391: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/21(金) 19:52:55.30 ID:gxCPCOG4O
 銀子は腕を伸ばし、真九郎は無意識に後退った。 
 その悲痛な表情が見ていられなくて、咄嗟にまくしたてる。 
  
 「ま、まだ依頼が残ってるし、それに最近仕事も順調なんだ。ようやくきちんと稼げるようになって、ほら、今は銀子の借金も返し終わっただろ? 伝手も増えたしそれに――」 
  
392: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/21(金) 19:54:05.20 ID:gxCPCOG4O
 短めですが今回はここまで 
 銀子も大人になって丸くなったということで 
 それと左腕がどうのこうのは一年前の話ですのでそのうち書きます 
393:名無しNIPPER[sage]
2017/04/21(金) 20:26:48.45 ID:4J7eQwPbO
 無理せず更新乙乙 
 片山先生電波の続きはまだかい? 
394:名無しNIPPER[sage]
2017/04/21(金) 20:27:57.76 ID:sxZBA95oo
 乙です 
395:名無しNIPPER[sage]
2017/04/22(土) 08:41:22.95 ID:5KHiLsg1o
 おつ 
396: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:34:53.43 ID:yEOjnOa9O
 ===== 
  
  
 予感はあった。 
 今日も何か面倒なことがあるのではないか、という予感。 
397: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:35:29.61 ID:yEOjnOa9O
  
 雪姫の両手がジュウの身体を這い、最初にクリーンヒットした脇腹と、最後の一撃を撃ち込まれた鳩尾のあたりでピタリと止まる。 
 服の上から的確に一番違和感の残っている箇所を抑えられ、思わず身体が強張った。 
 決して雨の名前に動揺したわけではない、とジュウは自分に言い聞かせる。 
  
398: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:35:58.92 ID:yEOjnOa9O
 洋服、宝石、アクセサリー、バッグ、靴、その他諸々の雑貨など指向性はなく、気の向くままにふらふらしているといった感じだ。 
 この前の光のときは洋服の店だけだったからまだゴールが見えそうなものだったが、今日の雪姫には目的が見えない。 
 自分を脅してまで連れてきたというのに、ただ引っ張りまわすだけというのはジュウには理解の範疇を超えていた。 
  
 「……必要か、俺?」 
399: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:36:27.27 ID:yEOjnOa9O
  
 「光ちゃんの作り話じゃないの、って話」 
  
 雪姫の表情は冗談とも本気とも取れなかったが、拗ねているのは確かなようだった。 
 ジュウにはその理由もわからないが、もっとわからないのは雪姫の発言だ。 
400: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:37:07.62 ID:yEOjnOa9O
 「あ、次はここに入ってみよっか?」 
  
 「断る」 
  
 雪姫の進行方向にそびえるのは白い壁にピンクの看板。 
401: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:37:35.41 ID:yEOjnOa9O
 井原はジュウの通う高校で、かつては不良グループをまとめていた男だ。 
 入学当時から何度も殴り合った仲でお互いによく知った相手。 
 ただし以前とは違い、右腕の肘から先が巨大化し、機械のように黒光りする腕が生えていた。 
 あまりの異形にジュウは驚愕する。 
 明らかに普通の肉体では考えられない腕。 
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