過去ログ - 垣根「いい加減返事をきかせろ、原子崩し」麦野「黙れ」
1- 20
286:後日談・青髪くんと心理掌握ちゃん ◆C8R0f0bYVU[saga sage]
2010/07/26(月) 04:47:15.01 ID:0L6X9ew0

憎たらしくも憎み切れずといった表情で項垂れる青髪ピアスには悪いが、心理掌握はその"カミやん"という人に大いに感謝した。
青髪ピアスは、女の子という属性をもつ生物になら見境なく愛情を振りまく。
大抵の女子は彼のそういう側面に眉をひそめるが、数打ちゃ当たると昔の人も言っている通り、万が一にも彼に心を寄せる人が現れてもらっては困る。
心理掌握の胸の内に、この明け透けのない男を他の誰かに取られたくない、という嫉妬心がわき上がる。

どれほど能力を制限しても無自覚の力で嫌でも人の心を覗いてしまう心理掌握に対して、
(心の声駄々漏れっていうプレイも、意外にこう、ええかもしれんなぁ……)と感想を抱いた青髪ピアス。
その時は怒りの鉄拳で彼を沈めた少女であったが、人のプライバシーを踏みにじる自分に対して一欠片も裏表のない彼の態度が心に残り――、今に至る。

誰かに惹かれるキッカケなんて、人それぞれ。


「あーぁ、カミやんも、浜面も、一方通行も。
 彼女持ちはええよなー。野郎どもが羨ましくて仕方ないわ。
 僕かてかわゆい女の子と仲良うしたい、いちゃいちゃしたい、青春したいいいいいい!!」


握りしめた両手をぐわっと天に向けて勢いよく突き立てる青髪ピアスの瞳に炎が宿る。
「こうなれば何が何でもかわゆい女の子と過ごす魅惑の夏休みを送ってやるー!」と決意を新たにする彼。

今が動き出すキーポイントじゃないののか? と心理掌握の第六感が囁いてくる。


(―――そうよ)


じわりとこめかみから顎へと流れた汗は、夏の暑さのせいではない。
窓に差し込むコンクリートの陽ざしの照り返りにも負けない程、心理掌握の体内温度が急上昇する。


(私だって素敵な夏を過ごしたいもの。素敵な恋を、してみたいもの……っ!)


トクトクと脈打つ心臓。
やけに水分を欲しがる喉。
今にでも、眩暈で気絶してしまいそう。

手に汗握る心理掌握の様子を、細目で不思議そうに覗う男に視線をやる。

進まないと、恋ははじまらない。
これは、はじめの一歩。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
303Res/228.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice