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【新規様】ここだけ異能者の集まる学園都市【大歓迎大募集!】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :ここだけ異能者の集まる学園都市 :2016/01/12(火) 20:04:32.37 ID:XJrXc9uB0
このスレッドは学園都市と称していますが、とある魔術の〜シリーズとは世界観の異なるものです。
とあるシリーズを舞台としたスレッドをお探しでしたら、申し訳ありませんがブラウザバックをお願いします。

ここは異能者……能力者が集まる大都市。通称:学園都市である。
この都市は学園都市の名の通り、人口の8割程度を学生が占めている。さらにその学生の殆どが能力者であり、学生は皆、異能の力と共に共存している。そしてまた、その背後には別の異能を操る者の存在も…………。

(世界観や用語について詳しくは>>2参照)


ここは自分自身のオリジナルキャラを創作し、他プレイヤーのキャラとある時は何気ない日常風景、あるときは戦闘などを文章で交流するロールスレッドです。



【キャラクター作成について】
・プレイヤーが使用するキャラクターは、無能力者、能力者、魔術師の中から選択し作成できます。
・能力者はLevel1〜4、魔術師はランクD〜Aまでのキャラが作成可能です。
・学園都市で生活するどのような人物でもルールの範囲内であれば制作が可能です、但し能力者のみは学生に限ります
・また、世界観に関わる組織の長やそれに準ずるような立場の人間はPCにすることは出来ません
・人外、また能力以上に特殊な生態を持つ存在はPCにすることは出来ません
・版権キャラクターをそのまま使用する事は推奨しません


【キャラクターの武装に関して】
・能力者側の特殊な武器(ex.炎で出来た剣、妖刀)の所持することは出来ません
・上記の特殊な武器の使用は魔術師側のみ認められています。
・能力者側は能力の応用で武器を強化する(又は能力を纏わせる)などは可能です
・学園都市内での過度な武装所持は風紀委員(>>2参照)によって取り締まりを受ける可能性があります
・魔術師の魔術の行使には何かしらの装備が必要となりますが、必ずしも武器である必要はありません

【キャラクターの所属する組織に関して】
・世界観を決定づける組織を個人の判断で制作してはいけません(議論スレへどうぞ)
・既存の組織の長にPCを設定することは推奨しません     (こちらも、議論スレへどうぞ)
・既存の組織に所属する事に制限はありません
・小規模、もしくは個人の範囲の組織を設定する事は可能です


ロールについては、スレッドに参加する前に、こちらのサイトによく目を通してください。
なりきりの基本となるマナーやルールが詳しく書かれています。↓↓
http://harmit.jp/manner/manner.php


したらば避難所雑談所
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20492/

WIKI
http://www8.atwiki.jp/schoolcitiy/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :ここだけ異能者の集まる学園都市 :2016/01/12(火) 20:05:24.50 ID:XJrXc9uB0
【基本的世界観用語】
学園都市……数年程前に突如として10代の若者を中心に発現した”異能”、そしてそれを扱う”能力者”を教育収容すべく我が国日本が建設した研究都市。
10万人を超える人口を都市内に有しており、中でも学生の割合は8割を占める。


能力者………数年程前に10代を中心に発現した”能力”を操る者の事。
能力強度(単純な強さである為にその人物の戦法や工夫などは反映されない)によって1〜5までのレベル分けがされており、最高の強度を誇る能力者は俗に『Level5』と称されるが現時点で存在している能力者はLevel1〜4まで。

魔術師………能力が発現されるよりも遥か昔から受け継がれている、”能力”とはまた違ったタイプの”異能”。
数年程前から確認された新たな異能”能力”について調査する為に数多くの魔術師が学園都市に潜入している。
魔術に関わらない学園都市の人間からすればその存在はもはや噂のようなものである。
魔術師にはその技能によってランク分けがされておりランクはD〜Sまで存在する。(キャラ設定が可能なのはD〜Aまでです。)

魔術師はその思考によって大きく組分けがされており、それぞれ

[バルタザール]:穏健派。能力者側との接触の事前調査の為に学園都市に潜入している
[メルキオール]:中立派。能力者側の動向を監視する為に学園都市に潜入している
[カスパール]:過激派。能力者側の危険性を確認する為に学園都市に潜入している

という3つの組分けで、その思考のもとに全世界に様々な魔術組織が存在する。





【組織】
風紀委員会……全体の人口の内8割を学生が占める学園都市において、都市内の治安維持を司る組織。当然の如く、構成員は学生オンリーである。

管理委員会……学園都市の基本方針を司る学園都市の頭ともいえる組織。都市内の規律を制定するだけでなく、都市外との外交も司っている。

学園都市第一学園……都市内の数ある学園の中で最も規模が大きく、校風が自由である学園。
(この学園に必ず属さなければならないというわけではありません。)
3 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 :2016/01/15(金) 21:51:44.82 ID:3Voeaap10

空に浮かぶは不敵な笑みの下弦の月。そして廃れた廃墟からその夜空を見上げるのは自称『番長』を謳う少女──高天原いずもであった。
黒の学ランを纏う彼女は闇の中、ゆっくりと息を吐き出して……、、、

「わざわざ猫助けるためにケンカするとか…オレぁ浦島太郎かよ畜生!!──亀じゃねぇけど!
こちとら重なる生活費と課される反省文の山に疲れ切ってんだぞ!!」

そこらに散らばる男達の巨躯を睨みつけながら声を張り上げるのだった。
事の経緯は大体彼女が叫んでいる通りで、不良が猫を虐めて遊んでいたのを鉄拳制裁した後…というのが現在の構図である。拳を見れば焼け焦げたように蒸気が発せられている。

「……ん?」

───ピクッ!と彼女の耳が震えたのはそれから間も無くのことであった。
見れば、二輪の大群がイカれたエンジン音を響かせながら此方へと向かってきているようで。

(あぁ……………これやりすぎちまったか………)

炸裂する爆発音───正しく高天原いずもの能力によるその爆音は不良共の興味を引くには十分な代物だったらしく。身の不幸に頭を抱え、再び夜空を見上げるとやはり相変わらず光り輝く嘲笑が鎮座していた。

「あぁ、もう!!全部相手してやるかかってこいやクソ野郎共がぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」

数的には圧倒的に不利。孤高なる「残念番長」は1人してその群れに立ち向かう。
──────手を貸す者がいるか、否か。


4 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/15(金) 22:40:52.59 ID:AF+hZj7Yo
>>3
「こんな夜更けに……」

エンジン音に爆発音、いくら人気の無い廃墟だとしても、それが人の気を引くのは当然であった。そして、何か良からぬ事が起こっているとも、容易に推測出来る。
バイクを追い掛け、廃墟に向かうは、『風紀』の腕章を付けた少年、敦田熱志。見ての通り、風紀委員だ。そして、その風紀委員の中でも正義感が強い部類に入る。
そんな彼が、轟音で走るバイクの大群を見つけたのならば、やる事は一つ。追い掛け、何が起こっているのか確かめ、争いがあれば強引にでも止める。風紀を守るために。それが、風紀委員としての勤めだと信じているからだ。

「騒がしいと思い、来てみれば……あれは……高天原君か?」

廃墟に到着すると、バイクの前方に、一人の姿が見える。
遠目で顔などは、確認できないが、あの特徴的な学ラン姿、きっと高天原君だろう。ということは、彼らの狙いは高天原君か!?女性一人にこの数とは、卑劣な奴等め!

「おい!君達!女性一人にこの数で挑むなど、恥ずかしいとは思わないのか!?」

バイクの後方より、風紀委員の少年が叫ぶ。

/まだいらっしゃいましたら……
5 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/15(金) 23:16:42.02 ID:3Voeaap10
>>4
不良の群れの一部は後方を振り返り、来訪した都市の正義を司る者を睨んで威嚇した。
ガラの悪い男共の野次や荒々しいエンジン音だかで廃墟は今夜限りのお祭り状態と化しているが、そんな喧騒の中でも彼女の耳に暑苦しい声はきちんと届いている。返すように、高天原いずもも声を張り上げた。

「おい熱志ィ!!それ禁句だからな!?」
「これ以上言ったらオレぁお前までぶん殴りかねん!…主に高天原出雲というキャラ付けの為に!!」

「っはは!まあでも──────」

高天原いずもは敦田熱志という男とは割と関係があったりする。立場的には敵対?しているといえど、両者の暑苦しさには何処か通ずるものがある。

信頼できる「敵」を「仲間」に据えて、「番長」を驕る少女は口角を上げた。それは、実に不敵な笑み。

「────最強に助かるぜッ!!
というわけでそっちは任せたぞ、”風紀委員”!!
オレの心配はすんな!存分に仕事しろよ馬鹿野郎!!」

闘いの火蓋は、高天原いずもが眼前の不良を能力で吹き飛ばす事で切って落とされた。敦田の元にも、不良の群れは襲いかかることだろう。
────然し、気付くことができるだろうか。その敦田の背後からも更に不良の軍勢が迫っている事に…!
6 :高山 巌佐武郎 ◆3XNDKmtsbA [sage saga]:2016/01/15(金) 23:31:32.44 ID:A62nB06Q0
>>4>>5
嵐。
まさしくそう言い表すに値するほどに唐突に、荒々しく、それは現れた。
後方にいたはずの不良たちはしかし、背後からの奇襲を仕掛けることは叶わなかった。

いずも達の背後から、突如として突風が吹くような感覚を覚えるだろう。
それに対して振り向けば、何人もの不良が空を舞い、竜巻のごとく押し上げられているのが見て取れよう。
そんな乱気流の中心。台風の目のように堂々と威圧的に構えて立つは、時代錯誤なリーゼントの男子生徒。
その見るからに悪そうな目付きは、眼前のいずもならその網膜に焼きついているであろう。

「高天原ァ!こんなザコに足ィ取られてんじゃねえぞ!!」

『うっ……"狂犬"!!』

彼の怒声、もとい激励。その路地全体に響き渡るドスの効いた声は、その場の不良どもの注目を集める。
彼は不良界隈では、狂犬と呼ばれているのだ。だが……当の本人は、その呼び名を嫌っていた。

「……誰が犬畜生だゴルァッ!!」

『ヒエッ……』

彼が能力を発動する。
風圧操作(ブロウローダー)。その能力は、あたりの不良どもを手当たり次第に吹き飛ばす、暴力的で見境のない攻撃だ。
だがその風は、いずも達への追い風となる事だろう。

「さあ……とっととやっちまおうぜ」

漢たる番長、高山巌佐武郎。
彼は、己の真の名をしるいずもへ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

7 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/15(金) 23:52:35.76 ID:AF+hZj7Yo
>>5,>>6
「むっ!それは済まなかった!非礼を侘びよう!!」

彼女をこの場で女性と言うのは、不味かったか。本当は、頭を下げて謝りたいが、この状況でそうもいかない。ならば、行動で侘びるのみっ!彼女に助太刀しようではないか。
まぁ、もとより戦いを止めるつもりではあったが

「うむっ!承知した!」
「闘気の鎧よっ!」

熱志は、能力により闘気の鎧を身に纏うと、迫る不良の群れに対し、拳を振るい、薙ぎ倒す。

「とうっ!!」

だが、眼前の敵に気を取られ過ぎていたため。その背後より迫る敵には、まだ気づいていない。

「むっ!?しまった不覚っ!」

それに気付いた時にはもう遅い、熱志の眼前にエンジン音を轟かせたバイクの前輪が迫っていた。そして、それは熱志を轢く――ことは無かった。
その不良は、バイクごと突風により吹き飛ばされていたのだ。
助かった。感謝せねば。風を起こした主は、あの男か?ん?あの男、風紀委員内でも有名なあの不良じゃないか!!喧嘩を求め現れたのか?だが、今は味方のようだな……

「ともかく!助かったぞ!感謝する!」

まぁ、彼には私を助けたつもりは無いとは思うが、感謝を伝えなければ。

「さて!反撃といこうか!!」

そして、再び不良達と向き直り、叫んだ。
8 :奥須 羽扇 ◆8.N5omyrwA [sage]:2016/01/16(土) 00:05:13.96 ID:MEkqC6zwO
 半分に笑う月が斜めに浮かぶ藍を窓越しに
 寮の部屋、風呂上がりの寝間着姿の羽扇は孤児院への手紙をしたためていた
 レターペーパーを走る朝焼の空の模様のボールペンは、大切な宝物のひとつ

「えーっと……
 皆、元気ですか? 私は元気です……
 ……この書き出し、もう何回目だろう……」

 我ながら変化のない文頭に苦笑、ふと何かを遠くに聞いて顔を上げる
 スチール製のマフラーから来る咆哮、数多の二輪車の獣の様な唸り声

「……暴走族……?
 こんな時期に、怖いなぁ……」

 彼等は寮の近くを通過し、そして何処かへと騒動を引き連れて走り去っていった
 噂話、あるいはニュースや新聞かもしれない
 羽扇が、暴走族が大被害を受けたと知るのは、翌日過ぎの事であろう

//別の場所で、しかもこれだけなのでスルーして下さいませ
//顔出しだけで落ちます故……後日よろしくお願いします
9 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 :2016/01/16(土) 02:34:22.86 ID:xSCCclY20
>>6>>7
「叩いてりゃあその分湧いてでる……モグラ叩きかよ!?畜生ォォォ!!」

正義を司る彼女と風紀委員の肩書きを戴く敦田からすればこの雑魚の塊くらいやり過ごすには容易……そしてその様子を表すならば”無双”という言葉が忙しいのだろう。そのくらいいとも簡単に彼女の周りに纏う不良は次の瞬間には宙を舞っている。
だが、いくら力で勝っていようと精神的にはどうかはわからない。消し続けても永遠に湧き続けるという無限の徒労の意識は彼女の戦闘意識を少なからず下げていた。───────故に、背後の不良に一瞬だけ反応が遅れたのである。

脳天目掛けて振り下ろされる鉄パイプ。そんな番長の危機を救ったのは”風紀委員”でもなく”先生”だとかそういうもんではなく。
──────もう1人の”番長”に他ならなかった。

「……はっ!まさかのまさかこんなんで再会するとはなぁ!!久しぶりだな巌…!
───その通りだ。こんなクソみたいなモグラ叩きさっさも終わらせてやらぁ!!」

高山巌佐武郎という”番長”も、高天原いずもは知っていた。嘗ては路地裏で拳で真剣語り合った仲である。
続けて彼女は、迫り来る不良を対処しながら声をはりあげる。

「そろそろ終わらせるぞイカれた同胞達よォォォ!!本当に感謝してるぜ馬鹿野郎!!」

と大技で一気に畳み掛ける事を合図した。
彼女の技は全てが近距離向けで「必殺技」的な広範囲技は存在しない。故にこんな叫んでいても割りに合う技は打てないのだが、それでも彼女は顔に浮かぶ笑みを絶やさなかった。───まるで、そんな状況でも心から楽しんでいるというように。
……だって。彼女の背後には最強の護衛が構えているのだから。怖気付く必要は微塵もないのだ。

「……そっちは頼むぞ巌!!そしてそろそろ終わらせてやる!!」

現れた”番長”の加勢。群れるしか能のない不良達は統率がない。───故に圧倒的な力を前にはなす術なく破れてしまう。
ならば壊してしまおう。不良達は位置は違えど三人の正義の元へと集結する。───終わりは近い。



10 :高山 巌佐武郎 ◆3XNDKmtsbA [sage saga]:2016/01/16(土) 15:51:35.86 ID:bTIhkztp0
>>7
「風紀委員か……」

げぇ、と言った風に苦々しい顔をする。
彼は風紀委員という人種が、あまり好きではなかった。
彼は風紀委員の事を、正義だ、風紀だなんだと言いながら高みの見物を決め込むヤツら、という風に思っていたからだ。
イザ喧嘩となれば、まるで餌でも見つけたように鎮圧に来るのもうっとうしい原因のひとつであった。

だが、今この場において、そのような偏見は関係ない。
彼も共に肩を並べる味方であるならば、それは味方に他ならない。

「……ケッ、含みはあとだ。それにしてもボロいマシーンだぜ」

先ほど彼が吹き飛ばした、魔改造が施された原付を蹴り飛ばしながら言い放つ。
彼はこれ以上のマシーンを持っていると言うのだろうか……その言葉の真意は、未だわからない。

>>9
「言われるまでもねぇ。久々の本格的なケンカだ、これぐらいは暴れなきゃあな!」

彼は前方へと滅茶苦茶に風を吹き荒らし、不良どもを近付かせる事すらさせず吹っ飛ばして行く。
的確な演算などありはしない。ただ風を起こすという、あまりにも安直な思考。
しかしその安直さは今、何よりも凶暴な嵐となって、相対する敵を薙ぎ倒し続けていた。
何と言っても、人目につかない。周りは敵だらけ。そして背後には頼もしい味方。
これほどまでに、蹴散らす心地よさを感じられるチャンスなど、なかなかやってはこない。

彼は心底から楽しそうに、吹き飛ばされ壁に打ち当てられながらもなお向かってくる不良へ、挑発をかました。

「バカのひとつ覚えが!てめぇー等が俺に触ろうなんざァ500億年早えんだよッ!!」

突風によって一掃。薙ぎ倒す心地よさに、彼は非常な快感を覚えていた。
彼のサディスト的な面が刺激される。ケンカは一方的な虐めでは面白くない、というのが彼の考えだったが……
……これは少々、価値観が変わりそうだ。

やがて、彼の正面には立ち上がってくる不良はいなくなった。
路地は学ランで埋め尽くされ、辺りには誰のものともつかぬカラフルな抜け毛が四散している。
フゥと一息つけば、彼は後ろを振り向く。

「……こんなもんか……終わってみれば、あっけねえもんだぜ」




11 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/16(土) 17:59:42.96 ID:MvhSq7JOO
>>9,>>10
「流石に数が多いな……」

数で圧倒するこのやり方、好きじゃない。まったくもって、卑劣な奴等だ。まぁ、一対一なら良いという訳でも無いが……
群がる不良達を、拳により叩き伏せる。風紀委員として、荒事には慣れているので、苦戦はしない。が、消耗の激しい鎧を纏っている為、疲労が見え始めてくる。

「だが!私達は負けはしない!」

だが、彼は勝ちを確信していた。何故なら、此方には頼れる仲間が居るから。
不良は不良だが、敵の群れるだけの不良とは違う二人。高山の事はよく分からないが、高天原からある種の信頼を受けているようなので、きっとただ群れるだけの不良とは違うのだろう。

「とは言え、鎧はもう限界か……ならばっ!」

しかし、気持ちとは裏腹に、鎧を纏っているのはもう限界。ならばと、跳躍すると、空中で鎧を解除。

「闘気の盾よっ!!」
「さあ、不良諸君っ!君達全員、風紀委員にて処分を受けてもらうぞっ!」

そして、光輝く大きな盾を作り出すと、そのまま残る不良達に向かい、落下していく。
12 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/16(土) 21:06:21.43 ID:xSCCclY20
>>10>>11
1人の風紀委員は煌々しく現界した闘志の盾で鉄槌を下し、風魔と呼ばれる大男は名に恥じぬ猛風で迫る悪を一蹴した。
───対して。「番長」の殻を被った少女、高天原いずもが有する攻撃手段は”殴る”という一点に終始する。何かを使役する訳でもなく自らの肉体の損傷と引き換えに繰り出される爆発的な火力は、彼女の小さな拳が男達の体躯に当たる度に炸裂した。
かといって彼女に関しては”無双”と言えるほどの力はない。極めてタイマン性能に特化した能力では、多方向からの暴力には対処出来ない。

「………っそ……なまっちまった…なァ!!」

それでも。鉄パイプで身体を折られ、それでも笑いながら、血反吐を吐きながらも拳を振るえるのは背後に戦友がいるからだろう。
バゴン!!という一際大きな爆音の後、3人の正義対ざっと70人ほどの不良の一夜限りの大乱戦は幕を閉じた。

─────────────
─────────
─────
──


「えーっと…こいつは高山巌佐武郎。
風紀委員なら……んー……”一高の風魔”とでもいえば少しはわかるか?」
「本名ではないけど……これは隠したほうがいいんだよな?いわ……巌佐武郎。」

という訳で高天原いずもが2人にやたら喧しいお礼を述べてから、とりあえずはいずもを仲介した自己紹介という現在の構図に至る。
配置的には初対面の2人にいずもが挟まれた感じで、当の彼女は男子の彼らに比べて比較的小さな体で跳ねながら、紹介する人物の肩をトントンと叩いたりして示している。
早速ネタバレしそうになっているのは生来の天然さ故である。

「……コレは”風紀委員”の敦田熱志って奴。」
「どうせお前は『風紀委員なんて気に食わねぇ!』とか言うんだろうが、話せばいい奴ってのはわかる…はずだ。………でもオレ以上の暑苦しさは覚悟しとけ。」

と、ここまで紹介を終えた彼女は再び彼らの真ん中に立って、パン!と手を叩いて言葉を続けた。

「はい!オレはこの猫安全なところ置いてくるから、お前ら自己紹介タイムなー!!」

と、自身の足に擦り寄っている子猫を指差して抱え、小走りにその廃墟から一度姿を消したのだった。
一時、相容れない男達による自己紹介タイムの幕開けである。
13 :高山 巌佐武郎 ◆3XNDKmtsbA [sage saga]:2016/01/16(土) 21:47:58.81 ID:bTIhkztp0
>>11>>12
そして全ては終わる。静寂が戻ってみれば、その場の大気の寒さの感覚が戻ってきた。

お互いを知り合う時が来た。共に戦ったのだ、流れ解散というわけにも行くまい。
危うく自らの本名を晒しそうになったいずもの頭に、彼は軽く拳骨を当てる。

「……おい、そいつはナシだ」

認めた相手にしか明かさないように決めている。いずもはこの街に来て初めて、本名を明かせるほどに気を許せる人物であった。……だが。
流石にここまで口が緩いと文句の一つも言いたくなる。
彼は呆れた風にいずもの背中を見ながら、隣の風紀委員に話しかけた。

「アツタとか言ったか?お前もアイツには手を焼かされているんだろうな」
「……俺も人の事は言えねえが」

彼は幾度となく暴力沙汰を起こし、風紀委員に連行されている。
尤もどれも不良を相手にしたもので、一般市民に手を出した事はないのだが。

「まあ、いい。お前の戦い振り、観させて貰ったぜ。……名前通り、熱苦しいヤツだ。そーゆー奴ァ嫌いじゃねえ」
「……これを機に、俺の風紀委員監視レベルを下げるように言ってくれねえか」

彼はあまりにやらかし過ぎているため、風紀委員による監視が付くまでになってしまっている。
行くところどこでも尾行してくるので、いい加減に鬱陶しいと思っていたのだ。

……ここに来れたのも、風紀委員を巻いて来たからこそだ。
風紀委員たる彼とコネクションが出来た今、そういう取引ができるかと思っていたが。

「……ま、無理だろうなァ……お前、見るからに規則に厳しそうだもんなァ」





14 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/16(土) 22:32:14.45 ID:MvhSq7JOO
>>12,>>13
「猫の為に戦っていたのかっ!?」

まさか、そんな理由で戦っていたとは。彼女らしいと言えば、彼女らしいが。確かに彼女は、不良というカテゴリーに当てはまるのだろうが、やはりそこらの群れるだけの不良とは違うな、と改めて思う。
そして、きっとこの男もそうなのだろう。なにしろ、高天原君と認めあっているようだからな。
一時、去っていく高天原を見送りつつ、熱志はそう思った。

「うむ!君達には私達風紀委員は、随分と手を焼いているよ。だが、君達みたいなのは、私は嫌いでは無い!」

群れもせず、卑劣な手段も使わず、決して弱者に力を振るわない。所謂、芯の通った男といったところか。どうにもこういった者達は、嫌いになれない。

「うむ!それは無理だな!」

だが、それを理由に監視レベルを下げるなどは出来ない。個人の感情と風紀委員としての使命は、また別。彼を特別扱いは出来ないのだ。
15 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/16(土) 22:47:51.59 ID:xSCCclY20
>>13-14
「ほら……もうあんな連中に捕まるんじゃねぇぞ?」

風紀委員と狂犬。相容れないかと思われていたその2人の男達の対話が以外にも穏やかに進行している頃、高天原いずもは廃墟から少し離れた路地の中。
ここらは彼女の知る猫の住処の一つ。塵溜めと言われても仕方がない廃れた路地ではあるが、野生の猫として生きるならばこの場所のように既に猫の社会が形成されている場所のほうがいいだろう、との判断。
彼女が飼うという選択肢がない事もないが、そうなれば自分は過労死してしまう、と彼女は心の内で思うのだった。



「それにしても…さっみぃなぁ……。
こういう時は、そうそう、やっぱ自販機のコンポタだよなぁ〜」

息を吐き出すと、白かった。そしてそれはすぐに寒空へと霧散する。
自販機の前でそんな事を言いつつ、ポケットから小銭を取り出そうとする少女。寒さで手が悴んで思うように取り出せない……!

「あっ」

案の定、その小銭は自販機の下へと吸い込まれるように消えたのだった。
素っ頓狂な声を上げた彼女は、その数秒後には地に伏して無慈悲な闇の空間を見つめる。震える指を伸ばし、決して取れない小銭を取ろうとする。

2人の男の邂逅の最中、1人の少女はそんな事をしているのだった──、、、
16 :高山 巌佐武郎 ◆3XNDKmtsbA [sage]:2016/01/17(日) 01:18:24.58 ID:P91jO7160
>>14>>15
「やっぱりか。……分かっちゃいたがな」

はぁ、と溜息を吐く。
もうしばらくは不自由な生活が続くだろう。だが、彼はケンカがしたいのだ。これは一種の因果応報、仕方のない事でもあるのだ。
ゆえに、彼は敦田の言葉を、意外にもすんなりと受け入れていた。

ふと、離れたところにいずもの姿が見えた。
自販機の近くに居るようだが、まさか……

「……何やってんだ、あいつは……」

彼はいずもの近くに寄る。
そこにあったとな案の定、自販機の下に転げた小銭を求め、意味のない抵抗を行っている姿であった。

彼はそんな姿を見かねて、つい彼女に手を貸した。
実際、手は貸していないのだが……その手助けは、想像以上に荒々しいものだった。

「オラァ!」

自販機に向けて風を放つ。
すると自販機の隙間を通り抜けて突風が通り抜け、奥の据え置いた壁に反射する。
すると、どうした事か。押し戻された風に従って、小銭たちがいずもの元へと押し寄せるではないか。

……同時に、ホコリとか砂も一緒に吹き寄せられている。
あまりにも大雑把。暴力的、といったのは、こういった向こう見ずな行為にもあった。

「……なーにバカな事やってんだ」

呆れたような声色で、そう言った。

//遅れました……申し訳ない
17 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/17(日) 07:43:29.95 ID:+hy3jAEqO
>>15,>>16
「まぁ、喧嘩なら程々にな」

するな、とは言えない。彼が他の不良をシめる事で、一般人が助かっているような面もあると考えたからだ。
本来なら、風紀委員が指導に力を入れて、不良達を抑え込めば良いのだが、不良も数が多い。どうにもならない面が多く、内心歯痒い思いをする熱志であった。

「む……高天原君!この剣で取れるぞ!」

ふと、高天原の方へ視線を向ければ、自販機の下に小銭を落とし、苦戦中のようだ。そこに熱志が出した解決策は、能力の剣で取るというもの。
光輝く剣を手に、熱志は自販機へと近づくが、その前に高山がやや乱暴な手段で解決に導いた。

「げほっ!ごほっ!」

枚散る砂ぼこりに、咳き込む熱志。
なんという強引な。だが、自販機を壊したりしていないだけ、まだマシか。そう思うしかない熱志であった。
18 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/17(日) 08:19:48.38 ID:qKqGNQQt0
>>16-17
「────うおっ!?スゲェッ…ってごほっ!げほっ!…」

大雑把すぎる救いの手は彼女の手に小銭を舞い戻らせただけではなく、顔面に砂や埃をぶちまけた。
涙の浮かんだ目を擦りつつ、近寄ってきた2人に向かって「ありがとう」と笑いながら言った。

「バカな事?──そりゃあないぜ?巌佐武郎。
このオレが『番長』としての器の大きさをお前らに示してやろうってのによ!」

と自販機に向き直り、2人の男を背後に据えて尚明るく言い放つ少女。回収した500円玉を自販機にぶちこむや否や、コーンポタージュのボタンを素早く連打した。────ガタッゴトッ!っと合計3つの缶が自販機から吐き出された。
「ほらよっ」という声と共に彼女の手から缶が2人にそれぞれ放たれる。
当然、その缶の中身は甘ったるいコーンポタージュだ。『番長』だからと渋い物を好もうとする彼女ではあるが、未だにコーヒーは苦手である。

「あったまるぜ!」

ニッ、と自らの缶を頬に押し当てて笑いながら言った。やはり吐き出される息は白く、寒さを強調しているかのよう。
自販機を背にしているので、眼前の男達の顔がよく見える。小気味良い音と共に彼女は缶を開けた。

「…いやぁ、改めて…ありがとな!
ぶっちゃけオレもこんなんだからお前らいなかったら五体満足で今生きてる自信ねぇや!」

見れば、彼女の学ランには血がかなり付着している。彼女は切断系統の攻撃ももたなければ火力の高すぎる能力を手加減しての戦闘なので、相手からは大量の血は生まれない。彼女の戦闘スタイルを理解している者であれば、それがほぼ全て彼女自身の血だという事に気づくだろう。彼女は多数の戦闘においてはその力の真価を発揮することはできない。
缶に一度口づけして、言葉は続いた。

「あ、そうだ!お前ら仲良くはなれたかな!?
案外穏やかに進んでるっぽくて何よりだぜ!」


19 :高山 巌佐武郎 ◆3XNDKmtsbA [sage saga]:2016/01/17(日) 13:27:30.43 ID:P91jO7160
>>17>>18
「あぁ、スマンな……」

敦田の存在を忘れていた。
彼はむせ込む二人へと二つ返事で謝ると、何やら企んでいるらしいいずもの方を見る。

「落ちた小銭ぐらい無視して……って500円かよ」

そりゃあ必死にもなる、と納得する。
なんといっても小銭最高金額なのだ、学生にとって必死にならぬ理由がない。

しかし、番長らしさを見せるとは?
怪訝に思ったのも束の間、彼らの前に差し出されたのは、コーン・ポタージュの缶であった。

「…………」

確かに。番長たるもの、周りへの気配りは重要だ。
だがこういった施しは、ふつう"舎弟"にするものではないのか?
自分が舎弟扱いされているのかと一瞬は思ったが、彼女の厚意である事に違いはない。
彼は素直に、缶を受け取る事にした。

「……まあ、貰っとくぜ」

複雑な心境の中、プルタブを開ける。
コーンポタージュは、冷えた身体によく染み込んで行った。



20 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/17(日) 20:17:29.11 ID:FNSfUF/9O
>>18,>>19
「番長か……」

番長、不良でありながらも、正義を掲げる。風紀委員として正義を掲げる自分とは、また違った正義。そういった正義も必要なのだろうな、と考える。
風紀委員として、規則に従い、都市の風紀を守っていくのが、熱志の使命だが、逆に規則に縛られ、動けない時もある。そんな時も、きっと彼女は動いてくれるのだろう。

「うむ!これからの活躍も期待しているぞ!番長!」

そんな彼女に向け、熱志は笑顔でそう言った。そして、コーンポタージュの缶を受け取る。

「忝ない……っ!熱いっ!」
「いや、此方こそ礼を言う。高山君には私も助けられたし、あれだけの不良に、制裁を与えられたのだから。彼ら、これに懲りたら大人しくしてくれると良いんだかな……」

がっしりと缶を掴んだせいで、熱がる。が、そんな中でもきちんと礼を言うのが、彼の性格を表している。
21 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/17(日) 21:12:35.79 ID:qKqGNQQt0
>>19
高天原いずもは舎弟を持たない。これは『番長』と名乗りながら周りから『残念番長』と揶揄される一つの要因でもあった。
持たない、というのは彼女がそういう立場の差を嫌うからだ。当然の事ながら番長というものに憧れている以上、舎弟とかいう”いかにも番長っぽい”響きに興味が無かったわけではない。
───でも、何となく性に合わない。そう、それを決定づけたのは所謂価値観の問題だった。
つまるところ、彼女という人格は”番長”という概念から少しズレている。……否、多分彼女はまだ『少女』なのだろう。

「やっぱコンポタって良くね?な?な!?」

だがそれ故に、差し出されたコンポタの缶は間違いなく対等な友好関係を示している。無邪気にその缶の魅力を語る”少女”を見ればそれは自明であった。

>>20

「ん?……おお……………おお!!
任せとけ!!何つったってオレこそがこの学園都市の番長だからな!っはっは!!」

そういえば、いつぶりだろうか。蔑みのない、綺麗に自分を尊重してくれるようなその単語を聞いたのは。
少女は非常に単純で、煽てられれば直ぐに調子にのる。実に使い勝手が良く、わかりやすい人物であった。
そして続く敦田の言葉に彼女は僅かに眉を顰めて。それから直ぐに口を開いた。

「そりゃあ、無理だろうよ?
この程度で大人しくなるっつうなら、とっくにこの都市は平和ボケしたつまんねぇとこになってるだろうさ。
──オレには番長のプライドがあるように、連中にも何かしらのプライドがあるらしい。」

「ま、それが何かってのはオレには全くわかんねー!……あ、そこの巌佐武郎ちゃんならわかるかもな?」



─────────────
────────
────



>>19-20
そんなこんなで時間は経過して、そろそろ別れ時。携帯の画面に目を落とすと時刻は深夜0:00を回っていた。少女は一度、はぁ…と白い息を吐き出した。

「んじゃ、時間もこんなだし。
オレにも見栄ってもんがあってよ、こんな血だらけかつ傷だらけんとこはなるべく見られたくねぇ。」

「───ってことで、お開きだ。」

ここまで言い切って、高天原いずもの脳裏にはある事が過ぎった。………能力とは別系統の異能「魔術」。
彼女は、今まで数多くのそれらと対峙し、そしてそれらの脅威を少なからず理解している。自身の能力じゃあ、それらに及ばないことも。─────だから。

「…………またいつか。オレが今日みたいにどうしようもなくなってたらそん時は………お前ら……よろしくな!」

彼女らしくない何処か弱気な言葉を最後に、黒の学ラン少女は夜の闇に消えていったのだった。


//半ば強引ですがこれ以上続けるとこんがらがりそうなのでこれで締めてみます!とても楽しいロールでした!ありがとうございました!
22 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/17(日) 21:22:56.26 ID:iu1oQpD70
『おい! いいから出せよ!』
『怪我したくねーならな!!』

都市の一角、建物と建物の間
所謂、路地裏と呼ばれる場所がある
人々の喧騒から離れて監視の目も届かない場所だ
そこに3人の高校生の姿があった
2人が1人の生徒を脅しているように見えた

「...だから、何も持ってないです。」
『うるせぇよ! いいから持ってるもん出せ!』

2人の方は典型的不良少年だ
ピアスに着崩した制服
手には持った煙草を時折吸っている

1人の方はいかにも気弱そうな少年だ
長めの前髪で右目を隠した髪型
制服の紺色ブレザーに黒のスラックスを着用
髪から覗く左目の宝石の様な緑眼が特徴の少年

「........ッッ!!」

ドゴッと、腹部を殴る音
壁際に追いやられている少年は顔を歪めて膝から崩れ落ちる
カツアゲだろうか、暴力を直接振るっている辺りおふざけでは言い訳できない悪質なものだ

『へっ! 明日には用意しとけよ!』

最後に倒れこんでいる少年の背中を踏みつけて、カツアゲ少年ら二人は去っていく
その場に残った少年は、やっとの思いで身体を起こし
壁にもたれるように座り込んだ

顔を伏せて、傷を痛みに耐えるようだ
23 :高山 巌佐武郎 ◆3XNDKmtsbA [sage]:2016/01/17(日) 21:59:34.95 ID:P91jO7160
>>20>>21
「まあ、"良い"な……だがおしるこには及ばねえなァ……」

彼はコーンポタージュの恩恵を受けながら、しかし別の選択肢を選ぶ。
飲料での派閥は決して和解できない。なぜなら双方が双方をよく知っており、その上で自らの主観に基づいた主張を行っているからだ。
しかし……そんな論争は、飲み物で完結しているからこそ平和であると言えた。

「お前もおしるこの方が良いだろ?アツタよォ」

彼は隣の青年をも味方につけようとしている。
論争は活発し、気づけば0時をまわっていた。

「もうこんな時間かよ……帰って寝るか」

彼はやがて、真っ先に家に帰ろうと踵を返すだろう。
いずもと敦田の姿を背後に、孤高たる不良は己の寝床へ帰ろうとする。
後ろから響く少しばかり弱気なセリフに、前を向いたまま軽く手を振りながら……
彼は、小さく呟いた。

「……お前は、俺が認めたんだ。そう簡単に、どうしようもなくなるものかよ……」

//本当にお疲れ様でした!楽しいロール、ありがとうございました!

24 :敦田 熱志 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/17(日) 22:38:36.70 ID:FNSfUF/9O
>>21,>>23
「む、確かにそうだな……」
「しかし、プライド……誇りか……」

集団で掛かってくるような卑劣漢どもにも、プライドがあるのだろうか。いや、きっと、あるのだろう。だとしても、録なプライドじゃないな、と熱志は思う。

「う、うむ、そうだな、私もお汁粉は好きだ。」
(この流れで、ホットジンジャエールが好きだとは言えんなぁ……)

お汁粉は熱志も好きだ。だが、熱志のお気に入りは、ホットジンジャエール。中の人も好きだが、最近見かけないのが残念です。売れなかったのかなぁ

「おっと、もうそんな時間だったか。風紀委員がこんな時間に出歩くなど、いかんな。」
「ああ、高天原君!風紀委員として、いつでも駆け付けるよ!それじゃあ、二人とも去らばだ!」

そして、今まであまり話したことの無いタイプだった二人に別れを告げ、熱志も去っていった。

/お疲れさまでした!久々にロール出来て、楽しかったです!
25 :天地 練夜 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/21(木) 21:34:43.84 ID:6X7/PVCCo
「ここか?先日の夜、騒がしかったのは……」

とある廃墟、そこに一人の少年が訪れる。少年の周囲には、無数の壊れたバイク。それが、何かに吹き飛ばされたように、散らばっている。中には、焦げ付いた物も。事故でもあったのだろうか?否、事故ではこんな風に壊れない。これは、何者かに破壊されたのだ。

「魔術師の仕業じゃないだろうな……」

まともな魔術師が、こんなに目立つ真似をする筈が無い。ならば、これは能力者の仕業に違いない。
魔術師、天地煉夜は、そう断定した。実際に、ここは先日不良達と三人の能力者が、戦闘を繰り広げた場所である。そして、その戦闘音は、魔術師の彼の耳にも届いていたのだ。

「しかし、何故戦いが起こったんだ?まさか、魔術師が関与して……?」

何にせよ、この破壊力は脅威だ。能力者、その存在は危険視するべきだな。
壊れたバイクに触れつつ、そう呟いた。その時、物陰から何かが動く音が聞こえる。

「何者だっ!?」

咄嗟に魔術を使い、腕に巻いたチェーンを動かし、物陰へと向ける。だが、そこに居たのは、唯の猫。

「……驚かせおって……」

安堵のため息と共に、チェーンを元に戻す。
しかし、魔術を使うべきではなかったな。何者かに見られたら、厄介だ。
逃げ去っていった猫を横目に、そう思った。
26 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/21(木) 22:47:46.10 ID:tQNu977P0
>>25
「……あれー?この辺に行った気がするんだかどなぁー」

逃げて行った猫と入れ替わりの形で物陰から少年の目の前に現れた少女。悩ましい表情で辺りをキョロキョロとして何かを探している様子。

「あっ!ちょっとキミ!ここら辺で可愛い猫見なかった?撫でようとしたらさっさと逃げちゃってさー。私って結構動物に好かれる方なんだけど、やっぱ野良猫は警戒心が強いね!」

少年に気づき、嬉しそうに近づいていきながらペラペラと要件と共にどうでもいい事をノンストップで話し始める。
今、少年の存在に気がついたような素振り。少年が魔術を使用していたのは見ていないようだ。


/まだいらっしゃればよろしくお願いしますっ
27 :天地 練夜 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/21(木) 22:59:35.01 ID:6X7/PVCCo
>>26
「さあ?知らんな。」

猫はつい先程見た、だがそれを教えてやる義理など無いだろう。そう考えた煉夜は、少女と対称的に冷たい反応で返した。

「ああ、確かに野性動物の警戒心は強い。特に猫、あれは犬と違って野性動物の誇りを忘れていない。だから、猫の警戒心は強い。」
「そして――警戒心が強いのは、猫だけじゃないぞ?」

言葉通り、煉夜は少女を警戒した。彼女は、魔術を見たのではないかと。その眼孔は、獣のように鋭かった。

/よろしくお願いします!
28 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/21(木) 23:16:31.46 ID:tQNu977P0
>>27
「知らないかーっ。まぁまた今度会える気がするからいいやっ!あの子目つき悪かったからすぐにわかるしっ」

返ってきたのは何だか冷たい言葉。少女は気にせずその言葉に前向きな言葉を出した。

「なるほど!警戒心強い理由すごい!頭いいー!」
「……うえぇっ、いきなりそんな怖い顔しないでよぉ……さっきの猫ちゃんみたいっ。なんか怒ってるの?それともなにかイヤなことでもあった?ねぇ?」

警戒心が強いのは猫だけじゃない。そんな言葉と共に少年の纏う雰囲気が変わる。
鋭い眼光で明らかに警戒されているにもかかわらず、少女は馴れ馴れしくも、手を伸ばせば届くくらいの距離まで近づいて、少年の顔を覗き込んで尋ねた。
29 :天地 練夜 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/21(木) 23:28:22.37 ID:6X7/PVCCo
>>28
「ああ、嫌な事ならあったな。現在進行形でな。」

近づいてくる少女に対し、露骨に嫌そうな表情をする。

「馴れ馴れしく近づくなっ!というか、貴様には警戒心というものが無いのかっ!?」

そして、終には耐えきれず、声を荒げてしまう。
此方は、警戒している事を示した筈なのに。なぜこうも無警戒に近寄るのか? 煉夜には、理解できなかった。だからこそ、苛立つのだ。
30 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/21(木) 23:47:59.20 ID:tQNu977P0
>>29
「わぁっ、ごめんごめん!。ついつい近づいちゃったっ!」
「警戒心…ないわけじゃないけどー、別にいきなり攻撃してくる人なんてそうそういないじゃん?だからそんなにしなくていいかなって!」

荒らげた声で言われれば流石に気がつき少女は二歩ほど少年から離れる。
少年の質問に笑顔で答える少女。誰であれ過剰なくらいフレンドリーに接して、受け入れてくれればそれでいいし、攻撃されたり拒絶されればその時はその時で。こんな風に生きてきたのだ。

「逆になんでそんなにキミは警戒してるの?なにか知られたくない事でもあったりー?その鎖とかなんか秘密ありそうだよねっ、なんて…」

また一歩、少年へ踏み込んで少しニヤつきつつ少年の両腕に巻きついたチェーンを指差して質問を投げかけた。
31 :天地 練夜 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/22(金) 00:07:56.47 ID:8hNll0wUo
>>30
「っ!?」

鎖を指摘してくるとはな。まさか、今までの態度は演技で、僕に探りを入れていたのか?
そう思うも、無警戒な様子からそれは無いかとすぐに思い直す。
ならば、この女、勘が鋭いのかもしれない。だが、鎖についての弁明は考えてある。それは――

「この鎖は、僕の“能力”に使うものだ。」

“魔術”ではなく“能力”に使用する、と言うことだった。こう言えば、特に不自然には思われないだろう。
ただし、リスクもある。それは、魔術だと見破られる可能性があること。煉夜は、過去にとある能力者に「能力にしては不自然、何か別のものに思える」と疑われたことがあった。思えば、あの男も勘が鋭かったのだろう。
もし、彼女も勘が鋭かったとしたら、能力でないと見破られる可能性もある。

(まぁ、能力を見せなければいいだけの話だがな……)

とは言え、彼女は煉夜を怪しんでいる様子だ。下手に能力を見せるのを拒否すれば、それはそれで更に怪しまれてしまうかもしれないが……
32 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/22(金) 00:24:58.73 ID:FWnZzX5x0
>>31
「へー、能力!鎖使う能力って何だか変わってるねー!聞いた事ないや!」

能力のための鎖。確かに念動系などの能力の持ち主であれば何ら不自然でも何でもない。
少女もまんまとその言葉を寸分の疑いもなく信じて関心を示した。

「どんな風な能力なのー?念動系?それとも別の?良かったら見せて欲しいなっ!」

もともと好奇心は人一倍ある彼女。あまり耳にしない能力を知れば気になって気になってしょうがないだろう。
少女はもう見る気満々といった風に、興味に満ちた輝いた目で少年をジッと見つめる。
33 :天地 練夜 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/22(金) 00:40:02.78 ID:8hNll0wUo
>>32
「……」

やはり、見せてくれときたか。さて、どうするべきだろうと、煉夜は考える。
拒否するのは簡単だ。だが、問題はその理由だ。手の内を明かしたく無いなどと言えば、まるで誰かと敵対するかのように思われかねない。しかし、見せると、勘繰られる可能性も……
悩んだ末、煉夜が出した結論は――

「いいだろう。これが、僕の能力だ。」

能力を見せる方であった。
煉夜は、その言葉とともに腕を上げると、その腕の鎖に魔翌力を流し、上空へと真っ直ぐに伸ばしていく。そして、ある程度までそれを伸ばすと、近くにあった壊れたバイクに向け、一気に降り下ろした。

「はあっ!」

元から壊れていたバイクだったが、その一撃で更に粉砕された。
さて、能力を見せたのは賭けだったが、どうだろうか?
34 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/22(金) 01:00:55.03 ID:FWnZzX5x0
>>33
「おぉっ…!……わぁー!すごーい!かっこいー!!」

少年が腕を上へ向けたかと思えば、腕の鎖が真っ直ぐ伸び空を登っていく。
そして力強い声がかかり、鎖は勢い良く振り下ろされる。鎖は壊れたバイクを捉え粉砕した。
その始終を見ていた少女はパチパチと拍手をして感動を少年へ伝える。

「でも、何だか不思議な感じ。能力なんだけど、能力じゃないような……むむむ…。ホントに能力…?うーん…」

少年の能力を見た少女。鎖が操られる光景は、能力として見るとどこか引っかかるようで。
少年が過去に出会った能力者程ではないが、その不自然さを微かに感じているようだ。
少女は悩ましげに腕を組んで少年を訝しむ表情を見せる。
35 :天地 煉夜 ◆Z9z/nC.5ro [sage]:2016/01/22(金) 01:33:09.56 ID:8hNll0wUo
>>34
(くっ……)

やはり見せるべきではなかったか。
少女は、煉夜の想定していた悪い方の反応を見せた。だが、まだ魔術と結びつけていないのは、幸いだろう。
そもそも、魔術を信じている人間は少ない筈。ならば、まだ誤魔化しが効く筈だ。

「……何を言っている?能力に決まっているだろう。貴様がそう思うのは、貴様の能力に対する知識が薄いからだ。」

ここは、押しきる。最初の猫の警戒心に納得を示していたことから考えれば、それっぽい理屈を言えば納得する筈だ。そう思う、煉夜。
だが、実際は魔術師である煉夜よりも、能力者である少女の方が、能力に対する知識を持っている筈だ。つまりは、長話は墓穴を掘る可能性が高い。それは、煉夜も理解しており、故に焦っていた。何か別の話題でも振るか、若しくは会話を打ち切りたいところだが……

『ニャー』

そんな彼らの前に現れたのは、先程の猫。煉夜にとっては、願ってもみないタイミングであった。

「お探しの猫が現れたようだな。ならば、僕は退散するとしよう。」

今が離脱するチャンス。煉夜は、名も告げずに、急ぎ足で去っていった。多少怪しまれることを覚悟しつつも……

/ちょっと強引ですが、これで〆でお願いします。絡みありがとう&お疲れさまでした!
36 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/22(金) 01:45:38.81 ID:FWnZzX5x0
>>35
「えへへ、そーだよね!もっとベンキョーしますっ」

能力について他より勉強不足なのは自負している彼女。少年の言葉に当然のように納得してしまう。
興味津々にもっと追求しようかと思い少女が口を開いた瞬間。

「あっ、さっきの猫ちゃん!!」

そこへ現れるは少女が探していた猫。少女の意識が猫へ向いている間にそそくさと少年は去ってしまった。
不思議な人だったなぁ、なんて考えつつ再び猫を追いかけ回す少女であった。


/初ロールにお付き合いしていただきありがとうございます!お疲れ様でしたっ
37 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/23(土) 18:50:41.63 ID:ToOiUP320
>>22
──誰にでもオフの日というものはある。普段、自らが背負わざるを得ない重荷をおろし、各々が趣味に没頭したり自由気ままに楽な1日を過ごす。
自称『番長』こと高天原いずもとて例外ではなく、今日の彼女は紅のリボンでポニーテールを結い上げ、そして黒のコートという何時もとは違う風貌だった。当の本人はこれを「オンの日」と呼んでいる。ちなみに口調も若干丁寧に変わる。
その理由は「魔術師」が関係するのだが、取り敢えずそれは置いておくとして。彼女がいるのは路地裏、悪行が横行する学園都市の闇である。

「…なんだなんだ……?オレはオンオフに限らずこんな場面に遭遇しちゃうんですか…そうですか…!」

少女の存在に気づいた不良が近づいて来る。一見「高天原いずも」ではないその少女は不良からしても絶好のカモとなりうる存在、薄汚れた彼らが見逃すはずもなかった。
手が伸びてきたのを彼女がヒラリと躱すと、いよいよ大男たちの闘志に火が点いた。
巨大かつ重い一撃が、華奢な少女へと迫る────!

─────────
──────
──



「………大丈夫k……大丈夫ですか?立てます?」

少女の優しい声とともに、吐き出された白が霧散した。それから間もなく、少女の細い右手が乾の眼前へと伸びた。
案の定、彼女に手を出した不良はゴミ箱に顔を突っ込んでいる。カラスが近寄ってゴミ屑を漁りながら、不良を嘲笑うように甲高い鳴き声を上げるのが印象的であった。


「最近多いみたいですね、こういうの。
でも安心してください!オレが来ましたから!」

とカラスの嘴に弄ばれるゴミ屑を一瞥しつつ、自身の胸に拳を当てて主張する少女。口調を普段とは変えているとはいえ、本質は何も変わらないのでこの通りなのであった。


//今更感ありますけど絡ませていただきました!いつでもどうぞ!
38 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/24(日) 10:58:16.65 ID:U11jSSS10
>>37
この街にきてこういう事は日常茶飯事だ
自分みたいな余所者は、いつだって不遇な扱いでーーー。

「..........?」

と、思っていたのに視界の外で響く殴打の音
あの人達が自分の次に誰かターゲットにしたのかと、目線を上げた先に

見知らぬ女性が立っていた
少年は前髪で隠れていない緑色の瞳を瞬きしてその人を見る

「あっ...えっと......」

見ればさっきの奴らはゴミ箱に突っ込まれていた
この人が、助けてくれたのだろうか
少しだけボーッとした頭で考えて、差し出された右手を躊躇いながらも握って立ち上がった
左手で殴られた脇腹を抑えながらなんとか立って

「あ...ありがとう...ございます...」

と、自信なさげに頭を下げた
ここいらでは見ない新顔だ
きっと最近この街にきたばかりの人間だろう
39 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/24(日) 11:36:38.72 ID:q8mbpaxF0
>>38
「……っと………大丈夫ですか…?」
「んーと……とりあえず公園のベンチにでも座りましょう。ここは空気が悪い。」

自らの手を取り、よろめきつつ立ち上がる乾に、体を寄り添う事で支えた。不安定な少年の体を見るに、相当に痛めつけられたのだろうか───もっと早く見つけることができていたら……少女は反省する。

なんとか体勢が安定したので、少女は一度隣の少年を目に映す。普段から『番長』を奢る彼女は、自らが行動する範囲内の人間の、名前とまではいかないが顔くらいは記憶していた。────故に、少年を見た彼女の内に沸く心情は一つ。

(………見かけない顔だな。)

そして馬鹿正直な彼女はすぐさまその疑問を傍らの少年へと問いかけた。
ちなみに現在はいずもが乾の腰に手を回して支え、公園へと徒歩で向かっている、という構図である。




「……もしかして、最近学園都市に入った感じだったりします?」
「それなら先輩として忠告しときますけど、路地裏は何があっても通らない方がいいですよ?……理由は、今キミが受けたとーりに。」

支えて歩きながら、丁寧な口調でそういう少女。路地裏は彼女曰く「学園都市の負」で、強い能力者が不良を束ねていたりするのだとか。
そんなこんなするうちに、公園へと到着。ゆっくりと少年の体をベンチへと委ねた。
40 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/24(日) 11:50:10.36 ID:U11jSSS10
>>39
「あ...その...すみません...」

なんというか、地味というか押しの弱そうな少年という印象だった
彼女の体に支えられて歩く際に少し遠慮する様なそぶりを見せていた
あまり他人との交流が得意でない人種だろう。おそらく同世代の女性が苦手な子だ

「...はい、ちょっと前にこっちに転校になって...学校とか...あまり好きじゃないんですけど...」

ベンチに座る際も少しだけ顔を歪めていた
打撲だけで済んでいればいいが、彼は弱々しげに言葉をつなぐ

「...どうりで、誰もあの道にいなかったんですね。...以後気をつけます」

この街に住めば分かる暗黙のルールもあまり知らなかった様子だ
なんというか危ない。
このまま放っておけばまたさっきみたいな連中に絡まれるに違いないだろう
41 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/24(日) 12:17:30.46 ID:q8mbpaxF0
>>40
(オンの日だから…なんというかやりづれぇ……!)

地味だとか気が弱いとかいうのは普段の『番長』である彼女であれば、勇気付ける格好の獲物だった。
彼女はいつだってそうやって『番長』という豪快なイメージの殻にこもり、そしてそれに頼って人を救ってきた。それは間違いではないのかも知れないが、彼女はそれが何処か気に食わなかった。───このことも”オンの日”なるものが生まれた一因だったりする。

──と、そんな心情のまま彼女は少年の隣へと腰掛けた。
寒風で冷やされたベンチが、また一段と彼女の身体を冷たくした。どうも今日は何十年に一度かの最強寒波なるものが襲ってきているようで。

「……………んー…どうしたものか。
やっぱりこの都市には全然慣れてない感じですね… 。便利ですけどその分、危険なのがこの学園都市、ですからね。」

ここで彼女は自らの手をパン!とたたき合わせた。寒さに凍える小さく細い指。ただそれだけにところどころの傷が印象的だ。

「…んーと何をするにしても…まずは自己紹介!
オレは高………ではなくて!…
オレの事は……うん!百舌(モズ)とでも呼んでくれ!……キミは?」

とりあえず適当に名前から取りました。彼女はたいてい名前をつけるときは適当であった。
42 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/24(日) 12:56:04.55 ID:U11jSSS10
>>41
体の痛みにこの寒波は患部を冷やす気がして心地よかった
その冷たい手を腹部あたりを抑える

「百舌...?」

さすがにその名前には首を傾げたのか
偽名かどうかは分からないがそれが変な名前だな、と

「乾...京介...です」

乾京介(いぬい きょうすけ)
やはり知らない名前だ
歳のほどはおそらく17ぐらい
細身の体になんとも自信なさげな表情
ただ前髪から覗く綺麗な緑色の右目が印象な少年

「その、百舌...さんはこの街に、学園都市に来て長いんですか...?」

彼女のこの街の雰囲気に慣れているのを感じ取ったのか
そう彼女に問いかけた
こんな街で生活していく自信がないのだろう
その質問にはそんな彼の意思が見え隠れしている
43 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/24(日) 13:20:27.45 ID:q8mbpaxF0
>>42
やはり不審に思われるか、と心の中で頭を抱える高天原いずもの意識の総体。一方で表面上の彼女は「あはは」と苦笑いで曖昧に返した。
といっても流石に「百舌」という単語は色々と変な誤解を与える可能性があったので、曇天を見上げながらそこについてはこう語った。

「……あーうん。
多分お察しの通り、今オレが言ったのは仮の名前だったりします。ちょっとかくかくしかじか色々あって……そこんとこはまだ突っ込まないでくれるとありがたいです、ハイ。」

「乾 京介……キョースケね!覚えました!
ということでとりあえずはよろしく!!」

自信なさげな乾の心を照らすかのように明るい笑みを浮かべて笑いかける少女。二人だけの公園に、相反する灯と影。
…薄暗い曇り空を見上げる彼女の鼻頭に、僅かに雪が舞い落ちた。──「お。」と反応する黒コート少女。

「ああ、オレ?…………うん、長いです。
まあこの学園都市自体作られたのは比較的、最近ですからね。
オレは能力者かつ、この学園都市ができる前から住んでて、半ば強制的にここに入ってる…って感じですね。」

さらに言葉は続く。

「────そして、言いたいことはわかりますよキョースケ。……とりあえずはこれだ。」

彼女はおもむろに自らの懐から黒のスマートフォンを取り出した。手が悴んで上手く操作できないが、数分の時を経て、液晶画面を乾に見せた。
そこには彼女のアドレスやら電話番号やらLINEだったりのIDがメモされている。
現代には「ふるふる機能」だとか「赤外線通信」があるのだが、そこは彼女が『機械音痴』だからということで片付けられる。
ニッと笑って口調が乱れるというボロと共に一言─────、

「連絡先、交換しようぜっ」
44 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/24(日) 13:27:39.93 ID:q8mbpaxF0
//すみません次遅れます
45 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/24(日) 14:52:36.82 ID:U11jSSS10
>>43
偽名を使う理由があるのか、と
また少しだけ首を傾げてながら頭に?マーク
まだ彼にはこの街での常識なりなんなりは難しい様で

「能力者...」

そうか、彼女もなのか
自分がこの街にきた理由を思い出す
この手が、この手に得た異能が全ての原因だ
思わず手を握り締める

「えっ..........?」

スマホか、自分も持ってはいる
ポケットから出してみたその黒い機器
ただ連絡先なんてほとんど連絡しない両親ぐらいしかいない
友人も、いない
だからほぼゲーム機としてしか使えないその機器を見て
連絡先なんて、言われたら

「え、ええええええ!? そ、そんな...僕なんか...」

なんてなるのも当然だ
見ず知らずの女性との連絡先なんて、初めてで
困惑するのも仕方がない

/返信遅れてすみません!
46 :高天原いずも ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/24(日) 20:50:11.30 ID:q8mbpaxF0
>>45
「──────”能力”が嫌い?」

不意に、傍らの少女は問い掛けた。
喜ぶ者、悲しむ者、苦悩する者……多くの種類の人間を見てきた『番長』の観察眼は、
少年が「能力」という概念に対してどこか憎悪に似た感情を抱いているのではないかと直感的に感じ取る。
”気弱な少年”の”力強く握り締めた拳”が特にそれを印象づけていた。

「確かにそれはキョースケを陥れてきた魔のようなモノかも知れません。」
「ですが、その能力があったからこそ、キョースケは”弱い人間の辛さ”を知ってます。
うん…………多分、弱い人間を見たら寄り添えるっていう”弱い人間の強さ”も身についてる。
──オレはそれが羨ましいですよ、本当に。」

爆破剛掌という超火力の技で都市の闇を乗り越えてきた彼女はまだソレを知らない。つまり、彼女は”強い人間”の部類に入るのだろう。
───では、その”強い人間”が”弱い人間”に寄り添い、その人間の領域に踏み込むとどうなるか。
大抵の”弱い人間”は”彼女”へとこう言い放つ。
「お前なんかに”弱い”私の何がわかる!」──と。

……だから、彼女は内心、何処か怯えながら隣の少年へとその言葉を投げかけたのであった。…そして、その言葉は全て彼女のありのままの本心でもあった。
最後には明るい笑みを付け加えて、

「何よりィ!、オレと出会えた!素晴らしい収穫じゃないですか!?」

───────────
──────
──


時間は少し経過して、「連絡先」のくだりへ。
気弱な少女は彼女の予想通り、自分の笑みには答えてはくれなかった。…強引過ぎたか。
だが、ここで引き下がるならば「番長」の名が廃る。少女は次の瞬間わざとらしく大声を上げて──、

「えええええ!!??ごめんっ!!!!
オレなんかじゃあ…ダメだったか………はぁ……っ…」

ベンチの上に体育座りで顔を膝に埋めて、あからさまに落ち込んだような様子を見せつける。


//お気になさらず…!こちらこそすみません!
47 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/24(日) 21:16:55.24 ID:U11jSSS10
>>46
「.......好きか嫌いかで言えば...嫌いです」

自分は選ばれた人間だと思えた
この力は、僕に与えられた使命だと受け取った
この力で救える人を救う。ヒーローになろうと思った

だが、真実は違った
化け物と罵られ、裏切られ、救った本人にさえも────。

「.............……」

だが、彼女の言葉を否定できなかった
弱い人間の辛さを知れた。確かにそういうものを身に染みて知った
自分と同じ人を見たら、きっと分かるとは思う

「.......ふふっ」

と、百舌の言葉に口元が緩む
なんというか、素敵な人だと感じた
こういうキラキラと強い人をすごく綺麗だと思う
そういえば、2人が出会って初めて笑った瞬間だ

なんというか、こんな人初めてで
すごく嬉しかったから

「.......良いですよ」

と、持っていたスマホの画面を開く
連絡先の登録画面だ。慣れないのか覚束ない操作で

「百舌さんの事.....その、良い人だと思いますから...」

と後半になるにつれて掻き消されそうな声になりながらも
そう、京介は言った
48 :百舌-モズ- ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/24(日) 22:36:31.18 ID:q8mbpaxF0
>>47
「っはは!やーっと笑った!」
「暗い話はやめやめ!こんな寒い日に暗い話なんて余計に寒くなっちまいますからね!」

先程の言葉には少しだけ危険性があった。
彼女の脳裏に過ぎった弱い者からの「拒絶」。もし乾がそういう感じの人格ならば先程の言葉のおかげで彼らの邂逅は全て水の泡になっていた可能性がある。
人と繋がる事を何より大事なものとして考えてきた彼女からすれば、それだけはもう二度と見たくなかった。───だから、彼女は笑みを浮かべた少年の顔を見て心から安堵した。
この話題については彼女はこう締めくくる。

「その笑顔、忘れないよーに!」



──そして、彼女らの視線は双方のスマホ画面へと移る。震える細い指がゆっくりと画面を弾いてゆく。

「…え!?………あ、ありがとうございます。
…っはは!そんな素直に褒められたのは何ヶ月ぶりだろ〜なぁ…」

思えば、番長としてもあまり人格面で褒められた事はなかったような気がする。
その番長という概念が有する『豪快さ』だとか『強さ』だとかならば屈強な男達にさんざん評価されては来たが。───そんなこんなで交換完了。

「────完了っ!
…困ったら何時でもここに連絡してください。何時でも何処でもオレは駆けつけますんで!」

と歯を見せて笑う少女。やはりその笑顔は眩しかった。
49 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/25(月) 04:31:42.34 ID:vWrjvGh40
>>48

「はい...! よろしくお願いします...!」

スマホの画面には新しい連絡先が一件
それを確認すれば、そのスマホを大事そうにポケットに戻す

凄く、嬉しかった
なんというか初めてだったから
こうやって誰かに助けてもらって、導いてもらったのが
不思議と、彼の顔は紅潮していた

「...あ、そろそろ時間です。 帰らなきゃ...」

見れば時刻は手頃な時間だ
彼の住む寮は分からないが、もしかすれば門限があるのかもしれない
ベンチから立ち上がって立ち去ろうとする

「その、ありがとうございます。 百舌さん
また会って良かったら、本当の名前教えて下さいね」

そう最後に照れながらもニコッと笑って

このままなら彼は立ち去る
なにか言葉をかければ、足を止めるだろう
50 :百舌-モズ- ◆BDEJby.ma2 [sage]:2016/01/25(月) 07:18:02.80 ID:PzNsaTBF0
>>49
「───お。そろそろこんな時間か。」

色々と駄弁っているうちに時間は過ぎ去る。上を見上げると曇天模様が急に赤みを帯びてきて、夜が間近に迫ってきているのを感じさせた。
寮に住まず、アパートの一室に住む彼女には門限というものはないが眼前の少年は違うのだろう。
少年が立ち上がると、少し遅れて少女も立ち上がった。

「…おう、わかりました。またいつか!
まあ多分……オレが教えずともバレるんでしょうけどね?」

少年に背を向け、正反対の方向へと軽く手を振りながら少女もまた去っていく。
相変わらずの彼女特有の明るい笑顔とどこか意味深なセリフと共に別れを告げた。

──────────
───────
────
──


「またやっちまった……この状態のときは新規に誰とも知り合わないって決めてたのに…!」
「おまけにいつでも駆けつけるとか言っちまった…」

然し、その邂逅は同時に後悔も与えた。自らの軽率さを少年と別れた後に嘆く「番長」の少女。
特に重症なのは「いつでも駆けつける」と言ったことで、オンの日なんて滅多にない彼女…つまり大抵が「番長」である彼女には非常に厳しい問題だったりする。──────でもとりあえずはこういうことで。



「まあ……………………………………いっか!」


//絡みありがとうございました!とても楽しかったです!

51 :乾京介 ◆fzpLpgOYbk [sage]:2016/01/25(月) 17:59:59.43 ID:b7E+gd6CO
>>50
/拙い文章ですみません! ありがとうございましたー!
52 :咲城 沙久 ◆SX5Zm0pQFQ [sage]:2016/01/25(月) 18:01:59.87 ID:tvovNLXM0
星が煌めく夜。しんとした街路を月と明るい街灯だけが照らす。
人気のない道に1つの人影。

「はぁぁ…めんどくさいなぁ。その辺に寝かしとけばいいかなぁ……。もう、何にも良いことないのに何で私に絡んでくるのよっ」

活発そうな少女が自分のボサボサ髪を指で弄びながら、心底面倒そうに一人話す。
地面を見下げる少女の目線の先には倒れた2人の男。それも厳ついスカジャンに、その他髑髏などのアクセサリーを付けたいかにもチンピラな風貌だ。
おおよそ、夜中に道を歩く少女に突っかかって返り討ちにされたのだろう。
男の口から少し砂が漏れているのを見ると多量の砂による窒息で意識を断たれたようだ。あまり血を見たくない彼女の、不良に絡まれた時の常套手段だ。相当油断している相手にしか使えたものじゃないが。

「もうそのままでいっかぁー……どうせバレないでしょっ。ただの不良がケンカして相打ちで倒れましたって事にしとこう、そうしようっ」

二人の身体をずりずり両手で引きずって不自然のないような体勢で寝かしておこうとする。
街灯の下、倒れている人間を引きずっている様子はとても怪しいものだ。
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