581: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/04/25(月) 00:06:17.58 ID:iYeb0eqs0
人は必ずしも清廉潔白な存在ではない。
そうであるが故に『倫理』や『道徳』という物が存在し、それらを戒める鎖としている。
人が人であるが故に、自身の個を得てしまったが為に抱えている『大罪』。
その罪を犯さないために、人はあらゆる文言を並べ、自身を雁字搦めに縛っている。
だがそれでも、人の中に渦巻く我欲を、『悪欲』を御しきることは出来ない。
ふとしたことで、鎖が緩んだ一瞬の隙を突いてソレは心を食い破らんと暴れ回る。
そしてソレを抑えきれなくなった時。人は悪の道へと走ることになる。
しかしそれは、誰もが経験していることだ。
自分の感情が抑えられなくなることは、別段珍しいことではない。
相手の言動が気に入らなくて、ついつい口汚く罵倒してしまったり。
自身の境遇に不満を感じて、その鬱憤を周りに当たり散らしてしまったり。
精神が未熟な子供は当然として、大の大人であっても己の悪欲に身を委ねてしまうものだ。
だから、それらを行ってしまったことを恥じる必要はない。
悪行に走ったことがない人間がいたとするならば、その者は『聖人』か『狂人』のどちらかだろう。
もしも恥じるとするならば、それを顧みずに同じ過ち繰り返す愚かさに対してするべきである。
だからフランドールは、そこまで思い詰める必要はない。
彼女はまだ若い。道を踏み外すこともあるだろう。
まだ引き返せる。己の過ちを認め、それを正すことができる。
それなのに……
859Res/553.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20