187: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2015/10/28(水) 20:56:15.57 ID:DQnmIat7O
 えー、と抗議の声を発する雪姫を適当にあしらいつつ、ジュウはそろそろ雪姫から逃げ出したくなってきていた。 
 そもそも光とは偽デートの名目でここに待ち合わせているのであって、その目的は諦めの悪い同級生にそれを見せつけることにある。 
 もしもそいつがここに来ていて、今までの雪姫とのやり取りを見られていたとすれば、そいつからすればジュウは二股最低野郎に見えなくもない。 
 そうなってしまえば光の計画は完全に逆効果なわけで、そろそろ待ち合わせの時間でもあるし、雪姫には帰ってもらわなければならない。 
  
 「雪姫、お前もう本当に帰れ」 
  
 「えー、女の子になんてこと言うの」 
  
 「だからなあ」 
  
 雪姫に対して呆れ果てたジュウは、雪姫を追い払うために何か適当な理由はないものか、と視線を逸らす。 
 そして見た。 
 ジュウを全力で睨み付けながら拳を握る、少女の姿を。 
 ジュウは本格的に、自分の女難について考える必要があるかもしれない、と思った。 
  
  
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