378: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/20(木) 17:51:43.66 ID:v4+DVNQXO
 「ジュウ様、円から伝言を与っています」 
  
 無言のままの通学路が続き、もうすぐ学校に着くというところで、雨が唐突に口を開いた。 
 電波ではなく伝言が飛び出してきたことに少し驚きつつ、ジュウは耳を傾ける。 
  
 「なんだ?」 
  
 「『放課後、光雲高校まで来い』とのことでした」 
  
 伝言というより命令だった。 
  
 「……わかった」 
  
 とりあえず了承しておくジュウ。 
 雨はジュウの返事に何を思ったのかわからないが、何か質問したいのを我慢しているようだった。 
  
 「なんだ?」 
  
 「……いえ、なんでもありません」 
  
 促してもそれが投げかけられないことはジュウにはわかっていた。 
 雨は意見するべきことは言うし、質問するべきことは言うのだ。 
 この半年以上でそれはわかりきったことだった。 
 ジュウも雨もそれきり黙ったまま、それぞれの教室へと歩いて行った。 
  
  
 〜〜 
  
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