたアレだ。
 聞いたが最後、その日の夜はベッドで震える時間が待っている 

 「 えっ私がきたから見せたって…う、嬉しいってどういうことなの? 」
 
 周囲を舞う霊、それらを従える彼女そのものに、多少後ずさりするものの
 以外な言葉を前に、長いまつげをぱちぱちとさせる。

965 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/08(月) 22:30:22.42 ID:xrX8QetiO
>>964

「そんなに驚かなくてもいいじゃないの。おばけなんて、謝肉祭でも良く見るでしょう?」

ふわふわと浮かんだ彼女が指を小さく振るうと、周囲を漂う幽霊たちの外見が変化する。
具体的には、シーツを丸めて目鼻を書いた、間抜けなデフォルメのされたぬるい外見に。

「ええ、とっても嬉しいわ。舞台に立つ役者の素質があって、何よりも、舞台と観客を愛していると見ただけでわかるのですもの」

「私、色んな世界を見てきたわ。難しい貌のスフィンクスのおじさまも、厳しく巌のようなドラゴニュートのおばさまも」

「蛮勇無双のオークのお兄様も、静かで清らかなゴルゴーンのお姉さまも」

「彼らの意見はこうよ。『笑顔というのは、宝石のようなもの』って。私もおんなじ意見よ。あなたは素敵だわ。だから嬉しいの」

本当に嬉しそうに、楽しそうに、彼女は崩れた舞台の上をふわふわと飛び回って。
966 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/08(月) 22:41:26.40 ID:QcuPd6Q4o

【イムカ・グリムナーは遠未来の人間である】

 正直なことを言えば、イムカには他の越境者が多く持っているいわゆる異能がない。
 実際には本人も気付いていないだけなのだが、それは酷く受動的な能力であるため、
 いわゆる困難、トラブルを打開するためには本人と装備の力によるところが大である。

【そして、イムカの装備数は実際、一人で戦争でも始める気か?というくらい多い】

 コンバットポーチとポケットの分散配置によって外見上はさほどそうは見えないだろうが、
 実際に彼女は非常に重武装を旨としている。が、それでも――

 −−−−−−−−−−−−

「世界によっては爆薬などが得難いのだな。どうしたものか」

 まん丸のお月様が優しく夜を照らし出している。
 このように呟くイムカは草色の外套をまとって、草だらけの家屋に現在おり、
 そして、自分より背が低い連中に囲まれている。

【そう、ここはファンタジーな世界。そしてここはいわゆるホビット荘と呼ばれる場所】

 ひょんなことからこの陽気で小さな連中の荘を襲っていた暴れ熊を、
 手持ちの爆弾で吹き飛ばしてやったために歓待を受けてはいるのだが。

「私はパイプは吸えん」
「こら外套を引っ張るな」
「大の大人が揃って背が低いというのは慣れん」

 などと無表情・無感情めいているイムカもそれなりに楽しんではいたが、
 思わぬところで大盤振る舞いをしてしまった爆薬のアテがないのはちょっと困った。

【数時間後、酒比べに持ち込まれ、ホビット達を概ね潰してから外の風に当たっているイムカ】

「黒色火薬…いや、贅沢は抜きにせめて硝酸アンモニウムがあれば…」

 せっかくの外見がダイナシになるくらいの、味気のない呟きを口にするスパルタンであります。
967 :アリス・リンドリー [sage]:2015/06/08(月) 22:56:31.20 ID:HM1TK7AH0
>>965

 「 謝肉祭の期間は全部パンケーキの日がいいわ、みんなこぞって怪談話を夜に始めるんだものっ… 」

  てるてる坊主の様な可愛らしい外見に囲まれ、多少落ち着きを取り戻すアリス
  どうやら幽霊の類は苦手な部類らしい、幽霊の身からすれば、脅かしがいがありそうだが…。
 
 「 やっ役者の素質っ…やだ、何だかわたしも嬉しいわっ! 」

  と、褒められたらニコニコしながら頬を抑えて首を振る。
  良くも悪くも単純だ、それゆえに表裏がなく純粋である。
  険しい顔のスフィンクスは、言葉選びが難解であり
  岩山の様なドラニュートは、悪く言えば頑固であったし
  命知らずの勇気のオークは、その名の通り乱暴で
  落ち着いたゴルゴーンは、それ故に冷酷であった。
  そんな彼らでも知っている 『笑顔』の価値
 
  アリスはそれを惜しげも無く、誰にでも出せるのだ。

 「 よかった!魂を奪う幽霊さんではなかったのね!
   私の名前は、アリスよ!アリス・リンドリー!幽霊さんのお名前はなんていうのかしら? 」 
968 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/08(月) 23:02:55.41 ID:xrX8QetiO
>>967


「おばけだってにこにことしていたいのには変わらないのよ」

「その方が素敵だもの。そうしたいわ。お仲間は違う意見の事の方が多いけれど」

寂しそうに微笑み、小さく嘆息した。
特異なアンデット種である彼女には、きっと友達も少ないのだろう。

「私の名前? 長いから、心して聞いてね?」

名前を尋ねられれば、また花の咲いたような明るい笑みに戻り。
そうしてから、そんな風に勿体づける。

「エルダ・デ・ベッツィ・ダ・タラント。私の名前よ」

「ベッツィはおうちのこと。タラントはふるさとのこと。どちらも忘れてしまったものだけれどね。覚えられるかしら?」

クスクスと、名乗るだけでも何か楽しいのか、肩を揺らして笑う。
969 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/08(月) 23:12:21.34 ID:H4qmaqrSO
>>966
「ほいほーい、いったいここはどこだーっと」

今日も今日とて探検中の子供サイズの青年
今日たどり着いたのは、小さな草だらけの家がたくさんある場所だ

「えーとこれはあれかなー? ちっさい人たちの村かなー?」

自分も似たようなものだということは脇に投げ捨て言うルピン
まぁ実際見た限りでは小人……恐らくホビット達が多く見える
その中に、

「おっと、仲間はずれはっけーん」

一人だけ小さくない女性がいた
見た感じでは、風に当たっているところだろうか
何事か呟いているようで、耳を済ませてみると火薬がどうのと聞こえる

「おねーさんおねーさん、何か困り事?」

まぁとりあえず話しかける
綺麗な女性を無視する気はないのだ
970 :アリス・リンドリー [sage]:2015/06/08(月) 23:15:02.46 ID:HM1TK7AH0

>>968
//このレスでしめましょ〜

 「長い言葉を覚えるのは得意なのよ、エルダ!
  私も長い方の名前はアリス・シャーロット・リンドリーっていうのよっ!
  たしか他にもあった気がするけど、わたしも忘れちゃったわっ ふふっおそろいね!」

 寂しそうに微笑むエルダを紛らわすためか 
 その場てニコニコとしながらピョンピョンと飛び跳ねるアリス。

 「たしか、シャーロットがどこの名前だったかしら…?リンドリーはおうちの名前なのは覚えてるのよ…
  ううん、けどいいわ!幽霊のお友達なんてほんっとうに素敵ねっ!」

 そういいながら中空のエルダへ向けて、手を差し出すアリス
 穴から差し込む光が、エルダの薄い肌とアリスの柔らかい白い手を照らす。

 「よろしくね!エルダ!」

971 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/08(月) 23:20:47.57 ID:QcuPd6Q4o
>>969

「んっ、まあ困りごとといえば困りごとだ」

 こんなホビットさっきの席にいたか?とやや考えながらも
 ここがホビット荘であったがゆえに眼前の少年も当然ホビットと認識する。
 まあ、仕方がないことと思ってもらいたい。

「君達は陽気であるが向こう見ずでいつまでたっても宴が終わらない。
 特に部屋中に煙が充満するパイプ癖はどうにかしたほうがいいと考える」

 なんだか素っ頓狂な方向に話の方向をやったあと、
 思い出したようにわざとらしく咳払いをしてから、

「まあ、その陽気な君達との縁が出来る切っ掛けとなった熊だな。
 アレを倒すのに爆薬を使ってしまってな。補充をどうするか…君に言っても仕方がないことか」

 イムカは少しバツが悪そうに己の長い金色の髪に指を絡めるのだった。

【なお、ルピンを完全にホビットと誤認しているが、それは仕方ないことである(二度目】
972 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/08(月) 23:23:23.94 ID:xrX8QetiO
>>970

「あら、本当? ますます素敵ね」

「それに、あなたのお名前も……お茶会に行きたくなるような、綺麗な名前ね」

手を組んで、にこにことほほ笑む幽霊の少女。
アリスがぴょんぴょんと跳ねれば、周りの幽霊達が転がって行って。

「お友達になれるかしら。ううん、なれるわね」

「よろしくね、アリス。いっぱいお話ししたいことがあるわ」

浮くのを止めて、舞台の上に立つ。
そうして、差し出された手をそっと握り返す。
幽霊故にひんやりとしたその肌は、日光にあたっても温まることはないけれど。
――それでも、彼女の微笑みは、陽だまりが如く暖かなものだった。

//了解です、ではこんなところで
973 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/08(月) 23:45:57.12 ID:H4qmaqrSO
>>971
「君達? えっと、ボクは今来た探検家なんだけど」
「まぁ宴は好きだけどね。タバコは吸わないけど」

どうやらこの村の住人の同族だと勘違いされたらしい。とりあえずそこは訂正しておく

「ふーん、爆薬かー。大変だねぇ」

他人事に聞こえる口調で言うルピン
同時に、特に意味もなく左のポーチからグレネードを取り出して左手で弄ぶ
尚このグレネードは木の実に火薬を詰め込んだ簡単なものだ
974 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/08(月) 23:50:39.99 ID:QcuPd6Q4o
>>973

「なんだ。別の地方から来たホビットか。それは失敬した」

 微妙に勘違いが残ったままのイムカである。
 先入観というのはかくも恐ろしい。

「ああ、何せ入手するルートが少ない。
 かと言って得体の知れぬ魔法化合物など使う気には――」

 ここでイムカは一度鼻を鳴らしてから、

「んっ?君は火薬なりを持っていたりするのか?
 らしい匂いがするが――」

【こういう嗅覚が敏なイムカである。生粋の兵士】
975 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/09(火) 00:07:31.32 ID:qjSP4y5SO
>>974
「いやボクはホビットじゃなくてリトルエルフ……まあいいか別に」

さらに訂正しようとして面倒になって説明をぶん投げるルピン
さらっと重要かもしれないことを言ったがたぶん大丈夫だろううん

「あ、うん。ボクグレネードっていうのがだいぶ好きでねー、いつも持ってるしよく作るんだー」
976 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 00:23:58.58 ID:XtXd0JaUo
>>975

「何を言っているのかよくわかrんぞ?」

 ルピンの訂正はあまり聞き取れなかった模様。
 そしてそれ自体はイムカにとってもさして重要事ではない。
 重要なのは続いた言葉。すなわち、グレネードが大好きでいつも持っているというところだ。

「どうやら火薬を持っているようだな。少し分けてもらえるとありがたいのだが」

 テクノロジーの無い世界では急激に金運が悪化するイムカ的に
 物々交換に使えそうな、パンやら干し肉やら、味噌やらを引っ張り出す。

「君が持っているのは硝酸アンモニウムか黒色火薬あたりか?
 業務用爆薬あたりを持っていたなら交換レートに色をつけるが」

 流石にプラスティック爆弾などといったぜいたく品≠ワでは望んでいない模様
977 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/09(火) 00:39:25.68 ID:qjSP4y5SO
>>976
「欲しいの? うーん…、ホントはあんまあげたくないんだけど、おねーさん綺麗だしいいか」
「交換なしであげてもいいんだけど……よっと」

少し悩んだあと、承諾する少年
右のポーチから袋を二つ取り出す

「硝酸とかそういうのはよく分からないけど、これとこれとあと炭を混ぜるといつも使ってる火薬になるんだー」

そして取り出した袋を示しながら説明する少年
袋の中身はそれぞれ黒色火薬の原料である硝酸カリウムと硫黄だ。本人はあまり理解していないのだが
978 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 00:48:09.81 ID:XtXd0JaUo
>>977

「助かるよ」

 黒色火薬の原料が入った袋を受け取るイムカ。
 爆発物の有用性と応用性の広さはイムカにとっては重要である。
 ゆえに補給できたことは大きい。

「しかし、火薬売りのホビットか。変わった話だな」

 火薬を受け取ると、イムカは換わりに肉とパン。少量だがぶどう酒を渡した。
 こういうのはちゃんと取り引き行為が必要だと考えているのだ。

「よし、それじゃあ君も席に加わるか?まだ熊の肉も余っているし、
 獣油も分けてくれるはずだからな」

【そうしてホビット荘の夜は続くのであった】

//ではコノヘンデー
979 :ルピン【リトリトル】>>385 :2015/06/09(火) 00:59:46.36 ID:qjSP4y5SO
>>978
「…まあ何でもいいか。くれるなら貰っておくよ。ありがとねー」

渡された返礼を素直に受け取る。この時はあまり食い下がらない方がいいのだ
……勘違いはもう訂正しない

「さてと、ボクも宴に混ざろうか。こういうのは参加してこそだもんねー」

そう言って、ルピンは宴の中へ進んでいった

/*ありがとうございました〜*/
980 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 22:25:04.49 ID:XtXd0JaUo
【スプロール: インペリアル・エンジニアリンク社】

 別の境界線世界である『終焉の遠未来』を支配する銀河帝国の
 スプロールにおける活動拠点という側面を持つ企業である。

 主に遠未来のビーグルをダウングレードした製品やパーツを取り扱っているが、
 この企業にはまた別の側面がある。それがデッカー権限である。

 デッカー権限とは一定区画の地域の治安維持を
 強大な力を有するメガコーポに委託された企業が持ついくつかの権利を意味する。
 捜査権、逮捕権、尋問権、排除権、などの治安維持活動に必要な権利を委託され、
 メガコーポにとって不利益なサイバー犯罪を抑制する役目を担う。

【社会正義のためではないが、社会正義の通念自体が変化している世界において、
 その手の葛藤や倫理について考え込んでも実際のところ無意味であろう】

 −−−−−−−−−−−−
【と、まあ、そんなインペリアル・エンジニアリンク社であるが――】

「うーむ…?」

 イムカ・グリムナーは最近ちょっと考え事がある。それは、

「何かやっぱり人員が多くないか?違和感がある」

 イムカは流れ着いた越境者達に時折、デッカーとしての仕事を回したり便宜を図ったり、
 暗黒ブリーフィングの後にデスマーチの行軍に参加させたりと色々している立場である。
 そんな彼女であるのだが、

「諜報員にでも入り込まれたか?いや、しかし…そこまで勘が鈍った記憶は無いが…」

 何となーく違和感を抱えたままであるが漠然としない。
 ハッキリ言えば、将校の勘が危険を知らせていない。が、違和感がある。
 それが、イムカ的にはなんとももやもやするのである。

(まあ、先ずは目の前の仕事か。殺人事件は事欠かず。窃盗など星の数。どこから手をつけるかな)
981 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/09(火) 22:33:01.75 ID:0RAQ9ap1O
>>980

「働きすぎですよ、イムカさん! あ、でもでも。正義の為に働きすぎるのは素敵かもです。倒れたらまずいですけど」

快活な笑顔でそんな風に発言するのは、数年前に入隊した、まだまだ新人の”婦警”であった。
東洋系らしく、あまり力強くは見えない彼女だが、実にパワフルに仕事に励むという印象がある……ハズだ。

(やっべ怪しまれてる、怪しまれてますよぉぉぉ! どうしよう、どうしよう皆さん?)
(『知らん、誤魔化しとおせ』 『いけるいける。正義の心があれば何でもできる』)
(ですよね!!)

「ええと、それで……さしあたって緊急性が高そうな案件ってなんでしたっけ?」
982 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 22:41:54.24 ID:XtXd0JaUo
次スレの季節やで工藤!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1433857245/
983 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 22:50:06.27 ID:XtXd0JaUo
>>981

「働きすぎ?そうでもないさ。私は眠らなくていいしな」

 イムカは遠未来における遺伝子学的遺産のおかげで、
 一週間以上眠らなくても任務継続が可能である。脳にそんな機能を持つ器官がある。

(相変わらず騒がしい奴だ…なんだ?)

 何処となく違和感。が、やっぱり危険性が無いためか嗅覚が鈍い。
 プラチナブロンドの髪を指で少し梳いて一拍間を置く。

≪000011111010101≫

 そんなイムカの周囲では彼女の忠実なるドローン。サーボスカルが浮遊している。
 遠未来の観測機器と半重力装置を人間の頭蓋骨≠ノ取り付けた冒涜的なフォルム。
 しかし、イムカの世界ではこれは死後も神なる皇帝陛下の奉仕する栄誉ある存在として扱われている。

【死者の冒涜ではない。価値観がそもそも違うため、そのような論議も無用であろう】

「緊急性が高いのはカチグミ企業の子息が火遊びに手を出していることだな。
 ドラッグパーティーなんぞ開いていて、醜態が広まる前に秘密裏に確保して欲しいというオファーもある。
 緊急性が低いのはスラム街でのサイバーツジギリ。新兵器試験とやらで無分別に住人が虐殺されている。
 市民IDを持っていないため、人権も無い。走査オファーもゼロ」

 あいも変わらぬスプロールのサツバツ価値基準である!
984 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/09(火) 22:57:46.85 ID:0RAQ9ap1O
>>983

「ははぁ……それはそれは……便利、ですね?」

(『便利か?』『来る世界間違えたかもわからんね』)

曖昧な笑みを浮かべて何となく頷く夏子。
イムカのような人物でも何となく事実誤認させてしまうレベルの変装能力ではあるが、本人がついていけてないかもしれない。

「……なんともかんともってところですねえ。いや、私が出たらどっちにしろボコボコにしちゃいますけど」

頭脳労働は苦手だ。カチグミの息子もツジギリもボコボコにするだけだ。
物理の力は何もかもを超える。警棒で殴りつづければ人は死ぬ。コトワザ!

(実際はツジギリの方をどうにかしたいんですけど、皆さんいい意見ありますか?)
(『保身を考えて警官が務まるかと言いたいがこの世界だとなぁ』『ちょっと価値観が俺らと違いすぎるんだよなぁここ』)
(うう……辛いですね……)
985 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 23:06:34.40 ID:XtXd0JaUo
>>984

「と、いうわけでカチグミ子息のアホの相手は他のデッカー権限委託企業がするだろう。
 オファーを受けているのは我々だけではないし、私達以外でも出来る仕事(ビズ)だ」

 そう言って、中空に表示させたホロディスプレイから、
 この最優先オファーをポイっとゴミ箱に突っ込む。イムカ的には興味なさげである。

「それじゃあいくぞ。スラム地区、サイバーツジギリの方だ。
 素性を洗い出して、背後の企業に脅迫を仕掛ける。リスクもでかいが実際旨みもある」

 無表情めいて淡々と口にするイムカ。
 実際のところ、彼女は露悪主義めいた傾向がある。
 人助けにも一々利己的な理由をつくったりしたり、タダ働きをしないように考える傾向が。
 もちろん、それは隠れた親切だの密かな正義というのとはまた別種のシロモノでもあったが。

「カチグミ専用ロードウェイを使用して一気に現場に向かうぞ。
 今日は随員は君だけか?よし、後ろに乗れ」

 イムカが指を鳴らすと、表に丸太のような巨大なタイヤを持つ
 ヘヴィバイクが轟音と共に自立移動してやってくる。
 時速990キロ以上を叩き出す、正真正銘のモンスターバイクだ!

【…これに一緒に乗れと?その答えはYESである】
986 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/09(火) 23:11:10.82 ID:0RAQ9ap1O
>>985

「は、はい! 私、頑張ります!」

やったやった、と何故か嬉しそうに笑みを浮かべる。
暴れることが確定して嬉しいのだろうと思われても仕方がなかった

(『いい人だった』『今喋りそうになった俺』『洒落にならんからやめろ』)
(皆さん、喜んでください! 悪党をボコボコです!)
(『ヤッタルデー』『アラホラサッサー』)

「え? 乗れるんですかこれ? ええ、ええ、大丈夫です。失礼します。よいしょ」

言われるがままに後部シート(あるんだろうか)に跨る。
少しぎこちないが、やむなし。

(『身体千切れないかなこれ』『幽霊でも死ぬんだよなぁ(白目)』)
(み、みなさん……私の中でひそひそ喋らないように……)
987 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/09(火) 23:15:32.50 ID:cT4N1u8W0
<魔法世界エリュシオン――とある森の中>

「……でも、手がかりってあまりないからなぁ。」

金属が擦れあう音を響かせながら、甲冑を身にまとう者が森を行く。
中身はカエルになってしまった人間であるダニエル=フロッグハートだ。

ダニエルは元の世界に戻る、元の姿に戻るため、のんびりながらも奮闘中である。
今日は周辺にて情報を収集……特に元の姿に戻るための情報を探している。

しかし、これといった成果もなかったため、ダニエルはリフレッシュにと森へ足を運んだ。
ダニエルにとって、この森は少々、思い出深いものがある。

それは、この世界へと飛ばされて目が覚めた場所だからだ。
その場所はすぐそばに湖があり、ダニエルは水面を鏡に自身の変わり果てた姿を確認したものである。
988 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/06/09(火) 23:19:24.68 ID:XtXd0JaUo
>>986

「それじゃあ行くぞ…!」

 グォン!とエキゾーストが高らかに咆哮をあげて、
 イムカはスタートど同時にウィリー、そして設置と共に一気にロケットスタートを切った。

【ここからは情景のみを抜粋する】
【トンデモない振動と共にバケモノ染みた速度を出すバイク。風圧も最悪】
【景色は流れるというよりは粘着状の飴を伸ばしたような状態となった】
【爆音と風圧と振動と目まぐるしすぎる視界、これだけでも十分酷いのであるが】

「よし、近道しよう」

 そう言ってイムカはハイウェイをジャンプ。直下30メートル程にあるビル上にショートカット!

【極めつけはイムカが近道と称し、度々道ならぬ道を行き、バルクールめいたジャンプと細道をかっとぶこと】
【道交法が存在したならば、パトカーの群れによる大走査線が敷かれかねない酷さであった】

//おぢかんも無いようですし今回はここまでにしときます?<後半はぢめると時間が必要ですしん
989 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/09(火) 23:23:02.69 ID:XtXd0JaUo
>>987

(………)

 ナムアミダブツ!ダニエルが水面に見た姿。
 それは、人間でもなければ、カエルでもない!それは柴犬であった!

【茶色い毛並みの柴犬。首には樽が付いた首輪】

 なんということであろうか!何時の間にか更なる変身をしていたとでも!?

「………」

 じーっと水面?からお魚を加えた己の姿(?)がダニエルを見据えている。
 まるで、たまたま魚を取ろうと湖に飛び込んだわんころのように。
990 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/06/09(火) 23:24:33.73 ID:0RAQ9ap1O
>>988

「あわわわわグワーッ!」

おおよそ女子が発してはいけない悲鳴。
だがそんなことは言っていられない、こんな風感じたことない!
吐かなかっただけでも上等だろう。

(『誰だよこの世界で正義を成すとか言った奴』『神は死んだ!』『スピードの神なら目の前にいるな』)

彼女の「中」の霊体の皆さんもグロッキーである。

「うう、……まだ、まだ止まりませんかこのバイク……イムカさぁん……」

ギブアップともとれる、切ない声をあげてイムカに尋ねる。
暴れる前からこんなでは非常に不味い。

//それでお願いします!
991 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/09(火) 23:33:52.17 ID:cT4N1u8W0
>>989
「(懐かしい……っていえるほど時間が経ったんだなぁ……。)」

湖の方を見れば、そんな記憶が蘇る。
こちらに来てから、そう思うほどに時間が経ってしまったのだ。

元の世界との時間関係は不明であるが、それでも大分、心配させてしまっているだろう。
そう思うと、ダニエルの中にも若干、焦りが生まれるのであった。

「……――――あれっ?」

と、湖を覗き込むと、そこにあるのは柴犬の顔。
何かの間違いではないかと、一度水面から目を離し、もう一度覗き込んだ。
992 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/09(火) 23:38:41.12 ID:XtXd0JaUo
>>991

「……(じ〜っ)」

 目と目が合う瞬間であるが特に好きだとは気付かない模様。
 さらにダニエルが一度目を離すために顔を動かすと、
 水面の柴犬もしっかりその動きをトレース。完璧なる同調率。

【そして、何かの間違いではないかともう一度覗き込むとやっぱり犬や。ワンコロや】

「………」

 ひとずじのわびしい風がダニエル君を通り過ぎた。
 ああ、ブッダは何処までこの青年に試練を与えれば気が済むのであろうか!

「もっちゃもっちゃ」

 そして、水面に映るダニエルは口に咥えていた魚を口に含んで咀嚼を始めた。
 ぷっくり膨れた頬袋がビミョーにらぶりー。…あれ?
993 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/09(火) 23:44:42.40 ID:lsAUzHJNO
>>991-992
「…?」
「…あの、ご気分でもわる…って犬っ!? いやいやカエルっ!?」

【失くした記憶の残滓が告げている、元居た世界と類似したこのエリュシオン】
【青々い風抜ける森林、魔翌力に満ちた大地】
【そんな中を心地良く歩いていれば静かな湖畔、水面を覗き込む(?)鎧の姿】
【馬は居ないが遍歴の騎士が体調でも崩しているのかと声を掛けて覗き込む】
【するとなんと水鏡に映る姿は犬ではないか、そして騎士に目線を移せばカエルじゃないか】
【何事かと目を白黒させて混乱している、色素のない肌色の少女】
【尚ダニエルとは以前出会い自己紹介くらいしている(>>851-)のだが唐突の事で脳味噌の処理が追い付いていない模様】
994 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/09(火) 23:46:57.71 ID:cT4N1u8W0
>>992
「…………まさか、今度は犬に……?!」

カエルから犬へと変わってしまったと思ったようだ。
当然、そんな心当たりはなく、突然の変化に驚くばかりだ。

「う〜、ようやくカエルに慣れてきたのになぁ。
……それにどうせ犬なら、狼とかもうちょっとかっこいい感じになりたか……アレ?」

犬になったことがショックと言うよりも慣れてき始めたカエルの体を離れることがショックらしい。
加えて、どうせなら柴犬より狼などかっこいい犬になりたかった。

……と、言いかけたところで水面の自分の変化に気付く。
突然、魚を加えて咀嚼を始めたのだ。……どう考えてもおかしい。自分は食べていないというのに。
995 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/09(火) 23:54:29.96 ID:XtXd0JaUo
>>993-994

「わん!(美味!)」

 サバァと水面から波紋を浮かべて大地に上がる柴犬。
 なんと、鏡から分身が出てきたような心地!ふぁんたじぃ!

【とまあ、スカムは地の文はさておいて、ようやく犬が登場である】

「わう?(んっ?いつぞやのカエルと…魔術師か。妙な取り合わせであるな)」

 ウルリックのテレパシーは犬の鳴き声と同時に知覚に響くモノだ。
 鼓膜はあくまで犬の鳴き声しか拾っていないのに意味が解るという現象である。

【ウルリックがあがると同時に、お魚が数匹びちびちと打ち上げられる。
 手や尻尾で捕獲したお魚である。地味にすごいことやっているかも】
996 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/10(水) 00:00:19.49 ID:sDSzLpT/0
>>993
「いや、気分はそこまで悪くないけど、何か新しい姿になったみたいでね。
……あれ?キミは確かナノマシンを奪取作戦のときの……?」

こちらは犬になってしまった?とはいえ、それほど慌てていないらしく
こちらを見て目を白黒させる少女を思い出したらしく、首を傾げて尋ねる。

ダニエルの姿は一度、見ると二度と忘れないのではないかと思えるほどに強烈な姿だ。
今日も人間型に作られた甲冑のおなかの部分から、顔を出している。

>>995
「……わわっ!」

ふぁんたじぃ!な光景に思わず、身をそらせた。
しかし、ここでようやくその柴犬がウルリックということがわかったようだ。

「なーんだ。ウルリックさんかぁ。…………犬って自力で魚を取るんだ。」

驚いて損をしたとばかりに呟く。少し失礼だ。
ウルリックの周囲に散らばった活きの良い魚たちを眺めて、意外そうにする。

ダニエルの中で犬はお肉を食べるようなもの、とでも思っていたのだろう。
魚を湖に入って、自力で取るなんて思ってもなかったようだ。
997 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/10(水) 00:06:07.93 ID:BIyK+DjzO
>>995
「ひぇっ!?
 って、これ、念波…?」

【ビィの悪癖として、未知の事態を既知の事柄に強引に当てはめてしまうというものがある】
【今回もそうであり、魔術的要因が働いているのだとそのテレパシーを読んだ】
【事実としての成否がどうであれ、越境者としてのキャリアの短さと少なさ、何より本人自身の柔軟性の浅さが露呈しているのど】

「あなたは…魔術師さんの使い魔だったり?」

【とれとれぴちぴちのお魚達を前に鎮座する柴犬に、はてと首をかしげた】

>>996
「ど、どうも、ビィです…
 なんか、潜水してたみたいですね…?」

【改めましてどうもと一礼】
【そして目線を柴犬に向けてたははと短く笑う】

「あの時はお世話になりました、ちゃんとお礼できなくてごめんなさい」

【森を歩く内に少し汚れた女学生の制服の襟を正し、甲冑のお腹部分の顔に向けて今度は深い礼だ】
【ビィはあの後直ぐに越境に巻き込まれて離れてしまい、マトモな挨拶すら出来ずに別れてしまったのである】
998 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/06/10(水) 00:21:19.54 ID:eEWf4vtlo
>>996

「わうわう(ふむ。少々いたずらが過ぎたようだ。が、効果覿面であったな)」

 ウルリックは存外にいい性格をしているようである。
 そうして、びちびちと跳ねる魚を見やって、

「(自分で糧を取らねばならぬ以上、泳いで魚を得るくらいはする。
 それに拙者は魚も食える。そも、犬は魚を食えるものだ)」

 ただし、犬に魚をやるときは寄生虫などには気をつけるようにと付け加えておく。

>>997

「わう?(念波?まあ、似たようなものだ。拙者がサイカーであるしな)」

 ビィの狼狽に対して、さも当然という風に言う柴犬。
 その口調や言い回しはどこか古風めいた雰囲気があるかもしれない。

「(拙者がソーサラーの走狗と?それは些かシツレイな間違いだ。
 拙者は誇り高き戦士達の同朋であったと自負している)」

 過去形であるのはウルリック自身、苦々しきことではあったが。

>>997-998

「しかして、偶発的に世界渡りが三人も何の変哲もない湖に集うか。
 なるほど、越境者同士は引かれ合う=B理屈で考えても埒のあかぬ事象のひとつだな」

 そう言うと、ウルリックはおもむろに石を円形に地面に並べる。
 そして、湖の側に用意していた枯れ木と火種となる枯れ草をそこに積み重ねて、
 尻尾をブンと振ると一瞬火花が散る。すぐに木は燃え上がって焚き火となった。

「わんわん」

 そうして口と手で器用に木の枝で魚を貫こうとして、

「………」

 ビィを見て、魚の内臓を書き出してから木の枝で貫いて焚き火の側で焼き始めた。
 ふと、ダニエルのほうに顔を向けて、

「わん!(そして、犬とてこれくらいの調理は自主的にするものだ。覚えておくように)」

 と、柴犬真実を語るのであった。
999 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [saga]:2015/06/10(水) 00:29:32.04 ID:sDSzLpT/0
>>997
「いや。潜水してたのはウルリックさんだよ。」

自分は湖を覗き込んでいただけである、と。
とはいえ、ダニエルを発見して声を掛けた辺りで水しぶきがあがったのだから
ビィからすれば、どちらが潜水していたのかは分かりにくかったのかもしれない。

まして、ダニエルはカエルの姿であり、水に居るイメージが強いため仕方がない。

「気にしなくても良いよ。……あんな感じで巻き込まれるって分かったし。
まぁ、変な怪我とかなかったし、成功したし、大成功だよ。」

>>998
「へぇ。最近の犬はサバイバルもできるもんなんだ。
……やっぱり、ボクの世界とは随分、違うなぁ。」

ウルリックのたくましさ、そしてそれを当たり前の様に語る姿に
やはり自分の世界とは違うと痛感する。

自分の世界でそのようなことをしていたのは犬の獣人くらいである、と。

「……何せ、この湖はボクが目覚めた場所だからね。ちょっとした思い出の場所さ。」

何の変哲もない湖でもダニエルにとっては思い出の場所である。
とはいえ、越境してそれほど経つのに、あまり打開策は無さそうであるが。
1000 :ビィ【青魔法】 [sage]:2015/06/10(水) 00:35:23.41 ID:BIyK+DjzO
>>998
「サイカー、ですか…あ、ごめんなさい」

【言葉を噛み締めるにしているのは、その単語が記憶に存在するからだ】
【イムカと似た次元からの越境者(犬)なのだろうと予測できる】
【そして続く失礼であった発言には謝罪、無礼な間違いであったのだろうと端々から読み取れたためだ】

「…器用なんですねぇ」

【柴犬的調理法に目を丸くして】
【内臓処理までを施すその技前にただただ感服であった】

>>999
「ありがとうございます…そう言って頂けると」

【浮かぶのは心底安堵の笑みであった】
【ビィは越境者として世界を渡った回数は多くはない】
【咄嗟の離別や、事件に巻き込まれると言った経験もまだまだ少ないのだ】

「…報酬は、貰い逃しましたけどね」

【冗談めかして笑顔】
【勿論金銭より、手に入れた自由の方が遥かに価値が高いのだから文句の一つもあるはずはない】
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