巫女さんや修道女が登場するギャルゲーを作りたい
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40:1 ◆dIh5.xYwa.[sage]
2014/05/13(火) 21:14:41.64 ID:b31cwJPco
・君島鏡花1-2
「坊主、兄妹だっていつまでも一緒じゃないんだ。当り前のように思っていても、突然失われる日が来る。その時に後悔しても遅いんだぞ」
「お兄さんの気持ちはわかります。でも落ちついてください。こんなご時世ですし、一歩間違えれば声かけ事案ですよ」
「意味わかんねーよ! なんなんだよお前ら! 馬鹿野郎! 交通事故に遭え!」
暴言を残して駆け出す少年。
「こら! 妹を置いていくなと言ってるだろ!」
追いかけようとする僕を押し留めて、君島さんが走った。
君島さんはあっさりと追いつき、少年の腕を掴んだ。
「はい、みんな。あの鳥を見て」
言って、君島さんが上空を指差す。その指の動きにつられて、僕も少年も女の子も、空を見上げた。
日が沈んで紫に染まる空に、カラスが一羽飛んでいた。
カラスは大きく翼を羽ばたかせたかと思うと、突然失速して、そのまま地面に落ちてしまった。
「落ちた……」
「死んじゃったんだよ。お姉ちゃんが呪いをかけて殺したの。お姉ちゃんは魔女なんだ」
呟く少年の腕を掴んだまま、君島さんが優しく語りかけた。
「あなたにも呪いをかけたからね。妹ちゃんが悲しい時に離れると、死んじゃう呪い。あのカラスのように、何もわからないまま」
「な、何言ってるんだよ、お前……」
「ほら、妹ちゃん、まだ泣いてるよ?」
少年は慌てて女の子に駆け寄って声をかける。
そのまま二人は手を繋いで帰っていった。
「ふう。丸く収まりましたね」
「君島さん、今のは……? 呪いって……」
「あれはトリックです。みんなが空を見ている隙に、護身用のエアガンを取り出して撃ち抜いて、またすぐにしまったんですよ」
君島さんが鞄をパンパンと叩いた。
「ああでもしないと、あの男の子は妹ちゃんを大事にしません。それに……ああでもしないと、お兄さんはまたあの子を叩いて叱ったことでしょう。今度こそ本当に声かけ事案です」
「否定できない。止めてくれてありがとう」
「気にしないで。お兄ちゃんが警察に捕まったら、私悲しいもん」
「え?」
一瞬真希に話しかけられたのかと思った。
今聞こえてきた声は、それくらい真希の声に似ていた。
しかし改めて見ても、目の前に立っているのは君島さんだった。
「どうしたの、お兄ちゃん」
「真……希……?」
「えへへ。似てる?」
一つ一つの仕草、笑い方、全部真希にそっくりだった。
「お兄ちゃんが転校してくるって言うから、練習したんだ」
「どうしてそんな……」
「お兄ちゃんがずっと悲しんでいるのは嫌だったから。これからは私を妹だと思って、心を癒してね」
「気持ちは嬉しいけど、さすがにそれは無理だろう」
「どうして? こんなに似ているのに?」
「だって、君島さんは君島さんで、真希じゃないから……」
「確かに私は真希ちゃんじゃない。真希ちゃんの代わりにしかなれないよ。それでも、お兄ちゃんの傍にいて、お兄ちゃんを元気づけることはできると思うんだ」
真希と同じ声、同じ表情で、君島さんは話した。
「真希ちゃんを気にするあまり、さっきみたいに我を忘れて警察に捕まることになったら、真希ちゃんは絶対に悲しむよ。真希ちゃんを悲しませないためだと思って」
「いくら真希の親友とはいえ、そこまで迷惑をかけるわけにはいかないよ」
「迷惑なんかじゃないよ。私、ずっとお兄ちゃんが欲しかったんだもん」
君島さんは笑顔で抱きついてきた。
「これからは鏡花って呼んでね、お兄ちゃん」
「……ありがとう、鏡花」
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