16:カリーユ・トモ
2013/12/16(月) 16:34:27.85 ID:KFxh6xEb0
しかしあの日も強がってただけで、本当は自分のとりえなんて一つも思い浮かんではいなかった。
それどころか、自分が多少勉強できたことや、多少スポーツが上手かったことなんて自分のとりえだと思ったことは一度
としてなかった。逆に一体自分のとりえって何だろう、あの日の綺川は多分そう思っていたのだろう。
結局、翌日も綺川は亜梨沙に他の自分のとりえを言うことは出来なかった。亜梨沙はその時自分を馬鹿にしてきたが、
多分、亜梨沙は自分がそれを言えないことは分かっていたのだろう。
自分はそういう人間だった。いつも強がって、出来ないようなことを宣言するもやはり出来ず、クラスメイトから馬鹿
にされることも多々あった。なのに自分は『今回だけは違う』と宣言し、また失敗する。それの繰り返しだった。冷静な
時には もうこんなことはやりたくない。と思うが、実際にそのときになってみると冷静さを完全に失い、つい宣言して
しまう、これが自分の一番弱いところで、今一番直したいところだ。
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