とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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639: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/05/23(月) 01:23:18.86 ID:+1M4Crvn0
腐りかけた肉を顔に押しつけられたかのような、独特の臭い。
一度嗅いだら最後、彼女の鼻を、気管支を通り過ぎて肺までをも浸食していく。
「……っ!」
紅の夕日とくすんだ灰色。
フラッシュバックする嘗ての記憶。
それを振り払いながらも、少女は再びベランダへ向かう。
このような出来事は、今回が初めてというわけではない。
ここ最近――――正確には1ヶ月ほど前から――――夜中に濃密な血の匂いが流れてくることがあった。
あれは吸血鬼の臭い。忘れようにも忘れられない、彼女にとってのトラウマだ。
「北……少し東寄りから……?」
ベランダから身を乗り出し、風向きを確認する。
風は北北東の方角から流れてきている。
確か、あの方角は第一、第四、第五、第十四学区があったはず。
それにしても、あそこまで濃い臭いが流れてきたのは初めてだ。
今までは臭いは感じ取れても、どこから来ているのかまではわからなかったのに。
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