110: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2015/05/13(水) 12:08:15.60 ID:8C56zXWXO
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 この五月雨荘は木造アパートとはいえ、隙間風などは殆ど無い。 
 それなのに、肌に感じるこの悪寒はなんだろうか。 
  
 「…………」 
  
 「…………」 
  
 「…………」 
  
 「…………」 
  
 卓袱台の上には、4人分の夕食が並んでいる。 
 栄養バランスを考えられた、見事に健康的な食事だ。 
 味も勿論申し分なく、一口食べる度に、幸せな気分になれる。 
 否、そうなれるはずだった。 
 部屋の主である真九郎の右隣には、幼馴染である村上銀子。 
 その向かい側、真九郎の左隣には、真九郎にとって姉のような存在である崩月夕乃。 
 そして真九郎の正面には、他の三人よりもひと回り近く歳下で、真九郎にとっていろいろなきっかけを作ってくれた少女、九鳳院紫。 
 美女と美少女に囲まれて、誰もが羨むシチュエーションだろう。 
 しかし、そこに仲睦まじい雰囲気は感じられない。 
  
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