過去ログ - 黒子「また、名前で呼んでもらえるまで」
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2:名無しGEPPER
2010/10/07(木) 19:14:46.91 ID:xMiyk2Io


「はぁ……不幸だ……」

陽も落ち始め薄暗くなりだした大通りを、上条当麻はがっくりと肩を落として歩いていた。
遠目から見ても分かるほどに、その姿からは負のオーラが滲み出ている。

もし子供に『哀愁を感じる背中』というものがどんな物かと聞かれたら、この背中を見せれば一発で理解するであろう。
それほどに強烈な暗黒ムードっぷりを、上条当麻は醸し出していた。

理由は単純。タイムセールを逃したからだ。

「あーちくしょう。あのバカ〔スキルアウト〕共のせいだ……」

よく見ると身体のあちこちに擦り傷や打撲傷の跡が見て取れる。それもかなり新しい。
簡易的とはいえ、一応処置は施してあるが応急手当程度だ。
傷口から薄く滲み出る鮮血が、ついさっき出来たケガだというのを主張していた。

そう。上条当麻は、いつも通りの帰宅ルートを、いつも通りに歩いていると、
いつも通りにスキルアウトに絡まれる女の子に遭遇し、いつも通りに助けに入った。
それだけの話である。
ただ、いつもと違ったのは、

ツインテールの風紀委員が助けてくれたことくらいだ。


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